(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】電子機器及び無線通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 16/28 20090101AFI20221109BHJP
H04W 24/02 20090101ALI20221109BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20221109BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20221109BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W24/02
H04B7/08 802
H04B7/06 956
H04L27/26 114
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515968
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(85)【翻訳文提出日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 CN2020113354
(87)【国際公開番号】W WO2021047444
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】201910859932.4
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沙子淵
(72)【発明者】
【氏名】王昭誠
(72)【発明者】
【氏名】曹建飛
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ74
5K067KK02
5K067LL11
(57)【要約】
本開示は、電子機器、無線通信方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。本開示による電子機器は、ビーム測定プロセスを実行して、各プリセット干渉シナリオで、電子機器の各受信ビームと電子機器にサービングするネットワーク側機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定し、各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、ネットワーク側機器の送信ビーム、及び電子機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、電子機器が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になる、ように構成される処理回路を含み、プリセット干渉シナリオは、電子機器の周囲のネットワーク側機器の電子機器への干渉状況を示す。本開示による電子機器、無線通信方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を使用することにより、ユーザー機器が受信ビームをより合理的に選択し、セル間の干渉を低減できることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
ビーム測定プロセスを実行して、各プリセット干渉シナリオで、前記電子機器の各受信ビームと前記電子機器にサービングするネットワーク側機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定し、
各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、前記ネットワーク側機器の送信ビーム、及び前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、前記電子機器が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になる、ように構成される処理回路を含み、
前記プリセット干渉シナリオは、前記電子機器の周囲のネットワーク側機器の前記電子機器への干渉状況を示す電子機器。
【請求項2】
前記ビーム測定プロセスは、非ゼロ電力信号状態情報参照信号NZP CSI-RSリソースセットでの測定プロセス、及びゼロ電力信号状態情報参照信号ZP CSI-RSリソースセットでの測定プロセスを含む請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記処理回路は、さらに、
NZP CSI-RSリソースセットでの測定結果に応じて、有用信号電力行列を決定し、前記有用信号電力行列における各要素は、各前記プリセット干渉シナリオで、前記ネットワーク側機器が特定の送信ビームを使用して信号を送信し且つ前記電子機器が特定の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を示し、
ZP CSI-RSリソースセットでの測定結果に応じて、各前記プリセット干渉シナリオで、前記電子機器が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定するように構成される請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記処理回路は、さらに、
前記ネットワーク側機器の送信ビーム、及び前記有用信号電力行列に応じて、前記電子機器が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を決定し、
前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、前記電子機器が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定し、
前記電子機器が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力及び干渉信号電力に応じて、信号対干渉プラスノイズ比を決定するように構成される請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
NZP CSI-RSリソースセットにおけるNZP CSI-RSリソースとネットワーク側機器の送信ビームとは、対応関係を有し、
前記処理回路は、さらに、
ネットワーク側機器からの構成情報に応じて、NZP CSI-RSリソースと送信ビームとの対応関係を決定するように構成される請求項3に記載の電子機器。
【請求項6】
ZP CSI-RSリソースセットにおけるZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとは、対応関係を有し、
前記処理回路は、さらに、
前記ネットワーク側機器からの構成情報に応じて、ZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとの対応関係を決定するように構成される請求項3に記載の電子機器。
【請求項7】
前記処理回路は、さらに、
伝送構成指示TCI状態情報に応じて、前記ネットワーク側機器の送信ビームを決定し、
ダウンリンク制御情報DCIに応じて、前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオを決定するように構成される請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記処理回路は、さらに、
伝送構成指示TCI状態情報に応じて、前記ネットワーク側機器の送信ビーム、及び前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオを決定するように構成される請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
ネットワーク側機器として機能する電子機器であって、
ユーザー機器がビーム測定プロセスを実行するために、前記ユーザー機器に対して非ゼロ電力信号状態情報参照信号NZP CSI-RSリソースセット、及びゼロ電力信号状態情報参照信号ZP CSI-RSリソースセットを構成することで、前記ユーザー機器が、各プリセット干渉シナリオで、前記ユーザー機器の各受信ビームと前記電子機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定し、
前記ユーザー機器が各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、前記電子機器の送信ビーム、及び前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて受信ビームを決定するために、前記ユーザー機器に前記電子機器の送信ビーム、及び前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオを送信することで、前記ユーザー機器が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になる、ように構成される処理回路を含み、
前記プリセット干渉シナリオは、前記電子機器に隣接する他のネットワーク側機器の前記ユーザー機器への干渉状況を示す電子機器。
【請求項10】
前記処理回路は、さらに、
ユーザー機器に対してNZP CSI-RSリソースセットを構成することで、NZP CSI-RSリソースセットにおけるNZP CSI-RSリソースと前記電子機器の送信ビームとが対応関係を有するように構成される請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記処理回路は、さらに、
ユーザー機器に対してZP CSI-RSリソースセットを構成することで、ZP CSI-RSリソースセットにおけるZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとが対応関係を有するように構成される請求項9に記載の電子機器。
【請求項12】
前記処理回路は、さらに、
前記電子機器に隣接する各他のネットワーク側機器に、特定のプリセット干渉シナリオに対する参照信号協調シグナリングを送信する、ように構成されており、前記参照信号協調シグナリングは、前記特定のプリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースの時間周波数位置、前記ZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で前記他のネットワーク側機器によって送信される参照信号のタイプ、及び前記他のネットワーク側機器が前記ZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で参照信号を送信する際の送信ビームを含む請求項9に記載の電子機器。
【請求項13】
前記参照信号のタイプは、NZP CSI-RS、及びZP CSI-RSを含み、
前記プリセット干渉シナリオで前記他のネットワーク側機器が前記ユーザー機器に干渉する場合に、前記参照信号のタイプはNZP CSI-RSであり、前記送信ビームは前記ユーザー機器に干渉するビームであり、前記プリセット干渉シナリオで前記他のネットワーク側機器が前記ユーザー機器に干渉しない場合に、前記参照信号のタイプはZP CSI-RSであり、前記送信ビームは任意のビームである請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
前記処理回路は、さらに、
ユーザー機器が有用信号電力行列を決定するために、前記ユーザー機器に対して構成されたNZP CSI-RSリソースの時間周波数位置でNZP CSI-RSを送信するように構成されており、前記有用信号電力行列における各要素は、各前記プリセット干渉シナリオで、前記電子機器が特定の送信ビームを使用して信号を送信し且つ前記ユーザー機器が特定の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を示す請求項9に記載の電子機器。
【請求項15】
前記処理回路は、さらに、
前記ユーザー機器から受信した有用信号電力行列における全ての要素又は一部の要素に応じて、前記電子機器の送信ビームを決定するように構成される請求項14に記載の電子機器。
【請求項16】
前記処理回路は、さらに、
前記ユーザー機器がZP CSI-RSリソースに対応するプリセット干渉シナリオで各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定するために、ユーザー機器に対して構成された前記ZP CSI-RSリソースの時間周波数位置でZP CSI-RSを送信するように構成される請求項9に記載の電子機器。
【請求項17】
前記処理回路は、さらに、
前記電子機器に隣接する各他のネットワーク側機器から、複数の時間周期で前記電子機器に隣接する他のネットワーク側機器によって使用される干渉ビーム情報を含む干渉ビーム時間情報を受信し、
前記電子機器に隣接する各他のネットワーク側機器の干渉ビーム時間情報に応じて、前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオを決定するように構成される請求項9に記載の電子機器。
【請求項18】
前記処理回路は、さらに、
ダウンリンク制御情報DCIにより、前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオをキャリーし、
伝送構成指示TCI状態情報により、前記電子機器の送信ビームをキャリーするように構成される請求項9に記載の電子機器。
【請求項19】
前記処理回路は、さらに、
伝送構成指示TCI状態情報と、ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオ、及び前記電子機器の送信ビームとの対応関係を確立し、
TCI状態情報により、前記電子機器の送信ビーム、及び前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオをキャリーするように構成される請求項9に記載の電子機器。
【請求項20】
電子機器によって実行される無線通信方法であって、
ビーム測定プロセスを実行して、各プリセット干渉シナリオで、前記電子機器の各受信ビームと前記電子機器にサービングするネットワーク側機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定することと、
各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、前記ネットワーク側機器の送信ビーム、及び前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、前記電子機器が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になることとを含み、
前記プリセット干渉シナリオは、前記電子機器の周囲のネットワーク側機器の前記電子機器への干渉状況を示す無線通信方法。
【請求項21】
前記ビーム測定プロセスは、非ゼロ電力信号状態情報参照信号NZP CSI-RSリソースセットでの測定プロセス、及びゼロ電力信号状態情報参照信号ZP CSI-RSリソースセットでの測定プロセスを含む請求項20に記載の無線通信方法。
【請求項22】
ビーム測定プロセスを実行することは、
NZP CSI-RSリソースセットでの測定結果に応じて、有用信号電力行列を決定し、前記有用信号電力行列における各要素は、各前記プリセット干渉シナリオで、前記ネットワーク側機器が特定の送信ビームを使用して信号を送信し且つ前記電子機器が特定の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を示すことと、
ZP CSI-RSリソースセットでの測定結果に応じて、各前記プリセット干渉シナリオで、前記電子機器が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定することとを含む請求項21に記載の無線通信方法。
【請求項23】
前記無線通信方法は、
前記ネットワーク側機器の送信ビーム、及び前記有用信号電力行列に応じて、前記電子機器が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を決定することと、
前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、前記電子機器が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定することと、
前記電子機器が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力及び干渉信号電力に応じて、信号対干渉プラスノイズ比を決定することとをさらに含む請求項22に記載の無線通信方法。
【請求項24】
NZP CSI-RSリソースセットにおけるNZP CSI-RSリソースとネットワーク側機器の送信ビームとは、対応関係を有し、
前記無線通信方法は、
ネットワーク側機器からの構成情報に応じて、NZP CSI-RSリソースと送信ビームとの対応関係を決定することをさらに含む請求項22に記載の無線通信方法。
【請求項25】
ZP CSI-RSリソースセットにおけるZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとは、対応関係を有し、
前記無線通信方法は、
前記ネットワーク側機器からの構成情報に応じて、ZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとの対応関係を決定することをさらに含む請求項22に記載の無線通信方法。
【請求項26】
前記無線通信方法は、
伝送構成指示TCI状態情報に応じて、前記ネットワーク側機器の送信ビームを決定することと、
ダウンリンク制御情報DCIに応じて、前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオを決定することとをさらに含む請求項20に記載の無線通信方法。
