(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】セルロース系香料安定剤を伴う経口製品
(51)【国際特許分類】
A24B 13/00 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
A24B13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515868
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(85)【翻訳文提出日】2022-05-09
(86)【国際出願番号】 IB2020058432
(87)【国際公開番号】W WO2021048792
(87)【国際公開日】2021-03-18
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケラー,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】プール,トーマス・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ハッチェンス,ロナルド・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルディ,アンソニー・アール
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BC02
4B043BC19
4B043BC26
(57)【要約】
本開示は、経口での使用のために構成された製品を提供し、製品は、微粒子状充填剤成分、セルロース誘導体、水、及び1つ以上の香味剤の混合物を含む。製品は、セルロース誘導体を含有しない比較製品よりも、香味成分濃度に関して経時的により高い安定性を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口での使用のために構成された製品であって、混合物であって、
微粒子状充填剤成分、
セルロース誘導体、
前記混合物の総重量に基づいて、少なくとも約5重量%の量の水、及び
1つ以上の香味剤
を含む、混合物を含む、製品。
【請求項2】
混合物の総重量に基づいて、少なくとも約0.5重量%のセルロース誘導体を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
混合物の総重量に基づいて、少なくとも約1重量%のセルロース誘導体を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
混合物の総重量に基づいて、約1%~約5重量%のセルロース誘導体を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項5】
セルロース誘導体がセルロースエーテルである、請求項1に記載の製品。
【請求項6】
セルロース誘導体は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又はカルボキシメチルセルロース(CMC)の1つ以上である、請求項1に記載の製品。
【請求項7】
セルロース誘導体がヒドロキシプロピルセルロース(HPC)である、請求項1に記載の製品。
【請求項8】
微粒子状充填剤成分が、セルロース材料、デンプン又はその両方を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項9】
微粒子状充填剤成分が微結晶セルロースを含む、請求項1に記載の製品。
【請求項10】
1つ以上の香味剤が、炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合、炭素-酸素単結合、又はそれらの組み合わせを有する化合物を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項11】
1つ以上の香味剤が、1つ以上のアルデヒド、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の製品。
【請求項12】
1つ以上の香味剤が1つ以上のエステルを含む、請求項1に記載の製品。
【請求項13】
1つ以上のエステルは、C
1~C
8アルカノール及びC
2~C
8アルカンカルボン酸を含むアルキルエステルである、請求項12に記載の製品。
【請求項14】
1つ以上のエステルは、酢酸イソアミル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、ヘキサン酸アリル、又はそれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の製品。
【請求項15】
約1~約3重量%のヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、
約10~約60重量%の微結晶セルロース、及び
混合物の総重量に基づいて、約1~約60重量%の水
を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項16】
混合物は、1つ以上の塩、1つ以上の有機酸、1つ以上の甘味料、1つ以上の結合剤、1つ以上の保湿剤、1つ以上のガム、1つ以上の有効成分、タバコ用材料、又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項1に記載の製品。
【請求項17】
混合物は、ニコチン成分、植物由来薬、刺激剤、アミノ酸、ビタミン及びカンナビノイドからなる群から選択される1つ以上の有効成分をさらに含む、請求項1に記載の製品。
【請求項18】
混合物は、遊離塩基として計算され、前記混合物の総重量に基づいて、約0.001~約10重量%のニコチン成分をさらに含む、請求項1に記載の製品。
【請求項19】
混合物は、前記混合物の総重量に基づいて、約0.1~約0.5重量%の1つ以上の有機酸をさらに含む、請求項1に記載の製品。
【請求項20】
1つ以上の有機酸が、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、又はそれらの組み合わせである、請求項19に記載の製品。
【請求項21】
1つ以上の有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オクタン酸、安息香酸、トルエン酸、サリチル酸、又はそれらの組み合わせである、請求項19に記載の製品。
【請求項22】
1つ以上の有機酸がクエン酸である、請求項19に記載の製品。
【請求項23】
混合物がタバコ用材料をさらに含む、請求項1に記載の製品。
【請求項24】
混合物が、前記混合物の総重量に基づいて、そこに存在するいずれのニコチン成分をも除いて、約10重量%以下のタバコ用材料を含む、請求項23に記載の製品。
【請求項25】
タバコ用材料が漂白されたタバコである、請求項23に記載の製品。
【請求項26】
混合物が、混合物の総重量に基づいて、約7.5%以下のアルカリ金属塩を含む、請求項1に記載の製品。
【請求項27】
混合物がパウチに封入されてパウチ製品を形成し、前記混合物が任意選択で自由に流動する微粒子の形態である、請求項1に記載の製品。
【請求項28】
調製後1日の期間に測定した場合、製品は、半定量的ガスクロマトグラフィー質量分析法によって判定されると、セルロース誘導体を含まない対照製品に存在する同じ1つ以上の香味剤の濃度よりも高い、そこに存在する1つ以上の香味剤の濃度を有する、請求項1に記載の製品。
【請求項29】
期間が、調製後2日、1週間、2週間、3週間、又は1ヶ月のうちの1つ以上である、請求項28に記載の製品。
【請求項30】
経口での使用のために構成された製品を安定化する方法であって、
i)1つ以上の香味剤をセルロース誘導体と混合して第1の混合物を形成すること、及び
ii)前記第1の混合物を微粒子状充填剤成分及び水と混合して前記製品を形成すること、
を含む方法。
【請求項31】
セルロース誘導体がセルロースエーテルである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
セルロース誘導体は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又はカルボキシメチルセルロース(CMC)の1つ以上である、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
セルロース誘導体がHPCである、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
微粒子状充填剤成分が、セルロース材料、デンプン又はその両方を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
微粒子状充填剤成分が微結晶セルロースを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
1つ以上の香味剤が、1つ以上のアルデヒド、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド又はそれらの組み合わせを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
1つ以上の香味剤が1つ以上のエステルを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
1つ以上のエステルは、C
1~C
8アルカノール及びC
2~C
8アルキルカルボン酸を含むアルキルエステルである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
1つ以上のエステルは、酢酸イソアミル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、ヘキサン酸アリル、又はそれらの組み合わせを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
第1の混合物を微粒子状充填剤成分と混合することは、1つ以上の塩、1つ以上の甘味料、1つ以上の結合剤、1つ以上の保湿剤、1つ以上のガム、1つ以上の有効成分、タバコ用材料、又はそれらの組み合わせを添加することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項41】
第1の混合物を微粒子状充填剤成分と混合することが、ニコチン成分、植物由来薬、刺激剤、アミノ酸、ビタミン及びカンナビノイドからなる群から選択される1つ以上の有効成分を添加することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項42】
遊離塩基として計算され、製品の総重量に基づいて、約0.001~約10重量%のニコチン成分を添加することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項43】
製品の総重量に基づいて、約0.1~約0.5重量%の1つ以上の有機酸を添加することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項44】
1つ以上の有機酸が、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、又はそれらの組み合わせである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
1つ以上の有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オクタン酸、安息香酸、トルエン酸、サリチル酸又はそれらの組み合わせである、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
1つ以上の有機酸がクエン酸である、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
製品をパウチに封入してパウチ製品を形成することをさらに含み、前記製品は任意選択に、自由に流動する微粒子の形態である、請求項30に記載の方法。
【請求項48】
調製後1日の期間に測定した場合、製品は、半定量的ガスクロマトグラフィー質量分析法によって判定されると、セルロース誘導体を含まない対照製品に存在する同じ1つ以上の香味剤の濃度よりも高い、そこに存在する1つ以上の香味剤の濃度を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項49】
期間が、調製後2日、1週間、2週間、3週間又は1ヶ月のうちの1つ以上である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
請求項30に記載の方法によって調製された、経口での使用のために構成された製品。
【請求項51】
経口での使用のために構成された香味安定化製品であって、セルロース誘導体によって安定化された1つ以上の香味剤を含み、前記セルロース誘導体が、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、又はカルボキシメチルセルロース(CMC)からなる群から任意選択で選択される、製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人間が消費することを意図した香味付けされた製品に関する。製品は、経口での使用のために構成され、使用中に香味料、及び/又は有効成分などの物質を送達する。そのような製品は、タバコ又はタバコ由来の生成物を含んでもよく、又はタバコを含まない代替物であってもよい。
【背景技術】
【0002】
タバコは、いわゆる「無煙」の形態で堪能することができる。特に一般的な無煙タバコ製品は、何らかの形態の加工タバコ又はタバコ含有配合物を使用者の口に挿入することによって使用される。そのような無煙タバコ製品の従来の形式には、湿った嗅ぎタバコ、スヌース、及び噛みタバコが含まれ、これらは通常、ほぼ完全微粒子状、粒状、又は刻みタバコから形成され、使用者によって分割されるか、又は使い捨てのパウチ又はサシェなどの個々の部分で使用者に提示される。無煙製品の他の従来型の形態には、プラグ、錠剤又はペレットなどの圧縮又は凝集形態が含まれる。タバコ含有ガム及びタバコと他の植物材料との混合物などの代替的な製品の形態も知られている。例えば、Schwartzに対する米国特許第1,376,586号明細書、Pittmanらに対する第4,513,756号明細書、Sensabaugh,Jr.らに対する第4,528,993号明細書、Storyらに対する第4,624,269号明細書、Tibbettsに対する第4,991,599号明細書、Townsendに対する第4,987,907号明細書、Sprinkle,IIIらに対する第5,092,352号明細書、Whiteらに対する第5,387,416号明細書、Williamsに対する第6,668,839号明細書、Williamsに対する第6,834,654号明細書、Atchleyらに対する第6,953,040号明細書、Atchleyらに対する第7,032,601号明細書、Atchleyらに対する第7,694,686号明細書、Williamsに対する米国特許出願公開第2004/0020503号明細書、Quinterらに対する第2005/0115580号明細書、Stricklandらに対する第2006/0191548号明細書、Holton,Jr.らに対する第2007/0062549号明細書、Holton,Jr.らに対する第2007/0186941号明細書、Stricklandらに対する第2007/0186942号明細書、Dubeらに対する第2008/0029110号明細書、Robinsonらに対する第2008/0029116号明細書、Robinsonらに対する第2008/0173317号明細書、Neilsenらに対する第2008/0209586号明細書、Essenらに対する第2009/0065013号明細書及びAtchleyに対する第2010/0282267号明細書並びにArnarpらに対する国際公開第2004/095959号パンフレットに記載されている無煙タバコ配合物、成分、及び加工方法の種類を参照されたい。これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
タバコ用材料を様々な結合剤及び充填剤と組み合わせる無煙タバコ製品の構成が、より最近になって提案されており、ロゼンジ、トローチ、ゲル、押出形物などを含む例示的な製品の形態を有する。例えば、Engstromらに対する米国特許出願公開第2008/0196730号明細書、Crawfordらに対する第2008/0305216号明細書、Kumarらに対する第2009/0293889号明細書、Gaoらに対する第2010/0291245号明細書、Muaらに対する第2011/0139164号明細書、Cantrellらに対する第2012/0037175号明細書、Huntらに対する第2012/0055494号明細書、Cantrellらに対する第2012/0138073号明細書、Cantrellらに対する第2012/0138074号明細書、Holton,Jr.に対する第2013/0074855号明細書、Holton,Jr.に対する第2013/0074856号明細書、Muaらに対する第2013/0152953号明細書、Jacksonらに対する第2013/0274296号明細書、Moldoveanuらに対する第2015/0068545号明細書、Marshallらに対する第2015/0101627号明細書及びLampeらに対する第2015/0230515号明細書に記載されている製品の種類を参照されたい。これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
全白色のスヌース部分は人気が高まっており、従来式のスヌースに対する別個で審美的に心地よい代替物を提供する。そのような最新の「白色」のパウチ製品は、漂白されたタバコを含んでいることもあり、タバコを含まないこともある。このタイプの製品は、製品の変色及び/又は望ましくない感覚刺激特性をもたらし得る製品の安定性不良などの特定の欠点により、苛まれることがある。したがって、当技術分野では、より堪能できる体験を使用者に提供するために、安定性が向上した、経口での使用のために構成された製品を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第1,376,586号明細書
【特許文献2】米国特許第4,513,756号明細書
【特許文献3】米国特許第4,528,993号明細書
