(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】多色LEDピクセルユニットおよびマイクロLEDディスプレイパネル
(51)【国際特許分類】
H01L 33/08 20100101AFI20221109BHJP
H01L 33/36 20100101ALI20221109BHJP
H01L 33/12 20100101ALI20221109BHJP
【FI】
H01L33/08
H01L33/36
H01L33/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552508
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(85)【翻訳文提出日】2021-10-27
(86)【国際出願番号】 IB2020000735
(87)【国際公開番号】W WO2021048624
(87)【国際公開日】2021-03-18
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520510771
【氏名又は名称】ジェイド バード ディスプレイ(シャンハイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リ, チーミン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ, チュンチャオ
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241AA04
5F241AA12
5F241AA24
5F241AA40
5F241AA42
5F241CA93
5F241CB11
5F241CB22
5F241CB27
5F241CB33
(57)【要約】
多色発光ピクセルユニット(1000)は、基板(100)上に形成され、第1の金属層の第1のセグメント(101-1)および第1のタイプの発光層の第1のセグメント(102-1)を下から上の順で含む、第1のタイプの発光トランジスタと、基板(100)上に形成され、第1の金属層の第2のセグメント(101-2)、第1のタイプの発光層の第2のセグメント(102-2)、第2の金属層の第1のセグメント(201-1)、第2のタイプの発光層の第1のセグメント(202-1)を下から上の順で含み、かつ第1の金属層の第2のセグメント(101-2)および第2の金属層の第1のセグメント(201-1)を接続する第1の電気コネクタ(203)を含む第2のタイプの発光トランジスタと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成され、第1の金属層の第1のセグメントおよび第1のタイプの発光層の第1のセグメントを下から上の順で含む、第1のタイプの発光トランジスタと、
前記基板上に形成され、前記第1の金属層の第2のセグメント、前記第1のタイプの発光層の第2のセグメント、第2の金属層の第1のセグメント、第2のタイプの発光層の第1のセグメントを下から上の順で含み、かつ前記第1の金属層の前記第2のセグメントおよび前記第2の金属層の前記第1のセグメントを接続する第1の電気コネクタを含む第2のタイプの発光トランジスタと、を備える、多色発光ピクセルユニット。
【請求項2】
前記第1のタイプの発光トランジスタおよび前記第2のタイプの発光トランジスタの上に形成された最上部電極層を更に備える、請求項1に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項3】
前記最上部電極層と前記第1のタイプの発光トランジスタの間、および前記最上部電極層と前記第2のタイプの発光トランジスタとの間に形成された最上部絶縁層を更に備え、
前記最上部絶縁層が、前記第1のタイプの発光層の前記第1のセグメントの一部分および前記第2のタイプの発光層の前記第1のセグメントの一部分を露出させる開口部を含み、
前記最上部電極層が、前記最上部絶縁層の前記開口部を介して、前記第1のタイプの発光層の前記第1のセグメントおよび前記第2のタイプの発光層の前記第1のセグメントに接触する、請求項2に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項4】
前記第1のタイプの発光トランジスタの発光面積のサイズが前記第2のタイプの発光トランジスタの発光面積のサイズと異なる、請求項1に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項5】
前記第1のタイプの発光トランジスタが赤色発光トランジスタであり、
前記第1のタイプの発光トランジスタの発光面積のサイズが前記第2のタイプの発光トランジスタの発光面積のサイズよりも大きい、請求項1に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項6】
前記第1のタイプの発光層および前記第2のタイプの発光層のうち少なくとも1つにマイクロギャップ構造を更に備える、請求項1に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項7】
前記第1のタイプの発光層および前記第2のタイプの発光層の両方にマイクロギャップ構造を更に備える、請求項1に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項8】
前記第2のタイプの発光トランジスタにおいて、前記第2のタイプの発光層の前記第1のセグメントにおける前記マイクロギャップ構造が、前記第1のタイプの発光層の前記第2のセグメントにおける前記マイクロギャップ構造と互い違いにされる、請求項7に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項9】
第3のタイプの発光トランジスタであって、
前記基板上に形成され、
前記第1の金属層の第3のセグメント、前記第1のタイプの発光層の第3のセグメント、前記第2の金属層の第2のセグメント、前記第2のタイプの発光層の第2のセグメント、第3の金属層の第1のセグメント、および第3のタイプの発光層の第1のセグメントを下から上の順で含み、かつ前記第1の金属層の前記第3のセグメント、前記第2の金属層の前記第2のセグメント、および前記第3の金属層の前記第1のセグメントを接続する第2の電気コネクタを含む
第3のタイプの発光トランジスタを更に備える、請求項1に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項10】
前記第1のタイプの発光トランジスタ、前記第2のタイプの発光トランジスタ、および前記第3のタイプの発光トランジスタの上に形成された最上部電極層を更に備える、請求項9に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項11】
前記最上部電極層と前記第1のタイプの発光トランジスタとの間、前記最上部電極層と前記第2のタイプの発光トランジスタとの間、および前記最上部電極層と前記第3のタイプの発光トランジスタとの間に形成された最上部絶縁層を更に備え、
前記最上部絶縁層が、前記第1のタイプの発光層の前記第1のセグメントの一部分、前記第2のタイプの発光層の前記第1のセグメントの一部分、および前記第3のタイプの発光層の前記第1のセグメントの一部分を露出させる開口部を含み、
前記最上部電極層が、前記最上部絶縁層の前記開口部を介して、前記第1のタイプの発光層の前記第1のセグメント、前記第2のタイプの発光層の前記第1のセグメント、および前記第3のタイプの発光層の前記第1のセグメントに接触する、請求項10に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項12】
前記第1のタイプの発光トランジスタ、前記第2のタイプの発光トランジスタ、および前記第3のタイプの発光トランジスタの発光面積のサイズが互いに異なる、請求項9に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項13】
前記第1のタイプの発光トランジスタが赤色発光トランジスタであり、
前記第1のタイプの発光トランジスタの発光面積のサイズが前記第2のタイプの発光トランジスタの発光面積のサイズよりも大きく、前記第2のタイプの発光トランジスタの前記発光面積の前記サイズが前記第3のタイプの発光トランジスタの発光面積のサイズよりも大きい、請求項9に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項14】
前記第1のタイプの発光層、前記第2のタイプの発光層、および前記第3のタイプの発光層のうち少なくとも1つにマイクロギャップ構造を更に備える、請求項9に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項15】
前記第1のタイプの発光層、前記第2のタイプの発光層、および前記第3のタイプの発光層の全てにマイクロギャップ構造を更に備える、請求項9に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項16】
前記第2のタイプの発光トランジスタにおいて、前記第2のタイプの発光層の前記第1のセグメントにおける前記マイクロギャップ構造が、前記第1のタイプの発光層の前記第2のセグメントにおける前記マイクロギャップ構造と互い違いにされ、
前記第3のタイプの発光トランジスタにおいて、前記第3のタイプの発光層の前記第1のセグメントにおける前記マイクロギャップ構造が、前記第2のタイプの発光層の前記第2のセグメントにおける前記マイクロギャップ構造と互い違いにされ、前記第2のタイプの発光層の前記第2のセグメントにおける前記マイクロギャップ構造が、前記第1のタイプの発光層の前記第3のセグメントにおける前記マイクロギャップ構造と互い違いにされる、請求項15に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項17】
前記第1のタイプの発光トランジスタの高さが前記第2のタイプの発光トランジスタの高さと異なる、請求項1に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項18】
