IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴィド スケール インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-548107多用途ビデオ符号化のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(54)【発明の名称】多用途ビデオ符号化のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/70 20140101AFI20221109BHJP
【FI】
H04N19/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516591
(86)(22)【出願日】2020-09-18
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 US2020051422
(87)【国際公開番号】W WO2021055699
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】62/911,797
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/902,647
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
2.WCDMA
3.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】514041959
【氏名又は名称】ヴィド スケール インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】フ、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】フ、ユーウェン
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159MA04
5C159MA05
5C159MC11
5C159ME01
5C159PP04
5C159RB09
5C159RC11
5C159UA02
5C159UA05
(57)【要約】

本明細書には、ビデオ符号化に関連付けられたシステム、方法、及び手段が記載されている。特定の構文要素の信号伝達は、スライスヘッダからピクチャヘッダ及び/又は層アクセスユニットデリミタ(AUD)に移動され得る。AUDと1つ以上のパラメータセットとの間の依存性が探求され得る。構文要素は、特定のサブピクチャ(複数可)に対してラップアラウンド動き補償を有効にし、そのサブピクチャ(複数可)に対するラップアラウンド動き補償オフセットを指定するように信号伝達され得る。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のプロセッサを含むビデオ復号のための装置であって、前記1つ以上のプロセッサは、
ビデオデータを取得することであって、前記ビデオデータは、符号化されたピクチャを含み、前記符号化されたピクチャは、第1のサブピクチャを含み、前記ビデオデータは、ラップアラウンド動き補償が前記第1のサブピクチャに対して有効にされるかどうかを示す情報を更に含む、ことと、
前記ビデオデータに含まれる前記情報に基づいて、前記第1のサブピクチャにラップアラウンド動き補償を適用するかどうかを決定することと、
ラップアラウンド動き補償が前記第1のサブピクチャに適用されるという決定に応答して、前記第1のサブピクチャに対する前記ラップアラウンド動き補償を実行することであって、前記ラップアラウンド補償は、少なくとも前記第1のサブピクチャに関連付けられたラップアラウンドオフセットに基づいて実行される、ことと、を行うように構成されている、装置。
【請求項2】
前記1つ以上のプロセッサは、前記ビデオデータに含まれる前記情報に基づいて、前記第1のサブピクチャに関連付けられた前記ラップアラウンドオフセットを決定するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記符号化されたピクチャは、第2のサブピクチャを更に含み、前記ビデオデータに含まれる前記情報は、ラップアラウンド動き補償が前記第1のサブピクチャに対して有効にされ、前記第2のサブピクチャに対して無効にされることを示す、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ビデオデータは、ラップアラウンド動き補償が有効にされることを示すピクチャパラメータセット(PPS)構文要素と、前記第1のサブピクチャがピクチャとして処理されることを示すシーケンスパラメータセット(SPS)構文要素と、を含み、前記1つ以上のプロセッサは、少なくとも前記PPS構文要素及び前記SPS構文要素に基づいて、前記第1のサブピクチャにラップアラウンド動き補償を適用するかどうかを決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のサブピクチャに対する前記ラップアラウンド動き補償を実行するように構成されている前記1つ以上のプロセッサは、前記第1のサブピクチャに関連付けられた前記ラップアラウンドオフセットに基づいて、前記第1のサブピクチャに対する輝度サンプルバイリニア補間を実行するように構成されている前記1つ以上のプロセッサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
ビデオ復号のための方法であって、
ビデオデータを取得することであって、前記ビデオデータは、符号化されたピクチャを含み、前記符号化されたピクチャは、第1のサブピクチャを含み、前記ビデオデータは、ラップアラウンド動き補償が前記第1のサブピクチャに対して有効にされるかどうかを示す情報を更に含む、ことと、
前記ビデオデータに含まれる前記情報に基づいて、前記第1のサブピクチャにラップアラウンド動き補償を適用するかどうかを決定することと、
ラップアラウンド動き補償が前記第1のサブピクチャに適用されるという決定に応答して、前記第1のサブピクチャに対する前記ラップアラウンド動き補償を実行することであって、前記ラップアラウンド補償は、前記第1のサブピクチャに関連付けられたラップアラウンドオフセットに基づいて実行される、ことと、を含む、ビデオ復号のための方法。
【請求項7】
前記ビデオデータに含まれる前記情報に基づいて、前記第1のサブピクチャに関連付けられた前記ラップアラウンドオフセットを決定することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記符号化されたピクチャは、第2のサブピクチャを更に含み、前記ビデオデータに含まれる前記情報は、ラップアラウンド動き補償が前記第1のサブピクチャに対して有効にされ、前記第2のサブピクチャに対して無効にされることを示す、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ビデオデータは、ラップアラウンド動き補償が有効にされていることを示すピクチャパラメータセット(PPS)構文要素と、前記第1のサブピクチャがピクチャとして処理されることを示すシーケンスパラメータセット(SPS)構文要素と、を含み、ラップアラウンド動き補償を前記第1のサブピクチャに適用するかどうかを決定することは、少なくとも前記PPS構文要素及び前記SPS構文要素に基づいて、前記第1のサブピクチャにラップアラウンド動き補償を適用するかどうかを決定することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のサブピクチャに対する前記ラップアラウンド動き補償を実行することは、前記第1のサブピクチャに関連付けられた前記ラップアラウンドオフセットに基づいて、前記第1のサブピクチャに対する輝度サンプルバイリニア補間を実行することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
ラップアラウンド動き補償が前記第1のサブピクチャに適用されるという前記決定に応答して、前記ラップアラウンド動き補償が、前記第1のサブピクチャに対して水平方向に実行される、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置又は請求項6~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記符号化されたピクチャは、360度ビデオに関連付けられている、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置又は請求項6~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
1つ以上のプロセッサを含むビデオ符号化のための装置であって、前記1つ以上のプロセッサは、
ピクチャを符号化することであって、前記ピクチャは、第1のサブピクチャを含む、ことと、
ラップアラウンド動き補償が、前記第1のサブピクチャに対して有効にされるかどうかと、前記第1のサブピクチャに関連付けられたラップアラウンドオフセットとを示す情報を取得することと、
前記符号化されたピクチャ及び前記取得された情報を含む、符号化されたデータのセットを形成することと、を行うように構成されている、装置。
【請求項14】
前記ピクチャは、第2のサブピクチャを更に含み、前記取得された情報は、ラップアラウンド動き補償が前記第1のサブピクチャに対して有効にされ、前記第2のサブピクチャに対して無効にされることを更に示す、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記取得された情報は、ラップアラウンド動き補償が有効にされることを示すピクチャパラメータセット(PPS)構文要素と、前記第1のサブピクチャがピクチャとして処理されることを示すシーケンスパラメータセット(SPS)構文要素とを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記1つ以上のプロセッサは、前記符号化されたデータのセットを受信デバイスに送信するように更に構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
ビデオ符号化のための方法であって、前記方法は、
ピクチャを符号化することであって、前記ピクチャは、第1のサブピクチャを含む、ことと、
ラップアラウンド動き補償が、前記第1のサブピクチャに対して有効にされるかどうかと、前記第1のサブピクチャに関連付けられたラップアラウンドオフセットとを示す情報を取得することと、
前記符号化されたピクチャ及び前記取得された情報を含む、符号化されたデータのセットを形成することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記ピクチャは、第2のサブピクチャを更に含み、前記取得された情報は、ラップアラウンド動き補償が前記第1のサブピクチャに対して有効にされ、前記第2のサブピクチャに対して無効にされることを更に示す、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記取得された情報は、ラップアラウンド動き補償が有効にされることを示すピクチャパラメータセット(PPS)構文要素と、前記第1のサブピクチャがピクチャとして処理されることを示すシーケンスパラメータセット(SPS)構文要素とを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記符号化されたデータのセットを受信デバイスに送信することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
請求項6~12及び請求項17~20のいずれか一項に記載の方法に従って生成されたデータコンテンツを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
1つ以上のプロセッサに、請求項6~12及び請求項17~20のいずれか一項に記載の方法を実行させるための命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、請求項6~12及び請求項17~20のいずれか一項に記載の方法を実行するための命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項24】
デバイスであって、
請求項1~5、11、及び12のいずれか一項に記載の装置と、
(i)信号を受信するように構成されたアンテナであって、前記信号は、画像を表すデータを含む、アンテナ、(ii)前記受信信号を、前記画像を表す前記データを含む周波数の帯域に制限するように構成された帯域リミッタ、又は(iii)前記画像を表示するように構成されたディスプレイのうちの少なくとも1つと、を備える、デバイス。
【請求項25】
TV、携帯電話、タブレット、又はセットトップボックス(STB)を備える、請求項1~5、11、及び12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項26】
請求項6~12のいずれか一項に記載の方法による、前記ラップアラウンド動き補償に基づいて生成される残差を含む、信号。
【請求項27】
装置であって、
請求項6~12のいずれか一項に記載の方法による、前記ラップアラウンド動き補償に基づいて生成される残差を含むデータにアクセスするように構成されたアクセスユニットと、
前記残差を含む前記データを送信するように構成された送信機と、を備える、装置。
【請求項28】
方法であって、
請求項6~12のいずれか一項に記載の方法による、前記ラップアラウンド動き補償に基づいて生成される残差を含むデータにアクセスすることと、
前記残差を含む前記データを送信することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年9月19日に出願された米国仮特許出願第62/902,647号及び2019年10月7日に出願された同第62/911,797号の利益を主張するものであり、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ビデオ符号化規格は、標準的なダイナミックレンジビデオ、高ダイナミックレンジビデオ、全方位ビデオ及び投影などの様々なビデオ形式をサポートするため、符号化効率(例えば、圧縮効率)を改善するために絶えず開発されてきた。
【発明の概要】
【0003】
本明細書には、多用途ビデオ符号化に関連付けられたシステム、方法、及び手段が記載されている。本明細書に記載のビデオ復号装置は、ビデオデータを取得し、ビデオデータに基づいて符号化されたピクチャの第1のサブピクチャにラップアラウンド動き補償を適用するかどうかを決定し、ラップアラウンド動き補償が第1のサブピクチャに適用されるという決定に応答して、第1のサブピクチャに対するラップアラウンド動き補償を実行するように構成された、1つ以上のプロセッサを含み得る。ビデオデータは、例えば、ラップアラウンド動き補償が第1のサブピクチャに対して有効にされるかどうかの指示などを含む、第1のサブピクチャに関する情報を含み得る。符号化されたピクチャは、第2のサブピクチャを更に含み得、ビデオデータは、例えば、ラップアラウンド動き補償が第2のサブピクチャに対して有効にされるかどうかの指示などを含む、第2のサブピクチャに関する情報を含み得る。例えば、ビデオデータは、ラップアラウンド動き補償が第1のサブピクチャに対して有効にされ、第2のサブピクチャに対して無効にされることを示す情報を含み得る。ビデオデータはまた、第1のサブピクチャ及び第2のサブピクチャに関連付けられたそれぞれのラップアウトオフセットを指定する(例えば、第1のサブピクチャ又は第2のサブピクチャに対してラップアラウンド動き補償が有効にされるときなど)情報を含み得、ビデオ復号装置の1つ以上のプロセッサは、第1のサブピクチャ又は第2のサブピクチャと関連付けられたラップアラウンドオフセットに基づいてラップアラウンド補償を実行するように構成され得る。
【0004】
例では、ビデオデータ内の情報は、ラップアラウンド動き補償が有効にされることを示すピクチャパラメータセット(PPS)構文要素と、第1のサブピクチャ(又は第2のサブピクチャ)がピクチャとして処理されることを示すシーケンスパラメータセット(SPS)構文要素と、を含み得る。例では、第1のサブピクチャに対するラップアラウンド動き補償を実行することは、第1のサブピクチャに関連付けられたラップアラウンドオフセットに基づいて、第1のサブピクチャの輝度サンプルバイリニア補間を実行することを含み得る。例では、本明細書に記載のラップアラウンド動き補償は、水平方向に実行され得、第1のサブピクチャ及び第2のサブピクチャを含む符号化されたピクチャは、360度ビデオと関連付けられ得る。
【0005】
本明細書に記載のビデオ符号化装置は、ピクチャを符号化し、ラップアラウンド動き補償が符号化されたピクチャの第1のサブピクチャに対して有効にされるかどうか及び第1のサブピクチャに関連付けられたラップアラウンドオフセットを示す情報を取得し、符号化されたピクチャ及び取得された情報を含む符号化されたデータのセットを形成するように構成され得る、1つ以上のプロセッサを含み得る。例では、符号化されたピクチャは、第2のサブピクチャを更に含み得、取得された情報は、ラップアラウンド動き補償が第1のサブピクチャに対して有効にされ、第2のサブピクチャに対して無効にされることを更に示し得る。例では、取得された情報は、ラップアラウンド動き補償が有効にされることを示すピクチャパラメータセット(PPS)構文要素と、第1のサブピクチャがピクチャとして処理されることを示すシーケンスパラメータセット(SPS)構文要素と、を含み得る。例では、ビデオ符号化装置の1つ以上のプロセッサは、符号化されたデータのセットを受信デバイスに送信するように更に構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】例示的なビデオエンコーダを示す。
