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特表2022-548201固有冷却システムを備えた電気モータ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-17
(54)【発明の名称】固有冷却システムを備えた電気モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/132 20060101AFI20221110BHJP
   H02K 5/02 20060101ALI20221110BHJP
   H02K 5/20 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
H02K5/132
H02K5/02
H02K5/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512361
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(85)【翻訳文提出日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 SE2020050857
(87)【国際公開番号】W WO2021049999
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】1951033-8
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522067835
【氏名又は名称】ゼットパーク エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】サンドバーグ,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ゲンシェル,ジョナス
(72)【発明者】
【氏名】ステニウス,イヴァン
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA01
5H605BB06
5H605BB19
5H605CC01
5H605DD13
5H605FF06
(57)【要約】
本開示は、電気モータの静止部分であるステータ(101)であって、半径方向に取り付けられた複数の極を有するステータ(101)と、複数の磁石を有し、ステータ(101)の周りを自由に回転するように配置されたロータ(102)とを備える電気モータに関し、ステータ(101)及びロータ(102)は、冷却媒体が電気モータの内側部分を通って流れることを可能にするチャネル(106)が形成されるような方法で、モータのハウジングのエポキシ層内に成形される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 静止した内側部分(110)及び回転可能な外側部分(120)を有するハウジング(100)と、
- 前記ハウジング(100)の前記静止した内側部分(110)に支持されたステータ(101)と、
- 前記ハウジング(100)の前記回転可能な外側部分(120)に取り付けられ、前記ステータ(101)の周りを自由に回転するように配置されたロータ(102)と
を備えた電気モータであって、
- 前記回転可能な外側部分(100)が、冷却媒体を受け取るように構成された少なくとも1つの入口(104A、104B)と、前記冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口(105A、105B)とを有し、
- 前記ステータ(101)及び前記ロータ(102)が、それぞれのエポキシ層(107A、107B)内にそれぞれ別々に成形され、
- チャネル(106)が、前記成形されたロータと前記成形されたステータとの間に配置され、前記冷却媒体を前記ハウジング(100)の軸方向に導き、前記少なくとも1つの入口(104A、104B)及び前記少なくとも1つの出口(105A、105B)と流体連通し、前記電気モータの固有冷却システムを形成している、
ことを特徴とする電気モータ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの出口(105A、105B)が、前記ロータ(102)が回転する間に生み出される遠心力によって前記冷却媒体を排出する、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項3】
前記固有冷却システムが、前記ハウジングの前記静止した内側部分の中心を通って軸方向に延び、冷却媒体が流れることができるように配置された追加チャネル(108)をさらに備える、請求項1又は2に記載の電気モータ。
【請求項4】
前記出口(105A、105B)のいくつかが、前記ハウジングの前記回転外側部分の外周上に整列される、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気モータ。
【請求項5】
前記ハウジングの前記回転外側部分が少なくとも部分的に円筒形である、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気モータ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの出口(105A、105B)が円形開口部、スリット、星形、角形、ボアホール及び円錐開口部のいずれかである、請求項1~5のいずれか一項に記載の電気モータ。
【請求項7】
前記電気モータが、水没した状態で動作するように配置され、前記冷却媒体が水である、請求項1~6のいずれか一項に記載の電気モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は概して電気モータの分野に関する。特に本開示は電気モータ、具体的には外側ロータモータを冷却するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
近年、電気自動車、ドローン、ボート、ポンプ、その他など、様々な用途で電気モータを使用することに関心が高まっている。電気モータには多種多様な種類があり、いくつかの例は、同期又は非同期モータ、DC又はACモータ、ブラシ付き又はブラシレスモータ、インランナー(inrunner)モータ又はアウトランナー(outrunner)モータである。
【0003】
一般的に、電気モータは電気エネルギーを回転という形で機械エネルギーに変換する電気機械である。電気モータは、モータの磁界と、電気的に誘導された巻線から発生する電磁界との相互作用によって動作する。これらの磁界間の相互作用が回転電磁界であり、これが次に、例えばシャフトの回転の形態のトルクと呼ばれる回転力を発生させる。
【0004】
市場には様々なタイプのモータが存在するが、本開示では主にアウトランナーと呼ばれる外側ロータを備えた電気ブラシレスDC電気モータに焦点を合わせる。
【0005】
アウトランナーの典型的な構成は、モータの中心に位置する巻線又は磁極を有するステータと、ステータの周りを回転するように適合された永久磁石を有するロータとを備える。この構成は通常、他のタイプの電気モータよりも直径が大きく、より多くの巻線、磁極又は磁石をロータに配置し、回転磁界を増大させることを可能にする。
【0006】
さらに、直径が大きいと、モータが1回転する際に移動する円周が大きくなる。また、直径が大きいとアウトランナーのモーメントアームが大きくなり、結果的に高トルクになる。アウトランナーのモーメントアームが大きいと、等速でより高いトルクが得られる可能性がある。
【0007】
アウトランナーについて認識されている問題は、ステータ極の熱がモータの中心に伝わり、これによりアウトランナーが過熱し、適用可能な最大出力が制限されることである。また、大量の熱により磁石が弱化し、巻線又は磁極の絶縁が損なわれるため、アウトランナーを実装できる用途の範囲が大幅に制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明の概要