【請求項27】
前記無線通信方法は、
伝送構成指示TCI状態情報に応じて、前記ネットワーク側機器の送信ビーム、及び前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオを決定すること、をさらに含む請求項20に記載の無線通信方法。
【請求項28】
ネットワーク側機器として機能する電子機器によって実行される無線通信方法であって、
ユーザー機器がビーム測定プロセスを実行するために、前記ユーザー機器に対して非ゼロ電力信号状態情報参照信号NZP CSI-RSリソースセット、及びゼロ電力信号状態情報参照信号ZP CSI-RSリソースセットを構成することで、前記ユーザー機器が、各プリセット干渉シナリオで、前記ユーザー機器の各受信ビームと前記電子機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定することと、
前記ユーザー機器が各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、前記電子機器の送信ビーム、及び前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて受信ビームを決定するために、前記ユーザー機器に前記電子機器の送信ビーム、及び前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオを送信することで、前記ユーザー機器が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になることとを含み、
前記プリセット干渉シナリオは、前記電子機器に隣接する他のネットワーク側機器の前記ユーザー機器への干渉状況を示す無線通信方法。
【請求項29】
ユーザー機器に対してNZP CSI-RSリソースセットを構成することは、
ユーザー機器に対してNZP CSI-RSリソースセットを構成することで、NZP CSI-RSリソースセットにおけるNZP CSI-RSリソースと前記電子機器の送信ビームとが対応関係を有することを含む請求項28に記載の無線通信方法。
【請求項30】
ユーザー機器に対してZP CSI-RSリソースセットを構成することは、
ユーザー機器に対してZP CSI-RSリソースセットを構成することで、ZP CSI-RSリソースセットにおけるZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとが対応関係を有することを含む請求項28に記載の無線通信方法。
【請求項31】
前記無線通信方法は、
前記電子機器に隣接する各他のネットワーク側機器に、特定のプリセット干渉シナリオに対する参照信号協調シグナリングを送信すること、をさらに含み、前記参照信号協調シグナリングは、前記特定のプリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースの時間周波数位置、前記ZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で前記他のネットワーク側機器によって送信される参照信号のタイプ、及び前記他のネットワーク側機器が前記ZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で参照信号を送信する際の送信ビームを含む請求項28に記載の無線通信方法。
【請求項32】
前記参照信号のタイプは、NZP CSI-RS、及びZP CSI-RSを含み、
前記プリセット干渉シナリオで前記他のネットワーク側機器が前記ユーザー機器に干渉する場合に、前記参照信号のタイプはNZP CSI-RSであり、前記送信ビームは前記ユーザー機器に干渉するビームであり、前記プリセット干渉シナリオで前記他のネットワーク側機器が前記ユーザー機器に干渉しない場合に、前記参照信号のタイプはZP CSI-RSであり、前記送信ビームは任意のビームである請求項31に記載の無線通信方法。
【請求項33】
前記無線通信方法は、
ユーザー機器が有用信号電力行列を決定するために、前記ユーザー機器に対して構成されたNZP CSI-RSリソースの時間周波数位置でNZP CSI-RSを送信すること、をさらに含み、前記有用信号電力行列における各要素は、各前記プリセット干渉シナリオで、前記電子機器が特定の送信ビームを使用して信号を送信し且つ前記ユーザー機器が特定の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を示す請求項28に記載の無線通信方法。
【請求項34】
前記無線通信方法は、
前記ユーザー機器から受信した有用信号電力行列における全ての要素又は一部の要素に応じて、前記電子機器の送信ビームを決定することをさらに含む請求項33に記載の無線通信方法。
【請求項35】
前記無線通信方法は、
前記ユーザー機器がZP CSI-RSリソースに対応するプリセット干渉シナリオで各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定するために、ユーザー機器に対して構成された前記ZP CSI-RSリソースの時間周波数位置でZP CSI-RSを送信することをさらに含む請求項28に記載の無線通信方法。
【請求項36】
前記無線通信方法は、
前記電子機器に隣接する各他のネットワーク側機器から、複数の時間周期で前記電子機器に隣接する他のネットワーク側機器によって使用される干渉ビーム情報を含む干渉ビーム時間情報を受信することと、
前記電子機器に隣接する各他のネットワーク側機器の干渉ビーム時間情報に応じて、前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオを決定することとをさらに含む請求項28に記載の無線通信方法。
【請求項37】
前記無線通信方法は、
ダウンリンク制御情報DCIにより、前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオをキャリーすることと、
伝送構成指示TCI状態情報により、前記電子機器の送信ビームをキャリーすることとをさらに含む請求項28に記載の無線通信方法。
【請求項38】
前記無線通信方法は、
伝送構成指示TCI状態情報と、ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオ、及び前記電子機器の送信ビームとの対応関係を確立することと、
TCI状態情報により、前記電子機器の送信ビーム、及び前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオをキャリーすることとをさらに含む請求項28に記載の無線通信方法。
【請求項39】
コンピュータに実行される場合に、請求項20~38のいずれか1つに記載の無線通信方法を前記コンピュータに実行させる実行可能なコンピュータコマンドを含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年9月11日に中国特許庁に出願された、出願番号201910859932.4、発明の名称「電子機器、無線通信方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体」の優先権を主張するものであり、その全ての内容が、参照により本願に引用される。
【0002】
本開示の実施例は、全体的に、無線通信分野に関し、具体的に、電子機器、無線通信方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。より具体的に、本開示は、無線通信システムにおけるネットワーク側機器としての電子機器、無線通信システムにおけるユーザー機器としての電子機器、無線通信システムにおけるネットワーク側機器によって実行される無線通信方法、無線通信システムにおけるユーザー機器によって実行される無線通信方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
ビームフォーミングは、アンテナアレイに基づく信号前処理技術である。ビームフォーミングでは、アンテナアレイにおける各要素の重み係数を調整することによって指向性ビームが生成されるため、大幅なアレイゲインが得られる。従って、ビームフォーミング技術は、カバレッジの拡大、エッジスループットの改善、及び干渉抑制等の点で大きな優勢がある。
【0004】
ダウンリンク伝送では、ネットワーク側機器は、複数の送信ビームから送信ビームを選択してダウンリンク情報を送信し、ユーザー機器は、複数の受信ビームを有する場合に、ビームフォーミングゲインを得るために、適切な受信ビームを選択してネットワーク側機器によって送信されたダウンリンク情報を受信する必要がある。従来の受信ビーム選択ソリューションでは、ユーザー機器はセルのRSRP(Reference Signal Receiving Power、参照信号受信電力)に基づいて受信ビームを選択することができる。即ち、ユーザー機器は、受信電力が最大である受信ビームを選択してダウンリンク情報を受信する。ユーザー機器は、セル間の干渉問題を考慮していないため、ダウンリンク情報を受信する際に隣接セルからの干渉を受けて、通信パフォーマンスが低下する可能性がある。沈黙によってセル間の干渉を排除でき、即ち、1つのセルの送信ビームが隣接セルのユーザー機器に干渉する場合、干渉信号を送信するネットワーク側機器又は干渉されるユーザー機器が短時間で沈黙になって、干渉を低減できるが、この方式では、リソースが無駄になる可能性がある。
【0005】
したがって、ユーザー機器が受信ビームをより合理的に選択でき、セル間の干渉を低減できる技術案を提案する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この部分は、全範囲又は全ての特徴の包括的な開示ではなく、本開示の一般的な概要を提供する。
【0007】
本開示は、ユーザー機器が受信ビームをより合理的に選択でき、セル間の干渉を低減できるように、電子機器、無線通信方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の一局面によれば、電子機器を提供し、当該電子機器は、ビーム測定プロセスを実行して、各プリセット干渉シナリオで、前記電子機器の各受信ビームと前記電子機器にサービングするネットワーク側機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定し、各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、前記ネットワーク側機器の送信ビーム、及び前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、前記電子機器が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になる、ように構成される処理回路を含み、前記プリセット干渉シナリオは、前記電子機器の周囲のネットワーク側機器の前記電子機器への干渉状況を示す。
【0009】
本開示の他の局面によれば、ネットワーク側機器として機能する電子機器を提供し、当該電子機器は、ユーザー機器がビーム測定プロセスを実行するために、前記ユーザー機器に対してNZP CSI-RS(Non Zero Power Channel State Information-Reference Signal、非ゼロ電力信号状態情報参照信号)リソースセット、及びゼロ電力信号状態情報参照信号ZP CSI-RS(Zero Power Channel State Information-Reference Signal、ゼロ電力信号状態情報参照信号)リソースセットを構成することで、前記ユーザー機器が、各プリセット干渉シナリオで、前記ユーザー機器の各受信ビームと前記電子機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定し、前記ユーザー機器が各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、前記電子機器の送信ビーム、及び前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて受信ビームを決定するために、前記ユーザー機器に前記電子機器の送信ビーム、及び前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオを送信することで、前記ユーザー機器が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になる、ように構成される処理回路を含み、前記プリセット干渉シナリオは、前記電子機器に隣接する他のネットワーク側機器の前記ユーザー機器への干渉状況を示す。
【0010】
本開示の他の局面によれば、電子機器によって実行される無線通信方法を提供し、当該無線通信方法は、ビーム測定プロセスを実行して、各プリセット干渉シナリオで、前記電子機器の各受信ビームと前記電子機器にサービングするネットワーク側機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定することと、各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、前記ネットワーク側機器の送信ビーム、及び前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、前記電子機器が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になることと、を含み、前記プリセット干渉シナリオは、前記電子機器の周囲のネットワーク側機器の前記電子機器への干渉状況を示す。
【0011】
本開示の他の局面によれば、ネットワーク側機器として機能する電子機器によって実行される無線通信方法を提供し、当該無線通信方法は、ユーザー機器がビーム測定プロセスを実行するために、前記ユーザー機器に対してNZP CSI-RSリソースセット、及びZP CSI-RSリソースセットを構成することで、前記ユーザー機器が、各プリセット干渉シナリオで、前記ユーザー機器の各受信ビームと前記電子機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定することと、前記ユーザー機器が各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、前記電子機器の送信ビーム、及び前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて受信ビームを決定するために、前記ユーザー機器に前記電子機器の送信ビーム、及び前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオを送信することで、前記ユーザー機器が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になることと、を含み、前記プリセット干渉シナリオは、前記電子機器に隣接する他のネットワーク側機器の前記ユーザー機器への干渉状況を示す。
【0012】
本開示の他の局面によれば、コンピュータに実行される場合に、本開示に記載の無線通信方法を前記コンピュータに実行させる、実行可能なコンピュータコマンドを含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0013】
本開示による電子機器、無線通信方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を使用すると、ユーザー機器が、各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、ネットワーク側機器の送信ビーム、及びユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、受信ビームの信号対干渉プラスノイズ比は最大になることができる。このようにすれば、ユーザー機器は、信号対干渉プラスノイズ比が最大であるビームを受信ビームとして選択でき、セル間干渉を低減できる。
【0014】
ここで提供される説明から、さらなる適用範囲は明らかになる。この概要における説明と特定の例は、例示のみを目的とし、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
ここで説明する図面は、選択の実施例の例示のみを目的とし、全ての可能な実施ではなく、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。図面では、
【0016】
【
図1A】
図1Aは、概略的なビームペアリングプロセスを示す模式図である。
【
図1B】
図1Bは、精確的なビームペアリングプロセスを示す模式図である。
【
図2A】
図2Aは、本開示の実施例による干渉シナリオを示す模式図である。
【
図2B】
図2Bは、本開示の実施例による干渉シナリオを示す模式図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施例によるユーザー側の電子機器の構成例を示すブロック図である。
【
図4A】
図4Aは、従来技術における受信ビームの選択を示す模式図である。
【
図4B】
図4Bは、本開示の実施例による受信ビームの選択を示す模式図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施例によるプリセット干渉シナリオを示す模式図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施例による特定のプリセット干渉シナリオに対する干渉信号電力行列を取得するプロセスを示す模式図である。
【
図7A】
図7Aは、本開示の実施例による、TCI(Transmission Configuration Indication、伝送構成指示)により送信ビームを指示することを示す模式図である。
【
図7B】
