(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】密閉封止され、制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20221109BHJP
H01R 13/6473 20110101ALI20221109BHJP
【FI】
H01R13/52 Z
H01R13/6473
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514148
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(85)【翻訳文提出日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 US2020070547
(87)【国際公開番号】W WO2021056022
(87)【国際公開日】2021-03-25
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522079872
【氏名又は名称】アーデント コンセプツ,アイエヌシー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ラコウィッツ,ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンサー,ゴードン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FB11
5E021FC23
5E021LA21
5E087FF12
5E087LL04
5E087LL12
5E087LL14
5E087RR13
(57)【要約】
制御されたインピーダンスの電気信号を、フィードスルーブロック(30)のフィードスルー(11)を介して、2つの異なる環境(1、2)間で渡すためのアセンブリ(10)。フィードスルー(11)は、信号結合部(61)、信号結合部(61)を囲んだ誘電体(53)、及び誘電体(53)を囲んだ接地結合部(70)、を有する。電気絶縁ブロック(30)は、導電性信号リンク(62)、及び信号リンク(62)を囲んだ別個の導電性接地リンク(71)を有する。導電性ブロックは、別の誘電体スペーサ(54)、及びスペーサ(54)を通る信号リンク(62)を有する。ブロック(30)、リンク(62、71)、及びスペーサ(54)の間の結合部は封止され、2つの環境(1、2)を密閉分離する。1つの方法において、構成要素は圧入され、隣接した構成要素間に空隙を残さない。別の方法において、ポッティング材料(60)が、強制的に構成要素間の結合部の中に入れられる。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の環境(1)と第2の環境(2)との間における、制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)であって、
(a)前記第1の環境(1)を許容するよう設計された第1の表面(38)、及び前記第2の環境(2)を許容するよう設計された第2の表面(40)を有する、ブロック(30)と、
(b)前記第1の表面(38)と前記第2の表面(40)との間に延びた、前記ブロック(30)の少なくとも1つのフィードスルー(11)であって、
(1)前記第1の表面(38)と前記第2の表面(40)との間に延びた、信号貫通アパーチャ(43)、及び、
(2)前記第1の表面(38)における第1の端部(65)、及び前記第2の表面(40)における第2の端部(66)を有する前記信号貫通アパーチャ(43)の導電性信号リンク(62)、
を含む、少なくとも1つのフィードスルー(11)と、
を備え、
(c)前記フィードスルー(11)は、前記第1の環境(1)と前記第2の環境(2)との間で密閉封止された、
制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項2】
前記ブロック(30)は導電性であり、前記フィードスルー(11)は、前記第1の表面(38)と前記第2の表面(40)との間に延びたスペーサ貫通アパーチャ(32)と、前記スペーサ貫通アパーチャ(32)内で第1の面(56)及び第2の面(57)を有する、誘電体スペーサ(54)と、をさらに備え、前記信号貫通アパーチャ(43)は、前記第1の面(56)と前記第2の面(57)との間の前記スペーサ(54)を通して延びる、請求項1に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項3】
前記フィードスルー(11)は、ポッティング材料(60)で充填された第1の空隙(58)を形成する、前記第1の表面(38)から凹んだ前記第1の面(56)と、前記ポッティング材料(60)で充填された第2の空隙(59)を形成する、前記第2の表面(40)から凹んだ前記第2の面(57)と、のうちの一方または両方によって、密閉封止される、請求項2に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項4】
前記ポッティング材料(60)はエポキシである、請求項3に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項5】
前記第1の空隙(57)及び前記第2の空隙(58)は、少なくとも0.01インチの深さである、請求項3に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項6】
前記フィードスルー(11)は、前記信号リンク(62)と前記スペーサ(54)との間、及び前記スペーサ(54)と前記ブロック(30)との間に、ポッティング材料(60)を強制的に用いることによって密閉封止される、請求項2に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項7】
前記フィードスルー(11)は、前記スペーサ(54)と前記スペーサアパーチャ(32)との間の圧入によって、かつ、前記信号リンク(62)と前記信号貫通アパーチャ(43)との間の圧入によって、密閉封止される、請求項2に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項8】
前記スペーサ(54)は、僅かに圧縮可能な材料で構成される、請求項7に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項9】
前記信号リンク(62)及び信号貫通アパーチャ(43)は、前記信号リンク(62)が前記信号貫通アパーチャ(43)を通して押し込まれるのを防止するよう形状付けられ、前記スペーサ(54)及びスペーサアパーチャ(32)は、前記スペーサ(54)が前記スペーサアパーチャ(32)を通して押し込まれるのを防止するよう形状付けられる、請求項2に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項10】
前記信号リンク(62)の前記第1の端部(65)は、前記信号貫通アパーチャ(43)の径よりも大きい径を有する頭部(63)を有する、請求項9に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項11】
前記スペーサアパーチャ(32)は、肩部(49)を作り出す段差が付いた径(48)を有し、それによって前記第1の開口部(34)の径が、前記第2の開口部(36)の径よりも大きく、前記スペーサ(54)は前記肩部(49)に当接する、請求項9に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項12】
前記ブロック(30)は、非導電性であり、前記フィードスルー(11)は、前記第1の表面(38)と前記第2の表面(40)との間に延びた接地結合部(70)をさらに備える、請求項1に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項13】
前記接地結合部(70)は、前記第1の表面(38)と前記第2の表面(40)との間に延びた接地貫通アパーチャ(72)において、複数の導電性接地リンク(71)を含み、前記接地リンク(71)は、前記信号リンク(62)を囲む円に配置される、請求項12に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項14】
