(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-17
(54)【発明の名称】動的無線電力伝送ベースパッド
(51)【国際特許分類】
H02J 50/40 20160101AFI20221110BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221110BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20221110BHJP
H02J 50/70 20160101ALI20221110BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20221110BHJP
B60L 53/122 20190101ALI20221110BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20221110BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20221110BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20221110BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H02J50/10
H02J50/70
B60M7/00 X
B60L53/122
B60L5/00 B
H01F38/14
H01F27/28 K
H01F27/28 123
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517182
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(85)【翻訳文提出日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 US2020051067
(87)【国際公開番号】W WO2021055473
(87)【国際公開日】2021-03-25
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522104657
【氏名又は名称】ユタ ステイト ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】アブヒラッシュ カミネニ
(72)【発明者】
【氏名】リーバル ニムリ
【テーマコード(参考)】
5E043
5G503
5H105
5H125
【Fターム(参考)】
5E043AB05
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503FA06
5G503GB08
5H105BA09
5H105BB05
5H105CC02
5H105CC19
5H105DD10
5H105EE15
5H125AA01
5H125AC04
5H125AC12
5H125BE02
5H125DD02
5H125FF15
(57)【要約】
動的無線電力伝送ベースパッドは、ハウジング、第1導体、第2導体、および第3導体を含むことができる。第1導体は、周囲にほぼ沿ってハウジング内に配置でき、第1磁場を生成するための第1電流を伝導するように構成できる。第2導体は、ハウジング内の第1端部に配置でき、第2磁場を生成するための第2電流を伝導するように構成できる。第1端部における磁場は、第1磁場の、第2磁場との構造的重畳を含むことができる。第3導体は、ハウジング内の第2端部に配置でき、第3磁場を生成するための第3電流を伝導するように構成できる。第2端部における磁場は、第1磁場の、第3磁場との構造的重畳を含むことができる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的無線電力伝送ベースパッドであって、
第1軸と第2軸により画定される簡易閉曲線形状と、前記第1軸に沿う第1端部と、前記第1軸に沿う第2端部を有するハウジングと、
前記ハウジングの周囲にほぼ沿って前記ハウジング内に配置され、第1磁場を生成するための第1電流を伝導するように構成されている第1導体と、
前記第1端部において前記ハウジング内に配置され、前記第1端部における磁場が、前記第1磁場の、第2磁場との構造的重畳を備えるように、前記第2磁場を生成するための第2電流を伝導するように構成されている第2導体と、
前記第2端部において前記ハウジング内に配置され、前記第2端部における磁場が、前記第1磁場の、第3磁場との構造的重畳を備えるように、前記第3磁場を生成するための第3電流を伝導するように構成されている第3導体を備え、
前記動的無線電力伝送ベースパッドは、道路の下、前記道路に隣接して、または前記道路の上の少なくとも1つに設置されるように構成されている、
動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項2】
前記簡易閉曲線形状は長方形、楕円、またはスーパー楕円である、または
前記第1軸に沿う前記ハウジングの寸法の値は、前記第2軸に沿う前記ハウジングの寸法の値よりも大きいことの少なくとも1つである、
請求項1の動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項3】
前記第1導体は前記第1電流を、前記第2導体は前記第2電流を、および前記第3導体は前記第3電流を、前記道路上方の、前記第1軸に平行な線に沿って第4磁場を、前記動的無線電力伝送ベースパッドの中心と反対側の前記線上の点における前記第4磁場の強度が、前記第1端部と反対側の前記線上の点における前記第4磁場の強度にほぼ等しく、前記第2端部と反対側の前記線上の点における第4磁場の強度とほぼ等しくなるように生成すべく伝導するように構成されている、
請求項1の動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項4】
前記第1導体、前記第2導体、または前記第3導体の少なくとも1つの幅と、
前記第1導体の前記第2軸に沿う寸法と、
前記第2導体または前記第3導体の少なくとも1つの、前記第1軸に沿う寸法と、または、
前記ハウジング内に配置された磁気コアの、前記第2軸に沿う寸法の少なくとも1つの値は、前記動的無線電力伝送ベースパッドの中心と反対側の前記線上の点における前記第4磁場の強度が、前記第1端部と反対側の前記線上の点における前記第4磁場の強度にほぼ等しく、前記第2端部と反対側の前記線上の点における前記第4磁場の強度とほぼ等しくなるように設定される、
請求項3の動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項5】
前記ハウジングの前記周囲にほぼ沿って前記ハウジング内に配置され、第4磁場を生成するための第4電流を伝導するように構成されている第4導体と、
前記第1端部において前記ハウジング内に配置され、前記第1端部における磁場が、前記第4磁場の、第5磁場との構造的重畳を更に備えるように、前記第5磁場を生成するための第5電流を伝導するように構成されている第5導体と、
前記第2端部において前記ハウジング内に配置され、前記第2端部における磁場が、前記第4磁場の、第6磁場との構造的重畳を更に備えるように、前記第6磁場を生成するための第6電流を伝導するように構成されている第6導体と、を備え、
前記ハウジング内の空間は、第1半部と第2半部を備え、
前記第1導体、前記第2導体、および前記第3導体は、前記第1半部に配置され、
