(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】医療用潤滑剤塗布器
(51)【国際特許分類】
B05B 11/04 20060101AFI20221109BHJP
B05C 17/005 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B05B11/04 E
B05C17/005
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514251
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 AU2020050872
(87)【国際公開番号】W WO2021046591
(87)【国際公開日】2021-03-18
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509268624
【氏名又は名称】ホワイトリー コーポレイション ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】グラスビー, トレバー
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトリー, グレゴリー スチュアート
【テーマコード(参考)】
4F042
【Fターム(参考)】
4F042AA24
4F042AB00
4F042BA06
4F042BA12
4F042FA22
4F042FA29
4F042FA30
4F042FA35
4F042FA43
(57)【要約】
医療用潤滑剤塗布器であって、医療用潤滑剤を収容する容器に取り付けるようになっている供給ヘッドを備え、前記供給ヘッドが、(i)放出開口部を有するノズルであって、容器からの医療用潤滑剤が前記放出開口部から供給される、ノズルと、(ii)供給された医療用潤滑剤が塗布されることとなる医療器具の露出面とのガイド接触をもたらすようにノズルに対して配置されたガイド要素であって、操作中、ノズルの放出開口部を介して前記露出面に前記潤滑剤を塗布するために医療用潤滑剤が露出面の方に導かれている間に、ノズルが、前記露出面との接触を回避するように前記ガイド要素による補助によって医療器具の露出面から間隔を置いて配置される、ガイド要素と、を含む。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用潤滑剤塗布器であって、医療用潤滑剤を収容する容器に取り付けるようになっている供給ヘッドを備え、前記供給ヘッドが、
i)放出開口部を有し、前記容器からの前記医療用潤滑剤が前記放出開口部から供給される、ノズルと、
ii)供給された前記医療用潤滑剤が塗布されることとなる医療器具の露出面とのガイド接触をもたらすように前記ノズルに対して配置されたガイド要素であって、操作中、前記ノズルの前記放出開口部を介して前記露出面に前記潤滑剤を塗布するために前記医療用潤滑剤が前記露出面の方に導かれている間に、前記ノズルが、前記露出面との接触を回避するように前記ガイド要素による補助によって前記医療器具の前記露出面から間隔を置いて配置される、ガイド要素と、
を含む、医療用潤滑剤塗布器。
【請求項2】
前記ガイド要素が、前記医療器具の前記露出面から間隔を置いて前記ノズルを配置するように構成されたスペーサ部材に取り付けられた接触部材を含む、請求項1に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項3】
前記接触部材が、前記医療器具の前記露出面への前記医療用潤滑剤の塗布を容易にするために前記ノズルに対する前記医療器具の配置を補助するようにアーチ状断面に形成されている、請求項2に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項4】
前記接触部材が、前記露出面に対する損傷の可能性を低減しながら前記接触部材と前記医療器具の前記露出面との摺動接触を容易にするようになっている弾力性のある可撓性の材料で少なくとも部分的に形成されている、請求項2または3に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項5】
前記露出面への前記医療用潤滑剤の塗布を容易にするために前記医療器具の前記露出面を前記ノズルに対して横方向に配置するように前記スペーサ部材に取り付けられた別の接触部材を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項6】
前記別の接触部材が、前記医療器具の前記露出面を前記ノズルから間隔を置いて配置することを補助するようにアーチ状断面に形成されている、請求項5に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項7】
