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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】カスタム製品画像描画方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221109BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20221109BHJP
【FI】
G06Q30/02 444
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516148
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(85)【翻訳文提出日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 US2020032358
(87)【国際公開番号】W WO2021050118
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】16/567,708
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/774,591
(32)【優先日】2020-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
2.Linux
3.FIREWIRE
4.BLUETOOTH
5.QRコード
6.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】504329001
【氏名又は名称】ソーグラス・テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】シュウ,ミン
(72)【発明者】
【氏名】ヘイル,ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,メジャー
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC11
(57)【要約】
ネットワーク製品画像描画システムは、画像描画された商品の生産を提供するデバイスを含む。最小の在庫要件を有するか又は在庫要件を有しない売り手が、ネットワークに容易に統合される。顧客要件は、複数の地理的に離れた製品画像形成デバイスとの2方向通信を有する中央コンピューティングデバイス(CCD)に提供される。CCDは、顧客の注文に従ってブランク製品上に画像を形成する仕様を決定する。CCDは、利用可能な製品画像形成デバイスの仕様と、この製品画像形成デバイスの地理的に離れたロケーションにおいて利用可能な製品画像形成在庫及びブランク製品在庫とを含むファクタに基づいて、複数の地理的に離れた製品形成デバイスから、注文を履行する製品画像形成デバイスを選択する。選択された製品画像形成デバイスは、地理的に離れたロケーションにおいてブランク製品上に画像を形成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムを使用して製品上に画像を提供する方法であって、該システムは、複数の地理的に離れた画像形成デバイスを備えており、地理的に離れた画像形成デバイスのそれぞれは、該画像形成デバイスの仕様と、該画像形成デバイスに関連し、該画像形成デバイスに利用可能な、前記画像を形成することができる材料の画像形成在庫及びブランク製品在庫とを中央コンピューティングデバイスに通信することを可能にするために、前記中央コンピューティングデバイスとデータ通信が可能であり、
前記中央コンピューティングデバイスが複数の売り手の複数のカスタムウェブサイトを作成するステップであって、前記複数のウェブサイトの各ウェブサイトは、複数の画像選択肢及び複数のブランク製品選択肢を提示するものである、作成するステップと、
画像と、該画像が形成されるブランク製品とを、前記複数の売り手のうちの或る売り手のウェブサイトを通じて選択するステップと、
前記選択された画像と前記選択されたブランク製品とを、前記中央コンピューティングデバイスに通信するステップと、
前記中央コンピューティングデバイスが、前記選択された画像を前記選択されたブランク製品上に形成する仕様を決定するステップと、
前記中央コンピューティングデバイスが、前記決定された仕様を使用して、前記選択された画像を前記選択されたブランク製品上に形成するための前記複数の地理的に離れた画像形成デバイスのうちの適切な画像形成デバイスを、利用可能な該画像形成デバイスの前記仕様と、該画像形成デバイスの前記地理的に離れたロケーションにおいて利用可能な前記画像形成在庫及び前記ブランク製品在庫とに基づいて、選択するステップと、
前記複数の地理的に離れた画像形成デバイスから前記中央コンピューティングデバイスによって選択された前記画像形成デバイスを使用して、前記地理的に離れたロケーションにおいて前記選択された画像を前記ブランク製品上に形成するステップと
を含んでなる方法。
【請求項2】
前記中央コンピューティングデバイスは、該中央コンピューティングデバイスのデータベースに含まれるライブラリから前記カスタムウェブサイトを作成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の売り手の各売り手が、前記中央コンピューティングデバイスが該売り手の前記カスタムウェブサイトを作成する前に、売り手識別子を前記中央コンピューティングデバイスに提供するステップを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記中央コンピューティングデバイスは、他のウェブサイトをスクレイプすることによって前記カスタムウェブサイトを作成する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記地理的に離れた画像形成デバイスは、プリンタ及びコンピュータ化された刺繍機を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記地理的に離れた画像形成デバイスは、プリンタ及びコンピュータ化された刺繍機を含み、前記プリンタは、インクジェットプリンタ及びダイレクトツーガーメントプリンタを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記地理的に離れた画像形成デバイスは、プリンタ及びブランク製品カッタを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記地理的に離れた画像形成デバイスは、プリンタ及びブランク製品カッタを含み、前記プリンタは、インクジェットプリンタ及び3Dプリンタを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記地理的に離れた画像形成デバイスは、プリンタ及びコンピュータ化された彫刻盤を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記ブランク製品在庫は、セラミック及び織物を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項11】
前記ブランク製品在庫は、セラミック及びガーメントを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項12】
前記ブランク製品在庫は、セラミック及び金属を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項13】
前記ブランク製品在庫は、金属及び織物を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項14】
前記ブランク製品在庫は、金属及びガラスを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項15】
前記ブランク製品在庫は、金属及び木材を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項16】
前記中央コンピューティングデバイスは、織物、セラミック及び金属からなる画像形成在庫の前記地理的に離れたロケーションに基づいて、画像形成デバイスを選択する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項17】
前記画像形成在庫は昇華インクを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項18】
前記画像形成在庫は、紡績糸及びプリンタインクを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項19】
前記中央コンピューティングデバイスが波形仕様を前記画像形成デバイスに通信するステップを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項20】
前記中央コンピューティングデバイスが画像仕様を前記画像形成デバイスに通信するステップを更に含み、前記画像仕様は、視覚グラフィックス情報、画像サイズ及び画像解像度を含むものである、請求項1又は2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
デジタル技術は、物体のマス・カスタマイゼーション(mass customization)を可能にする。大量の物品に画像描画することができ(「マス」)、各物品は潜在的に異なる画像を有する(「カスタマイゼーション」)。単一の物品又は少量の物体も、デジタル印刷方法を使用して経済的にカスタマイズすることができる。
【0002】
マス・カスタマイゼーションは、従来の大量生産方法を上回る利点を提供する。従来の大量生産プロセスと異なり、マス・カスタマイゼーションは、機械類又は動作パラメータを手動で変更する必要なく、異なるデザイン、基材、ブランク製品(blank product)、プリンタ設定、インク選択等の間の素早い変更を提供する。かつてない速さのビジネスサイクルに起因して、顧客は、可能な限り高速な方法を使用して、カスタマイズされた画像を有する完成した商品を受け取ることを好む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カスタマイズされた商品を、Eコマースを通じて提供することに関心がある人は、Eコマースプラットフォームをセットアップする技術的スキルを有しないか、又は、カスタマイズされた商品の製品フルフィルメント(product fulfillment)を提供する技術的スキルを有しないことがしばしばある。自身の商取引を接続し若しくは結び付け、又は自身の商取引目的を実現するための適切なEコマースプラットフォーム、ウェブデザインスキル又は知識を持たないデジタル機器又は製造リソースを有する新規事業を開始する所有者のための解決策が必要とされている。創造的なアイデアを有するが、ブランク製品アイテムからのカスタマイズされた製品を生産するための画像描画技術、グラフィックデザイン、製品デザイン、色の美学、又はデジタル画像描画管理の特殊分野の領域におけるスキルを有しない者に、広い地理的エリアにわたって製品フルフィルメントを提供する必要もある。高価なハードウェア、ソフトウェア又はデザインツールを購入しなければならない小規模の売り手に対しては、そのようなカスタマイズされた製品の生産のコストを削減する必要もある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、様々な基材から形成されたブランク製品をデジタル方式で装飾又はカスタマイズするネットワーク画像描画デバイス及び方法を提供する。このエコシステムは、コンピュータ等の接続されたデジタルエンドユーザデバイス、グラフィックデザイン、画像作成又は変更及び画像メタデータ処理用のインターネット/ウェブベースのオンラインインテリジェントソフトウェアを含むことができる。少なくとも1つのリモートフルフィルメントセンタ(remote fulfillment center)は、製品画像形成デバイスと、画像形成在庫(image forming inventory)及びブランク製品在庫とを提供する。
【0005】
本発明によるデジタル画像描画と、印刷、形状形成は、画像描画が複数の地理的に異なるリモートの注文フルフィルメントロケーションにおいて行われても、一貫した画質を提供する。ネットワーキングを使用することによって、形成される画像又は印刷される色と、環境条件と、画像描画されるブランク製品とを問わず、画像描画パラメータの最適な制御が提供される。ネットワーキングは、消費者又は顧客への画像描画された物品の配達時間及びコストも削減する。
【0006】
ネットワーク製品画像描画システムは、画像描画された商品の生産を提供するデバイスを含む。顧客は、消費者の場合もあり、画像と、この画像が形成されるブランク製品とを最低限選択する。顧客の要件は、複数の地理的に離れた製品形成デバイスとの2方向通信を有する中央コンピューティングデバイス(CCD:central computing device)に提供される。地理的に離れた製品画像形成デバイスのそれぞれは、製品画像形成デバイスの仕様と、この製品画像形成デバイスに関連し且つこの製品画像形成デバイスに利用可能である製品画像形成在庫及びブランク製品在庫とを中央コンピューティングデバイスに通信する。中央コンピューティングデバイスは、顧客の注文に従ってブランク製品上に画像を形成する仕様を決定する。
【0007】
そして、中央コンピューティングデバイスは、利用可能な製品画像形成デバイスの仕様と、この製品画像形成デバイスの地理的ロケーションにおいて利用可能な製品画像形成在庫及びブランク製品在庫とを含むファクタに基づいて、複数の地理的に離れた製品画像形成デバイスから注文を履行する製品画像形成デバイスを選択する。選択された製品画像形成デバイスは、リモートロケーションにおいてブランク製品の画像を形成する。
【0008】
ネットワーク製品画像描画システムは、ネットワークの一部である売り手又は売買業者のウェブサイト作成を提供することができる。参加者は、ウェブページの複雑さ、提供されるカスタム製品、価格管理、プロモーション活動、支払いオプション等のファクタ及び他のファクタの相関的要素である種々のレベルのウェブサイト作成援助を選ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】製品画像形成デバイスによってブランク製品上に形成される画像の一例を示す図である。
図2】コンピュータ制御されるプリンタである製品画像形成デバイスと、ヒートプレスとを含むリモートコンピューティングデバイスの例示的な要素を示す説明図である。
図3】ネットワーク製品画像描画システムの構成要素を示す図である。
図4a】ウェブ/インターネット又はクラウドベースのサーバによって中央コンピューティングデバイスとの間で通信されるデータを示す図である。
図4b】ネットワーク製品画像描画システムの例示のワークフローを示すブロック図である。
図5a】製品画像形成(クライアント)デバイスの機能を示す図である。
図5b】中央コンピューティングデバイスを通じたグラフィックデザインツール、画像及び基材又はブランク製品情報の利用、並びに注文処理を例示するブロック図である。
図5c】本発明の一実施形態による製品画像描画プロセスを例示する図である。
図5d】製品テンプレートを使用して画像デザイン及び画像描画された製品のプレビューを例示する図である。
図6a】製品画像描画ネットワークに接続されたプリンタである製品画像形成デバイスと通信するインク監視システム(ILM)を有する中央コンピューティングデバイス(CCD)を例示するブロック図である。
図6b】CCD内の例示的な決定と、CCDと製品画像形成デバイスとの間で交換される情報とを示すブロック図である。
図7】ホットフォルダ記憶装置を通じたメタデータ管理及び画像描画制御のブロック図である。
図8】ブランク製品の転写画像描画プロセスを示す図である。
