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特表2022-547831エネルギ回復の高い新複合熱力学サイクル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】エネルギ回復の高い新複合熱力学サイクル
(51)【国際特許分類】
   F01C 21/18 20060101AFI20221109BHJP
   F01K 21/04 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
F01C21/18
F01K21/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513611
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(85)【翻訳文提出日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 IB2020058210
(87)【国際公開番号】W WO2021044338
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】102019000015770
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102019000015776
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519462089
【氏名又は名称】アイ.ヴイ.エー.アール. エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】I.V.A.R. S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】オリボッティ, セルジョ
(57)【要約】
新しい複合SEOLサイクルの絶対的な新規性は、従来技術の再生器を完全に代替する回復蒸気発生器(GVR)によって表され、膨張終了時の温度と熱流体のほぼ完全な凝縮時の温度との間のエネルギ差(Q)を回収することができ、次いで、この大きなエネルギ差を使用することによって、混合物の予熱において完全に再利用可能な水蒸気を生成することができ、サイクルの全体的なエネルギ収率の増加および熱機関のユニット出力の増加にかなり寄与する。新しい複合SEOLサイクルの使用により、以下の主な利点を得ることができる。A 膨張器(ES)に導入される混合物のエンタルピの増加による熱機関のユニット出力の増加;B 回復蒸気発生器(GVR)で行われるエネルギ回復(Q)に続いて、全体の熱収率が大幅に増加;C 熱機関のピストンのシリンダおよび/または摺動チャンバを潤滑し、機械的摩擦および摩耗を減少させ、結果としてエンジン自体の全体的な収量を増加させる可能性;D 過熱器(SR)内を循環する混合物を十分な温度に加熱することができる複数の熱源(Q)を使用する可能性;および E 高い総収率と低い生産コストを特徴とする新しい「熱機関」の設計と工業化の可能性。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
従来技術の熱機関とともに使用可能であり、複数の混合流体で動作する、新SEOL式熱力学サイクルにおいて:
a (1)循環する気体流体(空気および/またはヘリウムおよび/または他の適合する気体)を吸引することおよび(2)圧縮することを目的とする圧縮器(1’);
b いかなる場合にも、圧縮された気体流体が通常の運動とは反対の向きで循環することを防止する目的を有する逆止弁(6’);
c 前記圧縮器(1’)から来る圧縮ガスを受け取って、回復蒸気発生器(13’)から来る過熱水蒸気と混合することを目的とする混合ボックス(8’);
d 膨張器(3’)の自律回転を決定するのに必要な熱エネルギ「Q」をもたらすように、前記混合ボックス(8’)から来る混合物を過熱する目的を有する過熱器(10’);
e (3)過熱された混合物を受け入れて(4)膨張させることができ、そこから熱エネルギを除去して、サイクル「L」の有用な機械的仕事を生み出すことができる膨張器(3’);
f 前記膨張器(3’)から排出される混合物に含まれる残留熱エネルギ(Q)の大部分を除去し、それを使用してサイクルに再導入される過熱水蒸気を発生することができる回復蒸気発生器(13’);
g _回復不能エネルギ(QLR)を分散させ、前記回復蒸気発生器(13’)から排出された混合物を低温で完全に凝縮させることを目的とする凝縮器(15’);
h 混合物の気体部分(空気および/またはヘリウムおよび/またはその他の適合性ガス)を液体部分(凝縮水)から分離して、前記サイクルで別々に使用できるようにすることを目的とする分離器(17’);
i 前記分離器(17’)から所定量の凝縮水を吸引し、高圧で前記回復蒸気発生器(13’)に圧送することを目的とする、流量調整器(21’)を備えた計量ポンプ(20’);および、
j 膨張器「ES」によって生成された機械的仕事「L」を電気エネルギに変換することができ、熱機関を始動する最初のステップにおいて電動機を始動する機能を行うようにアレンジされている、発電機(4’)、
を備える、新SEOL式熱力学サイクル。
【請求項2】
前記回復蒸気発生器(13’)の重要な存在およびそれによって行われる主機能によって特徴付けられ、前記膨張器(3’)から排出された混合物に依然として含まれる残留熱エネルギ(Q)を回収し、次いで前記サイクルに再導入される過熱水蒸気を発生させ、回収された熱エネルギをもたらし、したがって熱機関のユニット出力およびサイクル自体の全体の熱収率の両方を増加させる、請求項1に記載の新SEOL式熱力学サイクル。
【請求項3】
前記回復蒸気発生器(13’)によって行われる二次機能によって特徴付けられ、生成されて前記サイクルに再導入される水蒸気が前記熱機関のシリンダおよびピストンの潤滑を可能にし、機械的摩擦を低減するという事実によって表される、請求項1に記載の新SEOL式熱力学サイクル。
【請求項4】
熱エネルギを機械的に変換するために、図1に示すように、多段圧縮器(1’)とタービン膨張器(3’)とで形成され、駆動シャフト(2’)によって互いに機械的に連結されたロータリエンジンを使用することを特徴とする、請求項1、2、3のいずれか一項に記載の新SEOL式熱力学サイクル。
【請求項5】
熱エネルギの機械的変換のために、本発明の出願に記載されているように、前記回復蒸気発生器(13’)を使用することができるように適切に修正された、互いに機械的に独立しているか、または任意の1つの伝動装置タイプによって連結された膨張/排出機能を行う膨張器(3’)と、吸入/圧縮機能を行う圧縮器(1’)とによって形成される、任意の既知の先行技術の熱機関を使用することができることを特徴とする、請求項1、2、3のいずれか一項に記載の新SEOL式熱力学サイクル。
【請求項6】
熱サイクルを達成するように構成され、熱流体で動作する熱機関(200)において、
前記熱機関は、駆動ユニット(1)と、駆動循環路(10)と、加熱器(41)とを備え、
前記駆動ユニット(1)は、少なくとも1つの動作チャンバ(3)の境界を内部で画定する筐体(2)と、前記熱流体のエネルギを変換する為の部材と、出力シャフト(8)とを備え、
前記筐体(2)は:その内部で少なくとも一つの動作チャンバ(3)を区切り:
第1の入口ダクト(14)と流体連通する第1の入口(4)であって、少なくとも1つの動作チャンバ(3)内に吸入される前記熱流体の流れを前記第1の入口ダクト(14)から受ける、前記第1の入口(4);
第1の出口ダクト(15)と流体連通する第1の出口(5)であって、前記少なくとも1つの動作チャンバ(3)から出る圧縮された前記熱流体の流れを前記第1の出口ダクト(15)に送る、前記第1の出口(5);
第2の入口ダクト(16)と流体連通する第2の入口(6)であって、そこから充填されている前記熱流体の流れを受けて、前記少なくとも1つの動作チャンバ(3)内で膨張するようになっている、前記第2の入口(6);および、
第2の出口ダクト(17)と流体連通する第2の出口(7)であって、前記少なくとも1つの動作チャンバ(3)から出て排出される前記熱流体の流れを前記第2出口ダクト(17)に送る、前記第2の出口(7);
を有し、
前記部材は、前記少なくとも1つの動作チャンバ(3)内に移動可能に収容され、動作サイクルに従って前記熱流体のエネルギを機械的エネルギに変換するように構成され、
前記出力シャフトは、前記エネルギ変換部材に動作可能に連結され、前記機械的エネルギを受け取り、好ましくは一定の角速度で、前記出口で回転運動を提供するように構成され、
前記駆動循環路(10)は、前記第1の入口(4)および第2の入口(6)と前記第1の出口(5)および第2の出口(7)との間に延び、前記第1の入口ダクト(14)、前記第1の出口ダクト(15)、前記第2の入口ダクト(16)および前記第2の出口ダクト(17)を備え、前記駆動ユニットの前記少なくとも1つの動作チャンバ(3)を通る熱流体の流れの連続サイクルを達成し、
前記第2の出口ダクト(17)は、前記駆動ユニットの筐体(2)の前記第2の出口(7)から始まり、前記第1の入口ダクト(14)に連続的に連結されることによって終端し、前記第1の入口ダクト(14)は、前記駆動ユニットの前記筐体(2)の前記第1の入口(4)で終端し、前記第2の出口ダクトおよび前記第1の入口ダクトは、前記駆動循環路(10)の第1の閉鎖分岐(11)を達成し、
前記第1の出口ダクト(15)は、前記駆動ユニットの前記筐体(2)の前記第1の出口(5)から始まり、前記第2の入口ダクト(16)に連続的に連結されて終端し、前記第2の入口ダクト(16)は、前記駆動ユニットの前記筐体(2)の前記第2の入口(6)で終端し、前記第1の出口ダクトおよび前記第2の入口ダクトは、前記駆動循環路(10)の第2の閉鎖分岐(12)を達成し、
前記加熱器(41)は、前記駆動循環路(10)の前記第2の閉鎖分岐(12)に沿って、前記第1の出口ダクト(15)と前記第2の入口ダクト(16)との間で、前記駆動循環路の前記第2の分岐(12)内を循環する熱流体を加熱するように構成された、動作可能に作動する、熱機関(200)。
【請求項7】
前記第2の出口ダクト(17)と前記第1の入口ダクト(14)との間で、前記駆動循環路(10)の前記第1の閉鎖分岐(11)に沿って動作可能に挿入され、前記第1の分岐(11)を循環する前記熱流体を冷却するように構成された凝縮器(43)と、
前記凝縮器(43)の下流で前記第1の入口ダクト(14)に沿って配置され、前記熱流体を前記少なくとも1つの動作チャンバ(3)内に吸入するために前記第1の入口(4)に到達する前に、前記熱流体中に存在する水が凝縮されて空気から分離される凝縮分離器(93)と、
前記加熱器(41)の上流の前記第1の出口ダクト(15)の地点において、前記凝縮分離器(93)によって空気から予め抽出された凝縮水を吸引し、前記第2の分岐(12)に流入する気化管(20)に送出するポンプ(94)と、
前記駆動ユニット(1)の下流であって前記凝縮器(43)の上流の前記第2の出口ダクト(17)と、低温側であって前記気化管(20)とを高温側で遮断するように前記熱機関内にある気化器(95)であって、前記気化器(95)は、前記気化管(20)内を循環する凝縮水が前記第2の分岐(12)に流入する前に加熱して気化させるように構成された、前記気化器(95)と、
前記気化管(20)の端部に配置され、前記加熱器(41)の上流の前記第2の分岐(12)に所定の量の水蒸気を噴射するように構成され、前記駆動ユニット(1)のユニット出力を増大させることができ、かつ前記少なくとも1つの動作チャンバ(3)内に移動可能に収容された前記エネルギ変換部材の潤滑を確保することができる、噴射器(97)と、
を備える、請求項6に記載の熱機関(200)。
【請求項8】
