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特表2022-547986高剛性対重量反射光学系の3Dプリンティング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】高剛性対重量反射光学系の3Dプリンティング
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/20 20170101AFI20221109BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20221109BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20221109BHJP
   G02B 5/08 20060101ALI20221109BHJP
   C22C 21/02 20060101ALI20221109BHJP
   B22F 1/00 20220101ALI20221109BHJP
   B22F 10/64 20210101ALI20221109BHJP
   B22F 10/66 20210101ALI20221109BHJP
   B22F 10/47 20210101ALI20221109BHJP
   B22F 10/80 20210101ALI20221109BHJP
   B29C 64/10 20170101ALI20221109BHJP
   B29C 64/40 20170101ALI20221109BHJP
   B22F 10/25 20210101ALI20221109BHJP
【FI】
B29C64/20
B33Y10/00
B33Y80/00
G02B5/08 C
C22C21/02
B22F1/00 N
B22F10/64
B22F10/66
B22F10/47
B22F10/80
B29C64/10
B29C64/40
B22F10/25
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515873
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(85)【翻訳文提出日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 US2020049806
(87)【国際公開番号】W WO2021050454
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】16/567,481
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519100985
【氏名又は名称】ビーエイイー・システムズ・インフォメーション・アンド・エレクトロニック・システムズ・インテグレイション・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ポリツォッティ、ジョン・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】パッジ、クレイグ・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ショー、マイケル・ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2H042
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
2H042DA01
2H042DA13
2H042DC01
2H042DC08
2H042DE00
2H042DE09
4F213AC04
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
4F213WL12
4F213WL62
4K018AA16
4K018BA08
4K018EA11
4K018FA06
4K018FA08
(57)【要約】
高剛性内部ボリュメトリック空間充填オープンセル格子構造で充填された、閉じられた背面をもつ、中空シェル設計の利用を通して、極めて高い比剛性を提供する3Dプリント反射光学系。高剛性の、構造的に統合された犠牲構造も、後処理動作中のツーリングの低減または削除の目的のために含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dプリント高剛性対重量反射光学系であって、
閉じられた面の背面を備える外部ミラーシェル内に配置された内部ミラーキャビティと、
3次元空間充填ボリュメトリック格子構造を備える前記内部ミラーキャビティと、
