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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】タバコを白色化する方法
(51)【国際特許分類】
   A24B 13/00 20060101AFI20221109BHJP
   A24B 15/24 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
A24B13/00
A24B15/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516122
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(85)【翻訳文提出日】2022-05-09
(86)【国際出願番号】 IB2020058393
(87)【国際公開番号】W WO2021048768
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】16/567,822
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザワトツキ,マイケル・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】マクラナハン,デイビッド・ニール
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BB01
4B043BB16
4B043BB25
(57)【要約】
無煙タバコ製品に使用するための白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、(i)水溶液を用いてタバコ材料を抽出して、タバコ固体材料及びタバコ抽出物を提供すること、(ii)強塩基、酸化剤又はその組合せを含む溶液を用いてタバコ固体材料を漂白して、漂白されたタバコ材料を提供すること、並びに(iii)漂白されたタバコ材料を乾燥させて、白色化されたタバコ材料を提供することを含み、抽出と漂白との間で、硫黄含有試薬、有機溶媒、水酸化ナトリウム又は酸を用いた高温での処理にタバコ固体材料を供しない、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、
(i)抽出溶液を用いてタバコ材料を抽出して、タバコ固体材料及びタバコ抽出物を提供すること、
(ii)強塩基、酸化剤又はその組合せを含む漂白溶液を用いて前記タバコ固体材料を漂白して、漂白されたタバコ材料を提供すること、並びに
(iii)前記漂白されたタバコ材料を乾燥させて、前記白色化されたタバコ材料を提供すること
を含み、
前記タバコ材料の抽出と前記タバコ固体材料の漂白との間で、硫黄含有試薬、有機溶媒、水酸化ナトリウム又は酸を用いた高温での処理に前記タバコ固体材料を供しない、方法。
【請求項2】
タバコ材料を約0.2mm~約2mmの範囲のサイズに粉砕することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
タバコ材料の抽出が、約100℃以下の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
タバコ固体材料の漂白が、約100℃以下の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
漂白されたタバコ材料が、湿量基準で水分が約30パーセント未満の含水量まで乾燥される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
タバコ材料を抽出すること、及び/又はタバコ固体材料を漂白することの後に、スクリュープレス及びバスケット遠心分離機のうちの少なくとも1つを使用して、前記タバコ材料を脱水することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
漂白溶液が、過酢酸、水酸化ナトリウム及び過酸化水素のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
漂白溶液が、酸化剤に加えて1つ以上の安定剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
安定剤が、硫酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム及びその組合せからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
漂白溶液が、強塩基及び酸化剤を含み、酸化剤の量と強塩基の量とのモル比が、約1:1~約100:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
酸化剤の量と強塩基の量との重量比が、約2.5:1~約15:1である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
漂白されたタバコ材料を乾燥させる前に、前記漂白されたタバコ材料を約5~約11の範囲内のpHに中和することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
白色化されたタバコ材料の乾燥後に、前記白色化されたタバコ材料を約5mm~約0.1mmの範囲のサイズに粉砕することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
抽出溶液がキレート剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
キレート剤が、EDTA及びDTPAのうちの1つ以上を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
タバコ固体材料を漂白するために使用される漂白溶液が、キレート剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
キレート剤が、EDTA及びDTPAのうちの1つ以上を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
抽出溶液とタバコ材料とのモル比が、約4:1~約16:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
抽出溶液が水溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
タバコ材料が、葉身、茎又はその組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
タバコ材料が、ルスティカ(Rustica)茎を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
タバコ材料が、少なくとも約90重量%の根、柄又はその組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
白色化されたタバコ材料が、少なくとも約50%の国際標準化機構(ISO)白色度を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
タバコ固体材料を漂白する前に、前記タバコ固体材料を木材パルプと混合することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
経口使用に適合された製品内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
製品が、香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、湿潤剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項1~24のいずれか一項に記載の方法によって調製された白色化されたタバコ材料を組み込んだ、経口使用に適合された製品。
【請求項28】
白色化されたタバコ材料を収容する透水性パウチを含む、請求項27に記載の製品。
【請求項29】
香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、湿潤剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含む、請求項28に記載の製品。
【請求項30】
無煙タバコ製品に使用するための白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、
(i)抽出溶液を用いてタバコ材料を抽出して、タバコ固体材料及びタバコ抽出物を提供すること、
(ii)前記タバコ固体材料と前記タバコ抽出物とを分離すること、
(iii)強塩基、酸化剤又はその組合せを含む漂白溶液を用いて前記タバコ固体材料を漂白して、漂白されたタバコ材料を提供すること、並びに
(iv)前記漂白されたタバコ材料を乾燥させて、前記白色化されたタバコ材料を提供すること
から本質的になる、方法。
【請求項31】
抽出溶液が水溶液である、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコから製造されたか、若しくは得られた製品、又はそうでなければタバコを組み込み、人間が消費することを意図している製品に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻及びパイプは、様々な形態のタバコを使用する一般的な喫煙品である。そのような喫煙品は、タバコを加熱するか、又は燃焼させて使用され、喫煙者によってエアロゾル(例えば煙)が吸入される。タバコは、いわゆる「無煙」形態で楽しむことができる。特に一般的な無煙タバコ製品は、何らかの形態の加工タバコ又はタバコ含有製剤を使用者の口に挿入することによって使用される。
【0003】
そのような無煙タバコ製品の従来の形式には、湿性嗅ぎタバコ、スヌース及び噛みタバコが含まれ、湿性嗅ぎタバコ、スヌース及び噛みタバコは、典型的には、微粒子状タバコ、粒状タバコ又は細断タバコからほぼ完全に形成され、使用者によって分割されるか、又は使い捨てのパウチ若しくは小袋などの個々の部分で使用者に提示される。無煙製品の他の従来の形態には、プラグ、錠剤又はペレットなどの圧縮形態又は弱凝集体形態が含まれる。代替的な製品形式、例えば、タバコ含有ガム、及びタバコと他の植物材料との混合物も知られている。例えば、各々参照により本明細書に組み込まれる、Schwartzの米国特許第1,376,586号、Pittmanらの米国特許第4,513,756号、Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,528,993号、Storyらの米国特許第4,624,269号、Tibbettsの米国特許第4,991,599号、Townsendの米国特許第4,987,907号、Sprinkle,IIIらの米国特許第5,092,352号、Whiteらの米国特許第5,387,416号、Williamsの米国特許第6,668,839号、Williamsの米国特許第6,834,654号、Atchleyらの米国特許第6,953,040号、Atchleyらの米国特許第7,032,601号及びAtchleyらの米国特許第7,694,686号、Williamsの米国特許出願公開第2004/0020503号、Quinterらの米国特許出願公開第2005/0115580号、Stricklandらの米国特許出願公開第2006/0191548号、Holton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0062549号、Holton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0186941号、Stricklandらの米国特許出願公開第2007/0186942号、Dubeらの米国特許出願公開第2008/0029110号、Robinsonらの米国特許出願公開第2008/0029116号、Robinsonらの米国特許出願公開第2008/0173317号、Neilsenらの米国特許出願公開第2008/0209586号、Essenらの米国特許出願公開第2009/0065013号及びAtchleyの米国特許出願公開第2010/0282267号並びにArnarpらのWO2004/095959に記載されている無煙タバコ製剤、成分及び加工方法の種類を参照されたい。
【0004】
タバコ材料を様々な結合剤及び充填剤と組み合わせる無煙タバコ製品構成が、さらに最近になって提案されており、例示的な製品形式には、ロゼンジ、トローチ、ゲル、押出形物などが含まれる。例えば、各々参照により本明細書に組み込まれる、Engstromらの米国特許出願公開第2008/0196730号、Crawfordらの米国特許出願公開第2008/0305216号、Kumarらの米国特許出願公開第2009/0293889号、Gaoらの米国特許出願公開第2010/0291245号、Muaらの米国特許出願公開第2011/0139164号、Cantrellらの米国特許出願公開第2012/0037175号、Huntらの米国特許出願公開第2012/0055494号、Cantrellらの米国特許出願公開第2012/0138073号、Cantrellらの米国特許出願公開第2012/0138074号、Holton,Jr.の米国特許出願公開第2013/0074855号、Holton,Jr.の米国特許出願公開第2013/0074856号、Muaらの米国特許出願公開第2013/0152953号、Jacksonらの米国特許出願公開第2013/0274296号、Moldoveanuらの米国特許出願公開第2015/0068545号、Marshallらの米国特許出願公開第2015/0101627号及びLampeらの米国特許出願公開第2015/0230515号に記載されている製品の種類を参照されたい。さらに、白一色のスヌースポーションは人気が高まっており、従来のスヌースに代わる別個の審美的に心地よい代替物を提供している。そのような最新の「白色」パウチ製品は、漂白タバコを含んでもよいか、又はタバコを含まなくてもよい。長年にわたって、タバコ組成物に利用されるタバコ材料の全体的な特徴又は性質を変化させるための様々な処理方法及び添加剤が提案されてきた。例えば、タバコ材料の化学的特性若しくは感覚的特性を変化させるために、又は喫煙可能なタバコ材料の場合には、タバコ材料を含む喫煙品によって生成される主流煙の化学的特性若しくは感覚的特性を変化させるために、添加剤又は処理方法が利用されることがある。場合によっては、熱処理工程を使用して、タバコ材料に所望の色若しくは視覚的特徴、タバコ材料に所望の感覚特性、又はタバコ材料に所望の物理的性質若しくは質感を付与することができる。
【0005】
喫煙品又は無煙タバコ製品に有用なタバコ(並びにタバコ組成物及び製剤)の特徴及び性質を変化させるための追加の方法を提供することが、当技術分野では望ましいであろう。特に、改善されたタバコ白色化工程及び白色化されたタバコ材料が望ましく、タバコ白色化工程は、タバコ材料漂白操作の前に化学的パルプ化又はアルカリ性抽出を含まない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第1376586号明細書
【特許文献2】米国特許第4513756号明細書
【特許文献3】米国特許第4528993号明細書
【特許文献4】米国特許第4624269号明細書
【特許文献5】米国特許第4991599号明細書
【特許文献6】米国特許第4987907号明細書
【特許文献7】米国特許第5092352号明細書
【特許文献8】米国特許第5387416号明細書
【特許文献9】米国特許第6668839号明細書
【特許文献10】米国特許第6834654号明細書
【特許文献11】米国特許第6953040号明細書
【特許文献12】米国特許第7032601号明細書
【特許文献13】米国特許第7694686号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2004/0020503号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2005/0115580号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2006/0191548号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2007/0062549号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2007/0186941号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2007/0186942号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2008/0029110号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第2008/0029116号明細書