前記気化器(95)は、低温側では前記ポンプ(94)と前記噴射器(97)との間に動作可能に挿入され、高温側では使用済み熱流体を放出する前記駆動ユニット(2)の前記第2の出口(7)と前記凝縮器(43)との間に、使用済み熱流体から残留エネルギ熱を取得して前記加熱器(41)に向かって移動する熱流体の予熱に使用するように、動作可能に挿入されている、請求項7に記載の熱機関(200)。
【請求項9】
前記加熱器は、燃焼チャンバ(40A)が密閉されたバーナ(40)を備え、前記バーナ(40)は、複数の燃料の種類が供給される電力を供給するように適合され、前記加熱器(41)の動作に必要な熱エネルギを前記加熱器(41)に供給するように構成され、さらに/または、
前記加熱器(41)は、周囲から引き出された燃焼持続空気(51)の入口を備え、前記駆動循環路の前記第2の閉鎖分岐に沿って動作可能に作動する前記バーナ(40)と、前記駆動循環路の前記第1の閉鎖分岐(11)に沿って動作可能に作動する前記凝縮器(43)の両方を収容する格納本体(50)を備え、前記前記凝縮器によって前記第1の分岐から引き出された熱が、前記バーナ(40)に到達する前に燃焼持続空気に伝達され、前記第2の分岐(12)内の熱流体の燃焼および加熱のプロセスを容易にするように構成される、請求項6~8のいずれか一項に記載の熱機関(200)。
【請求項10】
前記バーナの高温燃焼煙からエネルギを除去するために前記バーナ(40)の下流に位置され、前記気化器(95)の前記低温側の下流で前記噴射器(97)の上流の位置で前記気化管(20)を遮断するように構成された過熱器(96)を備え、
前記過熱器(96)は、前記バーナの高温燃焼煙から除去されたエネルギを前記気化器(95)の前記出口で気化された凝縮水に伝達し、前記噴射器(97)に到達する前に過熱するように構成される、請求項6~9のいずれか一項に記載の熱機関(200)。
【請求項11】
前記駆動循環路とは別個に、閉鎖冷却循環路(60)を備えた熱機関(200)において、
第1の熱回収器(98)であって、前記加熱器内の燃焼持続空気流の方向に関して、前記凝縮器(43)の下流で前記バーナ(40)の上流の位置で前記加熱器(41)の格納本体(50)内にある、前記第1の熱回収器(98)と、
前記駆動ユニット(1)の前記筐体に動作可能に関連付けられた冷却ユニット(空間部2R)と、
環状経路を形成するように前記第1の熱回収器(98)と前記冷却ユニット(2R)とを直列に連結する複数の冷却管であって、前記冷却管は、一定量の冷却流体(好ましくは水)を担持し、
前記冷却ユニット(2R)と相互作用して前記第1の熱回収器(98)と相互作用するように、前記熱機関内にアレンジされ、
前記低温の冷却流体は、前記駆動ユニットの前記筐体から熱を引き出して前記筐体を冷却し、その結果、高温になり、
前記高温の冷却流体は、熱を前記燃焼持続空気流に伝達して加熱し、その結果、低温に戻る、前記複数の冷却管と、
前記冷却循環路内に配置され、前記冷却循環路内の前記冷却流体の循環を決定するために前記複数の冷却管の管上で動作可能に作動する、冷却ポンプ(99)と、
を請求項6~10のいずれか一項に記載の熱機関(200)。
【請求項12】
前記冷却循環路は、第2の熱回収器(100)を備え、前記第2の熱回収器(100)は、前記バーナ(40)の下流の位置、好ましくは前記過熱器(96)の下流の位置で、前記加熱器の高温燃焼煙の出口経路に沿って、前記加熱器の前記格納本体内にあり、前記複数の冷却管は、前記第1の熱回収器(98)と、前記冷却ユニット(2R)と、前記第2の熱回収器(100)とを直列に連結し、前記第2の熱回収器(100)は、前記冷却ユニット(2R)の下流側で前記第1の熱回収器(98)の上流側に、前記冷却流体の進行方向に沿って、
前記冷却ユニット(2R)では、前記低温の冷却流体が、前記駆動ユニットの前記筐体から熱を引き出して前記筐体を冷却し、その結果、高温にされ、
前記第2の熱回収器(100)では、前記高温の冷却流体が、前記高温の燃焼煙から熱を取得して前記燃焼煙を冷却し、その結果、温度が上昇し、
前記第1の熱回収器(98)では、前記高温の冷却流体が、熱を燃焼持続空気流に伝達して加熱し、その結果、低温に戻る、請求項11に記載の熱機関(200)。
【請求項13】
補助油圧循環を備えた熱機関(200)において、
補助回収器(101)であって、バーナ(40)の下流の位置で、好ましくは前記過熱器(96)の下流の位置で、前記加熱器の高温燃焼煙の出口経路に沿って、前記加熱器の格納本体内にある、補助回収器(101)と、
前記補助回収器(101)を通過するように構成され、一つ又は複数の補助用途(好ましくは、暖房ユーティリティおよび/または衛生的熱水生成ユニット)に連結される、複数の補助管と、
補助ポンプ(104)であって、前記補助油圧循環路内に配置され、前記補助循環路内の循環を決定するために前記複数の補助管の管上で動作可能に作動する補助ポンプ(104)と、
を備え、
前記補助回収器(101)は、前記燃焼煙からエネルギを回収し、それを、前記補助循環路内を循環する流体に伝達するように構成され、前記エネルギは、前記補助用途(103)に利用可能である、請求項6~12のいずれか一項に記載の熱機関(200)。
【請求項14】
前記エネルギ変換部材は、動作サイクルに従って前記熱流体のエネルギを機械的エネルギに変換するように構成される、熱機関(200)において、
前記少なくとも1つの動作チャンバ内に熱流体を吸入し、
前記少なくとも1つの動作チャンバ内の前記熱流体を圧縮し、前記熱流体を注入し、
前記少なくとも1つの動作チャンバ内に熱流体を充填し、前記少なくとも1つの動作チャンバ内の熱流体を膨張させ、
前記少なくとも1つの動作チャンバから熱流体を排出する、一連の処置(a sequence of steps)を与える、請求項6~13のいずれか一項に記載の熱機関(200)。
【請求項15】
前記駆動ユニットは、2ストロークエンジン、4ストロークエンジン、往復エンジン、または回転エンジンであり、さらに/または、前記駆動ユニットは、前記吸入および圧縮を行う圧縮器と、前記膨張および排出を行う膨張器、例えばタービンとを備える熱機関である、請求項6~14のいずれか一項に記載の熱機関(200)。
【請求項16】
前記少なくとも一つの動作チャンバが、第1のチャンバ(3A)と、前記第1のチャンバとは別の第2のチャンバ(3B)とを備える、熱機関(200)において、
前記第1のチャンバ(3A)は、前記第1の入口および前記第1の出口を備え、前記熱流体の前記吸入と前記熱流体の前記圧縮とが行われ、
前記第2のチャンバ(3B)は、前記第2の入口および前記第2の出口を備え、圧縮された前記熱流体の充填、前記熱流体の前記膨張および前記熱流体の前記排出が生じ、
前記駆動ユニットが間欠的な流れを有する駆動ユニットであり、
前記第1のチャンバは、流体吸入および流体圧縮を動作させるように構成された、可変容積の動作チャンバであり、
前記第2のチャンバは、流体膨張および流体排出を動作させるように構成された可変容積の動作チャンバであり、または前記駆動ユニットが連続的な流れを有する駆動ユニットであり、
前記第1のチャンバは、圧縮器を達成するように構成され、流体吸入および流体圧縮を動作させるように構成され、
前記第2のチャンバは、タービンを達成するように構成され、流体膨張および流体排出を動作させるように構成される、請求項6~15のいずれか一項に記載の熱機関(200)。
【請求項17】
前記熱流体は、気体および水蒸気または水を含む混合物であり、前記気体は、好ましくは、空気および/またはヘリウムおよび/または水蒸気または水と適合する他の気体流体であり、前記熱機関によって達成される前記熱サイクルは、複合熱サイクルであり、さらに/または、前記熱機関は、発電機(G)、例えば交流発電機を備え、前記発電機(G)は、前記出力シャフトに連結され、好ましくは一定の角速度で前記回転運動を受け、外部ユーティリティに電力を供給するための電流を発生する、請求項6~16のいずれか一項に記載の熱機関(200)。
【請求項18】
熱流体で動作する、熱サイクルを達成するための方法であって、
好ましくは請求項6~17のいずれか一項に記載の熱機関(200)をアレンジするステップと、
以下の工程1)~3)、即ち、
1)前記駆動ユニット(1)を始動させ、前記熱流体のエネルギを変換する前記部材を移動させる工程、
2)前記駆動循環路(10)内の前記熱流体を加熱するために前記加熱器(41)を作動させる工程、および
3)以下の段階a)~e)、即ち、
a)前記第1の入口(4)を介して、前記熱流体を前記少なくとも1つの動作チャンバ(3)内に吸入する段階、
b)前記少なくとも1つの動作チャンバ(3)内の前記熱流体を圧縮し、前記第1の出口(5)から前記熱流体を流注入する段階、
c)前記加熱器(41)により、前記駆動循環路(10)の前記第2分岐(12)を循環する前記熱流体を加熱する段階、
d)前記第2の入口(6)を介して前記熱流体を前記少なくとも1つの動作チャンバ(3)内に充填し、前記少なくとも1つの動作チャンバ(3)内で前記熱流体を膨張させる段階、および
e)前記少なくとも1つの動作チャンバ(3)から前記第2の出口(7)を介して前記熱流体を排出する段階、
から成る動作サイクルを作動させる工程、
を実行するステップであって、
前記熱流体の吸入、圧縮、充填および排出の前記動作サイクルの前記工程は、前記熱流体のエネルギの機械的エネルギへの変換を決定する、前記ステップと、
前記変換部材によって発生された前記機械的エネルギを前記出力シャフト(8)に伝達し、前記出力シャフトは、好ましくは一定の角速度で、前記出口において回転運動を提供する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記駆動ユニット(1)の前記第2の出口(7)から出た前記熱流体は、前記駆動循環路(10)の前記第1分岐(11)の前記第2の出口ダクト(17)に移動し、前記気化器(95)の前記高温側を横断する、ステップと、
前記熱流体は、前記第1の分岐(11)へと続き、前記凝縮器(43)に達し、そこで冷却される、ステップと、
前記熱流体が前記駆動ユニット(1)の前記第1の入口(4)に到達する前に、前記熱流体は前記第1の分岐(11)に入り続けて前記凝縮分離器(93)に達し、そこで、前記熱流体中に存在する水が凝縮されて空気から分離される、ステップと、
前記凝縮分離器(93)によって空気から予め抽出された凝縮水は、前記加熱器(41)の上流の前記第1の出口ダクト(15)の地点において、前記第2の分岐部(12)に流入する気化管(20)に引き込まれて送られる、ステップと、
前記気化管(20)内を循環する凝縮水は、前記気化器(95)の低温側を通過し、前記駆動循環路の前記第2の分岐(12)に流入する前に加熱されて気化される、ステップと、
所定の量の水蒸気が、噴射器(97)によって前記加熱器(41)の上流の前記第2の分岐(12)に噴射され、前記水蒸気量は、前記駆動ユニット(1)のユニット出力を増大させることができ、かつ、前記少なくとも1つの動作チャンバ(3)内に移動可能に収容された前記エネルギ変換部材の潤滑を確保することができる、ステップと、
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の回収器(98)と、前記冷却ユニット(2R)と、前記複数の冷却管と、前記冷却ポンプ(99)とを備える、前記冷却循環路をアレンジするステップと、
以下の工程、即ち、
低温の冷却流体は、前記冷却ユニット(2R)と相互作用し、そこで前記駆動ユニットの前記筐体から熱を引き出して前記筐体を冷却し、その結果、高温になる、工程、
高温の冷却流体は、前記第1の熱回収器(98)と相互作用し、そこで熱を周囲の空気の流れに伝達して加熱し、その結果、冷却されて低温に戻る、工程、および
前記冷却循環路内の冷却流体の循環を決定するために前記冷却ポンプ(99)を作動させる工程、
を実行するステップと、
および/または、以下の工程、即ち、
前記第2の回収器(100)を前記冷却循環路内にアレンジする工程、
以下の段階、即ち、
前記冷却ユニット(2R)では、低温の冷却流体が前記駆動ユニットの前記筐体から熱を引き出して前記筐体を冷却し、その結果、高温になる、段階、
