(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20221114BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20221114BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20221114BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/20
A24F40/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513628
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2020113582
(87)【国際公開番号】W WO2021043283
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】201910834914.0
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517075997
【氏名又は名称】深▲せん▼市合元科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN FIRST UNION TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Bldg C, Tangwei High-Tech Park, Fuyong Str, Baoan Dist, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】呉涛
(72)【発明者】
【氏名】徐中立
(72)【発明者】
【氏名】李永海
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】
本願は、喫煙材を収容し、喫煙材の外側壁との間に隙間が介在しているように配置されるチャンバと、使用時に、チャンバに取り外し可能に収容された喫煙材を加熱するように配置される加熱素子と、少なくとも部分的に前記隙間内に延びることで、チャンバ内の空気が前記隙間を通ってチャンバから溢れることを阻止したり、隙間内の空気がチャンバに収容された喫煙材の端部から喫煙材に侵入することを阻止したりする少なくとも1つのスペーサと、を備えるエアロゾル発生装置を提案する。上記のようなエアロゾル発生装置を採用すれば、使用者による喫煙の過程では、隙間内の焦げ付きた物質が装置外に逃げたり、喫煙材内に侵入したりすることを阻止できるため、良好な喫煙食感が確保される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙材を加熱して該喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように配置されるエアロゾル発生装置であって、
前記喫煙材を収容し、喫煙材の外側壁との間に隙間が介在しているように配置されるチャンバと、
前記チャンバ内に収容された喫煙材を加熱するように配置される加熱素子と、
スペーサであって、前記チャンバ内に前記喫煙材が収容された場合に、前記スペーサが少なくとも部分的に前記チャンバ内に延在し、前記加熱素子が前記喫煙材を加熱するときに、前記隙間内の空気が前記チャンバから溢れることを阻止したり、前記隙間内の空気がチャンバに収容された喫煙材の端部から喫煙材に侵入することを阻止したりする、少なくとも1つのスペーサと、
を備えることを特徴とするエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記スペーサは、少なくとも部分的に前記チャンバ内まで延び、喫煙材の外側壁に当接可能な遮断部を含むことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記遮断部には、より大きな変形能力を持たせるように強度低減構造を設けることで、前記遮断部と喫煙材の外側壁との摩擦力を低下させることを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記強度低減構造は、前記チャンバの径方向に延在する切欠きまたはスリットを含むことを特徴とする請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記切欠きまたはスリットの幅は0.05~1mmであることを特徴とする請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記加熱素子は、管状形状を呈し、対向する第1の端部と第2の端部と、前記喫煙材を収容するためのチャンバを形成する中空の中央部分とを含み、
