(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(54)【発明の名称】画像誘導手術システムのガイドワイヤ並びに製造方法及び使用方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/09 20060101AFI20221114BHJP
A61B 17/24 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
A61M25/09 514
A61M25/09 500
A61M25/09 550
A61B17/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516351
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(85)【翻訳文提出日】2022-05-16
(86)【国際出願番号】 US2020050675
(87)【国際公開番号】W WO2021051060
(87)【国際公開日】2021-03-18
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516234199
【氏名又は名称】エンテラス メディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ENTELLUS MEDICAL,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】レッシュ,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ハウク,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ピッデ,アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ヒギンス,マット
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160MM06
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB42
4C267BB62
4C267CC15
4C267FF03
4C267GG24
(57)【要約】
本開示は、(a)遠位端部と近位端部とを有するガイドワイヤであって、超弾性材料を備える、ガイドワイヤと、(b)ガイドワイヤの近位端部に連結される第1のコネクタ108と、(c)ガイドワイヤの遠位端部と近位端部との間に連結される第2のコネクタ110と、(d)ガイドワイヤの遠位端部に連結される電磁センサ112と、(e)ガイドワイヤの少なくとも一部及び電磁センサの少なくとも一部を囲むポリマー管とを備えるガイドワイヤシステムを提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端部と近位端部とを有するガイドワイヤであって、(i)該ガイドワイヤに加えられた力に反応して第1の形態から第2の形態へ移行し、(ii)前記力が該ガイドワイヤから除去されたことに反応して前記第2の形態から前記第1の形態に戻るように構成される超弾性材料を備えるガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤの前記近位端部に連結される第1のコネクタと、
前記ガイドワイヤの前記遠位端部と前記近位端部との間に連結される第2のコネクタと、
前記ガイドワイヤの前記遠位端部に連結される電磁センサと、
前記ガイドワイヤの少なくとも一部及び前記電磁センサの少なくとも一部を囲むポリマー管と
を備えるガイドワイヤシステム。
【請求項2】
前記超弾性材料はニチノールを含む、請求項1に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項3】
前記第1のコネクタはピンコネクタを含む、請求項1又は2に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項4】
前記第1のコネクタは10ピンコネクタを含む、請求項3に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項5】
前記第2のコネクタは、バルーン拡張カテーテルの相補的なバヨネットコネクタと相互作用することで、前記ガイドワイヤシステムを前記バルーン拡張カテーテルに連結するように構成されるバヨネットコネクタを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項6】
前記ガイドワイヤは潤滑性コーティングを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のガイドワイヤ。
【請求項7】
前記ガイドワイヤの硬度は、前記近位端部から前記遠位端部までの前記ガイドワイヤの全長にわたって一定である、請求項1~6のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項8】
前記ガイドワイヤの遠位部分の硬度は、前記ガイドワイヤの近位部分の硬度未満である、請求項1~6のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項9】
