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特表2022-548415パターンプロジェクタを有するボアスコープ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-18
(54)【発明の名称】パターンプロジェクタを有するボアスコープ
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20221111BHJP
   G02B 23/24 20060101ALN20221111BHJP
   G02B 23/26 20060101ALN20221111BHJP
【FI】
A61B1/00 522
G02B23/24 B
G02B23/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528123
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2020082059
(87)【国際公開番号】W WO2021094534
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】102019130950.6
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503371373
【氏名又は名称】ルフトハンザ・テッヒニク・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】LUFTHANSA TECHNIK AG
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100218132
【弁理士】
【氏名又は名称】近田 暢朗
(72)【発明者】
【氏名】ペータース,ヤン オケ
(72)【発明者】
【氏名】ティース,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェドウ,ゼーレン
(72)【発明者】
【氏名】ブレヒャー,ローラント
(72)【発明者】
【氏名】ノイマン,オリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】モスタファ,タレク
(72)【発明者】
【氏名】ネッダーマイヤー,ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】バール,ゼンケ
(72)【発明者】
【氏名】ラシェ,スヴェン
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040AA01
2H040BA15
2H040CA03
2H040CA11
2H040DA12
2H040GA02
2H040GA05
4C161AA29
4C161BB06
4C161CC06
4C161FF40
4C161LL08
4C161NN01
4C161PP11
4C161QQ10
(57)【要約】
本発明は、ボアスコープ(1)、特に航空機エンジンのボアスコープ検査用のボアスコープ(1)に関する。ボアスコープ(1)は、ボアスコープ開口部に挿入されるように設計されたシャフト(3)の端部にボアスコープ対物レンズとして2つの撮像センサ(11)を有する電子的な撮像ユニット(10)を備える。2つの撮像センサ(11)の互いに対する位置および配向は、三角測量法を使用して3D情報を把握するのに適したものである。また、2つの撮像センサ(11)の共通記録領域にパターン(50)を投影するためのパターンプロジェクタ(20)が設けられ、パターンプロジェクタ(20)は透過率の異なる光ファイバ(22)が統計的に分布した基本的には光学的に結像する導光束(21)を含み、導光束(21)の入射面(23)に光源(25)が連結され、導光束(21)の出射面(24)が2つの撮像センサ(11)によって撮像される領域に向けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボアスコープ開口部に挿入されるように設計されたシャフト(3)の端部にボアスコープレンズとして2つの撮像センサ(11)を有する電子的な撮像ユニット(10)を備え、
前記2つの撮像センサ(11)の互いに対する位置および照準は、三角測量法を使用して3D情報を把握するのに適したものであり、
前記2つの撮像センサ(11)の共通記録領域にパターン(50)を投影するためのパターンプロジェクタ(20)が設けられ、前記パターンプロジェクタ(20)は透過率の異なる光ファイバ(22)が統計的に分布した基本的には光学的に結像する導光束(21)を含み、前記導光束(21)の入射面(23)に光源(25)が連結され、前記導光束(21)の出射面(24)が前記2つの撮像センサ(11)によって撮像される領域に方向付けされている
