(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(54)【発明の名称】メモリシステムのためのインプリント回復管理
(51)【国際特許分類】
G11C 11/22 20060101AFI20221114BHJP
G06F 12/00 20060101ALI20221114BHJP
G06F 11/10 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
G11C11/22 270
G06F12/00 550Z
G06F11/10 648
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517331
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(85)【翻訳文提出日】2022-05-17
(86)【国際出願番号】 US2020049178
(87)【国際公開番号】W WO2021061365
(87)【国際公開日】2021-04-01
(32)【優先日】2019-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】バスタ スニート シン
(72)【発明者】
【氏名】バンガロール ラクシュマン シャシャンク
(72)【発明者】
【氏名】ハームズ ジョナサン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ストランド ジョナサン ジェイ.
【テーマコード(参考)】
5B160
【Fターム(参考)】
5B160NA02
(57)【要約】
メモリシステムのためのインプリント回復管理のための方法、システム、およびデバイスが記載される。場合により、メモリセルがインプリントされることがあり、これは、セルが1つの論理状態を別の論理状態よりも記憶する傾向になること、異なる論理状態に書き込まれることに抵抗すること、または両方という条件を指すことができる。インプリントされたメモリセルは、様々な条件、検出、または推測によって開始することができる回復または修理プロセスを使用して回復することができる。いくつかの例では、システムは、インプリントの特徴付けられた重大度、動作モード、環境条件、および他の要因に従ってスケールまたは選択されるインプリント回復動作を実行するように構成することができる。インプリント管理技法は、メモリシステムまたはその構成要素がメモリセルのインプリントに関連付けられた条件の存在下で動作することができる頑強性、精度、または効率を増大させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイス内に含まれるメモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定することと、
前記メモリデバイスに結合されたホストデバイスに、前記メモリセルのセットが前記それぞれの第1の論理状態でインプリントされていることを示すことと、
前記ホストデバイスから、前記メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行するための承認を受信することであって、前記インプリント回復手順が、前記それぞれの第1の論理状態を記憶することと、それぞれの第2の論理状態を記憶することとの間を切り換える前記メモリセルのセットの能力を増大させる、受信することと、
前記ホストデバイスから前記承認を受信したことに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリセルのセット上で前記インプリント回復手順を実行することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ホストデバイスに、前記メモリセルのセットが前記それぞれの第1の論理状態でインプリントされている重大度を示すこと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホストデバイスに、前記メモリセルがインプリントされている前記それぞれの第1の論理状態を示すこと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記メモリデバイスによって支援される複数のインプリント回復手順から、前記インプリント回復手順を選択すること、
前記インプリント回復手順を前記ホストデバイスに示すこととをさらに含み、前記インプリント回復手順を実行するための前記承認を受信することが、前記インプリント回復手順を前記ホストデバイスに示すことに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ホストデバイスから、前記インプリント回復手順の指示を受信することをさらに含み、前記インプリント回復手順が、前記メモリデバイスによって支援される複数のインプリント回復手順のうちの1つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ホストデバイスから、前記インプリント回復手順に対する制約の指示を受信することをさらに含み、前記制約が、前記インプリント回復手順を実行するために利用可能な時間の量、前記インプリント回復手順を実行するために利用可能な電力の量、またはこれらの任意の組合せを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ホストデバイスに、前記インプリント回復手順の継続時間を示すことをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ホストデバイスから、前記インプリント回復手順を休止するための指示を受信することと、
休止するための前記指示に少なくとも部分的に基づいて、前記インプリント回復手順を休止することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記メモリデバイス内に含まれるメモリセルの第2のセットがそれぞれの第3の論理状態でインプリントされていると判定することと、
前記メモリセルの第2のセットが前記それぞれの第3の論理状態でインプリントされている重大度が閾値を満足させると判定することと、
前記ホストデバイスからのあらゆる承認から独立して、前記メモリセルの第2のセット上で第2のインプリント回復手順を実行することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
メモリデバイス内に含まれるメモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定することと、
前記それぞれの第1の論理状態を前記メモリセルのセットから読み出すことと、
前記それぞれの第1の論理状態を前記メモリセルのセットの外部にある第2の位置に記憶することと、
前記それぞれの第1の論理状態を前記メモリセルのセットの外部に記憶した後、前記メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行することとを含み、前記インプリント回復手順が、前記それぞれの第1の論理状態を記憶することと、それぞれの第2の論理状態を記憶することとの間を切り換える前記メモリセルのセットの能力を増大させるように構成される、
方法。
【請求項11】
前記第2の位置が、前記メモリデバイス内のメモリセルの第2のセットを含み、
前記第2の位置が、前記メモリデバイスおよび第2のメモリデバイスを含むシステム内の記憶階層の異なるレベルにある前記第2のメモリデバイス内に含まれる、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の位置が、前記それぞれの第1の論理状態を読み出すために使用される感知増幅器のセットに結合されたラッチのセットを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記それぞれの論理状態が前記ラッチのセット内に記憶されている間に、1つまたは複数の電圧パルスを前記メモリセルのセットの各メモリセルに印加すること
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行した後、前記それぞれの第1の論理状態を前記メモリセルのセットに書き込むこと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記それぞれの第1の論理状態を前記第2の位置に記憶したことに少なくとも部分的に基づいて、前記それぞれの第1の論理状態に関連付けられた論理アドレスと物理アドレスとの間でマッピングを変更すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記メモリセルのセットが前記それぞれの第1の論理状態でインプリントされている重大度が閾値を下回ると判定することと、
前記重大度が前記閾値を下回ることに少なくとも部分的に基づいて、前記それぞれの第1の論理状態を前記第2の位置に記憶すると判定することと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記メモリセルのセットに関連付けられたエラー補正手順の速度が、閾値を下回ると判定することと、
前記エラー補正手順の速度が前記閾値を下回ることに少なくとも部分的に基づいて、前記それぞれの第1の論理状態を前記第2の位置に記憶すると判定することと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記それぞれの第1の論理状態を読み出すこと、および前記それぞれの第1の論理状態を前記第2の位置に記憶することの両方が、前記メモリセルのセットが前記それぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定する前に行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
メモリデバイスで、前記メモリデバイスに結合されたホストデバイスから、前記メモリデバイスのメモリアレイ内のデータのための読出しコマンドを受信することと、
前記データに対するデータエラーを識別することと、
前記データエラーが前記メモリデバイスによって支援されるエラー補正手順の補正能力を超えると判定することと、
前記データエラーが前記エラー補正手順の前記補正能力を超えると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイをセーフモードに切り換えることと、
前記データエラーが前記エラー補正手順の前記補正能力を超えると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイをセーフモードで動作させている間に、前記メモリアレイ上でインプリント回復手順を実行することとを含み、前記インプリント回復手順が、異なる論理状態を記憶するように切り換えるように前記メモリアレイ内のメモリセルの能力を増大させる、
方法。
【請求項20】
前記メモリアレイを前記セーフモードに切り換えたことに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイのためのアドレスデコーダを非活動化すること
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記メモリアレイを前記セーフモードに切り換えた後、前記メモリデバイスのためのホストデバイスから、前記メモリアレイのための読出しコマンドを受信することと、
前記読出しコマンドを無視し、またはランダムデータまたは例外の指示のうちの少なくとも1つを前記ホストデバイスへ伝送することとをさらに含み、前記無視または伝送が、前記読出しコマンドに応答して、前記メモリアレイを前記セーフモードで動作させることに少なくとも部分的に基づいて行われる、
請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ホストデバイスへ、前記データエラーに関連付けられたアドレスの指示を伝送すること、または
前記ホストデバイスへ、前記データエラーの指示を伝送すること
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
ホストデバイスから前記ホストデバイスに結合されたメモリデバイスへ、前記メモリデバイス内のデータのための読出しコマンドを伝送することと、
前記ホストデバイスで前記メモリデバイスから、前記読出しコマンドに対するデータエラーの指示を受信することと、
前記データエラーの前記指示を受信したことに少なくとも部分的に基づいて前記ホストデバイスで、前記データのためのデータ回復手順を実行することと
を含む、方法。
【請求項24】
前記データのための前記データ回復手順を実行することが、
前記データのための交換データを取得するために、前記ホストデバイスのアドレステーブルにアクセスすることと、
前記ホストデバイスから前記メモリデバイスへ、前記交換データのための書込みコマンドを伝送することとを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記データのための前記データ回復手順を実行することが、
前記ホストデバイスによって、前記メモリデバイスの外部に記憶されている前記データに対するパリティデータを取得することと、
前記ホストデバイスによって、前記メモリデバイスの外部に記憶された前記パリティデータに少なくとも部分的に基づいて、前記データに対するエラー補正手順を実行することとを含む、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に組み込まれている、2019年9月24日に出願されたBasutaらによる「IMPRINT RECOVERY MANAGEMENT FOR MEMORY SYSTEMS」という名称の米国特許出願第16/581,045号に対する優先権を主張する。
【0002】
以下は、一般に、少なくとも1つのメモリデバイスを含むシステムに関し、より詳細には、メモリシステムのためのインプリント管理に関する。
【背景技術】
【0003】
メモリデバイスは、コンピュータ、無線通信デバイス、カメラ、デジタルディスプレイなどの様々な電子デバイス内に情報を記憶するために広く使用されている。情報は、メモリデバイスの異なる状態をプログラムすることによって記憶される。たとえば2進デバイスは、ほとんどの場合、2つの状態のうちの1つを記憶し、これらの状態は、論理1または論理0によって表されることが多い。他のデバイスでは、3つ以上の状態を記憶することもできる。記憶された情報にアクセスするには、デバイスのコンポーネントが、メモリデバイス内の少なくとも1つの記憶状態を読み出しまたは感知することができる。情報を記憶するには、デバイスのコンポーネントが、その状態をメモリデバイス内に書き込みまたはプログラムすることができる。
【0004】
様々なタイプのメモリデバイスが存在し、それには、磁気ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期ダイナミックRAM(SDRAM)、強誘電RAM(FeRAM)、磁気RAM(MRAM)、抵抗RAM(RRAM)、フラッシュメモリ、相変化メモリ(PCM)などが含まれる。メモリデバイスは、揮発性であっても不揮発性であってもよい。FeRAMなどの不揮発性メモリは、外部電源のない場合でも、記憶された論理状態を長期間にわたって維持することができる。揮発性メモリデバイス、たとえばDRAMは、外部電源から取り外されると、記憶状態を失うことがある。FeRAMは、揮発性メモリに類似した密度を実現することが可能であるが、強誘電キャパシタを記憶デバイスとして使用することにより、不揮発性のプロパティを有することができる。
【0005】
いくつかのメモリタイプは、インプリントを受けることがあり、これは、メモリセルが1つの論理状態を別の論理状態よりも記憶する傾向になること、異なる論理状態(たとえば、書込み動作前の記憶された論理状態とは異なる論理状態)に書き込まれることに抵抗すること、または両方という様々な条件を指すことがある。場合により、インプリントの可能性は、時間に応じて増大することがある(たとえば、メモリセルが論理状態を記憶する継続時間がより長くなることが、メモリセルがその論理状態によってインプリントされる可能性が増大することに関係し得る)。加えてまたは別法として、インプリントの可能性は、温度に応じて増大することがある(たとえば、メモリセルが論理状態を記憶する温度がより高くなることが、メモリセルがその論理状態によってインプリントされる可能性が増大することに関係し得る)。インプリントされたメモリセルは、メモリデバイスまたはメモリデバイスを含むシステムの動作を損なう可能性のある読出しエラー、書込みエラー、または他の挙動もしくは脆弱性を伴うことがある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本明細書に開示する例によるインプリント管理を支援するシステムの一例を示す図である。
【
図2】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するメモリダイの一例を示す図である。
【
図3A】本明細書に開示する様々な例によるヒステリシスグラフによって強誘電メモリセルの非線形の電気プロパティの例を示す図である。
【
図3B】本明細書に開示する様々な例によるヒステリシスグラフによって強誘電メモリセルの非線形の電気プロパティの例を示す図である。
【
図4A】本明細書に開示する様々な例によるヒステリシスグラフによってインプリントされた強誘電メモリセルの非線形の電気プロパティの例を示す図である。
【
図4B】本明細書に開示する様々な例によるヒステリシスグラフによってインプリントされた強誘電メモリセルの非線形の電気プロパティの例を示す図である。
【
図5】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するシステムの一例を示す図である。
【
図6】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するプロセスフローの一例を示す図である。
【
図7】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援することができるインプリント検出条件のグラフを示す図である。
【
図8A】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するインプリント評価プロセスの例を示す図である。
【
図8B】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するインプリント評価プロセスの例を示す図である。
【
図9】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するセルバイアスの例を示す図である。
【
図10】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援する信号伝達の一例を示す図である。
【
図11】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援する状態図の一例を示す図である。
【
図12】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するプロセスフローの例を示す図である。
【
図13】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するプロセスフローの例を示す図である。
【
図14】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するプロセスフローの例を示す図である。
【
図15】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するプロセスフローの例を示す図である。
【
図16】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するプロセスフローの例を示す図である。
【
図17】本開示の態様によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するメモリデバイスのブロック図である。
【
図18】本開示の態様によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するホストデバイスのブロック図である。
【
図19】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援する1つまたは複数の方法を示す流れ図である。
【
図20】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援する1つまたは複数の方法を示す流れ図である。
【
図21】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援する1つまたは複数の方法を示す流れ図である。
【
図22】本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援する1つまたは複数の方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
メモリデバイスは、移動デバイス、パーソナルコンピュータ、無線通信デバイス、サーバ、モノのインターネット(IoT)デバイス、車両または車両コンポーネントなどの電子デバイスの一部として動作するとき、様々な条件を受けることがある。場合により、メモリデバイスの1つまたは複数のメモリセルはインプリントされることがあり、これは、メモリデバイスのメモリセルが1つの論理状態を別の論理状態よりも記憶する傾向になること、異なる論理状態(たとえば、書込み動作前の記憶された論理状態とは異なる論理状態)に書き込まれることに抵抗すること、または両方という様々な条件を指すことがある。メモリセルが論理状態によってインプリントされる可能性は、論理状態を記憶する断続しない(たとえば、連続する)時間の長さ、論理状態を記憶している間のメモリセルの温度、または他の要因に関係することがある。
【0008】
一例では、メモリデバイスは、高温の車両内、直射日光下、または他の環境に位置することなど、ある継続時間にわたって高温に露出されることから、インプリントを受けることがあり、そのような条件は、スタティックベイクと呼ばれることがある(たとえば、1つまたは複数のメモリセルが高温露出中に特定の論理状態で維持される)。場合により、スタティックベイクは、メモリデバイスの様々なメモリセルをインプリントする(たとえば、熱的にインプリントする)ことがあり、その結果、メモリセルは、別の状態(たとえば、論理1に対応する状態)より第1の状態(たとえば、論理0に対応する状態)にバイアスされまたは動けなくなる。別の例では、メモリデバイスのメモリセルは、製造時の条件で、データに関連付けられることも、関連付けられないこともある、論理状態、または何らかの荷電状態もしくは材料状態を記憶していることがある。メモリデバイスは、倉庫内でのアイドル中または無電力状態での経時的なインプリントなど、システム内に設置されまたはシステム内で動作させられる前に、ある程度の量のインプリントを受けることがあり、これは初期動作時に性能の低下または障害を引き起こす可能性がある。別の例では、インプリントは、不注意でまたは悪意をもって、パラメータまたはアクセスパターンを操作することによって引き起こされることもある。
【0009】
インプリントされたメモリセルは、インプリントされていないメモリセルと比較したとき、有害な性能を伴うことがある。たとえば、インプリントされたメモリセルは、アクセス動作(たとえば、読出しまたは書込み動作)中に電荷の流れに抵抗することがあり、アクセス動作中に分極の変化に抵抗することがあり、原子分布もしくは配列の変化、電気抵抗の変化、または閾値電圧の変化などの材料プロパティの変化に抵抗することがあり、あるいはインプリントされていないメモリセルとは異なる他の挙動(たとえば、異なる論理状態に対して非対称の挙動)を伴うことがある。一例では、標的論理状態を書き込もうとして、インプリントされたメモリセル上で書込み動作が実行されたとき、このメモリセルは、標的論理状態を記憶しないことがあり、またはそうでなければ、メモリデバイスが標的状態を記憶するメモリセルを読み出すことができないことがあり、その結果、アクセスエラー(たとえば、書込みエラー、読出しエラー)またはデータ破損が生じることがある。
【0010】
場合により、インプリントされたメモリセルは、回復または修理プロセスを使用して回復する(たとえば、インプリントを除去する、動くようにする、修理する、正常化する、均等化する)ことができる。たとえば、メモリセルに対して1つもしくは複数の電圧もしくは電圧パルスを印加すること、またはメモリアレイのメモリセル上で複数のアクセス動作(たとえば、複数の読出し動作、複数の書込み動作、複数の読出しおよび書込み動作)を実行することなど、様々なバイアス技法を適用することによって、アレイのメモリセルを(たとえば、回復可能なインプリントから)回復することができる。様々な例では、そのようなバイアスは、特定のデータアクセスに関係することも関係しないこともある(たとえば、ホストデバイスによる要求または命令に応じて、予定に基づいて、インプリントが発生したことを検出または予測したことに基づいて)、保守もしくは回復モードで実行することができ、またはアクセス動作(たとえば、読出し動作、書込み動作、リフレッシュ動作)のパラメータを修正するインプリント保守もしくは回復モードで実行することができ、一方でインプリント保守もしくは回復モードにおけるデータ転送を支援する。場合により、パラメータは、インプリント回復または防止を支援するように恒久的または無期限に修正することができる(たとえば、アクセス電圧の継続時間または大きさを修正することができる)。そのような技法は、メモリセルを異なる論理状態に対して概して正常化された、均等化された、または他の形で対称の挙動に戻すなど、インプリントの影響を軽減することができる。
【0011】
記載する技法によるメモリセルのインプリントに関係する回復動作は、様々な条件または検出に従って開始することができる。たとえば、電子デバイスまたはメモリデバイスは、インプリントに関連付けられた条件(たとえば、高温に関連付けられた条件、比較的長い継続時間にわたって論理状態を維持することに関連付けられた条件、メモリデバイスが初めて電源投入しているという指示、インプリントを引き起こすことのある不注意によるまたは悪意のあるアクセスパターン)を検出し、検出された条件に少なくとも部分的に基づいて、回復動作を開始することができる。言い換えれば、いくつかの例では、動作条件に基づいて、インプリントの可能性を推測することができ、または他の形でインプリントの存在を予測することができる。いくつかの例では、そのような検出は、電子デバイス(たとえば、ホストデバイス、ホストコントローラ)とメモリデバイスとの間で伝えられる信号伝達、またはメモリデバイスもしくはメモリデバイスを含む電子デバイスの一方もしくは両方によって実行される様々な追跡、監視、感知、もしくは計算動作に基づくことができる。
【0012】
場合により、電子デバイスまたはメモリデバイスは、インプリントの指示を有していないことがあり、またはインプリントが発生したもしくは発生した可能性が高いかどうかを判定もしくは予測することに関連する情報を欠くことがある。たとえば、電子デバイスの使用中、たとえば電子デバイスが電源遮断されまたは電力を失ったとき(たとえば、バッテリを使い切ったとき、電源が切断されたとき)、あるいは電子デバイスがスタンバイモード、またはメモリデバイスが電源切断されもしくは他の形で動作条件もしくは環境条件を監視しない他のモードにされたとき、メモリデバイスを電源切断または非活動化することができる。電源切断、非活動化、またはスタンバイ状態中、電子デバイスおよびメモリデバイスは、メモリデバイスの動作に影響することがある1つまたは複数の動作または環境条件に露出されることがあるが、デバイスは、インプリントに関連付けられているはずの条件を検出しないことがある。たとえば、デバイスが電源投入されていないと、デバイスは、熱履歴または条件を監視していないことがある。それに応じて、いくつかの例では、メモリデバイスは、メモリアレイ上でインプリント回復動作が実行されるべきかどうかを判定するために、インプリント検出手順(たとえば、メモリデバイス内のインプリントの存在を検出する)を実行することができる。メモリデバイスまたはメモリデバイスを含むシステムは、ホストデバイスからの要求に応答して活動化するときに(たとえば、初期化、電力供給、またはブートプロセスの一部として)、または本明細書に記載する様々なシナリオを含む任意の他の予定(たとえば、周期的)もしくはイベント駆動(たとえば、トリガ)時に、そのような検出手順を開始または実行することができる。
【0013】
本開示による技法は、メモリデバイスもしくはメモリデバイスのためのホストデバイスまたはメモリデバイスおよびホストデバイスを含むシステムがメモリセルのインプリントに関連付けられた条件の存在下で動作することができる頑強性、精度、または効率を増大させることができる。たとえば、記載する技法によれば、メモリデバイス、ホストデバイス、または両方は、メモリセルインプリントの存在を検出し、またはメモリセルインプリントの可能性を推測するために、様々な動作を実行することができる。メモリデバイスは、それに応じて、そのような検出または推測に応答して様々な動作を実行するように構成することができ、これはそのような動作を連続してまたは先制して実行するより効率的になり得る。いくつかの例では、システムは、インプリントの重大度または指向性を特徴付けて、特徴付けられた重大度または指向性に従ってスケールまたは選択されたインプリント回復動作を実行するように構成することができる。加えてまたは別法として、インプリント回復動作は、動作モードまたは環境条件など、メモリデバイスまたはホストデバイスの特定の動作条件に、システムによって適応させることができ、そのような動作条件は、いくつかの例では、メモリデバイスとホストデバイスとの間の信号伝達または動作交渉に少なくとも部分的に基づくことができる。場合により、記載する技法はまた、メモリデバイスとホストデバイスとの間の様々な信号伝達、データ転送、または動作管理を含む、データ保存または動作保全の様々な態様を考慮することができる。
【0014】
本開示の特徴について、
図1~
図4を参照して説明するように、メモリシステムおよびメモリダイの文脈で最初に説明する。本開示の特徴については、
図5~
図16を参照して、インプリント検出および回復技法の文脈でさらに説明する。本開示のこれらおよび他の特徴は、
図17~
図32を参照して説明するメモリのためのインプリント管理に関する装置図および流れ図によってさらに示し、これらの図を参照して説明する。
【0015】
図1は、本明細書に開示する例によるインプリント管理を支援するシステム100の一例を示す。システム100は、外部メモリコントローラ105と、メモリデバイス110と、外部メモリコントローラ105をメモリデバイス110に結合する複数のチャネル115とを含むことができる。システム100は、1つまたは複数のメモリデバイスを含むことができるが、説明を簡単にするために、1つまたは複数のメモリデバイスについて、単一のメモリデバイス110として説明することがある。
【0016】
システム100は、コンピューティングデバイス、移動コンピューティングデバイス、無線デバイス、グラフィックス処理デバイス、車両、または他のシステムなど、電子デバイスの部分を含むことができる。いくつかの例では、システム100は、携帯型電子デバイスの一例とすることができる。たとえば、システム100は、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、セルラー電話、ウェアラブルデバイス、インターネット接続デバイス、車両コントローラなどの態様を示すことができる。メモリデバイス110は、システム100の1つまたは複数の他のコンポーネントに対するデータを記憶するように構成されたシステムのコンポーネントとすることができる。
【0017】
システム100の少なくともいくつかの部分は、ホストデバイスの例とすることができる。そのようなホストデバイスは、コンピューティングデバイス、移動コンピューティングデバイス、無線デバイス、グラフィックス処理デバイス、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、セルラー電話、ウェアラブルデバイス、インターネット接続デバイス、何らかの他の定置型または携帯型の電子デバイスなどのプロセスを実行するために、メモリを使用するデバイスの一例とすることができる。場合により、ホストデバイスは、外部メモリコントローラ105の機能を実施するハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの組合せを指すことができる。場合により、外部メモリコントローラ105は、ホストまたはホストデバイスと呼ぶことができる。
【0018】
場合により、メモリデバイス110は、システム100の他のコンポーネントと通信し、システム100によって使用または参照することができる物理メモリアドレスまたは空間を提供するように構成された独立したデバイスまたはコンポーネントとすることができる。いくつかの例では、メモリデバイス110は、1つまたは複数の異なるタイプのシステム100とともに機能するように構成可能とすることができる。システム100およびメモリデバイス110のコンポーネント間の信号伝達は、信号を変調するための変調スキーム、信号を通信するための様々なピン設計、システム100およびメモリデバイス110の物理的な包装の様々なフォームファクタ、システム100とメモリデバイス110との間のクロック信号伝達および同期、タイミング規定、および/または他の要因を支援するように動作可能とすることができる。
【0019】
メモリデバイス110は、システム100のコンポーネントのためのデータを記憶するように構成することができる。場合により、メモリデバイス110は、システム100に対してスレーブタイプのデバイスとして作用することができる(たとえば、外部メモリコントローラ105を介してシステム100によって提供されるコマンドに応答し、それらのコマンドを実行する)。そのようなコマンドは、書込み動作のための書込みコマンド、読出し動作のための読出しコマンド、リフレッシュ動作のためのリフレッシュコマンド、または他のコマンドなど、アクセス動作のためのアクセスコマンドを含むことができる。メモリデバイス110は、データストレージのための所望または指定の容量を支援するために、2つ以上のメモリダイス160(たとえば、メモリチップ)を含むことができる。2つ以上のメモリダイスを含むメモリデバイス110を、マルチダイメモリまたはパッケージと呼ぶことができる(マルチチップメモリまたはパッケージとも呼ばれる)。
【0020】
システム100は、プロセッサ120、基本入出力システム(BIOS)コンポーネント125、1つまたは複数の周辺コンポーネント130、および入出力(I/O)コントローラ135をさらに含むことができる。システム100のコンポーネントは、バス140を使用して互いに電子的に通信することができる。
【0021】
プロセッサ120は、システム100の少なくとも部分に対する制御または他の機能を提供するように構成することができる。プロセッサ120は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートもしくはトランジスタ論理、離散ハードウェアコンポーネント、またはこれらのタイプのコンポーネントの組合せとすることができる。そのような場合、プロセッサ120は、他の例の中でも、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、汎用グラフィック処理ユニット(GPGPU)、またはシステムオンチップ(SoC)の一例とすることができる。
【0022】
BIOSコンポーネント125は、システム100の様々なハードウェアコンポーネントを初期化および実行することができるファームウェアとして動作するBIOSを含むソフトウェアコンポーネントとすることができる。BIOSコンポーネント125はまた、プロセッサ120とシステム100の様々なコンポーネント(たとえば、周辺コンポーネント130、I/Oコントローラ135)との間のデータフローを管理することができる。BIOSコンポーネント125は、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、または任意の他の不揮発性メモリ内に記憶されたプログラムまたはソフトウェアを含むことができる。
【0023】
周辺コンポーネント130は、任意の入力デバイスもしくは出力デバイス、またはそのようなデバイスのためのインターフェースとすることができ、システム100と一体化することができる。例には、ディスクコントローラ、サウンドコントローラ、グラフィックスコントローラ、イーサネットコントローラ、モデム、ユニバーサルシリアルバス(USB)コントローラ、シリアルもしくはパラレルポート、または周辺コンポーネントインターコネクト(PCI)もしくは特殊なグラフィックスポートなどの周辺カードスロットを含むことができる。周辺コンポーネント130は、当業者には周辺装置として理解される他のコンポーネントとすることができる。
【0024】
I/Oコントローラ135は、プロセッサ120と周辺コンポーネント130、入力デバイス145、または出力デバイス150との間のデータ通信を管理することができる。I/Oコントローラ135は、システム100の中にまたはシステム100と一体化されていない周辺装置を管理することができる。場合により、I/Oコントローラ135は、外部周辺コンポーネントへの物理接続またはポートを表すことができる。
【0025】
入力145は、情報、信号、またはデータをシステム100またはそのコンポーネントへ提供する、システム100の外部にあるデバイスまたは信号を表すことができる。これには、ユーザインターフェース、または他のデバイスとのインターフェースもしくは他のデバイス間のインターフェースを含むことができる。場合により、入力145は、1つもしくは複数の周辺コンポーネント130を介してシステム100とインターフェースする周辺装置とすることができ、またはI/Oコントローラ135によって管理することができる。
【0026】
出力150は、システム100またはそのコンポーネントのいずれかからの出力を受信するように構成された、システム100の外部にあるデバイスまたは信号を表すことができる。出力150の例には、ディスプレイ、音声スピーカ、印刷デバイス、またはプリント回路基板上の別のプロセッサなどを含むことができる。場合により、出力150は、1つもしくは複数の周辺コンポーネント130を介してシステム100とインターフェースする周辺装置とすることができ、またはI/Oコントローラ135によって管理することができる。
【0027】
システム100のコンポーネントは、それらの機能を実施するように設計された汎用または特別目的の回路から構成することができる。これには、本明細書に記載する機能を実施するように構成された様々な回路素子、たとえば導電線、トランジスタ、キャパシタ、インダクタ、抵抗器、増幅器、または他の能動もしくは受動素子を含むことができる。
【0028】
メモリデバイス110は、デバイスメモリコントローラ155および1つまたは複数のメモリダイス160を含むことができる。各メモリダイ160は、ローカルメモリコントローラ165(たとえば、ローカルメモリコントローラ165-a、ローカルメモリコントローラ165-b、および/またはローカルメモリコントローラ165-N)と、メモリアレイ170(たとえば、メモリアレイ170-a、メモリアレイ170-b、および/またはメモリアレイ170-N)とを含むことができる。メモリアレイ170は、メモリセルの集合(たとえば、1つまたは複数の格子、1つまたは複数のセクション)とすることができ、各メモリセルは、少なくとも1ビットのデジタルデータを記憶するように構成される。場合により、メモリアレイ170は、強誘電RAM(FeRAM)メモリセルを含むことができる。メモリアレイ170および/またはメモリセルの特徴は、
図2を参照してより詳細に説明する。
【0029】
メモリデバイス110は、メモリセルの2次元(2D)アレイの一例とすることができ、またはメモリセルの3次元(3D)アレイの一例とすることができる。たとえば、2Dメモリデバイスは、単一のメモリダイ160を含むことができる。3Dメモリデバイスは、2つ以上のメモリダイス160(たとえば、メモリダイ160-a、メモリダイ160-b、および/または任意の数のメモリダイス160-N)を含むことができる。3Dメモリデバイスでは、複数のメモリダイス160-Nを(たとえば、基板に対して)互いに重ねてまたは互いに隣接させて積層することができる。場合により、3Dメモリデバイス内のメモリダイス160-Nを、デック、レベル、層、またはダイと呼ぶことができる。3Dメモリデバイスは、任意の数の積層メモリダイス160-N(たとえば、高さ2つ、高さ3つ、高さ4つ、高さ5つ、高さ6つ、高さ7つ、高さ8つ)を含むことができる。これにより、単一の2Dメモリデバイスと比較して、基板上に位置決めすることができるメモリセルの数を増大させることができ、それにより、生産コストの低減もしくはメモリアレイの性能の増大または両方を実現することができる。いくつかの3Dメモリデバイスでは、異なるデックが、少なくとも1つの共通のアクセス線を共有することができ、したがっていくつかのデックが、ワード線、デジット線、および/またはプレート線のうちの少なくとも1つを共有することができる。
【0030】
デバイスメモリコントローラ155は、メモリデバイス110の動作を制御するように構成された回路またはコンポーネントを含むことができる。デバイスメモリコントローラ155は、メモリデバイス110が様々な動作を実行することを有効にするハードウェア、ファームウェア、命令、または他の構成を含むことができ、メモリデバイス110のコンポーネントに関係するコマンド、データ、または制御情報を受信、伝送、または実行するように構成することができる。デバイスメモリコントローラ155は、外部メモリコントローラ105、1つもしくは複数のメモリダイス160、またはプロセッサ120と通信するように構成することができる。場合により、メモリデバイス110は、外部メモリコントローラ105からデータおよび/またはコマンドを受信することができる。たとえば、メモリデバイス110は、メモリデバイス110がシステム100のコンポーネント(たとえば、プロセッサ120)の代わりに特定のデータを記憶するべきであることを示す書込みコマンド、またはメモリデバイス110がメモリダイ160内に記憶された特定のデータをシステム100のコンポーネント(たとえば、プロセッサ120)へ提供するべきであることを示す読出しコマンドを受信することができる。場合により、デバイスメモリコントローラ155は、メモリダイ160のローカルメモリコントローラ165とともに、本明細書に記載するメモリデバイス110の動作を制御することができる。デバイスメモリコントローラ155および/またはローカルメモリコントローラ165内に含むことができるコンポーネントの例には、信号を(たとえば、外部メモリコントローラ105から)受信するためのレシーバ、信号を(たとえば、外部メモリコントローラ105へ)伝送するためのトランスミッタ、受信した信号を復号もしくは復調するためのデコーダ、伝送すべき信号を符号化もしくは変調するためのエンコーダ、またはデバイスメモリコントローラ155もしくはローカルメモリコントローラ165の記載の動作を支援するように構成された様々な他の回路もしくはコントローラを含むことができる。
【0031】
ローカルメモリコントローラ165(たとえば、メモリダイ160のローカル)は、メモリダイ160の動作を制御するように構成することができる。いくつかの例では、ローカルメモリコントローラ165は、デバイスメモリコントローラ155と通信する(たとえば、データおよび/またはコマンドを受信または伝送する)ように構成することができる。ローカルメモリコントローラ165は、本明細書に記載するように、メモリデバイス110の動作を制御するためにデバイスメモリコントローラ155を支援することができる。場合により、メモリデバイス110は、デバイスメモリコントローラ155を含まないことがあり、ローカルメモリコントローラ165または外部メモリコントローラ105が、本明細書に記載する様々な機能を実行することができる。したがって、ローカルメモリコントローラ165は、デバイスメモリコントローラ155と通信するように、他のローカルメモリコントローラ165と通信するように、または外部メモリコントローラ105もしくはプロセッサ120と直接通信するように構成することができる。
【0032】
外部メモリコントローラ105は、システム100のコンポーネント(たとえば、プロセッサ120)とメモリデバイス110との間の情報、データ、および/またはコマンドの通信を有効にするように構成することができる。外部メモリコントローラ105は、システム100のコンポーネントとメモリデバイス110との間の連絡役として作用することができ、したがってシステム100のコンポーネントは、メモリデバイスの動作の詳細を知る必要がないことがある。システム100のコンポーネントは、外部メモリコントローラ105への要求(たとえば、読出しコマンドまたは書込みコマンド)を提示することができ、外部メモリコントローラ105はその要求を満足させる。外部メモリコントローラ105は、システム100のコンポーネントとメモリデバイス110との間で交換される通信を変換または翻訳することができる。場合により、外部メモリコントローラ105は、共通の(ソース)システムクロック信号を生成するシステムクロックを含むことができる。場合により、外部メモリコントローラ105は、共通の(ソース)データクロック信号を生成する共通のデータクロックを含むことができる。
【0033】
場合により、外部メモリコントローラ105もしくはシステム100の他のコンポーネント、または本明細書に記載するその機能は、プロセッサ120によって実施することができる。たとえば、外部メモリコントローラ105は、プロセッサ120またはシステム100の他のコンポーネントによって実施されるハードウェア、ファームウェア、もしくはソフトウェア、またはこれらの何らかの組合せとすることができる。外部メモリコントローラ105は、メモリデバイス110の外部にあるものとして描かれているが、場合により、外部メモリコントローラ105または本明細書に記載するその機能は、メモリデバイス110によって実施することができる。たとえば、外部メモリコントローラ105は、デバイスメモリコントローラ155または1つもしくは複数のローカルメモリコントローラ165によって実施されるハードウェア、ファームウェア、もしくはソフトウェア、またはこれらの何らかの組合せとすることができる。場合により、外部メモリコントローラ105は、プロセッサ120およびメモリデバイス110にわたって分散させることができ、したがって外部メモリコントローラ105のいくつかの部分は、プロセッサ120によって実施され、他の部分は、デバイスメモリコントローラ155またはローカルメモリコントローラ165によって実施される。同様に、場合により、本明細書でデバイスメモリコントローラ155またはローカルメモリコントローラ165に帰する1つまたは複数の機能は、場合により、外部メモリコントローラ105(プロセッサ120とは別個、またはプロセッサ120内に含まれるかのいずれか)によって実行することができる。
【0034】
システム100のコンポーネントは、複数のチャネル115を使用してメモリデバイス110と情報を交換することができる。いくつかの例では、チャネル115は、外部メモリコントローラ105とメモリデバイス110との間の通信を支援するように構成することができる。各チャネル115は、システム100のコンポーネントに関連付けられた端子間に1つもしくは複数の信号経路もしくは伝送媒体(たとえば、導体)を含むことができ、またはそのような信号経路もしくは伝送媒体に関連付けることができる。たとえば、チャネル115は、外部メモリコントローラ105の1つまたは複数のピンまたはパッドと、メモリデバイス110の1つまたは複数のピンまたはパッドとを含む第1の端子を含むことができる。ピンは、システム100のデバイスの導電入力または出力点の一例とすることができ、ピンは、チャネルの一部として作用するように構成することができる。場合により、端子のピンまたはパッドは、チャネル115の信号経路の一部とすることができる。システム100のコンポーネント内で信号を経路指定するために、追加の信号経路をチャネルの端子に結合することもできる。たとえば、メモリデバイス110は、チャネル115の端子からメモリデバイス110の様々なコンポーネント(たとえば、デバイスメモリコントローラ155、メモリダイス160、ローカルメモリコントローラ165、メモリアレイ170)へ信号を経路指定する信号経路(たとえば、メモリダイ160の内部など、メモリデバイス110またはそのコンポーネントの内部の信号経路)を含むことができる。
【0035】
チャネル115(ならびに関連付けられた信号経路および端子)は、特有のタイプの情報を通信するのに専用のものとすることができる。場合により、チャネル115は、集合したチャネルとすることができ、したがって複数の個々のチャネルを含むことができる。たとえば、データチャネル190は、×4(たとえば、4つの信号経路を含む)、×8(たとえば、8つの信号経路を含む)、×16(16の信号経路を含む)などとすることができる。これらのチャネルを介して通信される信号は、ダブルデータレート(DDR)のタイミングスキームを使用することができる。たとえば、信号のいくつかのシンボルを、クロック信号の立上りエッジに登録することができ、信号の他のシンボルを、クロック信号の立下りエッジに登録することができる。チャネルを介して通信される信号は、シングルデータレート(SDR)の信号伝達を使用することができる。たとえば、各クロックサイクルに対して、信号の1つのシンボルを登録することができる。
【0036】
場合により、チャネル115は、1つまたは複数のコマンドおよびアドレス(CA)チャネル186を含むことができる。CAチャネル186は、コマンドに関連付けられた制御情報(たとえば、アドレス情報)を含むコマンドを、外部メモリコントローラ105とメモリデバイス110との間で通信するように構成することができる。たとえば、CAチャネル186は、所望のデータのアドレスを有する読出しコマンドを含むことができる。場合により、CAチャネル186は、立上りクロック信号エッジおよび/または立下りクロック信号エッジに登録することができる。場合により、CAチャネル186は、アドレスおよびコマンドデータを復号するために、任意の数の信号経路(たとえば、8つまたは9つの信号経路)を含むことができる。
【0037】
場合により、チャネル115は、1つまたは複数のクロック信号(CK)チャネル188を含むことができる。CKチャネル188は、外部メモリコントローラ105とメモリデバイス110との間で1つまたは複数の共通のクロック信号を通信するように構成することができる。各クロック信号は、高い状態と低い状態との間で発振し、外部メモリコントローラ105およびメモリデバイス110の動作を調整するように構成することができる。場合により、クロック信号は、差動出力(たとえば、CK_t信号およびCK_c信号)とすることができ、CKチャネル188の信号経路は、それに応じて構成することができる。場合により、クロック信号は、シングルエンドとすることができる。CKチャネル188は、任意の数の信号経路を含むことができる。場合により、クロック信号CK(たとえば、CK_t信号およびCK_c信号)は、メモリデバイス110に対するコマンドおよびアドレス指定動作またはメモリデバイス110に対する他のシステム全体の動作のためのタイミング基準を提供することができる。したがって、クロック信号CKは、制御クロック信号CK、コマンドクロック信号CK、またはシステムクロック信号CKとして様々に呼ぶことができる。システムクロック信号CKは、1つまたは複数のハードウェアコンポーネント(たとえば、発振器、結晶、論理ゲート、トランジスタなど)を含むことができるシステムクロックによって生成することができる。
【0038】
場合により、チャネル115は、1つまたは複数のデータ(DQ)チャネル190を含むことができる。データチャネル190は、外部メモリコントローラ105とメモリデバイス110との間でデータおよび/または制御情報を通信するように構成することができる。たとえば、データチャネル190は、メモリデバイス110に書き込むべき情報またはメモリデバイス110から読み出された情報を(たとえば、双方向に)通信することができる。
【0039】
場合により、チャネル115は、他の目的に専用のものとすることができる1つまたは複数の他のチャネル192を含むことができる。これらの他のチャネル192は、任意の数の信号経路を含むことができる。
【0040】
場合により、他のチャネル192は、1つまたは複数の書込みクロック信号(WCK)チャネルを含むことができる。名称に関して、WCKの「W」は、「書込み」を表すことができ、書込みクロック信号WCK(たとえば、WCK_t信号およびWCK_c信号)は、概してメモリデバイス110に対するアクセス動作のためのタイミング基準(たとえば、読出し動作および書込み動作の両方のためのタイミング基準)を提供することができる。それに応じて、書込みクロック信号WCKはまた、データクロック信号WCKと呼ぶことができる。WCKチャネルは、外部メモリコントローラ105とメモリデバイス110との間で共通のデータクロック信号を通信するように構成することができる。データクロック信号は、外部メモリコントローラ105およびメモリデバイス110のアクセス動作(たとえば、書込み動作または読出し動作)を調整するように構成することができる。場合により、書込みクロック信号は、差動出力(たとえば、WCK_t信号およびWCK_c信号)とすることができ、WCKチャネルの信号経路は、それに応じて構成することができる。WCKチャネルは、任意の数の信号経路を含むことができる。データクロック信号WCKは、1つまたは複数のハードウェアコンポーネント(たとえば、発振器、結晶、論理ゲート、トランジスタなど)を含むことができるデータクロックによって生成することができる。
【0041】
場合により、他のチャネル192は、1つまたは複数のエラー検出コード(EDC)チャネルを含むことができる。EDCチャネルは、システムの信頼性を改善するために、チェックサムなどのエラー検出信号を通信するように構成することができる。EDCチャネルは、任意の数の信号経路を含むことができる。
【0042】
チャネル115は、様々な異なるアーキテクチャを使用して、外部メモリコントローラ105をメモリデバイス110に結合することができる。様々なアーキテクチャの例には、バス、ポイントツーポイント接続、クロスバー、シリコンインターポーザなどの高密度インターポーザ、または有機基板内に形成されたチャネル、またはこれらの何らかの組合せを含むことができる。たとえば、場合により、信号経路は、シリコンインターポーザまたはガラスインターポーザなどの高密度インターポーザを少なくとも部分的に含むことができる。
【0043】
チャネル115を介して通信される信号は、様々な異なる変調スキームを使用して変調することができる。場合により、外部メモリコントローラ105とメモリデバイス110との間で通信される信号を変調するために、2進シンボル(または2進レベル)の変調スキームを使用することができる。2進シンボルの変調スキームは、多値変調スキームの一例とすることができ、ここでMは2に等しい。2進シンボル変調スキームの各シンボルは、1ビットのデジタルデータを表すように構成することができる(たとえば、1つのシンボルが、論理1または論理0を表すことができる)。2進シンボル変調スキームの例には、それだけに限定されるものではないが、非ゼロ復帰(NRZ)、単極符号化、両極符号化、マンチェスタ符号化、2つのシンボル(たとえば、PAM2)を有するパルス振幅変調(PAM)などが含まれる。
【0044】
場合により、外部メモリコントローラ105とメモリデバイス110との間で通信される信号を変調するために、マルチシンボル(またはマルチレベル)の変調スキームを使用することができる。マルチシンボル変調スキームは、多値変調スキームの一例とすることができ、ここでMは3以上である。マルチシンボル変調スキームの各シンボルは、2ビット以上のデジタルデータを表すように構成することができる(たとえば、1つのシンボルが、論理00、論理01、論理10、または論理11を表すことができる)。マルチシンボル変調スキームの例には、それだけに限定されるものではないが、PAM3、PAM4、PAM8、および他のPAM構成、直交振幅変調(QAM)、4位相偏移変調(QPSK)などが含まれる。マルチシンボル信号(たとえば、PAM3信号またはPAM4信号)信号は、2ビット以上の情報を符号化するために少なくとも3つのレベルを含む変調スキームを使用して変調された信号とすることができる。マルチシンボル変調スキームおよびシンボルは、別法として、非2進、マルチビット、または高次変調スキームおよびシンボルと呼ぶことができる。
【0045】
場合により、メモリアレイ170の1つまたは複数のメモリセルはインプリントされることがあり、これは、メモリセルが1つの論理状態を別の論理状態よりも記憶する傾向になること、異なる論理状態(たとえば、書込み動作前の記憶された論理状態とは異なる論理状態)に書き込まれることに抵抗すること、または両方という様々な条件を指すことがある。メモリセルが論理状態によってインプリントされる可能性は、論理状態を記憶する時間(たとえば、連続する継続時間、断続しない継続時間)の長さ、論理状態を記憶している間のメモリセルの温度、不注意によるもしくは悪意のあるアクセスパターン、または他の要因に関係することがある。記載する技法によれば、システム100のコンポーネントは、そのようなインプリントを緩和しまたはそのようなインプリントから回復するために、様々な動作を選択的に実行するように構成することができ、それによりメモリデバイス110、ホストデバイス、またはシステム100全体がメモリセルのインプリントに関連付けられた条件の存在下で動作することができる頑強性、精度、または効率を増大させることができる。
【0046】
たとえば、記載する技法によれば、メモリデバイス110、ホストデバイス(たとえば、外部メモリコントローラ105)、または両方は、メモリセルインプリントの存在を検出するために、またはメモリセルインプリントの可能性を推測するために、様々な動作を実行することができる。メモリデバイス110は、それに応じて、そのような検出または推測に応答して様々な動作を実行するように構成することができ、これはそのような動作を連続してまたは先制して実行するより効率的になり得る。いくつかの例では、システム100の1つまたは複数のコンポーネントは、インプリントの重大度または指向性を特徴付けて、特徴付けられた重大度または指向性に従ってスケールまたは選択されたインプリント回復動作を実行するように構成することができる。加えてまたは別法として、インプリント回復動作は、動作モードまたは環境条件など、メモリデバイス110、ホストデバイス(たとえば、外部メモリコントローラ105)、またはシステム100全体の特定の動作条件に、システム100によって適応させることができ、そのような環境条件は、いくつかの例では、メモリデバイス110とホストデバイス(たとえば、外部メモリコントローラ105)との間の信号伝達または動作交渉に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0047】
