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特表2022-548842加熱デバイスを用いてガラスリボンを形成するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-22
(54)【発明の名称】加熱デバイスを用いてガラスリボンを形成するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 17/06 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
C03B17/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515845
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(85)【翻訳文提出日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 US2020050081
(87)【国際公開番号】W WO2021050651
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】62/900,039
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/014,847
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】フェケティ,カーティス ロバート
(72)【発明者】
【氏名】クニタケ,ミキ ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】ニクーリン,イリヤ アンドレイエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ユィ,チャオ
(57)【要約】
溶融ガラスをシート成形デバイスに流し込んで成形済みガラスを形成するステップを含む、ガラスリボンを形成する方法。上記成形済みガラスは第1の部分及び第2の部分を有し、上記第1の部分は上記第2の部分より大きな厚さを有する。上記方法は更に、上記第1の部分が上記第2の部分より低い平均粘度を有するように、電磁加熱デバイスを用いて上記成形済みガラスを体積加熱するステップ、及び上記第1の部分が上記第2の部分よりも高い伸長率でドロー加工されるように、上記成形済みガラスをガラスリボンへとドロー加工するステップを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスリボンを形成する方法であって、前記方法は:
溶融ガラスをシート成形デバイスに流し込んで成形済みガラスを形成するステップであって、前記成形済みガラスは第1の部分及び第2の部分を有し、前記第1の部分は前記第2の部分より大きな厚さを有する、ステップ;
前記第1の部分が前記第2の部分より低い平均粘度を有するように、電磁加熱デバイスを用いて前記成形済みガラスを体積加熱するステップ;並びに
前記第1の部分が前記第2の部分より高い伸長率でドロー加工されるように、前記成形済みガラスをガラスリボンへとドロー加工するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の部分の平均粘度の、前記第2の部分の平均粘度に対する比が、約0.1~約0.8の範囲内となるように、前記電磁加熱デバイスを用いて前記成形済みガラスを体積加熱するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の部分の前記平均粘度が50キロポアズ~10ポアズの範囲内となるように、前記電磁加熱デバイスを用いて前記成形済みガラスを体積加熱するステップを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の部分の前記厚さは、前記第2の部分の前記厚さよりも、事前に定義された値だけ大きく、
前記第1の部分の前記伸長率は、前記第2の部分の前記伸長率よりも、前記事前に定義された値だけ大きい、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記成形済みガラスは、第1の外面、第2の外面、並びに前記第1の外面及び前記第2の外面から等距離に配置された中央領域を備え、
前記成形済みガラスを体積加熱する前記ステップの間、前記成形済みガラスの前記第1の部分における前記中央領域の温度は、前記成形済みガラスの前記第1の部分における前記第1の外面の温度より高く、また前記成形済みガラスの前記第1の部分における前記第2の外面の温度より高い、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記成形済みガラスを体積加熱する前記ステップの間に、前記成形済みガラスの前記第1の部分における前記中央領域を、約720℃~約820℃の範囲内の温度まで加熱するステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2019年9月13日出願の米国仮特許出願第62/900039号、及び2020年4月24日出願の米国仮特許出願第63/014847号に対する優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は依拠され、参照によりその全体が本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は一般に、ガラスリボンを作製するためのシステム及び方法に関し、より詳細には、加熱デバイスを用いて、均一な厚さを有するガラスリボンを作製するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
この10年、高屈折率の光学ガラスの需要は、拡張現実及び仮想現実デバイスの市場の成長と共に増大している。高い屈折率及び低い液相粘度を有するガラス組成物から光学部品を作製する従来の方法は、極めてコストが高い。更にこのような従来の方法では、これらの方法から得られる溶融ガラスの利用率が低い。典型的には、これらの方法は、上記組成物を、最終製品の厚さより大幅に大きな厚さを有する長いバーへと鋳造するステップを含む。即ちこれらの成形方法は、最終製品の形状及び寸法を得るために追加の加工が必要な、鋳造バーを製造する。
【0004】
これらの鋳造バーの追加の加工は、多くの場合広範囲に及ぶ。特に、鋳造バーを複数のディスクへと切断する。続いてこれらのディスクを研削して、その外径を最終製品の最終的な外径まで研磨する。次にディスクをワイヤーソーで切断し、研削及び研磨ステップに供して、最終製品の必要な反り及び寸法均一性を達成する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載の実施形態は、製造コスト及び廃棄物を削減しながら、均一性が向上したガラスリボンを、製造するための方法及びシステムを提供する。特に本明細書で開示される方法及びシステムは、ドロー加工ステップ中に体積加熱された、成形済みガラスを提供する。成形済みガラスの体積加熱によって、成形済みガラスの比較的厚い部分が、成形済みガラスの比較的薄い部分に比べて高い伸長率でドロー加工される。従って、比較的厚い部分と比較的薄い部分とが、均一なガラスリボンへとドロー加工される。ドロー加工済みのガラスリボンは、従来の方法を用いた場合に比べて高い均一性を有するばかりでなく、より多くのガラスを最終製品に使用できるため、廃棄物を削減する。
【0006】
本開示のある態様によると、ガラスリボンを形成する方法は、溶融ガラスをシート成形デバイスに流し込んで成形済みガラスを形成するステップを含み、上記成形済みガラスは第1の部分及び第2の部分を有し、上記第1の部分は上記第2の部分より大きな厚さを有する。上記方法はまた、上記第1の部分が上記第2の部分より低い平均粘度を有するように、電磁加熱デバイスを用いて上記成形済みガラスを体積加熱するステップを含む。更に上記方法は、上記第1の部分が上記第2の部分よりも高い伸長率でドロー加工されるように、上記成形済みガラスをガラスリボンへとドロー加工するステップを含む。
【0007】
本開示のある態様によると、ガラス成形システムは、溶融ガラスを溶融装置から受け取って成形済みガラスを形成するよう構成されたシート形成デバイスを備え、上記成形済みガラスは第1の部分及び第2の部分を有し、上記第1の部分は上記第2の部分より大きな厚さを有する。上記システムはまた、ドロー経路に沿って上記シート成形デバイスの下流に配置された電磁加熱デバイスを備え、上記電磁加熱デバイスは、上記成形済みガラスの上記第1の部分が上記成形済みガラスの上記第2の部分より低い平均粘度を有するように、上記成形済みガラスを体積加熱するよう構成される。更に上記システムは、上記成形済みガラスをガラスリボンへと、上記ガラスリボンにおいて上記成形済みガラスの上記第1の部分の厚さが上記成形済みガラスの上記第2の部分の厚さに略等しくなるようにドロー加工するよう構成された、複数の縁部ローラを備える。