前記ガイドワイヤの前記遠位部分の長さは、前記ガイドワイヤの前記近位部分の長さ未満である、請求項8に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項10】
前記ガイドワイヤの直径は、前記近位端部から前記遠位端部までの前記ガイドワイヤの全長にわたって一定である、請求項1~9のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項11】
前記ガイドワイヤの遠位部分の直径は、前記ガイドワイヤの近位部分の直径未満である、請求項1~9のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項12】
前記ガイドワイヤの直径は、約0.4mm~約1mmである、請求項1~11のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項13】
前記第1のコネクタはフレキシブル回路を含み、該フレキシブル回路は、前記第1のコネクタが画像誘導手術システムに連結されたときに、前記ガイドワイヤシステムの識別情報を前記画像誘導手術システムに送信するように構成されるメモリチップを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項14】
前記ポリマー管は前記第1のコネクタの少なくとも一部を囲み、前記第1のコネクタは、前記ポリマー管と前記ガイドワイヤとの間に熱接着によって前記ガイドワイヤの前記近位端部に固定される、請求項1~13のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項15】
前記電磁センサはエポキシによってポッティングされる、請求項1~14のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項16】
前記電磁センサは、無線周波数チッピングダイによって前記ガイドワイヤの前記遠位端部に固定される、請求項1~15のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項17】
前記第2のコネクタはバルーン拡張カテーテルのハンドピースに連結され、前記ハンドピースへの前記第2のコネクタの幾何形状により、ユーザは前記ガイドワイヤの前記遠位端部と前記バルーン拡張カテーテルの遠位端部との間に所望の距離を設定することが可能になる、請求項1~16のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項18】
前記ガイドワイヤの前記遠位端部に位置決めされるカメラを更に備える、請求項1~17のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項19】
前記ガイドワイヤは、前記第1の形態においては直線形状を有し、前記第2の形態においては屈曲形状を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項20】
前記ガイドワイヤシステムは再使用可能である、請求項1~19のいずれか一項に記載のガイドワイヤシステム。
【請求項21】
第1のコネクタをガイドワイヤの近位端部に位置決めすることであって、前記ガイドワイヤは、(i)該ガイドワイヤに加えられた力に反応して第1の形態から第2の形態へ移行し、(ii)前記力が該ガイドワイヤから除去されたことに反応して前記第2の形態から前記第1の形態に戻るように構成される超弾性材料を備える位置決めすることと、
第2のコネクタを前記ガイドワイヤ上において該ガイドワイヤの遠位端部と該ガイドワイヤの前記近位端部との間に位置決めすることと、
電磁センサを前記ガイドワイヤの前記遠位端部に位置決めすることと、
ポリマー管を前記ガイドワイヤの少なくとも一部及び前記電磁センサの少なくとも一部の周りに位置決めすることと、
前記ポリマー管の少なくとも一部に熱源を適用することと
を含む、ガイドワイヤシステムを製造する方法。
【請求項22】
前記ポリマー管の少なくとも一部に前記熱源を適用することは、前記ガイドワイヤの前記近位端部に隣接して前記熱源を適用して、前記第1のコネクタを前記ガイドワイヤの前記近位端部に固定することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ポリマー管の少なくとも一部に前記熱源を適用することは、前記ガイドワイヤの前記遠位端部に隣接して前記熱源を適用して、前記電磁センサを前記ガイドワイヤの前記遠位端部に固定することを含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記電磁センサはエポキシ内にポッティングされる、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記電磁センサは、無線周波数チッピングダイによって前記ガイドワイヤの前記遠位端部に固定される、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
