(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(54)【発明の名称】クリア状態において非常に低いヘイズと可視グリッドとを有する電気作動可変透過フィルム
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1675 20190101AFI20221114BHJP
G02F 1/167 20190101ALI20221114BHJP
G02F 1/1679 20190101ALI20221114BHJP
G02F 1/1681 20190101ALI20221114BHJP
【FI】
G02F1/1675
G02F1/167
G02F1/1679
G02F1/1681
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517774
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(85)【翻訳文提出日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 US2020053110
(87)【国際公開番号】W WO2021067194
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500080214
【氏名又は名称】イー インク コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】オキーフ, ドナル マーティン
(72)【発明者】
【氏名】オキーフ, ティモシー
【テーマコード(参考)】
2K101
【Fターム(参考)】
2K101AA04
2K101BB11
2K101BB23
2K101BB43
2K101BB44
2K101BB60
2K101BB95
2K101BC02
2K101BD03
2K101BD22
2K101BD77
2K101EK02
2K101EK03
2K101EK12
2K101EK31
(57)【要約】
特に、スマートガラス用途のための選択的な光制御における使用のために、透明光状態および吸光暗状態を提供する光減衰器。光減衰器は、繰り返しパターンまたは疑似繰り返しパターンを形成する減衰および透明の当接エリアを含む。減衰エリアは、光減衰器が光状態にあるとき、可視であるが、繰り返しパターンは、視認者が、減衰器を通して見てもヘイズが見えないほど十分に大きい。一実施形態において、パターンにおけるエリアの各々は、視認面から0.5Mの距離において2分より大きい角度に対し、当接されるエリアは、4分より大きい角度に対する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セル(300、303、304)を備えている光減衰器(200、203、204)であって、前記セルは、第1の透明基板(190)と第2の透明基板(190)とを有し、前記第1の透明基板と第2の透明基板とは、それぞれの視認面(150、153、154)を画定し、向かい合っている主表面を有し、前記向かい合っている主表面は、透明電極(160)を有し、間隔を置かれ(5)、それらの間にボリュームを提供し、前記ボリュームは、透明ポリマー構造(100、103、104)と、電気泳動インク(1、2、3)とを含み、前記インクは、透明流体(15、16、17)中に分散させられた荷電粒子(10、11、12)を含み、
前記荷電粒子は、前記電極に印加される電場に応答して、粒子が前記セル内で最大限に分散させられ、前記セルを通した太陽光の経路内にあり、太陽光を減衰させる第1の極端な光状態と、第2の極端な光状態との間で移動し、前記第2の極端な光状態において、前記粒子は、前記ポリマー構造によって画定される場所(130、133、134)において前記セル内で最大限に集中させられ、前記セルを通した前記太陽光の経路からそれらを除去し、前記太陽光を透過させ、視覚アクセスを提供し、
前記第2の光状態において、前記光減衰器の視認面は、透明エリア(30、34)上に当接する減衰エリア(20、24)の可視パターンを有し、前記減衰エリアおよび透明エリアは、それぞれ、前記集中させられた粒子の有無によって画定され、
前記可視パターンの繰り返し単位は、減衰エリアと透明エリアとから成り、前記繰り返しの使用は、0.3mm~3cmの寸法(50、55および60、65)を有する一方、隣接した減衰エリアの中心間距離(40、41)または隣接した透明エリアの前記中心間距離(45、46)は、0.6mm~6cmである、光減衰器(200、203、204)。
【請求項2】
前記パターンにおけるエリアの各々は、前記視認面から0.5Mの距離において2分より大きい角度(80、90)に対し、前記当接されるエリアは、4分より大きい角度(70)に対する、請求項1に記載の光減衰器。
【請求項3】
前記パターンは、繰り返しパターンであり、前記中心間距離(40、45)は、ピッチ(1041)と同じである、請求項1に記載の光減衰器。
【請求項4】
ある実施形態の正面視における前記透明エリアは、総活性面積(すなわち、切り替え可能面積)の60%以上であり、好ましくは、62%以上であり、より好ましくは、65%以上であり、最も好ましくは、70%以上であり、前記可視パターンは、減衰エリアのパターンとして知覚可能である、請求項1に記載の光減衰器。
【請求項5】
前記可視パターンは、前記視覚アクセス上に重ねられる、請求項4に記載の光減衰器。
【請求項6】
前記繰り返しパターンは、前記第2の光状態において可視であり、前記第1の光状態において区別不可能である切り替え可能グリッドであり、前記グリッドは、前記荷電粒子の色である、請求項3に記載の光減衰器。
【請求項7】
前記エリアの形状は、モアレパターンの機会、およびサイズの分布を最小化するように選択される、請求項1に記載の光減衰器。
【請求項8】
