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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/06 20060101AFI20221109BHJP
   C09J 133/02 20060101ALI20221109BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20221109BHJP
【FI】
C09J133/06
C09J133/02
C09J7/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514567
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(85)【翻訳文提出日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 US2020048473
(87)【国際公開番号】W WO2021045973
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】62/895,265
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】レイ、ヒマール エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ヌンゲッサー、ジュニア、エドウィン アロイシウス
(72)【発明者】
【氏名】ジャンコ、ミロスラフ
(72)【発明者】
【氏名】ラフラー、エドワード イー.
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA10
4J004AB01
4J004CA04
4J004FA08
4J040DF011
4J040DF041
4J040DF051
4J040JA03
4J040JA09
4J040JB09
4J040KA18
4J040KA38
4J040LA01
4J040LA02
4J040LA06
4J040MA02
(57)【要約】
本開示は、接着剤組成物を提供する。この接着剤組成物は、(A)多段ラテックスポリマー粒子、(B)線状ジアミン塩基、および(C)エトキシル化界面活性剤を含有する。(A)多段ラテックスポリマー粒子は、(i)アクリル酸モノマーおよび第1のビニルモノマーを含有する第1段目のポリマーと、(ii)メタアクリル酸モノマーおよび第2のビニルモノマーを含有する第2段目のポリマーと、を含むが、ただし、第2のビニルモノマーがメタアクリル酸モノマーとは異なることを条件とする。第1段目のポリマーは、第2段目のポリマーに結合している。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤組成物であって、
(A)多段ラテックスポリマー粒子であって、
(i)第1段目のポリマーであって、
アクリル酸モノマー、
第1のビニルモノマー、を含む、第1段目のポリマー、
(ii)前記第1段目のポリマーに結合した第2段目のポリマーであって、前記第2段目のポリマーが、
メタアクリル酸モノマー、
第2のビニルモノマーを含むが、ただし、前記第2のビニルモノマーが、前記メタアクリル酸モノマーとは異なることを条件とする、第2段目のポリマー、を含む、多段ラテックスポリマー粒子と、
(B)線状ジアミン塩基と、
(C)エトキシル化界面活性剤と、を含む、接着剤組成物。
【請求項2】
前記第1のビニルモノマーが、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記第2のビニルモノマーが、アクリル酸2-エチルヘキシルである、請求項1または2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
前記多段ポリマー粒子が、
(i)前記第1段目のポリマーであって、
前記第1段目のポリマーの乾燥重量に基づいて、0.1重量%~10重量%の前記アクリル酸モノマーの重合単位、
アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、およびそれらの組み合わせから選択される前記第1のビニルモノマー、からなる、第1段目のポリマー、
(ii)前記第2段目のポリマーであって、
前記第2段目のポリマーの乾燥重量に基づいて、0.1重量%~10重量%の前記メタアクリル酸モノマーの重合単位と、
アクリル酸2-エチルヘキシルである前記第2のビニルモノマーと、からなる、第2段目のポリマー、からなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
前記第1段目のポリマーが、84,000g/mol~1,000,000g/molの重量平均分子量Mwを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
前記多段ラテックスポリマー粒子が、-50℃~0℃のガラス転移温度Tgを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
前記線状ジアミン塩基が、ポリエーテルアミンである、請求項1~6のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項8】
前記線状ジアミン塩基が、構造(6)を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【化1】
【請求項9】
前記エトキシル化界面活性剤が、エトキシル化トリデシルアルコールを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項10】
(A)90重量%~99重量%の多段ラテックスポリマー粒子と、
(B)0.1重量%~1重量%の線状ジアミン塩基と、
(C)0.01重量%~1重量%のエトキシル化界面活性剤と、を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項11】
前記接着剤組成物が、500時間~3000時間の剪断を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の接着剤組成物と接触した基材を含む物品。
【請求項13】
物品であって、
基材、
前記基材上のコーティング、を含み、前記コーティングが、
(A)多段ラテックスポリマー粒子であって、
(i)第1段目のポリマーであって、
アクリル酸モノマー、
第1のビニルモノマー、を含む、第1段目のポリマー、
(ii)前記第1段目のポリマーに結合した第2段目のポリマーであって、前記第2段目のポリマーが、
メタアクリル酸モノマー、
第2のビニルモノマー、を含むが、ただし、前記第2のビニルモノマーが、前記メタアクリル酸モノマーとは異なることを条件とする、第2段目のポリマー、を含む、多段ラテックスポリマー粒子と、
(B)線状ジアミン塩基と、
(C)エトキシル化界面活性剤と、を含む、物品。
【請求項14】
前記第1のビニルモノマーが、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
前記第2のビニルモノマーが、アクリル酸2-エチルヘキシルである、請求項13または14に記載の物品。
【請求項16】
前記線状ジアミン塩基が、ポリエーテルアミンである、請求項13~15のいずれか一項に記載の物品。
【請求項17】
前記エトキシル化界面活性剤が、エトキシル化トリデシルアルコールを含む、請求項13~16のいずれか一項に記載の物品。
【請求項18】
前記コーティングが、500時間~3000時間の剪断を有する、請求項13~17のいずれか一項に記載の物品。
【請求項19】
前記基材が、二軸配向ポリプロピレンフィルムを含み、前記物品が、200g/in~1000g/inの90°剥離(ステンレス鋼)を有する、請求項13~18のいずれか一項に記載の物品。
【請求項20】
前記基材が、二軸配向ポリプロピレンフィルムを含み、前記物品が、200g/in~1000g/inのループタック(HDPE)を有する、請求項13~19のいずれか一項に記載の物品。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
接着剤業界では、ラベルおよび他の用途に適した接着特性を備えた感圧接着剤(PSA)の生産にアクリルポリマーが使用される。改善された長期接着性能、例えば、剪断などを示すポリマーを開発するために継続的な取り組みが行われている。
【0002】
当技術分野は、感圧接着剤としての使用に好適なアクリルポリマーを含有する接着剤組成物の必要性を認識している。当技術分野はさらに、PSA用途において十分な長期接着性能を示す接着剤組成物の必要性を認識している。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、接着剤組成物を提供する。この接着剤組成物は、(A)多段ラテックスポリマー粒子、(B)線状ジアミン塩基、および(C)エトキシル化界面活性剤を含有する。(A)多段ラテックスポリマー粒子は、(i)アクリル酸モノマーおよび第1のビニルモノマーを含有する第1段目のポリマーと、(ii)メタアクリル酸モノマーおよび第2のビニルモノマーを含有する第2段目のポリマーと、を含むが、ただし、第2のビニルモノマーがメタアクリル酸モノマーとは異なることを条件とする。第1段目のポリマーは、第2段目のポリマーに結合している。
【0004】
本開示はまた、物品を提供する。この物品は、基材および基板上のコーティングを含む。コーティングは接着剤組成物を含有する。この接着剤組成物は、(A)多段ラテックスポリマー粒子、(B)線状ジアミン塩基、および(C)エトキシル化界面活性剤を含有する。(A)多段ラテックスポリマー粒子は、(i)アクリル酸モノマーおよび第1のビニルモノマーを含有する第1段目のポリマーと、(ii)メタアクリル酸モノマーおよび第2のビニルモノマーを含有する第2段目のポリマーと、を含むが、ただし、第2のビニルモノマーがメタアクリル酸モノマーとは異なることを条件とする。第1段目のポリマーは、第2段目のポリマーに結合している。
【0005】
定義
元素周期表へのいずれの言及も、CRC Press,Inc.,1990-1991によって発行された通りのものである。この表の元素の族についての言及は、族に番号を付けるための新たな表記法によるものである。
