(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】ハイブリッドデジタルリニア・スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ
(51)【国際特許分類】
H02M 3/00 20060101AFI20221109BHJP
G05F 1/56 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
H02M3/00 H
G05F1/56 310N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506349
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(85)【翻訳文提出日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 US2020045274
(87)【国際公開番号】W WO2021045866
(87)【国際公開日】2021-03-11
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】大下 隆生
(72)【発明者】
【氏名】パイエ,ファブリス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン,リンクル
(72)【発明者】
【氏名】リズク,ジェド
(72)【発明者】
【氏名】ブロンスタイン,ダニー
(72)【発明者】
【氏名】アーノット,アーマッド
【テーマコード(参考)】
5H430
5H730
【Fターム(参考)】
5H430BB01
5H430BB05
5H430BB11
5H430CC07
5H430FF02
5H430FF13
5H430GG04
5H430GG08
5H730AA14
5H730AA15
5H730AS05
5H730BB03
5H730EE59
5H730FD01
5H730FF06
(57)【要約】
システム・オン・チップ(SOC)のスタンバイモード中に伝統的なソリューション(例えば、FIVR、LDO)よりも遥かに高い変換効率を供することができるオンダイ電圧レギュレータが提供され、それは、コネクテッドスタンバイモード中に電力消費を大幅に節約することができる。当該VRは、SOCのスタンバイモード中に一般的である低負荷電流条件下でスイッチドキャパシタVRとして動作する一方で、スタンバイ状態からの退出における突然の高負荷電流条件に対処するために自動的にデジタルリニアVR動作に切り換わる。デジタル比例積分微分(PID)コントローラ又はデジタル比例微分平均(PDA)コントローラを用いて、安定性と堅牢性とともに非常に低電力な動作が達成される。従って、ハイブリッドVRは、低負荷電流条件(例えば、500mA未満)に対して、リニア電圧レギュレータ(LVR)よりも遥かに高い変換効率を達成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力供給ノード及び出力供給ノードに結合された複数のスイッチキャパシタドライバであり、前記出力供給ノードは1つ以上の負荷に出力電圧を供給するためのものである、複数のスイッチキャパシタドライバと、
出力電圧バージョン、前記出力電圧、及び基準電圧を含む少なくとも3つの入力を受ける比較器と、
前記比較器に結合されたコントローラであり、当該コントローラは、前記比較器の出力を受信し、前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバのうちの1つ以上のスイッチキャパシタ位相ドライバを有効又は無効にするためのデジタルコードを生成する、コントローラと、
を有する装置。
【請求項2】
前記比較器は、
前記出力電圧を微分して、微分を示す第1出力を生成する第1回路と、
前記出力電圧バージョンを平均して、平均を示す第2出力を生成する第2回路と、
前記出力電圧バージョンを前記基準電圧と比較して、比較を示す第3出力を生成する第3回路と、
を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記比較器は、前記第1出力、前記第2出力、及び前記第3出力の重み付けバージョンを足し合わせて第4出力を生成するノードを有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記比較器は、前記第4出力を受け取って前記比較器の前記出力を生成するクロック式比較器を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のスイッチキャパシタドライバの個々のスイッチキャパシタドライバが、
少なくとも2つのキャパシタと、
複数のトランジスタであり、当該複数のトランジスタのうち一部が前記少なくとも2つのキャパシタに結合され、当該複数のトランジスタは、クロックの2つの異なる位相によって制御可能である、複数のトランジスタと、
を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つのキャパシタはMIMキャパシタである、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のスイッチキャパシタドライバの個々のスイッチキャパシタドライバは、2:3分圧器又は1:2分圧器の一方として動作可能である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記比較器は比例微分平均(PDA)比較器である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
バンドギャップ基準及びデジタルコードに従って基準電圧を生成するデジタル-アナログ変換器、を更に有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記出力供給ノードに結合され、前記出力電圧バージョンを生成する分圧器、を更に有する請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記コントローラはアップ/ダウンカウンタを有する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記コントローラは、前記1つ以上の負荷による電流需要に従って、前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバの前記1つ以上のスイッチキャパシタ位相ドライバにスイッチキャパシタレギュレーションモード又はリニアレギュレーションモードで動作させる前記デジタルコードを生成する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記スイッチキャパシタレギュレーションモードは、前記1つ以上の負荷による前記電流需要が閾値未満である場合に生じる、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記リニアレギュレーションモードは、前記1つ以上の負荷による前記電流需要が前記閾値よりも大きい場合に生じる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記閾値は約100ミリアンペアである、請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
入力供給ノード及び出力供給ノードに結合された複数のスイッチキャパシタドライバであり、前記出力供給ノードは1つ以上の負荷に出力電圧を供給するためのものである、複数のスイッチキャパシタドライバと、
前記複数のスイッチキャパシタドライバに結合され、前記1つ以上の負荷による電流需要に従って、前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバにスイッチキャパシタレギュレーションモード又はリニアレギュレーションモードで動作させる、コントローラと、
を有する装置。
【請求項17】
前記コントローラに結合された比較器であり、出力電圧バージョン、前記出力電圧、及び基準電圧を含む少なくとも3つの入力を受ける比較器、を更に有する請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記コントローラは、前記比較器の出力を受信して、前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバのうちの1つ以上のスイッチキャパシタ位相ドライバを有効又は無効にするためのデジタルコードを生成し、
前記比較器は、
前記出力電圧を微分して、微分を示す第1出力を生成する第1回路と、
前記出力電圧バージョンを平均して、平均を示す第2出力を生成する第2回路と、
前記出力電圧バージョンを前記基準電圧と比較して、比較を示す第3出力を生成する第3回路と、
を有する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサコアと、
前記プロセッサコアに結合された電圧レギュレータであり、
入力供給ノード及び出力供給ノードに結合された複数のスイッチキャパシタドライバであり、前記出力供給ノードは前記プロセッサコアに出力電圧を供給するためのものである、複数のスイッチキャパシタドライバと、
前記複数のスイッチキャパシタドライバに結合され、前記プロセッサコアによる電流需要に従って、前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバにスイッチキャパシタレギュレーションモード又はリニアレギュレーションモードで動作させる、コントローラと、
を有する電圧レギュレータと、
前記プロセッサコアが他の装置と通信することを可能にする無線インタフェースと、
を有するシステム。
【請求項20】
前記電圧レギュレータは、前記コントローラに結合された比較器を有し、該比較器は、出力電圧バージョン、前記出力電圧、及び基準電圧を含む少なくとも3つの入力を受ける、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記コントローラは、前記比較器の出力を受信して、前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバのうちの1つ以上のスイッチキャパシタ位相ドライバを有効又は無効にするためのデジタルコードを生成し、
前記比較器は、
前記出力電圧を微分して、微分を示す第1出力を生成する第1回路と、
前記出力電圧バージョンを平均して、平均を示す第2出力を生成する第2回路と、
前記出力電圧バージョンを前記基準電圧と比較して、比較を示す第3出力を生成する第3回路と、
を有する、
請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
出力供給ノードを介して、出力電圧を1つ以上の負荷に提供し、複数のスイッチキャパシタドライバが、入力供給ノード及び前記出力供給ノードに結合されており、
比較器により、出力電圧バージョン、前記出力電圧、及び基準電圧を含む少なくとも3つの入力を受信し、
コントローラにより、前記比較器の出力を受信し、
前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバのうちの1つ以上のスイッチキャパシタ位相ドライバを有効又は無効にするためのデジタルコードを生成する、
ことを有する方法。
【請求項23】
前記出力電圧を微分して、微分を示す第1出力を生成し、
前記出力電圧バージョンを平均し、
前記平均を示す第2出力を生成し、
前記出力電圧バージョンを前記基準電圧と比較し、
前記比較を示す第3出力を生成する、
ことを更に有する請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1出力、前記第2出力、及び前記第3出力の重み付けバージョンを足し合わせて第4出力を生成する、ことを更に有する請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記1つ以上の負荷による電流需要に従って、前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバの前記1つ以上のスイッチキャパシタ位相ドライバにスイッチキャパシタレギュレーションモード又はリニアレギュレーションモードで動作させる、ことを更に有する請求項22乃至24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、“HYBRID DIGITAL LINEAR AND SWITCHED CAPACITOR VOLTAGE REGULATOR”と題されて2019年9月6日に出願された米国特許出願第16/563,495号に対する優先権を主張するものであり、あらゆる目的でそれをその全体にて援用する。
【背景技術】
【0002】
