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特表2022-547868様々なタイヤベルトサイズのための移送ツーリング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】様々なタイヤベルトサイズのための移送ツーリング
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/00 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
B29D30/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514546
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(85)【翻訳文提出日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 US2020047918
(87)【国際公開番号】W WO2021045944
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】62/895,740
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517276446
【氏名又は名称】ザ スティーラスティック カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ゴーハム エリック ウイリアム
【テーマコード(参考)】
4F215
【Fターム(参考)】
4F215AH20
4F215AR02
4F215VA12
4F215VA18
4F215VD07
4F215VD19
4F215VL02
4F215VP28
(57)【要約】
本発明は、ストリップの一部分をベルト製作システム内で動かすよう構成された移送システムに関する。移送システムは、ストリップに係合するようになった本体(140)を有する第1のセグメント(130)を含む。複数のスロット(152,154)が本体の表面に設けられるのが良い。流体供給源(125)から複数のスロットへの流体連通が可能であり、その結果、これら複数のスロットとの流体連通によりストリップを本体(140)に当てて保持することができ、またはストリップを本体から吹き払うことができる。複数のスロットは、一連の列(152,154)をなして配列され、第1の列の第1のスロットは、第1の列の第2のスロットのすぐ隣に位置決めされている。本体に対してなんら機械的調節を行うことなく、互いに異なる寸法の第1のストリップと第2のストリップを移送することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリップの一部分をベルト製作システム内で動かすよう構成された移送システムであって、前記移送システムは、
ストリップに係合するようになった本体を有する第1のセグメントと、
流体供給源に接合された第2のセグメントと、
前記本体の表面に設けられた複数のスロットとを含み、
前記流体供給源から前記複数のスロットへの流体連通が可能であり、その結果、前記複数のスロットとの前記流体連通により、前記ストリップを前記本体に当てて保持することができまたは前記ストリップを前記本体から吹き払うことができ、
前記複数のスロットは、一連の列をなして配列され、第1の列の第1のスロットが前記第1の列の第2のスロットのすぐ隣に位置決めされている、移送システム。
【請求項2】
前記本体は、前記本体の第1の側方境界部と第2の側方境界部との間で等距離のところに位置する水平中心線を有し、前記第1のスロットは、前記水平中心線と前記第1の側方境界部との間に位置決めされ、前記第2のスロットは、前記水平中心線と前記第2の側方境界部との間に位置決めされている、請求項1記載の移送システム。
【請求項3】
前記第1のスロットの内側境界部が前記第2のスロットの隣接の内側境界部から0.5インチ(1.27cm)未満のところに位置決めされている、請求項1記載の移送システム。
【請求項4】
複数の穴をさらに含み、第1の穴が前記流体供給源と前記第1のスロットとを流体連通させ、少なくとも1つの追加の穴が前記流体供給源と前記第1のスロットとは別のスロットとを流体連通させている、請求項1記載の移送システム。
【請求項5】
単一の穴が前記複数のスロットの各々に対して設けられており、前記穴と前記スロットが1対1の対応関係をなしている、請求項4記載の移送システム。
【請求項6】
前記穴の各々は、該穴のそれぞれ対応のスロットの周囲内に局限されている、請求項5記載の移送システム。
【請求項7】
前記第1の穴の直径は、前記第1のスロットの幅の約25%から約50%までの範囲にある、請求項4記載の移送システム。
【請求項8】
前記第1の列は、前記本体の前側端部の近くに位置し、スロットの次の列は、前記本体の後側端部の近くに位置し、前記第1の列の前記第1の穴は、前記次の列のスロット内にある次の穴よりも大きな直径を有する、請求項4記載の移送システム。
【請求項9】
前記第1の列は、前記ストリップの寸法とは無関係にストリップに常時係合し、前記次の列は、前記寸法よりも大きな寸法のストリップに係合するが前記寸法よりも小さい寸法のストリップとは係合していない、請求項8記載の移送システム。
【請求項10】