図2は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するメモリダイ200の一例を示す。メモリダイ200は、
図1を参照して説明したメモリダイス160の一例とすることができる。場合により、メモリダイ200は、メモリチップ、メモリデバイス、または電子メモリ装置と呼ぶことができる。メモリダイ200は、1つまたは複数のメモリセル205を含むことができ、メモリセル205は各々、異なる論理状態(たとえば、1組の2つ以上の可能な状態のうちのプログラムされた1つの状態)を記憶するようにプログラム可能である。たとえば、メモリセル205は、1度に1ビットのデジタル論理(たとえば、論理0または論理1)を記憶するように構成することができる。場合により、メモリセル205(たとえば、マルチレベルメモリセル205)は、1度に2ビット以上のデジタル論理(たとえば、論理00、論理01、論理10、または論理11)を記憶するように構成することができる。
【0048】
いくつかの例では、メモリセル205は、プログラム可能な論理状態を表す電荷を蓄積する(たとえば、キャパシタ、容量メモリ要素、容量記憶要素内に電荷を蓄積する)ことができる。一例では、帯電されたおよび帯電されていないキャパシタが、それぞれ2つの論理状態を表すことができる。別の例では、正に充電したキャパシタ(たとえば、第1の極性、正の極性)および負に充電したキャパシタ(たとえば、第2の極性、負の極性)が、それぞれ2つの論理状態を表すことができる。DRAMまたはFeRAMアーキテクチャは、そのような設計を使用することができ、用いられるキャパシタは、絶縁体として線形または常誘電分極プロパティを有する誘電材料を含むことができる。いくつかの例では、キャパシタの異なるレベルの帯電は、異なる論理状態を表すことができ、それらの論理状態は、いくつかの例では、それぞれのメモリセル205内で3つ以上の論理状態を支援することができる。FeRAMアーキテクチャなどのいくつかの例では、メモリセル205は、キャパシタの端子間の絶縁(たとえば、非導電)層として強誘電材料を有する強誘電キャパシタを含むことができる。強誘電キャパシタの異なる分極レベルまたは極性は、異なる論理状態を表すことができる(たとえば、それぞれのメモリセル205内で2つ以上の論理状態を支援する)。強誘電材料は、
図3Aおよび
図3Bを参照してさらに詳細に論じるものを含む非線形の分極プロパティを有する。
【0049】
いくつかの例では、メモリセル205は、構成可能材料を使用して論理状態を記憶することができ、そのような構成可能材料は、メモリ要素、メモリ記憶要素、材料要素、材料メモリ要素、材料部分、極性が書き込まれた材料部分などと呼ぶことができる。メモリセル205の構成可能材料は、異なる論理状態を表す(たとえば、それに対応する)1つまたは複数の可変の構成可能な特性またはプロパティ(たとえば、材料状態)を有することができる。たとえば、構成可能材料は、異なる形態、異なる原子構成、異なる結晶化度、異なる原子分布をとることができ、または他の形で異なる特性を維持することができる。いくつかの例では、そのような特性は、異なる電気抵抗、異なる閾値電圧、または構成可能材料によって記憶されている論理状態を識別するために読出し動作中に検出可能もしくは区別可能な他のプロパティに関連付けることができる。いくつかの例では、構成可能材料は、カルコゲニドに基づく記憶コンポーネントを指すことができる。たとえば、カルコゲニド記憶要素は、相変化メモリ(PCM)セルまたは自己選択メモリセル内で使用することができる。カルコゲニド記憶要素は、抵抗メモリまたは閾値メモリの例とすることができる。
【0050】
読出しおよび書込みなどの動作は、ワード線210、デジット線215、および/またはプレート線220などのアクセス線を活動化または選択することによって、メモリセル205上で実行することができる。場合により、デジット線215をビット線と呼ぶこともできる。アクセス線、ワード線、デジット線、プレート線、ビット線、またはそれらの類似語への言及は、理解または動作の損失なく交換可能である。ワード線210、デジット線215、またはプレート線220を活動化または選択することは、それぞれのアクセス線に電圧を印加すること(たとえば、それぞれのアクセス線を「バイアス」すること)を含むことができる。
【0051】
メモリダイ200は、格子状のパターンで配列されたアクセス線(たとえば、ワード線210、デジット線215、プレート線220)を含むことができる。メモリセル205は、ワード線210、デジット線215、および/またはプレート線220の交点に位置決めすることができる。ワード線210、デジット線215、およびプレート線220をバイアスすること(たとえば、ワード線210、デジット線215、またはプレート線220に電圧を印加すること)によって、これらの交点で単一のメモリセル205にアクセスすることができる。
【0052】
メモリセル205にアクセスすることは、行デコーダ225、列デコーダ230、およびプレートドライバ235によって制御することができる。たとえば、行デコーダ225は、ローカルメモリコントローラ265から行アドレスを受信し、受信した行アドレスに基づいて、ワード線210を活動化することができる。列デコーダ230は、ローカルメモリコントローラ265から列アドレスを受信し、受信した列アドレスに基づいて、デジット線215を活動化することができる。プレートドライバ235は、ローカルメモリコントローラ265からプレートアドレスを受信し、受信したプレートアドレスに基づいて、プレート線220を活動化することができ、またはアクセスされているメモリセル205のセクションに共通の、共通のプレートもしくはプレートノードを活動化することができる。たとえば、メモリダイ200は、WL_1~WL_Mで示す複数のワード線210、DL_1~DL_Nで示す複数のデジット線215、およびPL_1~PL_Pで示す複数のプレート線を含むことができ、ここでM、N、およびPはメモリアレイのサイズに依存する。ワード線210、デジット線215、およびプレート線220、たとえばWL_1、DL_3、およびPL_1を活動化することによって、これらの交点にあるメモリセル205にアクセスすることができる。2次元または3次元構成のいずれかにおけるワード線210およびデジット線215の交点を、メモリセル205のアドレスと呼ぶことができる。場合により、ワード線210、デジット線215、およびプレート線220の交点を、メモリセル205のアドレスと呼ぶことができる。
【0053】
メモリセル205は、キャパシタ240などの論理記憶コンポーネントと、スイッチングコンポーネント245とを含むことができる。いくつかの例では、キャパシタ240は、強誘電キャパシタの一例とすることができる。キャパシタ240の第1のノード(たとえば、セル底部、底部ノード)は、スイッチングコンポーネント245に結合することができ、キャパシタ240の第2のノード(たとえば、セルプレート、プレートノード)は、プレート線220に結合することができる。スイッチングコンポーネント245は、2つのコンポーネント間の電子通信を選択的に確立または確立解除するトランジスタまたは任意の他のタイプのスイッチデバイスの一例とすることができる。
【0054】
メモリセル205を選択または選択解除することは、スイッチングコンポーネント245を活動化または非活動化することによって実現することができる。キャパシタ240(たとえば、セル底部)は、スイッチングコンポーネント245を使用して、デジット線215と電子的に通信することができる。たとえば、スイッチングコンポーネント245が非活動化されているとき、キャパシタ240をデジット線215から分離することができ、スイッチングコンポーネント245が活動化されているとき、キャパシタ240をデジット線215に結合することができる。場合により、スイッチングコンポーネント245はトランジスタであり、その動作は、トランジスタゲートに電圧を印加することによって制御され、トランジスタゲートとトランジスタソースとの間の電圧差は、トランジスタの閾値電圧より大きいまたは小さい。様々な例では、スイッチングコンポーネント245は、p型トランジスタまたはn型トランジスタとすることができる。ワード線210は、スイッチングコンポーネント245のゲートと電子的に通信することができ、ワード線210に電圧が印加されたことに基づいて、スイッチングコンポーネント245を活動化/非活動化することができる。
【0055】
感知コンポーネント250は、メモリセル205のキャパシタ240によって記憶される状態(たとえば、分極状態、荷電状態)を検出し、検出した状態に基づいて、メモリセル205の論理状態を判定するように構成することができる。感知コンポーネント250は、メモリセル205にアクセスしたことに起因する信号を増幅しまたは他の形で変換するために、1つまたは複数の感知増幅器を含むことができる。たとえば、読出し動作中、メモリセル205のキャパシタ240は、その対応するデジット線215へ信号を出力する(たとえば、電荷を放出する)ことができ、それによりデジット線215の電圧を変化させることができる。感知増幅器は、読出し動作中にデジット線215の電荷または電圧のわずかな変化を検出することができ、検出した電荷に基づいて、論理0または論理1のいずれかに対応する信号を生じさせることができる。
【0056】
いくつかの例では、感知コンポーネント250は、メモリセル205から(たとえば、デジット線215を介して)受信した信号を、基準線255(たとえば、基準電圧)と比較するように構成することができる。感知コンポーネント250は、その比較に基づいて、メモリセル205の記憶状態を判定することができる。2進信号伝達による一例では、デジット線215が基準線255より高い電圧を有する場合、感知コンポーネント250は、メモリセル205の記憶状態が論理1であると判定することができ、デジット線215が基準線255より低い電圧を有する場合、感知コンポーネント250は、メモリセル205の記憶状態が論理0であると判定することができる。感知コンポーネント250は、信号の差を検出および増幅するために、様々なトランジスタ、増幅器、または他の回路を含むことができる。メモリセル205の検出された論理状態は、感知コンポーネント250の出力として(たとえば、入出力コンポーネント260)へ提供することができ、デバイスメモリコントローラ155などのメモリダイ200を含むメモリデバイス110の別のコンポーネントへ(たとえば、直接、またはローカルメモリコントローラ265を使用して)、検出された論理状態を示すことができる。場合により、感知コンポーネント250は、行デコーダ225、列デコーダ230、および/またはプレートドライバ235と電子的に通信することができる。
【0057】
場合により、感知コンポーネント250または基準線255は、メモリセル205によって記憶されている論理状態を判定する(読み出す)ために使用される基準電圧を(たとえば、様々な動作モードまたは他の調整に従って)制御または調整するように(たとえば、ローカルメモリコントローラ265によって)構成することができる。たとえば、アクセスモード(たとえば、アプリケーションデータをメモリセル205へ書き込みまたはメモリセル205から読み出すことができるモード)中、感知コンポーネント250および基準線255は、メモリセル205の記憶状態を判定する(たとえば、読み出す)ためのデフォルト基準電圧を使用するように構成することができる。デフォルト基準電圧は、感知動作中のエラーを減少もしくは最小化しまたは他の形で読出しウィンドウを最大化する電圧レベル(たとえば、異なる論理状態を検出することに対して均等化または集中化された基準電圧)で構成または設定することができる。たとえば、デフォルト電圧は、論理1を記憶するメモリセル205を読み出すときのデジット線215の電圧と、論理0を記憶するメモリセル205を読み出すときのデジット線215の電圧との間の電圧レベル(たとえば、論理1に関連付けられたデジット線215の電圧および論理0に関連付けられたデジット線215の電圧から等距離)に(たとえば、静的構成として、動作中に調整される構成として)構成することができる。これにより、記憶メモリ状態の正確な判定を容易にすることができる。
【0058】
ローカルメモリコントローラ265は、様々なコンポーネント(たとえば、行デコーダ225、列デコーダ230、プレートドライバ235、および感知コンポーネント250)によるメモリセル205へのアクセスを制御することができる。ローカルメモリコントローラ265は、
図1を参照して説明したローカルメモリコントローラ165の一例とすることができる。場合により、行デコーダ225、列デコーダ230、およびプレートドライバ235、ならびに感知コンポーネント250のうちの1つまたは複数は、ローカルメモリコントローラ265と同じ場所に配置することができる。ローカルメモリコントローラ265は、
図1を参照して説明した外部メモリコントローラ105もしくはデバイスメモリコントローラ155から1つもしくは複数のコマンドおよび/もしくはデータを受信し、そのコマンドおよび/もしくはデータを、メモリダイ200によって使用することができる情報に翻訳し、メモリダイ200上で1つもしくは複数の動作を実行し、または1つもしくは複数の動作を実行したことに応答して、メモリダイ200からのデータを外部メモリコントローラ105もしくはデバイスメモリコントローラ155へ通信するように構成することができる。ローカルメモリコントローラ265は、標的ワード線210、標的デジット線215、および標的プレート線220を活動化するために、行、列、および/またはプレート線アドレス信号を生成することができる。ローカルメモリコントローラ265はまた、メモリダイ200の動作中に使用される様々な電圧または電流を生成および制御することができる。概して、本明細書に論じる印加電圧または電流の振幅、形状、または継続時間は調整または変更することができ、メモリダイ200を動作させることに関して論じる様々な動作に対して異なってよい。
【0059】
場合により、ローカルメモリコントローラ265は、メモリダイ200の1つまたは複数のメモリセル205上で、書込み動作(たとえば、プログラム動作)を実行するように構成することができる。書込み動作中、メモリダイ200のメモリセル205は、所望の論理状態を記憶するようにプログラムすることができる。場合により、単一の書込み動作中に複数のメモリセル205をプログラムすることができる。ローカルメモリコントローラ265は、書込み動作を実行するべき標的メモリセル205を識別することができる。ローカルメモリコントローラ265は、標的メモリセル205(たとえば、標的メモリセル205のアドレス)と電子的に通信する標的ワード線210、標的デジット線215、および/または標的プレート線220を識別することができる。ローカルメモリコントローラ265は、標的メモリセル205にアクセスするために、標的ワード線210、標的デジット線215、および/または標的プレート線220を活動化する(たとえば、ワード線210、デジット線215、またはプレート線220に電圧を印加する)ことができる。ローカルメモリコントローラ265は、書込み動作中に、メモリセル205のキャパシタ240内に特有の状態を記憶するために、デジット線215への特有の信号(たとえば、電圧)およびプレート線220への特有の信号(たとえば、電圧)を印加することができ、特有の状態は所望の論理状態を示す。
【0060】
場合により、ローカルメモリコントローラ265は、メモリダイ200の1つまたは複数のメモリセル205上で読出し動作(たとえば、感知動作)を実行するように構成することができる。読出し動作中、メモリダイ200のメモリセル205内に記憶されている論理状態を判定することができる。場合により、単一の読出し動作中に複数のメモリセル205を感知することができる。ローカルメモリコントローラ265は、読出し動作を実行するべき標的メモリセル205を識別することができる。ローカルメモリコントローラ265は、標的メモリセル205(たとえば、標的メモリセル205のアドレス)と電子的に通信する標的ワード線210、標的デジット線215、および/または標的プレート線220を識別することができる。ローカルメモリコントローラ265は、標的メモリセル205にアクセスするために、標的ワード線210、標的デジット線215、および/または標的プレート線220を活動化する(たとえば、ワード線210、デジット線215、またはプレート線220に電圧を印加する)ことができる。標的メモリセル205は、アクセス線をバイアスしたことに応答して、感知コンポーネント250へ信号を伝達することができる。感知コンポーネント250は、信号を増幅することができる。ローカルメモリコントローラ265は、感知コンポーネント250を始動(たとえば、感知コンポーネントをラッチ)し、それによってメモリセル205から受信した信号を基準線255と比較することができる。この比較に基づいて、感知コンポーネント250は、メモリセル205上に記憶されている論理状態を判定することができる。ローカルメモリコントローラ265は、読出し動作の一部として、メモリセル205上に記憶されている論理状態を外部メモリコントローラ105(またはデバイスメモリコントローラ)へ通信することができる。
【0061】
いくつかのメモリアーキテクチャでは、メモリセル205にアクセスすることで、メモリセル205内に記憶されている論理状態を劣化または破壊することがあり、元の論理状態をメモリセル205へ戻すために、書換えまたはリフレッシュ動作を実行することができる。たとえば、DRAMまたはFeRAMでは、感知動作中にメモリセル205のキャパシタを部分的または完全に放電し、それによってメモリセル205内に記憶されていた論理状態を破損することがある。したがって、いくつかの例では、アクセス動作後(たとえば、書換え動作中)に、メモリセルをその元の論理状態に戻すために、メモリセル205内に記憶されている論理状態を書き換えることができる。ローカルメモリコントローラ265は、読出し動作後に標的メモリセルに論理状態を書き換えることができ、場合により、書換え動作を読出し動作の一部と見なすことができる。場合により、単一のアクセス線(たとえば、ワード線210、デジット線215、プレート線220)を活動化する結果、活動化されたアクセス線に結合されたすべてのメモリセル205を放電することができる。したがって、アクセス動作後に、アクセス動作に関連付けられたアクセス線に結合されたいくつかまたはすべてのメモリセル205(たとえば、アクセスされた行のすべてのセル、アクセスされた列のすべてのセル)を書き換えることができる。
【0062】
いくつかの例では、メモリセル205の読出しを非破壊的とすることができる。すなわち、メモリセル205が読み出された後、メモリセル205の論理状態を書き換える必要がないことがある。しかし、いくつかの例では、他のアクセス動作の有無にかかわらず、メモリセル205の論理状態をリフレッシュすることを必要とすることも必要としないこともある。たとえば、記憶されている論理状態を維持するために適当な書込み、書換え、リフレッシュ、または均等化パルスまたはバイアスを印加することによって、メモリセル205によって記憶されている論理状態を周期的な間隔でリフレッシュすることができる。メモリセル205をリフレッシュすることで、電荷の漏れまたはメモリ要素の原子構成の経時的な変化による読出し妨害エラーまたは論理状態の破損を低減または除去することができる。
【0063】
場合により、スタティックベイクなどの環境条件が、メモリセル205のプログラム可能特性をシフトまたは変化させることがある。たとえば、FeRAMの応用例では、スタティックベイクが、メモリセル205の分極容量、保磁力、または電荷移動度の他の態様をシフトまたは変更することがあり、それによりメモリセル205は、特有の論理状態へバイアスされる(たとえば、論理1の状態に書き込まれるもしくは論理1の状態として読み出されるようにバイアスされ、または論理0の状態に書き込まれるもしくは論理0の状態として読み出されるようにバイアスされる)ことがある。構成可能材料(たとえば、材料メモリ要素)を使用するメモリの応用例では、これらまたは他の条件により、可変の構成可能な特性またはプロパティが、異なる原子構成によってプログラムされることへの抵抗、異なる結晶化度によってプログラムされることへの抵抗、異なる原子分布によってプログラムされることへの抵抗、または異なる論理状態に関連付けられた何らかの他の特性によってプログラムされることへの抵抗など、書込み動作に応答して変化させられることに抵抗することがある。プログラム可能特性のそのような変化をインプリントと呼ぶことができ、それにより、インプリントが発生していないときのものとは異なる読出しまたは書込み挙動(たとえば、論理状態に対して非対称)が引き起こされることがある。たとえば、メモリセルの論理状態を変化させることが意図された書込み動作が、初期状態を有するインプリントされたメモリセル上で実行されたとき、メモリセル205は、初期(たとえば、インプリントされた)状態に留まりもしくは戻ることができ、または初期状態を記憶するものとして他の形で読み出すことができる。たとえば、メモリセル205が0の論理状態でインプリントされている場合、メモリセル205は、論理1の状態によってメモリセル205を書き込むための試行後(たとえば、論理1の状態に対応する書込み動作を実行した後)、引き続き0の論理状態に留まり、または論理0の状態を記憶するものとして引き続き読み出すことができる。
【0064】
場合により、メモリダイ200、またはメモリダイ200を含むメモリデバイス110もしくはシステム100は、インプリント回復動作を実行するべきかどうかを判定するために、インプリント検出手順を実行するように構成することができる。場合により、インプリント検出手順は、ある論理状態でインプリントされたもしくは動けなくなったメモリセル205の数を評価または判定することができ、または他の形で、インプリントの存在、重大度、もしくは指向性を判定もしくは推測することができる。
【0065】
一例では、インプリント検出手順は、少なくとも第1の組の論理状態をメモリセル205のセットに書き込むことまたは書き込むことを試行することを含むことができる。メモリダイ200は、メモリセル205のセットを読み出し、書き込まれた論理状態をメモリセル205のセットからから読み出された論理状態と比較して、回復動作が実行されるべきかどうかを判定する分析手順を実行するように構成または動作することができる。本明細書では、書き込まれた論理状態は、書き込まれることが試行または意図された論理状態を指すことができ、論理状態を書き込むことは、論理状態を書き込むことを試行することを指すことができるが、場合により、論理状態を書き込むことは、うまくいかないことがある(たとえば、標的メモリセル205のインプリントによる)。
【0066】
場合により、1つまたは複数の書込み動作に対して、1つまたは複数の読出し基準電圧を使用して、インプリント検出手順は、メモリセル205のセットから読み出されたどれだけ多くの論理状態が、書き込まれた対応するそれぞれの論理状態に整合することができないかを判定することができる。たとえば、メモリダイ200(たとえば、ローカルメモリコントローラ265)、または他の形でメモリダイ200を動作させるメモリデバイスもしくはホストデバイスは、メモリセル205から読み出された論理状態が、そのメモリセル205に書き込まれた論理状態とは異なるとき、不整合またはエラーが発生したと判定することができる。インプリント検出手順は、回復動作が実行されるべきかどうかを判定するために、不整合またはエラー数を計数することができ、回復動作は、不整合またはエラー数に基づいて、1つもしくは複数の比較または他の計算を実行することを含むことができる。
【0067】
場合により、インプリント検出または評価手順を支援するために、感知コンポーネント250または基準線255は、基準電圧をデフォルト基準電圧からデフォルト基準電圧より大きいまたは小さい基準電圧(たとえば、オフセット基準電圧)に調整するように構成することができる。メモリセル205のセットを読み出すときオフセット基準電圧を使用することは、インプリントにかかわらず、何らかの不整合またはエラー数(たとえば、記憶されている論理状態と検出された論理状態との間の予期された差)を導入し、または他の形でそれに関連付けられることが予期され得る。たとえば、第1のオフセット基準電圧は、デフォルト基準電圧より、論理1に関連付けられたデジット線電圧に近くすることができ、これにより、論理1を記憶するメモリセルを読み出すことに関連付けられた読出しマージンを低減または除去することができる。この結果、感知動作に関連付けられた読出しの不整合またはエラーが増大することがある。すなわち、インプリントがなくても、オフセット基準電圧を使用するように修正された感知動作の結果、たとえば、実際には論理1を記憶しているメモリセル205を読み出すときに論理0を検出するなど、特定の数の読違えが生じることが予期され得る。いくつかの例では、本明細書に記載するように、インプリント評価において、予期および測定される不整合またはエラーの様々な態様を利用することができる。
【0068】
場合により、インプリント検出または評価手順は、基準電圧をデフォルト基準電圧からデフォルト基準電圧より大きいまたは小さい複数の異なる基準電圧(たとえば、複数のオフセット基準電圧)へ調整するように構成することができ、オフセット基準電圧の各々は、(たとえば、確率論的または確率的分布に従って)それぞれの予期される数の不整合またはエラーに関連付けることができる。場合により、インプリント回復手順を実行するべきかどうかを判定するために、動作基準電圧またはオフセット基準電圧を使用してメモリセル205を読み出すときに観察された判定された数の不整合を、対応する予期される数の不整合と比較することを、場合により本明細書に記載する関係する分析とともに使用することができる。
【0069】
場合により、インプリントされたメモリセル205は、様々なインプリント回復または修理プロセスを使用して回復する(たとえば、インプリントを除去する、動くようにする、修理する、正常化する、均等化する)ことができる。たとえば、メモリセル205に(たとえば、デジット線215、プレート線220、または両方を介して印加される電圧パルスまたはバイアスに従って)1つまたは複数の電圧または電圧パルスを印加することなど、様々なバイアス技法を適用することによって、メモリセル205を回復することができる。様々な例では、そのような電圧パルスまたはバイアスは、1つまたは複数のパルスを含むことができ、パルスは、様々な継続時間、振幅、極性、およびそれらの組合せを有する異なるインパルス、ステップ、傾き、または他の特性形状に従って印加することができる。いくつかの例では、そのような電圧パルスは、検出もしくは推測されたインプリントの重大度もしくは指向性に基づいて、インプリント回復時のメモリセル205の動作条件に基づいて、メモリダイ200もしくはメモリダイ200に関連付けられたメモリデバイスもしくはホストデバイスの動作モード、またはこれらの様々な組合せに基づいて印加することができる。
【0070】
加えてまたは別法として、メモリセル205上でアクセス動作(たとえば、複数の読出し動作、複数の書込み動作、複数の読出しおよび書込み動作)を実行することによって、メモリセル205を回復することができ、これは特別にインプリント回復のために(たとえば、インプリント回復または保守モードに従って)適応させる(たとえば、修正する)ことができ、または他の形で実行することができる。たとえば、インプリント修理動作は、複数の逆の論理状態をメモリセル205に書き込むこと(たとえば、繰返しまたは交互の書込みバイアスの印加を含む)によって、メモリセル205上で論理状態を循環させることを含むことができる。場合により、メモリセル205は、修理または保守動作中に、定義された回数だけ循環させることができ、または定義された時間量にわたって繰返し循環させることができる。場合により、修理動作は、メモリセル205上で複数の読出し動作(たとえば、繰返しまたは交互の読出しバイアスの印加を含む)を実行することを含むことができ、読出し動作は、循環手順の一部として含むことができる(たとえば、それぞれの書込みまたは書換え動作の有無にかかわらない)。加えてまたは別法として、インプリント回復の特有の目的で、様々な例においてホストデバイスとのデータ交換を支援する動作モード中に実行されことも、実行されないこともある、リフレッシュ動作を修正することができる(たとえば、リフレッシュ継続時間を長くすること、リフレッシュバイアス振幅を増大させることによる)。いくつかの例では、読出し動作は、メモリセル205内のインプリントがいつ減少したかを判定し、またはより概略的にはインプリントの重大度を特徴付けるために使用することができる。たとえば、読出し動作は、読み出された論理状態またはメモリセル205を、メモリセル205に書き込まれていることが意味された論理状態と比較して、これらが整合するかどうか、または読み出された論理状態に関連付けられた読出し信号が、予期もしくは所望されるものより基準電圧に近いかどうかを判定するために使用することができる。
【0071】
様々な例では、そのようなバイアスは、特定のデータアクセスに関係することも関係しないこともある(たとえば、ホストデバイスによる要求または命令に応じて)、メモリダイ200の保守または回復モードで実行することができ、これは、ホストデバイスと、メモリダイ200を含むメモリデバイス、および場合により様々なデータ保存、冗長性、または完全性技法を支援することができる他の補助メモリデバイスとの間の様々な信号伝達またはデータ交換を含むことができる。そのような技法は、メモリセル205を異なる論理状態に対して概して正常化された、均等化された、または他の形で対称の挙動に戻し、インプリントに関係することがある脆弱性に対して頑強性を改善するなど、インプリントの影響を軽減することができる。
【0072】
図3Aおよび
図3Bは、本明細書に開示する様々な例によるヒステリシスグラフ300-aおよび300-bの強誘電メモリセルの非線形の電気プロパティの例を示す。ヒステリシスグラフ300-aおよび300-bは、
図2を参照して説明するように強誘電キャパシタ240を用いるメモリセル205に対するそれぞれ書込みプロセスおよび読出しプロセスの例を示すことができる。ヒステリシスグラフ300-aおよび300-bは、強誘電キャパシタ240上に蓄積されている電荷Qを、強誘電キャパシタ240の端子間の電圧差V
capの関数として描く(たとえば、電圧差V
capに従って、電荷が強誘電キャパシタ内または強誘電キャパシタ外へ流れることが許可されたとき)。たとえば、電圧差V
capは、キャパシタ240のプレート線側とキャパシタ240のデジット線側との間の電圧の差(たとえば、
図2に示すように、V
plate-V
bottomと呼ぶことができるプレートノードの電圧と底部ノードの電圧との間の差)を表すことができる。
【0073】
強誘電材料は、電気分極によって特徴付けられ、材料は、電界がなくてもゼロ以外の電荷を維持することができる。強誘電材料の例には、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、およびタンタル酸ストロンチウムビスマス(SBT)が含まれる。本明細書に記載する強誘電キャパシタ240は、これらまたは他の強誘電材料を含むことができる。強誘電キャパシタ240内の電気分極の結果、強誘電材料の表面に正味電荷が生じ、強誘電キャパシタ240の端子によって逆の電荷を引き付ける。したがって、強誘電材料とキャパシタ端子との境界部に、電荷を蓄積することができる。電気分極は、外部から印加される電界がなくても、比較的長い時間にわたって、さらには無期限に、維持することができるため、たとえばいくつかのDRAMアレイで使用されるものなどの強誘電プロパティを有していないキャパシタと比較して、電荷の漏れを大幅に減少させることができる。強誘電材料を用いることで、いくつかのメモリアーキテクチャに対してリフレッシュ動作を実行する必要を低減させることができ、したがってFeRAMアーキテクチャの論理状態を維持することは、DRAMアーキテクチャの論理状態を維持するより低い電力消費を伴うことができる。
【0074】
ヒステリシスグラフ300-aおよび300-bは、強誘電キャパシタ240の単一の端子の観点から理解することができる。例として、強誘電材料が負の分極を有する場合、強誘電キャパシタ240の関連付けられた端子に正の電荷が蓄積する。同様に、強誘電材料が正の分極を有する場合、強誘電キャパシタ240の関連付けられた端子に負の電荷が蓄積する。加えて、ヒステリシスグラフ300-aおよび300-bにおける電圧は、キャパシタにおける電圧差(たとえば、強誘電キャパシタ240の端子間の電位)を表しており、指向性を有することを理解されたい。たとえば、正の電圧は、観点の端子(たとえば、セルプレート)に正の電圧を印加し、基準端子(たとえば、セル底部)を接地または仮想接地(または約0ボルト(0V))で維持することによって実現することができる。いくつかの例では、負の電圧は、観点の端子(たとえば、セルプレート)を接地で維持し、基準端子(たとえば、セル底部)に正の電圧を印加することによって印加することができる。言い換えれば、正の電圧は、強誘電キャパシタ240における負の電圧差Vcapに到達し、それによって当該端子を負に分極するように印加することができる。同様に、ヒステリシスグラフ300-aおよび300-bに示す電圧差Vcapを生成するために、2つの正の電圧、2つの負の電圧、または正および負の電圧の任意の組合せを適当なキャパシタ端子に印加することができる。
【0075】
ヒステリシスグラフ300-aに描くように、強誘電キャパシタ240内で使用される強誘電材料は、強誘電キャパシタ240の端子間に正味電圧差が存在しないとき、正または負の分極を維持することができる。たとえば、ヒステリシスグラフ300-aは、それぞれ負に飽和した分極状態および正に飽和した分極状態を表すことができる2つの可能な分極状態、荷電状態305-aおよび荷電状態310-aを示す。荷電状態305-aおよび310-aは、外部バイアス(たとえば、電圧)を除去したときに残っている分極または電荷を指すことができる残留分極(Pr)値を示す物理条件にあることができる。ヒステリシスグラフ300-aの例によれば、荷電状態305-aは、強誘電キャパシタ240に電圧差が印加されていないときの論理0を表すことができ、荷電状態310-aは、強誘電キャパシタ240に電圧差が印加されていないときの論理1を表すことができる。いくつかの例では、それぞれの荷電状態または分極状態の論理値は、メモリセル205を動作させるための他のスキームに対応するために、逆転することができ、または逆に解釈することができる。
【0076】
論理0または1は、強誘電キャパシタ240に正味電圧差を印加することによって、強誘電材料の電気分極、したがってキャパシタ端子上の電荷を制御することによって、メモリセルに書き込むことができる。たとえば、電圧315は、正の飽和電圧以上の電圧とすることができ、強誘電キャパシタ240に電圧315を印加する結果、荷電状態305-bに到達する(たとえば、論理0を書き込む)まで、電荷の蓄積をもたらすことができる。強誘電キャパシタ240から電圧315を除去する(たとえば、強誘電キャパシタ240の端子に0の正味電圧を印加する)とき、強誘電キャパシタ240の荷電状態は、荷電状態305-bとキャパシタにおける0の電圧の荷電状態305-aとの間に示す経路320をたどることができる。言い換えれば、荷電状態305-aは、正に飽和した強誘電キャパシタ240における均等化された電圧で、論理0の状態を表すことができる。
【0077】
同様に、電圧325は、負の飽和電圧以下の電圧とすることができ、強誘電キャパシタ240に電圧325を印加する結果、荷電状態310-bに到達する(たとえば、論理1を書き込む)まで、電荷の蓄積をもたらすことができる。強誘電キャパシタ240から電圧325を除去するとき(たとえば、強誘電キャパシタ240の端子に0の正味電圧を印加する)、強誘電キャパシタ240の荷電状態は、荷電状態310-bとキャパシタにおける0の電圧の荷電状態310-aとの間に示す経路330をたどることができる。言い換えれば、荷電状態310-aは、負に飽和した強誘電キャパシタ240における均等化された電圧で、論理1の状態を表すことができる。いくつかの例では、飽和電圧を表す電圧315および電圧325は、同じ大きさを有することができるが、強誘電キャパシタ240において逆の極性を有することができる。
【0078】
強誘電キャパシタ240の記憶状態を読み出しまたは感知するために、強誘電キャパシタ240に電圧を印加することもできる。印加電圧に応答して、強誘電キャパシタによって蓄積される後の電荷Qが変化し、その変化の程度は、アクセス線における初期分極状態、印加電圧、固有または他の静電容量、および他の要因に依存することがある。言い換えれば、読出し動作に起因する荷電状態またはアクセス線電圧は、他の要因の中でも、荷電状態305-aもしくは荷電状態310-aまたは何らかの他の荷電状態が最初に記憶されたかどうかに依存することがある。
【0079】
ヒステリシスグラフ300-bは、記憶荷電状態305-aおよび310-aを読み出すためのアクセス動作の一例を示す。読出し電圧335は、たとえば、
図2を参照して説明するように、プレート線220およびデジット線215を介して電圧差として印加することができる。ヒステリシスグラフ300-bは、読出し電圧335が正の電圧差V
capである(たとえば、V
plate-V
bottomが正である)読出し動作を示すことができる。強誘電キャパシタ240における正の読出し電圧を「プレートハイ」読出し動作と呼ぶことができ、プレート線220は最初に高い電圧にされ、デジット線215は最初に低い電圧(たとえば、接地電圧)である。読出し電圧335は、強誘電キャパシタ240における正の電圧として示されているが、代替のアクセス動作では、読出し電圧を強誘電キャパシタ240における負の電圧とすることができ、これを「プレートロー」読出し動作と呼ぶことができる。
【0080】
読出し電圧335は、メモリセル205が選択されている間に強誘電キャパシタ240に印加することができ、(たとえば、
図2を参照して説明するように、ワード線210を介してスイッチングコンポーネント245を活動化することによる)。読出し電圧335を強誘電キャパシタ240に印加するとき、電荷は、関連付けられたデジット線215およびプレート線220を介して、強誘電キャパシタ240内または強誘電キャパシタ240外へ流れることができ、いくつかの例では、異なる荷電状態またはアクセス線電圧は、強誘電キャパシタ240が荷電状態305-a(たとえば、論理0)であったか、それとも荷電状態310-a(たとえば、論理1)であったか、または何らかの他の荷電状態であったかに応じて生じることができる。
【0081】
荷電状態305-a(たとえば、論理0)の強誘電キャパシタ240上で読出し動作を実行するとき、追加の正の電荷が強誘電キャパシタ240に蓄積することができ、荷電状態は、荷電状態305-cの電荷および電圧に到達するまで、経路340をたどることができる。キャパシタ240を通って流れる電荷の量は、デジット線215の固有もしくは他の静電容量(たとえば、デジット線215の固有の静電容量、デジット線215に結合されたキャパシタもしくは容量要素の静電容量、またはこれらの組合せ)、または他のアクセス線(たとえば、デジット線215から電荷移動感知増幅器などの増幅器の反対に位置する信号線)に関係することができる。「プレートハイ」読出し構成では、荷電状態305-aおよび305-cに関連付けられた読出し動作、またはより概略的に、論理0の状態に関連付けられた読出し動作は、比較的少量の電荷移動に関連付けることができる(たとえば、荷電状態310-aおよび310-cに関連付けられた読出し動作と比較、またはより概略的に、論理1の状態の読出しと比較する)。
【0082】
荷電状態305-aと荷電状態305-cとの間の遷移によって示すように、強誘電キャパシタ240における結果の電圧350は、電荷の所与の変化に対するキャパシタ240における電圧の比較的大きい変化により、比較的大きい正の値となり得る。したがって、「プレートハイ」読出し動作で論理0を読み出すとき、荷電状態310-cにおいてプレート線電圧VPLおよびVcapの差(たとえば、Vplate-Vbottom)に等しいデジット線電圧は、比較的低い電圧となり得る。そのような読出し動作は、荷電状態305-aを記憶した強誘電キャパシタ240の残留分極を変化させないことがあり、したがって読出し動作を実行した後、強誘電キャパシタ240は、読出し電圧335が除去されたとき(たとえば、強誘電キャパシタ240に0の正味電圧を印加すること、強誘電キャパシタ240における電圧を均等化することによる)、経路340を介して荷電状態305-aへ戻ることができる。したがって、荷電状態305-aを有する強誘電キャパシタ240上で正の読出し電圧によって読出し動作を実行することは、非破壊的読出しプロセスであると見なすことができる。場合により、そのようなシナリオでは、書換え動作を必要としないことがあり、または省略することができる。
【0083】
荷電状態310-a(たとえば、論理1)の強誘電キャパシタ240上で読出し動作を実行するとき、蓄積された電荷は、正味の正の電荷が強誘電キャパシタ240に蓄積するときに極性を逆転してもしなくてもよく、荷電状態は、荷電状態310-cの電荷および電圧に到達するまで、経路360をたどることができる。この場合も、強誘電キャパシタ240を通って流れる電荷の量は、デジット線215の固有または他の静電容量に関係することができる。「プレートハイ」読出し構成では、荷電状態310-aおよび310-cに関連付けられた読出し動作、またはより概略的に、論理1の状態に関連付けられた読出し動作は、比較的大量の電荷移動、または比較的小さいキャパシタ電圧Vcapに関連付けることができる(たとえば、荷電状態305-aおよび305-cに関連付けられた読出し動作、またはより概略的に、論理1の状態と比較する)。
【0084】
荷電状態310-aと荷電状態310-cとの間の遷移によって示すように、結果の電圧355は、場合により、電荷の所与の変化に対するキャパシタ240における電圧の比較的小さい変化により、比較的小さい正の値となり得る。したがって、「プレートハイ」読出し動作で論理1を読み出すとき、荷電状態310-cにおいてプレート線電圧VPLおよびVcapの差(たとえば、Vplate-Vbottom)に等しいデジット線電圧は、比較的高い電圧となり得る。
【0085】
荷電状態310-aから荷電状態310-dへの遷移は、メモリセル205の強誘電キャパシタ240の分極または電荷の部分的な低減または部分的な逆転(たとえば、荷電状態310-aから荷電状態310-dへの電荷Qの大きさの低減)に関連付けられた感知動作を示すことができる。言い換えれば、強誘電材料のプロパティに従って、読出し動作を実行した後、強誘電キャパシタ240は、読出し電圧335が除去されたとき(たとえば、強誘電キャパシタ240に0の正味電圧を印加すること、強誘電キャパシタ240における電圧を均等化することによる)、荷電状態310-aへ戻らないことがある。逆に、読出し電圧335による荷電状態310-aの読出し動作後、強誘電キャパシタ240に0の正味電圧を印加するとき、荷電状態は、荷電状態310-cから荷電状態310-dへ経路365をたどることができ、これは、分極の大きさの正味の低減(たとえば、荷電状態310-aと荷電状態310-dとの間の電荷の差によって示す初期荷電状態310-aほど正に分極されていない荷電状態)を示すことができる。したがって、荷電状態310-aを有する強誘電キャパシタ240上で正の読出し電圧によって読出し動作を実行することは、破壊読出しプロセスとして説明することができる。
【0086】
場合により、書換え動作(たとえば、電圧325を印加する)は、そのような読出し動作を実行した後に実行することができ、それにより、メモリセルを荷電状態310-dから荷電状態310-aへ(たとえば、荷電状態310-bなどを介して間接的に)遷移させることができる。様々な例では、そのような書換え動作は、任意の読出し動作後に実行することができ、または特定の状況(たとえば、読出し電圧が、検出された論理状態に関連付けられた書込み電圧とは逆であるとき)に基づいて選択的に実行することができる。しかし、いくつかの感知スキームでは、低減された残留分極はそれでもなお、飽和した残留分極状態(たとえば、荷電状態310-aおよび荷電状態310-dの両方からの論理1の検出を支援する)と同じ記憶された論理状態として読み出すことができ、それによって読出し動作に対するメモリセル205の不揮発度を提供することができる。
【0087】
他の例(たとえば、図示しないが、強誘電材料が少なくとも何らかのレベルの減分極電界の存在下で分極を維持することが可能であるとき、強誘電材料が十分な保磁力を有するとき)では、読出し動作を実行した後、強誘電キャパシタ240は、読出し電圧が除去されたときに荷電状態310-aへ戻ることができ、荷電状態310-aを有する強誘電キャパシタ240上で正の読出し電圧によってそのような読出し動作を実行することは、非破壊的読出しプロセスであると説明することができる。そのような場合、そのような読出し動作後に書換え動作が必要とされないことがある。
【0088】
読出し動作を開始した後の荷電状態305-cおよび荷電状態310-cの位置は、特有の感知スキームおよび回路を含む複数の要因に依存することがある。場合により、最終的な電荷は、固有の静電容量、積分器キャパシタなどを含むことができるメモリセル205に結合されたデジット線215の正味静電容量に依存することがある。たとえば、強誘電キャパシタ240が、最初に0Vのデジット線215に電気的に結合され、読出し電圧335がプレート線220に印加された場合、メモリセル205が選択されたとき、電荷が強誘電キャパシタ240からデジット線215の正味静電容量へ流れることにより、デジット線215の電圧は上昇することができる。したがって、いくつかの例では、感知コンポーネント250で測定される電圧は、読出し電圧335または結果の電圧350もしくは355に等しくないことがあり、代わりに、電荷共有期間後にデジット線215の電圧に依存することがある。
【0089】
読出し動作を開始するときのヒステリシスグラフ300-b上の荷電状態305-cおよび荷電状態310-cの位置は、デジット線215の正味静電容量に依存することがあり、ロード線分析によって判定することができる。言い換えれば、荷電状態305-cおよび310-cは、デジット線215または他のアクセス線(たとえば、デジット線215から電荷移動感知増幅器とは反対に位置する信号線)の正味静電容量に対して定義することができる。その結果、読出し動作を開始した後の強誘電キャパシタ240の電圧(たとえば、荷電状態305-aを記憶した強誘電キャパシタ240を読み出すときの電圧350、荷電状態310-aを記憶した強誘電キャパシタ240を読み出すときの電圧355)は、異なることがあり、強誘電キャパシタ240の初期状態に依存することがある。いくつかの例では、感知動作の結果としてのメモリセル205の強誘電キャパシタ240の分極の変化量は、特定の感知スキームに従って選択することができる。いくつかの例では、メモリセル205の強誘電キャパシタ240の分極のより大きい変化を有する感知動作は、メモリセル205の論理状態を検出するときの比較的大きい頑強性(たとえば、より広い感知マージン)に関連付けることができる。
【0090】
強誘電キャパシタ240の初期状態(たとえば、荷電状態、論理状態)は、適用可能な場合、読出し動作に起因するデジット線215または信号線の電圧を基準電圧と(たとえば、
図2を参照して説明する基準線255を介して)比較することによって判定することができる。いくつかの例では、デジット線電圧は、読出し電圧335とキャパシタ240における最終的な電圧との間の差(たとえば、記憶荷電状態305-aを有する強誘電キャパシタ240を読み出すときの(読出し電圧335-電圧350)、記憶荷電状態310-aを有する強誘電キャパシタ240を読み出すときの(読出し電圧335-電圧355))とすることができる。いくつかの例では、デジット線電圧は、プレート線電圧と強誘電キャパシタ240における最終的な電圧(たとえば、記憶荷電状態305-aを有する強誘電キャパシタ240を読み出すときの電圧350、または記憶荷電状態310-aを有する強誘電キャパシタ240を読み出すときの電圧355)との和とすることができる。
【0091】
いくつかの例では、メモリセル205の読出し動作は、デジット線215の固定電圧に関連付けることができ、読出し動作を開始した後の強誘電キャパシタ240の荷電状態は、初期荷電状態にかかわらず同じとすることができる。たとえば、デジット線215およびプレート線220が、読出し電圧335を支援する固定相対電圧で保持される読出し動作において、強誘電キャパシタ240は、強誘電キャパシタが荷電状態305-aを最初に記憶した場合、および強誘電キャパシタが荷電状態310-aを最初に記憶した場合のどちらでも、荷電状態370へ進むことができる。それに応じて、初期荷電状態または論理状態を検出するためにデジット線215の電圧の差を使用するのではなく、いくつかの例では、強誘電キャパシタ240の初期荷電状態または論理状態は、読出し動作に関連付けられた電荷の差に少なくとも部分的に基づいて判定することができる。たとえば、ヒステリシスグラフ300-bによって示すように、論理0は、荷電状態305-aと荷電状態370との間の電荷Qの差(たとえば、比較的小さい量の電荷移動)に基づいて検出することができ、論理1は、荷電状態310-aと荷電状態370との間の電荷Qの差(たとえば、比較的大きい量の電荷移動)に基づいて検出することができる。
【0092】
いくつかの例では、そのような検出は、電荷移動感知増幅器、カスコード(たとえば、カスコード配列で構成されたトランジスタ)、または感知増幅器に結合されたデジット線215と信号線との間の他の信号発生回路構成によって支援することができ、信号線の電圧は、読出し動作を開始した後のキャパシタ240の電荷移動の量に少なくとも部分的に基づくことができる(たとえば、記載の電荷移動は、電荷移動感知増幅器、カスコード、または他の信号発生回路構成を通過する電荷の量に対応することができる)。そのような例では、デジット線215が固定電圧レベルで保持されているにもかかわらず、強誘電キャパシタ240によって最初に記憶された論理状態を判定するために、信号線の電圧を基準電圧と(たとえば、感知コンポーネント250で)比較することができる。
【0093】
デジット線215が固定の読出し電圧335で保持されるいくつかの例では、キャパシタ240が最初に荷電状態305-a(たとえば、論理0)であったか、それとも最初に荷電状態310-a(たとえば、論理1)であったかにかかわらず、キャパシタ240は、読出し動作後に正に飽和させることができる。それに応じて、そのような読出し動作後、キャパシタ240は、その初期のまたは意図された論理状態にかかわらず、少なくとも一時的に、論理0の状態に従って帯電または分極させることができる。したがって、少なくともキャパシタ240が論理1の状態を記憶することが意図されるとき、書換え動作が必要とされることがあり、そのような書換え動作は、ヒステリシスグラフ300-aを参照して説明するように、論理1の状態を記憶するために、書込み電圧325を印加することを含むことができる。そのような書換え動作は、キャパシタ240が論理0の状態を記憶することが意図されるとき、書換え電圧が印加される必要がないため、選択的な書換え動作として構成しまたは他の形で説明することができる。いくつかの例では、そのようなアクセススキームを「2Pr」スキームと呼ぶことができ、論理0を論理1から区別するための電荷の差は、メモリセル205の残留分極(たとえば、荷電状態305-a、正に飽和した荷電状態と、荷電状態310-a、負に飽和した荷電状態との間の電荷の差)の2倍に等しいものとすることができる。
【0094】
いくつかの感知スキームでは、基準電圧を生成することができ、したがって基準電圧は、異なる論理状態を読み出すことに起因し得る(たとえば、デジット線215の、信号線の)間の可能な電圧である。たとえば、基準電圧は、使用される規定に応じて、論理1を読み出すときのデジット線215または信号線の結果の電圧より低く、かつ論理0を読み出すときのデジット線215または信号線の結果の電圧より高くなるように選択することができ、または逆も同様である。他の例では、感知コンポーネント250または関係する感知増幅器のうち、デジット線215または信号線が結合される部分とは異なる部分において、比較を行うことができ、したがって論理1を読み出すときは感知コンポーネント250または関係する感知増幅器の比較部分における結果の電圧より低く、かつ論理0を読み出すときは感知コンポーネント250または感知増幅器の比較部分における結果の電圧より高くなるように、基準電圧を選択することができる。感知コンポーネント250または感知増幅器による比較中、感知に基づく電圧が、基準電圧より高いまたは低いと判定することができ、したがってメモリセル205の記憶論理状態(たとえば、論理0、論理1)を判定することができる。
【0095】
感知動作中、様々なメモリセル205を読み出すことに起因する信号は、様々なメモリセル205間の製造、動作、または他の変動に応じたものであることができる。たとえば、様々なメモリセル205のキャパシタ240は、異なるレベルの静電容量、飽和分極、または保磁力を有することができ、したがって論理0は、メモリセル205ごとに異なるレベルの電荷に関連付けることができ、論理1は、メモリセル205ごとに異なるレベルの電荷に関連付けることができる。さらに、固有または他の静電容量は、メモリデバイス110内のデジット線215ごとまたは信号線ごとに変動することがあり、デジット線215内で同じデジット線215上もメモリセル205の観点ごとに変動することもある。したがって、これらおよび他の理由で、論理0を読み出すことは、メモリセル205ごとにデジット線215または信号線の異なるレベルの電圧に関連付けることができ(たとえば、結果の電圧350は、メモリセル205の読出しごとに変動することがある)、論理1を読み出すことは、メモリセル205ごとに異なるレベルの電圧に関連付けることができる(たとえば、結果の電圧355は、メモリセル205の読出しごとに変動することがある)。
【0096】
いくつかの例では、論理0を読み出すことに関連付けられた電圧の統計平均と、論理1を読み出すことに関連付けられた電圧の統計平均との間に、デフォルト基準電圧を提供することができるが、この基準電圧は、任意の所与のメモリセル205に対して論理状態のうちの1つを読み出した結果の電圧に比較的近くてもよい。特定の論理状態を読み出した結果の電圧(たとえば、メモリデバイスの複数のメモリセル205を読み出す統計値)と、関連付けられたデフォルト基準電圧レベルとの間の最小差は、「最小読出し電圧差」または「読出しマージン」と呼ぶことができ、低い最小読出し電圧差または読出しマージンを有することは、所与のメモリデバイス110またはメモリダイ200内のメモリセル205の論理状態を確実に感知するときに困難または感受性を伴うことがある。
【0097】
ヒステリシスグラフ300-aおよび300-bの例は、書込みパルスまたは読出しパルスを受けたときの強誘電キャパシタ240を含むメモリセル205の均等化または正常化された挙動を示すことができる。しかし、様々な動作または環境条件に基づいて、強誘電キャパシタ240は、特定の論理状態によってインプリントされることがあり、これは、強誘電キャパシタ240が1つの論理状態を別の論理状態よりも記憶する傾向になること、異なる論理状態(たとえば、書込み動作前の記憶された論理状態とは異なる論理状態)に書き込まれることに抵抗すること、または両方という様々な条件を指すことがある。たとえば、ヒステリシスグラフ300-aおよび300-bと比較して、インプリントされた強誘電キャパシタ240は、より高い保磁力(たとえば、分極状態の変化または反転に対する)、低減された飽和分極、より浅い分極傾斜、または異なる論理状態に対して非対称となり得る他の特性を伴うことがある。インプリントされた強誘電キャパシタ240を有するメモリアレイは、読出しエラー、書込みエラー、またはメモリデバイスもしくはメモリデバイスを含むシステムの動作を損ない得る他の挙動を伴うことがある。本明細書に開示する例によれば、インプリントされた強誘電キャパシタ240は、様々なインプリント回復または修理プロセスを使用して回復する(たとえば、インプリントを除去する、動くようにする、修理する、正常化する、均等化する)ことができる。
【0098】
図4Aおよび
図4Bは、本明細書に開示する様々な例によるヒステリシスグラフ400-aおよび400-bを有するインプリントされた強誘電メモリセルの非線形の電気プロパティの例を示す。ヒステリシスグラフ400-aおよび400-bは、強誘電メモリセル205内の静電ドメインの構成の変更に関係することがある論理状態または荷電状態によるインプリント(たとえば、論理1によるインプリント、荷電状態310-aによるインプリント)の結果としてシフトすることがある強誘電キャパシタ240の特性の例を示す。たとえば、インプリントされたヒステリシス曲線440によって示す、ヒステリシスグラフ400-aおよび400-bのシフトした特性は、強誘電キャパシタ240が比較的長い継続時間にわたって、もしくは比較的高い温度条件下で、または両方(たとえば、スタティックベイク条件下)で荷電状態を維持しているという条件に起因することがある。
【0099】
図4Aは、強誘電キャパシタ240の保磁力のシフトに対応し得るインプリントされていないヒステリシス曲線430-aからインプリントされたヒステリシス曲線440-aへのシフトの一例を示す。いくつかの例では、インプリントされたヒステリシス曲線440-aへの保磁力のシフトは、変化する分極状態からのドメインの抵抗の集合的な増大など、書込み動作中の変化する分極への増大された抵抗を伴うことがある(たとえば、ドメインは、逆転された分極を有することが可能であるが、そのような逆転は集合的に、比較的高い電圧バイアスを必要とする)。
【0100】
たとえば、ヒステリシスグラフ400-aによれば、荷電状態310-aを記憶するインプリントされた強誘電キャパシタ240が、電圧315(たとえば、
図3Aを参照して説明するように、論理0を書き込むことに関連付けられた書込みバイアス)によってバイアスされたとき、荷電状態405-aに到達するまで、電荷が蓄積することができる。しかし、強誘電キャパシタの分極が完全に逆転された、均等化または正常化された強誘電キャパシタ240の飽和条件に対応することができる荷電状態305-bと比較すると、荷電状態405-aは、飽和条件に対応しないことがあり、代わりに書込み電圧315に応答した部分的な分極逆転の一例を示すことがある。強誘電キャパシタ240から電圧315を除去する(たとえば、強誘電キャパシタ240の端子に0の正味電圧を印加する)とき、強誘電キャパシタ240の荷電状態は、荷電状態405-aとキャパシタにおける0の電圧の荷電状態405-bとの間に示す経路420-aをたどることができる。
【0101】