前記スペーサは、前記隙間内の空気が前記第1の端部および前記第2の端部の少なくとも一方を通って前記チャンバから排出するのを阻止するように配置されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記加熱素子は抵抗加熱器であり、または変化する磁界の透過により加熱するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記チャンバは、対向する近位端と遠位端と、前記近位端に位置する開口とを含み、使用中に、喫煙材はこの開口を介して前記チャンバ内に取り外し可能に収容されることができることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記スペーサは、前記近位端に隣接して設けられた少なくとも1つの第1のスペーサを含む、および/または、
前記スペーサは、前記遠位端に隣接して設けられた少なくとも1つの第2のスペーサを含む、ことを特徴とする請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記スペーサはリング形状であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記スペーサは、第1の配置および異なる第2の配置の間に配置可能であり、前記スペーサは、
前記第1の配置の場合、少なくとも部分的に前記チャンバ内に延び、前記チャンバ内に収容された喫煙材の外側壁に当接することで、前記隙間を閉鎖して、前記隙間内の空気が前記チャンバから逃げることを阻止したり、前記隙間内の空気がチャンバに収容された喫煙材の端部から喫煙材に侵入することを阻止したりし、
第2の配置の場合、前記喫煙材の外側壁との当接を解除する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、非燃焼・加熱式(heatーnotーburn)喫煙具分野に関し、特にエアロゾル発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タバコ製品(例えば、紙巻タバコ、シガー等)は、使用の間、タバコを燃焼してタバコ煙を発生させる。燃焼せずに化合物を放出する製品を創出することによって、これらのタバコを燃焼させる製品に代わるものを提供する試みがなされている。
【0003】
これら製品の例としては、材料を燃焼するのではなく加熱することで化合物を放出する加熱装置がある。その材料は、例えば、タバコまたは他の非タバコ製品でもよく、これら非タバコ製品は、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。別の例として、例えば、いわゆる低温加熱タバコ装置といった気体ゾル供給製品がある。公知の低温加熱タバコ装置には、通常、タバコ製品を収容して加熱するための加熱キャビティが含まれており、タバコ製品は加熱キャビティ内に収容されて加熱されると、喫煙用気体ゾルを発生させるが、タバコ製品の外装紙は加熱時に焦げ付き、焦げ付きた物質が加熱キャビティから逃げて、使用者の喫煙体験に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、タバコの外装紙由来の焦げ付きた物質が喫煙体験に影響を及ぼすという従来技術における問題点を解決するために、エアロゾル発生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例のエアロゾル発生装置は、喫煙材を加熱して該喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるように配置されており、
前記喫煙材を収容し、喫煙材の外側壁との間に隙間が介在しているように配置されるチャンバと、
前記チャンバ内に収容された喫煙材を加熱するように配置される加熱素子と、
前記チャンバ内に前記喫煙材が収容された場合に、少なくとも部分的に前記チャンバ内に延在することで、前記加熱素子が前記喫煙材を加熱するときに、前記隙間内の空気が前記チャンバから逃げることを阻止したり、前記隙間内の空気がチャンバに収容された喫煙材の端部から喫煙材に侵入することを阻止したりする、少なくとも1つのスペーサと、を備える。
【0006】
前記スペーサは、少なくとも部分的に前記チャンバ内に延び、喫煙材の外側壁に当接可能な遮断部を含むことが好ましい。
【0007】
前記遮断部には、より大きな変形能力を持たせるように強度低減構造を設けることで、前記遮断部と喫煙材の外側壁との摩擦力を低下させることが好ましい。
【0008】
前記強度低減構造は、前記チャンバの径方向に延在する切欠きまたはスリットを含むことが好ましい。
【0009】
前記切欠きまたはスリットの幅は0.05~1mmであることが好ましい。
【0010】
