(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】タバコを白色化するための代替方法
(51)【国際特許分類】
A24B 13/00 20060101AFI20221109BHJP
A24B 15/24 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
A24B13/00
A24B15/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515859
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(85)【翻訳文提出日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 IB2020058395
(87)【国際公開番号】W WO2021048770
(87)【国際公開日】2021-03-18
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザワトツキ,マイケル・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】マクラナハン,デイビッド・ニール
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BB01
4B043BB16
4B043BB25
(57)【要約】
本開示は、タバコ材料を化学的にパルプ化してタバコパルプを形成することと、タバコパルプを抽出溶液で抽出することと、タバコパルプを酸化剤を含む溶液で、タバコパルプの色を明るくするのに十分な時間及び温度で処理して、白色化されたタバコパルプを得ることと、白色化されたタバコパルプを乾燥させて、白色化されたタバコ組成物を提供することと、を含む白色化されたタバコ組成物を調製する方法を提供する。白色化されたタバコ組成物を調製するのに有効な代替の漂白方法及び処理方法も本明細書で提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、
(i)タバコ材料を苛性洗浄液で処理して、タバコパルプを形成することと、
(ii)前記タバコパルプを抽出溶液で抽出して、抽出されたタバコパルプ及びタバコ抽出物を提供することと、
(iii)前記抽出されたタバコパルプを、酸化剤を含む漂白溶液で漂白して、漂白されたタバコパルプを提供することと、
(iv)前記漂白されたタバコパルプを乾燥させて、白色化されたタバコ材料を提供することと、
を含む、方法。
【請求項2】
抽出溶液が、水溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
抽出溶液が、キレート剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
キレート剤が、EDTA及びDTPAのうちの1つ以上を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
苛性洗浄液が、少なくとも1つの強塩基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
強塩基が、水酸化ナトリウムである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
酸化剤が、過酸化水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
抽出されたタバコパルプの漂白後であり、かつ漂白されたタバコパルプの乾燥前に、1つ以上の追加の漂白処理をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
1つ以上の追加の漂白処理が、タバコパルプの色を明るくするのに十分な時間及び温度で、前記タバコパルプを強塩基、酸化剤又はそれらの組み合わせで処理して、白色化されたタバコパルプを得ることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
タバコ材料が、葉身、根、柄、茎又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
約0.2mm~約2mmの範囲のサイズにタバコ材料を粉砕することをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
苛性洗浄液によるタバコ材料の処理が、大気圧で行われる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
漂白されたタバコパルプが、湿基準で水分が約30パーセント未満の含水量まで乾燥される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
タバコ材料を処理し、タバコパルプを抽出し、及び/又は抽出されたタバコパルプを漂白した後に、スクリュープレス及びバスケット遠心機のうちの少なくとも1つを使用してタバコ材料を脱水することをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
漂白溶液が、酸化剤に加えて1つ以上の安定剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
安定剤が、硫酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
漂白されたタバコパルプを乾燥させる前に、漂白されたパルプ材料を約5~約11の範囲のpHに中和することをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
タバコパルプを約5mm~約0.1mmの範囲のサイズに乾燥させた後、白色化されたタバコ材料を粉砕することをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
抽出溶液対タバコ材料のモル比が、約4:1~約16:1の範囲である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
白色化されたタバコ材料が、少なくとも約90重量%の根、柄又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
抽出されたタバコパルプを漂白する前に、前記抽出されたタバコパルプを木材パルプと混合することをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
経口使用に適合された製品内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
製品が、香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、保湿剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、
(i)タバコ材料を、酸成分を含む抽出溶液で処理して、タバコパルプ及びタバコ抽出物を提供することであって、前記タバコ材料が、前記タバコパルプの色を明るくするのに十分な時間及び温度で処理されて、白色化されたタバコパルプを得る、ことと、
(ii)前記白色化されたタバコパルプを乾燥させて、前記白色化されたタバコ材料を提供することと、
を含む、方法。
【請求項25】
抽出溶液が、水溶液である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
酸成分が、過酢酸である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
酸成分が、鉱酸及び酸化剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
タバコ材料が、周囲圧力より高い圧力で処理される、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
タバコ材料が、約7以下のpHで処理される、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
タバコ材料が、少なくとも約200℃の温度で処理される、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
白色化されたタバコパルプが、湿基準で水分が約30パーセント未満の含水量まで乾燥される、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
白色化されたタバコパルプを約5mm~約0.1mmの範囲のサイズに乾燥させた後、白色化されたタバコ材料を粉砕することをさらに含む、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
経口使用に適合された製品内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含む、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
製品が、香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、保湿剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、
(i)タバコ材料の色を明るくするのに十分な時間及び温度及び圧力で、タバコ材料を熱水抽出に供して、白色化されたタバコ固体材料及びタバコ抽出物を得ることと、
(ii)前記白色化されたタバコ固体材料を乾燥させて、前記白色化されたタバコ材料を提供することと、
を含む、方法。
【請求項36】
熱水抽出が、加圧容器中でタバコ材料を熱水又は蒸気と混合することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
熱水抽出が、漂白剤を添加することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
加圧容器内の圧力が、約30バール~約50バールの範囲である、請求項35~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
加圧容器内の温度が、約200℃~約240℃の範囲である、請求項35~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
白色化されたタバコ固体材料が、湿基準で水分が約30パーセント未満の含水量まで乾燥される、請求項35~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
白色化されたタバコ固体材料を約5mm~約0.1mmの範囲のサイズに乾燥させた後、白色化されたタバコ材料を粉砕することをさらに含む、請求項35~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
経口使用に適合された製品内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含む、請求項35~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
製品が、香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、保湿剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含む、請求項42に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコから作製若しくはタバコに由来する製品、あるいはタバコを組み込んだ製品に関し、人間が消費することを目的としている。
【背景技術】
【0002】
シガレット、葉巻及びパイプは、様々な形態のタバコを用いる一般的な喫煙品である。そのような喫煙品は、タバコを加熱又は燃焼させて使用され、喫煙者によってエアロゾル(例えば、煙)が吸入される。タバコはまた、いわゆる「無煙」形態で楽しまれ得る。特に人気のある無煙タバコ製品は、何らかの形態の加工タバコ又はタバコ含有配合物を使用者の口に挿入することによって用いられる。
【0003】
そのような無煙タバコ製品の従来の形式には、湿性嗅ぎタバコ、スヌース及び噛みタバコが含まれ、これらは、典型的には、ほぼ完全に粒子状、粒状若しくは刻みタバコから形成され、使用者によって分割されるか、又は使い捨てパウチ若しくはサシェなどの個々のポーションで使用者に提示される。無煙製品の他の伝統的な形態には、プラグ、錠剤又はペレットなどの圧縮又は凝集形態が含まれる。タバコ含有ガム及びタバコと他の植物材料との混合物などの代替的な製品フォーマットも知られている。例えば、Schwartzによる米国特許第1,376,586号明細書;Pittmanらによる同第4,513,756号明細書;Sensabaugh,Jr.らによる同第4,528,993号明細書;Storyらによる同第4,624,269号明細書;Tibbettsによる同第4,991,599号明細書;Townsendによる同第4,987,907号明細書;Sprinkle,IIIらによる同第5,092,352号明細書;Whiteらによる同第5,387,416号明細書;Williamsによる同第6,668,839号明細書;Williamsによる同第6,834,654号明細書;Atchleyらによる同第6,953,040号明細書;Atchleyらによる同第7,032,601号明細書;及びAtchleyらによる同第7,694,686号明細書;Williamsによる米国特許公開第2004/0020503号明細書;Quinterらによる同第2005/0115580号明細書;Stricklandらによる同第2006/0191548号明細書;Holton,Jr.らによる同第2007/0062549号明細書;Holton,Jr.らによる同第2007/0186941号明細書;Stricklandらによる同第2007/0186942号明細書;Dubeらによる同第2008/0029110号明細書;Robinsonらによる同第2008/0029116号明細書;Robinsonらによる同第2008/0173317号明細書;Neilsenらによる同第2008/0209586号明細書;Essenらによる同第2009/0065013号明細書;及びAtchleyによる同第2010/0282267号明細書、並びにArnarpらによる国際公開第2004/095959号に記載されている無煙タバコ配合物、成分及び加工方法論の種類を参照されたく、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
タバコ材料を様々な結合剤及び充填剤と組み合わせる無煙タバコ製品構成が、より最近になって提案されており、ロゼンジ、トローチ、ゲル、押出形態などを含む例示的な製品フォーマットを有する。例えば、Engstromらによる米国特許出願公開第2008/0196730号明細書;Crawfordらによる同第2008/0305216号明細書;Kumarらによる同第2009/0293889号明細書;Gaoらによる同第2010/0291245号明細書;Muaらによる同第2011/0139164号明細書;Cantrellらによる同第2012/0037175号明細書;Huntらによる同第2012/0055494号明細書;Cantrellらによる同第2012/0138073号明細書;Cantrellらによる同第2012/0138074号明細書;Holton,Jr.による同第2013/0074855号明細書;Holton,Jr.による同第2013/0074856号明細書;Muaらによる同第2013/0152953号明細書;Jacksonらによる同第2013/0274296号明細書;Moldoveanuによる同第2015/0068545号明細書;Marshallらによる同第2015/0101627号明細書;及びLampeらによる同第2015/0230515に記載されている製品のタイプを参照されたく、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。さらに、全白色のスヌースポーションの人気が高まっており、伝統的なスヌースに代わる個別の審美的に心地よい代替物を提供している。そのような最新の「白色」パウチ製品は、漂白されたタバコを含んでもよく、タバコを含まなくてもよい。長年にわたって、タバコ組成物に利用されるタバコ材料の全体的な特徴又は性質を変えるための様々な処理方法及び添加剤が提案されてきた。例えば、タバコ材料の化学的若しくは感覚的特性を変えるために、又は喫煙可能なタバコ材料の場合には、タバコ材料を含む喫煙品によって生成される主流煙の化学的若しくは感覚的特性を変えるために、添加剤若しくは処理方法が利用されることがある。場合によっては、熱処理方法を使用して、タバコ材料に所望の色若しくは視覚的特徴、タバコ材料に所望の感覚特性、又はタバコ材料に所望の物理的性質若しくはテクスチャを付与することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第1,376,586号明細書
【特許文献2】米国特許第4,513,756号明細書
【特許文献3】米国特許第4,528,993号明細書
【特許文献4】米国特許第4,624,269号明細書
【特許文献5】米国特許第4,991,599号明細書
【特許文献6】米国特許第4,987,907号明細書
【特許文献7】米国特許第5,092,352号明細書
【特許文献8】米国特許第5,387,416号明細書
【特許文献9】米国特許第6,668,839号明細書
【特許文献10】米国特許第6,834,654号明細書
【特許文献11】米国特許第6,953,040号明細書
【特許文献12】米国特許第7,032,601号明細書
【特許文献13】米国特許第7,694,686号明細書
【特許文献14】米国特許公開第2004/0020503号明細書
【特許文献15】米国特許公開第2005/0115580号明細書
【特許文献16】米国特許公開第2006/0191548号明細書
【特許文献17】米国特許公開第2007/0062549号明細書
【特許文献18】米国特許公開第2007/0186941号明細書
【特許文献19】米国特許公開第2007/0186942号明細書
【特許文献20】米国特許公開第2008/0029110号明細書
【特許文献21】米国特許公開第2008/0029116号明細書
【特許文献22】米国特許公開第2008/0173317号明細書
【特許文献23】米国特許公開第2008/0209586号明細書
【特許文献24】米国特許公開第2009/0065013号明細書
【特許文献25】米国特許公開第2010/0282267号明細書
【特許文献26】国際公開第2004/095959号
【特許文献27】米国特許出願公開第2008/0196730号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2008/0305216号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2009/0293889号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2010/0291245号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2011/0139164号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2012/0037175号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2012/0055494号明細書
【特許文献34】米国特許出願公開第2012/0138073号明細書
【特許文献35】米国特許出願公開第2012/0138074号明細書
【特許文献36】米国特許出願公開第2013/0074855号明細書
【特許文献37】米国特許出願公開第2013/0074856号明細書
【特許文献38】米国特許出願公開第2013/0152953号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2013/0274296号明細書
【特許文献40】米国特許出願公開第2015/0068545号明細書
【特許文献41】米国特許出願公開第2015/0101627号明細書
【特許文献42】米国特許出願公開第2015/0230515号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
