(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】エナメル被覆領域と下地層とを含むガラスシート
(51)【国際特許分類】
C03C 17/34 20060101AFI20221109BHJP
B60J 1/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
C03C17/34 Z
B60J1/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514459
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(85)【翻訳文提出日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 EP2020074706
(87)【国際公開番号】W WO2021043954
(87)【国際公開日】2021-03-11
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ジャマール,ジュリエット
【テーマコード(参考)】
4G059
【Fターム(参考)】
4G059AA01
4G059AB06
4G059AB11
4G059AC08
4G059AC24
4G059CB02
4G059CB05
4G059CB09
4G059GA01
4G059GA05
4G059GA06
4G059GA12
(57)【要約】
本発明は、不透明のエナメル層でコーティングされるエナメル被覆領域とエナメル被覆されない領域とを含む面を有するガラスシートを含む材料であって、エナメル層ではない下地層が、エナメル被覆領域の少なくとも一部にだけ、前記エナメル層の下にかつ前記エナメル層に接触して配置される材料を対象とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不透明のエナメル層でコーティングされるエナメル被覆領域とエナメル被覆されない領域とを含む面を有するガラスシートを含む材料であって、エナメル層ではない下地層が、エナメル被覆領域の少なくとも一部にだけ、前記エナメル層の下にかつ前記エナメル層に接触して配置される材料。
【請求項2】
エナメル被覆領域が、コーティングされる面の面積の2~25%を占め、また特に周縁バンドの形態をしている、請求項1に記載の材料。
【請求項3】
エナメル被覆されない領域が、コーティングされない、請求項1または2に記載の材料。
【請求項4】
下地層が、ガラスシートに接触している、請求項1から3のいずれか一つに記載の材料。
【請求項5】
下地層が、エナメル被覆領域の一部のみに配置される、請求項1から4のいずれか一つに記載の材料。
【請求項6】
下地層が、エナメル被覆領域の全体に配置される、請求項1から4のいずれか一つに記載の材料。
【請求項7】
下地層が、酸化物、窒化物またはオキシ窒化物をベースとし、特に酸化ケイ素をベースとする、請求項1から6のいずれか一つに記載の材料。
【請求項8】
下地層が、着色されていない、請求項1から7のいずれか一つに記載の材料。
【請求項9】
下地層が、単層である、請求項1から8のいずれか一つに記載の材料。
【請求項10】
下地層が、ゾル-ゲル層である、請求項1から9のいずれか一つに記載の材料。
【請求項11】
ゾル-ゲル層が、酸化ケイ素をベースとし、さらにはそれから成る、請求項10に記載の材料。
【請求項12】
下地層の厚さが、10nmと1μmとの間に含まれる、請求項1から11のいずれか一つに記載の材料。
【請求項13】
ガラスシートの面の一部への下地層の被着、ついで少なくとも下地層で覆われた領域内への不透明のエナメル層の被着を含む、請求項1から12のいずれか一つに記載の材料の獲得方法。
【請求項14】
下地層の被着が、ゾル-ゲル法によって、陰極スパッタリングによって、または化学気相成長によって行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一つに記載の材料を含む、特にリヤウインド、ルーフまたはフロントガラスである、自動車用グレージング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グレージングの分野、特に、リヤウインド用や自動車ルーフ用グレージングのような、自動車用グレージングの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなグレージングは多くの場合、急冷強化処理したただ一枚のガラスシートを含む1枚のグレージングである。それはまた、2枚のガラスシートが積層体の中間層によって粘着して結びついた積層グレージングであることもできる。積層体の中間層は、特に、破損の場合のガラスの破片を引き留めることを可能にするが、しかしまた、特に侵入耐性や音響特性改善という観点からの、他の機能性ももたらす。
【0003】
通常ならば黒色かつ不透明であるエナメル層が、概して、紫外線放射から車体の開口部内でのグレージングの固定および位置決めに役立つポリマーシールを隠して守ることを目的とした周縁バンドの形態で、しばしばグレージングの一部の上に被着される。1枚のグレージングにおいて、エナメル層は通常ならば、面2に、つまり車室側に配置される。積層グレージングにおいて、エナメル層は概して、面2に、つまり積層体の中間層と接触して配置される。
