(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】酸化/還元反応による迅速な細胞溶解
(51)【国際特許分類】
C12N 15/10 20060101AFI20221109BHJP
C12Q 1/6806 20180101ALI20221109BHJP
C12Q 1/686 20180101ALI20221109BHJP
【FI】
C12N15/10 100Z
C12Q1/6806 Z
C12Q1/686 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510896
(86)(22)【出願日】2020-08-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 US2020046608
(87)【国際公開番号】W WO2021034741
(87)【国際公開日】2021-02-25
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500174502
【氏名又は名称】ルミネックス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】セキンガー エドワード エイ.
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス メーガン
(72)【発明者】
【氏名】パンチョリ マヒマ
(72)【発明者】
【氏名】ホファッカー カート
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA13
4B063QQ02
4B063QQ04
4B063QQ05
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4B063QS25
4B063QX02
(57)【要約】
生体試料から増幅可能な核酸を迅速に調製するための方法が本明細書において提供され、当該方法は、例えば、ポイントオブケア診断用途、サービス検査診断用途、および分子生物学用途などの様々な用途に適用することができる。これらの方法は、15分以下、好ましくは5分以下で実施することができる。ほとんどの用途に関して、核酸のさらなる精製は必要でない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料から増幅可能な核酸を得る方法であって、
(a) 該生体試料を過炭酸塩、ヌクレアーゼ抑制剤、およびキレート剤と接触させて、酸化還元反応組成物を形成させる段階;
(b) 該酸化還元反応組成物を、20~65℃である第1温度でインキュベートする段階;ならびに
(c) 該酸化還元反応組成物を、60~100℃である第2温度でインキュベートする段階
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記酸化還元反応組成物が、前記第1温度で1~3分間インキュベートされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酸化還元反応組成物が、前記第2温度で30~90秒間インキュベートされる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記酸化還元反応組成物を撹拌する段階をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記酸化還元反応組成物が15~90秒間撹拌される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記酸化還元反応組成物が、(i) 前記第1温度でインキュベートする段階中、(ii) 前記第1温度でインキュベートする段階と前記第2温度でインキュベートする段階との間;(iii) 前記第2温度でインキュベートする段階中;および/または (iv) 前記第2温度でインキュベートする段階の後のうちのいずれか1つまたは複数において撹拌される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記酸化還元反応組成物が、(i) 前記第1温度でインキュベートする段階と前記第2温度でインキュベートする段階との間、および (ii) 