(a)ガイドワイヤシステムの遠位部分をバルーン拡張カテーテルの管腔内に挿入することであって、前記ガイドワイヤシステムは、(i)遠位端部と近位端部とを有するガイドワイヤであって、(1)該ガイドワイヤに加えられた力に反応して第1の形態から第2の形態へ移行し、(2)前記力が該ガイドワイヤから除去されたことに反応して前記第2の形態から前記第1の形態に戻るように構成される超弾性材料を備えるガイドワイヤと、(ii)前記ガイドワイヤの前記近位端部に連結される第1のコネクタと、(iii)前記ガイドワイヤの前記遠位端部と前記近位端部との間に連結される第2のコネクタと、(iv)前記ガイドワイヤの前記遠位端部に連結される電磁センサと、(v)前記ガイドワイヤの少なくとも一部及び前記電磁センサの少なくとも一部を囲むポリマー管とを備え、前記バルーン拡張カテーテルは、(i)前記管腔を含む内部案内部材と、(ii)バルーンに連結されるとともに前記内部案内部材に取り付けられる可動シャフトであって、前記バルーン拡張カテーテルは、前記可動シャフトが前記内部案内部材に沿って移動することを可能にするとともに、前記可動シャフトが前記内部案内部材周りに回転することを防止するように構成される可動シャフトとを備える、挿入することと、
(b)前記ガイドワイヤの前記遠位端部が前記バルーン拡張カテーテルの遠位端部に対して固定されるように、前記ガイドワイヤシステムの前記第2のコネクタを前記バルーン拡張カテーテルに連結することと、
(c)前記電磁センサから受信したデータを使用して、前記ガイドワイヤの前記遠位端部及び前記バルーン拡張カテーテルの前記遠位端部を前記副鼻腔洞の排出通路に同時に方向付けることと、
(d)前記バルーンを膨張させることと
を含む被験者の副鼻腔洞を治療する方法。
【請求項27】
前記副鼻腔洞に対する前記ガイドワイヤの前記遠位端部の決定されたロケーションに少なくとも一部は基づいて、前記バルーン拡張カテーテルの前記遠位端部を再位置決めすることを更に含む、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、ガイドワイヤシステムに関し、より詳細には、体内の所望のロケーション、特に副鼻腔(sinus cavity)に他の様々な装置を挿入及び位置決めすることを容易にするために画像誘導手術システムと連動して使用可能なガイドワイヤシステム並びに製造方法及び使用方法に関する。
【0002】
[優先権の主張]
本特許出願は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなすものとする2019年9月13日付に出願された「Image Guided Surgery System Guide Wire and Methods of Manufacture and Use」という発明の名称の米国仮特許出願第62/899,999号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
本明細書において別段の指示がない限り、本節に記載する資料は、本出願内の請求項に対する従来技術ではなく、本節に含めることにより従来技術と認めるものでもない。
【0004】
副鼻腔炎(sinusitis)は、3500万人以上のアメリカ人及びそれ以外の先進国において同様に多数の者がかかる疾患である。副鼻腔炎は、4つの副鼻腔(sinus cavity)(すなわち、上顎洞(maxillary)、篩骨洞(ethmoid)、前頭洞(frontal)、蝶形骨洞(sphenoid))のうちの1つ以上が閉塞する場合、又はそうでなければ排出障害(drainage:ドレイナージ)を有する場合に発生する。通常は、それぞれが粘膜によって覆われている副鼻腔は粘液を生成し、粘液は繊毛によって移動して副鼻腔の外に出て鼻腔(nasal cavity)に達し、咽喉に落ちる。副鼻腔は合わせて、1日に約1リットルの粘液を作り出すため、この粘液の効果的な移送が副鼻腔の健康のために重要である。
【0005】
各副鼻腔は、鼻道に広がる排出通路又は流出路を有する。この排出通路は、前頭洞のケースでは「前頭陥凹(frontal recess)」といった、又は上顎洞のケースでは「篩骨漏斗(ethmoidal infundibulum)」といった、開口の領域の「遷移空間(transition space)」とともに開口(ostium)を有している。1つ以上の開口又は開口の近くの領域の粘膜が炎症を起こすと、粘液の放出が妨げられ、副鼻腔が感染及び/又は炎症段階になり、これがすなわち副鼻腔炎である。副鼻腔炎の多くの症例は適切な薬剤によって治療可能であるが、幾つかのケースでは、副鼻腔炎が数ヶ月又はそれ以上持続し、慢性副鼻腔炎(chronic sinusitis)と称される状態となり、内科的治療の効果がなくなり得る。また、或る患者は、再発性急性副鼻腔炎(recurrent acute sinusitis)と称される、所定の期間にわたる副鼻腔炎の頻回の発作を起こす傾向にある。
【0006】
バルーン拡張(balloon dilation)が、副鼻腔炎を治療するために狭窄した副鼻腔通路を治療するのに適用されている。これらのバルーン拡張器具は、一般に、バルーンカテーテルといったカテーテル(catheter)の遠位端に設けられた膨張可能なバルーンの使用を伴う。一般に、画像誘導手術システム(image guided surgery system)を使用して所望の鼻腔に位置決めされるガイドワイヤを使用し、膨張可能なバルーンが縮小した状態で狭窄した副鼻腔通路の中に挿入される。そして、バルーンは膨張し、治療される副鼻腔通路を開いて、又は狭窄を小さくして、良好な副鼻腔の排出及び通気を促す。同時に、副鼻腔の内面及びその排出通路の全てではないとしても大部分の機能的な粘膜組織が保たれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