本開示の目的は、従来技術における上記で確認された欠陥及び欠点の1つ又は複数を緩和、軽減又は排除し、少なくとも上記で述べた問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によれば、静止した内側部分及び回転可能な外側部分を有するハウジングと、ハウジングの静止した内側部分に取り付けられたステータと、ハウジングの回転可能な外側部分に取り付けられ、ステータの周りを自由に回転するように配置されたロータとを備えた電気モータであって、回転可能な外側部分が冷却媒体を受け取るように構成された少なくとも1つの入口と、冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口とを有し、ステータ及びロータは、それぞれのエポキシ層内にそれぞれ別々に成形され、チャネルが、成形されたロータと成形されたステータとの間に配置され、冷却媒体をハウジングの軸方向に導き、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と流体連通し、電気モータの固有冷却システムを形成していることを特徴とする電気モータが提供される。
【0010】
エポキシ層は、ステータ及びロータを、電気回路に漏れる液体から保護する。これは、ステータをエポキシ層内に、ロータを別のエポキシ層内に成形することによって達成され、したがって追加のシールは必要ない。
【0011】
ステータとロータの間にあるこのチャネル又は通路は、冷却媒体が通過することができ、したがってステータに面したロータの内側部分の温度を下げることができる。
【0012】
本開示による固有冷却システムと高トルク力に達することができる電気モータの使用の組み合わせは、ギアボックスを必要とせず、以前のバージョンの電気モータよりもはるかに効率的であり、以前のモータ設計よりも高い出力密度を可能にする電気モータを提供する。
【0013】
さらに、モータに堅牢性を提供し、標準的な摩耗部品を減少させる追加のシールは必要ない。
【0014】
さらに、チャネルは、冷却媒体が電気モータを流れることを可能にし、冷却媒体をチャネルに導入するように適合された少なくとも1つの入口と、ロータの回転中に遠心力によってチャネルから冷却媒体を排出するように適合された少なくとも1つの出口と流体的に連通するように形成されている。
【0015】
さらに、少なくとも1つの出口は、ロータの回転中に発生する遠心力によって冷却媒体を排出し得る。
【0016】
ロータがハウジングの外側部分にあるため、ロータを回転させる際に、ハウジングの外側部分に配置された少なくとも1つの出口を介して冷却媒体を排出させることが可能である。電気モータの動作時に、回転力又は遠心力を利用して、冷却媒体を出口から放出することができる。このようにすることで、冷却媒体が少なくとも1つの入口から少なくとも1つの出口に連続的に移動するので、冷却媒体は常に低温に保たれる。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、モータは、追加チャネルをさらに備え得る。追加チャネルは、冷却媒体がモータを流れることを可能にするように配置されてもよい。追加チャネルは、例えば、モータの中心を通って軸方向に延び得る。追加チャネルは、例えば、ハウジングの静止した内側部分の中心を通って軸方向に延び得る。追加チャネルを設けることによって、冷却媒体はモータを通って流れ得る。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは少なくとも1つの出口を備え得、出口はハウジングの外側部分に配置され、ロータの回転中に遠心力によってチャネルから冷却媒体を排出するように適合されてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは、ハウジング、ステータ、ロータ、チャネル、及び少なくとも1つの出口を備え得る。ハウジングは、静止した内側部分と、回転可能な外側部分とを有し得る。ステータは、前記ハウジングの静止した内側部分によって支持されてもよい。ロータは、前記ハウジングの前記回転可能な外側部分に取り付けられてもよく、前記ロータは、前記ステータの周りを自由に回転するように配置されてもよい。回転可能な外側部分は、冷却媒体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口とを有し得る。ステータとロータはそれぞれ、それぞれのエポキシ層内に別々に成形されてもよい。チャネルは、成形されたロータと成形されたステータとの間に配置されて、冷却媒体をハウジングの軸方向に導き、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成してもよい。少なくとも1つの出口は、ハウジングの外側部分に配置され、ロータの回転中に遠心力によってチャネルから冷却媒体を排出するように適合されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの入口は、静止した内側部分の内面に配置されてもよい。少なくとも1つの入口を静止した内側部分の内面に設けることによって、チャネルを通る冷却媒体の流れを改善することができる。例えば、遠心力によって、又はロータの回転中に発生する回転力によって、冷却媒体は少なくとも1つの入口に向かって押されることができる。さらに、少なくとも1つの出口から排出された冷却媒体は、チャネルを介して、少なくとも1つの入口で吸引をもたらし得る。いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの入口は、追加チャネルに向かってステータ上に配置されてもよい。少なくとも1つの入口を静止した内側部分の内面に設けることによって、チャネルを通る冷却媒体の流れを改善することができる。例えば、遠心力によって、又はロータの回転中に発生する回転力によって、冷却媒体は追加チャネルから少なくとも1つの入口に向かって押されることができる。さらに、少なくとも1つの出口から排出された冷却媒体は、チャネルを介して、少なくとも1つの入口で吸引をもたらし得る。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの入口は、流れる冷却媒体を入口に導くために入口の縁に位置する延在部などの流体誘導手段を備えてもよい。延在部は、流れる冷却媒体から見て下流又は入口の後にある入口の部分に位置することができる。延在部は、流れる冷却媒体を入口に向かってさらに導くために、凹面をさらに有し得る。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの入口は、流れる冷却媒体を入口に向けるために入口の縁に位置するくぼんだ部分などの流体誘導手段を備えてもよい。くぼんだ部分は、流れる冷却媒体から見て上流又は入口の前にある入口の部分に位置することができる。延在部は、流れる冷却媒体を入口に向けてさらに導くために、凹面をさらに有し得る。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、流体誘導手段の位置は、モータの動作中の冷却媒体の流れの方向に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態によれば、追加チャネルは、中央チャネル及び/又はモータチャネルであり得、又は中央チャネル及び/又はモータチャネルと呼ばれる場合がある。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは、ハウジング、ステータ、ロータ、及びチャネルを備え得る。ハウジングは、静止した内側部分と、回転可能な外側部分とを有し得る。ステータは、前記ハウジングの静止した内側部分によって支持されてもよい。ロータは、前記ハウジングの前記回転可能な外側部分に取り付けられてもよく、前記ロータは、前記ステータの周りを自由に回転するように配置されてもよい。回転可能な外側部分は、冷却媒体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口とを有し得る。ステータとロータはそれぞれ、それぞれのエポキシ層内に別々に成形されてもよい。チャネルは、成形されたロータと成形されたステータとの間に配置されて、冷却媒体をハウジングの軸方向に導き、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成してもよい。
