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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(54)【発明の名称】電子スイッチ用光パワー
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/30 20160101AFI20221114BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20221114BHJP
【FI】
H02J50/30
H02J50/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516291
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(85)【翻訳文提出日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 US2020051101
(87)【国際公開番号】W WO2021055498
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】62/901,107
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521511058
【氏名又は名称】レーザーモーティブ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】LASERMOTIVE,INC.
【住所又は居所原語表記】22026 68th Ave. S., Kent, Washington 98032 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ニュージェント,トーマス ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】バシュフォード,トーマス ダブリュー.
(57)【要約】
様々な実施形態は、例えば、スイッチングによる高周波ノイズ及び電磁干渉(EMI)を絶縁(又は除去)するために、光ファイバ給電又は自由空間パワーのいずれかを用いて、レーザからのような高強度光を介してパワーを供給するレーザパワービーミングシステムを提供する。EMIによる損傷又は他の害を防止することができる。光絶縁電力は遠隔ソースから、又は可変周波数駆動装置(VFD)のようなスイッチ装置自体の内から供給されてもよい。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気スイッチング素子と、
前記複数の電気スイッチング素子に電気的に接続された複数のドライバであって、前記複数の電気スイッチング素子の動作状態を変更するように構成された該複数のドライバと、
複数の光ビームを受け取り、前記複数の光ビームを前記複数のドライバに対する電気信号に変換するように構成された複数の光起電(PV)モジュールを含むコンバータであって、前記複数のPVモジュールは互いに電気的に絶縁されている該コンバータと、を含む装置。
【請求項2】
電力信号を受信し、
前記電力信号を受信することに応答して、前記複数の光ビームを前記コンバータに伝送するように構成されたレーザパワー送信機をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の光ビームは、前記電力信号に対応する光学特性を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の光ビームを前記レーザパワー送信機から前記コンバータに伝送するように構成された伝送媒体をさらに含む、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記伝送媒体が光ファイバである、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記レーザパワー送信機は、前記複数の光ビームを成形、分割、反射、又は屈折させるように構成された光学素子を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のPVモジュールの各部材が光を電気に変換するように構成された少なくとも1つの光起電セルを含み、前記装置が、前記複数のPVモジュールに電気的に接続された複数の電力管理及び配電モジュールをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
電力信号を受信し、前記電力信号を受信することに応答して光ビームを伝送するように構成されたレーザパワー送信機と、
前記伝送された光ビームを受け取り、前記伝送された光ビームを前記複数の光ビームに分割するように構成された光スプリッタと、をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の光ビームを前記複数のPVモジュールの方へ向け直すように構成されたミラーをさらに含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記伝送された光ビームをコリメートするように構成された光学素子をさらに含む、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記光スプリッタは、前記複数の伝送された光ビームの前記少なくとも1つの要素をコリメートするように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記光スプリッタは、ピラミッドミラーを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記ピラミッドミラーは、構成において湾曲した少なくとも1つの面を含み、前記少なくとも1つの面から反射された光ビームをコリメートする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
第1の基板であって、前記複数のPVモジュールのうちの第1のPVモジュールが上に配置されている該第1の基板と、
第2の基板であって、前記複数のPVモジュールのうちの第2のPVモジュールが上に配置されている該第2の基板と、
第3の基板であって、前記第1の基板と、前記第2の基板と、前記光スプリッタとが上に配置されており、前記第1の基板と前記第2の基板が、それぞれ、前記第3の基板に対して横切って配置される該第3の基板と、をさらに含む、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
光ビームを放射するように構成されたレーザ送信機と、
前記光ビームを受信するように構成された2つ以上の光起電モジュールを含むパワー受信機と、
1つ又は複数の光ファイバを含む非導電性光ファイバケーブルであって、前記レーザ送信機から前記パワー受信機に前記光ビームを送信するように構成される該光ファイバケーブルと、を含み、
前記パワー受信機は互いに電気的に絶縁された2つ以上の電力出力を有する光パワーシステム。
【請求項16】
前記レーザ送信機と前記パワー受信機との間に導電性経路が存在しない、請求項15に記載の光パワーシステム。
【請求項17】
複数の光起電(PV)受信機レッグであって、各PV受信機レッグは光入力を電気出力に変換するように構成されるPVモジュールを含む、該複数のPV受信機レッグを含み、
前記複数のPV受信機レッグの各部材は、前記複数のPV受信機レッグの他の部材それぞれから電気的に絶縁される、パワー受信機。
【請求項18】
各PVモジュールが少なくとも1つのPVセルを含む、請求項17に記載のパワー受信機。
【請求項19】
少なくとも1つのPVモジュールが複数のPVセルを含む、請求項17に記載のパワー受信機。
【請求項20】
入射光ビームを受光し、
受光した入射光ビームの少なくとも一部を前記複数のPV受信機レッグのうちの1つの部材上に導くように構成された光学素子をさらに含む、請求項17に記載のパワー受信機。
【請求項21】
前記光学素子は、前記入射光ビームの一部を前記複数のPV受信機レッグの各部材上に導くように構成されたビームスプリッタを含む、請求項20に記載のパワー受信機。
【請求項22】
前記光学素子は、さらに、前記導かれた光ビームをコリメートするように構成される、請求項20に記載のパワー受信機。
【請求項23】
前記光学素子は、さらに、前記入射光ビームを再成形するように構成される、請求項20に記載のパワー受信機。
【請求項24】
前記複数のPV受信機レッグのうちの1つ又は複数の部材の方に光入力を導くように構成された光ファイバをさらに含む、請求項17に記載のパワー受信機。
【請求項25】
前記複数のPV受信機レッグは、共通の基板上に取り付けられる、請求項17に記載のパワー受信機。
【請求項26】
前記複数のPV受信機レッグの各部材の前記PVモジュールは、前記共通の基板上に取り付けられる、請求項25に記載のパワー受信機。
【請求項27】
前記複数のPV受信機レッグの各部材の前記PVモジュールは、別個の基板に取り付けられ、各別個の基板は前記共通の基板に対して斜めの角度で配置される、請求項25に記載のパワー受信機。