様々な例では、荷電状態405-bは、荷電状態305-a(たとえば、論理0に対応するインプリントされていないメモリセル205の荷電状態)より低い電荷を有することができる。ヒステリシスグラフ400-aの説明的な例は、荷電状態405-bが正の正味電荷Qを有するものとして示すが、様々な状況(たとえば、メモリセル205または強誘電キャパシタ240のドメインのセットの間の様々なインプリント重大度、様々な保磁力シフトの程度、様々な分極逆転の程度)下で、荷電状態405-bの正味電荷は、正または負の値を有することができる。それに応じて、様々な状況下で、そのような荷電状態は、論理0もしくは論理1を記憶することを示すことができ、または論理0もしくは論理1を記憶するメモリデバイスによって読み出すことができる荷電状態を示すことができる。言い換えれば、インプリントされていないヒステリシス曲線430-aからインプリントされたヒステリシス曲線440-aへのシフトの結果、インプリントされたメモリセルに電圧315を印加することは、論理1によってインプリントされた強誘電キャパシタを論理0にうまく書き込むことも書き込まないこともあり、または強誘電キャパシタが論理0としてうまく読み出されることを支援しないことがある。
【0102】
図4Bは、強誘電キャパシタ240の飽和分極または分極容量のシフトまたは下落を示すことができるインプリントされていないヒステリシス曲線430-bからインプリントされたヒステリシス曲線440-bへのシフトの一例を示す。いくつかの例では、インプリントされたヒステリシス曲線440-aへのシフトまたは下落は、書込み動作中、強誘電キャパシタ内のいくつかのドメインが、逆転された分極を有することができない(たとえば、特定のドメインが分極状態でフリーズしまたは動けなくなる)ことに関連付けることができる。いくつかの例では、逆転された分極を有することが可能なドメインの保磁力は、インプリントされていない状態のドメインの保磁力と実質的に同じまたは類似のものとすることができるが、分極逆転(たとえば、飽和電圧またはバイアス)の容量は減少することがある。他の例では、そのようなインプリントには、逆転された分極を有することが可能なそれらのドメインに対する保磁力のシフトの態様(たとえば、
図4Aを参照して説明する)が付随することがある。
【0103】
たとえば、ヒステリシスグラフ400-bによれば、荷電状態310-aを記憶するインプリントされた強誘電キャパシタ240が、電圧315(たとえば、
図3を参照して説明するように、論理0を書き込むことに関連付けられた書込みバイアス)によってバイアスされたとき、荷電状態405-cに到達するまで、電荷が蓄積することができる。しかし、強誘電キャパシタの分極が完全に逆転された、インプリントされていない(たとえば、均等化または正常化された)強誘電キャパシタ240の飽和条件に対応することができる荷電状態305-bと比較すると、荷電状態405-cは、書込み電圧315に応答して、分極逆転に対して減少した容量を有する、または分極逆転を支援することが可能でない、強誘電キャパシタの実際的に飽和した条件に対応することができる。強誘電キャパシタ240から電圧315を除去する(たとえば、強誘電キャパシタ240の端子に0の正味電圧を印加する)とき、強誘電キャパシタ240の荷電状態は、荷電状態405-cとキャパシタにおける0の電圧の荷電状態405-dとの間に示す経路420-bをたどることができる。
【0104】
様々な例では、荷電状態405-dは、荷電状態305-a(たとえば、論理0に対応するインプリントされていないメモリセル205の荷電状態)より低い電荷を有することができる。ヒステリシスグラフ400-bの説明的な例は、荷電状態405-bが負の正味電荷Qを有するものとして示すが、様々な状況(たとえば、様々なインプリント重大度、メモリセル205または強誘電キャパシタ240のドメインのセットの間の様々な分極不動度)下で、荷電状態405-dの正味電荷は、正または負の値を有することができる。それに応じて、様々な状況下で、そのような荷電状態は、論理0もしくは論理1を記憶することを示すことができ、または論理0もしくは論理1を記憶するメモリデバイスによって読み出すことができる荷電状態を示すことができる。言い換えれば、インプリントされていないヒステリシス曲線430-bからインプリントされたヒステリシス曲線440-bへのシフトの結果、インプリントされたメモリセルに電圧315を印加することは、論理1によってインプリントされた強誘電キャパシタを論理0にうまく書き込むことも書き込まないこともあり、または強誘電キャパシタが論理0としてうまく読み出されることを支援しないことがある。
【0105】
ヒステリシスグラフ400-aおよび400-bは、強誘電キャパシタ240のインプリントに関係することがある機構の簡略化された例を示すが、他の機構もしくは条件またはそれらの組合せが、メモリセルインプリントに関連付けられることもある。たとえば、論理1によってインプリントされたメモリセルは、
図3A、
図3B、
図4A、および
図4Bを参照して説明するように、荷電状態310-aに関連付けられることも関連付けられないこともあり、インプリント後に異なる荷電状態を有することがある(たとえば、インプリント中の電荷の低下による、インプリント中のインプリントされた論理状態または荷電状態の飽和分極下落による、電荷の漏れによる、論理1の状態によって書き換えられるときに荷電状態310-aを変化または低減させ得る飽和分極の変化による)。別の例では、インプリントは、強誘電キャパシタ240内のドメインのセットにわたる分極逆転電圧の分布を変化させる(たとえば、広くする)ことがあり、これは、保磁力の集合的なシフトまたは分極逆転容量の変化によって付随することも付随しないこともある(たとえば、
図4Aおよび
図4Bを参照して説明する)、1つの分極状態と別の分極状態との間(たとえば、分極逆転領域)のV
capに対するQのより浅い傾斜に関連付けられることがある。いくつかの例では、強誘電キャパシタ240におけるインプリントは、他の現象、またはこれらおよび他の現象の様々な組合せに関連付けられることがある。
【0106】
場合により、強誘電メモリセル205のインプリントは、(たとえば、
図4Aもしくは
図4Bによって示すように、または他の形で)、ドメイン(たとえば、電荷ドメイン)が書き込まれた状態で残ることを防止するメモリセル205内の局所的な静電相互作用によって駆動されることがある。インプリントされたメモリセル205は、たとえば、適当な書込みバイアスが印加されたとき、その荷電状態または分極状態を変化させることが可能である。しかし、メモリセル205は、書込みバイアスが除去された後、インプリントされた荷電状態または分極状態に戻ることがあり、これをバックスイッチング、ドロップ、またはリコイルと呼ぶことができる。したがって、そのような影響を解決または緩和する(たとえば、メモリセル205の電荷移動度を正常化または均等化された状態に戻す、インプリントされていないヒステリシス曲線430に戻す、残留分極容量を回復する、保磁力を正常化または均等化する)ために、メモリデバイス内のメモリセルを正常化または均等化するように、インプリント回復動作を(たとえば、修理モードで、保守モードで、回復モードで)実行することが望ましくなり得る。
【0107】
いくつかの例では、インプリント回復は、メモリセルをインプリントされた状態に戻す局所的な静電構成を変更するのに十分に長い継続時間にわたって、メモリセル205を逆の状態(たとえば、インプリントされた状態とは逆)で保持することによって支援することができる。たとえば、印加バイアスおよび荷電状態のスイッチング(たとえば、バイアスのスイッチング、電荷のスイッチング、分極のスイッチング)下の時間によって、回復を助けることができる。
【0108】
バイアス下の時間に関して、移動荷電欠陥が、印加バイアスと位置合わせされたメモリセル205内の構成を変化させることができ、これは、意図された分極状態と位置合わせすることもできる。いくつかの例では、そのようなプロセスは、バイアス下の総累積時間とともにスケールすることができる。しかし、バイアス下の時間は、内部電界が印加電界と位置合わせされた場合にのみ有益となることができる。たとえば、メモリセル205内の局所的な電荷の著しい蓄積は、メモリセル205のいくつかの部分において、印加電界を遮蔽し、欠陥の局所的な再構成を防止することができる。インプリント回復を支援し、特定の利点を得るために、単極(たとえば、非スイッチング、非循環)バイアスを使用することができるが、いくつかの例では、循環方法がより効果的となることができる。
【0109】
荷電状態のスイッチングに関して、いくつかの例では、印加バイアスを繰返し切り換えることで、メモリセル205内のドメインが確率論的スイッチングイベントを受ける繰返しの機会を提供することができる。たとえば、確率分布によって所与の電圧またはバイアスで分極スイッチングイベントを受けることも受けないこともある、ドメインに対して、繰返しの電荷スイッチングは、そのようなドメインが分極を切り換えるより多くの機会を提供することができ、そのようなスイッチングが実際に発生する確率を高めることができる。いくつかの例では、状態またはバイアススイッチングはまた、メモリセル205の内部温度を上昇させることができ、それにより欠陥またはドメインの移動度をさらに高めることができる。それに応じて、温度の増大および再分極のための繰返しの機会の両方が、メモリセル205のインプリント回復を助けることができる。
【0110】
これらなどの機構は、メモリセル205の処理時(時間0、初期、開始)インプリント状態からの「ウェイクアップ」または「回復」と呼ぶことができる現象に寄与することができる。そのような機構はまた、分極スイッチングプロセスに対称に関与しない(たとえば、論理0の分極から論理1の分極へのスイッチングであるか、それとも論理1の分極から論理0の分極へのスイッチングであるかにかかわらず、分極スイッチングに関与しない)電荷ドメインに関係し得る疲労からの回復に寄与することができる。いくつかの例では、疲労回復は、前に分極スイッチングに関与していないセル内のドメインを「ウェイクアップ」することによって駆動することができる。疲労は、分極状態の繰返しのスイッチングによって誘起された分極信号の損失として定義することができるため、疲労からの回復は、印加バイアスの変動(たとえば、典型的なまたは初期の動作条件と比較してより高いバイアスまたはより長いパルス)に依拠することがある。
【0111】
メモリセルインプリントの特定の態様について、強誘電メモリの応用例を参照して説明したが、本開示によるインプリント管理は、異なる論理状態に対して非対称となり得る特性のドリフトまたは他のシフトを受ける他のメモリ技術にも適用可能であり得る。たとえば、相変化、抵抗、または閾値メモリなどの材料メモリ要素は、メモリセルインプリントの結果(たとえば、論理状態をある継続時間にわたって記憶する結果、論理状態を高温で記憶する結果)として、材料の分離または不動化を受けることがあり、そのような影響は、特定の論理状態を別の論理状態より記憶しまたは読み出すことに関連付けられる(たとえば、それに非対称に関連付けられる、そのようにドリフトされる)ことがある。いくつかの例では、インプリントされたそのような応用例におけるメモリセル205は、1つの構成可能材料プロパティまたは特性から別の構成可能材料プロパティまたは特性へ変化させることへの増大された抵抗を伴うことがあり、これは、1つの閾値電圧から別の閾値電圧への変化に対する比較的大きい抵抗、1つの電気抵抗から別の電気抵抗への変化に対する比較的大きい抵抗、および他の特性などの現象に対応することがある。
【0112】
様々な例では、信号もしくはパルスの循環またはバイアス下の時間、あるいはアクセス動作の循環を含むことができるインプリント回復動作は、材料分布を正常化もしくは均等化すること、欠陥を1つの端部もしくは別の端部へ動かすこと、セルにおいて欠陥をより均一に分散させること、または原子再構成を受けるように材料メモリ要素を起動することなど、材料メモリ要素の特性を正常化または均等化することができる。たとえば、特定の相変化メモリの応用例では、インプリント回復は、本明細書に記載するインプリント管理の様々な技法によるシーズニングステップの態様を選択的に適用することができる。
【0113】
図5は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するシステム500の一例を示す。システム500は、とりわけ、
図1~
図4を参照して説明した1つまたは複数のコンポーネントを含むことができる。たとえば、システム500は、ホストデバイス510およびメモリデバイス540を含むことができる。いくつかの例では、システム500はまた、1つまたは複数の補助メモリデバイス590を含むことができ、1つまたは複数の補助メモリデバイス590は、様々な例では、メモリデバイス540と同じもしくは類似の機能を有するメモリデバイスを含むことができ、または異なる構成もしくは特性を有するメモリデバイスとすることができる。たとえば、補助メモリデバイス590は、ホストデバイス510に追加の記憶容量を提供するように構成されたメモリデバイス、冗長またはバックアップ情報ストレージのための冗長メモリデバイス、異なる程度のアクセス速度または不揮発性を有するメモリデバイス、異なる記憶アーキテクチャを有するメモリデバイス、メモリ階層において異なる役割で配列または構成されたメモリデバイスなどを含むことができる。
【0114】
場合により、メモリアレイ555の1つまたは複数のメモリセル(たとえば、
図2を参照して説明したメモリセル205)は、インプリントされることがあり、または他の形でインプリントに対して弱いことがあり、これは、メモリセルが1つの論理状態を別の論理状態よりも記憶する傾向になること、異なる論理状態(たとえば、書込み動作前に記憶された論理状態とは異なる論理状態)に書き込まれることに抵抗すること、または両方という様々な条件を指すことがある。いくつかの例では、インプリント自体が、メモリセルに記憶されている論理状態を劣化または破壊することがあるが、そのような影響が、システム500の動作に伴う問題を直接引き起こすことはない。たとえば、インプリントは、システム500が電源切断または不活動状態にあるときに発生することがあるが、システム500は、不揮発性データストレージを提供するためにメモリデバイス540に依拠するように構成されていない。しかし、たとえば、システム500に電源投入またはブートするとき、ホストデバイス510は、メモリデバイス540にデータを書き込む(たとえば、ブート動作の一部として、BIOSレベル動作として、オペレーティングシステムをロードする一部として、またはオペレーティングシステムをロードする前に、ハードドライブまたはフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性補助メモリデバイス590などの不揮発性ストレージからデータを伝達する)ことを試行することがあり、メモリアレイ555のインプリントされた状態の結果、そのような書込み動作は成功しないことがある。言い換えれば、いくつかの例または構成では、インプリントされたメモリセルの進行中の基本動作(たとえば、書込みおよび読出し)は、インプリント自体に関連付けられた情報の損失より問題となることがある。
【0115】
記載する技法の様々な例によれば、システム500のコンポーネントは、そのようなインプリントを検出、推測、緩和、抑制し、またはそのようなインプリントから回復するために、様々な動作を実行するように構成することができ、それによりメモリデバイス540、ホストデバイス510、またはシステム500全体が、メモリセルのインプリントに関連付けられた条件の存在下で動作することができる頑強性、精度、または効率を増大させることができる。たとえば、メモリデバイス540、ホストデバイス510、または両方が、メモリアレイ555内のインプリントの存在を検出し、またはそのようなインプリントの可能性を推測するために、様々な動作を実行することができ、メモリデバイス540は、それに応じて、そのような検出または推測に応答して、メモリアレイ555上で様々な動作を実行するように構成することができる。本明細書に記載するものなどのインプリント回復手順は、様々なメモリセルバイアスまたはアクセス技法を含むことができ、そのような技法は、異なる論理状態に対して非対称の挙動を呈することがあるインプリントされたメモリセルの均等化または正常化を加速するように特に開始または修正する。場合により、記載する技法はまた、ホストデバイス510と、メモリデバイス540と、任意の補助メモリデバイス590との間の様々な信号伝達、データ転送、または動作管理を含めて、データの保存または動作の完全性の様々な態様を考慮することができる。
【0116】
インプリント管理のための記載する技法は、メモリデバイス540とホストデバイスとの間の検出、計算、評価、および動作の様々な分布を用いることができる。いくつかの例では、メモリデバイス540は、様々なインプリント管理技法を支援するように構成された(たとえば、ローカルメモリコントローラ265の、デバイスメモリコントローラ155の、ローカルメモリコントローラ165の)チップレベルまたはトランジスタレベルの回路を含むことができる。加えてまたは別法として、メモリデバイス540は、関連付けられたメモリダイに結合され、様々なインプリント管理技法を支援するように構成またはプログラムされた、内蔵プロセッサまたは一体プロセッサ(たとえば、RAM一体プロセッサ、RAM一体コントローラのプロセッサ)を含むことができる。加えてまたは別法として、ホストデバイス510は、メモリデバイス540または任意の補助メモリデバイス590と間の様々な信号伝達を含むことができる様々なインプリント管理技法を支援するように構成またはプログラムされたプロセッサ、コントローラ、または他の回路を含むことができる。
【0117】
いくつかの例では、システム500の1つまたは複数のコンポーネントは、インプリントまたは指向性(たとえば、インプリントが1つの論理状態もしくは別の論理状態によってより重く関連付けられ、または1つの論理状態もしくは別の論理状態により影響されるかどうか、インプリントが非対称であるかどうか)の重大度(たとえば、大きさ、程度)を特徴付け、特徴付けられた重大度または方向に従ってスケールまたは選択されたインプリント回復動作を実行するように構成することができる。加えてまたは別法として、インプリント回復動作は、動作モードまたは環境条件など、メモリデバイス540の、ホストデバイス510の、またはシステム500全体の特定の動作条件に、システム500によって適応させることができ、これは、いくつかの例では、メモリデバイス540とホストデバイス510との間の信号伝達または動作交渉に少なくとも部分的に基づくことができる。加えてまたは別法として、インプリント回復動作は、様々な動作モード、許可、承認、または抑制に基づくことができ、これは、メモリデバイス540とホストデバイス510との間の信号伝達または動作交渉に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0118】
ホストデバイス510は、
図1を参照して説明したホストデバイスもしくは外部メモリコントローラ105、またはこれらの任意の組合せの一例とすることができる。ホストデバイスは、ホストデバイスインターフェース515、ホストデバイスコントローラ520、およびインプリントマネージャ525を含むことができる。ホストデバイスインターフェース515、ホストデバイスコントローラ520、およびインプリントマネージャ525は、別個のコンポーネントとして示されているが、記載するコンポーネントのうちの1つもしくは複数、またはそのいくつかの部分を、本明細書に記載する様々な技法を実行するように構成されたコンポーネント、コントローラ、プロセッサ、または回路として集合的または全体的に説明することもできる。
【0119】
ホストデバイスインターフェース515は、
図1を参照して説明した1つもしくは複数のチャネル115の一例とすることができ、または他の形で1つもしくは複数のチャネル115に関連付けることができる。たとえば、ホストデバイスインターフェース515は、メモリデバイス540(たとえば、メモリインターフェース545)とのコマンド、状態指示、データ、および他の情報などの双方向信号伝達または通信を支援するトランシーバを含むことができる。いくつかの例では、ホストデバイスインターフェース515はまた、メモリデバイス540へ(たとえば、ホストデバイス510のバッテリから、ホストデバイス510の電力供給から、ホストデバイス510に配線された電源から)電力を供給することができる。
【0120】
ホストデバイスコントローラ520は、メモリデバイス540と情報(たとえば、アプリケーションデータ、ユーザデータ)を交換するホストデバイス510の処理要素とすることができる。たとえば、ホストデバイスコントローラ520は、読出しコマンドを発行し、読出しコマンドに応答したメモリデバイス540からデータを受信することができ、またはホストデバイスコントローラ520は、メモリデバイス540へ提供される書込みデータに付随するもしくは他の形で関連付けられた書込みコマンドをメモリデバイス540へ発行することができる。ホストデバイスコントローラ520はまた、ホストデバイス510の動作の様々な他の態様を制御することができる。たとえば、ホストデバイスコントローラ520は、ホストデバイス510の様々な動作モードまたは構成を管理することができ、メモリデバイス540からの信号伝達に応答して、様々な情報を制御し、またはホストデバイス510とメモリデバイス540との間の信号伝達を制御し、またはホストデバイス510の様々な動作を制御することができる。
【0121】
インプリントマネージャ525は、本明細書に記載するインプリント検出もしくはインプリント回復に関係する様々な動作を実行し、または他の形でメモリデバイス540のインプリント管理に関係するホストデバイス510の他の動作を制御もしくは修正するように構成することができる。いくつかの例では、そのような手法は、メモリデバイス540からホストデバイス510へのインプリント管理のオフロード態様を支援することができ、それにより比較的低品位のメモリアーキテクチャ(たとえば、比較的制限された内蔵処理能力または性能を有する)を支援することができ、ホストデバイス510の強化された能力によって比較的高度な技法が支援されることを有効にすることができ、他の利益を得ることができる。
【0122】
いくつかの例では、インプリントマネージャ525は、メモリアレイ555の起こり得るインプリントに関係することがある様々な条件(たとえば、温度、時間、ホストデバイス510の障害、不注意でまたは悪意をもってインプリントを引き起こすことがあるアクセスパターン、ブルースクリーンイベント)を検出することができる。そのような検出に応答して、インプリントマネージャ525は、インプリント検出手順を実行するため(たとえば、メモリデバイス540が、メモリアレイ555がインプリントされているかどうかを直接評価するため)のコマンドをメモリデバイス540へ発行することができ、または(たとえば、インプリントがメモリデバイス540によって検出されたかどうかにかかわらず)インプリント回復手順を実行するためのコマンドをメモリデバイス540へ発行することができる。いくつかの例では、そのようなコマンドには、そのようなコマンドをトリガするために使用される情報、検出された条件の重大度の指示、インプリント回復手順を識別もしくは選択するためにメモリデバイス540によって使用することができる条件の指示、またはインプリント回復がどれだけ積極的に実行されるべきかの指示が付随することができる。いくつかの例では、インプリントマネージャ525は、システム状態、ユーザ要求、もしくは他のパラメータに基づいて、インプリント回復方法を選択することを支援することができ、メモリデバイス540に選択を示すことができ、またはメモリデバイス540がそのような選択を行うことができるように、メモリデバイス540へ情報を提供することができる。
【0123】
いくつかの例では、インプリントマネージャ525は、回復モード中に進行中のデータ動作(たとえば、読出し動作、書込み動作、ホストデバイス510とメモリデバイス540との間のデータ交換)を支援することも支援しないこともある、メモリデバイス540が回復モードに入ることを認可または承認することができる。いくつかの例では、インプリントマネージャ525は、メモリデバイス540が回復動作を実行しているという指示を受信することができ、メモリデバイス540によるアクセス動作を中断することができ、あるいはより遅い速度または他の形で低下もしくはより低い実行モードに従って、メモリデバイス540によるアクセス動作を実行することができる。いくつかの例では、インプリントマネージャ525は、インプリント検出もしくは回復動作を実行するためのメモリデバイス540による要求を拒否することができ、またはそのような動作を他の形で抑制もしくは却下することができる(たとえば、ホストデバイス510が、メモリデバイス540からの特定の性能を必要とするモードに従って動作しているとき、メモリデバイス540は、そのような動作をデフォルトで実行することができるが、ホストデバイス510は、そのような動作が無効にされる可能性があるという理解を有するとき)。
【0124】
いくつかの例では、インプリントマネージャ525は、メモリアレイ555がインプリントされたまたはインプリントされた可能性があるという指示をメモリデバイス540から受信することができ、インプリントマネージャ525は、メモリアレイ555のインプリントを緩和するように特に構成されたアクセスコマンドのパターンを(たとえば、ホストデバイスコントローラ520を介して)発行または開始することができる。たとえば、メモリアレイの検出または推測されたインプリントのそのような指示に応答して、インプリントマネージャ525は、論理状態の固体パターンまたは論理状態の他のパターン間で書込み動作(たとえば、交互の論理状態に従って、交互のチェッカボードパターンに従って、反転させたライトバック動作に従って)を循環させまたは交互にするなど、論理状態のパターンに関連付けられた読出し、書込み、またはリフレッシュコマンドを発行することができる。
【0125】
システムはまた、メモリデバイス540を含むことができ、メモリデバイス540は、
図1および
図2を参照して説明したメモリデバイス110、メモリダイス160、またはメモリダイ200の一例とすることができる。メモリデバイス540は、メモリインターフェース545、メモリコントローラ550、1つまたは複数のメモリアレイ555(たとえば、メモリアレイ555-aおよびメモリアレイ555-b)、インプリント検出コンポーネント560、インプリント回復コンポーネント565、およびエラー補正コード(ECC)コンポーネント570を含むことができる。メモリインターフェース545、メモリコントローラ、インプリント検出コンポーネント560、インプリント回復コンポーネント565、およびECCコンポーネント570は、別個のコンポーネントとして示されているが、記載するコンポーネントのうちの1つもしくは複数、またはそのいくつかの部分を、本明細書に記載する様々な技法を実行するように構成されたコンポーネント、コントローラ、プロセッサ、または回路として集合的または全体的に説明することもできる。
【0126】
メモリインターフェース545は、
図1を参照して説明した1つもしくは複数のチャネル115の一例とすることができる、または他の形で1つもしくは複数のチャネル115に関連付けることができる。たとえば、メモリインターフェース545は、ホストデバイス510(たとえば、ホストデバイスインターフェース515)とのコマンド、状態指示、データ、および他の情報などの双方向信号伝達または通信を支援するトランシーバを含むことができる。いくつかの例では、メモリインターフェース545はまた、ホストデバイス510から電力を受信することができる。
【0127】
メモリコントローラ550は、ホストデバイス510と情報(たとえば、アプリケーションデータ、ユーザデータ)を交換するメモリデバイス540の処理要素とすることができる。たとえば、メモリコントローラ550は、読出しコマンドを受信し、読出しコマンドに応答して応答データをホストデバイス510へ伝送することができ、またはメモリコントローラ550は、ホストデバイス510から提供される書込みデータが付随するもしくは他の形で関連付けられた書込みコマンドをホストデバイス510から受信することができる。メモリコントローラ550はまた、メモリデバイス540の動作の様々な他の態様を制御することができる。たとえば、メモリコントローラ550は、メモリデバイス540の様々な動作モードまたは構成を管理することができ、ホストデバイス510からの信号伝達に応答して、様々な情報を制御し、またはメモリデバイス540とホストデバイス510との間の信号伝達を制御し、またはメモリデバイス540の様々な動作を制御することができる。
【0128】
いくつかの例では、メモリコントローラ550は、メモリインターフェース545からコマンドを受信し、コマンドを処理し、コマンドを実行することができる(たとえば、メモリアレイ555またはメモリデバイス540の他の態様と相互作用することによる)。メモリコントローラ550は、様々な形で構成することができ、デバイスメモリコントローラ155、ローカルメモリコントローラ165、ローカルメモリコントローラ265、もしくはこれらの組合せの機能の一例とすることができる、または他の形でこれらの機能を含み、もしくはこれらの機能を参照することができる。いくつかの例では、メモリコントローラ550は、組合せ論理の様々な技法のために構成されたハードウェアもしくは回路(たとえば、トランジスタレベルの回路)を含むことができ、またはメモリアレイ555とインターフェースするメモリデバイス540の別個の処理コンポーネントもしくはチップとすることができる。
【0129】
メモリアレイ555は、
図1および
図2を参照して説明したメモリアレイ170の例とすることができる。いくつかの例では、メモリアレイ555は、それぞれのメモリ記憶要素として強誘電キャパシタを含むメモリセル205のアレイを含むことができる。しかし、インプリント管理のための記載する技法は、可変の構成可能な材料プロパティに基づいて論理状態を記憶する材料メモリ要素を有するメモリアレイなど、他のタイプのメモリアレイ555を使用して実行することもできる。
【0130】
インプリント検出コンポーネント560は、メモリアレイ555内のメモリセルインプリントの存在を検出または予測するために、様々な動作を実行するように構成することができる。いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560は、メモリデバイス540内のインプリント検出のための様々な技法を支援するために、インプリントマネージャ525から独立して、またはインプリントマネージャ525がなくても動作することができる。たとえば、インプリント検出コンポーネント560は、インプリント検出技法をホストデバイス510と調整することなく(たとえば、メモリデバイス540のダイ上または他の形で集積回路または処理能力を使用して)、自律的に動作することができる。いくつかの例では、そのような手法は、チップレベル条件のより深い理解または動作条件の他の比較的直接的な理解(たとえば、そのような理解をホストデバイスへ伝える必要がない)から利益を得るインプリント検出技法にとって有益となることができ、異なるホストデバイスの異なるタイプまたは能力に依存しないメモリデバイス540を支援することができる。他の例では、インプリント検出コンポーネント560は、ホストデバイス510とメモリデバイスとの間のインプリント管理調整を支援することができる調整式インプリント管理システムにおいてインプリントマネージャ525と交換される信号伝達に基づいて動作することができる。いくつかの例では、そのような手法は、メモリデバイス540からホストデバイス510へのインプリント管理のオフロード態様を支援することができ、それにより比較的低品位のメモリアーキテクチャ(たとえば、比較的制限された内蔵処理能力または性能を有する)を支援することができ、ホストデバイス510の強化された能力によって比較的高度な技法が支援されることを有効にすることができ、他の利益を得ることができる。
【0131】
インプリント検出コンポーネント560は、インプリント回復技法の選択的なまたはスケール式の適用を支援する様々な検出を支援することができる。たとえば、インプリント回復の特定の態様は、メモリデバイスに概して有益となることができるが、回復手順を実行することは、ある程度の時間量または他のシステム資源を費やすことがあり、これはメモリデバイス540またはホストデバイス510の性能または動作に影響することがある。いくつかの例では、インプリント回復技法は、インプリントに対する存在または感受性と均衡させる必要がある疲労または他の摩耗機構の加速などの悪影響を有することがある。したがって、これらおよび他の理由で、検出もしくは推測されたインプリントの存在に基づいて、回復手順を選択的に実行し、または検出もしくは推測されたインプリントの不在に基づいて、回復手順を選択的に抑制することが好ましくなり得る。それに応じて、インプリント検出コンポーネント560は、回復手順をいつ実行するかを判定することを支援するように構成することができ、これにより当業者によって理解され得る他の利益の中でも、効率および信頼性の利益を提供することができる。
【0132】
いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560は、メモリアレイ555および/またはメモリアレイ555のメモリセルが1つまたは複数の仕様範囲内で機能しているか(たとえば、回復動作を実行するべきかどうか)を判定するために、1つまたは複数のインプリント検出手順を実行または管理する(たとえば、メモリデバイス540に実行させる、インプリント検出コンポーネント560に実行させる)ことができる。場合により、インプリント検出コンポーネント560は、メモリアレイ555が1つまたは複数の仕様範囲内で動作していると判定し、メモリデバイス540が適切に動作しているという指示を、メモリデバイス540の別のコンポーネントまたはホストデバイス510へ送信することができる。他の場合、インプリント検出コンポーネント560は、メモリアレイ555が1つまたは複数の仕様範囲内で動作してないまたは動作していないことがあり得ること(たとえば、インプリントが発生したこと、インプリントが検出されたこと、インプリントが予測されたこと)を判定することができ、回復手順を開始することができる。インプリント検出コンポーネント560は、予定に基づいて(たとえば、周期的に)、またはイベント駆動式に(たとえば、1つまたは複数のトリガイベントを検出したことに応答して)、インプリント検出手順を(たとえば、自律的に、またはホストデバイス510からのコマンドに応答して)実行することができる。
【0133】
いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560は、メモリアレイ555の起こり得るインプリントに関係することがある様々な条件(たとえば、温度、時間、メモリデバイス540の障害、不注意でまたは悪意をもってインプリントを引き起こすことがあるアクセスパターン)を検出することができる。そのような検出に応答して、インプリント検出コンポーネント560は、回復動作を開始するためのコマンドをインプリント回復コンポーネント565へ発行することができ、またはインプリント検出コンポーネントによってインプリント検出のさらなる(たとえば、より決定的、より高度な)態様をトリガすることができる。いくつかの例では、そのようなコマンドまたはトリガには、動作を開始またはスケールするために使用される情報、検出された条件の重大度の指示、インプリント回復手順を選択するためにインプリント回復コンポーネント565によって使用することができる条件の指示、またはインプリント回復がどれだけ積極的に実行されるべきかの指示が付随することができる。いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560は、インプリント検出手順を実行するべきメモリアレイ555の1つまたは複数のセクションを(たとえば、インプリント回復コンポーネント565に、メモリコントローラ550に)示すことができる。
【0134】
いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560は、インプリント回復コンポーネント565へ情報を提供するなど、システム状態、ユーザ要求、または他のパラメータに基づいて、インプリント回復コンポーネント565がインプリント回復方法を選択することを支援することができ、したがってインプリント回復コンポーネント565は、そのような選択を行うことができる。いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560は、インプリントマネージャ525がそのような選択を行うことができるように、インプリントマネージャ525へそのような情報を提供することができる。
【0135】
いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560は、メモリアレイ555内のインプリントの存在または予測をホストデバイス510へ信号伝達することができ、これは、ホストデバイス510が回復動作を開始するという要求、ホストデバイス510が回復動作を承認する(たとえば、インプリント回復コンポーネント565がインプリント回復へ進むための承認を信号伝達する)という要求、メモリデバイス540が回復動作を受けることになるまたは受けているという指示、メモリデバイス540がアクセス動作に対して一時的に利用不可になり得るもしくは利用不可になる、または低減された速度もしくは性能でアクセス動作に対して利用可能になり得るという指示、および他の解釈として示しまたは他の形で解釈することができる。
【0136】
場合により、インプリント検出コンポーネント560は、インプリント検出手順を実行することを自律的に(たとえば、単方向に、ホストデバイス510からの明示的なコマンドなしに)判定することができ、これは、メモリデバイス540が検出または回復動作(たとえば、ホストデバイス510に透過的な1組の動作内)を予防的または先制的に実行することに関連付けることができる。いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560は、ホストデバイス510(たとえば、インプリントマネージャ525)から受信したコマンドに応答して、インプリント検出手順を実行することを判定することができる。場合により、コマンドは、メモリデバイス540によって活動化手順の一部として(たとえば、ブートまたは初期化信号伝達の一部として)受信することができる。
【0137】
いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560は、ブートプロセス(たとえば、パワーオンセルフテスト(POST)の一部として)の一部としての検出動作、メモリデバイス540の初期化(たとえば、メモリデバイス540の最初の電源投入)、または他の動作条件を実行することができる。いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560は、メモリアレイ555へデータをロードする前(たとえば、オペレーティングシステムをロードする前)に、そのような動作を実行することができ、これは、ホストデバイス510からのアクセスコマンドを抑制またはキャッシュすることを含むことができる。いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560は、データがメモリアレイ555内に記憶されている間に、検出動作を実行することができ、インプリント検出コンポーネント560は、本明細書に記載する様々なデータ保存、冗長性、または完全性技法を支援するために、ホストデバイス510またはメモリデバイス540の他のコンポーネントとの様々な調整を支援することができる。
【0138】
インプリント検出コンポーネント560は、メモリアレイ555内のインプリントの存在または可能性を判定するための様々な技法を支援することができる。たとえば、インプリント検出コンポーネント560は、メモリアレイ555がインプリントされ得る論理状態を記憶しているという知識を有することができ、スタティックベイクを示すことができる温度または継続時間を検出または監視することができる。別の例では、インプリント検出コンポーネントは、アクセス動作(たとえば、メモリコントローラ550によって実行される)を監視することができ、有害なアクセスパターン、有害なバイアス、または異なる論理状態に対してメモリアレイ555内のメモリセルを非対称に変更することに関係することがある他の条件など、インプリントを招き得る不注意によるまたは悪意のあるアクセス条件を検出するように構成することができる。したがって、インプリント検出コンポーネント560は、インプリント自体を必ずしも直接検出することなく、インプリントまたは他の有害な条件の予測に基づいて、システム500内で様々な動作を開始またはトリガすることを支援するように構成することができる。
【0139】
加えてまたは別法として、インプリント検出コンポーネント560は、メモリアレイ555内のインプリントの存在または程度を直接検出することが意図された様々な動作を実行することができる。一例では、インプリント検出コンポーネント560によって実行または管理することができるインプリント検出手順は、第1の組の論理状態をメモリアレイ555のメモリセルのサブセットに書き込むことを含むことができる。場合により、第1の組の論理状態を書き込む前に、メモリデバイス540は、論理状態の特定の(たとえば、既知、構成、実施)パターンをメモリセルのサブセットに書き込むことができ、パターンは、インプリント検出手順の後の動作を支援するように構成することができる。他の場合、メモリセルのサブセットによって記憶されている論理状態は、先験的に実施されないことがあり、したがってインプリント検出手順の観点からランダム(たとえば、未知、インプリント検出手順を支援するように特別に構成されない)とすることができる。
【0140】
メモリデバイス540は、メモリセルのサブセットを読み出し、第2の組の論理状態を取得し、第2の組の論理状態に関連付けられた第1の不整合またはエラー数を判定するように(たとえば、インプリント検出コンポーネントの動作を介して)構成することができる。場合により、メモリデバイスは、各メモリセルから読み出された論理状態(たとえば、第2の組の論理状態から、読み出されたまたは検出された論理状態)を、それぞれの各メモリセルに書き込まれた論理状態(たとえば、第1の組の論理状態から、先行する書込み動作の標的論理状態)と比較することができる。読み出されたまたは検出された論理状態が先行する書込み動作の標的論理状態とは異なるたびに、不整合またはエラーを計数することができる。一例では、インプリントされたメモリセルは、メモリセルを異なる状態(たとえば、標的論理0に対応する)に書き込むことを試行した後でも、第1の状態(たとえば、検出された論理1に対応する)のままになることがある。そのような矛盾に基づいて、メモリデバイス540(たとえば、インプリント検出コンポーネント560)は、そのメモリセル上でインプリントが発生したまたは発生した可能性があることを判定または推測することができる。不整合またはエラーの存在、数、または割合が閾値を満足させるとき、メモリデバイス540は、第2の組の論理状態と第1の組の論理状態との間の不整合またはエラーに基づいて、(たとえば、インプリント検出コンポーネント560によってトリガまたは開始されるインプリント回復コンポーネント565の)回復動作を進めることができる。
【0141】
インプリント検出コンポーネント560は、そのような動作において不整合またはエラー数を判定および評価するために、様々な技法を用いることができる。たとえば、メモリデバイス540(たとえば、メモリデバイス540の感知コンポーネント)は、メモリアレイ555からアプリケーションデータを読み出すときなど、通常の動作条件下でメモリセルの論理状態を判定するために使用されるデフォルトまたは動作基準電圧によって構成することができる。一例として、メモリデバイス540(たとえば、インプリント検出コンポーネント560)は、デフォルト基準電圧を使用してメモリセルを読み出すことによって、第2の組の論理状態を取得し、結果の不整合またはエラー数を閾値と比較することができる。
【0142】
加えてまたは別法として、メモリデバイス540(たとえば、インプリント検出コンポーネント560)は、オフセット基準電圧と呼ぶことができる、デフォルト基準電圧を下回るまたは上回るのいずれかの基準電圧を使用してメモリセルを読み出すことによって、第2の組の論理状態を取得することができる。場合により、オフセット基準電圧は、予期の不整合またはエラー数(たとえば、インプリントがなくても、デフォルト基準電圧より小さいまたはそれより大きい基準電圧を使用する読出しによって発生するはずの予期のエラー数)に関連付けることができる。メモリデバイス540(たとえば、インプリント検出コンポーネント560)は、オフセット基準電圧を使用してメモリセルのサブセットを読み出すときに観察される測定されたエラー数を、オフセット基準電圧に関連付けられた予期のエラー数と比較することができる。場合により、インプリント検出コンポーネント560は、この比較に基づいて、回復手順を実行するべきかどうかを判定することができる。場合により、2組の論理状態を取得するために、2つのオフセット基準電圧を使用することができる。たとえば、第1のオフセット基準電圧は、デフォルト基準電圧より小さいことがあり、第2のオフセット基準電圧は、デフォルト基準電圧より大きいことがある。
【0143】
加えてまたは別法として、メモリデバイス540(たとえば、インプリント検出コンポーネント560)は、回復手順が実行されるべきかどうかを判定するために、2つの異なる基準電圧を使用して読み出すとき、観察される不整合またはエラー数の差を使用することができる。たとえば、第2の組の論理状態および第3の組の論理状態は、デフォルト基準電圧を下回るまたは上回る、のいずれかの2つのそれぞれのオフセット基準電圧を使用して、メモリセルを読み出すことによって取得することができる。第1のオフセット基準電圧でメモリセルのサブセットを読み出すことに関連付けられた第1の不整合またはエラー数、および第2のオフセット基準電圧としてメモリセルのサブセットを読み出すことに関連付けられた第2のエラー数に基づいて、測定される差(たとえば、減算)、傾斜、または他のタイプの勾配(たとえば、線形の勾配、非線形の回帰などの非線形の勾配)を判定することができる。第1のオフセット基準電圧を使用して読み出すことによる第1の予期のエラー数、および第2のオフセット基準電圧を使用して読み出すことによる第2の予期のエラー数に基づいて、予期の差、傾斜、または他の対応するタイプの勾配を定義することができる。インプリントが発生したかどうかまたは回復手順が実行されるべきかどうかを判定するために、測定された差、傾斜、または他のタイプの勾配を、予期の相対物と比較することができる。
【0144】
これらの例は、説明を目的とし、インプリント検出コンポーネント560は、回復動作を実行するべきかどうかを判定するために、不整合またはエラー数に基づいて、1つまたは複数の追加の分析を実行することができる(たとえば、不整合またはエラー数を閾値と比較する、別の基準電圧を使用して判定された別の不整合またはエラー数に対して不整合またはエラー数を比較または他の形で分析する)。
【0145】
メモリデバイス540はまた、メモリデバイス540で1つまたは複数のECC動作を支援するように構成されたECCコンポーネント570を含むことができる。様々な例では、ECCコンポーネント570は、1ワードもしくはページにつき単一のビット、1ワードもしくはページに対して2ビットのエラーを補正するように構成することができ、または他の構成とすることができる。いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560は、ECCコンポーネント570に結合することができ、インプリント検出コンポーネント560は、回復手順を実行するべきかどうかを判定するために、ECCコンポーネント570からの情報を使用することができる。たとえば、インプリント検出コンポーネント560は、書き込まれた論理状態と読み出された論理状態との間の不整合またはエラー数が閾値を満たすことができないとき、インプリント検出手順を実行することを判定することができ、場合により、閾値は、ECCコンポーネント570によって補正可能なエラー数、またはECCコンポーネント570によって補正可能なエラーの割合に基づくことができる。これに関して、インプリント検出コンポーネント560は、ECCコンポーネント570が補正することができるエラーの数以上になると回復動作を開始するための閾値を設定することができる(たとえば、比較的厳しい条件を示す)。場合により、回復動作を開始するための閾値は、0のエラーとすることができる(たとえば、何らかの不整合が検出されたときはいつでも、回復動作を開始することができる)。
【0146】
いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560は、ECCコンポーネント570によって補正可能なエラー数を下回ると回復動作を開始するための閾値を設定するように構成することができ、これは、それほど厳しくないまたは適度に厳しい条件を示すことができる。たとえば、ECCコンポーネント570は、用いられるECCスキームの能力に従っていくつかの障害を処理すると仮定することができるが、ECCコンポーネント570によって処理されるエラー数またはエラーの割合がそのような能力範囲内の閾値レベルに到達した場合、インプリント検出コンポーネント560は、先制して(たとえば、ECCコンポーネントがエラーを把握しそこなう前に)回復動作を開始するように構成することができ、これは、比較的低レベルのまたは適度な回復動作をトリガすることを含むことができる。
【0147】
いくつかの例では、ECCコンポーネント570におけるエラーの複数の閾値またはエラーの閾値割合は、回復決定の一部として使用することができる。最低の閾値を下回るECC補正速度の場合、回復動作を開始することができない。低い閾値を上回るECC補正速度の場合、動作中の回復(たとえば、バックグラウンド回復、保守回復)などの「低重大度」の回復動作が存在し得る。高い閾値を上回るECC補正速度の場合、またはECC補正の能力を超過する機能的失敗の場合、個別回復イベントなどの「高重大度」の回復動作が存在し得る。いくつかの例では、そのような技法は、(たとえば、メモリコントローラ550の、インプリント検出コンポーネント560の)状態機械手法によって支援することができ、カウンタが閾値を超過した場合、様々な遷移を開始することができる。いくつかの例では、そのような技法は、組合せ論理技法(たとえば、メモリデバイス540で適用されるチップレベルまたはアレイレベル技法)に基づいて、その場での実時間速度判定を含むことができる。
【0148】
一例では、ECCコンポーネントの能力またはエラーを考慮するために、ECC速度は、補正可能なECCエラー数をアクセスカウント(たとえば、時間導関数、カウント導関数)で割った値として定義することができる。いくつかの例では、ECC速度は、判定されたECCエラー数をアクセスカウントで直接割ることなど、絶対値によって計算または他の形で考慮することができる。いくつかの例では、ECC速度は、組合せ論理を組み込むために、近似導関数(たとえば、オーバーフロー時のカウンタの右シフト)として計算または他の形で考慮することができる。いくつかの例では、メモリデバイス540は、割込みを実行してシステムを停止させるように構成されなくてもよい。それに応じて、ECC速度を考慮する記載する技法は、実際の(たとえば、判定された)ECCカウントまたは速度を使用することができ、この実際のECCカウントまたは速度を、ECCコンポーネント570が検出することが可能なバックグラウンドカウントまたは速度(たとえば、公称ECCカウントもしくは速度、閾値ECCカウントもしくは速度、または正常化されたECCカウントもしくは速度)に加算することができる。そのような加算の結果、カウンタのオーバーフローが生じた場合、カウンタの対応するロールバックを、予期される挙動からの差の指示(たとえば、メモリセルインプリントの検出または予測)として使用することができる。
【0149】
説明的な例では、いくつかの数のアクセス動作(たとえば、百万回の活動化、十億回の活動化、百億回の活動化)中に、予期される数または閾値数の障害は、補正された10ワードとすることができる。ECCコンポーネント570が、同じ数のアクセス動作において35ワードを補正した場合、それらのエラーは、十分にECCコンポーネントの能力の範囲内となり得るが、ECCコンポーネント570の補正ロードを軽減するための予防策を講じる(たとえば、回復動作を開始する)ために、予期を超えたドリフトまたは増大を(たとえば、インプリント検出コンポーネント560によって)使用することもできる。
【0150】
様々な例では、ECCコンポーネント570におけるエラー数またはエラーの割合は、補正の総数もしくは速度、論理状態に関連付けられた補正(たとえば、論理0のエラー、論理1のエラー)が独立して考慮される数もしくは速度、または論理状態に関連付けられた補正(たとえば、論理0のエラー、論理1のエラー)が別個に考慮される数もしくは速度を含むことができる。言い換えれば、ECCコンポーネント570は、(たとえば、異なる論理状態に対する)エラー数または割合の指向性に関係する情報を支援することができる。したがって、記載する技法の様々な例によれば、インプリント検出コンポーネント560、インプリント回復コンポーネント565、インプリントマネージャ525、またはこれらの様々な組合せは、インプリント管理に関係する1つまたは複数のパラメータを判定するために、エラーまたは不整合の指向性を考慮することができる。
【0151】
インプリント回復コンポーネント565は、メモリアレイ555のメモリセルを均等化または正常化するために(たとえば、実際のまたは起こり得るメモリセルインプリントから回復するために、メモリセルインプリントに関連付けられた条件の影響を緩和するために)、様々な動作を実行するように構成することができる。たとえば、メモリアレイ555のうちの1つまたは複数が強誘電メモリアーキテクチャを用いるとき、インプリント回復コンポーネント565は、インプリントされたヒステリシス曲線440からインプリントされていないヒステリシス曲線430へメモリセルをシフトさせるように構成された動作を実行または制御することができる。いくつかの例では、インプリント回復コンポーネント565は、メモリデバイス540内のインプリント回復のための様々な技法を支援するために、インプリントマネージャ525から独立して、またはインプリントマネージャ525がなくても動作することができる。たとえば、インプリント回復コンポーネント565は、インプリント回復技法をホストデバイス510と調整することなく(たとえば、メモリデバイス540のダイ上または他の形で集積回路または処理能力を使用して)、自律的に動作することができる。いくつかの例では、そのような手法は、チップレベル条件のより深い理解または動作条件の他の比較的直接的な理解(たとえば、そのような理解をホストデバイスへ伝える必要がない)から利益を得るインプリント回復技法にとって有益となることができ、異なるホストデバイスの異なるタイプまたは能力に依存しないメモリデバイス540を支援することができる。他の例では、インプリント回復コンポーネント565は、ホストデバイス510とメモリデバイスとの間のインプリント管理調整を支援することができる調整式インプリント管理システムにおいてインプリントマネージャ525と交換される信号伝達に基づいて動作することができる。いくつかの例では、そのような手法は、メモリデバイス540からホストデバイス510へのインプリント管理のオフロード態様を支援することができ、それにより比較的低品位のメモリアーキテクチャ(たとえば、比較的制限された内蔵処理能力または性能を有する)を支援することができ、ホストデバイス510の強化された能力によって比較的高度な技法が支援されることを有効にすることができ、他の利益を得ることができる。
【0152】
いくつかの例では(たとえば、インプリント検出コンポーネント560またはインプリントマネージャ525からのトリガまたは他の情報に応答して、メモリアレイ555のメモリセルを回復するために)、インプリント回復コンポーネント565は、1つもしくは複数の電圧もしくは電圧パルスをメモリセルに印加すること、またはメモリアレイ555のメモリセル上で複数のアクセス動作(たとえば、複数の読出し動作、複数の書込み動作、複数の読出しおよび書込み動作)を実行することなど、様々なバイアス技法を適用または他の形で制御するように構成することができる。様々な例では、そのようなバイアスは、特定のデータアクセスに関係することも関係しないこともある(たとえば、ホストデバイス510による要求または命令に応じて、予定に基づいて、インプリントが発生したことを検出または予測したことに基づいて)、保守もしくは回復モードで実行することができ、またはアクセス動作(たとえば、読出し動作、書込み動作、リフレッシュ動作)のパラメータを修正するインプリント保守もしくは回復モードで実行することができ、一方でインプリント保守もしくは回復モードにおけるデータ転送を支援する。場合により、パラメータは、インプリント回復または防止を支援するように、恒久的または無期限に修正することができる(たとえば、アクセス電圧の継続時間または大きさを修正することができる)。
【0153】
インプリント回復コンポーネント565の動作は、様々な信号伝達(たとえば、インプリント検出コンポーネント560から、インプリントマネージャ525から)によって、開始、トリガ、スケール、または他の形で制御もしくは修正することができる。たとえば、インプリント回復コンポーネント565は、メモリデバイス540またはホストデバイス510内で生成することができる初期化、許可、認可の信号伝達に基づいて、回復動作を始めることができる。いくつかの例では、(たとえば、メモリデバイス540の、ホストデバイス510の)様々なインプリント管理コンポーネントは、回復動作に関係する様々な条件を検出することができ、インプリント回復コンポーネント565は、異なる環境(たとえば、システムまたは製品)条件または制約、異なるセル技術の感受性、および他の要因に回復動作を調節またはスケールすることができる。加えてまたは別法として、インプリント回復コンポーネント565は、特徴付けられたインプリントの重大度もしくは方向、メモリデバイス540の、ホストデバイス510の、もしくはシステム500全体の特定の動作条件に従って、または様々な動作モード、許可、承認、もしくは抑制に基づいて、スケールまたは選択されたインプリント回復動作を実行することができる。
【0154】
いくつかの例では、インプリント回復コンポーネント565は、ホストデバイス510のブート動作のためにメモリデバイス540が電力投入または初期化されることに基づいて、動作を開始することができる。いくつかの例では、インプリント回復コンポーネントの動作自体を、ブートループの一部とすることができ、回復動作がうまくいかない場合、メモリデバイス540は、進行中の動作を支援するために別のメモリデバイス(たとえば、補助メモリデバイス590)を試すように、ホストデバイス510へ信号伝達することができる。加えてまたは別法として、メモリデバイス540は、メモリデバイス540を交換する必要があることを示す信号伝達(たとえば、障害信号、障害インジケータ)を、ホストデバイスへ提供することができる。
【0155】
いくつかの例では、インプリント回復コンポーネント565は、インプリント回復手順に関係する(たとえば、インプリント回復動作の開始または回復動作の終了を示す)1つまたは複数の指示をホストデバイス510へ送信することができる。いくつかの例では、インプリント回復コンポーネント565は、メモリデバイス540またはメモリデバイス540の1つもしくは複数のメモリアレイ555がアクセス動作のために利用可能でないという信号伝達を他の形で提供することができる。
