(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】リモートスイッチおよびリモートスイッチとの通信方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516407
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(85)【翻訳文提出日】2022-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2020075369
(87)【国際公開番号】W WO2021052863
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】102019124834.5
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509032955
【氏名又は名称】エンオーシャン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュミット フランク
【テーマコード(参考)】
5K048
【Fターム(参考)】
5K048AA04
5K048BA07
5K048BA08
5K048BA12
5K048DA02
5K048DC01
(57)【要約】
本発明は、切替コマンドを送出するための第1の無線インターフェース(2)を備えるリモートスイッチ(1)に関する。リモートスイッチ(1)は、第1の無線インターフェース(2)とは別に配置された第2の無線インターフェース(3)を有する。第2の無線インターフェース(3)は、リモートスイッチ(1)と外部デバイス(12)との間で情報(19)を無線送信するように構成されている。本発明は、リモートスイッチ(1)と外部デバイス(12)との間の通信方法にも関する。該方法は、リモートスイッチ(1)の無線インターフェース(3)と外部デバイス(12)の無線インターフェース(14)との間に通信リンクを生成すること、および確立された通信リンクの手段によってリモートスイッチ(1)と外部デバイス(12)との間に情報(19)を送信することを含む。これにより、交換された情報(19)に応じて外部デバイス(12)を手段することにより、リモートスイッチ(1)の設定やメンテナンスを簡単に行うことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切替コマンド(switch command)を送出するための第1の無線インターフェース(2)と、前記第1の無線インターフェース(2)とは別個に配置され、情報(19)を
外部デバイス(12)からリモートスイッチ(1)へ
および/または
前記リモートスイッチ(1)から前記外部デバイス(12)へ
無線送信するために構成された第2の無線インターフェース(3)とを備える前記リモートスイッチ(1)であって、
前記第2の無線インターフェース(3)は、前記外部デバイス(12)による前記リモートスイッチ(1)の設定またはメンテナンス中に、前記外部デバイス(12)からエネルギー(20)を前記リモートスイッチ(1)へ無線送信するようにさらに構成されており、前記エネルギーは、リモートスイッチ(1)の操作に使用される、
リモートスイッチ(1)。
【請求項2】
前記第2の無線インターフェース(3)は、前記リモートスイッチ(1)と前記外部デバイス(12)との間の前記情報(19)の無線交換のための双方向データインターフェースとして構成される、
請求項1に記載のリモートスイッチ(1)。
【請求項3】
前記第2の無線インターフェース(3)は、
特に近距離無線通信(near-field communication)のための誘導インターフェース(inductive interface)として、および/または
無線電波インターフェース(radio interface)として、および/または
光インターフェース(optical interface)として、および/または
容量性インターフェース(capacitive interface)として、
構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のリモートスイッチ(1)。
【請求項4】
前記リモートスイッチ(1)は、周囲エネルギー、特に機械エネルギー、光エネルギー、または熱エネルギーを、前記リモートスイッチ(1)を動作させる電気エネルギーに変換するエネルギー変換器(7)を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載のリモートスイッチ(1)。
【請求項5】
前記リモートスイッチ(1)は、前記リモートスイッチ(1)の様々な(a range of)機能、および/または前記リモートスイッチ(1)の動作パラメータが、
アクティブ化(activation)、
非アクティブ化(deactivation)、
読み出し(readout)、
変更(modification)
のうちの1つまたは複数の手段によって影響されるように、前記第2の無線インターフェース(3)を介して設定またはメンテナンスされ得る、
請求項1から4のいずれか一項に記載のリモートスイッチ(1)。
【請求項6】
外部デバイス(12)によるリモートスイッチ(1)の設定またはメンテナンス中に、前記リモートスイッチ(1)の無線インターフェース(3)を用いて、前記外部デバイス(12)から前記リモートスイッチ(1)へエネルギー(20)を伝達するステップであって、前記エネルギーは、リモートスイッチ(1)を操作するために使用されるステップと、
前記リモートスイッチ(1)の前記無線インターフェース(3)と前記外部デバイス(12)の無線インターフェース(14)との間で通信リンクを生成するステップであって、前記リモートスイッチ(1)の前記無線インターフェース(3)は、切替コマンドを送信するための前記リモートスイッチ(1)のさらなる無線インターフェース(2)とは別に配置されているステップと、
外部デバイス(12)からリモートスイッチ(1)へ
および/または
前記リモートスイッチ(1)から前記外部デバイス(12)へ
情報(19)を送信するステップと、
を備える、前記リモートスイッチ(1)と前記外部デバイス(12)との通信方法。
【請求項7】
送信された前記情報(19)に応じて前記外部デバイス(12)を用いて前記リモートスイッチ(1)を設定またはメンテナンスするステップであって、前記リモートスイッチ(1)の様々な機能、および/または前記リモートスイッチ(1)の動作パラメータが、
アクティブ化、
非アクティブ化、
読み出し、
変更
のうちの1つまたは複数の手段によって影響される、ステップをさらに備える、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記外部デバイス(12)は、オンラインサービス(21)に接続されており、前記オンラインサービス(21)において前記リモートスイッチ(1)を設定またはメンテナンスするためのリリース(release)を取得し、
前記外部デバイス(12)による前記リモートスイッチ(1)の設定またはメンテナンスは、前記リリースが前記オンラインサービス(21)において取得された場合にのみ実行され得る、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記オンラインサービス(21)は、前記リモートスイッチ(1)を設定またはメンテナンスするためのある範囲を指定し、前記リモートスイッチ(1)を設定またはメンテナンスするための前記範囲は、取得された前記リリースを介して前記外部デバイス(12)において認可される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記リモートスイッチ(1)によって、無線電波信号を、前記通信リンクを用いて前記外部デバイス(12)によって初期化された1つまたは複数の作動装置(actuator)(22、23、24)に送出するステップと、
