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特表2022-548240診断及びプロビジョニングを伴うデバイスの直接通信のためのシステム及び方法
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  • 特表-診断及びプロビジョニングを伴うデバイスの直接通信のためのシステム及び方法 図1
  • 特表-診断及びプロビジョニングを伴うデバイスの直接通信のためのシステム及び方法 図1A
  • 特表-診断及びプロビジョニングを伴うデバイスの直接通信のためのシステム及び方法 図1B
  • 特表-診断及びプロビジョニングを伴うデバイスの直接通信のためのシステム及び方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-17
(54)【発明の名称】診断及びプロビジョニングを伴うデバイスの直接通信のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/24 20060101AFI20221110BHJP
   G06F 11/22 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
H04M1/24 A
G06F11/22 673A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022516072
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(85)【翻訳文提出日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 US2020050771
(87)【国際公開番号】W WO2021051104
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】62/899,616
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519100952
【氏名又は名称】ブランコ テクノロジー グループ アイピー オイ
【氏名又は名称原語表記】BLANCCO TECHNOLOGY GROUP IP OY
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビジャレアル,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】エルンスト,ラス ビー.
(72)【発明者】
【氏名】オベルグ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】トルマ,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】レフトラ,トミ
【テーマコード(参考)】
5B048
5K127
【Fターム(参考)】
5B048AA15
5B048DD01
5K127BA03
5K127BB06
5K127BB22
5K127BB34
5K127GA14
5K127GC26
5K127GD21
5K127HA08
5K127NA05
(57)【要約】
モバイルデバイスの診断及びプロビジョニングのためのシステム及び方法を提供し、これによって、モバイルデバイスのハードウェアと直接通信して、モバイルデバイスにまず初めにアプリケーションをインストールすることを要せずに、診断及びデバイス消去等の他の機能を行うための接続を実現する。このようにして、詳細な製品識別、販売業者識別及び診断情報等の情報を、モバイルデバイスから迅速に取得し、中古のデバイスを効率良く通商の流れに戻すための診断及び消去を行うことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルデバイスをホストシステムのUSBポートに電気的に接続することと、
前記USBポートと前記USBポートに取り付けられた前記モバイルデバイスのタイプとを一意的に識別することと、
識別されたデバイスタイプと所望の機能に基づいて、前記USBポートの電気的性能を調整することと、
前記モバイルデバイスの現在の状態を識別することと、
前記モバイルデバイスと前記ホストシステムの間のシリアル接続を確立することと、
前記モバイルデバイスに対して、診断及びデバイスプロビジョニング機能を行うことと、を含む方法。
【請求項2】
前記USBポートの電気的性能を調整することは、前記モバイルデバイスと前記ホストシステムの間のUSBケーブルにおける抵抗を調整することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記モバイルデバイスの現在のデバイス状態がリカバリーモード又はダウンロードモードのうちの1つではないことを識別したことに応答して、前記モバイルデバイスのデバイス状態を切り替えることを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ホストシステムと前記モバイルデバイスの間に接続されたUSBケーブルを介して、前記モバイルデバイスに電力を提供することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記モバイルデバイスの現在の状態を識別することは、さらに、前記モバイルデバイスに対して利用可能なデータ接続タイプを判定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記モバイルデバイスと前記ホストシステムの間の前記シリアル接続は、USBプロトコルとRS-232プロトコルのうちの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記モバイルデバイスから、前記モバイルデバイスに設置されたコンポーネントのシリアルナンバーを入手することと、
前記コンポーネントが、前記モバイルデバイスの当初設置されたコンポーネントであることを判定することと、をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記モバイルデバイスに設置されたコンポーネントのシリアルナンバーのリストを取得することと、
このような設置されたコンポーネント各々について、各それぞれのコンポーネントが前記モバイルデバイスの製造時に当初設置されたものかどうかを判定することと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも、それぞれのコンポーネントが前記モバイルデバイスの製造時に当初設置されたものかどうかに基づき、前記モバイルデバイスの再販売価値を判定することをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも、それぞれのコンポーネントが前記モバイルデバイスの製造時に当初設置されたものかどうかに基づき、前記モバイルデバイスの修理又はアップグレードを計画することをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
プロセッサと、前記プロセッサに電気的に結合されたメモリと、前記プロセッサに結合された記憶デバイスと、前記プロセッサに電気的に結合されたユーザインターフェースと、前記プロセッサに結合されたUSBポート接続と、を有するホストシステムを具備するシステムであって、前記メモリはさらに、ソフトウェアによって構成され、前記ソフトウェアは、実行されると、
モバイルデバイスを前記ホストシステムのUSBポートに電気的に接続するステップと、
前記USBポートと前記USBポートに取り付けられた前記モバイルデバイスのタイプとを一意的に識別するステップと、
識別されたデバイスタイプと所望の機能に基づいて、前記USBポートの電気的性能を調整するステップと、
前記モバイルデバイスの現在の状態を識別するステップと、
前記モバイルデバイスと前記ホストシステムの間のシリアル接続を確立するステップと、
前記モバイルデバイスに対して、診断及びデバイスプロビジョニング機能を行うステップと、を行うことを特徴とするシステム。
【請求項12】