【特許文献4】米国特許第4,624,269号明細書
【特許文献5】米国特許第4,991,599号明細書
【特許文献6】米国特許第4,987,907号明細書
【特許文献7】米国特許第5,092,352号明細書
【特許文献8】米国特許第5,387,416号明細書
【特許文献9】米国特許第6,668,839号明細書
【特許文献10】米国特許第6,834,654号明細書
【特許文献11】米国特許第6,953,040号明細書
【特許文献12】米国特許第7,032,601号明細書
【特許文献13】米国特許第7,694,686号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2004/0020503号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2005/0115580号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2006/0191548号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2007/0062549号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2007/0186941号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2007/0186942号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2008/0029110号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第2008/0029116号明細書
【特許文献22】米国特許出願公開第2008/0173317号明細書
【特許文献23】米国特許出願公開第2008/0209586号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第2009/0065013号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2010/0282267号明細書
【特許文献26】国際公開第2004/095959号
【特許文献27】米国特許出願公開第2008/0196730号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2008/0305216号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2009/0293889号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2010/0291245号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2011/0139164号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2012/0037175号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2012/0055494号明細書
【特許文献34】米国特許出願公開第2012/0138073号明細書
【特許文献35】米国特許出願公開第2012/0138074号明細書
【特許文献36】米国特許出願公開第2013/0074855号明細書
【特許文献37】米国特許出願公開第2013/0074856号明細書
【特許文献38】米国特許出願公開第2013/0152953号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2013/0274296号明細書
【特許文献40】米国特許出願公開第2015/0068545号明細書
【特許文献41】米国特許出願公開第2015/0101627号明細書
【特許文献42】米国特許出願公開第2015/0230515号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、一般に、経口での使用のために構成された製品を提供し、さらに、製品に存在する香味成分を安定化する方法を提供する。製品は、経口で使用されるときに味を与え、消費者に物質、例えばニコチンを送達することを意図している。製品及び方法は、製品にセルロース誘導体を含めることが、セルロース誘導体を含まない同等の製品と比較して特定の揮発性香味成分の保持を改善するという驚愕的な知見に依存している。したがって、一態様では、本開示は、経口での使用のために構成された製品を提供し、製品は、微粒子状充填剤成分、セルロース誘導体、少なくとも約5重量%の量の水及び1つ以上の香味剤を含む混合物を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、製品は、混合物の総重量に基づいて、少なくとも約0.5重量%のセルロース誘導体を含む。いくつかの実施形態では、製品は、混合物の総重量に基づいて、少なくとも約1重量%のセルロース誘導体を含む。いくつかの実施形態では、製品は、混合物の総重量に基づいて、約1%~約5重量%のセルロース誘導体を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、セルロース誘導体はセルロースエーテルである。いくつかの実施形態では、セルロース誘導体は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又はカルボキシメチルセルロース(CMC)の1つ以上である。いくつかの実施形態では、セルロース誘導体はHPCである。
【0009】
いくつかの実施形態では、微粒子状充填剤成分は、セルロース材料、デンプン、又はその両方を含む。いくつかの実施形態では、微粒子状充填剤成分は微結晶セルロースを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、1つ以上の香味剤は、炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合、炭素-酸素単結合又はそれらの組み合わせを有する化合物を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の香味剤は、1つ以上のアルデヒド、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の香味剤は、1つ以上のエステルを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のエステルは、C1~C8アルカノール及びC2~C8アルカンカルボン酸を含むアルキルエステルである。いくつかの実施形態では、1つ以上のエステルは、酢酸イソアミル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、ヘキサン酸アリル、又はそれらの組み合わせを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、製品は、混合物の総重量に対して、約1~約3重量%のHPC、約10~約60重量%の微結晶セルロース及び約1~約60重量%の水を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、混合物は、1つ以上の塩、1つ以上の有機酸、1つ以上の甘味料、1つ以上の結合剤、1つ以上の保湿剤、1つ以上のガム、1つ以上の有効成分、タバコ用材料、又はそれらの組み合わせをさらに含む。いくつかの実施形態では、混合物は、ニコチン成分、植物由来薬、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、及びカンナビノイドからなる群から選択される1つ以上の有効成分をさらに含む。いくつかの実施形態では、混合物は、遊離塩基として計算され、混合物の総重量に基づいて、約0.001~約10重量%のニコチン成分をさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、混合物は、混合物の総重量に基づいて、約7.5%以下のアルカリ金属塩を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、混合物の総重量に基づいて、約0.1~約0.5重量%の1つ以上の有機酸をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の有機酸が、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、1つ以上の有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オクタン酸、安息香酸、トルエン酸、サリチル酸又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、1つ以上の有機酸はクエン酸である。
【0014】
いくつかの実施形態では、混合物はタバコ用材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、混合物は、混合物の総重量に基づいて、存在するいずれのニコチン成分をも除いて、約10重量%以下のタバコ用材料を含む。いくつかの実施形態では、タバコ用材料は漂白されたタバコである。
【0015】
いくつかの実施形態では、混合物をパウチに封入してパウチ製品を形成する。いくつかの実施形態では、パウチに封入された混合物は、自由に流動する微粒子の形態である。
【0016】
いくつかの実施形態では、調製後1日の期間に測定した場合、製品は、半定量的ガスクロマトグラフィー質量分析法によって判定されると、セルロース誘導体を含まない対照製品に存在する同じ1つ以上の香味剤の濃度よりも高い、そこに存在する1つ以上の香味剤の濃度を有する。いくつかの実施形態では、期間は、調製後2日、1週間、2週間、3週間又は1ヶ月のうちの1つ以上である。
【0017】
別の態様では、本明細書にて開示されるような経口での使用のために構成された製品を安定化する方法であって、i)1つ以上の香味剤をセルロース誘導体と混合して第1の混合物を形成すること、及びii)第1の混合物を微粒子状充填剤成分及び水と混合して製品を形成することを含む方法が提供される。
【0018】
いくつかの実施形態では、セルロース誘導体はセルロースエーテルである。いくつかの実施形態では、セルロース誘導体は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又はカルボキシメチルセルロース(CMC)の1つ以上である。いくつかの実施形態では、セルロース誘導体はHPCである。
【0019】
いくつかの実施形態では、微粒子状充填剤成分は、セルロース材料、デンプン、又はその両方を含む。いくつかの実施形態では、微粒子状充填剤成分は微結晶セルロースを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、1つ以上の香味剤は、1つ以上のアルデヒド、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の香味剤は、1つ以上のエステルを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のエステルは、C1~C8アルカノール及びC2~C8アルキルカルボン酸を含むアルキルエステルである。いくつかの実施形態では、1つ以上のエステルは、酢酸イソアミル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、ヘキサン酸アリル、又はそれらの組み合わせを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の混合物を微粒子状充填剤成分と混合することは、1つ以上の塩、1つ以上の甘味料、1つ以上の結合剤、1つ以上の保湿剤、1つ以上のガム、1つ以上の有効成分、タバコ用材料、又はそれらの組み合わせをステップii)の混合物に添加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、ニコチン成分、植物由来薬、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、及びカンナビノイドからなる群から選択される1つ以上の有効成分を追加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の混合物を微粒子状充填剤成分と混合することは、遊離塩基として計算され、製品の総重量に基づいて、約0.001~約10重量%のニコチン成分を添加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、製品の総重量に基づいて、約0.1~約0.5重量%の1つ以上の有機酸を添加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の有機酸が、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、1つ以上の有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オクタン酸、安息香酸、トルエン酸、サリチル酸又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、1つ以上の有機酸はクエン酸である。
【0022】
いくつかの実施形態では、本方法は、製品をパウチに封入してパウチ製品を形成することをさらに含み、製品は任意選択に、自由に流動する微粒子の形態である。
【0023】
いくつかの実施形態では、調製後1日の期間に測定した場合、製品は、半定量的ガスクロマトグラフィー質量分析法によって判定されると、セルロース誘導体を含まない対照製品に存在する同じ1つ以上の香味剤の1つ以上の濃度よりも高い、そこに存在する1つ以上の香味剤の濃度を有する。いくつかの実施形態では、期間は、調製後2日、1週間、2週間、3週間又は1ヶ月のうちの1つ以上である。
【0024】
別の態様では、経口での使用のために構成された製品であって、本明細書に開示される方法によって調製された製品が提供される。
【0025】
別の態様では、経口での使用のために構成された香味安定化製品であって、微粒子状充填剤成分、セルロース誘導体、混合物の総重量に基づいて少なくとも約5重量%の量の水、及び1つ以上の香味剤、ただし香味がセルロース誘導体によって安定化される、を含む混合物を含む製品が提供される。
【0026】
本開示は、限定することなく、以下の実施形態を含む。
【0027】
実施形態1 経口での使用のために構成された製品であって、混合物であって、微粒子状充填剤成分、セルロース誘導体、混合物の総重量に基づいて、少なくとも約5重量%の量の水、及び1つ以上の香味剤を含む、混合物を含む、製品。
【0028】
実施形態2 混合物の総重量に基づいて、少なくとも約0.5重量%のセルロース誘導体を含む、実施形態1に記載の製品。
【0029】
実施形態3 混合物の総重量に基づいて、少なくとも約1重量%のセルロース誘導体を含む、実施形態1又は2に記載の製品。
【0030】
実施形態4 混合物の総重量に基づいて、約1%~約5重量%のセルロース誘導体を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の製品。
【0031】
実施形態5 セルロース誘導体がセルロースエーテルである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の製品。
【0032】
実施形態6 セルロース誘導体は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又はカルボキシメチルセルロース(CMC)の1つ以上である、実施形態1~5のいずれか1つに記載の製品。
【0033】
実施形態7 セルロース誘導体がヒドロキシプロピルセルロース(HPC)である、実施形態1~6のいずれか1つに記載の製品。
【0034】
実施形態8 微粒子状充填剤成分が、セルロース材料、デンプン又はその両方を含む、実施形態1~7のいずれか1つに記載の製品。
【0035】
実施形態9 微粒子状充填剤成分が微結晶セルロースを含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の製品。
【0036】
実施形態10 1つ以上の香味剤が、炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合、炭素-酸素単結合、又はそれらの組み合わせを有する化合物を含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の製品。
【0037】
実施形態11 1つ以上の香味剤が、1つ以上のアルデヒド、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~10のいずれか1つに記載の製品。
【0038】
実施形態12 1つ以上の香味剤が1つ以上のエステルを含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載の製品。
【0039】
実施形態13 1つ以上のエステルは、C1~C8アルカノール及びC2~C8アルカンカルボン酸を含むアルキルエステルである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の製品。
【0040】
実施形態14 1つ以上のエステルは、酢酸イソアミル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、ヘキサン酸アリル、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の製品。
【0041】
実施形態15 約1~約3重量%のヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、約10~約60重量%の微結晶セルロース、及び混合物の総重量に基づいて、約1~約60重量%の水を含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の製品。
【0042】
実施形態16 混合物は、1つ以上の塩、1つ以上の有機酸、1つ以上の甘味料、1つ以上の結合剤、1つ以上の保湿剤、1つ以上のガム、1つ以上の有効成分、タバコ用材料、又はそれらの組み合わせをさらに含む、実施形態1~15のいずれか1つに記載の製品。