図9】ネットワーク画像描画生産プロセスを例示するフローチャートである。
図10】地理的リモートロケーションにおける製品画像形成デバイス、製品画像形成在庫及びブランク製品のオプションを示す図である。
図11】ウェブページオートメーションプロセスのフローチャートである。
図12】インターネットを通じたスクレイピングエンジンを介したEコマースウェブページテンプレート収集を示す図である。
図13】ネットワークの種々のコンピューティング/サーバ構成要素及び中央コンピューティングデバイス下での活動フローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
デジタル画像は、中央コンピューティングデバイス(CCD)4を使用して作成されるか、又は、デジタル画像は、CCDに供給される。CCDは、複数のリモート製品画像形成デバイスと通信して、それらの製品画像形成デバイスの仕様、能力及びロケーションを決定する。CCDは、デジタル(コンピュータ)制御される(5)プリンタ6等の好ましい製品画像形成デバイスを選択する。
【0011】
画像デザインは、CCDによって生成することもできるし、別のデジタルデバイスによって生成することもできる。コンピュータデザイングラフィックソフトウェアを使用することもできるし、写真技術を使用することもできる。図2に示すように、画像デザインは、スキャナ2によって読み込むことができ、このデザインは、CCD4に通信することができる。デザインは、写真、グラフィック、芸術、又は単に文字若しくは言葉とすることができる。シアンインク、イエローインク及びマゼンタインク、並びに任意選択的にブラックインクの配合物の使用によって、プリンタは、フルカラー又はマルチカラーでデザインを印刷することが可能になる。
【0012】
この例では、プリンタは画像3を媒体9上に印刷する。この媒体は用紙とすることができる。画像が媒体上に印刷された後、画像は、最終基材(substrate)又はレシーバ基材8に対して位置決めされ、熱供給源10からの熱及び圧力の印加によって活性化される。画像は、熱及び圧力の印加によって媒体から最終基材又はレシーバ基材に恒久的に転写される。例えば、画像は、シャツ8等の織物基材上に転写することができる。ただし、画像は、最終基材として他の材料上、例えば金属、セラミック、木材、又はプラスチック等に転写することもできる。インクを活性化することなく媒体9上に印刷されたデザイン3は、最終基材に対して配置される。この最終基材はシャツ8とすることができる。染料を活性化するのに十分な温度は、ヒートプレス10等の熱供給源によって印加される。別の実施形態において、画像は、最終製品又はレシーバ製品上に印刷され、着色剤が、印刷後に画像への熱の印加によって熱活性化される。
【0013】
本明細書で説明されるプロセスは、衣類から家庭用品、更に身の回り品に至るまで、少量又は大量の物体のリモートカスタム画像描画及び装飾を可能にする。このプロセスは、製品画像形成デバイスによって異なる画像を絶え間なく連続して形成することを可能にする。異なる材料から形成されるブランク製品に連続して画像描画することができる。例えば、プリンタは、一連の画像a、b、c、d....x、y、zを連続して印刷することができ、これらの画像のそれぞれは他の画像と異なる。画像のそれぞれは、ブランク製品が形成される特定の材料に関する最適な品質を与える仕様に従って形成される。例えば、画像aは、織物製品を対象とすることができ、画像bは画像aと異なる織物配合物を対象とすることができ、画像cはセラミックを対象とすることができ、画像dは曲線形状のセラミックを対象とすることができ、画像eは木材製品を対象とすることができ、画像fは、彫刻される金属製品を対象とすることができる。写真品質等の最適な品質を得るには、画像の特性、更には画像自体をブランク製品に適合させなければならない。2つのレベルのドットゲイン等のファクタ及び他のファクタを検討しなければならず、データマトリックスを作成するために、製品画像形成デバイスの性能を画像ごとに変更しなければならない。同時に、特に、複数の製品画像形成デバイスを駆動するコンピュータを使用することによって、物体をカスタム装飾するこのプロセスは、製品画像描画システム用に開発された様々なサイズ及びタイプの製品画像形成デバイスを使用して商業生産ベースで達成することができる。
【0014】
1つの実施形態において、画像描画のマスカスタマイゼーションシステム及び方法が用いられる。ウェブ/インターネット又はクラウドベースのサーバが、カスタマイズされた画像デザイン及び製品注文処理用のインタフェースと、活動をサポートするインターネット又はクラウドにリンクされた在庫注文サポートセンタとをエンドユーザに提供する(図3)。CCDとして指定することができるウェブ/インターネット又はクラウドベースのサーバは、インターネットに接続することができるとともに、複数のクライアントデバイスにリンクすることができる。クライアントデバイスは、ネットワークと接続して通信することが可能であり、デジタル画像をダウンロード、変更及び送信できることが好ましい(通常、製品画像形成デバイスを含む)リモートコンピューティングデバイス(RCD:remote computing device)等のデジタルデバイスである。RCDは、CCDのオペレータによってクライアントに提供することができるネットワークインタフェースツールを通常は使用して、カスタマイズされた発注を行うことができることが好ましい。例として、独立したコンピュータ、タブレット、PDA、スマートフォン等がある。本発明は、製品画像形成デバイスを含むリモートコンピューティングデバイス(RCD)が存在する少なくとも1つのリモートフルフィルメントプロセスセンタ(remote fulfillment process center)と、少なくとも1つの在庫/サポートセンタとを含む。熱活性化画像描画方法によって画像描画されるブランク製品を、リモートに位置するクライアントデバイスから直接且つ知的にグラフィックでデザインし、変更し、そして発注することができる。
【0015】
インターネット又はクラウドベースのCCDは、ツール及びデータベースを提供する計算サーバである。CCDは、様々なエンドユーザ又はクライアントデバイスがCCDにアクセスすることを可能にする複数のマークアップ言語インタフェース及びプロトコルを備えることができる。これらのユーザデバイスは、様々なオペレーティングシステムを有することができるデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット/ファブレット、スマートフォン又はパーソナルデジタルアシスタント(PDA:personal digital assistant)デバイスを含むが、これらに限定されるものではない(図3)。CCDは、ユーザデバイスからアクセスすることができるとともに動作させることができるグラフィック顧客デザインツールを提供することができ、それによって、デバイス上での迅速なデザイン及び製品発注が可能になり、ユーザが高価なグラフィックスデザインソフトウェアを所有する必要がなくなる。
【0016】
図4aは、カスタマイゼーションプロセスを援助するCCDの他の構成要素を例示している。これらの構成要素は、特定の製品画像形成在庫用の基材依存画像テンプレート、ストック画像(及び/又はテキストフォント)、(ドットゲイン等に起因する)品質又は解像度の構成要素、ブリード制御及び寸法調整ルール、デバイス用に校正された色精度を有する対象となる画像オブジェクトの2D又は3D画像ビューイング、インターネット/クラウドを通じたセキュアな移送のためのメタデータ暗号化又は符号化、並びに完成したメタデータ記憶及びキューイング通信を含むが、これらに限定されるものではない。
【0017】
ブランク製品、画像及び製品画像形成デバイスの選択に応じて、ドットゲイン補正は、熱活性化画像描画プロセス品質歪みを取り除くだけでなく、ウェブブラウザ等の出力デバイスにおいてユーザが視認するものが、画像の微細な詳細の色の精度及び再現の双方に関して、完成した製品と一致していることも保証する。ブランク製品、インク、プロセスパラメータ、及び/又は選択された他の特定のニーズ若しくは要件に応じて、印刷ヘッド波形、圧電パルス周波数、駆動力(電圧)若しくは圧力等の画像描画パラメータ、インク液滴サイズ(グレースケール)、画像の熱定着又は他の画像描画プロセスパラメータと整合する命令をリモートフルフィルメントプロセスコンピューティングデバイス(RCD:remote fulfillment process computing device)に与えることができる。
【0018】
インク又は着色剤の熱活性化による画像描画に使用される多くの基材は、合成材料を用いた基材のコーティング等の表面処理を必要とする。例えば、セラミック材料は、熱活性化可能な画像を効果的に受け取るために、ポリエステル又はポリウレタンを用いてコーティングされる。天然繊維及び多くの織物基材は、熱活性化を行って着色剤を基材に恒久的に結合する際に鮮やかな色を得るために同様の処理を必要とする。熱活性化は、ヒートプレス等の熱定着機器又は伝熱機器の形状及びサイズによって制限される場合がある。ヒートプレス(又は他のタイプの熱活性化機器)の寸法内にある基材のエリアのみの画像描画が成功する。
【0019】
ウェブサーバCCDソフトウェアは、最小ローカルデザインツールを有するリモートユーザに利用可能なインテリジェント・アプリケーションを提供する。サーバのデータベースは、詳細なブランク製品情報を含む。画像描画に利用可能な基材のエリア、及び画像寸法/形状は、クライアントデバイスから選択され、望ましくない空所エリアもブランクエリアも残すことなく、最終的な画像受け取り基材の適切な有効範囲(coverage)を確保するために、自動的に調整される。この特徴は「ブリード制御ルール」(Bleed Control Rule)と呼ばれる。
【0020】
CCDソフトウェアのブリード制御ルールは、最終的な画像受け取り基材がヒートプレス又は他の熱活性化処理機器の寸法よりも寸法的に小さいときに適用することができる。画像は拡大されるか、又は場合によっては、物体のボーダレス画像描画を提供するために双方の平面側に沿って比例して縮小される。ブリード制御ルールは、物体上の一致しない境界を防止することができ、物体の全体をカバーするとともに優れた審美的結果を達成する。この技法は、画像描画される物体が小さく、物体の画像描画可能なエリア全体をカバーすることが望ましいときに特に有用である。
【0021】
ウェブサーバCCDインテリジェンスソフトウェアは、画像描画される選択されたブランク製品に基づいて画像描画解像度を調整することができる。例えば、75行毎インチの織り目の粗い織物基材に必要な印刷解像度は、概ね150ドット毎インチにすぎない。織り目の粗い織物の場合に、それよりも高い解像度であっても、より高い画質を達成せず、より多くのインクを消費し、より長い印刷時間を必要とする。他方、コーティングされた金属基材は、プリンタが提供することができる可能な限り高い写真画質を受け取り可能とすることができる。様々な基材のルックアップテーブルを、効率的な印刷解像度に対応するインテリジェンスソフトウェアによって用いることができる。
【0022】
図4bは、CCDに利用可能であり得るソフトウェアを用いたワークフロープロセスの一例を示している。CCDとリモート製品画像形成(クライアント)デバイスとの間の接続を確立すると、ウェブブラウザを使用して、画像描画されるブランク製品が選択される。ユーザデバイスに存在するか、又はローカルに提供されるローカル画像を、画像の微調整、オーバレイ、及び/又は寸法調整用のテンプレートにロードすることができる。或いは、CCDのストック画像コレクションから取り出された画像を使用することができる。色選択、形状及び輝度、並びに様々なフォントを有するテキスト及び芸術効果の追加を使用して、ブランク製品に画像描画するのに適した最終的な合成画像を提供することができる。そして、例えば、ブランク製品選択、ドットゲイン情報及びブリード制御ルールに基づく品質/解像度は、その場合に、オプションとして適用することができ、2次元又は3次元のプレビューが続く。ワークインプログレスファイルをHADIMC/クラウド上に一時的に保存又は追加することができ、最終的な合成画像をHADIMC上に記憶する前に実質上のリアルな見え方を通じて承認を得るために又は更なる編集を行うために顧客又はRCDに送信することができる。ユーザがデザイン又は変更に満足した後、最終的な製品注文要求を履行するために他の関連情報を追加することができる。この情報は、画像描画されるブランク製品の数、配達の日付及び/又は時刻、並びに積み込み又は出荷の好ましいロケーションを含むことができるが、これらに限定されるものではない。この情報を含むメタデータファイルは、業務目的のためにCCDサーバ又はクラウド上に保存される。CCDソフトウェアは、顧客/ユーザの注文を履行するために適切なリモートフルフィルメントプロセスセンタを自動的に(又は所望される場合には手動で)探索する。この情報は、対応する処理センタにおいて動作の記録をとるために表示又は印刷される。
【0023】
ウェブサーバCCDソフトウェアは、各製品画像形成デバイス、製品画像形成在庫及びブランク製品在庫(基材、中間媒体、インク、ハードウェア、及び供給品等)及び/又はサービスニーズ若しくは能力のステータスも監視する。コスト、配達日付/時刻、出荷及び運送等のカスタマイゼーション生産に関連したフィードバックを製品画像形成デバイスから、CCDを通じて、製品注文を開始したクライアントデバイス又は他の指定されたロケーションに送信することができる。
【0024】
図5aは製品画像形成(クライアント)デバイスの機能を示し、図5bは製品画像形成(クライアント)デバイスにおけるワークフロープロセスを示している。CCDと接続した後、製品注文に従って画像描画される製品を実現するのに必要とされる作業に従事するために、ハイパーテキストマークアップ言語等のプログラム言語プロトコルの自動選択が、デバイスブラウザのユーザインタフェースによって行われる。動作の複雑さ、及び/又はインターネット接続速度に応じて、CCD上のローカルデバイスメモリ又はメモリブロックのいずれかを、一時的なワーキング画像ファイル記憶及び更なる変更の場合の便宜のために使用することができる。クラウドと、ユーザのローカルデバイスRAM又は一時メモリとの双方を使用するこの組み合わせによって、迅速で流動的なユーザエクスペリエンスが与えられる。最終的なメタデータファイル、例えば、ジョブの合成画像、基材/製品選択、出荷及び運送情報、製品画像形成デバイス能力、ジョブの製品画像形成在庫要件、製品画像形成在庫量可用性及び他の在庫関連情報等は、符号化又は暗号化され、注文フルフィルメントの実行のためにCCDロケーションに保存されることが好ましい。
【0025】
ベクトル及びビットマップの双方の画像タイプを使用することができるが、TIFF/TIF、PNG、JPEG/JPG、GIF等を含む様々なフォーマットの画像ファイルを、本発明のオンライングラフィックデザイン/変更インタフェースにロードすることができる。グレースケール及びRGBの双方のカラー特徴、8ビットカラー品質以上、並びに更なる変更用の透明オプションを有するPNG等の高品質画像ファイルタイプが好ましい。インターネット伝送中の画像の可逆圧縮も望ましい。好ましい最終的な(印刷準備が完了した)完全にレンダリングされた合成画像ファイルタイプは、PNG及びPDFを含む。
【0026】
