IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カンパニー ジェネラレ デ エスタブリシュメンツ ミシュランの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(54)【発明の名称】ゴム組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/08 20060101AFI20221114BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20221114BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20221114BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20221114BHJP
   C08F 210/02 20060101ALI20221114BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
C08L23/08
C08K3/04
C08K3/36
C08K3/013
C08F210/02
B60C1/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516371
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 FR2020051604
(87)【国際公開番号】W WO2021053296
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】1910301
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100156982
【弁理士】
【氏名又は名称】秋澤 慈
(72)【発明者】
【氏名】モレソ エマ
(72)【発明者】
【氏名】アラウホ ダ シルヴァ ホセ-カルロス
【テーマコード(参考)】
3D131
4J002
4J100
【Fターム(参考)】
3D131AA02
3D131BA03
3D131BA05
4J002AE042
4J002AE052
4J002BA012
4J002BB041
4J002DA036
4J002DA048
4J002DE108
4J002DJ016
4J002ER028
4J002EX030
4J002EX080
4J002FD016
4J002FD027
4J002FD070
4J002FD090
4J002FD148
4J002FD158
4J002GN01
4J100AA02P
4J100AS21Q
4J100CA04
4J100CA21
4J100DA25
4J100DA41
4J100DA47
4J100FA10
4J100FA19
4J100FA28
4J100JA29
(57)【要約】
本発明は、補強フィラー、架橋系、及び50phr超~100phrの、1,3-ジエンCH2=CR-CH=CH2(記号Rは、3~20個の炭素原子を有する炭化水素鎖を表す)とのエチレンコポリマーであるエラストマーを含有するゴム組成物に関する。上記ゴム組成物は、剛性及びヒステリシスという特性間の良好な妥協を実現する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強フィラー、架橋系、及び50phr超~100phrの、エチレンと下記式(I)
CH2=CR-CH=CH2 (I)
(記号Rは、3~20個の炭素原子を有する炭化水素鎖を表す)
の1,3-ジエンとのコポリマーであるエラストマーを含むゴム組成物。
【請求項2】
前記コポリマーが、前記エチレン単位及び前記1,3-ジエン単位の50モル%と95モル%の間を占めるエチレン単位を含有する、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記コポリマーが、前記エチレン単位及び前記1,3-ジエン単位の少なくとも60モル%、好ましくは少なくとも70モル%を占めるエチレン単位を含有する、請求項1及び2のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項4】
前記コポリマーが、前記エチレン単位及び前記1,3-ジエン単位の最大で90モル%を占めるエチレン単位を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項5】
前記コポリマーが、前記エチレン単位及び前記1,3-ジエン単位の最大で85モル%を占めるエチレン単位を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項6】
記号Rが、脂肪族鎖を表す、請求項1~5のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項7】
記号Rが、6~16個の炭素原子を有する炭化水素鎖を表す、請求項1~6のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項8】
記号Rが、非環式鎖を表す、請求項1~7のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項9】
記号Rが、直鎖又は分岐鎖を表す、請求項1~8のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項10】
前記コポリマーが、-35℃未満、好ましくは-90℃と-35℃の間のガラス転移温度を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項11】
前記コポリマーが、前記1,3-ジエン単位の50モル%超を占める1,2又は3,4配置の前記1,3-ジエン単位を含有する、請求項1~10のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項12】
前記1,3-ジエンが、ミルセン又はβ-ファルネセンである、請求項1~11のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項13】
前記補強フィラーが、シリカ、カーボンブラック又はカーボンブラックとシリカの混合物である、請求項1~12のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項14】
前記組成物が、可塑剤、好ましくは炭化水素可塑化樹脂を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のゴム組成物。
【請求項15】
トレッドを含むタイヤであって、前記タイヤが、請求項1~14のいずれか1項に記載のゴム組成物を含む、前記タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にエラストマーとしてエチレンと1,3-ジエンのコポリマーを含有する、タイヤに使用することを意図したジエンゴム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤに慣用されるジエンゴム組成物は、高不飽和ジエンエラストマー、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、及びブタジエンとスチレンのコポリマー等で補強されたゴム組成物である。