【0043】
実施形態17 混合物は、ニコチン成分、植物由来薬、刺激剤、アミノ酸、ビタミン及びカンナビノイドからなる群から選択される1つ以上の有効成分をさらに含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の製品。
【0044】
実施形態18 混合物は、遊離塩基として計算され、混合物の総重量に基づいて、約0.001~約10重量%のニコチン成分をさらに含む、実施形態1~17のいずれか1つに記載の製品。
【0045】
実施形態19 混合物は、混合物の総重量に基づいて、約0.1~約0.5重量%の1つ以上の有機酸をさらに含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の製品。
【0046】
実施形態20 1つ以上の有機酸が、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、又はそれらの組み合わせである、実施形態1~19のいずれか1つに記載の製品。
【0047】
実施形態21 1つ以上の有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オクタン酸、安息香酸、トルエン酸、サリチル酸、又はそれらの組み合わせである、実施形態1~20のいずれか1つに記載の製品。
【0048】
実施形態22 1つ以上の有機酸がクエン酸である、実施形態1~21のいずれか1つに記載の製品。
【0049】
実施形態23 混合物がタバコ用材料をさらに含む、実施形態1~22のいずれか1つに記載の製品。
【0050】
実施形態24 混合物が、混合物の総重量に基づいて、存在するいずれのニコチン成分をも除いて、約10重量%以下のタバコ用材料を含む、実施形態1~23のいずれか1つに記載の製品。
【0051】
実施形態25 タバコ用材料が漂白されたタバコである、実施形態1~24のいずれか1つに記載の製品。
【0052】
実施形態26 混合物が、混合物の総重量に基づいて、約7.5%以下のアルカリ金属塩を含む、実施形態1~25のいずれか1つに記載の製品。
【0053】
実施形態27 混合物がパウチに封入されてパウチ製品を形成し、混合物が任意選択で自由に流動する微粒子の形態である、実施形態1~26のいずれか1つに記載の製品。
【0054】
実施形態28 調製後1日の期間に測定した場合、製品は、半定量的ガスクロマトグラフィー質量分析法によって判定されると、セルロース誘導体を含まない対照製品に存在する同じ1つ以上の香味剤の濃度よりも高い、そこに存在する1つ以上の香味剤の濃度を有する、実施形態1~27のいずれか1つに記載の製品。
【0055】
実施形態29 期間が、調製後2日、1週間、2週間、3週間、又は1ヶ月のうちの1つ以上である、実施形態1~28のいずれか1つに記載の製品。
【0056】
実施形態30 経口での使用のために構成された製品を安定化する方法であって、1つ以上の香味剤をセルロース誘導体と混合して第1の混合物を形成すること、及び第1の混合物を微粒子状充填剤成分及び水と混合して製品を形成することを含む方法。
【0057】
実施形態31 セルロース誘導体がセルロースエーテルである、実施形態30に記載の方法。
【0058】
実施形態32 セルロース誘導体は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又はカルボキシメチルセルロース(CMC)の1つ以上である、実施形態30又は31に記載の方法。
【0059】
実施形態33 セルロース誘導体がHPCである、実施形態30~32のいずれか1つに記載の方法。
【0060】
実施形態34 微粒子状充填剤成分が、セルロース材料、デンプン又はその両方を含む、実施形態30~33のいずれか1つに記載の方法。
【0061】
実施形態35 微粒子状充填剤成分が微結晶セルロースを含む、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
実施形態36 1つ以上の香味剤が、1つ以上のアルデヒド、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド又はそれらの組み合わせを含む、実施形態30~35のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
実施形態37 1つ以上の香味剤が1つ以上のエステルを含む、実施形態30~36のいずれか1つに記載の方法。
【0064】
実施形態38 1つ以上のエステルは、C1~C8アルカノール及びC2~C8アルキルカルボン酸を含むアルキルエステルである、実施形態30~37のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
実施形態39 1つ以上のエステルは、酢酸イソアミル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、ヘキサン酸アリル、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態30~38のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
実施形態40 第1の混合物を微粒子状充填剤成分と混合することは、1つ以上の塩、1つ以上の甘味料、1つ以上の結合剤、1つ以上の保湿剤、1つ以上のガム、1つ以上の有効成分、タバコ用材料、又はそれらの組み合わせを添加することをさらに含む、実施形態30~39のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
実施形態41 第1の混合物を微粒子状充填剤成分と混合することが、ニコチン成分、植物由来薬、刺激剤、アミノ酸、ビタミン及びカンナビノイドからなる群から選択される1つ以上の有効成分を添加することをさらに含む、実施形態30~40のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
実施形態42 遊離塩基として計算され、製品の総重量に基づいて、約0.001~約10重量%のニコチン成分を添加することをさらに含む、実施形態30~41のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
実施形態43 製品の総重量に基づいて、約0.1~約0.5重量%の1つ以上の有機酸を添加することをさらに含む、実施形態30~42のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
実施形態44 1つ以上の有機酸が、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、又はそれらの組み合わせである、実施形態30~43のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
実施形態45 1つ以上の有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オクタン酸、安息香酸、トルエン酸、サリチル酸、又はそれらの組み合わせである、実施形態30~44のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
実施形態46 1つ以上の有機酸がクエン酸である、実施形態30~45のいずれか1つに記載の方法。
【0073】
実施形態47 製品をパウチに封入してパウチ製品を形成することをさらに含み、製品は任意選択に、自由に流動する微粒子の形態である、実施形態30~46のいずれか1つに記載の方法。
【0074】
実施形態48 調製後1日の期間に測定した場合、製品は、半定量的ガスクロマトグラフィー質量分析法によって判定されると、セルロース誘導体を含まない対照製品に存在する同じ1つ以上の香味剤の濃度よりも高い、そこに存在する1つ以上の香味剤の濃度を有する、実施形態30~47のいずれか1つに記載の方法。
【0075】
実施形態49 期間が、調製後2日、1週間、2週間、3週間、又は1ヶ月のうちの1つ以上である、実施形態30~48のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
実施形態50 実施形態30~50のいずれか1つに記載の方法によって調製された、経口での使用のために構成された製品。
【0077】
実施形態51 経口での使用のために構成された香味安定化製品であって、セルロース誘導体によって安定化された1つ以上の香味剤を含み、セルロース誘導体が、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、又はカルボキシメチルセルロース(CMC)からなる群から任意選択で選択される、製品。
【0078】
本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下に簡潔に説明される添付の図面と共に以下の詳細な説明を読むことから、明白になる。本発明は、上述の実施形態のうちの2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の任意の組み合わせ、さらに本開示に記載のいずれか2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の特徴又は要素の組み合わせを、そのような特徴又は要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかどうかにかかわらず、含んでいる。本開示は、その様々な態様及び実施形態のいずれかにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴又は要素が、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り組み合わせ可能であることが意図されているとみなされるべきであるように、全体的に読まれることが意図されている。
【0079】
先行の一般的な条件で本開示の態様をこのように説明してきたが、これより、必ずしも一定の縮尺で描かれていない添付の図面を参照する。図面は例示にすぎず、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【
図1】本開示の混合物で充填された外側パウチを示す、製品の幅を越えて得られるパウチ製品の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
本開示は、増強された香味の安定性を示す製品、及びそのような製品中の香味成分を安定化する方法を提供する。顧客の満足のために、初期香味プロファイルなどの特定の初期の特性を保持する経口での使用に適合した製品を提供することは望ましい。驚くべきことに、本開示によれば、特定の実施形態では、微粒子状充填剤成分、セルロース誘導体、少なくとも約5重量%の量の水、及び1つ以上の香味剤を含む製品は、セルロース誘導体を含まない対照製品と比較して、存在するいくつかの揮発性香味成分の保持率を高めることが見出された。
【0082】
本開示は、これより、その例示的実施形態を参照しながら、以下でさらに十分に説明される。本開示が徹底的で完全であり、また本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように、これらの例示的実施形態を説明する。実際、本開示は多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。「乾燥重量%」又は「乾燥重量基準」への言及は、乾燥成分(すなわち、水を除く全ての成分)に基づく重量を指す。「湿潤重量」について言及することは、水を含む組成物の重量を指している。別段示されない限り、組成物の「重量%」について言及することは、組成物の総湿潤重量を反映している(すなわち、水を含む)。
【0083】
本明細書に記載の製品は、セルロース誘導体、微粒子状充填剤成分、水及び1つ以上の香味剤を含む混合物を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、1つ以上の塩、1つ以上の甘味料、1つ以上の結合剤、1つ以上の保湿剤、1つ以上のガム、1つ以上の有効成分、タバコ用材料、タバコ由来材料又はそれらの組み合わせをさらに含む。混合物中の様々な成分の相対的な量は様々であってよく、典型的には、経口用製品に所望の感覚特性及び性能特性を付与するように選択される。混合物の例示的な個々の成分は、本明細書において以下に記載される。
【0084】
微粒子状充填剤成分
本明細書に記載の混合物は、典型的には微粒子状充填剤成分を含む。そのような微粒子状充填剤成分は、質感及び食感などの特定の感覚刺激特性の向上、製品の凝集性又は圧縮性の向上などの複数の機能を果たすことができる。一般に、充填剤成分は多孔質微粒子状材料であり、セルロース系である。例えば、適切な充填剤成分は、そのような供給源に由来するセルロース材料を含む、任意の非タバコ植物材料又はその誘導体である。セルロース系の非タバコ植物材料の例としては、穀類(例えば、トウモロコシ、エンバク、オオムギ、ライムギ、ソバなど)、サトウダイコン(例えば、International Fiber Corporationから入手可能なFIBREX(R)ブランドの充填剤)、ふすま繊維及びそれらの混合物が挙げられる。非タバコ植物材料の誘導体の非限定的な例としては、デンプン(例えば、ジャガイモ、コムギ、米、トウモロコシ由来)、天然セルロース、及び改質されたセルロース材料が挙げられる。可能性のある充填剤成分のさらなる例としては、マルトデキストリン、デキストロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール、キシリトール及びソルビトールが挙げられる。充填剤を組み合わせて使用することもできる。いくつかの実施形態では、微粒子状充填剤成分は、デンプン、セルロース材料、又はその両方を含む。
【0085】
本明細書で使用される「デンプン」は、任意の供給源由来の純粋なデンプン、改質されたデンプン又はデンプン誘導体を示し得る。デンプンは、典型的には粒状形態で、ほとんど全ての緑色植物及び様々なタイプの植物の組織及び器官(例えば、種子、葉、根茎、根、塊茎、シュート、果実、穀粒及び茎)に存在する。デンプンは、組成、並びに粒状の形状及びサイズが異なり得る。多くの場合、異なる供給源からのデンプンは、異なる化学的及び物理的特性を有する。特定のデンプンは、デンプン材料が組成物に特定の感覚刺激特性を付与できることに基づいて、混合物に含めるために選択することができる。様々な供給源に由来するデンプンを使用することができる。例えば、デンプンの主要な供給源には、穀類(例えば、イネ、コムギ及びトウモロコシ)及び根菜類(例えば、ジャガイモ及びキャッサバ)が含まれる。デンプンの供給源の他の例としては、ドングリ、クズ、ラッカセイ、バナナ、オオムギ、豆(例えば、ファバス(favas)、レンズ豆、マングビーン(mung bean)、エンドウ豆、ヒヨコ豆)、ブレッドフルート(breadfruit)、ソバ、カンナ(canna)、クリ、カラカサス、カタクリー(katakuri)、クズ(kudzu)、マランガ(malanga)、キビ、オートムギ、オカ(oca)、ポリネシアンアロールート(Polynesian arrowroot)、サゴ(sago)、ソルガム(sorghum)、サツマイモ、キヌア、ライムギ、タピオカ、タロイモ(taro)、タバコ(tobacco)、ウォーターチェスナット(water chestnuts)、及びヤマノイモ(yams)が挙げられる。特定のデンプンは、改質されたデンプンである。改質されたデンプンは、頻繁にその高い熱特性を変更するように設計される、1つ以上の構造的改質を受けている。いくつかのデンプンが遺伝子改変によって開発されており、「改質された」デンプンであると考えられる。他のデンプンが得られ、続いて改質される。例えば、改質されたデンプンは、エステル化、エーテル化、酸化、塩基の存在下での酸触媒作用又は酸化による解重合(薄化)、漂白、トランスグリコシル化及び解重合(例えば、触媒の存在下でのデキストリン化)、架橋、酵素処理、アセチル化、ヒドロキシプロピル化、及び/又は部分的な加水分解などの化学反応に供されたデンプンであり得る。他のデンプンは、熱処理、例えば、アルファ化、デキストリン化及び/又は冷水膨潤プロセスによって改質される。特定の改質されたデンプンとしては、リン酸モノデンプン、ジデンプングリセロール、トリメタリン酸ナトリウムでエステル化されたリン酸ジデンプン、リン酸ジデンプンリン酸、アセチル化ジデンプンリン酸、無水酢酸でエステル化された酢酸デンプン、酢酸ビニルでエステル化された酢酸デンプン、アセチル化アジピン酸ジデンプン、アセチル化ジデンプングリセロール、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルジデンプングリセロール、デンプンナトリウムオクテニルスクシネートが挙げられる。
【0086】
いくつかの実施形態では、微粒子状充填剤成分は、セルロース材料を含む。本明細書に記載の製品に使用するのに適したセルロース材料の1つの非限定的な例は、微結晶セルロース(「mcc」である。mccは、合成又は半合成であってもよく、又は完全に天然セルロースから得られてもよい。mccは、AVICEL(R)グレードPH-100、PH-102、PH-103、PH-105、PH-112、PH-113、PH-200、PH-300、PH-302、VIVACEL(R)グレード101、102、12、20及びEMOCEL(R)グレード50M及び90Mなど、並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、微粒子状充填剤成分はmccを含む。いくつかの実施形態では、充填剤成分はmccである。
【0087】
本明細書に記載の混合物に存在する微粒子状充填剤成分(例えば、mcc)の量は、所望の特性に従って変化し得るが、典型的には最大約97乾燥重量%であり、特定の実施形態は、最大約10乾燥重量%の充填剤含有量を特徴とする。湿潤重量基準での充填剤成分の量は様々であり得るが、典型的には、重量で総組成物の約75%までである。混合物中の充填剤成分の典型的な範囲は、組成物の総重量の約10~約75%、例えば、湿潤重量基準で約10、約15、約20、約25、又は約30から約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、又は約75重量%(例えば、約15~約60重量%、又は約25~約45重量%)であり得る。特定の実施形態では、微粒子状充填剤成分の量は、混合物の総重量に基づいて、重量で少なくとも約10%、例えば少なくとも約20%、又は少なくとも約25%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約35%、又は少なくとも約40%である。