【請求項28】
前記PV受信機レッグのうちの少なくとも1つは、電力管理及び分配(PMAD)構成要素を含む、請求項17に記載のパワー受信機。
【請求項29】
請求項17に記載のパワー受信機と、
前記パワー受信機に光入力を提供するように構成された光源と、を含むパワー伝送システム。
【請求項30】
前記光源からの前記光入力を前記パワー受信機に導くように構成された伝送要素をさらに含む、請求項29に記載のパワー伝送システム。
【請求項31】
前記伝送要素は、光ファイバである、請求項30に記載のパワー伝送システム。
【請求項32】
制御信号を前記光入力内に符号化するように構成されたマルチプレクサをさらに含む、請求項29に記載のパワー伝送システム。
【請求項33】
前記マルチプレクサによって符号化するための前記制御信号を生成するように構成されたコントローラをさらに含む、請求項32に記載のパワー伝送システム。
【請求項34】
前記複数のPV受信機レッグの少なくとも1つの部材が、そのPVモジュールの前記電気出力から前記符号化された制御信号を抽出するように構成されたデマルチプレクサを含む、請求項32に記載のパワー伝送システム。
【請求項35】
前記複数のPV受信機レッグの各部材が、そのPVモジュールの前記電気出力から前記符号化された制御信号を抽出するように構成されたデマルチプレクサを含む、請求項34に記載のパワー伝送システム。
【請求項36】
各デマルチプレクサは、自身のPV受信機レッグに関連付けられる前記符号化された制御信号の一部を識別するように構成される、請求項35に記載のパワー伝送システム。
【請求項37】
電気部品を制御するためのドライバをさらに含み、前記ドライバは前記デマルチプレクサから抽出された前記制御信号を受信し、前記受信した制御信号を使用して前記電気部品を駆動するように構成される、請求項34に記載のパワー伝送システム。
【請求項38】
前記電気部品はスイッチである、請求項37に記載のパワー伝送システム。
【請求項39】
前記パワー受信機及び前記光源は、共通のハウジング内に収容される、請求項29に記載のパワー伝送システム。
【請求項40】
前記パワー受信機と前記光源とは、1メートル未満の距離だけ離れている、請求項29に記載のパワー伝送システム。
【請求項41】
前記パワー受信機と前記光源とは、5メートルを超える距離だけ離れている、請求項29に記載のパワー伝送システム。
【請求項42】
前記パワー受信機と前記光源とは、1キロメートルを超える距離だけ離れている、請求項29に記載のパワー伝送システム。
【請求項43】
光パワービームを複数の光起電(PV)受信機レッグに向けるステップであって、各PV受信機レッグはPVモジュールを含み、電気部品と関連付けられている、該ステップと、
前記複数のPV受信機レッグで前記光パワービームを受信するステップと、を含む一群の電気部品に電力を供給する方法であって、
前記複数のPV受信機レッグの各PVモジュールが
前記光パワービームの一部を局所電気出力に変換し、
前記局所電気出力をそのPV受信機レッグに関連付けられる前記電気部品を動かすために供給し、
ここで、各PV受信機レッグに関連付けられる前記電気部品は、他のPV受信機レッグに関連付けられる電気部品から電気的に絶縁される、該方法。
【請求項44】
各PVモジュールが少なくとも1つのPVセルを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
少なくとも1つのPVモジュールが複数のPVセルを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
少なくとも1つの電気部品がスイッチを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記光パワービームを変調して、前記電気部品のための制御信号を提供することをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
少なくとも1つのPV受信機レッグがデマルチプレクサを含む、請求項47に記載の方法であって、前記方法が、 前記デマルチプレクサを用いて前記局所電気出力から前記制御信号を抽出するステップと、
前記制御信号を用いて前記電気部品を制御するステップと、をさらに含む、該方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、電気構成要素の絶縁のための光パワーを提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
インバータ(可変周波数ドライブ、別名VFDを駆動するものを含む)及び電気誘導モータに供給される入力周波数及び電圧を変化させる他の装置の動作において、いくつかの問題がよく理解されている。これらの問題には、EMI(電磁干渉)、スイッチング速度、サイズ、及びその他の要素が含まれる。特に関心のあるのは、電磁干渉である。
【0003】
電磁干渉(EMI)は、電磁誘導、静電結合、又は伝導によって電気回路に影響を及ぼす外部源によって生成される外乱である。このような外部源からの妨害は回路の性能を低下させたり、停止させたりする可能性がある。データ経路に関して、これらのEMI妨害は、誤り率の増加からデータの全損失までの範囲に及び得る。特に、EMI妨害は、人為的なものであったり、自然起源のものであったりする。EMIを引き起こす可能性のある電流及び電圧の変化には、単なる例としてであって限定としてではないが、点火システム、携帯電話のセルラーネットワーク、アーク放電、雷、太陽フレア、及びオーロラが含まれる。
【0004】
EMIの問題は、幅広い階層のユースケース及び用途において生じる。現行のVFD設計に関連する問題は、導電性要素(例えば、銅)が、ソリッドステート及び他のスイッチのような、敏感な又は重要なデバイスを接続する場合に発生する。誘導電動機におけるインバータ(例えば、VFD)EMIによって生じる問題の幾つかは、絶縁破壊、早期の電動機故障、電動機過熱、敏感な制御機器又は同じ電力回路上の他の無関係な機器に対する電位電圧及び電流スパイク損傷、及び高性能のIII-V族半導体スイッチへの損傷を含む(しかしこれに限定されない)。
【0005】
EMIはまた、VFD内の内部機能及び構成要素に重大な影響を及ぼす可能性がある。変圧器及び他の構成要素は固有の静電容量(inherent capacitance)を有し、これは1つの電気ラインから他の電気ラインに電気ノイズを結合し得る。
【0006】
インバータ設計に適用される高スイッチング速度の増加には、かなりの研究開発が適用されてきた。スイッチング速度が速いと、高調波が減少し、出力モータの性能が向上する。これらの利点の一部には、モータ損失の低下、モータ加熱の低減、出力ノイズの低減、及びモータの最高速度の向上が含まれる。しかしながら、高スイッチング速度は、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)に使用される材料によって制限され得る。従って、最近の開発はインバータ設計にワイドバンドギャップ(III-Vを含む)材料を導入することを押し進めている。
【0007】
ワイドバンドギャップ半導体(WBGS)スイッチはシリコンを越える幾つかの利点がある。これらには、より高い効率、ならびにコスト、サイズ、及び重量の低減が含まれる。しかし、ワイドバンドギャップ半導体(WBGS)製のインバータスイッチはEMIの影響を受けやすい。
【0008】
スイッチ(IGBTなど)にSiC(炭化ケイ素)及びGaN(窒化ガリウム)材料を使用すると、より高速が可能になるが、これらの材料を使用して作成されたデバイスは従来の(主にシリコン)デバイスよりも電位感受性である可能性がある。一例として、シリコンデバイスは10Vで動作するが、30Vまでの入力電圧に対して堅牢であるだろう。しかし、この例ではGaNデバイスは5Vを必要とするかもしれないが、6Vまでの入力に対して堅牢であるだけかもしれない。スイッチング高調波及びEMIは、これらの(SiC、GaN)デバイスに対して高すぎる電圧を短時間発生する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示は、光ファイバ又は自由空間のいずれかを介して、小さなフォームファクタ(form factor)で電気的に絶縁されたパワー(power)を提供するパワービーミングシステム(又は、パワー放射システム)を対象とする。パワーは、光学的に送られ、レーザなどの高強度光源からの光として、光を電気に戻すように変換する受信機(ほとんどの場合、1つ又は複数の光電池を含む)に投射することができる。光学素子を介して伝送されたパワーは一般に、電磁干渉(EMI)に影響されず、また、電磁干渉(EMI)を結合又は生成しない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つ又は複数の実施形態では、ワイヤレス光パワーシステムが、1つ又は複数のレーザ送信機と、1つ又は複数の光受容体受信機と、レーザパワー送信機内に統合されてもよく、又はインバータ又はパワー受信機内の別個の熱管理システムであってもよい熱管理システムと、送信機及び受信機のための1つ又は複数の制御システムと、送信機と受信機との間の光伝導要素(例えば、ファイバ、光管、又は空気)とを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、装置が、複数の電気スイッチング素子と、複数のドライバと、コンバータとを含む。複数のドライバは複数の電気スイッチング素子に電気的に接続(又は、結合/coupled)され、複数のドライバは複数の電気スイッチング素子の動作状態を変化させるように構成される。コンバータは、複数の光ビームを受け取り、この複数の光ビームを複数のドライバのための電気信号に変換するように構成された複数の光起電(PV)モジュールを含む。複数のPVモジュールは、互いに電気的に絶縁される。
