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特表2022-547972海洋エネルギー発電装置に用いられる密封システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】海洋エネルギー発電装置に用いられる密封システム
(51)【国際特許分類】
   F03B 13/10 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
F03B13/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515844
(86)(22)【出願日】2019-09-12
(85)【翻訳文提出日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2019105811
(87)【国際公開番号】W WO2021046830
(87)【国際公開日】2021-03-18
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514114677
【氏名又は名称】杭州林黄丁新能源研究院有限公司
【住所又は居所原語表記】Room 1706, 17F, No. 300 Lianhui Street, Xixing Sub-district, Binjiang District Hangzhou, Zhejiang 310051 China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】朱 福巍
(72)【発明者】
【氏名】林 東
(72)【発明者】
【氏名】苗 暁南
(72)【発明者】
【氏名】呉 振華
(72)【発明者】
【氏名】林 恩勒
(72)【発明者】
【氏名】姜 芳
(72)【発明者】
【氏名】陳 振東
(72)【発明者】
【氏名】田 宏悦
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA08
3H074AA12
3H074BB30
3H074CC13
3H074CC16
(57)【要約】
海洋エネルギー発電装置に用いられる本発明に係る密封システム10は、少なくとも1つの第1密封部品11および少なくとも1つの第1密封部品11の海水から離れる側に位置する漏水保護装置12を含み、漏水保護装置12は、少なくとも1つの第1密封部品11から漏出した海水を収集し貯蔵する密封された貯水タンク121と、一端が密封された貯水タンク121と連通し、密封された貯水タンク121に貯蔵された海水を排出する排水管122と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの可変ブレードを有する海洋エネルギー発電装置に用いられ、各ブレードの付け根部に設けられる密封システムであって、
少なくとも1つの第1密封部品および前記少なくとも1つの第1密封部品の海水から離れる側に位置する漏水保護装置を含み、
前記漏水保護装置は、
前記少なくとも1つの第1密封部品から漏出した海水を収集し貯蔵する密封された貯水タンクと、
一端が前記密封された貯水タンクと連通し、密封された貯水タンクに貯蔵された海水を排出する排水管と、
を含む、密封システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1密封部品の海水に近い側に位置する少なくとも1つの第2密封部品をさらに含み、
前記少なくとも1つの第2密封部品は、海洋エネルギー発電装置が正常に動作する際には密封されず、前記少なくとも1つの第1密封部品により海洋エネルギー発電装置が正常に動作する際の密封の役割を果たし、前記少なくとも1つの第1密封部品の取り外しや交換が必要な場合、前記少なくとも1つの第2密封部品により密封の役割を果たす、ことを特徴とする請求項1に記載の密封システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1密封部品の海水に近い側に位置することにより土砂を防ぐ少なくとも1つの第3密封部品をさらに含む、ことを特徴とする請求項2に記載の密封システム。
【請求項4】
前記排水管の配管内に設けられる逆止弁をさらに備える、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の密封システム。
【請求項5】
前記貯水タンクの底部は、前記第1密封部品に近接する方向から遠く離れる方向へ傾斜して設けられ、前記排水管は、前記貯水タンクの底部の最も低い位置に連通している、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の密封システム。
【請求項6】
前記海海洋エネルギー発電装置は、ハブ、発電機、前記ハブと前記発電機とを接続する主軸、第1密封キャビンおよび第2密封キャビンを含み、
前記ハブは前記第1密封キャビン内に設けられ、前記発電機は前記第1密封キャビンまたは前記第2密封キャビン内に設けられ、前記第1密封キャビンは前記ハブにともなって回転し、前記第2密封キャビンは相対的に静止し、前記排水管の他端は、前記主軸の内部を通って前記貯水タンクに貯蔵された海水を前記第2密封キャビン内に排出する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の密封システム。
【請求項7】
集水溝およびポンプをさらに含み、
前記集水溝は、前記第2密封キャビン内に位置され、前記排水管から排出される海水を集め、前記ポンプは、前記集水槽内の海水を水面より上に吸い上げて排出する、ことを特徴とする請求項6に記載の密封システム。