前記リモートスイッチ(1)によって前記1つまたは複数の作動装置(22、23、24)の1つまたは複数の返送信号を受信するステップと、
前記リモートスイッチ(1)と前記1つまたは複数の作動装置(22、23、24)とのペアリングを記憶するステップと、
を備える、請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
情報(19)が、前記通信リンクを介して前記リモートスイッチ(1)と前記外部デバイス(12)との間で双方向に交換される、
請求項6から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記リモートスイッチ(1)によって、無線電波信号を、1つまたは複数の作動装置(22、23、24)に送出するステップと、
前記リモートスイッチ(1)によって前記1つまたは複数の作動装置(22、23、24)から1つまたは複数の返送信号を受信するステップと、
前記通信リンクを用いて、前記返送信号に応じたステータス情報を、前記リモートスイッチ(1)から前記外部デバイス(12)に送信するステップと、
前記外部デバイス(12)によって送信された前記ステータス情報を評価するステップと、
を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
リモートスイッチ(1)と外部デバイス(12)とを備え、請求項6から12のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモートスイッチに関する。さらに、本発明は、リモートスイッチとの通信方法に関する。
【0002】
リモートスイッチは、ユーザによる手動操作および/または技術機器による機械的操作の後に、所定の距離(典型的には、建物内の200メートル未満の範囲および建物外の20キロメートル未満の範囲)にわたって、1つまたは複数の作動装置(actuator)、デバイス、またはシステムに対し、電波によってコマンド(command)を送信する。
【0003】
このようなリモートスイッチは特に、手動操作によって無線電波信号を送出するよう促されるリモートスイッチおよび他の遠隔制御装置を含む。このようなリモートスイッチは、例えば、国際公開第2004/034560号に示されている。しかしながら、そのようなリモートスイッチは、他のデバイスまたはシステムの機械的状態変化によって誘起されるリモートスイッチ、例えば、位置スイッチ(position switches)、リミットスイッチ(limit switches)、位置、重量、物体の存在などに関するセンサ機能を有するスイッチも含む。このようなリモートスイッチは、例えば、ドイツ特許出願公開第10125059号に示されている。
【0004】
公知のリモートスイッチは、市販されている場合、著しい労力および特別な技術(例えば、有線再プログラミング(wired reprogramming)またはハードウェア修正)なしでは修正することができない、定義された範囲の機能を有する。販売業者(dealer)、設置者(installer)、またはエンドユーザーは通常、これを行うことができない。
【0005】
従って、このようなリモートスイッチの1つの課題は、様々な機能、様々な動作、または動作パラメータが、これまで不変に定義されていること、または、非常に限定された方法、例えばリモートスイッチ自体のデバイスの符号化、または複雑なプロセスの手段によってでしか変更できないことである。このようなリモートスイッチのメンテナンスは、これまでは、例えあったとしても、非常に限られた範囲でしか可能ではなかった。
【0006】
従って、本発明の目的は、リモートスイッチのより単純かつより柔軟な設定またはメンテナンスを可能にするリモートスイッチおよび方法を特定することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、この目的は、以下に説明するリモートスイッチによって解決される。
【0008】
このようなリモートスイッチは、切替コマンド(switch command)を送出するための第1の無線インターフェースを備える。さらに、リモートスイッチは、第1の無線インターフェースとは別に配置された第2の無線インターフェースを備える。第2の無線インターフェースは、外部デバイスからリモートスイッチへ、および/またはリモートスイッチから外部デバイスへの情報の無線送信のために構成される。
【0009】
そのようなリモートスイッチは、リモートスイッチの機能の容易な設定、メンテナンス、または診断を可能にし、あるいは、そのようなリモートスイッチ、および、リモートスイッチの第2の無線インターフェースに結合され得る外部デバイスを用いて制御される作動装置、デバイス、またはサブシステムを備えるシステムを可能にする。リモートスイッチの第2の無線インターフェースを用いて、外部デバイスからリモートスイッチへ、および/またはリモートスイッチから外部デバイスへ、情報またはデータを容易に送信することができる。
【0010】
このようにして、リモートスイッチの設置中に、リモートスイッチの動作または動作パラメータだけでなく、ある範囲の機能を定義することができ、または、その後、柔軟に、簡単に、かつ広範囲に変更することができる。また、(後続の)ソフトウェアアップデートまたはソフトウェアアクティベーションは、第2の無線インターフェイスを介して無線で簡単かつ安価に実行できる。従って、リモートスイッチは、第2の無線インターフェースを介して簡単かつ柔軟な設定またはメンテナンスを可能にする。このようにして、リモートスイッチは、異なる(おそらく変更された)動作状況または動作シナリオにも柔軟に適合され得る。
【0011】
様々な実施形態では、リモートスイッチ、具体的には第2の無線インターフェースは、暗号化されたデータを、外部デバイスから/外部デバイスへ受信および/または送信するように実装される。これにより、第2の無線インターフェースを介した外部デバイスとのリモートスイッチの通信のセキュリティが向上する。
【0012】
様々な実施形態では、リモートスイッチが1つまたは複数の作動装置を制御するように構成される。そのような作動装置は例えば、ランプ、照明、ディスプレイ、ブラインド、シャッタ、窓作動装置、電子アクセスまたは施錠システム、空調システム(特に、いわゆるHVAC、すなわち、「暖房、換気および空調」(heating, ventilation and air conditioning)システム、)などの、自動化ビルまたはホームオートメーションシステムのデバイスおよびコンポーネントであり得る。様々な実施形態では、リモートスイッチは、移動可能であり、柔軟に配置されるように構成される。
【0013】
リモートスイッチの様々な実施形態では、第2の無線インターフェースが外部デバイスからリモートスイッチにエネルギーを無線で送信するように構成される。これは、リモートスイッチを操作するために使用される第2の無線インターフェースを介してリモートスイッチにエネルギーを供給することができるという利点を有する。これは、例えば、第2の無線インターフェースを使用する外部デバイスによる設定またはメンテナンス中に非常に有用である。リモートスイッチ自体は、この目的のためにエネルギーを供給したり消費したりする必要はない。これは、エネルギーの貯蓄量が非常に限られている、いわゆるエネルギー自律型リモートスイッチにとって特に有利である。このために必要なエネルギーは、第2の無線インターフェースを介して供給されるので、非常に限られたエネルギー貯蓄にもかかわらず、このようなリモートスイッチを用いて設定またはメンテナンスを容易に行うことができる。
【0014】