特に、文献WO 2014114607には、エチレンと1,3-ブタジエンのコポリマーをタイヤ用ゴム組成物に使用することが提案されている。これらのコポリマーは、希土類メタロセンを含む触媒系の存在下でのエチレンと1,3-ブタジエンの共重合によって合成される。エチレン/1,3-ブタジエンコポリマーの補強ゴム組成物は、タイヤの性能特性である耐摩耗性と転がり抵抗との間の妥協を改善することについて特に記述されている。これらのジエンゴム組成物は、架橋された時点で、慣用されているジエンゴム組成物よりずっと高い剛性を示し、結果として特定用途には適さないと判明することがある。従って、エチレン系ジエンゴムを含むこのような組成物の硬化剛性を有意に低減させる必要性がある。
ゴム組成物の架橋密度を小さくすることによってジエンゴム組成物の硬化剛性を低減させることが知られている。これは、残念ながらゴム組成物のヒステリシス増大をも伴う。
出願人は、剛性及びヒステリシスという特性間の改善された妥協を有するので上記欠点を持たない、エチレンと1,3-ジエンのコポリマーをベースとする補強ゴム組成物を発見した。
【発明の概要】
【0003】
従って、本発明の第1の対象は、補強フィラー、架橋系、及び50phr超~100phrの、エチレンと下記式(I)
CH2=CR-CH=CH2 (I)
(記号Rは、3~20個の炭素原子を有する炭化水素鎖を表す)
の1,3-ジエンとのコポリマーであるエラストマーを含むゴム組成物である。
本発明の別の対象は、トレッドを含むタイヤであって、本発明のゴム組成物を好ましくはトレッドに含むタイヤである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
詳細な説明
表現「aとbの間」で示される値のいずれの間隔も、「a」より大きく、「b」より小さい(すなわ限界a及びbは除外される)値の範囲を表し、一方、表現「a~b」で示される値のいずれの間隔も、「a」から「b」までに及ぶ(すなわち、厳密な限界a及びbを含む)値の範囲を意味する。略記「phr」は、エラストマー(数種のエラストマーが存在する場合はエラストマーの合計の)100質量部当たりの質量部を意味する。
触媒系又は組成物の成分を定義するために用いる表現「をベースとする」は、これらの成分の混合物、又はこれらの成分の一部若しくは全ての相互の反応の生成物を意味するものとする。
別段の指示がない限り、モノマーのコポリマーへの挿入の結果生じる単位の含量は、コポリマーのモノマー単位の全てに対するモル百分率として表す。
本説明で言及する化合物は、化石起源のもの又はバイオベースであり得る。バイオベースの場合、それらは、部分的又は完全にバイオマス由来であってよく、或いはバイオマス由来の再生可能出発材料から得てもよい。エラストマー、可塑剤、フィラー等が特に該当する。
上記定義どおりかつ本発明の目的に有用な式(I)の1,3-ジエンは置換1,3-ジエンなので、該1,3-ジエンは、下記式(1)で表される1,2配置の単位、下記式(2)で表される3,4配置の単位及び下記式(3)でそのトランス形が表される1,4配置の単位をもたらし得る。
【0005】
【化1】
【0006】
同様に周知のように、エチレン単位は、-(CH2-CH2)-部分の単位である。
本発明の目的に有用なコポリマーは、エチレンと1,3-ジエンのコポリマーであり、コポリマーのモノマー単位は、エチレンと1,3-ジエンの重合の結果生じる単位であることを意味する。従って、コポリマーは、エチレン単位及び1,3-ジエン単位を含む。本発明のいずれか1つの実施形態によれば、1,3-ジエンは、唯一の化合物、すなわち式(I)の唯一の1,3-ジエンであるか、又は式(I)の1,3-ジエンの混合物、すなわち記号Rで表される基が互いに異なる1,3-ジエンの混合物である。本発明の目的に有用なコポリマーは、有利には本発明の実施形態のいずれか1つの統計コポリマーである。
好ましくは、コポリマーは、コポリマーのモノマー単位の50モル%と95モル%の間、すなわちエチレン単位及び1,3-ジエン単位の50モル%と95モル%の間を占めるエチレン単位を含有する。非常に優先的には、コポリマーは、エチレン単位及び1,3-ジエン単位の少なくとも60モル%を占めるエチレン単位を含有する。さらに優先的には、コポリマーは、エチレン単位及び1,3-ジエン単位の少なくとも70モル%を占めるエチレン単位を含有する。好ましくは、コポリマーは、エチレン単位及び1,3-ジエン単位の最大で90モル%を占めるエチレン単位を含有する。
本発明の1つの特定実施形態によれば、コポリマーは、エチレン単位及び1,3-ジエン単位の最大で85モル%を占めるエチレン単位を含有する。
本発明の1つの優先的な実施形態によれば、本発明のコポリマーにおいて、エチレン単位は、エチレン単位及び1,3-ジエン単位の60モル%~90モル%、有利にはエチレン単位及び1,3-ジエン単位の70モル%~90モル%を占める。
本発明の別の特定実施形態によれば、本発明のコポリマーにおいて、エチレン単位は、エチレン単位及び1,3-ジエン単位の60モル%~85モル%、有利にはエチレン単位及び1,3-ジエン単位の70モル%~85モル%を占める。
【0007】
1,3-ジエンの式(I)中、記号Rで表される炭化水素鎖は、3~20個の炭素原子の不飽和鎖である。好ましくは、記号Rは、6~16個の炭素原子を有する炭化水素鎖を表す。
記号Rで表される炭化水素鎖は、飽和又は不飽和鎖であってよい。好ましくは、記号Rは脂肪族鎖を表し、この場合、1,3-ジエンの式(I)中、記号Rで表される炭化水素鎖は脂肪族炭化水素鎖である。それは直鎖又は分岐鎖であってよく、この場合、記号Rは直鎖又は分岐鎖を表す。好ましくは、炭化水素鎖は非環式であり、この場合、記号Rは非環式鎖を表す。さらに良いのは、記号Rは、不飽和の分岐非環式炭化水素鎖を表す。記号Rで表される炭化水素鎖は、有利には、3~20個の炭素原子、特に6~16個の炭素原子を含有する不飽和の分岐非環式鎖である。非常に有利には、1,3-ジエンはミルセン又はβ-ファルネセンである。
本発明の1つの優先的実施形態によれば、1,3-ジエンはミルセンである。
本発明の別の優先的実施形態によれば、1,3-ジエンはβ-ファルネセンである。
【0008】
好ましくは、エチレンと1,3-ジエンのコポリマーは、-35℃未満、好ましくは-90℃と-35℃の間のガラス転移温度を有する。
本発明の第1の異形によれば、コポリマーは、1,3-ジエン単位の50モル%超を占める1,2又は3,4配置の1,3-ジエン単位を含有する。言い換えれば、コポリマー中、1,3-ジエン単位は、50モル%超の1,2配置又は3,4配置の単位を含有する。この異形においては、コポリマー中の1,3-ジエン単位の100モル%への残余は、完全に又は部分的に1,4配置の1,3-ジエン単位で形成される。この第1の異形によれば、優先的には、1,4配置の1,3-ジエン単位の過半数がトランス-1,4配置であり、さらに優先的には1,4配置の1,3-ジエン単位の全てがトランス-1,4配置である。
本発明の第2の異形によれば、コポリマー中、1,3-ジエン単位は、50%超の1,4配置を含有する。言い換えれば、1,4配置の1,3-ジエン単位が、1,3-ジエン単位の50モル%超を占める。この異形においては、コポリマー中の1,3-ジエン単位の100モル%への残余は、完全に又は部分的に1,2又は3,4配置の1,3-ジエン単位で形成される。好ましくは、1,4配置の1,3-ジエン単位は、1,3-ジエン単位の70モル%超を占める。有利には、1,4配置の1,3-ジエン単位の過半数がトランス-1,4配置であり、トランス-1,4配置の1,3-ジエン単位が、1,4配置の1,3-ジエン単位の50モル%超を占めることを意味する。