スイッチドキャパシタ(SC)電圧レギュレータ(VR)は、コンバータアーキテクチャの中で軽負荷電流に対して良好な電力変換効率を供することが知られているDC-DCコンバータの一タイプであるが、製品の状況ではその高いコストのために、完全に集積されたシステム・オン・チップ(SOC)のソリューションとしてはあまり広く使用されていない。SC VR内のフライキャパシタの数が、SC VRが供給することができる最高負荷電流を決定する。従って、SC VRが高い負荷電流を提供するためには、例えば金属絶縁体金属(MIM)キャパシタなどのスイッチングキャパシタが多いことが望まれる。SOCはまた、多くの他の電力レールの電圧ドループ抑制のためのMIMキャパシタを要求し、これがリソースコンフリクトを引き起こす。また、伝統的なオンダイ(on-die)リニア電圧レギュレータ(LVR)ソリューションは、電源が例えば1.8Vから1.02Vに変換されるときに、限られた変換効率(例えば、56.7%)を達成することができるのみである。この限られた効率は電力損失をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0003】
開示の実施形態は、以下に与えられる詳細な説明から、及び開示の様々な実施形態の添付図面から、より十分に理解されることになるが、それらは、開示を特定の実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、単に説明及び理解のためのものである。
【
図1】一部の実施形態に従ったスイッチドキャパシタ電圧レギュレータの概念的メカニズムを示している。
【
図2】一部の実施形態に従ったハイブリッドデジタルリニアSCVRを示している。
【
図3】一部の実施形態に従ったハイブリッドSCVRの2つの動作モードの機能概略図を示している。
【
図4】一部の実施形態に従ったハイブリッドデジタルリニアSCVRの比較器回路を示している。
【
図5】一部の実施形態に従った3:2分圧比を有するスイッチドキャパシタ分圧器回路を示している。
【
図6】一部の実施形態に従った1:2分圧比を有するスイッチドキャパシタ分圧器回路を示している。
【
図7】一部の実施形態に従った、デジタルリニアVRモードにおけるスイッチドキャパシタ分圧器回路を示している。
【
図8】一部の実施形態に従った、ハイブリッドSCVRデジタルフィードバックコントローラの状態図を示している。
【
図9】一部の実施形態に従った、デジタルフィードバックコントローラに関する別の状態遷移図を示している。
【
図10】一部の実施形態に従った、フィードバックコントローラ機能のハイレベルビューを示している。
【
図11】一部の実施形態に従った、ハイブリッドSCVRの変換効率を伝統的なリニアVRに対して示すプロットを示している。
【
図12】一部の実施形態に従った、1.8V-0.7V変換について、ハイブリッドSCVRの変換効率を伝統的なリニアVRに対して示すプロットを示している。
【
図13】一部の実施形態に従った、様々な実施形態の微分器がターンオンされるとき及びターンオフされるときのそれぞれのレギュレート電圧を示すプロットを示している。
【
図14】開示の一部の実施形態に従った、ハイブリッドSCVRを有するスマート機器又はコンピュータシステム又はSoC(システム・オン・チップ)を示している。
【発明を実施するための形態】
【0004】
完全に集積されたオンダイバックコンバータ(fully integrated on-die Buck converter;FIVR)は、負荷電流が十分に高い(例えば500mAより大きい)場合にしか高めの効率(例えば80-90%の変換効率)を達成することができず、低負荷電流条件では高い変換効率を達成することができない。ここで、変換効率は、入力電力を出力電力に変換することを指す。
【0005】
一部の実施形態は、SOCのスタンバイモード中に伝統的なソリューション(例えば、FIVR、低ドロップアウト(LDO)レギュレータ)よりも遥かに高い変換効率を供することができるオンダイ電圧レギュレータ(VR)を記述し、それは、コネクテッドスタンバイモード中に電力消費を大幅に節約することができる。コネクテッドスタンバイとは、デバイスが、低電力供給されるアイドル状態を維持することができながら、なおも、直ちにフル動作状態に移行することができる動作モードである。一部の実施形態は、SOCのスタンバイモード中に一般的である低負荷電流条件下でスイッチドキャパシタVRとして動作する一方で、スタンバイ状態からの退出における突然の高負荷電流条件に対処するために自動的にデジタルリニアVR動作に切り換わるハイブリッドオンダイデジタルリニア/スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ(VR)を記述する。一部の実施形態において、ハイブリッドVRは、デジタル比例積分微分(PID)又はデジタル比例平均微分(PDA)コントローラを展開して、安定性と堅牢性とともに非常に低電力な動作を達成する。
【0006】
様々な実施形態の数多くの技術的効果がある。例えば、ハイブリッドVRは、低負荷電流条件(例えば、500mA未満)に対して、リニア電圧レギュレータ(LVR)よりも遥かに高い変換効率を達成する。ここで、低負荷電流状態とは、一般に、例えばSOCのスタンバイモード又はコネクテッドスタンバイモードなどの、ほとんどのアイドル動作状態で期待される電流レベルを指す。様々な実施形態のハイブリッドVRは、低負荷電流条件に対して、完全集積バックコンバータソリューション(FIVR)よりも高い変換効率を達成する。上述のように、負荷電流が500mA未満である場合にFIVRは良好な効率(例えば、80%以上)を供することができない。ハイブリッドSC VRは、伝統的なSC VRにおいてと同じ数のキャパシタ(例えば、フライキャパシタ)で、高い負荷電流需要を管理して取り扱うことができる。
【0007】
SOCのスタンバイ状態の間、平均負荷電流は、ほとんどの時間で非常に低いが、それは、例えばスタンバイ状態からの退出においてなど、時折、突然の高負荷電流状態に直面し得る。スイッチドキャパシタVRの場合、最大電流能力は、キャパシタのサイズによって制限され、一般に、伝統的なスイッチドキャパシタVRは、限られたキャパシタサイズのために、突然の高負荷電流をサポートすることができない。様々な実施形態のハイブリッドVRは、デジタルリニアレギュレータとして動作する能力を持ち、当該VRは、スタンバイ状態の間であってもハイブリッドVRが時折起こり得る突然の高負荷電流を扱うことができるように、自動的にデジタルリニアVRモードに入る。一部の実施形態のハイブリッドVRの更なる利点は、伝統的なFIVRで使用されるオフダイ(off-die)コンポーネントを直接使用しないこと、及びまた、大量生産(high volume manufacturing;HVM)のための較正を必要としないことである。従って、ハイブリッドVRは、製品を市場に投入するコストも低減させる。
【0008】
以下の説明では、本開示の実施形態のより完全なる説明を提供するために、多数の詳細事項を説明する。しかしながら、当業者に明らかになることには、本開示の実施形態は、これらの特定の詳細事項なしで実施されることができる。また、本開示の実施形態を不明瞭にしてしまうことを回避するために、周知の構造及びデバイスは、詳細にではなくブロック図の形態で示す。
【0009】
なお、実施形態の対応する図面では、信号が線で表されている。一部の線は、より構成要素である信号経路を指し示すために太めにされることがあり、且つ/或いは情報の主な流れ方向を指し示すために一端又は両端に矢印を有することがある。このようなインジケーションは、限定することを意図したものではない。むしろ、それらの線は、1つ以上の例示的な実施形態に関連して、回路又は論理ユニットの容易な理解を支援するために使用される。表される信号は、設計のニーズ又は嗜好によって決められ、実際には、何れかの方向に進行し得る1つ以上の信号を有し得るとともに、任意の好適タイプの信号スキームで実装され得る。
【0010】
明細書全体を通して、及び特許請求の範囲において、用語“接続され”は、中間デバイスなしでの、接続された物の間の例えば電気的、機械的又は磁気的な接続などの直接的な接続を意味する。
【0011】
用語“アナログ信号”は、ここでは概して、信号の時間変化する特徴(変数)が、何らかの他の時間変化する量を表すものである、すなわち、別の時変信号と類似である連続的な信号を指す。
【0012】
用語“デジタル信号”は、例えば、任意のビットストリーム、又はデジタル化された(サンプリングされてアナログ-デジタル変換された)アナログ信号といった、一連の離散値(数量化された離散時間信号)、を表すものである物理信号である。
【0013】
用語“結合され”は、例えば、接続された物の間の例えば直接的な電気的、機械的、若しくは磁気的な接続、又は1つ以上の受動的若しくは能動的な中間デバイスを介した間接的な接続などの、直接的又は間接的な接続を意味する。
【0014】
用語“隣接した”は、ここでは概して、ある物が他の物に隣にある(例えば、すぐ隣、又はそれらの間に1つ以上の物を置いて近接)又は境を接している(例えば、くっついている)位置を指す。
【0015】
用語“回路”又は“モジュール”は、所望の機能を提供するよう互いに協働するように構成された1つ以上の受動及び/又は能動コンポーネントを指し得る。
【0016】
用語“信号”は、少なくとも1つの電流信号、電圧信号、磁気信号、又はデータ/クロック信号を指し得る。“a”、“an”、“the”の意味は複数参照を含む。“in”の意味は“in”及び“on”を含む。
【0017】
用語“スケーリング”は概して、設計(回路図及びレイアウト)をあるプロセス技術から別のプロセス技術へと変換することを指し、後にレイアウト面積において縮小され得る。用語“スケーリング”は概して、同じテクノロジーノードの中でレイアウト及びデバイスを小型化することも指す。用語“スケーリング”はまた、例えば電源レベルといった別のパラメータに対して相対的に信号周波数の調整(例えば、低速化又は高速化、すなわち、それぞれ、スケールダウン又はスケールアップ)することを指し得る。用語“実質的に”、“近い”、“近似的に”、“ほぼ”、及び“約”は概して、目標値の±10%以内であることを指す。
【0018】
別段の断りがない限り、共通のオブジェクトを記述するための序数形容詞“第1の”、“第2の”、“第3の”などの使用は、単に、同様のオブジェクトの異なるインスタンスが参照されていることを示すものであり、そのように記述されるオブジェクトが、時間的に、空間的に、ランク付けにおいて、又は何らかの他のやり方で、所与のシーケンスになければならないことを意味する意図はない。
【0019】
本開示の目的で、“A及び/又はB”及び“A又はB”という言い回しは、(A)、(B)、又は(A及びB)を意味する。本開示の目的で、“A、B、及び/又はC”という言い回しは、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B及びC)を意味する。
【0020】
明細書及び特許請求の範囲において、存在する場合に、用語“左”、“右”、“前”、“後”、“頂部”、“底部”、“上”、“下”、及びこれらに類するものは、説明の目的で使用されており、必ずしも恒久的な相対位置を記載するために使用されているわけではない。
【0021】
指摘しておくことには、他の図の要素と同じ参照符号(又は名称)を持つ図の要素は、記載されたものと同様にして動作又は機能することができるが、そのように限定されるものではない。
【0022】
実施形態の目的で、ここに記載される様々な回路及び論理ブロック内のトランジスタは、金属酸化膜半導体(MOS)トランジスタ又はそれらの派生物であり、MOSトランジスタは、ドレイン、ソース、ゲート、及びバルク端子を含む。トランジスタ及び/又はMOSトランジスタ派生物はまた、トライゲート及びFinFETトランジスタ、ゲートオールアラウンド円筒型トランジスタ、トンネリングFET(TFET)、スクエアワイヤ、矩形リボン型トランジスタ、強誘電体FET(FeFET)、又はカーボンナノチューブ若しくはスピントロニックデバイスのようなトランジスタ機能を実現する他のデバイスを含む。MOSFETの対称的なソース及びドレイン端子は、言い換えれば、相等しい端子であり、ここでは交換可能に使用される。一方、TFETデバイスは、非対称のソース及びドレイン端子を有する。当業者が理解することには、開示の範囲から逸脱することなく、例えばバイポーラ接合トランジスタ(BJT PNP/NPN)、BiCMOS、CMOSなどといった他のトランジスタも使用され得る。
【0023】