鼻治療装置の配置に使用されるガイドワイヤシステムは存在するが、ガイドワイヤシステム、製造方法、及び使用方法の改善が望ましいものであり得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、ガイドワイヤシステム、製造方法、及び使用方法に関する。より詳細には、本開示は、副鼻腔炎等の鼻の病気を治療するために、画像誘導手術システムと連動して使用されるガイドワイヤシステムに関する。
【0009】
1つの例において、本開示は、ガイドワイヤシステムを提供する。本ガイドワイヤシステムは、遠位端部と近位端部とを有するガイドワイヤであって、(i)ガイドワイヤに加えられた力に反応して第1の形態から第2の形態へ移行し、(ii)力がガイドワイヤから除去されたことに反応して第2の形態から第1の形態に戻るように構成される超弾性材料を備えるガイドワイヤを備える。本ガイドワイヤシステムはまた、ガイドワイヤの近位端部に連結される第1のコネクタを備える。本ガイドワイヤシステムはまた、ガイドワイヤの遠位端部と近位端部との間に連結される第2のコネクタを備える。本ガイドワイヤシステムはまた、ガイドワイヤの遠位端部に連結される電磁センサを備える。本ガイドワイヤシステムはまた、ガイドワイヤの少なくとも一部及び電磁センサの少なくとも一部を囲むポリマー管を備える。
【0010】
別の例において、本開示は、ガイドワイヤシステムを製造する方法を提供する。本方法は、第1のコネクタをガイドワイヤの近位端部に位置決めすることであって、(i)ガイドワイヤは、ガイドワイヤに加えられた力に反応して第1の形態から第2の形態へ移行し、(ii)力がガイドワイヤから除去されたことに反応して第2の形態から第1の形態に戻るように構成される超弾性材料を備える、位置決めすることを含む。本方法はまた、第2のコネクタをガイドワイヤ上においてガイドワイヤの遠位端部とガイドワイヤの近位端部との間に位置決めすることとを含む。本方法はまた、電磁センサをガイドワイヤの遠位端部に位置決めすることを含む。本方法はまた、ポリマー管をガイドワイヤの少なくとも一部及び電磁センサの少なくとも一部の周りに位置決めすることを含む。本方法はまた、ポリマー管の少なくとも一部に熱源を適用する又は加えることを含む。
【0011】
さらに別の例において、本開示は、被験者(subject)の副鼻腔洞を治療する方法を提供する。本方法は、ガイドワイヤシステムの遠位部分をバルーン拡張カテーテルの管腔内に挿入することであって、ガイドワイヤシステムは、(i)遠位端部と近位端部とを有するガイドワイヤであって、(1)ガイドワイヤに加えられた力に反応して第1の形態から第2の形態へ移行し、(2)力がガイドワイヤから除去されたことに反応して第2の形態から第1の形態に戻るように構成される超弾性材料を備える、ガイドワイヤと、(ii)ガイドワイヤの近位端部に連結される第1のコネクタと、(iii)ガイドワイヤの遠位端部と近位端部との間に連結される第2のコネクタと、(iv)ガイドワイヤの遠位端部に連結される電磁センサと、(v)ガイドワイヤの少なくとも一部及び電磁センサの少なくとも一部を囲むポリマー管とを備え、バルーン拡張カテーテルは、(i)管腔を含む内部案内部材と、(ii)バルーンに連結されるとともに内部案内部材に取り付けられる可動シャフトであって、バルーン拡張カテーテルは、可動シャフトが内部案内部材に沿って移動することを可能にするとともに、可動シャフトが内部案内部材周りに回転することを防止するように構成される、可動シャフトとを備える、挿入することを含む。本方法はまた、ガイドワイヤの遠位端部がバルーン拡張カテーテルの遠位端部に対して固定されるように、ガイドワイヤシステムの第2のコネクタをバルーン拡張カテーテルに連結することを含む。本方法はまた、電磁センサから受信したデータを使用して、ガイドワイヤの遠位端部及びバルーン拡張カテーテルの遠位端部を副鼻腔洞の排出通路に同時に方向付けることを含む。本方法はまた、バルーンを膨張させることを含む。
【0012】
これらの態様、並びに他の態様、利点及び代替形態は、適宜添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより、当業者には明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】一例に係る、
図1のガイドワイヤシステムの線A-Aに沿って切り取った断面図である。
【
図3】一例に係る、
図2のガイドワイヤシステムの遠位端部の詳細断面図である。
【
図4】一例に係る、
図1のガイドワイヤシステムの斜視図である。
【
図5】一例に係る、
図4のガイドワイヤシステムの遠位部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書において例示的な方法及びシステムを記載する。「例示的(example)」、「典型的(exemplary)」、及び「例証的(illustrative)」という語は、本明細書において「一例、事例、又は例証としての役割を果たすこと」を意味して使用されることが理解されるべきである。「例示的」である、「典型的」である、又は「例証的」であるものとして本明細書において記載される一例又は特徴は、必ずしも他の例又は特徴と比して好ましい又は有利であると解釈されるとは限らない。本明細書に記載の例は限定する意図はない。本開示の態様は、本明細書に全般的に記載され、図示されるように、多種多様な構成に配置、置換、併合、分離、及び設計することができ、これら全てが本明細書において明示的に想定されることが容易に理解されよう。
