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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(54)【発明の名称】測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/20 20060101AFI20221114BHJP
   B23Q 17/20 20060101ALI20221114BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
G01B21/20 C
B23Q17/20 A
G01B11/24 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022511362
(86)(22)【出願日】2020-07-31
(85)【翻訳文提出日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2020071665
(87)【国際公開番号】W WO2021032443
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】102019122650.3
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】509197276
【氏名又は名称】エムウントハー インプロセス メステクニク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヴィエスト クリストフ
【テーマコード(参考)】
2F065
2F069
3C029
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA06
2F065AA24
2F065AA53
2F065BB05
2F065FF01
2F065FF10
2F065HH13
2F065MM14
2F065MM24
2F065PP04
2F065PP22
2F069AA04
2F069AA42
2F069AA66
2F069GG01
2F069GG04
2F069GG07
2F069GG52
2F069GG62
2F069HH09
2F069JJ08
3C029BB01
3C029BB10
(57)【要約】
本発明は、走査により測定値を検知する測定システムに関し、該測定システムは測定器を備え、測定システムは機械の移動軸に配置可能に構成され、該機械は工作機械として又は測定機械として構成され、測定対象は測定器を用いて測定可能であり、測定対象の測定中、該測定器は測定値を生成し、該測定システムは制御ユニットを備え、該制御ユニットは測定値を処理し、記憶することが可能であり、該測定システムは検知された測定値を記憶するために記憶ユニットを有する。測定システムは、機械に配置された測定器の第1位置座標と、第1測定値を関連付けるように構成され、測定システムは、第1位置座標との第1測定値の関連付けから開始し、測定値の検知中又は検知時の測定器の移動速度及び移動方向が測定システムに知られているので、測定器によって検知されたさらなる測定値にのみ位置座標を割り当てるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定値の走査取得のための測定システム(8、23、43)であって、測定器(9、24、44)を備え、前記測定システム(8、23、43)は、工作機械又は測定機械の形態をとる機械(1、16、36)の移動バー(4、19、39)に配置可能な形態であり、前記測定器(9、24、44)は、測定対象(7、22、42)を測定可能であり、前記測定対象(7、22、42)を測定したときの測定値を生成し、前記測定システム(8、23、43)は、前記測定値を処理し、記憶するコントローラユニット(11、29、52)を備え、前記測定システム(8、23、43)は、取得された前記測定値を記憶するための記憶ユニット(13、31、40)を有する、測定値の走査取得のための測定システム(8、23、43)であって、
前記測定システム(8、23、43)は、前記機械(1、16、36)に配置された前記測定器(9、24、44)の第1位置座標と、第1測定値を関連付けるように構成され、
前記測定システム(8、23、43)は、起点としての前記第1位置座標との前記第1測定値の関連付けを用い、前記測定器(9、24、44)によって取得されたさらなる測定値に位置座標を割り当てることを、前記測定システム(8、23、43)に知られている前記測定値の取得中又は取得時の前記測定器(9、24、44)の移動速度及び移動方向だけで、行うように構成された、測定値の走査取得のための測定システム。