本発明の一実施形態において、テンプレートサイズ(媒体サイズ)、及び製品/基材形状(図5c)を含む、背景を有するブランク製品テンプレート仕様が、CCDによって最初に提供される。ローカルクライアントデバイスブラウザ又はCCDにおけるストック画像データベースのいずれかからアップロードされた写真画像が、デザインを作成するためにブランクキャンバス上へと配置されるか又はテンプレートの既存のキャンバス(canvas)内へと挿入される。デザインは、画像コンテンツを備えることができ、所望のアルファチャネル値を有するテキストを含むことができ、又はそれらの双方を含むことができる。この実施形態において使用される「キャンバス」は、特定のピクセル幅及びピクセル高さを有する2次元平面であり、ユーザがテキスト及び/又は画像を含むラスタ画像及びベクトルオブジェクトを位置決めする複数のレイヤを有する。これらのレイヤは互いに積み重ねられている。RGB値に加えて、レイヤ上のピクセルのアルファチャネル値、又はアルファ値は、下側のレイヤへの透明度又は可視度を決定する。例えば、レイヤの順序付けは、追加されたテキストが画像の前面で見ることができるのか又はその背後に隠れているのかを決定する。キャンバスは、印刷プロセス中に画像スケーリングに適切に耐える印刷媒体(又は中間媒体)用に正確にサイズ決め及び寸法決めされる。CCD及びクライアントブラウザのいずれかの側又は双方の側からのプログラムサブルーチンが、画像とともに現れるテキストを含む画像デザインを編集するのに使用される。アルファチャネル値にX-Y座標を加えたものの組み合わせは、画像及びテキストが、異なる重なり合ったレイヤにおいて、媒体上のどの箇所に配置されるのかを決定する。製品は固有の形状(製品クリッピングマスク)を有することができ、僅かに大きなブリードクリッピングマスク(ブリード制御ルール適用)を使用して、全ブリード印刷(「エッジ・ツー・エッジ」印刷又はボーダレス印刷)を可能にすることができる。プレビューイング及び確認(図5d)を行うと、選択された基材上で完全にトリミングされたリアル感のある画像として視認される完全にレンダリングされた合成画像を、画像描画された製品を最適化するのに使用されるパラメータとともに画像描画ファイルとして保存することができる。そのようなパラメータは、セラミック、木材、プラスチック/ポリマー樹脂製複合物、金属、又はファブリック等の様々なブランク製品材料に最良に適合する画像描画解像度、スポットカラー交換/独立インクチャネル制御、2つのレベルのドットゲインの校正及び調整、線形化を通じた色管理、インク制限、ICCプロファイル補正、及び/又は波形選択等を含む。
【0027】
顧客の注文の他の操作態様又は処理態様に関する情報は、ウェブサーバ/クラウドのキューに入れる前に、又は対応するリモートフルフィルメントプロセスセンタに送信される前に、メタデータとして画像描画ファイルに追加することができる。発注される各製品の量、配達時間、出荷/運送命令、又は積み込み時間/ロケーションは、注文プロセスの一部として提供される情報とすることができる。
【0028】
クライアントデバイスを介してアクセスされるウェブベースのグラフィックデザインソフトウェアは、そのデバイスのユーザが、それに続くユーザセッション中に、保存された画像を更なる変更又は今後の適用のために取り出すことを可能にする。顧客識別情報及び/又は顧客注文識別情報を、セッション継続及び/又は今後のデザインプロセス及び注文プロセスの目的で使用することができる。CCDとクライアントデバイスとの間にプログラム通信プロトコルを確立することができる限り、ユーザが異なるワーキングセッションに異なるデバイスを使用することを可能にすることができる。
【0029】
(スクリプト言語を含む)マークアップ言語は、画像編集/変更を含む目的のためにCCDとクライアントデバイスとの間の通信を容易にするユーザインタフェース(UI:user interface)を作成するのに使用することができる。マークアップ言語の例として、HTML/HTML5、XTML、WML(無線デバイス用)、及びJavascript/JSONがある。機能、特にグラフィックデザイン及び変更操作を豊富にするために必要なときは、様々なマークアップ言語の組み合わせを使用することができる。他方、PHP、ASP.NET/ASP.NET MVC、WebForms等を含む異なるタイプのサーバ側スクリプトをウェブサーバ(CCD)によって使用し、ユーザインタフェース(UI)をレンダリングするためにクライアントのブラウザに伝達されるマークアップ言語コンテンツを生成することができる。
【0030】
以下は、選択に利用可能な5つの異なる基材を提供するクライアントユーザインタフェース(UI)を通じてCCDにおいて適用されるマークアッププログラム言語のセグメントの一例である。選択されると、他の対応する情報を決定し、メタデータコンテンツに保存することができる。
GET https://webserver.company.com/api/substrate/list JSON Response:
{
"Data": [
"Substrates": [
"Mug",
"T-Shirt", "Metal Sign", "Sweatshirt", "Jersey"
] '
"Success": true,
"Errors": []
}
【0031】
寸法や利用可能な運送業者等の他の情報を同様に取り扱うことができ、他の情報は、クライアントにトランスペアレントである場合もあるし、ない場合もある。CCDにおいて処理されるジョブに関連しているが、クライアントにトランスペアレントでない情報は、動作パラメータ、ドットゲインルックアップテーブル計算結果、印刷ヘッド波形選択コマンド等を含むことができる。
【0032】
本発明の一実施形態によるマス・カスタマイゼーション画像描画のプロセスでは、自動運転のためにCCDから複数の個々の地理的に離れたロケーションに直接又は1つ若しくは複数のリモートコンピューティングデバイス(RCD)を通じて、多数の画像描画ジョブをディスパッチ(dispatch)することができる。1つの実施形態において、印刷画像の高品質を維持するために、工場で密封された非詰め替え式又は1回使用式のインクカートリッジ、リザーバ、又は容器が、環境からの汚染を防止するのに好ましい。さらに、中断しない画像描画動作が、効率的な製品画像形成在庫及び/又は媒体/ブランク製品使用を達成する。この目標は、例えば、一貫した画像描画速度を用いることと、一貫した媒体前進を使用することと、ジョブ全体に同じインクバッチを使用することと、品質及び効率を改善する他の画像描画関連変数を用いることとによって所望の性能を達成する連続的な画像描画動作によって容易にすることができる。例えば、長さが2メートルであり、ロール供給される媒体上に印刷される画像の印刷ジョブは、ジョブがインクの交換又は変更、媒体交換等のために中断された場合に印刷インク及び/又は媒体を浪費する場合がある。画像の印刷の完了前のインクカートリッジ又は容器の変更によって、システム内に空気が取り込まれるおそれがあり、これによって、印刷ヘッドクリーニング、及びインクジェットノズル検査が必要となり、進行中の生産印刷ジョブが中断する。別の例は、可変のデータ構成要素を有する複数ページ印刷ジョブである。中断しない画像描画によって、画像描画されるページ間の小さな印刷品質差の可能性さえも低減される。本発明は、不要な中断を防止する安全装置を利用して、製品画像形成在庫を製品画像形成デバイスに再供給する。
【0033】
この実施形態によるネットワーキングベースの画像描画において使用されるプリンタは、製品画像在庫可用性デバイスの監視を援助するために、リモートプリンタにおいてインクセンサを備えることができる。このインクセンサは、インクカートリッジ又は容器内に組み込むことができ、そうでない場合には、プリンタから独立している。或いは、インクセンサは、プリンタハードウェア内に組み込むことができ、新しいインクカートリッジ又は容器が取り付け又は詰め替えられるごとにリセットすることができるか又はリセット可能とすることができる。インクセンサはCCDと双方向通信する。インクセンサの必須のメカニズムは、カートリッジ又は容器内の利用可能なインクの枯渇の検出であり、それによって、印刷ヘッドのいわゆる「ドライ・ファイアリング(dry firing)」を防止することである。ドライ・ファイアリングは、印刷ヘッドの寿命に有害であり得る。好ましくは、インクセンサは、カートリッジ又は容器単位で各特定の色のインクの存在するインクの量を検出し、使用中のいずれかのRCDを経由して又は経由せずにこの情報をCCDに通信する。
【0034】
好ましいインクセンサは、インクカートリッジ又は容器内の重量、光学濃度、pH値、導電率、酸素量若しくは空気量、圧力等の液体インクの物理的性質、及び/又はカートリッジ又は容器内の印刷インクに関するステータスの変化の表示を有する他の性質を検出することができる。これらの物理的性質は、例えば、プリンタコントローラメモリ、RCD及び/又はCCDに送信される電子信号に変換することができる。検出能力を高めるために複数のセンサを使用することができる。様々な異なる機械アダプタ又はハウジング、及び通信プロトコルを使用して、インクセンサをホストし、及び/又は、ネットワークプリンタと、RCDサーバ及び/又はCCDとにリアルタイムで接続することができる。メモリチップは、バッチ番号、色識別コード、有効期限、インク容量、暗号化コード、製造番号等の利用可能なインクについての詳細な情報を通信することができる。
【0035】
本発明の1つの実施形態において、CCDは、ディスパッチ対象の画像描画ジョブの各色のインク容量要件を定量的に計算する処理モジュールを更に備える。インク容量は、印刷ヘッドノズルを介して吐出されるインクの容量又はインク液滴カウントのいずれかによって求めることができる。この計算から導出されたデータは、特定の画像描画ジョブを規定するメタデータファイルに追加される。
【0036】
画像データファイルは、ラスタプロセス後にラスタ画像プロセッサを通じて、ユーザラスタデータ(RGB/CMYK)から印刷準備完了データ(RPSC、PCL、又はPostScript)に変換され、容量又は重量に関するインク使用量計算値を得ることができる。例えば、特定の画像は、8チャネルプリンタによってディスパッチ及び印刷される有限の既知の数のピクセルからなる。色処理の後、或るピクセルは、12%シアン、22%マゼンタ、8%イエロー、6%ブラック(K)、12%ライトマゼンタ、15%ライトシアン、26%の蛍光イエロー及び45%蛍光マゼンタを含むことができる。各色の完全な放出(100%)は20pl(ピコリットル)のインクを使用する。単一のピクセル全体で、2.40plのシアンインク、4.40plのマゼンタインク、1.60plのイエローインク等を消費し、全インク消費量は、この例によれば29.2plである。
【0037】
画像サイズ、画像輝度、インク仕様、ディザリング、画像描画パスの数、及びブランク製品上に形成される画像の数を決定することに加えて、各画像描画ジョブの総製品画像形成在庫消費量が決定される。画像描画製品要件ジョブを履行することが可能なリモートロケーション製品画像形成デバイスが選択される。この決定は、(例えば、印刷ヘッドの摩損又は他の摩耗ファクタによって影響される)在庫消費効率、総画像描画時間、プライミング頻度、リモートロケーションにおける環境ファクタ(温度/湿度等)、並びに印刷中及び/又は任意のスタンバイ期間中のクリーニング頻度等のファクタを考慮する。吐出効率及び/又は挙動は、インク仕様が異なると、異なる場合がある。例えば、低粘度、低比重又は低密度を有する水性インクの吐出は、放射線硬化性の高粘度、高比重又は高密度のインクと非常に異なる場合がある。したがって、各プリンタは、任意の所与のインクセット、季節又はネットワーク内のロケーションにおいて他のいずれのプリンタとも異なる固有のインク消費プロファイルを有する場合がある。そのようなプロファイルは、改善された計算精度を提供するために、異なる印刷ジョブの反復を通じてCCDが作成することができる。この情報は、プリンタ選択を決定する際に今後の印刷ジョブに適用することができる。この情報は、色補正、波形選択、ドットゲイン制御及び補正、基材選択プロファイル等の他の印刷ジョブ関連情報とともに各メタデータファイルに組み込むことができる。
【0038】
デジタル制御されるデジタルプリンタ及び他の製品画像形成デバイスは、電子パルス信号を使用する。一連のパルスは、媒体又は基材上にカラー画像を形成するインク液滴又はインク粒子の放出を引き起こす「波」を生成する。色及び光学濃度(色の濃さ)メッセージを担持する画像ピクセルは、異なるカラーチャネルを通じて印刷ヘッドのノズルにおいてパルス信号に変換することができる。ピクセルは、形状、濃さ及び/又は長さによって区別することができる。これらのパルスは、プリンタコントローラメモリによって記録することができ、リモート及びCCDのいずれか又は双方によって正確に収集することができ、印刷ジョブに必要とされる各色のインクの重量又は容量の情報に変換することができる。この情報は、ネットワーク内の指定されたプリンタのインク消費プロファイルに組み合わせることができる。プリンタ及びプリンタファームウェアに応じて、種々のプロトコルが、プリンタと、CCDとネットワーク接続されたRCDとの間で、又は、プリンタからCCDに直接通信することができる。トリビアル・ファイル・トランスファ・プロトコル(TFTP:Trivial File Transfer Protocol)インターネットソフトウェアユーティリティ及びシンプルネットワーク管理プロトコル(SNMP:Simple Network Management Protocol)インターネット標準プロトコルが、特に好ましい通信方法である。
【0039】
以下は、8チャネルプリンタ構成に基づく中断しない画像描画を容易にする際に有用であるソフトウェア構造の一例である。
float picoliterInkUsageConstant = 20;
float totalPicoLitersMagentaRequired = 0;
float totalPicoLitersCyanRequired = 0;
float totalPicoLitersBlackRequired = 0;
float totalPicoLitersYellowRequired = 0;
float totalPicoLitersLightMagentaRequired = 0;
float totalPicoLitersLightCyanRequired = 0;
float totalPicoLitersFluoPinkRequired = 0;
float totalPicoLitersFluoYellowRequired = 0;
for each (image in job){
for each (pixel in image)
totalPicoLitersMagentaRequired = totalPicoLitersMagentaRequired + pixel[Magenta]*picoliterInkUsageConstant;
totalPicoLitersCyanRequired = totalPicoLitersCyanRequired + pixel[Cyan]*picoliterInkUsageConstant;
totalPicoLitersBlackRequired = totalPicoLitersBlackRequired + pixel[Black]*picoliterInkUsageConstant;
totalPicoLitersYellowRequired = totalPicoLitersYellowRequired + pixel[Yellow]*picoliterInkUsageConstant;
totalPicoLitersLightMagentaRequired = totalPicoLitersLightMagentaRequired + pixel[LightMagenta]*picoliterInkUsageConstant;
totalPicoLitersLightCyanRequired = totalPicoLitersLightCyanRequired + pixel[LightCyan]*picoliterInkUsageConstant;
totalPicoLitersFluoPinkRequired = totalPicoLitersFluoPinkRequired + pixel[FluoPink]*picoliterInkUsageConstant;
totalPicoLitersFluoYellowRequired = totalPicoLitersFluoYellowRequired + pixel[FluoYellow]*picoliterInkUsageConstant;