ことを特徴とする、特に航空機エンジンのボアスコープ検査用のボアスコープ(1)。
【請求項2】
前記導光束(21)は、0.5mmから1.10mmの径を有し、好ましくは0.89mmから0.90mmの径を有することを特徴とする、請求項1に記載のボアスコープ。
【請求項3】
前記導光束(21)は、6500本から10000本の光ファイバを含み、好ましくは7700本から7900本の光ファイバ(22)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のボアスコープ。
【請求項4】
前記光ファイバ(22)のそれぞれは、8μmから10μmの径を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のボアスコープ。
【請求項5】
前記光源(25)は、少なくとも1つのLEDを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のボアスコープ。
【請求項6】
少なくとも1つの光学素子は、ビーム偏向用であって好ましくはプリズム(26)、ならびに/または、ビーム影響用であって好ましくはストッパー(28)および/もしくはレンズ素子(27)であり、前記光源(25)と前記入射面(23)との間に設けられていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のボアスコープ。
【請求項7】
前記光源(25)は、白色光および/または赤外光を出力するように設計されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のボアスコープ。
【請求項8】
前記撮像センサ(11)の記録錐は、前記シャフト(3)に対して所定の視野角で方向付けされていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のボアスコープ。
【請求項9】
前記撮像ユニット(10)は、カラー画像を撮像するための少なくとも1つの撮像センサ(12)を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のボアスコープ。
【請求項10】
前記シャフト(3)は、フレキシブルシャフトとして設計されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載のボアスコープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボアスコープに関し、特に航空機エンジンのボアスコープ検査用のボアスコープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、技術機器の直接目視できない部分の検査にボアスコープを使用することが知られている。ボアスコープは、小さな開口部から目的の場所まで導入でき、光学ユニットで直接、またはボアスコープ先端部の適切なセンサーシステムで記録されたビデオ画像の表示によって(ビデオボアスコープとも呼ばれる)、視覚的にアクセスできない領域を見ることができる。ボアスコープのシャフトは、硬質のものや、アクセスしにくい領域にも入りやすくした軟質のものであり得る。
【0003】
さらに、ボアスコープ先端部に2つの画像センサが配置され、その記録領域が重なることで、同時に記録された画像から三角測量法により3D情報、特にボアスコープ先端部からの個々の画像点の距離を原理的に求めることができるボアスコープが知られている。対応するボアスコープを使用して異なる位置から取得した3D情報を、関連する画像情報と合成して3Dモデルを作成し、これを使用して記録された対象の詳細な評価を行うことができる。
【0004】
特にボアスコープで撮像する領域が低コントラストの場合、三角測量によって2つの画像センサの記録画像から3D情報を取得する際にエラーが発生したり、全く取得できなかったりすることがある。これは、重ね合わせた場合における2つの画像に示された対象点の距離に基づいて画像センサから対象点までの距離を推定するように三角測量によって3D情報を取得可能とするためには、2つの画像センサで同時に記録された画像上の個々の対象点をそれぞれ一意に特定できる必要があるためである。仮にコントラスト不足で個々の対象点を識別できない場合、3D情報も取得できない。
【0005】
従来技術では、記録する面上に個々の点のパターンを投影し、それを三角測量のためのサポ-ト点として使用することが知られている。そして、個々の点に関して確認可能な3D情報間で補間を行う。この既知の実施形態における3Dデータの解像度は、識別可能ではあるが、ボアスコープを使用して航空機エンジンのエンジンブレードを検査する場合などには不十分である。
【0006】