【請求項2】
請求項1に記載の測定システム(8、23、43)であって、起点としての前記第1位置座標との前記第1測定値の前記関連付けを用い、前記測定システム(8、23、43)は、前記測定器(9、24、44)によって取得されたさらなる測定値に、さらなる位置座標を割り当てることを、前記測定システム(8、23、43)に知られている取得された前記測定値間の空間位置関係によって、行うように構成された、測定システム。
【請求項3】
先行する請求項のいずれかに記載の測定システム(8、23、43)であって、起点としての前記第1位置座標との前記第1測定値の前記関連付けを用い、前記測定システム(8、23、43)は、前記測定器(9、24、44)によって取得されたさらなる測定値にさらなる位置座標を割り当てることを、前記測定システム(8、23、43)に知られている取得された前記測定値間の時間的位置関係によって、行うように構成された、測定システム。
【請求項4】
先行する請求項のいずれか1つに記載の測定システム(8、23、43)であって、前記測定器(9、24、44)は、非接触操作測定器(9、24、44)の形態をとる、測定システム。
【請求項5】
先行する請求項のいずれか1つに記載の測定システム(8、23、43)であって、前記測定システム(8、23、43)は、前記測定システム(8、23、43)を前記機械(1、16、36)の制御ユニット(5、20、40)に接続するためのインターフェース(10、27、50)を有し、前記コントローラユニット(11、29、52)は、前記インターフェース(10、27、50)を介し、前記機械(1、16、36)から位置座標を読み取る制御モジュール(12、30、54)を有し、前記制御モジュール(12、30、54)は、読み取った前記位置座標を特定の座標目標範囲と比較し、前記位置座標が前記座標目標範囲に位置すると確定するときトリガ信号を発する、測定システム。
【請求項6】
先行する請求項のいずれか1つに記載の測定システム(8、23、43)であって、前記測定システム(8、23、43)は、前記機械(1、16、36)の制御ユニット(5、20、40)に前記測定システム(8、23、43)を接続するためのインターフェースを有し、さらに、タイマ(14、32、53)を備え、前記コントローラユニット(11、29、52)は制御モジュール(12、30、54)を有し、前記制御モジュール(12、30、54)は、前記タイマ(14、32、53)からの時間を特定の時間と比較し、前記測定システム(8、23、43)は、前記タイマ(14、32、53)からの時間が前記特定の時間に到達又は経過するとき前記トリガ信号を発する、測定システム。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の測定システム(8、23、43)であって、前記コントローラユニット(11、29、52)は、前記記憶ユニット(13、31、40)のトリガ信号を、前記トリガ信号の時点において取得された前記測定値とともに記憶し、トリガ信号及び測定値の時間関係は、前記測定システム(8、23、43)に知られている、測定システム。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか1項に記載の測定システム(8、23、43)であって、前記トリガ信号の時点において取得された前記測定値が前記第1測定値である、測定システム。
【請求項9】
請求項5から8のいずれか1項に記載の測定システム(8、23、43)であって、前記コントローラユニット(11、29、52)は、前記機械(1、16、36)の前記制御ユニット(5、20、40)に、インターフェース(10、27、35、47)を介し、前記トリガ信号を送信するよう構成された、測定システム。
【請求項10】
機械(1、16、36)であって、より具体的には、工作機械及び/又は測定機械であって、先行する請求項1から9のいずれか1項に記載の測定システム(8、23、43)を備え、前記機械(1、16、36)は、前記測定システム(8、23、43)からのトリガ信号により、前記移動バー(4、19、39)の軸移動を停止するように構成された、機械。
【請求項11】