【0006】
米国特許実務の目的では、参照されているいかなる特許、特許出願、または出版物の内容も、特に定義の開示(特に本開示で提供されている任意の定義と矛盾しない範囲で)および当技術分野では一般的な知識に関して、参照によってそれらの全体が組み込まれる(あるいはその同等の米国版が参照によってそのように組み込まれる)。
【0007】
本明細書に開示される数値範囲は、下限値から上限値までを含むすべての値を含む。明示的な値を含む範囲(例えば、1、または2、または3~5、または6、または7からの範囲)の場合、任意の2つの明示的な値の間の任意の部分範囲も含まれる(例えば、上記の範囲1~7は、部分範囲1~2、2~6、5~7、3~7、5~6などを含む)。
【0008】
別途の記載がない限り、文脈から暗黙的、または当技術分野で慣例でない限り、すべての部およびパーセントは重量に基づき、すべての試験方法は本開示の出願日現在のものである。
【0009】
「接着剤組成物」とは、加熱および/または加圧下で、目的の基材を連結することができる成分の混合物である。好適な接着剤組成物の非限定的な例には、感圧接着剤(PSA)組成物およびホットメルト接着剤(HMA)組成物が含まれる。「感圧接着剤(PSA)組成物」とは、熱を必要とせずに、加圧下で目的の基材を連結することができる成分の混合物である。「ホットメルト接着剤(HMA)組成物」とは、加熱、またはより典型的には加熱および加圧下で、目的の基材を連結することができる成分の混合物である。
【0010】
「アルキル」および「アルキル基」は、飽和線状、環状、または分岐状の炭化水素基を指す。好適なアルキル基の非限定的な例には、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、i-ブチル(または2-メチルプロピル)などが含まれる。一実施形態では、アルキル基は、1~20個の炭素原子を有する。
【0011】
「アルケニル」または「アルケニル基」は、少なくとも1つのC=C二重結合を含むヒドロカルビル基を指す。アルケニル基は、線状、環状、または分岐状であり得る。好適なアルケニル基の非限定的な例には、エテニル基、n-プロペニル基、i-プロペニル基、n-ブテニル基、t-ブテニル基、i-ブテニル基などが含まれる。
【0012】
「アラルキル」および「アラルキル基」は、1つ以上の水素原子をアリール基で置き換えることによって芳香族炭化水素から得られる有機ラジカルを指す。
【0013】
「アリール」および「アリール基」は、そこから1つの水素原子を欠失することによって芳香族炭化水素から得られる有機ラジカルを指す。アリール基は、単環系および/または縮合環系であり得、これらの各環は、好適には、5~7個、または5~6個の原子を含む。2つ以上のアリール基が単結合(複数可)を介して組み合わされた構造も含まれる。具体的な例としては、これらに限定されないが、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、インデニル、フルオレニル、ベンゾフルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、フルオランテニルなどが挙げられる。
【0014】
「ブレンド」、「ポリマーブレンド」などの用語は、2つ以上のポリマーの組成物を指す。そのようなブレンドは、混和性であっても、そうでなくてもよい。そのようなブレンドは、相分離していても、していなくてもよい。そのようなブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、およびドメイン構成を測定および/もしくは同定するために使用される任意の他の方法から決定されるような、1つ以上のドメイン構成を含んでも含まなくてもよい。
【0015】
「組成物」という用語は、組成物を構成する材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物を指す。
【0016】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、任意の追加の構成要素、工程、または手順の存在を、それらが具体的に開示されているか否かにかかわらず、除外することを意図するものではない。いかなる疑念を避けるために、「含む」という語の使用を通じて請求項に記載されるすべての組成物は、反対の記述がない限り、重合されているかどうかにかかわらず、任意の追加の添加剤、助剤、または化合物を含み得る。対照的に、「~から本質的になる」という用語は、任意の後続の詳述の範囲から、操作性に必要不可欠ではないものを除き、任意の他の構成要素、工程、または手順を除外する。「~からなる(consisting of)」という用語は、具体的に記述または列挙されていない任意の構成要素、工程、または手順を除外する。「または」という用語は、別途記載がない限り、列挙された項目を個々に、および任意の組み合わせで指す。単数形の使用には、複数形の使用が含まれ、逆の場合も同じである。
【0017】
「架橋性」および「硬化性」とは、物品に成形される前または後のポリマーが、硬化も架橋もされておらず、有意な架橋を誘導する処理を経てもそれに曝露されてもいないことを示すが、そのポリマーは、このような処理(例えば、水への曝露、または乾燥)を経るかまたはそれに曝露されたときに有意な架橋をもたらすであろう添加剤(複数可)または機能性は含む。
【0018】
「架橋された」および同様の用語は、ポリマー組成物が、物品に成形される前または後に、90重量パーセント以下のキシレンまたはデカリン抽出可能物(extractable)(すなわち、10重量パーセント以上のゲル含有量)を有することを示す。
【0019】
「ジエン」とは、炭素原子間に2つの二重結合を含む不飽和炭化水素である。ジエンは、6~15個の炭素原子を有する共役、非共役、直鎖状、分岐鎖状または環状の炭化水素ジエンであり得る。好適なジエンの非限定的な例には、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエンが含まれる。
【0020】
「生地」とは、個々の繊維または糸から形成された織られた構造または不織の(編まれた等)構造である。
【0021】
「繊維」および類似の用語は、絡み合ったフィラメントの細長いカラムを指す。繊維径は、様々な方法で測定および報告することができる。概して、繊維径は、1フィラメント当たりのデニールで測定する。デニールは、繊維の長さ9,000メートル当たりのその繊維のグラム数として定義される織物用語である。モノフィラメントは、一般に、15超、通常は30超の1フィラメント当たりのデニールを有する押出ストランドを指す。微細デニール繊維とは、一般に、15以下のデニールを有する繊維を指す。マイクロデニール(別名マイクロ繊維)とは、一般に、100マイクロメートル以下の直径を有する繊維を指す。
【0022】
「フィラメント」および類似の用語とは、概して、円形の断面、および10超の長さ対直径比を有する、単一の連続した伸長材料のストランドを指す。
【0023】
「ハロゲン」とは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびアスタチン(At)を含む元素周期表のIUPAC第17族の元素である。
【0024】
「ヘテロ原子」とは、炭素または水素以外の原子である。ヘテロ原子は、周期表の第IV、V、VI、およびVII族からの非炭素原子であり得る。ヘテロ原子の非限定的な例には、F、N、O、P、B、S、およびSiが含まれる。
【0025】
「ヒドロカルビル」および「炭化水素」という用語は、分岐または非分岐、飽和または不飽和、環式、多環式または非環式種を含む水素および炭素原子のみを含む置換基を指す。非限定的な例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、およびアルキニル基が挙げられる。
【0026】
「ニット生地」は、手によって、編み針で、または機械上で、糸または繊維を一連の連結したループに絡み合せることから形成される。生地は、縦編みまたは横編み、平編み、および丸編みによって形成することができる。好適な縦編みの非限定的な例には、トリコット、ラッセルパワーネット、およびレースが含まれる。好適な横編みの非限定的な例には、丸編み、平編み、およびシームレス(これは多くの場合丸編みのサブセットとみなされる)が含まれる。
【0027】
「ラテックスポリマー」とは、水性乳化重合によって調製されたポリマー化合物である。ラテックスポリマーは、安定した分散液である連続水性媒体全体に懸濁された粒子として存在する。
【0028】
「不織の」とは、ランダムに交錯させ合って配置されているが、ただし、ニット生地の場合のように識別可能な様式では交錯させ合って配置されていない、個々の繊維またはより糸の構造を有するウェブまたは生地である。
【0029】
「ポリマー」とは、同じ種類であるか異なる種類であるかは問わない、モノマーを重合することによって調製されたポリマー化合物である。したがって、ポリマーという総称は、「ホモポリマー」(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれ得るという理解の下で、1種類のモノマーのみから調製されたポリマーを指すために用いられる)、および「インターポリマー」という用語を包含し、これはコポリマー(2つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを指すのに用いられる)、ターポリマー(3つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを指すのに用いられる)、および4つ以上の異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを含む。例えば、触媒残渣などの微量の不純物が、ポリマー中および/またはポリマー内に組み込まれ得る。この用語はまた、コポリマーのすべての形態、例えば、ランダム、ブロックなどを包含する。ポリマーは多くの場合、1つ以上の特定のモノマー「から作製されている」、特定のモノマーまたはモノマーの種類「に基づいている」、特定のモノマー含有量を「含有している」ものなどとして言及されるが、この文脈においては、「モノマー」という用語は、非重合種ではなく、その特定のモノマーの重合残余物を指していると理解されることに留意されたい。概して、本明細書におけるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づくものとして言及される。
