IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アエスキュラップ アーゲーの特許一覧

特表2022-548476医療機器のスイッチオフ時間の特定のための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(54)【発明の名称】医療機器のスイッチオフ時間の特定のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20221114BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B18/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507547
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(85)【翻訳文提出日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 EP2020072171
(87)【国際公開番号】W WO2021023833
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】102019121375.4
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ハバー
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ロスワイラー
(72)【発明者】
【氏名】デトレフ ルス
(72)【発明者】
【氏名】オリバー フガー
(72)【発明者】
【氏名】ライムンド ヒブスト
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK19
4C160KK23
4C160KK63
4C160KK64
(57)【要約】
本発明は、医療機器のスイッチオフ時間の特定のための方法に関し、前記方法は、組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上である継続時間を測定するステップと、好ましくはオンラインで、前記温度が85℃、好ましくは95℃に達する第1の時間からの平均温度を計算するステップと、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の前記温度に達するまでのエネルギ入力を測定及び/又は計算するステップと、上述の結果を関連付けるパラメータSPであって、所定の値でスイッチオフする前記パラメータSPを計算するステップと、を備える。加えて、本発明は、独立請求項による医療機器並びに用途及び記憶媒体に関する。
【選択図】図26
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器のスイッチオフ時間の特定のための方法であって、
組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である継続期間を測定するステップと、
好ましくはオンラインで、前記温度が85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達する第1の時間からの平均温度を計算するステップと、
85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の前記温度に達するまでのエネルギ入力を測定及び/又は計算するステップと、
上述の結果を関連付けるパラメータSPであって、所定の値の前記パラメータSPで、好ましくは2~3の所定の値SPで、特に所定の値SP2.5で、前記医療機器をスイッチオフする前記パラメータSPを計算するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記パラメータSPは、前記組織の前記温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である前記継続期間が、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の前記温度に達する前記第1の時間からの前記平均温度で乗算され、85℃、好ましくは95℃の前記温度に達するまでの前記エネルギ入力で除算された前記結果であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
少なくとも一つの照明(10、1110)によって、励起スペクトルを有する光を組織内へ放出するステップと、
少なくとも一つの検出器(12、1112)によって、前記組織からリミッションスペクトルを有する光のリミッションを受信するステップと、
前記検出器(12、1112)によって、前記リミッションスペクトルを検出器信号に変換するステップと、
前記検出器信号を計算ユニット(1144)に送信するステップと、
前記計算ユニット(1144)によって、前記検出器信号から前記リミッションスペクトルを計算するステップと、
前記計算ユニット(1144)を使用して、前記励起スペクトルを前記リミッションスペクトルと比較することによって、前記組織の吸収スペクトルを計算するステップと、
前記計算ユニット(1144)によって、前記吸収スペクトルから少なくとも一つの吸収最大値を計算するステップと、
前記計算ユニット(1144)によって、前記吸収最大値を少なくとも一つの基準と比較することによって前記組織での温度を計算するステップと、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
好ましくは水及び/又は脂肪及び/又はコラーゲンについて、前記計算ユニットで、好ましくは前記計算ユニット内の記憶媒体で、特定の温度での吸収最大値の形態で少なくとも一つの基準を記憶するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記照明及び前記検出器(12、1120)を前記組織に適用するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記計算された温度及び/又は組織インピーダンスに基づいて、前記計算ユニットによって、装置、好ましくは医療機器を制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップをさらに含むことを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップは、所定の温度に達するとき、好ましくは85℃よりも高い温度で、好ましくは95℃よりも高い温度で、好ましくは100℃未満の温度で行われることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
医療機器を前記制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップは、オンラインで、好ましくはリアルタイムで行われることを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
温度測定のための前記方法は、封止プロセス中に行われることを特徴とする、請求項2から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記検出器は、1000nm~1700nmのNIR範囲で、より好ましくは1400nm~1600nmの前記範囲で、リミッション、好ましくはリミッションスペクトルを測定するように提供され適合されていることを特徴とする、請求項3から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記照明及び前記検出器は離間していることを特徴とする、請求項2から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
医療機器をスイッチオフするための請求項1から11のいずれか一項に記載の前記方法の使用。
【請求項13】
医療機器、特に温度測定装置の記憶媒体であって、
前記請求項1から11のいずれか一項に記載の前記ステップは、前記記憶媒体(1144)上に記憶されることを特徴とする、記憶媒体。
【請求項14】
組織を封止及び/又は切開するための医療機器(1110)であって、
組織の温度を測定するように提供され適合された温度測定装置と、
計算ユニット(1144)と、
を備え、
前記医療機器(1110)、特に前記温度測定装置は、前記組織の前記温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である継続期間を測定するように提供され適合されており、
前記計算ユニット(1144)は、好ましくはオンラインで、第1の時間で85℃の前記温度に達してからの、好ましくは前記第1の時間で95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の前記温度に達してからの平均温度を計算するように提供され適合されており、
前記医療機器(1110)は、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の前記温度に達するまでのエネルギ入力を測定及び/又は計算するようにさらに適合されており、
前記計算ユニット(1144)は、前記継続期間、前記平均温度、及び前記エネルギ入力の上述の結果を関連付けるパラメータSPを計算するように提供され適合されており、
前記医療機器(1110)、特に前記計算ユニット(1144)は、所定の値SPで、及び/又は所定の値SPから、好ましくは所定の値SPが2~3で、特に値SPが2.5で、及び/又は値SPが2.5から、前記医療機器(1110)をスイッチオフするように適合されている、医療機器(1110)。
【請求項15】
前記医療機器(1110)は、組織の封止及び/若しくは切開のために少なくとも一つの通電可能な電極(502、602、702、802、902、1134、1136)を形成し、又は組織の封止及び/若しくは切開のために前記少なくとも一つの通電可能な電極(2、102、202、302、402、702)内に、若しくは前記少なくとも一つの通電可能な電極(2、102、202、302、402、702)上に配列された、少なくとも一つの機器派生物(1、101、201、301、401、501、601、701、801、901)を備え、前記電極(2、102、202、302、402、502、602、702、802、902、1134、1136)の前記通電は、前記計算ユニット(1144)によって制御可能及び/又は調整可能であることを特徴とする、請求項14に記載の医療機器(1110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱的プロセス中に医療用高周波手術機器(HF、超音波、レーザ機器など)で、特に人間の組織の組織温度を測定するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波手術(以下、HF手術と呼ぶ)では、当該プロセスで生じる加熱により組織を選択的に閉塞(凝固)するために、及び/又は組織を切開(電気切開)するために、高周波交流が人間の体又は体の一部を流れる。このように損傷した組織は後に、周囲の健康な組織によって再吸収される。外科用メスを用いた従来の切開技術と比較した重要な利点は、切開と同時に、関係する血管を閉じることによる止血が凝固の効果で起こり得ることである。血管の閉鎖を確保するために、いわゆる封止及び切開機器が使用されるべきである。使用される装置は、電気メスとも呼ばれる。
【0003】
HF手術(高周波手術)のために使用される周波数に関して、体の組織は、オーム抵抗(インピーダンス)のように機能する。固有抵抗は、組織のタイプに強く依存する。筋肉組織及び高灌流組織の固有抵抗は比較的低い。脂肪の固有抵抗は、約15倍高く、骨の固有抵抗は、約1000倍高い。従って、電流の周波数、形状、及びレベルは、手術が行われる組織のタイプに適合されなければならない/適合されるべきである。
【0004】
現在、ほとんど多くの場合、単極HF技術がHF手術で使用されている。その場合、HF電圧源の極は、例えば、接触用ブレスレット若しくは接触用足首ストラップのそれぞれによる、又は粘着性電極による、患者が横たわっている手術台上での接触によって、可能な限り大きい対極を介して患者と接続されている。この対極は多くの場合、中性電極と呼ばれる。他方の極は、いわゆる活性電極を構成する手術機器に接続されている。電流は、活性電極から中性電極まで、最も少ない抵抗の経路を介して流れている。活性電極の近傍で、電流密度が最も大きく、これは、熱的効果が最も強い場所である。電流密度は、距離の2乗で減少する。中性電極は、可能な限り大きく、体内の電流密度が低く維持されて火傷が生じないように体に十分に接続されるべきである。中性電極上の肌は、大きい表面により、著しく加熱されるわけではない。中性電極を取り付けるとき、厳しい安全措置が適用される。いかなる火傷も生じさせないために、(手術エリアに応じた)中性電極の正確な位置及び良好な接触が非常に重要である。
【0005】
双極HF技術の場合、単極技術とは反対に、電流は、手術の効果(切開又は凝固)が要求される体の小さい部分を流れている。互いに絶縁された(例えば、機器派生物で受容された)二つの電極であって、間にHF電圧が印加される二つの電極は、手術部位に直接的に導かれる。電気回路は、間に配置された組織を介して閉じられる。電極間のその組織内で熱的効果が生じる。
【0006】
凝固クランプが知られている。高周波接続は通常、ここのハンドル上で提供される。多くの場合、絶縁コーティングが施されたねじは、接合のための軸として機能し、また、それにより、ハンドルを有する二つのクランプ脚の各々は、互いに枢動可能に取り付けられている。
【0007】
双極HF血管封止及び/又は切開システムによって、血管又は組織の束は、概して又は切開中に、効果的にかつ永久に封止され得る。従って、周囲の組織の横の熱損傷が限定され、組織癒着が最小値に低減される。
【0008】
医学では、組織は、共通の機能又は構造を有する、同様に又は異なる分化細胞のグループを構成する有機材料として定義される。細胞に加えて、組織はまた、細胞外マトリックス(ECM)を含む。人間の組織の例として、例えば、血管が挙げられる。
【0009】
人間の体は、約56%の酸素(O)、約28%の炭素(C)、約9%の水素(H)、約2%の窒素(N)、約1.5%のカルシウム、約1%の塩素(Cl)、約1%のリン(P)、約0.25%のカリウム(K)、約0.2%の硫黄(S)、及び比較的小さい割合の他の化学物質のその化学組成で構成されている(すべてのデータは重量パーセントである)。
【0010】
人間の体の物質組成は、約67%の水、約16%のタンパク質(例えばコラーゲン)、約10%の脂質(例えば脂肪)、約1%の炭水化物、約1%の核酸、及び約5%の様々なミネラルで構成されている(すべてのデータは重量パーセントである)。
【0011】
コラーゲンは、人間及び動物で見られる構造タンパク質(線維束を形成する「タンパク質」)、主に結合組織(より正確には、細胞外マトリックス)のグループである。コラーゲンは、とりわけ、腱、靭帯、骨、及び軟骨の白色非弾性線維で見られる。肌(皮下組織)の層も、コラーゲンで構成されている。人間の体内では、コラーゲンは、最も豊富なタンパク質であり、すべてのタンパク質の質量合計の30%を超えて占めている。
【0012】
生物において、脂質は主に、細胞膜の構造成分として、エネルギ貯蔵として、又は信号分子として使用される。「脂肪」という用語は多くの場合、脂質の同義語として使用されるが、脂肪(トリグリセリド)は単に、脂質のサブグループである。
【0013】
例えば、NIR範囲の血管などの組織内の主な光吸収体は、水及びコラーゲンである。血管はほとんど、脂肪に囲まれている。
【0014】
電磁放射が固体、液体、又は気体と相互作用すると、吸収、反射、散乱、又は透過などの様々な効果が起こる。言い換えると、電磁放射が障害に遭遇すると、それは、吸収(吸い込まれ)、散乱(その元の方向からそらされ)、透過(通過することが可能になり)、又は反射される(投げ返される)(これは反射の中のリミッション(remission)とも称される)。
【0015】
物理学では、リミッションは、表面を通って散乱媒体に入り、それと相互作用し、この表面を通って再び出る、特に光の拡散(不定方向の)電磁放射である。これは、反射の法則を満たす通常の指向性の反射とは対照的である。しかしながら、両方の場合で反射について言えばより共通している。そして、正反射と拡散反射との間で区別がなされる。リミッション(拡散反射)の場合、光の一部は吸収及び透過される。リミッションについての表面関連の尺度は、反射率である。
【0016】
リミッション分光法は、試料によって反射される放射を測定する分光法の派生物である。リミッション分光法は主に、不透明で不溶性の試料のスペクトル調査のために使用される。サンプルの測定されたリミッションスペクトルは、以下の二つの部分で構成されている。1)放射が表面から正反射される通常の反射。それは、フレネルの式によって記載される。2)放射がすべての方向で等方的に試料を出る拡散リミッション。それは、放射が試料を通り、部分的な吸収及び複数の散乱の後、表面に戻ることによって生じる。
【0017】
水、コラーゲン、及び脂肪のそれぞれの吸収スペクトルは、多数の基によってすでに測定されている。可視スペクトル範囲(VIS)及び近赤外スペクトル範囲(NIR)の両方で、吸収係数の値が利用可能である。
【0018】
従来技術では、双極HF技術における制御プロセスは、主に水の損失によりエネルギ供給の過程で変化する組織インピーダンスによって制御される。組織のインピーダンスは、測定された電圧及び電流の値を使用してオームの法則によって計算される。機器の構成により、特定されたインピーダンスは常に、システム全体の(組織、機器、ケーブル、発電機)の平均値である。
【0019】
血管の封止の質は本質的に、制御プロセス及び組織内への対応するエネルギ入力に依存する。機器の過熱に加えて、これも、周囲の組織に対する熱損傷となり得る。同様に、不十分なエネルギ入力も、融合部位の失敗/破裂につながり得、次いでそれは、出血を通じて顕著になる。多くの場合、この出血は、実際の手術の後、数時間まで起きず、その結果、血管直径に応じて、出血を止めるために、及び/又は血管を安全に閉じるために緊急手術が必要とされ得る。
【0020】
従って、組織温度を測定し、測定された温度値を熱的プロセスの調整/制御へ組み込むことが従来技術で知られている。温度測定結果が電極温度によって歪曲されることを防止するために、組織温度センサと電極との間に十分に大きい距離及び/又は熱分離/断熱が必要とされる。しかしながら、これは、測定された組織温度が、電極での直接的な組織温度と正確に対応していないという点で不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
従って、本発明の課題は、電極に隣接する組織に対する制御された損傷を実施するために、該当する場合には、機器の過熱を防止するためにも、インピーダンスの測定に加えて、又はその代替として、好ましくはオンラインで、融合される組織の温度の可能な限り正確な測定を可能にすることである。言い換えると、本発明の課題は、医療機器のスイッチオフのためのスイッチオフ基準を提供することによって、良好な凝固を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の課題は、請求項1の特徴によって、解決される。
【0023】
本発明は、より好ましくは熱的処置中/熱的プロセス中の医療機器のスイッチオフ時間の特定のための方法に関し、方法は、
組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である継続期間(Dur95)を測定するステップと、
好ましくはオンラインで、当該温度が85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達する第1の時間からの平均温度(MeanTempabTmax)を計算するステップと、
85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の当該温度に達するまでのエネルギ入力(E2Tmax)を測定及び/又は計算するステップと、
上述の結果を関連付けるパラメータSPであって、所定の値のパラメータSPで、好ましくは2~3の所定の値SPで、特に所定の値SP2.5で、医療機器をスイッチオフにする、又は医療機器をこの値からスイッチオフすることを可能にするパラメータSPを計算するステップと、を(好ましくはこの順で)含む。
【0024】
熱的プロセスは、好ましくは、エネルギを放出することによって組織で熱的効果を生成する任意のプロセスである。これはまた、高周波数、超音波、レーザ、及び/又は温度によって実行されるプロセスを含む。それはまた、高周波数、超音波、レーザ、及び/若しくは温度機器によって(例えば焼灼によって)、並びに/又はエネルギを放出することによって組織で熱的効果を生成するすべての医療機器によって実行されるプロセスを含む。
【0025】
好ましくは、方法は、以下のステップのうちの少なくとも1つをさらに含む。
少なくとも一つの照明によって、好ましくはVIS/NIR範囲で励起スペクトルを有する光を組織内へ放出するステップ、
少なくとも一つの検出器、好ましくはセンサによって、組織からリミッションスペクトルを有する光のリミッションを受け取るステップ、
検出器によって、リミッションスペクトルを検出器信号、好ましくは電気信号/データ信号に変換するステップ、
検出器信号を計算ユニット、好ましくはCPUに送信するステップ、
計算ユニットによって、検出器信号からリミッションスペクトルを計算するステップ、
計算ユニットを使用して、励起スペクトルをリミッションスペクトルと比較することによって、組織の吸収スペクトルを計算するステップ、
計算ユニットによって、吸収スペクトルから少なくとも一つの吸収最大値を計算するステップ、
計算ユニットによって、吸収最大値を、好ましくは計算ユニットに記憶された少なくとも一つの基準と比較することによって組織での温度を計算するステップ、
温度に基づいて、医療機器についてのスイッチオフ時間を計算するステップ。
【0026】
好ましくは、温度に基づいて、医療機器についてのスイッチオフ時間を計算するステップは、以下の個々のステップ、すなわち、組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である継続期間(Dur95)を測定するステップ、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達する第1の時間からの平均温度(MeanTempabTmax)を計算するステップ、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達するまでのエネルギ入力(E2Tmax)を測定及び/又は計算するステップ、上述の結果を関連付けるパラメータSPであって、所定の値、好ましくは2~3、より好ましくはSP=2.5で、医療機器をスイッチオフし、及び/又はこの値からスイッチオフの開始を可能にするパラメータSPを計算するステップで構成されている。言い換えると、スイッチオフ基準は、装置が能動的にスイッチオフすることを意味する直接的なスイッチオフを生じさせ得、この値からのスイッチオフの開始が受動的に(別のステップによって、又は人によって)可能にする/(計算ユニット上のプログラムによって)可能にされることを意味する間接的なスイッチオフを可能にする。
【0027】
好ましくは、組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である継続期間(Dur95)は、計算ユニットが組織での温度を計算しており、温度が85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達した時点からの時間を測定しているということによって測定される。
【0028】
好ましくは、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達する第1の時間からの平均温度(MeanTempabTmax)は、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達する第1の時間からの温度の平均をオンラインで、好ましくはリアルタイムで計算することによって計算ユニットによって計算される。
【0029】
好ましくは、85℃、好ましくは95℃に達するまでのエネルギ入力(E2Tmax)の測定は、医療機器に組み込まれた電力計を有することによって行われる。電力計は、電力/即ち、組織が95℃に達するまでに消費されたエネルギを測定する。代替的に、又は該当する場合には、追加で、電力はまた、85℃、好ましくは95℃に達するまでの経時的な組織インピーダンス又は組織の温度増加に基づいて特定され、及び/又は計算されてもよい。電力計はまた、電流及び電圧測定に好適なセンサによって装置内で暗に存在してもよい。言い換えると、計算ユニットは、この目的のために提供される電流及び電圧測定からのデータによって電力を計算してもよい。
【0030】