【0025】
さらに、固有冷却システムは、ハウジングの静止した内側部分の中心を通って軸方向に延び、冷却媒体が流れるように配置された追加チャネルを備え得る。
【0026】
さらに、出口のいくつかは、ハウジングの回転外側部分の外周上に整列されてもよい。
【0027】
出口がハウジングの外側部分の外周上に整列されている場合、冷却媒体は、外側部分の表面の周りに分散した形で排出される。
【0028】
さらに、ハウジングの回転外側部分は、少なくとも部分的に円筒形である。
【0029】
部分的に円筒形であることにより、冷却媒体が軸方向に流れるので、内部モータの大部分が冷却される。
【0030】
さらに、出口は、円形開口部、スリット、及び円錐開口部のいずれかである。形状は、例えば、冷却媒体の濃さ又はロータの磁石の位置に依存する。電気モータの構成の柔軟性により、最適な効率が提供される。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、エポキシ層は、少なくとも部分的に電気絶縁性であり得る。例えば、少なくとも部分的に電気絶縁性のエポキシ層は、1mm厚さあたり100Ωを超える電気絶縁性を有し得る。また、電気絶縁性エポキシ層は、1mm厚さあたり1kΩ、1mm厚さあたり10kΩ、1mm厚さあたり100kΩ、1mm厚さあたり1MΩ、1mm厚さあたり10MΩ、1mm厚さあたり100MΩ、1mm厚さあたり1000MΩ、又は1mm厚さあたり10000MΩを超える電気絶縁性を有し得る。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、エポキシ層は、電気的に絶縁性であり得る。例えば、電気絶縁性エポキシ層は、1mm厚さあたり100Ωを超える電気絶縁性を有し得る。また、電気絶縁性エポキシ層は、1mm厚さあたり1kΩ、1mm厚さあたり10kΩ、1mm厚さあたり100kΩ、1mm厚さあたり1MΩ、1mm厚さあたり10MΩ、1mm厚さあたり100MΩ、1mm厚さあたり1000MΩ、又は1mm厚さあたり10000MΩを超える電気絶縁性を有し得る。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、エポキシ層は、少なくとも部分的に熱伝導性であり得る。例えば、少なくとも部分的に熱伝導性のエポキシ層は、0.5ワット/ミリケルビン(W/mK)を超える熱伝導性を有し得る。また、熱伝導性エポキシ層は、1W/mKの伝導性を有し得る。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、エポキシ層は、熱伝導性であり得る。例えば、熱伝導性エポキシ層は、0.5ワット/ミリケルビン(W/mK)を超える熱伝導性を有し得る。また、熱伝導性エポキシ層は、1W/mKの伝導性を有し得る。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、エポキシ層は、少なくとも部分的に熱伝導性且つ電気絶縁性であり得る。例えば、少なくとも部分的に電気絶縁性のエポキシ層は、1mm厚さあたり100Ωを超える電気絶縁性を有し得る。また、電気絶縁性エポキシ層は、1mm厚さあたり1kΩ、1mm厚さあたり10kΩ、1mm厚さあたり100kΩ、1mm厚さあたり1MΩ、1mm厚さあたり10MΩ、1mm厚さあたり100MΩ、1mm厚さあたり1000MΩ、又は1mm厚さあたり10000MΩを超える電気絶縁性を有し得る。例えば、少なくとも部分的に熱伝導性のエポキシ層は、0.5ワット/ミリケルビン(W/mK)を超える熱伝導性を有し得る。また、熱伝導性エポキシ層は、1W/mKの伝導性を有し得る。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、エポキシ層は、熱伝導性且つ電気絶縁性であり得る。例えば、電気絶縁性エポキシ層は、1mm厚さあたり100Ωを超える電気絶縁性を有し得る。また、電気絶縁性エポキシ層は、1mm厚さあたり1kΩ、1mm厚さあたり10kΩ、1mm厚さあたり100kΩ、1mm厚さあたり1MΩ、1mm厚さあたり10MΩ、1mm厚さあたり100MΩ、1mm厚さあたり1000MΩ、又は1mm厚さあたり10000MΩを超える電気絶縁性を有し得る。例えば、熱伝導性エポキシ層は、0.5ワット/ミリケルビン(W/mK)を超える熱伝導性を有し得る。また、熱伝導性エポキシ層は、1W/mKの伝導性を有し得る。いくつかの実施形態によれば、エポキシ層は、23℃及び100rpmで1400~2200cPsの範囲など、低い粘度を有し得る。エポキシ層はさらに、均質及び/又は熱的に安定であり得る。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、エポキシ層は、室温で硬化可能であり得る。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは、ハウジング、ステータ、ロータ、及びチャネルを備え得る。ハウジングは、静止した内側部分と、回転可能な外側部分とを有し得る。ステータは、前記ハウジングの静止した内側部分によって支持されてもよい。ロータは、前記ハウジングの前記回転可能な外側部分に取り付けられてもよく、前記ロータは、前記ステータの周りを自由に回転するように配置されてもよい。回転可能な外側部分は、冷却媒体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口とを有し得る。ステータとロータはそれぞれ、それぞれのエポキシ層内に別々に成形されてもよい。チャネルは、成形されたロータと成形されたステータとの間に配置されて、冷却媒体をハウジングの軸方向に導き、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成してもよい。エポキシ層は、熱伝導性及び電気絶縁性であり得る。
【0039】
さらに、電気モータは、水没した状態で動作するように配置され、冷却媒体は水である。
【0040】
モータを水没状態で動作するように配置する利点は、潜水艦、ボート、及びポンプなどの海上又は海洋用途で使用できることである。さらに、冷却媒体を備えた追加の容器が不要であるため、電気モータの操作が容易になる。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、ロータの複数の磁石は、それらの結合磁束をロータの中心に集中させる磁化パターンで配置されてもよい。ロータは、例えば円筒形状を有する中空であり得、その場合、磁束は、円筒ロータの中空中心に集中し得る。中空中心は、追加の構成要素を備え得る。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、ロータの複数の磁石は、ハルバッハ構成で配置されてもよく、それによって、ロータの中心に向かって磁界の強さが向けられる。磁界を向けることによって、磁石のより効率的な及び/又はコンパクトな配置を達成することができ、これによって、モータ効率を低下させることなく、ステータとロータの間の冷却流体チャネルのサイズを最大化することができる。ロータは、例えば円筒形状を有する中空であり得、磁束は円筒ロータの中空中心に集中し得る。中空中心は、追加の構成要素を備え得る。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、磁石は、例えばネオジム鋼などの高磁束合金を含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、ハルバッハ構成に配置された磁石は、構成の一方の側で磁界を増強する一方で、構成の他方の側で磁界をゼロ近くまで打ち消すように、空間的に回転する磁化パターンで配置されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは、ハウジング、ステータ、ロータ、及びチャネルを備え得る。