(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】フィルター装置
(51)【国際特許分類】
B01D 27/00 20060101AFI20221109BHJP
B01D 29/01 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B01D27/00
B01D29/04 510A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504671
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(85)【翻訳文提出日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 EP2020069889
(87)【国際公開番号】W WO2021013638
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】102019005324.9
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019005323.0
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019005325.7
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019005326.5
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513144501
【氏名又は名称】エルテー-フィルターテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト シュテーレ
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA07
4D116BB01
4D116BC13
4D116BC27
4D116BC45
4D116BC47
4D116DD06
4D116FF11B
4D116KK04
4D116QA14C
4D116QA14F
4D116QB12
4D116QB24
4D116QB25
4D116QB26
4D116QB36
4D116QB39
4D116QB44
4D116QC04A
4D116QC04B
4D116VV05
(57)【要約】
交換可能なフィルターエレメント(16)を収容し、取り外し可能な蓋部材(32)によって閉じられハウジングポット(12)からなるフィルターハウジング(14)を有するフィルター装置であって、フィルターエレメント(16)のエレメント部材(20)は未濾過液室(22)を濾過液室(18、43)から分離し、複数の室(18、22、43)の少なくとも1つの圧力値を検出する目的で測定値検出装置(108)を有するフィルター装置において、測定値検出装置(108)は、蓋部材(32)の蓋内側(45)に配置され、蓋部材(32)内で少なくとも部分的に案内され、フィルターハウジング(14)内に突入し、測定値検出装置(108)に接続された測定値評価装置(78)の少なくとも部品は反対側の蓋外側(42)で周囲環境に面して配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングポット(12)からなるフィルターハウジング(14)を有するフィルター装置であって、
前記ハウジングポットは、交換可能なフィルターエレメント(16)を収容し、取り外し可能な蓋部材(32)によって閉じられ、
前記フィルターエレメント(16)のエレメント部材(20)は未濾過液室(22)を濾過液室(18、43)から分離し、複数の室(18、22、43)の少なくとも1つの圧力値を検出する目的で測定値検出装置(108)を有するフィルター装置において、
前記測定値検出装置(108)は、蓋部材(32)の蓋内側(45)に配置され、蓋部材(32)内で少なくとも部分的に案内され、前記フィルターハウジング(14)内に突入し、
前記測定値検出装置(108)に接続された測定値評価装置(78)の少なくとも一部が、周囲環境に面して反対側の蓋外側(42)に配置されている、ことを特徴とするフィルター装置。
【請求項2】
前記測定値検出装置(108)は、少なくとも部分的にセンサ管(114)によって囲まれたセンサ流路(104)を有し、前記センサ管(114)は、前記蓋内側(45)でフィルターエレメント(16)の長手方向軸に対して同軸に延びて、前記フィルターエレメント(16)の室(22)の1つを、前記蓋外側(42)にある受容室(80)に流体連通的に接続し、前記受容室(80)は前記測定値評価装置(78)の一部である、ことを特徴とする請求項1に記載のフィルター装置。
【請求項3】
受容室(80)は、前記蓋外側(42)で前記フィルターエレメント(16)の長手方向軸に対して横方向に延びる長手方向軸を有し、それぞれ測定値評価装置(78)の部品として、受容室(80)の外部にある圧力センサ(82)又は前記圧力センサ(82)の接続部材(84)を受容するために役立つ、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルター装置。
