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特表2022-547947組成物中の食感および渋味の調整ならびに同組成物中の食感および渋味の調整する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】組成物中の食感および渋味の調整ならびに同組成物中の食感および渋味の調整する方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20221109BHJP
   A23F 3/16 20060101ALI20221109BHJP
   A23C 9/13 20060101ALI20221109BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20221109BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20221109BHJP
   A23L 13/40 20160101ALI20221109BHJP
   A23L 13/00 20160101ALI20221109BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23F3/16
A23C9/13
A23L2/00 B
A23L2/52
A23L13/40
A23L13/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515622
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(85)【翻訳文提出日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 EP2020075159
(87)【国際公開番号】W WO2021048179
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】62/898,100
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ウングレアーヌ,イヨアナ,マリア
(72)【発明者】
【氏名】ポッツ,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】チェリオット,ゾフィー
(72)【発明者】
【氏名】小沼 陽介
【テーマコード(参考)】
4B001
4B027
4B042
4B047
4B117
【Fターム(参考)】
4B001AC99
4B001EC01
4B027FB01
4B027FC02
4B027FK01
4B027FK02
4B027FP85
4B042AC03
4B042AD36
4B042AK02
4B042AK13
4B047LB09
4B047LE06
4B047LF05
4B047LF07
4B047LF10
4B047LG01
4B047LG14
4B047LG18
4B047LG40
4B117LG11
4B117LK01
4B117LK06
4B117LK15
4B117LL09
(57)【要約】
消耗品または添加剤へ渋味をマスキングする量のヒアルロン酸および/またはその塩を添加するステップを包含する、食感を改善しかつ消耗品組成物または添加剤によって付与された知覚される渋味および望ましくないオフノートをマスキングする方法であって、ここでヒアルロン酸および/またはその塩が、少なくとも500kDaの平均分子量を有する。加えて開示されるのは、少なくとも1つの渋味構成要素と、渋味をマスキングする量のヒアルロン酸および/またはその塩とを含む、食料または飲料の添加剤である。さらに開示されるのは、消耗性基剤、少なくとも1つの渋味構成要素、ならびに渋味をマスキングする量のヒアルロン酸および/またはその塩を含む消耗品組成物である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品組成物または添加剤によって付与された知覚される渋味および望ましくないオフノートをマスキングする方法であって、方法が、前記消耗品または添加剤へ渋味をマスキングする量のヒアルロン酸および/またはその塩を添加するステップを包含し、ここでヒアルロン酸および/またはその塩が、少なくとも500kDaの平均分子量を有する、前記方法。
【請求項2】
消耗品もしくは添加剤中のヒアルロン酸および/またはその塩の量が、約50ppmから約1000ppmまで、または約50ppmから約750ppmまで、または約50ppmから約500ppmまで、または約50ppmから約400ppmまで、または約50ppmから約300ppmまでである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ヒアルロン酸および/またはその塩が、500kDaより大きく約1,500kDaまでの平均分子量、または500kDaより大きく約1,000kDaまでの平均分子量、または約750kDa~約1,500kDaの平均分子量、または750kDaより大きく約1,000kDaまでの平均分子量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
渋味をマスキングする量のヒアルロン酸を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
渋味をマスキングする量のヒアルロン酸塩を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
渋味をマスキングする量のヒアルロン酸およびその塩の両方を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ヒアルロン酸塩が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ヒアルロン酸塩が、ヒアルロン酸ナトリウムを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ヒアルロン酸および/またはその塩が、粉末である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ヒアルロン酸および/またはその塩が、噴霧乾燥粉末である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
消耗品が、飲料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
飲料が、茶またはワインを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
消耗品が、ヨーグルトを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
消耗品が、代用肉、エンドウ豆タンパク質および/またはダイズタンパク質を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
望ましくないオフノートまたは渋味を付与する少なくとも1つの構成要素と、渋味をマスキングする量のヒアルロン酸および/またはその塩とを含む食料あるいは飲料の添加剤であって、ここでヒアルロン酸および/またはその塩が、少なくとも500kDaの平均分子量を有する、前記食料または飲料の添加剤。
【請求項16】
添加剤中に存在するヒアルロン酸および/またはその塩の量が、約50ppmから約1000ppmまで、または約50ppmから約750ppmまで、または約50ppmから約500ppmまで、または約50ppmから約400ppmまで、または約50ppmから約300ppmまでである、請求項15に記載の食料または飲料の添加剤。
【請求項17】
ヒアルロン酸またはその塩が、500kDaより大きく約1,500kDaまでの重量平均分子量、または500kDaより大きく約1,000kDaまでの平均分子量、または約750kDa~約1,500kDaの平均分子量、または750kDaより大きく約1,000kDaまでの平均分子量を有する、請求項15に記載の食料または飲料の添加剤。
【請求項18】
消耗性基剤、望ましくないオフノートまたは渋味を付与する少なくとも1つの構成要素、ならびに渋味をマスキングする量のヒアルロン酸および/またはその塩を含む消耗品組成物であって、ここでヒアルロン酸および/またはその塩が、少なくとも500kDaの重量平均分子量を有する、前記消耗品組成物。
【請求項19】
消耗品中へ組み込まれているヒアルロン酸および/またはその塩の量が、約50ppmから約1000ppmまで、または約50ppmから約750ppmまで、または約50ppmから約500ppmまで、または約50ppmから約400ppmまで、または約50ppmから約300ppmまでである、請求項18に記載の消耗品。
【請求項20】
ヒアルロン酸またはその塩が、500kDaより大きく約1,500kDaまでの重量平均分子量、または500kDaより大きく約1,000kDaまでの平均分子量、または約750kDa~約1,500kDaの平均分子量、または750kDaより大きく約1,000kDaまでの平均分子量を有する、請求項18に記載の消耗品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、改善された食感特性と低減または除去された渋味の知覚とを有する組成物、ならびに食料および飲料などの組成物中の食感を改善する方法および渋味の知覚を低減または除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
渋味は、飲食料品業界にとって一般的でかつ高コストの問題である。渋味は、上皮が、ミョウバンおよびタンニンなどの物質への曝露の結果として忌避する、引きしぼる、またはすぼまることに起因する感覚の複合として、米国試験材料協会(American Society for Testing and Materials)(ASTM、2004)によって定義される。渋味分子は、唾液のタンパク質、とくに天然の潤滑剤として作用するムチンなどの高プロリンタンパク質および糖タンパク質と反応し、それらを沈殿および凝集させて、そしてその結果もたらされる潤滑性の喪失が、口中の渋味に関連する、ざらざらした、「サンドペーパー様の」、または乾燥した感覚へ導くと考えられている。
【0003】
