(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(54)【発明の名称】動力電池トップカバーおよび動力電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/15 20210101AFI20221114BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20221114BHJP
H01M 50/557 20210101ALI20221114BHJP
H01M 50/188 20210101ALI20221114BHJP
H01M 50/176 20210101ALI20221114BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20221114BHJP
【FI】
H01M50/15
H01M50/55 101
H01M50/557
H01M50/188
H01M50/176
H01M50/342 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508893
(86)(22)【出願日】2020-12-24
(85)【翻訳文提出日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 CN2020139014
(87)【国際公開番号】W WO2021129739
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201922344555.9
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911346498.6
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021438092.9
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520145160
【氏名又は名称】瑞浦蘭鈞能源股分有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520145171
【氏名又は名称】上▲海▼瑞浦青▲創▼新能源有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲喩▼ 先▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】侯 ▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲嬋▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】蔡 云▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】余 招宇
(72)【発明者】
【氏名】曹 ▲輝▼
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011DD02
5H011KK01
5H012AA07
5H012BB02
5H012DD01
5H012EE01
5H012EE04
5H012FF01
5H012GG01
5H043AA13
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA04
5H043DA05
5H043DA09
5H043HA31D
5H043JA01D
5H043JA02D
5H043JA03D
5H043JA07D
5H043JA12D
5H043LA11D
(57)【要約】
本発明は、動力電池トップカバーおよび動力電池に関し、動力電池トップカバーは、トップカバーシートの第1面に凹んで設けられる極柱凹部と当該極柱凹部内に位置する極柱孔とを含むトップカバーシートと、極柱孔を貫通する第1極柱ボスを含む第1極柱と、第1固定部材貫通孔を含む第1固定部材であって、第1極柱は部分的に第1固定部材貫通孔に設けられ、第1固定部材は部分的に前記極柱凹部に設けられる第1固定部材と、ボス孔を含む第2極柱ボスを含む第2極柱であって、第1極柱ボスはボス孔に入り込み、第1極柱は第2極柱に電気的に接触する第2極柱と、極柱凹部内に設けられかつ第1極柱に接触する第1密封部材と、絶縁板貫通孔を含む絶縁板であって、トップカバーシートの第2面側に設けられ、第2面は第1面の裏面であり、第2極柱ボスは絶縁板貫通孔を貫通して第1極柱に電気的に接触する絶縁板と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力電池トップカバーであって、
トップカバーシートであって、極柱凹部と極柱孔を含み、前記極柱凹部は前記トップカバーシートの第1面に凹んで設けられ、前記極柱孔は前記極柱凹部内に位置するものと、
第1極柱であって、第1極柱ボスを含み、前記第1極柱ボスは前記極柱孔を貫通するものと、
第1固定部材であって、第1固定部材貫通孔を含み、前記第1極柱は部分的に前記第1固定部材貫通孔に設けられ、前記第1固定部材は部分的に前記極柱凹部に設けられるものと、
第2極柱であって、第2極柱ボスを含み、前記第2極柱ボスはボス孔を含み、前記第1極柱ボスは前記ボス孔に入り込み、前記第1極柱は前記第2極柱に電気的に接触するものと、
第1密封部材であって、前記極柱凹部内に設けられ、かつ前記第1極柱に接触するものと、
絶縁板であって、絶縁板貫通孔を含み、前記トップカバーシートの第2面側に設けられ、前記第2面は前記第1面の裏面であり、前記第2極柱ボスは前記絶縁板貫通孔を貫通して前記第1極柱に電気的に接触するものとを含むことを特徴とする動力電池トップカバー。
【請求項2】
前記第1極柱ボスと前記ボス孔は溶接によって接続されることを特徴とする請求項1に記載の動力電池トップカバー。
【請求項3】
前記第1極柱は溝をさらに含み、前記溝は前記第1極柱の腰部に位置し、前記第1固定部材は突出部をさらに含み、前記突出部は前記第1固定部材の腰部に位置し、前記突出部は前記溝に嵌め込まれることを特徴とする請求項1に記載の動力電池トップカバー。
【請求項4】
前記第1極柱および前記第1固定部材は、一体型射出成形または組立接続であることを特徴とする請求項3に記載の動力電池トップカバー。
【請求項5】
前記第1極柱は、導電性材料であり、前記第1極柱の材料は、前記第1固定部材の材料とは異なることを特徴とする請求項1または3に記載の動力電池トップカバー。
【請求項6】
前記第1密封部材は環状構造であり、前記第1密封部材の環状面積は前記第1固定部材貫通孔の孔面積より小さいことを特徴とする請求項1に記載の動力電池トップカバー。
【請求項7】
第1シール部材は、前記第1極柱と前記極柱凹部との間に挟まれた第1部分と、前記極柱孔に設けられた第2部分とを含み、前記第2部分は前記極柱凹部と前記第2極柱ボスとの間に挟まれることを特徴とする請求項1に記載の動力電池トップカバー。
【請求項8】
前記第1部分と前記第2部分は、その縦断面においてL字状であることを特徴とする請求項7に記載の動力電池トップカバー。
【請求項9】
前記第2極柱と前記第2面との間に少なくとも部分的に挟まれる第2シール部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の動力電池トップカバー。
【請求項10】
第2密封部材は環状構造であり、前記第2密封部材の環状面積は前記絶縁板貫通孔の孔面積より小さいことを特徴とする請求項9に記載の動力電池トップカバー。
【請求項11】
第2密封部材は第3部分と第4部分を含み、前記第3部分は前記第2極柱と前記第2面との間に挟まれ、前記第4部分は前記極柱孔に設けられ、前記第4部分は前記極柱凹部と前記第2極柱ボスとの間に挟まれることを特徴とする請求項9に記載の動力電池トップカバー。
【請求項12】
前記第3部分と前記第4部分は、その縦断面においてL字状であることを特徴とする請求項11に記載の動力電池トップカバー。
【請求項13】
前記第1密封部材と第2密封部材は互いに接触することを特徴とする請求項9に記載の動力電池トップカバー。
【請求項14】
前記第1密封部材は前記極柱凹部と前記第2極柱ボスとの間に挟まれる第5部分を含み、前記第2密封部材は前記極柱凹部と前記第2極柱ボスとの間に挟まれる第6部分を含み、前記第5部分は前記第1面に平行する第1端部を含み、前記第6部分は前記第1面に平行する第2端部を含み、前記第1端部は前記第2端部に当接することを特徴とする請求項13に記載の動力電池トップカバー。
【請求項15】
前記第1密封部材と第2密封部材は一体成形されることを特徴とする請求項9~14のいずれか一項に記載の動力電池トップカバー。