前記フィードスルー(11)は、前記信号リンク(62)と前記信号貫通アパーチャ(43)との間の圧入によって、かつ各接地リンク(71)と接地貫通アパーチャ(72)との間の圧入によって、密閉封止される、請求項13に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項15】
前記フィードスルー(11)は、前記信号リンク(62)と前記ブロック(30)との間、及び各接地リンク(71)と前記ブロック(30)との間に、ポッティング材料(60)を強制的に用いることによって密閉封止される、請求項12に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項16】
前記ポッティング材料(60)はエポキシである、請求項15に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項17】
前記接地結合部(70)は、前記第1の表面(38)と前記第2の表面(40)との間に延びた、複数の導電性メッキ管(73)を含み、前記メッキ管(73)は、前記信号リンク(62)を囲む円に配置される、請求項12に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項18】
前記フィードスルー(11)は、前記信号リンク(62)と前記ブロック(30)との間、及び前記メッキ管(73)に、ポッティング材料(60)を強制的に用いることによって密閉封止される、請求項17に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項19】
前記信号リンク(62)及び前記信号貫通アパーチャ(43)は、前記信号リンク(62)が前記信号貫通アパーチャ(43)を通して押し込まれるのを防止するよう形状付けられ、前記接地リンク(71)及び前記接地貫通アパーチャ(72)は、前記接地リンク(71)が前記接地貫通アパーチャ(72)を通して押し込まれるのを防止するよう形状付けられる、請求項12に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項20】
前記信号リンク(62)の前記第1の端部(65)は、前記信号貫通アパーチャ(43)の径よりも大きい径を伴う頭部(63)を有し、前記接地リンク(62)の前記第1の端部(82)は、前記接地貫通アパーチャ(72)の径よりも大きい径を伴う頭部(78)を有する、請求項19に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項21】
前記第1の環境(1)と前記第2の環境(2)とを分離するフランジ(12)をさらに備え、前記ブロック(30)は、前記フランジ(12)の開口部(50)内に取り付けられ、前記ブロック(30)と前記フランジ(12)との間の継目は密閉封止される、請求項1に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気ケーブルのフィードスルーアセンブリ、より詳細には、一般的に高周波数信号を異なる物理的環境間で伝送するために使用される、制御されたインピーダンスのケーブルのフィードスルーに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの状況において、信号を異なる環境間で送らなければならない。例として、異なる雰囲気ガスを伴う環境間、異なる雰囲気圧力の環境間、及び異なる滅菌レベルの環境間、などが挙げられる。このような場合、環境が混ざらないよう、または1つの環境が他の環境を汚染しないように、インターフェースを密閉封止しなければならない。
【0003】
当技術分野の現状において、SMAまたはSMPなど個々の同軸コネクタが、環境間の信号を伝送するために使用される。これらのコネクタは、かなり大きく、0.25~0.5インチの径である。それらは最大径よりも近付けないので、環境を分離する単位面積あたりのコネクタ数、すなわちその密度はかなり小さい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書は、信号を2つの異なる環境間で渡すためのアセンブリを説明する。一般にRFであるそれらの信号は、第1の環境における第1のコネクタを通過し、2つの環境を分離するフランジにおけるフィードスルーを介し、第2の環境における第2のコネクタを通って、渡される。各コネクタは、1本または複数本の制御されたインピーダンスのケーブルで終端する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
コネクタは、いくつかの実施形態を有する。それらの代表的なものは、ケーブルを固定するためのアンカーブロックと、ケーブル信号導体及びフィードスルーの間の電気接続を作るための、規格に準拠した信号接触部と、任意選択でケーブルシールドとフィードスルーとの間の電気接続を作るための、規格に準拠した接地接触部と、接触部を保持するアンカーブロック88に取り付けられたプレートと、を有する。
【0006】
導電性のアンカーブロックは、アンカーブロックに恒久的または取り外し可能のいずれかで装着されたケーブルのための、共通の接地を提供する。代替として、アンカーブロックは非導電性であり、取り外し可能に装着されたケーブル20のためのアンカーを提供するのみである。
【0007】
コネクタは、任意の数の異なる規格に準拠した接触部に使用するために、設計することができる。プレートは接触部を保持する。このプレートは、導電性材料または電気絶縁性材料で構成することができる。プレートは、コネクタが組み立てられたとき、アンカーブロック面92に当接し、一般的にコネクタがフィードスルーブロックに接続されたとき、フィードスルーブロックに当接する。信号接触部は、プレートにおける貫通アパーチャの中に取り込まれる。プレートが導電性である場合、信号接触部はプレートから絶縁される。プレートをアンカーブロックに組み込む前に、信号接触部の接触点は、プレートの各側から延びる。各接地接触部は、接地貫通アパーチャの中に取り込まれる。プレートをアンカーブロックに組み込む前に、接地接触部の接触点は、プレートの各側から延びる。
【0008】
信号は、フィードスルーブロックにおけるフィードスルーを介して、フランジを通って移動する。このフィードスルーは、3つの構成要素、すなわち信号結合部、信号結合部を囲む誘電体、及び誘電体を囲む接地結合部、を有する。ブロックが電気絶縁する場合、ブロック自体は誘電体として作用できる。ブロックが導電性である場合、別の誘電体が必要になる。
【0009】
別の誘電体がないフィードスルーは、導電性ワイヤまたはピンである信号リンクのためのブロックに、信号貫通アパーチャを有する。信号リンクの両端部は、コネクタの信号接触部のための、接触点である。任意選択で、信号リンク及び信号アパーチャは、設定中、または第1の環境が第2の環境よりも高圧である場合に、信号リンクが信号アパーチャを通して押し込まれるのを防止するように、形状付けられる。
【0010】
別の誘電体を伴うフィードスルーは、誘電体スペーサの形態の誘電体を伴うブロックにおいて、アパーチャを通るスペーサを有する。任意選択で、スペーサアパーチャ及びスペーサは、設定中、または第1の環境が第2の環境よりも高圧である場合に、スペーサがスペーサアパーチャを通して押し込まれるのを防止するように、形状付けられる。このスペーサは、信号リンクのための信号貫通アパーチャを有する。
【0011】
一般に、アパーチャ、スペーサ、及び信号リンクは、当技術分野で公知である方法を使用して、信号に適合したインピーダンスを提供するようサイズが決められる。正確なインピーダンスの適合のため、誘電体はシステムの接地プレーンによって囲まれなければならない。このブロックが導電性である場合、接地信号のための特別な収納は必要ない。非導電性ブロックは、接地結合部によってブロックを通した接地信号を送らなければならない。
【0012】
接地結合部は、ブロックにおける接地アパーチャを通して延びる、別個の導電性接地リンクを含むことができる。適切な数の接地リンクは、信号リンクを囲む。接地リンクは、導電性ワイヤまたはピンである。代替として、接地リンクはメッキした管である。別の構成において、接地結合部は、スペーサを囲んだブロックにおける接地フェルールの貫通アパーチャに設定された、導電性接地フェルールである。別の構成において、スペーサアパーチャの壁は、導電性材料でコーティングされる。