図1は、一部の実施形態に従った、スイッチドキャパシタ電圧レギュレータ(SCVR)100の概念的メカニズムを示している。SCVRは、図示のように結合された、比較器101、フィードバックコントローラ102、スイッチキャパシタ(SC)分圧器103、及び可変インピーダンス104を含む。比較器101は、(ノードVout上の)出力電圧Voutを(ノードVrefにおける)基準電圧Vrefと比較し、Vout上の電圧がVrefより高いか低いかを指し示す出力outを(ノードout上に)を生成する。フィードバックコントローラ102は、アップ/ダウンカウンタを含むことができ、出力outの論理レベルに応じて、コードの値を増加させるかコードの値を減少させるかする。このデジタルコードが可変インピーダンスブロック104によって受け取られ、可変インピーダンスブロック104は、コードの値に応じてそのインピーダンスを増加又は減少させる。従って、ノードVout上の電圧がレギュレートされ、ここで、Vin2は、可変インピーダンスブロック104への入力電圧である。
【0024】
ここで、スイッチドキャパシタ分圧器103は、MIMフライキャパシタとMOSスイッチとを有する回路である。この例において、スイッチドキャパシタ分圧器は、ノードVin1の1.8V入力をノードVin2上の1.2Vに最小限の効率損失でダウンコンバートする。1.2Vへの電圧変換の後に、抵抗成分104が、ノードVout上の1.05Vのターゲット出力電圧に向けて更にダウンコンバートする。コントローラ102は、ノードVout上のターゲット出力電圧を達成するために、この抵抗成分104の抵抗を制御する。レギュレーション回路の一部として、比較器101が出力電圧をターゲット電圧Vrefと比較し、フィードバックコントローラ102が、比較器出力outに基づいてブロック104の抵抗を調節する。例えば、出力電圧Voutがターゲット電圧Vrefよりも高い場合、コントローラ102は、より高いIR電圧降下を生じさせて出力電圧を低い方に動かすために抵抗104を増加させ、一方、出力電圧Voutがターゲット電圧Vrefよりも低い場合、コントローラ102は、IR降下を低くして出力電圧を高い方に動かすために抵抗を減少させる。
【0025】
図2は、一部の実施形態に従った、ハイブリッドデジタルリニアSCVR200を示している。SCVR200は、基準生成器201と、複数のPID又はPDA比較器回路202
0-202
N(ここで、Nは整数である)と、デジタルフィードバックコントローラ203と、複数のスイッチキャパシタ位相ドライバ204
0-204
N(ここで、Nは整数である)と、キャパシタアレイ205
0-205
Nと、抵抗R1及びR2を有する分圧器と、負荷キャパシタCloadとを有している。出力ノードVoutが負荷(電流シンクとしてモデル化されている)に結合される。負荷は、例えばプロセッサコア、キャッシュ、グラフィックスユニット、I/Oなどの任意の好適な負荷とすることができる。
【0026】
一部の実施形態において、基準生成器201は、MビットのデジタルコードTrimCode[M:0](ここで、Mは整数である)を受信して対応する基準電圧Vrefを生成するデジタル-アナログ変換器(DAC)を有する。DACは、デジタルデータ(例えば、バイナリコード化又はサーモメータコード化)をアナログ信号(電流、電圧、又は電荷)に変換する装置である。一部の実施形態において、DAC201は、パルス幅変調器DACである。他の実施形態では、DAC201を実施するために他のタイプのDACが使用されてもよい。例えば、補間式DAC(オーバーサンプリングDACとしても知られる)、バイナリ重み付けDAC(例えば、スイッチドレジスタDAC、スイッチドキャパシタDAC、スイッチド電流ソースDAC)、R-2RラダーDAC、サーモメータコード化DAC、セグメンテッドDACなどを、DAC201を実装するのに使用してもよい。この例において、DAC201は、MビットのTrimCodeと例えばバンドギャップ基準電圧(例えば、1.0VのBGRefVoltage)などの入力基準とに従って様々な電圧レベルのVrefを生成するレジスタDAC(RDAC)である。例えば、バンドギャップ基準回路からの基準電圧BGRefVoltageがRDAC201に供給され、RDAC201は、基準電圧BGRefVoltageをトリミングしてターゲット出力電圧Vrefを調節する。
【0027】
一部の実施形態において、比較器202(例えば、比較器202
0)は、ノードVref上の電圧をフィードバック電圧Vfeedbackと比較する。一部の実施形態において、比較器202は、3つの独立した比較器を有する。一次比較器は、サイクル毎に入力をサンプリングすることができる論理的には単一の比較器であり、これは、互いにインターリーブされて各々が2サイクル毎に入力電圧をサンプリングすることができる2つの独立した物理的な比較器を並列に有する。様々な実施形態において、比較器202は、3つの入力、すなわち、RDAC201からの基準電圧Vrefと、分圧された出力電圧Vfeedbackと、VRの出力電圧Voutとを受け、そして、比較に基づいてバイナリ出力(0又は1)を生成する。その結果がデジタルフィードバックコントローラに送られる。N個の比較器202
0-202
Nの中の各比較器がバイナリ出力を生成し、それらが結合してNビットコード(Code[N:0]として図示)を形成する。各比較器は、比例項、微分項、及び平均項(又は一部ケースでは積分項)という3つ項の加重和に基づいて出力決定を生成する。
図4は、比較器202
0のそのような一実施形態を示している。
【0028】
戻って
図2を参照するに、Code[N:0]がフィードバックコントローラ203に送られる。フィードバックコントローラ203は、1つ以上のスイッチキャパシタ位相ドライバ204
0乃至204
Nを選択的にターンオン又はターンオフすることによって出力電圧を制御する動作を行う。従って、位相ドライバ204
0乃至204
Nの有効サイズを変化させることによって、VinとVoutとの間の抵抗が制御される。Nは整数であるとして、NビットのバンクイネーブルコードBankEn[N:0]を用いて位相ドライバ204
0乃至204
Nのバンクをターンオン及びターンオフすることによって、位相ドライバの有効サイズを変更することができ、従って、IR降下及び出力電圧Voutを増大又は減少させることができる。位相ドライバ204
0乃至204
NへのNビット位相クロックPhaseClock[N:0]を変えることによって、(抵抗の調節を介して)VinとVoutとの間で更に精緻化された電圧調節を達成することができる。各スイッチキャパシタ位相ドライバ204
0乃至204
Nからの出力が共に統合されて出力Voutを形成する。様々な実施形態において、各スイッチキャパシタ位相ドライバ204
0乃至204
Nに対するキャパシタ205は任意の好適な構成で実装される。例えば、キャパシタ205
0乃至205
Nは、MIMキャパシタ、トランジスタと金属キャパシタとのハイブリッド、トランジスタキャパシタ、又は金属キャパシタとして実装されることができる。一部の実施形態において、K及びLは整数であるとして、これらのキャパシタは、例えばK×Lアレイなどのアレイ構成で構成される。
【0029】
図3は、一部の実施形態に従ったハイブリッドSCVRの2つの動作モードの機能概略
図300を示している。概略
図300は、比較器202(例えば、比例、微分、及び平均(PDA)比較器)の更なる詳細を示している。比較器202は、微分器202a、平均器としてのローパスフィルタ(LPF)202b、減算器202c、減算器202d、重みω
1、ω
2、及びω
3、加算器ノード、及びクロック式比較器202eを有する。ここでは、各スイッチキャパシタ位相ドライバを、スイッチキャパシタ分圧器204a、マルチプレクサ(Mux)204b、及び可変抵抗器R
SWでモデル化している。
【0030】
様々な実施形態において、FSM(有限状態マシン)203が、制御コードを介して電力スイッチ204の実効インピーダンスを制御する。Mux204bを用いて、負荷条件(例えば、電流引き込みIloadの量)に応じて、リニアVRモード(例えば、低ドロップアウト(LDO)モード)又はSCVRモードのうちの一方を選択する。様々な実施形態において、比較器202は、3つの入力、すなわち、RDAC201からの基準電圧Vrefと、分圧された出力電圧Vfeedbackと、VRの出力電圧Voutとを受け、比較に基づいてバイナリ出力Up/Down(0又は1)を生成する。その結果がデジタルフィードバックコントローラ203に送られる。
【0031】
様々な実施形態において、PDA比較器202は、電圧モードループ及び電流モードループなる2つの別々の動作ループを含む。典型的には、VRのフィードバックシステムで使用される比較器は電圧モードループのみを持つ。2つの別々のループを持つことは、電流モードループが微分器202aを介して即時且つ直接的な負荷電流測定を可能にするので、Voutノード上のdi/dt(突然の電流変化)イベントに対して、いっそう高速な応答を可能にする。電圧モードループのみを持つものである典型的な比較器においては、Vout上の電圧ドループが顕著になった後にdi/dtイベントが検出されるのみである。
【0032】
なお、一般にCloadは高く(例えば、500nFのレンジ内)、故に、電圧モードループだけでdi/dtイベントを検出するのは遅いプロセスである。高いCloadは、負荷の動的キャパシタンスのせいだけでなく、VinとCoutとの間のデカップリングキャパシタ、キャパシタアレイ205(例えば、MIMキャパシタアレイ)、及びVRの帯域幅を超える電圧ドループを抑圧するためにVin若しくはVout電源グリッドに接続されるパッケージキャパシタのせいでもある。大きなCloadはdi/dtイベントの影響を隠してしまう。di/dtイベント時、VRの出力電圧(Vout)は徐々にシフトダウンし始め、(典型的なVRの)電圧モードループは、電圧ドループが顕著になるまで、di/dtイベントを通常の定常状態リップルから区別することができない。これは、典型的なVRはVoutノードを通る電流を測定しないからである。様々な実施形態において、微分器202aが、Vout上のdi/dtイベントを直ちに検出し、FSM203が、この情報を用いて電力スイッチ204を制御する。例えば、微分器は、スイッチ電流ISWと負荷電流Iloadとの差に等しいものfであるCload・d(Vout)/dtを計算する。一部の実施形態において、“differential”として指し示される、Voutをサンプリングするω2を有するキャパシタが、Voutをクロック位相φ1でサンプリングし、Voutをクロック位相φ2で再びサンプリングする。一部の実施形態において、微分器202aは異なる位相で異なるノードにスイッチせず、各位相でVoutが自動的にサンプリングされるので、サンプリングのためのパスゲートは存在しない。1回目及び2回目のサンプリングについてのVoutの電圧デルタに比例する電荷がキャパシタω2に注入される。
【0033】
様々な実施形態の電流モードループは、Vout上の電圧リップルに対して、伝統的なVRよりも良好な制御を提供する。電圧リップルは、VRの電力効率に影響するだけでなく、チップ動作を停止させることがあり、結果として、製品の機能動作にとって重大である。この制御ループは2つの極を含む。主たる極はVRの出力Voutにあり、この極の位置は、理論的に次式:
【数1】
によって記述され得る。
【0034】
ここで、R
swは、パワーMOSスイッチ204の抵抗を示し、C
loadは、VRの負荷キャパシタンスを示す。製品の状況では、C
loadは典型的に500nFであり、R
swは負荷電流によって決定される。式(1)から、負荷電流200μAでは、極周波数(f
pole1)は100Hzのオーダーにあり、負荷電流200mAでは、極周波数(f
pole1)は100kHzのオーダーにある。第2の極は、積分器回路として作用するものであるup/dnカウンタ203の出力にある。第2の極の位置(f
pole2)は、おおよそ、
【数2】
のオーダーにあり、ここで、f
samplingは、クロック式比較器202eのサンプリング周波数を示す。up/dnカウンタのビット数は、スイッチ抵抗変調の粒度(ΔR)及び抵抗変調の範囲(max[R]-min[R])によって決定される。f
pole2は、負荷電流に依存せず、サンプリング周波数50MHz及び6ビット分解能のup/dnカウンタ203の場合、f
pole2は約800kHzである。
【0035】
この例を続けるに、低い負荷電流(200μA)では、f
pole1(=100Hz)及びf
pole2(=800kHz)が互いに遠く離れており、十分高い位相マージンを達成することができるが、高い負荷電流(例えば、200mA)では、f
pole1(=100kHz)及びf
pole2(=800kHz)が互いに近く、乏しい位相マージンをもたらす。電圧リップルは位相マージンの関数であることが知られており、より乏しい位相マージンは電圧リップルを増加させる。様々な実施形態によれば、電流制御ループがこの状況を大幅に改善する。電流制御ループは、次式:
【数3】
により示されるように、出力電圧の微分によって負荷電流が導出されるので、制御ループ内にゼロを生成する。
【0036】