【0007】
図2】例示的なビデオデコーダを示す。
【0008】
図3】様々な態様及び例が実装されるシステムの例のブロック図を示す。
【0009】
図4】タイル及びスライスに区画化された例示的なピクチャを示す図である。
【0010】
図5】サブピクチャIDを示すために使用され得る例示的なサブピクチャグリッドを示す図である。
【0011】
図6】オリジナルピクチャ及びマージされたピクチャに対してラップアラウンドを適用する例を示す図である。
【0012】
図7】正距円筒図法(equirectangular projection format、ERP)のための幾何学的パディングを適用する例を示す図である。
【0013】
図8】ピクチャ内のサブピクチャラップアラウンドパディングの例を示す図である。
【0014】
図9】サブピクチャラップアラウンドパディングの例を示す図である。
【0015】
図10】サブピクチャグリッドの例を示す図である。
【0016】
図11】層ベースの漸次復号リフレッシュ(gradual decoding refresh、GDR)ピクチャの例を示す図である。
【0017】
図12A】1つ以上の開示された実施形態が実装され得る、例示的な通信システムを示すシステム図である。
【0018】
図12B】一実施形態による、図12Aに示される通信システム内で使用され得る、例示的な無線送受信ユニット(wireless transmit/receive unit、WTRU)を示すシステム図である。
【0019】
図12C】一実施形態による、図12Aに示される通信システム内で使用され得る例示的な無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)及び例示的なコアネットワーク(core network、CN)を示すシステム図である。
【0020】
図12D】一実施形態による、図12Aに示される通信システム内で使用され得る、更なる例示的なRAN及び更なる例示的なCNを示すシステム図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここで、様々な図を参照して、例示的な実施形態を詳細に説明する。この説明は、可能な実装形態の詳細な例を提供するが、詳細は、例示的であることを意図しており、決して本出願の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【0022】
本出願は、ツール、特徴、例、モデル、アプローチなどを含む様々な態様を記載している。これらの態様の多くは、具体的に記載され、少なくとも個々の特性を示すために、多くの場合、限定的に聞こえ得る方法で記載されている。しかしながら、これは説明を明確にするためであり、それらの態様の用途又は範囲を限定するものではない。実際、異なる態様の全ては、更なる態様を提供するために組み合わされ、交換されてもよい。更に、この態様は、同じく以前の出願で記載される態様と組み合わされ、交換されてもよい。
【0023】
本出願において記載され、企図される態様は、多くの異なる形態で実装され得る。図1図12Dは、いくつかの例を提供し得るが、他の例が企図されており、図1図12Dの考察は、実装形態の幅を限定するものではない。態様のうちの少なくとも1つは、概して、ビデオの符号化及び復号に関し、少なくとも1つの他の態様は、一般に、生成又は符号化されたビットストリームを送信することに関する。これら及び他の態様は、方法、装置、記載された方法のいずれかに従ってビデオデータを符号化若しくは復号するための命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体、及び/又は記載された方法のいずれかに従って生成されたビットストリームが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体として実装され得る。
【0024】
本出願では、「再構成された」及び「復号された」という用語は互換的に使用され得、「ピクセル」及び「サンプル」という用語は互換的に使用され得、「画像」、「ピクチャ」、及び「フレーム」という用語は互換的に使用され得る。必ずしもそうではないが、通常、「再構成された」という用語は、エンコーダ側で使用され、「復号された」は、デコーダ側で使用される。
【0025】
様々な方法が本明細書に記載されており、本方法のそれぞれは、記載された方法を達成するための1つ以上の工程又は行動を含む。方法の適切な動作に特定の順序の工程又は行動が必要でない限り、特定の工程及び/又は行動の順序及び/又は使用は、修正されてもよく、又は組み合わされてもよい。加えて、「第1」、「第2」などの用語は、例えば、「第1の復号」及び「第2の復号」など、要素、構成要素、工程、動作などを修正するために様々な例で使用され得る。そのような用語の使用は、具体的に必要とされない限り、修正された動作の順序を意味するものではない。したがって、この例では、第1の復号は、第2の復号の前に実行される必要はなく、例えば、第2の復号の前、第2の復号中、又は第2の復号と重複する時間内に起こり得る。
【0026】
本出願に記載されている様々な方法及び他の態様は、図1及び図2に示すようなビデオエンコーダ100及びデコーダ200のモジュール、例えば、復号モジュールを修正するために使用され得る。更に、本態様は、VVC又はHEVCに限定されず、例えば、既存であるか又は将来開発されるかどうかにかかわらず、他の規格及び推奨、及び任意のそのような規格及び推奨の拡張(VVC及びHEVCを含む)に適用され得る。別段の指示がない限り、又は技術的に除外されない限り、本出願に記載される態様は、個別で又は組み合わせて使用され得る。
【0027】
本出願では、例えば、4×4のサイズを有するサブピクチャグリッド、0~254の範囲内の値などの様々な数値が使用される。特定の値は例示的な目的であり、記載される態様はこれらの特定の値に限定されない。
【0028】
図1は、エンコーダ100を示す。このエンコーダ100の変形例が企図されるが、エンコーダ100は、全ての予想される変形例を記載せず、明確にする目的で以下に記載される。
【0029】
符号化される前に、ビデオシーケンスは、符号化前処理(101)、例えば、入力カラーピクチャにカラー変換を適用すること(例えば、RGB4:4:4からYCbCr4:2:0への変換)、又は信号分布を圧縮に対してより弾力的にするために、入力ピクチャ構成要素の再マッピングを実行すること(例えば、カラー構成要素のうちの1つのヒストグラム均等化を使用する)を経ることができる。メタデータは、前処理に関連付けられ、ビットストリームに添付され得る。
【0030】
エンコーダ100において、ピクチャは、以下に記載されるようにエンコーダ要素によって符号化される。符号化されるピクチャは、区画化され(102)、例えば、CUのユニットで処理される。それぞれのユニットは、例えば、イントラモード又はインターモードのいずれかを使用して符号化される。ユニットがイントラモードで符号化されるとき、イントラ予測が実行される(160)。インターモードでは、動き推定(175)及び補償(170)が実行される。エンコーダは、イントラモード又はインターモードのうち、ユニットを符号化するのに使用するモードを決定し(105)、例えば、予測モードフラグによってイントラ/インターの決定を示す。予測残差は、例えば、元の画像ブロックから予測ブロックを差し引く(110)ことによって計算される。
【0031】
次いで、予測残差は変換され(125)、量子化される(130)。量子化された変換係数並びに動きベクトル及び他の構文要素は、ビットストリームを出力するためにエントロピー符号化される(145)。エンコーダは、変換をスキップし、変換されていない残差信号に量子化を直接適用し得る。エンコーダは、変換及び量子化の両方を迂回し得る。すなわち、残差は、変換プロセス又は量子化プロセスの適用なしに直接符号化される。
【0032】
エンコーダは、符号化されたブロックを復号して、更なる予測のための基準を提供する。量子化された変換係数は、予測残差を復号するために、逆量子化(140)され、逆変換(150)される。復号された予測残差及び予測ブロックを組み合わせて(155)、画像ブロックが再構成される。インループフィルタ(165)は、例えば、非ブロック化/SAO(サンプルアダプティブオフセット)フィルタリングを実行して符号化アーチファクトを低減するために、再構成されたピクチャに適用される。フィルタリングされた画像は、基準ピクチャバッファ(180)に記憶される。
【0033】
図2は、ビデオデコーダ200のブロック図を示す。デコーダ200において、ビットストリームは、以下に記載されるように、デコーダ要素によって復号される。ビデオデコーダ200は、概して、図1に記載されるように、符号化パスと逆の復号パスを実行する。エンコーダ100はまた、概して、ビデオデータの符号化の一部としてビデオの復号を実行する。
【0034】
特に、デコーダの入力は、ビデオエンコーダ100によって生成され得るビデオビットストリームを含む。ビットストリームは、変換係数、動きベクトル、及び他の符号化情報を取得するために、最初にエントロピー復号される(230)。ピクチャ区画情報は、ピクチャがどのように区画化されているかを示す。したがって、デコーダは、復号されたピクチャ区画情報に従って、ピクチャを分割し得る(235)。変換係数は、予測残差を復号するために逆量子化(240)され、逆変換(250)される。復号された予測残差及び予測ブロックを組み合わせて(255)、画像ブロックが再構成される。予測ブロックは、イントラ予測(260)又は動き補償予測(すなわち、インター予測)(275)から取得(270)され得る。インループフィルタ(265)は、再構成された画像に適用される。フィルタリングされた画像は、参照ピクチャバッファ(280)に記憶される。
【0035】
復号されたピクチャは、復号後処理(285)、例えば逆カラー変換(例えば、YCbCr4:2:0からRGB4:4:4への変換)、又は符号化前処理(101)で実行される再マッピングプロセスの逆を実行する逆再マッピングを更に経ることができる。復号後処理は、符号化前処理で導出され、ビットストリームで信号伝達されたメタデータを使用し得る。
【0036】
図3は、様々な態様及び例が実装されるシステムの例のブロック図を示す。システム300は、以下に説明される様々な構成要素を含むデバイスとして具体化され得、本文書に記載される態様のうちの1つ以上を実行するように構成されている。そのようなデバイスの例としては、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、デジタルマルチメディアセットトップボックス、デジタルテレビジョン受信機、パーソナルビデオ記録システム、接続型家電、及びサーバなどの様々な電子デバイスが挙げられるが、これらに限定されない。システム300の要素は、単独で、又は組み合わせて、単一の集積回路(IC)、複数のIC、及び/又は別個の構成要素で具体化され得る。例えば、少なくとも1つの例では、システム300の処理要素及びエンコーダ/デコーダ要素は、複数のIC及び/又は別個の構成要素に分散される。様々な例では、システム300は、例えば、通信バスを経由して、又は専用の入力ポート及び/若しくは出力ポートを介して、1つ以上の他のシステム又は他の電子デバイスに通信可能に結合される。様々な例では、システム300は、本文書に記載の態様のうちの1つ以上を実装するように構成されている。
【0037】
システム300は、例えば、本文書に記載の様々な態様を実装するために、その中にロードされた命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ310を含む。プロセッサ310は、埋め込みメモリ、入出力インターフェース、及び当技術分野で既知の他の様々な回路を含み得る。システム300は、少なくとも1つのメモリ320(例えば、揮発性メモリデバイス、及び/又は不揮発性メモリデバイス)を含む。システム300は、限定するものではないが、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory、EEPROM)、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(Programmable Read-Only Memory、PROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory、DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory、SRAM)、フラッシュ、磁気ディスクドライブ、及び/又は光ディスクドライブを含む、不揮発性メモリ及び/又は揮発性メモリを含み得る、記憶デバイス340を含む。記憶デバイス340は、非限定的な例として、内部記憶デバイス、取り付けられた記憶デバイス(着脱可能及び着脱不能な記憶デバイスを含む)、及び/又はネットワークアクセス可能な記憶デバイスを含み得る。
【0038】
システム300は、例えば、符号化されたビデオ又は復号されたビデオを提供するためにデータを処理するように構成されたエンコーダ/デコーダモジュール350を含み、エンコーダ/デコーダモジュール350は、その独自のプロセッサ及びメモリを含み得る。エンコーダ/デコーダモジュール350は、符号化機能及び/又は復号機能を実行するためにデバイスに含まれ得るモジュール(複数可)を表す。既知のように、デバイスは、符号化モジュール及び復号モジュールの一方又は両方を含み得る。加えて、エンコーダ/デコーダモジュール350は、システム300の別個の要素として実装され得るか、又は当該技術分野において既知の、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとしてプロセッサ310内に組み込まれ得る。
【0039】
本文書に記載された様々な態様を実行するためにプロセッサ310又はエンコーダ/デコーダ350にロードされるプログラムコードは、記憶デバイス340に記憶され、続いてプロセッサ310による実行のためにメモリ320上にロードされ得る。様々な例によれば、プロセッサ310、メモリ320、記憶デバイス340、及びエンコーダ/デコーダモジュール350のうちの1つ以上は、本文書に記載のプロセスの実行中に、様々な項目のうちの1つ以上を記憶し得る。そのような記憶される項目としては、限定するものではないが、入力ビデオ、復号されたビデオ又は復号されたビデオの部分、ビットストリーム、マトリックス、変数、及び方程式、公式、演算、及び演算論理の処理の中間結果又は最終結果が挙げられ得る。
【0040】
いくつかの例では、プロセッサ310及び/又はエンコーダ/デコーダモジュール350の内部のメモリは、命令を記憶するため、及び符号化又は復号中に必要とされる処理のための作業メモリを提供するために使用される。しかしながら、他の例では、処理デバイス(例えば、処理デバイスは、プロセッサ310又はエンコーダ/デコーダモジュール350のいずれかであり得る)の外部のメモリは、これらの機能のうちの1つ以上に使用される。外部メモリは、メモリ320及び/又は記憶デバイス340、例えば、動的揮発性メモリ及び/又は不揮発性フラッシュメモリであり得る。いくつかの例では、外部不揮発性フラッシュメモリは、例えば、テレビジョンのオペレーティングシステムを記憶するために使用される。少なくとも1つの例では、RAMなどの高速な外部の動的揮発性メモリは、MPEG-2(MPEGはMoving Picture Experts Groupと称され、MPEG-2はISO/IEC13818とも称され、13818-1はH.222としても知られ、13818-2はH.262としても知られている)、HEVC(HEVCは高効率映像符号化(High Efficiency Video Coding)と称され、H.265及びMPEG-H Part 2としても知られている)、又はVVC(多用途ビデオ符号化(Versatile Video Coding)などのビデオの符号化動作及び復号動作のための作業メモリとして使用される。
【0041】
システム300の要素への入力は、ブロック360に示されるように、様々な入力デバイスを通して提供され得る。そのような入力デバイスとしては、限定するものではないが、(i)例えば、放送局から無線で送信されるRF信号を受信する無線周波数(RF)部分、(ii)構成要素(COMP)入力端子(又はCOMP入力端子のセット)、(iii)ユニバーサルシリアルバス(USB)入力端子、及び/又は(iv)高精細度マルチメディアインターフェース(High Definition Multimedia Interface(HDMI)入力端子が挙げられる。図3に示されていない他の例としては、複合ビデオが挙げられる。
【0042】
様々な例では、ブロック360の入力デバイスは、当該技術分野で既知の関連するそれぞれの入力処理要素を有する。例えば、RF部分は、(i)所望の周波数を選択すること(信号を選択することと、又は信号をある帯域の周波数に帯域制限することとも称される)、(ii)選択された信号をダウンコンバートすることと、(iii)(例えば)特定の例でチャネルと称され得る信号周波数帯域を選択するために、より狭い帯域の周波数に再び帯域制限することと、(iv)ダウンコンバートされ、帯域制限された信号を復調することと、(v)誤り訂正を実行することと、(vi)所望のデータパケットのストリームを選択するために逆多重化することと、に適した要素に関連付けられ得る。様々な例のRF部分としては、これらの機能を実行するための1つ以上の要素、例えば、周波数セレクタ、信号セレクタ、帯域リミッタ、チャネルセレクタ、フィルタ、ダウンコンバータ、復調器、誤り訂正器、及びデマルチプレクサが挙げられる。RF部分は、例えば、受信信号を下限周波数(例えば、中間周波数又はベースバンド近くの周波数)又はベースバンドにダウンコンバートすることを含む、これらの様々な機能を実行するチューナを含み得る。1つのセットトップボックスの例では、RF部分及びその関連する入力処理要素は、有線(例えば、ケーブル)媒体上で送信されたRF信号を受信し、所望の周波数帯域までフィルタリング、ダウンコンバート、及び再フィルタリングを行うことによって周波数選択を実行する。様々な例は、上述の(及び他の)要素の順序を再配列し、これらの要素のいくつかを除去し、かつ/又は同様の機能若しくは異なる機能を実行する他の要素を追加する。要素を追加することは、例えば、増幅器及びアナログ-デジタル変換器を挿入するなど、既存の要素間に要素を挿入することを含み得る。様々な例では、RF部分はアンテナを含む。