渋味は消耗品中に固有に存在し得る。最も一般的な例は、茶、ワイン、ヨーグルト、ならびにダイズタンパク質およびエンドウ豆タンパク質などの植物タンパク質などのある消耗品中の渋味である。多くの生物活性化合物は天然に生じるが、これらは渋味を惹起させるものの、それにもかかわらず健康への良い影響を有している。これらの化合物は、例えば、フラボノイド、ポリフェノール、ペプチド、ミネラル、またはテルペンを包含する。渋味はまた、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、タンパク質、ペプチド、または抗酸化剤などのある成分の添加の結果としても消耗品中へ導入されうる。これらの成分のすべては、健康と食料の安全性とを改善する意図で、または栄養分となる理由のため、添加剤として採用されるかもしれないが、しかしそれらはまた、渋味、望ましくない食感特性、および/または異味の知覚もそれらとともに運びうる。
【0004】
消耗品中の渋味または異味を回避する最新の解決策は、糖、塩、フレーバー剤、香辛料等々の添加に限定されている。かかる試みは本質的に、渋味または異味からの目眩ましを提供し、および消耗品中に存在する所望されるフレーバーの構成要素を隠しまたは覆う。健康およびウェルネスに関する理由のために塩もしくは糖といった類の基本的な成分を食料から低減または除去する比較的近年の傾向、ならびに機能性成分および栄養補助食品(nutraceuticals)の増大した使用はまた、新しい味をマスキングするかまたは食感を調整する技術にむけた必要性も増大した。また、それら自体が標準的なフレーバー成分ではない材料、つまり、所望の味を保有しないが(もしあるとしても、フレーバー成分としては好適な味)、低濃度で使用されたとき渋味および異味を低減または除去して食感特性を改善する材料の添加によって、渋味および異味を低減または除去して食感特性を改善するとの所望もあった。
【0005】
食感(mouthfeel)(または「口当たり」(mouth feel))は、食料および飲料、または食料もしくは飲料へ添加された組成物によって創作された、口中にて経験または感じられた物理的な感覚を指す。食感は、舌、口蓋、歯、歯肉、または喉と接触するテクスチャーを指してよい。食感は、味/フレーバーとは別個なものとみなされるがしかし、個人の、他の食料よりある食料への喜びもしくは選好に対し、等しいかまたはなおより大きな影響を有するとみなされる。知覚された感覚を記載するのに使用される典型的な食感のディスクリプタ(descriptor)は、酸味(金属的、柑橘系、鮮明)、密度(緻密、すかすかの)、乾燥度(乾燥した、焦げた)、粒状性(微粒子状、粉状(powdery)、粉末状(dusty)、粒状(grainy)、チョーク様の(chalky))、粘着性(弾力性に富み歯ごたえがある、かみ切れずかたい)、硬度(パリパリとした歯ごたえがある、柔らかい)、重たさ(ふっくらした、どっしりした)、刺激性(刺すような、ピリピリする)、マウスコート(油っこい、バターのような)、ざらつき(粗い、肌理の細かい(textured))、滑らかさ(ぬるぬるした、筋ばった)、スムースさ(シルキーさ、ベルベットのような)、均一性(均一、不均一)、およびビスコシティ(viscosity)(フルボディ、ライトボディ)を包含する。
【0006】
結果的に、食感を改善すること、および消耗品または消耗品へ添加されるある成分もしくは組成物によって引き起こされる渋味の知覚を低減することへの需要があるのと同時に、かかる消耗品の所望される食感および官能特性を維持するかまたは増強することへの需要もある。
【発明の概要】
【0007】
概要
開示されるのは、消耗品組成物または前記消耗品の添加剤によって付与された知覚される渋味および望ましくないオフノートをマスキングする方法であって、方法は、前記消耗品または添加剤へ渋味をマスキングする量のヒアルロン酸および/またはその塩を添加するステップを包含し、ここでヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも500kDの平均分子量を有する。
開示されるのは、消耗品組成物または前記消耗品の添加剤の食感を改善する方法であって、方法は、前記消耗品または添加剤へ渋味をマスキングする量のヒアルロン酸および/またはその塩を添加するステップを包含し、ここでヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも500kDaの平均分子量を有する。
【0008】
加えて開示されるのは、望ましくない異味または渋味を付与する少なくとも1つの構成要素と渋味をマスキングする量のヒアルロン酸および/またはその塩とを含む、食料または飲料の添加剤であり、ここでヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも500kDaの平均分子量を有する。
さらに開示されるのは、望ましくない異味または渋味を付与する少なくとも1つの構成要素と渋味をマスキングする量のヒアルロン酸および/またはその塩とを含む消耗品組成物であり、ここでヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも500kDaの平均分子量を有する。
特定の態様の、これらおよび他の特色、側面、ならびに利点は、本開示を読むことから当業者に明らかになるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な記載
以下の文章は、本開示の無数の異なる態様を広く記載したものを表す。記載は例示としてしか解釈されないべきであって、あり得る全ての態様を記載することは不可能ではないとしても非実際的であろうことから、あり得る全ての態様を記載してはいない。本明細書に記載のいずれの特色、特徴、構成要素、組成物、成分、生成物、ステップ、または方法論も全部もしくは一部、削除され得るか、本明細書に記載のいずれの他の特色、特徴、構成要素、組成物、成分、生成物、ステップ、または方法論に結合され得るか、あるいは置換され得ると理解されるであろう。最新の技術または本出願の出願日の後に開発された技術のいずれかを使用して無数の代替の態様が実施され得るが、それでもなおクレームの範囲内に納まるであろう。本明細書に引用されるすべての刊行物および特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
望ましくない食感は、そうでなければ望ましくフレーバー付けされた組成物に対し深刻に不利になり得る。本明細書に使用されるとき、「食感」は、食料、飲料、または成分によって産生される物理的な口中の感覚を指し、重たさ、厚み(thickness)、ビスコシティ、湿潤さ、スムースさ、フィルミネス(filminess)、乾燥、およびマウスコーティングを包含するがこれらに限定されるものではない。渋味の知覚を包含するがこれに限定されない、望ましくない食感の特性が、渋味をマスキングする量のヒアルロン酸および/またはその塩を組成物中へ組み込むことによって改善され得るということが今、予想外に発見され、ここでヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも500kDaの平均分子量を有する。
【0011】
開示されるのは、消耗品組成物または前記消耗品の添加剤によって付与された知覚される渋味および望ましくないオフノートをマスキングする方法であって、方法は、消耗品もしくは添加剤へ渋味をマスキングする量のヒアルロン酸および/またはその塩を添加するステップを包含し、ここでヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも500kDaの平均分子量を有する。驚くべきことに、ある平均分子量を有しかつある濃度で存在するヒアルロン酸および/またはその塩を包含することが、渋味の知覚を低減または除去し、かつ渋味を付与する少なくとも1つの構成要素を含有する消耗品のまたは添加剤の全体的な食感を改善することが見い出された。本明細書に使用されるとき、用語「渋味」は、対象の口腔中の、乾燥した、収縮する、および/またはすぼまる感覚を指す。
【0012】
ある平均分子量を有しかつある濃度で存在するヒアルロン酸および/またはその塩はまた、フィルミネスなどの他の食感特徴を増強することもまた見い出された。本明細書に使用されるとき、用語「フィルミネス」は、口腔を薄層でコートし、快い全体的な感覚を与える物質の能力を指す。フィルミネスはまた、マウスコーティングとも同様とみなされ得るが、しかしより薄くより快い層をもたらす。
理論によって限定されることなしに、ムチンなどの唾液タンパク質は、ある平均分子量を有しかつある濃度にて存在するヒアルロン酸および/またはその塩によって沈殿および凝集から保護され、それによって唾液タンパク質による口腔内組織の潤滑性と湿潤とが保たれていると考えられている。渋味分子がしばしばムチンと凝集を形成して渋味の知覚へ導くということもまた考えられている。同様の凝集は、渋味化合物とヒアルロン酸との間で形成され得る。ヒアルロン酸は、渋味物質と強く相互作用(例えば、双極性の、酸塩基の(acid-base)、非共有結合の相互作用)して、有意な数の相互作用部位を遮蔽すると考えられている。この相互作用が、渋味物質のムチン沈殿能を低減し、低減された渋味の知覚をもたらすであろう。
【0013】
消耗品中の塩含量または糖含量が低減されているような場合においてもなお、本開示のとおりの組成物が、塩味、甘味、および/またはうまみ(umami)の知覚の増大を獲得するために使用されてよいこともまた見い出されている。
【0014】
ヒアルロン酸(HAまたはヒアルロナンともまた称される)は、グリコサミノグリカン(GAG)として分類される。GAGは、でグルクロン酸およびグルコサミンから構成される繰返し二糖類からなる、長い線状の(非分枝の)多糖類である。ヒアルロン酸は、体内の至るところで遍在的に見い出されており、直接的または間接的のいずれかで体内の全ての生理学的機能と関与する。ヒアルロナンは、軟骨、滑液、皮膚、椎間板、骨、尿路、心臓弁、眼、および様々な他の軟組織中に、濃い濃度にて見い出される。
【0015】
ヒアルロン酸の1次構造は、β(1-3)結合によって結合されたグルクロン酸ナトリウムとN-アセチルグルコサミンとの反復性二糖類ユニットからなる。これらのユニットは、β(1-4)結合で連結される。ヒアルロン酸の1次構造は、以下に再現される:
【化1】
【0016】