【請求項4】
センサ管(114)は、前記フィルターエレメント(16)の前記エレメント部材(20)が閉塞したときに、未濾過液側(26)を濾過液側(28)に接続するバイパス弁(58)を通過し、該バイパス弁(58)の弁ばね(116)は、蓋内側(45)と非閉塞状態でフィルターエレメント(16)の前面開口部(52)を閉じる出口部材(56)との間を延びる、ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項5】
受容室(80)内で測定値評価装置(78)のそれぞれ挿入される部品はねじ込み式カートリッジとして構成されていることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項6】
受容室(80)はその長手方向軸に対して平行に流路セクション(100)を有し、該流路セクション(100)にセンサ流路(104)がその一方の自由端部で開口し、該流路セクション(100)は圧力センサ(82)の評価流路(118、144)との恒久的な接続を形成することを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項7】
前記蓋部材(32)内で別のセンサ流路(134)が案内され、該センサ流路(134)は前記フィルターエレメント(16)の外側で流体連通的に二つの室(18、43)の1つに通じ、必要に応じて閉鎖可能である、ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項8】
別のセンサ流路(134)の蓋側端部は、前記蓋部材(32)内の受容室(43)に開口し、該受容室(43)には圧力センサ(82)の前端部(146)が係合する、ことを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項9】
圧力センサ(82)は動圧センサ(140)又は差圧センサ(86)である、ことを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項10】
動圧センサ(140)は専ら未濾過液側(26)のセンサ流路(104)からの圧力値を検出し、差圧センサ(86)は二つのセンサ流路(104、134)からの圧力値を検出し、別のセンサ流路(134)は濾過液側(28)と恒久的に流体連通的に接続されている、ことを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載のフィルター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換可能なフィルターエレメント(16)を収容し、取り外し可能な蓋部材(32)によって閉じられるハウジングポット(12)からなるフィルターハウジング(14)を有するフィルター装置であって、フィルターエレメントのエレメント部材は未濾過液室を濾過液室から分離しており、さらに少なくとも1つの室の圧力値を検出する目的で測定値検出装置を有するフィルター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフィルター装置は、様々な実施形態があり、異なる仕様に準拠した交換可能なフィルターエレメントを有するものが従来から開示されている。この種類のフィルター装置では、フィルターエレメントは、特に油圧システムで流体の手入れに利用される。当該プラントの動作信頼性を確保するために、動作信頼性は本質的にフィルター装置の完全な性能に依存し、フィルターエレメントの汚れ保持能力がしばしば監視されている。冒頭に記載した種類のフィルター装置を開示している特許文献1に述べられているように、公知のフィルター装置においては汚れ保持能力は未濾過液側と濾過液側との間の差圧を測定することによって監視されるが、これはフィルター媒体に過負荷がかかることによると動作異常、さらには損傷を招き、それが高価なシステムで相当な経済的損失につながるリスクを回避するためである。
【0003】
いわゆるタンク内フィルター装置として設計された上記の公知の解決策では、フィルターハウジングは、外周側に固定フランジがあるフィルターヘッドを有する。この固定フランジによりフィルターヘッドは、フィルターヘッドの下端部に続く流出管の形をした別のハウジング部分が当該タンクの内部に延びるように、タンク開口部の縁に取り付けることができる。フィルターヘッドは汚れインジケータのセンサのために、固定フランジに半径方向に突き出た接続領域を有する。縦長カートリッジの形をした測定ハウジングを備えたセンサは、装置長手方向軸を基準にして接続領域から半径方向外側に向かって延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102015003604(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、構造が単純で廉価に製造でき、汚れ度の確認を特に有利な方法で可能にする、冒頭に記載した種類のフィルター装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば上記の課題は、請求項1の特徴をその全体において有するフィルター装置によって解決される。