前記隣接した減衰エリアの中心間距離および前記隣接した透明エリアの中心間距離は、0.6mm以上、請求項1に記載の光減衰器。
【請求項9】
前記中心間距離は、好ましい順序に、0.62mm~5.8cm、0.65mm~5.5cm、0.7mm~5.14cm、0.8mm~4.5cm、1.0mm~3.6cmであり、最も好ましくは、1.25mm~3cmであり、それに対応して、前記当接する減衰エリアおよび透明エリアの各々は、好ましい順序に、0.31mm~2.9cm、0.325mm~2.75cm、0.35mm~2.57cm、0.4mm~2.25cm、0.5mm~1.8cmであり、最も好ましくは、0.625mm~1.5cmである1つ以上の寸法を有する、請求項1に記載の光減衰器。
【請求項10】
前記透明エリアの距離(61)は、前記ピッチ(1041)の75%以上であり、前記減衰エリアの距離(51)は、25%以下である、請求項3に記載の光減衰器。
【請求項11】
前記ポリマー構造は、前記基板の間隔を保ち、前記ボリュームを別々の空洞の単分子層に分割し、前記単分子層は、ポリマー壁を有し、前記電気泳動インクで充填され、好ましくは、前記ポリマー構造は、前記空洞内に前記インクをシールするシール層を含む、請求項1に記載の光減衰器。
【請求項12】
前記視認面において壁エリアの色が前記減衰エリアの色に合致するように、色層が、前記ポリマー壁に選択的に適用されている、請求項11に記載の光減衰器。
【請求項13】
前記集中させられた荷電粒子の前記場所は、前記ポリマー壁にある、請求項11に記載の光減衰器。
【請求項14】
前記集中させられた荷電粒子の前記場所は、前記ポリマー構造内の別々のリザーバ内にあり、前記場所は、前記壁と一致していない、請求項11に記載の光減衰器。
【請求項15】
前記集中させられた荷電粒子の前記場所は、前記ポリマー構造内の突出部間のくぼみまたはチャネル内にあり、前記場所は、前記壁と一致していることも、一致していないこともある、請求項11に記載の光減衰器。
【請求項16】
色マスクが、前記場所によって画定される前記基板または電極の表面に選択的に適用され、前記色マスクと同じの側における前記視認面において、前記場所の色は、前記荷電粒子の色と異なり、前記色マスクは、前記第2の光状態における前記集中させられた荷電粒子をマスクし、前記減衰エリアに対応するエリアを形成する、請求項1に記載の光減衰器。
【請求項17】
前記電気泳動インクは、正荷電、負荷電、異なる電気泳動移動性、および/または異なる色を含む2つ以上の荷電粒子タイプを有する、請求項1に記載の光減衰器。
【請求項18】
前記電気泳動インクは、各々が他方と異なる電気泳動移動性および色を有するが、同じ荷電極性である2つの荷電粒子タイプを有し、前記第2の光状態において、前記2つのタイプは、それらが前記場所において集中するにつれて、分離し、一方のタイプは、前記視認面のうちの1つに対して他方をマスクする、請求項17に記載の光減衰器。
【請求項19】
前記荷電粒子は、前記第1および第2の光状態間を移動し、前記第1の状態と第2の状態との中間である少なくとも1つの光状態を提供する、請求項1に記載の光減衰器。
【請求項20】
ある実施形態は、前記光減衰器を組み込む窓、ミラー、光シャッタ、光変調器、可変光透過シート、可変光吸光シート、可変光反射シート、車両のための電気泳動サンバイザ、またはシースルーディスプレイのうちの1つを含む、請求項1に記載の光減衰器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2019年9月30日に出願された英国特許出願第1914105.0号、および2019年10月16日に出願された英国特許出願第1914933.5号の優先権を主張する。本明細書に開示される全ての参考文献、特許、および特許出願は、参照することによってそれらの全体として組み込まれる。
本発明は、選択的な光制御における使用のために、特に、スマートガラス用途のために透明光状態を提供する構築物を有する電気泳動デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
1つ以上の光状態において、可視光を通し、ガラス様の品質を提供し、他の光状態において、強く光を減衰させる電気的に切り替え可能な電気泳動デバイスの必要性が、存在する。ガラス様の品質は、非常に良好な明瞭度および光透過、非常に低いヘイズ、透明状態における色相の最小限の知覚、および最小限の回折を提供することを含む。従来技術では、利用可能な電気泳動解決策は、いくつかの場合、それらの機能性における限界を有し、他の場合、本質的な技術的障害を有する。
【0003】
本出願人の第EP2976676号(特許文献1)では、開口(透明エリア)および障害物(遮光エリア)のサイズは、それらの最大のサイズとピッチとを有し、それらは、開口および障害物が正面視におけるそれらの幾何学的形態が明白ではないほど十分に小さくなるように、典型的な視認者の眼の分解能によって決定される。本書におけるその透明状態の例では、その黒色荷電粒子が、集中させられ、別々の透明開口を包囲し、要求される視認距離における視認者に対する開口によって対される最大角度は、1分(1メートルの視認距離における290ミクロンに対応する)、好ましくは、0.6分(1メートルにおける174.5ミクロンに対応する)である。開口ピッチ(すなわち、開口および集中させられた荷電粒子エリア)の対される角度は、これらの限界の倍であるが、幾何学的形態が正面視で明白ではない程度まででしかない。
【0004】
同様に、本出願人の第EP3281055号(特許文献2)では、デバイス(スマートウィンドウを含む)が、その視認エリア内に埋め込まれた固体ポリマー構造を有し、その構造が、微小構造の規模であり、眼に可視ではないことが、記載されている。250ミクロンの空洞ピッチを伴うスマートガラスデバイスのある例が、与えられている。長距離のみから視認する場合、本書は、空洞が、理論上、最大1,000ミクロンであることを可能にするが、しかしながら、本書は、微小構造が使用時に可視ではないように制約する。この限定制約は、前述の第EP2976676号に類似し、要求される視認距離における微小ファスナー部分によって視認者に対して対される最大角が、1分、好ましくは、0.6分であることが記載される。
