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特表2022-547812電気作動可能なロックデバイスを有するベルトリトラクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】電気作動可能なロックデバイスを有するベルトリトラクタ
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/343 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
B60R22/343
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511356
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(85)【翻訳文提出日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 EP2020074519
(87)【国際公開番号】W WO2021047982
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】102019213915.9
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】グレッサー、アント-クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】クンツラー、フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】リングス、フィリップ
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018GA00
(57)【要約】
本発明は、ベースプレート(15)及び直立する第1のリム(16)を有するハウジング(1)と、直立する第1のリム(16)上に枢動可能に装着されており、鋼板(5)を有するロックレバー(2)であって、鋼板(5)が、ばね(4)によってばね荷重されている、ロックレバー(2)と、ハウジング(1)内に配置された電磁石(3)であって、貫通開口部(14)を有するコイル(10)、貫通開口部(14)内に配置されており、電圧がコイル、(10)に印加されたとき、磁力をロックレバー(2)上に鋼板(5)を介して加え、ロックレバーを作動させて、ばね(4)の力に対してロック運動又はロック解除運動をトリガする第1の鉄コア(12)を有する電磁石(3)とを備える電気作動可能なロックデバイス(100)を有するベルトリトラクタに関する。ロックレバー(2)の運動は、第1の磁気回路(I)によって実施され、第1の磁気回路(I)は、第1の鉄コア(12)、直立する第1のリム(16)、並びに第1の鉄コア(12)と直立する第1のリム(16)との間にあるベースプレート(15)及びロックレバー(2)の部分によって形成されており、減衰要素(13)が設けられており、減衰要素(13)は、減衰要素(13)が、ロックレバー(2)の運動曲線の少なくとも1つの部分において、ハウジング(1)に対するロックレバー(2)の運動を減衰させるように配置されており、減衰要素(13)は、ロックレバー(2)上に配置された少なくとも1つの弾性変形可能なフックによって形成されている。
【図面】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレート(15)及び直立する第1のリム(16)を有するハウジング(1)と、
前記直立する第1のリム(16)上に枢動可能に装着されており、鋼板(5)を有するロックレバー(2)であって、前記鋼板(5)が、ばね(4)によってばね荷重されている、ロックレバー(2)と、
前記ハウジング(1)内に配置された電磁石(3)であって、
貫通開口部(14)を有するコイル(10)、
前記貫通開口部(14)内に配置されており、電圧が前記コイル(10)に印加されたとき、磁力を前記ロックレバー(2)上に前記鋼板(5)を介して加え、前記ロックレバーを作動させて、前記ばね(4)の力に対してロック運動又はロック解除運動をトリガする第1の鉄コア(12)
を有する電磁石(3)とを備える電気作動可能なロックデバイス(100)を有するベルトリトラクタであって、