【請求項8】
一端が前記第2密封キャビンと連通し、他端が水面より上に位置する外軸をさらに有し、前記ポンプは、前記集水槽内の海水を、前記外軸を介して水面より上に吸い上げて排出する、ことを特徴とする請求項7に記載の密封システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1密封部品および/または前記漏水保護装置は、半分または複数の部分に分けられた構造である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の密封システム。
【請求項10】
ハブ、発電機および前記ハブと前記発電機とを接続する主軸を有する海洋エネルギー発電装置に用いられる密封システムであって、前記密封システムは前記主軸に設けられ、
少なくとも1つの第1密封部品および前記少なくとも1つの第1密封部品の海水から離れる側に位置する漏水保護装置を含み、
前記漏水保護装置は、
前記少なくとも1つの第1密封部品から漏出した海水を収集し貯蔵する密封された貯水タンクと、
一端が前記密封された貯水タンクと連通し、密封された貯水タンクに貯蔵された海水を排出する排水管と、
を含む、密封システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋エネルギー発電分野に関し、特に海洋エネルギー発電装置に用いられる密封システムに関する。
【背景技術】
【0002】
海洋エネルギー(潮流エネルギー、海洋波エネルギーおよび海流エネルギーを含む)は、クリーンかつ汚染のない再生可能エネルギーの一種として、蓄積量が豊富で、広く分布されており、極めてよい開発の将来性と価値を有する。海洋エネルギーの主な用途は、発電であり、海洋エネルギー発電の動作原理は、風力発電と似ており、すなわち、エネルギー変換装置によって海水の流れによって生成された機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換する。具体的には、まず、海水が水力タービンに衝撃を与え、水力タービンが海水の運動エネルギーを機械的な回転エネルギーへ変換し、機械的駆動システムを介して電力を発生する発電装置を駆動し、最終的に電気的エネルギーへ変換する。
【0003】
水力タービンは海水の運動エネルギーを取り出す(捕獲する)主要部品で、発電ユニット全体の発電効率に直接影響を与える。現在、世界において比較的多く使用される海洋エネルギー水力タービンは主に垂直軸水力タービンと水平軸水力タービンとに分けられる。水平軸水力タービンは、垂直軸水車タービンに比べて、装置構造がさらに簡単で、重量もさらに軽く、エネルギーを取り出せる効率も高いため、だんだん海洋エネルギー発電ユニットの主流となっている。
【0004】
ブレードは水平軸水力タービンにおいて海洋エネルギーを取り出す中心部品で、ブレードのピッチ角を調整できるか否かによって、ブレードを固定ピッチおよび可変ピッチの二種類に大きく分けられる。固定ピッチの長所は、ブレードを変える必要がなく、構造が簡単である。しかしながら、海洋エネルギーは往復と流速の変化の周期的な特性を有するため、固定ピッチの場合は、ストローク距離の制御可能性が悪く、海洋エネルギーの効率的な転換率を実現できないなどの問題があり、最終的には海洋エネルギー資源の浪費と海洋エネルギー発電装置のコストの上昇につながる。
【0005】
一方で、固定ピッチに比べて、可変ピッチは、主に2つの利点を有する。1つ目は、海洋エネルギーの往復特性に応じて、リアルタイムにブレードのピッチ角を調整でき、ブレードを潮流の方向に真っ直ぐ向かせることにより、最大の運動エネルギーを取り出せ、水力タービンをより簡単に起動させ、起動させるための流速を低減でき、漲潮や落潮の際にも高効率に運転できる。二つ目は、潮流の流速が定格の流速を超える際、ブレードのピッチ角を調整することによりブレードによって取り出せる運動エネルギーを減少させ、水力タービンが定格電力の下で高効率に動作することを保証する(負荷を超えない)。このように、ブレードのピッチ角を調整することにより、海洋エネルギー水力タービンの起動特性と運転信頼性を向上でき、漲潮や落潮の際にも発電が可能となり、1つの潮流周期での稼働時間を延長し、総エネルギー効率と発電効率の向上を実現できる。
【0006】
このように、ブレードのピッチ角を調整する必要があるため、ハブに可変ブレードシステムを設ける必要がある。可変ブレードシステムは発電機ユニット全体の中核部品である。それに合わせた制御システム、潤滑システムなどは定期的なメンテナンスが必要となる。発電装置の安全運転のため、ブレードの密封部品も定期的に交換する必要がある。可変ブレードの密封部品の役割は、ハブが位置するキャビン内の可変ブレードシステムと外部の海水とを隔離させることで、各状況の下で機器ユニットがスムーズにブレードの開閉を順調に行え、安全で安定した運行を実現することである。もし、密封不良で、土砂や不純物を含んだ海水がハブの内部に漏出すると、可変ブレードシステムの破損を招き、水力タービン全体の使用寿命および運行の安全を危害する。
【0007】
従来技術において、一部の海洋エネルギー発電装置はこのような問題を考慮せずに運転したため、装置の破損や保守率が大幅に高まった。一部はこのような問題に気づき、定期的に発電ユニット全体を海面から吊り上げてメンテナンスを行っているが、このようなメンテナンス方法は発電コストを増加させ、発電時間を減少させ、最終的には発電装置全体の商業化に影響を与えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術おける少なくとも1つの問題を解消するためになされたものであって、海洋エネルギー発電装置に用いられる密封システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る一つの実施態様によれば、少なくとも2つの可変ブレードを有する海洋エネルギー発電装置に用いられ、各ブレードの付け根部に設けられる密封システムであって、