【0012】
いくつかの実施形態の別の態様では、装置がさらに、電力信号(electric power signal)を受信し、この電力信号を受信することに応答して複数の光ビームを送信するように構成されたレーザパワー送信機を含み、コンバータはレーザパワー送信機から複数の光ビームを受信する。いくつかの実施形態のさらに別の態様では、複数の光ビームが電力信号に対応する電気特性を有する。いくつかの実施形態のさらに別の態様では、装置がさらに、伝送媒体を含み、複数の光ビームはレーザパワー送信機から、伝送媒体を通って、コンバータに伝送される。いくつかの実施形態では、伝送媒体は光ファイバである。いくつかの実施形態の別の態様では、レーザパワー送信機が複数の光ビームを成形、分割、反射、又は屈折させるように構成された光学系を含む。いくつかの実施形態のさらに別の態様では、複数のPVモジュールのそれぞれは光を電気に変換するように構成された少なくとも1つの光起電セルを含み、装置はさらに、複数のPVモジュールに電気的に接続された複数の電力管理及び分配モジュールを含む。
【0013】
1つ又は複数の実施形態の別の態様では、装置がレーザパワー送信機及び光スプリッタをさらに含む。レーザパワー送信機は電力信号を受信し、この電力信号を受信することに応答して光ビームを送信するように構成される。光スプリッタは送られた光ビームを受け取り、送られた光ビームを複数の光ビームに分割するように構成される。1つ又は複数の実施形態のさらに別の態様では、装置が、複数の光ビームを複数のPVモジュールの方へ向け直すように構成されたミラー(又は、鏡)をさらに含む。1つ又は複数の実施形態のさらに別の態様では、装置が、送られた光ビームをコリメートするように構成された光学素子をさらに含む。本装置の別の態様では、光スプリッタが送られた光ビームをコリメートするように構成される。本デバイスのさらに別の態様では、光学スプリッタがピラミッドミラー(又は、ピラミッド状ミラー、ピラミッド型ミラー、角錐状ミラー/pyramidal mirror)である。
【0014】
ここで、いくつかの実施形態の別の態様を参照すると、装置は、第1の基板と、第2の基板と、第3の基板とをさらに含む。第1の基板は、第1の基板上に配置される、複数のPVモジュールのうちの第1のPVモジュールを含む。第2の基板は、第2の基板上に配置される、複数のPVモジュールのうちの第2のPVモジュールを含む。第3の基板は、第3の基板上に配置される、第1の基板、第2の基板、及び光スプリッタを含む。第1及び第2の基板は第1の方向に延在し、第3の基板は、第1の方向に対して横方向の第3の方向に延在する。
【0015】
1つ又は複数の実施形態の別の態様では、装置が、コントローラ、マルチプレクサ、レーザパワー送信機、及びデマルチプレクサをさらに含む。コントローラは、複数のドライバのための複数の制御信号を生成するように構成される。マルチプレクサは、複数の制御信号を受信し、この複数の制御信号のうちの1つの制御信号を送信するように(又は、この複数の制御信号からある制御信号を送信するように)構成される。レーザパワー送信機は制御信号を受信し、この制御信号を受信することに応答して光ビームを送信するように構成される。加えて、コンバータは、レーザパワー送信機から第1の光ビームを受け取り、この光ビームを電気信号に変換するように構成される。さらに、デマルチプレクサは、電気信号を受信し、この電気信号を複数のドライバにルーティングする(又は、届ける、route)ように構成される。
【0016】
次に、更に別の実施形態を参照すると、光パワーシステムは、レーザ送信機、パワー受信機、及び非導電性光ファイバケーブルを含む。レーザ送信機は、光ビームを放射するように構成される。パワー受信機は、光ビームを受信するように構成された2つ以上の光起電モジュールを含む。非導電性光ファイバケーブルは、1本又は複数本の光ファイバを含む。光ファイバケーブルは、レーザ送信機からの光ビームを2つ以上の光起電モジュールに送信するように構成される。パワー受信機は、互いに電気的に絶縁された2つ以上のパワー出力を有する。光パワーシステムの1つ又は複数の他の実施形態では、レーザ送信機とパワー受信機との間に導電経路がない。
【0017】
1つ又は複数の他の実施形態では、パワー受信機が複数の光起電(PV)受信機レッグ(leg)を含み、各PV受信機レッグは光入力を電気出力に変換するように構成されたPVモジュールを含み、複数のPV受信機レッグの各部材は複数のPV受信機レッグの他の部材それぞれから電気的に絶縁される。
【0018】
電力受信機の1つ又は複数の実施形態では、各PVモジュールが少なくとも1つのPVセルを含む。電力受信機の別の実施形態では、少なくとも1つのPVモジュールが複数のPVセルを備える。さらに別の実施形態では、パワー受信機が、入射光ビームを受け取り、受け取った入射光ビームの少なくとも一部を複数のPV受信機レッグの部材上に向けるように構成された光学素子をさらに含む。パワー受信機のさらに別の実施形態では、光学素子が入射光ビームの一部を複数のPV受信機レッグの各部材上に向けるように構成されたビームスプリッタを含む。パワー受信機のいくつかの実施形態では、光学素子がさらに、向けられた光ビームをコリメートするように構成される。パワー受信機の他の実施形態では、光学素子がさらに、入射光ビームを再成形するように構成される。
【0019】
1つ又は複数の実施形態では、パワー受信機が、光入力を複数のPV受信機レッグの1つ又は複数の部材に向けるように構成された光ファイバをさらに含む。パワー受信機のいくつかの実施形態では、複数のPV受信機レッグが共通の基板上に取り付けられる。パワー受信機の他の実施形態では、複数のPV受信機レッグの各部材のPVモジュールが共通の基板上に取り付けられる。パワー受信機のさらに他の実施形態では、複数のPV受信機レッグの各部材のPVモジュールが別個の基板に取り付けられ、各別個の基板は共通基板に対して斜めの角度で配置される。パワー受信機のさらに他の実施形態では、PV受信機レッグのうちの少なくとも1つは電力管理及び分配(PMAD)構成要素を含む。
【0020】
別の実施形態では、パワー伝送システムがパワー受信機及び光源を含む。パワー受信機は複数の光起電(PV)受信機レッグを含み、各PV受信機レッグは光入力を電気出力に変換するように構成されたPVモジュールを含み、複数のPV受信機レッグの各部材は、複数のPV受信機レッグの他の部材それぞれから電気的に絶縁される。光源は、パワー受信機に光入力を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、パワー伝送システムが、光源からの光入力をパワー受信機に誘導する(conduct)ように構成された伝送要素をさらに含む。パワー伝送システムの他の実施例では、伝送要素は光ファイバである。さらに他の実施形態では、パワー伝送システムが、制御信号を光入力内に符号化するように構成されたマルチプレクサをさらに含む。さらに他の実施形態では、パワー伝送システムが、マルチプレクサによって符号化するための制御信号を生成するように構成されたコントローラをさらに含む。
【0021】
パワー伝送システムのいくつかの実施形態では、複数のPV受信機レッグの少なくとも1つの部材が、そのPVモジュールの電気出力から符号化された制御信号を抽出するように構成されたデマルチプレクサを含む。パワー伝送システムの他の実施形態では、複数のPV受信機レッグの各部材が、そのPVモジュールの電気出力から符号化された制御信号を抽出するように構成されたデマルチプレクサを含む。パワー伝送システムのさらに他の実施形態では、各デマルチプレクサが、自身のPV受信機レッグに関連付けられる符号化された制御信号の一部を識別するように構成される。さらに他の実施形態では、パワー伝送システムが、電気部品を制御するためのドライバをさらに含み、ドライバはデマルチプレクサから抽出された制御信号を受信し、受信された制御信号を使用して電気部品を駆動するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、電気部品はスイッチである。パワー伝送システムの別の態様では、パワー受信機及び光源が共通のハウジング内に収容される(enclosed)。パワー伝送システムのさらに別の態様では、パワー受信器と光源とは1メートル未満の距離だけ離れている。パワー伝送システムのさらに別の態様では、パワー受信器と光源とは5メートルを超える距離だけ離れている。パワー伝送システムの他の態様では、パワー受信機と光源とは1キロメートルを超える距離だけ離れている。