【0009】
コポリマーは、少なくとも下記式(II)のメタロセン及び下記式(III)の有機マグネシウム化合物をベースとする触媒系の存在下でのエチレンと1,3-ジエンの共重合を含むプロセスによって調製可能である。
Cp1及びCp2は、同一であっても異なってもよく、式C5H4のシクロペンタジエニル基、式C13H8の非置換フルオレニル基及び置換フルオレニル基から成る群より選択される。
Pは、2つのCp1及びCp2基を架橋する基であり、ZR3R4基を意味し、Zは、ケイ素又は炭素原子を表し、R3及びR4は、同一であるか又は異なり、それぞれ1~20個の炭素原子を含むアルキル基、好ましくはメチルを表し、
整数であるyは、0以上であり、
整数であってもなくてもよいxは、0以上であり、
Lは、リチウム、ナトリウム及びカリウムから成る群より選択されるアルカリ金属を表し、
Nは、エーテル、好ましくはジエチルエーテル又はテトラヒドロフランの分子を表し、
R1及びR2は、同一であっても異なってもよく、炭素基を表す。
【0010】
【化2】
【0011】
置換フルオレニル基として、1~6個の炭素原子を有するアルキル基又は6~12個の炭素原子を有するアリール基で置換されたものを挙げることができる。基の選択は、置換フルオレンである対応分子の入手しやすさによっても導かれる。置換フルオレンは市販されているか又は容易に合成できるからである。
置換フルオレニル基として、さらに特に2,7-ジ(tert-ブチル)フルオレニル及び3,6-ジ(tert-ブチル)フルオレニル基を挙げ得る。2、3、6及び7位は、それぞれ下図に示す環の炭素原子の位置を意味し、9位は、ブリッジPが付着される炭素原子に相当する。
【0012】
【化3】
【0013】
触媒系は、特許出願WO 2007054224又はWO 2007054223に記載のプロセスに類似のプロセスによって従来どおりに調製可能である。例えば、有機マグネシウム化合物及びメタロセンを炭化水素溶媒中で典型的に20℃~80℃の範囲の温度で5分と60分の間の時間反応させる。触媒系は、一般的にメチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒、又はトルエン等の芳香族炭化水素溶媒中で調製される。一般的に、その合成後に、この形態で触媒系を本発明のコポリマーの合成プロセスに使用する。
その代わりに、特許出願WO 2017093654 A1又は特許出願WO 2018020122 A1に記載のプロセスに類似のプロセスによって触媒系を調製することができる。この代替手段によれば、触媒系は、共役ジエン、エチレン又はエチレンと共役ジエンとの混合物から選択される予形成(preformation)モノマーをさらに含有し、この場合、触媒系は少なくともメタロセン、有機マグネシウム化合物及び予形成モノマーをベースとする。例えば、有機マグネシウム化合物及びメタロセンを炭化水素溶媒中で典型的に20℃~80℃の温度で10~20分間反応させて第1の反応生成物を得てから、共役ジエン、エチレン又はエチレンと共役ジエンとの混合物から選択される予形成モノマーをこの第1の反応生成物と40℃~90℃の範囲の温度で1時間~12時間反応させる。予形成モノマーとしての、共役ジエンは、好ましくは1,3-ジエン、例えば1,3-ブタジエン、イソプレン或いは式(I)の1,3-ジエン、特にミルセン又はβ-ファルネセンである。このようにして得られた触媒系は、即座に本発明のプロセスに使用するか、又は本発明のプロセスで使用するまで不活性雰囲気下で貯蔵することができる。
【0014】
触媒系の調製に用いるメタロセンは、結晶性又は非結晶性粉末の形態、或いは単結晶の形態であり得る。メタロセンをモノマー又はダイマーの形態で供給してもよく、これらの形態は、例えば特許出願WO 2007054224又はWO 2007054223に記載されているように、メタロセンの調製方法によって決まる。メタロセンは、特許出願WO 2007054224又はWO 2007054223に記載のプロセスに類似のプロセスで、特に、不活性かつ無水条件下、適切な溶媒、例えばジエチルエーテル若しくはテトラヒドロフランのようなエーテル、又は当業者に既知の任意の他の溶媒中での配位子のアルカリ金属の塩と希土類ボロヒドリドとの反応によって調製することができる。反応後、メタロセンを反応副生成物から当業者に既知の技術、例えば濾過又は第2の溶媒からの沈殿によって分離する。最後に、メタロセンを乾燥させ、固体形態で単離する。
有機金属化合物の存在下で行なういずれの合成とも同様に、メタロセンの合成及び該触媒系の合成は、無水条件下、不活性雰囲気下で行なわれる。典型的に、これらの反応は、無水窒素又はアルゴン下で無水溶媒及び化合物から出発して行なわれる。
【0015】
本発明の要求に合わせて用いる有機マグネシウム化合物は、式MgR1R2の化合物であり、式中、R1及びR2は、同一でも異なってもよく、炭素基を表す。炭素基は、1個以上の炭素原子を含有する基を意味するものとする。好ましくは、R1及びR2は、2~10個の炭素原子を含有する。さらに優先的には、R1及びR2はそれぞれアルキルを表す。有機マグネシウム化合物は、有利にはジアルキルマグネシウム化合物であり、ブチルエチルマグネシウム又はブチルオクチルマグネシウムがより良く、ブチルオクチルマグネシウムがさらに良い。
本発明のいずれか1つの実施形態によれば、有機マグネシウム化合物の、メタロセンを構成する金属Ndに対するモル比は、好ましくは1~100に及ぶ範囲内、さらに優先的には1以上かつ10未満である。高モル質量のコポリマーを得るためには、1から10未満に及ぶ値の範囲が特にさらに好ましい。
【0016】
本発明の目的に有用なコポリマーが、本発明の第1の異形に従って定義されるミクロ構造を有するコポリマーであるとき、それは式(II)のメタロセン(式中、Cp1及びCp2は、同一であっても異なってもよく、置換フルオレニル基及び式C13H8の非置換フルオレニル基から成る群より選択される)を使用する本出願で述べるプロセスに従って調製される。この異形のためには、下記式のメタロセン(式中、記号Fluは式C13H8のフルオレニル基を表す)が特に適している:[{Me2SiFlu2Nd(μ-BH4)2Li(THF)}2];[Me2SiFlu2Nd(μ-BH4)2Li(THF)];[Me2SiFlu2Nd(μ-BH4)(THF)];[{Me2SiFlu2Nd(μ-BH4)(THF)}2];[Me2SiFlu2Nd(μ-BH4)]。
本発明の目的に有用なコポリマーが、本発明の第2の異形に従って定義されるミクロ構造を有するコポリマーであるとき、それは、式(II)のメタロセン(式中、Cp1は、式C5H4のシクロペンタジエニル基Cpを表し、Cp2は、式C13H8のフルオレニル基Fluを表す)を使用する本出願で述べるプロセスに従って調製される。
【0017】
また、当業者は、重合及び種々の化学反応を行なうために使用する機器(装置、反応器)に応じて重合条件及び各反応物(触媒系の成分、モノマー)の濃度を採択する。当業者には知られているように、共重合は、またモノマー、触媒系及び重合溶媒の取扱いも、無水条件下かつ不活性雰囲気下で行なわれる。重合溶媒は、典型的に脂肪族又は芳香族炭化水素溶媒である。