【0008】
更なる特徴及び利点は以下の「発明を実施するための形態」に記載されており、また当業者には「発明を実施するための形態」から容易に明らかとなるか、又は以下の「発明を実施するための形態」、特許請求の範囲、及び添付の図面を含む本明細書に記載されている実施形態を実践することによって、容易に認識されるだろう。
【0009】
上述の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」の両方は、様々な実施形態を記載し、請求対象の主題の性質及び特徴を理解するための概説又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。
【0010】
添付の図面は、上記様々な実施形態の更なる理解を提供するために含まれており、本明細書の一部に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面は本明細書に記載の上記様々な実施形態を図示し、本説明と併せて、請求対象の主題の原理及び動作を説明する役割を果たす。
【0011】
本開示の具体的実施形態に関する以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読んだ場合に最もよく理解できる。これらの図面では、類似の構造は類似の参照番号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施形態による、ガラスリボンを作製する方法を示すフローチャート
図2】本開示の実施形態による、ガラス成形システムのある実施形態の概略側面図
図3】本開示の実施形態による、図2のガラス成形システムの概略正面図
図4】本開示の実施形態による、図3の線A‐Aに沿って得られる図3のガラス成形システムの断面図
図5】本開示の実施形態による、加熱プロセスに供されている成形済みガラスの部分図
図6】本開示の実施形態による、成形済みガラスを体積加熱している間の、時間の関数としての温度プロファイルのグラフ
図7】本開示の実施形態による、成形済みガラスの厚さにわたる体積損失密度プロファイルのグラフ
図8】本開示の実施形態による、成形済みガラスの厚さにわたる体積損失密度プロファイルのグラフ
図9】本開示の実施形態による、成形済みガラスの厚さにわたる体積損失密度プロファイルのグラフ
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に記載の実施形態では、厚さ変動が低減されたガラスリボンを形成するための、連続鋳造及びドロー加工方法が開示される。本明細書に記載の実施形態を用いて形成されたガラスリボンは、拡張及び/又は仮想現実ディスプレイに有用なガラス組成物等の、低粘度のガラス組成物の成形に使用できる。本明細書に記載の連続鋳造及びドロー加工方法は、溶融ガラスをシート成形デバイスに流し込んで成形済みガラスを形成するステップ、上記成形済みガラスを上記シート成形デバイス内で冷却するステップ、上記成形済みガラスを上記シート成形デバイスから搬送するステップ、及び上記成形済みガラスを加熱して、薄いガラスリボンへとドロー加工するステップを含む。本明細書に記載の連続鋳造及びドロー加工方法によって、拡張及び/又は仮想現実用途のためのディスプレイガラスの大規模製造が、比較的低いコストで可能となる。製造されるガラスリボンは、高い均一性、高い寸法安定性、及び小さな反りを有する。従って、製造されるガラスリボンには最小限の後加工しか必要なく、従って製造コストが低減され、また廃棄物が減少する。本明細書では、ガラスリボンを形成するためのプロセス及びシステムの様々な実施形態を、添付の図面を具体的に参照しながら説明する。
【0014】
本明細書中で使用される場合、用語「上限液相粘度(upper liquidus viscosity)」は、本開示の物品及び方法で採用されるガラスの、該ガラスが結晶を含まない均質な溶融物を形成するような粘度を指す。また本明細書中で使用される場合、用語「下限液相粘度(lower liquidus viscosity)」は、本開示の物品及び方法で採用されるガラスの、該ガラスが1つ以上の結晶相の成長に影響され得るような粘度を指す。
【0015】
本明細書中で使用される場合、本開示の物品及び方法で採用されるガラスの「失透ゾーン(devitrification zone)」は、上限液相線温度から下限液相線温度までによって与えられる温度範囲、例えば該ガラスが、0.01μm/分を超える1つ以上の結晶相の結晶成長を経験するような温度範囲である。
【0016】
本明細書中で使用される場合、本開示の物品及び方法で採用されるガラスの「平均粘度(average viscosity)」は、本開示のガラス、ガラスリボン、ガラスシート、又は他の物品の粘度であって、言及されているプロセス又は方法ステップ(例えばドロー加工)の間に、該物品のある範囲に対して、平均粘度値を確認するために十分な持続時間にわたって、本開示の分野の当業者には理解される分析及び測定方法に従って測定された、粘度を指す。本明細書中で使用される場合、粘度及び平均粘度はまず、溶融ガラスと、ガラス中に浸漬される熱電対を備えるスピンドルとを内包する回転るつぼを用いた、ASTM規格(C‐695)実験室内測定を用いて、決定される。ASTM規格(C‐695)実験室内測定は、異なるガラス温度におけるガラス粘度を測定するものである。次に、本明細書に記載の方法の鋳造ステップ(即ち溶融ガラスが鋳造装置を通って流れる際に溶融ガラスを冷却するステップ)の間に、ガラス中及び鋳造装置内の両方に配置された熱電対(例えば合計50個の熱電対)を用いて、ガラス温度を測定する。続いて、ASTM規格(C‐695)実験室内測定からの実験室内測定を用いて、平均粘度等の対応する粘度を決定するために、測定された温度を用いることができる。更に、熱電対が鋳造装置内及びガラス中の両方に配置されていることにより、これらの熱電対を用いて、ガラスの大面におけるガラスの温度と、ガラスの厚さを通るガラスの温度、例えばガラスの中央領域の温度とを測定できる。
【0017】
本明細書中で使用される場合、用語「連続的(continuous)」は、ガラスシート、リボン、及び他の物品を、アニーリング又は再ドロー加工といったいずれの中間及び/又は冷却後熱加工を必要とすることなく形成するよう構成された、本開示の方法及びプロセスを指す。換言すれば、本開示のプロセス及び方法は、ドロー加工ステップより前には切断又は分割されていない、ガラスシート、ガラスリボン、及び他の物品を形成するよう構成される。
【0018】
本明細書中で使用される場合、本開示のガラスウェハ、ガラスリボン、ガラスシート、又は他の物品の「厚さ変動(thickness variation)」は、ガラスウェハ、ガラスリボン、ガラスシート、又は他の物品の最小厚さと最大厚さとの間の差を、機械的接触キャリパー若しくはマイクロメーター、又は厚さが1mm以上の物品の場合は非接触レーザーゲージによって決定することによって、測定される。
【0019】
本明細書中で使用される場合、本開示のガラスウェハ、ガラスリボン、ガラスシート、又は他の物品の「反り(warp)」は、物品を囲む2つの平面の間の距離から物品の平均厚さを差し引くことで測定される。特段の記載がない限り、本明細書に記載の「反り」は、Corning Tropel Corporationから入手可能なTropel(登録商標)FlatMaster(登録商標)MSP‐300 Wafer Analysis Systemといった、3D測定システムを用いて測定される。略長方形状の本開示のガラスリボン、ガラスシート、及び他のガラス物品に関しては、反りは、本開示の分野の当業者によって理解される原理に従って測定される。特に反りは、物品のビード間の品質エリアから、各ビードの内縁部から5mm分を差し引いたものによって画定される長さを有する、正方形の測定エリアから評価される。同様に、略円形のディスク状の形状を有する本開示のガラスウェハに関しても、反りは、本開示の分野の当業者によって理解される原理に従って測定される。特に反りは、ウェハの外半径から5mmを差し引いたものによって定義される半径を有する円形測定エリアから評価される。
【0020】
本明細書中で使用される場合、本開示のガラス、ガラスリボン、ガラスシート、又は他の物品の「臨界冷却速度(critical cooling rate)」は、上記ガラス、ガラスシート、又は他の物品の複数の試料を、様々な選択された冷却速度で、そのガラス転移温度まで溶融させることによって決定される。その後、標準的な分割及び研磨技法に従って切断し、100倍の光学顕微鏡を用いて評価して、体積内並びにその自由表面(即ち上部の露出した表面、及びるつぼ等との接点を有する底面)における結晶の存在を確認する。臨界冷却速度は、結晶がその表面及び体積内に現れない最低の冷却速度に対応する。
