(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-17
(54)【発明の名称】車両用サイドシル
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
B62D25/20 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516660
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(85)【翻訳文提出日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 KR2020007145
(87)【国際公開番号】W WO2021060660
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0118323
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0027860
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592000691
【氏名又は名称】ポスコ
【氏名又は名称原語表記】POSCO
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ジェヒュン
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ホン-ウ
(72)【発明者】
【氏名】ソク、 ドン-ユン
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203AA31
3D203BB55
3D203CA25
3D203CA53
3D203CA68
3D203CB04
3D203CB07
(57)【要約】
本発明は、コスト及び重量を節減しながらも、構造的にさらに剛健な車両用サイドシルに関するものであって、一実施例による車両用サイドシルは、サイドシルインナーパネル;上記サイドシルインナーパネルと離隔して配置されたサイドシルアウタパネル;上記サイドシルアウタパネルに結合したサイドシルアウタレインフォース;上記サイドシルインナーパネルと上記サイドシルアウタレインフォースとの間に配置された隔壁部材;上記隔壁部材と上記サイドシルインナーパネルとの間に配置された第1補強部材;及び上記隔壁部材と上記サイドシルアウタレインフォースとの間に配置された第2補強部材を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドシルインナーパネル;
前記サイドシルインナーパネルと離隔して配置されたサイドシルアウタパネル;
前記サイドシルアウタパネルに結合したサイドシルアウタレインフォース;
前記サイドシルインナーパネルと前記サイドシルアウタレインフォースとの間に配置された隔壁部材;
前記隔壁部材と前記サイドシルインナーパネルとの間に配置された第1補強部材;及び
前記隔壁部材と前記サイドシルアウタレインフォースとの間に配置された第2補強部材を含む、車両用サイドシル。
【請求項2】
前記第1補強部材と前記第2補強部材は、断面が蛇行状に折り曲げられた形状を有する、請求項1に記載の車両用サイドシル。
【請求項3】
前記第1補強部材又は前記第2補強部材は、複数の平坦面とフランジとを有し、前記平坦面と前記フランジに溶接部や接着部が形成された、請求項2に記載の車両用サイドシル。
【請求項4】
前記第1補強部材と前記第2補強部材とは、前記隔壁部材を基準にして互いに対称に配置された、請求項1に記載の車両用サイドシル。
【請求項5】
前記隔壁部材は、ピラーインナーパネルと一体に形成されるか、又はピラーインナーパネルに結合された、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用サイドシル。
【請求項6】
前記第2補強部材と前記サイドシルアウタレインフォースとの間には溶接部が形成され、
前記第2補強部材と前記ピラーインナーパネルとの間には溶接部又は接着部が形成された、請求項5に記載の車両用サイドシル。
【請求項7】
前記第1補強部材と前記サイドシルインナーパネルとの間には溶接部が形成され、
前記第1補強部材と前記ピラーインナーパネルとの間には溶接部又は接着部が形成された、請求項6に記載の車両用サイドシル。
【請求項8】
前記第1補強部材と前記ピラーインナーパネルとの間には溶接部が形成され、
前記第1補強部材と前記サイドシルインナーパネルとの間には溶接部又は接着部が形成された、請求項6に記載の車両用サイドシル。
【請求項9】
前記サイドシルインナーパネル、前記ピラーインナーパネル、前記サイドシルアウタレインフォース及び前記サイドシルアウタパネルは、下端部又は上端部において三重又は四重に溶接される、請求項5に記載の車両用サイドシル。
【請求項10】
前記隔壁部材に隣接した前記第2補強部材の平坦面が、前記隔壁部材を基準にして対応する前記第1補強部材の平坦面より大きいサイズを有する、請求項3に記載の車両用サイドシル。
【請求項11】