好ましくは、上述の結果を関連付けるパラメータSPであって、所定の値で、好ましくは、2~3、より好ましくはSP=2.5で、医療機器をスイッチオフするパラメータSPは、組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上である継続期間、及び95℃に達する第1の時間からの平均温度の積を、85℃、好ましくは95℃に達するまでのエネルギ入力で除算することによって計算される。
【0031】
パラメータSPは、好ましくは封止プロセス中の、より好ましくは封止&切開プロセス中の医療機器のスイッチオフについての好適な時間を特定する。組織が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上で維持される期間/継続期間、及びこの期間中の平均温度の積は、85℃、好ましくは95℃に達するまでに必要とされるエネルギで除算され、パラメータSPとなる。言い換えると、パラメータSP=(Dur95*MeanTempabTmax)/E2Tmax。SP>2.5の値から、封止プロセスは終了する。2.5より大きいパラメータ値は、85℃、好ましくは95℃に達した後、及び/又は特定の時間でのインピーダンス切換(Impedanzumschlag)の時間の後の封止組織での温度が、85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上に維持されること、並びに制御温度が約85℃、好ましくは約95℃であることを確実にする。これは、封止中に水の一部が蒸発していることとなり、それは、封止が成功するために必要である。商の分母での変数E2Tmaxは、一方で、異なる封止プログラムについて選択されたプロセス順序に依存し、他方で、電極間で把持された組織の質量及び組成に依存する。量を記録することによって、ある意味で、熱容量、従って封止鉗子での組織の質量を推測することができる。式の分子は、アレニウス式の実証的な変数として解釈されることができ、それによると、熱に対する曝露での組織の変性の度合は、経時的な組織温度の積分によって簡略化された形態で記載される。
【0032】
【数1】
【0033】
パラメータEa及びAは、組織固有定数であり、Rは、一般気体定数である。一部であるが、多すぎるわけではない組織の水が良好な封止結果のために排出されなければならないため、分母でのパラメータE2Tmaxは、大きい組織体積についてより長い曝露時間をもたらす是正手段である。
【0034】
SPパラメータは、異なる方法で封止プロセス内へ組み込まれ得る。ここでの一つの可能性は、前述のインピーダンススイッチオフ基準に基づいて、スイッチオフプロセスについてのトリガとしてパラメータを組み込むことである。言い換えると、封止の終了は、特定の値、好ましくは2、より好ましくは2.5を超えるとすぐに行われる。
【0035】
別の可能性は、トリガとしてではなく、スイッチオフ基準としてパラメータを確立することである。パラメータが閾値2.5を超えるとすぐに、プロセスは終了し得る。そして、スイッチオフ基準は、シャットダウン基準についてのパラメータとしてインピーダンスから独立する。
【0036】
好ましくは、(組織)温度は、直接的に測定されるのではなく、(温度とは異なる)別のパラメータを測定することによって特定され、それは、一方で、現在の温度に関する直接的又は間接的な結果(温度とパラメータとの間の因果関係)を可能にし、他方で、(専ら)組織固有であり、即ち、電極によって影響を受けない。組織温度は、少なくとも一つの吸収最大値に基づいて特定される。より具体的には、好ましくは少なくとも一つの組織成分についての組織の少なくとも一つの吸収スペクトルは、励起スペクトルからリミッションスペクトルを減算することによって特定される。好ましい組織成分は、水、脂肪、及び/又はコラーゲンである。このように得られる吸収スペクトルから、組織、好ましくは少なくとも一つの組織成分の吸収スペクトルの少なくとも一つの吸収最大値がどの位置に配置されているかが特定され得る。吸収最大値、好ましくは吸収最大値の周波数、波長、又は位置は、計算ユニット、好ましくは記憶媒体上に記憶された少なくとも一つの基準と比較される。そして、少なくとも一つの記憶された基準は、表から、又は基準測定によって特定されてもよく、その結果、特定の温度が、吸収最大値の特定の位置/波長/周波数での組織で優勢であることが特定されてもよい。吸収最大値のこの位置/波長/周波数が表に記憶されていない場合、組織での温度は、計算ユニット上の吸収最大値の記憶された位置/波長/周波数から、吸収最大値の計算された位置/波長/周波数をずらすことによって計算されてもよい。吸収最大値の代わりに、吸収スペクトルからの任意の他の位置/波長/周波数が使用されてもよく、それは、著しい識別値(例えば、最大値又は最小値)を有する。
【0037】
組織の組織部分は、典型的な吸収特性を有する。例えば、水は、室温で約1470nmで吸収最大値を有し、他方で、コラーゲンは、室温で約1500nmで吸収最大値を有し、脂肪は、室温で1210nm及び約1400nmの各々で吸収最大値を有する。好ましくは、水の吸収最大値は、1470nm+/-20nm、より好ましくは1470nm+/-10nm、最も好ましくは1470nm+/-5nmである。好ましくは、コラーゲンの吸収最大値は、1500nm+/-20nm、より好ましくは1500nm+/-10nm、より好ましくは1500nm+/-5nmである。好ましくは、脂肪の吸収最大値は、1210及び1400nm+/-20nm、より好ましくは1210及び1400nm+/-10nm、より好ましくは1210及び1400nm+/-5nmである。
【0038】
好ましくは、方法は、好ましくは水及び/又は脂肪及び/又はコラーゲンについて、計算ユニットで、好ましくは計算ユニット内の記憶媒体で、特定の温度での吸収最大値の形態で少なくとも一つの基準を記憶するステップをさらに含む。
【0039】
好ましくは、計算ユニットは、基準として水の特性吸収スペクトルを使用することによって、組織内でどの温度が優勢であるかを特定するために使用され得る。水が特定の温度で特定の吸収最大値を有する(例えば、室温で1470nm)ことが計算ユニット及び/又は記憶媒体上に記憶される。予め記憶された値からの吸収最大値のずれを比較することによって、及び/又は記憶された表内の複数の所定の対応する値と比較することによって、どの吸収最大値の波長でどの温度が組織の水内で優勢であるかが特定され得る。体内の組織成分が知られており、水が組織に約67%で最も多く存在しているため、水の特性吸収スペクトルは最も容易に特定され得る。測定された吸収スペクトルに基づいて、水のスペクトル吸収最大値のずれが計算され得る/特定され得る。約0.5nm/Kである吸収最大値のこのずれに基づいて、温度が特定され得る。上記は、脂肪及び/若しくはコラーゲン並びに/又は組織の他の成分に類似して適用可能である。
【0040】
吸収スペクトルを測定するための上述のステップは、水だけでなく脂肪、コラーゲン、又は他の組織成分にも類似して適用されてもよい。従って、組織内の水、脂肪、及びコラーゲンの個々の吸収スペクトルは、検出器によって検出され、計算ユニットによって特定される吸収スペクトルから特定されてもよい。
【0041】
好ましくは、方法は、照明及び検出器の組織への適用するステップをさらに含む。従って、検出器及び照明は、有利に、組織と直接的に接触している。
【0042】
好ましくは、方法は、計算された温度及び/又は組織インピーダンスに基づいて、計算ユニットによって、装置、好ましくは医療機器を制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップをさらに含む。
【0043】
好ましくは、制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップは、所定の温度に達するとき、好ましくは85℃よりも高い温度で、好ましくは95℃よりも高い温度で、110℃未満の温度で、好ましくは100℃未満の温度で行われる。組織の凝固は、ある温度で、好ましくは一定の温度で、85℃よりも上で、好ましくは95℃よりも上で、より好ましくは、110℃好ましくは100℃未満の温度で、最良の結果を達成する。
【0044】
好ましくは、すべてのステップは、オンラインで/リアルタイムで行われる。これは、医療機器を制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフすることは、オンラインで、好ましくはリアルタイムで行われることを意味する。言い換えると、組織の吸収スペクトルは、オンラインで、好ましくはリアルタイムで測定され、それは、組織での温度が、オンラインで、好ましくはリアルタイムで計算されることを可能にする。そして、温度は、好ましくはオンラインで、好ましくはリアルタイムで、医療機器、好ましくは切開及び封止装置の少なくとも一つの電極/ソノトロード/レーザ源の制御/調整に導入される。
【0045】
好ましくは、温度測定のための方法は、より好ましくは、医療機器における組織での封止プロセス中に実行される。
【0046】
好ましくは、検出器は、1000nm~1700nmのNIR範囲で、より好ましくは1400nm~1600nmの範囲で、リミッション、好ましくはリミッションスペクトルを検出するように提供され適合されている。
【0047】
好ましくは、少なくとも一つの照明及び少なくとも一つの検出器は、好ましくは医療機器内で離間している。
【0048】
好ましくは、組織温度を測定するための方法は、医療機器で適用される。
【0049】
好ましくは、温度測定装置は、以下のステップのうちの少なくとも一つが(好ましくは複数についてこの順で)記憶される記憶媒体を備える。
好ましくは水及び/又は脂肪及び/又はコラーゲンについて、計算ユニットで、好ましくは計算ユニット内の記憶媒体で、特定の温度での吸収最大値の形態で少なくとも一つの基準を記憶するステップ。
照明及び検出器を組織に適用するステップ。従って、検出器及び照明は、有利に、組織と直接的に接触している。
少なくとも一つの照明によって、好ましくはVIS/NIR範囲で照明スペクトルを有する光を組織内へ放出するステップ。
少なくとも一つの検出器、好ましくはセンサによって、組織からリミッションスペクトルを有する光のリミッションを受け取るステップ。
検出器によって、リミッションスペクトルを検出器信号、好ましくは電気信号/データ信号に変換するステップ。
検出器信号を計算ユニット、好ましくはCPUに送信するステップ。
計算ユニットによって、検出器信号からリミッションスペクトルを計算するステップ。
計算ユニットを使用して、照明スペクトルをリミッションスペクトルと比較することによって、組織の吸収スペクトルを計算するステップ。
計算ユニットによって、吸収スペクトルから少なくとも一つの吸収最大値を計算するステップ。
計算ユニットによって、吸収最大値を、好ましくは計算ユニットに記憶された少なくとも一つの基準と比較することによって組織での温度を計算するステップ。
計算された温度及び/又は組織インピーダンスに基づいて、計算ユニットによって、装置、好ましくは医療機器を制御し、及び/又は調整し、及び/又はスイッチオフするステップ。
【0050】
言い換えると、封止プロセス中の温度測定で、1000nm~1700nmのNIR範囲のリミッションスペクトルは、検出器によってオンラインで検出される。記録されたスペクトルから導出され得る吸収最大値の位置でのずれは、適用について十分な精度で、機器で捕捉される組織の温度を推測するために使用され得る。温度が増加すると、吸収ピークの位置は、より短い波長にずれる。ここで、ずれは、約0.5nm/Kである。組織がさらに冷却される場合、吸収ピークは、より長い波長に再びずれる。封止される組織内の主な吸収体は、約1470nmの波長範囲の水であるため、このように特定される温度は、組織の水部分での温度を反映する。この温度測定方法の特定の利点は、NIR放射が、散乱により組織層の厚み全体を通過することができるため、それが組織での実際の温度を測定するために使用され得ることである。対照的に、熱電対で封止中に温度を測定するとき、接触表面の温度のみが測定される。電極の温度及び熱容量は、この方法での組織温度の特定についての外乱変数を表す。これは、待ち時間及び真の組織温度の歪曲につながる。従って、この方法は、組織温度を反映しないが、熱電対が接触する周囲の温度を表す。光の温度特定で、封止プロセスの制御についての重要なパラメータを得ることが可能である。さらに、特定された温度は、スイッチオフ/制御/調整基準/プロセスパラメータとして、及び/又はプロセス制御/プロセス調整のために使用され得る。
【0051】
好ましくは特定の波長の光(例えば、VIS-NIR範囲の白色光)が体の組織からリミッションされ、体の組織からリミッションされる光のスペクトルは、温度の関数として変化することが示されている。従って、体の組織の照射のための照明/照明出力、及び体の組織によって直接的に電極にリミッションされる光の検出のための検出器/検出器入力をもたらし、従って、検出されリミッションされた光の迂回及びそのスペクトル分布を介して電極の近傍の(電極間の)組織温度を特定することが可能である。
【0052】
従って、好ましい実施形態では、(HFタイプの)医療機器は、
組織を封止及び/若しくは切開するために少なくとも一つの通電可能な電極を形成する、又は組織を封止及び/若しくは切開するために少なくとも一つの通電可能な電極内に、若しくは少なくとも一つの通電可能な電極に配列されている少なくとも一つの機器派生物であって、電極の通電は、計算ユニットによって制御可能及び/又は調整可能である、少なくとも一つの機器派生物と、
少なくとも一つの照明と、少なくとも一つの光検出器と、を備える少なくとも一つの温度測定装置であって、その各々は、少なくとも一つの機器派生物で、若しくは少なくとも一つの機器派生物上で、又は二つの機器派生物での/二つの機器派生物上の反対の位置で、(交互に)形成又は配列されており、それらは、計算ユニットと電気的に接続されている、少なくとも一つの温度測定装置と、を備える。
【0053】
好ましくは、医療機器は、手術機器、単極機器、双極機器、電気手術機器、手術クリップ、手術クランプ、手術鉗子、手術はさみ、外科用メス、及び/又は同様のものである。より好ましくは、医療機器は、HF技術によって、組織を切開及び同時に封止するように提供され適合された封止及び切開機器である。単極機器は、単一のシェル(単一の機器派生物のみ)に形成されていることによって、コンパクトな設計が可能にされ、従って、それらの製造でコストを低下させるという利点を有する。双極機器(二つの対向する機器派生物)は、分解分析がより実現可能であり、それらは、二重の実装でより可変であるという利点を有する。
【0054】
好ましくは、少なくとも一つの機器派生物は、組織と接触させられ得る医療機器の一部/端として理解される。より好ましくは、少なくとも一つの機器派生物は、ジョー部の派生物である。少なくとも一つの機器派生物は、組織を封止するための電極として形成され得、好ましくは、ここで、機器派生物は、導電性金属又はグラファイトで、単一の部分で一体的に形成され/作られている。代替的に、電極は、機器派生物内で及び/又は機器派生物で及び/又は機器派生物上で形成され/配列され/埋め込まれてもよく、好ましくは、この場合、機器派生物は、絶縁体及び/又は電気絶縁材料で作られている。
【0055】
好ましくは、医療機器は、二つの対向する機器派生物を有し、それらは、好ましくは互いに対して移動可能/枢動可能であり、それらの端で、対向する側/ジョー部/エリア/機器派生物の端が配列され/形成されており、それらは、組織と接触させられてもよい。機器派生物自体は、組織を封止するための電極として形成されてもよい。好ましくは、この場合、機器派生物は、導電性金属又はグラファイトで作られており、互いに絶縁されている。しかし、電極はまた、機器派生物内で及び/又は機器派生物で及び/又は機器派生物上で形成されてもよく/配列されてもよく/埋め込まれてもよい。好ましくは、その場合、機器派生物は、絶縁体及び/若しくは電気絶縁材料で作られているか、又はそれらは、金属で作られており、電極に対して絶縁されている。
【0056】
好ましくは、少なくとも一つの電極は、計算ユニットによって制御可能及び/又は調整可能である。より正確には、電極に印加される電流の電流強度、電圧、位相、及び/又は周波数は、制御可能又は調整可能である。
【0057】
好ましくは、温度測定装置は、照明の形態の送光器及び光検出器の形態の受光器を有する、光の温度測定装置/温度計である。
【0058】
好ましくは、照明は、少なくとも一つの光源/励起光源、代替的には、加えて、例えば、光導波路/ミラー/レンズ/反射内壁/散乱媒体、及び同様のものを備える光トンネルなどの他の光構成要素を意味する。より好ましくは、光源は、白色光源/(VIS及び/又はIR及び/又はUV範囲の)LED、重水素ランプ(UV範囲)及び/又はハロゲンランプ(VIS範囲)を意味する。言い換えると、照射場所での/少なくとも一つの入口開口部での機器派生物での/機器派生物内の/機器派生物上の光は、光源によって直接的に、又は光導波路/ミラー/レンズ/光トンネル/散乱媒体、及び同様のものによって光源から、組織と接触するように提供され適合された機器派生物の接触表面の照射場所/光入口開口部/光入射開口部へ光を導くことによって生成されてもよい。より好ましくは、照明の光の照射は、対応する機器派生物及び/又は電極の組織接触表面に対して特定の角度で行われ、それは、照明が、機器派生物内に/機器派生物に/機器派生物上に、角度が付いた/傾斜した出口開口部及び/又は光放射部を有することを意味する。さらに言い換えると、光源自体は、機器派生物上に/機器派生物に/機器派生物内に、傾斜して/角度が付いて配列されているか、又は組織接触表面及び/若しくは発光表面に関して傾斜した/角度が付いた表面を有する。代替的に、例えば、ミラー及び/又は光導波路などの光要素は、機器派生物の接触表面上に/接触表面に/接触表面内に(表面は、組織と接触するように提供され適合されている)傾斜して配列され、光源から照射部位及び/又は接触表面へ光を導いてもよい。
【0059】
白色光源、従って、VIS範囲全体に亘る電磁放射を放出する光源は、照明される組織からより多くの情報を得ることができ、その結果として、組織識別及び/又は多変量データ分析が可能であるという利点を有する。さらに、様々な異なる測定を行うことが可能である。例えば、機器派生物上で、白色光源を有する少なくとも一つの照明及び少なくとも一つの検出器が配列され得、それは、好ましくは異なるセンサ(Si、InGaAsセンサなど)で、スペクトル範囲を測定するように提供され適合されている。
【0060】
小さいスペクトル帯域幅を有する光源は、実装が単純であり、当該光源は安価であり、高度な時間スキャンが当該光源で達成され得、特定のスペクトル範囲に関してより高い強度が可能であるため、互いに及び/又は検出器から2mmよりも大きく離れることが可能であるという利点を有する。
【0061】
好ましくは、検出器及び/又は光検出器は、少なくとも一つのセンサ/フォトダイオード及び/又は光電子増倍管(PMT)、並びに該当する場合には、例えば、光導波路/ミラー/レンズ//反射内壁/散乱媒体、及び同様のものを備え得る光トンネルなどの他の光構成要素を意味する。言い換えると、リミッション場所での、機器派生物内に/機器派生物に/機器派生物上に取り付けられた検出器/検出器部分からの光は、そこで、機器派生物で/機器派生物内で/機器派生物上で、又は光導波路/ミラー/レンズ/反射内壁/散乱媒体、及び同様のものを備え得る光トンネルを介して配置された検出器又は同様のもののセンサによって直接的に測定され得る。光は、機器派生物の接触表面/光入口開口部から、機器派生物の接触面から離れて、又はさらには機器派生物から離れて配列されたセンサ又は同様のものに導かれ得る。より好ましくは、照明から始まる光の照射は、対応する機器派生物及び/又は電極の組織接触表面に対して特定の角度(0°<角度≦90°)で起こる。より好ましくは、機器派生物内の/機器派生物での/機器派生物上の検出器は、接触表面に対して、角度も付いた/傾斜もした入射開口部を有する。さらに言い換えると、検出器自体は、機器派生物上に/機器派生物に/機器派生物内に、傾斜して/角度が付いて配列されているか、又は組織接触表面に関して傾斜した/角度が付いた表面を有する。代替的に、例えば、ミラー及び/又は光導波路などの光要素は、機器派生物の接触表面上に/接触表面に/接触表面内に(表面は、組織と接触するように提供され適合されている)傾斜して配列され、リミッション光をリモートセンサ又は同様のものに導き得る。照射後に体の組織からリミッションされる光は、好ましくは(スペクトルメータ、プリズム、又は異なるフィルタによって)少なくとも二つのチャネルにスペクトル分解され、そして、少なくとも二つのセンサ又は同様のものによって検出され、それ次第で、それらは、少なくとも二つの信号を温度値に変換する計算ユニット/CPUに少なくとも二つの信号を送信している。
【0062】
組織を封止するための電極は、好ましくは金属、導電性セラミック、金属化セラミック、グラファイト、又は金属化グラファイトで作られている。電極は、より好ましくは電磁放射を反射するように提供され適合された表面で形成されている。
【0063】
計算ユニットは、好ましくはプロセッサと、記憶媒体と、を備える。記憶媒体は、温度の測定並びに/又は電極の電流の制御及び/若しくは調整を行うためのステップを記憶するように提供され適合されている。
【0064】
計算ユニットは、第1の電気信号によって、照明/照明の光源(継続期間、強度、波長など)を制御し、検出器は、(専ら)体の組織によって散乱され/リミッションされる光、及び/又は(機器派生物間で)測定され/処置される組織での直接的な反射を検出し、第2の電気信号としての取得されたデータを計算ユニットに送信している。ここで、計算ユニットは、記憶媒体上のアルゴリズムによって、それぞれの第2の電気信号から導出され得る組織の温度を計算する。このように計算される組織の温度に基づいて、少なくとも一つの電極に印加される電流がどの電流強度、どの電圧及び/又は周波数を有するべきかがオンラインで/リアルタイムで計算される。
【0065】
加えて、一実施形態では、組織の抵抗(組織インピーダンス)も、計算ユニットによって特定され得、計算に含まれ得る。言い換えると、電極/ソノトロードでの/電極/ソノトロード間の組織の組織インピーダンスが特定され得、その結果、電極又はUSトランスデューサに印加される電流の電流強度、電圧、及び/又は周波数が、特定された組織インピーダンス及び(光の)温度測定装置の第2の信号(との組合せ)に応答して計算ユニットによって制御又は調整され得る。
【0066】
好ましくは、計算ユニットは、少なくとも一つの電極に印加される電流の電流強度、電圧、及び/又は周波数が、計算ユニット/CPU、好ましくは自動的に及び/又は所定のアルゴリズムによって計算される温度に応答して変化し得るように、本発明による(光の)温度測定装置に接続されている。
【0067】
好ましくは、検出器からの第2の電気信号は、検出器で検出される光の波長及び強度を表す光スペクトルに対応する。このスペクトルに基づいて、水のスペクトル吸収最大値のずれが計算される/特定される。約0.5nm/Kである吸収最大値のこのずれによって、温度が特定され得る。水の吸収スペクトルが特性であるため、ずれはまた、基準測定なしで、及び/又は基準測定ありで特定され得る。
【0068】
好ましくは、計算ユニットは、以下のステップのうちの少なくとも1つを含むか、又は以下のステップのうちの少なくとも1つが計算ユニット内の記憶媒体上に(好ましくは以下の順で)記憶されるように構成されている。
計算ユニットによって、第1の電気信号、好ましくは特定の電流強度及び/又は特定の電圧及び/又は特定の周波数を有する電流で照明を制御するステップ、
電極の近傍又は互いに対向する二つの電極間の特定のエリア内の組織内へ、照明(好ましくは白色光)の電磁放射を放出するステップ、
体の組織から始まる電磁放射のリミッション/拡散反射を(検出器によって)測定するステップ、
第2の電気信号によって、検出器から計算ユニットへ測定結果を送信するステップ、
第2の電気信号を組織温度値に変換するステップ、
好ましくは、好ましくは二つの電極間の組織インピーダンスを特定するステップ、
85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは同時に110℃未満、好ましくは100℃未満の組織の温度に達するか、又は近づくために、電極に流れる電流について新しい電流強度、電圧、及び/又は周波数を特定するように、計算ユニットによって、好ましくは記憶媒体上で予めプログラムされたアルゴリズムによって、組織温度値、好ましくは特定された組織インピーダンスを処理するステップ、
連続的に特定された値Dur95、MeanTempabTmax、及びE2TmaxからパラメータSPを連続的に計算するステップ、
スイッチオフトリガを提供するステップ。
【0069】
一実施形態では、光源と連絡している光トンネルは、少なくとも一つの光源によって少なくとも一方の端で供給され得、少なくとも他方の端は、機器派生物で終了してもよい。言い換えると、少なくとも一つの光源からの光は、光導波路又は同様のものを介して、機器派生物に/機器派生物上に/機器派生物内に配置された少なくとも一つの出力部に方向付けられてもよい。代替的には、少なくとも一つの光源、例えばLEDは、機器派生物上に/機器派生物に/機器派生物内に直接的に配置されてもよい/配列されてもよい。