前記第1のタイプの発光トランジスタの高さが前記第2のタイプの発光トランジスタの高さと異なり、前記第2のタイプの発光トランジスタの前記高さが前記第3のタイプの発光トランジスタの高さと異なる、請求項1に記載の多色発光ピクセルユニット。
【請求項19】
請求項1に記載の前記多色発光ピクセルユニットを備える、マイクロディスプレイパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月1日に出願された米国特許出願第16/567,077号の優先権を主張する。上述の出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、全体として、マイクロ発光ダイオードの技術分野に関し、より詳細には、多色LEDピクセルユニットおよびマイクロLEDディスプレイパネルに関する。
【背景技術】
【0003】
発光ダイオード(LED)は、半導体ダイオードの一種であり、電気エネルギーを光エネルギーに変換することができる。従来の発光ダイオードは、一方向伝導性を有するP-N接合を含む。正バイアス下では、正孔はP領域からN領域へと流れ、電子はN領域からP領域へと流れ、N領域の電子とP領域の正孔との組み合わせによって、励起光の自然放射が生じる。電子および正孔は、異なる半導体材料では異なるエネルギー状態を有し、したがって、電子および正孔の組み合わせによって生じるエネルギーが異なる。エネルギーが高いほど、励起光の波長は短くなる。したがって、LEDは、紫外光から赤外光まで異なる波長の異なる光を放射することができ、それによって多色LEDが作成される。
【0004】
白色光または別の色の光を放射する多色LEDは広い用途を有し、その大部分がディスプレイ分野である。従来のLEDディスプレイパネルは、単色LEDを基板上で1つずつ組み立てることによって形成される。単色LEDを組み立てる方法は、金属ワイヤによってLEDを接合すること、または金属接合プロセスもしくは別のプロセスによって、相互接続層を用いてLEDの電極を接続することを含む。別の色のLEDを組み立てるプロセスは、単色LEDを組み立てるプロセスが完了するまで実施されないので、プロセスが複雑になり、プロセスの困難性が増大し、生産コストが増加する。加えて、単一のLEDを1つずつ組み立てるかまたは形成することによって製作される多色ディスプレイパネルは、消費電力が多く、輝度および色が減少する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様によれば、多色発光ピクセルユニットが提供される。多色発光ピクセルユニットは、基板上に形成され、第1の金属層の第1のセグメントおよび第1のタイプの発光層の第1のセグメントを下から上の順で含む、第1のタイプの発光トランジスタと、基板上に形成され、第1の金属層の第2のセグメント、第1のタイプの発光層の第2のセグメント、第2の金属層の第1のセグメント、第2のタイプの発光層の第1のセグメントを下から上の順で含み、かつ第1の金属層の第2のセグメントおよび第2の金属層の第1のセグメントを接続する第1の電気コネクタを含む第2のタイプの発光トランジスタと、を含む。
【0006】
本開示の別の態様によれば、マイクロディスプレイパネルが提供される。マイクロディスプレイパネルは、上述の多色発光ピクセルユニットを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態による多色発光ピクセルユニットを示す断面図である。
【
図2】本開示の一実施形態による多色発光ピクセルユニットを示す断面図である。
【
図3】本開示の一実施形態による多色発光ピクセルユニットを示す断面図である。
【
図4】本開示の一実施形態による多色発光ピクセルユニットを示す上面図である。
【
図5】本開示の一実施形態による多色発光ピクセルユニットを示す断面図である。
【
図6】本開示の一実施形態による、
図1に示される多色発光ピクセルユニットを製作する方法を示すフローチャートである。
【
図7】本開示の一実施形態による、
図6の方法のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図8】本開示の一実施形態による、
図6の方法のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図9】本開示の一実施形態による、
図6の方法のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図10】本開示の一実施形態による、
図6の方法のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図11】本開示の一実施形態による、
図6のステップS601の詳細を示すフローチャートである。
【
図12】本開示の一実施形態による、
図11のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図13】本開示の一実施形態による、
図11のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図14】本開示の一実施形態による、
図11のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図15】本開示の一実施形態による、
図11のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図16】本開示の一実施形態による、
図11のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図17】本開示の一実施形態による、
図11のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図18】本開示の一実施形態による、
図11のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図19】本開示の一実施形態による、
図11のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図20】本開示の一実施形態による、
図11のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図21】本開示の一実施形態による、
図11のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図22】本開示の一実施形態による、
図6のステップS604の詳細を示すフローチャートである。
【
図23】本開示の一実施形態による、
図22のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図24】本開示の一実施形態による、
図22のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図25】本開示の一実施形態による、
図22のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図26】本開示の一実施形態による、第1の電気コネクタを製作するプロセス中に形成される構造を示す断面図である。
【
図27】本開示の一実施形態による、第1の電気コネクタを製作するプロセス中に形成される構造を示す断面図である。
【
図28】本開示の一実施形態による、マイクロギャップ構造を有する多色発光ピクセルユニットを示す断面図である。
【
図29】本開示の一実施形態による、
図3に示される多色発光ピクセルユニットを製作する方法を示すフローチャートである。
【
図30】本開示の一実施形態による、
図29の方法のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図31】本開示の一実施形態による、
図29の方法のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図32】本開示の一実施形態による、
図29の方法のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図33】本開示の一実施形態による、
図29の方法のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図34】本開示の一実施形態による、
図29の方法のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図35】本開示の一実施形態による、
図29のステップS701の詳細を示すフローチャートである。
【
図36】本開示の一実施形態による、3つのタイプの発光層に形成されるマイクロギャップ構造を示す断面図である。
【
図37】本開示の一実施形態による、
図29のステップS705の詳細を示すフローチャートである。
【
図38】本開示の一実施形態による、
図37のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図39】本開示の一実施形態による、
図37のステップで形成される構造を示す断面図である。
【
図40】本開示の一実施形態による、
図37のステップで形成される構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好ましい実施形態を詳細に参照して、本開示の更なる理解を提供する。考察する特定の実施形態および添付図面は、本発明を作成し使用する特定の手法の単なる例示であり、本発明または添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0009】
以下、
図1~
図40と併せて、本開示の実施形態によって、本開示について更に記載する。全ての添付図面は非常に単純化した形態を採用しており、不正確な拡大縮小は、本開示の実施形態を便宜的かつ明確に説明する助けとするためにのみ使用されることが指摘されるべきである。
【0010】