前記加熱素子は、管状形状を呈し、対向する第1の端部と第2の端部と、前記喫煙材を収容するためのチャンバを形成する中空の中央部分とを含み、
前記スペーサは、前記隙間内の空気が前記第1の端部および前記第2の端部の少なくとも一方を通って前記チャンバから溢れるのを阻止するように配置されることが好ましい。
【0011】
前記加熱素子は抵抗加熱器であり、または変化する磁界の透過により加熱するように構成されていることが好ましい。
【0012】
前記チャンバは、対向する近位端と遠位端と、前記近位端に位置する開口とを含み、使用中に、喫煙材はこの開口を介して前記チャンバ内に取り外し可能に収容されることができることが好ましい。
【0013】
前記スペーサは、前記近位端に隣接して設けられた少なくとも1つの第1のスペーサを含むことが好ましい。
【0014】
前記スペーサは、前記遠位端に隣接して設けられた少なくとも1つの第2のスペーサを含むことが好ましい。
【0015】
前記スペーサはリング形状であることが好ましい。
【0016】
前記スペーサは、第1の配置および異なる第2の配置の間に配置可能であり、前記スペーサは、
前記第1の配置の場合、少なくとも部分的に前記チャンバ内に延び、前記チャンバ内に収容された喫煙材の外側壁に当接することで、前記隙間を閉鎖して、前記隙間内の空気が前記チャンバから逃げることを阻止したり、前記隙間内の空気がチャンバに収容された喫煙材の端部から喫煙材に侵入することを阻止したりし、
第2の配置の場合、前記喫煙材の外側壁との当接を解除することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
上記のようなエアロゾル発生装置を採用すれば、使用者による喫煙の過程では、隙間内の焦げ付きた物質が装置外に逃げたり、喫煙材内に侵入したりすることを阻止できるため、良好な喫煙食感が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、本願の実施例における技術方案をより明確に説明するために、実施例の説明に必要な図面に対して簡単に紹介し、下記の説明における図面は、本願のいくつかの実施例にすぎず、当業者であれば、創造的な労働をすることなく、これら図面に基づいて別の図面をも取得できることは自明である。
【
図1】1つの実施例によるエアロゾル発生装置の模式図である。
【
図2】別の実施例によるエアロゾル発生装置の模式図である。
【
図3】
図2に示すエアロゾル発生装置の概略断面構成図である。
【
図4】
図3に示すエアロゾル発生装置の概略分解構成図である。
【
図7】一つの実施例による喫煙材の概略構成図である。
【
図8】もう別の実施例のエアロゾル発生装置における加熱ユニットの概略構成図である。
【
図9】さらに別の実施例のエアロゾル発生装置における加熱管の概略構成図である。
【
図10】さらに別の実施例のエアロゾル発生装置の概略構成図である。
【
図11】さらに別の実施例のエアロゾル発生装置の概略構成図である。
【
図12】
図11におけるスペーサを移動駆動する部材の模式図である。
【
図13】
図12におけるスペーサの喫煙材を解放した状態の模式図である。
【
図14】
図13におけるスペーサの移動および喫煙材との当接状態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本願を理解しやすくするために、添付図面と具体的な実施例を参照して、本願についてより詳細に説明する。説明する必要があるのは、ある要素が別の要素に「固定されている」/「固着されている」と表現されている場合、この要素は別の要素に直接置かれていてもよいし、両者の間に1つまたは複数の介在する要素が存在してもよい。ある要素は別の要素と「接続」されると表現されている場合、この要素は別の要素に直接接続されていてもよいし、間に1つまたは複数の介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「左」、「右」、「内」、「外」および同様の表現は説明の目的のためのものだけである。
【0020】
他に規定のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本願が属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものだけであり、本願を制限するためのものではない。本明細書で使用される用語「および/または」は、関連する列挙された項目の1つ又は複数の任意のもの及びすべての可能な組み合わせを含む。
【0021】
さらに、以下に説明する本願の異なる実施例に関する技術的特徴は、互いに矛盾を構成しない限り、相互に結合することができる。
【0022】
