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特表2022-548334結合型燃料蒸発およびカソードガス加熱器ユニットを有する燃料電池システムとその使用および動作方法
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  • 特表-結合型燃料蒸発およびカソードガス加熱器ユニットを有する燃料電池システムとその使用および動作方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-17
(54)【発明の名称】結合型燃料蒸発およびカソードガス加熱器ユニットを有する燃料電池システムとその使用および動作方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20221110BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALI20221110BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20221110BHJP
   H01M 8/04029 20160101ALI20221110BHJP
   H01M 8/0612 20160101ALI20221110BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20221110BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20221110BHJP
【FI】
H01M8/04 N
H01M8/0606
H01M8/04014
H01M8/04029
H01M8/0612
H01M8/00 Z
H01M8/10 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522952
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-06-01
(86)【国際出願番号】 DK2020050275
(87)【国際公開番号】W WO2021073703
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】PA201970650
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522052277
【氏名又は名称】ブルー ワールド テクノロジーズ ホールディング エーピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】バン,マッズ
(72)【発明者】
【氏名】リーンドナー ジェンセン,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】マリック,デニ
(72)【発明者】
【氏名】シュウ,ファン
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA06
5H127AB04
5H127AC07
5H127BA02
5H127BA03
5H127BA12
5H127BA34
5H127BA46
5H127BA47
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB26
5H127BB37
5H127CC16
5H127EE12
5H127EE15
(57)【要約】
結合型燃料蒸発およびカソードガス加熱器ユニットを有する燃料電池システム、その使用および動作方法。燃料電池システムにおいて、カソードガス加熱器および蒸発器は組み合わせられ、内部で第1の冷却剤からカソードガスおよび燃料の両方に熱エネルギが伝達される第1のハウジング(23)を備える単一の小型の第1の熱交換ユニット(21)となる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード側(12)と、カソード側(14)と、それらの間の、動作中に膜を介して前記アノード側(12)から前記カソード側(14)に水素イオンを輸送するためのプロトン交換膜とを備える燃料電池(15)と、
前記カソード側(14)に酸素ガスを供給するための、酸素ガスを備えるカソードガス供給源、たとえば空気源と、
前記カソードガスを前記カソード側(14)に供給する前に前記酸素ガスの温度を上昇させるためのカソードガス加熱システム、たとえば空気加熱システムと、
第1の冷却剤によって前記燃料電池(15)の温度を調節するために前記燃料電池(15)に前記第1の冷却剤を循環させるための第1の冷却回路(18)と、
改質器壁によって封入された触媒を備え、燃料を合成ガス(11)に触媒転換するために構成された改質器(8)であって、合成ガス(11)を前記燃料電池(15)に提供するために前記燃料電池(15)の前記アノード側(12)に導管接続された前記改質器(8)と、
液体燃料を蒸発させるために構成され、前記蒸発燃料を前記改質器(8)に提供するために前記改質器(8)に導管接続された蒸発器と、
前記蒸発器に液体燃料を提供するために前記蒸発器に導管接続された液体燃料供給源と、
前記改質器壁を介した熱伝達によって前記改質器内部の前記触媒を加熱するための改質器バーナ(7)と
を備え、前記カソードガス加熱システムおよび前記蒸発器は組み合わせられ、第1のハウジングを備え、前記第1のハウジング(23)内の前記第1の冷却剤から前記カソードガスおよび前記燃料(20)の両方に熱エネルギを伝達するために構成された、単一の小型の第1の熱交換ユニット(21)となることを特徴とする、燃料電池システム(1)。
【請求項2】
前記第1の熱交換ユニット(21)は、
前記第1の冷却剤が前記燃料電池(15)を通過した後、前記燃料電池(15)から前記第1の冷却剤を受け取るために、前記燃料電池(15)の下流側で前記第1の冷却回路(18)に導管接続された第1の入口(41)と、
前記第1の冷却剤から前記カソードガスおよび前記燃料(20)への熱伝達の後の前記第1の冷却剤の出口のための第1の出口(42)と、
前記燃料電池(15)の前記カソード側(14)のための酸素ガスを受け取るために前記カソードガス供給源、たとえば空気源に導管接続された第2の入口(43)と、
加熱されたカソードガスを前記燃料電池(15)に提供するために前記燃料電池(15)の前記カソード側(14)にパイプ接続された第2の出口(44)と、
燃料(20)、たとえばメタノール/水混合物を受け取るために前記燃料供給源に導管接続された第3の入口(45)と、
前記燃料電池(15)の前記アノード側(12)に蒸発した燃料を供給するために前記燃料電池(15)の前記アノード側(12)に導管接続された第3の出口(46)と