少なくとも1つの第1密封部品および前記少なくとも1つの第1密封部品の海水から離れる側に位置する漏水保護装置を含み、
前記漏水保護装置は、
前記少なくとも1つの第1密封部品から漏出した海水を収集し貯蔵する密封された貯水タンクと、
一端が前記密封された貯水タンクと連通し、密封された貯水タンクに貯蔵された海水を排出する排水管と、
を含む
【0010】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1密封部品の海水に近い側に位置する少なくとも1つの第2密封部品をさらに含み、
前記少なくとも1つの第2密封部品は、海洋エネルギー発電装置が正常に動作する際には密封されず、前記少なくとも1つの第1密封部品により海洋エネルギー発電装置が正常に動作する際の密封の役割を果たし、前記少なくとも1つの第1密封部品の取り外しや交換が必要な場合、前記少なくとも1つの第2密封部品により密封の役割を果たす。
【0011】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1密封部品の海水に近い側に位置することにより土砂を防ぐ少なくとも1つの第3密封部品をさらに含む。
【0012】
好ましくは、前記排水管の配管内に設けられる逆止弁をさらに備える。
【0013】
好ましくは、前記貯水タンクの底部は、前記第1密封部品に近接する方向から遠く離れる方向へ傾斜して設けられ、前記排水管は、前記貯水タンクの底部の最も低い位置に連通している。
【0014】
好ましくは、前記海海洋エネルギー発電装置は、ハブ、発電機、前記ハブと前記発電機とを接続する主軸、第1密封キャビンおよび第2密封キャビンを含み、
前記ハブは前記第1密封キャビン内に設けられ、前記発電機は前記第1密封キャビンまたは前記第2密封キャビン内に設けられ、前記第1密封キャビンは前記ハブにともなって回転し、前記第2密封キャビンは相対的に静止し、前記排水管の他端は、前記主軸の内部を通って前記貯水タンクに貯蔵された海水を前記第2密封キャビン内に排出する。
【0015】
好ましくは、集水溝およびポンプをさらに含み、
前記集水溝は、前記第2密封キャビン内に位置され、前記排水管から排出される海水を集め、前記ポンプは、前記集水槽内の海水を水面より上に吸い上げて排出する。
【0016】
好ましくは、一端が前記第2密封キャビンと連通し、他端が水面より上に位置する外軸をさらに有し、前記ポンプは、前記集水槽内の海水を、前記外軸を介して水面より上に吸い上げて排出する。
【0017】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1密封部品および/または前記漏水保護装置は、半分または複数の部分に分けられた構造である。
【0018】
上記目的を達成するための本発明に係る他の1つの実施態様によれば、ハブ、発電機および前記ハブと前記発電機とを接続する主軸を有する海洋エネルギー発電装置に用いられる密封システムであって、前記密封システムは前記主軸に設けられ、
少なくとも1つの第1密封部品および前記少なくとも1つの第1密封部品の海水から離れる側に位置する漏水保護装置を含み、
前記漏水保護装置は、
前記少なくとも1つの第1密封部品から漏出した海水を収集し貯蔵する密封された貯水タンクと、
一端が前記密封された貯水タンクと連通し、密封された貯水タンクに貯蔵された海水を排出する排水管と、
を含む。
【0019】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1密封部品の海水に近い側に位置する少なくとも1つの第2密封部品をさらに含み、
前記少なくとも1つの第2密封部品は、海洋エネルギー発電装置が正常に動作する際には密封されず、前記少なくとも1つの第1密封部品により海洋エネルギー発電装置が正常に動作する際の密封の役割を果たし、前記少なくとも1つの第1密封部品の取り外しや交換が必要な場合、前記少なくとも1つの第2密封部品により密封の役割を果たす。
【0020】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1密封部品の海水に近い側に位置することにより土砂を防ぐ少なくとも1つの第3密封部品をさらに含む。
【0021】
好ましくは、前記排水管の配管内に設けられる逆止弁をさらに備える。
【0022】
好ましくは、前記貯水タンクの底部は、前記第1密封部品に近接する方向から遠く離れる方向へ傾斜して設けられ、前記排水管は、前記貯水タンクの底部の最も低い位置に連通している。
【0023】
好ましくは、集水溝およびポンプをさらに含み、
前記集水溝は、前記第2密封キャビン内に位置され、前記排水管から排出される海水を集め、前記ポンプは、前記集水槽内の海水を水面より上に吸い上げて排出する。
【0024】
好ましくは、一端が前記第2密封キャビンと連通し、他端が水面より上に位置する外軸をさらに有し、前記ポンプは、前記集水槽内の海水を、前記外軸を介して水面より上に吸い上げて排出する。
