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特表2022-548742コールドスプレー堆積物のその場付着試験を行うための装置及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(54)【発明の名称】コールドスプレー堆積物のその場付着試験を行うための装置及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/00 20060101AFI20221114BHJP
   G01N 3/24 20060101ALI20221114BHJP
   C23C 24/04 20060101ALI20221114BHJP
【FI】
G01N3/00 Q
G01N3/24
C23C24/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517833
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(85)【翻訳文提出日】2022-05-18
(86)【国際出願番号】 US2020050719
(87)【国際公開番号】W WO2021055284
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】62/902,553
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521219442
【氏名又は名称】ウェスティングハウス エレクトリック カンパニー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】WESTINGHOUSE ELECTRIC COMPANY LLC
【住所又は居所原語表記】1000 Westinghouse Drive, Suite 141, Cranberry Township, Pennsylvania 16066 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アール. イッキーズ
(72)【発明者】
【氏名】アラシュ パルスィ
【テーマコード(参考)】
2G061
4K044
【Fターム(参考)】
2G061AA11
2G061AB03
2G061BA04
2G061CA16
2G061CB01
2G061CB18
2G061EA01
2G061EB05
4K044AA06
4K044AA16
4K044CA23
4K044CA71
(57)【要約】
構造体の表面上のコールドスプレー堆積物のその場付着試験を実施する際に使用する試験構成及び方法。
試験構成は、いくつかの開口が画定された試料部材と、試料部材に結合された荷重構成とを含む。荷重構成は、試料部材に既知の大きさの機械的力を供給するように構成される。構造体上のコールドスプレー堆積物のその場試験を実施する際に、本方法は、構造体の表面に対して試験構成を配置するステップと、構造体の表面上にコールドスプレー堆積物を堆積させるステップと、表面へのコールドスプレー堆積物の付着を試験するステップとを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体の表面の上のコールドスプレー堆積物のその場付着試験を実施するための試験構成であって、
試料部材であって、前記試料部材に画定されたいくつかの開口を備える前記試料部材と、
前記試料部材に結合され、既知の大きさの機械的力を前記試料部材に供給するように構成される、荷重構成と、
を備える、試験構成。
【請求項2】
前記いくつかの開口は、単一の矩形形状の開口を含む、請求項1に記載の試験構成。
【請求項3】
前記試料部材は、平坦な矩形バーを含む、請求項1又は2に記載の試験構成。
【請求項4】
前記いくつかの開口は、複数の開口を含む、請求項1又は3に記載の試験構成。
【請求項5】
前記複数の開口は、所定のパターンで配置される、請求項4に記載の試験構成。
【請求項6】
前記試料部材は、前記荷重構成の対応する形状の接続部によって係合される接続部を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の試験構成。
【請求項7】
前記試料部材は、前記荷重構成の対応する形状の接続部によって係合される接続部を含み、
前記試料部材の前記接続部が、前記矩形バーから上方に延びる荷重面を有する隆起部を含む、請求項3~5のいずれか1項に記載の試験構成。
【請求項8】
前記荷重構成は、前記機械的力を供給する機械的アクチュエータと、前記機械的アクチュエータによって供給される前記機械的力を特定するロードセルとを備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の試験構成。
【請求項9】
前記荷重構成は、前記構造体の前記表面に係合するように構成されたいくつかのローラ部材を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の試験構成。
【請求項10】
前記荷重構成は、前記構造体の前記表面に対向して配置された前記構造体の別の表面と係合するように構成されたいくつかのばね荷重ローラガイドを含む、請求項9に記載の試験構成。
【請求項11】
