(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(54)【発明の名称】凝縮体関連特異性のスクリーニング方法及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/02 20060101AFI20221114BHJP
C12Q 1/68 20180101ALI20221114BHJP
【FI】
C12Q1/02
C12Q1/68 100Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517385
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 US2020051331
(87)【国際公開番号】W WO2021055644
(87)【国際公開日】2021-03-25
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521336185
【氏名又は名称】デューポイント セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シェフチャク, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ポーザー, イナ
(72)【発明者】
【氏名】ムルコ, マーク アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヘイル, スティーブン ポール
(72)【発明者】
【氏名】ビューテル, ブルース アーロン
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA19
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR48
4B063QS28
4B063QS36
4B063QX01
(57)【要約】
試験化合物などの化合物を特定する方法及びその用途が提供される。例えば、巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを増加させるか、もしくは会合レベルを減少させる化合物を特定する方法、または巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる化合物を特定する方法が提供される。さらに、所望の特徴を有する化合物またはその一部分を、設計及び/または特定及び/または作製する方法が提供される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす化合物を特定する方法であって、
(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、
(i)前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または
(ii)前記細胞組成物を前記化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、前記1つ以上の標的凝縮体が形成される、前記接触させることと、
(b)前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、を含み、
前記化合物が各追加の巨大分子の参照レベルと比較して各追加の巨大分子の前記レベルを変化させるよりも多く、前記化合物が第1の参照レベルと比較して前記第1の巨大分子の前記レベルを変化させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルに優先的に影響を及ぼす、前記方法。
【請求項2】
前記化合物が、各追加の巨大分子の前記参照レベルと比較して、各追加の巨大分子の前記レベルを測定可能に変化させない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる化合物を特定する方法であって、
(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、
(i)前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または
(ii)前記細胞組成物を前記化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、前記1つ以上の標的凝縮体が形成される、前記接触させることと、
(b)前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、を含み、
前記化合物が各追加の巨大分子の参照レベルと比較して各追加の巨大分子の前記レベルを増加させるよりも多く、前記化合物が第1の参照レベルと比較して前記第1の巨大分子の前記レベルを増加させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルを優先的に増加させる、前記方法。
【請求項4】
前記化合物が、各追加の巨大分子の前記参照レベルと比較して、各追加の巨大分子の前記レベルを測定可能に増加させない、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる化合物を特定する方法であって、
(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、
(i)前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または
(ii)前記細胞組成物を前記化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、前記1つ以上の標的凝縮体が形成される、前記接触させることと、
(b)前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、を含み、
前記化合物が各追加の巨大分子の参照レベルと比較して各追加の巨大分子の前記レベルを減少させるよりも多く、前記化合物が第1の参照レベルと比較して前記第1の巨大分子の前記レベルを変化させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルを優先的に減少させる、前記方法。
【請求項6】
前記化合物が、各追加の巨大分子の前記参照レベルと比較して、各追加の巨大分子の前記レベルを測定可能に減少させない、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の参照レベルが、前記化合物の不在下で決定される、前記第1の巨大分子と1つ以上の参照凝縮体との会合レベルである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
各追加の巨大分子の前記参照レベルが、前記化合物の不在下で決定される、各追加の巨大分子と1つ以上の参照凝縮体との会合レベルである、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる化合物を特定する方法であって、
(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、
(i)前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または
(ii)前記細胞組成物を前記化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、前記1つ以上の標的凝縮体が形成される、前記接触させることと、
(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が前記1つ以上の標的凝縮体と会合するかどうかを決定することと、を含み、
(1)前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と会合させ、
(2)前記化合物が、各追加の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と会合させず、かつ
(3)前記第1の巨大分子が、前記化合物の不在下で前記1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる、前記方法。
【請求項10】
(4)前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、前記化合物の不在下で前記1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(4)前記少なくとも1つの追加の巨大分子の各々が、前記化合物の不在下で前記1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる化合物を特定する方法であって、
(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、
(i)前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または
(ii)前記細胞組成物を前記化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、前記1つ以上の標的凝縮体が形成される、前記接触させることと、
(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が前記1つ以上の標的凝縮体と会合するかどうかを決定することと、を含み、
(1)前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせ、
(2)前記化合物が、各追加の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせず、かつ
(3)前記第1の巨大分子が、前記化合物の不在下で前記1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる、前記方法。
【請求項13】
(4)前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、前記化合物の不在下で前記1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
(4)前記少なくとも1つの追加の巨大分子の各々が、前記化合物の不在下で前記1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(a)が、細胞組成物を化合物と接触させることを含み、前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体を含み、前記方法が、ステップ(a)の前に、前記1つ以上の標的凝縮体を形成させることをさらに含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(a)が、細胞組成物を化合物と接触させることを含み、前記1つ以上の標的凝縮体が、前記細胞組成物を前記化合物と接触させた後に形成され、前記方法が、前記1つ以上の標的凝縮体を形成させることをさらに含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの追加の巨大分子が、2個以上、3個以上、4個以上、または5個以上の巨大分子である、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの追加の巨大分子が、1~10個の巨大分子である、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の巨大分子が、疾患状態で異常に発現されている、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
疾患状態の前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との会合レベルが、正常状態の前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との会合レベルと比較して、変化している、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、疾患状態で異常に発現されている、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の巨大分子が、DNAまたはRNAである、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、DNAまたはRNAである、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の巨大分子が、タンパク質である、請求項1~21または23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の巨大分子が、変異を含み、前記変異を含まない関連タンパク質と比較して、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルを変化させる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の巨大分子が、FUSまたはeIF3である、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、タンパク質である、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、変異を含み、前記変異を含まない関連タンパク質と比較して、前記1つ以上の標的凝縮体との対応する会合レベルを変化させる、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、FUS、eIF3、G3BP1、FUS及びG3BP1、またはeIF3及びG3BP1である、請求項1~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の巨大分子及び/または前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、融合タンパク質である、請求項24~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の巨大分子及び/または前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、標識を含む、請求項1~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の巨大分子及び/または前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上を標識することをさらに含む、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記標識することが、前記細胞組成物を、標識を含む抗体またはその抗原結合断片と接触させることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記標識が、放射性標識、比色標識、または蛍光標識である、請求項31~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記細胞組成物が、微生物または動物細胞を含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記細胞組成物が、動物細胞を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記動物細胞が、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患の1つ以上の特徴を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記動物細胞が、HeLa細胞、HEK293細胞、誘導多能性幹細胞(iPSC細胞)、心筋細胞、筋細胞、幹細胞由来細胞、ニューロン、がん細胞、免疫細胞、または脂肪細胞である、請求項35~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記1つ以上の標的凝縮体が、細胞凝縮体である、請求項1~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記1つ以上の標的凝縮体が、核凝縮体または細胞質凝縮体である、請求項1~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記細胞凝縮体が、切断体、p顆粒、ヒストン遺伝子座体、多胞体、神経RNA顆粒、核ジェム、核膜孔、核スペックル、核内ストレス体、核小体、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメイン、パラスペックル、傍核小体コンパートメント、PML核内構造体、PML発がんドメイン、ポリコーム体、プロセシング体、Sam68核内構造体、ストレス顆粒、またはスプライシングスペックルである、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記1つ以上の標的凝縮体が、単一の標的凝縮体である、請求項1~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記化合物が、前記標的凝縮体のサイズ、前記標的凝縮体の位置、前記標的凝縮体の表面積、及び前記標的凝縮体の溶解のうちの1つ以上を測定可能に変化させない、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記1つ以上の標的凝縮体が、複数の標的凝縮体である、請求項1~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記複数の標的凝縮体が、前記細胞組成物の一部分における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記複数の標的凝縮体が、前記細胞組成物中の細胞における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
前記複数の標的凝縮体が、前記細胞組成物中の細胞の一部分における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである、請求項44~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記細胞の一部分が、細胞質、核、またはオルガネラである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記凝縮体のクラスが、特定の巨大分子を含む凝縮体を含む、請求項45~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記凝縮体のクラスが、切断体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、p顆粒である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、ヒストン遺伝子座体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、多胞体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、神経RNA顆粒である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核ジェムである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核膜孔である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核スペックルである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核内ストレス体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核小体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメインである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、パラスペックルである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、傍核小体コンパートメントである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、PML核内構造体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、PML発がんドメインである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、ポリコーム体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、プロセシング体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、Sam68核内構造体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、ストレス顆粒である凝縮体を含み、または前記凝縮体のクラスが、スプライシングスペックルである凝縮体を含む、請求項45~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記化合物が、前記複数の標的凝縮体の総数、前記複数の標的凝縮体のサイズ、前記複数の標的凝縮体の位置、前記複数の標的凝縮体の表面積、及び前記複数の標的凝縮体の溶解のうちの1つ以上を測定可能に変化させない、請求項44~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる複数の化合物、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる複数の化合物を特定する方法であって、請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を複数の化合物を用いて実施することを含む、前記方法。
【請求項53】
前記特定された化合物のサブセットまたはすべてが、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる能力、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記特定された特徴を含む1つ以上の追加の試験化合物について、請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を実施することをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記特定された特徴を含まない1つ以上の追加の試験化合物について、請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を実施することをさらに含む、請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させることに関連する化合物の特徴、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させることに関連する化合物の特徴を特定する方法であって、
(a)請求項52に記載の方法を実施することと、
前記特定された化合物のサブセットまたはすべてが、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる能力、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、を含む、前記方法。
【請求項57】
第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる化合物、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる化合物を設計する方法であって、
(a)請求項52に記載の方法を実施することと、
(b)前記特定された化合物のサブセットまたはすべてが、前記第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる能力、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、
(c)前記特定された特徴を含む化合物を設計し、
それによって、前記第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる化合物、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる化合物を設計することと、を含む、前記方法。
【請求項58】
治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な化合物を特定する方法であって、
請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を実施することであって、前記1つ以上の標的凝縮体が、前記疾患と関連する、前記実施することと、
前記疾患を治療するために有用である、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる前記化合物、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる前記化合物を特定することと、を含む、前記方法。
【請求項59】
前記疾患が、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす化合物を特定する方法であって、
請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて実施することと、
請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて実施することと、を含み、
前記化合物が前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすよりも多く、前記化合物が前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼす場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼす、前記方法。
【請求項61】
前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの前記会合レベルに影響を及ぼさない、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に増加させる化合物を特定する方法であって、
請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて実施することと、
請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて実施することと、を含み、
前記化合物が前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの前記会合レベルを優先的に増加させるよりも多く、前記化合物が前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルを優先的に増加させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルを優先的に増加させる、前記方法。
【請求項63】
前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの前記会合レベルを増加させない、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に減少させる化合物を特定する方法であって、
請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて実施することと、
請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて実施することと、を含み、
前記化合物が前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの前記会合レベルを優先的に減少させるよりも多く、前記化合物が前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルを優先的に減少させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルを優先的に減少させる、前記方法。
【請求項65】
前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの前記会合レベルを減少させない、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる化合物を特定する方法であって、
請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて実施することと、
請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて実施することと、を含み、
前記化合物が前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと優先的に会合させるよりも多く、前記化合物が前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる、前記方法。
【請求項67】
第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に解離させる化合物を特定する方法であって、
請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて実施することと、
請求項1~51のいずれか1項に記載の方法を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて実施することと、を含み、
前記化合物が前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと優先的に会合させるよりも多く、前記化合物が前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に解離させる、前記方法。
【請求項68】
前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、細胞凝縮体である、請求項60~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、核凝縮体または細胞質凝縮体である、請求項60~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、切断体、p顆粒、ヒストン遺伝子座体、多胞体、神経RNA顆粒、核ジェム、核膜孔、核スペックル、核内ストレス体、核小体、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメイン、パラスペックル、傍核小体コンパートメント、PML核内構造体、PML発がんドメイン、ポリコーム体、プロセシング体、Sam68核内構造体、ストレス顆粒、またはスプライシングスペックルである、請求項60~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、単一の標的凝縮体である、請求項60~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、複数の標的凝縮体である、請求項60~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、前記細胞組成物の一部分における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである、請求項60~70または72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、前記細胞組成物中の細胞における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである、請求項60~70または72~73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、前記細胞組成物中の細胞の一部分における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである、請求項60~70または72~74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記細胞の一部分が、細胞質、核、またはオルガネラである、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記凝縮体のクラスが、特定の巨大分子を含む凝縮体を含む、請求項73~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記凝縮体のクラスが、切断体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、p顆粒である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、ヒストン遺伝子座体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、多胞体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、神経RNA顆粒である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核ジェムである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核膜孔である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核スペックルである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核内ストレス体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核小体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメインである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、パラスペックルである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、傍核小体コンパートメントである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、PML核内構造体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、PML発がんドメインである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、ポリコーム体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、プロセシング体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、Sam68核内構造体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、ストレス顆粒である凝縮体を含み、または前記凝縮体のクラスが、スプライシングスペックルである凝縮体を含む、請求項73~77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットの前記クラスが、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットの前記クラスと同じである、請求項73~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットの前記クラスが、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットの前記クラスとは異なる、請求項73~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットが、前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと同じ細胞組成物中にある、請求項60~80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体の凝縮体の第1のセット及び前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを含む細胞を含む、請求項60~81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記1つ以上の標的凝縮体の凝縮体の第1のセットが、第1の細胞組成物中にあり、前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットが、第2の細胞組成物中にある、請求項60~80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記1つ以上の標的凝縮体の凝縮体の第1のセットが、前記細胞組成物中の細胞内にあり、前記細胞が、疾患の1つ以上の特徴を有する、請求項60~83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記疾患が、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる複数の化合物、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる複数の化合物を特定する方法であって、請求項60~85のいずれか1項に記載の方法を複数の化合物を用いて実施することを含む、前記方法。
【請求項87】
前記特定された化合物のサブセットまたはすべてが、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる能力、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することをさらに含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記特定された特徴を含む1つ以上の追加の試験化合物について、請求項60~85のいずれか1項に記載の方法を実施することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記特定された特徴を含まない1つ以上の追加の試験化合物について、請求項60~85のいずれか1項に記載の方法を実施することをさらに含む、請求項87または88に記載の方法。