前記ロックレバー(2)の前記運動が、第1の磁気回路(I)によって実施され、前記第1の磁気回路(I)が、前記第1の鉄コア(12)、前記直立する第1のリム(16)、並びに前記第1の鉄コア(12)と前記直立する第1のリム(16)との間にある前記ベースプレート(15)及び前記ロックレバー(2)の部分によって形成されており、
減衰要素(13)が設けられており、前記減衰要素(13)は、前記減衰要素(13)が、前記ロックレバー(2)の運動曲線の少なくとも1つの部分において、前記ハウジング(1)に対する前記ロックレバー(2)の前記運動を減衰させるように配置されている、ベルトリトラクタにおいて、
前記減衰要素(13)が、前記ロックレバー(2)上に配置された少なくとも1つの弾性変形可能なフックによって形成されている
ことを特徴とするベルトリトラクタ。
【請求項2】
前記フックが、前記ロックレバー(2)上に一体的に成形されたプラスチックフックによって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のベルトリトラクタ。
【請求項3】
少なくとも1つの凹部(25)が、前記ハウジング(1)上に設けられており、前記フックが、少なくとも1つの位置における前記フックの運動中に、前記少なくとも1つの凹部(25)内に入ることを特徴とする、請求項1又は2に記載のベルトリトラクタ。
【請求項4】
同一の形状の少なくとも2つのフックが、設けられており、互いに平行に向けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のベルトリトラクタ。
【請求項5】
前記ロックレバー(2)が、枢動可能なプレートによって形成されており、弾性の突出及び屈曲するロック先端(27)が、前記枢動可能なプレート上に設けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のベルトリトラクタ。
【請求項6】
直立する第2のリム(19)が、前記第1のリム(16)の反対側の前記ベースプレート(15)の縁側上に設けられており、
第2の鉄コア(17)が、前記貫通開口部(14)内に配置されており、
前記ロックレバー(2)の前記運動が、前記電磁石(3)の起動の際に、第2の磁気回路(II)によって追加的に実施され、前記2の磁気回路(II)が、前記第2の鉄コア(17)、前記直立する第2のリム(19)、並びに前記第2のリム(19)と前記第2の鉄コア(17)との間にある前記ロックレバー(2)及び前記ベースプレート(15)の部分によって形成されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のベルトリトラクタ。
【請求項7】
前記第1の鉄コア及び前記第2の鉄コア(12、17)が、前記ハウジング(1)の前記ベースプレート(15)内にかしめられていることを特徴とする、請求項6に記載のベルトリトラクタ。
【請求項8】
前記直立する第1のリム及び/又は前記直立する第2のリム(16、19)が、前記ベースプレート(15)と一体的に形成されていることを特徴とする、請求項6又は7に記載のベルトリトラクタ。
【請求項9】
前記ベースプレート(15)が、前記第2のリム(19)から離れて面する前記第1のリム(16)の側に配置された端部(22)を有し、
前記ばね(4)の一方の端が、前記ベースプレート(15)の前記端部(22)に接続されており、前記ばね(4)の他方の端が、前記第1のリム(16)を越えて突出する前記ロックレバー(2)の端(23)に接続されていることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載のベルトリトラクタ。
【請求項10】
前記ロックレバー(2)が、前記第1のリム(16)内に配置された回転軸を中心として枢動可能に装着されていることを特徴とする、請求項6から9のいずれか一項に記載のベルトリトラクタ。
【請求項11】
前記コイル(10)が、コイル本体上に一体的に成形された電気接点(18)を有することを特徴とする、請求項6から10のいずれか一項に記載のベルトリトラクタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブル部分の特徴を備える、電気作動可能なロックデバイスを有するベルトリトラクタに関する。
【0002】
一般的な電気作動可能なロックデバイスは、例えば、英国特許出願公開第2398824号から知られている。
【0003】
このようなロックデバイスは、ベルトシャフトに対して外歯制御ディスクを停止するために使用され、このディスクは、ベルトリトラクタのベルトシャフト上に回転可能に装着されており、これによって、ロック爪を車両に固定されたギア内に押し込んで、作動運動を生じさせ、これによって、ベルトシャフトは、次いで、引き抜き方向にロックされる。