【請求項16】
前記第1極柱と前記第2極柱が組み合わせられて動力電池の正極とする場合、前記第1固定部材は導電性材料または絶縁性材料であることを特徴とする請求項1に記載の動力電池トップカバー。
【請求項17】
前記第1極柱と前記第2極柱が組み合わせられて動力電池の負極とする場合、前記第1固定部材は絶縁性材料であることを特徴とする請求項1に記載の動力電池トップカバー。
【請求項18】
前記トップカバーシートは対称的に分布する二つの前記極柱凹部を含み、各前記極柱凹部には一つの前記極柱孔が含まれ、2セットの前記第1極柱、第1固定部材、第2極柱、第1密封部材はそれぞれ前記二つの極柱凹部と前記極柱孔に対応して設けられ、1セットの前記第1極柱と前記第2極柱は動力電池の正極とし、もう1セットの前記第1極柱と前記第2極柱は前記動力電池の負極とすることを特徴とする請求項1に記載の動力電池トップカバー。
【請求項19】
前記第2極柱ボスの内部は中空であることを特徴とする請求項1に記載の動力電池トップカバー。
【請求項20】
前記第1極柱ボスの外形は多角形、円形、楕円形またはトラック形のうちの一種であり、前記ボス孔の形状は多角形、円形、楕円形またはトラック形のうちの一種であり、前記第1極柱ボスと前記ボス孔は形状が適合することを特徴とする請求項1に記載の動力電池トップカバー。
【請求項21】
動力電池であって、請求項1~20のいずれか一項に記載の動力電池トップカバーを含むことを特徴とする動力電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動力電池分野に関し、特に動力電池トップカバーおよび動力電池に関する。
【背景技術】
【0002】
動力電池は、電気機器に十分な動力を供給することができる。リチウムイオン電池を例とする動力電池は、すでに新エネルギー自動車などの製品において作用を発揮している。現在、動力電池トップカバー構造には極柱、シールリングなどが含まれ、射出成形構造、リベット構造と溶接構造などに関する。このようなトップカバー構造は、構造が複雑であり、加工プロセスが複雑であり、加工設備が膨大であり、材料コストと加工コストが高い一方、リベット構造では、シール不良と絶縁性不良の問題を招く可能性がある。射出構造では、射出による力とシールリングを圧縮する力の方向が一致しないため、シールリングの圧縮不良問題を引き起こす可能性がある。溶接構造において、シールリングを圧縮するのに必要な力は溶接リングを介して間接的に極柱に伝達され、そしてシールリングに伝達され、シールリングの圧縮不良を引き起こしやすく、従って、極柱のシール不良を引き起こす。また、従来の動力電池トップカバー構造における極柱が多すぎて動力電池内外の空間を占用し、動力電池のエネルギー密度を低下させ、中実の極柱構造はさらに動力電池の重量を増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的問題は、構造を簡略化し、低コストで、低重量で、シール性が良好である動力電池トップカバーおよび当該動力電池トップカバーを含む動力電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記技術的問題を解決するために、トップカバーシートであって、極柱凹部と極柱孔を含み、前記極柱凹部は前記トップカバーシートの第1面に凹んで設けられ、前記極柱孔は前記極柱凹部内に位置するものと、第1極柱であって、第1極柱ボスを含み、前記第1極柱ボスは前記極柱孔を貫通するものと、第1固定部材であって、第1固定部材貫通孔を含み、前記第1極柱は部分的に前記第1固定部材貫通孔に設けられ、前記第1固定部材は部分的に前記極柱凹部に設けられるものと、第2極柱であって、第2極柱ボスを含み、前記第2極柱ボスはボス孔を含み、前記第1極柱ボスは前記ボス孔に入り込み、前記第1極柱は前記第2極柱に電気的に接触するものと、第1密封部材であって、前記極柱凹部内に設けられ、かつ前記第1極柱に接触するものと、絶縁板であって、絶縁板貫通孔を含み、前記トップカバーシートの第2面側に設けられ、前記第2面は前記第1面の裏面であり、前記第2極柱ボスは前記絶縁板貫通孔を貫通して前記第1極柱に電気的に接触するものとを含む動力電池トップカバーを提供する。
【0005】
本発明は上記技術的問題を解決するために、以上に記載の動力電池トップカバーを含む動力電池をさらに提供する。
【0006】
本発明による動力電池トップカバーにおいて、第1極柱の第1極柱ボスは第2極柱のボス孔に入り込み、第1極柱と第1固定部材は溝と突出部を介して嵌合接続され、極柱モジュールの構造を簡略化し、極柱モジュールが占用する動力電池の内部と外部の高さ空間を減少させ、動力電池の内部と外部空間の利用率を向上させる。本発明による動力電池トップカバーは第1シール材と第2シールを採用し、極柱モジュールに対する二重シール構造を形成し、極柱シールの確実性を大幅に向上させる。また、第1極柱および第2極柱は溶接方式で接続され、溶接過程で発生した力は第1シール部材および第2シール部材に直接伝達され、この溶接力は第1シール部材および第2シール部材の圧縮力の方向と一致し、第1シール部材および第2シール部材に対する圧縮に寄与し、極柱のシール性をさらに向上させる。当該動力電池トップカバーは優れたシール性、耐圧性と高温耐性を有する。当該動力電トップカバーを含む動力電池は優れたシール性、耐圧性と高温耐性を有し、安全で確実である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下の実施例およびその図面によって本発明の特徴および性能を更に説明する。
【
図1A】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの構造の斜視図である。
【
図1B】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの平面概略図である。
【
図2】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの分解概略図である。
【
図3A】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの断面概略図である。
【
図3B】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの断面概略図である。
【
図3C】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの断面概略図である。
【
図4A】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の形状を示す図である。
【
図4B】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の形状を示す図である。
【
図4C】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の形状を示す図である。
【
図5A】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の形状を示す図である。
【
図5B】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の形状を示す図である。
【
図5C】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の形状を示す図である。
【
図6A】本発明の別の実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の形状を示す図である。
【
図6B】本発明の別の実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の形状を示す図である。
【
図6C】本発明の別の実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の形状を示す図である。
【
図7A】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の形状を示す図である。
【
図7B】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の形状を示す図である。
【
図7C】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の形状を示す図である。
【
図8A】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第1極柱310の形状を示す図である。
【