前記閉じた面の背面上にプリントされた複数の3Dプリント犠牲統合構造と、ここにおいて、前記3Dプリント犠牲統合構造が、2つまたはそれ以上のレッグを有する、
を備え、
ここにおいて、各前記レッグが、個々にもろいセグメントを備え、それにより、各前記犠牲統合構造の上部平坦面が、機械加工応力に抵抗するためにすべてのレッグによって適切に支持され、各レッグが個々に分離可能であり、
それにより、各前記犠牲統合構造が、各レッグのもろいセクションの個々の分離時に除去可能である、
3Dプリント高剛性対重量反射光学系。
【請求項2】
前記3Dプリント犠牲統合構造がトライポッドであり、前記トライポッドが、変化する長さをもつレッグと前記上部平坦面とを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
AlSi10Mg合金の粉末金属材料コールアウトを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記格子が、三角ハイブリッドと、切頭8面体と、ジャイロイドと、立方トラスと、オクテットトラスと、切頭4面体と、アルキメデスの立体とから選択される、プリント格子トポロジーを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記格子が、オープンセル正方晶プリント格子トポロジーを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記格子が、約0.40インチ×約0.40インチの正方晶ユニットセルを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記格子が、約0.040インチの直径の支柱を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ミラーが、約64二乗平均平方根(RMS)よりも大きいかまたはそれに等しい表面品質を有する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記剛性対重量比が、約150E/ρの比剛性と、約300GPaの弾性のヤング率とを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
3Dプリント高剛性対重量反射光学系を作製するための方法であって、
前記反射光学系の表面のための反射光学仕様を定義することと、
前記反射光学系を支持するための3次元空間充填ボリュメトリック格子構造のための格子を調査することと、
前記格子調査の結果からアセンブリモデルを作成することと、
前記アセンブリモデルからミラーアセンブリをプリントすることと、前記アセンブリが、前記ミラーアセンブリの閉じた面の背面上にプリントされた複数の3Dプリント犠牲統合支持構造を備え、ここにおいて、前記3Dプリント犠牲統合構造が、2つまたはそれ以上のレッグを有する、
前記プリントされたミラーアセンブリに対して熱処理を実施することと、
前記反射光学系の前記表面上にミラー面を機械加工することと、
前記複数の犠牲統合支持構造を除去することを備える、異物デブリを除去することと
を備える、方法。
【請求項11】
前記格子調査が、
格子解析によって重量と剛性とを決定するステップ
を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
格子を調査する前記ステップとアセンブリを作成する前記ステップとの間に、
格子ミラーモデルを作成するステップと、
前記アセンブリモデルのプリント適性を査定するステップと
をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
格子を調査する前記ステップとアセンブリを作成する前記ステップとの間に、
タップテストによって前記アセンブリモデルの有限要素解析(FEA)を検証するステップと、
付加製造(AM)ミラー図面を作成するステップと
をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
アセンブリを前記作成することが、
外部ミラーシェルとミラーキャビティとの間の0.030インチの干渉嵌合で前記外部ミラーシェル中に前記ミラーキャビティを配置するステップ
を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
ミラーアセンブリをプリントする前記ステップが、AlSi10Mg合金の粉末金属材料コールアウトを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の犠牲統合支持構造を除去する前記ステップは、
各犠牲統合支持構造の各レッグの個々にもろいセグメントを分離すること、それにより、各前記犠牲統合支持構造が除去される、