細長い支持体が前記第1および前記第2のセグメントの一部分相互間に延び、前記細長い支持体は、ハウジングを有し、第1および第2の管が前記ハウジングの少なくとも一部分内に設けられ、前記第1および前記第2の管は、前記流体供給源と前記複数のスロットとの流体連通の実現を容易にしている、請求項1記載の移送システム。
【請求項11】
前記第1の管は、前記第2の管の下流側端点に対して上流側の場所で終端する下流側端点を有する、請求項10記載の移送システム。
【請求項12】
前記本体に隣接して設けられたチャンバをさらに含み、前記チャンバは、前記第1および前記第2の管と前記複数のスロットとの流体連通を可能にする、請求項10記載の移送システム。
【請求項13】
ストリップの一部分をベルト製作システム内で動かすよう構成された移送システムであって、前記移送システムは、
ストリップに係合するようになった本体を有する第1のセグメントを含み、
流体供給源に接合された第2のセグメントを含み、
前記第1および前記第2のセグメントの一部分相互間に延びる細長い支持体を含み、前記本体の表面に設けられた複数のスロットを含み、
前記流体供給源から前記複数のスロットへの流体連通が可能であり、その結果、前記複数のスロットとの前記流体連通により、前記ストリップを前記本体に当てて保持することができまたは前記ストリップを前記本体から吹き払うことができ、
前記細長い支持体の少なくとも一部分に沿って延びる第1および第2の管を含み、前記第1および前記第2の管は、前記流体供給源と前記複数のスロットとの流体連通の実現を容易にし、前記第1の管は、前記第2の管の下流側端点に対して上流側の場所で終端する下流側端点を有する、移送システム。
【請求項14】
前記本体に隣接して設けられたチャンバをさらに含み、前記チャンバは、前記第1および前記第2の管と前記複数のスロットとの流体連通を可能にする請求項13記載の移送システム。
【請求項15】
前記複数のスロットは、一連の列をなして配列され、第1の列の第1のスロットが前記第1の列の第2のスロットのすぐ隣に位置決めされている、請求項13記載の移送システム。
【請求項16】
前記第1のスロットの内側境界部が前記第2のスロットの隣接の内側境界部から0.5インチ(1.27cm)未満のところに位置決めされている、請求項15記載の移送システム。
【請求項17】
複数の穴をさらに含み、第1の穴が前記流体供給源と前記第1のスロットとを流体連通させ、少なくとも1つの追加の穴が前記流体供給源と前記第1のスロットとは別のスロットとを流体連通させている、請求項13記載の移送システム。
【請求項18】
ストリップの一部分をベルト製作システム内で移送する方法であって、前記方法は、
ストリップに係合するようになった本体を有する第1のセグメントと、流体供給源に結合された第2のセグメントとを含む移送システムを用意するステップを含み、複数のスロットが前記本体の表面に設けられ、
前記流体供給源から前記複数のスロットへの流体連通を可能にするステップを含み、前記複数のスロットとの前記流体連通により前記ストリップを前記本体に当てて保持しまたは前記ストリップを前記本体から吹き払うことができるようになっており、
第1の寸法の第1のストリップを前記本体との係合によって移送するステップを含み、
その後、第2の寸法の第2のストリップを前記本体との係合によって移送するステップを含み、前記第2の寸法は、前記第1の寸法とは異なっており、
前記第2のストリップは、前記本体に対してなんら機械的調節が行われることなく、前記第1のストリップの後に移送される、方法。
【請求項19】
前記複数のスロットの第1の列が前記第1および前記第2のストリップの各々に係合し、前記複数のスロットの次の列が前記第1のストリップだけに係合し、前記第2のストリップには係合しない、請求項18記載の方法。
【請求項20】
第1の穴を前記流体供給源と前記第1のスロットを流体連通させた状態で設けるとともに少なくとも1つの追加の穴を前記流体供給源と前記第1のスロットとは異なるスロットを流体連通関係させた状態で設けるステップをさらに含む、請求項18記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、一般に、タイヤベルトの一部分を取り扱う移送システムおよび方法に関する。
【0002】
〔関連出願の参照〕
本発明は、2019年9月4日に出願された米国特許仮出願第62/895,740号(発明の名称:Transfer Tooling for Varying Tire Belt Sizes)の優先権主張出願である。
【背景技術】
【0003】
タイヤベルト製作技術では、多数本のコードを押出しダイ中に通してこれらを引く場合がある。押出し機は、エラストマー材料、例えばゴムを加熱し、そしてダイを通っているコードを被覆する。押出し機に隣接して設けられた冷却ドラムがコードをダイに通してこれらを引くとともに製造のうちの裁断および重ね継ぎ段階前に繊維強化または補強材料を冷却するよう働く。繊維強化材料は、冷却ドラムの通過後、幾分かのたるみのある状態で垂れるようにされるのが良く、その目的は、幾分かの残留力を除くことにある。次に、繊維強化材料を裁断ステーション上に引き上げるのが良い。最新型システムでは、裁断ステーションは、ストリップ真空移送装置(本件では、真空移送ツーリングともいう)、カッタおよび送り出しベルトコンベヤを含む。ストリップ真空移送装置は、繊維強化ストリップを前進させてこれを送り出しベルトコンベヤ上に載せ、その結果、カッタは、繊維強化材料を裁断することができるようになっている。送り出しベルトコンベヤは、次に、所定の距離割り送る。ストリップ真空移送装置は、再び、ストリップをコンベヤ上に前進させ、その結果、カッタが再びこのストリップを裁断するようにする。このプロセスの結果として、強化コードが典型的にはベルトの中心軸線に平行ではなく、幾分かの角度をなして位置した状態で繊維強化材料の連続ベルトが形成される。ベルトの長さ方向に対するコードの角度は、当該技術分野においては、バイアス角と呼ばれている。