【請求項90】
第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させることに関連する化合物の特徴、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させることに関連する化合物の特徴を特定する方法であって、
(a)請求項86に記載の方法を実施することと、
(b)前記特定された化合物のサブセットまたはすべてが、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる能力、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、を含む、前記方法。
【請求項91】
第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる化合物、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる化合物を設計する方法であって、
(a)請求項86に記載の方法を実施することと、
(b)前記特定された化合物のサブセットまたはすべてが、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる能力、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、
(c)前記特定された特徴を含む化合物を設計し、
それによって、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる化合物、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる化合物を設計することと、を含む、前記方法。
【請求項92】
治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な化合物を特定する方法であって、
請求項60~85のいずれか1項に記載の方法を実施することであって、前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットが、前記疾患と関連する、前記実施することと、
前記疾患を治療するために有用である、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる前記化合物、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる前記化合物を特定することと、を含む、前記方法。
【請求項93】
前記疾患が、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である、請求項92に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月18日に出願された米国仮出願第62/902,316号の優先権を主張するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、生物学的凝縮体の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
細胞は、ミトコンドリア、リソソーム、及び小胞体などの膜結合性オルガネラを含み、部分的には、様々な細胞機能を局在化させる。膜結合性オルガネラに加えて、細胞は、それらとそのすぐ周囲の溶液との間に、膜を含まない異なるサブコンパートメントを含む。これらの膜を含まない分子アセンブリの多くは、水中の油滴の分画(partitioning)に類似する様式で、液-液相分離または凝縮と呼ばれるプロセスを通して形成されることが示されている。このプロセスの間、例えば、生体高分子(biological macromolecule)を含む溶液は、異なる相、すなわち、少なくとも一部の生体高分子が、濃縮された凝縮高密度相と周囲の低密度相とに分離する。生物学において重要な役割を果たすいくつかの細胞凝縮体(cellular condensate)が認識されている(Banani et al.,2017,Nat Rev Mol Cell Biol,18:285-298)。
【0004】
様々な凝縮体は、異なる細胞型における特定の細胞プロセスを調節するために重要であることが知られている。機構的には、例えば、凝縮体は、凝縮体内部で反応を促進するために高濃度の分子を一緒にすることができるか、または凝縮体中に分子を隔離することができ、それによって、周囲の媒体中でのそれらの濃度を低下させ、それらの活性を防止する。異常な凝縮体の機能はまた、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患などの様々なヒト疾患に関与している(Naumann et al.,2018,Nat Commun,9(1):335;Wegmann et al.,2018,EMBO J,37(7):e98049;and Aguzzi et al.,2016,26(7):547-558)。しかしながら、単一の巨大分子の凝縮体への分画または凝縮体からの分画を支配するメカニズムに関する理解が不足しており、化合物が、単一の巨大分子の凝縮体への分画または凝縮体からの分画を選択的に変化させ得るかどうかについては、ほとんどまたはまったく知られていない。
特許出願及び刊行物を含む、本明細書に引用される全ての参照文献は、それらの全体が、参照により援用される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Banani et al.,2017,Nat Rev Mol Cell Biol,18:285-298
【非特許文献2】Naumann et al.,2018,Nat Commun,9(1):335
【非特許文献3】Wegmann et al.,2018,EMBO J,37(7):e98049
【非特許文献4】Aguzzi et al.,2016,26(7):547-558
【発明の概要】
【0006】
第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす化合物を特定する方法が本明細書に提供され、本方法は、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が、1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、を含み、化合物が各追加の巨大分子の参照レベルと比較して各追加の巨大分子のレベルを変化させるよりも多く、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子のレベルを変化させる場合、化合物が、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす。一部の実施形態では、化合物は、各追加の巨大分子の参照レベルと比較して、各追加の巨大分子のレベルを測定可能に変化させない。
【0007】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる化合物を特定する方法が本明細書に提供され、本方法は、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が、1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、を含み、化合物が各追加の巨大分子の参照レベルと比較して各追加の巨大分子のレベルを増加させるよりも多く、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子のレベルを増加させる場合、化合物が、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる。一部の実施形態では、化合物は、各追加の巨大分子の参照レベルと比較して、各追加の巨大分子のレベルを測定可能に増加させない。
【0008】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる化合物を特定する方法が本明細書に提供され、本方法は、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が、1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、を含み、化合物が各追加の巨大分子の参照レベルと比較して各追加の巨大分子のレベルを減少させるよりも多く、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子のレベルを変化させる場合、化合物が、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる。一部の実施形態では、化合物は、各追加の巨大分子の参照レベルと比較して、各追加の巨大分子のレベルを測定可能に減少させない。
【0009】
一部の実施形態では、第1の参照レベルは、化合物の不在下で決定される、第1の巨大分子と1つ以上の参照凝縮体との会合レベルである。一部の実施形態では、各追加の巨大分子の参照レベルは、化合物の不在下で決定される、各追加の巨大分子と1つ以上の参照凝縮体との会合レベルである。
【0010】
また、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる化合物を特定する方法が本明細書に提供され、本方法は、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が、1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が1つ以上の標的凝縮体と会合するかどうかを決定することと、を含み、(1)化合物が、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させ、(2)化合物が、各追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させず、かつ(3)第1の巨大分子が、化合物の不在下で1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう場合、化合物が、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる。
【0011】
一部の実施形態では、化合物は、(4)少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、化合物の不在下で1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう場合、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる。一部の実施形態では、化合物は、(4)少なくとも1つの追加の巨大分子の各々が、化合物の不在下で1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう場合、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる。
【0012】
また、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる化合物を特定する方法が本明細書に提供され、本方法は、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が、1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が1つ以上の標的凝縮体と会合するかどうかを決定することと、を含み、(1)化合物が、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせ、(2)化合物が、各追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせず、かつ(3)第1の巨大分子が、化合物の不在下で1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう場合、化合物が、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる。
【0013】
一部の実施形態では、化合物は、(4)少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、化合物の不在下で1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう場合、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる。一部の実施形態では、化合物は、(4)少なくとも1つの追加の巨大分子の各々が、化合物の不在下で1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう場合、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる。
【0014】
一部の実施形態では、ステップ(a)は、細胞組成物を化合物と接触させることを含み、細胞組成物が、1つ以上の標的凝縮体を含み、本方法は、ステップ(a)の前に、1つ以上の標的凝縮体を形成させることをさらに含む。一部の実施形態では、ステップ(a)は、細胞組成物を化合物と接触させることを含み、1つ以上の標的凝縮体は、細胞組成物を化合物と接触させた後に形成され、本方法は、1つ以上の標的凝縮体を形成させることをさらに含む。
【0015】
一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、2個以上、3個以上、4個以上、または5個以上の巨大分子である。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、1~10個の巨大分子である。
【0016】
一部の実施形態では、第1の巨大分子は、疾患状態で異常に発現されている。一部の実施形態では、疾患状態の第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルは、正常状態の第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルと比較して、変化している。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、疾患状態で異常に発現されている。
【0017】
一部の実施形態では、第1の巨大分子は、DNAまたはRNAである。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、タンパク質である。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、変異を含み、変異を含まない関連タンパク質と比較して、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを変化させる。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、FUSまたはeIF3である。
【0018】
一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、DNAまたはRNAである。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、タンパク質である。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、変異を含み、変異を含まない関連タンパク質と比較して、1つ以上の標的凝縮体との対応する会合レベルを変化させる。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、FUS、eIF3、G3BP1、FUS及びG3BP1、またはeIF3及びG3BP1である。
【0019】
一部の実施形態では、第1の巨大分子及び/または少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、融合タンパク質である。一部の実施形態では、第1の巨大分子及び/または少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、標識を含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子及び/または少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上を標識することをさらに含む。一部の実施形態では、標識することは、細胞組成物を、標識を含む抗体またはその抗原結合断片と接触させることを含む。一部の実施形態では、標識は、放射性標識、比色標識、または蛍光標識である。
【0020】
一部の実施形態では、細胞組成物は、微生物または動物細胞を含む。一部の実施形態では、細胞組成物は、動物細胞を含む。一部の実施形態では、動物細胞は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患の1つ以上の特徴を有する。一部の実施形態では、動物細胞は、HeLa細胞、HEK293細胞、誘導多能性幹細胞(iPSC細胞)、心筋細胞、筋細胞、幹細胞由来細胞、ニューロン、がん細胞、免疫細胞、または脂肪細胞である。
【0021】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、細胞凝縮体である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、核凝縮体または細胞質凝縮体である。一部の実施形態では、細胞凝縮体は、切断体(cleavage body)、p顆粒、ヒストン遺伝子座体、多胞体(multivesicular body)、神経RNA顆粒、核ジェム(nuclear gem)、核膜孔(nuclear pore)、核スペックル(nuclear speckle)、核内ストレス体、核小体、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメイン、パラスペックル、傍核小体コンパートメント、PML核内構造体(nuclear body)、PML発がんドメイン、ポリコーム体(polycomb body)、プロセシング体(processing body)、Sam68核内構造体、ストレス顆粒、またはスプライシングスペックルである。
【0022】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、単一の標的凝縮体である。一部の実施形態では、化合物は、標的凝縮体のサイズ、標的凝縮体の位置、標的凝縮体の表面積、及び標的凝縮体の溶解(dissolution)のうちの1つ以上を測定可能に変化させない。
【0023】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、複数の標的凝縮体である。一部の実施形態では、化合物は、複数の標的凝縮体の総数、複数の標的凝縮体のサイズ、複数の標的凝縮体の位置、複数の標的凝縮体の表面積、及び複数の標的凝縮体の溶解のうちの1つ以上を測定可能に変化させない。
【0024】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、複数の標的凝縮体である。一部の実施形態では、複数の標的凝縮体は、細胞組成物の一部分における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである。一部の実施形態では、複数の標的凝縮体は、細胞組成物中の細胞における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである。一部の実施形態では、複数の標的凝縮体は、細胞組成物中の細胞の一部における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである。一部の実施形態では、細胞の部分は、細胞質、核、またはオルガネラである。
【0025】
一部の実施形態では、凝縮体のクラスは、特定の巨大分子を含む凝縮体を含む。一部の実施形態では、凝縮体のクラスは、切断体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、p顆粒である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、ヒストン遺伝子座体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、多胞体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、神経RNA顆粒である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核ジェムである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核膜孔である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核スペックルである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核内ストレス体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核小体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメインである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、パラスペックルである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、傍核小体コンパートメントである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、PML核内構造体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、PML発がんドメインである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、ポリコーム体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、プロセシング体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、Sam68核内構造体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、ストレス顆粒である凝縮体を含み、または凝縮体のクラスは、スプライシングスペックルである凝縮体を含む。
【0026】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる複数の化合物、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる複数の化合物を特定する方法も本明細書に提供され、本方法は、本明細書に開示される化合物を複数の化合物を用いて特定する方法を実施することを含む。
【0027】
一部の実施形態では、本方法は、特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる能力、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて、共通して有する特徴を特定することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、特定された特徴を含む1つ以上の追加の試験化合物について、本明細書に開示される化合物を特定する方法を実施することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、特定された特徴を含まない1つ以上の追加の試験化合物について、本明細書に開示される化合物を特定する方法を実施することをさらに含む。
【0028】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させることに関連する化合物の特徴、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させることに関連する化合物の特徴を特定する方法も本明細書に提供され、本方法は、(a)本明細書に開示される複数の化合物を特定する方法を実施することと、(b)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる能力、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて、共通して有する特徴を特定することと、を含む。
【0029】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる化合物、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる化合物を設計する方法が本明細書に提供され、本方法は、(a)本明細書に開示される複数の化合物を特定する方法を実施することと、(b)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる能力、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて、共通して有する特徴を特定することと、(c)特定された特徴を含む化合物を設計し、それによって、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる化合物、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる化合物を設計することと、を含む。
【0030】
また、治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な化合物を特定する方法も本明細書に提供され、本方法は、本明細書に開示される化合物を特定する方法を実施することであって、1つ以上の標的凝縮体が、疾患と関連する、実施することと、疾患を治療するために有用である、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる化合物、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる化合物を特定することと、を含む。一部の実施形態では、疾患は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である。
【0031】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす化合物を特定する方法も本明細書に提供され、本方法は、本明細書に開示される化合物を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて特定する方法を実施することと、本明細書に開示される化合物を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて特定する方法を実施することと、を含み、化合物が第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす以上に、化合物が第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす場合、化合物が、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす。一部の実施形態では、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルに影響を及ぼさない。
【0032】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に増加させる化合物を特定する方法も本明細書に提供され、本方法は、本明細書に開示される化合物を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて特定する方法を実施することと、本明細書に開示される化合物を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて特定する方法を実施することと、を含み、化合物が第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルを優先的に増加させるよりも多く、化合物が第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に増加させる場合、化合物が、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に増加させる。一部の実施形態では、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルを増加させない。
【0033】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に減少させる化合物を特定する方法も本明細書に提供され、本方法は、本明細書に開示される化合物を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて特定する方法を実施することと、本明細書に開示される化合物を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて特定する方法を実施することと、を含み、化合物が第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルを優先的に減少させるよりも多く、化合物が第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に減少させる場合、化合物が、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に減少させる。一部の実施形態では、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルを減少させさない。
【0034】
また、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる化合物を特定する方法も本明細書に提供され、本方法は、本明細書に開示される化合物を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて特定する方法を実施することと、本明細書に開示される化合物を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて特定する方法を実施することと、を含み、化合物が第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと優先的に会合させるよりも多く、化合物が第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる場合、化合物が、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる。
【0035】
また、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に解離させる化合物を特定する方法も本明細書に提供され、本方法は、本明細書に開示される化合物を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて特定する方法を実施することと、本明細書に開示される化合物を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて特定する方法を実施することと、を含み、化合物が第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと優先的に会合させるよりも多く、化合物が第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる場合、化合物が、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に解離させる。
【0036】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットは、細胞凝縮体である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットは、核凝縮体または細胞質凝縮体である。
【0037】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットは、切断体、p顆粒、ヒストン遺伝子座体、多胞体、神経RNA顆粒、核ジェム、核膜孔、核スペックル、核内ストレス体、核小体、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメイン、パラスペックル、傍核小体コンパートメント、PML核内構造体、PML発がんドメイン、ポリコーム体、プロセシング体、Sam68核内構造体、ストレス顆粒、またはスプライシングスペックルである。
【0038】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットは、単一の標的凝縮体である。
【0039】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットは、複数の標的凝縮体である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットは、細胞組成物の一部分における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットは、細胞組成物中の細胞における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットは、細胞組成物中の細胞の一部における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである。一部の実施形態では、細胞の部分は、細胞質、核、またはオルガネラである。
【0040】
一部の実施形態では、凝縮体のクラスは、特定の巨大分子を含む凝縮体を含む。一部の実施形態では、凝縮体のクラスは、切断体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、p顆粒である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、ヒストン遺伝子座体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、多胞体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、神経RNA顆粒である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核ジェムである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核膜孔である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核スペックルである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核内ストレス体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核小体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメインである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、パラスペックルである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、傍核小体コンパートメントである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、PML核内構造体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、PML発がんドメインである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、ポリコーム体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、プロセシング体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、Sam68核内構造体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、ストレス顆粒である凝縮体を含み、または凝縮体のクラスは、スプライシングスペックルである凝縮体を含む。
【0041】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットのクラスは、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットのクラスと同じである。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットのクラスは、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットのクラスとは異なる。
【0042】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットは、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと同じ細胞組成物中にある。一部の実施形態では、細胞組成物は、1つ以上の標的凝縮体の凝縮体の第1のセット及び1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを含む細胞を含む。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の凝縮体の第1のセットは、第1の細胞組成物中にあり、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットは、第2の細胞組成物中にある。
【0043】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の凝縮体の第1のセットは、細胞組成物中の細胞内にあり、細胞は、疾患の1つ以上の特徴を有する。一部の実施形態では、疾患は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である。
