(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】人工芝製品等からの乾いた又は乾燥した充填物を分離するための芝充填物分離装置および分離方法
(51)【国際特許分類】
C08J 11/06 20060101AFI20221109BHJP
B29B 17/02 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
C08J11/06 ZAB
B29B17/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515490
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(85)【翻訳文提出日】2022-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2020075213
(87)【国際公開番号】W WO2021048214
(87)【国際公開日】2021-03-18
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521292733
【氏名又は名称】リ‐マッチ・ホールディング・エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セレンセン、マーティン・ウェリング
(72)【発明者】
【氏名】ダムフス、ラスムス
【テーマコード(参考)】
4F401
【Fターム(参考)】
4F401AA05
4F401AA09
4F401AA10
4F401AA24
4F401AC20
4F401BA13
4F401CA25
4F401DB01
(57)【要約】
好ましくはゴムおよび/または砂を含む乾いた又は乾燥した充填物を複数の画分に分離するのに適した分離システム(100)であって、分離システム(100)は、充填物(201)を第1の複数の画分(201a)に分離するように構成されている第1の分離スクリーン(111)のセットを受け取るように構成された第1の篩い手段(110)を有し、分離システム(100)は、予備分析ユニット(101)と、データベース(180)と、第1の組成値のセット(301)とデータベース(180)の複数の第2の組成値のセットの間の相関係数および/または偏差値を計算するように構成された処理ユニット(102)と、をさらに有する。そして材料の組成、好ましくはゴムおよび砂を含む材料の組成をもつ乾いた又は乾燥した充填物を複数の画分に分離する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料の組成、好ましくはゴムおよび砂を含む材料の組成をもつ乾いた又は乾燥した充填物を複数の画分に分離する方法であって、
(a)前記乾いた又は乾燥した充填物を供給し、
(b)前記乾いた又は乾燥した充填物のサンプルを採取し、
(c)前記乾いた又は乾燥した充填物の組成に対応する第1の組成値のセットを得るために、採取された前記充填物の組成を予備分析し、前記予備分析は、(i)予備分析ユニットによって粒子サイズおよび/または比重に基づき前記充填物を複数の分析画分に分離すること、および(ii)分析された前記充填物の総含有量に関して分離された前記分析画分の各々の相対含有量を決定することを含み、
(d)前記充填物を複数の画分に分離するように構成された少なくとも第1の分離スクリーンのセットを受け取るように構成された少なくとも第1の篩い手段を準備し、
(e)複数の第2の組成値のセットの各々が材料の組成および所定の第2の分離スクリーンのセットにそれぞれ対応している場合において、前記第1の組成値のセットとデータベースからの前記複数の第2の組成値のセットの各々との間の相関係数および/または偏差値を取得するために、前記乾いた又は乾燥した充填物の前記第1の組成値のセットを前記データベースからの前記複数の第2の組成値のセットの各々と比較し、
(f)分離スクリーンのセットが前記第2の組成値のセットに対応し、および所定のしきい値を超える相関係数を有し、および/または比較的低い偏差値、好ましくは利用可能な最小の偏差値を有する場合において、前記第1の組成値のセットを比較するときに、前記分離スクリーンのセットを選択することにより、前記少なくとも第1の篩い手段によって受け取られるべき前記少なくとも第1の分離スクリーンのセットを選択し、
(g)選択した前記第1の分離スクリーンのセットを前記第1の篩い手段に取り付け、
(h)前記充填物を複数の画分に分離する、
ことを特徴とする充填物の分離方法。
【請求項2】
前記乾いた又は乾燥した充填物は人工芝製品からのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2の篩い手段内で前記ステップ(h)の充填物から分離した前記複数の画分のうちの1つ又は複数の画分を分離する追加のステップ(h´)は、前記第1の篩い手段内の前記第1の分離スクリーンのセットとは異なる第2の分離スクリーンのセットを含み、
前記第2の分離スクリーンのセットは、前記ステップ(f)で前記データベースから選択された前記分離スクリーンのセットに基づいて選択されたものである、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
3つ以上の篩い手段が乾いた又は乾燥した充填物を複数の画分に分離し、前記篩い手段の各々は、前記ステップ(f)で前記データベースから選択された前記分離スクリーンのセットに基づいて異なる分離スクリーンのセットを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記分離スクリーンのセットは、2つの分離スクリーン、好ましくは3つの分離スクリーン、より好ましくは4つの分離スクリーンを含み、前記分離スクリーンの各々は、実質的に5.0mm、4.0mm、3.0mm、2.5mm、2.3mm、2.0mm、1.8mm、1.5mm、1.2mm、1.0mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mmおよび/または0.2mmのメッシュサイズのうちから選択されるがこれらに限定されないメッシュサイズを有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記乾いた又は乾燥した充填物を複数の画分に分離するステップは、4つの篩い手段で行われ、前記篩い手段の各々は、前記ステップ(f)で前記データベースから選択された前記分離スクリーンのセットに基づく4つの分離スクリーンを含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記分離ステップは、5.0~0.6mmの範囲のメッシュサイズをもつ分離スクリーンのセットを含む第1の篩い手段と、2.5~0.5mmの範囲のメッシュサイズをもつ分離スクリーンのセットを含む第2の篩い手段と、0.6~0.2mmの範囲のメッシュサイズをもつ分離スクリーンのセットを含む第3の篩い手段と、0.8~0.3mmの範囲のメッシュサイズをもつ分離スクリーンのセットを含む第4の篩い手段とで実行される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記予備分析ステップは、充填物サンプルを2つ以上の分析画分に、好ましくは4つ以上の分析画分に、より好ましくは6つ以上の分析画分に、最も好ましくは8つ以上の分析画分に分離し、前記分析画分の各々が所定範囲の粒子サイズおよび/または比重を有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記予備分析ステップ(c)および/または分離ステップ(h)、(h´)、(h´´)および(h´´´)により、1つまたは複数のココナッツ殻、細砂、粗砂、等級化した砂、粒状のスチレンブタジエンゴム(SBR)、粒状のクラムラバー、粒状のコルク、粒状の有機充填物、粒状の熱可塑性エラストマー(TPE)、粒状の熱可塑性オレフィン(TFO)、粒状のネオプレンゴム、粒状のグラスファイバー、粒状のポリエチレン、粒状のポリプロピレン、粒状のナイロン、または粒状のエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)を含む画分が得られる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
(i)前記分離によって得られた画分からの少なくとも1つのサンプルを前記ステップ(c)に従って分析するステップと、
(j)前記篩い手段の前記分離スクリーンのセットのなかの少なくとも1つの分離スクリーンを交換分離スクリーンに置き換え、この場合に、置き換えられた前記分離スクリーンのメッシュサイズは前記交換分離スクリーンのメッシュサイズとは異なることのステップと、
(k)前記ステップ(i)で分析された充填物を複数の画分に分離するステップと、をさらに有する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記相関係数の前記所定のしきい値は、0.4以上、0.5以上、0.6以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上、最も好ましくは0.9以上である、請求項1乃至10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記データベースの前記複数の組成値のセットの各組成値のセットは、以前に分析され分離された充填物組成、好ましくは第2の人工芝製品又は更なる人工芝製品、および/または第2の充填物製品の組成物に対応する、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ステップ(c)で得られた第1の組成値のセット、
前記ステップ(f)および/または(j)で選択された一連の分離画面に関する情報、および前記ステップ(i)の分析からの組成値のセット、
のうちの1つ又はそれ以上が前記データベースに追加される、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
乾いた又は乾燥した充填物、好ましくはゴムおよび/または砂を含む人工芝製品からの充填物を複数の画分に分離するのに適した分離システム(100)であって、
前記分離システム(100)は、
充填物(201)を第1の複数の画分(201a)に分離するように構成される第1の分離スクリーン(111)のセットを受け取るように構成された第1の篩い手段(110)を有し、
前記分離システム(100)は、
分析された充填物(201)の総含有量に対する各分離された分析画分の相対含有量に対応する組成値の第1のセット(301)を取得するために、
粒子サイズおよび/または比重によって乾いた又は乾燥した充填物(201)の組成を決定するように構成された予備分析ユニット(101)と、
複数の第2の組成値のセット、好ましくは複数の異なる人工芝製品および/または第2の乾いた又は乾燥した充填物からの乾いた又は乾燥した充填物の組成に対応する組成値の各セット、および前記充填物(201)を分離するための第1の所定の分離スクリーンのセットを含むデータベース(180)と、
前記第1の組成値のセット(301)と前記データベース(180)の前記複数の第2の組成値のセットの各々との間の相関係数および/または偏差値を計算するように構成された処理ユニット(102)と、
をさらに有する、ことを特徴とする分離装置(100)。
【請求項15】