【0043】
更に、USB端子及び/又はHDMI端子は、システム300をUSB接続及び/又はHDMI接続で他の電子デバイスに接続するためのそれぞれのインターフェースプロセッサを含み得る。入力処理の様々な態様、例えば、リードソロモン誤り訂正は、例えば、必要に応じて別個の入力処理IC内又はプロセッサ310内に実装され得ることを理解されたい。同様に、USB又はHDMIインターフェース処理の態様は、必要に応じて、別個のインターフェースIC内又はプロセッサ310内に実装され得る。復調、誤り訂正、及び逆多重化されたストリームは、出力デバイスに提示するために必要に応じてデータストリームを処理するため、例えば、プロセッサ310、並びにメモリ及び記憶要素と組み合わせて動作するエンコーダ/デコーダ350を含む様々な処理要素に提供される。
【0044】
システム300の様々な要素は、一体型ハウジング内に提供され得る。一体型ハウジング内で、様々な要素は、適切な接続配置370、例えば、IC間(I2C)バス、配線、及びプリント回路基板を含む、当該技術分野で既知の内部バスを使用して、相互接続され、それらの間でデータを送信し得る。
【0045】
システム300は、通信チャネル382を介して他のデバイスとの通信を有効にする通信インターフェース380を含む。通信インターフェース380としては、限定するものではないが、通信チャネル382を介してデータを送受信するように構成されたトランシーバが挙げられ得る。通信インターフェース380としては、限定するものではないが、モデム又はネットワークカードが挙げられ得、通信チャネル382は、例えば、有線及び/又は無線媒体内に実装され得る。
【0046】
データは、様々な例では、Wi-Fiネットワークなどの無線ネットワーク、例えば、IEEE802.11(IEEEは、米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers)を指す)を使用して、システム300にストリーミングされるか、ないしは別の方法で提供される。これらの例のWi-Fi信号は、Wi-Fi通信に適合された通信チャネル382及び通信インターフェース350を介して受信される。これらの例の通信チャネル382は、典型的には、ストリーミングアプリケーション及び他のオーバーザトップ(Over-The-Top)通信を可能にするためにインターネットを含む外部ネットワークへのアクセスを提供するアクセスポイント又はルータに接続される。他の例は、入力ブロックのHDMI接続360を介してデータを送達するセットトップボックスを使用して、ストリーミングされたデータをシステム300に提供する。更に他の例は、入力ブロック360のRF接続を使用して、ストリーミングされたデータをシステム300に提供する。上記のように、様々な例は、データをストリーミング以外の方法で提供する。加えて、様々な例は、Wi-Fi以外の無線ネットワーク、例えば、セルラーネットワーク又はBluetoothネットワークを使用する。
【0047】
システム300は、ディスプレイ392、スピーカ394、及び他の周辺デバイス396を含む、様々な出力デバイスに出力信号を提供し得る。様々な例のディスプレイ392は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、湾曲ディスプレイ、及び/又は折り畳み可能なディスプレイのうちの1つ以上を含む。ディスプレイ392は、テレビジョン、タブレット、ラップトップ、携帯電話(移動電話)、又は他のデバイス用であり得る。ディスプレイ392はまた、他の構成要素に統合されていてもよく(例えば、スマートフォンのように)、又は別個(例えば、ラップトップの外部モニタ)であってもよい。他の周辺デバイス396としては、複数の例のうちの様々な例において、スタンドアロンデジタルビデオディスク(又はデジタル多用途ディスク)(両方の用語の略称としてDVR)、ディスクプレーヤ、ステレオシステム、及び/又は照明システムのうちの1つ以上が挙げられる。様々な例は、システム300の出力に基づいて機能を提供する1つ以上の周辺デバイス396を使用する。例えば、ディスクプレーヤは、システム300の出力を再生する機能を実行する。
【0048】
様々な例では、制御信号は、システム300とディスプレイ392、スピーカ394、又は他の周辺デバイス396との間で、AV.Link、Consumer Electronics Control(CEC)、又はユーザ介入の有無にかかわらずデバイス間の制御を可能にする他の通信プロトコルなどの信号伝達を使用して通信される。出力デバイスは、それぞれのインターフェース330、332、及び334を介した専用の接続を介してシステム300に通信可能に結合され得る。あるいは、出力デバイスは、通信インターフェース380を介して通信チャネル382を使用してシステム300に接続され得る。ディスプレイ392及びスピーカ394は、例えば、テレビジョンなどの電子デバイス内のシステム300の他の構成要素と単一のユニットに統合され得る。様々な例では、ディスプレイインターフェース330は、例えば、タイミングコントローラ(T Con)チップなどのディスプレイドライバを含む。
【0049】
代替的に、ディスプレイ392及びスピーカ394は、例えば、入力370のRF部分が別個のセットトップボックスの一部である場合、他の構成要素のうちの1つ以上から分離され得る。ディスプレイ392及びスピーカ394が外部構成要素である様々な例では、出力信号は、例えば、HDMIポート、USBポート、又はCOMP出力を含む専用の出力接続を介して提供され得る。
【0050】
これらの例は、プロセッサ310によって、又はハードウェアによって、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実装されるコンピュータソフトウェアによって実行され得る。非限定的な例として、これらの例は、1つ以上の集積回路によって実装され得る。メモリ320は、技術的環境に適切な任意のタイプのものであり得、非限定的な例として、光学メモリデバイス、磁気メモリデバイス、半導体ベースのメモリデバイス、固定メモリ、及び取り外し可能なメモリなどの任意の適切なデータ記憶技術を使用して実装され得る。プロセッサ310は、技術的環境に適切な任意のタイプのものであり得、非限定的な例として、マイクロプロセッサ、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、及びマルチコアアーキテクチャに基づいたプロセッサのうちの1つ以上を包含し得る。
【0051】
様々な実装形態は、復号を伴う。本出願で使用される場合、「復号」は、例えば、ディスプレイに適した最終出力を生成するために、受信された符号化シーケンスに対して実行されるプロセスの全部又は一部を包含し得る。様々な例では、そのようなプロセスは、典型的には、デコーダによって実行されるプロセスのうちの1つ以上、例えば、エントロピー復号、逆量子化、逆変換、及び差分復号を含む。様々な例では、そのようなプロセスはまた、又は代替的に、本出願に記載された様々な実装形態のデコーダによって実行されるプロセス、例えば、サブピクチャレベルのラップアラウンド動き補償の指示を受信すること、輝度サンプルバイリニア補間を実行することなどを含む。
【0052】
更なる例として、一例では、「復号」はエントロピー復号のみを指し、別の例では、「復号」は差分復号のみを指し、別の例では、「復号」はエントロピー復号と差分復号の組み合わせを指す。「復号プロセス」という語句が動作のサブセットを具体的に指すか、又は概してより広い復号プロセスを指すかどうかは、特定の説明の文脈に基づいて明らかになり、当業者によって十分に理解されると考えられる。
【0053】
様々な実装形態は、符号化を伴う。「復号」に関する上記の考察と同様に、本出願で使用される場合、「符号化」は、例えば、符号化されたビットストリームを生成するために入力ビデオシーケンスで実行されるプロセスの全部又は一部を包含し得る。様々な例では、そのようなプロセスは、典型的には、エンコーダによって実行されるプロセスのうちの1つ以上、例えば、区画化、差分符号化、変換、量子化、及びエントロピー符号化を含む。様々な例では、そのようなプロセスはまた、又は代替的に、本出願に記載された様々な実装形態のエンコーダによって実行されるプロセス、例えば、ラップアラウンド動き補償(例えば幾何学的パディングなど)を個々のサブピクチャに対して有効にすべきか又は無効にすべきかどうかを決定することを含む。
【0054】
更なる例として、一例では、「符号化」はエントロピー符号化のみを指し、別の例では、「符号化」は差分符号化のみを指し、別の例では、「符号化」は差分符号化及びエントロピー符号化の組み合わせを指す。「符号化プロセス」という語句が動作のサブセットを具体的に指すか、又は概してより広い符号化プロセスを指すかどうかは、特定の説明の文脈に基づいて明らかになり、当業者によって十分に理解されると考えられる。
【0055】
本明細書で使用される構文要素、例えば、subpic_wraparound_enabled_flag、subpic_ref_wraparound_offset_minus1などは、説明的な用語であることに留意されたい。したがって、それらは他の構文要素名の使用を除外するものではない。
【0056】
図がフロー図として提示される場合、その図は、対応する装置のブロック図も提供することを理解されたい。同様に、図がブロック図として提示される場合、その図は、対応する方法/プロセスのフロー図も提供することを理解されたい。
【0057】
様々な例は、レート歪み最適化を指す。特に、符号化プロセス中に、レートと歪みとの間のバランス又はトレードオフは、通常、多くの場合は計算の複雑さの制約を与えるものと考えられる。レート歪み最適化は、通常、レートと歪みとの重み付き合計である、レート歪み関数を最小化するものとして公式化される。レート歪み最適化問題を解決するための異なるアプローチが存在する。例えば、これらのアプローチは、符号化及び復号後の再構成された信号の符号化コスト及び関連する歪みの完全な評価を伴う、考慮される全てのモード又は符号化パラメータ値を含む全ての符号化オプションの広範な試験に基づき得る。より速いアプローチはまた、特に、再構成された信号ではなく予測信号又は予測残留信号に基づいた近似歪みの計算を用いて、符号化の複雑さを軽減するために使用され得る。また、可能な符号化オプションの一部のみの近似歪み、及び他の符号化オプションの完全な歪みを使用するなどして、これらの2つのアプローチの混合を使用することもできる。他のアプローチは、可能な符号化オプションのサブセットのみを評価する。より一般的には、多くのアプローチは、最適化を実行するための様々な技術のいずれかを用いるが、最適化は必ずしも符号化コスト及び関連する歪みの両方の完全な評価ではない。
【0058】
本明細書に記載の実装及び態様は、例えば、方法若しくはプロセス、装置、ソフトウェアプログラム、データストリーム、又は信号で実装され得る。単一の形の実装形態の文脈のみで論じられている(例えば、方法としてのみ論じられる)場合であっても、論じられる特徴の実装形態は、他の形(例えば、装置又はプログラム)でも実装され得る。装置は、例えば、適切なハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアで実装され得る。この方法は、例えば、コンピュータ、マイクロプロセッサ、集積回路、又はプログラマブル論理デバイスを含む、一般に処理デバイスを指すプロセッサで実装され得る。プロセッサはまた、例えば、コンピュータ、携帯電話、ポータブル/パーソナルデジタルアシスタント(「PDA」)、及びエンドユーザ間の情報通信を容易にする他のデバイスなどの通信デバイスを含む。
【0059】
「一例(one example/an example)」又は「一実装形態(one implementation/an implementation)」、並びにそれらの他の変形例への言及は、その例に関連して記載される特定の特徴、構造、特性などが少なくとも1つの例に含まれることを意味する。したがって、本出願を通して様々な箇所に出現する「一例では(in one example/in an example)」又は「一実装形態では(in one implementation/in an implementation)」、並びに任意の他の変形例は、必ずしも全てが同じ例を指すものではない。
【0060】
加えて、本出願は、様々な情報を「決定する」ことに言及する場合がある。情報を決定することは、例えば、情報を推定すること、情報を計算すること、情報を予測すること、又はメモリから情報を取り出すことのうちの1つ以上を含み得る。
【0061】
更に、本出願は、様々な情報に「アクセスすること」に言及する場合がある。情報にアクセスすることは、例えば、情報を受信すること、情報を(例えば、メモリから)取り出すこと、情報を記憶すること、情報を移動させること、情報をコピーすること、情報を計算すること、情報を決定すること、情報を予測すること、又は情報を推定することのうちの1つ以上を含み得る。
【0062】
加えて、本出願は、様々な情報を「受信する」ことに言及する場合がある。受信することは、「アクセスすること」と同様に、広範な用語であることを意図している。情報を受信することは、例えば、情報にアクセスすること、又は情報を(例えば、メモリから)取り出すことのうちの1つ以上を含み得る。更に、「受信すること」は、典型的には、例えば、情報を記憶すること、情報を処理すること、情報を送信すること、情報を移動させること、情報をコピーすること、情報を消去すること、情報を計算すること、情報を決定すること、情報を予測すること、又は情報を推定することなどの動作中に何らかの形で関与する。
【0063】
続く「/」、「及び/又は」、及び「~のうちの少なくとも1つ」のうちのいずれかの使用は、例えば、「A/B」、「A及び/又はB」及び「A及びBのうちの少なくとも1つ」の場合、1番目に列挙された選択肢(A)のみの選択、又は2番目に列挙された選択肢(B)のみの選択、又は両方の選択肢(A及びB)の選択を包含することが意図されることを理解されたい。更なる例として、「A、B、及び/又はC」及び「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」の場合、そのような表現は、1番目に列挙された選択肢(A)のみの選択、又は2番目に列挙された選択肢(B)のみの選択、又は3番目に列挙された選択肢(C)のみの選択、又は1番目及び2番目に列挙された選択肢(A及びB)のみの選択、又は1番目及び3番目に列挙された選択肢(A及びC)のみの選択、又は2番目及び3番目に列挙された選択肢(B及びC)のみの選択、又は3つの選択肢全ての選択(A及びB及びC)を包含することが意図される。これは、この技術及び関連技術の当業者に明らかなように、列挙される数の項目について拡張され得る。
【0064】
また、本明細書で使用される場合、「信号伝達する」という語は、とりわけ、対応するデコーダに何かを指示することを指す。例えば、特定の例では、エンコーダは、サブピクチャ符号化に関する複数のパラメータのうちの特定の1つを信号伝達する。このようにして、一例では、エンコーダ側とデコーダ側の両方で同じパラメータが使用される。したがって、例えば、エンコーダは、デコーダが同じ特定のパラメータを使用し得るように、特定のパラメータをデコーダに送信(明示的に信号伝達)し得る。逆に、デコーダが既に特定のパラメータ並びに他のパラメータを有する場合、デコーダが単純に特定のパラメータを認識して選択することができるように、信号伝達は送信なしに使用され得る(暗黙的な信号伝達)。任意の実際の機能の送信を回避することにより、様々な例においてビット節約が実現される。信号伝達は、様々な方法で達成され得ることを理解されたい。例えば、様々な例では、対応するデコーダに情報を信号伝達するために、1つ以上の構文要素、フラグなどが使用される。上記は「信号伝達する(signal)」という語の動詞形に関するが、「信号(signal)」という語は、本明細書では名詞としても使用され得る。
【0065】
当業者には明らかであるように、実装態様は、例えば、記憶又は送信され得る情報を運ぶようにフォーマットされた様々な信号を生成し得る。情報としては、例えば、方法を実行するための命令、又は記載される実装形態のうちの1つによって生成されるデータが挙げられ得る。例えば、信号は、記載された例のビットストリームを運ぶようにフォーマットされ得る。そのような信号は、例えば、電磁波として(例えば、スペクトルの無線周波数部分を使用して)、又はベースバンド信号としてフォーマットされ得る。フォーマットは、例えば、データストリームを符号化すること、及び符号化されたデータストリームでキャリアを変調することを含み得る。信号が運ぶ情報は、例えば、アナログ情報又はデジタル情報であり得る。信号は、既知のように、様々な異なる有線リンク又は無線リンクを介して送信され得る。信号は、プロセッサ可読媒体に記憶され得る。
【0066】