ここで、CloadはVRの負荷キャパシタンスを示し、Iloadは負荷電流であり、ISWは、パワーMOSスイッチ204を通る電流を示す。up/dnカウンタ出力及び電流(ISW-Iload)は周波数fsamplingの共通のクロックによってサンプリングされるので、ゼロの位置(fzero)は第2の極の近くである。様々な実施形態によれば、fzeroにあるゼロが、fpole2にある第2の極の影響を相殺し、それが、位相マージンを大幅に改善する。様々な実施形態において、VR300は、Voutがターゲットに等しいとき、及びISWがIloadに等しいときに、定常状態を達成する。
【0037】
図4は、一部の実施形態に従ったハイブリッドデジタルリニアSCVRの比較器回路400(例えば、202)を示している。比較器400は、それぞれクロック位相Φ
1、Φ
2、Φ
1、及びΦ
2によって制御可能なスイッチ(例えば、トランジスタ)S1、S2、S3、及びS4を有する。比較器は更に、クロック位相Φ
1(第1位相)によって制御可能なスイッチS5に結合された利得ブースト用のインバータ増幅器401を有する。ここでは、利得ブースト用のインバータ増幅器の一実施形態例が示されている。一部の実施形態において、利得ブースト用インバータ増幅器401は、図示のように結合された、p型トランジスタMP1a及びMP2a、n型トランジスタMN1a及びMN2a、並びにインバータ401a及び401bを有する。一部の実施形態では、単純なインバータ又は反転増幅器が利得ブースト用インバータ401を置き換える。
【0038】
比較器400は、図示のように結合された、p型トランジスタMP1、MP2、MP3、MP4、及びMP5と、n型トランジスタMN1、MN2、MN3、MN4、及びMN5とを含むクロック式比較ステージを有する。トランジスタMP5は、クロック位相Φ2(第2位相)によって制御可能である。MP1のゲートは、インバータ401の出力によって制御可能である。トランジスタMN1はクロック位相Φ2によって制御可能である。トランジスタMN4はクロック位相Φ2によって制御可能である。トランジスタMP3は、電圧V2(例えば、供給電圧Vccxxの1/2)によって制御可能である。
【0039】
ここで、一次比較器は、サイクル毎に入力をサンプリングすることができる論理的には単一の比較器であり、これは、互いにインターリーブされて各々が2サイクル毎に入力電圧をサンプリングすることができる2つの独立した物理的な比較器を並列に有する。当該比較器は、3つの入力、すなわち、RDAC201からの基準電圧Vrefと、分圧された出力電圧Vfeedbackと、VRの出力電圧Voutとを受け、そして、比較に基づいてバイナリ出力Out(0又は1)を生成する。比較器400は結果Outをデジタルフィードバックコントローラ203に送る。
【0040】
様々な実施形態によれば、比較器400は、比例項、微分項、及び平均項という3つ項の加重和に基づいてoutを生成する。比例(P)成分、微分(D)成分、及び平均(A)成分の加重和は、利得ブースト用インバータ401への入力として受信される。インバータ401の入力は:
【数4】
として表されることができる。
【0041】
ここで、合計の重みは、重みω1、ω2、及びω3に関連付けられたキャパシタンスの比によって示される。スイッチドキャパシタ加算器が加算を提供し、各項の重みがキャパシタの比によって決定される。比例項は、通常の電圧比較器と同じであり、2つの入力信号の電圧デルタ(例えば、VrefとVfeedbackとの間の差)を捕捉する。微分項はdVout/dtを捕捉する。微分は、出力電圧Voutを1サイクル前及び現在サイクルで捕捉し、スイッチドキャパシタ減算器により減算することによって達成される。なお、i(電流)=C(キャパシタンス)*dVout/dtである。従って、微分項は負荷電流Iloadを捕捉する。この項の役割は、例えば、位相マージンを改善すること及び電圧リップルを抑制することである。最後の項は平均項であり、これは2つの入力信号のフィルタリングしたバージョンの電圧差を捕捉する。比較器400への入力のうちの1つである信号VfeedbackはACノイズを含み得る。入力が、ACノイズを含む、すなわち、SCVRのサンプリング周波数の高調波を含む場合、エイリアシング効果に起因してDC電圧がターゲットに収束しないことがある。LPF202bを介した、Vfeedbackのローパスフィルタリングしたバージョンは、そのような場合にSCVRループがVoutを正しいターゲットに収束させるのを助ける。
【0042】
伝統的なデジタルPIDコントローラは、フルADC(アナログ-デジタル変換器)及び複雑なデジタルフィルタを必要とし、それが大量の電力及びシリコン面積を消費する。発明した比較器は、既存設計とは異なり、最小限のシリコン面積及び非常に低い電力(例えば、50μWのオーダー)の単純な機構でPID制御を達成することができる。さらに、比較器400は、オートゼロの能力を持ち、結果として較正を必要としない。
【0043】
ここでは、2つの補助比較器が使用される。一方の比較器は、ターゲット電圧にオフセットを足し合わせた電圧を検出するのに使用され、他方の比較器は、ターゲット電圧からオフセットを差し引いた電圧を検出するのに使用される。これらのオフセットは、ヒューズオーバライド、レジスタ、又はオペレーティングシステムを通じてプログラム可能とすることができる。一例において、オフセットのフォールト設定は約50mVである。各補助比較器がバイナリ出力(0又は1)を生成し、それがデジタルフィードバックコントローラ203に送られる。
【0044】
インバータ401の出力は、クロック比較器202eによって受けとられる。回路202eを実装することには、任意の好適なクロック比較器を使用し得る。回路202eは、MP1のゲート電圧をMP3のゲート電圧(V2)と比較し、比較に基づいて0又は1の出力“Out”を生成する。機能は静的な比較器と同じであるが、比較時間がわかっている。当業者が理解することには、静的な比較器では、比較に必要な時間がわからず、比較している間、比較器出力が準安定状態となり得る。クロック式比較器202eの場合には、1クロックサイクル内で決定が為され、比較器の出力が準安定になることがない。
【0045】
図5は、一部の実施形態に従った2:3分圧比を有するスイッチドキャパシタ分圧器回路500(例えば、204
0)を示している。
図6は、一部の実施形態に従った1:2分圧比を有するスイッチドキャパシタ分圧器回路600(例えば、204
0)を示している。
図7は、一部の実施形態に従った、デジタルリニアVRモードにおけるスイッチドキャパシタ分圧器回路700を示している。
【0046】
一部の実施形態において、スイッチキャパシタ分圧器回路500及び600は、図示のように結合された、p型トランジスタMP1、MP2、MP3、MP4、MP5及びMP6と、n型トランジスタMN1、MN2及びMN3と、キャパシタC1及びC3と、内部ノードn1、n2、n3及びn4とを有する。クロック位相Φ1#(Φ1の逆又は補数)がトランジスタMP1を制御する。クロック位相Φ2#(Φ2の逆又は補数)がトランジスタMP2を制御する。クロック位相Φ2#がトランジスタMP3を制御する。クロック位相Φ1#がトランジスタMP4を制御する。トランジスタMP5を、2:3分圧器構成では出力Voutが制御し、1:2分圧器構成ではクロック位相Φ1#が制御する。クロック位相Φ2#がトランジスタMP6を制御する。トランジスタMN1を、2:3分圧器構成ではクロック位相Φ1が制御し、1:2分圧器構成ではグランドが制御する。クロック位相Φ2がトランジスタMN2を制御する。トランジスタMN3を、2:3分圧器構成ではノードV1(例えば、グランド)が制御し、1:2分圧器構成ではクロック位相Φ1が制御する。2:3の分圧比の構成では、トランジスタMN3はオフである。ノードn1及びn3はキャパシタC1に結合され、ノードn2及びn4はキャパシタC2に結合される。
【0047】
Vinが1.8Vであると仮定するに、2:3の分圧比の構成において、クロックの第1位相において、MP1のゲートは1.0Vにあり、MP3のゲートは1.8Vにあり、MP2のゲートは1.8Vにあり、MP4のゲートは0Vにあり、MP6のゲートは1.2Vにあり、MN1のゲートは1.0Vにあり、MN2のゲートは0Vにあり、ノードn1は1.8Vにあり、ノードn2は1.2Vにあり、ノードn3は0.6Vにあり、そして、ノードn4は0.6Vにある。この場合、出力Voutは1.2Vにある。(ノードn1、n2、n3、及びn4上の)これらノード電圧は例示的なものである。例えば、負荷電流がもっと高いとき、実際の電圧はもっと低くなり得る。
【0048】
Vinが1.8Vであると仮定するに、2:3の分圧比の構成において、クロックの第2位相において、MP1のゲートは1.8Vにあり、MP3のゲートは1.0Vにあり、MP2のゲートは0Vにあり、MP4のゲートは1.8Vにあり、MP6のゲートは0Vにあり、MN1のゲートは0Vにあり、MN2のゲートは1.0Vにあり、ノードn1は1.2Vにあり、ノードn2は1.8Vにあり、ノードn3は0Vにあり、そして、ノードn4は1.2Vにある。この場合、出力Voutは1.2Vにある。
【0049】
スイッチドキャパシタ分圧器回路700は、分圧器701によって指し示すように回路500及び600においてと同じトランジスタ及びキャパシタを有する。ここでは、トランジスタMP1及びMP3のゲート端子が、ノードpBias_aに結ばれ、それがまた、トランジスタMP7及びプログラマブル電流源702に結合される。様々な実施形態において、プログラマブル電流源702はFSM203によって制御可能である。
【0050】
SC VRモードでは、トランジスタバンクをターンオン及びターンオフすることによって、スイッチ抵抗が制御される。回路700は、LDOモードにおけるパワーMOSの使用であり、プログラマブルバイアス電流702に基づいてスイッチ抵抗が制御される。共通のパワーMOSスイッチトポロジーが、設定を用いて3つの異なる使用法で動作することができる。回路500、600、及び700の動作中の、より低いソース-ゲート間電圧(Vgs)又はソース-ドレイン間電圧(Vds)によって、より高電圧の動作が可能にされる。Vin=1.8V且つVout=1.05Vであるとき、回路500、600及び700では、最悪ケースのVgs又はゲート-ドレイン間電圧Vgdは1.1Vに過ぎないが、伝統的な電力スイッチでは、最悪ケースのVgs又はVgdは1.8Vである。
【0051】
デジタルリニアVRモードでは、回路700は、スタンバイモードからの退出においてのような突然の高い負荷を取り扱う。デジタルリニアVRモードの間、回路構成700によって示されるように、全ての位相ドライバがオンであり、位相ドライバセルを通るバイアス電流を変えることによって出力電圧が調節される。同じ例を続けるに、Vinは1.8Vとして、回路700では、トランジスタMP1、MP3、及びMP7がpBias_aによってバイアスされ、トランジスタMP2のゲートは0Vにあり、MP4のゲートは0Vにあり、MP5のゲートは1.05Vにあり、Voutは1.05Vにあり、MP6のゲートは1.05Vにあり、MN1のゲートは0.9Vにあり、そして、MN2のゲートは0.9Vにある。リニアVRモードでは、トランジスタゲートはクロックされず、完全にオンであり、完全にオフであり、あるいは(例えばPbias_aによって)バイアスされる。この構成では、トランジスタMP2及びMP4はオンであり、トランジスタMP5はオフであり、トランジスタMP6はオフであり、トランジスタMN1はオンであり、トランジスタMN2はオンであり、トランジスタMN3はオンであり、トランジスタMP1、MP3及びMP7はバイアスされる。
【0052】
図8は、一部の実施形態に従った、ハイブリッドSCVRデジタルフィードバックコントローラの状態
図800を示している。一部の実施形態において、状態
図800は、L(例えば、L=0)からP(例えば、P=47)までカウントするためのアップ/ダウン(up/down)カウンタ203と、VRが現在SC VRモード801にあるのかLDOモード802にあるのかを追跡するための1ビット状態とで実装される。アップ/ダウンカウンタ203のカウントは、スイッチ抵抗(R
SW)に反比例するものであるパワーMOSスイッチ204の強さを示す。この例では、SC VRモード及びLDOモードの各々において、パワーMOS204の48個の異なる強さを規定することができる。パワーMOS204の強さが低すぎることを比較器202の出力が指し示す場合に、カウンタ203がインクリメントされ、その逆もまた然りである。このルールはSC VR及びLDOの両方のモードに適用される。
【0053】
SC VRモード801とLDOモード802との間での遷移は、次のように行われることができ、すなわち、FSM203がSC VRモード801の最高状態(例えば、SC VR 47)にあり且つ比較器202がパワーMOS204の強さを増加させるべきことを指し示す場合、FSM203はLDO 8状態に遷移する。FSM203がLDOモードにおけるLDO 8又はそれより低い状態にあり、且つ比較器202がパワーMOS204の強さを減少させるべきことを指し示す場合、FSM203はSC VR 47に遷移する。予想されるように、異なるモード間での遷移は不連続性を生み出す。コーナーケースリミットサイクリング(corner case limit-cycling)シナリオを回避するために、一部の実施形態では、SC VRモードとLDOモードとの間での遷移に対してヒステリシスが付加される。例えば、SC VRからLDOへの遷移が起こる場合に、LDOからSC VRへの遷移は、次のHサイクル(例えば、H=10)にわたって禁止される。