【0023】
ここで、一群の電気部品に電力を供給する方法に関し、本方法は、光パワービームを複数の光起電(PV)受信機レッグに向けるステップであって、各PV受信機レッグはPVモジュールを含み、電気部品と関連付けられているステップと、複数のPV受信機レッグで光パワービームを受け取るステップとを含み、レッグ複数のPV受信機レッグの各PVモジュールは、(1)光パワービームの一部を局所電気出力に変換し、(2)局所電気出力を、そのPV受信機レッグに関連付けられた電気部品を動かすために電力を供給し、各PV受信機レッグに関連付けられた電気部品は他のPV受信機レッグに関連付けられた電気部品から電気的に絶縁される。
【0024】
いくつかの実施形態では、各PVモジュールが少なくとも1つのPVセルを含む。他の実施形態では、少なくとも1つのPVモジュールが複数のPVセルを含む。さらに他の実施形態では、少なくとも1つの電気部品がスイッチを含む。他の実施形態では、本方法がさらに、光パワービームを変調して、電気部品のための制御信号を提供するステップを含む。さらに他の実施形態では、少なくとも1つのPV受信機レッグがデマルチプレクサを含む。この方法は、デマルチプレクサを使用して局所電気出力から制御信号を抽出するステップと、制御信号を使用して電気部品を制御するステップとをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図面において、同一の参照番号は、類似の特徴又は要素を識別する。図面における特徴の寸法及び相対的位置は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。
図1図1は、本明細書に開示される一実施形態によるレーザパワービーミングシステムである。
図2図2は、本明細書に開示される一実施形態によるレーザパワー送信機である。
図3図3は、本明細書で開示される一実施形態によるパワー受信機である。
図4図4は、本明細書で開示される別の実施形態によるパワー受信機である。
図5図5は、本明細書に開示される一実施形態による、別個のビームに分割されているレーザ光を示す。
図6図6Aは、本明細書に開示される一実施形態による受信機光学系を示す。 図6Bは、本明細書に開示される別の実施形態による受信機光学系を示す。
図7図7は、本明細書に開示される別の実施形態によるレーザパワー送信機及びパワー受信機を示す。
図8図8Aは、本明細書に開示される一実施形態によるレーザ及び光起電モジュールである。 図8Bは、本明細書に開示される別の実施形態によるレーザ及び光起電モジュールである。
図9図9は、本明細書に開示される一実施形態による、別個のビームに分割されているレーザ光を示す。
図10図10Aは、本明細書に開示される別の実施形態による、単一のデマルチプレクサを備えたレーザパワービームシステムである。 図10Bは、本明細書に開示される別の実施形態による、2つのデマルチプレクサを備えたレーザパワービームシステムである。
図11図11Aは、本明細書に開示される一実施形態によるドライバ及びスイッチである。 図11Bは、本明細書に開示される別の実施形態による複数のドライバ及びスイッチである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の説明では、開示される主題の様々な態様の完全な理解を提供するために、ある特定の詳細が記載される。しかしながら、開示された主題は、これらの特定の詳細を備えずに実施されてもよい。いくつかの例では、発光デバイス、光センサ、ドライバ、集積回路、及び電気部品(例えば、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、スイッチなど)を製造する周知の構造及び方法は本開示の他の態様の説明を不明瞭にすることを回避するために詳細に記載されていない。
【0027】
文脈がそうでないことを要求しない限り、以下の明細書及び特許請求の範囲全体にわたって、「含む(comprise)」という語及び「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などのその変形は、非限定的で(open)、包括的な意味で、すなわち「含むが、これに限定されない」として解釈されるべきである。
【0028】
本明細書全体を通して、「一実施形態」又は「実施形態」という言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構成、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における「一実施形態において」又は「一実施形態において」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ態様を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、本開示の1つ又は複数の態様において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0029】
しかしながら、実施形態を説明する前に、以下で使用される特定の用語の定義を最初に説明することが、その理解に役立つ場合がある。
【0030】
本明細書を通しての集積回路への参照は一般的に、半導体基板又はガラス基板上に構築された集積回路部品を含むことを意図しており、これらの部品は、回路に一緒に結合されているか又は相互接続され得るか否かを問わない。
【0031】
パワービームという用語は、本開示及び請求の範囲の全体を通して、その全ての文法的な形で、光の場を含み得る、一般に指向性であり得る、適切な受信機へのステアリング/照準のために配置され得る、高フラックス光伝送(high flux light transmission)を指すために使用される。本開示で議論されるパワービームは、ワイヤなどの従来の電気導管を介してパワーを通過させることなく、望ましいレベルのパワーを遠隔受信機に送達するのに十分な、高フラックスレーザダイオード又は他の同様のソースによって形成されるビームを含む。
【0032】
本開示では「光」という用語が光ベースの送信機又は光ベースの受信機の一部として使用される場合、光学素子又は準光学素子によって方向付けられる(例えば、反射、屈折、フィルタリング、吸収、捕捉など)ことができる周波数の範囲内に入る電磁放射を生成、又は場合によっては捕捉するように構成された送信機又は受信機を指し、電磁放射は、極低周波数(ELF)からガンマ線までひろがる電磁スペクトルで定義され、少なくとも紫外線、可視光、長波長、中波長、及び短波長の赤外線、テラヘルツ放射、ミリメートル波、マイクロ波、他の可視光及び不可視光、光ビーム、ならびにファイバ内で伝送される光を含む。光の「ビーム」は、この用語が本明細書で使用される場合、自由空間を伝わるビームと、光ファイバを伝わるビームのような導波ビーム(又は、誘導されたビーム、guided beam)との両方を含むことができる。
【0033】
本開示では、「光学系」という用語は、光ビームを成形、分割、反射、屈折、又は他の方法で修正する(modify)ことができる光学素子を識別するために使用することができる。一実施形態において存在する場合、「光学系」は、単一の構成要素又は複数の構成要素を特定(又は、識別)することができる。
【0034】
本明細書に記載される寸法は、例として提供されることに留意されたい。この実施形態及び本出願の他のすべての実施形態について、他の寸法が想定される。
【0035】
上述のように、VFD(又は、可変周波数駆動装置)を駆動するものを含むインバータの動作は、電磁干渉のような問題を引き起こす。電磁干渉は、VFD内の内部機能及び部品に重大な影響を及ぼす可能性がある。変圧器は固有の静電容量を有し、これは、1つの電気ラインから別の電気ラインに電気ノイズを結合する可能性がある。
【0036】
4つの独立した巻線を持つ変圧器は、一般的にいくぶん大きい(片側4インチのオーダー)設計である。巻線が互いに近接しているため、変圧器の別々のレッグ間の結合が発生する可能性があり、これがEMI/変動を発生させ、これが、同じ電気グリッド内の他の給電装置への電子供給を通して伝搬して戻る可能性があり、VFDモータ自体に問題を発生させ得る。
【0037】
(通常4つの)別々のレッグは、互いに異なる電圧で浮いている。これらのレッグは変圧器上の4つの別個の巻線に接続することができ、各巻線は異なるレッグに向かう。すなわち、装置の高電圧端に対して3つ、装置の3つのレッグすべてに共通する接地電圧端に対して1つである。スイッチングノイズは、巻線を通って他のレッグに伝播する上、入力電力線に逆流することがある。
【0038】