ハウジングは、静止した内側部分と、回転可能な外側部分とを有し得る。ステータは、前記ハウジングの静止した内側部分によって支持されてもよい。ロータは、前記ハウジングの前記回転可能な外側部分に取り付けられてもよく、前記ロータは、ステータの周りを自由に回転するように配置されてもよい。ロータは、ハルバッハ構成で配置された磁石を備え得る。回転可能な外側部分は、冷却媒体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口とを有し得る。ステータ及びロータはそれぞれ、それぞれのエポキシ層内で別々に成形されてもよい。チャネルは、成形されたロータと成形されたステータとの間に配置されて、冷却媒体をハウジングの軸方向に導き、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成してもよい。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、モータは、少なくとも1つのプロペラをさらに備え得る。少なくとも1つのプロペラは、ロータなどのモータの回転可能な部分上に配置されてもよく、及び/又はロータと接続して配置されてもよい。これにより、電気モータがロータにもたらし得る回転力は、ロータ及びプロペラの回転運動によって推力に変換されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、モータは、プロペラコネクタをさらに備え得、プロペラコネクタは、少なくとも1つのプロペラに接続されるように配置される。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、プロペラは、ハブと、回転すると水などの作動流体に作用することによって回転力を線状推力に変換するらせんを形成するピッチで設定された複数の放射状ブレードとを備え得る。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、プロペラはスクリュープロペラであり得る。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、プロペラは、水没した状態で動作するように配置されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、モータは、インペラをさらに備え得る。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは、ハウジング、ステータ、ロータ、チャネル及びプロペラを備え得る。ハウジングは、静止した内側部分と、回転可能な外側部分とを有し得る。ステータは、前記ハウジングの静止した内側部分によって支持されてもよい。ロータは、前記ハウジングの前記回転可能な外側部分に取り付けられてもよく、前記ロータは、ステータの周りを自由に回転するように配置されてもよい。回転可能な外側部分は、冷却媒体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口とを有し得る。ステータ及びロータはそれぞれ、それぞれのエポキシ層内で別々に成形されてもよい。チャネルは、成形されたロータと成形されたステータとの間に配置されて、冷却媒体をハウジングの軸方向に導き、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成してもよい。プロペラはロータ上に配置されてもよく、エポキシ層は熱伝導性及び電気絶縁性であり得る。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは、ハウジング、ステータ、ロータ、チャネル及びプロペラを備え得る。ハウジングは、静止した内側部分と、回転可能な外側部分とを有し得る。ステータは、前記ハウジングの静止した内側部分によって支持されてもよい。ロータは、前記ハウジングの前記回転可能な外側部分に取り付けられてもよく、前記ロータは、ステータの周りを自由に回転するように配置されてもよい。回転可能な外側部分は、冷却媒体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口とを有し得る。ステータ及びロータはそれぞれ、それぞれのエポキシ層内で別々に成形されてもよい。チャネルは、成形されたロータと成形されたステータとの間に配置されて、冷却媒体をハウジングの軸方向に導き、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成してもよい。プロペラはロータ上に配置されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、モータは、第2のハウジングを備え、ジェット構成で配置されてもよい。第2のハウジングは、モータ及びプロペラを少なくとも部分的に囲むように配置されてもよく、それによって、第2のハウジングとロータとの間に周囲チャネルを形成し、その中でプロペラは液体と相互作用することができる。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、モータは、ロータが中空ステータ内にあり、プロペラが中空ロータ内に配置された状態で配置されてもよい。この配置により、プロペラは、追加チャネル内に運ばれる流体と相互作用することができる。プロペラをモータ内部で保護することにより、より耐久性の高いモータを提供することができる。
【0056】
いくつかの実施形態によれば、モータは、ロータが中空ステータ内にあり、プロペラが中空ロータ内に配置された状態で配置されてもよい。このように配置することで、モータは、プロペラを取り囲む位置からプロペラを駆動することができる。このような配置は、中央に配置された駆動部とは対照的に、ハウジングの近くにモータ駆動部を設けることによって、より容易に構築されたジェット構成を可能にするために使用することができる。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、モータは、第2のハウジングを備え、ジェット構成に配置されてもよい。第2のハウジングは、モータ及びプロペラを少なくとも部分的に囲むように配置されてもよく、それによって、第2のハウジングとロータとの間に周囲チャネルを形成し、その中でプロペラは液体と相互作用することができる。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、水中で船(craft)に動力を供給するための電気モータが提供される。船は、例えば、ボート、ジェットスキー、船舶、潜水艦又は同様のものであり得る。モータは、プロペラに動力を供給し、水没した状態で動作し得る。モータは、本明細書に開示される任意の実施形態で記載される。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは、船外機、船内機として、又はポッドとして配置されてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは、取り付け手段をさらに備え得、取り付け手段は、モータをボートに取り付けるのに適している。例えば、モータは、トランサム、船尾、船体、舵及び/又は水中翼に取り付けられてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは、例えば、トランサム、船尾、船体、舵及び/又は水中翼に取り付けられるように構成されてもよい。
【0062】
本発明は、以下に与えられる詳細な記載から明らかになるであろう。詳細な記載及び具体例は、説明のためにのみ本発明の好ましい実施形態を開示する。当業者は、詳細な記載の手引きから、本発明の範囲内で変更及び修正がなされ得ることを理解する。