【特許文献22】米国特許出願公開第2008/0173317号明細書
【特許文献23】米国特許出願公開第2008/0209586号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第2009/0065013号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2010/0282267号明細書
【特許文献26】国際公開第2004/095959号
【特許文献27】米国特許出願公開第2008/0196730号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2008/0305216号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2009/0293889号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2010/0291245号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2011/0139164号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2012/0037175号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2012/0055494号明細書
【特許文献34】米国特許出願公開第2012/0138073号明細書
【特許文献35】米国特許出願公開第2012/0138074号明細書
【特許文献36】米国特許出願公開第2013/0074855号明細書
【特許文献37】米国特許出願公開第2013/0074856号明細書
【特許文献38】米国特許出願公開第2013/0152953号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2013/0274296号明細書
【特許文献40】米国特許出願公開第2015/0068545号明細書
【特許文献41】米国特許出願公開第2015/0101627号明細書
【特許文献42】米国特許出願公開第2015/0230515号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、タバコ材料の色を変更するために、具体的には色が薄くなった(すなわち、「白色化された」)タバコ材料を提供するために、タバコ材料を加工する方法を提供する。白色化されたタバコ材料を無煙タバコ材料に使用して、白色化した外観を有する、経口使用に適合された材料をもたらすことができる。驚くべきことに、漂白前の過酷な化学的パルプ化工程、例えば、硫黄含有試薬、有機溶媒、水酸化ナトリウム又は酸を用いた高温での処理を用いることなく、高度の漂白を得ることができることが発見された。
【課題を解決するための手段】
【0008】
様々な実施形態では、タバコ材料を白色化する方法であって、(i)抽出溶液を用いてタバコ材料を抽出して、タバコ固体材料及びタバコ抽出物を提供すること、(ii)強塩基、酸化剤又はその組合せを含む漂白溶液を用いてタバコ固体材料を漂白して、漂白されたタバコ材料を提供すること、並びに(iii)漂白されたタバコ材料を乾燥させて、白色化されたタバコ材料を提供することを含み、抽出工程(i)と漂白工程(ii)との間で、硫黄含有試薬、有機溶媒、水酸化ナトリウム又は酸を用いた高温での処理にタバコ固体材料を供しない、方法が提供される。様々な実施形態では、白色化されたタバコ材料は、少なくとも約50%の国際標準化機構(ISO)白色度を特徴とする。本明細書で提供される白色化されたタバコ材料は、例えば、無煙タバコ製品に使用することができる。
【0009】
様々な実施形態では、出発タバコ材料は、葉身、茎又はその組合せを含む。特定の実施形態では、タバコ材料は、ルスティカ(Rustica)茎を含む。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、少なくとも約90重量%の根、柄又はその組合せを含む。いくつかの実施形態では、白色化方法は、粉砕されたタバコ材料が18番手の米国篩サイズの篩を通過することができるように、抽出前にタバコ材料を粉砕することをさらに含む。特定の実施形態では、タバコ材料は、抽出前に0.2mm~約2mmの範囲のサイズに粉砕され得る。
【0010】
様々な実施形態では、抽出溶液は水溶液である。いくつかの実施形態では、抽出溶液は、酸性、塩基性又は中性であり得る。抽出溶液はまた、金属キレート剤及び/又は酸化剤を含んでもよい。例えば、特定の実施形態では、水溶液は、EDTA及びDTPAのうちの1つ以上を含む。特定の実施形態では、抽出溶液は、約7未満のpHを有する酸性であり、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などの金属キレート剤を組み込む。いくつかの実施形態では、タバコ材料を抽出する工程は、約100℃以下の温度で行われる。様々な実施形態では、抽出工程での抽出溶液とタバコ材料とのモル比は、約4:1~約16:1である。特定の実施形態では、白色化方法は、漂白の前にタバコ固体材料を木材パルプと混合することをさらに含むことができる。
【0011】
様々な実施形態では、漂白工程は、強塩基及び酸化剤、又は酸化剤の組合せの溶液による処理を含むことができる。様々な実施形態では、漂白溶液は、過酢酸、水酸化ナトリウム及び過酸化水素のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、漂白溶液は、強塩基及び酸化剤を含み、酸化剤の量と強塩基の量との重量比は、約1:1~約100:1である。特定の実施形態では、酸化剤の量と強塩基の量との重量比は、約2.5:1~約15:1である。様々な実施形態では、タバコ固体材料を漂白する工程は、約100℃以下の温度で行われる。様々な実施形態では、白色化方法は、乾燥前に漂白されたタバコ材料を約5~約11の範囲のpHに中和することをさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、漂白溶液は、酸化剤に加えて1つ以上の安定剤をさらに含む。安定剤は、例えば、硫酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム及びその組合せからなる群から選択され得る。
【0013】
様々な実施形態では、タバコ固体材料を漂白するために使用される漂白溶液は、キレート剤を含む。特定の実施形態では、キレート剤は、EDTA及びDTPAのうちの1つ以上を含む。
【0014】
漂白溶液はまた、酸化性物質安定化剤及び金属キレート剤を組み込んでもよい。特定の実施形態では、漂白溶液は、過酸化水素と、強塩基と、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などの金属キレート剤と、ケイ酸ナトリウムなどのオキシダント安定剤及び/又は硫酸マグネシウムなどのマグネシウム塩とを含む。
【0015】
漂白されたタバコ材料は、例えば、湿量基準で水分が約30パーセント未満の含水量まで乾燥させることができる。様々な実施形態では、本明細書に記載の白色化方法は、工程(i)(抽出工程)及び/又は工程(ii)(漂白工程)の後に、スクリュープレス及びバスケット遠心分離機のうちの少なくとも1つを使用して、タバコ材料を脱水することをさらに含む。白色化方法は、乾燥後に白色化されたタバコ材料を約5mm~約0.1mmの範囲のサイズに粉砕することをさらに含むことができる。
【0016】
様々な実施形態では、白色化方法は、無煙タバコ製品内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含む。無煙タバコ製品は、例えば、香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、湿潤剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含むことができる。
【0017】
本明細書に開示される方法に従って調製された白色化されたタバコ材料を組み込んだ無煙タバコ製品も提供される。特定の実施形態では、無煙タバコ製品は、白色化されたタバコ材料を収容する透水性パウチを含む。無煙タバコ製品は、例えば、香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、湿潤剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含むことができる。
【0018】
本明細書では、無煙タバコ製品に使用するための白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、(i)抽出溶液を用いてタバコ材料を抽出して、タバコ固体材料及びタバコ抽出物を提供すること、(ii)タバコ固体材料とタバコ抽出物とを分離すること、(iii)強塩基、酸化剤又はその組合せを含む溶液を用いてタバコ固体材料を漂白して、漂白されたタバコ材料を提供すること、並びに(iv)漂白されたタバコ材料を乾燥させて、白色化されたタバコ材料を提供することから本質的になるか、又はそれからなる、方法も提供される。方法は、以下の加工工程、すなわち、(i)粉砕されたタバコ材料が18番手の米国篩サイズの篩を通過することができるように、タバコ材料を粉砕すること、(ii)抽出工程及び/又は漂白工程の後に、スクリュープレス及びバスケット遠心分離機のうちの少なくとも1つを使用して、タバコ材料を脱水すること、(iii)乾燥前に漂白されたタバコ材料を約5~約11の範囲のpHに中和すること、並びに(iv)乾燥後に白色化されたタバコ材料を約5mm~約0.1mmの範囲のサイズに粉砕することのうちの1つ以上を任意に含むことができる。様々な実施形態では、抽出溶液は水溶液である。
【0019】
本発明は、限定するものではないが、以下の実施形態を含む。
【0020】
実施形態1:白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、(i)抽出溶液を用いてタバコ材料を抽出して、タバコ固体材料及びタバコ抽出物を提供すること、(ii)強塩基、酸化剤又はその組合せを含む漂白溶液を用いてタバコ固体材料を漂白して、漂白されたタバコ材料を提供すること、並びに(iii)漂白されたタバコ材料を乾燥させて、白色化されたタバコ材料を提供することを含み、タバコ材料の抽出とタバコ固体材料の漂白との間で、硫黄含有試薬、有機溶媒、水酸化ナトリウム又は酸を用いた高温での処理にタバコ固体材料を供しない、方法。
【0021】
実施形態2:タバコ材料を約0.2mm~約2mmの範囲のサイズに粉砕することをさらに含む、実施形態1の方法。
【0022】
実施形態3:タバコ材料の抽出が、約100℃以下の温度で行われる、実施形態1~2のいずれか1つの方法。
【0023】
実施形態4:タバコ固体材料の漂白が、約100℃以下の温度で行われる、実施形態1~3のいずれか1つの方法。
【0024】
実施形態5:漂白されたタバコ材料が、湿量基準で水分が約30パーセント未満の含水量まで乾燥される、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
【0025】
実施形態6:タバコ材料を抽出すること、及び/又はタバコ固体材料を漂白することの後に、スクリュープレス及びバスケット遠心分離機のうちの少なくとも1つを使用して、タバコ材料を脱水することをさらに含む、実施形態1~5のいずれか1つの方法。
【0026】
実施形態7:漂白溶液が、過酢酸、水酸化ナトリウム及び過酸化水素のうちの1つ以上を含む、実施形態1~6のいずれか1つの方法。
【0027】
実施形態8:漂白溶液が、酸化剤に加えて1つ以上の安定剤をさらに含む、実施形態1~7のいずれか1つの方法。
【0028】
実施形態9:漂白溶液が、1つ以上の安定剤をさらに含み、安定剤が、硫酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム及びその組合せからなる群から選択される、実施形態1~8のいずれか1つの方法。
【0029】
実施形態10:漂白溶液が、強塩基及び酸化剤を含み、酸化剤の量と強塩基の量とのモル比が、約1:1~約100:1である、実施形態1~9のいずれか1つの方法。
【0030】
実施形態11:漂白溶液が、強塩基及び酸化剤を含み、酸化剤の量と強塩基の量との重量比が、約2.5:1~約15:1である、実施形態1~10のいずれか1つの方法。
【0031】
実施形態12:漂白されたタバコ材料を乾燥させる前に、漂白されたタバコ材料を約5~約11の範囲内のpHに中和することをさらに含む、実施形態1~11のいずれか1つの方法。
【0032】
実施形態13:白色化されたタバコ材料の乾燥後に、白色化されたタバコ材料を約5mm~約0.1mmの範囲のサイズに粉砕することをさらに含む、実施形態1~12のいずれか1つの方法。
【0033】
実施形態14:抽出溶液がキレート剤を含む、実施形態1~13のいずれか1つの方法。
【0034】
実施形態15:抽出溶液がキレート剤を含み、キレート剤が、EDTA及びDTPAのうちの1つ以上を含む、実施形態1~14のいずれか1つの方法。
【0035】
実施形態16:タバコ固体材料を漂白するために使用される漂白溶液が、キレート剤を含む、実施形態1~15のいずれか1つの方法。
【0036】
実施形態17:タバコ固体材料を漂白するために使用される漂白溶液が、キレート剤を含み、キレート剤が、EDTA及びDTPAのうちの1つ以上を含む、実施形態1~16のいずれか1つの方法。
【0037】
実施形態18:抽出溶液とタバコ材料とのモル比が、約4:1~約16:1である、実施形態1~17のいずれか1つの方法。
【0038】
実施形態19:抽出溶液が水溶液である、実施形態1~18のいずれか1つの方法。
【0039】
実施形態20:タバコ材料が、葉身、茎又はその組合せを含む、実施形態1~19のいずれか1つの方法。
【0040】
実施形態21:タバコ材料が、ルスティカ(Rustica)茎を含む、実施形態1~20のいずれか1つの方法。
【0041】
実施形態22:タバコ材料が、少なくとも約90重量%の根、柄又はその組合せを含む、実施形態1~21のいずれか1つの方法。
【0042】
実施形態23:白色化されたタバコ材料が、少なくとも約50%の国際標準化機構(ISO)白色度を特徴とする、実施形態1~22のいずれか1つの方法。
【0043】
実施形態24:タバコ固体材料を漂白する前に、タバコ固体材料を木材パルプと混合することをさらに含む、実施形態1~23のいずれか1つの方法。
【0044】
実施形態25:経口使用に適合された製品、例えば無煙タバコ製品内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含む、実施形態1~24のいずれか1つの方法。
【0045】
実施形態26:経口使用に適合された製品、例えば無煙タバコ製品内に白色化されたタバコ材料を組み込むことをさらに含み、製品が、香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、湿潤剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含む、実施形態1~24のいずれか1つの方法。
【0046】
実施形態27:実施形態1~24のいずれか1つの方法に従って調製された白色化されたタバコ材料を組み込んだ、経口使用に適合された製品、例えば無煙タバコ製品。
【0047】
実施形態28:白色化されたタバコ材料を収容する透水性パウチを含む、実施形態1~24のいずれか1つの方法に従って調製された白色化されたタバコ材料を組み込んだ製品(無煙タバコ製品など)。
【0048】
実施形態29:香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、崩壊助剤、酸化防止剤、湿潤剤及び防腐剤からなる群から選択される1つ以上の追加の成分をさらに含む、実施形態1~24のいずれか1つの方法に従って調製された白色化されたタバコ材料を組み込んだ製品(無煙タバコ製品など)。
【0049】
実施形態30:無煙タバコ製品に使用するための白色化されたタバコ材料を調製する方法であって、(i)抽出溶液を用いてタバコ材料を抽出して、タバコ固体材料及びタバコ抽出物を提供すること、(ii)タバコ固体材料とタバコ抽出物とを分離すること、(iii)強塩基、酸化剤又はその組合せを含む漂白溶液を用いてタバコ固体材料を漂白して、漂白されたタバコ材料を提供すること、並びに(iv)漂白されたタバコ材料を乾燥させて、白色化されたタバコ材料を提供することから本質的になる、方法。
【0050】
実施形態31:抽出溶液が水溶液である、実施形態30の方法。
【0051】