前記篩い手段(110)内の前記分離スクリーン(111)のセットは、2つの分離スクリーン(190a、190b)、好ましくは3つの分離スクリーン(190a、190b、190c)、より好ましくは4つの分離スクリーン(190a、190b、190c、190d)を有し、前記分離スクリーンの各々は、5.0mm、4.0mm、3.0mm、2.5mm、2.3mm、2.0mm、1.8mm、1.5mm、1.2mm、1.0mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、または0.2mmのうちから選択されるがこれらに限定されない1つまたは複数のメッシュサイズを有する、請求項14に記載の分離装置(100)。
【請求項16】
前記第1の篩い手段(110)は、5.0~0.6mmの範囲のメッシュサイズを有する第1の分離スクリーン(111)のセットを有し、
第2の篩い手段(120)は、2.5~0.6mmの範囲のメッシュサイズを有する第2の分離スクリーン(121)のセットを有し、
第3の篩い手段(130)は、0.6~0.2mmの範囲のメッシュサイズを有する第3の分離スクリーン(131)のセットを有し、
第4の篩い手段(140)は、0.8~0.3mmの範囲のメッシュサイズを有する第1の分離スクリーン(111)のセットを有する、請求項14又は15のいずれか1項に記載の分離装置(100)。
【請求項17】
前記乾いた又は乾燥した充填物(201)の分離された画分(201b)の組成に対応する第3の組成値(303)のセットを得るために、粒子サイズおよび/または比重によって前記乾いた又は乾燥した充填物(201)の分離された画分(201b)の組成を決定するように構成されたインライン分析ユニット(103)をさらに有する、請求項14乃至16のいずれか1項に記載の分離装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工芝製品から乾いた又は乾燥した充填物を分離するための、すなわち人工芝製品から高純度を有する複数の画分に分離するための改良された分離装置および分離方法に関する。本発明では、選択された分離スクリーンで充填物材料を分離するために、分離ステップの前に充填物材料を予備分析することによってその結果が達成される。
【背景技術】
【0002】
人工芝は、フットボール場、野球場、サッカー場のグラウンド面として長年使用されている。近年は、天然芝の代替えが要望される他の用途に人工芝が使用されている。これらの用途には、少なくとも遊び場、住宅用および商業用の芝生、その他の造園、小道、ペイントボールフィールド、テニスコート、パッティンググリーン、ドッグランなどが含まれる。
【0003】
通常、人工芝には、裏地と草に似せたフェイスファイバとも呼ばれる複数の直立したリボンとを備えた草状の布が含まれる。多くの人工芝製品には、直立したリボンの間に分散した充填物も含まれており、これは、砂、タイヤゴム屑、またはその他の粒子で構成されている場合がある。充填物材料は、天然芝の土壌を模倣し、バラストとして機能し、および/または弾力性などの芝の物理的特性に寄与して、芝を特定の用途に適したものにする。
【0004】
人工芝の寿命は、芝の構造、使用される用途、風化、および芝の維持方法に依存している。
一例として、運動場として使用するための典型的な人工芝は、約8年から15年の耐用年数をもつことができる。現在、大量の人工芝が数百の運動場やその他の用途で使用されている。
【0005】
人工芝の処分は、再生ゴム、砂からプラスチックに至る範囲での材料の組成であるために非常に費用がかかる。かなりのコストをかけて人工芝を埋め立て地に送ることを避けるために、人工芝の全部または一部をリサイクルして再利用することは、コスト削減のために近年検討されてきた選択肢の1つであるが、近年では、人工芝の全部または一部をアップサイクルして再利用できるようになり、個々の成分をさらに拡張できるようになってきている。
【0006】
インテリアカーペットをリサイクルする方法、およびリサイクルされたカーペットスクラップを使用してカーペット裏地を提供する方法が知られている。そのような公知の方法のいくつかは、裏地からカーペットの毛糸または房を例えばカットして分離すること、および糸のみを処理することを含むものである。
【0007】
しかし、人工芝はカーペットとは成分組成が異なり、これらの組成の違いにより、従来のカーペットのリサイクルプロセスは人工芝のリサイクル用としては不適切である。多くの人工芝製品には、カーペットには見られず、従来のカーペットのリサイクル方法と互換性がないか、または少なくとも望ましくない成分が含まれている。例えば、従来のカーペットには充填物が含まれていない。
【0008】
人工芝の設置に使用される一般的な充填物材料には、砂、ココナッツ殻、タイヤゴム屑、および/または他の粒子が単独でまたは互いに組み合わせて含まれる。このため、人工芝のリサイクルには、カーペットのリサイクルでは発生しない人工芝に特有の問題が存在する。
人工芝の残りの部分から充填物を分離するためには、特殊な機器を使用する必要があり、分離された充填物の廃棄に関連して環境問題が発生するおそれがある。さらにリサイクルプロセスにおける付加的な問題は、サイズ減少プロセスおよび最終製品の特性に対する残留充填物粒子の影響である。
【0009】
このため、既存の人工芝、または既存の人工芝の少なくとも一部をリサイクルして再利用し、不要になった人工芝全体を埋め立て地に送ることを回避する試みがなされてきた。そのようなプロセスが国際公開2010/075098号公報に記載されている。このプロセスでは、充填物が裏地および草模造繊維から分離され、次いでダウンサイジングされ、充填物がさらに除去され、次いで凝集が起こる。凝集した芝の小片の顆粒を押出機内に入れる。顆粒は、例えば、ストランドまたはリボンの形状で、押出物を形成するために押し出される。米国公開20150209830号公報に記載されている他のプロセスでは、振動スクリーンを用いて人工芝の充填物材料を比重で分離する。
【0010】
従来のほとんどの公知プロセスは、カーペットまたは人工芝の成分を混合した成分の新たな製品にリサイクルするものであり、製品を個別の出発成分に分解して模倣するリバースエンジニアリングのものではない。
【0011】
米国特許2016/186387号公報には、人工芝と組み合わせて通常使用されるゴム充填物を再生するための装置および方法が記載されている。米国特許2016/183387号公報では、ゴムペレットから砂を取り除くために吸引装置(アスピレーター)を用いる。また、破片を除去するためにこのプロセス中にゴムを処理することもできる。その後、人工芝の再構成中にゴムを再利用できる。
【0012】
米国特許2013/017023号公報には、充填物をリサイクルするためのオンサイトシステムと方法が記載されている。充填物は人工芝から抽出され、スクリーン分離器で主にゴム、砂、破片に分離され、その後、続いてさらに石取り器(デストナー)とサイロスクリーンでゴムと砂の画分が別々に分離される。
【0013】
同一出願人の欧州特許2862688号公報には、同様に、一連の清浄化工程において乾いた又は乾燥した芝製品に由来する砂とゴムの充填物をきれいな砂とゴムとに分離するプロセスが記載されている。
【0014】
また、さらに公知のプロセスは、様々に成分の異なる人工芝充填物を同じリサイクルサイト内で高収率かつ高純度で効率的に分離できる柔軟なプロセスを提供するものではない。
【0015】
このように、従来のプロセスは、埋め立て地での材料の廃棄処分と比べてみれば改善されてはいるが、改良されたグレードの製品を提供するため、および様々な人工芝製品の各種組成物を受け入れる柔軟なプロセスを提供するためには、いまだに個々の部品を、好ましくは事前に画定された粒子サイズの範囲内で、実質的に1つの成分を含む画分に分離する必要がある。
【0016】
また、その結果が、芝としてまたは他の産業で再利用するのに十分な高さまで清浄化された個々の成分であるプロセスを提供することも望ましい。
最終的に、水などの天然資源に大きく依存しない効率的なプロセスを提供することが望ましい。
【0017】
本発明の目的は、種々の充填物製品の成分を分離するためのプロセスおよび装置を提供し、また、分離された成分のそれぞれの高純度をもたらし、上記課題の1つまたは複数を解決するプロセスを提供する。
【発明の概要】
【0018】
上述したことに鑑みて、本発明の目的とするところは、人工芝製品などからの乾いたまたは乾燥した充填物を複数の画分に分離するための方法および装置を提供することにある。本発明のコンセプトは、種々の組成物を含む充填物を、等級化された砂、粒状のスチレンブタジエンゴム、粒状のコルク、粒状の有機充填物、粒状の熱可塑性エラストマー、または粒状のエチレンプロピレンジエンモノマーの少なくとも1つに効率的に分離する、という困難な課題に対する解決策を提示する。同時に、本発明のコンセプトは、人工芝などからの充填物の効率的な分離は、人工芝および他の製品からの充填物のリサイクルプロセス中の重要な技術であるため、環境にとって有益なものである。
【0019】
本発明に従って得られた画分は、問題の成分について少なくとも95%(w/w)を超える純度を有することを特徴とする。
【0020】
材料の組成、好ましくはゴムおよび砂を含む材料の組成をもつ乾いた又は乾燥した充填物を複数の画分に分離する方法であって、
(a)前記乾いた又は乾燥した充填物を供給し、
(b)前記乾いた又は乾燥した充填物のサンプルを採取し、
(c)前記乾いた又は乾燥した充填物および/又は第1の人工芝製品の組成に対応する第1の組成値のセットを得るために、例えば第1の人工芝製品から採取された前記充填物の組成を予備分析し、前記予備分析は、(i)予備分析ユニットによって粒子サイズおよび/または比重に基づき前記充填物を複数の分析画分に分離すること、および(ii)分析された前記充填物の総含有量に関して分離された前記分析画分の各々の相対含有量を決定することを含み、
(d)前記充填物を複数の画分に分離するように構成された少なくとも第1の分離スクリーンのセットを受け取るように構成された少なくとも第1の篩い手段を準備し、
(e)複数の第2の組成値のセットの各々が材料の組成および所定の第2の分離スクリーンのセットにそれぞれ対応している場合において、前記第1の組成値のセットとデータベースからの前記複数の第2の組成値のセットの各々との間の相関係数および/または偏差値を取得するために、前記乾いた又は乾燥した充填物の前記第1の組成値のセットを前記データベースからの前記複数の第2の組成値のセットの各々と比較し、
(f)分離スクリーンのセットが前記第2の組成値のセットに対応し、および所定のしきい値を超える相関係数を有し、および/または比較的低い偏差値、好ましくは利用可能な最小の偏差値を有する場合において、前記第1の組成値のセットを比較するときに、前記分離スクリーンのセットを選択することにより、前記少なくとも第1の篩い手段によって受け取られるべき前記少なくとも第1の分離スクリーンのセットを選択し、
(g)選択した前記第1の分離スクリーンのセットを前記第1の篩い手段に取り付け、
(h)前記充填物を複数の画分に分離する。
【0021】
人工芝製品などの種々異なる充填物製品の組成は非常に不均一である。例えば芝が使用される気候、または芝で行われているスポーツの種類に応じて、構成は特定のニーズを満たすように調整される。また、メーカーと年齢に応じて、充填物と人工芝に使用される材料は変わることがある。データベースを使用し、本発明の概念に従って分離する前に芝および/または充填物を予備分析することにより、分離プロセスは、分離された画分の均質性または純度を損なうことなく、短縮され、煩わしくなく、より予測可能な方法で、そのような様々な組成物を含む充填物を分離することができる。
【0022】
本発明の文脈における「乾いた又は乾燥した充填物」の用語は、過剰な水または他の液体を実質的に含まない充填物、例えば乾燥環境のなかで適切な保管条件によって乾かされた充填物、または流動床乾燥機などの装置によって乾燥処理された充填物を意味する。そのような乾いた又は乾燥した充填物は、人工芝製品から適切に得ることができる。特に非常に細かい砂の分離は、含水率の影響を受ける。