これらの問題の影響を低減するために現在使用されている方法の一部には、導電性要素間の潜在的な誘導結合を低減するために内部部品間に十分な距離を作ること、EMIの影響を低減するために上流及び下流の「フィルタリング」エレクトロニクスを作成すること、EMIを生み出す要素を負荷からかなりの距離に物理的に配置すること、負荷への及び負荷からのケーブル長に対する特別な考慮、EMIによるベアリングの損傷を低減するためのモータの特別な構造、及びケーブルシールド及び部品のシールドが含まれる。
【0039】
前述の改良はEMIの問題を軽減するが、この改良はEMIの問題を十分には解決せず、いくつかは新しい問題及び設計上の課題を導入することさえある。
【0040】
本開示は一般に、パワービーミング(又は、パワー放射)に関する。より詳細には本開示は、複数の電気的に絶縁された電気スイッチに光学的に絶縁された(optically-isolated)電力を供給することに関するが、これに限定されるものではない。
【0041】
1つ又は複数の実施形態では、レーザパワービーミングシステム(これは自由空間を介して無線で送達されるレーザビーム、又は光ファイバを介して送達されるレーザビームのいずれかを含むことができる)は独立したフローティング電圧(floating voltages)を有する複数の電子スイッチに電力を供給するために、複数の電気的に絶縁されたパワー出力を送達することができる。1つ又は複数の実施形態では、光パワーが光ファイバによって送達される場合、光ファイバケーブルは誘電体又は非導電性である。既存の高出力レーザファイバの中には、ファイバが差し込まれて破壊されていないことを示すための導電性ワイヤ又はシェルを含むものがあり、このようなケーブルは送信機を受信機から電気的に絶縁した状態に保ち、受信機の電力出力を互いに電気的に絶縁した状態に保つために、導電性ワイヤ又はシェルに適切なギャップがない限り、好ましくない。
【0042】
図1は、本明細書に開示される実施形態に係るレーザパワービーミングシステム8である。図1において、電力(又は、電源)10(例えば、標準120VのACコンセントからの交流(AC)又は直流(DC)であってよい)は、1つ又は複数のレーザドライバ及び1つ又は複数のレーザを含み得るレーザパワー送信機12にエネルギー供給する(又は、励起する)。
【0043】
次に、レーザの光出力はレーザパワー送信機12の出力に配置された光伝送媒体14(一般に光ファイバ又は自由空間のいずれか)に接続される(例えば、図2に示すように、しばしば光学系を使用して)。1つ又は複数の実施形態では、光ファイバが例えば、円形又は他の形状の断面を含むことができる円筒形経路内に、全内部反射によって光を拘束する光ガイドである。光ファイバは光通信ネットワークにおいて一般的に使用されているが、高出力レーザ光をレーザから加工(又は、作業、working)光学系に送るためにも使用されている。1つ又は複数の実施形態では、自由空間は光パワーを送るための光透過性又は半透過性媒体である。自由空間の例としては、空気又は他の気体、真空、液体(例えば、水)、及び透明な固体(例えば、窓)が挙げられる。
【0044】
パワー受信機16は、伝送媒体14を介して光を受信する。1つ又は複数の実施形態では、パワー受信機16とレーザパワー送信機12との間に導電性経路は存在しない。1つ又は複数の実施形態では、光を成形、分割、反射、及び/又は屈折させることなどによって、光を調整するために、パワー受信機16に光学系(例えば、レンズ、プリズム)が設けられる。
【0045】
1つ又は複数の実施形態では、パワー受信機16は、光を受け取り、それに応答して電力を出力する光起電(PV)モジュール(例えば、図3及び図4に示すような)を含む。PVモジュールは、電気的に接続され、単一の電気出力を生成する1つ又は複数の光起電(PV)セルのセットである。PVモジュール内のPVセルは任意選択で、最大電力点追従(MPPT)及び/又はDC/DC変換及び調整電子機器を含み得る電力管理及び分配モジュール(別名PMAD)に接続されてもよい(例えば図3に示され、図4にはPMADがない)。
【0046】
本明細書で定義されるように、受信機電力レッグはPVモジュールであり、最大電力点追従(MPPT)及び/又はDC/DC変換及び調整電子機器(これらはともにPMAD(電力管理及び分配/Power Management and Distribution)と呼ばれてもよい)を含む。1つ又は複数の実施形態では、パワー受信機16は、1つ又は複数の受信機電力レッグを含む。PVモジュールによって生成された電力は、一組のドライバに供給され、そのドライバは次に、この電力を使用して、電子スイッチを駆動する駆動信号を生成する。各PVモジュール及び電力の流れ方向においてそれの後の全ての電子機器(存在する場合)(例えば、MPPT及び/又はDC/DCコンバータ)は、スイッチが互いに対して異なる電圧でフロート(浮遊/float)することができるように、他のPVモジュール及びそれらの電子機器から電気的に絶縁される。
【0047】
図3及び図4は、本明細書で開示される実施形態によるパワー受信機16を示す。パワー受信機16は、レーザパワー送信機12から放射された光ビームをドライバ18のための電気信号に変換するコンバータである。パワー受信機16は伝送媒体14を通してレーザパワー送信機12から放射された光をそれぞれ受け取り、それに応じて電力を出力するように構成されたPVモジュール32を含む。1つ又は複数の実施形態では、PVモジュールから出力される電力が電力10から受信される電力信号に対応する電気特性(例えば、振幅、周波数、電力レベルなど)を有する電気信号である。PVモジュール32によって生成された電力は、電子スイッチ20を駆動する一組のドライバ18に供給される。上述したように、1つ又は複数の実施形態では、各PVモジュール及び電力の流れ方向においてそれの後の全ての電子機器(存在する場合)(例えば、MPPT及び/又はDC/DCコンバータ)は、スイッチ20が互いに対して異なる電圧でフロートすることができるように、他のPVモジュール及びそれらの電子機器から電気的に絶縁される。1つ又は複数の実施形態では、パワー受信機16の電力出力端子が互いに電気的に絶縁される。
【0048】
電子スイッチング素子は、非限定的な例として、FET(例えば、MOSFET、JFET)及びIGBTなどの1つ又は複数のタイプのトランジスタを参照し得る。
【0049】
1つ又は複数の実施形態では、図3に示すように、パワー受信機16はPMAD34を含み、PVモジュール32内のPVセルはPMAD34に接続される。PMAD34は、パワー受信機16の出力端子に接続される。PMAD34は、最大電力点追従(MPPT)及び/又はDC/DC変換及び調整電子機器を含む。
【0050】
図4は、本明細書に開示される別の実施形態によるパワー受信機16である。図3に示される実施形態とは対照的に、図4のパワー受信機16はPMAD34を含まず、PVモジュール32内のPVセルはパワー受信機16の出力端子に直接接続される。上述のように、1つ又は複数の実施形態では、各PVモジュール及び電子機器のすべて(存在する場合)は、他のPVモジュール及びその電子機器から電気的に絶縁され、スイッチ20が互いに対して異なる電圧でフロートできるようにする。1つ又は複数の実施形態では、パワー受信機16の電力出力端子が互いに電気的に絶縁される。
【0051】
図1に戻ると、スイッチコントローラ22が適切な信号をドライバ18の各々に送り、ドライバ18が電気スイッチング素子又はスイッチ20を(例えば所望の時に)正しい方法で駆動するようにする。スイッチコントローラ22は、スイッチ20に接続されたドライバを制御するための1つ又は複数のプロセッサ、メモリ、及び入出力接続を含む。ドライバ18の各々はそれぞれのスイッチ20に電気的に接続され、それぞれのスイッチ20の動作状態を制御するように構成される(例えば、それぞれのスイッチを開/オン状態にするか、又は閉/オフ状態にするように駆動する)。一例として、スイッチ20はそれぞれ、所望の周波数及び振幅を有する実質的に正弦波の電気波形を出力するように制御されてもよく、各波形は光学的に絶縁されたVFDの他のスイッチ20によって生成された波形から位相がずれていてもよい。1つ又は複数の実施形態では、スイッチコントローラ22が制御信号を受信するための入力を含み、この制御信号に基づいて負荷を作動させるようにドライバ18を制御するように構成される。
【0052】
レーザパワー送信機12は、電力変換器と、1つ又は複数のレーザドライバと、1つ又は複数のレーザと、レーザの温度を調整する熱管理システムと、レーザコントローラと、光を成形する光学系とを含むことができる。熱管理システムは、受動的システムでも能動的システムでもよい。能動的システムは、冷却装置(chiller)又は熱電冷却器を含んでもよい。
【0053】