【0007】
請求項1の特徴部によれば、本発明の本質的特徴は、測定値検出装置が蓋部材の蓋内側に配置され、この蓋部材内で少なくとも部分的にフィルターハウジング内に案内されて突入しており、さらに反対側の蓋外側には測定値検出装置に接続された測定値評価装置の少なくとも一部が周囲環境に面して配置されていることにある。
【0008】
測定ハウジングが当該タンク壁の上側に沿ってフィルターヘッドから横方向に離れて延びる公知の解決策では、これに対する接近可能性が相対的に制限されている。特に有利な点として、蓋内側に測定値検出装置を配置し、蓋外側に測定値評価装置の少なくとも一部を配置することにより、フィルター装置をタンク内フィルター装置として特に廉価かつ単純な構造で構成する可能性が開かれる。測定値検出装置が蓋部材からフィルターハウジングの内部に突入していることにより、フィルター装置はフィルターヘッドを持たない圧力値検出機能を備えたタンク内フィルターとして構成できて、蓋部材自体がタンク壁に設けた固定フランジと、フィルターハウジングの構成部材であるハウジングポットの関連する端部の受容部の両方を形成する。このようにすることにより、圧力値検出機能を備えたフィルター装置は、特に単純な構造で廉価に製造することができる。
【0009】
有利な実施形態では、測定値検出装置は、少なくとも部分的にセンサ管によって囲まれたセンサ流路を有しており、センサ管は蓋内側でフィルターエレメントの長手方向軸に対して同軸に延びてフィルターエレメントの室の1つと、測定値評価装置の一部で蓋外側にある受容室とを流体連通的に接続している。そうすることにより測定値検出装置と測定値評価装置を直接、したがって最短距離で相互に接続することができる。
【0010】
別の有利な実施形態では、受容室はその長手方向軸が蓋外側でフィルターエレメントの長手方向軸に対して横方向に延び、それぞれ測定値評価装置の一部である圧力センサ又は受容室の外部にある圧力センサのコネクタを受容する働きをする。それにより圧力センサ又はコネクタは少なくとも蓋部材の軸方向で、スペースを節約して蓋部材に組み付けることができる。さらにそれぞれの使用場所に取り付ける前にフィルター装置を回転させることにより、受容室の任意の向きを指定することができるので、圧力センサ又はコネクタをそれぞれの使用場所で簡単に取り付けたり取り外したりすることが可能になる。
【0011】
別の有利な実施形態では、センサ管はバイパス弁を通過しており、バイパス弁はフィルターエレメントのエレメント部材の閉塞状態で未濾過液側と濾過液側とを接続し、その弁ばねは蓋内側と、非閉塞状態でフィルターエレメントの前面開口部を閉じる出口部材との間で延びている。これによりバイパス弁、特にバイパス弁の弁閉鎖部材に存在する未濾過液の流体圧力を簡単に測定値評価装置に伝達できる。
【0012】
別の有利な実施形態では、受容室内で測定値評価装置のそれぞれ挿入される部分は、ねじ込み式カートリッジとして構成されている。それによりねじ込み式カートリッジとして構成された測定値評価装置の部分は、蓋部材に簡単かつ迅速に取り付け及び取り外しできる。
【0013】
別の有利な実施形態では、受容室はその長手方向軸に対して平行に流路セクションを有し、これにセンサ流路がその一方の自由端部で開口しており、流路セクションは圧力センサに通じる評価流路との恒久的な接続を形成する。流路セクションが受容室の長手方向軸に対して平行に位置合わせされていることにより、測定値検出装置、特に測定値検出装置のセンサ流路によって読み取られた未濾過液圧力は、測定値評価装置に至る流体経路上で絞ることができる。
【0014】
別の有利な実施形態では、蓋部材内で別のセンサ流路が案内されていて、フィルターエレメントの外側で流体連通的に両室の1つに通じており、必要に応じて閉鎖可能である。それにより、フィルターエレメントの濾過液側の圧力を差圧センサに伝達して差圧を測定することができる。
【0015】
別の有利な実施形態では、別のセンサ流路は、その蓋側端部で蓋部材内の受容室に開口しており、受容室には圧力センサの前端部が係合している。それにより差圧センサはその前端部で濾過液側の圧力を直接受けることができる。
【0016】
別の有利な実施形態では、圧力センサが動圧センサ又は差圧センサである。差圧測定において受容室の長手方向軸に対して平行に位置合わせされた流路セクションを介してセンサに未濾過液圧力が作用し、別のセンサ流路を介してセンサの前端部に濾過液圧力が作用する一方で、動圧センサは専らバイパス弁を通過するセンサ流路からの圧力値を検出するのに対し、差圧センサは両センサ流路からの圧力値を検出し、それらのうち別のセンサ流路は恒久的に濾液側と流体連通的に接続されている。動圧測定の場合、別のセンサ流路はセンサ又はコネクタのねじ込み式カートリッジの栓として形成された前面によって閉じることができる。
【0017】
以下に本発明を図面に示した実施形態に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は本発明によるフィルター装置の一実施形態の斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明によるフィルター装置の第1の実施形態の上端部領域のみの斜視図を、中央垂直断面に沿って切断し、切り取って示す図である。