本明細書において、「取り付け」とは、溶接、螺合、係合、接着などの方法で、ある要素または装置を特定の位置または場所に固定または限定することを含み、前記要素または装置は特定の位置または場所に固定したままであってもよいし、限定された範囲内で動きてもよく、前記要素または装置は、特定の位置または場所に固定または限定された後、取り外し可能であってもなくてもよく、本願の実施例では制限されない。
【0023】
本願の一つの実施例は、喫煙材を加熱して、喫煙材から少なくとも1つの揮発性化合物を放出させるためのエアロゾル発生装置を提案する。この実施例のエアロゾル発生装置の構成は、
図1を参照して、ハウジング10とチャンバ20を備える。
ハウジング10は、装置の外殻部材として、内部に各機能構成を収容して取り付け、そして、ハウジング10は、対向する近位端11と遠位端12とを有し、ここで、近位端11は、使用者が喫煙材Aの着脱操作や喫煙を行う一端として設置され、遠位端12は使用者から離れた他端である。チャンバ20は、喫煙材Aの少なくとも一部を収容して加熱することに用いられる。
【0024】
もちろん、チャンバ20の内径は、チャンバ20内での喫煙材Aの円滑な収容操作および取り外し操作を容易にすることに基づいて、喫煙材Aの外径よりも大きくされており、喫煙材Aがチャンバ20内に挿入されたとき、チャンバ20の内面と喫煙材Aの外面との間には一定の隙間30が介在している。
【0025】
遠位端12には、喫煙中の気流のスムーズな循環を容易にするために、喫煙時に外気がハウジング10内に入るための吸気孔13が設けられている。喫煙の過程で、気流の循環経路は
図1中の矢印R1で示すように、外部の空気が吸気孔13からチャンバ20内に入り、喫煙材Aを貫通して使用者に吸われる。
【0026】
また、エアロゾル発生装置には、チャンバ20内の空気が隙間30を通ってチャンバ20から溢れることを阻止するための第1のスペーサ40がさらに設けられ、そして、
図1に示す実施態様からも分かるように、この第1のスペーサ40は、隙間30内であって近位端11に近い部位に充填され、喫煙材Aの外面の一部を囲んで設けられており、隙間30内の空気が
図1中の矢印R2で示すようにチャンバ20から溢れることを阻止する。
【0027】
また、エアロゾル発生装置には、隙間30内であって遠位端12に近い部位に充填されており、隙間30内の空気が
図1中の矢印R3で示すように、喫煙材Aの遠位端12に対向する端部から喫煙材A内に侵入することを阻止するための第2のスペーサ50がさらに設けられている。
【0028】
本願はまた、別の実施例のエアロゾル発生装置を提案し、その構成は
図2~
図5を参照して、
内部に各機能部品を取り付けるための、対向する近位端110と遠位端170とを有するハウジング100と、
ハウジング100の近位端110に設けられたエンドキャップ120と、
ハウジング100内に設けられ、内部の空洞140が喫煙材Aの少なくとも一部を収容するための加熱管130と、を備える。
さらに、
図4からも分かるように、エンドキャップ120には開口121が設けられ、そして、この開口121は加熱管130の空洞140に対向する位置にあるので、喫煙材Aはこの開口121を介して、少なくとも部分的に空洞140内に収容されたり、空洞140から取り外されたりすることができる。
【0029】
図4~
図5に示す好ましい実施例では、加熱管130は、第1の端部131と、第2の端部132と、空洞140となる中空の中央部分とを含み、この空洞140は開口121とともに喫煙材Aを収容するためのエアロゾル発生装置のチャンバを構成している。実施中、ハウジング100の遠位端170には、第2の端部132に対向し、使用者が喫煙する際に空洞140内に吸気するための吸気孔(図示せず)が開設されている。
【0030】
ハウジング100内には、喫煙材Aを通過する以外に、空洞140内の空気がハウジング100から溢れることを阻止するように気流の隔離を行うためのスペーサ150がさらに設けられている。ここで、スペーサ150は、第1の端部131に設けられており、空洞140内の空気が
図5中の矢印R2で示すように加熱管130の内面と喫煙材Aの外側壁との間の隙間160から逃げてハウジング100から溢れるのを阻止することができる。これにより、喫煙の過程で、喫煙材Aが加熱された後に発生された揮発性物質は、いずれも
図5中の矢印R1に従って、喫煙材A内部の細孔を通ってのみハウジング100から溢れることができ、喫煙材Aの先端のフィルターで濾過された後に、使用者に吸われることが保証される。
【0031】
図5および
図6の好ましい実施態様によれば、スペーサ150は、主に、取り付けが容易なリング形状の取付部151と、取付部151から延出する遮断部152とを含む。もちろん、機能の実現に基づいて、遮断部152はリング形状であり、喫煙材Aが貫通する貫通孔153を有し、喫煙材Aを空洞140に円滑に収容したり、空洞140から除去したりすることができる。そして、この遮断部152は、喫煙材Aが空洞140内に収容されたときに、喫煙材Aの外面に当接していることで、空洞140内の空気の逃げを阻止するように空気を隔離することが実現される。