重合は、好ましくは溶液中で、連続的又はバッチ式で行なわれる。重合溶媒は、芳香族又は脂肪族炭化水素溶媒であり得る。重合溶媒の例として、トルエン及びメチルシクロヘキサンを挙げることができる。重合溶媒及び触媒系を含有する反応器にモノマーを導入することができ、或いは逆に、重合溶媒及びモノマーを含有する反応器に触媒系を導入することができる。共重合は、典型的に無水条件下かつ酸素の非存在下、任意に不活性ガスの存在下で行なわれる。重合温度は、一般的に30℃~150℃、優先的には30~120℃に及ぶ範囲内で変動する。好ましくは、共重合は、一定エチレン圧力で行なわれる。
【0018】
重合反応器内でのエチレンと1,3-ジエンの重合中、エチレン及び1,3-ジエンを重合反応器に連続的に添加してよく、この場合、重合反応器はフェドリアクター(fed reactor)である。この実施形態は、統計コポリマーの合成に非常に特に適している。
重合は、重合媒体を冷却することによって停止させることができる。当業者に既知の従来の技術に従って、例えば、沈殿、減圧下での溶媒の蒸発又は蒸気ストリッピング等によってポリマーを回収することができる。
【0019】
本発明のゴム組成物は、エチレンと、上記実施形態の、その異形を含めたいずれか1つで定義した式(I)の1,3-ジエンとのコポリマーを50phr超~100phr含む。コポリマーは、それらのミクロ構造又はそれらのマクロ構造が互いに異なるコポリマーの混合物から成り得ると理解されている。エチレンと式(I)の1,3-ジエンとのコポリマーの含量が50phr超かつ100phr未満であるとき、100phrへの残余は、別のエラストマー、特に当業者に知られる別のジエンエラストマーによって供給可能である。この他のジエンエラストマーは、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるエラストマー、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、1,3-ブタジエンコポリマー及びイソプレンコポリマー等であり得る。優先的実施形態によれば、ゴム組成物は、エチレンと式(I)の1,3-ジエンとのコポリマーを100phr含む。
【0020】
本発明のゴム組成物の別の本質的な特徴は、それが補強フィラーを含むことである。ゴム組成物は、タイヤの製造に使用できるゴム組成物を補強するその能力で知られているいずれのタイプの「補強」フィラー、例えばカーボンブラック等の有機フィラー、シリカ等の補強無機フィラーを既知の方法でカップリング剤と組み合わせて、或いはこれら2つのタイプのフィラーの混合物を含んでもよい。該補強フィラーは、典型的に、その(重量)平均サイズがマイクロメートル未満、一般的に500nm未満、最も多くは20nmと200nmの間、特にさらに優先的には20nmと150nmの間であるナノ粒子から成る。
補強フィラーの含量は、ゴム組成物の用途に応じて当業者によって調整される。本発明の一実施形態によれば、ゴム組成物中の補強フィラーの含量は、30phr以上かつ150phr以下、好ましくは35phr以上かつ100phr以下である。この実施形態で定義される補強フィラーのこれらの範囲は、タイヤの、特にトレッドのためのゴム組成物の意図した用途に応じてゴム組成物の補強及び剛性という特性間の改善された妥協点をゴム組成物に与えることを可能にする。
【0021】
補強フィラーは、シリカ、カーボンブラック又はカーボンブラックとシリカの混合物であってよい。好ましくは、シリカは、補強フィラーの50質量%超を占める。さらに優先的には、シリカは、補強フィラーの85質量%超を占める。
使用シリカは、当業者に知られるいずれの補強用シリカ、特に両方とも450m2/g未満、好ましくは30~400m2/g、特に60~300m2/gに及ぶ範囲内のBET比表面積及びCTAB比表面積を示すいずれの沈降シリカ又はヒュームドシリカであってもよい。本開示では、BET比表面積は、“The Journal of the American Chemical Society”(Vol. 60, 309ページ、1938年2月)に記載されるブルナウアー‐エメット‐テラー法を用いるガス吸着によって、さらに詳細には規格NF ISO 5794-1、2010年6月の付録Eから導かれた方法[多点(5点)容積法-ガス:窒素-真空下で脱気:160℃で1時間-相対圧力p/po範囲:0.05~0.17]に従って決定される。
CTAB比表面積値は、規格NF ISO 5794-1、2010年6月の付録Gに従って決定された。このプロセスは、補強フィラーの「外部」表面上のCTAB(N-ヘキサデシル-N,N,N-トリメチルアンモニウムブロミド)の吸着に基づいている。
【0022】
いずれのタイプの沈降シリカでも、特に高度に分散可能な沈降シリカ(「高分散性」のため「HDS」又は「高分散性シリカ」と呼ばれる)を使用可能である。高分散性であってもなくてもよいこれらの沈降シリカは当業者に周知である。例えば、出願WO03/016215-A1及びWO03/016387-A1に記載のシリカを挙げることができる。市販HDSシリカの中で、特に、EvonikからのUltrasil(登録商標)5000GR及びUltrasil(登録商標)7000GRシリカ又はSolvayからのZeosil(登録商標)1085GR、Zeosil(登録商標)1115 MP、Zeosil(登録商標)1165MP、Zeosil(登録商標)Premium 200MP及びZeosil(登録商標)HRS 1200 MPシリカを利用してよい。非HDSシリカとしては、下記市販シリカを利用してよい:EvonikからのUltrasil(登録商標)VN2GR及びUltrasil(登録商標)VN3GRシリカ、SolvayからのZeosil(登録商標)175GRシリカ又はPPGからのHi-Sil EZ120G(-D)、Hi-Sil EZ160G(-D)、Hi-Sil EZ200G(-D)、Hi-Sil 243LD、Hi-Sil 210及びHi-Sil HDP 320Gシリカ。
シリカは、種々のシリカの混合物であってよく、この場合、補強フィラー中のシリカの比率は全てのシリカに関するものである。
【0023】
全てのカーボンブラック、特にタイヤ又はそれらのトレッドに通常使用されているブラックがカーボンブラックとして適している。前記カーボンブラックの中で、100、200及び300シリーズの補強用カーボンブラック、又は500、600若しくは700シリーズのブラック(ASTM D-1765-2017グレード)、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347、N375、N550、N683及びN772ブラックに特に言及することになる。これらのカーボンブラックは、市販されているままの単離状態で、又は例えば使用するゴム添加剤のいくつかの担体としていずれの他の形態でも使用可能である。
カーボンブラックは、種々のカーボンブラックの混合物であってもよく、この場合、カーボンブラックの含量は、全てのカーボンブラックに関するものである。
好ましくは、カーボンブラックは、20phr以下、さらに優先的には10phr以下の含量で用いられる(例えばカーボンブラック含量は、0.5~20phrに及ぶ、特に1~10phrに及ぶ範囲内であり得る)。有利には、ゴム組成物中のカーボンブラック含量は、5phr以下である。指示間隔内では、カーボンブラックの着色特性(黒着色剤)及びUV安定化特性が有利であり、さらに、シリカが寄与する典型的な性能品質に悪影響を与えることがない。
【0024】