前記第2温度でインキュベートする段階の後に撹拌される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記酸化還元反応組成物が、前記第1温度でインキュベートする段階と前記第2温度でインキュベートする段階との間に15~90秒間、および前記第2温度でインキュベートする段階の後に15~90秒間撹拌される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1温度が35~60℃である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2温度が70~95℃である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記撹拌が、機械的撹拌または超音波処理を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記生体試料をビーズと接触させる段階をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ビーズが、シリカビーズまたはガラスビーズである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記過炭酸塩が過炭酸ナトリウムを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ヌクレアーゼ抑制剤がプロテイナーゼKを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記キレート剤がエチレンジアミン四酢酸 (EDTA) を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記生体試料が、前記酸化還元反応組成物の形成前に緩衝液で希釈される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記生体試料が、前記酸化還元反応組成物の形成前に緩衝液で1:1~1:5に希釈される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記緩衝液がTrisである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記増幅可能な核酸の少なくとも一部を増幅する段階をさらに含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記増幅可能な核酸の少なくとも一部を増幅する段階が、PCRまたはRT-PCRを実施することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記増幅可能な核酸の少なくとも一部を増幅する前に、前記酸化還元反応組成物に炭酸水素ナトリウムもチオ硫酸ナトリウムも添加されない、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記増幅可能な核酸の少なくとも一部を増幅する前に、前記酸化還元反応組成物に対して洗浄段階が実施されない、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記酸化還元反応組成物が、前記増幅可能な核酸の少なくとも一部をPCRまたはRT-PCRによって増幅する前に緩衝液で希釈される、請求項20~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記酸化還元反応組成物が、前記増幅可能な核酸の少なくとも一部をPCRまたはRT-PCRによって増幅する前に緩衝液で1:1~1:5に希釈される、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
過炭酸塩、ヌクレアーゼ抑制剤、およびキレート剤を含み、乾燥形態である、組成物。
【請求項27】
前記過炭酸塩が過炭酸ナトリウムを含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記ヌクレアーゼ抑制剤がプロテイナーゼKを含む、請求項26または27に記載の組成物。
【請求項29】
前記キレート剤がエチレンジアミン四酢酸 (EDTA) を含む、請求項26~28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
ビーズをさらに含む、請求項26~29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
アスコルビン酸を本質的に含まない、請求項26~30のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1. 分野
本発明は全体として分子生物学の分野に関する。より詳細には、本発明は、増幅可能な核酸を得るために酸化還元反応を用いる迅速な細胞溶解のための方法に関係する。
【背景技術】
【0002】
2. 関連技術の説明
PCRおよびRT-PCR反応には核酸の投入が必要であり、それは固相表面からDNA/RNAを精製することによって得られる場合が多い。これらの方法は、核酸の結合、洗浄、および表面からの溶出が必要であるため、時間を要し得る。増幅可能な核酸を短時間で提供する方法が必要である。
【発明の概要】
【0003】
概要