【0013】
様々な構成要素は、2つの環境を密閉分離するために、密閉封止を用いて設定される。1つの方法において、様々な構成要素は、対応したアパーチャの中に圧入され、隣接した構成要素間に空隙を残さない。
【0014】
別の方法において、スペーサは、スペーサの一方の面または両面が、対応したブロック表面から凹むように、スペーサアパーチャよりも短い。それによって、スペーサとブロック表面との間の空隙を残す。一方または両方の空隙はポッティングされ、スペーサアパーチャ及び信号リンクの周りを封止し、それによって密閉封止を生成する。一般的なポッティング材料は、2液型エポキシである。各空隙の最小深さは、環境及びポッティング材料に依存し、一般的には0.01インチ以上である。メッキした管は、それらをポッティング材料で充填するか、またはハンダ付けによって、密閉封止される。
【0015】
ポッティングの1つの方法は、減圧をブロックの一方の表面に適用することに関係し、この減圧がポッティング材料を反対側から引張るのを可能にし、それによってポッティング材料を強制的に、空隙及び全ての構成要素間におけるインターフェースの中に入れる。この減圧は、漏洩経路を提供し得る全ての空間の中に、ポッティング材料が強制的に入れられるのを保証する。代替として、圧力が一方の表面において適用され、漏洩経路を提供し得る全ての空間の中に、ポッティング材料を押し込む。
【0016】
本発明は、フランジはブロックであり、すなわちフィードスルーは、フランジ自体を通して延びることを意図する。代替として、ブロックは、フランジの開口部の中に密閉封止された、独立した構成要素である。
【0017】
本発明の目標は、以下の図面及び本発明の詳細な説明を考慮すると、明白になる。
【0018】
本発明の本質及び目標を、より完全に理解するために、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】恒久的に装着されたケーブルを伴う、
図1におけるコネクタの構成の一部における断面図である。
【
図4】取り外し可能なケーブルを伴う、コネクタの構成の一部における断面図である。
【
図5】取り外し可能なケーブルを伴う、コネクタの別の構成の一部における断面図である。
【
図6】取り外し可能なケーブルを伴う、コネクタの別の構成の一部における断面図である。
【
図7】アンカーブロック及びケーブルの一部を伴う、プレートの1つの構成における断面図である。
【
図8】アンカーブロック及びケーブルの一部を伴う、プレートの別の構成における断面図である。
【
図9】ファズボタン接触部を伴う、絶縁性プレートの断面図である。
【
図10】導電性ゴム接触部を伴う、絶縁性プレートの断面図である。
【
図13】埋め込まれ、スタンピングまたはエッチングされた接触部を伴う、絶縁性プレートの底面図である。
【
図14】
図13のHにおける、コアックスケーブルの終端アセンブリの底部における詳細図である。
【
図16】埋め込まれてスタンピングまたはエッチングされた接触部を伴い、接触部の一方の側がケーブルに適合され、かつ接触部が圧縮された、絶縁性プレートの断面図である。
【
図17】フランジから分離したブロックの断面図である。
【
図18】別の誘電体がない、基本的なフィードスルーの断面図である。
【
図20】信号リンク及び信号アパーチャの代替構成を伴う、フィードスルーの断面図である。
【
図21】信号リンク及び信号アパーチャの代替構成を伴う、フィードスルーの断面図である。
【
図24】いくつかの構成要素の代替構成を伴う、フィードスルーの断面図である。
【
図26】いくつかの構成要素の代替構成を伴う、フィードスルーの断面図である。
【
図27】いくつかの構成要素の代替構成を伴う、フィードスルーの断面図である。
【
図28】接地リンクを伴う、フィードスルーの断面図である。
【
図29】信号リンク及びスペーサを囲んだ接地リンクを伴う、フィードスルーの上面図である。
【
図30】接地リンクを伴う、PCBブロックの断面図である。
【
図31】接地プレーンの接地リンクを伴う、フィードスルーの上面図である。
【
図32】接地フェルールを伴う、フィードスルーの断面図である。
【
図33】メッキしたアパーチャ及び接地パッドを伴う、フィードスルーの断面図である。
【
図34】フランジの一部であるブロックの断面図である。
【
図35】ブロックとしてのフランジの上面図である。
【
図36】独立したブロックを伴うフランジの上面図である。
【
図37】ブロックとしてのPCBを伴うフランジの上面図である。
【
図38】コネクタの、フィードスルーブロックへの接続を示す、断面図である。
【
図40】コネクタが装着された、
図39の実施形態の断面図である。
【
図41】コネクタが装着された、
図39の実施形態の別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書は、信号を、バリア3で分離された第1の環境1と第2の環境2との間で渡すための、アセンブリ10を説明する。2つの環境1、2は、多くの点で異なる場合がある。例えば、いくつかの用途において混合されないバリア3の、いずれかの側において、圧力、温度、または化学化合物が存在する場合がある。このような状況の例は、データを、量子コンピューティング環境などの低温コンピューティング環境の中へ、及び外に送ることである。第1の環境1は、一般的に通常の気圧及び室温である。量子コンピューティング環境において、第2の環境2は、ほぼ完全な真空である。第1の環境1に最も近い第2の環境2の領域は、ほぼ室温であり、第1の環境1から最も遠い領域の温度は、4ケルビン~4ミリケルビンに保たれる。
【0021】
図1及び
図2に示されるように、信号は、第1の環境1における第1のコネクタ14、2つの環境1、2を分離するフランジ12、及び第2の環境2における第2のコネクタ16、を通して、環境1、2の間で渡される。信号は、一般に無線周波数すなわちRF信号である。信号スピードは、用途によって数百MHzの低さから、70GHzの高さまでとすることができるが、本発明が利用することができる最高の周波数範囲は、常に改善される。
【0022】
各コネクタ14、16は、1本または複数本の制御されたインピーダンスのケーブル20で終端する。制御されたインピーダンスの同軸ケーブル20は、誘電体24によって囲まれた信号導体22を有し、誘電体24の外側に接地基準シールド26を伴う。任意選択で、シース28がシールド26を覆う。制御されたインピーダンスの2軸ケーブル20は、誘電体24によって囲まれた2本の信号導体22を有し、誘電体24の外側に接地基準シールド26、及びシールド26を覆ったシース28を伴う。ケーブル20を適切に終端させるために、ケーブルの接地シールド26を、コネクタ14、16に電気結合させなければならない。任意選択で、
図2のように、フェルール90を接地シールド26に設定することができる。3本以上の信号導体22を伴う、制御されたインピーダンスのケーブル20が、入手可能である。具体的に説明しないが、本発明を、任意の数の信号導体22を有するケーブル20を収納するよう、適応させることができる。
【0023】
フランジ12は、2つの環境1、2を分離するバリア3の開口部の中に、取り外し可能に取り付けられる。フランジ12は、フランジ12とバリア3との間に許容可能な密閉封止を提供する、任意の方法で取り付けられる。取付方法は、当産業において公知である。代替として、バリア3はフランジ12を組み込む。すなわちバリア3及びフランジ12は、別個の構成要素ではない。
【0024】
信号は、フィードスルーブロック30におけるフィードスルー11を介して、フランジ12を通って移動する。コネクタ14、16は、制御されたインピーダンスの同軸ケーブル(以降簡単に「ケーブル」)20とフィードスルー11との間のインターフェースを提供する。コネクタ14、16の様々な構成が、米国特許第8,926,342号明細書、及び同9,160,151号明細書に記載されており、それら両方は、参照として本明細書に組み込まれている。構成のいくつかは、以下で要約される。1つのコネクタ14のみが、以降で参照される。
【0025】