本明細書に開示する多色発光ピクセルユニットは、1つのタイプの発光トランジスタ、または複数のタイプの発光トランジスタを少なくとも含む。各タイプの発光トランジスタは、上部導電層と、最下部導電層と、上部導電層と最下部導電層との間の発光層とを含む。発光トランジスタは全て、同じ上部導電層および同じ最下部導電層を共有する。発光層は、単一層または複数層であり得ることが注目されるべきである。同じ発光ダイオードの複数の発光層のうち2つの間に、中間層を配置することができる。多色発光ピクセルユニットは、第1からM番目までのタイプの発光トランジスタを含むものと仮定される(Mは2以上の整数である)。第1からM番目までのタイプの発光トランジスタはそれぞれ、同じタイプの発光層を少なくとも含む。例えば、第1からM番目までのタイプの発光トランジスタはそれぞれ、第1のタイプの発光層を含む。第2からM番目までのタイプの発光層はいずれも、第1のタイプの発光層と異なる。マトリックス状に配置された複数の上述のピクセルユニットを含むマイクロディスプレイパネルも、本開示で提供される。
【0011】
いくつかの実施形態では、発光トランジスタは、発光ダイオード(LED)、ショットキー発光トランジスタなどのうち少なくとも1つであることができる。発光トランジスタの最上部導電層は、非限定的には透明導電層であり、発光トランジスタの最下部導電層は、非限定的には金属層である。以下、LEDを発光トランジスタの一例として使用するが、これは本開示の範囲を限定するものではない。当業者であれば、従来の技術的手段にしたがって、LEDを別の発光トランジスタに変更することができる。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態による多色発光ピクセルユニット1000を示す断面図である。
図1を参照すると、多色発光ピクセルユニット1000は、基板100上に横並びで配置された第1のタイプのLED01および第2のタイプのLED02を少なくとも含む。第1のタイプのLED01の最上部および第2のタイプのLED02の最上部は同じ水平面にはない。第1のタイプのLED01のタイプは、第2のタイプのLED02のタイプとは異なる。本明細書では、
図1に示されるように、第1のタイプのLED01の最上部は第2のタイプのLED02の最上部よりも低い。一実施形態によれば、第1のタイプのLED01は、赤色LED、緑色LED、青色LED、黄色LED、オレンジ色LED、またはシアン色LEDから選択され、第2のタイプのLED02は、緑色LED、青色LED、赤色LED、黄色LED、オレンジ色LED、またはシアン色LEDから選択される。加えて、第1のタイプのLED01の発光面積のサイズは、第2のタイプのLED02の発光面積のサイズとは異なる。例えば、第1のタイプのLED01は赤色LEDであり、第2のタイプのLED02は緑色LEDであり、赤色LEDの発光面積のサイズは緑色LEDの発光面積のサイズとは異なる。更に、必要なことがある異なる色にしたがって、緑色LEDの発光面積は赤色LEDの発光面積よりも小さい面積であることができる。
【0013】
加えて、絶縁構造07が第1のタイプのLEDと第2のタイプのLEDとの間に配置される。
図1に示される実施形態では、第1のタイプのLED01と第2のタイプのLED02との間の絶縁構造07は絶縁トレンチである。多色発光ピクセルユニット1000は、第1の金属層と、第1のタイプの発光層と、第2の金属層と、第2のタイプの発光層とを含む。
図1に示されるように、第1のタイプのLED01は、少なくとも、第1の金属層の第1のセグメント101-1、および第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1を下から上の順で含む。第1の金属層の第1のセグメント101-1は、第1のタイプのLED01の最下部導電層を構成する。第2のタイプのLED02は、少なくとも、第1の金属層の第2のセグメント101-2、第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2、第2の金属層の第1のセグメント201-1、および第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-2を下から上の順で、ならびに第1の電気コネクタ203を含む。第1の金属層の第1のセグメント101-1および第1の金属層の第2のセグメント101-2は、基板100と電気的に接続される。絶縁構造07は、第1のタイプのLED01における第1の金属層の第1のセグメント101-1を、第2のタイプのLED02における第1の金属層の第2のセグメント101-2から絶縁する。絶縁構造07はまた、第1のタイプのLED01における第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1を、第2のタイプのLED02における第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2から絶縁する。加えて、製造プロセスを単純にするために、第2のタイプのLED02における第2の金属層の第1のセグメント201-1、第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2、および第1の金属層の第2のセグメント101-2は、第1の電気コネクタ203によって互いに電気的に接続される。一実施形態によれば、第1の電気コネクタ203は、第2のタイプのLED02の側壁表面の一部または全体に取り付け、接触させることができる。あるいは、第1の電気コネクタ203は、第2のタイプのLED02における第2の金属層の第1のセグメント201-1および第1の金属層の第2のセグメント101-2の表面のみに取り付け、接触させることができる。更にあるいは、第1の電気コネクタ203は、第2の金属層の第1のセグメント201-1、第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2、および第1の金属層の第2のセグメント101-2の側壁に取り付けられ接触する、導電性のサイドアームとして形成することができる。第2のタイプのLED02における第1の金属層の第2のセグメント101-2と第2の金属層の第1のセグメント201-1との間の電気コネクタ203は、曲線など、別の形状を有することができる。
図1に示される実施形態では、第1の電気コネクタ203は、第2のタイプのLED02の側壁に取り付けられるので、第1の電気コネクタ203は、第2のタイプのLED02の側壁の表面形状に適応する。
【0014】
図1を参照すると、最上部絶縁層04および最上部透明導電層05は、第1のタイプのLED01における第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1、および第2のタイプのLED02における第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1の上に配置される。最上部絶縁層04は、第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1、第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1、および露出した基板100を被覆する。最上部絶縁層04は、第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1および第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1の上面の部分を露出させる開口部を有する。最上部透明導電層05は、最上部絶縁層04を被覆し、最上部絶縁層04の開口部内に形成され、それにより、第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1および第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1の露出した上面に、開口部を介して接触する。
【0015】
基板100は集積回路(IC)基板である。IC基板は、第1のタイプのLED01における第1の金属層の第1のセグメント101-1および第2のタイプのLED02における第1の金属層の第2のセグメント101-2と電気的に接続される、相互接続層を含む。第1の電気コネクタ203は、第2のタイプのLED02における第1の金属層の第2のセグメント101-2と接続されるので、第1の電気コネクタ203は基板100の相互接続層と接続される。加えて、
図1を参照すると、第1の電気コネクタ203の下部は基板100まで延在して、相互接続層と接続する。本明細書では、IC基板は少なくとも駆動回路を含む。駆動回路は全てのLEDを別個に制御する。
【0016】
図2は、本開示の一実施形態による多色発光ピクセルユニット2000を示す断面図である。
図2を参照すると、多色発光ピクセルユニット2000は、少なくとも、同じ基板100上に配置された、第1のタイプのLED01、第2のタイプのLED02、および第3のタイプのLED03を含む。第3のタイプのLED03は、第1のタイプのLED01および第2のタイプのLED02とは異なる。本明細書では、第1のタイプのLED01は、赤色LED、緑色LED、青色LED、黄色LED、オレンジ色LED、またはシアン色LEDから選択され、第2のタイプのLED02は、緑色LED、青色LED、赤色LED、黄色LED、オレンジ色LED、またはシアン色LEDから選択され、第3のタイプのLED03は、青色LED、赤色LED、緑色LED、黄色LED、オレンジ色LED、またはシアン色LEDから選択される。例えば、赤色LEDが第1のタイプのLED01として選択され、緑色LEDが第2のタイプのLED02として選択され、青色LEDが第3のタイプのLED03として選択される。
図2を参照すると、第3のタイプのLED03の高さは、第1のタイプのLED01の高さとは異なる。更に、第1のタイプのLED01の高さは第2のタイプのLED02の高さとは異なるが、第2のタイプのLED02の高さは第3のタイプのLED03の高さと同じである。他の実施形態では、第3のタイプのLED03の高さ、第1のタイプのLED01の高さ、および第2のタイプのLED02の高さは、
図3に示されるように、互いに異なることができる。
【0017】