前記別の接触部材が、前記接触部材と前記医療器具のノズルの前記露出面との摺動接触を容易にするようになっている弾力性のある可撓性の材料で少なくとも部分的に形成されている、請求項5または6に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項8】
前記別の接触部材と前記接触部材とが、互いに連続して形成されている、請求項5~7のいずれか一項に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項9】
前記供給ヘッドが、前記容器への着脱可能な取り付けのための結合機構も含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項10】
前記結合機構が、ねじ嵌合部であり、前記供給ヘッドが、前記容器にねじ嵌合される、請求項9に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項11】
前記医療用潤滑剤塗布器が、再使用可能である、請求項9または10に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項12】
前記供給ヘッドが、前記放出開口部を閉鎖するために前記ノズルに取外し可能に取り付けるように構成されたキャップを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項13】
前記キャップが、一端が前記キャップに接続され、他端が前記結合機構に接続された可撓性の紐を介して、前記供給ヘッドに結合されている、請求項12に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項14】
医療用潤滑剤塗布器の供給ヘッドであって、前記供給ヘッドが、
1つ以上の放出開口部を有し、前記1つ以上の放出開口部から医療用潤滑剤が噴出される、噴出器と、
噴出された前記医療用潤滑剤が塗布されることとなる医療器具の露出面とのガイド接触をもたらすように前記噴出器に対して配置されたガイド要素であって、操作中、前記潤滑剤が、前記ガイド要素による補助によって、前記噴出器の前記1つ以上の放出開口部を介して前記露出面に前記潤滑剤を塗布するために前記医療器具の前記露出面の方に導かれる、ガイド要素と、
を備える、供給ヘッド。
【請求項15】
前記容器が、前記容器を圧搾すると前記医療用潤滑剤の一部を放出するようになっている可撓性の材料で少なくとも部分的に形成されている、請求項14に記載の医療用潤滑剤塗布器の供給ヘッド。
【請求項16】
前記容器が、弾力性のある可撓性の材料で構成されている、請求項15に記載の医療用潤滑剤塗布器の供給ヘッド。
【請求項17】
医療用潤滑剤塗布器であって、前記医療用潤滑剤塗布器が、
可撓性の材料で少なくとも部分的に形成され、医療用潤滑剤を収容するようになっている容器と、
前記容器に関連付けられ、前記容器を圧搾すると前記医療用潤滑剤の少なくとも一部を放出するように設計された供給ヘッドと、を備え、前記供給ヘッドが、
1つ以上の放出開口部を有し、前記容器を圧搾すると前記1つ以上の放出開口部から医療用潤滑剤が噴出される、噴出器と、
噴出された前記医療用潤滑剤が塗布されることとなる医療器具の露出面とのガイド接触をもたらすように前記噴出器に対して配置されたガイド要素であって、操作中、前記潤滑剤が、前記ガイド要素による補助によって、前記容器を手で圧搾すると、前記噴出器の前記1つ以上の放出開口部を介して前記露出面に前記潤滑剤を塗布するために前記医療器具の前記露出面の方に導かれる、ガイド要素と、
を含む、医療用潤滑剤塗布器。
【請求項18】
前記容器が、前記供給ヘッドと一体化されている、請求項17に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項19】
前記容器が、小袋またはカートリッジの形態である、請求項18に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項20】
前記医療用潤滑剤塗布器が、使い捨て式である、請求項18または19に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項21】
前記噴出器が、接触部材を含む前記ガイド要素と一体化されており、前記接触部材が、ノズルに直接取り付けられており、前記露出面に前記医療用潤滑剤を塗布するために前記医療器具の前記露出面との接触をもたらすように構成されている、請求項14~20のいずれか一項に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項22】
