(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(54)【発明の名称】バックアップ発電機及び関連する電力システム
(51)【国際特許分類】
H02J 9/06 20060101AFI20221114BHJP
H02J 9/08 20060101ALI20221114BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20221114BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
H02J9/06 120
H02J9/08
H02J3/32
H02J3/38 120
H02J3/38 180
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515005
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(85)【翻訳文提出日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 US2020049519
(87)【国際公開番号】W WO2021046430
(87)【国際公開日】2021-03-11
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522086386
【氏名又は名称】ブルー パワー システムズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BLUE POWER SYSTEMS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】カーマニョ,ラモン,エー.
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,グレゴリー,ピー.
【テーマコード(参考)】
5G015
5G066
【Fターム(参考)】
5G015GA17
5G015HA02
5G015HA15
5G015JA26
5G015JA52
5G015JA64
5G066HB02
5G066HB06
5G066HB09
5G066JB03
(57)【要約】
電力システムを本明細書において開示する。電力システムは、電力を管理及び貯蔵すること、並びに複数の電力源から得た中断のない電力を、電気負荷に提供することができる。電力システムは、エネルギー貯蔵ユニット及び発電機組立体を含むことができる。電力システムは、電力グリッド及び再生可能エネルギー源に接続することができ、電力グリッド、再生可能エネルギー源、及び/又は発電機組立体を使用して、エネルギー貯蔵ユニットを充電することができる。電力システムは、例えば高効率及び/又は電力グリッドから自給自足となるように、負荷の電力使用及び環境要因を決定して、充電プロトコルを自動的かつ継続的に変更するように構成することができる。電力システムは、全面的にオフグリッドで動作することができ、電力の中断なく、負荷に電気を提供することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を管理及び貯蔵するため、並びに複数の電力源から、電力システムに接続した電気負荷に、中断のない電力を提供するための電力システムであって、前記複数の電力源は可変エネルギー源を含み、前記可変エネルギー源は経時で変わり、出力電圧及び周波数において前記可変エネルギー源からAC電力出力を生成するように構成され、前記可変エネルギー源は、前記電力システムに関連するAC動作周波数を検出するとともに、前記可変エネルギー源の前記AC電力出力のアレンジメントの前記AC電力出力の前記周波数を、検出した前記AC動作周波数に同期させるようにさらに構成され、前記電力システムは、
貯蔵パックのDC電力入力/出力を含む、充電可能な電気エネルギー貯蔵パックと、
前記充電可能な電気エネルギー貯蔵パックと電気的に接続するインバータと、
燃料を動力源とする発電機組立体とを含み、
前記インバータは、
前記インバータへの電力入力及び/又は前記インバータからの電力出力の電圧を変更するための電圧変換器、
DC電力を前記充電可能な電気エネルギー貯蔵パックから受信及び前記充電可能な電気エネルギー貯蔵パックに伝送するためのものであって、前記貯蔵パックのDC電力入力/出力に電気的に接続するインバータのDC電力入力/出力、及び
前記インバータを前記可変エネルギー源の前記AC電力出力に電気的に接続するためのAC電力入力/出力を含み、
前記インバータは、前記充電可能な電気エネルギー貯蔵パックによって供給されるDC電力を使用して、所望のAC動作周波数及び電圧を生成し、生成した前記AC動作周波数及び電圧を、前記AC電力入力/出力を介して前記可変エネルギー源に電気的に通連するように構成され、
前記発電機組立体は、
電力出力を生成するための高周波数発電機、
前記高周波数発電機を駆動するため前記高周波数発電機に接続した熱エンジン、及び
前記高周波数発電機の前記電力出力を整流して、前記発電機組立体のDC電力出力を生成するための能動型整流器を含み、
前記発電機組立体の前記DC電力出力は、前記貯蔵パックのDC電力入力/出力に電気的に接続し、
前記インバータの前記AC入力/出力は、前記電気負荷に電力を提供するように構成される、電力システム。
【請求項2】
前記貯蔵パックの前記DC電力入力/出力は、入力及び出力に共通の端子を含む、請求項1に記載の電力システム。
【請求項3】
前記インバータの前記DC電力入力/出力は、入力及び出力に共通の端子を含む、請求項1に記載の電力システム。
【請求項4】
前記高周波数発電機は永久磁石ロータを含む、請求項1に記載の電力システム。
【請求項5】
前記高周波数発電機は一体型スタータオルタネータを含む、請求項4に記載の電力システム。
【請求項6】
前記ロータは、前記熱エンジンのフライホイールとして機能する、請求項4に記載の電力システム。
【請求項7】
前記整流器は、前記高周波数発電機に電気的に接続するとともに、前記高周波数発電機の動作を制御するように構成された発電機コントローラの一部である、請求項1に記載の電力システム。
【請求項8】
前記可変エネルギー源は、光電気ソーラーパネルアレイ、風力タービン、又は水力タービンの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電力システム。
【請求項9】
前記熱エンジンを冷却するための液体冷却ループ、及び
前記電気負荷を含む構内に流体通連する液体熱交換ループとのインタフェースとなり、該液体熱交換ループに熱を伝達するように構成された熱交換器をさらに含む、請求項1に記載の電力システム。
【請求項10】
電気バッテリと、
交流電気を生成するための、燃料を動力源とする発電機と、
前記燃料を動力源とする発電機及び前記電気バッテリと電気的に通連する能動型整流器と、
前記電気バッテリと電気的に通連する入力、及び負荷と電気的に通連するための出力を含むインバータとを含み、
前記能動型整流器は、
前記燃料を動力源とする発電機から前記交流電気を受信し、
前記交流電気の能動的な整流を行い、
前記電気バッテリに直流電気を出力するように構成される、電力システム。
【請求項11】
前記高周波数発電機に接続する熱エンジンをさらに含む、請求項10に記載の電力システム。
【請求項12】
前記燃料を動力源とする発電機は、400Hz以上の周波数を有する交流電気を生成するように構成される、請求項10に記載の電力システム。
【請求項13】
前記燃料を動力源とする発電機の回転数を時刻に応じて変えるように構成されたコントローラをさらに含み、前記回転数は、前記時刻に関連する許容可能な騒音レベルしきい値に基づいて変わる、請求項11に記載の電力システム。
【請求項14】
前記燃料を動力源とする発電機を冷却するための液体冷却ループ、及び
前記電気負荷を含む構内に流体通連する液体熱交換ループとのインタフェースとなり、前記液体冷却ループから該液体熱交換ループに熱を伝達するように構成された熱交換器をさらに含む、請求項10に記載の電力システム。
【請求項15】
前記液体熱交換ループとのインタフェースとなり、前記液体冷却ループから前記液体熱交換ループに熱を伝達するように構成された第2熱交換器、及び
前記液体冷却ループから前記第2熱交換器に液体を送るように構成された、対の切り替え可能な流体フローコントローラをさらに含む、請求項14に記載の電力システム。
【請求項16】
1つ以上のプロセッサ、並びに
前記1つ以上のプロセッサによって実行するとき、前記1つ以上のプロセッサに、
前記電気バッテリを充電するために利用可能な供給源を決定すること、
利用可能な前記供給源に関連するとして予め分類した気象事件のカテゴリを決定すること、
気象予報情報を取得すること、及び
前記予報情報に基づいて前記システムの充電挙動を変更すること、を含む動作を行わせる命令を記憶する1つ以上のコンピュータ記憶媒体を含む、請求項10に記載の電力システム。
【請求項17】
前記動作は、
前記負荷の消費挙動を決定すること、
予報気象事象の期間が、前記消費挙動に基づいて前記負荷に影響を与えるに足るかどうかを決定すること、及び
前記予報気象事象の前記期間が、前記消費挙動に基づいて前記負荷に影響を与えるに足ることの決定に応じて、前記システムの前記充電挙動を変更することをさらに含む、請求項16に記載の電力システム。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサ、及び前記1つ以上のコンピュータ記憶媒体は、前記電力システム内に配置したコントローラの一部である、請求項16に記載の電力システム。
【請求項19】
電力システムを動作させる方法であって、
電気バッテリを充電するため、再生可能エネルギー源を電気エネルギーに変換するように構成された1つ以上のエネルギー源と電気的に通連する電気バッテリを提供すること、
前記電気バッテリを充電するために利用可能なエネルギー源を決定すること、
利用可能な前記エネルギー源に関連するとして予め分類した気象事件のカテゴリを決定すること、
気象予報情報を取得すること、及び
前記気象予報情報に基づいて前記システムの充電挙動を変更することを含む、方法。
【請求項20】
前記動作は、
前記電気バッテリから電気を受信する負荷の消費挙動を決定すること、及び
予報気象事象の期間が、前記消費挙動に基づいて前記負荷に影響を与えるに足るかどうかを決定すること、及び
前記予報気象事象の前記期間が、前記消費挙動に基づいて前記負荷に影響を与えるに足ることの決定に応じて、前記システムの前記充電挙動を変更することをさらに含む、請求項19に記載の電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
この出願は、2019年9月6日に出願した「バックアップ発電機及び関連する電力システム」という発明の名称の米国仮特許出願第62/896956号の優先権を主張する。この優先権出願は、その全体を言及によって本明細書に援用する。
【0002】
技術分野
本開示は、バックアップ発電機及びバックアップ発電機を含む電力システムに関する。
【背景技術】
【0003】
住居及び商業用途の電気において、公益事業体が維持する電力グリッドへの接続が一般に必要とされる。そうした電力グリッドからの電気の供給は、一般に確実であるが、例えば、保守、自然災害(火事、ハリケーン、吹雪など)、需要過大(例えば計画停電を引き起こし得る)などによって時に中断することがある。ガソリンなどの燃料を動力源とするバックアップ発電機は、電気グリッドからの電力が利用できないとき代替の電源を提供するため一般に利用されている。しかしながら、そうしたバックアップ発電機は一時的な解決策を提供するのみであり、コスト及び環境排出物の両方の観点から、運用が非効率であり得る。本明細書において開示するシステム及び方法は、バックアップエネルギーシステムに関する種々の課題に対処するものである。