したがって、迅速な細胞溶解および核酸調製のための方法が、本明細書において提供される。本方法は自動化されてもよいし、または手動で行われてもよい。いくつかの局面において、これらの方法は、DNAまたはRNA増幅を行う前に洗い流す必要がある阻害性試薬(例えば、ある特定の変性剤、カオトロピック剤、有機溶媒)を使用しない。しかしながら、増幅反応において、ある特定の量の阻害性試薬は許容される。
【0004】
1つの態様において、生体試料から増幅可能な核酸を得る方法であって、(a) 生体試料を過炭酸塩、ヌクレアーゼ抑制剤、およびキレート剤と接触させることにより、酸化還元反応組成物を形成させる段階;(b) 酸化還元反応組成物を、20℃~65℃である第1温度でインキュベートする段階;ならびに (c) 酸化還元反応組成物を、60℃~100℃である第2温度でインキュベートする段階を含む方法が提供される。
【0005】
いくつかの局面において、第1温度は、約25℃~65℃、35℃~65℃、45℃~65℃、50℃~65℃、20℃~60℃、25℃~60℃、30℃~60℃、35℃~60℃、45℃~60℃、20℃~55℃、25℃~55℃、30℃~55℃、35℃~55℃、40℃~55℃、20℃~50℃、25℃~50℃、30℃~50℃、35℃~50℃、20℃~45℃、25℃~45℃、30℃~45℃、20℃~40℃、25℃~45℃、20℃~35℃、またはその中で導き出せる任意の範囲である。いくつかの局面において、第1温度は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、または65℃である。
【0006】
いくつかの局面において、段階 (b) は、酸化還元反応組成物を、第1温度で約1分~約3分間、約1分~約2分間、約2分~約3分間、約90秒~約3分間、またはその中で導き出せる任意の範囲でインキュベートする段階を含む。いくつかの局面において、段階 (b) は、酸化還元反応組成物を、第1温度で約60秒、約75秒、約90秒、約105秒、約120秒、約135秒、約150秒、約165秒、または約180秒間インキュベートする段階を含む。
【0007】
いくつかの局面において、第2温度は、約60℃~75℃、60℃~80℃、60℃~85℃、60℃~90℃、60℃~95℃、65℃~80℃、65℃~85℃、65℃~90℃、65℃~95℃、65℃~100℃、70℃~85℃、70℃~90℃、70℃~95℃、70℃~100℃、75℃~90℃、75℃~95℃、75℃~100℃、80℃~95℃、80℃~100℃、85℃~100℃、またはその中で導き出せる任意の範囲である。いくつかの局面において、第2温度は、約60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、80℃、81℃、82℃、83℃、84℃、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、または100℃である。
【0008】
いくつかの局面において、段階 (c) は、酸化還元反応組成物を、第2温度で約30秒~約90秒間、約30~60秒間、約60~90秒間、またはその中で導き出せる任意の範囲でインキュベートする段階を含む。いくつかの局面において、段階 (c) は、酸化還元反応組成物を、第2温度で約30秒、約35秒、約40秒、約45秒、約50秒、約55秒、約60秒、約65秒、約70秒、約75秒、約80秒、約85秒、または約90秒間インキュベートする段階を含む。
【0009】
いくつかの局面において、本方法は、酸化還元反応組成物を撹拌する段階をさらに含む。いくつかの局面において、撹拌は機械的撹拌(例えば、ボルテックス)または超音波処理を含む。
【0010】
いくつかの局面においては、酸化還元反応組成物を、第1温度でのインキュベーション中、第1温度でのインキュベーションと第2温度でのインキュベーションとの間、第2温度でのインキュベーション中、および/または第2温度でのインキュベーション後に撹拌する。ある特定の局面においては、酸化還元反応組成物を、(i) 第1温度でのインキュベーションと第2温度でのインキュベーションとの間、および (ii) 第2温度でのインキュベーション後に撹拌する。1つの局面においては、酸化還元反応組成物を、(i) 第1温度でのインキュベーションと第2温度でのインキュベーションとの間に約15秒~90秒間、および (ii) (ii) 第2温度でのインキュベーション後に再び約15秒~90秒間撹拌する。
【0011】
ある特定の局面においては、酸化還元反応組成物を、約15~45秒間、約15~60秒間、約15~75秒間、約15秒~約90秒間、約30~60秒間、約30~75秒間、約30~90秒間、約45~75秒間、約45~90秒間、約60~90秒間、またはその中で導き出せる任意の範囲で撹拌する。いくつかの局面においては、酸化還元反応組成物を、約15秒、20秒、25秒、30秒、約35秒、約40秒、約45秒、約50秒、約55秒、約60秒、約65秒、約70秒、約75秒、約80秒、約85秒、または約90秒間撹拌する。