前記USBポートの電気的性能を調整することは、前記モバイルデバイスと前記ホストシステムの間のUSBケーブルにおける抵抗を調整することを含むことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムは、前記モバイルデバイスの現在のデバイス状態がリカバリーモード又はダウンロードモードのうちの1つではないことを識別したことに応答して、前記モバイルデバイスのデバイス状態を切り替えることを含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ホストシステムと前記モバイルデバイスの間に接続されたUSBケーブルを介して、前記モバイルデバイスに電力を提供することをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記モバイルデバイスの現在の状態を識別することは、さらに、前記モバイルデバイスに対して利用可能なデータ接続タイプを判定することを含むことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記モバイルデバイスと前記ホストシステムの間の前記シリアル接続は、USBプロトコルとRS-232プロトコルのうちの1つを含むことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記モバイルデバイスから、前記モバイルデバイスに設置されたコンポーネントのシリアルナンバーを入手することと、
前記コンポーネントが、前記モバイルデバイスの当初設置されたコンポーネントであることを判定することと、をさらに含む請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記モバイルデバイスに設置されたコンポーネントのシリアルナンバーのリストを取得することと、
このような設置されたコンポーネント各々について、各それぞれのコンポーネントが前記モバイルデバイスの製造時に当初設置されたものかどうかを判定することと、をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
少なくとも、それぞれのコンポーネントが前記モバイルデバイスの製造時に当初設置されたものかどうかに基づき、前記モバイルデバイスの再販売価値を判定することをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
少なくとも、それぞれのコンポーネントが前記モバイルデバイスの製造時に当初設置されたものかどうかに基づき、前記モバイルデバイスの修理又はアップグレードを計画することをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年9月12日付で出願された「診断及びプロビジョニングを伴うデバイスの直接通信のためのシステム及び方法」と題する米国仮特許出願第62/899,616号の完全な利益及び優先権を主張するものであり、その開示は、すべての目的のために参照によって完全に援用される。
【0002】
本願は、モバイルデバイスの動作状態の診断、及びモバイルデバイスのための関連するプロビジョニングのためのシステム及び方法に関する。より詳細には、本願のシステム及び方法は、モバイルデバイスコンポーネントへの直接通信インターフェースを介した、機能性パラメータ及び性能パラメータの査定、並びに、このようなモバイルデバイスに記憶された情報の迅速かつ確実な消去を提供する。
【背景技術】
【0003】
今日、モバイルデバイスは幅広く使用されており、ますます多くの人々が日常生活においてこのようなデバイスを利用している。本明細書において使用している「モバイルデバイス」という用語は、場所から場所への移動が可能なあらゆる電子デバイスを一般に指す。このようなモバイルデバイスの例としては、移動電話(より一般的には、「携帯電話」としても知られている)、スマートウォッチ、スマートジュエリー、携帯情報端末(PDA)、デジタルカメラ、「モノのインターネット」(「IOT」)用のインテリジェントデバイス、ドローンデバイス、モバイル加入者通信デバイス、タブレットコンピュータ、メディアプレイヤー、スマートビークル、ラップトップコンピュータ、及びAlexa(登録商標)、グーグルボイス、Siri(登録商標)、Cortana(登録商標)等の無線インテリジェントエージェントを搭載したデバイスがあるが、これらに限定されるものではない。消費者は、より向上した装備及び機能性への欲求に駆り立てられ、使い古した、破損した、部分的に機能しない、又は動作が遅いデバイスの交換のため、又は単に消費者の忠実性に基づき最新の製品を手に入れるため、もしくは友人や知人に新しいモデルを見せびらすため、移動電話等のモバイルデバイスを毎年数百万台も購入する。一方、新しくリリースされたモバイルデバイスに、より多くの装備及び性能が搭載されるにつれ、このようなデバイスの価格が急速に上昇したため、中古であるが動作可能なモバイルデバイスの二次市場が創出された。そこで、中古のモバイルデバイスを使用可能な状態にして再生及び再販売したり、又は動作不能なデバイスを価値のあるコンポーネント又は廃棄品に分けるなどして、処理及びリサイクルする産業が発達してきている。
【0004】
中古モバイルデバイスの処理業者(本明細書では「リサイクル業者」とも言う)は、中古携帯電話等の、機能性や動作状態が不明なモバイルデバイスを引き取り、このようなデバイスの機能状態を査定し、前のユーザの全てのデータを携帯電話から確実に消去し、必要に応じ、必要な修理を実施するという課題に直面している。競争が激しい市場の状況及びリサイクルされたモバイルデバイスの価格設定により生じる利鞘の低さにより、査定、診断、及び消去処理における効率が最も重要である。リサイクル業者は、迅速にデバイスのタイプ、その動作状態を査定し、リサイクルされたデバイスができるだけ早く通商の流れに確実に戻されるように、可能な最も効率的な方法でモバイルデバイスのフラッシング及び消去等の必要な再プロビジョニングを行わなければならない。
【0005】
これまでの携帯電話リサイクル処理においては、リサイクル業者は、モバイルデバイスを、USB又はLightningポート等の電力/データソースに接続することを試み、デバイスがパスワードで保護されておらず、モバイルデバイス管理(「MDM」)を介して又は、iPhone(登録商標)を探す(「FMIP」)等のクラウドベースの遠隔起動ロックスキームを介して保護されている場合、リサイクル業者は、診断及び/又はデバイス消去のために使用され得るモバイルデバイスにアプリケーションをインストールすることを試みる。しかしながら、単にデバイスのタイプ又はデバイスの状態(ロックされている又はMDMの対象であるかどうか等)を査定することは、作動状態が不明、又は部分的に動作可能な状態(及び起動ロック状態を判定するため費用が高いサードパーティデータベースにアクセスする必要もあるかもしれない)で受け取ったデバイスに関しては、問題がある場合がある。さらに、中古のモバイルデバイスに対する、このようなアプリケーションのインストールは時間がかかり、中古のモバイルデバイスのディスプレイがひび割れている/壊れている場合、又は十分に機能していないためデバイスとの対話(ダウンロードしたアプリケーションを機能させる許可を確認するため等)ができない場合は、不可能であるかもしれない。さらに、納入されるモバイルデバイスの中には、完全に放電されたバッテリを有しているものもあるかもしれず、このような放電されたデバイスを、初期動作を可能にする初期状態にするには、デバイスのリサイクル業者の査定/診断/消去工程によってデバイスが処理される前に、時間がかかるバッテリ充電処理が必要になるかもしれない。
【0006】
モバイルデバイスリサイクル業者に加え、モバイルキャリア(移動電話サービスプロバイダとも言う)等の小売組織も、小売店又はキオスクにおいて顧客によって持ち込まれたモバイルデバイスを迅速に査定、診断及び/又は消去する必要性に直面している。このようなサービスを提供するために、キャリアは、場合によっては各小売り店舗又はキオスクにおいて携帯電話を診断するため高価なハードウェアの購入及び構成に直面している。さらに、既存のテストシステム又はデータ転送ハードウェアを使用しても、キャリアが診断及び他の機能をモバイルデバイスに対して行うためには、モバイルデバイスがロック解除され、最低限の機能を有するディスプレイを有している必要があった。
【0007】