ヒアルロン酸は、脊椎動物の結合組織を包含する天然の組織から、ヒト臍帯から、および雄鶏のとさかから抽出されてよい。それはまた、感染因子を伝達する潜在的なリスクを最小化し、かつ生成物の均一性、品質、および入手可能性を増大する微生物学的方法によっても調製される。それは、その産生方法に応じて15,000kDa以上に到達し得る、広範な分子量スペクトルを有する。ヒアルロン酸は、ヒト治療薬中および化粧品中のナトリウム塩またはカリウム塩として使用されることが知られている:ヒアルロン酸の外因性適用は、結合組織形成(connective organization)に都合の良い有益な効果を有し、かつまたヒアルロニダーゼを産生する細菌によって誘発される炎症過程を低減または除去するのにも有効でもあり、過度の毛細管の透過性を低減し、および組織の修復プロセスを速める。
【0017】
ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、連鎖球菌(streptococcal)発酵などの微生物の発酵によって産生される。微生物で発酵されたヒアルロン酸および/またはその塩は、Streptococcus zooepidemicusから産生されてよい。微生物の発酵によってヒアルロン酸またはその塩を産生することは、より一貫性のある分子プロファイル、分子量、および狭い多分散性をもたらしてよい。ある態様によれば、乳酸菌は、ヒアルロン酸および/またはその塩を産生するために使用される。
【0018】
ある態様によれば、組換えのヒアルロン酸および/またはその塩は、利用されてよい。グラム陽性細菌およびグラム陰性細菌の両方が、組換えのヒアルロン酸および/またはその塩を産生する宿主として活用され得、Bacillus sp、Lactococcos lactis、Agrobacterium sp.、およびEscherichia coliを包含する。ありとあらゆる知られた方法が、ヒアルロン酸および/またはその塩を産生するために使用されてよい。
【0019】
ある態様によれば、バイオ発酵(bio-fermented)ヒアルロン酸ナトリウムは、選択されるStreptococcus zooepidemicus菌株を発酵すること;発酵物から得られたヒアルロン酸ナトリウム粗生成物を選択すること;濾過によって粗生成物を精製すること;ヒアルロン酸ナトリウムを有機溶媒で沈殿させること;および乾燥すること、によって産生される。
【0020】
ある態様によれば、ヒアルロン酸またはその塩は、、小麦の穂の天然のバイオ発酵プロセスによって得られ、エタノールなどのバイオ原料の精製溶媒で精製された。
【0021】
pH、温度、撹拌スピード、通気速度、せん断応力、溶存酸素、およびバイオ反応器タイプなどの培養条件は、微生物のヒアルロン酸産生に有意に影響する。S.zooepidemicusによるヒアルロン酸産生のためのpHおよび温度は夫々、典型的には、約7.0および37℃である。バッチ、反復バッチ、フェッドバッチ、および連続培養などの様々な発酵モードが使用されて、ヒアルロン酸および/または塩が産生される。
【0022】
ヒアルロン酸および/またはその塩は、エマルション、溶液、または粉末の形態であってよい。ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、粉末の形態である。ヒアルロン酸および/またはその塩が、粉末の形態で使用される場合、粉末の形態は:、噴霧乾燥プロセスなどの分散蒸発プロセスによって産生され得る。ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、噴霧乾燥粉末の形態である。
【0023】
ヒアルロン酸は、遊離酸の形態であってよく、またはアルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウム)との、もしくはアルカリ土類金属(カルシウム、バリウム、ストロンチウム)との塩であってよい。ある態様によれば、ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸ナトリウムである。
【0024】
ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも500kDaの平均分子量を有する。ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも500kDa~約5,000kDaの平均分子量を有する。ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも500kDa~約2,000kDaの平均分子量を有する。ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも500kDa~約1,500kDaの平均分子量を有する。ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、500kDaより大きく約1,000kDaまでの平均分子量を有する。ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、750kDaより大きく約1,500kDaまでの平均分子量を有する。ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、750kDaより大きく約1,000kDaまでの平均分子量を有する。ある態様によれば、ヒアルロン酸塩は、約1,000~約1,400kDaの平均分子量を含むヒアルロン酸ナトリウムである。
【0025】
ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも500kDa~約750kDaの平均分子量を有する。ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも750kDa~約1,250kDaの平均分子量を有する。ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも1,000kDa~約1,500kDaの平均分子量を有する。ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも1,000kDa~約1,400kDaの平均分子量を有する。ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも1,100kDa~約1,300kDaの平均分子量を有する。本明細書に使用されるとき、句「平均分子量」は、とくに断りのない限り、重量平均分子量を指すものとされている。
【0026】
限定せずに、好適なヒアルロン酸またはその塩は、商標CRISTALHYAL(登録商標)の下でGivaudan SA(Switzerland)から市販されている。同様の材料はまた、様々な供給源からも市販されている。
【0027】
ヒアルロン酸および/またはその塩が消耗品または添加剤へ添加されてよいその量は、広範な限定内で変動してよく、なかでも、消耗品または添加剤の性質に、具体的な所望される食感または渋味の修正効果、ならびに除去、抑制、もしくは低減されなければならない渋味の原因である消耗品または添加剤中の成分(単数もしくは複数)の性質および濃度に左右される。最終用途および所望される効果に応じて消耗品または添加剤中へ組み込むヒアルロン酸および/またはその塩の好適な分量について決めるのは十分に当業者の権限内にある。
【0028】
ある態様によれば、消耗品もしくは添加剤中に存在しているヒアルロン酸および/またはその塩の量は、少なくとも約1ppmから約10,000ppmまでの濃度にあってよい。ある態様によれば、消耗品もしくは添加剤中に存在しているヒアルロン酸および/またはその塩の量は、約50ppmから約1,000ppmまでの濃度にあってよい。ある態様によれば、消耗品もしくは添加剤中に存在しているヒアルロン酸および/またはその塩の量は、約50ppmから約1000ppmまでの濃度にあってよい。ある態様によれば、消耗品もしくは添加剤中に存在しているヒアルロン酸および/またはその塩の量は、約100ppmから約800ppmまでの濃度にあってよい。ある態様によれば、消耗品もしくは添加剤中に存在しているヒアルロン酸および/またはその塩の量は、約200ppmから約600ppmまでの濃度にあってよい。ある態様によれば、消耗品もしくは添加剤中に存在しているヒアルロン酸および/またはその塩の量は、約200ppmから約500ppmまでの濃度にあってよい。ある態様によれば、消耗品もしくは添加剤中に存在しているヒアルロン酸および/またはその塩の量は、約200ppmから約400ppmまでの濃度にあってよい。ある態様によれば、消耗品もしくは添加剤中に存在しているヒアルロン酸および/またはその塩の量は、約225ppmから約325ppmまでの濃度にあってよい。ある態様によれば、消耗品もしくは添加剤中に存在しているヒアルロン酸および/またはその塩の量は、約50ppmから約500ppmまでの濃度にあってよい。
【0029】
ある態様によれば、消耗品もしくは添加剤中に存在しているヒアルロン酸および/またはその塩の量は、約50ppmから約600ppmまで、または約125ppmから約550ppmまで、または約150ppmから約500ppmまで、または約250ppmから約400ppmまで、または約200ppmから約350ppmまで、または約225ppmから約300ppmまで、または約230ppmから約270ppmまでの濃度にあってよい。
【0030】
「ppm」として表現されるとき、濃度は、状況に応じて、消耗品または添加剤の総重量に基づき重量による百万分率である。値の範囲が本開示中に記載されるとき、端点を包含する範囲内のどの値も、開示されているとしてみなされるべきものと意図されることは、理解されるはずである。例えば、ヒアルロン酸および/またはその塩の「100ppmから1000ppmまでの範囲」は、100と1000との間の連続体に沿った可能などの数も指し示しているとして読まれるべきである。本発明者らは、範囲内のありとあらゆる値が、特定されているとみなされるべきと認識しおよび理解するものこと、ならびに本発明者らは、全体の範囲および範囲内のすべての値を所有することが理解されるべきである。
【0031】