【0004】
従来の機械式ロックデバイスにおいて、慣性質量は接触面上に加えられ、接触面は、所定の車両減速が超えられたとき偏向し、これによって、ロックレバーを偏向させ、ロックレバーを制御ディスクのギア内に係合させる。このような機械式ロックデバイスは、車両感知式センサデバイスとも呼ばれる。これらの機械式ロックデバイスの1つの問題は、ベルトシャフトが意図せずにロックされていないように、慣性質量が、ベルトリトラクタの設置幾何学的形状とは独立して、車両長手方向軸及び車両横軸に対して接触面上に定められた向きで常に位置合わせされている必要があることである。したがって、ベルトリトラクタは、車両について個別に設計されなければならず、この設計において、接触面の向き及び接触面に加えられる質量は、ベルトリトラクタについて個別に設計されており、これにより、接触面の向き及び接触面に加えられる質量は、車両内のベルトリトラクタの設置幾何学的形状を考慮して、所定の向きに対応する。更に、フロントシート内に一体化されたベルトリトラクタの場合、例えば、コンバーチブルなどの場合、バックシートに乗り込むために、背もたれの傾斜角度が調節されたとき、又は背もたれが前方に折り曲げられたとき、慣性質量が、意図せずに接触面上で偏向し、結果として、ロックレバーが、意図せずに制御ディスクの外歯内に押し込まれて作動運動を生じさせるという問題がある。したがって、ベルトリトラクタは、引き抜き方向にロックされ、背もたれは、更に枢動することができない、又は乗員は、シートベルトのバックルを留めることができない。これを回避するために、追加の切断機構又は補償機構が設けられなければならないが、これらの機構は、乗員が事故において常に拘束されるように、これらの場合にのみ機能し得る。達成されるべきこれらの務めに起因して、このような機械式ロックデバイスは機械的に非常に複雑である。
【0005】
電気作動可能なロックデバイスの場合、例えば、英国特許出願公開第2398824号から知られているように、対照的に、ロックレバーの運動は電気制御され、この結果として、以前に必要とされた慣性質量が省略されている。これによって、ベルトリトラクタは、車両内の異なる設置位置において、及び背もたれ内に、変化することなく装着され得る。更に、ベルトシャフトのロックは、制御デバイスからの電気信号によって制御され得る。これによって、信号は、制御デバイスによって生成され得、制御デバイスはまた、他のセンサデバイス又は制御システムに応じて、信号を生成することができる。例えば、ドライビングダイナミクス支援システムが起動されたとき、ベルトシャフトを自動的にロックすること、及びドライビングダイナミクス支援システムは、例えば光センサデバイスの信号に応じて制御されることが企図される。したがって、電気式ロックデバイスはまた、光センサデバイスの信号に応じて直接的又は間接的に制御される。
【0006】
出願人によって出願人の製品において使用され、英国特許出願公開第2398824号の実施形態に対応する電気作動可能なロックデバイス100は、図3及び図5に示されている。電気作動可能なロックデバイス100は、基本要素として、ベースプレート15及び直立する第1のリム(limb)16を有するL字形の基本構造を有するハウジング1と、ハウジング1の直立する第1のリム16上に枢動可能に装着されたロックレバー2と、電磁石3と、ハウジング1上に一方の端において保持されており、直立する第1のリム16から外向きに突出するロックレバー2の端に他方の端において接続されたばね4とを備える。ばね4は、張力ばねとして設計されており、これにより、ばね4は、ロックレバー2が制御ディスク21の外歯内に係合し、これによって、制御ディスク21をベルトシャフトに対して拘束する位置内に、ロックレバー2を付勢する。このようにして、ベルトシャフトが引き抜き方向に回転したとき、ロック爪は、車両に固定されたギア内に自動的に押し込まれて作動運動を生じさせ、ベルトシャフトは、その後、更なるベルトの引き抜きに対してロックされる。ロックレバー2は、外囲部(contour part)24及び鋼板5を備え、鋼板5は、電磁石3に面し、このため、電磁石3が通電されたとき、ロックレバー2は、電磁石3によって引き付けられ、したがって、制御ディスク21の外歯から引き出される。結果として、ベルトシャフトは、その後、引き抜き及び引き込み方向に自由に回転可能である。この解決策の利点は、停電又は電磁石3の欠陥の事象においてでも、ベルトシャフトが引き抜き方向にロックされ、この場合においても、乗員が確実に拘束されることである。