要するに、とりわけ、デバイスにまず初めにアプリケーションをインストールすることなく、携帯電話及び他のモバイルデバイスの診断及び再プロビジョニング(デバイスの再フラッシング又は確実な消去等)を行うシステム及び方法を提供する必要がある。さらに、必要とされるのは、小売店において一般に入手可能なハードウェアを使用して、モバイルデバイスの診断及びプロビジョニングをサポートするシステム及び方法である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下の技術的開示は、代表的なものであって、例示だけを目的としており、必ずしも特許請求されている本発明を限定するものではない。
【0009】
1つの態様において、本発明の一実施形態は、シリアル接続、又はUSBタイプの接続を介して、モバイルデバイスのハードウェアと直接通信し、モバイルデバイスにアプリケーションを初期インストールすることなく、デバイスから関連情報を取得できる。以下により十分に説明する本発明の様々な実施形態においては、製品、販売業者、及び状態の詳細な情報を、モバイルデバイスのディスプレイが機能していない場合、又はモバイルデバイスのバッテリが放電された状態であっても、モバイルデバイスから迅速に取得することができる。さらに、モバイルデバイスにアプリケーションをインストールすることを要せずに、モバイルデバイスに接続されたホストシステムによって診断及びある一定のプロビジョニング動作を行うことができる。さらに、様々な実施形態においては、モバイルキャリアは、本明細書で記述するインターフェースケーブルと共に本発明の方法を動作させるよう構成されたコンピュータシステム以外の追加のハードウェアの購入を必要とせず、小売店において分析及びモバイルデバイスプロビジョニングを行うことができる。小売店又はキオスクにおいては、モバイルデバイスをUSBケーブルを介してテストシステムに取り付け、プラグインを使用して構成されたウェブブラウザを小売業者/キオスクのコンピュータ又はタブレット上で動作させ、接続したモバイルデバイスの診断テスト及び/又はプロビジョニングを本明細書で記述する発明の態様に従って行うことができる。
【0010】
本発明の追加の実施形態においては、モバイルデバイスとホストシステムの間で確立されたシリアル接続を介して、高度な分析、診断、及び消去等のプロビジョニング機能を、ユーザ又はテストシステムにまず初めにモバイルデバイスにアプリケーションをインストールさせることを要せずに行うことができる。さらに、様々な実施形態では、出荷時設定の状態からモバイルデバイスをルート化又はジェイルブレイクすることなくモバイルデバイスの診断及びプロビジョニングを行うことができる。
【0011】
1つの実装形態においては、電子システムは、シリアルケーブル、より好適には、USB対応ケーブル等のケーブルを介して、テスト対象のモバイルユニットにインターフェースされる。追加の実施形態においては、相互接続ケーブルは、モバイルデバイスを構成する回路内(チップセット又はコントローラ内等)で特定の機能を起動させるためにケーブルとテスト対象のモバイルデバイスの間を流れる電圧/電流特性を変更するよう意図された素子(element)を利用してもよい。さらに別の実施形態においては、相互接続ケーブルは、USB On-The-Go(OTG)対応ケーブルであり、素子は、識別(ID)ピンとグランド(GND)ピンの中間に接続される。追加の実施形態においては、素子は、固定抵抗値を有する。さらに別の実施形態においては、素子の抵抗値は、ポテンショメータを手で調整する等の手動の技術を介して、又はデジタルポテンショメータへのインターフェース、もしくはケーブルと一体化されたアナログ半導体部品へのインターフェースによって抵抗値を変更することによる等の自動化技術を介して可変であってもよい。上記のように、固定抵抗値を有する素子又は可変抵抗値を有する素子を利用しているこれらの実施形態は、標準のUSBケーブル(プルアップ抵抗を備えている場合は、プルアップ抵抗付きを含む。)の好適な実施形態に対して追加的なものである。
【0012】
モバイルデバイスをホストシステムのUSBポートに電気的に接続することと、USBポートとUSBポートに取り付けられたモバイルデバイスのタイプとを一意的に識別することと、識別されたデバイスタイプと所望の機能に基づいて、USBポートの電気的性能を調整することと、モバイルデバイスの現在の状態を識別することと、モバイルデバイスとホストシステムの間のシリアル接続を確立することと、モバイルデバイスに対して、診断及びデバイスプロビジョニング機能を行うことと、を含む方法を提供する。USBポートの電気的性能は、例えば、モバイルデバイスとホストシステムの間のUSBケーブルにおける抵抗を調整することによって変更されてもよい。モバイルデバイスのデバイス状態は、モバイルデバイスの現在のデバイス状態がリカバリーモード又はダウンロードモードのうちの1つではないことを識別したことに応答して切り替えられてもよい。別の態様においては、本発明の方法は、ホストシステムとモバイルデバイスの間に接続されたUSBケーブルを介して、モバイルデバイスに電力を提供することをさらに含む。さらに、別の態様においては、モバイルデバイスの現在の状態を識別することは、モバイルデバイスに対して利用可能なデータ接続タイプを判定することをさらに含む。本発明のさらに別の態様においては、モバイルデバイスとホストシステムの間のシリアル接続は、USBプロトコルとRS-232プロトコルのうちの1つを含む。加えて、本発明の態様は、モバイルデバイスから、モバイルデバイスに設置されたコンポーネントのシリアルナンバーを入手することと、コンポーネントがモバイルデバイスに当初設置されたコンポーネントであることを判定することと、を含んでいてもよい。モバイルデバイス内に設置されたコンポーネントについて、任意の数とタイプの識別情報を取得してもよい。1つの実施形態は、モバイルデバイスに設置されたコンポーネントのシリアルナンバーのリストを取得することと、このような設置されたコンポーネント各々について、各それぞれのコンポーネントがモバイルデバイスの製造時に当初設置されたものかどうかを(例えば、データベースルックアップによって)判定することと、を含む。追加的態様は、少なくとも、それぞれのコンポーネントがモバイルデバイスの製造時に当初設置されたものかどうかに基づき、モバイルデバイスの再販売価値を判定することを含み、さらに別の実施形態においては、少なくとも、それぞれのコンポーネントがモバイルデバイスの製造時に当初設置されたかものどうかに基づき、モバイルデバイスの修理又はアップグレードを計画することを含む。
【0013】
本発明の他の実施形態は、プロセッサと、プロセッサに電気的に結合されたメモリと、プロセッサに結合された記憶デバイスと、プロセッサに電気的に結合されたユーザインターフェースと、プロセッサに結合されたUSBポート接続と、を有するホストシステムを具備するシステムを含んでいてもよい。上記メモリはさらに、ソフトウェアによって構成されてもよく、ソフトウェアは、実行されると、モバイルデバイスをホストシステムのUSBポートに電気的に接続するステップと、USBポートとUSBポートに取り付けられたモバイルデバイスのタイプとを一意的に識別するステップと、識別されたデバイスタイプと所望の機能に基づいて、USBポートの電気的性能を調整するステップと、モバイルデバイスの現在の状態を識別するステップと、モバイルデバイスとホストシステムの間のシリアル接続を確立するステップと、モバイルデバイスに対して、診断及びデバイスプロビジョニング機能を行うステップと、を行う。USBポートの電気的性能は、例えば、モバイルデバイスとホストシステムの間のUSBケーブルにおける抵抗を調整することによって変更されてもよい。モバイルデバイスのデバイス状態は、モバイルデバイスの現在のデバイス状態がリカバリーモード又はダウンロードモードのうちの1つではないことを識別したことに応答して切り替えられてもよい。他の態様においては、本発明のシステムによって実行されるステップは、ホストシステムとモバイルデバイスの間に接続されたUSBケーブルを介して、モバイルデバイスに電力を提供することをさらに含む。さらに、別の態様においては、モバイルデバイスの現在の状態を識別することは、モバイルデバイスに対して利用可能なデータ接続タイプを判定することをさらに含む。本発明のさらに別の態様においては、モバイルデバイスとホストシステムの間のシリアル接続は、USBプロトコルとRS-232プロトコルのうちの1つを含む。加えて、本発明の態様は、モバイルデバイスから、モバイルデバイスに設置されたコンポーネントのシリアルナンバーを入手することと、コンポーネントが、モバイルデバイスの当初設置されたコンポーネントであることを判定することとを含んでいてもよい。 モバイルデバイス内に設置されたコンポーネントについて、任意の数とタイプの識別情報を取得してもよい。1つの実施形態は、モバイルデバイスに設置されたコンポーネントのシリアルナンバーのリストを取得することと、このような設置されたコンポーネント各々について、各それぞれのコンポーネントがモバイルデバイスの製造時に当初設置されたものかどうかを(例えば、データベースルックアップによって)判定することと、を含む。追加的態様は、少なくとも、それぞれのコンポーネントがモバイルデバイスの製造時に当初設置されたものかどうかに基づき、モバイルデバイスの再販売価値を判定することを含み、さらに別の実施形態においては、少なくとも、それぞれのコンポーネントがモバイルデバイスの製造時に当初設置されたものかどうかに基づき、モバイルデバイスの修理又はアップグレードを計画することを含む。