【0005】
第US8183757号(特許文献3)では、着色剤粒子が、リザーバ領域内に収集されると、着色剤粒子は、可視エリアに色合いを付け得ることが記載されている。着色剤粒子によって引き起こされる色合いは、ディスプレイのための中性白色またはクリアな光学状態を妨げ得る。デバイスは、各陥凹領域内の第2の電極上の不透明層を使用した。陥凹(またはリザーバ)内の黒色不透明層は、着色された収集粒子をマスクする。関連する特許第US8384659号では、六角形のリザーバが、
図2Eに示され、その半径は、67.5ミクロンである。
【0006】
従来技術デバイスの透明光状態において、電気泳動インク中の荷電粒子の色に対応する知覚可能な色合いが、存在する。黒色の色合いを含む視認者の色合いの知覚は、用紙上のハーフトーン印刷またはカラーディスプレイと似た、開口または障害物のミクロン規模、別々の分布、および高密度の分布に起因する均一な色合いの1つである。後者のピクセル密度は、個々のピクセルが、近接して視認されているときでも分解され得ないこと、および隣接したピクセルからの光が視認者の眼によってシームレスに統合されることを確実にするために十分に高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第2976676号明細書
【特許文献2】欧州特許第3281055号明細書
【特許文献3】米国特許第8183757号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態では、光減衰器(200、203、204)は、それぞれの視認面(150、153、154)を画定し、透明電極(160)を有し、(寸法5によって)間隔を置かれ、それらの間にボリュームを提供する、向かい合う(すなわち、並列に並置される)主表面を伴う第1の透明基板(190)と、第2の透明基板(190)とを有するセル(300、303、304)を備え、該ボリュームは、透明ポリマー構造(100、103、104)と、電気泳動インク(1、2、3)とを含み、該インクは、透明流体(15、16、17)中に分散させられた荷電粒子(10、11、12)を備え、該荷電粒子は、該電極に印加される電場に応答し、粒子が、該セル内に最大限に分散させられ、太陽光を減衰させるセルを通した太陽光の経路内にある第1の極端な光状態と、該粒子が、該ポリマー構造によって画定される場所(130、133、134)内のセル内で最大限に集中させられ、太陽光を透過させるように、視覚アクセスを提供するセルを通した太陽光の経路からそれらを除去する第2の極端な光状態との間を移動し、該第2の光状態において、該光減衰器の視認面は、透明エリア(30、34)上に当接される減衰エリア(20、24)の可視パターンを有し、減衰エリアおよび透明エリアは、該集中させられた粒子の有無によって画定され、該当接されるエリアの各々は、0.3mm以上の寸法(50、55、60、65)を有し、隣接した減衰エリアの中心間距離(40、41)または隣接した透明エリアの中心間距離(45、46)は、0.6mm以上である。
【0009】
該パターン内の該エリアの各々は、該視認面(150)から0.5Mの距離において2分より大きい角度(80、90)に対し、1対の該当接されるエリアは、4分より大きい角度(70)に対する。
【0010】
いくつかの実施形態では、パターンは、繰り返しパターンであり、該中心間距離は、ピッチと同じである。繰り返しパターンは、該第2の光状態において可視であり、該第1の光状態において区別不可能である切り替え可能グリッドである。いくつかの実施形態では、該透明エリアの最短の距離または幅(61)は、該ピッチの75%以上であり、減衰エリアの最短距離は、25%以下である。好ましくは、前述の規則のための限界は、それぞれ、80%および20%であり、より好ましくは、85%および15%である。
【0011】
ある実施形態の該正面視における透明エリアは、総活性面積(すなわち、切り替え可能面積)の60%以上であり、好ましくは、62%以上であり、より好ましくは、65%以上であり、最も好ましくは、70%以上であり、該可視パターンは、連続していないエリア、および/または連続しているエリアを備え、減衰エリアのパターンとして知覚可能である。可視パターンは、該視覚アクセス上に重ねられる。パターンまたはグリッドの色は、該荷電粒子の色である。好ましくは、重ねられる可視パターンまたはグリッドは、該ポリマー構造中の該集中させられた荷電粒子の場所の設計を選択することによって、審美的に許容可能(または魅力的)であるように設計される。
【0012】
該エリアのうちの1つは、単分散であるか、またはサイズおよび/または形状のある分布を有するかのいずれかであり、好ましくは、該エリアの形状は、該視覚アクセス内のモアレパターンのための機会を最小化するように選択され、その境界が、幾何学的形状に変調機能を適用することによって画定される形状を選択することを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、隣接した減衰エリアの中心間距離および隣接した透明エリアの中心間距離は、0.6mm以上である。
【0014】
いくつかの実施形態では、中心間距離は、好ましい順序に、0.62mm以上、0.65mm以上、0.7mm以上、0.8mm以上、1.0mm以上、最も好ましくは、1.25mm以上である。前述のものに対応して、当接する減衰エリアおよび透明エリアの各々は、好ましい順序に、0.31mm以上、0.325mm以上、0.35mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、最も好ましくは、0.625mm以上の1つ以上の寸法を有する。