【0015】
さらに、図示する特定の配置は限定するものとみなすべきではない。他の例が所与の図面に示す各要素をより多数又はより少数含んでもよいことが理解されるべきである。さらに、図示の要素の幾つかを併合又は省略してもよい。またさらに、一例は図示されていない要素を含んでもよい。
【0016】
以下の記載において、本開示の概念を完全に理解してもらうために多数の具体的な詳細を述べるが、本開示の概念は、これらの具体的な事物が一部又は全てなくても実施することができる。他の事例において、本開示を不必要に不明瞭にしないように、既知の装置及び/又はプロセスの詳細を省いてある。幾つかの概念を具体的な例と一緒に記載するが、これらの例は限定する意図はないことが理解されよう。
【0017】
別段の指示がない限り、「第1の」、「第2の」等の用語は、本明細書においては単に識別番号として使用されており、これらの用語が参照する項目に対して順序、位置、又は階層的な要件を課す意図はない。さらに、例えば「第2の」項目を参照したとしても、例えば「第1の」又はこれよりも数字の低い項目、及び/又は、例えば「第3の」又はこれよりも数字が高い項目の存在を必要とするものでも除外するものでもない。
【0018】
本明細書において使用する場合、指定の機能を実行するように「構成される」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、実際、更なる変更を経てようやく指定の機能を実行する可能性を有するのではなく、変更が一切なくとも指定の機能を実行することが可能である。換言すれば、指定の機能を実行するように「構成」されるシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、指定の機能を実行する目的のために具体的に選択、作製、実装、利用、プログラミング、及び/又は設計される。本明細書において使用する場合、「~するように構成される」は、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアが更なる変更なしで指定の機能を実行することを可能にする、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの既存の特性を表すものである。本開示に関して、特定の機能を実行するように「構成」されるものとして本明細書に記載されるシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、付加的に又は代替的に、その機能を実行するように「適合」されるものとして及び/又は「動作可能」であるものとして記載される場合がある。
【0019】
以下の請求項の限定は、このような請求項の限定が、「~する手段(means for)」の後に機能の言及があり更なる構造がない文言を明示的に使用していない限りにおいて、ミーンズプラスファンクション形式で記述されておらず、米国特許法第112条(f)項に基づく解釈を意図していない。
【0020】
本明細書において説明される量又は測定値を参照して「約(about)」、「約(approximately)」、又は「実質的に(substantially)」という用語を用いる場合、言及される特徴、パラメータ、又は値が正確に実現される必要はなく、例えば、許容誤差、測定誤差、測定精度の制限、及び当業者に知られている他の要因を含む偏差又は変動が、特徴によってもたらされることが意図されている効果を除外しない程度に起こり得ることを意味する。
【0021】
本開示に係る主題の、特許請求される場合がある又は特許請求されない場合がある、例証的で非網羅的な例を以下に提供する。
【0022】
図面を参照すると、
図1は一例に係るガイドワイヤシステム100であり、
図2は
図1のガイドワイヤシステムの線A-Aに沿って切り取った断面図である。
図2に示すように、ガイドワイヤシステム100は、遠位端部104と近位端部106とを有するガイドワイヤ102を備える。ガイドワイヤシステム100は、ガイドワイヤ102の近位端部106に連結(couple)される第1のコネクタ108と、ガイドワイヤ102の遠位端部104と近位端部106との間に連結される第2のコネクタ110とを更に備える。ガイドワイヤ102の遠位端部104には電磁センサ112が連結される。ガイドワイヤシステム100は、ガイドワイヤ102の少なくとも一部及び電磁センサ112の少なくとも一部を囲むポリマー管114を更に備える。1つの例において、ガイドワイヤシステム100は、各手技(procedure)の後に廃棄される。別の例において、ガイドワイヤシステム100は、各手技の後に殺菌して再使用することができる。
【0023】