を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
熱処理を実施する前記ステップが、
熱間等方圧プレス(HIP)のステップと、
溶体化熱処理のステップと
を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
ミラー面を機械加工する前記ステップが、
粗い機械加工のステップと、応力緩和のステップと、最終機械加工のステップと、溶体化熱処理のステップと、仕上げのステップと
を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
ミラーを機械加工する前記ステップが、約64二乗平均平方根(RMS)よりも大きいかまたはそれに等しい表面品質を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
3Dプリント高剛性対重量反射光学系であって、
前記ミラーを提供すること
を備え、前記ミラーを前記提供することは、
前記反射光学系の表面のための反射光学仕様を定義することと、
前記反射光学系を支持するための3次元空間充填ボリュメトリック格子構造のための格子を調査することと、
前記格子調査の結果からアセンブリモデルを作成することと、
前記アセンブリモデルからミラーアセンブリをプリントすることと、前記アセンブリが、前記ミラーアセンブリの閉じた面の背面上にプリントされた複数の3Dプリント犠牲統合支持構造を備え、ここにおいて、前記3Dプリント犠牲統合構造が、2つまたはそれ以上のレッグを有する、
前記プリントされたミラーアセンブリに対して熱処理を実施することと、
前記反射光学系の前記表面上にミラー面を機械加工することと、
前記複数の犠牲統合支持構造を除去することを備える、異物デブリを除去することと、前記複数の犠牲統合支持構造を除去する前記ステップが、各犠牲統合支持構造の各レッグの個々にもろいセグメントを分離することを備える、
によって行われ、
ここにおいて、前記反射光学系の前記表面の寸法が、約9.75×5.8インチであり、表面品質が、約64二乗平均平方根(RMS)よりも大きいかまたはそれに等しい、
3Dプリント高剛性対重量反射光学系。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、高剛性対重量反射光学系(high stiffness-to-weight reflective optics)に関し、より詳細には、後処理動作中のツーリング(tooling)を低減または削除するためのミラーキャビティ内の格子構造の3Dプリンティングに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]多くの光学適用例は、動作中に発生する高慣性負荷シナリオの下で格別の画像品質を維持するように設計されたミラーを必要とする。知られている光学構造は、高い比剛性(すなわち、剛性対重量比(stiffness-to-weight ratio))についての材料の独自の特性のために、機械加工されたワッフル軽量化特徴をもつベリリウム合金ミラーから構成される。しかしながら、それらの作製は、しばしば、光学系のダイヤモンド機械加工と、毒性材料の処理とに通常関連する、費用がかかるツーリングおよび設備要件を必要とする。その結果、高精度ベリリウム合金構成要素のためのコスト、利用可能性、および一般的なリードタイムも、これらの高性能材料を使用することの欠点である。
【0003】
[0003]必要なものは、知られているベリリウム合金ミラーと比較して、同等の剛性対重量性能をもつ、およびより低いコストにおける、反射光学系を提供するためのデバイス、システム、および方法である。
【発明の概要】
【0004】
[0004]一実施形態は、3Dプリント(3D printed)高剛性対重量反射光学系であって、閉じられた面の背面(closed-face back)を備える外部ミラーシェル内に配置された内部ミラーキャビティと、3次元空間充填ボリュメトリック格子構造(3-dimensional space-filling volumetric lattice structure)を備える内部ミラーキャビティと、閉じた面の背面(close-face back)上にプリントされた複数の3Dプリント(3D-printed)犠牲統合構造(sacrificial integrated structure)と、ここにおいて、3Dプリント犠牲統合構造が、2つまたはそれ以上のレッグを有する、を備え、ここにおいて、各レッグが、個々にもろい(frangible)セグメントを備え、それにより、各犠牲統合構造の上部平坦面が、機械加工応力(machining stress)に抵抗するためにすべてのレッグによって適切に支持され、各レッグが個々に分離可能(severable)であり、それにより、各犠牲統合構造が、各レッグのもろいセクションの個々の分離(sever)時に除去可能である、3Dプリント高剛性対重量反射光学系を提供する。