【0025】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1密封部品および/または前記漏水保護装置は、半分または複数の部分に分けられた構造である。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明によれば、ブレードの付け根部に設けられた密封システムは、漏水保護装置を含むことにより、ハブの位置する密封キャビンに水が浸水するおそれをなくし、密封キャビン内のハブおよびモータを十分に保護する。さらに排水がしやすく、発電装置自体が動作しない時間を利用するだけで自動的に排水でき、構造が簡単で、排水できるとともにコストダウンにもつながる。本発明に係る密封システムは、主軸に単独で設けてもよく、主軸に沿って海水が密封キャビンに漏出することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1実施形態に係る海洋エネルギー発電装置の部分断面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るブレードの付け根部に設けられた密封システムの部分拡大断面図である。
図3図2の部分拡大図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る主軸部に設けられた密封部品システムの部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態について詳細に説明することにより、本発明の目的、技術的特徴および効果がより理解されやすくなる。
図1に示すように、密封システム10は、海洋エネルギー発電装置100に用いられる。本実施形態において、海洋エネルギー発電装置100は、ハブ1と、少なくとも2つの可変ブレード2と、発電機3と、ハブ1と発電機3とを接続する主軸(スピンドル)4と、第1密封キャビン5と、第2密封キャビン6とを含む。ハブ1は第1密封キャビン5内に設けられ、可変ブレード2は第1密封キャビン5に回転可能に接続され、発電機3は第2密封キャビン6内に設けられ、主軸4の一端は第1密封キャビン5内に位置され、他端は第2密封キャビン6内に位置される。第1密封キャビン5はハブ1にともなって回転し、第2密封キャビン6は相対的に静止するが、本発明はこれについて限定しない。他の実施形態において、発電機3は第1密封キャビン5内に設けられてもよい。
【0029】
本実施形態において、密封システム10は、各ブレード2の付け根部に設けられている(図1においては、上部に位置する密封システム10のみが示されている)。密封システム10は、少なくとも1つの第1密封部品11および漏水保護装置12を含む。漏水保護装置12は、第1密封部品11に相対して、少なくとも1つの第1密封部品11よりも海水から離れた側に位置する。漏水保護装置12は、密封された貯水タンク121および排水管122を含む。密封された貯水タンク121は、少なくとも1つの第1密封部品11から漏出した海水を収集し貯蔵する。排水管122の一端は密封された貯水タンク121と連通し、密封された貯水タンク121に貯蔵された海水は排水管122を介して排出される。
【0030】
具体的には、本実施形態に係る海洋エネルギー発電装置は、可変ブレードであるブレード2を使用しているが、ブレードの回転を制御する可変ブレードシステムを合わせて設ける必要があるため、特にブレード2の付け根部から第1密封キャビン5の内部へ海水が漏出しやすい。可変ブレードのブレードとキャビン本体との接続部分における密封問題を解決することは、固定ブレードを使用する海洋エネルギー発電装置よりもはるかに難しい。特に、ブレードの付け根部に設けられた密封システムと、それ他の場所に設けられた密封システムとでは、使用環境が異なる。これは、主軸やその他の場所に設けられた密封システムは、その使用環境が相対的に静止しているが、ブレード2の付け根部に設けられた密封システム10は、ハブ1が位置する第1密封キャビン5内に設けられているため、常に回転している状態にあるためである。この状態において、漏水をしないように保証するのはかなり難しく、密封部品の水中交換を実現するのはさらに言うまでもない。
【0031】
好ましくは、第1密封部品11は複数設けられ、海水に最も近い側(すなわち、最も外側)に設けられた第1密封部品11が長期間の使用により劣化した後も、内側に設けられた1つまたは複数の第1密封部品11が密封の役割を継続して発揮し、密封性能を確保できる。
【0032】
海水の衝撃力は巨大で、さらに海水は一定の腐食性を有するため、第1密封部品11は特に老化や弛緩しやすい。本実施形態に係る海洋エネルギー発電装置を長時間にわたって使用され、第1密封部品11の密封性能が落ちて、漏洩で海水が入っても、漏水保護装置12を設けたことにより、漏洩で入った全ての海水が貯水タンク121により収集されるため、海水は第1密封キャビン5内に位置するハブ1まで直接広がることがなく、第1密封キャビン5内の電子部品(たとえば、ブレードの回転を制御するモータ8、ギアボックスなど)の損傷を回避できる。
【0033】
特に、本明細書に係る実施形態おいて、密封システム10は可変ブレードの付け根部に設けられている。しかしながら、いわゆる当業者であれば、密封システム10は固定ブレードの付け根部に設けられてもよく、同様に密封、漏れ防止の役割を果たせることを理解できる。
【0034】
本実施形態において、第1密封部品11および/または漏水保護装置12は、取り外しおよび取り付けが便利となるように、半分または複数の部分に分けられた構造にすることができる。このような構造の密封部品、通常の構造を有する密封部品でない(通常は、完全のリング状密封部品)を設けることにより、部品交換する際には、密封部品以外の部品を取り外す必要がなく、密封部品の交換や取り付けが非常に簡単になる。これにより、従来技術におけるほとんどの部品を取り外した後に密封部品の交換や取り外しを行う問題が解決される。しかしながら、本発明はこれについてなんら限定するものではない。