図8B】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第1極柱310の形状を示す図である。
【
図8C】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第1極柱310の形状を示す図である。
【
図9A】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第2極柱340の形状を示す図である。
【
図9B】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第2極柱340の形状を示す図である。
【
図9C】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第2極柱340の形状を示す図である。
【
図10A】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の形状を示す図である。
【
図10B】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の形状を示す図である。
【
図10C】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の形状を示す図である。
【
図11A】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の形状を示す図である。
【
図11B】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の形状を示す図である。
【
図11C】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の形状を示す図である。
【
図12A】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの概略斜視図である。
【
図12B】
図12Aに示される実施例による動力電池トップカバーの分解概略図である。
【
図13A】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の構造概略図である。
【
図13B】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の構造概略図である。
【
図14A】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の構造概略図である。
【
図14B】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の構造概略図である。
【
図15】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの絶縁板の底板の構造概略図である。
【
図16】本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの分解概略図である。
【
図17A】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの断面概略図である。
【
図17B】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの断面概略図である。
【
図17C】本発明の一実施例による動力電池トップカバーの断面概略図である。
【
図18A】本発明による動力電池トップカバーの第1シール部材および第2シール部材の4つの実施形態である。
【
図18B】本発明による動力電池トップカバーの第1シール部材および第2シール部材の4つの実施形態である。
【
図18C】本発明による動力電池トップカバーの第1シール部材および第2シール部材の4つの実施形態である。
【
図18D】本発明による動力電池トップカバーの第1シール部材および第2シール部材の4つの実施形態である。
【
図19】本発明の一実施例による動力電池の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、トップカバーシートであって、極柱凹部と極柱孔を含み、極柱凹部はトップカバーシートの第1面に凹んで設けられ、極柱孔は極柱凹部内に位置するものと、第1極柱であって、第1極柱ボスを含み、第1極柱ボスは極柱孔を貫通するものと、第1固定部材であって、第1固定部材貫通孔を含み、第1極柱は部分的に第1固定部材貫通孔に設けられ、第1固定部材は部分的に極柱凹部に設けられるものと、第2極柱であって、第2極柱ボスを含み、第2極柱ボスはボス孔を含み、第1極柱ボスはボス孔に入り込み、第1極柱は第2極柱に電気的に接触するものと、第1密封部材であって、極柱凹部内に設けられ、かつ第1極柱に接触するものと、絶縁板であって、絶縁板貫通孔を含み、トップカバーシートの第2面の側に設けられ、第2面は第1面の裏面であり、第2極柱ボスは絶縁板貫通孔を貫通して第1極柱に電気的に接触するものとを含む動力電池トップカバーを提供する。
【0009】
ここでは、第1極柱、第1固定部材、第2極柱と第1密封部材で動力電池の極柱モジュールを構成することができ、動力電池の電極を形成することに利用される。本発明は動力電池の電極の数を制限しない。理解できるように、極柱モジュールの数は、動力電池の電極の数に対応する。一般的には、動力電池は、2つの電極、すなわち、正電極および負電極を含む。本発明の実施例における極柱モジュールは、動力電池の正極または負極とすることができる。本明細書の図面は、2つの電極を有する動力電池に用いられる動力電池トップカバーを例に挙げて説明する。この実施例では、動力電池トップカバーは、対称的に設けられる2組の極柱モジュールを含む。
【0010】
図1Aは本発明の一実施例による動力電池トップカバーの構造斜視図である。
図1Bは本発明の一実施例による動力電池のトップカバーの平面概略図である。
図1Aおよび
図1Bに関連して示されるように、動力電池トップカバー100は、トップカバーシート110、2つの極柱モジュール200、300および絶縁板400を含み、各極柱モジュールは、1セットの第1極柱、第1固定部材、第2極柱、および第1シール部材(図示せず)を含み、極柱モジュール200、300の具体的な構造は、他の図面に関連して以下に展開される。
【0011】
図1Aを参照すると、動力電池トップカバー100のトップカバーシート110は、矩形の板状構造であり、実際の使用には、方向Dに沿った方向に配置され、トップカバーシート110の第1面S1は、上面(正面とも称される)に位置し、トップカバーシート120の第2面S2は、下面または底面(底面とも称される)に位置し、第2面S2は、第1面S1の裏面である。
【0012】
図1Aに示すように、絶縁板400は、トップカバーシート110の第2面S2側に位置する。絶縁板400は、トップカバーシート110の形状や大きさに合わせた板状構造である。トップカバーシート110の第2面S2から離れた絶縁板400の底面には、動力電池トップカバー100を動力電池トップカバーの下方に位置する動力電池内の他の部品、例えば電池本体に取り付けるための3つの接続部401が設けられる。
【0013】
図1Aおよび
図1Bを参照すると、いくつかの実施例では、トップカバーシート110には防爆モジュールを取り付けるための防爆取付孔140がさらに含まれる。トップカバーシート110に液体注入孔150がさらに含まれ、当該液体注入孔150によって電池に液体を注入することができ、液体注入が完了した後に当該液体注入孔150をシールすることができる。
【0014】
図1Aおよび
図1Bは、本発明による動力電池トップカバー100のトップカバーシート110の具体的な大きさおよび形状、極柱モジュール200、300、防爆取付孔140および液体注入孔150の大きさ、形状、トップカバーシート110における具体的な位置等や、連結部401の具体的な形状、数量等を限定するものではない。
【0015】
図2は、本発明の一実施例による動力電池トップカバーの分解概略図である。
図2は、
図1Aおよび
図1Bに示す実施例に対応する動力電池トップカバー100の分解図であり、極柱モジュール200、300の構成要素、トップカバーシート110内の具体的な要素、および絶縁板400内の具体的な要素が示されている。
【0016】