【0156】
いくつかの例では、システム500(たとえば、ホストデバイスインターフェース515、メモリインターフェース545)は、様々な動作または動作モードを支援するホストデバイス510とメモリデバイス540との間の信号伝達のために構成することができる。いくつかの例では、そのようなシステムまたはコントローラ信号は、メモリデバイス540の外部またはメモリアレイ555の外部で設定することができ、回復処置の特定の態様を制御することができる。たとえば、本明細書に記載する様々なインプリント回復動作を信号伝達、要求、または他の形でトリガするために、「要回復」信号を(たとえば、ホストデバイス510、メモリデバイス540によって)構成することができる。いくつかの例では、デフォルトまたは初期構成または事前構成として、「要回復」信号を有効にすることができ、したがってシステム500の初期始動時に、または顧客への出荷前に(たとえば、寿命早期回復または「ウェイクアップ」動作に従って)、先制してインプリント回復動作が実行される。別の例では、インプリント検出がホストデバイス510によって実行されるとき、インプリント回復動作がメモリデバイス540によって実行されることを予定するために、「コントローラ指定回復」信号をホストデバイス510によって構成することができる。
【0157】
加えてまたは別法として、システム500におけるインプリント管理の様々な態様を改良するために、他の信号伝達を提供することができる。いくつかの例では、メモリデバイス540からの特定の性能が必要とされるときなど、(たとえば、メモリデバイス540の、メモリアレイ555の)内部回復監視をオーバーライドし、回復動作を防止するために、「回復無効」を(たとえば、ホストデバイス510によって、メモリデバイス540によって)構成することができる。いくつかの例では、回復動作を開始するために、内部回復監視の上にまたは他の形で内部回復監視をオーバーライドするように、「回復強制」信号を(たとえば、ホストデバイス510によって、メモリデバイス540によって)構成することができる。いくつかの例では、一時的な高帯域幅の日付伝達シナリオ、電力消費を低減させるための一時的な所望(たとえば、バッテリ低下)、または他の条件の支援など、内部回復動作を一時的にオーバーライドするために、「回復休止」信号を(たとえば、ホストデバイス510によって、メモリデバイス540によって)構成することができる。いくつかの例では、回復動作(たとえば、メモリアレイ555またはそのサブセット上の個別回復イベント)のために利用可能な時間を指定するために、「回復時間」信号を(たとえば、ホストデバイス510によって、メモリデバイス540によって)構成することができる。
【0158】
システム500は、全メモリアレイ555上の個別回復イベント、動作中の回復動作、またはインプリント回復の目的でメモリアレイ555上の他の動作の修正として広く特徴付けることができるインプリント回復のための様々な技法を支援するように構成することができる。これらの特徴付けのうちの1つの文脈で特定の例について説明することがあるが、そのような説明は、説明の目的で非限定的な例として提供されており、記載する技法によれば、様々な他の例または組合せを使用することもできる。
【0159】
第1の組の例では、インプリント管理は、全メモリアレイ555上で個別インプリント回復を実行する様々な技法を含むことができる。たとえば、システム500またはホストデバイス510のブートアップまたは電力投入時に実行される監視内に、インプリント管理のいくつかの態様を含むことができる。いくつかの例では、インプリントが発生したまたは本明細書に記載するインプリント管理技法がトリガされるべきであるという指示として、メモリデバイス540が電源遮断される前またはその間に、フラグを設定することができる。それに応じて、システム500は、インプリントからの回復またはインプリントの影響の緩和を予防的に試行するように構成することができる。
【0160】
いくつかの例では、個別インプリント回復を実行する技法は、全メモリアレイ555またはメモリアレイ555の定義されたサブセット上で(たとえば、トリガに応答して)動作することができる。いくつかの技法は、システム500の通常動作を防止することができ、ホストデバイス510とメモリデバイス540との間の信号伝達または他の動作理解(たとえば、「休止」信号伝達、動作抑制信号伝達、ブート動作の休止)を含むことができる。したがって、いくつかの例では、個別インプリント回復を実行することは、システム500が通常の機能を取り戻す前に実行することができるが、そのような動作を(たとえば、防止的に)含むことは、システム500がインプリントの影響により簡単に失敗することを防止することができる。
【0161】
いくつかの例では、個別インプリント管理技法は、インプリント回復バイアスまたはアクセス後の再試験動作など、メモリアレイ555またはメモリアレイ555のサブセットが監視ステップを通過したか、それとも失敗したかという評価を含むことができる。再試験動作は、追加のインプリント回復バイアスもしくはアクセス、メモリデバイス540からホストデバイス510(たとえば、インプリントマネージャ525)への状態の信号伝達、または両方を開始するという選択肢を含むことができ、あるいはそれに関連付けることができる。
【0162】
一例では、全アレイ回復は、ブートシーケンスインプリント監視または他の機能障害(たとえば、ブート障害、ブルースクリーンイベント、高重大度インプリント監視障害)によってトリガまたは開始することができる。別の例では、全アレイ回復は、回復中のECCによって不揮発性データを補正することができないことによってトリガまたは開始することができ、その場合、メモリデバイス540またはホストデバイス510(たとえば、インプリントマネージャ525)は、メモリアレイ555内のデータをストレージ(たとえば、補助メモリデバイス590)から交換してクリーンリブートを開始する必要があるという信号をシステム500へ生成することができる。
【0163】
システム500が、インプリント回復方法の様々な選択肢の中から選択するように構成されるとき、いくつかの状況では、全メモリアレイ555上で個別回復イベントを実行するための選択が好ましいまたは有利になることがある。たとえば、個別回復イベントは、比較的短い量の時間で比較的強い回復を提供するように構成することができる。しかし、そのような技法は、比較的大きい電力消費を伴うことがあり、回復が実行されている間にメモリ動作の特定の態様を停止させることがあり、疲労もしくは他の劣化の加速を引き起こすことを伴うことがあり、または他のトレードオフを有することがある。それに応じて、場合により、全メモリアレイ555上での個別回復の特定の態様は、中重大度または高重大度のインプリントのために保留することができる(たとえば、低重大度のインプリントが検出または推測されたときは、全メモリアレイ555上での個別回復イベントを抑制する)。
【0164】
場合により、それほど積極的でないインプリント回復は、インプリント回復への電荷移動度または他の応答が低下されたそれらの条件下では効果的でないことがあるため、メモリデバイス540またはホストデバイス510の動作温度が比較的低い(たとえば、温度閾値またはそれを下回る)と判定されたときは、全メモリアレイ555上の個別回復イベントを適用することができる。言い換えれば、ホストデバイス510またはメモリデバイス540の動作温度がより高いときは、それほど積極的でないインプリント回復技法が、メモリセルを正常化または均等化するのに好適に効果的となり得る。全メモリアレイ555上の個別回復動作は、特定の電力条件下(たとえば、バッテリ充電レベルが閾値またはそれを上回る、システム500の電力消費が閾値またはそれを下回る、ホストデバイス510またはシステム500が差し込まれる)でのみ、選択することができ、選択に利用可能とすることができ、または有効にすることができるため、そのような回復技法の選択はまた、電力供給または電力利用可能性を考慮することができる。
【0165】
いくつかの例では、全メモリアレイ555上での個別インプリント回復のための記載する技法は、ホストデバイス510とメモリデバイス540との間の様々な信号伝達によって支援することができる。たとえば、そのような信号伝達によって支援されるとき、システム500のコンポーネントは、動作がインプリント回復中に中断または抑制されるべきであるという理解を有することができる。いくつかの例では、信号伝達は、利用可能な時間の交渉(たとえば、メモリデバイス540による要求、ホストデバイス510による承認または他の形で信号伝達に応じる)を含みまたは伴うことができる。いくつかの例では、そのような回復技法は、複数の基準電圧を使用するメモリアレイ555での検出、傾斜もしくは勾配の計算もしくは分析の実行、またはメモリアレイ555でのインプリント条件にさらなる観察可能性を提供する他の技法など、比較的高度なインプリント検出技法を含むことができ、またはそのようなインプリント検出技法によってトリガすることができる。
【0166】
第2の組の例では、インプリント管理は、メモリデバイス540またはメモリアレイ555の動作中のインプリント回復(たとえば、保守モード)を実行する様々な技法を含むことができる。メモリアレイ555は、そのような技法中に動作を継続することができるが、インプリントを軽減、緩和、または防止するために動作中に回復動作を実行することができるように、セル挙動の態様を検出することができる(たとえば、検出または推測されたインプリントの存在、インプリントまたは他のセルレベルの劣化または障害を招き得る不注意によるまたは悪意のあるアクセス動作の検出)。いくつかの例では、動作中のインプリント回復を実行することで、性能を低下させる(たとえば、電力消費を増大させる、帯域幅を低減させる、待ち時間を増大させる)ことがあるが、そのような低減は、許容可能な仕様範囲内とすることができる。したがって、メモリデバイス540の動作中のインプリント回復は、少量から中程度の量の回復が必要とされるが、デバイスの通常動作が必要とされ、メモリデバイス540またはホストデバイス510の性能の低下が許容可能であるときに、回復を提供するために使用することができる。
【0167】
いくつかの例では、動作中のインプリント回復は、複数の閾値を有する監視スキームに関連付けることができ、いくつかの状況下で比較的積極的でない回復技法(たとえば、全メモリアレイ555上の個別回復イベントほど比較的積極的でない)を支援することができる。たとえば、低重大度のインプリントが検出または推測された場合、システム500の特定の動作を停止させることなく、より低レベルのインプリント回復を実行することができる(たとえば、メモリデバイス540とホストデバイス510との間のある程度のデータ交換を可能にしながら、インプリント回復を実行することができる)。場合により、動作中のインプリント回復は、そのようなアクセスエラーに関係し得る障害を検出したことに基づいて実行することができる他の回復技法(たとえば、失敗したメモリアレイ555の全面的な回復)と比較すると、インプリントがアクセスエラーを引き起こす前にメモリアレイ555を均等化または正常化する保守モードまたは動作であると見なすことができる。
【0168】
いくつかの例では、動作中のインプリント回復に関係する閾値は、メモリアレイ555を読み出すときに異なる基準電圧を利用する検出スキームに基づくことができる(たとえば、
図7および
図8を参照して説明する)。たとえば、インプリント検出または予測の重大度を別個に示すために、1組の基準電圧の各々またはこれらの何らかの組合せに関連付けられた条件を使用することができる。複数の基準電圧でインプリント検出を実行するとき、メモリアレイ555の条件が、1つまたは複数の基準電圧で閾値に達しないが、1つまたは複数の他の基準電圧で閾値に達する場合、システム500は、保守タイプのインプリント回復を進めることができる。メモリアレイ555の条件がすべての基準電圧で閾値に達しない場合、システム500は、全回復モード(たとえば、全メモリアレイ555上の個別回復イベント)を進めることができる。いくつかの例では、そのような技法は、メモリアレイにおけるチップレベルのアナログ閾値によって支援することができ、1組の印加基準電圧の各々に対して異なる閾値が構成される。
【0169】
動作中のインプリント回復は、システム500内の様々な動作条件に従ってトリガまたはスケールすることができる。たとえば、そのような技法は、ホストデバイス510とメモリデバイス540との間のデータロードに基づいて、またはホストデバイス510のプロセッサロードに基づいてトリガまたはスケールすることができ、より高いロードは、それほど破壊的でないインプリント回復保守を実行することに対応することができる。他の例では、システム500は、非機能的または低機能のモードを検出するように構成することができ(たとえば、システム500またはホストデバイス510が夜通し差し込まれているとき)、動作中のインプリント回復のための技法は、保守モードを支援するために、そのような検出に基づいて開始することができる。いくつかの例では、動作中のインプリント回復は、ホストデバイス510とメモリデバイス540との間のハンドシェイクまたは他の信号伝達を考慮することができ、様々な要件、動作モード、または他の考慮に基づいて、様々な態様を開始またはスケールすることができる。
【0170】
一例では、動作中のインプリント回復は、メモリデバイス540で自己リフレッシュ構成を利用することができる。たとえば、リフレッシュは、メモリアレイ555全体にわたって(たとえば、均一に)機能することができ、リフレッシュ動作は、インプリント検出トリガに基づいて、メモリデバイス540でより頻繁に実行する(たとえば、自己リフレッシュ動作の速度または頻度を増大させる)ことができる。増大されたリフレッシュ動作の速度または頻度は、インプリントの影響を軽減するバイアスをメモリセルに提供することができる。様々な例では、修正されたリフレッシュ動作は、通常動作に影響することも影響しないこともある、長くするべき1つもしくは複数の一時的な修正を含み、電圧を変化させ、または状態スワップ/反転を含むことができる。そのような技法は、メモリデバイス540の動作を遅くし、または電力消費を増大させることがあるが、そのような技法は、他の点では、インターフェースコンポーネント(たとえば、ホストデバイス510)の動作に対して透過的となることができ、メモリデバイス540とホストデバイスとの間の信号伝達または交渉を必要としなくてよい。他の例では、そのように長くすることは、比較的低性能の動作モードを示しまたは承認する(たとえば、実行するための認可を与える)信号伝達など、ホストデバイス510によるコマンドまたは信号伝達に関連付けることができる。
【0171】
いくつかの例では、動作中のインプリント回復は、メモリデバイス540におけるECCもしくはウェアレベリング動作に基づくことができ、そのような動作内に含むことができ、または他の形でそのような動作に関連付けることができ、比較的低重大度のトリガに基づいて、関連する動作を修正することができる。たとえば、ECCスクラブまたはウェアレベリングに従ってリフレッシュされている各ページに、比較的少量の回復(たとえば、比較的低振幅または低継続時間のバイアスまたはアクセス)を適用することができる。言い換えれば、ECCまたはウェアレベリングに関連付けられた動作またはアルゴリズムは、インプリント回復の目的で(たとえば、メモリセルインプリントの検出または推測に少なくとも部分的に基づいて)修正することができる。経時的に、そのような技法は、メモリアレイ555全体にわたって機能することができ、メモリアレイ555のアクセス動作はそれでもなお支援される。
【0172】
一例では、ECCコンポーネント570におけるECC補正カウントを(たとえば、状態ごと、遷移ごとに)監視することができ、監視したカウントが閾値を超過しまたは他の形で満足させる場合、インプリント保守をトリガまたは開始することができる。別の例では、ウェアレベリングの態様は、データを新しいページへシフトさせることに関連付けられた物理から論理へのポインタのシフトを含むことができる。そのようなシフトの前または後に、未使用の物理ページに回復処置を適用することができる。様々な例では、遷移中のページは、数回(たとえば、1,000回)の短いサイクル、または数回(たとえば、10回)の長いパルスによって、バイアスすることができる。
【0173】
そのような技法は、データまたは任意の他のリフレッシュを回転させることを含むメモリ管理の他の方法に適用することができる。たとえば、動作中のインプリント回復は、リフレッシュされているページに回復サイクルまたはバイアスを追加すること、自己リフレッシュの回数を増大させること、省略されるシステムリフレッシュの回数を減少させること(たとえば、メモリデバイス540が、システムリフレッシュを省略するように構成される場合)などを含むことができる。いくつかの例では、省略されるシステムリフレッシュの回数を減少させることは、いかなるシステム知識も必要とすることがなく(その部分がリフレッシュを省略すると仮定する)、それに応じて、ホストデバイス510とメモリデバイス540との間の特定の信号伝達なく支援することができる。速い回復(たとえば、個別回復イベントによる)を実行するときは、電圧をより高くすることができ、それほど深刻でないインプリントに対するより遅い回復は、より低い電圧を有することができる。
【0174】
様々な例によれば、記載する技法は、恒久的なもしくは単方向の動作の変化に対応することができ、または設定時間後、全アレイの設定通過回数後、もしくはアイドルモードで差し込まれていることなどの動作条件(たとえば、夜通しのバッテリ充電条件)に応答して、再び通常動作にリセットすることができる変化に対応することができる。いくつかの例では、動作中のインプリント回復は、特定のサブセットの動作ウィンドウを回復するために、メモリアレイ555のサブセット上で実行することができる。
【0175】
システム500が、インプリント回復方法の様々な選択肢の中から選択するように構成されるとき、いくつかの状況では、動作中の回復を実行するための選択が好ましいまたは有利になることがある。たとえば、動作中の回復は、複数の動作にわたって回復サイクルを広げることによって電力消費が問題となるとき、回復を提供するように実行することができる。いくつかの例では、そのような技法は低い温度より高い温度でより効果的となり得るため、そのような技法は、メモリデバイス540またはホストデバイスの比較的高い動作温度でトリガまたはスケールすることができる。加えてまたは別法として、そのような技法は、メモリデバイス540上で(たとえば、個別回復イベントより)比較的穏やかであってもよく、それに応じてメモリアレイ555の疲労または他の劣化の加速を受けにくい傾向になることがあり、そのような技法は、比較的早期の動作寿命(たとえば、メモリデバイスの早期寿命または中期寿命)でトリガまたはスケールすることができる。加えてまたは別法として、そのような技法は、回復動作のための利用可能時間に基づいてトリガまたはスケールすることができる。
【0176】
第3の組の例では、インプリント管理は、メモリデバイス540またはメモリアレイ555の動作を修正することによって、インプリント回復のための様々な技法を含むことができる。動作を修正することによるインプリント回復は、回復を促進することが意図された形で、メモリデバイス540またはメモリアレイ555の通常動作の様々な変化を指すことができ、許容可能な仕様範囲内で性能の低下(たとえば、電力消費の増大、帯域幅の低減、待ち時間の増大)を伴うことがある。いくつかの例では、動作を修正することによるインプリント回復のための記載する技法は、メモリアレイ555のサブセット上で順に実行される追加の動作または手順が存在しなくてもよいという点において、動作中のインプリント回復とは異なることがある。逆に、動作を修正することによるインプリント回復は、標準的な動作がどのように機能するかを変化させる様々な技法を指すことができる。それに応じて、全メモリアレイ555への記載の回復の適用は、メモリアレイ555による明示的なループではなく、メモリアレイ555の通常の使用によって示唆することができる。いくつかの例では、そのような技法は、メモリデバイス540もしくはメモリアレイ555の動作に対する比較的恒久的な変化、または少なくとも単方向の変化(たとえば、前の動作状態または構成に戻らない、パラメータの同じ方向への一連の変化)であることが意図されたものとすることができる。
【0177】
いくつかの例では、動作を修正することによるインプリント回復は、メモリデバイス540におけるパルス幅または振幅の柔軟性を利用することができる。たとえば、メモリデバイスの通常動作は、バイアス下のより短い継続時間などの比較的短いパルス(たとえば、読出しパルス、書込みパルス、リフレッシュパルス)、または早期寿命動作(たとえば、より低い電力消費、疲労または他の劣化のより低い速度)にとって好ましいことがある比較的低い振幅を有するパルスから始まることができる。検出または推測されたインプリント条件に基づいて、インプリント回復または頑強性を改善するために、パルス幅、パルス振幅、または両方を増大させることができる(たとえば、寿命の後期に)。いくつかの例では、そのような技法は、(たとえば、メモリデバイス540の、ホストデバイス510の)寿命の終了付近で適用することができ、インプリントに対する改善された抵抗は、対応するより高い電力消費または対応するメモリアレイ劣化の加速を受けるに足り得る。
【0178】
そのような技法の一例は、読出しパルス継続時間の増大、読出しパルス振幅の増大、または両方など、読出しパルスに対する選択的な修正(たとえば、読出し動作中に印加されるセルバイアス、活動化またはACTコマンドの発行時のセルバイアス)を含むことができる。いくつかの例では、そのような修正は、メモリアレイ555の正常化もしくは均等化された性能を回復すること、または他の形でインプリントに起因し得るメモリセル挙動の変化を補償することを支援することができる。そのような技法の別の例は、書込みパルス継続時間の増大、書込みパルス振幅の増大、または両方など、書込みパルスへの選択的な修正(たとえば、インプリント検出または予測に応答する)(たとえば、書込み動作またはライトバック動作中に印加されるセルバイアス、プリチャージまたはPREコマンドの発行時のセルバイアス)を含むことができる。
【0179】
別の例では、「開ページ」時間を修正することができ、これは、ページの活動化とページのプリチャージングとの間の時間中に、電圧または印加バイアスの継続時間を修正するための様々な技法を指すことができ、その時間は、別法として、ページを開くときとページを閉じるときとの間の時間と呼ぶこともできる。いくつかの例では、そのような技法は、ページの活動化とページのプリチャージングとの間の期間の継続時間を修正することを含むことができ、これは、行アクティブ時間(tRAS)または他のタイミングパラメータの増大に対応することができる。いくつかの例では、開ページ時間は、読出し動作の一部でも書込みまたは書換え動作の一部でもなくてよい。逆に、少なくともメモリアレイ555のメモリセルのうちのいくつかの観点から、開時間は待機状態を指すことができ、そのような状態中の修正は、他のタイミング仕様に影響することがない。それに応じて必ずしもタイミング性能に影響することなく、開ページ時間中のバイアスを様々な考慮に対して調節することができる。そのような期間中にバイアスを印加することは、インプリントを緩和するのに有益となり得るが、他の理由(たとえば、劣化、疲労、電力消費)では問題となることもある。それに応じて、インプリント管理の目的の開ページ時間に対する変化は、ホストデバイス510もしくはメモリデバイス540の動作寿命の比較的後期に、または特定の動作モードもしくは条件中に有効にすることができる。
【0180】
別の例は、メモリデバイス540におけるリフレッシュサイクルに対する様々な修正を含むことができる。たとえば、典型的なリフレッシュパルスは、比較的短い継続時間(たとえば、15~25ナノ秒)を有することができるが、インプリントの検出または推測に応答した修正は、リフレッシュをより長い継続時間(たとえば、200ナノ秒)に延ばすことを含むことができる。一例では、リフレッシュ動作は、様々な複数のサイクル(たとえば、トリガされたリフレッシュごとに2つのリフレッシュサイクルを実行する)を含むことがあり、これは実際的に、リフレッシュ動作中のバイアス下の時間を倍増させるはずである。それに応じて、インプリント回復のための動作に対するいくつかの修正は、リフレッシュされているページに対する回復処置を含むように、ページごとのリフレッシュ時間を長くすることを含むことができる。
【0181】
別の例では、ECCスクラブ特徴が有効にされたメモリデバイス540(たとえば、ECCコードワードをECCエンジンに通してエラーを補正し、次いで補正されたデータを再びアレイに書き込む)の場合、低重大度のインプリント監視の警告に応答して、スクラブ周波数を選択的に増大させることができる。
【0182】
動作を修正することによるインプリント回復のための技法は、様々な基準に基づいて選択またはスケールすることができる。たとえば、様々な技法は、メモリデバイス540またはホストデバイス510の動作温度に基づいて選択またはスケールすることができる。一例では、他の動作またはバイアスパターンが、より高い温度でインプリントを緩和するのに十分に効果的となり得るため、動作を修正することによるインプリント回復技法は、より高い動作温度でオフにされまたは抑制される。別の例では、様々な技法は、コンポーネントの使用年数に基づいて、選択またはスケールすることができる。たとえば、動作を修正することによるインプリント回復技法は、ホストデバイス510もしくはメモリデバイス540の検出された使用年数もしくは摩耗が、そのような技法に関連付けることができる摩耗もしくは疲労の加速を低減させるための閾値を下回りもしくは他の形で閾値を満足させるとき、無効にしもしくは抑制することができ、またはホストデバイス510もしくはメモリデバイス540の検出された使用年数もしくは摩耗が、閾値を超過しもしくは他の形で閾値を満足させるとき、有効にすることができる。なぜなら、インプリント管理の利益が、そのような摩耗または疲労の加速の影響を少なくし得るからである。
【0183】
システム500が、インプリント回復方法の様々な選択肢の中から選択するように構成されるとき、いくつかの状況では、メモリデバイス540またはメモリアレイ555のうちの1つもしくは複数の動作を修正することによるインプリント回復のための選択が好ましいまたは有利になることがある。いくつかの例では、動作を修正することによるインプリント回復は、比較的低量の回復が必要とされるとき、通常動作および近ピーク性能が必要とされるとき、または電力利用可能性が比較的低くもしくは制限されているときなど、比較的穏やかな、比較的遅い、または比較的弱い回復を提供するために使用することができる。いくつかの例では、動作を修正することによるインプリント回復は、低い重大度で、またはホストデバイス510もしくはメモリデバイス540の早期寿命中に適用することができることが好ましいが、そのような技法は、寿命の後期段階で有益となり得る。いくつかの例では、動作を修正することによるインプリント回復は、電力が制限されているとき、または比較的制限された時間が回復のために利用可能であるときに、適用することができることが好ましい。いくつかの例では、そのような技法は、メモリデバイス540とホストデバイスとの間の信号伝達を必要としないことがあり、その場合、そのような技法は、埋込みの応用例で適用することができることが好ましい。
【0184】
他の例では、回復動作は、特定の状況下で抑制することができる。たとえば、インプリントが検出または予測されたが、対応する重大度が低いと判定された場合、システム500は、回復動作を抑制するように、または他の形で回復動作を実行しないように構成することができ、それによりセルの不必要な疲労を低減させることができる。他の例では、デバイスの使用年数に応じて回復動作を回避または抑制することが好ましくなり、これにより、この回復方法によって引き起こされまたは悪化させられる可能性のある早期寿命終了障害を防止または緩和することができる。たとえば、メモリデバイス540または1つもしくは複数のメモリアレイ555が比較的古く、または動作寿命の後期である場合、メモリアレイ555のメモリセル上で疲労および応力に誘起される漏れ電流を低減させるために、絶対に必要になる(たとえば、回復動作を実行するために比較的高い閾値を有する)まで、回復動作を抑制することが有利となり得る。別の例では、システム500が、回復を何回も試行した後にメモリアレイ555の一部分を回復することができない場合(たとえば、メモリアレイ555の一部分が動作寿命の終了またはその付近にあるという指示)、メモリアレイ555のうち以前として機能している部分での作を可能にするために、メモリアレイ555のその部分上の回復を無効にすることができる。いくつかの例では、電源または電力の利用可能性に基づいて、回復動作を回避または抑制することができる。たとえば、利用可能な電力または電力ストレージが比較的低い場合(たとえば、抜取りモード、バッテリ専用モード、低バッテリ状態)、電力消費を低減させるために、回復動作を抑制または縮小することができる。いくつかの例では、システム500の電力状態は変化することがあり(たとえば、ホストデバイス510を有線電源に差し込むことができる)、ホストデバイス510は、保守動作のための利用可能性を示すことによって応答することができ、したがってメモリデバイス540は、インプリント回復動作を進めることができる。
【0185】
いくつかの例では、システム500は、記載するインプリント回復動作の一部として、検出されたインプリントの重大度を考慮するように構成することができる。たとえば、インプリント監視のための様々な技法は、インプリント重大度を検出または予測するように構成することができ、異なる重大度閾値に従って、応答を開始または構成することができる。一例では、重大度監視が比較的低い閾値を超過し、メモリアレイ555が依然として機能している場合、動作中の回復または修正された動作による回復など、「低重大度」の回復応答をトリガすることができる。いくつかの例では、これは、広範な機能障害の前に、保守モードとして回復を使用することを含みまたは指すことができる。別の例では、重大度監視が比較的高い閾値を超過し、メモリアレイ555が機能しない場合、またはエラーがECC補正を圧倒する場合、メモリアレイ555全体上での個別回復イベントなど、「高重大度」の回復応答をトリガすることができる。いくつかの例では、これは、メモリアレイ555の機能上の能力の回復を含みまたは指すことができる。
【0186】
いくつかの例では、システム500は、記載するインプリント回復動作の一部として、検出されたインプリントの指向性を考慮するように構成することができる。たとえば、いくつかのインプリント検出技法は、インプリントの存在または重大度を、1つの論理状態の障害に関するものと別の論理状態の障害に関するものとの間で見分けることが可能である。加えてまたは別法として、1つの方向または別の方向におけるインプリントの傾向を、他の形で認識または予測することができる(たとえば、1つの論理状態または別の論理状態に関係する既知のまたは予測されたインプリント現象に基づいて)。それに応じて、特定の論理状態に関係するインプリントの優位性を使用して、その論理状態におけるインプリントに対抗するための回復方法を選択またはスキューすることができる。
【0187】
いくつかの例では、システム500は、記載するインプリント回復動作の一部として、温度(たとえば、ホストデバイス510の動作温度、メモリデバイス540の動作温度、メモリアレイ555の動作温度)を考慮するように構成することができる。たとえば、いずれの回復方法が使用されても、バイアスの大きさ、バイアスの時間、またはサイクル数などのパラメータが、デバイスの現在の温度によって変動する可能性がある。いくつかの例では、より高い温度で、回復をより速く、または他の形でより容易にすることができ、したがってより低いバイアスまたはより少ないサイクルで、所与の回復を支援することができる。それに関連して、より低い温度で、回復はより遅く、または他の形でより困難になることがあり、したがって所与の回復を支援するために、より高いバイアスまたはより多くのサイクルが必要とされることがある。いくつかの例では、回復は、低い温度によって拘束することができ、したがってホストデバイス510またはメモリデバイス540が比較的低い温度で動作しているとき、特定の回復技法を選択する必要があることがある。
【0188】
いくつかの例では、システム500は、記載するインプリント回復動作の一部として、電力条件(たとえば、ホストデバイス510またはメモリデバイス540の電力供給または電力利用可能性)を考慮するように構成することができる。たとえば、インプリント回復方法の選択は、ホストデバイス510またはメモリデバイス540が低電力状態で動作しているか、バッテリで動作しているか、それとも(たとえば、主線形電源に)差し込まれているかなど、利用可能な電力に依存することができる。別の例では、平行性(たとえば、同時に回復されている行またはページの数)が、差し込まれたときのインプリント回復の平行性の増大など、電力条件に基づくことができる。様々な例では、そのような技法は、ホストデバイス510の性能モード、ホストデバイス510の電力状態、または他の検出もしくは推測された入力電力条件に対応することができ、または他の形でこれらを考慮することができる。
【0189】
いくつかの例では、システム500は、記載するインプリント回復動作の一部として、メモリデバイス540の使用年数、メモリアレイ555の使用年数、またはホストデバイス510の使用年数を考慮するように構成することができる。たとえば、デバイスは概して、早期寿命、中期寿命、および後期寿命と呼ばれる3つの使用年数範囲を受けると考慮することができ、これはバスタブ曲線に対応することができる。様々な例では、様々なインプリント回復技法を選択またはスケールするために、デバイス寿命のそのような説明もしくは特徴付け、または他の監視をメモリデバイス540、ホストデバイス510、または両方によって追跡することができる。
【0190】
(たとえば、メモリデバイス540の、ホストデバイス510の、システム500の)早期寿命条件中は、メモリアレイ555内の「ウェイクアップ」を誘起するために、回復方法を使用することができる。たとえば、早期寿命回復は、組立てもしくは包装プロセス(たとえば、設置、据付け、基板上のはんだ付け、パッケージオンパッケージモールド化合物の硬化、ろう付け中の製造動作)の定義された熱応力に対するシステムによってトリガされる保守応答とすることができ、または使用カウンタの状態を追跡することによって行うことができる。いくつかの例では、早期寿命回復技法は、対称の低いバイアスがパルス幅を延ばしてメモリアレイ555を穏やかに起動することによって、比較的少ないサイクルの方へ選択的に傾くことができる。
【0191】
(たとえば、メモリデバイス540の、ホストデバイス510の、システム500の)中期寿命条件中は、より顕著なまたは予期されない熱応力イベントから回復するために、回復方法を使用することができる。たとえば、(たとえば、メモリデバイス540の、ホストデバイス510の、システム500の)中期寿命条件中、デバイスは、インプリント、疲労、漏れなどの複数の障害機構を受けることがある。これらのイベントは、使用カウンタまたはシステムトリガの利益がなければ、中期寿命障害から分離するのが困難なことがある。中期寿命回復技法は、メモリデバイス540またはホストデバイス510によってトリガすることができ、事前構成された技法、またはメモリアレイ555全体上の個別回復イベント、動作中の回復、もしくは修正された動作による回復の中の選択を含むことができる。いくつかの例では、中期寿命は、「非早期寿命」(たとえば、2進フラグ)として、または使用カウンタ(たとえば、アクセス動作カウンタ、オドメータ)によって定義することができ、いずれも回復方法の選択またはスケールに適用することができる。
【0192】
(たとえば、メモリデバイス540の、ホストデバイス510の、システム500の)後期寿命条件中は、回復方法がより極端になる傾向があり、書込みバイアスまたは読出しバイアスを増大させることなどで、標準的な動作への修正を強調することができる。いくつかの例では、後期寿命回復は、「全か無か」の応答として特徴付けることができ、ホストデバイス510またはメモリデバイス540は、動作寿命がそれほど残っていないことがあり、インプリント回復の利益は、寿命におけるいかなる対応する劣化よりも大きいことがある。いくつかの例では、後期寿命は、「後期寿命」フラグ(たとえば、2進フラグ)として、または使用カウンタ(たとえば、アクセス動作カウンタ、オドメータ)によって定義することができ、いずれも回復方法の選択またはスケールに適用することができる。
【0193】
使用年数または摩耗評価は、システム500において様々な技法によって支援することができる。たとえば、メモリデバイス540は、ダイ上の使用カウンタを含むことができ、(たとえば、メモリデバイス540で、ホストデバイス510で)このカウンタを事前定義された1組の寿命使用閾値と比較して、メモリデバイス540が早期寿命条件を満足させるか、中期寿命条件を満足させるか、それとも後期寿命条件を満足させるかを識別することができる。別の例では、ホストデバイス510またはメモリデバイス540は、早期寿命、中期寿命、または後期寿命条件に対応するフラグまたは他の指示を設定するコントローラを含むことができる。たとえば、早期寿命フラグは、最終的なシステムの組立てもしくは基板のはんだ付け後、または初期ブートアップおよびシステム試験時に設定することができ、何らかの継続時間または他の動作閾値後にトグルすることができる。
【0194】
いくつかの例では、インプリント管理技法はまた、メモリアレイ555のためのデータ保存の態様を考慮することができ、これは、インプリント回復が適用されるメモリセルによって記憶されているデータを保存することを試行するかどうかに関して、静的構成または選択的動作の様々な例を含むことができる。
【0195】
一例では、インプリント回復方法は、回復処置を受けるメモリアレイ555のサブセットからのデータを、同じメモリアレイ555、異なるメモリアレイ555、または補助メモリデバイス590の別のメモリアドレスなどの代わりの位置にコピーすることによって、メモリアレイ555内に記憶されているデータを保存することを試行することができる。たとえば、インプリント回復プロセスは、メモリアレイ555の異なるサブセットへデータをコピーし、論理から物理へのアドレススクランブルを再マッピングすることを含むことができ、回復処置は、即座に、またはアイドル状態に入るときに実行することができる。別の例では、データは、周期的な反転ライトバック動作のいくつかの回数の繰返しを実行し、所与の数のサイクルに対してアレイのサブセットのデータ状態を本質的に反転させることによって、局所的に保存することができる。いくつかの例では、そのようなデータ保存は、インプリント検出または評価動作が低重大度の警告を送達した場合に有効にすることができ、回復不能なエラーなく、依然としてデータをアレイから読み出し、アレイへ書き込むことができる。言い換えれば、メモリアレイ555が回復不能なエラーを受けていない場合、システム500は、データ保存を試行するように構成することができる。
【0196】
別の例では、(たとえば、感知コンポーネント250の)感知増幅器またはラッチ内へデータを読み出し、バイパスモードで感知増幅器またはラッチに保持することができ、メモリアレイ555のバイアスまたは循環は、感知増幅器またはラッチを上書きしない。様々な例では、回復動作後、回復されたメモリセルからのデータを、感知増幅器もしくはラッチから同じ位置へ戻すことができ、または回復されたメモリセルからのデータを、感知増幅器もしくはラッチから異なる位置へ動かすことができ、回復されたメモリセルは、他のデータにとって利用可能となることができる。
【0197】
いくつかの例では、回復方法は、データを保存することを試行しないことがある。たとえば、インプリント障害が既知である場合、システム500は、データ保存に時間を費やすのを回避するように構成することができ(たとえば、データ保存を抑制することができる)、それによりインプリント回復の特定の態様を加速させることができる。そのような動作または抑制は、エラーなくメモリアレイ555からデータを読み出すこともしくはメモリアレイ555にデータを書き込むことができないとき、またはデータ保存に対するユーザ予期が存在しないとき(たとえば、ブートアップ動作中、メモリデバイス540もしくはメモリアレイ555が揮発性モードで構成されるとき、または他の形で必要とされる情報を記憶していると予期されないとき)、高重大度インプリント監視障害に応答して選択的に実行することができる。
【0198】
いくつかの例では、インプリント回復中のデータ保存の態様は、メモリデバイス540がある程度の不揮発性を支援することが予期される応用例において(たとえば、メモリデバイス540が不揮発性RAMとして動作するように構成されるとき)に、特に考慮することができる。たとえば、システム500は、データ階層または他のストレージ階層によって構成することができ、メモリデバイス540の目的は、比較的高速のストレージを提供することとすることができる。一例では、メモリデバイス540は、他の補助メモリデバイス590と比較すると速い仮想メモリ機能を提供するように構成することができる。いくつかの例では、これは、迅速に初期化するように(たとえば、メモリデバイス540が電源切断されるスリープモードから起動するように)、メモリデバイス540のメモリアレイ555を不揮発性モードで動作させることを含むことができる。そのような場合、低電力モードに入る前に、システム500は、仮想メモリ内のデータが補助メモリデバイス590へフラッシュ(たとえば、コピー)されるように構成することができ、補助メモリデバイスは、メモリデバイス540より大きい程度の不揮発性またはインプリント抵抗を支援することができ、または支援するように予期することができる。言い換えれば、メモリデバイス540は、高速ブートを支援する(たとえば、記憶された情報がまだ存在する確率を利用する)ように構成することができるが、メモリデバイス540におけるそのようなデータの存在に明示的にまたは単独で依拠することはできない。たとえば、システム500は、メモリデバイス540の情報を使用して初期化することを試行するように構成することができ、障害(たとえば、ブート失敗)の場合、インプリント管理技法(たとえば、検出動作、回復動作)は、補助メモリデバイス590にコピーされた情報を使用して初期化が試行される前、その間、またはその後に、メモリデバイス540上で実行することができる。
【0199】
フラッシュ、コピー、または他の冗長性技法は、加えてまたは別法として、アドレス空間識別子(ASID)によるフラッシュ、プログラムおよびオペレーティングシステムデータによるフラッシュ、ユーザによるフラッシュ、プログラム対データに従ったフラッシュ、または他の構成もしくは開始によるフラッシュもしくはコピーを含むことができ、それに応じて様々な動作管理スキームを構成することができる。たとえば、メモリデバイス540にアクセスしているときのエラーが、通常のECC動作によって回復不能であるとき、エラー回復中にページテーブルまたはマップ(たとえば、仮想メモリマップ、データ冗長性マップ)を使用してデータを引き戻すことができ、そのようなページテーブルまたはマップは、異なるメモリアレイ555または補助メモリデバイス590(たとえば、フラッシュメモリ、ハードディスク、または他のストレージ)に記憶されているデータを含むことができる。言い換えれば、これらおよび他の技法によれば、システム500は、メモリアレイ555からデータを引き出すか、それとも他のメモリ(たとえば、別のメモリアレイ555、または補助メモリデバイス590)からそのコピーを引き出すかを判定するように構成することができ、これは、異なる(たとえば、より大きい)程度の不揮発性または他のインプリントの程度の差を有することができる。データのコピーにアクセスするための位置を判定するそのような技法は、本明細書に記載するインプリント管理の様々な技法と組み合わせることができる。
【0200】
メモリ階層において記載する技法を適用する別の例では、システム500は、インプリント検出またはインプリント回復中に、メモリデバイス540からの情報を補助メモリデバイス590へコピーするように構成することができる。たとえば、システム500は、メモリデバイス540のインプリントされたメモリセルへ情報を再び書き込むときに他の場合には失われるはずの情報をバックアップまたは回復する(たとえば、補助メモリデバイス590へデータをバックアップする)ための試行として、そのような技法を適用するように構成することができる。そのような技法は、DRAMまたはFeRAMアーキテクチャを用いる補助メモリデバイス590など、比較的速い動作のために構成された補助メモリデバイス590によって適用することができることが好ましい。
【0201】
いくつかの例では、システム500は、様々な考慮に基づいて、データ保存の様々な態様を選択的に有効化または構成するように構成することができる。たとえば、メモリデバイス540のECC補正が失敗した場合、システム500は、メモリデバイス540内のデータが破損されている可能性があり、したがってインプリント回復中にメモリデバイス540または特定のメモリアレイ555内のデータを保存する必要はない(たとえば、代わりに、別の位置内に記憶されているデータに依拠する)と理解するように構成することができる。別の例では、システム500は、メモリデバイス540の揮発性または不揮発性の構成などのシステムまたは製品制約に基づいて、様々な動作を実行するように構成することができる。たとえば、システム500が、メモリデバイス540を不揮発性モードで使用するように構成され、またはそうでなければ、メモリデバイス540が、不揮発性のために構成されない場合、システム500(たとえば、ホストデバイス510、メモリデバイス540)は、メモリデバイス540またはその動作を不揮発性として識別するフラグまたはモードレジスタを設定し、それに応じてインプリント管理技法を実行することができる。いくつかの例では、電力投入後または他の形でメモリデバイス540の動作中に、インプリント回復が実行されている場合、メモリアレイ555の所与のサブセットでデータ保存が必要とされないという指示をシステム500が提供しない限り、データを保存することが必要になることがある。別の例では、本明細書に記載する様々なインプリント回復技法は、別のメモリアレイ555または補助メモリデバイス590内でバックアップ位置が利用可能であるかどうかの検出に基づいて、選択的に有効化または構成することができる。たとえば、インプリント検出限界もしくは閾値は、そのような検出の存在もしくは不在に基づいて設定することができ、またはそのような検出の存在もしくは不在に基づいて様々な回復タイプを選択することができる。
【0202】
いくつかの例では、記載する技法のうちの1つまたは複数は、セキュリティの脆弱性、悪意のある攻撃、または不注意による有害なアクセスパターンの態様を緩和または解決するために利用することができる。たとえば、メモリデバイス内の不揮発性がプロセッサに近づくと(たとえば、メモリ階層に従って)、システムアーキテクチャの構成は、メモリデバイス内のデータ保持障害の可能性、およびそのような障害を引き起こす可能性のある機構(たとえば、インプリントまたは何らかの他の現象によるかどうか)を考慮することが必要になることがある。いくつかの例では、メモリデバイス540内のインプリントは、特定の脆弱性に関連付けることができ、それに応じて、ホストデバイス510、メモリデバイス540、またはシステム500全体は、そのような脆弱性を解決し、またはそのような脆弱性に対する免疫もしくは頑強性を改善するように構成することができる。
【0203】
一例では、メモリデバイスは、ロウハンマーなど、アクセスパターンへのセキュリティまたは動作の脆弱性を有することがあり、ロウハンマーは、メモリデバイスの異なる部分へのアクセスを得るために使用することができる。場合により、インプリントまたは他の形で劣化させられたメモリセルが利用されることもある。たとえば、ホストデバイス510(たとえば、ホストデバイス510のCPU)が、メモリデバイス540のエラーに応答して推測上のイベントを進めた場合、メモリデバイス540のインプリントまたは他の障害もしくは現象が、そのようなイベントをトリガするソースとなることがある。頑強性およびセキュリティを改善するために、システム500は、そのような脆弱性を緩和するために、メモリデバイス540(たとえば、インプリント検出コンポーネント560、インプリント回復コンポーネント565、メモリコントローラ550)とホストデバイス510(たとえば、インプリントマネージャ525、ホストデバイスコントローラ520)との間の何らかのレベルのハンドオフによって構成することができる。いくつかの例では、本明細書に記載するものなどのインプリント検出技法は、そのような利用が中断されるように構成することができる。
【0204】
一例では、ブートアップイベント、または保守もしくは回復イベント(たとえば、インプリント検出イベント、インプリント回復手順)中に、回復不能なデータエラー(たとえば、1つまたは複数の失敗したビット)を識別することができる。様々な例では、意図的な工作、不注意による有害なアクセスパターン、またはランダム障害の結果、回復不能なECCエラーが生じる可能性がある。たとえば、意図的な利用に関して、有害な行為者が、メモリアレイ555の重要な位置のビットを意図的にインプリントすることがあり、またはインプリントされたバイアス方向、もしくはデータ保持に対して他の相対的な弱さを有するアレイ内のメモリセルを識別し、これらのメモリセル上でエラーが発生するように工作する(たとえば、インプリントまたは他の劣化されたデータ記憶能力を有することが分かっているメモリアレイ555の位置に重要なデータを書き込む)ことがある。加えてまたは別法として、保持障害に工作し、または放射による不揮発性動作のための構成されたメモリデバイス540に衝撃を与えようと試行して、メモリデバイス540、ホストデバイス510、またはシステム500を意図的に電源遮断することによって、ランダムな利用が生成される可能性がある。いくつかの例では、ホストデバイス510(たとえば、ホストデバイス510のCPU)が破損データまたはコードを受信したとき、ホストデバイス510は、予測不能に分岐することがある。良好な状況下では、そのような分岐は単に、ホストデバイス510またはシステム500のクラッシュを招くことがある。そのようなクラッシュを回避する(たとえば、不都合を回避する)ことは有益となり得るが、そのようなクラッシュは、他の下流を伴うことはない。しかし過酷な条件下では、分岐はセキュリティ上の問題を表すことがある。
【0205】
本開示の態様によれば、インプリントまたは何らかの他の原因に関係するかどうかにかかわらず、システム500(たとえば、メモリデバイス540、ホストデバイス510)が、補正不能なECCエラーなどのエラーを識別するとき、システム500は、セキュリティの脆弱性を緩和または解決するために、様々な動作および信号伝達を進めるように構成することができる。
【0206】
様々な例によれば、メモリデバイス540は、書き込まれるまたは他の形でデータを記憶するメモリアレイ555内のメモリセルの能力を弱くすることがあるアクセスパターンなど、メモリデバイス540の記憶特性に悪影響を与えることがあるデータエラー(たとえば、補正不能なエラー)またはアクセスパターン(たとえば、1つまたは複数の読出しコマンド、1つまたは複数の書込みコマンド)を検出することができる。そのような検出は、たとえば、システム500の(たとえば、メモリデバイス540の)ブート動作中または通常動作中に行うことができる。いくつかの例では、メモリデバイス540は、ホストデバイス510に推測上の分岐を開始または他の形で実行させる可能性があるアクセスパターンを検出することができる。いくつかの例では、メモリデバイス540は、強誘電キャパシタ(たとえば、FeRAMの応用例)のインプリント、別のタイプのキャパシタ(たとえば、DRAMの応用例)のインプリント、材料メモリ要素のインプリント、または他のタイプのインプリントを引き起こし得る条件を伴うことがある、インプリント攻撃を識別するまたは強制インプリントを識別することができる。いくつかの例では、メモリデバイス540は、データエラーがメモリデバイス540における(たとえば、ECC手順の)補正能力を超えると判定することができる。
【0207】
そのような検出に応答して、メモリデバイス540は、正常に機能することを(たとえば、少なくとも一時的に)停止させることを判定することができ、これは、不揮発性に違反しているという仮定または構成に関係することがある。いくつかの例では、これは、メモリデバイス540がセーフモードに入ること、保守モードに入ること、もしくは回復モードに入ること、またはこれらの何らかの組合せを含むことができる。いくつかの例では、メモリデバイス54は、メモリアレイ555上でインプリント回復動作などの回復動作を開始することができ、いくつかの例では、システム500の別の部分から(たとえば、異なるメモリアレイ555から、補助メモリデバイス590から)データを回復することができる。いくつかの例では、メモリデバイス540は、動作を完全に、または少なくとも次の初期化またはブート動作(たとえば、ホストデバイス510によって開始される)まで、やめることを判定することができる。
【0208】
加えてまたは別法として、メモリデバイス540は、暗示的な信号伝達もしくはその欠如によって、または明示的な信号伝達によって、ホストデバイス510にエラーを示すように構成することができる。いくつかの例では、メモリデバイス540は、メモリデバイス540の(たとえば、メモリコントローラ550の)アドレスデコーダをロックもしくは非活動化し、またはメモリデバイス540の(たとえば、1つまたは複数のメモリアレイ555の)特定のアドレスをロックアウトすることができる。いくつかの例では、メモリデバイス540は、(たとえば、要求されたデータではなく)ランダムデータを返すように構成することができ、ホストデバイス510は、そのデータをエラー指示として解釈することができる。いくつかの例では、メモリデバイス540は、ホストデバイス510への応答を保留または抑制する(たとえば、ホストデバイス510からのコマンドを無視する)ように構成することができ、したがってメモリデバイス540は、少なくとも一時的に完全にロックアウトされたと見なすことができる(たとえば、ホストデバイス510の観点から)。いくつかの例では、メモリデバイス540は、例外を強制するメッセージをホストデバイス510へ送信し、応答の責任をホストデバイス510に渡すように構成することができる。いくつかの例では、メモリデバイス540の応答は、故意に工作されたブルースクリーンイベントなどの障害をホストデバイス510で意図的に引き起こすように構成することができる(たとえば、セキュリティの脆弱性をさらしまたは悪意のあるアクセスを許す可能性があるエラーからの回復を試行しない)。
【0209】
いくつかの例では、メモリデバイス540は、動作制御を保守モードにハンドオフまたは認可(たとえば、スイッチ)し、それによってアクセスまたは他の動作が悪意のあるインプリントを許すことを回避または抑制するように構成することができる。いくつかの例では、そのようなハンドオフに付随して、メモリデバイス540は、メッセージまたは他の信号伝達をホストデバイス510へ送信してもよく、それによってホストデバイス510で例外を強制することができる。いくつかの例では、そのような信号伝達に付随して、メモリデバイス540は、ECCエラーを有するアドレスをホストデバイス510へ示すことができる。
【0210】
いくつかの例では、ホストデバイス510は、メモリデバイス540のエラーを認識し、別のメモリアレイ555または補助メモリデバイス590などの別の位置からデータを回復することを試行するように構成することができる。言い換えれば、ホストデバイス510は、メモリデバイス540によってアクセス動作を実行することを試行することができ、メモリデバイス540の回復不能なエラーを検出したことに基づいて(たとえば、暗示的に、メモリデバイス540からの応答の特性もしくは応答の欠如に基づいて、または明示的に、メモリデバイス540からの特に構成された信号伝達に基づいて、メモリデバイス540におけるインプリントもしくは他の劣化の検出もしくは予測に基づいて)、ホストデバイス510は、補助メモリデバイス590に少なくとも部分的に基づいて、データ(たとえば、バックアップデータ、冗長データ)を回復することを試行することができる。一例では、そのようなデータ回復は、エラーを有するアドレスにアクセスしたとき、メモリデバイス540がそのようなエラーのアドレスを信号伝達すること、またはECCエラーを返すことによって容易にすることができる。いくつかの例では、そのような信号伝達は、メモリデバイス540が、読出し動作の要求されたデータの代わりに障害を信号伝達することを含むことができる。それに応じて、ホストデバイス510は、最初に要求されたデータをバックアップ位置から引き出すことを試行することができる。
【0211】
システム500は、様々な手順に従って、そのような条件から回復するように構成することができる。たとえば、ホストデバイス510は、トランスレーションルックアサイドバッファ(TLB)、キャッシュテーブル、または任意の他の論理もしくは仮想アドレスマッピングなどのアドレスのテーブルを使用することによって、回復を実行することができる。そのようなテーブルまたは他のルックアップ資源を使用して、ホストデバイスは、破損された可能性のあるデータを交換するために、代替ストレージからデータを回復することを試行することができる。いくつかの例では、そのような手法は、ブルースクリーンイベントを防止するなど、ホストデバイスにおける他の障害を防止することができる。いくつかの例では、この手法により、ホストデバイス510がメモリデバイス540におけるECCエラーから回復することを有効にすることができる。いくつかの例では、ホストデバイスのプロセッサ(たとえば、CPU)へ例外を渡すことができ、それにより新しいブート動作を開始することができ、ホストデバイス510は、メモリデバイス540を使用することを(たとえば、事前構成された再試行回数だけ)再試行し、または補助メモリデバイス590を使用するように構成することができる。
【0212】
そのような回復の一例では、システム500は、パリティビットがシステム500内の別の場所に(たとえば、メモリデバイス540とは別個に)記憶されるように構成することができる。言い換えれば、メモリデバイス540へデータを書き込むとき、そのデータに関係するパリティビットを、補助メモリデバイス590に書き込むことができる。そのような例では、システム500は、ホストデバイス510が、複数のメモリデバイス(たとえば、少なくとも1つの補助メモリデバイス590)を使用して、メモリデバイス540におけるデータエラーを補正することを試行することができるように構成することができ、これは、メモリデバイス540で実行または支援されるもの(たとえば、チップレベルまたはダイ上のECCスキーム)より高度なエラー補正スキーム(たとえば、ホストデバイス510で調整される)を実行することを含むことができる。
【0213】