請求項10に記載の機械(1、16、36)であって、より具体的には、工作機械及び/又は測定機械であって、前記機械(1、16、36)の前記制御ユニット(5、20、40)は、前記機械(1、16、36)の読み取り可能な記憶モジュール(6、21、41)において、前記測定システム(8、23、43)のトリガ信号の受信時の軸位置を記憶する、機械。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[従来技術]
測定値の走査取得のための測定システムが知られている。
既知の測定システムは、工作機械のバー又は測定機械に配置可能な形態をとる光学測定器を備える。複数の測定値は、例えば、光学測定器によって時系列で連続的に取得可能である。測定中、測定器が測定対象の上を移動すると、様々な位置での測定対象が、測定器の移動中、測定器によって測定可能である。その結果、例として、測定対象の高さプロファイルが生成可能である。
【0002】
この既知の測定システムでは、生成された測定値を、対象が測定された位置、測定座標に対応した測定値とすることが比較的複雑である。既知の測定システムでは、測定中の測定器の移動速度は、測定位置の確定精度と関連している。測定位置をより精密に確定しようとするほど、測定には時間がかかる。逆に、測定を早く行うほど、測定位置の確定の精度は低くなる。
[発明の目的および利点]
本発明は、測定値の走査取得のための代替の測定システムを提供する、という目的に基づいている。
【0003】
この目的は、請求項1に記載の特徴により実現される。
本発明の有利で適切な実施形態は、従属請求項において特定される。
本発明の起点は、測定値の走査取得のための測定システムであって、測定器を備え、測定システム、特に測定システムの測定器は、工作機械又は測定機械の形態をとる機械の移動バーに配置可能な形態であり、測定器により測定対象を測定可能であり、測定器は、測定対象を測定したときの測定値を生成し、測定システムは、測定値を処理し、記憶することが可能なコントローラユニットを備え、測定システムは、取得された測定値を記憶するための記憶ユニットを有する。
【0004】
有利には、記憶ユニットは、既存の磁気または電子記憶ユニットの形態にて存在する。例として、記憶ユニットは、電子データメモリの形態をとる。例えば、記憶ユニットは、ROM記憶ユニットとして又はフラッシュEEPROM記憶ユニットとしてのDRAM記憶ユニットの形態にて存在する。コントローラユニットは、有利には、演算ユニット、例えばマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサの形態の制御モジュールを備える。
【0005】
機械は、有利には、工作機械の形態又は測定機械の形態をとる。例として、機械は、CNC工作機械の形態にて存在する。例えば、工作機械は、ターニングセンタ及び/又はミリングセンタの形態をとる。有利には、工作機械は、互いに対して移動可能である複数の機械バーを備える。例として、工作機械は、3軸工作機械の形態又は5軸工作機械の形態をとる。例として、測定機械は座標測定機械の形態をとる。
【0006】
本発明の核心部は、測定システムは、機械に配置された測定器の第1位置座標と第1測定値を関連付けるように構成され、測定システムは、起点としての第1位置座標との第1測定値の関連付けを用い、測定器によって取得されたさらなる測定値に位置座標を割り当てることを、測定システムに認識されている測定値の取得中又は取得時の測定器の移動速度及び移動方向だけで行うように構成されると考えられるべきである。その結果、測定システムにより、比較的短い測定時間で測定対象の比較的精密な測定が実現可能である。
【0007】
測定器の移動方向及び/又は移動速度は、測定値の取得中、有利には、一定である。例として、測定器は、測定値の取得中、機械の1つ又は複数の移動バーによって、一定速度及び/又は一定方向に移動される。
【0008】
好ましくは、測定器の移動方向及び/又は移動速度は、測定される測定対象に関するものであると考えられるべきである。これにより、測定中、測定器は、周囲、例えば測定器が配置されている機械の周囲に対して固定された位置に存在し、その代わりに、測定対象は、測定器に対して及び周囲に対して移動することが考えられる。
【0009】
好ましくは、測定システムによって測定値に割り当てられた各位置座標は、機械に配置された測定器の位置座標である。有利には、機械に配置された測定器の位置座標は、例えば正規化により、測定対象の空間座標に変換可能である。
【0010】
有利には、測定対象の空間座標は、測定器が測定対象を測定し、結果として測定値を生成した測定位置である。