前記接触部材が、前記接触部材と前記医療器具の前記露出面との摺動接触を容易にするようにアーチ状断面に形成されている、請求項21に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項23】
アーチ状の前記接触部材が、前記露出面に対する損傷の可能性を低減しながら前記医療器具の前記露出面と摺動接触するために設計された弾力性のある可撓性の材料で形成されている、請求項22に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項24】
前記噴出器が、一対のアームを含む前記ガイド要素と一体化されており、前記一対のアームが、前記医療用潤滑剤が塗布されることとなる前記医療器具の前記露出面を少なくとも部分的に囲むように配置されている、請求項14~20のいずれか一項に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項25】
前記噴出器が、前記アームの各々の中に1つ以上の通路を含み、前記通路が、前記医療器具の前記露出面に前記医療用潤滑剤を塗布するために前記容器および前記1つ以上の放出開口部と流体連通している、請求項24に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項26】
前記一対のアームが、弾力性のある可撓性であることによって、前記医療用潤滑剤の前記塗布における摺動運動のために、前記医療器具の前記露出面を解放可能に囲むように設計されている、請求項24または25に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項27】
前記医療用潤滑剤塗布器が、手で操作される、請求項1~26のいずれか一項に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項28】
関連する前記容器を手で圧搾することによって、手で操作される前記塗布器が前記医療用潤滑剤を放出する、請求項27に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項29】
前記医療器具が内視鏡であり、前記露出面が、シースの長手方向セクションの一部、または前記内視鏡のシャフトの他の露出面である、請求項1~28のいずれか一項に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【請求項30】
前記露出面が、前記内視鏡の前記シャフトの遠位端領域または先端である、請求項29に記載の医療用潤滑剤塗布器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、広範には医療用潤滑剤塗布器に関し、より詳細には、限定はしないが、医療器具に医療用潤滑剤を塗布するための医療用潤滑剤塗布器の供給ヘッドを対象とする。
【背景技術】
【0002】
[0002]医療スタッフにとって、内視鏡または結腸鏡のシースをその挿入前に潤滑にすることは、一般的な慣行である。シースは、潤滑にされるシースのセクションに沿って移動される手袋をはめた手の中に放出されたゲルで、潤滑にされる。感染予防が極めて重要である臨床環境では、この慣行は、患者の感染をもたらす交差汚染の許容できないリスクを有するのであって、理想的ではない。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本発明の第1の態様によれば、
医療用潤滑剤塗布器であって、医療用潤滑剤を収容する容器に取り付けるようになっている供給ヘッドを備え、前記供給ヘッドが、
i)放出開口部を有し、容器からの医療用潤滑剤が前記放出開口部から供給される、ノズルと、
ii)供給された医療用潤滑剤が塗布されることとなる医療器具の露出面とのガイド接触をもたらすようにノズルに対して相対的に配置されたガイド要素であって、操作中、ノズルの放出開口部を介して前記露出面に前記潤滑剤を塗布するために医療用潤滑剤が露出面の方に導かれている間に、ノズルが、前記露出面との接触を回避するように前記ガイド要素による補助によって医療器具の露出面から間隔を置いて配置される、ガイド要素と、
を含む、医療用潤滑剤塗布器が提供される。
【0004】
[0004]好ましくは、ガイド要素は、医療器具の露出面から間隔を置いてノズルを配置するように構成されたスペーサ部材に取り付けられた接触部材を含む。より好ましくは、接触部材は、医療器具の露出面への医療用潤滑剤の塗布を容易にするためにノズルに対する医療器具の横方向の配置を補助するようにアーチ状断面に形成されている。さらにより好ましくは、接触部材は、前記露出面に対する損傷の可能性を低減しながら接触部材と医療器具の露出面との摺動接触を容易にするようになっている弾力性のある可撓性の材料で少なくとも部分的に形成されている。
【0005】