【0023】
本発明の文脈における「分離する」の用語は、不均一な組成物をより不均一でない画分に、好ましくは均一な画分に分離することを意味する。この不均一性は、例えば、粒子サイズ、密度、比重および/または材料によって規定される。
【0024】
本発明の文脈における「人工芝製品」の用語は、本発明のプロセスで使用される出発材料の成分のすべてを考えに入れている。合成と人工は同じ意味で用いることができ、同じ意味を持ち、つまり、主に非生物学的材料で作られた草類似の模造品である。本発明のプロセスの出発材料、すなわち、乾いた又は乾燥した充填物は、スポーツ施設、遊び場、造園エリアなどからの芝製品に適切に由来する。出発材料の起源は限定的であってはならない。出発材料が汚染物質を含み得ることも考えに入れられている。
【0025】
本発明の文脈における「複数の画分」の用語は、分離によって得られる2つ以上の画分を意味する。各画分は、好ましくは実質的に同じ比重を有し、特定の粒子サイズの範囲内の粒子サイズを有する実質的に同じ材料から主に構成されている。
【0026】
本発明の文脈における第1の乾いた又は乾燥した充填物の用語は、複数の画分に分離される乾いた又は乾燥した充填物を意味する。複数の画分に分離される前に、第1の乾いた又は乾燥した充填物は、予備分析のための材料も提供する。
【0027】
「細砂」の用語と「粗砂」の用語は、砂の粒子サイズの範囲を他の用語と比較して説明している。サイズ範囲が0.5~0.6mmの砂粒子とサイズ範囲が<0.2~0.5mmの砂粒子とが2つの画分として存在する場合、サイズ範囲が0.5~0.6mmの砂粒子を含む画分は粗砂とみなされる一方で、粒子サイズが0.2~0.5mmの範囲の砂粒子を含む画分のほうは細砂とみなされる。あるいは、サイズ範囲が0.2~0.5mmの砂粒子と粒子サイズが0.2mm未満の砂粒子とが2つの画分として存在する場合、サイズ範囲が0.2~0.5mmの砂粒子を含む画分は粗砂とみなされる一方で、粒子サイズが0.2mm未満の砂粒子を含む画分は細砂とみなされる。好適には、サイズ範囲が0.2~0.6mmの砂粒子と粒子サイズが0.2mm未満の砂粒子とが2つの画分として存在する場合、サイズ範囲が0.2~0.6mmの砂粒子を含む画分は粗砂とみなされる一方で、粒子サイズが0.2mm未満の砂粒子を含む画分は細砂とみなされる。さらに、粒子サイズが<0.2~0.6mmの範囲の砂粒子と粒子サイズが0.6mmを超える砂粒子とが2つの画分として存在する場合、0.2~0.6mm未満のサイズ範囲の砂粒子を含む画分は細砂とみなされ、0.6mmを超える粒子サイズの砂粒子を含む画分は粗砂とみなされる。
【0028】
本発明の文脈における「予備分析」の用語は、大規模な篩い手段によるバルク充填物の分離前の小規模な分析のステップを意味する。予備分析中に、充填物サンプルは、メッシュサイズが徐々に細かくなる振動ふるい振とう機などの予備分析ユニットで、比重/および/または粒子サイズに基づいて複数の分析画分に分離される。これにより、分離前の充填物の組成の概要を得ることができる。本発明者らは、サンプルの材料組成に関する情報から、大規模においても分離効率を高める特性(例えば、メッシュサイズ)を備えた分離スクリーンを選択することができるという知見を得た。
好適には、予備分析は、潜在的な測定誤差を減少させるために、複数の組成結果および/または組成平均値を得るために、追加的または代替的に1回以上が実行される。
【0029】
本発明の文脈における「組成値のセット」の用語は、小規模の分析画分に分離された後、分析された材料の組成を特徴付ける予備分析によって得られた値を意味する。組成値のセットは、1つまたは複数の値で構成され、各値は、例えば分析画分の重量および/または分析サンプルの総重量に対する分析画分の相対重量を表すことができる。得られた組成値のセットは、他の充填物および/または人工芝製品と区別するために、各充填物および/または第1の人工芝製品の「フットプリント」とみなすことができる。得られた第1の組成値のセットはさらに、以前に分析および分離された第2の人工芝製品および/または充填物からの第2の組成値のセットと比較することができる。それにより、第1の乾いた又は乾燥した充填物の第1のセットの組成値と同系統の第2のセットの組成値を有する、以前に分析および分離された1つまたは複数の第2の乾いた又は乾燥した充填物を識別することができる。このマッチングによって、当業者は、篩い手段において第2の乾いた又は乾燥した充填物の分離に使用された分離スクリーンのセットを識別することができる。上記の分離スクリーンのセットは、前記第2の乾いた又は乾燥した充填物を分離するための優れた分離効率を示しており、一致した第1の乾いた又は乾燥した充填物に対しても良好な分離効率をほとんどの場合において提供するものである。第1の組成値のセットは、充填物を第1の充填物から分析画分に分離し、各画分の相対比率を各分析画分の%(w/w)で決定することによって取得される。各分析画分は、特定範囲の粒子サイズを有すること、および/または1つまたは複数の材料を含むことによって特徴付けられる。第1の組成値のセットは、1つ以上の値で構成される。
好適には、第1の篩い手段における第1の乾いた又は乾燥した充填物の分離のための一致した分離スクリーンのセットは、他の分離スクリーンのセットと交換される前に、追加的にまたは代替的に限られた時間だけ使用される。分離スクリーンのセット内の1つまたは複数の分離スクリーンを他の分離スクリーンに置き換えることで、全体的な分離効率をさらに向上させることができる。分離スクリーンの交換は、篩い手段の操作中、または篩い手段の操作の短い休止中に行われる。篩い手段内の少なくとも1つの分離スクリーンを交換した後に、充填物は、充填物分離効率が向上した他の分離スクリーンのセットに送られる。
【0030】
本発明の文脈における「組成(コンポジション)」の用語は、人工芝製品または充填物の成分または構成要素の特質を意味する。組成は、等級化した砂、粒状のスチレンブタジエンゴム、粒状のココナッツシェル、粒状のコルク、粒状の有機充填物、粒状の熱可塑性エラストマー、または粒状のエチレンプロピレンジエンモノマーなどの1つまたは複数の材料の存在、および/または前記材料の比重、(例えば、質量による)比例含有量および/または粒子サイズなどのような1つまたは複数の材料の存在として理解することができる。
【0031】
本発明の文脈における「分析画分」の用語は、予備分析中に第1の乾いた又は乾燥した充填物の分離によって得られる画分を意味する。
【0032】
本発明の文脈における「篩い手段」の用語は、異なる粒子または粒子サイズのバルク材料を、所定の粒子または粒子サイズを有する複数の画分に分離するように構成された任意の装置を意味する。材料の分離は、規定されたメッシュサイズおよび/または水平方向に振動する有孔の分離スクリーンを介して実行される。篩い手段は、非常に良好なアクセスを可能にし、スクリーンを他のメッシュサイズおよび/または有孔スクリーンと容易に交換することができることから、高い柔軟性を与える外部スクリーン出口を有している。
【0033】
本発明の文脈における「分離スクリーンのセット」の用語は、乾いた又は乾燥した充填物を分離するための2つ以上の分離スクリーンを意味する。分離スクリーンのセット内で、個々の分離スクリーンは、類似の、同一の、または実質的に異なるメッシュサイズおよび/またはミシン目を有することができる。
【0034】
本発明の文脈における「データベース」の用語は、以前に分析および分離された乾燥または乾燥した充填物および対応する一連の分離スクリーンの組成値のリストを意味する。このリストは、前述の以前に分離された乾いた又は乾燥した充填物の分離に使用される、それらのメッシュサイズおよび/または有孔に関する情報を含むものである。データベースは、以前に分析および分離された第2の乾いた又は乾燥した充填物の良好な大要を可能とし、第1の乾いた又は乾燥した充填物からの組成値のセットを第2の乾いた又は乾燥した充填物からの第2の組成値のセットと一致させるための基礎を提供する。好適には、データの組織化されたコレクションを備えたデータベースは、コンピュータシステムから電子的に保存およびアクセスされる。データベースは、基本的および複雑な算術演算および関数の両方を使用して数学的に操作することができる行および列に配置された組成値を格納するスプレッドシートプログラムであってもよい。
【0035】
本発明の文脈における「純度」または「高純度」の用語は、分析された画分内の粒子が実質的に同じ粒子サイズを有すること、および/または分析された画分内の粒子が同じ材料、好ましくはココナッツ殻、細砂、粗砂、等級化した砂、粒状のスチレンブタジエンゴム(SBR)、粒状のゴム屑、粒状のコルク、粒状の有機充填物、粒状の熱可塑性エラストマー(TPE)、粒状の熱可塑性オレフィン(TFO)、粒状のネオプレンゴム、粒状のグラスファイバー、粒状のポリエチレン、粒状のポリプロピレン、粒状のナイロン、または粒状のエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)のうちの1つまたは複数で出来ていることを意味する。あるいは、分析された画分内の粒子は、所定の粒子サイズの範囲内の粒子サイズを有し、分析された画分内の粒子は、同じ材料、好ましくはココナッツ殻、細砂、粗砂、等級化した砂、粒状のスチレンブタジエンゴム(SBR)、粒状のゴム屑、粒状のコルク、粒状の有機充填物、粒状の熱可塑性エラストマー(TPE)、粒状の熱可塑性オレフィン(TFO)、粒状のネオプレンゴム、粒状のグラスファイバー、粒状のポリエチレン、粒状のポリプロ-ピレン、粒状のナイロン、または粒状のエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)のうちの1つまたは複数で出来ていることを意味する。
あるいは、純度または高純度の用語は、95%(w/w)超え、96%(w/w)超え、97%(w/w)超え、98%(w/w)超え、99%(w/w)超えまたは約100%(w/w)の分離画分の材料純度を意味する。
材料の再利用のためには高純度が必要不可欠である。ゴム、砂および/または他の充填物画分の純度は、当業者によく知られている標準的な試験、例えばゴムの純度をテストするためのASTMインターナショナルからのD5603によって決定することができる。
【0036】
本発明の文脈における「相関係数」の用語は、2つの変数間の統計的関係を表すある種の相関の数値的尺度を意味する。変数は、組成値の特定のデータセットの2つ以上の列とすることができる。それにより、相関係数は、第1の組成値のセットと第2の組成値のセットとの間、および/または、第1の組成値のセットの値と第2の組成値のセットの値との間の相関的関係および/または統計的関係を表し、かつ第1の組成値のセットとの高い相関的関係および/または統計的関係を持つ第2の組成値のセットの識別を可能にする。好適には、相関係数は、組成値のセット内の任意の適切なデータポイントと、他の組成値のセット内の任意の適切なデータポイントとの間で決定することもできる。
【0037】
本発明の文脈における「偏差値」の用語は、データベースからの第1の組成値のセットと第2の組成値のセットとの間の差の尺度、および/またはデータベースからの第1の組成値のセットの値および第2の組成値のセットの値を意味する。偏差値の決定は、第1の組成値のセットからの偏差が小さい第2の組成値のセットを識別するための迅速かつ容易な方法である。好適には、偏差値は、組成値のセット内のあらゆる適切なデータポイントと、他の組成値のセット内のあらゆる適切なデータポイントとの間で決定することもできる。
【0038】