【0021】
本明細書中で使用される場合、「上流(upstream)」及び「下流(downstream)」は、溶融装置に対するドロー経路に沿った、2つの場所又は部品の相対位置を指す。例えば第1の部品は、この第1の部品が第2の部品に比べて、レーザビームが通過する経路に沿ってレーザ光学素子に近接している場合に、この第2の部品から上流にある。
【0022】
ここで図1~4を参照すると、ガラスリボン30cを形成するための方法100(図1)並びにガラス成形システム10(図2及び3)の概略図が示されている。ガラスリボン30cを形成する方法100は、まず、溶融ガラス30aを溶融装置15から、溶融ガラス30aが幅22及び厚さ24を有するように、シート成形デバイス20に流し込んで、成形済みガラス30bを形成するステップ110を含む。次にステップ120では、成形済みガラス30bをシート成形デバイス20内で冷却して、成形済みガラス30bの粘度を上昇させる。ステップ130では、1つ以上の牽引装置62a、62bを用いて、成形済みガラス30bをシート成形デバイス20から搬送する。ステップ140では、以下で更に説明される加熱デバイス50を用いて、成形済みガラス30bを体積加熱する。更にステップ150では、再加熱された成形済みガラス30bを、成形済みガラス30bの幅22未満の幅32、及び厚さ34を有するガラスリボン30cへとドロー加工する。更にステップ160では、ガラスリボン30cを環境温度まで冷却する。本明細書中で使用される場合、ガラスリボン30cの幅32及び厚さ34は、冷却後に測定される。よってガラスリボン30cは、ガラスリボン30cの冷却後に、成形済みガラス30bの幅22未満の幅32を有する。
【0023】
ガラス30(即ち溶融ガラス30a、成形済みガラス30b、及びガラスリボン30c)は、ホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、フッケイ酸ガラス、リンケイ酸ガラス、フツリン酸ガラス、硫黄リン酸ガラス、ゲルマン酸ガラス、バナジン酸ガラス、ホウ酸ガラス、リン酸ガラス、チタンドープシリカガラス等を含んでよい。更にガラス30は、拡張現実用途のディスプレイガラスといった光学部品に好適な光学特性(例えば透過率、屈折率、熱膨張係数等)を備える。一例として、ガラス30の組成は:40.2モル%のSiO;2.4モル%のB;11.3モル%のLiO;22.9モル%のCaO;5.4モル%のLa;3.8モル%のZrO;4.8モル%のNb;及び9.3モル%のTiOを含んでよい。別の例として、ガラス30の組成は:42.7モル%のSiO;3.9モル%のB;4.7モル%のBaO;26.6モル%のCaO;4.5モル%のLa;2.2モル%のZrO;6.1モル%のNb;及び9.3モル%のTiOを含んでよい。
【0024】
ガラス30は、1.5~2.1、例えば1.6~2.0、1.6~1.9、1.65~1.9、1.7~1.85、又は1.6~1.8、例えば1.5、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、2、2.1、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限として有するいずれの非制限的範囲内の屈折率を有する、ガラス組成に由来するものであってよい。ガラス30は、50000ポアズ以下、例えば50000ポアズ~1ポアズ、5×10ポアズ以下、1×10ポアズ以下、5×10ポアズ以下、1×10ポアズ以下、5×10ポアズ以下、1×10ポアズ以下、5×10ポアズ以下、100ポアズ以下、50ポアズ以下、40ポアズ以下、30ポアズ以下、20ポアズ以下、10ポアズ以下、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内の、上限液相粘度を有してよい。
【0025】
図2~5を参照すると、上述のようにガラス成形システム10は、溶融装置15、(図4に断面図が示されている)シート成形デバイス20、牽引装置62a、62b、及び加熱デバイス50を備える。ガラス成形システム10は縁部ローラ60a、60bも備え、これらはドロー加工プロセス中に成形済みガラス30bに牽引力を印加する。ガラス30はドロー経路11に沿ってガラス成形システム10内を移動する。ドロー経路11は、第2の側部11bの反対側の第1の側部11a(これらはそれぞれ図2に示されている)、及び第2の縁部11dの反対側の第1の縁部11c(これらはそれぞれ図3に示されている)を含む。ガラス30がドロー経路11に沿って移動しているとき、ドロー経路11の第1の側部11aはガラス30の第1の大面36a(第1の外面)に面し、ドロー経路11の第2の側部11bはガラス30の第2の大面36b(第2の外面)に面し、ドロー経路11の第1の縁部11cはガラス30の第1の縁部表面38a(第3の外面)に面し、ドロー経路11の第2の縁部11dはガラス30の第2の縁部表面38b(第4の外面)に面する。
【0026】
図2及び3に示されているように、シート成形デバイス20は溶融装置15の下流に配置され、従って動作時、溶融ガラス30aは溶融装置15からドロー経路11に沿ってシート成形デバイス20に流れ込む。シート成形デバイス20は様々な構成を取ることができ、例えば当業者には理解されるように、追加の冷却能力を備える又は備えない、様々な材料製のものとすることができると考えられるが、これは、シート成形デバイス20が(成形済みガラス30bになる)溶融ガラス30aを、その失透ゾーンを通過するように冷却できることを条件とする。いくつかの実施形態では、シート成形デバイス20の幅は、100mm~5m、例えば200mm~5m、250mm~5m、300mm~5m、350mm~5m、400mm~5m、450mm~5m、500mm~5m、100mm~4m、100mm~3m、100mm~2m、100mm~1m、100mm~0.9m、100mm~0.8m、100mm~0.7m、100mm~0.6m、100mm~0.5m、例えば100mm、250mm、500mm、750mm、1m、2m、5m、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限として有するいずれの非制限的範囲内である。いくつかの実施形態では、シート成形デバイス20の厚さは、1mm~500mm、例えば2mm~250mm、5mm~100mm、10mm~50mm等、例えば1mm以上、2mm以上、3mm以上、4mm以上、5mm以上、7mm以上、8mm以上、9mm以上、10mm以上、15mm以上、20mm以上、25mm以上、30mm以上、35mm以上、40mm以上、45mm以上、50mm以上、500mmまでのいずれの厚さ、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内である。更に、成形済みガラス30bの幅22はシート成形デバイス20の幅であってよく、成形済みガラス30bの厚さ24はシート成形デバイス20の厚さであってよい。
【0027】
シート成形デバイス20内に位置決めされた成形済みガラス30bを示すために、シート成形デバイス20は図2及び3に概略図で示されているが、図4に示されているように、成形済みガラス30bがシート成形デバイス20を通って移動できるようにシート成形デバイス20が開いた端部を有しながら、シート成形デバイス20の側部が連続した構造を形成することを理解されたい。
【0028】
いくつかの実施形態では、シート成形デバイス20は鋳造装置を含む。しかしながら、シート成形デバイス20を例えばフュージョンドローデバイス又は圧延デバイスに置き換えることも考えることができる。従って以下で説明されるように、加熱デバイス50はシート成形デバイス20と共に使用されるものに限定されず、他の公知のガラスドローデバイス及びシステムと共に使用してもよい。
【0029】
再び図2及び3を参照すると、加熱デバイス50は、ドロー経路11に沿ってシート成形デバイス20から下流に配置された、ビーム出口52を備える。ビーム出口52は、電磁放射によって、ドロー経路11に沿って搬送されるガラスを体積加熱するよう構成される。本明細書中で使用される場合、「体積加熱(volumetric heating)」は、材料(例えばガラス30)の体積の、電磁放射が該材料の体積全体にわたって均一に侵入するような加熱を指す。よって体積加熱は、材料の本体内にエネルギを均一に送達する。対照的に、従来の伝導及び対流加熱は、材料の表面温度加熱に依存する。従って従来の伝導及び対流加熱では、(ガラス30等の)材料の表面温度が、材料の内部よりもはるかに迅速に上昇する。
【0030】
上述のように、加熱デバイス50は、電磁放射を用いて成形済みガラス30bを体積加熱する電磁加熱デバイスである。いくつかの実施形態では、電磁放射はマイクロ波であってよく、従って加熱デバイス50はジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスである。他の実施形態では、電磁放射は赤外線波であってよく、従って加熱デバイス50は赤外線加熱デバイスである。電磁放射を可視光、紫外光、又はガラス30の体積を加熱するよう構成された他のいずれの放射とすることも考えられる。