図7Bは、本開示の実施例による、TCIにより送信ビーム及びプリセット干渉シナリオを指示することを示す模式図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施例によるネットワーク側の電子機器の構成例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施例による参照信号協調シグナリングを示す模式図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施例による干渉ビーム時間情報を示す模式図である。
【
図11】
図11は、本開示の実施例によるビーム測定プロセスを示すシグナリングフローチャートである。
【
図12】
図12は、本開示の実施例による受信ビームの決定を示すシグナリングフローチャートである。
【
図13】
図13は、本開示の実施例によるユーザー側の電子機器によって実行される無線通信方法を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、本開示の実施例によるネットワーク側の電子機器によって実行される無線通信方法を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、eNB(Evolved Node B、進化型ノードB)の概略構成の第1の例を示すブロック図である
【
図16】
図16は、eNBの概略構成の第2の例を示すブロック図である。
【
図17】
図17は、スマートフォンの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図18】
図18は、カーナビゲーションの概略構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
本開示に対して、様々な修正及び代替を容易にできるが、その特定の実施例は、例として添付の図面に示され、ここで詳細に説明される。ここでの特定の実施例に対する説明は、本開示を開示された具体的な形態に限定することを意図するものではなく、逆に、本開示は、本開示の精神及び範囲内に入る全ての修正、同等、及び置換を包含することを意図することが理解されたい。なお、いくつかの図面を通して、対応する符号は対応する部品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の例について、添付の図面を参照してより十分に説明する。以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、適用又は用途を限定するものではない。
【0019】
本開示が詳しくなり、その範囲を当業者に十分に伝えるように、例示的な実施例を提供する。特定の部品、デバイス、及び方法の例などの様々な特定の詳細を説明して、本開示の実施例に対する十分な理解を提供する。特定の詳細が必ずしも必要ではなく、例示的な実施例が多くの異なる形態で実施でき、それらが本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことは、当業者には明らかである。いくつかの例示的な実施例では、周知のプロセス、周知の構造、及び周知の技術は詳細に記載されていない。
【0020】
以下の順序に従って説明する。
1.問題の説明
2.ユーザー側の電子機器の構成例
3.ネットワーク側の電子機器の構成例
4.方法実施例
5.適用例
【0021】
<1.問題の説明>
図1Aは、概略的なビームペアリングプロセスを示す模式図であり、
図1Bは、精確的なビームペアリングプロセスを示す模式図である。
図1Aに示すように、ユーザー機器が最初にアクセスする際に、ユーザー機器による基地局に対する測定を通じて、ユーザー機器と基地局との間に送受信ビームペアが概略的に確立されることができ、なお、基地局のビームは、通常、ユーザー機器が最初にアクセスする過程のビーム検索期間を短縮するために、幅が広い。概略的なビームペアリングプロセスを通じて、基地局とユーザー機器の両方は、信号のおおよその方向を取得でき、この方向に応じて、基地局とユーザー機器は、この方向に近いいくつかの候補ビームを決定でき、さらに、送受信ビームペアを詳細化し、精確的なビームペアリングを達成することができる。
図1Bに示すように、基地局は、M個のビームを有し、ユーザー機器は、N個のビームを有する。精確的なビームペアリングプロセスでは、基地局は、幅が狭くゲインが高いビームを使用する。
【0022】
以上のように、従来のビーム管理プロセスでは、セル間の干渉を考慮していない。実際に、ユーザー機器の受信ビームは広いことが多いため、ユーザー機器は、隣接セルのネットワーク側機器から干渉信号を受信する可能性が高く、その結果、ユーザー機器が受信した信号のSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio、信号対干渉プラスノイズ比)が著しく減少してしまう。
【0023】
図2Aは、本開示の実施例による干渉シナリオを示す模式図である。
図2Aに示すように、基地局1のユーザーは、基地局1からの信号を受信し、当該信号は、有用信号である。同時に、基地局2の送信ビームもこのユーザーに向け、基地局2の送信電力が大きいと、基地局2は、このユーザーに強く干渉する可能性があり、この信号は、干渉信号である。
図2Bは、本開示の別の実施例による干渉シナリオを示す模式図である。
図2Bに示すように、基地局1のユーザーは、基地局1からの信号を受信し、この信号は、有用信号である。同時に、基地局1のユーザーは、基地局2からの反射された信号を受信したため、このユーザーは基地局2によって干渉される。基地局2からの干渉信号は、非直接干渉信号であるが、依然として、ユーザーの受信信号の品質に影響し、その結果、性能が低下する。
【0024】
本開示は、このようなシナリオに対して、無線通信システムにおける電子機器、無線通信システムにおける電子機器によって実行される無線通信方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提案する。これにより、ビーム管理プロセスで隣接セルの干渉を考慮して、ユーザー機器が受信ビームをより合理的に選択でき、セル間の干渉を低減できる。
【0025】
本開示によるネットワーク側機器は、任意のタイプのTRP(Transmit and Receive Port、送信及び受信ポート)であってもよい。また、本開示に記載のネットワーク側機器は、例えば、eNB、gNB(第5世代通信システムの基地局)、マクロ基地局、スモール基地局などの基地局装置であってもよい。
【0026】
本開示によるユーザー機器は、携帯端末(例えば、スマートフォン、タブレットパーソナルコンピューター(PC)、ノートPC、携帯ゲーム端末、ポータブル/ドングルモバイルルーター、及びデジタル撮影装置など)、又は車載端末(カーナビゲーション装置など)であってもよい。ユーザー機器はマシンツーマシン(M2M)通信を実行する端末(マシンタイプ通信(MTC)端末とも呼ばれる)として実現されることもできる。なお、ユーザー機器は、上記端末のそれぞれに搭載された無線通信モジュール(例えば、単一チップを含む集積回路モジュール)であってもよい。
【0027】
<2.ユーザー側の電子機器の構成例>
図3は、本開示の実施例による電子機器300の構成例を示すブロック図である。ここでの電子機器300は、無線通信システムにおけるユーザー機器とすることができる。
【0028】
図3に示すように、電子機器300は、測定部310と、受信ビーム決定部320とを含むことができる。
【0029】
ここで、電子機器300の各部は、いずれも処理回路に含まれることができる。なお、電子機器300は、1つの処理回路を含んでもよいし、複数の処理回路を含んでもよい。さらに、処理回路は、様々な異なる機能及び/又は動作を実行するように、様々な個別の機能部を含んでもよい。なお、これらの機能部は、物理エンティティ又は論理エンティティであってもよく、異なる呼称の部は、同一の物理エンティティによって実現されてもよい。
【0030】
本開示の実施例によれば、測定部310は、ビーム測定プロセスを実行して、各プリセット干渉シナリオで、電子機器300の各受信ビームと電子機器300にサービングするネットワーク側機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定することができる。
【0031】
本開示の実施例によれば、受信ビーム決定部320は、各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、ネットワーク側機器の送信ビーム、及び電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、電子機器300が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比が最大になることができる。
【0032】
本開示の実施例では、プリセット干渉シナリオは、電子機器300の周囲のネットワーク側機器の電子機器300への干渉状況を示す。ここで、電子機器300の周囲のネットワーク側機器は、電子機器300が属するセルに隣接するセルにおけるネットワーク側機器を含む。電子機器300が属する無線通信システムは、同質の無線通信システムであってもよいし、異質の無線通信システムであってもよい。例えば、電子機器300が属するセルに隣接するセルにおけるネットワーク側機器、及び電子機器300が属するセルにおけるネットワーク側機器は、共にマクロ基地局であってもよい。また、例えば、電子機器300が属するセルに隣接するセルにおけるネットワーク側機器はマクロ基地局であって、電子機器300が属するセルにおけるネットワーク側機器はスモール基地局であってもよい。プリセット干渉シナリオは、理想的な干渉シナリオであり、各プリセット干渉シナリオは、電子機器300の周囲の各ネットワーク側機器が「電子機器300に干渉する」と「電子機器300に干渉しない」との判定を含む。電子機器300が属するセルに隣接するセルはQ個であると仮定すると、隣接セルにおける各ネットワーク側機器について、電子機器300に干渉する状況と、電子機器300に干渉しない状況との2つの状況が存在するので、理論的には、K=2Q個のプリセット干渉シナリオが存在する。例えば、電子機器300が属するセルに隣接するセルは1つであると仮定すると、1番目のプリセット干渉シナリオは、例えば、当該隣接セルにおけるネットワーク側機器が電子機器300に干渉することであり、2番目のプリセット干渉シナリオは、例えば、当該隣接セルにおけるネットワーク側機器が電子機器300に干渉しないことである。
【0033】
図4Aは、従来技術における受信ビームの選択を示す模式図である。
図4Aにおいて、基地局1のユーザーは、基地局1によってサービングされ、基地局1が基地局1のユーザーに送信するダウンリンク信号は、有用信号であり、隣接セルの基地局2によって送信されるダウンリンク信号は、基地局1のユーザーにとって干渉信号となる。従来の受信ビーム選択ソリューションでは、ユーザー機器はセルのRSRPに基づいて受信ビームを選択することができる。つまり、ユーザー機器は、受信電力が最大である受信ビームを選択してダウンリンク情報を受信する。
図4Aに示すように、基地局1のユーザーは、RSRPに基づいて、黒く塗りつぶされた楕円形で表されるビームを受信ビームとして選択する。隣接セルの干渉問題を考慮していないため、基地局2からの強い干渉を受ける可能性があり、その結果、システム性能が低下してしまう。
【0034】
図4Bは、本開示の実施例による受信ビームの選択を示す模式図である。本開示の実施例によれば、ユーザー機器は、信号対干渉プラスノイズ比に基づいて、受信ビームを選択することができる。つまり、ユーザー機器は、SINRが最大である受信ビームを選択してダウンリンク情報を受信する。
図4Bに示すように、基地局1のユーザーは、SINRに基づいて、黒く塗りつぶされた楕円形で表されるビームを受信ビームとして選択する。当該ビームの受信電力は最大ではないが、隣接セルの干渉問題を考慮しているため、基地局2からの干渉信号を回避でき、システム性能を向上させることができる。
【0035】
本開示の実施例によれば、測定部310によって実行されるビーム測定プロセスは、NZP CSI-RSリソースセットでの測定プロセス、及びZP CSI-RSリソースセットでの測定プロセスを含むか、又は測定部310によって実行されるビーム測定プロセスは、SSB(synchronization signal block、同期信号ブロック)リソースセットでの測定プロセス、及びZP CSI-RSリソースセットでの測定プロセスを含む。
【0036】
本開示の実施例によれば、測定部310は、NZP CSI-RSリソースセット又はSSBリソースセットで測定することで、有用信号電力行列を決定し、有用信号電力行列における各要素は、各プリセット干渉シナリオで、ネットワーク側機器が特定の送信ビームを使用して信号を送信し且つ電子機器が特定の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を示す。以下、NZP CSI-RSリソースにより本開示の実施例について説明し、これらの実施例は、SSBリソースにも適用可能である。
【0037】
本開示の実施例によれば、NZP CSI-RSリソースセットにおけるNZP CSI-RSリソースとネットワーク側機器の送信ビームとは、対応関係を有する。具体的に、NZP CSI-RSリソースとネットワーク側機器の送信ビームとは、1対1の関係を有してもよい。つまり、NZP CSI-RSリソースごとに、それに対応する一意の送信ビームがあり、異なるNZP CSI-RSリソースは、異なる送信ビームに対応する。また、NZP CSI-RSリソースとネットワーク側機器の送信ビームとは、多対1の関係を有してもよい。つまり、NZP CSI-RSリソースごとに、それに対応する一意の送信ビームがあり、異なるNZP CSI-RSリソースは、同じ送信ビームに対応できる。
【0038】
本開示の実施例によれば、
図3に示すように、電子機器300は、ネットワーク側機器から、NZP CSI-RSリソースと送信ビームとの対応関係を含む構成情報を受信するための通信部330をさらに含むことができる。従って、電子機器300は、ネットワーク側機器からの構成情報に応じて、NZP CSI-RSリソースと送信ビームとの対応関係を決定することができる。なお、
図3に示すように、電子機器300は、NZP CSI-RSリソースと送信ビームとの対応関係を記憶するための記憶部340をさらに含むことができる。
【0039】
本開示の実施例によれば、測定部310は、NZP CSI-RSリソースセットで測定することで、有用信号電力行列を決定する。ここで、有用信号電力行列は、プリセット干渉シナリオと関係しない。つまり、いずれかのプリセット干渉シナリオについて、有用信号電力行列は同じである。
【0040】
本開示の実施例によれば、ネットワーク側機器にM個の送信ビームがあり、電子機器300にN個の受信ビームがあると仮定すると、有用信号電力行列Pは、M×N次元の行列となり、その中、要素Pi,j(1≦i≦M、1≦j≦N)は、ネットワーク側機器がi番目の送信ビームを使用して信号を送信し且つ電子機器300がj番目の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を示す。有用信号電力行列Pは、以下通りである。
【0041】
【0042】
本開示の実施例によれば、ユーザー機器は、N個の受信ビームのそれぞれを使用してNZP CSI-RSリソースセットにおける各NZP CSI-RSリソースで測定することで、M×N回の測定を完了して、上記の有用信号電力行列Pを決定することができる。
【0043】
本開示の実施例によれば、測定部310は、ZP CSI-RSリソースセットで測定することで、各プリセット干渉シナリオで、電子機器300が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定することができる。
【0044】
本開示の実施例によれば、ZP CSI-RSリソースセットにおけるZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとは、対応関係を有する。具体的に、ZP CSI-RSリソースセットとプリセット干渉シナリオとは、1対1の関係を有してもよい。つまり、ZP CSI-RSリソースセットごとに、それに対応する一意のプリセット干渉シナリオがあり、異なるZP CSI-RSリソースセットは、異なるプリセット干渉シナリオに対応する。言い換えれば、プリセット干渉シナリオは、1つのZP CSI-RSリソースセットにおける複数のZP CSI-RSリソースに対応する。
【0045】
本開示の実施例によれば、電子機器300は、通信部330を介してネットワーク側機器から、ZP CSI-RSリソースセットとプリセット干渉シナリオとの対応関係を含む構成情報を受信することができる。従って、電子機器300は、ネットワーク側機器からの構成情報に応じて、ZP CSI-RSリソースセットとプリセット干渉シナリオとの対応関係を決定することができる。なお、記憶部340は、ZP CSI-RSリソースセットとプリセット干渉シナリオとの対応関係を記憶することができる。
【0046】
図5は、本開示の実施例によるプリセット干渉シナリオを示す模式図である。
図5において、基地局1は、ユーザーのサービング基地局であり、基地局2と基地局3は、基地局1に隣接するセルにおける基地局であり、これにより、
図5は、四つのプリセット干渉シナリオの例を示している。プリセット干渉シナリオ1は、基地局2及び基地局3がいずれもユーザーに干渉しないシナリオを示し、プリセット干渉シナリオ2は、基地局2がユーザーに干渉するが、基地局3がユーザーに干渉しないことを示し、プリセット干渉シナリオ3は、基地局3がユーザーに干渉するが、基地局2がユーザーに干渉しないことを示し、プリセット干渉シナリオ4は、基地局2と基地局3の両方がユーザーに干渉することを示す。
【0047】
本開示の実施例によれば、ZP CSI-RSリソースセットとプリセット干渉シナリオとは、対応関係を有することができる。例えば、
図5に示す実施例において、4つのZP CSI-RSリソースセットが存在して、4つのプリセット干渉シナリオにそれぞれ対応することができる。