本開示のこれら並びに他の特徴、態様及び利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本発明は、そのような特徴又は要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかどうかにかかわらず、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の上述の実施形態の任意の組合せ、並びに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つ又はそれ以上の特徴又は要素の組合せを含む。本開示は、文脈上他に明確に指示されない限り、その様々な態様及び実施形態のいずれかにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴又は要素が、組合せ可能であるように意図された通りに見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0052】
本開示は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】一実施形態によるパウチ製品を示す正面斜視図である。
図2】一実施形態による白色化されたタバコ材料を調製するための一般的な工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本開示の態様は、以下、さらに完全に説明される。ただし、本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的及び完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。「乾燥重量パーセント」又は「乾燥重量基準」への言及は、乾燥成分(すなわち、水を除く全成分)に基づく重量を指す。
【0055】
特定の実施形態が、添付の図面の図1を参照して説明され、これらの説明される実施形態は、外側パウチを有し、白色化されたタバコ材料を収容するスヌース型製品を含む。以下にさらに詳細に説明されるように、そのような実施形態は単なる例として提供され、無煙タバコ製品は他の形態のタバコ組成物を含むことができる。
【0056】
図1を参照すると、無煙タバコ製品10の第1の実施形態が示されている。タバコ製品10は、本明細書に記載の種類の白色化されたタバコ材料を含む材料15を収容するパウチ20の形態の透湿性容器を含む。無煙タバコ製品はまた、特定の実施形態では、タバコ充填剤材料15内に分散された複数のマイクロカプセルを任意に含んでもよく、マイクロカプセルは、以下にさらに詳細に記載されるような成分(例えば香味料)を含有する。
【0057】
タバコ製品10は、典型的には、タバコ製剤を収容する1つのパウチを人間の対象/使用者の口内に入れることによって使用される。使用中、使用者の口内の唾液によって、タバコ製剤の成分の一部が透水性パウチを通過し、使用者の口内に入る。パウチは、好ましくは、咀嚼又は嚥下されない。使用者は、タバコの風味及び満足感を提供され、タバコ製剤のいかなる部分も吐き出す必要はない。使用し、満喫してから約10分~約60分、典型的には約15分~約45分後、かなりの量のタバコ製剤と、任意のマイクロカプセルの内容物とが人間の対象によって吸収され(歯肉又は頬の吸収のいずれかを介して)、パウチは、廃棄のために、人間の対象の口から取り出され得る。特定の実施形態では、パウチ材料は、通常の使用条件下で、パウチがその物理的完全性を失う前に、かなりの量のタバコ製剤含有量がパウチ材料を透過するように設計及び製造され得る。
【0058】
本開示は、白色化タバコ組成物と、そのような白色化タバコ組成物を組み込んだ無煙タバコ製品と、白色化タバコ組成物を調製し、そのような組成物を無煙タバコ製品内に組み込む方法とを提供する。本明細書で使用される場合、用語「白色化」は、ある程度の色を除去するように処理されたタバコ材料を含む組成物を指す。したがって、本明細書に記載の方法に従って処理された「白色化」タバコ材料は、未処理タバコ材料よりも色相が視覚的に薄い。本発明の白色化タバコ組成物は、無煙タバコ組成物の成分、例えば、刻み湿性嗅ぎタバコ、刻み乾燥嗅ぎタバコ、噛みタバコ、ペレット状タバコ小片、押し出された若しくは形成されたタバコストリップ、小片、ロッド若しくはスティック、細かく分割された研削粉末、粉末化された小片若しくは成分の細かく分割された若しくは粉砕された弱凝集体、フレーク状小片、成形加工されたタバコ小片、タバコ含有ガム小片、テープ状フィルムのロール、易水溶性若しくは水分散性のフィルム若しくはストリップ、又はカプセル状材料として使用することができる。
【0059】
本発明のタバコ組成物に使用されるタバコは、様々であり得る。特定の実施形態では、使用され得るタバコには、黄色種タバコ又はバージニア(Virginia)タバコ(例えば、K326)、バーレータバコ、日干乾燥(sun-cured)タバコ(例えば、カテリニ(Katerini)タバコ、プレリップ(Prelip)タバコ、コモティニ(Komotini)タバコ、キサンティ(Xanthi)タバコ及びヤンボル(Yambol)タバコを含むインディアンクルヌール(Indian Kurnool)タバコ及びオリエンタル(Oriental)タバコ)、メリーランド(Maryland)タバコ、暗色タバコ、暗色火干タバコ、暗色空気乾燥(dark air cured)タバコ(例えば、パサンダ(Passanda)タバコ、クバノ(Cubano)タバコ、ジャティン(Jatin)タバコ及びベズキ(Bezuki)タバコ)、明色空気乾燥(light air cured)タバコ(例えば、ノースウィスコンシン(North Wisconsin)タバコ及びガルパオ(Galpao)タバコ)、インディアン空気乾燥(Indian air cured)タバコ、レッドロシアン(Red Russian)タバコ及びルスティカ(Rustica)タバコ、並びに様々な他の希少又は特殊なタバコ、及び前述のタバコのいずれかの様々なブレンドが含まれる。様々な種類のタバコ、栽培の実践及び収穫の実践の説明は、参照により本明細書に組み込まれるTobacco Production,Chemistry and Technology,Davis et al.(Eds.)(1999)に記載されている。ニコチアナ(Nicotiana)種由来の様々な代表的な他の種類の植物が、各々参照により本明細書に組み込まれる、Goodspeed,The Genus Nicotiana,(Chonica Botanica)(1954)、Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,660,577号、Whiteらの米国特許第5,387,416号及びLawsonらの米国特許第7,025,066号、Lawrence,Jr.の米国特許出願公開第2006/0037623号及びMarshallらの米国特許出願公開第2008/0245377号に記載されている。例示的なニコチアナ(Nicotiana)種には、ニコチアナ・タバカム(N.tabacum)、ニコチアナ・ルスティカ(N.rustica)、ニコチアナ・アラタ(N.alata)、ニコチアナ・アレントシイ(N.arentsii)、ニコチアナ・エクセルシオール(N.excelsior)、ニコチアナ・フォルゲティアナ(N.forgetiana)、ニコチアナ・グラウカ(N.glauca)、ニコチアナ・グルティノサ(N.glutinosa)、ニコチアナ・ゴッセイ(N.gossei)、ニコチアナ・カワカミイ(N.kawakamii)、ニコチアナ・ナイティアナ(N.knightiana)、ニコチアナ・ラングスドルフィ(N.langsdorffi)、ニコチアナ・オトフォラ(N.otophora)、ニコチアナ・セトチェリ(N.setchelli)、ニコチアナ・シルベストリス(N.sylvestris)、ニコチアナ・トメントサ(N.tomentosa)、ニコチアナ・トメントシフォルミス(N.tomentosiformis)、ニコチアナ・ウンデュラタ(N.undulata)、ニコチアナ・xサンデラエ(N.x sanderae)、ニコチアナ・アフリカーナ(N.africana)、ニコチアナ・アンプレキシカウリス(N.amplexicaulis)、ニコチアナ・ベナビデシイ(N.benavidesii)、ニコチアナ・ボナリエンシス(N.bonariensis)、ニコチアナ・デブネイ(N.debneyi)、ニコチアナ・ロンギフローラ(N.longiflora)、ニコチアナ・マリティナ(N.maritina)、ニコチアナ・メガロシフォン(N.megalosiphon)、ニコチアナ・オクシデンタリス(N.occidentalis)、ニコチアナ・パニキュラタ(N.paniculata)、ニコチアナ・プルンバギニフォリア(N.plumbaginifolia)、ニコチアナ・ライモンディイ(N.raimondii)、ニコチアナ・ロスラタ(N.rosulata)、ニコチアナ・シムランス(N.simulans)、ニコチアナ・ストックトニイ(N.stocktonii)、ニコチアナ・スアベオレンス(N.suaveolens)、ニコチアナ・ウンブラティカ(N.umbratica)、ニコチアナ・ベルティナ(N.velutina)、ニコチアナ・ウィガンディオイデス(N.wigandioides)、ニコチアナ・アカウリス(N.acaulis)、ニコチアナ・アクミナタ(N.acuminata)、ニコチアナ・アッテヌアタ(N.attenuata)、ニコチアナ・ベンタミアナ(N.benthamiana)、ニコチアナ・カビコラ(N.cavicola)、ニコチアナ・クレベランディイ(N.clevelandii)、ニコチアナ・コルディフォリア(N.cordifolia)、ニコチアナ・コリンボサ(N.corymbosa)、ニコチアナ・フラグランス(N.fragrans)、ニコチアナ・グードスピーディイ(N.goodspeedii)、ニコチアナ・リネアリス(N.linearis)、ニコチアナ・ミエルシイ(N.miersii)、ニコチアナ・ヌディカウリス(N.nudicaulis)、ニコチアナ・オブトゥシフォリア(N.obtusifolia)、ニコチアナ・オクシデンタリス(N.occidentalis)亜種ヘルスペリス(Hersperis)、ニコチアナ・パウシフロラ(N.pauciflora)、ニコチアナ・ペトゥニオイデス(N.petunioides)、ニコチアナ・クアドリバルビス(N.quadrivalvis)、ニコチアナ・レパンダ(N.repanda)、ニコチアナ・ロトゥンディフォリア(N.rotundifolia)、ニコチアナ・ソラニフォリア(N.solanifolia)及びニコチアナ・スペガッジニイ(N.spegazzinii)が含まれる。
【0060】
ニコチアナ(Nicotiana)種は、遺伝子改変技術又は交配技術を使用して得ることができる(例えば、タバコ植物は、成分、特性又は特質の生成を増加又は減少させるように遺伝子操作又は交配することができる)。例えば、Fitzmauriceらの米国特許第5,539,093号、Wahabらの米国特許第5,668,295号、Fitzmauriceらの米国特許第5,705,624号、Weiglの米国特許第5,844,119号、Dominguezらの米国特許第6,730,832号、Liuらの米国特許第7,173,170号、Colliverらの米国特許第7,208,659号及びBenningらの米国特許第7,230,160号、Conklingらの米国特許出願公開第2006/0236434号並びにNielsenらのPCT WO 2008/103935に記載されている植物の遺伝子改変の種類を参照されたい。また、各々参照により本明細書に組み込まれる、Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,660,577号、Whiteらの米国特許第5,387,416号及びDominguezらの米国特許第6,730,832号に記載されているタバコの種類を参照されたい。最も好ましくは、タバコ材料は、適切に乾燥及び熟成されたものである。黄色種タバコを乾燥させるための特に好ましい技術及び条件は、参照により本明細書に組み込まれる、Nestor et al.,Beitrage Tabakforsch.Int.,20(2003)467-475及びPeeleの米国特許第6,895,974号に記載されている。タバコを空気乾燥させるための代表的な技術及び条件は、参照により本明細書に組み込まれる、Roton et al.,Beitrage Tabakforsch.Int.,21(2005)305-320及びStaaf et al.,Beitrage Tabakforsch.Int.,21(2005)321-330に記載されている。特定の種類の珍しいタバコ又は希少なタバコを日干乾燥させることができる。オリエンタル(Oriental)タバコの喫煙品質を改善するための様式及び方法は、参照により本明細書に組み込まれる、Lawsonらの米国特許第7,025,066号に記載されている。代表的なオリエンタル(Oriental)タバコには、カテリニ(katerini)タバコ、プレリップ(prelip)タバコ、コモティニ(komotini)タバコ、キサンティ(xanthi)タバコ及びヤンボル(yambol)タバコが含まれる。暗色空気乾燥タバコを含むタバコ組成物は、参照により本明細書に組み込まれる、Marshallらの米国特許出願公開第2008/0245377号に記載されている。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Beesonらの米国特許出願公開第2011/0247640号に記載されているようなタバコの種類を参照されたい。
【0061】
ニコチアナ(Nicotiana)種は、その中に存在する様々な化合物の含有量について選択され得る。例えば、植物は、それらの植物が、そこから単離されることが望まれる化合物のうちの1つ以上を比較的大量に生成することに基づいて選択され得る。特定の実施形態では、ニコチアナ(Nicotiana)種(例えばガルパオコムン(Galpao commun)タバコ)の植物は、それらの豊富な葉表面化合物のために特に栽培される。タバコ植物は、温室、栽培箱、若しくは屋外の圃場で栽培され得るか、又は水耕栽培され得る。
【0062】
ニコチアナ(Nicotiana)種の植物の様々な部分又は一部を使用することができる。例えば、植物の実質的に全部(例えば植物全体)を収穫し、そのまま使用することができる。又は、植物の様々な部分若しくは小片を収穫することができるか、又は収穫後にさらに使用するために分離することができる。例えば、その後の使用又は処理のために、花、葉、茎、柄、根、種子及びその様々な組合せを単離することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の処理に供されるタバコ材料は、粉砕された形態のルスティカ(Rustica)茎である。
【0063】
植物又はその一部の収穫後加工は、様々であり得る。収穫後、植物又はその一部は、乾燥していない形態で使用され得る(例えば、植物又はその一部は、いかなる乾燥工程にも供されることなく使用され得る)。例えば、植物又はその一部は、著しい貯蔵条件、取扱い条件又は加工条件に供されることなく使用され得る。特定の状況では、植物又はその一部が実質的に収穫直後に使用されることが有利である。又は、例えば、乾燥していない形態の植物又はその一部は、後の使用のために冷蔵若しくは冷凍され得るか、凍結乾燥され得るか、照射に供され得るか、黄色化し得るか、乾燥(dried)され得るか、乾燥(cured)され得るか(例えば、風乾技術、又は熱の適用を使用する技術を使用して)、加熱若しくは蒸解(例えば、焙煎、炒め若しくは煮沸)され得るか、又は後の使用のために貯蔵若しくは処理に供され得る。
【0064】
収穫された植物又はその一部は、物理的に加工され得る。植物又はその一部は、個々の部分又は小片に分離され得る(例えば、葉を茎から除去することができ、及び/又は茎及び葉を柄から除去することができる)。収穫された植物又は個々の部分若しくは小片は、部分又は小片にさらに細分され得る(例えば、葉は、充填剤型の小片、顆粒、微粒子又は微粉として特徴付けられ得る小片又は部分になるように細断、切断、破砕、微粉砕、粉砕又は研削され得る)。植物又はその部分は、外力又は圧力(例えば、プレスされるか、又はロール処理に供されることによって)に供され得る。そのような加工条件を行う場合、植物又はその一部は、その天然の含水量に近い含水量(例えば、収穫直後のその含水量)、植物若しくはその一部に水分を加えることによって達成される含水量、又は植物若しくはその一部の乾燥から生じる含水量を有することができる。例えば、植物又はその一部の粉末化小片、微粉砕小片、研削小片又は粉砕小片は、約25重量パーセント未満、多くの場合約20重量パーセント未満、頻繁には約15重量パーセント未満の含水量を有することができる。
【0065】
図1のような無煙形態で使用されることが意図されたタバコ組成物は、単一の種類のタバコ(例えば、いわゆる「ストレートグレード」の形態で)を組み込んでもよい。例えば、タバコ組成物内のタバコは、黄色種タバコのみから構成されてもよい(例えば、タバコの全部が、黄色種タバコ葉身、又は黄色種タバコ葉身と黄色種タバコ茎との混合物のいずれかから構成され得るか、又はそれらに由来し得る)。一実施形態では、タバコは、日干乾燥粉砕ルスティカ(Rustica)茎(すなわち、ニコチアナ・ルスティカ(N.rustica)茎)を含むか、又はそれのみから構成される。タバコ組成物内のタバコはまた、いわゆる「ブレンド」形態を有し得る。例えば、本発明のタバコ組成物内のタバコは、黄色種タバコ、バーレータバコ(例えば、マラウイ(Malawi)バーレータバコ)及びオリエンタル(Oriental)タバコの部分又は小片の混合物(例えば、タバコ葉身から構成されるか、若しくはタバコ葉身に由来するタバコとして、又はタバコ葉身とタバコ茎との混合物として)を含み得る。