補強無機フィラー、この場合はシリカをエラストマーに結合するため、周知の方法で、無機フィラー(その粒子の表面)とエラストマーの間の化学的及び/又は物理的性質の十分な結び付きの保証を意図した少なくとも二官能性のカップリング剤(結合剤)を使用することができ、この場合、ゴム組成物は、シリカをエラストマーに結合するためのカップリング剤を含む。特に、少なくとも二官能性であるオルガノシラン又はポリオルガノシランを利用する。用語「二官能性」は、無機フィラーと相互作用する能力がある第1の官能基及びエラストマーと相互作用する能力がある第2の官能基を有する化合物を意味するものとする。
特に、例えば、出願WO03/002648-A1(又はUS2005/016651-A1)及びWO03/002649-A1(又はUS2005/016650-A1)に記載されるように、それらの特異構造によって決まる「対称性」又は「非対称性」と呼ばれるシランポリスルフィドを利用する。下記定義に限定するものではないが、下記式(IV)に相当するシランポリスルフィドが特に適している。
【0025】
【化4】
【0026】
-xは、2~8(好ましくは2~5)の整数であり;
-記号Aは、同一であっても異なってもよく、二価炭化水素基(好ましくはC1-C18 アルキレン基又はC6-C12アリーレン基、さらに特にC1-C10アルキレン、特にC1-C4アルキレン、特にプロピレン)を表し;
-記号Zは、同一であっても異なってもよく、下記3つの式:
【0027】
【化5】
【0028】
に相当し、
式中:
-Ra基は、置換され又は置換されず、同一又は互いに異なり、C1-C18アルキル基、C5-C18シクロアルキル基又はC6-C18アリール基(好ましくはC1-C6アルキル基、シクロヘキシル又はフェニル、特にC1-C4アルキル基、さらに特にメチル及び/又はエチル)を表し、
-Rb基は、置換されていも置換されていなくてもよく、同一又は互いに異なり、C1-C18アルコキシル基又はC5-C18シクロアルコキシル基(好ましくはC1-C8アルコキシル及びC5-C8シクロアルコキシルから選択される基、さらに優先的にはC1-C4アルコキシル、特にメトキシル及びエトキシルから選択される基)、又はヒドロキシル基、又は2つのRb基がC3-C18ジアルコキシル基となるような基を表す。
上式(V)に相当するアルコキシシランポリスルフィドの混合物、特に通常の市販混合物の場合、「x」指数の平均値は、好ましくは2~5に及ぶ範囲内、さらに優先的には4に近い分数である。
【0029】
シランポリスルフィドの例としては、ビス((C1-C4)アルコキシル(C1-C4)アルキルシリル(C1-C4)アルキル)ポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィド又はテトラスルフィド)、例えば、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)又はビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドをさらに特に挙げることになる。これらの化合物の中で、特にEvonikにより品名Si69で販売されている式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2のビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(TESPTと略記)又はEvonikにより品名Si75で販売されている式[(C2H5O)3Si(CH2)3S]2のビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(TESPDと略記)を利用する。好ましい例として、ビス(モノ(C1-C4)アルコキシルジ(C1-C4)アルキルシリルプロピル)ポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィド又はテトラスルフィド)、さらに特にビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、例えば上記特許出願WO02/083782-A1(又はUS7217751-B2)に記載のものをも挙げることになる。
当然に、上記カップリング剤の混合物を利用してもよい。
本発明の組成物中のカップリング剤の含量は有利には25phr以下であり、そのできる限り少ない量で使用するのが一般的に望ましいと理解されている。典型的に、カップリング剤の含量は、補強無機フィラーの量に対して0.5質量%~15質量%を占める。その含量は、好ましくは0.5~20phrに及ぶ範囲内、さらに優先的には3~15phrに及ぶ範囲内である。この含量は、本発明の組成物に用いる補強無機フィラーの含量に応じて当業者なら容易に調整できる。
【0030】
本発明の目的に有用な架橋系は、優先的には加硫系であり、すなわち硫黄及び一次加硫促進剤に基づく。硫黄は、典型的に分子硫黄又は硫黄供与剤の形態、好ましくは分子の形態で供給される。分子形態の硫黄は、分子硫黄という用語でも呼ばれる。用語「硫黄供与体」は、エラストマー鎖の加硫及び架橋中に形成されるポリスルフィド鎖に挿入する能力がある任意にポリスルフィド鎖の形態で化合されている、硫黄原子を放出するいずれの化合物をも意味する。第1の非生産段階中及び/又は生産段階中に組み込まれる加硫系に種々の既知の二次加硫促進剤又は加硫活性化剤、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(特にジフェニルグアニジン)等が添加される。硫黄含量は、好ましくは0.5phrと3.0phrの間であり、一次促進剤の含量は、好ましくは0.5phrと5.0phrの間である。本発明のいずれか1つの実施形態にこれらの優先的含量を適用してよい。
(一次又は二次)加硫促進剤として、硫黄の存在下でジエンエラストマーの加硫の促進剤として作用する能力があるいずれの化合物をも、特にチアゾール型の促進剤及びまたその誘導体、一次促進剤についてはスルフェンアミド型の促進剤、又は二次促進剤についてはチウラム、ジチオカルバマート、ジチオホスファート、チオ尿素及びキサンタート型の促進剤を利用してよい。
【0031】
架橋(又は硬化)、必要に応じて加硫は、一般的に130℃と200℃の間の温度で、特に硬化温度、採択する架橋系及び検討中の組成物の架橋速度論に応じて異なり得る十分な時間、例えば、5分と90分の間の時間行なわれる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの製造を意図したエラストマー組成物に慣用される通常の添加剤の全て又はいくつか、特に顔料、保護剤、例えばオゾン防止ワックス、化学的オゾン防止剤、酸化防止剤及び可塑剤を含んでもよい。
本発明の1つの特定実施形態によれば、ゴム組成物は可塑剤をも含む。ゴム組成物中の可塑剤の含量は、特にゴム組成物中の補強フィラーの含量に応じて、かつ使用する可塑剤の性質に応じて、大幅に変動し得る。好ましくは、それは10phrより多く、かつ100phr以下、好ましくは30phr以上かつ90phr以下である。