喫煙品又は無煙タバコ製品に有用なタバコ(並びにタバコ組成物及び配合物)の特徴及び性質を変えるためのさらなる方法を提供することが当技術分野において望ましいであろう。特に、改善されたタバコ白色化工程及び白色化されたタバコ材料が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、タバコ材料の色を変更するために、具体的には色が明るくなった(すなわち、「白色化された」)タバコ材料を提供するために、タバコ材料を加工するための方法を提供する。白色化されたタバコ材料は、白色化された外観を有する経口使用に適合した材料を与えるために無煙タバコ材料に使用することができる。
【0008】
本開示の第1の態様は、白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、タバコ材料を苛性洗浄液で処理して、タバコパルプを形成することと、タバコパルプを抽出溶液で抽出して、抽出されたタバコパルプ及びタバコ抽出物を提供することと、抽出されたタバコパルプを、酸化剤を含む漂白溶液で漂白して、漂白されたタバコパルプを提供することと、漂白されたタバコパルプを乾燥させて、白色化されたタバコ材料を提供することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、抽出溶液は、水溶液であり得る。いくつかの実施形態では、抽出溶液は、キレート剤を含む。いくつかの実施形態では、キレート剤は、EDTA及びDTPAのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、苛性洗浄液は、少なくとも1つの強塩基を含む。特定の実施形態では、強塩基は、水酸化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、酸化剤は、過酸化水素である。いくつかの実施形態では、開示された方法は、抽出されたタバコパルプの漂白後であり、かつ漂白されたタバコパルプの乾燥前に、1つ以上の追加の漂白処理をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の漂白処理は、タバコパルプの色を明るくするのに十分な時間及び温度で、漂白されたタバコパルプを強塩基、酸化剤又はそれらの組み合わせで処理して、白色化されたタバコパルプを得ることをさらに含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、タバコ材料は、葉身、根、柄、茎又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、開示された方法は、タバコ材料が18U.S.シーブサイズのふるいを通過することができるようにタバコ材料を粉砕することをさらに含み得る。特定の実施形態では、タバコ材料は、約0.2mm~約2mmの範囲のサイズに粉砕することができる。いくつかの実施形態では、タバコ材料を苛性洗浄液で処理するステップは、大気圧で行われる。いくつかの実施形態では、漂白されたタバコパルプは、湿基準で水分が約30パーセント未満の含水量まで乾燥され得る。いくつかの実施形態では、方法は、タバコ材料を処理し、タバコパルプを抽出し、及び/又は抽出されたタバコパルプを漂白した後に、スクリュープレス及びバスケット遠心機のうちの少なくとも1つを使用してタバコ材料を脱水することをさらに含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、漂白溶液は、酸化剤に加えて1つ以上の安定剤による処理をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、安定剤は、硫酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、方法は、漂白されたタバコパルプを乾燥させる前に、漂白されたパルプ材料を約5~約11の範囲のpHに中和することをさらに含み得る。様々な実施形態では、方法は、漂白されたタバコパルプを約5mm~約0.1mmの範囲のサイズに乾燥させた後、白色化されたタバコ材料を粉砕することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、処理ステップ(ii)における抽出溶液対タバコ材料のモル比は、約4:1~約16:1である。いくつかの実施形態では、白色化されたタバコ材料は、少なくとも約90重量%の根、柄又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、方法は、抽出されたタバコパルプを漂白する前に、タバコパルプを木材パルプと混合することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、無煙タバコ製品内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、無煙タバコ製品は、香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、保湿剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含む。
【0011】
本開示の第2の態様は、白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、タバコ材料を、酸成分を含む抽出溶液で処理して、タバコパルプ及びタバコ抽出物を得ることであって、タバコ材料が、タバコパルプの色を明るくするのに十分な時間及び温度で処理され、白色化されたタバコパルプを得ることと、白色化されたタバコパルプを乾燥させて、白色化されたタバコ材料を提供することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、抽出溶液は、水溶液である。いくつかの実施形態では、酸成分は、過酢酸であり得る。いくつかの実施形態では、酸成分は、鉱酸及び酸化剤を含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、タバコ材料は、周囲圧力より高い圧力で処理される。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、約7以下のpHで処理される。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、少なくとも約200℃の温度で処理される。いくつかの実施形態では、白色化されたタバコパルプは、湿基準で水分が約30パーセント未満の含水量まで乾燥される。いくつかの実施形態では、この実施形態による方法は、白色化されたタバコパルプを約5mm~約0.1mmの範囲のサイズに乾燥させた後に、白色化されたタバコ材料を粉砕することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、無煙タバコ製品内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含み得る。そのような実施形態では、無煙タバコ製品は、香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、保湿剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含み得る。
【0013】
本開示の第3の態様は、白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、タバコ材料の色を明るくするのに十分な時間及び温度及び圧力で、タバコ材料を熱水抽出に供して、白色化されたタバコ固体材料及びタバコ抽出物を得ることと、白色化されたタバコ固体材料を乾燥させて、白色化されたタバコ材料を提供することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、熱水抽出は、漂白剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、熱水抽出は、加圧容器中でタバコ材料を熱水又は蒸気と混合することを含む。いくつかの実施形態では、加圧容器内の圧力は、約30バール~約50バールの範囲である。いくつかの実施形態では、加圧容器内の温度は、約200℃~約240℃の範囲である。
【0014】
様々な実施形態では、白色化されたタバコ固体材料は、湿基準で水分が約30パーセント未満の含水量まで乾燥される。いくつかの実施形態では、方法は、ステップ(ii)の後に白色化されたタバコ材料を約5mm~約0.1mmの範囲のサイズに粉砕することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、無煙タバコ製品内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、無煙タバコ製品は、香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、保湿剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含む。
【0015】
本発明は、以下の実施形態を含むが、これらに限定されない。
【0016】
実施形態1:白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、(i)タバコ材料を苛性洗浄液で処理して、タバコパルプを形成することと、(ii)タバコパルプを抽出溶液で抽出して、抽出されたタバコパルプ及びタバコ抽出物を得ることと、(iii)抽出されたタバコパルプを、酸化剤を含む漂白溶液で漂白して、漂白されたタバコパルプを得ることと、(iv)漂白されたタバコパルプを乾燥させて、白色化されたタバコ材料を得ることと、を含む、方法。
【0017】
実施形態2:抽出溶液が、水溶液である、実施形態1の方法。
【0018】
実施形態3:抽出溶液が、キレート剤を含む、実施形態1又は2の方法。
【0019】
実施形態4:抽出溶液が、キレート剤を含み、キレート剤が、EDTA及びDTPAのうちの1つ以上を含む、実施形態1~3のいずれか1つの方法。
【0020】
実施形態5:苛性洗浄液が、少なくとも1つの強塩基を含む、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
【0021】
実施形態6:苛性洗浄液が、少なくとも1つの強塩基を含み、強塩基が、水酸化ナトリウムである、実施形態1~5のいずれか1つの方法。
【0022】
実施形態7:酸化剤が、過酸化水素である、実施形態1~6のいずれか1つの方法。
【0023】
実施形態8:抽出されたタバコパルプの漂白後であり、かつ漂白されたタバコパルプの乾燥前に、1つ以上の追加の漂白処理をさらに含む、実施形態1~7のいずれか1つの方法。
【0024】
実施形態9:抽出されたタバコパルプの漂白後であり、かつ漂白されたタバコパルプの乾燥前に1つ以上の追加の漂白処理をさらに含み、1つ以上の追加の漂白処理が、タバコパルプの色を明るくするに十分な時間及び温度で、タバコパルプを強塩基、酸化剤又はそれらの組み合わせで処理して、白色化されたタバコパルプを得ることをさらに含む、実施形態1~8のいずれか1つの方法。
【0025】
実施形態10:タバコ材料が、葉身、根、柄、茎又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~9のいずれか1つの方法。
【0026】
実施形態11:タバコ材料を約0.2mm~約2mmの範囲のサイズに粉砕することをさらに含む、実施形態1~10のいずれか1つの方法。
【0027】
実施形態12:タバコ材料を苛性洗浄液で処理するステップが、大気圧で行われる、実施形態1~11のいずれか1つの方法。
【0028】
実施形態13:漂白されたタバコパルプが、湿基準で水分が約30パーセント未満の含水量まで乾燥される、実施形態1~12のいずれか1つの方法。
【0029】
実施形態14:タバコ材料を処理し、タバコパルプを抽出し、及び/又は抽出されたタバコパルプを漂白した後に、スクリュープレス及びバスケット遠心機のうちの少なくとも1つを使用してタバコ材料を脱水することをさらに含む、実施形態1~13のいずれか1つの方法。
【0030】
実施形態15:漂白溶液が、酸化剤に加えて1つ以上の安定剤をさらに含む、実施形態1~14のいずれか1つの方法。
【0031】
実施形態16:漂白溶液が、酸化剤に加えて1つ以上の安定剤をさらに含み、安定剤が、硫酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1~15のいずれか1つの方法。
【0032】
実施形態17:漂白されたタバコパルプを乾燥させる前に、漂白されたパルプ材料を約5~約11の範囲のpHに中和することをさらに含む、実施形態1~16のいずれか1つの方法。
【0033】
実施形態18:タバコパルプを約5mm~約0.1mmの範囲のサイズに乾燥させた後、白色化されたタバコ材料を粉砕することをさらに含む、実施形態1~17のいずれか1つの方法。
【0034】
実施形態19:抽出溶液対タバコ材料のモル比が、約4:1~約16:1の範囲である、実施形態1~18のいずれか1つの方法。
【0035】
実施形態20:白色化されたタバコ材料が、少なくとも約90重量%の根、柄又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~19のいずれか1つの方法。
【0036】
実施形態21:抽出されたタバコパルプを漂白する前に、抽出されたタバコパルプを木材パルプと混合することをさらに含む、実施形態1~20のいずれか1つの方法。
【0037】
実施形態22:無煙タバコ製品などの経口使用に適合された製品内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含む、実施形態1~21のいずれか1つの方法。
【0038】
実施形態23:経口使用に適合された製品(無煙タバコ製品など)内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含み、製品が、香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、保湿剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含む、実施形態1~21のいずれか1つの方法。
【0039】
実施形態24:白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、(i)タバコ材料を、酸成分を含む抽出溶液で処理して、タバコパルプ及びタバコ抽出物を提供することであって、タバコ材料が、タバコパルプの色を明るくするのに十分な時間及び温度で処理され、白色化されたタバコパルプを得る、ことと、(ii)白色化されたタバコパルプを乾燥させて、白色化されたタバコ材料を提供することと、を含む、方法。
【0040】
実施形態25:抽出溶液が、水溶液である、実施形態24の方法。
【0041】
実施形態26:酸成分が、過酢酸である、実施形態24又は25の方法。
【0042】
実施形態27:酸成分が、鉱酸及び酸化剤を含む、実施形態24~26のいずれか1つの方法。
【0043】
実施形態28:タバコ材料が、周囲圧力より高い圧力で処理される、実施形態24~27のいずれか1つの方法。
【0044】
実施形態29:タバコ材料が、約7以下のpHで処理される、実施形態24~28のいずれか1つの方法。
【0045】
実施形態30:タバコ材料が、少なくとも約200℃の温度で処理される、実施形態24~29のいずれか1つの方法。
【0046】
実施形態31:白色化されたタバコパルプが、湿基準で水分が約30パーセント未満の含水量まで乾燥される、実施形態24~30のいずれか1つの方法。
【0047】
実施形態32:白色化されたタバコパルプを約5mm~約0.1mmの範囲のサイズに乾燥させた後、白色化されたタバコ材料を粉砕することをさらに含む、実施形態24~31のいずれか1つの方法。
【0048】
実施形態33:無煙タバコ製品などの経口使用に適合された製品内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含む、実施形態24~32のいずれか1つの方法。
【0049】
実施形態34:経口使用に適合された製品(無煙タバコ製品など)内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含み、製品が、香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、保湿剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含む、実施形態24~33のいずれか1つの方法。
【0050】
実施形態35:白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、(i)タバコ材料の色を明るくするのに十分な時間及び温度及び圧力で、タバコ材料を熱水抽出に供して、白色化されたタバコ固体材料及びタバコ抽出物を得ることと、(ii)白色化されたタバコ固体材料を乾燥させて、白色化されたタバコ材料を提供することと、を含む、方法。
【0051】
実施形態36:熱水抽出が、加圧容器中でタバコ材料を熱水又は蒸気と混合することを含む、実施形態35の方法。
【0052】
実施形態37:熱水抽出が、漂白剤を添加することをさらに含む、実施形態35又は36の方法。
【0053】
実施形態38:加圧容器内の圧力が、約30バール~約50バールの範囲である、実施形態35~37のいずれか1つの方法。
【0054】
実施形態39:加圧容器内の温度が、約200℃~約240℃の範囲である、実施形態35~38のいずれか1つの方法。
【0055】
実施形態40:白色化されたタバコ固体材料が、湿基準で水分が約30パーセント未満の含水量まで乾燥される、実施形態35~39のいずれか1つの方法。
【0056】
実施形態41:白色化されたタバコ固体材料を約5mm~約0.1mmの範囲のサイズに乾燥させた後、白色化されたタバコ材料を粉砕することをさらに含む、実施形態35~40のいずれか1つの方法。
【0057】
実施形態42:無煙タバコ製品などの経口使用に適合された製品内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含む、実施形態35~41のいずれか1つの方法。
【0058】
実施形態43:経口使用に適合された製品(無煙タバコ製品など)内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含み、製品が、香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、保湿剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含む、実施形態35~42のいずれか1つの方法。
【0059】
本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を読むことから明らかになるであろう。そして、これは、以下で簡単に説明される。本発明は、そのような特徴又は要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかどうかにかかわらず、上述の実施形態のうちの2つ、3つ、4つ又はそれ以上の任意の組み合わせ、並びに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つ又はそれ以上の特徴又は要素の組み合わせを含む。本開示は、その様々な態様又は実施形態のいずれかにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴又は要素が、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、組み合わせ可能であると見なされるべきであるように、全体的に読まれることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】実施形態によるパウチ製品を示す正面斜視図である。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による、タバコを白色化する第1の方法を使用して白色化されたタバコ材料を調製するための一般的なステップを示すフローチャートである。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による、タバコを白色化する第2の方法を使用して白色化されたタバコ材料を調製するための一般的なステップを示すフローチャートである。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による、タバコを白色化する第3の方法を使用して白色化されたタバコ材料を調製するための一般的なステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本開示の態様は、以下でより完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的及び完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。「乾燥重量パーセント」又は「乾燥重量基準」への言及は、乾燥成分(すなわち、水を除くすべての成分)を基準とした重量を指す。