本開示中、値と関係して使用される用語「約」は、規定された値を包含するものであって、かつ文脈によって決定付けられる意味を有する。例えば、それは少なくとも、具体的な値の測定に関連する誤差の程度を包含する。当業者は、本明細書に使用される用語「約」は、列挙された値の「約」の量が、本開示の組成物および/または方法における所望される有効性の程度を産生することを意味するものと理解するであろう。当業者はさらに、態様におけるいずれの構成要素のパーセンテージ、量、または分量の値に関する「約」の境界および範囲も、値を変動すること、各値について組成物もしくは方法の有効性を決定すること、および本開示に従って所望される有効性の程度をもつ組成物または方法を産生する範囲の値を決定することによって決定され得ると理解するであろう。
【0032】
提供されるのにはまた、望ましくない食感または異味または渋味を付与する少なくとも1つの構成要素と、渋味をマスキングする量のヒアルロン酸および/またはその塩とを含む、食料または飲料の添加剤もあり、ここでヒアルロン酸および/またはその塩は、少なくとも500kDaの重量平均分子量を有する。
【0033】
冠詞「a」、「an」、および「the」は本明細書中、冠詞の文法上の目的物の1つを、または1つより多く(つまり、少なくとも1つ)を指すように使用される。一例として、「化合物」は、1つの化合物または1つ以上の化合物を意味する。
【0034】
消耗品または添加剤は、基剤を包含してよい。本明細書に使用されるとき、用語「基剤」は、ヒアルロン酸および/またはその塩は別として、消耗品または添加剤に必要なすべての成分を指す。これらは当然ながら、消耗品または添加剤の性質および使用に応じ、性質と割合との両方において変動するであろうが、しかしそれらはすべて、当該技術分野で周知であり、かつ当該技術分野において承認されている割合で使用されてよい。全ての想定される目的のためのかかる塩基の製剤化は、したがって、当該技術分野の通常の技能の範囲内にある。
【0035】
限定せずに、また実例のみとして、好適な塩基は、アンチケーキング剤、消泡剤、抗酸化剤、結合剤、着色剤、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、封入剤または製剤、酵素、脂肪、フレーバーエンハンサー、フレーバー剤、ゴム、多糖類、保存料、タンパク質、可溶化剤、溶媒、スタビライザー、糖誘導体、界面活性剤、甘味剤、ビタミン、ワックス、等を包含してよい。使用されてよい溶媒は、当業者に知られており、例として、水、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、およびトリアセチンを包含する。封入材およびゴムは、マルトデキストリン、アラビアゴム、アルギン酸、ゼラチン、加工デンプン、他の多糖類、およびタンパク質を包含する。
【0036】
フレーバー化合物のための賦形剤、担体、希釈剤、または溶媒の例は、例として「Perfume and Flavour Materials of Natural Origin」,S.Arctander,Ed.,Elizabeth,N.J.,1960;「Perfume and Flavour Chemicals」,S.Arctander,Ed.,Vol.I&II,Allured Publishing Corporation,Carol Stream,USA,1994中;「Flavourings」,E.Ziegler and H.Ziegler(ed.),Wiley-VCH Weinheim,1998中;および「CTFA Cosmetic Ingredient Handbook」,J.M.Nikitakis(ed.),1st ed.,The Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association,Inc.,Washington,1988中に見出されてよい。
【0037】
ある態様によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、添加剤の一部として消耗品へ添加されてよく、ここで添加剤は、少なくとも1つのフレーバーを提供する成分を含む。ヒアルロン酸および/またはその塩は、消耗品へ直接的に添加されるか、または消耗品のある成分と予混合されてよい。例えば、ヒアルロン酸および/またはその塩は、渋味を付与する物質と混和されることで、その後消耗品の残存する成分へ添加されてよい添加剤を形成してよい。
【0038】
好適なフレーバーを提供する成分の非限定例は、天然のフレーバー、人工のフレーバー、スパイス、香辛料、等を包含する。これらは、合成のフレーバーオイルならびにフレーバー付けをする香料および/またはオイル、含油樹脂、エキス、および蒸留物、ならびにそれらの組み合わせを包含する。
【0039】
フレーバーオイルは、スペアミントオイル、シナモンオイル、冬緑オイル(サリチル酸メチル)、ペパーミントオイル、ハッカオイル、クローブオイル、ベイリーフオイル(bay oil)、アニスオイル、ユーカリオイル、タイムオイル、ニオイヒバオイル、ナツメグのオイル、オールスパイス、セージのオイル、メース、苦扁桃のオイル、およびカシアオイルを包含する;有用な香味剤は、バニラ、およびレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチを包含する柑橘類の油、およびリンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、ラズベリー、ブラックベリー、グーズベリー、ブルーベリー、イチゴ、チェリー、プラム、プルーン、レーズン、コーラ、ガラナ、ネロリ、パイナップル、アンズ、バナナ、メロン、アンズ、チェリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤなどを包含する果実エキスなどの、人工の、天然の、および合成の果実フレーバーを包含する。
【0040】
フレーバーを産生する成分によって付与される追加の例示のフレーバーは、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、およびヨーグルトフレーバー、バニラフレーバー、茶またはコーヒーのフレーバー、たとえば、緑茶フレーバー、烏龍茶フレーバー、茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、およびコーヒーフレーバー;ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、およびハッカフレーバーなどのミントフレーバー;アサフェチダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンジェリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェイフレーバー、クミンフレーバー、クローブフレーバー、コショウフレーバー、コリアンダーフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、サンショウフレーバー、シソフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ショウガフレーバー、スターアニスフレーバー、ホースラディッシュフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、およびワサビ(ジャパニーズホースラディッシュ)フレーバーなどのスパイシーフレーバー;アーモンドフレーバー、ヘーゼルナッツフレーバー、マカデミアナッツフレーバー、落花生フレーバー、ペカンフレーバー、ピスタチオフレーバー、およびクルミフレーバーなどのナッツフレーバー;フローラルのフレーバー;ならびに玉葱フレーバー、ニンニクフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、マッシュルームフレーバー、およびトマトフレーバーなどの野菜フレーバーを包含してよい。
【0041】
一般に、the National Academy of Sciencesによる「Chemicals Used in Food Processing」(Publication No 1274,pages 63-258)出版中に記載されているものなどの、フレーバーを産生するいずれの成分または食料添加剤も使用され得る。
【0042】
付帯成分は、増強された安定性、消耗品または添加剤中への組み込みのし易さ、および増強された栄養価などの他の利益を提供するために存在してよい。かかる付帯成分の非限定的な典型例は、安定剤、乳化剤、保存料、ゴム、デンプン、デキストリン、ビタミンおよびミネラル、機能的成分、塩、抗酸化剤、ならびに多価不飽和脂肪酸を包含する。具体的な例は、噴霧乾燥プロセスにおいて有用な乳化剤および担体である。これらの非限定例は、Capsul.(商標)などの加工デンプン、およびマルトデキストリンである。
【0043】
添加剤は、単一の成分もしくは成分のブレンドであってよく、またはそれは上に言及されたものなどの、いずれかの好適な封入材中にカプセル化されていてよい。添加剤は、噴霧乾燥、押出、および流動層乾燥などのいずれの好適な方法によっても調製されてよい。
【0044】
ヒアルロン酸および/またはその塩は、多種多様の消耗品または用途において使用されてよく、いずれの具体的な物理モードまたは生成物の形態に制限されるものではない。本開示によれば、用語「消耗品」は、喜び、栄養分、または健康とウェルネスとの利益という目的の少なくとも1つのため、典型的には口腔を介し対象によって消費される(消費は、吸入などの非経口の手段を介して生じてよいが)ための生成物を指す。消耗品は、液体、固体、半固体、錠剤、カプセル、ロゼンジ、ストリップ、粉末、ゲル、ゴム、ペースト、スラリー、溶液、懸濁液、シロップ、エアロゾル、および噴霧を包含するものの、これらに限定されずに、いずれの形態でも存在してよい。用語はまた、例えば、健康補助食品および栄養サプリメント、ならびに健康およびウェルネスのためのサプリメント(dietary and nutritional, and health and wellness supplements)を指す。消耗品は、口腔内にある期間置かれた後に処分されるが飲み込まれることのない組成物を包含する。それは、口中に置かれた後に消費されてよく、または口中にある期間保持された後に処分されてよい。茶、乳製品、タンパク質、茶、コーヒー、および甘味をつけた組成物と併せて、ヒアルロン酸および/またはその塩の渋味をマスキングする効果は、とくに増強されることが見い出されている。