【0070】
一実施形態では、検出器と連絡している光トンネルは、少なくとも一方の端で少なくとも一つのセンサを備え、少なくとも他方の端で、機器派生物で終了してもよい。言い換えると、機器派生物上に/機器派生物内に配置された少なくとも一つの入力部からの光/リミッションは、反射光チャネル/光導波路、又は同様のものを介して、少なくとも一つのセンサ/フォトダイオード/光電子増倍管、又は同様のものに方向付けられてもよい。代替的には、少なくとも一つのセンサ/フォトダイオード/光電子増倍管は、機器派生物上に/機器派生物に/機器派生物内に配置されてもよい。
【0071】
好ましくは、照明及び検出器は、光トンネルの一端を共有してもよい。言い換えると、光源のビーム経路及びセンサ/フォトダイオード/光電子増倍管のビーム経路は、光トンネルを共有しもよく、その結果、両方とも、機器派生物上に/機器派生物に/機器派生物内に光の入口及び出口を同時に形成する単一の光開口部を介して体の組織と光接触している。
【0072】
好ましくは、複数の検出器及び複数の照明は、少なくとも一つの機器派生物上に配列されている。これに関して、検出器及び/又は照明は各々、所定のパターンで機器派生物上に配列されてもよい。好ましくは、パターンは、直線状である。代替的には、少なくとも一つの検出器及び/又は一つの照明は、第1の機器派生物上に配列され得、少なくとも一つの検出器及び/又は一つの照明は、第2の機器派生物上に、好ましくは対向する機器派生物の対向側に配列され得る。言い換えると、双極機器についての本実施形態では、照明装置から組織内へ光が導入されてもよく、反対側で、検出器は、組織からリミッションされる光を測定してもよい。
【0073】
好ましくは、リミッションの強度がこの場所で非常に高いため、少なくとも一つの照明と少なくとも一つの検出器との間の距離は、0~5mm、より好ましくは0~1mmである。
【0074】
好ましくは、少なくとも一つの機器派生物は、照明ごとに複数の検出器を有し、より好ましくは、検出器は、照明から等しい及び/又は異なる距離で配列されている。言い換えると、照明から第2の検出器までの距離は、第1の検出器までの距離よりも大きくてもよい。
【0075】
好ましくは、照明は、好ましくは定義された帯域幅を有する、より好ましくは100nmよりも小さい帯域幅を有する別々の光源を有する。
【0076】
好ましくは、(光の)温度測定装置は、電極の接触表面よりも低く配置された機器派生物の面上に配列されている。言い換えると、組織と接触する電極及び/又は機器派生物の接触表面は、面を形成している。この面は、少なくとも一つの照明及び/又は少なくとも一つの検出器が配列された面よりも接触方向に高く(組織に近く)配置されている。
【0077】
好ましくは、(光の)温度測定装置は、封止プロセス中/封止中の温度のリアルタイムの/オンラインの特定を可能にする。オンラインの特定は、封止の質に特に重要である。この場合、測定は、組織での温度/組織温度を表し、測定装置の熱容量による、例えば、金属で作られた電極の熱容量による待ち時間又は測定された温度の歪曲がない。保持されている/接触している組織内の水に反応する光の温度測定の利点は、この温度測定装置が著しい熱容量を有しないということである。
【0078】
好ましくは、機器派生物での及び/又は封止&切開機器のジョー部でのリミッション測定は、組織が機器派生物と接触する位置から独立して実行されてもよい。言い換えると、温度測定装置は、組織と接触するように提供され適合されたエリア内の機器派生物の表面上に、分配される形式で、好ましくは均一に分配されて配列されている。上述してきたように、少なくとも一つの機器派生物は、好ましくは電極に沿って及び/又は電極で、複数の励起及び検出経路/照明又は検出経路を有してもよい。
【0079】
上記で説明されるように、インピーダンスの測定に加えて、又は代替的に、温度の測定が行われる。温度は、好ましくは二つの対向する機器派生物間で、好ましくは組織の通電/加熱の(時間)過程で、融合される組織で直接的に測定される。これによって、組織状態の変化は、直接的に/オンラインで検出され得、従って、それに反応することができる。さらなる制御/調整パラメータによってアルゴリズムを拡張することによって、組織内へのエネルギ入力をより十分に評価し、従って、組織の融合をより十分に制御/調整することが可能である。加えて、本発明による温度測定装置はまた、組織の他の特性、例えば組織内の水部分/水含有量を測定するために使用され得る。
【0080】
好ましくは、電極は、組織と接触するように提供され適合された表面上に、少なくとも第1の電極表面を有する。好ましくは、電極は、機器派生物の機器派生物本体上(ジョー部)に配置されているか、又は機器派生物によって形成されている。好ましくは、少なくとも一つの光源/少なくとも一つの光ガイド/少なくとも一つの光構成要素(ダイクロイックミラー/ビームスプリッタ/ミラー)並びに/又は少なくとも一つのセンサ、及び該当する場合には光ガイドを有する少なくとも一つの光検出器(若しくはその一部)は、電極及び/又は機器派生物に組み込まれている。フォトダイオード又は光電子増倍管もセンサと理解され得る。 好ましくは、電極は、少なくとも一つの光出口開口部を有し、少なくとも一つの光出口開口部から/少なくとも一つの光出口開口部を通って、光源の光は、電極表面から出て、及び/又は組織内に放射する。好ましくは、電極は、少なくとも一つの光入口開口部を有し、少なくとも一つの光入口開口部を通って、光は、(専ら)組織(リミッション)から電極表面内に/電極表面を通ってセンサ内に、放射される/リミッションされる/反射される。好ましくは、電極は、少なくとも一つのチャネルを好ましくは備え、それは、少なくとも一つのケーブル/電気線によって少なくとも一つの計算ユニットにデータを導くか、又は少なくとも一つの散乱媒体/少なくとも一つの光導波路/少なくとも一つの反射表面によってリモートセンサに光を伝え、次いでそれが、少なくとも一つのケーブル/電気線によって少なくとも一つの計算ユニットにデータを導くように提供され適合されている。本発明が複数の電極表面及び/又は複数の機器派生物を有する場合、電極表面/機器派生物は、互いに、好ましくは平行に離間している。電極表面/機器派生物間の空間は、好ましくは、組織を分離/切開するように提供され適合された、ナイフ、外科用メス、HF外科用メス、又は同様のものなどの切開装置を挿入可能な形式で受容するように提供され適合されている。従って、組織の切開の少なくとも二つの側に、電極/派生物表面は、HF技術によって組織を凝固させるように形成されている。
【0081】
狭帯域フィルタは、好ましくはセンサの前に配列されている。光トンネルは、電極及び/又は機器派生物に形成されてもよい。言い換えると、光トンネルは、機器派生物及び/又は少なくとも一つの電極を通って光を導いてもよい。すべての実施形態は、互いに組み合わされてもよい。
【0082】
本発明の課題は、医療機器が本発明による方法を行うように提供され適合されているということによって、本発明による医療機器に関して解決される。特に、医療機器は、スイッチオフ装置/スイッチオフ時間の特定のための装置を備え得、それは、本発明による方法を実行するために提供され適合されている。
【0083】
以下では、本発明は、添付の図面を参照して、好ましい実施形態によってより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
図1】第1の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図2】機器派生物の第1の照明及び検出配列を示す。
図3】機器派生物の第2の照明及び検出配列を示す。
図4】機器派生物の第3の照明及び検出配列を示す。
図5】第2の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図6】第2の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図7】第3の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図8】第3の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図9】第4の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図10】第4の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図11】第5の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図12】第5の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図13】第6の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図14】第6の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図15】第7の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図16】第6の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図17】第8の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図18】第8の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図19】第9の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図20】第9の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図21】第10の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図22】第10の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図23】前述の実施形態による双極機器派生物を示す。
図24】双極HF機器上の向かい合う検出器及び照明装置を示す。
図25】本発明による医療装置の概略図を示す。
図26】プロセス中の温度プロファイルの概略図を示す。
【0085】
図面は、概略タイプであり、本発明の理解を助けるためにのみ意図される。同一の要素は、同じ参照数字で示される。様々な実施形態の特徴は、互いに交換可能である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
図1は、第1の実施形態による機器派生物1のエリアを示す。機器派生物1は、絶縁された形式で機器派生物1に埋め込まれた少なくとも一つの電極2を有する。電極2は、体の組織と接触するように提供され適合された派生物側の第1の電極表面4及び第2の電極表面6を有する。(複数の)電極2は、特に、操作可能な機器のジョー部の一方の半分を構成した、機器派生物1の機器派生物本体8に/機器派生物本体8上に配置されている。交互の光源(LED)10並びに光検出器及び/又はセンサ12は、電極2内へ、及び/又は機器派生物1/機器派生物本体8内へ組み込まれている。電極2及び/又は機器派生物1/機器派生物本体8は、光出口開口部14を有し、光出口開口部14から、光源10からの光は、電極表面4及び/若しくは6、並びに/又は派生物接触表面から組織内へ放射される。電極2及び/又は機器派生物1/機器派生物本体8は、光入口開口部16をさらに有し、光入口開口部16を通って、光は、組織から、電極表面4及び/若しくは6内へ/電極表面4及び/若しくは6を通って、並びに/又は派生物接触表面を通って、センサ12内へリミッションする。電極2及び/又は機器派生物1/機器派生物本体8は、少なくとも一つの(長手方向の)チャネル18を有し、それは、ケーブル(より詳細には図示せず)によってセンサ12からのデータ/信号を計算ユニット(より詳細には図示せず)に伝達するように提供され適合されている。
【0087】
図2は、機器派生物1の照明及び検出配列の第1の変形例を示す。本出願の実施形態の各々は、第1の照明及び検出配列を備え得る。図2の照明及び検出配列の上列は、図1の第2の電極/派生物表面6に/第2の電極/派生物表面6内に配列される/埋め込まれている。図2の照明及び検出配列の下列は、図1の第1の電極/派生物エリア4に/第1の電極/派生物エリア4内に配列されている/埋め込まれている。検出器/センサ12及び照明/光源10はそれぞれ、各列において交互に配列されている。ここで、暗い点は、検出器/センサ12を表しており、明るい点は、照明/光源10を表している。好ましくは、狭帯域(光)フィルタ(図示せず)は、検出器/センサ12の前に配列されている。より好ましくは、光電構成要素(センサ12及び照明10)は、電極の下で/派生物の組織接触表面の下で、回路基板上に取り付けられている。
【0088】
図3は、機器派生物の照明及び検出配列の第2の変形例を示す。本出願の実施形態の各々は、照明及び検出配列の第2の変形例を備えてもい。この場合、暗い点は、センサ12を表しており、明るい点は、光源10を表している。照明及び検出配列の第2の変形例は、4つのセンサ12が各々、光源10から等しい距離で光源10の周囲に配列されており、一つの光源10が、別の方向に隣接する光源と、それぞれ、二つのセンサ12を共有するように構成されている。言い換えると、光源10/光源10各々は、仮想の矩形の中心に配置されており、その角にセンサ12が位置している。
【0089】
図4は、機器派生物の照明及び検出配列の第3の変形例を示す。本出願の実施形態の各々は、照明及び検出配列の第3の変形例を備えてもよい。この場合、暗い点は、センサ12を表しており、明るい点は、光源10を表している。照明及び検出配列の第3の変形例は、第2の電極/派生物表面の照明及び検出配列の列が、第1の電極/派生物表面の照明及び検出配列の列が終わる場所で始まることを除いて、照明及び検出配列の第1の変形例と同じである。
【0090】
図5は、第2の実施形態による機器派生物101のエリアを示す。機器派生物101は、電極102を備える。電極102は、組織と接触するように提供され適合された(派生物)表面上に、第1の電極表面104及び第2の電極表面106を有する。この点で、第2の実施形態の派生物は、第1の実施形態の派生物に対応する。電極102は、機器のジョー部の一部である機器派生物101の遠位の機器派生物本体108上に配置されている。光源110及びセンサ112(詳細に図示せず)は、機器派生物本体108の組織接触表面から離れて、機器派生物101内へ組み込まれている。電極102及び/又は機器派生物本体108は、光出口開口部114を備え、光出口開口部114を通って、光源(図示せず)からの光が方向付けられ、光出口開口部114から、光は、電極表面104及び/若しくは106、並びに/又は機器派生物本体108の組織接触表面から、組織内へ放射される/組織に入る。電極102/機器派生物本体108は、光入口開口部116を備え、光入口開口部116を通って、光は、組織から、電極表面104及び/若しくは106並びに/又は機器派生物本体108の組織接触表面内へ/電極表面104及び/若しくは106並びに/又は機器派生物本体108の組織接触表面を通って、センサで終了する光トンネル120内へ放射される/入る。光源から光出口開口部114への光はまた、光トンネル120、好ましくは異なる光トンネル120を通って方向付けられる。光トンネル120は、空気若しくは別の気体で満たされているか、又は真空を有する。光トンネル120は、機器派生物本体108及び/又は電極102を通過する。好ましくは円柱形の光トンネル120は、(中空の円柱形状で)内側のトンネル表面を有し、次いでそれは、電磁波(光波)について反射特性を有する。従って、トンネル内側のトンネル表面は、全反射を可能にするように提供され適合されている。
【0091】
図6は、光トンネル120内の第2の実施形態による機器派生物/機器派生物本体のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル120の内側の表面で全反射され、従って、光トンネル120を通って導かれてもよい。光トンネル120の内側での全反射により、光はまた、湾曲エリア/少なくとも一つの湾曲、又は同様のものを通って導かれ得る。この場合、光トンネル120は、次いで、略90°の湾曲(又は組織接触表面に関して別の角度)で、光トンネル120が開放する派生物本体108の組織接触表面に達するために、派生物本体108に沿って導かれる。
【0092】
図7は、第3の実施形態による機器派生物201のエリアを示す。図7に示すように、機器派生物201は、機器派生物本体208を備え、それは、機器のジョー部の一部を形成しているか、電極であるか、又はそこで、電極202は、絶縁形式で埋め込まれている。電極202は、組織と接触するように提供され適合された派生物表面上に、第1の電極表面204及び第2の電極表面206を有する。従って、電極202は、機器派生物201の機器派生物本体208上に/機器派生物本体208内に配置されている。光源及びセンサは、組織接触表面(図示せず)から離れて、機器派生物201内へ組み込まれている。電極202及び/又は機器派生物本体208は、光出口開口部214を有し、光出口開口部214を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、光出口開口部214から、光は、電極表面204及び/若しくは206、並びに/又は組織接触表面から、組織内へ放射される/入る。電極202及び/又は機器派生物本体208は、光入口開口部216を有し、光入口開口部216を通って、光は、組織から、電極表面204及び/若しくは206並びに/又は機器派生物本体208の組織接触表面内へ/電極表面204及び/若しくは206並びに/又は機器派生物本体208の組織接触表面を通って、センサで終了する光トンネル220内へ放射される/入る。光源から光入口開口部214への光はまた、光トンネル220、好ましくは異なる光トンネル220を通って方向付けられる。光トンネル220は、空気若しくは別の気体で満たされているか、又は真空を有する。光トンネル220は、機器派生物本体208及び/又は電極202を通過する。光源からの光は、好ましくは円柱形の光トンネル220の開口部/円柱形の光トンネル220の長手方向に対して垂直に導入される/照射される。従って、光は、光トンネル220内で真っ直ぐに/直線的に導かれる。光を方向付けるために、少なくとも一つのミラー及び/又はプリズムは、所望の角度で光をそらすために/導くために、光トンネル220で使用される。トンネル220は、任意の幾何形状、例えば、円柱形、立方形状などをとることができる。
【0093】
図8は、光トンネル220内の第3の実施形態による機器派生物のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、直線で/指向的な形式で/平行指向の形式で、光トンネル220内へ供給される。光トンネル220での少なくとも一つのミラーによる誘導により、光はまた、角度が付いたエリア/角度、又は同様のもので導かれ得る。
【0094】
図9は、第4の実施形態による機器派生物301のエリアを示す。機器派生物301は、電極302を有し、それは、組織接触表面を形成している機器派生物本体308で受容されている。電極302は、組織と接触するように提供され適合された表面上に、第1の電極表面304及び第2の電極表面306を有する。従って、電極302は、機器派生物301の機器派生物本体308内に/機器派生物本体308上に配置されている。機器派生物301で、光源及びセンサ(図示せず)は、機器派生物本体308の組織接触表面から離れて提供されている。電極302及び/又は機器派生物本体308は、光出口開口部314を有し、光出口開口部314を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、光出口開口部314から、光は、電極表面304及び/若しくは306、並びに/又は機器派生物本体308から、組織内へ放射される/組織に入る。電極302及び/又は機器派生物本体308は、光入口開口部(図示せず)を有し、光入口開口部を通って、光は、組織から、電極表面304及び/若しくは306内で/電極表面304及び/若しくは306を通って、並びに/又は機器派生物本体308の接触表面を通って、センサで終了する光トンネル320内へ放射される/入る。光源から光出口開口部314への光はまた、好ましくは異なる光トンネル(図示せず)を通って方向付けられる。光トンネル320は、拡散バルク材料322で満たされている。光トンネル320は、機器派生物本体308及び/又は電極302を通過する。本実施形態では、少なくとも二つの光トンネル320は、光入口開口部314及び光出口開口部(図示せず)の列が各々、それぞれの電極表面304及び306に提供されているような横列/縦列で、電極302及び/又は機器派生物本体308において平行に配列されている。図示しない実施形態では、第4の実施形態のバルク材料は、バルク材料自体が光源であってもよく、それは、バルク材料が光を放ち得ることを意味する。
【0095】
図10は、光トンネル320内の第4の実施形態による機器派生物のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル320内へ、より具体的には、光トンネル320内の拡散及び/又は発光バルク材料322内へ供給される。バルク材料322での光の散乱により、光は、組織内へ放射され、リミッションされた光は、同じ構造を有する別の光トンネル(図示せず)によってセンサに導かれる/散乱される。
【0096】
図11は、第5の実施形態による機器派生物401の一部を示す。機器派生物401は、電極402を有し、それは、この場合、絶縁形式で機器派生物本体408に埋め込まれている。電極402は、組織と接触するように提供され適合された機器派生物本体408の表面上に、第1の電極表面404及び第2の電極表面406を有する。従って、電極402は、機器派生物401の機器派生物本体408内に/機器派生物本体408上に配置されている。機器派生物401において、光源及びセンサは、機器派生物本体408の組織接触表面から離れて提供されている(図示せず)。電極402及び/又は機器派生物本体408は、光出口開口部414を備え、光出口開口部414を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、光出口開口部414から、光は、電極表面404及び/若しくは406から、並びに/又は組織接触表面から、組織内へ放射される/組織に入る。電極402及び/又は機器派生物本体408は、光入口開口部(図示せず)を有し、光入口開口部を通って、組織からの光は、電極表面404及び/若しくは406内で/電極表面404及び/若しくは406を通って、並びに/又は接触表面を通って、センサで終了する光トンネル420内へ放射する/出る。光源から光出口開口部414への光はまた、好ましくは異なる光トンネル(図示せず)を通って方向付けられる。光トンネル420は、模様付きのバルク材料422で満たされている。光トンネル420は、機器派生物本体408及び/又は電極402を通過する。本実施形態では、少なくとも二つの光トンネル420は、光入口開口部414及び光出口開口部(図示せず)の列が各々、それぞれの電極表面404及び406に提供されているような横列/縦列で、電極402及び/又は機器派生物本体408において平行に配列されている。図示しない実施形態では、第5の実施形態のバルク材料は、バルク材料自体が光源を構成していてもよく、それは、バルク材料が光を放ち得ることを意味する。
【0097】
図12は、光トンネル420内の第5の実施形態による機器派生物のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル420内へ、より具体的には、光トンネル420内の構造化バルク材料422内へ供給される。バルク材料422内の挿入の構造により、光は、組織内へ放射され、リミッションされた光は、同じ構造を有する別の光トンネル(図示せず)によってセンサに導かれる/散乱される。
【0098】
図13は、第6の実施形態による機器派生物501のエリアを示す。機器派生物501は、電極502を有し、本実施形態では、機器派生物本体501及び電極502は、それらの構造及び配列の点で前述の実施形態に対応する。光源及びセンサ(図示せず)は、機器派生物本体内へ組み込まれている。電極502/機器派生物本体は、光出口開口部514を有し、光出口開口部514を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、そこから、光は、組織内へ放射される/組織に入る。電極502/機器派生物本体は、光入口開口部(図示せず)を備え、光入口開口部を通って、組織からの光は、センサで終了する光トンネル520内へ放射される/入る。光源から光入口開口部514への光は、少なくとも一つの光トンネル520を通って方向付けられる。本実施形態では、単一の光トンネル520は、電極502に、従って、機器派生物本体501に形成されている。光出口開口部514及び光入口開口部(図示せず)の各々の列は、電極502及び/又は機器派生物本体に提供されている。少なくとも一つのミラー/反射傾斜/角度が付いた面524は、光トンネル520に形成されている。面524は、電極及び/又は機器派生物本体を磨くことによって、又はミラーを光トンネル520内へ導入することによって形成され得る。光トンネル520は、機器派生物本体を通過する。光出口開口部514及び光入口開口部(図示せず)の少なくとも一つの列は、電極502/機器派生物本体の表面に提供されている。代替的に、又は加えて、このタイプの単一の光トンネル520は、適切なフィルタを用いて、反射された光の励起及び受け取りの両方に役立ち得る。これは、リミッション波長範囲に対応するフィルタが、光源の後に配置されているが、残りの光が、組織内へ方向付けられ、同じ及び/又は隣接する開口部によって受け取られ、同じ反射面524を介してセンサに戻されることを意味する。