【0030】
「置換ヒドロカルビル」および「置換炭化水素」は、1つ以上の非ヒドロカルビル置換基で置換されたヒドロカルビル基を指す。非ヒドロカルビル置換基の非限定的な例には、ヘテロ原子、ヘテロ原子を含む部分、酸素含有部分(例えば、アルコール、アクリレート、アクリル酸、アルデヒド、カルボン酸、エステル、エーテル、ケトン、およびペルオキシド基)、および窒素含有部分(例えば、アミド、アミン、アゾ、イミド、イミン、ニトレート、ニトリル、およびニトライト基)が含まれる。
【0031】
「織物」とは、天然繊維、人工繊維、およびそれらの組み合わせのネットワークで構成された可撓性材料である。織物には、生地および布が含まれる。
【0032】
「ポリマーの重量」は、ポリマーの乾燥重量を指す。
【0033】
「織られた」とは、識別可能な様式で、一定のパターンで交錯させ合って配置された個々の繊維またはより糸の構造を有するウェブまたは生地を指す。織られた生地の非限定的な例としては、ニット生地がある。
【0034】
「糸」とは、織られたか、または編まれた生地の製造に使用することができる、撚られたか、またはそうでなければ絡み合った1本の一続きのフィラメントである。
【0035】
試験方法
引火点とは、揮発性液体が気化し、空気中で発火性の混合物を形成するが、燃焼し続けない最低温度を指す(燃焼点と比較されたい)。引火点は、ASTM D 3278に従って測定する。
【0036】
ガラス転移温度(Tg)は、ASTM-D3418-15に従って測定する。
【0037】
界面活性剤の親水性-親油性バランス(HLB)は、界面活性剤が親水性または親油性である程度の尺度である。HLBは、William C.Griffinが、それらの内容が参照により本明細書に組み込まれる、“Classification of Surface-Active Agents by HLB,”1 Journal of the Society of Cosmetic Chemists 5,311-26(1949)および“Calculation of HLB Values of Non-Ionic Surfactants,”5 Journal of the Society of Cosmetic Chemists 4,249-56(1954)で説明しているように、その分子の異なる領域について値を計算することによって決定する。
【0038】
ループタックは、ASTM 6195-03、試験方法-Aに従って、ステンレス鋼基材および高密度ポリエチレン(HDPE)基材の両方に対して測定する。
【0039】
pHは、ASTM E70-07(2015)に従って測定する。
【0040】
剪断は、PSTC 107法に従って測定する。結果は、時間単位で報告する。
【0041】
線状ジアミン塩基および組成物の粘度は、#3円筒形スピンドルを備えたブルックフィールドLV粘度計を、毎分30回転(RPM)で使用して、25℃で測定する。
【0042】
重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)システムを使用して測定する。Mwは、次の式(1)に従って計算する。
【数1】
式中、Wfiは、i番目の成分の重量分率であり、Miは、i番目の成分の分子量である。試料は、固形分に基づいて0.1~0.2%の濃度のテトラヒドロフラン(THF)中で調製する。メカニカルシェーカー上で、試料を一晩室温(23~25℃)で溶解させる。次に、0.45μm PTFEフィルターを使用して試料溶液をろ過する。100uLの試料溶液を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)システムに注入する。SEC分離は、限定的なポリスチレン規格(1モル当たり580グラム~1グラム当たり650万グラム)を使用し、一次較正曲線で当てはめて較正した、2つのPLgel Mixed Bカラムで構成されたカラムセットに対して、毎分1mLで、THF移動相において実施する。流出液は屈折率検出器を使用して監視する。
【0043】
90°剥離は、PSTC 101、試験方法Fに従って測定する。結果は、1インチ当たりのグラム数(g/in)として報告する。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本開示は、接着剤組成物を提供する。接着剤組成物は、(A)多段ラテックスポリマー粒子、(B)線状ジアミン塩基、および(C)エトキシル化界面活性剤を含有する。(A)多段ラテックスポリマー粒子には、(i)アクリル酸モノマーおよび第1のビニルモノマーを含有する第1段目のポリマー、ならびに(ii)メタアクリル酸モノマーおよび第2のビニルモノマーを含有する第2段目のポリマーを含むが、ただし、第2のビニルモノマーがメタアクリル酸モノマーとは異なることを条件とする。第1段目のポリマーは、第2段目のポリマーに結合している。
【0045】
一実施形態では、接着剤組成物は、感圧接着剤(PSA)組成物である。
【0046】
A.多段ラテックスポリマー粒子
接着剤組成物は、多段ラテックスポリマー粒子を含有する。多段ラテックスポリマー粒子には、(i)アクリル酸モノマーおよび第1のビニルモノマーを含有する第1段目のポリマー、ならびに(ii)メタアクリル酸モノマーおよび第2のビニルモノマーを含有する第2段目のポリマーを含むが、ただし、第2のビニルモノマーがメタアクリル酸モノマーとは異なることを条件とする。第1段目のポリマーは、第2段目のポリマーに結合している。
【0047】
「多段ラテックスポリマー粒子」(「MSLPP」)は、各粒子が第1段目のポリマーおよび第2段目のポリマーを含み、第1段目のポリマーが第2段目のポリマーに結合しているラテックスポリマーである。MSLPPに関して本明細書で使用される場合、「結合している」という用語は、コアシェル構造において互いに共有結合または会合している第1段目のポリマーおよび第2段目のポリマーであって、第1段目のポリマーがコアを形成し、第2段目のポリマーがシェルを形成するものを指す。MSLPPは、2つ以上の重合段階において調製する。1つの段階では、乳化重合プロセスを実行して第1段目のポリマー粒子を生成する。その後の段階では、第1段目のポリマー粒子の存在下で乳化重合プロセスを実行して、第2段目のポリマーを形成する。一実施形態では、第1段目のポリマーの形成と第2段目のポリマーの形成との間に、検出可能な重合が起こらない一定の期間がある。第2段目のポリマーの形成においては、第2段目のポリマーの半分以上(第2段目のポリマーの重量に基づく重量で)が、第1段目のポリマー粒子の表面上に形成し、第2段目のポリマーが第1段目のポリマーに結合する。第2段目のポリマーは、第1段目のポリマー粒子をカプセルに包むか、または実質的にカプセルに包む。1つ以上の追加の重合段階を、任意選択で、(i)第1段目のポリマーの形成前、および/または(ii)第1段目のポリマーの形成と第2段目のポリマーの形成との間、および/または(iii)第2段目のポリマーの形成後、および/または(iv)これらの組み合わせで実施する。
【0048】
i.第1段目のポリマー
多段ラテックスポリマー粒子は、アクリル酸モノマーおよび第1のビニルモノマーを含有する第1段目のポリマーを含む。
【0049】
第1段目のポリマーは、アクリル酸モノマーを含有する。「アクリル酸モノマー」(または「AA」)は、以下の構造(1)を有する化合物である。
【化1】
【0050】
第1段目のポリマーは、第1のビニルモノマーを含有する。「ビニルモノマー」とは、以下の構造(2)を有する化合物である。
【化2】
式中、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アクリルモノマー、およびそれらの組み合わせから選択する。
【0051】
好適なビニルモノマーの非限定的な例には、スチレン(STY)、α-メチルスチレン、エチレン、エチレンエステル、ジエン、酢酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、アクリロニトリル(AN)、(メタ)アクリロニトリル、メタ(アクリル)酸(MAA)、アクリル酸、(メタ)アルキルアクリレート、メタクリルアミド、アクリルアミド、アクリル酸ブチル(BA)、アクリル酸エチル(EA)、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸アリル(ALMA)、(メタ)ヒドロキシアルキルアクリレート、ジビニルベンゼン(DVB)、アクリル酸2-エチルヘキシル(EHA)、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0052】
第1のビニルモノマーは、アクリル酸モノマー(AA)とは異なる。言い換えれば、第1のビニルモノマーは、組成上および/または構造上AAとは異なる。
【0053】
一実施形態では、第1のビニルモノマーは、EHA、MMA、およびそれらの組み合わせから選択する。
【0054】
一実施形態では、第1段目のポリマーは、(i)AAを含有するか、それから本質的になるか、またはそれからなり、(ii)第1のビニルモノマーは、EHA、MMA、およびそれらの組み合わせから選択する。
【0055】
一実施形態では、第1段目のポリマーは、(i)AA(ii)EHA、および(iii)MMAを含有するか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる。
【0056】
一実施形態では、第1段目のポリマーは、50,000g/mol、または84,000g/mol、または200,000g/mol、または300,000g/mol、または340,000g/mol~400,000g/mol、または500,000g/mol、または750,000g/mol、または1,000,000g/molの重量平均分子量Mwを有する。別の実施形態では、第1段目のポリマーは、50,000g/mol~1,000,000g/mol、または84,000g/mol~1,000,000g/mol、または300,000g/mol~750,000g/mol、または340,000g/mol~400,000g/molの重量平均分子量Mwを有する。