偏差値は、第1の、第2の、またはそれ以降の各充填物の全サンプル内の画分の相対比率を用いて、例えば、重量パーセント(%(w/w))で決定することができる。好適には、低い偏差値または比較的低い偏差値は、粒子サイズが1.6cm以上の画分では、0.5%(w/w)以下、2%(w/w)以下、5%(w/w)以下、または15%(w/w)以下の相対的な分数比例偏差値を意味する。好適には、低い偏差値または比較的低い偏差値は、粒子サイズが1.0~1.4cmの範囲の画分では、0.05%(w/w)以下、0.1%(w/w)以下、0.5%(w/w)以下、1%(w/w)以下、2%(w/w)以下、または10%(w/w)以下の相対的な分数比例偏差値を意味する。好適には、低い偏差値または比較的低い偏差値は、粒子サイズが0.2~0.8cmの範囲の画分では、0.5%(w/w)以下、2%(w/w)以下、5%(w/w)以下、10%(w/w)以下、15%(w/w)以下、または25%(w/w)以下の相対的な分数比例偏差値を意味する。好適には、低い偏差値または比較的低い偏差値は、粒子サイズが0.2cm以下の画分では、0.005%(w / w)以下、0.01%(w/w)以下、0.05%(w/w)以下、0.1%(w/w)以下、0.5%(w/w)以下、1%(w/w)以下、2%(w/w)以下、3%(w/w)以下、4%(w/w)以下、または5%(w/w)以下の相対的な分数比例偏差値を意味する。
【0039】
本発明の文脈における「しきい値」の用語は、第1の組成値のセットを少なくとも1つの第2の組成値のセットと一致させるために相関係数が超えなければならないセット値または大きさを意味する。しきい値は、第1の組成値のセットと第2の組成値のセットとの間の一致が、相互に所定の相関的関係および/または統計的関係をもつことを保証するものである。これにより、対応する第1の乾いた又は乾燥した充填物に対して良好な分離効率を備えた分離スクリーンのセットの識別と選択が可能になる。
【0040】
本発明のコンセプトの第2の態様によれば、乾いた又は乾燥した充填物、好ましくはゴムおよび/または砂を含む人工芝製品からの充填物を複数の画分に分離するのに適した分離装置であって、前記分離装置は、充填物を複数の第1の画分に分離するように構成される第1の分離スクリーンのセットを受け取るように構成された第1の篩い手段を有し、前記分離装置は、分析された充填物の総含有量に対する各分離された分析画分の相対含有量に対応する第1の組成値のセットを取得するために、粒子サイズおよび/または比重によって乾いた又は乾燥した充填物の組成を決定するように構成された予備分析ユニットと、複数の第2の組成値のセット、好ましくは複数の異なる人工芝製品および/または第2の乾いた又は乾燥した充填物からの乾いた又は乾燥した充填物の組成に対応する組成値の各セット、および前記充填物を分離するための第1の所定の分離スクリーンのセットを含むデータベースと、前記第1の組成値のセットと前記データベースの前記複数の第2の組成値のセットの各々との間の相関係数および/または偏差値を計算するように構成された処理ユニットと、をさらに有する。
【0041】
データベースと処理ユニットを提供することにより、第1の乾いた又は乾燥した充填物からの充填物組成と、以前に分析および分離された第2の乾いた又は乾燥した充填物からの種々の充填物組成との迅速かつ便利な比較が可能になる。それにより、処理ユニットは、相関係数を正確に計算し、および/または第1の組成値と第2の組成値との間の偏差値を識別して、例えば第1の乾いた又は乾燥した充填物からの充填物を効率的に分離するための分離スクリーンのセットを選択する。予備分析された充填物を効率的に分離するための分離スクリーンのセットを簡単に識別し選択することで、効率的な分離が最小限に抑えられるまで、種々の分離スクリーンのセットを使用するという面倒な試行錯誤を繰り返す必要性が減少する。
【0042】
本発明の文脈における予備分析ユニットの用語は、サンプルを所定の比重および/または粒子サイズでいくつかの画分に分離することによって充填物の組成を決定することができるあらゆる分析ユニットを意味する。予備分析ユニットは、例えば、市販の篩い振とう機「AS200ベーシック」(レッチェ社の登録商標)または他の適当な篩い振とう機のようにメッシュサイズが徐々に細くなる振動篩い振とう機などの振動篩い振とう機とすることができる。
【0043】
本発明の文脈における「処理ユニット」の用語は、データ処理を実行し、数値演算および論理演算を用い、命令を実行し、および/またはデータを受信するように構成された当業者に知られているあらゆるユニットを意味する。処理ユニットは、相関係数を計算するため、および/またはデータベース内の第1および第2の組成間の偏差値を識別して、充填物を効率的に分離するための分離スクリーンのセットを選択するために自動で使い勝手のよいデータ処理を提供する。
好適には、処理ユニットは、データ処理、統計計算、数学的操作、および/またはデータベース管理のためのソフトウェアを含む計算ユニットである。
【0044】
「NSL」の用語は、Nasenlochの略語であり、分離スクリーンの孔の無い部分と比べてわずかに高くなっている有孔の分離スクリーンを表す。これらの高架穿孔(NSL)は、完全に平坦な分離スクリーンと比べて充填物の分離効率をさらに向上させる。分離スクリーンのセット内で、好適には、1つまたは複数の分離スクリーンは、高架穿孔を備えたNSLスクリーンであり得る。
【0045】
本発明概念の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な開示、添付の特許請求の範囲、ならびに添付の図面から明らかになるであろう。
【0046】
一般に、特許請求の範囲で用いられるすべての用語は、本明細書で別段の定めがない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「a/an/the[要素、デバイス、コンポーネント、手段、ステップなど]」のすべての言及は、特に明記されていない限り、例えば、前記要素、デバイス、コンポーネント、手段、ステップなどの少なくとも一例を指すものとして素直に解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
上記、ならびに本発明概念の追加の目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照して、同じ参照番号が同様の要素に使用されるものとして、本発明概念の好ましい実施形態の以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明を通じてよりよく理解されるであろう。
【0048】
【
図1】
図1は、1つの篩い手段で充填物を分離する方法のフローチャートである。
【0049】
【
図2】
図2は、2つの篩い手段で充填物を分離する方法のフローチャートである。
【0050】
【
図3a】
図3aは、3つ又は4つの篩い手段で充填物を分離する方法のフローチャートである。
【0051】
【
図3b】
図3bは、3つ又は4つの篩い手段で充填物を分離する方法のフローチャートである。
【0052】
【
図3c】
図3cは、3つ又は4つの篩い手段で充填物を分離する方法のフローチャートである。
【0053】
【
図3d】
図3dは、3つ又は4つの篩い手段で充填物を分離する方法のフローチャートである。
【0054】
【
図4】
図4は、分離スクリーン交換を伴う篩い手段で充填物を分離する方法のフローチャートである。
【0055】
【
図5】
図5は、充填物分離方法でのデータベース作成のフローチャートである。
【0056】
【
図6】
図6は、1つの篩い手段を備えた芝充填物分離装置の概略模式図である。
【0057】
【
図7a】
図7aは、充填物分離装置内の篩い手段の概略模式図である。
【0058】
【
図7b】
図7bは、充填物分離装置内の篩い手段の概略模式図である。
【0059】
【
図7c】
図7cは、充填物分離装置内の篩い手段の概略模式図である。
【0060】
【
図8】
図8は、4つの篩い手段を備えた充填物分離装置の概略模式図である。
【0061】
【
図9】
図9は、インライン分析ユニットを備えた充填物分離装置の概略模式図である。
【詳細な説明】
【0062】
以下、
図1~
図9を参照して乾いた又は乾燥した充填物を分離するための装置および方法の実施形態を説明する。
【0063】
図1を参照して、本発明の第1の態様に従う、好ましくはゴムと砂を含む材料の組成をもつ乾いた又は乾燥した充填物を複数の画分に分離する方法のフローチャートが示されている。本発明方法は、以下のステップのうちの少なくとも1つを含む。
【0064】
(a)乾いた又は乾燥した充填物を供給すること、
(b)乾いた又は乾燥した充填物のサンプルを採取すること、
(c)前記乾いた又は乾燥した充填物の組成に対応する第1の組成値のセットを得るために、採取した前記充填物の組成を予備分析すること、前記予備分析は、以下のステップを含むこと、
(i)予備分析ユニットにより、粒子サイズおよび/または比重に基づいて前記充填物を複数の分析画分に分離すること、
(ii)分析した前記充填物の総含有量に関連して、分離した各分析画分の相対含有量を決定すること、
(d)少なくとも第1のセットの分離スクリーンを受け取るように構成された少なくとも第1の篩い手段を提供し、前記少なくとも第1のセットの分離スクリーンは、充填物を複数の画分に分離するように構成されていること、
(e)データベースの第1の組成値のセットと複数の第2の組成値のセットの各々との間の相関係数および/または偏差値を取得するために、前記乾いた又は乾燥した充填物の第1の組成値のセットをデータベースの前記複数の第2の組成値のセットと比較し、前記第2の組成値のセットの各々は、材料の組成および所定の第2の分離スクリーンのセットに対応していること、
(f)前記第1の組成値のセットと比較するときに、前記第2の組成値のセットに対応し、かつ所定のしきい値を超える相関係数を有し、および/または、偏差値が20%(w/w)未満、15%(w/w)未満、好ましくは10%(w/w)未満、より好ましくは5%(w/w)未満、より好ましくは2%(w/w)未満、最も好ましくは1%(w/w)未満の相対画分比率、好ましくは利用可能な最低の偏差値を有する分離スクリーンのセットを選択することによって、少なくとも第1の篩い手段によって受け取られる分離スクリーンの少なくとも第1のセットを選択すること、
(g)選択した第1の分離スクリーンのセットを第1の篩い手段に設置すること、および
(h)充填物を複数の画分に分離すること。
【0065】
好ましくは、乾いた又は乾燥した充填物は、ゴムおよび砂を含む。ゴム材料は、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)、熱可塑性エラストマーゴム(TPE)、熱可塑性オレフィンゴム(TPO)、またはそれらの組み合わせから選択することができるが、これらに限定されない。乾いた又は乾燥した充填物の材料組成は各種各様である可能性があるため、砂を除く他の材料と組み合わせたゴムを含む充填物、および/またはゴムを除く他の材料と組み合わせた砂を含む充填物を分離することも可能である。あるいは、乾いた又は乾燥した充填物の材料組成は、本質的にゴムおよび砂を含まないものとすることもできる。
【0066】
ステップ(a)は、乾いた又は乾燥した充填物を提供することを含む。好適には、乾いた又は乾燥した充填物は人工芝製品からのものである。
【0067】
ステップ(a)の前に、あらゆる供給源から供給された充填物は、充填物の相対含水率が大幅に減少する乾燥プロセスに適切に供される。通常、乾燥プロセス前の充填物の相対含水率は3~7%(w/w)である。乾燥プロセス中において、含水率は、好ましくは、1~5%(w/w)、0.5~2%(w/w)、0.1~1%(w/w)、0.01~0.5%(w/w)または0.0001~0.05%(w/w)に減少する。