リモートスイッチの様々な実施形態では、リモートスイッチを操作することは、例えば、リモートスイッチが外部デバイスからリモートスイッチに送信されるエネルギーを介して、アクティブ動作状態で操作されるように構成されることを意味する。
【0015】
リモートスイッチの様々な実施形態では、第2の無線インターフェースがリモートスイッチと外部デバイスとの間で情報を無線で交換するための双方向データインターフェースとして構成される。
【0016】
例えば、リモートスイッチは、双方向データインターフェースを介して、リモートスイッチに送信された外部デバイスからの要求に応じて、外部デバイスへの応答を送信するように構成される。代替的、または追加的には、リモートスイッチは例えば、要求を外部デバイスに送信し、その後、外部デバイスからの応答を受信するために、双方向データインターフェースを介して構成される。これには、外部デバイスからリモートスイッチへ情報/データを転送できるだけでなく、外部デバイスからリモートスイッチから情報/データを読み出すことができるという利点がある。これにより、例えば、リモートスイッチのメンテナンスデータや信頼性の履歴を収集することができる。双方向インターフェイスにより、このようなデータを読み出すことができる。さらに、動作中のリモートスイッチの信頼性または品質(例えば、リモートスイッチと1つまたは複数の作動装置との間の無線電波接続のリンク品質)は、このように双方向に交換および問い合わせを行うことができる。
【0017】
リモートスイッチの様々な実施形態では、第2の無線インターフェースが以下のように構成される:
特に近距離無線通信(near-field communication)(数センチメートルから数メートルに及ぶ)のための誘導インターフェース(inductive interface)として、および/または
無線電波インターフェース(radio interface)として、および/または
光インターフェース(optical interface)として、および/または
容量性インターフェース(capacitive interface)として。
【0018】
例えば、第2の無線インターフェースは、いわゆる「近距離無線通信」または「NFC」規格による誘導インターフェースとして構成される。これにより、対応するNFCインターフェースをまた有している外部デバイスと、良好で信頼性のある互換性が得られる。代替的にまたは追加的に、第2の無線インターフェースは、無線電波信号(無線周波数、RF)を介した情報および/またはエネルギーの無線交換のための無線電波インターフェースとして構成される。これにより、より長い距離にわたる通信が可能となる。このことは、非常に風雨に曝された場所および/または産業環境において有利である。代替的にまたは追加的に、第2の無線インターフェースは、光を介した情報および/またはエネルギーの無線交換のための光学的インターフェースとして構成される。このことは、例えば、実験室環境または高度に規制された電磁両立性(EMC)要件を備えた使用場所などにおいて、無線電波信号の干渉または妨害を避けなければならない場合に有利である。さらに代替的にまたは追加的に、第2の無線インターフェースは、音響信号、例えば超音波を介して情報および/またはエネルギーの無線交換のための音響インターフェースとして構成される。
【0019】
リモートスイッチの様々な実施形態では、リモートスイッチが周囲エネルギー、特に機械エネルギーまたは光エネルギーまたは熱エネルギーを、リモートスイッチを動作させる電気エネルギーに変換するエネルギー変換器を備える。このように、リモートスイッチは、エネルギー自律型リモートスイッチとして構成される。エネルギー変換器は例えば、リモートスイッチを作動させるための機械的作動力を電気エネルギーに変換するように設定される。代替的または付加的に、エネルギー変換器は例えば、光エネルギーまたは熱エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽電池またはペルチェ素子として設定される。様々な実施形態では、リモートスイッチがエネルギー変換器によって提供される電気エネルギーを蓄積するためのエネルギー蓄積装置をさらに備える。
【0020】
このようにして、リモートスイッチは有線インフラストラクチャに直接アクセスできない場所に設置することができ、有利には、動作に必要なエネルギーを直接環境から引き出すことができる。これは、(エネルギー供給の観点から)バッテリー交換またはバッテリー充電なしでメンテナンスフリー操作できる利点がある。
【0021】
代替的に、またはエネルギー変換器を備えたリモートスイッチの実施形態に加えて、1つまたは複数のバッテリーを介したバッテリー動作も可能である。
【0022】
リモートスイッチの様々な実施形態では、リモートスイッチ(1)は、リモートスイッチ(1)の様々な機能、および/または前記リモートスイッチ(1)の動作パラメータが、アクティブ化(activation)、非アクティブ化(deactivation)、読み出し(read out)、変更(modification)のうちの1つまたは複数の手段によって影響されるように、第2の無線インターフェース(3)を介して設定またはメンテナンスされ得る。この場合、リモートスイッチの機能および/または動作パラメータの一部または全部が、リモートスイッチにアクティブ化/格納され得る。これらは、第2の無線インターフェースを介した通信を用いた外部デバイスを介して、選択および/またはアクティブ化され得る。代替的には、第2の無線インターフェースを介した通信の手段によって、リモートスイッチにまだ記憶されていない新しい機能および/または動作パラメータを、外部デバイスを介してロード/プログラムすることもできる。この目的のために、リモートスイッチは例えば、特定の範囲の機能、または特定の動作または動作パラメータを可能にするか、制限するか、または規定するための装置または制御装置に接続される。
【0023】
例えば、個々のオプション、または以下のオプションの組み合わせが設定または提供され得る:
無線電波周波数、動作モード、通信規格などのような所定の動作パラメータ、
所定の安全レベル、
1つ、幾つかまたは全ての所定の機能を可能とすること、
1つ、幾つかまたは全ての機能を、条件付きで、または一時的に、または永続的に可能とすること、
リモートスイッチに以前に記憶されていない、新しい機能、動作または動作パラメータのプログラミング。
【0024】
上記目的は、第2の態様によれば、以下に説明する方法によって解決される。
【0025】
このような方法は、リモートスイッチと外部デバイスとの間の通信のために設定され、以下のステップを含む:
リモートスイッチの無線インターフェースと外部デバイスの無線インターフェースとの間で通信リンクを生成するステップであって、リモートスイッチの無線インターフェースは、切替コマンドを送信するためのリモートスイッチのさらなる無線インターフェースとは別に配置されているステップと、
確立された通信リンクを用いて、外部デバイスからリモートスイッチへ、および/またはリモートスイッチから外部デバイスへ、情報を送信するステップ。
【0026】
このような方法によれば、第1の態様に係るリモートスイッチについて説明したものと同様の効果が得られる。
【0027】
本方法の種々の実施において、情報またはデータは、リモートスイッチから外部デバイスへ、または外部デバイスからリモートスイッチへ、暗号化された形で送信される。これにより、この目的のために設定された無線インターフェースを介した外部デバイスとのリモートスイッチの通信のセキュリティを高めることができる。それ以外に、第1の態様に係るリモートスイッチに関連して上述したものと同様の効果または利点が得られる。
【0028】
様々な実施態様では、本方法は以下のステップを含む:
リモートスイッチの無線インターフェースを用いて、外部デバイスからリモートスイッチへエネルギーを送信する。