【0057】
一実施形態では、第1段目のポリマーは、第1段目のポリマーの乾燥重量に基づいて、0.1重量%、または0.5重量%、または1.0重量%~1.5重量%、または2.0重量%、または3.0重量%、または5.0重量%、または10.0重量%のアクリル酸モノマー(AA)の重合単位を含有する。
【0058】
一実施形態では、第1段目のポリマーは、第1段目のポリマーの乾燥重量に基づいて、90重量%、または95重量%、または97重量%、または98重量%、または98.5重量%~99重量%、または99.5重量%、または99.9重量%の第1のビニルモノマー(EHAおよび/またはMMAなど)の重合単位を含有する。
【0059】
一実施形態では、第1段目のポリマーは、(i)0.1重量%~10.0重量%、または0.5重量%~5.0重量%、または1.0重量%~2.0重量%のアクリル酸モノマー(AA)の重合単位、および(ii)それに対応する量の第1のビニルモノマー(EHAおよび/またはMMAなど)の重合単位、すなわち第1段目のポリマーの乾燥重量に基づいて、90.0重量%~99.9重量%、または95.0重量%~99.5重量%、または98.0重量%~99.0重量%の第1のビニルモノマーの重合単位を含有するか、それから本質的になるか、またはそれからなる。
【0060】
一実施形態では、第1段目のポリマーは、第1段目のポリマーの乾燥重量に基づいて、(i)0.1重量%~10.0重量%、または0.5重量%~5.0重量%、または1.0重量%~2.0重量%のアクリル酸モノマー(AA)の重合単位、(ii)60重量%、または70重量%、または75重量%、または80重量%~83重量%、または85重量%、または90重量%のアクリル酸2-エチルヘキシル(EHA)の重合単位、および(iii)9重量%、または10重量%、または15重量%、または16重量%~19重量%、または20重量%、または25重量%、または30重量%のメタクリル酸メチルモノマー(MMA)の重合単位を含有するか、それから本質的になるか、またはそれからなる。さらなる実施形態では、第1段目のポリマーは、50,000g/mol~1,000,000g/mol、または84,000g/mol~1,000,000g/mol、または300,000g/mol~750,000g/mol、または340,000g/mol~400,000g/molの重量平均分子量Mwを有する。
【0061】
(i)AAおよび(ii)第1のビニルモノマーの総量は、第1段目のポリマーの100重量%になる。
【0062】
第1段目のポリマーは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態で構成されてもよい。
【0063】
ii.第2段目のポリマー
多段ラテックスポリマー粒子は、(i)メタアクリル酸モノマー、および(ii)第2のビニルモノマーを含有する第2段目のポリマーを含む。
【0064】
第2段目のポリマーは、メタアクリル酸モノマーを含有する。「メタアクリル酸モノマー」(または「MAA」)とは、以下の構造(3)を有する化合物である。
【化3】
【0065】
第2段目のポリマーは、第2のビニルモノマーを含む。第2のビニルモノマーは、本明細書に開示される、MAAを除く任意のビニルモノマーであり得る。
【0066】
第2のビニルモノマーは、MAAとは異なる。言い換えれば、第2のビニルモノマーは、組成上および/または構造上MAAとは異なる。
【0067】
第2のビニルモノマーは、第1段目のポリマー中の第1のビニルモノマーと同じであっても、異なってもよい。一実施形態では、第2段目のポリマーの第2のビニルモノマーは、第1段目のポリマーの第1のビニルモノマーと同じである。第2段目のポリマーの第2のビニルモノマーが第1段目のポリマーの第1のビニルモノマーと同じである場合、第2のビニルモノマーおよび第1のビニルモノマーは、同一のビニルモノマー、または同一のビニルモノマーのブレンドを同一の重量比で含む。別の実施形態では、第2段目のポリマーの第2のビニルモノマーは、第1段目のポリマーの第1のビニルモノマーとは異なる。
【0068】
一実施形態では、第2のビニルモノマーは、EHA、MMA、およびそれらの組み合わせから選択する。さらなる実施形態では、第2のビニルモノマーは、EHAである。
【0069】
別の実施形態では、第2段目のポリマーは、(i)MAAおよび(ii)EHAである第2のビニルモノマーを含有するか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる。
【0070】
一実施形態では、MSLPPの可溶性画分は、200,000g/mol、または210,000g/mol~248,000g/mol、または250,000g/mol、または275,000g/mol、または300,000g/mol、または400,000g/mol、または500,000g/molの重量平均分子量Mwを有する。別の実施形態では、MSLPPの可溶性画分は、200,000g/mol~500,000g/mol、または200,000g/mol~250,000g/mol、または210,000g/mol~248,000g/molの重量平均分子量Mwを有する。特定の理論に拘束されることを望まないが、MSLPPの可溶性画分のMwは、ポリマー総体の90重量%以上である場合、ポリマー全体の代表的なMwの測定値であると考えられている。
【0071】
一実施形態では、第2段目のポリマーは、第2段目のポリマーの乾燥重量に基づいて、0.1重量%、または1重量%、または2重量%、または4重量%~10重量%、または11重量%、または15重量%、または20重量%のMAAの重合単位を含有する。
【0072】
一実施形態では、第2段目のポリマーは、第2段目のポリマーの乾燥重量に基づいて、80重量%、または85重量%、または89重量%、または90重量%~96重量%、または98重量%、または99重量%、または99.9重量%の第2のビニルモノマー(EHAなど)の重合単位を含有する。
【0073】
一実施形態では、第2段目のポリマーは、(i)0.1重量%~20重量%、または0.1重量%~10重量%、または1重量%~10重量%のMAAの重合単位、および(ii)それに対応する量の第2のビニルモノマー(EHAなど)の重合単位、すなわち第2段目のポリマーの乾燥重量に基づいて、80重量%~99.9重量%、または90重量%~99.9重量%、または90重量%~99重量%の第2のビニルモノマーの重合単位を含有するか、それから本質的になるか、またはそれからなる。さらなる実施形態では、MSLPPの可溶性画分は、200,000g/mol~500,000g/mol、または200,000g/mol~250,000g/mol、または210,000g/mol~248,000g/molの重量平均分子量Mwを有する。
【0074】
一実施形態では、第2段目のポリマーは、アクリル酸モノマー(AA)を欠くか、または実質的に欠く。
【0075】
一実施形態では、第2段目のポリマーは、メタクリル酸メチルモノマー(MMA)を欠くか、または実質的に欠く。
【0076】
一実施形態では、第2段目のポリマーは、連鎖移動剤(CTA)の非存在下で形成する。CTAの非限定的な例には、メチル-3-メルカプト-プロピオネート(MMP)およびn-ドデシルメルカプタン(n-DDM)が含まれる。CTAの存在下で形成した第2段目のポリマーは、第2段目のポリマーの総乾燥重量に基づいて、0ppm超のCTAの残渣を含む。
【0077】
第2段目のポリマーは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態で構成されてもよい。
【0078】
第1段目のポリマーは、第2段目のポリマーに結合している。一実施形態では、第1段目のポリマーは、第1段目のポリマー中の少なくとも1つのモノマーと第2段目のポリマー中の少なくとも1つのモノマーとの間の架橋反応によって第2段目のポリマーに結合している。
【0079】
一実施形態では、MSLPPは、MSLPPの総乾燥重量に基づいて、60重量%、または65重量%、または70重量%、または75重量%、または79重量%~90重量%、または95重量%の第1段目のポリマーを含む。
【0080】
一実施形態では、MSLPPは、MSLPPの総乾燥重量に基づいて、5重量%、または10重量%~21重量%、または25重量%、または30重量%、または35重量%、または40重量%の第2段目のポリマーを含む。
【0081】
一実施形態では、MSLPPは、(i)60重量%~95重量%、または75重量%~95重量%、または79重量%~90重量%の第1段目のポリマー、および(ii)それに対応する量の第2段目のポリマー、すなわちMSLPPの総乾燥重量に基づいて、5重量%~40重量%、または5重量%~25重量%、または10重量%~21重量%の第2段目のポリマーを含有するか、それから本質的になるか、またはそれからなる。
【0082】
一実施形態では、MSLPPは、-54℃、または-50℃、または-45℃~-44℃、または-40℃、または-35℃、または-30℃、または-20℃、または0℃、または10℃、または20℃のガラス転移温度Tgを有する。別の実施形態では、MSLPPは、-54℃~-20℃、または-50℃~0℃、または-54℃~-30℃、または-54℃~-40℃、または-54℃~-44℃、または-50℃~-44℃のTgを有する。
【0083】
一実施形態では、MSLPPは、シード成長を使用して形成する。シード成長中は、シード粒子(コポリマーシード粒子またはオリゴマーシード粒子のいずれか)が、第1段目のポリマーを生成するために行われる乳化重合プロセスに含まれる。一実施形態では、シード粒子の形成と第1段目のポリマーの形成との間に、検出可能な重合が起こらない一定の期間がある。第1段目のポリマーの形成において、第1段目のポリマーの半分以上(重量で、第1段目のポリマーの重量に基づく)が、シード粒子の表面上に形成する。第1段目のポリマーは、シード粒子をカプセルに包むか、または実質的にカプセルに包む。シード粒子は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、USP8,686,096(例えば、実施例1および5(列19および20))およびUSP7,829,626に記載されるように調製することができる。一実施形態では、シード粒子は、アクリルモノマーを含有するオリゴマーシード粒子である。さらなる実施形態では、シード粒子は、アクリル酸ブチル、n-ドデシルメルカプタン、メタクリル酸メチル(MMA)、およびメタクリル酸(MAA)を含むアクリルオリゴマーシード(AOS)粒子である。