【
図3】
図3は、本発明によるフィルター装置の第2の実施形態の斜視図を
図2に対応して切断し、切り取って示す図である。
【
図4】
図4は、本発明によるフィルター装置の第3の実施形態の斜視図を
図3に対応して切断し、切り取って示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付の図面を参照して、本発明をいわゆるタンク内フィルター装置の例で説明する。図に示されていない流体容器又はタンクに設置するために、そのような装置は固定フランジを有し、流出管又はハウジングポットが垂直方向にタンクの内部に延びるように、当該タンクの上部壁の壁開口部に取り付けることができるようになっている。そのようなタンク内フィルター装置の構造及び機能は、先行技術から知られている独国特許出願公開第102015003604(A1)号明細書に記載されている。
【0020】
図1~
図4では、タンク内フィルター装置10で通常のようにハウジングポット12がフィルターハウジング14の一部をなしており、フィルターハウジング14は交換可能なフィルターエレメント16を収容し、その際にフィルターエレメント16の外周を取り囲み、中間室18を形成する。
図2~
図4では、フィルターエレメントの上端部分のみが図面に見える。フィルター中空室22を取り囲むフィルターエレメント16の中空円筒形状のフィルター部材20は、通常のように2つのエンドキャップ24の間に延びており、
図2~
図4にはそのうち上部エンドキャップ24のみが見える。タンク内フィルターの動作時に、未濾過液が図示されていない下部エンドキャップを通って内側フィルター中空室22に供給されると、フィルター中空室22が未濾過液側26をなし、フィルター部材の外側にある中間室18が濾過液側28をなす。ここから濾過液は、ハウジングポット12の窓開口部30を通ってタンクの内部に入る。
【0021】
フィルターハウジング14は上側が、
図1に示す変形例では、ねじ34によって固定フランジ36と接続された蓋部材32によって閉じられている。
【0022】
図2~
図4の例示的な実施形態では、蓋部材32と固定フランジ36は一体的であり、固定フランジ36にはそのハウジングポット12に対面する側、特に面38に、蓋部材32を取り囲むシールリング40が隣接しており、これにより蓋部材32をタンク壁の図示されていない開口部にねじ込んだときに固定フランジ36はタンク壁に対してシールされることができる。
【0023】
ハウジングポット12と一緒に全フィルターハウジング14を形成する蓋部材32は、特にわずかに凸状に湾曲した外側42を有し、内室43を共に限定しており、そのトラフ形の天井部44は蓋内側45に外側の湾曲に対応する凸状湾曲を有する。
図1~
図4では、ハウジングポット12はその上端部分が蓋部材32の円柱状の壁46の内側に案内されており、壁46も内室43を共に限定している。代替として、ハウジングポット12は壁46の内側に固定でき、例えば壁46に接着することができる。そうすると濾過動作時に中間室18に続いて蓋部材32の内室43が濾過液側28をなす。壁46の外側には、蓋部材32をタンク壁の開口部にねじ込むためのねじ山48が設けられている。
【0024】
フィルターエレメント16の上部エンドキャップ24は、通常のようにフィルター部材20の上端部、及び格子状の支持構造の形でフィルター部材20の外側に当接する支持管50の上端部のための枠をなしており、その平面状の上側に中央開口部52を有する。下側で開口部52は、フィルターエレメント16の内側フィルター中空室22内に突出する接続部材54によって囲まれている。中央開口部52はその縁部がバイパス弁58の閉鎖体56に対するシーリングシートを形成しており、これは内側フィルター中空室22と蓋部材32によって共に限定された内室43との間の接続部材54に形成された貫通路を閉鎖する。エンドキャップ24はその上側に固持装置60を有しており、これはフィルターエレメント16を内蔵位置に位置決め保持するために、蓋部材32の内室43を通って蓋部材32から離れる方向に延びる蓋部材32の保持装置62と協働する。固持装置60は、エンドキャップ24の上側から上方に突出する3つの固持部64を有しており、これらは上側の外周近傍に互いに120°ずらして配置されており、そのうちの2つの固持部64が
図2~
図4に見える。固持部64はそれぞれ装置長手方向軸と同軸の円柱セクションの形を有し、
図2~
図4の左側に位置する固持部64から見て取れるように直角に曲げられて、半径方向段状面で、半径方向外側にずらした張り出し端部68に移行する。蓋部材32の天井部44から内室44に延びている割り当てられた保持装置62は、各固持部64のために足部70を介して天井部44と接続された保持部72を有しており、保持部72は同軸の内部ガイドリンクを有し、これに固持部64の張り出し端部68がフィルターエレメント16と蓋部材32との間の相対的な回転運動によって進入できる。進入した位置では一種のバヨネットロックが形成されて、段状面66はガイドリンク74の壁面と共にフィルターエレメント16を形状係合により軸方向で確保する。