構造体の上のコールドスプレー堆積物のその場付着試験を実施する方法であって、
前記構造体の表面に対して請求項1に記載の試験構成を配置するステップと、
前記コールドスプレー堆積物を前記構造体の前記表面の上に堆積させるステップと、
前記コールドスプレー堆積物の前記表面への付着を試験するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記コールドスプレー堆積物を前記構造体の前記表面の上に堆積させるステップは、前記いくつかの開口を通して前記表面の上にある量のコールドスプレー材料を供給するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記いくつかの開口を通して前記表面の上にある量のコールドスプレー材料を供給するステップが、前記ある量のコールドスプレー材料をスプレーするステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記堆積物の前記表面への付着を試験するステップは、
前記試験を実施する前に、前記いくつかの開口が所定のレベルまで充填されていることを判定するステップと、
前記コールドスプレー堆積物が前記表面から剥離されるまで、前記試験試料に既知の機械的力を加えるステップと、
を含む、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
構造体の表面の上のコールドスプレー堆積物のその場付着試験を実施するための試験構成であって、
試料部材であって、前記試料部材に画定された開口を備える前記試料部材と、
前記試料部材に動作可能に結合された荷重構成であって、前記試料部材に機械的力を供給するように構成される荷重構成と、
を備える、試験構成。
【請求項16】
前記試料部材は、前記荷重構成の対応する形状の接続部によって係合される接続部を含む、請求項15に記載の試験構成。
【請求項17】
前記試料部材の前記接続部は、荷重面を有する隆起部を含む、請求項16に記載の試験構成。
【請求項18】
前記荷重構成は、前記機械的力を加えるように構成された機械的アクチュエータと、前記機械的アクチュエータによって供給される前記機械的力を特定するように構成されたロードセルと、を備える、請求項15~17のいずれか1項に記載の試験構成。
【請求項19】
前記荷重構成は、前記構造体の前記表面と係合するように構成されたいくつかのローラ部材を含む、請求項15~18のいずれか1項に記載の試験構成。
【請求項20】
前記荷重構成は、前記構造体の前記表面に対向して配置された前記構造体の別の表面と係合するように構成されたいくつかのばね荷重ローラガイドを含む、請求項19に記載の試験構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は2019年9月19日に出願された米国仮出願第62/902,553号の利益を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、コールドスプレー堆積物のその場付着試験を行うための装置に関する。本発明はまた、コールドスプレー堆積物のその場付着試験を実施中に、そのような装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
コールドスプレーは、高温/高圧ガス源を使用して短いラバール型ノズルを通して粉末粒子を加速することによって、金属及び金属/セラミック混合物を表面上に堆積させる方法である。コールドスプレーは、アクセス手段が小さな隙間又は円環に限定され得る場所に設置された大型構造物(使用済み燃料キャニスター又は配管等)の修理のために検討されている。このような構造は長期間使用されている場合があり、その結果、表面上に酸化物または他の有害なデブリが堆積する。コールドスプレー堆積物の基材への結合強度は、このような表面堆積物によって、及び最適ではないノズルサイズ及び堆積中の位置決めを伴いうる限定されたスタンドオフ距離によって、悪影響を受ける。したがって、そのような使用中の構造体上に(または「現場条件」下で)形成されるコールドスプレー堆積物の品質を検証するための方法が望まれるであろう。
【0004】
ラグせん断試験は、堆積物と基材との間の結合品質を定量化する1つの方法である。せん断応力は本質的に、基材/堆積物界面における堆積物の冶金学的品質(有孔度および凝集度)及び基材の表面の状態(酸化、デブリ)を説明する。したがって、修理される表面から堆積物を取り除くのに必要なせん断力を測定することによって、コールドスプレー堆積物の結合強度をその場で試験できることで、現場で適用する軽減又は修理技術としてコールドスプレー堆積物の質を保証する手段が提供されるであろう。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様として、構造体の表面上のコールドスプレー堆積物のその場付着試験を実施するための試験構成が提供される。試験構成は、試料部材に画定されたいくつかの開口を含む試料部材と、試料部材に結合された荷重構成とを備え、荷重構成は、既知の大きさの機械的力を試料部材に供給するように構成される。
【0006】