【0007】
電磁石3は、柱形状の中央部分7及び2つの半径方向フランジ8を有するベースコンポーネント6を備え、フランジ8のうちの一方は、それぞれの場合において、中央部分7の端のうちの一方において半径方向外向きに突出する。電磁石3は、ハウジング1のベースプレート15上にベースコンポーネント6で保持されている。ベースコンポーネント6は、管状貫通部分14を中央部分7内に有し、環状中間空間9を中央部分7上の外側に半径方向に有し、環状中間空間9は、半径方向フランジ8によって端中央部分7に向かって制限されている。更に、電磁石3は、複数の巻線を有するコイル10を備え、コイル10は環状中間空間9内に配置されており、ベースコンポーネント6内に設けられたライン11を介して外部制御デバイスと電気的に接触する。加えて、電磁石3は、第1の鉄コア12を備え、第1の鉄コア12は、ベースコンポーネント6の管状貫通部分14内に配置されており、ロックレバー2の鋼板5に面する自由端を有する。
【0008】
コイル10が通電されたとき、ロックレバー2は、第1の磁気回路Iを閉じることによって引き付けられ、第1の磁気回路Iは、図5の右図に示すように、ハウジング1の直立する第1のリム16、第1の鉄コア12、並びに第1の鉄コア12と直立する第1のリム16との間にあるロックレバー2及びベースプレート15の部分によって画定される。
【0009】
本発明の目的は、ロック運動及び力条件に関して改善された電気作動可能なロックデバイスを有するベルトリトラクタを提供することである。
【0010】
目的を達成するために、請求項1の特徴を有するベルトリトラクタが提案されている。更に、本発明の好ましい実施形態は、従属請求項、図、及び関連する説明において見出され得る。
【0011】
本発明の基本的な考えによれば、減衰要素が、ロックレバー上に配置された少なくとも1つの弾性変形可能なフックによって形成されていることが提案されている。したがって、減衰要素は、ロックレバー上に直接的に配置されており、これによって、減衰要素は、ロックレバーがハウジングに対してフックで静止するとすぐに、ロックレバーの運動を直接的に減衰させる。フックの形状、寸法決め及び選択された材料に起因して、フック自体は、弾性であり、結果として、フックがハウジングの対向面に対して静止するとすぐに、フック自体に変形することができる。
【0012】
この場合、フックは、好ましくは、ロックレバー上に一体的に成形されたプラスチックフックによって形成されてもよく、これによって、ロックレバーの意図された減衰は、特に費用効果的に実現され得る。
【0013】
少なくとも1つの凹部が、ハウジング上に設けられており、フックが、少なくとも1つの位置におけるフックの運動中に、少なくとも1つの凹部内に入ることが更に提案されている。設けられた凹部は、ロックレバーが、フックによって制限されることなく、運動を完全に行うことを可能にする。加えて、凹部内のフックは、ロックレバーのための横方向ガイドを形成することができる。
【0014】
同一の形状の少なくとも2つのフックが、設けられており、互いに平行に向けられていることが更に提案されている。2つの平行なフックを設けることによって、ロックレバーは、2つの離間した弾性支持点によって減衰し、2つの支持点における減衰は、大きさ及び向きにおいて同一である。
【0015】
ロックレバーが、枢動可能なプレートによって形成されており、弾性の突出及び屈曲するロック先端が、枢動可能なプレート上に設けられていることが更に提案されている。弾性の突出及び屈曲するロック先端の特性及び形状に起因して、弾性の突出及び屈曲するロック先端は、プレート上に弾性的に配置されており、このため、弾性の突出及び屈曲するロック先端は、制御ディスクのギア内に係合されたときでも、わずかに減衰した運動を実施することができる。結果として、ベルトリトラクタのロック運動は更に減衰する。
【0016】
直立する第2のリムが、直立する第1のリムの反対側のベースプレートの縁側上に設けられており、第2の鉄コアが、貫通開口部内に配置されており、ロックレバーの運動が、電磁石の起動の際に、第2の磁気回路によって追加的に実施され、第2の磁気回路が、第2の鉄コア、直立する第2のリム、並びに第2のリムと第2の鉄コアとの間にあるロックレバー及びベースプレートの部分によって形成されていることが更に提案されている。
【0017】