レーザパワー送信機12は、電力10から受け取った電力信号を光ビームに変換する変換器である。いくつかの実施形態では、レーザパワー送信機12が1つのレーザを含む。図2は、本明細書に開示される一実施形態によるレーザパワー送信機12を示す。レーザパワー送信機12は、レーザ26及び熱管理システム25を制御するように構成されたレーザコントローラ24であって、前記熱管理システム25がレーザパワー送信機12の温度を調整するように構成された、該レーザコントローラ24と、光を放出するようにレーザ28に駆動信号を供給するように構成された電子(レーザ)ドライバ26であって、前記レーザ28自体が駆動信号の受信に応答して光を放出するように構成された、該電子(レーザ)ドライバ26と、伝送媒体14(又はいくつかの実施形態では媒体)への伝送のために光を成形又はさもなければ調整する(例えば、光を反射及び/又は屈折させることによって実行され得る成形及び/又は集束)ための光学系30と、を含む。1つ又は複数の実施形態では、レーザ28から放出された光が電力10から受け取った電力信号に対応する光学特性(例えば、振幅、周波数、変調周波数、電力レベルなど)を有する。レーザパワー送信機12、より具体的には、レーザ28によって放射されるレーザ光は、各PVモジュールが(例えば、図5に示されるように)光を受け取るように、物理的に別々のPVモジュールに到達する前に、別々のビームに分割(例えば、光学系を介して)されてもよい。分割は、レーザパワー送信機において実行されてもよく、又は(光ファイバが使用される場合)1つのファイバから多くのファイバまでで実行されてもよく、又はパワー受信機において実行されてもよい。
【0054】
図5は、本明細書に開示される一実施形態による、別個のビームに分割されるレーザ光を示す図である。図5の入射レーザ光36は、自由空間又は光ファイバのいずれからでもよい。1つ又は複数の実施形態では、「光スプリッタ」と標記された光学素子38は、入射ビームを、それぞれがほぼ半径方向に向けられた複数の別個のビームに分割する反射素子である。1つ又は複数の実施形態では図5に示すように、光学素子38はN面ピラミッドミラー(Nは1より大きい整数)である。同じ効果を得るために、ピラミッドミラー以外の光学設計を、代わりに使用することもできる。単一の光学素子が図5に示されているが、任意の数の光学素子が使用されてもよい。1つ又は複数の実施形態では、入射光方向に対して約45°の角度をなす平坦なミラーとすることができる反射鏡(又は、転向ミラー、turning mirror)40を使用して、光をPVモジュール32に向かって約90°の角度で向け直す。反射鏡40は(例えば、スイッチコントローラ22によって)制御されて、光を1つ又は複数の対応するPVモジュール32に適切に誘導又は操舵することができる。一実施形態では図5に示されるように、PVモジュール32、光スプリッタ38、及び反射鏡40はプリント回路基板などの基板41上に配置される。
【0055】
図6A及び図6Bは光ファイバが光源である場合(例えば、伝送媒体14が光ファイバである場合)の受信器光学系の実施形態を示す。
【0056】
図6Aは、本明細書に開示される一実施形態による受信器光学系を示す。図6Aに示される実施形態では、レーザパワー送信機12から放射された光が光ファイバ42を介して放射され(例えば、伝送媒体14は光ファイバである)、レンズ44又は他の光学素子が光ファイバ42からの発散光をコリメートするために使用される。この場合、N面ピラミッドミラーとして表される光スプリッタ38は、ほぼ平行化された光をPVモジュール32の方へ放射状に分割する(例えば、図5に示されるように)。1つ又は複数の実施形態では、レンズ44がパワー受信機に含まれる。
【0057】
図6Bは、本明細書に開示される別の実施形態による受信機光学系を示す。図6Bでは、レーザパワー送信機12から出射された光が光ファイバ42を介して出射される(例えば、伝送媒体14は光ファイバである)。しかしながら、図6Aに示される実施形態とは対照的に、レンズは、光ファイバ42からの発散光をコリメートするために使用されない。その代わりに、光は自由空間を介して光スプリッタ38に伝送される。この実施形態では、光スプリッタ38がN面ピラミッドミラーの各セグメントに凹形状によって提供され、受光した光に分割及び成形(例えば、コリメートすることによって)の両方を行うように作用する。光を成形することによって、図6Aの光学素子(レンズとして示される)は排除され、その機能性は光スプリッタに組み込まれてしまっている。示された例は反射方法を使用するが、光を分割する他の方法、例えば屈折方法、又は方法の組み合わせを使用することができる。
【0058】
1つ又は複数の実施形態では、例えば図3及び4に示されるように、PVモジュール32がすべて、単一のプリント回路基板(PCB)(又は直接接合銅(DBC)、又は他の「基板」)上にある。個々のPVセルは、それらに接続する電気放電又はコロナの可能性を低減するために、接続電気ワイヤ上に封入材又は他の絶縁材料を有することができる。各PVモジュールは他のPVモジュール(及び電気配線)から、アプリケーション内の相対電圧間の電気アーク又は他の電気的干渉を防止するのに十分な距離だけ物理的に分離される。単一のPCBには、電気的に絶縁された複数の出力がある。
【0059】
1つ又は複数の実施形態では、レーザパワー送信機12が2つ以上のレーザを含む。これらの実施形態では、個々のレーザから放射される光が個々のPVモジュール32に向けられてもよい。
【0060】
図7は、本明細書に開示される別の実施形態によるレーザパワー送信機12及びパワー受信機16を示す。図7に示される実施形態ではレーザパワー送信機12が複数のレーザ28を含み、パワー受信機16は複数のPVモジュール32を含む。1つ又は複数の実施形態ではレーザパワー送信機12内のレーザ28の総数がパワー受信機16内のPVモジュール32の総数に等しく、レーザ28のそれぞれは光をそれぞれのPVモジュール32上に送信する。例えば、図7に示されるように、2つのレーザ28のそれぞれは、それぞれのPVモジュール32上に光を送る。図7には2つのレーザ及び2つのPVモジュールが示されているが、レーザパワー送信機12は任意の数のレーザを含んでもよく、パワー受信機16は任意の数のPVモジュールを含んでもよい。
【0061】
1つ又は複数の実施形態では、光はレーザからPVモジュールに直接伝播する(例えば、ビーム発散、PVサイズ、及びレーザからPVまでの間隔が、著しい量の光が浪費されず、高度のエネルギー伝達が達成される(例えば、95%を超える光学効率)ようなものである場合)。別の実施形態では、レーザからの光が、各PVモジュールで著しい量の光が浪費されないように光を投影するために、1つ又は複数の光学素子によってコリメートされるか、又は他の方法で成形されてもよい。
【0062】
1つ又は複数の実施形態では、複数のレーザを、レーザのそれぞれが別個のPVモジュールに対応するように実装することができる。いくつかの実施形態では、各レーザがそれ自体のPVモジュールに進むためのそれ自体のファイバを有することができる。レーザ光は追加の光学素子なしに、レーザからPVモジュールへ直接伝播ことができる。例えば、図8Aは、本明細書に開示される一実施形態による、レーザ及びPVモジュールである。図8Aに示される実施形態では、レーザ28がレーザ28から直接PVモジュール32に光を放射する。光学素子は、レーザ28とPVモジュール32との間に配置されない。
【0063】
1つ又は複数の実施形態では、1つ又は複数の光学素子を使用して、レーザ光を成形する(例えば、それをコリメートする)。例えば、図8Bは、本明細書に開示される別の実施形態による、レーザ及びPVモジュールである。図8Bに示される実施形態では、レーザ28が、レーザ28から、光学素子46(例えば、レンズ44)を通って、PVモジュール32に光を放射する。1つ又は複数の実施形態では、光学素子46がレーザ28から伝送される光をコリメートする。
【0064】
1つ又は複数の実施形態では、レーザパワー送信機12及びパワー受信機16が単一のハウジング内に一緒に収容される。これらの実施形態のいくつかでは、ハウジング、及び、送信機から受信機への物理的接続を生成する任意の他の材料が、非導電性(例えば、電気的絶縁性)であろう。送信機及び受信機は、予期される動作条件での電気アーク又はコロナを防止するために、十分に離間されていてもよい。
【0065】
1つ又は複数の実施形態では、複数のビームに分割された光が例えば図5に示されるような反射鏡に頼る代わりに、光を捕らえるように配向されたPVモジュール32に直接当たる。これらの実施形態では、PVモジュール32は、PVモジュール32が主基板平面の表面に対して横方向(例えば、垂直方向)に配向された表面を有するように、キャリア基板(例えば、PCB)上に実装されてもよい。図9は、このタイプの実施形態の一例を示す。
【0066】
図9は、本明細書に開示される一実施形態による、別個のビームに分割されているレーザ光を示す図である。図5に示す実施形態と同様に、レーザ光36は、光学素子38の方へ向けられ、次いで、光学素子は入射した最後の光を多数の別々のビームに分割する。しかしながら、図5に示される実施形態とは対照的に、反射鏡は、PVモジュール32上に別個のビームを再誘導するために使用されない。代わりに、PVモジュール32は、それ自体の基板48、つまり、基板41又はPCBメインボードの表面から延在し、メインボード(PCB)上に取り付けられたサブボード上に取り付けられる。1つ又は複数の実施形態では、基板41は第1の方向に延在し、基板48は第1の方向を横切る第2の方向に延在する。したがって、分割ビームは、PVモジュール32に直接衝突する(又は、を照射する/impinge)。