【0048】
本開示の実施例によれば、測定部310は、ZP CSI-RSリソースセットで測定することで、各プリセット干渉シナリオでの干渉信号電力行列を決定することができ、その中、干渉信号電力行列における各要素は、電子機器300が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を示す。ここで、干渉信号電力行列は、特定のプリセット干渉シナリオに対するものであり、即ち、干渉信号電力行列の数は、プリセット干渉シナリオの数と同じである。
【0049】
プリセット干渉シナリオの数がKであると仮定すると、行列Ikは、k番目のプリセット干渉シナリオの干渉信号電力行列を示し、その中、1≦k≦Kである。
【0050】
同様に、電子機器300がN個の受信ビームを有すると仮定すると、Ikは、1×N次元の行列となり、その中、要素it
k(1≦t≦N)は、k番目のプリセット干渉シナリオで、電子機器300がt番目の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を示す。干渉信号電力行列Ikは以下通りである。
【0051】
【0052】
本開示の実施例によれば、いずれかのプリセット干渉シナリオについて、当該プリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースセットで、当該プリセット干渉シナリオで電子機器300に干渉するネットワーク側機器は、電子機器300に干渉する送信ビームを使用してNZP CSI-RS信号を送信し、電子機器300に干渉しないネットワーク側機器は、任意の送信ビームを使用してZP CSI-RS信号を送信する。そして、電子機器300は、各受信ビームを使用して当該プリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースセットで測定することにより、N回の測定を完了して、当該プリセット干渉シナリオに対応する干渉信号電力行列Ikを決定することができる。
【0053】
図6は、本開示の実施例による特定のプリセット干渉シナリオに対する干渉信号電力行列を取得するプロセスを示す模式図である。
図6において、基地局1がユーザー機器のサービング基地局であり、基地局2が基地局1の隣接基地局であると仮定する。ここで、当該プリセット干渉シナリオで、基地局2がユーザーに干渉すると仮定すると、当該プリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースセットで、基地局2がユーザーに干渉する送信ビームを使用してNZP CSI-RS信号を送信し、基地局1が任意の送信ビームを使用してZP CSI-RS信号を送信する。
図6に示すように、ユーザーは、1番目の受信ビームを使用して当該プリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースセットで測定し、即ち、1回目の測定を行うことにより、干渉信号電力行列における1番目の要素を取得し、ユーザーは、2番目の受信ビームを使用して当該プリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースセットで測定し、即ち、2回目の測定を行うことにより、干渉信号電力行列における2番目の要素を取得し、…、ユーザーがN番目の受信ビームを使用して当該プリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースセットで測定し、即ち、N回目の測定を行うことにより、干渉信号電力行列におけるN番目の要素を取得する。これにより、ユーザーは、当該プリセット干渉シナリオに対応する干渉信号電力行列を得ることができる。ユーザーは、類似な方法で、他のプリセット干渉シナリオに対応する干渉信号電力行列を得ることができる。
【0054】
以上のように、ビーム測定プロセスにおいて、測定部310は、1つの有用信号電力行列P、及びK個の干渉信号電力行列を取得する。
【0055】
本開示の実施例によれば、電子機器300は、通信部330を介してネットワーク側機器から送信ビーム情報を受信することができる。
図3に示すように、電子機器300は、ネットワーク側機器によって送信される送信ビーム情報に応じてネットワーク側機器の送信ビームを決定するための送信ビーム決定部350をさらに含むことができる。ここで、ネットワーク側機器の送信ビームは、ネットワーク側機器がダウンリンク情報を送信する際に実際に使用される送信ビームを示し、ネットワーク側機器は、1つ又は複数の送信ビームを使用してダウンリンク情報を送信することができる。
【0056】
例えば、本開示の実施例によれば、測定部310が有用信号電力行列Pを決定した後に、電子機器300は、有用信号電力行列Pの全て又は一部の要素をネットワーク側機器に送信して、ネットワーク側機器は、有用信号電力行列Pの全て又は一部の要素に応じて実際に使用される送信ビームを決定することができる。
【0057】
本開示の実施例によれば、電子機器300は、通信部330を介してネットワーク側機器から、電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオの情報を受信することもできる。
図3に示すように、電子機器300は、ネットワーク側機器によって送信される電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオの情報に応じて、電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオを決定するためのシナリオ決定部360をさらに含むことができる。ここで、電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオは、電子機器300が実際に所在するプリセット干渉シナリオを示す。
【0058】
本開示の実施例によれば、送信ビーム決定部350は、ネットワーク側機器からのTCI状態情報に応じて、ネットワーク側機器の送信ビームを決定することができる。
【0059】
図7Aは、本開示の実施例によるTCI状態情報により送信ビームを指示することを示す模式図である。
図7Aにおいて、ネットワーク側機器がNT個の送信ビームを使用すると仮定し、その中、NTは正の整数である。
図7Aに示すように、各NZP CSI-RSリソース又は各SSBリソースが1つの送信ビームに対応するので、電子機器300が受信したTCI状態には、NT個の送信ビームをそれぞれ示すためのNT個のNZP CSI-RSリソースID又はNT個のSSBリソースIDを含む。
【0060】
なお、シナリオ決定部360は、ネットワーク側機器からのDCI(Downlink Control Information、ダウンリンク制御情報)に応じて、電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオを決定することができる。
【0061】
本開示の実施例によれば、送信ビーム決定部350は、ネットワーク側機器からのTCI状態情報に応じて、ネットワーク側機器の送信ビームを決定することができ、シナリオ決定部360は、ネットワーク側機器からのTCI状態情報に応じて電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオを決定することもできる。つまり、TCI状態情報は、ネットワーク側機器の送信ビームと電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオと対応関係を有し、ネットワーク側機器の送信ビームを示してもよいし、電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオを示してもよい。
【0062】
図7Bは、本開示の実施例による、TCI状態情報により送信ビーム及びプリセット干渉シナリオを指示することを示す模式図である。
図7Bにおいて、ネットワーク側機器がNT個の送信ビームを使用すると仮定し、その中、NTは正の整数である。
図7Bに示すように、電子機器300が受信したTCI状態には、NT個の送信ビームをそれぞれ示すためのNT個のNZP CSI-RSリソースID又はNT個のSSBリソースIDだけでなく、プリセット干渉シナリオを示すためのZP CSI-RSリソースIDも含む。ここでのZP CSI-RSリソースは、プリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースセットにおける複数のZP CSI-RSリソースを含むことができる。
【0063】
以上のように、測定部310は、各プリセット干渉シナリオで、電子機器300の各受信ビームと電子機器300にサービングするネットワーク側機器の各送信ビームとの間の信号品質を決定し、1つの有用信号電力行列P、及びK個の干渉信号電力行列Ikを含む。送信ビーム決定部350は、ネットワーク側機器によって実際に使用される1つ又は複数の送信ビームを決定でき、シナリオ決定部360は、電子機器300が実際に所在するプリセット干渉シナリオを決定することができる。次に、受信ビーム決定部320は、測定部310によって決定されたチャネル品質、ネットワーク側機器の送信ビーム、及び電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、電子機器300が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になることができる。
【0064】
以下、受信ビーム決定部320の動作について詳細に説明する。
【0065】
本開示の実施例によれば、受信ビーム決定部320は、ネットワーク側機器の送信ビーム、及び有用信号電力行列に応じて、電子機器300が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を決定することができる。つまり、ネットワーク側機器のM個の送信ビームのうちのm番目の送信ビーム(1≦m≦M)に対して、電子機器300がN個の受信ビームのそれぞれを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力は、pm1、pm2、…、pmNであり、即ち、有用信号電力行列におけるm行目におけるN個の要素である。
【0066】
本開示の実施例によれば、受信ビーム決定部320は、電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、電子機器300が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定することができる。即ち、電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオがK個のプリセット干渉シナリオのうちのk番目のプリセット干渉シナリオである場合に、電子機器300がN個の受信ビームのそれぞれを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力は、i1k、i2k、…、iN
kであり、即ち、干渉信号電力行列IkにおけるN個の要素である。
【0067】
本開示の実施例によれば、受信ビーム決定部320は、電子機器300が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力及び干渉信号電力に応じて、信号対干渉プラスノイズ比を決定することができる。つまり、電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオがK個のプリセット干渉シナリオのうちのk番目のプリセット干渉シナリオであり、ネットワーク側機器がM個の送信ビームのうちのm番目の送信ビームを使用する場合に、電子機器300がN個の受信ビームのうちのn番目の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比SINRnは、以下通りである。
【0068】
【0069】
Pnoiseは、熱ノイズを示し、Pm,nは、ネットワーク側機器がm番目の送信ビームを使用してダウンリンク情報を送信し、電子機器300がn番目の受信ビームを使用してダウンリンク情報を受信する際の有用信号電力、即ち、有用信号電力行列Pにおけるm行目n列目の要素を示し、in
kは、電子機器300がk番目のプリセット干渉シナリオで、n番目の受信ビームを使用してダウンリンク情報を受信する際の干渉信号電力、即ち、k番目のプリセット干渉シナリオの干渉信号電力行列Ikにおけるn番目の要素を示す。
【0070】
本開示の実施例によれば、受信ビーム決定部320は、信号対干渉プラスノイズ比が最大であるNR個(NRは正の整数である)の受信ビームを、ダウンリンク情報を受信するためのビームとして選択することができる。受信ビーム決定部320が1つの受信ビームを選択した場合に、ダウンリンク情報を受信するためのビームn*は以下とおりである。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
これにより、電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオがK個のプリセット干渉シナリオのうちのk番目のプリセット干渉シナリオであり、ネットワーク側機器がM個の送信ビームのうちのm1番目、m2番目、…mNT番目の送信ビームを使用する場合に、電子機器300がN個の受信ビームのうちのn番目の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比SINRnは、以下通りである。
【0075】
【0076】
その中、Pnoiseは、熱ノイズを示し、in
kは、電子機器300がk番目のプリセット干渉シナリオで、n番目の受信ビームを使用してダウンリンク情報を受信する際の干渉信号電力、即ち、k番目のプリセット干渉シナリオの干渉信号電力行列Ikにおけるn番目の要素を示す。
【0077】
本開示の実施例によれば、受信ビーム決定部320は、信号対干渉プラスノイズ比が最大であるNR個(NRは正の整数である)の受信ビームを、ダウンリンク情報を受信するためのビームとして選択することができる。受信ビーム決定部320が1つの受信ビームを選択する場合に、ダウンリンク情報を受信するためのビームn*は以下通りである。
【0078】
【0079】
【0080】
このことから、本開示の実施例によれば、電子機器300が、プリセット干渉シナリオごとに、干渉信号電力を測定することで、電子機器300は、電子機器300が実際に所在するプリセット干渉シナリオに応じて、各受信ビームを使用して信号を受信する際の干渉信号電力を決定することができる。なお、本開示の実施例によれば、電子機器300は、信号対干渉プラスノイズ比に応じて受信ビームを選択できるので、隣接セルの干渉は考慮され、これにより、電子機器300が選択された受信ビームを使用してダウンリンク情報を受信する場合に、信号対干渉プラスノイズ比は大きいので、セル間干渉を回避又は低減することができる。
【0081】
<3.ネットワーク側の電子機器の構成例>
図8は、本開示の実施例による無線通信システムにおけるネットワーク側機器として機能する電子機器800の構成を示すブロック図である。
【0082】
図8に示すように、電子機器800は、構成部810、送信ビーム決定部820、シナリオ決定部830及び通信部840を含むことができる。
【0083】
ここで、電子機器800の各部は、いずれも処理回路に含まれることができる。なお、電子機器800は、1つの処理回路を含んでもよいし、複数の処理回路を含んでもよい。さらに、処理回路は、様々な異なる機能及び/又は動作を実行するように、様々な個別の機能部を含んでもよい。なお、これらの機能部は、物理エンティティ又は論理エンティティであってもよく、異なる呼称の部は、同一の物理エンティティによって実現されてもよい。
【0084】
本開示の実施例によれば、構成部810は、前記ユーザー機器がビーム測定プロセスを実行するために、ユーザー機器に対してNZP CSI-RSリソースセット及びZP CSI-RSリソースセットを構成することができる。ここで、以上のように、ユーザー機器は、ビーム測定プロセスを実行して、各プリセット干渉シナリオで、ユーザー機器の各受信ビームと電子機器800の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定することができる。
【0085】
本開示の実施例によれば、送信ビーム決定部820は、電子機器800がユーザー機器にダウンリンク情報を送信する送信ビームを決定し、そして、電子機器800は、通信部840を介してユーザー機器に前記電子機器の送信ビームを送信することができる。
【0086】
本開示の実施例によれば、シナリオ決定部830は、ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオを決定することができる。ここで、ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオは、ユーザー機器が所在する実際の干渉シナリオである。なお、電子機器800は、通信部840を介してユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオをユーザー機器に送信することができる。
【0087】
ここで、以上のように、ユーザー機器は、各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、電子機器800の送信ビーム、及びユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、ユーザー機器が決定された受信ビーム信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比が最大になることができる。
【0088】
本開示の実施例によれば、プリセット干渉シナリオは、電子機器800に隣接する他のネットワーク側機器のユーザー機器への干渉状況を示す。
【0089】