【0012】
いくつかの局面において、本方法は、生体試料をビーズと接触させる段階をさらに含む。ある特定の局面において、ビーズはシリカビーズまたはガラスビーズである。ある特定の局面において、ビーズは金属ビーズである。
【0013】
いくつかの局面において、本方法は15分未満で行われる。いくつかの局面において、本方法は5分未満で行われる。
【0014】
いくつかの局面において、過炭酸塩は過炭酸ナトリウムを含む。いくつかの局面において、ヌクレアーゼ抑制剤はプロテイナーゼKを含む。いくつかの局面において、キレート剤はエチレンジアミン四酢酸 (EDTA) を含む。
【0015】
いくつかの局面において、生体試料は、約50μL~約300μL、例えば、50μL、75μL、100μL、125μL、150μL、175μL、200μL、225μL、250μL、275μL、もしくは300μLなど、またはその中で導き出せる任意の他の値であってよい。いくつかの局面においては、生体試料は、酸化還元反応組成物の形成前に緩衝液で希釈される。いくつかの局面においては、生体試料は、酸化還元反応組成物の形成前に緩衝液で約1:1~約1:5、約1:1~1:4、約1:1~1:3、約1:1~1:2、約1:2~1:5、約1:2~1:4、約1:2~1:3、約1:3~1:5、約1:3~1:4、約1:4~1:5、またはその中で導き出せる任意の範囲に希釈される。いくつかの局面においては、生体試料は、酸化還元反応組成物の形成前に緩衝液で約1:1、1:2、1:3、1:4、または1:5に希釈される。ある特定の局面において、緩衝液はTrisである。
【0016】
いくつかの局面において、核酸はDNAを含む。いくつかの局面において、核酸はRNAを含む。いくつかの局面において、核酸はDNAとRNAの組み合わせを含む。いくつかの局面において、核酸は二本鎖である。いくつかの局面において、核酸は一本鎖である。
【0017】
いくつかの局面において、生体試料は、細菌細胞、ウイルス、寄生虫細胞、および/または真核細胞を含む。ある特定の局面において、真核細胞は、植物細胞、真菌細胞、または哺乳動物細胞である。ある特定の局面において、真菌細胞は、酵母細胞、カビ細胞、またはキノコ細胞である。ある特定の局面において、哺乳動物細胞は、ヒト細胞、霊長類細胞、またはイヌ細胞である。
【0018】
いくつかの局面において、増幅可能な核酸は、PCRおよび/またはRT-PCRの鋳型として使用するのに適している。いくつかの局面において、本方法は、増幅可能な核酸の少なくとも一部を増幅する段階をさらに含む。ある特定の局面において、増幅する段階は、PCRまたはRT-PCRを実施することを含む。
【0019】
いくつかの局面において、増幅可能な核酸の少なくとも一部を増幅する前に、酸化還元反応組成物に対して中和段階は行われない。いくつかの局面において、増幅可能な核酸の少なくとも一部を増幅する前に、酸化還元反応組成物に炭酸水素ナトリウムもチオ硫酸ナトリウムも添加されない。いくつかの局面において、増幅可能な核酸の少なくとも一部を増幅する前に、酸化還元反応組成物に対して洗浄段階は実施されない。
【0020】
いくつかの局面においては、酸化還元反応組成物を、増幅可能な核酸の少なくとも一部をPCRまたはRT-PCRによって増幅する前に緩衝液で希釈する。いくつかの局面においては、酸化還元反応組成物を、増幅可能な核酸の少なくとも一部をPCRまたはRT-PCRによって増幅する前に緩衝液で約1:1~約1:5、約1:1~1:4、約1:1~1:3、約1:1~1:2、約1:2~1:5、約1:2~1:4、約1:2~1:3、約1:3~1:5、約1:3~1:4、約1:4~1:5、またはその中で導き出せる任意の範囲に希釈する。いくつかの局面においては、生体試料を、増幅可能な核酸の少なくとも一部をPCRまたはRT-PCRによって増幅する前に緩衝液で約1:1、1:2、1:3、1:4、または1:5に希釈する。
【0021】
1つの態様において、過炭酸塩、ヌクレアーゼ抑制剤、およびキレート剤を含む乾燥形態組成物が、本明細書において提供される。いくつかの局面において、過炭酸塩は過炭酸ナトリウムを含む。いくつかの局面において、ヌクレアーゼ抑制剤は、プロテイナーゼKなどのプロテイナーゼを含む。いくつかの局面において、キレート剤はエチレンジアミン四酢酸 (EDTA) を含む。ある特定の局面において、組成物は、例えばシリカビーズなどのビーズをさらに含む。いくつかの局面において、組成物はアスコルビン酸を本質的に含まない。いくつかの局面において、組成物は界面活性剤を本質的に含まない。いくつかの局面において、乾燥組成物は、容積で約5%、3%、2%、1%または0.5%未満である水分含量を含む。ある特定の局面において、組成物は水を本質的に含まない。なおさらなる局面において、本態様の過炭酸塩、ヌクレアーゼ抑制剤、およびキレート剤を含む乾燥形態組成物を含む密封容器が提供される。その上さらなる局面において、複数のウェルが本態様の乾燥形態組成物を含む、密封されたマルチウェルプレートが提供される。