【0031】
いくつかの実施形態では、加熱デバイス50は、高出力リニアビーム真空管を備え、これは、強磁場中の電子のサイクロトロン共鳴により、ミリメートル波電磁波を発生させる。いくつかの実施形態では、加熱デバイス50によって生成される電磁放射はマイクロ波ビーム54を含み、加熱デバイス50はこのマイクロ波ビーム54を、ビーム出口52から成形済みガラス30bの大面、例えばガラス30の第1の大面36a又は第2の大面36bに向かって外向きに配向する。図2に示されているように、ビーム出口52はドロー経路11の第2の側部11bに配置され、従ってビーム出口52はマイクロ波ビーム54を第2の大面36bに向かって配向するが、ビーム出口52をドロー経路11の第1の側部11aに配置してもよいことを理解されたい。図5にも示されているように、マイクロ波ビーム54は、加熱デバイス50によって縞形状に集中させることができる。いくつかの例では、マイクロ波ビーム54の断面は、加熱時間の短縮及び加熱速度の加速を促進するための、シート成形デバイス20の幅以上の幅、及び長さを備える。
【0032】
加熱デバイス50によって生成される電磁放射は、約1×10W/m以上、約1×10W/m以上、約2×10W/m以上、約3×10W/m以上、約4×10W/m以上、約5×10W/m以上、約6×10W/m以上、約7×10W/m以上、約8×10W/m以上、約9×10W/m以上、約1×10W/m以上、約1×10W/m以上、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内の電力強度、例えば約1×10W/m~約1×10W/m、約2×10W/m~約9×10W/m、又は約6×10W/m~約8×10W/mの範囲内の電力強度を有してよい。更に、加熱デバイス50によって生成される電磁放射は、約5GHz~約500GHz、約5GHz~約400GHz、約5GHz~約300GHz、約10GHz~約300GHz、約10GHz~約200GHz、約25GHz~約200GHz、約28GHz~約300GHz、約50GHz~約200GHz、例えば約5GHz、約25GHz、約50GHz、約75GHz、約100GHz、約150GHz、約200GHz、約300GHz、約400GHz、約500GHz、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限として有するいずれの非制限的範囲内の周波数を有してよい。
【0033】
図2には単一の加熱デバイス50が図示されているが、2つ以上の加熱デバイスを使用してもよいと考えられる。例えばガラス成形システム10は、ドロー経路11の第1の側部11aに配置されたビーム出口を有する第1の加熱デバイスと、ドロー経路11の第2の側部11bに配置されたビーム出口を有する第2の加熱デバイスとを備えてよい。この実施形態では、電磁放射(例えばマイクロ波ビーム54)を、成形済みガラス30bの第1の大面36a及び第2の大面36bの両方に向かって配向できる。
【0034】
再び図2及び3を参照すると、ガラス成形システム10は更に、制御構造56を含んでよく、これは、吸収デバイス57、遮蔽デバイス58、又はこれら両方を備える。例えば図2及び3に示されている実施形態では、制御構造56は、遮蔽デバイス58に取り囲まれた吸収デバイス57を備える。いくつかの実施形態では、遮蔽デバイス58は、マイクロ波の漏れ等の電磁波の漏れを低減及び/又は防止するために、ステンレス鋼等の金属材料で構成される。吸収デバイス57は例えば、炭素ベースのフォーム状吸収材、ウォータージャケット、又はこれらの組み合わせで構成されていてよく、これによってマイクロ波の漏れ等のいかなる電磁波の漏れも低減及び/又は防止する。更に、加熱デバイス50のビーム出口52は制御構造56内へと延在してよく、これによって例えば、マイクロ波ビーム54が制御構造56内に内包され、これはドロー経路11へのマイクロ波ビーム54の配向を補助し、ドロー経路11からの制御構造56外への電磁波の伝播を最小限に抑える。例えば制御構造56は孔を備えてよく、ビーム出口52はこの孔の中へと(又はこの孔を通って)延在するか、又はその他の様式で連結される。
【0035】
制御構造56内に位置決めされた成形済みガラス30bを示すために、制御構造56は図2及び3に概略図で示されている。しかしながら、成形済みガラス30bが制御構造56を通って流れることができるように制御構造56が開いた端部を有しながら、制御構造56の側部が連続した構造を形成してよいことを理解されたい。
【0036】
図2及び3に示されているように、ガラス成形システム10のいくつかの実施形態は、加熱ステップ140を支援できる1つ以上の二次加熱デバイス55を備える。二次加熱デバイス55は、ドロー経路11に沿ってビーム出口52の上流に配置されていてよい。例えば二次加熱デバイス55は、ドロー経路11の第1の側部11a及び第2の側部11bに沿って配置されていてよい。複数の二次加熱デバイス55は、1つ以上の伝導ヒータ、対流式ヒータ、赤外線ヒータ、抵抗ヒータ、誘導ヒータ、火炎ヒータ等を含んでよい。二次加熱デバイス55は、加熱デバイス50による体積加熱中に成形済みガラス30bを同時に加熱するよう構成される。
【0037】
更に、縁部ローラ60a、60bが加熱デバイス50のビーム出口52の下流に配置される。縁部ローラ60aはドロー経路11の第1の側部11aに配置され、縁部ローラ60bはドロー経路11の第2の側部11bに配置される。動作時、縁部ローラ60aは成形済みガラス30bの第1の大面36aに係合し、縁部ローラ60bは成形済みガラス30bの第2の大面36bに係合し、縁部ローラ60a、60bは共に回転して、成形済みガラス30bに牽引力を印加することにより、成形済みガラス30bをガラスリボン30cへとドロー加工する。
【0038】
牽引装置62a、62bは、シート成形デバイス20とビーム出口52との間に配置される。図2に示されているように、牽引装置62a、62bは、シート成形デバイス20を通って移動してシート成形デバイス20を出る際の、成形済みガラス30bの速度を制御するためのローラを含む。
【0039】
ここで図2及び3を参照すると、いくつかの実施形態では、溶融装置15は、溶融装置の出口4が、溶融ガラス30aが溶融装置15を出る際に溶融ガラス30aを分配するオリフィス4aであるような、溶融器で構成される。オリフィス4aは、5m以下であってよい最大寸法12を有する。オリフィス4aの最大寸法12は、シート成形デバイス20の幅以下とすることができる。溶融装置15から流出する溶融ガラス30aの粘度に応じて、シート成形デバイス20の幅は、オリフィス4aの最大寸法12と同一であるか又はこれより小さな幅を有することができる。従って、オリフィス4aの最大寸法12はシート成形デバイス20の幅以下とすることができる。他の実施形態では、例えば上限液相粘度が比較的低い(例えば5ポアズ~50000ポアズである)溶融ガラス30aの組成に関して、オリフィス4aの最大寸法12はシート成形デバイス20の幅より大きくすることができる。特に、溶融した直後のこれらのガラス(即ち溶融ガラス30a)は、溶融装置15のオリフィス4aを出る際に「細くなる(neck)」ことができ、これによって上記ガラスは、溶融装置15のオリフィス4aの最大寸法12未満の寸法の幅を有するシート成形デバイス20内へと流れ込むことができる。他の実施形態では、シート成形デバイス20の幅は、出口4の最大寸法12以上であってよい。
【0040】
ここで図1~5を参照して、方法100を詳細に説明する。ステップ110では、溶融装置15は、出口4を介して、溶融ガラス30aをシート成形デバイス20へと送達できる。ステップ110の間、溶融ガラス30aは、約1000℃以上の温度で、例えば約1000℃~約1500℃、例えば約1000℃~約1400℃、約1000℃~約1300℃、約1000℃~約1250℃、約1000℃~約1200℃、約1000℃~約1150℃、例えば約1000℃、約1050℃、約1100℃、約1150℃、約1200℃、約1300℃、約1400℃、約1500℃、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限として有するいずれの非制限的範囲内の温度で、溶融装置15から流出する。更に溶融ガラス30aは、溶融装置15から流出する際に、約10ポアズ~約100,000ポアズ、例えば約10ポアズ~約50,000ポアズ、例えば約5×10ポアズ以下、約1×10ポアズ以下、約5×10ポアズ以下、約1×10ポアズ以下、約5×10ポアズ以下、約100ポアズ以下、約50ポアズ以下、約40ポアズ以下、約30ポアズ以下、約20ポアズ以下、約10ポアズ以下、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内の粘度を有してよい。