いくつかの例では、そのようなスキームは、メモリデバイス540のビットフリッパによって支援または拡張することができ、それにより特定のタイプの悪意のある攻撃に対するメモリデバイス540の頑強性を改善することができる。たとえば、反転ライトバックを含むビットフリッパ機能は、反転ライトバック自体がインプリントの特定の態様を抑制または回復することができるため、悪意のあるインプリントに対する頑強性を本質的に増大させることができる。しかし、記載する技法は、他の悪意のある攻撃、または反転ライトバックではインプリントを抑制もしくは防止するのに不十分な攻撃を阻止することができる。さらに、記載する技法は、特定の反転ライトバック技法、または利用され得るインプリントもしくは他のメモリ劣化に対する他の固有の抵抗によって構成されていないシステム500またはメモリデバイス540にとって有益である。
【0214】
図6は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するプロセスフロー600の一例を示す。プロセスフロー600の特徴は、
図1~
図5を参照して説明するように、メモリデバイス(たとえば、
図1~
図5を参照して説明したメモリデバイス110、メモリダイ160、メモリダイ200、またはメモリデバイス540)、またはメモリデバイスの1つもしくは複数のコンポーネント(たとえば、デバイスメモリコントローラ155、ローカルメモリコントローラ165、ローカルメモリコントローラ265、メモリコントローラ550、またはインプリント検出コンポーネント560)によって実施または実行することができる。いくつかの例では、記載する技法のうちの1つまたは複数は、ホストデバイスにオフロードすることができる(たとえば、
図5を参照して説明したホストデバイス510またはインプリントマネージャ525によって実行または他の形で制御される)。
【0215】
場合により、メモリアレイのメモリセル上でインプリント検出手順を実行するとき、メモリセルによって記憶されている論理状態は、インプリント検出手順の観点からランダムとすることができる。たとえば、メモリセルによって記憶されている論理状態は未知であり、またはそうでなければ、インプリント検出手順を支援するように具体的に構成されていないことがある。言い換えれば、メモリデバイスは、場合により、615において、前に記憶されたデータがインプリント検出手順に関連しない(たとえば、関係しない、特有でない)メモリセル上で、インプリント検出手順を実行することができる。たとえば、インプリント検出手順が実行されるメモリアレイのメモリセルは、インプリント検出手順の前(たとえば、インプリントに関連付けられた条件の前)に、アプリケーションデータを記憶するために使用されている可能性がある。そのような場合、メモリデバイスは、615においてインプリント検出手順を開始する前にメモリセルに偶然記憶されているどんなデータでも、潜在的にインプリントされたデータ、または潜在的にインプリントされた論理状態として使用することができる。そのような場合、メモリデバイスは、615においてインプリント検出手順で使用されるメモリアレイの評価されたメモリセル全体またはその一部にわたって、論理状態の混合を支援するものとして、記憶データのランダム度に依拠することも依拠しないこともある。
【0216】
他の場合、615においてインプリント検出手順を実行する前に、メモリデバイスは、605において、評価されるべきメモリセル(たとえば、アレイのサブセット)に実施(たとえば、既知、事前構成)データを書き込むことができ、したがって次のインプリント検出手順の場合、メモリデバイスは、これらのメモリセル上でインプリント検出手順を実行し、実施データを潜在的にインプリントされた論理状態として処理することができる。メモリデバイスは、インプリント検出手順を開始することを判定する前(たとえば、610における停止および次の再活動化の前)に、様々な技法に従って、予防的に実施データを書き込むことができる。実施データを書き込むことは、メモリデバイスが(たとえば、インプリント評価のためのセルのサブセットの)すべてのメモリセルを、同じ論理状態に書き込むこと(たとえば、「固体」実施データを書き込むこと)、論理状態の所望の混合に書き込むこと(たとえば、「混合」実施データに書き込むこと、既知のまたは事前構成された割合の異なる論理状態に書き込むこと)、または既知のパターンの論理状態(たとえば、交互の論理状態、「チェッカボード」パターン))に書き込むことを含むことができる。
【0217】
一例として、メモリデバイスは、1つまたは複数のコピーワード線またはページ(たとえば、ウェアレベリングまたは他の手順によって利用可能になるメモリセル、メモリページ、またはメモリセクション)を、605において実施データを書き込むべきメモリセルのサブセットとして使用することができる。いくつかの例では、メモリコントローラは、ウェアレベリング手順またはアルゴリズムに基づいて、メモリアレイのうちの1つまたは複数のメモリセル間で、または補助メモリデバイスと、データを伝達することができる。ウェアレベリングは、たとえば、メモリアレイ内の1つの物理位置から別の物理位置へ、またはメモリアレイにわたって、もしくはメモリアレイ間で、アプリケーションデータを伝達することを含むことができ、それにより、メモリアレイの1つのメモリセルまたはサブセットが、別のメモリセルまたは別のサブセットより多く(たとえば、大幅に多く)書き込まれるまたは読み出されることを防止することができる。過度のアクセスは、それほど頻繁にアクセスされていないメモリセルと比較すると、過剰に使用されたメモリセルの寿命を減少させることがあり、したがってウェアレベリングは、早すぎる段階でメモリセルに障害を起こし得る個々のメモリセルの過剰使用から、メモリデバイスを保護することができる。
【0218】
場合により、メモリアレイは、余分(たとえば、予備)のメモリセル、行、またはページを含むことができ、それによりメモリアレイ内のアプリケーションデータの伝達または他の形でシフトを支援することができる。いくつかの例では、メモリアレイ内のそのような空間、またはアプリケーションデータのそのようなシフトは、ウェアレベリング機能の一部とすることができる。いくつかの例では、そのような予備のメモリセルを間隙メモリセルと呼ぶことができ、または1つもしくは複数の間隙ワード線もしくは間隙ページに関連付けることができる。したがって、動作または構成のこれらおよび他の態様の結果、任意の所与の時間で、メモリアレイのいくつかのメモリセルは、アプリケーションデータを能動的に記憶していないことがあり、またはそのようなデータは、メモリデバイスもしくはホストデバイスにとって重要でないことがある。
【0219】
場合により、予備のメモリセルは、次のインプリント検出手順で使用するために利用可能となり得る既知または実施データを記憶するために利用可能であり、使用することができる。ウェアレベリング手順に従って、アプリケーションデータが物理位置をシフトさせるにつれて、次のインプリント検出手順で使用するための既知または実施データも(たとえば、アプリケーションデータのために能動的に使用されていない新しく利用可能な行またはページへ)シフトすることができる。場合により、ウェアレベリング動作は、ワード線に基づいて実行することができ、アプリケーションデータに対して現在未使用のメモリセルに結合されたワード線を、コピーワード線またはシフトワード線と呼ぶことができる。したがって、第1の組の論理状態(たとえば、既知または実施パターン)を、ウェアレベリング動作によって利用可能な1つまたは複数のコピーワード線に結合されたメモリセルに書き込むことができる。メモリデバイスの活動化またはメモリデバイスの他のトリガの際、メモリコントローラは、ウェアレベリング手順によって利用可能なメモリアレイのメモリセル(たとえば、コピーワード線に結合されたメモリセル)に書き込まれた論理状態の既知または実施パターンを使用して、インプリント検出手順を実行することができる。
【0220】
場合により、既知または実施データは、メモリアレイで連続して更新(たとえば、リフレッシュ)することができる。そのような場合、突然のもしくは予期しない非活動化イベント(たとえば、電力損失、クラッシュ)、またはホストデバイスもしくはメモリデバイスが能動的に監視もしくは他の形で動作することができない他のスタンバイイベントの場合、既知または実施データはメモリアレイに存在することができる。場合により、メモリコントローラは、停止またはスタンバイモードを開始するときに含むことができる1つまたは複数の非活動化手順の一部として、メモリアレイで1組の論理状態を実施することができる。たとえば、ホストデバイスなどのデバイスが非活動化手順を開始するとき、ホストデバイスコントローラ520、インプリントマネージャ525、メモリコントローラ550、またはインプリント検出コンポーネント560は、データ条件を実施するためのメモリアレイ555の1つまたは複数の部分を識別することができ、メモリデバイスは、メモリアレイの識別された部分に実施データを書き込むことができる。
【0221】
いくつかの例では、メモリデバイス(たとえば、インプリント検出コンポーネント560)は、実施論理状態を記録または他の形で追跡することができ、したがって、メモリセルの同じサブセットの次のアクセス動作(たとえば、読出し動作、書込み動作)は、実施論理状態と比較することができ、または他の形で実施論理状態に基づくことができる(たとえば、インプリントされたデータ条件に基づいて評価データ条件を判定するとき)。いくつかの例では、インプリント検出コンポーネント560またはメモリコントローラ550は、データのパターンを実施論理状態として書き込むことができる。たとえば、実施データは、チェッカボードパターンと呼ぶことができる論理0および論理1の交互パターン、すべての論理0もしくはすべての論理1の固体パターン、または論理0および論理1の様々な他の組合せもしくは分布を含むことができる。いくつかの例では、既知データ条件を実施することは、メモリセルのサブセットに既に書き込まれている1組の論理状態を読み出して記録することを含むことができる。これに関して、書き込まれたまたは記憶されたデータの記録は、実施または既知論理状態として使用することができる。
【0222】
場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、メモリデバイスの非活動化および再活動化に応答してインプリント検出手順を実行することができる。たとえば、610において、メモリデバイスは、(たとえば、メモリデバイスに関連付けられたデバイスの電源遮断手順の一部として、スタンバイモードに入ることの一部として)非活動化することができる。非活動化されているとき、メモリデバイスは、様々な環境条件(たとえば、高温)に露出されることがあり、これはメモリデバイスのメモリセルがインプリントされるかどうかに関連することがある。有害な環境条件によるか、そうでないかにかかわらず、メモリデバイスが非活動化またはスタンバイ状態にある間に、インプリントが場合により発生することがある。非活動化状態またはスタンバイ状態において、メモリデバイスは、メモリデバイスが露出された環境条件、または非活動化された継続時間を追跡または感知することができない。メモリデバイスはその後、610(たとえば、615の前)において、活動化することができる。
【0223】
活動化の際、メモリデバイスまたはホストデバイスは、インプリント回復手順を実行するべきかどうかを判定するために使用することができるデータまたは情報(たとえば、メモリデバイスが非活動化されていたときのインプリントの確率に関連する)を有していないことがある。場合により、ホストデバイスは、活動化の際、1つもしくは複数の評価を開始することができ、またはメモリデバイスは、1つもしくは複数の評価を他の形で(たとえば、自律的に)実行することができる。たとえば、パワーオンセルフテスト(POST)プロセスの一部として、メモリデバイスが1つまたは複数の仕様(たとえば、メモリセルの均等化または正常化に関係する仕様)の範囲内で機能しているかどうかを判定するために、ホストデバイスは、1つもしくは複数の試験を実行するようにメモリデバイスに命令することができ、またはメモリデバイスは、1つもしくは複数の試験を他の形で開始もしくは実行することができ、これはインプリント検出手順を含むことができる。
【0224】
615において、メモリデバイスまたはホストデバイスは、インプリント検出手順を実行することができる。場合により、メモリデバイスは、610における非活動化および活動化に基づいて、または本明細書に記載する別の基準によって、インプリント検出手順を実行することができる。様々な例では、615の動作は、メモリデバイスの活動化に続く(たとえば、それによってトリガする)ことができ、またはメモリデバイスもしくはホストデバイスの他の動作中に実行されるインプリント評価に基づいてトリガすることができる。いくつかの例では、615の動作は、インプリントの存在を検出するまで連続して実行することができ、またはインプリントの何らかの他の指示(たとえば、スタティックベイク条件、インプリントを引き起こし得る不注意によるまたは悪意のあるアクセスパターンの識別)に基づいて開始することができる。いくつかの例では、インプリント検出手順は、インプリント検出プロセスの1つまたは複数のステップを実行するためのメモリアレイ555のメモリセルのサブセットを識別することを含むことができる。
【0225】
場合により、インプリント検出手順のためのメモリセルのサブセットは、実施論理状態に書き込まれたメモリの位置に基づくことができる。たとえば、セルのサブセットは、ステップ605において書き込まれたメモリアレイ555のいくつかの部分に基づくことができ、またはそれらの部分に対応することができる。メモリデバイスがデータを前に実施しなかった場合、メモリデバイスは、615において、インプリント検出手順を実行するためのメモリセルのサブセットを選択することができる。メモリセルのサブセットは、事前定義することができ、ランダムに選択することができ、または1つもしくは複数の他の構成もしくは活動化手順に基づいて選択することができる。いくつかの例では、インプリント検出手順のために選択されたメモリセルのサブセットは、1つもしくは複数のメモリアレイ555、またはメモリデバイスの異なるセクションを含むことができる。
【0226】
インプリント検出手順の一部として、615において、メモリデバイスは、第1の組の論理状態をメモリセルのサブセットに書き込むことができる。いくつかの例では、第1の組の論理状態は、既知(たとえば、事前構成、事前定義、実施)パターンを含むことができる。たとえば、メモリデバイスは、すべての論理0または論理1の固体データをメモリセルのサブセットに書き込むことができる。いくつかの例では、メモリデバイスは、たとえば、メモリセルの現在のデータ状態を(たとえば、デフォルト基準電圧を使用して)読み出し、次いで逆の状態をそれぞれのメモリセルに書き込むことによって、逆の論理状態をサブセットの各メモリセルに書き込むことができ、これを読出し反転ライトバック手順と呼ぶことができる。いくつかの例では、メモリデバイスは、論理状態の混合を第1の組の論理状態として書き込むことができる。これは、パターンもしくは交互の論理1および論理0、ランダムな1組の論理状態、または論理状態の任意の他の組合せなどのパターンを書き込むことを含むことができる。
【0227】
疑わしいインプリントイベントの前(たとえば、メモリデバイスの非活動化の前、メモリデバイスがスタンバイ状態に入る前)に実施データがメモリアレイに書き込まれた場合、第1の組の論理状態は、実施データに基づくことができる。たとえば、非活動化前に固体の1組の論理状態(たとえば、すべての論理0)が実施された場合、メモリデバイスは、逆の固体の1組の論理状態(たとえば、すべて論理1)、同じ論理状態(たとえば、すべて論理0)、または本明細書に記載する他の論理パターンを書き込むことができる。場合により、メモリデバイスは、非活動化の前に、データのパターンをメモリセルのサブセットに書き込むことができる。
【0228】
インプリント検出手順の別の部分として、メモリデバイスは、メモリセル(たとえば、上記のメモリセル)のサブセットの1つまたは複数の部分上で、1つまたは複数の読出し動作を実行することができる。メモリセルのサブセット上での読出し動作は、別の組の論理状態(たとえば、第2の組の論理状態)を生じさせることができ、メモリデバイスは、この別の組の論理状態を、第1の組の論理状態(たとえば、615において書き込まれる)と比較することができる。場合により、メモリデバイスは、インプリント検出分析の一部として、追加の組の論理状態を取得するために、メモリセルのサブセット上で追加の読出しまたは書込み動作を実行することができる。
【0229】
場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、1つまたは複数の異なる基準電圧を使用して、評価されたメモリセルを読み出すことに基づいて、第2の組の論理状態または他の追加の組の論理状態を取得することができる。たとえば、メモリデバイスは、(たとえば、通常動作下で)メモリアレイの論理状態を読み出すときに使用するためのデフォルトまたは動作基準電圧によって構成することができる。デフォルトまたは動作基準電圧は、通常動作中(たとえば、メモリアレイ555がアクセスモードまたは通常動作モードにあるとき)の読出し動作中に発生する読出しエラーの量を低減または最小化するように設定することができる。場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、デフォルト基準電圧を使用して、評価されたメモリセルを読み出すことによって、第2の組の論理状態を取得することができる。いくつかの例では、メモリデバイスまたはホストデバイスは、1つまたは複数のオフセット基準電圧を使用して、評価されたメモリセルを読み出すことによって、第2の組の論理状態を取得することができる。そのような場合、オフセット基準電圧は、(たとえば、メモリセル挙動の確率分布に従って)本明細書に論じる予期されるエラーまたは不整合数に関連付けることができる。
【0230】
メモリデバイスは、書き込まれた論理状態(たとえば、第1の組の論理状態、先行する書込み動作の1つまたは複数の標的論理状態)と、読み出された論理状態(たとえば、第2の組の論理状態)との間の不整合または矛盾に基づいて、1つまたは複数のエラー数を判定することができる。場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、各メモリセルから読み出された論理状態を、そのメモリセルに前に書き込まれた論理状態に対する既知の、記録された、または実施された値と比較することができる。メモリデバイスまたはホストデバイスは、論理状態が異なる場合、エラーまたは不整合を判定し、論理状態が同じである場合、エラーまたは不整合が発生していないと判定することができる。メモリデバイスまたはホストデバイスは、メモリセルのサブセットの1つまたは複数の部分に対するエラーの数を計数して、エラー数を判定することができる。
【0231】
620において、メモリデバイスまたはホストデバイスは、回復動作が実行されるべきかどうかを(たとえば、615において実行されたインプリント検出手順に少なくとも部分的に基づいて)判定することができる。いくつかの例では(たとえば、615におけるインプリント検出手順が、エラーまたは不整合数を識別することを含むとき)、回復動作が実行されるべきかどうかのそのような判定は、識別されたエラーまたは不整合数を閾値と比較するなど、識別されたエラーまたは不整合数に基づくことができる。たとえば、デフォルト基準電圧を使用してメモリセルを読み出すことによって、第2の組の論理状態が取得された場合、閾値は、比較的低くなり得る(たとえば、ECC動作またはECCコンポーネント570の能力に基づいて、0のエラーまたはその付近)。場合により、オフセット基準電圧(たとえば、デフォルト基準電圧を上回るまたは下回る基準電圧)を使用してメモリセルを読み出すことによって、第2の組の論理状態が取得された場合、閾値は、比較的高くなり得る(たとえば、
図7に関連するものなど、本明細書に記載するオフセット電圧で読み出すことによって発生するはずの予期されるまたは確率的なエラー数に基づいて)。
【0232】
場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1のエラー数(たとえば、第1の閾値電圧を使用して読み出すことから)および第2のエラー数(たとえば、第2の閾値電圧を使用して読み出すことから)を判定し、第1および第2のエラー数の両方に基づいて、回復動作が実行されるべきかどうかを判定することができる。これは、第1のエラー数と第2のエラー数との間の勾配パラメータ(たとえば、差、線形傾斜、非線形回帰)を判定することを含むことができ、これらの例は、(たとえば、
図7に関連して)本明細書にさらに説明する。場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、たとえば閾値が満足されたと判定したことに基づいて、回復動作を実行することを判定することができる。閾値は、たとえば、エラー数、勾配パラメータ、または他のパラメータに関係することができる。
【0233】
いくつかの例では、メモリデバイスは、回復動作が必要とされることをホストデバイスに示すことができ、メモリデバイスは、ホストデバイスからの命令(たとえば、回復動作を実行するためのコマンド、またはアクセスもしくは他の動作モードに入るためのコマンド、回復手順を進めるための承認)を受信するのを待つことができる。したがって、場合により、ホストデバイスは、メモリデバイスからの信号伝達に応答して、メモリデバイスが修理手順を実行するべきかどうか、またはいつ実行するべきかの判定を行うことができる。メモリデバイスが修理動作を必要としないと判定する(たとえば、閾値が満足されていない)場合、メモリデバイスは、ブート手順を完了するまたは他の形でアクセスもしくは他の動作モードに入る準備ができたこと(たとえば、メモリアレイ555がインプリントされていない、または閾値を超えてインプリントされていないと判定したことに少なくとも部分的に基づいて、メモリデバイス540がアクセス動作のために利用可能であるというメモリデバイス540による指示)を、ホストデバイスに示すことができる。
【0234】
625において、メモリデバイスまたはホストデバイスは、回復動作を実行することができ、これは、メモリアレイのメモリセルを1回または複数回(たとえば、バイアスパターン、アクセス動作のパターンに従って)循環させることを含むことができる。たとえば、メモリデバイスは、メモリデバイスの1つまたは複数のメモリアレイ上で複数のアクセス動作(たとえば、読出しおよび書込み動作)を実行することができる。場合により、書込み動作は、反転ライトバック動作を含むことができ、それぞれのメモリセルが読み出され(たとえば、デフォルト基準電圧を使用して)、判定された(たとえば、読み出された)論理状態の補数または逆が、それぞれのメモリセルに再び書き込まれる。いくつかの例では、620の回復動作は、同じメモリアレイまたは異なるメモリアレイのメモリセルのサブセットからのデータを分析したことに基づいて、メモリアレイ内のメモリセルのすべてまたは実質的にすべてに複数の書込み動作を実行することを含むことができる。
【0235】
いくつかの例では、メモリデバイスは、回復動作が完了したと判定し、1つまたは複数の関連する指示をホストデバイスへ送信することができる。場合により、メモリデバイスは、循環動作を実行し、次いでメモリデバイスをホストデバイスによってブートおよび使用することができ、またはメモリデバイスがアクセスもしくは他の動作モードに入ることができるという指示を、ホストデバイスへ送信することができる。場合により、回復動作を完了したとき、メモリデバイスは、修理動作が成功したかどうかを判定または他の形で評価するために(たとえば、ホストデバイスへ利用可能性を示しまたは通常動作モードへ遷移する前に、回復動作が成功したことを確認するために)、次または第2のインプリント検出手順を実行することができる。
【0236】
630において、メモリデバイスまたはホストデバイスは、620において回復動作を実行しないことを判定した後、または625において回復動作を完了した後、動作モード(たとえば、通常動作モード、アクセスモード)に入ることができる。様々な例では、これは、アクセスモードもしくは通常動作モードを再開すること、またはブートプロセスを完了することを含むことができる。
【0237】
プロセスフロー600の例は、メモリアレイの書き込まれて読み出される論理状態を利用するインプリント検出(たとえば、インプリントの存在の直接検出または評価による)を示すが、プロセスフロー600の他の例は、インプリント検出のための他の技法を利用することができ、または代わりに、メモリセルインプリントに関する予測もしくは推測に基づいて、(たとえば、620において)回復動作に関して決定することができ、たとえば、メモリセルのインプリントまたは他のメモリセルの障害の非対称性(たとえば、高温、不活動状態の継続時間、インプリントもしくは他のスキューを引き起こし得る不注意によるもしくは悪意のあるアクセス動作もしくはパターンの検出、非対称性、または他の有害なメモリセル特性)に関係しまたは他の形で付随し得る条件を検出または識別することができる。
【0238】
図7は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援することができるインプリント検出条件のグラフ700を示す。グラフ700は、標的論理状態(たとえば、書き込まれた論理状態、書込みが試行された論理状態、予期された論理状態)と、検出された論理状態(たとえば、読み出された論理状態)との間の不整合の数を、記憶論理状態を検出するために(たとえば、感知コンポーネント250によって、基準線255を介して)使用される基準電圧の関数として示すことができる。示されているインプリント検出条件のうちの1つまたは複数は、
図1~
図5を参照して説明するように、インプリント検出手順の一部として、メモリデバイス(たとえば、
図1~
図5を参照して説明したメモリデバイス110、メモリダイ160、メモリダイ200、またはメモリデバイス540)、またはメモリデバイスの1つもしくは複数のコンポーネント(たとえば、デバイスメモリコントローラ155、ローカルメモリコントローラ165、ローカルメモリコントローラ265、メモリコントローラ550、またはインプリント検出コンポーネント560)によって実施または実行することができる。
【0239】
グラフ700の例では、インプリントされていない特性740は、インプリントのない異なる基準電圧のメモリセル205の代表的母集団を読み出すとき(たとえば、メモリセル205の代表的母集団が均等化または正常化されているとき)の予期された不整合数を示すことができる。たとえば、予期される不整合数は、読出し動作に起因する読出し電圧とそれぞれの基準電圧との確率論的または確率的関係に関係することができる。グラフ700の図示の例によれば、(たとえば、デジット線215の)読出し信号が(たとえば、基準線255の)基準電圧より高いことは、論理1を示すことができ、読出し信号が基準電圧より低いことは、論理0を示すことができる。中間電圧領域(たとえば、デフォルト基準電圧付近)では、所与の基準電圧に対する予期される不整合数が0になり得る。いくつかの例では、予期される不整合数は、読出しウィンドウに対応する基準電圧の範囲全体にわたって0になり得る。基準電圧がそのような中間領域を超えて増大または減少されると、予期される不整合またはエラーは、確率的または確率論的関係に従って、傾斜に沿って増大することができる。
【0240】
グラフ700の例では、インプリントされた特性750は、メモリセルの代表的母集団が1つまたは複数の論理状態によってインプリントされたとき、異なる基準電圧のメモリセル205の同じ代表的母集団を読み出すときの不整合の数を示すことができる。インプリントされていない特性740とは対照的に、インプリントされた特性750は、複数または混合の論理状態のインプリントに関係するねじれた傾斜を有することができる。たとえば、中心領域の両側(たとえば、デフォルト基準電圧702の前後)では、ねじれの一方の側は、1つの論理状態にインプリントされたメモリセルの挙動に関係することがあり、ねじれの他方の側は、別の異なる論理状態でインプリントされたメモリセルの挙動に関係することがある。いくつかの例では、そのようなねじれた挙動は、インプリント検出動作の一部として利用することができる。
【0241】
他の例では、メモリセルの代表的母集団は、単一の論理状態(図示せず)によってインプリントされることがあり、インプリントされた特性750は、インプリントされていない特性740と同じまたは類似の傾斜を有することがあるが、インプリントされた特性750は、基準電圧軸に沿ってシフトされることがある。そのような例では、特性のシフトは、インプリント検出動作の一部として(たとえば、デフォルト基準電圧702に対する非対称性を検出または識別したことに基づいて、デフォルト基準電圧702の他方の側ではなく一方の側で予期されるものより高い不整合を検出したことに基づいて)利用することができる。
【0242】
いくつかの例では、インプリント検出手順は、1つまたは複数の基準電圧(たとえば、デフォルト基準電圧702、1つまたは複数のオフセット基準電圧705)でメモリセルのサブセットを読み出し、それぞれの基準電圧を使用して読み出された論理状態と、前に書き込まれた論理状態または本明細書に記載する標的論理状態との間の不整合(たとえば、エラー、矛盾)の数を判定することを含むことができる。グラフ700は、論理状態を読み出すために使用される異なる基準電圧702および705と、それぞれの基準電圧702または705で読み出すときの予期される不整合数715(たとえば、確率的または確率論的関係に従って正常化または均等化されたメモリアレイ555に対して予期される失敗、エラー、または矛盾)と、それぞれの基準電圧702または705で読み出すときのインプリントメモリアレイ555の一例に対する測定された不整合数720(たとえば、失敗、エラー、または矛盾)との間の例示的な関係を示す。
【0243】
デフォルト基準電圧702は、メモリデバイスに対するデフォルトまたは動作基準電圧とすることができる。デフォルト基準電圧702を使用する読出し動作は、エラーを生じない(たとえば、予期される不整合数715-aが0に等しい)、または統計上意味のない数のエラー、あるいはメモリアレイのメモリセルが適切に機能しているとき(たとえば、均等化または正常化されたメモリアレイ555内でインプリントが発生していないとき)にECC動作によって補正することができるものより小さい数のエラーを生じさせると予期することができる。場合により、デフォルト基準電圧702は、アプリケーションデータに関連付けられるデータアクセスなど、通常動作手順中にアクセス動作を実行するときにメモリデバイスが使用する基準電圧とすることができる。いくつかの例では、デフォルト基準電圧702をメモリデバイスで固定することができるが、他の例では、メモリデバイスを動作中、インプリントに関係しない理由で(たとえば、適応基準電圧として、構成可能基準電圧として、正常化または均等化された動作に適用可能なメモリデバイスまたはメモリセル挙動の変化を補償するために)、デフォルト基準電圧702をメモリデバイスで(たとえば、通常動作のために、デフォルト動作のために)調整することができる。
【0244】
インプリント検出手順の一部として、メモリデバイスは、1つまたは複数のオフセット基準電圧705を使用してメモリセルを読み出すことができ、オフセット基準電圧705は、デフォルト基準電圧702より小さい(たとえば、オフセット基準電圧705-bまたは705-c)、またはデフォルト基準電圧702より大きい(たとえば、オフセット基準電圧705-dまたは705-e)ものとすることができる。場合により、インプリント検出手順の一部として、異なるオフセット基準電圧705で検出される測定された不整合数720は、予期される不整合数715から逸脱することがあり、これは、異なる論理状態でインプリントされているメモリセルに関連付けることができる。
【0245】
場合により、メモリデバイスは、デフォルト基準電圧702より高いまたは低いオフセット基準電圧705を使用してインプリントに関して評価するべきメモリセルに記憶されている論理状態を判定することができ、インプリント評価の一部として、オフセット基準電圧705の測定された不整合数720を、オフセット基準電圧の予期される不整合数715と比較することができる。たとえば、オフセット基準電圧705-bは、通常に動作しているメモリセル(たとえば、インプリントされていない、劣化していない、均等化されている、正常化されている)を読み出すときの予期される不整合数715-bに関連付けることができ、オフセット基準電圧705-bは、通常に動作しているメモリセルを読み出すときの予期される不整合数715-bに関連付けることができ、オフセット基準電圧705-bは、通常に動作しているメモリセルを読み出すときの予期される不整合数715-bに関連付けることができ、オフセット基準電圧705-bは、通常に動作しているメモリセルを読み出すときの予期される不整合数715-bに関連付けることができる。
【0246】
場合により、メモリデバイスは、インプリント検出手順の一部として、オフセット基準電圧705-bを使用してメモリセルのサブセットを読み出すことができる。メモリデバイスは、オフセット基準電圧705-bを使用してメモリセルのサブセットを読み出すことから、測定された不整合数720-bを判定することができ、メモリセルの少なくとも一部分がインプリントされている場合、測定された不整合数720-bは、予期される不整合数715-b以上となり得る。場合により、オフセット基準電圧705-bを使用してメモリセルのサブセットを読み出すことは、論理0の状態(たとえば、標的論理状態)に書き込まれたセルが論理1の状態にインプリントされているかどうかを示しまたは測定することができる。たとえば、インプリント検出手順が、論理0の状態を記憶することが意図されているが、論理1の状態にインプリントされているメモリセルを測定している場合、測定された不整合数720-bは予期される不整合数715-bより大きくなり得る。
【0247】
場合により、メモリデバイスは、インプリント検出手順の一部として、オフセット基準電圧705-cを使用してメモリセルのサブセットを読み出すことができる。メモリデバイスは、オフセット基準電圧705-cを使用してメモリセルのサブセットを読み出すことから、測定された不整合数720-cを判定することができ、メモリセルの少なくとも一部分がインプリントされている場合、測定された不整合数720-cは、予期される不整合数715-c以下となり得る。場合により、オフセット基準電圧705-cを使用してメモリセルのサブセットを読み出すことは、論理0の状態(たとえば、標的論理状態)に書き込まれたセルがまた、論理0の状態にインプリントされているかどうかを示しまたは測定することができる。たとえば、インプリント検出手順が、論理0の状態を記憶することが意図されており、やはり論理0の状態にインプリントされているメモリセルを測定している場合、測定された不整合数720-cは予期される不整合数715-cより小さくなり得る。
【0248】
場合により、メモリデバイスは、オフセット基準電圧705-dを使用してメモリセルのサブセットを読み出すことができる。メモリデバイスは、オフセット基準電圧705-dを使用してメモリセルのサブセットを読み出すことから、測定された不整合数720-dを判定することができ、メモリセルの少なくとも一部分がインプリントされている場合、測定された不整合数720-dは、予期される不整合数715-d以上となり得る。場合により、オフセット基準電圧705-dを使用してメモリセルのサブセットを読み出すことは、論理1の状態(たとえば、標的論理状態)に書き込まれたセルが論理0の状態にインプリントされているかどうかを示しまたは測定することができる。たとえば、インプリント検出手順が、論理1の状態を記憶することが意図されているが、論理0の状態にインプリントされているメモリセルを測定している場合、測定された不整合数720-dは予期される不整合数715-dより大きくなり得る。
【0249】
場合により、メモリデバイスは、インプリント検出手順の一部として、オフセット基準電圧705-eを使用してメモリセルのサブセットを読み出すことができる。メモリデバイスは、オフセット基準電圧705-eを使用してメモリセルのサブセットを読み出すことから、測定された不整合数720-eを判定することができ、メモリセルの少なくとも一部分がインプリントされている場合、測定された不整合数720-eは、予期される不整合数715-e以下となり得る。場合により、オフセット基準電圧705-eを使用してメモリセルのサブセットを読み出すことは、論理1の状態(たとえば、標的論理状態)に書き込まれたセルがまた、論理1の状態にインプリントされているかどうかを示しまたは測定することができる。たとえば、インプリント検出手順が、論理1の状態を記憶することが意図されており、やはり論理1の状態にインプリントされているメモリセルを測定している場合、測定された不整合数720-eは予期される不整合数715-eより小さくなり得る。
【0250】
場合により、同じ論理状態または異なる論理状態でインプリントされている可能性のある論理状態を記憶することが意図されたメモリセルに基づいて、メモリアレイ内のインプリントを検出する能力は、インプリントされたメモリセルの初期分布(たとえば、論理0の状態でインプリントされたメモリセルの数または割合、論理1の状態でインプリントされたメモリセルの数または割合)、メモリセルのサブセットに書き込まれた1組の論理状態(たとえば、インプリントされた1組の論理状態、第1の組の論理状態)、インプリントされたメモリセルの数、またはこれらの組合せに依存することができる。それに応じて、インプリント評価の様々な例を支援するために、メモリデバイスは、デフォルト基準電圧702、1つもしくは複数のオフセット基準電圧705、またはこれらの様々な組合せに従って、メモリセルを読み出すように構成することができ、そのような条件は、事前構成することができ、またはホストデバイスのメモリデバイスによって選択しもしくは示すことができる。
【0251】
図8Aは、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するインプリント評価プロセス800-aの一例を示す。インプリント評価プロセス800-aの動作は、
図1~
図5を参照して説明するように、メモリデバイス(たとえば、
図1~
図5を参照して説明したメモリデバイス110、メモリダイ160、メモリダイ200、またはメモリデバイス540)、またはメモリデバイスの1つもしくは複数のコンポーネント(たとえば、デバイスメモリコントローラ155、ローカルメモリコントローラ165、ローカルメモリコントローラ265、メモリコントローラ550、またはインプリント検出コンポーネント560)によって実施または実行することができる。いくつかの例では、記載する技法のうちの1つまたは複数は、ホストデバイスへオフロードすることができる(たとえば、
図5を参照して説明したホストデバイス510またはインプリントマネージャ525によって実行または他の形で制御される)。言い換えれば、システム(たとえば、システム500)は、メモリデバイスとホストデバイスとの間の動作の様々な分布に従って、インプリント評価プロセス800-aを実行するように構成することができる。インプリント評価プロセス800-aの動作は、
図1~
図7を参照して説明した1つまたは複数の技法を含むことができる。いくつかの例では、インプリント評価プロセス800-aは、メモリアレイの1つまたは複数のメモリセルが、インプリントされていないヒステリシス曲線430からインプリントされたヒステリシス曲線440へのシフト、またはメモリセルインプリントによって引き起こされ得るヒステリシスもしくは電荷移動度プロパティの何らかの他の変化を受けたかどうかを評価するように構成することができる。
【0252】
インプリント評価プロセス800-aは、インプリント検出手順の複数の可能な実施例を支援するために様々に組み合わせることができる動作の例を示し、手順を実行するために使用されるメモリセルの論理状態は、手順の開始時には未知である(たとえば、手順の開始前に実施されない)。たとえば、非活動化イベント、スタンバイイベント、または他の形でトリガされるインプリント検出手順もしくは評価モードの前に、インプリント検出回路(たとえば、インプリント検出コンポーネント560、インプリントマネージャ525)またはコントローラ(たとえば、メモリコントローラ550、ホストデバイスコントローラ520)は、インプリント検出手順で後に使用するためにデータをメモリアレイに書き込んだりメモリアレイから読み出したりしなかった可能性がある。いくつかの例では、インプリント検出手順は、ブートシーケンスの一部として実行することができ、メモリデバイスは、どの論理状態がそれぞれのメモリセルに記憶されているかに関する記録を記憶しなかった可能性がある。いくつかの例では、メモリデバイスは、非活動化後にメモリセルの論理状態を判定するために、読出し動作を実行しなかった可能性がある。インプリント検出手順は、メモリデバイスまたはホストデバイスが電源投入されること、メモリデバイスまたはホストデバイスが初期化されること、メモリデバイスまたはホストデバイスがスリープまたはスタンバイ状態から起動されることなどの様々な基準に基づいて、エラーの数もしくは割合(たとえば、ECCコンポーネントまたはアルゴリズムによって補正される)が閾値を超過しもしくは他の形で満たすこと、または診断モードもしくは保守モードに入ることなどの動作基準、および他の基準に基づいて、トリガまたは開始することができる。
【0253】
805において、メモリデバイスまたはホストデバイスは、インプリント検出手順を実行するために、メモリセルの1つまたは複数のサブセットを識別することができ、これは、未実施論理状態(たとえば、未知の論理状態、インプリント検出動作に特有でない可能性がある論理状態、インプリントされたまたはインプリントされていない1組の論理状態)を記憶することができる。メモリセルのサブセットは、メモリアレイ555の一部分などのメモリセルの一部分を含むことができ、2つ以上のアレイにまたがることができ、1つもしくは複数のメモリアレイ555の異なる部分全体にわたって分散させることができ、またはこれらの組合せとすることができる。メモリセルのサブセットは、インプリント検出手順を開始するときにメモリデバイスもしくはホストデバイスによって判定することができ、またはインプリント検出手順を実行するのに専用とする(たとえば、そのために使用されるように事前構成する)ことができる。
【0254】
810において、メモリデバイスまたはホストデバイスは、1組の論理状態(たとえば、第1の組の論理状態)をメモリアレイのメモリセルのサブセットに書き込むことができる。メモリセルのサブセットに書き込まれる論理状態は、1組のインプリント評価論理状態、書き込まれた評価論理状態、またはより概略的に、インプリント評価データと呼ぶことができる。インプリント評価プロセス800-aは、インプリント検出評価を支援するために1組の論理状態を書き込む3つの例を示し、これらの例のうちの1つまたは複数は、様々な基準(たとえば、メモリデバイスまたはホストデバイスの構成、メモリデバイスまたはホストデバイスの事前構成、ホストデバイスによるメモリデバイスへの選択およびコマンド、ホストデバイスまたはメモリデバイスの動作条件、データタイプ、インプリントされている可能性のある論理状態の分布など)に基づいて、メモリデバイスまたはホストデバイスによって選択または実行することができる。
【0255】
第1の例として、810-aにおいて、メモリデバイスまたはホストデバイスは、1組の固体(たとえば、同じ、等しい、同一の)論理状態をメモリセルのサブセットのすべてに書き込むことができる。場合により、これは、論理0を表すように各セルに書き込むことを含むことができる。他の場合メモリデバイスまたはホストデバイスは、論理1を表すように各セルに書き込むことができる。様々な例では、メモリデバイスまたはホストデバイスは、各セルに書き込まれた現在の(たとえば、インプリントされた、潜在的にインプリントされた)論理状態を読み出しまたは判定することを伴って、または伴わずに、1組の固体論理状態を書き込むことができる。
【0256】
第2の例として、810-bにおいて、メモリデバイスまたはホストデバイスは、1組の逆の論理状態をメモリセルのサブセットに書き込むことができる。いくつかの例では、1組の逆の論理状態を書き込むことは、各セルに対して読出し-反転-ライトバック手順を実行することを含むことができる。たとえば、メモリセルのサブセットの各々に対して、メモリデバイスまたはホストデバイスは、それぞれのメモリセルの現在の論理状態を読み出し(たとえば、デフォルト基準電圧702を使用する)、その論理状態を反転させ(たとえば、読み出された論理状態の逆または補数を判定する)、反転させたまたは逆の論理状態をそれぞれのメモリセルに再び書き込むことができる。いくつかの例では、そのような技法は、潜在的にインプリントされた論理状態を示すはずの810-bにおいてそれぞれのメモリセル内に蓄積されている何らかの電荷量または他の特性を仮定することができ、またはそれに依拠することができる。
【0257】
第3の例として、810-cにおいて、メモリデバイスまたはホストデバイスは、1組の混合データをメモリセルのサブセットに書き込むことができる。場合により、1組の混合データを書き込むことは、パターン(たとえば、チェッカボードパターン、交互の論理状態)を書き込むこと、ランダムデータを書き込むこと、複数の論理状態の分布もしくは割合を書き込むこと、同じ論理状態(たとえば、デフォルト基準電圧702を使用してメモリセルのサブセットを読み出したことに基づいて、読み出したままの論理状態、反転させられていない論理状態)を読み出して再び書き込むこと、または他の論理状態をメモリアレイのサブセットに書き込むことを含むことができる。
【0258】
いくつかの例では、メモリデバイスまたはホストデバイスは、どの論理状態がそれぞれのメモリセルに書き込まれるかを記録または追跡することができる。メモリデバイスまたはホストデバイスは、インプリント検出手順における後の時点(たとえば、評価動作中)での比較のために、第1の組の論理状態を記録または追跡することができる。
【0259】
場合により、インプリント評価プロセス800-aの異なる部分(たとえば、サブ動作)を実行するために、1つまたは複数のメモリアレイの異なる部分を使用することができる。たとえば、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1の組の論理状態の第1の部分をメモリセルのサブセットの第1の部分に書き込むことができ、第1の組の論理状態の第2(たとえば、残り)の部分をメモリセルのサブセットの第2の部分に書き込むことができる。いくつかの例では、メモリデバイスまたはホストデバイスは、同じパターンまたは組の論理状態をメモリセルのサブセットの複数の部分に書き込むことができる。たとえば、メモリセルのサブセットは、複数の繰り返す組の論理状態を含むことができる。これに関して、メモリデバイスまたはホストデバイスは、後の読出し動作の異なる部分(たとえば、815)を実行するために、アレイの異なる部分に書き込まれた異なる組の論理状態を使用することができる。
【0260】
815において、メモリデバイスまたはホストデバイスは、メモリセルのサブセットを読み出すことができ、これは、第2の組の論理状態を取得するために、ステップ810においてメモリセルのサブセットに書き込んだまたは書き込むことが試行された論理状態(たとえば、試験データ、評価データ)を読み出すことを含むことができる。場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、810において、1組の試験データ全体を書き込み、次いで815において、メモリセルのサブセットで読出し動作を実行することができる。場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、試験データの書込みと試験データの読出しとの間(たとえば、810の書込みと815の読出しとの間)で、規定のまたは事前定義された継続時間または遅延にわたって待機することができる。
【0261】
メモリデバイスまたはホストデバイスは、デフォルト基準電圧702または1つもしくは複数のオフセット基準電圧705などの1つまたは複数の基準電圧を使用して、試験データを1回または複数回読み出す(たとえば、サブセットのメモリセルを読み出す)ことができる。場合により、メモリセルのサブセットに書き込まれた試験データを読み出すために使用される基準電圧は、インプリントが発生したかどうかまたはメモリデバイスが回復手順を実行するべきかどうかを評価するために使用される分析方法に依存することがある(たとえば、それに少なくとも部分的に基づいて選択または判定される)。
【0262】
820において、メモリデバイスまたはホストデバイスは、815において読み出されたまたは判定された試験データに少なくとも部分的に基づいて(たとえば、インプリント回復を実行するべきか否かを判定するために)、インプリント評価方法を実行することができる。インプリント評価プロセス800-aは、インプリント検出評価を実行する3つの例を示し、これらの例のうちの1つまたは複数は、様々な基準(たとえば、メモリデバイスまたはホストデバイスの構成、メモリデバイスまたはホストデバイスの事前構成、ホストデバイスによるメモリデバイスへの選択およびコマンド、ホストデバイスまたはメモリデバイスの動作条件、データタイプ、インプリントされている可能性のある論理状態の分布など)に基づいて選択および実行することができる。
【0263】
820-aにおいて、メモリデバイスまたはホストデバイスは、2つのオフセット基準電圧でメモリセルのサブセットを読み出すことを含むことができる第1の分析方法(たとえば、方法1)を実行することができる。たとえば、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1のオフセット基準電圧705を使用して取得されたデータ(たとえば、測定された不整合またはエラーの数720)を、第2のオフセット基準電圧705を使用して取得されたデータ(たとえば、測定された不整合またはエラーの数720)と評価または比較することができる。場合により、第1および第2のオフセット基準電圧705は、デフォルト基準電圧702をどちらも下回る、またはデフォルト基準電圧702をどちらも上回ることができる。たとえば、メモリデバイスまたはホストデバイスは、デフォルト基準電圧702を下回る第1のオフセット基準電圧705(たとえば、オフセット基準電圧705-b)を使用してメモリセルのサブセットを読み出すことによって第2の組の論理状態を取得することができる。メモリデバイスまたはホストデバイスは、やはりデフォルト基準電圧を下回る第2のオフセット基準電圧705(たとえば、オフセット基準電圧705-c)を使用してメモリセルのサブセットを読み出すことによって第3の組の論理状態を取得することができる。
【0264】
場合により、第1および第2のオフセット基準電圧705はどちらも、デフォルト基準電圧702より小さくすることができ、第2のオフセット基準電圧705(たとえば、オフセット基準電圧705-c)は、第1のオフセット基準電圧705(たとえば、オフセット基準電圧705-b、第1のオフセット基準電圧705よりデフォルト基準電圧702から離れたオフセット基準電圧705)より小さくすることができる。メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1のオフセット基準電圧705を使用して読み出すことによって第2の組の論理状態を取得してから、第2のオフセット基準電圧705を使用して読み出すことによって第3の組の論理状態を取得することができる。これらの場合、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第2のオフセット基準電圧705で読み出すことによる予期される不整合数715が、第1のオフセット基準電圧705で読み出すことによる予期される不整合数715より大きくなり得るため、または第1のオフセット基準電圧705を印加することが、第2のオフセット基準電圧705(たとえば、非破壊的読出し動作に関連付けられた第1のオフセット基準電圧、第2のオフセット基準電圧を使用する読出し動作の結果に悪影響を与えない可能性がある読出し動作に関連付けられた第1のオフセット基準電圧)を印加することより荷電状態もしくは分極状態の小さい変化を伴い得るため、第1の組の論理状態をメモリセルのサブセットに書き換える必要はない。そのような例では、メモリデバイスは、第1のオフセット基準電圧705の読出しと第2のオフセット基準電圧705の読出しとの間で、書換え動作を実行しても実行しなくてもよい。
【0265】
場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1のオフセット基準電圧705で読み出す前に、第2のオフセット基準電圧705(たとえば、第1のオフセット基準電圧よりデフォルト基準電圧702から大きい差を有するオフセット基準電圧705)で読み出すことができる。これらの場合、メモリデバイスは、第2のオフセット基準電圧705を使用して読み出した後、第1のオフセット基準電圧705を使用して読み出す前に(たとえば、メモリセルのサブセットによって記憶されている論理状態が、第2のオフセット基準電圧705で読み出すことによって妨害された可能性があるかどうかに応じて)、第1の組の論理状態をメモリセルのサブセットに書き換えても書き換えなくてもよい。たとえば、メモリデバイスは、第2のオフセット基準電圧705を使用して読み出すことが、デフォルト基準電圧702から離れたオフセット基準電圧705で読み出すことによって、より大きい不整合もしくはエラー数をもたらす可能性がある場合、または第2のオフセット基準電圧705を使用して読み出すことが、メモリセルの荷電状態もしくは分極状態の変化を伴う場合(たとえば、第2のオフセット基準電圧705で読み出すことが、メモリセルのうちの1つまたは複数の分極の低減を伴うとき、第2のオフセット基準電圧による読出しが、第1のオフセット基準電圧によって読み出す結果に影響する可能性があるとき)、第1の組の論理状態を書き換えることができる。いくつかの例では、異なるオフセット基準電圧705で読み出すためのメモリセルの異なるサブセット(たとえば、第1のオフセット基準電圧705で読み出すためのメモリセルの第1のサブセット、第2のオフセット基準電圧705で読み出すためのメモリセルの第2のサブセット、ここで第1および第2のサブセットは異なるまたは重複しない)を使用することができ、これにより、異なる基準電圧で同じメモリセルを読み出すことに関係するあらゆる問題を克服することができる。
【0266】
場合により、第1および第2のオフセット基準電圧705はどちらも、デフォルト基準電圧702より大きくすることができ、第2のオフセット基準電圧705(たとえば、オフセット基準電圧705-e)は、第1のオフセット基準電圧705(たとえば、オフセット基準電圧705-d、第1のオフセット基準電圧705よりデフォルト基準電圧702から離れたオフセット基準電圧705)より大きくすることができる。メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1のオフセット基準電圧705を使用して読み出すことによって第2の組の論理状態を取得してから、第2のオフセット基準電圧705を使用して読み出すことによって第3の組の論理状態を取得することができる。これらの場合、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第2のオフセット基準電圧705で読み出すことによる予期される不整合数715が、第1のオフセット基準電圧705で読み出すことによる予期される不整合数715より大きくなり得るため、または第1のオフセット基準電圧705を印加することが、第2のオフセット基準電圧705(たとえば、非破壊的読出し動作に関連付けられた第1のオフセット基準電圧、第2のオフセット基準電圧を使用する読出し動作の結果に悪影響を与えない可能性がある読出し動作に関連付けられた第1のオフセット基準電圧)を印加することより荷電状態もしくは分極状態の小さい変化を伴い得るため、第1の組の論理状態をメモリセルのサブセットに書き換える必要はない。そのような例では、メモリデバイスは、第1のオフセット基準電圧705の読出しと第2のオフセット基準電圧705の読出しとの間で書換え動作を実行しても実行しなくてもよい。
【0267】
場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1のオフセット基準電圧705で読み出す前に、第2のオフセット基準電圧705(たとえば、第1のオフセット基準電圧よりデフォルト基準電圧702から大きい差を有するオフセット基準電圧705)で読み出すことができる。これらの場合、メモリデバイスは、第2のオフセット基準電圧705を使用して読み出した後、第1のオフセット基準電圧705を使用して読み出す前に(たとえば、メモリセルのサブセットによって記憶されている論理状態が、第2のオフセット基準電圧705で読み出すことによって妨害された可能性があるかどうかに応じて)、第1の組の論理状態をメモリセルのサブセットに書き換えても書き換えなくてもよい。たとえば、メモリデバイスは、第2のオフセット基準電圧705を使用して読み出すことが、デフォルト基準電圧702から離れたオフセット基準電圧705で読み出すことによって、より大きい不整合もしくはエラー数をもたらす可能性がある場合、または第2のオフセット基準電圧705を使用して読み出すことが、メモリセルの荷電状態もしくは分極状態の変化を伴う場合(たとえば、第2のオフセット基準電圧705で読み出すことが、メモリセルのうちの1つまたは複数の分極の低減を伴うとき、第2のオフセット基準電圧による読出しが、第1のオフセット基準電圧によって読み出す結果に影響する可能性があるとき)、第1の組の論理状態を書き換えることができる。いくつかの例では、異なるオフセット基準電圧705で読み出すためのメモリセルの異なるサブセット(たとえば、第1のオフセット基準電圧705で読み出すためのメモリセルの第1のサブセット、第2のオフセット基準電圧705で読み出すためのメモリセルの第2のサブセット、ここで第1および第2のサブセットは異なるまたは重複しない)を使用することができ、これにより、異なる基準電圧で同じメモリセルを読み出すことに関係するあらゆる問題を克服することができる。
【0268】
メモリデバイスまたはホストデバイスは、第2の組の論理状態を第1の組の論理状態と比較することによって、第1の不整合またはエラー数(たとえば、第1の測定された不整合数720)を判定することができる。たとえば、815においてメモリセルから読み出された論理状態が、810においてそのメモリセルに書き込まれた論理状態(たとえば、意図された書き込まれた論理状態、標的論理状態)に整合しないとき、不整合またはエラーを計数することができる。この不整合は、メモリセルがインプリントされた(たとえば、810の書込み動作の前に、インプリントされていないヒステリシス曲線430からインプリントされたヒステリシス曲線への変化を受けた)ものであり、810の書込み動作に応答して、書き込まれた論理状態へ変化することに失敗した、またはインプリントされた論理状態へ変化したもしくは戻ったことを示すことができる。同様に、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第3の組の論理状態を第1の組の論理状態(たとえば、810において書き込まれたもの、または第2の組の論理状態を判定した後に書き換えられたもの)を比較することによって、第2の不整合またはエラー数(たとえば、第2の測定された不整合数720)を判定することができる。