図2に示すように、当該動力電池トップカバー100におけるトップカバーシート110は極柱凹部120、130と極柱孔121、131を含み、極柱孔121は極柱凹部120に位置し、極柱孔131は極柱凹部130内に位置する。極柱凹部120、130はトップカバーシート110の第1面S1に凹んで設けられ、つまり、極柱凹部120、130は第1面S1に対して、沈降するようにトップカバーシート110内に位置し、極柱凹部120、130と第1面S1によって一定の高さの階段状を形成し、この階段の高さは極柱凹部120、130がトップカバーシート110に沈み込む沈降高さである。極柱凹部120、130は極柱モジュール200、300を取り付けるためのものであり、極柱凹部120、130は取付溝とも言われてもよく、極柱孔121、131は取付溝の底部に設けられ、極柱孔121、131は取付貫通孔とも呼ばれてもよい。
【0017】
図2に示すように、第1極柱210、第1固定部材220、第2極柱240と第1密封部材230で以上に記載の極柱モジュール200が構成され、第1極柱310、第1固定部材320、第2極柱340と第1密封部材330で、以上に記載の極柱モジュール300が構成される。極柱モジュール200、300は、動力電池を外部装置に電気的に接続するために使用される。
図2に示すように、いくつかの実施例では、トップカバーシート110の第1面S1に、電極指示マーク101、102をさらに含むことができ、ここでは、電極指示マーク101が「+」であることは、その近くにある極柱モジュール200が動力電池のセルの正極タブに接続されることを示し、電極指示マーク102が「-」であることは、その近くにある極柱モジュール300が動力電池のセルの負極タブに接続されることを示す。具体的には、第2極柱240とセルの正極タブは接続シートによって接続され、第2極柱340とセルの負極タブは別の接続シートによって接続され、それによってセルと外部装置の電気接続を実現する。
【0018】
図2を参照すると、極柱凹部120および極柱孔121は、極柱モジュール200と組み合わせて動力電池の一方の電極を形成し、極柱凹部130および極柱孔131は、極柱モジュール300と組み合わせて動力電池の他方の電極を形成する。
【0019】
いくつかの実施例では、極柱凹部120と極柱凹部130とは、形状や大きさが同じであり、トップカバーシート110内に対称的に設けられる。
【0020】
いくつかの実施例では、極柱凹部120と極柱凹部130とは、形状や大きさが異なる。
【0021】
いくつかの実施例では、極柱凹部120および極柱凹部130は、トップカバーシート110内に非対称的に設けられる。
【0022】
いくつかの実施例では、極柱孔121および極柱孔131の形状、大きさは同じであり、極柱孔121および極柱孔131のそれぞれ極柱凹部120および極柱凹部130における相対位置も同じである。
【0023】
いくつかの実施例では、極柱孔121と極柱孔131とは、形状や大きさが異なる。
【0024】
いくつかの実施例では、極柱孔121および極柱孔131のそれぞれ極柱凹部120および極柱凹部130における相対位置が異なる。
【0025】
極柱凹部と極柱孔の大きさ、形状と位置は、それに対応する極柱モジュールの大きさ、形状に対応する。
【0026】
極柱モジュール200、300の主な構成は同じであるので、極柱凹部120、極柱孔121、極柱モジュール200を例に挙げて以下に説明し、極柱モジュール200、300の違いについて特に指摘する。
【0027】
図2を参照すると、第1極柱210は、トップカバーシート110における極柱孔121を貫通する第1極柱ボス(図示せず)を含む。
図2に示す視点で、第1極柱ボスは、第1極柱210の下面に突設される。
【0028】
第1固定部材220は第1固定部材貫通孔221を含み、第1極柱210は第1固定部材貫通孔221内に部分的に設けられ、第1固定部材220は極柱凹部120内に部分的に設けられる。
【0029】
第2極柱240は第2極柱ボス241を含み、当該第2極柱ボス241はボス孔242を含み、組み立てられた動力電池トップカバー100において、第1極柱ボスは当該ボス孔242に入り込み、第1極柱210と第2極柱240は電気的に接触する。第1極柱ボスおよびボス孔242の形状は、適合するか、または同じである。
【0030】
第1シール部材230は、極柱凹部120内に設けられ、第1極柱210と接触する。
【0031】
絶縁板400は、絶縁板貫通孔420、430を含み、ここでは、絶縁板貫通孔420は極柱モジュール200に対応し、絶縁板貫通孔430は極柱モジュール300に対応する。絶縁板貫通孔420を例とし、当該絶縁板貫通孔420の絶縁板400における位置とその大きさ、形状は極柱孔121、第1極柱ボス、第2極柱ボス241に適合すべきであり、これにより、第2極柱ボス241が当該絶縁板貫通孔420を貫通して第1極柱210と電気的に接続される。絶縁板400は、トップカバーシート110の第2面S2側に設けられる。
【0032】
図2を参照すると、絶縁板400には防爆弁孔440と液体注入孔450をさらに含む。なお、防爆弁孔440の形状、大きさおよび位置は、トップカバーシート110における防爆取付孔140に対応する。
【0033】
いくつかの実施例では、当該動力電池トップカバー100は、保護パッチ141および防爆シート142をさらに含む。防爆取付孔140、保護パッチ141、防爆シート142および防爆弁孔440はともに防爆弁モジュールを構成する。防爆シート142と防爆取付孔140とは、溶接により組み立てられて密封される。保護パッチ141はトップカバーシート110に貼り付けられ、防爆モジュールの密封を実現する。防爆弁孔440は、防爆シート142を第2面S2に向かう方向から覆って防爆弁モジュールを保護する。
【0034】
いくつかの実施例では、保護パッチ141の材質はPETまたは他のプラスチック材質であり、防爆シート142の材質はアルミニウム材質またはアルミニウム合金材質である。
【0035】
図2を参照すると、液体注入孔450の形状、大きさ、および位置は、トップカバーシート110における液体注入孔150に対応する。液体注入孔450の形状、大きさは、液体注入孔150とは異なり、液体注入孔150および液体注入孔450によって電池への注液が可能であればよい。
【0036】
いくつかの実施例では、液体注入孔450は支持貫通孔構造であり、電解液注入後の電池内部への迅速な浸潤を促進することに有利である。
【0037】
いくつかの実施例では、絶縁板400の材質は、PPまたは優れた耐食性および高温耐性を有する他のプラスチック材質である。絶縁板400は、プラスチック材料を用いて一体成形され、トップカバーシート110の下方に設けられるので、絶縁板400は、一体化された下部プラスチック部材とも呼ばれる。
【0038】
図3A~3Cは、本発明の一実施例による動力電池トップカバーの断面概略図である。
図3A~3Cは、
図2のAA’線に沿った断面図である。ここで、
図3Aは、
図1~
図3に示す動力電池トップカバー100の断面概略図であり、トップカバーシート110と、極柱モジュール200、300と、絶縁板400とを含む。ここでは、極柱モジュール200は第1極柱210、第1固定部材220、第2極柱240および第1シール部材230を含む。極柱モジュール300は、第1極柱310と、第1固定部材320と、第2極柱340と、第1シール部材330とを含む。保護パッチ141、防爆シート142等の防爆弁モジュールは、トップカバーシート110の中間部に設けられ、極柱モジュール200、300は、トップカバーシート110の両端にそれぞれ対称的に設けられる。
【0039】
図3Bは、極柱モジュール200を含む部分構造の部分拡大概略図である。
図3Bを参照すると、第1極柱210は、第1極柱ボス211を含む。第1極柱ボス211以外の第1極柱210の部分を極柱本体212という。
図2に示すように、極柱本体212は、第1固定部材貫通孔221内に部分的に設けられ、極柱本体212は、方向Dに沿って一部が第1固定部材貫通孔221から突出している。第1極柱ボス211は極柱孔121を貫通してボス孔242に入り込み、第1極柱210と第2極柱240は第1極柱ボス211とボス孔242を介して電気的に接触する。
図3Bを参照すると、第1極柱210の極柱本体212の下面はまた第2極柱220の第2極柱ボス241の上面と接触し、第1極柱210と第2極柱240はさらに極柱本体212の下面と第2極柱ボス241の上面を介して電気的に接触する。
【0040】
図3Bを参照すると、第1シール部材230は極柱凹部120内に設けられ、第1極柱210の極柱本体212の下面と接触する。
【0041】
いくつかの実施例では、第1シール部材230は、第1極柱210と極柱凹部120との間に挟まれた第1部分231と、極柱孔121に設けられた第2部分232とを含み、第2部分232は極柱凹部120と第2極柱ボス241との間に挟まれる。
図3Bに示すように、第1部分231の上面は極柱本体212の下面と接触し、第1部分231の下面は極柱凹部120の上面と接触する。また、第2部分232の上面も極柱本体212の下面と接触し、第2部分232の外側面は、極柱凹部120の第2面S2まで下方に延びる側壁と接触し、第2部分232の内側面は、第2極柱ボス242と完全に接触しているか、部分的に接触しているか、または接触していない。