また、構造光走査によって3D情報を把握することも知られているが、この場合、ボアスコープと記録する領域の相対的な姿勢や、記録する領域そのものが撮影時間中に変化しないことが絶対条件となる。その結果、特に検査対象が大型の装置では多大な時間がかかる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、従来技術に比べて改良され、低コントラスト領域を記録する場合でも、確実かつ高解像度で3D情報を把握できるボアスコープを提供することである。
【0008】
この目的は、主請求項に記載のボアスコープによって達成される。従属請求項は、有利な発展に関するものである。
【0009】
従って、本発明は、ボアスコープ開口部に挿入されるように設計されたシャフトの端部にボアスコープレンズとして2つの撮像センサを有する電子的な撮像ユニットを備え、2つの撮像センサの互いに対する位置および照準(alignmnent)は、三角測量法を使用して3D情報を把握するのに適したものであり、2つの撮像センサの共通記録領域にパターンを投影するためのパターンプロジェクタが設けられ、パターンプロジェクタは透過率の異なる光ファイバが統計的に分布した基本的には光学的に結像する導光束を含み、導光束の入射面に光源が連結され、導光束の出射面が2つの撮像センサによって撮像される領域に方向付けされている(aligned)ことを特徴とする、特に航空機エンジンのボアスコープ検査用のボアスコープに関する。
【0010】
ボアスコープで撮像する表面に、本発明に記載のパターンプロジェクタを使用して著しく非対称の詳細パターンを投影し、その結果、表面の個々の点のコントラストが向上し、もともとコントラストの低い表面であっても、2つの撮像センサで記録した画像情報に基づく3D情報の把握が改善され、あるいはそもそも可能になる。
【0011】
本発明によれば、光ファイバユニットのような光学的に結像する導光束を使用してパターンを生成し、個々の光ファイバは少なくとも部分的に異なる透過率を有する。個々の導光ファイバが十分に小径である必要はあるが、パターンプロジェクタによって生成された個々のパターンの点が、この導光束の光学的な結像によって、多くの場合は撮像センサの分解能と同等であるが十分に小さな分解能を有することが保証される。
【0012】
実際の投影パターンは、ここでは主に導光束自体によって生成される。個々の光ファイバが異なる透過率を有し、導光束の中に統計的に(statistically)分布しているという事実によって、光源から入射面に均一な光を導入した場合、出射面ではすでにランダムな光量分布が得られ、その光量分布は出射面が向けられた面ではコントラストの低い面に対する三角測量による3D情報の把握を精度面で向上させ、コントラストなしの面ではそもそも原理的に3D情報の把握を可能とするコントラストパターンとなる。この場合、構造光走査と比較して三角測量の速度の利点が非常に大きなものとなる。
【0013】
光ファイバは光学的結像に必要な統計的分布と小径によって十分に詳細なパターンを投影できるため、ここでは透過率の異なる2種類の光ファイバを使用するだけで十分である。また、一部の光ファイバは透過率が0であってもよい。
【0014】
個々の光ファイバの透過率の違いは、光ファイバのコアとクラッドの比率(クラッド/コア径比:CCDR)を適切に選択することで達成され得る。光ファイバの内部構造に関わるコアとクラッドの比率により、コアとクラッドを同じ材料にした場合、外径を一定にしたまま光ファイバの透過率を変化させ得る。導光束は、0.5mmから1.10mm、好ましくは0.89mmから0.90mmの径を有してもよく、および/または6500本から10000本、好ましくは7700本から7900本の光ファイバを有してもよい。個々の光ファイバの径は、8μmから10μmであり得る。
【0015】
導光束の径が小さいため、本発明に記載のパターンプロジェクタは、原則としてボアスコープの先端部に、撮像センサとともに無理なく組み込むことができる。特に、公知のボアスコープと比較して、ボアスコープの外径を大きくする必要はない。ここでは、パターンプロジェクタは本発明に従って撮像センサとともにボアスコープの先端部に組み込まれ、パターンプロジェクタおよび撮像センサは撮像センサによって記録されたパターン投影に基づいて三角測量によって3D情報を把握できるように互いに対して方向付けされている。
【0016】
原理的には、ボアスコープのシャフトに導光束を通し、導光束の入射面に外部配置した光源を接続できる。ただし、光源はLEDで構成されていることが好ましい。光源にLEDを使用することで、パターンプロジェクタを十分に小型化でき、光源を含めた全体をボアスコープの先端部に配置できる。低発熱で十分な数の光強度のLEDが従来技術から知られており、特にLEDは導光束内に光を結合(coupling)するように設計されていることが好ましく、および/または、良好な光効率に関して選択されていることが好ましい。