【0062】
特定の実施形態は、添付の図面の
図1を参照して説明され、これらの説明された実施形態は、外側パウチを有し、及び白色化されたタバコ材料を含有するスヌース型製品を伴う。以下により詳細に説明するように、そのような実施形態は、単なる例として提供され、無煙タバコ製品は、他の形態のタバコ組成物を含むことができる。
【0063】
図1を参照すると、無煙タバコ製品10の第1の実施形態が示されている。タバコ製品10は、パウチ20の形態の透湿性容器を含む。そして、これは、本明細書に記載のタイプの白色化されたタバコ材料を含む材料15を収容する。無煙タバコ製品はまた、特定の実施形態では、任意選択的に、材料15内に分散された複数のマイクロカプセルを含んでもよく、マイクロカプセルは、以下により詳細に説明するような成分(例えば、香味料)を含有する。
【0064】
タバコ製品10は、典型的には、タバコ配合物を含有する1つのパウチを対象/使用者の口の中に入れることによって使用される。使用中、使用者の口の中の唾液により、タバコ配合物の成分の一部が透水性パウチを通過して使用者の口の中に入る。パウチは、好ましくは、咀嚼又は嚥下されない。使用者は、タバコの風味及び満足感を提供され、タバコ配合物のいかなるポーションも吐き出す必要はない。約10分~約60分、典型的には約15分~約45分の使用/楽しみ後、かなりの量のタバコ配合物及び任意選択的なマイクロカプセルの内容物がヒト対象によって吸収され(歯肉又は頬の吸収のいずれかを介して)、廃棄のためにパウチをヒト対象の口から取り出してもよい。特定の実施形態では、パウチ材料は、通常の使用条件下で、パウチがその物理的完全性を喪失する前に、かなりの量のタバコ配合物含有物がパウチ材料を透過するように設計及び製造することができる。
【0065】
白色化前のタバコ材料の調製
本開示は、白色化されたタバコ組成物、そのような白色化されたタバコ組成物を組み込んだ無煙タバコ製品及び白色化されたタバコ組成物を調製し、及びそのような組成物を無煙タバコ製品内に組み込むための方法を提供する。本明細書で使用される場合、「白色化された」という用語は、ある程度の色を除去するように処理されたタバコ材料を含む組成物を指す。したがって、本明細書に記載の方法に従って処理された「白色化された」タバコ材料は、未処理のタバコ材料よりも色相が視覚的に明るい。本発明の白色化されたタバコ組成物は、無煙タバコ組成物、例えば粉末湿性嗅ぎタバコ、粉末乾燥嗅ぎタバコ、噛みタバコ、ペレット化されたタバコピース、押し出された若しくは形成されたタバコストリップ、ピース、ロッド若しくはスティック、細かく分割された破砕粉末、粉末化されたピース若しくは成分の細かく分割された若しくは粉砕された凝集物、フレーク状ピース、成形加工されたタバコピース、タバコ含有ガムピース、テープ状フィルムのロール、容易に水に溶解可能若しくは水分散可能なフィルム若しくはストリップ、又はカプセル状材料の成分として使用することができる。
【0066】
本発明のタバコ組成物に使用されるタバコは、変化し得る。特定の実施形態では、用いることができるタバコには、フルキュアード又はバージニア(例えば、K326)、バーレー、サンキュアード(例えば、カテリニ、プレリップ、コモチニ、キサンチ及びヤンボルタバコを含む、インディアンカルヌール及びオリエンタルタバコ)、メリーランド、ダーク、ダークファイヤード、ダークエアキュアード(例えば、パサンダ、クバノ、ジャティン及びベズキタバコ)、ライトエアキュアード(例えば、ノースウイスコンシン及びガルパオタバコ)、インディアンエアキュアード、レッドロシア及びラスチカタバコ、並びに様々な他の稀少性又は特殊性のタバコ、及び前述のタバコのいずれかの様々なブレンドが含まれる。様々なタイプのタバコ、栽培慣行及び収穫慣行の説明は、Tobacco Production,Chemistry and Technology,Davisら(編)(1999)に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる)。ニコチアナ種由来の様々な代表的な他のタイプの植物は、Goodspeed,The Genus Nicotiana,(Chonica Botanica)(1954);Sensabaugh,Jr.らによる米国特許第4,660,577号明細書;Whiteらによる同第5,387,416号明細書及びLawsonらによる同第7,025,066号明細書;Lawrence,Jr.らによる米国特許出願公開第2006/0037623号明細書及びMarshallらによる同第2008/0245377号明細書に記載されており、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。例示的なニコチアナ種には、ニコチアナ・タバカム(N.tabacum)、ニコチアナ・ルスティカ(N.rustica)、ニコチアナ・アラタ(N.alata)、ニコチアナ・アレントシ(N.arentsii)、ニコチアナ・エクセルシオル(N.excelsior)、ニコチアナ・フォルゲチアナ(N.forgetiana)、ニコチアナ・グラウカ(N.glauca)、ニコチアナ・グルチノサ(N.glutinosa)、ニコチアナ・ゴセイ(N.gossei)、ニコチアナ・カワカミ(N.kawakamii)、ニコチアナ・ナイチアナ(N.knightiana)、ニコチアナ・ラングスドルフィ(N.langsdorffi)、ニコチアナ・オトフォラ(N.otophora)、ニコチアナ・セトケリ(N.setchelli)、ニコチアナ・シルベストリス(N.sylvestris)、ニコチアナ・トメントサ(N.tomentosa)、ニコチアナ・トメントシホルミス(N.tomentosiformis)、ニコチアナ・アンドゥラタ(N.undulata)、ニコチアナ・xサンデラエ(N.x sanderae)、ニコチアナ・アフリカナ(N.africana)、ニコチアナ・アムプレキシカウリス(N.amplexicaulis)、ニコチアナ・ベナビデシ(N.benavidesii)、ニコチアナ・ボナリエンシス(N.bonariensis)、ニコチアナ・デブネイ(N.debneyi)、ニコチアナ・ロンギフロラ(N.longiflora)、ニコチアナ・マリチマ(N.maritina)、ニコチアナ・メガロシホン(N.megalosiphon)、ニコチアナ・オシデンタリス(N.occidentalis)、ニコチアナ・パニクラタ(N.paniculata)、ニコチアナ・プルムバギニフォリア(N.plumbaginifolia)、ニコチアナ・ライモンジ(N.raimondii)、ニコチアナ・ロスラタ(N.rosulata)、ニコチアナ・シムランス(N.simulans)、ニコチアナ・ストクトニ(N.stocktonii)、ニコチアナ・スアベオレンス(N.suaveolens)、ニコチアナ・アンブラチカ(N.umbratica)、ニコチアナ・ベルチナ(N.velutina)、ニコチアナ・ウィガンジオイデス(N.wigandioides)、ニコチアナ・アカウリス(N.acaulis)、ニコチアナ・アクミナタ(N.acuminata)、ニコチアナ・アテヌアタ(N.attenuata)、ニコチアナ・ベンサミアナ(N.benthamiana)、ニコチアナ・カビコラ(N.cavicola)、ニコチアナ・クレベランジ(N.clevelandii)、ニコチアナ・コルジフォリア(N.cordifolia)、ニコチアナ・コリンボサ(N.corymbosa)、ニコチアナ・フラグランス(N.fragrans)、ニコチアナ・グッドスピーディ(N.goodspeedii)、ニコチアナ・リネアリス(N.linearis)、ニコチアナ・ミエルシ(N.miersii)、ニコチアナ・ヌジカウリス(N.nudicaulis)、ニコチアナ・オブツシフォリア(N.obtusifolia)、ニコチアナ・オシデンタリス亜種ヘルスペリス(N.occidentalis subsp.Hersperis)、ニコチアナ・パウシフロラ(N.pauciflora)、ニコチアナ・ペツニオイデス(N.petunioides)、ニコチアナ・クアドリバルビス(N.quadrivalvis)、ニコチアナ・レパンダ(N.repanda)、ニコチアナ・ロツンジホリア(N.rotundifolia)、ニコチアナ・ソラニフォリア(N.solanifolia)及びニコチアナ・スペガジニ(N.spegazzinii)が含まれる。
【0067】
ニコチアナ種は、遺伝子改変又は交配技術(例えば、タバコ植物は、成分、特徴若しくは特質の産生を増加若しくは減少させるように遺伝子操作若しくは交配することができる)を使用して誘導することができる。例えば、Fitzmauriceらによる米国特許第5,539,093号明細書;Wahabらによる同第5,668,295号明細書;Fitzmauriceらによる同第5,705,624号明細書;Weiglによる同第5,844,119号明細書;Dominguezらによる同第6,730,832号明細書;Liuらによる同第7,173,170号明細書;Colliverらによる同第7,208,659号明細書及びBenningらによる同第7,230,160号明細書;Conklingらによる米国特許出願公開第2006/0236434号明細書;及びNielsenらによる国際公開第2008/103935号に記載されている植物の遺伝子改変のタイプを参照されたい。Sensabaugh,Jr.らによる米国特許第4,660,577号明細書;Whiteらによる同第5,387,416号明細書;及びDominguezらによる同第6,730,832号明細書に記載されているタバコのタイプも参照されたく、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。最も好ましくは、タバコ材料は、適切にキュアリング及び熟成されたものである。フルキュアードタバコをキュアリングさせるための特に好ましい技術及び条件は、Nestorら、Beitrage Tabakforsch.Int.,20(2003)467-475及びPeeleによる米国特許第6,895,974号明細書に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。タバコをエアキュアリングするための代表的な技術及び条件は、Rotonら、Beitrage Tabakforsch.Int.,21(2005)305-320及びStaafら、Beitrage Tabakforsch.Int.,21(2005)321-330に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。特定のタイプの珍しいタバコ又は希少なタバコをサンキュアリングすることができる。オリエンタルタバコの喫煙品質を改善するための様式及び方法は、Lawsonらによる米国特許第7,025,066号明細書に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。代表的なオリエンタルタバコには、カテリニ、プレリップ、コモチニ、キサンチ及びヤムボルタバコが含まれる。ダークエアキュアードタバコを含むタバコ組成物は、Marshallらによる米国特許出願公開第2008/0245377号明細書に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。例えば、Beesonらによる米国特許出願公開第2011/0247640号明細書も参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0068】
ニコチアナ種は、その中に存在する様々な化合物の含有量について選択することができる。例えば、植物は、それらの植物がそこから単離されることが望まれる化合物のうちの1つ以上を比較的大量に生産することに基づいて選択することができる。特定の実施形態では、ニコチアナ種(例えば、ガルパオコミューンタバコ)の植物は、それらの豊富な葉表面化合物のために特に栽培される。タバコ植物は、温室、育成室若しくは屋外の圃場で栽培するか、又は水耕栽培することができる。
【0069】
ニコチアナ種の植物の様々な部分又は一部を用いることができる。例えば、実質的にすべての植物(例えば、植物全体)を収穫し、そのまま用いることができる。又は、植物の様々な部分又はピースを収穫し、又は収穫後にさらに使用するために分離することができる。例えば、花、葉、茎、柄、根、種子及びそれらの様々な組み合わせを、さらなる使用又は処理のために単離することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の処理に供されるタバコ材料は、粉砕形態のルスチカ茎である。
【0070】
植物又はその一部の収穫後加工は、変化し得る。収穫後、植物又はその一部は、緑色形態で使用することができる(例えば、植物又はその一部は、いかなるキュアリング工程にも供されることなく使用することができる)。例えば、植物又はその一部は、著しい貯蔵、取り扱い又は加工条件に供されることなく使用することができる。特定の状況では、植物又はその一部が実質的に収穫直後に使用されることが有利である。又は、例えば、緑色形態の植物又はその一部は、後の使用のために冷蔵又は冷凍することができ、凍結乾燥することができ、照射に供することができ、黄変することができ、乾燥することができ、キュアリングすることができ(例えば、風乾技術若しくは熱の適用を用いる技術を使用する)、加熱又は調理することができ(例えば、焙煎、油で揚げる若しくは茹でる)、又は別の方法で後の使用のために貯蔵又は処理に供することができる。収穫された植物又はその一部は、物理的に加工することができる。植物又はその一部は、個々の部分又はピースに分離することができる(例えば、葉を茎から除去することができ、並びに/若しくは茎及び葉を柄から除去することができる)。収穫された植物又は個々の部分若しくはピースは、部分又はピースにさらに細分することができる(例えば、葉は、細断、切断、細かく砕く、微粉砕、粉砕若しくは破砕して、充填剤型のピース、顆粒、微粒子若しくは微粉として特徴付けることができるピース若しくは部分にすることができる)。植物又はその一部は、(例えば、プレス又はロール処理に供されることによって)外力又は圧力に供することができる。そのような加工条件を実施する場合、植物若しくはその一部は、その自然含水量に近い含水量(例えば、収穫直後のその含水量)、植物若しくはその一部に水分を添加することによって実現される含水量、又は植物若しくはその一部の乾燥から生じる含水量を有することができる。例えば、植物又はその一部の粉末、微粉砕、粉砕又は破砕したピースは、約25重量パーセント未満、多くの場合約20重量パーセント未満、頻繁に約15重量パーセント未満の含水量を有することができる。
【0071】
図1のような無煙形態で使用されることが意図されたタバコ組成物は、単一タイプのタバコ(例えば、いわゆる「ストレートグレード」形態で)を組み込まれ得る。例えば、タバコ組成物内のタバコは、フルキュアードタバコのみから構成されてもよい(例えば、タバコのすべては、フルキュアードタバコ葉身、又はフルキュアードタバコ葉身とフルキュアードタバコ茎との混合物のいずれかから構成されるか、又は由来してもよい)。一実施形態では、タバコは、サンキュアード粉砕ラスチカ茎(すなわち、N.ラスチカ茎)を含むか、又はそれのみから構成される。タバコ組成物内のタバコはまた、いわゆる「ブレンド」形態を有し得る。例えば、本発明のタバコ組成物内のタバコは、フルキュアードバーレー(例えば、マラウイバーレータバコ)及びオリエンタルタバコの部分又はピースの混合物を含み得る(例えば、タバコ葉身から構成される、若しくはタバコ葉身に由来するタバコ、又はタバコ葉身とタバコ茎との混合物として)。
【0072】
タバコ製品内のタバコのポーションは、加工タバコ茎(例えば、切断して圧延した茎、切断して圧延して膨張させた茎若しくは切断して膨化した茎)又は体積膨張タバコ(例えば、ドライアイス膨張タバコ(DIET)などの膨化タバコ)などの加工形態を有し得る。例えば、de la Burdeらによる米国特許第4,340,073号明細書;Guyらによる同第5,259,403号明細書;及びPoindexterらによる同第5,908,032号明細書;及び、Poindexterらによる同第7,556,047号明細書に記載されているタバコ膨張方法を参照されたく、これらはすべて参照により組み込まれる。加えて、タバコ製品は、任意選択的に発酵されたタバコを組み込んでもよい。Atchleyらによる国際公開第05/063060号に記載されているタバコ加工技術のタイプも参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0073】
特定の実施形態では、出発タバコ材料は、タバコの茎を含むことができる。本明細書で使用される場合、「茎」は、葉又は花が成長するタバコ植物の長い部分を指し、葉、葉身及び/又は花を含むことができる。いくつかの実施形態では、タバコ植物の柄及び/又は根を使用することが有利であり得る。タバコの柄並びに/又は根は、個々のピース(例えば、柄から分離した根、及び/若しくは互いに分離した根部分、例えば、大きい根、中根及び小さい根部分)に分離することができ、又は柄と根を組み合わせてもよい。「柄」とは、葉(茎及び葉身を含む)が除去された後に残る柄を意味する。本発明による有用な「根」及び様々な特定の根部分は、例えば、Mauseth,Botany:An Introduction to Plant Biology:Fourth Edition,Jones and Bartlett Publishers(2009)及びGlimn-Lacyら、Botany Illustrated,Second Edition,Springer(2006)に記載されているように定義及び分類され得、これらは参照により本明細書に組み込まれる。収穫された柄及び/又は根は、典型的には、清浄化され、破砕され、乾燥されて、微粒子(すなわち、細断、微粉砕、粉砕、造粒又は粉末化)として記載することができる材料を生産する。本明細書で使用される場合、柄及び/又は根はまた、水溶性材料を除去するための抽出工程を受けた柄及び/又は根を指すことができる。柄及び/又は根の材料が抽出工程を受けた後に残るセルロース材料(すなわち、パルプ)も、本発明において有用であり得る。
【0074】
タバコ材料は、ニコチアナ種の植物の任意の部分からの材料を含み得るが、特定の実施形態では、材料の大部分は、植物の茎、柄及び/又は根から得られる材料を含むことができる。例えば、特定の実施形態では、タバコ材料は、ニコチアナ種の収穫された植物の茎材料、柄材料及び根材料のうちの少なくとも1つを乾燥重量で少なくとも約90%、少なくとも約92%、少なくとも約95%又は少なくとも約97%含む。
【0075】
本発明で使用されるタバコ材料は、典型的には、細断、破砕、粒状、微粒子又は粉末形態で提供される。