【0022】
本明細書で用いられる場合、特定の成分に関して「本質的に含まない」は、特定の成分のいずれも、意図的に組成物中に製剤化されていない、および/または混入物としてもしくは微量でのみ存在することを意味するために、本明細書で用いられる。組成物の任意の意図的でない混入によって生じる特定の成分の総量は、したがって0.05%よりも十分に低い。特定の成分の量が標準的な分析方法で検出され得ない組成物が最も好ましい。
【0023】
本明細書で用いられる場合、明細書において、「1つの (a)」または「1つの (an)」は、1つまたは複数を意味し得る。本明細書で用いられる場合、特許請求の範囲において、「含む」という語と共に用いられる場合には、「1つの (a)」または「1つの (an)」という語は、1つまたは2つ以上を意味し得る。
【0024】
特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、選択肢のみを指すように明記されている場合、または選択肢が相互に排他的である場合を除いて、「および/または」を意味するために用いられるが、本開示は選択肢のみならびに「および/または」を指す定義を支持する。本明細書で用いられる場合、「別の」は、少なくとも2番目またはそれ以降を意味し得る。
【0025】
本出願を通して、「約」という用語は、ある値が、その値を決定するために使用される装置、方法に固有の誤差変動、研究対象間に存在する変動、または指定された数のプラスもしくはマイナス5%を含むことを示すために用いられる。
【0026】
本発明の他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の精神および範囲の範囲内の様々な変更および修正が、この詳細な説明から当業者に明らかになると考えられるため、詳細な説明および具体例は、本発明の好ましい態様を示しながら、例示として与えられているにすぎないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明のある特定の局面をさらに実証するために含めるものである。本発明は、本明細書に提示された具体的な態様の詳細な説明と組み合わせて、これらの図面のうちの1つまたは複数を参照することにより、よりよく理解され得る。
【0028】
【
図1】酸化還元プロトコールを用いた、様々な培地中での試料の迅速な溶解。各対のバーにおいて、左側のバーは酸化還元プロトコールを表し、右側のバーはARIESベンチトップを表す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
様々なポイントオブケア診断用途に適用することができる、生体試料から核酸を迅速に調製するための方法が、本明細書において提供される。これらの方法は、15分以下、好ましくは5分以下で実施することができる。ほとんどの用途に関して、核酸のさらなる精製は必要ない。したがって、本方法は、PCRおよびRT-PCRに対して阻害的である試薬、例えば、強力な変性剤もしくはカオトロピック剤(例えば、グアニジンイソチオシアネート (GITC))および/または有機溶媒(例えば、イソプロピルアルコール (IPA))などを欠いている。それにもかかわらず、ある特定の量の阻害性試薬が存在してもよい。しかしながら、任意の阻害性試薬の濃度は、PCRまたはRT-PCR反応に対して有意に阻害的であるにはあまりにも低く、したがって増幅反応において許容される。
【0030】
本発明の1つの態様によるプロトコールの一般的な説明が、本明細書において提供される:最初の酸化還元反応の前に、ビーズ(例えば、シリカ低結合性ビーズ)を生体試料に添加する。いくつかの局面では、10~50ミリグラムのシリカ低結合性ビーズ、例えば100ミクロンビーズを使用することができる。生体試料の容積は、少なくとも利用可能な材料の量に応じて変化させることができる。酸化還元反応は、過炭酸ナトリウム(例えば、少なくとも最終濃度約35 mM)、キレート剤(例えば、少なくとも最終濃度約0.1 mMのEDTA)、およびヌクレアーゼ抑制剤(例えば、プロテイナーゼなど)を生体試料に添加する段階を含む。過炭酸ナトリウムはH2O2を生成し、これは細胞を損傷し、それによって細胞をより溶解させやすくする。DNaseを阻害するために、キレート剤(例えば、EDTA)を試料に添加する。RNaseを阻害するために、ヌクレアーゼ抑制剤(例えば、プライテイナーゼK)を試料に添加する。酸化還元反応物を、約60℃で約2分間インキュベートする。次いで試料を約80℃で約1分間加熱し、次いで超音波処理を約1分間行う。最後に、溶解物をpH緩衝溶液(例えば、約6.5~7.5のpHを有するTris緩衝溶液)で少なくとも1:4に希釈し、例えばRT-PCR反応マスターミックスなどの増幅反応物に直接添加する。