を備え、前記第1の熱交換ユニット(21)は、熱伝導壁(51、52)によって互いに分離された第1、第2、および第3の流路(47、48、49)を備え、前記第1の流路(47)は、前記第1の入口(41)と前記第1の出口(42)との間にあり、前記第1の入口(41)および前記第1の出口(42)に流れ接続され、前記第2の流路(48)は、前記第2の入口(43)と前記第2の出口(44)との間にあり、前記第2の入口(44)および前記第2の出口(45)に流れ接続され、前記第3の流路(49)は、前記第3の入口(45)と前記第3の出口(46)との間にあり、前記第3の入口(45)および前記第3の出口(46)に流れ接続される、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記カソードガス加熱システムは、前記第2の入口(43)と前記第2の出口(44)との間の前記第2の流路(47)に第1の熱交換モジュール(65)として提供され、前記蒸発器は、前記第3の入口(45)と前記第3の出口(46)との間の前記第3の流路(48)に第2の熱交換モジュール(66)として提供され、前記第1のハウジング(23)内には、前記第1および前記第2の熱交換モジュール(65、66)の間に挟まれた空間(50)であって、前記空間(50)の両側で前記第1の冷却剤から前記第1および前記第2の熱交換モジュール(65、66)の両方に同時に熱を伝達するための前記空間(50)内の前記第1の冷却剤の流れのために構成された前記空間(50)が提供される、請求項1または2に記載の燃料電池システム(1)。
【請求項4】
前記第1および前記第2の熱交換モジュール(65、66)は、互いに対して平行に提供され、それらの間に前記第1の冷却剤の流れのための前記空間(50)を有する、請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
自動車のための、請求項1~4のいずれか1項に記載の燃料電池システム(1)の使用。
【請求項6】
燃料電池(15)を動作させる方法であって、前記燃料電池システムは、
アノード側(12)と、カソード側(14)と、それらの間の、動作中に膜を介して前記アノード側(12)から前記カソード側(14)に水素イオンを輸送するためのプロトン交換膜とを備える燃料電池(15)と、
前記カソード側(14)に酸素ガスを供給するための、酸素ガスを備えるカソードガス供給源、たとえば空気源と、
前記カソードガスを前記カソード側(14)に供給する前に前記酸素ガスの温度を上昇させるためのカソードガス加熱システム、たとえば空気加熱システムと、
第1の冷却剤によって前記燃料電池(15)の温度を調節するために前記燃料電池(15)に前記第1の冷却剤を循環させるための第1の冷却回路(18)と、
改質器壁によって封入された触媒を備え、燃料(20)を合成ガス(11)に触媒転換するために構成された改質器(8)であって、合成ガス(11)を前記燃料電池(15)に提供するために前記燃料電池(15)の前記アノード側(12)に導管接続された前記改質器(8)と、
液体燃料を蒸発させるために構成され、前記蒸発した燃料を前記改質器(8)に提供するために前記改質器(8)に導管接続された蒸発器と、
前記蒸発器に液体燃料を提供するために前記蒸発器に導管接続された液体燃料供給源と、
前記改質器壁を介した熱伝達によって前記改質器内部の前記触媒を加熱するための改質器バーナ(7)と
を備え、前記カソードガス加熱システムおよび前記蒸発器は組み合わせられ、第1のハウジング(23)を備える単一の小型の第1の熱交換ユニット(21)となり、前記方法は、前記第1のハウジング(23)内の前記第1の冷却剤から前記カソードガスおよび前記燃料(20)の両方に熱エネルギを伝達することを備えることを特徴とする方法。
【請求項7】
前記第1の熱交換ユニットは、
前記第1の冷却剤が前記燃料電池(15)を通過した後、前記燃料電池(15)から前記第1の冷却剤を受け取るために、前記燃料電池(15)の下流側で前記第1の冷却回路(18)に導管接続された第1の入口(41)と、
前記第1の冷却剤から前記カソードガスおよび前記燃料(20)への熱伝達の後の前記第1の冷却剤の出口のための第1の出口(42)と、
前記燃料電池(15)の前記カソード側(14)のための酸素ガスを受け取るために前記カソードガス供給源、たとえば空気源に導管接続された第2の入口(43)と、
加熱されたカソードガスを前記燃料電池(15)に提供するために前記燃料電池(15)の前記カソード側(14)にパイプ接続された第2の出口(44)と、
燃料(20)、たとえばメタノール/水混合物を受け取るために前記燃料供給源に導管接続された第3の入口(45)と、
前記燃料電池(15)の前記アノード側(12)に蒸発燃料を供給するために前記燃料電池(15)の前記アノード側(12)に導管接続された第3の出口(46)と
を備え、前記第1の熱交換ユニット(21)は、熱伝導壁(51、52)によって互いに分離された第1、第2、および第3の流路(47、48、49)を備え、前記第1の流路(47)は、前記第1の入口(41)と前記第1の出口(42)との間にあり、前記第1の入口(41)および前記第1の出口(42)に流れ接続され、前記第2の流路(48)は、前記第2の入口(43)と前記第2の出口(44)との間にあり、前記第2の入口(44)および前記第2の出口(45)に流れ接続され、前記第3の流路(49)は、前記第3の入口(45)と前記第3の出口(46)との間にあり、前記第3の入口(45)および前記第3の出口(46)に流れ接続されており、前記方法は、
前記第1の冷却剤が前記燃料電池(15)を通過した後、前記燃料電池(15)の下流側から前記第1の入口(41)を介して第1の冷却剤を受け取ることと、
前記カソードガス供給源、たとえば空気源から前記第2の入口(42)を介してカソードガスを受け取り、前記第1の流路(47)内の前記第1の冷却剤から前記第2の流路(48)内の前記カソードガスに熱エネルギを伝達し、その後、加熱されたカソードガスを前記燃料電池(15)に提供するために前記第2の出口(44)を介して前記カソードガスを放出することと、
前記燃料供給源から前記第3の入口(45)を介して燃料(20)を受け取り、前記第3の流路(49)内の前記燃料に熱エネルギを伝達し、その後、前記燃料電池(15)の前記アノード側(12)に蒸発した燃料を提供するために前記第3の出口(46)を介して前記蒸発燃料を放出することと
を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記カソードガス加熱システムは、前記第2の入口(43)と前記第2の出口(44)との間の前記第2の流路(47)に第1の熱交換モジュール(65)として提供され、前記蒸発器は、前記第3の入口(45)と前記第3の出口(46)との間の前記第3の流路(48)に第2の熱交換モジュール(66)として提供され、前記第1のハウジング(23)内には、前記第1および前記第2の熱交換モジュール(65、66)の間に挟まれた空間(50)が提供され、前記方法は、前記空間(50)内に前記第1の冷却剤の流れを提供し、前記空間(50)の両側で前記第1の冷却剤から前記第1および前記第2の熱交換モジュール(65、66)の両方に同時に熱を伝達することを備える、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1および前記第2の熱交換モジュール(65、66)は、互いに対して平行に提供され、それらの間に前記空間(50)を有し、前記方法は、前記空間(50)内に前記第1の冷却剤の流れを提供することを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記燃料電池(15)は、高温高分子電解質膜HT-PEM燃料電池であり、前記方法は、前記燃料電池を120~200℃の範囲内の温度で動作させることを備える、請求項6~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