コネクタ14は、いくつかの実施形態を有する。それらの代表的なものは、ケーブル20を固定するためのアンカーブロック88と、ケーブル信号導体22とフィードスルー11との間の電気接続を作るための、規格に準拠した信号接触部86と、ケーブルシールド26とフィードスルー11との間の電気接続を作るための、任意選択で規格に準拠した接地接触部87と、接触部86、87を保持するアンカーブロック88に取り付けられた、プレート89と、を有する。
【0026】
1つの構成において、アンカーブロック88は導電性であり、
図3のように恒久的に装着されたケーブル20のための、共通の接地を提供する。全てのケーブル20の接地シールド26は、アンカーブロック88における穴91で、アンカーブロック88に電気接続される。ハンダ付け、圧接、導電性接着剤を用いたポッティング、成形時において所定の位置のケーブル20を用いたアンカーブロック88のインサート成形、及び例えば予め錫メッキして硬化させた接地シールド26の、穴91への圧入、を含む、任意の適切な方法が使用され得る。
【0027】
一旦ケーブル20がアンカーブロック88に定着されると、アンカーブロック88の面92、信号導体22、及び誘電体24は、適切に整えられて、規格に準拠した接触部86、87との信頼できる電気接触を成す。アンカーブロック面92、信号導体22、及び誘電体24は、ケーブル中心導体22及び誘電体24が、アンカーブロック面92に対して公知の深さに、この場合はアンカーブロック面92と同一面に位置付けられるよう、ミリング、グラインディング、またはサンディングなど、何らかの機械的手段によって、研磨及び平坦化を必要とし得る。アンカーブロック面92及び信号導体22は、研磨した面を酸化から防ぐために、貴金属メッキも必要とし得る。そうしなければ劣化して、接触部86、87の、信号導体22及びアンカーブロック88への許容可能な電気接続を阻害する。
【0028】
別の構成において、アンカーブロック88は導電性、または取り外し可能に装着されたケーブル20のためのアンカーを提供するのみの非導電性、のいずれかである。ケーブル20をアンカーブロック88に、取り外し可能に装着する方法は、
図4~
図6に示される。これらの方法によって、個々のケーブル20を交換でき、したがってアセンブリ全体を交換する必要はない。
【0029】
図4に示される第1の方法は、ケーブル端部を整えるために、ケーブル20の端部または端部近くにフェルールを装着することを必要とする。シース28は剥ぎ取られ、ネジ山付きのフェルール94は、シールド26に被せられる。フェルール94は、ハンダ付け、圧接、またはフェルール94をシールド26に電気結合するための他の機械的手段によって、ケーブル20に装着される。フェルール面95、信号導体22、及び誘電体24は、次にアンカーブロック88を基準にして、上述のように整えられる。フェルール94は、信号導体22と信号接触部86との間の電気接続を生成するために、信号導体22が信号接触部86に対して押圧されるまで、アンカーブロック88におけるネジ山付きの穴96の中に通される。
【0030】
ケーブル20をアンカーブロック88に、取り外し可能に装着するための、第2の方法は、
図5に示されるようなツイストロック連結装置100の使用を必要とする。ツイストロック構成要素102は、ケーブル20に被せられ、それによって構成要素102はケーブル20上を自由に摺動できる。コイルバネ104は、ケーブル20に被せられる。シース28が剥ぎ取られた後、フェルール106は、ハンダ付け、圧接、またはフェルール106をシールド26に電気結合するための他の機械的手段によって、シールド26に装着される。フェルール面108、信号導体22、及び誘電体24は、次にアンカーブロック88を基準にして、上述のように整えられる。
【0031】
フェルール106/ケーブル20は、アンカーブロック88の穴110の中に挿入される。ツイストロック構成要素102からの突出部112は、穴110における管状凹部114と整合するまで、穴110の側部における、図示しない反対側のノッチに摺動して下がる。この整合によって、バネ104は、信号導体22と信号接触部86との電気接続を生成するために、信号導体22を信号接触部86まで押圧するように圧縮される。ツイストロック構成要素102は、突出部112が管状凹部114に取り込まれ、それによってケーブル20を穴110の中に保持する。
【0032】
ケーブル20をアンカーブロック88に、取り外し可能に装着する別の方法は、
図6に示される。フェルール120はケーブル20に装着され、上述のように整えられる。フェルール120は、
図6のように、フェルール120の端部124、または端部124から離されて、管状隆起部122を有する。アンカーブロック88は、底部セクション126及び上部セクション128の、2つのセクションを有する。底部セクション126におけるケーブル穴130の上端部は、管状溝132を有する。フェルール120/ケーブル20のアセンブリが、ケーブル穴130の中に挿入されると、隆起部122は、フェルール面134と、信号導体22と、誘電体24とを伴い、ブロック面92と同一面で溝132の中に嵌る。ブロックの上部セクション128は、底部セクション126に設定され、ネジ、クリップ、または任意の他の受け入れ可能な方法で装着される。上部セクション126は、フェルール120/ケーブル20のアセンブリを、アンカーブロック88に取り込む。任意選択で、隆起部122及び溝132を調整して、フェルール120/ケーブル20のアセンブリがケーブル穴130の中で回転するのを防止することができる。
【0033】
特に取り外し可能な連結装置を伴う、いくつかの状況において、信号導体22及び/または誘電体24は、アンカーブロック面92と正確に同一面にない場合があり、すなわちアンカーブロック面92の中に僅かに凹むか、または突出する。この凹みまたは突出は、0.05インチ程度とすることができる。本明細書及び特許請求の範囲は、用語「同一面」を、信号導体22及び誘電体24が、0.05インチ程度だけアンカーブロック面92の中に僅かに凹むか、または突出して、実質的に同一面であることを示すよう使用する。
【0034】
コネクタ14は、限定ではないがスキューコイル接触部、ファズボタン接触部、導電性ゴム接触部、及び導電性ストリップ接触部を含む、任意の数の様々な規格に準拠した接触部と共に使用するよう、設計することができる。
図3~
図8は、スキューコイル接触部との使用のために設計された、コネクタを示す。様々なタイプ及び構成のスキューコイル接触部が、米国特許第7,126,062号明細書、及びRe41,663に記載されており、それらの両方は、参照として本明細書に組み込まれている。簡潔に述べると、スキューコイル接触部は、導電性で、反対側に延びた一対のリード線を伴う、本質的に可撓性のワイヤを含む。これらのリード線は、コイル軸から角度が付いた方向に延びる。圧縮中、コイルのループは、互いに沿って摺動する間に、共に電気的に短絡する。
【0035】
図7及び
図8に示されるプレート89は、接触部86、87を保持し、導電性材料または電気絶縁材料で構成することができる。
【0036】
プレート89は、コネクタ14が組み立てられたとき、アンカーブロック面92に当接するブロック面154と、コネクタ14がフィードスルーブロック30に接続されたときに、全体的にフィードスルーブロック30に当接するフィードスルー面156と、を有する。一般的に、プレート89は、ネジ216によってアンカーブロック面92に装着される。
【0037】
図7に示されるように、信号接触部86は、プレート89の貫通アパーチャ160に取り込まれる。信号貫通アパーチャ160は、より大きい中央セクション166を有し、それは、ブロック面154における、より小さい信号ブロック開口部168、及びフィードスルー面156の、より小さい信号フィードスルー開口部170、に向けて狭くなる。接触部86のコイル140は、中央セクション166に取り込まれる。プレート89をアンカーブロック88に組み込む前に、信号接触部86のブロック接触点142は、信号ブロック開口部168から延びる。コネクタ14をフィードスルーブロック30に接続する前に、信号接触部86のフィードスルー接触点144は、信号フィードスルー開口部170から延びる。
【0038】