【0088】
セルロース誘導体
本明細書に記載の混合物はセルロース誘導体を含む。「セルロース誘導体」とは、セルロースポリマー構造の1つ以上のヒドロキシル基と、例えばエステル化剤又はアルキル化剤との反応によって化学的に修飾されたセルロース系材料を意味する。セルロース誘導体には、セルロースエステル及びセルロースエーテルなどのセルロースの任意の誘導体が含まれるが、これらに限定されない。「セルロースエステル」とは、セルロースポリマー構造中の1つ以上のヒドロキシル基の水素が、例えば、アシル、ニトロ又はスルフェート基で置換されたセルロース構造を意味する。セルロースエステルは、有機エステル(例えば、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB))又は無機エステル(例えば、ニトロセルロース(硝酸セルロース)及び硫酸セルロース)であり得る。「セルロースエーテル」とは、セルロースポリマー構造中の1つ以上のヒドロキシル基の水素が、アルキル、ヒドロキシアルキル又はアリール基で置換されたセルロース構造を意味する。セルロースエーテルには、例えば、アルキルエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース)、ヒドロキシアルキルエーテル(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HMPC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、及びカルボキシアルキルエーテル(例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC))が含まれる。
【0089】
混合物に存在するセルロース誘導体の量は変化し得る。いくつかの実施形態では、混合物は、混合物の総重量に基づいて、セルロース誘導体の少なくとも約0.5重量%の量のセルロース誘導体を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、組成物の総重量に基づいて、セルロース誘導体の少なくとも約1重量%の量のセルロース誘導体を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、組成物の総重量に基づいて、約0.5~約10重量%の量のセルロース誘導体を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、セルロース誘導体の約1~約5重量%で、例えば、約1、約1.5、約2、約2.5、又は約3から約3.5、約4、約4.5、又は約5重量%の量のセルロース誘導体を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、混合物の総重量に基づいて、約1~約3重量%の量のセルロース誘導体を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、セルロース誘導体はセルロースエーテルである。いくつかの実施形態では、セルロースエーテルは、アルキルエーテル又はヒドロキシアルキルエーテルである。一実施形態では、セルロースエーテルは、メチルセルロース、HPC、HPMC、ヒドロキシエチルセルロース、又はCMCの1つ以上を含む。一実施形態では、セルロースエーテルはHPCである。特定の実施形態において、混合物は、混合物の総重量に基づいて、約1~約3重量%のHPCを含む。
【0091】
水
混合物の水含有量は、製品の消費者による使用前に、所望の特性に従って変化し得る。典型的には、混合物は、使用者の口に挿入する前に製品の中に存在する場合、水の約60重量%未満であり、一般に、混合物の総重量に基づいて、約1~約60重量%の水、例えば、約5~約55、約10~約50、約20~約45、又は約25~約40重量%の水である。いくつかの実施形態では、混合物は、混合物の総重量に基づいて、少なくとも約5%の水、例えば、約5~約60重量%の水である。特定の実施形態では、混合物は、約1~約3重量%のHPC、約10~約60重量%の微結晶セルロース及び約1~約60重量%の水を含む。
【0092】
香味剤
本明細書に開示される混合物は、1つ以上の香味剤を含む。本明細書で使用される場合、「香味剤」又は「香味料」は、無煙タバコ組成物に関連する感覚特性を変化させることができる任意の風味のある又は芳香性の物質である。香味剤によって変更できる感覚特性の例の例には、味、口当たり、湿り気、清涼感/熱、及び/又は香り/芳香を挙げることができる。香味剤は、天然又は合成であってもよく、それによって付与される風味の特徴は、限定されないが、フレッシュ、甘味、ハーブ、菓子、フローラル、フルーティー、又はスパイシーとして記載され得る。具体的な種類の香味としては、限定されないが、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メントール、ペパーミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、サンダルウッド、ハチミツ、ジャスミン、ジンジャー、アニス、セージ、甘草、レモン、オレンジ、リンゴ、モモ、ライム、チェリー、イチゴ及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。また、Leffingwell et al.,Tobacco Flavoring for Smoking Products,R.J.Reynolds Tobacco Company(1972)を参照されたい。その開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれている。香味料はまた、ユーカリなどの湿潤剤、冷却剤又は平滑剤と考えられる成分を含み得る。これらの香味剤は、ニート(すなわち、単独で)又は複合体で提供されてもよく、濃縮物又は香味剤パッケージ(例えば、スペアミント及びメントール、オレンジ及びシナモン、ライム、トロピカルなど)として使用されてもよい。代表的な種類の構成要素はまた、Whiteらに対する米国特許第5,387,416号明細書、Stricklandらに対する米国特許出願公開第2005/0244521号明細書及びQuinterらに対するPCT出願の国際公開第05/041699号パンフレットに記載されている。それぞれが、参照により本明細書に組み込まれる。場合によっては、香味剤は、噴霧乾燥形態又は液体の形態で提供され得る。
【0093】
香味剤は、一般に、少なくとも1つの揮発性香味成分を含む。本明細書で使用される場合、「揮発性」は、周囲温度で容易に蒸気を形成する化学物質(すなわち、不揮発性物質と比較して所定の温度において蒸気圧が高い化学物質)を指す。典型的には、揮発性香味成分は、約400未満の分子量を有し、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合、炭素-酸素単結合又はそれらの組み合わせを含むことが多い。一実施形態では、少なくとも1つの揮発性香味成分は、1つ以上のアルコール、アルデヒド、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド、又はそれらの組み合わせを含む。アルデヒドの非限定的な例としては、バニリン、エチルバニリン、p-アニスアルデヒド、ヘキサナール、フルフラール、イソバレルアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンズアルデヒド及びシトロネラールが挙げられる。ケトンの非限定的な例としては、1-ヒドロキシ-2-プロパノン及び2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテノン-1-オンが挙げられる。テルペンの非限定的な例としては、サビネン、リモネン、γ-テルピネン、β-ファルネセン、ネロリドール、ツジョン、ミルセン、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナロール及びユーカリプトールが挙げられる。
【0094】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの揮発性香味成分は、1つ以上のエステルを含む。本明細書で使用される場合、「エステル」という用語は、カルボキシル(CO2H)基の-OHがアルコールの-O-アルキル(アルコキシ)基で置き換えられている、カルボン酸及びアルコールから誘導される化合物を指す。いくつかの実施形態では、1つ以上のエステルはC1~C8アルカノール及びC2~C8アルキルカルボン酸を含むアルキルエステルである。
【0095】
「C1~C8アルカノール」とは、1~8個の炭素を有する任意の直鎖又は分岐鎖の炭化水素アルコールを意味する。アルカノールは、飽和(すなわち、全てのsp3炭素原子を有する)であってもよく、不飽和(すなわち、少なくとも1つの不飽和部位を有する)であってもよい。本明細書で使用される場合、「不飽和」という用語は、アルカノールの炭化水素鎖の中の1つ以上の位置に炭素-炭素、sp2二重結合が存在することを指す。不飽和アルカノールは、一価不飽和又は多価不飽和であり得る。代表的な直鎖アルカノールには、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル及びn-ヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。不飽和アルカノールには、アリル、ブテニルなどが含まれるが、これらに限定されない。分枝鎖アルカノールには、イソプロピル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、イソペンチル、及び2-メチルブチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0096】
「C2~C8アルキルカルボン酸」とは、2~8個の炭素を有する任意の直鎖又は分岐鎖炭化水素カルボン酸を意味する。上で定義したアルカノールと同様に、C2~C8アルキルカルボン酸のアルキル基は、分枝鎖又は直鎖であり得、飽和又は不飽和であり得る。アルキルカルボン酸の非限定的な例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸及びオクタン酸が挙げられる。
【0097】
アルキルエステルの非限定的な例としては、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸エチル、ヘキサン酸エチル、酢酸イソアミル及び3-メチルブチルアセテートが挙げられる。一実施形態では、少なくとも1つの揮発性香味成分に存在する1つ以上のエステルは、酢酸イソアミル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、ヘキサン酸アリル、又はそれらの組み合わせを含む。
【0098】
混合物中で利用される香味剤の量は様々であり得るが、典型的には最大約10重量%であり、特定の実施形態は、少なくとも約0.5重量%、例えば約0.5~約10重量%、約1~約6重量%、又は約2~約5重量%の香味剤含有量を特徴とする。
【0099】
混合物内に存在する香味剤(例えば、揮発性成分)の量は、ある期間(例えば、組成物の調製後の保存期間中)にわたって変化し得る。例えば、混合物(例えば、ライム、トロピカル、シナモンなどの香味パッケージの形態で導入される)中に存在するエステル、ケトンなどの特定の揮発性成分は、蒸発するか又は化学変換を受け、揮発性香味成分の1つ以上の濃度の低下をもたらし得る。一実施形態では、存在する少なくとも1つの揮発性香味成分の1つ以上の濃度は、セルロース誘導体を含まない対照混合物に存在する同じ1つ以上の揮発性香味成分の濃度よりも高い。
【0100】
有機酸
本明細書で使用される場合、「有機酸」という用語は、酸性の特性を特徴とする有機(すなわち、炭素系)化合物を指す。典型的には、有機酸は、カルボン酸(-CO2H)又はスルホン酸(-SO2OH)などの比較的弱性の酸(すなわち、それらは水の存在下で完全には解離しない)である。本明細書で使用される場合、有機酸への言及は、意図的に添加される有機酸を意味する。これに関して、有機酸は、単に別の組成物成分(例えば、タバコ用材料などの組成物成分中に本質的に存在し得る少量の有機酸)の成分として本質的に存在しているのと反対に、特定の組成物成分として、意図的に添加されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の有機酸をニート(すなわち、それらの遊離酸、本来固体又は液体の形態で)で、又は例えば水中の溶液として添加する。いくつかの実施形態では、1つ以上の有機酸は、本明細書で以下に記載されるように、塩の形態で添加される。
【0101】
適切な有機酸は、典型的には、ある範囲の親油性(すなわち、水及び有機溶解度の適切なバランスをもたらす極性)を有する。親油性は、logPに関して好都合に測定される。これは、通常はそれぞれ水及びオクタノールである水相と親油性相との間の分子の分配係数である。いくつかの実施形態では、有機酸は、約1.5~約5.0、例えば、約1.5、約2.0、約2.5、又は約3.0から約3.5、約4.0、約4.5、又は約5.0のlogP値を有する。
【0102】
いくつかの実施形態では、有機酸は、カルボン酸又はスルホン酸である。カルボン酸又はスルホン酸の官能基は、例えば、1から20個の炭素原子(C1~C20)を有する任意のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基に結合していてもよい。いくつかの実施形態では、有機酸は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールカルボン酸又はスルホン酸である。
【0103】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、任意の直鎖又は分岐鎖の炭化水素を指す。アルキル基は、飽和(すなわち、全てのsp3炭素原子を有する)であってもよく、不飽和(すなわち、少なくとも1つの不飽和部位を有する)であってもよい。本明細書で使用される場合、「不飽和」という用語は、アルキル基の中の1つ以上の位置に炭素-炭素、sp2二重結合が存在することを指す。不飽和アルキル基は、一価不飽和又は多価不飽和であり得る。代表的な直鎖アルキル基には、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル及びn-ヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。分枝鎖アルキル基には、イソプロピル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、イソペンチル、及び2-メチルブチルが含まれるが、これらに限定されない。代表的な不飽和アルキル基には、エチレン又はビニル、アリル、1-ブテニル、2-ブテニル、イソブチレニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-メチル-1-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニルなどが含まれるが、これらに限定されない。アルキル基は、非置換であっても置換されていてもよい。
【0104】
本明細書で使用されている「シクロアルキル」は、単環式又は二環式であり得る炭素環式基を指す。シクロアルキル基は、単環として3~7個の炭素原子を有する環、又は二環として7~12個の炭素原子を有する環を含む。単環式シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。シクロアルキル基は、非置換であっても置換されていてもよく、1つ以上の不飽和部位(例えば、シクロペンテニル又はシクロヘキセニル)を含んでいてもよい。
【0105】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、炭素環式芳香族基を指す。アリール基の例としては、フェニル及びナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は、非置換であっても置換されていてもよい。
【0106】
本明細書で使用される場合の「ヘテロアリール」及び「ヘテロシクロアルキル」は、それぞれ、1個以上の環原子がヘテロ原子、例えば窒素、酸素及び硫黄である芳香族又は非芳香族環系を指す。ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル基は、20個までの炭素原子と、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子とを含む。ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、3~7個の環員を有する単環(例えば、2~6個の炭素原子及びN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子)又は7~10個の環員を有する二環(例えば、4~9個の炭素原子並びにN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子)、例えばビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]又は[6,6]系であり得る。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H-インドリル、1H-インダゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH-カルバゾリル、カルバゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル及びイソチノイルを例として含めるが、限定するものではない。ヘテロシクロアルキルの例は、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、テトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、2-ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ビス-テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、ピペラジニル、キヌクリジニル及びモルホリニルを例として含めるが、限定するものではない。ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキル基は、置換されていなくても置換されていてもよい。