【0014】
本発明のより完全な理解は、以下の例示図に関連して考慮される場合、詳細な説明及び請求項を参照することによって導き出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明のシステムの一実施形態の概略図である。
図1A図1Aは、本発明のシリアルケーブルに電気的に結合された抵抗素子を含む本発明のシステムの一実施形態の概略図である。
図1B図1Bは、多数のモバイルデバイスがホストシステムによって同時に処理できる本発明のシステムの一実施形態の概略図である。
図2図2は、本発明の態様を実装するために使用されるステップのフロー図の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態は、以下のように、図1図1A図1B、及び図2の文脈で理解することができる。図1に示すシステム100(又は代替として、図1Aの100A)は、ケーブル110(又は図2の場合は、110A)を介してホストシステム105に電気的に接続されているテスト対象のデバイス120(本明細書中では「モバイルデバイス120」とも言う)に対して診断を行うためのステップを実行する。ケーブル110又は110Aは、USBケーブルによって構成されてもよく、又はさらにUSBケーブルを具備していてもよい。ケーブル110、110A、又は110Bは、本発明におけるシリアル通信に必要な様々な特徴に対応するためのカスタマイズされたケーブルも任意に具備していてもよい。図1Bは、複数のモバイルデバイス120B1-120B2が、それぞれケーブル110B1-110B5を介して、ホストシステム105の一部として示されているUSBハブ106に接続されているシステム100Bを示している。関連技術における当業者は、USBハブ106はホストシステム105内で内部接続されていてもよく、又はホストシステム105にインターフェースされた後、図示のように、モバイルデバイス120B1-120B5に接続された別のコンポーネントであってもよいことを認識している。当業者は、また、5つのモバイルデバイスがホストシステム105に接続されることが図示されているが、より少ない、又は多いデバイスが、ホストシステム105を動作させている処理組織の意図された規模に基づいてインターフェースされてもよいことも認識している。ホストシステム105は、プロセッサ、RAM等のローカルメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、ハードディスク又はソリッドデートドライブ等の長期メモリ、ネットワークアダプタ、及び、キーボード、マウス、モニタ、タッチスクリーン、マイク、スピーカ、動きセンサ、方位センサ、赤外線センサ、温度センサ、湿度センサ、電流センサ、光センサ、電圧センサ、カレントセンサ、図1Bに示すようなUSBハブ他、等の任意の数の入力及び/又は出力デバイス等のカスタムコンポーネント又は従来のコンポーネントを有するコンピューティングデバイスを具備していてもよい。ある実施形態においては、ホストシステム105は、(USBケーブル等の)ケーブル110が実装された電気通信を介して、(携帯電話等の)モバイルデバイス120と通信するよう構成されたラップトップ又はタブレットコンピュータを具備していてもよい。
【0017】
コンピューティングデバイスの様々なメモリによって、ソフトウェアコード及び/又はソフトウェアプログラム等の、本発明の方法を行うためプロセッサによって実行可能な1つ以上のコンピュータ命令を容易に記憶できる。コンピューティングデバイスは、パーソナルコンピュータ、サーバー、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、キオスク、携帯型コンピュータ、車両搭載型コンピュータ他、等の中に埋め込まれたプロセッサを具備していてもよい。さらに、本技術のデータベース、システム、及び/又はコンポーネントは、1つの箇所、又は多数の箇所にあるデータベース、システム、及び/又はコンポーネントの任意の組み合わせを含んでいてもよい。本技術の各データベース、システム、及び/又はコンポーネントは、ファイアウォール、アクセスコード、暗号化、復号、圧縮、復元等の任意の適切なセキュリティ機能を具備していてもよい。
【0018】
本技術は、例えばモバイルデバイス診断及びプロビジョニングシステム内で、方法、システム、デバイス、及び/又はコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。したがって、本技術は、完全にソフトウェアの一実施形態、完全にハードウェアの一実施形態、又はソフトウェアとハードウェア両方の態様を組み合わせた一実施形態の形を取ってもよい。さらに、本技術は、記憶媒体において具現化される、コンピュータで読み取り可能な非一時的なプログラムコードを有するコンピュータ可読記憶媒体におけるコンピュータプログラム製品の形を取ってもよい。ハードディスク、ソリッドステートドライブ、CD-ROM、フラッシュメモリ、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、USBメモリデバイス、任意の適切な一時的、又は非一時的メモリシステム等の任意の組み合わせを含む、任意の適切なコンピュータ可読記憶媒体を利用してもよい。本技術は、ダウンロード可能な及び/又はクラウドベースのダウンロード不可のコンピュータプログラム製品及び/又は方法を含んでいてもよい。
【0019】
本技術の様々な態様によるソフトウェア及び/又はソフトウェアエレメントは、例えば、AJAX、C、C++、Java(登録商標)、JavaScript(登録商標)、FORTRAN、COBOL、アセンブリ、バイナリ機械語、PERL、Python、Ruby、エクステンシブルマークアップランゲージ(XML)、PHP、CSS等の任意のプログラミング、スクリプティング、又はコンピュータ言語もしくは標準規格、又はソフトウェアかファームウェアかを問わず、もしくは現在知られているか今後開発されるかを問わず、他のプログラミング及び/又はスクリプティング言語を用いて実装されてもよい。さらに、本技術は、任意のバージョンのWindows(登録商標)、MacOS(登録商標)、OS/2(登録商標)、BeOS、Linux(登録商標)、UNIX(登録商標)、Symbian(登録商標)、RaspbianOS、OSX(登録商標)、tvOS(登録商標)、watchOS、Tizen(登録商標)OS、Android(登録商標)、iOS(登録商標)、AndroidWear(登録商標)等の任意のオペレーティングシステム、又は現在知られているか今後開発されるかを問わず、他のオペレーティングシステムを実行するコンピューティングデバイスと併せて使用してもよい。
【0020】