図2~4の操作100に示すように、本明細書に記載のタバコ白色化工程は、任意選択的にタバコ材料を粉砕することを含むことができる。最も好ましくは、タバコは、いわゆる「ファインカット」タバコ製品に使用される刻みタバコの部分又はピースの平均粒径よりも小さい平均粒径を有する部分又はピースの形態で用いられる。典型的には、非常に細かく分割されたタバコ粒子又はピースは、約18又は16U.S.シーブサイズのふるいを通過するようなサイズであり、一般に、約20U.S.シーブサイズのふるいを通過するようなサイズであり、多くの場合、約50U.S.シーブサイズのふるいを通過するようなサイズであり、頻繁に、約60U.S.シーブサイズのふるいを通過するようなサイズであり、100U.S.シーブサイズのふるいを通過するようなサイズであってもよく、さらに、200U.S.シーブサイズのふるいを通過するようなサイズであってもよい。粒径を分類するために一般的に使用される2つのスケールは、U.S.シーブシリーズ及びタイラー等価物であることに留意されたい。これらの2つのスケールは、タイラーメッシュサイズ又はタイラー標準シーブシリーズと呼ばれることもある。U.S.シーブサイズは、本出願で言及される。所望であれば、空気分級装置を使用して、所望のサイズ又はサイズ範囲の小型タバコ粒子を確実に収集し得る。一実施形態では、タバコ材料は、18又は16U.S.シーブサイズを通過するが、60U.S.シーブサイズを通過しないサイズの粒子形態である。所望であれば、異なるサイズの粒状タバコピースを一緒に混合してもよい。典型的には、スヌース製品に好適な非常に細かく分割されたタバコ粒子又はピースは、-8U.S.シーブサイズ超、多くの場合-8~+100U.S.シーブサイズ、頻繁に-16~+60U.S.シーブサイズの粒径を有する。特定の実施形態では、タバコは、約0.2~約2mm、約0.5~約1.5mm、約0.2~約1.0mm又は約0.75~約1.25mm(例えば、約1mm)の平均粒径で提供される。
【0076】
タバコが細かく分割された形態又は粉末タイプの形態で提供される様式は、変化し得る。好ましくは、タバコの部分又はピースは、破砕、粉砕などのための装置及び技術を使用して、粉末タイプの形態に細かく砕く、破砕又は微粉砕される。最も好ましくは、タバコは、ハンマーミル、カッターヘッド、エアコントロールミルなどの装置を使用して、破砕又は粉砕中に形態が比較的乾燥している。例えば、タバコの部分又はピースは、その含水量が約15重量パーセント未満~約5重量パーセント未満である場合に破砕又は粉砕されてもよい。タバコ材料は、本明細書で以下にさらに記載される代替白色化方法のいずれかに供される前及び/又は後に、所望の形態で提供するように加工することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、処理される(すなわち、本明細書に記載の方法に供される)タバコ材料のタイプは、初期には他のタバコ材料よりもある程度色が視覚的に明るくなるように選択される。したがって、本明細書に記載の方法の1つの任意選択的のステップは、様々なタバコ材料をスクリーニングし、それらの視覚的外観(すなわち、それらの「明度」又は「白色度」)に基づいてタバコ材料のうちの1つ以上を選択することを含む。行われる場合、このスクリーニングステップは、いくつかの実施形態では、他のタバコ材料よりも色相が視覚的に明るい特定のタバコ材料(例えば、特定のタバコタイプ)が選択される視覚的スクリーニングを含むことができる。いくつかの実施形態では、スクリーニングは、所定の特徴(例えば、所与の閾値を超える明度を有する)に基づいて特定のタバコ材料を選択する自動操作によって行うことができる。例えば、光学機器(例えば、分光光度計/分光反射率計)及び/又は光学選別装置をこの目的のために使用することができる。そのような装置は、例えば、Autoelrepho(R)Products、AZ Technology、Hunter Lab、X-Rite、SpecMetrixなどから入手可能である。
【0078】
代替白色化方法1
本開示の一態様では、タバコ材料を白色化する方法であって、タバコ材料を苛性洗浄液で処理して、タバコパルプを形成することと、タバコパルプを抽出溶液で抽出して、抽出されたタバコパルプ及びタバコ抽出物を得ることと、抽出されたタバコパルプを、酸化剤を含む溶液で漂白して、漂白されたタバコパルプを得ることと、漂白されたタバコパルプを乾燥させて、白色化されたタバコ材料を得ることと、を含む、方法が提供される。本発明のこの態様の好ましい実施形態では、出発タバコ材料は、好ましくは、タバコ葉身、茎、柄、根及びそれらの組み合わせを含み得る。様々な実施形態では、白色化工程は、漂白されたタバコパルプを乾燥させるステップの前に、強塩基、酸化剤又はそれらの組み合わせを含む溶液による1つ以上の処理をさらに含むことができる。
【0079】
上述のように、操作100において、化学パルプ化方法を使用して、タバコバイオマスをパルプ化及び脱リグニンすることができる。化学パルプ化方法は、リグニンを調理液に溶解することによってリグニンをセルロース繊維から分離する。これは、セルロース繊維を一緒に結合するリグニンを、セルロース繊維を著しく劣化させることなくセルロース繊維から洗い流すことができる。当技術分野で知られている3つの主要な化学パルプ化方法が存在する。ソーダパルプ化は、水酸化ナトリウム調理液中で原料チップを調理することを伴う。クラフト方法は、ソーダパルプ化から発展し、水酸化ナトリウム及び硫化ナトリウムの溶液中で原料チップを調理することを伴う。酸性スルフィット方法は、調理において亜硫酸及び重硫酸イオンを使用することを伴う。クラフト方法は、化学木材パルプ化のために最も一般的に使用される方法であるが、ソーダ法を使用して、いくつかの広葉樹パルプを生産することもできる。上記の3つの例を含むが、これらに限定されない任意の化学パルプ化方法を使用して、原料タバコ材料からタバコパルプを生産することができる。
【0080】
調理液は、強塩基を含むことができる。本明細書で使用される場合、強塩基は、酸-塩基反応で非常に弱い酸を脱プロトン化することができる塩基性化学化合物(又はそのような化合物の組み合わせ)を指す。例えば、本発明において有用であり得る強塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、水酸化アンモニウム、重炭酸アンモニウム及び炭酸アンモニウムのうちの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、強塩基の重量は、タバコ投入物の重量の約5%超、約25%超又は約40%超であり得る。特定の実施形態では、強塩基の重量は、タバコ投入物の重量の約60%未満又は約50%未満であり得る。なおさらなる実施形態では、強塩基の重量は、タバコ投入物の重量の約5%~約50%又は約30%~約40%であり得る。他の実施形態では、タバコ投入物を化学的にパルプ化するために、様々な他の化学物質及びその重量比を用いることもできる。
【0081】
本開示のいくつかの実施形態では、ソーダパルプ化方法を使用して、様々な出発タバコ材料から本明細書に記載のタバコパルプを生産することが好ましい場合がある。いくつかの実施形態では、混合物をソーダパルプ化方法に供する前に、タバコ葉身、茎、根及びそれらの組み合わせを含むタバコ投入物を水及び強塩基(水酸化ナトリウムなど)と消化器中で混合することができる。タバコ投入物を水及び強塩基と組み合わせることに加えて、タバコ投入物を化学的にパルプ化することは、タバコ投入物及び強塩基を消化器中の高温及び高圧で加熱することを含むことができる。タバコ投入物及び強塩基を加熱して、化学パルプ化の有効性を高めることができる。これに関して、調理温度又は時間のいずれかの増加は、反応速度(リグニン除去速度)の増加をもたらす。
【0082】
いくつかの実施形態では、タバコ投入物及び強塩基は、約140℃~約200℃、又は約150℃~約170℃、又は約155℃~約165℃の最高温度まで加熱することができる。いくつかの実施形態では、タバコ投入物及び強塩基は、少なくとも約140℃、少なくとも約150℃又は少なくとも約160℃の温度に加熱することができる。いくつかの実施形態では、タバコ投入物及び強塩基は、約160℃の温度に加熱することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、タバコ投入物及び強塩基は、約30分~約90分、又は約40~約80分、又は約50~約70分の範囲の期間加熱することができる。いくつかの実施形態では、化学パルプ化中の最高温度は、少なくとも約10分間、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間又は少なくとも約40分間維持することができる。特定の実施形態では、タバコ投入物は、最高温度で約60分間加熱することができる。
【0084】
当技術分野で知られているように、化学パルプ化方法は、化学パルプ化の温度及び時間の両方を考慮に入れたH係数と呼ばれるパラメータに関して説明することができる。例えば、Byrd Jr.らによる米国特許第9,339,058号明細書に提供されているH係数計算の考察を参照されたく、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。H係数を計算するための式を以下に示す:
H=∫0 texp(43.2-16115/T)dt、(式1):
式中、
T=温度(ケルビン)、及び
t=時間(分)。
【0085】
いくつかの実施形態では、操作100におけるタバコ投入物及び強塩基の加熱は、少なくとも約500、少なくとも約1,000、又は少なくとも約1,500、又は少なくとも約2,000のH係数で行うことができる。いくつかの実施形態では、タバコ投入物及び強塩基は、約500~約3,300、又は約800~約3,000、又は約1,200~約2,000のH係数で加熱することができる。いくつかの実施形態では、タバコ投入物及び強塩基は、1,600のH係数で加熱することができる。
【0086】
タバコ投入物の化学パルプ化は、加圧容器中で行われ得る。いくつかの実施形態では、化学パルプ化ステップは、容器中のタバコ投入物を撹拌することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、タバコ由来パルプを生産する方法は、1つ以上の追加の操作を含むことができる。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Byrd Jr.らによる米国特許出願公開第2013/0276801号明細書明細書を参照されたい。例えば、タバコ投入物は、パルプ化の前にさらなる加工ステップを受けることができ、及び/又は脱リグニン方法は、追加の処理ステップ(例えば、タバコ投入物を乾燥させること、若しくはタバコ投入物を脱ピスすること)を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの追加のステップは、タバコ投入物及び/又はタバコパルプから(リグニンを含む)髄を手作業で除去し、したがって、例えば化学パルプ化方法中にタバコ投入物を脱リグニンするのに必要な化学物質の量を減少させるために行うことができる。水をタバコパルプと混合してスラリーを形成し、スラリーを濾過することは、例えば、タバコパルプから髄、実質及び組織などの特定の材料を除去するために行うことができる。アントラキノンは、例えば脱リグニン中に強塩基から炭水化物を保護することによって、より高い収率を提供するために化学パルプ化法に用いることができる。原料タバコ投入物からタバコパルプを形成する際に、パルプ化及び脱リグニン分野で知られている他の加工ステップを用いることができる。化学パルプ化ステップが実施された後、調理済みタバコ投入物から調理液が排出されて、タバコパルプスラリーが得られる。
【0087】
図2に示すように、例えば、操作100の化学パルプ化ステップに続いて、調理液が排出されるタバコパルプスラリーは、任意選択的に操作105で水で洗浄することができる。そのような実施形態では、タバコパルプスラリーを水で洗浄して、パルプスラリーから様々な可溶性又は望ましくない成分をさらに除去して、洗浄されたタバコパルプを得ることができる。パルプ化ステップ、及び使用される場合には任意選択的な洗浄ステップに続いて、洗浄されたタバコパルプを続いて抽出ステップに供することができる。
図2に示すように、この抽出ステップは、タバコ材料の1つ以上の成分を溶媒に抽出させるのに十分な時間及び温度でタバコ材料を溶媒(例えば、水)と接触させることと、残留タバコ固体材料から抽出物を分離することとを含む、操作110の溶媒抽出を含むことができる。本明細書で使用される「タバコ固体材料」(「抽出されたタバコパルプ」とも呼ばれる)は、ステップ115で液体成分(すなわち、タバコ抽出物)が材料から除去された後に残る固体の残留タバコ材料である。本明細書で使用される「タバコ抽出物」は、ステップ115の抽出工程においてタバコ材料と接触させる溶媒によって固体タバコ材料から抽出されるタバコ材料の単離された成分を指す。
【0088】
タバコ材料の様々な抽出技術を使用して、タバコ抽出物及びタバコ固体材料を提供することができる。例えば、Beesonらによる米国特許出願公開第2011/0247640号明細書に記載されている抽出方法を参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。タバコの成分を抽出するための他の例示的な技術は、Fioreによる米国特許第4,144,895号明細書;Osborne,Jr.らによる同第4,150,677号明細書;Reidによる同第4,267,847号明細書;Wildmanらによる同第4,289,147号明細書;Brummerらによる同第4,351,346号明細書;Brummerらによる同第4,359,059号明細書;Mullerによる同第4,506,682号明細書;Keritsisによる同第4,589,428号明細書;Sogaらによる同第4,605,016号明細書;Pouloseらによる同第4,716,911号明細書;Niven,Jr.らによる同第4,727,889号明細書;Bernasekらによる同第4,887,618号明細書;Clappらによる同第4,941,484号明細書;Faggらによる同第4,967,771号明細書;Robertsらによる同第4,986,286号明細書;Faggらによる同第5,005,593号明細書;Grubbsらによる同第5,018,540号明細書;Whiteらによる同第5,060,669号明細書;Faggによる同第5,065,775号明細書;Whiteらによる同第5,074,319号明細書;Whiteらによる同第5,099,862号明細書;Whiteらによる同第5,121,757号明細書;Faggによる同第5,131,414号明細書;Munozらによる同第5,131,415号明細書;Faggによる同第5,148,819号明細書;Kramerによる同第5,197,494号明細書;Smithらによる同第5,230,354号明細書;Faggによる同第5,234,008号明細書;Smithによる同第5,243,999号明細書;Raymondらによる同第5,301,694号明細書;Gonzalez-Parraらによる同第5,318,050号明細書;Teagueによる同第5,343,879号明細書;Newtonによる同第5,360,022号明細書;Clappらによる同第5,435,325号明細書;Brinkleyらによる同第5,445,169号明細書;Lauterbachによる同第6,131,584号明細書;Kierulffらによる同第6,298,859号明細書;Muaらによる同第6,772,767号明細書;及びThompsonによる同第7,337,782号明細書に記載されており、これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、溶媒は、タバコ材料に添加され、材料は、所与の期間(例えば、約1時間)浸漬され、次いで、抽出生成物を濾過してタバコ固体材料を得、溶媒及びその中に含有されるあらゆる可溶分を濾過してタバコ抽出物を得る。
【0089】
タバコ材料の抽出に使用される溶媒は、変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、溶媒は、蒸留水及び/又は水道水などの水性特徴を有する溶媒を含む。いくつかの実施形態では、熱水抽出を使用することができる。例えば、Liら、Bioresources,8(4),2013(URL:https://ojs.cnr.ncsu.edu/index.php/BioRes/article/view/BioRes_08_4_5690_Li_Extraction_Hemicellulose_Aspen)を参照されたい。いくつかの実施形態では、溶媒は、1つ以上の添加剤を有することができ、例えば、有機及び/若しくは無機の酸、塩基若しくは塩、pH緩衝剤、界面活性剤又はそれらの組み合わせを含有し得、少量の1つ以上の有機溶媒(例えば、様々なアルコール、ポリオール及び/又は保湿剤)を含み得る。タバコ材料抽出ステップは、酸性、中性又は塩基性条件下で実施され得る。例えば、Huangら、Bioresources,14(3),2019(URL:https://ojs.cnr.ncsu.edu/index.php/BioRes/article/view/BioRes_14_3_5544_Huang_Production_Dissolving_Grade_Pulp_Tobacco);特にp5548を参照されたく、これはある範囲の抽出条件がタバコ材料から抽出物を除去するのに有効であり得ることを示唆している。他の実施形態では、溶媒は、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノールなど)などの有機溶媒を含むことができる。そして、これは、単独で又は水性溶媒と組み合わせて使用することができる。ヘミセルラーゼ、セルラーゼ又は他の酵素処理がタバコ材料抽出ステップに用いられ得る。
【0090】
様々な実施形態では、タバコパルプスラリーは、溶媒(例えば、水)及びタバコパルプから遷移金属を除去して抽出されたタバコパルプ及びタバコ抽出物を提供することができる少なくとも1つのキレート剤で抽出することができる。様々なキレート剤(「金属イオン封鎖剤」と呼ばれることもある)は、タバコパルプから特定の金属を除去するのに有用であり、これは黄変を引き起こし、したがって白色化工程を妨げる可能性がある。好適なキレート剤には、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Loらによる米国特許第9,321,806号明細書に記載されているようなEDTA、EGTA、HEDTA、DTPA、NTA、クエン酸カルシウム、二酢酸カルシウム、ヘキサメタリン酸カルシウム、クエン酸、グルコン酸、リン酸二カリウム、リン酸二ナトリウム、クエン酸イソプロピル、一塩基性リン酸カルシウム、クエン酸モノイソプロピル、クエン酸カリウム、酸性リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、クエン酸ステアリル、ピロリン酸テトラナトリウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸カリウムなど、並びにそれらの類似体、同族体及び誘導体が含まれ得るが、これらに限定されない。例えば、タバコパルプは、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む水溶液で抽出することができる。いくつかの実施形態では、キレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)を含むことができる。様々な実施形態では、キレート剤(複数可)は、タバコ材料の総乾燥重量に基づいて、約0.01~約5.0乾燥重量パーセント、約0.1~約2.0乾燥重量パーセント、約0.5~約1.5乾燥重量パーセント又は約0.7~約1.0乾燥重量パーセントの量で存在することができる。
【0091】
典型的には、抽出は、大過剰の1つ以上の溶媒を添加することを含む。そして、溶媒の量は変化し得るが、スラリー(例えば、50~90重量%の溶媒を含む)を生産するために、タバコ材料に対して、上述の少なくとも1つのキレート剤をさらに含み得る。湿性材料を形成するために使用される水は、純水(例えば、水道水若しくは脱イオン水)又は水と特定のアルコールなどの好適な共溶媒との混合物であり得る。特定の実施形態では、湿性材料を形成するために添加される水の量は、湿性材料の総重量に基づいて、少なくとも約50重量パーセント、又は少なくとも約60重量パーセント、又は少なくとも約70重量パーセントであり得る。場合によっては、水の量は、少なくとも約80重量パーセント又は少なくとも約90重量パーセントとして記載することができる。
【0092】
いくつかの好ましい実施形態では、タバコ材料を水と組み合わせて湿性水性材料(例えば、懸濁液又はスラリーの形態で)を形成することができ、得られた材料を加熱して様々な化合物の抽出をもたらすことができる。溶媒は、室温又は高温であり得る。例えば、溶媒は、約室温~約120℃、又は約室温~約110℃(例えば、約100℃、約80℃、約60℃、約40℃若しくは約20℃)の温度で加熱することができる。いくつかの実施形態では、水性タバコパルプは、約50℃~約100℃、又は約60℃~約90℃又は約70℃~約80℃の温度に保持され得る。いくつかの実施形態では、水性タバコパルプは、少なくとも約20℃、又は少なくとも約40℃、又は少なくとも約60℃、又は少なくとも約80℃の温度に保持され得る。