【0066】
タバコ製品内のタバコの一部は、加工タバコ茎(例えば、切断、圧延された茎、切断、圧延、膨張された茎、又は切断、膨化された茎)又は体積膨張タバコ(例えば、ドライアイス膨張タバコ(DIET)などの膨化タバコ)などの加工形態を有し得る。例えば、いずれも参照により組み込まれる、de la Burdeらの米国特許第4,340,073号、Guyらの米国特許第5,259,403号及びPoindexterらの米国特許第5,908,032号及びPoindexterらの米国特許第7,556,047号に記載されているタバコ膨張方法を参照されたい。さらに、タバコ製品は、発酵されたタバコを任意に組み込んでもよい。参照により本明細書に組み込まれる、AtchleyらのPCT WO 05/063060に記載されているタバコ加工技術の種類も参照されたい。
【0067】
特定の実施形態では、出発タバコ材料は、タバコ茎を含むことができる。本明細書で使用される場合、「茎」は、葉又は花がそこから生長するタバコ植物の長い部分を指し、葉、葉身及び/又は花を含むことができる。いくつかの実施形態では、タバコ植物の柄及び/又は根を使用することが有利であり得る。タバコの柄及び/又は根は、個々の小片(例えば、茎から分離された根、及び/又は互いに分離された根部分、例えば、大型の根、中型の根及び小型の根部分)に分離され得るか、又は柄と根とが組み合わされてもよい。「柄」とは、葉(茎及び葉身を含む)が除去された後に残る柄を意味する。本発明に従って有用な「根」及び様々な特定の根部分は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Mauseth,Botany:An Introduction to Plant Biology:Fourth Edition,Jones and Bartlett Publishers(2009)及びGlimn-Lacy et al.,Botany Illustrated,Second Edition,Springer(2006)に記載されているように定義及び分類され得る。収穫された柄及び/又は根は、典型的には、微粒子として記載され得る材料(すなわち、細断されるか、微粉砕されるか、研削されるか、造粒されるか、又は粉末化される)を生成するために、清浄化され、研削され、乾燥される。本明細書で使用される場合、柄及び/又は根はまた、水溶性材料を除去するための抽出工程を受けた柄及び/又は根を指すことができる。柄及び/又は根の材料が抽出工程を受けた後に残るセルロース系材料(すなわち、タバコ固体材料)も、本発明では有用であり得る。
【0068】
タバコ材料は、ニコチアナ(Nicotiana)種の植物の任意の部分から得られた材料を含んでもよいが、特定の実施形態では、材料の大部分は、植物の茎、柄及び/又は根から得られる材料を含むことができる。例えば、特定の実施形態では、タバコ材料は、ニコチアナ(Nicotiana)種の収穫された植物の茎材料、柄材料及び根材料のうちの少なくとも1つを乾燥重量で少なくとも約90%、少なくとも約92%、少なくとも約95%又は少なくとも約97%含む。
【0069】
本発明で使用されるタバコ材料は、典型的には、細断形態、研削形態、造粒形態、微粒子形態又は粉末形態で提供される。図2の操作100に示すように、本明細書に記載のタバコ白色化工程は、タバコ材料を任意に粉砕することを含むことができる。最も好ましくは、タバコは、いわゆる「ファインカット」タバコ製品に使用される細断タバコの部分又は小片の平均粒径よりも小さい平均粒径を有する部分又は小片の形態で使用される。典型的には、非常に細かく分割されたタバコの粒子又は小片は、約18又は16番手の米国篩サイズの篩を通過するようなサイズであり、一般に、約20番手の米国篩サイズの篩を通過するようなサイズであり、多くの場合、約50番手の米国篩サイズの篩を通過するようなサイズであり、頻繁には、約60番手の米国篩サイズの篩を通過するようなサイズであり、100番手の米国篩サイズの篩を通過するようなサイズであってもよく、さらに、200番手の米国篩サイズの篩を通過するようなサイズであってよい。粒径を分類するために一般的に使用される2つの尺度は、米国篩系統及びタイラー等価基準であることに留意されたい。これらの2つの尺度は、タイラーメッシュサイズ又はタイラー標準篩系統と呼ばれることもある。本出願では、米国篩サイズが参照される。所望であれば、空気分級機器を使用して、所望のサイズ又はサイズ範囲の小型タバコ粒子を確実に収集してもよい。一実施形態では、タバコ材料は、18又は16番手の米国篩サイズを通過するが、60番手の米国篩サイズを通過しないようなサイズの微粒子形態である。所望であれば、造粒タバコの異なるサイズの小片を一緒に混合してもよい。典型的には、スヌース製品に適した非常に細かく分割されたタバコの粒子又は小片は、-8番手の米国篩サイズを超える、多くの場合-8~+100番手の米国篩サイズを超える、頻繁には-16~+60番手の米国篩サイズを超える粒径を有する。特定の実施形態では、約0.2~約2mm、約0.5~約1.5mm、約0.2~約1.0mm又は約0.75~約1.25mm(例えば約1mm)の平均粒径を有するタバコが提供される。
【0070】
タバコを細かく分割された形態又は粉末形態で提供する様式は、様々であり得る。好ましくは、タバコの部分又は小片は、研削、粉砕などのための機器及び技術を使用して、粉末タイプの形態に破砕、研削又は微粉砕される。最も好ましくは、タバコは、ハンマーミル、カッターヘッド、空気制御ミルなどの機器を使用した研削又は粉砕中に、形状が比較的乾燥している。例えば、タバコの部分又は小片は、その含水量が約15重量パーセント未満~約5重量パーセント未満である場合に研削又は粉砕され得る。タバコ材料は、本明細書に記載の白色化工程及び/又は清澄化工程に供される前及び/又は後に所望の形態で提供するように加工され得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、処理される(すなわち、本明細書に記載の工程に供される)タバコ材料の種類は、他のタバコ材料よりもある程度色が最初に視覚的に薄くなるように選択される。したがって、本明細書に記載の方法の任意の一工程は、様々なタバコ材料をスクリーニングし、それらの視覚的外観(すなわち、それらの「明度」又は「白度」)に基づいてタバコ材料のうちの1つ以上を選択することを含む。このスクリーニング工程は、実施される場合、いくつかの実施形態では、他のタバコ材料よりも色相が視覚的に薄い特定のタバコ材料(例えば、特定のタバコタイプ)が選択される視覚的スクリーニングを含むことができる。いくつかの実施形態では、スクリーニングは、所定の特性(例えば、所与の閾値を超える明度を有する)に基づいて特定のタバコ材料を選択する自動操作によって行われ得る。この目的のために、例えば、光学機器(例えば、分光光度計/分光反射率計)及び/又は光学選別機器を使用することができる。そのような機器は、例えば、Autoelrepho(R)Products、AZ Technology、Hunter Lab、X-Rite、SpecMetrixなどから入手可能である。
【0072】
様々な実施形態では、タバコ材料は、タバコ材料から1つ以上の可溶性成分を抽出するように処理され得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、2018年12月20日に出願された米国特許出願第16/227,742号に記載されている白色化方法を参照されたい。図2に示すように、この第1の処理工程は、操作105で、タバコ材料の1つ以上の成分を溶媒に抽出するのに十分な時間にわたって、及び温度で、タバコ材料を溶媒(例えば水)と接触させること、並びに残留タバコ固体材料から抽出物を分離することを含む溶媒抽出を含むことができる。本明細書で使用される「タバコ固体材料」は、液体成分(すなわち、タバコ抽出物)が工程105で材料から除去された後に残る固体の残留タバコ材料である。本明細書で使用される「タバコ抽出物」は、工程105の抽出工程でタバコ材料と接触させられる溶媒によって固体タバコ材料から抽出される、タバコ材料の単離された成分を指す。
【0073】
タバコ材料の様々な抽出技術を使用して、タバコ抽出物及びタバコ固体材料を提供することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Beesonらの米国特許出願公開第2011/0247640号に記載されている抽出工程を参照されたい。タバコの成分を抽出するための他の例示的な技術は、いずれも参照により本明細書に組み込まれる、Fioreの米国特許第4,144,895号、Osborne,Jr.らの米国特許第4,150,677号、Reidの米国特許第4,267,847号、Wildmanらの米国特許第4,289,147号、Brummerらの米国特許第4,351,346号、Brummerらの米国特許第4,359,059号、Mullerの米国特許第4,506,682号、Keritsisの米国特許第4,589,428号、Sogaらの米国特許第4,605,016号、Pouloseらの米国特許第4,716,911号、Niven,Jr.らの米国特許第4,727,889号、Bernasekらの米国特許第4,887,618号、Clappらの米国特許第4,941,484号、Faggらの米国特許第4,967,771号、Robertsらの米国特許第4,986,286号、Faggらの米国特許第5,005,593号、Grubbsらの米国特許第5,018,540号、Whiteらの米国特許第5,060,669号、Faggの米国特許第5,065,775号、Whiteらの米国特許第5,074,319号、Whiteらの米国特許第5,099,862号、Whiteらの米国特許第5,121,757号、Faggの米国特許第5,131,414号、Munozらの米国特許第5,131,415号、Faggの米国特許第5,148,819号、Kramerの米国特許第5,197,494号、Smithらの米国特許第5,230,354号、Faggの米国特許第5,234,008号、Smithの米国特許第5,243,999号、Raymondらの米国特許第5,301,694号、Gonzalez-Parraらの米国特許第5,318,050号、Teagueの米国特許第5,343,879号、Newtonの米国特許第5,360,022号、Clappらの米国特許第5,435,325号、Brinkleyらの米国特許第5,445,169号、Lauterbachの米国特許第6,131,584号、Kierulffらの米国特許第6,298,859号、Muaらの米国特許第6,772,767号及びThompsonの米国特許第7,337,782号に記載されている。特定の実施形態では、溶媒をタバコ材料に加え、材料を所与の期間(例えば約1時間)浸漬する。次いで、抽出生成物を濾過してタバコ固体材料を得、溶媒及びそれに含有される可溶分を濾過してタバコ抽出物を得る。
【0074】
タバコ材料の抽出に使用される溶媒は、様々であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、溶媒は、蒸留水及び/又は水道水などの水性特性を有する溶媒を含む。いくつかの実施形態では、熱水抽出を使用することができる。例えば、Li et al,Bioresources,8(4),2013(URL:https://ojs.cnr.ncsu.edu/index.php/BioRes/article/view/BioRes_08_4_5690_Li_Extraction_Hemicellulose_Aspen)を参照されたい。いくつかの実施形態では、溶媒は、1つ以上の添加剤を有することができ、例えば、有機及び/又は無機の酸、塩基若しくは塩、pH緩衝剤、界面活性剤又はその組合せを含有してもよく、少量の1つ以上の有機溶媒(例えば、様々なアルコール、ポリオール及び/又は湿潤剤)を含んでもよい。タバコ材料抽出工程は、酸性、中性又は塩基性条件下で行われ得る。例えば、Huang et al,Bioresources,14(3),2019(URL:https://ojs.cnr.ncsu.edu/index.php/BioRes/article/view/BioRes_14_3_5544_Huang_Production_Dissolving_Grade_Pulp_Tobacco)、特に、ある範囲の抽出条件がタバコ材料から抽出物を除去するのに有効であり得ることを示唆している5548頁を参照されたい。特有の一実施形態では、溶媒は、水酸化ナトリウム(NaOH)(例えば、5%NaOH水溶液として)を含む。他の実施形態では、溶媒は、有機溶媒、例えば、単独で又は水性溶媒と組み合わせて使用され得るアルコール(例えば、エタノール、イソプロパノールなど)を含むことができる。ヘミセルラーゼ、セルラーゼ又は他の酵素処理をタバコ材料抽出工程に使用してもよい。
【0075】
典型的には、抽出は、スラリー(例えば、50~90重量%の溶媒を含む)を生成するためにタバコ材料に大過剰の1つ以上の溶媒を加えることを含むが、溶媒の量は様々であり得る。溶媒は、室温又は高温であり得る。例えば、溶媒は、ほぼ室温~約120℃、好ましくはほぼ室温~約110℃(例えば、約100℃、約80℃、約60℃、約40℃又は約20℃)の温度で加熱され得る。
【0076】
いくつかの好ましい実施形態では、タバコ材料を水と組み合わせて、湿性水性材料(例えば、懸濁液又はスラリーの形態で)を形成することができ、得られた材料は、典型的には加熱されて様々な化合物の抽出をもたらす。湿性材料を形成するために使用される水は、純水(例えば、水道水又は脱イオン水)、又は水と好適な共溶媒、例えば特定のアルコールとの混合物であり得る。特定の実施形態では、湿性材料を形成するために加えられる水の量は、湿性材料の総重量に基づいて、少なくとも約50重量パーセント、又は少なくとも約60重量パーセント、又は少なくとも約70重量パーセントであり得る。場合によっては、水の量は、少なくとも約80重量パーセント又は少なくとも約90重量パーセントとして記載され得る。いくつかの実施形態では、重量基準での水の量とタバコ材料の量との比は、約5:1~約15:1又は約8:1~約12:1の範囲である。特定の実施形態では、重量基準での水の量とタバコ材料の量との比は、約9:1(例えば、1215lbの水及び135lbのタバコ材料)である。以下に述べるように、タバコ材料は、例えば、木材パルプなどの追加のセルロース系材料を含んでもよい。
【0077】
特定の実施形態では、タバコ材料は、水と、タバコ材料から遷移金属を除去することができる少なくとも1つのキレート剤とを用いて抽出され得る。キレート剤は、黄色化を引き起こし、ひいては白色化工程を妨害する可能性のある特定の金属をタバコ材料から除去するのに有用である。好適なキレート剤には、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Loらの米国特許第9,321,806号に記載されているように、限定するものではないが、EDTA、EGTA、HEDTA、DTPA、NTA、クエン酸カルシウム、二酢酸カルシウム、ヘキサメタリン酸カルシウム、クエン酸、グルコン酸、リン酸二カリウム、リン酸二ナトリウム、クエン酸イソプロピル、第一リン酸カルシウム、クエン酸モノイソプロピル、クエン酸カリウム、リン酸ナトリウム(sodium acid phosphate)、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム(sodium phosphate)、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、クエン酸ステアリル、ピロリン酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸カリウムなど、並びにそれらの類似体、同族体及び誘導体が含まれ得る。例えば、タバコ材料は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む水溶液を用いて抽出され得る。いくつかの実施形態では、キレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)を含むことができる。様々な実施形態では、キレート剤は、タバコ材料の総乾燥重量に基づいて、約0.01~約5.0乾燥重量パーセント、約0.1~約2.0乾燥重量パーセント、約0.5~約1.5乾燥重量パーセント、約0.1~約0.5乾燥重量パーセント又は約0.7~約1.0乾燥重量パーセントの量で存在することができる。
【0078】