【0067】
PVモジュール32は、1つ又は複数の光起電セルを含む。1つ又は複数の実施形態では、PVモジュール32がモジュール当たり1つのPVセルを含む。別の実施形態では、PVモジュール32の各々が複数のPVセルを含む。1つ又は複数の実施形態では、PV電池の出力電圧範囲が、ドライバ及びスイッチなどの装置に直接電力を供給するのに適切であり得る。1つ又は複数の実施形態では、PVセル出力が最大電力点追従(MPPT)によって管理されて、最大電力を抽出することができる。1つ又は複数の実施形態では、PV電池の出力(MPPT有り又は無し)が、ドライバ及びスイッチに接続された装置(例えば、VFD)を動作(例えば、電力供給)するための所望の電気特性(例えば、電圧レベル、周波数、波形)に一致するように、DC/DCコンバータによって変換及び/又は調節される。
【0068】
図10A及び10Bは、本明細書に開示される別の実施形態によるレーザパワービーミングシステム8を示す。この実施形態では、全てのドライバ18に対するスイッチコントローラ22からの制御信号が、マルチプレクサ50によって多重化されて、パワー受信機16で検出可能であり、デマルチプレクサ52によって復号可能なようにレーザ28を変調することによって(例えば、光強度を変化させることによって)、上述したようなレーザパワー送信機12を使用して送信されるデータストリームになる。図10Aに示す1つ又は複数の実施形態では、マルチプレクサ50がスイッチコントローラ22からの制御信号(複数)から1つの制御信号を選択する。次いで、デマルチプレクサ52は、制御信号(複数)をドライバ18の各々にルーティングする。図10Bに示す1つ又は複数の他の実施形態では、マルチプレクサ50がスイッチコントローラ22からの制御信号(複数)から1つの制御信号を選択する。次いで、複数のデマルチプレクサ52がそれぞれ制御信号をそれぞれのドライバ18にルーティングする。1つ又は複数の異なる実施形態(図示せず)では、複数のマルチプレクサ50(それぞれがレーザを有する)がそれぞれ、スイッチコントローラ22からの制御信号を選択する。複数のマルチプレクサ50は、それぞれの制御信号を複数のデマルチプレクサ52に送り、各デマルチプレクサは、それぞれのドライバ18に制御信号をルーティングする。
【0069】
他の実施形態では(例えば図7に示されるように)複数のレーザが各受信器電力レッグに対して別々に使用される場合、特定のドライバのためのコントローラデータはその特定の受信器電力レッグのための電力と多重化されてもよい。1つ又は複数の実施形態では、受信機電力レッグがPVモジュールであり、(存在する場合)最大電力点追従(MPPT)及び/又はDC/DC変換及び調整電子機器(これらはともにPMAD(電力管理及び配電)と総称され得る)、ならびに電力出力端子又はコネクタを含む。1つ又は複数の実施形態では、パワー受信機16が1つ又は複数の受信機電力レッグを含む。
【0070】
図11A及び図11Bは、レーザパワービーミングシステム8用ドライバ及びスイッチの配線の例を示している。
【0071】
図11Aは、本明細書に開示される実施形態によるドライバ及びスイッチである。図11Aには、2つのパワー受信機16が示されている。パワー受信機16の一方は電圧レベルAに設定されるか又は参照(reference)され、パワー受信機16の他方は電圧レベルBに設定されるか又は参照される。1つ又は複数の実施形態では、電圧レベルAと電圧レベルBは互いに等しい。1つ又は複数の実施例では、電圧レベルAと電圧レベルBは異なる電圧レベルである。パワー受信機16は、ドライバ18(ICであってもよい)内の独立したチャネルに電力を供給し、各々が別個の電子スイッチ20を駆動する。スイッチコントローラ22は、各スイッチ20がいつオン又はオフにされているかを決定する1つ又は複数の制御信号をドライバ18に供給する。1つ又は複数の実施形態では、パワー受信機16のそれぞれからのより低い電圧(図11Aにおいて「-」記号で標記されている)がそのパワー受信機16に対応するスイッチ20のより低い電圧側に参照され得る(reference to)。負荷54は、スイッチ20に電気的に接続された任意のタイプの負荷、構成要素、又は装置であってよい。1つ又は複数の実施形態では、スイッチ20が負荷54を作動させ、操作する。
【0072】
図11Bは、本明細書に開示される別の実施形態によるドライバ及びスイッチである。図11Bには、インバータタイプのアプリケーション(例えば、可変周波数ドライブ)のための可能な構成が示されている。この実施形態では、インバータの3つの「レッグ」(各レッグが1つのドライバ18に対応する)が互いに異なる電圧で動作し、したがって、3つの電気的に絶縁されたパワー受信機16は各ドライバに電力を供給する(スイッチ及びスイッチコントローラ入力などの他の接続部が図11Bには示されていないが、図11Aに示されているものと類似である)。各インバータレッグのより低い電圧端はすべて同じ電圧になるので(この場合、電圧Bと標記されたパワー受信機16がこのより低い出力電圧を参照し、これは接地であってもよい)、3つのドライバすべてのより低い電圧側に電力を供給するために、単一のパワー受信機16が提供される。
【0073】
本明細書に開示される光電池は、単接合、二重接合、又はより多数の多接合タイプの電池であってもよい。接合部は、垂直方向に積み重ねることも、水平方向に隣接して配置することもできる。PVセルの出力開回路電圧及び最大電力点電圧は、ほぼ、単接合のそれぞれの電圧に接合の総数を掛けたものである。単接合の開回路電圧は光起電材料の種類及び他の設計因子に依存するが、用途によっては0.6V~1.2Vの範囲内とすることができる。
【0074】
本明細書に開示される受信機電力レッグは、互いに物理的に離間されてもよく、また、封止材又は他の絶縁体を有することもできる。これらの特徴は異なる受信機電力レッグ間の絶縁(isolation)を容易にし、レッグ間の電気アーク、コロナ、又は他の電磁干渉を防止することができる。様々な用途において、別個の受信機電力レッグを介して送信される電気信号の差は、所望の用途に依存する。レッグ間の電圧差は数百ボルト、例えば、220V、500V、1,000V、数千ボルト、又は他の電圧差とすることができる。
【0075】
受信機電力レッグの数というようなVFDの構成は、光学的に絶縁されたドライバ及びスイッチの出力に接続される装置のタイプに依存してもよい。いくつかの実施形態では、VFDが、単一の入力を有し、かつ1キロワット未満の電力を消費するより小さい装置(例えば、単相モータ)を動作させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、VFDが、複数の入力を有し、1キロワットを超える電力を消費するより大きい(substantial)装置(例えば、三相モータ)を動作させるように構成されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、各受信機電力レッグが、誤り訂正、出力間のタイミング制御などのためにスイッチングコントローラにフィードバックを提供することができる電圧センサ及び/又は電流センサを有することができる。
【0077】
本開示で使用される特定の単語及び語句は、以下のように記載される。用語「含む(include)」及び「含む(comprise)」、ならびにそれらの派生語は、限定されはしないが、包含を意味する。「又は」という用語は包括的であり、「及び/又は」を意味する。「に関連付けられた」及び「それに関連付けられた」という語句、ならびにすべての文法的形態のその派生語は、含む(include)こと、中に含まれる(included within)こと、相互接続すること、含む(contain)こと、中に含まれる(contained within)こと、それに又はそれと接続すること、それに又はそれと連結すること、それと通信可能であること、それと協働すること、インターリーブすること、並置すること、それに近接すること、それに又はそれと結合されること、有すること、又は特性を有することなどを意味することができる。「制御装置(又は、コントローラ)」という語は、少なくとも1つの動作を制御する任意の装置、システム、又はその一部を意味し、そのような装置は、ハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェア、あるいはそれらの少なくとも2つの何らかの組合せで実施することができる。任意の特定のコントローラに関連する機能は、ローカルでもリモートでも、集中型でも分散型でもかまわない。さらに、「図」という用語への言及は実際には複数の図を指すことができ、例えば、図11への言及は、図11A及び図11Bを指すことができる。特定の単語及び語句の他の定義が、本特許文書内で提供されてもよい。当業者は、多くの場合、ほとんどではないにしても、そのような定義がそのような定義された単語及び句の以前の使用及び将来の使用に適用されることを理解するであろう。
【0078】