【0107】
本明細書で使用され、上記のアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基のいずれかに適用される「置換」は、1以上の水素原子がそれぞれ独立して置換基で置き換えられていることを意味する。典型的な置換基には、-Cl、Br、F、アルキル、-OH、-OCH3、NH2、-NHCH3、-N(CH3)2、-CN、-NC(=O)CH3、-C(=O)-、-C(=O)NH2及び-C(=O)N(CH3)2が含まれるが、これらに限定されない。ある基が「任意選択で置換される」と記載されている場合はいつでも、その基を、各々の場合に独立して選択される、上記置換基の1つ以上で、置換することができる。いくつかの実施形態では、置換基は、1つ以上のメチル基又は1つ以上のヒドロキシル基であり得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、有機酸はアルキルカルボン酸である。アルキルカルボン酸の非限定的な例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。いくつかの実施形態では、有機酸は、アルキルスルホン酸である。アルキルスルホン酸の非限定的な例としては、プロパンスルホン酸及びオクタンスルホン酸が挙げられる。
【0109】
いくつかの実施形態では、アルキルカルボン酸又はスルホン酸は、1以上のヒドロキシル基で置換される。非限定的な例としては、グリコール酸、4-ヒドロキシ酪酸及び乳酸が挙げられる。
【0110】
いくつかの実施形態では、有機酸は、1つを超えるカルボン酸基又は1つを超えるスルホン酸基(例えば、2個、3個又は4個以上のカルボン酸基)を含み得る。非限定的な例としては、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸及びグルタル酸が挙げられる。複数のカルボン酸を含有する有機酸(例えば、2~4個のカルボン酸基)では、カルボン酸基の1つ以上がエステル化されていてもよい。非限定的な例としては、コハク酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチル、クエン酸モノメチル又はクエン酸ジメチルなどが挙げられる。
【0111】
いくつかの実施形態では、有機酸は、1つを超えるカルボン酸基及び1つ以上のヒドロキシル基を含み得る。そのような酸の非限定的な例としては、酒石酸、クエン酸などが挙げられる。
【0112】
いくつかの実施形態では、有機酸は、アリールカルボン酸又はアリールスルホン酸である。アリールカルボン酸及びスルホン酸の非限定的な例として、安息香酸、トルエン酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸が挙げられる。
【0113】
適切な有機酸のさらなる非限定的な例としては、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸(L)、アスパラギン酸(L)、カンフル酸(+)、カンフル-10-スルホン酸(+)、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、シクラミン酸、デカン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、ラクトバリン酸、ラウリン酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パモ酸、ピログルタミン酸、セバシン酸、ステアリン酸、ウンデシレン酸を含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、1つ以上の有機酸は、単一の有機酸である。いくつかの実施形態では、1つ以上の有機酸は、2つ、3つ、又はそれ以上の有機酸などのいくつかの酸の組み合わせである。
【0115】
いくつかの実施形態では、有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オクタン酸、安息香酸、トルエン酸、サリチル酸又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、有機酸は安息香酸である。いくつかの実施形態では、有機酸はクエン酸である。
【0116】
代替的な実施形態では、有機酸の一部又はさらには全部は、限定されないがニコチンを含み得るアルカリ成分との塩の形態で添加され得る。例えばニコチンに適した塩の非限定的な例としては、ギ酸塩、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、酪酸、アルファメチルブチエート、イソ吉草酸、β吉草酸メチル、カプロネート、2-フロエート、フェニルアセテート、ヘプタノエート、オクタノエート、ノナノエート、シュウレート、マロネート、グリコレート、ベンゾエート、酒石酸塩、レブリン酸、アスコルビン酸塩、フマレート、クエン酸塩、マレート、乳酸塩、アスパラギン酸、サリチレート、トシレート、サクシネート、ピルビン酸などが挙げられる。いくつかの実施形態では、有機酸又はその一部は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩の形態で添加されてもよい。1つを超える酸性基を有する有機酸(ジカルボン酸又はトリカルボン酸など)では、場合によっては、これらの酸基の1つ以上がそのような塩の形態であり得る。適切な非限定的な例としては、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウムなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、オクタン酸、安息香酸、トルエン酸、サリチル酸又はそれらの組み合わせの塩である。いくつかの実施形態では、有機酸は、それぞれジカルボン酸モノエステル又はトリカルボン酸ジエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸若しくは酒石酸のモノメチルエステル、又はクエン酸のジメチルエステルである。
【0117】
混合物に存在する有機酸の量は変化し得る。一般に、混合物中に存在する場合、有機酸は、混合物の約0.1~約10重量%を構成し、これは、1つ以上の有機酸として存在してもよい。いくつかの実施形態では、混合物は、有機酸を実質的に含まない。有機酸を「実質的に含まない」とは、意図的に添加された有機酸が存在しない(例えば、0.1%未満、0.05%未満、又は0%)ことを意味する。いくつかの実施形態では、混合物は、重量で、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%又は約10%の有機酸を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、約0.1~約0.5重量%の有機酸、例えば、約0.1、約0.15、約0.2、約0.25、約0.3、約0.35、約0.4、約0.45又は約0.5重量%を含む。いくつかの実施形態では、混合物は、組成物の総重量に基づいて、約0.25~約0.35重量%、例えば、約0.25、約0.26、約0.27、約0.28、約0.29、又は約0.3から約0.31、約0.32、約0.33、約0.34、又は約0.35重量%の有機酸を含む。有機酸の塩が添加される場合、重量%は、存在し得るいずれの対イオンをも含まない遊離酸の重量に基づいて計算される。
【0118】
存在する場合、混合物中の酸の量は、混合物に存在し得る他の成分(例えば、ニコチン、塩、緩衝剤など)の酸性度及び塩基性度に基づいて変化する。したがって、有機酸が存在するいくつかの実施形態では、有機酸は、混合物のpH7.0以下(典型的には約6.8以下、約6.6以下又は約6.5以下)を提供するのに十分な量で提供される。特定の実施形態では、酸含有物は、約4.0~約7.0、例えば、約4.5、約5.0、約5.5、又は約6.0から、約6.5、又は約7.0の混合物のpHをもたらすのに十分である。いくつかの実施形態では、有機酸は、約5.5~約6.5、例えば、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9又は約6.0から約6.1、約6.2、約6.3、約6.4又は約6.5という混合物のpHをもたらすのに十分な量で与えられる。
【0119】
塩
いくつかの実施形態では、混合物は、典型的には、所望の感覚特性を組成物に付与するのに十分な量で使用される塩(例えば、アルカリ金属塩)をさらに含んでもよい。適切な塩の非限定的な例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、小麦粉の塩などが挙げられる。存在する場合、塩の代表的な量は、約0.5重量%以上、約1.0重量%以上又は約1.5重量%以上であるが、典型的には、組成物の総重量の約10%以下、又は約7.5%以下、又は約5%以下(例えば、約0.5~約5重量%)を構成する。
【0120】
甘味料
混合物は、典型的には、1つ以上の甘味料をさらに含む。甘味料は、天然若しくは人工の形態で、又は天然甘味料及び人工甘味料の組み合わせとして、任意の甘味料又は甘味料の組み合わせであり得る。天然甘味料の例としては、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、ステビアなどが挙げられる。人工甘味料の例として、スクラロース、イソマルツロース、マルトデキストリン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオテームなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、甘味料は、糖アルコールを含む。糖アルコールは、部分的又は完全に水素化された形態を有する単糖又は二糖から誘導されるポリオールである。糖アルコールは、例えば、約4~約20個の炭素原子を有し、エリスリトール、アラビトール、リビトール、イソマルト、マルチトール、ズルシトール、イジトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール、及びそれらの組み合わせ(例えば、水素化デンプン加水分解物)を含む。存在する場合、代表的な量の甘味料は、重量基準で混合物の約0.1~約20%又はそれ以上、例えば、重量基準で組成物の約0.1~約1%、約1~約5%、約5~約10%、又は約10~約20%を構成し得る。
【0121】
結合剤
結合剤(又は結合剤の組み合わせ)は、特定の実施形態では、所望の物理的属性及び物理的完全性を混合物に付与するのに十分な量で使用され得る。典型的な結合剤は、有機若しくは無機、又はそれらの組み合わせであり得る。代表的な結合剤には、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、デンプン系結合剤、ペクチン、カラギーナン、プルラン、ゼインなど、及びそれらの組み合わせが含まれる。混合物中で利用される結合剤の量は様々であり得るが、典型的には最大約30重量%であり、特定の実施形態は、混合物の総重量に基づいて、少なくとも約0.1重量%、例えば約1~約30重量%、又は約5~約10重量%の結合剤の含有量を特徴とする。
【0122】
特定の実施形態では、結合剤は、ガム、例えば天然ガムを含む。本明細書で使用される場合、天然ガムは、増粘剤又はゲル化剤として有用な天然起源の多糖材料を指す。典型的にはある程度水溶性である植物由来の代表的な天然ガムとしては、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ガティガム、トラガカントゴム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。存在する場合、天然ゴム結合材料は、典型的には、混合物の総重量に基づいて、最大約5重量%、例えば約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、又は約1%から約2、約3、約4、又は約5重量%の量で存在する。
【0123】
保湿剤
特定の実施形態では、1つ以上の保湿剤を混合物に使用することができる。保湿剤の例としては、グリセリン、プロピレングリコールなどが挙げられるが、これらに限定されない。含まれる場合、湿潤剤は、典型的には、所望の水分属性を混合物に与えるのに十分な量で提供される。さらに、いくつかの例では、保湿剤は、鋳型に堆積するため混合物に望ましい流れの特性を付与し得る。存在する場合、湿潤剤は、典型的には、混合物の重量の約5%以下を構成する(例えば、約0.5~約5%で)。存在する場合、湿潤剤の代表的な量は、混合物の総重量に基づいて、約0.1%~約1重量%で、又は約1%~約5重量%である。
【0124】
緩衝剤
特定の実施形態では、本開示の混合物は、pH調整剤又は緩衝剤を含むことができる。使用することができるpH調整剤及び緩衝剤の例としては、金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物)、及び金属カルバメート(例えば、カリウムカルバメート又はナトリウムカルバメート)などの他のアルカリ金属緩衝剤、又はナトリウムバイカルバメートなどの金属バイカルバメートなどが挙げられるが、これらに限定されない。存在する場合、緩衝剤は、典型的には、配合物の重量に基づいて約5%未満、例えば、混合物の総重量に基づいて約0.5%~約5%、例えば、約0.75%~約4%、約0.75%~約3%、又は約1%~約2重量%の量で存在する。適切な緩衝剤の非限定的な例としては、アルカリ金属アセテート、グリシンアセテート、ホスフェート、グリセロホスフェート、クエン酸塩、カルバメート、炭酸カルバメート、ホウカルバメート、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0125】
着色剤
着色剤は、混合物に所望の物理的属性を付与するのに十分な量で使用され得る。着色剤の例としては、カラメル着色剤や二酸化チタンなどの各種染料や顔料が挙げられる。混合物中で利用される着色剤の量は様々であり得るが、存在する場合、混合物の総重量に基づいて、典型的には最大約3乾燥重量%で、例えば約0.1%、約0.5%、又は約1%~約3重量%である。
【0126】
有効成分
混合物は、追加的又は代替的に、ニコチン、植物性成分(例えば、ラベンダー、ペパーミント、カモミール、バジル、ローズマリー、ショウガ、大麻、人参、マカ及びチサン)、刺激剤(例えば、カフェイン及びガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファン)及び/又は医薬、栄養補助及び医学的成分(例えば、ビタミン、例えばB6、B12及びC、並びに/又はカンナビノイド、例えばテトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD))を含むがこれらに限定されない有効成分を含んでもよい。成分の特定の割合及び選択は、所望の風味、食感及び他の特性に応じて様々である。
【0127】
特定の実施形態では、ニコチン成分が混合物に含まれてもよい。「ニコチン成分」とは、存在するニコチンの少なくとも一部の経口での吸収をもたらすための任意の適切な形態のニコチン(例えば、遊離塩基又は塩)を意味する。典型的には、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ニコチンはその遊離塩基形態であり、例えば微結晶セルロース材料に容易に吸着されて微結晶セルロース-ニコチン担体複合体を形成することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Hanssonによる米国特許出願公開第2004/0191322号明細書の遊離塩基形態のニコチンの論考を参照されたい。
【0128】
いくつかの実施形態では、ニコチンの少なくとも一部は塩の形態で使用され得る。ニコチンの塩は、Coxらによる米国特許第2,033,909号明細書及びPerfetti,Beitrage Tabakforschung Int.,12:43-54(1983)に記載されている種類の成分及び技術を使用して提供することができる。これらは参照により本明細書に組み込まれる。さらに、ニコチンの塩は、Pfaltz and Bauer,Inc.及びK&K Laboratories,Division of ICN Biochemicals,Inc.などの供給元から入手可能である。典型的には、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基、ニコチン塩、例えば、塩酸塩、二塩酸塩、モノ酒石酸塩、重酒石酸塩、硫酸塩、サリチレート及びニコチン塩化亜鉛からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ニコチン成分又はその部分は、本明細書で上に開示されている1つ以上の有機酸の少なくとも一部を有するニコチン塩である。
【0129】
いくつかの実施形態では、ニコチンの少なくとも一部は、ニコチンの樹脂複合体の形態であってもよく、ニコチンは、例えばAmberlite IRP64、Purolite C115HMR又はDoshion P551などのポリメタクリル酸に結合したニコチンであるニコチンポラクリレックスなどのイオン交換樹脂に結合している。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Lichtneckertらによる米国特許第3,901,248号明細書を参照されたい。別の例は、Carbopol 974Pなどを含むニコチン-ポリアクリルカルボマー錯体である。いくつかの実施形態では、ニコチンはニコチンポリアクリル錯体の形態で存在し得る。
【0130】