【発明の概要】
【0004】
一部の態様において、電力システムは、電力を管理及び貯蔵するため、並びに複数の電力源から、電力システムに接続した任意の電気負荷に、中断のない電力を提供するため、提供される。
【0005】
一部の態様において、電力システムはオフグリッドシステムとすることができ、複数の電力源は、太陽光、風力、若しくは流水(例えば光電気ソーラーパネルアレイ、風車、小型水力発電機)から電気エネルギーを生成する装置、又は電気エネルギー貯蔵システムなど、経時で変わる1つ以上の可変エネルギー源を含むことができる。可変エネルギー源は、出力電圧及び周波数において交流(AC)電力出力を生成することができる。可変エネルギー源は、電力システムに関連するAC動作周波数を検出し、可変エネルギー源のAC電力出力周波数を、検出したAC動作周波数に同期させるように構成することができる。可変エネルギー源は、そのAC出力周波数を、グリッドタイインバータを介して電力システムの動作周波数と同期させることができる。一部の他の態様において、電力システムは、電力グリッドと可変エネルギー源とに接続することができるが、可変エネルギー源からエネルギーを得ることを優先するように構成することができる。
【0006】
電力システムは、貯蔵パックの直流(DC)電力入力/出力を有する、充電可能な電気エネルギー貯蔵パックを含むことができる。また、電力システムは、システムインバータへの電力入力及びシステムインバータからの電力出力の電圧を変換するための電圧変換組立体を含むシステムインバータを含むことができる。システムインバータは、DC電力を充電可能な電気エネルギー貯蔵パック(Rechargeable electric energy storage pack)から受信及び充電可能な電気エネルギー貯蔵パックに伝送するため、貯蔵パックのDC電力入力/出力に電気的に接続するインバータのDC電力入力/出力を有することができる。また、システムインバータは、該システムインバータを可変エネルギー源に電気的に接続して可変エネルギー源のAC電力出力を受信するため、AC電力入力/出力を有することができる。また、システムインバータは、充電可能な電気エネルギー貯蔵パックによって供給されるDC電力を使用して、所望のAC動作周波数及び電圧を生成するように構成することができる。生成したこのAC動作周波数及び電圧の情報は、インバータのAC電力入力/出力を介して可変エネルギー源に電気的に連通することができる。
【0007】
電力システムは、電力出力を生成するため、発電機組立体をさらに含むことができる。発電機組立体は、高周波数発電機に接続した熱エンジン(例えば、燃料を動力源とする燃焼エンジン)を含むことができ、熱エンジンは高周波数発電機を駆動する。高周波数発電機は、永久磁石ロータを含むことができる。発電機コントローラは、高周波数発電機に電気的に接続して、高周波数発電機の動作を制御し、高周波数発電機の電力出力を能動的に整流して、発電機装置からDC電力出力を生成することができる。発電機装置のDC電力出力は、エネルギーパックのDC電力入力/出力に電気的に接続することができる。
【0008】
電力システムが電力を供給する電気負荷は、該電気負荷に電力を提供するため、システムインバータのインバータAC入力/出力に電気的に接続することができる。DC負荷もまた、システムインバータのインバータDC入力/出力に接続することができる。
【0009】
電力システムは、例えばユーザの基準又は選択に応じて、コスト効率及びエネルギー効率が高くなるようにプログラムすることができる。電力システムは、少なくとも部分的に気象予報及びエネルギーコストに基づいて、充電可能な電気エネルギー貯蔵パックの充電プロトコルを自動的に調整することができる。また、ユーザは好ましい充電プロトコルを定めることができ、これは、手動で作動させる、又は自動的にオン及びオフにすることができる。
【0010】
一部の態様において、電力システムは、電気バッテリ、インバータ、交流電気を生成するための、燃料を動力源とする発電機、並びに燃料を動力源とする発電機及び電気バッテリと電気的に通連する能動型整流器を含む。能動型整流器は、燃料を動力源とする発電機から交流電気を受信し、交流電気の能動的な整流を行い、直流電気を電気バッテリに出力するように構成することができる。インバータは、電気バッテリと電気的に通連する入力と、負荷に電気的に通連するための出力とを含むことができる。
【0011】
一部の態様において、電力システムを動作させる方法を提供する。この方法は、電気バッテリを充電するため、再生可能エネルギー源を電気エネルギーに変換するように構成された1つ以上のエネルギー源と電気的に通連する電気バッテリを提供すること、電気バッテリを充電するために利用可能なエネルギー源を決定すること、利用可能なエネルギー源に関連するとして予め分類した気象事件のカテゴリを決定すること、気象予報情報を取得すること、及び気象予報情報に基づいてシステムの充電挙動を変更することを含む。この動作は、電気バッテリから電気を受信する負荷の消費挙動を決定すること、予報気象事象の期間が、消費挙動に基づいて負荷に影響を与えるに足るかどうかを決定すること、及び予報気象事象の期間が、消費挙動に基づいて負荷に影響を与えるに足ることの決定に応じて、システムの充電挙動を変更することをさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、種々のエネルギー源に接続された電力システムの例の概略図である。
【
図2】
図2は、種々のエネルギー源から電力システム内のエネルギー貯蔵パックへの電力フローの例を示す概略図である。
【
図3】
図3は、気象予報に基づいてエネルギー貯蔵セルの充電手順を変更する方法の例の処理フロー図である。
【
図4】
図4は、エネルギー貯蔵パックを充電するための、コスト効率の高いエネルギー源を選択する方法の例の処理フロー図である。
【
図5】
図5は、エネルギー貯蔵パックを充電するための、エネルギー効率の高いエネルギー源を選択する方法の例の処理フロー図である。
【
図6】
図6は、エネルギー貯蔵パックにおいて最小充電レベルを維持する方法の例の処理フロー図である。
【
図7A】
図7Aは、電気負荷と、電力システムを含む可変エネルギー源との間の可能な接続構成の例のブロック図である。
【
図7B】
図7Bは、電気負荷と、電力システムを含む可変エネルギー源との間の可能な接続構成の例のブロック図である。
【
図7C】
図7Cは、電気負荷と、電力システムを含む可変エネルギー源との間の可能な接続構成の例のブロック図である。
【
図8】
図8は、電力システムと電気負荷との間の例示の熱交換回路の例のブロック図である。
【
図9】
図9は、電力システムと電気負荷との間の熱フローを示すブロック図である。
【
図10】
図10は、開示の電力システムの例示の筐体構造を示す。
【
図11B】
図11Bは、例示の電力システム組立体の平面図の例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
現在のエネルギー効率システムにより、太陽、風力、又は水力などの再生可能な資源の電力を利用することでユーザは電気使用量を削減することができる。しかしながら、電力グリッド連系の再生可能な資源は、通常、グリッドが停止すると自動的に遮断することが要求され、これらの設備の多くが、停電の場合のいずれの形態の貯蔵バックアップ電力も含まない。望ましくないが、再生可能な資源が、停電時に電力を提供できる可能性があり得る場合でも、グリッドが停止したとき、再生可能な資源から電力を生産する発電機に取り付けられたファシリティは、すべての電力を失い得る。グリッドが停止したとき、電力バックアップ機能を提供し、再生可能な資源からの電力を使用及び貯蔵する一部のバッテリバックアップシステムが存在するが、これらのシステムは、通常、高貯蔵容量が要求されることから、一般の住居又は商業用途に必要とされる電力の全量を長時間にわたり使用できない。代替物として、燃料を動力源とする発電機を、住宅又は商業ファシリティに電力を供給するために使用することができる。しかしながら、望ましくないが、そうした発電機に基づくシステムは、長期の運用には非効率であり、住居用使用には騒音が大きく、及び/又は広範な用途には大きすぎるものであり得る。
【0014】
有利には、一部の態様において、完全一体型バックアップ電力システムが、可変電気エネルギー源から利用可能な電力を極めて効率的に使用しながら、可変電気エネルギー源(再生可能エネルギー源など)又は電力グリッドからの利用可能な電力量にかかわらず、中断のない電力を無期限期間提供することができる。電力システムは、発電機組立体と、バッテリなどのエネルギー貯蔵パックを含み得る電力貯蔵組立体を含むことができる。発電機組立体は、エネルギー貯蔵パックに貯蔵する電気エネルギーを提供するため、燃料を動力源とするエンジンと、1つ以上の再生可能エネルギー源とを含むことができる。発電機装置によって生成され、システムに接続された負荷によって使用されない電力は、エネルギー貯蔵パックを充電するために送ることができる。エネルギー貯蔵パックは、電気の過剰生成の捕捉、また電気生成の時間変化を可能にし、これは、効率的且つ妨げのないエネルギー生成、及び電力グリッドに接続されていないときでも電力システムからの長期の電力送達を確実にするためのエネルギー使用及び生産の調整に利点を有し得る。
【0015】
一部の態様において、さらなる電力を必要とするとき発電機が連続して動作する必要があるので、発電機組立体は、エネルギー貯蔵組立体を有しない典型的なバックアップ発電機システムより、極めて短い時間で、実質的に効率的に動作することができる。電力システムは、全面的にオフグリッドで使用する、又は、主グリッドと通常連系していないが、利用可能な主グリッド接続を有する電気負荷に電力を提供するマイクログリッドを構成するように使用することができる。システムは、主グリッドに接続するとき、そのバッテリをグリッドから充電することもできる。本明細書に開示する電力システムが、他の電力システム(例えば電気公益事業体が維持する電力グリッド)とも接続され得る住宅又は商業ファシリティなどの負荷のための別の電気供給源を提供するために利用することができるという意味で「バックアップ」システムとして理解することができるということが認められる。一部の態様において、「バックアップ」システムは、負荷のための一次電気供給源として利用することができる、及び/又は、負荷が他の電気供給源に接続されていない用途において負荷のための唯一の電気供給源として利用することができる。
【0016】
電力貯蔵組立体が、電気エネルギーを貯蔵するためのバッテリを含むことができるということが理解される。電力システムは、バッテリに貯蔵した直流(DC)エネルギーを変換することで交流(AC)電力を生産することができる。このAC電力は、システムに接続された電気負荷、又はシステムによって構築されるマイクログリッドに電力を供給するために使用される。マイクログリッドが起動すると、可変エネルギー源は、電力システムのAC動作周波数及び電圧を検出することができる。可変エネルギー源は、そのAC電力出力周波数及び電圧を、電力システムの動作周波数及び電圧に同期して、可変エネルギー源によって生成した電力をマイクログリッドに送ることができる。可変エネルギー源が、マイクログリッドに接続された負荷に電力を供給するため必要とされるものよりも大きな電力を生産する場合、電力システムは、過剰な電力をACからDCに変換して、バッテリへと流れるようにすることができる。可変エネルギー源が、マイクログリッドに接続されたすべての負荷を網羅するために十分な電力を生産しない場合、バッテリからの電力は、電力不足を補うように、マイクログリッドへ流れるときDCからACに変換することができる。したがって、電力システムは、利用可能な可変エネルギー電力生成を効率的に使用し、生成したいずれの過剰な電力もバッテリに貯蔵することができる。そして、貯蔵した電力は、可変エネルギー源からの電力が不足するとき、マイクログリッド上の負荷に利用可能である。本明細書に記載するように、可変エネルギー源は、ソーラーエネルギー(例えば光起電セルを使用して)、風力エネルギー(例えば風力タービンを使用して)、及び/又は水の移動から運動エネルギー(例えば水力発電タービンを使用して)を捕らえるための構造を含み得る再生可能エネルギー源とすることができるということが理解される。これらの再生可能エネルギー源は、これらの供給源から利用可能なエネルギー量が自然現象の発生に応じて(例えば、太陽放射若しくは風力の場合、太陽の上昇及び状況に応じて、又は水力発電電力の場合、氷の融解若しくは降水の利用可能性に応じて)上昇及び下降し得るという意味で、可変エネルギー源と考えることができるということが理解される。