本明細書に記載のビデオ処理装置は、ピクチャを1つ以上の行及び/若しくは列のタイル、並びに/又は1つ以上のサブピクチャに区画化するように構成され得る。タイルは、ピクチャの矩形領域をカバーし得る符号化ツリーユニット(coding tree unit(CTU))のシーケンスを含み得る。例では、タイルは、1つ以上のブリックに更に分割され得、それぞれのブリックは、タイルのCTUの1つ以上の行を含み得る。サブピクチャは、画像の領域(例えば、矩形領域)を集合的にカバーし得る1つ以上のスライスを含み得る。スライスは、矩形スライス、ラスタースキャンスライスなどであり得る。ラスタースキャンスライス(例えば、ラスタースキャンスライスモードで生成及び/又は使用される)は、ピクチャのタイルラスタースキャンを介して導出され得る1つ以上のタイル(例えば、タイルのシーケンス)を含み得る。矩形スライス(例えば、矩形スライスモードで生成及び/又は使用される)は、ピクチャの領域(例えば、矩形領域)を集合的に形成し得る1つ以上のブリックを含み得る。矩形スライス内のブリックは、対応するスライスのブリックラスタースキャンの順序に基づいて配置され得る。図4は、サブピクチャ、スライス(例えば、矩形スライス)、タイル、及び符号化ユニット(例えば、CTU)に区画化されたピクチャの例を示す。
【0067】
本明細書に記載のビデオ処理装置は、シーケンスパラメータセット(SPS)及び/又はピクチャパラメータセット(PPS)を送信(例えば、ビデオ処理装置がビデオエンコーダを含む場合)又は受信(例えば、ビデオ処理装置がビデオデコーダを含む場合)するように構成され得る。SPSは、ピクチャのサブピクチャグリッドを定義する構文要素(例えば、パラメータ)であって、符号化されたピクチャのサブピクチャ(例えば、符号化ビデオシーケンス(coded video sequence、CVS)内)が復号プロセス(例えば、インループフィルタリング動作を除く)でピクチャとして処理され得るかどうかを示す構文要素(例えば、subpic_treated_as_pic_flag)を含み得る。PPSは、タイル及び/又はブリックグリッドを定義する構文要素(例えば、パラメータ)であって、ラップアラウンド動き補償(例えば、水平ラップアラウンド動き補償)が有効にされるかどうかを示す構文要素を含み得る。
【0068】
SPSは、例えば、グリッドを使用して、サブピクチャサイズ及び/又は位置を指定し得る。図5は、サブピクチャ識別子(ID)を(例えば、0、1、...5などの数値を使用して)示すために使用され得るサブピクチャグリッドの例を示す。図5に示されるように、符号化されたピクチャは、グリッドに区画化(例えば、スプリット)され得る。グリッドの行及び列の数は、グリッド要素のサイズ及び/又は符号化されたピクチャのサイズに基づいて決定され得る。以下の表1は、(i,j)番目のグリッド位置でサブピクチャID(例えば、sub_pic_id[i][j])を信号伝達するための例示的な構文を含む。
【表1】
【0069】
本明細書に記載のビデオ処理装置は、ピクチャを処理しながらラップアラウンド動き補償を実行するように構成され得る。そのようなラップアラウンド動き補償は、例えば、水平方向に実行され得る。SPS及び/又はPPSは、ラップアラウンド動き補償が有効にされるかどうかを示す要素を含み得る。例えば、SPSは、水平ラップアラウンド動き補償がインター予測に対して有効にされるか又は無効にされるかどうかを示す第1のパラメータ(例えば、sps_ref_wraparound_enabled_flag)を含み得る(例えば、sps_ref_wraparound_enabled_flagをそれぞれ1又は0に設定することによる)。SPSはまた、水平ラップアラウンド位置を計算するために使用され得るオフセットを指定し得る、第2のパラメータ(例えば、sps_ref_wraparound_offset_minus1プラス1)を含み得る。
【0070】
本明細書に記載のビデオ処理装置は、ラップアラウンド動き補償(例えば、水平ラップアラウンド動き補償)が有効にされるときに、幾何学的パディング(例えば、水平幾何学的パディング)を実行するように構成され得る。図6は、正距円筒図法(ERP)における360°ビデオの例示的な幾何学的パディングプロセスを示す。示されるように、ビデオ処理装置は、A、B、C、D、E及び/又はF位置(例えば、ピクチャの左及び/又は右の境界に沿って)のサンプルにD’、E’、F’、A’、B’、及び/又はC’位置のサンプルをパディングするように構成され得る。上部境界に沿って、ビデオ処理装置は、G、H、I、及び/又はJ位置のサンプルにI’、J’、G’、及び/又はH’位置のサンプルをパディングするように構成され得る。下部境界に沿って、ビデオ処理装置は、K、L、M、及び/又はN位置のサンプルにM’、N’、K’、及び/又はL’位置のサンプルをパディングするように構成され得る。
【0071】
本明細書に記載のビデオ処理装置は、ビデオビットストリームで信号伝達され得るアクセスユニットデリミタ(access unit delimiter、AUD)、及び/又はAUDネットワーク抽象化層(network abstraction layer、NAL)ユニット(例えば、標準準拠ビデオの場合)をサポートするように構成され得る。以下の表2は、例示的なAUD構文を示す。構文は、符号化されたピクチャに存在し得るslice_type値を示す要素(例えば、pic_type)を含み得る。更に、アクセスユニット(例えば、それぞれのアクセスユニット)は、構文内のAUD NALユニットから開始してもよく、かつ/又は構文に従って層アクセスユニット内に1つ(例えば、最大1つ)のAUD NALユニットが存在してもよい。
【表2】
【0072】
例では(例えば、(例えば、それぞれの)アクセスユニット又はAUに対してAUDが必須であるとき)、符号化するピクチャ内に同じ値を有するように制約されたスライスヘッダで信号伝達されるような1つ以上の構文要素は、信号伝達オーバーヘッドを低減するためにAUD内で(例えば、スライスヘッダ内の代わりに)信号伝達され得る。AUD及びパラメータセットは相互依存的であり得、相互依存は、符号化効率を改善するために探求され得る。例では(例えば、サブピクチャの符号化において、ERPピクチャの左及び/又は右の境界が接続されていない場合など)、ラップアラウンド動き補償(例えば、幾何学的パディングなど)を個々のサブピクチャに対して有効又は無効にすることが望ましい場合がある。ラップアラウンドの動き補償を個々のサブピクチャに対して有効又は無効にすることができないメカニズム(例えば、SPS内のラップアラウンド有効化フラグを信号伝達することのみによる)は、不十分であり得る。
【0073】
本明細書に記載のビデオ処理装置は、様々なコーディングツール及び/又は高水準構文(high-level syntax、HLS)を使用してビデオコンテンツを処理するように構成され得る。コーディングツールは、イントラ予測、インター予測、変換、量子化、エントロピー符号化、インループフィルタなどを容易にし得る。HLSは、ピクチャ、サブピクチャ、スライス、タイル、及びブリック(例えば、並列化のため)の区画化、360度ビデオのビューポート依存処理などをサポートし得る。HLSは、また、拡張可能なビデオコーディング、参照ピクチャリサンプリング(reference picture resampling、RPR)、漸次復号リフレッシュ(GDR)などの特徴をサポートし得る。
【0074】
符号化されたピクチャに関連付けられたスライスヘッダは、slice_pic_parameter_set_id、non_reference_picture_flag、colour_plane_id、slice_pic_order_cnt_lsb、recovery_poc_cnt、no_output_of_prior_pics_flag、pic_output_flag、及び/又はslice_temporal_mvp_enabled_flagなどの1つ以上の構文要素を含み得る。これらの構文要素のそれぞれの値は、符号化されたピクチャに関連付けられた複数の(例えば、全ての)スライスヘッダにおいて同じであり得る。これらの構文要素のうちの1つ以上(例えば、slice_pic_parameter_set_id、non_reference_picture_flag、colour_plane_id、slice_pic_order_cnt_lsb、recovery_poc_cnt、no_output_of_prior_pics_flag、pic_output_flag、slice_temporal_mvp_enabled_flagなど)は、ピクチャヘッダ内で(例えば、複数のスライスヘッダ内の代わりに)又は層アクセスユニットデリミタ(層AUD)内で信号伝達され得、そうすることにより、スライスオーバーヘッドに関連付けられたコストが低減され得る。層AUDは、NALユニットタイプに対応し得、層符号化ピクチャの境界を示すために使用され得る。
【0075】
アクセスユニットは、異なる層からのピクチャを含み得る。アクセスユニット内の1つ以上(例えば、全ての)ピクチャは、同じ出力時間インスタンス及び/又は同じピクチャオーダーカウント(POC)値を共有し得る。1つ以上の構文要素(例えば、slice_pic_order_cnt_lsb)は、AUD内で(例えば、スライスヘッダ内の代わりに)信号伝達され得る。AUDと1つ以上のスライスとの間の依存性は、1つ以上の構文要素(例えば、slice_pic_order_cnt_lsb)がAUD内で信号伝達されるときに導入され得る。以下の表3は、AUDに含まれ得る例示的な構文要素を示す。示されるように、構文は、aud_pic_order_cnt_isb要素を含み得、その値は、そうでなければ複数のスライスヘッダに含まれ得る(例えば、slice_pic_order_cnt_lsb)。
【表3】
【0076】
非参照ピクチャプロパティは、例えば、ピクチャの副層参照プロパティ及び/又は非参照プロパティを示すために、スライスヘッダ内で信号伝達され得る。信号伝達された情報を受信するビデオ処理装置(例えば、デコーダ)は、信号伝達された情報に基づいて、特定の状況下で(例えば、再生が遅れているとき)1つ以上のピクチャが廃棄され得ることを決定し得る。例では(例えば、多層符号化構造が使用される場合)、他の層によって参照されない非参照層は、非参照層の1つ以上のピクチャが廃棄され得るように、ビデオパラメータセット(VPS)レベル又はSPSレベルで示され得る。以下の表4は、特定の層(例えば、非参照層)が他の層によって参照され得ない(例えば、他の層の直接参照層であり得ない)ことを示す要素(例えば、vps_non_reference_layer_flag)を含む例示的なVPS構文を示す。
【表4】
【0077】
表4に示される例示的な構文では、パラメータvps_non_reference_layer_flag[i]の値を1(又は別の好適な値)に設定することは、i番目の層が層間予測のために(例えば、j番目の層などの別の層によって)参照層として使用され得ないことを示し得る。逆に、vps_non_reference_layer_flag[i]の値を0(又は別の好適な値)に設定することは、i番目の層が層間予測のために参照層として使用され得るか又は(例えば、j番目の層などの別の層によって)使用され得ないことを示し得る。
【0078】
本明細書に記載のビデオ処理装置は、ラップアラウンド動き補償がサブピクチャに対して有効にされるか又は無効にされるかどうかを示す構文要素を(例えば、ビデオビットストリームを介して)送信又は受信するように構成され得る。以下の表5は、ラップアラウンド動き補償に関連付けられた要素(例えば、sps_ref_wraparound_enabled_flag)が(例えば、サブピクチャの区画化に関連付けられた1つ以上の要素の後に)信号伝達され得る、例示的なSPS構文を示す。
【表5】
【0079】
例では(例えば、ビューポート依存ストリーミングでは)、ラップアラウンド動き補償は、サブピクチャがマージされたピクチャ内のサブピクチャなど、特定のサブピクチャに適用されてもよく、又は適用されなくてもよい。図7は、元のピクチャ及びマージされたピクチャのラップアラウンド動き補償の例を示す。元の360度ピクチャは、1つ以上の高解像度ピクチャのセット(例えば、702の1~6によって表される)及び/又は1つ以上の低解像度ピクチャのセット(例えば、704の1~6によって表される)に符号化され得る。ラップアラウンド動き補償は、それぞれの(例えば、異なる)ラップアラウンドオフセットを用いてこれらのピクチャ(例えば、702の高解像度ピクチャ及び704の低解像度ピクチャ)に適用され得る。2つの高解像度サブピクチャを含む新しいピクチャ706(例えば、図7の1及び3で表される)及び4つの低解像度サブピクチャ(例えば、図7の4、5、2及び6で表される)は、例えば、抽出及び/又はマージを介して導出され得る。サブピクチャ1及び3は、第1のサブピクチャにグループ化され得、サブピクチャ4、5、2、及び6は、第2のサブピクチャにグループ化され得る。このような状況では、第1及び第2のサブピクチャに異なるラップアラウンド動き補償(例えば、異なるラップアウトオフセット)を適用することが望ましい場合がある。
【0080】
本明細書に記載のビデオ処理装置は、ラップアラウンド動き補償がサブピクチャに対して(例えば、サブピクチャごとに)有効にされるか又は無効にされるかどうかの(ビデオビットストリームを介した)指示、及び/又はサブピクチャに適用されるラップアラウンドオフセット(例えば、ラップアラウンド動き補償が有効であるとき)の(例えば、ビデオビットストリームを介した)指示を送信又は受信するように構成され得る。例えば、本明細書に記載のビデオ符号化装置は、第1のサブピクチャ及び/又は第2のサブピクチャを含むピクチャを符号化するように構成され得る。ビデオ符号化装置は、ラップアラウンド動き補償が、符号化されたピクチャの第1及び/又は第2のサブピクチャに対して有効にされるかどうか、並びに第1及び第2のサブピクチャに関連付けられたそれぞれのラップアウトオフセットを示す情報を取得し得る。次いで、ビデオ符号化装置は、符号化されたピクチャ及び取得された情報を含む、符号化されたデータのセットを形成し得る。例では、符号化されたデータのセットに含まれる取得された情報は、ラップアラウンド動き補償が第1のサブピクチャに対して有効にされ、第2のサブピクチャに対しては無効にされることを示し得る。例では、符号化されたデータのセットに含まれる取得された情報は、ラップアラウンド動き補償が有効にされることを示すピクチャパラメータセット(PPS)構文要素と、第1のサブピクチャがピクチャとして処理されることを示すシーケンスパラメータセット(SPS)構文要素とを含み得る。例では、ビデオ符号化装置は、符号化されたデータのセットをビデオ復号装置などの受信デバイスに送信するように構成され得る。
【0081】
本明細書に記載のサブピクチャレベルのラップアラウンド指示は、例えば、サブピクチャをピクチャとして処理するための指示(例えば、subpic_treated_as_pic_flag)が真又は1に設定されているとき、及びラップアラウンド動き補償に関連するSPS指示(例えば、sps_ref_wraparound_enabled_flag)も真又は1に設定されているときに提供され得る。以下の表6は、サブピクチャの数(例えば、最大数)、ラップアラウンド動き補償の有効化/無効化指示(例えば、サブピクチャに対する)、ラップアラウンド動き補償オフセット(例えば、サブピクチャに対する)などを信号伝達するための例示的なPPS構文構造を示す。PPSで信号伝達されるものとして示されているが、表6の構文要素のうちの1つ以上は、SPSでも信号伝達され得る。

【表6】

【0082】
表6に示される例示的な構文は、符号ビデオシーケンス(CVS)に存在し得るサブピクチャの最大数を指定する要素、例えば、max_subpics_minus2プラス2を含み得る。この要素の値は、0~254の範囲であり得る(例えば、255は将来の使用のために予約され得る)。例示的な構文は、ラップアラウンド動き補償が1つ以上のサブピクチャに対して(例えば、全てのサブピクチャに対して)有効にされる(例えば、要素が値1を有するとき)かどうか、又は、少なくとも1つのサブピクチャに対して無効にされる/スキップされる(例えば、要素が値ゼロを有するとき)かどうか(例えば、ラップアラウンドは全てのサブピクチャに適用されない)を示す要素、例えば、all_subpic_wraparound_enabled_flagを含み得る。この要素(例えば、all_subpic_wraparound_enabled_flag)が存在しない場合、その値は0に等しいと推測され得る。
【0083】
表6に示される例示的な構文は、サブピクチャラップアラウンド動き補償オフセットが、sps_ref_wraparound_offset_minus1プラス1の値に等しいことが推測されるかどうか(例えば、subpic_wraparound_offset_sps_flagが1に設定されているとき)、又はsubpic_wraparound_offset_minus1などの別の要素によって指定されるかどうか(例えば、subpic_wraparound_offset_sps_flagがゼロに設定されているとき)を示す要素、例えば、subpic_wraparound_offset_sps_flagを含み得る。
【0084】
表6に示される例示的な構文は、ラップアラウンド動き補償(例えば、水平ラップアラウンド動き補償)がi番目のサブピクチャに対して(例えば、i番目のサブピクチャのインター予測に対して)有効にされるか又は無効にされるかどうかを示す要素、例えば、subpic_ref_wraparound_enabled_flag[i]を含み得る。この要素が1に設定されると、水平ラップアラウンド動き補償がi番目のサブピクチャに対して有効にされる(例えば、適用される)ことを示し得る。この要素がゼロに設定されると、水平ラップアラウンド動き補償がi番目のサブピクチャに対して無効にされる(例えば、適用されない)ことを示し得る。この要素が信号伝達された構文内に存在しない場合、その値は、例えば、本明細書に記載のall_subpic_wrapound_enabled_flag要素の値に等しいものと推測され得る。
【0085】