【0029】
この手段は、上記第1の態様によるリモートスイッチに関連して説明したものと同じ効果または利点を達成する。このステップはまた、上記で説明したさらなるステップより前の最初(初期)に、またはこれらのさらなるステップと並行して、本方法において実行されてもよい。
【0030】
様々な実施態様では、外部デバイスからリモートスイッチに送信されるエネルギーは、リモートスイッチを動作させるために有利に使用される。有利には、エネルギーはリモートスイッチの設定またはメンテナンス中に、外部デバイスによって伝送される。
【0031】
様々な実施態様では、本方法は以下のステップを含む:
送信された情報に応じて外部デバイスを用いてリモートスイッチを設定またはメンテナンスするステップであって、リモートスイッチの様々な機能、および/またはリモートスイッチの動作パラメータが、アクティブ化、非アクティブ化、読み出し、変更のうちの1つまたは複数の手段によって影響されるステップ。
【0032】
これにより、リモートスイッチの所望の設定が外部デバイスに有利に記憶される。通信リンクを確立し、確立された通信リンクの手段によってリモートスイッチと外部デバイスとの間で情報を交換することによって、リモートスイッチにおいて所望の設定を行うことができる。
【0033】
本方法の様々な実装では、外部デバイスとオンラインサービス(サーバ)との間のクエリ/交換が提供される。これには、例えば、上述のように設定を実行するため、および/またはリモートスイッチの所望の設定を検索、事前設定または承認するために、外部デバイスの適切な権利を検証するための、オンラインサービスに対する外部デバイスの認証が含まれる。外部デバイスとオンラインサービス間の接続は、セキュリティ上の理由から、有利には暗号化される。
【0034】
本方法の様々な実装では、外部デバイスはオンラインサービスに接続され、オンラインサービスでリモートスイッチを設定またはメンテナンスするためのリリース(release)を入手する。これにより、外部デバイスによるリモートスイッチの設定またはメンテナンスは、オンラインサービスでリリースが入手されている場合にのみ実行され得る。これらの手段によって、外部デバイスを介したリモートスイッチの設定またはメンテナンスは、設定またはメンテナンスまたはその範囲がオンラインサービスを介して有効に(認可)されている場合にのみ実行することができる。
【0035】
本方法の様々な実装において、オンラインサービスは、リモートスイッチを設定またはメンテナンスするための範囲を指定し、外部デバイス内のリモートスイッチを設定またはメンテナンスするための範囲は、入手したリリースを介して認可される。例えば、外部デバイスはまず、リモートスイッチの設定またはメンテナンスの要求をオンラインサービスに送信する。オンラインサービスは、要求、または設定もしくはメンテナンスの関連範囲、または外部デバイスが対応する権利を有するかどうかをチェックする。例えば、オンラインサービスは、ユーザアカウントに基づいて、リモートスイッチの特定の設定が事前に有効化されているか、外部デバイスのユーザを介して取得されているかをチェックする。この場合、オンラインサービスは、リモートスイッチ上で外部デバイスを介して実行することができる設定またはメンテナンスの要求または関連範囲を認可する。これらのメカニズムが失敗した場合、オンラインサービスによる外部デバイスを介したリモートスイッチの設定またはメンテナンスは失敗する。
【0036】
様々な実施態様では、本方法は以下のステップを含む:
外部デバイスによりリモートスイッチの識別情報を読み出すステップであって、リモートスイッチの設定またはメンテナンスは、読み取られた識別情報に応答して実行されるステップ。
これには、前述の手段のためにリモートスイッチが識別され、これらの手段がそのような識別に応じて実行されるという利点がある。従って、リモートスイッチの、安全でエラーがない設定またはメンテナンスが保証される。
【0037】
リモートスイッチの識別情報の読み出しは、リモートスイッチの無線インターフェースと外部デバイスとの間の通信リンクを用いて行われる。代替的には、識別情報の読み出しは、外部デバイスのセンサ(カメラなど)を介してリモートスイッチ上のQRコード(登録商標)を読み取ることなどによって、別個の経路を介して実行される。
【0038】
本方法の様々な実装では、リモートスイッチの識別情報の転送またはチェックが外部デバイスからオンラインサービス(サーバ)に対して実行される。このオンラインサービスは、上述したオンラインサービスであってもよいし、他のオンラインサービスであってもよい。外部デバイスとオンラインサービス間のこの目的のための接続は、セキュリティ上の理由から、有利には暗号化され得る。
【0039】
様々な実施態様では、本方法は以下のステップを含む:
リモートスイッチによって、無線電波信号を、通信リンクを用いて外部デバイスによって初期化された1つまたは複数の作動装置に送出するステップ、
リモートスイッチによって1つまたは複数の作動装置の1つまたは複数の返送信号を受信するステップ、
リモートスイッチと1つまたは複数の作動装置とのペアリングを記憶するステップ。
【0040】
これらの手段は、通信リンクおよびこの目的のために構成された無線インターフェースを介して、リモートスイッチと通信する外部デバイスによって制御または開始される、リモートスイッチと1つまたは複数の作動装置との非常に簡単なペアリングを可能にする。電波信号の送信は例えば、リモートスイッチの別のインターフェースを介して行われる。ペアリングの記憶は例えば、リモートスイッチまたは作動装置において、および外部デバイスにおける追加のオプションとして実行される。
【0041】
本方法の様々な実装では、情報が通信リンクを介して双方向にリモートスイッチと外部デバイスとの間で交換される。これは、第1の態様によるリモートスイッチに関連して、上述したものと同じ効果または利点を達成する。
【0042】
様々な実施態様では、本方法は以下のステップを含む:
リモートスイッチによって、無線電波信号を、1つまたは複数の作動装置に送出するステップ、
リモートスイッチによって1つまたは複数の作動装置の1つまたは複数の返送信号を受信するステップ、
通信リンクを用いて、リモートスイッチから外部デバイスに受信された返送信号に応じたステータス情報をするステップ、
外部デバイスによって送信されたステータス情報を評価するステップ。
【0043】
これらの手段は、リモートスイッチと、リモートスイッチによって制御される1つまたは複数の作動装置とを備えるシステム全体の試験、設定、メンテナンス、または修正を可能にする。外部デバイスとリモートスイッチとの間に確立された通信リンクを用いることにより、リモートスイッチと1つまたは複数の作動装置との間の伝送経路がチェックされ得る、および/または影響され得る。従って、リモートスイッチ自体に関する情報/データだけでなく、1つまたは複数の作動装置に関する情報/データも生成され、それらからリモートスイッチに送り返される(リモートスイッチによって送信される無線電波信号によって生じる)。この再送された情報/データは、次に、この目的のために構成されたリモートスイッチの無線インターフェースを介して外部デバイスに送信され、そこで評価および分析され得る。これらの実施では、リモートスイッチから1つまたは複数の作動装置への無線信号の送出も、例えば、リモートスイッチのさらなる別個のインターフェースを介して実行される。
【0044】