前記第2の熱回収器(100)では、高温の冷却流体が高温の燃焼煙から熱を取得して前記燃焼煙を冷却し、その結果、温度が上昇する、段階、
前記第1の熱回収器(98)では、高温の冷却流体が燃焼持続空気流に熱を伝達して前記空気流を加熱し、その結果、冷却されて低温に戻る、段階、
を実行する工程、
を含むステップと、
を実行する、請求項18又は19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、その態様の1つにおいて、「SEOL」という頭字語で呼ばれる新しい熱力学サイクルである。ここで、絶対的新規性は、回復蒸気発生器(GVR)によって表される。GVRは、先行技術の再生器を完全に代替し、膨張の終わり(Q)における熱流体のほぼ全てのエネルギ差を、過熱水蒸気の生成を通して回収することができ、その過熱水蒸気は次いで注入され、他の循環ガスと混合され、サイクルの全体的なエネルギ収率の増加および熱機関のユニット出力の増加に決定的に寄与する。特に、本発明は、再生可能エネルギ源からの電気エネルギの生成、電気エネルギと熱の複合発電の分野、車両/輸送の分野および一般的な電動機の分野において、大気汚染の低減に決定的に貢献することができるという点で、かなりの用途を有することができる。
【0002】
本発明は以下のものと称する:
「新しい複合SEOLサイクル」は、同じ出願人の名義で公開された特許出願WO-2019/008457-A1において既にクレームされているサイクルの機能の大幅な簡素化を考慮する。全体として、時間の経過とともに、異なる熱力学サイクルで動作する熱機関が開発され、他のものは依然として試験段階にある。しかしながら、これまで工業化されてきた解決策には多くの限界があることが認められる。これは、中小電力(50kWh未満)の自律発電機を駆動するために使用される小型熱機関に特に当てはまる:
A.ディーゼルサイクルまたはオットーサイクルの往復吸熱性エンジンであって、機械的に複雑で、騒音があり、特に汚染が大きく、かなりのメンテナンスを必要とするもの;
B.スターリング発熱性エンジンであって、吸熱性エンジンよりも汚染が少なくても、低いユニット出力を有し、収率が低く、非常に重くかさばるもの;
C.エリクソン発熱性エンジンであって、理論的にかなりの総収率を有することができる場合であっても、充填/排出弁の存在によって調整され、現在の技術水準ではまだ工業的用途を有していないもの;
D.(ガスまたはその他の燃料を使用する)タービン吸熱性エンジンで、小型バージョンでは特に汚染が多く、あまり競争力がないもの;および、
E.(ランキンまたはランキン・ヒルン・サイクルで動作する)種々のタイプの蒸気発熱性エンジンであって、一定のサイズの固定コジェネレーション用途においてのみ競争力があるもの。
【0003】
最新技術では、適切な機械的および機能的修正を加えた先行技術の幾つかのタイプの吸熱性エンジン(内燃機関を含む)を「新しい複合SEOLサイクル」の使用に適応させることができる。特に、非限定的な実施例として、以下を列挙する:
A.4ストロークディーゼルレシプロエンジン;
B.4ストロークオットーレシプロエンジン;
C.4ストロークワンケルロータリエンジン;および、
D.4ストロークの擬似タービンロータリエンジン(特許US-2014-0140879-A1)。
【0004】
最新技術では、先行技術の幾つかの他のタイプの(外部燃焼を伴う)発熱性エンジンであって、小さな機能的変形を有するものは、「新しい複合SEOLサイクル」の用途に容易に適合させることができる。特に、非限定的な例として、以下を列挙する:
A.特許出願において既にクレームされているように、単一の環状シリンダ内で、4個または6個の摺動可能なピストンによって区切られた、吸入圧縮(1’)部分と1個または2個の膨張排出(3’)部分とによって形成され、周期的に可変速度を有する、ロータリエンジンRVE:同じ出願人の名義で公開されたWO-2015/114602-A1,WO-2019/008457-A1;
B.2シリンダのエリクソンレシプロエンジン;
C.圧縮器(1’)と膨張器(3’)で構成され、いずれか1つの伝動装置システムによって互いに機械的に連結されたワンケルロータリエンジン(特許:US-3426525);
D.パレット圧縮器(1’)と膨張器(3’)で構成され、いずれか1つの伝動装置システムによって機械的に互いに連結されたロータリエンジン(特許:DE-43.17.690-A1);
E.圧縮器(1’)と膨張器(3’)で構成され、いずれか1つの伝動装置システムによって互いに機械的に連結されているトレフォイルロータリエンジン(特許:US-2011-0259002-A1);
F.圧縮器(1’)と膨張器(3’)で構成され、いずれか1つの伝動装置システムによって機械的に互いに連結されているRVEロータリエンジン(特許WO-02/084078-A1);
G.圧縮器(1’)と膨張器(3’)で構成され、いずれか1つの伝動装置システムによって互いに機械的に連結されたスクロールロータリエンジン(特許:US-2005/0172622-A1);および、
H.圧縮器(1’)および膨張器(3’)によって形成され、任意の1つの伝動装置システムによって互いに機械的に連結された多段タービン付きロータリエンジン(特許:WO-2012/123500-A2)。
【0005】
一般に、全ての既知の電動機ソリューションは、主にそれらの低い全体的な収量のために、あまり満足できるものではない費用便益比を有し、それは、マンションおよび一般家庭の市場におけるコジェネレーションの普及を非常に制限している。
【0006】
新しい熱機関の用途を車両/輸送にも拡大することが望まれる場合には、そのコンパクトさと全体的な効率が不可欠であり、したがって、そのような状況において、本発明の出願人は、新しい熱力学サイクルを提案する目的を設定した。
【0007】
既に知られている外部燃焼熱機関において、通常使用される再生器は、膨張終了時点(4)の熱流体の温度と圧縮終了時点(2)の温度との間に存在するエネルギ差、すなわち、比較的低い差(例えば、T4:360℃-T2:276℃=84℃)を回復することしかできず、これは場合によっては負の結果にさえ、なり得る。新しい複合SEOLサイクルの絶対的な新規性は、回復蒸気発生器(GVR)によって行われる機能によって表されるが、この回復蒸気発生器(GVR)は、再生器を完全に置換し、膨張の終わりにおける熱流体の温度(4)とほぼ完全な凝縮(管14’で測定)における熱流体の温度との間のエネルギ差(Q)、すなわち、非常に高い差(例えば、T4:360℃-T14:40℃=320℃)を回収することができる。前記大きなエネルギ差(Q)を使用することによって、回復蒸気発生器「GVR」は、サイクル内で完全に再利用可能な過熱水蒸気を生成することができる。
【0008】
新しい複合SEOLサイクルの使用により、以下の主な利点を得ることができる:
A.膨張器(ES)に導入される混合物(空気および/またはヘリウムおよび/または過熱水蒸気と混合された他の適合ガス)のエンタルピの増加により、熱機関のユニット出力が増加する;
B.回復蒸気発生器(GVR)で行われるエネルギ回復(Q)に続いて、全体の熱収率が大幅に増加する;
C.従来技術の熱機関のピストンのシリンダおよび/または摺動チャンバを潤滑し、機械的摩擦および摩耗を減少させ、その結果、エンジン自体の全体的な収量を増加させる可能性がある;
D.過熱器(SR)内を循環する混合物を十分な温度に加熱することができる複数の熱源(Q)を使用する可能性がある。
E.高い総収率と低い生産コストを特徴とする新しい「熱機関」の設計と工業化の可能性がある。
【0009】
説明を明確にするために、この産業上の発明の出願に添付された図及び図面は、非限定的な目的のためにのみ提供されることを明記すべきであり、その目的は、次のとおりである。
【0010】
図1は、本発明の目的の1つである「新しい複合SEOLサイクル」の全体的な機能図を、その迅速かつ容易な技術的理解に必要な全ての識別とともに示す。
【0011】
図2は、説明の補助としてのみ使用される、既に技術的に知られているジュールサイクルの図を示す。
【0012】
図1を参照すると、新しい複合SEOLサイクルは、主に以下の構成要素から構成される:
A.混合物の一部である気体流体(空気および/またはヘリウムおよび/またはその他の適合する気体)を吸入すること(1)および圧縮すること(2)を目的とする圧縮器「CO」;
B.いかなる場合にも、圧縮された気体流体が通常の運動と反対の意味で循環することを防止する目的を有する逆止弁「VNR」;
C.圧縮器「CO」から来る圧縮ガスを受け取り、回復蒸気発生器「GVR」から来る過熱水蒸気と混合することを目的とする混合ボックス「CM」;
D.熱エネルギ(Q)を加えることによって、混合ボックス「CM」から来る混合物を過熱してサイクルで使用できるようにする目的をもつ過熱器「SR」;
E.過熱された混合気を過熱器「SR」から受け取って、それを膨張させ、そこから熱エネルギを除去し、サイクル「L」の有用な機械的仕事を生じさせることができる膨張器「ES」;
F.膨張器「ES」から排出された混合物にまだ含まれている残留熱エネルギ(Q)を除去し、サイクルに再導入される過熱水蒸気を生成するために使用することができる、回復蒸気発生器「GVR」(新しい複合SEOLサイクルの最も重要な構成要素);
G.回復蒸気発生器「GVR」から排出される混合物を低温で完全に凝縮させるために混合物から残留エネルギ(QLR)を除去することを目的とする凝縮器「CD」;
H.混合物の気体部分(空気および/またはヘリウムおよび/またはその他の適合性ガス)を液体部分(凝縮水)から分離して、それらをサイクルで別々に使用できるようにする目的を有する、分離器「SA」;
I.流量調整器「RA」を備え、分離器「SA」から所定量の凝縮水を吸入し、高圧で回復蒸気発生器「GVR」にポンプ圧送することを目的とする計量ポンプ「PD」;および、
J.膨張器「ES」によって生成された機械的仕事「L」を電気エネルギに変換することができ、熱機関を始動する最初のステップで電動機を始動する機能を行うように構成されている、発電機「GE」。
【0013】
図1の図において、示された熱機関は、実質的に圧縮器「CO」と膨張器「ES」とによって形成され、駆動シャフト(2’)によって互いに機械的に連結されている。しかしながら、本発明に何ら悪影響を及ぼすことなく、新しい組合せSEOLサイクルは、必要な吸入/圧縮機能および膨張/排出機能を共同でまたは別々に行うことができる先行技術の他の(往復運動または回転運動を伴う)エンジンのいずれか1つと共に使用することができる。
【0014】
また、本発明に何ら悪影響を及ぼすことなく、前記機能を任意の方法で達成することを目的とした他の多くの異なる技術的解決策を使用することができる。
【0015】
図1の図を参照すると、動作流体が流れる閉鎖循環路を準備するステップに関して、以下の重要な仕様を提供することが適切であると考えられる:
A.(始動電動機として使用される)発電機「GE」によって、熱機関は非常に低速の回転に設定され、圧縮ガスの別個のボンベ(bombs)および適切な充填出口(図示せず)を使用することによって、単一のガス(空気および/またはヘリウムおよび/または他の適合ガス)が、大気圧に対して特定の過圧(0.1÷0.2バール)に達するまで、所定の割合でシステムの閉鎖循環路に導入される;
B.エンジンの運動を維持すること(前項Aと同様)計量ポンプ「PD」が最小流量で作動され、次いで、ニードル弁を備えた適切な隆起容器を使用することによって、所定量の蒸留水が循環路内に導入され、分離器「SA」の底部(おそらく目盛り付き)上に、濃縮水の定量的な予備が常に存在するようにして、最大使用条件における同じ計量ポンプ「PD」および予想される最大流量のトリガーを確実にすることができるようにする;
C.計量ポンプ「PD」の流量は、調整器「RA」によって自動的に調節され、回復蒸気発生器「GVR」が様々な運転条件において可能な最大エネルギ(Q)を回復できるようにするために必要な正確な量の凝縮水を循環させる;および、