実施形態では、3Dプリント犠牲統合構造はトライポッド(tripod)であり、トライポッドは、変化する長さをもつレッグと上部平坦面とを備える。他の実施形態は、AlSi10Mg合金の粉末金属材料コールアウト(callout)を備える。後続の実施形態では、格子は、三角ハイブリッドと、切頭8面体と、ジャイロイドと、立方トラスと、オクテットトラスと、切頭4面体と、アルキメデスの立体(Archimedean solid)とから選択される、プリント格子トポロジーを備える。追加の実施形態について、格子は、オープンセル(open-cell)正方晶プリント格子トポロジーを備える。別の実施形態では、格子は、約0.40インチ×約0.40インチの正方晶ユニットセルを備える。以下の実施形態について、格子は、約0.040インチの直径の支柱を備える。後続の実施形態では、ミラーは、約64二乗平均平方根(RMS:Root Mean Square)よりも大きいかまたはそれに等しい表面品質を有する。追加の実施形態では、剛性対重量比は、約150E/ρの比剛性と、約300GPaの弾性のヤング率とを備える。
【0005】
[0005]別の実施形態は、3Dプリント高剛性対重量反射光学系を作製するための方法であって、反射光学系の表面のための反射光学仕様を定義することと、反射光学系を支持するための3次元空間充填ボリュメトリック格子構造のための格子を調査することと、格子調査の結果からアセンブリモデルを作成することと、アセンブリモデルからミラーアセンブリをプリントすることと、アセンブリが、ミラーアセンブリの閉じた面の背面上にプリントされた複数の3Dプリント犠牲統合支持構造を備え、ここにおいて、3Dプリント犠牲統合構造が、2つまたはそれ以上のレッグを有する、プリントされたミラーアセンブリに対して熱処理を実施することと、反射光学系の表面上にミラー面を機械加工することと、複数の犠牲統合支持構造を除去することを備える、異物デブリ(Foreign Object Debris)を除去することとを備える、方法を提供する。含まれる実施形態では、格子調査は、格子解析によって重量と剛性とを決定するステップを備える。またさらなる実施形態では、格子を調査するステップとアセンブリを作成するステップとの間に、格子ミラーモデル(latticed mirror model)を作成するステップと、アセンブリモデルのプリント適性を査定するステップとをさらに備える。関係する実施形態は、格子を調査するステップとアセンブリを作成するステップとの間に、タップテストによってアセンブリモデルの有限要素解析(FEA)を検証するステップと、付加製造(AM:Additive Manufacturing)ミラー図面を作成するステップとをさらに備える。さらなる実施形態について、アセンブリを作成することは、外部ミラーシェルとミラーキャビティとの間の0.030インチの干渉嵌合で外部ミラーシェル中にミラーキャビティを配置するステップを備える。以下の実施形態では、ミラーアセンブリをプリントするステップは、AlSi10Mg合金の粉末金属材料コールアウトを備える。またさらなる実施形態について、複数の犠牲統合支持構造を除去するステップは、各犠牲統合支持構造の各レッグの個々にもろいセグメントを分離すること、それにより、各犠牲統合支持構造が除去される、を備える。より多くの実施形態について、熱処理を実施するステップは、熱間等方圧プレス(HIP:Hot Isostatic Press)のステップと、溶体化熱処理のステップとを備える。継続的な実施形態では、ミラー面を機械加工するステップは、粗い機械加工のステップと、応力緩和のステップと、最終機械加工のステップと、溶体化熱処理のステップと、仕上げのステップとを備える。追加の実施形態について、ミラーを機械加工するステップは、約64二乗平均平方根(RMS)よりも大きいかまたはそれに等しい表面品質を備える。
【0006】
[0006]またさらなる実施形態は、3Dプリント高剛性対重量反射光学系であって、ミラーを提供することを備え、ミラーを提供することは、反射光学系の表面のための反射光学仕様を定義することと、反射光学系を支持するための3次元空間充填ボリュメトリック格子構造のための格子を調査することと、格子調査の結果からアセンブリモデルを作成することと、アセンブリモデルからミラーアセンブリをプリントすることと、アセンブリが、ミラーアセンブリの閉じた面の背面上にプリントされた複数の3Dプリント犠牲統合支持構造を備え、ここにおいて、3Dプリント犠牲統合構造が、2つまたはそれ以上のレッグを有する、プリントされたミラーアセンブリに対して熱処理を実施することと、反射光学系の表面上にミラー面を機械加工することと、複数の犠牲統合支持構造を除去することを備える、異物デブリを除去することと、複数の犠牲統合支持構造を除去するステップが、各犠牲統合支持構造の各レッグの個々にもろいセグメントを分離することを備える、によって行われ、ここにおいて、反射光学系の表面の寸法が、約9.75×5.8インチであり、表面品質が、約64二乗平均平方根(RMS)よりも大きいかまたはそれに等しい、3Dプリント高剛性対重量反射光学系を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】[0007]一実施形態に従って構成された反射光学系適用例を示す図。