【0084】
(A)第1段目のポリマーおよび(B)第2段目のポリマーを有するMSLPPは、単一の重合ステップで調製されたポリマーなどの単相ポリマーを除外する。代わりに、MSLPPは、互いに結合した、異なるモノマーを有する2つの異なるポリマー((A)第1段目のポリマーは、AAおよび第1のビニルモノマーを含有し、(B)第2段目のポリマーは、MAAおよび第2のビニルモノマーを含有する)を含み、一方、従来型の単相ポリマーは、同じモノマーをポリマー鎖全体に分布させた単一のポリマーを含むため、MSLPPは、従来型の単相ポリマーとは構造的に異なる。
【0085】
MSLPPは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態で構成されてもよい。
【0086】
B.線状ジアミン塩基
接着剤組成物は、線状ジアミン塩基を含有する。
【0087】
「線状ジアミン塩基」とは、2つのアミン基、線状構造、および7.0超のpHを有する化合物である。「アミン基」とは、以下の構造(4)を有する部分である。
【化4】
式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル、およびそれらの組み合わせから選択する。
【0088】
好適なアミン基の非限定的な例には、アミノ基であって、RおよびRが、それぞれ構造(4)の水素であるアミノ基がある。
【0089】
線状ジアミン塩基は、2つ、ただし厳密に2つのアミン基を含む。言い換えると、線状ジアミン塩基は、1つのアミン基を含む化合物(モノアミン、例えばJEFFAMINE Mシリーズの下で販売されているHuntsmanから入手可能な製品など)、および3つ以上のアミン基を含む化合物(トリアミン、例えばJEFFAMINE Tシリーズの下で販売されているHuntsmanから入手可能な製品など)を除外する。
【0090】
線状ジアミン塩基は、分岐構造を有する化合物、例えばJEFFAMINE DシリーズおよびJEFFAMINE EDシリーズの下で販売されているHuntsmanから入手可能な分岐ジアミンなどを除外する。
【0091】
一実施形態では、線状ジアミン塩基はポリエーテルアミンである。本明細書で使用される場合、「ポリエーテルアミン」とは、以下の構造(5)を有する化合物である。
【化5】
式中、yは、1、または2~3、または4、または5、または10である。
【0092】
一実施形態では、構造(5)において、yは、1~10、または2~10、または1~3である。
【0093】
ポリエーテルアミンである好適な線状ジアミン塩基の非限定的な例には、JEFFAMINE EDRシリーズの下で販売されているHuntsmanから入手可能な製品、例えばJEFFAMINE EDR-148およびJEFFAMINE EDR-176などが含まれる。
【0094】
一実施形態では、線状ジアミン塩基は、以下の構造(6)を有する。
【化6】
【0095】
構造(6)を有する線状ジアミン塩基の非限定的な例には、Huntsmanから入手可能なJEFFAMINE EDR-148がある。
【0096】
一実施形態では、線状ジアミン塩基は、7.0、または8.0、または9.0、または10.0、または11.0、または11.5超~11.9、または12.0、または13.0、または14.0のpHを有する。別の実施形態では、線状ジアミン塩基は、10.0~13.0、または11.0~12.0のpHを有する。
【0097】
一実施形態では、線状ジアミン塩基は、30g/mol、または35g/mol、または37g/mol~44g/mol、または50g/mol、または75g/mol、または100g/molの分子量を有する。別の実施形態では、線状ジアミン塩基は、30g/mol~100g/mol、または30g/mol~50g/mol、または37g/mol~44g/molの分子量を有する。
【0098】
一実施形態では、線状ジアミン塩基は、25℃で、1mm/秒、または5mm/秒、または8mm/秒~9mm/秒、または10mm/秒、または15mm/秒の粘度を有する。別の実施形態では、線状ジアミン塩基は、25℃で、1mm/秒~15mm/秒、または5mm/秒~10mm/秒、または8mm/秒~9mm/秒の粘度を有する。
【0099】
一実施形態では、線状ジアミン塩基は、100℃、または105℃、または110℃、または115℃~120℃、または125℃、または130℃の引火点を有する。別の実施形態では、線状ジアミン塩基は、100℃~130℃、または105℃~125℃、または105℃~120℃の引火点を有する。
【0100】
一実施形態では、線状ジアミン塩基は、構造(5)、またはさらに構造(6)を有し、線状ジアミン塩基は、(i)10.0~13.0、もしくは11.0~12.0のpH、および/または(ii)30g/mol~100g/mol、もしくは37g/mol~44g/molの分子量、および/または(iii)25℃で、1mm/秒~15mm/秒、もしくは8mm/秒~9mm/秒の粘度、および/または(iv)100℃~130℃、もしくは105℃~120℃の引火点のうちの1つ、いくつか、またはすべての特性を有する。
【0101】
線状ジアミン塩基は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態で構成されてもよい。
【0102】
C.エトキシル化界面活性剤
接着剤組成物は、エトキシル化界面活性剤を含有する。
【0103】
「エトキシル化界面活性剤」とは、以下の構造(7)を有するアルコールエトキシレートである。
【化7】
式中、mは、1~10、または11、または15、または20、または25であり、
nは、1~2、または3、または4、または5である。
【0104】
一実施形態では、構造(7)において、mは、1~25、または1~10、または10である。
【0105】
一実施形態では、構造(7)において、nは、1~5、または1~4である。
【0106】
「エトキシレート」とは、脂肪アルコールをエチレンオキシドと反応させることによって形成する化合物である。
【0107】
好適なエトキシル化界面活性剤の非限定的な例には、構造(7)において、mが10に等しいエトキシル化トリデシルアルコールがある。エトキシル化トリデシルアルコールの非限定的な例には、BASFから入手可能なLUTENSOL TDA-8がある。
【0108】
一実施形態では、エトキシル化界面活性剤は、400g/mol、または450g/mol、または500g/mol~550g/mol、または600g/mol、または700g/mol、または800g/molの分子量を有する。別の実施形態では、エトキシル化界面活性剤は、400g/mol~800g/mol、または500g/mol~600g/molの分子量を有する。
【0109】
一実施形態では、エトキシル化界面活性剤は、10、または11、または12~13、または14、または15の親水性-親油性バランス(HLB)を有する。別の実施形態では、エトキシル化界面活性剤は、10~15、または12~13のHLBを有する。
【0110】
一実施形態では、エトキシル化界面活性剤は、(i)400g/mol~800g/mol、もしくは500g/mol~600g/molの分子量、および/または(ii)10~15、もしくは12~13のHLBのうちの一方または両方の特性を有するエトキシル化トリデシルアルコールである。
【0111】
エトキシル化界面活性剤は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態で構成されてもよい。
【0112】
D.任意選択の添加剤
一実施形態では、接着剤組成物は、(A)MSLPP、(B)線状ジアミン塩基、(C)エトキシル化界面活性剤、および(D)1つ以上の任意選択の添加剤を含有する。
【0113】
好適な添加剤の非限定的な例には、塩基(水酸化アンモニウムなど)、可塑剤、油、安定剤、酸化防止剤、顔料、染料、粘着防止添加剤、ポリマー添加剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、レオロジー変性剤、保湿剤、充填剤、溶剤、核剤、界面活性剤、キレート剤、ゲル化剤、加工助剤、架橋剤、中和剤、難燃剤、蛍光剤、相溶化剤、抗菌剤、水、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0114】
一実施形態では、接着剤組成物は、レオロジー変性剤を含む。好適なレオロジー変性剤の非限定的な例としては、The Dow Chemical Companyから入手可能なACRYSOL RM-2020などの非イオン性ウレタンレオロジー変性剤がある。一実施形態では、接着剤組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.01重量%、または0.05重量%、または0.10重量%~0.25重量%、または0.30重量%、または0.50重量%、または1.0重量%、または2.0重量%、または3.0重量%のレオロジー変性剤を含有する。
【0115】
任意選択の添加剤は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態で構成されてもよい。
【0116】
一実施形態では、接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、90重量%、または95重量%、または97重量%~99重量%のMSLPPを含有する。
【0117】
一実施形態では、接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、0.5重量%、または0.8重量%~2.0重量%、または3.0重量%、または4.0重量%、または5.0重量%の線状ジアミン塩基を含有する。
【0118】