【0032】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、ゴム組成物は、可塑剤として炭化水素樹脂を含む。この実施形態は、トレッドのゴム組成物の使用に特に好ましい。炭化水素可塑化樹脂としても知られる炭化水素樹脂は、当業者に周知のポリマーであり、基本的に炭素及び水素をベースとするが、他のタイプの原子、例えば、酸素を含んでもよく、特に可塑剤又は粘着付与剤としてポリマーマトリックスに使用することができる。それらは、使用含量で、真の希釈剤として作用するように、それらが企図されるポリマー組成物と本質的に少なくとも部分的に混和性(すなわち適合性)である。それらは、例えば、タイトル「炭化水素樹脂」のR. Mildenberg, M. Zander及びG. Collinによる書籍(New York, VCH, 1997, ISBN 3-527-28617-9)に記載され、その第5章は、特にタイヤ用ゴム分野におけるそれらの応用を扱っている(5.5. "Rubber Tires and Mechanical Goods")。既知の方法で、これらの炭化水素樹脂は、それらが加熱されると軟化するので成形可能であるという意味で熱可塑性樹脂として記述されることもある。炭化水素樹脂の軟化点は、ISO規格4625(「環球」法)に従って測定される。Tgは、ASTM規格D3418(1999)に従って測定される。炭化水素樹脂のマクロ構造(Mw、Mn及びPI)はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC);溶媒テトラヒドロフラン;温度35℃;濃度1g/l;流速1ml/分;注入前に0.45μmの空隙率を有するフィルターで濾過した溶液;ポリスチレン標準物質によるムーア較正;直列の3つのWatersカラムセット(Styragel HR4E、HR1及びHR0.5);示差屈折計(Waters 2410)及びその付随オペレーティングソフトウェア(Waters Empower)による検出によって決定される。
【0033】
炭化水素樹脂は、脂肪族又は芳香族又は脂肪族/芳香族型、すなわち、脂肪族モノマー及び/又は芳香族モノマーをベースとしてよい。それらは天然又は合成であってよく、かつ石油ベース(このような場合、それらは石油樹脂という名称でも知られる)であってもなくてもよい。好ましくは、炭化水素可塑化樹脂は20℃超のガラス転移温度を有する。
有利には、炭化水素可塑化樹脂は、下記特徴の少なくともいずれか1つ、さらに優先的にはそれらの全てを有する。
-30℃超のTg;
-300g/モルと2000g/モルの間、さらに優先的には400g/モルと1500g/モルの間の数平均分子量(Mn);
-3未満、さらに優先的には2未満の多分散指数(PI)(備忘録として:PI= Mw/Mn、Mwは重量平均分子量)。
【0034】
好ましくは、炭化水素可塑化樹脂は、シクロペンタジエンホモポリマー樹脂、シクロペンタジエンコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエンホモポリマー樹脂、ジシクロペンタジエンコポリマー樹脂、テルペンホモポリマー樹脂、テルペンコポリマー樹脂、C5カット(cut)ホモポリマー樹脂、C5カットコポリマー樹脂、C9カットホモポリマー樹脂、C9カットコポリマー樹脂、水素化シクロペンタジエンホモポリマー樹脂及び水素化シクロペンタジエンコポリマー樹脂から成る群より選択される。
さらに優先的には、炭化水素可塑化樹脂は、水素化され又はされていないC9カットコポリマー樹脂又はジシクロペンタジエンコポリマー樹脂である。例として、特にC9カットコポリマー樹脂及び水素化ジシクロペンタジエンコポリマー樹脂を挙げ得る。
【0035】
本発明の目的に有用な可塑剤として、ゴム組成物のエラストマー及び補強フィラーを希釈することによってゴム組成物を軟化させることで知られる炭化水素液体可塑剤に言及することもできる。それらのTgは、典型的に-20℃未満、優先的には-40℃未満である。ジエンエラストマーに対するその可塑化特性で知られるいずれの炭化水素エクステンダー油又はいずれの炭化水素液体可塑剤をも使用することができる。周囲温度(23℃)で、多かれ少なかれ粘性であるこれらの可塑剤又はこれらの油は、特に周囲温度で本質的に固体である特に炭化水素可塑化樹脂とは対照的に、液体(すなわち、備忘録として、最終的にそれらの容器の形を取る能力を有する物質)である。
炭化水素液体可塑剤として、液体ジエンポリマー、ポリオレフィン油、ナフテン油、パラフィン油、DAE油、MES(Medium Extracted Solvate)油、TDAE(Treated Distillate Aromatic Extract)油、RAE(Residual Aromatic Extract)油、TRAE(Treated Residual Aromatic Extract)油及びSRAE(Safety Residual Aromatic Extract)油、鉱物油、及びこれらの化合物の混合物を挙げ得る。
好ましくは、炭化水素液体可塑剤は、液体ジエンポリマー、脂肪族ポリオレフィン油、パラフィン油、MES油、TDAE油、TRAE油、SRAE油、鉱物油及びその混合物から成る群より選択される。さらに優先的には、炭化水素液体可塑剤は、液体ジエンポリマー、脂肪族ポリオレフィン油、パラフィン油、MES油又はその混合物である。
【0036】
架橋前のゴム組成物は、適切なミキサーで、当業者に周知の一般手順に従う下記2つの連続調製段階:110℃と190℃の間、好ましくは130℃と180℃の間の最高温度までの高温における第1の熱機械加工又は混練段階(「非生産」段階と呼ばれることもある)、次に続くより低い温度、典型的に110℃未満、例えば40℃と100℃の間の温度での、最終段階中に硫黄又は硫黄供与体及び加硫促進剤が組み込まれる第2の機械加工段階(「生産」段階と呼ばれることもある)を利用して製造し得る。
例として、第1の(非生産)段階は、単一の熱機械ステップで行なわれ、その間に、架橋系を除く全ての必要成分、任意的な追加加工助剤及び種々の他の添加剤が適切なミキサー、例えば標準的な内部ミキサーに導入される。この非生産段階における混練の総持続時間は、好ましくは1分と15分の間である。第1の非生産段階中にこのようにして得られた混合物の冷却後、次に架橋系が低温で、通常はオープンミル等の外部ミキサーに組み込まれ;次に例えば2分と15分の間の数分間、全てのものが混合される(生産段階)。
このゴム組成物は、特に実験室特徴づけのためにシート若しくはスラブの形態で、又はタイヤに使用できるゴム半完成品(又は異形要素(profiled element))の形態でカレンダー加工するか又は押し出すことができる。組成物は、未硬化状態(架橋又は加硫前)又は硬化状態(架橋又は加硫後)であってよく、タイヤに使用できる半完成品であってよい。
本発明の別の対象である、トレッドを含むタイヤは、本発明のゴム組成物を、好ましくはトレッドに含む。
【0037】
要約すると、本発明は下記実施形態1~24のいずれか1つに従って有利に実施される。
実施形態1:補強フィラー、架橋系、及び50phr超~100phrの、エチレンと下記式(I)
CH2=CR-CH=CH2 (I)
(記号Rは、3~20個の炭素原子を有する炭化水素鎖を表す)
の1,3-ジエンとのコポリマーであるエラストマーを含むゴム組成物。
実施形態2:コポリマーが、エチレン単位及び1,3-ジエン単位の50モル%と95モル%の間を占めるエチレン単位を含有する、実施形態1に記載のゴム組成物。
実施形態3:コポリマーが、エチレン単位及び1,3-ジエン単位の少なくとも60モル%、好ましくは少なくとも70モル%を占めるエチレン単位を含有する、実施形態1及び2のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態4:コポリマーが、エチレン単位及び1,3-ジエン単位の最大で90モル%を占めるエチレン単位を含有する、実施形態1~3のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態5:コポリマーが、エチレン単位及び1,3-ジエン単位の最大で85モル%を占めるエチレン単位を含有する、実施形態1~4のいずれか1つに記載のゴム組成物。