前記第4導体、前記第5導体、および前記第6導体は、前記第2半部に配置される、
請求項1の動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項6】
前記第1導体の第1部分の第1端部は第1リード線を有し、
前記第1導体の前記第1部分の第2端部は、前記第2導体の第1端部に直列に接続され、
前記第2導体の第2端部は、前記第1導体の第2部分の第1端部に直列に接続され、
前記第1導体の前記第2部分の第2端部は、前記第3導体の第1端部に直列に接続され、
前記第3導体の第2端部は第2リード線を有し、
前記第2電流は前記第1電流であり、
前記第3電流は前記第1電流である、
請求項1の動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項7】
前記第1導体、前記第2導体、または前記第3導体の少なくとも1つは、ワイヤのコイルを備え、
前記ワイヤのコイルは、ほぼ螺旋形状またはほぼ渦巻き形状を有している、
請求項1の動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項8】
前記ワイヤはリッツ(Litz)ワイヤを備えている、請求項7の動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項9】
磁気コアを更に備え、
前記ワイヤのコイルは前記磁気コアを取り囲んでいる、
請求項7の動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項10】
前記動的無線電力伝送ベースパッドの中心における前記磁気コアの厚さは、前記第1端部または前記第2端部の少なくとも1つにおける前記磁気コアの厚さ未満である、請求項9の動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項11】
前記第1導体は、第1巻き数を有するワイヤの第1コイルを備え、
前記第2導体は、第2巻き数を有する前記ワイヤの第2コイルを備え、
前記第3導体は、第3巻き数を有する前記ワイヤの第3コイルを備えている、
請求項1の動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項12】
前記第1導体は前記第1電流を、前記第2導体は前記第2電流を、そして前記第3導体は前記第3電流を、前記道路上方の、前記第1軸に平行な線に沿って第4磁場を生成すべく伝送するように構成されており、
前記第1巻き数、前記第2巻き数、または前記第3巻き数の少なくとも1つの値は、前記動的無線電力伝送ベースパッドの中心と反対側の前記線上の点における前記第4磁場の強度が、前記第1端部と反対側の前記線上の点における前記第4磁場の強度にほぼ等しく、前記第2端部と反対側の前記線上の点における前記第4磁場の強度にほぼ等しくなるように設定される、請求項11の動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項13】
前記第1導体、前記第2導体、または前記第3導体の少なくとも1つは、金属の細片を備えている、請求項1の動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項14】
前記第2電流は前記第1電流とは異なり、
前記第3電流は前記第1電流とは異なり、または、
前記第3電流は前記第2電流とは異なることの少なくとも1つである、
請求項1の動的無線電力伝送ベースパッド。
【請求項15】
動的無線電力伝送ベースシステムであって、
第1軸により画定される簡易閉曲線形状と、第1磁場を生成するための少なくとも1つの第1電流を伝導するように構成されている少なくとも1つの第1導体を有する第1動的無線電力伝送ベースパッドと、
第2軸により画定される前記簡易閉曲線形状と、第2磁場を生成するための少なくとも1つの第2電流を伝導するように構成されている少なくとも1つの第2導体を有する第2動的無線電力伝送ベースパッドとを備え、
動的無線電力伝送ベースシステムは、道路の下、前記道路に隣接して、または、前記道路の上の少なくとも1つに設置されるように構成されており、
前記第1磁場の強度は、前記道路上方の特定の距離における、前記第1軸に平行な第1線に沿ってほぼ等しく、
前記第2磁場の強度は、前記道路上方の前記特定の距離における、前記第2軸に平行な第2線に沿ってほぼ等しく、
前記第1動的無線電力伝送ベースパッドは、前記動的無線電力伝送ベースシステムが設置された後、前記第2動的無線電力伝送ベースパッドに隣接して配置され、
前記動的無線電力伝送ベースシステムは、前記動的無線電力伝送ベースシステムが設置された後、前記道路により画定される平面に直交する何れの線も、前記少なくとも1つの第1導体と前記少なくとも1つの第2導体の両者と交差しないように構成されている、
動的無線電力伝送ベースシステム。
【請求項16】
前記第1動的無線電力伝送ベースパッドまたは前記第2動的無線電力伝送ベースパッドの少なくとも1つは、前記第1軸または前記第2軸である第3軸と第4軸により画定される簡易閉曲線形状、前記第3軸に沿う第1端部、および前記第3軸に沿う第2端部を有しているハウジングを備え、
前記第1磁場を生成するための前記少なくとも1つの第1電流を伝導するように構成されている前記少なくとも1つの第1導体または前記第2磁場を生成するための前記少なくとも1つの第2電流を伝導するように構成されている前記少なくとも1つの第2導体の少なくとも1つは、
前記ハウジングの周囲にほぼ沿って前記ハウジング内に配置され、第3磁場を生成するための第3電流を伝導するように構成されている第3導体と、
前記第1端部において前記ハウジング内に配置され、前記第1端部における磁場が、前記第3磁場の、第4磁場との構造的重畳を備えるように、前記第4磁場を生成するための第4電流を伝導するように構成されている第4導体と、
前記第2端部において前記ハウジング内に配置され、前記第2端部における磁場が、前記第3磁場の、第5磁場との構造的重畳を備えるように、前記第5磁場を生成するための第5電流を伝導するように構成されている第5導体と、を備え、
前記第1磁場または前記第2磁場の少なくとも1つは、前記第3磁場、前記第4磁場、および前記第5磁場を備える、
請求項15の動的無線電力伝送ベースシステム。
【請求項17】
前記動的無線電力伝送ベースシステムが設置された後、前記第1軸は前記第2軸である、請求項15の動的無線電力伝送ベースシステム。
【請求項18】
前記動的無線電力伝送ベースシステムが設置された後、前記第1軸は前記第2軸とは異なる、請求項15の動的無線電力伝送ベースシステム。
【請求項19】
前記第1線は前記第2線と交差する、または
前記第1磁場の強度は、前記第2磁場の強度とほぼ等しいことの少なくとも1つである、請求項17の動的無線電力伝送ベースシステム。
【請求項20】
組み合わされた磁場を生成するための方法であって、
ある長さを有する第1導体により第1電流を、第1磁場を生成するために伝導させることと、
前記第1導体の第1端部に配置されている第2導体により第2電流を、前記第1端部における磁場が、前記第1磁場の、第2磁場との構造的重畳を備えるように前記第2磁場を生成するために伝導させることと、
前記第1導体の、前記第1端部と反対側の第2端部において配置されている第3導体により第3電流を、前記第2端部における磁場が、前記第1磁場と、第3磁場との構造的重畳を備えるように前記第3磁場を生成するために伝導させることと、
を有し、