表6に示される例示的な構文は、ラップアラウンド動き補償に関連付けられたオフセットを指定する(例えば、i番目のサブピクチャの水平ラップアラウンド位置を計算するための)要素、例えば、subpic_ref_wraparound_offset_minus1プラス1を含み得る。オフセット値は、MinCbSizeY輝度サンプルのユニットで指定され得る。例えば、subpic_ref_wraparound_offset_minus1の値は、(CtbSizeY/MinCbSizeY)+1~(subpic_width_in_luma_samples[i]/MinCbSizeY)-1(両端を含む)の範囲に設定され得、subpic_width_in_luma_samples[i]は、輝度サンプルにおけるi番目のサブピクチャの幅を表し得る。この要素(例えば、subpic_ref_wraparound_offset_minus1)が存在しない場合、その値は、例えば、本明細書に記載のsps_ref_wraparound_offset_minus1要素の値に等しいものと推測され得る。
【0086】
本明細書に記載のビデオ処理装置は、本明細書に記載の構文要素に基づいて、サブピクチャのラップアラウンド動き補償を(例えば、サブピクチャ境界に対して)適用し得る。例えば、輝度サンプルバイリニア補間を実行するとき(例えば、フルサンプルユニットで輝度の場所を決定するとき(xInt,yInt))、ビデオ処理装置は、以下に示すように、他の構文要素(例えば、subpic_treated_as_pic_flag)と共にi=0..1のサブピクチャラップアラウンド動き補償インジケータ(例えば、subpic_ref_wraparound_enabled_flag)を考慮し得る。
subpic_treated_as_pic_flag[SubPicIdx]が1に等しい場合、以下を適用する。
【数1】
【0087】
輝度サンプルバイリニア補間フィルタリングを実行するとき(例えば、フルサンプルユニットで輝度の場所を決定するとき(xInt,yInt))、ビデオ処理装置は、以下に示すように、他の構文要素(例えば、subpic_treated_as_pic_flag)と共にi=0..7のサブピクチャラップアラウンド動き補償インジケータ(例えば、subpic_ref_wraparound_enabled_flag)を考慮し得る。
subpic_treated_as_pic_flag[SubPicIdx]が1に等しい場合、以下を適用する。
【数2】
【0088】
彩度サンプルバイリニア補間フィルタリングを実行するとき(例えば、フルサンプルユニットで彩度の場所を決定するとき(xInti,yInti))、ビデオ処理装置は、以下に示すように、他の構文要素(例えば、subpic_treated_as_pic_flag)と共にi=0..3のサブピクチャラップアラウンド動き補償インジケータ(例えば、subpic_ref_wraparound_enabled_flag)を考慮し得る。
subpic_treated_as_pic_flag[SubPicIdx]が1に等しい場合、以下を適用する。
【数3】
【0089】
例では(例えば、サブピクチャ境界が対応するピクチャ境界と整列しない場合)、ハードウェア(HW)デコーダは、ラップアラウンドパディングを実行しない場合がある。図8は、サブピクチャラップアラウンドパディングの例を示す。丸で囲まれたエリアでは、ピクチャ内でラップアラウンドパディングが実行され得る。いくつかの実装形態では(例えば、複数のデコーダが使用されるとき)、それぞれのサブピクチャ境界は、対応するピクチャ境界と同じように処理され得る。いくつかの実装形態では(例えば、単一のデコーダが使用されるとき)、ピクチャ境界は、ピクチャ内のサブピクチャ境界に適用されない場合がある。
【0090】
ピクチャレベルのラップアラウンド動き予測は、ビューポート依存ストリーミングを介して配信され得る360度ビデオなどの特定のタイプのコンテンツの符号化効率を改善し得る。例えば、サブピクチャレベルのラップアラウンド動き予測がサポートされていない場合、ピクチャレベルのラップアラウンド動き予測は、サブピクチャベースのビューポート依存ストリーミングに対して無効にされ得る。例えば、サブピクチャレベルのラップアラウンド動き予測がサポートされている場合、ピクチャレベルのラップアラウンド動き予測は、サブピクチャベースのビューポート依存ストリーミングに対して有効にされ得る。
【0091】
サブピクチャ境界がピクチャ境界と整列する場合、サブピクチャレベルのラップアラウンド動き予測は有効にされ得る。図9は、サブピクチャがラップアラウンドパディングされ得るときと、サブピクチャがラップアラウンドパディングされ得ないときとを示す。示されるように、図9の左側の上部2つのサブピクチャは、それらのサブピクチャの左右の境界が図9の右側の合成ピクチャの境界と整列するため、ラップアラウンドパディングされ得る。対照的に、図9の左側の下部2つのサブピクチャは、それらのサブピクチャの1つ以上の垂直境界(例えば、左右の垂直境界の両方)が合成ピクチャの境界と整列しないため、ラップアラウンドパディングされ得ない。以下の表7は、図9の例をサポートし得るラップアラウンド動き予測に関連付けられた例示的な構文を示す。
【表7】
【0092】
示されるように、表7の例示的な構文は、1又は真に設定されているとき、sps_subpic_wraparound_boundaries_pos_y0[i]、sps_subpic_wraparound_boundaries_pos_y1[i]、及び/又はsps_subpic_wraparound_offset_minus1[i]などの1つ以上のサブピクチャラップアラウンド構文要素がSPS内に存在することを示し得るインジケータsps_subpic_wraparound_enabled_flagなどの要素を含み得る。インジケータ要素sps_subpic_wraparound_enabled_flagが偽又はゼロに設定されているとき、sps_ref_wraparound_offset_minus1などのピクチャラップアラウンドオフセット指示がSPS内に存在することを示し得る。
【0093】
表7の例示的な構文は、ラップアラウンドパディングが実行され得る境界セグメントの総数を指定し得る要素num_wraparound_boundaries_minus1を含み得る。例示的な構文における1つ以上の要素(例えば、sps_subpic_wraparound_boundaries_pos_y0[i])及びsps_subpic_wraparound_boundaries_pos_y1[i])は、i番目の境界セグメントの場所を(例えば、輝度サンプル又はCTのユニットで)指定し得る。例示的な構文はまた、i番目の境界セグメントに適用されるオフセット値を指定する要素sps_subpic_wraparound_offset_minus1[i]を含み得る。
【0094】
本明細書に記載のビデオ処理装置は、サブピクチャ位置、サブピクチャサイズ、及び/又はサブピクチャIDを(例えば、ビデオビットストリームを介して)送信又は受信するように構成され得る。サブピクチャ位置、サブピクチャサイズ、及び/又はサブピクチャIDは、4×4のサイズ(例えば、最小グリッド要素サイズ)を有し得るサブピクチャグリッドに基づいて信号伝達され得る。信号伝達と関連付けられたビットカウントは、サブピクチャグリッド内のサブピクチャの数に依存し得る。例えば、4Kx2Kピクチャについて、信号伝達ビットカウントは、6個のサブピクチャに対して47ビット、24個のサブピクチャに対して149ビット、及び96個のサブピクチャに対して701ビットであり得る。ビットカウントは、例えば、サブピクチャグリッドのサブピクチャが同じサイズ(例えば、キューブマッププロジェクション(cube-map projection、CMP)など)を共有し、サブピクチャIDが、それぞれのサブピクチャのIDを明示的に信号伝達することなくサブピクチャグリッドから導出されるときに低減され得る。
【0095】
図10は、3つの例示的なサブピクチャグリッドを示す。第1のグリッドは6個のサブピクチャを含み、第2のグリッドは24個のサブピクチャを含み、第3のグリッドは10個のサブピクチャを含む。第1及び第2のグリッドのそれぞれは、同一のサブピクチャサイズのサブピクチャを含み得、第3のグリッドは、(例えば、図10に示される異なるシェーディングによって示されるように)異なるサブピクチャサイズの10個のサブピクチャを含み得る。single_subpic_per_grid_flagなどの構文要素(例えば、SPS構文要素)は、以下の表8に示されるように、subpic_grid_idx[i][j]の信号伝達を調整するために(例えば、subpic_grid_idx[i][j]の信号伝達がスキップされるかどうかを示すために)使用され得る。subpic_per_grid_flagの値を1(又は別の適切な値)に設定することは、subpic_grid_idx[i][j]がSPS RBSP構文に存在しないことを示し、single_subpic_per_grid_flagの値を0(又は別の好適な値)に設定することは、subpic_grid_idx[i][j]がSPS RBSP構文に存在することを示し得る。要素single_subpic_per_grid_flagが存在しない場合、その値(例えば、single_subpic_per_grid_flagの値)は、1(又はsubpic_grid_idx[i][j]がSPS RBSP構文に存在しないことを示す別の好適な値)に等しいと推測され得る。
【表8】
【0096】
表8に示される例示的な構文を使用して、single_subpic_per_grid_flagが1(又はsubpic_grid_idx[i][j]が信号伝達されていないことを示す別の好適な値)に等しいとき、subpic_grid_idx[i][j]は、次のように導出され得る。
【数4】
subpic_grid_idxの値は、0~max_subpics_minus1の両端を含む範囲であり得る。本明細書に記載の方法でサブピクチャ信号伝達を調整することにより、信号伝達に関連付けられたビットカウントは、例えば、6個、24個、及び96個のサブピクチャに対して30ビットに低減され得る。
【0097】
サブピクチャIDは、本明細書に記載のsubpic_grid_idxなどの構文要素を使用して信号伝達され得る。最小サブピクチャグリッドサイズは、4×4であり得る。サブピクチャは、ピクチャ内の1つ以上のスライスの矩形領域に対応し得、スライスは、いくつかの完全なタイルの数又は1つのタイルの完全なブリックのシーケンス(例えば、連続するシーケンス)を含み得る。スライス位置及び/又はサイズは、例えば、PPS内で信号伝達され得る。スライスIDは、信号伝達効率を改善するためにサブピクチャ位置及び/又はサブピクチャサイズを示すのに使用され得る。
【0098】
スライスID及び/又はslice_addressは、スライスヘッダで信号伝達され得る。slice_addressは、PPSに設定された(例えば、明示的に設定された)スライスID、又は矩形スライスのスライスインデックス、又はラスタースキャンスライスのブリックIDに等しいものであり得る。例(例えば、矩形スライスに関する)では、スライス位置は、bottom_right_brick_idx(例えば、bottom_right_brick_idxは、TopLeftBrickIdx及び/又はBottomRightBrickIdxを導出するために使用され得る)などの構文要素(例えば、パラメータ)によって決定され得る。ラスタースキャンスライスは、少なくとも低遅延シナリオで使用され得る。サブピクチャは、1つ以上の矩形スライスを含む(例えば、矩形スライスのみを含む)ように制約され得、そのような制約されたサブピクチャは、例えば、スライス抽出を容易にするために、サブピクチャに含まれるスライスに基づいて信号伝達され得る。以下の表9は、サブピクチャ信号伝達のための例示的な構文を示す。
【表9】
【0099】
表に示されるように、例示的なサブピクチャ信号伝達構文は、(例えば、それぞれの)スライスがサブピクチャであるかどうか(例えば、subpic_per_slice_flagが1に設定されているとき)又は、スライスが1つ以上のスライスを含むかどうか(例えば、subpic_per_slice_flagが0に設定されているとき)を示すために使用され得る第1の要素subpic_per_slice_flagを含み得る。例示的な構文は、i番目のサブピクチャ内のスライスの総数を指定する第2の要素num_slices_minus1[i]プラス1、及びi番目のサブピクチャのj番目のスライスのアドレスを指定する第3の要素slice_address[i][j]を含み得る。例では、(例えば、signaled_slice_id_flagなどの要素がPPS内で信号伝達され、値1に設定されているとき)、スライスアドレス[i][j]の値は、スライスのスライスIDに等しいものであり得、slice_address[i][j]の値は、0~2(signalled_slice_id_length_minus1+1)-1の両端を含む範囲であり得る。例では(例えば、signaled_slice_id_flagが0に設定されているとき)、slice_address[i][j]の値は、0~num_slices_in_pic_minus1の両端を含む範囲であり得る。
【0100】
recovery_poc_cntなどの構文要素は、漸次復号リフレッシュ(GDR)NALユニットのスライスヘッダ内で信号伝達され得る。そのような要素は、復号されたピクチャの回復点を出力順序で指定し得る。ピクチャは、復号順序で現在のGDRピクチャに続き、そのPOC値がGDRのPOC値+recovery_poc_cntの値に等しいときに、回復点ピクチャと称され得る。図11は、層ベースの符号化構造の例を示す。層ピクチャは、その依存層からのGDRピクチャを指し得る。層間参照ピクチャがGDRピクチャである層ピクチャのNALユニットタイプ(NUT)が、GDR_NUT(例えば、GDRピクチャのNALユニットタイプ)に設定されること、及び/又は現在のスライスのrecovery_poc_cntの値が、対応する層間参照ピクチャのrecovery_poc_cntの値と同じであることは必須であるという制約が課せられ得る。
【0101】
図12Aは、1つ以上の開示された実施形態が実装され得る例示的な通信システム1200を示す図である。通信システム1200は、音声、データ、ビデオ、メッセージング、ブロードキャストなどのコンテンツを複数の無線ユーザに提供する複数のアクセスシステムであり得る。通信システム1200は、複数の無線ユーザが、無線帯域幅を含むシステムリソースの共有を通じて、そのようなコンテンツにアクセスすることを可能にし得る。例えば、通信システム1200は、符号分割多重アクセス(code division multiple access、CDMA)、時分割多重アクセス(time division multiple access、TDMA)、周波数分割多重アクセス(frequency division multiple access、FDMA)、直交FDMA(orthogonal FDMA、OFDMA)、シングルキャリアFDMA(single-carrier FDMA、SC-FDMA)、ゼロテールユニークワードDFT-Spread OFDM(zero-tail unique-word DFT-Spread OFDM、ZT UW DTS-s OFDM)、ユニークワード OFDM(unique word OFDM、UW-OFDM)、リソースブロックフィルタ処理OFDM、フィルタバンクマルチキャリア(filter bank multicarrier、FBMC)、及び/又は同様のものなど、1つ以上のチャネルアクセス方法を採用し得る。
【0102】
図12Aに示されるように、通信システム1200は、無線送信/受信ユニット(WTRU)1202a、1202b、1202c、1202dと、RAN1204/1213と、CN1206/1215と、公衆交換電話網(public switched telephone network、PSTN)1208と、インターネット1210と、他のネットワーク1212とを含み得るが、開示される実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、及び/又はネットワーク要素を企図していることが理解されよう。WTRU1202a、1202b、1202c、1202dのそれぞれは、無線環境において動作し、かつ/又は通信するように構成された任意のタイプのデバイスであり得る。例として、そのいずれかが、「局」及び/又は「STA」と称され得る、WTRU1202a、1202b、1202c、1202dは、無線信号を送信及び/又は受信するように構成され得、ユーザ機器(user equipment、UE)、移動局、固定又は移動加入者ユニット、サブスクリクションベースのユニット、ページャ、セルラ電話、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、ホットスポット又はMi-Fiデバイス、モノのインターネット(Internet of Things、IoT)デバイス、ウォッチ又は他のウェアラブル、ヘッドマウントディスプレイ(head-mounted display、HMD)、車両、ドローン、医療用デバイス及びアプリケーション(例えば、遠隔手術)、工業用デバイス及びアプリケーション(例えば、工業用及び/又は自動化された処理チェーン状況において動作するロボット及び/又は他の無線デバイス)、家電デバイス、商業用及び/又は工業用無線ネットワーク上で動作するデバイスなどを含み得る。WTRU1202a、1202b、1202c、及び1202dのいずれも、互換的にUEと称され得る。
【0103】