多色発光ピクセルユニット2000では、第1のタイプのLED01および第2のタイプのLED02の構造は、多色発光ピクセルユニット2000の第1のタイプのLED01および第2のタイプのLED02の構造と同じであり、したがって、該構造の詳細な説明は繰り返さない。多色発光ピクセルユニット2000の第3のタイプのLED03は、少なくとも、第1の金属層の第3のセグメント101-3、第1のタイプの発光層の第3のセグメント102-3、第3の金属層の第1のセグメント301-1、および第3のタイプの発光層の第1のセグメント302-1を下から上の順で含み、第2の電気コネクタ303が、第1の金属層の第3のセグメント101-3および第3の金属層の第1のセグメント301-1を接続する。多色発光ピクセルユニット2000はまた、第1のタイプのLED01、第2のタイプのLED02、および第3のタイプのLED03を被覆するとともに、第1のタイプのLED01における第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1の一部分、第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1の一部分、および第3のタイプの発光層の第1のセグメント302-1の一部分を露出させる開口部を有する、最上部絶縁層04を含む。最上部電極層05は、最上部絶縁層04の上に形成され、第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1、第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1、および第3のタイプの発光層の第1のセグメント302-1に、最上部絶縁層04の開口部を介して接触する。
【0018】
図3は、本開示の一実施形態による多色発光ピクセルユニット3000を示す断面図である。
図3を参照すると、多色発光ピクセルユニット3000では、第3のタイプのLED03の最上部は第2のタイプのLED02の最上部よりも高く、第1のタイプのLEDの高さは第2のタイプのLED03とは異なる。
【0019】
図4は、本開示の一実施形態による多色発光ピクセルユニット4000を示す上面図である。多色発光ピクセルユニット4000は、
図2に示される多色発光ピクセルユニット2000、または
図3に示される多色発光ピクセルユニット3000であることができる。
図4は、3つのタイプのLED01、02、および03の配置をピクセルユニットで示しているが、本開示は、マトリックスなどの他の配置も含む。本明細書では、第3のタイプのLED03の発光面積のサイズは、第1のタイプのLED01の発光面積のサイズと異なり、また第2のタイプのLED02の発光面積のサイズと異なる。例えば、第1のタイプのLED01は赤色LEDであり、第2のタイプのLED02は緑色LEDであり、第3のタイプのLED03は青色LEDである。第1、第2、および第3のタイプのLED01、02、および03それぞれの発光面積のサイズは、多色発光ピクセルユニット4000から放射させることが求められる光の色にしたがって決定することができる。白色光が求められる場合、赤色LEDの発光面積のサイズは緑色LEDの発光面積のサイズよりも大きく、青色LEDの発光面積のサイズは緑色LEDの発光面積のサイズよりも大きい。
図4に示されるように、赤色LEDと青色LEDとの間の空間は青色LEDと緑色LEDとの間の空間よりも大きく、赤色LEDと緑色LEDとの間の空間は青色LEDと緑色LEDとの間の空間よりも大きいので、より良好な発光効果が達成される。
【0020】
図3を参照すると、絶縁構造07が、第1のタイプのLED01、第2のタイプのLED02、および第3のタイプのLED03のうち2つの間に配置される。絶縁構造は絶縁トレンチである。第1のタイプのLED01、第2のタイプのLED02、および第3のタイプのLED03は、第1の金属層101、第1のタイプの発光層102、第2の金属層201、第2のタイプの発光層202、第3の金属層301、および第3のタイプの発光層302から形成される。
図3の第1のタイプのLED01および第2のタイプのLED02は、
図2の第1のタイプのLED01および第2のタイプのLED02と同じである。具体的には、
図3に示されるように、第1のタイプのLED01は、少なくとも、第1の金属層の第1のセグメント101-1、および第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1を下から上の順で含む。第2のタイプのLED02は、少なくとも、第1の金属層の第2のセグメント101-2、第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2、第2の金属層の第1のセグメント201-1、および第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1を下から上の順で、ならびに第1の電気コネクタ203を含む。第3のタイプのLED03は、少なくとも、第1の金属層の第3のセグメント101-3、第1のタイプの発光層の第3のセグメント102-3、第2の金属層の第2のセグメント201-2、第2のタイプの発光層の第2のセグメント202-2、第3の金属層の第1のセグメント301-1、および第3のタイプの発光層の第1のセグメント302-1を下から上の順で、ならびに第2の電気コネクタ303を含む。
図3に示されるように、第1の金属層の第1のセグメント101-1、第1の金属層の第2のセグメント101-2、および第1の金属層の第3のセグメント101-3は、基板100と電気的に接続される。第2のタイプのLED02における第1の電気コネクタ203は、第2の金属層の第1のセグメント201-1を、第1の金属層の第2のセグメント101-2と電気的に接続する。第3のタイプのLED03における第2の電気コネクタ303は、第3の金属層の第1のセグメント301-1を、第2の金属層の第2のセグメント201-2および第1の金属層の第3のセグメント101-3と電気的に接続する。絶縁構造07は、第1のタイプのLED01における第1の金属層の第1のセグメント101-1を、第2のタイプのLED02における第1の金属層の第2のセグメント101-2および第3のタイプのLED03における第1の金属層の第3のセグメント101-3から絶縁し、第1のタイプのLED01における第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1を、第2のタイプのLED02における第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2および第3のタイプのLED03における第1のタイプの発光層の第3のセグメント102-3から絶縁し、第2のタイプのLED02における第2の金属層の第1のセグメント201-1を、第3のタイプのLED03における第2の金属層の第2のセグメント201-2から絶縁し、第2のタイプのLED02における第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1を、第3のタイプのLED03における第2のタイプの発光層の第2のセグメント202-2から絶縁する。第1の電気コネクタ203は、第2のタイプのLED02における第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2を、第1の金属層の第2のセグメント101-2と接続するのに使用され、第2の電気コネクタ303は、第3のタイプのLED03における第2のタイプの発光層の第2のセグメント202-2および第1のタイプの発光層の第3のセグメント102-3を、第1の金属層の第3のセグメント101-3と接続するのに使用されることが、注目されるべきである。したがって、製造プロセスを単純にするために、
図1と同じ手法で、第1の電気コネクタ203は更に、第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2を第1の金属層の第2のセグメント101-2と接続する。つまり、第2のタイプのLED02において、第1の電気コネクタ203は、第2の金属層の第1のセグメント201-1および第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2を、第1の金属層の第2のセグメント101-2と接続する。第2の電気コネクタ303は更に、第2のタイプの発光層の第2のセグメント202-2を第1の金属層の第3のセグメント101-3と接続する。つまり、第3のタイプのLED03において、第2の電気コネクタ303は、第3の金属層の第1のセグメント301-1、第2のタイプの発光層の第2のセグメント202-2、および第2の金属層の第2のセグメント201-2を、第1の金属層の第3のセグメント101-3と接続する。あるいは、第2の電気コネクタ303は更に、第2のタイプの発光層の第2のセグメント202-2および第1のタイプの発光層の第3のセグメント102-3を、第1の金属層の第3のセグメント101-3と接続する。つまり、第3のタイプのLED03において、第2の電気コネクタ303は、第3の金属層の第1のセグメント301-1、第2のタイプの発光層の第2のセグメント202-2、第2の金属層の第2のセグメント201-2、および第1のタイプの発光層の第3のセグメント102-3を、第1の金属層の第3のセグメント101-3と接続する。加えて、第1の電気コネクタ203の下部および第2の電気コネクタ303の下部は、基板100に別個に直接接触し、それによって製造プロセスが単純になる。第1の電気コネクタ203および第2の電気コネクタ303の材料は、導電性金属で形成されることが注目されるべきである。一実施形態では、第2の電気コネクタ303は、第3のタイプのLED03の側壁表面に取り付けられ接触する。
【0021】