前記組み合わされた磁場は、前記長さに平行な線に沿って生成され、前記長さの中心と反対側の前記線上の点における前記組み合わされた磁場の強度が、前記第1端部と反対側の前記線上の点における前記組み合わされた磁場の強度とほぼ等しく、前記第2端部と反対側の前記線上の点における前記組み合わされた磁場の強度とほぼ等しくなるように、前記長さに平行な線に沿って生成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された技術は、電気自動車のバッテリを再充電するための機構に向けられている。具体的には、開示された技術は、電気自動車のバッテリを再充電するための動的無線電力伝送(DWPT)システムに向けられている。
【背景技術】
【0002】
従来の動力車両のエンジンは、燃焼プロセスを介して、推進力を生成するために化石燃料を消費することができる。燃焼プロセスの廃棄生成物は汚染物質を含んでいる可能性があるので、推進力を異なる機構から生成する努力がなされてきた。そのような努力の中で、電気モータを、推進力を生成するために使用できるものがある。電気モータへの電力は例えば、バッテリにより提供される。典型的に、バッテリは、必要であれば、ワイヤにより再充電のために交流電源に接続できるように構成できる。あいにく、この方法でバッテリを再充電することは、20分から6時間にもなり得る時間を必要とする可能性が高い。
【発明の概要】
【0003】
ある実施形態においては、動的無線電力伝送ベースパッドは、ハウジング、第1導体、第2導体、および第3導体を含むことができる。ハウジングは、第1軸と第2軸により画定される簡易閉曲線形状(simple closed curve shape)を有することができる。ハウジングは、第1軸に沿う第1端部を有することができる。ハウジングは、第1軸に沿う第2端部を有することができる。第1導体は、ハウジングの周囲にほぼ沿ってハウジング内に配置できる。第1導体は、第1磁場を生成するための第1電流を伝導するように構成できる。第2導体は、第1端部においてハウジング内に配置できる。第2導体は、第2磁場を生成するための第2電流を伝導するように構成できる。第1端部における磁場は、第1磁場の、第2磁場との構造的重畳(constructive superimposition)を含むことができる。第3導体は、第2端部においてハウジング内に配置できる。第3導体は、第3磁場を生成するための第3電流を伝導するように構成できる。第2端部における磁場は、第1磁場の、第3磁場との構造的重畳を含むことができる。動的無線電力伝送ベースパッドは、道路の下、道路の隣、道路の上の1つ以上に設置されるように構成できる。
【0004】
他の実施形態においては、動的無線電力伝送ベースシステムは、第1動的無線電力伝送ベースパッドと、第2動的無線電力伝送ベースパッドを含むことができる。第1動的無線電力伝送ベースパッドは、第1軸により画定される簡易閉曲線形状を有することができる。第1動的無線電力伝送ベースパッドは、第1磁場を生成するための1つ以上の第1電流を伝導するように構成されている1つ以上の第1導体を有することができる。第2動的無線電力伝送ベースパッドは、第2軸により画定される簡易閉曲線形状を有することができる。第2動的無線電力伝送ベースパッドは、第2磁場を生成するための1つ以上の第2電流を伝導するように構成されている1つ以上の第2導体を有することができる。動的無線電力伝送ベースシステムは、道路の下、道路の隣、道路の上の1つ以上に設置されるように構成できる。第1磁場の強度は、道路上方の特定の距離における、第1軸に平行な第1線に沿ってほぼ等しいことが可能である。第2磁場の強度は、道路上方の特定の距離においける、第2軸に平行な第2線に沿ってほぼ等しいことが可能である。第1動的無線電力伝送ベースパッドは、動的無線電力伝送ベースシステムが設置された後、第2動的無線電力伝送ベースパッドに隣接して配置できる。動的無線電力伝送ベースシステムは、動的無線電力伝送ベースシステムが設置された後、道路により画定される平面に直交する何れの線も、1つ以上の第1導体と1つ以上の第2導体の両者と交差しないように構成できる。
【0005】
他の実施形態においては、組み合わされた磁場を生成するための方法は、第1磁場を生成するために、ある長さを有している第1導体により第1電流を伝導させることを含むことができる。方法は、第2磁場を生成するために、第1導体の第1端部に配置されている第2導体により第2電流を伝導させることを含むことができる。第1端部の磁場は、第1磁場の、第2磁場との構造的重畳を含むことができる。方法は、第3磁場を生成するために、第1導体の第2端部に配置されている第3導体により第3電流を伝導させることを含むことができる。第1端部と反対側の第2端部の磁場は、第1磁場の、第3磁場との構造的重畳を含むことができる。長さの中心と反対側の線上の点における組み合わされた磁場の強度が、第1端部と反対側の線上の点における組み合わされた磁場の強度とほぼ等しく、第2端部と反対側の線上の点における組み合わされた磁場の強度とほぼ等しいことが可能なように、組み合わされた磁場は、長さに平行な線に沿って生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成している付随する図面は、開示の種々のシステム、方法、および他の実施形態を例示している。図において例示されている要素の境界(例えば、ボックス、ボックスのグループ、または他の形状)は、境界の1つの実施形態を表わしているということは認識されるであろう。幾つかの実施形態においては、1つの要素は複数の要素として設計でき、複数の要素は1つ要素として設計できる。幾つかの実施形態においては、他の要素の内部構成要素として示されている要素は、外部の構成要素として実現でき、逆もまた可能である。更に、要素は一定の比率で拡大/縮小されていないこともある。
【0007】
【
図1】第1タイプの従来の動的無線電力伝送(DWPT)システムを含む環境の例を含んでいる図である。
【
図2】第2タイプの従来のDWPTシステムを含む環境の例を含んでいる図である。
【
図3】DWPTベースシステムの軸に沿う、位置対する磁気結合係数の第1例のグラフである。
【
図4】DWPTベースシステムの軸に沿う、位置対する磁気結合係数の第2例のグラフである。
【
図5】他のDWPTベースシステムの例を含んでいる図である。
【
図6】他のDWPTベースシステムの2つのDWPTベースパッドに対する軸に沿う、位置に対する磁気結合係数の例のグラフである。
【
図7】開示された技術に係るDWPTベースシステムの例を含んでいる図である。
【
図8】開示された技術に係るDWPTベースパッドの例を含んでいる図である。
【
図9】開示された技術に係るDWPTベースパッドの例の変形を含んでいる図である。
【
図10】開示された技術に係るDWPTベースパッドの代替例を含んでいる図である。
【
図11】開示された技術に係る、組み合わされた磁場を生成することと関連付けられている方法の例を示しているフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
動的無線電力伝送(DWPT)技術は、電気車両に対して推進力を生成する電気モータに電力を提供するバッテリを再充電するために使用できる。利点であるが、DWPT技術は、バッテリを交流電源にワイヤにより接続する必要のない方法でバッテリを再充電できる。
【0009】
図1は、第1タイプの従来のDWPTシステム102を含む環境100の例を含んでいる図である。