【0041】
次にステップ120は、シート成形デバイス20内の溶融ガラス30aを冷却して成形済みガラス30bを形成するステップを含む。理論によって束縛されることを意図したものではないが、溶融ガラス30aを成形済みガラス30bへと冷却するステップによって、成形済みガラス30b内、従ってガラスリボン30c内での結晶の形成が最小限に抑えられる。シート成形デバイス20は溶融ガラス30aを、約10ポアズ以上、例えば約5×10ポアズ以上、約10ポアズ以上、約5×10ポアズ以上、約1010ポアズ以上、約5×1010ポアズ、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内の粘度を有する成形済みガラス30bへと冷却する。更に、シート成形デバイス20は、約50℃以上、又は約100℃以上、又は約150℃以上、又は約200℃以上、又は約250℃以上、又は約300℃以上、又は約350℃以上、又は約400℃以上、又は約450℃以上、又は約500℃以上、又は約550℃以上、又は約600℃以上、又は約650℃以上、又は約700℃以上、及びこれらの最小閾値レベルの間の全ての温度値、例えば約50℃~約1500℃、約200℃~約1400℃、約400℃~約1200℃、約600℃~約1150℃、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限として有するいずれの非制限的範囲内の温度の成形済みガラス30bへと、溶融ガラス30aを冷却する。冷却ステップ120は、成形済みガラス30bが50℃未満に下がらないことが保証されるような様式で実施され、これによって方法100は、後続の搬送ステップ130、加熱ステップ140、及びドロー加工ステップ150のそれぞれの間に行われる追加の加熱を考慮した場合に連続的なものとなり続けることができることが保証される。更にシート成形デバイス20は溶融ガラス30aを、成形済みガラス30bに関する臨界冷却速度以上(かつ50℃以上)の温度を有する成形済みガラス30bへと冷却する。
【0042】
シート成形デバイス20内の成形済みガラス30bを冷却する際、いずれの結晶相の最高成長速度は、ガラス30の上限液相粘度から下限液相粘度まで(本明細書では「失透ゾーン」とも呼ばれる)において10μm/分以下、例えば9μm/分以下、8μm/分以下、7μm/分以下、6μm/分以下、5μm/分以下、4μm/分以下、3μm/分以下、2μm/分以下、1μm/分以下、0.5μm/分以下、0.1μm/分以下、0.01μm/分以下、例えば0.01μm/分~10μm/分、0.01μm/分~5μm/分、0.01μm/分~2μm/分、0.01μm/分~1μm/分、0.1μm/分~1μm/分、0.01μm/分~0.5μm/分、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを上限として有するいずれの非制限的範囲内である。
【0043】
引き続き図1~5を参照すると、搬送ステップ130中に、成形済みガラス30bは牽引装置62a、62bを用いてシート成形デバイス20から搬送される。動作時、成形済みガラス30bをステップ130中に、牽引装置62a、62bによって、シート成形デバイス20の端部から加熱デバイス50及び縁部ローラ60a、60bに向かって移動させることができるか、又はその他の様式で搬送できる。動作時、牽引装置62a、62bは、成形済みガラス30bの速度を、成形済みガラス30bの流量の変動が1%未満となるように制御できる。いくつかの実施形態では、シート成形デバイス20から搬送される際、成形済みガラス30bは、約1mm以上、約1.5mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約8mm以上、約10mm以上、約12mm以上、約15mm以上、約20mm以上、約25mm以上等、例えば約1mm~約30mm、約2mm~約25mm、約5mm~約20mm、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限として有するいずれの非制限的範囲内の厚さを有する。
【0044】
引き続き図1~5を参照すると、加熱ステップ140は、加熱デバイス50を用いて成形済みガラス30bを体積加熱するステップを含む。いくつかの実施形態では、加熱ステップ140は、加熱デバイス50を用いて成形済みガラス30bを体積加熱するステップと、1つ以上の二次加熱デバイス55を用いて成形済みガラスを加熱するステップとを含む。以下で更に説明されるように、加熱ステップ140が、加熱デバイス50及び/又は二次加熱デバイス55で成形済みガラスを加熱しながら、成形済みガラス30bの1つ以上の部分を冷却するステップを含むことも考えられる。
【0045】
図5は、体積加熱されている成形済みガラス30bの一部分を示す。上述のように、成形済みガラス30bは、第1の大面36a及び第2の大面36bを備える。第1の大面36aは第2の大面36bの反対側であり、従ってガラス本体35は、第1の大面36aから第2の大面36bまで延在する。更に、中央領域37は、ガラス本体35内において第1の大面36a及び第2の大面36bから等距離に配置される。加熱ステップ140は体積加熱に依存するものであるため、成形済みガラス30bの中央領域37は、成形済みガラス30bの第1の大面36a及び第2の大面36bと均等に、又はこれらより迅速に加熱される。従って以下で更に説明されるように、成形済みガラス30bの中央領域37の温度は、成形済みガラス30bの第1の大面36aの温度及び成形済みガラス30bの第2の大面36bの温度以上となる。
【0046】
図5に示されているように、ガラス本体35は、比較的大きな厚さ(厚さA)を有する第1の部分35aと、比較的小さな厚さ(厚さB)を有する第2の部分35bとを備える。従って、第1の部分35aは第2の部分35bよりも大きな厚さを有する(即ちA>B)。第1の部分35a及び2の部分35bは、同一の幅を有してよい。ガラス本体35がその幅に沿って、1つ以上の第1の部分35a及び/又は第2の部分35bを備える場合も考えられる。1つ以上の第1の部分35aは互いに異なる厚さを有してよく、また1つ以上の第2の部分35bは互いに異なる厚さを有してよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1の部分35a及び第2の部分35bの平均厚さはそれぞれ、約1.0mm~約35.0mm、又は約10.0mm~約28.0mm、又は約12.0mm~約26.0mmの範囲内であり、ただし第1の部分35aは第2の部分35bより大きな平均厚さを有するようにする。例えば、第1の部分35aは12.5mmの平均厚さを有し、第2の部分35bは12.0mmの平均厚さを有する。別の例では、第1の部分35aは25.1mmの平均厚さを有し、第2の部分35bは25.0mmの平均厚さを有する。
【0048】
理論によって束縛されることを意図したものではないが、加熱デバイス50を用いたガラス本体35の体積加熱により、比較的厚い第1の部分35aは、その比較的大きなサイズによって、比較的薄い第2の部分35bに比べて、より多くの電磁放射を吸収して保持する。従ってガラス本体30の体積加熱により、ガラス本体35の内部温度(例えば中央領域37に沿った温度)は、第2の部分35bよりも第1の部分35aにおいて高くなる。よって、第1の部分35aにおける中央領域37の温度は、第2の部分35bにおける中央領域37の温度より高い。第1の部分35aの内部温度が上昇すると、第1の部分35aのガラスの平均粘度は、第2の部分35bのガラスに比べて低下し、従って第1の部分35aは第2の部分35bよりも高い伸長率でドロー加工される。より具体的には、以下で更に説明されるように、第1の部分35aが第2の部分35bよりも低い平均粘度を有するため、縁部ローラ60a、60bによるドロー加工時に、第1の部分35aは第2の部分35bよりも高い伸長率でドロー加工される。従って第1の部分35aを、第2の部分35bと同一の所望の厚さまで引き伸ばすことができ、これによって均一なガラス厚さを生成できる。
【0049】