【0004】
エナメルは概して、ガラスフリットおよび顔料を含む組成物の、500℃超での硬化によって得られる。硬化工程は概して、ガラスシートの曲げ加工および/または強化処理と同時に行われる。
【0005】
エナメル層の存在が、コーティングされたガラスの機械的強度の低下の原因となることが観察された。エナメル層(空隙、顔料)における不均一性の存在が、下にあるガラス内に伝播し得る亀裂の発生を助長するようである。エナメルの熱膨張率とガラスの熱膨張率との間の差、およびガラスとエナメル間の種の拡散はまた、エナメル被覆されたガラスを局所的に弱体化させる残留応力の生成も招く。
【0006】
この局所的弱体化は、機械的応力または熱機械的応力の影響を受けて、例えば衝撃(小砂利、雹など)または急激な温度変化の影響を受けて、グレージングの破損を招く可能性がある。
【0007】
国際公開第2018/220325号は、エナメルを、ケイ酸塩をベースとする塗料に替えることによってこの問題を解決しているが、このことはしかしながらグレージングの製造プロセスを変更することを余儀なくさせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、より高い機械的強度を有するエナメル被覆されたグレージングを提案することによって、これらの不都合がないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その目的のために、本発明は、不透明のエナメル層でコーティングされるエナメル被覆領域とエナメル被覆されない領域とを含む面を有するガラスシートを含む材料であって、エナメル層ではない下地層が、エナメル被覆領域の少なくとも一部にだけ、前記エナメル層の下にかつ前記エナメル層に接触して配置される材料を対象とする。
【0011】
本発明はまた、ガラスシートの面の一部への下地層の被着、ついで少なくとも下地層で覆われた領域内への不透明のエナメル層の被着を含む、そのような材料の獲得方法も対象とする。
【0012】
本発明は最後に、本発明に係る材料を含む、特にリヤウインド、ルーフまたはフロントガラスである、自動車用グレージングを対象とする。
【0013】
ガラスシートは好ましくは、ソーダ石灰シリカガラス製である。ガラスシートは有利には、フロート法によって得られる。しかしながら他のガラス組成物、例えばホウケイ酸やアルミノケイ酸タイプの組成物が可能である。
【0014】
ガラスシートは、透明なガラス製または薄く着色されたガラス製であり得るが、好ましくは、例えば緑色、灰色または青色の薄く着色されたガラス製であり得る。そうするために、ガラスシートの化学組成は有利には、0.5~2.5%の重量含有率で酸化鉄を含む。それはまた、酸化コバルト、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化エルビウム、あるいはまたセレンのような、他の着色剤を含むこともできる。
【0015】
ガラスシートは、好ましくは0.7~5mm、特に1~4mm、さらには1.5~3mmの厚さを有する。ガラスシートは好ましくは、少なくとも1m2の面積を有する。
【0016】
ガラスシートは、平らまたは凸形であり得る。それは概して、下地層およびエナメル層の被着工程の際には平らである。それは次に好ましくは曲げられて、したがって最終的なグレージングにおいて凸形を有する。
【0017】
エナメル被覆される領域は好ましくは、コーティングされる面の面積の2~25%、特に3~20%、さらには5~15%を占める。エナメル被覆領域は好ましくは、周縁バンドの形態をしている。「周縁バンド」とは、ガラスシートの周縁の各点から、典型的には1~20cmである特定の幅でガラスシートの内側の方へ広がる、それ自体の上に閉じられるバンドを意味する。
【0018】
エナメル被覆されない領域は概して、コーティングされない(換言すれば、ガラスは被覆がなく、いかなる層にも覆われていない)。あるいはそれは、特に酸化インジウムスズまたはドープした酸化スズもしくは酸化亜鉛のような透明導電性酸化物(TCO)ベースまたは銀ベースの、低放射率層を例えば含む、薄層の積み重ねでコーティングされることができる。
【0019】
下地層は、エナメル被覆領域の少なくとも一部にだけ配置される。それはつまり、エナメル被覆されない領域には存在しない。
【0020】
下地層は、エナメル層の下にかつエナメル層に接触して配置される。好ましくは、下地層は、ガラスシートに接触している。
【0021】
この下地層の存在は、本明細書の続きにおいて明らかにされるように、グレージングの機械的強度を改善することを可能にする。
【0022】
第一の実施形態によると、下地層は、エナメル被覆領域の一部のみに配置される。下地層で覆われる領域は好ましくは、エナメル被覆領域の面積の1~90%、特に2~60%、さらに3~40%、さらには4~10%を占める。この場合、本明細書の続きにおいてより詳細に説明されるように、非常に局所的な、例えば電気コネクタの溶接領域における、弱体化を回避することが望まれている。