前記第2補強部材の厚さ又は強度は、前記第1補強部材より薄い厚さ又は低い強度を有する、請求項10に記載の車両用サイドシル。
【請求項12】
前記サイドシルインナーパネルにピラーインナーパネルが結合した、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用サイドシル。
【請求項13】
前記ピラーインナーパネルに溶接用貫通孔が形成されており、
前記サイドシルインナーパネル、前記隔壁部材及び前記サイドシルアウタレインフォースは、上端部において三重に溶接される、請求項12に記載の車両用サイドシル。
【請求項14】
前記隔壁部材には、少なくとも1つの溶接用貫通孔が形成された、請求項12に記載の車両用サイドシル。
【請求項15】
前記隔壁部材には、一側の先端から中央に向かって凹んで形成された複数の溶接用貫通溝が形成された、請求項14に記載の車両用サイドシル。
【請求項16】
前記第2補強部材と前記サイドシルアウタレインフォースとの間には溶接部が形成され、
前記第2補強部材と前記隔壁部材との間には溶接部や接着部が形成された、請求項12に記載の車両用サイドシル。
【請求項17】
前記第1補強部材と前記サイドシルインナーパネルとの間には溶接部が形成され、
前記第1補強部材と前記隔壁部材との間には溶接部又は接着部が形成された、請求項12に記載の車両用サイドシル。
【請求項18】
前記サイドシルインナーパネル、前記隔壁部材及び前記サイドシルアウタレインフォースは、下端部において三重に溶接される、請求項14に記載の車両用サイドシル。
【請求項19】
前記サイドシルインナーパネル、前記隔壁部材、前記サイドシルアウタレインフォース及び前記サイドシルアウタパネルは、下端部において四重に溶接される、請求項14に記載の車両用サイドシル。
【請求項20】
前記サイドシルインナーパネル、前記隔壁部材、前記サイドシルアウタレインフォース及び前記サイドシルアウタパネルは、下端部において三重に溶接される、請求項15に記載の車両用サイドシル。
【請求項21】
前記隔壁部材と前記サイドシルアウタレインフォースとの間で、上端部には溶接部や接着部が形成され、
前記隔壁部材と前記サイドシルインナーパネルとの間で、上端部には溶接部が形成された、請求項12に記載の車両用サイドシル。
【請求項22】
前記サイドシルインナーパネルのフランジにピラーインナーパネルが結合され、
前記ピラーインナーパネル、前記サイドシルインナーパネル、前記隔壁部材及び前記サイドシルアウタレインフォースは、上端部において三重に溶接される、請求項15に記載の車両用サイドシル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドシルインナーパネルとサイドシルアウタパネルの内部に補強部材を配置して剛性を補強した車両用サイドシルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気自動車などのような車両の側方車体は、車両の長さ方向に沿って下部に延びるように形成されたサイドシルと、該サイドシルに一端が結合すると共に、他端は車両の高さ方向に延びるように形成されたピラーとを含む。ピラーは車体の支柱として機能し、サイドシルは車両の前方及び側方衝突の対応に重要な車体の構造体として作用する。
【0003】
サイドシルは、サイドシルインナーパネルとサイドシルアウタレインフォース及びサイドシルアウタパネルを含むことができる。ここで、サイドシルの内部が空になると、各種の衝突条件において座屈が発生しやすい。したがって、サイドシルの内部を様々な方式で補完している。例えば、アルミニウムを押出して形成した補強部材をサイドシルの内部に含むことができる。
【0004】
しかし、このような補強部材により、Bピラーの下端はサイドシルの内部断面との結合が困難であり、直接的な結合構造が形成されない。このため、サイドシルの断面が構造的に弱くなり、剛健性が不足するという問題がある。関連の先行技術としては、韓国公開特許公報2019-0081043Aに開示された発明がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、コスト及び重量を節減しながらも構造的にさらに剛健な車両用サイドシルを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例による車両用サイドシルは、サイドシルインナーパネルと;上記サイドシルインナーパネルと離隔して配置されたサイドシルアウタパネル;上記サイドシルアウタパネルに結合したサイドシルアウタレインフォース;上記サイドシルインナーパネルと上記サイドシルアウタレインフォースとの間に配置された隔壁部材;上記隔壁部材と上記サイドシルインナーパネルとの間に配置された第1補強部材;及び上記隔壁部材と上記サイドシルアウタレインフォースとの間に配置された第2補強部材を含むことができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、側方衝突時に衝撃吸収性能を向上させることができる。また、本発明によると、サイドシルとピラー又はその下端の構造的な剛性を向上させることができる。
【0008】