}
}
for each (printer)
{
float picolitersOfMagentaInPrinter = Query(printer, MAGENTA_INK_REMAINING);
float picoLitersOfCyanInPrinter = Query(printer, CYAN_INK_REMAINING);
float picoLitersOfBlackInPrinter = Query(printer, BLACK_INK_REMAINING);
float picoLitersOfYellowInPrinter = Query(printer, YELLOW_INK_REMAINING);
float picoLitersOfLightMagentaInPrinter = Query(printer, LIGHT_MAGENTA_INK_REMAINING);
float picoLitersOfLightCyanInPrinter = Query(printer, LIGHT_CYAN_INK_REMAINING);
float picoLitersOfFluoPinkInPrinter = Query(printer, FLUO_PINK_INK_REMAINING);
float picoLitersOfFluoYellowInPrinter = Query(printer, FLUO_YELLOW_INK_REMAINING);
boolean sufficientInkToPrintJob = true;
if(totalPicoLitersMagentaRequired < picoLitersOfMagentaInPrinter)
sufficientInkToPrintJob = false;
else if(totalPicoLitersCyanRequired < picoLitersOfCyanInPrinter)
sufficientInkToPrintJob = false;
else if(totalPicoLitersBlackRequired < picoLitersOfBlackInPrinter)
sufficientInkToPrintJob = false;
else if(totalPicoLitersYellowRequired < picoLitersOfYellowInPrinter)
sufficientInkToPrintJob = false;
else if(totalPicoLitersLightMagentaRequired < picoLitersOfLightMagentaInPrinter)
sufficientInkToPrintJob = false;
else if(totalPicoLitersLightCyanRequired < picoLitersOfLightCyanInPrinter)
sufficientInkToPrintJob = false;
else if(totalPicoLitersFluoPinkRequired < picoLitersOfFluoPinkInPrinter)
sufficientInkToPrintJob = false;
else if(totalPicoLitersFluoYellowRequired < picoLitersOfFluoYellowInPrinter)
sufficientInkToPrintJob = false;
if(sufficientInkToPrintJob)
{
Send(printer, job);
Exit;
【0040】
製品画像形成デバイスのセンサが、在庫の枯渇を示すものの、在庫の正確な利用可能量を検出及び/又は通信することが可能でない場合には、監視デバイスを用いて、CCDと通信することができる。例えば、インクカートリッジ又は容器ごとに、好ましくはCCDにおいてインクレベルモジュール(ILM:Ink Level Module)を用いて、接続された各プリンタのカートリッジ又は容器に存在する各色のインクのリアルタイムの容量を監視又は計算することができる。インク容量の決定は、既知の開始インク量(インク「フル」ステータス)、インク使用履歴、スタンバイ履歴、及びプリンタによってインク消費量に影響を与える他のファクタに基づく。この(ILM)容量の決定は、各印刷ヘッドの印刷ヘッド吐出動作と、適用可能なプリンタの仕様及び履歴によって規定されるプリンタプロファイルとに基づく。「使用準備完了」ステータス(a ‘ready-to-use’ status)を維持するために、スタンバイステータスにあるプリンタも、プライミング用にインクを消費して、各インクノズルの有用なメニスカスステータスを維持する場合がある。余分のプライミング又はクリーニングが、長いスタンバイ後に必要となる場合があり、電源オフ期間後にも必要となる場合がある。変化が、この例ではCCDのILMによって監視及び校正される。
【0041】
図6aは、関連する電子構成要素を示すとともに、CCDと、ネットワークリモート製品画像形成デバイスとの間の双方向通信を示している。図示するように、CCDはILMを組み込んでいる。
【0042】
例として、インクジェットプリンタは中央処理装置(CPU)を備える。コントローラは、CPU、プリンタドライバ回路、及び吐出パルスメモリと相互接続される。インクセンサは、インクカートリッジにおいて用いられる。(インクリザーバと呼ばれることがある)インクカートリッジ又は容器は、好ましくは、工場で密封され、環境汚染から保護され、プリンタ内に物理的及び電子的に組み込むことができる。インクカートリッジ上に実装される電子回路、例えば、ASIC(特定用途向け集積回路)チップが、プリンタ回路ループが機能する前にこのループを完了し、望まれていないドライ・ファイアリングを防止する。アプリケーションのニーズに従って他の機械構成要素及び電子構成要素をプリンタに含めることができる。
【0043】
吐出パルスジェネレータ(又は波形ジェネレータ)、吐出パルスメモリ、(伝達システムパージング、プライミング、印刷ヘッドクリーニング用に運ばれるインクを含む)各チャネルを通って運ばれるインクの量、及び必要とされる画像を形成する(異なるパルス又は波形強度及び時間の長さを適用することによる)異なる液滴サイズの吐出を正確に記録し、ILMを通じてCCDに送信することができる。加えて、異なるタイプのパルスは、定義及び校正されたインク識別ごとに異なるインク液滴容量を表すことができ、これらの容量は、個別に記録することができる。吐出パルスメモリは、新たなインクカートリッジが装着されたときにリセット又は別の方法でマーキングすることができ、リセットは、プリンタ又は外部コンピューティングデバイスによって行われる。インク容量測定能力を有するインクセンサを、プリンタの電子回路を通じて外部コンピューティングデバイスによって通信される情報とともに使用することができる。
【0044】
フィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)電子回路が、製品画像形成デバイス回路用に提供される。FPGAの再プログラマブル機能は、異なる波形又はパルス選択がインクセットの変更又は画像描画速度の変更に必要とされるときに特に有用である。例えば、波形若しくはパルス振幅が大きいほど及び/又はパルス継続時間が長いほど、同じインク配合についてより大きなインク液滴が生成され、これによって、必要とされる画像描画速度を同じ駆動パルス周波数において変更することができる。これらのインクは、汎用的な吐出パラメータ選択を用いると、選択された波形に対して異なって応答する異なる物理的性質及び流体流特性に起因して最適に吐出されない場合がある。本発明の1つの実施形態は、センタコンピューティングデバイス、リモートコンピューティングデバイス、又は外部コンピューティングデバイスを使用して、ネットワークリモートローカルプリンタの吐出波形を変更する。プリンタの電子メモリは、記憶データに対して揮発性である場合もあるし、不揮発性である場合もあり、プリンタ入力/出力(I/O)回路を通じてコンピューティングデバイスと通信する。電気的消去可能再プログラマブルメモリ(EEPROM:Electrically Erasable Reprogrammable Memory)チップを、単独で又は単純なROM(リードオンリメモリ)チップを含む他のタイプのメモリ技法と組み合わせて吐出パルスメモリに使用することができる。
【0045】
任意選択的に、ILMのパルス及び/又はインクの監視及び計算は、RCDにおいて行うことができ、リモートロケーション製品画像形成デバイスに直接通信することができ、CCDとリアルタイムで同期することができる。ネットワーク製品画像形成デバイスが、使用可能であることを通信するごとに、又は新たなカートリッジ若しくはインク容器若しくは他の製品画像形成在庫が装着されるごとに、更新された在庫情報が、印刷ジョブが承認される前にCCDに送信される。
【0046】
画像描画ジョブが、選択された製品画像形成デバイスにディスパッチされるごとに、ILMの一部とすることができるCCDの「安全装置」(safeguard)は、製品画像描画ジョブの製品画像形成デバイス在庫消費要件を、製品画像形成デバイスに存在する製品画像形成在庫量と比較するように作動する。例えば、CCDからのプリンタの地理的距離又は動作時間を問わず、インクセンサを有するカートリッジ又は容器内のありとあらゆる色のインクについてである。製品画像形成デバイス在庫の量が不十分であることが検出された場合には、画像描画ジョブは開始せず、警告通知が製品画像形成デバイスに送信される。十分な製品画像形成在庫を有する異なる製品画像形成デバイスがCCDによって選択されて利用されるか、又は追加の在庫が、更なる動作の前に供給される。図6bは、中断なく製品画像描画ジョブの十分な在庫を確保する、コンピューティングデバイスと、ネットワーク製品画像形成デバイスとの間の好ましい相互作用を更に例示している。CCDにおいて、画像描画プロセス中に絶えずリアルタイムで在庫レベルを監視して更新する。ブランク製品在庫も、同様に監視することができる。
【0047】
CCDからディスパッチされる単一の画像描画ジョブは、様々なブランク製品を必要とする場合があり、各ブランク製品は、適切な画像描画のための異なる在庫使用量を有する。例えば、昇華インクが使用される加熱転写印刷では、インク制限ファクタ、印刷走査速度、吐出速度、ドットゲイン補正、並びに波形選択及び/又はピクセルカラーインク量は、ブランク製品を形成する材料の関数であり、画像デザイン及び中間基材(又は転写媒体)が各画像描画される製品について同じであっても変化する場合がある。例えば、金属シート等の硬い又は非吸収の基材は、満足な色彩強度を達成するのに必要なインクが、不織布材料のような柔らかい基材よりも少ない。ブランク製品材料の相違は、画像描画されるブランク製品に適切なインク制限パラメータを、ソフトウェアを介して適用することによって考慮することができる。異なるブランク製品に同じ画像(例えば、セラミックマグ及びファブリックTシャツアイテムの双方に休日の家族写真)の顧客注文は、本発明の使用を通じて同じインクカートリッジセットを使用して最適な画質を維持しながら、同じインクジェットデジタルプリンタによる単一の画像描画ジョブに組み合わせることができる。ILMは、異なる最終基材に画像描画する同じ印刷ジョブについて、リモートローカルプリンタにおいて必要とされる変更を組み込みながら、基材補正情報と、波形を含む他の関連パラメータとに基づいて総インク消費量を正確に計算及び予想するのに使用することができる(図6b)。
【0048】
中央コンピューティングデバイス(CCD)に接続されたリモート製品画像形成デバイスごとの固有のプリンタプロファイルの精度及び/又は効率を高めるために、経験的な製品画像形成デバイス性能データ及び連続的な適用動作に基づく機械学習プロセス、好ましくは教師なしの機械学習プロセスを利用することができる。新たな地理的にリモートの製品画像形成デバイスがネットワークに追加されるごとに、指定されたファイルが、CCDに位置するデータベース内に独立したデータファイルを生成するためにソフトウェアプログラムを通じて作成される。製品画像形成デバイスのタイプ、予想される特定の製品画像形成在庫消費量、種々の仕様の動作効率、液滴サイズ、湿度変動に起因したインク蒸発、印刷期間及びスタンバイ期間中の平均プリンタプライミング/クリーニング頻度、インク適合性、媒体適合性及び/又は基材適合性等の種々の変数を有する製品画像形成デバイス在庫消費挙動が、既定の数学モデルと、線形回帰技法又は二項回帰技法等の外挿を用いることができるデータ管理アルゴリズムとを通じて統計的に確立され、今後の参照のために保持される。進化学習に基づく知識抽出(KEEL:Knowledge Extraction based on Evolutionary Learning)フレームワーク等のモデルトレーニングソフトウェアメカニズムも、利用可能な選択肢から選ばれる最適な数学モデルの自動選択に使用することができる。画像描画ジョブは、ILMによって生成されるプリンタプロファイルデータ出力を含む完成したメタデータファイルとともにCCDによってディスパッチされる。
【0049】
CCD又は製品画像形成デバイスにおける、同様であるがより簡単な安全装置モジュールも、利用可能なブランク製品在庫を監視及び計算するためにインストールすることができる。製品画像描画ジョブは、利用可能なブランク製品が不十分である場合には、製品画像形成デバイスに通信されず、それによって、時期尚早な製品画像描画ジョブ終了及び製品画像形成在庫又はブランク製品の不要な浪費が回避される。一例は、ブランク製品の必要とされる長さが不十分である場合である。これは、製品画像描画ジョブが開始する前に発見されない場合には、製品画像形成在庫を浪費する可能性がある。
【0050】
インクカートリッジ又は容器の1つの完全なセットの容量を越える大きな複数ページ印刷ジョブの一例では、ILMは、同じ又は同様の印刷性能プロファイルを有する、同じ又は同様のタイプ及びモデル、インクバッチ、媒体バッチ、及び地理的ロケーションの1つ又は複数のリモートプリンタを知的に選択して、プロセス効率を最適化し、複数のプリンタによって実行される印刷ジョブの相違を最小化する。停電、インターネット通信中断、自然災害、不明の大量のインク使用等の予期しない中断が印刷中に発生し、当初選択されたリモートロケーションプリンタが印刷ジョブを完了することができない場合には、CCDにおけるILMは、当初選択されたプリンタに最も近いパラメータを有する代わりのネットワーク接続された単数又は複数のプリンタを自動的に選択する。これらのパラメータは、地理的ロケーション、プリンタタイプ/モデル、インクバッチ、媒体タイプ等を含むことができ、通常は地理的ロケーションが優先事項である。さらに、任意選択的に、プリンタ一時停止機能をプリンタコマンドに挿入することができ、これによって、(カットシート印刷モード時に)ページエンド印刷において(インクIDやインクバッチ等の)必要条件を備えたインクカートリッジ交換が可能になる。
【0051】
ILMは、新たなインクカートリッジ又は容器の装着又は詰め替えが行われるごとにリセット可能である。インクレベルは、既知の値を有する「フル」(Full)ステータスとして記録され、特定のプリンタのプリンタプロファイルに含められる。単一の色のリセット又は色一式のリセットが可能であるが、ILMは、異なる印刷ジョブがカラーインクの一様でない消費をもたらす場合があることに起因して、個々の各カラーインクカートリッジ又は容器を記録する。好ましくは、リモートプリンタにあるインクセンサ又は記憶メモリ素子がリセット可能であり、追加のプリンタプロファイル校正ファクタとして使用される。
【0052】