図1の図(a)は、x-z座標系の視点からの環境100の例を含んでいる図である。環境100は、道路106の上の電気車両106を含むことができる。このタイプの従来のDWPTシステム102は、DWPTベースシステム108とDWPT受信システム110を含むことができる。DWPT受信システム110、電力変換器112、およびバッテリ114を電気車両104上に設置できる。DWPTベースシステム108は、
図1の図(a)において例示されているように道路106の下に設定できる。追加的に、または代替的に、DWPTベースシステム108は道路106に隣接して、または道路106の上に設置できる。例えば、DWPTベースシステム108は150フィートの長さを有することができる。DWPTベースシステム108は、ハウジング118内に配置されているレール116を含むことができる。レール116は、第1ワイヤ120により交流電源122に接続できる。レール116は、磁場124を生成するための電流を伝導するように構成できる。電気車両104が道路106で動作することにより、磁場124は、交流がDWPT受信システム110において生成されるようにさせることができる。DWPT受信システム110は第2ワイヤ126により、電力変換器112に接続できる。電力変換器112は、交流を直流に変換するように構成できる。電力変換器112は第3ワイヤ128によりバッテリ114に接続できる。直流はバッテリ114を充電できる。
図1の図(b)は、x-y座標系の視点からのDWPTベースシステム108の例を含んでいる図である。
【0010】
あいにく、DWPTベースシステム108のレール116は、中央集中型である交流電源122に接続されているため、第1のタイプの従来のDWPTシステム102は、交流電源122と関連付けられている問題に影響を受ける可能性が高い。追加的に、レール116は、DWPTベースシステム108の長さ全体に沿って磁場124を生成するために、交流電源122に連続して接続されているので、第1タイプの従来のDWPTシステム102に対する電力の交流電源122から磁場124への伝送の効率は低い可能性が高い。
【0011】
図2は、第2タイプの従来のDWPTシステム202を含む環境200の例を含んでいる図である。
図2の図(a)は、x-z座標系の視点からの環境200の一部の例を含んでいる図である。環境200は道路106の上の電気車両104を含むことができる。この第2タイプの従来のDWPTシステム202は、DWPTベースシステム204とDWPT受信システム110を含むことができる。DWPT受信システム110、電力変換器112、およびバッテリ114は電気車両104上に設置できる。DWPTベースシステム204は、
図2の(a)において例示されているように、道路106の下に設置できる。追加的に、または、代替的に、DWPTベースシステム204は道路106に隣接して、または道路106の上に設置できる。DWPTベースシステム204は、DWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nを含むことができる。例えば、DWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nの1つは、10フィートの長さを有することができる。DWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nのそれぞれは、DWPTベースシステム204が設置された後、DWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nの他のDWPTベースパッドに隣接して設置できる。例えば、DWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nは軸208に沿って配置できる。DWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nのそれぞれは、対応するハウジング212-1、212-2、212-3、...、212-n内に配置されている対応する導体210-1、210-2、210-3、...、210-nを含むことができる。
【0012】
図2の図(b)は、x-y座標系の視点からの環境200の一部の例を含んでいる図である。DWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nのそれぞれは、対応する第1ワイヤ214-1、214-2、214-3、...、214-nにより、対応する交流電源216-1、216-2、216-3、...、216-nに接続できる。代替的に、DWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nの2つ以上は単一の交流電源に接続できる。例えば、DWPTベースパッド206-1と206-3は交流電源216-aに接続でき、DWPTベースパッド206-2と206-nは交流電源216-bに接続できる。代替的に、例えば、DWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nは交流電源216に接続できる。
図2の図(a)を参照すると、導体210-1、210-2、210-3、...、210-nのそれぞれは、対応する磁場218-1、218-2、218-3、...、218-nを生成するための対応する電流を伝導するように構成できる。電気自動車104が道路106の上で動作すると、磁場218-1、218-2、218-3、...、218-nは、DWPT受信システム110において交流を生成させることができる。DWPT受信システム110は第2ワイヤ126により電力変換器112に接続できる。電力変換器112は、交流を直流に変換するように構成できる。電力変換器112は第3ワイヤ128によりバッテリ114に接続できる。直流はバッテリ114を充電できる。
【0013】
この第2タイプの従来のDWPTシステム202は複数のDWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nを使用するので、DWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nそれぞれは、対応する交流電源216-1、216-2、216-3、...、216-nに接続でき、第2タイプの従来のDWPTシステム202は、交流電源216-1、216-2、216-3、...、216-nの何れかと関連付けることができる問題による影響を、第1タイプの従来のDWPTシステム102よりも少なくすることができる。追加的に、この第2タイプの従来のDWPTシステム202は、電気車両104が道路106の上で動作するときに、電気車両104に最も近い、複数のDWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nの1つ(または2つ以上)しか、その対応する磁場218-1、218-2、218-3、...、218-nを生成するためにその対応する交流電源216-1、216-2、216-3、...、216-nに接続されないように構成できるので、第2タイプの従来のDWPTシステム202は第1タイプの従来のDWPTシステム102と比べて、交流電源216-1、216-2、216-3、...、216-nから対応する磁場218-1、218-2、218-3、...、218-nへの電力の転送の効率を向上できる。更に、この第2タイプの従来のDWPTシステム202は複数のDWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nを使用するので、第2タイプの従来のDWPTシステム202のDWPTベースシステム204に対する保守と修理手順を、第1タイプの従来のDWPTシステム102のDWPTベースシステム104に対するよりも、より容易に実行できる。