【0099】
図14は、光トンネル520内の第6の実施形態による機器派生物501のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル520内へ供給され、所定の角度で(好ましくは0°~90°の角度で)角度が付いたミラー面524でそらされる。光は、(複数の)ミラー/(複数の)ミラー表面/(複数の)ミラー面524を通って組織内へ放射され、リミッションされた光は、同じ構造を有する別の光トンネル(図示せず)によってセンサに方向付けられる/導かれる。
【0100】
図15は、第7の実施形態による機器派生物601のエリアを示す。機器派生物601は、電極602を有し、それは、機器派生物本体608によって受容されている。電極602は、組織と接触するように提供され適合された機器派生物本体608の表面上に、第1の電極表面604及び第2の電極表面606を有する。光源及びセンサ(図示せず)は、機器派生物本体608内へ組み込まれている。機器派生物本体608は、光出口開口部614を備え、光出口開口部614を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、組織接触表面から組織内へ放射される/組織に入る。さらに、機器派生物本体608は、光入口開口部(図示せず)を備え、光入口開口部を通って、光は、組織から、機器派生物本体608の組織接触表面内へ/機器派生物本体608の組織接触表面を通って、センサで終了する光トンネル620内へ放射される/入る。光源から光出口開口部614への光はまた、第2の光トンネル(図示せず)を通って方向付けられる。少なくとも一つの部分透光面626は、光トンネル620内へ導入されており、少なくとも一つの部分透光面626は、電磁放射の一部を透過させ、従って、光の一部について透光させ、光の一部を反射させる。好ましくは、部分透光面は、部分透光ミラーであり、より好ましくは、複数の部分透光面626が、光トンネルに直列に配列されている。
【0101】
図16は、光トンネル620内の第7の実施形態による機器派生物601のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル620内へ供給される。光源から来る入射光は、直線で/指向的な形式で/平行指向の形式で光トンネル620内へ供給される。光トンネル620で少なくとも一つの部分透光ミラー626によって導くことによって、光は、角度が付いた領域/角度、又は同様のもので導かれる/反射される/鏡映される。 部分透光ミラー626を通過する光は、前述のミラーのものと同じ角度で配列された別の部分透光ミラー626に対して入射する等々である。部分透光ミラー/ミラー表面/ミラー面626を通って、光は組織内へ放射され、リミッションされた光は、同じ構造を有する別の光トンネル(図示せず)によってセンサに方向付けられ/導かれる。
【0102】
図17は、第8の実施形態による機器派生物701のエリアを示す。機器派生物701は、電極702を備える。電極702は、機器派生物701の機器派生物本体708上に配置されている。機器派生物701で、光源及びセンサは、機器派生物本体708から離れて、好ましくは外部に提供されている(図示せず)。機器派生物本体708は、少なくとも一つの光トンネル720を備え、少なくとも一つの光トンネル720を通って、図示しない光源の光が方向付けられ、少なくとも一つの光トンネル720から、光は、組織内へ放射される/組織に入る。機器派生物本体708は、少なくとも一つの他の光トンネル720を備え、少なくとも一つの他の光トンネル720を通って、組織からの光は、センサに方向付けられる。本実施形態では、光トンネル720は、例えば、光ファイバなどの光導波路によって形成されている。
【0103】
図18は、光トンネル720内の第8の実施形態による機器派生物のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル720の内側の表面で全反射され、従って、光トンネル720を通って導かれ得る。光トンネル720の内側での全反射により、光はまた、湾曲エリア/少なくとも一つの湾曲、又は同様のものを通って導かれ得る。
【0104】
図19は、第9の実施形態による機器派生物801のエリアを示す。機器派生物801は、電極802を備える。電極802は、組織と接触するように提供され適合されたその機器派生物本体の組織接触表面上に、第1の電極表面804及び第2の電極表面806を有する。光源及びセンサ(図示せず)は、機器派生物本体に組み込まれている。機器派生物本体はまた、光出口開口部814を備え、光出口開口部814を通って、図示しない光源からの光が導かれ、組織内へ放射される/組織に入る。機器派生物本体はまた、光入口開口部816を含み、光入口開口部816を通って、組織から機器派生物本体内の/機器派生物本体を通る光は、センサで終了する光トンネル820内へ放射される/光トンネル820に入る。光源から光出口開口部814への光は、同じ光トンネルを通って方向付けられる。言い換えると、光出口開口部814は、光入口開口部816として機能してもよく、逆もまた同様である。少なくとも二つの部分透光面626は、光トンネル820内へ導入されており、それは、電磁放射の一部を透過させ、従って、光の一部について透光させ、光の一部を反射させる。好ましくは、部分透光面は、部分透光ミラーであり、より好ましくは、複数の部分透光面626が、光トンネルに直列に配列されている。本実施形態でのこの配列により、部分透光ミラーの各々は、光出口開口部814又は光入口開口部816の各々に割り当てられている。
【0105】
図20は、光トンネル820内の第9の実施形態による機器派生物801のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル820内へ供給される。光源から来る入射光は、直線で/指向的な形式で/平行指向の形式で光トンネル820内へ供給される。光トンネル820内で少なくとも二つの部分透光ミラー826によって導くことによって、光は、角度が付いたエリア/角度、又は同様のもので導かれる/反射される/鏡映される。部分透光ミラー826を通過する光は、前のミラーと同じ角度で配列された少なくとも一つの他の部分透光ミラー826に対して入射する等々である。部分透光ミラー/ミラー表面/ミラー面826を通って、光は、組織内へ照射され、リミッションされた光は、同じ光トンネル820からであるが、隣接する開口部を通ってセンサに方向付けられ/導かれる。さらに言い換えると、開口部は、光出口開口部及び隣接する開口部についての光入口開口部の両方である。
【0106】
図21は、第10の実施形態による機器派生物901のエリアを示す。機器派生物901は、電極902を備え、本実施形態では、機器派生物本体及び電極は、それらの構造及び配列の点で前の実施形態に対応する。従って、機器派生物で、光源及びセンサ(図示せず)は、機器派生物本体の組織接触表面から離れて提供されている。機器派生物本体は、光出口開口部914を含み、光出口開口部914を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、そこから、光は、組織内へ放射される/組織に入る。機器派生物本体は、光入口開口部916をさらに含み、光入口開口部916を通って、組織からの光は、センサで終了する光トンネル920内へ放射される/出る。光源から光出口開口部914への光は、少なくとも一つの光トンネル920を通って方向付けられる。光入口開口部916からセンサへの光は、(同じ設計の)少なくとも一つの他の光トンネル920を通って方向付けられる。従って、本実施形態では、少なくとも二つの光トンネル920は、機器派生物本体に形成されている。光出口開口部914及び光入口開口部916は交互に、機器派生物本体に提供されている。少なくとも一つのミラー/反射傾斜/角度が付いた面924は、光トンネル920に形成されている。
【0107】
図22は、光トンネル920内の第10の実施形態による機器派生物901のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル920内へ供給され、所定の角度で(好ましくは0~90°の角度で)角度が付いたミラー面924でそらされる。ミラー/ミラー表面/ミラー面924を通って、光は組織内へ照射され、リミッションされた光は、同じ構造を有する別の光トンネル920によってセンサに方向付けられる/導かれる。
【0108】
図23は、上記の実施形態による双極機器派生物を示す。実施形態1~10は、双極医療HF機器で使用されるように提供され適合されており、二つの機器派生物本体は、好ましくは、互いに対して枢動的に取り付けられており、互いの間の組織受容ギャップを画定する。
【0109】
図24は、双極HF機器上の対向する検出器及び照明を示す。この場合、照明の光出口開口部1014及び検出器の光入口開口部1016はそれぞれ、対向する機器派生物/機器派生物本体上に配置されている。
【0110】
図25は、本発明による医療装置1100の概略図を示す。光源1110は、光を放出するように提供され適合されている。センサ1112は、光を検出するように提供され適合されている。光源は、光出口開口部1114を通る光を放出する。センサ1112は、光入口開口部1116を通る光を受信する。光源1110及びセンサ1112は、チャネル1118に配置されたデータ線1130及び1132と連絡している。チャネル1118は、絶縁形式で電極も受容する機器派生物本体に形成されている。電極1134が受容された一つの機器派生物本体は、反対の電極1136が受容された機器派生物本体で組織1138を固定する。電極1134及び電極1136は、線1140及び1142と連絡している。データ線1130及び1132並びに線1140及び1142は、記憶媒体1146を備える計算ユニット1144と連絡している。
【0111】
図26は、プロセス中の温度プロファイルの概略図を示す。ここで、組織の温度vは、時間tにおけるグラフ上にプロットされている。t1は、組織が85℃、好ましくは95℃の温度に達する時点を示す。T2は、SPの値が2.5の値に達する点を示す。SPの値は、組織の温度が85℃、好ましくは95℃に達した時点からオンラインで計算されている。この時点から、組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上である継続期間が測定され、平均温度は、85℃、好ましくは95℃に達した(ここで、破線によって示される)第1の時間からオンラインで計算された。これらの二つの値は、リアルタイムで乗算され、85℃、好ましくは95℃に達するまでのエネルギ入力で除算され、それによって、SPの値を、好ましくはリアルタイムで計算する。
【符号の説明】
【0112】
1,101,201,301,401,501,601,701,801,901:機器派生物
2,102,202,302,402,502,602,702,802,902:電極
4,104,204,304,404,604,804,904:第1の電極表面
6,106,206,306,406,606,806,906:第2の電極表面
8,108,208,308,408,708:機器派生物本体
10,1110:光源
12,1112:センサ
14,114,214,314,414,514,614,714,814,914,1014,1114:光入口開口
16,116,216,616,716,816,916,1016,1116:光出口開口
18,1118:チャネル
120,220,320,420,520,620,720,820,920:光トンネル
322,422:バルク材料
524,924:ミラー化された傾斜面
626,826:部分透光面
1028:双極機器派生物
1130,1132,1140,1142:線
1134:第1の電極
1136:第2の電極
1138:組織
1144:計算ユニット
1146:記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5-6】
図7-8】
図9-10】
図11-12】
図13-14】
図15-16】
図17-18】
図19-20】
図21-22】
図23
図24
図25
図26
【手続補正書】
【提出日】2022-05-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器のスイッチオフ時間の特定のための方法を記憶している医療機器の記憶媒体であって、
組織の温度が85℃よりも上である継続期間を測定するステップと、
記温度が85℃に達する第1の時間からの平均温度を計算するステップと、
85℃の前記温度に達するまでのエネルギ入力を測定及び/又は計算するステップと、
上述の結果を関連付けるパラメータSPであって、所定の値の前記パラメータSPで、好ましくは2~3の所定の値SPで、前記医療機器をスイッチオフする前記パラメータSPを計算するステップと、
を備える記憶媒体
【請求項2】
前記パラメータSPは、前記組織の前記温度が85℃よりも上である前記継続期間が、85℃の前記温度に達する前記第1の時間からの前記平均温度で乗算され、85℃の前記温度に達するまでの前記エネルギ入力で除算された前記結果であることを特徴とする、請求項1に記載の記憶媒体
【請求項3】
記憶された前記方法は、
少なくとも一つの照明によって、励起スペクトルを有する光を組織内へ放出するステップと、
少なくとも一つの検出器によって、前記組織からリミッションスペクトルを有する光のリミッションを受信するステップと、
前記検出器によって、前記リミッションスペクトルを検出器信号に変換するステップと、
前記検出器信号を計算ユニットに送信するステップと、
前記計算ユニットによって、前記検出器信号から前記リミッションスペクトルを計算するステップと、
前記計算ユニットを使用して、前記励起スペクトルを前記リミッションスペクトルと比較することによって、前記組織の吸収スペクトルを計算するステップと、
前記計算ユニットによって、前記吸収スペクトルから少なくとも一つの吸収最大値を計算するステップと、
前記計算ユニットによって、前記吸収最大値を少なくとも一つの基準と比較することによって前記組織での温度を計算するステップと、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の記憶媒体
【請求項4】
前記方法は、
記計算ユニット内の記憶媒体で、特定の温度での吸収最大値の形態で少なくとも一つの基準を記憶するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項2又は3に記載の記憶媒体
【請求項5】
前記方法は、
前記照明及び前記検出器を前記組織に適用するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の記憶媒体
【請求項6】
前記方法は、
前記計算された温度及び/又は組織インピーダンスに基づいて、前記計算ユニットによって、医療機器を制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップをさらに含むことを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の記憶媒体
【請求項7】
前記制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップは、所定の温度に達するとき、85℃よりも高い温度で行われることを特徴とする、請求項6に記載の記憶媒体
【請求項8】
医療機器を前記制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップは、リアルタイムで行われることを特徴とする、請求項6又は7に記載の記憶媒体
【請求項9】
温度測定のための記憶された前記方法は、封止プロセス中に行われることを特徴とする、請求項2から8のいずれか一項に記載の記憶媒体
【請求項10】
前記検出器は、1000nm~1700nmのNIR範囲で、リミッションスペクトルを測定するように提供され適合されていることを特徴とする、請求項3から9のいずれか一項に記載の記憶媒体
【請求項11】
前記照明及び前記検出器は離間していることを特徴とする、請求項2から10のいずれか一項に記載の記憶媒体
【請求項12】
組織を封止及び/又は切開するための医療機器であって、
組織の温度を測定するように提供され適合された温度測定装置と、
計算ユニットと
を備え、
前記医療機器、特に前記温度測定装置は、前記組織の前記温度が85℃よりも上である継続期間を測定するように提供され適合されており、
前記計算ユニットは、好ましくはオンラインで、第1の時間で85℃の前記温度に達してからの平均温度を計算するように提供され適合されており、
前記医療機器は、85℃の前記温度に達するまでのエネルギ入力を測定及び/又は計算するようにさらに適合されており、
前記計算ユニットは、前記継続期間、前記平均温度、及び前記エネルギ入力の上述の結果を関連付けるパラメータSPを計算するように提供され適合されており、
前記医療機器は、所定の値SPで、及び/又は所定の値SPから、好ましくは所定の値SPが2~3で、前記医療機器をスイッチオフするように適合されている、医療機器。
【請求項13】
前記医療機器は、組織の封止及び/若しくは切開のために少なくとも一つの通電可能な電極を形成し、又は組織の封止及び/若しくは切開のために前記少なくとも一つの通電可能な電極内に、若しくは前記少なくとも一つの通電可能な電極上に配列された、少なくとも一つの機器派生物を備え、前記電極の前記通電は、前記計算ユニットによって制御可能及び/又は調整可能であることを特徴とする、請求項12に記載の医療機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
図1】第1の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図2】機器派生物の第1の照明及び検出配列を示す。
図3】機器派生物の第2の照明及び検出配列を示す。
図4】機器派生物の第3の照明及び検出配列を示す。
図5】第2の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図6】第2の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図7】第3の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図8】第3の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図9】第4の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図10】第4の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図11】第5の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図12】第5の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図13】第6の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図14】第6の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図15】第7の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図16】第の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図17】第8の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図18】第8の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図19】第9の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図20】第9の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図21】第10の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図22】第10の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図23】前述の実施形態による双極機器派生物を示す。
図24】双極HF機器上の向かい合う検出器及び照明装置を示す。
図25】本発明による医療装置の概略図を示す。
図26】プロセス中の温度プロファイルの概略図を示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0092】
図7は、第3の実施形態による機器派生物201のエリアを示す。図7に示すように、機器派生物201は、機器派生物本体208を備え、それは、機器のジョー部の一部を形成しているか、電極であるか、又はそこで、電極202は、絶縁形式で埋め込まれている。電極202は、組織と接触するように提供され適合された派生物表面上に、第1の電極表面204及び第2の電極表面206を有する。従って、電極202は、機器派生物201の機器派生物本体208上に/機器派生物本体208内に配置されている。光源及びセンサは、組織接触表面(図示せず)から離れて、機器派生物201内へ組み込まれている。電極202及び/又は機器派生物本体208は、光出口開口部214を有し、光出口開口部214を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、光出口開口部214から、光は、電極表面204及び/若しくは206、並びに/又は組織接触表面から、組織内へ放射される/入る。電極202及び/又は機器派生物本体208は、光入口開口部216を有し、光入口開口部216を通って、光は、組織から、電極表面204及び/若しくは206並びに/又は機器派生物本体208の組織接触表面内へ/電極表面204及び/若しくは206並びに/又は機器派生物本体208の組織接触表面を通って、センサで終了する光トンネル220内へ放射される/入る。光源から光口開口部214への光はまた、光トンネル220、好ましくは異なる光トンネル220を通って方向付けられる。光トンネル220は、空気若しくは別の気体で満たされているか、又は真空を有する。光トンネル220は、機器派生物本体208及び/又は電極202を通過する。光源からの光は、好ましくは円柱形の光トンネル220の開口部/円柱形の光トンネル220の長手方向に対して垂直に導入される/照射される。従って、光は、光トンネル220内で真っ直ぐに/直線的に導かれる。光を方向付けるために、少なくとも一つのミラー及び/又はプリズムは、所望の角度で光をそらすために/導くために、光トンネル220で使用される。トンネル220は、任意の幾何形状、例えば、円柱形、立方形状などをとることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
図9は、第4の実施形態による機器派生物301のエリアを示す。機器派生物301は、電極302を有し、それは、組織接触表面を形成している機器派生物本体308で受容されている。電極302は、組織と接触するように提供され適合された表面上に、第1の電極表面304及び第2の電極表面306を有する。従って、電極302は、機器派生物301の機器派生物本体308内に/機器派生物本体308上に配置されている。機器派生物301で、光源及びセンサ(図示せず)は、機器派生物本体308の組織接触表面から離れて提供されている。電極302及び/又は機器派生物本体308は、光出口開口部314を有し、光出口開口部314を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、光出口開口部314から、光は、電極表面304及び/若しくは306、並びに/又は機器派生物本体308から、組織内へ放射される/組織に入る。電極302及び/又は機器派生物本体308は、光入口開口部(図示せず)を有し、光入口開口部を通って、光は、組織から、電極表面304及び/若しくは306内で/電極表面304及び/若しくは306を通って、並びに/又は機器派生物本体308の接触表面を通って、センサで終了する光トンネル320内へ放射される/入る。光源から光出口開口部314への光はまた、好ましくは異なる光トンネル(図示せず)を通って方向付けられる。光トンネル320は、拡散バルク材料322で満たされている。光トンネル320は、機器派生物本体308及び/又は電極302を通過する。本実施形態では、少なくとも二つの光トンネル320は、光口開口部314及び光口開口部(図示せず)の列が各々、それぞれの電極表面304及び306に提供されているような横列/縦列で、電極302及び/又は機器派生物本体308において平行に配列されている。図示しない実施形態では、第4の実施形態のバルク材料は、バルク材料自体が光源であってもよく、それは、バルク材料が光を放ち得ることを意味する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0096】