本開示に含まれる1つ又は複数の図がデータフロー図を示す場合、示されるプロセスは、様々な実施形態によって使用され得る非限定的なプロセスである。この点で、記述された各プロセスは、ソフトウェアコードのモジュール、セグメント、又は一部を表すことができ、これは、指定された論理関数を実装するための1つ又は複数の実行可能命令を含む。また、いくつかの実装形態において、プロセス中に注記される機能は異なる順序で発生し、追加の機能を含み、同時に発生し、及び/又は省略されてもよいことに留意されたい。
【0079】
プロセッサは、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ(MCU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含むことができる。プロセッサは交換可能に、プログラムされたソフトウェア命令を実行するように構成された任意のタイプの電子制御回路を指す。プログラムされた命令は、高レベルソフトウェア命令、コンパイルされたソフトウェア命令、アセンブリ言語ソフトウェア命令、オブジェクトコード、バイナリコード、マイクロコード等であってもよい。プログラムされた命令は、内部又は外部メモリに存在してもよく、又はステートマシン又は制御信号のセットとしてハードコードされてもよい。本明細書で参照される方法及び装置によれば、実施形態は、プロセッサによって実行可能であり、方法動作のうちのいくつかを実行するように動作可能なソフトウェアを説明する。
【0080】
当業者に知られているように、コンピューティングデバイスは1つ又は複数のメモリを有し、各メモリは、読み取り及び書き込みのための揮発性及び不揮発性コンピュータ可読媒体の任意の組合せを含む。揮発性コンピュータ可読媒体は例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。不揮発性コンピュータ可読媒体は例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク、光ディスクドライブ、フロッピーディスケット、フラッシュメモリデバイス、CD-ROM等の磁気媒体を含む。場合によっては、特定のメモリが仮想的に又は物理的に、第1のメモリ、第2のメモリ、第3のメモリなどの別個の領域に分離される。これらの場合、メモリの異なる分割は異なる装置内にあってもよいし、単一メモリ内に具体化されてもよいことが理解される。場合によっては、メモリは、プロセッサによって実行されるように配置されたソフトウェア命令を記憶するように構成された非一時的なコンピュータ媒体である。
【0081】
本明細書に示すコンピューティングデバイスは、オペレーティングシステム又はタスクループなどの従来のコンピューティングデバイスに見られる動作ソフトウェア、I/O回路、ネットワーキング回路、及び他の周辺構成要素回路を介して動作を指示するソフトウェアドライバをさらに含むことができる。さらに、コンピューティングデバイスは、他のコンピューティングデバイスと通信するためのネットワークソフトウェア、データベースを構築及び維持するためのデータベースソフトウェア、及び様々なプロセッサ間で通信及び/又は動作ワークロードを分配するために適切なタスク管理ソフトウェアなどの動作アプリケーションソフトウェアを含むことができる。場合によっては、コンピューティングデバイスが本明細書に記載するハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一部を有する単一のハードウェアマシンであり、他の場合にはこのコンピューティングデバイスが本明細書に記載する1つ又は複数の実施形態の機能を実行するために、サーバーファーム内で一緒に作動するハードウェア及びソフトウェアマシンのネットワーク化された集合である。コンピューティングデバイスの従来のハードウェア及びソフトウェアのいくつかの態様は、簡略化のために図には示されていない。
【0082】
さまざまな実施形態にデータベース構造が存在する場合、データベース構造は、単一のデータベース又は複数のデータベースに形成されてもよい。場合によっては、ハードウェア又はソフトウェアストレージリポジトリが、それらが関連付けられている特定のシステム又は複数のシステムのさまざまな機能間で共有される。データベースは、ローカル・システム又はローカル・エリア・ネットワークの一部として形成することができる。あるいは、あるいは加えて、データベースは、ワイドエリアネットワーク又は何らかの他のネットワークを介してアクセス可能である「クラウド」コンピューティングシステム内のように、遠隔的に形成されてもよい。
【0083】
入力/出力(I/O)回路及びユーザインターフェース(UI)モジュールは、シリアルポート、パラレルポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IEEE 802.11トランシーバ、ならびに1つ又は複数の標準設定本体、ディスプレイ、プロジェクタ、プリンタ、キーボード、コンピュータマウス、マイクロフォン、加速度計などのマイクロ電気機械(MEMS)デバイスなどによって管理されるプロトコルに準拠する他のトランシーバを含む。
【0084】
ボタン、キーパッド、コンピュータマウス、メモリカード、シリアルポート、バイオセンサリーダ、タッチスクリーンなどは、個々に、又は協働して、様々な実施形態のオペレータに有用であり得る。これらデバイス(又は、装置)は例えば、制御情報をシステムに入力することができる。ディスプレイ、プリンタ、メモリカード、LEDインジケータ、温度センサ、オーディオデバイス(例えば、スピーカ、ピエゾデバイス等)、バイブレータ等は、全て、種々の実施形態のオペレータに出力情報を提示するのに有用である。場合によっては、入力デバイス及び出力デバイスがプロセッサ又は他の動作回路に直接接続されるか、あるいは電子的に接続される。その他の場合、入出力デバイスは1つ又は複数の通信ポート(例えばRS-232、RS-485、赤外線、USBなど)を介して情報を渡す。
【0085】
ある範囲の値が与えられる場合、その間にある値各々は特に述べない限り、該範囲の上限と下限との間の、該下限の1/10まで、及び任意の他の記載された値又は該記載された範囲内の値は、本発明の範囲内に入る。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、より小さい範囲に含まれてもよく、記載された範囲における任意の特に除外された制限を条件として、本発明内に包含される。記載の範囲が当該制限の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる制限のいずれか又は両方を排除する範囲も本発明に含まれる。
【0086】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等の任意の方法及び材料もまた、本発明の実施又は試験において使用され得るが、限定された数の例示的な方法及び材料が本明細書に記載される。
【0087】
本開示で使用されるように、用語「モジュール」は特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、1つ又は複数のソフトウェア又はファームウェアプログラムを実行するように動作可能なプロセッサ及びメモリ、組合せ論理回路、又はモジュールに関して説明された機能を提供する他の適切な構成要素(すなわち、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェア)を指す。
【0088】
本明細書全体を通して、「一実施形態」又は「実施形態」及びその変形への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構成、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な場所に「一実施形態において」又は「実施形態において」という語句が現れることは、必ずしもすべて同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造又は特性は1以上の実施形態において任意の適当な方法で組み合わせられ得る。
【0089】
上記の種々の実施形態は、更なる実施形態を提供するように組み合わされることが可能である。上記の詳細説明に照らして、上記の及び他の変形がそれらの実施形態に対して行われることが可能である。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は特許請求の範囲を、明細書及び特許請求の範囲に開示される特定の実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲とともに、すべての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。
【0090】
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年9月16日に出願された米国仮出願第62/901,107号の優先権の利益を主張する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
【国際調査報告】