図2】[0008]一実施形態に従って構成された反射光学系を製造するための一般化された方法を示す図。
図3】[0009]一実施形態に従って構成された反射光学系格子構造を図示する図。
図4】[0010]一実施形態に従って構成された反射光学系背面斜視図。
図5】[0011]一実施形態に従って構成された反射光学系前面斜視図。
図6】[0012]一実施形態に従って構成された反射光学系背面平面スケール図。
図7】[0013]一実施形態に従って構成された反射光学系A-A断面スケール図。
図8】[0014]一実施形態に従って構成された反射光学系側面スケール図。
図9】[0015]一実施形態に従って構成された走査ミラー前面図。
図10】[0016]一実施形態に従って構成された走査ミラー背面図。
図11】[0017]一実施形態に従って構成された走査ミラー側面図。
図12】[0018]一実施形態に従って構成された走査ミラー端面図。
図13】[0019]一実施形態に従って構成された反射光学系作製方法のためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0020]本実施形態のこれらおよび他の特徴は、本明細書で説明される図とともにとられる、以下の発明を実施するための形態を読むことによって、より良く理解されよう。添付の図面は、一定の縮尺で描画されるものではない。明快のために、あらゆる構成要素があらゆる図面においてラベル付けされ得るとは限らない。
【0009】
[0021]本明細書で説明される特徴および利点は、すべてを含むとは限らず、特に、多くの追加の特徴および利点が、図面、明細書、および特許請求の範囲に鑑みて、当業者には明らかであろう。その上、本明細書において使用される文言は、主に、読みやすさおよび教示目的のために選択されており、本発明の主題の範囲をいかなる形でも制限するものではないことに留意されたい。本発明は、多くの実施形態が可能である。以下は、本発明の範囲を例示するものであるが、網羅するものではない。
【0010】
[0022]図1は、反射光学適用例100を示す。この実施形態では、走査ミラー反射光学系105が、光検出および測距(LIDAR)システム110の構成要素である。LIDARシステム110は、たとえば、地雷の空中探知115において採用される。そのようなミッションのための走査ミラーは、画像品質を維持するための高剛性対重量比をもつ高精度高反射面である。高速の走査の動きは、高慣性負荷を誘起し、ミラーが十分に硬くない場合、ひずみを引き起こす。LIDARシステムの動作中、ミラーは、2つまたはそれ以上の軸の走査アセンブリ上で動作し、物体または表面を照らすためにレーザーエネルギーを反射し、したがって、その反射は、次いで、測定され、処理される。最近、LIDARシステムは、自律車両においても使用されている。いくつかの高性能適用例では、走査ミラーは、硬い表面を作成するためのその特性により、ベリリウムまたはベリリウム合金から作られる。
【0011】
[0023]その全体的構造性能およびシステム要件を保ちながらの、特殊な(exotic)(ベリリウム合金)、高性能のミラー材料と、従来のより低い性能の材料(アルミニウム合金)との置き換えは、従来の技法では非常に困難である。一例によれば、効率的な構造設計は、特に直接金属レーザー焼結(DMLS:direct metal laser sintering)を含むいくつかのプロセスを含む、本明細書では3Dプリンティングとも呼ばれる、付加製造(AM)によって作製される。実施形態では、犠牲トライポッドが、ダイヤモンド機械加工プロセスのための一時的固定具として使用されるために、ミラーの背面に直接「成長(grown)」する。これらは、構造上に3Dプリントされ、ダイヤモンド旋削プロセスの後に除去される。この技法は、光学系のダイヤモンド機械加工に通常関連する、費用がかかるツーリングの必要を削除する。さらに、特定の熱処理方法が、光学品質ミラーの製作に必要とされる微粒子構造および寸法安定性を達成する。
【0012】