【0017】
さらに、本明細書に記載するように、電力システムは、充電プロトコルの連続的な更新を効率的及び自動的に提供するように構成することができる。例えば、気象事象が再生可能エネルギー源によるエネルギー生成の可能度及び大きさを変化させ得るということが理解される。一部の態様において、電力システムは、特定の気象事象の発生予報に応じて、エネルギー貯蔵パックの充電プロトコルを変更するように構成することができる。一部の態様において、負荷(例えば住宅)のエネルギー消費挙動を経時で追跡して、エネルギー消費プロファイルを生成することができ、これは、気象事象の種類及び/又は気象事象に割り当てた重みをフィルタにかけて、気象事象が充電プロトコルを変更するためのしきい値を満たすかどうか、及びプロトコルをどのように変更するかを決定するために利用することができる。例えば、エネルギー貯蔵パックを日々消耗させる負荷又はユーザは、エネルギー貯蔵パックにおいて毎日多くの充電量の容量を保持するユーザよりも、充電プロトコルを頻回の変更をすること、及び再生可能エネルギー源の代替として燃料を動力源とするエンジンを多く使用することを要求し得る。この後者のエネルギー消費プロファイルは、利用可能である再生可能エネルギーの短期の変更に対して自然にバッファとなり得、長期の気象事象のみ(例えば、2日以上、又は3日以上続くと予想されるもの)が充電プロトコルの変更を引き起こすに足り得るというようになる。
【0018】
一部の態様において、発電機組立体は、燃料を動力源とするエンジン、及び燃料を動力源とするエンジンによって生成したACを、エネルギー貯蔵パックを充電するDCに変換するための能動的な整流をもたらす能動型整流器を含むことができる。好ましくは、能動型整流器は、燃料を動力源とするエンジンの回転数(RPM)に関係し得る広範囲の周波数のACを受け入れるものである。より速いRPMで動作するエンジンが、より遅いRPMで動作するエンジンよりも音が大きいことがあるということが理解される。つまり、燃料を動力源とするエンジンによって生成したACの能動的な整流により、エネルギー貯蔵パックを充電するために発電機組立体によって提供されるDCの適合性に影響することなく、電力システムの騒音レベルを規制することができる。結果として、一部の態様において、高い騒音レベルを許容できない時間に(例えば、住宅街の夜間)、騒音レベルを低下させることができる。一部の態様において、気象事象予報及び時間帯の両方(及び許可した騒音しきい値)を、充電プロトコルの変更を決定するために利用することができる。例えば、燃料を動力源とするエンジンが夜間をとおして速いRPMで動作する場合起こり得るように、再生可能エネルギー源が最大であることがなくなるとしても、利用可能である再生可能エネルギー源を減少させ得る気象事象を予想して、エネルギー貯蔵パックの充電を、日中に速いRPMで動作し、夜間に遅いRPMに変わる、燃料を動力源とするエンジンで行うことができる。結果として、種々の環境において電力システムの受け入れが広がり得る。
【0019】
有利には、電力システムは、容易に輸送し持ち運べるように小型の多目的トレーラーに類似するフォームファクターとし得る小型の一体型ユニットとすることができる。完全一体型の電気エネルギー貯蔵パックとバックアップ発電機とを含む十分に持ち運べるシステムを提供する多くの利点があり得る。例えば、これは、可変エネルギー源によって生成した電力を効率的に使用し、また、グリッド及び/又は再生可能エネルギー源を利用することができる任意の住宅又は場所に無期限のバックアップ電力を提供する、完全な中断のない電力システムを提供することができる。また、望ましい場合、このシステムにより、住宅又は場所を完全にオフグリッドで運用することができる。さらに、このシステムは、自然災害後にすぐに配置することができる。こうしたシステムは、多数配置する場合、主グリッドの完全な再建を必要としない長期の解決策を提供することができる。また、このアプローチでは、電力貯蔵部、電力管理、及び電力生成を含む分散型電力システムを提供することができる。また、この種類の分散型システムは、太陽及び風力などの現場での可変エネルギー源の使用を促すものであり得る。この種類の分散型システムは、大規模に適用すると、新たなコミュニティー又は自然災害を受けたコミュニティーに、従来の集中型発電所と比較してより効率的な総電力システムを提供することができる。さらに、再生可能エネルギー源からの電気生成の可能度及び大きさの予想を考慮することによって、長期間にわたって中断のないエネルギーを提供するという電力システムの能力を拡張しながら、燃料を動力源とするエンジンの使用を低いレベルに保つことができる。
【0020】
電力システム構成例
以下、図面を参照し、全体を通して同様の符号が同様の部分を指す。図面は、特に指定のない限り、模式的であって必ずしも寸法どおりではない。
【0021】
図1は、本明細書の開示の一部の態様における電力システム100の例の概略図である。電力システム100は、電力を管理及び貯蔵するため、並びに複数の電力源から、電力システム100に接続した電気負荷102に、中断のない電力を提供するためのシステムを提供することができる。電力システム100は、オフグリッドシステムとすることができる、又は、電気メーター106と、主グリッド104を選択的に本明細書に記載の総システムに接続する及び該総システムから切断することができる主グリッド切断接続スイッチ108とを介して主グリッド104と接続することができる。主グリッド104は電気公益事業会社によって維持され得るということが理解される。電気負荷102は、住居、商業ビル、又は電気を必要とする任意の他のファシリティとすることができる。例えば、電気負荷102は、住宅に従来の240V及び120VのAC電力を提供するための従来の回路遮断器及び電気回路を含む電気パネル110を有する住宅とすることができる。
図1の種々の機能、及び本明細書の他の機能を接続するように示される種々のラインが、これらの機能同士の間の電気接続を示す、すなわち、種々のラインが機能同士の間の電流の流れの電線管をなすということが理解される。
【0022】
電力システム100は、主グリッド104及び種々の再生可能エネルギー源を含む複数の電力源に接続することができる。例えば、電力システム100は、光電気ソーラーパネルアレイ112に接続することができる。ソーラーパネルアレイ112は、グリッドタイインバータ116に電気的に接続する1つ以上のソーラーパネル114を含むことができる。インバータ116は、グリッドタイインバータとして記載するが、インバータ116が一部の態様において主グリッド104に接続しないことがあるということが理解される。それよりも、グリッドタイインバータ116は、ソーラーパネルアレイ112を電力システム100に電気的に接続して、主グリッド104に接続し得る又は接続しないことがあるマイクログリッド118を構成するために使用することができる。
【0023】
任意の適切な、容易に提供できるソーラーアレイシステム、及び任意の適切な、容易に提供できるグリッドタイインバータを、本明細書に記載するシステムとともに使用することができるということが理解される。例えば、ソーラーアレイシステムは、大きなグリッドタイインバータに接続したDC出力と共に、デイジーチェーンされたソーラーパネルを含むことができる。しかしながら、これは、ソーラーパネルアレイからインバータに高アンペア値のDCラインを通すことを必要し、これが、より長い距離では費用がかかる配線要件につながり得る。あるいは、複数のより小さいインバータを複数のパネルに設置することができ、複数のより小さいインバータを電気パネル110及びマイクログリッドシステムに接続するため、はるかに低いアンペア値の240VACラインを通すことができる。
【0024】
他の態様において、グリッドタイインバータ116はまた、さらなる再生可能エネルギー源に接続することができるということが理解される、又は構造112がソーラーパネルアレイ以外の再生可能エネルギー源であると理解することができる。例えば、一部の態様において、構造112は、ソーラーパネルの代替として又はソーラーパネルに加えて、風力タービン、水力タービン等の1つ以上である又はそれを含むと理解することができる。
【0025】
グリッドタイインバータ116は、該グリッドタイインバータ116が接続したシステムから検出するAC電圧及び周波数に基づく出力電圧及び周波数で、再生可能エネルギー源からAC電力出力を生成するように構成することができる。例えば、グリッドタイインバータ116が、主グリッド切断スイッチ108を介して主グリッド104に電気的に接続しないとき、該グリッドタイインバータ116は、電力システム100に関連するAC動作周波数及び電圧を検出することができる。また、グリッドタイインバータ116は、該グリッドタイインバータ116のAC電力出力の周波数を、電力システム100における検出したAC動作周波数と自動的に同期させることができる。
【0026】
電力システム100は、電気負荷102及び再生可能エネルギー源112から切断及び/又は電気負荷102及び再生可能エネルギー源112に再接続することができる。例えば、負荷転送スイッチ120により、電気負荷102を主グリッド104又は電力システム100のいずれかに代替的に接続することができる。再生可能エネルギー転送スイッチ122により、再生可能エネルギー源112を主グリッド104又は電力システム100のいずれかに代替的に接続することができる。負荷転送スイッチ120及び再生可能エネルギー転送スイッチ122は共に、電力システム100によって制御される、電子制御可能な転送スイッチとすることができる。一部のスイッチ構成のさらなる詳細を、
図7A~
図7Cに関して本明細書に記載する。
【0027】
再生可能エネルギー切断スイッチ124及び電力システム切断スイッチ126により、再生可能エネルギー源112及び電力システム100を、容易に総システムの他の部分に接続及び該他の部分から切断することができる。再生可能エネルギー切断スイッチ124は、再生可能エネルギー源112と再生可能エネルギー源転送スイッチ122との間に配置されて、再生可能エネルギー源112を選択的に電気的に総システムに接続及び該総システムから切断することができる。電力システム切断スイッチ126は、電力システム100と主グリッド104との間に配置されて、電力システム100を選択的に電気的に主グリッド104に接続及び主グリッド104から切断することができる。電力システム切断スイッチ126は、任意の切断スイッチとすることができる。
【0028】