【0015】
荷電粒子は、染料着色剤、顔料着色剤、強力光散乱材料、強力反射材料、または強力吸光材料のうちの1つ以上のものを含む着色剤を有し、粒子は、黒色または白色を含む任意の色であることができる。
【0016】
ポリマー構造は、該基板の間隔を保ち、ポリマー壁を有し、該電気泳動インクで充填される別々の空洞の単分子層に該ボリュームを分割し、好ましくは、該ポリマー構造は、空洞内にインクをシールするシール層を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、該視認面において、壁エリアの色が、該荷電粒子の色に合致するように、色層が、該ポリマー壁に選択的に適用される。
【0018】
実施形態では、該集中させられた荷電粒子の場所は、該ポリマー壁にあるか、または、該集中させられた荷電粒子の場所は、該ポリマー構造内の別々のリザーバ内にあり、場所は、該壁と一致していないか、または、該集中させられた荷電粒子の場所は、該ポリマー構造内の突出部間のくぼみまたはチャネル内にあり、場所は、該壁と一致していることも、一致していないこともある。
【0019】
電気泳動インクは、正荷電、負荷電、異なる電気泳動移動性、および/または異なる色を含む2つ以上の荷電粒子タイプを有する。
【0020】
電気泳動インクは、各々が他方と異なる電気泳動移動性と色とを有するが、同じ荷電極性である2つの荷電粒子タイプを有し、第2の光状態において、該2つのタイプは、それらが該場所において集中するにつれて、分離し、一方のタイプは、該視認面のうちの1つに対して他方をマスクする。
【0021】
好ましくは、光減衰器は、荷電粒子をポリマー構造内の集中場所と反対の電極との間で移動させ、集中または発散の程度を変動させることによって、第1の状態と第2の状態との中間である少なくとも1つの光状態を提供する。
【0022】
デバイスは、光減衰器を組み込む窓、ミラー、光シャッタ、光変調器、可変光透過シート、可変光吸光シート、可変光反射シート、車両のための電気泳動サンバイザ、またはシースルーディスプレイのうちの1つを含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施形態は、ここで、付随の図面を参照して、例として説明されるであろう。
【
図1A】
図1aは、第1の光状態における実施形態200を示す。図面は、その正面の図を示す。
【0024】
【
図1B】
図1bは、第2の光状態における実施形態200を示し、その正面の3次元図である。
【0025】
【
図1C】
図1cは、ポリマー構造100を示し、その面の3次元図である。
【0026】
【
図2A】
図2aは、第2の光状態における実施形態200を示し、正面図である。
【0027】
【
図2B】
図2bは、第2の光状態における実施形態200を示し、正面図である。
【0028】
【
図3】
図3は、第2の光状態における実施形態203を示し、断面図である。
【0029】
【
図4】
図4は、第2の光状態における実施形態204を示し、正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
実施形態は、その透明光状態において、パターン、またはグリッド様構造、またはアレイとしてその粒子を可視にすることによって、その電気泳動光減衰器の改良された光学品質を達成する。この状態では、着色された荷電粒子は、透明ポリマー構造によって画定されるエリア内に集中させられ、それによって、それらの間のエリアが、光を透過させる。従来技術では、集中させられた粒子エリアも、透明エリアも、分解可能ではなかったが、実施形態では、両方のエリアが、少なくとも1M離れたところから眼によって異なって分解されることができる。実施形態は、視認者による両方のエリアの統合を最小化し、それによって、減衰器を通して視認される場面が、荷電粒子の色、または荷電粒子からのヘイズでかなり汚されにくい。ある実施形態の面の視認者の知覚は、着色されたグリッド(またはアレイ)構造を伴うクリアガラスのそれである。後者は、審美的に魅力的であるように選択されることができる。さらに、可視であるようにパターンまたはグリッド様構造(またはアレイ)の規模を選択することによって、白色粒子を伴って作製される光減衰器は、ヘイズを伴うように見えず、むしろ、それは、背景場面上に重ねられた前景白色グリッドとして見える。加えて、光の回折が、透明光状態の設計のために可視スケールを使用することによって、大幅に低減させられる。
【0031】
実施形態が、図面を参照して説明される。
図1a-1cおよび
図2aおよび2bでは、同じの光減衰器(200)の異なる特徴が、正面図に示される。
図1aは、強く光を減衰させる第1の光状態を示し、
図1b、2a、および2bは、透明な第2の光状態を示す。
図1cは、実施形態(200)のポリマー構造を示す。
図3は、断面における実施形態(203)を示し、実施形態(200)に類似する。これらの実施形態では、第2の光状態は、印加された電場によって、ポリマー構造(100、103)内の突出部(110、113)間のチャネル(130、133)内に集中させられている電気泳動インクの荷電粒子(10、11)から結果として生じる。
図4は、代替実施形態(204)の正面図を示し、それは、そのポリマー構造(104)の異なるレイアウトを有し、それによって、
その荷電粒子(12)が、ポリマー表面(117)にわたって移動し、第2の光状態において、別々のリザーバまたは穴部(134)内に集中する。
【0032】
図では、実施形態の光減衰器(200、203、204)は、電気泳動セル(300、303、304)を備え、電気泳動セルは、2つの透明基板(190)を有し、2つの透明基板の各々は、透明電極(160)で片側がコーティングされている。電極の主表面は、
図3に示されるように、互いに面し、並列に並置される。基板の反対の表面は、セルの視認面(150、153、154)を形成する。基板は、間隔を置かれ、それらの間のボリュームは、デバイスの電気光学層である。間隔を示す寸法は、(5)であり、