以上のように、本開示の実施例によれば、電子機器800は、ユーザー機器がビーム測定プロセスを実行するためにユーザー機器に対してNZP CSI-RSリソースセット及びZP CSI-RSリソースセットを構成することができ、ユーザー機器にユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオ、及び電子機器800によって使用される送信ビームを送信することができる。このようにすれば、ユーザー機器は、各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、電子機器800の送信ビーム及びユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、受信ビームの信号対干渉プラスノイズ比は最大になることができる。このようにして、ユーザー機器は、信号対干渉プラスノイズ比が最大であるビームを受信ビームとして選択することができ、これにより、セル間干渉を低減することができる。
【0090】
本開示の実施例によれば、構成部810は、ユーザー機器に対してNZP CSI-RSリソースセットを構成することで、NZP CSI-RSリソースセットにおけるNZP CSI-RSリソースと電子機器800の送信ビームとは、対応関係を有することができる。
【0091】
本開示の実施例によれば、NZP CSI-RSリソースセットにおけるNZP CSI-RSリソースと電子機器800の送信ビームとは、1対1の関係を有してもよいし、多対1の関係を有してもよい。
図8に示すように、電子機器800は、NZP CSI-RSリソースセットにおけるNZP CSI-RSリソースと電子機器800の送信ビームとの間の対応関係を記憶するための記憶部850をさらに含むことができる。これにより、電子機器800とユーザー機器との両方は、NZP CSI-RSリソースセットにおけるNZP CSI-RSリソースと電子機器800の送信ビームとの間の対応関係を認識し記憶することができる。つまり、いずれかのNZP CSI-RSリソースIDについて、それに対応する一意の送信ビームを決定することができる。
【0092】
本開示の実施例によれば、電子機器800は、ユーザー機器に対してNZP CSI-RSリソースセットを構成し、ユーザー機器に対して構成されたNZP CSI-RSリソースの時間周波数位置でNZP CSI-RSを送信することができる。このようにすれば、ユーザー機器は、NZP CSI-RSリソースセットで測定することで、有用信号電力行列Pを決定し、有用信号電力行列における各要素は、各プリセット干渉シナリオで、電子機器800が特定の送信ビームを使用して信号を送信し且つユーザー機器が特定の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を示す。この部分のコンテンツは以上で詳細に説明されたので、ここで再度説明されない。
【0093】
本開示の実施例によれば、電子機器800は、通信部840を介してユーザー機器から有用信号電力行列Pにおける全ての要素又は一部の要素を受信することができる。つまり、ユーザー機器は、有用信号電力行列Pにおける全ての要素を電子機器800に送信してもよいし、有用信号電力行列Pにおける値が大きい一部の要素を電子機器800に送信してもよい。
【0094】
本開示の実施例によれば、送信ビーム決定部820は、ユーザー機器から受信した有用信号電力行列Pにおける全ての要素又は一部の要素に応じて、電子機器800の送信ビームを決定することができる。例えば、送信ビーム決定部820は、ユーザー機器が信号を受信する際に得られる有用信号電力が大きい送信ビームを、ダウンリンク信号を送信するビームとして選択することができる。ここで、送信ビーム決定部820は、1つの送信ビームを決定してもよいし、複数の送信ビームを決定してもよい。
【0095】
本開示の実施例によれば、構成部810は、ユーザー機器に対してZP CSI-RSリソースセットを構成することで、ZP CSI-RSリソースセットにおけるZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとは、対応関係を有することができる。
【0096】
本開示の実施例によれば、ZP CSI-RSリソースセットとプリセット干渉シナリオとは、1対1の関係を有してもよい。即ち、1つのZP CSI-RSリソースセットにおけるZP CSI-RSリソースは、1つのプリセット干渉シナリオに対応する。本開示の実施例によれば、記憶部850は、ZP CSI-RSリソースセットにおけるZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとの対応関係を記憶することができる。これにより、電子機器800とユーザー機器との両方は、ZP CSI-RSリソースセットにおけるZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとの間の対応関係を認識し記憶することができる。つまり、いずれかのZP CSI-RSリソースIDについて、それに対応する一意のプリセット干渉シナリオを決定することができる。
【0097】
本開示の実施例によれば、電子機器800は、ユーザー機器に対してZP CSI-RSリソースセットを構成することで、ユーザー機器がZP CSI-RSリソースセットで測定して、ユーザー機器が、ZP CSI-RSリソースに対応するプリセット干渉シナリオで、各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力、即ち、当該ZP CSI-RSリソースに対応するプリセット干渉シナリオの干渉信号電力行列を決定することができる。
【0098】
本開示の実施例によれば、
図8に示すように、電子機器800は、参照信号協調シグナリングを生成するための生成部860をさらに含むことができる。参照信号協調シグナリングは、特定のプリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースの時間周波数位置、ZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で他のネットワーク側機器によって送信された参照信号のタイプ、及び他のネットワーク側機器がZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で参照信号を送信する際の送信ビームを含む。さらに、本開示の実施例によれば、電子機器800は、通信部840を介して電子機器800に隣接する各他のネットワーク側機器に特定のプリセット干渉シナリオに対する参照信号協調シグナリングを送信することができる。
【0099】
本開示の実施例によれば、参照信号協調シグナリングは、他のネットワーク側機器に対するものであり、プリセット干渉シナリオに対するものでもある。つまり、電子機器800に隣接する各他のネットワーク側機器に対して且つ各プリセット干渉シナリオに対して、電子機器800は参照信号協調シグナリングを生成し送信することができる。
【0100】
図9は、本開示の実施例による参照信号協調シグナリングを示す模式図である。
図9に示すように、参照信号協調シグナリングは、ZP CSI-RSリソースの位置、参照信号のタイプ及び送信ビームを含む。
【0101】
本開示の実施例によれば、ZP CSI-RSリソースの位置は、ある特定のプリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースの位置を示し、時間領域位置及び周波数領域位置を含む。
【0102】
本開示の実施例によれば、参照信号のタイプは、ZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で当該参照信号協調シグナリングを受信する他のネットワーク側機器によって送信される参照信号のタイプを示す。参照信号のタイプは、NZP CSI-RS及びZP CSI-RSを含む。例えば、参照信号のタイプがNZP CSI-RSである場合に、当該参照信号協調シグナリングを受信する他のネットワーク側機器がZP CSI-RSリソースの時間周波数位置でNZP CSI-RSを送信することを示し、参照信号のタイプがZP CSI-RSである場合に、当該参照信号協調シグナリングを受信する他のネットワーク側機器がZP CSI-RSリソースの時間周波数位置でZP CSI-RSを送信することを示す。
【0103】
本開示の実施例によれば、送信ビームは、他のネットワーク側機器がZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で参照信号を送信する際の送信ビームを示す。
【0104】
本開示の実施例によれば、ZP CSI-RSリソースに対応するプリセット干渉シナリオで他のネットワーク側機器がユーザー機器に干渉する場合に、参照信号のタイプはNZP CSI-RSであり、送信ビームはユーザー機器に干渉するビームであり、ZP CSI-RSリソースに対応するプリセット干渉シナリオで他のネットワーク側機器がユーザー機器に干渉しない場合に、参照信号のタイプはZP CSI-RSであり、送信ビームは任意のビームである。送信ビームが任意のビームである場合に、参照信号協調シグナリングにおける送信ビームはゼロに設定され得る。
【0105】
ここで、電子機器800は、履歴情報に応じて、他のネットワーク側機器がユーザー機器に干渉するビームを決定することができる。例えば、電子機器800は、前の干渉測定プロセスに応じて、他のネットワーク側機器がユーザー機器に干渉するビームを決定することができる。干渉測定プロセスにおいて、電子機器800は、ユーザー機器に対してZP CSI-RSリソースを構成でき、そして、隣接セルの他のネットワーク側機器は、当該ZP CSI-RSリソースでそれぞれ異なる送信ビームを使用してNZP CSI-RSを送信できる。ユーザー機器は、ZP CSI-RSリソースでRSRPを測定し電子機器800にフィードバックすることができ、電子機器800は、他のネットワーク側機器の異なる送信ビームの当該ユーザー機器への干渉強度を認識し、これにより、他のネットワーク側機器のどのビームがユーザー機器に干渉するかを決定する。
【0106】
このことから、参照信号協調シグナリングにより、他のネットワーク側機器は、プリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースの位置、送信しようとする参照信号のタイプ、及び参照信号を送信するための送信ビームを認識することができる。
【0107】
以上のように、本開示の実施例によれば、ユーザー機器のビーム測定プロセスでは、いずれかのプリセット干渉シナリオについて、当該プリセット干渉シナリオでユーザー機器に干渉される他のネットワーク側機器が、当該ユーザー機器に干渉する送信ビームを使用してNZP CSI-RSを送信し、当該プリセット干渉シナリオでユーザー機器に干渉されない他のネットワーク側機器が、任意の送信ビームを使用してZP CSI-RSを送信する。
【0108】
また、本開示の実施例によれば、ユーザー機器に対して構成されたZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で、電子機器800はZP CSI-RSを送信することができる。
【0109】
図5に示すプリセット干渉シナリオ2を例として、プリセット干渉シナリオ2においては、基地局1は電子機器800で実現され得、基地局2はユーザー機器に干渉し、基地局3はユーザー機器に干渉しない。本開示の実施例によれば、基地局1は、基地局2にプリセット干渉シナリオ2に対する参照信号協調シグナリングを送信でき、その中、ZP CSI-RSリソース位置は、プリセット干渉シナリオ2に対応するZP CSI-RSリソース位置であり、参照信号のタイプは、NZP CSI-RSであり、送信ビームは、ユーザーに干渉するビームである(基地局1は、履歴情報に応じて、基地局2がユーザーに干渉するビームを決定することができる)。基地局1は、さらに、基地局3にプリセット干渉シナリオ2に対する参照信号協調シグナリングを送信でき、その中、ZP CSI-RSリソース位置は、プリセット干渉シナリオ2に対応するZP CSI-RSリソース位置であり、参照信号のタイプは、ZP CSI-RSであり、送信ビームは、基地局3の任意の送信ビームである。このようにすれば、プリセット干渉シナリオ2に対応するZP CSI-RSリソースで、基地局1及び基地局3は、任意の送信ビームを使用してZP CSI-RSを送信し、基地局2は、ユーザーに干渉する送信ビームを使用してNZP CSI-RSを送信して、ユーザーは、プリセット干渉シナリオ2に対応する干渉信号電力行列I2を決定する。
【0110】
また、
図5に示すプリセット干渉シナリオ4を例として、プリセット干渉シナリオ4においては、基地局1は電子機器800で実現され得、基地局2及び基地局3の両方はユーザー機器に干渉する。本開示の実施例によれば、基地局1は、基地局2にプリセット干渉シナリオ4に対する参照信号協調シグナリングを送信でき、その中、ZP CSI-RSリソース位置は、プリセット干渉シナリオ4に対応するZP CSI-RSリソース位置であり、参照信号のタイプは、NZP CSI-RSであり、送信ビームは、ユーザーに干渉するビームである(基地局1は、履歴情報に応じて、基地局2がユーザーに干渉するビームを決定することができる)。基地局1は、さらに、基地局3にプリセット干渉シナリオ4に対する参照信号協調シグナリングを送信でき、その中、ZP CSI-RSリソース位置は、プリセット干渉シナリオ4に対応するZP CSI-RSリソース位置であり、参照信号のタイプは、NZP CSI-RSであり、送信ビームは、ユーザーに干渉するビームである(基地局1は、履歴情報に応じて、基地局3がユーザーに干渉するビームを決定することができる)。このようにすれば、プリセット干渉シナリオ4に対応するZP CSI-RSリソースで、基地局1は、任意の送信ビームを使用してZP CSI-RSを送信し、基地局2と基地局3は、ユーザーに干渉する送信ビームを使用してNZP CSI-RSを送信して、ユーザーは、プリセット干渉シナリオ4に対応する干渉信号電力行列I4を決定する。
【0111】
以上のように、本開示の実施例によれば、構成部810は、ユーザー機器がNZP CSI-RSリソースセットで測定するために、ユーザー機器に対してNZP CSI-RSを構成することで、有用信号電力行列Pを決定することができる。さらに、構成部810は、ユーザー機器がZP CSI-RSリソースセットで測定するために、ユーザー機器に対してZP CSI-RSリソースを構成することで、各干渉信号電力行列Ikを決定することができる。
【0112】
本開示の実施例によれば、電子機器800は、通信部840を介して、電子機器800に隣接する各他のネットワーク側機器から、複数の時間周期で電子機器800に隣接する他のネットワーク側機器によって使用される干渉ビーム情報を含む干渉ビーム時間情報を受信することができる。
【0113】
図10は、本開示の実施例による干渉ビーム時間情報を示す模式図である。
図10に示すように、干渉ビーム時間情報は、電子機器800に隣接する他のネットワーク側機器の複数の時間周期のそれぞれでの干渉ビームリストを含む。ここで、電子機器800と、電子機器800に隣接する他のネットワーク側機器との間に、例えば1つ又は複数のタイムスロット、あるいは、1つ又は複数のサブフレームなどの、一つの時間周期の長さを約定することができる。また、他のネットワーク側機器は、履歴情報又は経験情報に応じて、各時間周期で使用される、電子機器800の所在するセルに干渉する干渉ビームを決定することができる。
【0114】
本開示の実施例によれば、シナリオ決定部830は、電子機器800に隣接する各他のネットワーク側機器の干渉ビーム時間情報に応じて、ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオを決定することができる。つまり、シナリオ決定部830は、各他のネットワーク側機器からの干渉ビーム時間情報に応じて、各他のネットワーク側機器がユーザー機器に干渉するかどうかを決定することにより、ユーザー機器が実際に所在するプリセット干渉シナリオを決定する。
【0115】
本開示の実施例によれば、電子機器800は、DCIにより、ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオをキャリーし、TCI状態情報により、電子機器800の送信ビームをキャリーすることができる。つまり、TCI状態情報と電子機器800の送信ビームとは対応関係を有するので、電子機器800は、TCI状態情報により電子機器800の送信ビームを示すことができる。
【0116】
本開示の実施例によれば、電子機器800は、TCI状態情報と、ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオ及び電子機器の送信ビームとの対応関係を確立し、TCI状態情報により、電子機器800の送信ビーム及びユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオをキャリーすることができる。
【0117】
以上のように、本開示の実施例によれば、電子機器800は、ユーザー機器が実際に所在するプリセット干渉シナリオを決定することができ、電子機器800が実際に使用する送信ビームを決定することができる。このようにすれば、ユーザー機器は、ビーム測定プロセスで得られたチャネル品質情報、ユーザー機器が実際に所在するプリセット干渉シナリオ、及び電子機器800の送信ビームに応じて受信ビームを選択することができるので、隣接セルの干渉は考慮され、これにより、ユーザー機器が選択された受信ビームを使用してダウンリンク情報を受信する際に、信号対干渉プラスノイズ比は大きいので、セル間干渉を回避又は低減することができる。
【0118】
図11は、本開示の実施例によるビーム測定プロセスを示すシグナリングフローチャートである。
図11において、サービング基地局は電子機器800により実現され得、ユーザーは電子機器300により実現され得、隣接基地局は電子機器800に隣接するセルにおける基地局装置を示す。