【0004】
この材料の裁断区分は、送り出しベルトコンベヤ上で互いに所定の距離だけオーバーラップする。このオーバーラップは、当該技術分野において、一般にスプライスと呼ばれている。適正な材料強度および品質を維持するために一様なスプライスが必要とされる。送り出しベルトコンベヤは、典型的には、裁断ステーションに入る繊維強化材料に対してある角度をなしてアライメントがとられており、その結果、重ね継ぎプロセス後、所定のバイアス角をなして差し向けられた繊維またはコードから成る材料の連続ストリップがコンベヤ上に寝た状態で位置するようになる。
【0005】
製造中のベルト幅に応じて、異なる量のストリップ材料が真空移送ツーリングに接触し、そしてカッタに通して引っ張られる。従来型移送ツーリングは、内側スライダを利用しており、この内側スライダは、真空チャンバチャネルを選択的に閉鎖し、それにより真空圧をもたらすか正圧かのいずれかをストリップに接触しているツーリング領域に及ぼし、このツーリング領域では、真空圧は、ストリップを移送ツーリングに当てて保持し、正圧は、ストリップを移送ツーリングから吹き払う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる移送ツーリングの一欠点は、特に異なる幅のストリップが使用のために選択されるたびにスライダを動作させるのにユーザの介入が必要となることにある。そのたびに、ユーザは、互いに異なる幅のストリップセグメントに対応するようスライダの位置を物理的に調節しなければならない。
【0007】
スライダが適切に調節されていない状況においては別の欠点が生じ、と言うのは、かかる状況においては、ストリップをピックアップして移送ツーリングによって配置することができるのに十分な真空圧が失われる場合がある。例えば、チャネルが所望のストリップ長さよりも大きく開いた状態に調節される場合、広い接触領域がストリップに触れていないので、十分な真空圧をストリップに隣接したところに生じさせることができず、ストリップは、ピックアップされない。他方、チャネルがストリップ長さよりも狭く調節された場合、材料の前側縁部は、この材料をピックアップするのに十分な真空圧を受けることがなく、この材料は、移送ツーリングがこの材料を動かそうとしたときに巻き上がることになる。
【0008】
これらの場合の各々に関し、移送ツーリングを適切に働かせるには別の調節が必要となる。これにより、機械の追加の作動停止時間が必要になり、さらにストリップの送り込み不良が生じるたびスクラップが生じる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態では、移送システムがストリップの一部分をベルト製作システム内で動かすよう構成されている。移送システムは、ストリップに係合するようになった本体を有する第1のセグメントと、流体供給源に接合された第2のセグメントとを含む。細長い支持体が第1のセグメントおよび第2のセグメントの一部分相互間に延びるのが良い。複数のスロットが本体の表面に設けられるのが良い。流体供給源から複数のスロットへの流体連通が可能であり、その結果、複数のスロットとの流体連通により、ストリップを本体に当てて保持することができまたはストリップを本体から吹き払うことができる。複数のスロットは、一連の列をなして配列されるのが良く、第1の列の第1のスロットが第1の列の第2のスロットのすぐ隣に位置決めされている。
【0010】
本体は、本体の第1の側方境界部と第2の側方境界部との間で等距離のところに位置する水平中心線を有するのが良く、第1のスロットは、水平中心線と第1の側方境界部との間に位置決めされるのが良く、第2のスロットは、水平中心線と第2の側方境界部との間に位置決めされるのが良い。一実施例では、第1のスロットの内側境界部が第2のスロットの隣接の内側境界部から0.5インチ(1.27cm)未満のところに位置決めされるのが良い。
【0011】
移送システムは、複数の穴をさらに含むのが良く、第1の穴が流体供給源と第1のスロットとを流体連通させ、少なくとも1つの追加の穴が流体供給源と第1のスロットとは別のスロットとを流体連通させている。一実施例では、単一の穴が複数のスロットの各々に対して設けられるのが良く、穴とスロットが1対1の対応関係をなすようになっている。穴の各々は、この穴のそれぞれ対応のスロットの周囲内に局限されるのが良い。一実施例では、第1の穴の直径は、第1のスロットの幅の約25%から約50%までの範囲にある。
【0012】
第1の列は、本体の前側端部の近くに位置するのが良く、スロットの次の列は、本体の後側端部の近くに位置するのが良い。第1の列の第1の穴は、次の列のスロット内にある次の穴よりも大きな直径を有するのが良い。一実施例では、第1の列は、ストリップの寸法とは無関係にストリップに常時係合し、次の列は、寸法よりも大きな寸法のストリップに係合するが寸法よりも小さい寸法のストリップとは係合しない。