ガイドワイヤ102は超弾性材料(superelastic material)を含む。超弾性材料は、機械荷重を受けると、応力誘起相(stress induced phase)の生成によって高歪み(最大10%)まで可逆的に変形する。荷重が除去されると、この新しい相が不安定になり、材料は自ずと原形を取り戻す。したがって、ガイドワイヤ102は、(i)ガイドワイヤ102に加えられた力に反応して第1の形態から第2の形態へ移行し、(ii)力がガイドワイヤ102から除去されたことに反応して第2の形態から第1の形態に戻るように構成される。1つの特定の例において、ガイドワイヤ102は、第1の形態においては直線形状を有し、第2の形態においては屈曲形状を有する。ガイドワイヤ102の超弾性により、ガイドワイヤシステム100にねじれ抵抗(kink resistance)及び引張強度(tensile strengthen)がもたらされる。1つの特定の例において、超弾性材料は、ニチノール(nitinol)等のニッケルチタン合金を含む。他の超弾性材料も可能である。ガイドワイヤ102は、ガイドワイヤ102とガイドワイヤシステム100の他の構成要素との間の摩擦を低減する潤滑性コーティング(lubricious coating)を含むことができる。ガイドワイヤ102の直径は約0.4mm~約1mmの範囲である。
【0024】
1つの例において、ガイドワイヤ102の硬度は、近位端部106から遠位端部104までのガイドワイヤ102の全長にわたって一定である。別の例において、ガイドワイヤ102の遠位部分の硬度は、ガイドワイヤ102の近位部分の硬度未満である。このような例において、ガイドワイヤ102の遠位部分の長さは、ガイドワイヤ102の近位部分の長さ未満である。ガイドワイヤ102の遠位部分の硬度が減少していることにより、ガイドワイヤ102の遠位部分の柔軟性が増大することができ、或る特定の使用事例において有利であり得る。
【0025】
1つの例において、ガイドワイヤ102の直径は、近位端部106から遠位端部104までのガイドワイヤ102の全長にわたって一定である。別の例において、ガイドワイヤ102の遠位部分の直径は、ガイドワイヤ102の近位部分の直径未満である。このような例において、ガイドワイヤ102の遠位部分の長さは、ガイドワイヤ102の近位部分の長さ未満である。ガイドワイヤ102の遠位部分の直径が減少していることにより、ガイドワイヤ102の遠位部分の柔軟性が増大することができ、或る特定の使用事例において有利であり得る。
【0026】
図1に示し上述したように、ガイドワイヤシステム100は、ガイドワイヤ102の近位端部106に連結される第1のコネクタ108を備える。1つの例において、第1のコネクタ108は、非限定的な例として10ピンコネクタ等のピンコネクタを含む。別の例において、ポリマー管114は、第1のコネクタ108の少なくとも一部を囲み、第1のコネクタ108は、ポリマー管114とガイドワイヤ102との間に熱接着によってガイドワイヤ102の近位端部106に固定される。別の例において、ガイドワイヤシステム100は、ガイドワイヤ102の周りに第1のコネクタ108と第2のコネクタ110との間に位置決めされる第2のポリマー管を更に備える。
【0027】
第1のコネクタ108はフレキシブル回路を含むことができ、フレキシブル回路は、第1のコネクタ108が画像誘導手術システム(image guided surgery system)に連結されたときに、ガイドワイヤシステム100の識別情報を画像誘導手術システムに送信するように構成されるメモリチップを含む。フレキシブル回路は、電子装置をフレキシブルプラスチック基板に取り付けることによって組み付けられる電子回路を含む。例として、フレキシブルプラスチック基板は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及び透明導電性ポリエステルフィルムから選択される少なくとも1つの材料から形成することができる。このような設計により、回路基板は所望の形状に適合すること、又は使用時に屈曲することが可能になる。
【0028】
図1に示し上述したように、ガイドワイヤシステム100は、ガイドワイヤ102の遠位端部104と近位端部106との間に連結される第2のコネクタ110を更に備える。1つの例において、第2のコネクタ110は、バルーン拡張カテーテルの相補的なバヨネットコネクタ(bayonet connector)と相互作用することで、ガイドワイヤシステム100をバルーン拡張カテーテルに連結するように構成されるバヨネットコネクタを含む。1つの特定の例において、第2のコネクタ110はバルーン拡張カテーテルのハンドピース(handpiece)に連結される。ハンドピースへの第2のコネクタ110の幾何形状により、ユーザはガイドワイヤ102の遠位端部104とバルーン拡張カテーテルの遠位端部との間に所望の距離を設定することが可能になる。1つの例において、第2のコネクタ110がバルーン拡張カテーテルに連結される場合には、ガイドワイヤ102の遠位端部104は、バルーン拡張カテーテルの遠位端部と位置合わせされる。別の例において、第2のコネクタ110がバルーン拡張カテーテルに連結される場合には、ガイドワイヤ102の遠位端部104は、バルーン拡張カテーテルの遠位端部から遠位方向に延在する。
【0029】
副鼻腔と関連する解剖学的構造の拡張に特に適した典型的なバルーン拡張カテーテル及び使用方法、並びにガイドワイヤシステム100との使用方法は、例えば、米国特許第8,282,667号に開示されている。この米国特許は引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0030】