典型的には、ニコチン成分(遊離塩基として計算)は、存在する場合、混合物の少なくとも約0.001重量%で、例えば約0.001%~約10%の範囲の濃度である。いくつかの実施形態では、ニコチン成分は、遊離塩基として計算し、混合物の総重量に基づいて、約0.1%w/w~約10重量%、例えば約0.1%w/w、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、又は約0.9%から約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、又は約10重量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、ニコチン成分は、遊離塩基として計算し、混合物の総重量に基づいて、約0.1%w/w~約3重量%、例えば約0.1%w/w~約2.5%、約0.1%~約2.0%、約0.1%~約1.5%、又は約0.1%~約1重量%の濃度で存在する。これらの範囲は、本明細書に記載の他の有効成分にも適用することができる。
【0131】
タバコ用材料
いくつかの実施形態では、混合物はタバコ用材料を含んでもよい。タバコ用材料は、種、種類、及び形態が異なり得る。一般に、タバコ用材料は、ニコチアナ種の収穫された植物から得られる。ニコチアナ種の例としては、N.タバカム(N.tabacum)、N.ルスティカ(N.rustica)、N.アラタ(N.alata)、N.アレンツイイ(N.arentsii)、N.エクセルシオル(N.excelsior)、N.フォルゲティアナ(N.forgetiana)、N.グラウカ(N.glauca)、N.グルティノサ(N.glutinosa)、N.ゴッセイ(N.gossei)、N.クニグティアナ(N.knightiana)、N.ラングスドルッフィ(N.langsdorffi)、N.オトホラ(N.otophora)、N.セトチェリ(N.setchelli)、N.シルベストリス(N.sylvestris)、N.トメントーサ(N.tomentosa)、N.トメントシフォルミス(N.tomentosiformis)、N.ウンドゥラータ(N.undulata)、N.×サンデラエ(N.x sanderae)、N.アフリカーナ(N.africana)、N.アムプレキシカウリス(N.amplexicaulis)、N.ベナビデシ(N.benavidesii)、N.ボナリエンシス(N.bonariensis)、N.デブネイ(N.debneyi)、N.ロンギフロラ(N.longiflora)、N.マリチナ(N.maritina)、N.メガロシホン(N.megalosiphon)、N.オシデンタリス(N.occidentalis)、N.パニクラタ(N.paniculata)、N.プルムバギニフォリア(N.plumbaginifolia)、N.ライモンジ(N.raimondii)、N.ロスラタ(N.rosulata)、N.シムランス(N.simulans)、N.ストクトニ(N.stocktonii)、N.スアベオレンス(N.suaveolens)、N.アンブラチカ(N.umbratica)、N.ベルチナ(N.velutina)、N.ウィガンジオイデス(N.wigandioides)、N.アカウリス(N.acaulis)、N.アクミナタ(N.acuminata)、N.アテヌアタ(N.attenuata)、N.ベンサミアナ(N.benthamiana)、N.カビコラ(N.cavicola)、N.クレベランジ(N.clevelandii)、N.コルジフォリア(N.cordifolia)、N.コリンボサ(N.corymbosa)、N.フラグランス(N.fragrans)、N.グッドスピーディ(N.goodspeedii)、N.リネアリス(N.linearis)、N.ミエルシ(N.miersii)、N.ヌジカウリス(N.nudicaulis)、N.オブツシフォリア(N.obtusifolia)、N.オシデンタリス亜種ヘスペリス(N.occidentalis subsp.Hersperis)、N.パウシフロラ(N.pauciflora)、N.ペツニオイデス(N.petunioides)、N.クアドリバルビス(N.quadrivalvis)、N.レパンダ(N.repanda)、N.ロツンジフォリア(N.rotundifolia)、N.ソラニフォリア(N.solanifolia)、及びN.スペガジニ(N.spegazzinii)が挙げられる。ニコチアナ種由来の様々な代表的な他のタイプの植物は、Goodspeed,The Genus Nicotiana,(Chonica Botanica)(1954)、Sensabaugh,Jr.らに対する米国特許第4,660,577号明細書、Whiteらに対する第5,387,416号明細書、Lawsonらに対する第7,025,066号明細書、Lawrence,Jr.らに対する第7,798,153号明細書及びMarshallらに対する第8,186,360号明細書に記載されている。これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。様々なタイプのタバコ、栽培の実際及び収穫の実際の説明は、参照により本明細書に組み込まれるTobacco Production,Chemistry and Technology,Davis et al.(Eds.)(1999)に記載されている。
【0132】
適切なタバコ用材料を得ることができるニコチアナ種は、遺伝子改変又は交配技術を使用して誘導することができる(例えば、タバコ植物は、成分、特徴又は特質の産生を増加又は減少させるように遺伝子操作又は交配することができる)。例えば、Fitzmauriceらに対する米国特許第5,539,093号明細書、Wahabらに対する第5,668,295号明細書、Fitzmauriceらに対する第5,705,624号明細書、Weiglらに対する第5,844,119号明細書、Dominguezらに対する第6,730,832号明細書、Liuらに対する第7,173,170号明細書、Colliverらに対する第7,208,659号明細書、Benningらに対する第7,230,160号明細書、Conklingらに対する米国特許出願公開第2006/0236434号明細書、及びNielsenらに対する国際公開第2008/103935号パンフレットに記載されている植物の遺伝子改変のタイプを参照されたい。また、Sensabaugh,Jr.らに対する米国特許第4,660,577号、Whiteらに対する第5,387,416号明細書、及びDominguezらに対する第6,730,832号明細書に記載されている植物の遺伝子改変のタイプを参照されたい。それぞれが、参照により本明細書に組み込まれる。
【0133】
ニコチアナ種は、いくつかの実施形態では、その中に存在する様々な化合物の含有量について選択することができる。例えば、植物は、それらの植物がそこから単離されることが望まれる化合物の1つ以上を比較的大量に産生することに基づいて選択することができる。特定の実施形態では、ニコチアナ種(例えば、ガルパオ・コムン(Galpao commun)タバコ)の植物は、それらの豊富な葉の表面の化合物のために特に栽培される。タバコ植物は、温室、育成室、又は屋外の圃場で栽培するか、又は水耕栽培することができる。
【0134】
ニコチアナ種の植物の様々な部分は、本明細書に開示される混合物内に含まれ得る。例えば、実質的に全ての植物(例えば、植物全体)を収穫し、そのまま使用することができる。あるいは、植物の様々な部分又は断片を収穫し、又は収穫後にさらに使用するために分離することができる。例えば、花、葉、茎、柄、根、種子、及びそれらの様々な組み合わせを、さらなる使用又は処理のために単離することができる。いくつかの実施形態では、タバコ用材料はタバコの葉(ラミナ)を含む。本明細書に開示される混合物は、加工タバコ部分又は断片、本質的に天然のラミナ及び/又は茎形態の硬化及び熟成タバコ、タバコ抽出物、抽出タバコパルプ(例えば、溶媒として水を使用)、又は前述の混合物(例えば、抽出されたタバコパルプを顆粒化された熟成された天然タバコラミナと組み合わせる混合物)を含むことができる。
【0135】
特定の実施形態では、タバコ用材料は、ラミナ及び茎からなる群から選択される固体タバコ用材料を含む。混合物に使用されるタバコは、最も好ましくは、タバコラミナ、又はタバコラミナと茎との混合物(少なくとも一部が煙処理されている)を含む。混合物内のタバコの部分は、加工されたタバコの茎(例えば、被切断の巻かれた茎、被切断の巻かれた拡張させた茎又は被切断の膨化された茎)又は体積膨張タバコ(例えば、ドライアイス拡張タバコ(DIET)などの膨化タバコ)などの加工形態を有してもよい。例えば、de la Burdeらに対する米国特許第4,340,073号明細書、Guyらに対する第5,259,403号明細書及びPoindexterらに対する第5,908,032号明細書及びPoindexterらの第7,556,047号明細書に記載されているタバコ増殖プロセスを参照されたい。これらは全て参照により組み込まれる。さらに、混合物は、発酵されたタバコを任意選択に組み込んでもよい。参照により本明細書に組み込まれる、Atchleyらの国際公開第2005/063060号パンフレットに記載されているタバコ処理技術の種類も参照されたい。
【0136】
タバコ用材料は、典型的には、微粒子状として説明することができる形態(すなわち、断片化された形態、粉砕された形態、顆粒化された形態、又は粉末化された形態)で使用される。タバコ用材料が細かく分割された形態又は粉末形態で提供される方法は、様々であり得る。好ましくは、植物の部分又は断片は、微粒子化、ミリングなどのための装置及び技術を使用して細分、粉砕又は微粒子化される。最も好ましくは、植物材料は、ハンマーミル、カッターヘッド、エアコントロールミルなどの装置を使用した、粉砕又はミリング中に比較的乾燥している形態である。例えば、タバコの部分又は断片は、その水分含有量が約15重量%未満又は約5重量%未満である場合に粉砕又はミリングされてもよい。最も好ましくは、タバコ用材料は、1.4ミリメートル~250ミクロンの平均粒径を有する部分又は断片の形態で使用される。いくつかの例では、タバコの粒子は、必要な粒径範囲を得るためにスクリーンメッシュを通過するようなサイズにすることができる。所望であれば、空気分類装置を使用して、所望のサイズ又はサイズの範囲の小型タバコ粒子を確実に収集することができる。所望であれば、異なるサイズの粒状タバコ片を一緒に混合してもよい。
【0137】
タバコが細かく分割された形態又は粉末形態で提供される方法は、様々であり得る。好ましくは、タバコの部分又は断片は、微粒子化、ミリングなどのための装置及び技術を使用して粉末タイプの形態に細分、粉砕又は微粒子化される。最も好ましくは、タバコは、ハンマーミル、カッターヘッド、エアコントロールミルなどの装置を使用した、粉砕又はミリング中に比較的乾燥している形態である。例えば、タバコの部分又は断片は、その水分含有量が約15重量%未満~約5重量%未満である場合に粉砕又はミリングされてもよい。例えば、タバコ植物又はその一部は、個々の部分又は断片(例えば、葉を茎から除去することができ、及び/又は茎及び葉を茎から除去することができる)に分離することができる。収穫された植物又は個々の部分若しくは断片は、部分又は断片にさらに細分することができる(例えば、葉は、断片化、切断、細分、微粒子化、ミリング又は粉砕して、充填剤のタイプの断片、顆粒、微粒子又は微粉として特徴付けることができる断片又は部分にすることができる)。植物又はその一部は、外力又は圧力を(例えば、プレス又はロール処理に供されることによって)受けることができる。このような処理条件を実行する場合、植物又はその一部は、その自然の含水量に近い含水量(例えば、収穫直後の水分含量)、植物又はその一部に水分を添加することによって達成される含水量、又は植物又はその一部の乾燥から生じる含水量を有することができる。例えば、植物又はその一部の粉末化、微粒子化、粉砕又はミリングされた断片は、約25重量%未満、しばしば約20重量%未満、頻繁に約15重量%未満の水分含有量を有することができる。
【0138】
経口製品の調製のために、ニコチアナ種の収穫された植物が硬化プロセスに供されることが典型的である。本明細書に開示されるパウチ製品に含めるために混合物内に組み込まれるタバコ用材料は、適切に硬化及び/又は熟成されたものである。様々なタイプのタバコのための様々なタイプの硬化プロセスの説明は、Tobacco Production,Chemistry and Technology,Davis et al.(Eds.)(1999)に記載されている。フルキュアドタバコをキュアリングさせるための技術及び条件の例は、Nestor et al.,Beitrage Tabakforsch.Int.,20,467-475(2003)、及びPeeleの米国特許第6,895,974号明細書に記載されている。これらは、参照により本明細書に組み込まれる。エアーキュアリングタバコの代表的な技術及び条件は、Grovesらによる米国特許第7,650,892号明細書、Roton et al.,Beitrage Tabakforsch.Int.,21,305-320(2005)及びStaaf et al.,Beitrage Tabakforsch.Int.,21,321-330(2005)にて記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。特定のタイプのタバコは、火力キュアリング又は日干しキュアリングなどの代替のタイプの硬化プロセスを受けることができる。
【0139】
特定の実施形態では、使用することができるタバコ用材料としては、フルキュアド又はVirginia(例えば、K326)、バーレー、日干しキュアド(例えば、Katerini、Prelip、Komotini、Xanthi及びYambolタバコを含む、Indian Kurnool及びOrientalタバコ)、Maryland、ダーク、ダーク火力、ダークエアキュアド(例えば、Madole、Passanda、Cubano、Jatin及びBezukiタバコ)、ライトエアキュアド(例えば、North WisconsinやGalpaoタバコ)、Indianエアキュアド、Red Russian及びRusticaのタバコ、並びに様々な他の希少な又は特殊なタバコ及び前述のタバコのいずれかの様々なブレンドが挙げられる。
【0140】
タバコ用材料はまた、いわゆる「ブレンド」の形態を有してもよい。例えば、タバコ用材料は、フルキュアド、バーレー(例えば、マラウイのバーレー種タバコ)及びOrientalタバコ(例えば、タバコラミナから構成される、若しくはタバコラミナに由来するタバコ、又はタバコラミナとタバコの茎との混合物として)の部分又は断片の混合物を含むことができる。例えば、代表的なブレンドは、乾燥重量ベースで約30~約70部のバーレー種タバコ(例えば、ラミナ、又はラミナと茎)、及び約30~約70部のフルキュアドタバコ(例えば、茎、ラミナ、又はラミナと茎)を組み込むことができる。他の例のタバコブレンドは、約75部のフルキュアドタバコ、約15部のバーレー種タバコ及び約10部のOrientalタバコ、又は約65部のフルキュアドタバコ、約25部のバーレー種タバコ及び約10部のOrientalタバコ、又は約65部のフルキュアドタバコ、約10部のバーレー種タバコ及び約25部のOrientalタバコを乾燥重量を基準として、組み込んでいる。他の例のタバコのブレンドは、約20~約30部のOrientalタバコ及び約70~約80部のフルキュアドタバコを組み込む。
【0141】
本開示で使用されるタバコ用材料は、例えば、発酵、漂白などに供することができる。所望であれば、タバコ用材料は、例えば、照射、低温殺菌、さもなければ制御された熱処理を受けることができる。そのような処理プロセスは、例えば、Muaらに対する米国特許第8,061,362号明細書に詳述されている。これは、参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、タバコ用材料は、水、及びタバコ用材料の加熱時にアスパラギンの反応を阻害してアクリルアミドを形成することができる添加剤(例えば、リジン、グリシン、ヒスチジン、アラニン、メチオニン、システイン、グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリン、フェニルアラニン、バリン、アルギニン、二価及び三価カチオンを組み込んだ組成物、アスパラギナーゼ、特定の非還元性糖類、特定の還元剤、フェノール化合物、少なくとも1つの遊離チオール基又は官能基を有する特定の化合物、酸化剤、酸化触媒、天然植物抽出物(例えば、ローズマリー抽出物)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤)で処理することができる。例えば、Chenらに対する米国特許第8,434,496号明細書、第8,944,072号明細書及び第8,991,403号明細書に記載されている処理プロセスの種類を参照されたい。これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、この種の処理は、元のタバコ用材料が前述のプロセスで熱にさらされる場合に有用である。
【0142】
いくつかの実施形態では、タバコ用材料の種類は、最初は他のタバコ用材料よりもある程度色が視覚的に明るくなる(例えば、白色化又は漂白)ように選択される。タバコのパルプは、特定の実施形態では、当技術分野で公知の任意の手段に従って白色化することができ、例えば、様々な漂白剤又は酸化剤及び酸化触媒を使用した様々な白色化方法によって製造された漂白されたタバコ用材料を使用することができる。酸化剤の例としては、過酸化物(例えば、過酸化水素)、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、オゾン、アンモニア及びそれらの組み合わせが挙げられる。酸化触媒の例は、二酸化チタン、二酸化マンガン及びそれらの組み合わせである。漂白剤でタバコを処理する方法は、例えば、Daniels,Jr.の米国特許第787,611号明細書、Oelenheinzに対する第1,086,306号明細書、Dellingに対する第1,437,095号明細書、Rosenhochに対する第1,757,477号明細書、Hawkinsonに対する第2,122,421号明細書、Baierに対する第2,148,147号明細書、Baierに対する第2,170,107号明細書、Baierに対する第2,274,649号明細書、Pratsらに対する第2,770,239号明細書、Rosenに対する第3,612,065号明細書、Rosenに対する第3,851,653号明細書、Rosenに対する第3,889,689号明細書、Rosenに対する第3,943,945号明細書、Rainerに対する第4,143,666号明細書、Campbellに対する第4,194,514号明細書、Rainerらに対する第4,366,823号明細書、第4,366,824号明細書及び第4,388,933号明細書、Schmekelらに対する第4,641,667号明細書、Bergerに対する第5,713,376号明細書及びGiolvasに対するPCT出願国際公開第96/31255号パンフレットに記載されている。これらは、いずれも参照により本明細書に組み込まれる。オゾン及び過マンガン酸カリウムなどの試薬を使用する他の白色化方法も使用することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Minamiの米国特許第3,943,940号明細書を参照されたい。