【0031】
「生体試料」とは、本発明の方法において使用するために試料を調製することができる任意の生体物質を含む試料を意味する。これには、細菌培養物、酵母培養物、ウイルスに感染した細胞、単離されたウイルス、組織培養物、細胞株、細菌に汚染された食品、血液、血清、患者試料、尿、およびその他の体液が含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
細胞の「溶解」とは、細胞の核酸成分が外部溶液に放出され得るような、細胞膜(および該当する場合には細胞壁)の破壊、破裂、穿孔、透過処理、消化、または分解を意図している。本発明によると、核酸の放出をもたらすために、細胞膜を完全に破壊する、破裂させる、透過処理する、または消化する必要はない。
【0033】
「キレート剤」とは、金属イオンと反応して安定した水溶性錯体を形成する化合物を意味する。キレート剤は典型的には、濃縮水溶液で提供され、生理的範囲のpHを達成するために、必要に応じて少量の濃縮酸または濃縮塩基でpH調整される。あるいは、いくつかの周知の緩衝液のいずれかを使用して、pHを調整することもできる。キレート剤は、約pH 7.0~約pH 8.0のpH、好ましくは約7.5 +/- 0.1 pH単位のpHを有する。キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸 (EDTA) もしくはエチレングリコール-ビス(2-アミノエチルエーテル)四酢酸 (EGTA) またはそれらの塩であってよく;より好ましくは、キレート剤はEDTAである。「EDTA」および「EGTA」という用語は、酸および塩の形態の両方を指すために用いられ、本発明ではいずれの形態も使用することができるが、塩形態が好ましい。
【0034】
「ヌクレアーゼ抑制剤」とは、生体試料中に存在する任意のヌクレアーゼの機能を阻害する作用物質を意味する。そのようなヌクレアーゼ抑制剤は、存在する任意のヌクレアーゼ酵素を分解することによって機能し得る。例えば、ヌクレアーゼ抑制剤は、例えばプロテイナーゼKのような非特異的プロテアーゼであってよい。生体試料をプロテイナーゼKとインキュベートすると、ヌクレアーゼを含む、試料中に存在するあらゆるタンパク質が消化される。プロテアーゼは、キレート剤の後にまたはキレート剤と同時に、試料に添加することができる。存在するタンパク質の消化を達成するために、プロテアーゼを添加した生体試料を、プロテアーゼが働くことを可能にする十分な温度(例えば、約50℃~約65℃、好ましくは約60℃)で、およびそのような時間(例えば、約1分、約2分、約3分、約4分、または約5分)、インキュベートする。これらの条件は周知であり、当業者によって容易に決定される。
【0035】
本明細書で用いられる場合、「核酸」は、DNAまたはRNAのいずれか、一本鎖または二本鎖のいずれかを意味する。
【0036】
本明細書で用いられる場合、「増幅」または「増幅する」は、標的核酸配列のさらなるコピーのインビトロ産生を指す。増幅は一般に、当技術分野で公知のポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) 技術を用いて行われる。「増幅反応物」という用語は、標的核酸を増幅するために使用される様々な試薬を含む水溶液を指す。これらには、酵素(例えば、熱安定性ポリメラーゼ)、水性緩衝液、塩、増幅プライマー、標的核酸、ヌクレオシド三リン酸、ならびに任意に、少なくとも1つの標識プローブ、および/または任意に、増幅された標的核酸の融解温度を決定するための少なくとも1つの作用物質(例えば、二本鎖核酸の存在下で蛍光の変化を示す蛍光インターカレート剤)が含まれ得る。
【0037】
「PCR」という用語は、RT-PCR、リアルタイムPCR、ネステッドPCR、定量的PCR、マルチプレックスPCR、アセンブリーPCRなどを含むがこれらに限定されない、この反応の派生形態を包含する。反応容積は、数百ナノリットル、例えば200 nLから、数百マイクロリットル、例えば200μLの範囲である。「逆転写PCR」または「RT-PCR」は、標的RNAを相補的な一本鎖DNAに変換する逆転写反応が先行し、次いでそれを増幅するPCRを意味する、例えば米国特許第5,168,038号。「リアルタイムPCR」は、反応の進行と共に、反応産物、すなわちアンプリコンの量がモニターされるPCRを意味する。リアルタイムPCRには、主に反応産物をモニターするために使用される検出化学が異なる多くの形態がある、例えば、米国特許第5,210,015号(「Taqman」);米国特許第6,174,670号および第6,569,627号(インターカレート色素);米国特許第5,925,517号(分子ビーコン)。リアルタイムPCRの検出化学は、Mackay et al., Nucleic Acids Research, 30:1292-1305 (2002) に概説されている。