例示的なものとして、乾いた又は乾燥した充填物から分離された砂の含水率は、好ましくは、0.0005%(w/w)以下である。
【0068】
ステップ(b)では、乾いた又は乾燥した充填物のサンプルを採取する。好ましくは、サンプルは、充填物の全体的な材料組成を表している。予備分析のために採取されるサンプルの総数は、2つ、3つ、4つ、または4つを超える場合がある。好適には、人工芝製品の総面積が100m2、200m2、500m2、1.000m2、2.000m2、4.000m2、6.000m2、8.000m2、または10.000m2などの特定のサイズを超える場合に、または充填物の総重量が20kg、50kg、100kg、500kg、および/または1000kgなどの特定の重量を超える場合に、2つまたは3つ、または3つを超えるサンプルが充填物の異なる箇所から採取される。好適には、予備分析のために採取したサンプルの総数は、人工芝製品および/または乾いた又は乾燥した充填物の総面積/サイズまたは総重量とともに増加する。あるいは、人工芝製品および/または乾いた又は乾燥した充填物(3つのサンプルなど)の総面積/サイズまたは総重量とは無関係に、サンプルの総数を変えない。充填物サンプルが人工芝製品から採取される場合、例えば、現場からリサイクルサイトへの輸送のために巻き上げられ、処理のために到着する前に、充填物サンプルは無傷の人工芝製品から直接採取される。あるいは、充填物の大部分が人工芝製品の残部から分離された後に、充填物の乾燥前、乾燥中、および/または乾燥後に、充填物サンプルを採取することができる。2つ以上の人工芝製品からの充填物を組み合わせて分離プロセスを行なう場合、好適には、異なる人工芝製品の各充填物から採取されたサンプルがある。
サンプリングは、人工芝製品および/または充填物のランダムな場所で、または体系的な方法で実行できる。好ましくは、サンプルは体系的な方法で採取され、例えば、人工芝製品が複数の輸送車両によって現場からリサイクルサイトに輸送される場合、サンプルはすべての単一の輸送車両またはいくつかの異なる輸送車両から採取される。
【0069】
ステップ(c)では、採取された乾いた又は乾燥した充填物の組成の予備分析が行われる。予備分析の結果、例えば、第1の人工芝製品からの充填物の組成に対応する第1の組成値のセットが得られる。予備分析中に、充填物は粒子サイズおよび/または比重に基づいて複数の分析画分に分離される。
好適には、予備分析は、レッチェ社のAS200ベーシック(登録商標)などの分析篩い振とう機を用いて行われる。通常、このような分析用篩い振とう機には20μm~25mmサイズ範囲の粒子の測定範囲をもっている。
【0070】
予備分析前または予備分析中において、充填物サンプルの重量は、例えばスケールを使用して決定されるか、または予備分析ユニットに統合スケールがある場合は予備分析ユニットを介して決定される。予備分析中または予備分析後において、各分析画分の重量は、スケールを介してか、または予備分析ユニットに統合スケールがある場合は予備分析ユニットを介して決定される。決定されたサンプル重量と画分重量とに基づいて、第1の組成値のセットのデータポイントを取得するために、分析画分ごとにサンプル全体に対する相対的な含有量が、好ましくは%(w/w)として、算出される。好適には、各分析画分は、粒子サイズの範囲、および/または比重の範囲に関して、他の分析部分とは異なる。第1の組成値のセットの各データポイントは、その後にデータベースに追加される。第1の組成値のセットに加えて、データベース項目は、ゴムのサイズ、ゴムの材料、ゴムの色、砂の粒子のサイズ、裏打ちの材料、芝の材料、オペレーター名、および/またはあらゆる追加コメントに関する情報も適切に含む。
【0071】
ステップ(d)において、少なくとも第1のセットの分離スクリーンを受け取るように構成された少なくとも第1の篩い手段が提供される。少なくとも第1の分離スクリーンのセットは、充填物を複数の画分に分離するように構成される。可変スクリーン設計により、篩い手段は、異なる粒子サイズと密度の充填物を分離する。好適には、2つ以上の篩い手段が提供され、そのすべての篩い手段は、分離スクリーンのセットを受け取るように構成される。
【0072】
ステップ(e)では、ステップ(c)で得られた乾いた又は乾燥した充填物の第1のセットの組成値を、データベース/データソースの複数の第2のセットの組成値と比較する。第2の組成値のセットの各々は、材料の組成および以前に決定された第2の分離スクリーンのセットにそれぞれ対応している。第1の組成値のセットを第2の組成値のセットと比較することにより、第1の組成値のセットとデータベースの複数の第2の組成値のセットの各々との間の相関係数および/または偏差値が得られる。
【0073】
あるいは、人工知能および/または画像認識を利用して様々な製品の充填物材料間の類似性を判断するなど、他の適切なタイプの計算または分析を行って、第1の組成値のセットと第2の組成値のセットとの間の類似性のレベルを決定することができる。例えば、人工知能は、第1の組成値のセットを、すべての第2の組成値のセットのなかで粒子サイズ分布の最も類似したパターンを持つ第2の組成値のセットと一致させることができる。相関係数および/または偏差値は、好ましくは、処理ユニットによって決定される。処理ユニットは、データベースにアクセスすることができるか、および/またはデータベースの統合された部分であるか、またはその逆も同様である。
【0074】
ステップ(f)において、少なくとも第1の篩い手段によって受け取られる少なくとも第1のセットの分離スクリーンが選択される。ステップ(f)内で、合計2つ以上の篩い手段のために2つ以上の分離スクリーンのセットを選択することも可能である。処理ユニットは、第1の組成値のセット、または第1の組成値のセットとの相対的な類似性を決定するその他の計算と比較した場合に、所定のしきい値を超える相関係数を有し、および/または、利用可能な最小の偏差値など、相対的な割合の比率が20%(w/w)未満、15%(w/w)未満、好ましくは10%(w/w)未満、より好ましくは5%(w/w)未満、より好ましくは2%(w/w)未満、最も好ましくは1%(w/w)未満である適切に低い偏差値を有するデータベースの第2の組成値のセットに対応する分離スクリーンを識別する。処理ユニットは、好ましくは、第1の組成値のセットと比較した場合に、最小の偏差値および/または最大の相関係数を有する第2の組成値のセットに対応する分離スクリーンを識別する。
【0075】
第1の組成値のセット内の各値は、複数の第2の組成値のセット内で最小の偏差および/または最大の相関を有する第2の組成値のセットに対応する値と一致させることができる。これにより、第1の組成値のセットのすべての値について、第1の組成値のセットの値と一致する第2の組成値のセットからの値が取得される。好適には、他の第2の組成値のセットよりも頻繁にリストされる第2の組成値のセットに関連する第2の充填または充填物バッチを使用して、篩い手段における分離スクリーンのセットを選択する。つまり、最も一致する第2の充填物または充填物バッチの分離に使用されるのと同じセットの分離スクリーンが、第1の乾いた又は乾燥した充填物の分離に選択される。
好適には、以前に分離された充填物材料の第2の組成値のセットの各々のデータベース項目は、分離スクリーンのセット、ゴムサイズ、ゴム材料、ゴム色、砂粒子のサイズ、裏打ち材料、芝材料、オペレーター名、バッチ番号、追加のコメント、分析および/または分離された材料の合計に関する各画分の相対的な含有量に関する正確な情報、および/または各画分の粒子サイズおよび/または比重に関する情報を含む。
【0076】
第2の組成値のセットに関連する分離スクリーンのセットはデータベースに保存されており、人工芝製品からの充填物などの充填物分離で非常に効率的であることが以前に確認されていた。データベース内の分離スクリーンのセットに関する情報は、各分離スクリーンのメッシュサイズで構成される。
【0077】
ステップ(g)において、選択された第1の分離スクリーンのセットが第1の篩い手段内に設置される。好ましくは、第1の分離スクリーンのセットのメッシュサイズばかりでなく分離スクリーンのセットの分離スクリーンの数もまた、分離スクリーンのセットのメッシュサイズおよび分離スクリーンの数と同じであり、高い相関係数および/または低い偏差値で設定された組成値を有する充填物を、予備分析された充填物の第1の組成値のセットに効率的に分離するために以前から使用されてきた。
【0078】
ステップ(h)において、充填物は、第1の篩い手段によって複数の画分に分離される。分離は、電気モータまたは他の適切なタイプのモータによって水平方向に振動する分離スクリーンを介して達成される。篩い手段の内側とは、分離スクリーンが適切な水平勾配で他のスクリーンのトップ面上に設置されていることを意味する。分離スクリーン間の距離は、充填物材料の水平方向およびある程度の垂直方向の移動を可能にするように選択される。分離のために、充填物材料は、最上段の分離スクリーン上の篩い手段に加えられる。水平方向の振動が、充填物材料を分離スクリーンに沿って輸送する。充填物材料の粒子サイズを超えるメッシュサイズをもつ分離スクリーンは、充填物が分離スクリーンを通過して次の分離スクリーンに向かうか、または篩い手段の底部に向かって通過することを可能にする。一方、分離スクリーンのメッシュサイズを超える粒子サイズの充填物材料は、分離スクリーンを通過せず、分離スクリーンの端部まで水平に輸送される。分離プロセスは、複数の画分、すなわち、一番下の分離スクリーンの下の画分、一番上の分離スクリーンの上の画分、および各分離スクリーンの間の画分を蓄積する。複数の画分の各画分は、分離プロセス中および/または分離プロセスの最後に捕捉される。好適には、複数の画分の1つまたは複数の画分は、さらなる分離のために他の篩い手段に直接送られる。
【0079】
図2は、充填物の分離方法の概略図を示す。
図1を参照すると、
図2の実施形態は、第2のセットを含む第2の篩い手段において、ステップ(h)の充填物から分離された複数の画分の1つまたは複数の画分を分離するステップ(h´)をさらに含む。第2の分離スクリーンのセットは、第1の篩い手段における第1の分離スクリーンのセットとは異なり、ステップ(f)でデータベースから選択された分離スクリーンのセットに基づいて設置される。第1の分離スクリーンのセットと第2の分離スクリーンのセットとの両方が、ステップ(c)で実行された同じ予備分析に基づいて選択される。
好適には、選択された画分、複数の選択された画分、および/またはステップ(h)で分離された複数の画分のすべての画分は、ステップ(h´)で第2のおよび、さらなる篩い手段によってさらに分離される。好ましくは、ステップ(h´)における第2のおよびさらなる篩い手段における分離は、同じ篩い手段において連続的に、または複数の篩い手段において他の手段と並行して実施される。複数の篩い手段の各々は、ステップ(c)で実行された同じ予備分析に基づいて選択された分離スクリーンのセットを含む。
【0080】
図3a~
図3eには、それぞれ様々の実施形態を示しており、2つ以上の篩い手段によって充填物を分離するための方法のフローチャートを示している。第1の篩い手段における分離の第1のステップ(h)に加えて、追加の分離ステップは、第2の篩い手段、第3の篩い手段、および場合によっては第4の篩い手段に提供される。第1、第2、第3および第4の篩い手段の各々は、ステップ(f)のデータベースから選択された分離のセットに基づいて選択された異なる分離スクリーンのセットを含む。