例えば体積加熱中、第1の部分35aにおける中央領域37の温度は、第2の部分35bにおける中央領域37の温度より約2%以上、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、又は約30%以上高い。いくつかの実施形態では、体積加熱中、第1の部分35aにおける中央領域37の温度は、約670℃以上、約680℃以上、約690℃以上、約700℃以上、約710℃以上、約720℃以上、約730℃以上、約740℃以上、約750℃以上、約760℃以上、約770℃以上、約780℃以上、約790℃以上、約800℃以上、約810℃以上、約820℃、約830℃以上、約840℃以上、約850℃以上、約860℃以上、約870℃以上、約880℃以上、約890℃以上、又は約900℃以上、例えば約670℃~約900℃、約700℃~約900℃、約700℃~約875℃、約700℃~約850℃、約720℃~約820℃、約720℃~約800℃、約720℃~約775℃、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限として有するいずれの非制限的範囲内である。更に、又はあるいは、体積加熱中、第2の部分における中央領域37の温度は、約760℃以下、約750℃以下、約740℃以下、約720℃以下、約710℃以下、約700℃以下、約690℃以下、約680℃以下、約670℃以下、約660℃以下、又は約650℃以下、例えば約680℃~約740℃、約690℃~約720℃、又は約700℃~約720℃である。
【0050】
上述のように、成形済みガラス30bの体積加熱により、第1の部分35aにおける中央領域37は、第2の部分35bにおける中央領域37よりも高い温度を有する。しかしながらいくつかの実施形態では、この体積加熱により、例えば第1の大面36a又は第2の大面36bが、第2の部分35bにおいてよりも第1の部分35aにおいて高い温度を有するようになる場合も考えられる。従って、第1の部分35a及び第2の部分35bにおける最高の温度は、必ずしも中央領域37に沿った位置でなくてもよい。
【0051】
更に体積加熱中、成形済みガラス30bは、第1の部分35aの平均粘度の、第2の部分35bに対する比が、約0.1~約0.8、約0.2~約0.7、約0.3~約0.6、約0.4~約0.5の範囲内となるように加熱される。いくつかの実施形態では、第1の部分35aは、約10ポアズ以下、約10ポアズ以下、約5×10ポアズ以下、約10ポアズ以下、約5×10ポアズ以下、約10ポアズ以下、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内の平均粘度まで加熱される。いくつかの実施形態では、第1の部分35aにおける中央領域37の平均粘度は、約50キロポアズ~約10ポアズの範囲内である。
【0052】
体積加熱中、成形済みガラス30bの第2の部分35bは、約10ポアズ以下、約10ポアズ以下、約10ポアズ以下、約5×10ポアズ以下、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内の平均粘度まで加熱される。
【0053】
上述のように、加熱デバイス50は、第1の部分35aが第2の部分35bよりも高い温度となるように、成形済みガラス30bを体積加熱し、これにより第1の部分35aは、第2の部分35bより高い伸長率でドロー加工される。いくつかの実施形態では、第1の部分35aの伸長率は、第2の部分35bの伸長率より約2倍以上、約3倍以上、約4倍以上、又は約5倍以上高い。
【0054】
ドロー加工されたガラスリボン30cの均一な厚さを提供するために、加熱デバイス50からの体積加熱に加えて、成形済みガラス30bを冷却する場合も考えられる。例えば成形済みガラス30bの第2の部分35bを冷却することにより、その平均粘度を上昇させてよい。このような冷却は、放射又は対流冷却によって提供できる。いくつかの実施形態では、体積加熱を全く実施せずに成形済みガラス30bを冷却して、成形済みガラス30bの1つ以上の部分(例えば第2の部分35b)の平均粘度を上昇させてよい。従ってこれらの部分は、成形済みガラス30bの残りの部分より低い伸長率でドロー加工されることになり、これにより、均一にドロー加工されたガラスリボン30cが提供される。
【0055】
図6は、時間の関数としての、例示的な成形済みガラスの厚さにわたる温度プロファイルを示す。この例示的な成形済みガラスは、25mmの平均厚さを有し、電力強度1×10W/mの加熱デバイス50を用いて600秒の合計時間にわたって体積加熱された。体積加熱中、この例示的な成形済みガラスは、600℃の炉内でも加熱された。大面における、及びガラスの厚さ全体にわたるガラスの温度を決定する(即ちガラスの体積温度分布を決定する)ためには、熱電対を使用してもよいが、図6に示されている温度プロファイルは、数学的モデル化の結果から決定された。図6の例示的な成形済みガラスは上述のように、比較的厚い部分と比較的薄い部分とを備える。
【0056】
図6は、体積加熱中に、ガラスの比較的厚い部分の中央コア領域が、ガラスの比較的厚い部分の外面領域よりも高い温度に達したことを示す。同様に図6は、ガラスの比較的薄い部分の中央コア領域が、ガラスの比較的薄い部分の外面領域よりも高い温度に達したことを示す。従って体積加熱によって、比較的厚い部分及び比較的薄い部分それぞれの中央コア領域は、外面領域より高い温度に到達した。更に、これもまた図6に示されているように、これらの中央コア領域は、外面領域より速い加熱速度を有していた。
【0057】
図6はまた、体積加熱によって、比較的厚い部分の中央コア領域及び外面領域の両方が、比較的薄い部分の中央コア領域又は外面領域より高い温度に到達したことを示す。従って、比較的厚い部分の粘度は比較的薄い部分の粘度より低く、これは上述のように、均一にドロー加工されたガラスの提供に役立つ。
【0058】
理論によって制限されることを意図したものではないが、(成形済みガラス30bのガラスリボン30cへのドロー加工を促進するために)十分に低い粘度に到達できるよう、成形済みガラス30bを十分に高い温度まで加熱する間、結晶化を最小限に抑える、及び/又は防止するために、加熱期間を最小限にすることが有利となり得る。体積加熱は従来の伝導及び対流式加熱技法に比べて、ガラスの温度を迅速に上昇させるため、体積加熱は、本明細書で開示されているように、所望の温度及び粘度に到達するために必要な加熱期間を短縮することを必要とする場合がある。例えば、加熱デバイス50を用いた体積加熱中、第1の部分35aにおける成形済みガラス30bの温度は、約5℃/秒以上、約10℃/秒以上、約15℃/秒以上、約20℃/秒以上、約30℃/秒以上、約40℃/秒以上、約50℃/秒以上、約60℃/秒以上、約70℃/秒以上、約80℃/秒以上、約90℃/秒以上、約100℃/秒以上、例えば約5℃/秒~約100℃/秒、約10℃/秒~約90℃/秒、約20℃/秒~約80℃/秒、約30℃/秒~約80℃/秒、約40℃/秒~約80℃/秒、約50℃/秒~約80℃/秒、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内の平均加熱速度で上昇する。体積加熱中、第2の部分35bの成形済みガラス30bの温度は、第1の部分35aの加熱速度未満の平均加熱速度で上昇し得る。例えば上記平均加熱速度は、第1の部分35aの平均加熱速度より約0.3、又は約0.4、又は約0.5、又は約0.6、又は約0.7、又は約0.8、又は約0.9倍低い。
【0059】
第1の部分35a及び第2の部分35b両方における成形済みガラス30bの中央領域37は、約0.1秒~約30秒、約0.1秒~約20秒、約0.1秒~約10秒、約0.1秒~約7.5秒、約0.5秒~約7.5秒、約1秒の~約7.5秒、約1.5秒~約6秒、約1.5秒~約5秒、約0.5秒~約5秒、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限として有するいずれの非制限的範囲内の加熱期間で、上で開示されている温度まで加熱できる。
【0060】
上述のように、方法100は、比較的厚い部分(即ち第1の部分35a)が、ガラスの比較的薄い部分(即ち第2の部分35b)より高い温度まで加熱され、従って低い平均粘度を有するように、成形済みガラス30bを加熱するステップを含む。第1の部分35aは、粘度が低いため、第2の部分35bより相対的に高い伸長率でドロー加工される。よって、図2に示されているように、成形済みガラス30bを縁部ローラ60a、60bで下方に引っ張ると第1の部分35aは、第2の部分35bより相対的に高い伸長率で、ガラスリボン30cへとドロー加工される。図5に示されているように、第1の部分35aは初め、第2の部分35bより大きな厚さを有する。しかしながら第1の部分35aが第2の部分35bより高い伸長率でドロー加工されることにより、第1の部分35a及び第2の部分35bの両方が、同一の厚さのガラスリボン30cへとドロー加工され、これによって均一なリボンが製造される。換言すれば、成形済みガラス30bを体積加熱によって加熱することにより、第1の部分35aの粘度を第2の部分35bに比べて低下させ、これによってその温度及び伸長率が上昇する。よって第1の部分35aは、第2の部分35bより高い伸長率でドロー加工され、これにより、ドロー加工されたガラスリボン30cにおいて、成形済みガラス30bのいかなる厚さの差も排除される。
【0061】