[0005]追加的または代替的に、ガイド要素は、前記露出面への医療用潤滑剤の塗布を容易にするために医療器具の露出面をノズルに対して横方向に配置するようにスペーサ部材に取り付けられた別の接触部材を含む。この実施形態では、別の接触部材は、医療器具の露出面をノズルから間隔を置いて配置することを補助するようにアーチ状断面に形成され得る。この場合、別の接触部材は、接触部材と医療器具のノズルの露出面との摺動接触を容易にするようになっている弾力性のある可撓性の材料で少なくとも部分的に形成されている。この実施形態の変形では、別の接触部材と接触部材とは、互いに連続して形成されている。
【0006】
[0006]好ましくは、供給ヘッドは、容器への着脱可能な取り付けのための結合機構も含む。より好ましくは、結合機構は、ねじ嵌合部であり、供給ヘッドは、容器にねじ嵌合される。これらの実施形態では、医療用潤滑剤塗布器は、再使用可能である。
【0007】
[0007]好ましくは、供給ヘッドは、放出開口部を閉鎖するためにノズルに取外し可能に取り付けるように構成されたキャップを含む。より好ましくは、キャップは、一端がキャップに接続され、他端が結合機構に接続された可撓性の紐を介して、供給ヘッドに結合されている。
【0008】
[0008]本発明の第2の態様によれば、医療用潤滑剤塗布器の供給ヘッドであって、前記供給ヘッドが、
1つ以上の放出開口部を有し、前記1つ以上の放出開口部から医療用潤滑剤が噴出される、噴出器と、
噴出された医療用潤滑剤が塗布されることとなる医療器具の露出面とのガイド接触をもたらすように噴出器に対して配置されたガイド要素であって、操作中、前記潤滑剤が、ガイド要素による補助によって、噴出器の1つ以上の放出開口部を介して前記露出面に前記潤滑剤を塗布するために医療器具の露出面の方に導かれる、ガイド要素と、
を備える、供給ヘッドが提供される。
【0009】
[0009]好ましくは、容器は、容器を圧搾すると医療用潤滑剤の一部を放出するようになっている可撓性の材料で少なくとも部分的に形成されている。より好ましくは、容器は、弾力性のある可撓性の材料で構成されている。
【0010】
[0010]本発明の第3の態様によれば、
医療用潤滑剤塗布器であって、前記医療用潤滑剤塗布器が、
可撓性の材料で少なくとも部分的に形成され、医療用潤滑剤を収容するようになっている容器と、
容器に関連付けられ、容器を圧搾すると医療用潤滑剤の少なくとも一部を放出するように設計された供給ヘッドと、を備え、前記供給ヘッドが、
1つ以上の放出開口部を有し、容器を圧搾すると前記1つ以上の放出開口部から医療用潤滑剤が噴出される、噴出器と、
噴出された医療用潤滑剤が塗布されることとなる医療器具の露出面とのガイド接触をもたらすように噴出器に対して配置されたガイド要素であって、操作中、前記潤滑剤が、ガイド要素による補助によって、容器を手で圧搾すると、噴出器の1つ以上の放出開口部を介して前記露出面に前記潤滑剤を塗布するために医療器具の露出面の方に導かれる、ガイド要素と、
を含む、医療用潤滑剤塗布器が提供される。
【0011】
[0011]好ましくは、容器は、供給ヘッドと一体化されている。より好ましくは、容器は、小袋またはカートリッジの形態である。これらの実施形態では、医療用潤滑剤塗布器は、使い捨て式である。
【0012】
[0012]好ましくは、噴出器は、接触部材を含むガイド要素と一体化されており、前記接触部材は、ノズルに直接取り付けられており、前記露出面に医療用潤滑剤を塗布するために医療器具の露出面との接触をもたらすように構成されている。より好ましくは、接触部材は、接触部材と医療器具の露出面との摺動接触を容易にするようにアーチ状断面に形成されている。さらにより好ましくは、アーチ状の接触部材は、弾力性のある可撓性の材料で形成されており、かつアーチ状の接触部材は、前記露出面に対する損傷の可能性を低減しながら医療器具の露出面と摺動接触するように設計されている。
【0013】
[0013]あるいは、噴出器は、一対のアームを含むガイド要素と一体化されており、前記一対のアームは、医療用潤滑剤が塗布されることとなる医療器具の露出面を少なくとも部分的に囲むように配置されている。この実施形態では、噴出器は、アームの各々の中に1つ以上の通路を含み、前記通路は、医療器具の露出面に医療用潤滑剤を塗布するために容器および1つ以上の放出開口部と流体連通している。この場合、一対のアームが、弾力性のある可撓性であることによって、医療用潤滑剤の塗布における摺動運動のために、医療器具の露出面を解放可能に囲むように設計されている。
【0014】
[0014]好ましくは、医療用潤滑剤塗布器は、手で操作される。より好ましくは、関連する容器を手で圧搾することによって、手で操作される塗布器は、医療用潤滑剤を放出する。
【0015】