【0035】
本実施形態において、貯水タンク121とブレード2の付け根部の壁との接触箇所には第4密封部品13がさらに設けられている。この箇所においては静的な密封であり外圧(外部からの圧力)がないため、ここの第4密封部品13は弛緩しにくく、貯水タンク121が回転状態においても密封され、漏水がないことを確保できる。
【0036】
本実施形態において、密封システム10は、排水管122の配管内に設けられる逆止弁(一方向止水弁)15をさらに有する。好ましくは、貯水タンク121の底部は、第1密封キャビン11に近接する方向から遠く離れる方向へ傾斜して設けられ(図においては、下向きに傾斜している)、排水管122は、貯水タンク121の底部の最も低い位置に連通している。傾斜構造は、漏洩により入ってきた海水を底部に蓄積し、排水管122から速やかに海水を排出するためのものである。
【0037】
本実施形態において、排水管122の他端は、主軸4の内部を通ってから海水を第2密封キャビン6内に排出する。密封システム10は、集水溝16およびポンプ17をさらに含み、集水溝16は、第2密封キャビン6内に位置され、排水管122から排出される海水を集め、ポンプ17は、集水槽16内の海水を水面より上に吸い上げて排出する。また、海洋エネルギー発電装置は、一端が第2密封キャビン6と連通し、他端が水面Pより上に位置する外軸7をさらに有する。ポンプ17は、集水槽16内の海水を、配管を通させてから外軸7を介して水面より上に吸い上げて排出させる。また、外軸7内には、各種ケーブルなど(回線および配管を含むが、これに限定されない)が敷設されてもよい。
【0038】
潮汐(潮の満ち引き)自体に一定の周期性があるため(潮の満ち引きの周期は、水域によって異なる)、本実施形態に係る海洋エネルギー発電装置が潮流エネルギーを利用して発電を行う場合、海洋エネルギー発電装置は憩流または停潮によって周期的に動作を停止する。たとえば、6時間を1回の満潮周期または落潮周期とした場合、海洋エネルギー発電装置自体は、1日に4回、憩流または停潮によって停止する。この場合、付加の排水対策を講じなくても、本実施形態に係る海洋エネルギー発電装置は、動作停止の隙間を利用して排水を行うことができる。
【0039】
6時間の間、ブレード2の付け根部から漏洩により入る海水量は少なく、貯水タンク121は、非常に大きい容積がなくてもこの時間帯に漏洩により入る海水を蓄積できるため第1密封キャビン5内の他の電気部品、たとえばハブ1やモータ8(ブレード2の変更を制御するモータ8)が絶対に海水に浸食されないように確保できる。憩流または停潮の場合、第1密封キャビン5およびハブ1は、ほとんど回転停止する。この際、電気的に制御することにより第1密封キャビン5をゆっくり回転させ、排水が必要のブレード2を最も上の位置まで回転させ、短時間停止させれば(好ましくは、この際、電気駆動システムにより第1密封キャビン5を相対的に静止となるように制御できる)、貯水タンク121の排水を実現できる。
【0040】
具体的には、ブレード2が図1に示される最も上の位置まで回転された場合、水は、重力により逆止弁15を介して排出される。逆止弁15の役割により、貯水タンク121の水が排水管122を通って流れ出すことは可能だが、貯水タンク121に逆流することはできない。つまり、特に複雑な操作や複雑な保護構造を必要とせずに、ブレード2の付け根部の「漏れ防止」や「排水」が実現される。水平軸水力タービンのメンテナンス頻度を大幅に低減でき、水平軸水力タービンの使用寿命を延ばせる。また、二重保証のため、貯水タンク121内の水位を測定する液面センサ(図示せず)をさらに設けてもよい。予め設けた数値よりも漏水量が大きい場合、劣化して緩んでいる密封部品を早期発見して交換できる。
【0041】
好ましくは、本実施形態に係る主軸4の内部を保守係が通過可能で、主軸4は、第1密封キャビン5および第2密封キャビン6のそれぞれにおいて、保守係が出入りできる点検口41および42が設けられている。この際、保守係は、第2密封キャビン6を通ってまず点検口42を通過し、その後、主軸4を通過し、点検口41を経て第1密封キャビン5内に進入できる。しかしながら、本発明はこれについて限定するものではない。他の実施形態において、主軸4は保守係の通過を禁止してもよく、その他の方法により保守係が第2密封キャビン6から第1密封キャビン5に進入する。
【0042】
本実施形態において、密封システム10は、少なくとも1つの第1密封部品11の海水に近い側に位置する少なくとも1つの第2密封部品14をさらに含む。ここで、少なくとも1つの第2密封部品14は、海洋エネルギー発電装置が正常に動作する際には密封されず、少なくとも1つの第1密封部品11により海洋エネルギー発電装置が正常に動作する際の密封の役割を果たす。少なくとも1つの第1密封部品11の取り外しや交換が必要な場合において、少なくとも1つの第2密封部品14により密封の役割を果たす。
【0043】
特定の場合において第2密封部品14が密封の役割を果たすため、この際、第1密封部品11を直接取り外しまたは交換できる。第2密封部品14による密封環境がなければ、第1密封部品11を直接取り外しまたは交換することは、装置の漏水を引き起こす。なお、第2密封部品14が、特定の場合ではなく、常に密封の役割を果たすと、一定期間の長期動作の後、必然的に第2密封部品14の劣化や弛緩が生じるため、第1密封部品11を交換する際の密封環境を提供できなくなる。
【0044】