【0014】
しかし、DWPTベースシステム204の導体210-1、210-2、210-3、...、210-nの間には隙間が存在するので(例えば、隙間220-aと220-b)、これらの隙間の位置における対応する磁気結合係数(例えば、磁場218-1、218-2、および218-3)の強度は、DWPTベースシステム204とDWPT受信システム110との間の十分な結合を保証するために必要な閾値磁気結合係数を下回る可能出が高い。
【0015】
図3は、DWPTベースパッド206-1と206-2を含んでいるだけのDWPTベースシステム204の例に対する軸208に沿う、位置に対する磁気結合係数の第1例のグラフ300である。グラフ300において例示されているように、DWPTベースパッド206-1と206-2それぞれに対する磁気結合係数は、DWPTベースパッド206-1と206-2のそれぞれの端部を除くすべての場所に対して、DWPTベースシステム204とDWPT受信システム110との間の十分な結合を保証するために必要な閾値磁気結合係数以上である。DWPTベースパッド206-1と206-2のそれぞれの端部においては、磁気結合係数は、DWPTベースシステム204とDWPT受信システム110との間の十分な結合を保証するために必要な閾値磁気結合係数未満である。DWPTベースパッド206-1がDWPTベースパッド206-2に隣接する場所(例えば、隙間220-a)においては、磁気結合係数は、DWPTベースシステム204とDWPT受信システム110との間の十分な結合を保証するために必要な閾値磁気結合係数未満である。
【0016】
バッテリ114は、例えば、リチウムイオンバッテリであることができる。DWPTベースシステム204とDWPT受信システム110との間の十分な電力の引き渡しを保証するために必要な閾値磁気結合係数未満の、隙間(例えば、隙間220-aと220-b)における磁気結合係数を有していることは、バッテリ114を充電するために使用される直流の量における中断を引き起こす可能性が高い。そのような中断は、電力の脈動とも称されるが、第2タイプの従来のDWPTシステム202の構成要素、具体的には、電力変換器112と複数のDWPTベースパッド206-1、206-2、206-3、...、206-nの利用の程度を削減し得る。更に、そのような電力の脈動は、望ましくない電磁干渉(EMI)を引き起こし、バッテリ114の充電状態の推定を計算するための電力変換器112(または他の回路)の動作に影響を与え得る。
【0017】
DWPTベースシステム204とDWPT受信システム110との間の十分な結合を保証するために必要な閾値磁気結合係数未満の、隙間(例えば、隙間220-aと220-b)における磁気結合係数を有している問題に対する1つのソリューションはとなり得るのは、より高い磁場強度を有する対応する磁場218-1、218-2、218-3、...、218-nを生成するために、導体210-1、210-2、210-3、...、210-nのそれぞれにより伝導される電流の量を増大することである。
【0018】
図4は、DWPTベースパッド206-1と206-2を含んでいるだけのDWPTベースシステム204の例に対する軸208に沿う、位置に対する磁気結合係数の第2例のグラフ400である。グラフ400において例示されているように、DWPTベースパッド206-1と206-2それぞれに対する磁気結合係数は、DWPTベースシステム204の末端部を除くすべての場所に対して、DWPTベースシステム204とDWPT受信システム110との間の十分な結合を保証するために必要な閾値磁気結合係数以上である。DWPTベースパッド206-1がDWPTベースパッド206-2に隣接する場所(例えば、隙間220-a)においては、磁気結合係数は、DWPTベースシステム204とDWPT受信システム110との間の十分な結合を保証するために必要な閾値磁気結合係数以上である。
【0019】
しかし、DWPTベースパッド206-1がDWPTベースパッド206-2に隣接する場所(例えば、隙間220-a)における磁気結合係数が、DWPTベースシステム204とDWPT受信システム110との間の十分な結合を保証するために必要な閾値磁気結合係数以上であることを保証するためには、DWPTベースパッド206-1と206-2のそれぞれの端部以外の場所における磁気結合係数は、磁気結合係数がこれらの場所において必要とされるよりも実質的に大きい。そのようなソリューションは、相当な量の電力を消費するばかりではなく、そのようなソリューションは、DWPTベースパッド206-1と206-2のそれぞれにおける端部以外のすべての場所において、DWPTベースシステム204とDWPT受信システム110との間の過剰結合を引き起こす可能性が高い。
【0020】
図5は、他のDWPTベースシステム500の例を含んでいる図である。DWPTベースシステム500は、DWPTベースシステム204とDWPT受信システム110との間の十分な結合を保証するために必要な閾値磁気結合係数未満の、隙間(例えば、隙間220-aと220-b)における磁気結合係数を有している問題に対する他のソリューションであることが可能であり、ソリューションは、DWPTベースパッド206-1と206-2のそれぞれを構成することである。
図5の図(a)は、x-z座標系の視点からのDWPTベースシステム500の例を含んでいる図である。
図5の図(b)は、x-y座標系の視点からのDWPTベースシステム500の例を含んでいる図である。DWPTベースシステム500は、、
図5の図(a)において例示されているように、道路106の下に設置できる。追加的に、または、代替的に、DWPTベースシステム500は道路106に隣接して、または道路106の上に設置できる。DWPTベースシステム500は、DWPTベースパッド502-1と502-2を含むことができる。DWPTベースパッド502-1は、DWPTベースシステム500が設置された後、DWPTベースパッド502-2に隣接して配置できる。例えば、DWPTベースパッド502-1と502-2は、軸208に沿って配置できる。DWPTベースパッド502-1と502-2のそれぞれは、対応するハウジング506-1と506-2内に配置されている対応する導体504-1と504-2を含むことができる。DWPTベースシステム500は、DWPTベースシステム500が設置された後、道路106により画定される平面に直交する線508が導体504-1と504-2の両者に交差するように構成できる。つまり、DWPTベースシステム500は、導体504-1が導体504-2に重なるように構成できる。
【0021】
図6は、DWPTベースパッド502-1と502-2に対する軸208に沿う、位置に対する磁気結合係数の例のグラフ600である。グラフ600において例示されているように、DWPTベースパッド506-1と506-2それぞれに対する磁気結合係数は、DWPTベースシステム500の末端部を除くすべての場所に対して、DWPTベースシステム500とDWPT受信システム110との間の十分な結合を保証するために必要な閾値磁気結合係数以上である。DWPTベースパッド502-1がDWPTベースパッド502-2に隣接する場所(例えば、隙間220-a)においては、磁気結合係数は、、DWPTベースシステム500とDWPT受信システム110との間の十分な結合を保証するために必要な閾値磁気結合係数以上である。