図11は、第5の実施形態による機器派生物401の一部を示す。機器派生物401は、電極402を有し、それは、この場合、絶縁形式で機器派生物本体408に埋め込まれている。電極402は、組織と接触するように提供され適合された機器派生物本体408の表面上に、第1の電極表面404及び第2の電極表面406を有する。従って、電極402は、機器派生物401の機器派生物本体408内に/機器派生物本体408上に配置されている。機器派生物401において、光源及びセンサは、機器派生物本体408の組織接触表面から離れて提供されている(図示せず)。電極402及び/又は機器派生物本体408は、光出口開口部414を備え、光出口開口部414を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、光出口開口部414から、光は、電極表面404及び/若しくは406から、並びに/又は組織接触表面から、組織内へ放射される/組織に入る。電極402及び/又は機器派生物本体408は、光入口開口部(図示せず)を有し、光入口開口部を通って、組織からの光は、電極表面404及び/若しくは406内で/電極表面404及び/若しくは406を通って、並びに/又は接触表面を通って、センサで終了する光トンネル420内へ放射する/出る。光源から光出口開口部414への光はまた、好ましくは異なる光トンネル(図示せず)を通って方向付けられる。光トンネル420は、模様付きのバルク材料422で満たされている。光トンネル420は、機器派生物本体408及び/又は電極402を通過する。本実施形態では、少なくとも二つの光トンネル420は、光口開口部414及び光口開口部(図示せず)の列が各々、それぞれの電極表面404及び406に提供されているような横列/縦列で、電極402及び/又は機器派生物本体408において平行に配列されている。図示しない実施形態では、第5の実施形態のバルク材料は、バルク材料自体が光源を構成していてもよく、それは、バルク材料が光を放ち得ることを意味する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
図13は、第6の実施形態による機器派生物501のエリアを示す。機器派生物501は、電極502を有し、本実施形態では、機器派生物本体501及び電極502は、それらの構造及び配列の点で前述の実施形態に対応する。光源及びセンサ(図示せず)は、機器派生物本体内へ組み込まれている。電極502/機器派生物本体は、光出口開口部514を有し、光出口開口部514を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、そこから、光は、組織内へ放射される/組織に入る。電極502/機器派生物本体は、光入口開口部(図示せず)を備え、光入口開口部を通って、組織からの光は、センサで終了する光トンネル520内へ放射される/入る。光源から光口開口部514への光は、少なくとも一つの光トンネル520を通って方向付けられる。本実施形態では、単一の光トンネル520は、電極502に、従って、機器派生物本体501に形成されている。光出口開口部514及び光入口開口部(図示せず)の各々の列は、電極502及び/又は機器派生物本体に提供されている。少なくとも一つのミラー/反射傾斜/角度が付いた面524は、光トンネル520に形成されている。面524は、電極及び/又は機器派生物本体を磨くことによって、又はミラーを光トンネル520内へ導入することによって形成され得る。光トンネル520は、機器派生物本体を通過する。光出口開口部514及び光入口開口部(図示せず)の少なくとも一つの列は、電極502/機器派生物本体の表面に提供されている。代替的に、又は加えて、このタイプの単一の光トンネル520は、適切なフィルタを用いて、反射された光の励起及び受け取りの両方に役立ち得る。これは、リミッション波長範囲に対応するフィルタが、光源の後に配置されているが、残りの光が、組織内へ方向付けられ、同じ及び/又は隣接する開口部によって受け取られ、同じ反射面524を介してセンサに戻されることを意味する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
図19は、第9の実施形態による機器派生物801のエリアを示す。機器派生物801は、電極802を備える。電極802は、組織と接触するように提供され適合されたその機器派生物本体の組織接触表面上に、第1の電極表面804及び第2の電極表面806を有する。光源及びセンサ(図示せず)は、機器派生物本体に組み込まれている。機器派生物本体はまた、光出口開口部814を備え、光出口開口部814を通って、図示しない光源からの光が導かれ、組織内へ放射される/組織に入る。機器派生物本体はまた、光入口開口部816を含み、光入口開口部816を通って、組織から機器派生物本体内の/機器派生物本体を通る光は、センサで終了する光トンネル820内へ放射される/光トンネル820に入る。光源から光出口開口部814への光は、同じ光トンネルを通って方向付けられる。言い換えると、光出口開口部814は、光入口開口部816として機能してもよく、逆もまた同様である。少なくとも二つの部分透光面26は、光トンネル820内へ導入されており、それは、電磁放射の一部を透過させ、従って、光の一部について透光させ、光の一部を反射させる。好ましくは、部分透光面は、部分透光ミラーであり、より好ましくは、複数の部分透光面26が、光トンネルに直列に配列されている。本実施形態でのこの配列により、部分透光ミラーの各々は、光出口開口部814又は光入口開口部816の各々に割り当てられている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
図26は、プロセス中の温度プロファイルの概略図を示す。ここで、組織の温度vは、時間tにおけるグラフ上にプロットされている。t1は、組織が85℃、好ましくは95℃の温度に達する時点を示す。2は、SPの値が2.5の値に達する点を示す。SPの値は、組織の温度が85℃、好ましくは95℃に達した時点からオンラインで計算されている。この時点から、組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上である継続期間が測定され、平均温度は、85℃、好ましくは95℃に達した(ここで、線によって示される)第1の時間からオンラインで計算された。これらの二つの値は、リアルタイムで乗算され、85℃、好ましくは95℃に達するまでのエネルギ入力で除算され、それによって、SPの値を、好ましくはリアルタイムで計算する。 以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
医療機器のスイッチオフ時間の特定のための方法であって、
組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である継続期間を測定するステップと、
好ましくはオンラインで、前記温度が85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達する第1の時間からの平均温度を計算するステップと、
85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の前記温度に達するまでのエネルギ入力を測定及び/又は計算するステップと、
上述の結果を関連付けるパラメータSPであって、所定の値の前記パラメータSPで、好ましくは2~3の所定の値SPで、特に所定の値SP2.5で、前記医療機器をスイッチオフする前記パラメータSPを計算するステップと、
を備える方法。
(項目2)
前記パラメータSPは、前記組織の前記温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である前記継続期間が、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の前記温度に達する前記第1の時間からの前記平均温度で乗算され、85℃、好ましくは95℃の前記温度に達するまでの前記エネルギ入力で除算された前記結果であることを特徴とする、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記方法は、
少なくとも一つの照明(10、1110)によって、励起スペクトルを有する光を組織内へ放出するステップと、
少なくとも一つの検出器(12、1112)によって、前記組織からリミッションスペクトルを有する光のリミッションを受信するステップと、
前記検出器(12、1112)によって、前記リミッションスペクトルを検出器信号に変換するステップと、
前記検出器信号を計算ユニット(1144)に送信するステップと、
前記計算ユニット(1144)によって、前記検出器信号から前記リミッションスペクトルを計算するステップと、
前記計算ユニット(1144)を使用して、前記励起スペクトルを前記リミッションスペクトルと比較することによって、前記組織の吸収スペクトルを計算するステップと、
前記計算ユニット(1144)によって、前記吸収スペクトルから少なくとも一つの吸収最大値を計算するステップと、
前記計算ユニット(1144)によって、前記吸収最大値を少なくとも一つの基準と比較することによって前記組織での温度を計算するステップと、
をさらに備えることを特徴とする、項目1又は2に記載の方法。
(項目4)
前記方法は、
好ましくは水及び/又は脂肪及び/又はコラーゲンについて、前記計算ユニットで、好ましくは前記計算ユニット内の記憶媒体で、特定の温度での吸収最大値の形態で少なくとも一つの基準を記憶するステップをさらに含むことを特徴とする、項目2又は3に記載の方法。
(項目5)
前記方法は、
前記照明及び前記検出器(12、1120)を前記組織に適用するステップをさらに含むことを特徴とする、項目2から4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記方法は、
前記計算された温度及び/又は組織インピーダンスに基づいて、前記計算ユニットによって、装置、好ましくは医療機器を制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップをさらに含むことを特徴とする、項目2から5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップは、所定の温度に達するとき、好ましくは85℃よりも高い温度で、好ましくは95℃よりも高い温度で、好ましくは100℃未満の温度で行われることを特徴とする、項目6に記載の方法。
(項目8)
医療機器を前記制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップは、オンラインで、好ましくはリアルタイムで行われることを特徴とする、項目6又は7に記載の方法。
(項目9)
温度測定のための前記方法は、封止プロセス中に行われることを特徴とする、項目2から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記検出器は、1000nm~1700nmのNIR範囲で、より好ましくは1400nm~1600nmの前記範囲で、リミッション、好ましくはリミッションスペクトルを測定するように提供され適合されていることを特徴とする、項目3から9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記照明及び前記検出器は離間していることを特徴とする、項目2から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
医療機器をスイッチオフするための項目1から11のいずれか一項に記載の前記方法の使用。
(項目13)
医療機器、特に温度測定装置の記憶媒体であって、
前記項目1から11のいずれか一項に記載の前記ステップは、前記記憶媒体(1144)上に記憶されることを特徴とする、記憶媒体。
(項目14)
組織を封止及び/又は切開するための医療機器(1110)であって、
組織の温度を測定するように提供され適合された温度測定装置と、
計算ユニット(1144)と、
を備え、
前記医療機器(1110)、特に前記温度測定装置は、前記組織の前記温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である継続期間を測定するように提供され適合されており、
前記計算ユニット(1144)は、好ましくはオンラインで、第1の時間で85℃の前記温度に達してからの、好ましくは前記第1の時間で95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の前記温度に達してからの平均温度を計算するように提供され適合されており、
前記医療機器(1110)は、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の前記温度に達するまでのエネルギ入力を測定及び/又は計算するようにさらに適合されており、
前記計算ユニット(1144)は、前記継続期間、前記平均温度、及び前記エネルギ入力の上述の結果を関連付けるパラメータSPを計算するように提供され適合されており、
前記医療機器(1110)、特に前記計算ユニット(1144)は、所定の値SPで、及び/又は所定の値SPから、好ましくは所定の値SPが2~3で、特に値SPが2.5で、及び/又は値SPが2.5から、前記医療機器(1110)をスイッチオフするように適合されている、医療機器(1110)。
(項目15)
前記医療機器(1110)は、組織の封止及び/若しくは切開のために少なくとも一つの通電可能な電極(502、602、702、802、902、1134、1136)を形成し、又は組織の封止及び/若しくは切開のために前記少なくとも一つの通電可能な電極(2、102、202、302、402、702)内に、若しくは前記少なくとも一つの通電可能な電極(2、102、202、302、402、702)上に配列された、少なくとも一つの機器派生物(1、101、201、301、401、501、601、701、801、901)を備え、前記電極(2、102、202、302、402、502、602、702、802、902、1134、1136)の前記通電は、前記計算ユニット(1144)によって制御可能及び/又は調整可能であることを特徴とする、項目14に記載の医療機器(1110)。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正2
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正3
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正4
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正5
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正6
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正7
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正8
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正9
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正9】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正10
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱的プロセス中に医療用高周波手術機器(HF、超音波、レーザ機器など)で、特に人間の組織の組織温度を測定するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波手術(以下、HF手術と呼ぶ)では、当該プロセスで生じる加熱により組織を選択的に閉塞(凝固)するために、及び/又は組織を切開(電気切開)するために、高周波交流が人間の体又は体の一部を流れる。このように損傷した組織は後に、周囲の健康な組織によって再吸収される。外科用メスを用いた従来の切開技術と比較した重要な利点は、切開と同時に、関係する血管を閉じることによる止血が凝固の効果で起こり得ることである。血管の閉鎖を確保するために、いわゆる封止及び切開機器が使用されるべきである。使用される装置は、電気メスとも呼ばれる。
【0003】
HF手術(高周波手術)のために使用される周波数に関して、体の組織は、オーム抵抗(インピーダンス)のように機能する。固有抵抗は、組織のタイプに強く依存する。筋肉組織及び高灌流組織の固有抵抗は比較的低い。脂肪の固有抵抗は、約15倍高く、骨の固有抵抗は、約1000倍高い。従って、電流の周波数、形状、及びレベルは、手術が行われる組織のタイプに適合されなければならない/適合されるべきである。
【0004】
現在、ほとんど多くの場合、単極HF技術がHF手術で使用されている。その場合、HF電圧源の極は、例えば、接触用ブレスレット若しくは接触用足首ストラップのそれぞれによる、又は粘着性電極による、患者が横たわっている手術台上での接触によって、可能な限り大きい対極を介して患者と接続されている。この対極は多くの場合、中性電極と呼ばれる。他方の極は、いわゆる活性電極を構成する手術機器に接続されている。電流は、活性電極から中性電極まで、最も少ない抵抗の経路を介して流れている。活性電極の近傍で、電流密度が最も大きく、これは、熱的効果が最も強い場所である。電流密度は、距離の2乗で減少する。中性電極は、可能な限り大きく、体内の電流密度が低く維持されて火傷が生じないように体に十分に接続されるべきである。中性電極上の肌は、大きい表面により、著しく加熱されるわけではない。中性電極を取り付けるとき、厳しい安全措置が適用される。いかなる火傷も生じさせないために、(手術エリアに応じた)中性電極の正確な位置及び良好な接触が非常に重要である。
【0005】
双極HF技術の場合、単極技術とは反対に、電流は、手術の効果(切開又は凝固)が要求される体の小さい部分を流れている。互いに絶縁された(例えば、機器派生物で受容された)二つの電極であって、間にHF電圧が印加される二つの電極は、手術部位に直接的に導かれる。電気回路は、間に配置された組織を介して閉じられる。電極間のその組織内で熱的効果が生じる。
【0006】
凝固クランプが知られている。高周波接続は通常、ここのハンドル上で提供される。多くの場合、絶縁コーティングが施されたねじは、接合のための軸として機能し、また、それにより、ハンドルを有する二つのクランプ脚の各々は、互いに枢動可能に取り付けられている。
【0007】
双極HF血管封止及び/又は切開システムによって、血管又は組織の束は、概して又は切開中に、効果的にかつ永久に封止され得る。従って、周囲の組織の横の熱損傷が限定され、組織癒着が最小値に低減される。
【0008】
医学では、組織は、共通の機能又は構造を有する、同様に又は異なる分化細胞のグループを構成する有機材料として定義される。細胞に加えて、組織はまた、細胞外マトリックス(ECM)を含む。人間の組織の例として、例えば、血管が挙げられる。
【0009】
人間の体は、約56%の酸素(O)、約28%の炭素(C)、約9%の水素(H)、約2%の窒素(N)、約1.5%のカルシウム、約1%の塩素(Cl)、約1%のリン(P)、約0.25%のカリウム(K)、約0.2%の硫黄(S)、及び比較的小さい割合の他の化学物質のその化学組成で構成されている(すべてのデータは重量パーセントである)。
【0010】
人間の体の物質組成は、約67%の水、約16%のタンパク質(例えばコラーゲン)、約10%の脂質(例えば脂肪)、約1%の炭水化物、約1%の核酸、及び約5%の様々なミネラルで構成されている(すべてのデータは重量パーセントである)。
【0011】
コラーゲンは、人間及び動物で見られる構造タンパク質(線維束を形成する「タンパク質」)、主に結合組織(より正確には、細胞外マトリックス)のグループである。コラーゲンは、とりわけ、腱、靭帯、骨、及び軟骨の白色非弾性線維で見られる。肌(皮下組織)の層も、コラーゲンで構成されている。人間の体内では、コラーゲンは、最も豊富なタンパク質であり、すべてのタンパク質の質量合計の30%を超えて占めている。
【0012】
生物において、脂質は主に、細胞膜の構造成分として、エネルギ貯蔵として、又は信号分子として使用される。「脂肪」という用語は多くの場合、脂質の同義語として使用されるが、脂肪(トリグリセリド)は単に、脂質のサブグループである。
【0013】
例えば、NIR範囲の血管などの組織内の主な光吸収体は、水及びコラーゲンである。血管はほとんど、脂肪に囲まれている。
【0014】
電磁放射が固体、液体、又は気体と相互作用すると、吸収、反射、散乱、又は透過などの様々な効果が起こる。言い換えると、電磁放射が障害に遭遇すると、それは、吸収(吸い込まれ)、散乱(その元の方向からそらされ)、透過(通過することが可能になり)、又は反射される(投げ返される)(これは反射の中のリミッション(remission)とも称される)。
【0015】
物理学では、リミッションは、表面を通って散乱媒体に入り、それと相互作用し、この表面を通って再び出る、特に光の拡散(不定方向の)電磁放射である。これは、反射の法則を満たす通常の指向性の反射とは対照的である。しかしながら、両方の場合で反射について言えばより共通している。そして、正反射と拡散反射との間で区別がなされる。リミッション(拡散反射)の場合、光の一部は吸収及び透過される。リミッションについての表面関連の尺度は、反射率である。
【0016】
リミッション分光法は、試料によって反射される放射を測定する分光法の派生物である。リミッション分光法は主に、不透明で不溶性の試料のスペクトル調査のために使用される。サンプルの測定されたリミッションスペクトルは、以下の二つの部分で構成されている。1)放射が表面から正反射される通常の反射。それは、フレネルの式によって記載される。2)放射がすべての方向で等方的に試料を出る拡散リミッション。それは、放射が試料を通り、部分的な吸収及び複数の散乱の後、表面に戻ることによって生じる。
【0017】
水、コラーゲン、及び脂肪のそれぞれの吸収スペクトルは、多数の基によってすでに測定されている。可視スペクトル範囲(VIS)及び近赤外スペクトル範囲(NIR)の両方で、吸収係数の値が利用可能である。
【0018】
従来技術では、双極HF技術における制御プロセスは、主に水の損失によりエネルギ供給の過程で変化する組織インピーダンスによって制御される。組織のインピーダンスは、測定された電圧及び電流の値を使用してオームの法則によって計算される。機器の構成により、特定されたインピーダンスは常に、システム全体の(組織、機器、ケーブル、発電機)の平均値である。
【0019】
血管の封止の質は本質的に、制御プロセス及び組織内への対応するエネルギ入力に依存する。機器の過熱に加えて、これも、周囲の組織に対する熱損傷となり得る。同様に、不十分なエネルギ入力も、融合部位の失敗/破裂につながり得、次いでそれは、出血を通じて顕著になる。多くの場合、この出血は、実際の手術の後、数時間まで起きず、その結果、血管直径に応じて、出血を止めるために、及び/又は血管を安全に閉じるために緊急手術が必要とされ得る。
【0020】
従って、組織温度を測定し、測定された温度値を熱的プロセスの調整/制御へ組み込むことが従来技術で知られている。温度測定結果が電極温度によって歪曲されることを防止するために、組織温度センサと電極との間に十分に大きい距離及び/又は熱分離/断熱が必要とされる。しかしながら、これは、測定された組織温度が、電極での直接的な組織温度と正確に対応していないという点で不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
従って、本発明の課題は、電極に隣接する組織に対する制御された損傷を実施するために、該当する場合には、機器の過熱を防止するためにも、インピーダンスの測定に加えて、又はその代替として、好ましくはオンラインで、融合される組織の温度の可能な限り正確な測定を可能にすることである。言い換えると、本発明の課題は、医療機器のスイッチオフのためのスイッチオフ基準を提供することによって、良好な凝固を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の課題は、請求項1の特徴によって、解決される。
【0023】
本発明は、より好ましくは熱的処置中/熱的プロセス中の医療機器のスイッチオフ時間の特定のための方法に関し、方法は、