【0063】
したがって、本明細書に開示された発明は、記載された装置の特定の構成部分又は記載された方法のステップに限定されないことが理解されるであろう。そのような装置及び方法は変化し得るためである。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載するためだけのものであり、限定することを意図していないことも理解されるであろう。本明細書及び添付の請求項において使用される場合、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「前記(said)」は、文脈上明確に指示されない限り、要素の1つ又は複数が存在することを意味することを意図していることに留意されたい。したがって、例えば、「ユニット(a unit)」又は「ユニット(the unit)」への言及は、複数の装置を含み得るなどである。さらに、「備える(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」という語及び同様の語は、他の要素又はステップを除外しない。
【0064】
用語 - 「チャネル」という用語は、液体を始点から終点まで搬送する隙間、通路、又は空間として解釈される。
【0065】
本開示の簡単な記載
本開示の上記の目的、並びに追加の目的、特徴及び利点は、添付の図面と合わせて考慮した場合、本発明の例示的な実施形態の以下の例示的且つ非限定的な詳細な記載を参照することによって、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】本開示の一例による電気モータの断面図を示す。
図1b】本開示の一例による電気モータの概略断面図を示す。
図1c】本開示の一例による入口の概略断面図を示す。
図1d】本開示の一例による入口の概略断面図を示す。
図2A】本開示による電気モータの一例のハウジングの回転外側部分の分解図を示す。
図2B】本開示による電気モータの一例のハウジングの回転外側部分の斜視図を示す。
図2C】本開示による電気モータの一例のハウジングの静止した内側部分の斜視図を示す。
図3A】本開示による電気モータの一実施例の斜視図を示す。
図3B】本開示による電気モータの一実施例の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
詳細な記載
次に、本発明の好ましい実施形態例が示された添付図面を参照して、本発明について記載する。しかしながら、本発明は、他の形態で具現化されてもよく、ここに開示された実施形態に限定して解釈されるべきではない。開示された実施形態は、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるために提供されるものである。
【0068】
図1は、本開示の実施形態の一例による電気モータの断面図を示す。電気モータは、非酸化性材料で作られ且つ少なくとも部分的に円筒形である回転外側部分120を有するハウジング100を備える。しかしながら、様々な形状のバリエーションも可能である。例えば、円錐形の端部又は丸い端部を有する部分的に円筒形の形状も実行可能な選択肢として考慮される。
【0069】
ハウジング100は、静止した内側部分110及び回転可能な外側部分120を有し、静止した内側部分110に支持されたステータ101と、回転可能な外側部分120に取り付けられたロータ102とを備えている。ロータは、ステータ101の周囲を自由に回転できるように配置されている。
【0070】
静止した内側部分110に支持されるステータ101は、径方向に配置された複数の極と、各極に取り付けられた巻線又は導線とを有するステータコアを備える。ハウジング120の回転外側部分には、複数の永久磁石を含むロータ102が収容されている。また、ロータ102は、ステータの周りを自由に回転し、互いの間にチャネル106を残すために、ハウジング100の両端でボールベアリング103A、103B又は任意の同様の要素によってステータ101に取り付けられている。チャネル106の大きさは、達成すべき結果に応じて異なってもよい。効率的な電気モータを得るためには、ロータとステータの間のチャネル106内の電磁界をできるだけ小さくする必要がある。同時に、チャネル106はできるだけ大きい方が、冷却システムの効率は高くなる。したがって、両者の制約の間のバランスをとることが、効率の良い電気モータを得るための最適なアプローチをもたらすことになる。
【0071】
ステータがロータ102と一緒に動作し、直流DCによって電力供給される場合、極の電流は、ロータ102の複数の磁石から発生するモータの磁界と相互作用して回転力又はトルクを得、これがロータを回転させる。モータは、電気モータの用途に応じて、プロペラシャフト又は他の任意の回転可能なシャフトに取り付けることができる。
【0072】
図1の破線で見られるように、ステータ101とロータ102は、それぞれ別々にそれぞれのエポキシ層107A、107B内に成形される。言い換えれば、ステータは、ステータが水などの任意の冷却媒体によって損傷しないようにし、保護するエポキシ層107A内に封入又は成形されている。しかしながら、それは必ずしもエポキシ層である必要はなく、例えば水及び埃の侵入による損傷からステータとロータを保護する他の任意の層、例えばプラスチック又は樹脂であってもよい。
【0073】
ステータ101と同様に、ロータ102もエポキシ層107B内に封入又は成形され、ロータの内側部分に湿気、錆、埃、冷却媒体又は水が侵入するのを防ぐことができる。ロータ102とステータ101が別々のエポキシ層に封入されることにより、ロータ102とステータ101の間のチャネル106は、ステータ及びロータの内側部分から隔離され、シールされた状態になる。この隔離又はシールは、少なくとも入口104A、104Bと少なくとも出口105A、105Bを有するチャネル106に水などの冷却媒体が流れることを可能にする。図1の例示的な実施形態は、ハウジング100の各端部に取り付けられた各ベアリング103A、103Bの接合部に少なくとも1つの入口104A、104Bを有する回転可能な外側部分100を示す。これらの入口104A、104Bは、冷却媒体を受け入れるように構成されており、ロータ102をステータ101に取り付けるためにベアリングを使用する際の接合部又は、ステータとロータの間の他のエッジ差によって生じる自然な入口であり得る。冷却媒体は、電気モータの用途に依存した異なる方法で少なくとも1つの入口104A、104Bを介して導入されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、電気モータの用途は水環境外であり、冷却媒体は、ベアリング又は任意の他の適切な支持要素に関連する接合部などの入口を介して外部容器から導入され、以下に説明する出口のいずれかを介して容器に再導入される。
【0075】
図1に戻ると、水などの冷却媒体は、入口104A、104Bを介して流入し、チャネル106を通って流れる。チャネル106は、冷却媒体をハウジング100の軸方向に導き、少なくとも1つの入口104A、104B及び少なくとも1つの出口105A、105Bと流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成するように、成形ロータと成形ステータの間に配置される。固有冷却システムは、モータの内側部分を冷却するように構成される。導入された冷却媒体は、次に、ハウジングの回転可能な外側部分120上の、ロータ102の回転中に生じる遠心力又は回転力によって冷却媒体を排出するよう構成された少なくとも1つの出口105A、105Bを介してチャネル106から放出される。
【0076】
出口105A、105Bは、ハウジング120の回転可能な外側部分とロータ102の両方を貫通し、内側チャネル106と流体連通している開口部である。出口105A、105Bの形状は、円形開口部、スリット、角形、星形、ボアホール、円錐形開口部のいずれか、又は、円形リング上に並んだ、若しくはハウジング120の回転外側部分の円周上に並んだ小径の開口部のいずれかの種類である。出口105A、105Bは、1つだけであっても、又は多数であってもよく、ハウジング120の回転外側部分のどこに配置されていてもよい。