【0025】
図2の実施形態は、蓋部材32の上側の中央に配置されたアタッチメント76を有しており、この中に測定値評価装置78の一部として、圧力センサ82、又は受容室80の外部にありフィルターエレメント16の汚れ度を確認できる圧力センサ82のための接続部材84(
図4)に対する受容室80が設けられている。
図2に示されているセンサ82は、ねじ込み式カートリッジの形のセンサハウジング88を有する差圧センサ86である。それぞれの圧力センサ82及び場合によっては接続部材84も、測定値評価装置78の一部である。
【0026】
受容室80は、流路の形で形成されており、その長手方向軸は半径方向に装置長手方向軸に対して垂直に延びて、蓋部材32又はフィルターエレメント16の長手方向軸に対して半径方向にずれている閉鎖端部90と、センサハウジング88又は接続部材84を受容室80に挿入ができる開放端部92とを有する。受容室80は、流路の閉鎖端部90の近傍に雌ねじ部分94を有しており、これにセンサハウジング88又は接続部材84をその雄ねじ部分96でねじ込むことができ、その際にシールリング98がセンサハウジング88若しくは接続部材84を受容室80に対してシールする。受容室80の雌ねじ部分94に接続流路セクション100が続いており、その中で未濾過液圧力の圧力値がセンサ32に伝達される。接続流路セクション100による相応の流体接続を形成するために、受容室80は、受容室80の内壁に沿って延び横流路102を形成する壁凹所を有する。
【0027】
接続流路セクション100に圧力値を伝達するために、センサ流路104は横流路102に開口し、測定値検出装置108の一部として蓋部材32の中央に位置する孔6を起点として、装置長手方向軸に対して同軸に延び、バイパス弁58の出口部材56を通過し、それにより入口側で未濾過液圧力を案内するフィルターエレメント16の中空室22に直接接続されている。センサ流路104は孔106を起点として、同様に測定値検出装置108の一部であるセンサ管114によってガイドスリーブの形で形成されており、その上でバイパス弁58の出口部材56が軸方向に可動に案内されている。皿形の閉鎖体の形をした出口部材56は、センサ管114を取り囲む、圧縮ばね116の形をした弁ばねによって、エンドキャップ24の開口部52の縁部でシールする閉鎖位置に付勢されており、そのためフィルターエレメント16の前面側開口部はフィルターエレメント16の非閉塞状態で閉じられている。圧縮ばね116、特に圧縮コイルばねは、出口部材56と蓋部材32の天井部44との間にクランプされている。フィルターエレメント16のエレメント部材20の閉塞状態では、出口部材56は未濾過液側26に存在する流体圧力によって、圧縮ばね116のばね力に抗して弁座、即ち上部エンドキャップ24の開口部52の縁部から持ち上げられ、それによってバイパス弁58は、未濾過液側26と濾過液側28とを接続する。
【0028】
差圧測定を伴う
図2の実施形態において、センサハウジング88は接続流路セクション100に位置合わせされた位置で傾斜した評価流路118を有しており、これはセンサ流路104からセンサハウジング88内の圧力室120への流体接続を作る。圧力室120は、センサハウジング88内の測定シリンダ122内にある。評価流路118を介して測定シリンダ122内の圧力室120に伝達される未濾過液圧力は、測定ピストン126の一方のピストン面124を負荷する。測定ピストン126は測定シリンダ122内で変位可能であり、圧縮ばね128により未濾過液圧力によって引き起こされる変位運動に抗して付勢されている。差圧測定のために、圧力室120とは反対側の測定ピストン126の別のピストン面130が濾過液圧力によって負荷される。このために圧力室120とは反対側を向いている測定シリンダ122の端部は、スロットル孔132を介して、圧力センサ82がその前端部146で係合している受容室80の閉鎖端部90と流体接続している。受容室80の閉鎖端部90は蓋部材32では中心からずれているので、受容室80の閉鎖端部90と蓋部材32の内室43内の濾過液側28との間の流体接続は、別のセンサ流路134によって作ることができる。センサ流路134は測定値検出装置108の一部として垂直孔136の形で、受容室80を起点として蓋部材32の上側を貫通して内室43を通って中間室18内に延び、そこでバイパス弁58の外部で濾過液側28に開口している。例えばホール効果に基づく測定方法など通常の非接触測定方法により、差圧によって測定ピストン126の運動に基づいて信号を発生させるために、フィルターハウジング14内にセンサボード138が設けられている。
【0029】
図3の実施形態は、蓋部材32上にあってアタッチメント76によって共に限定された受容室80内に、差圧測定のために設けられた差圧センサ86の代わりに動圧センサ140が設けられている点を除いて、