また、本発明によると、鉄鋼板材の補強部材を適用することができるため、既存のアルミニウムからなる補強部材に比べて素材の観点からコストの競争力を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施例による車両用サイドシルの断面図である。
【
図3】本発明の第1実施例による車両用サイドシルの組立方法を示す図である。
【
図4】本発明の第1実施例による車両用サイドシルの他の組立方法を示す図である。
【
図5】本発明の第2実施例による車両用サイドシルの断面図である。
【
図6】本発明の第2実施例による車両用サイドシルの作用を説明するための図である。
【
図7】(a)は本発明の第3実施例による車両用サイドシルの断面図であり、(b)は一部の構成要素を除去した状態を示す側面図である。
【
図8】本発明の第3実施例による車両用サイドシルの組立方法を示す図である。
【
図9】本発明の第3実施例による車両用サイドシルの他の組立方法を示す図である。
【
図10】本発明の第3実施例による車両用サイドシルのさらに他の組立方法を説明するための図である。
【
図11】
図9又は
図10の組立方法に使用できる隔壁部材の変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を例示的な図面を通して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同じ構成要素については、他の図面上に表されても可能な限り同じ符号を有するようにしていることに留意すべきである。
【0011】
図1は本発明の第1実施例による車両用サイドシルの断面図であり、
図2は
図1に示す補強部材の斜視図である。
【0012】
本発明の第1実施例による車両用サイドシルは、サイドシルインナーパネル2、サイドシルアウタレインフォース3、サイドシルアウタパネル4、隔壁部材、第1補強部材5、第2補強部材6を含むことができる。本発明の第1実施例において、隔壁部材は、ピラーインナーパネル1と一体に形成されるか、又はピラーインナーパネルに結合されることができる。以下の第1実施例に関する説明では、隔壁部材とピラーインナーパネルとを区分せず、ピラーインナーパネル1と通称する。
【0013】
例えば、電気自動車などのような車両は、側面の下部にサイドシルを含む。サイドシルは、例えば、センターフロアパネル10(
図7参照)又はリアフロアパネルにサイドシルインナーパネル2を結合することにより、車体に設置されることができる。
【0014】
サイドシルインナーパネル2は、高さ方向hに延びたピラーインナーパネル1の一側に結合することができる。例えば、Bピラーなどはピラーインナーパネルを含むことができる。ピラーインナーパネル1の他側にサイドシルアウタレインフォース3の一側が結合し、サイドシルアウタレインフォースの他側にはサイドシルアウタパネル4が結合する。
【0015】
サイドシルアウタパネル4は、ピラーインナーパネル1と離隔して配置されることができる。このようなサイドシルは、その下端部又は上端部においてサイドシルインナーパネル2、ピラーインナーパネル1、サイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルアウタパネル4が三重又は四重に溶接されることにより、一体に結合することができる。三重溶接又は四重溶接については以下で説明する。
【0016】
また、サイドシルの上端又は下端は、車体の長さ方向にそのラインに沿ってシーラー(図示せず)で処理されてシーリングが行われることができる。
【0017】
本発明の第1実施例による車両用サイドシルは、ピラーインナーパネル1とサイドシルインナーパネル2との間に配置される第1補強部材5を含むことができ、ピラーインナーパネル1とサイドシルアウタレインフォース3との間に配置される第2補強部材6を含むことができる。
【0018】
例えば、第1補強部材5と第2補強部材6とは同じ形状に形成されてもよい。
図1及び
図2に示すように、第1補強部材及び第2補強部材は、断面が蛇行状に折り曲げられた形状を有することができる。
【0019】
具体的に例えば、板材が一端から所定長さで延びた後、第1方向(
図2において反時計方向)に1回折り曲げられ、所定長さでさらに延びて平坦面P2を形成した後、もう一度同じ方向に1回折り曲げられる。次いで、所定長さで延びた後、最初の折り曲げ方向と反対の第2方向(
図2において時計方向)に1回折り曲げられ、所定長さでさらに延びて平坦面P1を形成した後、もう一度最初の折り曲げ方向の反対方向に1回折り曲げられる。
【0020】
このようにして所定の長さで延びた後に折り曲げられる方式を繰り返し、所望の数の平坦面が形成されてから板材は他端で終結する。その後に、板材の両端は、フランジFを形成できるように時計方向又は反時計方向にそれぞれ折り曲げられることができる。
【0021】
ここで、平坦面P1、P2とフランジFの延長長さは、溶接で形成された溶接部W又は接着剤の塗布により形成された接着部B等のような接合部を考慮して10~15mm程度の範囲を有することが好ましい。また、折り曲げられた部分における内角は90度~120度程度の範囲を有することができる。
【0022】