一実施形態では、第1のタイプの発光層は赤色発光層であり、第2のタイプの発光層は緑色発光層であり、第3のタイプの発光層は青色発光層であり、第1のタイプのLED01は赤色LED01であり、第2のタイプのLED02は緑色LED02であり、第3のタイプのLED03は青色LED03である。赤色LED01では、最上部透明導電層05と第1の金属層の第1のセグメント101-1との間に印加される電圧は、赤色発光層の第1のセグメント102-1に印加される。結果として、赤色LED01における赤色発光層の第1のセグメント102-1は赤色光を放射する。緑色LED02では、第1の電気コネクタ203が、赤色発光層の第2のセグメント102-2を第1の金属層の第2のセグメント101-2と電気的に接続することによって、最上部透明導電層05と第1の金属層の第2のセグメント101-2との間に印加される電圧が、緑色発光層の第1のセグメント202-1のみに印加される。結果として、緑色LED02における緑色発光層の第1のセグメント202-1のみが緑色光を放射し、緑色LED02における赤色発光層の第2のセグメント102-2は光を放射しない。第3のタイプのLED03では、第2の電気コネクタ303が、赤色発光層の第3のセグメント102-3および緑色発光層の第2のセグメント202-2を、第1の金属層の第3のセグメント101-3と電気的に接続することによって、最上部透明導電層05と第1の金属層の第3のセグメント101-3との間に印加される電圧が、青色発光層の第1のセグメント302-1のみに印加される。結果として、青色LED03における青色発光層の第1のセグメント302-1のみが青色光を放射し、青色LED03における赤色発光層の第3のセグメント102-3および緑色発光層の第2のセグメント202-2は光を放射しない。
【0022】
図3を再び参照すると、最上部絶縁層04および最上部透明導電層05は、第1のタイプのLED01、第2のタイプのLED02、および第3のタイプのLED03の上に配置される。最上部絶縁層04は、第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1、第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1、第3のタイプの発光層の第1のセグメント302-1、および露出した基板100を被覆する。開口部が最上部絶縁層04に配置されて、第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1、第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1、および第3のタイプの発光層の第1のセグメント302-1の上面の部分を露出させる。最上部透明導電層05は、最上部絶縁層04を被覆し、最上部絶縁層04の開口部内に形成され、それにより、第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1の露出した上面、第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1の露出した上面、および第3のタイプの発光層の第1のセグメント302-1の露出した上面に接触する。
【0023】
少なくとも3つのタイプのLEDを有する多色発光ピクセルユニット3000における基板100の詳細な説明は、
図1の説明に対応しており、本明細書では繰り返さない。IC基板100の相互接続層は、第1のタイプのLED01、第2のタイプのLED02、および第3のタイプのLED03に電気的に接続されることが注目されるべきである。IC基板100の駆動回路は全てのLEDを別個に制御する。
【0024】
図1~
図4の多色発光ピクセルユニット1000~4000では、発光層102、202、および302のうち1つまたは複数はマイクロギャップ構造を有することができる。例えば、
図1に示される多色発光ピクセルユニット1000では、第1のタイプの発光層102がマイクロギャップ構造を有することができ、または第2のタイプの発光層202がマイクロギャップ構造を有することができ、または第1のタイプの発光層102および第2のタイプの発光層202の両方がマイクロギャップ構造を有することができる。別の例として、
図3に示される多色発光ピクセルユニット3000では、第1のタイプの発光層102がマイクロギャップ構造を有することができ、または第2のタイプの発光層202がマイクロギャップ構造を有することができ、または第3のタイプの発光層302がマイクロギャップ構造を有することができ、または第1のタイプの発光層102および第2のタイプの発光層202の両方がマイクロギャップ構造を有することができ、または第2のタイプの発光層202および第3のタイプの発光層302の両方がマイクロギャップ構造を有することができ、または第1のタイプの発光層102および第3のタイプの発光層302の両方がマイクロギャップ構造を有することができ、または第1のタイプの発光層102、第2のタイプの発光層202、および第3のタイプの発光層302の全てがマイクロギャップ構造を有することができる。本明細書では、
図1~
図3に示される多色発光ピクセルユニット1000~3000におけるマイクロギャップ構造はそれぞれ、非限定的には、エアギャップであることができる。エアギャップは封止される。好ましくは、発光層の発光効率に影響を及ぼすことなく、発光層内の応力を解放し、発光層が湾曲するのを回避するように、エアギャップの断面寸法は2nm以下である。ここで、エアギャップの断面寸法は、エアギャップの断面の直径、またはエアギャップの断面の長さもしくは幅であることができる。
【0025】
図5は、本開示の一実施形態による多色発光ピクセルユニット5000を示す断面図である。
図5に示されるように、第1のタイプの発光層102、第2のタイプの発光層202、および第3のタイプの発光層302はそれぞれ、複数のマイクロギャップ構造06を有することができる。マイクロギャップ構造06はそれぞれ、基板100に直交する方向に沿って延在し、第1のタイプの発光層102、第2のタイプの発光層202、または第3のタイプの発光層302など、対応する発光層を貫通する。一実施形態において複数の発光層が使用される場合、マイクロギャップ構造06は、少なくとも1つの発光層に、好ましくは最上部発光層に配置される。
【0026】
図5を引き続き参照すると、マイクロギャップ構造06は、複数の発光層において互い違いにされる。つまり、第1のタイプの発光層102におけるマイクロギャップ構造06は、第2のタイプの発光層202におけるマイクロギャップ構造06と垂直方向で位置合わせされず、第2のタイプの発光層202におけるマイクロギャップ構造06は、第3のタイプの発光層302におけるマイクロギャップ構造06と垂直方向で位置合わせされない。第2のタイプのLED02および第3のタイプのLED03それぞれにおいて、第1のタイプの発光層102におけるマイクロギャップ構造は、第1のタイプの発光層102の上にある第2の金属層201と下にある第1の金属層101との間で絶縁され封止される。第3のタイプのLED03では、第2のタイプの発光層202におけるマイクロギャップ構造06は、第2の発光層202の上にある第3の金属層301と下にある第2の金属層201との間で絶縁され封止され、第3のタイプの発光層302におけるマイクロギャップ構造06は、第3のタイプの発光層302の上にある最上部絶縁層04と下にある第3の金属層301との間で絶縁され封止される。
【0027】
同様に、本開示の別の実施形態における、第1からM番目までのタイプのLEDを含む多色発光ピクセルユニットでは、M番目のタイプのLEDはM個の発光層を有し、金属層が各発光層の下に配置される(Mは2以上の正の整数)。第1からM番目までのタイプのLEDそれぞれにおいて、最上部導電層(上部導電層として)が最上部発光層の上に配置されるので、最上部発光層におけるマイクロギャップ構造を、最上部導電層と最上部発光層の下にある金属層との間で絶縁し封止することができる。全ての発光層におけるマイクロギャップ構造は、関連する発光層の上および下にそれぞれ位置する金属層の間で絶縁され封止される。
【0028】
加えて、
図1~
図4の多色発光ピクセルユニット1000~4000と同様に、本開示の別の実施形態による多色発光ピクセルユニットは、第1のタイプのLEDからM番目のタイプのLEDまでを含む、複数のLEDを含む。M番目のタイプのLEDは、少なくとも、(M-1)番目のタイプのLEDにおいて構築される全ての発光層および金属層と、M番目の発光層と、M番目の金属層とを含む。上記に基づいて、M番目のタイプのLEDは、M番目の金属層、(M-1)番目の金属層、・・・、および第1の金属層に接続する、(M-1)番目の電気コネクタを有する。更に、(M-1)番目の電気コネクタは、M番目の金属層、(M-1)番目のタイプの発光層、(M-1)番目の金属層、・・・、第1のタイプの発光層、および第1の金属層に接続することができる。(M-1)番目の電気コネクタの配置については、
図1の第1の電気コネクタ203に関する説明を参照することができる。第1から(M-1)番目までの電気コネクタは、第1からM番目までの金属層を接続し、第1から(M-1)番目までの電気コネクタは、基板および第1の金属層に直接接触することができる。本明細書では、第1のタイプのLEDからM番目のタイプのLEDまでには違いがある。加えて、全ての種類のLEDを、赤色LED、緑色LED、青色LED、黄色LED、オレンジ色LED、紫色LED、またはシアン色LEDから選択することができる。本明細書では、異なる色のLEDは、当業者には知られている可能性がある従来のLEDであり、本明細書には記載しない。更に、第1のタイプのLEDからM番目のタイプのLEDまでは、同じ基板上で離隔される。最上部絶縁層は、基板の露出した表面および第1からM番目までのタイプのLEDの露出した表面を被覆する。全てのタイプのLEDの最上部絶縁層は自身の開口部を有し、透明導電層が、最上部絶縁層の表面を被覆するとともに開口部を埋め、開口部の下にある透明導電層が、全てのタイプのLEDの最上部発光層に電気的に接触する。
図4および
図5を参照すると、M個のタイプのLEDを有するピクセルユニットでは、第1からM番目までのタイプのLEDの発光面積のサイズは互いに異なる。ピクセルユニットにおけるLEDの配置によれば、第1のタイプのLEDの発光面積のサイズは、他のタイプのLEDの発光面積のサイズよりも大きい。任意に、第1のタイプのLEDは、他のタイプのLEDの発光面積よりも大きい発光面積を有する赤色LEDである。あるいは、他のタイプのLEDは少なくとも、緑色LEDまたは青色LEDを含む。
【0029】
多色マイクロディスプレイパネルも、本開示の一実施形態にしたがって提供される。マイクロディスプレイパネルは、マトリックス状に配置された複数の多色ピクセルユニットを含む。本明細書の多色ピクセルユニットは、上述したLEDピクセルユニットであることができる。
【0030】
以下、図面と組み合わせて、多色発光ピクセルユニットを製作する方法について以下に更に記載する。
【0031】