D.発電機「GE」によって通常取得できる電気エネルギの利用可能性とは無関係に、電動機始動フェーズおよび補助計器に給電するために必要な電気エネルギは、十分な容量を有する通常の蓄電池によって供給される。
【0016】
図1の図を参照すると、熱機関の始動は、好ましくは以下の方法で達成される:
A.始動電動機として使用される発電機「GE」および駆動シャフト(2’)によって、圧縮器「CO」および膨張器「ES」を所定の最低速度(例えば、400回転/m)で回転させる;
B.前記回転数において、圧縮器「CO」は、管(18’)によって、分離器「SA」から気体流体(空気および/またはヘリウムおよび/または他の適合する気体)を吸入し、それを、比例温度(例えば163℃)に対応する特定の圧力値(例えば4バール)まで圧縮する;
C.このようにして圧縮されたガスは、管(5’)内に移動し、逆止弁「VNR」を通過し、管(7’)内に移動し、混合ボックス「CM」内に到着し(ここで、最初のステップにおいて、ガス流体のみが循環し)、管(9’)内に移動し、その後、過熱器「SR」に到達する;
D.圧縮器「CO」の始動に続いて、熱源「Q」も作動され、過熱器「SR」の出口で管(11’)内のガス流体が所定の最低温度(例えば、400℃)に達するように、熱源「Q」も調節される;
E.前記加熱された気体流体は膨張器「ES」に運ばれ、そこで、最大圧力(例えば、4バール)および最大温度(例えば、400℃)の状態(3)から、最小圧力(例えば、1バール)および平均温度(例えば、180℃)の状態(4)に膨張されて、有用な仕事量「L」を生成し、次いで、管(12’)内の排出時に、依然として高い温度(例えば、160℃)およびほぼ完全に使用可能な熱エネルギの量を有する;
F.すでに膨張したガス流体が管(12’)内で水蒸気を生成するのに有用な所定の最低温度(例えば、120℃)に達したとき、計量ポンプ「PD」が作動し、所定の最低流量に調節され、所定の送出圧力(例えば、20バール)に較正される;
G.計量ポンプ「PD」の作動に続いて、管(19’)によって、プログラムされた量の凝縮水が周囲温度(例えば20℃)で分離器「SA」に引き出され、次に管(22’)によって、それが高圧で回復蒸気発生器「GVR」に向かって運ばれる;
H.回復上記発生器において、向流熱交換器として作用する発生器「GVR」は、膨張器「ES」から排出された混合物(Q)が依然として有する熱エネルギが、それより前に計量ポンプ「PD」から来る凝縮水を気化させるために使用され、管(23’)および噴射器(24’)によって、過熱水蒸気を混合ボックス「CM」に移動させ、そこで、過熱水蒸気が圧縮器「CO」から来る気体流体と混合される;および、
I.理想的なエネルギ回復条件は、回復蒸気発生器「GVR」から出る流体の温度が、管(14’)上で測定され、周囲温度(20℃)に可能な限り近い値に等しい条件であった。しかしながら、この条件は、熱交換の考慮のために達成することが困難であることを考えると、回復蒸気発生器「GVR」から出る熱流体の温度を周囲温度のレベルまで低下させるために、残留エネルギ(QLR)を分散させる目的を有する凝縮器「CD」の存在が提供される;
J.分離器「SA」において、混合物のガス状部分(空気および/またはヘリウムおよび/またはその他の適合ガス)を液体部分(凝縮水)から分離して、サイクルの連続性のために別々に利用できるようにする;
K.膨張器「ES」に入る過熱された混合物が特定の温度に達し、同じ膨張器の入口と出口の間の熱降下が特定の最小値を超えるとき、即ち:生産された有効仕事量「L」が、圧縮「Q」に機械的摩擦を加えた値によって機械的強度の値を超える場合、熱機関はそれ自体の運動で作動することができ、発電機「GE」は始動電動機としての動作を停止し、発電機としての動作を開始することができる;
L.熱機関が自らの運動で動作するとき:システム「Q」に供給されるエネルギの量を徐々に増加させることによって、管(11’)内を移動する混合物の温度の段階的な増加が、許容最大値(例えば、900℃)まで決定される;
M.膨張器「ES」に入るより高い温度の混合気が、エンジンの回転数の増加(例えば、400から900回転/m)および生成される有効仕事量「L」のほぼ比例した増加を決定する;
N.上述の回転速度で、圧縮器「CO」は、管(18’)によって、分離器「SA」からガス状流体を吸入し(1)、それを、より高い圧力値(例えば、4バールから9バール)に圧縮するが、この圧力値は、圧縮終了時の比例的な温度上昇(例えば、163℃から276℃)に対応する;および、
O.前記動作条件において、膨張器「ES」から排出された混合物は、既に上述したように、回復蒸気発生器「GVR」においてほぼ完全に回復可能なエネルギ差(Q)を有する更に高い温度(例えば、353℃)を有する。
【発明の概要】
【0017】
以下、本発明の更なる態様を説明する。
【0018】
本発明の目的は、伝動装置システムを備えた駆動ユニットと、ガスおよび水蒸気の混合物で動作する複合熱サイクルとを備え、より大きなユニット出力、全体の収率のかなりの増加、および駆動ユニットの可動部分の効率的な潤滑を得ることを目的とする熱機関である。また、本発明は、熱サイクルを達成するための方法に関する。熱機関は、一般に、機械的エネルギの生成に使用可能である。本発明は、発電プラントにおける電気エネルギの生成、またはコジェネレーションおよびマイクロコジェネレーションプラントによる電気および熱エネルギの複合生産に特に適用される。また、本発明は、自動車・交通分野や電動機分野全般に適用することができる。
【0019】
熱力学サイクルに関する幾つかの歴史的考察および幾つかの既知の解決策は、同じ出願人の名前で、番号WO2015/114602A1およびWO2019/008457で公開された特許出願に記載されている。
【0020】
全体として、熱機関は、異なる熱力学サイクルで動作するように開発されており、他のものは、まだ試験段階にあるように開発されている。
【0021】
しかしながら、出願人は、以前に工業化された解決策でさえも多くの制限を有することを見出した。これは特に、中小電力(例えば50kWh未満)の自律型発電機を駆動するために使用される機関に当てはまる。
【0022】
現在の実用的なリアリティにおいて、発電機の駆動には、通常、以下の駆動ユニットが使用される:
機械的に複雑で、騒音があり、特に汚染が多く、かなりのメンテナンスを必要とする往復吸熱性エンジン;
汚染が少なくても、良好な全体収率を得るためには、典型的には低速で動作させなければならず、したがって、非常に重くかさばるスターリングエンジン;
特に汚染物質であることに加えて、小型バージョンでは経済的に競争力がないガスタービン;および、
ある大きさの蒸気発生器を使用する必要があることを考慮すると、固定された熱併給発電用途においてのみ特に競争力があり、移動可能な小型の用途においてさえ、より効率的に使用されるために更なる革新的な技術を必要とする、ランキンサイクルまたはランキン-ハーンサイクルで作動するエキスパンダ。
【0023】
それにもかかわらず、出願人は、既知の解決策には欠点がなく、様々な側面に関して改善することができることを発見した。
【0024】
実際、一般に、全ての既知の解決策は、汚染、低収率、機械的複雑性および高い維持費の問題に加えて、特に満足できるものではない費用便益比も有しており、これは、アパートおよび民間の家庭市場におけるコージェネレーションの普及を非常に制限している。
【0025】
また、出願人は、そのような熱機関の使用を車両/輸送および家庭環境におけるマイクロコジェネレーションに拡大することが望まれる場合には、それらのコンパクトさおよび全体的な効率が不可欠であることに気が付いた。
【0026】
この状況において、本発明の基礎となる目的は、その種々の態様および/または実施形態において、上記の欠点の1つ以上を克服することができる管連結用の連結物(connector)を提供することである。
【0027】
特に、本出願人は、革新的なガスおよび水の複合熱サイクルで機能することができる新しい「熱機関」を提案するという目的を設定しており、それによって、より多くのエネルギを利用することが可能であり、それをサイクルの同じステップで回収し、ユニット出力および全体の収率をかなり増加させ、駆動ユニットの可動部分の潤滑という大きな問題も解決する。
【0028】
本発明の他の目的は、動作信頼性の高い熱機関を製作することにある。
【0029】
本発明の更なる目的は、単純かつ合理的な構造を特徴とする熱機関を提供することにある。
【0030】
本発明の根底にある更なる目的は、その種々の態様および/または実施形態において、複数の熱源を使用することができ、かつ機械的エネルギ(仕事量)を生成することができ、任意の場所および任意の使用のために、好ましくは電気エネルギの生成のために使用することができる新しい「熱機関」を提供することによって、既知の解決策の1つ以上の欠点を克服することである。
【0031】
本発明の更なる目的は、高い熱力学的収率および最適な重量-動力比を特徴とする熱機関を提供することである。
【0032】
本発明の他の目的は、生産コストの低減を特徴とする熱機関を製作することができるようにすることである。
【0033】
本発明の更なる目的は、従来技術に関して、熱機関の製作および/または新しい設計分野の開拓において、代替的な解決策を創出することである。
【0034】
このような目的および以下の説明の過程でより明確になる他の可能な目的は、それぞれが別個に(相対的に従属するクレームを伴わずに)取られるか、または他のクレームとの任意の組合せであり、また、以下の態様および/または種々に組合された実施形態に従って、同様に上述のクレームと組み合わされた、1つ以上の同封されたクレームに従った熱機関によって実質的に達成される。
【0035】
以下、本発明の態様を列挙する。
【0036】
第1の態様において、本発明は、熱サイクルを達成するように構成され、熱流体で動作し、駆動ユニットと駆動循環路とを備えた熱機関に関する。
【0037】
1つの態様において、駆動ユニットは:
少なくとも1つの動作チャンバをその内部で区切る筐体;
前記熱流体のエネルギを変換するための部材であって、前記少なくとも1つの動作チャンバ内に移動可能に収容され、動作サイクルに従って前記熱流体のエネルギを機械的エネルギに変換するように構成された部材;および、
前記エネルギ変換部材に動作可能に連結され、前記機械的エネルギを受け取り、好ましくは一定の角速度で回転運動を出口で提供するように構成された出力シャフト;
を備える。
【0038】
1つの態様において、前記少なくとも1つの動作チャンバをその内部で区切ることは、以下を有する:
前記少なくとも1つの動作チャンバ内に吸入される前記熱流体の流れを受け入れるために、第1の入口ダクトと流体連通する第1の入口;
前記少なくとも1つの動作チャンバから出る圧縮された前記熱流体の流れを第1の出口ダクトに送るために、第1の出口ダクトと流体連通している第1の出口;
前記少なくとも1つの動作チャンバ内で膨張するように充填されている前記熱流体の流れを受け入れるために、第2の入口ダクトと流体連通する第2の入口;および、
前記少なくとも1つの動作チャンバから排出される前記熱流体の流れを第2の出口ダクトに送るために、第2の出口ダクトと流体連通している第2の出口。
【0039】
一態様において、駆動循環路は、前記第1の入口および第2の入口と、前記第1の出口および第2の出口との間に延び、前記第1の入口ダクト、前記第1の出口ダクト、前記第2の入口ダクトおよび前記第2の出口ダクトを備える。
【0040】
1つの態様において、駆動循環路は、駆動ユニットの前記少なくとも1つの動作チャンバを通る熱流体の流れの連続サイクルを達成し、ここで:
前記第2の出口ダクトは、駆動ユニットの筐体の前記第2の出口から始まり、前記第1の入口ダクトと連続的に連結されて終端し(即ち、前記第1の入口ダクトの開始点に流入し)、前記第1の入口ダクトは、駆動ユニットの筐体の前記第1の入口で終端し、第2の出口ダクトおよび第1の入口ダクトは、駆動循環路の第1の閉鎖分岐を達成する;