自動車のための、請求項1~5のいずれか1項に記載の燃料電池システム(1)の使用、または請求項6~10のいずれか1項に記載の方法の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナおよび改質器と熱交換システムとを有する、たとえばHT-PEM燃料電池などの燃料電池システムと、そのような燃料電池システムの車両への使用ならびに動作方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムを用いて電力を生成する場合、副産物として熱も生成され、この熱は、燃料電池内のチャネルを循環する冷却液によって除去される。温度は、燃料電池の最適な機能のために、熱交換器およびラジエータを通る、たとえばグリコール系の冷却液の流れによって調整される。一方では、冷却剤は、起動状態の間に燃料電池を加熱するために用いられ得る。
【0003】
冷却剤回路に関して、一般に、3方向熱交換器が知られている。単一の3方向熱交換器を介した3つの冷却回路の例は、韓国特許出願KR2017-0087077号に開示される。しかし、特に自動車における燃料電池システムのための小型ソリューションを提供するための、液体と気体との間で熱を交換するための3方向熱交換器は未だ提案されていない。代わりに、燃料電池システムのために、空気用熱交換器または凝縮器として2方向交差流熱交換器が一般的に用いられる。
【0004】
WO2019/158173 A1号は、各々がカソード、アノード、および高分子電解質を含む燃料電池のスタックと、冷却流体回路とを備える燃料電池システムを説明する。燃料電池システムは更に、カソードにカソードガスを供給するカソードガス供給源と、蒸発燃料を受け取り、それを、燃料電池のアノード側に供給される合成ガスに変換する改質器とを備える。また燃料電池システムは、改質器を加熱するための改質器バーナと、液体燃料を受け取り、それを蒸発させて、改質器に供給される蒸発燃料を生成する蒸発器とも備える。蒸発器は、冷却回路の冷却液によって加熱される。
【0005】
WO2017/148487号は、冷却剤が、燃料を蒸発させるために熱交換器を通過する大部分と、冷却剤の冷却のために熱交換器を通過する小部分とに分割される冷却回路を有する燃料電池システムを開示する。US2015/0340715号は、空気および水素が燃料電池モジュールに入る前に空気および水素を加熱して湿度を高めるために冷却剤が用いられる燃料電池システムを開示する。US2001/0019788号は、燃料を蒸発させるために冷却剤が用いられる冷却回路を開示する。
【0006】
燃料電池システムに関して、特に自動車産業では、最適化への一定の需要がある。特に、空間および重量の最小化への需要が存在する。上述した先行技術は、カソードガス加熱システムと蒸発器とが組み合わせられて、ハウジングを備え、ハウジング内の冷却剤からカソードガスおよび燃料の両方に熱エネルギを伝達するために構成された単一の小型の第1の熱交換ユニットとなることは教示していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、当技術分野における改善を提供することである。特に、たとえば自動車内などの限られた空間への提供に有用な小型の燃料電池システムを提供することが目的である。この目的および追加の目的は、以下の説明および特許請求の範囲に記載の燃料電池システムおよび方法によって実現される。
【0008】
以下に記載するように、熱効率を最適化しながら小型化を実現するための様々な原理が提示される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
燃料電池システムは、燃料電池、典型的には燃料電池スタックを備える。ここで、燃料電池という用語は、単一の燃料電池だけではなく複数の燃料電池、たとえば燃料電池スタックに関して用いられる。
【0010】
燃料電池は、アノード側およびカソード側と、それらの間の、動作中に膜を介してアノード側からカソード側に水素イオンを輸送するためのプロトン交換膜とを備える。
【0011】
たとえば、燃料電池は、高温で動作する種類のものである。「高温」という用語は、燃料電池の技術分野において一般的に用いられ理解される用語であり、たとえば70℃の低温で動作する低温燃料電池と対照的に、120℃を超える動作温度を指す。たとえば、燃料電池は、120~200℃の温度範囲内で動作する。
【0012】
たとえば、燃料電池システム内の燃料電池は、摂氏120度超過で動作する高温高分子電解質膜燃料電池(HT-PEM)であり、100度未満、たとえば70度の温度で動作する低温PEM燃料電池におけるHT-PEM燃料電池と区別される。HT-PEM燃料電池の通常動作温度は、摂氏120~200度の範囲、たとえば摂氏160~170度の範囲内である。HT-PEM燃料電池内の高分子電解質膜PEMは、鉱酸系、典型的には高分子フィルム、たとえばリン酸がドープされたポリベンゾイミダールである。HT-PEM燃料電池は、比較的高いCO濃度に耐える点で有利であり、改質器と燃料電池スタックとの間にPrOx反応器を必要としないため、単純、軽量かつ安価な改質器を用いることができるので、たとえば自動車産業のための小型燃料電池システムを提供するという目的に適うようにシステムの全体サイズおよび重量が最小化される。
【0013】
燃料電池は、たとえば自動車などの車両を運転するための電力を生成するために用いられる。生成された電力にバッファを設けるために、典型的には、燃料電池と電気接続されたバッテリシステムが提供される。
【0014】
たとえば、燃料電池に酸素を提供するために空気が用いられる。この場合、カソード側に空気を供給するための空気源が提供される。空気は、燃料電池に入る前に、空気の温度を上昇させるために空気加熱システムによって加熱される。空気は、燃料電池のための酸素を提供する。空気中の他の気体は、システムを通過して再び廃棄されるだけである。
【0015】
空気の代替として、原理的に、酸素ガスを含む他のガスまたは純酸素ガスが用いられてもよい。簡潔性のために、酸素を含むガスは、本明細書においてカソードガスと呼ばれ、燃料電池のカソード側に提供される純酸素ガス、空気、または酸素を含む他のガス混合物である。対応して、ガス加熱システムは、一般にカソードガス加熱システムと呼ばれる。
【0016】
第1の冷却剤によって燃料電池の温度を調整するために、燃料電池に第1の冷却剤を循環させるための第1の冷却回路が提供される。通常動作中、第1の冷却回路は、温度を最適範囲内で一定に保つために、燃料電池から熱を吸収する。たとえば、燃料電池の温度は170度であり、第1の冷却剤は、燃料電池の入口において160度の温度を有する。
【0017】
たとえば、第1の冷却剤は、グリコール系である。ただし、燃料電池システムが寒冷地域で自動車のために用いられる場合、グリコールは起動のために最適ではないため、他の液体が好適である。そのような他の液体の例は、合成油を含む。
【0018】
燃料を、燃料電池のアノード側に必要な水素ガスを含む合成ガスに触媒転換するために、触媒を有する改質器が用いられ、合成ガスは、電力生成のために燃料電池内で用いられる。したがって、改質器は、燃料電池のアノード側に導管接続される。改質器は、改質器壁を有する改質器ハウジング内に触媒を備える。
【0019】
改質器における触媒反応のために、提供された液体燃料は、下流側で燃料蒸気導管によって改質器に導管接続された蒸発器において蒸発する。蒸発器の上流側は、燃料、たとえば液体メタノールと水との混合物を受け取るために、液体燃料供給源に導管接続される。
【0020】
改質器を適当な触媒転換温度、たとえば250~300度の範囲内まで加熱するために、改質器バーナが提供され、改質器内の触媒に熱を伝達するために改質器と熱接触している。改質器バーナは、アノード排ガスまたは燃料またはその両方を燃焼させることによって排煙を提供するバーナ室を備える。たとえば、改質器バーナは、350~400度の範囲内の温度で排煙を提供する。