【0045】
広く、消耗品は、すべての種類の食物(comestibles)、菓子製品、ベイクド(baked)製品、甘味製品、セイボリー(savoury)製品、発酵生成物、乳製品、植物性代用乳製品、飲料、栄養補助食品、および医薬を包含するが、これらに限定されない。
【0046】
消耗品の非限定例は、以下:濃度または容器を問わず、フローズンスープを包含する、ウェット(wet)/液体スープを、包含する。これを定義する目的から、スープ(単数または複数)は、肉、家禽、魚類、野菜、穀類、果実、および他の成分から調製される食料であって、これら成分のいくつかまたはすべての目に見える断片を包含してよい液体中で調理されたものを意味する。それは、透明(ブロスとして)であっても、もしくはドロッとして(チャウダーとして)いても、滑らかであっても、ピューレ状(pureed)であっても、もしくは固形片入り(chunky)であっても、すぐ飲めるもの(ready-to-serve)、半濃縮されたもの(semi-condensed)、または濃縮されたものであってもよく、かつ食事のコースの最初としてもしくは食事のコースのメインとして、または食事の間のスナックとして(飲料のごとく少しずつ飲まれる)、ホットあるいはコールドで供給されてよく、スープは、他の食事の構成要素を調製するための成分として使用されてよく、ブロス(コンソメ)からソース(クリームまたはチーズをベースとしたスープ)まで;調理補助製品を包含する、乾燥食料および料理用食料、たとえば:粉末、顆粒、ペースト、濃縮液体製品(圧縮キューブでの濃縮ブイヨン、ブイヨン、およびブイヨン様の製品を包含する)、錠剤または粉末または粒状の形態(これらは、完成された製品として、または製品内、ソース内、およびレシピの素(mixes)内の成分(技術を問わず)として個別に販売される);ミール・ソリューション製品、たとえば:乾燥スープの素、乾燥インスタント(instant)スープ、調理済みの乾燥スープ、既製の料理、食事、および単独で供給されるアントレ(entrees)(パスタ料理、ジャガイモ料理、および米料理を包含する)の乾燥調整品または常温保存可能な(ambient)調製品を包含する、乾燥スープおよびフリーズドライスープ;食事の装飾製品、たとえば:、調味料、マリネード、サラダドレッシング、サラダトッピング、ディップ、衣、バッターの素、常温保存可能な(shelf stable)スプレッド、バーベキューソース、液体レシピの素、濃縮物、ソース、またはソースの素(サラダのレシピの素を包含し、乾燥状か、液体状か、もしくはフローズン状かにかかわらず、完成された製品として、または製品内の成分として、販売される);すぐ飲める(ready to drink)および乾燥粉末状のアルコール飲料ならびにノンアルコール飲料、炭酸飲料および非炭酸飲料、例として、ソーダ、果実または野菜の果汁、アルコール飲料およびノンアルコール飲料、緑茶および紅茶などの茶、赤ワインなどのワインを包含するもののこれらに限定されない、飲料の素および飲料濃縮物を包含する、飲料;菓子製品、例として、ケーキ、クッキー、パイ、キャンディー、チューイグガム、ゼラチン、アイスクリーム、ソルベ、プディング、ジャム、ゼリー、サラダドレッシング、および他の調味料、シリアル、および他の朝食用の食料、缶詰の果実および果実ソース等、に及んでよい。
【0047】
具体的な態様において、ヒアルロン酸および/またはその塩は、砂糖を低減もしくは無糖にした内容物を有するある消耗品または添加剤によって付与された渋味を、低減あるいは除去し得る。ある態様において、消耗品または添加剤は、非栄養甘味料を包含してよい。ある態様において、非栄養甘味料は、ステビオールグリコシド、羅漢果甘味料、ルブソサイド、シアメノサイド、モナチン、クルクリン、グリチルリチン酸、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、グリチルリチン、グリシフィリン(glycyphyllin)、フロリジン、トリロバチン(trilobatin)、フィロズルチン、ブラゼイン、ヘルナンズルシン(hernandulcin)、オスラジン、ポリポドシド(polypodoside)A、バイユノシド(baiyunoside)、プテロカリオシドAおよびB、ムクロジオシド(mukurozioside)、ソーマチン、モネリン、マビンリンIおよびII、phlomisosideI、periandrinI、アブルソシドA、ならびにシクロカリオシド(cyclocarioside)I、モグロシドIV、モグロシドV、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの態様において、非栄養甘味料は、ステビオールグリコシドグリコシドである。具体的な態様において、ステビオールグリコシドは、ステビオサイド、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、レバウディオサイドGレバウディオサイドHレバウディオサイドI、レバウディオサイドJ、レバウディオサイドK、レバウディオサイドL、レバウディオサイドM、レバウディオサイドN、レバウディオサイドO、レバウディオサイドP、レバウディオサイドQ、ステビオールビオシド、ズルコシドA、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0048】
渋味は、飲食料品へ添加されるか、またはその中に存在する1以上の成分の結果として形成されてよい。渋味物質は、茶およびワインなどの飲料、乳製品、デザート製品、セイボリー(savory)製品、サラダドレッシング、ソース、調味料、アルコール飲料、菓子類、ガム、および医薬を包含するもののこれらに限定されない、消耗品の幅広いカテゴリー中に存在する。渋味は、多価金属カチオンの塩(アルミニウム、クロム、亜鉛、鉛、カルシウム、マグネシウム等々)、野菜タンニン(例として、ガロイル没食子酸)、脱水剤(例として、エチルアルコール、アセトン、グリセリン)、タンパク質、ならびに多種多様の有機化合物および鉱酸によって付与されてよい。
【0049】
渋味の印象を提供する物質の典型例は緑茶であって、緑茶はカテキンとして知られている数種のポリフェノールを含有するが、カテキンは、渋味があるとして知られている、つまり、カテキン、没食子酸エピガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、エピカテキン、およびそれら夫々の立体異性体および誘導体である。渋味を付与する他の物質の例は、エンドウ豆タンパク質、ダイズタンパク質、およびホエイタンパク質などのタンパク質である。渋味を付与する物質のさらなる例は、紅茶のテアフラビン、つまり、テアフラビン、テアフラビン-3-ガラート、テアフラビン-3'-ガラート、テアフラビン-3,3'-ジガラート、およびテアフラビン酸である。渋味を付与する物質のさらなる例は、ワイン中のタンニン(またはタンノイド)である。いくつかの物質の味は、苦味と渋味との混合として知覚されてよい。よって、例えば、緑茶、あるタンパク質、およびワインの渋味の味は、ときには苦味/渋味の混合として知覚される。
【0050】
ある態様によれば、開示された組成物および方法は、飲料によって付与された渋味を低減または除去するために使用される。例示の飲料は、フレーバードウォーター、ソフトドリンク、フルーツドリンク、コーヒーをベースとしたドリンク、茶をベースとしたドリンク、果汁をベースとしたドリンク(果実および野菜を包含する)、ミルクをベースとしたドリンク、ヨーグルトドリンク、ゲルドリンク、炭酸または非炭酸ドリンク、ファウンテンドリンク(fountain drinks)、フローズンドリンク、コーラドリンク、スポーツドリンク、エネルギードリンク、強化/増強されたドリンク、発酵ドリンク、スムージードリンク、パウダードリンク、アルコールまたはノンアルコールドリンク、およびこれら飲料の、すぐ飲める液体製剤を包含するが、これらに限定されない。
【0051】
ある態様によれば、開示された組成物および方法は、茶によって付与された渋味を低減または除去するために使用される。ある態様によれば、開示された組成物および方法は、緑茶または紅茶によって付与された渋味を、単独でもしくは他のフレーバー/抽出物と組み合わせて、低減または除去するために使用される。ある態様によれば、開示された組成物および方法は、ワインによって付与された渋味を低減または除去するために使用される。ある態様によれば、開示された組成物および方法は、赤ワインによって付与された渋味を低減または除去するために使用される。ある態様によれば、開示された組成物および方法は、タンパク質によって付与された渋味を低減または除去するために使用される。ある態様によれば、開示された組成物および方法は、ダイズタンパク質および/またはエンドウ豆タンパク質によって付与された渋味を低減または除去するために使用される。
【0052】
ある態様によれば、渋味をマスキングする化合物は、ミルクまたはヨーグルトなどの乳製品によって付与された渋味を低減または除去するために使用される。
【0053】
例示の乳製品は、チーズ、チーズソース、チーズをベースとした製品、アイスクリーム、衝動買い(impulse)アイスクリーム、シングルのポーション乳製品アイスクリーム、シングルのポーション氷菓、マルチパック乳製品アイスクリーム、マルチパック氷菓、持ち帰り用アイスクリーム、持ち帰り用乳製品アイスクリーム、アイスクリームデザート、大容量アイスクリーム、持ち帰り用氷菓、フローズンヨーグルト、職人技のアイスクリーム、ミルク、新鮮なミルク/低温殺菌乳、脂肪分の高い新鮮なミルク/低温殺菌乳、半脱脂の新鮮なミルク/低温殺菌乳、長期保存可能な(long-life)/uhtミルク、脂肪分の高い長期保存可能な/uhtミルク、半脱脂の長期保存可能な/uhtミルク、無脂肪の長期保存可能な/uhtミルク、ヤギミルク、コンデンストの/エバミルク、プレーンコンデンストの/エバミルク、フレーバー付けされ、機能的であって、かつ他のコンデンストのミルク、フレーバー付けされた乳飲料、乳製品のみからなるフレーバー付けされた乳飲料、果実果汁入りのフレーバー付けされた乳飲料、豆乳、乳酸飲料、発酵乳飲料、コーヒー用クリーム、粉ミルク、フレーバー付けされた粉ミルク飲料、クリーム、ヨーグルト、プレーン/ナチュラルヨーグルト、フレーバー付けされたヨーグルト、果実入りのヨーグルト、プロバイオティックヨーグルト、飲むヨーグルト、レギュラー(regular)の飲むヨーグルト、プロバイオティックの飲むヨーグルト、冷蔵および常温保存可能なデザート、乳製品をベースとしたデザート、およびダイズをベースとしたデザートを包含するが、これらに限定されない。