【0013】
一実施形態では、第1および第2の管が細長い支持体の少なくとも一部分に沿って延びる。第1および第2の管は、流体供給源と複数のスロットとの流体連通の実現を容易にする。一実施例では、第1の管は、第2の管の下流側端点に対して上流側の場所で終端する下流側端点を有する。
【0014】
移送システムは、本体に隣接して設けられたチャンバをさらに含むのが良く、チャンバは、第1および第2の管と複数のスロットとの流体連通を可能にする。
【0015】
本実施形態はまた、ストリップの一部分をベルト製作システム内で移送する方法を提供する。一実施例では、本方法は、ストリップに係合するようになった本体を有する第1のセグメントと、流体供給源に結合された後側セグメントとを含む移送システムを用意するステップを含み、複数のスロットが本体の表面に設けられる。流体供給源から複数のスロットへの流体連通を可能にし、複数のスロットとの流体連通によりストリップを本体に当てて保持しまたはストリップを本体から吹き払うことができるようになっている。第1の寸法の第1のストリップを本体との係合によって移送する。その後、第2の寸法の第2のストリップを本体との係合によって移送する。第2の寸法は、第1の寸法とは異なっている。本体に対してなんら機械的調節を行わないで第2のストリップを第1のストリップの後に移送するのが良い。一実施例では、複数のストリップの第1の列が第1および第2のストリップの各々に係合し、複数のスロットの次の列が第1のストリップだけに係合し、第2のストリップには係合しない。
【0016】
本発明の他のシステム、他の方法、他の特徴および他の利点は、以下の図および詳細な説明を吟味すると当業者には明らかでありあるいは明らかになろう。全てのかかる追加のシステム、方法、特徴および利点は、本発明の範囲に含まれるとともに特許請求の範囲の請求項に記載された本発明に含まれることが意図されている。
【0017】
本発明は、以下の図面および説明を参照すると良好に理解できる。図中のコンポーネントは、必ずしも縮尺通りではなく、本発明の原理の説明に強調が置かれている。さらに、図中、同一の参照符号は、互いに異なる図全体を通じて対応の部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1および第2のコンベヤを含むベルト製作システムの斜視図である。
図2A】第1の実施形態に係る移送ツーリングの上から見た斜視図である。
図2B】第1の実施形態に係る移送ツーリングの部分切除平面図である。
図2C】第1の実施形態に係る移送ツーリングの側面図である。
図3図2CのA‐A線矢視断面図である。
図4図2CのB‐B線矢視断面図である。
図5図2BのC‐C線矢視断面図である。
図6A図2A図2Cの移送ツーリングの本体の底面図である。
図6B図2A図2Cの移送ツーリングの本体に当てて配置されている互いに異なる寸法のストリップを示す底面図である。
図6C図2A図2Cの移送ツーリングの本体に当てて配置されている互いに異なる寸法のストリップを示す底面図である。
図7A】変形実施形態に係る移送ツーリングの本体の底面図である。
図7B図7Aの移送ツーリングの本体に当てて配置されている互いに異なる寸法のストリップを示す底面図である。
図7C図7Aの移送ツーリングの本体に当てて配置されている互いに異なる寸法のストリップを示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照すると、例示のベルト製作システムがバイアスベルト72として示されたタイヤベルトの一部分を形成するようになっており、バイアスベルト72は、以下に説明する裁断および位置決めステップ後に製作される。バイアスベルト72は、一般に、エラストマー材料、例えばゴムで作られ、このバイアスベルトは、複数の平行なコードから成り、これらコードは、バイアス角αに等しいベルトの長さ方向に対してある角度をなして差し向けられている。ベルト製作システムは、少なくとも、第1のコンベヤ31および第2のコンベヤ32を含むのが良い。種々の実施形態では、コンベヤは、ベルトコンベヤ、ストリップ真空移送装置、またはコンベヤ31,32で示されるようにゴムストリップを例示の経路に沿って動かすようになった任意他の装置を有するのが良い。図示の実施形態では、ベルト裁断システム40は、少なくとも部分的に、第1のコンベヤ31と第2のコンベヤ32との間に位置決めされている。
【0020】
ゴムストリップ70が一般に補強され、このゴムストリップは、複数のコードまたは繊維で強化されるのが良い。このゴムストリップは、ゴムストリップ70の長さ方向に平行に延びる複数のスチールコードを有するのが良い。ゴムストリップ70は、代表的には、未硬化ゴムを複数のスチールコード周りに押し出すプロセスによって製作されるが、任意のプロセスを利用することができる。ゴムストリップ70は、その形成後、第1のコンベヤ31上に送られるのが良い。ゴムストリップ70は、これが第1のコンベヤ31上に送られた時には多くの場合、粘着性でありかつ比較的軟質である。
【0021】