第1補強部材5と第2補強部材6は、車体の長さ方向にサイドシルの内部をほぼ満たす程度の長さを有している。第1補強部材5と第2補強部材6が数回折り曲げられた形状を有することにより、サイドシルの側方に作用する衝撃エネルギーだけでなく、前後方で作用する衝撃エネルギーに対する剛性も確保できるようになる。
【0023】
また、第1補強部材5と第2補強部材6は、ピラーインナーパネル1を基準にして互いに対称に配置されてもよい。このために、第1補強部材5と第2補強部材6は、サイドシルインナーパネル2とサイドシルアウタレインフォース3との間の空間を二分可能な車体の幅方向への長さを有することができる。
【0024】
第1補強部材5の平坦面P1、P2とフランジFは、溶接、接着剤等によりそれぞれピラーインナーパネル1及びサイドシルインナーパネル2に接合されることができる。これにより、平坦面P1、P2とフランジFには、溶接部W又は接着部Bが形成されることができる。
【0025】
第2補強部材6の平坦面P1、P2とフランジFは、溶接、接着剤等によりそれぞれピラーインナーパネル1及びサイドシルアウタレインフォース3に接合されることができる。これにより、平坦面P1、P2とフランジFには、溶接部W又は接着部Bが形成されることができる。
【0026】
このように本発明の第1実施例による車両用サイドシルは、サイドシルの断面の構造的な剛性を低下させないようにBピラー等のようなピラーのインナーパネルに結合することができる。さらに、本発明の第1実施例による車両用サイドシルが同じ形状を有する2つの補強部材を採用することにより、例えば、金型等に要するコストを大幅に節減することもできる。
【0027】
図3は、本発明の第1実施例による車両用サイドシルの組立方法を示す図である。車体の組み立ては、アンダーボディアセンブリとサイドストラクチャアセンブリとを結合してなる。ここで、サイドシルインナーパネル2はアンダーボディアセンブリに含まれ、ピラーインナーパネル1、サイドシルアウタレインフォース3、サイドシルアウタパネル4等はサイドストラクチャアセンブリに含まれる。
【0028】
本発明の第1実施例による車両用サイドシルにおいて、第1補強部材5はアンダーボディアセンブリ、すなわち、サイドシルインナーパネル2に結合され、第2補強部材6はサイドストラクチャアセンブリに組み立てられることができる。
【0029】
特に、第2補強部材6は、ピラーインナーパネル1と結合する前にサイドシルアウタレインフォース3に結合することができる。このとき、第2補強部材とサイドシルアウタレインフォースの結合には、例えば、スポット溶接等のような接合が適用され、第2補強部材のフランジF及び平坦面P1とサイドシルアウタレインフォースの内面の間に溶接部Wが形成されることができる。
【0030】
ピラーインナーパネル1と第2補強部材6とを結合する際には、第2補強部材の一側が遮蔽されており、通常の双方向スポット溶接が困難であるため、一方向スポット溶接や構造用接着剤を用いて第2補強部材の平坦面P2をピラーインナーパネルの一側に接合することができる。
図3には、接着剤を用いて接着部Bが形成された例が示されている。
【0031】
次いで、ピラーインナーパネル1とサイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルアウタパネル4は、その下端部又は上端部において三重に溶接されることができる。あるいは/同時に、後述するようにピラーインナーパネル1とサイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルアウタパネル4は、その下端部又は上端部においてサイドシルインナーパネル2と共に四重に溶接されることにより一体的に結合することができる。
【0032】
一方、アンダーボディアセンブリ側の第1補強部材5は、サイドシルインナーパネル2と双方向スポット溶接が可能であり、第1補強部材のフランジF及び平坦面P1とサイドシルインナーパネルの内面の間に溶接部Wが形成されることができる。
【0033】
第1補強部材5が組み立てられたアンダーボディアセンブリと、第2補強部材6が組み立てられたサイドストラクチャアセンブリとを結合する際には、ピラーインナーパネル1と第1補強部材5に一方向スポット溶接や構造用接着剤を用いて第1補強部材の平坦面P2をピラーインナーパネルに接合することができる。
【0034】
最後に、サイドシルインナーパネル2、ピラーインナーパネル1、サイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルアウタパネル4は、その下端部又は上端部において四重に溶接されることにより、一体的かつ構造的に安定して結合することができる。これにより、アンダーボディアセンブリとサイドストラクチャアセンブリ間の結合が完了するようになる。
【0035】
図4は、本発明の第1実施例による車両用サイドシルの他の組立方法を示す図である。
図4に示す他の組立方法は、アンダーボディアセンブリ側の組立方法のみが異なり、残りの組立方法は、上述した
図3に示す組立方法と同じである。そこで、本発明の第1実施例による車両用サイドシルの他の組立方法を説明するにあたり、上述した組立方法と同じ内容については、その詳細な説明を省略する。
【0036】