【0054】
図9は、一部の実施形態に従った、デジタルフィードバックコントローラに関する別の状態遷移
図900を示している。様々な実施形態において、SCVRモード901(801と同じ)とデジタルリニアVRモード910(802と同じ)との、2つの異なる動作モードが存在する。FSM203は、FSM203がどのようにセットアップされるかに応じて、状態901又は910のいずれかで開始し得る。
図900を説明するために、FSM203が最初にSCVRモード901にあると仮定する。
【0055】
コントローラ203は、負荷電流が閾値(例えば、約100mA)を下回っているときにはSCVRモード901で動作し、負荷電流が閾値(例えば、約100mA)よりも高いときにはデジタルVRモード910で動作する。コントローラ203は、負荷電流及び動作状況に基づいて動作モードを自動的に選択する。デジタルフィードバックコントローラ203の1つの役割は、位相ドライバ204が望ましいIR降下を生じることができるように、及び出力電圧Voutがターゲットに収束されるように、比較器出力値及びVRの動作状況に基づいてターゲットドライバ抵抗値を特定し、その情報を位相ドライバ204に送ることである。
【0056】
SCVRモード901において、VRはスイッチドキャパシタ電圧レギュレータとして機能する。分圧器の比は、2対1、及び3対2である。コンフィギュレーションレジスタ、オペレーティングシステム、ヒューズなどがそれを設定する。一部の実施形態において、VRは、出力電圧Voutがターゲットに収束されるように、意図的なIR降下を作り出す機構を有する。この例において、デジタルフィードバックコントローラ203は、位相ドライバ204の有効サイズ(ひいては抵抗)を変化させることによってIR低下を制御する6ビットアップ/ダウンカウンタを有している。有効なカウンタ状態は、0と47との間の整数であり、それらの各々が、位相ドライバ204
0-47の有効サイズを指し示す。
図10は、一部の実施形態に従った、フィードバックコントローラ機能のハイレベルビュー1000を示している。ビュー1000は、デジタルVRモード1001(902)及びSCVRモード1002(901)についてのカウンタ値を示している。
【0057】
戻って
図9を参照するに、ブロック902にて、カウンタ203の値についての決定が行われる。負荷電流が閾値(例えば、約100mA)を下回っている場合、当該プロセスはブロック902に進み、そこで、カウンタ値がその最大値(例えば、47)よりも下か、又はその最小カウント値(例えば、0)よりも上かが決定される。Vout、分圧バージョンであるVfeedback、及びVrefに基づいて、比較器202の出力が、カウンタ203がカウントアップすべきかカウントダウンすべきかを決定する。
【0058】
ブロック902で、カウンタ値が増加すべきことを比較器202の出力が指し示す場合、ブロック903にて、カウンタ値がまだ47でないか(例えば、それはその最大値よりも小さい)が決定される。カウンタ値がその最大値(例えば、47)でない場合、ブロック905にて、カウンタ値‘i’が1だけインクリメントされ、当該プロセスはSCVRモード901に戻る。カウンタ値がその最大値にある場合には、ブロック904にて、カウンタ値は何らかの安定レベル(例えば、値8)にセットされ、VRモードがデジタルVRモード910に変化する。
【0059】
ブロック902で、カウンタ値が減少すべきことを比較器202の出力が指し示す場合、ブロック907にて、カウンタ値がまだその最小値(例えば、0)でないかが決定される。カウンタ値がその最小値(例えば、0)でない場合、ブロック908にて、カウンタ値‘i’が1だけデクリメントされ、当該プロセスはSCVRモード901に戻る。カウンタ値がその最小値にある場合には、ブロック909にて、カウンタ値はその最小値(例えば、値0)に保持され、当該プロセスはブロック901に戻る。
【0060】
ブロック910にて、SCVRモードに対してと同様のプロセスがデジタルVRモードに対して繰り返される。デジタルVRモード910では、SCVRは通常のデジタルリニアVRとして動作する。この動作モードの1つの動機付けは、SCVRモード901によって供することができる最大負荷電流がキャパシタ(例えば、フライキャパシタ)のサイズによって制限されてしまうためである。負荷電流がSCVRモード901の上限を超えると、動作モードがデジタルVRモード910に移行される。デジタルVRモードの動作は、
図2に従って、VRのVfeedback(分圧されたVout)がターゲット電圧Vrefに収束されるように、あるいはVRの出力電圧がターゲットに収束されるように、バイアス電流を制御して、位相ドライバ204を通じた意図的なIR降下を作り出すものである。デジタルVRモード910にあることは、負荷電流がもはや閾値(例えば、約100mA)より上であることを意味する。
【0061】
SCVRモード901とは異なり、デジタルVRモード910における意図的なIR降下は、入力電圧(例えば1.8V)から直接的に出力電圧Voutへの電圧降下である。デジタルVRモードにおける制御は、SCVRモード901でのそれと同様である。この例において、有効なカウンタ状態は、
図10に示すように8と47の間の整数である。SCVRモード901とは異なり、デジタルVRモードの間は、位相ドライバ204のサイズが固定されるが、バイアス発生回路が、スイッチを通る電流のレベルを制御し、それが、実効的なドライバ抵抗及びIR降下を変化させ、結果として、出力電圧Voutを変化させる。デジタルフィードバックコントローラ203は、一次比較器から信号を受信し、カウンタ値をインクリメントすべきかデクリメントすべきかを決定する。比較器の値が、VR出力電圧がもっと低くあるべきことを指し示す場合、カウンタ203をデクリメントして位相ドライバ抵抗を増加させ、それがIR降下を増加させ、結果として出力電圧が低減され、その逆もまた然りである。最終的に、出力電圧がターゲット電圧に収束する。
【0062】
ブロック911で、カウンタ値が増加すべきことを比較器202の出力が指し示す場合、ブロック912にて、カウンタ値がまだ47でないか(例えば、それはその最大値よりも小さい)が決定される。カウンタ値がその最大値(例えば、47)でない場合、ブロック913にて、カウンタ値‘i’が1だけインクリメントされ、当該プロセスはリニアVRモード910に戻る。カウンタ値がその最大値にある場合には、ブロック914にて、カウンタ値はその最大値(例えば、値47)に保持され、当該プロセスはブロック901に戻る。
【0063】
ブロック911で、カウンタ値が減少すべきことを比較器202の出力が指し示す場合、ブロック915にて、カウンタ値がまだその最小値(例えば、8)でないかが決定される。カウンタ値がリニアVRモードでのその最小値(例えば、8)でない場合、ブロック916にて、カウンタ値‘i’が1だけデクリメントされ、当該プロセスはデジタルVRモード910に戻る。カウンタ値がその最小値(例えば、8)にある場合には、ブロック917にて、カウンタ値は何らかの安定レベル(例えば、値47)にセットされ、VRモードがSCVRモード901に変化する。例えば、カウンタ値が最小値(例えば、8)にあり、且つ比較器出力がなおも、カウンタ値がデクリメントされるべきことを指し示す場合、FSM203は、駆動強さを更に低減させるためにSCVRモード901に遷移する。
【0064】
一部の実施形態において、アップ/ダウンカウンタ203のインクリメント数又はデクリメント数は、デフォルトでは1であるが、1より大きくされることができ、補助比較器の出力の値に基づいて決定される。補助比較器が、出力電圧がターゲットより低く且つ出力電圧とターゲットとの間のデルタがある特定の閾値(例えば、デフォルト=50mV)よりも大きいことを検出した場合、1だけインクリメントすることに代えて、より大きい数(例えば、構成に応じて、+4又は+8)だけインクリメントする。一次比較器は、電圧比較項、微分項、及び平均(又は積分)項の加重和に基づいて決定を行う。補助比較器は、電圧比較(
図2に従ってVfeedback(分圧されたVout)がVrefと比較される)に基づいて決定を行う。補助比較器は、様々な実施形態によれば、物理的には単に従来通りの比較器である。補助比較器は、出力電圧がターゲットから50mV(又はある所定の又はプログラム可能な閾値)を超えて逸脱した状態を検出するために使用される。
【0065】
同様にして、補助比較器は、出力電圧がターゲットより高く且つ出力電圧とターゲットとの間のデルタがある特定の閾値(例えば、デフォルト=50mV)よりも大きいことを検出した場合、1だけデクリメントすることに代えて、より大きい数(例えば、構成に応じて、-4又は-8)だけデクリメントする。この動作をブースト動作と称する。ブースト動作の役割は、様々な実施形態によれば、VRの出力電圧の回復時間を改善することである。
【0066】
図11は、一部の実施形態に従った、ハイブリッドSCVRの変換効率を伝統的なリニアVRに対して示すプロット1100を示している。この例において、電圧変換は1.8VのVinから1.02VのVoutへである。様々な実施形態のハイブリッドSCVR(波形1101によって示される)は、低負荷電流(例えば、0.1A未満)に対して伝統的なLVRソリューション1102よりも実質的に良い効率を達成する。様々な実施形態のSCVRは、低負荷電流条件に対して80%を超える変換効率を達成する。
80から約90mAを超える高負荷電流では効率が低下し、そこでは、VRはデジタルリニアレギュレータモードで動作する。デジタルリニアレギュレータモードにおいて、変換効率は、(波形1102によって示されるように)伝統的なLVRの場合のそれと同じくらい良好である。発明したVRソリューションの使用モデルに基づき、ハイブリッドSCVRはSOCのコネクテッドスタンバイモードに使用され、その状態において、高負荷状態の確率は非常に低い。結果として、高負荷電流状態で効率は高くないとしても、スタンバイモードでの総合効率への影響はあまり大きくない。なおも、デジタルリニアレギュレータモードが、例えばスタンバイモードからの退出などの突然の高負荷電流を扱うために使用されるが、その状態はあまり頻繁には起こらないといえる。
【0067】
一部の実施形態において、SCVRモードからデジタルLVRモードへの移行点は、フライキャパシタの合計サイズに依存する。一部の実施形態によれば、フライキャパシタのサイズを増加させることにより、SCVRモード動作をより高い負荷電流に向け拡張することができ、高めの負荷電流の場合の効率を高めることができる。
【0068】
図12は、一部の実施形態に従った、1.8V-0.7V変換について、ハイブリッドSCVRの変換効率(波形1201)を伝統的なリニアVR(波形1202)に対して示すプロット1200を示している。プロット1200は、1.8Vから0.7Vへの電圧変換について、様々な実施形態のSCVRの場合の推定効率を、伝統的なリニア電圧レギュレータ(LVR)ソリューションに対して示している。より高い変換比では、ハイブリッドSCVRは伝統的なLVRソリューションよりもいっそう有利となる。例えば、20mAの負荷電流において、ハイブリッドSCVRは73%の変換効率を達成するが、LVRでのそれは38%に過ぎない。この例において、ハイブリッドSCVRを用いることに対応する電力節減は約17mWである。
【0069】
図13は、一部の実施形態に従った、様々な実施形態の微分器がターンオフされるとき(波形1301)及びターンオンされるとき(波形1302)のそれぞれのレギュレート電圧を示すプロット1300を示している。プロット1300は、オシロスコープによって捕捉されたVR・オン・シリコンの出力電圧の波形を示している。これは、2つの波形1301及び1302を含んでおり、一方は、微分器を有効にしてのもの(波形1302)であり、他方は、微分器を無効にしてのもの(波形1301)である。電圧レギュレータフィードバック系は2つの極を持ち、一次極は電圧レギュレータの出力Voutであり、二次極はコントローラ203内にある。軽負荷電流では、一次極の位置は十分低い周波数にあり、それは二次極から十分離れている。高負荷電流では、一次極が高い方の周波数に向かって移動して二次極に近づき、それがフィードバックループにおける安定性の問題を引き起こし得る。
図13に示されるように、デジタルPDAコントローラ203は、2つの極の間にゼロを投入することによって、安定性を維持するように非常に効果的に機能する。
【0070】
