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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(54)【発明の名称】超音波検査システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20221114BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20221114BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20221114BHJP
   H01M 10/655 20140101ALI20221114BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20221114BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20221114BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M50/211
H01M50/293
H01M10/655
H01M10/613
H01M10/647
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516362
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 KR2021005320
(87)【国際公開番号】W WO2021235718
(87)【国際公開日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0060502
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウォンソク・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ジェヒョン・ペ
(72)【発明者】
【氏名】カンイル・イ
(72)【発明者】
【氏名】ナヒ・オ
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031EE04
5H031KK00
5H040AA03
5H040AT04
5H040AY04
5H040AY10
5H040JJ09
5H040LL06
5H040NN03
(57)【要約】
本発明の一実施形態による超音波検査システムは、外部から前記モジュールフレームの底面の縁部の一部分に向かって超音波を送出して測定される超音波の波形変化を通じて熱伝導性樹脂層を形成する熱伝導性樹脂の充填有無を判別する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層形成された電池セル積層体;前記電池セル積層体を収容するモジュールフレーム;および前記電池セル積層体の下端と前記モジュールフレームの底面の間に形成される熱伝導性樹脂層を含む電池モジュールにおいて、
外部から前記モジュールフレームの底面の縁部の一部分に向かって超音波を送出して測定される超音波の波形変化を通じて熱伝導性樹脂層を形成する熱伝導性樹脂の充填有無を判別する超音波検査システム。
【請求項2】
前記超音波を送出および感知する超音波センサは、前記モジュールフレームの外側で前記モジュールフレームの底面と接触するように配置される、請求項1に記載の超音波検査システム。
【請求項3】
前記超音波センサは複数個で形成され、前記複数個の超音波センサは前記モジュールフレームの底面の縁に配置される、請求項2に記載の超音波検査システム。
【請求項4】
前記熱伝導性樹脂層は、前記モジュールフレームの底面に形成された注液ホールを通じて注液された熱伝導性樹脂から形成される層である、請求項1~3の何れか一項に記載の超音波検査システム。
【請求項5】
前記注液ホールは、前記モジュールフレームの底面の中央部に複数個で配列される、請求項4に記載の超音波検査システム。
【請求項6】
前記超音波が送出される位置は、前記複数個の注液ホールから離隔した位置である、請求項5に記載の超音波検査システム。
【請求項7】
モジュールフレームの底面に形成された注液ホールを通じて熱伝導性樹脂を注液する段階;
前記熱伝導性樹脂の注液を停止し、前記モジュールフレームの底面の外側縁部の一部分に超音波センサを配置する段階;
前記超音波センサを通じて前記モジュールフレームの底面へ超音波を送出する段階;および
前記超音波の波形による前記熱伝導性樹脂の充填有無を判別する段階を含む、超音波検査方法。
【請求項8】
前記超音波の波形を通じて前記熱伝導性樹脂が充填されたと判別される場合、前記注液段階を終了する段階をさらに含む、請求項7に記載の超音波検査方法。
【請求項9】
前記超音波の波形を通じて前記熱伝導性樹脂が充填されなかったと判別される場合、前記注液ホールを通じて前記熱伝導性樹脂を追加的に注液する段階をさらに含む、請求項7に記載の超音波検査方法。
【請求項10】
前記超音波の波形による熱伝導性樹脂の充填有無を判別する段階後、前記超音波センサを前記モジュールフレームの底面の外側縁部の他部分に配置し超音波を送出して超音波の波形による前記熱伝導性樹脂の充填有無を判別する段階をさらに含む、請求項7~9の何れか一項に記載の超音波検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互引用)