分離の各ステップについて、各第1、第2、第3および第4の篩い手段の分離スクリーンのセットは、好ましくは、分離スクリーンのセット内の少なくとも1つの分離スクリーンのメッシュサイズに関して異なる。篩い手段と分離スクリーンのセットとの選択された組み合わせは、分離された画分の純度をさらに改善する。
【0081】
図3aは、合計3つの分離ステップ(h)、(h´)、および(h´´)が連続して充填物を複数の画分に分離する充填物分離方法のフローチャートを示している。前記分離ステップの各々は、篩い手段で実行される。すべての画分、1つの選択された画分、またはステップ(h)または(h´)で分離された画分の複数の選択された画分は、それぞれステップ(h´)または(h´´)でさらに分離することができる。好適には、ステップ(h´)の篩い手段の分離スクリーンのメッシュサイズは、ステップ(h)の篩い手段の分離スクリーンのメッシュサイズよりも小さく、および/または好適には、ステップ(h´´)の篩い手段の分離スクリーンのメッシュサイズは、ステップ(h´)の篩い手段の分離スクリーンのメッシュサイズよりも小さい。メッシュサイズがより小さいということは、ステップ(h´)または(h´´)の篩い手段の分離スクリーンの少なくとも1つが、ステップ(h)または(h´)の篩い手段の分離スクリーンの少なくとも1つよりも小さいメッシュサイズをそれぞれ有することを意味する。
【0082】
図3bには、4つの篩い手段で合計4つの分離ステップ(h)、(h´)、(h´´)、および(h´´´)が充填物を複数の画分に分離する、充填物を分離する方法のフローチャートを示している。ここでは、4つの分離ステップのうち3つの分離ステップ(h)、(h´)、(h´´)が連続して実行されるばかりでなく、3つの分離ステップ(h)、(h´)、(h´´´)が連続して実行される。示される実施形態では、ステップ(h´)で得られた少なくとも1つの選択された画分が、ステップ(h´´)および/またはステップ(h´´´)でさらに分離される。好ましくは、ステップ(h´´)での分離のために選択された少なくとも1つの画分は、ステップ(h´´´)での分離のために少なくとも1つの選択された画分とは異なる。好適には、少なくとも1つの分離スクリーンのメッシュサイズは、4つの分離ステップ(h)、(h´)、(h´´)および(h´´´)の4つの篩い手段内の分離スクリーンのセットごとに異なる。
【0083】
図3cには、4つの篩い手段内で合計4つの分離ステップ(h)、(h´)、(h´´)、および(h´´´)が充填物を複数の画分に分離する充填物分離方法のフローチャートを示している。ここでは4つのうち3つの分離ステップ(h)、(h´)、および(h´´)が連続して実行される。また、分離ステップ(h)と(h´´´)も連続して実行される。示される実施形態では、ステップ(h)で得られた少なくとも1つの選択された画分は、次にステップ(h´)および/またはステップ(h´´´)でさらに分離される。好ましくは、ステップ(h”)での分離のために選択された少なくとも1つの画分は、粒子サイズおよび/または比重のいずれかによって、ステップ(h´´´)での分離のために選択された少なくとも1つの画分とは異なる。好適には、ステップ(h´´´)で分離するために選択された少なくとも1つの画分は、ステップ(h´)で分離するために選択された少なくとも1つの画分よりも大きい粒子サイズおよび/または比重を有することができる。好適には、少なくとも1つの分離スクリーンのメッシュサイズは、4つの分離ステップ(h)、(h´)、(h´´)および(h´´´)の4つの篩い手段内の分離スクリーンのセットのそれぞれ内の分離スクリーンの少なくとも1つについて異なる。
【0084】
図3d)は、充填物を分離する方法の概略図を示し、ここでは、合計4つの分離ステップ(h)、(h´)、(h´´)、および(h´´´)が、4つの篩い手段で充填物を複数の画分に分離している。
【0085】
ここでは、4つの分離ステップのうちの2つ、(h)と(h´)、(h)と(h´´)、および(h)と(h´´´)が連続して実行される。示される実施形態では、次に、ステップ(h)で得られた少なくとも1つの選択された画分が、ステップ(h´)、および/またはステップ(h´´)、および/またはステップ(h´´´)でさらに分離される。好ましくは、ステップ(h´)、(h´´)および(h´´´)で分離するために選択された少なくとも1つの画分は、粒子サイズおよび/または比重によって別の画分とは異なる。適切には、少なくとも1つの分離スクリーンのメッシュサイズは、4つの分離ステップ(h)、(h´)、(h´´)および(h´´´)の4つの篩い手段内の分離スクリーンのセットごとに異なる。
【0086】
図3eは、充填物を分離する方法の概略図を示し、ここでは、合計4つの分離ステップ2×(h)、1×(h´)、および1×(h´´)が、4つの篩い手段で充填物を複数の画分に分離している。その中で、2×(h)のステップに使用される2つの篩い手段は、同一の分離スクリーンのセットを有し、充填物を複数の画分に分離するように構成される。好ましくは、分離は並行して実施される。示される実施形態では、ステップ(h)の両方の篩い手段のそれぞれから得られた少なくとも1つの選択された画分は、次に、ステップ(h´)および/またはステップ(h´´)でさらに分離される。好ましくは、ステップ(h´)および(h´´)で分離するために選択された少なくとも1つの画分は、粒子サイズおよび/または比重によって別の画分とは異なり、例えば、ステップ(h)で得られた砂の割合は、ステップ(h´)内の篩い手段でのさらなる分離、およびステップ(h)で得られたゴム画分は、ステップ(h´´)内の篩い手段でのさらなる分離に使用され、またはその逆も同様である。篩い手段における少なくとも1つの分離スクリーンのメッシュサイズは、分離ステップ(h´)および(h´´)の2つの篩い手段内の分離スクリーンのセットごとに異なる。好ましくは、(h´)の分離スクリーンのメッシュサイズは砂を分離するように構成され、(h´´)の分離スクリーンのメッシュサイズはゴムを分離するように構成され、またはその逆も同様である。
【0087】
分離スクリーンのセットは、2つの分離スクリーン、好ましくは3つの分離スクリーン、より好ましくは4つの分離スクリーンを含み、分離スクリーンの各々は、これらに限定されるものではないが、実質的に5.0mm、4.0mm、3.0mm、2.5mm、2.3mm、2.0mm、1.8mm、1.5mm、1.2mm、1.0mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、および/または0.2mmのうちから選択されるメッシュサイズを有する。好適には、分離スクリーンのセットは、徐々に細かいメッシュサイズを持っている。あるいは、分離スクリーンのセット内の少なくとも2つの分離スクリーンは、実質的に同じメッシュサイズを有し、一方では同じセットの分離スクリーン内の他の分離スクリーンが実質的に異なるメッシュサイズを有する。篩い手段は2つ、3つ、または4つの分離スクリーンを備えているが、各篩い機で分離後に得られる画分の数は、それぞれ2つ、3つ、4つ、または5つの画分の間で様々に変えることができる。
【0088】
乾いた又は乾燥した充填物を複数の画分に分離するステップは、4つの篩い手段で実施することができ、各篩い手段は、ステップ(f)でデータベースから選択された分離スクリーンのセットに基づいて選択された4つの分離スクリーンを含む。4つの篩い手段のうちの少なくとも1つは、分離されていない充填物の組成とは異なる(例えば、粒子サイズおよび/または比重によって規定される)組成で充填物画分を分離するように構成される。それにより、第2のまたは更なる篩い手段におけるさらなる分離による本質的により高い純度を有する画分への移行を意味する、1つまたは複数の第1の篩い手段によって得られた充填物画分をさらに分離することが可能である。前記第2のまたはさらなる篩い手段は、第1の篩い手段内の分離スクリーンのセットとは異なる分離手段のセットを有することを意味する。
【0089】
4つの篩い手段の4つの分離スクリーンのセット内で、少なくとも1つの分離スクリーンのセットは、一連の分離スクリーン内の分離スクリーンのメッシュサイズなどに関して残りの分離スクリーンのセットとは異なる。4つの篩い手段における4つの分離ステップによって得られる全複数の画分内の少なくとも1つの複数の画分は、それらの画分粒子サイズおよび/または画分比重に関していえば残りの複数の画分とは異なる。4つの篩い手段のすべての篩い手段は4つの分離スクリーンを有するが、各篩い手段の分離後に得られる画分の数は、5つの画分、4つの画分、3つの画分および/または2つの画分の間で様々に変えることができる。
好適には、分離ステップは、5.0~0.6mmの範囲のメッシュサイズを有する分離スクリーンのセットを含む第1の篩い手段と、2.5~0.5mmの範囲のメッシュサイズを有する分離スクリーンのセットを含む第2の篩い手段と、0.6~0.2mmの範囲のメッシュサイズを有する分離スクリーンのセットを含む第3の篩い手段と、0.8~0.3mmの範囲のメッシュサイズを有する分離スクリーンのセットを含む第4の篩い手段とで実行される。
好適には、分離スクリーンの各セットのメッシュサイズの範囲は、他の分離スクリーンのセットのメッシュサイズの範囲と重なっている。
【0090】
あるいは、メッシュサイズの範囲は、4セットの分離スクリーンのうちの2つまたは3つのメッシュサイズのみが他のメッシュサイズの範囲とのみ重複している。
好適には、予備分析ステップは、充填物サンプルを、2つより多い分析画分、好ましくは4つより多い分析画分、より好ましくは6つより多い分析画分、最も好ましくは8つより多い分析画分に分離することを含む。分析画分は、メッシュサイズが0.2mm~2.5cmの予備分析ユニットのいくつかの篩いを通してサンプルを分級することによって得られる。得られる分析画分の数は、予備分析ユニットに取り付けられている篩いの数によって異なる。得られた各分析画分は、所定の範囲の粒子サイズおよび/または比重を有する。好適には、粒子サイズの範囲は、0~0.2mm、0.2~0.5mm、0.5~0.63mm、0.63~0.8mm、0.8mm~1.0cm、1.0~1.18cm、1.18~1.4cm、1.4~1.6cm、1.6~2.0cm、2.0~2.5cm、または0~2.5cm内のあらゆる範囲から選択することができる。
【0091】
予備分析(c)および/または分離ステップ(h)、(h´)、(h´´)および(h´´´)では、ココナッツ殻、細砂、粗砂、等級化した砂、粒状のスチレンブタジエンゴム(SBR)、粒状のゴム屑、粒状のコルク、粒状の有機充填物、粒状の熱可塑性エラストマー(TPE)、粒状の熱可塑性オレフィン(TFO)、粒状のネオプレンゴム、粒状のグラスファイバー、粒状のポリエチレン、粒状のポリプロピレン、粒状のナイロン、または粒状のエチレンプロピルエンジエンモノマー(EPDM)のうちの1つまたは複数を含む画分を結果として得ることができる。
【0092】
図4は、本発明概念の実施形態を示し、少なくとも1つの分離スクリーンの交換を含む、充填物分離方法の概略図が示されている。前述の実施形態のステップに加えて、以下のステップが提供される。
(i)分離によって得られた画分から少なくとも1つのサンプルを分析し、分析はステップ(c)に従って実行される。
(j)前記篩い手段の分離スクリーンのセットのなかの少なくとも1つの分離スクリーンを交換分離スクリーンに置き換える。ここで、置き換えられた前記分離スクリーンのメッシュサイズは、前記交換分離スクリーンのメッシュサイズとは異なる。および、
(k)前記ステップ(i)で分析された充填物を複数の画分に分離する。