【0044】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる複数の化合物、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる複数の化合物を特定する方法も本明細書に提供され、本方法は、本明細書に開示される化合物を複数の化合物を用いて特定する方法を実施することを含む。
【0045】
一部の実施形態では、本方法は、特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる能力、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて、共通して有する特徴を特定することをさらに含む。
【0046】
一部の実施形態では、本方法は、特定された特徴を含む1つ以上の追加の試験化合物について、本明細書に開示される化合物を特定する方法を実施することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、特定された特徴を含まない1つ以上の追加の試験化合物について、本明細書に開示される化合物を特定する方法を実施することをさらに含む。
【0047】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させることに関連する化合物の特徴、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させることに関連する化合物の特徴を特定する方法も本明細書に提供され、本方法は、(a)本明細書に開示される複数の化合物を特定する方法を実施することと、(b)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる能力、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと会合もしくは解離させる能力に加えて、共通して有する特徴を特定することと、を含む。
【0048】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる化合物、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる化合物を設計する方法も本明細書に提供され、本方法は、(a)本明細書に開示される複数の化合物を特定する方法を実施することと、(b)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる能力、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて、共通して有する特徴を特定することと、(c)特定された特徴を含む化合物を設計し、それによって、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる化合物、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる化合物を設計することと、を含む。
【0049】
また、治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な化合物を特定する方法も本明細書に提供され、本方法は、本明細書に開示される化合物を特定する方法を実施することであって、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットが、疾患と関連する、実施することと、疾患を治療するために有用である、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる化合物、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる化合物を特定することと、を含む。一部の実施形態では、疾患は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】リポアミドによる処理の有無での、ストレス細胞(stressed cell)におけるFUS、eIF3、及びG3BP1のレベルを示す蛍光顕微鏡写真である。
【
図2】AZD4547、オミパリシブ、及びTG101209による処理の有無での、ストレス細胞におけるFUS、eIF3、及びG3BP1のレベルを示す蛍光顕微鏡写真である。
【
図3】GW9508、ブレフェルジンA、AZD3463、及びケタンセリンによる処理の有無での、ストレス細胞におけるFUS、eIF3、及びG3BP1のレベルを示す蛍光顕微鏡写真である。
【
図4】AZD8931、YM155、及びβ-ラパコンによる処理の有無での、ストレス細胞におけるFUS、eIF3、及びG3BP1のレベルを示す蛍光顕微鏡写真である。
【
図5】リポアミドによる処理の有無での、ストレス細胞におけるFUS、eIF3、及びG3BP1のレベルを示す蛍光顕微鏡写真である。
【
図6】P121、PF-04691502、及びTG101209による処理の有無での、ストレス細胞におけるFUS、eIF3、及びG3BP1のレベルを示す蛍光顕微鏡写真である。
【
図7】コリホスフィンOによる処理の有無での、ストレス細胞におけるFUS、eIF3、及びG3BP1のレベルを示す蛍光顕微鏡写真である。
【
図8】YM155、β-ラパコン、及びビスインンドリルマレイミドIXによる処理の有無での、ストレス細胞におけるFUS、eIF3、及びG3BP1のレベルを示す蛍光顕微鏡写真である。
【
図9】セジラニブによる治療の有無での、ストレス細胞におけるFUS、eIF3、及びG3BP1のレベルを示す蛍光顕微鏡写真である。
【
図10】マチシニブによる処理の有無での、BAC FUS-GFPを有するストレスHeLa細胞及びストレスヒトiPSC細胞におけるFUS、eIF3、及びG3BP1のレベルを示す蛍光顕微鏡写真である。
【
図11】YM155で処理されたBAC FUS-GFPを有するストレスHeLa細胞のストレス顆粒におけるFUS、eIF3、及びG3BP1の用量反応曲線のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
異常な凝縮体の形成及び/または凝固は、ALSなどの神経変性疾患を含む一部の疾患と関連付けられている。以前、異常な凝縮体に関連する疾患を治療するのに有用な化合物の薬物スクリーニングは、凝縮体の形成を防止する薬物及び/または凝縮体を完全に溶解する薬物のスクリーニングに焦点が当てられていた。本出願の開示は、少なくとも部分的には、スクリーニングを開発して、凝縮体全体を破壊することなく、または特定の他の凝縮体を破壊することなく、凝縮体(例えば、凝縮体の組成物)を選択的に変化させる化合物を特定することができるという、本発明者らの独自の洞察及び予期せぬ発見に基づく。本明細書に開示される方法は、以下の特異性:凝縮体中の巨大分子の包含または除外を調節する選択性(巨大分子特異性)、あるタイプの凝縮体に影響を及ぼすが別のタイプの凝縮体には影響を及ぼさない選択性(凝縮体特異性)、ならびにあるタイプの組織に影響を及ぼすが別のタイプの組織には影響を及ぼさない選択性(組織特異性)のうちのいずれか1つ以上を有する化合物またはその部分をスクリーニング及び特定するための技術を可能にする。凝縮体に関して特定の巨大分子の挙動の選択的な制御、及び/または影響を受ける凝縮体の選択的な制御、及び/または影響を受ける組織型の選択的な制御を有する化合物を同定及び開発することは、標的活性を最小限に抑えながら疾患表現型を逆転させるための治療的介入のための強力な戦略である。例えば、凝縮体の組成、特定の種類の凝縮体、及び/または特定の組織型における凝縮体を選択的に変化させ得る化合物は、疾患の治療に関連するニーズに正確に応じて、生物学的経路を特異的に阻害もしくは活性化するために有用であり得る。
【0052】
したがって、一部の態様では、以下の特異性:巨大分子特異性、凝縮体特異性、及び組織特異性のうちのいずれか1つ以上を有する化合物を特定する方法が本明細書に提供され、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、会合レベルを参照レベルと比較して、それらの特異性のうちの1つ以上を有する化合物を特定することと、を含む。一部の実施形態では、本方法は、巨大分子特異性を有する化合物を特定する。一部の実施形態では、本方法は、凝縮体特異性を有する化合物を特定する。一部の実施形態では、本方法は、組織(例えば、細胞型)特異性を有する化合物を特定する。一部の実施形態では、本方法は、巨大分子特異性及び凝縮体特異性を有する化合物を特定する。一部の実施形態では、本方法は、巨大分子特異性及び組織(例えば、細胞型)特異性を有する化合物を特定する。一部の実施形態では、本方法は、凝縮体特異性及び組織(例えば、細胞型)特異性を有する化合物を特定する。一部の実施形態では、本方法は、巨大分子特異性、凝縮体特異性、及び組織(または細胞型)特異性を有する化合物を特定する。
【0053】
他の態様では、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす(例えば、優先的に増加させるか、または優先的に減少させる)化合物を特定する方法が本明細書に提供される。
【0054】
また、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合または解離させる化合物を特定する方法も本明細書に提供される。
【0055】
本明細書に記載されるように、化合物を特定する方法は、例えば、個体における疾患の治療に使用することを含む、凝縮体を有する巨大分子の挙動を変化させ得る化合物またはその部分を特定、特徴付け、及び開発するために有用であり得る。
【0056】
定義
本明細書を解釈する目的のために、以下の定義が適用され、適切な場合、単数形で使用される用語もまた、複数形を含み、逆もまた同様である。以下に記載の定義が、参照により本明細書に援用される文書と矛盾する場合、記載された定義が優先されるものとする。
【0057】
「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すように互換的に使用され、最小の長さに限定されない。アミノ酸残基のかかるポリマーは、天然または非天然のアミノ酸残基を含んでもよく、アミノ酸残基のペプチド、オリゴペプチド、二量体、三量体、及び多量体を含むが、これらに限定されない。全長タンパク質及びその断片の両方が定義に包含される。この用語は、ポリペプチドの翻訳後修飾(例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化など)も含む。
【0058】
本明細書で使用される場合、「細胞組成物」は、少なくとも1つの細胞を含む組成物である。例示的な組成物としては、組織試料または培養細胞が挙げられる。
【0059】
本明細書で使用される場合、「凝縮体」は、タンパク質及び/または他の巨大分子のうちの1つ以上の相分離(相分離のすべての段階を含む)によって形成される非膜封入コンパートメントを意味する。
【0060】
「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、及び「含む(including)」という用語、及び他の類似の形態、及びそれらの文法的等価物は、本明細書で使用される場合、意味において等価であることが意図され、これらの単語のうちのいずれか1つに続くアイテム(複数可)は、かかるアイテム(複数可)の網羅的列挙であることを意味しないか、または列挙されたアイテム(複数可)のみに限定されることを意味しない点でオープンエンドであることが意図される。例えば、成分A、B、及びCを「含む(comprising)」物品は、成分A、B、及びCからなる(すなわち、成分A、B、及びCのみを含む)ことができるか、または成分A、B、及びCだけでなく、1つ以上の他の成分も含むことができる。したがって、「含む(comprises)」及びその類似の形態、ならびにそれらの文法的等価物は、「から本質的になる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」の実施形態の開示を含むことが意図され、理解される。
【0061】
値の範囲が提供される場合、文脈が別途明確に指示しない限り、各介在値は、下限の単位の10分の1まで、その範囲の上限と下限との間で、及びその記載された範囲内の任意の他の記載値または介在値の間で、記載された範囲内の任意の具体的に除外された制限を条件として、本開示内に包含されることを理解されたい。記載された範囲が、制限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる制限の一方または両方を除外する範囲もまた、本開示に含まれる。
【0062】
本明細書における「約(about)」の値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする変動を含む(かつ説明する)。例えば、「約X」を参照する説明には、「X」の説明が含まれる。
【0063】
本明細書で使用される場合、添付の特許請求の範囲を含め、単数形の「a」、「or」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0064】
本明細書で使用されるセクションの見出しは、単に組織化の目的で使用され、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0065】
化合物を特定するための方法
本明細書では、以下の特異性:巨大分子特異性、凝縮体特異性、及び組織特異性のうちのいずれか1つ以上を有する化合物を特定する方法が提供される。
【0066】
一部の実施形態では、特定する方法は、(a)組成物を化合物と接触させることであって、(i)組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、(c)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル及び参照レベルを比較して、以下の特異性:巨大分子特異性、凝縮体特異性、及び組織特異性のうちの1つ以上を有する化合物を特定することと、を含む。一部の実施形態では、組成物は、細胞組成物(例えば、細胞培養物)である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、特定の種類の組織(例えば、細胞型)に存在する。
【0067】
一部の実施形態では、巨大分子特異性を有する化合物を特定する方法が提供される。一部の実施形態では、本方法は、(a)組成物を化合物と接触させることであって、(i)組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、(c)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル及び参照レベルを比較して、巨大分子特異性を有する化合物を特定することと、を含み、参照レベルは、(i)組成物が化合物と接触されないときの第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合のレベル、(ii)組成物が化合物と接触されるときの1つ以上の他の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合のレベル、(iii)組成物が化合物と接触されないときの1つ以上の他の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、のうちのいずれか1つ以上を含む。一部の実施形態では、参照レベルは、組成物中の、第2の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルである。一部の実施形態では、参照レベルは、第1の巨大分子と参照凝縮体との会合レベルである。一部の実施形態では、第1の巨大分子、1つ以上の標的凝縮体、及び参照凝縮体は、同じ組成物中にある。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体及び参照凝縮体は、異なる組成物中にある。一部の実施形態では、参照レベルは、化合物で処理されていない参照システム中の、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルである。一部の実施形態では、参照システムは、ビヒクル対照で処理される。一部の実施形態では、組成物は、細胞組成物である。一部の実施形態では、組成物は、細胞組成物であり、組成物及び参照システムは、同じ細胞型を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、単一の巨大分子に対する特異性を示す(例えば、凝縮体との相互作用に関して単一の巨大分子と会合する作用及び/または活性を示す)化合物を特定するために有用である。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、巨大分子のセットに対する特異性を示す(例えば、凝縮体との相互作用に関して巨大分子のセットと会合する作用及び/または活性を示す)化合物を特定するために有用である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、特定の種類の組織(例えば、細胞型)に存在する。一部の実施形態では、本方法は、凝縮体特異性及び/または組織特異性について化合物を評価することをさらに含む。
【0068】
一部の実施形態では、凝縮体特異性を有する化合物を特定する方法が提供される。一部の実施形態では、本方法は、(a)組成物を化合物と接触させることであって、(i)組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、(c)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル及び参照レベルを比較して、凝縮体特異性を有する化合物を特定することと、を含み、参照レベルは、(i)第1の巨大分子と別の凝縮体との会合レベル(化合物の存在下または不在下で)、(ii)1つ以上の他の巨大分子と別の凝縮体との会合レベル(化合物の存在下または不在下で)、(iii)1つ以上の他の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル(化合物の存在下または不在下で)、(iv)1つ以上の標的凝縮体のサイズ、数、体積などの特徴(または、凝縮体成分の分布、量、拡散係数などの特徴)、及び(v)別の凝縮体のサイズ、数、体積などの特徴(または、凝縮体成分の分布、量、拡散係数などの特徴)のうちのいずれか1つ以上を含む。一部の実施形態では、参照レベルは、第2の巨大分子と参照凝縮体との会合レベルである。一部の実施形態では、第1の巨大分子及び第2の巨大分子は、同じである。一部の実施形態では、第1の巨大分子及び第2の巨大分子は、異なる。一部の実施形態では、第2の巨大分子及び参照凝縮体は、第1の巨大分子及び1つ以上の標的凝縮体と同じ組成物中にある。一部の実施形態では、組成物は、細胞組成物である。一部の実施形態では、組成物は、細胞組成物であり、組成物及び参照システムは、同じ細胞型を含む。一部の実施形態では、本方法は、(a)組成物を化合物と接触させることであって、(i)組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)1つ以上の標的凝縮体の特徴を決定することと、(c)1つ以上の標的凝縮体の特徴を参照凝縮体の特徴と比較して、凝縮体特異性を有する化合物を特定することと、を含む。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の特徴は、(i)1つ以上の標的凝縮体に存在する第1の巨大分子の量、(ii)1つ以上の標的凝縮体のサイズ、(iii)1つ以上の標的凝縮体の表面積、(iv)1つ以上の標的凝縮体の体積、(v)1つ以上の標的凝縮体の量(例えば、総量)、(vi)1つ以上の標的凝縮体の数、及び(vii)1つ以上の標的凝縮体の数とサイズ、のうちの1つ以上である。一部の実施形態では、参照凝縮体の特徴は、(i)参照凝縮体に存在する成分(例えば、巨大分子)の量、(ii)参照凝縮体のサイズ、(iii)参照凝縮体の表面積、(iv)参照凝縮体の体積、(v)参照凝縮体の量(例えば、総量)、(vi)参照凝縮体の数、及び(vii)参照凝縮体の数とサイズ、のうちの1つ以上である。一部の実施形態では、比較される特徴は、1つ以上の標的凝縮体及び参照凝縮体の両方で同じ特徴である。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、単一の凝縮タイプにおいて特異性を示す(例えば、単一の凝縮タイプと会合する作用及び/または活性を示す)化合物を特定するために有用である。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、第1の巨大分子を全て含む凝縮タイプのセットなどの凝縮タイプのセットにおいて特異性を示す(例えば、凝縮タイプのセットと会合する作用及び/または活性を示す)化合物を特定するために有用である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、特定の種類の組織(例えば、細胞型)に存在する。一部の実施形態では、本方法は、巨大分子特異性及び/または組織特異性について化合物を評価することをさらに含む。
【0069】
一部の実施形態では、組織(または細胞型)特異性を有する化合物を特定する方法が提供される。一部の実施形態では、本方法は、(a)細胞を含む組成物を化合物と接触させることであって、(i)組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、(c)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル及び参照レベルを比較して、組織特異性を有する化合物を特定することと、を含み、参照レベルは、(i)組成物の細胞とは異なる細胞型の別の細胞における第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル(化合物の存在下または不在下で)、(ii)組成物の細胞における第1の巨大分子と別の凝縮体との会合レベル(化合物の存在下または不在下で)、(iii)組成物の細胞とは異なる細胞型の別の細胞における第1の巨大分子と別の凝縮体との会合レベル(化合物の存在下または不在下で)、(iv)組成物の細胞における1つ以上の他の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル(化合物の存在下または不在下で)、(v)組成物の細胞における1つ以上の他の巨大分子と別の凝縮体との会合レベル(化合物の存在下または不在下で)、(vi)組成物の細胞とは異なる細胞型の別の細胞における1つ以上の他の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル(化合物の存在下または不在下で)、(vii)組成物の細胞とは異なる細胞型の別の細胞における1つ以上の他の巨大分子と別の凝縮体との会合レベル(化合物の存在下または不在下で)、(viii)組成物の細胞における1つ以上の標的凝縮体のサイズ、数、体積などの特徴(または、凝縮体成分の分布、量、拡散係数などの特徴)、(ix)組成物の細胞とは異なる細胞型の別の細胞における1つ以上の標的凝縮体のサイズ、数、体積などの特徴(または、凝縮体成分の分布、量、拡散係数などの特徴)、(x)組成物の細胞における別の凝縮体のサイズ、数、体積などの特徴(または、凝縮体成分の分布、量、拡散係数などの特徴)、及び(xi)組成物の細胞とは異なる細胞型の別の細胞における別の凝縮体のサイズ、数、体積などの特徴(または、凝縮体成分の分布、量、拡散係数などの特徴)、のうちのいずれか1つ以上を含む。一部の実施形態では、参照レベルは、参照システムにおける、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルであり、参照システムは、1つ以上の標的凝縮体を含む組成物とは異なる組織(または細胞)型のモデルである。一部の実施形態では、参照システムは、化合物と接触される。一部の実施形態では、組成物は、細胞組成物である。一部の実施形態では、組成物は、細胞組成物であり、組成物及び参照システムは異なる細胞型を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、単一の組織型または細胞型において特異性を示す(例えば、単一の組織型または細胞型において凝縮体と会合する作用及び/または活性を示す)化合物を特定するために有用である。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、組織型または細胞型のセット(例えば、第1の巨大分子及び1つ以上の標的凝縮体の全てを含む組織型または細胞型のセット)において特異性を示す(例えば、組織型または細胞型のセットにおいて凝縮体と会合する作用及び/または活性を示す)化合物を特定するために有用である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、特定の種類の組織(例えば、細胞型)に存在する。一部の実施形態では、本方法は、巨大分子特異性及び/または凝縮体特異性について化合物を評価することをさらに含む。
【0070】
例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、第2の細胞型と比較して、第1の細胞型における1つ以上の巨大分子(例えば、第1の巨大分子、1つ以上の他の巨大分子、及び/または1つ以上の参照分子)と1つ以上の標的凝縮体との会合(例えば、第2の細胞型と比較して、第1の細胞型における任意の巨大分子と標的凝縮体との会合)に優先的に影響を及ぼす化合物を特定するために有用である(以下、「凝縮体+細胞型選択性」とも称される)。一部の実施形態では、本方法は、1)化合物の存在下での第1の細胞型組成物における1つ以上の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを、化合物の存在下での第2の細胞型組成物における1つ以上の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルと比較することと、2)化合物の存在下での第1の細胞型組成物における1つ以上の巨大分子と1つ以上の他の凝縮体との会合レベルを、化合物の存在下での第2の細胞型組成物における1つ以上の巨大分子と1つ以上の他の凝縮体との会合レベルと比較することと、を含み、a)第1の細胞型組成物における1つ以上の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルが、第2の細胞型組成物における1つ以上の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル以上(例えば、少なくとも約2倍以上)に変化しており、かつb)第1の細胞型組成物における1つ以上の巨大分子と1つ以上の他の凝縮体との会合レベルが、第2の細胞型組成物における1つ以上の巨大分子と1つ以上の他の凝縮体との会合レベルと比較して、変化していないか、または有意に変化していない(例えば、変化が約2倍未満)場合、化合物が、第2の細胞型と比較して、第1の細胞型における1つ以上の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合に優先的に影響を及ぼすものとして特定される。一部の実施形態では、本方法は、1)化合物の存在下での第1の細胞型組成物における第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを、化合物の存在下での第2の細胞型組成物における第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルと比較することと、2)化合物の存在下での第1の細胞型組成物における第2の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを、化合物の存在下での第2の細胞型組成物における第2の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルと比較することと、を含み、化合物が、第2の細胞型と比較して、第1の細胞型における第2の高分子と1つ以上の標的凝縮体との会合に優先的に影響を及ぼす程度と同様に、化合物が、第1の細胞型における第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合に優先的に影響を及ぼす場合、化合物が、巨大分子タイプよりも優先的な選択性を有するものとして特定されない。
【0071】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、第2の細胞型と比較して、第1の細胞型における第1の高分子と1つ以上の凝縮体(例えば、1つ以上の標的凝縮体、1つ以上の他の凝縮体、及び/または1つ以上の参照凝縮体)との会合(例えば、第2の細胞型と比較して、第1の細胞型における第1の高分子と任意の凝縮体との会合)に優先的に影響を及ぼす化合物を特定するために有用である(以下、「巨大分子+細胞型選択性」とも称される)。一部の実施形態では、本方法は、1)化合物の存在下での第1の細胞型組成物における第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体との会合レベルを、化合物の存在下での第2の細胞型組成物における第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体との会合レベルと比較することと、2)化合物の存在下での第1の細胞型組成物における1つ以上の他の巨大分子と1つ以上の凝縮体との会合レベルを、化合物の存在下での第2の細胞型組成物における1つ以上の他の巨大分子と1つ以上の凝縮体との会合レベルと比較することと、を含み、a)第1の細胞型組成物における第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体との会合レベルが、第2の細胞型組成物における第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体との会合レベル以上(例えば、少なくとも約2倍以上)に変化しており、かつb)第1の細胞型組成物における1つ以上の他の巨大分子と1つ以上の凝縮体との会合レベルが、第2の細胞型組成物における1つ以上の他の巨大分子と1つ以上の凝縮体との会合レベルと比較して、変化していないか、または有意に変化していない(例えば、変化が約2倍未満)場合、化合物が、第2の細胞型と比較して、第1の細胞型における第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体との会合に優先的に影響を及ぼすものとして特定される。
【0072】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル及び参照レベルを比較することを含む。本明細書に記載されるように、参照レベルは、化合物が、以下の特異性:凝縮体中の巨大分子の包含または除外を調節する選択性(巨大分子特異性)、あるタイプの凝縮体に影響を及ぼすが別のタイプの凝縮体には影響を及ぼさない選択性(凝縮体特異性)、ならびにあるタイプの組織に影響を及ぼすが別のタイプの組織には影響を及ぼさない選択性(組織特異性)、のうちのいずれか1つ以上を示すかどうかを特定するために必要な比較を提供する。一部の実施形態では、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルは、以下のうちのいずれか1つ以上を介して取得/評価される:(i)1つ以上の標的凝縮体中の第1の巨大分子の量(例えば、絶対量などの量)、(ii)1つ以上の標的凝縮体中にない第1の巨大分子の量(例えば、絶対量などの量)、(iii)1つ以上の標的凝縮体中の第1の巨大分子からのシグナルの強度、(iv)第1の巨大分子を含む1つ以上の標的凝縮体の数、(v)第1の巨大分子を含む1つ以上の標的凝縮体のサイズ、(vi)第1の巨大分子を含む1つ以上の標的凝縮体の表面積、(vii)第1の巨大分子を含む1つ以上の標的凝縮体の体積、及び(viii)第1の巨大分子を含む1つ以上の標的凝縮体の数とサイズ。本明細書に記載の参照レベルは、本明細書に記載の他の巨大分子(例えば、第1の巨大分子)について記載されるものと同様の様式で取得/評価することができる。
【0073】
本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、会合レベル(例えば、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル)は、複数の化合物濃度で評価される。一部の実施形態では、本方法は、複数の化合物濃度での分析から得られた情報を使用して用量反応曲線(IC50曲線と同様)を決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、用量反応曲線を使用して、化合物の効力(IC50と同様)を決定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、巨大分子特異性、凝縮体特異性、及び組織特異性のうちのいずれか1つ以上を有する化合物を特定することを含み、本方法は、1つ以上の標的凝縮体を用いて化合物について得られた用量反応曲線と参照用量反応曲線とを比較することを含む。一部の実施形態では、本方法は、以下の特異性:巨大分子特異性、凝縮体特異性、及び組織特異性のうちのいずれか1つ以上を有する化合物を特定することを含み、本方法は、1つ以上の標的凝縮体を用いて化合物について得られた効力と参照効力とを比較することを含む。
【0074】
一部の実施形態では、化合物を特定する方法が本発明に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、を含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な化合物を特定する方法であり、1つ以上の標的凝縮体が、疾患と関連している。一部の実施形態では、疾患は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である。
【0075】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、疾患(またはストレス)状態下でのみ存在する。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、健常(または非ストレス)状態と比較して、疾患(またはストレス)状態下で以下の特徴のうちの1つ以上の変化を有する:(i)1つ以上の標的凝縮体の位置、(ii)1つ以上の標的凝縮体及び/またはその成分(例えば、第1の巨大分子)の分布、(iii)1つ以上の標的凝縮体の数、(iv)1つ以上の標的凝縮体のサイズ、(v)1つ以上の標的凝縮体及び参照凝縮体の量の比、(vi)1つ以上の標的凝縮体に関連する機能活性、(vii)1つ以上の標的凝縮体の組成、(viii)1つ以上の標的凝縮体と生体分子との共局在、(ix)1つ以上の標的凝縮体の成分(例えば、第1の巨大分子)の拡散係数、(x)1つ以上の標的凝縮体の安定性、(xi)1つ以上の標的凝縮体の溶解またはサイズの減少、(xii)1つ以上の標的凝縮体の表面積、(xiii)1つ以上の標的凝縮体の球形度、(xiv)1つ以上の標的凝縮体の流動性、(xv)1つ以上の標的凝縮体の凝固、(xvi)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)の位置、(xvii)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)またはその前駆体の量、(xviii)1つ以上の標的凝縮体への生体分子(例えば、第1の巨大分子)の凝縮体分画、(xix)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)に関連する機能活性、(xx)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)の凝集、(xxi)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)の翻訳後修飾状態、及び(xxii)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)の分解産物の量。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、疾患(またはストレス)状態下で、1つ以上の標的凝縮体との会合レベルの増加を有し、本明細書に記載の方法は、参照レベルと比較して、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合を選択的に減少させる化合物を特定するために使用される。例えば、本明細書に記載の方法は、別の生体分子(例えば、第1の巨大分子ではない凝縮体成分)と1つ以上の標的凝縮体との会合と比較して、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合を優先的に減少させる化合物を特定するために有用である。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、第1の巨大分子と別の凝縮体との会合、または第2の巨大分子と別の凝縮体との会合と比較して、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合を優先的に減少させる化合物を特定するために有用である。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、健常(または非ストレス)組織型または細胞型における第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体もしくは別の凝縮体との会合と比較して、または健常(または非ストレス)組織型または細胞型における第2の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体または別の凝縮体との会合と比較して、疾患(またはストレス)組織型または細胞型における第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体または別の凝縮体との会合を優先的に減少させる化合物を特定するために有用である。一部の実施形態では、第2の巨大分子及び第1の巨大分子は、異なる。一部の実施形態では、第2の巨大分子は、参照巨大分子(例えば、標的凝縮体と会合することが知られているか、または健常もしくは非ストレス条件下で標的凝縮体もしくは細胞/組織型と会合しないことが知られている巨大分子)である。
【0076】