起点としての第1位置座標との第1測定値の関連付けを用い、測定システムは、測定器によって取得されたさらなる測定値に、さらなる位置座標を割り当てることを、測定システムに知られている取得された測定値間の空間位置関係によって行うように構成されることが、さらに提案される。起点としての第1測定値の位置座標を用いることで、対応する位置座標をさらなる測定値、具体的には全てのさらなる測定値に比較的容易に割り当て可能になる。
【0011】
また、起点としての第1位置座標との第1測定値の関連付けを用い、測定システムは、測定器によって取得されたさらなる測定値にさらなる位置座標を割り当てることを、測定システムに知られている取得された測定値間の時間関係によって行うように構成されることも有利であることが分かる。測定の2つの異なる測定値の取得間の測定器の移動速度及び移動方向は、有利には、測定システムに知られている。
【0012】
好ましくは、取得された測定値間の空間間隔及び/又は時間間隔は、測定システムに知られている。有利には、空間関係は、空間距離又は空間スペースだけでなく、空間方向、具体的には関連する空間方向を意味すると理解されるべきである。例として、測定システムは、測定器によって取得されたさらなる測定値にさらなる位置座標を割り当て、この割り当ては、時間関係、例えば時間間隔、及び測定器の知られている移動速度及び移動方向に基づき行われる。具体的には、測定において、取得された測定値の空間間隔及び/又は時間間隔は、測定システムに知られている。測定システムは、有利には、互いに既に知っている時間関係を有する測定値を生成する。例として、測定システム、例えば測定器は、空間間隔及び/又は時間間隔、具体的には一定の空間間隔及び/又は時間間隔で測定値を生成する。
【0013】
第1測定値とさらなる測定値との間の空間関係及び/又は時間関係は、有利には、測定システムに知られている。具体的には、第1測定値と全てのさらなる測定値との間の空間関係及び/又は時間関係は、測定システムに知られている。例として、機械の移動バーの移動速度及び移動方向、具体的には機械の全ての移動バーは、測定システムに知られている。
【0014】
有利には、測定システムは、機械の移動バーの移動速度に較正及び/又は正規化される。具体的には、測定システムは、機械の移動バーの複数の移動速度に較正及び/又は正規化される。その結果、測定システムに知られる。具体的には、測定器による測定値取得又は測定値生成のサイクルタイムに依存する、及び、例えば、移動バーの移動に依存する測定値間の空間距離は、測定システムに知られる。
【0015】
測定器は、非接触操作測定器の形態をとることも有利である。
例として、測定器は、測定センサの形態にて存在する。例として、測定器は、クロマティック共焦点距離センサの形態、レーザースキャナの形態、及び/又は画像測定器の形態、例えばCCDセンサの形態をとる。例として、測定器は、ラインスキャナの形態で存在する。有利には、測定器は、走査測定器の形態、例えばスキャナとして存在する。例として、測定器は、測定中、点と点、線と線、または列と列の測定値を生成する。
【0016】
しかしながら、測定器は、接触測定センサ、具体的には、触覚原理により動作する測定センサの形態をとることも考えられる。例として、測定器は、触覚原理により動作する測定センサのセンサ要素のたわみ量、及び/又は、触覚原理により動作する測定センサのセンサ要素の力を確定するよう構成される。
【0017】
また、測定システムは、機械の制御ユニットに測定システムを接続するためのインターフェースを有し、コントローラユニットは、インターフェースを介し、機械から、位置座標、特に機器の測定座標を読み取る制御モジュールを有し、制御モジュールは、読み取った位置座標を特定の座標目標範囲と比較し、位置座標が座標目標範囲に位置すると確定するとトリガ信号を発することも有利である。これにより、測定システムによる測定継続時間、即ち測定長さは、特定可能又は制御可能になる。
【0018】
例として、機械の制御ユニットは、例えばCNC(コンピュータ数値制御)のような数値制御の形態をとる。
有利には、測定システムは、インターフェースによって機械に接続可能である、具体的には、測定器の現在の位置座標が測定システムにより読み取り可能なように接続可能である。例として、測定システムは、タイマを備える。例として、測定システムのタイマと、機械のタイマとは、互いに同期可能である。例として、位置座標のクエリ時間と位置座標の受信時間との間の時間的遅滞、例えば遅延が、測定器に知られる。測定器は、有利にはタイマを備える。
【0019】