【0038】
実施形態6:記号Rが、6~16個の炭素原子を有する炭化水素鎖を表す、実施形態1~5のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態7:記号Rが、非環式鎖を表す、実施形態1~6のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態8:記号Rが、直鎖又は分岐鎖を表す、実施形態1~7のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態9:記号Rが、脂肪族鎖を表す、実施形態1~8のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態10:コポリマーが、-35℃未満、好ましくは-90℃と-35℃の間のガラス転移温度を有する、実施形態1~9のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態11:コポリマーが、1,3-ジエン単位の50モル%超を占める1,2又は3,4配置の1,3-ジエン単位を含有する、実施形態1~10のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態12:1,3-ジエンが、ミルセン又はβ-ファルネセンである、実施形態1~11のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態13:コポリマーが、統計コポリマーである、実施形態1~12のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態14:組成物が、エチレンと式(I)の1,3-ジエンとのコポリマーを100phr含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載のゴム組成物。
【0039】
実施形態15:補強フィラーが、シリカ、カーボンブラック又はカーボンブラックとシリカの混合物である、実施形態1~14のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態16:補強フィラーの含量が、30phr以上かつ150phr以下である、実施形態1~15のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態17:補強フィラーの含量が、35phr以上かつ100phr以下である、実施形態1~16のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態18:補強フィラーが、補強フィラーの50質量%超を占めるシリカを含む、実施形態1~17のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態19:組成物が可塑剤を含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態20:可塑剤含量が、10phr超かつ100phr以下である、実施形態1~19のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態21:可塑剤含量が、30phr以上かつ90phr以下である、実施形態1~20のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態22:組成物が、可塑剤として炭化水素樹脂を含む、実施形態1~21のいずれか1つに記載のゴム組成物。
実施形態23:トレッドを含むタイヤであって、タイヤが、実施形態1~22のいずれか1つに記載のゴム組成物を含む、タイヤ。
実施形態24:ゴム組成物がトレッドの中にある、実施形態23に記載のタイヤ。
本発明の上記特徴、及び他の特徴も、限定ではなく、実例として与える本発明のいくつかの例示実施形態の下記説明を読めば、より良く分かるであろう。
【実施例
【0040】
II.1 試験及び測定:
II.1-1 エラストマーのミクロ構造の決定:
エチレンと1,3-ミルセンのコポリマーのミクロ構造のスペクトル特性及び測定は、核磁気共鳴(NMR)分光法により行なう。
分光器:これらの測定のためには、Bruker cryo-BBFO z-grad 5mmプローブを備えたBruker Avance III HD 400MHz分光器を使用する。
実験:高周波パルスを傾斜角30°で用いて1H実験を記録し、反復数は128で、5秒の待ち時間(recycle delay)である。HSQC(Heteronuclear Single Quantum Coherence)及びHMBC(Heteronuclear Multiple-Bond Correlation)1H-13C NMR相関実験を128の反復数及び128の増分数で記録する。実験は25℃で行なう。
サンプルの調製:25mgのサンプルを1mlの重水素化クロロホルム(CDCl3)に溶かす。
サンプル較正:1H及び13Cの化学シフトの軸を溶媒のプロトン化不純物(CHCl3)に対してδ1H=7.2ppm及びδ13C=77ppmで較正する。
【0041】
エチレンと1,3-ミルセンのコポリマーに関するスペクトルの帰属(Chem 1参照):
表示Chem 1において、記号R1及びR2は、単位のポリマー鎖への付着点を表す。表示Chem 1では、記録された様々なスペクトルに1,3-ジエンA、B及びCの挿入型のシグナルが観察された。S. Georges et al. (S. Georges, M. Bria, P. Zinck and M. Visseaux, Polymer, 55 (2014), 3869-3878)によれば、型Cに特徴的な-CH=基番号8''のシグナルは、-CH=基番号3と同一の1H及び13C化学シフトを示す。
部分A、B及びCのシグナル特性の化学シフトを表1に提示する。部分A、B及びCは、それぞれ3,4配置、1,2配置及びトランス-1,4配置の単位に相当する。
Topspinソフトウェアを用いて1D 1H NMRスペクトルの積分から定量化を行なった。
種々の部分の定量化の積分シグナルは以下のとおりである:
エチレン:1.2ppmのシグナルは4個のプロトンに相当する。
総ミルセン:シグナル番号1(1.59ppm)は6個のプロトンに相当する。
型A:シグナル番号7(4.67ppm)は2個のプロトンに相当する。
型B:シグナル番号8'(5.54ppm)は1個のプロトンに相当する。
ミクロ構造の定量化は、モル百分率(モル%)で以下のように行なう:
部分のモル%=部分の1H積分*100/Σ(各部分の1H積分)。
【0042】
【表1】
【0043】
Topspinソフトウェアを用いて1D 1H NMRスペクトルの積分から定量化を行なった。
種々の部分の定量化のための積分シグナルは以下のとおりである:
エチレン:1.2ppmのシグナルは4個のプロトンに相当する。
総ミルセン:シグナル番号1(1.59ppm)は6個のプロトンに相当する。
型A:シグナル番号7(4.67ppm)は2個のプロトンに相当する。
型B:シグナル番号8'(5.54ppm)は1個のプロトンに相当する。
ミクロ構造の定量化は、モル百分率(モル%)で以下のように行なう:
部分のモル%=部分の1H積分*100/Σ(各部分の1H積分)。