タバコ材料が溶媒と接触したままである時間の量は、様々であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、タバコ材料は、約30分~約6時間(例えば、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間又は約6時間)溶媒と接触しているが、さらに短い及びさらに長い期間を使用することができる。時間の量は、例えば、溶媒の温度に依存し得る。例えば、室温又は低温の溶媒を用いてタバコ材料を抽出するのに必要な時間よりも、比較的高い温度の溶媒を使用してタバコ材料を抽出するのに必要な時間の方が短い場合がある。抽出工程は、タバコ固体材料及びタバコ抽出物を提供する。
【0079】
抽出工程の数は、様々であり得る。例えば、特定の実施形態では、タバコ材料は、1回以上、2回以上、3回以上、4回以上又は5回以上抽出される。いくつかの実施形態では、抽出は、タバコ材料の向流又は洗浄で行われ得る。各抽出に使用される溶媒は、様々であり得る。例えば、特有の一実施形態では、1回以上の抽出は、熱水を使用して行われる。最終的な抽出では、抽出は、塩基性溶液(例えば5%NaOH溶液)を使用して行われる。各抽出工程の後、タバコ固体材料を濾過し、溶媒及び可溶分をタバコ固体材料から除去する。特定の実施形態では、各抽出物から得られた抽出物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Beesonらの米国特許第9,420,825号に記載されているように、組み合わせられ、清澄化され得る。他の実施形態では、一部の抽出物、例えば、後の段階から得られた抽出物が廃棄される。そのような実施形態では、例えば、いくつかの実施形態では、タバコ材料の第1の抽出から得られたタバコ抽出物のみを使用すること、又はタバコ材料の第1及び第2の抽出から得られたタバコ抽出物を組み合わせることが望ましい場合がある。
【0080】
抽出工程に続いて、タバコ固体材料は、一般に、例えば、濾過又は遠心分離によって、図2の操作110に示すようにタバコ抽出物から単離されるが、これらの方法は限定することを意図するものではない。又は、いくつかの実施形態では、タバコ固体材料は、タバコ混合物(例えばタバコスラリー)の蒸留(例えば水蒸気蒸留)によって抽出物から単離され得る。濾過の工程は、選択されたサイズの微粒子物質を除去するために、1つ以上のフィルタスクリーンに液体を通過させることを含むことができる。篩は、例えば、固定型、振動式、回転式又はその任意の組合せであってよい。フィルタは、例えば、プレスフィルタ又は圧力フィルタであってよい。いくつかの実施形態では、使用される濾過方法は、精密濾過、限外濾過及び/又はナノ濾過を含むことができる。効果的な濾過を提供するために濾過助剤を使用することができ、濾過助剤は、この目的のために典型的に使用される任意の材料を含むことができる。例えば、いくつかの一般的な濾過助剤には、セルロース繊維、パーライト、ベントナイト、珪藻土及び他の珪質材料が含まれる。固体成分を除去するために、代替的な方法、例えば、成分の遠心分離又は沈殿/沈降、及び液体の吸出しを使用することもできる。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Dubeらの米国特許出願公開第2012/0152265号及びDubeらの米国特許出願公開第2012/0192880号に記載されている方法及び製品を参照されたい。抽出された固体成分は、本明細書に記載の白色化工程の様々な実施形態で出発タバコ材料として使用され得る。
【0081】
抽出工程後に提供され単離されたタバコ固体材料は、図2の工程120に示すように、当技術分野で公知の任意の手段に従って漂白される(すなわち、白色化される)。特定の実施形態では、タバコ固体材料と木材パルプとの組合せは、白色化工程又は本明細書に記載の任意の他の加工工程を受けてもよいことに留意されたい。ただし、便宜上、以下の説明は、タバコ固体材料のみに言及する。例えば、様々な漂白剤又は酸化剤及び酸化触媒を使用する白色化方法を使用することができる。例示的な酸化剤には、過酸化物(例えば過酸化水素)、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、オゾン、アンモニア及びその組合せが含まれる。例示的な酸化触媒には、二酸化チタン、二酸化マンガン及びその組合せがある。漂白剤を用いてタバコを処理する方法は、例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれる、Daniels,Jr.の米国特許第787,611号、Oelenheinzの米国特許第1,086,306号、Dellingの米国特許第1,437,095号、Rosenhochの米国特許第1,757,477号、Hawkinsonの米国特許第2,122,421号、Baierの米国特許第2,148,147号、Baierの米国特許第2,170,107号、Baierの米国特許第2,274,649号、Pratsらの米国特許第2,770,239号、Rosenの米国特許第3,612,065号、Rosenの米国特許第3,851,653号、Rosenの米国特許第3,889,689号、Rosenの米国特許第3,943,945号、Rainerの米国特許第4,143,666号、Campbellの米国特許第4,194,514号、Rainerらの米国特許第4,366,823号、米国特許第4,366,824号及び米国特許第4,388,933号、Schmekelらの米国特許第4,641,667号及びBergerの米国特許第5,713,376号並びにGiolvasのPCT WO 96/31255に説明されている。オゾン及び過マンガン酸カリウムなどの試薬を使用する他の白色化方法も使用することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Minamiの米国特許第3,943,940号を参照されたい。
【0082】
本発明の特定の実施形態では、タバコ材料は、苛性試薬及び/又は酸化剤を使用して漂白される。いくつかの実施形態では、タバコ固体材料は、苛性試薬及び酸化剤の両方を使用して白色化される。そのような実施形態では、苛性試薬及び酸化剤は別個に提供され得るか、又は組み合わせられ得る。漂白段階では、強塩基及び/又は漂白剤の段階的添加が使用され得る。例えば、Zhao et al,Bioresources,5(1),276-210,2010;URL:https://pdfs.semanticscholar.org/8e78/9d93d8cc673e2f13b8daee35e3477c51b3fe.pdf;Sun,Hou,Journal of Bioresources and Bioproducts,3(1),35-39,2018;URL:http://www.bioresources-bioproducts.com/index.php/bb/article/view/110/109を参照されたい。特定の実施形態では、最初の抽出段階の後に複数の酸化漂白段階が適用され得る。
【0083】
苛性試薬は、様々であり得、例えば、限定するものではないが、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物又はその混合物を含む任意の強塩基であり得る。特定の例示的な実施形態では、苛性試薬は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。使用され得る代替的な試薬には、限定するものではないが、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニアガス及びその混合物が含まれる。苛性試薬は、一般に、溶液形態(例えば水溶液)で提供され、溶液中の苛性試薬の濃度は様々であり得る。また、本発明の方法で使用される苛性試薬の量は、様々であり得る。例えば、特定の実施形態では、苛性試薬は、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約1%~約50%乾燥重量基準(例えば、約1%~約40%又は約1%~約30%)の量で提供される。例えば、苛性試薬は、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約2%、約5%、約7%、約10%又は約25%の量で提供され得る。必要とされる苛性試薬の量は、特定の実施形態では、苛性試薬の強度の結果として様々であり得ることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、苛性試薬が比較的弱い塩基であれば、必要とされ得る苛性試薬は多くなり得るが、いくつかの実施形態では、苛性試薬が強塩基であれば、必要とされ得る苛性試薬は少なくなり得る。
【0084】
酸化剤(すなわち、オキシダント又は酸化性物質)は、還元/酸化(レドックス)化学反応で酸素原子を容易に移動させ、及び/又は電子を得る任意の物質であり得る。過酸化物(例えば、過酸化水素、過酢酸)が好ましい酸化剤である。ただし、限定するものではないが、他の酸化物(亜酸化窒素、酸化銀、三酸化クロム、クロメート、ジクロメート、クロロクロム酸ピリジニウム及び四酸化オスミウムを含む);酸素(O);オゾン(O);フッ素(F);塩素(Cl);及び他のハロゲン;ヒポクロリット、クロライト、クロレート、パークロライト、及びその他のハロゲン類似体;硝酸;ニトレート化合物;硫酸;過硫酸;ヒドロキシル基;マンガネート化合物及びパーマンガネート化合物(例えば過マンガン酸カリウム);過ホウ酸ナトリウム;2,2’-ジピリジルジスルフィド;並びにその組合せを含む任意の酸化試薬を本発明に従って使用することができる。過酸化物漂白段階では、インサイチュで過酢酸を生成するTAED(テトラアセチルエチレンジアミン)などの過酸化物活性化剤を使用してもよい。例えば、URL:https://www.tappi.org/content/events/07recycle/presentation/hsieh.pdf、Zhao et al,Bioresources,5(1),276-210,2010、https://pdfs.semanticscholar.org/8e78/9d93d8cc673e2f13b8daee35e3477c51b3fe.pdfを参照されたい。
【0085】
特定の好ましい実施形態では、本発明に従って使用される酸化試薬は、塩素を含まない。特定の実施形態では、酸化試薬は、水溶液形態で提供される。本発明の方法で使用される酸化剤の量は、様々であり得る。例えば、特定の実施形態では、酸化剤は、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.1~50倍の重量量で提供される。例えば、いくつかの実施形態では、酸化剤は、(乾燥)タバコ固体材料の重量にほぼ等しい、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.25倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.5倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.7倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約1.0倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約1.25倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約1.5倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約2倍、又は(乾燥)タバコ固体材料の重量の約5倍の重量量で提供される。いくつかの実施形態では、酸化剤は、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.1~約5倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.2~約2.5倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.25~約1.5倍、(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.5~約1.0倍、又は(乾燥)タバコ固体材料の重量の約0.7~約0.9倍の範囲の重量量で提供される。異なる酸化剤は、異なる施用量を有することができる。酸化剤が過酸化水素を含む特定の実施形態では、漂白溶液は、乾燥タバコ固体材料の重量の約0.25~1.5倍の重量の過酸化水素を含むことができる。
【0086】
酸化漂白段階の固形分は、調整され得る。理論によって限定されるものではないが、固形分が多くなれば、有益であり得、目標の白度(又は白色度)を達成するための酸化漂白剤の必要性が少なくなり得る。例えば、特定の実施形態では、漂白溶液は、乾燥タバコ材料の約0.7~0.9倍の酸化剤(約10%の固体)、乾燥タバコ材料の約1.0倍の酸化剤(約4.5%の固体)を含むことができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、>25%の固形分が有益であり得る。例えば、https://www.valmet.com/pulp/mechanical-pulping/bleaching/bleach-tower/;https://www.valmet.com/pulp/mechanical-pulping/bleaching/high-consistency-bleaching-phc/)を参照されたい。
【0088】
上述したように、漂白中の固体の割合は、様々であり得、漂白操作の効果に影響を及ぼし得る。以下の実施例に記載されるように、固体の割合は、以下の式を使用して計算される:
固体(%)=100×(乾燥タバコの重量)/(乾燥タバコの重量+水の重量+酸化剤の重量)
様々な実施形態では、固体の割合は、約1~20%、約3~15%又は約3~10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、固体の割合は、約2~5%又は約8~12%の範囲であり得る。固体の割合は、例えば、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%又は少なくとも約10%であり得る。
【0089】
様々な実施形態では、漂白工程は、酸化剤に加えて1つ以上の安定剤による処理をさらに含むことができる。例えば、安定剤は、硫酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム及びその組合せからなる群から選択され得る。様々な実施形態では、安定剤は、タバコ材料固体材料の総乾燥重量に基づいて、約0.01~約3.0乾燥重量パーセント、約0.1~約2.5乾燥重量パーセント又は約0.5~約2.0乾燥重量パーセントの量で存在することができる。
【0090】
様々な実施形態では、漂白工程120は、少なくとも1つのキレート剤による処理をさらに含むことができる。好適なキレート剤には、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Loらの米国特許第9,321,806号に記載されているように、限定するものではないが、EDTA、EGTA、HEDTA、DTPA、NTA、クエン酸カルシウム、二酢酸カルシウム、ヘキサメタリン酸カルシウム、クエン酸、グルコン酸、リン酸二カリウム、リン酸二ナトリウム、クエン酸イソプロピル、第一リン酸カルシウム、クエン酸モノイソプロピル、クエン酸カリウム、リン酸ナトリウム(sodium acid phosphate)、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム(sodium phosphate)、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、クエン酸ステアリル、ピロリン酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸カリウムなど、並びにそれらの類似体、同族体及び誘導体が含まれ得る。
【0091】
本発明によれば、タバコ固体材料は、苛性試薬及び/又は酸化剤と一定期間接触させられる。タバコ材料は、苛性試薬及び酸化試薬と同時に接触させられ得るか、又は苛性試薬及び酸化試薬と別個に接触させられ得る。一実施形態では、酸化試薬がタバコ材料に加えられ、次いで、苛性試薬がタバコ材料に加えられ、その結果、両試薬は、加えられた後、タバコ材料と同時に接触する。別の実施形態では、苛性試薬がタバコ材料に加えられ、次いで、酸化試薬がタバコ材料に加えられ、その結果、両試薬は、加えられた後、タバコ材料と同時に接触する。
【0092】
酸化剤と苛性試薬との重量比は、様々であり得る。苛性試薬がNaOHであり、酸化剤が過酸化水素である場合などの特定の実施形態では、過酸化水素とNaOHとの重量比は、約1:1~約100:1、好ましくは約5:1~約50:1、さらに好ましくは約5:1~約15:1である。特定の実施形態では、過酸化水素とNaOHとの重量比は、約2.5:1~約13:1又は約8:1~約13:1である。これらの比は、NaOHと過酸化水素との比に限定されず、他の苛性試薬と酸化剤との組合せにも適用可能であり得る。