一実施形態では、接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量に基づいて、0.01重量%、または0.05重量%、または0.09重量%~0.15重量%、0.20重量%、または0.50重量%、または0.75重量%、または1.0重量%のエトキシル化界面活性剤を含有する。
【0119】
一実施形態では、組成物は、(A)90重量%~99重量%、または95重量%~99重量%、または97重量%~99重量%のMSLPP、(B)0.5重量%~5.0重量%、または0.8重量%~3.0重量%、または0.8重量%~2.0重量%の線状ジアミン塩基、(C)0.01重量%~1.0重量%、または0.05重量%~0.50重量%、または0.09重量%~0.15重量%のエトキシル化界面活性剤、および(D)任意選択で、0.01重量%、または0.05重量%、または0.10重量%~0.25重量%、または0.30重量%、または0.50重量%、または1.0重量%、または2.0重量%、または3.0重量%の任意選択の添加剤(レオロジー変性剤など)を含有するか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。
【0120】
一実施形態では、接着剤組成物は、7.0、または7.5、または8.0、または8.3超~9.8、または10.0、または11.0、または12.0のpHを有する。別の実施形態では、接着剤組成物は、7.0~12.0超、または8.0~10.0、または8.3~9.8のpHを有する。
【0121】
一実施形態では、接着剤組成物は、500時間超、または1000時間超、または1500時間超、または1700時間超の剪断を有する。別の実施形態では、接着剤組成物は、500時間、または1000時間、または1500時間、または1700時間~3000時間、または3500時間の剪断を有する。一実施形態では、接着剤組成物は、1700時間超の剪断を有する。
【0122】
一実施形態では、接着剤組成物は、(i)7.0~12.0、または8.0~10.0、または8.3~9.8超のpH、および/または(ii)500時間超、または1000時間超、または1500時間超、または1700時間超の剪断、および/または(iii)200g/in、または300g/in、または500g/in、または600g/in、または650g/in~900g/in、または1000g/in、または1500g/inの90°剥離強度(ステンレス鋼)、および/または(iv)200g/in、または250g/in、または300g/in~450g/in、または500g/in、または750g/in、または1000g/inの90°剥離強度(HDPE)、および/または(v)200g/in、または400g/in、または600g/in、または650g/in~800g/in、または900g/in、または1000g/in、または1500g/inのループタック(ステンレス鋼)、および/または(vi)200g/in、または300g/in、または350g/in、または360g/in、または400g/in~650g/in、または750g/in、または1000g/inのループタック(HDPE)の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する。
【0123】
一実施形態では、接着剤組成物は、
(A)接着剤組成物の総重量に基づいて、90重量%~99重量%、または95重量%~99重量%、または97重量%~99重量%のMSLPPであって、
(i)MSLPPの総乾燥重量に基づいて、60重量%~95重量%、または75重量%~95重量%、または79重量%~90重量%の第1段目のポリマーであって、第1段目のポリマーの乾燥重量に基づいて、(a)0.1重量%~10.0重量%、または0.5重量%~5.0重量%、または1.0重量%~2.0重量%のアクリル酸モノマー(AA)の重合単位、(b)60重量%、または70重量%、または75重量%、または80重量%~83重量%、または85重量%、または90重量%のアクリル酸2-エチルヘキシルモノマー(EHA)の重合単位、および(c)9重量%、または10重量%、または15重量%、または16重量%~19重量%、または20重量%、または25重量%、または30重量%のメタクリル酸メチルモノマー(MMA)の重合単位を含有するか、本質的にそれからなるか、それからなり、50,000g/mol~1,000,000g/mol、または84,000g/mol~1,000,000g/mol、または300,000g/mol~750,000g/mol、または340,000g/mol~400,000g/molの重量平均分子量を有する、第1段目のポリマーと、
(ii)MSLPPの総乾燥重量に基づいて、5重量%~40重量%、または5重量%~25重量%、または10重量%~21重量%の第2段目のポリマーであって、第2段目のポリマーの乾燥重量に基づいて、(a)0.1重量%~20重量%、または0.1重量%~10重量%、または1重量%~10重量%のメタアクリル酸モノマー(MAA)の重合単位、および(b)80重量%~99.9重量%、または90重量%~99.9重量%、または90重量%~99重量%の第2のビニルモノマー(EHAなど)の重合単位を含有するか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる第2段目のポリマーと、を含有するか、本質的にそれからなるか、またはそれからなり、
MSLPPの可溶性画分は、200,000g/mol~500,000g/mol、または200,000g/mol~250,000g/mol、または210,000g/mol~248,000g/molの重量平均分子量Mwを有し、
-54℃~20℃、または-50℃~0℃、または-54℃~-30℃、または-54℃~-40℃、または-54℃~-44℃、または-50℃~-44℃のガラス転移温度Tgを有する、MSLPPと、
(B)接着剤組成物の総重量に基づいて、0.5重量%~5.0重量%、または0.8重量%~3.0重量%、または0.8重量%~2.0重量%の構造(5)、またはさらに構造(6)を有する線状ジアミン塩基であって、(i)10.0~13.0、もしくは11.0~12.0のpH、および/または(ii)30g/mol~100g/mol、もしくは37g/mol~44g/molの分子量、および/または(iii)25℃で、1mm/秒~15mm/秒、または8mm/秒~9mm/秒の粘度、および/または(iv)100℃~130℃、または105℃~120℃の引火点といった特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する線状ジアミン塩基と、
(C)接着剤組成物の総重量に基づいて、0.01重量%~1.0重量%、または0.05重量%~0.50重量%、または0.09重量%~0.15重量%のエトキシル化界面活性剤であって、(i)400g/mol~800g/mol、もしくは500g/mol~600g/molの分子量、および/または(ii)10~15、もしくは12~13のHLBの特性のうちの一方または両方を有するエトキシル化トリデシルアルコールであるエトキシル化界面活性剤と、
(D)任意選択で、接着剤組成物の総重量に基づいて、0.01重量%、または0.05重量%、または0.10重量%~0.25重量%、または0.30重量%、または0.50重量%、または1.0重量%、または2.0重量%、または3.0重量%の任意選択の添加剤(レオロジー変性剤など)と、を含有するか、本質的にそれらからなるか、それらからなり、
接着剤組成物は、(i)7.0~12.0、もしくは8.0~10.0、もしくは8.3~9.8超のpH、および/または(ii)500時間超、もしくは1000時間超、もしくは1500時間超、もしくは1700時間超の剪断、および/または(iii)200g/in~1500g/in、もしくは500g/in~1000g/in、もしくは650g/in~900g/inの90°剥離強度(ステンレス鋼)、および/または(iv)200g/in~1000g/in、もしくは300g/in~750g/in、もしくは300g/in~450g/inの90°剥離強度(HDPE)、および/または(v)200g/in~1500g/in、もしくは400g/in~1000g/in、もしくは650g/in~800g/inのループタック(ステンレス鋼)、および/または(vi)200g/in~1000g/in、もしくは300g/in~750g/in、もしくは350g/in~650g/inのループタック(HDPE)といった特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する。
【0124】
前述の接着剤組成物を含む、本明細書に開示される接着剤組成物の各々における成分の合計は、100重量%になることが理解される。
【0125】
接着剤組成物は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態で構成されてもよい。
【0126】
一実施形態では、基材および上記の接着剤組成物を含む物品が調製され得る。基材は水性組成物と接触している。
【0127】
E.物品
本開示は、物品を提供する。この物品は、基材および基材上のコーティングを含む。コーティングは、接着剤組成物を含有する。接着剤組成物は、(A)多段ラテックスポリマー粒子、(B)線状ジアミン塩基、および(C)エトキシル化界面活性剤を含有する。(A)多段ラテックスポリマー粒子は、(i)アクリル酸モノマーおよび第1のビニルモノマーを含有する第1段目のポリマーと、(ii)メタアクリル酸モノマーおよび第2のビニルモノマーを含有する第2段目のポリマーと、を含むが、ただし、第2のビニルモノマーがメタアクリル酸モノマーとは異なることを条件とする。第1段目のポリマーは、第2段目のポリマーに結合している。
【0128】
接着剤組成物は、本明細書に開示される任意の接着剤組成物であり得る。
【0129】
物品は基材を含む。この基材の少なくとも1つの表面上に接着剤組成物がある。好適な基材の非限定的な例には、フィルム、シート、布地、ボール紙、および木材が含まれる。一実施形態では、組成物は、基材の少なくとも1つの表面と別の基材の少なくとも1つの表面との間にシールを形成する。
【0130】
基材は、2つの対向する表面を有する連続構造体である。
【0131】