いくつかの開口は、単一の矩形の開口を含んでいてもよい。試料部材は、平坦な矩形バーを備えていてもよい。いくつかの開口は、複数の開口を含んでいてもよい。複数の開口は、所定のパターンで配置されていてもよい。試料部材は、荷重構成の対応する形状の接続部によって係合される接続部を備えてもよい。試料部材は、荷重構成の対応する形状の接続部によって係合される接続部を備えていてもよく、試料部材の接続部は、矩形バーから上方に延びる荷重面を有する隆起部を備える。荷重構成は、機械的力を供給する機械的アクチュエータと、機械的アクチュエータによって供給される機械的力を特定するロードセルとを備えていてもよい。
荷重構成は、構造体の表面に係合するように構成されたいくつかのローラ部材を備えていてもよい。荷重構成は、構造体の表面に対向して配置された構造体の別の表面に係合するように構成されたいくつかのばね荷重ローラガイドを備えていてもよい。
【0007】
本発明の別の態様として、構造体上のコールドスプレー堆積物のその場付着試験を実施する方法が提供される。この方法は、前述したような試験構成を構造体の表面に対して配置するステップと、構造体の表面上にコールドスプレー堆積物を堆積させるステップと、表面へのコールドスプレー堆積物の付着を試験するステップとを含む。
【0008】
構造体の表面上にコールドスプレー堆積物を堆積させるステップは、ある量のコールドスプレー材料をいくつかの開口を通して構造体の表面上に供給するステップを含んでいてもよい。ある量のコールドスプレー材料をいくつかの開口を通して構造体の表面上に供給するステップは、ある量のコールドスプレー材料をスプレーするステップを含んでいてもよい。表面への堆積物の付着を試験するステップは、試験を実施する前に、いくつかの開口が所定のレベルまで充填されていることを判定するステップと、コールドスプレー堆積物が構造体の表面から剥離されるまで、既知の機械的力を試験試料に加えるステップとを含んでもよい。
【0009】
本発明のこれら及び他の目的、特徴、及び特性、並びに構造体の関連する要素の作動方法及び機能、並びに部品の組み合わせ及び製造の経済性は、添付の図面を参照して以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考察するとより明らかになり、添付の図面のすべては本明細書の一部を形成し、同様の参照番号は様々な図において対応する部品を示す。しかしながら、図面は例示及び説明のみを目的とするものであり、本発明の限定の定義として意図されるものではないことを明確に理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明のさらなる理解は、添付の図面と併せて読めば、好ましい実施形態の以下の説明から得ることができる。
【0011】
図1図1は、本発明の1つの例示的な実施形態による試料部材の等角図である。
【0012】
図2図2は、図1の試料部材の上面図である。
【0013】
図3図3は本発明の1つの例示的な実施形態によるコールドスプレー堆積物のその場付着試験を実施するための試験構成の概略図であり、構成の試料部材にコーティングを施す前に、コーティングされる構造体に対して位置決めされた状態を示す。
【0014】
図4図4は、図3の試験構成の別の概略図であり、試料部材にコーティングが施され、試料部材に機械的な力が加えられた状態を示す。
【0015】
図5図5は、本発明の別の実施例によるコールドスプレー堆積物のその場付着試験を実施するための試験構成の斜視図である。
【0016】
図6図6は、図5の試験構成の上面図である。
【0017】
図7図7は、図5の試験構成の底面図である。
【0018】
図8図8は、本発明の1つの例示的な実施形態による、図5の試験構成の正面図であり、構造体内の空間内に配置された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明では、図面のいくつかにおいて、同様の参照符号は同様の又は対応する要素を示す。また、以下の説明において、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「上方」、「下方」等の用語は便宜上の用語であり、限定的な用語として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。本明細書で使用されるように、「数」という用語は、任意の非ゼロの整数量、すなわち、1または1より大きい任意の整数(例えば、1、2、3、…)を指すために使用される。
【0020】
本発明の1つの例示的な実施形態による試料部材10を図1及び図2に示す。試料部材10は多くの異なる形状を有していてもよく、最も単純なものは図1及び図2に示すような平坦な矩形バー12である。試料部材10は、試料部材10に画定されるいくつかの開口14を含み、試料部材10に対して適用されるある量のコールドスプレー堆積物が、開口14を通じて試料部材10が配置される下側構造体の表面に接触する。図1及び図2に示す例では、試料部材10は単一の矩形の開口14のみを含むが、開口14の数、形状、パターン、サイズ、断面壁形状等の1つ又は複数は、本発明の範囲から逸脱することなく変更することができることを理解されたい。
【0021】