また、複数の化合物を特定する方法が提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、を含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす複数の化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる複数の化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる複数の化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、異なる化合物と接触させたときの第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを比較することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる(または減少させる)際のそれらの作用及び/または活性に基づいて特定される複数の化合物をランク付けすることをさらに含む。一部の実施形態では、比較またはランク付けは、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを増加させる(または減少させる)際の化合物の絶対的な作用及び/または活性に基づく。一部の実施形態では、比較またはランク付けは、少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルと比較して、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる(または減少させる)相対的な作用及び/または活性に基づく。一部の実施形態では、本方法は、治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な複数の化合物を特定する方法であり、1つ以上の標的凝縮体が、疾患と関連している。一部の実施形態では、疾患は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である。
【0077】
一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、会合レベルを減少させるか、もしくは会合レベルを増加させる能力に加えて、特定された化合物のサブセットまたはすべてが共通して有する特徴を特定することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす能力に加えて、特定された化合物のサブセットまたはすべてが共通して有する特徴を特定することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる能力に加えて、特定された化合物のサブセットまたはすべてが共通して有する特徴を特定することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる能力に加えて、特定された化合物のサブセットまたはすべてが共通して有する特徴を特定することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、(a)細胞組成物を化合物と接触させるステップであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させるステップと、(b)特定された特徴を含む1つ以上の追加の試験化合物について、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定するステップと、を実施することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、特定された特徴を含まない1つ以上の追加の試験化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することをさらに含む。一部の実施形態では、特徴は、化合物部分である。
【0078】
一部の実施形態では、第1の参照レベルは、化合物の不在下で決定される、第1の巨大分子と1つ以上の参照凝縮体との会合レベルである。一部の実施形態では、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルは、化合物の不在下で決定される各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子と1つ以上の参照凝縮体との会合レベルである。
【0079】
一部の実施形態では、化合物が各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを変化させるよりも多く、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを変化させる場合、化合物が、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす。一部の実施形態では、化合物が各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを増加させるよりも多く、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを増加させる場合、化合物が、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる。一部の実施形態では、化合物が各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを減少させるよりも多く、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを減少させる場合、化合物が、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる。
【0080】
一部の実施形態では、化合物は、第1の参照レベルと比較して、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを増加させる。一部の実施形態では、化合物は、第1の参照レベルと比較して、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを減少させる。一部の実施形態では、化合物は、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の会合レベルを増加させるか、または測定可能に変化させない。一部の実施形態では、化合物は、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の会合レベルを減少させるか、または測定可能に変化させない。一部の実施形態では、化合物は、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の会合レベルを測定可能に変化させない。一部の実施形態では、化合物は、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の会合レベルを測定可能に増加させない。一部の実施形態では、化合物は、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の会合レベルを測定可能に減少させない。一部の実施形態では、本方法は、第1の参照レベル及び各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルを決定することを含む。
【0081】
一部の実施形態では、化合物は、第1の参照レベルと比較して、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを増加させ、かつ化合物は、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子との会合レベルを増加させないか、または、化合物は、第1の参照レベルと比較して、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを減少させ、かつ化合物は、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子との会合レベルを増加させない。一部の実施形態では、化合物は、第1の参照レベルと比較して、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを増加させ、かつ化合物は、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の会合レベルを増加させない。一部の実施形態では、化合物は、第1の参照レベルと比較して、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを減少させ、かつ化合物は、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の会合レベルを減少させない。
【0082】
一部の実施形態では、化合物が各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子のレベルを変化させるよりも多く、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子のレベルを変化させ、その差が統計的に有意である場合、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす。一部の実施形態では、化合物が各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子のレベルを変化させるよりも多く、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子のレベルを増加させ、その差が統計的に有意である場合、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる。一部の実施形態では、化合物が各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子のレベルを変化させるよりも多く、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子のレベルを減少させ、その差が統計的に有意である場合、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる。一部の実施形態では、差は、p<0.05(例えば、p<0.025、0.01、0.005、または0.001)の場合、統計的に有意である。t検定、ANOVA、及びフィッシャー法などの統計的有意性を判定する方法が知られている。適切な検定の選択は、当業者によって決定され得る。
【0083】
一部の実施形態では、化合物が各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子のレベルを変化させるよりも少なくとも約2倍(例えば、少なくとも約2.5倍、3倍、4倍、5倍、または10倍のうちのいずれか)、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子のレベルを変化させる場合、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす。一部の実施形態では、化合物が各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子のレベルを変化させるよりも少なくとも約2倍(例えば、少なくとも約2.5倍、3倍、4倍、5倍、または10倍のうちのいずれか)、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子のレベルを増加させる場合、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる。一部の実施形態では、化合物が各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子のレベルを変化させるよりも少なくとも約2倍(例えば、少なくとも約2.5倍、3倍、4倍、5倍、または10倍のうちのいずれか)、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子のレベルを減少させる場合、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる。一部の実施形態では、化合物が各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子の参照レベルと比較して各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを変化させるよりも少なくとも約0.25倍、0.5倍、0.75倍、1倍、1.25倍、1.5倍、1.75倍、2倍、2.5倍、3倍、4倍、5倍、または10倍以上、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを変化させる場合、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす。
【0084】
一部の実施形態では、化合物が参照レベルと比較して第2の巨大分子と参照凝縮体との会合レベルを変化させるよりも(例えば、少なくとも約0.25倍、0.5倍、0.75倍、1倍、1.25倍、1.5倍、1.75倍、2倍、2.5倍、3倍、4倍、5倍、または10倍のうちのいずれか)、化合物が第1の参照レベルと比較して第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを変化させる場合、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす。一部の実施形態では、第1の参照レベルは、化合物の不在下で決定される、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルである。一部の実施形態では、参照レベルは、化合物の不在下で決定される、第2の巨大分子と参照凝縮体との会合レベルである。一部の実施形態では、第1の巨大分子及び第2の巨大分子は、同じである。一部の実施形態では、第1の巨大分子及び第2の巨大分子は、異なる。
【0085】
一部の実施形態では、化合物が参照レベルと比較して参照細胞型または参照組織型における第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを変化させるよりも(例えば、少なくとも約0.25倍、0.5倍、0.75倍、1倍、1.25倍、1.5倍、1.75倍、2倍、2.5倍、3倍、4倍、5倍、または10倍のうちのいずれか)、化合物が第1の参照レベルと比較して標的細胞型または標的組織型における第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを変化させる場合、化合物は、標的細胞型または標的組織型における第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす。一部の実施形態では、第1の参照レベルは、化合物の不在下で決定される、標的細胞型または標的組織型における第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルである。一部の実施形態では、参照レベルは、化合物の不在下で決定される、参照細胞型または参照組織型における第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルである。
【0086】
一部の実施形態では、レベルは、絶対量である。一部の実施形態では、レベルは、相対レベルであり、例えば、1)1つ以上の(標的または参照)凝縮体の別の成分の量と比較した巨大分子の量、2)細胞または別の細胞成分(例えば、別の凝縮体またはオルガネラ中の)における巨大分子の量と比較した1つ以上の(標的または参照)凝縮体と会合した巨大分子の量、または3)別の組織型または細胞型における1つ以上の(標的または参照)凝縮体と会合した巨大分子の量と比較した1つの組織型または細胞型における1つ以上の(標的または参照)凝縮体と会合した巨大分子の量である。
【0087】
一部の実施形態では、参照は、実験対照である。一部の実施形態では、巨大分子の参照レベルは、巨大分子と1つ以上の参照凝縮体との会合レベルである。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体及び1つ以上の参照凝縮体は、細胞組成物の異なる部分に位置する。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体及び1つ以上の参照凝縮体は、細胞の異なる部分に位置する。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体及び1つ以上の参照凝縮体は、異なる細胞組成物中に位置する。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体を含む細胞組成物は、第1の細胞組成物であり、参照レベルは、第2の細胞組成物において決定される。一部の実施形態では、参照レベルは、化合物に接触していない細胞組成物における巨大分子と1つ以上の標的凝縮体または1つ以上の参照凝縮体との会合レベルである。
【0088】
一部の実施形態では、参照レベルは、化合物について有意義な結果を評価することができるような様式で決定される。例えば、一部の実施形態では、参照細胞組成物において参照レベルが決定され、参照細胞組成物は、参照細胞組成物が化合物または化合物と接触させるステップに供されないことを除いて、化合物と接触される細胞組成物と同様の様式で調製される。
【0089】
化合物を特定する方法が本明細書に提供され、(a)第1の細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)第1の細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを含み、及び/または(ii)第1の細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットが形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを決定することと、(c)第2の細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)第2の細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを含み、及び/または(ii)第2の細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットが形成される、接触させることと、(d)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベル、及び第2の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルを決定することと、を含む。一部の実施形態では、第2の巨大分子及び第1の巨大分子は、異なる。一部の実施形態では、第2の巨大分子は、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上である。
【0090】
また、化合物を特定する方法が提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体の第1及び第2のセットが形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを決定することと、(c)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベル、及び第2の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルを決定することと、を含む。一部の実施形態では、第2の巨大分子及び第1の巨大分子は、異なる。一部の実施形態では、第2の巨大分子は、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上である。
【0091】
一部の実施形態では、本明細書に記載の巨大分子は、第1の巨大分子である。一部の実施形態では、巨大分子は、第1の巨大分子ではない。一部の実施形態では、巨大分子は、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上である。一部の実施形態では、巨大分子は、参照巨大分子(例えば、標的凝縮体と会合することが知られている巨大分子、あるいは健常もしくは非ストレス条件下で標的凝縮体または細胞/組織型と会合しないことが知られている巨大分子)である。一部の実施形態では、巨大分子は、第1の巨大分子であり、本方法は、第2の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、第2の巨大分子及び第1の巨大分子は、異なる。一部の実施形態では、第2の巨大分子は、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上である。
【0092】
一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に増加させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に減少させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な化合物を特定する方法であり、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットが、疾患と関連している。一部の実施形態では、疾患は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である。
【0093】
一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす複数の化合物を特定する方法であり、本方法は、複数の化合物について本明細書に記載の方法のいずれかを実施することを含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に増加させる複数の化合物を特定する方法であり、本方法は、複数の化合物について本明細書に記載の方法のいずれかを実施することを含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に減少させる複数の化合物を特定する方法であり、本方法は、複数の化合物について本明細書に記載の方法のいずれかを実施することを含む。一部の実施形態では、本方法は、治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な複数の化合物を特定する方法であり、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットが、疾患と関連し、本方法は、複数の化合物について方法の本明細書に記載の方法のいずれかを実施することを含む。一部の実施形態では、疾患は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である。
【0094】
一部の実施形態では、化合物が、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルに影響を及ぼすよりも多く、化合物が第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに影響を及ぼす場合、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす。一部の実施形態では、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルに影響を及ぼさない。一部の実施形態では、化合物が、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルを増加させるよりも多く、化合物が第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを増加させる場合、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に増加させる。一部の実施形態では、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルを増加させない。一部の実施形態では、化合物が、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルを減少させるよりも多く、化合物が第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを減少させる場合、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に減少させる。一部の実施形態では、化合物は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの会合レベルを減少させさない。
【0095】
また、化合物を特定する方法が本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が、1つ以上の標的凝縮体と会合するかどうかを決定することと、を含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合または解離させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と解離させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合または解離させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な化合物を特定する方法であり、1つ以上の標的凝縮体が、疾患と関連している。一部の実施形態では、疾患は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である。
【0096】
また、複数の化合物を特定する方法が本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が、1つ以上の標的凝縮体と会合するかどうかを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、を含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合または解離させる複数の化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させる複数の化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と解離させる複数の化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合または解離させる複数の化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる複数の化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる複数の化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な複数の化合物を特定する方法であり、1つ以上の標的凝縮体が、疾患と関連している。一部の実施形態では、疾患は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である。
【0097】
一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合または解離させる能力に加えて、特定された化合物のサブセットまたはすべてが共通して有する特徴を特定することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる能力に加えて、特定された化合物のサブセットまたはすべてが共通して有する特徴を特定することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる能力に加えて、特定された化合物のサブセットまたはすべてが共通して有する特徴を特定することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、(a)細胞組成物を化合物と接触させるステップであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させるステップと、(b)特定された特徴を含む1つ以上の追加の試験化合物について、第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が、1つ以上の標的凝縮体と会合するかどうかを決定するステップと、を実施することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、特定された特徴を含まない1つ以上の追加の試験化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することをさらに含む。
【0098】
一部の実施形態では、化合物は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させる。一部の実施形態では、化合物は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させない。一部の実施形態では、化合物は、第1の巨大分子が1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせる。一部の実施形態では、化合物は、第1の巨大分子が1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせない。
【0099】
一部の実施形態では、化合物は、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上を、1つ以上の標的凝縮体と会合させる。一部の実施形態では、化合物は、各追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させる。一部の実施形態では、化合物は、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上を1つ以上の標的凝縮体と会合させない。一部の実施形態では、化合物は、各追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させない。一部の実施形態では、化合物は、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせない。一部の実施形態では、化合物は、各追加の巨大分子が1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせない。
【0100】
一部の実施形態では、第1の巨大分子は、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう。一部の実施形態では、各追加の巨大分子は、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう。一部の実施形態では、各追加の巨大分子は、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう。一部の実施形態では、第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう。一部の実施形態では、第1の巨大分子及び各追加の巨大分子は、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう。一部の実施形態では、第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう。一部の実施形態では、第1の巨大分子及び各追加の巨大分子は、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう。
【0101】
一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、化合物の存在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合し、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう。一部の実施形態では、各追加の巨大分子は、化合物の存在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合し、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、化合物の存在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合せず、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう。一部の実施形態では、各追加の巨大分子は、化合物の存在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合せず、化合物の不在下で、1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう。
【0102】
一部の実施形態では、化合物は、以下の場合、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる:(1)化合物が、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させ、(2)化合物が、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させず(または、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体とより少なく会合させ)、かつ(3)第1の巨大分子が、化合物の不在下で1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう。一部の実施形態では、化合物は、以下の場合、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる:(1)化合物が、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させ、(2)化合物が、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させず(または、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体とより少なく会合させ)、かつ(3)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、化合物の不在下で1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう。一部の実施形態では、化合物は、以下の場合、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる:(1)化合物が、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させ、(2)化合物が、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させず(または、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体とより少なく会合させ)、かつ(3)第1の巨大分子及び各追加の巨大分子が、化合物の不在下で1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう。
【0103】
一部の実施形態では、化合物は、以下の場合、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる:(1)化合物が、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせ、(2)化合物が、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせず(または、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体とより少なく解離させ)、かつ(3)第1の巨大分子が、化合物の不在下で1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう。一部の実施形態では、化合物は、以下の場合、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる:(1)化合物が、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせ、(2)化合物が、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせず(または、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体とより少なく解離させ)、かつ(3)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、化合物の不在下で1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう。一部の実施形態では、化合物は、以下の場合、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる:(1)化合物が、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせ、(2)化合物が、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせず(または、各(または、少なくとも1つの)追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体とより少なく解離させ)、かつ(3)第1の巨大分子及び各追加の巨大分子が、化合物の不在下で1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう。
【0104】
一部の実施形態では、化合物は、直接的に、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させる。一部の実施形態では、化合物は、間接的に、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させる。一部の実施形態では、化合物は、直接的に、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせる。一部の実施形態では、化合物は、間接的に、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせる。