第1密封部品11が複数ある場合、最も外側の第1密封部品11を直接取り外し、残りの複数の第1密封部品11を外側へ位置をシフトできる。この際、最も外側の第1密封部品11は失効しているが、最初に取り付けられた内側の第1密封部品11が依然として効果的に密封の役割を果たせるため、第1密封部品11の使用寿命を大幅に延長でき、従来技術における密封部品が緩むだけで密封部品全体を交換しなければならない問題を徹底的に回避できる。しかしながら、本発明はこれについて限定するものではない。他の実施形態において、第1密封部品11は1つであってもよく、第1密封部品11が緩んでいる場合、第1密封部品11を交換する必要がある。
【0045】
従来技術において、密封部品の交換が必要な場合、海洋エネルギー発電装置全体を海から揚げなければならず、一部の装置を取り外さなければ密封部品の交換ができないため、メンテナンスコストが高い。しかしながら、本実施形態に係る海洋エネルギー発電装置によれば、保守係が第2密封キャビン6を通って第1密封キャビン5内に進入でき、直接、第1密封キャビン5内で密封部品11の取り外しや交換を行えるため、密封部品の水中における取り外しまたは交換を可能にし、メンテナンスコストを大幅に低減でき、海洋エネルギー発電装置の商用化を促進できる。また、密封部品の水中における取り外しまたは交換が簡便で、装置全体を取り外す必要がない。
【0046】
本実施形態において、密封システムは、少なくとも1つの第1密封部品11の海水に近い側に位置し、土砂を防ぐ少なくとも1つの第3密封部品18をさらに含む。本実施形態に係る海洋エネルギー発電装置は、3つの異なる密封部品18、14、11を使用している。具体的には、ブレード軸スリーブ21は、ブレード軸(すなわち、ブレード2の付け根部)にオーバーマウント接続方式により固定されている。ブレード軸スリーブ21は、第3密封部品18を取り付けるために、ブレード軸方向に沿った位置決め用シャフトホルダを与え、プレス板22とともに第3密封部品18を固定するための密封凹溝を形成する。プレス板22は、第3密封部品18の密封凹溝への取り付けが円滑となるように、半分(Half)構造または複数の部分に分けられた構造を採用し、ブレード軸スリーブ21とはボルトにより接続されている。
【0047】
海水に最も近い第3密封部品18は、J型リップ状密封リングであってよく、それ自体の弾性張力によってブレード軸スリーブ21との間においてオーバーラップ量を形成し、径方向に圧着接触して密封し、効果的に海水中の泥や不純物の侵入を防ぐ。リップ状密封リングは、比較的よい変形性や適応性を有し、他の密封部品よりも小さな公差を有する。さらに、径方向に密封するため、回転するブレード軸の軸心が偏る問題も補える。好ましくは、少なくとも2つの第3密封部品18を設けることにより、安全の面で冗長性を持たせる。好ましくは、第3密封部品18は複合高分子材料で作られる。本発明は、第3密封部品18の具体的な構造およびその取り付け形態について限定するものではない。
【0048】
本実施形態において、第2密封部品14は、エアシュラウドタイプのメンテナンスエア密封部品(Air shroud type maintenance air seal)であってよい。第2密封部品14は、密封台座部品23と内蓋板14とにより形成された密封キャビン内に固定され、内蓋板24には一定長さの空気管継手25が取り付けられ、内蓋板24はボルトにより密封台座部品23に固定されている。海洋エネルギー発電装置が正常に動作している際、第2密封部品14は、リップ部とブレード軸の表面との間が一定の隙間を保持するように密封する。第1密封部品11を交換する必要がある場合、すなわち、第2密封部品14を密封する必要がある場合、外部圧力気管を介して一定の圧力を保持して、空気充填によりエアシュラウドのリップ部を突出させ、ブレード軸の表面と合わせて密着接触した密封を形成することにより、第1密封部品室5への海水の漏出を効果的に防止できる。好ましくは、第2密封部品14は複合高分子材料で作られる。
【0049】
本発明は、第2密封部品14の具体的な構造およびその取り付け形態について限定しない。他の実施形態において、第2密封部品14は、金属密封部品であってもよく、金属密封部品には、ブレード軸に沿って金属密封部品を径方向に移動させる動力を提供するサーボモータに取り付けられている。さらに、サーボモータのストロークが許容される誤差範囲内にとどまるように変位フィードバック装置を設けてもよい。
【0050】
本実施形態において、第1密封部品11は、V型密封部品であってよく、内蓋板24と圧着蓋26とにより形成された密封キャビン内に固定されている。第1密封部品11の内外径とブレード軸の表面および内蓋板24の表面とはオーバーラップされ、径方向の圧着接触、密封を形成し、海水漏出を完全になくしている。プレス蓋26は、半分(Half)または複数の部分に分けられた構造であってもよく、ボルトにより一体化され、内蓋板24に取り外し可能に固定されている。第1密封部品11を交換する際、プレス蓋26を半分または複数の部分に応じて取り外した後、元の第1密封部品11を破壊して取り外し、その後、新しい第1密封部品を取り付け、プレス蓋26を元の位置に戻す。これにより、第1密封部品11の交換は簡単になり、発電ユニット全体を水面から揚げたり、部品を取り外したりする必要がなくなり、長い工事期間を必要することなく、ブレードを取り外さずにメンテナンスや交換が可能となる。好ましくは、第1密封部品11は複合高分子材料で作られる。本発明は、第1密封部品11の具体的な構造および取り付け形態について限定するものではない。
【0051】
複合高分子材料で作られた密封部品は、加水分解および海水腐食に強く、より低い摩耗損失と優れた耐老化性を有する。なお、押し出しに強く、泥や不純物が第1密封キャビンに侵入するリスクを低減できる。さらに、取付可能な柔軟性が高く、密封寸法にも制限されず、部分的な取付や現場における熱溶着による接着取付が可能である。