[0024]付加製造は、従来の機械加工では可能でない内部格子構造および中空コア構造体の使用を可能にする。実施形態は、最終機械加工を助けるために、部品の背面上の3Dプリント特徴(トライポッド)を使用する。トライポッドは、最終の必要とされる仕様へのミラーのダイヤモンド旋削のために部品にビルトイン支持を提供する。
【0013】
[0025]述べられたように、ベリリウム合金ミラーは、機械加工するのに極めて費用がかかる構造である。対照的に、旧来のベリリウム合金設計と同じ近似剛性対重量比(実施形態では、約150のE/ρの比剛性、および約300GPaの弾性のヤング率)を有するように設計されたミラーキャビティ内の格子構造の3Dプリンティングは、性能を損なうことなしに製造のコストを大幅に低減する。実施形態では、格子はオープンセル格子である。さらに、ミラーの背面に成長したトライポッドは、ダイヤモンド旋削を可能にする。これらのトライポッドがなければ、著しい追加コストが招かれるであろう。この技法は、付加製造された部品を使用する多くの他の適用例のために採用され得るが、光学ミラー作製に対して特に効果的である。
【0014】
[0026]一例では、最終格子ジオメトリは、一連のプリント適性および構造モーダルテスト査定を行うことによって最適化され得る。本システムにおける格子の例示的な部分は、付加的に製造され、ワーピング、接続されない格子部材、幾何学的異常、モーダル応答、および寸法精度など、特性について、定性的に評価された。
【0015】
[0027]実施形態では、格子支柱部材の直径は、固有振動数が格子支柱直径に極めて敏感であるので、モデルの全体的プリント適性に影響を及ぼした。
【0016】
[0028]実施形態は、ミラーについて正方晶トラスプリント格子トポロジーを採用する。三角ハイブリッド、切頭8面体、ジャイロイド、立方トラス、オクテットトラス、切頭4面体、および他のアルキメデスの立体など、多くのオプションも可能である。設計基準は、重量と、剛性と、強度とを含む。実施形態では、ユニットセルサイズ選択が、支持されていない水平領域のサイズを減少させるために重要である。
【0017】
[0029]図2は、本技法の一実施形態による、反射光学系を製造するための一般化された方法200である。ステップは、特定の適用例および設計基準のための反射光学仕様を定義すること205を備える。たとえば、サイズ、重量、剛性、および反射率は、仕様のために使用される変数のうちのいくつかである。トポロジーを含む格子調査210が、最適格子ジオメトリを設計するために考慮される。Creo、Netfabb、およびNXなど、様々なシミュレーションツールのコンピュータ支援設計および有限要素解析(CADおよびFEA)があり、それらは、設計段階を容易にし、格子をより良く定義するための反復を可能にする。そのようなツールは、格子解析が、重量パラメータと剛性パラメータとを査定することを可能にする。一例では、格子有限要素解析(FEA)が、格子トポロジーのために作成され、フリーフリーモーダル(free-free modal)として稼働し、固有振動数を比較した。パラメータは、サイズ(立方)と、セル寸法と、支柱厚さと、ヤング率と、密度とを含む。実施形態では、ソフトウェアツールは、重要なことには、有機トポロジー最適化と、STLファイル修復と、部品配向および支持最適化と、マルチフィジックス(Multi-Physics)AMプロセスシミュレーションと、ビルド障害予測との各々を含む。Netfabbはこれらを含む。これらは、高剛性対重量比をもつ格子ジオメトリを作成することが、高速設計反復を可能にするための効率的なおよび信頼できるプロセスでなければならないので、重要である。たとえば、格子支柱部材を個々のCreo部品ファイルとして作成し、ジオメトリをパターニングすることは、いくつかの欠点を有する。格子トポロジーを更新または修正することはほぼ不可能であり、設計からやり直すことなしにソリッドボディ特徴をもつ接続を変更することは極めて困難であり、それは、反復設計および最適化について極めて非効率的である。さらに、三角ハイブリッド、バッキーボール、正方晶、およびオクテットトラスなど、構造を3D要素でモデル化することは、要素数および実行時間により、不可能である。実施形態について、支柱部材は、1D FEAビーム要素として解析され、要素数を低減し、解析を可能にする。
【0018】
[0030]格子構造が要件を満たすと、内部格子特徴をもつミラーモデルが作成される215。一例によれば、2つの部品が、格子トポロジーに対して作成された。一方の部品は外部ミラーシェルであり、他方の部品はミラーキャビティである。組み合わせられると、シェルおよびキャビティは完成され、設計ビルドが、たとえばNetfabbのための.stpとして、エクスポートされる。
【0019】
[0031]ビルドファイルがビルド環境にインポートされると、ソリッドミラーキャビティセクションが構築され得る。