解決策の利点は、電磁石によって加えられる保持力が、簡単な手段によって、これによって局所最大負荷又は関与する構成要素の設置空間要件を増加させることなく、増加することができるという事実において分かる。逆に、これは、より強いばねが設けられることを可能にし、これは、次いで、電磁石が起動されていないとき、ロックレバーのより速い運動を可能にする。特に、ベースプレート及びロックレバーの部分、すなわち、以前に未使用であった第2の鉄コアと第2のリムとの間の部分は、作動力を加えるために使用される。これは、特に第2のリム及び第2の鉄コアを設けることによって可能にされる。第2の磁気回路は、好都合に製造され、第2の磁気回路は、好ましくは同一の第2の鉄コア及び同一の第2のリムが使用されるとき、既に存在する第1の磁気回路とほぼ同じ保持力を生じさせる。好都合に、並行して作用する2つの同一の磁気回路がある。
【0018】
第1の鉄コア及び第2の鉄コアが、ハウジングのベースプレート内にかしめられており、直立する第1のリム及び/又は直立する第2のリムが、ベースプレートと一体的に形成されていることが更に提案されている。両方の解決策は、費用効果的な製造を可能にし、かしめを介する接合部は、締まりばめの設計のみを必要とする。
【0019】
更に、ベースプレートは、好ましくは、第2のリムから離れて面する第1のリムの側に配置された端部を有してもよく、ばねの一方の端は、ベースプレートの端部に接続されてもよく、ばねの他方の端は、直立する第1のリムを越えて突出するロックレバーの端に接続されてもよい。提案された解決策により、直立する第1のリムは、ピボット軸受を形成し、直立する第2のリムは、ロックレバーが制御ディスクのギアの係合位置において、すなわち制御ディスクの解放位置において位置していない場合、ロックレバーのための支持を形成する。
【0020】
ロックレバーが、直立する第1のリム内に配置された回転軸を中心として枢動可能に装着されていることが更に提案されている。結果として、装着内に又はロックレバー内に及びリム内に作用するモーメントが低減され得る。
【0021】
更に、コイルは、好ましくは、コイル本体上に一体的に成形された電気接点を有してもよい。一体的に成形された接点は、外部電圧源又は外部制御ユニットへの電磁石の簡略化された電気接続を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明について、添付の図を参照して好ましい実施形態に基づいて以下に説明する。図は以下を示す。
図1】ロックされた制御ディスクを有する、本発明によるベルトリトラクタを示す図である。
図2】解放された制御ディスクを有する、本発明によるベルトリトラクタを示す図である。
図3】従来技術による電気作動可能なロックデバイスの分解図である。
図4】本発明による更に開発された電気作動可能なロックデバイスの分解図である。
図5】引き付けられ偏向したロックレバーを有する、従来技術による電気作動可能なロックデバイスの断面図である。
図6】引き付けられ偏向したロックレバーを有する、本発明による更に開発された電気作動可能なロックデバイスの断面図である。
図7】本発明による更に開発された電気作動可能なロックデバイスの2つの異なる斜め図である。
【0023】
図1及び図2では、ハウジング20と、ハウジング20によって覆われた制御ディスク21とを有するベルトリトラクタが、それぞれの場合において示されている。制御ディスク21は、ベルトシャフト(図示せず)上に既知の方法で回転可能に装着されており、当該ベルトシャフトに対して巻き方向にばねによってばね付勢されている。更に、ロックレバー2を有する電気作動可能なロックデバイス100が、ベルトリトラクタ上に設けられており、ロックレバー2は、左図で識別可能である、制御ディスク21のギア内への係合によって、ベルトシャフト上に装着されたロック爪をハウジングに固定されたギア内に押し込んで、ベルトシャフトの更なる引き抜き運動中に作動運動を生じさせ、この結果として、ベルトシャフトは、次いで、更なる引き抜き運動に対してロックされる。
【0024】
図4は、ハウジング1と、電磁石3とを備える、本発明による更に開発された電気作動可能なロックデバイス100を示す。ハウジング1は、ベースプレート15と、ベースプレート15の一方の側上に直立する第1のリム16とを備える。更に、ハウジング1は、直立する第2のリム19を備え、直立する第2のリム19は、直立する第1のリム16に対する中間空間の形成でハウジング1を補足して、U字形プロファイルを形成する。直立する第1のリム16及び直立する第2のリム19は、ベースプレート15と一体的に形成されてもよく、又は代替として、ベースプレート15としかめられてもよい。