組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である継続期間(Dur95)を測定するステップと、
好ましくはオンラインで、当該温度が85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達する第1の時間からの平均温度(MeanTempabTmax)を計算するステップと、
85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の当該温度に達するまでのエネルギ入力(E2Tmax)を測定及び/又は計算するステップと、
上述の結果を関連付けるパラメータSPであって、所定の値のパラメータSPで、好ましくは2~3の所定の値SPで、特に所定の値SP2.5で、医療機器をスイッチオフにする、又は医療機器をこの値からスイッチオフすることを可能にするパラメータSPを計算するステップと、を(好ましくはこの順で)含む。
【0024】
熱的プロセスは、好ましくは、エネルギを放出することによって組織で熱的効果を生成する任意のプロセスである。これはまた、高周波数、超音波、レーザ、及び/又は温度によって実行されるプロセスを含む。それはまた、高周波数、超音波、レーザ、及び/若しくは温度機器によって(例えば焼灼によって)、並びに/又はエネルギを放出することによって組織で熱的効果を生成するすべての医療機器によって実行されるプロセスを含む。
【0025】
好ましくは、方法は、以下のステップのうちの少なくとも1つをさらに含む。
少なくとも一つの照明によって、好ましくはVIS/NIR範囲で励起スペクトルを有する光を組織内へ放出するステップ、
少なくとも一つの検出器、好ましくはセンサによって、組織からリミッションスペクトルを有する光のリミッションを受け取るステップ、
検出器によって、リミッションスペクトルを検出器信号、好ましくは電気信号/データ信号に変換するステップ、
検出器信号を計算ユニット、好ましくはCPUに送信するステップ、
計算ユニットによって、検出器信号からリミッションスペクトルを計算するステップ、
計算ユニットを使用して、励起スペクトルをリミッションスペクトルと比較することによって、組織の吸収スペクトルを計算するステップ、
計算ユニットによって、吸収スペクトルから少なくとも一つの吸収最大値を計算するステップ、
計算ユニットによって、吸収最大値を、好ましくは計算ユニットに記憶された少なくとも一つの基準と比較することによって組織での温度を計算するステップ、
温度に基づいて、医療機器についてのスイッチオフ時間を計算するステップ。
【0026】
好ましくは、温度に基づいて、医療機器についてのスイッチオフ時間を計算するステップは、以下の個々のステップ、すなわち、組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である継続期間(Dur95)を測定するステップ、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達する第1の時間からの平均温度(MeanTempabTmax)を計算するステップ、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達するまでのエネルギ入力(E2Tmax)を測定及び/又は計算するステップ、上述の結果を関連付けるパラメータSPであって、所定の値、好ましくは2~3、より好ましくはSP=2.5で、医療機器をスイッチオフし、及び/又はこの値からスイッチオフの開始を可能にするパラメータSPを計算するステップで構成されている。言い換えると、スイッチオフ基準は、装置が能動的にスイッチオフすることを意味する直接的なスイッチオフを生じさせ得、この値からのスイッチオフの開始が受動的に(別のステップによって、又は人によって)可能にする/(計算ユニット上のプログラムによって)可能にされることを意味する間接的なスイッチオフを可能にする。
【0027】
好ましくは、組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である継続期間(Dur95)は、計算ユニットが組織での温度を計算しており、温度が85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達した時点からの時間を測定しているということによって測定される。
【0028】
好ましくは、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達する第1の時間からの平均温度(MeanTempabTmax)は、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達する第1の時間からの温度の平均をオンラインで、好ましくはリアルタイムで計算することによって計算ユニットによって計算される。
【0029】
好ましくは、85℃、好ましくは95℃に達するまでのエネルギ入力(E2Tmax)の測定は、医療機器に組み込まれた電力計を有することによって行われる。電力計は、電力/即ち、組織が95℃に達するまでに消費されたエネルギを測定する。代替的に、又は該当する場合には、追加で、電力はまた、85℃、好ましくは95℃に達するまでの経時的な組織インピーダンス又は組織の温度増加に基づいて特定され、及び/又は計算されてもよい。電力計はまた、電流及び電圧測定に好適なセンサによって装置内で暗に存在してもよい。言い換えると、計算ユニットは、この目的のために提供される電流及び電圧測定からのデータによって電力を計算してもよい。
【0030】
好ましくは、上述の結果を関連付けるパラメータSPであって、所定の値で、好ましくは、2~3、より好ましくはSP=2.5で、医療機器をスイッチオフするパラメータSPは、組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上である継続期間、及び95℃に達する第1の時間からの平均温度の積を、85℃、好ましくは95℃に達するまでのエネルギ入力で除算することによって計算される。
【0031】
パラメータSPは、好ましくは封止プロセス中の、より好ましくは封止&切開プロセス中の医療機器のスイッチオフについての好適な時間を特定する。組織が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上で維持される期間/継続期間、及びこの期間中の平均温度の積は、85℃、好ましくは95℃に達するまでに必要とされるエネルギで除算され、パラメータSPとなる。言い換えると、パラメータSP=(Dur95*MeanTempabTmax)/E2Tmax。SP>2.5の値から、封止プロセスは終了する。2.5より大きいパラメータ値は、85℃、好ましくは95℃に達した後、及び/又は特定の時間でのインピーダンス切換(Impedanzumschlag)の時間の後の封止組織での温度が、85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上に維持されること、並びに制御温度が約85℃、好ましくは約95℃であることを確実にする。これは、封止中に水の一部が蒸発していることとなり、それは、封止が成功するために必要である。商の分母での変数E2Tmaxは、一方で、異なる封止プログラムについて選択されたプロセス順序に依存し、他方で、電極間で把持された組織の質量及び組成に依存する。量を記録することによって、ある意味で、熱容量、従って封止鉗子での組織の質量を推測することができる。式の分子は、アレニウス式の実証的な変数として解釈されることができ、それによると、熱に対する曝露での組織の変性の度合は、経時的な組織温度の積分によって簡略化された形態で記載される。
【0032】
【数1】
【0033】
パラメータEa及びAは、組織固有定数であり、Rは、一般気体定数である。一部であるが、多すぎるわけではない組織の水が良好な封止結果のために排出されなければならないため、分母でのパラメータE2Tmaxは、大きい組織体積についてより長い曝露時間をもたらす是正手段である。
【0034】
SPパラメータは、異なる方法で封止プロセス内へ組み込まれ得る。ここでの一つの可能性は、前述のインピーダンススイッチオフ基準に基づいて、スイッチオフプロセスについてのトリガとしてパラメータを組み込むことである。言い換えると、封止の終了は、特定の値、好ましくは2、より好ましくは2.5を超えるとすぐに行われる。
【0035】
別の可能性は、トリガとしてではなく、スイッチオフ基準としてパラメータを確立することである。パラメータが閾値2.5を超えるとすぐに、プロセスは終了し得る。そして、スイッチオフ基準は、シャットダウン基準についてのパラメータとしてインピーダンスから独立する。
【0036】
好ましくは、(組織)温度は、直接的に測定されるのではなく、(温度とは異なる)別のパラメータを測定することによって特定され、それは、一方で、現在の温度に関する直接的又は間接的な結果(温度とパラメータとの間の因果関係)を可能にし、他方で、(専ら)組織固有であり、即ち、電極によって影響を受けない。組織温度は、少なくとも一つの吸収最大値に基づいて特定される。より具体的には、好ましくは少なくとも一つの組織成分についての組織の少なくとも一つの吸収スペクトルは、励起スペクトルからリミッションスペクトルを減算することによって特定される。好ましい組織成分は、水、脂肪、及び/又はコラーゲンである。このように得られる吸収スペクトルから、組織、好ましくは少なくとも一つの組織成分の吸収スペクトルの少なくとも一つの吸収最大値がどの位置に配置されているかが特定され得る。吸収最大値、好ましくは吸収最大値の周波数、波長、又は位置は、計算ユニット、好ましくは記憶媒体上に記憶された少なくとも一つの基準と比較される。そして、少なくとも一つの記憶された基準は、表から、又は基準測定によって特定されてもよく、その結果、特定の温度が、吸収最大値の特定の位置/波長/周波数での組織で優勢であることが特定されてもよい。吸収最大値のこの位置/波長/周波数が表に記憶されていない場合、組織での温度は、計算ユニット上の吸収最大値の記憶された位置/波長/周波数から、吸収最大値の計算された位置/波長/周波数をずらすことによって計算されてもよい。吸収最大値の代わりに、吸収スペクトルからの任意の他の位置/波長/周波数が使用されてもよく、それは、著しい識別値(例えば、最大値又は最小値)を有する。
【0037】
組織の組織部分は、典型的な吸収特性を有する。例えば、水は、室温で約1470nmで吸収最大値を有し、他方で、コラーゲンは、室温で約1500nmで吸収最大値を有し、脂肪は、室温で1210nm及び約1400nmの各々で吸収最大値を有する。好ましくは、水の吸収最大値は、1470nm+/-20nm、より好ましくは1470nm+/-10nm、最も好ましくは1470nm+/-5nmである。好ましくは、コラーゲンの吸収最大値は、1500nm+/-20nm、より好ましくは1500nm+/-10nm、より好ましくは1500nm+/-5nmである。好ましくは、脂肪の吸収最大値は、1210及び1400nm+/-20nm、より好ましくは1210及び1400nm+/-10nm、より好ましくは1210及び1400nm+/-5nmである。
【0038】
好ましくは、方法は、好ましくは水及び/又は脂肪及び/又はコラーゲンについて、計算ユニットで、好ましくは計算ユニット内の記憶媒体で、特定の温度での吸収最大値の形態で少なくとも一つの基準を記憶するステップをさらに含む。
【0039】
好ましくは、計算ユニットは、基準として水の特性吸収スペクトルを使用することによって、組織内でどの温度が優勢であるかを特定するために使用され得る。水が特定の温度で特定の吸収最大値を有する(例えば、室温で1470nm)ことが計算ユニット及び/又は記憶媒体上に記憶される。予め記憶された値からの吸収最大値のずれを比較することによって、及び/又は記憶された表内の複数の所定の対応する値と比較することによって、どの吸収最大値の波長でどの温度が組織の水内で優勢であるかが特定され得る。体内の組織成分が知られており、水が組織に約67%で最も多く存在しているため、水の特性吸収スペクトルは最も容易に特定され得る。測定された吸収スペクトルに基づいて、水のスペクトル吸収最大値のずれが計算され得る/特定され得る。約0.5nm/Kである吸収最大値のこのずれに基づいて、温度が特定され得る。上記は、脂肪及び/若しくはコラーゲン並びに/又は組織の他の成分に類似して適用可能である。
【0040】
吸収スペクトルを測定するための上述のステップは、水だけでなく脂肪、コラーゲン、又は他の組織成分にも類似して適用されてもよい。従って、組織内の水、脂肪、及びコラーゲンの個々の吸収スペクトルは、検出器によって検出され、計算ユニットによって特定される吸収スペクトルから特定されてもよい。
【0041】
好ましくは、方法は、照明及び検出器の組織への適用するステップをさらに含む。従って、検出器及び照明は、有利に、組織と直接的に接触している。
【0042】
好ましくは、方法は、計算された温度及び/又は組織インピーダンスに基づいて、計算ユニットによって、装置、好ましくは医療機器を制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップをさらに含む。
【0043】
好ましくは、制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップは、所定の温度に達するとき、好ましくは85℃よりも高い温度で、好ましくは95℃よりも高い温度で、110℃未満の温度で、好ましくは100℃未満の温度で行われる。組織の凝固は、ある温度で、好ましくは一定の温度で、85℃よりも上で、好ましくは95℃よりも上で、より好ましくは、110℃好ましくは100℃未満の温度で、最良の結果を達成する。
【0044】
好ましくは、すべてのステップは、オンラインで/リアルタイムで行われる。これは、医療機器を制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフすることは、オンラインで、好ましくはリアルタイムで行われることを意味する。言い換えると、組織の吸収スペクトルは、オンラインで、好ましくはリアルタイムで測定され、それは、組織での温度が、オンラインで、好ましくはリアルタイムで計算されることを可能にする。そして、温度は、好ましくはオンラインで、好ましくはリアルタイムで、医療機器、好ましくは切開及び封止装置の少なくとも一つの電極/ソノトロード/レーザ源の制御/調整に導入される。
【0045】
好ましくは、温度測定のための方法は、より好ましくは、医療機器における組織での封止プロセス中に実行される。
【0046】
好ましくは、検出器は、1000nm~1700nmのNIR範囲で、より好ましくは1400nm~1600nmの範囲で、リミッション、好ましくはリミッションスペクトルを検出するように提供され適合されている。
【0047】
好ましくは、少なくとも一つの照明及び少なくとも一つの検出器は、好ましくは医療機器内で離間している。
【0048】
好ましくは、組織温度を測定するための方法は、医療機器で適用される。
【0049】
好ましくは、温度測定装置は、以下のステップのうちの少なくとも一つが(好ましくは複数についてこの順で)記憶される記憶媒体を備える。
好ましくは水及び/又は脂肪及び/又はコラーゲンについて、計算ユニットで、好ましくは計算ユニット内の記憶媒体で、特定の温度での吸収最大値の形態で少なくとも一つの基準を記憶するステップ。
照明及び検出器を組織に適用するステップ。従って、検出器及び照明は、有利に、組織と直接的に接触している。
少なくとも一つの照明によって、好ましくはVIS/NIR範囲で照明スペクトルを有する光を組織内へ放出するステップ。
少なくとも一つの検出器、好ましくはセンサによって、組織からリミッションスペクトルを有する光のリミッションを受け取るステップ。
検出器によって、リミッションスペクトルを検出器信号、好ましくは電気信号/データ信号に変換するステップ。
検出器信号を計算ユニット、好ましくはCPUに送信するステップ。
計算ユニットによって、検出器信号からリミッションスペクトルを計算するステップ。
計算ユニットを使用して、照明スペクトルをリミッションスペクトルと比較することによって、組織の吸収スペクトルを計算するステップ。
計算ユニットによって、吸収スペクトルから少なくとも一つの吸収最大値を計算するステップ。
計算ユニットによって、吸収最大値を、好ましくは計算ユニットに記憶された少なくとも一つの基準と比較することによって組織での温度を計算するステップ。
計算された温度及び/又は組織インピーダンスに基づいて、計算ユニットによって、装置、好ましくは医療機器を制御し、及び/又は調整し、及び/又はスイッチオフするステップ。
【0050】
言い換えると、封止プロセス中の温度測定で、1000nm~1700nmのNIR範囲のリミッションスペクトルは、検出器によってオンラインで検出される。記録されたスペクトルから導出され得る吸収最大値の位置でのずれは、適用について十分な精度で、機器で捕捉される組織の温度を推測するために使用され得る。温度が増加すると、吸収ピークの位置は、より短い波長にずれる。ここで、ずれは、約0.5nm/Kである。組織がさらに冷却される場合、吸収ピークは、より長い波長に再びずれる。封止される組織内の主な吸収体は、約1470nmの波長範囲の水であるため、このように特定される温度は、組織の水部分での温度を反映する。この温度測定方法の特定の利点は、NIR放射が、散乱により組織層の厚み全体を通過することができるため、それが組織での実際の温度を測定するために使用され得ることである。対照的に、熱電対で封止中に温度を測定するとき、接触表面の温度のみが測定される。電極の温度及び熱容量は、この方法での組織温度の特定についての外乱変数を表す。これは、待ち時間及び真の組織温度の歪曲につながる。従って、この方法は、組織温度を反映しないが、熱電対が接触する周囲の温度を表す。光の温度特定で、封止プロセスの制御についての重要なパラメータを得ることが可能である。さらに、特定された温度は、スイッチオフ/制御/調整基準/プロセスパラメータとして、及び/又はプロセス制御/プロセス調整のために使用され得る。
【0051】
好ましくは特定の波長の光(例えば、VIS-NIR範囲の白色光)が体の組織からリミッションされ、体の組織からリミッションされる光のスペクトルは、温度の関数として変化することが示されている。従って、体の組織の照射のための照明/照明出力、及び体の組織によって直接的に電極にリミッションされる光の検出のための検出器/検出器入力をもたらし、従って、検出されリミッションされた光の迂回及びそのスペクトル分布を介して電極の近傍の(電極間の)組織温度を特定することが可能である。
【0052】
従って、好ましい実施形態では、(HFタイプの)医療機器は、
組織を封止及び/若しくは切開するために少なくとも一つの通電可能な電極を形成する、又は組織を封止及び/若しくは切開するために少なくとも一つの通電可能な電極内に、若しくは少なくとも一つの通電可能な電極に配列されている少なくとも一つの機器派生物であって、電極の通電は、計算ユニットによって制御可能及び/又は調整可能である、少なくとも一つの機器派生物と、
少なくとも一つの照明と、少なくとも一つの光検出器と、を備える少なくとも一つの温度測定装置であって、その各々は、少なくとも一つの機器派生物で、若しくは少なくとも一つの機器派生物上で、又は二つの機器派生物での/二つの機器派生物上の反対の位置で、(交互に)形成又は配列されており、それらは、計算ユニットと電気的に接続されている、少なくとも一つの温度測定装置と、を備える。
【0053】
好ましくは、医療機器は、手術機器、単極機器、双極機器、電気手術機器、手術クリップ、手術クランプ、手術鉗子、手術はさみ、外科用メス、及び/又は同様のものである。より好ましくは、医療機器は、HF技術によって、組織を切開及び同時に封止するように提供され適合された封止及び切開機器である。単極機器は、単一のシェル(単一の機器派生物のみ)に形成されていることによって、コンパクトな設計が可能にされ、従って、それらの製造でコストを低下させるという利点を有する。双極機器(二つの対向する機器派生物)は、分解分析がより実現可能であり、それらは、二重の実装でより可変であるという利点を有する。
【0054】
好ましくは、少なくとも一つの機器派生物は、組織と接触させられ得る医療機器の一部/端として理解される。より好ましくは、少なくとも一つの機器派生物は、ジョー部の派生物である。少なくとも一つの機器派生物は、組織を封止するための電極として形成され得、好ましくは、ここで、機器派生物は、導電性金属又はグラファイトで、単一の部分で一体的に形成され/作られている。代替的に、電極は、機器派生物内で及び/又は機器派生物で及び/又は機器派生物上で形成され/配列され/埋め込まれてもよく、好ましくは、この場合、機器派生物は、絶縁体及び/又は電気絶縁材料で作られている。
【0055】
好ましくは、医療機器は、二つの対向する機器派生物を有し、それらは、好ましくは互いに対して移動可能/枢動可能であり、それらの端で、対向する側/ジョー部/エリア/機器派生物の端が配列され/形成されており、それらは、組織と接触させられてもよい。機器派生物自体は、組織を封止するための電極として形成されてもよい。好ましくは、この場合、機器派生物は、導電性金属又はグラファイトで作られており、互いに絶縁されている。しかし、電極はまた、機器派生物内で及び/又は機器派生物で及び/又は機器派生物上で形成されてもよく/配列されてもよく/埋め込まれてもよい。好ましくは、その場合、機器派生物は、絶縁体及び/若しくは電気絶縁材料で作られているか、又はそれらは、金属で作られており、電極に対して絶縁されている。
【0056】
好ましくは、少なくとも一つの電極は、計算ユニットによって制御可能及び/又は調整可能である。より正確には、電極に印加される電流の電流強度、電圧、位相、及び/又は周波数は、制御可能又は調整可能である。
【0057】
好ましくは、温度測定装置は、照明の形態の送光器及び光検出器の形態の受光器を有する、光の温度測定装置/温度計である。
【0058】
好ましくは、照明は、少なくとも一つの光源/励起光源、代替的には、加えて、例えば、光導波路/ミラー/レンズ/反射内壁/散乱媒体、及び同様のものを備える光トンネルなどの他の光構成要素を意味する。より好ましくは、光源は、白色光源/(VIS及び/又はIR及び/又はUV範囲の)LED、重水素ランプ(UV範囲)及び/又はハロゲンランプ(VIS範囲)を意味する。言い換えると、照射場所での/少なくとも一つの入口開口部での機器派生物での/機器派生物内の/機器派生物上の光は、光源によって直接的に、又は光導波路/ミラー/レンズ/光トンネル/散乱媒体、及び同様のものによって光源から、組織と接触するように提供され適合された機器派生物の接触表面の照射場所/光入口開口部/光入射開口部へ光を導くことによって生成されてもよい。より好ましくは、照明の光の照射は、対応する機器派生物及び/又は電極の組織接触表面に対して特定の角度で行われ、それは、照明が、機器派生物内に/機器派生物に/機器派生物上に、角度が付いた/傾斜した出口開口部及び/又は光放射部を有することを意味する。さらに言い換えると、光源自体は、機器派生物上に/機器派生物に/機器派生物内に、傾斜して/角度が付いて配列されているか、又は組織接触表面及び/若しくは発光表面に関して傾斜した/角度が付いた表面を有する。代替的に、例えば、ミラー及び/又は光導波路などの光要素は、機器派生物の接触表面上に/接触表面に/接触表面内に(表面は、組織と接触するように提供され適合されている)傾斜して配列され、光源から照射部位及び/又は接触表面へ光を導いてもよい。
【0059】
白色光源、従って、VIS範囲全体に亘る電磁放射を放出する光源は、照明される組織からより多くの情報を得ることができ、その結果として、組織識別及び/又は多変量データ分析が可能であるという利点を有する。さらに、様々な異なる測定を行うことが可能である。例えば、機器派生物上で、白色光源を有する少なくとも一つの照明及び少なくとも一つの検出器が配列され得、それは、好ましくは異なるセンサ(Si、InGaAsセンサなど)で、スペクトル範囲を測定するように提供され適合されている。
【0060】
小さいスペクトル帯域幅を有する光源は、実装が単純であり、当該光源は安価であり、高度な時間スキャンが当該光源で達成され得、特定のスペクトル範囲に関してより高い強度が可能であるため、互いに及び/又は検出器から2mmよりも大きく離れることが可能であるという利点を有する。
【0061】