【0042】
いくつかの実施例では、第1部分231および第2部分232は、その縦断面においてL字状である。
図3Bに示すように、第1部分231および第2部分232は、その縦断面において逆L字状である。このL字状の両辺として、第1部分231と第2部分232とは、互いに直交していてもよいし、一定の角度をなしていてもよい。
【0043】
図2に示す実施例では、極柱凹部120は正方形であり、第1固定部材220の外形は略正方形であり、極柱孔121、第1固定部材貫通孔221、第2極柱ボス241およびボス孔242はいずれも円形であり、第1シール部材230は円環状である。第1シール部材230は、シールリングとして実現することができる。極柱凹部120の辺長をD1、第1固定部材貫通孔221の直径をD2、第1シール部材230の外輪直径をD3、第1シール部材230の内輪直径をD4、ボス孔242の直径をD5とすると、D1>D2>D3>D4>D5となる。
【0044】
図3Bを参照すると、第1固定部材220は極柱凹部120内に部分的に嵌め込まれ、第1固定部材220の外側壁は極柱凹部120の第1面S1まで上方に延びる側壁と接触している。第1固定部材220の上部は極柱凹部120の外側から突出し、第1面S1から突出する。
【0045】
図3Bに示す実施例では、第1シール部材230は環状構造であり、第1シール部材230の環状面積は、第1固定部材貫通孔221の孔面積よりも小さい。
図3Bに示すように、第1シール部材230の外輪直径D3は、第1固定部材貫通孔221の直径D2よりも小さい。
【0046】
図3Bに示される実施例では、極柱モジュール200は、動力電池の正極として機能し、第1固定部材220は、導電性材料または絶縁性材料である。第1固定部材220が導電性材料である場合、それは導電性プラスチックであってよく、抵抗値は0~10000オームであり、第1固定部材220とトップカバーシート110は導通状態にある。第1固定部材220が絶縁材料である場合、それは絶縁プラスチックであってもよく、抵抗値は200メガオームであり、第1固定部材220とトップカバーシート110との間は絶縁されている。第1固定部材220がプラスチック材質である場合、トップカバーシート110の上方に位置するので、上部プラスチックと呼ぶことができる。
【0047】
いくつかの実施例では、トップカバーシート110の材質は、アルミニウム材質またはアルミニウム合金材質である。
【0048】
いくつかの実施例では、第1極柱ボス211とボス孔242とは、レーザ溶接などの溶接によって接続される。
【0049】
図2および
図3Bに関連して示されるように、動力電池トップカバー100を取り付ける際には、まず第1シール部材230を極柱凹部120内に置き、続いて第1固定部材220をトップカバーシート110の極柱凹部120の第1面S1まで上方に延びる側壁内に取り付け、第1極柱210を極柱凹部120および第1固定部材貫通孔221内に置き、第1固定部材220および第1シール部材230との密な接触を実現する。そして、第2極柱240を、絶縁板400における絶縁板貫通孔420および極柱孔121を貫通させて、第1極柱ボス211をボス孔242に密に接触させる。最後にレーザ溶接を採用して第1極柱ボス211とボス孔242の接触面を隙間に沿って溶接し、または第1極柱210の極柱本体212の下面と第2極柱240の第2極柱ボス241の上面との接触面の間に1パスまたは複数パスの溶接を追加し、極柱モジュール200の固定とシーリングを実現する。
【0050】
いくつかの実施例では、極柱モジュール200が動力電池の正極に用いられる場合、第1極柱210および第2極柱240の材質は、アルミニウム材質またはアルミニウム合金材質であってもよい。
【0051】
いくつかの実施例では、第1固定部材220の材質は、優れた耐食性および高温耐性を有するプラスチック材質であってもよい。
【0052】
いくつかの実施例では、第1シール部材230の材質は、一定の弾性を有するゴム材質であってもよい。
【0053】
図3Bを参照すると、いくつかの実施例では、第1極柱210の頂部に頂部溝213をさらに含む。この実施例では、頂部溝213は、第1極柱ボス211と同じ形状を有し、全て円形であり、溝213の凹み深さは、第1極柱ボス211の突出高さと実質的に等しい。
【0054】
いくつかの実施例では、リベット接続のために、頂部溝213にリベット孔213aが設けられる。
【0055】
他の実施例では、頂部溝213および第1極柱ボス211の形状は、多角形、円形、楕円形、トラック形、またはこれらの形状に基づいてフィレットまたはキー溝を加えた変形などの形状であってもよい。
【0056】
図3Bを参照すると、いくつかの実施例では、第2極柱240におけるボス孔242は、第1極柱ボス211と同じ形状を有する。
【0057】
いくつかの実施例では、第1極柱210の外形は、多角形、円形、楕円形、トラック形、またはこれらの形状に基づいてフィレットまたはキー溝を加えた変形などの形状であってもよい。
【0058】
図3Cは、極柱モジュール300を含む部分構造の部分拡大概略図である。極柱モジュール300の大部分の構造は極柱モジュール200と同じであるので、その説明は省略する。極柱モジュール300が極柱モジュール200と異なる点について、
図3Cを参照して以下に説明する。
図3Cに示されるように、第1固定部材320、第2極柱340、および第1シール部材330は、それぞれ、第1固定部材220、第2極柱240、および第1シール部材230と同じである。第1極柱310は第1極柱ボス311を含む。第1極柱ボス311以外の第1極柱310の部分を極柱本体312という。極柱本体212とは異なって、極柱本体312は、方向Dに沿って2つの部分に分けられ、それぞれ上部312aと下部312bであり、かつ、この2つの部分がそれぞれボスを有しているので、第1極柱ボス311も2つに分けられ、それぞれ上ボス311aと下ボス311bである。上部312aおよび下部312bは、一体的に成形されていてもよいし、別個の2つの部分が組み合わされて形成されていてもよい。ここでは、下ボス311bは、第2極柱340のボス孔342内に入り込んでいる。
【0059】
いくつかの実施例では、極柱モジュール300が動力電池の負極に用いられる場合、第1極柱310の材質は銅アルミ複合材質であってもよく、ここでは、上部312aの材質はアルミ材料またはアルミ合金材質であってもよく、下部312bの材質は銅材質または銅合金材質であってもよい。第2極柱340の材質は銅材質または銅合金材質であってもよい。第1固定部材320の材質は、優れた耐食性と高温耐性を有するプラスチック材質であってもよい。第1シール部材330の材質は、一定の弾性を有するゴム材質であってもよい。
【0060】
図3Cを参照すると、いくつかの実施例では、第1極柱310の頂部に頂部溝313をさらに含む。この実施例では、頂部溝313は、第1極柱ボス311と同じ形状を有し、全て円形であり、溝313の凹み深さは、第1極柱ボス311の突出高さと実質的に等しい。
【0061】
他の実施例では、頂部溝313および第1極柱ボス311の形状は、多角形、円形、楕円形、トラック形、またはこれらの形状に基づいてフィレットまたはキー溝を加えた変形などの形状であってもよい。
【0062】
図3Cを参照すると、いくつかの実施例では、第2極柱340におけるボス孔342は、第1極柱ボス311と同じ形状を有する。
【0063】
いくつかの実施例では、第1極柱310の外形は、多角形、円形、楕円形、トラック形、またはこれらの形状に基づいてフィレットまたはキー溝を加えた変形などの形状であってもよい。
【0064】
いくつかの実施例では、第1極柱210および第1極柱310の外形は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。それらが異なることで、誤り防止を実現でき、プロセス過程中に正負極の極柱を逆にして電池の腐食を引き起こすことを避けるという利点を有する。第2極柱240と第2極柱340の外形は同一であっても異なっていてもよい。
【0065】
本発明による動力電池トップカバーにおいて、第1極柱の第1極柱ボスを第2極柱のボス孔に入り込み、極柱モジュールが占用する動力電池の内部外部の高さ空間を減少させ、動力電池の内部外部空間の利用率を向上させる。本発明による動力電池トップカバーは、一次電池、二次電池などのタイプの電池、および動力、エネルギー貯蔵などの用途のための電池に用いることができる。
【0066】
図4A~
図4Cは、本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の形状を示す図である。ここで、