第1のコンベヤ31は、ゴムストリップ70をベルト裁断システム40に送りまたは違ったやり方でゴムストリップ70を動かしてこれをベルト裁断システム40に関連させるようになった送り込みコンベヤとしての役目を果たすことができる。ベルト裁断システム40は、ゴムストリップ70を裁断するようになっている。切れ目は、好ましくは、バイアス角αと一致した所望の角度をなして差し向けられた真っ直ぐな切れ目であり、これら切れ目は、ストリップ区分71をゴムストリップ70から分離する。次に、ストリップ区分71は、第2のコンベヤ32上に動く。
【0022】
バイアスベルト72は、複数のストリップ区分71を有し、各ストリップ区分71のスチールコードは、互いに実質的に平行であるのが良い。ストリップ区分71は、第2のコンベヤ32上で互いに所定の距離だけオーバーラップし、それにより一様なスプライスが形成される。各スプライスの形成後、追加のストリップ区分71は、バイアスベルト72の一部分になる。
【0023】
ベルト裁断システム40は、ベルトカッタ42を含み、ベルトカッタ42は、好ましくは、ゴムストリップ70を切り開くナイフまたはブレードを含む。図1に示されているように、ベルトカッタ42は、ギロチン形カッタとして具体化されるのが良く、この場合、鋭利なナイフまたはブレードは、上からゴムストリップ70に近づき、そしてゴムストリップ70を切り開く下向きの力を加え続け、それによりゴムストリップ70を少なくとも2つの部分に分離する。強化ゴムストリップを裁断する任意他の装置を使用することができる。図1を参照すると、ベルトカッタ42は、好ましくは、ゴムストリップ70をゴムストリップ70の長さ方向に対してある角度をなして、好ましくは、好ましいバイアス角αに一致した角度をなして裁断するようになっている。
【0024】
一観点によれば、本体140を備えた移送ツーリング(transfer tooling)120がストリップを第1のコンベヤ31から持ち上げてこのストリップを第2のコンベヤ32上に置くようになっている。以下にさらに説明するように、流体供給源125が真空力を本体140に選択的にもたらしてこの本体を切断の前にゴムストリップ70に係合させてゴムストリップ70の前進を助けてこれをベルトカッタ42に適切に係合させるのが良い(例えば、ゴムストリップ70をギロチン形ナイフまたはブレードの下に前進させる)。所定の割り送り量で起こる切断の後に、流体供給源125は、図2A図6Cの実施形態に関して以下においてさらに説明するように、ストリップをツーリングから吹き払う正圧を本体140に加えることができる。
【0025】
一実施形態では、移送ツーリング120は、2本の運動軸線を備えている。サーボ駆動モータがタイミングベルトによって移送ツーリング120に連結されるのが良く、このサーボ駆動モータは、細長い支持体180によって案内されるようにベルトカッタ42を通る水平軸方向運動をもたらす。空気圧シリンダは、移送ツーリング120がストリップ材料70,71をピックアップして落下させることができる垂直運動軸線を提供することができる。
【0026】
ストリップ区分71は、コードに平行なその縁部が第2のストリップ区分71と僅かにオーバーラップするよう配置され、それにより、2つのストリップ区分71が望ましくは重ね継ぎされるようにすることが好ましい。必要ならば、センサまたは他の技術が位置誤差を能動的に是正することができる。移送ツーリング120を用いてゴムストリップ70を前進させ、ベルトカッタ42によりストリップ70を裁断するようにし、そしてストリップ区分71が互いにオーバーラップするようにするシーケンスが所望の寸法のバイアスベルト72が形成されるまで繰り返す。
【0027】
次に図2A~~図6Cを参照すると、図1のストリップ70を第1のコンベヤ31からカッタ42に通し、そして第2のコンベヤ72に向かって動かすために使用できる移送ツーリング120の第1の実施形態が図示されており、これについて説明する。図2Aに示されているように、移送ツーリング120は、主要構成要素として、第1のセグメント130および第2のセグメント170を有する。第1のセグメント130は、図6A図6Cの底面図で最も良く理解されるようにそして説明するように、一連のスロットおよび穴を備えた本体140を有する。第1のセグメント130の本体140の一連のスロットおよび穴により、様々なストリップ区分71a,71bを以下にさらに説明するように本体140に選択的に係合させることができる。これとは対照的に、移送ツーリング120の第2のセグメント170は、本体140を備えておらず、したがってストリップ区分に直接的には係合しない。
【0028】
細長い支持体180が第1のセグメント130および第2のセグメント170の軸方向長さの大部分に沿って延びている。細長い支持体180の前側領域181は、第1のセグメント130の本体140の前側セグメント141に隣接したところで終端し、細長い支持体180の後側領域182は、図2Aに示されているように第2のセグメント170,172に隣接したところで終端している。
【0029】