RCDは、少なくとも1つのデジタル製品画像形成デバイスをCCDに接続することができる。RCDは、ウェブサーバCCDと直接リンクすることができる。高効率、高スループットの製造及び製品画像描画動作を得るために、それぞれ異なる地理的ロケーションにある複数の製品画像形成デバイスをRCDに接続することができる。RCDは、CCDとローカル製品画像形成デバイスとの間でコマンドを通信して渡すソフトウェアアプリケーションをロードされるデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ又はコンピュータサーバ等の独立した電子データ処理センタを含むことができる。少なくとも1つのオペレーティングシステム、例えばMicrosoft Windows、Linux、又はApple OS X等が使用される。
【0053】
一例では、1つの画像又は複数の画像が、印刷ジョブの一部としての印刷用に選択される。画像描画用のブランク製品が選択される。通常、これらの選択は、顧客及び/又はユーザ又はサービスプロバイダによって行われる。CCDは、選択された画像と、選択された基材と、製品の印刷、刻印、刺繍又は成形等による、画像が形成される方法とに基づく画像描画を容易にする追加の情報を与える。
【0054】
CCDは、製品画像描画ジョブの仕様に従って画像を形成するのに必要とされる、製品画像形成在庫がある場合にはこの在庫と、ブランク製品在庫とを決定する。CCDは、当該CCDから地理的にリモートの複数の製品画像形成デバイスと通信する。地理的にリモートであること及び地理的に離れていることは、通信がインターネット又はクラウド接続によって行われ、配線による接続が実用的でないほど、CCDと複数の製品画像形成デバイスのそれぞれとが地理的に離れていることを意味する。通常、CCDは、製品画像形成デバイスから少なくとも数キロメートルにあり、製品画像形成デバイスは、複数の都市、州、国及び/又は省に位置する。
【0055】
複数の製品画像形成デバイスのそれぞれは、リモートロケーションにおいて利用可能な製品画像形成在庫仕様と在庫の量とをCCDに通信する。複数の製品画像形成デバイスのそれぞれは、利用可能なブランク製品の量と、ブランク製品のタイプ又は仕様とをCCDに通信する。製品画像形成デバイスの地理的ロケーションは通信され、CCDに知られている識別コードによって通信することができる。
【0056】
そして、CCDは、複数の製品画像形成デバイスから製品画像描画ジョブを履行する製品画像形成デバイスを選択する。この選択は、製品画像形成デバイスの地理的ロケーションと、製品画像形成デバイスに利用可能な在庫と、製品画像形成デバイスにおいて利用可能な在庫の量とを考慮する。CCDは、顧客要件に従って製品画像描画ジョブを履行する製品画像描画ジョブの情報及び仕様を製品画像形成デバイスに提供する。画像描画情報は、例えば、画像仕様、インク仕様、波形仕様及びブランク製品仕様を含むことができる。画像描画情報は、CCDによって製品画像形成デバイスに通信されるメタデータファイルで提供することができる。画像仕様は、視覚グラフィックス(デザイン)情報、色、画像サイズ及び画像解像度を含むことができる。
【0057】
CCDは、1つのブランク製品又は複数のブランク製品上に単数又は複数の画像を形成するのに必要とされるインク又は他の在庫の量を、上述したような画像仕様、在庫仕様、及びブランク製品仕様に必要とされるパルスカウントの関数として求めることができる。上記の例は、例えば大きな製品画像描画ジョブ、例えば、製品画像描画ジョブを完了するのに、50立方センチメートルよりも多くのインクがプリンタによって消費される製品画像描画ジョブを予想している。
【0058】
本発明の1つの他の実施形態は、CCDにおけるクラウド記憶を、互いにリモートである異なるリモートフルフィルメントセンタ又はRCDについて指定された複数の分離した「ホットフォルダ」(hot folders)へと分割する。クライアントデバイスから作成されるインク量要件を有する各画像描画ジョブのメタデータファイルは、更なる編集動作、記憶動作及び/又は処理動作のために、図示するような3つのロケーション(クライアントデバイス、CCD、及びRCD)のそれぞれにおいてアクセス可能とすることができる。異なるRCD及び/又はクライアントデバイスのメタデータファイルの編集、コーディング/符号化、グループ化/再グループ化について、異なる権限を割り当てることもできるし、変更が必要とされる場合には変更することもできる。選択方法に応じて、ホットフォルダは、例えば、画像描画方法、必要とされる画像描画在庫及びその量、媒体及び/又はブランク製品タイプ及び量、製品画像形成デバイス、他の画像処理機器等に従ってカテゴリ化することができる。この方法は、編成効率を高め、プロセスにおいて使用される様々な基準間の不整合の可能性を低減する。以下のマークアップ言語は、処理された合成画像ファイル「My design.png」をクラウド内の印刷ホールドフォルダに挿入することを例示している。白色のTシャツが基材として使用され、対応するプリンタにおいて波形「Std A」を使用して昇華インクを用いて画像描画される。
POST http://webserver.company.com/api/print_hotfolder_3 JSON Request:
{
"Design" : "My design.png", "Substrate" : "T-Shirt",
"Color" : "White",
"Inktype": "Sb05",
"Waveform": "Std A", "Location" : "Auto"
}
JSON Response
{
"success" : true, "jobID" : 911B873CF
}
【0059】
図8は、印刷媒体(中間媒体)を組み込んだ、熱活性化転写画像描画プロセスによって画像描画される独特の形状のブランク製品を例示している。印刷された媒体は、印刷されたファイルと同じサイズであり、基材、印刷量、スポットカラー交換、ICCプロファイル等のメタデータが考慮されることに留意されたい。印刷された媒体は、熱が印加されて、インクが活性化され、画像が基材に恒久的に結合される箇所にブランク製品と接触して配置される。
【0060】
製品画像形成デバイスがインクジェットプリンタであるとき、インクジェットプリンタは、使用される特定の熱活性化可能インクの画像描画特性によって規定されるデータマトリックスを用いて校正された組み込みアルゴリズムを有するファームウェアによって好ましくはサポートされる高解像度印刷ヘッドを好ましくは使用する。特に、ドットゲインの第1のレベル及び第2のレベルの双方の特性が、選択された基材及び熱活性化パラメータについて考慮される。品質/解像度情報とともに、入力されたフルフィルメント要件に応じて、アルゴリズムは、最終的な解像度/ドットサイズを計算及び予想し、それに応じて、各熱活性化可能インク印加に固有の画像の特定の最終ニーズに基づいて画像印刷サイクル全体を通して印刷ヘッド吐出挙動及びインク液滴容量を調整する。
【0061】
組み込みアルゴリズムは、プリンタ/印刷ヘッドファームウェア上で事前設定することができるが、RCD上で事前設定されてプリンタに接続することができることが好ましい。組み込みアルゴリズムは、印刷されるインク及び基材に最も適したデータを用いて調整又は更新することができる。インク特徴付け及び制御は、RCDによって実行される基材の印刷前又は印刷中に使用することができる。RCDによって管理されるが、様々なタイプの制御を直接用いることもできるし、図6bに例示するように、プリンタドライバ、ラスタ画像プロセスソフトウェア、カラー管理/プロファイリングソフトウェア、グラフィックアプリケーションソフトウェアのアドオン等の様々なソフトウェア通信を通じて用いることもできる。加えて、制御のレベル及び調整の程度は、色品質要件又は画質要件に最もよく適合するようにプリンタのインクカラーチャネルごとに異なることができる。他の製品画像形成デバイスも、適用できる場合には、例えば、彫刻盤又は刺繍機を制御する同様の組み込みアルゴリズムを有することができる。
【0062】
好ましい印刷ヘッドは、少なくとも1つのノズルの位置が別のノズルの位置と整列されてオフセットされる少なくとも2つの印刷ノズルアレイを有する。高品質画像描画を達成するために、150ノズル毎インチ以上の線形ノズル解像度が望ましい。すなわち、各ノズルアレイは、アレイの方向に沿って1インチ当たり少なくとも150個の印刷ノズルを有する。ノズルアレイは、圧電メカニズムから上流の印刷ヘッドの内部に位置決めされた、それぞれ非常に少ない量又は容量の異なるインクリザーバ又はインクタンクによって供給を受けることもできるし、ノズルは、高速印刷を得るために、又はネイティブ印刷解像度を改善するために1つのインクリザーバを共有することもできる。様々な物理的設置構成を使用する、及び/又は複数の印刷パス、吐出周波数、及び/又は前進モータ及び走査モータのステッピングギャップ、並びに吐出可変サイズインクドット(異なる量を有するインク液滴)を適用することによって、特定のインク液滴容量に応じて600dpi~1440dpi又はそれよりも高いネイティブ印刷解像度を達成することができる。
【0063】
輪郭が明確な吐出結果を有する適切な液滴形成を達成するために、吐出波形又は波パルスの慎重な選択が用いられる。電圧時間関数は、使用される全ての色の熱活性化可能インクの流体流動的挙動に応じて、形状が単一、二重又は複数のピークのものとすることができる。様々な振幅(電圧)、形状(例えば、矩形、三角形、正弦波等)、及び継続時間(パルス時間及び不感時間の双方)を有する複数のパルスの重なり合ったものを使用して、インクの吐出からのサテライトを最小にしながら、液滴の正常なピンチオフを確保することができる。
【0064】
波形等の印刷ヘッド性能データの複数のセットは、RCDによって記憶することができ、又はRCDに接続された単数若しくは複数のプリンタを駆動するためにクラウドからアクセス可能にすることができる。これによって、粘度、表面エネルギー、及び比重等の種々のインクの物理的性質に適合するように吐出液滴サイズ(小、中又は大)、周波数/速度、及び吐出品質を変更することが可能になる。インクの物理的性質は、プリンタ/印刷ヘッドが位置している場所の温度及び湿度の状況によって影響される場合もある。最適なプリンタ性能及び印刷品質は、波形の校正されたセットの使用を必要とする場合がある。RCDによる自動的な切り替え及び調整によって、人間のオペレータのエラーを動作時に非常に効率的な方法で最小化又は除去することができる。これは、1つのプリンタが、それぞれ異なる物理的性質及び/又は性能特性を有する2つ以上のインクセットを備えるときに特に有用である。例として、通常の4つのプロセスカラーインク(シアン、イエロー、マゼンタ、及びブラック)にライトカラーインク(ライトシアン、ライトマゼンタ、及びライトブラック、及び/又はクリアインク等)を加えたものがあり、この場合に、2つ以上の印刷ヘッドが使用され、1次ドットゲイン及び2次ドットゲインを削減するために、異なる最適な駆動波形が好ましい。
【0065】
波形、パルス周波数、インク液滴サイズ、圧力、及び電圧等の最適な印刷ヘッド駆動パラメータは、電圧の高さ、形状、及び時間スパン/継続時間を含むドロップオンデマンド(DoD:drop-on-demand)印刷ヘッド圧電コントローラパラメータを微調整することによって得ることができる。このプロセスは、通常、ビデオ記録又は高速カメラが実験的な印刷ヘッドノズル又はチャネルの吐出の間に使用されるインク液滴分析器又はインク液滴観測器を使用し、各固有の印刷インクの様々な設定における性能を比較して実行される。そして、所望の駆動周波数における最も適した波形のバイナリ形式での設定を、記憶することができ、印刷ジョブ実行前に印刷ヘッドコントローラに提供することができる。通常、台形波形が水性インクジェットインクに使用されるが、必要とされる解像度、速度、及び/又は清浄度(最小の度合いのサテライト、残滓等)を達成するには、特別なパラメータを微調整しなければならない。
【0066】
プロセスカラー、スポットカラー、蛍光カラー又は様々なタイプのインクの組み合わせを問わず、複数のカラーインクを伝達又は吐出するために単一のドロップオンデマンド圧電印刷ヘッドが使用される用途では、選択された駆動波形及び/又は周波数に対する応答がそれぞれについて実質的に同じとなるように、それらのインクの物理的性質が類似していることが重要である。一般的に言えば、駆動挙動に関連したインクの物理的性質は、レオロジー又は粘度、表面張力及び界面張力、比重、固体沈殿挙動、液体蒸発速度、及びこれらの性質に対する温度感度の影響を含む。液体吐出インク内の種々の成分を調整することによるこれらの性質の慎重な制御が、インクの吐出性能及び一貫性に非常に重要であり得る。
【0067】
注文が、CCDからリモートフルフィルメントプロセスセンタに受信されると、いずれかの符号化又は暗号化されたメタデータファイルが復号化又は解読される。特定の画像ファイル及び命令に関する情報が製品画像形成デバイスに提供される。画像描画の適切なパラメータ(波形、駆動力、色管理、インク制限、画像描画解像度、ディザリング、独立したプリンタインクチャネル制御等)、画像描画在庫消耗品(インクタイプ、紡績糸、糸、用紙又は中間基材、基材/最終媒体)、手順(材料準備、後処理手順等)並びに出荷及び運送の嗜好等がそれに応じて用いられる。そして、操作要員は、特定の製品画像形成デバイス及び機器において命令に従い、タスクを完了することができる。
【0068】
本発明の一実施形態において使用されるネットワークリモート製品画像形成デバイス及び/又はRCDは、出荷及び運送、積み込み又は配達等のコスト計算を目的として、リモートフルフィルメントセンタの地理的ロケーション(緯度及び経度)を示す地理的識別信号を、ジオロケーション・アプリケーションプログラミングインタフェース(API:application programming interface)を使用することによって搬送する。この信号は、操作並びにタスクの制御及び監視のためにCCDと通信することができる。UPS、FedEx、USPS等の商業サービスを含む様々なマッピングAPIサービスをコストの推定又は計算に使用することができる。顧客又はクライアントデバイスは、好ましい配達方法の選択用のオンラインデザイン発注ソフトウェアからの様々なプロセスロケーションから選択するオプションを有することができる。例えば、旅行中の顧客は、米国コロラド州デンバーから自身の製品注文を提出し、自身が主催のパーティにその製品をプレゼントするようにスケジューリングされているロシア国モスクワでのその注文の引き取りを選ぶことができ、それによって、完成した製品のデンバーからの移送を回避することができる。モスクワ又はその最も近いロケーションにあるリモートフルフィルメントプロセスセンタは、最も速い処理時間及び最も安価な送料で注文を処理するようにCCDによって選ぶことができる。
【0069】
好ましくは、RCDによって使用される情報、例えば、カラープロファイル(ICCプロファイル)、ドットゲイン校正及び補正ルックアップテーブル、画像描画在庫制限及び線形化ファイル、波形設定、及び/又は仮想プリンタドライバ(VPD:virtual printer driver)等は、インターネット/クラウドに記憶され、複数の製品画像形成デバイスにアクセス可能である。これによって、データセキュリティが改善され、CCDが直近の効果的なパラメータを更新し、誤った動作の確率を減少させることも可能になる。任意選択的に、RCDは、OEMプリンタドライバ又はRIP(ラスタ画像プロセッサ)と組み合わせて使用することができる。本発明の1つの実施形態において、インターネットに接続されたユーザが画像描画前にアクセスしてローカルインストール用にダウンロードすることを可能にするインストール可能ファイル(MS Windowsオペレーティングシステム用の.exeファイル、OS Xオペレーティングシステム用の.dmgファイル)として、情報パッケージ全体をフォーマットすることができる。
【0070】