【0269】
場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1の不整合またはエラー数と第2の不整合またはエラー数との間の差(たとえば、第1の測定された不整合数720と第2の予期される不整合数720との間の差)を判定し、この判定または測定された差を、第1および第2のオフセット基準電圧705で読み出すことに関連付けられた不整合またはエラー間(たとえば、対応する第1の予期される不整合数715と対応する第2の予期される不整合数715との間の差)の予期される差と比較することができる。たとえば、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1のオフセット基準電圧705で読み出すことに関連付けられた第1の予期される不整合またはエラー数(たとえば、予期される不整合数715-bまたは予期される不整合数715-d)と、第2のオフセット基準電圧705で読み出すことに関連付けられた第2の予期される不整合またはエラー数(たとえば、予期される不整合数715-cまたは予期される不整合数715-e)とを記憶または他の形で識別することができる。したがって、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1の予期される不整合またはエラー数を第2の予期される不整合またはエラー数と比較すること(たとえば、予期される不整合数715-cと予期される不整合数715-bとの間の差、予期される不整合数715-eと予期される不整合数715-dとの間の差)に基づいて、予期される差を判定することができる。
【0270】
メモリデバイスまたはホストデバイスは、2つのオフセット基準電圧705の測定された条件の差を、2つのオフセット基準電圧705の予期される条件の差と比較することに基づいて、回復動作を実行すると判定することができる。測定された差が、予期される差から、定義された量だけ逸脱する(たとえば、上回るまたは下回る)場合、または他の形で閾値を満足させる場合、インプリント回復動作が開始または実行される。一例では、測定された不整合数720-cと測定された不整合数720-bとの間の差が、何らかの閾値量だけ、予期される不整合数715-cと予期される不整合数715-bとの間の差より小さい、または予期される不整合数715-cと予期される不整合数715-bとの間の差より低い場合、インプリント回復動作が実行される。
【0271】
場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1の不整合またはエラー数および第2の不整合またはエラー数(たとえば、第1の測定された不整合数720と第2の測定された不整合数720との間の傾斜)に基づいて、測定された勾配(たとえば、非線形の回帰など、線形または非線形にかかわらず、傾斜または他の勾配)を判定し、この判定または測定された勾配を、第1および第2のオフセット基準電圧705を読み出すことに関連付けられた不整合またはエラーの間の予期される勾配(たとえば、対応する第1の予期される不整合数715と対応する第2の予期される不整合数715との間の傾斜)と比較することができる。
【0272】
たとえば、メモリデバイスまたはホストデバイスは、2つのオフセット基準電圧705での不整合またはエラー間の予期される勾配(たとえば、それぞれオフセット基準電圧705-cおよび705-bでの予期される不整合数715-cおよび715-b間の傾斜)を記憶または他の形で識別することができ、メモリデバイスまたはホストデバイスは、2つのオフセット基準電圧705での不整合またはエラー間の測定された勾配(たとえば、それぞれオフセット基準電圧705-cおよび705-bでの測定された不整合数720-cおよび720-b間の傾斜)を、予期される勾配と比較することに基づいて、回復動作を実行するべきかどうかを判定することができる。一例では、測定された不整合数720-cと測定された不整合数720-bとの間の傾斜が、何らかの閾値量だけ、予期される不整合数715-cと予期される不整合数715-bとの間の傾斜より浅い、または予期される不整合数715-cと予期される不整合数715-bとの間の傾斜より浅い場合、インプリント回復動作が実行される。いくつかの例では、そのような技法は、傾斜または勾配が、起こり得るインプリント特性に対する好ましい観察可能性を提供することができ、メモリデバイスは、電源切断中、または他の形でメモリアレイ内で論理状態もしくは荷電状態を保持している間に、インプリントに特に影響されやすくなり得るため、ブートアップシーケンス中に有益となり得る。
【0273】
別の例では、予期される不整合数715は、測定された不整合数720および予期される傾斜に基づいて(たとえば、動的に)計算または他の形で判定することができる。そのような技法は、評価された基準電圧間の既知の傾斜および既知の差に基づいて予期される不整合数を識別するための1組の測定された不整合からの外挿を示すことができ、別の組の測定された不整合を、計算された予期値と比較することができる。第2の測定された不整合数720および外挿された予期される不整合数715が、何らかの閾値量(たとえば、16×)だけ異なる場合、回復動作を開始することができる。そのような技法は、直接的な傾斜の計算または比較ほど計算集約的ではなく、傾斜が十分に理解されまたは特徴付けられるときは有益であり、これは様々な態様のインプリント検出をハードコーディングまたは他の形で構成することを支援することができる。
【0274】
820-bにおいて、メモリデバイスまたはホストデバイスは、デフォルトまたは動作基準電圧(たとえば、デフォルト基準電圧702)を使用してメモリセルのサブセットを読み出すことを含むことができる第2の分析方法(たとえば、方法2)を実行することができる。メモリデバイスまたはホストデバイスは、デフォルト基準電圧で読み出して取得したデータ(たとえば、測定された不整合数720-a)を閾値と比較することができ、閾値は、予期されるエラーの数に関係する(たとえば、予期される不整合数715-aに関係する)ことができる。場合により、デフォルト基準電圧を使用してメモリセルのサブセットを読み出すことは、任意の不整合またはエラーをもたらすと予期されず、または実質的にエラーを生じないと予期することができる。
【0275】
これらの例では、メモリデバイスまたはホストデバイスは、閾値を0または実質的に0の不整合またはエラーに設定することができ、この閾値が満足された(たとえば、満たされたまたは超過された)場合、インプリントが発生したこと、または回復動作が実行されるべきであることを判定することができる。いくつかの例では、メモリデバイスまたはホストデバイスは、デフォルト基準電圧702を使用して読出し動作を実行するためのエラー許容差に基づいて、閾値を設定することができる。たとえば、デフォルト基準電圧702に関係するエラー許容差が、定義された数のセルを読み出すときに発生する許容可能なまたは予期される読出しエラー数を指定する場合、この閾値は、この許容差に基づいて(たとえば、上回る、下回る、等しいなど)設定することができる。これに関して、メモリデバイスまたはホストデバイスは、デフォルト基準電圧を使用した読出しからのエラー数が許容差を超過するとき、インプリントが発生したと判定することができる。
【0276】
場合により、関連閾値(たとえば、予期される不整合数715と測定された不整合数720との間の差に関係する)が、メモリデバイスによって実行されるECC動作に基づくことができる。これに関して、閾値は、メモリセルのサブセットのためのECC動作によって補正可能なエラー数とすることができ、またはそれを上回ることができる。たとえば、ECC動作が単一エラー補正(SEC)コードワードを使用する場合、閾値を1つのエラーに設定することができる。他の例では、閾値は、メモリセルのサブセットのためのECC動作によって補正可能なエラー数を下回るレベルに設定することができる。
【0277】
820-cにおいて、メモリデバイスまたはホストデバイスは、1つまたは複数のオフセット基準電圧705を使用してメモリセルのサブセットを読み出すことを含むことができる第3の分析方法(たとえば、方法3)を実行することができる。メモリデバイスまたはホストデバイスは、1つまたは複数のオフセット基準電圧705を使用して取得されたデータ(たとえば、測定された不整合数720)を、同じ1つまたは複数のオフセット基準電圧705を使用して読み出すことに関連付けられた予期される不整合数715と比較することができる。場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1の基準電圧(たとえば、オフセット基準電圧705のうちの1つ)を使用して読み出すことによって、第2の組の論理状態を取得し、第2の組の論理状態と第1の組の論理状態との間のエラーまたは不整合の数(たとえば、測定された不整合数720)を判定することができる。メモリデバイスまたはホストデバイスは、測定された不整合数720を(たとえば、それぞれのオフセット基準電圧705に対して)予期される不整合数715と比較し、その比較に基づいて、インプリントが発生したか否か、または回復動作を実行するべきか否かを判定することができる。たとえば、評価されたオフセット基準電圧705のうちの1つまたは複数に対して、測定された不整合数720が、定義された係数または閾値量だけ、対応する予期される不整合数715より大きいまたは小さい場合、メモリデバイスは、インプリントが発生したと判定し、または回復手順を実行すると判定することができる。
【0278】
場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、単一のオフセット基準電圧705でのみ測定された不整合数720を判定することができる。たとえば、単一のオフセット基準電圧705でエラーを判定することは、メモリセルのサブセットが、インプリント検出手順を開始する前(たとえば、810の前)に論理状態のランダムまたは混合分布を含んだとき、かつ第1の組の論理状態(たとえば、810)を書き込むことが、データのランダムまたは混合分布をメモリセルのサブセットに書き込むことを含んだときに、行う(たとえば、メモリデバイスまたはホストデバイスによって選択される)ことができる。
【0279】
場合により(たとえば、複数のオフセット基準電圧705でインプリント評価を実行するとき)、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第2のオフセット基準電圧705を使用して第2の測定された不整合数720を判定することができ、これは、第1の測定された不整合数720を判定するために使用されるものとは異なるメモリセルのサブセット、または同じメモリセルのサブセット(たとえば、異なるオフセット基準電圧705の評価間でインプリント評価の書換えなどの書換え動作を実行するとき)を使用することができる。たとえば、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第3の組の論理状態をメモリアレイのメモリセルの第2のサブセットに書き込み、第2のオフセット基準電圧705を使用して第3の組の論理状態を読み出すことによって、第4の組の論理状態を取得することができる。これは、デフォルト基準電圧702より小さい1つのオフセット基準電圧705と、デフォルト基準電圧702より大きい1つのオフセット基準電圧705とを使用することを含むことができる。たとえば、第1のオフセット基準電圧705は、デフォルト基準電圧702(たとえば、オフセット基準電圧705-bまたはオフセット基準電圧705-c)より小さくすることができ、第2のオフセット基準電圧705は、デフォルト基準電圧702(たとえば、オフセット基準電圧705-dまたはオフセット基準電圧705-e)より大きくすることができる。したがって、第1のオフセット基準電圧705を使用してメモリセルの第1のサブセットを読み出すことによって、第1の測定された不整合数720を取得することができ、第2のオフセット基準電圧705を使用してメモリセルの第2のサブセットを読み出すことによって、第2の測定された不整合数720を取得することができる。
【0280】
メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1の測定された不整合数720を第1の予期される不整合数715と比較することに基づいて、第2の測定された不整合数720を第2の予期される不整合数715と比較することに基づいて、またはこれらの組合せに基づいて、インプリントが発生したか否か、または回復動作を実行するべきか否かを判定することができる。たとえば、第1または第2の測定された不整合数720が、定義された係数だけ、対応する予期される不整合数715より大きいまたは小さい場合、メモリデバイスまたはホストデバイスは、インプリントが発生したと判定し、または回復手順を実行もしくはトリガすると判定することができる。
【0281】
図8Bは、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するインプリント評価プロセス800-bの一例を示す。インプリント評価プロセス800-bは、
図8Aのインプリント評価プロセス800-aを参照して説明した1つまたは複数の特徴を実施または実行することができる。インプリント評価プロセス800-bの特徴は、
図1~
図5を参照して説明するように、メモリデバイス(たとえば、
図1~
図5を参照して説明したメモリデバイス110、メモリダイ160、メモリダイ200、またはメモリデバイス540)、またはメモリデバイスの1つもしくは複数のコンポーネント(たとえば、デバイスメモリコントローラ155、ローカルメモリコントローラ165、ローカルメモリコントローラ265、メモリコントローラ550、またはインプリント検出コンポーネント560)によって実施または実行することができる。いくつかの例では、記載する技法のうちの1つまたは複数は、ホストデバイスへオフロードすることができる(たとえば、
図5を参照して説明したホストデバイス510またはインプリントマネージャ525によって実行または他の形で制御される)。言い換えれば、システム(たとえば、システム500)は、メモリデバイスとホストデバイスとの間の動作の様々な分布に従って、インプリント評価プロセス800-bを実行するように構成することができる。インプリント評価プロセス800-bの特徴は、
図1~
図8Aを参照して説明した1つまたは複数の技法を含むことができる。いくつかの例では、インプリント評価プロセス800-bは、メモリアレイの1つまたは複数のメモリセルが、インプリントされていないヒステリシス曲線430からインプリントされたヒステリシス曲線440へのシフト、またはメモリセルインプリントによって引き起こされ得るヒステリシスもしくは電荷移動度プロパティの何らかの他の変化を受けたかどうかを評価するように構成することができる。
【0282】
インプリント評価プロセス800-bは、インプリント検出手順の複数の可能な実施例を支援するために様々に組み合わせることができる動作の例を示し、手順を実行するために使用されるメモリセルの論理状態は、手順の開始時には知られている(たとえば、手順の開始前に実施または他の形で構成される)。たとえば、非活動化イベント、スタンバイイベント、または他の形でトリガされるインプリント検出手順もしくは評価モードの前に、インプリント検出回路(たとえば、インプリント検出コンポーネント560、インプリントマネージャ525)またはコントローラ(たとえば、メモリコントローラ550、ホストデバイスコントローラ520)は、特に本明細書に記載するインプリント検出手順で後に使用するためにデータをメモリアレイに書き込みまたは実施した可能性がある。インプリント検出手順は、メモリデバイスまたはホストデバイスが電源投入されること、メモリデバイスまたはホストデバイスが初期化されること、メモリデバイスまたはホストデバイスがスリープまたはスタンバイ状態から起動されることなどの様々な基準に基づいて、エラーの数もしくは割合(たとえば、ECCコンポーネントまたはアルゴリズムによって補正される)が、閾値を超過しもしくは他の形で満たすこと、または診断モードもしくは保守モードに入ることなどの動作基準、および他の基準に基づいて、トリガまたは開始することができる。
【0283】
850において、メモリデバイスまたはホストデバイスは、インプリント検出手順を実行するために、メモリセルの1つまたは複数のサブセットを識別することができ、これは、実施または他の形で既知の論理状態(たとえば、インプリントされることもインプリントされていないこともある1組の論理状態)を記憶することができる。メモリセルのサブセットは、アレイの一部分などのメモリセルの一部分を含むことができ、2つ以上のアレイにまたがることができ、1つもしくは複数のアレイの異なる部分全体にわたって分散させることができ、またはこれらの組合せとすることができる。メモリセルのサブセットは、インプリント検出手順を開始する前にメモリデバイスによって実施された論理状態を記憶することができる。たとえば、インプリント検出手順を支援するために、メモリデバイスまたはホストデバイスは、本明細書に記載するように、記録または追跡された1組の論理状態をメモリセルのサブセットに(たとえば、非活動化前、または他の形でインプリント検出手順を開始する前に)書き込むことができる。それに応じて、800-bの例では、メモリデバイスは、インプリントされていることもインプリントされていないこともある既知のデータバックグラウンドを有することができ、これにより本明細書に記載するものを含むインプリント検出の特定の態様を容易にすることができる。
【0284】
一例では、ウェアレベリングが、進行中にメモリデバイスで動作することができ、これは、既知データパターンを実施するために利用することができる。たとえば、開いているまたは利用可能である各間隙行またはページにおいて、ウェアレベリング動作は、間隙行またはページにチェッカボード論理パターンを書き込むことを含み、または他の形で有効にすることができる。メモリデバイスは、どの行またはページにチェッカボードパターンが書き込まれたかを追跡することができ、それに応じて、間隙行またはページにチェッカボードパターンが書き込まれたことを理解して、インプリント評価のために間隙行またはページを選択することができる。他の例では、利用可能な行またはページに、固体データパターン、またはデータ状態の他のパターンもしくは割合を書き込むことができる。他の例では、メモリアレイの専用の部分において、既知のデータパターンを実施することができ、これは、メモリアレイの専用部分の非代表的なインプリントまたは他の条件を回避するために、経時的に書き換えまたは反転させることができる。
【0285】
855において、メモリデバイスまたはホストデバイスは、1組の論理状態(たとえば、第1の組の論理状態)をメモリアレイのメモリセルのサブセットに書き込むことができる。メモリセルのサブセットに書き込まれる論理状態は、1組のインプリント評価論理状態、書き込まれた評価論理状態、またはより概略的に、インプリント評価データと呼ぶことができる。インプリント評価プロセス800-bは、インプリント検出評価を支援するために1組の論理状態を書き込む3つの例を示し、これらの例のうちの1つまたは複数は、様々な基準(たとえば、メモリデバイスまたはホストデバイスの構成、メモリデバイスまたはホストデバイスの事前構成、ホストデバイスによるメモリデバイスへの選択およびコマンド、メモリデバイスまたはホストデバイスの動作条件、データタイプ、インプリントされている可能性のある論理状態の分布など)に基づいて、メモリデバイスまたはホストデバイスによって選択および実行することができる。
【0286】
第1の例として、855-aにおいて、メモリデバイスは、1組の逆の固体論理状態をメモリセルのサブセットに書き込むことができる。これは、非活動化前に、メモリデバイスまたはホストデバイスが、第1の組の固体または同じ論理状態をメモリセルのサブセットに書き込んだ場合に行うことができる。たとえば、非活動化前に、1組のすべての論理0がメモリセルのサブセットに書き込まれた場合、855-aにおいて、メモリデバイスまたはホストデバイスは、メモリセルの同じサブセットにすべて論理1を書き込むことができる。様々な例では、メモリセルのサブセットが実施データパターンのままであることがあるため、855-aの書込みは、メモリセルのサブセットの初期状態を読み出すことを含んでも含まなくてもよい。
【0287】
第2の例として、855-bにおいて、メモリデバイスまたはホストデバイスは、1組の同じ固体論理状態をメモリセルのサブセットに書き込むことができる。これは、非活動化前に、メモリデバイスまたはホストデバイスが、第1の組の固体または同じ論理状態をメモリセルのサブセットに書き込んだ場合に行うことができる。たとえば、非活動化前に、1組のすべての論理0がメモリセルのサブセットに書き込まれた場合、855-aにおいて、メモリデバイスは、メモリセルの同じサブセットにすべて論理0を書き換えることができる。場合により、インプリントされている可能性のある同じ論理状態でメモリセルが評価されているため、この手法を使用することは、予期されたものより少ない不整合を識別するときに回復動作を開始またはトリガすることを伴うことがある。
【0288】
第3の例として、855-cにおいて、メモリデバイスまたはホストデバイスは、1組の定義された(たとえば、混合)データをメモリセルのサブセットに書き込むことができる。場合により、1組の混合データを書き込むことは、パターン(たとえば、チェッカボードパターン、交互の論理状態)を書き込むこと、ランダムデータを書き込むこと、複数の論理状態の分布もしくは割合を書き込むこと、同じ論理状態(たとえば、デフォルト基準電圧702を使用してメモリセルのサブセットを読み出したことに基づいて、読み出したままの論理状態、反転させられていない論理状態)を読み出して再び書き込むこと、または他の論理状態をメモリアレイのサブセットに書き込むことを含むことができる。
【0289】
第4の例として、855-dにおいて、メモリデバイスまたはホストデバイスは、1組の固体論理状態をメモリセルのサブセットに書き込むことができる。場合により、これは、論理0を表すように各セルに書き込むことを含むことができる。他の場合、メモリデバイスまたはホストデバイスは、論理1を表すように各セルに書き込むことができる。メモリデバイスまたはホストデバイスは、各セルに書き込まれた現在の論理状態を読み出しまたは判定することなく、1組の固体論理状態を書き込むことができる。
【0290】
いくつかの例では、メモリデバイスまたはホストデバイスは、どの論理状態がそれぞれのメモリセルに書き込まれるかを記録または追跡することができる。メモリデバイスまたはホストデバイスは、インプリント検出手順における後の時点(たとえば、評価動作中)での比較のために、第1の組の論理状態を記録または追跡することができる。
【0291】
場合により、インプリント評価プロセス800-bの異なる部分(たとえば、サブ動作)を実行するために、1つまたは複数のメモリアレイの異なる部分を使用することができる。たとえば、メモリデバイスまたはホストデバイスは、第1の組の論理状態の第1の部分をメモリセルのサブセットの第1の部分に書き込むことができ、第1の組の論理状態の第2(たとえば、残り)の部分をメモリセルのサブセットの第2の部分に書き込むことができる。いくつかの例では、メモリデバイスまたはホストデバイスは、同じパターンまたは組の論理状態をメモリセルのサブセットの複数の部分に書き込むことができる。たとえば、メモリセルのサブセットは、複数の繰り返す組の論理状態を含むことができる。これに関して、メモリデバイスまたはホストデバイスは、後の読出し動作の異なる部分(たとえば、815)を実行するために、アレイの異なる部分に書き込まれた異なる組の論理状態を使用することができる。
【0292】
860において、メモリデバイスまたはホストデバイスは、メモリセルのサブセットを読み出すことができ、これは、第2の組の論理状態を取得するために、ステップ850においてメモリセルのサブセットに書き込んだまたは書き込むことが試行された論理状態(たとえば、試験データ、評価データ)を読み出すことを含むことができる。場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、850において、1組の試験データ全体を書き込み、次いで860において、メモリセルのサブセットで読出し動作を実行することができる。場合により、メモリデバイスまたはホストデバイスは、試験データの書込みと試験データの読出しとの間(たとえば、855の書込みと860の読出しとの間)で、規定のまたは事前定義された継続時間または遅延にわたって待機することができる。
【0293】
メモリデバイスまたはホストデバイスは、デフォルト基準電圧702または1つもしくは複数のオフセット基準電圧705などの1つまたは複数の基準電圧を使用して、試験データを1回または複数回読み出す(たとえば、サブセットのメモリセルを読み出す)ことができる。場合により、メモリセルのサブセットに書き込まれた試験データを読み出すために使用される基準電圧は、インプリントが発生したかどうかまたはメモリデバイスが回復手順を実行するべきかどうかを評価するために使用される分析方法に依存することがある(たとえば、それに少なくとも部分的に基づいて選択または判定される)。
【0294】
865において、メモリデバイスまたはホストデバイスは、860において読み出されたまたは判定された試験データに少なくとも部分的に基づいて(たとえば、インプリント回復を実行するべきか否かを判定するために)、インプリント評価方法を実行することができる。インプリント評価プロセス800-bは、インプリント検出評価を実行する3つの例(たとえば、
図8Aのインプリント評価プロセス800-aを参照して説明した類似の技法を含むことができる方法1、方法2、および方法3)を示し、これらの例のうちの1つまたは複数は、様々な基準(たとえば、メモリデバイスまたはホストデバイスの構成、メモリデバイスまたはホストデバイスの事前構成、ホストデバイスによるメモリデバイスへの選択およびコマンド、ホストデバイスまたはメモリデバイスの動作条件、データタイプ、インプリントされている可能性のある論理状態の分布など)に基づいて選択および実行することができる。たとえば、ステップ865-aは、ステップ820-a、ステップ865-bを参照して説明した1つまたは複数の技法を含むことができ、ステップ820-b、およびステップ865-cを参照して説明した1つまたは複数の技法を含むことができ、ステップ820-cを参照して説明した1つまたは複数の技法を含むことができる。本明細書に記載するように、方法1、方法2、または方法3のいずれかに関連付けられた任意の機能を、任意の他の方法に関連付けられて説明した任意の他の機能と組み替えることができる。
【0295】
【表1】
表1-アレイのインプリントおよびインプリント評価シナリオ
【0296】
表1は、インプリント評価プロセス800-aおよび800-bを参照して説明したインプリントされたデータ条件、インプリントされたデータ分布、評価データ条件、および評価方法の選択肢の組合せによって予想されるシナリオを示し、これらはいずれも、メモリデバイスでの動作、ホストデバイスでの動作、またはメモリデバイスの両方での調整された動作によって支援することができる。記載のシナリオの各々は、メモリシステム内でインプリント管理を実施するための様々な利点または他の考慮を有することができる。
【0297】
インプリントされたデータ条件に対する記載する例に関して、いくつかのシナリオでは、知られているまたは他の形で仮定されたインプリント条件が、潜在的にインプリントされた条件に対する好ましい洞察を支援することができるため、実施データは、比較的改善されたインプリント検出を支援することができる。しかし、未実施データ条件(たとえば、ランダムデータ、インプリント管理のために特別に構成されていないデータ)は、システムが実施書込み動作を実行する必要がない可能性があるため、比較的速くまたは電力効率がよいことがある。いくつかの例では、制限された状況(たとえば、メモリデバイスの停止またはアイドリング中)において、実施データ条件を適用することができ、それにより実施データパターンに伴う減速または電力消費を緩和することができる。さらに、場合により、未実施データ条件は、インプリント条件に対する好適な観察可能性を支援するのに十分にランダムとすることができる。たとえば、固体データパターンの「ワーストケース」条件からの変動は、ページ数nに対して1/2nに等しくなり得る。データ条件が、(32×8)ページを使用するウェアレベリング動作に関係するとき、70%を超えるデータが同じ状態にある確率は、約1/257、またはほぼ0である。それに応じて、256ページを含むいくつかのシナリオでは、実際に書き込まれたものにかかわらず、ランダムデータを仮定することが妥当であることがある。したがって、記載する技法は、固体の未実施のインプリントされたデータ条件を支援することができるが、そのような条件が生じる可能性は低い。
【0298】
インプリントされたデータ分布に対する記載の例に関して、インプリント現象が異なる論理状態に対して比較的均一に生じる可能性が高い条件下で、またはインプリント検出方法がデフォルト基準電圧の両側の異なるオフセット基準電圧705に依拠するとき(たとえば、評価方法3の例による)、混合データ分布が比較的大きい観察可能性を支援することができる。いくつかの例では、インプリント現象または普及が比較的1つの論理状態の方へ傾いているとき、または評価方法がデフォルト基準電圧の両側で異なるオフセット基準電圧705に依拠しないとき(たとえば、評価方法1、2、または3の例による)、固体データが利点を提供することができる。場合により、評価方法2または3は、固体のインプリントされたデータ分布は、ねじれた特性740を伴わない可能性があり、それに応じてインプリントに対して傾斜の検出可能な変化を伴わないことがあり(たとえば、方法1の検出を支援しないことがある)ため、固体のインプリントされたデータ分布、または逆の状態もしくは同じ状態の評価データ分布下で、評価方法1より好適となり得る。
【0299】
評価データ条件のための記載の例に関して、場合により、固体の評価データパターンは、使用される評価方法に応じて、固体および混合両方のインプリントされたデータ分布に対して、比較的大きいまたは深い観察可能性を支援することができる。場合により、評価方法3の片側構成を実行するときなど、逆の固体評価パターンに対して固体のインプリントされたデータパターンを整合させることが有利となり得る。場合により、複数の状態のインプリントを評価するとき、混合評価データパターンが好ましいことがあり、混合データは、同じ状態、異なる状態、または未実施(たとえば、ランダム)となるように事前構成しまたは選択的に構成することができる。いくつかのシナリオでは、インプリントされた論理状態は、実施されないとき(たとえば、インプリント自体が記憶論理状態を失うとき)、知られていないことがあり、その場合、逆の状態の評価データ条件に依拠するとき、実施データ条件に適用することが好ましくなり得る。
【0300】
評価方法に対する記載の例に関して、傾斜または勾配(たとえば、異なる基準電圧の条件間)に関係する様々な評価を実行することによって、評価方法1は、インプリント特性(たとえば、ねじれたインプリントされた特性740に関係する)に対する比較的強い観察可能性を提供することができ、これは、メモリセルのインプリントと他の障害または現象とを区別することを支援することができる。そのような方法は、測定された不整合数および予期される傾斜(たとえば、異なる基準電圧に対する)に少なくとも部分的に基づいて識別される、測定された傾斜と、予期される傾斜または予期される不整合数との間の比較的高度な曲線の当てはめまたはチップレベルの評価によって支援することができる。
【0301】
いくつかの例では、評価方法1は、両方の論理状態がインプリントに対して類似の感度を有する場合、または比較的頑強な計算が所望される場合、デフォルト基準電圧702の両側での傾斜または勾配の計算によって構成することができる。いくつかの例では、評価方法1は、1つの論理状態が別の論理状態よりインプリントの影響を受けやすい場合、または単一の傾斜もしくは勾配の計算が好適な観察可能性を提供する場合、デフォルト基準電圧702の片側の傾斜または勾配の計算によって構成することができる。場合により、評価方法3は、単一の傾斜もしくは勾配の計算によって実行されるように事前構成することができ、またはインプリントデータに基づいて単一の傾斜もしくは勾配の計算によって選択的に実行することができる(たとえば、デフォルト基準電圧702の片側のみを読み出すことが、インプリントが発生したかどうかを示すはずであるとき、インプリントされた論理状態または評価論理状態の1つの条件のみが予期されるとき)。
【0302】
いくつかの例では、評価方法2は、ECC補正最低値(たとえば、ECCアルゴリズムの障害補正能力を下回るまたはその範囲内の閾値)を下回る不整合閾値によって使用することができ、システムは、インプリント回復動作を開始する前に、不整合またはECC補正のある程度の非ゼロレベルまたは率を可能にするように構成することができる。そのような技法は、インプリントに関係する特定の障害モードに対して比較的低い可視性または観察可能性を有することがある(たとえば、評価方法2は、ハード障害とインプリント障害とを区別することができない)が、そのような技法は、比較的速く効率的になり得る。いくつかのシナリオでは、方法2は、測定不能な結果を有することがあり、または他の形で感度を欠くことがあるが、評価方法2を使用するときに何らかの不整合を検出すると、回復動作をトリガすることができる。言い換えれば、評価方法2を使用することは、インプリントに対して比較的保守的になり得る(たとえば、潜在的にインプリント回復を必要以上に頻繁にトリガまたは開始する)。
【0303】
いくつかの例では、評価方法3は、非ゼロの不整合数が予期される点まで基準電圧レベルにマージンを付けることに関連付けることができる。いくつかの例では、評価方法3の計算は、評価方法2のものに類似することができるが、オフセット基準電圧705の使用は、評価方法2と同様のデフォルト基準電圧の使用より、インプリントに対して良好な可視性または観察可能性を提供することができる。場合により、メモリデバイス540がその動作にわたって劣化する場合、それに応じて、予期される不整合数が増大すると予期することができ、これは、インプリントに明示的に関係しないことがある。それに応じて、動作寿命の後期に、評価方法3を実行することは、インプリントに関する誤検出を有する(たとえば、摩耗による読出しウィンドウの下落を誤って検出する)ことが予期され、これによりインプリント回復を必要以上に頻繁にトリガまたは開始することがある。しかし、いくつかの例では、評価方法3の様々な閾値は、経時的に(たとえば、検出または監視された使用年数または摩耗に基づいて)調整することができる。
【0304】
いくつかの例では、評価方法3は、2つの異なるオフセット基準電圧における読出し動作によって構成することができ、インプリント回復を開始することができ、いずれの条件でも不整合がハードコード限界を超過した場合、継続することができる。しかし、評価方法1とは異なり、評価方法3は、傾斜計算を省略することができ、それにより評価方法1と比較されたとき、特定のハードウェアまたは計算効率を支援することができる。場合により、非対称性の比または他の指示を支援することができる。いくつかの例では、評価方法3は、両方の論理状態がインプリントに対して類似の感度を有する場合、2つのオフセット基準電圧によって構成することができ、または1つの論理状態が別の論理状態よりインプリントの影響を受けやすい場合、1つのオフセット基準電圧によって構成することができる。場合により、評価方法3は、インプリントデータに基づいて、単一のオフセット基準電圧705によって実行されるように事前構成することができ、または単一のオフセット基準電圧705によって選択的に実行することができる(たとえば、デフォルト基準電圧702の片側のみを読み出すことがインプリントが発生したかどうかを示すとき、インプリントされた論理状態または評価論理状態の1つの条件のみが予期されるとき)。
【0305】
いくつかの例では、実施されまたは確率的(たとえば、未実施)であるかどうかにかかわらず、混合のインプリントされたデータ分布によって、評価方法3を実行し、または評価方法3を実行するようにシステムを構成することが好ましくなり得る。インプリントされたデータ条件が未実施であるとき、評価方法1または2は、固体評価データ条件を使用したとき(たとえば、シナリオ10または11に従って)好ましくなり得、または方法3は、混合評価データ条件(たとえば、シナリオ18による)を使用したとき好ましくなり得る。インプリントされたデータ条件が実施されたとき、逆の状態の評価データ条件(たとえば、シナリオ31または33による)によって、評価方法1または3を使用することが好ましくなり得る。しかし、これらは単なる説明的な例であり、本明細書に記載するインプリント管理技法を支援するために、記載のシナリオのいずれかを使用することができる。場合により、様々な選択または構成は、評価されたサブセット内のメモリセルの数、サブセットの数、データがそのような状態(たとえば、未実施または確率的なとき)になる確率に基づくことができる。
【0306】
記載する技法のいくつかの例では、インプリント評価プロセス800-aまたはインプリント評価プロセス800-bのいずれかの選択肢は、前のステップの結果に少なくとも部分的に基づいて選択または識別することができる。たとえば、メモリデバイス540が、インプリントに対して既知ワーストケースデータ状態を有する場合、メモリデバイス540は、実施された固体のインプリントデータパターンを書き込み、逆の固体状態で書き込まれた評価データ状態で評価方法3を実行するように構成することができる。他の場合、より保守的な手法が好ましいことがあり、これは、たとえば、混合評価データ条件で評価方法3を実行することを含むことができる。
【0307】
図9は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するセルバイアス900の例を示す。セルバイアス900-a~900-jの各々は、1つまたは複数のパルス905を含むことができ、パルス905は、セルの均等化もしくは正常化を促進または強化し、または他の形で異なる論理状態を記憶することに対する非対称性を解決するように構成または開始することができる。いくつかの例では、セルバイアス900は、
図4Aおよび
図4Bを参照して説明するように、強誘電メモリセルをインプリントされていないヒステリシス曲線430に戻すように構成することができる。しかし、記載する技法は、メモリセルのヒステリシスプロパティまたは電荷移動度に関係することも関係しないこともある、インプリントまたは他の劣化を受ける他のセルにも適用することができる。たとえば、場合により、セルバイアス900は、異なる原子構成によってプログラムされ、異なる結晶化度によってプログラムされ、異なる原子分布によってプログラムされ、または異なる論理状態に関連付けられた何らかの他の特性によってプログラムされるメモリセルの能力を均等化または正常化するために適用することができる。様々な例では、セルバイアス900の1つまたは複数のサイクルは、本明細書に記載する修理動作または手順の回復内に含むことができる。
【0308】
パルス905の各々は、読出し動作(たとえば、パルス905が、インプリント評価に応答してトリガまたは開始される読出しバイアスまたは読出し動作のバイアスを表す)、または書込み動作(たとえば、パルス905が、インプリント評価に応答してトリガまたは開始される書込みバイアスまたは書込み動作のバイアスを表す)、またはリフレッシュ動作(たとえば、パルス905が、インプリント評価に応答してトリガまたは開始されるリフレッシュバイアスまたはリフレッシュ動作のバイアスを表す)、または何らかの他のアクセス動作に関連付けることができる。いくつかの例では、パルス905は、必ずしもアクセス動作の一部でない修理または回復動作の専用のパルスとすることができる。セルバイアス900の記載の例では、正の電圧Vを論理0に関連付けることができる(たとえば、論理0をメモリセルに書き込むときと同じ極性を有することができる)が、論理状態と極性との間の関連付けまたは対応関係は、変化することもある(たとえば、ビットフリップ構成による、メモリ管理構成による、論理状態マッピング構成による)ことを理解されたい。たとえば、正の電圧Vは、
図3A、
図3B、
図4A、および
図4Bを参照して説明するように、正のV
capに対応することができ、正の電圧315は、論理0を書き込むことに関連付けることができる。いくつかの例では、正の電圧を印加することは、概して、論理1によるメモリセルのインプリント(たとえば、インプリントされた論理1)を緩和または低減させることを伴うことができる。言い換えれば、論理1と論理0との間を切り換えるまたは論理1から論理0へ切り換えるメモリセルの能力を増大させると判定するとき、修理または回復動作は、少なくとも論理0に関連付けられた極性を有する電圧または電圧パルス905(たとえば、正の電圧V)を印加することを含むことができる。セルバイアス900-a~900-jを参照して説明するように、電圧パルス905は、インプリント管理のための様々な技法を支援するように、様々な継続時間、様々な振幅、様々な極性、または同じもしくは異なる継続時間、振幅、もしくは極性の様々な組合せによって構成することができる。
【0309】
いくつかの例では、セルバイアス900は、メモリアレイ(たとえば、1つのページ)の標準的なアドレス可能なサブセットに印加することができ、またはセルバイアス900は、典型的にはユーザによって(たとえば、連動するまたは並列の回復動作に従って)アクセス可能でない複数のアドレス可能なサブセットから構成されるメモリアレイのより大きいサブセットに印加することができる。言い換えれば、セルバイアスは、ユーザが1度にアドレスすることができるものに制限されなくてもよい。逆に、記載のセルバイアス900は、1度に任意の数の行またはページに(たとえば、1度に2ページ、1度に10ページ、1度に1000ページ)を印加することができ、これは、セルバイアス900が1度に単一のページに印加される場合より迅速にメモリアレイを通して機能する回復動作を支援することができる。
【0310】
セルバイアス900-a~900-dは、本明細書に記載する例による単極セルバイアス900の例を示す。単極セルバイアス900は、単一の極性の1つまたは複数のパルス905を特定の継続時間にわたってメモリセルに印加する様々な例を指すことができる。本明細書に記載するように、単極セルバイアス900は、単一のパルス905として、または2つ以上のパルス905(たとえば、パルス列)として印加することができる。様々な例では、バイアス下の合計時間、バイアスレベル(たとえば、振幅)、パルス905の総数、またはパルス905間の継続時間は、構成可能または選択可能とすることができる。いくつかの例では、単極セルバイアス900は、所望の回復が特定の方向(たとえば、1つの論理状態から別の論理状態への既知の方向)にある場合に選択または印加することができる。したがって、セルバイアス900-a~900-dのうちのいずれか1つまたは複数(たとえば、正の極性を有する)を、インプリント条件(たとえば、方向)が知られている特定のメモリセルに印加することができる。いくつかの例では、セルバイアス900-a~900-dのいずれかに類似しているが負の極性を有するセルバイアス900を、論理0によってインプリントされたメモリセルなど、インプリントの異なる方向を有するメモリセルに印加することができる。
【0311】
単極セルバイアス900の第1の例において、セルバイアス900-aは、単一のパルス905-a-1を含むことができる。単極セルバイアス900の第2の例において、セルバイアス900-bは、複数のパルス(たとえば、パルス905-b-1およびパルス905-b-2)を含むことができ、これらのパルスは各々、同じ継続時間および振幅を有することができる。単極セルバイアス900-bは、2つのパルス905を有する一例を示すが、本開示による単極セルバイアス900は、3つ以上のパルスを含む任意の数のパルス905を含むことができる。単極セルバイアス900の第3の例において、セルバイアス900-cは、複数のパルス(たとえば、パルス905-c-1およびパルス905-c-2)を含むことができ、これらのパルスは各々、異なる継続時間を有する。単極セルバイアス900-cは、連続してより短い継続時間を有するパルス905の一例を示すが、本開示による単極セルバイアス900は、連続してより長い継続時間または他のパターンとともに変化する継続時間を有するパルス905を含むことができる。単極セルバイアス900の第4の例において、セルバイアス900-dは、複数のパルス(たとえば、パルス905-d-1およびパルス905-d-2)を含むことができ、これらのパルスは各々、異なる継続時間を有する。単極セルバイアス900-dは、連続してより小さい振幅を有するパルス905の一例を示すが、本開示による単極セルバイアス900は、連続してより大きい振幅または他のパターンとともに変化する振幅を有するパルス905を含むことができる。さらに、セルバイアス900-dは、パルス905-d-1と905-d-2との間の間隙(たとえば、0のバイアス継続時間または領域)を有するように示されているが、いくつかの例では、単極セルバイアス900は、そのような間隙がないように実行することができる(たとえば、階段状バイアスを増大または減少させることによる)。セルバイアス900の他の例において、連続するパルス905は、異なる継続時間および異なる振幅の両方を有することができ、そのようなセルバイアスは、3つ以上のパルス905を含むことができる。
【0312】
インプリント回復のための単極セルバイアス900を印加することは、いくつかの状況で有利となり得る。たとえば、単極セルバイアス900は、電圧があまり振動せず、または0または接地電圧を交差しないことがあるため、比較的低い電力消費を伴うことができる。いくつかの例では、単極セルバイアス900は、(たとえば、通常の読出し動作、インプリント検出または評価の)初期読出し電圧が、寿命の終わりの摩耗の予想でバイアスされた場合に有益となることがあり、その場合、1つの論理状態に対してより積極的に回復することが望ましくなり得る(たとえば、そのような論理状態が、より小さい読出しマージンによってトリミングされた場合)。
【0313】
セルバイアス900-eおよび900-fは、本明細書に記載する例による対称の両極セルバイアス900の例を示す。両極セルバイアス900は、異なる極性の各々で1つまたは複数のパルス905を特定の継続時間にわたってメモリセルに印加する様々な例を指すことができる。たとえば、第1のパルス905は、第1の極性によって印加することができ、第2のパルス905は、第2の(たとえば、逆の)極性によって印加することができる。様々な例では、バイアス下の合計時間、バイアスレベル(たとえば、振幅)、パルス905の総数、またはパルス905間の継続時間は、構成可能または選択可能とすることができる。対称の両極セルバイアス900の例では、そのような構成は、各極性のパルス905に対して等しくまたは他の形で同じように適用することができる。したがって、インプリント指向性の事前の知識がなくても、セルバイアス900-eまたは900-fのうちのいずれか1つまたは複数をメモリセルに印加することができる。
【0314】
対称の両極セルバイアス900の第1の例において、セルバイアス900-eは、複数のパルス(たとえば、パルス905-e-1およびパルス905-e-2)を含むことができ、これらのパルスは各々、同じ継続時間および振幅、ならびにこれらの間の間隙期間を有することができる。対称の両極セルバイアス900の第2の例において、セルバイアス900-fは、複数のパルス(たとえば、パルス905-f-1およびパルス905-f-2)を含むことができ、これらのパルスは各々、同じ継続時間および振幅を有することができるが、これらの間に間隙期間はない。セルバイアス900-eおよび900-fは、単一対のパルス905による対称の両極セルバイアスを示すが、対称セルバイアス900の他の例は、これらの間に間隙期間を有することも有さないこともある、2対以上のパルス905を含むことができる。さらに、連続する対のパルス905は、異なる(たとえば、減少する、増大する、交互の)振幅、異なる(たとえば、より短い、より長い、交互)の継続時間を有し、他の異なる特性を有することができる。
【0315】
いくつかの状況では、インプリント回復のために対称の両極セルバイアス900を印加することが有利となり得る。たとえば、対称の両極セルバイアス900は、単極セルバイアス900より効果的なインプリント回復を伴うことができる(たとえば、荷電状態のスイッチング、循環効果による)。さらに、対称の両極セルバイアス900は、インプリントの知られているもしくは予測される指向性に依存もしくは依拠する可能性のない、または他の形で回復方向が指定されないときに好適となり得る。
【0316】
セルバイアス900-g~900-jは、本明細書に記載する例による非対称の両極セルバイアスの例を示す。非対称の両極セルバイアス900は、異なる極性の各々で1つまたは複数のパルス905をメモリセルに印加する様々な例を指すことができ、異なる極性のパルス905は、異なる特性を有する。たとえば、第1のパルス905は、第1の極性で印加することができ、第2のパルス905は、第2の(たとえば、逆の)極性、および異なる振幅、異なる継続時間、異なる繰返し、またはこれらの様々な組合せで印加することができる。
【0317】
非対称の両極セルバイアス900の第1の例において、セルバイアス900-gは、複数のパルス(たとえば、パルス905-g-1およびパルス905-g-2)を含むことができ、逆の極性のパルスが異なる継続時間によって印加される。非対称の両極セルバイアス900-gは、正の極性(たとえば、論理1のインプリントの回復を支援するため)を有するパルス905に対してより長い継続時間または異なるデューティーサイクルを有するパルス905の一例を示すが、本開示による非対称セルバイアス900は、負の極性(たとえば、論理0のインプリントの回復を支援するため)を有するパルス905に対してより長い継続時間もしくは異なるデューティーサイクル、または変化するもしくは他のパターンで印加される継続時間を有するパルス905を含むことができる。さらに、パルス905の連続する対は、異なる(たとえば、減少する、増大する、交互の)振幅、異なる(たとえば、より短い、より長い、交互の)継続時間、および他の異なる特性を有することができ、これは、パルス905同士の間、またはパルス905の対同士の間の間隙期間を含むことができ、または省略することができる。
【0318】
非対称の両極セルバイアス900の第2の例において、セルバイアス900-hは、複数のパルス(たとえば、パルス905-h-1およびパルス905-h-2)を含むことができ、逆の極性のパルスが異なる振幅で印加される。非対称の両極セルバイアス900-hは、正の極性(たとえば、論理1のインプリントの回復を支援するため)を有するパルス905に対してより大きい振幅を有するパルス905の一例を示すが、本開示による非対称セルバイアス900は、負の極性(たとえば、論理0のインプリントの回復を支援するため)を有するパルス905に対してより大きい振幅を有するパルス905を含むことができる。さらに、パルス905の連続する対は、異なる(たとえば、減少する、増大する、交互の)振幅、異なる(たとえば、より短い、より長い、交互の)継続時間、および他の異なる特性を有することができ、これは、パルス905同士の間、またはパルス905の対同士の間の間隙期間を含むことができ、または省略することができる。
【0319】
非対称の両極セルバイアス900の第3の例において、セルバイアス900-iは、複数のパルス(たとえば、パルス905-i-1、パルス905-i-2、およびパルス905-i-3)を含むことができ、逆の極性のパルスが異なる数および交互の極性に従って印加される。非対称の両極セルバイアス900-iは、正の極性(たとえば、論理1のインプリントの回復を支援するため)を有するより大きい数のパルス905を含む一例を示すが、本開示による非対称セルバイアス900は、負の極性(たとえば、論理0のインプリントの回復を支援するため)を有するより大きい数のパルス905を有するパルス905を含むことができる。さらに、パルス905-iは、同じ継続時間および振幅を有するものとして示されているが、連続するパルス905またはパルス905のサブセット(たとえば、3つのパルス905-i-1~905-i-3のサブセット、または異なる数のサブセット)は、異なる(たとえば、減少する、増大する、交互の)振幅、異なる(たとえば、より短い、より長い、交互の)継続時間、および他の異なる特性を有することができ、これは、パルス905同士の間、またはパルス905の対同士の間の間隙期間を含むことができ、または省略することができる。
【0320】
非対称の両極セルバイアス900の第4の例において、セルバイアス900-jは、複数のパルス(たとえば、パルス905-j-1、パルス905-j-2、およびパルス905-j-3)を含むことができ、逆の極性のパルスが異なる数に従って印加され、1つまたは複数の順次パルス905のサブセットが同じ極性を有する(たとえば、パルス905-j-1および905-j-2に対応する第1のサブセットが正の極性を有し、パルス905-j-3に対応する第2のサブセットが負の極性を有する)。非対称の両極セルバイアス900-jは、正の極性(たとえば、論理1のインプリントの回復を支援するため)を有するより大きい数のパルス905を含む一例を示すが、本開示による非対称セルバイアス900は、負の極性(たとえば、論理0のインプリントの回復を支援するため)を有するより大きい数のパルス905を含むことができる。さらに、パルス905-jは、同じ継続時間および振幅を有するものとして示されているが、連続するパルス905またはパルス905のサブセット(たとえば、3つのパルス905-h-1~905-h-3のサブセット、または異なる数のサブセット)は、異なる(たとえば、減少する、増大する、交互の)振幅、異なる(たとえば、より短い、より長い、交互の)継続時間、および他の異なる特性を有することができ、これは、パルス905同士の間、またはパルス905の対同士の間の間隙期間を含むことができ、または省略することができる。
【0321】
パルス905は、電圧の段階的な変化として示されているが、他の例では、回復または修理動作の一部としてパルス905の印加を支援するために、異なるバイアスプロファイルを使用することができる。たとえば、パルス905は、電圧の傾斜した増大、電圧の傾斜した減少、電圧の段階的な増大、電圧の段階的な減少、電圧の対数的な増大、電圧の対数的な減少、または他のプロファイルもしくはプロファイルの組合せで印加することができる。いくつかの例では、そのようなプロファイルは、パルス列内の1つのパルス905から別のパルス905へ変動させることができ、そのようなプロファイルは、異なる回復技法を支援するために非対称に印加することができる。
【0322】
いくつかの例では、どれだけ多くのサイクルを実行するべきか、またはどの種類の循環を実行するべきかという判定は、様々な条件または特性に基づいて構成または選択するすることができる。
【0323】
循環回復の選択肢に関して、回復イベントを実行するためのアレイ空間のサイズは、回復中の印加応力に影響し得る。アレイ全体を回復すれば、たとえば比較的少数のサイクルを比較的長い継続時間および比較的高い振幅で、比較的高い平行性とともに印加する(たとえば、比較的多くのページが同時にまたは重複継続時間中に回復される)すれば、電力または電流の引込みを低減させるのに有益となり得る。アレイの比較的小さいサブセットを回復すれば、たとえば比較的多数のサイクルを比較的短い継続時間および中程度から高程度の振幅で印加すれば、可能な限り迅速にセルを回復するのに有益となり得る。様々な例では、データを維持し(たとえば、回復中にデータを異なる位置へ動かす)、または回復中にデータをパージするように決定することができる。
【0324】
いくつかの例では、セルバイアス900は、対応するパルス905を構成するとき、検出または予測された重大度を考慮することができる。たとえば、比較的高い重大度のインプリントの場合、より多数のパルス905を印加することが好ましくなり得る。一例では、低い重大度の場合、比較的少数のパルス905を印加することができ(たとえば、1,000未満)、中程度の重大度の場合、中程度の数のパルス905を印加することができ(たとえば、10,000未満)、高い重大度の場合、多数のパルス905を印加することができる(たとえば、10,000超)。加えてまたは別法として、検出または予測された重大度が増大するにつれて、より高いバイアスを印加することが好ましくなり得る。たとえば、比較的低い重大度の場合、比較的低い振幅を有するパルス905を印加することができ、比較的高い重大度の場合、比較的高い振幅を有するパルス905を印加することができる。
【0325】
加えてまたは別法として、いくつかの例では、セルバイアス900は、対応するパルス905を構成するとき、検出された使用年数または摩耗を考慮することができる。たとえば、セルバイアスは、使用年数とともにより多数のパルス905を印加するなど、使用年数に応じてパルス905の数をスケールすることができる。一例では、早期寿命中は、標的サイクルまたはパルス905のデフォルト数の10分の1を印加することができ、後期寿命中は、標的サイクルまたはパルス905のデフォルト数の10倍を印加することができる。加えてまたは別法として、使用年数が増大するにつれて、より高いバイアスを印加することが好ましくなり得、これは、早期寿命条件中にメモリセルの疲労または摩耗を低減させることに対応することができる。たとえば、早期寿命の場合、パルス905の振幅を比較的減少させることができ、中期寿命の場合、パルス905の振幅を、標準的なまたは他の形で維持されたバイアスとすることができ、後期寿命の場合、パルス905の振幅を比較的増大させることができる。
【0326】
加えてまたは別法として、いくつかの例では、セルバイアス900は、対応するパルス905を構成するとき、(たとえば、ホストデバイスの、メモリデバイスの)検出された温度を考慮することができる。たとえば、回復バイアスが高温で比較的改善されたとき(たとえば、電荷移動度または原子分布移動度の増大による)、比較的低い温度で、より多数(たとえば、デフォルト数の10倍)のパルス905を印加することができ、比較的高い温度で、より少数(たとえば、デフォルト数の10分の1)のパルス905を印加することができる。加えてまたは別法として、比較的低い温度で、より大きい振幅のパルス905を印加することができ、比較的高い温度で、より低いまたはデフォルトの振幅のパルス905を印加することができる。
【0327】
加えてまたは別法として、いくつかの例では、セルバイアス900は、対応するパルス905を構成するとき、回復を実行するために利用可能な時間を考慮することができる。たとえば、システムは、実行されたサイクルの数が標的サイクルの数より小さいと仮定して、利用可能な時間中に可能な限り多くのパルス905を印加するように構成することができる。別の例では、回復のために利用可能な時間の量が制限されている場合、システムは、回復時間を減少させるために、より高いバイアスを印加するように構成することができる。
【0328】