好ましくは、検出器及び/又は光検出器は、少なくとも一つのセンサ/フォトダイオード及び/又は光電子増倍管(PMT)、並びに該当する場合には、例えば、光導波路/ミラー/レンズ//反射内壁/散乱媒体、及び同様のものを備え得る光トンネルなどの他の光構成要素を意味する。言い換えると、リミッション場所での、機器派生物内に/機器派生物に/機器派生物上に取り付けられた検出器/検出器部分からの光は、そこで、機器派生物で/機器派生物内で/機器派生物上で、又は光導波路/ミラー/レンズ/反射内壁/散乱媒体、及び同様のものを備え得る光トンネルを介して配置された検出器又は同様のもののセンサによって直接的に測定され得る。光は、機器派生物の接触表面/光入口開口部から、機器派生物の接触面から離れて、又はさらには機器派生物から離れて配列されたセンサ又は同様のものに導かれ得る。より好ましくは、照明から始まる光の照射は、対応する機器派生物及び/又は電極の組織接触表面に対して特定の角度(0°<角度≦90°)で起こる。より好ましくは、機器派生物内の/機器派生物での/機器派生物上の検出器は、接触表面に対して、角度も付いた/傾斜もした入射開口部を有する。さらに言い換えると、検出器自体は、機器派生物上に/機器派生物に/機器派生物内に、傾斜して/角度が付いて配列されているか、又は組織接触表面に関して傾斜した/角度が付いた表面を有する。代替的に、例えば、ミラー及び/又は光導波路などの光要素は、機器派生物の接触表面上に/接触表面に/接触表面内に(表面は、組織と接触するように提供され適合されている)傾斜して配列され、リミッション光をリモートセンサ又は同様のものに導き得る。照射後に体の組織からリミッションされる光は、好ましくは(スペクトルメータ、プリズム、又は異なるフィルタによって)少なくとも二つのチャネルにスペクトル分解され、そして、少なくとも二つのセンサ又は同様のものによって検出され、それ次第で、それらは、少なくとも二つの信号を温度値に変換する計算ユニット/CPUに少なくとも二つの信号を送信している。
【0062】
組織を封止するための電極は、好ましくは金属、導電性セラミック、金属化セラミック、グラファイト、又は金属化グラファイトで作られている。電極は、より好ましくは電磁放射を反射するように提供され適合された表面で形成されている。
【0063】
計算ユニットは、好ましくはプロセッサと、記憶媒体と、を備える。記憶媒体は、温度の測定並びに/又は電極の電流の制御及び/若しくは調整を行うためのステップを記憶するように提供され適合されている。
【0064】
計算ユニットは、第1の電気信号によって、照明/照明の光源(継続期間、強度、波長など)を制御し、検出器は、(専ら)体の組織によって散乱され/リミッションされる光、及び/又は(機器派生物間で)測定され/処置される組織での直接的な反射を検出し、第2の電気信号としての取得されたデータを計算ユニットに送信している。ここで、計算ユニットは、記憶媒体上のアルゴリズムによって、それぞれの第2の電気信号から導出され得る組織の温度を計算する。このように計算される組織の温度に基づいて、少なくとも一つの電極に印加される電流がどの電流強度、どの電圧及び/又は周波数を有するべきかがオンラインで/リアルタイムで計算される。
【0065】
加えて、一実施形態では、組織の抵抗(組織インピーダンス)も、計算ユニットによって特定され得、計算に含まれ得る。言い換えると、電極/ソノトロードでの/電極/ソノトロード間の組織の組織インピーダンスが特定され得、その結果、電極又はUSトランスデューサに印加される電流の電流強度、電圧、及び/又は周波数が、特定された組織インピーダンス及び(光の)温度測定装置の第2の信号(との組合せ)に応答して計算ユニットによって制御又は調整され得る。
【0066】
好ましくは、計算ユニットは、少なくとも一つの電極に印加される電流の電流強度、電圧、及び/又は周波数が、計算ユニット/CPU、好ましくは自動的に及び/又は所定のアルゴリズムによって計算される温度に応答して変化し得るように、本発明による(光の)温度測定装置に接続されている。
【0067】
好ましくは、検出器からの第2の電気信号は、検出器で検出される光の波長及び強度を表す光スペクトルに対応する。このスペクトルに基づいて、水のスペクトル吸収最大値のずれが計算される/特定される。約0.5nm/Kである吸収最大値のこのずれによって、温度が特定され得る。水の吸収スペクトルが特性であるため、ずれはまた、基準測定なしで、及び/又は基準測定ありで特定され得る。
【0068】
好ましくは、計算ユニットは、以下のステップのうちの少なくとも1つを含むか、又は以下のステップのうちの少なくとも1つが計算ユニット内の記憶媒体上に(好ましくは以下の順で)記憶されるように構成されている。
計算ユニットによって、第1の電気信号、好ましくは特定の電流強度及び/又は特定の電圧及び/又は特定の周波数を有する電流で照明を制御するステップ、
電極の近傍又は互いに対向する二つの電極間の特定のエリア内の組織内へ、照明(好ましくは白色光)の電磁放射を放出するステップ、
体の組織から始まる電磁放射のリミッション/拡散反射を(検出器によって)測定するステップ、
第2の電気信号によって、検出器から計算ユニットへ測定結果を送信するステップ、
第2の電気信号を組織温度値に変換するステップ、
好ましくは、好ましくは二つの電極間の組織インピーダンスを特定するステップ、
85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは同時に110℃未満、好ましくは100℃未満の組織の温度に達するか、又は近づくために、電極に流れる電流について新しい電流強度、電圧、及び/又は周波数を特定するように、計算ユニットによって、好ましくは記憶媒体上で予めプログラムされたアルゴリズムによって、組織温度値、好ましくは特定された組織インピーダンスを処理するステップ、
連続的に特定された値Dur95、MeanTempabTmax、及びE2TmaxからパラメータSPを連続的に計算するステップ、
スイッチオフトリガを提供するステップ。
【0069】
一実施形態では、光源と連絡している光トンネルは、少なくとも一つの光源によって少なくとも一方の端で供給され得、少なくとも他方の端は、機器派生物で終了してもよい。言い換えると、少なくとも一つの光源からの光は、光導波路又は同様のものを介して、機器派生物に/機器派生物上に/機器派生物内に配置された少なくとも一つの出力部に方向付けられてもよい。代替的には、少なくとも一つの光源、例えばLEDは、機器派生物上に/機器派生物に/機器派生物内に直接的に配置されてもよい/配列されてもよい。
【0070】
一実施形態では、検出器と連絡している光トンネルは、少なくとも一方の端で少なくとも一つのセンサを備え、少なくとも他方の端で、機器派生物で終了してもよい。言い換えると、機器派生物上に/機器派生物内に配置された少なくとも一つの入力部からの光/リミッションは、反射光チャネル/光導波路、又は同様のものを介して、少なくとも一つのセンサ/フォトダイオード/光電子増倍管、又は同様のものに方向付けられてもよい。代替的には、少なくとも一つのセンサ/フォトダイオード/光電子増倍管は、機器派生物上に/機器派生物に/機器派生物内に配置されてもよい。
【0071】
好ましくは、照明及び検出器は、光トンネルの一端を共有してもよい。言い換えると、光源のビーム経路及びセンサ/フォトダイオード/光電子増倍管のビーム経路は、光トンネルを共有しもよく、その結果、両方とも、機器派生物上に/機器派生物に/機器派生物内に光の入口及び出口を同時に形成する単一の光開口部を介して体の組織と光接触している。
【0072】
好ましくは、複数の検出器及び複数の照明は、少なくとも一つの機器派生物上に配列されている。これに関して、検出器及び/又は照明は各々、所定のパターンで機器派生物上に配列されてもよい。好ましくは、パターンは、直線状である。代替的には、少なくとも一つの検出器及び/又は一つの照明は、第1の機器派生物上に配列され得、少なくとも一つの検出器及び/又は一つの照明は、第2の機器派生物上に、好ましくは対向する機器派生物の対向側に配列され得る。言い換えると、双極機器についての本実施形態では、照明装置から組織内へ光が導入されてもよく、反対側で、検出器は、組織からリミッションされる光を測定してもよい。
【0073】
好ましくは、リミッションの強度がこの場所で非常に高いため、少なくとも一つの照明と少なくとも一つの検出器との間の距離は、0~5mm、より好ましくは0~1mmである。
【0074】
好ましくは、少なくとも一つの機器派生物は、照明ごとに複数の検出器を有し、より好ましくは、検出器は、照明から等しい及び/又は異なる距離で配列されている。言い換えると、照明から第2の検出器までの距離は、第1の検出器までの距離よりも大きくてもよい。
【0075】
好ましくは、照明は、好ましくは定義された帯域幅を有する、より好ましくは100nmよりも小さい帯域幅を有する別々の光源を有する。
【0076】
好ましくは、(光の)温度測定装置は、電極の接触表面よりも低く配置された機器派生物の面上に配列されている。言い換えると、組織と接触する電極及び/又は機器派生物の接触表面は、面を形成している。この面は、少なくとも一つの照明及び/又は少なくとも一つの検出器が配列された面よりも接触方向に高く(組織に近く)配置されている。
【0077】
好ましくは、(光の)温度測定装置は、封止プロセス中/封止中の温度のリアルタイムの/オンラインの特定を可能にする。オンラインの特定は、封止の質に特に重要である。この場合、測定は、組織での温度/組織温度を表し、測定装置の熱容量による、例えば、金属で作られた電極の熱容量による待ち時間又は測定された温度の歪曲がない。保持されている/接触している組織内の水に反応する光の温度測定の利点は、この温度測定装置が著しい熱容量を有しないということである。
【0078】
好ましくは、機器派生物での及び/又は封止&切開機器のジョー部でのリミッション測定は、組織が機器派生物と接触する位置から独立して実行されてもよい。言い換えると、温度測定装置は、組織と接触するように提供され適合されたエリア内の機器派生物の表面上に、分配される形式で、好ましくは均一に分配されて配列されている。上述してきたように、少なくとも一つの機器派生物は、好ましくは電極に沿って及び/又は電極で、複数の励起及び検出経路/照明又は検出経路を有してもよい。
【0079】
上記で説明されるように、インピーダンスの測定に加えて、又は代替的に、温度の測定が行われる。温度は、好ましくは二つの対向する機器派生物間で、好ましくは組織の通電/加熱の(時間)過程で、融合される組織で直接的に測定される。これによって、組織状態の変化は、直接的に/オンラインで検出され得、従って、それに反応することができる。さらなる制御/調整パラメータによってアルゴリズムを拡張することによって、組織内へのエネルギ入力をより十分に評価し、従って、組織の融合をより十分に制御/調整することが可能である。加えて、本発明による温度測定装置はまた、組織の他の特性、例えば組織内の水部分/水含有量を測定するために使用され得る。
【0080】
好ましくは、電極は、組織と接触するように提供され適合された表面上に、少なくとも第1の電極表面を有する。好ましくは、電極は、機器派生物の機器派生物本体上(ジョー部)に配置されているか、又は機器派生物によって形成されている。好ましくは、少なくとも一つの光源/少なくとも一つの光ガイド/少なくとも一つの光構成要素(ダイクロイックミラー/ビームスプリッタ/ミラー)並びに/又は少なくとも一つのセンサ、及び該当する場合には光ガイドを有する少なくとも一つの光検出器(若しくはその一部)は、電極及び/又は機器派生物に組み込まれている。フォトダイオード又は光電子増倍管もセンサと理解され得る。 好ましくは、電極は、少なくとも一つの光出口開口部を有し、少なくとも一つの光出口開口部から/少なくとも一つの光出口開口部を通って、光源の光は、電極表面から出て、及び/又は組織内に放射する。好ましくは、電極は、少なくとも一つの光入口開口部を有し、少なくとも一つの光入口開口部を通って、光は、(専ら)組織(リミッション)から電極表面内に/電極表面を通ってセンサ内に、放射される/リミッションされる/反射される。好ましくは、電極は、少なくとも一つのチャネルを好ましくは備え、それは、少なくとも一つのケーブル/電気線によって少なくとも一つの計算ユニットにデータを導くか、又は少なくとも一つの散乱媒体/少なくとも一つの光導波路/少なくとも一つの反射表面によってリモートセンサに光を伝え、次いでそれが、少なくとも一つのケーブル/電気線によって少なくとも一つの計算ユニットにデータを導くように提供され適合されている。本発明が複数の電極表面及び/又は複数の機器派生物を有する場合、電極表面/機器派生物は、互いに、好ましくは平行に離間している。電極表面/機器派生物間の空間は、好ましくは、組織を分離/切開するように提供され適合された、ナイフ、外科用メス、HF外科用メス、又は同様のものなどの切開装置を挿入可能な形式で受容するように提供され適合されている。従って、組織の切開の少なくとも二つの側に、電極/派生物表面は、HF技術によって組織を凝固させるように形成されている。
【0081】
狭帯域フィルタは、好ましくはセンサの前に配列されている。光トンネルは、電極及び/又は機器派生物に形成されてもよい。言い換えると、光トンネルは、機器派生物及び/又は少なくとも一つの電極を通って光を導いてもよい。すべての実施形態は、互いに組み合わされてもよい。
【0082】
本発明の課題は、医療機器が本発明による方法を行うように提供され適合されているということによって、本発明による医療機器に関して解決される。特に、医療機器は、スイッチオフ装置/スイッチオフ時間の特定のための装置を備え得、それは、本発明による方法を実行するために提供され適合されている。
【0083】
以下では、本発明は、添付の図面を参照して、好ましい実施形態によってより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
図1】第1の実施形態による機器派生物の領域を示す。
図2】機器派生物の第1の照明及び検出配列を示す。
図3】機器派生物の第2の照明及び検出配列を示す。
図4】機器派生物の第3の照明及び検出配列を示す。
図5図5(a)は、第2の実施形態による機器派生物の領域を示す。図5(b)は、第2の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図6図6(a)は、第3の実施形態による機器派生物の領域を示す。図6(b)は、第3の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図7図7(a)は、第4の実施形態による機器派生物の領域を示す。図7(b)は、第4の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図8図8(a)は、第5の実施形態による機器派生物の領域を示す。図8(b)は、第5の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図9図9(a)は、第6の実施形態による機器派生物の領域を示す。図9(b)は、第6の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図10図10(a)は、第7の実施形態による機器派生物の領域を示す。図10(b)は、の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図11図11(a)は、第8の実施形態による機器派生物の領域を示す。図11(b)は、第8の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図12図12(a)は、第9の実施形態による機器派生物の領域を示す。図12(b)は、第9の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図13図13(a)は、第10の実施形態による機器派生物の領域を示す。図13(b)は、第10の実施形態による機器派生物の領域における光の誘導を示す。
図14】前述の実施形態による双極機器派生物を示す。
図15】双極HF機器上の向かい合う検出器及び照明装置を示す。
図16】本発明による医療装置の概略図を示す。
図17】プロセス中の温度プロファイルの概略図を示す。
【0085】
図面は、概略タイプであり、本発明の理解を助けるためにのみ意図される。同一の要素は、同じ参照数字で示される。様々な実施形態の特徴は、互いに交換可能である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
図1は、第1の実施形態による機器派生物1のエリアを示す。機器派生物1は、絶縁された形式で機器派生物1に埋め込まれた少なくとも一つの電極2を有する。電極2は、体の組織と接触するように提供され適合された派生物側の第1の電極表面4及び第2の電極表面6を有する。(複数の)電極2は、特に、操作可能な機器のジョー部の一方の半分を構成した、機器派生物1の機器派生物本体8に/機器派生物本体8上に配置されている。交互の光源(LED)10並びに光検出器及び/又はセンサ12は、電極2内へ、及び/又は機器派生物1/機器派生物本体8内へ組み込まれている。電極2及び/又は機器派生物1/機器派生物本体8は、光出口開口部14を有し、光出口開口部14から、光源10からの光は、電極表面4及び/若しくは6、並びに/又は派生物接触表面から組織内へ放射される。電極2及び/又は機器派生物1/機器派生物本体8は、光入口開口部16をさらに有し、光入口開口部16を通って、光は、組織から、電極表面4及び/若しくは6内へ/電極表面4及び/若しくは6を通って、並びに/又は派生物接触表面を通って、センサ12内へリミッションする。電極2及び/又は機器派生物1/機器派生物本体8は、少なくとも一つの(長手方向の)チャネル18を有し、それは、ケーブル(より詳細には図示せず)によってセンサ12からのデータ/信号を計算ユニット(より詳細には図示せず)に伝達するように提供され適合されている。
【0087】
図2は、機器派生物1の照明及び検出配列の第1の変形例を示す。本出願の実施形態の各々は、第1の照明及び検出配列を備え得る。図2の照明及び検出配列の上列は、図1の第2の電極/派生物表面6に/第2の電極/派生物表面6内に配列される/埋め込まれている。図2の照明及び検出配列の下列は、図1の第1の電極/派生物エリア4に/第1の電極/派生物エリア4内に配列されている/埋め込まれている。検出器/センサ12及び照明/光源10はそれぞれ、各列において交互に配列されている。ここで、暗い点は、検出器/センサ12を表しており、明るい点は、照明/光源10を表している。好ましくは、狭帯域(光)フィルタ(図示せず)は、検出器/センサ12の前に配列されている。より好ましくは、光電構成要素(センサ12及び照明10)は、電極の下で/派生物の組織接触表面の下で、回路基板上に取り付けられている。
【0088】
図3は、機器派生物の照明及び検出配列の第2の変形例を示す。本出願の実施形態の各々は、照明及び検出配列の第2の変形例を備えてもい。この場合、暗い点は、センサ12を表しており、明るい点は、光源10を表している。照明及び検出配列の第2の変形例は、4つのセンサ12が各々、光源10から等しい距離で光源10の周囲に配列されており、一つの光源10が、別の方向に隣接する光源と、それぞれ、二つのセンサ12を共有するように構成されている。言い換えると、光源10/光源10各々は、仮想の矩形の中心に配置されており、その角にセンサ12が位置している。
【0089】
図4は、機器派生物の照明及び検出配列の第3の変形例を示す。本出願の実施形態の各々は、照明及び検出配列の第3の変形例を備えてもよい。この場合、暗い点は、センサ12を表しており、明るい点は、光源10を表している。照明及び検出配列の第3の変形例は、第2の電極/派生物表面の照明及び検出配列の列が、第1の電極/派生物表面の照明及び検出配列の列が終わる場所で始まることを除いて、照明及び検出配列の第1の変形例と同じである。
【0090】
図5(a)は、第2の実施形態による機器派生物101のエリアを示す。機器派生物101は、電極102を備える。電極102は、組織と接触するように提供され適合された(派生物)表面上に、第1の電極表面104及び第2の電極表面106を有する。この点で、第2の実施形態の派生物は、第1の実施形態の派生物に対応する。電極102は、機器のジョー部の一部である機器派生物101の遠位の機器派生物本体108上に配置されている。光源110及びセンサ112(詳細に図示せず)は、機器派生物本体108の組織接触表面から離れて、機器派生物101内へ組み込まれている。電極102及び/又は機器派生物本体108は、光出口開口部114を備え、光出口開口部114を通って、光源(図示せず)からの光が方向付けられ、光出口開口部114から、光は、電極表面104及び/若しくは106、並びに/又は機器派生物本体108の組織接触表面から、組織内へ放射される/組織に入る。電極102/機器派生物本体108は、光入口開口部116を備え、光入口開口部116を通って、光は、組織から、電極表面104及び/若しくは106並びに/又は機器派生物本体108の組織接触表面内へ/電極表面104及び/若しくは106並びに/又は機器派生物本体108の組織接触表面を通って、センサで終了する光トンネル120内へ放射される/入る。光源から光出口開口部114への光はまた、光トンネル120、好ましくは異なる光トンネル120を通って方向付けられる。光トンネル120は、空気若しくは別の気体で満たされているか、又は真空を有する。光トンネル120は、機器派生物本体108及び/又は電極102を通過する。好ましくは円柱形の光トンネル120は、(中空の円柱形状で)内側のトンネル表面を有し、次いでそれは、電磁波(光波)について反射特性を有する。従って、トンネル内側のトンネル表面は、全反射を可能にするように提供され適合されている。
【0091】
5(b)は、光トンネル120内の第2の実施形態による機器派生物/機器派生物本体のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル120の内側の表面で全反射され、従って、光トンネル120を通って導かれてもよい。光トンネル120の内側での全反射により、光はまた、湾曲エリア/少なくとも一つの湾曲、又は同様のものを通って導かれ得る。この場合、光トンネル120は、次いで、略90°の湾曲(又は組織接触表面に関して別の角度)で、光トンネル120が開放する派生物本体108の組織接触表面に達するために、派生物本体108に沿って導かれる。
【0092】
6(a)は、第3の実施形態による機器派生物201のエリアを示す。図6(a)に示すように、機器派生物201は、機器派生物本体208を備え、それは、機器のジョー部の一部を形成しているか、電極であるか、又はそこで、電極202は、絶縁形式で埋め込まれている。電極202は、組織と接触するように提供され適合された派生物表面上に、第1の電極表面204及び第2の電極表面206を有する。従って、電極202は、機器派生物201の機器派生物本体208上に/機器派生物本体208内に配置されている。光源及びセンサは、組織接触表面(図示せず)から離れて、機器派生物201内へ組み込まれている。電極202及び/又は機器派生物本体208は、光出口開口部214を有し、光出口開口部214を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、光出口開口部214から、光は、電極表面204及び/若しくは206、並びに/又は組織接触表面から、組織内へ放射される/入る。電極202及び/又は機器派生物本体208は、光入口開口部216を有し、光入口開口部216を通って、光は、組織から、電極表面204及び/若しくは206並びに/又は機器派生物本体208の組織接触表面内へ/電極表面204及び/若しくは206並びに/又は機器派生物本体208の組織接触表面を通って、センサで終了する光トンネル220内へ放射される/入る。光源から光口開口部214への光はまた、光トンネル220、好ましくは異なる光トンネル220を通って方向付けられる。光トンネル220は、空気若しくは別の気体で満たされているか、又は真空を有する。光トンネル220は、機器派生物本体208及び/又は電極202を通過する。光源からの光は、好ましくは円柱形の光トンネル220の開口部/円柱形の光トンネル220の長手方向に対して垂直に導入される/照射される。従って、光は、光トンネル220内で真っ直ぐに/直線的に導かれる。光を方向付けるために、少なくとも一つのミラー及び/又はプリズムは、所望の角度で光をそらすために/導くために、光トンネル220で使用される。トンネル220は、任意の幾何形状、例えば、円柱形、立方形状などをとることができる。
【0093】
6(b)は、光トンネル220内の第3の実施形態による機器派生物のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、直線で/指向的な形式で/平行指向の形式で、光トンネル220内へ供給される。光トンネル220での少なくとも一つのミラーによる誘導により、光はまた、角度が付いたエリア/角度、又は同様のもので導かれ得る。
【0094】
7(a)は、第4の実施形態による機器派生物301のエリアを示す。機器派生物301は、電極302を有し、それは、組織接触表面を形成している機器派生物本体308で受容されている。電極302は、組織と接触するように提供され適合された表面上に、第1の電極表面304及び第2の電極表面306を有する。従って、電極302は、機器派生物301の機器派生物本体308内に/機器派生物本体308上に配置されている。機器派生物301で、光源及びセンサ(図示せず)は、機器派生物本体308の組織接触表面から離れて提供されている。電極302及び/又は機器派生物本体308は、光出口開口部314を有し、光出口開口部314を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、光出口開口部314から、光は、電極表面304及び/若しくは306、並びに/又は機器派生物本体308から、組織内へ放射される/組織に入る。電極302及び/又は機器派生物本体308は、光入口開口部(図示せず)を有し、光入口開口部を通って、光は、組織から、電極表面304及び/若しくは306内で/電極表面304及び/若しくは306を通って、並びに/又は機器派生物本体308の接触表面を通って、センサで終了する光トンネル320内へ放射される/入る。光源から光出口開口部314への光はまた、好ましくは異なる光トンネル(図示せず)を通って方向付けられる。光トンネル320は、拡散バルク材料322で満たされている。光トンネル320は、機器派生物本体308及び/又は電極302を通過する。本実施形態では、少なくとも二つの光トンネル320は、光口開口部314及び光口開口部(図示せず)の列が各々、それぞれの電極表面304及び306に提供されているような横列/縦列で、電極302及び/又は機器派生物本体308において平行に配列されている。図示しない実施形態では、第4の実施形態のバルク材料は、バルク材料自体が光源であってもよく、それは、バルク材料が光を放ち得ることを意味する。