プレート89が導電性である場合、信号貫通アパーチャ160は、信号接触部86がプレート89に対して電気的短絡するのを防止する、絶縁プラグ162内にある。プラグ162は、一般的に絶縁プラスチックから作られる。プラグ162は、プレート89の信号貫通穴164の中に嵌る。
【0039】
プレート89がアンカーブロック88に組み込まれた後、各信号ブロック開口部168は、アンカーブロック88において対応したケーブル91と整合される。
【0040】
各接地接触部87は、接地貫通アパーチャ190の中に取り込まれる。各接地貫通アパーチャ190は、より大きい中央セクション192を有し、それは、ブロック面154における、より小さい接地ブロック開口部194、及びフィードスルー面156における、より小さい接地フィードスルー開口部196、に向けて狭くなる。接地接触部87のコイル146は、中央セクション192に取り込まれる。プレート89をアンカーブロック88に組み込む前に、接地接触部87のブロック接触点148は、接地ブロック開口部194から延びる。コネクタ14をフィードスルーブロック30に接続する前に、接地接触部87のフィードスルー接触点150は、接地フィードスルー開口部196から延びる。
【0041】
導電性材料で構成される場合、プレート89は接地接触部87と電気結合し、それによって、より正確なインピーダンス適合を信号接触部86に提供する。
【0042】
図7の構成において、プレート89は2つのミラー画像シート200、202を有する。底部シート200は、フィードスルー開口部170、196、及び中央セクション166、192の半分を有し、上部シート202は、ブロック開口部168、194、及び中央セクション166、192の半分を有する。接触部86、87は、一方のシート200の中央セクション166、192に設置され、シート200、202は、接触部86、87を取り込むために、共にサンドイッチ状にされる。
【0043】
図8の構成において、プレート89は、フィードスルー開口部170、196及び中央セクション166、192の全体を伴う、底部シート204と、ブロック開口部168のみを伴う上部シート206と、を有する。接触部86、87は、底部シート204の中央セクション166、192に設置され、シート204、206は、接触部86、87を取り込むために、共にサンドイッチ状にされる。
【0044】
絶縁プラグ162が使用される場合、それはプレート89の貫通穴164の中に圧入され得るか、または接着剤を用いて貫通穴164の中に接合され得る。代替として、
図7に示されるように、プラグ162は2つの部品174、176を有し、その各々は、1つのプレートシート200、202の中に適合する。噛み合う肩部178、180は、プラグ部品174、176をプレートシート200、202に保持する。代替として、
図8に示されるように、プラグ162は、下部部分182及び上部部分184を有し、それらはそれぞれ下部シート204及び上部シート206の中に適合する。噛み合う肩部186、188は、プラグ部品182、184をプレートシート204、206に保持する。
【0045】
上述のように、ファズボタン接触部を利用することができる。
図9に示されるように、ファズボタン接触部220は円筒形である。プレート89は、224のように、端部より中央が狭い貫通アパーチャ160を有する。接触部220は、アパーチャ160の中に強制的に入れられる。接触部220の長さは、端部226がプレート89から延びる程度である。
【0046】
上述のように、導電性ゴム接触部を利用することができる。
図10~
図12に示されるように、信号接触部86のための導電性ゴム接触部230は、中央に位置された管状凹部232を伴う円筒形とすることができる。プレート89は、中央に位置された管状突出部236を伴う貫通アパーチャ160を有する。導電性ゴム230は、径方向に圧縮され、アパーチャ160の中に設置され、それによって突出部236は、接触部230をアパーチャ160の中に保持するために、凹部232の中に適合する。接触部230の長さは、両端部238がプレート89から延びる程度である。
【0047】
接地接触部87のための導電性ゴム接触部は、信号接触部86と同じ構造とすることができる。代替として、接地接触部87のための導電性ゴム接触部242は、
図11のように、円形で信号接触部86を囲む。導電性ゴム接触部242は、アンカーブロック88に隣接した円形の上部シート244と、フィードスルーブロック30にインターフェースで接続するための円形の底部シート246と、を有する。2枚のシート244、246は、複数のプラグ248によって、プレート89の貫通アパーチャ250に電気接続される。プラグ248の数は、用途によって変化させることができ、一般的に、信号接触部230の周りに均等に離隔された、4つまたは8つである。信号接触部230を伴うように、各プラグ248は、保持のために管状突出部254の中に適合する、管状凹部252を有する。
図12のように、ノブ256が、シート244、246からプレート89の凹部258の中に延びて、シート244、246を所定の位置に保持する補助をする。
【0048】
上述のように、導電性ストリップ接触部を利用することができる。
図13~
図16において、接触部270は、C形状の導電性材料のストリップである。接触部は、化学エッチング、スタンピング及び成形、または任意の他の実用的手段によって、形成することができる。信号接触部270は、プレート89における貫通アパーチャ160の中に取り込まれる。それらが静止した状態において、接触部のリード線272は、
図15のように、プレート89の外側に延びる。アンカーブロック88がプレート89に装着されたとき、上部リード線272は、
図16のように、プレート89に向かって凹部276の中に変形し、それによって、信号接触部86によって信号導体22に、かつ接地接触部87によってアンカーブロック88に、電気接触を提供する。アセンブリがフィードスルーブロック30に接続されたとき、下部リード線274は、プレート89に向かって凹部278の中に変形する。
【0049】
上述のように、信号は、
図1、
図2、
図17、及び
図34に示されるように、フィードスルーブロック30におけるフィードスルー11を介して、フランジ12を通って移動する。ブロック30の第1の表面38は、第1の環境1を許容するよう設計され、ブロック30の第2の表面40は、第2の環境2を許容するよう設計される。
【0050】
フィードスルーブロック30は、フランジ12を通して2つの環境1、2の間に渡る各信号のための、フィードスルー11を有する。制御されたインピーダンスの信号を正確に渡すために、フィードスルー11は少なくとも3つの構成要素、すなわち信号結合部61、信号結合部61を囲んだ誘電体53、及び誘電体53を囲んだ接地結合部70、を必要とする。
【0051】
フィードスルー11は、2つの異なる構成を有し、それらはブロック30が構成される材料に基づいて異なる。ブロック30が電気絶縁材料で構成される場合、ブロック30自体は誘電体53として作用できる。ブロック30が導電性材料で構成される場合、別の誘電体53が必要になる。
【0052】
別の誘電体がないフィードスルー11が、
図18及び
図19に示される。フィードスルー11は、ブロック30の第1の表面38における第1の開口部44と、ブロック30の第2の表面40における第2の開口部45との間に延びた、ブロック30の信号貫通アパーチャ43を有する。
図19に示されるように、信号貫通アパーチャ43は一般的に円形であるが、他の形状とすることができる。
【0053】
信号結合部61は、各信号アパーチャ43を通って延びた、信号リンク62を含む。信号リンク62は、導電性ワイヤまたはピンであり、適用するのに適切な任意の導電性材料で構成することができる。一般的に、信号リンク62は、銅合金で構成される。1つの構成において、信号リンク62は、ニッケルの上に金メッキしたベリリウム銅で構成される。非磁性の信号リンク62が望ましい場合、金メッキしたベリリウム銅を使用することができる。信号リンク62は、信号リンク62が電気を伝えることができる限り、非導電性材料で構成することもできる。例えば、信号リンク62は、信号リンク62に導電性を与える導電性材料に埋め込まれるか、または導電性材料でコーティングされた、非導電性プラスチックまたは複合材料で、構成することができる。
【0054】