図3を参照して説明した組立方法では、ピラーインナーパネル1と第1補強部材5間の結合が構造用接着剤によってなされるため、その接合強度がやや弱くなる恐れがある。
【0037】
これを解消するために、
図4に示す他の組立方法では、先ず第1補強部材5がピラーインナーパネル1と結合する。このとき、第1補強部材とピラーインナーパネルとの結合には、例えば、双方向スポット溶接等のような接合が適用され、第1補強部材の平坦面P2とピラーインナーパネルとの間に溶接部Wが形成されることができる。これにより、ピラーインナーパネル1と第1補強部材5間の結合において接合強度が強化するという利点がある。
【0038】
その後に、ピラーインナーパネル1は、サイドシルアウタレインフォース3と組み立てられた第2補強部材6に一方向スポット溶接や構造用接着剤Bを用いて第2補強部材の平坦面P2と接合することができる。
図4には、接着剤を用いて接着部Bが形成された例が示されている。
【0039】
ピラーインナーパネル1において、第2補強部材6の反対側に組み立てられた第1補強部材5がサイドシルインナーパネル2に結合するときにも、第1補強部材の一側が遮蔽されており、通常の双方向スポット溶接が困難であるため、一方向スポット溶接や構造用接着剤を用いて第1補強部材のフランジF及び平坦面P1とサイドシルインナーパネルの内面を接合することができる。
【0040】
最後に、サイドシルインナーパネル2、ピラーインナーパネル1、サイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルアウタパネル4は、その下端部又は上端部において四重に溶接されることにより、一体的かつ構造的に安定して結合することができる。これにより、アンダーボディアセンブリとサイドストラクチャアセンブリ間の結合が完了するようになる。
【0041】
図5は、本発明の第2実施例による車両用サイドシルの断面図であり、
図6は、本発明の第2実施例による車両用サイドシルの作用を説明するための図である。本発明の第2実施例による車両用サイドシルは、サイドシルインナーパネル2、サイドシルアウタレインフォース3、サイドシルアウタパネル4、隔壁部材、第1補強部材5、第2補強部材6’を含むことができる。
【0042】
本発明の第2実施例において、隔壁部材は、ピラーインナーパネル1と一体に形成されるか、又はピラーインナーパネルに結合することができる。以下の第2実施例に関する説明では、隔壁部材とピラーインナーパネルとを区分せず、ピラーインナーパネル1と通称する。
【0043】
また、本発明の第2実施例は、ピラーインナーパネル1とサイドシルアウタレインフォース3との間に備えられた第2補強部材6’のみが異なり、残りの構成要素は、
図1~
図4に示されて説明された第1実施例の構成要素と同じである。そこで、本発明の第2実施例による車両用サイドシルを説明するにあたり、上述した第1実施例による車両用サイドシルと同じ構成要素については同じ符号を付し、その構成及び機能の詳細な説明を省略する。
【0044】
本発明の第2実施例による車両用サイドシルは、ピラーインナーパネル1、すなわち、隔壁部材に隣接した第2補強部材6’の平坦面P2がピラーインナーパネルを基準にして対応する第1補強部材5の平坦面P2より大きいサイズを有するように形成されてもよい。これにより、第1補強部材5と第2補強部材6は多少異なる形状に形成される。
【0045】
また、ピラーインナーパネル1とサイドシルアウタレインフォース3との間に備えられた第2補強部材6’の厚さ又は強度は、ピラーインナーパネル1とサイドシルインナーパネル2との間に備えられた第1補強部材5より薄い厚さ又は低い強度を有する。
【0046】
このように構成すると、側方衝突時には、
図6に示すように、外側の第2補強部材6’が先に変形するようになり、これによって内側の第1補強部材5が第2補強部材の変形した空間内に挿入される挙動を示すことができる。
【0047】
これにより、本発明の第2実施例による車両用サイドシルは、第2補強部材6’と第1補強部材5とが二重に圧潰されながら衝突エネルギーを段階的に吸収して優れた衝突エネルギー吸収能を示すことができるという利点が得られる。ここで、本発明の第2実施例による車両用サイドシルには、
図3及び
図4を参照して説明した組立方法を同様に適用できることは当然である。
【0048】
図7の(a)は本発明の第3実施例による車両用サイドシルの断面図であり、(b)は一部の構成要素を除去した状態を示す側面図である。本発明の第3実施例による車両用サイドシルは、サイドシルインナーパネル2、サイドシルアウタレインフォース3、サイドシルアウタパネル4、隔壁部材7、第1補強部材5、第2補強部材6を含むことができる。
【0049】
本発明の第3実施例は、隔壁部材7と分離されたピラーインナーパネル1との結合関係及び配置関係のみが異なり、残りの構成要素は、
図1~
図4に示されて説明された第1実施例の構成要素と同じである。そこで、本発明の第3実施例による車両用サイドシルを説明するにあたり、上述した第1実施例による車両用サイドシルと同じ構成要素については同じ符号を付し、その構成及び機能の詳細な説明を省略する。
【0050】