上記の手段はまた、リモートスイッチと1つまたは複数の作動装置との間の伝送経路のチェックが、外部デバイスがリモートスイッチが1つまたは複数の作動装置と通信する無線電波ネットワーク(例えば、無線ローカルエリアネットワーク、WLAN、またはWi-Fi(登録商標))に結合される必要なしに実行され得るという利点を有する。むしろ、リモートスイッチは、1つまたは複数の作動装置の伝送経路と外部デバイスとの間の媒介物であり、それによって、データは、リモートスイッチおよび配置された無線インターフェースを使用して、1つまたは複数の作動装置を介して外部デバイスに渡される。このようにして、外部デバイスを用いたリモートスイッチと1つまたは複数の作動装置との間の伝送経路のチェックは、未知の外部デバイスが私設無線電波ネットワークに接続することを許可する必要なしに、非常に容易に行うことができる。
【0045】
これらの実装において提供される手段を使用して、より高度な実装では、以下のさらなるステップが実施され得る:
外部デバイスを用いて、機能の定義された範囲および/または、リモートスイッチによる1つまたは複数の作動装置の定義された制御を含む、定義された動作パラメータを事前に定義するステップ、
リモートスイッチにおける、機能の定義された範囲および/または定義された動作パラメータを設定するステップ、
機能の定義された範囲および/または定義された動作パラメータに応じて、リモートスイッチによって1つまたは複数の作動装置に無線電波信号を送出するステップ、
評価されたステータス情報が所定の基準を満たす場合に、リモートスイッチと1つまたは複数の作動装置のペアを記憶するステップ。
【0046】
これらの付加的な手段を用いて、上記の手段の代わりに、またはそれに加えて、リモートスイッチおよび1つまたは複数の作動装置を備える装置において、いくつかの装置の構成要素および機能を互いに特に容易かつ好都合に割り当てること(ペアリング)を可能にすることができる。これは、リモートスイッチに確立された通信リンクを用いて外部デバイスによって制御される。これは、リモートスイッチの設置中だけでなく、システムのメンテナンスおよびトラブルシューティング中にも特に有用である。
【0047】
上記目的は第3の態様によれば、請求項15に記載のリモートスイッチと外部デバイスとを備える構成によって解決される。特に、この構成は、第2の態様による方法を実行するように構成される。本装置の様々な実施形態では、リモートスイッチが第1の態様によるリモートスイッチとして有利にセットアップされる。外部デバイスは、リモートスイッチと通信するように設定される。
【0048】
ここでいう外部デバイスとは、例えば、スマートフォン、タブレット機器、スマートウォッチなどである。第1の態様によるリモートスイッチの任意の構造的特徴、態様、利点および効果は、第2の態様による方法の特徴、態様、利点および効果に反映され、逆もまた同様である。同じことが、第3の態様による装置と第2の態様による方法との間に当てはまる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本発明は、いくつかの図面を用いて実施形態を参照して以下により詳細に説明される。
【
図1】リモートスイッチと外部デバイスの実施形態の概略図
【
図2】リモートスイッチ、オンライン接続の外部デバイス、および複数の作動装置を備えたシステムの実施形態の概略図
【
図3】リモートスイッチのさらなる実施形態の斜視図
【
図5】リモートスイッチを設定するための方法の実装の概略図
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、リモートスイッチ1および外部デバイス12の一実施形態の略図を示す。
【0051】
この実施形態では、リモートスイッチ1は、エネルギー自律型リモートスイッチ1として実現される。リモートスイッチ1は、リモートスイッチ1を作動させるための作動エレメント(actuating element)6を有する。作動エレメント6は例えば、ロッカースイッチである。さらに、リモートスイッチ1は、作動エレメント6の機械的作動エネルギーを電気エネルギーに変換するように配置されたエネルギー変換器7を有する。エネルギー変換器7は例えば、圧電または電磁変換器として設計される。エネルギー変換器7によって変換された電気エネルギーは、エネルギーストレージ8によって一時的に貯留され、リモートスイッチ1はエネルギーストレージ8に貯留された電気エネルギーをリモートスイッチ1の規定された動作電圧に変換するための電圧変換器9をさらに含む。
【0052】
このように、リモートスイッチ1は、エネルギー自律型であり、作動に必要な電気エネルギーは作動エレメント6の機械的作動エネルギーから供給される。従って、リモートスイッチ1は柔軟であり、移動可能であって、種々の場所で、または種々の応用シナリオで使用できる。さらに、
図1による実施形態では、リモートスイッチ1は、マイクロコントローラまたは中央処理装置11と、不揮発性メモリ10とを有する。不揮発性メモリ10は例えば、データ、特にプログラムデータまたはソフトウェアを記憶する。この情報はマイクロコントローラ11によって処理される。一般に、マイクロコントローラ11は、意図された使用のためにリモートスイッチ1を制御するように構成される。
【0053】
図1による実施形態では、リモートスイッチ1が2つの別個の無線インターフェース2および3を有する。第1の無線インターフェース2は無線電波インターフェースであり、これにより、無線電波信号は、アンテナ4を介してリモートスイッチ1によって送信され得る。このような無線電波信号は例えば、無線電波接続を介してリモートスイッチ1と通信する1つまたは複数の作動装置(actuator)を制御するために使用される。このような通信は例えば、WLANネットワーク内で行われる。
【0054】
第2の無線インターフェース3は例えば、NFCインターフェースである。ワイヤレス通信リンクは、アンテナ5を介してリモートスイッチ1と外部デバイス12との間に確立され、それによって、情報またはデータ19および/またはエネルギー20がリモートスイッチ1と外部デバイス12との間で交換される。
【0055】
外部デバイス12は、リモートスイッチ1との無線通信のためのアンテナ16を有する、対応する無線インターフェース14を有し、それを介して、リモートスイッチ1のインターフェース3(アンテナ5)との対応する無線通信リンクが確立され得る。
【0056】
例えば、
図1による装置では、情報/データ19の双方向のやりとりはリモートスイッチ1の側のそれぞれの無線インターフェース3と、外部デバイス12の側の無線インターフェース14とを用いて、リモートスイッチ1と外部デバイス12との間で行われる。さらに、外部デバイス12は、この無線接続を介してエネルギー20をリモートスイッチ1に供給する。このエネルギー供給は、少なくとも設定の目的のために、上述したように、リモートスイッチ1が、それ自体のエネルギー供給から独立して動作することを可能にする点で有利である。エネルギー20は、外部デバイス12からそれぞれの無線インターフェース3および14を介してリモートスイッチ1に送信される。
【0057】
さらに、外部デバイス12は、ユーザーインターフェース13、例えばタッチセンシティブディスプレイ、外部デバイス12にエネルギーを供給するためのバッテリー18、外部デバイス12を制御するためのマイクロコントローラまたは中央処理ユニット28、および、例えば無線電波インターフェースとして構成されたアンテナ17を備えたさらなる無線インターフェース15をさらに備える。このようにして、外部デバイス12はモバイル方式で使用することもでき、任意の無線ネットワーク、例えばWLANに統合することができる。外部デバイス12は例えば、スマートフォン、タブレット機器、スマートウォッチ等のモバイル機器である。
【0058】
図2は、リモートスイッチ1、オンラインサービス21へのオンライン接続を有する外部デバイス12、ならびに幾つかの作動装置22、23および24を有するシステムの実施形態の概略図を示している。幾つかの作動装置22、23および24は、リモートスイッチ1を介して制御することができる。
図2の実施形態に係るリモートスイッチ1または外部デバイス12は例えば、