【0021】
たとえば、通常動作中、改質器バーナからの排煙は、改質器壁に沿って通過し、壁を加熱する。そのような実施形態において、バーナ室は、排煙から改質器壁へ熱を伝達するためのバーナ室から改質器壁への、また改質器壁に沿った排煙の流れのために、改質器壁と流体流連通している。
【0022】
排煙から改質器壁への熱エネルギの伝達後、残りの熱エネルギは、たとえば燃料電池の電気エネルギを貯蔵するために用いられるバッテリなどの他の構成要素を加熱するために、または車室を暖房するために用いられ得る。改質器バーナは、アノード排ガスまたは燃料またはその両方を燃焼させることによって排煙を提供するために構成される。
【0023】
たとえば、改質器および改質器バーナは、小型ユニットとして提供される。任意選択的に、一方向の小型バーナ/改質器ユニットを提供するために、改質器壁は管状であり、バーナ壁を包囲している。ただし、これは厳密に必須ではなく、直列構成、または並列構成のバーナ/改質器、または改質器の2つのセクションの間に挟まれたバーナの構成も可能である。
【0024】
小型化のために、有利な点として、カソードガス加熱システムおよび蒸発器は組み合わせられ、第1のハウジングを備え、カソードガスおよび燃料の両方が第1の冷却剤から熱エネルギを受け取るように第1のハウジング内の第1の冷却剤からカソードガスおよび燃料の両方に熱エネルギを伝達するために構成された、単一の小型の第1の熱交換ユニットとなる。
【0025】
この場合、第1のストリームは、他のストリーム、たとえば逆流ストリームと熱を交換する。第1および追加の熱交換ユニットのために3より多い数のストリームが利用可能である。
【0026】
たとえば、第1の熱交換ユニットは、第1の冷却剤を連続的に、または並行して受け取る2つの熱交換モジュールを備える。後者の原理がより高い効率を生み、より小型の技術的ソリューションを可能にする。
【0027】
マルチストリーム熱交換ユニットのために様々な原理が可能である。たとえば、冷却剤は、2つ以上の熱交換エリアまたは熱交換モジュールに分流する。これは、冷却剤の第1の部分が熱交換エリアまたはモジュールの1つに流れ込み、専ら、または少なくとも大部分がその熱交換エリアまたはモジュール内の流体とエネルギを交換し、冷却剤の第2の部分が熱交換エリアまたはモジュールの別の1つに流れ込み、専ら、または少なくとも大部分がその別の熱交換エリアまたはモジュール内の流体とエネルギを交換することを意味する。あるいは、マルチストリーム熱交換ユニットは、複数の熱交換モジュールの間に挟まれた空間に冷却剤が流れ込む種類のものである。この場合、モジュール間の第1の冷却剤から、それぞれのモジュール内の流体に熱が伝達される。たとえば、マルチストリーム熱交換ユニットは、3層構成を有する。
【0028】
第1の熱交換ユニットのいくつかの実用的な実施形態において、カソードガス加熱システムは、第1の熱交換モジュールとして提供され、蒸発器は、第2の熱交換モジュールとして提供され、ハウジング内には、第1および第2の熱交換モジュールに挟まれた空間が設けられる。
【0029】
任意選択的に、これは、空間内の第1の冷却剤の流れが、空間の両側で第1の冷却剤から第1および第2の熱交換モジュールの両方に同時に熱を伝達するために構成される。
【0030】
選択肢として、たとえば円筒構成などの湾曲構成が可能であるが、非湾曲構成も可能である。任意選択的に、第1および第2の熱交換モジュールは、互いに対し平行に設けられ、それらの間に冷却剤の流れのための空間を有する。
【0031】
他の実用的な実施形態において、第1の熱交換ユニットは、第1のハウジングに流れ込む第1の冷却剤の少なくとも一部を、専らまたは大部分がカソードガスとエネルギを交換するための第1の冷却剤の第1の部分と、専らまたは大部分が燃料とエネルギを交換するための第1の冷却剤の第2の部分とに分流させるために構成される。
【0032】
任意選択的に、第1の熱交換ユニットは、第1および第2の熱交換モジュールを備え、第1の熱交換モジュールは、第1の冷却剤の第1の部分のみを受け取るために構成され、第2の熱交換モジュールは、第1の冷却剤の第2の部分を受け取るために構成される。
【0033】
いくつかの実用的な実施形態において、第1および第2の熱交換モジュールは、第1の熱交換モジュールから第2の熱交換モジュールへの熱伝導を最小限にするために、それらの間に距離を有して設けられる。
【0034】
実用的な実施形態において、第1の熱交換ユニット内に少なくとも3つの流路が設けられ、3つの流路は、第1の熱交換ユニットを通る第1の流路、第2の流路、および第3の流路を備える。第1の流路は、第1の冷却剤用であり、第1の冷却回路の一部である。第2の流路は、カソードガス用であり、カソードガス加熱システムを構成する。第3の流路は、燃料の流れ用であり、燃料のための蒸発器を構成する。
【0035】
しかし、これは複雑な熱交換原理をもたらし、カソードガスとの熱交換が、燃料との熱交換に影響を及ぼす。したがって、制御が簡単な代替構成案として、第1の熱交換ユニットは、各々が第1の冷却剤との熱交換のために第1の流路に接続された第2および第3の流路をそれぞれ有する2つの熱交換モジュールを備える。ただし、この場合も、第1の冷却剤とカソードガスならびに燃料との間の熱交換のための全ての熱交換モジュールは、同じ第1の熱交換ユニット内に設けられ、第1のハウジング内の第1の冷却剤との熱交換を含む。
【0036】
実用的な実施形態において、第1の熱交換ユニットは、第1のハウジング内に第1の冷却剤が流入するための第1の入口と、第1のハウジングから第1の冷却剤が流出するための第1の出口とを有する。第1の入口と第1の出口との間に、第1の冷却剤のための第1のハウジング内の第1の流路が設けられ、第1の流路は、第1の入口と第1の出口とを接続する。
【0037】
加えて、第1の熱交換ユニットは、カソードガス用の第2の流路のための第2の入口および第2の出口を有し、第2の流路は、カソードガス加熱システムを構成する。第1の熱交換ユニットは、燃料の流れ用の第3の流路のための第3の入口および第3の出口を有する。第3の流路は、燃料のための蒸発器を構成する。任意選択的に、追加の流路が設けられる。
【0038】
特定の実施形態において、第1の入口は、冷却剤が燃料電池を通過した後に燃料電池から冷却剤を受け取るために、燃料電池の下流側で冷却剤に導管接続される。第2の入口は、燃料電池のカソード側のための酸素ガスを受け取るために、カソードガス供給源、たとえば空気源に導管接続される。第2の出口は、燃料電池に加熱酸素ガスを提供するために、燃料電池のカソード側にパイプ接続される。第3の入口は、燃料、たとえばメタノール/水混合物を受け取るために、燃料供給源に導管接続される。第3の出口は、燃料電池のアノード側に蒸発燃料を供給するために、燃料電池のアノード側に接続される。
【0039】
たとえば、燃料電池システムが動作中である時、燃料およびカソードガスが第1の熱交換ユニット内を流れる間にそれらを加熱するために、第1の熱交換ユニット内での第1の冷却剤からカソードガスへの、および第1の冷却剤から燃料への熱エネルギの同時伝達のために、第1の流路は、第2および第3の流路と熱接続している。
【0040】
流路は、熱伝導壁、典型的には金属の壁によって互いに分離される。
【0041】