【0105】
一部の実施形態では、化合物は、直接的に、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上を1つ以上の標的凝縮体と会合させる。一部の実施形態では、化合物は、間接的に、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上を1つ以上の標的凝縮体と会合させる。一部の実施形態では、化合物は、直接的に、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせる。一部の実施形態では、化合物は、間接的に、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせる。
【0106】
一部の実施形態では、化合物は、直接的に、各追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させる。一部の実施形態では、化合物は、間接的に、各追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合させる。一部の実施形態では、化合物は、直接的に、各追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせる。一部の実施形態では、化合物は、間接的に、各追加の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせる。
【0107】
一部の実施形態では、巨大分子が、細胞組成物を化合物と接触させた後に1つ以上の標的凝縮体と会合すると決定され、かつ巨大分子が、1つ以上の参照凝縮体と会合しないと決定される場合、化合物は、巨大分子(例えば、第1の巨大分子または追加の巨大分子など)を1つ以上の標的凝縮体と会合させる。一部の実施形態では、1つ以上の参照凝縮体は、実験対照である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体及び1つ以上の参照凝縮体は、細胞組成物の異なる部分に位置する。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体及び1つ以上の参照凝縮体は、細胞の異なる部分に位置する。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体及び1つ以上の参照凝縮体は、異なる細胞組成物中に位置する。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体を含む細胞組成物は、第1の細胞組成物であり、1つ以上の参照凝縮体は、第2の細胞組成物である。一部の実施形態では、第2の細胞組成物は、化合物と接触していない。
【0108】
一部の実施形態では、巨大分子と1つ以上の参照凝縮体との会合の決定は、化合物について有意義な結果を評価し得るような様式で行われる。例えば、一部の実施形態では、巨大分子と1つ以上の参照凝縮体との会合の決定は、参照細胞組成物において行われ、参照細胞組成物は、参照細胞組成物が化合物または化合物と接触させるステップに供されないことを除いて、化合物と接触される細胞組成物と同様の様式で調製される。
【0109】
一部の実施形態では、巨大分子が、細胞組成物を化合物と接触させた後に1つ以上の標的凝縮体と会合すると決定され、かつ巨大分子が、細胞組成物を化合物と接触させることなく、1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろうと決定される場合、化合物は、巨大分子(例えば、第1の巨大分子または追加の巨大分子など)を1つ以上の標的凝縮体と会合させる。一部の実施形態では、本方法は、化合物の不在下で、巨大分子が1つ以上の標的凝縮体と会合するかどうかを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、巨大分子が、細胞組成物を化合物と接触させた後に1つ以上の標的凝縮体と会合すると決定され、かつ巨大分子が、1つ以上の参照凝縮体と会合しない場合、化合物は、巨大分子(例えば、第1の巨大分子または追加の巨大分子)を1つ以上の標的凝縮体と会合させる。一部の実施形態では、本方法は、化合物の不在下で、巨大分子が1つ以上の参照凝縮体と会合するかどうかを決定することをさらに含む。
【0110】
また、化合物を特定する方法が本明細書に提供され、(a)第1の細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)第1の細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを含み、及び/または(ii)第1の細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットが形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと会合するかどうかを決定することと、(c)第2の細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)第2の細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを含み、及び/または(ii)第2の細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットが形成される、接触させることと、(d)第2の巨大分子が、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと会合するかどうかを決定することと、を含む。一部の実施形態では、第2の巨大分子及び第1の巨大分子は、同じである。一部の実施形態では、第2の巨大分子及び第1の巨大分子は、異なる。一部の実施形態では、第2の巨大分子は、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上である。一部の実施形態では、第2の巨大分子は、参照巨大分子(例えば、標的凝縮体と会合することが知られているか、または健常もしくは非ストレス条件下で標的凝縮体もしくは細胞/組織型と会合しないことが知られている巨大分子)である。一部の実施形態では、第2の巨大分子及び第1の巨大分子は、同じであり、本方法は、第3の巨大分子(例えば、第1の巨大分子及び第2の巨大分子とは異なる)が1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと会合するかどうかを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、第3の巨大分子は、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上である。
【0111】
また、化合物を特定する方法が本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体の第1のセット及び/または1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体の第1のセット及び/または1つ以上の標的凝縮体の第2のセットが形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと会合するかどうかを決定することと、(c)第2の巨大分子が、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと会合するかどうかを決定することと、を含む。一部の実施形態では、第2の巨大分子及び第1の巨大分子は、同じである。一部の実施形態では、第2の巨大分子及び第1の巨大分子は、異なる。一部の実施形態では、第2の巨大分子は、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上である。一部の実施形態では、第2の巨大分子は、参照巨大分子(例えば、標的凝縮体と会合することが知られているか、または健常もしくは非ストレス条件下で標的凝縮体もしくは細胞/組織型と会合しないことが知られている巨大分子)である。一部の実施形態では、第2の巨大分子及び第1の巨大分子は、同じであり、本方法は、第3の巨大分子(例えば、第1の巨大分子及び第2の巨大分子とは異なる)が1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと会合するかどうかを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、第3の巨大分子は、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上である。
【0112】
一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと会合させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと解離させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合または解離させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に解離させる化合物を特定する方法である。一部の実施形態では、本方法は、治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な化合物を特定する方法であり、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットが、疾患と関連している。一部の実施形態では、疾患は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である。
【0113】
一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと会合させる複数の化合物を特定する方法であり、本方法は、複数の化合物について本明細書に記載の方法のいずれかを実施することを含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと解離させる複数の化合物を特定する方法であり、本方法は、複数の化合物について本明細書に記載の方法のいずれかを実施することを含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合または解離させる複数の化合物を特定する方法であり、本方法は、複数の化合物について本明細書に記載の方法のいずれかを実施することを含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる複数の化合物を特定する方法であり、本方法は、複数の化合物について本明細書に記載の方法のいずれかを実施することを含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に解離させる複数の化合物を特定する方法であり、本方法は、複数の化合物について本明細書に記載の方法のいずれかを実施することを含む。一部の実施形態では、本方法は、治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な複数の化合物を特定する方法であり、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットが、疾患と関連し、本方法は、複数の化合物について本明細書に記載の方法のいずれかを実施することを含む。一部の実施形態では、疾患は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患であり、本方法は、複数の化合物について本明細書に記載の方法のいずれかを実施することを含む。
【0114】
一部の実施形態では、化合物が第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと会合させるよりも多く、化合物が第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと会合させる場合、化合物は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる。一部の実施形態では、化合物が第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと解離させるよりも多く、化合物が第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと解離させる場合、化合物は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に解離させる。
【0115】
当業者であれば、凝縮体及びその成分の状態を含む細胞プロセスが動的であることを容易に認識するであろう。したがって、本明細書に記載の方法は、1つ以上の標的凝縮体またはその成分のライフサイクルの任意の時点(例えば、様々な分裂期または非分裂期)で、細胞を化合物と接触させることを包含し得る。例えば、本方法は、例えば、1つ以上の標的凝縮体が、細胞の任意の位置にある場合、不在を含む任意の量で存在する場合、サイズまたは流動性の変化などの形態変化を起こしている場合、または組成が変化している場合に、細胞組成物を化合物と接触させることを包含し得る。一部の態様では、本方法はまた、1つ以上の標的凝縮体の成分が、細胞の任意の位置にある場合、任意の量にある場合、または任意の翻訳後修飾状態を有する場合に、細胞組成物を化合物と接触させることを包含し得る。
【0116】
化合物
一部の実施形態では、化合物は、小分子、ポリペプチド、脂質、または核酸である。一部の実施形態では、化合物は、米国食品医薬品局によって医学的処置のために承認された化合物などの、承認された化合物である。一部の実施形態では、化合物は、新規化合物である。一部の実施形態では、化合物は、小分子である。一部の実施形態では、小分子は、アルカロイド、グリコシド、フェナジン、フェノール、ポリケチド、テルペン、またはテトラピロールである。一部の実施形態では、試験化合物は、核酸である。一部の実施形態では、化合物は、siRNA、miRNA、またはmRNAである。一部の実施形態では、化合物は、非天然の化合物である。一部の実施形態では、化合物は、約1,000Da未満(例えば、約500Da以下)の分子量を有する。一部の実施形態では、化合物は、リピンスキーのルール・オブ・ファイブを満たす。一部の実施形態では、化合物は、小分子(例えば、約1,000Da以下である及び/またはリピンスキーのルール・オブ・ファイブを満たす治療用小分子)である。一部の実施形態では、化合物は、蛍光特徴などの検出可能な特徴を含む。一部の実施形態では、化合物は、蛍光標識などの標識を含む。一部の実施形態では、化合物は、フルオレセイン、蛍光ポリペプチド、または放射性同位体標識などの検出タグでさらに標識される。一部の実施形態では、タグは、第1の巨大分子(または、参照巨大分子)と1つ以上の標的凝縮体(または、参照凝縮体)との会合/解離を優先的に引き起こす化合物の作用及び/または活性に影響を及ぼさない。一部の実施形態では、標識は、顕微鏡技術(例えば、蛍光顕微鏡技術)を使用して検出可能である。
【0117】
一部の実施形態では、本明細書における方法は、2つ以上の化合物を添加することを含む。したがって、一部の実施形態では、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に変化させる(例えば、優先的に増加させるか、もしくは優先的に減少させる)化合物の組み合わせ、または第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる化合物の組み合わせを特定する方法が本明細書に提供される。一部の実施形態では、2つ以上の化合物は、各々、小分子、ポリペプチド、脂質、または核酸のうちのいずれかから選択される。一部の実施形態では、2つ以上の試験化合物は、順次または同時に添加される。一部の実施形態では、2つ以上の試験化合物は、一緒に融合される。
【0118】
細胞組成物
本明細書に開示される細胞組成物は、少なくとも1つの細胞を含む組成物である。一部の実施形態では、細胞組成物は、単一の細胞を含む。一部の実施形態では、細胞組成物は、少なくとも2、3、4、5、10、25、50、100、500、1000個、またはそれ以上の細胞を含む。細胞組成物は、様々な異なる供給源(例えば、動物由来の体液もしくは組織試料などのインビボ供給源、または培養細胞もしくは培養組織などのインビトロ供給源)から得ることができる。体液及び組織試料は、多くの場合、複数の細胞型を含む(例えば、脳組織は、ニューロン、グリア細胞、及び多くの他の種類の細胞を含み得る)。したがって、一部の実施形態では、細胞組成物は、少なくとも2、3、4、または5種類の細胞型を含む。細胞組成物はまた、細胞培養培地などの培地を含んでもよい。培地は、使用される試料及び細胞型に応じて変化し得る。一部の実施形態では、細胞組成物は、アミノ酸、ビタミン、無機塩、グルコース、血清、増殖因子、ホルモン、及び付着因子のうちの1つ以上を含む。例示的な培地としては、エイムズ培地、BGJb培地(フィットン・ジャクソン改変の有無)、クリック培地、CMRL-1066培地、フィッシャー培地、グラスゴー最小必須培地(GMEM)、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)、L-15培地(ライボビッツ)、マッコイ5A改変培地、NCTC培地、スイムS-77培地、ウェイマウス培地、ウィリアム培地E、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)及びイーグル最小必須培地(EMEM)が挙げられる。
【0119】
第1の細胞組成物及び第2の細胞組成物を必要とする方法については、本明細書に開示される任意の細胞組成物を使用してもよい。一部の実施形態では、第1の細胞組成物及び第2の細胞組成物は、実質的に類似の成分を含む。例えば、第1の細胞組成物及び第2の細胞組成物は、各々、供給源の細胞組成物からの試料であってもよく、または各々、同じ方法を使用して同じ成分を組み合わせることによって調製してもよい。一部の実施形態では、第1の細胞組成物及び第2の細胞組成物は、実質的に異なる成分を含む。例えば、第1の細胞組成物及び第2の細胞組成物は、各々、異なる供給源の細胞組成物からの試料であってもよく、または各々、異なる成分(例えば、異なる細胞もしくは培地)を組み合わせることによって、または異なる方法を使用して調製された成分を使用することによって調製してもよい。一部の実施形態では、第1の細胞組成物は、健常もしくは非ストレス細胞または野生型巨大分子を発現する細胞を含み、第2の細胞組成物は、疾患(例えば、腫瘍細胞)もしくはストレス細胞または変異型巨大分子を発現する細胞を含む。
【0120】
一部の実施形態では、細胞は、微生物または動物細胞である。一部の実施形態では、細胞は、動物細胞である。一部の実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。一部の実施形態では、細胞は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患の1つ以上の特徴を有する。一部の実施形態では、細胞は、HeLa細胞、HEK293細胞、誘導多能性幹細胞(iPSC細胞)、心筋細胞、筋細胞、幹細胞由来細胞、ニューロン、がん細胞、免疫細胞、または脂肪細胞である。一部の実施形態では、細胞は、ニューロンである。一部の実施形態では、細胞は、がん細胞である。一部の実施形態では、細胞は、免疫細胞である。一部の実施形態では、細胞は、誘導多能性幹細胞(iPS細胞)、HeLa細胞、またはHEK293細胞である。特定の種類の細胞を記載する場合、別途明記しない限り、その種類の細胞に由来する細胞を含むことが理解される。例えば、異種導入遺伝子を含むHeLa細胞は、別途明記しない限り、HeLa細胞と見なされるであろう。
【0121】
一部の実施形態では、細胞は、調節不全と判定される凝縮体を含む。一部の実施形態では、細胞は、疾患に関連する変異を含む。一部の実施形態では、細胞は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患の1つ以上の特徴を有する。一部の実施形態では、細胞は、ヒ酸塩、温度変化、またはpH変化により処理されている。
【0122】
一部の実施形態では、本方法は、細胞組成物の温度を変化させること(例えば、細胞組成物をより低いもしくはより高い温度に曝露すること)、細胞組成物の塩含有量を変化させること、細胞組成物中の緩衝液を添加または変化させること、細胞組成物のpHを変化させること、または細胞組成物にクラウディング剤(例えば、PEGもしくはデキストラン)を添加すること、を含む。
【0123】
一部の実施形態では、細胞組成物中の細胞は、1つ以上の標的凝縮体を形成する変異、及び/または1つ以上の標的凝縮体を修飾する変異を含む。一部の実施形態では、変異は、以下のうちの1つ以上を修飾する:1つ以上の標的凝縮体のサイズ、1つ以上の標的凝縮体の形状(例えば、球形度)、1つ以上の標的凝縮体の表面積、1つ以上の標的凝縮体の1つ以上の成分の濃度、1つ以上の標的凝縮体の位置、1つ以上の標的凝縮体の数、1つ以上の標的凝縮体及び参照凝縮体の量の比、1つ以上の標的凝縮体に関連する機能活性、1つ以上の標的凝縮体の組成、1つ以上の標的凝縮体と生体分子との共局在、1つ以上の標的凝縮体の成分の拡散係数、1つ以上の標的凝縮体の安定性、1つ以上の標的凝縮体の溶解またはサイズの減少、1つ以上の標的凝縮体の流動性、1つ以上の標的凝縮体の凝固、凝縮体成分の位置、凝縮体成分またはその前駆体の量、1つ以上の標的凝縮体への生体分子の凝縮体分画、凝縮体成分に関連する機能活性、凝縮体成分の凝集、凝縮体成分の翻訳後修飾状態、凝縮体成分の分解産物の量、及び1つ以上の標的凝縮体内の成分の不均一分布。一部の実施形態では、細胞組成物中の細胞は、凝縮体を形成させる変異を含む。
【0124】
一部の実施形態では、細胞は、蛍光タンパク質で標識されるタンパク質を発現する。一部の実施形態では、タンパク質は、1つ以上の標的凝縮体で濃縮されていることが知られているタンパク質である。一部の実施形態では、細胞は、第1のタンパク質及び第2のタンパク質を発現し、第1のタンパク質は、第1の標識で標識され、第1のタンパク質は、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットで濃縮されていることが知られ、第2のタンパク質は、第2の標識で標識され、第2のタンパク質は、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットで濃縮されていることが知られ、第1の標識及び第2の標識は、区別可能である。一部の実施形態では、細胞は、第1のタンパク質及び第2のタンパク質を発現し、第1のタンパク質は、第1の蛍光タンパク質で標識され、第1のタンパク質は、1つ以上の標的凝縮体の第1のセットで濃縮されていることが知られ、第2のタンパク質は、第2の蛍光タンパク質で標識され、第2のタンパク質は、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットで濃縮されていることが知られ、第1の蛍光タンパク質及び第2の蛍光タンパク質は、区別可能である。一部の実施形態では、タンパク質の発現は、誘導性または条件的である(例えば、TetOnシステムを使用する)。一部の実施形態では、タンパク質の発現は、構成的である。
【0125】
凝縮体
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上の標的凝縮体、25個以上、50個以上、75個以上、または100個以上の標的凝縮体である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、約1~1000個の凝縮体(例えば、約1~750個、1~500個、1~250個、1~100個、10~500個、10~50個、10~20個、25~1000個、25~500個、25~250個、100~1000個、または100~500個の凝縮体のうちのいずれか)である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、単一の凝縮体の種類(例えば、共通の巨大分子成分を含む凝縮体の種類)である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、複数の凝縮体の種類であり、例えば、ある種の複数の凝縮体は、第1の巨大分子成分を含み、ある種の複数の凝縮体は、第1の巨大分子成分を含まない。一部の実施形態では、1つ以上の参照凝縮体は、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上の標的凝縮体、25個以上、50個以上、75個以上、または100個以上の標的凝縮体である。一部の実施形態では、1つ以上の参照凝縮体は、約1~1000個の凝縮体(1~500個、1~250個、1~100個、10~500個、10~50個、10~20個、25~1000個、25~500個、25~250個、100~1000個、または100~500個の凝縮体)のうちのいずれかである。一部の実施形態では、1つ以上の参照凝縮体は、単一の凝縮体の種類(例えば、共通の巨大分子成分を含む凝縮体の種類)である。一部の実施形態では、1つ以上の参照凝縮体は、複数の凝縮体の種類であり、例えば、ある種の複数の凝縮体は、第1の巨大分子成分を含み、ある種の複数の凝縮体は、第1の巨大分子成分を含まない。一部の実施形態では、1つ以上の参照凝縮体及び1つ以上の標的凝縮体は、共通の巨大分子成分を含まない。一部の実施形態では、1つ以上の参照凝縮体及び1つ以上の標的凝縮体は、共通の巨大分子成分を含む。
【0126】
多くの凝縮体は当該技術分野で周知であり、多くの凝縮体は、既知の方法を使用して特定または分析することができる(顕微鏡法などの例示的な方法については、Basturea,G.N.(“Biological Condensates,”MATER METHODS 2019;9:2794)を参照されたい)。一部の実施形態では、本方法は、1つ以上の標的凝縮体を特定することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、1つ以上の参照凝縮体を特定することをさらに含む。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、細胞凝縮体である。一部の実施形態では、1つ以上の参照凝縮体は、細胞凝縮体である。一部の実施形態では、1つ以上の参照凝縮体は、インビトロ凝縮体である。多数の細胞凝縮体が記載されており、さらに多数形成されることが知られているが、まだ記載または命名されていない。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、細胞質凝縮体である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、核凝縮体である。一部の実施形態では、1つ以上の細胞凝縮体は、切断体、p顆粒、ヒストン遺伝子座体、多胞体、神経RNA顆粒、核ジェム、核膜孔、核スペックル、核内ストレス体、核小体、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメイン、パラスペックル、傍核小体コンパートメント、PML核内構造体、PML発がんドメイン、ポリコーム体、プロセシング体、Sam68核内構造体、ストレス顆粒、またはスプライシングスペックルである。一部の実施形態では、1つ以上の細胞凝縮体は、ストレス顆粒ではない。
【0127】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、複数の凝縮体である。一部の実施形態では、複数の標的凝縮体は、細胞組成物の一部分における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである。一部の実施形態では、複数の標的凝縮体は、細胞組成物中の細胞における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである。一部の実施形態では、複数の標的凝縮体は、細胞組成物中の細胞の一部における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである。一部の実施形態では、1つ以上の参照凝縮体は、複数の凝縮体である。一部の実施形態では、複数の参照凝縮体は、細胞組成物の一部分における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである。一部の実施形態では、複数の参照凝縮体は、細胞組成物中の細胞における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである。一部の実施形態では、複数の参照凝縮体は、細胞組成物中の細胞の一部における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである。一部の実施形態では、複数の参照凝縮体は、インビトロ凝縮体システムにおける凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである。
【0128】
一部の実施形態では、細胞の部分は、細胞質、核、オルガネラ、または非膜結合コンパートメントである。一部の実施形態では、凝縮体のクラスは、特定の巨大分子を含む凝縮体を含む。一部の実施形態では、凝縮体のクラスは、切断体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、p顆粒である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、ヒストン遺伝子座体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、多胞体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、神経RNA顆粒である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核ジェムである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核膜孔である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核スペックルである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核内ストレス体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核小体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメインである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、パラスペックルである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、傍核小体コンパートメントである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、PML核内構造体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、PML発がんドメインである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、ポリコーム体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、プロセシング体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、Sam68核内構造体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、ストレス顆粒である凝縮体を含み、または凝縮体のクラスは、スプライシングスペックルである凝縮体を含む。
【0129】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体及び1つ以上の参照凝縮体は、同じクラス(またはタイプ)の凝縮体である。例えば、1つ以上の標的凝縮体及び1つ以上の参照凝縮体は、1つ以上の同じ巨大分子を含んでもよく、同じ条件下で形成されてもよく、刺激に対して同じ応答を有してもよく、同じ細胞/組織型で形成されてもよく、及び/または細胞内の同じ位置に存在してもよい。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体及び1つ以上の参照凝縮体は、1つ以上の同じ巨大分子を含み、細胞内の同じ位置に存在する。一部の実施形態では、凝縮体のクラスは、切断体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、p顆粒である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、ヒストン遺伝子座体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、多胞体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、神経RNA顆粒である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核ジェムである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核膜孔である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核スペックルである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核内ストレス体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、核小体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメインである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、パラスペックルである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、傍核小体コンパートメントである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、PML核内構造体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、PML発がんドメインである凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、ポリコーム体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、プロセシング体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、Sam68核内構造体である凝縮体を含み、凝縮体のクラスは、ストレス顆粒である凝縮体を含み、または凝縮体のクラスは、スプライシングスペックルである凝縮体を含む。
【0130】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体及び1つ以上の参照凝縮体は、異なるクラス(またはタイプ)の凝縮体である。例えば、1つ以上の標的凝縮体及び1つ以上の参照凝縮体は、1つ以上の異なる巨大分子を含んでもよく、異なる条件下で形成されてもよく、刺激に対して異なる応答を有してもよく、異なる細胞/組織型で形成されてもよく、本明細書に記載の1つ以上の異なる特徴(例えば、形状、流動性、サイズ、組成物など)を有してもよく、及び/または細胞内の異なる位置に存在してもよい。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体及び1つ以上の参照凝縮体は、1つ以上の同じ巨大分子を含み、細胞内の異なる位置に存在する。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体及び1つ以上の参照凝縮体は、1つ以上の同じ巨大分子を含み、1つ以上の異なる巨大分子を含む。一部の実施形態では、異なる巨大分子は、バリアントである。例えば、一部の実施形態では、1つの巨大分子は、野生型タンパク質であり、他の巨大分子は、変異型タンパク質である。一部の実施形態では、一方の巨大分子は、成熟形態であり、他方の巨大分子は、未熟形態である。一部の実施形態では、一方の巨大分子は、翻訳後修飾を有さず、他方の巨大分子は、翻訳後修飾を有する。
【0131】
様々な凝縮体の調節不全は、疾患と関連し得る。例えば、細胞及び無細胞凝縮実験に基づいて、fused in sarcoma(FUS)タンパク質における疾患関連変異は、運動ニューロン疾患、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症に直接寄与する異常な相分離行動を引き起こすことが示されている(Naumann et al.,2018,Nat Commun,9(1):335)。したがって、一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の調節不全は、疾患と関連する。一部の実施形態では、疾患は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である。一部の実施形態では、調節不全は、以下のうちの1つ以上の変化を含む:1つ以上の標的凝縮体の量、1つ以上の標的凝縮体の組成、1つ以上の標的凝縮体の位置、1つ以上の標的凝縮体の分布、1つ以上の標的凝縮体のサイズ、1つ以上の標的凝縮体の流動性または凝固、1つ以上の標的凝縮体の溶解、1つ以上の標的凝縮体の形状、1つ以上の標的凝縮体の1つ以上の成分の濃度、1つ以上の標的凝縮体の1つ以上の成分の分布、1つ以上の標的凝縮体の1つ以上の成分の拡散係数、1つ以上の標的凝縮体の1つ以上の成分の翻訳後修飾、及び1つ以上の標的凝縮体内の1つ以上の成分の不均一分布(例えば、標的凝縮体のシェルの代わりにコアに位置する成分)。一部の実施形態では、変化は、類似の非調節不全凝縮体と比較される。
【0132】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体は、複数の凝縮体である。一部の実施形態では、化合物は、以下のうちの1つ以上を測定可能に変化させない:複数の標的凝縮体の総数、複数の標的凝縮体のサイズ、複数の標的凝縮体の形状、複数の標的凝縮体の流動性または凝固、複数の標的凝縮体の位置、複数の標的凝縮体の表面積、複数の標的凝縮体の溶解、複数の標的凝縮体の1つ以上の成分の翻訳後修飾、及び複数の標的凝縮体内の1つ以上の成分の不均一分布。