【0022】
しかし、DWPTベースパッド502-1がDWPTベースパッド502-2と隣接する場所(例えば、隙間220-a)における磁気結合係数が、DWPTベースシステム500とDWPT受信システム110との間の十分な結合を保証するために必要な閾値磁気結合係数以上であることを保証するためには、DWPTベースシステム500は、DWPTベースシステム500に対する保守と修理手順の実行を複雑にする可能性の高い方法で構成されることになる。つまり、DWPTベースパッド502-1がDWPTベースパッド502-2と重なる部分を有していることは、DWPTベースシステム500に対する保守と修理手順の実行を複雑にする可能性が高い。
【0023】
図7は、開示された技術に係るDWPTベースシステム700の例を含んでいる図である。
図7の図(a)は、x-z座標系の視点のからのDWPTベースシステム700の例を含んでいる図である。
図7の図(b)は、x-y座標系の視点からのDWPTベースシステム700の例を含んでいる図である。
図7の図(a)において例示されているように、DWPTベースシステム700は、道路106の下に設置できる。追加的に、または、代替的に、DWPTベースシステム700は道路106に隣接して、または、道路106の上に設置できる。例えば、DWPTベースシステム700は、第1DWPTベースパッド702-1と第2DWPTベースパッド702-2を含むことができる。第1DWPTベースパッド702-1は、第1軸704-1により画定される簡易閉曲線形状を有することができる。第1DWPTベースパッド702-1は、磁場708-1を生成するための1つ以上の電流を伝導するように構成されている1つ以上の導体706-1を有することができる。第2DWPTベースパッド702-2は、第2軸704-2により画定される簡易閉曲線形状を有することができる。第2DWPTベースパッド702-2は、磁場708-2を生成するための1つ以上の電流を伝導するように構成されている1つ以上の導体706-2を有することができる。実現形態においては、DWPTベースシステム700が設置された後、第1軸704-1は第2軸704-2であることができる(例えば、まっすぐな道路106の一部)。実現形態においては、DWPTベースシステム700が設置された後、第1軸704-1は第2軸704-2とは異なることができる(例えば、カーブを有している道路106の一部)。
【0024】
磁場708-1の強度は、道路106上方の特定の距離(D)における、第1軸704-1に平行な第1線710-1に沿ってほぼ等しいことが可能である。例えば、第1線710-1に沿う磁場708-1の強度は、第1DWPTベースパッド702-1の端部が、DWPTベースシステム700の末端部である場合を除いて、第1線710-1に沿う磁場708-1の平均強度の±20パーセント変動することが可能である。磁場708-2の強度は、道路106上方の特定の距離(D)における、第2軸704-2に平行な第2線710-2に沿ってほぼ等しいことが可能である。例えば、第2線710-2に沿う磁場708-2の強度は、第2DWPTベースパッド702-2の端部が、DWPTベースシステム700の末端部である場合を除いて、第2線710-2に沿う磁場708-2の平均強度の±20パーセント変動することが可能である。実現形態においては、第1線710-1は第2線710-2と交差できる。実現形態においては、磁場708-1の強度は、磁場708-2の強度とほぼ等しいことが可能である。
【0025】
第1DWPTベースパッド702-1は、DWPTベースシステム700が設置された後、第2DWPTベースパッド702-2に隣接して配置できる。DWPTベースシステム700は、DWPTベースシステム700が設置された後、道路106により画定される平面に直交する何れの線も、1つ以上の導体706-1と1つ以上の導体706-2の両者と交差しないように構成できる。つまり、DWPTベースシステム700は、1つ以上の導体706-1が、1つ以上の導体706-2に重ならないように構成できる。
【0026】
図8は、開示された技術に係るDWPTベースパッド800の例を含んでいる図である。
図8の図(a)は、x-z座標系の視点からのDWPTベースパッド800の例を含んでいる図である。
図8の図(b)は、x-y座標系の視点からのDWPTベースパッド800の例を含んでいる図である。例えば、第1DWPTベースパッド702-1、第2DWPTベースパッド702-2、またはそのそれぞれは、DWPTベースパッド800として実現できる。例えば、DWPTベースパッド800はハウジング802を含むことができる。例えば、1つ以上の導体706-1、1つ以上の導体706-2、またはそのそれぞれは、第1導体804、第2導体806、および第3導体808を含むことができる。
図8の図(a)において例示されているように、DWPTベースパッド800は道路106の下に設置できる。追加的に、または、代替的に、DWPTベースパッド800は、道路106に隣接して、または、道路106の上に設置できる。
【0027】
ハウジング802は、第1軸810と第2軸812により画定される簡易閉曲線形状を有することができる。ハウジング802は、第1軸810に沿う第1端部814を有することができる。ハウジング802は、第1軸810に沿う第2端部816を有することができる。例えば、簡易閉曲面は長方形、楕円、スーパー楕円などであることができる。例えば、第1軸810に沿うハウジング802の寸法の値は、第2軸812に沿うハウジング802の寸法の値よりも大きいことが可能である。実現形態においては、第1軸810は、第1軸704-1、第2軸704-2、またはその何れかであることができる。
【0028】
第1導体804は、ハウジング802の周囲にほぼ沿ってハウジング802内に配置できる。例えば、第1導体804は、ハウジング802の周囲の少なくとも45パーセントに沿ってハウジング802内に配置できる。第1導体804は、第1磁場818を生成するための第1電流を伝導するように構成できる。例えば、第1導体804は、ワイヤのコイルを含むことができる。例えば、ワイヤのコイルは、ほぼ螺旋またはほぼ渦巻き形状を有することができる。ほぼ螺旋形状は、固定軸に対して一定の角度での接線を有するコルク栓抜きの形状を有することができる。ほぼ渦巻き形状は、中心点からの増大する半径を有する円形状を有することができる。例えば、ワイヤはリッツ(Litz)ワイヤを含むことができる。例えば、第1導体804がワイヤのコイルの場合、x-y平面におけるワイヤの寸法は、x-z平面におけるワイヤの寸法とは異なることができる。追加的に、または代替的に、例えば、第1導体804は、金属の細片を含むことができる。
【0029】
第2導体806は、第1端部814におけるハウジング802内に配置できる。第2導体806は、第2磁場820を生成するための第2電流を伝導するように構成できる。第1端部814における磁場822は、第1磁場818の、第2磁場820にとの構造的重畳を含むことができる。例えば、第2導体806は、ワイヤのコイルを含むことができる。例えば、ワイヤのコイルは、ほぼ螺旋またはほぼ渦巻き形状を有することができる。ほぼ螺旋形状は、固定軸に対して一定の角度での接線を有するコルク栓抜きの形状を有することができる。ほぼ渦巻き形状は、中心点からの増大する半径を有する円形状を有することができる。例えば、ワイヤはリッツ(Litz)ワイヤを含むことができる。例えば、第2導体806がワイヤのコイルの場合、x-y平面におけるワイヤの寸法は、x-z平面におけるワイヤの寸法とは異なることができる。追加的に、または代替的に、例えば、第2導体804は、金属の細片を含むことができる。