一部の態様において、電力システム100はまた、プラグ及びレセプタクル組立体を介して総システムから容易に切断することができる。一部の態様において、電気負荷102の構内に、240Vのレセプタクル128を含むことができ、電力システム100が適切な240V接続プラグ130を有することができる。様々な電圧に対応する他の構成も可能である。プラグ130は、電力システム100の容易な電気的設置を可能にし得る。また、プラグ及びレセプタクル組立体は、電力システム100が、単に電力システム100のプラグを差し込む若しくはプラグを抜くことで、迅速かつ容易に配置できる、入れ替えることができる、又は望むときに配置し直すことができる、十分に持ち運べるシステムとなることを可能にし得る。
【0029】
電力システム100は、充電可能な電気エネルギー貯蔵パック132をさらに含むことができる。一部の態様において、電気エネルギー貯蔵パック132は、リチウムイオン電池などのバッテリ134とすることができ、バッテリモジュール136a~136fなどの複数のバッテリモジュールを含むことができる。他の一部の態様において、貯蔵パック132は、アルミニウムイオン電池、カーボン電池、フロー電池、鉛蓄電池などの1つ以上を含む他の種類のバッテリを含むことができる。さらに他の態様において、貯蔵パック132は、フライホイール、キャパシタ、又は任意の他の適切な電気エネルギー貯蔵装置を含むことができる。バッテリ134はまた、
図1に示すものより少ない又は多いバッテリモジュールを含むことができるということが理解される。また、電気エネルギー貯蔵パック132は、バッテリのDC電力入力/出力バス138及びパック管理コントロールユニット140を含むことができる。パック管理コントロールユニット140は、コントロールエリアネットワーク(CAN)コントローラとすることができ、これは、2つのCANバスノード142及び144を含む。パック管理コントロールユニット140は、バッテリ134を電力システム100の残りの部分から制御して切断する電気的に制御した切断スイッチを提供することができる。
【0030】
バッテリモジュール136a~136fは、所望の公称電圧に応じて、直列又は並列で接続することができる。バッテリモジュール136a~136fは、バッテリのDC電力入力/出力バス138に接続することができる。バッテリ134の全電気エネルギー貯蔵容量は、個々のバッテリモジュール136a~136fのエネルギー貯蔵容量を合計することで計算することができる。バッテリの動作電圧は、バッテリセルの充電状態に応じて、公称電圧から変化し得る。例えば、48Vバッテリは、約36VDCから約51VDCまで変化する電圧動作範囲をなすことができる。バッテリの動作電圧は、パックにおいて利用可能な電力量を測定するために使用することができる。
【0031】
各バッテリモジュール136a~136fは、各バッテリモジュールを構成するバッテリセルのそれぞれをモニタリング及び管理するためのバッテリモジュールコントローラを含むことができる。また、各バッテリモジュールコントローラは、CANバスノード142を介してパック管理コントロールユニット140に接続することができる。これにより、バッテリモジュールコントローラとパック管理コントローラ140とが、ステータス及びコントロール情報を通信して、充電可能な電気エネルギー貯蔵パック132の動作を管理及び制御することができる。また、システムは、バッテリモジュール及びセル及びパック管理コントローラのステータスにおける情報をユーザインタフェースに提供するように構成することができる。各バッテリモジュール136a~136fは、対応するモジュールの各バッテリセルと接触する加熱/冷却ループをさらに含むことができる。これにより、システムが、バッテリモジュールを構成するすべてのバッテリセルの温度を制御するように構成することができる。
【0032】
電力システム100は、システムインバータ146への電力入力及びシステムインバータ146からの電力出力の電圧を変換するための電圧トランス148を含むシステムインバータ146をさらに含むことができる。システムインバータ146は、DC電力を充電可能な電気エネルギー貯蔵パック132から受信及び充電可能な電気エネルギー貯蔵パック132に伝送するため、パック管理コントロールユニット140を介してバッテリのDC電力入力/出力バス138に電気的に接続する、2方向のDC電力入力/出力150を有することができる。また、システムインバータ146は、該システムインバータ146を、再生可能エネルギー源112のグリッドタイインバータ116のAC電力出力と、電気負荷102とに電気的に接続するため、2方向のAC電力入力/出力152を有することができる。2方向のAC電力入力/出力152は、グリッドタイインバータ116のAC電力出力を受信するように構成される。また、システムインバータ146は、充電可能な電気エネルギー貯蔵パック132によって供給されるDC電力を使用して、所望のAC動作周波数及び電圧を生成し、この生成したAC動作周波数及び電圧を、2方向のAC電力入力/出力152を介してグリッドタイインバータ116に電気的に通連するように構成することができる。システムインバータ126は、該インバータからのAC出力のため60Hz~62.5Hzの周波数偏移をもたらすことができる。本開示はAC電気負荷に焦点を置くが、DC負荷を、システムインバータ146の2方向のDC入力/出力に接続して、DC電力をDC電気負荷に提供することもできる。
【0033】
電力システム100は、高周波数発電機156に接続するとともに、高周波数発電機156を駆動するように構成された熱エンジン160を有する発電機組立体154を含むことができる。高周波数発電機156は、熱エンジン160のフライホイールとして機能し得る永久磁石ロータ158を有することができる。また、高周波数発電機156は、エンジン160のスタータ及びオルタネータとして機能し、それによって、これらの部品が必要なくなり、ハードウェア空間を小さくすることができる。一部の態様において、高周波数発電機156は、改変した一体型スタータオルタネータ(ISA)とすることができる。
【0034】
発電機コントローラ162は、高周波数発電機156の動作を制御するとともに、高周波数発電機156の電力出力を能動的に整流してDC電力出力を生成するため、高周波数発電機156に電気的に接続することができる。発電機コントローラ162は、熱エンジン160を起動させるためのスタータモータとして、及びDC電力出力を生成するための制御可能な発電機として機能するように、高周波数発電機156を制御することができる。また、発電機コントローラ162は、能動型整流器として機能することができ、システムを、受動型整流を使用する従来の発電機システムよりも効率的にすることができる。発電機コントローラ162は、種々の効率モードを提供するため可変スロットルコントロールをさらに含むことができる。熱エンジン160が様々なRPMの様々な効率で動作することができるということが理解される。一部の態様において、発電機コントローラ162は、熱エンジンが極めて又は最も効率的であるRPMで(例えば、熱エンジンが燃料をRPMの形態の運動エネルギーに最も効率的に変換するRPMで)動作するような、熱エンジン162の制御をデフォルトとするように構成することができる。例えば、発電機コントローラ162は、発電機がバッテリ134を効率的に充電するため低RPM~中RPMで動作するように、スロットルコントロールを(例えば、ユーザ入力に対応して、又は充電プロトコルの一部として自動的に)設定することができる。あるいは、ユーザは、(例えば、気象事象予報に対する準備として、及び/又は夜間などに騒音レベルの制限値を下げる前に、バッテリ134を十分に充電するため)発電機156がさほど効率的ではないことがあるが、より速い速度でバッテリ134を充電することができる、より速いRPMに設定することができる。有利には、また、様々なRPMで動作できることにより、広範囲の熱エンジン160の使用を容易にし、それによって、様々な熱エンジンを簡単に後付けすることができる(例えば、修理のため、及び/又は予想される負荷の長期の変化に応じて、電力出力要件を変えるため)。
【0035】
高周波数発電機154が、従来の60Hzのバックアップ発電機システムと比較してはるかに高い周波数で動作する(例えば300Hz以上、又は400Hz以上)ので、高周波数発電機156は、同じ電力定格で、従来の60Hzの発電機よりもはるかに小さいものとすることができる。これにより、総発電機組立体154を、従来の60Hzの発電機システムよりも、はるかに小さく、軽量で、低コストなものとすることができる。より高い周波数は、熱エンジン160のより速いRPMに相関し得るということが理解される。一部の態様において、発電機156の周波数出力は、広範囲の周波数及び熱エンジンのRPMで動作するように構成することができ、これは、本明細書に記載するように、騒音規制に利点を有し得る。一部の態様において、熱エンジンの速度が、3000RPMにおける電圧出力が約85.9Vで、約1000から6000RPMまで変化するので、電圧出力は、約28.5V~162.2Vの範囲となる。
【0036】
発電機コントローラ162は、該発生器コントローラ162を、CANバスノード144を介してパック管理コントロールユニット140に接続するためのCANバス接続部164を含むことができる。これにより、発電機コントローラ162とパック管理コントローラ140とが、ステータス及びコントロール情報を通信して、発電機組立体154の動作を管理及び制御することができる。また、システムは、発電機組立体154及びパック管理コントローラ140のステータスにおける情報をユーザインタフェースに提供するように構成することができる。
【0037】
能動型整流により、発電機組立体154がDC電力を直接出力することができるので、該発電機組立体154は、バッテリ134のバッテリDC電力入力/出力バス138に電気的に接続することができる。このように、発電機組立体からのDC電力出力はバッテリ134に直接流れることができ、ACに変換されない。発電機組立体154は、従来の60HzのACバックアップ発電機では当てはまるように、マイクログリッドに付随するAC負荷に直接接続されるわけではない。これにより、バッテリ134に向かう電力をACからDCに変換する必要がなくなるので、システムが、バッテリ134の充電において、より効率的となることができる。さらに、発電機156が、負荷102の電力要求に対応する必要がないので、該発電機156は、従来の発電機とは異なり、負荷の要求にかかわらずいつでも最も高い効率で動作することができる。ある意味では、負荷102への電力がバッテリ134によって提供されるので、該バッテリ134が有利にバッファとして機能し、これにより、バッテリが負荷102に必要な電力を提供しながら、発電機156の動作を、極めて効率的なレベルに設定してバッテリ134を充電することができる(例えば、発電機156はその最も効率的なRPM設定で動作するように設定することができる)。発電機組立体154が動作しているとき、電気負荷102が使用する電力のみを、システムインバータ146に流し、DC電力からAC電力に変化することができる。発電機組立体154によって生成したいずれの過剰な電力でも、バッテリ134を充電することができる。
【0038】
また、発電機組立体154とバッテリ134との間のDC結合により、システムが連続的に動作して、発電機156を使用するとき転送スイッチングを必要とせず中断のない電力を負荷102に提供することができる。それよりも、発電機156を、システムのスイッチング又は再構成をせずに、所望のようにオン及びオフすることができる。発電機組立体154とバッテリ134とのDC結合の他の利点は、電力が発電機組立体154からバッテリ134に直接流れるので、充電速度がシステムインバータのサイズ146によって制限されるわけではないということである。
【0039】
エネルギー貯蔵電力フロー例