引き続き図1及び図2を参照すると、試料部材10は、図3図7に関連して以下に説明するように、試料部材10を荷重構成18に接続するための接続部16をさらに含む。図1及び図2に示す例では、接続部16は、矩形バー12から上方に延びる荷重面22を有する隆起部20を含む。隆起部は、矩形バー12と一体的に形成されるか、または任意の適切な構成を介して矩形バー12に結合される別個の部材として形成されてもよい。隆起部20および荷重面22のこのような構成は、以下でさらに議論されるように、荷重構成18による試料部材10の「肩部荷重」を提供する。隆起部20は、荷重構成18を試料部材10に固定する際に使用するために隆起部20に画定されたねじ開口24をさらに含んでもよい。
【0022】
試料部材10は、任意の適切な材料から形成されてよい。一実施形態では、試料部材10は工具鋼から形成されており、寿命が延びるともに試料部材10上のコールドスプレーされた粒子の結合を減少させる。
【0023】
次に、図3及び図4の概略図を参照すると、荷重構成18は、試料部材10の接続部16と協働して係合するように構成された接続部26と、試料部材10の長手軸とコールドスプレー堆積物が付着する構造体の表面とに平行な方向に機械的力(図4の矢印で示される)を供給するように構成された機械的力の供給源28と、機械的力の供給源28によって試料部材10に加えられる力を測定するように配置されたロードセル30とを含む。一実施例では、機械的力の供給源28は機械的アクチュエータであり、ロードセル30は機械的力の供給源28と荷重構成18の接続部26との間に配置される。
【0024】
引き続き図3及び図4を参照すると、使用時には、試料部材10及び荷重構成18(試験構成32と総称する)は、ある量のコールドスプレー材料を試料部材10上に供給するための適切なコールドスプレーノズル及び適切な送出管/導管と共に、構造体の隙間又は円環に(例えば、使用済み燃料が入ったキャニスタにアクセスするための2つの同心円筒の間の円環に、またはパイプの直径内に)挿入される。試験構成32は、試料部材10、より具体的にはそこに規定されたいくつかの開口14がコールドスプレー材料が適用される構造体の表面上の所望の位置に配置されるように操作される。図3に示すように、コールドスプレー材料が適用される構造体に対して試料部材10のいくつかの開口14が所望の位置に配置されると、十分な量のコールドスプレー材料がコールドスプレーノズルによって試料部材10上に供給され、その結果、いくつかの開口14の下方にある構造体の支持表面がコーティングされ、図4に示すように、コールドスプレー材料が試料部材10にわずかに重なるように(試料部材10の外周を越えて支持表面にさらに重なることなく)いくつかの開口14がコールドスプレー材料で充填される。このようにするには、いくつかの開口14を完全に充填するとともに試験堆積物と実際の堆積物との間の一貫性を保証するために、実際の堆積物が適用されるのと同じ速度およびピッチで、予めプログラムされた経路でノズルをラスタリングするか、又は移動させることを必要とする場合がある。所定量のコールドスプレー材料が供給されると、試料部材10は、いくつかの開口14のサイズのコールドスプレー材料の領域によってコーティングされる構造体の支持表面に結合される。
【0025】
試料部材10がコールドスプレー材料を介して下側構造体に成功裏に結合された後、堆積物が機械的に破損する(すなわち、構造の表面からコールドスプレー材料の堆積物が剥離する)まで、堆積物と構造体の表面との界面にせん断応力を生じさせる引張力が試料部材10に加えられる。この力は、通常、堆積物が適用された構造体の外部の荷重構成18および試験構成32の端部に位置する機械的力の供給源28によって加えられる。機械的力の供給源28によって加えられる力は、ロードセル30によって測定され、記録される。いくつかの開口14のサイズ、数および形状が、スプレー堆積物の寸法及び試料部材10と下側構造体との間の相互作用の構造(geometry)を制御するので、力および堆積物の断面積を用いて、破損時のせん断応力を特定することができる。このような破損が発生した後、別の試験が望まれる場合には、試験構成32を構造体から取り外してもよいし、または再配置してもよい。
【0026】
実際に試験される唯一の領域は、いくつかの開口14の内側のコールドスプレー堆積物と下側基材との間の界面であることが理解されるべきである。いくつかの開口14上に重ね塗りされたスプレーは、測定に影響を及ぼさない。
【0027】
本発明の1つの例示的な実施形態による1つの試験構成32の一部のより詳細な例が図5~8に示されており、これらの図では、前述された要素は、前述で使用されたものに対応する数字でラベル付けされている。試験構成32は、前述のような試料部材10を利用する。荷重構成32の接続部26は取り外し可能な滑り軸受(例えば、限定されないが、プラスチックまたはアルミニウムなどの軟質金属)を有し、最小限のすり減りで接続部26がターゲット表面上を滑ることを可能にする。荷重構成18は、構造体の支持表面に沿って試料部材10を移動させるのを補助するように配置されたいくつかのローラ部材34も含む。図5図8に示す例では、ローラ部材34は球状ローラベアリングであり、表面を傷つけることなく試料部材10をターゲット表面に容易に配置することができる。荷重構成18は、張力をかけられているいくつかのローラガイド36をさらに含み、このローラガイド36は、上側構造体に乗るように荷重構成18から離れるように付勢されており、これによって、概ね、荷重構成18の接続部26とそれに接続された試料部材10とがターゲット表面に対して面一となるようにされている。ローラガイド36の伸長はいくつかの異なる機構を用いて行うことができるが、本実施形態では、ローラガイドはばね張力によって上側構造体に押し付けられる。コールドスプレーノズル及び関連する供給/制御要素もまた、試験構成32の一部として設けられてよい。