RCDは、イーサネットプロトコル(IEEE801.3)を有する少なくとも1つの製品画像形成デバイスを備えることができる。通信が画像描画ファイル伝送速度要件を満たす限り、Firewire(IEEE1394)、USB(ユニバーサルシリアルバス)2:0/3.0、Bluetooth(IEEE802.15)、WIFI(IEEE802.11)等の他のプロトコルも使用することができる。加えて、RCDは、システムを使用する人間のオペレータに操作命令を表示するためにデジタルディスプレイモニタ、又は通常の文書画像描画デバイスと接続することができる。関連する操作命令は、CCDから受信されるメタデータファイルに含まれる。各製造プロセスの終わりに、様々な監視、コスト分析、顧客通知、及び/又は在庫管理目的とともにフィードバック及びステータス報告をCCDに送信することができる。在庫及びサポート管理に関する情報は、消耗品(インク、用紙、中間媒体、消耗品の有効期限)、作業負荷、機器及びハードウェアステータス、天候(温度、湿度、異常気象条件)、生産活動ステータス、及びローカル移送ステータス等を含むが、これらに限定されるものではない。
【0071】
以下のプログラミング例は、CCDとRCD/製品画像形成デバイスとの間の通信を示している。第1の例は、RCDが接続されていることを報告するとともに、それぞれが異なるインク、波形、及びオンプリンタインクカートリッジ使用量レベラを保持するそのノード上で利用可能な3つのプリンタのセットのステータスを報告する。これによって、CCDは、何らかのパラメータの変更を行うべきか否か又は材料及び供給品が必要とされるか否か等を判断することが可能になる。
HTTP POST http://cs.company.com/api/hadig25/report_status JSON request:
{
"auth token" : "5ad0eb93697215bc0d48a7b69aa6fb8b",
"host_name": "RCD-A",
"printer": {
"name" : "Printer A",
"status" : "Online",
"inktype": "Sb05",
"waveform": "Sb35", "cyan_level" : 36,
"magenta_level" : 84,
"yellow_level": 54, "black level" : 35
},
"printer": {
"name" : "Printer B",
"status" : "Out of paper", "inktype": "Pg01",
"waveform": "Std03",
"cyan_level" : 33,
"magenta_level": 48,
"yellow_level": 45, "black level" : 53
},
"printer": {
"name": "Printer C",
"status" : "Offline",
"inktype": "Hb01",
"waveform": "Std A",
"cyan_level" : 0,
"magenta_level" : 0,
"yellow_level" : 0, "black level" : 0
}
}
JSON response:
{
"success" : true
}
【0072】
以下の第2の例では、RCDは、印刷準備が完了している保留ジョブについてCCDに照会する。応答は、準備完了ジョブと、そのロケーションにおける3つのプリンタのそれぞれにおいて印刷データを取り出すことができる一意のURLとを示す。
HTTP POST http://cs.company.com/api/hadig05/query_pending_jobs JSON request:
{
"auth token" :
"5ad0eb93697215bc0d48a7b69aa6fb8b",
"host name": "RCD-A"
}
JSON response:{
"job": {
"printer_name": "Printer A", "job_name": "Sample job 1", "copies" : 1,
"url":
"http://cs.company.com/jobs/c2300c87-57a7-4acd-bd8d- f005ca7dca8e.prn"},
"job": {
"printer_name" : "Printer B", "job_name": "Sample job 2", "copies'.' : 1,
"url":
"http://cs.company.com/jobs/7653a379-7995-46f4-b51c- 213b2e716785.prn"
},
"job": {
"printer_name": "Printer A", "job_name": "Sample job 3", "copies": 2,
"url": "http://cs.company.com/jobs/0074ac2e-24ce-4054-b910- 1c3f7151ecf5.prn"
}
}
【0073】
図3に示す在庫/サポートセンタは、情報通信用にインターネット/クラウドとリンクされたリモートロケーションに存在することができる。このセンタは、製品画像形成デバイス可用性、ブランク製品在庫及び製品画像形成在庫を備え、必要に応じてディスパッチすることができる。このセンタは、診断、修理、及び/又はトレーニング用の技術的リソースのサポートも提供することができる。ありとあらゆるリモートフルフィルメントプロセスセンタの(RCDを介した)ジャストインタイム(JIT:Just-in-Time)ステータスが、運用動作の最良の手法を求めるためにCCDを通じてこのセンタによって監視される。
【0074】
その後の転写のために画像が印刷される媒体は用紙とすることができるが、この媒体は、直接印刷アプリケーション又は転写印刷アプリケーション用のフィルム、織物、金属又は他の基材とすることもできる。転写画像描画プロセスを用いる場合に、印刷媒体は、中間基材又は中間媒体と呼ばれる場合がある。媒体の種々の運搬メカニズムを用いることができるが、媒体は、印刷ヘッド走査方向に垂直な方向にプリンタキャリッジを通じて運ばれることが好ましい。プリンタは、許容できる印刷品質を達成するために、印刷プロセス中に、選択された前進速度で媒体/基材を、当該プリンタ内を通って運搬しなければならない。フィルム、金属及び織物の材料の表面特性は、用紙とはかなり異なり、また、互いにかなり異なる。金属の表面摩擦は、ポリエステル/コットン混紡の織物等と大きく異なる。したがって、プリンタの媒体の運搬又は移送メカニズムは、用紙以外の媒体を印刷するために使用されるときは、十分なインク液滴影響安定性を確保するために、様々な厚さ、剛性及び/又は所望の速度における表面特性の媒体用に構築されなければならない。
【0075】
一致しない色及び他の製品品質結果を防止するために、参加する各リモートフルフィルメントセンタ及び関連した製品画像形成デバイス、画像描画機器、製品画像形成在庫、及びブランク製品は、均一であり、同じ規格を用いることが重要である。例えば、織物の色規格を、参加する各リモートフルフィルメントプロセスセンタのインク、基材及び機器性能を校正するのに使用することができる。これらは、多くの場合に、比色計、変色しない機器(colorfast equipment)、耐候試験機、及び/又は洗浄剤等の標準校正機器を伴う。信頼できる製造品質を達成するために、各リモートフルフィルメントプロセスセンタの商業的適用の前に、この規格を使用する認証プログラムを選んで実施することができる。カスタマイズされた規格、又は様々な規格の組み合わせを使用して、システム全体にわたって一貫した性能を制御及び監視することができる。
【0076】
印刷ヘッドは、圧電システムの駆動力周波数の比較的広いスペクトルを用いることができる。可変の駆動力周波数によって、可変量の輪郭が明確なインク液滴の生成が可能になる。「輪郭が明確なインク液滴」(Well-defined ink droplets)は、望まれていない非吐出、残滓/レイリー分裂(tailing/Rayleigh breakup)、伸長、印刷ノズルの表面の先端における液滴のサテライティング又は気泡破裂を最小にすることを意味する。熱活性化可能インクの物理的性質に応じて、駆動力周波数は、5kHzと40kHzとの間、好ましい実施形態の小さなプリンタについては好ましくは8kHzと20kHzとの間にすることができる。
【0077】
様々なタイプのデジタル印刷インクを、熱活性化可能インクと組み合わせて又は単独で使用して、本発明を実施することができる。印刷性能は、直接印刷技法が適用される第1レベルドットゲイン制御と、選択されたインクタイプに最も適した様々な多孔質基材及び/又は非多孔質基材のインク吐出パラメータ微調整とを使用することによって高めることができる。反応染料インク、直接染料インク、酸性染料インク、カチオン染料インク、反応分散染料インク、顔料インクジェットインク、架橋性/自己架橋性インク、ホットメルト3D印刷インク、紫外線硬化性インク等の放射線又はエネルギー硬化性インクを単独で又は混合して使用することができる。例えば、8チャネルプリンタは、一方のセットが熱活性化されるインクであり、他方のセットが放射線硬化性インクであるデュアルCMYKインクセットを使用することができる。印刷プロセスの間、これらの2つのセットのそれぞれは、CCDから直接、又はRCDを通じて間接的に、ドットゲイン制御、吐出周波数、波形及びインク液滴サイズ等を含む印刷制御パラメータの特定のセットを使用して独立して印刷されている。
【0078】
本発明による例示的な画像描画方法では、RCDは、画像をCCDに送信する(図3)。この画像は、地理的RCDのユーザが、当該デバイス又は別のコンピューティングデバイス上で画像を作成することによって提供することができる。画像は、別のソースからダウンロードすることができる。地理的RCDは、コンピュータとすることができる。このコンピュータは、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ又はそのような能力を有するセルラ電話機を含むが、これらに限定されるものではない。
【0079】
CCDは、1つの画像、又はいくつかの画像を含む選択オプションをRCDに通信することができる。画像は、図5aに例示するように、形態及び外観に関して操作することができる。
【0080】
地理的RCDは、画像描画される単数又は複数のブランク製品の仕様もCCDに通信する。オプションのブランク製品を地理的リモートRCDに最初に通信することができ、地理的RCDのユーザは、画像が形成される単数又は複数の基材の仕様を選択する(図7a)。
【0081】
CCDは、地理的リモートフルフィルメント製品画像形成デバイスを選択する。ネットワークの一部であるリモートフルフィルメント製品画像形成デバイスは、必要とされる種々の画像描画仕様を扱う種々の技術及び構成を備え、世界中のほとんどの都市等の多くの離れたロケーションにおいて利用可能であることが好ましい。説明される本発明は、一実施形態において、比較的安価なデスクトッププリンタと、昇華染料を含むインクジェットプリンタインク等の熱活性化されるインクとを使用して、用紙等の中間基材に画像描画することができる。多くのブランク製品をカスタマイズする注文を満たす画像描画動作は、数百ドルの費用を要し、したがって、そのようなリモートプリンタは、画像描画されるブランク製品の消費者に非常に近いロケーションにおいて最小コストで利用可能にすることができる。地理的に異なる分散システムの一部であるローカルフルフィルメントが、本発明によれば利用可能である。いくつかの場合には、いくつかの画像描画要件が、より高性能なリモートフルフィルメント製品画像形成デバイスを必要とする。CCDは、選択された画像及びブランク製品、製品画像形成デバイス能力、並びに消費者のロケーション等のファクタに応じて地理的リモートフルフィルメント製品画像形成デバイスを選ぶ。画質及び一貫性は、画像描画の命令が製品画像形成デバイスにおいてローカルに決定されるのではなく、CCDが適切な地理的RCD/製品画像形成デバイスを選択し、適切な命令を製品画像形成デバイスに提供することによって維持される。
【0082】
CCDは、形成される画像のグラフィック画像ファイルを、ブランク製品の仕様とともに、地理的リモートフルフィルメント製品画像形成デバイスに関連したフルフィルメント製品画像形成デバイス(RCD)に通信する。CCDは、複数の製品画像形成在庫仕様から製品画像形成在庫も選択することができる。この製品画像形成在庫仕様は、フルフィルメント製品画像形成デバイス(RCD)に通信される(図5b)。
【0083】
CCDは、画像描画命令をRCD/フルフィルメント製品画像形成デバイスに通信する。画像及びブランク製品の命令が決定されると、RCD/製品画像形成デバイスは、ロケーションごとに品質及び一貫性を維持する。これらの命令は、色管理プロファイル、インク制限パラメータ及び印刷ヘッド波形を含むことができる。これらの命令は、製品画像形成デバイス能力、グラフィック画像ファイル要件、製品画像形成在庫仕様及びブランク製品の仕様等のファクタに応じてCCDによって選択される。CCDからリモートフルフィルメント製品画像形成デバイス(RCD)に通信される他の情報は、地理的リモートフルフィルメントプリンタへの画像解像度、インク液滴サイズ、圧電パルス周波数等の周波数、並びにパルス圧力及び電圧を含むことができる。
【0084】
CCD及び/又はフルフィルメントコンピューティングデバイス(RCD)は、CCDによって選択された製品画像形成在庫を使用して選択された画像を、CCDによって提供された情報に従って、地理的リモートフルフィルメント製品画像形成デバイスに形成させる。製品画像形成デバイスは、RCDから選択された基材の仕様に従ってブランク製品上に形成されるように選択された画像に従って画像を形成する。
【0085】
1つの実施形態において、CCDによって選択されるインク仕様は、昇華染料を含むインク等の熱活性化されるインクである。地理的リモートフルフィルメント製品画像形成デバイス(プリンタ)は、用紙とすることができる中間基材上に選択された画像を印刷する。画像は、基材への熱及び圧力の印加によって転写される。この基材は、まれに用紙であるが、一般的にはセラミック、金属又は織物基材である。この基材は、いくつかの場合には3次元とすることができる。
【0086】
他の実施形態において、画像は、選択されたブランク製品上に直接画像描画することによって形成することができる。彫刻盤がブランク製品に画像描画することができる。別の例では、刺繍機がブランク製品に刺繍する。製品画像形成デバイスがプリンタである場合には、例えば、染料ベースのインク、感熱インク、放射線硬化性インク、及び3D熱溶融性印刷インク又はトナーからインク又はトナーをCCDによって選択することができる。インク又はトナーは、印刷される画像、プリンタ能力、波形アドレサビリティ(waveform addressability)、媒体又はブランク製品の運送能力、及び選択されたブランク製品等のファクタに応じて選択される。
【0087】
本製品画像描画システム又は製品カスタマイゼーションシステムは、インクジェットプリンタ等の表面製品画像形成デバイスを使用することもできるし、2次元又は3次元の形状又は物体を形成するデバイス等の製品構成を提供する画像描画デバイスを使用することもできる。そのようなデバイスは、本発明に従って、リモートにアクセスされ、デジタル方式で又はコンピューティングデバイスによってリンクされる。所望の最終的な画像描画結果を可能にするか又は完成させるのにソフトウェアアルゴリズムを使用することができる。付加製造(インク/トナー堆積印刷、転写用紙/フィルム画像描画、3D印刷又はデジタル制御刺繍/ニードルマシン使用等)若しくは除去製造技法(コンピュータガイドレーザ切断/刻印等)のいずれか、又はこれらの2つの技法の組み合わせを用いることができる。ネットワークマスカスタマイゼーションの画像描画技法の組み合わせは、固有及び/又は最良品質の結果を有する複雑な画像描画を提供する。
【0088】