サイドシルインナーパネル2は、高さ方向hに延びたピラーインナーパネル1の一部と結合することができる。例えば、Bピラーなどはピラーインナーパネルを含むことができる。サイドシルアウタパネル4は、ピラーインナーパネル1と離隔して配置されることができる。また、サイドシルアウタパネル4は、サイドシルアウタレインフォース3の一部と結合することができる。
【0051】
隔壁部材7は、サイドシルインナーパネル2とサイドシルアウタレインフォース3との間に介在されながらサイドシルの内部空間を2つの空間に区画するように配置されることができる。このような隔壁部材は、例えば、鉄鋼板材のような金属板材で形成することができる。
【0052】
隔壁部材7は、厚さ方向(t;例えば、車体の幅方向)に折曲又は湾曲されることができる。隔壁部材7は、幅方向(w;例えば、車体の長さ方向)に延びた少なくとも1つの溶接用貫通孔7aが形成されることができる。溶接用貫通孔を介して、例えば、スポット溶接機などが貫通し、後述する第1補強部材5とサイドシルインナーパネル2との間に溶接による接合が行われることができる。
【0053】
サイドシルは、その下端部又は上端部においてサイドシルインナーパネル2、隔壁部材7、サイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルアウタパネル4が三重又は四重に溶接されることにより、一体に結合することができる。
【0054】
本発明の第3実施例による車両用サイドシルは、隔壁部材7とサイドシルインナーパネル2との間に配置される第1補強部材5を含むことができ、隔壁部材7とサイドシルアウタレインフォース3との間に配置される第2補強部材6を含むことができる。例えば、第1補強部材5と第2補強部材6は同じ形状に形成されてもよい。
図7及び
図2に示すように、第1補強部材及び第2補強部材は、断面が蛇行状に折り曲げられた形状を有することができる。
【0055】
第1補強部材5と第2補強部材6は、車体の長さ方向にサイドシルの内部をほぼ満たす程度の長さを有することができる。第1補強部材5と第2補強部材6が数回折り曲げられた形状を有することにより、サイドシルの側方に作用する衝撃エネルギーだけでなく、前後方で作用する衝撃エネルギーに対する剛性も確保できるようになる。例えば、第1補強部材5と第2補強部材6とは、隔壁部材7を基準にして互いに対称に配置されてもよい。
【0056】
このために、第1補強部材5と第2補強部材6は、サイドシルインナーパネル2とサイドシルアウタレインフォース3との間の空間を二分可能な車体の幅方向への長さを有することができる。
【0057】
第1補強部材5の平坦面P1、P2とフランジFは、溶接等により隔壁部材7とサイドシルインナーパネル2に接合されることができる。これにより、平坦面P1、P2とフランジFには溶接部Wを形成することができる。しかし、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて溶接の代わりに接着剤を塗布して接着部Bを形成することによって接合することもできる。
【0058】
第2補強部材6の平坦面P1、P2とフランジFは、溶接、接着剤等により隔壁部材7とサイドシルアウタレインフォース3に接合されることができる。これにより、平坦面P1、P2とフランジFには溶接部W又は接着部Bを形成することができる。
【0059】
このように本発明の第3実施例による車両用サイドシルは、サイドシルの断面の構造的な剛性を低下させないようにBピラー等のようなピラーのインナーパネルに結合すると同時に、補強材として作用する隔壁部材を備えることができる。
【0060】
さらに、本発明の第3実施例による車両用サイドシルが同一の形状を有する2つの補強部材を採用することにより、例えば、金型等に要するコストを大幅に節減することもできる。
【0061】
図8は、本発明の第3実施例による車両用サイドシルの組立方法を示す図である。上述のように、車体の組み立ては、アンダーボディアセンブリとサイドストラクチャアセンブリとを結合してなる。ここで、サイドシルインナーパネル2はアンダーボディアセンブリに含まれ、サイドシルアウタレインフォース3、サイドシルアウタパネル4などはサイドストラクチャアセンブリに含まれる。
【0062】
本発明の第3実施例による車両用サイドシルにおいて、第1補強部材5は、隔壁部材7と共にアンダーボディアセンブリ、すなわち、サイドシルインナーパネル2に結合され、第2補強部材6はサイドストラクチャアセンブリに組み立てられることができる。
【0063】
特に、第2補強部材6は、隔壁部材7と結合する前にサイドシルアウタレインフォース3に結合することができる。このとき、第2補強部材とサイドシルアウタレインフォース3の結合には、例えば、スポット溶接等のような接合が適用され、第2補強部材のフランジF及び平坦面P1とサイドシルアウタレインフォース3の内面の間に溶接部Wが形成されることができる。
【0064】
図8のように、サイドシルアウタパネル4の下端がサイドシルアウタレインフォース3の下端まで延びない場合に、サイドシルアウタパネル4は、第2補強部材6とサイドシルアウタレインフォース3が結合するときに、第2補強部材のフランジF及び平坦面P1と対応する位置で三重に溶接されることができる。