「ネステッドPCR」は、第1 PCRのアンプリコンが、新たなプライマーセットを使用する第2 PCRの試料になる2段階PCRを意味し、新たなプライマーセットの少なくとも一方は、第1アンプリコンの内部位置に結合する。ネステッド増幅反応に関する「初期プライマー」は、第1アンプリコンを生成するために使用されるプライマーを意味し、「二次プライマー」は、第2またはネステッドアンプリコンを生成するために使用される1つまたは複数のプライマーを意味する。「マルチプレックスPCR」は、複数の標的配列(または単一の標的配列および1つもしくは複数の参照配列)が、同一の反応混合物中で同時に行われるPCRを意味する。通常、増幅される各配列に対して異なるプライマーセットが使用される。「定量的PCR」は、試料または検体中の1つまたは複数の特定の標的配列の存在量を測定するために設計されたPCRを意味する。
【0038】
本明細書に記載される増幅方法には、「リアルタイムモニタリング」または「連続モニタリング」が含まれ得る。これらの用語は、PCRのサイクルの間に、好ましくは温度遷移の間に、複数回モニターすること、およびより好ましくは、各温度遷移において少なくとも1つのデータ点を取得することを指す。「ホモジニアス検出アッセイ」という用語は、連結された増幅と検出を含むアッセイを説明するために用いられ、これには「リアルタイムモニタリング」または「連続モニタリング」が含まれ得る。
【0039】
RT-PCRグレードの核酸は、例えば、PCR、TMA、NASBA、RT-PCRなどの増幅技法を含む任意の従来の検出技法と、例えば、検出された微生物の型、種、および株の決定のために望ましい場合には、任意にその後の配列決定解析によって、検出および/または解析することができる。
【実施例】
【0040】
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を実証するために含めるものである。以下の実施例において開示される技法は、本発明の実施において良好に機能することが本発明者によって発見された技法を表し、したがってその実施のための好ましい様式を構成すると見なされ得ることが、当業者によって認識されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示を考慮して、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示される特定の態様において多くの変更を行い、なお同様のまたは類似の結果を得ることができることを認識すべきである。
【0041】
実施例1‐≦15分の酸化還元プロトコールを用いた迅速な溶解
複数のDNA/RNA標的を、病原体カクテルを用いてアッセイした。病原体カクテルは、RNAウイルス(A型インフルエンザおよびB型インフルエンザ)、グラム陰性菌(パラ百日咳菌 (Bordetella parapertussis))、グラム陽性菌(黄色ブドウ球菌 (S. aureus))、ならびに酵母(C. アルビカンス (C. albicans))からなった。
【0042】
最初の酸化還元反応の前に、約30ミリグラムの100ミクロンシリカ低結合性ビーズを、100μLの病原体カクテルに添加した。酸化還元反応は、過炭酸ナトリウム(最終濃度35 mM)、プロテイナーゼK (0.04 mg)、およびEDTA(最終濃度0.1 mM)を病原体カクテルに添加する段階を含んだ。酸化還元反応物を、約60℃で約2分間インキュベートした。試料を約80℃で約1分間加熱し、次いで超音波処理を約1分間行った。最後に、病原体カクテルを50 mM Tris (pH 7) で1:4に希釈し、RT-PCR反応マスターミックスに直接添加した。
【0043】
プロセスコントロールとして、病原体カクテルを、酸化還元反応成分の代わりに水のみを添加したことを除いて同一の条件に供した。陽性対照として、Luminex ARIES(登録商標) ベンチトップシステムを用いて、病原体カクテルを抽出し精製した。結果を表1に提供する。
【0044】
(表1)≦15分の酸化還元プロトコールのリアルタイムRT-PCR結果
【0045】
表1に示されるように、酸化還元反応は、B型インフルエンザを除いて、より低い標的Ctをもたらし、このことは、試験した他の2つの方法、例えばARIESベンチトップおよびプロセスコントロールよりも性能が優れていることを示している。加えて、標準偏差は1未満であり、酸化還元反応プロセスによる良好な再現性が実証される。Ct平均値:6つのデータポイント(2つの生物学的反復および3つの技術的反復=6つのCt値)からのCt平均値;Ct標準偏差:6つのデータポイントについて決定された変動性;平均Tm:PCR産物を融解するのに必要な平均温度;陽性率:6つの増幅反応物から標的検出に成功する割合、例えば、6つのうち6つ=100%。
【0046】