通信システム1200はまた、基地局1214a、及び/又は基地局1214bを含み得る。基地局1214a、1214bのそれぞれは、CN1206/1215、インターネット1210、及び/又は他のネットワーク1212など、1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを容易にするために、WTRU1202a、1202b、1202c、1202dのうちの少なくとも1つと無線でインターフェース接続するように構成された、任意のタイプのデバイスであり得る。例として、基地局1214a、1214bは、基地局トランシーバ(base transceiver station、BTS)、ノードB、eNodeB、ホームノードB、ホームeNodeB、gNB、NR NodeB、サイトコントローラ、アクセスポイント(access point、AP)、無線ルータなどであり得る。基地局1214a、1214bはそれぞれ単一の要素として示されているが、基地局1214a、1214bは、任意の数の相互接続された基地局及び/又はネットワーク要素を含み得ることが理解されよう。
【0104】
基地局1214aは、基地局コントローラ(base station controller、BSC)、無線ネットワークコントローラ(radio network controller、RNC)、リレーノードなど、他の基地局及び/又はネットワーク要素(図示せず)も含み得る、RAN1204/1213の一部であり得る。基地局1214a及び/又は基地局1214bは、セル(図示せず)と称され得る、1つ以上のキャリア周波数で無線信号を送信及び/又は受信するように構成され得る。これらの周波数は、認可スペクトル、未認可スペクトル、又はライセンス及び未認可スペクトルの組み合わせであり得る。セルは、比較的固定され得るか又は経時的に変化し得る特定の地理的エリアに無線サービスのカバレッジを提供し得る。セルは更にセルセクタに分割され得る。例えば、基地局1214aと関連付けられたセルは、3つのセクタに分割され得る。したがって、一実施形態では、基地局1214aは、3つのトランシーバ、すなわち、セルのセクタごとに1つを含み得る。一実施形態では、基地局1214aは、多重入力多重出力(multiple-input multiple output、MIMO)技術を用いることができ、セルのセクタごとに複数のトランシーバを利用することができる。例えば、ビームフォーミングを使用して、所望の空間方向に信号を送信及び/又は受信することができる。
【0105】
基地局1214a、1214bは、エアインターフェース1216を介してWTRU1202a、1202b、1202c、1202dのうちの1つ以上と通信し得、これは、任意の好適な無線通信リンク(例えば、無線周波数(radio frequency、RF)、マイクロ波、センチメートル波、マイクロメートル波、赤外線(infrared、IR)、紫外線(ultraviolet、UV)、可視光など)であり得る。エアインターフェース1216は、任意の好適な無線アクセス技術(radio access technology、RAT)を使用して確立され得る。
【0106】
より具体的には、上記のように、通信システム1200は、複数のアクセスシステムであり得、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMAなどの1つ以上のチャネルアクセススキームを用いることができる。例えば、RAN1204/1213内の基地局1214a、及びWTRU1202a、1202b、1202cは、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)地上無線アクセス(UMTS Terrestrial Radio Access、UTRA)などの無線技術を実装し得、これは広帯域CDMA(wideband CDMA、WCDMA)を使用してエアインターフェース1215/1216/1217を確立し得る。WCDMAは、高速パケットアクセス(High-Speed Packet Access、HSPA)及び/又は進化型HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含み得る。HSPAは、高速ダウンリンク(Downlink、DL)パケットアクセス(High-Speed Downlink Packet Access、HSDPA)及び/又は高速アップリンクパケットアクセス(High-Speed UL Packet Access、HSUPA)を含み得る。
【0107】
一実施形態では、基地局1214a及びWTRU1202a、1202b、1202cは、進化型UMTS地上無線アクセス(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access、E-UTRA)などの無線技術を実装し得、これは、ロングタームエボリューション(LTE)及び/又はLTE-Advanced(LTE-A)及び/又はLTE-Advanced Pro(LTE-APro)を使用してエアインターフェース1216を確立し得る。
【0108】
一実施形態では、基地局1214a及びWTRU1202a、1202b、1202cは、New Radio(NR)を使用してエアインターフェース1216を確立し得る、NR無線アクセスなどの無線技術を実装し得る。
【0109】
一実施形態では、基地局1214a及びWTRU1202a、1202b、1202cは、複数の無線アクセス技術を実装し得る。例えば、基地局1214a及びWTRU1202a、1202b、1202cは、例えば、デュアル接続性(dual connectivity、DC)原理を使用して、LTE無線アクセス及びNR無線アクセスを一緒に実装し得る。したがって、WTRU1202a、1202b、1202cによって利用されるエアインターフェースは、複数のタイプの基地局(例えば、eNB及びgNB)に/から送信される複数のタイプの無線アクセス技術及び/又は送信によって特徴付けられ得る。
【0110】
他の実施形態では、基地局1214a及びWTRU1202a、1202b、1202cは、IEEE802.11(すなわち、無線フィデリティ(Wireless Fidelity、WiFi)、IEEE802.16(すなわち、Worldwide Interoperative for Microword Access(WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000EV-DO、暫定規格2000(IS-2000)、暫定規格95(IS-95)、暫定規格856(IS-856)、汎欧州デジタル移動電話方式(Global System for Mobile communications、GSM)、GSM進化型高速データレート(Enhanced Data rates for GSM Evolution、EDGE)、GSM EDGE(GERAN)などの無線技術を実装し得る。
【0111】
図12Aの基地局1214bは、例えば、無線ルータ、ホームノードB、ホームeNodeB、又はアクセスポイントであってもよく、事業所、自宅、車両、キャンパス、工業施設、(例えば、ドローンによる使用のための)エアコリド、車道などの場所など、局所的なエリアにおける無線接続性を容易にするために、任意の好適なRATを利用し得る。一実施形態では、基地局1214b及びWTRU1202c、1202dは、IEEE802.11などの無線技術を実装して、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)を確立し得る。一実施形態では、基地局1214b及びWTRU1202c、1202dは、IEEE802.15などの無線技術を実装して、無線パーソナルエリアネットワーク(wireless personal area network、WPAN)を確立し得る。更に別の実施形態では、基地局1214b及びWTRU1202c、1202dは、セルラーベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-A、LTE-APro、NRなど)を利用して、ピコセル又はフェムトセルを確立し得る。図12Aに示すように、基地局1214bは、インターネット1210への直接接続を有し得る。したがって、基地局1214bは、CN1206/1215を介してインターネット1210にアクセスする必要がない場合がある。
【0112】
RAN1204/1213は、CN1206/1215と通信し得、CN1206/1215は、音声、データ、アプリケーション、及び/又はボイスオーバインターネットプロトコル(voice over internet protocol、VoIP)サービスを、WTRU1202a、1202b、1202c、1202dのうちの1つ以上に提供するように構成された任意のタイプのネットワークであってもよい。データは、異なるスループット要件、待ち時間要件、エラー許容要件、信頼性要件、データスループット要件、モビリティ要件などの様々なサービス品質(quality of service、QoS)要件を有し得る。CN1206/1215は、呼制御、支払い請求サービス、移動体位置情報サービス、プリペイド呼、インターネット接続性、ビデオ配信などを提供し、かつ/又はユーザ認証などの高レベルセキュリティ機能を実施し得る。図12Aには示されていないが、RAN1204/1213及び/又はCN1206/1215は、RAN1204/1213と同じRAT又は異なるRATを採用する他のRANと直接又は間接的に通信し得ることが理解されよう。例えば、NR無線技術を利用し得るRAN1204/1213に接続されることに加えて、CN1206/1215はまた、GSM、UMTS、CDMA2000、WiMAX、E-UTRA、又はWiFi無線技術を採用して別のRAN(図示せず)と通信し得る。
【0113】
CN1206/1215はまた、PSTN1208、インターネット1210、及び/又は他のネットワーク1212にアクセスするために、WTRU1202a、1202b、1202c、1202dのためのゲートウェイとしての機能を果たし得る。PSTN1208は、基本電話サービス(plain old telephone service、POTS)を提供する公衆交換電話網を含み得る。インターネット1210は、TCP/IPインターネットプロトコルスイートの伝送制御プロトコル(transmission control protocol、TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(datagram protocol、UDP)、及び/又はインターネットプロトコル(internet protocol、IP)などの共通通信プロトコルを使用する、相互接続されたコンピュータネットワーク及びデバイスのグローバルシステムを含み得る。ネットワーク1212は、他のサービスプロバイダによって所有及び/又は操作される有線及び/又は無線通信ネットワークを含み得る。例えば、ネットワーク1212は、RAN1204/1213と同じRAT又は異なるRATを採用し得る、1つ以上のRANに接続された別のCNを含み得る。
【0114】
通信システム100におけるWTRU1202a、1202b、1202c、1202dのいくつか又は全ては、マルチモード能力を含み得る(例えば、WTRU1202a、1202b、1202c、1202dは、異なる無線リンクを介して異なる無線ネットワークと通信するための複数のトランシーバを含み得る)。例えば、図12Aに示されるWTRU1202cは、セルラーベースの無線技術を用いることができる基地局1214a、及びIEEE802無線技術を用いることができる基地局1214bと通信するように構成され得る。
【0115】
図12Bは、例示的なWTRU1202を示すシステム図である。図12Bに示すように、WTRU1202は、とりわけ、プロセッサ1218、トランシーバ1220、送/受信要素1222、スピーカ/マイクロフォン1224、キーパッド1226、ディスプレイ/タッチパッド1228、非リムーバブルメモリ1230、リムーバブルメモリ1232、電源1234、全地球測位システム(global positioning system、GPS)チップセット1236、及び/又は他の周辺機器1238を含み得る。WTRU1202は、一実施形態との一貫性を有しながら、前述の要素の任意の部分的組み合わせを含み得ることが理解されよう。
【0116】
プロセッサ1218は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連付けられた1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)回路、任意の他のタイプの集積回路(integrated circuit、IC)、状態機械などであり得る。プロセッサ1218は、信号符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、及び/又はWTRU1202が無線環境で動作することを可能にする任意の他の機能を実行し得る。プロセッサ1218は、送/受信要素1222に結合され得るトランシーバ1220に結合され得る。図12Bは、プロセッサ1218及びトランシーバ1220を別個の構成要素として示しているが、プロセッサ1218及びトランシーバ1220は、電子パッケージ又はチップにおいて一緒に統合され得ることが理解されよう。
【0117】
送/受信要素1222は、エアインターフェース1216を介して基地局(例えば、基地局1214a)に信号を送信するか又は基地局(例えば、基地局1214a)から信号を受信するように構成され得る。例えば、一実施形態では、送/受信要素1222は、RF信号を送信及び/又は受信するように構成されたアンテナであり得る。一実施形態では、送/受信要素1222は、例えば、IR、UV又は可視光信号を送信及び/又は受信するように構成されたエミッタ/検出器であり得る。更に別の実施形態では、送/受信要素1222は、RF信号及び光信号の両方を送信及び/又は受信するように構成され得る。送/受信要素1222は、無線信号の任意の組み合わせを送信及び/又は受信するように構成され得ることが理解されよう。
【0118】
送/受信要素1222は、単一の要素として図9Bに示されているが、WTRU1202は、任意の数の送/受信要素1222を含み得る。より具体的には、WTRU1202は、MIMO技術を採用し得る。したがって、一実施形態では、WTRU1202は、エアインターフェース1216を介して無線信号を送信及び受信するための2つ以上の送/受信要素1222(例えば、複数のアンテナ)を含み得る。
【0119】
トランシーバ1220は、送/受信要素1222によって送信される信号を変調し、送/受信要素1222によって受信される信号を復調するように構成され得る。上記のように、WTRU1202は、マルチモード能力を有し得る。したがって、トランシーバ1220は、例えばNR及びIEEE802.11などの複数のRATを介してWTRU1202が通信することを可能にするための複数のトランシーバを含み得る。
【0120】
WTRU1202のプロセッサ1218は、スピーカ/マイクロフォン1224、キーパッド1226、及び/又はディスプレイ/タッチパッド1228(例えば、液晶表示(liquid crystal display、LCD)ディスプレイユニット若しくは有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)ディスプレイユニット)に結合され得、それらからユーザ入力データを受信し得る。プロセッサ1218はまた、ユーザデータをスピーカ/マイクロフォン1224、キーパッド1226、及び/又はディスプレイ/タッチパッド1228に出力し得る。更に、プロセッサ1218は、非リムーバブルメモリ1230及び/又はリムーバブルメモリ1232などの任意のタイプの好適なメモリから情報にアクセスし、当該メモリにデータを記憶し得る。非リムーバブルメモリ1230は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク又は任意の他のタイプのメモリ記憶デバイスを含み得る。リムーバブルメモリ1232は、加入者識別モジュール(subscriber identity module、SIM)カード、メモリスティック、セキュアデジタル(secure digital、SD)メモリカードなどを含み得る。他の実施形態では、プロセッサ1218は、サーバ又はホームコンピュータ(図示せず)上など、WTRU1202上に物理的に配置されていないメモリから情報にアクセスし、当該メモリにデータを記憶し得る。
【0121】
プロセッサ1218は、電源1234から電力を受信し得、WTRU1202における他の構成要素への電力を分配及び//又は制御するように構成され得る。電源1234は、WTRU1202に電力を供給するための任意の好適なデバイスであり得る。例えば、電源1234は、1つ以上の乾電池(例えば、ニッケル-カドミウム(nickel-cadmium、NiCd)、ニッケル-亜鉛(nickel-zinc、NiZn)、ニッケル水素(nickel metal hydride、NiMH)、リチウム-イオン(lithium-ion、Li-ion)など)、太陽電池、燃料電池などを含み得る。
【0122】
プロセッサ1218はまた、GPSチップセット1236に結合され得、これは、WTRU1202の現在の場所に関する場所情報(例えば、経度及び緯度)を提供するように構成され得る。GPSチップセット1236からの情報に加えて又はその代わりに、WTRU1202は、基地局(例えば、基地局1214a、1214b)からエアインターフェース1216を介して場所情報を受信し、かつ/又は2つ以上の近くの基地局から受信されている信号のタイミングに基づいて、その場所を決定し得る。WTRU1202は、一実施形態との一貫性を有しながら、任意の好適な場所決定方法によって場所情報を取得し得ることが理解されよう。
【0123】