【0065】
隔壁部材7と第2補強部材6とを結合する際には、隔壁部材の一側が遮蔽されるか、又は第2補強部材の一側が遮蔽されており、通常の双方向スポット溶接が困難であるため、一方向スポット溶接や構造用接着剤を用いて第2補強部材の平坦面P2を隔壁部材の一側に接合することができる。
図8には、接着剤を用いて接着部Bが形成された例が示されている。
【0066】
次いで、隔壁部材7とサイドシルアウタレインフォース3は、その下端部においてサイドシルインナーパネル2と共に三重に溶接されることにより一体に結合することができる。これに対し、隔壁部材とサイドシルアウタレインフォースは、その上端部において一方向スポット溶接や構造用接着剤を用いて互いに接合することができる。
図8には、接着剤を用いて接着部Bが形成された例が示されている。
【0067】
一方、アンダーボディアセンブリ側の第1補強部材5は、先に隔壁部材7と結合することができる。第1補強部材と隔壁部材との結合には、例えば、双方向スポット溶接等のような接合が適用され、第1補強部材の平坦面P2と隔壁部材の他側との間に溶接部Wが形成されることができる。これにより、隔壁部材7と第1補強部材5間の接合には接合強度が強化するという利点がある。
【0068】
また、サイドシルインナーパネル2とピラーインナーパネル1とは、スポット溶接等により互いに接合されることができる。例えば、サイドシルインナーパネルの傾斜面とピラーインナーパネルの端部との間に溶接部Wを形成することができる。
【0069】
その後に、隔壁部材7及び第1補強部材5で構成された組立体をピラーインナーパネル1と結合したサイドシルインナーパネル2に結合する際には、隔壁部材に形成された溶接用貫通孔7aを用いて第1補強部材とサイドシルインナーパネルとの間の双方向スポット溶接が可能である。これにより、第1補強部材のフランジF及び/又は平坦面P1とサイドシルインナーパネルの内面との間に溶接部Wを形成することができる。
【0070】
次いで、隔壁部材7とサイドシルインナーパネル2とは、その上端部においてスポット溶接等により互いに接合されることができる。第1補強部材5が組み立てられたアンダーボディアセンブリと、第2補強部材6が組み立てられたサイドストラクチャアセンブリとを結合する際には、上述したように一方向スポット溶接や構造用接着剤を用いて、第2補強部材の平坦面P2を隔壁部材7の一側に接合し、隔壁部材とサイドシルアウタレインフォース3の上端部とを互いに接合することができる。
【0071】
最後に、隔壁部材7とサイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルインナーパネル2は、その下端部において三重に溶接されることにより、一体的かつ構造的に安定して結合することができる。これにより、アンダーボディアセンブリとサイドストラクチャアセンブリ間の結合が完了するようになる。
【0072】
図9は、本発明の第3実施例による車両用サイドシルの他の組立方法を示す図である。
図9に示す他の組立方法は、サイドストラクチャアセンブリ側のサイドシルアウタパネルの組立方法のみが異なり、残りの組立方法は、上述した
図8に示した組立方法と同じである。そこで、本発明の第3実施例による車両用サイドシルの他の組立方法を説明するにあたり、上述した組立方法と同じ内容についてはその詳細な説明を省略する。
【0073】
図9のように、サイドシルアウタパネル4の下端がサイドシルアウタレインフォース3の下端まで延びる場合に、サイドシルアウタパネルは、隔壁部材7とサイドシルアウタレインフォース及びサイドシルインナーパネル2と共にその下端部において四重に溶接されることができる。
【0074】
同様に、隔壁部材7と第2補強部材6とを結合する際には、通常の双方向スポット溶接が困難であるため、一方向スポット溶接や構造用接着剤を用いて第2補強部材の平坦面P2を隔壁部材の一側に接合することができる。
図9には、接着剤を用いて接着部Bが形成された例が示されている。
【0075】
隔壁部材7とサイドシルアウタレインフォース3とは、その上端部において一方向スポット溶接や構造用接着剤を用いて互いに接合することができる。あるいは、例えば、サイドシルインナーパネル2と結合したピラーインナーパネル1に溶接用貫通孔1aを形成することができ、このような場合に、溶接用貫通孔を介して、例えば、スポット溶接機等が貫通して、隔壁部材7とサイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルインナーパネル2は、その上端部において三重に溶接されることが可能となる。
【0076】
もちろん、隔壁部材7とサイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルインナーパネル2は、上述したようにサイドシルアウタパネル4と共にその下端部において四重に溶接され、一体的にかつ構造的に安定して結合することができる。これにより、アンダーボディアセンブリとサイドストラクチャアセンブリ間の結合が完了するようになる。
【0077】
図10は、本発明の第3実施例による車両用サイドシルの他の組立方法を説明するための図である。