【0093】
タバコ材料が抽出溶媒と接触したままである時間量は、変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、タバコ材料は、約30分~約6時間(例えば、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間又は約6時間)溶媒と接触しているが、より短い及びより長い期間を使用することができる。いくつかの実施形態では、抽出期間は、少なくとも約10分、少なくとも約20分、少なくとも約30分又は少なくとも約1時間である。特定の実施形態では、期間は、約4時間以下、約2時間以下又は約1時間以下の期間である。時間量は、例えば、溶媒の温度に依存し得る。例えば、室温又は低温の溶媒によるタバコ材料を抽出するのに必要な時間よりも、より高い温度の溶媒を使用してタバコ材料を抽出するのに必要な時間が短くなり得る。特定の好ましい実施形態では、タバコパルプは、最大1時間の期間、及び約80℃の温度で抽出溶媒と接触したままである。
【0094】
抽出ステップの数は、変化し得る。例えば、特定の実施形態では、タバコ材料は、1回以上、2回以上、3回以上、4回以上又は5回以上抽出される。各抽出に使用される溶媒は、変化し得る。例えば、特定の一実施形態では、1つ以上の抽出は、熱水を使用して行われ、最終的な抽出において、抽出は、塩基性溶液(例えば、5%のNaOH溶液)を使用して行われる。各抽出ステップ後、抽出されたタバコパルプを濾過し、抽出されたタバコパルプから溶媒及び可溶分を除去する。特定の実施形態では、各抽出物から得られた抽出物は、Beesonらによる米国特許第9,420,825号明細書に記載されているように、組み合わせて清澄化することができ、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。他の実施形態では、後の段階からの抽出物など、いくつかの抽出物が廃棄される。そのような実施形態では、例えば、いくつかの実施形態では、タバコ材料の第1の抽出から得られたタバコ抽出物のみを使用すること、又はタバコ材料の第1及び第2の抽出から得られたタバコ抽出物を組み合わせることが望ましい場合がある。
【0095】
抽出工程に続いて、抽出されたタバコパルプは、一般に、
図2の操作115に示すように、例えば濾過又は遠心分離によってタバコ抽出物から単離されるが、これらの方法は、限定することを意図していない。又は、いくつかの実施形態では、抽出されたタバコパルプは、タバコ混合物(例えば、タバコスラリー)の蒸留(例えば、水蒸気蒸留)によって抽出物から単離することができる。濾過の方法は、選択されたサイズの粒子状物質を除去するために1つ以上のフィルタスクリーンに液体を通過させることを含むことができる。スクリーンは、例えば、静止、振動、回転又はそれらの任意の組み合わせであり得る。フィルタは、例えば、プレスフィルタ又は圧力フィルタであり得る。いくつかの実施形態では、使用される濾過方法は、精密濾過、限外濾過及び/又はナノ濾過を伴うことができる。濾過助剤は、効果的な濾過を提供するために用いることができ、この目的のために典型的に使用される任意の材料を含むことができる。例えば、いくつかの一般的な濾過助剤には、セルロース繊維、パーライト、ベントナイト、珪藻土及び他の銀質材料が含まれる。固体成分を除去するために、代替方法、例えば、成分の遠心分離又は沈降/沈殿及び液体のサイフォン除去を使用することもできる。例えば、Dubeらによる米国特許出願公開第2012/0152265号明細書及びDubeらによる同第2012/0192880号明細書に記載されている方法及び製品を参照されたい。
【0096】
パルプ化及び抽出ステップの後に提供された抽出されたタバコパルプは、以下を含む漂白溶液を使用して漂白される(すなわち、白色化される)。特定の実施形態では、抽出されたタバコパルプと木材パルプとの組み合わせは、白色化ステップ又は本明細書に記載の任意の他の工程ステップを経てもよいことに留意されたいが、以下の説明では、便宜上、タバコパルプのみを指す。漂白剤でタバコを処理するための方法は、例えば、Daniels,Jr.による米国特許第787,611号明細書;Oelenheinzによる同第1,086,306号明細書;Dellingによる同第1,437,095号明細書;Rosenhochによる同第1,757,477号明細書;Hawkinsonによる同第2,122,421号明細書;Baierによる同第2,148,147号明細書;Baierによる同第2,170,107号明細書;Baierによる同第2,274,649号明細書;Pratsらによる同第2,770,239号明細書;Rosenによる同第3,612,065号明細書;Rosenによる同第3,851,653号明細書;Rosenによる同第3,889,689号明細書;Rosenによる同第3,943,945号明細書;Rainerによる同第4,143,666号明細書;Campbellによる同第4,194,514号明細書;Rainerによる同第4,366,823号明細書、同第4,366,824号明細書及び同第4,388,933号明細書;Schmekelらによる同第4,641,667号明細書;並びにBergerによる同第5,713,376号明細書;並びにGiolvasによる国際公開第96/31255号で考察されており、これらはすべて、本明細書に参考として組み込まれる。オゾン及び過マンガン酸カリウムなどの試薬を使用する他の白色化方法も使用することができる。例えば、Minamiによる米国特許第3,943,940号明細書を参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0097】
いくつかの実施形態では、抽出されたタバコパルプは、少なくとも1つの酸化剤を含む漂白溶液で漂白され、漂白されたタバコパルプを提供する。例示的な酸化剤には、過酸化物(例えば、過酸化水素)、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、オゾン、アンモニア及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。例えば、抽出されたタバコパルプを過酸化水素又は他の酸化剤及び水で処理して、タバコパルプスラリーを形成し得る。様々な実施形態では、酸化剤(すなわち、酸化剤若しくは酸化剤)は、還元/酸化(レドックス)化学反応において酸素原子を容易に移動させ、及び/又は電子を得る任意の物質であり得る。過酸化物(例えば、過酸化水素、過酢酸)が好ましい酸化剤であるが、漂白溶液は、他の酸化物(亜酸化窒素、酸化銀、三酸化クロム、クロメート、ジクロメート、クロロクロム酸ピリジニウム;及び四酸化オスミウムを含む);酸素(O2);オゾン(O3);フッ素(F2);塩素(Cl2);及び他のハロゲン;ヒポクロリット、クロリット、クロレート、ペルクロレート(perchlorite)及びそれらの他のハロゲン類似体;硝酸;硝酸塩化合物;硫酸;過硫酸;ヒドロキシルラジカル;マンガネート及びペルマンガネート化合物(例えば、過マンガン酸カリウム);過ホウ酸ナトリウム;2,2’-ジピリジルジスルフィド;並びにそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない任意の酸化試薬を含むことができる。過酸化物漂白段階では、その場過酢酸を生成するTAED(テトラアセチルエチレンジアミン)などの過酸化物活性化剤が使用され得る。例えば、URL:https://www.tappi.org/content/events/07recycle/presentation/hsieh.pdf,Zhaoら,Bioresources,5(1),276-210,2010,https://pdfs.semanticscholar.org/8e78/9d93d8cc673e2f13b8daee35e3477c51b3fe.pdfを参照されたい。
【0098】
漂白溶液は、任意選択的に、1つ以上の酸化触媒を含むことができる。例示的な酸化触媒は、二酸化チタン、二酸化マンガン及びそれらの組み合わせである。特定の好ましい実施形態では、本発明に従って使用される酸化試薬は、塩素を含まない。特定の実施形態では、酸化試薬は、水溶液形態で提供される。本発明の方法で使用される酸化剤の量は、変化し得る。例えば、特定の実施形態では、酸化剤は、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.1~50倍の重量で提供される。例えば、いくつかの実施形態では、酸化剤は、(乾燥)タバコ固体材料の重量、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.25倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.5倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.7倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約1.0倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約1.25倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約1.5倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約2倍又は(乾燥)タバコ固体材料の重量の約5倍にほぼ等しい重量で提供される。いくつかの実施形態では、酸化剤は、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.1~約5倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.2~約2.5倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.25~約1.5倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.5~約1.0倍又は(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.7~約0.9倍の範囲の重量で提供される。異なる酸化剤は、異なる適用速度を有することができる。酸化剤が過酸化水素を含む特定の実施形態では、漂白溶液は、乾燥タバコ固体材料の重量の約0.25~1.5倍の重量の過酸化水素を含むことができる。
【0099】
酸化漂白段階の固形分は、調整され得る。理論に限定されるものではないが、より高い固形分が有益であり得、目標の白色度(又は輝度)を実現するための酸化漂白剤の必要性が少なくなり得る。例えば、特定の実施形態では、漂白溶液は、乾燥タバコ材料よりも約0.7~0.9倍多い酸化剤(約10%の固体)、乾燥タバコ材料よりも約1.0倍多い酸化剤(約4.5%の固体)を含むことができる。いくつかの実施形態では、25%を超える固形分が有益であり得る。例えば、https://www.valmet.com/pulp/mechanical-pulping/bleaching/bleach-tower/;https://www.valmet.com/pulp/mechanical-pulping/bleaching/high-consistency-bleaching-phc/)を参照されたい。漂白中の固体の割合は、変化し得、漂白操作の有効性に影響を及ぼし得る。固体割合は、以下の式を使用して計算される。
【0100】
固体(%)=100×(乾燥タバコの重量)/(乾燥タバコの重量+水の重量+酸化剤の重量)
様々な実施形態では、固体の割合は、約1~20%、約3~15%又は約3~10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、固体の割合は、約2~5%又は約8~12%の範囲であり得る。固体の割合は、例えば、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%又は少なくとも約10%であり得る。
【0101】
様々な実施形態では、漂白方法は、酸化剤に加えて1つ以上の安定剤による処理をさらに含むことができる。例えば、安定剤は、硫酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。様々な実施形態では、安定剤(複数可)は、タバコ材料パルプの総乾燥重量に基づいて、約0.01~約3.0乾燥重量パーセント、約0.1~約2.5乾燥重量パーセント又は約0.5~約2.0乾燥重量パーセントの量で存在することができる。
【0102】
本発明によれば、抽出されたタバコパルプスラリーを酸化剤(例えば、過酸化水素)と一定期間接触させる。タバコパルプスラリーが酸化剤と接触する時間は、変化し得る。例えば、特定の実施形態では、タバコパルプが酸化剤と接触する時間は、未漂白のタバコパルプと比較して明るくなった色を有する漂白されたタバコパルプを提供するのに十分な時間量である。特定の実施形態では、抽出されたタバコパルプを酸化剤と一晩接触させる。通常、この期間は、少なくとも約10分、典型的には少なくとも約20分、より多くの場合少なくとも約30分の期間である。特定の実施形態では、この期間は、約10時間以下、約8時間以下、約6時間以下、約4時間以下、約2時間以下又は約1時間以下の期間である。
【0103】
特定の実施形態では、タバコパルプスラリーは、酸化剤による処理中に加熱することができる。一般に、タバコパルプを加熱すると、白色化工程が加速される。抽出されたタバコパルプが処理中に加熱される場合、タバコパルプが処理中に加熱されない実施形態よりも短い時間で十分なカラーライトニングが典型的に実現される。熱処理工程の温度及び時間は変化し、一般に、熱処理の長さは、熱処理の温度が上昇するにつれて減少する。特定の実施形態では、タバコパルプと酸化剤との混合物は、室温~約100℃(例えば、約90℃又は約80℃)の温度で加熱することができる。好ましくは、混合物は、室温~約75℃で加熱される。加熱は、適用可能であれば、当技術分野で知られている任意の加熱方法又は器具を使用して達成することができる。加熱は、密閉容器(例えば、制御された大気環境、制御された大気成分及び制御された大気圧を提供するもの)中で、又は本質的に周囲空気に開放された容器中で実施することができる。温度は、ジャケット付き容器を使用すること、タバコへの直接蒸気注入、タバコを通して温風を泡立たせることなどによって制御することができる。
【0104】
特定の実施形態では、加熱は、撹拌又はかき混ぜなどによって、組成物の混合も提供することができる容器中で実行される。例示的な混合容器には、Scott Equipment Company、Littleford Day,Inc.、Lodige Process Technology及びAmerican Ingredients CompanyのBreddo Likwifier Divisionから入手可能なミキサーが含まれる。圧力制御された環境を提供する容器の例には、カリフォルニア州コンコードのBerghof/America Inc.から入手可能な高圧オートクレーブ、及びThe Parr Instrument Co.(例えば、Hukvariらによる米国特許第4,882,128号明細書に記載されているParr Reactor Model No.4522及び4552)から入手可能な高圧反応器が含まれる。工程中の混合容器内の圧力は、大気圧又は高圧(例えば、約10psig~約1,000psig)であり得る。
【0105】
他の実施形態では、加熱工程は、電子レンジ、対流オーブン又は赤外線加熱によって行われる。大気又は周囲雰囲気が、本発明の任意選択的な加熱ステップを実施するための好ましい雰囲気である。しかしながら、加熱は、一般に不活性雰囲気などの制御された雰囲気下で行うこともできる。窒素、アルゴン及び二酸化炭素などのガスを使用することができる。又は、炭化水素ガス(例えば、メタン、エタン若しくはブタン)又はフルオロカーボンガスはまた、処理条件及び所望の反応生成物の選択に応じて、特定の実施形態では制御された雰囲気の少なくとも一部を提供することができる。
【0106】
操作120における漂白ステップに続いて、漂白されたタバコパルプは、任意選択的に、1つ以上の追加の漂白ステップを受けることができる。
図2のステップ125に示すように、例えば、漂白されたタバコパルプは、当技術分野で知られている任意の手段に従って漂白(すなわち、白色化)することができる。本発明の特定の実施形態では、タバコ材料は、苛性試薬及び/又は酸化剤を使用して漂白される。いくつかの実施形態では、タバコ固体材料は、苛性試薬及び酸化剤の両方を使用して白色化される。そのような実施形態では、苛性試薬及び酸化剤は、別々に提供することができ、又は組み合わせることができる。様々な実施形態では、これらの追加の漂白ステップは、酸化剤に加えて、1つ以上の安定剤、例えば上述の安定剤による処理をさらに含むことができる。漂白段階では、強塩基及び/又は漂白剤の段階的添加が使用され得る。例えば、Zhaoら、Bioresources,5(1),276-210,2010;URL:https://pdfs.semanticscholar.org/8e78/9d93d8cc673e2f13b8daee35e3477c51b3fe.pdf;Sun,Hou,Journal of Bioresources and Bioproducts,3(1),35-39,2018;URL:http://www.bioresources-bioproducts.com/index.php/bb/article/view/110/109を参照されたい。初期漂白ステップに関して上述したように、特定の実施形態では、漂白されたタバコパルプは、追加の漂白ステップにおける苛性試薬及び/又は酸化剤による処理中に加熱することができる。特定の実施形態では、初期漂白段階後に複数の漂白段階が適用され得る。
【0107】
苛性試薬及び酸化試薬の両方が使用される場合、苛性試薬対酸化剤の重量比は、変化し得る。苛性試薬がNaOHであり、酸化剤が過酸化水素である特定の実施形態では、NaOH対過酸化水素の重量比は、約1:1~約1:100、好ましくは約1:5~約1:50、より好ましくは約1:10~約1:25である。特定の一実施形態では、NaOH対過酸化水素の重量比は、約1:20~約1:25である。これらの比は、NaOH対過酸化水素の比に限定されず、他の苛性試薬と酸化剤との組み合わせにも適用可能であり得る。
【0108】
任意の後続の漂白ステップにおける酸化剤(すなわち、酸化剤又は酸化剤)は、上記の先行する漂白ステップで前述したものなどの、還元/酸化(レドックス)化学反応において酸素原子を容易に移動させ、及び/又は電子を得る任意の物質を含むことができる。苛性抽出ステップは、1つ以上の苛性試薬を含み得る。苛性試薬は、変化し得、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない任意の強塩基であり得る。特定の例示的な実施形態では、苛性試薬は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。使用することができる代替試薬には、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニアガス及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。苛性試薬は、一般に溶液形態(例えば、水溶液中)で提供され、溶液中の苛性試薬の濃度は、変化し得る。また、本発明の方法で使用される苛性試薬の量は、変化し得る。例えば、特定の実施形態では、苛性試薬は、(乾燥)タバコパルプの重量の約1%~約50%乾燥重量基準(例えば、約1%~約40%又は約1%~約30%)の量で提供される。例えば、苛性試薬は、(乾燥)タバコパルプの重量の約2%、約5%、約7%、約10%又は約25%の量で提供することができる。必要とされる苛性試薬の量は、特定の実施形態では、苛性試薬の強度の結果として変化し得ることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、苛性試薬がより弱い塩基である場合、より多くの苛性試薬が必要とされ得るのに対して、いくつかの実施形態では、苛性試薬が強塩基である場合、必要な苛性試薬はより少なくなり得る。
【0109】