【0054】
ある態様によれば、開示された方法は、植物タンパク質などの非動物由来のタンパク質によって付与された渋味を低減または除去するために使用される。例示の植物タンパク質は、ダイズタンパク質およびエンドウ豆タンパク質を包含する。本明細書に使用されるとき、ダイズは、ダイズ油(単独で使用されるか、例えば栄養補助食品として組み合わされて使用されるか、もしくは医薬として使用されるか、のいずれか)、ダイズ豆腐(soy bean curd)、豆乳、ダイズバター、またはダイズペーストを包含する、ダイズをいずれの形態でも含有するすべての消耗品を包含する。植物タンパク質は、藻類(スピルリナなどの)、マメ(黒豆、カネリーニ豆、キドニー豆、レンズ豆、バタービーンズ、インゲンマメ、ダイズ豆、白インゲンマメなどの)、ブロッコリ、エダマメ、マイコプロテイン、ナッツ(アーモンド、ブラジルナッツ、カシューナッツ、落花生、ペカン、ヘーゼルナッツ、松の実、クルミなどの)、エンドウ豆(大角豆、ヒヨコ豆、グリーンピースなどの)、ジャガイモ、オートミール、種子(チア、フラックス、ヘンプ、カボチャ、ゴマ、ヒマワリなどの)、セイタン(すなわち、小麦グルテンをベースとしたもの)、テンペ、トーフ、およびそれらの混合物を含んでよい。ある態様によれば、植物タンパク質は、ジャガイモ由来のタンパク質である。
【0055】
別の態様によれば、前記方法は、塩含量または糖含量が低減されたケースにおいて、消耗品の味の知覚および芳香のプロファイルを改善または増幅するために、および充分な塩味または甘味を出すために使用されてよい。とりわけ、ヒアルロン酸および/またはその塩は、改善もしくは増大した塩味、甘味、および/またはうまみの知覚を発生させ得るが、それは当該技術分野において知られているいずれの他の組成物によっても獲得され得なかったものであった。塩味は、塩化ナトリウムなどの塩気のある物質が、口中へ導入されたときに感知される味である。甘味は、糖、蜂蜜、メープルシロップ、エリスリトール、トレハロース、またはアスパルテームなどの甘い物質が、口中へ導入されたときに感知される味である。うまみは、グルタミン酸もしくはイノシン酸などの物質が、口中へ導入されたときに感知される、セイボリーな、ブロスらしい(brothy)、または肉らしい知覚と同様の味である。
【0056】
ある態様によれば、前記方法は、非動物性タンパク質を含有する代用肉製品中の渋味の知覚を低減または除去するために使用されてよい。「代用肉」は、あるタイプの肉の見栄えの特質(aesthetic qualities)および/または化学的な特徴に近似する食品製品である。代用肉という用語は、植物性タンパク質(textured vegetable proteins)(TVP)、高湿度(high moisture)代用肉(HMMA)、および低湿度代用肉(LMMA)の製品を用いて調製されるものを包含する。
【0057】
食品科学者は、許容し得る肉風の食品用途、たとえば、牛肉、豚肉、鳥肉、魚肉、および貝肉の代用品などを、多種多様の非動物性タンパク質から調製するための方法を開発するのに多大な時間を費やしてきた。かかるアプローチの1つは、例えば、押出加工を通した、繊維質の代用肉への食感調整である。その結果得られる代用肉製品は、改善された肉風の、視覚的な外観、および改善されたテクスチャーを顕示する。
【0058】
代用肉組成物および押出加工
代用肉製品は、高湿度内容物を用いて産生され、動物肉の繊維質の構造を擬態し、かつ所望の肉風の湿度、テクスチャー、食感、フレーバー、および色を有する製品を提供する。
【0059】
タンパク質の食感調整は、加熱および/または剪断と水の添加とを伴うプロセスを介したテクスチャーまたは構造体の開発である。テクスチャーまたは構造体は、消費されるときに肉風の外観および知覚を提供するタンパク繊維によって形成されるであろう。タンパク質の食感調整の機序は、加熱および/または剪断によって分子内結合力を破壊することによって、所定タンパク質の水和およびアンフォールディングから始まる。アンフォールディングされたタンパク質分子は、剪断によって配列かつ結合されて、肉風製品に特徴的な繊維を形成する。一態様において、アミノ酸の極性側鎖は、線状タンパク質分子との結合を形成し、前記結合がタンパク質分子を配列させて、肉風製品に特徴的な繊維を形成するであろう。
【0060】
非動物性タンパク質を味良くするために、例えば、押出加工を通した、繊維質の代用肉の食感調整は、許容されてきたアプローチである。その万能さ、高い生産性、エネルギー効率、および低コストに起因し、押出加工は、現代の食品産業において幅広く使用されている。押出加工は、混合、水和、剪断、均質化、圧縮、脱気、低温殺菌もしくは滅菌、ストリームアライメント(stream alignment)、成形、伸長、および/または繊維形成を導く、複数のステップおよび機能的な複数の操作である。結局は、非動物性タンパク質は、典型的には、乾燥したブレンドの形態で押出機へ導入されるが、繊維質の材料を形成するように加工される。
【0061】
より近年の押出技術の開発は、非動物性タンパク質を繊維質の代替肉へと食感調整するために高湿度(40~80%)条件下で二軸式押出機を使用することに重点を置いてきた。「湿式押出」としてもまた知られている、高湿度二軸式プロセスにおいて、主としてダイズおよび/またはエンドウ豆のタンパク質などの非動物性タンパク質である原材料は、混合されて二軸式押出機中へ送り込まれ、そこで正しい量の水が投入されてすべての成分がさらにブレンドされ、次いで軸の熱機械的作用によって融解される。大きなタンパク質分子のリアライメント(realignment)、層流、および押出機の長いスリットの冷却用金型内の強い成層化傾向は、繊維質の構造の形成に寄与する。その結果得られる湿式押出された製品は、全体が筋肉風に改善された視覚的外観、および改善された味の良さを顕示する傾向にある。したがって、この押出技術は、消費者の健康的かつ風味の良い食料への増加する需要を満たす非動物性タンパク質の食感調整に有望である。
【0062】
食感調整プロセスはまた、紡糸(spin)、単純剪断流、ならびにクエットセル(Couette Cell)中の単純剪断流および加熱(「クエットセル」技術)も包含してよい。紡糸プロセスは、高アルカリpH溶液中でタンパク質分子をアンフォールディンすること、およびアンフォールディングされたタンパク質分子を、タンパク質アルカリ溶液を酸浴槽中へ噴霧することによって凝固させることからなる。噴霧は、無数の細かな噴出孔のあるプレートによってなされる。タンパク質は、酸性媒体と接触するや否や凝固して、繊維を形成する。次いで繊維は洗浄されて、プロセスにおいて形成された、残存する酸および/または塩が除去される。クエットセルは、円筒をベースとしたデバイスであって、内側の円筒が回転し、かつ外側の円筒は固定されていて、スケールアップが容易である。クエットセルは、を、固定式の円筒と回転式の円筒との間のスペース中、タンパク質に加熱および剪断を供することによって、タンパク繊維を形成するのと同じ原理の下で動作する。
【0063】
クエットセル中の単純剪断流および加熱に関して、このプロセスは、適度な加工条件にて、繊維質の構造パターンを、非動物性タンパク質の顆粒状混合物へ誘発し得る。このプロセスは、「On the use of the Couette Cell technology for large scale production of textured soy-based meat replacers」、Journal of Food Engineering、169 (2016) 205-213中に記載され、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
全筋動物肉(whole muscle animal meat)と同様の特質(例えば、テクスチャー、湿潤、食感、フレーバー、および色)を有する代用肉製品は、相対的に高湿度の条件の下での押出を使用して形成された非動物性タンパク質を使用して産生されてよい。一態様において、代用肉製品は、非動物性タンパク質と、穀物粉、デンプン、および食用繊維の1以上と、食用脂肪性物質とを包含してよい。
【0065】
ある組成物においては、押出されるべき混合物中に包含される非動物性タンパク質の量は、乾燥成分のわずか約90重量%しか包含しない。例えば、本開示のとおりの代用肉製品を作るために活用される成分中に存在する非動物性タンパク質の量は、乾燥成分の約3%から約90重量%まで及んでよい。別の態様において、本開示のとおりの代用肉製品を作るために活用される成分中に存在する非動物性タンパク質の量は、乾燥成分の約10%から約80重量%まで及んでよい。さらなる態様において、本開示のとおりの代用肉製品を作るために活用される乾燥成分中に存在する非動物性タンパク質の量は、約25%から約50重量%まで及んでよい。別のさらなる態様において、本開示のとおりの代用肉製品を作るために活用される乾燥成分中に存在する非動物性タンパク質の量は、約40%であってよい。
【0066】
用語「乾燥成分」は、添加水および添加水とともに添加された成分(すなわち、「湿潤成分」)を除く、押出されるべき混合物中のすべての成分を包含する。
【0067】
一態様において、非動物性タンパク質成分は、ダイズから単離される。好適なダイズ由来のタンパク質を含有する成分は、ダイズタンパク質単離物、ダイズタンパク質濃縮物、ダイズ粉、およびそれらの混合物を包含する。ダイズタンパク質材料は、一般に当該技術分野において知られている方法に従って、ダイズ全体に由来してよい。別の例示の態様においては、非動物性タンパク質成分は、本明細書に記載のとおり、穀類、マメ科植物(legume)またはマメ類(pulses)、種子および油種子、ナッツ、藻類(algal)、マイコプロテインもしくは真菌タンパク質、昆虫、葉タンパク質、ならびにそれらの組み合わせから単離される。
【0068】