【0077】
しかしながら、ロータ内部に配置された磁石が、これらの出口を配置するために利用可能なスペースを制限している。したがって、各出口の直径の大きさだけでなく、出口の位置及び互いの間のスペースは異なる場合がある。
【0078】
図1bは電気モータのサブセットの概略図を示し、このサブセットはステータ101及びロータ102を示す。ステータ及びロータは電気モータの一部であり、回転対称に配置されている。図の中央には、追加チャネル108が示されている。追加チャネルは、電気モータの中心を通って軸方向に延び、ステータ101の内部を冷却媒体が流れるように配置されている。追加チャネル108は、電気モータのモータ軸に沿って走る。それゆえ、逆転型電気モータの構成は、電気モータのモータ軸に沿って、内側ステータ101の中心を貫通している、本明細書中追加チャネルと呼ばれる冷却媒体用の中央チャネル108を備えている。図はさらに、少なくとも部分的にモータの軸方向に冷却媒体を導き、少なくとも1つの入口104と、少なくとも1つの出口105と流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成するために、ロータとステータとの間に配置されたチャネル106を示す。少なくとも1つの入口104は、ステータ101の内面上に配置されているのが示されている。この内面は、追加チャネル108に面している。少なくとも1つの出口105は、ロータ102の外面に配置されている。図では、4つの入口と2つの出口が示されているが、これは例として示されており、他の組み合わせも可能であることを理解されたい。ステータ及び/又はロータには、ステータ及び/又はロータ上、及び/又はそれらの間のリムに配置される入口及び/又は出口が設けられてもよい。図では、ステータ101に配置された入口104が示されている。
【0079】
図1cは、流れる冷却媒体を入口104の方に向けるために入口の縁に位置する延在部109cを有する入口104の概略図を示す。延在部は、冷却媒体の流れ方向において入口104の下流側に位置する。延在部は、異なる形状を有していてもよく、図示された三角形の形状は単なる一例である。図示された例では、延在部は、ステータの内面から追加チャネル108内に突出し、追加チャネルから入口104を介して、固有冷却システムのチャネル106内への冷却媒体の流れを増大させる。
【0080】
図1dは、流れる冷却媒体を入口104の方に向けるために、入口の縁に位置するくぼみ部分109dを有する入口104の概略図を示す。くぼみ部分109dは、冷却媒体の流れ方向において、入口104の上流側に位置している。くぼみ部分は、異なる形状を有していてもよく、図示された三角形の切り欠き形状はその一例である。図示された例では、くぼみ部分は、ステータの内面に凹部を形成し、追加チャネルから入口104を介して、固有冷却システムのチャネル106への冷却媒体の流れを増大させる。
【0081】
別の例示的な実施形態では、電気モータは、水中又は浸漬状態で動作することができ、ドレッジポンプ、深井戸ポンプ、下水ポンプ、ボート、船舶又は潜水艦など、様々な用途で使用することができる。
【0082】
電気モータはさらに、水中状態で動作するように配置されてもよく、冷却媒体は水であってもよい。水中電気モータの場合、ハウジングの静止した内側部分の中心を通って軸方向に延び、冷却媒体が流れるように配置された追加チャネル108を有することによって、上述の冷却システムを強化することができる。静止した内側部分110の中心は、ステータ101の外側部分を軸方向に水が流れるように中空になっている。水は、ロータ102の外側前部に配置されたファン又はプロペラPを介して、ハウジングの中空部分から導入されてもよい。そして、水は、図1及び図3に示すように、電気モータの裏側に向かってハウジングの軸方向に導かれる。中空部分又は追加チャネル108は、単一のチャネルであってもよいし、又は水を流すことができる互いに平行な複数の小チャネル又は開口部であるように構成されてもよい。水が追加チャネルを通過するほど、電気モータはより冷たくなる。
【0083】
別の例示的な実施形態では、電気モータは水環境の外にあり、追加チャネル108は、外部容器から冷却媒体を導入するための少なくとも1つの入口と、冷却媒体を同じ又は別の外部容器に排出するための少なくとも1つの出口にアクセスできる空の空間をモータ内部に残して両端が閉鎖又はシールされる。この追加チャネル108に導入されると冷却媒体は、モータの内側部分、具体的にはステータの回転外側部分を冷却する。冷却媒体の導入又は放出については、他のバリエーションも可能である。
【0084】
モータはさらに追加チャネル108を備えてもよい。追加チャネル108は、冷却媒体がモータを流れることができるように配置されてもよい。追加チャネル108は、例えば、モータの中心を通って軸方向に延びていてもよい。追加チャネルは、例えば、ハウジングの静止した内側部分の中心を通って軸方向に延びていてもよい。追加チャネルを設けることによって、冷却媒体はモータを通って流れ得る。
【0085】
電気モータは、少なくとも1つの出口を備えてもよく、この出口は、ハウジングの外側部分に配置され、ロータの回転中に遠心力によってチャネルから冷却媒体を排出するように適合されてもよい。
【0086】
別の例示的な実施形態では、電気モータは、ハウジング、ステータ、ロータ、チャネル、及び少なくとも1つの出口を備え得る。ハウジングは、静止した内側部分と、回転可能な外側部分とを有し得る。ステータは、前記ハウジングの静止した内側部分によって支持されてもよい。ロータは、前記ハウジングの前記回転可能な外側部分に取り付けられてもよく、前記ロータは、前記ステータの周りを自由に回転するように配置されてもよい。回転可能な外側部分は、冷却媒体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口とを有し得る。ステータとロータはそれぞれ、それぞれのエポキシ層内に別々に成形されてもよい。チャネルは、成形されたロータと成形されたステータとの間に配置されて、冷却媒体をハウジングの軸方向に導き、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成してもよい。少なくとも1つの出口は、ハウジングの外側部分に配置され、ロータの回転中に遠心力によってチャネルから冷却媒体を排出するように適合されてもよい。
【0087】
少なくとも1つの入口は、静止した内側部分の内面に配置されてもよい。
【0088】
少なくとも1つの入口は、追加チャネルに向かってステータに配置されてもよい。
【0089】
少なくとも1つの入口は、流れる冷却媒体を入口に導くために入口の縁に配置された延在部などの流体誘導手段を備えてもよい。延在部は、流れる冷却媒体から見て入口の後にある入口の部分に配置することができる。延在部は、流れる冷却媒体を入口に向かってさらに導くために、凹面をさらに有し得る。いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの入口が、流れる冷却媒体を入口に向けるために入口の縁に位置するくぼんだ部分などの流体誘導手段を備えてもよい。くぼんだ部分は、流れる冷却媒体から見て入口の前にある入口の部分に位置することができる。延在部は凹面をさらに有し得る。
【0090】
流体誘導手段の位置は、モータの動作中の冷却媒体の流れの方向に基づいて決定されてもよい。
【0091】
追加チャネル108は、中央チャネル及び/又はモータチャネルであってもよく、又は、中央チャネル及び/又はモータチャネルと呼ばれてもよい。
【0092】