【0030】
第3導体808は、第2端部816におけるハウジング802内に配置できる。第3導体808は、第3磁場824を生成するための第3電流を伝導するように構成できる。第2端部816における磁場826は、第1磁場818の、第3磁場824との構造的重畳を含むことができる。例えば、第3導体808は、ワイヤのコイルを含むことができる。例えば、ワイヤのコイルは、ほぼ螺旋またはほぼ渦巻き形状を有することができる。ほぼ螺旋形状は、固定軸に対して一定の角度での接線を有するコルク栓抜きの形状を有することができる。ほぼ渦巻き形状は、中心点からの増大する半径を有する円形状を有することができる。例えば、ワイヤはリッツ(Litz)ワイヤを含むことができる。例えば、第3導体808がワイヤのコイルの場合、x-y平面におけるワイヤの寸法は、x-z平面におけるワイヤの寸法とは異なることができる。追加的に、または代替的に、例えば、第3導体808は、金属の細片を含むことができる。
【0031】
実現形態においては、第1導体804と、第2導体806または第3導体808の1つ以上との間に、x-z軸に沿って間隔を空けることができる。例えば、そのような間隔は、第1導体804、第2導体806、または第3導体808の1つ以上を取り囲む絶縁体により提供できる。間隔の寸法値は、DWPTベースパッド800の中心834と反対側(opposite)の線828上の点832における磁場830の強度が、第1端部814と反対側の線828上の点836における磁場830の強度とほぼ等しく、および、第2端部816と反対側の線828上の点830における磁場830の強度とほぼ等しいことが可能なように設定できる。
【0032】
例えば、道路106上方で、第1軸810に平行な線828に沿って磁場830を生成するための、第1導体804は第1電流を伝導するように構成でき、第2導体806は第2電流を伝導するように構成でき、そして、第3導体808は第3電流を伝導するように構成できる。DWPTベースパッド800の中心834と反対側の線828上の点832における磁場830の強度は、第1端部814と反対側の線828上の点836における磁場830の強度とほぼ等しく、および、第2端部816と反対側の線828上の点830における磁場830の強度とほぼ等しいことが可能である。例えば、線828に沿う磁場830の強度は、DWPTベースパッド800の端部が、DWPTベースシステムの末端部である場合を除き、線828に沿う磁場830の平均強度の±20パーセント変動できる。
【0033】
例えば、磁場708-1、磁場708-2、またはそれぞれは、第1磁場818、第2磁場820、および第3磁場824を含むことができる磁場830であることができる。
【0034】
ハウジング802は、第2軸812に沿う第3端部840を有することができる。ハウジング802は、第2軸812に沿う第4端部842を有することができる。例えば、第1導体は、(1)第1端部814に最も近い部分844、(2)第2端部816に最も近い部分846、(3)第3端部840に最も近い部分848、および(4)第4端部842に最も近い部分850を有することができる。例えば、第2導体806は、(1)第1端部814に最も近い部分852、(2)第3端部840に最も近い部分854、(3)第4端部842に最も近い部分856、および(4)第1端部814から最も遠い部分858を有することができる。例えば、第3導体808は、(1)第2端部816に最も近い部分860、(2)第3端部840に最も近い部分862、(3)第4端部842に最も近い部分864、および(4)第2端部816から最も遠い部分866を有することができる。
【0035】
例えば、(a)部分844、部分846、部分848、部分850、部分852、部分854、部分856、部分858、部分860、部分862、部分864、または部分860の(1)1つ以上の幅、(a)第1導体804の全体(W1)、(b)第2導体806の全体(W2)、または(c)第1導体808の全体(W3)の(2)1つ以上の幅、または、(3)ハウジング802内に配置された磁気コア868の第2軸812に沿う寸法(W4)の1つ以上の値は、DWPTベースパッド800の中心834と反対側の線828上の点832における磁場830の強度が、第1端部814と反対側の線上828上の点836における磁場830の強度とほぼ等しいことが可能で、および、第2端部816と反対側の線828上の点838における磁場830の強度とほぼ等しいことが可能であるように設定できる。
【0036】
DWPTベースパッド800の実現形態においては、第1導体804、第2導体806、または第3導体808の1つ以上は、ワイヤのコイルを含むことができる。例えば、DWPTベースパッド800は、磁気コア868を更に含むことができる。ワイヤのコイルは磁気コア868を取り囲むことができる。例えば、DWPTベースパッド800の中心834における磁気コア868の厚さは、第1端部814または第2端部816の1つ以上における磁気コア868の厚さ未満であることができる。
【0037】
DWPTベースパッド800の実現形態においては、第1導体804は、第1巻き数を有する第1ワイヤのコイルを含むことができ、第2導体806は、第2巻き数を有する第2ワイヤのコイルを含むことができ、第3導体808は、第3巻き数を有する第3ワイヤのコイルを含むことができる。例えば、道路106上方で、第1軸810に平行な線828に沿って磁場830を生成するための、第1導体804は第1電流を伝導するように構成でき、第2導体806は第2電流を伝導するように構成でき、そして、第3導体808は第3電流を伝導するように構成できる。第1巻き数、第2巻き数、または第3巻き数の1つ以上の値は、DWPTベースパッド800の中心834と反対側の線828上の点832における磁場830の強度が、第1端部814と反対側の線上828上の点836における磁場830の強度とほぼ等しいことが可能で、第2端部816と反対側の線828上の点838における磁場830の強度とほぼ等しいことが可能なように設定できる。例えば、線828に沿う磁場830の強度は、DWPTベースパッド800の端部が、DWPTベースシステムの末端である場合を除いて、線828に沿う磁場830の平均強度の±20パーセント変動できる。例えば、第3巻き数は、第2巻き数と等しいことが可能である。代替的に、第3巻き数は、第2巻き数と異なることが可能である。
【0038】
図8における図(a)を参照すると、第1導体804のz軸に沿う第1位置は、第2導体806と第3導体808それぞれのz軸に沿う第2位置とは異なることが可能である。しかし、第1導体804が、第1巻き数を有する第1ワイヤのコイルを含み、第2導体806が、第2巻き数を有する第2ワイヤのコイルを含み、そして、第3導体808が、第3巻き数を有する第3ワイヤのコイルを含んでいる実現形態においては、DWPTベースパッド800は、(1)第1巻き数の幾つかは第2位置にあり、(2)第2巻き数の幾つかは第1位置にあり、または(3)第3巻き数の幾つかは第1位置にあることの1つ以上であるように構成できる。
【0039】
図9は、開示された技術に係るDWPTベースパッド800の例の変形900を含んでいる図である。変形900においては、DWPTベースパッド800は更に、第4導体902、第5導体904、および第6導体906を含むことができる。
【0040】
第4導体902は、ハウジング802の周囲にほぼ沿ってハウジング802内に配置できる。第4導体902は、第4磁場908を生成するための第4電流を伝導するように構成できる。