本出願は2020年5月20日付韓国特許出願第10-2020-0060502号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は超音波検査システムおよび方法に関するものであって、より詳しくは、電池モジュールの熱伝導性樹脂充填有無確認のための超音波非破壊検査システムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、モバイル機器および電気自動車などの多様な製品群でエネルギー源として多くの関心を受けている。このような二次電池は化石燃料を使用する既存製品の使用を代替することができる有力なエネルギー資源であって、エネルギー使用による副産物が発生しないため環境にやさしいエネルギー源として脚光を浴びている。
【0004】
最近、二次電池のエネルギー貯蔵源としての活用をはじめとして大容量二次電池構造に対する必要性が高まるにつれて、多数の二次電池が直列/並列に連結された電池モジュールを集合させたマルチモジュール構造の電池パックに対する需要が増加している。
【0005】
一方、複数個の電池セルを直列/並列に連結して電池パックを構成する場合、少なくとも一つの電池セルからなる電池モジュールを構成し、このような少なくとも一つの電池モジュールを用いてその他の構成要素を追加して電池パックを構成する方法が一般的である。
【0006】
このような電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体、電池セル積層体を収容するフレーム、および電池セル積層体とモジュールフレームの間に注液されて形成される熱伝導性樹脂層を含む。
【0007】
熱伝導性樹脂層は電池モジュール内部で発生する熱を外部に伝達する冷却機能を遂行する核心的な役割を担当するので、熱伝導性樹脂を電池モジュール内部に注液した後、熱伝導性樹脂がモジュールフレームの底面によく塗布されたかどうかを検査する段階が必須的に要求される。
【0008】
従来は、モジュールフレーム底面に形成されたチェッキングホールに注液された熱伝導性樹脂が満ちてくる場合、ビジョン(vision)センサがこれを認識して熱伝導性樹脂の注液量を調節した。しかし、ビジョンセンサは検出力自体が劣りチェッキングホール以外の他の部分に対する充填有無を確認し難い問題がある。また、熱伝導性樹脂が硬化した後、チェッキングホールに突き上がった溢れ(overflow)を除去する後工程が必要であり、これによる熱伝導性樹脂の損失が発生することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は、熱伝導性樹脂の損失を防止するとともに、電池モジュール内部に形成された熱伝導性樹脂層の塗布状態を正確に確認することができる超音波検査システムおよび方法を提供することである。
【0010】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を実現するための本発明の一実施形態による超音波検査システムは、複数の電池セルが積層形成された電池セル積層体;前記電池セル積層体を収容するモジュールフレーム;および前記電池セル積層体の下端と前記モジュールフレームの底面の間に形成される熱伝導性樹脂層を含む電池モジュールにおいて、外部から前記モジュールフレームの底面の縁部の一部分に向かって超音波を送出して測定される超音波の波形変化を通じて熱伝導性樹脂層を形成する熱伝導性樹脂の充填有無を判別する。
【0012】
前記超音波を送出および感知する超音波センサは、前記モジュールフレームの外側で前記モジュールフレームの底面と接触するように配置できる。
【0013】
前記超音波センサは複数個で形成され、前記複数個の超音波センサは前記モジュールフレームの底面の縁に配置できる。
【0014】
前記熱伝導性樹脂層は、前記モジュールフレームの底面に形成された注液ホールを通じて注液された熱伝導性樹脂から形成できる層である。
【0015】
前記注液ホールは、前記モジュールフレームの底面の中央部に複数個で配列できる。
【0016】
前記超音波が送出される位置は、前記複数個の注液ホールから離隔した位置であってもよい。
【0017】
前記課題を実現するための本発明の一実施形態による超音波検査方法は、モジュールフレームの底面に形成された注液ホールを通じて熱伝導性樹脂を注液する段階;前記熱伝導性樹脂の注液を停止し、前記モジュールフレームの底面の外側縁部の一部分に超音波センサを配置する段階;前記超音波センサを通じて前記モジュールフレームの底面へ超音波を送出する段階;および前記超音波の波形による前記熱伝導性樹脂の充填有無を判別する段階を含む。
【0018】
前記超音波の波形を通じて前記熱伝導性樹脂が充填されたと判別される場合、前記注液段階を終了する段階をさらに含むことができる。
【0019】
前記超音波の波形を通じて前記熱伝導性樹脂が充填されなかったと判別される場合、前記注液ホールを通じて前記熱伝導性樹脂を追加的に注液する段階をさらに含むことができる。
【0020】
前記超音波の波形による熱伝導性樹脂の充填有無を判別する段階後、前記超音波センサを前記モジュールフレームの底面の外側縁部の他部分に配置し超音波を送出して超音波の波形による前記熱伝導性樹脂の充填有無を判別する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態による超音波検査システムおよび方法は、超音波センサを用いて熱伝導性樹脂の充填有無を正確に判別することができる効果を提供する。
【0022】
本発明の効果は以上で言及した効果で制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態による電池モジュールの分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による電池モジュールの底面部分を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による超音波センサの位置を示す図である。
図4】本発明の一実施形態による熱伝導性樹脂の注液時、超音波の検査位置を示す側断面図である。
図5】本発明の一実施形態による熱伝導性樹脂の充填有無判別のための超音波検査方法を示す比較図面である。