細長い支持体180は、図3図5に最も良く示されていて、以下においてさらに説明するようにハウジング184および少なくとも1つの流体連絡チャンバを有する。この実施例では、ハウジング184は、図3図5の断面図に示されているように少なくとも3つの壁セグメント184a,184b,184cを有し、少なくとも1つの流体連通チャンバは、3つの壁セグメント184a~184c内に少なくとも部分的に収納されている。本体140に隣接して位置するハウジング184の側部には連続壁セグメントが設けられていないのが良い。図4に示されているように、壁セグメント184aのフランジ188が本体140の相補フランジ148にしっかりと係合するのが良く、それにより細長い支持体180上への本体140の摺動が可能であり、その結果、壁セグメントが設けられていないハウジング184の側部は、本体140に隣接して保持されるようになっている。例えばボルト、はんだ、溶接部、機械式クリップなどのような手段の使用により、細長い支持体180を本体140に対して安定化することができる。このようにして、チャンバ198が形成され、このチャンバは、全体として、本体140の外部に加えてハウジング184の3つの壁セグメント184a~184cによって境界付けられている。
【0030】
流体供給連結部125が細長い支持体180の後側領域182の近くに設けられている。流体供給連結部125は、真空源および圧縮流体源の各々に結合されており、真空源および圧縮流体源の各々は、真空圧か正の圧縮流体圧かのいずれかを供給し、かかる圧力は、細長い支持体180の長さに沿って本体140に向かって伝搬する。真空圧は、ストリップ材料70を第1のコンベヤ31から持ち上げてこれを切断領域に通し、そして第2のコンベヤ32上に前進させるようになっており、他方、正の圧縮流体圧は、ストリップセグメント71をカッタ42によって裁断された後にツーリングから吹き払い、これについては、以下にさらに説明する。
【0031】
図2B図3および図4で理解できるように現時点において好ましい実施形態では、第1および第2の管190,195が移送ツーリング120の第2のセグメント170の端から端まで延びており、さらに、本体140を有する第1のセグメント130の少なくとも一部分にわたって延びている。この実施例では、図2Bで最も良く理解されるように、第1の管190は、下流側端点191を有し、第2の管195は、下流側端的196を有する。さらに、第1および第2の管190,195は、図3および図4の断面図で最も良く理解されるように、それぞれチャネル192,197を有する。
【0032】
この実施例では、図3および図4に示されているように、第1および第2の管190,195は、全体がハウジング184の壁セグメント184a~184c内に収納されている。しかしながら、変形実施形態では、第1および第2の管190,195は、壁セグメント184a~184c内に部分的にしか収納されていなくても良く、あるいは、移送ツーリング120の長さに沿って壁セグメント184a~184cの外側に配置されても良い。さらに、要素190,195は、参照しやすいように管として記載されているが、理解されるように、かかる導管は、管状または円筒形の断面形状を有する必要はなく、他のチャネルおよび他の形状を本実施形態の精神から逸脱することなく採用することができる。
【0033】
この実施例では、第1および第2の管190,195は各々、流体供給連結部125から真空圧または正の圧縮流体圧を移送ツーリング120の本体140に向かって送り出すことができる。例えば、流体供給連結部125に結合された単一のホースが第1および第2の管190,195に均等に分かれるのが良く、その結果、第1および第2の管190,195は、同一の正または負の圧力を相前後して効果的に供給するようになっている。
【0034】
第1および第2のチャネル192,197は、図2Bの部分切除図および図5の断面図に示されているように下流側の場所でチャンバ198と流体連通関係をなして配置されるのが良い。制御弁、例えば空気圧弁が真空圧または正圧の流体をチャネル192,197に選択的に供給し、次にチャンバ198および本体140に供給するかどうかを定めることができる。
【0035】
以下にさらに説明するように、一観点に従って、第1の管190の下流側端点191は、図2Bの部分切除図に示されているように第2の管192の下流側端点196に対して上流側の位置で終端している。大規模な実験的検査の実施後、第1および第2の管190,195の下流側端点191,196を互い違いに配置することによって、両方の管が同じ上流側または下流側の位置で終端するのとは対照的に、幅の広いアレイをなしたストリップ71を本体140に当てて保持する性能特性が高められるということが判明した。
【0036】
図6A図6Cを参照すると、移送ツーリング120の本体140の別の特徴が図示されており、これら特徴について説明する。前側および後側セグメント141,142に加えて、本体140は、2つの軸方向境界部143,144を有し、軸方向境界部143,144は、互いに対して間隔を置いて配置されている。軸方向中心線149が図6Aに示されているように、軸方向境界部143,144相互間で等距離のところに設けられている。
【0037】
この実施例では、本体140の前側セグメント141は、主長手方向軸線Lに対して角度αをなしており、と言うのは、図6Aに示されているように、前側セグメント141の端部141aが反対側の端部141bに対して上流側のところで終端しているからである。角度αは、製作中のベルトのバイアス角に一致するのが良い。これとは対照的に、図2Aおよび図2Bならびに図6Aに示されているように、2つの軸方向境界部143,144は、全体として、主長手方向軸線Lに平行であり、後側セグメント142は、全体として、主長手方向軸線Lに垂直である。
【0038】
本体140は、複数のスロット150をさらに有する。この実施形態では、複数のスロット150は、主長手方向軸線Lに対して角度をなしている。スロット150の角度は、前側セグメント141が主長手方向軸線Lに対してなす角度αと同一であるのが良く、あるいは、異なる角度であっても良い。