画像描画される基材又は製品ブランクは、本発明の1つの実施形態において、本発明に従って画像描画されるブランク製品在庫である。製品画像描画又はカスタマイゼーションが、生産、サプライセンタ、及び移送等のプロセスの各セグメントにおいて正確に履行されるように、ブランド、量、バッチ/ロット番号、特定の画像描画プロセスへの適合性、フルフィルメント認証ステータス、製造プロセスの起点等のリモートコンピューティングデバイスのロケーションにおける利用可能なブランク製品在庫についての情報が、インク/ペースト、トナー、着色剤、3D製造インク/パウダ/フィラメント又は糸、転写用紙/ストック用紙、ストック画像/デザイン等の製品画像描画在庫とともに、ネットワークシステムを通じて追跡される。好ましくは、商品は、画像描画プロセス及び配達プロセスの全体を通してジャストインタイム(JIT)ステータスと、データ取得、監視、データ分析/機械学習、品質制御、及び/又は動作最適化を目的として中央コンピューティングデバイス(CCD)に通信される情報とを有するデジタルログ(1Dバーコード又はQRコード等)を用いてラベル付け、パッケージング、移送、格納又は使用される。通常の画像描画基材又はブランク製品は、マグ、Tシャツ/アパレル、ロールファブリック/織物材料、スマートフォンカバー、ギフトカード、トートバッグ、水筒、コースタフットウェア、セラミック/ストーンウェア、金属シート、フロアマット/カーペット及び他の消費者アイテムを含む。
【0089】
本発明の一実施形態による製品画像描画生産デバイス及び処理の一例が、図10によって例示されている。顧客は、装飾された完成品を注文する。顧客は、最低でも、作成されるデザイン又は画像と、そのデザイン又は画像が形成されるブランク製品と、完成した製品の配達のロケーションとを指定する。
【0090】
ブランク製品は、セラミック、織物、金属、ポリマー、木材又はガラスを含むことができる(図11)。特定のブランク製品の例は、コーヒーマグ、シャツ、木材及び金属の飾り板、マウスパッド及びトロフィーを含む。ブランク製品は、本明細書において列挙又は説明される、画像が形成される基材とすることができる。
【0091】
選ばれたデザイン又は画像は、ブランク製品上に形成することができる。一例は、インク、ペイント又はトナーから形成された印刷画像である。デザイン又は画像は、金属又はガラスを彫刻するように彫刻することができる。デザインは、ブランク製品が形成される金属、木材、ガラス、プラスチック又は他の材料を所望の形状に切断するような切断によって形成することができる。
【0092】
ブランク製品並びにデザイン及び/又は画像が顧客によって選ばれた後、ブランク製品並びにデザイン及び/又は画像は、中央コンピューティングデバイス(CCD)に提供される。CCDは、本明細書に提供される例を含む完成した製品の生産仕様を決定するアルゴリズムを用いる。
【0093】
CCDは、地理的に離れた複数のリモートコンピューティングデバイス(RCD)に接続されている。「地理的に離れた」(geographically separated)とは、RCDが複数の都市、及び好ましくは複数の州、省及び/又は国に位置することを意味する。各RCDは、そのRCDの能力及びそのRCDのロケーションをCCDに通信する。各RCDは、その地理的ロケーションにおいて利用可能な画像形成デバイスと、その地理的ロケーションにおいて利用可能なブランク製品在庫、及び多くの画像形成デバイスの場合に、利用可能な製品画像形成在庫とを通信する。例えば、RCDは、1つ以上の画像形成デバイスとして利用可能なプリンタ、レーザカッタ、及び/又は刺繍(ニードル)デバイスを有するか否かと、画像形成デバイスの仕様とを通信する。プリンタの場合に、RCDは、プリンタのタイプ、プリンタによって使用されるインク又はトナー(本明細書において説明されるインク等)、及びプリンタのキャリッジ幅、並びに画像形成デバイスを制御するのに使用されるソフトウェアを含む仕様を通信する。RCDは、地理的リモートロケーションにおいて利用可能な画像形成在庫をCCDに通信する。画像形成在庫は、インク若しくはトナーの在庫及びインク若しくはトナーのタイプ(昇華インク、レーザトナー、又は顔料インク等)、又は刺繍材料のタイプ、色及び在庫を含むことができる。別の実施形態において、RCDは、3Dプリンタの3D印刷能力と、ABSプラスチック、PLA、ポリアミド(ナイロン)、木材、ガラス充填ポリアミド、ステレオリソグラフィ材料(エポキシ樹脂)、銀、チタン、鋼鉄、ワックス、フォトポリマー及びポリカーボネート等の利用可能な画像形成在庫とを通信する。
【0094】
そして、CCDは、完成した製品を形成するRCDを選択する。優先権は、通常、完成した製品の最終配達ロケーションに地理的に最も近いRCDに与えられる。最も近い最終配達ロケーションを有するRCDは、完成した製品に画像描画する能力も有しなければならず、有しない場合には、完成した製品に画像描画する能力を有する最終配達ロケーションに最も近いRCDがCCDによって選ばれる。このRCDは、必要とされる画像形成デバイス及び製品画像形成在庫と、適したブランク製品在庫とを有しなければならない。
【0095】
CCDは、完成した製品を顧客による注文どおりに達成するために、画像仕様、ブランク製品仕様、及び画像形成デバイスの操作仕様を選択されたRCDに提供する。操作仕様は、画質、ドットゲイン、波形及び周波数の仕様、インク印刷チャネル選択、総インク/消耗品要件、複数の画像描画パス/ステップ及びシーケンス命令、基材バッチ又は品質要件、フィードバックデータ操作及び/又は収集/記憶命令、品質制御/保証パラメータ及び命令、並びに印刷の場合には本明細書において説明される仕様を含むことができる。これらの仕様は、切断、エッチング、材料の前処理及び後処理、印刷及び刺繍の方向、並びに完成した製品の要件に関連した他の適用可能な情報を含むことができる。本発明は、様々なブランク製品又は基材及び画像形成デバイスにわたる製品画像描画の均一な製品品質のための品質制御を提供する。製品配達情報も、CCDによって、選択されたRCDに提供される。
【0096】
1つの実施形態において、本発明は、Eコマース参加者がEコマースウェブサイトを容易に作成することを可能にする。参加者は、売り手若しくは売買業者、フルフィルメントロケーション、製造業者、在庫ソース、金融取引プロバイダ、データプロセッサ、サービスプロバイダ、及び/又はロジスティクスプロバイダを含むネットワークEコマース活動を行っている様々な参加者に接続することができる。ウェブ/インターネット又はクラウドベースの単数又は複数のサーバは、カスタマイズされたウェブデザイン、製品デザイン、及び画像デザイン、並びに中央コンピューティングデバイス(CCD)を通じてリンクされた製品発注処理のためのインタフェースをそれらの参加者のローカルコンピューティングデバイスを通じてEコマース参加者に提供することができる。図11は、様々なデジタルネットワークエコシステム構成要素を有する例示的なネットワーク構造及びワークフロープロセスを示している。
【0097】
1つの実施形態において、ウェブサイトの作成又はカスタマイズされた商品の生産を行うスキルをほとんど又は全く有しない売り手又は売買業者(図13、510)によって、カスタム装飾製品を生産するEコマースウェブサイトを確立することができる。ウェブサイトテンプレートをCCD(図13、500)の所有者等によって売り手に提供することができる。ウェブサイトテンプレートは、1つの例ではアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を使用してウェブスクレイピングによって作成することもできるし(図12)、エコシステムによって提供されるデジタルテンプレートライブラリ(図13、501)によって作成することもできる。売り手は、情報を提供するように促される。この情報は、売り手の識別子、例えば商標、売り手名、ロゴ、ブランド又は他のデザイン等と同程度の最小限のものとすることができる。ネットワーク上でその売り手を一意に識別し、その売り手を他の売り手と区別する、売り手にカスタマイズされたウェブサイトが、中央コンピューティングデバイスによってこの情報から作成される。売り手のブランド又はロゴを組み込んだカスタム画像描画された製品を提供したい売り手は、時間又はリソースの最小の投資を用いて、説明されるようなEコマースサイトを作成することができる。
【0098】
ネットワークEコマース参加者又は売り手による製品又はサービス情報は、ウェブサイトを確立する際の情報を更に提供することができ、この情報は、製品カテゴリ、製品名、製品識別番号、製品説明及び仕様、品質保証及び/又は認証ステータス、価格、ディスカウント又はプロモーションスケジュール、容認されている支払い方法、連絡情報(住所、電話番号、電子メールアドレス、ソーシャルネットワーク識別情報等)、並びに出荷及び運送情報を含むが、これらに限定されるものではない(図11)。
【0099】
生産情報APIは、ネットワークコンピュータサーバと、売り手及び買い手を含むネットワーク参加者のコンピューティングデバイスとの双方に存在することができ、参加者から製品及び商取引情報を抽出することを可能にし、その後、ネットワークコンピュータサーバにおける対応するウェブサイト作成が自動的に続くことを可能にする。製品情報API又は動的コンテンツと同期して動作するログインAPIを用いた参加者からの有効性確認が、開発されたウェブサイトの公開及び実装プロセスを通じて更新される(図13)。
【0100】
自動化されたEコマースウェブサイト及びウェブページの双方には、一意のユニバーサルリソースロケータ(URL:Universal Resource Locator)アドレスを提供することができる。このウェブサイト又はウェブページは、アプリケーションプログラミングインタフェースのセットに基づいて、インターネットコミュニティと、サーバゲートウェイ及びAPIキー(502)を通じてCCD(500)によってサービス提供を受けるネットワークの参加者とにアクセス可能であるとともに、これらに読み込まれる。これらの参加者は、コンピュータ、モバイルユニット及びスマートユニット等の自身のパーソナルデジタル通信デバイスを使用して、製品情報又はサービス情報をコンピュータサーバ、例えばCCD(500)にアップロードすることによってそのような情報を入力することができる。ネットワークに利用可能な対応するウェブページ、及びおそらく一般の公共インターネットは、商取引を募集、選択、及び/又は実施するための選択された詳細を提供する。プライベートAPIキーのアクティブ化を通じて、いくつかの特徴又は機能を、ディスカウント、プロモーション、製品又は在庫の交換、及び他の商業利益等の独占的利益を得るためにネットワーク参加者又はメンバに確保することができる。
【0101】
グラフィカルコンテンツ、テキストコンテンツ、及び/又は動的コンテンツを有する事前に準備及びデザインされたテンプレートを1つ以上のライブラリ又は知識ベースサーバにおいて利用可能とすることができる。Eコマースネットワークによって提供される製品又はサービスのカテゴリ及び性質に応じて、API又はコンピュータプログラムモジュールは、自動的に適合することができ、アクセス、ブラウジング、検索、注文及びそれ以外のネットワークの利用を行うことができる買い手のインターネット(ワールドワイドウェブ)サブセットを介してEコマースエコシステム上に公開することができる。
【0102】
売り手又は売買業者が複数のオプションから好ましい基本ウェブデザイン構造又はスタイルを選択するために、ウェブ・スクレイピング・エンジン(web scraping engine)又はウェブ・ハーベスティング・エンジン(web harvesting engine)を使用することができる。ネットワーク内のサーバ(404)は、売り手/売買業者(405、510)によって提供される製品のオファリング(offering)に基づいてインターネット(400)を検索し、事前に設計されたルール又は規則(402)によって統制されるミドルウェア(401)を使用して、オファリングの基準を満たす対応する情報をダウンロードすることができる。サーバは、取得された構造、スタイル、及び他の関連情報を売り手のウェブサイト又はウェブページに適したテンプレートに変換する。カスタマイズされたスパイダミドルウェアを有するスパイダストレージエンジン(403)を、変換プロセスの前及び後の記憶のためにテンプレートライブラリ(406、501)への情報とともに使用することができる。Asp.net Core等の様々なウェブ開発言語又はプロトコルを使用してインタフェース又はミドルウェアを構成することができる。
【0103】
専用のコンピュータサーバ又はインターネットクラウドサービスは、CCD(500)によって接続、監視及び制御されるが、複数のEコマース参加者のウェブサイト表示(図13、505、506)の目的に利用することができ、これによって、情報フローが可能になり、本発明の生産システムによる商業活動が履行される。そのようなサーバ又はサービスは、参加者のプライバシー及びセキュリティが提供されるようにプライベートゲートウェイによって制御することができる。
【0104】
売り手には、売り手が売り手のウェブサイト又はウェブページ(504)から提案することができるオプションのブランク製品(図13、508)の選択肢も提供することができる。これらの選択肢は、CCDから提供することもできるし、売り手のEコマースウェブサイト(504)を確立するデジタルテンプレート及び画像ライブラリ(501)も提供することができる所有者又はネットワークEコマース参加者又はCCDのオペレータの提携者によって提供することもできる。売り手は、ブランク製品カタログから売り手が販売したい製品を選ぶ。利用可能なブランク製品オプションは、CCD(500)等からウェブサイトに提供され、顧客(509)に利用可能であるとしてウェブサイト上に列挙される。
【0105】
各売り手又はネットワークEコマース参加者は、複数の異なる仕様、品質、デザイン又は価格設定をそれぞれ有する複数の製品又はサービスを有することができる。ウェブサイト又はウェブページの作成プロトコルは、供給者及び売り手の要件を満たす追加のツール又はAPI(図13、503)を有することができる。これらのツールは、売り手の商業的な嗜好及び審美的な目的に基づく様々なページレイアウト、グラフィック外観、分布、コンテンツの表示及びビューイング、検索能力、動的価格構造化、買い手とのダイアログ能力、更には自動フルフィルメント供給者選択/比較を有する各売り手/売買業者のための固有のウェブページデザインを提供する。結果のウェブページは、同じエコシステム内であっても、他のEコマース参加者と異なる固有の独自性及び基本となる特徴を提供する。固有のウェブサイトの提示によって、買い手に対する売り手/売買業者の魅力が最大化され、ウェブサイトの効果が改善される。
【0106】
市販の又はカスタマイズされたツール及びインタフェースプログラムを使用して、ウェブサイト商業ニーズに必要とされる機能又は特徴を完成させることができる。これらの機能又は特徴は、基本的なウェブページの確立、言語翻訳、自動スペルチェック、時間帯変換、通貨両替、リアルタイムの又は動的なコンテンツ編集、グラフィックデザイン又は写真の挿入及び位置合わせ、ウェブリンケージ検証等を含むことができる(図11)。少なくとも1つのカタログAPI、例えばサイト検索APIは、買い手が、ネットワーク内の最終決定されたウェブページに基づいて製品又はサービスを適切に視認、検索、及び選択することを可能にする。様々なタイプのデータフローが、CCD(500)によって、インデックス付けられ、監視され、調整され、そして制御される。
【0107】
自動ウェブサイト又はウェブページ作成用のネットワークコンピュータサーバ又はクラウドサービスポータル(503)は、通信、通貨又は他の貨幣交換の容易化、提示、実装、プロモート、取引商業活動実現及びインターネット又はクラウドを通じたエンド顧客又は買い手とのインタフェースを目的とした追加の機能を更に提供することができる。別個のサーバをこれらの機能、又は追加の機能の異なる要素に使用して、より高品質のデジタル管理制御を達成することができる。
【0108】