【0133】
一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体または参照凝縮体は、単一の凝縮体(例えば、単一の凝縮体の種類)である。一部の実施形態では、化合物は、以下から選択される1つ以上の特徴を測定可能に変化させない:標的凝縮体及び/または参照凝縮体の数、標的凝縮体及び/または参照凝縮体のサイズ、標的凝縮体及び/または参照凝縮体の位置、標的凝縮体及び/または参照凝縮体の分布、標的凝縮体及び/または参照凝縮体の表面積、標的凝縮体及び/または参照凝縮体の溶解、標的凝縮体及び/または参照凝縮体の形状、標的凝縮体及び/または参照凝縮体の流動性または凝固、標的凝縮体及び/または参照凝縮体の1つ以上の成分の翻訳後修飾、ならびに標的凝縮体及び/または参照凝縮体内の1つ以上の成分の不均一分布。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体または参照凝縮体は、複数の凝縮体(例えば、複数の凝縮体の種類)である。一部の実施形態では、化合物は、以下から選択される1つ以上の特徴を測定可能に変化させない:複数の標的凝縮体及び/または参照凝縮体の数、複数の標的凝縮体及び/または参照凝縮体のサイズ、複数の標的凝縮体及び/または参照凝縮体の位置、複数の標的凝縮体及び/または参照凝縮体の分布、複数の標的凝縮体及び/または参照凝縮体の表面積、複数の標的凝縮体及び/または参照凝縮体の溶解、複数の標的凝縮体及び/または参照凝縮体の形状、複数の標的凝縮体及び/または参照凝縮体の流動性または凝固、複数の標的凝縮体及び/または参照凝縮体の1つ以上の成分の翻訳後修飾、ならびに複数の標的凝縮体及び/または参照凝縮体内の1つ以上の成分の不均一分布。
【0134】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体(例えば、1つ以上の標的凝縮体、1つ以上の参照凝縮体、1つ以上の標的凝縮体の第1のセット、1つ以上の標的凝縮体の第2のセット)の位置は、細胞の任意の部分(例えば、細胞の細胞質または核の任意の態様)にある。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の位置は、細胞質のオルガネラもしくは粒子にあるか、またはそれらとの会合に基づく。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の位置は、1つ以上の凝縮体と別の細胞特徴(例えば、核または重心)との関連を説明する。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の位置は、別の細胞特徴(例えば、核または重心)に関連している。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の位置は、別の細胞特徴(例えば、核または重心)までの距離に基づく。
【0135】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の数は、細胞または細胞の一部分における凝縮体の総数である。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の数は、細胞部分(例えば、細胞質または核)における凝縮体の総数である。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の数は、全細胞質(または核)未満の測定値に基づく、細胞質(または核)における凝縮体の総数の推定値である。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の数は、細胞質の一部分における(例えば、視野内、または細胞特徴における/に関連する)凝縮体の数である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の数は、1つ以上の標的凝縮体の総数と1つ以上の参照凝縮体の総数との比によって反映される。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体と1つ以上の参照凝縮体との数の比は、1つ以上の標的凝縮体と第1の巨大分子を含まない1つ以上の参照凝縮体との数の比である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体と1つ以上の参照凝縮体との数の比は、細胞質の一部分における1つ以上の標的凝縮体と細胞質の別の部分における1つ以上の参照凝縮体との数の比である。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体と1つ以上の参照凝縮体との数の比は、1つ以上の標的凝縮体と第1の巨大分子を含み、ある位置(例えば、核)に位置する1つ以上の参照凝縮体との数の比である。
【0136】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の分布は、細胞質の一部分(例えば、細胞質の細胞特徴または視野)における1つ以上の凝縮体の分布である。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の分布は、細胞質内の細胞特徴(例えば、核、オルガネラ、または粒子)に対する1つ以上の凝縮体の分布である。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の分布は、細胞質の一部分(例えば、視野、その位置に対して)における1つ以上の凝縮体の分布である。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の分布は、各凝縮体の参照点までの距離に基づく。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の分布は、核の一部分における1つ以上の凝縮体の分布である。分布は、均一または不均一であり得る。
【0137】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体のサイズは、1つ以上の凝縮体の各々の最大の凝縮体横断寸法測定値(例えば、直径)に基づく。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体のサイズは、1つ以上の凝縮体の各々の周囲長に基づく。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体のサイズは、1つ以上の凝縮体の各々の断面積または(例えば、トップダウンビューからの)その画像表現に基づく。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体のサイズは、1つ以上の凝縮体の各々の体積に基づく。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体のサイズは、1つ以上の凝縮体の平均サイズに基づく。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体に関連する特徴は、1つ以上の凝縮体のサイズ分布(例えば、d5、d10、d90、またはd95)に基づく。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体のサイズは、粒径測定技術(例えば、動的光散乱技術)によって決定される。
【0138】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の安定性は、細胞活性の存在下または化合物の存在下での経時的な1つ以上の凝縮体の安定性である。一部の実施形態では、安定性は、例えば、1つ以上の凝縮体のサイズ、数、形状、または量の維持に基づく。
【0139】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の成分の拡散係数は、1つ以上の凝縮体のうちの成分(例えば、第1の巨大分子)の拡散係数である。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の成分の拡散係数は、1つ以上の凝縮体のうちの第1の巨大分子ではない成分(例えば、他のタンパク質、核酸、または化合物)の拡散係数である。
【0140】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の溶解またはサイズの縮小は、1つ以上の凝縮体の各々の最大の凝縮体横断寸法測定値(例えば、直径)に基づく。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の溶解またはサイズの減少は、1つ以上の凝縮体の各々の周囲長に基づく。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の溶解またはサイズの減少は、1つ以上の凝縮体の平均サイズに基づく。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の溶解またはサイズの減少は、1つ以上の凝縮体のサイズ分布(d5、d10、d90、またはd95など)に基づく。
【0141】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の表面積は、1つ以上の凝縮体の各々の周囲長に基づく推定表面積である。
【0142】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の球形度は、1つ以上の凝縮体の各々が完全な球にどれほど近いかに基づく。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の球形度は、1つ以上の凝縮体の各々の断面またはトップダウンビューに基づいて推定される球形度である。一部の例では、1つ以上の凝縮体に関連する特徴は、1つ以上のRBM20凝縮体の各々の形状である。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体に関連する特徴は、形状タイプを有するかまたは形状パラメータを満たす1つ以上の凝縮体の部分である。
【0143】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の流動性及び/または凝固は、1つ以上の凝縮体が互いに融合する方法、及び/または1つ以上の凝縮体の各々の経時的な構造、サイズ、形状、球形度、体積、数、及び/または表面積の変化に基づく。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の流動性及び/または凝固は、繊維形成に基づく。
【0144】
一部の実施形態では、特徴は、例えば、細胞内またはその一部分(細胞質もしくは核もしくは細胞の一部など)における1つ以上の凝縮体の評価、細胞の内外または細胞に関連する任意の他の位置(例えば、核もしくは細胞の一部分)における1つ以上の凝縮体及び/または巨大分子の評価、あるいは別の巨大分子(別の凝縮体成分など)の評価のうちのいずれか1つ以上に基づいて決定され得る。
【0145】
一部の実施形態では、特徴の決定は、少なくとも1つの細胞または少なくともその一部分の評価に基づく。一部の実施形態では、評価は、複数の細胞の評価である。一部の実施形態では、細胞の一部分は、視野(例えば、顕微鏡の視野またはその一部分)である。一部の実施形態では、細胞の部分は、細胞の画像の定義された領域またはその一部分である。一部の実施形態では、定義された領域は、(蛍光融合タンパク質の発現、核色素、または免疫蛍光(IF)染色などによる)1つ以上の細胞特性、例えば、核または細胞膜の境界に基づく。一部の実施形態では、定義された領域は、例えば、手動またはソフトウェアによって任意に定義される。一部の実施形態では、特徴を決定することは、反復アセスメントに基づく。一部の実施形態では、反復アセスメントは、画像の複数の部分または複数の画像に基づく。一部の実施形態では、特徴を決定することは、画像の2つ以上の部分、2つ以上の画像、または少なくとも2つ以上の画像から得られた2つ以上の部分から得られた平均または分布に基づく。
【0146】
一部の実施形態では、特徴を判定することは、撮像技術に基づく。一部の実施形態では、撮像技術は、凝縮体に関連した巨大分子のレベルを含む、1つ以上の凝縮体及び/または巨大分子に関連した特徴を評価するためのデータを提供する。一部の実施形態では、撮像技術は、細胞またはその一部分を含む組成物の画像を取得することを含む。一部の実施形態では、画像は、2次元画像である。一部の実施形態では、画像は、3次元画像またはそのレンダリングである。一部の実施形態では、撮像技術は、蛍光活性化細胞選別(FACS)技術または蛍光活性化粒子選別(FAPS)技術などの本明細書に記載の方法に有用な別の方法の特徴と組み合わされる。
【0147】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、撮像技術を介して、試料またはその一部分(例えば、細胞組成物)を撮像することを含む。一部の実施形態では、撮像技術は、蛍光撮像技術である。一部の実施形態では、撮像技術は、蛍光撮像技術を含む。一部の実施形態では、撮像技術は、比色及び蛍光撮像技術を含む。一部の実施形態では、蛍光撮像技術は、1つ以上のチャネルにおける蛍光シグナルを評価することを含む。一部の実施形態では、検出された光は、標的の直接標識(例えば、標識の化合物または巨大分子への組み込みまたは結合)による。一部の実施形態では、検出された光は、アポトーシス中に細胞膜の外葉に曝露されたホスファチジルセリン(PS)に結合する巨大分子(例えば、標識抗抗体またはその断片、核色素、またはアネキシンVルシフェラーゼ)に特異的に結合する標識プローブなどの標的の間接標識による。一部の実施形態では、標識は、Dendra2、GFP、またはmCherryを含む。一部の実施形態では、特徴を決定することは、免疫蛍光技術を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、直接標識技術及び間接標識技術の使用を含む。
【0148】
一部の実施形態では、本方法は、存在する場合、細胞の1つ以上の細胞特徴(例えば、凝縮体及び/または巨大分子に加えて)を決定することをさらに含む。当業者は、細胞の特徴がいくつかの方法で決定され得ることを容易に理解するであろう。一部の実施形態では、本方法は、組成物または細胞の少なくとも一部分を、核色素などの染色剤と接触させることをさらに含む。一部の実施形態では、染色は、蛍光染色である。一部の実施形態では、染色は、組織化学染色である。一部の実施形態では、染色は、免疫組織化学技術または免疫細胞化学技術で使用されるものなどの免疫ベースの染色である。一部の実施形態では、染色は、存在する場合、形質膜もしくは細胞膜、細胞質、細胞骨格、核、小胞体(粗面及び/または滑面)、リボソーム、ゴルジ体、リソソーム、ミトコンドリア、液胞、または中心体のうちのいずれか1つ以上の少なくとも一部分などの細胞特徴の視覚化を可能にする。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、細胞組成物または細胞の少なくとも一部分を固定剤と接触させることをさらに含む。
【0149】
一部の実施形態では、特徴は、特徴を有する1つ以上の標的凝縮体を有する細胞の数と、特徴を有する1つ以上の標的凝縮体を有しない細胞の数との比に基づいて決定される。一部の実施形態では、特徴は、特徴を有する1つ以上の標的凝縮体を有する細胞の数に基づいて決定される。
【0150】
一部の実施形態では、特徴は、一定期間にわたって(例えば、2つ以上の時点で)決定される。一部の実施形態では、特徴を決定することは、一定期間にわたって特徴の変化を評価することを含む。一部の実施形態では、会合レベルなどの特徴は、凝縮体の生存中に評価される。例えば、本明細書で考察されるように、凝縮体は動的であり、経時的に変化するため、特徴は、凝縮体に対する化合物の影響が正確に測定され得る時点で評価される。一部の実施形態では、会合レベルなどの特徴は、細胞の生存中(例えば、有糸分裂中または有糸分裂中ではないとき)に評価される。
【0151】
一部の実施形態では、特徴は、1つ以上の測定及び/または技術を使用して決定される。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体及び/またはポリペプチドに関連する複数の特徴が、1つ以上の測定及び/または技術を使用して決定される。
【0152】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、例えば、巨大分子及び/またはその前駆体を可視化、分析、及び/または定量化するための技術を含む。そのような技術は、当業者には周知である。例えば、細胞システムと適合するものを含む、蛍光標識タンパク質などのタンパク質を可視化するための顕微鏡技術が本明細書に包含される。また、翻訳後修飾、タンパク質の定量、及び凝縮体の組成の研究を含む、タンパク質の組成を分析するための(例えば、架橋MS技術「XL-MS」による)質量分析(MS)技術も本明細書に包含される。また、細胞プロセスを評価するための機能アッセイも本明細書に包含される。また、濃縮及び/または単離技術、例えば、細胞画分を単離するための遠心分離機技術、またはタンパク質もしくは核酸を単離するための親和性ベースの技術も本明細書に包含される。一部の実施形態では、本技術は、1つ以上の細胞において、または1つ以上の細胞の定義された領域(複数可)において、特徴を評価する。一部の実施形態では、本技術は、1つ以上の細胞または1つ以上の細胞の定義された領域(複数可)において、強度、面積、及び凝縮体数のうちの1つ以上を評価する。一部の実施形態では、この技術は、特徴の有無にかかわらず細胞の数を評価する。一部の実施形態では、この技術は、特徴の有無にかかわらず、細胞内の凝縮体の数を評価する。一部の実施形態では、本方法は、アッセイ及びその結果を評価するために、zスコアを使用することを含む。Zスコア及びその使用は、当該技術分野で既知である。例えば、Zhang et al.,J Biomol Screen,1999を参照されたい。
【0153】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の位置は、細胞特徴(例えば、細胞質もしくは核)などの細胞の少なくとも一部分における、または細胞の一部分に関連する1つ以上の凝縮体の存在、不在、またはレベルを評価することによって決定される。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の位置を決定することは、細胞特徴を決定することを含む。
【0154】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の数は、細胞質などの細胞内の凝縮体の総数を評価することによって決定される。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の数は、細胞の一部分(例えば、細胞質)の視野などにおける凝縮体の数を評価することによって決定される。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の数は、細胞の総数未満の測定値に基づいて、細胞またはその一部分(例えば、細胞質)における凝縮体の総数を推定することによって決定される。
【0155】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体のサイズは、1つ以上の凝縮体の各々の最大の凝縮体横断寸法測定値(例えば、直径)を評価することによって決定される。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体のサイズは、1つ以上の凝縮体の各々の周囲長を評価することによって決定される。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体のサイズは、1つ以上の凝縮体の各々の断面積または(例えば、トップダウンビューからの)その画像表現を評価することによって決定される。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体のサイズは、粒径測定技術(例えば、動的光散乱技術)によって決定される。
【0156】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の溶解またはサイズの減少は、細胞活性の存在下で、または化合物の存在下で、経時的に、1つ以上の凝縮体の各々の構造の変化に基づいて決定される。
【0157】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の表面積は、1つ以上の凝縮体の各々の測定されたパラメータ(例えば、周囲長、最大の凝縮体横断寸法測定値)を使用して表面積を推定することに基づいて決定される。
【0158】
一部の実施形態では、本方法は、細胞組成物を化合物と接触させることを含み、細胞組成物は、1つ以上の標的凝縮体を含み、本方法は、ステップ(a)の前に、1つ以上の標的凝縮体を形成させることをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、細胞組成物を化合物と接触させることを含み、1つ以上の標的凝縮体は、細胞組成物を化合物と接触させた後に形成され、本方法は、1つ以上の標的凝縮体を形成させることをさらに含む。凝縮体を形成する方法は既知である。例えば、細胞ストレスは、ストレス顆粒の形成を引き起こす可能性がある。細胞ストレスの例としては、ヒ酸塩処理、温度変化、またはpH変化が挙げられる。したがって、一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体を形成させることは、細胞組成物をヒ酸塩、酸、もしくは塩基と接触させること、または細胞組成物の温度を変化させることを含む。
【0159】
1つ以上の標的凝縮体の第1のセット及び1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを必要とする方法については、本明細書に開示される任意の標的凝縮体を使用してもよい。一部の実施形態では、1つ以上の標的凝縮体の第1のセット及び1つ以上の標的凝縮体の第2のセットは、異なるクラスの凝縮体(例えば、本明細書に開示される凝縮体のクラスのいずれか)である。
【0160】
一部の実施形態では、本方法は、凝縮体の特徴を評価するために1つ以上の画像を分析することを含む。一部の実施形態では、分析は、細胞境界、または細胞の一部分(例えば、オルガネラ)の境界をマッピングすることを含む。一部の実施形態では、分析は、凝縮体の境界をマッピングすることを含む。一部の実施形態では、画像の分析は、分析ソフトウェアによって完了及び/または促進される。一部の実施形態では、1つ以上の画像は、例えば、時間経過研究において比較される。一部の実施形態では、分析は、凝縮体、巨大分子、及び/または化合物(例えば、凝縮体及び/または巨大分子と共局在する化合物)のシグナル(例えば、蛍光融合タンパク質、IF染色、または発光のシグナル)の強度を測定することを含む。一部の実施形態では、分析は、測定されたシグナル(例えば、凝縮体境界内の測定されたシグナル)の濃縮を計算することをさらに含む。
【0161】
一部の実施形態では、凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子及び第2の巨大分子)の共局在は、凝縮体中の成分または凝縮体に関連する成分(または化合物)の存在、不在、またはレベルを評価することによって決定される。一部の実施形態では、測定などの評価は、直接的または間接的に行われる。一部の実施形態では、凝縮体成分は、質量分析技術(例えば、APEXまたはXL-MS)を使用して評価される。一部の実施形態では、凝縮体成分は、FAPS技術を使用して評価される。一部の実施形態では、評価することは、標識技術の使用(標識を凝縮体成分に直接結合すること、またはIF技術で使用されるような免疫標識を使用することなど)を含む。一部の実施形態では、凝縮体は、単離及び/または濃縮され、次いで、凝縮体中の成分または凝縮体に関連する凝縮体成分の存在、不在、またはレベルが評価される。一部の実施形態では、凝縮体は、例えば、他の細胞成分から単離及び/または濃縮されず、例えば、インサイツで評価される。一部の実施形態では、凝縮体または凝縮体を含む細胞は、評価する前に固定される。一部の実施形態では、凝縮体、または凝縮体を含む細胞は、評価する前に固定されない。一部の実施形態では、撮像、質量分析、ウェスタンブロット、免疫沈降(IP)、免疫蛍光(IF)染色、インサイツ、FISH、ノーザンブロット、またはqPCRなどの当該技術分野における既知の技術を使用して、凝縮体中の成分の量を定量化することができる。
【0162】
巨大分子
一部の実施形態では、巨大分子(例えば、第1の巨大分子、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上、または参照巨大分子)は、核酸またはタンパク質である。一部の実施形態では、巨大分子(例えば、第1の巨大分子、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上、または参照巨大分子)は、タンパク質またはタンパク質断片である。一部の実施形態では、タンパク質またはタンパク質断片は、低複雑性ドメイン(low complexity domain)または天然変性配列(intrinsically disordered sequence)を含む。一部の実施形態では、巨大分子は、転写因子またはRNA結合タンパク質である。一部の実施形態では、巨大分子は、RNAまたはDNAなどの核酸である。一部の実施形態では、巨大分子は、RNAである。
【0163】
一部の実施形態では、第1の巨大分子は、FUSまたはeIF3である。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、FUS、eIF3、G3BP1、FUS及びG3BP1、またはeIF3及びG3BP1である。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、FUSであり、少なくとも1つの追加の巨大分子は、eIF3、G3BP1、またはeIF3及びG3BP1である。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、eIF3であり、少なくとも1つの追加の巨大分子は、FUS、G3BP1、またはFUS及びG3BP1である。
【0164】
一部の実施形態では、第1の巨大分子は、変異を含み、変異を含まない関連する巨大分子と比較して、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを変化させる。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、変異を含み、変異を含まない関連する巨大分子と比較して、1つ以上の標的凝縮体との対応する会合レベルを変化させる。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子の各々は、変異を含み、変異を含まない関連する巨大分子と比較して、1つ以上の標的凝縮体との対応する会合レベルを変化させる。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、変異を含み、第1の巨大分子と別の凝縮体との会合レベルと比較して、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを変化させる。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、変異を含まない関連する巨大分子と比較して、1つ以上の標的凝縮体との変化した会合を有しない(または、変化した会合を最大約2倍有する)。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、変異を含み、第2の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを変化させる。一部の実施形態では、第1の巨大分子及び第2の巨大分子は、異なる。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、変異を含み、別の細胞型(例えば、心筋細胞)または組織型における第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合と比較して、1つ以上の細胞型(例えば、ニューロン)または組織型のみにおける第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを変化させる。一部の実施形態では、変異は、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患などの疾患に関連する。
【0165】
一部の実施形態では、巨大分子(例えば、第1の巨大分子または少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上)は、疾患状態またはストレス状態において異常に発現されている。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、疾患状態またはストレス状態において異常に発現されている。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、疾患状態またはストレス状態で異常に発現されている。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子の各々は、疾患状態で異常に発現されている。一部の実施形態では、疾患状態またはストレス状態の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルは、正常(例えば、健常または非ストレス)状態の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルと比較して、変化している。一部の実施形態では、疾患状態またはストレス状態の第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルは、正常状態の第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルと比較して、変化している。一部の実施形態では、疾患状態またはストレス状態の少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルは、正常状態の少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルと比較して、変化している。一部の実施形態では、疾患状態またはストレス状態の各々の少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルは、正常状態の各々の少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルと比較して、変化している。一部の実施形態では、疾患状態またはストレス状態の第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルは、正常状態の第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルと比較して、変化している(例えば、少なくとも約2倍変化している)が、疾患状態またはストレス状態の少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルは、正常状態の少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルと比較して、変化していない(または、例えば、2倍未満変化している)。
【0166】
一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上の巨大分子である。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、2個以上の巨大分子である。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、3個以上の巨大分子である。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、5個以上の巨大分子である。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、1~10個の巨大分子(例えば、1~3個、2~5個、2~9個、3~8個、4~7個、5~10個、または7~10個の巨大分子)である。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、単一の巨大分子である。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の巨大分子である。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、2個の巨大分子である。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、3個の巨大分子である。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、5個の巨大分子である。
【0167】
一部の実施形態では、第1の巨大分子及び/または少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、融合タンパク質である。一部の実施形態では、融合タンパク質は、標識を含む。一部の実施形態では、標識は、蛍光タンパク質または発光タンパク質である。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、第1の標識を含む第1の融合タンパク質であり、少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つは、第2の標識を含む第2の融合タンパク質である。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加の巨大分子は、複数の巨大分子である。一部の実施形態では、複数は、第1の標識を含む第1の融合タンパク質、及び第2の標識を含む第2の融合タンパク質を含む。一部の実施形態では、第1の巨大分子は、第1の標識を含む第1の融合タンパク質であり、複数は、第2の標識を含む第2の融合タンパク質及び第3の標識を含む第3の融合タンパク質を含む。一部の実施形態では、第1の標識及び第2の標識は、区別可能である。一部の実施形態では、第1の標識、第2の標識、及び第3の標識は、区別可能である。
【0168】
一部の実施形態では、第1の巨大分子及び/または少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上は、標識(例えば、フルオレセイン)でタグ付けされる。追加的に、または代替的に、巨大分子は、細胞組成物を標識と接触させることによって標識され得る。したがって、一部の実施形態では、本方法は、細胞組成物を標識と接触させることをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子及び/または少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上を標識することをさらに含む。一部の実施形態では、標識することは、細胞組成物を、標識を含む抗体またはその抗原結合断片と接触させることを含む。一部の実施形態では、標識は、放射性標識、比色標識、または蛍光標識である。
【0169】
一部の実施形態では、本方法は、細胞組成物を固定剤と接触させることを含む。例示的な固定剤としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、及びパラホルムアルデヒドが挙げられる。一部の実施形態では、本方法は、細胞組成物を透過剤と接触させることを含む。例示的な透過剤としては、サポニン化合物、メタノール、アセトン、または洗剤(例えば、Triton(登録商標) X-100)が挙げられる。
【0170】
化合物の特徴を特定する方法
また、本明細書では、以下の特異性:巨大分子特異性、凝縮体特異性、及び組織特異性のうちのいずれか1つ以上を全体的または部分的に担う部分などの化合物の特徴を特定する方法も提供される。一部の実施形態では、化合物の特徴を特定する方法は、本明細書に記載の方法に従って複数の化合物を評価し、次いで、複数の化合物のサブセットまたはすべてを含む化合物の特徴を特定することを含み、複数の化合物のサブセットまたはすべてが、類似の特異性を示す。
【0171】
一部の態様では、本明細書に記載の方法は、化合物のライブラリーをアッセイするために、スクリーニングにおいて使用される。一部の態様では、本明細書に記載の方法は、凝縮体のライブラリーをアッセイするために、スクリーニングにおいて使用される。一部の態様では、本明細書に記載の方法は、細胞(例えば、疾患モデル細胞株)のライブラリーをアッセイするために、スクリーニングにおいて使用される。一部の態様では、本明細書に記載の方法は、細胞のライブラリーをアッセイするために、スクリーニングにおいて使用され、細胞のライブラリーは、疾患関連変異などの巨大分子に異なる変異を有する細胞を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、細胞を含む組成物などの単一のシステムにおいて、2つ以上の化合物を評価することを含む。
【0172】
一部の態様では、本明細書に記載の方法は、任意のレベルのスループット(例えば、高スループット、中スループット、または低スループット)用にフォーマットされる。
【0173】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、例えば、類似の疾患タイプ(例えば、乳癌)だが異なる変異(例えば、異なるアレル)を有する細胞組成物において、第2の細胞ベースのアッセイを使用して、特定された化合物を評価することをさらに含む。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、インビトロアッセイを使用して、特定された化合物を評価することをさらに含む。
【0174】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、細胞、またはその部分、または1つ以上の標的凝縮体における化合物の量を決定することをさらに含む。一部の実施形態では、化合物の量を決定することは、化合物を定量的に検出することを含む。一部の実施形態では、化合物の量を決定することは、化合物の標識を定量的に検出することを含む。一部の実施形態では、化合物の量を決定することは、化合物の活性を検出することと、検出された活性の量を引き起こす(例えば、巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との解離を引き起こす)ために必要な化合物の量を計算することと、を含む。一部の態様では、化合物の量は、質量分析、液体クロマトグラフィー、及び/または紫外・可視分光光度測定によって決定される。一部の実施形態では、化合物の量は、蛍光顕微鏡によって決定される。化合物の量を決定するのに役立つように、標準曲線を使用してもよい。