図1に示し上述したように、ガイドワイヤシステム100は、ガイドワイヤ102の遠位端部104に位置決めされる電磁センサ112を備える。使用時、電磁センサ112は、画像誘導手術システムとインタラクトして、電磁センサ112のロケーションを示すデータを画像誘導手術システムに送信するように構成される。電磁センサ112がガイドワイヤ102の遠位端部104に位置決めされることから、電磁センサ112の送信されるロケーションは、ガイドワイヤ102の遠位端部104のロケーションに対応する。以下に更に詳細に論述するように、この情報を使用して、装置(バルーン拡張カテーテル等)が所望の鼻腔に適切に位置決めされ、副鼻腔炎等の鼻の病気を治療することを確実にすることができる。
【0031】
1つの例において、電磁センサ112は、エポキシによってポッティングされ(potted)てから、ガイドワイヤ102の遠位端部104に連結される。別の例において、電磁センサ112は、エポキシによってポッティングされることによりガイドワイヤ102の遠位端部104に連結される。電磁センサ112をエポキシ内にポッティングすることにより、複数の鼻腔手技の厳密さにより良好に耐えることができる、よりロバストなセンサが提供され得る。更に別の例において、電磁センサ112は、無線周波数(RF)チッピングダイ(radio frequency (RF) tipping die)によってガイドワイヤ102の遠位端部104に固定することができる。RFチッピングダイを利用することにより、接着剤を使用することなく電磁センサ112をガイドワイヤ102の遠位端部104に接合するという利益が得られる。さらに、RFチッピングダイが電磁センサ112をポリマー管114に接合することから、RFチッピングダイにより電磁センサ112の移動が防止される。
【0032】
1つの例において、ガイドワイヤシステム100は、ガイドワイヤ102の遠位端部104に位置決めされるカメラを更に備える。このような例において、電磁センサ112はカメラと協働して、医療専門家にガイドワイヤ102の遠位端部104のロケーションを提供することができる。
【0033】
別の例において、上述した例のいずれかのガイドワイヤシステム100の製造方法が提供される。本方法は、(a)第1のコネクタ108をガイドワイヤ102の近位端部106に位置決めすることであって、ガイドワイヤ102は、(i)ガイドワイヤ102に加えられた力に反応して第1の形態から第2の形態へ移行し、(ii)力がガイドワイヤ102から除去されたことに反応して第2の形態から第1の形態に戻るように構成される超弾性材料を備える、位置決めすることと、(b)第2のコネクタ110をガイドワイヤ102上においてガイドワイヤ102の遠位端部104とガイドワイヤ102の近位端部106との間に位置決めすることと、(c)電磁センサ112をガイドワイヤ102の遠位端部104に位置決めすることと、(d)ポリマー管114をガイドワイヤ102の少なくとも一部及び電磁センサ112の少なくとも一部の周りに位置決めすることと、(e)ポリマー管114の少なくとも一部に熱源を適用する又は加える(apply)こととを含むことができる。
【0034】
上述した方法の1つの例において、ポリマー管114の少なくとも一部に熱源を適用することは、ガイドワイヤ102の近位端部106に隣接して熱源を適用して、第1のコネクタ108をガイドワイヤ102の近位端部106に固定することを含む。本方法の別の例において、ポリマー管114の少なくとも一部に熱源を適用することは、ガイドワイヤ102の遠位端部104に隣接して熱源を適用して、電磁センサ112をガイドワイヤ102の遠位端部104に固定することを含む。
【0035】
上述したように、電磁センサ112は、エポキシ内にポッティングされてから、ガイドワイヤ102の遠位端部104に連結される。別の例において、電磁センサ112は、エポキシ内にポッティングされることによりガイドワイヤ102の遠位端部104に連結される。更に別の例において、電磁センサ112は、無線周波数チッピングダイによってガイドワイヤ102の遠位端部104に固定される。
【0036】
1つの例において、被験者の副鼻腔洞を治療する方法が開示される。本方法は、(a)ガイドワイヤシステムの遠位部分をバルーン拡張カテーテルの管腔内に挿入することであって、ガイドワイヤシステムは、(i)遠位端部と近位端部とを有するガイドワイヤであって、(1)ガイドワイヤに加えられた力に反応して第1の形態から第2の形態へ移行し、(2)力がガイドワイヤから除去されたことに反応して第2の形態から第1の形態に戻るように構成される超弾性材料を備える、ガイドワイヤと、(ii)ガイドワイヤの近位端部に連結される第1のコネクタと、(iii)ガイドワイヤの遠位端部と近位端部との間に連結される第2のコネクタと、(iv)ガイドワイヤの遠位端部に連結される電磁センサと、(v)ガイドワイヤの少なくとも一部及び電磁センサの少なくとも一部を囲むポリマー管とを備え、バルーン拡張カテーテルは、(i)管腔を含む内部案内部材と、(ii)バルーンに連結されるとともに内部案内部材に取り付けられる可動シャフトであって、バルーン拡張カテーテルは、可動シャフトが内部案内部材に沿って移動することを可能にするとともに、可動シャフトが内部案内部材周りに回転することを防止するように構成される、可動シャフトとを備える、挿入することと、(b)ガイドワイヤの遠位端部がバルーン拡張カテーテルの遠位端部に対して固定されるように、ガイドワイヤシステムの第2のコネクタをバルーン拡張カテーテルに連結することと、(c)電磁センサから受信したデータを使用して、ガイドワイヤの遠位端部及びバルーン拡張カテーテルの遠位端部を副鼻腔洞の排出通路に同時に方向付けることと、(d)バルーンを膨張させることとを含む。