燃料電池システムが電力生成動作中である時、第1の流路を通る第1の冷却剤の流れ、第2の流路を通るカソードガスの流れ、および第3の流路を通る燃料の流れが提供される。カソードガスを加熱するための第1の冷却剤からカソードガスへの、および燃料を蒸発させるための第1の冷却剤から燃料への熱エネルギの同時伝達が実現される。
【0042】
特に、第2および第3の流路への熱伝達は、有利な点として、第2の熱交換ユニットに到達する前に第1の熱交換ユニットを通過する時に冷却剤の温度が変わるという点で有効性的に不利であり、有効性を低下させることから、2つの直列接続された熱交換モジュールにおいて提供されないことが強調される。高い有効性のためには、この原理は、1つの媒体から他の2つの媒体への同時熱交換という並列原理が好ましいが、流れ自体が並行した動きである必要はない。
【0043】
いくつかの実用的な実施形態において、第1の入口を通る第1の冷却剤の第1の流路への流入の少なくとも一部は、第1および第2の部分に分流し、第1の冷却剤の第1の部分は、専らまたは大部分が、第2の流路内のカソードガスとエネルギを交換し、第1の冷却剤の第2の部分は、専らまたは大部分が、第3の流路内の燃料とエネルギを交換する。任意選択的に、第1の冷却剤の第1および第2の部分は、第1の熱交換ユニットの第1の出口から流出する前に再び結合される。
【0044】
マルチストリーム熱交換器、たとえば3方向熱交換器の原理は、以下で説明するような異なる機能にも適用可能である。この原理は、代替または追加として、第1の熱交換器にも用いられ得る。
【0045】
任意選択的に、第2のマルチストリーム熱交換ユニットは、第2のハウジングを有し、少なくとも3つの流路を備える第2の単一のユニットとして提供され、3つの流路は、第2の熱交換ユニットを通る第4、第5、および第6の流路を備える。第4の流路は、第1の冷却剤とは異なる第2の冷却剤用であり、第1の冷却回路とは異なり、第1の冷却回路から流れが分離された第2の冷却回路の一部である。第5の流路は、第1の冷却剤用であり、第1の冷却回路の一部である。第6の流路は、
a)カソード側からの排ガス、および
b)改質器バーナからの排煙
の少なくとも1つに用いられる。
【0046】
典型的には、第6の流路は、aおよびbの両方のために用いられ、対応するガスは、第6の流路の上流で結合される。第4の流路は、第1の冷却剤の温度を低減するための第1の冷却剤から第2の冷却剤への、および排気孔を通って燃料電池システムから離脱する前に第6の流路内で排ガスの水分を凝縮するための排ガスから第2の冷却剤への熱エネルギの同時伝達のために、第5および第6の流路と熱接続されている。
【0047】
実用的な実施形態において、第2の熱交換ユニットは、第2の冷却剤が流入するための第4の入口と、第2の冷却剤が流出するための第4の出口とを有する。第4の入口と第4の出口との間に、第2の冷却剤のための第4の流路が設けられ、第4の流路は、第4の入口と第4の出口とを接続する。
【0048】
同様に、第2の熱交換ユニットは、第1の冷却剤用である第5の流路のための第5の入口および第5の出口を備える。第2の熱交換ユニットは更に、排ガスの流れ用である第6の流路のための第6の入口および第6の出口を有する。任意選択的に、さらなる流路が設けられる。
【0049】
いくつかの実用的な実施形態において、第4の入口を通る第2の冷却剤の第4の流路への流入の少なくとも一部は、第2の冷却剤の第1および第2の部分に分流し、第2の冷却剤の第1の部分は、専らまたは大部分が、第5の流路内で第1の冷却剤とエネルギを交換し、第2の冷却剤の第2の部分は、専らまたは大部分が、第6の流路内で排ガスとエネルギを交換する。任意選択的に、第2の冷却剤の第1および第2の部分は、第2の熱交換ユニットから流出する前に再び結合される。
【0050】
動作中、燃料電池システムが電力生成動作中である時、第4の流路を通る第2の冷却剤の流れ、および第5の流路を通る第1の冷却剤の流れが提供される。第6の流路を通して、カソード側からの排ガスおよび改質器バーナからの排煙の少なくとも1つに関する流れが提供される。第1の冷却剤の温度を低減するための第1の冷却剤から第2の冷却剤への、および排ガスの水分を凝縮するための排ガスから第2の冷却剤への熱エネルギの同時伝達が実現される。
【0051】
熱交換ユニットがマルチストリーム流原理で動作するという事実により、2つの異なる熱交換器の使用と比べて、正確な温度の調整がより複雑になる。しかし、相応にプログラムされた電子コントローラによって制御される温度計および流量計を用いることにより、動作中、相応にプログラムされた論理フィードバック制御回路によって、流れは容易に調整され、精密に制御され得る。マルチストリーム熱交換ユニットの利点は、たとえば自動車などの車両の燃料電池システムにおいて非常に小さな空間しか必要としない、はるかに複雑な技術的ソリューションである。
【0052】
任意選択的に、第1の熱交換ユニット内の3つの経路は、熱伝導金属壁によって分離され、任意選択的に、第1の流路は、第2および第3の流路の間に挟まれ、第2の流路から第3の流路への熱伝導はない。同様に、選択肢として、第2の熱交換ユニット内の3つの経路は、熱伝導金属壁によって分離され、任意選択的に、第4の流路は、第5および第6の流路の間に挟まれ、第5の流路から第6の流路への熱伝導はない。
【0053】
たとえば、第1のマルチストリーム熱交換ユニットは、向流熱交換器である。同様に、選択肢として、第2のマルチストリーム熱交換ユニットは、向流熱交換器である。
【0054】
いくつかの実施形態において、システムは、第1および第2の熱交換ユニットを備える。
【0055】
任意選択的に、システムは更に、第2のマルチストリーム熱交換ユニットと排気孔との間で第6の流路に流体流接続された水分離器を備え、水分離器は、第6の流路から排気孔に向かって流れるガスから凝縮水の少なくとも一部を分離するために構成される。
【0056】
いくつかの実用的な実施形態において、液体燃料供給源は、アルコールを供給するためのアルコールリザーバ、任意選択的にメタノールリザーバを備える。また、水供給源は、水を供給し、蒸発器の上流の混合点において水とアルコールとを混合するために提供される。
【0057】
たとえば、給水源は、バーナの排煙からリサイクルされた水を供給するために構成される。したがって、更なる選択肢として、水分離器は、燃料としてのアルコールと水との混合物を蒸発させる前にアルコールに水を提供するための水リサイクルシステムの一部である。
【0058】
いくつかの有用な実施形態において、システムは、通常の電力生成燃料電池動作の前の起動状態において燃料電池システムを加熱するための起動加熱器を備える。燃料電池システムの起動中、燃料電池は、安定した状態の電力生成状態に到達するために加熱される必要がある。特に、車両における使用の場合、起動手順は迅速でなければならない。一般に、これは実際には、第1の冷却サイクルにおいて排煙から第1の冷却剤に熱を伝達することによって行われ、この第1の冷却剤が、起動中には燃料電池を通常の電力生成動作に適した温度まで加熱するために加熱燃料として用いられる。
【0059】
任意選択的に、第1の冷却回路は、起動状態において起動加熱器を通る第1の冷却剤の流れのための専用枝路を備え、専用枝路は、起動状態において、燃料電池、カソードガス、および燃料を加熱するために起動加熱器から燃料電池および第1のマルチストリーム熱交換ユニットを通る第1の冷却剤の流れのために接続可能である。任意選択的に、専用枝路は、起動状態時のみ第1の冷却剤の流れを備えるが、燃料電池の安定した状態の電力生成動作中には第1の冷却剤の流れを備えない。
【0060】