【0175】
一部の実施形態では、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすことに関連する化合物の特徴を特定する方法が本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたは全てが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす能力に加えて、共通して有する特徴を特定することと、を含む。また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすことに関連する化合物の特徴を特定する方法が本明細書に提供され、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす複数の化合物を特定すること、及び、特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす能力に加えて、共通して有する特徴を特定すること、の本明細書に開示される方法のステップを実施することを含む。
【0176】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させることに関連する化合物の特徴を特定する方法も本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたは全てが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる能力に加えて、共通して有する特徴を特定することと、を含む。また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に減少させることに関連する化合物の特徴を特定する方法が本明細書に提供され、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に減少させる複数の化合物を特定すること、及び、特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に減少させる能力に加えて、共通して有する特徴を特定すること、の本明細書に開示される方法のステップを実施することを含む。
【0177】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させることに関連する化合物の特徴を特定する方法も本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたは全てが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる能力に加えて、共通して有する特徴を特定することと、を含む。また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に増加させることに関連する化合物の特徴を特定する方法が本明細書に提供され、本方法は、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に増加させる複数の化合物を特定すること、及び、特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に増加させる能力に加えて、共通して有する特徴を特定すること、の本明細書に開示される方法のステップを実施することを含む。
【0178】
また、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させることに関連する化合物の特徴を特定する方法も本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が1つ以上の標的凝縮体と会合するかどうかを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、を含む。また、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させることに関連する化合物の特徴を特定する方法も本明細書に提供され、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる複数の化合物を特定すること、及び特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる能力に加えて共通して有する特徴を特定すること、の本明細書に開示される方法のステップを実施することを含む。
【0179】
また、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させることに関連する化合物の特徴を特定する方法も本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が1つ以上の標的凝縮体と解離するかどうかを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたは全てが、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、を含む。また、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に解離させることに関連する化合物の特徴を特定する方法も本明細書に提供され、本方法は、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる複数の化合物を特定すること、及び特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定すること、の本明細書に開示される方法のステップを実施することを含む。
【0180】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の1つ以上の他のセット(例えば、1つ以上の凝縮体の第2のセット)と比較して、第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすことに関連する化合物の特徴を特定する方法が本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の凝縮体の第1のセット及び1つ以上の凝縮体の1つ以上の他のセット(例えば、1つ以上の凝縮体の第2のセット)を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の凝縮体の第1のセット及び1つ以上の凝縮体の1つ以上の他のセット(例えば、1つ以上の凝縮体の第2のセット)が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体の第1のセットとの会合レベル、及び第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体の各他のセット(例えば、1つ以上の凝縮体の第2のセット)との会合レベルを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、を含む。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の第1の(または、他の)セットは、同じタイプであり、例えば、すべてがストレス顆粒である。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の第1の(または、他の)セットは、共通の巨大分子を共有する。一部の実施形態では、本方法は、1つ以上の追加の巨大分子と1つ以上の凝縮体の第1のセットとの会合のレベル、及び1つ以上の追加の巨大分子と1つ以上の凝縮体の各他のセットとの会合のレベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の巨大分子と参照凝縮体との会合レベル、及び/または1つ以上の追加の巨大分子と参照凝縮体との会合レベルを決定することをさらに含む。
【0181】
一部の実施形態では、1つ以上の細胞/組織型の1つ以上の他のセットと比較して、1つ以上の細胞/組織型の第1のセットにおける第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすことに関連する化合物の特徴を特定する方法が本明細書に提供され、(a)1つ以上の細胞/組織型を含む1つ以上の細胞組成物の第1のセット及び1つ以上の細胞/組織型を含む1つ以上の細胞組成物の1つ以上の他のセットを化合物と接触させることであって、(i)各細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)各細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)1つ以上の細胞組成物の第1のセットにおける第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び1つ以上の細胞組成物の各他のセットにおける第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、1つ以上の細胞/組織型を含む1つ以上の細胞組成物の第1のセットにおける第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、を含む。一部の実施形態では、本方法は、1つ以上の細胞組成物の第1のセットにおける1つ以上の追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び1つ以上の細胞組成物の各他のセットにおける1つ以上の追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、1つ以上の細胞組成物の第1のセットにおける第1の巨大分子と参照凝縮体との会合レベル、及び1つ以上の細胞組成物の各他のセットにおける第1の巨大分子と参照凝縮体との会合レベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、1つ以上の細胞組成物の第1のセットにおける1つ以上の追加の巨大分子と参照凝縮体との会合レベル、及び1つ以上の細胞組成物の各他のセットにおける1つ以上の追加の巨大分子と参照凝縮体との会合レベルを決定することをさらに含む。
【0182】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、特定された化合物のサブセットまたはすべてが、以下のうちの1つ以上を変化させることにおいて共通して有する1つ以上の特徴をさらに特定することができる:(i)1つ以上の標的凝縮体の位置、(ii)1つ以上の標的凝縮体及び/またはその成分(例えば、第1の巨大分子)の分布、(iii)1つ以上の標的凝縮体の数、(iv)1つ以上の標的凝縮体のサイズ、(v)1つ以上の標的凝縮体及び参照凝縮体の量の比、(vi)1つ以上の標的凝縮体に関連する機能活性、(vii)1つ以上の標的凝縮体の組成、(viii)1つ以上の標的凝縮体と生体分子との共局在、(ix)1つ以上の標的凝縮体の成分(例えば、第1の巨大分子)の拡散係数、(x)1つ以上の標的凝縮体の安定性、(xi)1つ以上の標的凝縮体の溶解またはサイズの減少、(xii)1つ以上の標的凝縮体の表面積、(xiii)1つ以上の標的凝縮体の球形度、(xiv)1つ以上の標的凝縮体の流動性、(xv)1つ以上の標的凝縮体の凝固、(xvi)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)の位置、(xvii)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)またはその前駆体の量、(xviii)1つ以上の標的凝縮体への生体分子(例えば、第1の巨大分子)の凝縮体分画、(xix)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)に関連する機能活性、(xx)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)の凝集、(xxi)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)の翻訳後修飾状態、及び(xxii)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)の分解産物の量。
【0183】
化合物を設計する方法
本明細書ではまた、以下の特異性:巨大分子特異性、凝縮体特異性、及び組織特異性のうちの1つ以上を有する化合物を設計する方法も提供される。一部の実施形態では、設計する方法は、所望の特異性を有する1つ以上の部分を選択及び/または構築することを含む。
【0184】
一部の実施形態では、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす化合物を設計する方法は、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、(e)特定された特徴を含む化合物を設計し、それによって、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす化合物を設計することと、を含む。
【0185】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる化合物を設計する方法も本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、(e)特定された特徴を含む化合物を設計し、それによって、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる化合物を設計することと、を含む。
【0186】
また、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる化合物を設計する方法も本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、(e)特定された特徴を含む化合物を設計し、それによって、第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる化合物を設計することと、を含む。
【0187】
また、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる化合物を設計する方法も本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が1つ以上の標的凝縮体と会合するかどうかを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、(e)特定された特徴を含む化合物を設計し、それによって、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる化合物を設計することと、を含む。
【0188】
また、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる化合物を設計する方法も本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が1つ以上の標的凝縮体と解離するかどうかを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、(e)特定された特徴を含む化合物を設計し、それによって、第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる化合物を設計することと、を含む。
【0189】
一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の1つ以上の他のセット(例えば、1つ以上の凝縮体の第2のセット)と比較して、第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすことに関連する化合物の特徴を特定する方法が本明細書に提供され、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)細胞組成物が1つ以上の凝縮体の第1のセット及び1つ以上の凝縮体の1つ以上の他のセット(例えば、1つ以上の凝縮体の第2のセット)を含み、及び/または(ii)細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の凝縮体の第1のセット及び1つ以上の凝縮体の1つ以上の他のセット(例えば、1つ以上の凝縮体の第2のセット)が形成される、接触させることと、(b)第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体の第1のセットとの会合レベル、及び第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体の各他のセット(例えば、1つ以上の凝縮体の第2のセット)との会合レベルを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、(e)特定された特徴を含む化合物を設計し、それによって、第1の巨大分子と1つ以上の凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす化合物を設計することと、を含む。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の第1の(または、他の)セットは、同じタイプであり、例えば、すべてがストレス顆粒である。一部の実施形態では、1つ以上の凝縮体の第1の(または、他の)セットは、共通の巨大分子を共有する。
【0190】
一部の実施形態では、1つ以上の細胞/組織型の1つ以上の他のセットと比較して、1つ以上の細胞/組織型の第1のセットにおける第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすことに関連する化合物の特徴を特定する方法が本明細書に提供され、(a)1つ以上の細胞/組織型を含む1つ以上の細胞組成物の第1のセット及び1つ以上の細胞/組織型を含む1つ以上の細胞組成物の1つ以上の他のセットを化合物と接触させることであって、(i)各細胞組成物が1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)各細胞組成物を化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、1つ以上の標的凝縮体が形成される、接触させることと、(b)1つ以上の細胞組成物の第1のセットにおける第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベル、及び1つ以上の細胞組成物の各他のセットにおける第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、(c)複数の化合物について、ステップ(a)及び(b)を実施することと、(d)特定された化合物のサブセットまたはすべてが、1つ以上の細胞/組織型を含む1つ以上の細胞組成物の第1のセットにおける第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、(e)特定された特徴を含む化合物を設計し、それによって、1つ以上の細胞/組織型を含む1つ以上の細胞組成物の第1のセットにおける第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす化合物を設計することと、を含む。
【0191】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、特定された化合物のサブセットまたはすべてが、以下のうちの1つ以上を変化させることにおいて共通して有する1つ以上の特徴を特定することをさらに含む:(i)1つ以上の標的凝縮体の位置、(ii)1つ以上の標的凝縮体及び/またはその成分(例えば、第1の巨大分子)の分布、(iii)1つ以上の標的凝縮体の数、(iv)1つ以上の標的凝縮体のサイズ、(v)1つ以上の標的凝縮体及び参照凝縮体の量の比、(vi)1つ以上の標的凝縮体に関連する機能活性、(vii)1つ以上の標的凝縮体の組成、(viii)1つ以上の標的凝縮体と生体分子との共局在、(ix)1つ以上の標的凝縮体の成分(例えば、第1の巨大分子)の拡散係数、(x)1つ以上の標的凝縮体の安定性、(xi)1つ以上の標的凝縮体の溶解またはサイズの減少、(xii)1つ以上の標的凝縮体の表面積、(xiii)1つ以上の標的凝縮体の球形度、(xiv)1つ以上の標的凝縮体の流動性、(xv)1つ以上の標的凝縮体の凝固、(xvi)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)の位置、(xvii)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)またはその前駆体の量、(xviii)1つ以上の標的凝縮体への生体分子(例えば、第1の巨大分子)の凝縮体分画、(xix)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)に関連する機能活性、(xx)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)の凝集、(xxi)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)の翻訳後修飾状態、及び(xxii)凝縮体成分(例えば、第1の巨大分子)の分解産物の量。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、(巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすことに加えて)上で特定された特徴のうちの1つ以上をさらに含む化合物を設計することをさらに含み、それによって、巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすだけでなく、上述の凝縮体/凝縮体成分の特徴のうちの1つ以上を変化させることもできる化合物を設計することを含む。
【0192】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合の達成された所望の変化(及び/または上述の1つ以上の凝縮体/凝縮体成分の特徴の所望の変化)に基づいて、1つ以上のルールセット(rule sets)を開発するために使用され得る。一部の実施形態では、1つ以上のルールセットは、本明細書に記載の1つ以上の特徴の所望の調節を有する化合物のモデリング、コンピュータ及び/または計算ベースの技術(例えば、バイオインフォマティクス、ケミンフォマティクス、及び/または人工知能(AI)ベースの特定)を含むアプローチを使用して、1つ以上の化合物の特定及び/または設計のための基礎として使用され得る。また、1つ以上のルールセットを決定及び/または適用するためのコンピュータソフトウェアも提供される。
【0193】
当業者は、いくつかの実施形態が本出願の開示の範囲及び趣旨内で可能であることを認識するであろう。本開示は、以下の実施例によってさらに例示されるが、それらが、範囲または趣旨において、本開示を本明細書に記載の特定の手順に限定するものとして解釈されるべきではない。
【0194】
例示的な実施形態
提供される実施形態には、以下が含まれる。
【0195】
実施形態1.第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼす化合物を特定する方法であって、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)前記細胞組成物を前記化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、前記1つ以上の標的凝縮体が形成される、前記接触させることと、(b)前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、を含み、前記化合物が各追加の巨大分子の参照レベルと比較して各追加の巨大分子の前記レベルを変化させるよりも多く、前記化合物が第1の参照レベルと比較して前記第1の巨大分子の前記レベルを変化させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルに優先的に影響を及ぼす、前記方法。
【0196】
実施形態2.前記化合物が、各追加の巨大分子の前記参照レベルと比較して、各追加の巨大分子の前記レベルを測定可能に変化させない、実施形態1に記載の方法。
【0197】
実施形態3.第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に増加させる化合物を特定する方法であって、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)前記細胞組成物を前記化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、前記1つ以上の標的凝縮体が形成される、前記接触させることと、(b)前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、を含み、前記化合物が各追加の巨大分子の参照レベルと比較して各追加の巨大分子の前記レベルを増加させるよりも多く、前記化合物が第1の参照レベルと比較して前記第1の巨大分子の前記レベルを増加させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルを優先的に増加させる、前記方法。
【0198】
実施形態4.前記化合物が、各追加の巨大分子の前記参照レベルと比較して、各追加の巨大分子の前記レベルを測定可能に増加させない、実施形態3に記載の方法。
【0199】
実施形態5.第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを優先的に減少させる化合物を特定する方法であって、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)前記細胞組成物を前記化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、前記1つ以上の標的凝縮体が形成される、前記接触させることと、(b)前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベル、及び少なくとも1つの追加の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との会合レベルを決定することと、を含み、前記化合物が各追加の巨大分子の参照レベルと比較して各追加の巨大分子の前記レベルを減少させるよりも多く、前記化合物が第1の参照レベルと比較して前記第1の巨大分子の前記レベルを変化させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルを優先的に減少させる、前記方法。
【0200】
実施形態6.前記化合物が、各追加の巨大分子の前記参照レベルと比較して、各追加の巨大分子の前記レベルを測定可能に減少させない、実施形態5に記載の方法。
【0201】
実施形態7.前記第1の参照レベルが、前記化合物の不在下で決定される、前記第1の巨大分子と1つ以上の参照凝縮体との会合レベルである、実施形態1~6のいずれか1項に記載の方法。
【0202】
実施形態8.各追加の巨大分子の前記参照レベルが、前記化合物の不在下で決定される、各追加の巨大分子と1つ以上の参照凝縮体との会合レベルである、実施形態1~7のいずれか1項に記載の方法。
【0203】
実施形態9.第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる化合物を特定する方法であって、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)前記細胞組成物を前記化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、前記1つ以上の標的凝縮体が形成される、前記接触させることと、(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が前記1つ以上の標的凝縮体と会合するかどうかを決定することと、を含み、(1)前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と会合させ、(2)前記化合物が、各追加の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と会合させず、かつ(3)前記第1の巨大分子が、前記化合物の不在下で前記1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる、前記方法。
【0204】
実施形態10.(4)前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、前記化合物の不在下で前記1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる、実施形態9に記載の方法。
【0205】
実施形態11.(4)前記少なくとも1つの追加の巨大分子の各々が、前記化合物の不在下で前記1つ以上の標的凝縮体と会合しないであろう場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる、実施形態9に記載の方法。
【0206】
実施形態12.第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる化合物を特定する方法であって、(a)細胞組成物を化合物と接触させることであって、(i)前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体を含み、及び/または(ii)前記細胞組成物を前記化合物と接触させると同時に及び/または接触させた後に、前記1つ以上の標的凝縮体が形成される、前記接触させることと、(b)第1の巨大分子及び少なくとも1つの追加の巨大分子が前記1つ以上の標的凝縮体と会合するかどうかを決定することと、を含み、(1)前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせ、(2)前記化合物が、各追加の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と会合しないようにさせず、かつ(3)前記第1の巨大分子が、前記化合物の不在下で前記1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と優先的に解離させる、前記方法。
【0207】
実施形態13.(4)前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、前記化合物の不在下で前記1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる、実施形態12に記載の方法。
【0208】
実施形態14.(4)前記少なくとも1つの追加の巨大分子の各々が、前記化合物の不在下で前記1つ以上の標的凝縮体と会合するであろう場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合させる、実施形態12に記載の方法。
【0209】
実施形態15.ステップ(a)が、細胞組成物を化合物と接触させることを含み、前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体を含み、前記方法が、ステップ(a)の前に、前記1つ以上の標的凝縮体を形成させることをさらに含む、実施形態1~14のいずれか1項に記載の方法。
【0210】
実施形態16.ステップ(a)が、細胞組成物を化合物と接触させることを含み、前記1つ以上の標的凝縮体が、前記細胞組成物を前記化合物と接触させた後に形成され、前記方法が、前記1つ以上の標的凝縮体を形成させることをさらに含む、実施形態1~14のいずれか1項に記載の方法。
【0211】
実施形態17.前記少なくとも1つの追加の巨大分子が、2個以上、3個以上、4個以上、または5個以上の巨大分子である、実施形態1~16のいずれか1項に記載の方法。
【0212】
実施形態18.前記少なくとも1つの追加の巨大分子が、1~10個の巨大分子である、実施形態1~16のいずれか1項に記載の方法。
【0213】
実施形態19.前記第1の巨大分子が、疾患状態で異常に発現されている、実施形態1~18のいずれか1項に記載の方法。
【0214】
実施形態20.疾患状態の前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との会合レベルが、正常状態の前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との会合レベルと比較して、変化している、実施形態1~19のいずれか1項に記載の方法。
【0215】
実施形態21.前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、疾患状態で異常に発現されている、実施形態1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0216】
実施形態22.前記第1の巨大分子が、DNAまたはRNAである、実施形態1~21のいずれか1項に記載の方法。
【0217】
実施形態23.前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、DNAまたはRNAである、実施形態1~22のいずれか1項に記載の方法。
【0218】
実施形態24.前記第1の巨大分子が、タンパク質である、実施形態1~21または23のいずれか1項に記載の方法。
【0219】
実施形態25.前記第1の巨大分子が、変異を含み、前記変異を含まない関連タンパク質と比較して、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルを変化させる、実施形態24に記載の方法。
【0220】
実施形態26.前記第1の巨大分子が、FUSまたはeIF3である、実施形態24または25に記載の方法。
【0221】
実施形態27.前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、タンパク質である、実施形態1~26のいずれか1項に記載の方法。
【0222】
実施形態28.前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、変異を含み、前記変異を含まない関連タンパク質と比較して、前記1つ以上の標的凝縮体との対応する会合レベルを変化させる、実施形態1~27のいずれか1項に記載の方法。
【0223】
実施形態29.前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、FUS、eIF3、G3BP1、FUS及びG3BP1、またはeIF3及びG3BP1である、実施形態1~28のいずれか1項に記載の方法。
【0224】
実施形態30.前記第1の巨大分子及び/または前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、融合タンパク質である、実施形態24~29のいずれか1項に記載の方法。
【0225】
実施形態31.前記第1の巨大分子及び/または前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上が、標識を含む、実施形態1~30のいずれか1項に記載の方法。
【0226】
実施形態32.前記第1の巨大分子及び/または前記少なくとも1つの追加の巨大分子のうちの1つ以上を標識することをさらに含む、実施形態1~31のいずれか1項に記載の方法。
【0227】
実施形態33.前記標識することが、前記細胞組成物を、標識を含む抗体またはその抗原結合断片と接触させることを含む、実施形態32に記載の方法。
【0228】
実施形態34.前記標識が、放射性標識、比色標識、または蛍光標識である、実施形態31~33のいずれか1項に記載の方法。
【0229】
実施形態35.前記細胞組成物が、微生物または動物細胞を含む、実施形態1~34のいずれか1項に記載の方法。
【0230】
実施形態36.前記細胞組成物が、動物細胞を含む、実施形態35に記載の方法。
【0231】
実施形態37.前記動物細胞が、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患の1つ以上の特徴を有する、実施形態36に記載の方法。
【0232】
実施形態38.前記動物細胞が、HeLa細胞、HEK293細胞、誘導多能性幹細胞(iPSC細胞)、心筋細胞、筋細胞、幹細胞由来細胞、ニューロン、がん細胞、免疫細胞、または脂肪細胞である、実施形態35~37のいずれか1項に記載の方法。
【0233】
実施形態39.前記1つ以上の標的凝縮体が、細胞凝縮体である、実施形態1~38のいずれか1項に記載の方法。
【0234】
実施形態40.前記1つ以上の標的凝縮体が、核凝縮体または細胞質凝縮体である、実施形態1~39のいずれか1項に記載の方法。
【0235】
実施形態41.前記細胞凝縮体が、切断体、p顆粒、ヒストン遺伝子座体、多胞体、神経RNA顆粒、核ジェム、核膜孔、核スペックル、核内ストレス体、核小体、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメイン、パラスペックル、傍核小体コンパートメント、PML核内構造体、PML発がんドメイン、ポリコーム体、プロセシング体、Sam68核内構造体、ストレス顆粒、またはスプライシングスペックルである、実施形態39に記載の方法。
【0236】
実施形態42.前記1つ以上の標的凝縮体が、単一の標的凝縮体である、実施形態1~41のいずれか1項に記載の方法。
【0237】
実施形態43.前記化合物が、前記標的凝縮体のサイズ、前記標的凝縮体の位置、前記標的凝縮体の表面積、及び前記標的凝縮体の溶解のうちの1つ以上を測定可能に変化させない、実施形態42に記載の方法。
【0238】
実施形態44.前記1つ以上の標的凝縮体が、複数の標的凝縮体である、実施形態1~41のいずれか1項に記載の方法。
【0239】
実施形態45.前記複数の標的凝縮体が、前記細胞組成物の一部分における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである、実施形態44に記載の方法。
【0240】
実施形態46.前記複数の標的凝縮体が、前記細胞組成物中の細胞における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである、実施形態44または45に記載の方法。
【0241】