図2の実施形態に内容的に完全に一致する。ねじ込み式カートリッジとして構成された動圧センサ140のセンサハウジング88は、測定ピストン用の測定シリンダとしての内部流路を持たず、動圧測定用の圧力変換器142のみを有する。したがって圧力変換器142は、別の評価流路144及び受容室80における接続流路セクション100を介して、センサ流路104によって伝達される非濾過圧力で直接負荷されている。動圧測定では濾過液圧力は考慮されず、したがって別のセンサ流路134は機能しないため、
図3の例ではセンサハウジング88の前端部146は栓として形成されて、シールリング98とともに別のセンサ流路134との接続を閉鎖する。
【0030】
図4の実施形態は、ねじ込みカートリッジとして設計された接続部材84が、受容室80内に受容され、特にねじ込まれている点を除いて、
図3の実施形態に実質的に一致する。センサ流路104及びフィルター中空室22内の接続流路セクション100を介して読み取られる、接続部材84に存在する未濾過液圧力は、接続部材84によって流体管150を通して受容室80及び/又は接続部材84から離れて配置された動圧センサ140に送られ、動圧センサ140は機能方法に関して
図3の動圧センサ140に一致する。このために接続部材84内には、互いに垂直に位置合わせされ互いに流体連通的に接続された少なくとも2つの流路セクション152、154が設けられて、それぞれ孔を通って接続部材84内に導入され、それらのうち接続部材84を通ってフィルターエレメント16の長手方向軸の方向に延びる一方の流路セクション152は、受容室80の接続流路セクション100に流入し、接続部材84を通って受容室80の長手方向軸の方向に延びる他方の流路セクション152は、流体管150内に流体連通的に開口している。各流路セクション152、154は、接続部材84から進出する端部の方向に内径拡大部を、好ましくは段部の形で持つことができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
図1~
図4では、タンク内フィルター装置10で通常のようにハウジングポット12がフィルターハウジング14の一部をなしており、フィルターハウジング14は交換可能なフィルターエレメント16を収容し、その際にフィルターエレメント16の外周を取り囲み、中間室18を形成する。
図2~
図4では、フィルターエレメントの上端部分のみが図面に見える。フィルター中空室22を取り囲むフィルターエレメント16の中空円筒形状の
エレメント部材20は、通常のように2つのエンドキャップ24の間に延びており、
図2~
図4にはそのうち上部エンドキャップ24のみが見える。タンク内フィルターの動作時に、未濾過液が図示されていない下部エンドキャップを通って内側フィルター中空室22に供給されると、フィルター中空室22が未濾過液側26をなし、フィルター部材の外側にある中間室18が濾過液側28をなす。ここから濾過液は、ハウジングポット12の窓開口部30を通ってタンクの内部に入る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
フィルターエレメント16の上部エンドキャップ24は、通常のように
エレメント部材20の上端部、及び格子状の支持構造の形で
エレメント部材20の外側に当接する支持管50の上端部のための枠をなしており、その平面状の上側に中央開口部52を有する。下側で開口部52は、フィルターエレメント16の内側フィルター中空室22内に突出する接続部材54によって囲まれている。中央開口部52はその縁部がバイパス弁58の
出口部材56に対するシーリングシートを形成しており、これは内側フィルター中空室22と蓋部材32によって共に限定された内室43との間の接続部材54に形成された貫通路を閉鎖する。エンドキャップ24はその上側に固持装置60を有しており、これはフィルターエレメント16を内蔵位置に位置決め保持するために、蓋部材32の内室43を通って蓋部材32から離れる方向に延びる蓋部材32の保持装置62と協働する。固持装置60は、エンドキャップ24の上側から上方に突出する3つの固持部64を有しており、これらは上側の外周近傍に互いに120°ずらして配置されており、そのうちの2つの固持部64が
図2~
図4に見える。固持部64はそれぞれ装置長手方向軸と同軸の円柱セクションの形を有し、
図2~
図4の左側に位置する固持部64から見て取れるように直角に曲げられて、半径方向段状面で、半径方向外側にずらした張り出し端部68に移行する。蓋部材32の天井部44から内室
43に延びている割り当てられた保持装置62は、各固持部64のために足部70を介して天井部44と接続された保持部72を有しており、保持部72は同軸の内部ガイドリンクを有し、これに固持部64の張り出し端部68がフィルターエレメント16と蓋部材32との間の相対的な回転運動によって進入できる。進入した位置では一種のバヨネットロックが形成されて、段状面66はガイドリンク74の壁面と共にフィルターエレメント16を形状係合により軸方向で確保する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