【0025】
更に、ベースコンポーネント6には、中央部分7及び2つの半径方向フランジ8が設けられており、コイル10がその内に配置されている中間空間9が、半径方向フランジ8間に設けられている。ベースコンポーネント6は、コイル10に接点18を介して接続された2つの電気ライン11を備える。ベースコンポーネント6の貫通開口部14内に、2つの鉄コア12及び17が設けられており、鉄コア12及び17は、ハウジング1のベースプレート15の対応する開口部内にかしめられている。
【0026】
鋼板5及び外囲部24によって形成されたロックレバー2は、ロックデバイス100の上側に配置されている。外囲部24は、鋼板5上にクリップされてもよく、又は他の方法で鋼板5上に一体的に成形されてもよく、ロックレバー2を複合構成要素として鋼板5と共に形成する。
【0027】
ベースプレート15は、直立する第1のリム16を越えて外向きに突出する端部22を有する。ロックレバー2の鋼板5はまた、第1のリム16を越えて突出する端23を有する。端23及び端部22は、張力ばね4の取り付けのために機能する。
【0028】
ロックレバー2は、直立する第1のリム16上に鋼板5で枢動可能に装着されており、このため、電磁石3が起動されていないとき、ばね4は、図6の左図で認識可能である、枢動して突き出たロック位置(pivoted-out locking position)内にロックレバー2を引っ張る。電磁石3が起動されたとき、ロックレバー2は、図6の右図に示す位置において鉄コア12及び17に引き付けられ、第1の磁気回路Iに加えて、第2の磁気回路IIは、追加的に閉じられる。
【0029】
提案された解決策の利点は、認識可能であるように、第2の磁気回路IIが、第2のリム19及び第2の鉄コア17によって作製されており、第2の磁気回路IIが、関与する部品がより大きい寸法を有することなく、又はロックデバイス100がこのようにより大きくなることなく、追加の力をロックレバー2上に加えることである。むしろ、ベースプレート15及びロックレバー2又は鋼板5の以前に未使用であった部分は、引き込み力を生じさせるために使用される。この場合、直立する第2のリム19及び第2の鉄コア17は、特に重要であり、これは、直立する第1のリム16及び第1の鉄コア12によって形成されたヨークに加えて、第2のヨークがこれによって作製されているためである。この場合、鋼板5は枢動アーマチュアを形成し、枢動アーマチュアによって、第1の磁気回路I及び第2の磁気回路IIの両方は、電磁石3が通電されたとき、ロックレバー2を引き付けることによって閉じられる。
【0030】
更に、2つの減衰要素13は、同一の弾性フックの形態で外囲部24上に形成されており、同一の弾性フックは、互いに平行に配置されており、鋼板5の縁を越えて突出する。減衰要素13は、ロックレバー2が、もっぱら減衰要素13を介して、ハウジング1又直立する第2のリム19と接触するような形状になされている。
【0031】
ロックレバー2は、鋼板5の形態の枢動可能なプレートによって形成されており、外囲部24は、枢動可能なプレート上に保持されている。フックは、外囲部24の一部分であり、同一に形成されており、互いに平行に配置されている。更に、凹部25は、ハウジング1の第2のリム19上に設けられており、フックは、電磁石3によって引き付けられたロックレバー2の位置において、凹部25内に入る。凹部25は、対応する自由空間を提供し、フックは、ロックレバー2の運動を妨げることなく、自由空間内に入ることができる。
【0032】
更に、鋼板5上の外囲部25は、屈曲する弾性のロック先端27を有し、ロック先端27は、屈曲によって形状がなされており、これにより、中間空間26は、ロック先端27と鋼板5との間に存在する。この中間空間26、及びロック先端27の弾性特性は、ロック先端27が、鋼板5への偏向、したがって、ロック運動の減衰したトリガを生じさせることを可能にする。更に、歯が制御ディスク21のギアとかみ合っている位置の場合、ロック先端27は、小さい迂回運動を実施することができ、これによって、擬似ロックが防止され得る。
【0033】
ロックレバー2の新しい減衰及び形状、並びに電磁石3の新しい設計の両方は、独立の発明を表し、独立の発明は、互いに独立してロックデバイス100を更に展開する。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】