好適には、ステップ(i)の分析は、ステップ(c)の予備分析と同じ分析ユニットで実施される。但し、ステップ(i)の分析に使用される篩いの数および/または篩いのタイプ(メッシュサイズなど)は、ステップ(c)の分析に使用される篩いの数およびタイプとは異ならせることができる。分析時間を短縮するために、2つ以上の分析ユニットが2つ以上の分離画分の分析ステップ(i)を並行して実施することができる。例示すれば、インライン分析のための合計3つから4つのサンプルが6時間ごとに採取され、各サンプルは、(a)実質的にゴムを含む画分、(b)実質的に粗砂を含む画分、(c)実質的に細砂を含む画分および(d)芝が存在する場合、芝を実質的に含む画分、のうちから採取される。
好適には、分離画分の純度は、予備分析ユニットまたは他の適切な分析ユニットで分析される。好ましくは、ステップ(j)の少なくとも1つの分離スクリーンの交換は、分析された画分の少なくとも1つが画分が高純度であるとはみなされない場合、および/または対応するサンプルの予備分析の分析結果と一致しない場合にのみ実行される。
【0093】
相関係数のしきい値は、好適には、0.4以上、0.5以上、0.6以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上、最も好ましくは0.9以上である。複数の相関係数が所定のしきい値を超える場合、好ましくは、最も高い値を有する相関係数であることが篩い手段用の分離スクリーンのセットを選択するために好都合である。好適には、2つ以上の相関係数が他のものと実質的に類似している場合、および/または統計的関係の特定の範囲内にある場合、約0.1以下、0.05以下、0.02以下、0.01以下の差がある場合において、最高の相関係数ではないが、最高の相関値の相関値のグループ内の実質的に同様の相関値内で、好ましくは最も高い10個の相関値内の相関係数を人間のオペレーターなどによって選択することができる。これは、1つまたは複数の篩い手段にすでに取り付けられている分離スクリーンのセットが十分に効率的な分離を提供できる場合に、時間節約の利点としてもよい。
【0094】
図5は、組成値のセットをデータベースに保存する方法のフローチャートである。データベースの複数の組成値のセットの各組成値セットは、以前に分析され分離された充填組成物、好ましくは第2のまたはさらなる人工芝製品および/または充填物に対応する。データベースは、分離前の充填物の分析を用いて適切に作成できるが、分離前の充填物の分析を用いることなく作成することもできる。
この変形例における組成値セットを形成するために、分離前の分析が行われない場合、最初に充填物を分離スクリーンにより篩い手段内で分離し、次いで得られた分離画分を予備分析ユニットで分析する。この変形例では、ステップ(a)で提供される乾いた又は乾燥した充填物は、このようにして得られた画分であり、前記最初の分離はステップ(a)より前のステップである。
【0095】
分離の進行中において画分分析を実行できる。画分の純度を向上させるために、1つまたは複数の分離スクリーンを異なるメッシュサイズの分離スクリーンに置き換えることができる。少なくとも1つの分離スクリーンを交換した後に、得られた画分を再度分析する。好適には、分離スクリーンの交換ステップおよび画分分析ステップは、効率的な分離および/または画分の高純度が達成されるまで繰り返すことができる。その後、分離スクリーン、効率的な分離と高純度のための組成値のセットに関する情報をデータベースに入力する。分離前の分析を行う場合、最初に充填物からのサンプルを予備分析ユニットで分析して一連の組成値を取得し、次いで複数の分離スクリーンを有する篩い手段で充填物を複数の画分に分離する。その後、組成値のセットを形成するために前記分離画分を分析する。分離の進行中に画分分析を実行することができる。画分の純度を向上させるために、1つまたは複数の分離スクリーンを異なるメッシュサイズの分離スクリーンに置き換えることができる。少なくとも1つの分離スクリーンを交換した後に、得られた分離画分を再度分析する。好適には、分離スクリーン交換ステップおよび画分分析ステップは、効率的な分離および画分の高純度が達成されるまで繰り返すことができる。その後、分離スクリーンに関する情報と、効率的分離用の組成値セットに関する情報と、高純度に関する情報をデータベースに入力する。表1に、異なる各種の充填物バッチの分析後のサンプル組成のデータベースエントリの例を示す。表2~5に、異なる各種の充填物バッチを分離するための分離スクリーンのセットのデータベースエントリの例を示す。
【0096】
データベースには、人工芝製品からの分析および/または分離された充填物の組成値セット、および/または、充填物分析および/または分離を適用できる場合に他のタイプの製品からの充填物の組成値セットを含めることができる。
好適には、乾いた又は乾燥した充填物を複数の画分に分離した後に、ステップ(c)で得られた1つまたは複数の第1の組成値のセット、ステップ(f)および/または(j)で選択された分離スクリーンのセットに関する情報、およびステップ(i)の分析からの組成値セットに関する情報がデータベースに追加される。上記の一覧した値および/または情報の1つまたは複数をデータベースに追加することにより、組成値のセットの総数が増加する。データベースが発展拡大するにつれて、ステップ(e)での組成値の比較と、ステップ(f)での分離スクリーンの選択により、より強い数学的相関または統計的関係との一致を得ることができる。つまり、過去分の分離実績をデータベースにさらに入力するたびに、将来の分離プロセスの効率が向上し、偏差が許容範囲内にある限り、プロセスをあらゆるタイプの充填物の分離に適用できるようになる。
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
図6を参照して、乾燥または乾燥した充填物を、好ましくはゴムおよび/または砂を含む人工芝製品から複数の画分に分離するのに適した分離装置100の概略図を示す。分離装置100は、以下を備える。
第1の分離スクリーンセット111を受け取るように構成された第1の篩い手段110と、前記第1の分離スクリーンのセットは、好ましくは第1の人工芝製品から充填物201を第1の複数の画分201aに分離するように構成されることと、
前記分離装置100は、分析された充填物201の総含有量に対する各分離された分析画分の相対含有量に対応する第1の組成値のセット301を取得するために、粒子サイズおよび/または比重によって乾いた又は乾燥した充填物201の分析の組成を決定するように構成された予備分析ユニット101と、
複数の第2の組成値のセット、好ましくは複数の異なる人工芝製品および/または第2の充填物からの乾いた又は乾燥した充填物の組成に対応する組成値の各セット、および所定の第1の分離スクリーンのセットを含むデータベース180と、
前記第1の組成値のセット301とデータベース180の複数の第2の組成値のセットの各々との間の相関係数および/または偏差値を計算するように構成された処理ユニット102と、をさらに含む。
【0103】
篩い手段110は、異なる粒子または粒子サイズの充填物201などのバルク材料を、所定の粒子または粒子サイズを有する複数の画分201aに分離するように構成される。充填物201の分離は、規定されたメッシュサイズおよび/または孔を有する水平方向に振動する分離スクリーンを介して実行される。篩い手段110は、分離スクリーンが他のメッシュサイズのスクリーンおよび/または有孔のスクリーンと容易に交換できるので、非常に良好なアクセス可能性を可能にし、高い柔軟性を与える外部スクリーン出口を適切に有している。複数の分離スクリーンは、分離スクリーンの第1のセット111として規定される。分離スクリーン111の第1のセットは、2つ、3つ、4つ、または4つより多い分離スクリーンを含み、
図6に示されている例では、4つの分離スクリーンで構成されている。分離スクリーンのセット111の各分離スクリーンは、同じ分離スクリーンのセット111内の他の分離スクリーンのメッシュサイズとは異なるメッシュサイズを有することが好ましい。
【0104】
例えば第1の乾燥または乾燥した充填物からの充填物201は、異なる材料および粒子サイズが<0.1~2.5cm、<0.1~3cm、<0.1~4cmまたは<0.1~5cmの範囲の粒径をもつ粒子を含む。分離プロセス中に、充填物201は、分離スクリーンのセット111によって第1の複数の画分201aに分離される。好適には、第1の複数の画分201aの各画分は、均一な比重および/または分離前の充填物201内の粒子サイズの範囲よりも狭い範囲、例えば、0~5mm、0~2mm、0~6mm、2~5mm、2~6mm、2~10mm、5~10mm、2~15mm、5~10mm、5~7mm、7~10mm、8~10mm、5~8mm、6~8mm、7~15mm、20~40mm、40~50mm、30~40mm、30~50mm、18~30mm、18~40mm、18~50mm、12~18mm、12~20mm、12~23mm、12~30mm、12~40mm、12~50mm、10~15mm、15~20mm、15~30mm、8~15mm、8~12mm、12~15mm、0~8mm、またはその他の適切な粒子サイズ範囲の粒子サイズを有する粒子を含む。
【0105】
予備分析ユニット101は、例えば第1の乾いた又は乾燥した充填物の充填物201を分離するように、2つより多い画分、4つより多い画分、好ましくは6つより多い画分、最も好ましくは8つより多い画分に構成される。
【0106】
各分析画分は、所定の粒子サイズ、粒子サイズの範囲、および/または比重を持ち、芝、細砂、粗砂、等級化した砂、粒状のスチレンブタジエンゴム(SBR)、粒状のゴム屑、粒状のコルク、粒状の有機物充填物、粒状の熱可塑性エラストマー(TPE)、粒状の熱可塑性オレフィン(TFO)、粒状のネオプレンゴム、粒状のグラスファイバー、粒状のポリエチレン、粒状のポリプロピレン、粒状のナイロン、または粒状のエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)のうちの1つまたは複数で構成される。分析前または分析中に、例えばスケールを使用するか、または予備分析ユニット101が統合されたスケールを有する場合は予備分析ユニット101を介して、予備分析中または予備分析後に、各分析画分の重量は、スケールを介して、充填物サンプルの重量が決定される。または予備分析ユニットが統合されたスケール101を有する場合は予備分析ユニット101を介して決定される。決定されたサンプルと画分の重量に基づいて、サンプル全体に対する各分析画分の相対含有量が、設定された組成値301(%(w/w))として計算される。組成値のセット301は、各分析画分の相対的含有量に関するデータポイントまたは値、および適切には、例えば砂タイプおよび/またはゴムタイプおよび/またはゴムの色の画分および/または充填物201の材料に関する情報といった情報も含む。組成値のセット301は、データベース180に入力され、次に、データベース180に格納された組成値のセットと比較される。比較は、処理ユニット102によって実行される。