受容室80は、流路の形で形成されており、その長手方向軸は半径方向に装置長手方向軸に対して垂直に延びて、蓋部材32又はフィルターエレメント16の長手方向軸に対して半径方向にずれている閉鎖端部90と、センサハウジング88又は接続部材84を受容室80に挿入ができる開放端部92とを有する。受容室80は、流路の閉鎖端部90の近傍に雌ねじ部分94を有しており、これにセンサハウジング88又は接続部材84をその雄ねじ部分96でねじ込むことができ、その際にシールリング98がセンサハウジング88若しくは接続部材84を受容室80に対してシールする。受容室80の雌ねじ部分94に接続流路セクション100が続いており、その中で未濾過液圧力の圧力値がセンサ82に伝達される。接続流路セクション100による相応の流体接続を形成するために、受容室80は、受容室80の内壁に沿って延び横流路102を形成する壁凹所を有する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングポット(12)からなるフィルターハウジング(14)を有するフィルター装置であって、
前記ハウジングポットは、交換可能なフィルターエレメント(16)を収容し、取り外
し可能な蓋部材(32)によって閉じられ、
前記フィルターエレメント(16)のエレメント部材(20)は未濾過液室(22)を濾過液室(18、43)から分離し、複数の室(18、22、43)の少なくとも1つの圧力値を検出する目的で測定値検出装置(108)を有するフィルター装置において、
前記測定値検出装置(108)は、蓋部材(32)の蓋内側(45)に配置され、蓋部材(32)内で少なくとも部分的に案内され、前記フィルターハウジング(14)内に突入し、
前記測定値検出装置(108)に接続された測定値評価装置(78)の少なくとも一部が、周囲環境に面して反対側の蓋外側(42)に配置されている、ことを特徴とするフィルター装置。
【請求項2】
前記測定値検出装置(108)は、少なくとも部分的にセンサ管(114)によって囲まれたセンサ流路(104)を有し、前記センサ管(114)は、前記蓋内側(45)でフィルターエレメント(16)の長手方向軸に対して同軸に延びて、前記フィルターエレメント(16)の室(22)の1つを、前記蓋外側(42)にある受容室(80)に流体連通的に接続し、前記受容室(80)は前記測定値評価装置(78)の一部である、ことを特徴とする請求項1に記載のフィルター装置。
【請求項3】
受容室(80)は、前記蓋外側(42)で前記フィルターエレメント(16)の長手方向軸に対して横方向に延びる長手方向軸を有し、それぞれ測定値評価装置(78)の部品として、受容室(80)の外部にある圧力センサ(82)又は前記圧力センサ(82)の接続部材(84)を受容するために役立つ、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルター装置。
【請求項4】
センサ管(114)は、前記フィルターエレメント(16)の前記エレメント部材(20)が閉塞したときに、未濾過液側(26)を濾過液側(28)に接続するバイパス弁(58)を通過し、該バイパス弁(58)の弁ばね(116)は、蓋内側(45)と非閉塞状態でフィルターエレメント(16)の前面開口部(52)を閉じる出口部材(56)との間を延びる、ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項5】
受容室(80)内で測定値評価装置(78)のそれぞれ挿入される部品はねじ込み式カートリッジとして構成されていることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項6】
受容室(80)はその長手方向軸に対して平行に流路セクション(100)を有し、該流路セクション(100)にセンサ流路(104)がその一方の自由端部で開口し、該流路セクション(100)は圧力センサ(82)の評価流路(118、144)との恒久的な接続を形成することを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項7】
前記蓋部材(32)内で別のセンサ流路(134)が案内され、該センサ流路(134)は前記フィルターエレメント(16)の外側で流体連通的に二つの室(18、43)の1つに通じ、必要に応じて閉鎖可能である、ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項8】
別のセンサ流路(134)の蓋側端部は、前記蓋部材(32)内の受容室(
80)に開口し、該受容室(
80)には圧力センサ(82)の前端部(146)が係合する、ことを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項9】
圧力センサ(82)は動圧センサ(140)又は差圧センサ(86)である、ことを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項10】
動圧センサ(140)は専ら未濾過液側(26)のセンサ流路(104)からの圧力値を検出し、差圧センサ(86)は二つのセンサ流路(104、134)からの圧力値を検出し、別のセンサ流路(134)は濾過液側(28)と恒久的に流体連通的に接続されている、ことを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載のフィルター装置。
【国際調査報告】