漂白されたタバコパルプが苛性試薬及び/又は酸化剤と接触する時間は、変化し得る。例えば、特定の実施形態では、漂白されたタバコパルプが苛性試薬及び/又は酸化剤と接触する時間は、前の漂白ステップの漂白されたタバコパルプと比較して、明るくなった色を有する白色化されたタバコパルプを提供するのに十分な時間量である。特定の実施形態では、漂白されたタバコパルプを苛性試薬及び/又は酸化剤と一晩接触させる。通常、この期間は、少なくとも約10分、典型的には少なくとも約20分、より多くの場合少なくとも約30分の期間である。特定の実施形態では、この期間は、約10時間以下、約8時間以下、約6時間以下、約4時間以下、約2時間以下又は約1時間以下の期間である。
【0110】
特定の実施形態では、漂白されたタバコ材料を乾燥させる前に、漂白されたタバコ材料を酸で処理して、漂白工程後にタバコ材料を約5~約11(例えば、
図2の操作130に示すように)、例えば約6~約10の範囲のpHに中和することができる。漂白されたタバコ材料は、硫酸、塩酸、クエン酸又はそれらの任意の組み合わせで処理することができる。当技術分野で知られている他の酸を使用して、漂白されたタバコ材料を中和することもできる。酸での処理に続いて、漂白されたタバコ材料のpHは、約7であり得る。
【0111】
抽出されたタバコパルプの漂白に続いて、漂白されたタバコパルプは、一般に濾過され(すなわち、蒸気混合物から単離される)、乾燥され(例えば、
図2の操作135に示すように)、白色化されたタバコ材料を得る。特定の実施形態では、白色化されたタバコ材料は、湿基準で約1~30%、約5~20%又は約10~15%の水分レベルまで乾燥させることができる。
【0112】
乾燥後、白色化されたタバコ材料は、任意選択的に、約5mm~約0.1mm又は約1mm~約0.1mmの範囲のサイズで粉砕することができる。特定の実施形態では、白色化されたタバコ材料は、約10mm未満、約5mm未満、約2mm未満又は約1mm未満のサイズに粉砕することができる。
【0113】
様々な実施形態では、木材パルプは、本明細書に記載の全体的な白色化工程中にタバコ投入物及び/又はタバコパルプに添加される。木材パルプは、本明細書に記載のステップのいずれかで白色化工程に導入することができることに留意されたい。例えば、特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、木材もパルプ化されるように、パルプ化の前にタバコ投入材料を木材と混合することをさらに含むことができる。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、パルプ化工程及び/又は抽出工程後にタバコパルプを木材パルプと混合することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、木材パルプは、漂白されたパルプ材料であり、固体タバコ材料がパルプ化及び漂白された後に添加することができる。未漂白の木材パルプが使用される場合、追加の苛性抽出ステップが必要とされ得るか、又は木材パルプを漂白ステップの前にタバコパルプに添加する必要があり得る。
【0114】
様々な実施形態では、木材パルプは、市場で入手可能な木材パルプであり得る。特定の実施形態では、木材パルプは、漂白された広葉樹パルプであり得る。本明細書に記載の方法に添加される木材パルプは、使用されるパルプの総重量(すなわち、使用されるタバコパルプ及び木材パルプの総重量)に基づいて、約1~約20重量%、又は約5~約15重量%の量で添加することができる。いくつかの実施形態では、木材パルプは、使用されるパルプの総重量に基づいて、少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%又は少なくとも約10重量%の量で添加することができる。特定の実施形態では、木材パルプは、使用されるパルプの総重量に基づいて、約5重量%以下、約10重量%以下、約15重量%以下又は約20重量%以下の量で添加することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、このようにして生産された漂白されたタバコ材料は、未処理のタバコ材料と比較して、色が明るくなっている(例えば、「白色化された」)として特徴付けることができる。前述のような視覚的及び/又は機器的評価を使用して、本発明の本明細書に記載の方法によって実現されるライトニングの程度を検証し、所望であれば定量化することができる。材料の白色度の評価は、一般に、別の材料との比較を必要とする。ライトニングの程度は、例えば、未処理のタバコサンプル(例えば、未処理のタバコパルプ)との分光比較によって定量化することができる。白色は、多くの場合、国際照明委員会(CIE)の色度図を参照して定義される。漂白されたタバコ材料は、特定の実施形態では、未漂白のタバコ材料よりも純粋な白色に色度図上で近いとして特徴付けることができる。
【0116】
乾燥後、白色化されたタバコ材料は、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%又は少なくとも約75%のISO輝度を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の白色化されたタバコ材料は、約50%~約90%、約55%~約75%又は約60%~約70%の範囲のISO輝度を有することができる。ISO輝度は、ISO 3688:1999又はISO 2470-1:2016に従って測定することができる。
【0117】
材料の白色度は、ASTM E 313-73白色度試験に基づいて特徴付けることもできる。本明細書に開示される方法に従って調製された白色化されたタバコ材料の白色度は、例えば、約1~30、5~25、10~20又は10~15の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法に従って調製された白色化されたタバコ材料の白色度は、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約12、少なくとも約15、少なくとも約20又は少なくとも約25であり得る。
【0118】
本明細書に記載の白色化されたタバコ材料はまた、TAPPI 227OM-99ろ水度試験に基づいて特徴付けられ得る。ろ水度レベルは、CSF(カナダ標準ろ水度)値として示すことができる。ろ水度レベルは、一般に、パルプの排水速度の指標である。値が高いほど、製紙工程でパルプを排出しやすくなる。パルプ材料の漂白中に典型的に使用されるより厳しい漂白方法は、個々の繊維を劣化させ、漂白されたタバコパルプのろ水度を望ましくないほど低下させる可能性がある。したがって、本明細書で提供される代替白色化方法は、典型的な漂白方法と比較してより高いろ水度値を有する白色化されたタバコパルプ及び材料を有益に生産することができる。純粋なタバコパルプのろ水度レベルは、約0~約500CSFの範囲を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で生産される白色化されたタバコ材料のろ水度は、約300CSF~約800CSF、又は約400CSF~約700CSF、又は約500CSF~約600CSFの範囲であり得る。
【0119】
本明細書に記載の白色化されたタバコ材料は、そのセルロース対ヘミセルロース比に基づいて特徴付けられ得る。典型的には、漂白されたタバコパルプは、典型的な漂白方法がタバコパルプからヘミセルロースを除去するので、漂白の増加と共にセルロース対ヘミセルロース比の増加を示す。したがって、より高いセルロース対ヘミセルロース比が、本明細書に記載の方法に従って生産された白色化されたタバコ材料において増加した白色化(例えば、ヘミセルロース及びリグニンの除去を通して)を実証するので望ましい。いくつかの実施形態では、本明細書で生産される白色化されたタバコ材料は、少なくとも2:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも15:1、少なくとも20:1又は少なくとも25:1のセルロース対ヘミセルロース比を有することができる。いくつかの実施形態では、記載された白色化されたタバコ材料は、約2:1~約30:1、約5:1~約20:1又は約10:1~約15:1の範囲のセルロース対ヘミセルロース比を有し得る。
【0120】
代替白色化方法2
本開示の一態様では、白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、タバコ材料を酸成分を含む抽出溶液で同時に抽出及び漂白して、白色化されたタバコパルプ及びタバコ抽出物を得ることと、白色化されたタバコパルプを乾燥させて、白色化されたタバコ材料を提供することと、を含む、方法が提供される。そのような実施形態では、本明細書で上述したタバコ材料は、白色化されたタバコ材料を生産するために単一ステップ白色化工程を受ける。本明細書で以下に記載される単一ステップ白色化工程は、酸性条件下で実施される単一ステップ工程における出発タバコ材料の抽出及び漂白を提供する。有利には、本明細書に記載の単一ステップ白色化工程は、効率を改善し、タバコ材料を漂白するコストを低減し得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、出発材料は、任意選択的に、タバコ材料を本明細書で以下に記載されるような単一ステップ白色化工程に供する前に、出発タバコ材料から水溶性材料を除去するために追加の抽出及び/又は濾過工程に供されてもよい。
図3の操作140に示すように、例えば、出発タバコ材料中の様々な水溶性成分の抽出は、この単一ステップ白色化工程中に実現される(例えば、単一の抽出及び漂白段階として)。
【0122】
タバコ材料の様々な抽出技術を使用して、タバコ抽出物及びタバコパルプを提供することができる。上記の代替白色化方法1に関して記載した例示的な抽出工程は、代替白色化方法2にも適用可能である。特定の実施形態では、溶媒がタバコ材料に添加され、材料が所与の期間(例えば、約1時間)浸漬され、次いで、抽出生成物を濾過してタバコパルプを得、溶媒及びその中に含有されるあらゆる可溶分を濾過してタバコ抽出物を得る。
【0123】
タバコ材料の抽出と漂白とを組み合わせるために使用される溶媒は、変化し得る。上記の代替漂白方法1に関して記載された溶媒のいずれも、本方法においても使用することができることに留意されたい。特定の実施形態では、溶媒は、蒸留/脱イオン水及び/又は水道水などの水性特徴を有する溶媒を含む。典型的には、タバコ材料の処理は、スラリー(例えば、溶媒の50~90重量%を含む)を生産するためにタバコ材料に大過剰の1つ以上の溶媒を添加することを含むが、溶媒の量は上述のように変化し得る。
【0124】
代替白色化方法2の実施形態によれば、タバコ材料は、白色化されたタバコパルプ及びタバコ抽出物を提供するために、酸成分を含む抽出溶液で処理される。いくつかの実施形態では、抽出溶液は、1つ以上の成分を含む水溶液の形態であり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの酸成分を含み、タバコ材料の複合抽出及び漂白に使用される水性抽出溶液は、本明細書では白色化溶液と呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、白色化溶液は、酸成分に加えて、上述の溶媒のうちの1つ以上を含み得る。そのような実施形態では、タバコ材料は、白色化されたタバコパルプを提供するのに好適な時間、白色化溶液と接触するために、この単一ステップ白色化工程中に白色化される。特定の好ましい実施形態では、本発明に従って使用される酸成分は、過酢酸又は鉱酸と酸化剤(例えば、硫酸、H2SO4及び過酸化物、H2O2)との組み合わせであり、組み合わせた酸成分を形成する。過酢酸は、本明細書で以下に記載される特定の実施形態に関して詳細に考察されるが、様々な他の過酸及び/又は組み合わせた酸成分は、本明細書に記載される開示された方法及び工程での使用に好適であり得、本開示に包含されることが意図されている。過酸が一般に2つの主要なクラス、例えば鉱酸又は有機カルボン酸のペルオキシ誘導体に由来するもので提供されることはよく知られている。典型的には、過酸は、酸化効果を提供する。記載された方法で使用するのに好適な過酸には、任意の鉱酸若しくは有機カルボン酸、又は酸化剤を提供するのに好適な過酸を形成するために混合することができる酸と酸化剤との任意の組み合わせに由来する過酸が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0125】
好ましい実施形態では、酸成分は、過酢酸であり得る。そのような好ましい実施形態では、過酢酸及び1つ以上の溶媒を含む白色化溶液でタバコ材料を処理することにより、単一ステップ白色化工程において抽出及び漂白特徴を本質的に提供することができる。開示された実施形態内の過酢酸又は他の過酸の添加は、当技術分野で知られている様々な添加方法を使用して実現することができる。例えば、セルロース系パルプに単段階過酢酸(PAA)パルプ化方法を提供するための方法は、Zhao,Xuebing;van der Heide,Evert;Zhang,Ting;及びLiu,Dehua;「Single-Stage Pulping of Sugarcane Bagasse with Peracetic Acid;」Journal of Wood Chemistry and Technology 2011;v.31,No.1,pp.1-25に記載されており、例えば、https://pubag.nal.usda.gov/catalog/295646;を参照されたく、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。典型的なクラフト漂白方法と比較した場合、単段階PAAパルプ化方法は、より高いパルプ収率及び輝度、より低いカッパ数、並びに炭水化物のより少ない分解を得ることができることに留意されたい。
【0126】
いくつかの実施形態では、白色化溶液中の過酢酸は、処理中に、絶乾(BD)繊維1メートルトン(MT)当たり約50kg~約500kg/MTのBD繊維、又は約75kg/MTのBD繊維~約150kg/MTのBD繊維、又は約90kg/MTのBD繊維~約120kg/MTのBD繊維の範囲の量でタバコ材料に添加され得る。いくつかの実施形態では、過酢酸は、処理中に、少なくとも約50kg/MTのBD繊維、少なくとも約100kg/MTのBD繊維、少なくとも約200kg/MTのBD繊維、少なくとも約300kg/MTのBD繊維又は少なくとも約400kg/MTのBD繊維の量でタバコ材料に添加され得る。
【0127】
図3に示すように、例えば、操作140における抽出及び漂白ステップ(すなわち、処理ステップ)中、タバコ材料の処理は、酸性pH、中性pH又はわずかにアルカリ性のpHで実施することができる。例えば、いくつかの実施形態では、処理ステップ中のpHは、約4~約8.5の範囲であり得る。好ましい実施形態では、漂白ステップ中のタバコ材料の処理(すなわち、処理ステップ)は、酸性pHで実施することができる。例えば、処理ステップ中のpHは、約7以下、又は約6以下、又は約5以下、又は約4以下、又は約3以下、又は約2以下、又は約1以下であり得る。いくつかの実施形態では、処理ステップ中のpHは、約2~約7、又は約3~約6、又は約4.5~約5.5の範囲であり得る。過酢酸による漂白に好適なpH範囲は、Barros,Denise Pires;Silva,Vanessa Lopes;Hamalainen,Hannu;及びColodette,Jorge Luiz;「Effect of Last Stage Bleaching With Peracetic Acid On Brightness Development And Properties Of Eucalyptus Pulp;」BioResources,Vol.5,No.2(2010)に記載されており、例えば、https://ojs.cnr.ncsu.edu/index.php/BioRes/article/view/BioRes_05_2_0881_Barros_SHC_Last_Stage_Bleaching_PeraceticAcid_Brightness;を参照されたく、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0128】
いくつかの実施形態では、タバコパルプスラリー(例えば、タバコ材料、溶媒及び酸成分の混合物)は、操作145に示すように、所望のpHを実現するために、単一ステップ白色化工程中にpH調整ステップをさらに受けてもよい。様々な化合物を使用して、工程中に所望のpH調整を実行し得る。例えば、スラリーのpHを上昇させるために強塩基をタバコパルプスラリーに添加することができ、又はほとんどの場合、pHを所望の酸性範囲に低下させるために強酸をタバコパルプスラリーに添加することができる。水溶液が排出されるタバコパルプスラリーは、任意選択的に、操作150で水で洗浄することができる。
【0129】
いくつかの実施形態では、タバコ材料は、処理ステップ中に加熱される。一般に、タバコ材料を加熱すると、白色化工程が加速される。タバコ材料が処理中に加熱される場合、タバコ材料が処理中に加熱されない実施形態よりも短い時間で十分な色のライトニングが典型的に実現される。熱処理工程の温度及び時間は変化し、一般に、熱処理の長さは、熱処理の温度が上昇するにつれて減少する。いくつかの実施形態では、タバコ材料の処理中の温度は、約50℃~約150℃、約70℃~約130℃又は約90℃~約110℃であり得る。特定の実施形態では、熱処理の温度は、少なくとも約60℃、少なくとも約80℃、少なくとも約100℃又は少なくとも約120℃であり得る。加熱は、密閉容器(例えば、制御された大気環境、制御された大気成分及び制御された大気圧を提供するもの)中で、又は本質的に周囲空気に開放された容器中で実施することができる。温度は、ジャケット付き容器を使用すること、タバコへの直接蒸気注入、タバコを通して温風を泡立たせることなどによって制御することができる。特定の実施形態では、加熱は、撹拌又はかき混ぜなどによって、組成物の混合も提供することができる容器中で実行される。例示的な混合容器には、Scott Equipment Company、Littleford Day,Inc.、Lodige Process Technology及びAmerican Ingredients CompanyのBreddo Likwifier Divisionから入手可能なミキサーが含まれる。圧力制御された環境を提供する容器の例には、カリフォルニア州コンコードのBerghof/America Inc.から入手可能な高圧オートクレーブ、及びThe Parr Instrument Co.(例えば、Hukvariらによる米国特許第4,882,128号明細書に記載されているParr Reactor Model No.4522及び4552)から入手可能な高圧反応器が含まれる。
【0130】
いくつかの実施形態では、タバコ材料は、任意選択的に、処理ステップ中に過熱されて、工程時間を短縮し、及び/又は処理の白色化効果を増加させてもよい。そのような実施形態では、タバコ材料は、任意選択的に、処理ステップ中に約500℃~約800℃、又は約550℃~約750℃、又は約600℃~約700℃の範囲の温度に過熱されてもよい。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、任意選択的に、処理ステップ中に、少なくとも約500℃、少なくとも約550℃、少なくとも約600℃、少なくとも約650℃又は少なくとも約700℃の温度に過熱されてもよい。
【0131】
いくつかの実施形態では、処理ステップの時間は、変化し得る。例えば、特定の実施形態では、タバコ材料が処理される時間は、未処理のタバコ材料と比較して明るくなった色を有する白色化されたタバコパルプ材料を提供するのに十分な時間量である。通常、この期間は、少なくとも約10分、典型的には少なくとも約20分、より多くの場合少なくとも約30分の期間である。特定の実施形態では、この期間は、約10時間以下、約8時間以下、約6時間以下、約4時間以下、約2時間以下又は約1時間以下の期間である。好ましくは、処理ステップは、約1時間、少なくとも約200°Fの温度で実施される。
【0132】