および、
前記第1の出口ダクトは、前記駆動ユニットの筐体の前記第1の出口から始まり、前記第2の入口ダクトと連続的に連結されて終端し(即ち、前記第2の入口ダクトの開始点に流入し)、前記第2の入口ダクトは、前記駆動ユニットの筐体の前記第2の入口で終端し、第1の出口ダクトおよび第2の入口ダクトは、駆動循環路の第2の閉鎖分岐を達成する。
【0041】
1つの態様において、熱機関は、加熱器を備え、この加熱器は、駆動循環路の前記第2の閉鎖分岐に沿って、前記第1の出口ダクトと前記第2の入口ダクトとの間で動作可能に作動し、第2の分岐内を循環する熱流体を加熱するように構成されている。
【0042】
1つの態様において、熱機関は、凝縮器を備え、この凝縮器は、駆動循環路の前記第1の閉鎖分岐に沿って、前記第2の出口ダクトと前記第1の入口ダクトとの間に動作可能に挿入され、第1の分岐内を循環する熱流体を冷却するように構成されている。
【0043】
1つの態様において、熱機関は、凝縮分離器を備え、、この凝縮分離器は、凝縮器の下流に前記第1の入口ダクトに沿って配置され、ここで、熱流体中に存在する水は、熱流体を、前記少なくとも1つの動作チャンバ内に吸入するために、熱流体が前記第1の入口に到達する前に、凝縮され、空気から分離される。
【0044】
1つの態様において、熱機関は、ポンプ(好ましくは高圧)を備え、このポンプは、凝縮分離器によって空気から事前に抽出された凝縮水を引き出し、それを前記加熱器の上流の前記第1の出口ダクトの地点で前記第2の分岐に流入する気化管に送るように構成されている。
【0045】
1つの態様において、熱機関は、気化器を備え、この気化器は、高温側(または第1の側)において、駆動ユニットの下流かつ凝縮器の上流の前記第2の出口ダクトを遮断し、低温側(または第2の側)において、前記気化管を遮断するように熱機関内に位置する。
【0046】
1つの態様において、気化器は、前記気化管内を循環する凝縮水が前記第2の分岐に流入する前に加熱して気化させるように構成される。
【0047】
1つの態様において、熱機関は、噴射器を備え、噴射器は、前記気化管の端部に配置され、加熱器の上流の第2の分岐に、所定の量の水蒸気を噴射するように構成され、駆動ユニットのユニット出力を増大させることができ、かつ前記少なくとも1つの動作チャンバ内に移動可能に収容された前記エネルギ変換部材の潤滑を確保することができる。
【0048】
1つの態様において、気化器は、その低温側において、高圧の前記ポンプと前記噴射器との間に動作可能に挿入され、その高温側において、使用済み熱流体を放出する駆動ユニットの第2の出口と凝縮器との間に動作可能に挿入され、気化器は、使用済み熱流体から残留エネルギ熱を取得し、それを使用して、加熱器に向かって移動する熱流体を予熱するようにする。
【0049】
1つの態様において、気化器は熱交換器である。
【0050】
1つの態様において、気化器は、第2の出口ダクト内を循環する熱流体から気化管内を循環する流体(水)に熱を伝達するように、第2の出口ダクトおよび気化管をそれぞれ遮断する2つの側面を備えた熱交換器である。
【0051】
1つの態様において、気化器は、第2の出口ダクト内を循環する熱流体の冷却と、気化管内を循環する流体の対応する(熱力学的に)加熱とを決定する。
【0052】
1つの態様において、熱機関は、補償タンクを備え、この補償タンクは、駆動ユニットの前記第1の出口の下流に前記第1の出口ダクトに沿って位置し、前記駆動循環路内を循環する熱流体の流れのバランスをとり、最適化するために、圧縮された熱流体をその後の使用に利用可能にするために貯蔵するように構成されている。
【0053】
1つの態様において、加熱器は、密閉された燃焼チャンバを有するバーナを備え、前記バーナは、複数の燃料タイプで供給される電力供給に適合され、その動作に必要な熱エネルギを加熱器に供給するように構成されている。
【0054】
1つの態様において、加熱器は、噴射弁を備え、この噴射弁は、前記バーナに送るために燃料の導入を制御された方法で管理するように構成されている。
【0055】
1つの態様において、前記加熱器は、格納本体を備え、この格納本体は、環境から引き出された混合空気のための入口を備え、前記駆動循環路の前記第2の閉鎖分岐に沿って動作可能に作動する前記バーナと、前記駆動循環路の前記第1の閉鎖分岐に沿って動作可能に作動する前記凝縮器との両方を収容し、凝縮器によって前記第1の分岐から引き出された熱が燃焼器に到達する前に混合空気に伝達され、第2の分岐内の熱流体の燃焼および加熱のプロセスを容易にするように構成されている。
【0056】
1つの態様において、熱機関は、過熱器を備え、この過熱器は、バーナの高温燃焼煙からエネルギを除去するために前記バーナの下流に位置し、気化器の前記低温側の下流かつ前記噴射器の上流の位置で前記気化管を遮断するように構成されている。
【0057】
1つの態様において、前記過熱器は、バーナの高温燃焼煙から除去されたエネルギを、気化器からの出口で気化された凝縮水に、それが噴射器に到達する前に過熱するように伝達するように構成されている。
【0058】
1つの態様において、熱機関は、前記駆動循環路とは別個に、閉じた冷却循環路を備える。
【0059】
1つの態様において、冷却循環路は、第1の熱回収器を備え、この熱回収器は、加熱器内の燃焼持続空気の流れの方向に関して、凝縮器の下流かつバーナの上流の位置にある加熱器の格納本体内にある。
【0060】
1つの態様において、冷却循環路は、駆動ユニットの筐体に動作可能に関連付けられた冷却ユニット(空間部)を備える。
【0061】
1つの態様において、冷却循環路は、直列に連結されて円形経路を形成する複数の冷却管と、前記第1の熱回収器と、前記冷却ユニットとを備え、前記冷却管は、一定量の冷却流体(好ましくは水)を運ぶ。
【0062】
1つの態様において、前記冷却管は、熱機関内に以下のように配置される。
【0063】
前記冷却ユニットと相互作用し、低温の冷却流体が駆動ユニットの筐体から熱を引き出して筐体を冷却し、その結果、駆動ユニットが高温になる。
【0064】
前記第1の熱回収器と相互作用し、高温の冷却流体が熱を周囲の空気流に伝達して空気流を加熱し、その結果、低温に戻る。
【0065】
1つの態様において、冷却循環路は、冷却ポンプを備え、この冷却ポンプは、前記冷却循環路内に配置され、冷却循環路内の前記冷却流体の循環を決定するために前記複数の冷却管の管上で動作可能に作動する。
【0066】
1つの態様において、前記冷却循環路は、第2の熱回収器を備え、第2の熱回収器は、前記バーナの下流の位置で、好ましくは前記過熱器の下流の位置で、前記加熱器の高温燃焼煙の出口経路に沿って、前記加熱器の格納本体内にある。
【0067】
1つの態様において、前記複数の冷却管は、前記円形経路内で、前記第1の熱回収器、前記冷却ユニット、および前記第2の熱回収器を直列に連結し、前記第2の熱回収器は、前記冷却ユニットの下流および前記第1の熱回収器の上流に、前記冷却流体の移動方向に沿って、以下のように挿入される:
前記冷却ユニットにおいて、低温の冷却流体は、駆動ユニットの筐体から熱を引き出して筐体を冷却し、その結果、高温にされる;
前記第2の熱回収器において、高温の冷却流体は、高温の燃焼煙から熱を取得して燃焼煙を冷却し、その結果、温度が上昇する;および、
前記第1の熱回収器において、前記高温の冷却流体は、燃焼持続空気流に熱を伝達して空気流を加熱し、その結果、低温に戻る。
【0068】
1つの態様において:
前記第1の回収器は、前記燃焼持続空気に熱/エネルギを伝達することによって前記冷却流体を冷却するように構成され;
前記冷却ユニットは、前記駆動ユニットからの熱/エネルギの冷却流体への伝達によって駆動ユニットを冷却するように構成され、冷却流体は、温度上昇を受け;さらに、
前記第2の回収器は、高温の燃焼煙から熱/エネルギを取得することによって前記冷却流体を加熱するように構成される。
【0069】
一態様において、熱機関は、補助回収器を含む補助油圧循環路を備え、この補助油圧循環路は、加熱器の高温燃焼煙の出口経路に沿って、バーナの下流の位置、好ましくは前記過熱器の下流の位置にある加熱器の格納本体内にある。
【0070】
1つの態様において、補助油圧循環路は、複数の補助管を備え、これらの補助管は、前記補助回収器を通過するように構成され、1つまたは複数の補助用途、好ましくは暖房ユーティリティおよび/または衛生熱水生成ユニットと連結されるように構成されている。
【0071】
一態様において、補助油圧循環路は、補助ポンプを備え、この補助ポンプは、前記補助油圧循環路内に配置され、前記補助循環路内の循環を決定するために前記複数の補助管の管上で動作可能に作動する。
【0072】
1つの態様において、前記補助回収器は、燃焼煙からエネルギを回収し、それを前記補助循環路内を循環する流体に伝達するように構成され、前記エネルギは、前記補助用途のために利用可能である。
【0073】
1つの態様において、熱機関は、ファンを備え、このファンは、加熱器の前記格納本体の燃焼持続空気の前記入口に配置され、燃焼プロセスに送るために、周囲から燃焼持続空気を引き出し、それを前記バーナに強制的に送るように構成されている。
【0074】
1つの態様において、熱機関は、1つ以上の逆止弁を備え、これらの逆止弁は、熱機関の駆動循環路の管に沿って配置され、一方向に熱流体の循環を促進し、反対方向への熱流体の流れを防止するように構成されている。
【0075】
1つの態様において、前記エネルギ変換部材は、次のステップのシーケンスを提供する動作サイクルに従って、前記熱流体のエネルギを機械的エネルギに変換するように構成される:
前記少なくとも1つの動作チャンバ内に熱流体を吸入するステップ;
前記少なくとも1つの動作チャンバ内の熱流体を圧縮し、熱流体を注入するステップ;
前記少なくとも1つの動作チャンバ内に熱流体を充填し、前記少なくとも1つの動作チャンバ内の熱流体を膨張させるステップ;および、
前記少なくとも1つの動作チャンバから熱流体を排出するステップ。
【0076】
1つの態様において、前記エネルギ変換部材は、1つ以上の、好ましくは複数のブレードまたはピストンまたは同等の部材を備える。
【0077】
1つの態様において、前記駆動ユニットは、2ストロークエンジンまたは4ストロークエンジン、または往復エンジン、またはロータリエンジンである。
【0078】
1つの態様において、前記駆動ユニットは、前記吸入ステップおよび圧縮ステップを行う圧縮器と、前記膨張ステップおよび排出ステップを行う膨張器とを備える熱機関である。
【0079】
1つの態様において、前記圧縮器及び前記膨張器は、互いに機械的に独立しているか、又は伝達部材によって連結されている。
【0080】
1つの態様において、前記圧縮器は多段回転圧縮器であり、前記膨張器はタービン膨張器である。
【0081】
1つの態様において、前記少なくとも1つの動作チャンバは:
前記第1の入口と前記第1の出口とを備え、熱流体の吸入と熱流体の圧縮とが行われる第1のチャンバ;および、
前記第1のチャンバとは別の第2のチャンバであって、前記第2の入口と前記第2の出口とを備え、圧縮された熱流体の充填、熱流体の膨張および熱流体の排出が行われる第2のチャンバを備える。
【0082】
1つの態様において、前記駆動ユニットは、間欠フローを有する駆動ユニットであり、ここで:
前記第1のチャンバは、流体吸入および流体圧縮を動作させるように構成された、可変容積の動作チャンバであり;
前記第2のチャンバは、流体膨張および流体排出を動作させるように構成された可変容積の動作チャンバである。
【0083】
1つの態様(先の代替)において、前記駆動ユニットは、連続的な流れを有する駆動ユニットであり、ここで:
前記第1のチャンバは、圧縮器を達成するように構成され、流体吸入および流体圧縮を動作させるように構成され;
前記第2のチャンバは、タービンを達成するように構成され、流体膨張および流体排出を動作させるように構成される。
【0084】