【0028】
本発明の特定の実施例が詳細に記載されてきたが、開示の全体から鑑みて、これらの詳細に対する種々の変形及び変更がなされてもよいことが当業者には理解されるであろう。したがって、開示された特定の実施形態は、例示的なものにすぎず、添付の特許請求の範囲およびその任意のおよびすべての均等物の全範囲が与えられる本発明の範囲を限定するものではないことが意図されている。
【0029】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の実施例に記載される。
【0030】
(実施例1)
構造体の表面上のコールドスプレー堆積物のその場付着試験を実施するための試験構成であって、試験構成は、試料部材に画定されたいくつかの開口部を含む試料部材と、試料部材に結合された荷重構成とを含み、荷重構成は、既知の大きさの機械的力を試料部材に供給するように構成される、試験構成。
【0031】
(実施例2)
いくつかの開口が単一の矩形形状の開口を含む、実施例1の試験構成。
【0032】
(実施例3)
試料部材が平坦な矩形バーを含む、実施例1又は2に記載の試験構成。
【0033】
(実施例4)
いくつかの開口が複数の開口を含む、実施例1又は3のいずれか1つに記載の試験構成。
【0034】
(実施例5)
複数の開口が所定のパターンで配置されている、実施例4に記載の試験構成。
【0035】
(実施例6)
試料部材が、荷重構成の対応する形状の接続部によって係合される接続部を含む、実施例1~5のいずれか1つに記載の試験構成。
【0036】
(実施例7)
試料部材が、荷重構成の対応する形状の接続部によって係合される接続部を含み、試料部材の接続部が、矩形バーから上方に延びる荷重面を有する隆起部を含む、実施例3~5のいずれか1つに記載の試験構成。
【0037】
(実施例8)
荷重構成が、機械的力を供給する機械的アクチュエータと、機械的アクチュエータによって供給される機械的力を特定するロードセルとを含む、実施例1~7のいずれか1つに記載の試験構成。
【0038】
(実施例9)
荷重構成が、構造体の表面と係合するように構成されたいくつかのローラ部材を含む、実施例1~8のいずれか1つに記載の試験構成。
【0039】
(実施例10)
荷重構成が、構造体の表面に対向して配置された構造体の別の表面と係合するように構成されたいくつかのばね荷重ローラガイドを含む、実施例9に記載の試験構成。
【0040】
(実施例11)
構造体上のコールドスプレー堆積物のその場付着試験を実施する方法であって、構造体の表面に対して請求項1に記載のような試験構成を配置するステップと、構造体の表面上にコールドスプレー堆積物を堆積させるステップと、表面へのコールドスプレー堆積物の付着を試験するステップとを含む方法。
【0041】
(実施例12)
構造体の表面上にコールドスプレー堆積物を堆積させるステップが、いくつかの開口を通して構造体の表面上にある量のコールドスプレー材料を供給するステップを含む、実施例11に記載の方法。
【0042】
(実施例13)
いくつかの開口を通して構造体の表面上にある量のコールドスプレー材料を供給するステップが、ある量のコールドスプレー材料をスプレーするステップを含む、実施例12に記載の方法。
【0043】
(実施例14)
構造体の表面への堆積物の付着を試験するステップは、試験を実施する前に、いくつかの開口が所定のレベルまで充填されていることを判定するステップと、コールドスプレー堆積物が表面から剥離されるまで、試験試料に既知の機械的力を適用するステップとを含む、実施例11~13のいずれか1つに記載の方法。
【0044】
(実施例15)
構造体の表面上のコールドスプレー堆積物のその場付着試験を実施するための試験構成であって、試験構成は、試料部材に画定された開口を含む試料部材と、試料部材に動作可能に結合された荷重構成とを含み、荷重構成は、試料部材に機械的力を供給するように構成される、試験構成。
【0045】
(実施例16)
試料部材が、荷重構成の対応する形状の接続部によって係合される接続部を含む、実施例15に記載の試験構成。
【0046】
(実施例17)
試料部材の接続部が、荷重面を有する隆起部を含む、実施例16に記載の試験構成。
【0047】
(実施例18)
荷重構成が、機械的力を加えるように構成された機械的アクチュエータと、機械的アクチュエータによって提供される機械的力を特定するように構成されたロードセルとを含む、実施例15~17のいずれか1つに記載の試験構成。
【0048】
(実施例19)
荷重構成が、構造体の表面と係合するように構成されたいくつかのローラ部材を含む、実施例15~18のいずれか1つに記載の試験構成。
【0049】
(実施例20)
荷重構成が、構造体の表面に対向して配置された構造体の別の表面と係合するように構成されたいくつかのばね荷重ローラガイドを含む、実施例19に記載の試験構成。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】