実施例2‐5分の酸化還元プロトコールを用いた迅速な溶解
複数のDNA/RNA標的を、病原体カクテルを用いてアッセイした。病原体カクテルは、RNAウイルス(A型/B型インフルエンザ)、グラム陰性菌(パラ百日咳菌)、グラム陽性菌(黄色ブドウ球菌)、および酵母(C. アルビカンス)からなった。
【0047】
最初の酸化還元反応の前に、約30ミリグラムの100ミクロンシリカ低結合性ビーズを、100μLの病原体カクテルに添加した。酸化還元反応は、過炭酸ナトリウム(最終濃度35 mM)、プロテイナーゼK(0.04 mg)、およびEDTA(最終濃度0.1 mM)を病原体カクテルに添加する段階を含んだ。酸化還元反応物を、約60℃で約2分間インキュベートした。酸化還元反応後、試料を約80℃で約分間加熱し、次いで超音波処理を約60秒間行った。最後に、病原体カクテルを50 mM Tris(pH 7)で1:4に希釈し、RT-PCR反応マスターミックスに直接添加した。
【0048】
プロセスコントロールとして、病原体カクテルを、酸化還元反応成分の代わりに水のみを添加したことを除いて同一の条件に供した。陽性対照として、Luminex ARIES(登録商標) ベンチトップシステムを用いて病原体カクテルを解析した。結果を表2に提供する。
【0049】
(表2)5分の酸化還元プロトコールのリアルタイムRT-PCR結果
【0050】
表2に示されるように、酸化還元反応は、DNA標的に関してはより低い標的Ctをもたらしたが、RNAの標的CtはARIESベンチトップよりわずかに高かった。Ct平均値:9つのデータポイント(3つの生物学的反復および3つの技術的反復=9つのCt値)からのCt平均値;Ct標準偏差:9つのデータポイントについて決定された変動性;平均Tm:PCR産物を融解するのに必要な平均温度;陽性率:9つの増幅反応物から標的検出に成功する割合、例えば、9つのうち9つ=100%。
【0051】
実施例3‐5分の酸化還元プロトコールを用いた、様々な培地中での試料の迅速な溶解
病原体カクテルに培地も含めたことを除いて、実施例1に記載されたのと同じ実験を行った。3種類の異なる培地を試験して、それらが5分の酸化還元溶解プロトコールを阻害するかどうかを判断した。試験した培地は、eSwab(商標)(Copan)、MicroTest(商標)M5(商標)(Remel(商標)、Thermo Fisher)、およびUTM(商標)(Copan) であった。陽性対照として、試料をまた、Luminex ARIES(登録商標)ベンチトップシステムを用いて解析した。
図1のグラフから、いずれの培地も、陽性対照と比較して、15分の酸化還元溶解プロトコールを阻害しなかったことが示される。
【0052】
実施例4‐5分の酸化還元プロトコールを用いた臨床試料の迅速な溶解
試験した試料が、表3に示される病原体について陽性であることが公知である臨床試料であることを除いて、実施例2に記載されたのと同じ実験を行った。4つの異なる病原体を試験した。A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、RSV、およびC. アルビカンス。陽性対照として、Luminex ARIES(登録商標) ベンチトップシステムを用いて試料を解析した。結果を表3に提供する。
【0053】
(表3)臨床試料を用いた、5分の酸化還元プロトコールのリアルタイムRT-PCR結果
【0054】
表3により、ARIESベンチトップの参照方法と比較して、酸化還元反応を用いた場合の臨床試料の陽性率試験が明らかにされる。Ct平均値:3つのデータポイント(1つの生物学的抽出および3つの技術的反復=3つのCt値)からのCt平均値;Ct標準偏差:3つのデータポイントについて決定された変動性;平均Tm:PCR産物を融解するのに必要な平均温度;陽性率:3つの増幅反応物から標的検出に成功する割合、例えば、3つのうち3つ=100%。
【0055】
本明細書において開示および特許請求する方法はすべて、本開示に照らして、必要以上の実験を行うことなく作製および実行することができる。本発明の組成物および方法を好ましい態様に関して説明してきたが、本発明の概念、精神、および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される方法に対して、およびそのような方法の段階において、または段階の順序において、変更が加えられ得ることは、当業者に明白であろう。より具体的には、化学的にも生理学的にも関連しているある特定の作用物質が、本明細書に記載される作用物質の代わりに用いられても、同一または類似の結果が達成され得ることが明白であろう。当業者にとって明白なそのような同様の代替物および変更物はすべて、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神、範囲、および概念の範囲内にあると見なされる。
【国際調査報告】