【0093】
タバコ材料が苛性試薬及び/又は酸化剤と接触する時間は、様々であり得る。例えば、特定の実施形態では、タバコ材料を苛性試薬及び/又は酸化剤と接触させる時間は、未処理タバコ材料と比較して色が薄くなったタバコ固体材料を提供するのに十分な時間量である。特定の実施形態では、タバコ材料は、苛性試薬及び/又は酸化剤と一晩接触させられる。通常、この期間は、少なくとも約10分、典型的には少なくとも約20分、さらに多くの場合、少なくとも約30分の期間である。特定の実施形態では、この期間は、約10時間以下、約8時間以下、約6時間以下、約4時間以下、約2時間以下又は約1時間以下の期間である。
【0094】
特定の実施形態では、タバコ材料は、苛性試薬及び/又は酸化剤による処理中に加熱され得る。一般に、タバコ材料を加熱すると、白色化工程が加速される。タバコ材料が処理中に加熱される場合、タバコ材料が処理中に加熱されない実施形態よりも短い時間で、典型的には十分に色が薄くなる。熱処理工程の温度及び時間は様々であり、一般に、熱処理の長さは、熱処理の温度が上昇するにつれて短くなる。特定の実施形態では、タバコ材料、苛性試薬及び/又は酸化剤の混合物は、室温~約100℃(例えば、約90℃又は約80℃)の温度で加熱され得る。好ましくは、混合物は、室温~約75℃で加熱される。加熱は、適用可能であれば、当技術分野で公知の任意の加熱方法又は装置を使用して達成することができる。加熱は、密閉容器(例えば、制御された大気環境、制御された大気成分、及び制御された大気圧を提供するもの)内で、又は周囲空気に本質的に開放された容器内で行うことができる。温度は、ジャケット付き容器を使用すること、タバコへの直接蒸気注入、タバコに温風を吹き込むことなどによって制御することができる。特定の実施形態では、加熱は、例えば、かき混ぜること又は撹拌によって、組成物を混合することもできる容器内で行われる。例示的な混合容器には、Scott Equipment Company、Littleford Day,Inc.、Lodige Process Technology及びBreddo Likwifier Division of American Ingredients Companyから入手可能なミキサが含まれる。圧力制御された環境を提供する容器の例には、Berghof/America Inc.of Concord,Californiaから入手可能な高圧オートクレーブ、及びParr Instrument Co.から入手可能な高圧反応器(例えば、Hukvariらの米国特許第4,882,128号に記載されているParr Reactor Model No.4522及び4552)が挙げられる。工程中の混合容器内の圧力は、大気圧又は高圧(例えば、約10psig~約1,000psig)であり得る。
【0095】
他の実施形態では、加熱工程は、電子レンジ、コンベクションオーブン内で、又は赤外線加熱によって行われる。大気又は周囲雰囲気が、本発明の任意の加熱工程を行うための好ましい雰囲気である。ただし、加熱は、一般に不活性な雰囲気などの制御された雰囲気下で行うこともできる。窒素、アルゴン及び二酸化炭素などのガスを使用することができる。又は、炭化水素ガス(例えば、メタン、エタン又はブタン)又はフッ化炭素はまた、処理条件及び所望の反応生成物の選択に応じて、特定の実施形態では、制御された雰囲気の少なくとも一部を提供することができる。
【0096】
特定の実施形態では、漂白されたタバコ材料を乾燥させる前に、酸を用いて漂白されたタバコ材料を処理して、漂白工程後にタバコ材料を約5~約11(例えば、図2の操作125に示すように)、例えば、約6~約10の範囲のpHに中和することができる。硫酸、塩酸、クエン酸又はその任意の組合せを用いて、漂白されたタバコ材料を処理することができる。漂白されたタバコ材料を中和するために、当技術分野で公知の他の酸を使用することもできる。酸を用いて処理した後、漂白されたタバコ材料のpHは約7であり得る。
【0097】
苛性試薬及び/又は酸化試薬を用いてタバコ固体材料を処理した後、処理済みタバコ材料を一般に濾過し(すなわち、苛性試薬及び/又は酸化試薬から単離し)、乾燥させて(例えば、図2の操作130に示すように)、白色化されたタバコ材料を得る。特定の実施形態では、漂白されたタバコ材料は、湿量基準で約1~30%、約5~20%又は約10~15%の水分の水分レベルまで乾燥させることができる。当技術分野で知られているように、用語「湿量基準」は、総湿潤固体重量の割合としての水の重量として表される、固体中の水の測定値を指す。
【0098】
乾燥後、白色化されたタバコ材料は、約5mm~約0.1mm又は約1mm~約0.1mmの範囲のサイズに任意に粉砕され得る。特定の実施形態では、白色化されたタバコ材料は、約10mm未満、約5mm未満、約2mm未満又は約1mm未満のサイズに粉砕され得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、このようにして生成された白色化されたタバコ材料は、未処理タバコ材料と比較して色が薄くなっている(例えば、「白色化される」)ことを特徴とすることができる。前述のような視覚的及び/又は機器的評価を使用して、本発明の本明細書に記載の方法によって達成される明色化の程度を検証し、所望であれば定量化することができる。材料の白度の評価は、一般に、別の材料との比較を必要とする。明色化の程度は、例えば、未処理タバコ試料(例えば未処理タバコ材料)との分光比較によって定量化することができる。白色は、国際照明委員会(CIE)の色度図を参照して定義されることが多い。白色化されたタバコ材料は、特定の実施形態では、色度図に従って、未処理タバコ材料よりも純粋な白色に近いことを特徴とすることができる。
【0100】
当技術分野で公知の白色化手順では、抽出された固体成分は、抽出された固体材料の繊維を分解する及び/又はリグニンを除去することを目的とした特定の処理(例えば、少なくとも1つの酸による加水分解工程、機械的及び/又は化学的パルプ化工程、高温での苛性洗浄など)に供され得る。本明細書に記載の白色化工程では、抽出された固体成分は、抽出工程と漂白工程との間に、硫黄含有試薬、有機溶媒、水酸化ナトリウム又は酸による高温での処理に供されない。
【0101】
乾燥後、白色化されたタバコ材料は、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%又は少なくとも約75%のISO白色度を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の白色化されたタバコ材料は、約50%~約90%、約55%~約75%又は約60%~約70%の範囲のISO白色度を有することができる。ISO白色度は、ISO 3688:1999又はISO 2470-1:2016に従って測定することができる。
【0102】
材料の白度は、ASTM E313-73白度試験に基づいて特性評価することもできる。本明細書に開示される方法に従って調製された白色化されたタバコ材料の白度は、例えば、約1~30、5~25、10~20又は10~15の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法に従って調製された白色化されたタバコ材料の白度は、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約12、少なくとも約15、少なくとも約20又は少なくとも約25であり得る。
【0103】
本明細書に記載の白色化されたタバコ材料は、TAPPI 227OM-99濾水度試験に基づいて特性評価されてもよい。濾水度レベルは、CSF(カナダ標準濾水度)値として示すことができる。濾水度レベルとは、一般に、パルプの排水速度の指標である。値が高いほど、パルプの排水が容易になる。タバコ材料の漂白中に典型的に使用される比較的過酷な漂白工程は、個々の繊維を劣化させ、漂白されたタバコ材料の濾水度を望ましくないほど低下させる可能性がある。したがって、本明細書で提供される白色化方法は、パルプ化操作をさらに含む他の白色化方法よりも高い濾水度値を有する白色化されたタバコ材料を有益に生成することができる。純粋なタバコパルプの濾水度レベルは、約0~約500CSFの範囲を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で生成される白色化されたタバコ材料の濾水度は、約300CSF~約800CSF、又は約400CSF~約700CSF、又は約500CSF~約650CSFの範囲であり得る。
【0104】
様々な実施形態では、本明細書に記載の全体的な白色化工程中に、タバコ材料に木材パルプが加えられる。木材パルプは、本明細書に記載の工程のいずれかで白色化工程に導入され得ることに留意されたい。例えば、特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、木材も抽出されるように、抽出前にタバコ投入材料を木材と混合することをさらに含むことができる。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、抽出工程後にタバコ固体材料を木材パルプと混合することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、木材パルプは、漂白パルプ材料であり、固体タバコ材料が漂白された後に加えられ得る。未漂白木材パルプが使用される場合、追加の苛性抽出工程が必要とされ得るか、又は木材パルプが漂白工程の前にタバコ固体材料に加えられ得る。
【0105】
様々な実施形態では、木材パルプは、市場で入手可能な木材パルプであり得る。特定の実施形態では、木材パルプは、漂白広葉樹パルプであり得る。本明細書に記載の工程に加えられる木材パルプは、使用される投入材料の総重量(すなわち、使用されるタバコ材料及び木材パルプの総重量)に基づいて、約1~約20重量%又は約5~約15重量%の量で加えられ得る。いくつかの実施形態では、木材パルプは、使用される投入材料の総重量に基づいて、少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%又は少なくとも約10重量%の量で加えられ得る。特定の実施形態では、木材パルプは、使用される投入材料の総重量に基づいて、約5重量%以下、約10重量%以下、約15重量%以下又は約20重量%以下の量で加えられ得る。
【0106】
本発明で説明されるタバコ材料は、上述の加工工程の前、後又は最中に、他の方法で処理及び/又は加工され得る。例えば、所望であれば、タバコ材料は、照射され得るか、低温殺菌され得るか、又は制御された熱処理に供され得る。そのような処理工程は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Muaらの米国特許出願公開第2009/0025738号に詳述されている。特定の実施形態では、タバコ材料は、タバコ材料の加熱時にアスパラギンの反応を阻害してアクリルアミドを形成することができる水及び添加剤(例えば、リジン、グリシン、ヒスチジン、アラニン、メチオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリン、フェニルアラニン、バリン、アルギニン、二価カチオン及び三価カチオンを組み込んだ組成物、アスパラギナーゼ、特定の非還元性糖、特定の還元剤、フェノール化合物、少なくとも1つの遊離チオール基又は官能性を有する特定の化合物、酸化剤、酸化触媒、天然植物抽出物(例えばローズマリー抽出物)並びにその組合せからなる群から選択される添加剤)並びにその組合せを用いて処理され得る。例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれる、Chenらの米国特許出願公開第2010/0300463号及び米国特許出願公開第2011/0048434号並びにChenらの米国特許第8,991,403号に記載されている処理工程の種類を参照されたい。特定の実施形態では、この種類の処理は、元のタバコ材料が前述の抽出及び/又は蒸留工程で熱にさらされる場合に有用である。
【0107】
白色化されたタバコ材料は、本発明による無煙タバコ製品内に組み込まれ得る。加工されるタバコ製品の種類に応じて、タバコ製品は、上述のように白色化されたタバコ材料に加えて1つ以上の追加の成分を含むことができる。例えば、白色化されたタバコ材料は、他の材料又は成分、例えば、他のタバコ材料又は香味料、充填剤、結合剤、pH調整剤、緩衝剤、塩、甘味料、着色剤、口腔ケア添加剤、崩壊助剤、酸化防止剤、湿潤剤及び防腐剤を用いて加工され、それらとブレンドされ、製剤化され、組み合わせられ、及び/又は混合され得る。例えば、各々参照により本明細書に組み込まれる、Muaらの米国特許出願公開第2011/0315154号、Holton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0062549号、Bjorkholmらの米国特許出願公開第2012/0067361号、Bjorkholmの米国特許出願公開第2017/0020183号及びBjorkholmの米国特許出願公開第2017/0112183号並びにHolton,Jr.らの米国特許第7,861,728号に記載されているこれらの代表的な成分、成分の組合せ、タバコに対するこれらの成分(component)及び成分(ingredient)の相対量、並びにこれらの成分を使用するための様式及び方法を参照されたい。
【0108】
無煙タバコ製品内の白色化されたタバコ材料の相対量は、様々であり得る。好ましくは、無煙タバコ製品内の白色化されたタバコ材料の量は、製剤の乾燥重量基準で少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%又は少なくとも約90%である。製剤内のタバコ材料の典型的な範囲は、乾量基準で約1~約99重量%、さらに多くの場合、約10~約50重量%である。
【0109】
本発明の無煙タバコ製品の製造に使用される白色化されたタバコ材料は、好ましくは、研削形態、造粒形態、微粒子形態又は粉末化形態で提供される。厳密には必要ではないが、白色化されたタバコ材料は、さらに粒径を減少させるための追加の研削を提供する加工工程に供されてもよい。本発明の白色化工程は、一般に、高分子量化合物の量が減少しており、白色化されていないタバコ材料からのものよりも多くの隙間がもたらされ、ひいては白色化されたタバコ材料から生成された無煙タバコ材料中の存在し得る含水量が高くなる白色化されたタバコ材料を提供する。特定の実施形態では、本発明に従って生成された無煙タバコ製品は、白色化されていないタバコ材料から生成された製品よりも速いニコチン放出を提供する。
【0110】
使用され得る例示的な香味料は、無煙タバコ製品の苦味、甘味、酸味若しくは塩味を変化させ、製剤の知覚される乾燥度若しくは湿性度、又は製剤によって示されるタバコの味の程度を増強するように作用する成分、又はこれらの成分の好適な組合せである。香味料は、天然又は合成であってよく、それによって付与される風味の特徴は、限定するものではないが、新鮮、甘い、ハーブの、菓子、フローラル、フルーティ又はスパイシーとして説明され得る。風味の具体的な種類には、限定するものではないが、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メントール、ペパーミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、サンダルウッド、ハチミツ、ジャスミン、ショウガ、アニス、セージ、甘草、レモン、オレンジ、リンゴ、モモ、ライム、チェリー、イチゴ及びその任意の組合せが含まれる。参照により本明細書に組み込まれるLeffingwell et al.,Tobacco Flavoring for Smoking Products,R.J.Reynolds Tobacco Company(1972)も参照されたい。着香料はまた、ユーカリなどの湿性化剤、冷却剤又は平滑剤と考えられる成分を含み得る。これらの風味は、ストレート(すなわち、単独)又は複合(例えば、スペアミントとメントール又はオレンジとシナモン)で提供され得る。成分の代表的な種類はまた、各々参照により本明細書に組み込まれる、Whiteらの米国特許第5,387,416号、Stricklandらの米国特許出願公開第2005/0244521号及びQuinterらのPCT特許出願公開WO 05/041699に記載されている。香味料の種類には、塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなど)、天然甘味料(例えば、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、マンノース、ガラクトース、ラクトースなど)、人工甘味料(例えば、スクラロース、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオテームなど)及びその混合物が含まれる。タバコ組成物に利用される香味料の量は様々であり得るが、典型的には最大約10乾燥重量パーセントであり、特定の実施形態は、少なくとも約1乾燥重量パーセント、例えば、約1~約10乾燥重量パーセントの香味料含有量を特徴とする。約0.1~約2乾燥重量パーセントの人工甘味料、約0.5~約8乾燥重量パーセントの塩化ナトリウムなどの塩、及び約1~約5乾燥重量パーセントの追加の着香料などの香味料の組合せが使用されることが多い。