いくつかの実施形態では、処理ステップは、様々な圧力で実施されてもよく、圧力は、様々な他の抽出パラメータ(例えば、温度及び時間など)に基づいて反応容器中で変えてもよい。そのような実施形態では、抽出の工程圧力、温度及び時間は変化し、一般に、熱処理の温度及び/又は圧力が上昇するにつれて熱処理の長さは減少する。いくつかの実施形態では、抽出及び漂白処理中の混合容器内の圧力は、変化し得、例えば、処理ステップは、大気圧又は高圧(例えば、約10psig~約1,000psig)で実施され得る。高圧で行われる実施形態の場合、周囲圧力下で実施される処理と比較して、処理に必要な時間が短縮され得、及び/又は処理に必要な温度が低くなり得る。いくつかの実施形態では、タバコ材料の処理中の容器内の圧力は、約100psig~約200psig、又は約110psig~約180psig、又は約120psig~約170psig、又は約130psig~約160psigの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、タバコ材料の処理中の容器内の圧力は、少なくとも約100psig、少なくとも約120psig、少なくとも約140psig又は少なくとも約160psigであり得る。
【0133】
タバコ材料の抽出及び漂白に続いて、白色化されたタバコパルプは、一般に濾過され(すなわち、蒸気混合物から単離される)、乾燥され(例えば、
図3の操作155に示すように)、白色化されたタバコ材料を得る。特定の実施形態では、白色化されたタバコ材料は、湿基準で約1~30%、約5~20%又は約10~15%の水分レベルまで乾燥させることができる。
【0134】
乾燥後、白色化されたタバコ材料は、任意選択的に、約5mm~約0.1mm又は約1mm~約0.1mmの範囲のサイズで粉砕することができる。特定の実施形態では、白色化されたタバコ材料は、約10mm未満、約5mm未満、約2mm未満又は約1mm未満のサイズに粉砕することができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、上記の方法に従ってタバコ材料を抽出することによって生産された白色化されたタバコ材料は、そのような抽出ステップを受けていないタバコ材料と比較して、色が明るくなっている(例えば、「白色化された」)ことを特徴とすることができる。前述のような視覚的及び/又は機器的評価を使用して、本発明の本明細書に記載の方法によって実現されるライトニングの程度を検証し、所望であれば定量化することができる。材料の白色度の評価は、一般に、別の材料との比較を必要とする。ライトニングの程度は、例えば、未処理のタバコサンプル(例えば、未処理のタバコパルプ)との分光比較によって定量化することができる。白色は、多くの場合、国際照明委員会(CIE)の色度図を参照して定義される。白色化されたタバコ材料は、特定の実施形態では、色度図において、そのような抽出ステップを受けていないタバコパルプよりも純粋な白色に近いことを特徴とすることができる。
【0136】
本明細書に記載の白色化されたタバコ材料はまた、TAPPI 227OM-99ろ水度試験に基づいて特徴付けられ得る。ろ水度レベルは、CSF(カナダ標準ろ水度)値として示すことができる。ろ水度レベルは、一般に、パルプの排水速度の指標である。値が高いほど、製紙工程でパルプを排出しやすくなる。パルプ材料の漂白中に典型的に使用されるより厳しい漂白方法は、個々の繊維を劣化させ、漂白されたタバコパルプのろ水度を望ましくないほど低下させる可能性がある。したがって、本明細書で提供される代替白色化方法は、典型的な漂白方法と比較してより高いろ水度値を有する白色化されたタバコパルプ及び材料を有益に生産することができる。純粋なタバコパルプのろ水度レベルは、約0~約500CSFの範囲を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で生産される白色化されたタバコ材料のろ水度は、約300CSF~約800CSF、又は約400CSF~約700CSF、又は約500CSF~約600CSFの範囲であり得る。
【0137】
本明細書に記載の白色化されたタバコ材料は、そのセルロース対ヘミセルロース比に基づいて特徴付けられ得る。典型的には、漂白されたタバコパルプは、典型的な漂白方法がタバコパルプからヘミセルロースを除去するので、漂白の増加と共にセルロース対ヘミセルロース比の増加を示す。したがって、より高いセルロース対ヘミセルロース比が、本明細書に記載の方法に従って生産された白色化されたタバコ材料において増加した白色化(例えば、ヘミセルロース及びリグニンの除去を通して)を実証するので望ましい。いくつかの実施形態では、本明細書で生産される白色化されたタバコ材料は、白色化されたタバコ材料の総乾燥重量に基づいて、少なくとも2:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも15:1、少なくとも20:1又は少なくとも25:1のセルロース対ヘミセルロース比を有することができる。いくつかの実施形態では、記載された白色化されたタバコ材料は、白色化されたタバコ材料の乾燥重量に基づいて、約2:1~約30:1、約5:1~約20:1又は約10:1~約15:1の範囲のセルロース対ヘミセルロース比を有し得る。
【0138】
代替漂白方法3
本開示の一態様では、白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、タバコ材料の色を明るくするのに十分な時間及び温度及び圧力で、タバコ材料を熱水抽出に供して、白色化されたタバコ固体材料及びタバコ抽出物を得ることと、白色化されたタバコ固体材料を乾燥させて、白色化されたタバコ材料を提供することと、を含む、方法が提供される。
【0139】
図4の操作160に示すように、例えば、タバコ材料は、熱水抽出(HWE)に供することができる。本明細書に記載の熱水抽出(HWE)は、タバコ材料から様々な水性成分を除去して、白色化されたタバコ固体材料及びタバコ抽出物を得るのに好適な高温高圧で一定期間、タバコ材料を熱水及び/又は蒸気と接触させることを伴う任意のタイプの熱水又は蒸気処理を指す。いくつかの実施形態では、熱水抽出は、様々な異なる形態及び方法で実施され得る。いくつかの実施形態では、例えば、タバコ材料は、フロースルー反応器中で熱水抽出に供され、そこから白色化されたタバコ固体材料を提供する。セルロース系パルプを熱水抽出に供するための様々な方法は、Borrega,Marc,及びHerbert Sixta;「
Purification of Cellulosic Pulp by Hot Water Extraction;」;Cellulose 20.6(2013):2803-2812に記載されており、例えば、https://dspace.mit.edu/handle/1721.1/105779;を参照されたく、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、出発タバコ材料は、任意選択的に、本明細書で以下に記載されるようにタバコ材料を熱水抽出に供する前に、出発タバコ材料から水溶性材料を除去するために抽出及び/又は濾過工程に供されてもよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、本明細書で上述したタバコ材料を高温高圧液体組成物(例えば、熱水又は蒸気など)で抽出して、そこから白色化されたタバコ固体材料を提供し得る。有利には、本発明者らは、単段階抽出ステップで熱水抽出を使用すると、白色化されたタバコ固体材料を生産しながらタバコパルプ収率も増加させ得ることを発見した。例えば、少なくとも35パーセント、又は少なくとも40パーセント、又は少なくとも45パーセント、又は少なくとも50パーセント、又は少なくとも55パーセント、又は少なくとも60パーセントのパルプ収率が実現され得る。さらに、本明細書に記載の代替白色化方法3による工程は、抽出されたタバコパルプの繊維分解を最小限に抑えながら、リグニン及びヘミセルロース(例えば、着色物)の除去が望ましく生じる低い保持時間を提供し得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、本開示による熱水抽出方法は、特に他の漂白方法と比較して、白色化されたタバコ固体材料において所望のレベルの白色度を実現するために必要な漂白化学物質の量を減少させ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の白色化方法は、本質的に塩素を含まなくてもよい。そのような実施形態では、これらの代替漂白方法は、環境に有益な化学的副生成物が少ない排出物を有利に生産する。
【0141】
いくつかの実施形態では、熱水抽出は、任意選択的に、タバコ固体材料の白色化を増強させるために、1つ以上の漂白剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、熱水抽出は、苛性ソーダ(すなわち、水酸化ナトリウム、NaOH)などの苛性試薬、及び/又は代替白色化方法1に関して本明細書で上述した様々な他の漂白剤を含み得る。そのような実施形態では、所望の白色度を実現するために必要な漂白剤の量は、典型的には、熱水抽出と漂白剤との組み合わせを使用しない典型的な苛性ソーダ漂白及び/又は抽出方法と比較して、開示された方法ではより少ないことに留意されたい。したがって、そのような実施形態は、同様に、そのような高温及び高圧で実施されない典型的な苛性漂白又は抽出技術と比較して、より少ない化学的副生成物を有する流出物を生産する。
【0142】
熱水抽出工程の温度、圧力及び時間は変化し、一般に、より高い温度及びより高い圧力では、時間量は必然的に少なくなる。いくつかの実施形態では、タバコ材料の熱水抽出中の温度は、約200℃~約280℃、又は約210℃~約270℃、又は約220℃~約260℃、又は約230℃~約250℃又は好ましくは約240℃の範囲であり得る。
【0143】
加熱は、密閉容器(例えば、制御された大気環境、制御された大気成分及び制御された大気圧を提供するもの)中で、又は本質的に周囲空気に開放された容器中で実施することができる。温度は、ジャケット付き容器を使用すること、タバコへの直接蒸気注入、タバコを通して温風を泡立たせることなどによって制御することができる。特定の実施形態では、加熱は、撹拌又はかき混ぜなどによって、組成物の混合も提供することができる容器中で実行される。例示的な混合容器には、Scott Equipment Company、Littleford Day,Inc.、Lodige Process Technology及びAmerican Ingredients CompanyのBreddo Likwifier Divisionから入手可能なミキサーが含まれる。
【0144】
いくつかの実施形態では、容器はまた、所望の圧力を反応容器に加えるために加圧され得る。いくつかの実施形態では、容器内の圧力は、約20バール~約60バール、又は約30バール~約50バール、又は約40バールの範囲であり得る。伝統的なパルプ化方法で典型的に使用される様々なタイプの加圧容器は、記載された方法での使用に好適であり得る。圧力制御された環境を提供する容器の例には、カリフォルニア州コンコードのBerghof/America Inc.から入手可能な高圧オートクレーブ、及びThe Parr Instrument Co.(例えば、Hukvariらによる米国特許第4,882,128号明細書に記載されているParr Reactor Model No.4522及び4552)から入手可能な高圧反応器が含まれる。
【0145】
熱水抽出に必要な時間は、変化し得、典型的には、より高い工程温度及び圧力で短縮することができる。一般に、熱水抽出に必要な時間は、24時間を超えることは意図されていない。例えば、いくつかの実施形態では、熱水抽出に必要な時間は、約1時間~約24時間、約4時間~約18時間又は約8時間~約12時間の範囲の期間であり得る。いくつかの実施形態では、熱水抽出に必要な時間は、約24時間未満、約18時間未満、約12時間未満、約8時間未満、約4時間未満又は約2時間未満の期間であり得る。
【0146】
上述したように、いくつかの実施形態では、熱水抽出は、代替的に、フロースルー熱水抽出を提供するためにフロースルー反応器中で実施され得る。そのような実施形態では、フロースルー熱水抽出方法は、様々な温度及び圧力で提供することができる。例えば、熱水抽出方法の温度、圧力及び時間は変化し、一般に、より高い温度及びより高い圧力では、時間量は必然的に少なくなる。いくつかの実施形態では、タバコ材料のフロースルー熱水抽出中の温度は、約200℃~約280℃、又は約210℃~約270℃、又は約220℃~約260℃、又は約230℃~約250℃、又は好ましくは約240℃の範囲であり得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、フロースルー反応器はまた、反応器に所望の圧力を加えるために加圧され得る。例えば、圧力は、フロースルー反応器内で変化し得る。いくつかの実施形態では、容器内の圧力は、約20バール~約60バール、又は約30バール~約50バール、又は約40バールの範囲であり得る。伝統的なパルプ化方法で典型的に使用される様々なタイプの加圧容器は、記載された方法での使用に好適であり得る。フロースルー熱水抽出のための様々な方法は、Borrega,Marc,及びHerbert Sixta;「Purification of Cellulosic Pulp by Hot Water Extraction;」Cellulose20.6(2013):2803-2812に記載されており、例えば、https://dspace.mit.edu/handle/1721.1/105779;を参照されたく、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0148】
タバコ材料(例えば、
図4の操作160に示されている)の熱水抽出に続いて、抽出されたタバコ材料は、任意選択的に、白色化されたタバコ固体材料及びタバコ抽出物(例えば、
図4の操作165に示すように)を単離するために、濾過又は洗浄されてもよい。タバコ材料のHWE及び白色化されたタバコ固体材料の任意選択的な洗浄/濾過に続いて、白色化されたタバコ固体材料を乾燥させて(例えば、
図4の操作170に示すように)白色化されたタバコ材料を得ることができる。特定の実施形態では、白色化されたタバコ材料は、湿基準で約1~30%、約5~20%又は約10~15%の水分レベルまで乾燥させることができる。
【0149】
乾燥後、白色化されたタバコ材料は、任意選択的に、約5mm~約0.1mm又は約1mm~約0.1mmの範囲のサイズで粉砕することができる。特定の実施形態では、白色化されたタバコ材料は、約10mm未満、約5mm未満、約2mm未満又は約1mm未満のサイズに粉砕することができる。
【0150】
いくつかの実施形態では、上記の方法に従ってタバコ材料を抽出することによって生産された白色化されたタバコ材料は、そのような抽出ステップを受けていないタバコ材料と比較して、色が明るくなっている(例えば、「白色化された」)ことを特徴とすることができる。前述のような視覚的及び/又は機器的評価を使用して、本発明の本明細書に記載の方法によって実現されるライトニングの程度を検証し、所望であれば定量化することができる。材料の白色度の評価は、一般に、別の材料との比較を必要とする。ライトニングの程度は、例えば、未処理のタバコサンプル(例えば、未処理のタバコパルプ)との分光比較によって定量化することができる。白色は、多くの場合、国際照明委員会(CIE)の色度図を参照して定義される。白色化されたタバコ材料は、特定の実施形態では、色度図において、そのような抽出ステップを受けていないタバコ材料よりも純粋な白色に近いことを特徴とすることができる。
【0151】
タバコ製品への白色化されたタバコ材料の組み込み
本開示の上記方法(例えば、代替白色化方法1、2及び3)のいずれかで考察された白色化されたタバコ材料は、任意選択的に、上記の工程ステップの前、後又はその間に、他の方法で処理及び/又は加工することができる。例えば、所望であれば、タバコ材料は、照射、低温殺菌又は別の方法で、制御された熱処理に供することができる。そのような処理方法は、例えば、Muaらによる米国特許出願公開第2009/0025738号明細書に詳述されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、タバコ材料は、タバコ材料(例えば、リジン、グリシン、ヒスチジン、アラニン、メチオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリン、フェニルアラニン、バリン、アルギニン、二価及び三価カチオンを組み込んだ組成物、アスパラギナーゼ、特定の非還元性糖類、特定の還元剤、フェノール化合物、少なくとも1つの遊離チオール基又は官能基を有する特定の化合物、酸化剤、酸化触媒、天然植物抽出物(例えば、ローズマリー抽出物)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤)の加熱時にアスパラギンの反応を阻害してアクリルアミドを形成することができる水及び添加剤、並びにそれらの組み合わせで処理することができる。例えば、Chenらによる米国特許出願公開第2010/0300463号明細書及び同第2011/0048434号明細書、並びにChenらによる米国特許第8,991,403号明細書に記載されている処理方法のタイプを参照されたく、これらはすべてが参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、このタイプの処理は、元のタバコ材料が前述の抽出及び/又は蒸留工程において熱に供される場合に有用である。
【0152】
白色化されたタバコ材料は、本発明による無煙タバコ製品内に組み込むことができる。加工されるタバコ製品のタイプに応じて、タバコ製品は、上述のように白色化されたタバコ材料に加えて1つ以上の追加の成分を含むことができる。例えば、白色化されたタバコ材料は、他の材料又は構成成分、例えば他のタバコ材料又は香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、塩、甘味料、着色剤、口腔ケア添加剤、崩壊助剤、酸化防止剤、保湿剤及び防腐剤と加工、ブレンド、配合、組み合わせ及び/又は混合することができる。例えば、Muaらによる米国特許出願公開第2011/0315154号明細書;Holton,Jr.らによる同第2007/0062549号明細書;Bjorkholmらによる同第2012/0067361号明細書;Bjorkholmによる同第2017/0020183号明細書;及びBjorkholmによる同第2017/0112183号明細書;並びにHolton,Jr.らによる米国特許第7,861,728号明細書に記載されるこれらの代表的な成分、成分の組み合わせ、タバコに対するこれらの成分及び構成成分の相対量、並びにこれらの成分を用いるための様式及び方法を参照されたく、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0153】
無煙タバコ製品内の白色化されたタバコ材料の相対量は、変化し得る。好ましくは、無煙タバコ製品内の白色化されたタバコ材料の量は、配合物の乾燥重量基準で少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%又は少なくとも約90%である。配合物内のタバコ材料の典型的な範囲は、乾燥基準で約1~約99%、より多くの場合約10~約50重量%である。
【0154】
本発明の無煙タバコ製品の製造に使用される白色化されたタバコ材料は、好ましくは、破砕、粒状、微粒子又は粉末形態で提供される。厳密には必要ではないが、白色化されたタバコ材料は、さらなる粒径減少のためのさらなる破砕を提供する加工ステップに供されてもよい。本発明の白色化行程は、一般に、高分子量化合物の量が減少した白色化されたタバコ材料を提供し、それにより、白色化されていないタバコ材料からのものよりも、より多くの隙間、したがってそれから生産された無煙タバコ材料中の可能な含水量が高くなる。特定の実施形態では、本発明に従って生産された無煙タバコ製品は、白色化されていないタバコ材料から生産された製品よりも速いニコチン放出を提供する。
【0155】