図11に示すように、ステップS1101において、サービング基地局は、ユーザーに対してNZP CSI-RSリソース又はSSBリソースを構成する。次に、ステップS1102において、構成されたNZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で、サービング基地局はNZP CSI-RS信号又はSSB信号を送信する。次に、ステップS1103において、ユーザーは、構成されたNZP CSI-RSリソース又はSSBリソースで測定する。次に、ステップS1104において、ユーザーは有用信号電力行列Pを取得する。次に、ステップS1105において、ユーザーは有用信号電力行列Pにおける全て又は一部の要素をサービング基地局に送信し、サービング基地局は受信した情報に応じて送信ビームを決定することができる。次に、ステップS1106において、サービング基地局はユーザーに対してZP CSI-RSリソースを構成する。次に、ステップS1107において、サービング基地局は、各隣接基地局に参照信号協調シグナリングを送信する。次に、ステップS1108において、構成されたZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で、サービング基地局はZP CSI-RS信号を送信する。ステップS1109において、参照信号協調シグナリングに応じて、構成されたZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で、ZP CSI-RSリソースに対応するプリセット干渉シナリオでユーザーに干渉する隣接基地局は干渉ビームを使用してNZP CSI-RS信号を送信し、ZP CSI-RSリソースに対応するプリセット干渉シナリオでユーザーに干渉しない隣接基地局は任意のビームを使用してZP CSI-RS信号を送信する。次に、ステップS1110において、ユーザーは、構成されたZP CSI-RSリソースを測定する。次に、ステップS1111において、ユーザーは、構成されたZP CSI-RSリソースに対応するプリセット干渉シナリオに対する干渉信号電力行列を取得する。以上のように、ステップS1106~ステップ S1111に従って、ユーザーは、構成されたZP CSI-RSリソースに対応するプリセット干渉シナリオの干渉信号電力行列を取得する。本開示の実施例によれば、ステップS1106~ステップS1111を繰り返すことにより、ユーザーは、各プリセット干渉シナリオに対する干渉信号電力行列を得ることができる。以上のように、ビーム測定プロセスにおいて、ユーザーは、有用信号電力行列P、及び各プリセット干渉シナリオに対する干渉信号電力行列を取得する。
【0119】
図12は、本開示の実施例による受信ビームの決定を示すシグナリングフローチャートである。
図12において、サービング基地局は電子機器800により実現され得、ユーザーは電子機器300により実現され得、隣接基地局は電子機器800に隣接するセルにおける基地局装置を示す。
図12に示すように、ステップS1201において、サービング基地局は、各隣接基地局から干渉ビーム時間情報を受信する。次に、ステップS1202において、サービング基地局は、受信した干渉ビーム時間情報に応じてプリセット干渉シナリオを決定する。次に、ステップS1203において、サービング基地局は、その使用される送信ビーム及びプリセット干渉シナリオをユーザーに送信する。次に、ステップS1204において、ユーザーは、有用信号電力行列P、各干渉信号電力行列I
k、サービング基地局の送信ビーム、及びユーザーが所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、受信ビームを使用してダウンリンク情報を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は、大きい。
【0120】
本開示の実施例による電子機器800は、ネットワーク側機器とすることができ、電子機器300は、ユーザー機器とすることができ、つまり、電子機器800は、電子機器300にサービスを提供できるので、以上で説明された電子機器300についての全ての実施例はここに適用可能である。
【0121】
<4.方法実施例>
次に、本開示の実施例による無線通信システムにおけるユーザー側装置としての電子機器300によって実行される無線通信方法について詳細に説明する。
【0122】
図13は、本開示の実施例による無線通信システムにおけるユーザー側装置としての電子機器300によって実行される無線通信方法を示すフローチャートである。
【0123】
図13に示すように、ステップS1310において、ビーム測定プロセスを実行して、各プリセット干渉シナリオで、電子機器300の各受信ビームと電子機器300にサービングするネットワーク側機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定する。
【0124】
次に、ステップS1320において、各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、ネットワーク側機器の送信ビーム及び電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、電子機器300が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になる。
【0125】
ここで、プリセット干渉シナリオは、電子機器300の周囲のネットワーク側機器の電子機器300への干渉状況を示す。
【0126】
好ましくは、ビーム測定プロセスは、NZP CSI-RSリソースセットでの測定プロセス、及びZP CSI-RSリソースセットでの測定プロセスを含む。
【0127】
好ましくは、ビーム測定プロセスを実行することは、NZP CSI-RSリソースセットでの測定結果に応じて、有用信号電力行列を決定し、有用信号電力行列における各要素は、各プリセット干渉シナリオで、ネットワーク側機器が特定の送信ビームを使用して信号を送信し且つ電子機器300が特定の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を示すことと、ZP CSI-RSリソースセットでの測定結果に応じて、各プリセット干渉シナリオで、電子機器300が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定することとを含む。
【0128】
好ましくは、無線通信方法は、ネットワーク側機器の送信ビーム、及び有用信号電力行列に応じて、電子機器300が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を決定することと、電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、電子機器300が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定することと、電子機器300が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力及び干渉信号電力に応じて、信号対干渉プラスノイズ比を決定することと、をさらに含む。
【0129】
好ましくは、NZP CSI-RSリソースセットにおけるNZP CSI-RSリソースとネットワーク側機器の送信ビームとは、対応関係を有し、無線通信方法は、ネットワーク側機器からの構成情報に応じて、NZP CSI-RSリソースと送信ビームとの対応関係を決定することをさらに含む。
【0130】
好ましくは、ZP CSI-RSリソースセットにおけるZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとは、対応関係を有し、無線通信方法は、ネットワーク側機器からの構成情報に応じて、ZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとの対応関係を決定することをさらに含む。
【0131】
好ましくは、無線通信方法は、TCI状態情報に応じて、ネットワーク側機器の送信ビームを決定することと、DCIに応じて、電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオを決定することとをさらに含む。
【0132】
好ましくは、無線通信方法は、TCI状態情報に応じて、ネットワーク側機器の送信ビーム、及び電子機器300が所在するプリセット干渉シナリオを決定することをさらに含む。
【0133】
本開示の実施例によれば、上記の方法を実行する本体は、本開示の実施例による電子機器300であり得るので、以上の電子機器300に関する全ての実施例は、ここに適用可能である。
【0134】
次に、本開示の実施例による無線通信システムにおけるネットワーク側機器としての電子機器800によって実行される無線通信方法について詳細に説明する。
【0135】
図14は、本開示の実施例による無線通信システムにおけるネットワーク側機器として電子機器800によって実行される無線通信方法を示すフローチャートである。
【0136】
図14に示すように、ステップS1410において、ユーザー機器がビーム測定プロセスを実行するために、ユーザー機器に対してZP CSI-RSリソースセット及びZP CSI-RSリソースセットを構成することで、ユーザー機器が、各プリセット干渉シナリオで、ユーザー機器の各受信ビームと電子機器800の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定する。
【0137】
次に、ステップS1420において、ユーザー機器が各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、電子機器800の送信ビーム及びユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて受信ビームを決定するために、ユーザー機器に電子機器800の送信ビーム及びユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオを送信することで、ユーザー機器が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になる。
【0138】
ここで、プリセット干渉シナリオは、電子機器800に隣接する他のネットワーク側機器のユーザー機器への干渉状況を示す。
【0139】
好ましくは、ユーザー機器に対してNZP CSI-RSリソースセットを構成することは、ユーザー機器に対してNZP CSI-RSリソースセットを構成することで、NZP CSI-RSリソースセットにおけるNZP CSI-RSリソースと電子機器800の送信ビームとが対応関係を有することを含む。
【0140】
好ましくは、ユーザー機器に対してZP CSI-RSリソースセットを構成することは、ユーザー機器に対してZP CSI-RSリソースセットを構成することで、ZP CSI-RSリソースセットにおけるZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとが対応関係を有することを含む。
【0141】
好ましくは、無線通信方法は、電子機器800に隣接する各他のネットワーク側機器に特定のプリセット干渉シナリオに対する参照信号協調シグナリングを送信することをさらに含み、参照信号協調シグナリングは、特定のプリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースの時間周波数位置、ZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で他のネットワーク側機器によって送信される参照信号のタイプ、及び他のネットワーク側機器がZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で参照信号を送信する際の送信ビームを含む。
【0142】
好ましくは、参照信号のタイプは、NZP CSI-RS及びZP CSI-RSを含み、プリセット干渉シナリオで他のネットワーク側機器がユーザー機器に干渉する場合に、参照信号のタイプはNZP CSI-RSであり、送信ビームは、ユーザー機器に干渉するビームであり、プリセット干渉シナリオで他のネットワーク側機器がユーザー機器に干渉しない場合に、参照信号のタイプはZP CSI-RSであり、送信ビームは任意のビームである。
【0143】
好ましくは、無線通信方法は、ユーザー機器が有用信号電力行列を決定するために、ユーザー機器に対して構成されたNZP CSI-RSリソースの時間周波数位置でNZP CSI-RSを送信することをさらに含み、有用信号電力行列における各要素は、各プリセット干渉シナリオで、電子機器800が特定の送信ビームを使用して信号を送信し且つユーザー機器が特定の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を示す。
【0144】
好ましくは、無線通信方法は、ユーザー機器から受信した有用信号電力行列における全ての要素又は一部の要素に応じて、電子機器800の送信ビームを決定することをさらに含む。
【0145】
好ましくは、無線通信方法は、ユーザー機器がZP CSI-RSリソースに対応するプリセット干渉シナリオで各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定するために、ユーザー機器に対して構成されたZP CSI-RSリソースの時間周波数位置でZP CSI-RSを送信することをさらに含む。
【0146】
好ましくは、無線通信方法は、電子機器800に隣接する各他のネットワーク側機器から、複数の時間周期で電子機器800に隣接する他のネットワーク側機器によって使用される干渉ビーム情報を含む干渉ビーム時間情報を受信することと、電子機器800に隣接する各他のネットワーク側機器の干渉ビーム時間情報に応じて、ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオを決定することとをさらに含む。
【0147】
好ましくは、無線通信方法は、DCIにより、ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオをキャリーすることと、TCI状態情報により、電子機器800の送信ビームをキャリーすることをさらに含む。
【0148】
好ましくは、無線通信方法は、TCI状態情報とユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオ及び電子機器800の送信ビームとの対応関係を確立することと、TCI状態情報により、電子機器800の送信ビーム及びユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオをキャリーすることとをさらに含む。
【0149】
本開示の実施例によれば、上記の方法を実行する本体は、本開示の実施例による電子機器800であり得るので、以上の電子機器800に関する全ての実施例は、ここに適用可能である。
【0150】
<5.適用例>
本開示の技術は、様々な製品に適用可能である。
【0151】
ネットワーク側機器は、任意のタイプのTRPとして実現されることができる。当該TRPは、送受信機能を持つでき、例えば、ユーザー機器及び基地局装置から情報を受信することができ、ユーザー機器及び基地局装置に情報を送信することもできる。典型的な例では、TRPは、ユーザー機器にサービスを提供することができ、基地局装置によって制御される。また、TRPは、以下に説明する基地局装置と類似な構造を有してもよいし、基地局装置における情報の送受信に関する構造のみを有してもよい。
【0152】
ネットワーク側機器は、マクロeNBやスモールeNBなどの任意のタイプの基地局装置として実現されることができ、任意のタイプのgNB(5Gシステムにおける基地局)として実現されることもできる。また、スモールeNBは、マクロセルより小さいセルをカバーできる、例えばピコeNB、マイクロeNB及びホーム(フェムト)eNBなどのeNBであってもよい。その代わりに、基地局は、例えばNodeB及び基地局トランシーバ(BTS)のような任意の他のタイプの基地局として実現されることができる。基地局は、無線通信を制御するように構成される主体(基地局装置とも呼ばれる)と、主体と異なる場所に設けられる1つ又は複数のリモート無線ヘッド(RRH)とを含むことができる。
【0153】
ユーザー機器は、携帯端末(例えば、スマートフォン、タブレットパーソナルコンピューター(PC)、ノートPC、携帯ゲーム端末、ポータブル/ドングルモバイルルーター、及びデジタル撮影装置など)、又は車載端末(例えば、カーナビゲーション装置など)として実現されることができる。ユーザー機器は、マシンツーマシン(M2M)通信を実行する端末(マシンタイプ通信(MTC)端末とも呼ばれる)として実現されることもできる。なお、ユーザー機器は、上記ユーザー機器のそれぞれに搭載された無線通信モジュール(例えば、単一チップを含む集積回路モジュール)であってもよい。
【0154】
<基地局についての適用例>
(第1の適用例)
図15は、本開示の技術を適用できるeNBの概略構成の第1の例を示すブロック図である。eNB1500は、1つ又は複数のアンテナ1510、及び基地局装置1520を含む。基地局装置1520と各アンテナ1510とは、RFケーブルを介して互いに接続され得る。
【0155】
アンテナ1510のそれぞれには、単一又は複数のアンテナ素子(例えば、多入力多出力(MIMO)アンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、基地局装置1520の無線信号の送受信に使用される。
図15に示すように、eNB1500は複数のアンテナ1510を含むことができる。例えば、複数のアンテナ1510は、eNB1500に使用される複数の周波数帯域と互換性があり得る。
図15はeNB1500が複数のアンテナ1510を含む例を示したが、eNB1500は単一のアンテナ1510を含んでもよい。
【0156】
基地局装置1520は、コントローラ1521、メモリ1522、ネットワークインターフェース1523、及び無線通信インターフェース1525を含むことができる。
【0157】