【0037】
1つの例において、第2のコネクタ110がバルーン拡張カテーテルに連結される場合には、ガイドワイヤ102の遠位端部104は、バルーン拡張カテーテルの遠位端部と位置合わせされる。別の例において、第2のコネクタ110がバルーン拡張カテーテルに連結される場合には、ガイドワイヤ102の遠位端部104は、バルーン拡張カテーテルの遠位端部から遠位方向に延在する。1つの例において、本方法は、副鼻腔洞に対するガイドワイヤ102の遠位端部104の決定されたロケーションに少なくとも一部は基づいて、内部案内部材を再位置決めすることを更に含むことができる。
【0038】
別の例において、被験者の副鼻腔洞を治療する別の方法が開示される。本方法は、(a)上述した例のいずれかのガイドワイヤシステム100の一部を被験者の鼻孔内に挿入することと、(b)電磁センサ112から受信したデータを使用して、ガイドワイヤ102の遠位端部104を副鼻腔洞の排出通路に方向付けることと、(c)ガイドワイヤ102の遠位端部104が排出通路内にある間に、ガイドワイヤ102を覆うようにバルーン拡張カテーテルを位置決めすることであって、バルーン拡張カテーテルは、(i)管腔を含む内部案内部材と、(ii)バルーンに連結されるとともに内部案内部材に取り付けられる可動シャフトであって、バルーン拡張カテーテルは、可動シャフトが内部案内部材に沿って移動することを可能にするとともに、可動シャフトが内部案内部材周りに回転することを防止するように構成される、可動シャフトとを備える、位置決めすることと、(d)内部案内部材をガイドワイヤにわたって副鼻腔洞の排出通路まで方向付けることと、(e)内部案内部材を排出通路に対して静止した状態を保ちながら、可動シャフト及びバルーン拡張カテーテルを前進させてバルーンを排出通路内に配置することと、(f)バルーンを膨張させることとを含む。
【0039】
1つの例において、第2のコネクタ110がバルーン拡張カテーテルに連結される場合には、ガイドワイヤ102の遠位端部104は、バルーン拡張カテーテルの遠位端部と位置合わせされる。別の例において、第2のコネクタ110がバルーン拡張カテーテルに連結される場合には、ガイドワイヤ102の遠位端部104は、バルーン拡張カテーテルの遠位端部から遠位方向に延在する。1つの例において、本方法は、副鼻腔洞に対するガイドワイヤ102の遠位端部104の決定されたロケーションに少なくとも一部は基づいて、内部案内部材を再位置決めすることを更に含むことができる。
【0040】
更に別の例において、被験者の副鼻腔洞を治療する別の方法が開示される。本方法は、(a)バルーン拡張カテーテルの遠位部分を被験者の鼻孔内に挿入することであって、バルーン拡張カテーテルは、(i)管腔を含む内部案内部材と、(ii)バルーンに連結されるとともに内部案内部材に取り付けられる可動シャフトであって、バルーン拡張カテーテルは、可動シャフトが内部案内部材に沿って移動することを可能にするとともに、可動シャフトが内部案内部材周りに回転することを防止するように構成される、可動シャフトとを備える、挿入することと、(b)内部案内部材を副鼻腔洞の排出通路に方向付けることと、(c)内部案内部材を排出通路に対して静止した状態を保ちながら、可動シャフト及びバルーン拡張カテーテルを前進させてバルーンを排出通路内に配置することと、(d)バルーンが排出通路内にある間に、上述した例のいずれかのガイドワイヤシステム100を内部案内部材の管腔内に挿入することと、(e)ガイドワイヤ102の遠位端部104が内部案内部材の遠位端部と位置合わせされるまで、管腔を通してガイドワイヤシステムを前進させることと、(f)バルーンを膨張させることとを含む。1つの例において、本方法は、副鼻腔洞に対するガイドワイヤ102の遠位端部104の決定されたロケーションに少なくとも一部が基づいて、内部案内部材を再位置決めすることを更に含むことができる。
【0041】
本明細書に記載の方法は、上述した装置及びシステムの例又は変形とともに、及び、本明細書に明示的に記載されていない他の例及び変形とともに効果的に利用することができる。本明細書の例のいずれかに記載した装置又は装置構成要素のいずれかの特徴は、装置又は装置構成要素の他の適切な例において使用することができる。
【0042】
本明細書に記載の配置が例示目的でしかないことが理解されるべきである。したがって、当業者は、他の配置及び他の要素(例えば、機械、インタフェース、機能、順序、機能のグループ化等)を代わりに使用することができ、所望の結果に応じて幾つかの要素を完全に省略してもよいことを理解するであろう。さらに、記載した要素の多くは、別個の若しくは分散した構成要素としても実施してもよいし、他の構成要素とともに任意の適切な組み合わせ及びロケーションにおいて実施してもよい、又は独立した構造として記載された他の構造要素を併合してもよい機能エンティティである。
【0043】
本明細書において様々な態様及び例を開示してきたが、他の態様及び例が当業者には明らかであろう。本明細書に開示した様々な態様及び例は、例証を目的としており、限定する意図はなく、真の範囲は、以下の請求項が権利を付与される均等物の全範囲とともにそのような請求項によって示される。本明細書において使用した術語は、特定の例を記載することのみを目的としており、限定する意図はないことも理解されるべきである。
【国際調査報告】