図14は、開示一部の実施形態に従った、ハイブリッドSCVRを有するスマート機器又はコンピュータシステム又はSoC(システム・オン・チップ)を示している。ここで説明するSoC内のいずれかのブロックが、様々な実施形態のSCVRを含むことができる。
【0071】
一部の実施形態において、装置2400は、例えばコンピューティングタブレット、携帯電話若しくはスマートフォン、ラップトップ、デスクトップ、モノのインターネット(IOT)装置、サーバ、ウェアラブル装置、セットトップボックス、ワイヤレス対応電子書籍リーダ、又はこれらに類するものなどの、適切なコンピューティング装置を表す。理解されることには、特定の構成要素が概略的に示されており、そのような装置の全てのコンポーネントが装置2400に示されているわけではない。
【0072】
一例において、装置2400は、SoC(システム・オン・チップ)2401を有する。SoC2401の境界の一例が
図14に点線を用いて示され、一部のコンポーネントの例がSoC2401の中に含められるように示されているが、SoC2401は、装置2400の任意の適切なコンポーネントを含み得る。
【0073】
一部の実施形態において、装置2400はプロセッサ2404を含む。プロセッサ2404は、例えばマイクロプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルロジックデバイス、プロセッシングコア、又は、他のプロセッシング手段などの、1つ以上の物理デバイスを含むことができる。プロセッサ2404によって実行される処理動作は、その上でアプリケーション及び/又は装置機能が実行されるオペレーティングプラットフォーム又はオペレーティングシステムの実行を含む。それら処理動作は、人間ユーザ若しくは他の装置とのI/O(入力/出力)に関係する動作、電力管理に関係する動作、コンピューティング装置2400を他の装置に接続することに関係する動作、及び/又はこれらに類するものを含む。それら処理動作はまた、オーディオI/O及び/又はディスプレイI/Oに関係する動作を含み得る。
【0074】
一部の実施形態において、プロセッサ2404は、複数のプロセッシングコア(コアとしても参照される)2408a、2408b、2408cを含む。
図14には、単に3つのコア2408a、2408b、2408cが示されるが、プロセッサ2404は、例えば何十個の又は何百個ものプロセッシングコアといった、任意の他の好適数のプロセッシングコアを含み得る。プロセッサコア2408a、2408b、2408cは、単一の集積回路(IC)チップ上に実装され得る。さらに、そのチップは、1つ以上の共有キャッシュ及び/又はプライベートキャッシュ、バス又は相互接続、グラフィックスコントローラ及び/又はメモリコントローラ、又は他のコンポーネントを含んでもよい。
【0075】
一部の実施形態において、プロセッサ2404はキャッシュ2406を含む。一例において、キャッシュ2406のセクションは、個々のコア2408に専用とされ得る(例えば、キャッシュ2406の第1のセクションがコア2408aに専用であり、キャッシュ2406の第2のセクションがコア2408bに専用であり、等々)。一例において、キャッシュ2406の1つ以上のセクションが、コア2408のうちの2つ以上の間で共有されてもよい。キャッシュ2406は、例えばレベル1(L1)キャッシュ、レベル2(L2)キャッシュ、レベル3(L3)キャッシュなどといった異なる階層に分割されてもよい。
【0076】
一部の実施形態において、プロセッサコア2404は、コア2404による実行のために命令(条件付き分岐を有する命令を含む)をフェッチするフェッチユニットを含み得る。命令は、例えばメモリ2430などの任意の記憶装置からフェッチされ得る。プロセッサコア2404はまた、フェッチした命令を復号するデコードユニットを含み得る。例えば、デコードユニットは、フェッチされた命令を複数のマイクロオペレーションへと復号し得る。プロセッサコア2404は、デコードした命令を格納することに伴う様々な動作を実行するスケジュールユニットを含み得る。例えば、スケジュールユニットは、命令がディスパッチの準備が整うまで(例えば、復号された命令の全てのソース値が利用可能になるまで)、デコードユニットからのデータを保持し得る。一実施形態において、スケジュールユニットは、復号された命令を、実行のために、スケジュールし及び/又は実行ユニットに発行(又はディスパッチ)し得る。
【0077】
実行ユニットは、(例えばデコードユニットによって)復号され且つ(例えばスケジュールユニットによって)ディスパッチされた後のディスパッチされた命令を実行し得る。一実施形態において、実行ユニットは、2つ以上の実行ユニット(例えば、撮像計算ユニット、グラフィックス計算ユニット、汎用計算ユニットなど)を含み得る。実行ユニットはまた、例えば加算、減算、乗算、及び/又は除算などの種々の算術演算を実行し得るとともに、1つ以上の算術論理ユニット(ALU)を含み得る。一実施形態において、実行ユニットと共にコプロセッサ(図示せず)が種々の算術演算を実行してもよい。
【0078】
また、実行ユニットは、命令を順不同に命令してもよい。従って、プロセッサコア2404は、一実施形態において、アウトオブオーダープロセッサコアであってもよい。プロセッサコア2404はまた、回収(リタイアメント)ユニットを含み得る。回収ユニットは、実行された命令を、それらがコミットされた後に回収し得る。一実施形態において、実行された命令の回収は、プロセッサ状態が命令の実行からコミットされることや、命令によって使用された物理レジスタが割り当て解除されることなどをもたらし得る。プロセッサコア2404はまた、プロセッサコア2404のコンポーネントと他のコンポーネントとの間での1つ以上のバスを介した通信を可能にするバスユニットを含み得る。プロセッサコア2404はまた、コア2404の様々なコンポーネントによってアクセスされるデータ(例えば、割り当てられたアプリケーションプライオリティ及び/又はサブシステム状態(モード)アソシエーションに関係する値など)を格納する1つ以上のレジスタを含み得る。
【0079】
一部の実施形態において、装置2400は接続回路2431を含む。例えば、接続回路2431は、ハードウェアデバイス(例えば、無線及び/又は有線コネクタと通信ハードウェア)及び/又はソフトウェアコンポーネント(例えば、ドライバ、プロトコルスタック)を含み、例えば、装置2400が外部デバイスと通信することを可能にする。装置2400は、例えば他のコンピューティング装置、無線アクセスポイント又は基地局などの外部装置から隔てられ得る。
【0080】
一例において、接続回路2431は、複数の異なるタイプの接続を含み得る。一般化するに、接続回路2431は、セルラー接続回路、無線接続回路などを含んでもよい。接続回路2431のセルラー接続回路は、一般に、例えばGSM(global system for mobile communications)又はそのバリエーション若しくは派生物、CDMA(符号分割多重アクセス)又はそのバリエーション若しくは派生物、TDM(時分割多重化)又はそのバリエーション若しくは派生物、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)UMTS(Universal Mobile Telecommunications Systems)システム又はそのバリエーション若しくは派生物、3GPPロングタームエボリューション(LTE)システム又はそのバリエーション若しくは派生物、3GPP LTEアドバンスト(LTE-A)システム又はそのバリエーション若しくは派生物、第5世代(5G)無線システム又はそのバリエーション若しくは派生物、5Gモバイルネットワークシステム又はそのバリエーション若しくは派生物、5G新無線(NR)システム又はそのバリエーション若しくは派生物、又は他のセルラーサービス標準を介して提供されるものなど、無線通信事業者によって提供されるセルラーネットワーク接続を指す。接続回路2431の無線接続回路(又は無線インタフェース)は、セルラーではない無線接続を指し、パーソナルエリアネットワーク(例えば、Bluetooth(登録商標)、ニアフィールドなど)、ローカルエリアネットワーク(例えば、Wi-Fiなど)、及び/又はワイドエリアネットワーク(例えば、WiMaxなど)、及び/又は他の無線通信を含むことができる。一例において、接続回路2431は、例えば、システム実施形態が例えば携帯電話又は携帯情報端末といったワイヤレス装置に組み込まれ得るように、例えば有線又は無線インタフェースなどのネットワークインタフェースを含み得る。
【0081】
一部の実施形態において、装置2400は、1つ以上のI/O装置とのインタラクションに関係するハードウェアデバイス及び/又はソフトウェアコンポーネントを表すものであるコントロールハブ2432を含む。例えば、プロセッサ2404は、コントロールハブ2432を介して、ディスプレイ2422、1つ以上の周辺装置2424、ストレージ装置2428、1つ以上の他の外部装置2429などのうちの1つ以上と通信し得る。コントロールハブ2432は、チップセット、プラットフォームコントロールハブ(PCH)、及び/又はこれらに類するものとし得る。
【0082】
例えば、コントロールハブ2432は、装置2400に接続する追加の装置のための1つ以上の接続ポイントを例示するものであり、例えば、それを通じて、ユーザがシステムとインタラクトし得る。例えば、装置2400に取り付けられることができる装置(例えば、装置2429)は、マイクロホン装置、スピーカ若しくはステレオシステム、オーディオ装置、ビデオシステム若しくは他の表示装置、キーボード若しくはキーパッド装置、又は例えばカードリーダ若しくは他の装置などの特定のアプリケーションで使用される他のI/O装置を含む。
【0083】
上述のように、コントロールハブ2432は、オーディオ装置やディスプレイ2422などとインタラクトすることができる。例えば、マイクロホン又は他のオーディオ装置を介しての入力が、装置2400の1つ以上のアプリケーション又は機能のための入力又はコマンドを提供することができる。さらに、ディスプレイ出力に代えて、又は加えて、オーディオ出力を提供することができる。他の一例において、ディスプレイ2422がタッチスクリーンを含む場合、ディスプレイ2422は、少なくとも部分的にコントロールハブ2432によって管理され得るものである入力装置としても機能する。コンピューティング装置2400上にはまた、コントロールハブ2432によって管理されるI/O機能を提供するために更なるボタン又はスイッチも存在することができる。一実施形態において、コントロールハブ2432は、例えば加速度計、カメラ、光センサ若しくは他の環境センサなどのデバイス、又は装置2400に含められ得る他のハードウェアを管理する。入力は、直接的なユーザインタラクションの一部とすることができるとともに、システムに環境入力を提供して、その動作(例えば、ノイズのフィルタリング、輝度検出のためのディスプレイの調整、カメラのためのフラッシュの適用、又は他の機構)に影響を及ぼすことができる。
【0084】
一部の実施形態において、コントロールハブ2432は、例えば、PCIe(ペリフェラルコンポーネントインターコネクトエクスプレス)、USB(ユニバーサルシリアルバス)、サンダーボルト、高精細マルチメディアインタフェース(HDMI(登録商標))、ファイヤワイヤなどといった、任意の適切な通信プロトコルを使用して様々なデバイスに結合し得る。
【0085】
一部の実施形態において、ディスプレイ2422は、ユーザが装置2400とインタラクトするための視覚ディスプレイ及び/又は触覚ディスプレイを提供するハードウェア(例えば、ディスプレイ装置)及びソフトウェア(例えば、ドライバ)コンポーネントを表す。ディスプレイ2422は、ディスプレイインタフェース、ディスプレイスクリーン、及び/又はユーザに表示を提供するために使用されるハードウェア装置を含み得る。一部の実施形態において、ディスプレイ2422は、出力及び入力の両方をユーザに提供するタッチスクリーン(又はタッチパッド)装置を含む。一例において、ディスプレイ2422は、プロセッサ2404と直接的に通信し得る。ディスプレイ2422は、モバイルエレクトロニクス装置若しくはラップトップ装置においてのような内部ディスプレイ、又はディスプレイインタフェース(例えば、DisplayPortなど)を介して取り付けられる外付けディスプレイ装置のうちの一方以上とし得る。一実施形態において、ディスプレイ2422は、例えば仮想現実(VR)アプリケーション又は拡張現実(AR)アプリケーションで使用される立体表示装置などのヘッドマウントディスプレイ(HMD)であってもよい。
【0086】
一部の実施形態において、図には示していないが、プロセッサ2404に加えて(又は代えて)、装置2400は、ディスプレイ2422上にコンテンツを表示することの1つ以上の態様を制御し得るものである1つ以上のグラフィックス処理コアを含むグラフィックス処理ユニット(GPU)を含んでいてもよい。
【0087】