【0039】
第1の一連のスロット152が軸方向中心線149と軸方向境界部143との間に設けられ、この場合、例示目的で、前側セグメント141の最も近くに位置するスロット152は、152aとして表示され、後側セグメント142の最も近くに位置するスロットは、152nとして表示されている(この一連のスロット中のスロットの実際の個数とは無関係に)。これと同様に、第2の一連のスロット154が軸方向中心線149と軸方向境界部144との間に設けられ、この場合、例示目的で、前側セグメント141の最も近くに位置するスロット154は、154aとして表示され、後側セグメント142の最も近くに位置するスロットは、154nとして表示されている。
【0040】
本体140は、複数の開口部160をさらに有する。この実施例では、1つの開口部160が図6Aで理解されるように、それぞれ対応のスロット150と流体連通関係をなして配置されている。
【0041】
図4の断面図に戻ってこの図を見て最も良く理解されるように、スロット150は、本体140のより下に位置する面147中に深さ159にわたって延びている。各開口部160は、図4および図5で理解されるように、その対応のスロット150とチャンバ198との間に延びている。上述のように、第1および第2のチャネル192,197は、これらの下流の場所のところでチャンバ198を流体連通状態に配置され、したがって、第1および第2のチャネル192,197を通って提供される真空圧または正圧は、最終的には、中間経路としてのチャンバ198および開口部160を経てスロット150まで引き回される。
【0042】
このように、ストリップ71は、真空力がスロット150に加えられると本体140の下面147に隣接して保持され、これとは逆に、ストリップ71は、正圧がスロット150に加えられると、本体の下面147から吹き払われるようになる。
【0043】
一観点に従って、実験的検査を大がかりに何回も行った結果として、ユーザによるどのような調節も行わずに広範なストリップ寸法に対応することができる仕方でスロット150および穴160の独特の配置および寸法決めが得られた。例えば、図6Bは、比較的長い長さにわたって延び、事実、スロット152a~152nの各々、およびさらに154a~154nの各々を跨ぐものとして示された第1のストリップ71aを示している。図6Cでは、別のストリップ71bがストリップ71aよりも短い長さにわたって延び、すなわち、ストリップ71bは、スロット152a,154aのところで始まるが、スロット152n,154nの前で終端している。
【0044】
過去の設計例では、互いに異なる寸法のストリップが使用のために選択されるたびに、例えば、ストリップ71aとストリップ71bの関係をなして選択されるたびに、内側スライダを調節するためにユーザの介入を必要とするそのような内側スライダが提供されていた。内側スライダが適切に調節されなかった場合、これは、ストリップをピックアップして移送ツーリングによって配置することができるのに十分な真空圧がなくなっていた。具体的には、内側スライダを調節して所望のストリップ長さと比較して多くのスロットが開いているようにした場合、ストリップに触れていない開いているスロット領域は、十分な真空圧をストリップに隣接したところで生じさせることができず、ストリップは、ピックアップされない。他方、内側スライダを調節してストリップ長さよりも狭くした場合、材料の先導縁部は、これをピックアップするのに十分な真空圧を受けず、材料は、移送ツーリングがこの材料を動かそうとすると巻き上がる。
【0045】
本実施形態では、スロット150および穴160の配置および寸法決めは、内側スライダまたは移送ツーリング120のどのような調節もなんら必要とすることなく、様々な寸法のストリップ、例えばストリップ71a,71bを保持したり吹き払ったりするのに十分な圧力を提供する。換言すると、スロット150および穴160の配置および寸法決めの単純な選択は、多くの本数のストリップを取り扱うのに十分な圧力を提供するよう最適化される。さらにまた、ストリップ71aとストリップ71bの関係については、チャンバ198およびかくしてスロット150に加えられる圧力のレベルが変化する必要はない。
【0046】
本実施形態の1つの重要な特徴として、各穴160は、対応のスロット150と連通するよう提供されている。換言すると、各穴160は、図6Aに示されているように、特定のスロット150の内側境界部157と同じスロット150の外側境界部158との間の場所に限定される。これとは対照的に、先行設計例では、単一の穴が隣り合うスロット相互間の中央に配置されるが、スロット自体には設けられず、この場合、上述したように、内側スライダは、正または負の圧力をスロットに及ぼすためにストリップサイズに基づいて調節されていた。
【0047】
別の観点によれば、全くスロット内には設けられない先行設計例の中央に配置される穴を省くことによって、本発明のスロットは、本体140の軸方向中心線149に向かって長い距離D1にわたって延びる。したがって、隣り合う列のスロット相互間の距離D2は、従来知られている設計例と比較してかなり減少している。図6Aの実施例では、距離D2は、1インチ(2.54cm)未満であり、好ましくは、0.5インチ(1.27cm)未満である。この特定の実施形態では、距離D2は、約0.375インチ(9.525mm)である。要するに、大規模な検査の示すところによれば、隣接の列のスロットを互いにかなり近づけることによって、本体140は、内側スライダの調節を必要とすることなく、多くの本数のストリップ71を取り扱うよう最適化される。