信号リンク62は、ブロックの第1の表面38に第1の端部65、及びブロックの第2の表面40に第2の端部66を有する。信号リンクの両端部65、66は、コネクタ14、16の信号接触部86のための、接触点である。任意選択で、信号両端部65、66は、対応したブロック表面38、40と同一面である。製造プロセスにおける不正確及び許容のため、信号リンクの両端部65、66は、対応したブロック表面38、40と正確に同一面にない場合がある。すなわちそれらは、対応したブロック表面38、40に僅かに凹むか、または突出し得る。一般的に、凹部は0.0005インチ以下であり、突出部は0.001インチ以下であるが、0.05インチ程度とする場合がある。突出部または凹部が、許容値よりも大きい場合、信号リンク端部65、66が、確実にブロック表面38、40に対して公知の深さ、この場合は接地ブロック面20と同一面にするために、影響を受ける信号リンク端部65、66、及び対応したブロック表面38、40を、ミリング、グラインディング、またはサンディングなどのいくつかの機械的手段によって、研磨及び平坦化することができる。研磨された両端部65、66は、酸化から防ぐために、貴金属メッキも必要とし得る。そうしなければ、劣化して受け入れ可能な電気接続を阻害する。
【0055】
本明細書及び特許請求の範囲は、用語「同一面」が、信号リンク両端部65、66が0.05インチ程度だけ、対応したブロック表面38、40の中に僅かに凹むか、または突出して、実質的に同一面であることを示す。
【0056】
信号リンク62は、機械的かつ電気的に、信号アパーチャ43に適切に適合できる断面形状を有する。図面において、信号アパーチャ43及び信号リンク62は、両方とも円形である。しかし、結合部が構造的に健全である限り、信号アパーチャ43及び信号リンク62は、異なる断面形状とすることができる。例えば、信号アパーチャ43を円形に、及び信号リンク62を八角形にすることができる。
【0057】
任意選択で、信号リンク62及び信号アパーチャ43は、設定中、または第1の環境1が第2の環境2よりも高圧である場合に、信号リンク62が信号アパーチャ43を通して押し込まれるのを防止するように、形状付けられる。一般に、信号リンクの第1の端部65の径は、信号アパーチャ43の径よりも大きい。
図20に示される1つの構成において、信号リンクの第1の端部65は、信号リンク62の残り部分及び信号アパーチャ43よりも大きい径を有する頭部63を有する。
図21に示される別の構成において、信号リンク62は円筒形ではなく円錐台形である。信号アパーチャ43は、信号リンク62が確実に信号アパーチャ43内にあるとき、各端部65、66が対応したブロック表面38、40にあるよう、噛み合うように形状付けられる。信号リンク62が信号アパーチャ43を通して押し込まれるのを防止する、任意の他の外形が、本発明によって意図される。
【0058】
接地結合部70は、以下で説明する。
【0059】
上記で示されたように、ブロック30が導電性材料で構成された場合、
図22~
図25に示されるように、別の誘電体53が必要とされる。別の誘電体53は、ブロック30が、必要な誘電特性を有さない電気絶縁材料で構成された場合にも、使用することができる。
【0060】
フィードスルー11は、ブロック30の第1の表面38における第1の開口部34と、ブロック30の第2の表面40における第2の開口部36との間に延びた、ブロック30のスペーサ貫通アパーチャ32を有する。
図23及び
図25に示されるように、スペーサ貫通アパーチャ32は、一般的に円筒形であるが、他の形状とすることができる。
【0061】
スペーサ貫通アパーチャ32内は、誘電スペーサ54の形態の誘電体53である。スペーサ54は、機械的かつ電気的に、スペーサアパーチャ32に適切に適合できる断面形状を有する。図面において、スペーサアパーチャ32及びスペーサ54は、両方とも円形である。しかし、スペーサ54が適切なインピーダンスを有し、かつ構造的に健全である限り、スペーサアパーチャ32及びスペーサ54は、異なる断面形状とすることができる。例えば、スペーサアパーチャ32を円形に、及びスペーサ54を八角形にすることができる。
【0062】
任意選択で、スペーサアパーチャ32及びスペーサ54は、設定中、または第1の環境1が第2の環境2よりも高圧である場合に、スペーサ54がスペーサアパーチャ32を通して押し込まれるのを防止するように、形状付けられる。一般に、スペーサ54の第1の面54は、スペーサアパーチャ32の第2の開口部36よりも大きい。
図24に示される1つの構成において、スペーサアパーチャ32は、肩部49を提供するために、48のような段差が付いた径を有する。スペーサ54は肩部49に当接して、スペーサ54が落下するか、またはスペーサアパーチャ32を通して押し込まれるのを防止する。別の構成において、スペーサ54は、
図21の信号リンク62と同様に、円筒形ではなく円錐台形である。スペーサアパーチャ32は、スペーサ54が確実にスペーサアパーチャ32内にあるとき、各端部56、57が、対応したブロック表面38、40対して適切に位置されるよう、噛み合うように形状付けられる。スペーサ54がスペーサアパーチャ32を通して押し込まれるのを防止する、任意の他の外形が、本発明によって意図される。
【0063】
スペーサ54が作られる材料は、用途によって選択される。スペーサ54の誘電率は、通常は50オームである所望のインピーダンス環境を生成する必要のある値を有するが、他のインピーダンスが望ましい場合がある。誘電率は、1.1~15の範囲とすることができるが、通常は約3~4である。一般的にスペーサ54は、工学プラスチック(ポリエーテルエーテルケトン、PEEK)であり、それは誘電率(Dk)値及びもたらされる信号整合性能から選ばれる。1つの構成において、Dkは3.3であり、フィードスルーのインピーダンスが50オームであるよう選択される。様々なDk値を、所望のインピーダンス、アパーチャ32の径、及び信号リンク62の径、に依存して使用することができる。
【0064】
スペーサ54は、1つまたは複数の信号貫通アパーチャ43を有し、それらはスペーサ54の、第1の面56における第1の開口部44と、第2の面57における第2の開口部45との間に延びる。同軸ケーブル20について、スペーサ54と軸方向に整合された、単一の信号アパーチャ43が存在する。2本以上の信号導体22を伴うケーブル20について、スペーサ54は、各信号導体22のための信号アパーチャ43を有し、信号アパーチャ43は、近軸上に整合され、かつ以下で説明するようにインピーダンスが適合するよう配置される。
【0065】
信号リンク62は、各信号アパーチャ43を通って延びる。上述のように、信号リンク62は導電性ワイヤまたはピンである。
【0066】
上述のように、信号リンク62は、ブロックの第1の表面38に第1の端部65、及びブロックの第2の表面40に第2の端部66を有する。任意選択で、信号両端部65、66は、対応したブロック表面38、40と同一面である。
【0067】
上述のように、信号リンク62は一般的に円形で、設定中、または第1の環境1が第2の環境2よりも高圧である場合に、信号リンク62が信号アパーチャ43を通して押し込まれるのを防止するように、形状付けることができる。
【0068】
本明細書の残り部分は、スペーサ54を伴う構成によって例示される。以下の説明は、適切な変更を伴ってスペーサ54のない構成にも適用されることを、理解されたい。
【0069】
任意選択で、アパーチャ32、スペーサ54、及び信号リンク62は、信号に適合したインピーダンスを提供するよう、サイズが決められる。その様に行う方法は、方程式、HFSS(高周波数構造シミュレータ)などのソフトウェアシミュレータを含み、当技術分野で公知である。主要パラメータは、材料、Dk値、及び寸法を含む。
【0070】
フィードスルーのために、正確なインピーダンスの適合を提供するため、誘電体53はシステムの接地プレーンによって囲まれなければならない。ブロック30が導電性である場合、接地信号のための特別な収納は必要ない。ブロック30自体は、コネクタ14、16の接地接触部87のための接触点である。
【0071】
非導電性ブロック30は、接地結合部70によって表面38、40間に接地信号を送らなければならない。これは、いくつかの異なる方法で実現することができる。
【0072】
1つの構成において、