さらに、本技術は、データ伝送、信号伝送、データ処理、ネットワーク制御等のための任意の数の従来技術を採用してもよい。本技術の様々な態様によるコンピューティングデバイスは、1つ以上の電気通信ネットワークによって互いに通信することができる。電気通信ネットワークは、終端ノード、リンク、及び終端ノード間の距離で通信(データの伝送を含む)を可能にするために接続される任意の中間ノードの集合体を具備していてもよい。幾つかの実施形態においては、終端ノードは、コンピューティングデバイスを含んでいてもよい。電気通信ネットワークは、インターネット、イントラネット、エクストラネット、WAN、LAN、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、衛星通信、セルラー無線ネットワーク、ワイヤレスネットワーク、電話ネットワーク、ケーブルネットワーク等の任意の適切な通信システムを含んでいてもよい。さらに、本技術の様々な態様によるコンピューティングデバイスは、TCP/IP、HTTP、HTTPS、FTP、IPX(登録商標)、AppleTalk(登録商標)、IP-6、NetBIOS、OSI、シリアル通信プロトコル(RS-232を含む)及び/又は任意の数の既存の又は将来的なプロトコルを使用した電気通信ネットワーク上で通信できる。電気通信ネットワークは、単にネットワークと言う場合がある。
【0021】
ケーブル110は、バージョン2.0、3.x(すなわち、USB3の任意の所望の実装形態)、又は他の業界標準のUSB実装形態に適合するコネクタを有するUSBケーブルを具備していてもよく、又はモバイルデバイス120との接続を確立するための任意の所望のケーブルを具備していてもよく、さらに、ケーブル110は、ホストシステム105とモバイルデバイス120の間の電気通信を確立するために、モバイルデバイス120と互換性があるインターフェースを組み込んでもよい。このインターフェースは、USBミニポート、USBマイクロポート、Lightningポート、Thunderbolt(登録商標)ポート、Apple30-ピンポート、シリアルポート、又は任意の所望のポートを含むが、これらに限定されない。様々な実施形態において、図2に示すように、固定抵抗又は可変抵抗130Aが、ケーブル110Aと一体化又は電気的に結合されて、モバイルデバイス120のハードウェア内で特定のプロトコルを発動できるようにしてもよい。ある実施形態においては、ホストシステム105は、制御線133Aに印加される信号を変更することによって、ケーブル110Aに印加される抵抗130Aを制御してもよい。
【0022】
モバイルデバイス120は、図2に示すステップ295の間等の任意の都合の良い時に、ホストシステム105と電気的に接続されてもよい。モバイルデバイス120にはケーブル110(又は、構成によっては110Aもしくは110B)を介して電力が与えられるため、モバイルデバイス120のバッテリ状態が、複合的に放電された状態であっても、依然として診断とプロビジョニングを行うことができる。好適な実施形態においては、モバイルデバイス120にアプリケーションはインストールされないが、ある一定の機能を遂行するために、必要が生じれば、モバイルデバイス120にアプリケーションをインストールすることが望ましいかもしれない。しかしながら、本発明の様々な実施形態においては、包括的な一連の診断、プロビジョニング、及び消去機能は、処理のいずれのステップにおいてもアプリケーションのインストールを要せずに実装される。
【0023】
図2を参照すると、ホストシステム105においては、使用可能なUSBポートを求めてホストシステムをスキャン201する。ホストシステム105のUSBポートが損傷しており、反応がない場合は、この処理によってこのような故障したポートを識別し、システム100のエンドユーザに報告することができる。このようにして、エンドユーザは、特定のUSBポートに問題があることに気付くことができ、それによって、エンドユーザの推測作業を削減し、テクニカルサポートへの不必要な電話を回避することができる。次に、ホストシステム105は、取り付けられる可能性がある任意のUSBハブをスキャン202する。これは、USBハブが、構成及びテストが行われる前に適切に識別されないと、問題を引き起こす可能性があるからである。このステップ202の結果、(他の故障に加えて)データ破損及びリストアエラーを回避できる。本発明の実施形態は、次に、ホストシステムをスキャン203し、ホストシステムがUSB2.0ポート又はUSB3.xポートを備えているかどうかを判定する。なぜならば、ある一定のデバイスのタイプは、後述する実施例において規定されているように、シリアル接続を確立及び動作させるためにどちらか一方のUSBタイプを必要とする可能性があるからである。次に、ホストシステム105は、テスト対象のモバイルデバイスがどの特定のUSBポートに取り付けられるかを一意的に識別205する。これは、図1Bに示されているのと同様の手法(多数のモバイルデバイス120B1-120B5がホストシステム105に接続されている)で多数のモバイルデバイスを同時に処理する動作が設定される場合は特に重要である。
【0024】
次のステップとして、ホストシステム105は、特定のオペレーティングシステム、例えば、Android(登録商標)オペレーティングシステムを含む、取り付けられたすべてのモバイルデバイスを一意的に識別206する。他の実施形態では、取り付けられるすべてのiOS(登録商標)モバイルデバイスを一意的に識別できる。また、さらに他の実施形態では、所望のタイプのオペレーティングシステムを有する任意のデバイスを一意的に識別する。特定のオペレーティングシステム構成によって構成されるモバイルデバイスを識別することにより、後続の処理ステップは、取り付けられたモバイルデバイスそれぞれ毎の特定のオペレーティングシステムの要件に合わせて調整できるので、数百又は数千におよぶ多数のデバイスでさえ同時に処理できる。
【0025】
1つの態様においては、ホストシステム105に接続される各モバイルデバイスの電気的特性がプロファイル207され、必要な場合は、モバイルデバイスがそれぞれ接続されるUSBポートの電気的性能が、デバイスのタイプ及び所望の機能に基づいて所望の範囲内で調整される。例えば、要求された機能を行うためモバイルデバイスによって要求される適正なアンペア量の電流(及び適正な供給電圧)を確実にモバイルデバイスが受けられるようにするため、モバイルデバイスと接続されたホストシステム間で流れる使用可能電流の量を計測することができる。様々な実施形態においては、本発明の特定のUSBポートの電気的動作特性は、電気的パラメータ(例えば、アンペア、ボルト、ワット)を所望の範囲内に維持するため、プログラムによって調整されてもよい。代替として、又は加えて、USBケーブル110A内の抵抗130Aは、手動で、又はホストシステム105Aから供給される制御信号133Aを介して調整されてもよい。更なる例として、USB―Cデバイスでは、電力の過剰消費が起こりがちであり、この電力の過剰消費は、一度に大量のデバイスを処理する際、又は、1つのモバイルデバイスのみがホストシステムに接続されているが、ポートが正しく電気的に結合されていない場合には、プログラムで制御する必要がある。
【0026】
本発明の実施形態では、次に、モバイルデバイス120にインストールされているオペレーティングシステムと対話することなく、接続されたモバイルデバイス120の現在のデバイス状態/起動状態を識別208する。このような状態には、例えば、充電のみ可能な状態、DFU、リカバリーモード、ブートOS、デモモード、又は他の状態を含み得る。モバイルデバイス120の現在の状態(又はモード)に応じて、モバイルデバイス120の状態を切り替え、処理を続行し、又はシステムユーザに報告を行うため、様々な動作を行うことができる。例えば、デバイスがリカバリーモード、又はダウンロードモードである場合、このステップはデバイスモードを識別し、人的介入なしで次のタスクを行うためにホストシステム105によって実行されるソフトウェアをトリガーすることができる。このステップ208、又それ以降のステップにおいて行われるステップは、特定のモバイルデバイス120にインストールされたオペレーティングシステムに合わせて調整することができる。例えば、モバイルデバイス120が、iOS(登録商標)がインストールされたデバイスであって、デバイスファームウェアアップデートモード(「DFU」)である場合、本発明の態様では、モバイルデバイス120をDFUモードから解除するために、ある一定の処理が行われてもよい。さらに、モバイルデバイス120のモードが一旦識別されると、次にモバイルデバイス120の起動状態が判定され、この判定の一部は、デバイスのタイプに基づいてなされる。
【0027】