図3に示される。いくつかの実施形態では、寸法(5)は、セル間隙を画定する。電気光学層(またはボリューム)は、透明ポリマー構造(100、103、104)と、電気泳動インク(1、2、3)とを備えている。電気泳動インクは、別様の透明流体(15、16、17)中に分散させられた荷電粒子(10、11、12)を含む。荷電粒子は、黒色(11)、白色(12)、または赤色(13)を含む任意の色であることができる。粒子は、電極に印加される電場に応答し、2つの極端な状態によって境を定められる光状態の間を移行する。
図1aに示される第1の極端な光状態において、粒子が、セル内で最大限に分散させられ、セルを通した太陽光の経路内にあり、それによって、太陽光が、減衰させられ、視認面は、粒子の色である。第1の極端な光状態は、分散状態、または、最大減衰、不明瞭、または隠し状態に対応する。
【0033】
(
図1b、2a、2b、3、および4に示される)第2の極端な光状態において、粒子は、ポリマー構造(100、103、104)によって画定される場所(130、133、134)においてセル内で最大限に集中させられる。
図1cは、ポリマー構造(100)の3次元図を示す。チャネル(130)が、第2の光状態において、別々の突出部(110)間に相互接続されたくぼみまたは空間を形成し、集中させられた粒子(10)を閉じ込める。集中させられた粒子は、(115)によって示されるレベルまでチャネルを充填することができる。これは、セルを通した太陽光の経路から粒子を除去し、それによって、太陽光は、色相を伴わずに透過させられ(すなわち、着色された粒子に遭遇することなく透過させられ)、セルは、実施形態を組み込む開口部を通して視覚アクセスを提供するシースルーである。
【0034】
図3に示されるセル(303)の第2の光状態は、外部環境からの光線(1200)を示し、外部環境からの光線は、透明エリアに対応する突出部(113)(斜線が付けられて示される)を通過し、セルから、内部環境を照明するための光線(1201)として出現する。集中させられた粒子エリア上に入射する光は、入射光線(1205)および反射光線(1206)によって示されるように、実施形態(203)では、チャネル(133)内の白色粒子(11)によって拡散反射される。
図2aに示されるセル(300)では、集中させられた粒子エリア(20)上に入射する光は、黒色荷電粒子(10)によって強力に吸光される。
図4に示されるセル(304)では、集中させられた粒子エリア(24)上に入射する光は、赤色荷電粒子(12)によって可視スペクトル内で吸収され、かつ拡散反射される。荷電粒子の色にかかわらず、集中させられた粒子エリア上に入射する光は、あまり透過させられず、従って、このエリアは、本明細書において減衰として説明される。
【0035】
図1bは、第2の極端な光状態において、光減衰器の視認面(150)が、透明エリア(30)上に当接する(すなわち、それと横並びになる、または並置する)減衰エリア(20)の可視パターンを有することを示し、減衰エリアと透明エリアとは、それぞれ、集中させられた粒子の有無によって画定され、順に、ポリマー構造のチャネル(130)および突出部(110)(この2つは、
図1cに示される)によって画定される。
【0036】
図2aでは、これらの減衰(20)および透明(30)当接エリアは、各エリアが、0.3mm以上の1つ以上の寸法((50)および(60)参照)を有するように、したがって、眼によって一部(または要素)として可視または判別可能または分解可能であるように、配置される。加えて、隣接した減衰エリアの中心間距離(40)または隣接した透明エリアの中心間距離(45)は、0.6mm以上である。視認面(150)は、複数の当接エリアと、中心間距離とを有し、それらは、そのエリアにわたって可視パターンを形成する。
【0037】
同様に、
図4では、減衰(24)および透明(34)当接エリアは、各エリアが、0.3mm以上、1つ以上の寸法を有し((55)および(65)参照)、したがって、眼によって可視であるように、配置される。加えて、隣接した減衰エリアの中心間距離(41)または隣接した透明エリアの中心間距離(46)は、0.6mm以上である。視認面(154)は、複数の当接エリアと、中心間距離とを有し、それらは、そのエリアにわたって可視パターンを形成する。
【0038】
0.6mmの中心間寸法は、1.0Mにおいて、その視認距離が、2分の角度分解をもたらすので、1.0またはそれより高い視力を伴う視認者によって可視であるように十分に大きい。パターンは、第2の光状態における集中させられた粒子に対応する減衰エリアが、それらが0.6mm以上の中心間距離と、隣接した減衰エリア間の空間内の透明エリアとを有するとき、分解可能な部分(または特徴)を形成するので、可視である。視覚の類推が、鋼鉄定規上の目盛りパターンを用いて行われることができ、0.5mmの中心間距離(すなわち、0.5mmの区切り)を有する目盛りが、可視である。
【0039】
減衰(20)および透明(30)当接エリアの各エリアの寸法は、1.0Mにおける視認者にとって判別可能であるために、少なくとも0.3mm以上であり、少なくとも0.6mmの中心間寸法を有するべきであるが、減衰(20)および透明(30)当接エリアの各エリアの寸法が、透明エリアの顔料装填量が、減衰エリアの中に詰め込まれることができないほど大きくあるべきではないことも、必要である。これは、大部分の構成では、透明エリアの上方の面積が寸法の2乗値として増大する一方、粒子が詰め込まれるであろう減衰エリアの表面積がほぼ寸法と線形に増大するからである。寸法があまり大きく成長した場合、粒子は、減衰エリア内に効果的に詰め込まれることができず、より暗いクリア状態につながる。より大きい寸法はまた、良好なクリアリングを達成するために、より高い電圧を要求することが、見出されている。種々のサイズの寸法を用いた実験は、減衰(20)および透明(30)当接エリアの面積が、3cmを超過するべきではないことを示唆する。対応する最大中心間寸法は、約6cmである。したがって、減衰(20)および透明(30)当接エリアの各繰り返しは、0.3mm~3cmの寸法(50、55および60、65)を有するべきである一方、隣接した減衰エリアの中心間距離(40、41)または隣接した透明エリアの中心間距離(45、46)は、0.6mm~6cmである。