方法100を用いて形成されたガラスリボン30cは、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、約75μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約10μm以下、約5μm以下、約4μm以下、約3μm以下、約2μm以下、約1μm以下、約0.5μm以下等、例えば約0.01μm~約50μm、約0.01μm~約25μm、約0.01μm~約10μm、約0.01μm~約5μm、約0.01μm~約1μm、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを上限として有するいずれの非制限的範囲内の厚さ変動を有する。更に、方法100を用いて形成されたガラスリボン30cは、約500μm以下、約400μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約10μm以下、約5μm以下、約0.1μm以下、約0.05μm以下等、例えば約0.01μm~約500μm、約0.01μm~約250μm、約0.01μm~約100μm、約0.1μm~約100μm、約0.1μm~約50μm、約0.1μm~約25μm、約0.01μm~約25μm、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを上限として有するいずれの非制限的範囲内の反りを有する。更にガラスリボン30cは、(いずれの後加工の前に測定した場合に)約5μm以下、例えば約4μm以下、約3μm以下、約2μm以下、約1μm以下、約0.75μm以下、約0.5μm以下、約0.25μm以下、約0.1μm以下、約50nm以下、約10nm以下、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを上限として有するいずれの非制限的範囲内の表面粗度(Ra)を有する。
【0062】
上述のように、方法100を用いて形成された成形済みガラス30bは、第1の部分35aにおいて、第2の部分35bより高い伸長率を有する。いくつかの実施形態では、第1の部分35aは第2の部分35bより、事前に定義された値Xだけ厚くてよく、また第1の部分35aの伸長率は第2の部分35bの伸長率より、事前に定義された同じ値Xだけ大きくてよい。例えば事前に定義された値Xは約1%であってよく、従って第1の部分35aは第2の部分35bより1%厚く、また第1の部分35aの伸長率は、第2の部分35bの伸長率より1%だけ高い。他の実施形態では、事前に定義された値Xは、約0.5%~約50%、又は約0.75%~約45%、又は約1.01%~約30%、又は約1.5%~約15%の範囲内である。
【0063】
加熱デバイス50から生成される電磁放射の周波数を、成形済みガラス30bの厚さと相関させることによって、成形済みガラス30bの最適なエネルギ吸収を提供することも考えられる。より具体的には、電磁放射の周波数を、ガラスの選択された部分(例えばガラスの比較的厚い部分)の厚さと略適合して同一となるように選択される。上記周波数がガラスの選択された部分の厚さと適合する場合、ガラスは電磁放射を最適に吸収する。電磁放射の周波数が、ガラスの選択された部分の厚さより大きい又は小さい場合、ガラスは最適な吸収より低い吸収率で電磁放射を吸収する。
【0064】
例えば一実施形態では、ガラスの選択された部分は約2mmの厚さを有し、このガラスに関して最適なエネルギ吸収を提供するためには、電磁放射の周波数は約2mm以下(約56GHz以上)となるように選択される。
【0065】
更に、成形済みガラス30bの加熱プロファイルは、ガラスの用途に応じて調整できる。例えば加熱プロファイルは、ガラスの内部の中央領域又は外面が最高温度に達するように調整できる。成形済みガラス30bの加熱プロファイルに応じて、ガラスは異なる形状のリボンへとドロー加工できる。ここで図7~9を参照すると、グラフ70(図7)、グラフ80(図8)、及びグラフ90(図9)が図示されており、これらはそれぞれ、例示的な成形済みガラスの少なくとも1つの大面に向かって電磁放射を配向する加熱デバイス50を用いて体積加熱されている例示的な成形済みガラスに関する、体積損失密度分布を示す。グラフ70、80、及び90のx軸はそれぞれ、成形済みガラスの2mm厚の部分にわたるガラスの位置を示しており、これらのグラフのy軸はそれぞれ、体積損失密度を示す。ガラスの厚さにわたるある特定の位置における体積損失密度が高いほど、その位置におけるガラスの温度は高くなり、それに対応して粘度も低くなる。上述のように、ガラスの粘度の変更は、ドロー加工されるガラスの伸長率に影響し、これによって、ドロー加工されたガラスの形状(例えば厚さ)を変化させることができる。よって電磁放射の周波数をガラスの厚さに基づいて調整することによって、ドロー加工されたガラスについて所望の形状を達成できる。
【0066】
例えば図7は、非対称な体積損失密度プロファイルが望ましい場合の例を示す。よって図7のグラフでは、電磁放射の波長は、ガラスの選択された部分の厚さの4倍となるように選択される。ガラスの選択された部分の厚さが2mmである場合、例えば電磁放射の周波数λ=4d=8mmであり、これは14GHzの周波数に相当する。図7のグラフ70では、成形済みガラスはその1つの外面領域(グラフの右側)において最高温度に達する。
【0067】
図8は、放物線状の体積損失密度プロファイルが選択された場合の例を示す。よって図8のグラフでは、電磁放射の波長は、ガラスの選択された部分の厚さの2倍となるように選択される。ガラスの選択された部分の厚さが2mmである場合、例えば電磁放射の周波数λ=2d=4mmであり、これは28GHzの周波数に相当する。図8のグラフ80では、成形済みガラスはその2つの外面領域(グラフの右側及び左側)において最高温度に達する。
【0068】
図9は、正弦波状の体積損失密度プロファイルが選択された場合の例を示す。よって図9のグラフでは、電磁放射の波長は、ガラスの選択された部分の厚さと等しくなるように選択される。ガラスの選択された部分の厚さが2mmである場合、例えば電磁放射の周波数λ=d=2mmであり、これは56GHzの周波数に相当する。図9に示されているもののような正弦波状の体積損失密度プロファイルは、成形済みガラスの厚さにわたって連続的にエネルギを印加でき、これによって成形済みガラスの内部に加熱効果を生成する。理論によって束縛されることを意図したものではないが、この正弦波パターンは均一な温度プロファイルを生成し、これは、特に厚い成形済みガラスの体積加熱中に有益である。
【0069】
再び図1~5を参照すると、ドロー加工ステップ150は、例えば加熱デバイス50を用いて成形済みガラス30bを体積加熱している間、デバイス50を用いて成形済みガラス30bを体積加熱した後、又はこれら両方において、成形済みガラス30bをガラスリボン30cへとドロー加工するステップを含む。成形済みガラス30bは、縁部ローラ60a、60bを用いてガラスリボン30cへとドロー加工できる。いくつかの実施形態では、成形済みガラス30bは、シート成形デバイス20の幅以下の幅32、及びシート成形デバイス20の厚さ未満の厚さ34を有するガラスリボン30cへとドロー加工される。方法100は更に、ガラスリボン30cを環境温度まで冷却する冷却ステップ160を含む。ガラスリボン30cを冷却するステップ160は、外部冷却を用いて又は用いずに実施できる。いくつかの実施形態では、縁部ローラ60a、60bは、冷却ステップ160内の冷却の一部又は全てを実施するための冷却機能を含むことができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、ガラスリボン30cの幅32は、約10mm~約5mm、約20mm~約5mm、約30mm~約5mm、約40mm~約5mm、約50mm~約5mm、約100mm~約5mm、約200mm~約5mm、約250mm~約5mm、約300mm~約5mm、約350mm~約5mm、約400mm~約5mm、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限レベルとして有するいずれの非制限的範囲内である。いくつかの実施形態では、厚さ34は、約0.1mm~約2mm、例えば約0.2mm~約1.5mm、約0.3mm~約1mm、約0.3~約0.9mm、約0.3~約0.8mm、約0.3~約0.7mm、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限として有するいずれの非制限的範囲内である。
【0071】