1つの実施形態における十分に開発されたテンプレート及び/又は知識ベースのライブラリは、関連したEコマースの領域において、ビジネスケース及び/又は質問/応答データベースを提供することができる。ウェブデザインテンプレート、ストックデザイン画像及び/又はグラフィックデザインも提供することができる。この特徴は、専用のコンピューティングゲートウェイスイッチを通じてスタンドアローンサーバ(501)によって提供することもできるし、専用APIキー制御を使用して他の機能と併せてサーバの一部分として提供することもできる。このインタフェースプログラム及び他のインタフェースプログラムは、Eコマース製品又はサービスの販売に主眼を置いたネットワーク参加者によって使用することができ、Eコマースネットワークに参加することに関心があり、その活動が専らカスタマイズされた商品の製造又は生産のみにあるフルフィルメントプロバイダ向けにも提供することができる。知識ベースインタフェースは、単に製品知識を得るだけでなく、場合によってはそのような関係者をネットワーク売り手(510)又はフルフィルメント製造業者/製作者(507)に移行させることによって買い手(509)にも利益をもたらすことができる。
【0109】
別の実施形態において、CreativeStudio(商標)等のグラフィックデザインAPI及び/又は製品デザインツール若しくはモジュール(503)は、ネットワークEコマースエコシステムに含まれる。買い手は、様々なグラフィック、材料、ブランク製品、又は特殊性の要件ニーズを有するパーソナライズ及び/又はカスタマイズされた製品デザインの作成を援助するオンラインAPI又はモジュールにアクセスすることができる。例えば、ストック画像を使用して、対応する絵画及びテキストを有する好ましいホリデイスマートフォンカバーを選択することができる。加えて、Eコマース顧客又は買い手(509)は、特別な製品画像描画要件を満たすように自身が作成した画像又はデザインをアップロードすることもできる。これらのグラフィック又は製品デザインツール又はモジュールを使用する方法の実演は、ネットワークEコマース参加者のウェブサイトに添付することができ、これによって、関心のある買い手の容易なアクセスが可能になる。
【0110】
市販のソフトウェア開発ツール及びクラウドサービスを、クラウドベースのアプリケーションプログラミングインタフェース及び統合、又はデータ処理、記憶、若しくは管理に使用することができる。例として、(IBMによって所有及び提供される)Iクラウド、(Microsoftによって所有及び提供される)Azure又は(Amazonによって所有及び提供される)AWSのクラウド環境があるが、これらに限定されるものではない。これらの市販のプラットフォームは、効率性及び冗長性の双方を確保することができるように、ローカルコンピュータサーバ及びデータフローバランシングと併せて使用することができる。動的データバックアップ又はミラーサーバ/データセンタも使用して、Eコマース情報の完全性及び/又は安全性を更に高めることができる。
【0111】
ハイパーテキストマークアップ言語(HTML:Hypertext Markup Language)は、ウェブページ又はウェブサイトの作成に関する本発明の標準的なマークアッププログラム言語である。ただし、ネットワークEコマースのインタフェースプログラム又はデータハンドリングは、様々な異なるプログラミング言語又はツールを使用することができる。市販のインタフェース製品をシステム内に統合することができる。これらのAPI又はプログラムモジュールの例は、Semantics3、Login API又はCatalog API等のBigCommerceのAPI、Snipchart、ForxyCart、Due、Square、Stripe、TaxjarのSmartCalcs、Fomo、Indix、Remarkkety、Shippo、UPS API、Recombee、FraudLabs Pro、Open Exchange Rates API、及びShopifyを含むことができる。当業者は、Eコマース活動の目的に適合するように適したインタフェース及びデータプロセスアプリケーションツールを採用することができる。API アプリケーションを自身の対応するデジタルコンピューティングデバイス上にインストールしたいネットワークEコマース参加者は、これらの特定のプログラミング言語のスキルも知識も必要とせず、インタフェースツールによって与えられる簡潔な命令に従うことができる。一般的なインターネットブラウザ又はウェブサイトブラウザが、買い手又は顧客が発注、通信及び取引ニーズを完了するのに必要となる場合がある。
【0112】
本発明によって作成された商業ウェブページにアクセスするためにネットワークEコマース参加者及び買い手は、種々のオペレーティングシステム、例えばMicrosoft Windows、Linux、Android、Apple Mac OS、Apple IOS等を使用することができる。これらのオペレーティングシステムは、アクセス並びに動作機能及び特徴を提供するインターネット情報サービス構成要素を含むことができる。これらの機能及び特徴は、ウェブサイトパイプライン及びアクセスが種々のサーバ及びデータ管理サブシステムにわたって円滑に動作することを保証する。
【0113】
本発明は、地球全体をカバーすることができる。異なる国/地域、宗教又は文化からの参加者及び買い手が、インターネット接続を通じて互いに影響し合う(interact)ことができる。異なる価格設定方式を有する定期的なプロモーション、ディスカウント又はイベント管理目的のカレンダリング(calendaring)の有用な特徴を適用することができる。スタンドアローンのアプリケーションプログラミングインタフェースを自動ウェブ作成内に及び/又はウェブページ動的コンテンツ管理を通じて追加することができ(図11)、これによって、参加者又は売り手は、特定の商業ニーズに基づいてオファリングを追加、変更、更新又は削除することが可能になる。
【0114】
売り手は、画像又はグラフィックスデザインツール、例えばCreativeStudio(商標)若しくはCorelDRAW(商標)等を使用して、利用可能な在庫内の各ブランク製品の画像描画に適したデザインテンプレートを顧客に提供することもできるし、売り手は、顧客がデザインを作成するためのデザインツールの使用を提供することもできる。加えて、又は代わりに、顧客又は買い手も、ブランク製品の画像描画用のデザインを提供することができる。1つの実施形態において、売り手は、顧客又は買い手によって更にカスタマイズすることができる、売り手によって作成されたデザインテンプレートを提供する。
【0115】
顧客が、ブランク製品を選択し、デザイン画像を作成、供給又は選択した後、この情報が売り手からCCD(500)に提供され、注文が履行され、本明細書において説明したように伝達される。売り手は、いくつかの場合には、注文を履行することができるが、売り手が注文を履行する能力又は技量を有することは必須ではない。1つの実施形態において、売り手が何らかの画像形成デバイス、画像形成在庫、又はブランク製品在庫を有することは必須ではない。別の実施形態において、売り手は、インクジェットプリンタを有するが、レーザ彫刻機も3Dプリンタも有しない場合があり、その場合に、売り手は、本明細書において説明されるようにネットワーク内の参加者を通じて注文フルフィルメントを提供することができる(図13)。
【0116】
デジタル駆動又は制御されるプリンタ、彫刻機、レーザカッタ、刺繍機、又は自動化されたスクリーンプリンタ等を含むデジタルデバイス(508)も、Eコマースネットワークの一部としてCCD(500)に接続される。これらのデジタルデバイスは、CCDと通信するために又はCCDによって制御されるために、API及びデジタルデバイス固有のインタフェースプロトコルとインタフェースされる。これらのAPIは、.H(ヘッダファイル)ファイル、.DLL(動的リンクライブラリ)ファイル、及び/又は.LIB(静的ライブラリ)ファイル等のファイルを含むデジタルデバイスソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)ツールパッケージ又はツールセットを用いて構築することができ、これによって、その結果、デバイスの内部に組み込まれたファームウェアを通じてこれらのデバイスとの直接インタフェース制御が構築される。
【0117】
ネットワークEコマースシステムは、CCDにおいて統制されるルールによって制御される公共サブシステム、プライベートサブシステム、又は一時的サブシステム等の個別のEコマースエコシステムを備えることができる。これらのサブシステムは、指定された顧客又は買い手に開放することができる。例えば、大量の商取引に関心のある参加者に限定した卸売業者(505)のみを対象にした個別の「ストア」を作成又はインタフェースすることができる一方、別のサブシステム小売業者「ストア」(506)は、単一のカスタマイズされたファッションアイテム等のより少ない製品量を提供する一般の人々に開放している。ネットワークEコマース参加者は、製品情報アップロードステージ中に又はその入会後の任意の期間中にオプションを選択することによって、1つ又は複数のサブシステムに参加することができる。
【0118】
今日のEコマース界では、ビジネス野心を持った多くの個人が、自身の成功を可能にする関連スキルの学習に意欲的である。これらのスキルは、高い専門性を有する場合があり、したがって、これらのスキルは、事前に利用可能になっていなかったか又は統合されていなかった場合がある。例えば、デジタル表面画像描画及びカスタマイズされた製品形成に関心のある人は、現代のデジタル画像描画機器の使用法及びサービス、色管理スキル、品質制御及び保証、並びにグラフィック/製品デザインの複雑さを学習する必要があるが、この学習は、通常ならば、広範なトレーニング及びスキルを必要とする可能性がある。関心のある参加者が、参加者のコンピュータ又は他のデジタルデバイスからインターネット/クラウドを通じて解を選択的に勉強、学習、トレーニング及び探索することを可能にするように、専用APIを有するコンピュータサーバ(501)を部分的に又はテンプレートライブラリと併せて構造化することができる。
【0119】
ライブラリ/知識ベース(501)の一部としての拡張現実又は仮想現実(AR/VR)機器及びプログラムを使用して、特に、高性能デジタル機器アプリケーション、及び/又はリモート認証若しくは資格を伴う教育又はトレーニングプロセスを提供することができる。そのようなトレーニングの一例は、カスタム製品画像描画用のデジタル昇華インクジェットプリンタの使用である。ヒートプレス/真空ヒートプレス及び比色計等の認証されたプリンタ及び周辺機器と、必要条件を備えた/認証された基材選択又はスクリーニング及びパーソナル保護プロセスとを使用する標準化された手順を伴うことができる。仮想現実プログラムと、Oculus Questゴーグル及び/又はヘッドセット等の市販又は特殊VR機器とを使用して、重要な要素又はプロセスの特定を援助することができ、訓練を受ける者が重要な概念及び手順を把握するように、誤り補正トレーニングも可能にすることができる。
【0120】
1つ以上のウェアハウス又は在庫管理参加者が、Eコマースネットワークに含まれる場合がある。在庫管理及び/又はロジスティック管理API用の専用のコンピュータサーバ又は他のインタフェース若しくはデータ管理/プロセス機能を有するサーバ(508)を、Eコマースネットワークの一部として使用することができる。在庫サーバは、Eコマースネットワークの1つ以上のフルフィルメントユニットにサービングすることもできるし、販売準備のできた完成した商品又は在庫を提供する1つ以上の売り手のアフィリエイトとして動作することもできる。アプリケーションインタフェースを有する共有在庫サーバは、エンドユーザ又は買い手の最適化されたコスト節約又は時間節約を有する複数のEコマースネットワーク参加者間の共有又はディスパッチされる在庫ニーズを可能にすることができる。顧客又は買い手、売り手及びフルフィラ(fulfiller)からのフィードバックを通じてネットワーク参加者の全体的なEコマース活動を最適化することができるようにEコマースネットワークシステムニーズを調整するために、機械学習アルゴリズムをアプリケーションプログラムインタフェース内に統合することができる(図11)。
【0121】
本発明における集中型コンピュータサーバ又はCCD(500)は、異なるコンピュータサーバ及びデータ管理構成要素とインタフェースするのに使用され、ウェブサイト又はウェブページ商取引公開、顧客注文管理、価格設定調整、ロジスティック運送、プロモーションイベントスケジューリング、通信、為替レート計算、並びに顧客フィードバック及び格付けを含む、様々なプラットフォーム間での調整された動的データ及び動作コマンドフローを可能にする。中央ウェブページ又はウェブサイトは、関心のある参加者及び顧客をログインするように誘導する複数のウェブリンクを有し、売り手からのサブシステムの変更若しくは更新、又は買い手による検索若しくは発注を含むそれらの参加者及び顧客の活動を管理することができる。フルフィルメント又は在庫参加者を、注文情報並びに指定された製品又は基材材料の製造及び生産のハンドリングとともにディスパッチすることができる。そして、買い手は、インボイス及び配達の更新の通知を受けることができる。
【0122】
更に別の実施形態において、データ収集及びデータ分析コンピューティングプログラム又はモジュールは、CCDの管理下にある1つ以上のネットワークEコマースサーバ又はクラウドサービスプラットフォームに存在することができる。ウェブページ又はウェブサイトアクセス記録、顧客の関心又は関心の母集団(interest population)、訪問頻度、署名ログ、価格変更等、及び参加者間の在庫レベル、フルフィルメント処理、動作パラメータ等の非ウェブコンテンツを、データの追跡、検証及び分析目的で記録及び記憶することができる。データ分析に基づくパフォーマンス・マトリックス(Performance matrices)は、調整、変更及び/又は在庫管理のフィードバックを参加者に提供することができる。
【0123】
顧客又は買い手は、公開(publishing)プラットフォーム(505、506)又は交換(exchange)プラットフォーム(504)を介して複数のEコマース参加者又は売り手に同時にアクセスすることができる。ネットワークEコマースエコシステムは、価格、出荷距離/時間、製品品質格付け及び/又は認証テータスを提供し、参加者の業績等級比較APIモジュール又はコンピューティングメカニズムは、買い手が取引要件を満たす最適な売り手又は売買業者を選択するのを援助する。
【0124】
不正防止コンピューティングモジュール又はAPIが、ネットワークEコマースエコシステムの好ましい要素である。このタイプのモジュールは、CCD(500)からのネットワークマスタ及びEコマース参加者が、リモートロケーション又はデバイスから、特に消費者又は買い手と目される者(509)からネットワークへの悪意のあるアクセスを識別及び検証することを可能にする。そのようなモジュール又はAPIの画面は、注文の要素、インターネットプロトコルアドレス識別情報を有する取引、プロキシマスキング、地理的ロケーション、証明されていない金融能力、不正なクレジットカード情報、スパイウェア挿入/アップロード等を提供し、実際の取引が承認される前に不正なプロセスにフラグをたてる。
【0125】
上述した機能を有する様々なコンピュータサーバ及びデータサーバの物理ロケーションは、特定の商取引状況に応じて変化し得る。クラウドサービスプラットフォームも組み込むことができる。リモートアクセスは、必ずしもインターネット、ワールドエリア・ネットワーク(WAN:World Area Network)を通じた提供に限られるとは限らず、ローカルエリア・ネットワーク(LAN:Local Area Network)によっても提供することができる。いくつかの必要な場合には、異なるシステム構成要素間で、USBとの直接リンク、CAT5、CAT5E、CAT6、CAT6a等のネットワークケーブル、又は無線接続が利用される。例えば、デジタルプリンタは、ネットワークEコマースエコシステムにおける製品フルフィルメント(508)のために使用されることができ、リモートメインサーバからローカルコンピュータへのいくつかの通信レベルを通じて、又はローカル無線ネットワーク接続を通じて、アクセスされ、監視され、そして制御されることができる。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】