インターフェースは、有利には、シリアルインターフェースの形態をとる。測定システムと機械との通信は、有利には、同期シリアルプロトコルに基づく。インターフェースは、標準インターフェースの形態、例えば標準データバスの形態をとることも考えられる。例として、インターフェースは、フィールドバスとして、例えばプロフィネットインターフェースとして、EnDatインターフェースとして、又はイーサネットインターフェースとして存在する。例として、インターフェースは、SPI(シリアル・ペリフェラル・インターフェース)の形態をとる。インターフェースが機械とのシリアルデータ通信用伝送路を有することも有利である。例として、伝送路は、単線の形態で存在する。例として、インターフェースは、シリアルインターフェース及び/又はパラレルインターフェースの形態をとる。有利には、インターフェースは、USBインターフェースの形態又はファイヤーワイヤーインターフェースの形態で存在する。
【0020】
インターフェースが有線インターフェースであることも有利であることが分かった。これにより、比較的安全な通信経路が実現される。同様に、インターフェースは、制御ユニットに電力を供給するための伝送路と、測定信号を伝達するための伝送路とを有することも有利であることが分かった。
【0021】
好ましくは、制御モジュールは、読み取った位置座標を特定の座標目標領域と比較するよう構成される。例として、制御モジュールは、位置座標、より具体的には今回読み取った位置座標が座標目標領域内に位置すると確定した場合、トリガ信号を発するように構成される。
【0022】
さらに、測定システムは、機械の制御ユニットに測定システムを接続するためのインターフェースを有し、測定システムはタイマを備え、コントローラユニットは制御モジュールを有し、制御モジュールは、タイマからの時間を特定の時間と比較し、測定システムは、タイマからの時間が特定の時間に到達する又は経過するとトリガ信号を発することが提案される。その結果、機械の位置座標、具体的には測定対象の測定座標は、測定器の測定値に割り当て可能である。これにより、制御指令を機械に発することも可能になる。
【0023】
例として、測定の開始時間及び測定の測定継続時間が、測定システムに知られている且つ/又は特定可能である。例として、測定システムは、開始時間及び測定継続時間から開始する特定の期間を確定するように構成される。測定の開始時間と、機械の移動バーの移動速度と、測定経路とが、測定システムに知られていることも考えられる。例として、測定システムは、開始時間から開始した特定の時間と、移動バーの移動速度と、測定経路とを確定するように構成される。また、測定システムは、特定の時間が測定システムに指定可能なように構成されることも考えられる。
【0024】
また、有利なことに、コントローラユニットは、記憶ユニットのトリガ信号を、トリガ信号の時点において取得された測定値と共に記憶し、トリガ信号と測定値との時間関係は、測定システムに知られている。これにより、関係する測定位置、例えば位置座標に、測定値を割り当てることが容易になる。
【0025】
トリガ信号と、測定器からの測定値の受信との間の遅延又は遅滞時間は、有利には、測定システムに知られる。具体的には、この遅延又はこの遅滞は一定である。
好ましくは、測定システムは、測定器のほかに、送受信ユニットを備え、送受信ユニットは、測定器により生成された測定値を受信し、処理するように構成される。送受信ユニットは、インターフェースを有することが考えられる。また、コントローラユニットが送受信ユニットの構成部分であることも考えられる。例として、送受信ユニットは、無線接続により及び/又は光接続により測定器に接続される。
【0026】
例として、送受信ユニットは、測定器のための制御及び評価ユニットの形態をとる。有利には、制御及び評価ユニットは、測定器を制御する。例として、制御及び評価ユニットは、測定器から測定データを評価する、具体的には、測定器の測定データから測定値を確定するように構成される。
【0027】
例として、コントローラユニット及び/又は送受信ユニットは、無線通信チャネルを介し、測定器と通信する。例として、コントローラユニット及び/又は送受信ユニットは、光信号によって及び/又は無線信号によって測定器と通信する。例として、光信号は、赤外線信号である。例として、無線信号は、ブルートゥース信号である。
【0028】
さらに、送受信ユニットと測定器とは、無線接続により互いに通信することが提案される。好ましくは、コントローラユニット並びに/又は送受信ユニット及び測定器は、無線LANインターフェース、ブルートゥースインターフェース、及び/又は移動無線インターフェースによって測定器と通信する。例として、移動無線インターフェースは、LTEインターフェースの形態で存在する。