【0111】
例示的な充填剤材料には、植物繊維材料、例えば、サトウダイコン繊維材料(例えば、International Fiber Corporationから入手可能なFIBREX(R)ブランド充填剤)、オート麦若しくは他の穀物(加工穀物又は膨化穀物を含む)、ふすま繊維、デンプン、又は他の改質若しくは天然セルロース系材料、例えば微結晶セルロースが含まれる。追加の具体例には、トウモロコシデンプン、マルトデキストリン、デキストロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール、キシリトール及びソルビトールが挙げられる。タバコ組成物に利用される場合、充填剤の量は様々であり得るが、典型的には最大約60乾燥重量パーセントであり、特定の実施形態は、最大約50乾燥重量パーセント、最大約40乾燥重量パーセント又は最大約30乾燥重量パーセントの充填剤含有量を特徴とする。充填剤の組合せも使用することができる。
【0112】
典型的な結合剤は、有機若しくは無機又はその組合せであり得る。代表的な結合剤には、ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び他の改質セルロース系材料、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、デンプン系結合剤、アラビアガム、ペクチン、カラギーナン、プルラン、ゼインなどが含まれる。タバコ組成物に利用される結合剤の量は様々であり得るが、典型的には最大約30乾燥重量パーセントであり、特定の実施形態は、少なくとも約5乾燥重量パーセント、例えば、約5~約30乾燥重量パーセントの結合剤含有量を特徴とする。
【0113】
好ましいpH調整剤又は緩衝剤は、約6~約10のpH範囲を提供及び/又は緩衝し、例示的な薬剤には、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属重炭酸塩及びその混合物が含まれる。具体的な例示的な材料には、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムが含まれる。タバコ組成物に利用されるpH調整剤又は緩衝材の量は様々であり得るが、典型的には最大約5乾燥重量パーセントであり、特定の実施形態は、約0.5乾燥重量パーセント未満、例えば、約0.05~約0.2乾燥重量パーセントのpH調整剤/緩衝液含有量を特徴とすることができる。特に、蒸留によって清澄化された抽出物を含む実施形態では、1つ以上のpH調整剤(例えばクエン酸)を加えることによってpHを低下させてもよい。
【0114】
着色剤は、タバコ製剤に所望の物理的属性を提供するのに十分な量で使用され得る。例示的な着色剤には、様々な染料及び顔料、例えば、カラメル着色剤及び二酸化チタンが含まれる。タバコ組成物に利用される着色剤の量は様々であり得るが、典型的には最大約3乾燥重量パーセントであり、特定の実施形態は、少なくとも約0.1乾燥重量パーセント、例えば、約0.5~約3乾燥重量パーセントの着色剤含有量を特徴とする。
【0115】
例示的な湿潤剤には、グリセリン及びプロピレングリコールが含まれる。タバコ組成物に利用される湿潤剤の量は様々であり得るが、典型的には最大約5乾燥重量パーセントであり、特定の実施形態は、少なくとも約1乾燥重量パーセント、例えば、約2~約5乾燥重量パーセントの湿潤剤含有量を特徴とすることができる。
【0116】
他の成分、例えば、防腐剤(例えばソルビン酸カリウム)、崩壊助剤(例えば、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファ化トウモロコシデンプンなど)及び/又は酸化防止剤も使用することができる。典型的には、そのような成分は、使用される場合、最大約10乾燥重量パーセント、通常少なくとも約0.1乾燥重量パーセント、例えば、約0.5~約10乾燥重量パーセントの量で使用される。崩壊助剤は、一般に、タバコ製剤の所望の物理的属性の制御を提供するのに十分な量で、例えば、製剤と水との接触時に物理的完全性の喪失と、様々な成分材料の分散とを提供することによって(例えば、水との接触時に膨潤を受けることによって)使用される。
【0117】
上述のように、いくつかの実施形態では、上述の成分のいずれかをカプセル化形態で(例えば、マイクロカプセルの形態で)加えることができ、カプセル化形態、内側領域を画定し、内側領域をタバコ組成物から恒久的又は一時的に隔離する壁又はバリア構造。内側領域は、無煙タバコ製品の1つ以上の感覚特性、例えば、味、口当たり、湿性度、涼感/熱及び/又は芳香を増強するように適合された、又は酸化防止剤若しくは免疫系増強機能の付加など、追加の機能的品質を無煙タバコ製品に付加するように適合された添加剤のペイロードを含む。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Muaらの米国特許出願公開第2009/0025738号の主題を参照されたい。
【0118】
代表的なタバコ製剤は、タバコ製剤の総乾燥重量に基づいて、約5%~約95%パーセントの白色化されたタバコ材料と、約5~約60%の充填剤と、約0.1%~約5%の人工甘味料と、約0.5%~約2%の塩と、約1%~約5%の着香料と、約1%~約5%の湿潤剤(例えばプロピレングリコール)と、最大約10%のpH調整剤又は緩衝剤(例えば、重炭酸ナトリウム又はクエン酸)とを組み込んでもよい。成分の特定の割合及び選択は、所望の風味、質感及び他の特性に応じて変化する。
【0119】
スヌース型製品の様々な成分及びその成分の説明はまた、参照により本明細書に組み込まれる、Lundinらの米国特許出願公開第2004/0118422号に記載されている。例えば、各々参照により本明細書に組み込まれる、Lindenの米国特許第4,607,479号、Nielsenの米国特許第4,631,899号、Wydickらの米国特許第5,346,734号及びDerrの米国特許第6,162,516号並びにHanssonらの米国特許出願公開第2005/0061339号も参照されたい。
【0120】
タバコ組成物の成分は、当技術分野で公知の任意の混合技術又は機器を使用して一体的に混合することができる。液体形態又は乾燥固体形態であってよい上記の任意の成分は、組成物の任意の残りの成分と混合する前の前処理工程で白色化されたタバコ材料と混合することができるか、又は他のあらゆる液体成分若しくは乾燥成分と一緒に白色化されたタバコ材料と単に混合することができる。タバコ組成物成分を密接に接触させる任意の混合方法を使用することができる。撹拌可能なインペラ又は他の構造を特徴とする混合装置が典型的に使用される。例示的な混合機器には、ケーシングドラム、コンディショニングシリンダ又はドラム、液体散布装置、円錐型ブレンダ、リボンブレンダ、Littleford Day,Inc.からFKM130、FKM600、FKM1200、FKM2000及びFKM3000として入手可能なミキサ、Plough Share型ミキサシリンダなどが含まれる。したがって、様々な成分と白色化されたタバコ材料との全体的な混合物は、本質的に比較的均一であり得る。例えば、各々参照により本明細書に組み込まれる、Solomonらの米国特許第4,148,325号、Korteらの米国特許第6,510,855号及びWilliamsの米国特許第6,834,654号に記載されている方法の種類も参照されたい。スヌース型タバコ製剤を製剤化する様式及び方法は、スヌースタバコ製品製造の分野の当業者には明らかであろう。
【0121】
製剤の消費者によって使用される前の無煙タバコ製品の含水量は、様々であり得る。典型的には、使用者の口に挿入する前にパウチ内に存在する、製品の含水量は、約55重量パーセント未満であり、一般に約50重量パーセント未満であり、多くの場合、約45重量パーセント未満である。スヌース型タバコ組成物を組み込んだものなどの特定のタバコ製品の場合、含水量は、20重量パーセントを超えてもよく、多くの場合、30重量パーセントを超えてもよい。例えば、代表的なスヌース型製品は、約20重量パーセント~約50重量パーセント、好ましくは約20重量パーセント~約40重量パーセントの含水量を示すタバコ組成物を有し得る。
【0122】
製剤の含水量が制御される様式は、様々であり得る。例えば、製剤は、熱又は対流加熱に供され得る。具体例として、製剤は、約40℃~約95℃の温度、約60℃~約80℃の好ましい温度範囲の加温空気中で、所望の含水量を達成するのに適切な時間にわたって、オーブン乾燥されてもよい。又は、タバコ製剤は、ケーシングドラム、コンディショニングシリンダ若しくはドラム、液体散布装置、リボンブレンダ又はミキサを使用して加湿されてもよい。最も好ましくは、スヌース型製品内で使用される種類のタバコ製剤などの湿性タバコ製剤は、低温殺菌又は発酵に供される。スヌース型タバコ製品を低温殺菌/熱処理する、及び/又は発酵させるための技術は、スヌース製品の設計及び製造の分野の当業者には明らかであろう。
【0123】
pHに関して多くの場合特徴付けられるタバコ製剤の酸性度又はアルカリ度は、様々であり得る。典型的には、その製剤のpHは、少なくとも約6.5、好ましくは少なくとも約7.5である。いくつかの実施形態では、その製剤のpHは、約11を超えないか、又は約9を超えず、多くの場合、約8.5を超えない。代表的なタバコ製剤は、約6.8~約8.2(例えば約7.8)のpHを示す。タバコ製剤のpHを決定するための代表的な技術は、5gのその製剤を100mlの高速液体クロマトグラフィー水に分散させ、得られた懸濁液/溶液のpHを測定する(例えば、pHメータを用いて)ことを含む。
【0124】
特定の実施形態では、白色化されたタバコ材料及び上記の任意の他の成分は、タバコの使用のための容器として機能する透湿性パケット又はパウチ内で組み合わされる。図1に示す実施形態における容器パウチ20などのそのようなパケット又はパウチの組成/構造は、変更されてもよい。無煙タバコ製品の製造に使用される種類の好適なパケット、パウチ又は容器は、CatchDry、Ettan、General、Granit、Goteborgs Rape、Grovsnus White、Metropol Kaktus、Mocca Anis、Mocca Mint、Mocca Wintergreen、Kicks、Probe、Prince、Skruf、Epok及びTreAnkrareの商品名の下に入手可能である。タバコ製剤は、従来のスヌース型製品の製造に使用される様式で、従来のスヌース型製品の製造に使用される成分の種類を使用して、パウチに収容され包装されてもよい。パウチは、ティーバッグの構築に使用されるメッシュ状タイプの材料と特徴が類似していると考えられ得る種類の液体透過性容器を提供する。緩く配置された粒状タバコ製剤の成分は、パウチを通って使用者の口の中に容易に拡散する。
【0125】
好適な種類のパウチの非限定的な例は、例えば、各々参照により本明細書に組み込まれる、Kjerstadの米国特許第5,167,244号及びSebastianらの米国特許第8,931,493号並びにSebastianらの米国特許出願公開第2016/0000140号、Sebastianらの米国特許出願公開第2016/0073689号、Chapmanらの米国特許出願公開第2016/0157515号及びSebastianらの米国特許出願公開第2016/0192703号に記載されている。パウチは、個々のパウチとして提供され得るか、又は単一のパウチ若しくは個々の部分を使用のために一体となった帯状若しくは列状のパウチから容易に取り外すことができるように、複数のパウチ(例えば、2、4、5、10、12、15、20、25又は30個のパウチ)を互いに接続若しくは連結することができる(例えば、端部と端部が対向する様式で)。
【0126】
パウチは、例えば、使用者による使用中にパウチが制御された分散又は溶解を受けるような様式で、材料から製造され得る。そのようなパウチ材料は、メッシュ、篩、穿孔紙、透過性布などの形態を有し得る。例えば、メッシュ状の形態のライスペーパー、又は穿孔ライスペーパーから製造されたパウチ材料は、使用者の口の中で溶解し得る。結果として、パウチ及びタバコ製剤はそれぞれ、通常の使用条件の最中に使用者の口内で完全に分散され得るため、パウチ及びタバコ製剤はともに、使用者によって摂取され得る。他の例示的なパウチ材料は、水分散性フィルム形成材料(例えば、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、プルランなどのような結合剤)、及び研削されたセルロース(例えば、微粒子サイズの木材パルプ)などの材料と組み合わされた材料を使用して製造され得る。好ましいパウチ材料は、水分散性又は水溶解性であるが、通常の使用条件下で、パウチがその物理的完全性を失う前に、かなりの量のタバコ製剤含有量がパウチ材料を透過するように設計及び製造され得る。所望であれば、着香料成分、崩壊助剤及び他の所望の成分が、パウチ材料内に組み込まれてもよいか、又はパウチ材料に適用されてもよい。様々な実施形態では、不織ウェブを使用して、経口使用に適合された組成物を収容するために使用することができる外側透水性パウチを形成することができる。
【0127】
各製品ユニット、例えばパウチ内に収容される材料の量は、様々であり得る。いくつかの実施形態では、各パウチ内の材料の重量は、少なくとも約50mg、例えば、約50mg~約1グラム、約100~800約mg又は約200~約700mgである。いくつかの比較的小型の実施形態では、各パウチ内の材料の重量は、約100~約300mgであり得る。比較的大型の実施形態では、各パウチ内の材料の重量は、約300mg~約700mgであり得る。所望であれば、各パウチ内に他の成分を収容することができる。例えば、少なくとも1つの風味付けされたストリップ、風味付けされた水分散性材料又は水溶性材料(例えば、息をリフレッシュさせる食用フィルム型の材料)の小片又はシートが、少なくとも1つのカプセルとともに、又はカプセルを伴わず各パウチ内に配置されてもよい。そのようなストリップ又はシートは、パウチ内に容易に組み込まれるように折り畳まれ得るか、又は丸められ得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Scottらの米国特許第6,887,307号及びLeungらの米国特許第6,923,981号並びにThe EFSA Journal(2004)85,1-32に記載されている材料及び技術の種類を参照されたい。
【0128】
無煙タバコ製品は、任意の好適な内側包装材料及び/又は外側容器内に包装することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Hensonらの米国特許第7,014,039号、Kutschらの米国特許第7,537,110号、Kutschらの米国特許第7,584,843号、Thiellierの米国特許第D592,956号、Patelの米国特許第D594,154号及びBaileyらの米国特許第D625,178号、Robinsonらの米国特許出願公開第2008/0173317号、Clarkらの米国特許出願公開第2009/0014343号、Bjorkholmの米国特許出願公開第2009/0014450号、Bellamahらの米国特許出願公開第2009/0250360号、Gelardiらの米国特許出願公開第2009/0266837号、Gelardiの米国特許出願公開第2009/0223989号、Thiellierの米国特許出願公開第2009/0230003号、Gelardiの米国特許出願公開第2010/0084424号及びBaileyらの米国特許出願公開第2010/0133140号、Baileyらの米国特許出願公開第2010/0264157号、Baileyらの米国特許出願公開第2011/0168712号及びGelardiらの米国特許出願公開第2011/0204074号に記載されている無煙型製品用の様々な種類の容器も参照されたい。
【0129】
本開示の製品は、従来の種類の無煙タバコ製品が包装され保管されるのとほぼ同じ方法で包装され保管されてもよい。例えば、「パック(puck)」と呼ばれることもある円筒形容器など、無煙タバコ製品を収容するために使用される容器に、複数のパケット又はパウチを収容してもよい。容器は、任意の形状であり得、円筒形容器に限定されない。そのような容器は、任意の好適な材料、例えば、金属、成形プラスチック、ファイバーボード、その組合せなどから製造され得る。所望であれば、湿性タバコ製品(例えば、約20重量パーセントを超える含水量を有する製品)を冷蔵してもよい(例えば、約10℃未満、多くの場合、約8℃未満、時には約5℃未満の温度で)。又は、比較的乾燥したタバコ製品(例えば、約15重量パーセント未満の含水量を有する製品)は、多くの場合、比較的広い温度範囲の下で保存され得る。
【0130】