一実施形態では、物品は、第1の基材および第2の基材を含む。接着剤組成物を含有するコーティングは、第1の基材と第2の基材との間にある。第1の基材および第2の基材は、同じであっても、異なってもよい。一実施形態では、第1の基材および第2の基材は、同一の組成および同一の構造を有するという点で同じである。
【0132】
一実施形態では、第1の基材および第2の基材は、組成上および/または構造上互いに異なる。
【0133】
一実施形態では、接着剤組成物を含有するコーティングを第1の基材の表面に塗布する。好適な塗布方法の非限定的な例としては、ブラッシング、注入(pouring)、噴霧、コーティング、圧延、展着、および注射(injecting)が挙げられる。接着剤組成物を含有するコーティングは、第2の基材の表面と接触させる。
【0134】
一実施形態では、接着剤組成物を含有するコーティングは、0.5ミル、または0.6ミル、または0.7ミル~0.9ミル、または1.0ミルのコート重量を有する。別の実施形態では、接着剤組成物を含有するコーティングは、0.5ミル~1.0ミル、または0.7ミル~0.9ミルのコート重量を有する。
【0135】
一実施形態では、接着剤組成物を第1の基材の表面上に均一に塗布してコーティングを形成し、次いでコーティングを第2の基材と接触させる。「均一な塗布」とは、基材の表面全体にわたって連続的(断続的ではない)であって、基材の表面全体にわたって同じまたは実質的に同じ厚さの組成物の層である。言い換えれば、基材に均一に塗布された接着剤組成物は、基材表面に直接接触し、基材表面と同一の広がりを有する。
【0136】
接着剤組成物および第1の基材は、互いに直接接触している。本明細書で使用される場合、「直接接触している」という用語は、基材が接着剤組成物またはコーティングに直接隣接して位置付けられ、基材と接着剤組成物またはコーティングとの間に、介在層または介在構造体が存在しない層構成のことである。接着剤組成物は、第1の基材の表面と直接接触している。一実施形態では、コーティングは、第2の基材の表面と直接接触している。
【0137】
一実施形態では、基材は、二軸配向ポリプロピレン(「BOPP」)層、ポリエステル層、エチレン系ポリマー層、ポリエチレンテレフタレート(PET)層、およびそれらの組み合わせから選択される層を有する多層フィルム、または積層体である。さらなる実施形態では、基材は、BOPP層を含む。
【0138】
一実施形態では、第1の基材はPETフィルムであり、第2の基材はBOPPフィルムである。PETフィルムはコーティングに直接接触し、BOPPフィルムはコーティングに直接接触する。
【0139】
BOPPフィルムは非多孔性および非極性の表面を有するため、従来の接着剤組成物と結合させることが困難である。しかし、予期せぬことに、(A)多段ラテックスポリマー粒子であって、(i)アクリル酸モノマーおよび第1のビニルモノマーを含有する第1段目のポリマー、ならびに(ii)メタアクリル酸モノマーおよび第2のビニルモノマーを含有する第2段目のポリマーを有する多段ラテックスポリマー粒子と、(B)線状ジアミン塩基と、(C)エトキシル化界面活性剤と、を含む、本接着剤組成物を含有するコーティングと直接接触した、BOPPフィルムを有する基材を含む物品は、500時間超の剪断によって示される、十分な接着を示すことが発見された。500時間超の剪断は、ラベルが物品(例えば、プラスチックまたはガラスのボトル)に、物品上の元の位置で、物品の寿命にわたり接着することを示すため、接着用途(ラベルなど)において有利である。
【0140】
一実施形態では、物品は、接着剤組成物を含有するコーティングと直接接触したBOPPフィルムの基材を含み、物品は、(i)接着剤組成物を含有するコーティングが、0.5ミル~1.0ミル、もしくは0.7ミル~0.9ミルのコート重量を有し、および/または(ii)接着剤組成物が、7.0~12.0超、もしくは8.0~10.0、もしくは8.3~9.8のpHを有し、および/または(iii)接着剤組成物が、500時間超、もしくは1000時間超、もしくは1500時間超、もしくは1700時間超の剪断を有し、および/または(iv)200g/in~1500g/in、もしくは500g/in~1000g/in、もしくは650g/in~900g/inの90°剥離強度(ステンレス鋼)、および/または(v)200g/in~1000g/in、もしくは300g/in~750g/in、もしくは300g/in~450g/inの90°剥離強度(HDPE)、および/または(vi)200g/in~1500g/in、もしくは400g/in~1000g/in、もしくは650g/in~800g/inのループタック(ステンレス鋼)、および/または(vii)200g/in~1000g/in、もしくは300g/in~750g/in、もしくは350g/in~650g/inのループタック(HDPE)といった特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する。
【0141】
好適な物品の非限定的な例には、ラベル、標識、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0142】
物品は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態で構成されてもよい。
【0143】
例としてであって、これらに限定されるものではないが、ここで、本開示のいくつかの実施形態について、以下の実施例で詳細に説明する。
【実施例
【0144】
実施例で使用したモノマーおよび連鎖移動剤は、以下の表1に示す。
【表1】
【0145】
A.比較試料1
比較試料1(CS 1)は、アクリル酸2-エチルヘキシル(EHA)、メタクリル酸メチル(MMA)、スチレン(STY)、およびアクリル酸(AA)の乳化重合によって調製された単段ラテックスポリマー粒子を含む水性組成物である。CS 1は、CS 1コポリマーの総重量に基づいて、80.8重量%のEHA、16.3重量%のMMA、1.9重量%のSTY、および1重量%のAAを含有するコポリマーである。
【0146】
CS 1は、80.8重量%のEHA、16.3重量%のMMA、1.9重量%のSTY、および1重量%のAAを含有するモノマー混合物(CS ME 1)を形成することによって調製する。次に、モノマー混合物(CS ME 1)、22.2重量%の脱イオン(DI)水、および0.24重量%のSiponate(商標)DS-4(分岐アルキルベンゼンスルホネート(22.5重量%の水溶液、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム))、0.19重量%のAcrysol A-102溶液(30重量%の固形分を有する、The Dow Chemical Companyから入手可能)、0.059重量%の炭酸ナトリウム緩衝液、ならびに0.008重量%のDequest(商標)2016溶液(33重量%の1-ヒドロキシエチレン-1,1、-ジフソフォン酸ナトリウム塩の固形分を有する)といった成分を用いて均質化混合物を調製する。
【0147】
撹拌機、ヒーター、還流冷却器、および窒素スパージチューブを備えたガラスケトルを用意する。53.2重量%のDI水をケトルに追加する。ケトルの内容物(53.2重量%のDI水および0.004重量%4-ヒドロキシ-Tempo)を、窒素で覆って88℃に加熱する。ケトルが88℃の温度に達したら、ケトル緩衝液(26.3gのDI水を含む1.05gの炭酸ナトリウム)を加え、続いて7.5gのすすぎ水を加える。ケトル界面活性剤混合溶液(3.22gのSiponate(商標)DS-4および45gのDI水)をケトルに加え、続いて7.5gのDI水のすすぎ液を加える。
【0148】
ケトルに、3重量%の均質化した混合物をシードとして加え、続いて最初の触媒溶液(5.55gの過硫酸アンモニウム(APS)および18.8gのDI水)を加え、続いてすすぎ水を加える。計算された予想発熱は、数分にわたり5℃未満である。発熱が始まった後、均質化された混合物を(14.3g/分の供給速度で)および同時供給触媒溶液(78.8gの蒸留水中1.8gのAPS)を(0.54g/分の供給速度で)供給の最初の10分にわたりケトルに供給する。10分後、供給を、70分にわたって、均質化された混合物については28.5g/分、同時供給触媒については1.07g/分に増加させる。反応温度は85~87℃に維持する。供給が完了したら、すすぎ液(供給ラインの洗浄に使用されるDI水)のすべてを加える。反応を15分にわたり85~87℃に保持し、次に15分かけて75℃に冷却する。75℃の温度で、促進剤溶液(0.027gのFeSO4、0.027gのVERSENE EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、3gのDI水)をケトルに加え、続いて3gのDI水のすすぎ液を加える。次に、酸化剤の追い添加(52.5gの水中の10.65gのt-ブチルヒドロペルオキシド(t-BHP))を50分にわたり1.3g/分の供給速度で開始し、不本意な供給(67.5gのDI水中の5.63gのホルムアルデヒドスルホキシレートナトリウム(SSF))を1.46g/分の供給速度で開始する。追い添加中、反応器を50分かけて50~60℃未満に冷却する。55℃未満の反応器温度で、中和剤(9.12gの水酸化アンモニウムおよび9gのDI水)の供給を、1.81g/分の供給速度で開始し、10分間行う。バッチを40℃未満に冷却し、100メッシュのフィルターバッグでろ過する。
【0149】
B.試料2~9
試料2~9はそれぞれ、乳化重合によって調製された多段ラテックスポリマー粒子を含む水性組成物である。
【0150】
第1のモノマー乳濁液(ME 1)を第1のフラスコで調製する。試料2~9の第1のモノマー乳濁液(ME 1)の成分を以下の表2に示す。
【0151】
第2のモノマー乳濁液(ME 2)を第2のフラスコで調製する。試料2~9の第2のモノマー乳濁液(ME 2)の成分を以下の表2に示す。
【0152】
開始剤乳濁液(IE)を別のバイアルで、DI水(44g)および過硫酸アンモニウム(APS)(5.64g)を組み合わせることによって調製する。IEは、5,000rpmでホモジナイザーを用いて5分間乳化する。
【0153】
緩衝液(BSol)を別のバイアルで、DI水(10g)および炭酸ナトリウム(0.73g)を組み合わせることによって調製する。