【0017】
光源の発熱が十分に低いものではない場合、光源に隣接する電子部品を熱的に切り離してもよい。
【0018】
光源と入射面の間には、例えばプリズムのようなビーム偏向用の光学素子を少なくとも1つ設けてもよい。対応する光学素子により、パターンプロジェクタの設計と寸法をボアスコープの状況に適合させることができる。
【0019】
代替的または追加的に、例えばストッパーおよび/またはレンズ素子といった少なくとも1つの光学素子がビーム影響用に設けられてもよい。1つ以上のビーム影響用の光学素子によって投影されるパターンの特性に影響を与えることができる。例えば、光源からの光が導光束に入射する前に均一化するためのコリメータ光学ユニットが設けられてもよい。このコリメータ光学ユニットは、光源からの光が導光束に入射する前に導光束の表面全体で可能な限り均一に揃えられるものである。そのため、実質的に個々の光ファイバの透過率の違いだけで投影パターンが生成される。
【0020】
光源は、原則として撮像センサによって撮像可能な波長域の光を発するように設計される。光源は、特に白色光および/または赤外光を発するように設計され得る。
【0021】
撮像センサの記録錐(recording cones)は、シャフトに対して所定の視野角で方向付けされていることが好ましい。この視野角が90°の場合は、撮像ユニットの側方領域を撮像できる。この視野角を90°からずらすと、ボアスコープの挿入方向において手前の領域(角度範囲30°~90°)または奥の領域(角度範囲90°~150°)を撮像できる。しかし、ボアスコープの三角測量のためにそれぞれ視野角の異なる複数組の撮像センサを設けてもよい。特に、2組の撮像センサを設けてもよく、一方の組の両方の撮像センサの記録錐は他方の組の両方の撮像センサの記録錐とはシャフト軸に対して異なる視野角で方向付けされる。この場合、複数のパターンプロジェクタが設けられてもよいし、パターンプロジェクタが撮像センサの組のそれぞれの記録領域にパターンを投影するように構成されてもよい。
【0022】
撮像ユニットは、カラー画像を撮像するための少なくとも1つの撮像センサを含み得る。ここで、この少なくとも1つの撮像センサによって撮像されたカラー画像は、特にアクティブパターン投影の場合に、三角測量に直接使用できる。ただし、一対の撮像センサで記録されたグレースケール画像に基づいて把握された3D情報に、カラー撮像センサの色情報を付加して、カラー3D情報またはカラー3Dモデルを取得することもできる。グレースケールの撮像センサで3D情報を把握すると、カラー撮像センサと比較して、同じセンササイズの場合には解像度が高くなるため有利になることがある。この場合、カラー画像の撮像のために色情報を改ざんしないようにパターン投影を一時的に中断することが好ましい。このため、カラー撮像センサの記録領域を一時的に均一に照明するための代替光源を別途用意してもよい。
【0023】
撮像センサは、CCDセンサまたはCMOSセンサが好ましく、グローバルシャッター付きが好ましい。好ましくは、撮像センサは、400×400ピクセル~2400×2400ピクセルの解像度と、最大240記録/秒のフレームレートと、および/または、30°~120°、好ましくは35°~65°、さらに好ましくは40°,50°,または60°であっていずれの場合も±5°、好ましくはいずれの場合も±3°である画像フィールド開角度(image field opening angle)を有する。また、対応する撮像センサとの組み合わせにより、特に画像情報の連続記録も可能である。
【0024】
ボアスコープのシャフトは、硬質または軟質のものであり得る。シャフトが軟質のものである場合、ボアスコープは例えばガイドチューブを介して誘導され得る。この場合、ガイドチューブはボアスコープの一部であってもよいし、別のガイド装置であってもよい。ガイドチューブを用いて、ボアスコープまたは撮像ユニットのボアスコープ検査対象領域内部における基本位置を決定できる。また、シャフトにワイヤープーリを配設することで、シャフトを直接制御することもできる。ただし、フレキシブルシャフトを持つボアスコープを記録したい部位に緩く誘導し、特にボアスコープを引き抜く際に所望の記録を作成することもできる。
【0025】
添付図面を参照して、有利な実施形態を例として本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係るボアスコープの第1の例示的な実施形態のボアスコープ先端部を示す模式図。
図2】本発明に係るボアスコープの第2の例示的な実施形態のボアスコープ先端部を示す模式図。