コントローラ1521は、例えばCPU又はDSPであり、かつ、基地局装置1520の上位層の各種機能を動作させる。例えば、コントローラ1521は、無線通信インターフェース1525で処理された信号におけるデータに基づいてデータパケットを生成し、ネットワークインターフェース1523によって、生成されたパケットを伝送する。コントローラ1521は、複数のベースバンドプロセッサーからのデータをバンドルして、バンドルパケットを生成し、生成されたバンドルパケットを伝送することができる。コントローラ1521は、無線リソース制御、無線ベアラ制御、モビリティ管理、受付制御、及びスケジューリングなどの制御を実行する論理機能を有することができる。これらの制御は、近くのeNB又はコアネットワークノードと連携して実行されることができる。メモリ1522は、RAMとROMを含み、コントローラ1521によって実行されるプログラムや各種制御データ(例えば、端末リスト、伝送電力データ及びスケジューリングデータ)を記憶する。
【0158】
ネットワークインターフェース1523は、基地局装置1520をコアネットワーク1524に接続するための通信インターフェースである。コントローラ1521は、ネットワークインターフェース1523を介してコアネットワークノードや別のeNBと通信することができる。この場合、eNB1500とコアネットワークノードや他のeNBとは、論理インターフェース(例えば、S1インターフェース、X2インターフェース)を介して互いに接続される。ネットワークインターフェース1523は、有線通信インターフェースや無線バックホールライン用の無線通信インターフェースであってもよい。ネットワークインターフェース1523が無線通信インターフェースであれば、無線通信インターフェース1525によって使用される周波数帯域と比べて、ネットワークインターフェース1823はより高い周波数帯域を無線通信に使用することができる。
【0159】
無線通信インターフェース1525は、任意のセルラー通信方式(例えば、長期的進化(LTE)及びLTE-Advanced)をサポートし、アンテナ1510によって、eNB1500のセルに位置する端末への無線接続を提供する。無線通信インターフェース1525は、通常、例えばベースバンド(BB)プロセッサー1526とRF回路1527を含むことができる。BBプロセッサー1526は、例えば、符号化/復号化、変調/復調、多重化/逆多重化を実行することができ、レイヤー(例えば、L1、メディアアクセス制御(MAC)、無線リンク制御(RLC)、パケットデータアグリゲーションプロトコル(PDCP))の各タイプの信号処理を実行することができる。コントローラ1521の代わりに、BBプロセッサー1526は、上記した論理機能の一部又は全部を有してもよい。BBプロセッサー1526は、通信制御プログラムを記憶するメモリであってもよく、或いは、プログラムを実行するように構成されるプロセッサーと関連する回路を含むモジュールであってもよい。プログラムの更新は、BBプロセッサー1526の機能を変更させることができる。このモジュールは、基地局装置1520のスロットに挿入されるカード又はブレッドであってもよい。代わりに、このモジュールは、カード又はブレッドに搭載されるチップであってもよい。同時に、RF回路1527は、例えばミキサ、フィルタ、増幅器を含み、アンテナ1510によって無線信号を送受信することができる。
【0160】
図15に示すように、無線通信インターフェース1525は、複数のBBプロセッサー1526を含むことができる。例えば、複数のBBプロセッサー1526は、eNB1500に使用される複数の周波数帯域と互換性があり得る。
図15に示すように、無線通信インターフェース1525は、複数のRF回路1527を含むことができる。例えば、複数のRF回路1527は、複数のアンテナ素子と互換性があり得る。
図15は、無線通信インターフェース1525が複数のBBプロセッサー1526と複数のRF回路1527を含む例を示したが、無線通信インターフェース1525は、単一のBBプロセッサー1526又は単一のRF回路1527を含んでもよい。
【0161】
(第2の適用例)
図16は、本開示の技術を適用できるeNBの概略構成の第2の例を示すブロック図である。eNB1630は、1つ又は複数のアンテナ1640と、基地局装置1650と、RRH1660とを含む。RRH1660と各アンテナ1640とは、RFケーブルを介して互いに接続されることができる。基地局装置1650とRRH1660とは、光ファイバケーブルのような高速回線を介して互いに接続されることができる。
【0162】
アンテナ1640のそれぞれには、単一又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、RRH1660の無線信号の送受信に使用される。
図16に示すように、eNB1630は、複数のアンテナ1640を含むことができる。例えば、複数のアンテナ1640はeNB1630に使用される複数の周波数帯域と互換性があり得る。
図16はeNB1630が複数のアンテナ1640を含む例を示したが、eNB1630は単一のアンテナ1640を含んでもよい。
【0163】
基地局装置1650は、コントローラ1651、メモリ1652、ネットワークインターフェース1653、無線通信インターフェース1655、及び接続インターフェース1657を含む。コントローラ1651、メモリ1652、ネットワークインターフェース1653は、
図12を参照して説明したコントローラ1221、メモリ1222、ネットワークインターフェース1223と同様である。
【0164】
無線通信インターフェース1655は、任意のセルラー通信方式(例えば、LTE及びLTE-Advanced)をサポートし、RRH1660とアンテナ1640によって、RRH1660に対応するセクタに位置する端末への無線通信を提供する。無線通信インターフェース1655は、通常、例えばBBプロセッサー1656を含むことができる。BBプロセッサー1656が接続インターフェース1657を介してRRH1660のRF回路1664に接続されることの以外、BBプロセッサー1656は、
図12を参照して説明したBBプロセッサー1426と同様である。
図16に示すように、無線通信インターフェース1655は複数のBBプロセッサー1656を含むことができる。例えば、複数のBBプロセッサー1656は、eNB1630に使用される複数の周波数帯域と互換性があり得る。
図16は無線通信インターフェース1655が複数のBBプロセッサー1656を含む例を示したが、無線通信インターフェース1655は単一のBBプロセッサー1656を含んでもよい。
【0165】
接続インターフェース1657は、基地局装置1650(無線通信インターフェース1655)をRRH1660に接続するためのインターフェースである。接続インターフェース1657は、基地局装置1650(無線通信インターフェース1655)をRRH1660に接続するための上記した高速回線における通信用の通信モジュールであってもよい。
【0166】
RRH1660は、接続インターフェース1661と無線通信インターフェース1663を含む。
【0167】
接続インターフェース1661は、RRH1660(無線通信インターフェース1663)を基地局装置1650に接続するためのインターフェースである。接続インターフェース1661は、上記した高速回線における通信用の通信モジュールであってもよい。
【0168】
無線通信インターフェース1663は、アンテナ1640を介して無線信号を送受信する。無線通信インターフェース1663は、通常、例えばRF回路1664を含むことができる。RF回路1664は、例えばミキサ、フィルタ、増幅器を含み、アンテナ1640によって無線信号を送受信することができる。
図16に示すように、無線通信インターフェース1663は複数のRF回路1664を含むことができる。例えば、複数のRF回路1664は複数のアンテナ素子をサポートすることができる。
図16は無線通信インターフェース1663が複数のRF回路1664を含む例を示したが、無線通信インターフェース1663は単一のRF回路1664を含んでもよい。
【0169】
図15及び
図16に示すeNB1500とeNB1630において、
図8により説明された構成部810、送信ビーム決定部820、シナリオ決定部830、記憶部850及び生成部860は、コントローラ1521及び/又はコントローラ1651によって実現されることができる。機能の少なくとも一部はコントローラ1521とコントローラ1651によって実現されることもできる。例えば、コントローラ1521及び/又はコントローラ1651は、対応するメモリに記憶されているコマンドを実行することによって、ユーザー機器に対するZP CSI-RSリソース及びNZP CSI-RSリソースの構成、送信ビームの決定、ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオの決定、ZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとの対応関係及びNZP CSI-RSリソースと送信ビームとの対応関係の記憶、参照信号協調シグナリングの生成の機能を実行することができる。
【0170】
<端末装置についての適用例>
(第1の適用例)
図17は、本開示の技術を適用できるスマートフォン1700の概略構成の例を示すブロック図である。スマートフォン1700は、プロセッサー1701、メモリ1702、記憶装置1703、外部接続インターフェース1704、撮影装置1706、センサー1707、マイク1708、入力装置1709、表示装置1710、スピーカ1711、無線通信インターフェース1712、1つ又は複数のアンテナスイッチ1715、1つ又は複数のアンテナ1716、バス1717、バッテリ1718、及び補助コントローラ1719を含む。
【0171】
プロセッサー1701は、例えばCPU又はシステムオンチップ(SoC)であり、スマートフォン1700のアプリケーション層と他の層の機能を制御することができる。メモリ1702は、RAMとROMを含み、データとプロセッサー1701によって実行されるプログラムを記憶する。記憶装置1703は、例えば半導体メモリ、ハードディスクのような記憶媒体を含むことができる。外部接続インターフェース1704は、外部装置(例えば、メモリカード、ユニバーサルシリアルバス(USB)装置)をスマートフォン1700に接続するためのインターフェースである。
【0172】
撮影装置1706は、イメージセンサー(例えば、電荷結合デバイス(CCD)、相補型金属酸化物半導体(CMOS))を含み、撮像画像を生成する。センサー1707は、例えば、測定センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサー及び加速度センサーのような1組みのセンサーを含むことができる。マイク1708は、スマートフォン1700に入力された音をオーディオ信号に変換する。入力装置1709は、例えば表示装置1710のスクリーン上のタッチを検出するように構成されるタッチセンサー、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチを含み、ユーザーから入力された操作又は情報を受信する。表示装置1710は、スクリーン(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ)を含み、スマートフォン1700の出力画像を表示する。スピーカ1711は、スマートフォン1700から出力されたオーディオ信号を音に変換する。
【0173】
無線通信インターフェース1712は、任意のセルラー通信方式(例えば、LTE及びLTE-Advanced)をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インターフェース1712は、通常、例えばBBプロセッサー1713とRF回路1717を含むことができる。BBプロセッサー1713は、例えば、符号化/復号化、変調/復調、多重化/逆多重化を実行することができ、無線通信のための各種のタイプの信号処理を実行することができる。同時に、RF回路1717は、例えば、ミキサ、フィルタ、増幅器を含み、アンテナ1716によって無線信号を送受信することができる。無線通信インターフェース1712は、BBプロセッサー1713とRF回路1717が集積された1つのチップモジュールであってもよい。
図17に示すように、無線通信インターフェース1712は、複数のBBプロセッサー1713と複数のRF回路1717を含むことができる。
図17は、無線通信インターフェース1712が複数のBBプロセッサー1713と複数のRF回路1717を含む例を示したが、無線通信インターフェース1712は、単一のBBプロセッサー1713又は単一のRF回路1717を含んでもよい。
【0174】
なお、セルラー通信方式の以外、無線通信インターフェース1712は、例えば、短距離無線通信方式、近接通信方式や無線ローカルネットワーク(LAN)方式などの別のタイプの無線通信方式をサポートすることができる。この場合、無線通信インターフェース1712は、各種の無線通信方式に対するBBプロセッサー1713とRF回路1717を含むことができる。
【0175】
アンテナスイッチ1715のそれぞれは、無線通信インターフェース1712に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式に使用される回路)の間でアンテナ1716の接続先を切り替える。
【0176】
アンテナ1716のそれぞれは、単一又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、無線通信インターフェース1712の無線信号の送受信に使用される。
図17に示すように、スマートフォン1700は、複数のアンテナ1716を含むことができる。
図17は、スマートフォン1700が複数のアンテナ1716を含む例を示したが、スマートフォン1700は、単一のアンテナ1716を含んでもよい。
【0177】
なお、スマートフォン1700は、各種の無線通信方式に対するアンテナ1716を含むことができる。この場合、アンテナスイッチ1715は、スマートフォン1700の構成から省略されてもよい。
【0178】
バス1717は、プロセッサー1701、メモリ1702、記憶装置1703、外部接続インターフェース1704、撮影装置1706、センサー1707、マイク1708、入力装置1709、表示装置1710、スピーカ1711、無線通信インターフェース1712及び補助コントローラ1719を互いに接続する。バッテリ1718は、給電線を介して
図17に示すスマートフォン1700の各ブロックに電力を供給し、給電線は図面において部分的に点線として示される。補助コントローラ1719は、例えばスリープモードでスマートフォン1700の最低限必要な機能を動作させる。
【0179】
図17に示すスマートフォン1700では、
図3により説明された測定部310、受信ビーム決定部320、記憶部340、送信ビーム決定部350及びシナリオ決定部360は、プロセッサー1701又は補助コントローラ1719によって実現されることができる。機能の少なくとも一部は、プロセッサー1701又は補助コントローラ1719によって実現されることもできる。例えば、プロセッサー1701又は補助コントローラ1719は、メモリ1702又は記憶装置1703に記憶されているコマンドを実行することによって、ビームの測定、受信ビームの決定、ZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとの対応関係及びNZP CSI-RSリソースと送信ビームとの対応関係の記憶、ネットワーク側機器の送信ビームの決定、及びプリセット干渉シナリオの決定の機能を実行することができる。
【0180】
(第2の適用例)
図18は、本開示の技術を適用できるカーナビゲーション装置1820の概略構成の例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置1820は、プロセッサー1821、メモリ1822、グローバルポジショニングシステム(GPS)モジュール1824、センサー1825、データインターフェース1826、コンテンツプレーヤー1827、記憶媒体インターフェース1828、入力装置1829、表示装置1830、スピーカ1831、無線通信インターフェース1833、1つ又は複数のアンテナスイッチ1836、1つ又は複数のアンテナ1837、及びバッテリ1838を含む。
【0181】
プロセッサー1821は、例えばCPU又はSoCであり、カーナビゲーション装置1820のナビゲーション機能と他の機能を制御することができる。メモリ1822は、RAMとROMを含み、データ及びプロセッサー1821によって実行されるプログラムを記憶する。
【0182】
GPSモジュール1824は、GPS衛星から受信したGPS信号を使用してカーナビゲーション装置1820の位置(例えば、緯度、経度、高度)を測定する。センサー1825は、例えば、ジャイロセンサー、地磁気センサー及び気圧センサーなどの1組みのセンサーを含むことができる。データインターフェース1826は、図示しない端末を介して例えば車載ネットワーク1841に接続し、車両が生成したデータ(例えば、車速データ)を取得する。
【0183】
コンテンツプレーヤー1827は、記憶媒体(例えば、CDとDVD)に記憶されているコンテンツを再生し、この記憶媒体は、記憶媒体インターフェース1828に挿入される。入力装置1829は、例えば表示装置1830のスクリーン上のタッチを検出するように構成されるタッチセンサー、ボタン又はスイッチを含み、ユーザーから入力された操作又は情報を受信する。表示装置1830は、例えばLCDやOLEDディスプレイのスクリーンを含み、ナビゲーション機能の画像又は再生されたコンテンツを表示する。スピーカ1831は、ナビゲーション機能の音又は再生されたコンテンツを出力する。
【0184】