所望のユニット格子セルが生成され、次いで、ミラーキャビティ内でパターニングされた。キャビティが格子にされると、格子は、ミラーシェル内に位置決めされ、整合され得る。
【0020】
[0032]ステップは、ミラーアセンブリ(トライポッドをもつミラーキャビティおよびミラーシェル)をプリントすること220と、熱処理を実施すること225と、ミラーを機械加工すること230と、トライポッドおよび異物デブリ(FOD)除去235とを続ける。一実施形態によれば、反射光学系は、コーティング240を受ける。コーティングは、反射特性を保つのを助ける。
【0021】
[0033]図3は、反射光学系格子構造300を図示する。実施形態では、正方晶格子寸法は、0.040インチの支柱直径305と、0.40インチ310×0.40インチ315のユニットセル寸法とを備える。他の実施形態では、切頭8面体ジオメトリに基づくユニットセルが、0.040”の支柱寸法と、0.50”のユニットセル寸法とを備える。これらの寸法は、ミラー機能のための必要とされる剛性特性を提供する。上述のように、実施形態について、格子はオープンセル格子である。
【0022】
[0034]図4は、反射光学系背面斜視スケール図400である。トライポッド405(一端のみ)およびビルド方向410が示されている。図示されたトライポッドは、レッグ415と上面420とを備える犠牲構造である。実施形態では、上面420は、光学面のダイヤモンド旋削など、機械加工のための必要とされる支持を提供するために平坦である。上面の総サイズと比較して細い寸法を有する2つまたはそれ以上のレッグを有することによって、その構造は、単純な機械的ツールによってなど、容易に除去される。実施形態では、レッグ415は、除去を可能にするために、もろいセクション425を備える。レッグのもろいセクション425により、犠牲構造(トライポッド)は、手動でワイヤカッターを用いてなど、単純な手段によって除去され得る。それらを除去するための特殊なツーリングまたは機械加工は必要とされない。構造405の数およびロケーションは、光学仕上げ中の部品における偏りを最小限に抑えるために、特定のミラーアセンブリについて確立され、これは、複数のパス(pass)に対して最初の数個のパスにおいて良好な表面品質を得るために重要である。これは、わずか1/10の表面積を有するミラーと比較して、より良い表面形状および仕上がりになる。一例では、等しい数の構造が、背面側の両方の側部セクション上に設けられ、中間セクション中には構造がない。一例では、いずれの側部部分上にも4個から8個の間の構造がある。
【0023】
[0035]図5は、反射光学系前面斜視スケール図500である。
【0024】
[0036]図6は、反射光学系背面平面スケール図600である。実施形態寸法は、全長9.75インチ(B)および幅5.81インチ(C)である。
【0025】
[0037]図7は、図6の反射光学系A-A断面スケール図700である。内部ボリュームは、格子構造(図示せず)で充填される。述べられたように、犠牲構造405は、構造405の上面420がほぼ平坦であるように、変化する長さの、もろいセクション425をもつレッグ415を有する。
【0026】
[0038]図8は、反射光学系側面スケール図800である。実施形態寸法は、1.32インチの前面から背面までの厚さ(D)と、表面からトライポッド表面までの1.58インチ(E)とを備える。
【0027】
[0039]図9は、走査ミラー実施形態前面図900である。
【0028】
[0040]図10は、走査ミラー実施形態背面図1000である。
【0029】
[0041]図11は、走査ミラー実施形態側面図1100である。
【0030】
[0042]図12は、走査ミラー実施形態端面図1200である。
【0031】
[0043]図13は、反射光学系作製方法実施形態のためのフローチャート1300である。ステップは、特定の適用例および設計基準に応じて、たとえば、サイズと重量と剛性と反射率とを含むことができる、反射光学仕様を定義すること1305と、最適格子ジオメトリのための重量と剛性とを決定する、トポロジーを含む格子解析1310とを備える。格子調査に続いて、内部格子特徴をもつ、格子ミラーモデルを作成すること1315。実施形態ミラーモデルは、2つの部品、外部ミラーシェルとミラーキャビティとを備える。作成されたミラーモデルは、ビルド方向と支持構造ロケーションと機械プロセス設定とを含む、プリント適性について査定される1320。実施形態では、次は、タップテストによってFEAを検証すること1325である。次いで、付加製造ミラー図面を作成すること1330。実施形態では、これの後に、実施形態においてシェルとキャビティとの間の0.030インチ干渉嵌合で、外部ミラーシェル中にミラーキャビティを配置することによって、アセンブリを作成すること1335と、AlSi10Mg合金の粉末金属材料コールアウトを有するミラーアセンブリ(トライポッドをもつミラーキャビティおよびミラーシェル)をプリントすること1340とが続く。