【0143】
いくつかの実施形態では、白色化タバコ用材料は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%又は少なくとも約80%のISOの明度を有することができる。いくつかの実施形態では、白色化タバコ用材料は、約50%~約90%、約55%~約75%、又は約60%~約70%の範囲のISOの明度を有することができる。ISOの明度は、ISO3688:1999又はISO2470-1:2016に従って測定することができる。
【0144】
いくつかの実施形態では、白色化タバコ用材料は、非処理のタバコ用材料と比較して色が薄くなっている(例えば、「白色化」)ことを特徴とすることができる。白色は、頻繁に国際照明委員会(CIE)の色度図を参照して定義される。白色化されたタバコ用材料は、特定の実施形態では、色度図において、非処理のタバコ用材料よりも純粋な白色に近いことを特徴とすることができる。
【0145】
様々な実施形態において、タバコ用材料は、そこからタバコ用材料の可溶性成分を抽出するように処理することができる。本明細書で使用される「タバコ抽出物」は、抽出プロセスにおいてタバコ用材料と接触させる溶媒によって固体のタバコパルプから抽出される、タバコ用材料の単離された成分を指す。タバコ用材料の様々な抽出技術を使用して、タバコ抽出物及びタバコ固体材料を提供することができる。例えば、Beesonらに対する米国特許出願公開第2011/0247640号明細書に記載されている抽出プロセスを参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込まれる。タバコの成分を抽出するための他の例示的な技術は、Fioreに対する第4,144,895号明細書、Osborne,Jr.らに対する第4,150,677号明細書、Reidに対する第4,267,847号明細書、Wildmanらに対する第4,289,147号明細書、Brummerらに対する第4,351,346号明細書、Brummerらに対する第4,359,059号明細書、Mullerに対する第4,506,682号明細書、Keritsisに対する第4,589,428号明細書、Sogaらに対する第4,605,016号明細書、Pouloseらに対する第4,716,911号明細書、Niven,Jr.らに対する第4,727,889号明細書、Bernasekらに対する第4,887,618号明細書、Clappらに対する第4,941,484号明細書、Faggらに対する第4,967,771号明細書、Robertsらに対する第4,986,286号明細書、Faggらに対する第5,005,593号明細書、Grubbsらに対する第5,018,540号明細書、Whiteらに対する第5,060,669号明細書、Faggに対する第5,065,775号明細書、Whiteらに対する第5,074,319号明細書、Whiteらに対する第5,099,862号明細書、Whiteらに対する第5,121,757号明細書、Faggに対する第5,131,414号明細書、Munozらに対する第5,131,415号明細書、Faggに対する第5,148,819号明細書、Kramerに対する第5,197,494号明細書、Smithらに対する第5,230,354号明細書、Faggに対する第5,234,008号明細書、Smithに対する第5,243,999号明細書、Raymondらに対する第5,301,694号明細書、Gonzalez-Parraらに対する第5,318,050号明細書、Teagueに対する第5,343,879号明細書、Newtonに対する第5,360,022号明細書、Clappらに対する第5,435,325号明細書、Brinkleyらに対する第5,445,169号明細書、Lauterbachに対する第6,131,584号明細書、Kierulffらに対する第6,298,859号明細書、Muaらに対する第6,772,767号明細書及びThompsonに対する第7,337,782号明細書に記載されているものであり、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0146】
タバコ用材料の典型的な包含範囲は、タバコ用材料の性質及び種類、並びに最終組成物に対する意図される効果に応じて異なり得、例示的な範囲は、混合物の総重量に基づいて、最大約30重量%(例えば、約0.1~約15重量%で)である。いくつかの実施形態では、本開示の製品は、(有効成分としての精製ニコチン以外)タバコ用材料を完全に含まないか、又は実質的に含まないと特徴付けることができる。例えば、特定の実施形態は、タバコ用材料の1重量%未満、又は0.5重量%未満又は0.1重量%未満、又はタバコ用材料の0重量%を有するものとして特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、混合物はタバコを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、混合物の総重量に基づいて、最大約5%のタバコ、例えば、約0.1~約1%、又は約1%~約5重量%のタバコを含む。いくつかの実施形態では、混合物は、伝統的なタバコ又は白色タバコを含む。いくつかの実施形態では、タバコは白色タバコである。
【0147】
その他の添加剤
他の添加剤を開示された混合物に含めることができる。例えば、混合物は、他の材料又は成分と加工、ブレンド、配合、組み合わせ及び/又は混合することができる。添加剤は、人工的であってもよく、又はハーブ若しくは生物学的供給源から得ることができるか若しくは誘導され得る。添加剤の種類の例としては、ゲル化剤(例えば、魚ゼラチン)、乳化剤、口腔ケア添加剤(例えば、タイム油、ユーカリ油、及び亜鉛)、保存剤(例えば、ソルビン酸カリウムなど)、酸化防止剤、崩壊助剤又はそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、それらの代表的な成分、成分の組み合わせ、それらの成分の相対的な量、並びにそれらの成分を使用するための手法及び方法は、Muaらによる米国特許第9,237,769号明細書、Holton,Jr.らによる米国特許第7,861,728号明細書、Gaoらの米国特許出願公開第2010/0291245号明細書及びHolton,Jr.らによる米国特許出願公開第2007/0062549号明細書を参照されたい。その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。これら及び他の例示的な種類の添加剤には、例えば、以前に参照により本明細書に組み込まれたものに記載されているものが含まれ得る。そのような追加の添加剤の典型的な含有範囲は、添加剤の性質及び機能並びに最終組成物に対する意図された効果に応じて変化し得、混合物の総重量に基づいて、最大約10重量%の範囲が例示される(例えば、約0.1~約5重量%で)。
【0148】
前述の添加剤は、一緒に(例えば、添加剤配合物として)又は別々に(例えば、個々の添加剤成分は、最終混合物の調製に関与する異なる段階で添加することができる)使用することができる。さらに、前述の種類の添加剤は、最終製品又は混合物に設けられるようにカプセル化されてもよい。例示的なカプセル化された添加剤は、例えば、Atchleyに対する国際公開第2010/132444号A2パンフレットに記載されており、これは参照により本明細書に以前に組み込まれている。
【0149】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の充填剤成分、タバコ用材料、及び全体的な経口製品のいずれか1つ以上は、微粒子状材料として説明することができる。本明細書で使用される場合、「微粒子」という用語は、複数の個々の粒子の形態の材料を指し、そのいくつかは、複数の粒子の凝集体の形態であってもよく、粒子は、2:1未満、例えば1.5:1未満、例えば約1:1の平均の長さ対幅の比を有する。様々な実施形態において、微粒子状材料の粒子は、実質的に球形又は粒状として説明することができる。
【0150】
微粒子状物質の粒径は、ふるい分析によって測定することができる。当業者が容易に理解するように、ふるい分析(そうでなければグラデーション試験として知られている)は、微粒子状材料の粒径分布を測定するために使用される方法である。典型的には、ふるい分析は、好ましくはワイヤメッシュ布の形態のスクリーンを含むふるいの入れ子状カラムを含む。予め秤量したサンプルを、カラム内の最上部又は最上部のふるいに導入することができ、これは最大のふるい開口部又はメッシュサイズ(すなわち、ふるいの最大孔径)を有する。カラム内の下側の各ふるいは、上側のふるいよりも徐々に小さいスクリーン開口部又はメッシュサイズを有する。典型的には、ふるいのカラムの基部には、カラムの底部又は最下部のふるい(最小のスクリーン開口部又はメッシュサイズを有する)のふるい開口部サイズ又はメッシュサイズよりも小さい粒径を有する任意の粒子を回収するためのレシーバー部分がある。
【0151】
いくつかの実施形態では、ふるいのカラムを機械的撹拌機の上又は中に配置することができる。撹拌機は、カラム内の各ふるいの振動を引き起こす。機械的撹拌機は、全ての粒子が正しいふるいに集められることを確実にするために、所定の期間活性化されてもよい。いくつかの実施形態では、ふるいのカラムを0.5分~10分の期間、例えば1分~10分、例えば1分~5分、例えば約3分間撹拌する。カラム内のふるいの撹拌が完了したら、各ふるい上に集められた物質を秤量する。次いで、各ふるい上に保持された質量のパーセンテージを得るために、各ふるい上の各試料の重量を総重量で除算することができる。当業者であれば容易に理解するように、ふるい分析に使用されるカラムの各ふるいのふるい開口部サイズ又はメッシュサイズは、分析される試料の粒度又は既知の最大/最小粒径に基づいて選択され得る。いくつかの実施形態では、ふるい分析にふるいのカラムを使用することができ、カラムは、2~20個のふるい、例えば5~15個のふるいを含む。いくつかの実施形態では、ふるい分析にふるいのカラムを使用することができ、カラムは10個のふるいを含む。いくつかの実施形態では、ふるい分析に使用されるふるいの最大ふるい開口部又はメッシュサイズは、1000μm、例えば500μm、例えば400μm、例えば300μmであり得る。
【0152】
いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子状材料(例えば、充填剤成分、タバコ用材料、及び経口製品全体)は、約1000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下のふるい分析によって測定される粒径を有する粒子を少なくとも50重量%有すると特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子状材料の粒子の少なくとも60重量%では、ふるい分析によって測定した場合、約1000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子状材料の粒子の少なくとも70重量%では、ふるい分析によって測定した場合、約1000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子状材料の粒子の少なくとも80重量%では、ふるい分析によって測定した場合、約1000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子状材料の粒子の少なくとも90重量%では、ふるい分析によって測定した場合、約1000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子状材料の粒子の少なくとも95重量%では、ふるい分析によって測定した場合、約1000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子状材料の粒子の少なくとも99重量%では、ふるい分析によって測定した場合、約1000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の微粒子状材料の粒子の約100重量%では、ふるい分析によって測定した場合、約1000μm以下、例えば約500μm以下、例えば約400μm以下、例えば約350μm以下、例えば約300μm以下の粒径を有する。
【0153】
いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の粒子状材料の粒子の少なくとも50重量%、例えば少なくとも60重量%、例えば少なくとも70重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%、例えば少なくとも99重量%が、ふるい分析によって測定した場合、約0.01μm~約1000μm、例えば約0.05μm~約750μm、例えば約0.1μm~約500μm、例えば約0.25μm~約500μmの粒径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で言及される任意の粒子状材料の粒子の少なくとも50重量%、例えば少なくとも60重量%、例えば少なくとも70重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%、例えば少なくとも99重量%が、ふるい分析によって測定した場合、約10μm~約400μm、例えば約50μm~約350μm、例えば約100μm~約350μm、例えば約200μm~約300μmの粒径を有する。
【0154】
混合物の調製
混合物の様々な成分を組み合わせる方法は、様々であり得る。したがって、様々な成分と例えば粉末状混合物成分との全体的な混合物は本質的に比較的均一であり得る。液体又は乾燥固体形態であってもよい上記の成分は、混合物の任意の残りの成分と混合する前に前処理工程で混合するか、又は他の全ての液体又は乾燥成分と単に混合することができる。混合物の様々な成分は、当技術分野で公知の任意の混合技術又は装置を使用して、一緒に接触させる、組み合わせる、又は混合することができる。インペラ又は撹拌可能な他の構造を特徴とする混合用装置など、混合物の成分を密に接触させる任意の混合方法を使用することができる。混合装置の例としては、ケーシングドラム、コンディショニングシリンダ又はドラム、液体噴霧装置、円錐型ブレンダー、リボンブレンダー、Littleford Day,Inc.からFKM130、FKM600、FKM1200、FKM2000及びFKM3000として入手可能なミキサー、Plough Shareタイプのミキサーシリンダ、Hobartミキサーなどが挙げられる。例えば、Solomonらによる米国特許第4,148,325号明細書、Korteらに対する第6,510,855号明細書及びWilliamsらに対する第6,834,654号明細書に記載されている方法の種類も参照されたい。これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、混合物を形成する成分は、その混合物が、混合物を形成するためのデンプン成形プロセスにおいて使用され得るように調製される。混合物を配合するための手法及び方法は、当業者には明らかであろう。例えば、Solomonらによる米国特許第4,148,325号明細書、Korteらによる米国特許第6,510,855号明細書及びWilliamsの米国特許第6,834,654号明細書、Ridgwayらの米国特許第4,725,440号明細書及びBolderらの米国特許第6,077,524号明細書に記載されている方法の種類を参照されたい。これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0155】
特定の実施形態では、本開示の製品は、i)1つ以上の香味剤をセルロース誘導体と混合して第1の混合物を形成すること、及びii)第1の混合物を微粒子状充填剤成分及び水と混合して第2の混合物を形成することによって調製される。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、香味剤中の特定の揮発性成分(例えば、エステル、テルペンなど)は、セルロース誘導体と相互作用するか、又は何らかの方法で複合体を形成することができ、参照された揮発性成分の保持に関して、得られた第2の混合物を安定化するのに役立つと考えられる。
【0156】
経口用構成
経口での使用のために構成された製品が本明細書で提供される。本明細書で使用される「経口での使用のために構成される」という用語は、使用中に、使用者の口の中の唾液が、混合物の成分の1つ以上(例えば、香味剤及び/又はニコチン)を使用者の口の中に通過させるような形態で製品が提供されることを意味する。特定の実施形態では、製品は、使用者の口の粘膜を通して成分を使用者に送達するように適合され、場合によっては、前記成分は、製品が使用されるときに口の粘膜を通して吸収され得る有効成分(例えば、ニコチンを含むが、これに限定されない)である。いくつかの実施形態では、成分は味用の物質(すなわち、揮発性香味成分)である。
【0157】
本明細書に記載の経口での使用のために構成された製品は、ゲル、トローチ、ガム、ロゼンジ、粉末、及びパウチを含む様々な形態をとることができる。ゲルは、軟質又は硬質であり得る。経口での使用のために構成された特定の製品は、トローチの形態である。本明細書で使用される場合、「トローチ」という用語は、最終製品が幾分硬化した固体ゲルになるように液体又はゲル組成物を凝固させることによって作製された溶解性経口製品を指す。ゲルの剛性は非常に可変的である。本開示の特定の製品は、固体の形態である。特定の製品は、例えば、クリスピー、顆粒状、噛み応えのある、シロップ状、ペースト状、ふわふわした、滑らかな、及び/又はクリーム状の特徴のうちの1つ以上を示すことができる。特定の実施形態では、所望の食感の特性は、接着性、凝集性、密度、乾燥、破砕性、粒状性、ゴム性、硬度、重さ、吸湿性、水分放出、口部のコーティング、粗さ、滑り、平滑性、粘度、湿潤性、及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0158】