コントロールハブ2432(又はプラットフォームコントローラハブ)は、ハードウェアインタフェース及びコネクタと、例えば周辺装置2424への周辺接続を行うためのソフトウェアコンポーネント(例えば、ドライバ、プロトコルスタック)とを含んでいてもよい。
【0088】
理解されることには、装置2400は、他のコンピューティング装置に対する周辺装置であってもよく、また、それに接続された周辺装置を有してもよい。装置2400は、例えば装置2400上のコンテンツを管理する(例えば、ダウンロード及び/又はアップロードする、変更する、同期させる)などの目的のために、他のコンピューティング装置に接続するための“ドッキング”コネクタを有し得る。加えて、ドッキングコネクタは、例えばオーディオビジュアルシステム又は他のシステムへのコンテンツ出力をコンピューティング装置2400が制御することを可能にする特定の周辺機器に装置2400が接続することを可能にし得る。
【0089】
専用ドッキングコネクタ又は他の専用接続ハードウェアに加えて、装置2400は、共通又は標準ベースのコネクタを介して周辺接続を行うことができる。共通のタイプは、ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタ(これは、多数の異なるハードウェアインタフェースのうちのいずれかを含み得る)、ミニディスプレイポート(MDP)、高精細マルチメディアインタフェース(HDMI(登録商標))、ファイヤワイヤ、又は他のタイプを含み得る。
【0090】
一部の実施形態において、接続回路2431は、例えば、プロセッサ2404に直接的に結合されることに加えて、又は代えて、コントロールハブ2432に結合されてもよい。一部の実施形態において、ディスプレイ2422は、例えば、プロセッサ2404に直接的に結合されることに加えて、又は代えて、コントロールハブ2432に結合されてもよい。
【0091】
一部の実施形態において、装置2400は、メモリインタフェース2434を介してプロセッサ2404に結合されたメモリ2430を含む。メモリ2430は、装置2400内の情報を格納するためのメモリデバイスを含む。メモリは、不揮発性(メモリデバイスへの電力が中断された場合に状態が変化しない)及び/又は揮発性(メモリデバイスへの電力が中断された場合に状態が不確定となる)メモリデバイスを含むことができる。メモリデバイス2430は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、フラッシュメモリデバイス、相変化メモリデバイス、又はプロセスメモリとして機能するのに適した性能を持つ何らかの他のメモリデバイスとし得る。一実施形態において、メモリ2430は、1つ以上のプロセッサ2404がアプリケーション又はプロセスを実行するときに使用されるデータ及び命令を格納するための、装置2400のシステムメモリとして動作することができる。メモリ2430は、アプリケーションデータ、ユーザデータ、音楽、写真、文書、又は他のデータ、並びに、装置2400のアプリケーション及び機能の実行に関係するシステムデータ(長期であるか一時的であるかにかかわらず)を格納することができる。
【0092】
様々な実施形態及び例の要素はまた、コンピュータ実行可能命令(例えば、ここで説明されるいずれか他のプロセスを実行するための命令)を格納する機械読み取り可能媒体(例えば、メモリ2430)として提供される。機械読み取り可能媒体(例えば、メモリ2430)は、以下に限られないが、フラッシュメモリ、光ディスク、CD-ROM、DVD ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気カード若しくは光カード、相変化メモリ(PCM)、又は電子命令若しくはコンピュータ実行可能命令を格納するのに適した他のタイプの機械読み取り可能媒体を含み得る。例えば、開示の実施形態は、通信リンク(例えば、モデム又はネットワーク接続)を介してデータ信号によってリモートコンピュータ(例えば、サーバ)から要求元コンピュータ(例えば、クライアント)に転送され得るコンピュータプログラム(例えば、BIOS)としてダウンロードされ得る。
【0093】
一部の実施形態において、装置2400は、例えば装置2400の種々のコンポーネントの温度を測定するための、温度測定回路2440を含む。一例において、温度測定回路2440は、その温度を測定及びモニタすべきである様々なコンポーネントに内蔵され、結合され、又は取り付けられ得る。例えば、温度測定回路2440は、コア2408a、2408b、2408c、電圧レギュレータ2414、メモリ2430、SoC2401のマザーボード、及び/又は装置2400の任意の適切なコンポーネント、のうちの1つ以上の温度(又はその中の温度)を測定し得る。
【0094】
一部の実施形態において、装置2400は、例えば装置2400の1つ以上のコンポーネントによって消費される電力を測定するための、電力測定回路2442を含む。一例において、電力を測定することに加えて、又は代えて、電力測定回路2442は、電圧及び/又は電流を測定してもよい。一例において、電力測定回路2442は、その電力、電圧、及び/又は電流を測定及びモニタすべきである様々なコンポーネントに内蔵され、結合され、又は取り付けられ得る。例えば、電力測定回路2442は、1つ以上の電圧レギュレータ2414によって供給される電力、電流及び/又は電圧、SoC2401に供給される電力、装置2400に供給される電力、装置2400のプロセッサ2404(又は他のコンポーネント)によって消費される電力などを測定し得る。
【0095】
一部の実施形態において、装置2400は、例えばSCVRなどの概して電圧レギュレータ(VR)2414として参照する1つ以上の電圧レギュレータ回路を含む。VR2414は、装置2400のいずれか適切なコンポーネントを動作させるために供給され得るものである適切な電圧レベルの信号を生成する。単なる一例として、VR2414は、装置2400のプロセッサ2404に信号を供給しているように図示されている。一部の実施形態において、VR2414は、1つ以上の電圧識別(Voltage Identification;VID)信号を受信し、該VID信号に基づいて、適切なレベルにある電圧信号を生成する。VR2414には、種々のタイプのVRが利用され得る。例えば、VR2414は、“バック”VR、“ブースト”VR、バックVRとブーストVRとの組み合わせ、低ドロップアウト(LDO)レギュレータ、スイッチングDC-DCレギュレータなどを含み得る。バックVRは、一般に、1より小さい比で入力電圧を出力電圧に変換する必要がある電力送達用途で使用される。ブーストVRは、一般に、1より大きい比で入力電圧を出力電圧に変換する必要がある電力送達用途で使用される。一部の実施形態において、各プロセッサコアがそれ自身のVRを持ち、それがPCU2410a/b及び/又はPMIC2412によって制御される。一部の実施形態において、電力管理のための効率的な制御を提供するために、各コアが、分散されたLDOのネットワークを持つ。LDOは、デジタルLDO、アナログLDO、又はデジタル若しくはアナログのLDOの組み合わせとし得る。VRは、様々な実施形態を参照して説明したように適応電圧出力を提供することができる適応VRである。
【0096】
一部の実施形態において、装置2400は、概してクロック発生器2416として参照する1つ以上のクロック発生器回路を含む。クロック発生器2416は、装置2400の任意の適切なコンポーネントに供給され得るものである適切な周波数レベルのクロック信号を生成する。単なる一例として、クロック発生器2416は、装置2400のプロセッサ2404にクロック信号を供給しているように図示されている。一部の実施形態において、クロック発生器2416は、1つ以上の周波数識別(Frequency Identification;FID)信号を受信し、該FID信号に基づいて、適切な周波数にあるクロック信号を生成する。クロック発生器2416は、様々な実施形態を参照して説明したように適応周波数出力を提供することができる適応クロック源である。
【0097】
一部の実施形態において、装置2400は、装置2400の様々なコンポーネントに電力を供給するバッテリー2418を含む。単なる一例として、バッテリー2418は、プロセッサ2404に電力を供給しているように図示されている。図には示していないが、装置2400は、ACアダプタから受け取られる交流(AC)電源に基づいて例えばバッテリーを再充電するための充電回路を含み得る。
【0098】
一部の実施形態において、装置2400は、電力制御ユニット(PCU)2410(電力管理ユニット(PMU)、電力コントローラなどとしても参照する)を含む。一例において、PCU2410の一部のセクションは、1つ以上のプロセッシングコア2408によって実装されてもよく、PCU2410のこれらのセクションは、点線のボックスを用いてPCU2410aというラベルを付して象徴的に図示されている。一例において、PCU2410の他の一部のセクションは、プロセッシングコア2408の外部に実装されてもよく、PCU2410のこれらのセクションは、点線のボックスを用いてPCU2410bというラベルを付して象徴的に図示されている。PCU2410は、装置2400に関する様々な電力管理動作を実装し得る。PCU2410は、装置2400に関する様々な電力管理動作を実装するために、ハードウェアインタフェース、ハードウェア回路、コネクタ、レジスタなどと、ソフトウェアコンポーネント(例えば、ドライバ、プロトコルスタック)とを含み得る。
【0099】
一部の実施形態において、装置2400は、例えば、装置2400に関する様々な電力管理動作を実装するために、電力管理集積回路(PMIC)2412を含む。一部の実施形態において、PMIC2412は、リコンフィギュラブル電力管理IC(RPMIC)及び/又はIMVP(Intel(登録商標) Mobile Voltage Positioning)である。一例において、PMICは、プロセッサ2404とは別個のICチップ内にある。これは、装置2400に関する様々な電力管理動作を実装し得る。PMIC2412は、装置2400に関する様々な電力管理動作を実装するために、ハードウェアインタフェース、ハードウェア回路、コネクタ、レジスタなどと、ソフトウェアコンポーネント(例えば、ドライバ、プロトコルスタック)とを含み得る。
【0100】
一例において、装置2400は、PCU2410又はPMIC2412の一方又は両方を含む。一例において、PCU2410又はPMIC2412のいずれか一方は、装置2400内に存在しなくてもよく、それ故に、これらのコンポーネントは点線を用いて図示されている。
【0101】
装置2400の様々な電力管理動作は、PCU2410によって、PMIC2412によって、又はPCU2410とPMIC2412との組み合わせによって実行され得る。例えば、PCU2410及び/又はPMIC2412は、装置2400の様々なコンポーネントに関する電力状態(例えば、P状態)を選択し得る。例えば、PCU2410及び/又はPMIC2412は、装置2400の様々なコンポーネントに関する電力状態を(例えば、ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)仕様に従って)選択し得る。単なる一例として、PCU2410及び/又はPMIC2412は、装置2400の様々なコンポーネントに、スリープ状態、アクティブ状態、適切なC状態(例えば、ACPI仕様に従った、C0状態、又は他の適切なC状態)などに遷移させ得る。一例において、PCU2410及び/又はPMIC2412は、VR2414(例えば、SCVR)によって出力される電圧及び/又はクロック発生器によって出力されるクロック信号の周波数を、例えば、それぞれVID信号及び/又はFID信号を出力することによって制御し得る。一例において、PCU2410及び/又はPMIC2412は、バッテリー電力使用量、バッテリー2418の充電、及び電力節減動作に関係する機能を制御し得る。
【0102】
クロック発生器2416は、位相ロックループ(PLL)、周波数ロックループ(FLL)、又は任意の好適なクロック源を有することができる。一部の実施形態において、プロセッサ2404の各コアが、それ自身のクロック源を持つ。斯くすると、各コアは、他のコアの動作周波数とは独立の周波数で動作することができる。一部の実施形態において、PCU2410及び/又はPMIC2412は、適応的又は動的な周波数スケーリング又は調整を実行する。例えば、あるプロセッサコアのクロック周波数が、そのコアがその最大電力消費閾値又は制限値で動作していない場合に上昇され得る。一部の実施形態において、PCU2410及び/又はPMIC2412は、プロセッサの各コアの動作条件を決定し、そして、コアが目標性能レベルよりも下で動作しているとPCU2410及び/又はPMIC2412が判定したとき、そのコアのクロック源(例えば、そのコアのPLL)がロックを失うことなく、機に乗じてそのコアの周波数及び/又は電源電圧を調整する。例えば、コアが、そのコア又はプロセッサ2404に対して割り当てられた総電流よりも小さい電流を電力供給レールから引き出している場合に、PCU2410及び/又はPMIC2412は、そのコア又はプロセッサ2404がより高い性能レベルを発揮することができるように、(例えば、クロック周波数及び/又は電源電圧レベルを上昇させることによって)そのコア又はプロセッサ2404に対する電力引き出しを一時的に増加させることができる。斯くして、製品の信頼性を損なうことなく、プロセッサ2404に対して電圧及び/又は周波数を一時的に上昇させることができる。