図4Aは底面図であり、第1極柱210の外形はフィレットを有する長方形であり、かつ右上隅に面取り部214を有し、円形の第1極柱ボス211は第1極柱210の中央部位に位置する。面取り部214は、取付時の方向の決定を容易にすることができる。
図4Bは側面断面図であり、
図3A~3Bの視点と同じである。
図4Bから分かるように、頂部溝213と第1極柱ボス211は、第1極柱210の対向する2つの面に対向して設けられる。
図4Cは、上面図であり、頂部溝213が第1極柱210の中央部位に位置し、面取り部214はこの図の右下隅に位置することが分かる。
【0067】
図5A~
図5Cは、本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の形状を示す図である。なお、
図5Aは底面図であり、第2極柱240の外形はフィレットを有する正方形であり、円形のボス孔242が第2極柱240の中央部位に位置する。
図5Bは側面断面図であり、第2極柱ボス241が第2極柱240の表面から突出し、ボス孔242が第2極柱ボス241の中央部位に位置することが分かる。
図5Cは上面図であり、第2極柱ボス241が第2極柱240の中央部位に位置し、ボス孔242が第2極柱ボス241の中央部位に位置することが分かる。
【0068】
いくつかの実施例では、第2極柱ボス241の内部241aは、
図5Bに示されるように中空であり、第2極柱ボス241の頂部厚さTは、0.1~5mmである。
【0069】
図6A~
図6Cは、本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の形状を示す図である。ここでは、
図6Aは底面図、
図6Bは側面断面図、
図6Cは上面図である。この実施例における第1極柱210と、
図4A~
図4Cに示す第1極柱210とは、第1極柱ボス211と頂部溝213の形状が異なるという点で異なる。
図6A~
図6Cを参照すると、この実施例における第1極柱ボス211および頂部溝213は、いずれも略楕円形状であり、
図6Aおよび
図6Cに示す視点で、上方および下方に突出するキー溝を有している。
【0070】
図7A~7Cは、本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の形状を示す図である。なお、
図7Aは底面図、
図7Bは側面断面図、
図7Cは上面図である。この実施例における第2極柱240と、
図5A~
図5Cに示されている第2極柱240とは、ボス孔242の形状が異なっており、かつ第2極柱240の輪郭が面取り部243をさらに含むという点で異なる。
図7A~
図7Cを参照すると、この実施例におけるボス孔242は、略楕円形状であり、
図6Aおよび
図6Cに示す視点で、上方および下方に突出するキー溝を有し、
図6A~
図6Cに示す第1極柱ボス211および頂部溝213と形状が類似している。
【0071】
図8A~
図8Cは、本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第1極柱310の形状を示す図である。第1極柱310は極柱モジュール300に含まれ、極柱モジュール300は動力電池の負極とすることができる。ここで、
図8Aは底面図であり、第1極柱310の外形はフィレットを有する長方形であり、左上隅に面取り部314を有し、円形の第1極柱ボス311は第1極柱310の中央部位に位置する。面取り部314は、取付時の方向の決定を容易にすることができる。
図8Bは側面断面図であり、
図3A-3Bの視点と同じである。
図8Bから分かるように、頂部溝313と第1極柱ボス311は、第1極柱310の対向する2つの面に対向して設けられる。
図8Cは、上面図であり、頂部溝313が第1極柱310の中央部位に位置し、切断角314が同図において左下隅に位置することが分かる。
【0072】
図9A~
図9Cは、本発明の一実施例による動力電池トップカバーの第2極柱340の形状を示す図である。ここで、
図9Aは底面図であり、第2極柱340の外形はフィレットを帯びた正方形であり、かつ、右下隅に面取り部343を有し、円形のボス孔342は第2極柱340の中央部位に位置する。
図9Bは側面断面図であり、第2極柱ボス341が第2極柱340の表面から突出し、ボス孔342が第2極柱ボス341の中央部位に位置することが分かる。
図9Cは上面図であり、第2極柱ボス341が第2極柱340の中央部位に位置し、ボス孔342が第2極柱ボス341の中央部位に位置し、面取り部343が同図において右上隅に位置することがわかる。
【0073】
いくつかの実施例では、第2極柱ボス341の内部341aは、
図9Bに示されるように中空であり、第2極柱ボス341の頂部厚さTは、0.1~5mmである。
【0074】
第2極柱ボス241、341の内部241a、341aは中空の設計を採用し、動力電池トップカバーの重量を軽減することができる。
【0075】
図10A~
図10Cは、本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第1極柱210の形状を示す図である。ここでは、
図10Aは底面図、
図10Bは側面断面図、
図10Cは上面図である。この実施例における第1極柱210と、
図8A~
図8Cに示す第1極柱210とは、第1極柱ボス211と頂部溝213の形状が異なっており、面取り部314が
図8Aにおいて左上隅に位置するという点で異なる。
図10A~
図10Cを参照すると、この実施例における第1極柱ボス211および頂部溝213は、いずれも略楕円形状であり、
図10Aおよび
図10Cに示す視点で、上方および下方に突出するキー溝を有している。
【0076】
図11A~
図11Cは、本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の形状を示す図である。なお、
図11Aは底面図、
図11Bは側面断面図、
図11Cは上面図である。この実施例における第2極柱240と、
図9A~
図9Cに示す第2極柱240とは、ボス孔242の形状が異なっており、面取り部343が
図11Aにおいて左上隅に位置する点で異なる。
図11A~
図11Cに示すように、この実施例におけるボス孔242は、略楕円形状であり、
図11Aおよび
図11Cに示す視点で、上方および下方に突出するキー溝を有し、
図10A~
図10Cに示す第1極柱ボス211および頂部溝213と形状が類似している。
【0077】
図12Aは本発明の他の実施例による動力電池のトップカバーの概略斜視図である。
図12Bは、
図12Aに示される実施例による動力電池トップカバーの分解概略図である。
図12Aおよび
図12Bに示す実施例では、第1電極210、310の外形は円形であり、第1固定部材220、320の外形は円形であり、極柱凹部120、130の外形も円形である。この実施例では、第1シール部材230、330および第1固定部材220、320は、いずれも円環状である。なお、
図12Bでは、第1シール部材230、330が第1固定部材220、320の上方に位置するが、第1シール部材230、330の外輪直径は第1固定部材220、320の外輪直径よりも小さいので、組み立てられた後、第1シール部材230、330は第1固定部材220、230における第1固定部材貫通孔221、321にそれぞれ位置する。
【0078】
図13A~13Bは本発明の他の実施例による動力電池のトップカバーの第1極柱210の構造概略図である。ここでは、
図13Aは底面図、
図13Bは側面図である。この実施例では、第1極柱210の第1極柱ボス211はトラック形状である。
【0079】
図14Aおよび
図14Bは、本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの第2極柱240の構造概略図である。ここでは、
図14Aは底面図、
図14Bは側面図である。この実施例では、第2極柱240のボス孔242はトラック形状であり、
図13Aおよび
図13Bに示す実施例における第1極柱ボス211と互いに嵌合することができる。
【0080】
図13A、
図13B、
図14Aおよび
図14Bに示される実施例によれば、互いに嵌合される第1極柱ボス211およびボス孔242はいずれもトラック形状であり、第1極柱210および第2極柱240の溶接軌跡を増加させることができ、これにより、極柱モジュール200、300の応力強度および過電流耐量を向上させる。
【0081】
図15は、本発明の一実施例による動力電池トップカバーの絶縁板底板の構造概略図である。
図2および