【0023】
第二の実施形態によると、下地層は、エナメル被覆領域の全体に配置される。この場合、エナメル被覆領域全体における弱体化を回避することが必要とされている。
【0024】
下地層は好ましくは、酸化物、窒化物またはオキシ窒化物をベースとし、さらにはそれらから成る。下地層は、エナメル層であってはならない。
【0025】
下地層は有利には酸化ケイ素をベースとし、さらには酸化ケイ素から成るかまたは主としてそれで構成される。そのような層は、着色されてないので、エナメル層の反射の角度に悪影響を及ぼさないことを可能にする。
【0026】
下地層は好ましくは、単層であり、層の積み重ねではない。
【0027】
下地層は好ましくは、ゾル-ゲル層である。この場合、下地層の被着は、ゾル-ゲル法によって行われる。ゾル-ゲル層は好ましくは、酸化ケイ素をベースとし、さらにはそれから成る。
【0028】
ゾル-ゲル法は、製造すべき層の前駆体を含むゾルが、スパッタリング、カーテン、ラミナーフローコーティング、ローラー、スクリーン印刷などのような、さまざまな手段によってガラスシートの上に被着される方法である。スクリーン印刷による被着が、下地層をエナメル被覆領域の望まれる部分にしか被着しないことを容易に可能にすることから、ここでは好まれる。
【0029】
ゾルは好ましくは、例えばオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)である、製造すべき層の有機金属前駆体を含む。層は次に概して、エナメル層の被着前に乾燥され、ついで圧縮されるために焼きなましされる。焼きなましは、好ましくはエナメルの硬化と同じ工程の際に、概してガラスシートの曲げ加工および/または強化処理の間に行われる。
【0030】
あるいは、下地層の被着は、PVD法またはCVD(化学気相成長)法によって、例えば陰極スパッタリングによって、あるいはまたプラズマCVD(PECVD)、場合によっては大気圧プラズマCVD(APPECVD)によって行われる。その場合、下地層が有用となるエナメル被覆領域の部分にしか下地層を被着しないように、マスクを配置することが可能である。
【0031】
下地層の厚さは、好ましくは10nmと1μmとの間に含まれる。下地層が陰極スパッタリングによってまたは(AP)PECVDによって被着されるとき、下地層の厚さは好ましくは20~200nm、特に30~100nmである。下地層がゾル-ゲル層であるとき、下地層の厚さは好ましくは50~800nm、特に100~300nmである。
【0032】
これらの数字は、エナメル硬化後の、最終材料における下地層の厚さに適用される。請求される材料はしかしながら、エナメル硬化前の中間材料にも及ぶ。この場合、かつ下地層がまだ圧縮されていないゾル-ゲル層であるとき、下地層の厚さはより厚くてもよく、特に500nm~3μmであり得る。
【0033】
エナメル層とは、硬化前の層も意味するし硬化後の層も意味する。
【0034】
硬化前、エナメル層は、ガラスフリット、顔料および有機溶剤を含む。硬化後、エナメル層は、ガラスフリットの溶融によって得られたガラスマトリクスと顔料を含む。
【0035】
ガラスフリットおよび/またはガラスマトリクスは好ましくは、ホウケイ酸亜鉛系ガラスおよび/またはビスマス系ガラスで構成される。少なくとも1つの顔料、とりわけ各顔料は好ましくは、酸化物、硫化物、鉄、クロム、銅、コバルトおよび/またはマンガンをベースとする。
【0036】
エナメル層は好ましくは、ガラスフリット、顔料および有機溶剤を含む液状のエナメル組成物のスクリーン印刷によって得られる。そうするために、特にスキージを使って、スクリーン印刷のスクリーンのメッシュを通してガラスシートの上にエナメル組成物を被着する。スクリーンのメッシュは、コーティングが望まれないガラスシートの領域に相当する部分では塞がれ、したがって、エナメル組成物は、予め定義されるパターンに応じて、印刷されるべき領域でしかスクリーンを透過することができない。デジタル印刷技術のような他の被着技術もまた可能である。
【0037】
硬化前、エナメルは、好ましくは10~30μm、特に15~25μmの厚さを有する。硬化後、エナメル層の厚さは好ましくは5~15μm、特に7~13μmである。
【0038】
エナメルは好ましくは黒色であり、また有利には5未満、特に3未満の、エナメル面の反射における比色分析の座標L*を有する。
【0039】
本発明による方法は好ましくは、概してガラスシートの強化処理および/または曲げ加工中の、エナメル層の硬化工程を含む。必要があれば、この工程は、ゾル-ゲル下地層を圧縮するのにも役立つ。この工程は、好ましくは550℃から720℃に及ぶ温度を用いる。
【0040】
本発明によるグレージングは、概して急冷強化処理される、ただ一枚のガラスシートを含むことができる。あるいは、グレージングは、本発明による材料のガラスシートが、例えばポリビニルブチラール製の、積層体の中間層によって別のガラスシートに粘着して結びついた、積層グレージングであることができる。ガラスシートはその場合、急冷強化処理されない。
【0041】