使用することができる例示的な香味料は、無煙タバコ製品の苦味、甘味、酸味又は塩味を変え、配合物の知覚される乾燥若しくは湿気、又は配合物によって示されるタバコの味の程度を増強するように作用する成分、又はこれらの成分の好適な組み合わせである。香味料は、天然又は合成であってもよく、それによって付与される風味の特徴は、新鮮、スイート、ハーブ、菓子、フローラル、フルーティー又はスパイシーとして記載され得るが、これらに限定されない。具体的なタイプの風味には、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メントール、ペパーミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、サンダルウッド、ハチミツ、ジャスミン、ジンジャー、アニス、セージ、甘草、レモン、オレンジ、リンゴ、モモ、ライム、チェリー、イチゴ及びそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。Leffingwellら、Tobacco Flavoring for Smoking Products,R.J.Reynolds Tobacco Company(1972)も参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。香味料はまた、ユーカリなどの湿潤剤、冷却剤又は平滑剤と考えられる成分を含み得る。これらの風味は、ニート(すなわち、単独で)又は複合体(例えば、スペアミント及びメントール、又はオレンジ及びシナモン)で提供されてもよい。代表的なタイプの成分もまた、Whiteらによる米国特許第5,387,416号明細書;Stricklandらによる米国特許出願公開第2005/0244521号明細書;及びQuinterらによる国際公開第05/041699号に記載されており、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。香味料のタイプには、塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなど)、天然甘味料(例えば、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、マンノース、ガラクトース、ラクトースなど)、人工甘味料(例えば、スクラロース、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオテームなど)及びそれらの混合物が含まれる。タバコ組成物に利用される香味料の量は、変化し得るが、典型的には最大約10乾燥重量パーセントであり、特定の実施形態は、少なくとも約1乾燥重量パーセント、例えば約1~約10乾燥重量パーセントの香味料含有量を特徴とする。約0.1~約2乾燥重量パーセントの人工甘味料、約0.5~約8乾燥重量パーセントの塩化ナトリウムなどの塩、及び約1~約5乾燥重量パーセントの追加の香味料などの香味料の組み合わせが多くの場合使用される。
【0156】
例示的な充填剤材料には、サトウダイコン繊維材料(例えば、International Fiber Corporationから入手可能なFIBREX(R)ブランド充填剤)、オート麦又は他の穀物(加工若しくは膨化穀物を含む)、ふすま繊維、デンプン、又は微結晶セルロースなどの他の改質若しくは天然セルロース材料などの植物繊維材料が含まれる。さらなる具体例には、トウモロコシデンプン、マルトデキストリン、デキストロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール、キシリトール及びソルビトールが含まれる。タバコ組成物に利用される場合、充填剤の量は、変化し得るが、典型的には最大約60乾燥重量パーセントであり、特定の実施形態は、最大約50乾燥重量パーセント、最大約40乾燥重量パーセント又は最大約30乾燥重量パーセントの充填剤含有量を特徴とする。充填剤の組み合わせも使用することができる。
【0157】
典型的な結合剤は、有機若しくは無機、又はそれらの組み合わせであり得る。代表的な結合剤には、ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び他の改質セルロース材料、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、デンプン系結合剤、アラビアガム、ペクチン、カラギーナン、プルラン、ゼインなどが含まれる。タバコ組成物に利用される結合剤の量は、変化し得るが、典型的には最大約30乾燥重量パーセントであり、特定の実施形態は、少なくとも約5乾燥重量パーセント、例えば約5~約30乾燥重量パーセントの結合剤含有量を特徴とする。
【0158】
好ましいpH調整剤又は緩衝剤は、約6~約10のpH範囲内の及び/又は緩衝剤を提供し、例示的な薬剤には、金属水酸化物、金属カーボネート、金属バイカーボネート及びそれらの混合物が含まれる。具体的には、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムが含まれる。タバコ組成物に利用されるpH調整剤又は緩衝材の量は、変化し得るが、典型的には最大約5乾燥重量パーセントであり、特定の実施形態は、約0.5乾燥重量パーセント未満、例えば約0.05~約0.2乾燥重量パーセントのpH調整剤/緩衝材含有量を特徴とすることができる。特に、蒸留によって清澄化された抽出物を含む実施形態では、1つ以上のpH調整剤(例えば、クエン酸)の添加によってpHを低下させ得る。
【0159】
着色剤は、タバコ配合物に所望の物理的属性を提供するのに十分な量で用いられ得る。例示的な着色剤の例には、カラメル着色剤及び二酸化チタンなどの様々な染料及び顔料が含まれる。タバコ組成物に利用される着色剤の量は、変化し得るが、典型的には最大約3乾燥重量パーセントであり、特定の実施形態は、少なくとも約0.1乾燥重量パーセント、例えば約0.5~約3乾燥重量パーセントの着色剤含有量を特徴とする。
【0160】
保湿剤の例には、グリセリン及びプロピレングリコールが含まれる。タバコ組成物に利用される保湿剤の量は、変化し得るが、典型的には最大約5乾燥重量パーセントであり、特定の実施形態は、少なくとも約1乾燥重量パーセント、例えば約2~約5乾燥重量パーセントの保湿剤含有量を特徴とすることができる。
【0161】
防腐剤(例えば、ソルビン酸カリウム)、崩壊助剤(例えば、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファ化トウモロコシデンプンなど)及び/又は酸化防止剤などの他の構成成分も使用することができる。典型的には、そのような構成成分は、使用される場合、最大約10乾燥重量パーセント、通常少なくとも約0.1乾燥重量パーセント、例えば約0.5~約10乾燥重量パーセントの量で使用される。崩壊助剤は、一般に、タバコ配合物の所望の物理的属性の制御を提供するのに十分な量で、例えば、(例えば、水との接触時に膨潤を受けることによって)配合物と水との接触時に物理的完全性の喪失及び様々な成分材料の分散を提供することなどによって用いられる。
【0162】
上述のように、いくつかの実施形態では、上述の成分のいずれかをカプセル化形態(例えば、マイクロカプセルの形態で)で添加することができ、カプセル化形態は、内側領域を画定し、及び内側領域をタバコ組成物から恒久的又は一時的に隔離する壁又はバリア構造を有する。内側領域は、味、口当たり、湿気、冷たさ/熱及び/若しくは芳香などの無煙タバコ製品の1つ以上の感覚特性を増強するように適合された、又は酸化防止剤若しくは免疫系増強機能の付加などの追加の機能的品質を無煙タバコ製品に付加するように適合された添加剤のペイロードを含む。例えば、Muaらによる米国特許出願公開第2009/0025738号明細書の主題を参照されたく、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0163】
代表的なタバコ配合物は、タバコ配合物の総乾燥重量に基づいて、約5%~約95%パーセントの白色化されたタバコ材料、約5~約60%の充填剤、約0.1%~約5%の人工甘味料、約0.5%~約2%の塩、約1%~約5%の香味、約1%~約5%の保湿剤(例えば、プロピレングリコール)、及び最大約10%のpH調整剤又は緩衝剤(例えば、重炭酸ナトリウム若しくはクエン酸)を組み込み得る。構成成分の特定の割合及び選定は、所望の風味、食感及び他の特徴に応じて変化する。
【0164】
スヌース型製品の様々な成分及びその成分の説明も、Lundinらによる米国特許出願公開第2004/0118422号明細書に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。例えば、Lindenによる米国特許第4,607,479号明細書;Nielsenによる同第4,631,899号明細書;Wydickらによる同第5,346,734号明細書;及びDerrによる同第6,162,516号明細書、並びにHanssonらによる米国特許出願公開第2005/0061339号明細書を参照されたく、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0165】
タバコ組成物の成分は、当技術分野で知られている任意の混合技術又は装置を使用して混合して一緒にすることができる。液体又は乾燥固体形態であり得る上記の任意選択的な成分は、組成物の任意の残りの成分と混合する前の前処理ステップにおいて白色化されたタバコ材料と混合することができ、又は単に白色化されたタバコ材料と他のすべての液体又は乾燥構成成分と混合することができる。タバコ組成物構成成分を密接に接触させる任意の混合方法を使用することができる。かき混ぜ可能なインペラ又は他の構造を特徴とする混合器具が一般的に使用される。例示的な混合装置には、ケーシングドラム、コンディショニングシリンダ又はドラム、液体噴霧装置、円錐型ブレンダー、リボンブレンダー、Littleford Day,Inc.からFKM130、FKM600、FKM1200、FKM2000及びFKM3000として入手可能なミキサー、Plough Shareタイプのミキサーシリンダなどが含まれる。したがって、様々な成分と白色化されたタバコ材料との全体的な混合物は、本質的に比較的均一であり得る。例えば、Solomonらによる米国特許第4,148,325号明細書;Korteらによる米国特許第6,510,855号明細書;及びWilliamsによる米国特許第6,834,654号明細書に記載されている方法論のタイプも参照されたく、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。スヌース型タバコ配合物を配合するための様式及び方法は、スヌースタバコ製品生産の当業者には明らかであろう。
【0166】
配合物の消費者による使用前の無煙タバコ製品の含水量は、変化し得る。典型的には、使用者の口に挿入する前にパウチ内に存在する製品の含水量は、約55重量パーセント未満であり、一般に約50重量パーセント未満であり、多くの場合、約45重量パーセント未満である。スヌース型のタバコ組成物を組み込んだものなどの特定のタバコ製品の場合、含水量は、20重量パーセントを超えることがあり、多くの場合30重量パーセントを超えることがある。例えば、代表的なスヌース型製品は、約20重量パーセント~約50重量パーセント、好ましくは約20重量パーセント~約40重量パーセントの含水量を示すタバコ組成物を有し得る。
【0167】
配合物の含水量が制御される様式は、変化し得る。例えば、配合物は、熱又は対流加熱に供され得る。具体例として、配合物は、約40℃~約95℃の温度、約60℃~約80℃の好ましい温度範囲の加温空気中で、所望の含水量を得るのに適切な期間、オーブン乾燥され得る。又は、タバコ配合物は、ケーシングドラム、コンディショニングシリンダ又はドラム、液体噴霧装置、リボンブレンダー又はミキサーを使用して湿らせてもよい。最も好ましくは、スヌース型の製品内で用いられるタイプのタバコ配合物などの湿性タバコ配合物は、低温殺菌又は発酵に供される。タバコ製品のスヌース型を低温殺菌/熱処理及び/又は発酵させるための技術は、スヌース製品の設計及び製造の当業者には明らかであろう。
【0168】
タバコ配合物の酸性度又はアルカリ性度は、多くの場合pHの観点から特徴付けられるが、変化し得る。典型的には、その配合物のpHは、少なくとも約6.5、好ましくは少なくとも約7.5である。いくつかの実施形態では、その配合物のpHは、約11を超えないか、又は約9を超えず、多くの場合、約8.5を超えない。代表的なタバコ配合物は、約6.8~約8.2(例えば、約7.8)のpHを示す。タバコ配合物のpHを決定するための代表的な技術は、5gのその配合物を100mlの高速液体クロマトグラフィー水に分散させ、得られた懸濁液/溶液のpHを測定することを伴う(例えば、pHメーターを用いて)。
【0169】
特定の実施形態では、白色化されたタバコ材料及び上記の任意の他の成分は、タバコの使用のための容器として機能する透湿性パケット又はパウチ内で組み合わされる。
図1に示す実施形態における容器パウチ20などのそのようなパケット又はパウチの組成/構造は、変化し得る。無煙タバコ製品の製造に使用されるタイプの好適なパケット、パウチ又は容器は、CatchDry、Ettan、General、Granit、Goteborgs Rape、Grovsnus White、Metropol Kaktus、Mocca Anis、Mocca Mint、Mocca Wintergreen、Kicks、Probe、Prince、Skruf、Epok及びTreAnkrareの商品名で入手可能である。タバコ配合物は、従来のスヌース型製品の製造に使用される成分のタイプを使用する様式で、パウチに収容され包装されてもよい。パウチは、ティーバッグの構築に使用されるメッシュ状タイプの材料と特徴が類似していると考えられ得るタイプの液体透過性容器を提供する。緩く配列された粒状タバコ配合物の成分は、パウチを通って使用者の口の中に容易に拡散する。
【0170】
好適なタイプのパウチの非限定的な例は、例えば、Kjerstadによる米国特許第5,167,244号明細書及びSebastianらによる同第8,931,493号明細書;並びにSebastianらによる米国特許出願公開第2016/0000140号明細書;Sebastianらによる同第2016/0073689号明細書;Chapmanらによる同第2016/0157515号明細書;及びSebastianらによる同第2016/0192703号明細書に記載されており、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。パウチは、個々のパウチとして提供することができ、又は単一のパウチ又は個々のポーションを使用のためにパウチのワンピースストランド又はマトリックスから容易に取り外すことができるように、複数のパウチ(例えば、2、4、5、10、12、15、20、25若しくは30個のパウチ)を互いに接続又は連結することができる(例えば、エンドツーエンドの様式で)。
【0171】
パウチは、例えば、使用者による使用中にパウチが制御された分散又は溶解を受けるような様式で、材料から製造され得る。そのようなパウチ材料は、メッシュ、スクリーン、穿孔紙、浸透性布などの形態を有し得る。例えば、網目状の形態のライスペーパー又は穿孔ライスペーパーから製造されたパウチ材料は、使用者の口の中で溶解し得る。結果として、パウチ及びタバコ配合物はそれぞれ、通常の使用条件中に使用者の口内で完全に分散され得、したがって、パウチ及びタバコ配合物は両方とも使用者によって摂取され得る。他の例示的なパウチ材料は、水分散性フィルム形成材料(例えば、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、プルランなどの結合剤)、及び粉砕セルロース(例えば、微粒子サイズの木材パルプ)などの材料と組み合わせた材料を使用して製造され得る。好ましいパウチ材料は、水分散性又は溶解性であるが、通常の使用条件下では、パウチがその物理的完全性を喪失する前に、かなりの量のタバコ配合物内容物がパウチ材料を透過するように設計及び製造され得る。所望であれば、香味構成成分、崩壊助剤及び他の所望の成分は、パウチ材料内に組み込まれてもよく、又はパウチ材料に適用されてもよい。様々な実施形態では、不織ウェブを使用して、経口使用に適合した組成物を収納するために使用することができる外側透水性パウチを形成することができる。
【0172】
各製品ユニット、例えばパウチ内に収容される材料の量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、各パウチ内の材料の重量は、少なくとも約50mg、例えば約50mg~約1グラム、約100~800約mg、又は約200~約700mgである。いくつかのより小さい実施形態では、各パウチ内の材料の重量は、約100~約300であり得る。より大きな実施形態の場合、各パウチ内の材料の重量は、約300mg~約700mgであり得る。所望であれば、各パウチ内に他の成分を収容することができる。例えば、少なくとも1つの風味付けされた水分散性又は水溶性材料(例えば、新鮮な食用フィルムタイプの材料)の風味付けされたストリップ、ピース又はシートは、少なくとも1つのカプセルと共に又はカプセルなしで各パウチ内に配置され得る。そのようなストリップ又はシートは、パウチ内に容易に組み込まれるために折り畳まれてもしわくちゃにされてもよい。例えば、材料及び技術のタイプはScottらによる米国特許第6,887,307号明細書、及びLeungらによる同第6,923,981号明細書;並びにThe EFSA Journal(2004)85,1-32に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0173】
無煙タバコ製品は、任意の好適な内側包装材料及び/又は外側容器内に包装することができる。例えば、Hensonらによる同第米国特許第7,014,039号明細書;Kutschらによる同第7,537,110号明細書;Kutschらによる同第7,584,843号明細書;Thiellierによる同第D592,956号明細書;Patelらによる同第D594,154号明細書;及びBaileyらによる同第D625,178号明細書;Robinsonらによる米国特許出願公開第2008/0173317号明細書;Clarkらによる同第2009/0014343号明細書;Bjorkholmによる同第2009/0014450号明細書;Bellamahらによる同第2009/0250360号明細書;Gelardiらによる同第2009/0266837号明細書;Gelardiによる同第2009/0223989号明細書;Thiellierによる同第2009/0230003号明細書;Gelardiによる同第2010/0084424号明細書;及びBaileyらによる同第2010/0133140号明細書;Baileyらによる同第2010/0264157号明細書;Baileyらによる同第2011/0168712号明細書;及びGelardiらによる同第2011/0204074号明細書に記載されている無煙タイプの製品用の様々なタイプの容器も参照されたく、これらは参照として本明細書に組み込まれる。
【0174】
本開示の製品は、従来のタイプの無煙タバコ製品が包装されて保存されるのとほぼ同じ様式で包装されて保存されてもよい。例えば、「パック」と呼ばれることもある円筒形容器などの無煙タバコ製品を収容するために使用される容器に複数のパケット又はパウチが収容され得る。容器は、任意の形状であり得、円筒状の容器に限定されない。そのような容器は、金属、成形プラスチック、繊維板、それらの組み合わせなどのような任意の好適な材料から製造され得る。所望であれば、湿性タバコ製品(例えば、約20重量パーセントを超える含水量を有する製品)を冷蔵(例えば、約10℃未満、多くの場合約8℃未満、時には約5℃未満の温度で)され得る。又は、比較的乾燥したタバコ製品(例えば、約15重量パーセント未満の含水量を有する製品)は、多くの場合比較的広い温度範囲で保存される。
【0175】
本明細書に開示される様々な無煙タバコ製品は、非汚染性であるか、又は白色化されていないタバコ材料のみを含む製品よりも少ない程度に汚染する組成物を提供するという点で有利である。したがって、これらの製品は、接触することがある歯及び衣類の汚染を低減するのに望ましい。消費された(使用された)製品でさえ、伝統的な消費された(使用された)経口タバコ製品よりも色が明るいことに留意されたい。さらに、製品は、それらの白色化された色のために視覚的訴求力を増強し得る。
【0176】
前述の説明に提示された教示の利益を有する本開示が関連する当業者には、多くの修正及び他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。本明細書では特定の用語が用いられているが、それらは一般的及び説明的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。
【国際調査報告】