図2は、種々のエネルギー源から電気エネルギー貯蔵パック132への電力フローの例を示す概略図である。エネルギー貯蔵パック132は、任意の組合せの再生可能エネルギー源202、エンジン160及び発電機156を含む発電機組立体、並びに主グリッド104によって充電することができる。これらのすべての供給源からのエネルギーを、エネルギー貯蔵パック132にDC電力として貯蔵することができる。
【0040】
再生可能エネルギー源202は、ソーラーパネルアレイ、風力タービン、水力タービン、又は任意の他の再生可能エネルギー技術からエネルギーを得ることができる。一部の態様において、再生可能エネルギー源202は、
図1の再生可能エネルギー源112に対応し得る。再生可能エネルギー源202からのAC電力出力は、システムインバータ146及びAC-DCコンバータ204aを介して誘導することができる。一部の態様において、インバータ146は、AC-DCコンバータ204aとは別の装置である。他の一部の態様において、インバータ146及びAC-DCコンバータ204aは、電力がAC電力としてインバータ146に入って、DC電力としてインバータ146から出るというように、単一のユニットに組み合わせることができる。同様に、バッテリコントローラ140は、インバータ146の一部とすることができる、又は別の装置とすることができる。
【0041】
熱エンジン160及び高周波数発電機156は、AC-DCコンバータ204bと組み合わせて、本明細書に記載の発電機組立体154を形成する。発電機156からの電力は、貯蔵パック132を充電するため、AC-DCコンバータ204bを通って流れることができる。一部の態様において、高周波数発電機156は、AC-DCコンバータ204bとは別の装置である。他の一部の態様において、発電機156及びAC-DCコンバータ204bは、電力がDC電力として発電機156から出るというように、単一のユニットに組み合わせることができる。同様に、エンジン160及び高周波数発電機156は、1つのユニットとして又は別の装置として組み立てることができる。本明細書に記載するように、システムは、一体型発電機組立体154によって貯蔵パック132をより効率的に充電することができ、これは、電力をACからDCに変換する必要がなく、発電機組立体154を貯蔵パック132に直接接続することができるためである。
【0042】
引き続き
図2に関して、主グリッド104からの電力は、貯蔵パック132を充電するため、AC-DCコンバータ204cを通って流れることができる。
【0043】
一部の態様において、AC-DCコンバータ204a、204b、204cはすべて、異なる入力を受信するように構成された同じ装置とすることができる。他の一部の態様において、AC-DCコンバータ204a、204b、204cは、異なる装置とすることができる。例えば、再生可能エネルギーのAC-DCコンバータ204aはトランスの一部とすることができ、発電機組立体のAC-DCコンバータ204bはモータコントローラの一部とすることができ、電力グリッドのAC-DCコンバータ204cはバッテリ充電器の一部とすることができる。
【0044】
プログラマブルロジックコントローラ206は、どのエネルギー源(202、160、又は104)が貯蔵パック132を充電するため電気を提供するかの選択を制御することができる。ロジックコントローラ206は、バッテリコントローラ140及びAC-DCコンバータ204b、204cと通信して、エネルギー源を作動する又は作動しないようにすることができる。エネルギー源選択プロセスの第1ステップはバッテリから始まり得、これは、バッテリが最大でないときにのみ充電を行うためである。さらに、電力システム100が再生可能エネルギーを優先するので、貯蔵パック132は、まずバッテリコントローラ140と通信することができる。バッテリコントローラはまた、インバータ146を作動する又は作動せず、バッテリ情報をロジックコントローラ206にCANメッセージを介して伝送することができる。ユーザが定義した設定に応じて、ロジックコントローラ206はまた、CANコマンドをAC-DCコンバータ204b、204cに提供することができる。例えば、エンジン160をモータコントローラに接続する構成において、ロジックコントローラ206は、モータコントローラに命令して、エンジン160を開始若しくは停止させる、又はRPMを低下又は増加させることができる。グリッド104をバッテリ充電器に接続する構成において、ロジックコントローラ206は、バッテリ充電器に命令して、充電を開始若しくは停止することができる。ロジックコントローラ206が優先するエネルギー源をどのように選択するかということのさらなる詳細を、
図4及び
図5に関して記載する。
【0045】
貯蔵パック132の過充電を防ぐため、システムは、所望の電圧で貯蔵パック132を充電するための高電圧カットオフを有するように構成することができる。バッテリパックの充電のカットオフは、本明細書に記載するCANコントローラによって制御することができる。CANコントローラは、種々の状況で所望するようにバッテリパックをシステムから切断するために使用され得る、種々のバッテリ充電カットオフ電圧をプログラムすることができる。また、コントローラは、ユーザインタフェースによって提供される情報及び入力を使用して、貯蔵パック132のシステムへの接続を制御することができる。
【0046】
また、システムは、バッテリを切断することなく貯蔵パック132の過充電を防止する他の方法で構成することができる。システムインバータ146により、電力システム100を、60HzでのAC電力生成と62.5HzでのAC電力生成との間で切り替えることができる。この特徴は、再生可能エネルギー源202にマイクログリッドへのエネルギーの提供を停止させるように使用することができる。システムが、60Hz周波数でのAC電力生成から62.5Hz周波数でのAC電力生成に切り替えるとき、再生可能エネルギー発電機(例えば、再生可能エネルギー源202及び/又はインバータ146)は、マイクログリッドへの電力の供給を自動的に停止することができる。62.5Hz周波数は、適合するグリッド連系装置がその関連するグリッドに電力を供給できる許容周波数の外であるので、再生可能エネルギー発電機は、マイクログリッドへの電力の供給を自動的に停止することができる。マイクログリッドにおける負荷はまた、貯蔵パック132から電力を供給することができる。
【0047】
あるいは又はさらに、バッテリ充電が所定のレベルに達すると、システムは、再生可能エネルギー転送スイッチ122(
図1)を切り替えることによって、再生可能エネルギー202の接続を、マイクログリッドから主グリッド104に転送することができる。貯蔵パック132が所定のレベルまで下がると、再生可能エネルギー202の接続を、同様に、マイクログリッドに転送し戻すことができる。負荷102、再生可能エネルギー202、主グリッド104、及び電力システム100をどのように接続することができるかのさらなる説明を、
図7A~
図7Cに関して記載する。
【0048】
図2は、エネルギー貯蔵パック充電の模式図において各部品につき1ブロックを示すのみであるが、各部品を形成する複数の装置が存在し得るということが理解される。例えば、1つ以上のバッテリ充電器、1つ以上の再生可能エネルギー源、1つ以上のインバータ等が存在し得る。
【0049】
充電プロトコル変更手順例
図3は、気象予報に基づいてエネルギー貯蔵パックの充電手順を変更する方法の例のフロー
図300である。この方法は、どの種類のエネルギー源が利用可能であるかを電力システム100が決定することができる、ブロック302にて開始する。システムは、システム100に接続するすべての再生可能エネルギー源202を検出することができる(
図1)。
【0050】
ブロック304において、システムは、どの気象特性が特定した再生可能エネルギー源に適切であるとして又は特定した再生可能エネルギー源に関連するとして予め定められるかを決定することができる。例えば、システムが、接続したソーラーパネルを検出する場合、該システムはまた、関連する気象特性として多照(又は曇り)を特定することができる。同様に、システムが、接続した水力タービンを検出する場合、該システムは、関連する気象特性として降雨又は干ばつを特定することができる。
【0051】
ブロック306において、システムは、特定した気象特性の予報を決定することができる。システムは、該システムが気象予報情報を得ることができる、ローカルエリア・ネットワーク、又はワールドワイドウェブなどの外部ネットワークに接続したネットワークの一部とすることができる。例えば、システムは、セルラーモデムを介して遠隔測定及び/又は監視制御及びデータ取得(SCADA)を利用することができる。また、システムは、該システムのワールドワイドウェブへのアクセスを可能にする、ユーザデバイスのアプリケーションに接続することができる。システムは、特定した気象特性に基づいて、様々な期間の予報を分析することができる。例えば、風力タービンの電力生成を予測するため、システムは、次の数日間の風予報を分析する必要があるのみである。しかしながら、水力タービンの電力生成を予測するため、システムは、干ばつがあるかどうか、及び水力タービンが実際の電力源となるかどうかを決定するため、数週又は数か月間の降雨予報を分析し得る。
【0052】
ブロック308において、システムは、ユーザ消費プロファイルを決定するため、ユーザ又はファシリティのエネルギー消費パターンを決定することができる。システムは、使用の傾向を特定するため、接続した電気負荷のエネルギー使用を追跡することができる。例えば、システムは、消費プロファイルを得るため、数日、数週、数か月、又は数年にわたってエネルギー消費を追跡することできる。一部の態様において、消費プロファイルは、使用する電力量、電力使用のタイミング等を含むことができる。
【0053】
決定ブロック310において、システムは、予報された気象の期間が、現在のユーザ選択の充電プロトコルの効率に影響を与えるに足るかどうかを決定することができる。そうでなければ、このプロセスは、システムがいずれの充電挙動も変更しないブロック312に進むことができる。例えば、これまでに規定したデフォルトのプロトコルに引き続き従うことができる。
【0054】
予報が現在の充電プロトコルの効率を妨げ得る気象事象を予測する場合、このプロセスは、システムが別の充電プロトコルに切り替わるブロック314に進むことができる。例えば、予報が翌日中曇りの気象を予測し、ファシリティがソーラーパネルのみを有する場合、システムは、電力コストがより低いときにグリッド電力で夜間にエネルギー貯蔵パック132を充電することができる。このように、電気料金が日中に上昇するとき、ユーザは、より高い電気料金を支払う代わりに、低価格で得た貯蔵電力を使用することができる。また、システムは、ユーザが、よりコスト効率の高いプロトコル(
図4参照)又はよりエネルギー効率の高いプロトコル(
図5参照)を予め選択したかどうかに基づいて、新しい充電プロトコルを選択することができる。
【0055】
図4は、エネルギー貯蔵セルを充電するためのコスト効率の高いエネルギー源を選択する方法の例のフロー
図400である。このプロセスは、接続した再生可能エネルギー源オプションが負荷の要求に対して不足であることを電力システム100が決定することができる、ブロック402にて開始する。決定は現在又は今後のこととすることができる。例えば、住宅が、現在、毎時間3kWhのエネルギーを消費し得るが、再生可能エネルギー発電機は毎時間2kWhのエネルギーのみを生産している。他の例として、本明細書に記載の方法を使用して、システムは、気象予報及び電気負荷エネルギー消費傾向を分析し、再生可能エネルギー発電機が、通常の負荷のエネルギー使用ピーク時間に、エネルギー生産が低下する可能性があることを決定する。
【0056】
ブロック404において、システムは、現在の燃料価格を取得することができる。また、システムは、発電機156の燃料使用率を決定することができる。このように、システムは、所定の期間電力を生成するため、燃料を使用するコストを決定することができる。