別の例示的な実施形態では、電気モータは、ハウジング、ステータ、ロータ、及びチャネルを備え得る。ハウジングは、静止した内側部分と回転可能な外側部分とを有し得る。ステータは、前記ハウジングの静止した内側部分によって支持されてもよい。ロータは、前記ハウジングの前記回転可能な外側部分に取り付けられてもよく、前記ロータは、前記ステータの周りを自由に回転するように配置されてもよい。回転可能な外側部分は、冷却媒体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口とを有し得る。ステータとロータはそれぞれ、それぞれのエポキシ層内に別々に成形されてもよい。チャネルは、成形されたロータと成形されたステータとの間に配置されて、冷却媒体をハウジングの軸方向に導き、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成してもよい。
【0093】
図2Aは本開示による電気モータの一例のハウジング220の回転外側部分の分解図、図2Bは斜視図を示す。
【0094】
ハウジング220は、包囲面、上面及び底面を有する円筒形状である。ハウジング220の外側包囲面には、一連の開口部205A、205Bが見られる。開口部205A、205Bは、互いに間隔をあけて、包囲面の各端部側に沿って並べられた出口であり、ハウジングの外側部分の周りにリング形状を形成し、使用中に冷却媒体又は水がハウジングの静止した内側部分から放出されることを可能にする。出口205A又は205Bによって形成された各リング形状は、入口から異なる距離にある。これらの距離は、導入された冷却媒体又は水がハウジングの静止した内側部分を通って流れ、外側モータの内部温度を低下させるのに十分な空間を残している。
【0095】
いくつかの実施形態では、いくつかの出口のみがハウジングの外側部分の周りにリング状に整列され、他の出口はハウジングの外側表面の異なる部分に配置される。いくつかの例では、出口は、ロータの永久磁石の間の空間、すなわち外側表面の中央部に、必ずしも形状を形成することなく、水又は冷却媒体がハウジングから放出されることを可能にする適切な方法で配置することができる。他の例では、外側包囲面220の任意の場所に配置された1つの出口のみを備え得る。
【0096】
図2Cは、本開示の一例による電気モータのハウジングの静止した内側部分210の斜視図を示す。
【0097】
ハウジングの静止した内側部分210は、モータの静止部分、すなわちステータを支持する。静止した内側部分210は、エポキシ層内に封入した後にステータが取り付けられる中空構造を備える。このようなエポキシ層は成形可能であり、あらゆる液体、埃、砂、又は湿気からあらゆる成形された装置を保護する。
【0098】
成形されたステータは、少なくとも防水性と防塵性を備えている。同じ手順がロータに用いられた後、ロータをベアリングによってステータに取り付ける。このベアリングにより、ロータは、ステータとロータの間に空間、キャビティ、ギャップなどのチャネルを残しながら、摩擦なしに自由に回転する。少なくとも1つの入口に導入された液体は、ロータ又はステータに漏れることなく、少なくとも1つの出口までチャネルによって運ばれる。
【0099】
構造体の中空部分は、モータの効率に悪影響を及ぼすことなく、冷却媒体又は水がモータの中心を流れるのに十分な大きさである。
【0100】
図3A及び図3Bは、本開示の電気モータを備えたボートモータの一例を示す。
【0101】
図3Aに示すボートモータは、図1に示す電気モータを、外部プロペラに取り付けた実施例である。正面から見ると、プロペラは、電気モータの前方で、電気モータに接続されたシャフトの上に配置されていることが分かる。電気モータは、プロペラ330を回転させ、回転運動を推力に変換することによって動力を伝達することを意図して、シャフトに回転力又はトルクをもたらす。
【0102】
他の実施形態(図示せず)では、プロペラは、電気モータの外側回転を利用して、ハウジングの回転外側部分に取り付けられてもよい。他の構成も可能である。
【0103】
プロペラ330のブレードの形状は、モータが水中に没したときにプロペラ330を通過する水を加速させる圧力差を発生させるように特別に設計されている。
【0104】
冷却された外部の水は、電気モータの外面に沿って通過するだけでなく、電気モータの内側部分の熱を低減するために、構造体の内部の追加チャネル308を通って流れ得る。図3Bは、トンネル又は通路の形態の追加チャネル308の端部を示す電気モータの別の図を示す。
【0105】
エポキシ層は、少なくとも部分的に電気絶縁性であり得る。例えば、少なくとも部分的に電気絶縁性のエポキシ層は、1mm厚さあたり100Ωを超える電気絶縁性を有し得る。また、電気絶縁性エポキシ層は、1mm厚さあたり1kΩ、1mm厚さあたり10kΩ、1mm厚さあたり100kΩ、1mm厚さあたり1MΩ、1mm厚さあたり10MΩ、1mm厚さあたり100MΩ、1mm厚さあたり1000MΩ、又は1mm厚さあたり10000MΩを超える電気絶縁性を有し得る。
【0106】
エポキシ層は、電気絶縁性であり得る。例えば、電気絶縁性エポキシ層は、1mm厚さあたり100Ωを超える電気絶縁性を有し得る。また、電気絶縁性エポキシ層は、1mm厚さあたり1kΩ、1mm厚さあたり10kΩ、1mm厚さあたり100kΩ、1mm厚さあたり1MΩ、1mm厚さあたり10MΩ、1mm厚さあたり100MΩ、1mm厚さあたり1000MΩ、又は1mm厚さあたり10000MΩを超える電気絶縁性を有し得る。
【0107】
エポキシ層は、少なくとも部分的に熱伝導性であり得る。例えば、少なくとも部分的に熱伝導性のエポキシ層は、0.5ワット/ミリケルビン(W/mK)を超える熱伝導性を有し得る。また、熱伝導性エポキシ層は、1W/mKの伝導性を有し得る。
【0108】
エポキシ層は、熱伝導性であり得る。例えば、熱伝導性エポキシ層は、0.5ワット/ミリケルビン(W/mK)を超える熱伝導性を有し得る。また、熱伝導性エポキシ層は、1W/mKの伝導性を有し得る。
【0109】
エポキシ層は、少なくとも部分的に熱伝導性且つ電気絶縁性であり得る。例えば、少なくとも部分的に電気絶縁性のエポキシ層は、1mm厚さあたり100Ωを超える電気絶縁性を有し得る。また、電気絶縁性エポキシ層は、1mm厚さあたり1kΩ、1mm厚さあたり10kΩ、1mm厚さあたり100kΩ、1mm厚さあたり1MΩ、1mm厚さあたり10MΩ、1mm厚さあたり100MΩ、1mm厚さあたり1000MΩ、又は1mm厚さあたり10000MΩを超える電気絶縁性を有し得る。例えば、少なくとも部分的に熱伝導性のエポキシ層は、0.5ワット/ミリケルビン(W/mK)を超える熱伝導性を有し得る。また、熱伝導性エポキシ層は、1W/mKの伝導性を有し得る。
【0110】
エポキシ層は、熱伝導性且つ電気絶縁性であり得る。例えば、電気絶縁性エポキシ層は、1mm厚さあたり100Ωを超える電気絶縁性を有し得る。また、電気絶縁性エポキシ層は、1mm厚さあたり1kΩ、1mm厚さあたり10kΩ、1mm厚さあたり100kΩ、1mm厚さあたり1MΩ、1mm厚さあたり10MΩ、1mm厚さあたり100MΩ、1mm厚さあたり1000MΩ、又は1mm厚さあたり10000MΩを超える電気絶縁性を有し得る。例えば、熱伝導性エポキシ層は、0.5ワット/ミリケルビン(W/mK)を超える熱伝導性を有し得る。また、熱伝導性エポキシ層は、1W/mKの伝導性を有し得る。いくつかの実施形態によれば、エポキシ層は、23℃及び100rpmで1400~2200cPsの範囲内などの低い粘度を有し得る。エポキシ層はさらに均質及び/又は熱的に安定であり得る。
【0111】
エポキシ層は室温で硬化可能であり得る。
【0112】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは、ハウジング、ステータ、ロータ、及びチャネルを備え得る。ハウジングは、静止した内側部分と、回転可能な外側部分とを有し得る。ステータは、前記ハウジングの静止した内側部分によって支持されてもよい。ロータは、前記ハウジングの前記回転可能な外側部分に取り付けられてもよく、前記ロータは、ステータの周りを自由に回転するように配置されてもよい。回転可能な外側部分は、冷却媒体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口とを有し得る。ステータ及びロータはそれぞれ、それぞれのエポキシ層内で別々に成形されてもよい。チャネルは、成形されたロータと成形されたステータとの間に配置されて、冷却媒体をハウジングの軸方向に導き、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成してもよい。エポキシ層は、熱伝導性且つ電気絶縁性であり得る。