本開示の混合物を含む製品は溶解可能であり得る。本明細書で使用される場合、「溶解する」、「溶解すること」及び「溶解可能」という用語は、口腔内の水分と相互作用して溶液に入り、それによって製品の緩やかな消費を引き起こす水溶性成分を有する組成物を指す。一態様によれば、溶解性製品は、完全に溶解するまで所与の期間、使用者の口の中で持続することができる。溶解速度は、約1分以下から約60分までの広範囲にわたって変化し得る。例えば、速放性組成物は、典型的には、約2分以下、しばしば約1分以下(例えば、約50秒以下、約40秒以下、約30秒以下、又は約20秒以下)で活性物質を溶解及び/又は放出する。溶解は、融解、機械的破壊(例えば、咀嚼)、酵素的若しくは他の化学的分解などの任意の手段によって、又は混合物の成分間の相互作用の破壊によって起こり得る。いくつかの実施形態では、製品は、例えば、Cantrellらに対する米国特許出願公開第20120037175号明細書で論考されているように融解可能であり得る。他の実施形態では、製品は、製品が使用者の口の中に存在する間に溶解しない。
【0159】
一実施形態において、本開示の混合物を含む製品は、透湿性容器(例えば、透水性パウチ)内に配置される混合物の形態である。透水性パウチ形式のこのような混合物は、典型的には、混合物を含む1つのパウチをヒトである対象/使用者の口の中に置くことによって使用される。一般に、パウチは、湿った嗅ぎタバコが一般に使用されるのと同様に、使用者の口腔のどこか、例えば唇の下に配置される。パウチは、好ましくは、咀嚼又は嚥下されない。次いで、唾液へ曝されることにより、その中の混合物の成分の一部(例えば、香味剤及び/又はニコチン)が、例えば透水性パウチを通過し、使用者に風味及び満足感をもたらし、使用者は混合物のいかなる部分も吐出さなくてよい。使用/堪能の約10分~約60分、典型的には約15分~約45分後、相当の量の混合物がヒトである対象によって摂取され、廃棄のためにパウチをヒト対象の口から取り外すことができる。
【0160】
したがって、特定の実施形態では、本明細書に開示される混合物及び上記の任意の他の成分は、経口での使用のために構成されたパウチ製品を提供するために、混合物の使用のための容器として機能する透湿性パケット又はパウチ内で組み合わされる。本開示の特定の実施形態は、添付の図面の
図1を参照して説明され、これらの説明された実施形態は、外側パウチを有し、本明細書に記載の混合物を含有する、スヌース型の製品を含む。以下により詳細に説明するように、そのような実施形態は、例としてのみ提供され、本開示のパウチ製品は、他の形態の混合物を含むことができる。
図1に示す実施形態における、容器パウチ102などのそのようなパケット又はパウチの組成/構造は、様々であり得る。
図1を参照すると、パウチ製品100の第1の実施形態が示されている。パウチ製品100は、本明細書に記載の混合物を含む材料104を含むパウチ102の形態の透湿性容器を含む。
【0161】
無煙タバコ製品の製造に使用されるタイプの適切なパケット、パウチ又は容器は、商品名CatchDry、Ettan、General、Granit、Goteborgs Rape、Grovsnus White、Metropol Kaktus、Mocca Anis、Mocca Mint、Mocca Wintergreen、Kicks、Probe、Prince、Skruf及びTreAnkrareで入手可能である。混合物は、従来のスヌース型の製品の製造に使用される種類の構成要素の様式で、またそれを使用して、パウチに収容され包装されてもよい。パウチは、ティーバッグの構築に使用されるメッシュ状タイプの材料と特徴が類似していると考えられ得るタイプの液体透過性の容器を備える。混合物の成分は、パウチを通って使用者の口の中に容易に拡散する。
【0162】
適切なタイプのパウチの非限定的な例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Kjerstadの米国特許第5,167,244号明細書に記載されている。パウチは、個々のパウチとして設けることができ、又は単一のパウチ又は個々の部分を、使用のために、パウチのワンピースのストランド又は母材から、容易に取り外すことができるように、複数のパウチ(例えば、2、4、5、10、12、15、20、25又は30個のパウチ)を互いに接続又は連結することができる(例えば、エンドツーエンドの方法で)。
【0163】
例示的なパウチは、使用者による使用中にパウチが制御された分配又は溶解を経るような方法で、材料から製造することができる。そのようなパウチ材料は、メッシュ、スクリーン、穿孔紙、浸透性の布などの形態を有し得る。例えば、メッシュ状の形態のライスペーパー又は穿孔のあるライスペーパーから製造されたパウチ材料は、使用者の口の中で溶解し得る。結果として、パウチ及び混合物はそれぞれ、通常の使用条件の間に使用者の口内で完全に分散することができ、したがって、パウチ及び混合物の両方が使用者によって摂取され得る。パウチ材料の他の例は、水分散性フィルム形成材料(例えば、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、プルランなどの結合剤)、並びに粉砕セルロース(例えば、微粒子サイズの木材パルプ)などの材料と組み合わせた材料を使用して製造することができる。好ましいパウチ材料は、水分散性又は溶解性であるが、通常の使用条件下で、パウチがその物理的完全性を失う前に、かなりの量の混合物内容物がパウチ材料を透過するように、設計及び製造されてもよい。所望であれば、香味成分、崩壊助剤、及び他の所望の成分は、パウチ材料の中に組み込まれてもよく、又はパウチ材料に適用されてもよい。
【0164】
各製品ユニット、例えばパウチ内に含まれる材料の量は異なり得る。いくつかの実施形態では、各パウチ内の混合物の乾燥重量は、少なくとも約50mg、例えば、約50mg~約1g、約100~800約mg、又は約200~約700mgである。いくつかのより小規模の実施形態では、各パウチ内の混合物の乾燥重量は、約100~約300mgであり得る。より大規模な実施形態では、各パウチ内の材料の乾燥重量は、約300mg~約700mgであってもよい。必要に応じて、各パウチ内に他の成分を収容することができる。例えば、少なくとも1つの香味付けされた水分散性又は水溶性材料(例えば、新鮮な食用フィルムタイプの材料)のストリップ、ピース又はシートは、少なくとも1つのカプセルと共に又はカプセルなしで、各パウチ内に配置されてもよい。そのようなストリップ又はシートは、パウチ内に容易に組み込ませるために、折り畳まれても、しわを寄らせてもよい。例えば、Scottらに対する米国特許第6,887,307号明細書、及びLeungらに対する米国特許第6,923,981号明細書及びThe EFSA Journal(2004)85,1-32に記載される材料及び技術の種類を参照されたい。これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0165】
本明細書に記載のパウチ製品は、任意の適切な内側包装材料及び/又は外側容器の内部に包装することができる。例えば、Hensonらに対する米国特許第7,014,039号明細書、Kutschらに対する第7,537,110号明細書、Kutschらに対する第7,584,843号明細書、Gelardiらに対する第8,397,945号明細書、Thiellierに対するD592,956、Patelらに対するD594,154及びBaileyらに対するD625,178、Robinsonらに対する米国特許出願公開第2008/0173317号明細書、Clarkらに対する第2009/0014343号明細書、Bjorkholmに対する第2009/0014450号明細書、Bellamahらに対する第2009/0250360号明細書、Gelardiらに対する第2009/0266837号明細書、Gelardiに対する第2009/0223989号明細書、Thiellierに対する2009/0230003号明細書、Gelardiに対する第2010/0084424号明細書及びBaileyらに対する第2010/0133140号明細書、Baileyらに対する第2010/0264157号明細書、及びBaileyらに対する第2011/0168712号明細書に記載されている無煙タイプの製品用の様々なタイプの容器も参照されたい。これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0166】
保存期間
経口での使用のために構成された本開示の製品は、従来のタイプの無煙タバコ製品が包装されて貯蔵されるのとほぼ同じ方法で、任意の適切な包装で包装されて貯蔵され得る。例えば、円筒状の容器に複数のパケット又はパウチが収容されてもよい。調製後の製品の保存期間は変化し得る。本明細書で使用される場合、「保存期間」は、開示される製品の調製後の期間を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される製品の特性(例えば、揮発性香味成分の保持)の1つ以上は、保存期間の一部又は全部にわたって示される。いくつかの実施形態では、保存期間(すなわち、調製後の期間)は少なくとも1日である。いくつかの実施形態では、保存期間は、約1日、約2日、又は約3日から約1週間、又は約1週間~約2週間、約2週間~約1ヶ月、又は約1ヶ月~約2ヶ月、約2ヶ月~約3ヶ月、約3ヶ月~約4ヶ月又は約4ヶ月~約5ヶ月である。いくつかの実施形態では、保存期間は、約1~約150日間の任意の日数である。特定の実施形態では、保存期間は、5ヶ月より長くてもよく、例えば、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月又は約12ヶ月であってもよい。
【0167】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される製品は、存在する少なくとも1つの揮発性香味成分の1つ以上の濃度を有し、これは、開示される保存期間にわたってある時点で測定した場合に、半定量的ガスクロマトグラフィー質量分析法によって判定される、セルロース誘導体を含まない対照製品に存在する同じ1つ以上の揮発性香味成分の濃度よりも高い。
【0168】
経口での使用のために構成された製品を安定化する方法
別の態様では、経口での使用のために構成された製品を安定化する方法が提供され、安定化された製品は、本明細書に開示される混合物を含む。この方法は、i)少なくとも1つの揮発性香味成分を含む1つ以上の香味剤をセルロース誘導体と混合して、第1の混合物を形成すること、及びii)第1の混合物を充填剤成分及び水と混合して、第2の混合物を形成することを含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、1つ以上の塩、1つ以上の甘味料、1つ以上の結合剤、1つ以上の保湿剤、1つ以上のガム、1つ以上の有効成分、タバコ用材料又はそれらの組み合わせを、ステップii)の混合物に添加することを、さらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、ニコチン成分、植物由来薬、刺激剤、アミノ酸、ビタミン、及びカンナビノイドからなる群から選択される1つ以上の有効成分を追加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、約0.001~約10重量%のニコチン成分を添加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、約0.1~約0.5重量%の1つ以上の有機酸を添加することをさらに含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、方法は、混合物をパウチに設けることをさらに含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、開示された方法に従って調製された製品は、調製後1日の期間に測定した場合、存在する少なくとも1つの揮発性香味成分の1つ以上の濃度が、半定量的ガスクロマトグラフィー質量分析法によって判定される場合、第1の充填剤成分を含まない対照製品に存在する同じ1つ以上の揮発性香味成分の濃度よりも高い。いくつかの実施形態では、期間は、調製後2日、1週間、2週間、3週間又は1ヶ月のうちの1つ以上である。
【0172】
いくつかの実施形態では、濃度は、調製後2日、3日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、又は5ヶ月の期間に製品に存在する同じ1つ以上の揮発性香味成分の濃度よりも高い。いくつかの実施形態では、濃度は、調製後6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月又は12ヶ月の期間に対照製品に存在する同じ1つ以上の揮発性香味成分の濃度よりも高い。
【0173】
本発明の多くの修正及び他の実施形態は、前述の説明に提示された教示の恩恵を受けて、本発明が関係する当業者に思い浮かぶ。したがって、本発明は本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるべきではなく、修正形態及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されていることを理解されたい。本明細書では特定の用語が使用されているが、それらは一般的及び説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的では使用されていない。
【0174】
実験
本発明の態様は、本発明の特定の態様を説明するために記載され、その限定として解釈されるべきではない以下の実施例によってより完全に近く説明される。
【0175】
全般的な分析方法
メタノール(MeOH)は、Sigma-Aldrich(米国ミズーリ州セントルイス)から購入した。香味の基準は、R.J.Reynolds Flavor Laboratoryから得た。
【0176】
香味の半定量
様々な香味の相対的な量を、検量線に対して単一イオンモニタリング(SIM)クロマトグラムを伴うガスクロマトグラフィー/質量分析(GC-MS)を使用して定量的に評価した。定量のために使用した機器は、Agilent(米国デラウェア州ウィルミントン)6890N/5973 GC-MSであった。データの分析は、MassHunter Quantitative Analysis 8.07.00を使用して行った。詳細なパラメータを表1に挙げる。
【0177】
各試料を、0.5グラムの目標重量について分析用天秤においてシンチレーションバイアルに正確に秤量した。次いで、各試料を5mLのイソプロパノール(内部標準として5.9□μg/mLのd7-キノリンを含有する)で希釈し、200RPMで3時間オービタルシェーカー上に置いた。振盪後、各試料を0.45μmのPVDFフィルターで濾過し、分析のためにGCサンプルバイアルに移した。各試料を二連で調製し、GC-MSによって分析した。
【0178】
内部標準の量を内部標準ピーク面積で割ったものを換算係数(化合物ピーク面積X□g内部標準/内部標準面積□g化合物)として、各化合物を半定量した。相対的な抽出効率及び相対的な応答因子は考慮されなかったことに留意されたい。
【0179】
【実施例】
【0180】
[実施例1]
トロピカル香味の実施形態(比較用)
各々が混合物の重量で、43%の微結晶セルロース(mcc)及び41%の水のベース配合物、及び本明細書に記載の付加的成分(塩、結合剤、甘味料、保湿剤、トロピカル香味パッケージ、及び4mgのニコチン)を含む比較用の対照のパウチ製品を調製した。混合物を調製するために、水の一部をmccに添加し、他の成分を混合し、mcc溶液に添加した。
【0181】
[実施例2]
トロピカル香味の実施形態(本発明)
実施例1のようなベース配合物を含むが、mcc(3%のHPC、40%のmcc及び41%の水、各々は混合物の重量による)の一部をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)3重量%に置き換えて、一実施形態によるパウチ製品を調製した。混合物を調製するために、水の一部をmccに添加した。別途、HPCにトロピカル香味パッケージを加えた。残りの成分をmcc溶液に添加して混合し、最後に香味/HPC混合物を添加した。
【0182】
[実施例3]
トロピカル香味の実施形態(本発明)
実施例1のようなベース配合物を含むが、mccの一部(2%のHPC、41%のmcc及び41%の水、各々は混合物の重量による)をHPC2重量%に置き換えて、一実施形態によるパウチ製品を調製した。混合物を調製するために、水の一部をmccに添加した。別途、HPCにトロピカル香味パッケージを加えた。残りの成分をmcc溶液に添加して混合し、最後に香味/HPC混合物を添加した。
【0183】
[実施例4]
トロピカル香味成分の半定量、0対3%のHPC
実施例1及び2で調製された製品のサンプルを、調製の1日後にトロピカル香味パッケージに存在する様々な香味成分について半定量的に評価した。結果が表2に示されている。これらの結果は、特定の揮発性香味成分が、mcc充填剤のみを含有するものと比較して、HPCを含む配合物に、より良好に保持されるという驚くべき知見を実証している。
【0184】
【0185】
[実施例5]
トロピカル香味成分の半定量、2%のHPC
実施例3で調製された製品のサンプルを、調製後の様々な時点でトロピカル香味パッケージに存在する様々な香味成分について半定量的に評価した(1日、1週間、2週間、3週間及び4週間、それぞれT1~T5)。結果が表3に示されている。表3を参照すると、基材に2%のHPCを含有する実施例3の混合物は、試験期間にわたって容易に検出可能な量のヘキサン酸エチル、エチルヘプタノエート及びヘキサン酸アリルを保持した。
【0186】
【0187】
[実施例6]
トロピカル香味成分の半定量、3%のHPC
実施例2で調製された製品のサンプルを、調製後の様々な時点でトロピカル香味パッケージに存在する様々な香味成分について半定量的に評価した(1日、1週間、2週間、3週間及び4週間、それぞれT1~T5)。結果が表4に示されている。表4を参照すると、基材に3%のHPCを含有する実施例2の混合物は、基材に2%のHPCを含有する実施例3(表3)の混合物と比較した場合、全ての時点にわたって平均して約50%高い全香味成分濃度を有していた。
【0188】
【国際調査報告】