先行の手法に勝る利点としては、状態/モード識別ステップ208を行うことにより、以前に壊れている又は機能不全であると見なされたモバイルデバイス、又は量産規模のデバイスリサイクルにおいては識別できなかったモバイルデバイスの適正な識別が可能になる。このステップの結果、モバイルデバイス120に対するすべての使用可能なデータ接続のタイプがその後の処理のために識別される。ステップ208の後、後述するステップ211A等の任意の所望の時に、診断動作が行われてもよい。
【0028】
本発明の他の態様においては、接続されたモバイルデバイス120へのアクセスは、USBプロトコル又はRS-232プロトコル等のシリアル通信プロトコルを用いて確立209される。ある一定のデバイスタイプにおいては、本発明のステップを実行するため、AOS、Tizen(登録商標)OS、MacOS(登録商標)、Windows(登録商標)OS、BBOS、WindowsPhone(登録商標)OS、PebbleOS、FireOS(登録商標)、又はSymbian(登録商標)OSオペレーティングシステムによって構成されたデバイスがホストシステム105と相互動作できるように、シリアル接続を確立しなければならない。関連技術における当業者は、多数のシリアルプロトコルが存在し、本発明の実装形態における任意の所望の目的のために任意の所望のシリアルプロトコルが利用されてもよいことを認識している。また、更なる態様においては、一旦シリアル接続が確立されると、モバイルデバイス120への電子的アクセスが確立210され、モバイルデバイス120にインストールされているオペレーティングシステムに関係なく、ホストシステム105によってモバイルデバイス120がスキャンされ制御されることが可能になり、したがって、特別な手段やモバイルデバイス120へのアプリケーションの事前インストールを必要とせずにモバイルデバイス120からデータを抽出できる。図2における次の態様では、高次ロジック妥当性確認ステップ211が行われ、以前の全てのステップが首尾よく完了し、モバイルデバイス120からのデータが適正にアクセス可能であり、モバイルデバイス120がホストシステム105からのコマンドと、ホストシステム105上で動作しているアプリケーションにおいて実行されているソフトウェアにおける対応するステップとを受け付ける準備ができていることの検証が可能になる。
【0029】
初期情報及びペアリング状態を取得
【0030】
高次ロジック妥当性確認211が行われた後、診断及びデバイスプロビジョニングに対応する本発明の態様が行われてもよく211A、又は、このような診断及びデバイスプロビジョニングは、処理200の完了後もしくは処理200に関する他の所望の時に行われてもよい。例えば、モバイルデバイス102から、まず販売業者ID及び製品IDの値が読み出されてもよい。ケーブル110(又は110Aもしくは110B)を介してモバイルデバイス120から取得したデータは、製品ID情報を抽出及び識別するために、さらに復号されなければならない。キャリアID(つまり、モバイルデバイスにサービスを提供したモバイルサービス事業者プロバイダの識別子)は、このステップ中又はこのステップ後、モバイルデバイス120から取得されてもよい。加えて、特に、スマートウォッチ等の一部のモバイルデバイスは、以前に特定のモバイルデバイスとペアリングされ、そのペアリングが解除されていない場合は、修理及びリサイクルされない可能性があるため、「ペアリング状態」判定がモバイルデバイス120から取得されてもよい。ペアリング状態の査定の一部として、本発明の態様では、モバイルデバイス120に、どのようなSIMカードがインストールされているか、及び/又はeSIMが利用されているかどうかを判定する。このステップにおいて、SIM/eSIMカードからの情報が取得可能であり、最後の有効なネットワークに関する判定を行うことが可能であり、その判定から、本発明の態様は、そのデバイスがどのSIMを介して最後に動作していたかを判定する。キャリアを知ることは、リサイクル業者(及び小売業者)にとっては貴重な情報である。これは、以前に特定のキャリアと関連付けられていた場合、モバイルデバイス120は、より高価値になる可能性があるからである。
【0031】
ロック状態を判定
【0032】
本発明の態様では、モバイルデバイス120のロック状態の判定も行うことができる。様々な実施形態では、モバイルデバイス120は、デバイスの可能な全てのロック状態を、ピンロック、パスコードロック、モバイルデバイス管理(「MDM」)ロック、iPhone(登録商標)を探す(「FMIP」)起動ロック、又は他の種類のロックであるかどうかに関わらず判定するために検査される。様々な実施形態においては、本発明の態様は、幾つかのロック状態がモバイルデバイスにまだ存在している場合でも、診断及びプロビジョニングを行うことが可能である。一方、幾つかのロック状態は特定のモバイルデバイスに対するその後の処理を直ちに中断すべきであると示している場合がある。例えば、iOS(登録商標)ベースのモバイルデバイスがFMIP起動ロックによってロックされている場合は、そのデバイスを迅速に識別してテストを中止してもよい(FMIP状態を判定するためのサードパーティデータベースを通じた大規模な診断及びルックアップを潜在的に節約することができる)。また、このステップの一部として、モバイルデバイス120がジェイルブレイク(iOS(登録商標)の場合)又はルート化(Android(登録商標)の場合)されたかに関して判定を行ってもよい。多くの状況において、リサイクル業者は、以前にジェイルブレイク又はルート化された携帯電話には残留マルウェアが残っている可能性があるため、このようなデバイスを修理することを望まない。したがって、ジェイルブレイク及び/又はルート化された状態を早期に識別することにより、診断を行い、消去を試みる際のリサイクル業者の時間を節約することができる。
【0033】
モバイルデバイスから一般情報を取得
【0034】
さらに別の実施形態においては、デバイスがそのロック状態に基づいてアクセス可能なままであることを条件として、一般情報がモバイルデバイスからを取得され、ホストシステム105内にログ記録される。このような一般情報には、とりわけ、デバイスの登録されたモデルナンバー、色、商品名、IMEI、オペレーティングシステムのバージョンナンバー、ファームウェアのバージョンナンバー、シリアルナンバー、メモリサイズ、(上記のような)ルート化/ジェイルブレイクされた状態、及びキャリアID/キャリアコード等のデバイスのリサイクル業者又は小売事業にとって貴重な情報を含んでいてもよい。1つの態様においては、ADBが起動されていないAndroid(登録商標)ベースのモバイルデバイス120から情報の第1の集合を取得してもよく、本発明の実施形態により、モバイルデバイス120上でADBを起動した場合は、より大きい第2のセットの情報を取得してもよい。別の態様においては、まず初めにiOS(登録商標)ベースのモバイルデバイスにアプリケーションをインストールすることなく、iOS(登録商標)ベースのデバイスにおける20、000を超えるパラメータの完全な識別を本発明の態様によって取得してもよい。一般情報は、ホストシステム105によってモバイルデバイス120から一旦取得されると、エンドユーザに提示するため、又は特定の診断もしくはプロビジョニングステップをさらに処理する際に使用するために記憶される。
【0035】
自動診断を抽出及び識別
【0036】
多くのタイプのモバイルデバイスは、定期的な内部診断を行い、その診断の結果を、診断ログを含む様々な方法でモバイルデバイス内に記憶する。これらの「自動診断」テスト結果ログは、通常、エンドユーザはアクセス不可であり、その符号化形式において理解するのは困難であるかもしれないが、ひとたび読み出され、復号されると、デバイスのリサイクル業者又はエンドユーザに対してモバイルデバイスの機能的な状態を迅速に示すことができる情報を含んでいる。さらに、このような情報は、修理又は調整を必要とするコンポーネントを示すことができるため、それによりリサイクル業者の改修計画の指針となる。本発明の様々な態様においては、モバイルデバイス120内に記憶されたログから得られた情報はホストシステム105によって取得されて復号され、これらのログは、モバイルデバイス120の様々な特徴が、モバイルデバイス120のオペレーティングシステム内に記憶された、予想される動作基準に基づく通常のパラメータ内で動作しているかどうかを判定するために利用される。