本明細書に開示される様々な無煙タバコ製品は、非汚染性である組成物、又は白色化されていないタバコ材料のみを含む製品よりも汚染性の少ない組成物を提供するという点で有利である。したがって、これらの製品は、接触する可能性のある歯及び衣類の汚染を低減するのに望ましい。消費された(使用済み)製品であっても、従来の消費された(使用済み)経口タバコ製品よりも色が薄いことに留意されたい。さらに、製品は、それらの白色化された色によって、視覚的訴求力を高めることができる。
【実施例
【0131】
以下の実施例は、本開示の実施形態をさらに説明するために提供されるが、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。特に明記しない限り、すべての部及び割合は重量による。
【0132】
実験
本開示の実施形態は、本開示の態様を説明するために記載され、その限定として解釈されるべきではない以下の実施例によってさらに完全に説明される。以下の実施例では、gはグラムを意味し、Lはリットルを意味し、mLはミリリットルを意味し、Daはダルトンを意味する。すべての重量パーセントは、別段の指示がない限り、含水量を除外することを意味する乾燥基準で表される。
【0133】
比較例1
タバコ材料抽出、苛性抽出(すなわち、化学的パルプ化)、次いで過酸化水素による漂白を含む工程によって、C1と呼ばれる比較白色化されたタバコ材料を生成した。
【0134】
約125lbsの粉砕されたルスティカ(Rustica)茎と、約1125lbsの水及び0.7lbsのEDTAとを混合した。スラリーを180°Fの温度で約1時間撹拌した。約1lbsの水酸化ナトリウムをスラリーに加えた。スラリーを排出し、バスケット遠心分離機を使用してタバコ材料を排水した。
【0135】
得られたタバコ材料を苛性抽出した:タバコ材料と、1000lbsの水、約58lbsの水酸化ナトリウム及び7.5lbsのセルロースとを混合した。スラリーを200°Fの温度で約1時間撹拌した。混合後、約77.5lbsのクエン酸をスラリーに加えた。バスケット遠心分離機を使用して、スラリーを排水した。約150lbsの水を使用して、苛性抽出タバコ材料をすすいだ。
【0136】
苛性抽出タバコ材料を過酸化物漂白工程に供した:タバコ材料と、約550lbsの水、41lbsの水酸化ナトリウム、12.5lbsの40%ケイ酸ナトリウム溶液、218lbsの30%過酸化水素及び約0.4lbsのXiameter AFE-0100消泡剤とを混合した。スラリーを165°Fの温度で約1時間撹拌した。バスケット遠心分離機を使用して、スラリーを排水した。約150lbsの水を使用してタバコ材料をすすぎ、漂白タバコ固体を得た。漂白タバコ固体を約10~15%の水分という含水量まで乾燥させて、比較漂白されたタバコ材料C1を得た。以下の表1は、乾燥漂白されたタバコ材料C1の白度値及び白色度値を示す。Konica-Minolta CM-700d分光光度計及びSpectramagic NXソフトウェアを使用して、白度(ASTM E313-73)値及び白色度(ISO)値を決定した。白色度標準は、ISO 2470として列挙されている。
【0137】
【表1】
【0138】
比較例2
上記比較例1に記載の工程によって、C2と呼ばれる比較白色化されたタバコ材料を生成した。C2は、白度24及び白色度58を有した。TAPPI 227OM-99を使用してC2の濾水度値を測定したところ、448であることが分かった。C2は、処理工程中のさらに効率的な混合のために、C1と比較して改善された白色化を示したと考えられる。
【0139】
[実施例1]
本明細書に記載の白色化手順に従って、白色化されたタバコ材料を調製した。
【0140】
約125lbsの粉砕されたルスティカ(Rustica)茎と、約1125lbsの水及び0.7lbsのEDTAとを混合した。スラリーを180°Fの温度で約1時間撹拌した。約1lbsの水酸化ナトリウムをスラリーに加えた。スラリーを排出し、バスケット遠心分離機を使用してタバコ材料を排水した。収集した脱水タバコ材料をQタバコ材料と命名した。
【0141】
約923グラムのQタバコ材料を2.5リットルの水を用いて5回洗浄することによって、試料A1を調製した。洗浄したQタバコ材料を、300ミクロンメッシュを用いて脱水した。洗浄したQタバコ材料を、過酸化水素を用いて漂白した:約82%の含水量の約257グラムの洗浄した湿性Qタバコ材料と、約235gの水、14gの20%NaOH溶液、30.97gの30%過酸化水素、1.88gの10%ケイ酸ナトリウム溶液及び1.87gの25%EDTA溶液とを混合した。75分間にわたって温水浴で加熱し、約80℃の温度に達したポリエチレンバッグにスラリーを入れた。スラリーを15分ごとに混練した。過酸化物漂白されたタバコ材料を1リットルの水に加え、300ミクロンメッシュを用いて脱水し、次いで、周囲温度の水2リットルを用いて洗浄した。漂白されたタバコ材料を85℃のコンベクションオーブン内で約12時間乾燥させた。
【0142】
約1100グラムのQタバコ材料を2.5リットルの水を用いて6回洗浄することによって、試料A2を調製した。洗浄したQタバコ材料を、300ミクロンメッシュを用いて脱水した。洗浄したQタバコ材料を、過酸化水素を用いて漂白した:約84%の含水量の約308グラムの洗浄した湿性Qタバコ材料と、約140gの水、15gの20%NaOH溶液、125gの30%過酸化水素、2.03gの10%ケイ酸ナトリウム溶液及び2.03gの25%EDTA溶液とを混合した。75分間にわたって温水浴で加熱し、約80℃の温度に達したポリエチレンバッグにスラリーを入れた。スラリーを15分ごとに混練した。過酸化物漂白されたタバコ材料を1リットルの水に加え、300ミクロンメッシュを用いて脱水し、次いで、50℃の水2リットルを用いて洗浄した。漂白されたタバコ材料を85℃のコンベクションオーブン内で約12時間乾燥させた。
【0143】
約125lbsの粉砕されたルスティカ(Rustica)茎と、約1125lbsの水及び0.7lbのEDTAとを混合した。スラリーを180°Fの温度で約1時間撹拌した。約1lbsの水酸化ナトリウムをスラリーに加えた。スラリーを排出し、バスケット遠心分離機を使用してタバコ材料を排水した。バスケット遠心分離機内のタバコ材料中に1500lbsの水を通過させることによって、タバコ材料を洗浄した。収集した脱水タバコ材料をQWタバコ材料と命名した。
【0144】
過酸化水素を用いてQWタバコ材料を漂白することによって、試料A3を調製した:約76%の含水量の約228グラムのQWタバコ材料と、約1450gの水、28gの20%NaOH溶液、164gの30%過酸化水素、2.19gの10%ケイ酸ナトリウム溶液及び2.19gの25%EDTA溶液とを混合した。スラリーを、オーバーヘッドミキサを用いて撹拌し、約80℃の温度で75分間加熱した。過酸化物漂白されたタバコ材料を、300ミクロンメッシュを用いて脱水し、次いで、50℃の水3リットルを用いて洗浄した。漂白されたタバコ材料を85℃のコンベクションオーブン内で約12時間乾燥させた。
【0145】
約125lbsの粉砕されたルスティカ(Rustica)茎と、約1125lbsの水及び0.7lbのEDTAとを混合した。スラリーを180°Fの温度で約1時間撹拌した。約1lbsの水酸化ナトリウムをスラリーに加えた。スラリーを排出し、バスケット遠心分離機を使用してタバコ材料を排水した。収集した脱水タバコ材料をQ2タバコ材料と命名した。
【0146】
過酸化水素を用いてQ2タバコ材料を漂白することによって、試料A4を調製した:約72%の含水量の約199グラムのQ2タバコ材料と、約1250gの水、22gの20%NaOH溶液、174gの30%過酸化水素、2.30gの10%ケイ酸ナトリウム溶液及び2.28gの25%EDTA溶液とを混合した。スラリーを、オーバーヘッドミキサを用いて撹拌し、約80℃の温度で75分間加熱した。過酸化物漂白されたタバコ材料を、300ミクロンメッシュを用いて脱水し、次いで、0.4リットルの周囲水を用いて洗浄した。漂白されたタバコ材料を85℃のコンベクションオーブン内で約12時間乾燥させた。
【0147】
表2は、本明細書に記載のタバコ材料白色化工程(すなわち、水性抽出工程と漂白工程との間で苛性抽出工程を用いない)によって調製された本発明の試料A1、A2、A3及びA4を列挙している。本開示によるタバコ白色化工程は、比較材料C1及びC2(上記の苛性抽出を使用する比較材料工程)の白度値及び白色度値とほぼ同等の白度値及び白色度値を実現する。
【0148】
【表2】
【0149】
Konica-Minolta CM-700d分光光度計及びSpectramagic NXソフトウェアを使用して、試料A1~A4、以下の実施例2の試料B1~B4、及び以下の実施例3の試料D1の白度(ASTM E313-73)値及び白色度(ISO)値を決定したことに留意されたい。白色度標準は、ISO 2470として列挙されている。
【0150】
[実施例2]
本明細書に記載の白色化手順に従って、白色化されたタバコ材料を調製した。
【0151】
タバコ材料抽出、次いで、過酸化水素による漂白を含む本発明の工程を使用することによって、試料B1を生成した。約135lbsの粉砕されたルスティカ(Rustica)茎と、約1217lbsの水及び0.74lbのEDTAとを混合した。スラリーを180°Fの温度で約1時間撹拌した。約1.08lbのNaOHをスラリーに加えた。スラリーを排出し、バスケット遠心分離機を使用してタバコ材料を排水した。
【0152】
得られたタバコ材料を過酸化物漂白工程に供した:タバコ材料と、約1177lbsの水、4.6lbsの水酸化ナトリウム、0.49lbsの40%ケイ酸ナトリウム溶液、0.49lbのEDTA、179lbsの30%過酸化水素及び約0.16lbのXiameter AFE-0100消泡剤とを混合した。スラリーを185°Fの温度で約1時間撹拌した。バスケット遠心分離機を使用して、スラリーを排水した。約300lbsの水を使用してタバコ材料をすすぎ、漂白タバコ固体を得た。漂白タバコ固体を約10~15%の水分という含水量まで乾燥させて、比較漂白されたタバコ材料B1を得た。
【0153】
タバコ材料抽出、次いで、過酸化水素による漂白を含む本発明の工程を使用することによって、試料B2を生成した。約135lbsの粉砕されたルスティカ(Rustica)茎と、約1216lbsの水及び0.74lbのEDTAとを混合した。スラリーを180°Fの温度で約1時間撹拌した。約1.08lbのNaOHをスラリーに加えた。スラリーを排出し、バスケット遠心分離機を使用してタバコ材料を排水した。
【0154】
得られたタバコ材料を過酸化物漂白工程に供した:タバコ材料と、約1238lbsの水、6.70lbsの水酸化ナトリウム、0.51lbsの40%ケイ酸ナトリウム溶液、0.51lbのEDTA、280lbsの30%過酸化水素とを混合した。スラリーを185°Fの温度で約1時間撹拌した。撹拌中に、約0.03lbのXiameter AFE-0100消泡剤を加えた。バスケット遠心分離機を使用して、スラリーを排水した。約140°Fの温度で約300lbsの水を使用してタバコ材料をすすぎ、漂白タバコ固体を得た。漂白タバコ固体を約10~15%の水分という含水量まで乾燥させて、比較漂白されたタバコ材料B2を得た。
【0155】
タバコ材料抽出、次いで、過酸化水素による漂白を含む本発明の工程を使用することによって、試料B3を生成した。約127.5lbsの粉砕されたルスティカ(Rustica)茎及び約7.5lbsのセルロース(未漂白軟木クラフト材料)と、約1216lbsの水及び0.74lbのEDTAとを混合した。スラリーを180°Fの温度で約1時間撹拌した。約1.08lbのNaOHをスラリーに加えた。スラリーを排出し、バスケット遠心分離機を使用してタバコ材料を排水した。周囲温度で約150lbsの水を使用して、バスケット遠心分離機内でタバコ材料をすすいだ。
【0156】
得られたタバコ材料を過酸化物漂白工程に供した:タバコ材料と、約1182lbsの水、7.10lbsの水酸化ナトリウム、0.70lbsの40%ケイ酸ナトリウム溶液、0.70lbのEDTA、246lbsの30%過酸化水素とを混合した。スラリーを185°Fの温度で約1時間撹拌した。バスケット遠心分離機を使用して、スラリーを排水した。周囲温度で約300lbsの水を使用してタバコ材料をすすぎ、漂白タバコ固体を得た。漂白タバコ固体を約10~15%の水分という含水量まで乾燥させて、比較漂白されたタバコ材料B3を得た。繊維の濾水度は611CSFと測定された。TAPPI 227OM-99を使用して、B3(及び下記B4)の濾水度値を測定した。
【0157】
タバコ材料抽出、次いで、過酸化水素による漂白を含む本発明の工程を使用することによって、試料B4を生成した。約135lbsの粉砕されたルスティカ(Rustica)茎と、約1216lbsの水及び0.74lbのEDTAとを混合した。スラリーを180°Fの温度で約1時間撹拌した。約1.08lbのNaOHをスラリーに加えた。スラリーを排出し、バスケット遠心分離機を使用してタバコ材料を排水した。140°Fの温度で約150lbsの水を使用して、バスケット遠心分離機内でタバコ材料をすすいだ。
【0158】
得られたタバコ材料を過酸化物漂白工程に供した:タバコ材料と、約1177lbsの水、5.0lbsの水酸化ナトリウム、0.50lbsの40%ケイ酸ナトリウム溶液、0.49lbのEDTA、178lbsの30%過酸化水素とを混合した。スラリーを185°Fの温度で約1時間撹拌した。バスケット遠心分離機を使用して、スラリーを排水した。140°Fの温度で約300lbsの水を使用してタバコ材料をすすぎ、漂白タバコ固体を得た。漂白タバコ固体を約10~15%の水分という含水量まで乾燥させて、比較漂白されたタバコ材料B4を得た。繊維の濾水度は532CSFと測定された。
【0159】
表3は、苛性抽出工程を用いず、本明細書に記載のタバコ材料白色化工程によって調製された本発明の試料B1、B2、B3及びB4を列挙している。本開示によるタバコ白色化工程は、比較材料C1及びC2(上記の苛性抽出を使用する比較材料工程)の白度値及び白色度値とほぼ同等の白度値及び白色度値を実現する。
【0160】
【表3】
【0161】
[実施例3]
本明細書に記載の白色化手順に従って、白色化されたタバコ材料を調製した。
【0162】
タバコ材料抽出、次いで、過酸化水素による漂白を含む本発明の工程を使用することによって、試料D1を生成した。約125lbsの粉砕されたルスティカ(Rustica)茎と、約1125lbsの水及び0.7lbのEDTAとを混合した。スラリーを180°Fの温度で約1時間撹拌した。約1lbsの水酸化ナトリウムをスラリーに加えた。スラリーを排出し、バスケット遠心分離機を使用してタバコ材料を排水した。
【0163】
約1566グラムのタバコ材料、約74%の含水量を、300ミクロンメッシュの篩上で4リットルの周囲温度の水を用いて5回洗浄し、得られた繊維をQW2タバコ材料と命名した。
【0164】
QW2タバコ材料を、過酸化水素を用いて漂白した:ポリエチレンバッグ内で、約88%の含水量の約418グラムのQW2タバコ材料と、約85gの水、30gの10%NaOH溶液、25gの30%過酸化水素、2.0gの10%ケイ酸ナトリウム溶液及び2.0gの25%EDTA溶液とを混合した。スラリーを約76℃の温度で60分間加熱した。過酸化物漂白されたタバコ材料を1000mLの水と混合し、クエン酸を用いてpHを6.68に調整し、次いで、スラリーを、300ミクロンメッシュを用いて脱水し、1500mLの周囲温度の水を用いて洗浄した。漂白されたタバコ材料をQPと命名した。
【0165】
QPタバコ材料を、過酸化水素を用いて漂白した:ポリエチレンバッグ内で、約90%の含水量の約304グラムのQPタバコ材料と、約1.6gの水、4.5gの20%NaOH溶液、26gの30%過酸化水素、1.2gの10%ケイ酸ナトリウム溶液及び1.2gの25%EDTA溶液とを混合した。スラリーを約75℃の温度で45分間加熱した。過酸化物漂白されたタバコ材料を1000mLの水と混合し、クエン酸を用いてpHを6.99に調整し、次いで、スラリーを、300ミクロンメッシュを用いて脱水し、1500mLの周囲温度の水を用いて洗浄した。漂白されたタバコ材料をQPPと命名した。漂白されたタバコ材料QPPを85℃のコンベクションオーブン内で約12時間乾燥させて、本発明の実施例D1を得た。
【0166】
表4は、本明細書に記載のタバコ材料白色化工程(すなわち、水性抽出工程と漂白工程との間で苛性抽出工程を用いない)によって調製された本発明の試料D1を列挙している。本開示によるタバコ白色化工程は、比較材料C1及びC2(上記の苛性抽出を使用する比較材料工程)の白度値及び白色度値とほぼ同等の白度値及び白色度値を実現する。
【0167】
【表4】
【0168】
上記の説明に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、多くの変更及び他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、変更及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的及び説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
図1
図2
【国際調査報告】