1つの態様において、前記第1の入口と前記第2の入口は一致し、前記第1の出口と前記第2の出口は一致する。
【0085】
1つの態様において、熱機関は、発電機、例えば交流発電機を備え、この発電機は、好ましくは一定の角速度で前記回転運動を受け、外部ユーティリティに電力を供給することを意図した電流を生成するように前記出力シャフトに連結されている。
【0086】
1つの態様において、前記熱流体は、ガスおよび水蒸気または水を含む混合物であり、前記ガスは、好ましくは、空気および/またはヘリウムおよび/または水蒸気または水と適合する他の気体流体であり、熱機関によって達成される前記熱サイクルは、複合熱サイクルである。
【0087】
その独立した態様において、本発明は、熱サイクルを達成するための方法に関し、この方法は、熱流体で動作し、以下のステップを含む:
好ましくは上記の態様の1つ以上に従って、熱機関をアレンジするステップ;
次の工程、即ち:
前記駆動ユニットを始動させ、前記熱流体のエネルギを変換するために前記部材を移動させる工程;
前記駆動循環路内の熱流体を加熱するために前記加熱器を作動させる工程;
以下の段階、即ち:
前記第1の入口を介して前記少なくとも1つの動作チャンバ内の前記熱流体を吸入する段階;
前記少なくとも1つの動作チャンバ内の前記熱流体を圧縮し、前記第1の出口から前記熱流体を注入する段階;
前記駆動循環路の前記第2の分岐を循環する熱流体を前記加熱器により加熱する段階;
前記少なくとも1つの動作チャンバ内の前記熱流体を前記第2の入口を介して充填し、前記少なくとも1つの動作チャンバ内の前記熱流体を膨張させる段階;
前記少なくとも1つの動作チャンバから前記第2の出口を介して前記熱流体を排出する段階;
を含む動作サイクルを作動させる工程;
を実行するステップ。
【0088】
ここで、熱流体の吸入、圧縮、充填および排出の動作サイクルの前記段階は、前記熱流体のエネルギの機械的エネルギへの変換を決定する。
【0089】
1つの態様において、この方法は、前記変換部材によって発生された前記機械的エネルギを前記出力シャフトに伝達するステップを含み、前記出力シャフトは、好ましくは一定の角速度で、出口において回転運動を提供する。
【0090】
一態様において、この方法は、以下のステップ、即ち:
駆動ユニットの前記第2の出口から出る熱流体は、駆動循環路の第1の分岐の第2の出口ダクト内に移動し、気化器の高温側を通過する、ステップ;
熱流体は第1の分岐に進み、凝縮器に達し、そこで冷却される、ステップ;
熱流体は第1の分岐に進み、凝縮分離器に達し、そこで、熱流体が駆動ユニットの前記第1の入口に到達する前に、熱流体中に存在する水が凝縮されて空気から分離される、ステップ;
凝縮分離器によって空気から事前に抽出された凝縮水は、加熱器の上流の前記第1の出口ダクトの地点において、前記第2の分岐に流入する気化管内に、高圧のポンプによって引き出されて送られる、ステップ;
気化管内を循環する凝縮水は、気化器の低温側を通過し、そこで、前記第2の分岐に流入する前に、加熱されて気化される、ステップ;
所定の量の水蒸気が、噴射器によって加熱器の上流の第2の分岐に噴射され、前記水蒸気量は、駆動ユニットのユニット出力を増大させることができ、かつ前記少なくとも1つの動作チャンバ内に移動可能に収容された前記エネルギ変換部材の潤滑を確保することができる、ステップ;
を含む。
【0091】
一態様において、この方法は、以下のステップ、即ち:
凝縮水は、気化器の低温側を通過した後、加熱されて気化され、気化管内に続き、噴射器の上流に配置された過熱器に達し、噴射器に達する前に過熱されるように気化された凝縮水に熱を伝達する、ステップを含む。
【0092】
一態様において、この方法は、以下のステップ、即ち:
第1の回収器と、冷却ユニットと、複数の冷却管と、冷却ポンプとを備える冷却循環路をアレンジするステップ;
以下の工程を実行するステップ:
低温の冷却流体は、冷却ユニットと相互作用し、そこで、駆動ユニットの筐体から熱を引き出して筐体を冷却し、その結果、高温にされる、工程;
高温の冷却流体は、第1の熱回収器と相互作用し、そこで、熱を周囲の空気流に伝達して空気流を加熱し、その結果、冷却されて低温に戻る、工程;および
冷却循環路内の冷却流体の循環を決定するために冷却ポンプを作動させる、工程。
【0093】
一態様において、この方法は、以下のステップを含む:
冷却循環路内に第2の回収器をアレンジするステップ;および
以下の工程を実行するステップ。
【0094】
冷却ユニットにおいて、低温の冷却流体は、駆動ユニットの筐体から熱を引き出して筐体を冷却し、その結果、高温になる、工程;
第2の熱回収器において、高温の冷却流体は、高温の燃焼煙から熱を取得して燃焼煙を冷却し、その結果、温度が上昇する、工程;および、
第1の熱回収器において、高温の冷却流体は、周囲の空気流に熱を伝達して空気流を加熱し、その結果、冷却されて低温に戻る、工程。
【0095】
一態様において、この方法は、以下のステップを含む:
補助回収器と、複数の補助管と、補助ポンプとを備えた前記補助油圧循環路をアレンジするステップ;および、
以下の工程を実行するステップ。
前記補助回収器によって、燃焼煙から一定量のエネルギを回収する工程;
前記補助循環路を循環する流体に前記エネルギを伝達する工程;および、
前記エネルギを補助的な用途に利用可能にする工程。
【0096】
熱サイクルを達成するための方法に関連する1つの態様において、前記熱流体は、ガスおよび水蒸気または水を含む混合物であり、前記ガスは、好ましくは、空気および/またはヘリウムおよび/または水蒸気または水と適合する他の気体流体であり、この方法によって達成される前記熱サイクルは、複合熱サイクルである。
【0097】
本発明の上述の各態様は、請求項のいずれか1つまたは他の記載された態様と個別にまたは組み合わせて採用することができる。
【0098】
更なる特徴および利点は、本発明による熱機関の非排他的な実施例である、好ましい実施形態も含む幾つかの実施形態の詳細な説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0099】
このような説明は、非限定的な例としてのみ提供される添付図面を参照して以下に記載される。
図1図1は、本発明の目的の1つである「新しい複合SEOLサイクル」の全体的な機能図を、その迅速かつ容易な技術的理解に必要なすべての識別とともに示す。
図2図2は、説明の補助としてのみ使用される、既に技術的に知られているジュールサイクルの図を示す。
図3図3は、本発明による熱機関の第1の可能な実施形態を概略的に示す。
図3A図3Aは、図3の熱機関の一部の拡大を示し、特に、駆動ユニットを示す。
図4図4は、図3の熱機関を幾つかの追加構成部品とともに示す。
図5図5は、図4の熱機関と幾つかの追加構成部品を示す。
図6図6は、本発明による熱機関の更なる可能な実施形態を概略的に示す。
図7図7は、本発明による熱機関の更なる可能な実施形態を概略的に示す。
図8図8は、本発明による熱機関の更なる可能な実施形態を概略的に示す。
図9図9は、本発明による熱機関の更なる可能な実施形態を概略的に示す。
【詳細な説明】
【0100】
本発明による熱機関の種々の可能な実施形態の存在が、詳細な説明および図3図9に認めることができる。たとえば、熱機関の構造は以下に従うことができる:
第1の機能的構成(図3図4および図5参照)であって、閉鎖された動作サイクルを有し、熱流体が凝縮水の噴射と一体化され、主目的として、動作チャンバおよびエネルギ変換部材の潤滑と、駆動ユニットのユニット出力の増加とを有するもの;
第2の機能構成(特に図6参照)であって、熱流体が過熱された水蒸気の噴射と一体化され、これが、動作チャンバおよびエネルギ変換部材の潤滑ならびに駆動ユニットのユニット出力のかなりの増加に加えて、熱サイクルの全体的な収率のかなりの改善を可能にするもの;および、
第3の機能的構成(図7図8および図9の実施形態を参照)であって、熱流体が、潤滑および駆動ユニットのユニット出力の増加に加えて、熱サイクルの全体的な収率のかなりの改善を可能にする過熱された水蒸気の噴射と一体化され、さらに(以下で明らかにされるように)(異なる実施形態に従って)循環流体の熱/エネルギ回復が提供されるもの。
【0101】
本発明の熱機関は、図3図9に示す実施形態の組み合わせに従って実施することもできる。
【0102】
上記の図3図9を参照して、その態様の1つにおいて、参照番号200を用いて本発明による熱機関を示した。一般に、同等または類似の要素には同じ参照番号が使用され、それらの実施形態の変形例においても使用されることがある。
【0103】
熱機関200は、まず、熱流体で動作する熱サイクルを達成するように構成され、駆動ユニット1と駆動循環路10とを備える。
【0104】
駆動ユニット1は、その内部で少なくとも1つの動作チャンバ3を区切る筐体2と、動作チャンバ3内に移動可能に収容され、動作サイクルに従って、熱流体の熱エネルギを機械的エネルギに変換するように構成された、熱流体のエネルギを変換するための部材とを備える。
【0105】
駆動ユニットは、エネルギ変換部材に動作可能に連結され、上述の機械的エネルギを受け取り、好ましくは一定の角速度で、駆動ユニットの下流の装置(例えば発電機)によって使用可能な出口で回転運動を提供するように構成された出力シャフト8を含む。
【0106】
筐体2は、その内部で動作チャンバ3を区切り:
少なくとも1つの動作チャンバ3内に吸入される熱流体の流れを第1の入口ダクト14から受ける為に、第1の入口ダクト14と流体連通している第1の入口4と;
少なくとも1つの動作チャンバ3から出る圧縮下の熱流体の流れを第1の出口ダクト15に送る為に、第1の出口ダクト15と流体連通している第1の出口5と;
少なくとも1つの動作チャンバ3内で膨張されるように充填されている熱流体の流れを第2の入口ダクト16から受けるために、第2の入口ダクト16と流体連通する第2の入口6と;
少なくとも1つの動作チャンバ3から出る熱流体の流れを第2出口ダクト17に送る為に、第2出口ダクト17と流体連通している第2出口7と;
を有する。
【0107】
入口、出口、入口ダクト、出口ダクトおよび動作チャンバ内の流体に対して完了した動作(すなわち、吸入、圧縮、充填/膨張および排出)は、図3図9、特に図3Aに概略的に示されている。
【0108】
前述した駆動循環路10は、第1の入口4、第2の入口6、第1の出口5および第2の出口7の間に延びており、前述した第1の入口ダクト14、第1の出口ダクト15、第2の入口ダクト16および第2の出口ダクト17を備えている。
【0109】
好ましくは、駆動循環路10は、前述した駆動ユニットの少なくとも1つの動作チャンバ3を通る熱流体の流れの連続的なサイクルを達成する。ここで:
第2の出口ダクト17は、駆動ユニットの筐体2の第2の出口7から始まり、第1の入口ダクト14に連続的に連結されることによって終端し、第1の入口ダクト14は、駆動ユニットの筐体2の第1の入口4、第2の出口ダクトおよび第1の入口ダクトで終端し、駆動循環路の第1の閉鎖分岐11を達成する;および、
第1の出口ダクト15は、駆動ユニットの筐体2の第1の出口5から始まり、第2の入口ダクト16と連続的に連結されることによって終端し、第2の入口ダクト16は、駆動ユニットの筐体2の第2の入口6で終端し、第1の出口ダクトおよび第2の入口ダクトは、駆動循環路の第2の閉鎖分岐12を達成する。
【0110】
実質的に、第1の分岐は、第2の出口ダクト17および第1の入口ダクト14の直列の接合によって形成され、一方、第2の分岐は、第1の出口ダクト15および第2の入口ダクト16の直列の接合によって形成される。第1の分岐では、第2の出口ダクト17と第1の入口ダクト14との間に連続性(構造および流体)があり、第2の分岐では、第1の出口ダクト15と第2の入口ダクト16との間に連続性(構造および流体)がある。
【0111】
好ましくは、熱機関は、駆動循環路10の第2の閉鎖分岐12に沿って、第1の出口ダクト15と第2の入口ダクト16との間で動作可能に作動し、第2の分岐内を循環する熱流体を加熱するように構成された加熱器41を備える。