【0037】
iOS(登録商標)オペレーティングシステムがモバイルデバイス120にインストールされている実施形態に関しては、デバイス「権利付与」のリストが、モバイルデバイス120のファームウェアから、ホストシステム105によって取得され、その「権利付与」は、特定のモバイルデバイス120が行う又は報告するよう指示される可能性がある情報、特徴、及びコマンドのリストを提供する。このようにして、モバイルデバイス120のファームウェアを確認することによって潜在的な機能のリストが決定され、これによりモバイルデバイスによって使用される一連の診断及びプロビジョニング機能の準備を提供する。特定のモバイルデバイス120に対して利用できる、可能なコマンド及び報告のリストを分析することによって、モバイルデバイス120の特定の構成に基づき、動作及び情報収集を利用可能な機能及び報告に制限することによって、診断処理における効率性が実現される。様々な実施形態においては、モバイルデバイス120のファームウェアから取得したある一定のマッピング情報に基づき、データを抽出、復号、及び逆コンパイルすることができる。このような抽出され復号された情報により、診断ソフトウェアの構成を可能にする、デバイス性能の許容できる診断範囲を識別することができる。このような情報がなければ、多くの場合、診断テストを行う人は、許容可能な性能値範囲で推測を行う必要があり、不完全又は非包括的デバイステストとなる可能性がある。さらに、デバイス120を、更なる診断、プロビジョニング、又はリサイクルのためにアクセスできない状態にする起動ロック状態等の「ハードストップ」状態を早期に識別することによって、リサイクル業者や小売業者の効率性が向上する。
【0038】
デバイスのタイプ/オペレーティングシステムのタイプに基づき、ある一定のカスタム動作が本発明の態様によって実行され得る。例えば、Android(登録商標)ベースのデバイス120の場合、一定の診断情報及びコマンドが、ホストシステム105とモバイルデバイス120との間の(ケーブル110を介して等の)シリアル接続を介して、ホストシステム105から送信されるコマンドを介してAndroid(登録商標)デバッグブリッジ(「ADB」)を起動することによって、任意に取得及び/又は実行されてもよく、モバイルデバイス120にアプリケーションをインストールしなくても、モバイルデバイス120においてオペレーティングシステムベースの情報を取得しコマンドを実行することができる。後述する様々な実施形態においては、ADBは、ホストシステム105のユーザによって手動で起動されてもよく、又はある特定のタイプのモバイルデバイス120については、ADBは、ホストシステム105のソフトウェアによって自律的に起動されてもよい。
【0039】
デバイスプロビジョニング
【0040】
モバイルデバイス120を再販売もしくは再利用の準備のため、又はさもなければ、最終的な廃棄のため処理するために、モバイルデバイス120に対してコマンドを実行することができる。このような機能の1つには、モバイルデバイスを完全に消去するためオペレーティングシステムによって利用される内蔵の消去アルゴリズムを発動することによって達成することができるデバイス消去を含み得る。従来の手法においては、リサイクル業者又は小売り業者は、通常、消去を行うためにモバイルデバイス120にアプリケーションをインストールしていたが、この処理は、モバイルデバイス120へのホストシステム105のインターフェースを介してホストシステム105によって発動されるネイティブデバイス消去と比較して、極端に時間がかかる可能性がある。モバイルデバイス120の消去は、任意の所望の技術、例えば、モバイルデバイスのメモリのフィンガープリントを取り、デバイスのネイティブ消去ソフトウェアを発動し、消去を行わせ、その後モバイルデバイス120をホストシステム105と再ペアリングし、モバイルデバイス120内にフィンガープリントされたメモリがもはや存在しないことを確認する等によって認証することができる。
【0041】
診断データの提示
【0042】
モバイルデバイス120から取得された情報は処理され、例えば、ユーザインターフェースを介して、ホストシステム105の操作者に提示される。様々な実施形態においては、ホストシステム105の操作者は、どの程度の情報が、どのような配置で、及び特定の内容と順番で提示されるかを選択することができる。
【0043】
本発明の上述の処理ステップは、直接実行されてもよいし、部分的に実行されてもよいし、又は図示された処理200が終了212した後に実行されてもよい。終了212前に、本発明の様々な態様においてデバイスデータクリーンアップ処理212を行い、不要なデータ、ログ、又は情報を削除するため、ホストシステム105を迅速に管理的にクリーンアップしてもよい。この処理212は、モバイルデバイス処理の完了毎、又はバッチデバイス処理セッションの終了時に実行することができる。
【0044】
本発明の実施形態:特徴セット1
【0045】
上記のように、様々な診断機能及びプロビジョニング処理をモバイルデバイス120に対して実行することができる。第1の態様においては、本発明の実施形態によって提供される特徴のセットは、以下の6つの特徴を含むが、これらに限定されるものではない。
【0046】
1.高度な診断及びプロビジョニングのためのシリアル接続:本発明の1つの態様においては、ホストシステム105とモバイルデバイス120の間のシリアル接続が確立され、そのシリアル接続は、ハードウェアコンポーネント及びファームウェアに対する低レベルのアクセスに対応する機構を提供する。このようなシリアル接続を確立することによって、モバイルデバイスにまず初めにアプリケーションをインストールすることを要せずに、モバイルデバイスにおける豊富なデバイス診断情報のセット及び内蔵コマンドにアクセスが可能になる。
【0047】
2.DFUイレイザーの実装形態:iOS(登録商標)ベースのデバイスの場合、ホストシステム105がモバイルデバイス120にDFUモードに入るよう命令し、モバイルデバイス120において消去アルゴリズムを起動することによって、改良された消去処理を発動できる。このような消去は、より早く、より完全な消去のモードを提供し、その後、モバイルデバイス120をペアリングし、記録された「削除」イベントがあるかどうかを判定するためにレジストリイベントを検索してもよく、消去妥当性確認の結果は、消去された特定のモバイルデバイス120と一意的に関連付けられた消去証明書に提示されてもよい。
【0048】
3.MDM検出:本発明の態様は、MDMロックが有効になっている可能性があるデバイスの早期識別を可能にするモバイルデバイス管理(「MDM」)検出を提供する。このようなデバイスが、アクセスできない又はその他の再構成できないモードになっている場合は、MDMモードの早期識別により診断テストの迅速な終了を実現し、再処理のためのデバイスを識別することによってリサイクル業者の時間を節約し、効率性を向上させる。
【0049】
4.eSIM消去:モバイルデバイス(特にiOS(登録商標)オペレーティングシステムを使用しているもの)は、ネットワーク認証用の埋め込み型加入者情報モジュールを内蔵しているものがますます増えている。本発明の態様は、ホストシステム105が、モバイルデバイス120にeSIM(又は代替としてSIM)の消去を開始するよう命令させ、そのデバイスを新しい購入者の使用のため構成し、モバイルデバイス120が通商の流れに戻される前に、モバイルデバイス120から前のユーザの情報(及び潜在的個人識別情報、つまり「PII」)を削除することを可能にする。
【0050】
5.iOS(登録商標)UIのセットアップのスキップ:一部のモバイルデバイス、特にiOS(登録商標)オペレーティングシステムを利用しているものにおいては、モバイルデバイスにアプリケーションをインストールして開始する等のある一定の機能を行うには、ユーザ入力を介して、そのアプリケーションが「信頼される」ことを要する。信頼を示すこのような入力を提供するために、モバイルデバイス120は、通常、ユーザがアクセス可能でなければならない。さらに、新たに構成された/フラッシングされたデバイスにおいては、セットアップ処理が長いことがよくあり、WiFi(登録商標)認証、操作地域、ユーザ信頼入力等の情報のユーザ入力を要求する。本発明の様々な実施形態においては、ホストシステム105は、モバイルデバイス120への接続を介して、モバイルデバイス120上の通常のiOS(登録商標) UIセットアップ処理をスキップするための機能を行うことによって、診断及びプロビジョニング処理中のかなりの時間を節約する。また、それによって、アプリケーションの信頼を示す等の更なる操作を最小限の遅延で行うことができる。