プロセッサ1218は、他の周辺機器1238に更に結合され得、これは、追加の特徴、機能、及び/又は有線若しくは無線接続を提供する1つ以上のソフトウェア及び/又はハードウェアモジュールを含み得る。例えば、周辺機器1238は、加速度計、電子コンパス、衛星トランシーバ、(ピクチャ及び/又は映像のための)デジタルカメラ、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)ポート、振動デバイス、テレビジョントランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(frequency modulated、FM)無線ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、仮想現実及び/又は拡張現実(Virtual Reality/Augmented Reality、VR/AR)デバイス、活動トラッカなどを含み得る。周辺機器1238は、1つ以上のセンサを含み得、センサは、ジャイロスコープ、加速度計、ホール効果センサ、磁力計、方位センサ、近接センサ、温度センサ、時間センサ、ジオロケーションセンサ、高度計、光センサ、タッチセンサ、磁力計、気圧計、ジェスチャセンサ、生体認証センサ、及び/又は湿度センサのうちの1つ以上であってもよい。
【0124】
WTRU1202は、(例えば、(例えば、送信のための)UL及び(例えば、受信のための)DLの両方の特定のサブフレームに関連付けられた)信号のいくつか又は全ての送受信が、同時及び/又は一緒であり得る、全二重無線機を含み得る。全二重無線は、ハードウェア(例えば、チョーク)を介して、又はプロセッサ(例えば、別個のプロセッサ(図示せず)若しくはプロセッサ1218)を介する信号処理を介して、自己干渉を低減させ、かつ/又は実質的に排除するために、干渉管理ユニットを含み得る。一実施形態では、WRTU1202は、(例えば、UL(例えば、送信用)又はダウンリンク(例えば、受信用)のいずれかのための特定のサブフレームに関連付けられた)信号のいくつか又は全てのうちのどれかの送信及び受信のための半二重無線機を含み得る。
【0125】
図12Cは、一実施形態によるRAN1204及びCN1206を示すシステム図である。上記のように、RAN1204は、E-UTRA無線技術を用いて、エアインターフェース1216を介してWTRU1202a、1202b、1202cと通信し得る。RAN1204はまた、CN1206と通信し得る。
【0126】
RAN1204は、eNode-B1260a、1260b、1260cを含み得るが、RAN1204は、一実施形態との一貫性を有しながら、任意の数のeNode-Bを含み得ることが理解されよう。eNode-B1260a、1260b、1260cはそれぞれ、エアインターフェース1216を介してWTRU1202a、1202b、1202cと通信するための1つ以上のトランシーバを含み得る。一実施形態では、eNode-B1260a、1260b、1260cは、MIMO技術を実装し得る。したがって、eNode-B1260aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU1202aに無線信号を送信し、かつ/又はWTRU1202aから無線信号を受信し得る。
【0127】
eNode-B1260a、1260b、1260cのそれぞれは、特定のセル(図示せず)に関連付けられ得、UL及び/又はDLにおいて、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、ユーザのスケジューリングなどを処理するように構成され得る。図12Cに示すように、eNode-B1260a、1260b、1260cは、X2インターフェースを介して互いに通信し得る。
【0128】
図12Cに示されるCN1206は、モビリティ管理エンティティ(mobility management entity、MME)1262と、サービングゲートウェイ(serving gateway、SGW)1264と、パケットデータネットワーク(packet data network、PDN)ゲートウェイ(又はPGW)1266とを含み得る。前述の要素のそれぞれは、CN1206の一部として描写されているが、これらの要素のいずれも、CNオペレータ以外のエンティティによって所有及び/又は操作され得ることが理解されよう。
【0129】
MME1262は、S1インターフェースを介して、RAN1204におけるeNode-B1260a、1260b、1260cのそれぞれに接続され得、制御ノードとして機能し得る。例えば、MME1262は、WTRU1202a、1202b、1202c、ベアラアクティブ化/非アクティブ化のユーザを認証する、WTRU1202a、1202b、1202cの初期アタッチ中に特定のサービングゲートウェイを選択する、などを担い得る。MME1262は、RAN1204と、GSM及び/又はWCDMAなどの他の無線技術を用いる他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための制御プレーン機能を提供し得る。
【0130】
SGW1264は、S1インターフェースを介してRAN1204におけるeNode B1260a、1260b、1260cのそれぞれに接続され得る。SGW1264は、概して、ユーザデータパケットをWTRU1202a、1202b、1202cに/からルーティングし、転送し得る。SGW1264は、eNode B間ハンドオーバ中にユーザプレーンをアンカする機能、DLデータがWTRU1202a、1202b、1202cに利用可能であるときにページングをトリガする機能、WTRU1202a、1202b、1202cのコンテキストを管理及び記憶する機能などの他の機能を実行し得る。
【0131】
SGW1264は、PGW1266に接続され得、PGW1266は、WTRU1202a、1202b、1202cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、インターネット1210などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU1202a、1202b、1202cに提供し得る。
【0132】
CN1206は、他のネットワークとの通信を容易し得る。例えば、CN1206は、WTRU1202a、1202b、1202cと従来の地上回線通信デバイスとの間の通信を容易にするために、PSTN1208などの回路交換ネットワークへのアクセスをWTRU1202a、1202b、1202cに提供し得る。例えば、CN1206は、CN1206とPSTN1208との間のインターフェースとしての役割を果たすIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IP multimedia subsystem、IMS)サーバ)を含み得るか、又はそれと通信し得る。更に、CN1206は、他のサービスプロバイダによって所有及び/又は操作される他の有線及び/又は無線ネットワークを含み得る他のネットワーク1212へのアクセスをWTRU1202a、1202b、1202cに提供し得る。
【0133】
WTRUは、無線端末として図12A図12Dに記載されているが、特定の代表的な実施形態では、そのような端末は、通信ネットワークとの有線通信インターフェースを(例えば、一時的又は永久的に)使用し得ることが企図される。
【0134】
代表的な実施形態では、他のネットワーク1212は、WLANであり得る。
【0135】
インフラストラクチャ基本サービスセット(Basic Service Set、BSS)モードのWLANは、BSSのアクセスポイント(AP)及びAPと関連付けられた1つ以上のステーション(STA)を有し得る。APは、配信システム(Distribution System、DS)若しくはBSSに入る、かつ/又はBSSから出るトラフィックを搬送する別のタイプの有線/無線ネットワークへのアクセス又はインターフェースを有し得る。BSS外から生じるSTAへのトラフィックは、APを通って到達し得、STAに配信され得る。STAからBSS外の宛先への生じるトラフィックは、APに送信されて、それぞれの宛先に送信され得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、例えば、APを介して送信され得、ソースSTAは、APにトラフィックを送信し得、APは、トラフィックを宛先STAに配信し得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、ピアツーピアトラフィックとしてみなされ、かつ/又は参照され得る。ピアツーピアトラフィックは、直接リンクセットアップ(direct link setup、DLS)を用いて、発信元STAと宛先STAとの間で(例えば、直接的に)送られ得る。特定の代表的な実施形態では、DLSは、802.11eDLS又は802.11zトンネル化DLS(tunneled DLS、TDLS)を使用し得る。独立BSS(Independent BSS、IBSS)モードを使用するWLANは、APを有さない場合があり、IBSS内又はそれを使用するSTA(例えば、STAの全部)は互いに直接通信し得る。通信のIBSSモードは、本明細書では、「アドホック」通信モードと称され得る。
【0136】
802.11acインフラストラクチャ動作モード又は同様の動作モードを使用するときに、APは、一次チャネルなどの固定チャネル上にビーコンを送信し得る。プライマリチャネルは、固定幅(例えば、20MHz幅の帯域幅)又は信号伝達を介して動的に設定される幅であり得る。一次チャネルは、BSSの動作チャネルであり得、APとの接続を確立するためにSTAによって使用され得る。いくつかの代表的な実施形態では、例えば、802.11システムにおいて、衝突回避を備えたキャリア感知多重アクセス(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance、CSMA/CA)が実装され得る。CSMA/CAの場合、APを含むSTA(例えば、全てのSTA)は、一次チャネルを感知し得る。一次チャネルが特定のSTAによってビジーであると感知され/検出され、かつ/又は決定される場合、特定のSTAはバックオフされ得る。1つのSTA(例えば、1つのステーションのみ)は、所与のBSSにおける任意の所与の時間に送信し得る。
【0137】
高スループット(High Throughput、HT)STAは、例えば、一次20MHzチャネルと隣接又は非隣接20MHzチャネルとの組み合わせを介して、通信のための40MHz幅のチャネルを使用して、40MHz幅のチャネルを形成し得る。
【0138】
非常に高いスループット(Very High Throughput、VHT)STAは、20MHz、40MHz、80MHz、及び/又は160MHz幅のチャネルをサポートし得る。40MHz及び/又は80MHzは、連続する20MHzチャネルを組み合わせることによって形成され得る。160MHzチャネルは、8つの連続する20MHzチャネルを組み合わせることによって又は80+80構成と称され得る2つの連続していない80MHzチャネルを組み合わせることによって、形成され得る。80+80構成の場合、チャネル符号化後、データは、データを2つのストリームに分割し得るセグメントパーサを通過し得る。逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform、IFFT)処理及び時間ドメイン処理は、各ストリームで別々に行われ得る。ストリームは、2つの80MHzチャネルにマッピングされ得、データは、送信STAによって送信され得る。受信STAの受信機において、80+80構成のための上記の動作が、逆転され得、組み合わされたデータは、媒体アクセス制御(Medium Access Control、MAC)に送られ得る。
【0139】
サブ1GHzの動作モードは、802.11af及び802.11ahによってサポートされる。チャネル動作帯域幅及びキャリアは、802.11n及び802.11acで使用されるものと比較して、802.11af及び802.11ahで低減される。802.11afは、TVホワイトスペース(TV White Space、TVWS)スペクトルにおいて、5MHz、10MHz及び20MHz帯域幅をサポートし、802.11ahは、非TVWSスペクトルを使用して、1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、及び16MHz帯域幅をサポートする。代表的な実施形態によれば、802.11ahは、マクロカバレッジエリア内のMTCデバイスなど、メータタイプの制御/マシンタイプ通信をサポートし得る。MTCデバイスは、例えば、特定の、かつ/又は限定された帯域幅のためのサポート(例えば、そのためのみのサポート)を含む限定された能力を有し得る。MTCデバイスは、(例えば、非常に長いバッテリ寿命を維持するために)閾値を超えるバッテリ寿命を有するバッテリを含み得る。
【0140】
複数のチャネル、並びに802.11n、802.11ac、802.11af、及び802.11ahなどのチャネル帯域幅をサポートし得るWLANシステムは、一次チャネルとして指定され得るチャネルを含む。一次チャネルは、BSSにおける全てのSTAによってサポートされる最大共通動作帯域幅に等しい帯域幅を有し得る。一次チャネルの帯域幅は、最小帯域幅動作モードをサポートするBSSで動作する全てのSTAの中から、STAによって設定され、かつ/又は制限され得る。802.11ahの例では、一次チャネルは、AP及びBSSにおける他のSTAが2MHz、4MHz、8MHz、16MHz、及び/又は他のチャネル帯域幅動作モードをサポートする場合であっても、1MHzモードをサポートする(例えば、それのみをサポートする)STA(例えば、MTCタイプデバイス)に対して1MHz幅であり得る。キャリア感知及び/又はネットワーク割り当てベクトル(Network Allocation Vector、NAV)設定は、一次チャネルの状態に依存し得る。例えば、APに送信する(1MHz動作モードのみをサポートする)STAに起因してプライマリチャネルがビジーである場合、周波数帯域の大部分がアイドルのままであり、利用可能であり得るとしても、利用可能な周波数帯域全体がビジーであると見なされ得る。
【0141】
米国では、802.11ahにより使用され得る利用可能な周波数帯域は、902MHz~928MHzである。韓国では、利用可能な周波数帯域は917.5MHz~923.5MHzである。日本では、利用可能な周波数帯域は916.5MHz~927.5MHzである。802.11ahに利用可能な総帯域幅は、国のコードに応じて6MHz~26MHzである。
【0142】
図12Dは、一実施形態によるRAN1213及びCN1215を示すシステム図である。上記のように、RAN1213は、NR無線技術を用いて、エアインターフェース1216を介してWTRU1202a、1202b、1202cと通信し得る。RAN1213はまた、CN1215と通信し得る。
【0143】
RAN1213は、gNB1280a、1280b、1280cを含み得るが、RAN1213は、一実施形態との一貫性を有しながら、任意の数のgNBを含み得ることが理解されよう。gNB1280a、1280b、1280cはそれぞれ、エアインターフェース1216を介してWTRU1202a、1202b、1202cと通信するための1つ以上のトランシーバを含み得る。一実施形態では、gNB1280a、1280b、1280cは、MIMO技術を実装し得る。例えば、gNB1280a、1208bは、ビームフォーミングを利用して、gNB1280a、1280b、1280cに信号を送信し、かつ/又はgNB1280a、1280b、1280cから信号を受信し得る。したがって、gNB1280aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU1202aに無線信号を送信し、かつ/又はWTRU1202aから無線信号を受信し得る。一実施形態では、gNB1280a、1280b、1280cは、キャリアアグリゲーション技術を実装し得る。例えば、gNB1280aは、複数の構成要素キャリアをWTRU1202a(図示せず)に送信し得る。これらのコンポーネントキャリアのサブセットは、未認可スペクトル上にあり得、残りのコンポーネントキャリアは、認可スペクトル上にあり得る。一実施形態では、gNB1280a、1280b、1280cは、多地点協調(Coordinated Multi-Point、CoMP)技術を実装し得る。例えば、WTRU1202aは、gNB1280a及びgNB1280b(及び/又はgNB1280c)からの協調送信を受信し得る。
【0144】
WTRU1202a、1202b、1202cは、拡張可能なヌメロロジと関連付けられた送信を使用して、gNB1280a、1280b、1280cと通信し得る。例えば、OFDMシンボル間隔及び/又はOFDMサブキャリア間隔は、無線送信スペクトルの異なる送信、異なるセル及び/又は異なる部分に対して変化し得る。WTRU1202a、1202b、1202cは、(例えば、様々な数のOFDMシンボルを含む、かつ/又は様々な長さの絶対時間が持続する)様々な又はスケーラブルな長さのサブフレーム又は送信時間間隔(transmission time interval、TTI)を使用して、gNB1280a、1280b、1280cと通信し得る。
【0145】