【0029】
コントローラユニットは、測定器及び/又は送受信ユニットとは別体の演算ユニットの形態、例えばコンピュータの形態をとることも考えられる。好ましくは、別体の演算ユニットとして、コントローラユニットは、機械と、送受信ユニット及び/又は測定器との両方に接続可能である。測定システムについて考えられ得る実施形態において、測定器は、コントローラユニット及び/又はインターフェースを備え、それらにより、測定器が機械の制御ユニットに接続可能である。
【0030】
また、トリガ信号の時点において取得した測定値は第1測定値であることは有利であることも分かった。例として、測定器は、トリガ信号を発した後の測定値取得を終了する。例えば、第1測定値は、時間的な観点から見た測定の最終生成測定値である。例として、第1測定値は、時間的な観点から見た、コントローラユニットによって処理された測定の最後の測定値である。
【0031】
本発明の有利な実施形態において、測定システム、具体的には測定システムのコントローラユニットは、インターフェース、具体的にはさらなるインターフェースを介し、機械の制御ユニットに、トリガ信号を送信するよう構成される。その結果、機械の移動バーの移動を止めることが可能である。
【0032】
測定システムは、好ましくは、2つのインターフェースを備え、トリガ信号は、測定システムにより第1インターフェースを介し、機械の制御ユニットに送信され、測定システムは、第2インターフェースを介し、機械から位置座標を読み取る。有利には、2つのインターフェースは、互いに物理的に離隔して存在する。例として、2つのインターフェースは、互いに異なる構成である。例として、コントローラユニットは、第2インターフェースを備える。また、送受信ユニット又は測定器は、第1インターフェースを有することが考えられる。例として、第1インターフェースは、プロプライエタリインターフェースの形態をとる。例として、第1インターフェースは、シリアルデータ転送が容易になるように構成される。
【0033】
コントローラユニットが別体の演算ユニットの形態をとる場合、測定システムは、有利には、さらに第3インターフェースを備え、それによって測定器は、コントローラユニットに接続される。例として、測定器は、第3インターフェースを介し、コントローラユニットに測定値を送信する。送受信ユニットは、第3インターフェースを有することが考えられる。例として、送受信ユニットは、第3インターフェースによって、コントローラユニットに物理的に接続される。
【0034】
例として、機械の制御ユニット及び測定システム、具体的には測定器は、無線通信チャネルを介して通信する。例として、機械の制御ユニット及び測定システムは、信号によって及び/又は無線信号によって通信する。例として、光信号は、赤外線信号である。例として、無線信号は、ブルートゥース信号である。さらに、機械の制御ユニット及び測定システム、具体的には測定器は、無線接続によって互いに通信することが提案される。好ましくは、機械の制御ユニット及び測定システムは、無線LANインターフェース、ブルートゥースインターフェース及び/又は移動無線インターフェースによって通信する。例として、移動無線インターフェースは、LTEインターフェースの形態で存在する。
【0035】
測定システムは、機械から、第1の位置座標、具体的には機械に配置された測定器の位置座標を読み取り、第1位置座標はトリガ信号の時点において取得され、トリガ信号と第1位置座標との間の時間関係は測定システムに知られ、測定システムのコントローラユニットは、第1位置座標と第1測定値との間の時間関係を構築するよう構成されることも有利である。その結果、測定された測定対象の高さプロファイルの生成が実現可能である。
【0036】
例として、遅延、例えば、測定システムのコントローラユニットによる機械へのトリガ信号の出力と、機械による位置座標とのトリガ信号の関連付けとの間の時間的な遅延は、測定システムに知られている。有利には、機械は、位置座標とトリガ信号を関連付ける又はトリガ信号を位置座標リンクさせるように構成される。有利には、この時間的な遅延は、具体的には、概して一定である。
【0037】
本発明の有利な変更例は、上述の実施形態のうちのいずれか1つに係る測定システムを備える機械、より具体的には工作機械及び/又は測定機械であって、機械は、測定システムからのトリガ信号により、移動バーの軸移動を停止するように作動する。その結果、測定処理は、測定システムによって制御可能になる。
【0038】