本発明によるグレージングは、自動車のリヤウインドであり得る。
【0042】
エナメル層は、エナメル被覆領域の一部において、とりわけ銀ペーストの形態の、導電性トラックを上に乗せることができる。これらのトラックは特に、同様に銀ペーストの電熱線に給電することを目的とした集電バンドである。好ましくは、金属製コネクタが、鉛を含まない合金を使って、「溶接領域」と呼ばれる領域において、少なくとも1つの集電バンドに溶接される。この実施形態において、下地層は、好ましくは溶接領域に沿って、またとりわけ、この領域に沿ってだけ配置される。実際に、本明細書の概論において言及されたエナメルに起因する弱体化が、それが14Vの電圧下で-40~+105℃の温度変化の60サイクルを含む、TCT試験と呼ばれる経時劣化試験の際にグレージングの破損を招くことができるため、この状況において特に決定的なものであることが明らかになっている。
【0043】
好ましい一実施形態によると、材料はしたがってエナメル層の上に、溶接領域と呼ばれる領域内に銀ペーストの集電バンドを含み、該領域内で、集電バンドは金属コネクタに溶接されることが予定されておりまたは溶接されており、また下地層はこの溶接領域に沿って、特にこの溶接領域に沿ってだけ配置される。銀ペーストは、銀粒子およびガラスフリットを含み、また概してスクリーン印刷によって被着される。金属コネクタは特に、クロムを含む鋼製である。溶接合金は特に、スズ、銀および銅をベースとしている。
【0044】
この直前の一実施形態において、グレージングは好ましくはリヤウインドである。グレージングはその場合概して、急冷強化処理されるただ一枚のガラスシートを含む。あるいは、それは積層グレージングであり得、ガラスシートは急冷強化処理されずに別のガラスシートに粘着して結びついている。
【0045】
本発明によるグレージングはまた自動車ルーフでもあり得る。グレージングはその場合好ましくは、急冷強化処理されるただ一枚のガラスシートを含む。この実施形態において、下地層は好ましくは、例えば石や雹の粒からの衝撃によるルーフの破損を回避するために、エナメル被覆領域の全体に配置される。
【0046】
本発明によるグレージングはさらにフロントガラスであり得る。この場合も同様に、下地層は好ましくは、道などに小砂利が敷かれているときのフロントガラスの強度を向上させるために、エナメル被覆領域の全体に配置される。この場合、グレージングは好ましくは積層グレージングであり、ガラスシートは急冷強化処理されない。エナメル層はその場合概して、面2に、つまり積層体の中間層と接触して位置する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】MPaにおける圧力(Cと記されている)に応じた破砕の確率(Pと記されている)を示すグラフの形態で、試験の結果を示している。
【
図2】MPaにおける圧力(Cと記されている)に応じた破砕の確率(Pと記されている)を示すグラフの形態で、試験の結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0048】
続く実施例は、非制限的に本発明を説明する。
【実施例1】
【0049】
この実施例において、厚さ70nmのシリカ下地層が、Planiclearのレファレンスで本出願人によって商品化された厚さ3.85mmの透明なソーダ石灰シリカガラスシートの上に陰極スパッタリングによって被着された。厚さ25μmの湿った黒色のエナメル層(Ferro 14501)が次に、下地層の上にスクリーン印刷によって被着された。このようにコーティングされたガラスシートは次に、650℃で180秒間の熱処理後に強化処理された。
【0050】
比較例C1において、エナメルは、ガラスと直接接触して被着された。
【0051】
70×70mm2の大きさを有するサンプル30個が次に、3点曲げ試験を受けた。
【0052】
図1は、MPaにおける圧力(Cと記されている)に応じた破砕の確率(Pと記されている)を示すグラフの形態で、試験の結果を示している。
【0053】
結果は、下地層の存在が、エナメル被覆されたガラスの機械的強度を改善することを可能にすることを示している。
【実施例2】
【0054】
この実施例は、下地層の性質がシリカのゾル-ゲル層であったという点で実施例1と異なっている。
【0055】
下地層の被着は、以下の条件、3mLのゾルおよび1分あたり1000回転の速度において遠心力(spin-coating スピンコーティング)によって行われた。下地層は次に、エナメル被着前に、180℃で10分間乾燥された。最初のゾルは、メチルトリエトキシシラン18g、イソプロパノール15g、およびpH2に酸性化された水5gを含んでいた。ゾルは、室温での加水分解後、pH2の水の中で66%に希釈された。
【0056】
比較例C2において、エナメルは、ガラスの上に直接被着された。
【0057】
図2は、MPaにおける圧力(Cと記されている)に応じた破砕の確率(Pと記されている)を示すグラフの形態で、試験の結果を示している。
【0058】
結果は、下地層の存在が、エナメル被覆されたガラスの機械的強度を改善することを可能にすることを示している。
【国際調査報告】