上記に加えて、代用肉製品は、相対的に大量の水を包含する。一態様において、代用肉製品を作るために押出された混合物の総湿度レベルは、代用肉製品が少なくとも約50重量%の湿度内容物を有するように、制御される。かかる湿度内容物を獲得するために、水は典型的には、成分へ添加される。相対的に高い湿度内容物が所望されるものの、約65%より多大な湿度内容物を有することは、代用肉製品にとり所望されないこともある。そのため、一態様において、成分へ添加された水の量と押出加工パラメータは、代用肉製品(押出後に)が約40%から約65重量%である湿度内容物を有するように、制御される。
【0069】
好適な押出装置の中でも、記載されるプロセスの実践において有用なのは、Wenger(Sabetha、Kansas)によって製造されているWenger TX52モデルなどの、市販される二重胴部の二軸式押出機装置である。
【0070】
二軸式押出機の軸は、胴部内で同じまたは反対方向へ回転し得る。同じ方向への軸の回転は、単流または供回りと称されるのに対し、反対方向への軸の回転は、複流または逆回りと称される。押出機の軸(単数または複数)のスピードは、具体的な装置に応じて変動してよい;しかしながら、それは典型的には、約100から約450までの毎分回転数(revolutions per minute)(rpm)である。一般に、軸のスピードが増加するにつれて、押出物の密度は減少するであろう。押出装置は、非動物性タンパク質の材料を押出すために押出装置製造業者によって推奨されるとおり、シャフトおよびウォームセグメントから取り付けられた軸、ならびに混合ローブならびに環型剪断エレメントを含有する。
【0071】
押出装置は一般には、複数の加熱区画を含み、これを通してタンパク質混合物は、押出型を通して押出装置から抜け出ることに先立ち、機械的圧力の下で運ばれる。連続する各加熱区画中の温度は一般に、先の加熱区画の温度を約10℃.と約70℃.との間の差で超過する。一態様において、乾燥プレミックスは、融解した押出塊が約170℃~の温度にて押出型に入れるように、約25℃.から約170℃.までの温度まで加熱されたタンパク質混合物とともに、押出装置内の複数の加熱区画を通して伝達される。一態様において、タンパク質混合物は、夫々の加熱区画中で約25℃.、約40℃.、約95℃.、約150℃.、および約170℃.の温度まで加熱される。
【0072】
押出機胴部内の圧力は、典型的には、約30psigと約500psigとの間、またはより具体的に言うと、約50psigと約300psigとの間である。一般に、最後の2つの加熱区画内の圧力は、約50psigと約500psigとの間、さらにいっそう具体的に言うと、約50psig~約300psigの間である。胴部圧力は、例えば、押出機の軸スピード、胴部への混合物の投入速度、胴部への水の投入速度、および胴部内部の溶融塊のビスコシティを包含する、無数の因子に左右される。
【0073】
水は、追加の「湿度成分」と共に押出機胴部中へ注入されて、非動物性タンパク質混合物を水和し、タンパク質の食感調整を促進する。融解された押出塊の形成における補助剤として、水は可塑剤として作用してよい。水は1以上の注入噴射口を介して押出機胴部へ導入されてよい。水の胴部への導入速度は、先述の所望される特徴を有する押出物、たとえば、上に記載のとおりの湿度内容物をもつ押出物などの産生を促進するように一般に制御される。
【0074】
植物性タンパク質(TVP)/低湿度代用肉(LMMA)
植物性タンパク質(TVP)は、食用タンパク質供給源から作られる食品製品であって、かつ構造的完全性および識別可能なテクスチャーを(各単位が、調理における水和、および消費のための食料の調製において使用される他の手順に持ちこたえるように)有することによって特徴付けられるものとして定義され得る。今日までに産生されたTVPの大多数は、押出技術によって産生されている。これらのTVPは、しばしば60~65%の湿度で再水和されており、結合剤、肉、他のTVP、フレーバー、賦形剤、脂肪、油、または香辛料を包含するもののこれらに限定されない、他の成分とブレンドされる。
【0075】
低湿度代用肉(LMMA)製品は、ほとんどの場合、押出金型にて押出刃部で切断され、最終製品のサイズおよび形状を形成する。湿度を除去するために、押出後に乾燥することは、保管、取り扱い、および貯蔵性を改善する。これらのLMMAは、しばしば湿度60~70%で再水和される。加えて、油、他のタンパク質、塩、香辛料、フレーバー、マスカー、増強剤、または結合剤を包含するもののこれらに限定されない、他の食品成分品(food ingredient items)が、最終製品へ、機能性および外観を改善するために添加され得る。一般に、再水和されたLMMAは、湿度40~80%、油0~5%、タンパク質25~60%を含有する。
【0076】
LMMAの典型的な配合は、水、ダイズ濃縮物、ダイズ単離物、油、結合剤(例として、セルロース、活性小麦グルテン)、ならびに動物肉製品により近い味およびテクスチャーを提供するフレーバー、マスカー、香辛料、等々を含有する。
【0077】
本開示は、以下の非限定例を参照してさらに記載される。

本発明の多くのバリエーションが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく実行可能であるように、以下の例は、もっぱら説明の目的で与えられるもので、本発明の限界として解釈されるべきではない。
【0078】
例1-緑茶抽出物飲料
第1の緑茶抽出物飲料を、乾燥重量でスクロース5%と、クエン酸0.05%と、没食子酸エピガロカテキン40%を含有する緑茶抽出物0.02%(「EGCG」)とを水中に混合することによって調製する。
【0079】
第2の緑茶抽出物飲料を、1000~1,400kDaの間の平均分子量を250ppmの濃度において有するヒアルロン酸ナトリウムをもまた含有した以外は、第1の緑茶抽出物飲料と同じ成分で調製した。
十一(11)人の、一対比較法を熟知しているエキスパート官能熟練パネリストが2つの飲料組成物を評価した。官能試験では、ヒアルロン酸またはその塩を含有していなかった第1の飲料と比較すると、ヒアルロン酸ナトリウムを含有する第2の飲料においては、苦味および渋味における有意な低減と、食感における、具体的にはフィルミネスにおける有意な改善とが知覚されたと結論された。
【0080】
追加の緑茶抽出物飲料を調製し、以下のとおりに試飲した。飲料を、1000~1,400kDaの間の平均分子量を50ppmおよび100ppmの濃度において有するヒアルロン酸ナトリウムを、レモンのフレーバー付けをされた緑茶飲料(緑茶抽出物0.02%、クエン酸0.05%、スクロース5%、天然のレモネードフレーバー0.05%、および水)中に混合することによって調製した。評価を、六(6)人のエキスパート鑑定人によって反復的に行った。ヒアルロン酸を含有する試料を、基準対照のレモンのフレーバー付けされた緑茶飲料と比較した。鑑定人は、ヒアルロン酸を含有する試料が、50ppmと100ppmとの両レベルにて、わずかに渋味が少なかったことを見出した。
【0081】
別の評価において、飲料を、1000~1,400kDaの間の平均分子量を250ppmの濃度において有するヒアルロン酸ナトリウムを、レモンのフレーバー付けをされた緑茶飲料(緑茶抽出物0.02%、クエン酸0.05%、スクロース5%、天然のレモネードフレーバー0.05%、および水)中に混合することによって調製した。評価を、二十(20)人のエキスパート鑑定人によって反復的に行った。ヒアルロン酸を含有する試料を、基準対照のレモンのフレーバー付けされた緑茶飲料と比較した。鑑定人は、ヒアルロン酸を含有する試料が、明確に渋味が低減されたことを見出した。加えて、大多数の鑑定人が、製品の丸みおよび平滑化の増大を報告した。
【0082】
別の評価において、飲料を、1000~1,400kDaの間の平均分子量を400ppmの濃度において有するヒアルロン酸ナトリウムを、レモンのフレーバー付けをされた緑茶飲料(緑茶抽出物0.02%、クエン酸0.05%、スクロース5%、天然のレモネードフレーバー0.05%および水)中に混合することによって調製した。評価を、20人のエキスパート鑑定人によって反復的に行った。ヒアルロン酸を含有する試料を、基準対照のレモンのフレーバー付けされた緑茶飲料と比較した。鑑定人は、ヒアルロン酸を含有する試料が、明確に渋味が低減されたことを見出した。加えて、大多数の鑑定人が、製品の丸みおよび平滑化の増大を報告した。
【0083】
別の評価において、飲料を、1000~1,400kDaの間の平均分子量を1000ppmの濃度において有するヒアルロン酸ナトリウムを、レモンのフレーバー付けをされた緑茶飲料(緑茶抽出物0.02%、クエン酸0.05%、スクロース5%、天然のレモネードフレーバー0.05%、および水)中に混合することによって調製した。評価を、6人のエキスパート鑑定人によって反復的に行った。ヒアルロン酸を含有する試料を、基準対照のレモンのフレーバー付けされた緑茶飲料と比較した。鑑定人は、ヒアルロン酸を含有する試料が、明確に渋味が低減されたことを見出した。加えて、大多数の鑑定人が、製品の丸みおよび平滑化の増大を報告した。
【0084】
例2-プレーンの低脂肪ヨーグルト
六(6)人のエキスパート鑑定人が、ヒアルロン酸もその塩も含有しない市販のプレーン、低脂肪ヨーグルト組成物を評価し、かつそれを、250ppmの、1000~1,400kDaの間の平均分子量を250ppmの濃度において有するヒアルロン酸ナトリウムが添加された同じヨーグルト組成物と比較した。官能試験では、ヒアルロン酸もその塩も含有しないヨーグルトと比較すると、ヒアルロン酸ナトリウムを含有するヨーグルト中では渋味における低減と、食感における改善と、快いクリーミー性の知覚とが知覚されたと結論された。
【0085】
例3-フレーバー付けされ、甘味をつけた、低脂肪ヨーグルト
六(6)人のエキスパート鑑定人が、ヒアルロン酸もその塩も含有しない市販のフレーバー付けされ、甘味をつけた、低脂肪(1%脂肪)イチゴヨーグルト組成物を評価し、かつそれを、250ppmの、1000~1,400kDaの間の平均分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムが添加された同じヨーグルト組成物と比較した。官能試験では、ヒアルロン酸もその塩も含有しないヨーグルトと比較すると、ヒアルロン酸ナトリウムを含有するヨーグルト中では渋味における低減と、食感における改善と、快いクリーミー性の知覚とが知覚されたと結論された。同様の結果が、1000~1,400kDaの間の平均分子量を有する100ppmのヒアルロン酸ナトリウムが添加された同様のヨーグルト組成物(糖、イチゴフレーバー2.6%が添加された)について観察された。