図3図1または図2に記載の本発明に係るボアスコープによって投影されたパターンを示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1はボアスコープ1の先端部2を模式的に示しており、この先端部2は例えば航空機エンジンのような技術機器の検査対象部位に導入され得る。ボアスコープ1はワイヤープーリを介して制御可能なフレキシブルシャフト3(図1では単に表示)で構成されており、シャフト3の対称軸はシャフト軸3’を形成している。
【0028】
シャフト3上のボアスコープ1の先端部2には電子的な撮像ユニット10が設けられており、撮像ユニット10はボアスコープ1の使用状態では透明な保護ハウジング4によって囲まれており、保護ハウジング4は図1では単に破線で示されている。
【0029】
撮像ユニット10は2つの離間したグレースケールの撮像センサ11を含み、撮像センサ11の記録錐は三角測量を使用して2つの撮像センサ11の重複領域の画像から3D情報を導出できるように重複する。さらに、カラー画像の撮像センサ12が設けられており、撮像センサ12は他の2つの撮像センサ11の重複領域を同様に撮像する。撮像センサ12のカラー画像情報を使用して、他の2つの撮像センサ11を介して取得された3D情報を色情報で強化できる。これに対応する方法は、従来技術にて知られている。
【0030】
さらに、撮像センサ11,12は、記録錐または記録軸11’,12’がシャフト軸3’に対して90°となる指定された視野角で方向付けされるように配置される。
【0031】
また、対応する撮像センサ12によるカラー画像の撮像を可能とするために、代替光源13としてLEDを設け、このLEDによりカラー画像の撮像のために撮像センサ23の記録領域を一時的に十分に照明できる。
【0032】
また、撮像ユニット10は、三角測量のために設けられた撮像センサ11の共通の記録領域にパターンを付与するパターンプロジェクタ20を備える。
【0033】
パターンプロジェクタ20は、それぞれが直径約9μmの約7800本の光ファイバ22を有する導光束21を含む。光ファイバ22の多さとその直径から、導光束21は原理的に光学的に結像すると考えられる。導光束21の光ファイバ22は、異なる透過率を有し、光ファイバ22は高い透過率を有する第1のグループに属するか、または著しく低い透過率を有する第2のグループに属するかのいずれかである。対応する光ファイバ22は統計的に分布しているので、入射面23に光を一様に導入すると、導光束21の出射面24または投影において、図3に例示するようなパターン50が得られる。ここで、パターン40の個々の点は、実質的に撮像センサ11の分解能に対応する。それぞれの光ファイバ22の透過率のみで、点の明るさが決定される。透過率の異なる個々の光ファイバ22の統計的分布により、投影パターン50は非常に非対称で細かいものとなっている。
【0034】
三角測量のために撮像センサ11で撮像する面にパターン50を投影することで、コントラストが加わり、撮像した画像データの個々の画像点またはこれらの画像データにおける投影パターンの点が一意に割り当てられるようになり、その結果、もともとコントラストの低い面でも三角測量による3D情報の把握が可能になる。
【0035】
パターン22の最終的な投影のために、光源25として表面実装型白色発光ダイオードが設けられ、その光は放射偏向用光学素子26としてのプリズムを介して導光束21の入射面23に結合される。図1に示すように、光源25と放射偏向用光学素子26と導光束21とを配置することにより、撮像ユニット10の残りの構成要素と比較して構造高さを小さくできると同時に、投影軸20’を撮像センサ11,12の記録軸11’,12’と平行に配置できる。
【0036】
図2は、ボアスコープ1の代替的かつ例示的な実施形態を示し、これは図1の例示的な実施形態に概ね対応している。このため、代替的かつ例示的な実施形態の相違点のみを以下に記載し、その他については上記の説明を参照するものとする。
【0037】
図2に記載の例示的な実施形態の差異は、光源25を導光束21の入射面23に連結することに限定され、それ以外は図1と同様に設計されている。
【0038】
光源25としての白色発光ダイオードは、導光束21の入射面23に直接向けられ、光源25と入射面23の間にはコリメータレンズ素子27とストッパー28が設けられている。これらのビーム影響用素子27,28により、入射面23全体にわたって導光束21への光の均一性が確保される。
【符号の説明】
【0039】
1 ボアスコープ
2 先端部
3 シャフト
3’ シャフト軸
4 保護ハウジング
10 撮像ユニット
11 撮像センサ
11’ 記録軸
12 撮像センサ
12’ 記録軸
13 代替光源
20 パターンプロジェクタ
20’ 投影軸
21 導光束
22 光ファイバ
23 入射面
24 出射面
25 光源
26 プリズム(放射偏向用光学素子)
27 コリメータレンズ素子(ビーム影響用素子)
28 ストッパー(ビーム影響用素子)
50 パターン
図1
図2
図3
【国際調査報告】