【0044】
【化6】
【0045】
II.1-2 ポリマーのガラス転移温度の決定:
ガラス転移温度は、示差熱量計(示差走査熱量計)を利用してASTM規格D3418(1999)に従って測定する。
II.1-3 ゴム組成物の剛性及びヒステリシス:
粘度分析装置(Metravib VA4000)で規格D5992-96に従って動的特性を測定する。0.7MPaの強制応力及び10Hzの周波数で、組成物のエラストマーのTg未満の最低温度から100℃超の最高温度までの温度掃引中に、単純交互正弦せん断応力を施した加硫組成物のサンプル(4mmの厚さ及び400mm2の断面積を有する円筒試験片)の応答を記録する。利用する結果は、複素動的せん断モジュラス(G*)及び損失係数tanδであり;G*は60℃の温度で記録を取り、損失係数tanδは20℃及び40℃で記録を取る。
剛性及びヒステリシスの結果は、基準として記録を取ったコントロールと比較してベース100で表現する。100未満の値は、コントロールより低い値を指す。
【0046】
II.2. ポリマーの合成:
本発明のコポリマーの合成において、使用する1,3-ジエンは、ミルセン、すなわち、式(I)のRが6個の炭素原子を有する炭化水素基である式(I)の1,3-ジエンである。
ミルセンでは、Rは、式CH2-CH2-CH=CMe2に相当する。
特許出願WO 2007054224に記載の手順に従って調製するメタロセン[{Me2SiFlu2Nd(μ-BH4)2Li(THF)}]を除き、全ての試薬は商業的に得る。
ブチルオクチルマグネシウムBOMAG(ヘプタン中20%、C=0.88モル.l-1)は、Chemturaに起源を持ち、シュレンク管に不活性雰囲気下で貯蔵する。N35グレードのエチレンはAir Liquideに起源を持ち、予備精製せずに用いる。ミルセン(純度≧95%)はSigma-Aldrichから得る。
ムーニー粘度は、ASTM規格D1646(1999)に記載どおりに振動式コンシストメーターを用いて測定する。測定は下記原理に従って行なう:未硬化状態(すなわち硬化前)に分析するサンプルは、所定温度(100℃)に加熱した円筒チャンバーで鋳造(成形)する。1分間の予熱後、ローターが試験片内で2回転/分にて回転し、この動きを維持するための作動トルクを4分間の回転後に測定する。ムーニー粘度(ML)は、「ムーニー単位」(MU、1MU=0.83ニュートン・メートル)で表現する。
【0047】
2.1-エチレンと1,3-ブタジエンのコポリマー:エラストマーE1
80℃で、メチルシクロヘキサン、下表2に示す比率のエチレン(Et)及びブタジエン(Bd)を含有する反応器に、ブチルオクチルマグネシウム(BOMAG)を添加して反応器内の不純物を中和させてから触媒系を添加する(表2参照)。この時、反応を80℃で制御すると重合反応が始まる。重合反応は8バールの一定圧力で行なう。重合の間じゅう、表2に記載の比率でエチレン及びブタジエンを反応器に供給する。冷却、反応器の脱気及びエタノールの添加によって重合反応を停止させる。酸化防止剤をポリマー溶液に添加する。真空下オーブン内で一定重量まで乾燥させることによってコポリマーを回収する。E1のムーニー粘度は85である。
触媒系は予形成触媒系である。メチルシクロヘキサン中、メタロセン[Me2Si(Flu)2Nd(μ-BH4)2Li(THF)]、共触媒ブチルオクチルマグネシウム(BOMAG)、及び表2に示す含量の予形成モノマー、1,3-ブタジエンから触媒系を調製する。特許出願WO 2017093654 A1のパラグラフII.1の調製方法に従って調製する。
【0048】
2.2-エチレンとミルセンのコポリマー:エラストマーE2
下記手順に従ってポリマーを合成する:
80℃で、メチルシクロヘキサン、表2に示す比率のエチレン及びミルセン(My)を含有する反応器に、ブチルオクチルマグネシウム(BOMAG)を添加して反応器内の不純物を中和させてから触媒系を添加する(表2参照)。この時、反応温度を80℃で制御すると重合反応が始まる。重合反応は8バールの一定圧力で行なう。重合の間じゅう、表2に記載の比率でエチレン及びミルセンを反応器に供給する。冷却、反応器の脱気及びエタノールの添加によって重合反応を停止させる。酸化防止剤をポリマー溶液に添加する。真空下オーブン内で一定重量まで乾燥させることによってコポリマーを回収する。E2のムーニー粘度は17である。
触媒系は予形成触媒系である。メチルシクロヘキサン中、メタロセン[Me2Si(Flu)2Nd(μ-BH4)2Li(THF)]、共触媒ブチルオクチルマグネシウム(BOMAG)、及び表2に示す含量の予形成モノマー、1,3-ブタジエンから触媒系を調製する。特許出願WO 2017093654 A1のパラグラフII.1の調製方法に従って調製する。
ポリマーのミクロ構造及びポリマーの特性を下表3及び4に示す。
【0049】
2.3 ゴム組成物の調製:
phr(エラストマー100部当たりの質量部)で表されるその処方を下表5に示すゴム組成物を下記手順に従って調製した:コポリマーと、補強フィラーと、また加硫系を除く種々の他の成分とを内部ミキサーに連続的に導入し(最終充填度:容積で約70%)、その初期容器温度は約80℃である。次に熱機械加工(非生産段階)を1ステップで行ない、150℃の最高「滴下」温度に達するまで、合計で約5分持続させる。このようにして得られた混合物を回収及び冷却してから硫黄及び促進剤をミキサー(ホモフィニッシャー(homofinisher))に40℃で組み入れ、全てのものを約10分間混合する(生産段階)。このようにして得られた組成物を、引き続き、それらの物性又は機械特性の測定のためにゴムのスラブ(2~3mmの厚さ)又は薄いシートの形態でカレンダー加工する。
エチレンと1,3-ブタジエンのコポリマーであるエラストマーE1を含有する組成物C1は、本発明の組成物ではない。エチレンとミルセンのコポリマーであるエラストマーE2を含有する組成物C2は、本発明の組成物である。
【0050】
2.4 結果:
結果を下表6に示す。
組成物C2は、ヒステリシス特性が影響を受けることなく、組成物C1より低い剛性を有する。この結果は、匹敵するジエン単位含量(エラストマーE1では14%、エラストマーE2では13%)及びE2ではE1よりずっと高いエチレン単位含量(87%対78%)のために得られる。ずっと高いエチレン含量にもかかわらず、本発明のゴム組成物C2は、剛性とヒステリシス特性との間の改善された妥協を示す。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
(1) N234
(2) Zeosil 1165 MP、Solvay-Rhodiaから、マイクロパールの形態で
(3) MES/HPD(Catenex SNR、Shellから)
(4) Escorez 5600 C9/ジシクロペンタジエン炭化水素樹脂、Exxonから(Tg=55℃)
(5) N-(1,3-ジメチルブチル)-N-フェニル-パラ-フェニルジアミン(Santoflex 6-PPD、Flexsysから)
(6) TESPT(Si69、Evonikから)
(7) Pristerene 4931ステアリン、Uniqemaから
(8) ジフェニルグアニジン
(9) 酸化亜鉛、工業グレード、Umicoreから
(10) N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(Santocure CBS、Flexsysから)
【0055】
【表6】
【国際調査報告】