本発明は、図面を参照して更に詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】三流熱交換ユニットを有する燃料電池システムの例のフロー図を示す。
図2】起動状態における冷却剤流を示す。
図3】電力生成中の通常動作における冷却剤流を示す。
図4】マルチストリーム熱交換ユニットの例の図であり、図4aは、2つの異なる斜視図を示し、図4bは、半透明の部分切断図を示し、図4cは、ユニット内部の側面図を示す。
図5】マルチストリーム熱交換ユニットの代替例の図であり、図5aは、斜視図であり、図5bは、半透明図であり、図5cは、ユニット内への部分切断図であり、図5dは、2つの断面の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は、燃料電池から熱を除去するために第1の熱交換ユニット21および第2の熱交換ユニット22が用いられる燃料電池システム1のフロー図である。2つの熱交換ユニット21、22は、たとえば3方向熱交換ユニットなど、マルチストリーム熱交換ユニット21、22として例示される。ただし、それらの一方のみが用いられることも可能である。マルチストリーム熱交換ユニットは小型のソリューションであり、空間が乏しい自動車において非常に有利である。
【0063】
図1の左側において、対応する管4を介してメタノール3を供給するメタノール供給タンク2が示され、管4は、起動加熱器5用の弁6を含む起動加熱器5にメタノールを供給するための管4aを通る枝路、改質器バーナ7のためにメタノールを供給するための管4bおよび4cを通る枝路、ならびに、混合点10において水9と混合された後に改質器8に燃料20の一部としてメタノールを供給するための管4dを通る枝路を含む。
【0064】
改質器8において、メタノールCHOHと水HOとの混合物は、水素ガスHおよびCOに触媒変換される。簡単に言うと、メタノールCHOHが2HおよびCOに変換され、水分子はHとOとに分かれ、酸素がCOに捕獲されてCOが生成される。その後、HとCOとの混合物は、いわゆる合成ガス11として、一般に燃料電池スタックである燃料電池15のアノード側12に供給される。水素イオンH+がアノード側12からカソード側14へ膜を通過した後、水素と反応して水を生成するために必要な酸素を提供するために、環境17からの空気16が燃料電池15のカソード側14に供給される。
【0065】
有利な点として、燃料電池15は、高温高分子電解質膜(HT-PEM)燃料電池である。一般に、高温燃料電池は、120~200℃の温度範囲で動作する。たとえば、燃料電池15は、175℃の温度で動作する。この動作温度は、燃料電池15を通る第1の冷却回路18における相応に調整された第1の冷却剤流によって一定に保たれる。たとえば、燃料電池15の冷却剤入口19における第1の冷却剤の温度は、160℃~170℃の範囲内である。
【0066】
第1の冷却回路18における第1の冷却剤のフローサイクル中、第1の冷却剤の温度は、燃料電池15の冷却剤入口19における所望の温度まで低減される必要がある。この温度低減を実現するために、第1の冷却剤は、第1の熱交換ユニット21を通過する。
【0067】
第1の熱交換ユニット21は、第1の熱交換ユニット21を通過する異なる流体間で同時に熱を伝達するマルチストリーム熱交換ユニット、特に3方向熱交換ユニットとして例示される。図1において、第2の熱交換ユニット22もまた、第2の熱交換ユニット22を通過する異なる流体間で同時に熱を伝達する、特に少なくとも3ストリームを有するマルチストリーム熱交換ユニットとして例示される。
【0068】
冷却剤が最初に1つの流体と熱エネルギを交換し、次にその下流で第2の流体と熱エネルギを交換する、2つの直列的に接続された熱交換器とは対照的に、マルチストリーム熱交換ユニットは、流体間での熱エネルギの同時交換を提供する。熱交換ユニット内の流体の流れ方向は、平行ではなく互いに交差し得るが、熱交換に関する原理自体は、直列原理ではなく並列原理、たとえば横並びの流れに従う。直列原理において、冷却剤が最初に第1の熱交換器を通過し、次に同じ冷却剤が第2の熱交換器を通過するように、1つの熱交換器が他方の熱交換器の次に配置される。
【0069】
第1の熱交換ユニット21において、第1の冷却剤の方向は、第1の冷却剤よりも低温である燃料および空気の流れと反対である。第2の熱交換ユニット22において、第2の冷却剤の方向は、通常動作中、第2の冷却剤よりも高温である第1の冷却剤および排ガスの流れと反対である。
【0070】
ただし、燃料電池15の冷却剤出口における第1の冷却剤の例示された温度175℃は、燃料電池15への入口における第1の冷却剤の温度160℃~170℃とそれほど異ならない。これは、第1の冷却剤サイクル18から比較的少量の熱エネルギしか除去されていないことを示す。結論として、熱交換ユニット21、22は、比較的小さく構成され得る。これは、高温燃料電池が、小型のシステム、特に自動車で用いられる場合に有用である理由の1つである。
【0071】
現在の構成において、メタノール/水混合物が蒸発して燃料ガスとなり、メタノール/水燃料20がガス混合物として改質器8に供給され得るように、第1の熱交換ユニット21内の第1の冷却剤は、改質器8において用いるための燃料20としてメタノール/水混合物に熱を伝達する。また第1の冷却剤は、カソード側14に供給される空気16にも熱を伝達する。第1の冷却剤からメタノール/水燃料20および空気16への熱伝達により、ガスが効率の良い反応のために十分な高い温度を有することが確実になる。
【0072】
第1の熱交換ユニット15がマルチストリーム流原理で作用するという事実により、燃料20および空気16に関する正確な温度の調整は、2つの別々の独立した熱交換器を用いる場合と比べて複雑になる。しかし、相応にプログラムされた電子コントローラによって制御される温度計、弁35、36、および流量計を用いることにより、動作中、相応にプログラムされた論理フィードバック制御システムによって、流れは容易に調整され、精密に制御され得る。ただし、車両の燃料電池システムにおいてわずかな空間しか必要としない、大幅に小型の技術的ソリューションであることが、第1の熱交換ユニット21の利点である。
【0073】
上述したように、第1の熱交換ユニット21において、燃料電池から熱の一部が除去される。システムから全体的に熱を除去するために、第2の熱交換ユニット22が用いられる。この第2の熱交換ユニット22は、第2の冷却回路25に熱を伝達する。第2の冷却回路25は、燃料電池15から熱エネルギを除去し、たとえばエンジンが冷却される必要のある車両に関して一般に知られているように、ラジエータ26を有する冷却器で冷却される。
【0074】
図1は、通常動作中の第1の冷却回路18における流れを示し、これは図3において強調される。冷却剤は、燃料電池15から、冷却剤回路枝路18Aに沿って第1の熱交換ユニット21を通り、分岐点39を通過し、ポンプ38へ流れ、そこから再び燃料電池15内に流れる。分岐点40において、第1の冷却剤の一部、たとえば50%以下は、第2の冷却回路25に熱を伝達するために、弁36を通って第2の枝路18Bに分流し、第2の熱交換ユニット22に転換される。
【0075】