【0051】
6.シリアルコンポーネント識別及びOEMコンポーネント構成:本発明の実施形態は、ホストシステム105のモバイルデバイス120への接続を介して、モバイルデバイス120に設置されたコンポーネントのシリアルナンバーのリストを取得し、このようなコンポーネントが当初のOEMコンポーネントであるのか、又は最初の製造後に設置されたアフターマーケットコンポーネントであったのかについてデータベースルックアップによって判定することを可能にする。この情報によって、モバイルリサイクル業者は、再販売のためのデバイス、特にiOS(登録商標)構成のデバイスの価値をより正確に判定し、モバイルデバイス120に現在設置されているコンポーネントの必要なアップグレード又は修理を計画することが可能になる。シリアルコンポーネント識別と共に、特定のモバイルデバイス120については、キャリアIDが取得及び検証されてもよい。
【0052】
本発明の実施形態:特徴セット2
【0053】
上記のように、様々な診断機能及びプロビジョニング処理をモバイルデバイス120に行うことができる。第2の態様においては、本発明の実施形態によって提供される特徴セットは、以下の4つの特徴を含むが、これらに限定されるものではない。
【0054】
1.妥当性確認を伴うAndroid(登録商標)迅速消去:Android(登録商標)構成のモバイルデバイスの場合、本発明の実施形態においては、まず初めにモバイルデバイスの操作のADBモードを、ユーザ入力を介して起動することによって、「ネイティブ」Android(登録商標)コマンドが遠隔的に実行される。モバイルデバイス120にすでに存在している消去アルゴリズムを実行することにより、消去処理は、まず初めにモバイルデバイス120にアプリケーションをインストールする必要がある以前の処理よりもはるかに速く完了する。消去の間、ホストシステム105とモバイルデバイス120の接続性が維持され、消去が完了した後、モバイルデバイス120上のストレージがホストシステム105によって読み取られ、消去が成功したかどうかが確認される。本発明の実施形態では、消去が成功したと判定すると、モバイルデバイス120に一意的に関連付けられた消去証明書を生成して、モバイルデバイス120の次のユーザに対し消去を確証することができる。
【0055】
2.妥当性確認を伴う自動ADB迅速消去:上記の妥当性確認によるAndroid(登録商標)迅速消去と同様に、本発明の態様では、まず初めにAndroid(登録商標)デバッグブリッジをユーザ入力なしで起動することにより、モバイルデバイス120のネイティブ消去ツールに、モバイルデバイス120からデータを消去させる。このオプションに対応しているデバイスについては、この実施形態は、モバイルデバイス120上でネイティブ消去アルゴリズムを実行する前に、ユーザがADBを手動で起動する必要がないため、より効率的な手法を提供する。上記と同様、消去が完了した後に、ホストシステム105がモバイルデバイス120上のストレージを読み取り、消去が成功したかどうかを確認する。本発明の実施形態では、消去が成功したと判定すると、モバイルデバイス120と一意的に関連付けられた消去証明書を生成して、モバイルデバイス120の次のユーザに対し消去を確証することができる。
【0056】
3.デバイス構成のフィンガープリントを抽出:様々な状況において、特定のリサイクル業者、モバイルキャリア、又は他のエンティティにとって、特定のモバイルデバイスにインストールされたハードウェア及びソフトウェアの正確な構成を理解することは役に立つ場合がある。本発明の実施形態では、ホストシステム105とモバイルデバイス120の間の接続を利用して、モバイルデバイスハードウェア及びソフトウェアの包括的なマニフェスト、又は「フィンガープリント」を生成する。この構成マニフェスト/フィンガープリントを、その後、例えば、所望の「ゴールデン」マニフェストと比較し、モバイルデバイスがある特定のネットワーク内で動作するための必要最低基準に適合しているかどうかを判定したり、又はデバイスが他の最低限の機能的性能指標を満たしているかどうかを判定することができる。様々な実施形態においては、コアデバイスの詳細及び情報を、モバイルデバイス120にまず初めにアプリケーションをインストールすることなく取得することができる。
【0057】
4.Android(登録商標)診断:様々な実施形態においては、上述したものと同様の自動化された診断がAndroid(登録商標)デバイスに対してまず行われる。同時に、モバイルデバイス120にまず初めにアプリケーションをインストールしたかどうかに関わらず、ホストシステム105によってモバイルデバイス120に対する迅速な診断を行うことができる。
【0058】
本発明の実施形態:特徴セット3
【0059】
上記のように、様々な診断機能とプロビジョニング処理をモバイルデバイス120上で実行することができる。第3の態様においては、本発明の実施形態によって提供される特徴のセットは、以下の2つの特徴を含むが、これらに限定されるものではない。
【0060】
1.ある一定のデバイスに対するAndroid(登録商標)デバッグブリッジ(ADB)モードの自動有効化:本発明の様々な実施形態においては、一部のモバイルデバイスのタイプに対しては、ユーザの介入なしで高度な診断及びプロビジョニングの性能に対応するためADBモードを自動的に有効化するようホストシステム105によって命令することができる。ADB有効化機能への迅速なアクセスを提供することにより、本発明の態様は、ユーザの介入が最低限又はなしの状態で、かつ、まず初めにモバイルデバイスにアプリケーションをインストールすることなく診断及びプロビジョニング機能を行うことができるようにすることで、診断処理を著しく効率化する。
【0061】
2.Apple Watch(登録商標)のエラーインジケータの緩和:Apple Watch(登録商標)のアップデート中にエラーが発生した時など、ウォッチのオペレーティングシステムは、赤色のエクスクラメーションマークを表示する場合があり、このモードにおいては、ウォッチは、その後の通常操作を行うことができない。モバイルデバイスのリサイクル業者にとって、このエラー状況は、以前は、リサイクル処理におけるハードストップを示すものであり、ウォッチは、通常、分解又は廃棄となった。本発明の様々な態様においては、赤色のエクスクラメーションマークを表示しているApple Watch(登録商標)は、ホストシステム105等のテストシステムに接続される接続治具にインターフェースされ、本発明の実施形態では、赤色のエクスクラメーションエラー状態を解除し、ウォッチのメモリを読み出してウォッチに以前にデータが記憶されていたかどうかを判定し、ウォッチの竜頭又はバッテリ等のウォッチのコンポーネントに関する診断情報を取得する等の機能をモバイルウォッチに対して実行することができる。
【0062】
本明細書において示し、記述した特定の実装形態は、本発明とその最良の形態を例示的に示すものであり、それ以外に本発明の範囲を何ら限定することを意図していない。実際、簡潔にするため、従来のデータ記憶、データ伝送、及びシステムの他の機能的な態様は詳述していない場合がある。様々な図において示した方法は、より多くの、より少ない、又は他のステップを含んでいてもよい。さらに、ステップは、発明の範囲を逸脱することなく任意の適切な順番で行ってもよい。さらに、様々な図において示されている接続線は、様々な構成部品の典型的な機能的関係及び/又は物理的結合を表すことを意図している。実用的なシステムにおいては、多くの代替的又は追加的機能的関係又は物理的接続が存在してもよい。
【0063】
本発明の範囲を逸脱することなく、開示された実施形態に変更及び変形を行ってもよい。これら及び他の変更又は変形は、本発明の非限定的な実施形態を示す以下の特許請求の範囲に表現されるように、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
図1
図1A
図1B
図2
【国際調査報告】