【0057】
ブロック406において、システムは、電力グリッド104からの現在の電気受信料金を取得することができる(
図3)。
図3に記載する気象予報のように、システムは、ネットワーク接続を介して燃料及び電気のコストを取得することができる。
【0058】
ブロック408において、システムは、貯蔵パック132を充電するため、主グリッド104からエネルギーを得るコストに対する燃料を使用するコストを比較することができる。
【0059】
ブロック410において、システムは、より低いコストのエネルギー源を使用してエネルギー貯蔵パック132を充電することができる。例えば、電気が、8PM~8AMの間に0.04ドル/kWhであるが、8AM~8PMの間に0.15ドル/kWhであり、ディーゼルを使用する発電機156を作動すると、0.10ドル/hrのコストがかかる場合、システムは、必要に応じて、8PMから8AMに電力グリッドを使用し、8AMから8PMに発電機156を使用して、貯蔵パック132を充電し得る。ユーザが充電プロトコルを手動で変更する、又は、システムが十分な再生可能エネルギーの存在を決定するまで、システムは、継続して又は一定の間隔で、ステップ404からステップ410を自動的に繰り返すことができる。
【0060】
図5は、エネルギー貯蔵セルを充電するためのエネルギー効率の高いエネルギー源を選択するプロトコルの例のフロー
図500である。このプロセスは、接続した再生可能エネルギーオプションが負荷の要求に対して不足であることを電力システム100が決定することができる、ブロック502にて開始する。この決定は、
図4に記載のものと同様に行うことができる。
【0061】
ブロック504において、システムは、発電機組立体154の効率を決定することができる。システムは、発電機の標準有効効率を使用することができる。あるいは又はさらに、システムは、発電機組立体部品のモデル及び発電機組立体の製造年に基づいて、この効率を決定することができる。あるいは又はさらに、システムは、例えば、発電機組立体の使用期間においてどれほどの燃料を使用するかを追跡することによって、発電機組立体154の効率を決定することができる。
【0062】
ブロック506において、システムは、主グリッド104からの電気使用の効率を決定することができる。一部の態様において、グリッドの効率は、再生可能供給源の効率と非再生可能供給源の効率との加重平均を計算することによって決定することができる。割合は地域に基づいて変わり得、システムは、その地域のグリッドエネルギー情報を取得するため、そのネットワーク接続を使用することができる。例えば、カリフォルニアのグリッド電力は、1/3が再生可能であり、2/3が非再生可能である(例えば、火力発電所によって生成)。再生可能エネルギーが83%の効率であり、非再生可能エネルギーが38%のみの効率である場合、加重平均は、53%の全グリッド効率となり得る。
【0063】
ブロック508において、システムは、よりエネルギー効率の高い供給源を使用してエネルギー貯蔵パック132を充電することができる。
【0064】
図6は、エネルギー貯蔵セルにおいて最小充電レベルを維持する方法の例の処理フロー
図600である。このプロセスは、貯蔵パック132が完全に消耗することを防ぐことができる。このプロセスは、ユーザが補足充電のパラメータをこれまでに定めたかどうかをシステムが決定する、ブロック602にて開始する。バッテリパックが放電するとバッテリパックの電圧が下がるので、貯蔵パック132において貯蔵エネルギーを消耗し、バッテリが完全に消耗しないように充電する必要があるとき、補足充電を行うことができる。その場合、このプロセスはブロック604に進み、システムは、ユーザ選択の補足充電プロトコルに従って貯蔵パック132を充電する。ユーザが補足充電パラメータを設定していなかった場合、このプロセスは606に進む。
【0065】
ブロック606において、システムは、貯蔵パック132が最小充電しきい値に達したことを決定することができる。システムは、貯蔵パックの充電レベルがしきい値点まで下がると補足充電を作動させる、デフォルト最小しきい値を有することができる。デフォルト最小しきい値は、ユーザの手動入力によって変更することができる。
【0066】
任意であるブロック608において、システムは、例えば発電機組立体154(
図1)を使用して、貯蔵パック132の充電を開始することができる。パック管理コントローラ140(
図1)は、バッテリ電圧が最小しきい値まで下がると、発電機コントローラ162のCANバス接続部164を使用して、発電機コントローラ162に命令し、発電機組立体154を開始させるように、プログラムすることができる。ブロック608は、本明細書に詳述するように、ユーザの効率選択に応じて、ブロック610に置き換えることができる。
【0067】
任意であるブロック610において、システムは、主グリッド104を使用して、貯蔵パック132の充電を開始することができる。ブロック608は、本明細書に詳述するように、ユーザの効率選択に応じて、ブロック608に置き換えることができる。
【0068】
ブロック612において、システムは、貯蔵パック充電が充足充電しきい値に達したことを決定することができる。ブロック614において、システムは、貯蔵パック132の充電を停止することができる(
図1)。パック管理コントローラ140は、バッテリ電圧が充足充電しきい値に達すると、発電機コントローラ162に命令して、発電機156をオフにするように、プログラムすることができる。
【0069】
システムは、再生可能エネルギーの使用を最大にするため、貯蔵パック132を最大容量まで充電するのではなく、充足充電しきい値において充電を停止することができる。例えば、ソーラーパネルのみに接続した電力システム100は、夜間に低充電となり得るが、太陽が昇るときに貯蔵パック132がほぼ空になるように、なおも低しきい値を有することができる。そうした場合に、貯蔵パック132を、グリッド又は発電機の電力ではなく再生可能エネルギーで充填することで、よりコスト効率及びエネルギー効率が高くなり得る。
【0070】
最小しきい値及び充足充電しきい値は状況に応じて変わり得、ユーザインタフェースを介した情報入力、又は温度センサ、時刻、時節、天気予報情報等の他の情報入力に基づいて調整することができる。
【0071】
電力システム接続
図7A~
図7Cは、電気負荷102と、電力システム100を含む可変エネルギー源との間の可能な接続構成の例を示すブロック図である。各構成において、電力システム100、電気負荷102、再生可能エネルギー202、及び主グリッド104は、負荷転送スイッチ120及び再生可能エネルギー転送スイッチ122を介して選択的に接続することができる。
【0072】
図7Aは、オフグリッド構成を示す。この構成において、負荷102及び再生可能エネルギー202の両方が電力システム100に接続する。この構成は、貯蔵パック132が充電を必要とするとき、又は負荷102の電力要求が、再生可能エネルギー202の供給するものを超えるとき、行うことができる。システムインバータ146は、負荷転送スイッチ120を介してグリッド周波数AC電力を負荷102に出力することができる。グリッド周波数が、そのグリッドに適用できる標準値に応じて変わり得るということが理解される。例えば、システムインバータ146が、典型的な米国の電力標準に従って運用されるグリッドに接続するとき、グリッド周波数は60Hzとすることができる。
【0073】
引き続き
図7Aに関して、周波数リレー702はAC電力周波数を検出することができ、再生可能エネルギー202はエネルギー規制に従ってグリッド周波数と同期し得ることから、周波数リレー702は、出力電力を負荷102に流すように再生可能エネルギー転送スイッチ122を入れることができる。再生可能エネルギー源202はまた、システムインバータ146によって定められた波形と同期することができる。このように、再生可能エネルギー202によって生成された電力を負荷102に流すことができ、いずれの過剰な電力もシステム貯蔵パック132に逆方向に供給することができる。再生可能エネルギー202が負荷102の要求を満たすために十分ではない場合、システムインバータ146は、貯蔵パック132からのエネルギーで補充して、負荷102に送ることができる。
【0074】
図7Bは、他のオフグリッド構成を示す。この構成において、負荷102は電力システム100に接続するが、再生可能エネルギー202はグリッド104に接続する。この構成は、貯蔵パック132が十分に充電されているとき、行うことができる。システムインバータ146は、負荷転送スイッチ120を介してマイクログリッド周波数AC電力を負荷102に出力することができる。マイクログリッド周波数が、好ましくはグリッド周波数とは異なるということが理解される。例えば、グリッド周波数が60Hzである場合、マイクログリッド周波数は、1Hz以上、2Hz以上、又は3Hz以上異なり得る。一実施例において、グリッド周波数は60Hzとすることができ、マイクログリッド周波数は62.5Hzとすることができる。
【0075】
周波数リレー702はAC電力周波数を検出することができ、マイクログリッド周波数は、適合するグリッドタイインバータがその関連する電力グリッドに電力を供給できる許容周波数の外であるので、周波数リレー702は、出力電力をグリッド104に流すように再生可能エネルギー転送スイッチ122を入れることができる。再生可能エネルギー源202はまた、グリッド104の波形と同期することができる。このように、再生可能エネルギー202によって生成された電力をグリッド104に流し、エネルギー節約のためエネルギー会社に販売することができる。システム100を充電する必要がある場合、該システム100は、そのマイクログリッド周波数をグリッド周波数に変更することができ、これにより、周波数リレー702が、負荷102に接続するように再生可能エネルギー転送スイッチ122を入れることとなり得る。この新たな構成は、
図7Aに記載するオフグリッド構成である。
【0076】
一部の態様において、負荷が、グリッドから電気を直接使用するためにグリッドに直接接続しているわけではないときでも、ユーザは、グリッドに接続し得る電力システム100を介してグリッド電力をなお利用することができる。システム100は、バッテリ134がグリッド104から電力を得ることを可能にするバッテリ充電ライン704を含むことができる。システム100は、いつグリッド104からエネルギーを得るかを決定することができる。例えば、再生可能エネルギー源202とシステム100とは、負荷のエネルギー要求を満たすために十分な電力だが、バッテリ134において過剰な充電を得るためには十分ではない電力を提供し得る。ゆえに、システムバッテリ134は経時で消耗し得る。そうした消耗を防ぐため、バッテリ充電ライン704の電力は、グリッド電力での充電を可能にするように利用することができる。一部の態様において、システムは、グリッドから電力を使用するコストが低い夜間にのみ、バッテリ134を充電するべきであるということを決定することができる。このように、ユーザは、負荷の全エネルギー負担をグリッドにかけることなくグリッドエネルギーを利用することができる。
【0077】
図7Cは、電力システム100がオフラインである構成を示す。この構成は、ユーザが電力システム100を有しない、又は電力システム100を切断しているとき、行われる。グリッド104は、グリッド周波数で電力を負荷102に供給する。周波数リレー702は、グリッド周波数を検出する際、再生可能エネルギー202を負荷102に接続するように再生可能エネルギー転送スイッチ122を入れることができる。再生可能エネルギー源202はまた、グリッド周波数と同期することができる。このように、再生可能エネルギー202は負荷102に電力を供給し、生成したいずれの過剰な電力もグリッド104に販売することができる。再生可能エネルギー202が十分ではない場合、電力をグリッド電力によって補充することができる。