高温燃料電池に関する例示温度について上述したように、入口温度160℃~170℃と出口温度175℃との間に大きな差はない。これは、第2の枝路18Bに関して、第1の冷却剤の小部分、たとえば5~50%または5~30%の範囲内しか、分岐点40において分流し第2の枝路18Bを通過する必要がないことを示す。枝路18Aにおける量と比べると、第1の冷却剤の小さな部分が分岐点40と39との間の枝路18Bを通過するという事実により、第2の熱交換ユニット22が比較的小さなサイズであり得るだけでなく、弁36および枝路18Bの管類も小さく小型に作られ得る。これは、たとえば自動車など、小型かつ軽量のソリューションを必要とするシステムに非常に有利である。これは、高温燃料電池が小型のシステム、特に自動車で用いられる場合に有用である理由の1つである。
【0076】
場合によっては、第2の熱交換ユニット22もまた、マルチストリーム熱交換ユニットである。第2のマルチストリーム熱交換ユニット22を通る複数のストリームの1つは、第1のマルチストリーム熱交換ユニット21を通る一方向も有する第1の冷却剤に関する。第2のマルチストリーム熱交換ユニット22において、第1の冷却剤は、第2の冷却回路25による熱交換によって温度が低減される。第2の冷却剤サイクル25は、改質器バーナ7および燃料電池カソード側14からの排ガス27からも熱エネルギを吸収する。
【0077】
排ガスは、水蒸気、窒素ガス、二酸化炭素、および酸素ガスを含む。第2の熱交換ユニット22における冷却により、水は、液体/ガス分離器28において凝縮され得る。液体ガス分離器28により、混合点10においてメタノール3と混合するためにリサイクルするために一定量の水が水貯蔵タンク29において凝縮されるが、蒸気および凝縮水の残りの部分は、排気孔30を介して他のガスと共に廃棄される。
【0078】
水蒸気の冷却は、水蒸気が、排気孔30パイプ付近の人間を傷付け得る温度の高温蒸気として排気孔30から放出されることなく、主に凝縮水としてシステムから放出され、排気孔パイプから滴下するという点で有利である。これは、システムの小型性に加えて、明確に有利なシステムの副作用である。
【0079】
燃料電池15のカソード側14への空気供給16のために、第2の冷却剤回路25によっても冷却される圧縮機31が用いられる。この第2の冷却回路25は、任意選択的に、たとえば燃料電池15スタックからの電圧をランプダウンするための電流変換器32、および圧縮機31への電力供給のために直流(DC)電圧を交流(AC)電圧に変える変換器33などの追加の機器を冷却するためにも用いられる。
【0080】
清浄なメタノールおよび水の供給を確実にするために、対応するフィルタ34a、34bが、それぞれ、メタノール供給タンク3、および水分離器28と混合点10との間の水のためのリサイクル接続部に適用される。
【0081】
燃料電池システム1は、任意選択的に、2つのマルチストリーム熱交換ユニット21、22の1つのみを提供される。あるいは、追加のマルチストリーム熱交換ユニットが用いられる。示された2つのマルチストリーム熱交換ユニット21、22は、これらが様々な方法でどのように用いられ得るかの例である。
【0082】
図1に示し、図2の例において強調する起動状態において、メタノールおよび空気は起動加熱器5において燃焼され、第1の冷却回路18の第3の枝路18Cにおいて第1の冷却剤を加熱する。燃料電池を動作温度まで加熱するために、その後、この第3の枝路18Cから、第1の冷却剤が起動加熱器5から燃料電池15を通って流れる。
【0083】
燃料電池15の下流で、起動状態において加熱流体である第1の冷却剤は、流入空気16を加熱し、メタノール/水混合燃料20を蒸発させるために、第1のマルチストリーム熱交換ユニット21も通過する。燃料電池15の動作温度に到達すると、冷却剤流は、図3に示すように、燃料電池の温度制御のために、第1の冷却回路18における通常動作に調整される。
【0084】
起動加熱器5を通る第1の冷却剤の量は、十分に高い温度を実現するために必要な量に調整される。これは、調整弁35によって調整される。冷却剤に関する起動時の流れと通常動作のための流れとの間の移行は、冷却剤のための起動枝路18Cにおける調整弁35と、通常動作条件時の通常動作枝路18Bにおける冷却剤のための調整弁36との相互作用によって行われる。通常動作枝路18Bは、図3において強調される。
【0085】
一般に、通常動作中、起動加熱器5は動作しておらず、第3の枝路18Cにおける流れは、弁35を閉じることによって閉鎖される。一方、弁36は、通常動作中に開かれるが、起動中または少なくとも起動の初期段階において閉じられる。
【0086】
起動時の加熱中、起動加熱器5から生じる、水、二酸化炭素、および窒素ガスを含むガス37もまた、人を傷つける危険がないように、排気孔30パイプから排出される前に温度を低減するために第2の熱交換ユニット22を通って供給される。この起動段階において既に水分離器28によって可能な水分離により、改質器8および燃料電池15のための燃料20としてのメタノール水混合物のための水供給が存在することが確実になる。
【0087】
水がリサイクルされ、起動中にも生成されるという事実により、大きな水貯蔵タンク29が必要ではないという点で、システムの小型性が高まる。また留意すべき重要な点として、水の貯蔵が低減され、場合によっては回避されることは、非常に低い環境温度においてシステム内で水が凍結するという問題が回避される点で有利である。
【0088】
図1において、たとえば温度計、圧力計、および追加の弁などの数々の他の構成要素が示されるが、本明細書において詳しくは説明されない。これらは、任意選択的な構成要素であり、システムの正確な機能を高めるものであるが、具体的に示す構成において厳密に必須ではなく、構成要素の変更も可能である。
【0089】
マルチストリーム熱交換ユニットの一例が図4に示される。図4におけるマルチストリーム熱交換ユニットは、2つの熱交換モジュール65、66の間に挟まれた中間セクション50の空間50’に冷却剤が流れる種類のものである。熱は、中間セクション内の第1の冷却剤から、熱交換モジュール65、66に対し中間セクション50内の空間50’を区切る壁51、52を通って伝達される。このマルチストリーム熱交換ユニットは、3層構成を有する。以下、これは、上述した第1の熱交換ユニット21として例示される。
【0090】
第1の熱交換ユニット21の原理の例が図4に示され、図4aは、2つの異なる斜視図を示し、図4bは、半透明部分切断図を示し、図4cは、第1のマルチストリーム熱交換ユニット21内部の側面図を示す。
【0091】
第1の熱交換ユニット21は、第1の冷却剤のための第1の入口41および第1の出口42と、第1の冷却剤が第1の流路47を通って第1の入口41から第1の出口42へ流れるためにそれらの間に存在する第1の流路47とを備える。第1の熱交換ユニット21は、燃料電池に酸素ガスを提供するためのカソードガス、たとえば空気のための第2の入口43および第2の出口44を備える。第2の流路48は、カソードガスが第2の流路48を通って第2の入口43から第2の出口44へ流れるために、第2の入口43と第2の出口44との間に設けられる。第1の熱交換ユニット21は、燃料電池15に燃料20を提供するための第3の入口45および第3の出口46を備える。第3の流路49は、燃料20が第3の流路49を通って第3の入口45から第3の出口46へ流れるために、第3の入口45と第3の出口46との間に設けられる。
【0092】
図4における、図4cに最も明確に示されるマルチストリーム熱交換ユニットの例において、第1の冷却剤の第1の流路47は、第1の壁51と第2の壁52との間の中間セクション50内にあり、第1の壁51は、中間セクション50と第1の熱交換モジュール65との間に設けられ、第2の壁52は、中間セクション50と第2の熱交換モジュール66との間に設けられる。壁は、金属、たとえばアルミニウムで作られるので、対向して設けられた熱交換モジュール65、66において、第1の冷却剤からカソードガスへの、および燃料への適切な熱伝達が提供される。