図1の実施形態の構成により設定される。
【0059】
図2による実装における作動装置22および23は例えば、ライトであり、一方、作動装置24は例えば、ブラインドである。作動装置23、23および24の各々は、それぞれ対応する送受信装置()22a、23aおよび24a、ならびに対応するアンテナ22b、23bおよび24bを有する。リモートスイッチ1は、その無線電波インターフェース2およびアンテナ4(
図1を比較)を介して、作動装置22、23および24と双方向に通信することができ、特に、制御信号を作動装置22、23および24に送信するか、または作動装置22、23および24から対応する戻り信号(例えば、ステータス信号)を受信することができる。
【0060】
外部デバイス12は、
図1に関連する説明のように、すなわち、特に、リモートスイッチ1内の無線インターフェース(例えば、
図1によるインターフェース3)を介して、および外部デバイス12内の対応する無線インターフェース(例えば、
図1によるインターフェース14)を介して、リモートスイッチ1と通信する。
図2の実施態様では、リモートスイッチ1および外部デバイス12が、それぞれの無線インターフェース3および14を介して情報およびデータ19を双方向に交換するように構成される。さらに、外部デバイス12は、それぞれの無線インターフェース3および14を介して、外部デバイス12からリモートスイッチ1に電気エネルギー20を提供するように構成される。
【0061】
外部デバイス12は、別個の無線インターフェース(例えば、
図1に示すインターフェース15)を介してオンラインサービス21に接続される。オンラインサービス21は、例えば、外部デバイス12またはリモートスイッチ1の認証のためにサーバを介して提供されるサービスである。代替的にまたは追加的に、オンラインサービス21は、リモートスイッチ1の機能または動作パラメータの範囲、またはリモートスイッチ1が設定されうる、リモートスイッチ1の設定またはメンテナンスの許容範囲を指定するために使用される。例えば、オンラインサービス21は、外部デバイス12内のリモートスイッチ1の設定またはメンテナンスの許可範囲を認可または使用可能とするように設定される。
図2に示すような装置から始まる外部デバイス12を用いてリモートスイッチ1を設定するための対応する機能または方法を、以下の
図5による方法に関連してより詳細に説明する。
【0062】
図2に示すようなシステムでは、外部デバイス12がオプションとして、リモートスイッチ1に関する追加情報を収集するためのセンサシステムを備えている。このような付加情報は例えば、リモートスイッチ1の識別情報である。外部デバイス12上のセンサシステムは例えば、外部デバイス12のカメラである。例えば、リモートスイッチ1上のマーカー、例えばいわゆるQRコード(登録商標)が、外部デバイス12のカメラを介して光学的に検出される。このマーカーは、例えば、外部デバイス12によるマーカの走査後に相応に処理され得る、リモートスイッチ1の識別情報を含む。任意選択で、リモートスイッチ1の検出された識別情報は、外部デバイス12を介してオンラインサービス21に送信され、そこでチェックまたは検証されうる。
【0063】
好ましくは、
図2による実施形態では、リモートスイッチ1と作動装置22、23および24との間、リモートスイッチ1と外部デバイス12との間、または外部デバイス12とオンラインサービス21との間の1つまたは複数の通信リンクが暗号化される。
【0064】
図3は例えば、
図1および
図2に適用可能なリモートスイッチ1のさらなる実施形態の斜視図を示す。
図3によるリモートスイッチ1の形状因子(form factor)は、リモートスイッチ1を、例えば、表面実装のためのスイッチとして設置することができるように選択される。
【0065】
図4は、
図3によるリモートスイッチ1の実施形態の分解図を示し、リモートスイッチ1の個々の構成要素が図示されている。特に、
図4によるリモートスイッチ1は、上部ハウジング部26と下部ハウジング部27とを有する。上部ハウジング部26は特に、リモートスイッチ1の対応するスイッチング機能を作動/起動させるための4つのバネ要素を備える。リモートスイッチ1を作動させるための1つまたは複数のロッカースイッチは、簡略化のために
図4には示されていないが、対応するばね要素を作動させるためにリモートスイッチ1が設置されたときに、上部ハウジング部26の上面に取り付けられる。
【0066】
下部ハウジング部27は、上の
図1に関連して説明したように、作動エレメント6の機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換するための2つの作動エレメント6およびエネルギー変換器7を収容する役割を果たす。さらに、回路基板25が上側ハウジング部26と下側ハウジング部27との間に取り付けられ、このハウジング部分は、スイッチ1の全ての電気的または電子的構成要素(エネルギー変換器7とは別のもの)を含む。特に、
図4によれば、第1の無線インターフェース2は、例えば
図1の実施と同様の無線電波インターフェースである回路基板25上に配置されており、さらに、第2の無線インターフェース3は、例えば
図1の実装と同様のNFCインターフェースである回路基板25上に配置されている。
【0067】
図5は、いくつかの方法ステップS1~S9を用いてリモートスイッチを設定するための方法の実施の概略図を示す。以下では、
図2に示される例示的な実施形態によるシステムにおいてリモートスイッチ1を設定するためのそのような方法がより詳細に説明される。全ての後続の説明は、構造的に
図2の例示的な実施を参照し、方法の様々な方法ステップは、
図5による様々な例示的な実施において説明される。
【0068】
上述したように、外部デバイス12は、ユーザーインターフェース13を備えたバッテリー作動式(バッテリー18)であり、リモートスイッチ1との双方向通信19およびリモートスイッチ1へのエネルギー伝送20を可能にする。
【0069】
外部デバイス12とリモートスイッチ1との間の通信リンクは、無線インターフェース3および14(
図1参照)を介して、典型的には数メートルまでの短距離で確立される。外部デバイス12は、オンラインサービス21にアクセスして、データおよび/または許可/または認可を交換し、使用中または遅延時に、オンラインサービス21を用いたリモートスイッチ1の設定に関連する作動を実行する。リモートスイッチ1と外部デバイス12との間、または外部デバイス12とオンラインサービス21との間の通信接続は、好ましくは安全な(暗号化された)通信を用いて確立される。
【0070】
1)
図2によるリモートスイッチ1の機能の設定手順のための、
図5による方法の例示的な実施。
ステップS1において、リモートスイッチ1の所定の機能のセットが選択される。任意選択のステップS2では、この目的のために、個々のリモートスイッチ1のリリースを取得する(例えば、デバイス12によって検出されたリモートスイッチ1の識別情報を介して)ことによって、または「プロパティxyzを有するリモートスイッチ」などのタイプのすべてのリモートスイッチの使用制限リリースを取得することによって、オンラインサービス21への接続を介してリリース(この変更を行う権利)が取得される。例えば、外部デバイス12にリンクされたアカウントは、オンラインサービス21において、対応する権利がアクティブ化されているか、または取得されているかどうか、例えば、ある範囲の機能またはリモートスイッチ1のある設定が、例えば購入によって使用可能にされているかどうかに関してチェックされる。
【0071】
さらなるステップS3において、デバイス12は、リモートスイッチ1に近接させられる。ステップS4において、デバイス12の無線インターフェース(