【0112】
第2の分岐12において、加熱器41は、第1の出口ダクト15と第2の入口ダクト16との間に構造的かつ動作可能に挿入され、分割されることが認められる。
【0113】
好ましくは、熱機関200は、第2の出口ダクト17と第1の入口ダクト14との間で駆動循環路10の第1の閉鎖分岐11に沿って動作可能に挿入され、第1の分岐11内を循環する熱流体を冷却するように構成された凝縮器43を含む。
【0114】
第1の分岐11において、凝縮器43は、第2の出口ダクト17と第1の入口ダクト14との間に構造的かつ動作可能に挿入され、第2の出口ダクト17と第1の入口ダクト14とを分割することが認められる。
【0115】
好ましくは、熱機関200は、凝縮器43の下流に第1の入口ダクト14に沿って配置された凝縮分離器93を備え、ここで、熱流体中に存在する水は、熱流体が動作チャンバ3への吸入の第1の入口4に到達する前に凝縮され、空気から分離される。次に、凝縮分離器93は、混合物の気体部分(空気および/またはヘリウムおよび/または他の互換性を持つガス)を液体部分(凝縮水)から分離して、それらをサイクルにおいて別々に使用可能にする。
【0116】
好ましくは、熱機関は、(好ましくは高圧)におけるポンプ94を備え、ポンプ94は、凝縮分離器93によって空気から予め抽出された凝縮水を引き出し、加熱器41の上流の第1の出口ダクト15の地点で第2の分岐12に流入する気化管20に送るように構成されている。
【0117】
好ましくは、図3図9に示すように、熱機関は、気化器95を備え、気化器95は、以下のような位置にある:
高温側(又は第1の側)において、駆動ユニット1の下流で凝縮器43の上流にある第2の出口ダクト17を遮断する位置;および、
低温側(又は第2の側)において、気化管20を遮断する位置。
【0118】
気化管20は、気化管20内を循環する凝縮水を、第2の分岐12に流入する前に加熱して気化させるように構成されていることが好ましい。
【0119】
実質的には、(水蒸気発生器を構成する)気化器95は、膨張後に第2の出口7から排出された熱流体に含まれる残留熱エネルギの大部分を(高温側で)除去し、気化管に運ばれた凝縮水に(低温側で)伝達して、駆動循環路に再導入される過熱水蒸気を発生させることができる。
【0120】
好ましくは、熱機関は、噴射器97を備え、噴射器97は、気化管20の端部に配置され、加熱器41の上流の第2の分岐12内に、所定の量の水蒸気を噴射するように構成され、駆動ユニット1のユニット出力を増大させることができ、かつ動作チャンバ3内に移動可能に収容された前記エネルギ変換部材の潤滑を確保することができる。
【0121】
好ましくは、気化器95は、低温側ではポンプ94と噴射器97との間に、高温側では使用済み熱流体を放出する駆動ユニット1の第2の出口7と凝縮器43との間に、使用済み熱流体から残留エネルギ熱を取得して加熱器41に向かって移動する熱流体を予熱するために使用するように、動作可能に挿入される。
【0122】
気化器は、第2の出口ダクト17内を循環する(これを冷却する)熱流体から気化管20内を循環する流体(これを加熱して気化させる)に熱を伝達するように、第2の出口ダクト17(駆動ユニット1の下流であって凝縮器43の上流)および気化管20をそれぞれ遮断する2つの側面を備えた熱交換器であることが好ましい。
【0123】
気化器95によって行われる機能は、膨張終了時の(動作チャンバの第2の出口7から排出される)熱流体の温度と、(第2の出口ダクト17上の気化器の出口で測定される)ほぼ完全な凝縮時における同一の温度との間のエネルギ差、即ち、非常に高い差(例えば、360℃の温度から40℃の温度まで)のエネルギ差の回復を可能にする機能であることが認められる。このようなエネルギ差を使用することにより、気化器は、駆動循環路において完全に再利用可能な過熱水蒸気を生成することができる。
【0124】
噴射器97は、気化ダクト20が駆動循環路10の第2の分岐12に流入する点であることが認められる。噴射器97は、第1の出口5から出てダクト15によって運ばれる(したがって、動作チャンバ3の圧縮部分から来る)熱流体を受け入れる「混合ボックス」として作用し、気化器95での通過後に気化ダクト20によって輸送される過熱水蒸気と混合する。
【0125】
好ましくは、たとえば図4に示すように、熱機関は、補償タンク44を備え、補償タンク44は、第1の出口ダクト15に沿って駆動ユニットの第1の出口5の下流に位置され、駆動循環路10内を循環する熱流体の流れのバランスをとり、最適化するために、圧縮された熱流体をその後の使用に利用可能にするために貯蔵するように構成されている。
【0126】
好ましくは(図5図9参照)、加熱器は、複数の燃料タイプが送られ、加熱器41にその動作に必要な熱エネルギを供給するように構成された、密閉燃焼チャンバ40Aを有するバーナ40を備える。
【0127】
好ましくは、加熱器41は、制御された方法でバーナに送るするために燃料の導入を管理するように構成された噴射弁91を備える。
【0128】
好ましくは、加熱器41は、典型的には環境から引き出された混合空気51のための入口を備え、駆動循環路の第2の閉鎖分岐に沿って動作可能に作動するバーナ40と、駆動循環路の第1の閉鎖分岐(11)に沿って動作可能に作動する凝縮器43の両方を収容する格納本体50を備えることができ、第1の分岐から凝縮器によって引き出された熱がバーナ40に到達する前に混合空気に伝達され、第2の分岐12内の熱流体の燃焼および加熱のプロセスを容易にする。
【0129】
好ましくは(図6の実施形態を参照)、熱機関200は、過熱器96を備え、加熱器96は、バーナ40の高温燃焼煙からエネルギを除去するためにバーナ40の下流に位置され、気化器95の低温側の下流で噴射器97の上流の位置で気化管20を遮断するように構成されている。
【0130】
好ましくは、過熱器96は、バーナの高温の燃焼ガスから除去されたエネルギを、気化器95からの出口で気化された凝縮水に伝達し、それが噴射器に到達する前に過熱するように構成される。
【0131】
好ましくは(図7の実施形態を参照)、熱機関200は、駆動循環路とは別個に、閉鎖冷却循環路60を備える。
【0132】
好ましくは、冷却循環路60は、第1の熱回収器98を備え、この熱回収器98は、好ましくは、加熱器内の空気の流れの方向に関して凝縮器43の下流かつバーナ40の上流の位置で加熱器41の格納本体50内にある。
【0133】
好ましくは、冷却循環路は、駆動ユニット1の筐体に動作可能に関連付けられた冷却ユニット2Rを備える。一実施例として、冷却ユニットは、駆動ユニットの筐体と外部的に関連付けられ、例えば、筐体の少なくとも1つの部分と接触する空間部とすることができる。
【0134】
好ましくは、冷却循環路60は、直列に連結されて円形経路を形成する複数の冷却管と、第1の熱回収器98と、冷却ユニット2Rとを備え、このような冷却管は、一定量の冷却流体(好ましくは水)を担持する。
【0135】
好ましくは、冷却管は、以下のように熱機関内にアレンジされる:
冷却ユニット2Rと相互作用し、低温の冷却流体が駆動ユニットの筐体から熱を引き出して冷却し、その結果、高温になる;および、
第1の熱回収器98と相互作用し、高温の冷却流体が熱を周囲の空気流に伝達して空気流を加熱し、その結果、低温に戻る。
【0136】
好ましくは、冷却循環路60は、冷却循環路内に置かれ、冷却循環路内の冷却流体の循環を決定するために前記複数の冷却管の管上で動作可能に作動する冷却ポンプ99を備える。
【0137】
好ましくは(図8の実施形態を参照)、冷却循環路は、第2の熱回収器100を備え、この第2の熱回収器100は、好ましくは、バーナ40の下流の位置で加熱器の格納本体内にあり、好ましくは、過熱器96の下流でもあり、加熱器の高温燃焼煙の出口経路に沿っている。
【0138】
好ましくは、複数の冷却管は、第1の熱回収器98と、冷却ユニット2Rと、第2の熱回収器100とを直列に連結し、第2の熱回収器100は、冷却ユニット2Rの下流で第1の熱回収器98の上流に、冷却流体の移動方向に沿って挿入され:
冷却ユニット2Rにおいて、低温の冷却流体は、駆動ユニットの筐体から熱を引き出して筐体を冷却し、その結果、高温になり;
第2の熱回収器100において、高温の冷却流体は、高温の燃焼煙から熱を取得して燃焼煙を冷却し、その結果、温度が上昇し;
第1の熱回収器98において、高温の冷却流体は、熱を(燃焼持続空気がバーナ40に入る前に)燃焼持続空気流に伝達し、空気流を加熱し、その結果、低温に戻る。
【0139】
このような構成において:
第1の回収器98は、熱/エネルギを燃焼持続空気に伝達することによって冷却流体を冷却し;
冷却ユニット2Rは、駆動ユニットからの熱/エネルギを冷却流体に伝達することによって駆動ユニット1を冷却し、冷却流体は温度上昇を受け;
第2の回収器100は、冷却流体を加熱し、高温の燃焼煙から熱/エネルギを取得する。
【0140】
好ましくは(図9の実施形態を参照)、熱機関200は、補助回収器101を含む補助油圧循環路を備え、この補助回収器101は、好ましくは、バーナ40の下流の位置で加熱器の格納本体内にあり、好ましくは過熱器96の下流でもあり、加熱器の高温燃焼煙の出口経路に沿っている。
【0141】
好ましくは、補助油圧循環路は、複数の補助管を備え、複数の補助管は、補助回収器101を通過するように構成され、1つまたは複数の補助用途103、好ましくは暖房ユーティリティおよび/または衛生的熱水生成ユニットと連結されるように構成されている。
【0142】
好ましくは、補助油圧循環路は補助ポンプ104を備え、補助ポンプ104は、補助油圧循環路内に配置され、補助油圧循環路内の循環を決定するために前記補助管の1つに対して動作可能に作動する。
【0143】
好ましくは、補助回収器101は、燃焼煙からエネルギを回収し、それを補助油圧循環路内を循環する流体に伝達するように構成されており、そのようなエネルギは補助用途103に利用可能である。
【0144】
好ましくは、熱機関200は、ファン92を備え、ファン92は、加熱器の格納本体50の燃焼持続空気の入口に配置され、燃焼プロセスに送るために周囲から燃焼持続空気を引き出し、それを強制的にバーナ40に送るように構成されている。
【0145】
好ましくは、熱機関は、例えば既知のタイプの一つ又は複数の逆止弁を備え、一つ又は複数の逆止弁は、熱機関の駆動循環路の管に沿って配置され、一方向に熱流体の循環を促進し、反対方向への熱流体の流れを防止するように構成されている。
【0146】
好ましくは、図3Aに概略的に示すように、エネルギ変換部材は、以下の一連のステップを提供する動作サイクルに従って、熱流体のエネルギを機械的エネルギに変換するように構成される:
少なくとも1つの動作チャンバ3内に(第1の入口4によって)熱流体を吸入するステップ;
少なくとも1つの動作チャンバ内の熱流体を圧縮し、(第1の出口5によって)熱流体を注入するステップ;
(第2の入口6によって)少なくとも1つの動作チャンバ3に熱流体を充填し、動作チャンバ内の熱流体を膨張させるステップ;および、
少なくとも1つの動作チャンバから(第2の出口7によって)熱流体を排出するステップ。
【0147】
好ましくは、エネルギ変換部材は、一つ又は複数の、好ましくは複数のブレードまたはピストンまたは同等の部材を含む。
【0148】
一実施例として、駆動ユニットは、2ストロークエンジン若しくは4ストロークエンジン、又は往復エンジン若しくは回転エンジンでもよい。
【0149】
一実施例として、駆動ユニットは、吸入および圧縮のステップを行う圧縮器と、膨張および排出のステップを行う張器とを備える熱機関である。圧縮器および膨張器は、互いに機械的に独立してもよく、または伝達部材によって連結されてもよい。
【0150】
一実施例として、圧縮器は多段回転圧縮器であり、膨張器はタービン膨張器である。可能な実施形態において、図3図9に示されるものと同様に、好ましくは、前述した少なくとも1つの動作チャンバ3は:
第1の入口4および第1の出口5を備え、熱流体の吸入および圧縮が行われる第1のチャンバ3A;
第1のチャンバとは別に、第2の入口6および第2の出口7を備えた第2のチャンバ3Bであって、圧縮された熱流体の充填、熱流体の膨張および熱流体の排出が生じる、第2のチャンバ3B;
を備える。
【0151】
実質的に、チャンバ3は2つのサブチャンバに分割され、各サブチャンバは、動作サイクルのそれぞれの半分を実行することを意図している。
【0152】
駆動ユニット1は、間欠フローを有する駆動ユニットとすることができ、ここで:
第1のチャンバ3Aは、流体吸入および流体圧縮を動作させるように構成された可変容積の動作チャンバであり;さらに、
第2のチャンバ3Bは、流体膨張および流体排出を動作させるように構成された可変容積の動作チャンバである。
【0153】
あるいは、駆動ユニット1は、連続的な流れを有する駆動ユニットであって、ここで:
第1のチャンバ3Aは、流体吸入及び流体圧縮を動作させるように構成された圧縮器を達成するように構成されており;さらに、
第2のチャンバ3Bは、タービンを達成するように構成され、流体膨張および流体排出を動作させるように構成される。
【0154】
可能な実施形態(図示せず)において、単一の動作チャンバでは、第1および第2の入口は互いに一致し、第1および第2の出口は互いに一致する。
【0155】
最新技術において、適切な機械的および機能的修正を施した、幾つかの既知のタイプの吸熱性エンジン(内燃機関)を、駆動ユニット1として使用するように適合させることができる。非限定的な実施例として、以下のエンジンを列挙する:
4ストロークディーゼルレシプロエンジン;
4ストロークオットーレシプロエンジン;
4ストロークのワンケルロータリエンジン;
4ストロークの擬似タービンロータリエンジン(特許US-2014-0140879-A1);
最新技術において、適切な機械的および機能的修正を施した(外燃を伴う)幾つかの他のタイプの発熱性エンジンを、駆動ユニット1として使用するように適合させることができる。非限定的な実施例として、以下のエンジンを列挙する:
特許出願WO2015/114602A1およびWO2019/008457に既に記載されているように、同じ出願人の名義で、単一の環状シリンダ内で、周期的に可変速で、4個または6個の摺動可能なピストンによって区切られた、吸入圧縮セクションおよび1個または2個の膨張排出セクションによって形成されるRVEロータリエンジン;
2シリンダのエリクソンレシプロエンジン;
任意の1つの伝動装置システムによって互いに機械的に連結された、圧縮器と膨張器によって形成されたワンケルロータリエンジン(特許:US3426525);
任意の1つの伝動装置システム(特許:DE4317690A1)によって互いに機械的に連結された、圧縮器と膨張器によって形成されたパレットロータリエンジン;
任意の1つの伝動装置システムによって互いに機械的に連結された、圧縮器と膨張器によって形成されたトレフォイルロータリエンジン(特許:US20110259002A1);
適切な伝動装置システムによって互いに機械的に連結された、圧縮器と膨張器によって形成されたRVEロータリエンジン(特許:WO02084078A1);
適切な伝動装置システムによって互いに機械的に連結された、圧縮器と膨張器によって形成されたスクロールロータリエンジン(特許:US20050172622A1);および、
適切な伝動装置システムによって互いに機械的に連結された、圧縮器と膨張器によって形成された多段タービン付きロータリエンジン(特許WO2012123500A2)。
【0156】
熱機関200は、好ましくは発電機G、例えば交流発電機を備えることができ、発電機Gは、出力シャフト8に連結されて、(駆動ユニット1によって発生された)回転運動を入力部で、好ましくは一定の角速度で受け取り、外部ユーティリティに電力供給を意図し、出力部で電流を発生させるようになっている。
【0157】
発電機Gは、駆動ユニット(特に膨張部)によって生成される機械的な仕事を電気エネルギに変換するように構成される。
【0158】
また、発電機は、駆動ユニットを始動する最初のステップで電動機を始動する機能を行うようにアレンジすることもできる。
【0159】
本発明の範囲において、前述した熱流体は、ガスと水蒸気または水との混合物である。
【0160】
前述のガスは、空気またはヘリウムまたは水蒸気または水と適合する任意の他の気体流体(または気体流体の混合物)であってもよく、熱機関によって達成される熱サイクルは、複合熱サイクルである。
【0161】
また、熱機関の「休止」状態では、使用される流体(例えば、空気および水)は周囲の環境と同じ温度にあり、動作中、駆動ユニットおよび駆動循環路内には大気圧とは異なる圧力が存在し得ることも明記されている。
【0162】
熱機関は、図示されていない、たとえば既知のタイプの適切な指令および調整装置(例えば、適切にプログラムされた電子制御ユニット)を備えることが分かる。さらに、熱機関は、動作サイクルの初期化ステップおよび熱機関の様々な構成要素の始動(駆動ユニット、加熱器、熱流体の循環などの始動)ステップを管理するように構成された始動手段を備えることが好ましい。
【0163】
以下、本発明による熱サイクルを達成するための方法について説明する。このような方法は、熱流体を用いて動作し、まず、以下のステップを含む:
好ましくは本発明による熱機関、たとえば、図3図9に示す実施形態による熱機関200をアレンジするステップ;
駆動ユニット1を始動させ、熱流体のエネルギを変換する部材を移動させるステップ;
駆動循環路内の熱流体を加熱するために加熱器41を作動させるステップ;および
動作サイクルを作動させるステップ。
【0164】
好ましくは、動作サイクルは、以下のステップ:
第1の入口4を介して動作チャンバ3(好ましくは第1のサブチャンバ3A)に熱流体を吸入するステップ;
動作チャンバ内の熱流体を圧縮し、第1の出口5から熱流体を注入するステップ;
加熱器41により駆動循環路10の第2分岐12を循環する熱流体を加熱するステップ;
第2の入口6を介して熱流体を動作チャンバ3(好ましくは第2のサブチャンバ3B)に充填し、動作チャンバ3内の熱流体を膨張させるステップ;および
第2の出口7を介して動作チャンバから熱流体を排出するステップ;
を含む。
【0165】
熱流体の吸入、圧縮、充填および排出の動作サイクルのステップは、熱流体の熱エネルギの機械的エネルギへの変換を決定する。
【0166】
好ましくは、この方法は、変換部材によって発生された機械的エネルギを出力シャフト8に伝達するステップを含み、出力シャフト8は、好ましくは一定の角速度で、出口において回転運動を提供する。
【0167】
好ましくは、この方法は、以下のステップ(図3図5およびサイクルの動作を示す管内の矢印によって示される熱流体の経路を参照)、即ち:
駆動ユニット1の第2出口7から出た熱流体が、駆動循環路10の第1の分岐11の第2の出口ダクト17内に移動し、気化器95の高温側を横断するステップ;
熱流体が、第1の分岐11に続いて凝縮器43に達し、そこで冷却されるステップ;
熱流体が、駆動ユニットの第1の入口4に到達する前に、熱流体中に存在する水が凝縮されて空気から分離される凝縮分離器93に到達し、熱流体が第1の分岐11に継続する、ステップ;
凝縮分離器93によって空気から先に抽出された凝縮水は、加熱器41の上流の第1の出口ダクト15の地点で、第2の分岐12に流入する気化管20にポンプ94によって引き出されて送られる、ステップ;
気化管20内を循環する凝縮水が、気化器95の低温側を通過し、そこで、第2の分岐12に流入する前に、加熱されて気化されるステップ;および
所定の量の水蒸気が、噴射器97によって加熱器41の上流の第2の分岐12に噴射され、そのような水蒸気の量は、駆動ユニット1のユニット出力を増大させることができ、かつ動作チャンバ3内に移動可能に収容されたエネルギ変換部材の潤滑を確保することができる、ステップ;
を含む。
【0168】
好ましくは、図6の実施形態による方法は、以下のステップ、即ち:
凝縮水が、気化器95の低温側を通過した後、そこで加熱されて気化され、気化管20内に続き、噴射器97の上流(すなわち、気化器95と噴射器97との間)に配置された過熱器96に到達し、噴射器97に到達する前に過熱するように気化された凝縮水に熱を伝達する、ステップを含む。
【0169】
好ましくは、図7の実施形態による方法は、第1の回収器98、冷却ユニット2R、複数の冷却管および冷却ポンプ99を含む冷却循環路60をアレンジし、以下のステップ、即ち:
低温の冷却流体が、冷却ユニット2Rと相互作用して、駆動ユニット1の筐体2から熱を引き出して筐体2を冷却し、その結果、高温になる、ステップ;
高温の冷却流体が、、第1の熱回収器98と相互作用し、そこで熱を周囲の空気流に伝達して空気流を加熱し、その結果、冷却されて低温に戻る、ステップ;および
冷却ポンプ99を作動させて、冷却循環路60内の冷却流体の循環を決定する、ステップ;
を実行することを可能にする。
【0170】
好ましくは、図8の実施形態による方法は、第2の回収器100を冷却循環路60内にアレンジし、以下のステップ、即ち、
冷却ユニット2Rにおいて、低温の冷却流体が、駆動ユニット1の筐体2から熱を引き出して筐体2を冷却し、その結果、高温となる、ステップ;
第2の熱回収器100において、高温の冷却流体が、高温の燃焼煙から熱を取得して、燃焼煙を冷却し、その結果、さらなる温度上昇を受ける、ステップ;および
第1の熱回収器98において、高温の冷却流体が、(バーナに入る前に)熱を周囲の空気流に伝達して空気流加熱し、その結果、冷却されて低温に戻る、ステップ;
を実行することを可能にする。
【0171】
好ましくは、図9の実施形態による方法は、補助回収器101、複数の補助管および補助ポンプ104を含む補助油圧循環路をアレンジすること、および以下のステップ、即ち:
補助回収器101によって、燃焼煙から一定量のエネルギを回収するステップ;
そのようなエネルギを補助循環路内を循環する流体に伝達するステップ;および
エネルギを補助的な用途103のために利用可能にするステップ;
を実行することを可能にする。
【0172】
このようにして着想された本発明は、本発明の概念の範囲内にある多数の修正および変形の影響を受けやすく、上述の構成要素は、他の技術的に同等な構成要素によって置換することができる。
【0173】
本発明は重要な利点を達成する。第1に、上記の説明から明らかなように、本発明は、先行技術の欠点の少なくとも一部を克服することを可能にする。
【0174】
さらに、本発明による熱機関および相対的方法は、複数の熱源を使用することができ、機械的エネルギ(仕事量)を発生させることができる。なぜなら、それらは、任意の場所で任意の用途のために、好ましくは電気エネルギの生成のために使用されるからである。
【0175】
加えて、本発明による熱機関は、高い熱力学的収率および最適な重量-出力比によって特徴づけられる。
【0176】
熱流体に水蒸気を噴射することにより、駆動ユニットの最適な潤滑を得ることができ、摩擦および摩耗を低減し、その結果、機械的降伏を増大させることができる。
【0177】
さらに、熱流体は、駆動ユニット内で膨張する熱流体の流量および分子量の増加に起因して、ユニット出力の増加を得ることができる。さらに、熱流体に導入された水は、その吸入の前に凝縮されて空気(または使用される他の気体流体)から分離されるので、負の圧縮仕事は増加しない。
【0178】
さらに、気化器は、蒸発によって吸収される熱量が気化器を用いて起動されるエネルギ回復によって補償されるので、全体的な収率の増加を得ることができる。
【0179】
また、本発明に係る熱機関は、達成しやすい単純な機械的構造を特徴とする。
【0180】
また、本発明に係る熱機関は、生産コストが低いという特徴を有する。
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】