図6は、本開示の一実施形態による、
図1に示される多色発光ピクセルユニットを製作する方法を示すフローチャートである。
図7~
図10は、本開示の一実施形態による、
図6に示されるステップで形成される構造を示す断面図である。
図6を参照すると、
図1に示されるような多色発光ピクセルユニットを製作する方法は、以下のステップを含む。
【0032】
ステップS601で、
図7を参照すると、第1の金属層101、第1のタイプの発光層102、第2の金属層201、および第2のタイプの発光層202を含むスタック構造が、基板100上に下から上の順で形成される。換言すれば、第1のタイプの発光層102および第2のタイプの発光層202は基板100上に下から上の順で積み重ねられる。第1の金属層101は第1のタイプの発光層102の下に形成される。第2の金属層201は第2のタイプの発光層202の下に形成される。第2の金属層201は、第1のタイプの発光層102と第2の発光層202との間に配置される。
【0033】
より具体的には、基板100は、非限定的にはIC基板であることができる。
【0034】
図11は、本開示の一実施形態による、
図6のステップS601の詳細を示すフローチャートである。
図12~
図21は、本開示の一実施形態による、
図11に示されるステップで形成される構造を示す断面図である。
図11を参照すると、ステップS601は更に、以下の具体的なステップを含む。
【0035】
ステップS101で、
図12を参照すると、第1の金属接合層M01が基板100上に形成され、第1のタイプの発光層102が第1のベースB1上に形成され、第2の金属接合層M02が第1のタイプの発光層102の上に形成される。
【0036】
より具体的には、第1の金属接合層M01は、非限定的には、蒸着、スパッタリングなどの物理蒸着によって作成することができる。第1のベースB1の材料は、第1のタイプの発光層102にしたがって設計される。例えば、第1のベースB1は窒化ガリウム(GaN)ベースであることができる。第1のタイプの発光層102は、非限定的には、第1のベースB1上にエピタキシャル成長によって形成することができる。第2の金属接合層M02は、非限定的には、蒸着などの物理蒸着によって作成することができる。
【0037】
ステップS102で、
図12と組み合わせて
図13を参照すると、第2の金属接合層M02が第1の金属接合層M01に面するように、第1のベースB1が上下反転され、次に第2の金属接合層M02が第1の金属接合層M01と接合されて、第1の金属層101が形成される。
【0038】
ステップS103で、
図13と組み合わせて
図14を参照すると、第1のベースB1が除去される。
【0039】
本明細書では、第1のベースB1が除去された後、
図15を参照すると、ステップS103は、第1のタイプの発光層102を薄型化することを更に含む。
【0040】
加えて、一実施形態によれば、第1のベースB1が除去されるかまたは第1のタイプの発光層102が薄型化された後であって、第3の金属接合層が形成される前に、
図16を参照すると、ステップS103は、マイクロギャップ構造06を第1のタイプの発光層102に形成することを更に含むことができる。マイクロギャップ構造06は、非限定的には、フォトリソグラフィおよびエッチングによって形成される。フォトリソグラフィでは、マイクロギャップ構造06の寸法にしたがってリソグラフィパターンが設計される。一実施形態によれば、マイクロギャップ構造パターンの断面寸法は2nm以下である。ここで、エアギャップの断面寸法は、エアギャップの断面の直径、またはエアギャップの断面の長さもしくは幅であることができる。
【0041】
ステップS104で、
図17を参照すると、第3の金属接合層M03が第1のタイプの発光層102上に形成され、第2のタイプの発光層202が第2のベースB2上に形成され、第4の金属接合層M04が第2のタイプの発光層202の上に形成される。
【0042】
ステップS105で、
図17と組み合わせて
図18を参照すると、第4の金属接合層M04が第3の金属接合層M03に面するように、第2のベースB2が上下反転され、第4の金属接合層M04を第3の金属接合層M03と接合して、第2の金属層201が形成される。
【0043】
ステップS106で、
図18と組み合わせて
図19を参照すると、第2のベースB2が除去される。
【0044】
本明細書では、第2のベースB2が除去された後、
図20を参照すると、ステップS106で、第2のタイプの発光層202が薄型化される。
【0045】
一実施形態によれば、第2のベースB2が除去されるかまたは第2のタイプの発光層202が薄型化された後、
図21を参照すると、ステップS106で、マイクロギャップ構造06が第2のタイプの発光層202に形成される。マイクロギャップ構造06は、マイクロギャップ構造06を第1のタイプの発光層102に形成するプロセスと同様のプロセスを使用して形成される。したがって、マイクロギャップ構造06を第2のタイプの発光層202に形成するプロセスの説明は繰り返さない。
【0046】
図6~
図10を再び参照して、本開示の実施形態によるステップS601の後のプロセスについて以下に更に記載する。
【0047】
ステップS602で、
図8を参照すると、第2のタイプの発光層202および第2の金属層201は、第1のタイプの発光層102の最上部の一部分が露出するまでパターニングされ、それにより、第2のタイプの発光層202によって第1のタイプの発光層102上に作られるステップ構造が形成される。
【0048】
より具体的には、第2のタイプの発光層202および第2の金属層201をパターニングするプロセスは、フォトリソグラフィおよびプラズマエッチングによって実施することができる。第2のタイプの発光層202および第2の金属層201をパターニングするプロセスは、第1のタイプの発光層102の最上部をオーバーエッチングすることも含む。パターニングプロセスのパラメータは、本明細書では限定しない、実際の必要性にしたがって設定することができる。
【0049】
ステップS603では、
図9を参照すると、プリセットされた第1のタイプの発光領域A01およびプリセットされた第2のタイプの発光領域A02にしたがって、第2のタイプの発光層202、第2の金属層201、第1のタイプの発光層102、および第1の金属層101がエッチングされて、第1のタイプの発光領域A01における第1のタイプの発光層102が第2のタイプの発光領域A02における第1のタイプの発光層102からセグメント化され、第1のタイプの発光領域A01における第1の金属層101が第2のタイプの発光領域A02における第1の金属層101からセグメント化される。ステップS603の結果として、第1の金属層の第1のセグメント101-1および第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1を含む第1のタイプのLED01と、第1の金属層の第2のセグメント101-2、第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2、第2の金属層の第1のセグメント201-1、および第2のタイプの発光層の第2のセグメント202-1を含む第2のタイプのLED02とが形成される。
【0050】
本明細書では、第2のタイプの発光層202、第2の金属層201、第1のタイプの発光層102、および第1の金属層101をエッチングするプロセスは、フォトリソグラフィおよびエッチングによって実施される。エッチングのプロセスのパラメータは、実際の必要性にしたがって設定することができる。
【0051】
一実施形態によれば、ステップS603の結果として、プリセットされたピクセルユニットのアレイにしたがって、複数の多色発光ピクセルユニットが互いにセグメント化される。このように、ピクセルユニットおよび/またはピクセルユニットのアレイの形の発光トランジスタを、1つのセグメント化ステップによって作成することができて、プロセスが単純になるとともに、生産コストが減少し、特に大規模生産が容易になる。
【0052】
ステップS604で、
図10を参照すると、第2の金属層201の引出し電極として機能する共有の最上部電極層05が、第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1および第2のタイプの発光領域A02における第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1の最上部上に形成される。
【0053】
図22は、本開示の一実施形態による、
図6のステップS604の詳細を示すフローチャートである。
図23~
図25は、本開示の一実施形態による、
図22に示されるステップで形成される構造を示す断面図である。
図22を参照すると、ステップS604の具体的なプロセスは以下のステップを含む。
【0054】
ステップS401では、
図23を参照すると、第2の金属層の第1のセグメント201-1の一部を露出させるように、第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1の一部が除去される。
【0055】
ステップS402で、
図24を参照すると、第1の電気コネクタ203が、第2のタイプの発光領域A02において、第2の金属層の第1のセグメント201-1の側壁および最上部、第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2の側壁、ならびに第1の金属層の第2のセグメント101-2の側壁に形成される。
【0056】
図26~
図27は、本開示の一実施形態による、第1の電気コネクタ203を製作するステップで形成される構造を示す断面図である。ステップS402で、第1の電気コネクタ203は以下の具体的なステップによって形成される。
【0057】
ステップS4021で、
図24と組み合わせて
図26を参照すると、第1の電気コネクタ203を有さない領域を遮蔽するようにマスクYが形成され、それにより、第2のタイプの発光領域A02において、第2の金属層の第1のセグメント201-1の最上部および側壁、第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2の側壁、ならびに第1の金属層の第2のセグメント101-2の側壁を露出させる。
【0058】