図1によるインターフェース14)は、リモートスイッチ1に電気エネルギーを供給する。ステップS5では、デバイス12の無線インターフェースとリモートスイッチ1の無線インターフェース(
図1に従ったインターフェース3)との間で通信リンクが開始される。
【0072】
ステップS6において、リモートスイッチ1への所定の機能のセットの伝送が手動でまたは自動で開始される。予め定義された機能のセットがリモートスイッチ1に送信されるとすぐに、ステップS7において、リモートスイッチ1の機能の設定が予め定義された機能のセットに基づいて実行される。任意選択のステップS8では、例えばリモートスイッチ1からの対応する返送信号を介してデバイス12に通信されるリモートスイッチ1の設定が完了した後、デバイス12によってリモートスイッチ1の設定構成が確認される。これは、例えば、デバイス12からリモートスイッチ1に試験データを送ることによって行われる。
【0073】
任意選択の最終ステップS9では、リモートスイッチ1の設定が完了した後、この設定はデバイス12および/またはオンラインサービス21に格納され、明確に割り当て可能(例えば、リモートスイッチ1の識別番号を介して)である。
【0074】
2)
図2によるシステム内の1つまたは複数の作動装置22、23または24にリモートスイッチ1を割り当てる手順についての、
図5による方法の例示的な実施。
ステップS1では、デバイス12をリモートスイッチ1に近接させる。ステップS2において、デバイス12の無線インターフェース(
図1によるインターフェース14)は、リモートスイッチ1に電気エネルギーを供給する。ステップS3では、デバイス12の無線インターフェースとリモートスイッチ1の無線インターフェース(
図1に示すインターフェース3)との間で通信リンクが開始される。
【0075】
ステップS4において、リモートスイッチ1の識別情報は、その無線インターフェースを介して問い合わせられる(
図1のインターフェース3を参照)。代替的又は追加的には、リモートスイッチ1のQRコードが読み取られる。QRコードは、デバイス12のカメラによって問い合わせられる。
【0076】
好ましくは、デバイス12がどの作動装置22、23または24がリモートスイッチ(1つまたは複数の作動装置)に割り当てられるべきかについての情報を有する。ステップS5では、外部デバイス12を用いて、リモートスイッチ1による作動装置22、23または24の1つまたは複数の規定された制御を可能にする、機能の定義された範囲および/または定義された動作パラメータが任意選択で指定される。これにより、任意選択で、定義された機能範囲および/または定義された動作パラメータが、リモートスイッチ1内で設定される。機能の定義された範囲および/または定義された動作パラメータは例えば、1)例示的な実施形態と同様に、オンラインサービス21によって予め定義される。
【0077】
さらなるステップS6では、リモートスイッチ1が任意選択で、インターフェースを介して供給されるエネルギー20を用いて、無線電波信号を1つの作動装置または複数の作動装置22、23、および/または24に送信するために起動される。
【0078】
さらなるステップS7において、リモートスイッチ1は任意選択で、作動装置22、23、および/または24によってステップS6で送信されたその無線電波信号の受信の返送確認応答(返送信号、確認応答信号)を受信するために、受信モードに切り替えられる。この確認応答は、例えば作動装置22、23および/または24の識別子(識別情報)を用いて、信号強度および正確さに従って定性的に評価される。これにより、正しい作動装置22、23または24が所望の機能性で制御されているか否かが決定される。
【0079】
ステップS6およびS7は、複数の作動装置22、23または24について反復的に行うこともできる。
【0080】
任意選択のステップS8では、ステータス情報が通信リンクを用いて、リモートスイッチ1から外部デバイス12へ受信された確認応答に応じて送信され、送信されたステータス情報が外部デバイス12によって評価される。
【0081】
最終ステップS9において、リモートスイッチ1と対応する作動装置22、23または24との間の通信が成功した後、このペアリングは好ましくはそれぞれの作動装置22、23または24内に、オプションとしてリモートスイッチ1内および/または外部デバイス12内および/またはオンラインサービス21内に永続的に記憶される。従って、割り当てが固定され、任意選択で無線電波リンクの品質も検査される。
【0082】
これらの手段の利点は、リモートスイッチ1と作動装置22、23または24のうちの1つまたは複数との間のペアリングを割り当て、チェックするために、デバイス12がリモートスイッチ1と作動装置22、23、24との間の無線電波ネットワークまたは無線電波接続にアクセスする必要がないことである。むしろ、情報は、システムのこれらの構成要素間の無線通信リンクを介してリモートスイッチ1とデバイス12との間で交換される。このようにして、システムはデバイス12のユーザに、無線電波ネットワークへのアクセス、またはリモートスイッチ1と作動装置22、23、24との間の無線電波接続へのアクセスを許可する必要なしに、設定またはメンテナンスすることができる。これは、セキュリティのレベルを向上させる。
【0083】
3)リモートスイッチ1および
図2による作動装置22、23、24を有するシステムにおけるトラブルシューティング、メンテナンスまたは品質保証のための、
図5による方法の例示的実施形態。
リモートスイッチ1または作動装置22、23、24の1つまたは複数の誤動作の場合、総合的な診断をモバイルデバイス12で容易に行うことができる。
【0084】
ステップS1では、デバイス12をリモートスイッチ1に近接させる。ステップS2において、デバイス12の無線インターフェース(
図1によるインターフェース14)は、リモートスイッチ1に電気エネルギーを供給する。ステップS3では、デバイス12の無線インターフェースとリモートスイッチ1の無線インターフェース(
図1に従ったインターフェース3)との間で通信リンクが開始される。
【0085】
ステップS4において、リモートスイッチ1から作動装置22、23、24の1つまたは複数への無線電報の送信がデバイス12によって初期化される。ステップS5において、1つまたは複数の作動装置22、23、24の反応がチェックされる。
【0086】
ステップS6では、リモートスイッチ1の受信モードへの切り換えと、1つまたは複数の作動装置22、23、24の確認応答信号の評価とが実行される。ステップS7では、リモートスイッチ1と1つまたは複数の作動装置22、23、24との間の無線電波コネクションの履歴の、無線通信リンクを用いた読み出しがデバイス12によって実行され、任意選択で読み出し情報の評価が実行される。任意選択で、リモートスイッチ1のエラーメモリの読み出しは、デバイス12によって行われ、任意選択で、この読み出し情報の評価が行われる。
【0087】
任意選択のさらなるステップS8では、例えば、ソフトウェアアップデートの手段または上述した手段に従った、デバイス12によるリモートスイッチ1の再設定によって、エラー除去手段が開始され、実行される。最後の任意選択のステップS9において、他の修理手段、例えばリモートスイッチ1のハードウェア交換がデバイス12によって推奨される。
【0088】
記載されたすべての実施形態および/または実装は、単に例として選択される。
【符号の説明】
【0089】
1 リモートスイッチ
2 第1の無線インターフェース
3 第2の無線インターフェイス
4 アンテナ
5 アンテナ
6 作動エレメント
7 エネルギー変換器
8 エネルギーストレージ
9 電圧変換器
10 不揮発性メモリ
11 マイクロコントローラ、中央演算装置
12 外部デバイス
13 ユーザーインターフェース
14 第1の無線インターフェース
15 第2の無線インターフェイス
16 アンテナ
17 アンテナ