図18及び
図28のように、接地結合部70は、ブロック30における接地アパーチャ72を通して延びる、別個の誘電導電性接地リンク71を含むことができる。接地リンク71は、
図19及び
図29のように、信号リンク62を囲み、それによって接地信号はスペーサ54/信号リンク62を囲む。信号リンク62を囲むために使用される、特定の数の接地リンク71、及び信号リンク62からのそれらの距離は、所望のインピーダンス環境、信号リンク62及びスペーサ54の径、ならびにブロック30及びスペーサ54が構成される材料など、特定の用途のパラメータによって判断されることになる。接地リンク71は、一般的に、アパーチャ32を囲む円の周りに等間隔で配置される。例えば、6つの接地リンク71が存在する場合、それらは
図19及び
図29の76において、60°離隔されることになる。
【0073】
接地リンク71は、導電性ワイヤまたはピンであり、適用するのに適切な任意の導電性材料で構成することができる。一般的に、接地リンク71は、銅合金で構成される。1つの構成において、接地リンク71は、ニッケルの上に金メッキしたベリリウム銅で構成される。非磁性の接地リンク71が望ましい場合、金メッキしたベリリウム銅を使用することができる。接地リンク71は、接地リンク71が電気を伝えることができる限り、非導電性材料で構成することもできる。例えば、接地リンク71は、接地リンク71に導電性を与える導電性材料に埋め込まれるか、または導電性材料でコーティングされた、非導電性プラスチックまたは複合材料で構成することができる。
【0074】
任意選択で、接地リンク71及び接地アパーチャ72は、設定中、または第1の環境1が第2の環境2よりも高圧である場合に、接地リンク71が接地アパーチャ72を通して押し込まれるのを防止するように、形状付けられる。信号リンク62を基準とした上述と同じ外形を、使用することができる。例えば、各接地リンクの第1の端部80は、
図20に示されるような、接地リンク71の残り部分よりも大きい径を伴う頭部78を有する。
【0075】
ブロック30が、PCB構造または他の誘電材料で構成されたとき、接地リンク71は、接地信号をブロック30に通して搬送するために、
図30の74のようなメッキされたブロック30を通した管73とすることができる。メッキした管73は、上述のように信号リンク62を囲み、一般的に
図30及び
図31のように、接地プレーン79を両表面38、40に接続する。メッキした管73は、それらを75において、エポキシなどのポッティング材料を充填することによって、またはハンダ付けによって、密閉封止される。
【0076】
接地リンクの両端部80、81は、コネクタ14、16の接地接触部87のための、接触点である。管73の場合において、メッキ74を、PCBの表面38、40に沿って水平方向に延ばして、接地接触部87のための接触点80、81を提供することができる。
【0077】
接地結合部70の別の構成において、
図32のように、導電性接地フェルール64は、ブロック30における接地フェルール貫通アパーチャ84に設定され、スペーサ54は、接地フェルール64のスペーサアパーチャ32に設定され、それによって接地フェルール64はスペーサ54を囲む。接地フェルールの第1の端部82、及び信号リンク62の第1の端部65は、同一面にあり、接地フェルール64の第2の端部83及び信号リンク62の第2の端部66は、同一面にある。用語(同一面)は、上述と同じ意味を有するよう意図され、フェルール端部82、83は、関連したブロック表面38、40の中に僅かに凹むか、または突出するが、実質的に同一面である。
【0078】
フェルールの両端部82、83は、コネクタ14、16の接地接触部87のための、接触点である。接地フェルール64は、設定されたスペーサ54とは異なる全高であってよい。好ましくは、フェルール面82、83及び信号リンクの両端部65、66は、対応したブロック表面38、40から突出し、それによって信号接触部86及び接地接触部89との、良好な圧縮接触を保証する。
【0079】
接地結合部70の別の構成において、スペーサアパーチャ32の壁41は、導電性材料でコーティングされる。例えば、ブロック30がPCBである場合、スペーサアパーチャ32は、
図33の77のように、メッキした管とすることができ、そこでメッキ77は地面に電気接続される。コーティング77は全ての壁41を覆うことができるか、または例えばブロック表面38、40間に延びたストライプなど、壁41の一部のみをコーティングすることができる。
【0080】
任意選択で、
図33に示される、スペーサアパーチャ32におけるメッキ77は、コネクタ14、16の接地接触部87のための接触点78を提供するために、PCBの表面に沿って水平方向に延ばすことができる。
【0081】
信号リンク62、接地結合部70、及び利用した場合のスペーサ54は、密閉封止で設定され、2つの環境1、2を密閉分離する。密閉封止は、1つまたは複数の、いくつか異なる方法で形成することができる。
【0082】
第1に、様々な構成要素は、対応したアパーチャの中に圧入され、隣接した構成要素間に空隙を残さない。例えば、信号リンク62は、信号アパーチャ43の中に圧入され、信号リンク62と、スペーサ54またはブロック30との間に空隙を残さない。任意選択で、スペーサ54は、僅かに圧縮可能な材料で構成され、それによってスペーサ54がスペーサアパーチャ32に設定されたときに、スペーサ54は、スペーサアパーチャ壁41に対して、かつ信号リンク62に対して膨張し、密閉封止を形成する。
【0083】
図24に示される、密閉封止を提供する第2の方法において、スペーサ54は、スペーサアパーチャ32よりも短く、それによってスペーサ54の両面56、57は、対応したブロック表面38、40から凹み、スペーサの第1の面56とブロックの第1の表面38との間の第1の空隙58、及びスペーサの第2の面57とブロックの第2の表面40との間の第2の空隙59、を残す。代替として、
図26のように、一方の面57のみがブロック表面40から凹んで、1つの空隙59のみを残し、反対側のスペーサ面56は、対応したブロック表面38に延びる。代替として、
図27のように、他方の面56のみがブロック表面38から凹んで、1つの空隙58のみを残し、反対側のスペーサ面57は、対応したブロック表面40に延びる。
【0084】
一方または両方の空隙58、59は、60においてポッティングされ、スペーサアパーチャ32及び信号リンク62の周りを封止し、それによって密閉封止を生成する。一般的なポッティング材料は、2液型エポキシであるが、所望の封止を提供し、環境から最小限の影響しか受けない任意の材料を使用することができる。適切な密閉封止を提供することになる、各空隙58、59の最小深さは、環境及びポッティング材料に依存する。1つの構成において、空隙の深さは概ね0.02インチ、及び0.01インチ以上である。
【0085】
図面のほとんどは、必要ではないが、ポッティング材料60がブロック表面38、40と同一面で示す。ポッティング材料60は、
図27のように、空隙58、59の中に凹ませることができる。ポッティング材料60は、当初液体であるため、その表面にメニスカス68を形成し得る。
【0086】
メッキした管73は、
図30における75のように、それらをポッティング材料で充填するか、またはハンダ付けすることによって、密閉封止される。
【0087】
ポッティングの1つの方法は、ブロック30の一方の表面40に減圧を適用することに関係し、減圧がポッティング材料60を反対側から引張ることによって、ポッティング材料60を強制的に、空隙58の中、ならびに信号リンク62とスペーサ54またはブロック30との間、スペーサ54とブロック30との間、及び各接地リンク71とブロック30との間など、構成要素間の全てのインターフェースに入れるのを可能にする。この減圧は、2つの環境1、2間の漏洩経路を提供し得る、全ての空間の中に、ポッティング材料60が強制的に入れられるのを保証する。当然ながら、この減圧を、他の表面38から、反対方向に適用することができる。
【0088】
ポッティングの別の方法において、圧力が一方の表面38、40においてポッティング材料に適用され、2つの環境1、2間に漏洩経路を提供し得る全ての空間の中に、ポッティング材料60を押し込む。
【0089】