図6】本発明の一実施形態による超音波検査方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下で説明される実施形態は発明の理解を助けるために例示的に示したものであり、本発明はここで説明される実施形態と異なり多様に変形されて実施できるのが理解されなければならないはずである。但し、本発明を説明することにおいて、関連する公知の機能あるいは構成要素に関する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に不明にすることがあると判断される場合、その詳細な説明および具体的な図示を省略する。
【0025】
本明細書で使用される第1、第2の用語は多様な構成要素を説明するのに使用できるが、構成要素は用語によって限定されてはならない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。
【0026】
また、本明細書で使用される用語は単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、権利範囲を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書で“含む”、“成る”または“構成される”などの用語は明細書上記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたものが存在するのを指定しようとするのであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたもの存在または付加可能性を予め排除しないと理解されなければならない。
【0027】
以下、図1および図2を参照して本発明の一実施形態による電池モジュールの構成について説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態による電池モジュールの分解斜視図である。図2は、本発明の一実施形態による電池モジュールの底面部分を示す斜視図である。
【0029】
図1および図2を参照すれば、本実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体100、電池セル積層体100を収容するモジュールフレーム300、および電池セル積層体100の下端とモジュールフレーム300の底面の間に注液されて形成される熱伝導性樹脂層400を含む。
【0030】
電池セルは二次電池であって、パウチ型二次電池から構成できる。このような電池セルは複数個で構成でき、複数の電池セルは相互電気的に連結されるように相互積層されて電池セル積層体100を形成することができる。このような複数個の電池セルはそれぞれ電極組立体、電池ケース、および電極組立体から突出した電極リードを含むことができる。
【0031】
バスバーフレームアセンブリー200は、電池セル積層体100の前後面および上側面に形成される。バスバーフレームアセンブリー200は、電池セル積層体100の前後面をカバーし、複数個の電池セルの電極リードを電気的に連結するバスバーフレーム210、電池セル積層体100の上側面をカバーし、両端のバスバーフレーム210を連結する上部プレート220から形成される。上部プレート220の下面には軟性回路基板が備えられて、両端のバスバーフレームを電気的に連結することができる。
【0032】
モジュールフレーム300は、電池セル積層体100およびバスバーフレームアセンブリー200を収容することができるように上下左右面に形成される。電池セル積層体100の最外郭電池セルとフレームの左右面がそれぞれ接する部分には圧縮パッドが形成されて、電池セルのスウェリング発生時、モジュールフレーム300と電池セル間の公差を吸収することができる。
【0033】
エンドプレート320は、電池セル積層体100およびバスバーフレームアセンブリー200がモジュールフレーム300内部に収容されれば、電池セル積層体100の前後面をカバーするようにモジュールフレーム300の前後面と結合される。これによって、モジュールフレーム300内部の電装品を保護し、エンドプレート320に形成されたマウンティング構造を通じて電池モジュールを電池パックに装着することができる。
【0034】
熱伝導性樹脂層400は、電池セル積層体100の下端とモジュールフレーム300の底面310の間に熱伝導性樹脂が注液されて形成できる。熱伝導性樹脂はサーマルレジン(Thermal Resin)から形成できる。熱伝導性樹脂層400は、電池セル積層体100の複数の電池セル下端と接触するように十分な量が注液できる。熱伝導性樹脂層400を通じて電池セル積層体100で発生する熱を伝達して外部に放出することによって電池モジュールの冷却機能を遂行することができる。
【0035】
熱伝導性樹脂層400は、図2に示されているように、モジュールフレーム300の底面に形成された注液ホール500を通じて熱伝導性樹脂が注液されて形成できる。この時、注液ホール500は、モジュールフレーム300の底面310中央部に複数個で配列できる。熱伝導性樹脂は、サーマルレジン(Thermal Resin)から形成できる。
【0036】
以下、図3図5を参照して本発明の一実施形態による超音波検査システムについて説明する。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態による超音波センサの位置を示す図である。図4は、本発明の一実施形態による熱伝導性樹脂の注液時、超音波の検査位置を示す側断面図である。図5は、本発明の一実施形態による熱伝導性樹脂の充填有無判別のための超音波検査方法を示す比較図面である。
【0038】
図3図5を参照すれば、本実施形態による超音波検査システムは、外部からモジュールフレーム底面310の縁部の一部分に向かって超音波を送出して測定される超音波の波形変化を通じて熱伝導性樹脂層400を形成する熱伝導性樹脂の充填有無を判別する。