【0093】
カソードガス、たとえば空気のための第2の流路48は、熱をカソードガスに伝達する大きな金属表面を設けるために、多数の波形板の間にある。また波形板は乱流をもたらし、これは別の利点である。
【0094】
燃料20のための第3の流路49は、第1の壁51に沿った単一の直線経路と比べて良好な熱伝達のために、蛇行形状である。第3の流路49のための管は、流路49に沿って径が大きくなり、これは、蒸発中に燃料20の体積が増加することから有利である。
【0095】
図5は、冷却剤が熱交換ユニットの2つの対向する部分、たとえば2つの対向する熱交換モジュール内に向けられる、異なる原理のマルチストリーム熱交換ユニットを示す。これは、冷却剤の第1の部分が、熱交換ユニットの1つのセクションに流れ込み、または少なくとも大部分が熱交換ユニットのそのセクションにおいて流体とエネルギを交換し、冷却剤の第2の部分が、熱交換ユニットの別のセクションに流れ込み、専らまたは少なくとも大部分が、そのセクションにおいて流体とエネルギを交換することを意味する。以下、これは、第3および第4の熱交換モジュールを有する、上述した第2の熱交換ユニット22として例示される。ただし、この原理は、第1の熱交換ユニット21にも適用され得る。
【0096】
第2の熱交換ユニット22は、第2の冷却剤が第4の入口53から第2の熱交換ユニット22を通って第4の出口54へ流れるために、第4の入口53および第4の出口54を備える。第2の熱交換ユニット22は、第1の冷却剤が第2の熱交換ユニット22を通って流れるために、第5の入口55および第5の出口56も備える。第2の熱交換ユニット22は、排ガスが第2の熱交換ユニット22を通って流れるために、第6の入口57および第6の出口58を備える。第2の熱交換ユニット22は更に、改質器ガスの入口のための第7の入口61を備える。
【0097】
図1と比べると、燃料電池15からの排ガス27およびバーナ改質器ガス37ならびに起動加熱器5からのガスの両方が、対応する管を通って第2の熱交換ユニット22へ流れる。上述したように、これら2つのガス27、37は、ガス27、37を第2の熱交換ユニット22内へ導く前に結合される。しかし、例示した図5の第2の熱交換ユニット22において、2つのガス27、37は、第2の熱交換ユニット22内で結合される。燃料電池15からの排ガス27は、第6の入口57に入り、改質器バーナガス37は、第7の入口62に入る。排ガス27のための第6の流路61は、第6の入口57から第2の熱交換ユニット22内に入り、開口部64に向かう。改質器バーナガス37のための第7の流路63は、第7の入口62を通り、開口部64にも流れる改質器バーナガス37と排ガス27との混合の後で、追加の開口部68に向かい、そこから流路61’は、結合された第6および第7の貫通開口部64となり、その後、管67に入って第6の出口58に向かう。
【0098】
第2の冷却剤は、第4の入口53を通って第4の流路59に沿って第2の熱交換ユニット22に流れ込み、第4の出口を通って第2の熱交換ユニット22から流れ出る。ただし、第2の冷却剤は、2つの流路59A、59Bに向けられ、一方は、第2の熱交換ユニット22の1つのセクションにおける第1の冷却剤との熱交換のためであり、もう一方は、第2の熱交換ユニット22の別のセクションにおける排ガス27と改質器バーナガス37との混合物との熱交換のためである。効率の良い熱交換のために、複数の波形シート70の2つのセット69A、69Bが設けられる。
【符号の説明】
【0099】
1 燃料電池システム
2 メタノール供給タンク
3 メタノール
4 管
4a 起動加熱器5へのメタノール供給管
4b、4c 改質器バーナ7へのメタノール供給管
5 起動加熱器
6 弁
7 改質器バーナ
8 改質器
9 水
10 水とメタノールとの混合点
11 合成ガス
12 アノード側
13 燃料電池15を通る第1の冷却剤のための経路
14 カソード側
15 燃料電池
16 空気
17 環境
18 第1の冷却回路
18A 第1の冷却回路18の第1の枝路
18B 第1の冷却回路18の第2の枝路
18C 第1の冷却回路18の第3の枝路
19 燃料電池15の冷却剤入口
20 燃料、たとえばメタノール/水混合物
21 第1の熱交換ユニット
22 第2の熱交換ユニット
23 ハウジング
25 第2の冷却回路
26 ラジエータ
27 燃料電池からの排ガス
28 液体/ガス分離器
29 水貯蔵タンク/リザーバ
30 排気孔
32 電圧変換器
33 DC/AC変換器
34a メタノールフィルタ
34b 水フィルタ
35 枝路18C内の弁
36 枝路18B内の弁
37 起動加熱器5および改質器バーナ7からのガス
38 ポンプ
39 第2の熱交換ユニット22の下流の枝路18Aと18Bとの間の分岐点
40 第2の熱交換ユニット22の上流の18Aと18Bとの間の分岐点
41 第1の冷却剤のための第1の熱交換ユニット21の第1の入口
42 第1の冷却剤のための第1の熱交換ユニット21の第1の出口
43 カソードガス、たとえば空気のための第1の熱交換ユニット21の第2の入口
44 カソードガス、たとえば空気のための第1の熱交換ユニット21の第2の出口
45 燃料のための第1の熱交換ユニット21の第3の入口
46 燃料のための第1の熱交換ユニット21の第3の出口
47 第1の冷却剤のための第1の流路
48 空気のための第2の流路
49 燃料のための蛇行形状の第3の流路
50 冷却剤流を有する中間セクションを形成する空間
51 中間セクションと蒸発器との間の壁
52 中間セクションと空気加熱器との間の壁
53 第2の冷却剤のための第2の熱交換ユニット22の第4の入口
54 第2の冷却剤のための第2の熱交換ユニット22の第4の出口
55 第1の冷却剤のための第2の熱交換ユニット22の第5の入口
56 第1の冷却剤のための第2の熱交換ユニット22の第5の出口
57 排ガスのための第2の熱交換ユニット22の第6の入口
58 排ガスのための第2の熱交換ユニット22の第6の出口
59 第2の冷却剤のための第4の流路
60 第1の冷却剤のための第5の流路
61 排ガスのための第6の流路
61’ 排ガスおよび改質器ガスの混合のために結合された第6の流路61および第7の流路63
62 改質器ガスのための第7の入口
63 改質器ガスのための第7の流路
64 第6および第7の流路のための開口部
65 第1の熱交換ユニット21内の第1の熱交換モジュール
66 第1の熱交換ユニット21内の第2の熱交換モジュール
67 開口部64と第6の出口58との間の管
68 第7の流路63のための追加の開口部
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図5d
【手続補正書】
【提出日】2022-10-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
前記燃料電池システム(1)は自動車に用いられる、請求項1~4のいずれか1項に記載の燃料電池システム(1)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項11
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項11】
前記方法は自動車に用いられる、請求項6~10のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】