【0032】
好ましい実施態様では、貫通孔153の直径は喫煙材Aの外径よりも小さいものであり、これが隔離効果の維持に有利であり、実施中、貫通孔153の直径を0.1~0.5mmの干渉の大きさで寸法設計することが好ましい。もちろん、最適化された気密性隔離効果に基づいて、スペーサ150は例えば、シリカゲルや可撓性樹脂などの可撓性材質を用いて作製される。
【0033】
さらに、
図5及び
図6に示す好ましい実施態様によれば、エンドキャップ120には加熱管130に向かって延在するフランジ122が設けられ、取付部151はリング形状でフランジ122に嵌められることで取り付け、固定されることができる。また、遮断部152には、貫通孔153の径方向に延在し、遮断部152により大きな変形能力を持たせて変形しやすく、喫煙材Aと遮断部152との摩擦力を低下させる切欠き154が設けられ、これにより、喫煙材Aの挿脱操作が容易になる。もちろん、同様の遮断部152の剛性強度の低減効果に基づいて、同様のスリット構造等を用いて切欠き154を形成してもよく、なお、切欠き154またはスリットの幅は実施中に、0.05~1mmに制御されている場合でも、適切な気密性効果を有する。
【0034】
一つの実施例では、喫煙材Aは、具体的に
図7を参照して、軸方向に沿って順に軸方向に装着されたフィルター171、冷却充填材172、タバコ素材173、および外装紙174からなる円柱形状のカスタムシガレットを含む。タバコ素材173は加熱されると、揮発性物質を放出し、冷却充填材172及びフィルター171により冷却・濾過された後、使用者に吸われる。一つの実施例では、外装紙174は、麻パルプ配合の部分漂白木材パルプまたはわらパルプを原料として、高粘稠状にパルプ化し、フィラー(例えば、炭酸カルシウム)を添加した後、抄紙機におけるウォーターマークロールまたは機外のドライプレスロールで加圧されたものである。
【0035】
一つの実施例では、上記加熱管130は、適当な比抵抗係数を有する材料を用いて直接作製されたものであってもよく、リード線、ピン、導電端子などの導電構造を介して電源(図示せず)に接続された後、電源から電力が供給されて喫煙材Aを加熱することができる。好適な材料としては、純ニッケル合金、ニッケル-クロム合金、ニッケル-鉄合金、鉄-クロム合金、鉄-クロム-アルミニウム合金、チタン合金、またはステンレス鋼などが挙げられる。
【0036】
もう別の実施例では、エアロゾル発生装置の加熱部分の構成は、
図8を参照して、内部の中空部分が喫煙材Aを収容するための空洞240となる管状受容器230を含み、この管状受容器230の外側には、管状ホルダー231が嵌装され、この管状ホルダー231に、変化する磁界を発生させるための電磁コイル232が巻回され、管状受容器230は適切な透磁率を有する材質で作製されており、変化する磁界を透過すると発熱し、内部に収容された喫煙材Aを加熱することができる。
【0037】
本願のさらに別の実施例では、エアロゾル発生装置において、喫煙材Aは
図9に示すような加熱管330によって加熱され、この加熱管330内に、内壁から中空の空洞内に延出した遮断部352が設けられており、そして、この遮断部352は第1の端部331に近接し、喫煙材Aの外面に当接して、加熱管330内の空気が第1の端部331から逃げるのを阻止するために用いられる。同様に、遮断部352内には、喫煙材Aが貫通する貫通孔353と、径方向に延在し、喫煙材Aと遮断部352との摩擦係数を低下させ、喫煙材Aの挿脱操作を容易にするための切欠き354とを有する。
【0038】
もちろん、他の変形実施例では、遮断部352は、
図4のようなエンドキャップ120の開口121内に、エンドキャップ120の一部としてエンドキャップ120と一体的に設けられていてもよい。
【0039】
本願はまた、さらに別の実施例のエアロゾル発生装置を提案し、この実施例のエアロゾル発生装置の構成は、
図10を参照して、
ハウジング410と、
内部に喫煙材Aを収容して加熱するための空洞が形成され、喫煙材Aとその内壁との間に一定の隙間440を有する加熱管430と、
第2の端部432に近接して設置されており、隙間440内の空気が矢印R3に示すように、第2の端部432に対向する喫煙材Aの端部から喫煙材A内に侵入するのを阻止し、さらに、喫煙中に外気が
図10中の矢印R1の経路を通ってのみ喫煙材A内に進入可能であるのを保証するために用いられるスペーサ450と、を備える。
【0040】
もちろん、