無線通信インターフェース1833は、任意のセルラー通信方式(例えば、LTE及びLTE-Advanced)をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インターフェース1833は、通常、例えばBBプロセッサー1834とRF回路1835を含むことができる。BBプロセッサー1834は、例えば符号化/復号化、変調/復調、及び多重化/逆多重化を実行することができ、無線通信に使用される様々なタイプの信号処理を実行することができる。同時に、RF回路1835は、例えばミキサ、フィルタ、増幅器を含み、アンテナ1837によって無線信号を送受信することができる。無線通信インターフェース1833は、BBプロセッサー1834とRF回路1835が集積された1つのチップモジュールであってもよい。
図18に示すように、無線通信インターフェース1833は、複数のBBプロセッサー1834と複数のRF回路1835を含むことができる。
図18は、無線通信インターフェース1833が複数のBBプロセッサー1834と複数のRF回路1835を含む例を示したが、無線通信インターフェース1833は、単一のBBプロセッサー1834又は単一のRF回路1835を含んでもよい。
【0185】
なお、セルラー通信方式の以外、無線通信インターフェース1833は、例えば短距離無線通信方式、近接通信方式と無線LAN方式などの別のタイプの無線通信方式をサポートすることができる。この場合、無線通信インターフェース1833は、各種の無線通信方式に対して、BBプロセッサー1834とRF回路1835を含むことができる。
【0186】
アンテナスイッチ1836のそれぞれは、無線通信インターフェース1833に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式に使用される回路)の間でアンテナ1837の接続先を切り替える。
【0187】
アンテナ1837のそれぞれは、単一又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナに含まれる複数のアンテナ素子)を含み、無線通信インターフェース1833の無線信号の送受信に使用される。
図18に示すように、カーナビゲーション装置1820は複数のアンテナ1837を含むことができる。
図18は、カーナビゲーション装置1820が複数のアンテナ1837を含む例を示したが、カーナビゲーション装置1820は、単一のアンテナ1837を含んでもよい。
【0188】
なお、カーナビゲーション装置1820は、各種の無線通信方式に対するアンテナ1837を含むことができる。この場合、アンテナスイッチ1836は、カーナビゲーション装置1820の構成から省略されてもよい。
【0189】
バッテリ1838は、給電線を介して
図18に示すカーナビゲーション装置1820の各ブロックに電力を供給し、給電線は、図面において部分的に点線として示される。バッテリ1838は、車両から供給した電力を蓄積する。
【0190】
図18に示すカーナビゲーション装置1820では、
図3により説明された測定部310、受信ビーム決定部320、記憶部340、送信ビーム決定部350及びシナリオ決定部360は、プロセッサー1821によって実現されることができる。機能の少なくとも一部は、プロセッサー1821によって実現されることもできる。例えば、プロセッサー1821は、メモリ1822に記憶されているコマンドを実行することによって、ビームの測定、受信ビームの決定、ZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとの対応関係及びNZP CSI-RSリソースと送信ビームとの対応関係の記憶、ネットワーク側機器の送信ビームの決定、及びプリセット干渉シナリオの決定の機能を実行することができる。
【0191】
本開示の技術は、カーナビゲーション装置1820、車載ネットワーク1841及び車両モジュール1842のうちの1つ又は複数のブロックが含まれる車載システム(又は車両)1840として実現されることができる。車両モジュール1842は車両データ(例えば車速、エンジン速度、故障情報)を生成し、生成されたデータを車載ネットワーク1841に出力する。
【0192】
以上、本開示の好ましい実施例について図面を参照しながら説明したが、本開示はもちろん、上記の例示に限定されるものではない。当業者であれば、添付の特許請求の範囲において、様々な修正及び変更が得られ、これらの修正及び変更も本開示の技術的範囲に含まれると理解されるべきである。
【0193】
例えば、図示される機能ブロック図において点線ブロックで示される部は、いずれも、当該機能部が対応する装置で選択的なものであり、かつ、各選択的な機能部を適切な方式で組み合わせて必要な機能を実現することができることを示す。
【0194】
例えば、以上の実施例では、1つの部に含まれる複数の機能は、個別の装置によって実現されることができる。その代わり、以上の実施例では、複数の部によって実現される複数の機能は、それぞれ、個別の装置によって実現されることができる。また、以上の機能のうち1つは、複数の部によって実現されることができる。そのような配置は、本開示の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
【0195】
本明細書では、フローチャートに記載されているステップには、その順序で時系列に沿って実行される処理だけでなく、必ずしも時系列ではなく並列的又は独立して実行される処理も含まれる。また、時系列で処理されるステップでも、当該順序を入れ替えてもよいことは言うまでもない。
【0196】
以上、図面を結合して本開示の実施例について詳細に説明したが、上記した実施形態は本開示を説明するためのものであり、本開示を限定するものではないと理解すべきである。当業者にとって、本開示の精神及び範囲から逸脱することがなく、上記した実施形態に対して様々な修正及び変更を行うことが可能である。そのため、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその等価物のみによって限定される。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
ビーム測定プロセスを実行して、各プリセット干渉シナリオで、前記電子機器の各受信ビームと前記電子機器にサービングするネットワーク側機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定し、
各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、前記ネットワーク側機器の送信ビーム、及び前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、前記電子機器が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になる、ように構成される処理回路を含み、
前記プリセット干渉シナリオは、前記電子機器の周囲のネットワーク側機器の前記電子機器への干渉状況を示す電子機器。
【請求項2】
前記ビーム測定プロセスは、非ゼロ電力信号状態情報参照信号NZP CSI-RSリソースセットでの測定プロセス、及びゼロ電力信号状態情報参照信号ZP CSI-RSリソースセットでの測定プロセスを含む請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記処理回路は、さらに、
NZP CSI-RSリソースセットでの測定結果に応じて、有用信号電力行列を決定し、前記有用信号電力行列における各要素は、各前記プリセット干渉シナリオで、前記ネットワーク側機器が特定の送信ビームを使用して信号を送信し且つ前記電子機器が特定の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を示し、
ZP CSI-RSリソースセットでの測定結果に応じて、各前記プリセット干渉シナリオで、前記電子機器が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定するように構成される請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記処理回路は、さらに、
前記ネットワーク側機器の送信ビーム、及び前記有用信号電力行列に応じて、前記電子機器が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を決定し、
前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、前記電子機器が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定し、
前記電子機器が各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力及び干渉信号電力に応じて、信号対干渉プラスノイズ比を決定するように構成される請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
NZP CSI-RSリソースセットにおけるNZP CSI-RSリソースとネットワーク側機器の送信ビームとは、対応関係を有し、
前記処理回路は、さらに、
ネットワーク側機器からの構成情報に応じて、NZP CSI-RSリソースと送信ビームとの対応関係を決定するように構成される請求項3に記載の電子機器。
【請求項6】
ZP CSI-RSリソースセットにおけるZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとは、対応関係を有し、
前記処理回路は、さらに、
前記ネットワーク側機器からの構成情報に応じて、ZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとの対応関係を決定するように構成される請求項3に記載の電子機器。
【請求項7】
前記処理回路は、さらに、
伝送構成指示TCI状態情報に応じて、前記ネットワーク側機器の送信ビームを決定し、
ダウンリンク制御情報DCIに応じて、前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオを決定するように構成される請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記処理回路は、さらに、
伝送構成指示TCI状態情報に応じて、前記ネットワーク側機器の送信ビーム、及び前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオを決定するように構成される請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
ネットワーク側機器として機能する電子機器であって、
ユーザー機器がビーム測定プロセスを実行するために、前記ユーザー機器に対して非ゼロ電力信号状態情報参照信号NZP CSI-RSリソースセット、及びゼロ電力信号状態情報参照信号ZP CSI-RSリソースセットを構成することで、前記ユーザー機器が、各プリセット干渉シナリオで、前記ユーザー機器の各受信ビームと前記電子機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定し、
前記ユーザー機器が各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、前記電子機器の送信ビーム、及び前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて受信ビームを決定するために、前記ユーザー機器に前記電子機器の送信ビーム、及び前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオを送信することで、前記ユーザー機器が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になる、ように構成される処理回路を含み、
前記プリセット干渉シナリオは、前記電子機器に隣接する他のネットワーク側機器の前記ユーザー機器への干渉状況を示す電子機器。
【請求項10】
前記処理回路は、さらに、
ユーザー機器に対してNZP CSI-RSリソースセットを構成することで、NZP CSI-RSリソースセットにおけるNZP CSI-RSリソースと前記電子機器の送信ビームとが対応関係を有するように構成される請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記処理回路は、さらに、
ユーザー機器に対してZP CSI-RSリソースセットを構成することで、ZP CSI-RSリソースセットにおけるZP CSI-RSリソースとプリセット干渉シナリオとが対応関係を有するように構成される請求項9に記載の電子機器。
【請求項12】
前記処理回路は、さらに、
前記電子機器に隣接する各他のネットワーク側機器に、特定のプリセット干渉シナリオに対する参照信号協調シグナリングを送信する、ように構成されており、前記参照信号協調シグナリングは、前記特定のプリセット干渉シナリオに対応するZP CSI-RSリソースの時間周波数位置、前記ZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で前記他のネットワーク側機器によって送信される参照信号のタイプ、及び前記他のネットワーク側機器が前記ZP CSI-RSリソースの時間周波数位置で参照信号を送信する際の送信ビームを含む請求項9に記載の電子機器。
【請求項13】
前記参照信号のタイプは、NZP CSI-RS、及びZP CSI-RSを含み、
前記プリセット干渉シナリオで前記他のネットワーク側機器が前記ユーザー機器に干渉する場合に、前記参照信号のタイプはNZP CSI-RSであり、前記送信ビームは前記ユーザー機器に干渉するビームであり、前記プリセット干渉シナリオで前記他のネットワーク側機器が前記ユーザー機器に干渉しない場合に、前記参照信号のタイプはZP CSI-RSであり、前記送信ビームは任意のビームである請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
前記処理回路は、さらに、
ユーザー機器が有用信号電力行列を決定するために、前記ユーザー機器に対して構成されたNZP CSI-RSリソースの時間周波数位置でNZP CSI-RSを送信するように構成されており、前記有用信号電力行列における各要素は、各前記プリセット干渉シナリオで、前記電子機器が特定の送信ビームを使用して信号を送信し且つ前記ユーザー機器が特定の受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる有用信号電力を示す請求項9に記載の電子機器。
【請求項15】
前記処理回路は、さらに、
前記ユーザー機器から受信した有用信号電力行列における全ての要素又は一部の要素に応じて、前記電子機器の送信ビームを決定するように構成される請求項14に記載の電子機器。
【請求項16】
前記処理回路は、さらに、
前記ユーザー機器がZP CSI-RSリソースに対応するプリセット干渉シナリオで各受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる干渉信号電力を決定するために、ユーザー機器に対して構成された前記ZP CSI-RSリソースの時間周波数位置でZP CSI-RSを送信するように構成される請求項9に記載の電子機器。
【請求項17】
前記処理回路は、さらに、
前記電子機器に隣接する各他のネットワーク側機器から、複数の時間周期で前記電子機器に隣接する他のネットワーク側機器によって使用される干渉ビーム情報を含む干渉ビーム時間情報を受信し、
前記電子機器に隣接する各他のネットワーク側機器の干渉ビーム時間情報に応じて、前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオを決定するように構成される請求項9に記載の電子機器。
【請求項18】
前記処理回路は、さらに、
ダウンリンク制御情報DCIにより、前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオをキャリーし、
伝送構成指示TCI状態情報により、前記電子機器の送信ビームをキャリーするように構成される請求項9に記載の電子機器。
【請求項19】
前記処理回路は、さらに、
伝送構成指示TCI状態情報と、ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオ、及び前記電子機器の送信ビームとの対応関係を確立し、
TCI状態情報により、前記電子機器の送信ビーム、及び前記ユーザー機器が所在するプリセット干渉シナリオをキャリーするように構成される請求項9に記載の電子機器。
【請求項20】
電子機器によって実行される無線通信方法であって、
ビーム測定プロセスを実行して、各プリセット干渉シナリオで、前記電子機器の各受信ビームと前記電子機器にサービングするネットワーク側機器の各送信ビームとの間のチャネル品質を決定することと、
各プリセット干渉シナリオでのチャネル品質、前記ネットワーク側機器の送信ビーム、及び前記電子機器が所在するプリセット干渉シナリオに応じて、受信ビームを決定することで、前記電子機器が決定された受信ビームを使用して信号を受信する際に得られる信号対干渉プラスノイズ比は最大になることとを含み、
前記プリセット干渉シナリオは、前記電子機器の周囲のネットワーク側機器の前記電子機器への干渉状況を示す無線通信方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
本開示の実施例は、全体的に、無線通信分野に関し、具体的に、電子機器及び無線通信方法に関する。より具体的に、本開示は、無線通信システムにおけるネットワーク側機器としての電子機器、無線通信システムにおけるユーザー機器としての電子機器、無線通信システムにおけるネットワーク側機器によって実行される無線通信方法及び無線通信システムにおけるユーザー機器によって実行される無線通信方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本開示は、ユーザー機器が受信ビームをより合理的に選択でき、セル間の干渉を低減できるように、電子機器及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【国際調査報告】