【0052】
水平軸水力タービンのハブ1と発電機3とを連結する主軸4(すなわち、伝動軸)は、それぞれ2つの密封キャビン内に取り付けられているため、主軸と第2密封キャビン6との連結部に設けられた密封システムも同様の問題に直面している。第2実施形態において、海洋エネルギー発電装置は、主軸4に設けられた密封システム10’をさらに含む。すなわち、本発明に係る密封システムは、ブレード2の付け根部に設けられてもよいし、ハブ1と発電機3とを連結する主軸4に設けられてもよい。主軸4に設けられた密封システム10’は、ブレード2の付け根部に設けられた密封システム10に似ている。第1実施形態の密封システム10に適用される構造や部品は、すべて密封システム10’にも適用可能である。
【0053】
図1および図4に示すように、密封システム10’は、少なくとも1つの第1密封部品11’および漏水保護装置12’を含む。漏水保護装置12’は、少なくとも1つの第1シーリング11’より海水から離れた側に位置する。漏水保護装置12’は、密封された貯水タンク121’および排水管122’を含む。密封された貯水タンク121’は、少なくとも1つの第1密封部品11’から漏出した海水を収集し貯蔵する。排水管122’の一端は密封された貯水タンク121’と連通し、密封された貯水タンク121’に貯蔵された海水は排水管122’を介して排出される。
【0054】
本発明に係る様々な実施形態における関連する特徴は、実際の必要に応じて自由に組み合わせでき、これらはすべて本発明の保護範囲に含まれる。たとえば、第2実施形態に係る海洋エネルギー発電装置は、第1実施形態に係る第2密封部品14’を有してもよい。第2密封部品14’は、少なくとも1つの第1密封部品11’の海水に近い側(図示の左側)に位置する。第1密封部品11’を交換する必要がない場合、少なくとも1つの第2密封部品14’は、海洋エネルギー発電装置が正常に動作する場合には密封されず、少なくとも1つの第1密封部品11’により海洋エネルギー発電装置が正常に動作する際の密封の役割を果たす。少なくとも1つの第1密封部品11’を取り外しまたは交換する必要がある場合、少なくとも1つの第2密封部品14’により密封の役割を果たす。第1密封部品11’および第2密封部品14’のタイプは、第1実施形態に示すようにしてもよい。
【0055】
第1密封部品11’が複数ある場合、最も外側の第1密封部品11’を直接取り外し、残りの複数の第1密封部品11’を外側(図示の左側)へ位置をシフトすればよい。このようにして、従来技術における密封部品が緩むだけで密封部品全体を交換しなければならない問題を徹底的に回避できる。しかしながら、本発明はこれについてい限定するものではない。他の実施形態において、第1密封部品11’は1つであってもよく、第1密封部品11’が緩んでいる場合、第1密封部品11’を交換する必要がある。特に、保守係は第2密封キャビン6を通って第1密封キャビン5に進入でき、直接水中における密封部品の取り外しまたは交換を行うことができる。
【0056】
本発明に係る密封システムは、海洋エネルギー発電装置の任意の密封が必要な場所に設置でき、これらは本発明の保護範囲に含まれる。密封システム10’が主軸4にのみ設けられ、ブレード2の付け根部に密封システム10が設けられていない場合も、本発明の保護範囲に含まれる。図1には、ブレード2の付け根部に設けられた密封システム10と主軸4に設けられた密封システム10’がともに示されているが、これら2つの密封システムは独立して存在してもよい。すなわち、海洋エネルギー発電装置は、ブレード2の付け根部に設けられた密封システム10のみを有してもよく、主軸4に設けられた密封システム10’のみを有してもよい。
【0057】
上述したように、本発明の実施形態に係る密封システム設置10は、ブレード2の付け根部に設けられ、ハブ1と外部の海水とを隔離でき、有効に土砂や不純物を含む海水のハブ1内部への浸水を防止でき、真のゼロ漏れを実現し、発電機ユニットがどのような状況においても順調にブレードを駆動でき、機器の安全運行の安定を実現している。同様に、本発明の実施形態に係る密封システム10’は、主軸4に設けられ、第2密封キャビン6内の電子部品(たとえば、発電機3)と海水とを隔離でき、有効に土砂や不純物を含む海水の第2密封キャビン6の内部への浸水を防止でき、ゼロ漏れを実現できる。
【0058】
海洋エネルギー発電装置が長期間安定して効果的に発電できるかどうかにとって、密閉問題は極めて重要な問題であるが、いわゆる当業者が見落としがちな問題である。従来技術では保守係が水中に入って直接点検を行うことは考えられないため、水中で密封部品を交換する問題は全く考えられなかった。特に、従来の密封構造は最大五年、言い換えれば、五年が経つと何であれ発電機ユニット全体を海面から吊り上げて密封部品を交換しなければならない。ましてや実務では海洋の複雑な環境のため、密封部品は五年ももたない。密封部品交換が必要な従来技術では、海洋エネルギー発電装置全体を水面から吊り上げた後、水平軸水力タービンのハブとブレード部分の大部分の部品を取り外さなければ密封部品交換が不可能だった。一つの実施形態によれば、本発明においては、発電機ユニットを水面から吊り上げることなく、ハブ部品などを取り外すことなく、人工により密封部品の水中交換を実現でき、メンテナンスがより便利で時間が節約され、ユニット全体の使用寿命を延長できる。
【0059】