【0095】
7(b)は、光トンネル320内の第4の実施形態による機器派生物のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル320内へ、より具体的には、光トンネル320内の拡散及び/又は発光バルク材料322内へ供給される。バルク材料322での光の散乱により、光は、組織内へ放射され、リミッションされた光は、同じ構造を有する別の光トンネル(図示せず)によってセンサに導かれる/散乱される。
【0096】
8(a)は、第5の実施形態による機器派生物401の一部を示す。機器派生物401は、電極402を有し、それは、この場合、絶縁形式で機器派生物本体408に埋め込まれている。電極402は、組織と接触するように提供され適合された機器派生物本体408の表面上に、第1の電極表面404及び第2の電極表面406を有する。従って、電極402は、機器派生物401の機器派生物本体408内に/機器派生物本体408上に配置されている。機器派生物401において、光源及びセンサは、機器派生物本体408の組織接触表面から離れて提供されている(図示せず)。電極402及び/又は機器派生物本体408は、光出口開口部414を備え、光出口開口部414を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、光出口開口部414から、光は、電極表面404及び/若しくは406から、並びに/又は組織接触表面から、組織内へ放射される/組織に入る。電極402及び/又は機器派生物本体408は、光入口開口部(図示せず)を有し、光入口開口部を通って、組織からの光は、電極表面404及び/若しくは406内で/電極表面404及び/若しくは406を通って、並びに/又は接触表面を通って、センサで終了する光トンネル420内へ放射する/出る。光源から光出口開口部414への光はまた、好ましくは異なる光トンネル(図示せず)を通って方向付けられる。光トンネル420は、模様付きのバルク材料422で満たされている。光トンネル420は、機器派生物本体408及び/又は電極402を通過する。本実施形態では、少なくとも二つの光トンネル420は、光口開口部414及び光口開口部(図示せず)の列が各々、それぞれの電極表面404及び406に提供されているような横列/縦列で、電極402及び/又は機器派生物本体408において平行に配列されている。図示しない実施形態では、第5の実施形態のバルク材料は、バルク材料自体が光源を構成していてもよく、それは、バルク材料が光を放ち得ることを意味する。
【0097】
8(b)は、光トンネル420内の第5の実施形態による機器派生物のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル420内へ、より具体的には、光トンネル420内の構造化バルク材料422内へ供給される。バルク材料422内の挿入の構造により、光は、組織内へ放射され、リミッションされた光は、同じ構造を有する別の光トンネル(図示せず)によってセンサに導かれる/散乱される。
【0098】
9(a)は、第6の実施形態による機器派生物501のエリアを示す。機器派生物501は、電極502を有し、本実施形態では、機器派生物本体501及び電極502は、それらの構造及び配列の点で前述の実施形態に対応する。光源及びセンサ(図示せず)は、機器派生物本体内へ組み込まれている。電極502/機器派生物本体は、光出口開口部514を有し、光出口開口部514を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、そこから、光は、組織内へ放射される/組織に入る。電極502/機器派生物本体は、光入口開口部(図示せず)を備え、光入口開口部を通って、組織からの光は、センサで終了する光トンネル520内へ放射される/入る。光源から光口開口部514への光は、少なくとも一つの光トンネル520を通って方向付けられる。本実施形態では、単一の光トンネル520は、電極502に、従って、機器派生物本体501に形成されている。光出口開口部514及び光入口開口部(図示せず)の各々の列は、電極502及び/又は機器派生物本体に提供されている。少なくとも一つのミラー/反射傾斜/角度が付いた面524は、光トンネル520に形成されている。面524は、電極及び/又は機器派生物本体を磨くことによって、又はミラーを光トンネル520内へ導入することによって形成され得る。光トンネル520は、機器派生物本体を通過する。光出口開口部514及び光入口開口部(図示せず)の少なくとも一つの列は、電極502/機器派生物本体の表面に提供されている。代替的に、又は加えて、このタイプの単一の光トンネル520は、適切なフィルタを用いて、反射された光の励起及び受け取りの両方に役立ち得る。これは、リミッション波長範囲に対応するフィルタが、光源の後に配置されているが、残りの光が、組織内へ方向付けられ、同じ及び/又は隣接する開口部によって受け取られ、同じ反射面524を介してセンサに戻されることを意味する。
【0099】
9(b)は、光トンネル520内の第6の実施形態による機器派生物501のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル520内へ供給され、所定の角度で(好ましくは0°~90°の角度で)角度が付いたミラー面524でそらされる。光は、(複数の)ミラー/(複数の)ミラー表面/(複数の)ミラー面524を通って組織内へ放射され、リミッションされた光は、同じ構造を有する別の光トンネル(図示せず)によってセンサに方向付けられる/導かれる。
【0100】
10(a)は、第7の実施形態による機器派生物601のエリアを示す。機器派生物601は、電極602を有し、それは、機器派生物本体608によって受容されている。電極602は、組織と接触するように提供され適合された機器派生物本体608の表面上に、第1の電極表面604及び第2の電極表面606を有する。光源及びセンサ(図示せず)は、機器派生物本体608内へ組み込まれている。機器派生物本体608は、光出口開口部614を備え、光出口開口部614を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、組織接触表面から組織内へ放射される/組織に入る。さらに、機器派生物本体608は、光入口開口部(図示せず)を備え、光入口開口部を通って、光は、組織から、機器派生物本体608の組織接触表面内へ/機器派生物本体608の組織接触表面を通って、センサで終了する光トンネル620内へ放射される/入る。光源から光出口開口部614への光はまた、第2の光トンネル(図示せず)を通って方向付けられる。少なくとも一つの部分透光面626は、光トンネル620内へ導入されており、少なくとも一つの部分透光面626は、電磁放射の一部を透過させ、従って、光の一部について透光させ、光の一部を反射させる。好ましくは、部分透光面は、部分透光ミラーであり、より好ましくは、複数の部分透光面626が、光トンネルに直列に配列されている。
【0101】
10(b)は、光トンネル620内の第7の実施形態による機器派生物601のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル620内へ供給される。光源から来る入射光は、直線で/指向的な形式で/平行指向の形式で光トンネル620内へ供給される。光トンネル620で少なくとも一つの部分透光ミラー626によって導くことによって、光は、角度が付いた領域/角度、又は同様のもので導かれる/反射される/鏡映される。 部分透光ミラー626を通過する光は、前述のミラーのものと同じ角度で配列された別の部分透光ミラー626に対して入射する等々である。部分透光ミラー/ミラー表面/ミラー面626を通って、光は組織内へ放射され、リミッションされた光は、同じ構造を有する別の光トンネル(図示せず)によってセンサに方向付けられ/導かれる。
【0102】
11(a)は、第8の実施形態による機器派生物701のエリアを示す。機器派生物701は、電極702を備える。電極702は、機器派生物701の機器派生物本体708上に配置されている。機器派生物701で、光源及びセンサは、機器派生物本体708から離れて、好ましくは外部に提供されている(図示せず)。機器派生物本体708は、少なくとも一つの光トンネル720を備え、少なくとも一つの光トンネル720を通って、図示しない光源の光が方向付けられ、少なくとも一つの光トンネル720から、光は、組織内へ放射される/組織に入る。機器派生物本体708は、少なくとも一つの他の光トンネル720を備え、少なくとも一つの他の光トンネル720を通って、組織からの光は、センサに方向付けられる。本実施形態では、光トンネル720は、例えば、光ファイバなどの光導波路によって形成されている。
【0103】
11(b)は、光トンネル720内の第8の実施形態による機器派生物のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル720の内側の表面で全反射され、従って、光トンネル720を通って導かれ得る。光トンネル720の内側での全反射により、光はまた、湾曲エリア/少なくとも一つの湾曲、又は同様のものを通って導かれ得る。
【0104】
12(a)は、第9の実施形態による機器派生物801のエリアを示す。機器派生物801は、電極802を備える。電極802は、組織と接触するように提供され適合されたその機器派生物本体の組織接触表面上に、第1の電極表面804及び第2の電極表面806を有する。光源及びセンサ(図示せず)は、機器派生物本体に組み込まれている。機器派生物本体はまた、光出口開口部814を備え、光出口開口部814を通って、図示しない光源からの光が導かれ、組織内へ放射される/組織に入る。機器派生物本体はまた、光入口開口部816を含み、光入口開口部816を通って、組織から機器派生物本体内の/機器派生物本体を通る光は、センサで終了する光トンネル820内へ放射される/光トンネル820に入る。光源から光出口開口部814への光は、同じ光トンネルを通って方向付けられる。言い換えると、光出口開口部814は、光入口開口部816として機能してもよく、逆もまた同様である。少なくとも二つの部分透光面26は、光トンネル820内へ導入されており、それは、電磁放射の一部を透過させ、従って、光の一部について透光させ、光の一部を反射させる。好ましくは、部分透光面は、部分透光ミラーであり、より好ましくは、複数の部分透光面26が、光トンネルに直列に配列されている。本実施形態でのこの配列により、部分透光ミラーの各々は、光出口開口部814又は光入口開口部816の各々に割り当てられている。
【0105】
12(b)は、光トンネル820内の第9の実施形態による機器派生物801のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル820内へ供給される。光源から来る入射光は、直線で/指向的な形式で/平行指向の形式で光トンネル820内へ供給される。光トンネル820内で少なくとも二つの部分透光ミラー826によって導くことによって、光は、角度が付いたエリア/角度、又は同様のもので導かれる/反射される/鏡映される。部分透光ミラー826を通過する光は、前のミラーと同じ角度で配列された少なくとも一つの他の部分透光ミラー826に対して入射する等々である。部分透光ミラー/ミラー表面/ミラー面826を通って、光は、組織内へ照射され、リミッションされた光は、同じ光トンネル820からであるが、隣接する開口部を通ってセンサに方向付けられ/導かれる。さらに言い換えると、開口部は、光出口開口部及び隣接する開口部についての光入口開口部の両方である。
【0106】
13(a)は、第10の実施形態による機器派生物901のエリアを示す。機器派生物901は、電極902を備え、本実施形態では、機器派生物本体及び電極は、それらの構造及び配列の点で前の実施形態に対応する。従って、機器派生物で、光源及びセンサ(図示せず)は、機器派生物本体の組織接触表面から離れて提供されている。機器派生物本体は、光出口開口部914を含み、光出口開口部914を通って、図示しない光源からの光が方向付けられ、そこから、光は、組織内へ放射される/組織に入る。機器派生物本体は、光入口開口部916をさらに含み、光入口開口部916を通って、組織からの光は、センサで終了する光トンネル920内へ放射される/出る。光源から光出口開口部914への光は、少なくとも一つの光トンネル920を通って方向付けられる。光入口開口部916からセンサへの光は、(同じ設計の)少なくとも一つの他の光トンネル920を通って方向付けられる。従って、本実施形態では、少なくとも二つの光トンネル920は、機器派生物本体に形成されている。光出口開口部914及び光入口開口部916は交互に、機器派生物本体に提供されている。少なくとも一つのミラー/反射傾斜/角度が付いた面924は、光トンネル920に形成されている。
【0107】
13(b)は、光トンネル920内の第10の実施形態による機器派生物901のエリア内の光誘導を示す。光源から来る入射光は、光トンネル920内へ供給され、所定の角度で(好ましくは0~90°の角度で)角度が付いたミラー面924でそらされる。ミラー/ミラー表面/ミラー面924を通って、光は組織内へ照射され、リミッションされた光は、同じ構造を有する別の光トンネル920によってセンサに方向付けられる/導かれる。
【0108】
14は、上記の実施形態による双極機器派生物を示す。実施形態1~10は、双極医療HF機器で使用されるように提供され適合されており、二つの機器派生物本体は、好ましくは、互いに対して枢動的に取り付けられており、互いの間の組織受容ギャップを画定する。
【0109】
15は、双極HF機器上の対向する検出器及び照明を示す。この場合、照明の光出口開口部1014及び検出器の光入口開口部1016はそれぞれ、対向する機器派生物/機器派生物本体上に配置されている。
【0110】
16は、本発明による医療装置1100の概略図を示す。光源1110は、光を放出するように提供され適合されている。センサ1112は、光を検出するように提供され適合されている。光源は、光出口開口部1114を通る光を放出する。センサ1112は、光入口開口部1116を通る光を受信する。光源1110及びセンサ1112は、チャネル1118に配置されたデータ線1130及び1132と連絡している。チャネル1118は、絶縁形式で電極も受容する機器派生物本体に形成されている。電極1134が受容された一つの機器派生物本体は、反対の電極1136が受容された機器派生物本体で組織1138を固定する。電極1134及び電極1136は、線1140及び1142と連絡している。データ線1130及び1132並びに線1140及び1142は、記憶媒体1146を備える計算ユニット1144と連絡している。
【0111】
17は、プロセス中の温度プロファイルの概略図を示す。ここで、組織の温度vは、時間tにおけるグラフ上にプロットされている。t1は、組織が85℃、好ましくは95℃の温度に達する時点を示す。2は、SPの値が2.5の値に達する点を示す。SPの値は、組織の温度が85℃、好ましくは95℃に達した時点からオンラインで計算されている。この時点から、組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上である継続期間が測定され、平均温度は、85℃、好ましくは95℃に達した(ここで、線によって示される)第1の時間からオンラインで計算された。これらの二つの値は、リアルタイムで乗算され、85℃、好ましくは95℃に達するまでのエネルギ入力で除算され、それによって、SPの値を、好ましくはリアルタイムで計算する。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
医療機器のスイッチオフ時間の特定のための方法であって、
組織の温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である継続期間を測定するステップと、
好ましくはオンラインで、前記温度が85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満に達する第1の時間からの平均温度を計算するステップと、
85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の前記温度に達するまでのエネルギ入力を測定及び/又は計算するステップと、
上述の結果を関連付けるパラメータSPであって、所定の値の前記パラメータSPで、好ましくは2~3の所定の値SPで、特に所定の値SP2.5で、前記医療機器をスイッチオフする前記パラメータSPを計算するステップと、
を備える方法。
(項目2)
前記パラメータSPは、前記組織の前記温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である前記継続期間が、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の前記温度に達する前記第1の時間からの前記平均温度で乗算され、85℃、好ましくは95℃の前記温度に達するまでの前記エネルギ入力で除算された前記結果であることを特徴とする、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記方法は、
少なくとも一つの照明(10、1110)によって、励起スペクトルを有する光を組織内へ放出するステップと、
少なくとも一つの検出器(12、1112)によって、前記組織からリミッションスペクトルを有する光のリミッションを受信するステップと、
前記検出器(12、1112)によって、前記リミッションスペクトルを検出器信号に変換するステップと、
前記検出器信号を計算ユニット(1144)に送信するステップと、
前記計算ユニット(1144)によって、前記検出器信号から前記リミッションスペクトルを計算するステップと、
前記計算ユニット(1144)を使用して、前記励起スペクトルを前記リミッションスペクトルと比較することによって、前記組織の吸収スペクトルを計算するステップと、
前記計算ユニット(1144)によって、前記吸収スペクトルから少なくとも一つの吸収最大値を計算するステップと、
前記計算ユニット(1144)によって、前記吸収最大値を少なくとも一つの基準と比較することによって前記組織での温度を計算するステップと、
をさらに備えることを特徴とする、項目1又は2に記載の方法。
(項目4)
前記方法は、
好ましくは水及び/又は脂肪及び/又はコラーゲンについて、前記計算ユニットで、好ましくは前記計算ユニット内の記憶媒体で、特定の温度での吸収最大値の形態で少なくとも一つの基準を記憶するステップをさらに含むことを特徴とする、項目2又は3に記載の方法。
(項目5)
前記方法は、
前記照明及び前記検出器(12、1120)を前記組織に適用するステップをさらに含むことを特徴とする、項目2から4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記方法は、
前記計算された温度及び/又は組織インピーダンスに基づいて、前記計算ユニットによって、装置、好ましくは医療機器を制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップをさらに含むことを特徴とする、項目2から5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップは、所定の温度に達するとき、好ましくは85℃よりも高い温度で、好ましくは95℃よりも高い温度で、好ましくは100℃未満の温度で行われることを特徴とする、項目6に記載の方法。
(項目8)
医療機器を前記制御、及び/又は調整、及び/又はスイッチオフするステップは、オンラインで、好ましくはリアルタイムで行われることを特徴とする、項目6又は7に記載の方法。
(項目9)
温度測定のための前記方法は、封止プロセス中に行われることを特徴とする、項目2から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記検出器は、1000nm~1700nmのNIR範囲で、より好ましくは1400nm~1600nmの前記範囲で、リミッション、好ましくはリミッションスペクトルを測定するように提供され適合されていることを特徴とする、項目3から9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記照明及び前記検出器は離間していることを特徴とする、項目2から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
医療機器をスイッチオフするための項目1から11のいずれか一項に記載の前記方法の使用。
(項目13)
医療機器、特に温度測定装置の記憶媒体であって、
前記項目1から11のいずれか一項に記載の前記ステップは、前記記憶媒体(1144)上に記憶されることを特徴とする、記憶媒体。
(項目14)
組織を封止及び/又は切開するための医療機器(1110)であって、
組織の温度を測定するように提供され適合された温度測定装置と、
計算ユニット(1144)と、
を備え、
前記医療機器(1110)、特に前記温度測定装置は、前記組織の前記温度が85℃よりも上、好ましくは95℃よりも上、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満である継続期間を測定するように提供され適合されており、
前記計算ユニット(1144)は、好ましくはオンラインで、第1の時間で85℃の前記温度に達してからの、好ましくは前記第1の時間で95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の前記温度に達してからの平均温度を計算するように提供され適合されており、
前記医療機器(1110)は、85℃、好ましくは95℃、好ましくは110℃未満、好ましくは100℃未満の前記温度に達するまでのエネルギ入力を測定及び/又は計算するようにさらに適合されており、
前記計算ユニット(1144)は、前記継続期間、前記平均温度、及び前記エネルギ入力の上述の結果を関連付けるパラメータSPを計算するように提供され適合されており、
前記医療機器(1110)、特に前記計算ユニット(1144)は、所定の値SPで、及び/又は所定の値SPから、好ましくは所定の値SPが2~3で、特に値SPが2.5で、及び/又は値SPが2.5から、前記医療機器(1110)をスイッチオフするように適合されている、医療機器(1110)。
(項目15)
前記医療機器(1110)は、組織の封止及び/若しくは切開のために少なくとも一つの通電可能な電極(502、602、702、802、902、1134、1136)を形成し、又は組織の封止及び/若しくは切開のために前記少なくとも一つの通電可能な電極(2、102、202、302、402、702)内に、若しくは前記少なくとも一つの通電可能な電極(2、102、202、302、402、702)上に配列された、少なくとも一つの機器派生物(1、101、201、301、401、501、601、701、801、901)を備え、前記電極(2、102、202、302、402、502、602、702、802、902、1134、1136)の前記通電は、前記計算ユニット(1144)によって制御可能及び/又は調整可能であることを特徴とする、項目14に記載の医療機器(1110)。
【符号の説明】
【0112】
1,101,201,301,401,501,601,701,801,901:機器派生物
2,102,202,302,402,502,602,702,802,902:電極
4,104,204,304,404,604,804,904:第1の電極表面
6,106,206,306,406,606,806,906:第2の電極表面
8,108,208,308,408,708:機器派生物本体
10,1110:光源
12,1112:センサ
14,114,214,314,414,514,614,714,814,914,1014,1114:光入口開口
16,116,216,616,716,816,916,1016,1116:光出口開口
18,1118:チャネル
120,220,320,420,520,620,720,820,920:光トンネル
322,422:バルク材料
524,924:ミラー化された傾斜面
626,826:部分透光面
1028:双極機器派生物
1130,1132,1140,1142:線
1134:第1の電極
1136:第2の電極
1138:組織
1144:計算ユニット
1146:記憶媒体
【国際調査報告】