【0048】
特に、本体140の2つの軸方向境界部143,144は、互いに対して距離D3の間隔を置いて配置される。一実施例では、距離D3が約7.75インチ(19.69cm)である場合、距離D1は、約5.1~5.2インチ(12.96~13.21cm)であり、距離D2は、約0.375インチ(9.525mm)である。
【0049】
実際には、距離D3は、製造中の到来するストリップ幅に応じて様々であって良く、スロットD1の長さは、加工中のストリップ幅に基づいて距離D3とともに変化する場合がある。しかしながら、隣り合う列のスロット相互間の距離D2は、ストリップ幅またはバイアスとは無関係に、移送ツーリング120の互いに異なるサイズについて一定の寸法であって良い。本出願人の検査の実証するところによれば、一定の距離D2は、多くのストリップ幅およびバイアス角について作業上良好であり、距離D1,D3は、幅の広いストリップについて長く、幅の狭いストリップについて短く調節される。
【0050】
さらに別の観点によれば、穴160の直径d(図4で最も良く理解される)は、スロット150の幅w1図6Aで最も良く理解され、スロット154aとラベル表示されている)の約15%から60%までの範囲にある。一実施形態では、穴160の直径dとこれらのそれぞれのスロットの幅w1の比の値は、約25~50%である。検査結果の示すところによれば、かかる範囲は、内側スライダの調節を必要としないで多くの本数のストリップ71を取り扱う上で有利である。
【0051】
さらに別の観点によれば、本体140の前側セグメント141の近くに位置する少なくとも1つの穴160は、後側セグメント142の近くに位置する穴とは異なる直径を有する。具体的に言えば、図6Aのスロット152a,154aの穴160の直径d1は、スロット152n,154nの別の穴160′の直径d2よりも大きいのが良い。1つの非限定的な実施形態では、穴160の直径d1は、約0.125インチ(3.175mm)であるのが良く、それによりスロット152a,154aの穴直径とスロット幅の約50%の比が得られる。これとは対照的に、同じ実施例では、穴160′の直径d2は、約0.0625インチ(1.588mm)であるのが良く、それによりスロット152a,154aの幅がスロット152n,154nと同一のままである見なすと、スロット152n,154nの穴直径とスロット幅の約25%の比が得られる。有利には、ストリップ71a,71bがサイズとは無関係に本体140の前側セグメント141のところに常時位置していると見なすと、かかる変化に富む穴直径により、前側の列は、十分な圧力を提供するようスロットに対して広範な割合をとることができる。他方、小さなストリップ(例えば、ストリップ71b)が後側スロットを覆うことはないので、設計上、万一ストリップが存在していない場合に圧力が失われる開放空間の量が制限される。幾つかの実施形態では、スロットの前側の列のうちの幾つかスロット(例えば、スロット152a,154a、これに加えてその後の2~8個の列)は、大きな穴直径を有するのが良く、残りの列をなすスロットは、小さな穴直径を有するのが良い。
【0052】
上述したように、第1の管190の下流側端点191は、図2Bの切除部分図に示されているように、第2の管195の上流側端点196に対して下流側の場所のところで終端している。上述の穴およびスロットの形態と関連して管配置について大規模な実験的検査の実施後、第1および第2の管190,195の下流側端点191,196を互い違いに配置することによって、両方の管が同じ上流側または下流側の位置で終端するのとは対照的に、幅の広いアレイをなしたストリップ71を本体140に当てて保持する性能特性が高められるということが判明した。
【0053】
図7A図7Cを参照すると、別の本体240が図示されており、これについて説明する。実施形態の主要な差は、図6A図6Cでは本体140の前側領域141およびスロット150が主長手方向軸線Lに対して角度をなし、図7A図7Cでは、本体240の前側領域241およびスロット250が主長手方向軸線Lに対して実質的に直角であるいうことにある。図6A図6Cの同一の参照符号は、図7A図7Cの同一の参照符号に対応しており、例えば、図6A図6Cのスロット150は、図7A図7Cのスロット250に対応している。特に、移送ツーリングの作用および図7A図7Cの設計について得られる利点は、図6A図6Cを参照して詳細に説明した作用および利点と全体として同一である。
【0054】
本発明の種々の実施形態を説明したが、本発明は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲およびこれらの均等範囲に照らして定められることを除き、限定されるべきではない。さらに、本明細書において説明した利点は、必ずしも本発明の唯一の利点ではなく、本発明のあらゆる実施形態が説明した利点の全てを達成することは、必ずしも期待されるわけではない。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
【国際調査報告】