【0039】
従来は、チェッキングホールに注液された熱伝導性樹脂が満ちてくれば、ビジョン(vision)センサがこれを認識する方式で注液量を調節した。しかし、ビジョンセンサは熱伝導性樹脂の検出力が劣り、チェッキングホール以外の他の部分に熱伝導性樹脂が充填されたかどうかは確認しにくい問題があった。特に、注液ホールがモジュールフレーム底面の中央に位置するので、注液ホールと遠く離れているモジュールフレーム底面の縁部分まで熱伝導性樹脂の充填有無を確認することができない問題があった。
【0040】
また、熱伝導性樹脂が十分に注液される場合、熱伝導性樹脂がチェッキングホールを通じてあふれた後に硬化するので、チェッキングホールを通じてあふれて硬化した部分を除去する後工程が必要であり、あふれて硬化しただけの熱伝導性樹脂の損失が発生することがある。
【0041】
よって、本実施形態によれば、モジュールフレーム底面310の縁部の一部分に向かって超音波を送出し、送出された超音波の反射波を測定して測定された超音波の波形変化を通じて熱伝導性樹脂層を形成する熱伝導性樹脂がモジュールフレーム底面の縁まで充填されたかどうかを確認することができて、熱伝導性樹脂の充填有無をより正確に判別することができる。
【0042】
また、超音波センサのみで電池モジュール内部の熱伝導性樹脂の充填有無を確認することができるので、チェッキングホールを通じた充填有無測定方式が必要でなくなって、従来のチェッキングホールの加工費用を節減することができ、チェッキングホールを通じてあふれて硬化する熱伝導性樹脂の除去工程を削除することができ、あふれて硬化した熱伝導性樹脂の除去量だけ熱伝導性樹脂の材料費を節減することができる。
【0043】
本実施形態によれば、図4に示されているように、超音波を送出および感知する超音波センサ600は、モジュールフレーム300の外側でモジュールフレームの底面310と接触するように配置できる。超音波センサ600は複数個で形成でき、複数個の超音波センサがモジュールフレームの底面の縁に配置できる。
【0044】
熱伝導性樹脂層400はモジュールフレームの底面310に形成された注液ホール500を通じて熱伝導性樹脂が注液されて形成され、注液ホール500はモジュールフレームの底面310中央部に複数個で配列されるので、超音波が送出される位置は複数個の注液ホール500から離隔した位置であり得る。したがって、注液ホール500を通じて注液された熱伝導性樹脂が、電池セル積層体100とモジュールフレーム底面310の間空間を通じて注液ホール500から離隔した位置まで塗布されたかどうかを、超音波を用いて確認することができる。
【0045】
図5を参照すれば、電池モジュール内部に熱伝導性樹脂が充填されていない部分はモジュールフレーム底面310の素材であるアルミニウム固有の波形が観測されるが、熱伝導性樹脂が充填された部分は波形が消滅される波形差が発生する。これによって、モジュールフレーム底面310部分の特定位置に超音波センサ600を接触させて内部の熱伝導性樹脂の充填有無を判別することができる。
【0046】
以下、図6を参照して、本発明の一実施形態による超音波検査方法について説明する。
【0047】
図6は、本発明の一実施形態による超音波検査方法を示すフローチャートである。
【0048】
図4および図6を参照すれば、本実施形態による超音波検査方法は、モジュールフレーム底面310に形成された注液ホール500を通じて熱伝導性樹脂を注液する段階(S100)、熱伝導性樹脂の注液を停止(S200)し、モジュールフレームの底面310外側縁部の一部分に(図3を参照)超音波センサを配置する段階(S300)、超音波センサ600を通じてモジュールフレーム底面310へ超音波を送出する段階(S400)、および超音波の波形による熱伝導性樹脂の充填有無を判別する段階(S500)を含む。
【0049】
本実施形態によれば、超音波の波形を通じて熱伝導性樹脂が充填されたと判別される場合、注液段階を終了(S600)する段階をさらに含むことができる。
【0050】
また本実施形態によれば、超音波の波形を通じて熱伝導性樹脂が充填されなかったと判別される場合(S520)、注液ホール500を通じて熱伝導性樹脂を追加的に注液する段階(S700)をさらに含むことができる。熱伝導性樹脂を追加的に注液した後、超音波センサを既に配置されていた位置に再び配置し超音波を送出して当該位置で熱伝導性樹脂が充填されたかどうかを再確認することができる。
【0051】
また本実施形態によれば、超音波の波形を通じて熱伝導性樹脂が充填されたと判別される場合、注液段階を終了(S600)する段階をさらに含むことができる。
【0052】
また本実施形態によれば、超音波の波形による熱伝導性樹脂の充填有無を判別する段階後、超音波センサ600をモジュールフレームの底面310外側縁部の他部分に配置し超音波を送出して超音波の波形による熱伝導性樹脂の充填有無を判別する段階をさらに含むことができる。これによって、熱伝導性樹脂の充填有無をモジュールフレーム底面310の様々な位置で確認することができて熱伝導性樹脂の充填有無をより精密に判別することができる。
【0053】
以上では本発明の好ましい実施形態について図示して説明したが、本発明は前述の特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であるのはもちろんであり、このような変形実施は本発明の技術的な思想や展望から個別的に理解されてはならないはずである。
【符号の説明】
【0054】
100:電池セル積層体
200:バスバーフレームアセンブリー
300:モジュールフレーム
310:モジュールフレーム底面
320:エンドプレート
400:熱伝導性樹脂層
500:注液ホール
600:超音波センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】