[0015]好ましくは、医療器具は内視鏡であり、露出面は、シースの長手方向セクションの一部、または内視鏡のシャフトの他の露出面である。より好ましくは、露出面は、内視鏡のシャフトの遠位端領域または先端である。
【0016】
[0016]本発明の文脈における医療器具は、内視鏡に限定されず、結腸鏡、および典型的には人体への挿入を意図した細長い管状要素を含む他の医療器具にまで及ぶことが、理解されるべきである。
【0017】
[0017]本発明の性質のより良い理解を達成するために、医療用潤滑剤塗布器の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して単に例としてここで説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】本発明の一態様の第1の実施形態による、供給ヘッドの斜視図である。
【
図1B】本発明の一態様の第1の実施形態による、本来の場所の医療用潤滑剤塗布器の斜視図である。
【
図2A】本発明の前記一態様の第2の実施形態による、供給ヘッドの斜視図である。
【
図2B】本発明の前記一態様の第2の実施形態による、本来の場所の医療用潤滑剤塗布器の立面図である。
【
図3A】本発明の前記一態様の第3の実施形態による、供給ヘッドの斜視図である。
【
図3B】本発明の前記一態様の第3の実施形態による、本来の場所の医療用潤滑剤塗布器の斜視図である。
【
図4A】本発明の別の態様の第1の実施形態による、供給ヘッドの斜視図である。
【
図4B】本発明の別の態様の第1の実施形態による、本来の場所の医療用潤滑剤塗布器の立面図である。
【
図5A】本発明の前記別の態様の第2の実施形態による、本来の場所の医療用潤滑剤塗布器の斜視図である。
【
図5B】本発明の前記別の態様の第2の実施形態による、本来の場所の医療用潤滑剤塗布器の立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0018]
図1Aおよび
図1Bは、本発明の一態様の第1の実施形態の医療用潤滑剤塗布器10を示す。医療用潤滑剤塗布器10は、本発明のこの態様の、この実施形態および他の実施形態では、手で操作され、それによって医療用潤滑剤11は、関連する容器12を手で圧搾することによって放出される。医療用潤滑剤11は、概して、内視鏡などの医療器具に塗布されるゲルの形態である。この用途では、内視鏡は、医療用潤滑剤11が塗布される外部シース16または他の露出面を含む、シャフト14を含む。
【0020】
[0019]この実施形態の医療用潤滑剤塗布器10は、容器12に取り付けるようになっている供給ヘッド18を備える。この例の供給ヘッド18は、
1.放出開口部22を有するノズル20であって、前記放出開口部22から医療用潤滑剤11が供給される、ノズル20と、
2.内視鏡または他の医療器具の、シャフト14の、露出面またはシース16とのガイド接触をもたらすように、ノズル20に対して配置されたガイド要素24と、を含む。
【0021】
[0020]使用中、ノズル20は、ガイド要素24による補助によって、医療器具のシャフト14から間隔を置いて配置されている。この間隔は、潤滑剤11がシャフト14に塗布されている間、ノズル20とシャフト14の間の接触を回避することにおいて有効である。間隔またはエアギャップは、内視鏡シース16上に絞り出される潤滑剤11の、汚染のリスクを低減することを意図している。ノズル20は、医療用潤滑剤11がシャフト14の露出面またはシース16の方に導かれてこぼれの可能性を低減するように、ガイド要素24に対して配置されている。
【0022】
[0021]この実施形態のガイド要素24は、ノズル20を医療器具のシース16から間隔を置いて配置するように構成されたスペーサ部材28に取り付けられた接触部材26を含む。接触部材26は、アーチ状断面に形成されているか、またはこの例ではシャフト14のシース16と実質的に相補的である。アーチ状の接触部材26は、ノズル20に対するシャフト14の横方向の配置を補助して、ノズル20をシャフト14と実質的に位置合わせして、医療器具のシース16への医療用潤滑剤11の塗布を容易にすることが理解されよう。この実施形態では、接触部材26は、シース16に対する損傷の可能性を低減しながら接触部材26と医療器具のシース16との摺動接触を容易にする、Santoprene(商標)または他の熱可塑性材料などの弾力性のある可撓性の材料で形成されている。この例における接触部材26は、Santoprene(商標)または他の適切な材料でオーバーモールディングされてもよい。
【0023】
[0022]この実施形態の供給ヘッド18は、容器12の相補的なねじ嵌合部にねじ嵌合するための、ねじ嵌合部を含む。医療用潤滑剤塗布器10は、再使用可能な設計のものであり、前記設計において、容器12から医療用潤滑剤を空にすると、それを、典型的には同じ供給ヘッド18での再使用のために、再充填することができる。例えば、容器12は、おおよそ、医療器具のシース16を潤滑にすることにおける複数回の使用に役立つ500ml容量のものであってもよい。シャフト14を十分に潤滑にするための潤滑剤の各放出は、内視鏡を伴うその用途において、約5ml~20mlのいずれかであり得ることが期待される。