有利には、機械は、測定システムによって発されたトリガ信号により、軸移動を停止するように構成される。
上述したように、本発明のさらなる有利な実施形態は、機械、より具体的には工作機械及び/又は測定機械であって、機械の制御ユニットは、読み取り可能な機械の記憶モジュールにおいて、前記測定システムのトリガ信号の受信時の軸位置を記憶する。
【0039】
有利には、工作機械の制御ユニット及び/又は測定機械の制御ユニットは、工作機械の記憶モジュール及び/又は測定機械の記憶モジュールにおけるトリガ信号の受信時の軸位置を、トリガ信号と共に記憶する。例として、トリガ信号の受信時の軸位置は、工作機械の記憶モジュール及び/又は測定機械の記憶モジュールにおいて、測定システムにとって識別可能なように、読み取り可能且つ記憶可能である。
【0040】
また、コントローラユニットは、機械に存在することも考えられる。また、コントローラユニットは、機械の構成部分であることも考えられる。例として、コントローラユニットは、制御ユニットの一部品である。例えば、制御ユニットは、コントローラユニットを備える。
【図面の簡単な説明】
【0041】
[例示的な実施形態の説明]
複数の例示的な実施形態は、以下の概略的な図に基づき、更なる詳細及び効果が特定され、より詳細に説明される。詳細:
図1図1は、第一実施形態の変形に係る測定システムを備える機械の概略図である。
図2図2は、第二実施形態の変形に係る測定システムを備える機械の概略図である。
図3図3は、第三実施形態の変形に係る測定システムを備える機械の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、ハウジング2と、機械テーブル3と、移動バー4と、制御ユニット5とを備える、概略的に図示された機械1を示す。例として、機械1は、例えば、制御ユニット5に存在する記憶モジュール6を備える。測定対象7は、例示的に、機械テーブル3上に配置される。
【0043】
有利には、測定システム8は、機械1に配置されるように存在する。測定システム8は、測定器9と、インターフェース10と、コントローラユニット11とを備える。例として、コントローラユニット11は、制御モジュール12を有する。また、測定システム8は、記憶ユニット13及びタイマ14を備え得る。
【0044】
図1の実施形態の変形では、例えばコントローラユニット11のような、測定システム8のさらなる部材が、測定器9に加えて、コンパクトな別体のユニットを形成する。図1によれば、測定システム8のさらなる部材は、例えば、機械1の移動バー4の単体のハウジングに配置可能なように、コンパクトなユニット形態をとる。
【0045】
例として、測定システム8は、インターフェース10を介し、伝送路15によって機械1の制御ユニット5に接続される。
さらなる実施形態の変形では、図2は、概略的に図示したハウジング17と、機械テーブル18と、移動バー19と、制御ユニット20とを備える機械16を示す。例として、機械16は、例えば、制御ユニット20に存在する記憶モジュール21を備える。例示的に、測定対象22は、機械テーブル18上に配置される。
【0046】
有利には、測定システム23は、機械16に配置される。測定システム23は、測定器24と、第1インターフェース25と、第2インターフェース26と、例えば第3インターフェース27とを備える。さらに、測定システム23は、例えば、送受信ユニット28を備える。例として、送受信ユニット28は、制御モジュール30を備えるコントローラユニット29を有する。また、測定システム23は、記憶ユニット31及びタイマ32を備え得る。
【0047】
図2の実施形態の変形では、測定器24は、例示的に、インターフェース25、26を介し、伝送路33によって送受信ユニット28に接続される。例として、伝送路33は、無線伝送路の形態で存在する。例として、伝送路33は、無線接続又は無線チャネルの形態で存在する。具体的には単線の形態をとる伝送路33は、例えば光伝送路として光接続の形態をとることも考えされる。また、送受信ユニット28は、さらなる伝送路34を介し、インターフェース28によって機械16に、具体的には機械16の制御ユニット20に接続される。
【0048】
図2に係る実施形態の変形に従って、さらなるインターフェース35は、さらなる伝送路60を介し、インターフェース35によって機械16に接続可能な送受信ユニット28に存在することが、さらに考えられる。
【0049】