【0154】
撹拌機、ヒーター、還流冷却器、および窒素パージチューブを備えたケトルに、31.6重量%のDI水、1.8重量%の60nmプリフォームシード(The Dow Chemical Companyが供給)、および8.7重量%の230nmプリフォームシード(The Dow Chemical Companyが供給)を添加する。反応の開始時にプリフォームシード粒子を追加すると、核形成ステップの変動がなくなる。例えば、重合速度および粒子サイズは容易に制御することができる。シード重合はまた、より少ない反応器蓄積物、ペブリングの減少、およびより安定したラテックスをもたらす。さらに、使用するシードの量を慎重に制御することにより、ラテックス粘度を下げた二峰性格子を生成することができる。ケトル内容物を窒素で覆って91℃に加熱する。次に、開始剤溶液(17.5gのDI水中1.41gのAPSを含有する)およびBSolをケトルに加え、1分間撹拌する。次に、ケトルの温度を86~89℃に設定し、ME 1を12.3g/分の速度で10分にわたり88℃の温度でケトルに供給し、IEを0.32g/分の速度でケトルに同時供給する。温度を86~89℃に維持し、10分後、ME 1の供給速度を24.5g/分に増加し、IEの同時供給は0.64g/分に増加する。ME 1が完全にケトルに追加されたらすぐに、ME 2の供給物を供給の残りの70分にわたって追加する。供給の最後に、DI水すすぎ液のすべてをケトルに追加する。ケトルを75℃に冷却し、10.00グラムの0.001%Fe2+溶液(0.02gのFeSO4、0.01gのVERSENE EDTA、DI水)をケトルに追加する。次に、0.55g/分の供給速度でt-BHP溶液(30gの水中3.14g)を供給すること、および0.54g/分の速度で1時間かけてSSF溶液(30gのDI水中の2.17gのSSF)を供給することによって残存モノマーを追い添加する。追い添加中、ケトルを50~60℃未満に冷却する。バッチを40℃未満に冷却し、50メッシュのフィルターバッグでろ過する。
【表2】
【0155】
試料2~9の多段ラテックスポリマー粒子を含む得られる水性組成物を表3に示す。
【表3】
【0156】
C.接着剤組成物の調製
上記のように調製された比較試料1(CS 1)および試料2~9のポリマー粒子に加えて、接着剤組成物を生成するために使用された材料を以下の表4中に示す。
【表4】
【0157】
上記のように調製された比較試料1(CS 1)および試料2~9のポリマー粒子は、それぞれ、プラスチック製の広口ジャーに測り入れる。ジャーに、オーバーヘッドミキサーで10分間連続的に混合しながら湿潤剤(LUTENSOL TDA-8)を加える。次に、レオロジー変性剤(ACRYSOL RM-2020)をジャーに加え、さらに10分間混合する。次に、混合物を水酸化アンモニウム(NHOH)またはジアミン塩基(JEFFAMINE D-230またはJEFFAMINE EDR-148)で中和する。
【0158】
各比較試料組成物および実施例組成物の組成を以下の表5に示す。
【0159】
D.コーティング
表5の比較試料(CS)および実施例組成物(Ex)を、0.8ミルのBird(商標)アプリケーターを使用して、滑り止め層(Mitsubishi Polyester Filmから入手可能なRAF HOSTAPHAN(商標)2 PROKN 1S.silフィルム)を備えた厚さ1.2ミルのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの表面上にコーティングする。次に、コーティングを2.0ミルの厚さを有する二軸配向ポリプロピレン(BOPP)フィルム(Griff Papersが供給)と接触させる。
【0160】
湿ったドローダウンは、対流式オーブンで5分にわたり85℃で乾燥する。次に、比較試料および実施例組成物を1平方メートル当たり20グラム(gsm)のコート重量でコーティングする。比較試料および実施例組成物は、アプリケーション試験の前に、恒温湿度室(CTR)(23°C、相対湿度50%で)中で一晩馴化する。比較試料および実施例組成物の特性は、表5に示す。
【0161】
表5に示すように、CS 4は、(A)単段ラテックスポリマー粒子(CS 1)、(B)線状ジアミン塩基(JEFFAMINE EDR-148)、および(C)エトキシル化界面活性剤(LUTENSOL TDA-8)を含有し、多段ラテックスポリマー粒子を欠く比較組成物である。CS 4は、500時間(234時間)未満の剪断を示し、これは、CS 4の接着剤組成物を含有するコーティングを施した物品が、ラベルと第2の物品(ボトルなど)との間に十分な接着を必要とするラベルなどの物品用途には好適でないことを示す。
【0162】
表5に示すように、CS 6、CS 10、およびCS 14はそれぞれ、(A)多段ラテックスポリマー粒子であって、(i)アクリル酸(AA)および第1のビニルモノマーを含有する第1段目のポリマー、ならびにメタアクリル酸モノマー(MAA)および第2のビニルモノマー(EHA)を含有する第2段目のポリマーを有する多段ラテックスポリマー粒子と、(B)非線状ジアミン塩基(JEFFAMINE D-230)と、(C)エトキシル化界面活性剤(LUTENSOL TDA-8)と、を含有し、線状ジアミン塩基を欠く比較組成物である。CS 6、CS 10、およびCS 14はそれぞれ、500時間未満(それぞれ152.6時間、405.2時間、および174時間)の剪断を示し、これは、CS 6、CS 10、およびCS 14の接着剤組成物を含有するコーティングを施した物品が、ラベルと第2の物品(ボトルなど)との間に十分な接着を必要とするラベルなどの物品用途には好適でないことを示す。
【0163】
CS 16~CS 18はそれぞれ、(A)多段ラテックスポリマー粒子であって、(i)アクリル酸(AA)および第1のビニルモノマーを含有する第1段目のポリマー、ならびにメタアクリル酸モノマー(MAA)および第2のビニルモノマー(EHA)を含有するCTA(MMPまたはn-DDM)で形成された第2段目のポリマーを有する多段ラテックスポリマー粒子と、(B)線状ジアミン塩基(JEFFAMINE EDR-148)と、(C)エトキシル化界面活性剤(LUTENSOL TDA-8)と、を含有する比較組成物である。CS 16~CS 18はそれぞれ、500時間未満の剪断を示し(それぞれ40.4時間、85.5時間、および23.4時間)、これは、CS 16~CS 18の接着剤組成物を含有するコーティングを施した物品が、ラベルと第2の物品(ボトルなど)との間に十分な接着を必要とするラベルなどの物品用途には好適でないことを示す。
【表5】
【0164】
CS 19およびCS 20はそれぞれ、(A)多段ラテックスポリマー粒子であって、(i)アクリル酸(AA)および第1のビニルモノマーを含有する第1段目のポリマー、ならびにアクリル酸モノマー(AA)および第2のビニルモノマー(EHA)を含有するCTA(MMPまたはn-DDM)で形成された第2段目のポリマーを有する多段ラテックスポリマー粒子と、(B)線状ジアミン塩基(JEFFAMINE EDR-148)と、(C)エトキシル化界面活性剤(LUTENSOL TDA-8)と、を含有する比較組成物である。CS 19およびCS 20の第2段目のポリマーは、メタアクリル酸モノマー(MAA)を欠く。CS 19およびCS 20はそれぞれ、500時間未満(それぞれ113時間および7.9時間)の剪断を示し、これは、CS 19およびCS 20の接着剤組成物を含有するコーティングを施した物品が、ラベルと第2の物品(ボトルなど)との間に十分な接着を必要とするラベルなどの物品用途には好適でないことを示す。
【0165】
出願人は、(A)多段ラテックスポリマー粒子であって、(i)アクリル酸(AA)および第1のビニルモノマーを含有する第1段目のポリマー、ならびにメタアクリル酸モノマー(MAA)および第2のビニルモノマー(EHA)を含有する第2段目のポリマーを有する多段ラテックスポリマー粒子と、(B)線状ジアミン塩基(JEFFAMINE EDR-148)と、(C)エトキシル化界面活性剤(LUTENSOL TDA-8)と、を含有する接着剤組成物(Ex 7、Ex 8、Ex 11、Ex 12、およびEx 15)が、表5に示すように、少なくとも500時間の高剪断を有利に示すことを予期せずして発見した。したがって、Ex 7、Ex 8、Ex 11、Ex 12、またはEx 15の接着剤組成物を含有するコーティングを施した物品は、ラベルと第2の物品(ボトルなど)との間に十分な接着を必要とするラベルなどの物品用途に好適である。
【0166】
従来の接着剤用途は、典型的に、剪断および剥離特性(剥離強度とループタック)の間に反比例の関係を示す。言い換えれば、典型的な接着剤組成物の剪断が増加するにつれて、剥離強度およびループタックは減少する。しかし、出願人は、(A)多段ラテックスポリマー粒子であって、(i)アクリル酸(AA)および第1のビニルモノマーを含有する第1段目のポリマー、ならびにメタアクリル酸モノマー(MAA)および第2のビニルモノマー(EHA)を含有する第2段目のポリマーを有する多段ラテックスポリマー粒子と、(B)線状ジアミン塩基(JEFFAMINE EDR-148)と、(C)エトキシル化界面活性剤(LUTENSOL TDA-8)と、を含有する接着剤組成物(Ex 7、Ex 8、Ex 11、Ex 12、およびEx 15)が、少なくとも500時間の高剪断を有利に示しつつ、物品用途において好適な90°剥離強度およびループタックを維持することを予期せずして発見した。例えば、Ex 15(MSLPP試料4、線状ジアミン塩基、およびエトキシル化界面活性剤を含有する)とCS 14(MSLPP試料4およびエトキシル化界面活性剤を含有するが、線状ジアミン塩基は含有しない)との比較は、Ex 15がCS 14の剪断(174時間)の9倍超の剪断(1700時間以上)を示しつつ、CS 14よりも高い90°剥離強度およびループタック(ステンレス鋼とHDPE基材の両方について)を有利に示すことを示す。
本開示は、本明細書に含まれる実施形態および例示に限定されず、実施形態の一部、および異なる実施形態の要素の組み合わせを含むそれらの実施形態の変更された形態を、以下の特許請求の範囲に該当する範囲で含むことが特に意図されている。

【国際調査報告】