【0024】
[0023]この実施形態の供給ヘッド18はまた、放出開口部22を閉鎖するためにノズル20に取外し可能に取り付けるように構成された、キャップ30を含む。キャップ30は、一端がキャップ30に接続され、他端が供給ヘッド18の外周に接続された可撓性の紐32を介して、供給ヘッド18に結合されている。キャップ30は、ノズル20に取り付けられているときは、潤滑剤塗布器10が使用中でないかまたは運搬中であるときに、ノズル20のこぼれおよび/または汚染を防止することが理解されよう。
【0025】
[0024]操作中、医療用潤滑剤塗布器10のガイド要素24は、内視鏡または他の医療器具のシャフト14に沿って移動され、容器は、典型的には略垂直に配置されている。医療用潤滑剤11は、重力の影響下で、および/または容器12を圧搾することに関連して、シャフト14から間隔を置いて配置されたノズル20の放出開口部22から放出され得る。シャフト14に対する塗布器10のこの摺動運動は、典型的には、シース16上に潤滑剤11の連続ビードを与える。この実施形態の接触部材26の弾力性のある可撓性の材料は、医療器具のシャフト14のシース16との摺動接触を可能にしながら、把持する。この構成は、ノズル20および放出される潤滑剤11がシャフト14と実質的に位置合わせされてこぼれを最小限にすることを確実にする。シース16の、その露出した周縁の辺りでの必要な潤滑剤コーティングは、手袋をはめた手を使用して潤滑剤11のビードをこするかまたは塗りつけることによってもたらされることが期待される。内視鏡シース16への潤滑剤ゲル11のいずれの塗布の後にも、ガイド要素24の接触部材26または他の露出面がきれいに拭われることが、期待される。
【0026】
[0025]任意的に、ノズル20は、潤滑剤ゲルを含む容器への汚染物質(特に微生物汚染物質)の侵入を防止するための、デバイスを含んでもよい。そうでなければ、汚染物質のこの侵入は、ボトルまたは他の容器12に潤滑剤11が吸い込まれる場合に、シース16への潤滑剤ゲル11の塗布中または塗布後に起こり得る。このデバイスは、ソフトフラップもしくはダックビル型弁などの一方向弁、または、ノズル20に含まれかつ銀、銅、もしくは亜鉛などの殺生物性金属から構成されたグリッドもしくは同様のものなどの殺生物性構成体を備え得る。
【0027】
[0026]
図2Aおよび
図2Bは、本発明の前述の態様の医療用潤滑剤塗布器100の第2の実施形態を示す。参照の容易さのために、および繰り返しを避けるために、前述の実施形態に略対応するこの実施形態の構成要素は、同じ参照番号で示されて追加の「0」を含む。例えば、この第2の実施形態の供給ヘッドは、第1の実施形態の供給ヘッドに略対応し、そのようなものとして、180として参照されている。
【0028】
[0027]第2の実施形態の医療用潤滑剤塗布器100および供給ヘッド180は、
1.医療器具のシース16または他の露出面をノズル200に対して横方向に配置するようにスペーサ部材290に取り付けられた接触部材270を第2の実施形態のガイド要素240が含むことと、
2.接触部材270が、アーチ状断面に形成されており、シース16に対する相補的な形状の面を有し、前記相補的な形状の面が、シャフト14を塗布器100のノズル200から間隔を置いて配置することを補助することと、の限りにおいて第1の実施形態から外れる。
【0029】
[0028]
図3Aおよび
図3Bは、本発明の前述の態様の医療用潤滑剤塗布器1000の第3の実施形態を示す。この第3の実施形態は、効果的には第1の実施形態と同じであるが、ノズル2000に対する医療器具のシャフト14の横方向の配置が、改善されている。これは、第1の実施形態の接触部材を再構成することによって達成され、それによって、この第3の実施形態の、接触部材2600は、シャフト14のシース16を効果的にカップ状に取り囲んで、それをノズル2000から分離することをノズル2000に対してシャフト14を横方向に配置することと同時に行って、医療用潤滑剤の塗布を効果的に導く。この例では、接触部材2600は、略半円形断面に形成されており、医療器具のシャフト14の露出したシース16と相補的である。この第3の実施形態の医療用潤滑剤塗布器1000は、他の点では第1の実施形態と略同じ構成のものである。
【0030】
[0029]
図4Aおよび
図4Bは、本発明の別の態様による医療用潤滑剤塗布器50の第1の実施形態を示す。塗布器50は、前述の実施形態の塗布器と同様であり、より一般的に、