2つのインターフェース27、35の一方は、標準インターフェース、例えばUSB又はネットワークインターフェースの形態をとることが、さらに考えられる。例として、このインターフェースは、コントローラユニット29により、機械16から位置座標を照会するように構成される。さらに、2つのインターフェース27、35の他方は、プロプライエタリインターフェースの形態をとることが考えられる。インターフェース27、35の他方がプロプライエタリインターフェースの形態の場合、コントローラユニット29は、プロプライエタリインターフェースによって、及びシリアルデータ転送によって、機械16と通信可能であることが有利である。
【0050】
さらなる実施形態の変形では、図3は、概略的に図示されたハウジング37と、機械テーブル38と、移動バー39と、制御ユニット40とを備えた機械36とを示す。例として、機械36は、例えば制御ユニット40に存在する記憶モジュール41を備える。例示的に、測定対象42は、機械テーブル38上に配置される。
【0051】
有利には、測定システム43は、機械36に配置される。測定システム43は、測定器44と、インターフェース45~50とを備える。また、測定システム43は、例えば、送受信ユニット51とコントローラユニット52とを備える。送受信ユニット51とコントローラユニット52とは、有利には、互いにある距離で離れて存在し、インターフェース48、49によって、例えばUSB接続、イーサネット接続、又はネットワーク接続により、互いに接続される。例として、コントローラユニット52は、コンピュータ、例えば、ノート型パソコンとして存在する。
【0052】
例として、送受信ユニット51は、タイマ53を備える。また、コントローラユニット52がタイマ(図示せず)を備えることも考えられる。
コントローラユニット52は、制御モジュール54と、例えば、記憶ユニット55とを有する。同様に、送受信ユニット51が記憶ユニット(図示せず)を備えることも考えられる。
【0053】
インターフェース50は、標準インターフェースの形態であって、例えば、対応する伝送路57を伴いUSB又はネットワークインターフェースの形態をとることがさらに考えられる。例として、このインターフェース50は、コントローラユニット52により、機械36から位置座標を照会し、読み取りするよう設計される。コントローラユニット52は、タイマ56と、コントローラユニット52、より具体的には制御モジュール54とを備え、タイマ56の時間が特定の時間に到達した若しくは特定の時間を経過したか、及び/又は、読み取った位置座標が特定の座標対象範囲に位置するかを監視し、確認することは、さらに考えられる。
【0054】
送受信ユニット51のインターフェース47は、有利には、プロプライエタリインターフェースの形態をとるので、さらなる伝送路58によって、機械36の制御ユニット40へのトリガ信号を送信する。例として、トリガ信号は、シリアルデータ転送によって機械36に送信可能である。
【0055】
図3に係る実施形態の変形では、測定器44は、例示的に、インターフェース45、46によって、及び、伝送路59を介し、送受信ユニット51に接続される。例として、伝送路59は、無線伝送路の形態にて存在する。例として、伝送路59は、無線接続又は無線チャネルの形態をとる。また、伝送路59は、例えば光伝送路として、光接続の形態をとることも考えられる。
【符号の説明】
【0056】
1…機械、2…ハウジング、3…機械テーブル、4…移動バー、5…制御ユニット、6…記憶モジュール、7…測定対象、8…測定システム、9…測定器、10…伝送路、11…コントローラユニット、12…制御モジュール、13…記憶ユニット、14…タイマ、15…伝送路、16…機械、17…ハウジング、18…機械テーブル、19…移動バー、20…制御ユニット、21…記憶モジュール、22…測定対象、23…測定システム、24…測定器、25…伝送路、26…伝送路、27…伝送路、28…送受信ユニット、29…コントローラユニット、30…制御モジュール、31…記憶ユニット、32…タイマ、33…伝送路、34…伝送路、35…インターフェース、36…機械、37…ハウジング、38…機械テーブル、39…移動バー、40…制御ユニット、41…記憶モジュール、42…測定対象、43…測定システム、44…測定器、45…インターフェース、46…インターフェース、47…インターフェース、48…インターフェース、49…インターフェース、50…インターフェース、51…送受信ユニット、52…コントローラユニット、53…タイマ、54…制御モジュール、55…記憶ユニット、56…タイマ、57…伝送路、58…伝送路、59…伝送路、60…伝送路。
図1
図2
図3
【国際調査報告】