【0040】
実施形態では、第2の光状態において、複数の事例に関して、隣接した減衰エリアの中心間距離または隣接した透明エリアの中心間距離は、好ましい順序に、0.62mm~5.8cm、0.65mm~5.5cm、0.7mm~5.14cm、0.8mm~4.5cm、1.0mm~3.6cm、最も好ましくは、1.25mm~3cmであり、前述に応答して、当接する減衰エリアおよび透明エリアの各々は、好ましい順序に、0.31mm~2.9cm、0.325mm~2.75cm、0.35mm~2.57cm、0.4mm~2.25cm、0.5mm~1.8cm、最も好ましくは、0.625mm~1.5cmである1つ以上の寸法を有する。
【0041】
実施形態では、正面視における透明エリアは、その総活性面積(すなわち、切り替え可能な面積)の60%以上であり、好ましくは、62%以上であり、より好ましくは、65%以上であり、最も好ましくは、70%以上である。減衰エリアは、各事例において、残部である。第2の光状態における透明エリア、減衰エリア、故に、分解可能部分およびパターンは、デバイスのポリマー構造によって画定される。
【0042】
図2bに示される例では、車両が、その側窓およびサンルーフに関する実施形態と適合されている。荷電粒子(10)は、描かれていないが、対応する減衰エリア(20)が、示されている。車両の乗員は、典型的に、第2の光状態におけるこれらの開口部を通して0.5M(またはそれを下回る)の視認距離を有するであろう。減衰エリア(20)によって対される角度が、(80)によって示され、透明エリア(30)のための角度が、番号(30)によって示される。当接される減衰エリア(20)および透明エリア(30)は、角度(70)に対するように示される。0.5Mの視認距離において、この当接されるエリア対(20)+(30)は、当接されるエリアの距離(縁間)が0.6mm以上のとき、4.1分、または、1.0の視力を伴う視認者の最小角度分解能の4.1倍を超えて対している。角度は、以下のように計算された。
対される角度=tan(0.6/500)
=0.0012(ラジアン)
=4.125(分)
実施形態における可視パターン内の最小の0.3mm寸法における対される角度(80)および(90)に関する対応する計算は、2.06分である。
対される角度=tan(0.3/500)
=0.0006(ラジアン)
=2.063(分)
【0043】
(1.0の視力を伴う)視認者の最小分解能の倍数である(70)、(80)、および(90)に関する対される角度の結果として、0.5Mにおいて実施形態(200)を視認するときに、明白な可視パターンが、存在する。(黒色の集中させられた粒子(10)を含む)減衰エリア(20)は、同等の開口部と、壁とを有する金属メッシュと似たクリアな開口部を伴う黒色グリッド(またはアレイ)として見られ得る。本実施形態を通して視認される物体は、視認者の眼が、黒色グリッドエリアを透明エリアを通したビューと統合しないので、黒色の色相のごくわずかな知覚を有する。
【0044】
対照的に、それらの電気光学層の全体を通してポリマー構造を有する従来技術電気泳動光減衰器デバイスの動機づけは、構造(または構造によって画定される光状態における関連付けられるパターン)が、視認者によって知覚され得ないほど十分に小さくなるように、それらの構造を配置することである。本出願人の第EP2976676号では、開口(透明エリア)および障害物(遮光エリア)のサイズは、典型的な視認者の眼の分解能によって決定されるそれらの最大のサイズとピッチ(繰り返し中心間距離に類似する)とを有し、それによって、0.5Mの視認距離において、そのエリアは、1分未満の角度に対し、これは、パターンが視認者に明白であることを回避するための0.145mm未満に相当する。
【0045】
実施形態では、第2の光状態において、減衰エリアまたは透明エリア(それぞれ、順に、ポリマー構造によって画定される集中させられた粒子の有無によって画定される)の中心間距離は、無作為であるか、または、2つ以上の値を有することができる。他の実施形態では、中心間距離は、ある方向において均一に繰り返し、それは、眼によって可視である繰り返しパターンのピッチと同じである。
【0046】
図2aは、上から下の方向における当接減衰エリアおよび透明エリアのピッチ(1040)を示す。これは、左から右の方向におけるピッチ(1041)より長い。実施形態(200)では、透明エリアの最短の距離または幅(61)は、ピッチ(1041)の75%以上であることができ、減衰エリアの最短距離(51)は、25%以下であることができる。好ましくは、前述の規則に関する限界は、それぞれ、80%および20%であり、より好ましくは、85%および15%である。
図4は、代替実施形態(204)のための当接減衰エリアおよび透明エリアのピッチ(1045)を示す。
【0047】
実施形態(200)では、透明エリア(30)は、別々であり、減衰エリア(20)は、連続している(
図2aを参照されたい)。逆の関係が、
図4の実施形態(204)によって示され、すなわち、減衰エリア(24)は、別々であり、透明エリア(34)は、連続している。両方の実施形態では、隣接した別々のエリアの中心間距離は、容易に識別される(それぞれ、(45)および(41)参照)。連続しているエリアに関する対応する中心間距離は、
図2aの寸法(40)および
図4の寸法(46)によって示されるように、別々のエリア間のエリアに関連する。この点について、実施形態は、その減衰エリアおよびその透明エリアの両方のための中心間距離によって画定されることができる。