【0113】
ロータの複数の磁石は、それらの結合磁束をロータの中心に集中させる磁化パターンで配置されてもよい。ロータは、例えば円筒形状を有する中空であり得、その場合、磁束は円筒ロータの中空中心に集中し得る。中空中心は追加の構成要素を備え得る。
【0114】
ロータの複数の磁石は、ハルバッハ構成で配置されてもよく、それによって、磁界の強さがロータの中心に向かって導かれる。ロータはさらに、例えば円筒形状を有する中空であり得、その場合、磁束は円筒ロータの中空中心に集中し得る。中空中心は追加の構成要素を備え得る。
【0115】
磁石は、例えばネオジム鋼などの高磁束合金を含み得る。
【0116】
ハルバッハ構成に配置された磁石は、構成の一方の側で磁界を増大させ、構成の他方の側で磁界をゼロ近くまで打ち消すように、磁化の空間的回転パターンで配置されてもよい。
【0117】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは、ハウジング、ステータ、ロータ、及びチャネルを備え得る。ハウジングは、静止した内側部分と、回転可能な外側部分とを有し得る。ステータは、前記ハウジングの静止した内側部分によって支持されてもよい。ロータは、前記ハウジングの前記回転可能な外側部分に取り付けられてもよく、前記ロータは、ステータの周りを自由に回転するように配置されてもよい。ロータは、ハルバッハ構成で配置された磁石を備え得る。回転可能な外側部分は、冷却媒体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口とを有し得る。ステータ及びロータはそれぞれ、それぞれのエポキシ層内で別々に成形されてもよい。チャネルは、成形されたロータと成形されたステータとの間に配置されて、冷却媒体をハウジングの軸方向に導き、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成してもよい。
【0118】
モータは、少なくとも1つのプロペラをさらに備え得る。少なくとも1つのプロペラは、ロータなどのモータの回転可能な部分上に配置されてもよく、及び/又はロータと接続されてもよい。
【0119】
モータは、プロペラコネクタをさらに備える場合があり、プロペラコネクタは、少なくとも1つのプロペラに接続されるように配置される。
【0120】
プロペラは、ハブと、回転させたときに水などの作動流体に作用することによって回転力を線状推力に変換するらせんを形成するピッチで設定された複数の放射状ブレードとを備え得る。
【0121】
プロペラは、スクリュープロペラであり得る。
【0122】
プロペラは、水中で作動するように配置されてもよい。
【0123】
モータは、インペラをさらに備えてもよい。
【0124】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは、ハウジング、ステータ、ロータ、チャネル及びプロペラを備え得る。ハウジングは、静止した内側部分と、回転可能な外側部分とを有し得る。ステータは、前記ハウジングの静止した内側部分によって支持されてもよい。ロータは、前記ハウジングの前記回転可能な外側部分に取り付けられてもよく、前記ロータは、ステータの周りを自由に回転するように配置されてもよい。回転可能な外側部分は、冷却媒体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口とを有し得る。ステータ及びロータはそれぞれ、それぞれのエポキシ層内で別々に成形されてもよい。チャネルは、成形されたロータと成形されたステータとの間に配置されて、冷却媒体をハウジングの軸方向に導き、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成してもよい。プロペラは、ロータ上に配置されてもよく、エポキシ層は、熱伝導性且つ電気絶縁性であり得る。
【0125】
いくつかの実施形態によれば、電気モータは、ハウジング、ステータ、ロータ、チャネル及びプロペラを備え得る。ハウジングは、静止した内側部分と、回転可能な外側部分とを有し得る。ステータは、前記ハウジングの静止した内側部分によって支持されてもよい。ロータは、前記ハウジングの前記回転可能な外側部分に取り付けられてもよく、前記ロータは、ステータの周りを自由に回転するように配置されてもよい。回転可能な外側部分は、冷却媒体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、冷却媒体を排出するように構成された少なくとも1つの出口とを有し得る。ステータ及びロータはそれぞれ、それぞれのエポキシ層内で別々に成形されてもよい。チャネルは、成形されたロータと成形されたステータとの間に配置されて、冷却媒体をハウジングの軸方向に導き、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口と流体連通して、電気モータの固有冷却システムを形成してもよい。プロペラは、ロータ上に配置されてもよい。
【0126】
モータは第2のハウジングを備え、ジェット構成で配置されてもよい。第2のハウジングは、モータとプロペラを少なくとも部分的に囲むように配置されてもよい。
【0127】
モータは、ロータが中空のステータ内にあり、プロペラが中空のロータ内に配置された状態で配置されてもよい。
【0128】
モータは、ロータが中空のステータ内にあり、プロペラが中空のロータ内に配置された状態で配置されてもよい。
【0129】
モータは第2のハウジングを備え、ジェット構成で配置されてもよい。第2のハウジングは、モータとプロペラを少なくとも部分的に囲むように配置されてもよい。
【0130】
電気モータは、水中で船に動力を供給するのに好適であり得る。船は、例えば、ボート、ジェットスキー、船舶、潜水艦又は同様のものであり得る。モータは、プロペラに動力を供給し、水没した状態で動作し得る。
【0131】
電気モータは、船外機、船内機として、又はポッドとして配置されてもよい。
【0132】
電気モータは、取り付け手段をさらに備えてもよく、取り付け手段は、モータをボートに取り付けるのに適している。例えば、モータは、トランサム、船尾、船体、舵及び/又は水中翼に取り付けられてもよい。
【0133】
電気モータは、例えば、トランサム、船尾、船体、舵及び/又は水中翼に取り付けられるように構成されてもよい。
【0134】
本開示による電気モータは、海洋又は海上の用途だけでなく、他の用途、例えばドローン、電気自動車、及びあらゆる種類の電気玩具に使用されてもよい。しかしながら、非海上用途では、少なくとも1つの入口によって閉鎖又はシールされたチャネル308に導入され、少なくとも1つの出口(図示せず)によって放出され得る冷却媒体で水を置き換える必要がある。少なくとも1つの出口と少なくとも1つの入口の両方は、冷却媒体を含む外部容器又は同様の装置に接続されてもよい。いくつかの用途では、プロペラは、適切に動作させるために、ファン又は同様の装置で置き換える必要がある。
【0135】
当業者は、本発明が上述した好ましい実施形態に限定されないことを理解する。当業者は、添付の請求項の範囲内で修正及び変形が可能であることをさらに理解する。さらに、開示された実施形態に対する変形は、特許請求された発明を実施する当業者によって、図面、開示内容、及び添付の請求項の検討から理解され、もたらされることが可能である。
図1
図1b
図1c
図1d
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
【国際調査報告】