図15に関連して示されるように、絶縁板底板460は、絶縁板440の底部に位置する。絶縁板底板460に防爆弁孔440と液体注入孔451が含まれる。当該防爆弁孔440は多孔構造を含む。絶縁板底板460には、絶縁板貫通孔421、431がさらに含まれる。
図2に示す実施例では、絶縁板底板460の上面には、絶縁板貫通孔420、430、液体注入孔450が実質的に位置する平板をさらに有する。
図15に示す、絶縁板底板460に位置する絶縁板貫通孔421、431および液体注入孔451は、それぞれ絶縁板貫通孔420、430および液体注入孔450に対応する。
【0082】
図16は、本発明の他の実施例による動力電池トップカバーの分解概略図である。
図16を参照すると、この実施例による動力電池トップカバー1600は、トップカバーシート510と、絶縁板800と、第1極柱610、第1固定部材620、第2極柱640、第1シール部材630および第2シール部材650からなる極柱モジュール600と、第1極柱710、第1固定部材720、第2極柱740、第1シール部材730および第2シール部材750からなる極柱モジュール700とを含む。
【0083】
この実施例では、トップカバーシート510は極柱凹部520、530と極柱孔521、531を含み、極柱凹部520、530はトップカバーシート510の第1面S1内に凹んで設けられ、極柱孔521、531は極柱凹部520、530内に位置する。
【0084】
極柱モジュール600、700の主な構造は同じである。極柱モジュール600を例として、
図16に示す実施例では、第1極柱610は、トップカバーシート510における極柱孔521を貫通する第1極柱ボス(図示せず)を含む。
図16に示す視点において、第1極柱ボスは、第1極柱610の下面に突設される。
【0085】
第1固定部材620は第1固定部材貫通孔621を含み、第1極柱610は第1固定部材貫通孔621内に部分的に設けられ、第1固定部材620は極柱凹部520内に部分的に設けられる。
【0086】
第2極柱640は第2極柱ボス641を含み、当該第2極柱ボス641はボス孔642を含み、組み立てられた動力電池トップカバー1600において、第1極柱ボスは当該ボス孔642に入り込み、第1極柱610と第2極柱640は電気的に接触する。
【0087】
第1シール部材630は、極柱凹部520内に設けられ、第1極柱610と接触する。
【0088】
絶縁板800は、絶縁板貫通孔820、830を含み、ここでは、絶縁板貫通孔820は極柱モジュール600に対応し、絶縁板貫通孔830は極柱モジュール700に対応する。絶縁板貫通孔820を例とすると、当該絶縁板貫通孔820の絶縁板800における位置とその大きさ、形状は極柱孔621、第1極柱ボス、第2極柱ボス641に適合すべきであり、これにより、第2極柱ボス641が当該絶縁板貫通孔820を貫通して第1極柱610と電気的に接続される。絶縁板800は、トップカバーシート510の第2面S2側に設けられる。
【0089】
なお、
図16の実施例における構造の大部分は、
図2に示す実施例と同様であるので、その説明は省略する。
図2~
図15および対応する説明内容は、
図16に示す実施例を説明するために用いることができる。
【0090】
図16を参照すると、この実施例の第1極柱610は、第1極柱610の腰部に位置する溝611をさらに含む。第1固定部材620は突出部622をさらに含み、突出部622は第1固定部材620の腰部に位置し、突出部622は溝611に嵌め込まれる。
【0091】
いくつかの実施例では、第1極柱610および第1固定部材620は、一体型射出成形または組立接続である。これらの実施例によれば、動力電池トップカバー1600を組み立てる時に、まず第1極柱610と第1固定部材620を一体射出成形または組立接続によって嵌合固定し、そしてこの嵌合固定された第1極柱610と第1固定部材620を極柱凹部520内に入れる。第1極柱610と第1固定部材620は構造が簡単で、空間を省き、シール性がよい。
【0092】
いくつかの実施例では、第1極柱610は、導電性材料であり、第1極柱610の材料は、第1固定部材620の材料とは異なる。極柱モジュール600を動力電池の正極とする場合、第1固定部材620の材料は、導電性材料であってもよいし、絶縁性材料であってもよい。示される第1固定部材620が導電材料である場合、その材質は第1極柱610の材質と異なる。
【0093】
図16に示す実施例では、当該動力電池トップカバー1600は、第2極柱640と第2面S2との間に少なくとも部分的に挟まれた第2シール部材650をさらに含む。
【0094】
図17A~17Cは、本発明の一実施例による動力電池トップカバーの断面概略図である。
図17A~17Cは、
図3A~3Cの視点と同じである。ここで、
図17Aは、動力電池のトップカバー1600の断面概略図であり、トップカバーシート510、電極群600、700、および絶縁板800を含む。ここでは、極柱モジュール600は第1極柱610、第1固定部材620、第2極柱640、第1シール部材630および第2シール部材650を含む。極柱モジュール700は、第1極柱710と、第1固定部材720と、第2極柱740と、第1シール部材730と、第2シール部材750とを含む。
【0095】
図17Bは、
図17Aにおける極柱モジュール600を含む部分拡大概略図である。
図17Bを参照すると、通常使用時、第1極柱610は方向Dに一定の高さを有し、溝611は第1極柱610の腰部に位置し、すなわち溝611は第1極柱610の高さ方向の中間部位に位置する。対応的に、第1固定部材620の突出部622も、第1固定部材620の腰部に位置し、突出部622の位置、大きさ、および形状は、突出部622が溝611にはめ込むようにすることができ、第1極柱610および第1固定部材620が密に接触する構造を形成するように、溝611に適合される。第1極柱610の第1極柱ボス612は、第2極柱ボス641のボス孔642に入り込む。
【0096】
図17Bを参照すると、第1シール部材630は、
図3Bの実施例における第1シール部材230の位置、大きさ、構造に類似している。
図17Bに示す実施例では、第2シール部材650は、第2極柱640と第2面S2との間に少なくとも部分的に挟まれている。
【0097】
いくつかの実施例では、極柱モジュール600が動力電池の正極に使用される場合、第1極柱610および第2極柱640の材料は、アルミニウム材料またはアルミニウム合金材料であってもよい。
【0098】
図17Cは、
図17Aの極柱モジュール700を含む部分拡大概略図である。
図17Cを参照すると、第1極柱710の腰部には溝711を有し、第1固定部材720の腰部には極柱モジュール600と同様に溝711に嵌め込まれた突出部722を有し、第1極柱710と第1固定部材720は密着構造を形成する。
【0099】
図17Cに示される極柱モジュール700における第2シール部材750は、極柱モジュール600における第2シール部材650と類似している。極柱モジュール700が極柱モジュール600と異なる点として、第1極柱710の極柱本体712が方向Dに沿って2つの部分に分けられ、それぞれ上部712aと下部712bであり、かつ、この2つの部分がそれぞれボスを有するので、第1極柱ボス713も2つの部分に分けられ、それぞれ上ボス713aと下ボス713bである。上部712aおよび下部712bは、一体的に成形されていてもよいし、別個の2つの部分が組み合わされて形成されていてもよい。ここでは、下ボス713bは、第2極柱740の第2極柱ボス741におけるボス孔742に入り込まれる。
【0100】
いくつかの実施例では、極柱モジュール700が動力電池の負極に用いられる場合、第1極柱710の材質は銅アルミ複合材質であってもよく、ここでは、上部712aの材質はアルミ材質またはアルミ合金材質であってもよく、下部712bの材質は銅材質または銅合金材質であってもよい。第2極柱740の材質は銅材質であっても銅合金材質であってもよい。第1固定部材720の材質は、優れた耐食性と高温耐性を有するプラスチック材質であってもよい。第1シール部材730の材質は、一定の弾性を有するゴム材質であってもよい。
【0101】
本発明による動力電池トップカバー1600において、第1極柱の溝と第1固定部材の突出部が嵌合され、かつ射出成形の方式によって第1極柱と第1固定部材が接続されことができ、構造が簡単で安定し、優れたシール性を有する。
【0102】
図18A~18Dは本発明による動力電池のトップカバーの第1シール材および第2シール材の4つの実施形態である。
図18A~
図18Dは、第1シール部材630および第2シール部材650を含む
図17Bの構造の部分拡大概略図とすることができ、ここでは、第1シール部材630および第2シール部材650以外の他の要素は省略されている。
図18A~
図18Dはまた、