18 バッテリー
19 情報、データ
20 エネルギー
21 オンラインサービス
22 作動装置
23 作動装置
24 作動装置
22a 送受信装置
23a 送受信装置
24a 送受信装置
22b アンテナ
23b アンテナ
24b アンテナ
25 回路基板
26 上部ハウジング部
27 下部ハウジング部
28 マイクロコントローラ、中央演算装置
S1~S9 方法ステップ
【手続補正書】
【提出日】2022-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切替コマンド(switch command)を送出するための第1の無線インターフェース(2)と、前記第1の無線インターフェース(2)とは別個に配置され、情報(19)を
外部デバイス(12)からリモートスイッチ(1)へ
および/または
前記リモートスイッチ(1)から前記外部デバイス(12)へ
無線送信するために構成された第2の無線インターフェース(3)とを備える前記リモートスイッチ(1)であって、
前記第2の無線インターフェース(3)は、前記外部デバイス(12)による前記リモートスイッチ(1)の設定またはメンテナンス中に、前記外部デバイス(12)からエネルギー(20)を前記リモートスイッチ(1)へ無線送信するようにさらに構成されており、前記エネルギーは、リモートスイッチ(1)の操作に使用される、
リモートスイッチ(1)。
【請求項2】
前記第2の無線インターフェース(3)は、前記リモートスイッチ(1)と前記外部デバイス(12)との間の前記情報(19)の無線交換のための双方向データインターフェースとして構成される、
請求項1に記載のリモートスイッチ(1)。
【請求項3】
前記第2の無線インターフェース(3)は、
特に近距離無線通信(near-field communication)のための誘導インターフェース(inductive interface)として、および/または
無線電波インターフェース(radio interface)として、および/または
光インターフェース(optical interface)として、および/または
容量性インターフェース(capacitive interface)として、
構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のリモートスイッチ(1)。
【請求項4】
前記リモートスイッチ(1)は、周囲エネルギー、特に機械エネルギー、光エネルギー、または熱エネルギーを、前記リモートスイッチ(1)を動作させる電気エネルギーに変換するエネルギー変換器(7)を備える、
請求項
1に記載のリモートスイッチ(1)。
【請求項5】
前記リモートスイッチ(1)は、前記リモートスイッチ(1)の様々な(a range of)機能、および/または前記リモートスイッチ(1)の動作パラメータが、
アクティブ化(activation)、
非アクティブ化(deactivation)、
読み出し(readout)、
変更(modification)
のうちの1つまたは複数の手段によって影響されるように、前記第2の無線インターフェース(3)を介して設定またはメンテナンスされ得る、
請求項
1に記載のリモートスイッチ(1)。
【請求項6】
外部デバイス(12)によるリモートスイッチ(1)の設定またはメンテナンス中に、前記リモートスイッチ(1)の無線インターフェース(3)を用いて、前記外部デバイス(12)から前記リモートスイッチ(1)へエネルギー(20)を伝達するステップであって、前記エネルギーは、リモートスイッチ(1)を操作するために使用されるステップと、
前記リモートスイッチ(1)の前記無線インターフェース(3)と前記外部デバイス(12)の無線インターフェース(14)との間で通信リンクを生成するステップであって、前記リモートスイッチ(1)の前記無線インターフェース(3)は、切替コマンドを送信するための前記リモートスイッチ(1)のさらなる無線インターフェース(2)とは別に配置されているステップと、
外部デバイス(12)からリモートスイッチ(1)へ
および/または
前記リモートスイッチ(1)から前記外部デバイス(12)へ
情報(19)を送信するステップと、
を備える、前記リモートスイッチ(1)と前記外部デバイス(12)との通信方法。
【請求項7】
送信された前記情報(19)に応じて前記外部デバイス(12)を用いて前記リモートスイッチ(1)を設定またはメンテナンスするステップであって、前記リモートスイッチ(1)の様々な機能、および/または前記リモートスイッチ(1)の動作パラメータが、
アクティブ化、
非アクティブ化、
読み出し、
変更
のうちの1つまたは複数の手段によって影響される、ステップをさらに備える、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記外部デバイス(12)は、オンラインサービス(21)に接続されており、前記オンラインサービス(21)において前記リモートスイッチ(1)を設定またはメンテナンスするためのリリース(release)を取得し、
前記外部デバイス(12)による前記リモートスイッチ(1)の設定またはメンテナンスは、前記リリースが前記オンラインサービス(21)において取得された場合にのみ実行され得る、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記オンラインサービス(21)は、前記リモートスイッチ(1)を設定またはメンテナンスするためのある範囲を指定し、前記リモートスイッチ(1)を設定またはメンテナンスするための前記範囲は、取得された前記リリースを介して前記外部デバイス(12)において認可される、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記リモートスイッチ(1)によって、無線電波信号を、前記通信リンクを用いて前記外部デバイス(12)によって初期化された1つまたは複数の作動装置(actuator)(22、23、24)に送出するステップと、
前記リモートスイッチ(1)によって前記1つまたは複数の作動装置(22、23、24)の1つまたは複数の返送信号を受信するステップと、
前記リモートスイッチ(1)と前記1つまたは複数の作動装置(22、23、24)とのペアリングを記憶するステップと、
を備える、請求項
6に記載の方法。
【請求項11】
情報(19)が、前記通信リンクを介して前記リモートスイッチ(1)と前記外部デバイス(12)との間で双方向に交換される、
請求項
6に記載の方法。
【請求項12】
前記リモートスイッチ(1)によって、無線電波信号を、1つまたは複数の作動装置(22、23、24)に送出するステップと、
前記リモートスイッチ(1)によって前記1つまたは複数の作動装置(22、23、24)から1つまたは複数の返送信号を受信するステップと、
前記通信リンクを用いて、前記返送信号に応じたステータス情報を、前記リモートスイッチ(1)から前記外部デバイス(12)に送信するステップと、
前記外部デバイス(12)によって送信された前記ステータス情報を評価するステップと、
を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
リモートスイッチ(1)と外部デバイス(12)とを備え、請求項
6に記載の方法を実行するように構成されている、
装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
上記目的は第3の態様によれば、請求項13に記載のリモートスイッチと外部デバイスとを備える構成によって解決される。特に、この構成は、第2の態様による方法を実行するように構成される。本装置の様々な実施形態では、リモートスイッチが第1の態様によるリモートスイッチとして有利にセットアップされる。外部デバイスは、リモートスイッチと通信するように設定される。
【国際調査報告】