好適には、予備分析ユニット101は、徐々に細かいメッシュスクリーンのセットを含む振動篩い振とう機であり、予備分析ユニット101内のメッシュスクリーンは、好ましくは、実質的に25mm、20mm、16mm、15mm、14mm、12mm、11.8mm、10mm、8mm、6mm、6.3mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、実質的に0mmまたはその他の適切なメッシュサイズのメッシュを有する。好適には、予備分析ユニット101は、レッチェ社のAS200ベーシック(登録商標)などの分析篩い振とう機である。通常、このような分析用篩い振とう機は、20μm~25mmのサイズ範囲の粒子の測定範囲を持っている。つまり、20μm~25mmのサイズ範囲内の粒子は、各画分に所定のサイズ範囲、例えば、0~20μm、0~5mm、0μm~2mm、0μm~6mm、20μm~5mm、20μm~2mm、20μm~6mm、2~5mm、2~6mm、2~10mm、5~6mm、5~10mm、8~10mm、6~8mm、10~12mm、2~15mm、5~10mm、5~7mm、7~10mm、8~10mm、5~8mm、6~8mm、7~15mm、12~14mm、14~1mm、20~40mm、40~50mm、30~40mm、30~50mm、18~30mm、18~40mm、18~50mm、12~18mm、16~20mm、12~20mm、12~23mm、20~25mm、12~30mm、12~40mm、12~50mm、10~15mm、15~20mm、15~30mm、8~15mm、8~12mm、12~15mm、0~8mm、またはその他の適当な粒子サイズの範囲を有する。
【0107】
データベース180は、複数の第2の組成値のセットを有し、第2の組成値の各セットは、第2の充填物製品および/または第2の人工芝製品からの乾いた又は乾燥した充填物の組成に対応し、かつ前記第2の製品からの充填物を分離するための第1の所定の分離スクリーンのセットに対応している。篩い手段110内での異なる充填物組成をもつ第2の製品からの充填物の以前の分離プロセスにおいて、分離効率および/または画分純度が十分に高くなるまで、異なるメッシュサイズをもつ分離スクリーンと交換することによって、分離効率および/または画分純度は改善された。次に、高い分離効率および/または画分純度を達成する分離スクリーンのセットが入力され、複数の第2の組成値のセットに関連してデータベース180に保存される。第2の組成値のセットは、予備分析ユニット101または様々な粒子サイズおよび/または比重を有する画分に充填物を分離するように構成されたあらゆる他の分析ユニットでの画分分析によって決定された第2の充填物の充填物組成物を示す。
【0108】
第2の人工芝製品および/または第2の充填物は、充填物を含む製品であり、各第2の人工芝製品および/または第2の充填物製品の充填物は、様々な材料および/または組成物を含む。上記の表1に第2の人工芝製品および/または第2の充填物の例を示す。第2の人工芝製品および/または第2の充填物は、芝、ココナッツ殻、細砂、粗砂、等級化した砂、粒状のスチレンブタジエンゴム(SBR)、粒状のゴム屑、粒状のコルク、粒状の有機物充填物、粒状の熱可塑性エラストマー(TPE)、粒状の熱可塑性オレフィン(TFO)、粒状のネオプレンゴム、粒状のファイバーガラス、粒状のポリエチレン、粒状のポリプロピレン、粒状のナイロン、および粒状のエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)は、充填物の材料に典型的な組成として、1つまたは複数の材料を適切に含む。
【0109】
処理ユニット102は、第1の組成値のセット301とデータベース180の複数の第2の組成値のセットのそれぞれとの間の相関係数および/または偏差値を算出するように構成される。処理ユニット102は、データベース180に通信可能に接続され、および/またはデータベースに統合されるか、またはその逆も同様である。例示的な処理ユニット102は、データベース180を保存し、データベース180の第2の組成値のセットと第1のセットとの間の統計的関係、例えば相関係数および/または偏差値の計算についての計算を実行するなど、データベース180のエントリを処理するように構成された数学的または統計的ソフトウェアを含む計算ユニットである。データベース180として機能し、処理ユニット102と互換性のあるソフトウェア製品は、マイクロソフトエクセル(登録商標)、ScoroKPI(登録商標)、ApacheOpenOffice(商標)、LibreOffice(商標)、Spotfire(商標)MATLAB(登録商標)ソフトウェア、R統計ソフトウェア、またはその他の既知のソフトウェアが当業者によく知られている。
【0110】
図7a~
図7cは、乾いた又は乾燥した充填物を分離するのに適した分離システム100の篩い手段110の概略図を備えた実施形態を示し、篩い手段110内の分離スクリーン111のセットは、
図7aは、2つの分離スクリーン190a、190b、
図7b3つの分離スクリーン190a、190b、190c、および/または
図7c4つの分離スクリーン190a、190b、190c、190dを含む。各分離スクリーンは、5.0mm、4.0mm、3.0mm、2.5mm、2.3mm、2.0mm、1.8mm、1.5mm、1.2mm、1.0mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、または0.2mmの1つまたは複数のメッシュサイズから選択されるメッシュサイズを有するが、これらに限定されない。好適には、分離スクリーンのセットは、次第に細かくなるメッシュスクリーンを備えている。あるいは、分離スクリーン111のセット内の少なくとも2つの分離スクリーンは、実質的に同じメッシュサイズを有する。
【0111】
分離スクリーン111を備えた篩い手段110は、充填物201を第1の複数の画分201aに分離する。画分の数、粒子サイズの範囲、および/または充填物201が分離される画分の比重は、篩い手段110に設置された分離スクリーンの数およびそのメッシュサイズに依存する。
【0112】
図7aは、充填物201を分離するための2つの分離スクリーン190aおよび190bを備えた篩い手段110を示し、第1の乾いた又は乾燥した充填物から、合計で最大3つの画分になる。
【0113】
図7bは、充填物201を分離するための3つの分離スクリーン190a、190b、および190cを備えた篩い手段110を示し、最初の乾燥または乾燥した充填物から、合計で最大4つの画分になる。
【0114】
図7cは、充填物201を分離するための4つの分離スクリーン190a、190b、190cおよび190dを備えた篩い手段110を示し、第1の乾いた又は乾燥した充填物から、合計で最大5つの画分になる。
【0115】
図8は、乾いた又は乾燥した充填物を、好ましくはゴムおよび/または砂を含む人工芝製品から複数の画分201aに分離するのに適した4つの篩い手段110、120、130および140を有する分離システム100の概略図を示す。
【0116】
ここで、第1の篩い手段110は、第1のセットの分離スクリーン111を含み、各分離スクリーンは、5.0~0.6mmの範囲のメッシュサイズを備える第1のセットの分離スクリーン111内にある。
【0117】
第2の篩い手段120は、第2のセットの分離スクリーン121を含み、各分離スクリーンは、2.5~0.5mmの範囲のメッシュサイズを有する第1のセットの分離スクリーン121内にある。
【0118】
第3の篩い手段130は、第3のセットの分離スクリーン311を含み、各分離スクリーンは、0.6~0.2mmの範囲のメッシュサイズを有する第3のセットの分離スクリーン131内にある。
【0119】
第4の篩い手段140は、第4のセットの分離スクリーン141を含み、各分離スクリーンは、0.8~0.3mmの範囲のメッシュサイズを備える第4のセットの分離スクリーン141内にある。
好適には、篩い手段110、120、130、および140内の分離スクリーンのセットは、1つ、2つ、3つ、または4つの分離スクリーンからなる。
好適には、篩い手段110、120、130、および140内の分離スクリーン111、121、131、および141のセットのメッシュサイズの範囲は、互いに独立している。4つの分離スクリーンをもつ篩い手段によって得られる画分の数は変えることができ、2つの画分、3つの画分、4つの画分および/または5つの画分の範囲にある。
好適には、分離スクリーン111、121、131、および141のセットのうちの少なくとも1つは、充填物201の第1の組成値のセット301とデータベース180内の組成値の第2の組成値のセットとを比較することによって選択される。
【0120】
第1の篩い手段110から第1の複数の画分201aを得た後、第2の篩い手段120、第3の篩い手段130、および/または第4の篩い手段140において、第1の複数の画分201aの少なくとも1つの画分を適切に連続して分離することができる。好適には、篩い手段110、120、130、および140のいずれかによって得られた複数の画分内の任意の画分を、篩い手段110、120、130、および140のいずれかでさらに分離して、複数の分離された画分内で高純度を得た充填物の分離をさらに改善することができる。
好適には、高純度ではないとみなされる画分、例えば、材料の不均一性が高い画分、不均一な比重および/または不均一な粒子サイズは、篩い手段110、120、130および/または140のうちの少なくとも1つによってさらに分離される。
好適には、分離された画分の純度は、予備分析ユニット101または振動篩い振とう機などの他の適切な分析ユニットを用いて分析される。
【0121】
図9は、乾いた又は乾燥した充填物を、好ましくはゴムおよび/または砂を含む人工芝製品から複数の画分に分離するのに適した分離装置100の概略図を示し、分離装置100は、さらに、乾いた又は乾燥した充填物201の分離画分201bの組成に対応する第3のセットの組成値を得るために、粒子サイズおよび/または比重によって乾いた又は乾燥した充填物201の分離された画分201bの組成を決定して、構成されたインライン分析ユニット103を含む。
【0122】
インライン分析ユニット103は、分離された画分の純度を分析する。好適には、インライン分析ユニット103は、分析実験室または他の適切な場所で、篩い手段のすぐ近くで作動する振動篩い振とう機である。インライン分析ユニット103によって得られた組成値は、組成値303の第3のセットとして規定される。組成値303の第3のセットは、分離された充填物201からの分析された画分201bごとにデータベース180に入力され、保存される。組成値303の第3のセットは、分析された画分201bのさらなる分離が必要であるかどうかを決定するための基礎として役立つ。好ましくは、純度が95%(w/w)未満の画分、目に見える不純物を含む画分、および/または分析前の結果と一致しない画分は、データベース180内の構成値の第2のセットを備える組成値の第3のセット303を比較することによって選択された一連の分離スクリーン111を備えた篩い手段110でさらに分離される。
【0123】
一例として例示的に、インライン分析のための合計4つのサンプルが6時間ごとに採取され、ここで各サンプルは、(i)実質的にゴムを含む画分、(ii)実質的に粗砂を含む画分、(iii)実質的に細砂を含む画分から採取され、(iv)実質的に芝を含む画分、から採取される。
好適には、インライン分析ユニット103における分離された画分のインライン分析は、篩い手段110における充填物201の進行中の分離中に、所定の時間間隔で実行される。好ましくは、インライン分析のための画分サンプルは、12時間、10時間、8時間、6時間、4時間、または2時間ごとに採取される。または、インライン分析の画分サンプルは、所定の時点またはランダムな時点のいずれかで、あらゆる分離プロセス中に1回、2回、3回、または4回だけ採取される。
好適には、予備分析ユニット101および/またはインライン分析ユニット103は、次第に微細なメッシュスクリーンのセットを含む振動ふるい振とう機である。予備分析ユニット内のメッシュスクリーンは、好ましくは、実質的に2.5mm、2mm、1.6mm、1.4mm、1.18mm、1mm、0.8mm、0.63mm、0.5mm、0.2mm、および/または0mmのサイズを有している。
好適には、予備分析ユニット101およびインライン分析ユニット103は、同じ振動篩い振とう機である。
【国際調査報告】