図17Cの第1シール部材730および第2シール部材750を含む構造の部分拡大概略図としてもよい。18A~18Dでは、第1シール部材630および第2シール部材650を例に挙げて説明しているが、第1シール部材730および第2シール部材750についても同様である。
【0103】
図18Aに示す実施形態では、第1シール部材630は、
図17Bに示すように、第1極柱610と極柱凹部620との間に挟まれた第1部分630aと、極柱孔621に設けられた第2部分630bとを含み、第2部分630bは極柱凹部620と第2極柱ボス641との間に挟まれる。
図17Bに示すように、第1部分630aの上面は極柱本体613の下面と接触し、第1部分630aの下面は極柱凹部720の上面と接触する。また、第2部分630bの上面も極柱本体613の下面と接触し、第2部分630bの外側面は極柱凹部620の第2面S2まで下方に延びる側壁と接触し、第2部分630bの内側面は第2極柱ボス642と完全に接触しているか、部分的に接触しているか、または接触していない。
【0104】
図18Aに示す実施形態では、第1部分630aおよび第2部分630bは、その縦断面においてL字状であり、
図18Aに示すように逆L字状であることは、第1シール部材630は、リブを有する環状構造であり、第1部分630aが環状構造であり、第2部分630bが環状リブであることを示す。
【0105】
図18Aに示す実施形態では、第2シール部材650は、縦断面が一字状であり、円環状であることが示される。
図17Bに関連して示されるように、第2シール部材650は第2極柱640と第2面S2との間に挟まれ、第2シール部材650の方向Dにおける上面は第2面S2と接触し、第2シール部材650の下面は第2極柱640の上面と接触し、第2シール部材650の内側壁は第2極柱ボス641の外側壁と接触するか、または接触しない。
【0106】
図18Bに示されている実施形態では、
図18Aに示されていることをもとに、第1シール部材630の縦断面は逆L字状であり、第2部分630bの方向Dの長さは、
図18Aにおける第2部分630bの長さよりも長く、対応的には、第2シール部材650の縦断面は一字状であり、それが第2面S2に平行する長さは、
図18Aにおける第2シール部材650よりも短い。
図17Bに関連して示されるように、第2シール部材650の内側壁は、第1シール部材630の第2部分630bと接触している。
【0107】
図18Cに示される実施形態では、第1シール部材630はL字状の縦断面を有し、第1部分630aおよび第2部分630bを含む。第2シール部材650は、第3部分650aおよび第4部分650bを含む。ここで、第3、第4は、第1、第2と区別するためのものに過ぎず、第2シール部材650が4つの部分を含むことを意味するものではないことを理解されたい。
図17Bに示すように、第3部分650aは第2極柱640と第2面S2との間に挟まれ、第4部分650bは極柱孔621に設置し、第4部分650bは極柱凹部620と第2極柱ボス641との間に挟まれる。
図17Bに示すように、第3部分650aの上面は第2面S2に接触し、第3部分650aの下面は第2極柱640の上面に接触する。また、第4部分650bの下面も、第2極柱640の上面と接触し、第4部分650bの外側面は、極柱凹部620の第2面S2まで下方に延びる側壁と接触し、第4部分650bの内側面は、第2極柱ボス642と完全に接触しているか、部分的に接触しているか、または接触していない。
【0108】
図18Cに示す実施形態では、第3部分650aおよび第4部分650bは、その縦断面においてL字状である。
【0109】
図18Dに示す実施形態では、第1シール部材630および第2シール部材650は、一体成形されてシール部材635を形成する。当該シール部材635の外形は、
図18A~
図18Cに示す第1シール部材630および第2シール部材650が組み合わされた全体の外形と同じである。
【0110】
いくつかの実施例では、第1シール部材630および第2シール部材650は、互いに接触する。
図18Aおよび
図18Bに示す実施例のように、第1シール部材630の第2部分630bは、第2シール部材650と密に接触している。
図18Cに示す実施例のように、第1シール部材630の第2部分630bは、第2シール部材650の第4部分650bと密に接触している。
【0111】
図17Bおよび
図18Cに関連して示されるように、いくつかの実施例では、第1シール部材630は、極柱凹部620と第2極柱ボス641との間に挟まれた第5部分630bを含み、第2シール部材650は、極柱凹部620と第2極柱ボス641との間に挟まれた第6部分650bを含み、第5部分630bは、前記第1面S1に平行な第1端部631を含み、第6部分650bは、第1面S1に平行な第2端部651を含み、第1端部631は第2端部651に当接する。ここで、第5部分630bは、第1シール部材630の第2部分630bであり、第6部分650bは、第2シール部材650の第4部分650bである。
【0112】
図18A~
図18Dは一例に過ぎず、第1シール部材630および第2シール部材650の具体的な構造を限定するためのものではなく、
図18A~
図18Dに示す実施例に基づいて行われるいずれかの変形は、本発明の保護範囲内にある。
【0113】
本発明による動力電池トップカバーは第1シール部材と第2シール部材を採用し、極柱モジュールに対する二重シール構造を形成し、極柱シールの確実性を大幅に向上させる。また、第1極柱および第2極柱は溶接方式で接続され、溶接過程で発生した力は第1シール材および第2シール材に直接伝達され、この溶接力は第1シール材および第2シール材の圧縮力の方向と一致し、第1シール材および第2シール材の圧縮に寄与し、極柱のシール性をさらに向上させる。当該動力電池トップカバーは優れたシール性、耐圧性と高温耐性を有する。
【0114】
本発明は、本発明の実施例による動力電池トップカバーを含む動力電池をさらに含む。
【0115】
図19は本発明の一実施例による動力電池の構造概略図である。当該動力電池1900は、本発明による動力電池トップカバーと電池本体1901とを含む。当該動力電池トップカバーは、上述した動力電池トップカバー100または1600であってもよく、ここでは、電極モジュール200、600は当該動力電池1900の正極とすることができ、電極モジュール300、700は当該動力電池1900の負極とすることができる。
【0116】
いくつかの実施例では、本発明の動力電池は、リチウムイオン電池である。
【0117】
本発明による動力電池トップカバーを採用するため、動力電池1900も優れたシール性、耐圧性と高温耐性を有し、安全で確実である。
【符号の説明】
【0118】
100 動力電池トップカバー
101、102 電極指示マーク
110 トップカバーシート
120、130 極柱凹部
121、131 極柱孔
140 防爆取付孔
141 保護パッチ
142 防爆シート
150 液体注入孔
200 極柱モジュール
210 第1極柱
211 第1極柱ボス
212 極柱本体
213 頂部溝
214 面取り部
220 第1固定部材
221 第1固定部材貫通孔
230 第1密封部材
231 第1部分
232 第2部分
240 第2極柱
241 第2極柱ボス
242 ボス孔
243 面取り部
300 極柱モジュール
310 第1極柱
311 第1極柱ボス
311a 上ボス
311b 下ボス
312 極柱本体
312a 上部
312b 下部
313 頂部溝
314 面取り部
320 第1固定部材
321 第1固定部材貫通孔
330 第1密封部材
340 第2極柱
341 第2極柱ボス
342 ボス孔
343 面取り部
400 絶縁板
401 連結部
420、421、430、431 絶縁板貫通孔
440 防爆弁孔
450、451 液体注入孔
460 絶縁板底板
510 トップカバーシート
520、530 極柱凹部
521、531 極柱孔
600 極柱モジュール
610 第1極柱
611 溝
612 第1極柱ボス
613 極柱本体
620 第1固定部材
621 第1固定部材貫通孔
622 突出部
630 第1シール部材
635 シール部材
640 第2極柱
641 第2極柱ボス
642 ボス孔
650 第2シール部材
651 第2端部
700 極柱モジュール
710 第1極柱
711 溝
712 極柱本体
712a 上部
712b 下部
713 第1極柱ボス
713a 上ボス
713b 下ボス
720 第1固定部材
722 突出部
730 第1シール部材
740 第2極柱
741 第2極柱ボス
742 ボス孔
750 第2シール部材
800 絶縁板
820、830 絶縁板貫通孔
1600 動力電池トップカバー
1900 動力電池
1901 電池本体
【図】
【国際調査報告】