【0078】
電力システム熱交換構成例
図8は、電力システム100と電気負荷102との間の熱交換回路の概略図である。熱交換回路は、エンジン160、バッテリパック134、及びシステムインバータ146の廃熱を利用し、この熱を、住宅又はファシリティのヒーティングのために使用することができる。発電機組立体154が動作しているとき、熱副産物を、エンジン排気マニホールド熱交換器804及びエンジン冷却剤熱交換器806によって捕捉することができる。熱交換器は、電力システム組立体1100(
図11A及び
図11B参照)から電力システムループ808に熱を伝達することができる。加熱した液体を、電力システムループ808を介して液体熱交換器810まで循環させて、そこで電力システムループ808からの熱をホームループ812に伝達することができる。そして、冷却された液体を、システム組立体1100へと循環させて戻して、再び過熱することができる。反対に、ホームループ812の液体は、冷却して液体熱交換器810に到達し、電力システムループ808からの熱によって暖められた住宅へと再循環する。ホームループ812によって吸収された熱は、ラジエータ814又は温水タンク904(
図9参照)に誘導することができる。
【0079】
一部の態様において、バックアップ発電機を必要とする時間は、住宅のヒーティングの必要がある時間と対応する。例えば、ソーラーアレイからの電力を利用できない寒い曇りの日や夜間は、バックアップ発電機を作動させる必要があり得ると考えられる時間である。これは、住宅のヒーティングの必要があり得る、可能性の高い時間にも対応しており、その一部は、発電機組立体154の動作によって提供することができる。
【0080】
図9は、電力システムと電気負荷との間の例の熱フローを示す概略図である。電力システム組立体1100における冷却及び排気システムは、エンジン冷却剤、排気マニホールド、排気システム、及び排気ガスから熱を回収するための熱回収装置を含むことができる。この回収した廃熱は、通常のその場のヒーティング要件を提供又は補充するため、その場で利用することができる。例えば、システムを住宅において使用している場合、この熱は、住宅の温水を提供するため住宅の温水貯蔵タンク904などの熱貯蔵タンクに、又は住宅の空間ヒーティングを行うためラジエータ814に伝達することができる。システム組立体1100からの液体を、ポンプ906aによって電力システムループ808において循環させることができる。住宅からの液体を、ポンプ906bによってホームループ814において循環させることができる。
【0081】
電力システム組立体1100は、エンジンラジエータ1110(
図11A)をさらに含むことができる。住宅にヒーティングが必要なくなったとき、ラジエータ1110は、エンジン放熱のためのかわりのチャネルを提供することができる。このように、システム100は、過熱のリスクなく、住宅の電力を生成し続けることができる。ラジエータ1110は、住宅がシステム組立体1100からヒーティングを得る間、オフに保たれ、エンジン廃熱が住宅のヒーティングに使用されなくなるときのみ、オンにすることができる。
【0082】
また、廃熱は、寒冷気象状況においてシステム100のバッテリパック134をヒーティングするために使用することができる。システム組立体1100におけるスイッチ902a及び902bは、加熱した液体(ゆえに熱フロー)を再誘導して、システム組立体1100における種々の部品及び住宅をヒーティングするため、ロジックコントローラ206によって制御することができる。スイッチ902a及び902b、又はさらなるスイッチは、熱ループ906aから冷却剤ループ806に、バッテリパック134のための冷却システムも切り替えるように構成することができる。パック管理コントロールユニット140(
図1)は、各バッテリのための温度センサを含むことができ、CANバスを介してロジックコントローラ206にバッテリ温度情報を通信することができる。ロジックコントローラ206は、バッテリ温度が所定のしきい値より下がる場合、バッテリパック134を熱ループ906aに自動的に接続することができ、バッテリ温度が所定のしきい値を超える場合、バッテリパック134を冷却剤ループ806に自動的に接続することができる。温度しきい値は、一部の態様においてユーザによって手動で更新することができる。このように、バッテリパック134を、所望の動作温度範囲内(例えば、高動作効率となる温度範囲)に維持することができる。
【0083】
加熱した液体(冷却剤)を別のルートで送って、液体が1つ以上の熱交換器を通って流れるように、スイッチ902a及び902bをさらに構成することができるということが理解される。液体が通過する熱交換器の数は、熱を温水タンク904に与える冷却剤と交換する熱量を調節するように用いることができるということが理解される。
【0084】
電力システム構造例
図10は、電力システム100の例示の筐体構造1000である。電力システム100の一部として本明細書に記載するすべての部品は、電力システム組立体1100(本明細書にさらに記載する)として筐体構造1000内部に搭載することができ、ゆえに有利に小型でありかつ持ち運べるシステムを提供する。筐体構造1000は、その内部に充電可能な電気エネルギー貯蔵パック132、システムインバータ146、及び発電機組立体154を含むことができる(例えば
図1参照)。筐体構造1000は、電力システム100を自動車の後ろで容易に輸送できるように、多目的トレーラーに類似するフォームファクターを有することができる。トレーラーの設計は、外筐1002、車輪1004、及びけん引連結部1006を含むことができる。筐体構造1000の外筐1002は、種々の気象条件における長期使用に適する任意の耐久性のある材料とすることができる。例えば、外筐1002は、鋼鉄、アルミニウム、ファイバーグラス、プラスチック、又はビニールから作製することができる。また、外筐1002は複数の層を含むことができ、インシュレーション材料を層同士の間に配置して、騒音を低減する及び/又は熱を逸らすようにすることができる。
【0085】
また、筐体構造1000は、常設の構成に変えることができる。車輪1004は、全筐体構造1000を安定した面に載置する、あるいは固定することができるように、取り外すことができる。けん引連結部1006は外筐1002の基部と同じ平面に位置することができ、筐体構造1000を固定したとき、けん引連結部1006は載置面に接触して位置することができる。あるいは又はさらに、けん引連結部1006は、小型の設備を提供するため、取り外し可能とすることができる。
【0086】
図11A及び
図11Bは、例の電力システム組立体1100の平面図及び側面図を示す。電力システム組立体1100は、筐体構造1000内に完全に収めることができる。本明細書に記載するように、電力システム組立体1100は、電力システム100の迅速かつ容易な設置を可能にすることができる。システムは、ファシリティブレーカーパネル110に電気的に接続することができる、本明細書に記載する切断スイッチ及び適切なサイズの電気レセプタクル130を単に設置することによって、既存のグリッド連系再生可能エネルギー202又は他の可変エネルギー源を有する任意の場所に設置することができる。
【0087】
図11Aは、例示の電力システム組立体1100の側面図の例の概略図である。電力システム組立体1100は、システム100に電力を供給するためバッテリ1104を含むことができる。バッテリ1104は、DC-DCコンバータ1102に接続することができる。DC-DCコンバータは貯蔵パック132から電力を得て、電圧をバッテリ1104に対応する値に変換する。
【0088】
また、電力システム組立体1100は、
図2に示すような、プログラマブルロジックコントローラ206を有することができる。ロジックコントローラ206は、ユーザが充電プロトコルパラメータを規定することができるユーザインタフェースとすることができる。また、ロジックコントローラ206は、ユーザが電力システム100の設定を遠隔で変えることができる、並びに充電及びエネルギー使用をモニタリングすることができる、(例えば、電話又はタブレットなどの携帯型パーソナル機器の)ユーザが使いやすいアプリケーション、又はウェブサイトと接続することができる。本明細書に記載するように、ロジックコントローラ206は、電力システム100の他の部品と通信して、どのエネルギー源(202、160、又は104)(
図2)が貯蔵パック132を充電するため電気を提供するかの選択を制御することができる。
【0089】
エンジン排気管1118及び冷却システムは、本明細書に記載するように、電力システム100がより低い騒音ベルで動作することを可能にすることができる。エンジン排気管1118及び冷却システムは、エンジン160をインシュレーションエンクロージャ内に設置して、エンジンの作動に付随する騒音レベルを大きく低下させるように構成することができる。エンジンラジエータ1110及びエンジンラジエータファン1112は、エンジンを冷却するためエンクロージャの外部に設けることができる。エンジンのための制振マウントとともにエンクロージャの制振貫通部を有するマフラー1120は、さらに騒音を低下させるために使用することができる。電力システム100はまた、騒音による妨害を低下させるとともに、エンジン排気管1118の入口において微粒子状物質フィルタを使用することによって空気質の悪化を低減する。
【0090】
発電機156、エンジン160、システムインバータ146、及び貯蔵パック132など、電力システム組立体1100において熱を生成する部品は、付随する冷却システムを有することができる。高周波数発電機156は受動的に空冷することができる、又は、液体冷却剤ループ806を高周波数発電機156に追加して、機器の温度をより良好に制御することができる。高周波数発電機156は、熱エンジン160から高周波数発電機156への伝熱を小さくするため、インシュレーション材料を接続点同士の間に配置して、熱エンジン160に取り付けることができる。冷却剤ループ806の冷却剤は冷却剤タンク1132に貯蔵し、冷却ループ1116用のポンプによって循環させることができる。また、冷却剤タンク1132の冷却剤は、インバータ146、発電機156、モータコントローラ1126、DC-DCコンバータ1102、及び貯蔵パック132などの電力システム組立体1100の他の部品を冷却するために使用することができる。あるいは又はさらに、貯蔵パック132は、パイプライン1146を介して冷却剤ループ806に接続することができる。本明細書に記載するように、貯蔵パック132は、所定の温度範囲内で最も効率的に動作することができ、一部の態様において、貯蔵パック132の温度は、閉ループを構成して冷却剤を冷却剤ループ806に戻すことができる、冷却剤ループ806からパイプライン1146を介した貯蔵パック132への冷却剤のフローを制御することによって有利に調整することができる。本明細書に記載するように、エンジン160は、エンジンラジエータ1110及びエンジンラジエータファン1112によって冷却することができる。システムインバータ146は、インバータ冷却ループラジエータ1140とインバータ冷却ループラジエータファン1138とによって冷却することができ、貯蔵パック132は、バッテリ熱ループラジエータ1136とバッテリ熱ループラジエータファン1134とによって冷却することができる。バッテリ熱ループ冷却剤は、インバータ冷却ループ冷却剤をインバータ冷却ループポンプ1116によって循環させることができるように、バッテリ熱ループポンプ906aによって循環させることができる。
【0091】