加えてまたは別法として、いくつかの例では、セルバイアス900は、対応するパルス905を構成するとき、利用可能な電力または他の電力条件を考慮することができる。いくつかの例では、システムは、利用可能な電力量とともに、サイクルの数、ならびに平行性および速度をスケールするように構成することができる。一例では、システムまたはホストデバイスが差し込まれたとき、インプリント回復は、(たとえば、電力仕様によって許容される限り)可能な限り多くのサイクルを可能な限り迅速に実行するように構成することができる。別の例では、システムまたはホストデバイスがバッテリ電力を使用するとき、バッテリ電力を保存するために、回復動作を(たとえば、速度の10分の1、振幅の10分の1、数の10分の1に)縮小することができる。
【0329】
図10は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援する信号伝達1000の一例を示す。信号伝達1000は、
図5を参照して説明するように、ホストデバイスインターフェース515とメモリインターフェース545との間の交換など、ホストデバイスとメモリデバイスとの間で(たとえば、チャネルを介して)交換することができる。信号伝達1000は、ビットシーケンスとして示されているが、信号伝達1000は、単一の16ビットのレジスタまたは何らかの他の数のレジスタに記憶されまたは書き込まれた値として搬送することができ、変調されても変調されなくてもよく(たとえば、PAM3、PAM4、PAM8、および他のPAM構成、直交振幅変調(QAM)、4位相偏移変調(QPSK)などに従って)、信号経路の単一のチャネルまたは信号経路の複数のチャネルを介して搬送することができる。たとえば、信号伝達1000は、干渉パケットまたはビットストリームとしてホストデバイスとメモリデバイスとの間で搬送されても搬送されなくてもよい。いくつかの例では、信号伝達は、ホストデバイス、メモリデバイス、または両方によって可読または書込み可能とすることができるレジスタまたは他の値またはインジケータを示すことができる。加えてまたは別法として、信号伝達1000は、ホストデバイスまたはメモリデバイスによる読出しのために、(たとえば、メモリデバイスまたはホストデバイスのうちの1つによって送信されるトリガ信号によって)ポーリングまたはトリガすることができるレジスタまたは他の値またはインジケータを示すことができる。
【0330】
いくつかの例では、信号伝達1000を回復フラグ符号化と呼ぶことができ、位置の各々は、回復フラグ符号化の2進または他の形で変調された値を表すことができる。信号伝達1000は、ホストデバイスとメモリデバイスとの間(たとえば、
図5を参照して説明するように、インプリントマネージャ525と、インプリント検出コンポーネント560またはインプリント回復コンポーネント565のうちの1つまたは複数との間)の2方向通信のために構成することができ、したがってホストデバイスおよびメモリデバイスの各々は、示されているフィールドのうちの1つまたは複数に値を書き込むためのコマンド認可を有する(たとえば、集合体内で、信号伝達1000は、ホストデバイスとメモリデバイスとの間の2方向セットのために構成することができる)。いくつかの例では、信号伝達1000の部分のうちの1つまたは複数をハードコードまたは融合することができ、これは、ホストデバイスまたはメモリデバイスのうちの1つまたは複数の製造または初期電源投入中に固定の構成または設定を含むことができる。
【0331】
いくつかの例では、部分1005を要求フラグと呼ぶことができる。いくつかの例では、部分1005は、メモリデバイスがインプリント回復に関係する緊急度を搬送しまたは示すことを支援することができる。
【0332】
いくつかの例では、部分1010をインプリント状態インジケータと呼ぶことができる。いくつかの例では、部分1010は、メモリデバイスがインプリント状態、インプリント重大度、または両方を搬送しまたは示すことを支援することができる。
【0333】
いくつかの例では、部分1015を回復時間インジケータと呼ぶことができる。いくつかの例では、部分1015は、メモリデバイスが推定される回復時間を搬送しまたは示すことを支援することができる。加えてまたは別法として、部分1015は、ホストデバイスが回復動作のために利用可能な時間を搬送しまたは示すことを支援することができ、これは、ホストデバイスが(たとえば、有効化状態中に)メモリデバイスによって書き込まれた部分1015の値を上書きすることを含むことができる。
【0334】
いくつかの例では、部分1020を回復方法インジケータと呼ぶことができる。いくつかの例では、部分1020は、メモリデバイスが構成、判定、または選択された回復方法を搬送しまたは示すことを支援することができる。加えてまたは別法として、部分1020は、ホストデバイスが構成、判定、または選択された回復方法を搬送しまたは示すことを支援することができ、これは、ホストデバイスが(たとえば、有効化状態中に)メモリデバイスによって書き込まれた部分1020の値を上書きすることを含むことができる。
【0335】
いくつかの例では、部分1025を力有効化/無効化フラグと呼ぶことができる。いくつかの例では、部分1025は、メモリデバイスがインプリント回復に関係する緊急度を(たとえば、オーバーライドとして)搬送しまたは示すことを支援することができる。たとえば、部分1025は、部分1035のオーバーライドとして作用することができる。
【0336】
いくつかの例では、部分1030を休止回復フラグと呼ぶことができる。いくつかの例では、部分1030は、比較的高いユーザ要求または他の性能要件中の休止など、ホストデバイスがインプリント回復を休止することを支援することができる。
【0337】
いくつかの例では、部分1035を有効化/無効化フラグと呼ぶことができる。いくつかの例では、部分1035は、ホストデバイスが回復を有効にするための承認を搬送しまたは示すことを支援することができる。いくつかの例では、ホストデバイスは、部分1005におけるメモリデバイスによる回復指示に応答して、部分1035に承認指示を書き込むことができる。いくつかの例では、ホストデバイスは、システム状態またはユーザ要求に基づいて、そのような決定をなすことができる。
【0338】
これらの部分の各々は、何らかの数の2進フィールドを含むものとして示されて説明されているが、信号伝達1000の例は、ホストデバイスとメモリデバイスとの間における16ビットの信号伝達を支援するための単なる一例である。他の例では、16ビットレジスタまたは任意の他の数のフィールドを有するレジスタにわたって、信号伝達を異なる形で分散させることができ、これは、変調スキームの何らかの他の数のレベルに従って、2進とすることができ、または変調させることができる。いくつかの例では、信号伝達1000の部分のうちの1つまたは複数をメモリデバイス内で組み合わせることができる。
【0339】
図11は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援する状態
図1100の一例を示す。たとえば、状態フロー1110は、メモリデバイスにおける動作管理状態機械の態様を示すことができ、状態フロー1150は、メモリデバイス、もしくはメモリデバイスに結合されたホストデバイス、またはこれらの何らかの組合せにおけるインプリント管理状態機械の態様を示すことができる。様々な例では、状態フロー1110および状態フロー1150は、同時に動作することができ、または状態フロー1110は、(たとえば、メモリデバイスの)動作状態の態様を状態フロー1150へ渡すことができる。いくつかの例では、状態フロー1150は、アイドル状態1115内のサブ状態の例示的なフローなど、状態フロー1110の一部分となるように考慮することができる。いくつかの例では、状態フロー1110は、様々なメモリシステム規格(たとえば、1つまたは複数のJoint Electron Device Engineering Council(JEDEC)規格)に従って、RAM状態機械の態様を示すことができる。
【0340】
アイドル状態1115は、メモリデバイスがホストデバイスとデータを活動的に交換していない、または他の形でホストデバイスからのアクセスコマンドに応答していない状態を示すことができる。アイドル状態1115は、メモリデバイスの低電力であるが有効化された動作状態(たとえば、電源投入されているが活動的に動作していないとき、待機状態)に対応することができる。たとえば、アイドル状態1115は、メモリデバイスのメモリバンクが活動化されていない状態に対応することができる(たとえば、1つまたは複数のバンクが活動化された状態に対応することができる活動状態1120と比較)。いくつかの例では、状態フロー1150は、プロセスフローがアイドル状態1115にあるときはいつでも、インプリント検出(たとえば、検出状態1160に関係する)を有効にすることができるように構成することができる。いくつかの例では、状態フロー1110は、ホストデバイスからのコマンドに応答して、アイドル状態1115から活動状態1120へ遷移することができ、そのような遷移は、ホストデバイスとメモリデバイスとの間の活動化(ACT)コマンドまたは信号に関連付けることができる。
【0341】
活動状態1120は、「行活動」状態に対応することができ、これは、メモリアレイの有効化またはアレイレベルバイアス(たとえば、メモリアレイの共通プレートのバイアス)の印加など、概してメモリデバイスにおいてアクセス動作(たとえば、読出し動作、書込み動作、書換え動作、リフレッシュ動作)を支援するようにメモリデバイスの部分が有効化またはバイアスされることを含むことができる。いくつかの例では、状態フロー1110は、特定のアクセスコマンド(たとえば、読出しコマンド、書込みコマンド、書換えコマンド、リフレッシュコマンド)などのホストデバイスからのコマンド、またはメモリデバイスの特定の部分の他のアクセスに応答して、活動状態1120からアクセスモード状態1125へ遷移することができる。
【0342】
アクセスモード状態1125は、「読出し」状態、「書込み」状態、またはメモリデバイスの特定のメモリセルとの情報のアクセスおよび通信を支援する他の状態のうちのいずれか1つまたは複数に対応することができる。たとえば、アクセスモード状態1125で動作している間に、メモリデバイスは、特定のメモリセルを読み出してホストデバイスへデータを搬送し、ホストデバイスからデータを受信して、そのデータを特定のメモリセルに書き込むことができ、または両方を行う。いくつかの例では、アクセスモード状態は、セルレベルまたはアドレスレベルのバイアス、特定の行または列のマルチプレクサの活動化、増幅またはラッチの感知、および他の動作を含むことができる。いくつかの例では、状態フロー1110は、アクセス動作が完了したとき(たとえば、明示的なコマンドなしに、1組の受信またはキャッシュされたアクセスコマンドに応答したとき)、アクセスモード状態1125から活動状態1120へ遷移することができる。
【0343】
プリチャージング状態1130は、メモリデバイスのすべてのバンクがプリチャージされまたは他の形でバイアスされている(たとえば、アイドル状態1115へ戻る準備)状態に対応することができる。プリチャージング状態1130は、アクセス動作に続く活動状態1120とアイドル状態1115との間の遷移状態とすることができ、これは、アイドル状態1115へ戻るようにメモリアレイを調節または他の形で準備することを含むことができる。いくつかの例では、状態フロー1110は、ホストデバイスからのコマンドに応答して、活動状態1120からプリチャージング状態1130へ遷移することができ、そのような遷移は、ホストデバイスとメモリデバイスとの間のプリチャージ(PRE)コマンドまたは信号に関連付けることができる。プリチャージング状態1130からアイドル状態1115への遷移は、明示的なコマンド(たとえば、ホストデバイスから)なしに行うことができる。
【0344】
状態フロー1150を参照すると、検出状態1160は、インプリント検出の様々な例を実行することができる状態を指すことができる。様々な例では、そのような検出は、イベントによって駆動する(たとえば、トリガまたは開始)または他の形で予定する(たとえば、連続して行う、定義された期間に従って行う)ことができる。メモリデバイスのインプリントが検出または予測されたとき、検出状態1160は、いくつかの例では、要求フラグまたはインジケータを設定することができ、状態フローは、フラギング状態1155へ進むことができる。そのような例では、状態フロー1150は、ホストデバイスまたは状態フロー1110と交換される信号伝達に基づいて、フラギング状態1155から回復状態1165へ遷移することができる。いくつかの例では、そのような技法または状態遷移は、インプリント重大度が比較的低いとき、もしくはメモリデバイスが特定の動作制約(たとえば、回復を実行するためにホストデバイスとの信号伝達または交渉を必要とする)を支援することが必要とされるとき、または他の考慮に基づいて適用することができる。
【0345】
別の例では、メモリデバイスのインプリントが検出または予測されたとき、検出状態1160は、いくつかの例では、強制回復フラグまたはインジケータを設定することができ、状態フローは直接、回復状態1165へ進むことができる。いくつかの例では、そのような技法または状態遷移は、インプリント重大度が比較的高いとき、メモリデバイスが特定の動作を支援することができないとき(たとえば、回復不能なエラーによる)、または他の形で回復判定および動作を自律的に支援するように構成されるときに適用することができる。
【0346】
回復状態1165は、インプリント検出の様々な例を実行することができる状態を指すことができ、これは、メモリアレイ全体での個別回復イベント、または動作中もしくは修正動作によって回復(たとえば、状態フロー1110および状態フロー1150が同時に動作しているとき)を含む。いくつかの例では、回復動作を実行した後、状態フロー1150は、回復状態1165から検出状態1160へ遷移して、回復を評価または確認することができ、これを回復試験と呼ぶことができる。
【0347】
いくつかの例では、アイドル状態1115とフラギング状態1155との間の信号伝達、またはより概略的には、状態フロー1110と状態フロー1150との間の信号伝達は、本明細書に記載するように、様々な回復要求、承認、または否定信号伝達を含むことができる。たとえば、フラギング状態1155は、状態フロー1110へ回復要求を発行することができ、この回復要求は、状態フロー1110がアイドル状態1115にあるときに応答することができる。次に、アイドル状態1115は、状態フロー1150へ承認または否定を発行することができ、これは、フラギング状態1155に残るためまたは回復状態1165へ進むために使用することができる。いくつかの例では、アイドル状態1115とフラギング状態1155との間の遷移は、そのような信号伝達に従って(たとえば、システムが状態フロー1110または状態フロー1150のいずれかの単一の状態で動作するときに)開始することができる。
【0348】
いくつかの例では、アイドル状態1115とフラギング状態1155との間の信号伝達、またはより概略的には、状態フロー1110と状態フロー1150との間の信号伝達は、状態フロー1110の動作への様々な修正を含むことができる。たとえば、本明細書に記載する動作中の回復または修正された動作による回復の様々な例を支援するために、そのような信号伝達は、状態フロー1110の動作(たとえば、アイドル状態1115、活動状態1120、アクセスモード状態1125、またはプリチャージング状態1130のうちのいずれか1つまたは複数の修正動作またはパラメータ)中に使用することができるトリガ、インジケータ、またはパラメータを含むことができる。
【0349】
図12は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するプロセスフロー1200の一例を示す。いくつかの例では、プロセスフロー1200は、メモリデバイス(たとえば、
図5を参照して説明したメモリデバイス540)によって実行することができ、それらの動作は、メモリデバイス内で(たとえば、ホストデバイスとの信号伝達または他の相互作用なく自律的に)実行することができる。他の例では、プロセスフロー1200は、メモリデバイスおよびホストデバイスを含むシステム(たとえば、
図5を参照して説明したシステム500)内で実行することができ、プロセスフロー1200の様々な動作は、メモリデバイスまたはホストデバイスのいずれかによって実行することができる。
【0350】
1205において、プロセスフロー1200は、インプリント検出手順を実行することを含むことができる。たとえば、1205において、プロセスフロー1200は、
図5~
図8を参照して説明したインプリント検出手順のうちのいずれか1つまたは複数を実行することを含むことができる。様々な例では、1205の動作は、実施もしくは未実施論理状態(たとえば、インプリントされたデータ条件に対応する)を書き込むこと、評価データ条件に従ってメモリアレイのメモリセルのサブセットを書き込むこと、または1つもしくは複数のインプリント評価方法(たとえば、
図8Aまたは
図8Bを参照して説明した)を実行することのうちの1つまたは複数を含むことができる。様々な例では、1205の動作は、連続して実行することができ、周期的な予定に基づいてトリガもしくは開始することができ、またはイベントによって駆動する(たとえば、メモリデバイスまたはシステムの電源投入またはブートの一部としてトリガまたは開始する)ことができる。いくつかの例では、1205の動作は、
図6を参照して説明した605または615の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0351】
1210において、プロセスフロー1200は、インプリント回復動作を実行するべきかどうかを判定することを含むことができる。インプリント回復を実行すると判定した場合、プロセスフロー1200は1215へ進むことができる。インプリント回復を実行しないと判定した場合、プロセスフロー1200は1235へ進むことができる。いくつかの例では、1210における判定は、本明細書に記載するインプリント評価方法の結果に基づくことができる。いくつかの例では、1210の動作は、
図6を参照して説明した620の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0352】
1215において、プロセスフロー1200は、インプリント方向を判定することを含むことができる。いくつかの例では、そのような判定は、個々のメモリセルに対してセルごとに行うことができる。いくつかの例では、そのような判定は、メモリアレイのメモリセルのサブセットに対してまとめて行うことができる。様々な例では、1215の判定は、予測されたまたは確率的なインプリント方向の態様を含むことができ、予測は、論理状態に対する既知のインプリント感度に基づく、あるいは1つもしくは複数のメモリセルまたはメモリセルの代表的母集団のインプリントの測定に基づく。
【0353】
1220において、プロセスフロー1200は、回復パラメータを構成することを含むことができ、これは、1215において判定されたインプリント方向に少なくとも部分的に基づくことができる。たとえば、ホストデバイスまたはメモリデバイスは、
図9を参照して説明したように、単極セルバイアス900を実行するべきか、それとも非対称の両極セルバイアス900を実行するべきか判定することができる。いくつかの例では、1220の構成は、1つまたは複数の電圧パルス905に対する振幅、電圧パルス905に対する継続時間、電圧パルス905のサイクル数、または他の構成を判定することを含むことができる。いくつかの例では、1220の構成は、検出もしくは予測されたインプリント重大度、ホストデバイスもしくはメモリデバイスの検出された温度、検出された老化もしくは摩耗、検出された電力条件、回復動作のための信号伝達された利用可能な継続時間、または他の条件に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0354】
1225において、プロセスフロー1200は、インプリント回復手順を実行することを含むことができる。たとえば、1225において、プロセスフローは、
図5を参照して説明するように、インプリント回復の目的で、全メモリアレイ555上の個別回復イベントを実行すること、動作中の回復動作を実行すること、またはメモリアレイ555上で他の動作を修正することを含むことができ、これらのいずれかは、そのような方法のための事前構成または1組のそのような回復方法からの選択に少なくとも部分的に基づくことができる。いくつかの例では、1225の動作は、
図6を参照して説明した625の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0355】
1230において、プロセスフロー1200は、1225のインプリント回復手順が成功したかどうかを判定することを含むことができる。その判定が、1225のインプリント回復手順が成功したことを示す場合、プロセスフロー1200は1235へ進むことができる。その判定が、1225のインプリント回復手順が成功しなかったことを示す場合、プロセスフロー1200は、1225へ戻ることができる(たとえば、同じ構成もしくはパラメータまたは修正された構成もしくはパラメータに従ってインプリント回復手順を繰り返すため)。いくつかの例では、1230の動作は、1205のインプリント検出手順の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0356】
1235において、プロセスフロー1200は、動作モードに入ることを含むことができ、これは、ホストデバイスとメモリデバイスとの間のデータ交換が支援される通常動作(たとえば、通常動作または条件による、アクセスモードによる)を含むことができる。いくつかの例では、1235の動作は、
図6を参照して説明した630の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0357】
図13は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するプロセスフロー1300の一例を示す。いくつかの例では、プロセスフロー1300は、メモリデバイス(たとえば、
図5を参照して説明したメモリデバイス540)によって実行することができ、それらの動作は、メモリデバイス内で(たとえば、ホストデバイスとの信号伝達または他の相互作用なく自律的に)実行することができる。他の例では、プロセスフロー1300は、メモリデバイスおよびホストデバイスを含むシステム(たとえば、
図5を参照して説明したシステム500)内で実行することができ、プロセスフロー1300の様々な動作は、メモリデバイスまたはホストデバイスのいずれかによって実行することができる。
【0358】
1305において、プロセスフロー1300は、インプリント検出手順を実行することを含むことができる。たとえば、1305において、プロセスフロー1300は、
図5~
図8を参照して説明したインプリント検出手順のうちのいずれか1つまたは複数を実行することを含むことができる。様々な例では、1305の動作は、実施もしくは未実施論理状態(たとえば、インプリントされたデータ条件に対応する)を書き込むこと、評価データ条件に従ってメモリアレイのメモリセルのサブセットを書き込むこと、または1つもしくは複数のインプリント評価方法(たとえば、
図8Aまたは
図8Bを参照して説明した)を実行することのうちの1つまたは複数を含むことができる。様々な例では、1305の動作は、連続して実行することができ、周期的な予定に基づいてトリガもしくは開始することができ、またはイベントによって駆動する(たとえば、メモリデバイスまたはシステムの電源投入またはブートの一部としてトリガまたは開始する)ことができる。いくつかの例では、1305の動作は、
図6を参照して説明した605または615の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0359】
1310において、プロセスフロー1300は、インプリント回復動作を実行するべきかどうかを判定することを含むことができる。インプリント回復を実行すると判定した場合、プロセスフロー1300は1315へ進むことができる。インプリント回復を実行しないと判定した場合、プロセスフロー1300は1335へ進むことができる。いくつかの例では、1310における判定は、本明細書に記載するインプリント評価方法の結果に基づくことができる。いくつかの例では、1310の動作は、
図6を参照して説明した620の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0360】
1315において、プロセスフロー1300は、回復動作モードを判定することを含むことができる。たとえば、1315の動作は、
図5を参照して説明するように、個別回復イベントを実行すること、動作中のインプリント回復を実行すること、または修正された動作によるインプリント回復を実行することの間の選択(たとえば、メモリデバイスによる、ホストデバイスによる)を含むことができる。個別回復を実行すると判定した場合、プロセスフロー1300は1320へ進むことができる。動作中のインプリント回復を実行すると判定した場合、プロセスフロー1300は1325へ進むことができる。修正された動作によるインプリント回復を実行すると判定した場合、プロセスフローは1330へ進むことができる。
【0361】
1320において、プロセスフロー1300は、メモリアレイ上で個別回復手順を実行することを含むことができる(たとえば、
図5を参照して説明したように)。1320の個別回復手順後、プロセスフロー1300は1335へ進むことができる
【0362】
1325において、プロセスフロー1300は、メモリデバイスの動作中のインプリント回復を実行することを含むことができる(たとえば、
図5を参照して説明したように)。1325のメモリデバイスの動作中のインプリント回復に続いて、プロセスフロー1300は1335へ進むことができる。
【0363】
1330において、プロセスフロー1300は、メモリデバイスまたはメモリデバイスのメモリアレイの動作を修正することによるインプリント回復を実行することを含むことができる(たとえば、
図5を参照して説明したように)。1330の修正された動作によるインプリント回復に続いて、プロセスフロー1300は1335へ進むことができる。
【0364】
1335において、プロセスフロー1300は、動作モードに入ることを含むことができ、これは、ホストデバイスとメモリデバイスとの間のデータ交換が支援される通常動作(たとえば、通常動作または条件による、アクセスモードによる)を含むことができる。いくつかの例では、1335の動作は、
図6を参照して説明した630の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0365】
図14は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するプロセスフロー1400の一例を示す。いくつかの例では、プロセスフロー1400は、メモリデバイスおよびホストデバイスを含むシステム(たとえば、
図5を参照して説明したシステム500)内で実行することができ、プロセスフロー1400の様々な動作は、メモリデバイスまたはホストデバイスによって実行することができる。
【0366】
1405において、プロセスフロー1400は、インプリント検出手順を実行することを含むことができる。たとえば、1405において、プロセスフロー1400は、
図5~
図8を参照して説明したインプリント検出手順のうちのいずれか1つまたは複数を実行することを含むことができる。様々な例では、1405の動作は、実施もしくは未実施論理状態(たとえば、インプリントされたデータ条件に対応する)を書き込むこと、評価データ条件に従ってメモリアレイのメモリセルのサブセットを書き込むこと、または1つもしくは複数のインプリント評価方法(たとえば、
図8Aまたは
図8Bを参照して説明した)を実行することのうちの1つまたは複数を含むことができる。様々な例では、1405の動作は、連続して実行することができ、周期的な予定に基づいてトリガもしくは開始することができ、またはイベントによって駆動する(たとえば、メモリデバイスまたはシステムの電源投入またはブートの一部としてトリガまたは開始する)ことができる。いくつかの例では、1405の動作は、
図6を参照して説明した605または615の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0367】
1410において、プロセスフロー1400は、インプリント回復動作を実行するべきかどうかを判定すること、または他の形でインプリントが検出もしくは予測されたかどうかを判定することを含むことができる。インプリント回復を実行すると判定した場合、またはインプリントが他の形で検出もしくは予測された場合、プロセスフロー1400は1415へ進むことができる。インプリント回復を実行しないと判定した場合、またはインプリントが他の形で検出もしくは予測されなかった場合、プロセスフロー1400は1435へ進むことができる。いくつかの例では、1410における判定は、本明細書に記載するインプリント評価方法の結果に基づくことができる。いくつかの例では、1410の動作は、
図6を参照して説明した620の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0368】
1415において、プロセスフロー1400は、インプリントが検出されたこと、またはインプリント回復プロセスが必要とされることを、メモリデバイスがホストデバイスに警報することを含むことができる。いくつかの例では、そのような警報は、
図10を参照して説明した信号伝達1000に従って提供することができる。たとえば、1415の警報は、部分1005、1010、1015、1020、または1025のうちのいずれか1つまたは複数に従って書き込みまたは信号伝達することを含むことができる。
【0369】
1420において、プロセスフロー1400は、インプリント回復が承認されたこと、または他の形で実行されるべきであることを、ホストデバイスがメモリデバイスに示すことを含むことができる。いくつかの例では、そのような承認は、
図10を参照して説明した信号伝達1000に従って提供することができる。たとえば、1415の警報は、部分1005、1010、1015、1020、または1025のうちのいずれか1つまたは複数に従って書き込みまたは信号伝達することを含むことができる。
【0370】
1425において、プロセスフロー1400は、インプリント回復手順を実行することを含むことができる。たとえば、1425において、プロセスフローは、
図5を参照して説明するように、インプリント回復の目的で、全メモリアレイ555上の個別回復イベントを実行すること、動作中の回復動作を実行すること、またはメモリアレイ555上で他の動作を修正することを含むことができ、これらのいずれかは、そのような方法のための事前構成または1組のそのような回復方法からの選択に少なくとも部分的に基づくことができる。いくつかの例では、1425の動作は、
図6を参照して説明した625の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0371】
1430において、プロセスフロー1400は、1425のインプリント回復手順が成功したかどうかを判定することを含むことができる。その判定が、1425のインプリント回復手順が成功したことを示す場合、プロセスフロー1400は1435へ進むことができる。その判定が、1425のインプリント回復手順が成功しなかったことを示す場合、プロセスフロー1400は、1415へ戻ることができる(たとえば、ホストデバイスへの警報指示を繰り返すため、別の承認を待つため、別のインプリント回復手順を実行するため)。いくつかの例では、1430の動作は、1405のインプリント検出手順の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0372】
1435において、プロセスフロー1400は、動作モードに入ることを含むことができ、これは、ホストデバイスとメモリデバイスとの間のデータ交換が支援される通常動作(たとえば、通常動作または条件による)を含むことができる。いくつかの例では、1435の動作は、
図6を参照して説明した630の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0373】
図15は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するプロセスフロー1500の一例を示す。いくつかの例では、プロセスフロー1500は、メモリデバイス(たとえば、
図5を参照して説明したメモリデバイス540)によって実行することができ、それらの動作は、メモリデバイス内で(たとえば、ホストデバイスとの信号伝達または他の相互作用なく自律的に)実行することができる。他の例では、プロセスフロー1500は、メモリデバイスおよびホストデバイスを含むシステム(たとえば、
図5を参照して説明したシステム500)内で実行することができ、プロセスフロー1500の様々な動作は、メモリデバイスまたはホストデバイスによって実行することができる。
【0374】
1505において、プロセスフロー1500は、インプリント検出手順を実行することを含むことができる。たとえば、1505において、プロセスフロー1500は、
図5~
図8を参照して説明したインプリント検出手順のうちのいずれか1つまたは複数を実行することを含むことができる。様々な例では、1505の動作は、実施もしくは未実施論理状態(たとえば、インプリントされたデータ条件に対応する)を書き込むこと、評価データ条件に従ってメモリアレイのメモリセルのサブセットを書き込むこと、または1つもしくは複数のインプリント評価方法(たとえば、
図8Aまたは
図8Bを参照して説明した)を実行することのうちの1つまたは複数を含むことができる。様々な例では、1505の動作は、周期的な予定に基づいてトリガもしくは開始することができ、またはイベントによって駆動する(たとえば、メモリデバイスまたはシステムの電源投入またはブートの一部としてトリガまたは開始する)ことができる。いくつかの例では、1505の動作は、
図6を参照して説明した605または615の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0375】
1510において、プロセスフロー1500は、インプリント回復動作を実行するべきかどうかを判定すること、または他の形でインプリントが検出もしくは予測されたかどうかを判定することを含むことができる。インプリント回復を実行すると判定した場合、またはインプリントが他の形で検出もしくは予測された場合、プロセスフロー1500は1515へ進むことができる。インプリント回復を実行しないと判定した場合、またはインプリントが他の形で検出もしくは予測されなかった場合、プロセスフロー1500は1535へ進むことができる。いくつかの例では、1510における判定は、本明細書に記載するインプリント評価方法の結果に基づくことができる。いくつかの例では、1510の動作は、
図6を参照して説明した620の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0376】
1515において、プロセスフロー1500は、検出または予測されたインプリントに関連付けられたメモリデバイスまたはメモリアレイの一部分に記憶されているデータを保存することを含むことができる。たとえば、インプリントされたメモリセルに関連付けられたデータは、メモリアレイの別の部分、別のメモリアレイ、1つもしくは複数の感知増幅器もしくはラッチ、または補助メモリデバイスへ伝達することができる。様々な例では、保存されたデータは、メモリセルの同じサブセットへ返すことができ、またはメモリセルの異なるサブセットで維持することができ、これは、アドレステーブルまたは他のルックアップ資源を更新することを含んでも含まなくてもよい。
【0377】
1520において、プロセスフロー1500は、インプリント回復手順を実行することを含むことができる。たとえば、1520において、プロセスフローは、
図5を参照して説明するように、インプリント回復の目的で、全メモリアレイ555上の個別回復イベントを実行すること、動作中の回復動作を実行すること、またはメモリアレイ555上で他の動作を修正することを含むことができ、これらのいずれかは、そのような方法のための事前構成または1組のそのような回復方法からの選択に少なくとも部分的に基づくことができる。いくつかの例では、1520の動作は、
図6を参照して説明した625の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0378】
1525において、プロセスフロー1500は、1520のインプリント回復手順が成功したかどうかを判定することを含むことができる。その判定が、1520のインプリント回復手順が成功したことを示す場合、プロセスフロー1500は1530へ進むことができる。その判定が、1520のインプリント回復手順が成功しなかったことを示す場合、プロセスフロー1500は、1520へ戻ることができる(たとえば、同じ構成もしくはパラメータまたは修正された構成もしくはパラメータに従ってインプリント回復手順を繰り返すため)。いくつかの例では、1525の動作は、1505のインプリント検出手順の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0379】
1530において、プロセスフロー1500は、動作モードに入ることを含むことができ、これは、ホストデバイスとメモリデバイスとの間のデータ交換が支援される通常動作(たとえば、通常動作または条件による)を含むことができる。いくつかの例では、1530の動作は、
図6を参照して説明した630の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0380】
図16は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するプロセスフロー1600の一例を示す。いくつかの例では、プロセスフロー1600は、メモリデバイスおよびホストデバイスを含むシステム(たとえば、
図5を参照して説明したシステム500)内で実行することができ、プロセスフロー1600の様々な動作は、メモリデバイスまたはホストデバイスのいずれかによって実行することができる。
【0381】
1605において、プロセスフロー1600は、メモリデバイスがホストデバイスからのアクセスコマンドを受信することを含むことができる。様々な例では、アクセスコマンドは、読出しコマンド、書込みコマンド、リフレッシュコマンド、またはこれらの組合せを含むことができる。
【0382】
1610において、プロセスフロー1600は、アクセスコマンドまたはメモリデバイスを動作させる何らかの他の態様がデータエラーに関連付けられているかどうかを判定することを含むことができる。たとえば、1610の動作は、ECCアルゴリズムによるエラーの識別、またはメモリデバイスの別の部分が、インプリントもしくは何らかの他のメモリセルの劣化に関連付けられた不注意によるもしくは悪意のあるアクセスパターンの識別を含むことができる。1610の判定が、識別されたデータエラーに関連付けられている場合、プロセスフロー1600は1615へ進むことができる。1610の判定が、識別されたデータエラーに関連付けられていない場合、プロセスフロー1600は1635へ進むことができる。
【0383】
1615において、プロセスフロー1600は、データエラーがECCアルゴリズムまたは手順の能力を超えるかどうかを判定することを含むことができる。1615における判定が、データエラーがECCアルゴリズムまたは手順の能力を超えないことを示す場合、プロセスフロー1600は1635へ進むことができる。1615における判定が、データエラーがECCアルゴリズムまたは手順の能力を超えることを示す場合、プロセスフロー1600は1620へ進むことができる。
【0384】
1620において、プロセスフロー1600は、メモリデバイスをセーフモードに切り換えることを含むことができる。たとえば、メモリデバイスは、動作不能モード、保守モード、回復モード、または通常の機能を止める何らかの他の判定に切り換えることができる。いくつかの例では、メモリデバイスは、メモリデバイスがアクセスコマンドに対して利用不能であることをホストデバイスに示すことができ、またはセーフモードに従って様々な他の動作を実行することができ(たとえば、
図5を参照して説明したように)、これは、不揮発性に違反しているという仮定に関係することがある。いくつかの例では、1620の動作は、工作されたブルースクリーンイベントなど、ホストデバイスにおける障害を引き起こすように構成することができる。
【0385】
1625において、プロセスフロー1600は、インプリント回復手順を実行することを含むことができる。たとえば、1625において、プロセスフローは、
図5を参照して説明するように、インプリント回復の目的で、全メモリアレイ555上の個別回復イベントを実行すること、動作中の回復動作を実行すること、またはメモリアレイ555上で他の動作を修正することを含むことができ、これらのいずれかは、そのような方法のための事前構成または1組のそのような回復方法からの選択に少なくとも部分的に基づくことができる。いくつかの例では、1625の動作は、
図6を参照して説明した625の動作の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0386】
1630において、プロセスフロー1600は、1625のインプリント回復手順が成功したかどうかを判定することを含むことができる。その判定が、1625のインプリント回復手順が成功したことを示す場合、プロセスフロー1600は1635へ進むことができる。その判定が、1625のインプリント回復手順が成功しなかったことを示す場合、プロセスフロー1600は、1625へ戻ることができる(たとえば、同じ構成もしくはパラメータまたは修正された構成もしくはパラメータに従ってインプリント回復手順を繰り返すため)。いくつかの例では、1630の動作は、1605のインプリント検出手順の1つまたは複数の態様を含むことができる。
【0387】
1635において、プロセスフロー1600は、1605のアクセスコマンドに関連付けられたアクセス動作、または何らかの他のアクセス動作(たとえば、通常動作モードへ戻る)を実行することを含むことができる。いくつかの例では、プロセスフローはまた、データエラーに関連付けられたデータを回復することを含むことができ、これは、メモリアレイの別の部分、別のメモリアレイ、または補助メモリデバイスからバックアップデータを引き出すことを含むことができる。
【0388】
図17は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するメモリデバイス1705のブロック
図1700を示す。メモリデバイス1705は、
図1~
図23を参照して説明するメモリデバイスの態様の一例とすることができる。メモリデバイス1705は、インプリントエバリュエータ1710、インプリント回復マネージャ1715、インプリント検出書込みマネージャ1720、インプリント検出読出しマネージャ1725、基準電圧マネージャ1730、エラー補正コンポーネント1735、ウェアレベリングマネージャ1740、アクセス動作マネージャ1745、動作状態マネージャ1750、またはデータ位置マネージャ1755のうちの1つまたは複数を含むことができる。これらのモジュールの各々は、互いに直接または間接的に(たとえば、1つまたは複数のバスを介して)通信することができる。
【0389】
インプリントエバリュエータ1710は、本明細書に記載する技法の様々な例を含む、メモリセルインプリントを評価する様々な例を管理することができる。
【0390】
いくつかの例では、インプリントエバリュエータ1710は、1組の論理状態のうちの1つを記憶するように構成されたメモリセル上でインプリント回復手順を実行するように判定することができる。いくつかの例では、インプリント回復手順は、1組の論理状態のうちの異なる論理状態を記憶するように切り換えるメモリセルの能力を増大させる(たとえば、1組の論理状態のうちの第1の論理状態を記憶することと、1組の論理状態のうちの第2の論理状態を記憶することとの間を切り換えるメモリセルの能力を増大させる)ように構成することができる。いくつかの例では、インプリント回復手順は、異なる論理状態に対するアクセス動作差分または非対称性を低減または緩和する(たとえば、異なる論理状態に対して読出し動作または書込み動作へのメモリセルの応答を均等化または正常化する)ことなどによって、メモリセルに対するアクセス動作挙動を正常化または均等化するように構成することができる。いくつかの例では、インプリント回復手順は、強誘電メモリセルの電荷移動度の増大もしくは均等化、または強誘電メモリセルが書込み動作に応答して分極変化を有する能力の改善もしくは均等化、または両方を行うように構成することができる。
【0391】
いくつかの例では、インプリントエバリュエータ1710は、メモリデバイス内に含まれるメモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定することができる。
【0392】
いくつかの例では、インプリントエバリュエータ1710は、メモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされている重大度が閾値を下回ると判定することができる。
【0393】
いくつかの例では、インプリントエバリュエータ1710は、データエラーがメモリデバイスによって支援されるエラー補正手順の補正能力を超えると判定することができる。
【0394】
いくつかの例では、インプリントエバリュエータ1710は、メモリデバイス内に含まれるメモリセルの第2のセットがそれぞれの第3の論理状態でインプリントされていると判定することができる。
【0395】
いくつかの例では、インプリントエバリュエータ1710は、メモリセルの第2のセットがそれぞれの第3の論理状態でインプリントされている重大度が閾値を満足させると判定することができる。
【0396】
いくつかの例では、インプリントエバリュエータ1710は、メモリセルのセットに関連付けられたエラー補正手順の速度が閾値を下回ると判定することができる。
【0397】
インプリント回復マネージャ1715は、本明細書に記載する技法の様々な例を含む、メモリセルインプリント動作を実行する様々な例を管理することができる。いくつかの例では、インプリント回復手順は、1組の論理状態のうちの異なる論理状態を記憶するように切り換えるメモリセルの能力を増大させる(たとえば、1組の論理状態のうちの第1の論理状態を記憶することと、1組の論理状態のうちの第2の論理状態を記憶することとの間を切り換えるメモリセルの能力を増大させる)ように構成することができる。いくつかの例では、インプリント回復手順は、異なる論理状態に対するアクセス動作差分または非対称性を低減または緩和する(たとえば、読出し動作または書込み動作へのメモリセルの応答を均等化または正常化する)ことなど、メモリセルに対するアクセス動作挙動を正常化または均等化するように構成することができる。いくつかの例では、インプリント回復手順は、強誘電メモリセルの電荷移動度の増大、または強誘電メモリセルが書込み動作に応答して分極変化を有する能力の改善、または両方を行うように構成することができる。
【0398】
いくつかの例では、インプリント回復マネージャ1715は、ホストデバイスからの承認を受信したことに基づいて、メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行することができる。
【0399】
いくつかの例では、インプリント回復マネージャ1715は、メモリセルのセットの外部にそれぞれの第1の論理状態を記憶した後、メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行することができる。
【0400】
いくつかの例では、インプリント回復マネージャ1715は、メモリアレイをセーフモードで動作させている間に、データエラーがエラー補正手順の補正能力を超えると判定したことに基づいて、メモリアレイ上でインプリント回復手順を実行することができる。
【0401】
いくつかの例では、インプリント回復マネージャ1715は、メモリデバイスによって支援される1組のインプリント回復手順から1つのインプリント回復手順を選択することができる。
【0402】
いくつかの例では、インプリント回復マネージャ1715は、ホストデバイスから、インプリント回復手順の指示を受信することができ、インプリント回復手順は、メモリデバイスによって支援される1組のインプリント回復手順のうちの1つとすることができる。
【0403】
いくつかの例では、インプリント回復マネージャ1715は、ホストデバイスから、インプリント回復手順に対する制約の指示を受信することができ、制約は、インプリント回復手順を実行するために利用可能な時間の量、インプリント回復手順を実行するために利用可能な電力の量、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。
【0404】
いくつかの例では、インプリント回復マネージャ1715は、休止するための受信した指示に基づいて、インプリント回復手順を休止することができる。
【0405】
いくつかの例では、インプリント回復マネージャ1715は、ホストデバイスからのあらゆる承認から独立して、メモリセルの第2のセット上で第2のインプリント回復手順を実行することができる。
【0406】
いくつかの例では、インプリント回復マネージャ1715は、それぞれの論理状態がラッチのセット内に記憶されている間に、1つまたは複数の電圧パルスをメモリセルのセットの各メモリセルに印加することができる。
【0407】
いくつかの例では、インプリント回復マネージャ1715は、メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行した後、それぞれの第1の論理状態をメモリセルのセットに書き込むことができる。
【0408】
インプリント検出書込みマネージャ1720は、本明細書に記載する技法の様々な例を含む、メモリセルインプリントの検出に関係する書込み動作を実行する様々な例を管理することができる。
【0409】
いくつかの例では、インプリント検出書込みマネージャ1720は、メモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定する前に、それぞれの第1の論理状態を第2の位置で記憶することができる。
【0410】
インプリント検出読出しマネージャ1725は、本明細書に記載する技法の様々な例を含む、メモリセルインプリントの検出に関係する読出し動作を実行する様々な例を管理することができる。
【0411】
いくつかの例では、インプリント検出書込みマネージャ1720は、メモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定する前に、それぞれの第1の論理状態を読み出すことができる。
【0412】
エラー補正コンポーネント1735は、データに対するデータエラーを識別することができる。
【0413】
アクセス動作マネージャ1745は、本明細書に記載する技法の様々な例を含む、インプリント管理に関係するアクセス動作を実行または修正する様々な例を管理することができる。
【0414】
いくつかの例では、アクセス動作マネージャ1745は、メモリデバイスにおいて、メモリデバイスに結合されたホストデバイスから、メモリデバイスのメモリアレイ内のデータのための読出しコマンドを受信することができる。
【0415】
いくつかの例では、アクセス動作マネージャ1745は、メモリアレイをセーフモードに切り換えた後、メモリデバイスのためのホストデバイスから、メモリアレイのための読出しコマンドを受信することができる。
【0416】
動作状態マネージャ1750は、本明細書に記載する技法の様々な例を含む、メモリデバイス、ホストデバイス、またはメモリデバイスおよびホストデバイスを含むシステムの状態または状態信号伝達の様々な例を管理することができる。
【0417】
いくつかの例では、動作状態マネージャ1750は、メモリデバイスに結合されたホストデバイスに、メモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていることを示すことができる。
【0418】
いくつかの例では、動作状態マネージャ1750は、ホストデバイスから、メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行するための承認を受信することができる。
【0419】
いくつかの例では、動作状態マネージャ1750は、データエラーがエラー補正手順の補正能力を超えると判定したことに基づいて、メモリアレイをセーフモードに切り換えることができる。
【0420】
いくつかの例では、動作状態マネージャ1750は、ホストデバイスに、メモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされている重大度を示すことができる。
【0421】
いくつかの例では、動作状態マネージャ1750は、ホストデバイスに、メモリセルがインプリントされているそれぞれの第1の論理状態を示すことができる。
【0422】
いくつかの例では、動作状態マネージャ1750は、インプリント回復手順をホストデバイスに示すことができ、インプリント回復手順を実行するための承認を受信することは、インプリント回復手順をホストデバイスに示すことに基づくことができる。
【0423】
いくつかの例では、動作状態マネージャ1750は、ホストデバイスに、インプリント回復手順の継続時間を示すことができる。
【0424】
いくつかの例では、動作状態マネージャ1750は、ホストデバイスから、インプリント回復手順を休止するための指示を受信することができる。
【0425】
いくつかの例では、動作状態マネージャ1750は、メモリアレイをセーフモードに切り換えたことに基づいて、メモリアレイのためのアドレスデコーダを非活動化することができる。
【0426】
いくつかの例では、動作状態マネージャ1750は、読出しコマンドを無視し、またはランダムデータもしくは例外の指示のうちの少なくとも1つをホストデバイスへ伝送することができ、無視または伝送することは、読出しコマンドに応答するものであり、メモリアレイをセーフモードで動作させることに基づくものであることができる。
【0427】
いくつかの例では、動作状態マネージャ1750は、ホストデバイスへ、データエラーに関連付けられたアドレスの指示を伝送することができる。
【0428】
いくつかの例では、動作状態マネージャ1750は、ホストデバイスへ、データエラー(たとえば、データエラーの存在、データエラーのタイプ、データエラーのカテゴリ)の指示を伝送することができる。
【0429】
データ位置マネージャ1755は、本明細書に記載する技法の様々な例を含む、データアドレス、データ移動、または他の態様などのデータ位置の様々な態様を管理することができる。
【0430】
いくつかの例では、データ位置マネージャ1755は、それぞれの第1の論理状態をメモリセルのセットから読み出すことができる。
【0431】
いくつかの例では、データ位置マネージャ1755は、それぞれの第1の論理状態をメモリセルのセットの外部にある第2の位置に記憶することができる。
【0432】
いくつかの例では、データ位置マネージャ1755は、それぞれの第1の論理状態を第2の位置に記憶したことに基づいて、それぞれの第1の論理状態に関連付けられた論理アドレスと物理アドレスとの間でマッピングを変更することができる。
【0433】
いくつかの例では、データ位置マネージャ1755は、重大度が閾値を下回ることに基づいて、それぞれの第1の論理状態を第2の位置に記憶すると判定することができる。
【0434】
いくつかの例では、データ位置マネージャ1755は、エラー補正手順の速度が閾値を下回ることに基づいて、それぞれの第1の論理状態を第2の位置に記憶すると判定することができる。
【0435】
場合により、第2の位置は、メモリデバイス内にメモリセルの第2のセットを含む。
【0436】
場合により、第2の位置は、メモリデバイスおよび第2のメモリデバイスを含むシステム内の記憶階層の異なるレベルにある第2のメモリデバイス内に含まれる。
【0437】
場合により、第2の位置は、それぞれの第1の論理状態を読み出すために使用される感知増幅器のセットに結合されたラッチのセットを含む。
【0438】
基準電圧マネージャ1730は、本明細書に記載する技法の様々な例を含む、メモリセルを読み出しまたはメモリセルインプリントを評価するために使用される基準電圧の様々な態様を管理することができる。
【0439】
ウェアレベリングマネージャ1740は、本明細書に記載する技法の様々な例を含む、メモリデバイス内のウェアレベリングの様々な態様を管理することができる。
【0440】
図18は、本明細書に開示する例によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援するホストデバイス1805のブロック
図1800を示す。ホストデバイス1805は、
図1~
図23を参照して説明するホストデバイスの態様の一例とすることができる。ホストデバイス1805は、アクセスコントローラ1810、メモリ状態レシーバ1815、データ回復マネージャ1820、メモリアドレスマネージャ1825、データパリティマネージャ1830、およびエラー補正コンポーネント1835のうちの1つまたは複数を含むことができる。これらのモジュールの各々は、互いに直接または間接的に(たとえば、1つまたは複数のバスを介して)通信することができる。
【0441】
アクセスコントローラ1810は、ホストデバイスに結合されたメモリデバイスへ、メモリデバイス内のデータのための読出しコマンドを伝送することができる。
【0442】
いくつかの例では、アクセスコントローラ1810は、メモリデバイスへ、交換データのための書込みコマンドを伝送することができる。
【0443】
メモリ状態レシーバ1815は、メモリデバイスから、読出しコマンドに対するデータエラーの指示を受信することができる。
【0444】
データ回復マネージャ1820は、データエラーの指示を受信したことに基づいて、データのためのデータ回復手順を実行することができる。
【0445】
メモリアドレスマネージャ1825は、交換データを取得するために、ホストデバイスのアドレステーブルにアクセスすることができる。
【0446】
データパリティマネージャ1830は、パリティデータを取得することができ、パリティデータは、メモリデバイスの外部に記憶することができる。
【0447】
エラー補正コンポーネント1835は、メモリデバイスの外部に記憶されているパリティデータに基づいて、データに対するエラー補正手順を実行することができる。
【0448】
図19は、本開示の態様によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援する1つまたは複数の方法1900を示す流れ図を示す。方法1900の動作は、本明細書に記載するメモリデバイスまたはそのコンポーネントによって実施することができる。たとえば、方法1900の動作は、