ステップS4022で、
図27を参照すると、ステップS4021を完了した後、導電性材料203’が基板100上に堆積される。
【0059】
ステップS4023で、
図10を再び参照すると、第1の電気コネクタ203を、第2のタイプの発光領域A02において、第2の金属層の第1のセグメント201-1の最上部および側壁、第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2の側壁、ならびに第1の金属層の第2のセグメント101-2の側壁に形成するように、マスクYおよびマスクY上の導電性材料203’が除去される。
【0060】
共有の最上部電極層05を製作するプロセスについて、以下に更に記載する。
【0061】
ステップS403で、
図25を参照すると、第1のタイプの発光領域A01、第2のタイプの発光領域A02、および露出した基板100の表面を被覆する、絶縁層04が形成される。絶縁層04は、第1のタイプの発光領域A01における第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1、および第2のタイプの発光領域A02における第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1に開口部を有する。
【0062】
ステップS404で、
図10を再び参照すると、ステップS403の後、例えば堆積によって、連続する共有の最上部電極層05が基板100全体の上に形成される。開口部に形成された共有の最上部電極層05は、第1のタイプの発光領域A01における第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1、および第2のタイプの発光領域A02における第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1に接続される。
【0063】
図28は、本開示の一実施形態による、第1のタイプの発光層102および第2のタイプの発光層202にマイクロギャップ構造を有する多色発光ピクセルユニットの構造を示している。
【0064】
図29は、本開示の一実施形態による、
図3に示される多色発光ピクセルユニットを製作する方法を示すフローチャートである。
図30~
図34は、本開示の一実施形態による、
図6に示されるステップで形成される構造を示す断面図である。
図29を参照すると、
図3に示されるような多色発光ピクセルユニット3000を製作する方法は、以下のステップを含む。
【0065】
ステップS701で、
図30を参照すると、第1の金属層101、第1のタイプの発光層102、第2の金属層201、第2のタイプの発光層202、第3の金属層301、および第3のタイプの発光層302を含むスタック構造が、基板100上に下から上の順で形成される。換言すれば、第1のタイプの発光層102、第2のタイプの発光層202、および第3のタイプの発光層302は、基板100上に下から上の順で積み重ねられる。第1の金属層101は第1のタイプの発光層102の下に形成される。第2の金属層201は第2のタイプの発光層202の下に形成される。第3の金属層301は第3のタイプの発光層302の下に形成される。第2の金属層201は、第1のタイプの発光層102と第2のタイプの発光層202との間に配置される。第3の金属層301は、第2のタイプの発光層202と第3のタイプの発光層302との間に配置される。
【0066】
図35は、本開示の一実施形態による、
図29のステップS701の詳細を示すフローチャートである。
図30と組み合わせて
図35を参照すると、ステップS701は更に以下のステップを含む。なお、この実施形態のステップS801~S809で形成される構造は、図面には示されていない。しかしながら、この実施形態のステップS801~809は、当業者であれば、上述の実施形態のステップS101~S109を参照して理解することができる。
【0067】
ステップS801で、第1の金属接合層が基板100上に形成され、第1のタイプの発光層102が第1のベース上に形成され、第2の金属接合層が第1のタイプの発光層102の最上部上に形成される。
【0068】
より具体的には、第1の金属接合層は、非限定的には、蒸着、スパッタリングなどの物理蒸着によって作成することができる。第1のベースの材料は、第1のタイプの発光層10にしたがって設計される。例えば、第1のベースは窒化ガリウム(GaN)ベースであることができる。第1のタイプの発光層102は、非限定的には、第1のベース上にエピタキシャル成長によって作ることができる。第2の金属接合層は、非限定的には、蒸着などの物理蒸着によって作成することができる。
【0069】
ステップS802で、第2の金属接合層が第1の金属接合層に面するように、第1のベースが上下反転され、第2の金属接合層が第1の金属接合層と接合されて、第1の金属層101が形成される。
【0070】
ステップS803で、第1のベースが除去される。
【0071】
本明細書では、第1のベースが除去された後、ステップS803は、第1のタイプの発光層102を薄型化することを更に含むことができる。加えて、第1のベースが除去されるかまたは第1のタイプの発光層102が薄型化された後であって、第3の金属接合層が形成される前に、
図36を参照すると、ステップS803は、マイクロギャップ構造06を第1のタイプの発光層102に形成することを更に含むことができる。マイクロギャップ構造06は、非限定的には、フォトリソグラフィおよびエッチングによって形成される。フォトリソグラフィでは、マイクロギャップ構造06の寸法にしたがってリソグラフィパターンが設計される。一実施形態によれば、マイクロギャップ構造パターンの断面寸法は2nm以下である。
【0072】
ステップS804で、第3の金属接合層が第1のタイプの発光層102上に形成され、第2のタイプの発光層202が第2のベース上に形成され、第4の金属接合層が第2のタイプの発光層202の最上部上に形成される。
【0073】
ステップS805で、第4の金属接合層が第3の金属接合層に面するように、第2のベースが上下反転され、次に第4の金属接合層が第3の金属接合層と接合されて、第2の金属層201が形成される。
【0074】
ステップS806で、第2のベースが除去される。
【0075】
本明細書では、第2のベースが除去された後、ステップS106は、第2のタイプの発光層202を薄型化することを更に含むことができる。加えて、第2のベースが除去されるかまたは第2のタイプの発光層202が薄型化された後、
図36を参照すると、ステップS106は、マイクロギャップ構造06を第2のタイプの発光層202に形成することを更に含む。マイクロギャップ構造06は、上述したマイクロギャップ構造06を形成するプロセスと同様のプロセスを使用して形成することができる。したがって、マイクロギャップ構造06を形成するプロセスの説明は繰り返さない。
【0076】
ステップS807で、第5の金属接合層が第2のタイプの発光層202上に形成され、第3のタイプの発光層302が第3のベース上に形成され、第6の金属接合層が第3のタイプの発光層302の最上部上に形成される。
【0077】
ステップS808で、第6の金属接合層が第5の金属接合層に面するように、第3のベースが上下反転され、次に第6の金属接合層が第5の金属接合層と接合されて、第3の金属層301が形成される。
【0078】
ステップS809で、第3のベースが除去される。
【0079】
本明細書では、第3のベースが除去された後、ステップS109は、第3のタイプの発光層302を薄型化することを更に含むことができる。加えて、第3のベースが除去されるかまたは第3のタイプの発光層302が薄型化された後、
図36を参照すると、ステップS109は、マイクロギャップ構造06を第3のタイプの発光層302に形成することを更に含む。マイクロギャップ構造06は、上述したマイクロギャップ構造06を形成するプロセスと同様のプロセスを使用して形成することができる。したがって、マイクロギャップ構造06を形成するプロセスの説明は繰り返さない。
【0080】
図36は、第1のタイプの発光層102、第2のタイプの発光層202、および第3のタイプの発光層302におけるマイクロギャップ構造を示している。
【0081】
図30~
図34を再び参照して、ステップS701の後のプロセスについて以下に更に記載する。
【0082】
ステップS702で、
図31を参照すると、第3のタイプの発光層302および第3の金属層301は、第2のタイプの発光層202の最上部の一部分が露出するまでパターニングされ、それにより、第3のタイプの発光層302によって第2のタイプの発光層202上に作られるステップ構造が形成される。
【0083】
より具体的には、ステップ構造は、第3のタイプの発光層302および第3の金属層301を含む。第3のタイプの発光層302および第3の金属層301をパターニングするプロセスは、第1のタイプの発光層102の最上部にオーバーエッチングを施すことも含む。
【0084】
ステップS703で、
図32を参照すると、第2のタイプの発光層202および第2の金属層201は、第1のタイプの発光層202の最上部の一部分が露出するまで更にパターニングされ、それにより、第2のタイプの発光層202によって第1のタイプの発光層102上に作られるステップ構造が形成される。
【0085】
より具体的には、ステップ構造は、第2のタイプの発光層202および第2の金属層201によって作られる。パターニングプロセスは、フォトリソグラフィおよびプラズマエッチングによって実施することができる。第2のタイプの発光層202および第2の金属層201をパターニングするプロセスは、第1のタイプの発光層102の最上部をオーバーエッチングすることも含む。パターニングプロセスのパラメータは、本明細書では限定しない、実際の必要性にしたがって設定することができる。
【0086】
ステップS704で、