1.可撓性の材料で形成され、医療用潤滑剤を収容するようになっている容器52と、
2.容器52に関連付けられており、容器52を圧搾すると医療用潤滑剤の少なくとも一部を放出するように設計された供給ヘッド54と、を備える。
【0031】
[0030]供給ヘッド54は、一対のアーム62aおよび62bの形態のガイド要素60と一体化された、噴出器58を含む。この実施形態では、アーム62a/bは、内視鏡などの医療器具のシャフト14の周りに解放可能に配置されるように設計された、弾力性のある可撓性の材料で構成されている。この例の噴出器58は、
1.64aおよび64bなどの1つ以上の放出開口部であって、容器52を圧搾すると前記1つ以上の放出開口部から医療用潤滑剤が噴出される、1つ以上の放出開口部と、
2.容器52と流体連通してかつ放出開口部64a/bのうちの1つ以上と流体連通する、アーム62a/bの各々の中の1つ以上の通路(図示せず)と、を含む。
【0032】
[0031]使用中、医療用潤滑剤塗布器50は、医療器具のシャフト14の露出したシース16を囲む一対のアーム62a/bと共に、その潤滑化に備えて配置されている。供給ヘッド54が医療器具のシャフト14に沿って移動されるのと同時に、容器52は、次いで手で圧搾されて、64a/bなどの放出開口部から医療用潤滑剤を噴出する。ガイド要素60は、シース16または他の露出面への医療用潤滑剤の塗布中に、供給54と医療器具または内視鏡のシャフト14とのガイド接触をもたらす。
【0033】
[0032]この第1の実施形態の容器52は、供給ヘッド54に着脱可能に取り付けられてもよいし、供給ヘッド54と一体化されていてもよい。容器52が供給ヘッド54と一体化されている場合、容器52は、内視鏡のシャフトの遠位端領域または先端を潤滑にするための10mlの潤滑剤などの、1つの医療器具への単回の使用または塗布にのみ十分な比較的少ない一定の量の医療用潤滑剤を含む小袋またはカートリッジ52の形態であることが好ましい。この例では、小袋またはカートリッジ52が供給ヘッド54と一体化されている場合、医療用潤滑剤塗布器50は、使い捨て式である。
【0034】
[0033]
図5Aおよび
図5Bは、本発明のこの別の態様による医療用潤滑剤塗布器80の第2の実施形態を示す。潤滑剤塗布器80は、前述の実施形態に対して、同様の構成のものであるがより単純化された設計のものである。特に、塗布器は、供給ヘッド82を含み、前記供給ヘッド82は、単一の放出開口部またはオリフィス86の形態の、噴出器84を有する。噴出器84は、医療器具のシャフト14のシース16との相補的な接触をもたらすように構成された凹形状の接触面90によって形成された、ガイド要素88と一体化されている。凹形状の接触面90は、供給ヘッド82と医療器具のシャフト14との摺動接触を容易にする。先の実施形態と同様に、接触面90は、医療用潤滑剤が直接塗布されるシース16に対する損傷の可能性を低減するように設計された、弾力性のある可撓性の材料で形成されている。
【0035】
[0034]この第2の実施形態では、供給ヘッド82は、医療用潤滑剤の比較的小さい単回投与容量を有する、適切な容器92と一体化されている。この場合、容器92は、小袋またはカートリッジ92の形態であり、前述の実施形態と同様に、医療用潤滑剤塗布器は、使い捨て式である。
【0036】
[0035]医療用潤滑剤塗布器の好ましい実施形態を説明したので、それらが少なくとも以下の利点を有することは当業者に明らかであろう。
1.本発明の第1の態様の潤滑剤塗布器および供給ヘッドは、ノズルと医療器具の間の接触を防止し、したがって交差汚染および感染のリスクを低減する。
2.特に本発明の第1の態様の、供給ヘッドは、従来の容器または圧搾可能なボトルへの、着脱可能な取り付けに適しており、したがって再使用可能である。
3.単回使用かつ使い捨て式の設計の本発明の第2の態様の医療用潤滑剤塗布器は、感染防止に効果的である。
4.医療用潤滑剤塗布器と供給ヘッドの両方の態様は、ノズルであって、前記ノズルから医療用潤滑剤が供給されるノズルに対して、シャフトまたは他の医療器具をガイドすることにおいて効果的であり、それによって前記潤滑剤のこぼれを最小限にする。
【0037】
[0036]当業者は、本明細書に記載の本発明には、具体的に記載されたもの以外の変形および修正の余地があることを理解するであろう。例えば、ノズルまたは噴出器を介した、医療器具への医療用潤滑剤の導かれた塗布をガイド要素が補助する限り、供給ヘッドのガイド要素は、その形状および/または構成が異なってもよい。ノズルまたは噴出器も、それが容器から医療器具の露出面への医療用潤滑剤の送達を可能にする限り、記載および図示されたものと異なってもよい。すべてのそのような変形および修正は、本発明の範囲内で考慮されるべきであり、その性質は、前述の記載から決定されるべきである。
【国際調査報告】