実施形態47.前記複数の標的凝縮体が、前記細胞組成物中の細胞の一部分における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである、実施形態44~46のいずれか1項に記載の方法。
【0242】
実施形態48.前記細胞の一部分が、細胞質、核、またはオルガネラである、実施形態47に記載の方法。
【0243】
実施形態49.前記凝縮体のクラスが、特定の巨大分子を含む凝縮体を含む、実施形態45~48のいずれか1項に記載の方法。
【0244】
実施形態50.前記凝縮体のクラスが、切断体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、p顆粒である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、ヒストン遺伝子座体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、多胞体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、神経RNA顆粒である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核ジェムである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核膜孔である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核スペックルである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核内ストレス体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核小体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメインである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、パラスペックルである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、傍核小体コンパートメントである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、PML核内構造体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、PML発がんドメインである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、ポリコーム体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、プロセシング体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、Sam68核内構造体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、ストレス顆粒である凝縮体を含み、または前記凝縮体のクラスが、スプライシングスペックルである凝縮体を含む、実施形態45~49のいずれか1項に記載の方法。
【0245】
実施形態51.前記化合物が、前記複数の標的凝縮体の総数、前記複数の標的凝縮体のサイズ、前記複数の標的凝縮体の位置、前記複数の標的凝縮体の表面積、及び前記複数の標的凝縮体の溶解のうちの1つ以上を測定可能に変化させない、実施形態44~50のいずれか1項に記載の方法。
【0246】
実施形態52.第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる複数の化合物、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる複数の化合物を特定する方法であって、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を複数の化合物を用いて実施することを含む、前記方法。
【0247】
実施形態53.前記特定された化合物のサブセットまたはすべてが、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる能力、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することをさらに含む、実施形態52に記載の方法。
【0248】
実施形態54.前記特定された特徴を含む1つ以上の追加の試験化合物について、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を実施することをさらに含む、実施形態53に記載の方法。
【0249】
実施形態55.前記特定された特徴を含まない1つ以上の追加の試験化合物について、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を実施することをさらに含む、実施形態53または54に記載の方法。
【0250】
実施形態56.第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させることに関連する化合物の特徴、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させることに関連する化合物の特徴を特定する方法であって、(a)実施形態52に記載の方法を実施することと、(b)前記特定された化合物のサブセットまたはすべてが、前記第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる能力、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、を含む、前記方法。
【0251】
実施形態57.第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる化合物、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる化合物を設計する方法であって、(a)実施形態52に記載の方法を実施することと、(b)前記特定された化合物のサブセットまたはすべてが、前記第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる能力、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、(c)前記特定された特徴を含む化合物を設計し、それによって、前記第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる化合物、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる化合物を設計することと、を含む、前記方法。
【0252】
実施形態58.治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な化合物を特定する方法であって、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を実施することであって、前記1つ以上の標的凝縮体が、前記疾患と関連する、前記実施することと、前記疾患を治療するために有用である、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体との前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる前記化合物、または前記第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体と優先的に会合もしくは解離させる前記化合物を特定することと、を含む、前記方法。
【0253】
実施形態59.前記疾患が、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である、実施形態58に記載の方法。
【0254】
実施形態60.第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼす化合物を特定する方法であって、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて実施することと、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて実施することと、を含み、前記化合物が前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすよりも多く、前記化合物が前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼす場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼす、前記方法。
【0255】
実施形態61.前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの前記会合レベルに影響を及ぼさない、実施形態60に記載の方法。
【0256】
実施形態62.第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に増加させる化合物を特定する方法であって、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて実施することと、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて実施することと、を含み、前記化合物が前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの前記会合レベルを優先的に増加させるよりも多く、前記化合物が前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルを優先的に増加させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルを優先的に増加させる、前記方法。
【0257】
実施形態63.前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの前記会合レベルを増加させない、実施形態62に記載の方法。
【0258】
実施形態64.第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルを優先的に減少させる化合物を特定する方法であって、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて実施することと、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて実施することと、を含み、前記化合物が前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの前記会合レベルを優先的に減少させるよりも多く、前記化合物が前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルを優先的に減少させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルを優先的に減少させる、前記方法。
【0259】
実施形態65.前記化合物が、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットとの前記会合レベルを減少させない、実施形態64に記載の方法。
【0260】
実施形態66.第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる化合物を特定する方法であって、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて実施することと、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて実施することと、を含み、前記化合物が前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと優先的に会合させるよりも多く、前記化合物が前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる、前記方法。
【0261】
実施形態67.第1の巨大分子を1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に解離させる化合物を特定する方法であって、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットを用いて実施することと、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法を1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを用いて実施することと、を含み、前記化合物が前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと優先的に会合させるよりも多く、前記化合物が前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合させる場合、前記化合物が、前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に解離させる、前記方法。
【0262】
実施形態68.前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、細胞凝縮体である、実施形態60~67のいずれか1項に記載の方法。
【0263】
実施形態69,前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、核凝縮体または細胞質凝縮体である、実施形態60~68のいずれか1項に記載の方法。
【0264】
実施形態70.前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、切断体、p顆粒、ヒストン遺伝子座体、多胞体、神経RNA顆粒、核ジェム、核膜孔、核スペックル、核内ストレス体、核小体、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメイン、パラスペックル、傍核小体コンパートメント、PML核内構造体、PML発がんドメイン、ポリコーム体、プロセシング体、Sam68核内構造体、ストレス顆粒、またはスプライシングスペックルである、実施形態60~68のいずれか1項に記載の方法。
【0265】
実施形態71.前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、単一の標的凝縮体である、実施形態60~70のいずれか1項に記載の方法。
【0266】
実施形態72.前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、複数の標的凝縮体である、実施形態60~70のいずれか1項に記載の方法。
【0267】
実施形態73.前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、前記細胞組成物の一部分における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである、実施形態60~70または72のいずれか1項に記載の方法。
【0268】
実施形態74.前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、前記細胞組成物中の細胞における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである、実施形態60~70または72~73のいずれか1項に記載の方法。
【0269】
実施形態75.前記1つ以上の標的凝縮体の第1及び/または第2のセットが、前記細胞組成物中の細胞の一部分における凝縮体のクラスのすべてまたはサブセットである、実施形態60~70または72~74のいずれか1項に記載の方法。
【0270】
実施形態76.前記細胞の一部分が、細胞質、核、またはオルガネラである、実施形態75に記載の方法。
【0271】
実施形態77.前記凝縮体のクラスが、特定の巨大分子を含む凝縮体を含む、実施形態73~76のいずれか1項に記載の方法。
【0272】
実施形態78.前記凝縮体のクラスが、切断体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、p顆粒である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、ヒストン遺伝子座体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、多胞体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、神経RNA顆粒である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核ジェムである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核膜孔である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核スペックルである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核内ストレス体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、核小体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、Oct1/PTF/転写(OPT)ドメインである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、パラスペックルである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、傍核小体コンパートメントである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、PML核内構造体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、PML発がんドメインである凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、ポリコーム体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、プロセシング体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、Sam68核内構造体である凝縮体を含み、前記凝縮体のクラスが、ストレス顆粒である凝縮体を含み、または前記凝縮体のクラスが、スプライシングスペックルである凝縮体を含む、実施形態73~77のいずれか1項に記載の方法。
【0273】
実施形態79.前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットの前記クラスが、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットの前記クラスと同じである、実施形態73~78のいずれか1項に記載の方法。
【0274】
実施形態80.前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットの前記クラスが、1つ以上の標的凝縮体の第2のセットの前記クラスとは異なる、実施形態73~78のいずれか1項に記載の方法。
【0275】
実施形態81.前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットが、前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットと同じ細胞組成物中にある、実施形態60~80のいずれか1項に記載の方法。
【0276】
実施形態82.前記細胞組成物が、前記1つ以上の標的凝縮体の凝縮体の第1のセット及び前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットを含む細胞を含む、実施形態60~81のいずれか1項に記載の方法。
【0277】
実施形態83.前記1つ以上の標的凝縮体の凝縮体の第1のセットが、第1の細胞組成物中にあり、前記1つ以上の標的凝縮体の第2のセットが、第2の細胞組成物中にある、実施形態60~80のいずれか1項に記載の方法。
【0278】
実施形態84.前記1つ以上の標的凝縮体の凝縮体の第1のセットが、前記細胞組成物中の細胞内にあり、前記細胞が、疾患の1つ以上の特徴を有する、実施形態60~83のいずれか1項に記載の方法。
【0279】
実施形態85.前記疾患が、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である、実施形態84に記載の方法。
【0280】
実施形態86.第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる複数の化合物、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる複数の化合物を特定する方法であって、実施形態60~85のいずれか1項に記載の方法を複数の化合物を用いて実施することを含む、前記方法。
【0281】
実施形態87.前記特定された化合物のサブセットまたはすべてが、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる能力、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することをさらに含む、実施形態86に記載の方法。
【0282】
実施形態88.前記特定された特徴を含む1つ以上の追加の試験化合物について、実施形態60~85のいずれか1項に記載の方法を実施することをさらに含む、実施形態87に記載の方法。
【0283】
実施形態89.前記特定された特徴を含まない1つ以上の追加の試験化合物について、実施形態60~85のいずれか1項に記載の方法を実施することをさらに含む、実施形態87または88に記載の方法。
【0284】
実施形態90.第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させることに関連する化合物の特徴、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させることに関連する化合物の特徴を特定する方法であって、(a)実施形態86に記載の方法を実施することと、(b)前記特定された化合物のサブセットまたはすべてが、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる能力、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、を含む、前記方法。
【0285】
実施形態91.第1の巨大分子と1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる化合物、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる化合物を設計する方法であって、(a)実施形態86に記載の方法を実施することと、(b)前記特定された化合物のサブセットまたはすべてが、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる能力、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる能力に加えて共通して有する特徴を特定することと、(c)前記特定された特徴を含む化合物を設計し、それによって、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの前記会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる化合物、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる化合物を設計することと、を含む、前記方法。
【0286】
実施形態92.治療を必要とする個体において疾患を治療するために有用な化合物を特定する方法であって、実施形態60~85のいずれか1項に記載の方法を実施することであって、前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットが、前記疾患と関連する、前記実施することと、前記疾患を治療するために有用である、前記第1の巨大分子と前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットとの会合レベルに優先的に影響を及ぼすか、前記会合レベルを減少させるか、もしくは前記会合レベルを増加させる前記化合物、または前記第1の巨大分子を前記1つ以上の標的凝縮体の第1のセットと優先的に会合もしくは解離させる前記化合物を特定することと、を含む、前記方法。
【0287】
実施形態93.前記疾患が、神経変性疾患、増殖性疾患、免疫疾患、心疾患、または代謝疾患である、実施形態92に記載の方法。
【実施例】
【0288】
実施例1
凝縮体のタンパク質レベルの変化を引き起こす化合物のスクリーニング
ストレス顆粒は、ストレス下の細胞の細胞質に形成される凝縮体である。複数のタンパク質が、ストレス顆粒で濃縮されていることが知られており、FUS、真核生物翻訳開始因子3(eIF3)、及びG3BP1を含む。FUSは、pre-mRNAの成熟に関与し、FUSにおける様々な変異がALSと関連付けられている。FUSは、ストレス顆粒に見られるが、ストレス顆粒の形成には重要ではないと考えられている。FUSと同様に、eIF3もストレス顆粒の形成には重要ではないと考えられている。名前が示すように、eIF3は、真核生物の翻訳開始因子であるが、翻訳リサイクルにも関与している。対照的に、G3BP1は、ストレス顆粒の形成を開始させると考えられており、その構造を維持するために潜在的に重要である。G3BP1は、RNA結合タンパク質であり、Rasシグナル伝達経路の要素である。これらの3つのタンパク質を細胞内で追跡して、化合物が、ストレス顆粒を溶解させることなく、これらのタンパク質のうちの1つをストレス顆粒から優先的に除外することができるかどうかを決定した。
【0289】
方法
3つの細胞株(HeLa Kyoto、FUS-GFPをコードする細菌人工染色体(BAC)を含むHeLa、及びFUS-GFPを発現する誘導多能性幹細胞(iPS))を、培養で別個に増殖させた。化合物ライブラリーからの1200個の化合物を、細胞株のうちの1つに、1μM、5μM、または25μMの濃度で、個別に1時間曝露した。一部の化合物については、この手順を、他の細胞株の一方または両方に対して繰り返した。化合物に曝露されなかった細胞(DMSOのみのビヒクル処理)を、対照として用いた。次いで、細胞を、2mMのヒ酸カリウム(Sigma A6631、PBS中に希釈)の最終濃度を使用して、ヒ酸ストレスに1時間曝露して、ストレス顆粒の形成を刺激した。
【0290】
ストレス処理後、細胞を、3.7%の最終濃度のホルムアルデヒド(FA)を用いて、室温で15分間固定した。続いて、細胞を、プレート洗浄機を使用して洗浄し、透過し(0.1%のTriton X/PBSを使用して室温で10分間)、ブロッキングした(0.2%の魚皮ゼラチン/PBSで30分間)。FUS-GFPを発現する細胞の場合、GFP蛍光を直接観察した。他の目的のタンパク質マーカーについては、抗FUS抗体(Sigma AMAb90549、1:500)、抗eIF3抗体(Santa Cruz sc-137214、1:500)、及び抗G3BP1抗体(Invitrogen PA5-29455、1:4000)、及び適切な二次抗体(Life Technologies、Alexa 594及び647)の組み合わせを適用して、細胞内のFUS、eIF3、及びG3BP1のタンパク質を可視化した。
【0291】
スピニングディスク共焦点顕微鏡を使用して、405/488/561/640nmの共焦点蛍光を使用して、試料の画像を取得した。40倍の対物レンズを使用して、画像を撮影した。ゲインを1.4に設定し、ビニングを1に設定した。曝露時間は、各標識について特異的な蛍光発光強度に調整した。曝露時間は、100~300msの範囲であった。適切なフィルター設定を使用し、標識の励起スペクトルと発光スペクトルを一致させた。画像取得は自動化され、得られたデータは、KNIME(Berthold et al.,2008,Data Analysis,Machine Learning and Applications.Studies in Classification,Data Analysis,and Knowledge Organization.Springer,Berlin,Heidelberg)及びCellProfiler(Carpenter et al.,2006,Genome Biol 7:R100)を使用して分析した。各画像について、マーカーシグナルのドロップレット数、面積、形状などを含む25個の撮像パラメータを抽出した。各撮像パラメータについて、プレート全体のZ’値を、以下の式に従って計算した。
Z’=1-[3*(SD(pos)+SD(neg))/(Avg(pos)-Avg(neg))]
式中、SD(pos)は陽性対照の標準偏差であり、SD(neg)は陰性対照の標準偏差であり、Avg(pos)は陽性対照の平均であり、Avg(neg)は陰性対照の平均である。
【0292】
さらに、各試験化合物について、以下の式を使用してzスコアを計算した。
【数1】
式中、
【数2】
は試料の平均であり、Sは試料の標準偏差である。
プレートのZ’が、少なくとも0.1であり、かつ少なくとも2つの撮像パラメータが、パラメータ中央値からzスコア≧3.0標準偏差を有した場合、化合物を「ヒット(hits)」として分類した。
【0293】
結果
化合物の不在下で、ストレス時で試験された3つの細胞株すべてにおいて、FUS、eIF3、及びG3BP1はいずれも、同じ凝縮体に共局在するように見えた(
図1~4を参照、化合物処理なし)。さらに、化合物の多くは、FUS、eIF3、及びG3BP1の局在化またはレベルを変化させないように見えた。ストレス顆粒を完全に溶解するように見える特定の化合物が見出された。
図1及び2に、例示的な画像を示し、表1に、
図1及び2で使用された化合物を示す。ストレス顆粒からG3BP1を選択的に除外する化合物は見出されなかった。化合物で処理した後、G3BP1がストレス顆粒に局在していないことが見出されたときはいつも、FUSもeIF3も、処理後にストレス顆粒に局在していないことが見出された。対照的に、少なくとも4つの化合物が見出され、ストレス顆粒からのFUSの部分的または完全な除外を引き起こしたが、アッセイした他のタンパク質のレベルを減少させなかったか、またはストレス顆粒を溶解するようには見えなかった。例示的な画像については
図3を参照されたい。表1に、
図3で使用された化合物を示す。また、G3BP1とは対照的に、少なくとも3つの化合物が見出され、ストレス顆粒からのeIF3の部分的または完全な除外を引き起こしたが、アッセイした他のタンパク質のレベルを減少させなかったか、またはストレス顆粒を溶解するようには見えなかった。例示的な画像については
図4を参照されたい。表1に、
図4で使用された化合物を示す。
【表1-1】
【表1-2】
【0294】
実施例2
本実施例は、巨大分子特異性及び組織特異性を有する化合物を特定する方法を実証する。
【0295】
方法
この実施例において使用した方法は、実施例1において論じた方法と同様であった。簡潔に、3つの細胞株(HeLa Kyoto、FUS-GFPをコードする細菌人工染色体(BAC)を含むHeLa、及びFUS-GFPを発現する誘導多能性幹細胞(iPS))を、培養で別個に増殖させた。化合物ライブラリーからの1200個の化合物を、細胞株のうちの1つに、1μM、5μM、または25μMの濃度で、個別に1時間曝露した。一部の化合物については、この手順を、他の細胞株の一方または両方に対して繰り返した。スクリーニングからのヒットを、0.0021μM、0.0062μM、0.017μM、0.065μM、0.131μM、0.196μM、0.52μM、3.3μM、10μM、及び30μMの化合物で処理することによってさらに特徴付け、得られた用量応答データを、4パラメータロジスティック方程式を使用して分析し、化合物の効力(IC50と同様)を計算した。化合物に曝露されなかった細胞(DMSOのみのビヒクル処理)を、対照として用いた。次いで、細胞を、2mMのヒ酸カリウム(Sigma A6631、PBS中に希釈)の最終濃度を使用して、ヒ酸ストレスに1時間曝露して、ストレス顆粒の形成を刺激した。
【0296】
ストレス処理後、細胞を、3.7%の最終濃度のホルムアルデヒド(FA)を用いて、室温で15分間固定した。続いて、細胞を、プレート洗浄機を使用して洗浄し、透過し(0.1%のTriton X/PBSを使用して室温で10分間)、ブロッキングした(0.2%の魚皮ゼラチン/PBSで30分間)。FUS-GFPを発現する細胞の場合、GFP蛍光を直接観察した。他の目的のタンパク質マーカーについては、抗FUS抗体(Sigma AMAb90549、1:500)、抗eIF3抗体(Santa Cruz sc-137214、1:500)、及び抗G3BP1抗体(Invitrogen PA5-29455、1:4000)、及び適切な二次抗体(Life Technologies、Alexa 594及び647)の組み合わせを適用して、細胞内のFUS、eIF3、及びG3BP1のタンパク質を可視化した。
【0297】
スピニングディスク共焦点顕微鏡を使用して、405/488/561/640nmの共焦点蛍光を使用して、試料の画像を取得した。40倍(一次スクリーニング)及び20倍(効力試験)の空気対物レンズを使用して、画像を撮影した。ゲインを1.4に設定し、ビニングを1に設定した。曝露時間は、各標識について特異的な蛍光発光強度に調整した。曝露時間は、100~300msの範囲であった。適切なフィルター設定を使用し、標識の励起スペクトルと発光スペクトルを一致させた。画像取得は自動化され、得られたデータは、KNIME(Berthold et al.,2008,Data Analysis,Machine Learning and Applications.Studies in Classification,Data Analysis,and Knowledge Organization.Springer,Berlin,Heidelberg),CellProfiler (Carpenter et al.,2006,Genome Biol 7:R100)を使用して分析し、または効力試験の場合、データは、Harmony(PerkinElmer,Waltham MA)及びVault(Collaborative Drug Discovery,Burlingame CA)を使用して分析した。各画像について、マーカーシグナルのドロップレット数、面積、形状などを含む25個の撮像パラメータを抽出した。各撮像パラメータについて、プレート全体のZ’値を、以下の式に従って計算した。
Z’=1-[3*(SD(pos)+SD(neg))/(Avg(pos)-Avg(neg))]
式中、SD(pos)は陽性対照の標準偏差であり、SD(neg)は陰性対照の標準偏差であり、Avg(pos)は陽性対照の平均であり、Avg(neg)は陰性対照の平均である。
【0298】
さらに、各試験化合物について、以下の式を使用してzスコアを計算した。
【数3】
式中、
【数4】
は試料の平均であり、Sは試料の標準偏差である。
【0299】
プレートのZ’が、少なくとも0.1であり、かつ少なくとも2つの撮像パラメータが、パラメータ中央値からzスコア≧3.0標準偏差を有した場合、化合物を「ヒット(hits)」として分類した。
【0300】
細胞あたりの細胞質ドロップ数の測定値及び解析のための4パラメータロジスティック方程式を使用して、スクリーニングのヒット(阻害濃度50;IC50と同様)の効力計算を行った。簡潔に、化合物処理の%効果を、まず、化合物のlog10(モル濃度)の関数として最初にプロットした。次に、データを最小二乗法を介して4パラメータロジスティック方程式に適合させて、50%阻害定数(IC50)を計算した。
%効果=(測定値-陰性対照)/(陽性対照-陰性対照)*100
ロジスティック方程式:
y=lower+(upper-lower)/(1+10^((logIC50-x)*HS))
式中、
x=log10(化合物のモル濃度)
lower=用量応答の下のベースライン
upper=用量応答の上のベースライン
HS=用量反応のヒル勾配
【0301】
結果
化合物の不在下で、ストレス時で試験された3つの細胞株すべてにおいて、FUS、eIF3、及びG3BP1はいずれも、同じ凝縮体に共局在するように見えた(
図5~10を参照されたい、化合物処理なし)。
図5~10に示されるように、化合物の多くは、FUS、eIF3、及びG3BP1の局在化またはレベルを変化させないように見えた。ストレス顆粒を完全に溶解するように見える特定の化合物が見出された。表2に、
図5~10で使用された化合物及びそれらの巨大分子特異性を示す。ストレス顆粒からG3BP1を選択的に除外する化合物は見出されなかった。化合物で処理した後、G3BP1がストレス顆粒に局在していないことが見出されたときはいつも、FUSもeIF3も、処理後にストレス顆粒に局在していないことが見出された。対照的に、1つの化合物が見出され、ストレス顆粒からのFUSの除外を引き起こしたが、アッセイした他のタンパク質のレベルを減少させなかったか、またはストレス顆粒を溶解するようには見えなかった(例えば、
図7を参照されたい)。また、G3BP1とは対照的に、少なくとも3つの化合物が見出され、eIF3の部分的または完全な除外を引き起こしたが、アッセイした他のタンパク質のレベルを減少させなかったか、またはストレス顆粒を溶解するようには見えなかった(例えば、
図8を参照されたい)。1つの化合物が見出され、eIF3とFUSの両方の除外を引き起こしたが、G3BP1の除外を引き起こさなかった(
図9を参照されたい)。また、1つの化合物が観察され、ヒトiPSC細胞においてFUSを選択的に除外したが、HeLa BAC FUS-GFP細胞において除外しなかった(
図10を参照されたい)。
【0302】
他のタンパク質と比較した所与のタンパク質の除外に対する化合物の選択性は、他のタンパク質と比較した特定のタンパク質の除外に対する効力を計算することによって、さらに定量化することができる(50%阻害定数(IC
50)と同様)。
図11には、YM155の用量依存性曲線の例及び効力値が含まれ、FUS及びG3BP1と比較して、より低い濃度の化合物におけるeIF3の除外を示す。この情報は、化合物の特異性を特定するために、例えば、用量依存性曲線及び/または効力値などの比較のための追加の手段を提供する。
【表2-1】
【表2-2】
【国際調査報告】