【0048】
第2の光状態において、実施形態の面内の減衰エリアおよび透明エリアによって形対される可視パターンが、面を通したビュー上に重ねられる。可視パターンは、前景内にあり、ビューは、背景内にある。眼は、可視パターンをグリッド(またはアレイ)として分解し、それを粒子の色である不透明なエリアのグリッドとして知覚する。実施形態では、このグリッドは、第1の光状態に切り替えられると、面上で区別不可能にされることができる。第1の光状態における荷電粒子は、第2の光状態において集中するにつれて、均一に、かつ粒子を受け取る場所と反対に分散する。好ましくは、重ねられる可視パターンまたはグリッド(またはアレイ)は、ポリマー構造内の集中させられた荷電粒子の場所の設計を選択することによって、審美的に許容可能(または魅力的)になるように設計される。
【0049】
集中させられた荷電粒子の場所を含むある実施形態のポリマー構造は、少なくとも部分的に、エンボス加工、成型、または複製ステップにおいて形対される。成型技法の例が、「An Electrophoretic Device Having a Transparent Light State」と題された本出願人の第EP2976676号に説明される。ヘイズを最小化するために、実施形態では、ポリマー構造(100、103、104)の屈折率が、インクの懸濁流体(15、16、17)に、すなわち、好ましくは、0.005、より好ましくは、0.002、最も好ましくは、0.001内に合致させられる。
【0050】
複製されたポリマー構造は、減衰エリアおよび突出部に対応するくぼみ、チャネル、穴部、陥凹、またはリザーバ、漏斗様の傾斜表面、または、透明エリアと対応するそれらの間の隆起表面を有する。正面視における両方のエリアの形状は、中心間距離と同様に、ポリマー構造によって画定される。いずれのエリアタイプ(すなわち、減衰または透明)も、単分散であるか、または、サイズおよび/または形状の分布を有することができる。チャネルと突出部とを有するデバイスの例が、本出願人の第EP2976676号に見出されることができ、リザーバと漏斗様の傾斜表面とを有するデバイスが、HPの第US8184357号に見出されることができ、陥凹と隆起表面とを有するデバイスが、HPの第US7,957,054号に見出されることができる。後者は、陥凹を伴う誘電性層であるが、誘電性層が、ポリマー構造であり、その集中させられた粒子が、その透明光状態にある層内の陥凹(または穴部、空隙、または孔)に位置する誘電性層に言及する。代替実施形態では、ポリマー構造は、第2の光状態において、荷電粒子が集中する壁を提供する。これらのデバイスは、誘電泳動と称され、ある例が、E Inkの第US2018/0364542 A1号に示される。
【0051】
いくつかの実施形態では、エリアの形状は、選択され、ある実施形態の不透明なグリッド(すなわち、アレイ内に配置される強く減衰するエリア)が、面を通して視認される背景内の類似のパターン上にオーバーレイされる場合、そうでなければ生じるであろうモアレパターンのための機会を最小化する。モアレパターンを回避または最小化するために、減衰エリアは、好ましくは、連続的な平行線のパターンを回避する。この点について、
図2aに示されるようなハニカム構造が、背景場面内で遭遇されるグリッド構造に類似する可能性が低いので、好ましい。しかし、より好ましい実施形態では、変調機能が、幾何学的形状に適用される。例えば、代替実施形態における
図1cに示されるポリマー構造(110)は、平面の代わりに波様の側面を有するように正弦波で変調されたその六角形に成形された突出部(110)の境界を有する。この代替実施形態の可視パターンは、一直線のセグメントの代わりに波様のセグメントによって特徴付けられ、従って、場面を視認するとき、モアレパターンを引き起こす可能性が低い。
【0052】
いくつかの実施形態では、2つ以上のデバイスが、スタックされ、モアレパターンを回避するために、各デバイスは、異なるグリッド(またはアレイ)パターンを有する。ある実施形態例では、車両内のサンバイザが、2つのデバイスのスタックを備え、両方のデバイスが、それらのそれぞれの最大減衰光状態において動作させられると、非常に低い光透過を達成する。実施形態は、両方のデバイスが、それらの光透過状態にあるとき、対応する最大光透過状態を達成する。モアレパターンを回避するために、いくつかの実施形態では、両方のデバイスの減衰エリア(および透明エリア)が、精密に整列させられるが、好ましい実施形態では、光減衰エリアの形状が、デバイス間で異なるように選択される。例えば、一方のデバイスは、その減衰エリアのためにハニカム構造を有し、他方のデバイスは、球体等の単分散形状またはその境界が正弦波によって変調されるものを有する。
【0053】
図3に示される実施形態(203)では、ポリマー構造(103)は、統合された柱(123)を使用して、光減衰器の基板との間隔を保つ。柱(123)は、セル間隙を画定し、基板間の直交距離は、寸法(5)として示される。セルは、ポリマーシール(図示せず)を用いて全周がシールされる。
図1cに示されるポリマー構造(100)上の柱(120)は、類似の機能を有する。他の実施形態では、ポリマー構造は、ポリマー壁を使用し、光減衰器の基板との間隔を保ち、それらの間の容積を電気泳動インクで充填される単分子層の別々の空洞に分割する。壁は、この場合では、セル間隙を画定する。
【0054】
実施形態では、セル間隙(
図3の寸法(5))は、7.5ミクロン~300ミクロンであり、好ましくは、13.5ミクロン~200ミクロンであり、より好ましくは、16.5ミクロン~150ミクロンであり、最も好ましくは、18ミクロン~125ミクロンである。
【0055】