gNB1280a、1280b、1280cは、スタンドアロン構成及び/又は非スタンドアロン構成でWTRU1202a、1202b、1202cと通信するように構成され得る。スタンドアロン構成では、WTRU1202a、1202b、1202cは、他のRAN(例えば、eNode-B1260a、1260b、1260cなど)にアクセスすることなく、gNB1280a、1280b、1280cと通信し得る。スタンドアロン構成では、WTRU1202a、1202b、1202cは、モビリティアンカポイントとしてgNB1280a、1280b、1280cのうちの1つ以上を利用し得る。スタンドアロン構成では、WTRU1202a、1202b、1202cは、未認可バンドにおける信号を使用して、gNB1280a、1280b、1280cと通信し得る。非スタンドアロン構成WTRU1202a、1202b、1202cは、gNB1280a、1280b、1280cと通信し、これらに接続する一方で、eNode-B1260a、1260b、1260cなどの別のRANとも通信し、これらに接続し得る。例えば、WTRU1202a、1202b、1202cは、1つ以上のgNB1280a、1280b、1280c及び1つ以上のeNode-B1260a、1260b、1260cと実質的に同時に通信するためのDC原理を実装し得る。非スタンドアロン構成では、eNode-B1260a、1260b、1260cは、WTRU1202a、1202b、1202cのモビリティアンカとして機能し得、gNB1280a、1280b、1280cは、WTRU1202a、1202b、1202cをサービスするための追加のカバレッジ及び/又はスループットを提供し得る。
【0146】
gNB1280a、1280b、1280cのそれぞれは、特定のセル(図示せず)と関連付けられ得、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、UL及び/又はDLにおけるユーザのスケジューリング、ネットワークスライシングのサポート、デュアルコネクティビティ、NRとE-UTRAとの間のインターワーキング、ユーザプレーン機能(User Plane Function、UPF)1284a、1284bへのユーザプレーンデータのルーティング、アクセス及びモビリティ管理機能(Access and Mobility Management Function、AMF)1282a、1282bへの制御プレーン情報のルーティングなどを処理するように構成され得る。図12Dに示すように、gNB1280a、1280b、1280cは、Xnインターフェースを介して互いに通信し得る。
【0147】
図12Dに示されるCN1215は、少なくとも1つのAMF1282a、1282b、少なくとも1つのUPF1284a、1284b、少なくとも1つのセッション管理機能(Session Management Function、SMF)1283a、1283b及び場合によってはデータネットワーク(Data Network、DN)1285a、1285bを含み得る。前述の要素のそれぞれは、CN1215の一部として描写されているが、これらの要素のいずれも、CNオペレータ以外のエンティティによって所有及び/又は操作され得ることが理解されよう。
【0148】
AMF1282a、1282bは、N2インターフェースを介してRAN1213におけるgNB1280a、1280b、1280cのうちの1つ以上に接続され得、制御ノードとして機能し得る。例えば、AMF1282a、1282bは、WTRU1202a、1202b、1202cのユーザを認証すること、ネットワークスライシングのためのサポート(例えば、異なる要件を有する異なるPDUセッションの処理)、特定のSMF1283a、1283bを選択すること、登録エリアの管理、NAS信号伝達の終端、モビリティ管理などを担い得る。ネットワークスライスは、WTRU1202a、1202b、1202cを利用しているサービスのタイプに基づいて、WTRU1202a、1202b、1202cのCNサポートをカスタマイズするために、AMF1282a、1282bによって使用され得る。例えば、異なるネットワークスライスは、高信頼低遅延(ultra-reliable low latency、URLLC)アクセスに依存するサービス、高速大容量(enhanced massive mobile broadband、eMBB)アクセスに依存するサービス、マシンタイプ通信(machine type communication、MTC)アクセスのためのサービス、及び/又は同様のものなどの異なる使用事例のために確立され得る。AMF1282は、RAN1213とLTE、LTE-A、LTE-A Pro、及び/又はWiFiなどの非3GPPアクセス技術などの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための制御プレーン機能を提供し得る。
【0149】
SMF1283a、1283bは、N11インターフェースを介して、CN1215におけるAMF1282a、1282bに接続され得る。SMF1283a、1283bはまた、N4インターフェースを介して、CN1215におけるUPF1284a、1284bに接続され得る。SMF1283a、1283bは、UPF1284a、1284bを選択及び制御し、UPF1284a、1284bを通るトラフィックのルーティングを構成し得る。SMF1283a、1283bは、UE IPアドレスを管理して割り当てること、PDUセッションを管理すること、ポリシー執行及びQoSを制御すること、ダウンリンクデータ通知を提供することなど、他の機能を実施し得る。PDUセッションタイプは、IPベース、非IPベース、イーサネットベースなどであり得る。
【0150】
UPF1284a、1284bは、N3インターフェースを介して、RAN1213におけるgNB1280a、1280b、1280cのうちの1つ以上に接続され得、これは、WTRU1202a、1202b、1202cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、インターネット1210などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU1202a、1202b、1202cに提供し得る。UPF1284、1284bは、パケットをルーティングして転送すること、ユーザプレーンポリシーを執行すること、マルチホームPDUセッションをサポートすること、ユーザプレーンQoSを処理すること、ダウンリンクパケットをバッファすること、モビリティアンカリングを提供することなど、他の機能を実施し得る。
【0151】
CN1215は、他のネットワークとの通信を容易にし得る。例えば、CN1215は、CN1215とPSTN1208との間のインターフェースとしての役割を果たすIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IP multimedia subsystem、IMS)サーバ)を含み得るか、又はそれと通信し得る。更に、CN1215は、他のサービスプロバイダによって所有及び/又は操作される他の有線及び/又は無線ネットワークを含み得る他のネットワーク1212へのアクセスをWTRU1202a、1202b、1202cに提供し得る。一実施形態では、WTRU1202a、1202b、1202cは、UPF1284a、1284bへのN3インターフェース、及びUPF1284a、1284bとDN1285a、1285bとの間のN6インターフェースを介して、UPF1284a、1284bを通じてローカルデータネットワーク(local Data Network、DN)1285a、1285bに接続され得る。
【0152】
図12A図12D及び図12A図12Dの対応する説明を考慮して、WTRU1202a~d、基地局1214a~b、eNode-B1260a~c、MME1262、SGW1264、PGW1266、gNB1280a~c、AMF1282a~b、UPF 1284a-b、SMF1283a~b、DN1285a~b、及び/又は本明細書に記載される任意の他のデバイスの1つ以上に関して本明細書に記載される機能のうちの1つ以上又は全部は、1つ以上のエミュレーションデバイス(図示せず)によって実行され得る(図示せず)。エミュレーションデバイスは、本明細書に記載の機能の1つ以上又は全てをエミュレートするように構成された1つ以上のデバイスであり得る。例えば、エミュレーションデバイスを使用して、他のデバイスを試験し、かつ/又はネットワーク及び/若しくはWTRU機能をシミュレートすることができる。
【0153】
エミュレーションデバイスは、ラボ環境及び/又はオペレータネットワーク環境における他のデバイスの1つ以上の試験を実装するように設計され得る。例えば、1つ以上のエミュレーションデバイスは、通信ネットワーク内の他のデバイスを試験するために、有線及び/又は無線通信ネットワークの一部として完全に若しくは部分的に実装され、かつ/又は展開されている間、1つ以上若しくは全ての機能を実行し得る。1つ以上のエミュレーションデバイスは、有線及び/又は無線通信ネットワークの一部として一時的に実装され/展開されている間、1つ以上若しくは全ての機能を実行し得る。エミュレーションデバイスは、試験を目的として別のデバイスに直接結合され得、かつ/又は地上波無線通信を使用して試験を実施し得る。
【0154】
1つ以上のエミュレーションデバイスは、有線及び/又は無線通信ネットワークの一部として実装/展開されていない間、全てを含む1つ以上の機能を実行し得る。例えば、エミュレーションデバイスは、1つ以上の構成要素の試験を実装するために、試験実験室、及び/又は展開されていない(例えば、試験)有線及び/又は無線通信ネットワークにおいて、試験シナリオで利用され得る。1つ以上のエミュレーションデバイスは、試験機器であり得る。RF回路(例えば、1つ以上のアンテナを含み得る)を介した直接RF結合及び/又は無線通信は、データを送信及び/又は受信するように、エミュレーションデバイスによって使用され得る。
【0155】
特徴及び要素は、特定の組み合わせで上述されているが、当業者は、各特徴又は要素が単独で又は他の特徴及び要素との任意の組み合わせで使用され得ることを理解されよう。更に、本明細書に記載の方法は、コンピュータ又はプロセッサによる実行のためにコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア又はファームウェアに実装され得る。コンピュータ可読媒体の例には、電子信号(有線又は無線接続を介して送信される)及びコンピュータ可読記憶媒体が含まれる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気媒体、磁気光学媒体及びCD-ROMディスク及びデジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)などの光学媒体が挙げられるが、これらに限定されない。ソフトウェアと関連付けられたプロセッサを使用して、WTRU、UE、端末、基地局、RNC又は任意のホストコンピュータにおいて使用するための無線周波数トランシーバを実装することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
【手続補正書】
【提出日】2022-05-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ復号のための装置であって、
プロセッサであって、
ピクチャに関連付けられたビデオビットストリームを取得することであって、前記ピクチャは、複数のサブピクチャに区画化され、前記ビデオビットストリームは、前記複数のサブピクチャのそれぞれのサブピクチャ識別子(ID)が前記ビデオビットストリーム内で信号伝達されるかどうかの指示を含む、ことと、
前記ビデオビットストリームに含まれる前記指示に基づいて、前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDを決定することであって、前記それぞれのサブピクチャIDが前記ビデオストリーム内で信号伝達されるという決定に応答して、前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDが、前記ビデオビットストリームから取得される、ことと、
前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDを使用して、前記ピクチャを復号することと、を行うように構成されている、プロセッサを備える、装置。
【請求項2】
前記それぞれのサブピクチャIDが前記ビデオビットストリーム内で信号伝達されないという決定に応答して、前記プロセッサは、0から、前記ピクチャに含まれるサブピクチャの総数マイナス1までの範囲にわたるインデックス値のシーケンスに基づいて、前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDを決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記指示は、前記ビデオビットストリームのシーケンスパラメータセットに含まれる、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数のサブピクチャのそれぞれは、前記ピクチャの領域を集合的にカバーする1つ以上のスライスを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ピクチャは、前記複数のサブピクチャを含むグリッドに区画化され、サブピクチャIDのそれぞれは、前記グリッド内の前記対応するサブピクチャの位置を示す、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
ビデオ復号の方法であって、前記方法は、
ピクチャに関連付けられたビデオビットストリームを取得することであって、前記ピクチャは、複数のサブピクチャに区画化され、前記ビデオビットストリームは、前記複数のサブピクチャのそれぞれのサブピクチャ識別子(ID)が前記ビデオビットストリーム内で信号伝達されるかどうかの指示を含む、ことと、
前記ビデオビットストリームに含まれる前記指示に基づいて、前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDを決定することであって、前記それぞれのサブピクチャIDが前記ビデオストリーム内で信号伝達されるという決定に応答して、前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDが、前記ビデオビットストリームから取得される、ことと、
前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDを使用して、前記ピクチャを復号することと、を含む、方法。
【請求項7】
前記それぞれのサブピクチャIDが前記ビデオビットストリーム内で信号伝達されないという決定に応答して、前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDが、0から、前記ピクチャに含まれるサブピクチャの総数マイナス1までの範囲にわたるインデックス値のシーケンスに基づいて決定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記指示は、前記ビデオビットストリームのシーケンスパラメータセットに含まれる、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のサブピクチャのそれぞれは、前記ピクチャの領域を集合的にカバーする1つ以上のスライスを含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ピクチャは、前記複数のサブピクチャを含むグリッドに区画化され、サブピクチャIDのそれぞれは、前記グリッド内の前記対応するサブピクチャの位置を示す、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ビデオ符号化のための装置であって、
プロセッサであって、
ピクチャを複数のサブピクチャに区画化し、
ビデオビットストリーム内に前記複数のサブピクチャのそれぞれのサブピクチャ識別子(ID)を含むかどうかを決定し、
前記ビデオビットストリーム内に前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDを含むという決定に基づいて、
前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDを決定し、
前記ビデオビットストリーム内に前記複数のサブピクチャの前記決定されたサブピクチャIDを含み、
前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDが前記ビデオビットストリーム内で信号伝達されることを示す指示を前記ビデオビットストリームに追加し、
前記ピクチャを符号化するように構成されている、プロセッサを備える、装置。
【請求項12】
前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDが前記ビデオビットストリーム内で信号伝達されるという前記指示が、前記ビデオビットストリームのシーケンスパラメータセットに追加される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記複数のサブピクチャのそれぞれは、前記ピクチャの領域を集合的にカバーする1つ以上のスライスを含む、請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
ビデオ符号化の方法であって、前記方法は、
ピクチャを複数のサブピクチャに区画化することと、
ビデオビットストリーム内に前記複数のサブピクチャのそれぞれのサブピクチャ識別子(ID)を含むかどうかを決定することと、
前記ビデオビットストリーム内に前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDを含むという決定に基づいて、
前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDを決定することと、
前記ビデオビットストリーム内に前記複数のサブピクチャの前記決定されたサブピクチャIDを含むことと、
前記複数のサブピクチャの前記それぞれのサブピクチャIDが前記ビードビットストリーム内で信号伝達されることを示す指示を前記ビデオビットストリームに追加することと、
前記ピクチャを符号化することと、を含む、方法。
【請求項15】
1つ以上のプロセッサに、請求項6~10又は請求項14のいずれか一項に記載の方法の工程を実行させるための命令を含む、コンピュータ可読媒体。

【国際調査報告】