エンドウ豆のタンパク質飲料によって付与された渋味の知覚への、ヒアルロン酸の添加の影響もまた評価した。
【0086】
エンドウ豆のタンパク質飲料の試料調製
エンドウ豆のタンパク質飲料を、エンドウ豆タンパク質単離物、スクロース、および安定剤を乾燥ブレンドすることによって調製した。冷温の濾過された水を、ブレンドされた乾燥成分へ添加した。試料をSilverson高剪断ミキサー中で7500RPMにて15分間混合した。高剪断混合の間に発生した泡すべてを1時間沈殿するに任し、次いで試料からすくい取った。試料のpHを6.8~7.0の範囲にあるように調節した。天然のバニラフレーバーをエンドウ豆のタンパク質飲料ベースの試料へ添加し、少なくとも1時間、または完全に試料中へ組み込まれるまで混合した。試験用渋味マスカーを含有する試料のために、天然のバニラフレーバーおよび渋味マスカーを試料へ添加し、少なくとも1時間、または完全に試料中へ組み込まれるまで混合した。試料を二段階均質化プロセスを介して均質化して、清潔なガラス飲料瓶へ移した。試料をMiele Hotpackを使用して90℃にて60秒間熱的に加工した。次いで試料を冷却して、冷蔵温度(4~6℃)にて保管した。給仕の1時間前に試料を冷蔵温度から除去した。
【0087】
試験方法論
十(10)人のエキスパート官能熟練パネリストが、ヒアルロン酸もその塩も含有しないベースのエンドウ豆のタンパク質飲料(例4)を、50ppm(例5)および250ppm(例6)の、1000~1,400kDaの間の平均分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムが添加された同じエンドウ豆のタンパク質飲料組成物と比較した。
【0088】
パネルが、試料間の区別に関係がある香料の、味および食感ディスクリプタのリストを生成した。官能パネリストは、かかるディスクリプタを認識することに熟練している。各エキスパートパネリストが、二(2)対の試料を、従来の複数基準一対比較法試験に従って評価した。各対の試料および各ディスクリプタについて、パネリストはもっとも高い強度の試料を同定した。データの信用性を担保するため、パネリストは各試験を九(9)回、白色光の下でおよび盲検的に行った。試料は完全な均衡のとれたデザインに従ってパネリストへ供された。二(2)対の試料の各々を90回評価した。
【0089】
例4
エンドウ豆のタンパク質飲料を、乾燥重量でエンドウ豆タンパク質単離物(Pisane(登録商標)C9)3%と、スクロース4%と、安定剤(Kelcogel(登録商標)HS-B)0.05%と、および天然バニラフレーバー0.4%とを水中へ混合することによって調製した。
【0090】
例5
エンドウ豆のタンパク質飲料を例4に従って調製した。試験用渋味マスカーとして0.005%(50ppm)の、1000~1,400kDaの間の平均分子量を有するヒアルロン酸ナトリウム(Crystalhyal(登録商標))をエンドウ豆のタンパク質飲料へ添加した。パネリストが本明細書に記載の試験方法論に従って試料を試飲した。官能試験では、ヒアルロン酸塩を含有しないエンドウ豆のタンパク質飲料と比較すると、低い濃度(50ppm)のCrystalhyalを含有する試料については添加されたフレーバーにおけるバニラ香の有意な増加と、口中の乾燥の有意な減少が知覚されたと結論された。官能試験では、また、低い濃度のCrystalhyalはエンドウ豆のタンパク質飲料の濃密さを増加する傾向にあるとも結論された。
【0091】
例6
エンドウ豆のタンパク質飲料を例4に従って調製した。試験用渋味マスカーとして0.025%(250ppm)の、1000~1,400kDaの間の平均分子量を有するヒアルロン酸ナトリウム(Crystalhyal(登録商標))をエンドウ豆のタンパク質飲料へ添加した。パネリストが本明細書に記載の試験方法論に従って試料を試飲した。官能試験では、ヒアルロン酸塩を含有しないエンドウ豆のタンパク質飲料と比較すると、高濃度(250ppm)のCrystalhyalを含有する試料については濃密な食感の知覚と、香料のプロファイル(エンドウ豆/土のような/グリーン/グリーンカカオ)とにおける有意な増加が知覚されたと結論された。官能試験では、また、高濃度のCrystalhyalは、フィルミーな(filmy)食感の知覚を増加し、かつエンドウ豆のタンパク質飲料によって付与された口喝の知覚を減少する傾向にあるとも結論された。
【0092】
例7-ヒヨコ豆ヨーグルト
ヒアルロン酸を、フレーバー付けされていないヒヨコ豆タンパク質ヨーグルト中で1000~1,400kDaの間の平均分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムの添加によって試験した。評価を、4人のエキスパート鑑定人によって行った。ヒアルロン酸を含有する試料を、基準対照のヒヨコ豆ヨーグルト試料と比較した。鑑定人は、ヒアルロン酸を含有する試料が、渋味および苦味がわずかに少なく、マウスコーティングが大きく、甘みがわずかに大きく、および酸っぱさと知覚される酸味とがわずかに少ないことを見出した。
【0093】
例8-エンドウ豆/ダイズ代用肉
ヒアルロン酸を、押出代用肉片(エンドウ豆およびダイズのタンパク質ブレンド、エンドウ豆繊維5%、塩1%、紅花油1.5%)中で100および500ppmにて、1000~1,400kDaの間の平均分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムの添加によって試験した。評価を、5人のエキスパート鑑定人によって行った。ヒアルロン酸を含有する試料を、基準対照の代用肉片と比較した。鑑定人は、ヒアルロン酸を含有する試料が、100ppmと500ppmとの両レベルにて、わずかに渋味が少ないことを見出した。
【0094】
例9-牛肉ブイヨン
ヒアルロン酸を、市販のフレーバー付けされた牛肉ブイヨン中で50、100、200、および400ppmにて、1000~1,400kDaの間の平均分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムの添加によって試験した。評価を、4人のエキスパート鑑定人によって行った。ヒアルロン酸を含有する試料を、基準対照の牛肉ブイヨンと比較した。鑑定人は、ヒアルロン酸を50ppmにて含有する試料が、より大きなボディと、ふっくらした食感とを有することを見出した。100ppmにて試料は、より豊かな、およびより脂肪性の強い食感とボディとを有していた。200ppmにて試料は、食感とボディとがより強かった。400ppmにて、より強い食感と、ボディと、脂肪性とが知覚された。
【0095】
例10-ポテトチップ
50、100、および200ppmにて市販のポテトチップに適用されたヒアルロン酸を、1000~1,400kDaの間の平均分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムの添加によって試験した。評価を、6人のエキスパート鑑定人によって行った。ヒアルロン酸を含有するチップ試料を、基準のポテトチップと比較した。鑑定人は、ヒアルロン酸を50ppmにて含有する試料が、より強く、およびより持続するうまみの長引きと、塩気のある味とを有することとを見出した。100ppmにてヒアルロン酸試料は、わずかにいくらか増大した塩味と、より濃い脂肪性とを提供することを見い出した。200ppmのヒアルロン酸を含有する試料はわずかに脂肪性の知覚が強く、および、対照試料のそれと比較して増強された丸みのあるプロファイルを有していた。
【0096】
例11-赤ワイン
ヒアルロン酸を、市販の赤ワイン(アルコール13.7%)中で250ppmにて、1000~1,400kDaの間の平均分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムの添加によって試験した。評価を、5人のエキスパート鑑定人によって行った。ヒアルロン酸を含有する赤ワインを、基準の赤ワインと比較した。鑑定人は、ヒアルロン酸を250ppmにて含有する試料が、酸っぱさがわずかに弱いことと、マウスコーティングがわずかに強いことと、渋味の食感感覚がわずかに弱いこととを見出した。
【0097】
例12-白ワイン
ヒアルロン酸を、市販の白ワイン(アルコール13.7%)中で250ppmにて、1000~1,400kDaの間の平均分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムの添加によって試験した。評価を、6人のエキスパート鑑定人によって行った。ヒアルロン酸を含有する白ワインを、基準の白ワインと比較した。鑑定人は、ヒアルロン酸を250ppmにて含有する試料が、全体的な甘味および酸っぱさがわずかに強いことと、マウスコーティングがわずかに強いことと、知覚された渋味の食感感覚がわずかに強いこととを見出した。
【0098】
例13-水出しコーヒー
ヒアルロン酸を、市販の甘味をつけていない水出しコーヒー中で250ppmにて、1000~1,400kDaの間の平均分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムの添加によって試験した。評価を、6人のエキスパート鑑定人によって行った。ヒアルロン酸を含有する飲料を、基準の飲料と比較した。鑑定人は、ヒアルロン酸を250ppmにて含有する試料が、苦味がわずかに弱いことと、マウスコーティングがわずかに強いことと、渋味の食感感覚がわずかに弱いこととを見出した。少し甘味づけされた水出しコーヒーにおいても同じ結果が見られた。
【0099】
例14-炭酸清涼飲料
ヒアルロン酸を、市販のレモン/ライム炭酸清涼飲料中で250ppmにて、1000~1,400kDaの間の平均分子量を有するヒアルロン酸ナトリウムの添加によって試験した。評価を、5人のエキスパート鑑定人によって行った。ヒアルロン酸を含有する清涼飲料を、基準の清涼飲料と比較した。鑑定人は、ヒアルロン酸を250ppmにて含有する試料が、わずかに渋味が少ないことと、マウスコーティング食感感覚がわずかに強いことと、酸っぱさがわずかに弱いこととを見出した。
【0100】
本発明の具体的な態様が解説され、および記載されてきた一方で、様々な他の変更および改変が本発明の精神および範囲から逸脱することなく作られ得ることは当業者には自明であろう。したがって、添付のクレームにおいては本発明の範囲内にあるすべてのかかる変更および改変を含めることが意図されている。

【国際調査報告】