図10からも分かるように、ハウジング410内には、喫煙材Aが加熱管430内に収容された後固定的に保持できるようにするために、好ましくは温度耐性プラスチックのような温度耐性材質を用いて作製された材料支持フレーム460がさらに設けられており、この材料支持フレーム460の少なくとも一部が加熱管430内に延び、喫煙材Aが加熱管430内に収容されると、この材料支持フレーム460に当接して固定的に保持されている。
【0041】
さらに別の実施例のエアロゾル発生装置では、
図11~
図14に示すように、使用者による手動または自動で動作可能なスペーサ構造も提案されており、
図11~
図14に示す前記構造は、内部の空間が喫煙材A、例えばシガレットを収容するための収容キャビティ511となる管状加熱素子510を有し、もちろん、この管状加熱素子510は、エアロゾル発生装置のハウジング(図示せず)内に装着されている。
【0042】
さらに、管状加熱素子510は、喫煙材Aを収容キャビティ511に収容したり、収容キャビティ511から取り外したりすることができるように開口端520を有する。この開口端520には、少なくとも1つの移動可能なスペーサ550が設けられており、このスペーサ550は、使用者による手動、電動等で作動させて移動することができるため、喫煙材Aが収容キャビティ511内に収容されて加熱される場合、スペーサ550を喫煙材Aの外周を取り囲むように移動させて喫煙材Aの外側壁に適度に当接させることにより、喫煙材Aの外側壁と収容キャビティ511との間の隙間内の空気の溢れるのを防止することができる。
【0043】
また、喫煙が完了した後、喫煙材Aの取り出しを容易にするために、スペーサ550をさらに、喫煙材Aの外側壁から退けて喫煙材Aを解放することができるように移動駆動すれば良く、喫煙材Aの取り外し操作を容易にすることができる。状態はそれぞれ
図13と
図14に示される。
【0044】
図12~
図14に示す実施例では、スペーサ550は5つがあり、管状加熱素子510の中心軸線の周りに順次配置され、スペーサ550の中央にある包囲空間552を形成し、喫煙材Aはこの包囲空間552を貫通してから収容キャビティ511に収容される。
【0045】
さらに、以上の少なくとも1つのスペーサ550の移動の作動手段と関連する機能部材は、
管状加熱素子510の中心軸線を軸として回転可能に作動を行うノブ540と、
スペーサ550とノブ540とをヒンジ結合するヒンジ部551と、
エアロゾル発生装置のケース内に固定されたガイドブラケット530とを含む。
具体的には、ヒンジ部551は
図12に孔として示され、ノブ540の対応する柱状のピン541と互いに回動可能に嵌合することができるため、ノブ540は、自身が回転すると、それに連動してスペーサ550が一緒に回転運動することができ、ノブ540による運動向きは、
図13及び
図14における矢印P1で示す通りである。
前記ガイドブラケット530には、ノブ540の周方向に回転する方向から中心軸線に対して接近または離間するようにオフセットされた方向に延在するガイド溝531が設けられており、一方、対応するスペーサ550には、ガイド溝531内に延びてガイド溝531と嵌合するガイドボス553が設けられており、よって、スペーサ550は、
図13および
図14中の矢印P2で示すように、ノブ540の回転に連動する場合、当該ガイド溝531に案内されながら、ノブ540に対してヒンジ部551を軸として中心軸線に対して近接または離間するように回転することができるようになる。これにより、それぞれ
図13および
図14に示すように、スペーサ550はノブ540の作動によって、包囲空間552を拡大または縮小し、スペーサ550の喫煙材Aの外側壁に対する当接または解放状態を変えることができる。ここで、
図13は喫煙材Aとの当接を解放した状態の模式図であり、
図14は、スペーサ550が縮小位置に移動したときに喫煙材Aの外側壁に当接している状態の模式図である。
【0046】
以上の実施例のエアロゾル発生装置を採用すれば、使用者による喫煙の過程では、喫煙材と加熱管との間の隙間内の焦げ付きた物質がケースの外に逃げたり、喫煙材内に侵入したりすることを阻止できるため、良好な喫煙食感が確保される。
【0047】
説明する必要があるのは、本願の明細書及びその図面に本願の好ましい実施例を示したが、本願は本明細書に記載された実施例に限定されることなく、多くの異なる形態で実現することができ、これらの実施例は本願の内容に対する追加的な制限とはならず、本願の開示内容をより徹底的かつ全面的に理解する目的で提供されている。また、上記の各技術的特徴が引き続き相互に組み合わされて形成した、上記に挙げられていない様々な実施例は、いずれも本願の明細書に記載されている範囲内とみなされ、さらに、当業者にとっては、上述の説明に基づいて改良又は変形を行うことができるが、これらの改良及び変形はすべて、本願に添付された特許請求の範囲に属するものとする。
【国際調査報告】