図33を参照すると、プリセットされた第1のタイプの発光領域A01、プリセットされた第2のタイプの発光領域A02、およびプリセットされた第3のタイプの発光領域A03にしたがって、第3のタイプの発光層302、第3の金属層301、第2のタイプの発光層202、第2の金属層201、第1のタイプの発光層102、および第1の金属層101がエッチングされて、第1のタイプの発光領域A01における第1のタイプの発光層102が、第2のタイプの発光領域A02における該第1のタイプの発光層から、また第3のタイプの発光領域A03における該第1のタイプの発光層からセグメント化され、第1のタイプの発光領域A01における第1の金属層101が、第2のタイプの発光領域A02における該第1の金属層から、また第3のタイプの発光領域A03における該第1の金属層からセグメント化され、第2のタイプの発光領域A02における第2のタイプの発光層202が第3のタイプの発光領域A03における該第2のタイプの発光層からセグメント化され、第2のタイプの発光領域A02における第2の金属層201が第3のタイプの発光領域A03における該第2の金属層からセグメント化される。ステップS704の結果として、第1の金属層の第1のセグメント101-1および第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1を含む第1のタイプのLED01と、第1の金属層の第2のセグメント101-2、第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2、第2の金属層の第1のセグメント201-1、および第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1を含む第2のタイプのLED02と、第1の金属層の第3のセグメント101-3、第1のタイプの発光層の第3のセグメント102-3、第2の金属層の第2のセグメント201-2、第2のタイプの発光層の第2のセグメント202-2、第3の金属層の第1のセグメント301-1、および第3のタイプの発光層の第1のセグメント302-1を含む第3のタイプのLED03とが形成される。
【0087】
本明細書では、エッチングプロセスは、実際の必要性にしたがってパラメータを設定することができる、フォトリソグラフィおよびエッチングプロセスによって実施される。
【0088】
一実施形態によれば、ステップS704の結果として、プリセットされたピクセルユニットのアレイにしたがって、複数の多色発光ピクセルユニットが互いにセグメント化される。したがって、ピクセルユニットおよび/またはピクセルユニットのアレイの形の発光トランジスタを、1つのセグメント化ステップによって作成することができて、プロセスが単純になるとともに、生産コストが減少し、特に大規模生産が容易になる。
【0089】
ステップS705で、
図34を参照すると、第2の金属層の第1のセグメント201-1の引出し電極および第3の金属層の第1のセグメント301-1の引出し電極として機能する、共有の最上部電極層05が、第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1、第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1、および第3のタイプの発光層の第1のセグメント302-1の最上部上に形成される。
【0090】
図37は、本開示の一実施形態による、
図29のステップS705の詳細を示すフローチャートである。
図38~
図40は、
図37に示されるステップで形成される構造を示す断面図である。
図37を参照すると、ステップS705は更に以下のステップを含む。
【0091】
ステップS501で、
図38を参照すると、第2の金属層の第1のセグメント201-1の一部および第3の金属層の第1のセグメント301-1の一部を露出させるように、第3のタイプの発光層の第1のセグメント302-1の一部および第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1の一部が除去される。
【0092】
ステップS502で、
図39を参照すると、第1の電気コネクタ203が、第2のタイプの発光領域A02において、第2の金属層の第1のセグメント201-1の側壁および最上部、第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2の側壁、ならびに第1の金属層の第2のセグメント101-2の側壁上に形成され、第2の電気コネクタ303が、第3のタイプの発光領域A03において、第3の金属層の第1のセグメント301-1の最上部および側壁、第2のタイプの発光層の第2のセグメント202-2の側壁、第2の金属層の第2のセグメント201-2の側壁、第1のタイプの発光層の第3のセグメント102-3の側壁、ならびに第1の金属層の第3のセグメント101-3の側壁上に形成される。
【0093】
より具体的には、
図39を参照すると、第1の電気コネクタ203および第2の電気コネクタ303を製作するプロセスは、更に以下のステップを含む。なお、以下のステップS5021~S5023は図面には示されていないが、ステップS5021~S5023は、当業者であれば、上述の実施形態のステップS4021~S4023を参照して理解することができる。
【0094】
ステップS5021で、第1の電気コネクタ203および第2の電気コネクタ303を有さない領域を遮蔽するように、基板100上にマスクが形成され、それにより、第2のタイプの発光領域A02において、第2の金属層の第1のセグメント201-1の最上部および側壁、第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2の側壁、ならびに第1の金属層の第2のセグメント101-2の側壁を露出させ、第3のタイプの発光領域A03において、第3の金属層の第1のセグメント301-1の最上部および側壁、第2のタイプの発光層の第2のセグメント202-2の側壁、第2の金属層の第2のセグメント201-2の側壁、第1のタイプの発光層の第3のセグメント102-3の側壁、ならびに第1の金属層の第3のセグメント101-3の側壁を露出させる。
【0095】
ステップS5022で、ステップS5021が完了した後、導電性材料が基板100上に堆積される。
【0096】
ステップS5023で、
図39を参照すると、マスクおよびマスク上の導電性材料が除去されて、第1の電気コネクタ203が、第2のタイプの発光領域A02において、第2の金属層の第1のセグメント201-1の最上部および側壁、第1のタイプの発光層の第2のセグメント102-2の側壁、ならびに第1の金属層の第2のセグメント101-2の側壁上に形成され、第2の電気コネクタ303が、第3のタイプの発光領域A03において、第3の金属層の第1のセグメント301-1の最上部および側壁、第2のタイプの発光層の第2のセグメント202-2の側壁、第2の金属層の第2のセグメント201-2の側壁、第1のタイプの発光層の第3のセグメント102-3の側壁、ならびに第1の金属層の第3のセグメント101-3の側壁上に形成される。
【0097】
共有の最上部電極層05を製作するプロセスについて、以下に更に記載する。
【0098】
ステップS503で、
図40を参照すると、第1のタイプの発光領域A01、第2のタイプの発光領域A02、第3のタイプの発光領域A03、および露出した基板100の表面を被覆する、絶縁層04が形成される。絶縁層04は、第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1、第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1、および第3のタイプの発光層の第1のセグメント302-1に開口部を有する。
【0099】
ステップS504で、
図34を再び参照すると、ステップS503の後、連続する共有の最上部電極層05が基板100全体の上に形成される。開口部内に堆積された共有の最上部電極層05は、第1のタイプの発光層の第1のセグメント102-1、第2のタイプの発光層の第1のセグメント202-1、および第3のタイプの発光層の第1のセグメント302に接続される。
【0100】
上述したように、本開示の実施形態による多色発光ピクセルユニットを製作する方法では、成膜プロセスを全てのタイプのLEDで同時に実施することができるので、LEDを別個に作成することなく同時に作成することができ、それにより、多色発光ピクセルユニットおよびマイクロLEDディスプレイパネルを製作するプロセスが単純になり、大規模生産が容易になる。本開示の実施形態による製作方法の結果として、異なるタイプのLEDが互いに短い距離で同じ基板上に横並びで配置される。したがって、LEDおよびLEDで作られるディスプレイパネルのサイズを低減することができる。例えば、各LEDのサイズは40μm×40μmであることができる。加えて、異なるタイプのLEDの最上部は同じ水平面にはない。つまり、異なるタイプのLEDの高さは同じではないので、異なるタイプの発光層が異なるタイプのLEDの最上部上に露出し、それによって、発光面積が確保されるとともに全てのLEDの発光効率が改善され、様々なLEDの統合が改善される。本開示の実施形態によるピクセルユニットによって形成されるマイクロLEDディスプレイパネルは、明瞭な画像表示および高解像度を有する。更に、電気コネクタはM番目のタイプのLEDにおける全ての金属層を接続するので、M番目のタイプのLEDにおける最上部発光層であるM番目のタイプの発光層が光を放射することができ、一方で他の発光層それぞれの両側に配設された金属層が互いに電気的に接続されるので、M番目のタイプのLEDにおける他の発光層は短絡される。例えば、M番目のタイプのLEDでは、第1のタイプの発光層の両側に配設された第1のタイプの金属層および第2のタイプの金属層が互いに電気的に接続されるので、第1のタイプの発光層は短絡され、第2のタイプの発光層の両側に配設された第2のタイプの金属層および第3のタイプの金属層が互いに電気的に接続されるので、第2のタイプの発光層は短絡され、その後も同様である。したがって、様々なタイプのLEDが互いに影響を及ぼすことなく別個に光を放射する。更に、発光層のマイクロギャップは、発光層の発光効率に対する影響なしに、発光層の内部の応力を解放し、発光層の反りを回避することができ、それによって製品歩留まりが改善される。
【0101】
本発明の好ましい実施形態を参照して本発明を詳細に図示し記載してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書において形態および詳細が様々に変更されてもよいことが、当業者には理解されるであろう。
【国際調査報告】