3Dプリント犠牲統合(トライポッド)構造は、閉じた面の背面上にプリントされる。次は、応力緩和と熱間等方圧プレス(HIP)と溶体化熱処理とを備える、熱処理を実施すること1345と、粗い機械加工と応力緩和と最終機械加工と溶体化熱処理と仕上げとを備える、ミラーを機械加工すること1350と、異物デブリ(FOD)除去1355と、ミラー面の反射特性を保護するための随意のコーティング1360とである。0.030インチ干渉嵌合は、シェルへの堅固な格子接続を行うのに十分であるものとして重要である。実施形態では、ステップ1335、FOD除去は、各犠牲支持構造の各レッグを分離し、それにより、特殊なツーリングまたは機械加工なしにそれらを除去することを備える。各レッグは、個々にもろいセグメントを備え、それにより、平坦面は、機械加工応力に抵抗するためにすべてのレッグによって適切に支持され、各レッグは個々に分離可能である。これは、必要とされるツーリングおよび固定具を低減する。上述のように、犠牲支持構造は、光学仕上げ中の部品における偏りを最小限に抑えるために、特定のミラーアセンブリについて確立され、これは、複数のパスに対して最初の数個のパスにおいて良好な表面品質を得るために重要である。これは、わずか1/10の表面積を有するミラーと比較して、より良い表面形状および仕上がりになる。1つの測度、RMSは、評価長さ内に記録された、平均線からのプロファイル高さ偏差の二乗平均平方根平均である(ASME B46.1参照)。実施形態では、RMSは、約64RMSよりも大きいかまたはそれに等しい。
【0032】
[0044]図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態による、システム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点について、フローチャートまたはブロック図中の各ブロックは、指定された(1つまたは複数の)論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を備える、モジュール、セグメント、または命令の部分を表し得る。いくつかの代替実装形態では、ブロックにおいて示された機能は、図に示された順序とは異なる順序で行われ得る。たとえば、連続して示されている2つのブロックが、関与する機能に応じて、事実上、実質的に同時に実行され得、または、それらのブロックは、時々、逆順で実行され得る。また、ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図中のブロックの組合せが、指定された機能または行為を実施するかあるいは専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実行する、専用ハードウェアベースシステムによって実装され得ることに留意されたい。
【0033】
[0045]実施形態の上記の説明は、例示および説明のために提示された。それは、網羅的なものでも、開示された形態そのものに本発明を限定するものでもない。本開示に照らして、多くの修正および変形が可能である。本開示の範囲は、この詳細な説明によってではなく、本明細書に添付された特許請求の範囲によって制限されるものとする。
【0034】
[0046]いくつかの実装形態が説明された。とはいえ、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることを理解されよう。動作は特定の順序で図面に図示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序でまたは順番に実施されることを、あるいはすべての図示の動作が実施されることを必要とするものとして理解されるべきではない。
【0035】
[0047]この提出物のあらゆるページ、およびその上のすべてのコンテンツは、特徴づけられ、識別され、または番号を付けられるが、本出願内の形態または配置にかかわらず、すべての目的のために本出願の実質的部分と見なされる。本明細書は、網羅的なものでも、開示された形態そのものに本発明を限定するものでもない。本開示に照らして、多くの修正および変形が可能である。他のおよび様々な実施形態が、この説明、図、および以下の特許請求の範囲から、当業者には容易に明らかであろう。本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、本明細書に添付された特許請求の範囲によって制限されるものとする。
図1
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【国際調査報告】