本明細書に記載するように、冷却及び排気システムは、エンジン冷却剤、排気マニホールド804(
図11B参照)、排気システム、及び排気ガスから熱を回収するための熱回収装置を含むことができる。この回収した廃熱は、通常のその場のヒーティング要件を提供又は補充するため、その場で利用することができる。例えば、システムを住宅において使用している場合、バッテリ熱ループは、住宅の温水を提供するため、バッテリから住宅の温水貯蔵タンクなどの熱貯蔵タンクに廃熱を使用することができる、又は住宅の空間ヒーティング(例えばラジエータに基づくヒーティングシステム)を行う若しくは拡張するため使用することができる。また、この廃熱は、寒冷気象状況において、バッテリ熱ループを介して、システムの貯蔵パックをヒーティングするために使用することができ、これは、貯蔵パックの効率を上げるために有利とすることができる。
【0092】
また、燃料をエンジン160に供給するため、燃料タンク1108を含むことができる。燃料タンク1108は、システムの他の部品を支持するように設計されたフレーム内に搭載することができる。ディーゼル又はガソリンなどの燃料は、燃料タンク1108に取り付けた燃料口1106から注入することができる。
【0093】
図11Bは、例示の電力システム組立体1100の平面図の例のブロック図である。電力システム組立体1100は、1つ以上のバッテリ充電器(1124a、1124b、1124c)を含むことができる。バッテリ充電器は、電力グリッド104を貯蔵パック132に接続することができる。
図2に示すように、バッテリ充電器(1124a、1124b、1124c)は、ロジックコントローラ206からCANコマンドを受信して、貯蔵パック132のグリッド104からの充電を開始又は停止することができる。また、バッテリ充電器は、
図2に示すような、AC-DCコンバータ204cとして機能することができる。図面は3つのバッテリ充電器を示すが、より少ない又は多いバッテリ充電器を使用することができる。
【0094】
電力システム組立体1100は、モータコントローラ1126を含むことができる。モータコントローラ1126は、発電機組立体154を貯蔵パック132に接続することができる。
図2に示すように、モータコントローラ1126は、ロジックコントローラ206からCANコマンドを受信して、エンジン160を開始若しくは停止させる、又はRPMを低下又は増加させることができる。また、バッテリ充電器は、
図2に示すような、AC-DCコンバータ204bとして機能することができる。
【0095】
電力システム組立体1100は、インバータ及びバッテリコントローラユニット1130を含むことができる。ユニット1130は、1つの一体型装置とすることができる、又は
図2に示すように別の部品とすることができる。ユニット1130は、再生可能エネルギー源202を貯蔵パック132に接続することができる。
図2に示すように、ユニット1130は、ロジックコントローラ206からCANコマンドを受信して、貯蔵パック132の再生可能エネルギーでの充電を開始又は停止することができる。ユニット1130は、貯蔵パック132を充電するため再生可能エネルギーのAC電力出力をDCに変換するトランス1128に接続することができる。このように、トランス1128は、
図2に示すような、AC-DCコンバータ204aとして機能することができる。ユニット1130は、トランス1128に接続することができる。
【0096】
また、電力システム組立体1100は、エンジン冷却のための吸気マニホールド1144及び排気マニホールド804を含むことができる。吸気部1142は吸気マニホールド1144に入ることができる。本明細書に記載するように、吸気マニホールド1144及び排気マニホールド804は、組立体1100内から廃熱を回収して、住宅又はファシリティのヒーティングとして再利用するために使用することができる。
【0097】
上述の記載は、要素又は特徴を共に「接続する」又は「連結する」として言及し得る。本明細書において使用するように、特に明確に記載しない限り、「接続する」とは、1つの要素/特徴が、他の要素/特徴に、必ずしも機械的ではなく、直接的又は非直接的に接続することを意味する。同様に、特に明確に記載しない限り、「連結する」とは、1つの要素/特徴が、他の要素/特徴に、必ずしも機械的ではなく、直接的又は非直接的に連結することを意味する。このように、図面において示す種々の模式図が、要素及び部品の例の配置を示しているが、さらなる介在する要素、デバイス、特徴、又は部品が、実際の構成において存在し得る(示す構成の機能に不利に影響しないという想定において)。
【0098】
特定の態様、構成、又は実施例と併せて記載する特徴、物質、特性、又はグループは、これらと矛盾しない限り本明細書に記載する任意の他の態様、構成、又は実施例に適用可能であることが理解される。本明細書に開示される特徴のすべて(任意の添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)は、又はそのように開示する任意の方法又は工程におけるステップのすべては、そうした特徴又はステップの少なくとも一部が互いに排他的である組合せを除いて任意の組合せで組み合わせることができる。この保護は、任意の上述の態様における詳細に制限されるものではない。この保護は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示される特徴の任意の新規のもの又は任意の新規の組合せに、あるいはそのように開示する任意の方法又は工程におけるステップの任意の新規のもの又は任意の新規の組合せに拡張される。
【0099】
所定の態様を記載しているが、これらの態様は一例のみとして提示しており、本保護の範囲を限定することを意図していない。実際に、本明細書に記載の新規の方法及びシステムは、多様な他の形態で実施することができる。さらに、本明細書に記載の方法及びシステムの形態における種々の省略、置換、及び変更を行うことができる。方法内のステップを、本開示の原理を変えることなく、様々な順で実施することができるということを理解する必要がある。一部の態様において、示す又は開示する工程において行う実際のステップが図面に示されるものと異なり得るということを当業者は理解するであろう。上述のステップの所定のものを、構成に応じて除くことができ、他のものを追加することができる。例えば、開示する工程において行う実際のステップ又はステップの順が図面に示されるものと異なり得る。例として、図面に示す種々の部品を、プロセッサ、コントローラ、ASIC、FPGA、又は専用ハードウェアにおけるソフトウェア又はファームウェアとして実施することができる。プロセッサ、ASIC、FPGA等のハードウェア部品は、ロジック回路部品を含むことができる。さらに、上述で開示する特定の態様における特徴及び特性は、様々な方法で組み合わせられて、さらなる態様を構成し得、そのすべては本開示の範囲に該当するものである。
【0100】
本明細書に記載する、及び/又は添付の図面に示す工程、方法、及びアルゴリズムのそれぞれが、特定かつ個別のコンピュータ命令を実行するように構成した1つ以上の物理コンピューティングシステム、ハードウェアコンピュータプロセッサ、特定アプリケーション用回路部品、及び/又は電子ハードウェアによって実行されるコードモジュールにおいて実施することができる、及びそれによって全体又は部分的に自動化することができる。例えば、コンピューティングシステムは、特定のコンピュータ命令をプログラムした汎用コンピュータ(例えばサーバ)、又は専用コンピュータ、専用回路部品等を含むことができる。コードモジュールは、コンパイルし、実行可能なプログラムへとリンクし、動的リンクライブラリにインストールすることができる、又は、インタプリタ型プログラミング言語で書くことができる。一部の態様において、特定の動作及び方法を、所定の機能に対して専用の回路部品によって行うことができる。
【0101】
コードモジュール又は任意の種類のデータは、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、光学ディスク、揮発性又は不揮発性記憶部、それらの及び/又は同様のものの組合せを含む物理コンピュータ記憶部などの、任意の種類の非一時的なコンピュータ可読媒体に格納することができる。また、方法及びモジュール(又はデータ)は、無線を用いた、及び有線/ケーブルを用いた媒体を含む、種々のコンピュータ可読伝送媒体において生成データ信号として(例えば、搬送波又は他のアナログ若しくはデジタル伝搬信号の一部として)伝送することができる、又は種々の形態(例えば、単一若しくは多重アナログ信号の一部として、又は複数のディスクリートデジタルパケット若しくはフレームとして)をとることができる。開示の工程又は工程のステップにおける結果は、任意の種類の非一時的な実体的コンピュータ記憶部に、永続的に若しくはそうではないように格納することができる、又はコンピュータ可読伝送媒体を介して通信することができる。
【0102】
本明細書において、「及び/又は」という用語は、最も広範で最も限定的でない意味を有し、本開示において、A単独、B単独、A及びBの両方を共に、又はA若しくはBの一方を含むが、A及びBの両方を必要とせず、又はAのうちの1つ若しくはBのうちの1つを必要とする。本明細書で使用するように、A、B、「及び」Cの「少なくとも1つ」という記載は、非排他的論理和を使用して、論理的なA又はB又はCを意味すると解釈するべきである。
【0103】
具体的に明示されない限り、又は使用される文脈内で理解されない限り、「できる」、「できた」、「し得る」、又は「してもよい」などの条件的文言は、一般に、所定の態様が所定の特徴、要素、又はステップを含む一方で、他の態様はこれらを含まないということを意味すると意図する。このように、そうした条件的文言は、特徴、要素、若しくはステップが1つ以上の態様に何らかの形で要求されるか、又は1つ以上の態様が、使用者の情報提供若しくは指示の有無で、これらの特徴、要素、若しくはステップを任意の特定の構成に含むか若しくは実施するかどうかを決定するロジックを必ず含む、ということの示唆を一般に意図しない。「包含する」、「含む」、「有する」等の用語は同義であり、包括的に、拡張的に使用し、さらなる要素、特徴、機能、動作などを排除するものでない。また、「又は」いう用語は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)使用しており、例えば、要素のリストをつなげるために使用するとき、「又は」という用語は、リストの要素の1つ、いくつか、又はすべてを意味する。さらに、本明細書で使用する「それぞれ」という用語は、その通常の意味を有することに加えて、「それぞれ」という用語を適用する要素の集合の任意の部分集合を意味することができる。
【0104】
具体的に記載しない限り、「X、Y、及びZの少なくとも1つ」という記載などの接続的文言は、アイテム、用語等がX、Y、又はZのいずれかであり得るということを意味するように一般に使用される文脈で別様に理解される。ゆえに、そうした接続的文言は、所定の態様が少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、及び少なくとも1つのZの存在を要求するということの示唆を一般に意図していない。
【0105】
本開示の範囲は、この項又はこの明細書の他の部分における好ましい態様の具体的な開示によって限定することを意図せず、この項又はこの明細書の他の部分において提示する、又は今後提示する特許請求の範囲によって規定することができる。特許請求の範囲の文言は、特許請求の範囲に使用する文言に基づいて広く理解する必要があり、本明細書に又は出願手続き時に記載の実施例に限定されず、その実施例は非排他的であると解釈される必要がある。
【国際調査報告】