【0103】
一例において、PCU2410及び/又はPMIC2412は、例えば、電力測定回路2442、温度測定回路2440からの測定結果、バッテリー2418の充電レベル、及び/又は電力管理のために使用され得る他の適切な情報を受信することに少なくとも部分的に基づいて、電力管理動作を実行し得る。この目的のために、PMIC2412は、システム/プラットフォームの電力/熱挙動に対して影響を持つ1つ以上のファクタにおける様々な値/変動を検知/検出するために、1つ以上のセンサに通信可能に結合される。該1つ以上のファクタの例は、電流、電圧ドループ、温度、動作周波数、動作電圧、電力消費、コア間通信活動などを含む。これらのセンサのうちの1つ以上は、コンピューティングシステムの1つ以上のコンポーネント又は論理/IPブロックと物理的に近接して(且つ/或いは熱的に接触/結合して)設けられ得る。さらに、少なくとも一実施形態において、PCU2410及び/又はPMIC2412に直接的に(1つ以上の)センサを結合することで、PCU2410及び/又はPMIC2412が、それらセンサのうちの1つ以上によって検出された(1つ以上の)値に少なくとも部分的に基づいてプロセッサコアエネルギーを管理することを可能にしてもよい。
【0104】
装置2400のソフトウェアスタックの一例も図示している(しかし、ソフトウェアスタックの全ての要素が図示されているわけではない)。単なる一例として、プロセッサ2404は、アプリケーションプログラム2450、オペレーティングシステム2452、1つ以上の電力管理(PM)向けアプリケーションプログラム(例えば、概してPMアプリケーション2458として参照する)、及び/又はこれらに類するものを実行し得る。PMアプリケーション2458はまた、PCU2410及び/又はPMIC2412によって実行されてもよい。OS2452も、1つ以上のPMアプリケーション2456a、2456b、2456cを含み得る。OS2452はまた、様々なドライバ2454a、2454b、2454cなどを含むことができ、それらのうちの一部は電力管理目的に特有のものとし得る。一部の実施形態において、装置2400は更に、基本入力/出力システム(BIOS)2420を含み得る。BIOS2420は、(例えば、1つ以上のドライバ2454を介して)OS2452と通信し、プロセッサ2404と通信し、等々とし得る。
【0105】
例えば、PMアプリケーション2458、2456、ドライバ2454、BIOS2420などのうちの1つ以上を使用して、例えば、装置2400の様々なコンポーネントの電圧及び/又は周波数を制御するため、装置2400の様々なコンポーネントのウェイクアップ状態、スリープ状態、及び/又は他の適切な電力状態を制御するため、バッテリー電力使用量、バッテリー2418の充電、電力節減動作に関係する機能を制御するため、などの電力管理向けタスクを実装し得る。
【0106】
明細書における“ある実施形態”、“一実施形態”、“一部の実施形態”、又は“他の実施形態”への言及は、それらの実施形態に関連して記述される特定の機構、構造又は特徴が、必ずしも全ての実施形態においてなく、少なくとも一部の実施形態に含まれることを意味する。“ある実施形態”、“一実施形態”又は“一部の実施形態”が様々に現れることは、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及しているわけではない。明細書が、コンポーネント、機構、構造、又は特徴が含まれ“てもよい”、“ることがある”又は“得る”と述べている場合、その特定のコンポーネント、機構、構造、又は特徴は含められる必要がない。明細書又は請求項が“a”又は“an”を付けて要素に言及する場合、それは、それらの要素が1つだけ存在することを意味するわけではない。明細書又は請求項が“an additional”を付けて要素に言及する場合、それは、その追加の要素が2つ以上あることを除外するものではない。
【0107】
また、特定の機構、構造、機能、又は特徴が、1つ以上の実施形態において好適なように組み合わされ得る。例えば、第1の実施形態が、第2の実施形態と、これら2つの実施形態に関連する特定の機構、構造、機能、又は特徴が相互に排他的でない場合に組み合わされ得る。
【0108】
開示をその特定の実施形態に関して説明してきたが、以上の説明を踏まえて、これらの実施形態の数多くの改変、変更、及び変形が当業者に明らかになる。開示の実施形態は、添付の請求項の広い範囲に入る全てのそのような改変、変更、及び変形を包含することを意図している。
【0109】
加えて、図示及び説明を簡単にするため、また、開示を不明瞭にしないため、集積回路(IC)チップ及び他のコンポーネントへの周知の電力/グランド接続は、提示される図の中に示されたり示されなかったりすることがある。また、構成がブロック図の形態で示されることがあるが、これは、開示を不明瞭にすることを避けるためであり、また、そのようなブロック図の構成の実装に関する詳細事項が、その中で本開示が実装されることになるプラットフォームに大きく依存する(すなわち、そのような詳細事項は、十分に、当業者の関与の範囲内にあるはずである)という事実に鑑みてのことである。開示の実施形態例を記述するために特定の詳細事項(例えば、回路)が説明される場合に、開示したことがそれらの特定の詳細事項を用いずに又はそれらの変形を用いて実施されることは、当業者に明らかなはずである。この記述は、故に、限定するものでなく例示するものとして見なされることになる。
【0110】
様々な実施形態を例示するために、以下の例が提供される。これらの例は、好適なように互いに従属することができる。
【0111】
例1. 入力供給ノード及び出力供給ノードに結合された複数のスイッチキャパシタドライバであり、前記出力供給ノードは1つ以上の負荷に出力電圧を供給するためのものである、複数のスイッチキャパシタドライバと、出力電圧バージョン、前記出力電圧、及び基準電圧を含む少なくとも3つの入力を受ける比較器と、前記比較器に結合されたコントローラであり、当該コントローラは、前記比較器の出力を受信し、前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバのうちの1つ以上のスイッチキャパシタ位相ドライバを有効又は無効にするためのデジタルコードを生成する、コントローラと、を有する装置。
【0112】
例2. 前記比較器は、前記出力電圧を微分して、微分を示す第1出力を生成する第1回路と、前記出力電圧バージョンを平均して、平均を示す第2出力を生成する第2回路と、前記出力電圧バージョンを前記基準電圧と比較して、比較を示す第3出力を生成する第3回路と、を有する、例1の装置。
【0113】
例3. 前記比較器は、前記第1出力、前記第2出力、及び前記第3出力の重み付けバージョンを足し合わせて第4出力を生成するノードを有する、例2の装置。
【0114】
例4. 前記比較器は、前記第4出力を受け取って前記比較器の前記出力を生成するクロック式比較器を有する、例3の装置。
【0115】
例5. 前記複数のスイッチキャパシタドライバの個々のスイッチキャパシタドライバが、少なくとも2つのキャパシタと、複数のトランジスタであり、当該複数のトランジスタのうち一部が前記少なくとも2つのキャパシタに結合され、当該複数のトランジスタは、クロックの2つの異なる位相によって制御可能である、複数のトランジスタと、を有する、例1の装置。
【0116】
例6. 前記少なくとも2つのキャパシタはMIMキャパシタである、例5の装置。
【0117】
例7. 前記複数のスイッチキャパシタドライバの個々のスイッチキャパシタドライバは、2:3分圧器又は1:2分圧器の一方として動作可能である、例1の装置。
【0118】
例8. 前記比較器は比例微分平均(PDA)比較器である、例1の装置。
【0119】
例9. バンドギャップ基準及びデジタルコードに従って基準電圧を生成するデジタル-アナログ変換器、を有する例1の装置。
【0120】
例10. 前記出力供給ノードに結合され、前記出力電圧の前記バージョンを生成する分圧器、を有する例1の装置。
【0121】
例11. 前記コントローラはアップ/ダウンカウンタを有する、例1の装置。
【0122】
例12. 前記コントローラは、前記1つ以上の負荷による電流需要に従って、前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバの前記1つ以上のスイッチキャパシタ位相ドライバにスイッチキャパシタレギュレーションモード又はリニアレギュレーションモードで動作させる前記デジタルコードを生成する、例1の装置。
【0123】
例13. 前記スイッチキャパシタレギュレーションモードは、前記1つ以上の負荷による前記電流需要が閾値未満である場合に生じる、例12の装置。
【0124】
例14. 前記リニアレギュレーションモードは、前記1つ以上の負荷による前記電流需要が前記閾値よりも大きい場合に生じる、例13の装置。
【0125】
例15. 前記閾値は約100ミリアンペアである、例13の装置。
【0126】
例16. 入力供給ノード及び出力供給ノードに結合された複数のスイッチキャパシタドライバであり、前記出力供給ノードは1つ以上の負荷に出力電圧を供給するためのものである、複数のスイッチキャパシタドライバと、 前記複数のスイッチキャパシタドライバに結合され、前記1つ以上の負荷による電流需要に従って、前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバにスイッチキャパシタレギュレーションモード又はリニアレギュレーションモードで動作させる、コントローラと、 を有する装置。
【0127】
例17. 前記コントローラに結合された比較器であり、出力電圧バージョン、前記出力電圧、及び基準電圧を含む少なくとも3つの入力を受ける比較器、を有する例16の装置。
【0128】
例18. 前記コントローラは、前記比較器の出力を受信して、前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバのうちの1つ以上のスイッチキャパシタ位相ドライバを有効又は無効にするためのデジタルコードを生成し、前記比較器は、前記出力電圧を微分して、微分を示す第1出力を生成する第1回路と、前記出力電圧バージョンを平均して、平均を示す第2出力を生成する第2回路と、前記出力電圧バージョンを前記基準電圧と比較して、比較を示す第3出力を生成する第3回路と、を有する、例17の装置。
【0129】
例19. メモリと、前記メモリに結合されたプロセッサコアを含む1つ以上の負荷と、前記プロセッサコアに結合された電圧レギュレータであり、当該電圧レギュレータは、入力供給ノード及び出力供給ノードに結合された複数のスイッチキャパシタドライバを有し、前記出力供給ノードは前記プロセッサコアに出力電圧を供給するためのものである、電圧レギュレータと、前記複数のスイッチキャパシタドライバに結合され、前記プロセッサコアによる電流需要に従って、前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバにスイッチキャパシタレギュレーションモード又はリニアレギュレーションモードで動作させるコントローラと、前記プロセッサコアが別デバイスと通信することを可能にする無線インタフェースと、を有するシステム。
【0130】
例20. 前記電圧レギュレータは、前記コントローラに結合された比較器を有し、該比較器は、出力電圧バージョン、前記出力電圧、及び基準電圧を含む少なくとも3つの入力を受ける、例19のシステム。
【0131】
例21. 前記コントローラは、前記比較器の出力を受信して、前記複数のスイッチキャパシタ位相ドライバのうちの1つ以上のスイッチキャパシタ位相ドライバを有効又は無効にするためのデジタルコードを生成し、前記比較器は、前記出力電圧を微分して、微分を示す第1出力を生成する第1回路と、前記出力電圧バージョンを平均して、平均を示す第2出力を生成する第2回路と、前記出力電圧バージョンを前記基準電圧と比較して、比較を示す第3出力を生成する第3回路と、を有する、例20のシステム。
【0132】
技術開示の性質及び骨子を読者が確認することを可能にする要約が提供される。要約は、請求項の範囲又は意味を限定するために使用されることにならないという理解の下で提出される。以下の特許請求の範囲は詳細な説明に組み込まれ、各請求項が別個の実施形態として自立したものとなる。
【国際調査報告】