【0041】
第5導体904は、第1端部814においてハウジング802内に配置できる。第5導体904は、第5磁場910を生成するための第5電流を伝導するように構成できる。第1端部814における磁場822は更に、第4磁場908の、第5磁場910との構造的重畳を含むことができる。
【0042】
第6導体906は、第2端部816においてハウジング802内に配置できる。第6導体906は、第6磁場912を生成するための第6電流を伝導するように構成できる。第2端部816における磁場826は更に、第4磁場908の、第6磁場912との構造的重畳を含むことができる。
【0043】
ハウジング802内の空間914は、第1半部916と第2半部918を含むことができる。第1導体804、第2導体806、および第3導体808は、第1半部916に配置できる。第4導体902、第5導体904、および第6導体906は、第2半部918に配置できる。
【0044】
実現形態においては、(1)第2電流は第1電流と異なっていることが可能、および(2)第3電流は第1電流と異なっていることが可能である。第3電流は第2電流と等しいことが可能である。代替的に、第3電流は第2電流と異なっていることが可能である。追加的に、変形900においては、(1)第5電流は第4電流と異なっていることが可能、および(2)第6電流は第5電流と異なっていることが可能である。第6電流は第5電流と等しいことが可能である。代替的に、第6電流は第5電流と異なっていることが可能である。更に、(1)第4電流は第1電流と等しいことが可能、(2)第5電流は第2電流と等しいことが可能、および(3)第6電流は第3電流と等しいことが可能である。代替的に、(1)第4電流は第1電流と異なっていることが可能、(2)第5電流は第2電流と異なっていることが可能、および(3)第6電流は第3電流と異なっていることが可能である。
【0045】
図10は、開示された技術に係るDWPTベースパッド800の代替例1000を含む図である。代替例1000においては、(1)第1導体804の第1部分1004の第1端部1002は第1リード線1006を有することができ、(2)第1導体804の第1部分1004の第2端部1008は、第2導体806の第1端部1010に直列に接続でき、(3)第2導体806の第2端部1012は、第1導体804の第2部分1016の第1端部1014に直列に接続でき、(4)第1導体804の第2部分1016の第2部分1018は、第3導体808の第1端部1020に直列に接続でき、(5)第3導体808の第2端部1022は、第1導体804の第3部分1026の第1端部1024に直列に接続でき、そして、(6)第1導体804の第3部分1026の第2端部1028は、第2リード線1030を有することができる。第2電流は第1電流であることが可能である。第3電流は第1電流であることが可能である。
【0046】
図11は、開示された技術に係る、組み合わされた磁場を生成することと関連付けられている方法1100の例を示しているフロー図である。
【0047】
方法1100は、
図8、9、および10において例示されているDWPTベースパッド800の観点から記述されている。方法1100はDWPTベースパッド800と組み合わせて記述されているが、当業者は、ここにおける記述を考慮すれば、方法1100は、DWPTベースパッド800により実現されることに制限されないということを理解する。そうではなく、DWPTベースパッド800は、方法1100を実現するために使用できる装置の1つの例である。追加的に、方法1100は全体的に連続プロセスとして例示されているが、方法1100の種々の態様を平行に実行できる。
【0048】
方法1100においては、動作1102において、第1電流を、第1磁場を生成するために、ある長さを有する第1導体により伝導させることができる。
【0049】
第2動作において、第2電流を、第2磁場を生成するために、第1導体の第1端部に配置された第2導体により伝導させることができる。第1端部における磁場は、第1磁場の、第2磁場との構造的重畳を含むことができる。
【0050】
動作1106において、第3電流を、第3磁場を生成するために、第1導体の第2端部に配置された第3導体により伝導させることができる。第2端部の磁場は、第1磁場の、第3磁場との構造的重畳を含むことができる。第2端部は第1端部の反対側であることができる。
【0051】
組み合わされた磁場を、長さの中心と反対側の点における組み合わされた磁場の強度が、第1端部と反対側の線上の点における組み合わされた磁場の強度とほぼ等しいことが可能で、第2端部と反対側の線上の点における組み合わされた磁場の強度とほぼ等しいことが可能であるように、長さに平行な線に沿って生成できる。
【0052】
詳細な実施形態がここにおいて開示されている。しかし当業者は、ここにおける記述を考慮することにより、開示された実施形態は例に過ぎないことが意図されているということを理解する。従って、ここにおいて開示されている特定の構造および機能の詳細は制限的と解釈されるべきではなく、請求項に対する単なる基盤として、および、当業者が、ここにおける態様を実質的に任意の適切な詳細構造において種々に採用することを教示するための代表的な基盤として解釈されるべきである。更に、ここにおいて使用されている用語とフレーズは制限的であることは意図されておらず、可能な実現形態を理解できる記述を提供することが意図されている。種々の実施形態が
図7~11において例示されているが、実施形態は、例示されている構造または適用に制限されない。
【0053】
図におけるフローチャートとブロック図は、種々の実施形態に係るシステムと方法の可能な実現形態のアーキテクチャ、機能、および動作を例示している。当業者は、ここにおける記述を考慮することにより、幾つかの代替の実現形態においては、ブロックにおいて記述されている機能は、図により記述されている順序とは異なって起こることができるということを理解する。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際は、ほぼ同時に実行でき、または、関連する機能によっては、ブロックは、逆の順序で実行できる。
【0054】
ここにおいて使用されているような「1つの」という用語は、1つまたは2つ以上であると定義される。ここにおいて使用されているような「複数の」という用語は、2つまたは3つ以上であるとして定義される。ここにおいて使用されているような「他の」という用語は、少なくともとも第2のまたは第3以降のものとして定義される。ここにおいて使用されているような「含んでいる」および/または「有している」という用語は、備えている(つまり、開かれている言語)として定義される。ここにおいて使用されているような「~または~の少なくとも1つ」というフレーズは、関連する一覧で示されている項目の1つ以上の任意の、およびすべての可能な組み合わせを指し且つ含む。例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つ」というフレーズは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、または、それらの任意の組み合わせ(例えば、AB、AC、BC、またはABC)を含む。
【0055】
ここにおける態様は、精神または、その重要な属性から逸脱することなく他の形状で具現化できる。従って、その範囲を示すものとして、前述の明細書ではなく、下記の請求項を参照すべきである。
【国際調査報告】