好ましくは、色層が、ポリマー壁および/または柱の上部に選択的に適用され、それによって、視認面において、壁面積の色は、第2の光状態における減衰エリアの色および光透過に合致する。好ましくは、ポリマー構造は、流体を各空洞内にシールするシール層またはシール機構を含む。シール層は、好ましくは、ポリマー壁上の色層に接合する(または色層を組み込む)。いくつかの実施形態では、シールされた空洞は、互いに独立しており、セルとして説明されることができ、光減衰器は、単分子層のセルを備えているものとして説明されることができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、ポリマー構造は、第2の光状態において、そのポリマー壁に対して、またはそのそばに(その壁に隣接したチャネル内を含む)集中させられた荷電粒子を配置する。そのような実施形態では、集中させられた粒子が、両側におけるそれぞれの空洞に関するポリマー壁区分の両側に存在する。好ましくは、ポリマー壁は、減衰層を有し、粒子に合致するように着色され;そして、集中させられた粒子のための減衰エリアは、デバイスの面上で連続しているように見え、透明エリアは、別々であろう。随意に、ポリマー壁は、透明であることができ、該当する場合、好ましくは、可能な限り細く、好ましくは、幅は、15ミクロン~75ミクロンの範囲内である。後者の事例では、第2の光状態における減衰エリアは、連続していない。
【0057】
他の実施形態では、ポリマー構造は、第2の光状態において壁と一致していない別々のリザーバ内に集中させられた荷電粒子を配置する。減衰エリアは、別々であり、連続した透明エリアによって包囲される。好ましくは、壁は、第2の光状態における減衰エリアが、連続して見えるように、可能な限り細く、透明なままである。代替として、壁は、色層を有してもよい。
【0058】
より好ましい実施形態では、集中させられた荷電粒子は、ポリマー構造内の突出部間のくぼみまたはチャネル内にあり、場所は、壁と一致していることも、一致していないこともある。透明エリアは、別々であり、減衰エリアは、連続している。好ましくは、壁は、それが集中させられた粒子の場所と一致する実施形態では、減衰層を有し、それが集中させられた粒子の場所と一致しない場合、透明である。
【0059】
空洞は、単一の透明エリアおよび単一の減衰エリア、または複数のいずれか、またはいずれかの一部を含むことができる。空洞は、均一であり、あるピッチを伴って繰り返すこと、または差異を有することができる。隣接した空洞間の中心間距離は、第2の光状態における集中させられた荷電粒子によって画定される透明エリアまたは減衰エリアの中心間距離を上回ること、それに等しくあること、またはそれを下回ることができる。空洞のポリマー壁は、実施形態の面上に可視グリッドを形成することもできるが、このグリッドは、切り替え可能ではない。可能である場合、集中させられた粒子の場所に隣接して配置される減衰層を有するポリマー壁を有することが、有利であることを理解されたい。代替として、第2の光状態の透明エリア内に主として配置される透明壁を有することも、有利である。
【0060】
いくつかのセルでは、荷電粒子の色に対して異なる、色マスク(すなわち、色層)が、粒子が第2の光状態において集中させられる場所(すなわち、減衰エリア)内のポリマー構造の表面に適用される。色マスクエリアは、減衰エリアに対応し、その結果、実施形態では、可視パターンまたはグリッドを形成する。色マスクと同じの側における視認面では、場所の色が、第2の光状態における集中させられた荷電粒子の色をマスクする。白色の荷電粒子を有するある実施形態は、ポリマー構造上、または同じの側における基板の面上に印刷される黒色マスクでこれらのエリアをマスクすることによって、第2の光状態におけるその減衰エリア(すなわち、集中させられた荷電粒子エリア)からの拡散反射を回避することができる。代替として、色マスクは、他の視認面からマスクするために、ポリマー構造上の対向するエリアまたは反対の基板に適用され得る。同様に、両方の側が、第2の光状態における集中させられた粒子エリアからの拡散反射または透過をマスクまたは最小化するために、選択的に印刷されることができる。色マスクは、実施形態では、第2の光状態における集中させられた荷電粒子(10、11)を画定するポリマー構造(100、103、104)内の場所(130、133、134)によって画定され、その結果、眼によって、それが隣接した面から視認されると、可視である。
【0061】
実施形態では、電気泳動インクは、正荷電、負荷電、異なる電気泳動移動性、および/または異なる色、またはこれらの任意の組み合わせを含む1つ、2つ、またはそれを上回るタイプの荷電粒子を有することができる。荷電粒子は、染料着色剤、顔料着色剤、強力光散乱材料、強力反射材料、または強力吸光材料のうちの1つ以上のものを含む着色剤を有する。いくつかの実施形態では、電気泳動インクは、2つの荷電粒子タイプを有し、各々は、他のものと異なる色と電気泳動移動性とを有するが、同じの荷電極性である。第2の光状態において、2つのタイプは、それらがポリマー構造内の場所において集中するにつれて、分離し、一方のタイプは、同じの側における視認面に対して他方をマスクする。これは、前述の段落において説明されるように、色マスクを場所に適用するための代替である。より高い電気泳動移動性を伴う少量の黒色の荷電粒子が、使用され、より低い電気泳動移動性を有する大量の白色粒子等の荷電粒子の異なる色をマスクすることができる。
【0062】
好ましくは、光減衰器は、ポリマー構造内の集中場所と反対の電極との間で荷電粒子を移動させ、集中または発散の程度を変動させることによって、第1の状態と第2の状態との中間である少なくとも1つの光状態を提供する。提供される場所内で粒子が集中し始めると、可視パターンは、中間の光状態において明白となるであろう。荷電粒子が黒色以外の色(例えば、白色)である実施形態では、ヘイズは、第2の光状態において最小であり、中間光状態が第1の光状態に近接するほど、より増大するであろう。いくつかの実施形態では、第1の光状態は、プライバシ機能を提供するために、非常に強力にヘイズを伴う。
【国際調査報告】