圧入及びポッティング方法を、同時に利用することができる。例えば
図24の、より短いスペーサ54は、アパーチャ32の中に圧入されるようサイズが決められ、信号リンク62は信号アパーチャ43の中に圧入され、次に空隙58、59はポッティングされる。
【0090】
本発明は、フランジ12がブロック30であり、すなわちフィードスルー11は、
図34及び
図35のようにフランジ12自体を通して延びることを意図する。
【0091】
代替として、ブロック30は、フランジ12の開口部50の中に密閉封止された、独立した構成要素である。ブロック30を、コネクタ本体と類似のものとすることができるか、またはブロック30をプリント基板とすることができる。前者を用いると、
図36のように、フランジ12に取り付けられた2つ以上のブロック30が存在し得る。後者を用いると、
図36のように2つ以上のPCBを使用することができるが、
図37のように、一般的に単一のPCBがフランジ12の中に取り付けられる。ブロック30は、ネジまたは他の機械的手段など、適切な任意の手段によって、開口部50の中に取り付けられる。ブロック30とフランジ12との間の継目は、ポッティングして密閉封止を提供することができる。代替として、ガスケットを使用して密閉封止を提供することができる。
【0092】
コネクタ14、16は、フィードスルーブロック30に、取り外し可能に接続する。一般的な接続機構は、
図38に示される、ネジジャッキ290を介したものである。ネジジャッキ290は、アンカーブロック88の穴292を通して延び、フィードスルーブロック30のネジ山付きの穴294の中に進む。
【0093】
別の実施形態が、
図39~
図41に示される。フィードスルーブロック30は、コネクタ14のアンカーブロック88である。アンカーブロック88は、密閉封止を提供するために、Oリング210を用いてフランジ12の開口部50に取り付けられる。好ましくは、コネクタ14は、フランジ12から取り外し可能に取り付けられる。ネジジャッキ212は、フランジ12の穴214を通して延び、アンカーブロック88におけるネジ山付きの穴の中に進む。
【0094】
アンカーブロック88のケーブル穴91も、密閉封止される。ケーブル20が恒久的に装着された場合、装着手段(ハンダ付け、圧接、導電性接着剤を用いたポッティング、インサート成形)は、密閉封止を提供する。ケーブル20がケーブル穴91に、取り外し可能に装着された場合、ケーブル20が設定された後でケーブル穴91はポッティングされ、それらを密閉封止する。
【0095】
コネクタ14、16は、取り外し可能なコネクタ16に装着された単一のプレート89を用いて、互いに取り外し可能に接続する。一般的な接続機構は、ネジジャッキ290を介したものである。ネジジャッキ290は、取り外し可能なコネクタ16のアンカーブロック88の穴292を通して延び、
図41のように、フランジ12に取り付けられたコネクタ14のアンカーブロック88における、ネジ山付きの穴296の中に進む。
【0096】
本発明は、SMAまたはSMPを用いて成されるよりも、共により近い信号を意図しており、そのため、合計のチャネル密度を大幅に増加させる。信号間隔は、0.1インチ以下とすることができ、チャネルの密度を、当技術分野の現行の状態の2倍以上にする。
【0097】
材料及び構造は、環境圧力及びサイクルライフによる機械的完全性のために選ばれ、可能な限り漏洩率を最小限に抑え、意図した制御されたインピーダンス、及び最小のガス放出を保証する。ブロック30の厚さは、ブロック材料の機械的強度によって決められる。一方の環境が他方の環境とは異なる圧力である場合において、ブロック30は、適切な み合い面を保証するよう、例えば表面38、40の領域に渡って±0.01インチの比較的平坦のままにするために、十分な厚さとしなければならない。その他の場合、ブロック30の厚さは重要ではない。
【0098】
このように、密閉封止され、制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリを示し、かつ説明した。特定の変化が、本発明の範囲から逸脱することなく、本開示に成され得るので、前述の明細書で説明され、添付の図面に示された全ての事柄は、例示であり、限定ではないことが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の環境(1)及び第2の環境(2)の間における、制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)であって、
(a)前記第1の環境(1)を許容するよう設計された第1の表面(38)、及び前記第2の環境(2)を許容するよう設計された第2の表面(40)を有する、
導電性ブロック(30)と、
(b)前記第1の表面(38)及び前記第2の表面(40)の間に延びた、前記ブロック(30)の、少なくとも1つのフィードスルー(11)であって、
(1)前記第1の表面(38)と前記第2の表面(40)との間に延びた、スペーサ貫通アパーチャ(32)、
(2)第1の面(56)及び第2の面(57)を有する、前記スペーサ貫通アパーチャ(32)内の誘電体スペーサ(54)、
(
3)前記第1の面(56)と前記第2の面(57)との間に延びた、信号貫通アパーチャ(43)、及び、
(4)前記第1の表面(38)の第1の端部(65)、及び、前記第2の表面(40)の第2の端部(66)を有する、前記信号貫通アパーチャ(43)における硬質の導電性信号リンク(62)、
を含む、少なくとも1つのフィードスルー(11)と、
を備え、
(c)前記フィードスルー(11)は、
第1の空隙を形成する、前記第1の表面から凹んだ前記第1の面、及び、第2の空隙を形成する、前記第2の表面から凹んだ前記第2の面、のうち少なくとも一方によって、ならびに、ポッティング材料で充填された、前記第1の空隙及び前記第2の空隙のうち少なくとも一方によって、前記第1の環境(1)及び前記第2の環境(2)の間で密閉封止された、
制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項2】
前記ポッティング材料(60)はエポキシである、請求項
1に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項3】
前記ポッティング材料で充填された、前記第1の空隙(57)及び前記第2の空隙(58)は、少なくとも0.01インチの深さである、請求項
1または2に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項4】
前記スペーサ(54)及び前記スペーサアパーチャ(32)は、前記スペーサ(54)が、前記スペーサアパーチャ(32)を通して押し込まれるのを防止するよう形状付けられる、請求項
1~3のいずれか一項に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項5】
前記導電性信号リンク(62)及び信号貫通アパーチャ(43)は、前記導電性信号リンク(62)が前記信号スルーアパーチャ(43)を通して押し込まれるのを防止するよう形状付けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項6】
前記
導電性信号リンク(62)の前記第1の端部(65)は、前記信号貫通アパーチャ(43)の径よりも大きい径を有する頭部(63)を有する、請求項
5に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項7】
前記スペーサアパーチャ(32)は、肩部(49)を作り出す段差が付いた径(48)を有し、それによって前記第1の開口部(34)の径は、前記第2の開口部(36)の径よりも大きく、前記スペーサ(54)は前記肩部(49)に当接する、請求項
4に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【請求項8】
前記第1の環境(1)と前記第2の環境(2)とを分離するフランジ(12)をさらに備え、前記ブロック(30)は、前記フランジ(12)の開口部(50)内に取り付けられ、前記ブロック(30)と前記フランジ(12)との間の継目は密閉封止される、
請求項1~7のいずれか一項に記載の制御されたインピーダンスのフィードスルーアセンブリ(10)。
【国際調査報告】