特に、本発明によれば、密封システムを複数の密封(外側、内側)に設けることができ、ゼロ漏れを確保できる。また、外側の第一密封部品が長く使用することで密封性が低下したり、失効したりしても、第二密封部品(たとえば、空気充填密封部品)を動作させると、外部の海水と隔離され、海洋エネルギー発電装置の密封部品を交換可能にする。一つの実施形態によれば、保守係は第2密封キャビンに入った後、第1密封キャビン内に入り、故障した第1密封キャビンを取り外しまたは交換できる。これにより、密封部品を直接交換することが可能になり、従来技術における海洋エネルギー発電装置全体を海面から吊り上げなければ密封部品の取り外しや交換ができなかった問題も回避できる。直接水中で点検を行うため、海洋エネルギー発電装置は長時間水中で運行でき、大量の人力と物資を費やして海面から吊り上げて点検を行う必要がない。したがって、既存の点検方法の点検コストを大幅に下げ、点検効率を向上させ、海洋エネルギー発電装置の本格的な商業化を可能にした。そして、保守係はすべて装置の内部で密封部品を点検するため、点検の操作は便利である。
【0060】
本発明は、より良い実施形態によって上記のように明らかにされているが、これらは本発明を限定するものではなく、いわゆる当業者であれば、本発明の技術的思想および範囲内から逸脱することなく、一部の変更および修正を加えることができ、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって定められる

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの可変ブレードを有する海洋エネルギー発電装置に用いられ、各ブレードの付け根部に設けられる密封システムであって、
少なくとも1つの第1密封部品および前記少なくとも1つの第1密封部品の海水に近い側に位置する少なくとも1つの第2密封部品を含み、
前記少なくとも1つの第2密封部品は、海洋エネルギー発電装置が正常に動作する際には密封せず、前記少なくとも1つの第1密封部品により海洋エネルギー発電装置が正常に動作する際の密封の役割を果たし、前記少なくとも1つの第1密封部品の取り外しや交換が必要な場合、前記少なくとも1つの第2密封部品により密封の役割を果たす、密封システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1密封部品の海水から離れる側に位置する漏水保護装置をさらに含み、
前記漏水保護装置は、前記少なくとも1つの第1密封部品から漏出した海水を収集し貯蔵する密封された貯水タンクと、一端が前記密封された貯水タンクと連通し、密封された貯水タンクに貯蔵された海水を排出する排水管と、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の密封システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1密封部品の海水に近い側に位置することにより土砂を防ぐ少なくとも1つの第3密封部品をさらに含む、ことを特徴とする請求項2に記載の密封システム。
【請求項4】
前記排水管の配管内に設けられる逆止弁をさらに備える、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の密封システム。
【請求項5】
前記貯水タンクの底部は、前記第1密封部品に近接する方向から遠く離れる方向へ傾斜して設けられ、前記排水管は、前記貯水タンクの底部の最も低い位置に連通している、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の密封システム。
【請求項6】
前記海海洋エネルギー発電装置は、ハブ、発電機、前記ハブと前記発電機とを接続する主軸、第1密封キャビンおよび第2密封キャビンを含み、
前記ハブは前記第1密封キャビン内に設けられ、前記発電機は前記第1密封キャビンまたは前記第2密封キャビン内に設けられ、前記第1密封キャビンは前記ハブにともなって回転し、前記第2密封キャビンは相対的に静止し、前記排水管の他端は、前記主軸の内部を通って前記貯水タンクに貯蔵された海水を前記第2密封キャビン内に排出する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の密封システム。
【請求項7】
集水溝およびポンプをさらに含み、
前記集水溝は、前記第2密封キャビン内に位置され、前記排水管から排出される海水を集め、前記ポンプは、前記集水槽内の海水を水面より上に吸い上げて排出する、ことを特徴とする請求項6に記載の密封システム。
【請求項8】
一端が前記第2密封キャビンと連通し、他端が水面より上に位置する外軸をさらに有し、前記ポンプは、前記集水槽内の海水を、前記外軸を介して水面より上に吸い上げて排出する、ことを特徴とする請求項7に記載の密封システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1密封部品および/または前記漏水保護装置は、半分または複数の部分に分けられた構造である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の密封システム。
【請求項10】
ハブ、発電機および前記ハブと前記発電機とを接続する主軸を有する海洋エネルギー発電装置に用いられる密封システムであって、前記密封システムは前記主軸に設けられ、
少なくとも1つの第1密封部品および前記少なくとも1つの第1密封部品の海水に近い側に位置する少なくとも1つの第2密封部品を含み、
前記少なくとも1つの第2密封部品は、海洋エネルギー発電装置が正常に動作する際には密封せず、前記少なくとも1つの第1密封部品により海洋エネルギー発電装置が正常に動作する際の密封の役割を果たし、前記少なくとも1つの第1密封部品の取り外しや交換が必要な場合、前記少なくとも1つの第2密封部品により密封の役割を果たす、密封システム。
【国際調査報告】