図10に示す他の組立方法は、アンダーボディアセンブリ側の組立方法と、隔壁部材とサイドシルアウタレインフォース及びサイドシルインナーパネルの上端部における結合関係のみが異なり、残りの組立方法は上述の
図8に示す組立方法と同じである。そこで、本発明の第3実施例による車両用サイドシルのさらに他の組立方法を説明するにあたり、上述した組立方法と同じ内容についてはその詳細な説明を省略する。
【0078】
図10に示すように、サイドシルインナーパネル2とピラーインナーパネル1とはスポット溶接等により互いに接合されることができるが、例えば、サイドシルインナーパネルの傾斜面2aとピラーインナーパネルの端部1bとの間、並びにサイドシルインナーパネルのフランジ2bとピラーインナーパネルの側壁1cとの間に溶接部Wを形成することができる。
【0079】
このように二重に溶接部Wを形成することにより、ピラーインナーパネル1とサイドシルインナーパネル2間の接合において接合強度が強化するという利点がある。このために、サイドシルインナーパネル2の傾斜面2aとピラーインナーパネル1の端部1bとの間にスポット溶接等による溶接部Wが先に形成されることができる。
【0080】
その後に、隔壁部材7及び第1補強部材5で構成された組立体を、ピラーインナーパネル1と結合したサイドシルインナーパネル2に結合する。上述したように、第1補強部材のフランジF及び/又は平坦面P1とサイドシルインナーパネルの内面の間に溶接部Wを形成することができる。
【0081】
第1補強部材5が組み立てられたアンダーボディアセンブリと、第2補強部材6が組み立てられたサイドストラクチャアセンブリとを結合する際には、一方向スポット溶接や構造用接着剤を用いて、第2補強部材の平坦面P2を隔壁部材7の一側に接合することができる。
図10には、接着剤を用いて接着部Bが形成された例が示されている。
【0082】
最後に、隔壁部材7とサイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルインナーパネル2は、その下端部において三重に溶接される一方、上端部ではピラーインナーパネル1と共に四重に溶接されることにより、一体的かつ構造的に安定して結合することができる。これにより、アンダーボディアセンブリとサイドストラクチャアセンブリ間の結合が完了するようになる。
【0083】
図11は、
図9又は
図10の組立方法に使用できる隔壁部材の変形例を示す側面図である。ここに示されたように、隔壁部材7の上端又は下端には、その先端から中央に向かって凹んで形成された複数の溶接用貫通溝7bが形成されることができる。
【0084】
図9又は
図10の組立方法のうち、必要に応じて四重溶接による接合が行われるため、その接合強度がやや弱くなる恐れがある。これを解消するために、溶接用貫通溝7bが隔壁部材7の上端又は下端に形成されることにより、隔壁部材と共に四重に溶接される必要がある部分において三重溶接が適用できるようになる。
【0085】
例えば、
図9において、サイドシルアウタパネル4が隔壁部材7とサイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルインナーパネル2と共にその下端部において四重に溶接される必要がある場合に、隔壁部材の下端に複数の溶接用貫通溝7bが形成されることにより隔壁部材の溶接が回避され、結局、サイドシルアウタパネル4とサイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルインナーパネル2間の三重溶接がなされることができる。
【0086】
また、
図10においてピラーインナーパネル1と共に、隔壁部材7とサイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルインナーパネル2がその上端部において四重に溶接される必要がある場合に、隔壁部材の上端に複数の溶接用貫通溝7bが形成されることにより隔壁部材の溶接が回避され、結局、サイドシルアウタレインフォース3及びサイドシルインナーパネル2とピラーインナーパネル1間の三重溶接がなされることができる。
【0087】
四重溶接の代わりに三重に溶接されることにより、アンダーボディアセンブリとサイドストラクチャアセンブリ間の結合が一体的かつ構造的により安定してなされることができる利点がある。
【0088】
本発明による車両用サイドシルによると、サイドシル内に設置された2つの補強部材が側方衝突時に乗客及びバッテリを保護可能になると共に、構造的に更に剛健なサイドシルが提供できるようになる。
【0089】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で様々な修正及び変形が可能である。例えば、本発明の上述の組立方法は互いに組み合わせることができ、各組立方法は他の組立方法の一部の構成要素を採用することもできる。
【0090】
したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は以下の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上のように、本発明は車両の側方車体を構成する上で有用である。
【国際調査報告】