図17を参照して説明したメモリデバイスによって実行することができる。いくつかの例では、メモリデバイスは、記載の機能を実行するようにメモリデバイスの機能要素を制御するための命令セットを実行することができる。加えてまたは別法として、メモリデバイスは、特別目的のハードウェアまたは回路を使用して、記載の機能の態様を実行することができる。
【0449】
1905において、メモリデバイスは、メモリデバイス内に含まれるメモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定することができる。1905の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、1905の動作の態様は、
図17を参照して説明したインプリントエバリュエータによって実行することができる。
【0450】
1910において、メモリデバイスは、メモリデバイスに結合されたホストデバイスに、メモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていることを示すことができる。1910の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、1910の動作の態様は、
図17を参照して説明した動作状態マネージャによって実行することができる。
【0451】
1915において、メモリデバイスは、ホストデバイスから、メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行するための承認を受信することができる。場合により、インプリント回復手順は、それぞれの第1の論理状態を記憶することと、それぞれの第2の論理状態を記憶することとの間を切り換えるメモリセルのセットの能力を増大させるように構成することができる。1915の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、1915の動作の態様は、
図17を参照して説明した動作状態マネージャによって実行することができる。
【0452】
1920において、メモリデバイスは、ホストデバイスから承認を受信したことに基づいて、メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行することができる。1920の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、1920の動作の態様は、
図17を参照して説明したインプリント回復マネージャによって実行することができる。
【0453】
いくつかの例では、本明細書に記載する装置は、方法1900などの1つまたは複数の方法を実行することができる。装置は、メモリデバイス内に含まれるメモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定し、メモリデバイスに結合されたホストデバイスに、メモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていることを示し、ホストデバイスから、メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行する(たとえば、それぞれの第1の論理状態を記憶することと、それぞれの第2の論理状態を記憶することとの間を切り換えるメモリセルのセットの能力を増大させる)ための承認を受信し、ホストデバイスから承認を受信したことに基づいて、メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行するための、回路、特徴、手段、または命令(たとえば、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体)を含むことができる。
【0454】
方法1900および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、ホストデバイスに、メモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされている重大度を示すための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0455】
方法1900および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、ホストデバイスに、メモリセルがインプリントされているそれぞれの第1の論理状態を示すための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0456】
方法1900および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、メモリデバイスによって支援される1組のインプリント回復手順から1つのインプリント回復手順を選択し、そのインプリント回復手順をホストデバイスに示すための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができ、インプリント回復手順を実行するための承認を受信することは、インプリント回復手順をホストデバイスに示すことに基づくことができる。
【0457】
方法1900および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、ホストデバイスから、インプリント回復手順の指示を受信するための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができ、インプリント回復手順は、メモリデバイスによって支援される1組のインプリント回復手順のうちの1つとすることができる。
【0458】
方法1900および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、ホストデバイスから、インプリント回復手順に対する制約の指示を受信するための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができ、制約は、インプリント回復手順を実行するために利用可能な時間の量、インプリント回復手順を実行するために利用可能な電力の量、またはこれらの任意の組合せを含む。
【0459】
方法1900および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、ホストデバイスに、インプリント回復手順の継続時間を示すための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0460】
方法1900および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、ホストデバイスから、インプリント回復手順を休止するための指示を受信し、休止するための指示に基づいて、インプリント回復手順を休止するための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0461】
方法1900および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、メモリデバイス内に含まれるメモリセルの第2のセットがそれぞれの第3の論理状態でインプリントされていると判定し、メモリセルの第2のセットがそれぞれの第3の論理状態でインプリントされている重大度が閾値を満足させると判定し、(たとえば、ホストデバイスからのあらゆる承認から独立して)メモリセルの第2のセット上で第2のインプリント回復手順を実行するための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0462】
図20は、本開示の態様によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援する1つまたは複数の方法2000を示す流れ図を示す。方法2000の動作は、本明細書に記載するメモリデバイスまたはそのコンポーネントによって実施することができる。たとえば、方法2000の動作は、
図17を参照して説明したメモリデバイスによって実行することができる。いくつかの例では、メモリデバイスは、記載の機能を実行するようにメモリデバイスの機能要素を制御するための命令セットを実行することができる。加えてまたは別法として、メモリデバイスは、特別目的のハードウェアまたは回路を使用して記載の機能の態様を実行することができる。
【0463】
2005において、メモリデバイスは、メモリデバイス内に含まれるメモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定することができる。2005の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、2005の動作の態様は、
図17を参照して説明したインプリントエバリュエータによって実行することができる。
【0464】
2010において、メモリデバイスは、それぞれの第1の論理状態をメモリセルのセットから読み出すことができる。2010の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、2010の動作の態様は、
図17を参照して説明したデータ位置マネージャによって実行することができる。
【0465】
2015において、メモリデバイスは、それぞれの第1の論理状態をメモリセルのセットの外部にある第2の位置に記憶することができる。2015の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、2015の動作の態様は、
図17を参照して説明したデータ位置マネージャによって実行することができる。
【0466】
2020において、メモリデバイスは、それぞれの第1の論理状態をメモリセルのセットの外部に記憶した後、メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行することができる。場合により、インプリント回復手順は、それぞれの第1の論理状態を記憶することと、それぞれの第2の論理状態を記憶することとの間を切り換えるメモリセルのセットの能力を増大させるように構成することができる。2020の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、2020の動作の態様は、
図17を参照して説明したインプリント回復マネージャによって実行することができる。
【0467】
いくつかの例では、本明細書に記載する装置は、方法2000などの1つまたは複数の方法を実行することができる。装置は、メモリデバイス内に含まれるメモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定し、それぞれの第1の論理状態をメモリセルのセットから読み出し、それぞれの第1の論理状態をメモリセルのセットの外部にある第2の位置に記憶し、それぞれの第1の論理状態をメモリセルのセットの外部に記憶した後、メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行する(たとえば、それぞれの第1の論理状態を記憶することと、それぞれの第2の論理状態を記憶することとの間を切り換えるメモリセルのセットの能力を増大させる)ための、回路、特徴、手段、または命令(たとえば、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体)を含むことができる。
【0468】
方法2000および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、第2の位置は、メモリデバイス内にメモリセルの第2のセットを含み、または第2の位置は、メモリデバイスおよび第2のメモリデバイスを含むシステム内の記憶階層の異なるレベルにあり得る第2のメモリデバイス内に含むことができる。
【0469】
方法2000および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、第2の位置は、それぞれの第1の論理状態を読み出すために使用される感知増幅器のセットに結合されたラッチのセットを含む。
【0470】
方法2000および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、それぞれの論理状態がラッチのセット内に記憶されている間に、1つまたは複数の電圧パルスをメモリセルのセットの各メモリセルに印加するための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0471】
方法2000および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行した後、それぞれの第1の論理状態をメモリセルのセットに書き込むための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0472】
方法2000および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、それぞれの第1の論理状態を第2の位置に記憶したことに基づいて、それぞれの第1の論理状態に関連付けられた論理アドレスと物理アドレスとの間でマッピングを変更するための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0473】
方法2000および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、メモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされている重大度が閾値を下回る可能性があると判定し、重大度が閾値を下回ることに基づいて、それぞれの第1の論理状態を第2の位置に記憶すると判定するための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0474】
方法2000および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、メモリセルのセットに関連付けられたエラー補正手順の速度が閾値を下回ると判定し、エラー補正手順の速度が閾値を下回ることに基づいて、それぞれの第1の論理状態を第2の位置に記憶すると判定するための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0475】
方法2000および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、それぞれの第1の論理状態を読み出すこと、およびそれぞれの第1の論理状態を第2の位置に記憶することの両方を、メモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定する前に行うことができる。
【0476】
図21は、本開示の態様によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援する1つまたは複数の方法2100を示す流れ図を示す。方法2100の動作は、本明細書に記載するメモリデバイスまたはそのコンポーネントによって実施することができる。たとえば、方法2100の動作は、
図17を参照して説明したメモリデバイスによって実行することができる。いくつかの例では、メモリデバイスは、記載の機能を実行するようにメモリデバイスの機能要素を制御するための命令セットを実行することができる。加えてまたは別法として、メモリデバイスは、特別目的のハードウェアまたは回路を使用して記載の機能の態様を実行することができる。
【0477】
2105において、メモリデバイスは、メモリデバイスに結合されたホストデバイスから、メモリデバイスのメモリアレイ内のデータのための読出しコマンドを受信することができる。2105の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、2105の動作の態様は、
図17を参照して説明したアクセス動作マネージャによって実行することができる。
【0478】
2110において、メモリデバイスは、データに対するデータエラーを識別することができる。2110の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、2110の動作の態様は、
図17を参照して説明したエラー補正コンポーネントによって実行することができる。
【0479】
2115において、メモリデバイスは、データエラーがメモリデバイスによって支援されるエラー補正手順の補正能力を超える、またはエラーの何らかの他の閾値数もしくは割合を満足させると判定することができる。2115の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、2115の動作の態様は、
図17を参照して説明したインプリントエバリュエータによって実行することができる。
【0480】
2120において、メモリデバイスは、データエラーがエラー補正手順の補正能力を超える、またはエラーの何らかの他の閾値数もしくは割合を満足させると判定したことに基づいて、メモリアレイをセーフモードに切り換えることができる。2120の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、2120の動作の態様は、
図17を参照して説明した動作状態マネージャによって実行することができる。
【0481】
2125において、メモリデバイスは、データエラーがエラー補正手順の補正能力を超えると判定したことに基づいて、メモリアレイをセーフモードで動作させている間に、メモリアレイ上でインプリント回復手順を実行することができる。場合により、インプリント回復手順は、異なる論理状態を記憶するように切り換えるようにメモリアレイ内のメモリセルの能力を増大させるように構成することができる。2125の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、2125の動作の態様は、
図17を参照して説明したインプリント回復マネージャによって実行することができる。
【0482】
いくつかの例では、本明細書に記載する装置は、方法2100などの1つまたは複数の方法を実行することができる。装置は、メモリデバイスに結合されたホストデバイスから、メモリデバイスのメモリアレイ内のデータのための読出しコマンドを受信し、データに対するデータエラーを識別し、データエラーがメモリデバイスによって支援されるエラー補正手順の補正能力を超えると判定し、データエラーがエラー補正手順の補正能力を超えると判定したことに基づいて、メモリアレイをセーフモードに切り換え、データエラーがエラー補正手順の補正能力を超えると判定したことに基づいて、メモリアレイをセーフモードで動作させている間に、メモリアレイ上でインプリント回復手順を実行する(たとえば、異なる論理状態を記憶するように切り換えるメモリアレイ内のメモリセルの能力を増大させる)ための、回路、特徴、手段、または命令(たとえば、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体)を含むことができる。
【0483】
方法2100および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、メモリアレイをセーフモードに切り換えたことに基づいて、メモリアレイのためのアドレスデコーダを非活動化するための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0484】
方法2100および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、メモリアレイをセーフモードに切り換えた後、メモリデバイスのためのホストデバイスから、メモリアレイのための読出しコマンドを受信し、読出しコマンドを無視し、またはランダムデータまたは例外の指示のうちの少なくとも1つをホストデバイスへ伝送するための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができ、無視または伝送は、読出しコマンドに応答して、メモリアレイをセーフモードで動作させることに基づいて行うことができる。
【0485】
方法2100および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、ホストデバイスへ、データエラーに関連付けられたアドレスの指示を伝送し、またはホストデバイスへ、データエラー(たとえば、データエラーの存在、データエラーのタイプ、データエラーのカテゴリ)の指示を伝送するための動作、回路、特徴、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0486】
図22は、本開示の態様によるメモリシステムのためのインプリント管理を支援する1つまたは複数の方法2200を示す流れ図を示す。方法2200の動作は、本明細書に記載するホストデバイスまたはそのコンポーネントによって実施することができる。たとえば、方法2200の動作は、
図18を参照して説明したホストデバイスによって実行することができる。いくつかの例では、ホストデバイスは、記載の機能を実行するようにホストデバイスの機能要素を制御するための命令セットを実行することができる。加えてまたは別法として、ホストデバイスは、特別目的のハードウェアを使用して記載の機能の態様を実行することができる。
【0487】
2205において、ホストデバイスは、ホストデバイスに結合されたメモリデバイスへ、メモリデバイス内のデータのための読出しコマンドを伝送することができる。2205の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、2205の動作の態様は、
図18を参照して説明したアクセスコントローラによって実行することができる。
【0488】
2210において、ホストデバイスは、メモリデバイスから、読出しコマンドに対するデータエラーの指示を受信することができる。2210の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、2210の動作の態様は、
図18を参照して説明したメモリ状態レシーバによって実行することができる。
【0489】
2215において、ホストデバイスは、データエラーの指示を受信したことに基づいて、データのためのデータ回復手順を実行することができる。2215の動作は、本明細書に記載する方法によって実行することができる。いくつかの例では、2215の動作の態様は、
図18を参照して説明したデータ回復マネージャによって実行することができる。
【0490】
いくつかの例では、本明細書に記載する装置は、方法2200などの1つまたは複数の方法を実行することができる。装置は、ホストデバイスに結合されたメモリデバイスへ、メモリデバイス内のデータのための読出しコマンドを伝送し、メモリデバイスから、読出しコマンドに対するデータエラーの指示を受信し、データエラーの指示を受信したことに基づいて、データに対するデータ回復手順を実行するための、回路、特徴、手段、または命令(たとえば、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体)を含むことができる。
【0491】
方法2200および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、データのためのデータ回復手順を実行することは、データのための交換データを取得するために、ホストデバイスのアドレステーブルにアクセスすること、メモリデバイスへ、交換データのための書込みコマンドを伝送するための動作、回路、特徴、手段、または命令を含むことができる。
【0492】
方法2200および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、データのためのデータ回復手順を実行することは、メモリデバイスの外部に記憶することができるデータに対するパリティデータを取得し、メモリデバイスの外部に記憶されたパリティデータに基づいて、データに対するエラー補正手順を実行するための動作、回路、特徴、手段、または命令を含むことができる。
【0493】
本明細書に記載する方法は可能な実施例であり、動作およびステップは、並べ替えまたは他の形で修正することができ、他の実施例も可能であることに留意されたい。さらに、これらの方法のうちの2つ以上からの部分を組み合わせることもできる。
【0494】
本明細書に記載する情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表すことができる。たとえば、上記の説明全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場、または粒子、光学場もしくは粒子、あるいはこれらの任意の組合せによって表すことができる。いくつかの図面は、信号を単一の信号として示すことがあるが、信号は、信号のバスを表すことができ、バスは様々なビット幅を有することができることが、当業者には理解されよう。
【0495】
本明細書では、「仮想接地(virtual ground)」という用語は、約0ボルト(0V)の電圧で保持されているが接地に直接結合されていない電気回路のノードを指す。それに応じて、仮想接地の電圧は、一時的に変動し、定常状態で約0Vに戻ることができる。仮想接地は、演算増幅器および抵抗器からなる分圧器などの様々な電子回路要素を使用して実施することができる。他の実施例も可能である。「仮想接地する(virtual grounding)」または「仮想接地される(virtually grounded)」は、約0Vに接続されることを意味する。
【0496】
「電子的通信(electronic communication)」、「導電的接触(conductive contact)」、「接続(connected)」、および「結合(coupled)」という用語は、構成要素間の信号の流れを支援する構成要素間の関係を指すことができる。構成要素は、いつでも構成要素間の信号の流れを支援することができる何らかの導電経路が構成要素間に存在する場合、互いに電子的に通信(または、導電的に接触または接続または結合)すると考慮される。任意の所与の時点で、互いに電子的に通信(または導電的に接触または接続または結合)する構成要素間の導電経路は、接続された構成要素を含むデバイスの動作に基づいて、開回路または閉回路とすることができる。接続された構成要素間の導電経路は、構成要素間の直接的な導電経路とすることができ、または接続された構成要素間の導電経路は、スイッチ、トランジスタ、もしくは他の構成要素などの中間構成要素を含むことができる間接的な導電経路とすることができる。場合により、接続された構成要素間の信号の流れは、たとえばスイッチまたはトランジスタなどの1つまたは複数の中間構成要素を使用して、ある時間にわたって断続することができる。
【0497】
「結合(coupling)」という用語は、現在導電経路を介して構成要素間で信号を通信することが可能でない構成要素間の開回路関係から、導電経路を介して構成要素間で信号を通信することができる構成要素間の閉回路関係へ動く条件を指す。コントローラなどの構成要素が、他の構成要素とともに結合するとき、その構成要素は、前は信号が流れることを許可していなかった導電経路を介して信号が他の構成要素間を流れることを可能にする変化を開始する。
【0498】
「絶縁(isolated)」とう用語は、現在信号が構成要素間を流れることが可能でない構成要素間の関係を指す。構成要素間に開回路が存在する場合、構成要素は互いから絶縁される。たとえば、構成要素間に位置決めされたスイッチによって分離された2つの構成要素は、スイッチが開いているとき、互いから絶縁される。コントローラが2つの構成要素を互いから絶縁するとき、コントローラは、前は信号が流れることを許可していた導電経路を使用して信号が構成要素間を流れることを防止する変化をもたらす。
【0499】
本明細書では、「実質的(substantially)」という用語は、修飾された特性(たとえば、実質的という用語によって修飾された動詞または形容詞)が絶対である必要はなく、特性の利点を実現するのに十分に近いことを意味する。
【0500】
本明細書では、「電極(electrode)」という用語は、電気導体を指すことができ、場合により、メモリセルまたはメモリアレイの他の構成要素への電気接点として用いられることがある。電極は、メモリアレイの要素または構成要素間に導電経路を提供するトレース、ワイア、導電線、導電層などを含むことができる。
【0501】
本明細書では、「短絡(shorting)」という用語は、2つの当該構成要素間の単一の中間構成要素の活動化を介して構成要素間の導電経路が確立される構成要素間の関係を指す。たとえば、第2の構成要素に短絡された第1の構成要素は、2つの構成要素間のスイッチが閉じているとき、第2の構成要素と信号を交換することができる。したがって、短絡は、電子的に通信している構成要素(または線)間の電荷の流れを有効にする動的な動作であり得る。
【0502】
メモリアレイを含む本明細書に論じるデバイスは、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム合金、砒化ガリウム、窒化ガリウム、および他の基板などの半導体基板上に形成することができる。場合により、基板は半導体ウェーハである。他の場合、基板は、シリコンオンガラス(SOG)もしくはシリコンオンサファイア(SOS)などのシリコンオンインシュレータ(SOI)基板、または別の基板上の半導体材料のエピタキシャル層とすることができる。基板または基板の小領域の伝導率は、それだけに限定されるものではないが、リン、ホウ素、またはヒ素を含む様々な化学種を使用して、ドーピングによって制御することができる。ドーピングは、基板の初期形成または成長中に、イオン注入または任意の他のドーピング手段によって実行することができる。
【0503】
本明細書に論じるスイッチング構成要素またはトランジスタは、電界効果トランジスタ(FET)を表すことができ、ソース、ドレイン、およびゲートを含む3つの端子デバイスを含むことができる。これらの端子は、導電材料、たとえば金属を介して、他の電子要素に接続することができる。ソースおよびドレインは、導電性を有することができ、高濃度にドープされた、たとえば縮退型の半導体領域を含むことができる。ソースおよびドレインは、低濃度にドープされた半導体領域またはチャネルによって分離することができる。チャネルがn型である(すなわち、大部分のキャリアが電子である)場合、このFETをn型FETと呼ぶことができる。チャネルがp型である(すなわち、大部分のキャリアが正孔である)場合、このFETをp型FETと呼ぶことができる。チャネルは、絶縁ゲート酸化物で覆うことができる。チャネル伝導率は、ゲートに電圧を印加することによって制御することができる。たとえば、それぞれn型FETまたはp型FETに正の電圧または負の電圧を印加する結果、チャネルが導通状態になることができる。トランジスタは、トランジスタの閾値電圧以上の電圧がトランジスタゲートに印加されたとき、「オン」または「活動状態」にすることができる。トランジスタは、トランジスタの閾値電圧未満の電圧がトランジスタゲートに印加されたとき、「オフ」または「非活動状態」にすることができる。
【0504】
添付の図面に関連して本明細書に記載する説明は、例示的な構成を説明するものであり、実施することができる、または特許請求の範囲の範囲内に入るすべての例を表すものではない。本明細書に使用される「例示的(exemplary)」という用語は、「例、事例、または例示として働く」ことを意味し、他の例より「好ましい」または「有利である」ことを意味しない。詳細な説明は、記載する技法の理解を提供するために、具体的な詳細を含む。しかし、これらの技法は、これらの具体的な詳細がなくても実施することができる。いくつかの事例では、記載する例の概念を曖昧にすることを回避するために、よく知られている構造およびデバイスはブロック図の形で示されている。
【0505】
添付の図では、類似の構成要素または特徴は、同じ基準ラベルを有することができる。さらに、基準ラベルに続くダッシュおよび類似の構成要素を区別する第2のラベルによって、同じタイプの様々な構成要素を区別することができる。本明細書で第1の基準ラベルだけが使用される場合、その説明は、第2の基準ラベルにかかわらず、同じ第1の基準ラベルを有する類似の構成要素のいずれか1つに適用可能である。
【0506】
本明細書で本開示に関連して記載する様々な例示的なブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、もしくは他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートもしくはトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、または本明細書に記載する機能を実行するように設計されたこれらの任意の組合せによって実施または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサはまた、コンピューティングデバイス(たとえば、DSPおよびマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わさった1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成)の組合せとして実施することができる。
【0507】
本明細書に記載する機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せで実施することができる。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実施される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令またはコードとして記憶または伝送することができる。他の例および実施例は、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内である。たとえば、ソフトウェアの性質により、記載の機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイアリング、またはこれらのいずれかの組合せを使用して実施することができる。機能を実施する特徴はまた、機能の部分が異なる物理位置で実施されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に位置することができる。また、特許請求の範囲を含む本明細書では、項目のリスト(たとえば、「~の少なくとも1つ(at least one of)」または「~の1つまたは複数(one or more of)」などの語句によって始まる項目のリスト)内で使用される「または(or)」は、包括的なリストを示し、したがってたとえば、A、B、またはCのうちの少なくとも1つというリストは、AまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味する。また、本明細書では、「~に基づいて(based on)」という語句は、条件の閉集合への参照として解釈されるものではない。たとえば、「条件Aに基づいて(based on condition A)」として説明される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件Aおよび条件Bの両方に基づくことができる。言い換えれば、本明細書では、「~に基づいて(based on)」という語句は、「~に少なくとも部分的に基づいて(based at least in part on)」という語句と同じように解釈されるものとする。
【0508】
コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ記憶媒体と、1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの伝達を容易にする任意の媒体を含む通信媒体との両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用または特別目的のコンピュータによってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体とすることができる。例として、限定するものではなく、非一時的コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、電気的に消去可能なプログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、または他の磁気記憶デバイス、あるいは汎用もしくは特別目的のコンピュータまたは汎用もしくは特別目的のプロセッサによってアクセスすることができる命令またはデータ構造の形で所望のプログラムコード手段を保持または記憶するために使用することができる任意の他の非一時的媒体を含むことができる。また、任意の接続が適切にコンピュータ可読媒体と呼ばれる。たとえば、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他の遠隔ソースからソフトウェアが伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術は、媒体の定義範囲内に含まれる。本明細書では、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、CD、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、およびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生するのに対して、ディスク(disc)はレーザによってデータを光学式に再生する。上記の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0509】
本明細書の説明は、当業者が本開示を作製または使用することを有効にするために提供される。本開示への様々な修正は当業者には明らかであり、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に定義する一般原理は他の変形例にも適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に記載する例および設計に限定されるものではなく、本明細書に開示する原理および新規な特徴に一貫する最も広い範囲が与えられるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイス内に含まれるメモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定することと、
前記メモリデバイスに結合されたホストデバイスに、前記メモリセルのセットが前記それぞれの第1の論理状態でインプリントされていることを示すことと、
前記ホストデバイスから、前記メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行するための承認を受信することであって、前記インプリント回復手順が、前記それぞれの第1の論理状態を記憶することと、それぞれの第2の論理状態を記憶することとの間を切り換える前記メモリセルのセットの能力を増大させる、受信することと、
前記ホストデバイスから前記承認を受信したことに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリセルのセット上で前記インプリント回復手順を実行することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ホストデバイスに、前記メモリセルのセットが前記それぞれの第1の論理状態でインプリントされている重大度を示すこと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホストデバイスに、前記メモリセル
のセットがインプリントされている前記それぞれの第1の論理状態を示すこと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記メモリデバイスによって支援される複数のインプリント回復手順から、前記インプリント回復手順を選択すること
と、
前記インプリント回復手順を前記ホストデバイスに示すこととをさらに含み、前記インプリント回復手順を実行するための前記承認を受信することが、前記インプリント回復手順を前記ホストデバイスに示すことに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ホストデバイスから、前記インプリント回復手順の指示を受信することをさらに含み、前記インプリント回復手順が、前記メモリデバイスによって支援される複数のインプリント回復手順のうちの1つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ホストデバイスから、前記インプリント回復手順に対する制約の指示を受信することをさらに含み、前記制約が、前記インプリント回復手順を実行するために利用可能な時間の量、前記インプリント回復手順を実行するために利用可能な電力の量、またはこれらの任意の組合せを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ホストデバイスに、前記インプリント回復手順の継続時間を示すことをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ホストデバイスから、前記インプリント回復手順を休止するための指示を受信することと、
休止するための前記指示に少なくとも部分的に基づいて、前記インプリント回復手順を休止することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記メモリデバイス内に含まれるメモリセルの第2のセットがそれぞれの第3の論理状態でインプリントされていると判定することと、
前記メモリセルの第2のセットが前記それぞれの第3の論理状態でインプリントされている重大度が閾値を満足させると判定することと、
前記ホストデバイスからのあらゆる承認から独立して、前記メモリセルの第2のセット上で第2のインプリント回復手順を実行することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
メモリデバイス内に含まれるメモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定することと、
前記それぞれの第1の論理状態を前記メモリセルのセットから読み出すことと、
前記それぞれの第1の論理状態を前記メモリセルのセットの外部にある第2の位置に記憶することと、
前記それぞれの第1の論理状態を前記メモリセルのセットの外部に記憶した後、前記メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行することとを含み、前記インプリント回復手順が、前記それぞれの第1の論理状態を記憶することと、それぞれの第2の論理状態を記憶することとの間を切り換える前記メモリセルのセットの能力を増大させるように構成される、
方法。
【請求項11】
前記第2の位置が、前記メモリデバイス内のメモリセルの第2のセットを含み、
前記第2の位置が、前記メモリデバイスおよび第2のメモリデバイスを含むシステム内の記憶階層の異なるレベルにある前記第2のメモリデバイス内に含まれる、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の位置が、前記それぞれの第1の論理状態を読み出すために使用される感知増幅器のセットに結合されたラッチのセットを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記それぞれの
第1の論理状態が前記ラッチのセット内に記憶されている間に、1つまたは複数の電圧パルスを前記メモリセルのセットの各メモリセルに印加すること
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行した後、前記それぞれの第1の論理状態を前記メモリセルのセットに書き込むこと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記それぞれの第1の論理状態を前記第2の位置に記憶したことに少なくとも部分的に基づいて、前記それぞれの第1の論理状態に関連付けられた論理アドレスと物理アドレスとの間でマッピングを変更すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記メモリセルのセットが前記それぞれの第1の論理状態でインプリントされている重大度が閾値を下回ると判定することと、
前記重大度が前記閾値を下回ることに少なくとも部分的に基づいて、前記それぞれの第1の論理状態を前記第2の位置に記憶すると判定することと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記メモリセルのセットに関連付けられたエラー補正手順の速度が、閾値を下回ると判定することと、
前記エラー補正手順の速度が前記閾値を下回ることに少なくとも部分的に基づいて、前記それぞれの第1の論理状態を前記第2の位置に記憶すると判定することと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記それぞれの第1の論理状態を読み出すこと、および前記それぞれの第1の論理状態を前記第2の位置に記憶することの両方が、前記メモリセルのセットが前記それぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定する前に行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
メモリデバイスで、前記メモリデバイスに結合されたホストデバイスから、前記メモリデバイスのメモリアレイ内のデータのための読出しコマンドを受信することと、
前記データに対するデータエラーを識別することと、
前記データエラーが前記メモリデバイスによって支援されるエラー補正手順の補正能力を超えると判定することと、
前記データエラーが前記エラー補正手順の前記補正能力を超えると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイをセーフモードに切り換えることと、
前記データエラーが前記エラー補正手順の前記補正能力を超えると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイをセーフモードで動作させている間に、前記メモリアレイ上でインプリント回復手順を実行することとを含み、前記インプリント回復手順が、異なる論理状態を記憶するように切り換えるように前記メモリアレイ内のメモリセルの能力を増大させる、
方法。
【請求項20】
前記メモリアレイを前記セーフモードに切り換えたことに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイのためのアドレスデコーダを非活動化すること
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記メモリアレイを前記セーフモードに切り換えた後、前記メモリデバイスのためのホストデバイスから、前記メモリアレイのための読出しコマンドを受信することと、
前記読出しコマンドを無視し、またはランダムデータまたは例外の指示のうちの少なくとも1つを前記ホストデバイスへ伝送することとをさらに含み、前記無視または伝送が、前記読出しコマンドに応答して、前記メモリアレイを前記セーフモードで動作させることに少なくとも部分的に基づいて行われる、
請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ホストデバイスへ、前記データエラーに関連付けられたアドレスの指示を伝送すること、または
前記ホストデバイスへ、前記データエラーの指示を伝送すること
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
ホストデバイスから前記ホストデバイスに結合されたメモリデバイスへ、前記メモリデバイス内のデータのための読出しコマンドを伝送することと、
前記ホストデバイスで前記メモリデバイスから、前記読出しコマンドに対するデータエラーの指示を受信することと、
前記データエラーの前記指示を受信したことに少なくとも部分的に基づいて前記ホストデバイスで、前記データのためのデータ回復手順を実行することと
を含む、方法。
【請求項24】
前記データのための前記データ回復手順を実行することが、
前記データのための交換データを取得するために、前記ホストデバイスのアドレステーブルにアクセスすることと、
前記ホストデバイスから前記メモリデバイスへ、前記交換データのための書込みコマンドを伝送することとを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記データのための前記データ回復手順を実行することが、
前記ホストデバイスによって、前記メモリデバイスの外部に記憶されている前記データに対するパリティデータを取得することと、
前記ホストデバイスによって、前記メモリデバイスの外部に記憶された前記パリティデータに少なくとも部分的に基づいて、前記データに対するエラー補正手順を実行することとを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
メモリデバイス内に含まれるメモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定する手段と、
前記メモリデバイスに結合されたホストデバイスに、前記メモリセルのセットが前記それぞれの第1の論理状態でインプリントされていることを示す手段と、
前記ホストデバイスから、前記メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行するための承認を受信する手段であって、前記インプリント回復手順が、前記それぞれの第1の論理状態を記憶することと、それぞれの第2の論理状態を記憶することとの間を切り換える前記メモリセルのセットの能力を増大させる、受信する手段と、
前記ホストデバイスから前記承認を受信したことに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリセルのセット上で前記インプリント回復手順を実行する手段と
を含む、装置。
【請求項27】
前記メモリデバイスによって支援される複数のインプリント回復手順から、前記インプリント回復手順を選択する手段と、
前記インプリント回復手順を前記ホストデバイスに示す手段とをさらに含み、前記インプリント回復手順を実行するための前記承認を受信することが、前記インプリント回復手順を前記ホストデバイスに示すことに少なくとも部分的に基づく、
請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記ホストデバイスから、前記インプリント回復手順の指示を受信する手段をさらに含み、前記インプリント回復手順が、前記メモリデバイスによって支援される複数のインプリント回復手順のうちの1つである、
請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記ホストデバイスから、前記インプリント回復手順に対する制約の指示を受信する手段をさらに含み、前記制約が、前記インプリント回復手順を実行するために利用可能な時間の量、前記インプリント回復手順を実行するために利用可能な電力の量、またはこれらの任意の組合せを含む、
請求項26に記載の装置。
【請求項30】
前記ホストデバイスに、前記インプリント回復手順の継続時間を示す手段
をさらに含む、請求項26に記載の装置。
【請求項31】
前記ホストデバイスから、前記インプリント回復手順を休止するための指示を受信する手段と、
休止するための前記指示に少なくとも部分的に基づいて、前記インプリント回復手順を休止する手段と
をさらに含む、請求項26に記載の装置。
【請求項32】
メモリデバイス内に含まれるメモリセルのセットがそれぞれの第1の論理状態でインプリントされていると判定する手段と、
前記それぞれの第1の論理状態を前記メモリセルのセットから読み出す手段と、
前記それぞれの第1の論理状態を前記メモリセルのセットの外部にある第2の位置に記憶する手段と、
前記それぞれの第1の論理状態を前記メモリセルのセットの外部に記憶した後、前記メモリセルのセット上でインプリント回復手順を実行する手段とを含み、前記インプリント回復手順が、前記それぞれの第1の論理状態を記憶することと、それぞれの第2の論理状態を記憶することとの間を切り換える前記メモリセルのセットの能力を増大させるように構成される、
装置。
【請求項33】
前記第2の位置が、前記メモリデバイス内のメモリセルの第2のセットを含み、または
前記第2の位置が、前記メモリデバイスおよび第2のメモリデバイスを含むシステム内の記憶階層の異なるレベルにある前記第2のメモリデバイス内に含まれる、
請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記第2の位置が、前記それぞれの第1の論理状態を読み出すために使用される感知増幅器のセットに結合されたラッチのセットを含む、請求項32に記載の装置。
【請求項35】
メモリデバイスで、前記メモリデバイスに結合されたホストデバイスから、前記メモリデバイスのメモリアレイ内のデータのための読出しコマンドを受信する手段と、
前記データに対するデータエラーを識別する手段と、
前記データエラーが前記メモリデバイスによって支援されるエラー補正手順の補正能力を超えると判定する手段と、
前記データエラーが前記エラー補正手順の前記補正能力を超えると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイをセーフモードに切り換える手段と、
前記データエラーが前記エラー補正手順の前記補正能力を超えると判定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイをセーフモードで動作させている間に、前記メモリアレイ上でインプリント回復手順を実行する手段とを含み、前記インプリント回復手順が、異なる論理状態を記憶するように切り換えるように前記メモリアレイ内のメモリセルの能力を増大させる、
装置。
【請求項36】
ホストデバイスから前記ホストデバイスに結合されたメモリデバイスへ、前記メモリデバイス内のデータのための読出しコマンドを伝送する手段と、
前記ホストデバイスで前記メモリデバイスから、前記読出しコマンドに対するデータエラーの指示を受信する手段と、
前記データエラーの前記指示を受信したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ホストデバイスで、前記データのためのデータ回復手順を実行する手段と
を含む、装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、その各々は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれている、2020年9月3日に出願されたBasutaらによる「IMPRINT RECOVERY MANAGEMENT FOR MEMORY SYSTEMS」という名称のPCT出願番号PCT/US2020/049178の国内段階移行出願である2019年9月24日に出願されたBasutaらによる「IMPRINT RECOVERY MANAGEMENT FOR MEMORY SYSTEMS」という名称の米国特許出願第16/581,045号に対する優先権を主張する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0179
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0179】
別の例では、「開ページ」時間を修正することができ、これは、ページの活動化とページのプリチャージングとの間の時間中に、電圧または印加バイアスの継続時間を修正するための様々な技法を指すことができ、その時間は、別法として、ページを開くときとページを閉じるときとの間の時間と呼ぶこともできる。いくつかの例では、そのような技法は、ページの活動化とページのプリチャージングとの間の期間の継続時間を修正することを含むことができ、これは、行アクティブ時間(tRAS)または他のタイミングパラメータの増大に対応することができる。いくつかの例では、開ページ時間は、読出し動作の一部でも書込みまたは書換え動作の一部でもなくてよい。逆に、少なくともメモリアレイ555のメモリセルのうちのいくつかの観点から、開時間は待機状態を指すことができ、そのような状態中の修正は、他のタイミング仕様に影響することがない。それに応じて、必ずしもタイミング性能に影響することなく、開ページ時間中のバイアスを様々な考慮に対して調節することができる。そのような期間中にバイアスを印加することは、インプリントを緩和するのに有益となり得るが、他の理由(たとえば、劣化、疲労、電力消費)では問題となることもある。それに応じて、インプリント管理の目的の開ページ時間に対する変化は、ホストデバイス510もしくはメモリデバイス540の動作寿命の比較的後期に、または特定の動作モードもしくは条件中に有効にすることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0250
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0250】
場合により、同じ論理状態または異なる論理状態でインプリントされている可能性のある論理状態を記憶することが意図されたメモリセルに基づいて、メモリアレイ内のインプリントを検出する能力は、インプリントされたメモリセルの初期分布(たとえば、論理0の状態でインプリントされたメモリセルの数または割合、論理1の状態でインプリントされたメモリセルの数または割合)、メモリセルのサブセットに書き込まれた1組の論理状態(たとえば、インプリントされた1組の論理状態、第1の組の論理状態)、インプリントされたメモリセルの数、またはこれらの組合せに依存することができる。それに応じて、インプリント評価の様々な例を支援するために、メモリデバイスは、デフォルト基準電圧702、1つもしくは複数のオフセット基準電圧705、またはこれらの様々な組合せに従って、メモリセルを読み出すように構成することができ、条件は、事前構成することができ、またはホストデバイスのメモリデバイスによって選択しもしくは示すことができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0255
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0255】
第1の例として、810-aにおいて、メモリデバイスまたはホストデバイスは、1組の固体(たとえば、同じ、等しい、同一の)論理状態をメモリセルのサブセットのすべてに書き込むことができる。場合により、これは、論理0を表すように各セルに書き込むことを含むことができる。他の場合、メモリデバイスまたはホストデバイスは、論理1を表すように各セルに書き込むことができる。様々な例では、メモリデバイスまたはホストデバイスは、各セルに書き込まれた現在の(たとえば、インプリントされた、潜在的にインプリントされた)論理状態を読み出しまたは判定することを伴って、または伴わずに、1組の固体論理状態を書き込むことができる。
【国際調査報告】