再び図3を参照すると、ガラスリボン30cを冷却した後に、ガラスリボン30cをウェハ40へと分割できる。ウェハ40は、ガラスリボン30cの幅32と同等からガラスリボン30cの幅32の50%までの範囲の最大寸法(例えば直径、幅、又は他の最大寸法)を有する。例えばウェハ40は、約2mm以下の厚さ、及び約100mm~約500mmの最大寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、ウェハ40は、約1mm以下の厚さ、及び約150mm~約300mmの最大寸法を有する。ウェハ40は、約1mm~約50mm、又は約1mm~約25mmの範囲の厚さを有することもできる。ウェハ40は、約25mm~約300mm、約50mm~約250mm、約50mm~約200mm、又は約100mm~約200mmの範囲の最大寸法を有することもできる。方法100に従って形成されたウェハ40は、追加の表面研磨を全く行わない場合、ガラスリボン30cに関して既に概説したものと同一の厚さ変動レベル、表面粗度、及び/又は反りレベルを示すことができる。いくつかの実施形態では、ウェハ40を研削及び研磨に供することによって、例えば拡張現実用途のディスプレイガラスである最終製品の最終的な寸法を得ることができる。ウェハ40は図3ではディスクとして図示されているが、ウェハ40は、正方形、長方形、円形、楕円形等を含むがこれらに限定されない多様な形状のうちのいずれを有してよいことを理解されたい。
【0072】
以上の説明を考慮すると、本明細書に記載の連続鋳造及びドロー加工法を用いて、拡張現実ディスプレイとして有用なガラス組成物等の、低粘度のガラス組成物から、ガラスリボンを形成できることが理解されるはずである。本明細書に記載の連続鋳造及びドロー加工方法は、溶融ガラスをシート成形デバイスに流し込んで成形済みガラスを形成するステップ、上記成形済みガラスを上記シート成形デバイス内で冷却するステップ、上記成形済みガラスを上記シート成形デバイスから搬送するステップ、及び成形済みガラスを加熱して、薄いガラスリボンへとドロー加工するステップを含む。特に、本明細書中の方法は、成形済みガラスがシート成形デバイスを出た後、及び成形済みガラスを薄いガラスリボンへとドロー加工する前に、加熱デバイスを用いて成形済みガラスを高速で体積加熱することにより、ガラス内での欠陥の形成を最小限に抑える。本明細書に記載の連続鋳造及びドロー加工法によって、均一性が向上し、かつ最小限の欠陥しか有さない拡張現実用途のためのディスプレイガラス等の、低粘度のガラスから作製される光学部品を、これまでのガラス成形方法と比較した場合に低コストで、大量生産できる。
【0073】
本明細書中で使用される場合、用語「約(about)」は、量、サイズ、処方、パラメータ、並びに他の量及び特徴が、正確ではなくかつ正確である必要がないものの、必要に応じて許容誤差、換算係数、丸め、測定誤差等、及び当業者に公知のその他の因子を反映した、おおよそのもの、及び/又は大きい若しくは小さいものであってよいことを意味している。用語「約」がある値又はある範囲のある端点を記述する際に使用される場合、言及された具体的な値又は端点は含まれる。本明細書中の数値又は範囲の端点が「約」として記載されているかどうかにかかわらず、2つの実施形態、即ち:「約」で修飾された実施形態、及び「約」で修飾されていない実施形態が記述される。更に、各範囲の端点は、他の端点との関連においても、他の端点とは独立したものとしても、重要であることが理解されるだろう。
【0074】
本明細書中で使用される、方向に関する用語、例えば「上(up)」、「下(down)」、「右(right)」、「左(left)」、「前(front)」、「後(back)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」は、図面に描画された状態を参照して使用されているだけのものであり、絶対的な配向を含意することを意図したものではない。
【0075】
特段の記載がない限り、本明細書に記載のいずれの方法が、そのステップを特定の順序で実施することを必要とするものとして、又はいずれの装置が具体的な配向を必要とするものとして解釈されることは、全く意図されていない。従って、方法クレームが、その複数のステップが従うべき順序を実際に記載していない場合、あるいはいずれの装置クレームが、個々の構成部品に対して順序又は配向を実際に記載していない場合、あるいは特許請求の範囲若しくは明細書において、これらのステップが特定の順序に限定されるべきであること、又は装置の構成部品の特定の順序若しくは配向が必要となることが、具体的に記載されていない場合、順序又は配向が推定されることは、いかなる点でも一切意図されていない。これは:複数のステップの配置、動作フロー、構成部品の順序、又は構成部品の配向に関する論理の問題;文法的構成又は句読点から導出される明白な意味;及び本明細書に記載の実施形態の個数又はタイプを含む、解釈のためのいずれの非明示的根拠にも当てはまる。
【0076】
本明細書で使用される場合、単数形「ある(a、an)」及び「上記、その(the)」は、文脈上そうでないことが明らかでない限り、複数の指示対象を含む。従って例えば、「ある」構成部品に対する言及は、文脈上そうでないことが明らかでない限り、2つ以上のこのような構成部品を有する態様も含む。
【0077】
請求対象の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態に対して様々な修正及び変更を実施できることは、当業者には明らかであろう。従って、本明細書は、本明細書に記載の様々な実施形態の修正及び変更が、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある限りにおいて、このような修正及び変更を包含することを意図している。
【0078】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0079】
実施形態1
ガラスリボンを形成する方法であって、上記方法は:
溶融ガラスをシート成形デバイスに流し込んで成形済みガラスを形成するステップであって、上記成形済みガラスは第1の部分及び第2の部分を有し、上記第1の部分は上記第2の部分より大きな厚さを有する、ステップ;
上記第1の部分が上記第2の部分より低い平均粘度を有するように、電磁加熱デバイスを用いて上記成形済みガラスを体積加熱するステップ;並びに
上記第1の部分が上記第2の部分より高い伸長率でドロー加工されるように、上記成形済みガラスをガラスリボンへとドロー加工するステップ
を含む、方法。
【0080】
実施形態2
上記第1の部分の平均粘度の、上記第2の部分の平均粘度に対する比が、約0.1~約0.8の範囲内となるように、上記電磁加熱デバイスを用いて上記成形済みガラスを体積加熱するステップを更に含む、実施形態1に記載の方法。
【0081】
実施形態3
上記第1の部分の上記平均粘度が50キロポアズ~10ポアズの範囲内となるように、上記電磁加熱デバイスを用いて上記成形済みガラスを体積加熱するステップを更に含む、実施形態1又は2に記載の方法。
【0082】
実施形態4
上記第1の部分の上記厚さは、上記第2の部分の上記厚さよりも、事前に定義された値だけ大きく、
上記第1の部分の上記伸長率は、上記第2の部分の上記伸長率よりも、上記事前に定義された値だけ大きい、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0083】
実施形態5
上記成形済みガラスは、第1の外面、第2の外面、並びに上記第1の外面及び上記第2の外面から等距離に配置された中央領域を備え、
上記成形済みガラスを体積加熱する上記ステップの間、上記成形済みガラスの上記第1の部分における上記中央領域の温度は、上記成形済みガラスの上記第1の部分における上記第1の外面の温度より高く、また上記成形済みガラスの上記第1の部分における上記第2の外面の温度より高い、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
実施形態6
上記成形済みガラスを体積加熱する上記ステップの間に、上記成形済みガラスの上記第1の部分における上記中央領域を、約720℃~約820℃の範囲内の温度まで加熱するステップを更に含む、実施形態5に記載の方法。
【0085】
実施形態7
上記成形済みガラスを体積加熱する上記ステップの間に、上記第1の部分の平均温度が約15℃/秒以上の加熱速度で上昇するように、上記成形済みガラスを加熱するステップを更に含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
実施形態8
上記成形済みガラスを体積加熱する上記ステップの間に、上記第2の部分の平均温度が、上記第1の部分の上記加熱速度未満の加熱速度で上昇するように、上記成形済みガラスを加熱するステップを更に含む、実施形態7に記載の方法。
【0087】
実施形態9
上記成形済みガラスを体積加熱する上記ステップの間に、上記成形済みガラスを約0.1秒~約30秒の期間にわたって加熱するステップを更に含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0088】
実施形態10
上記溶融ガラスは、ホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、フッケイ酸ガラス、リンケイ酸ガラス、フツリン酸ガラス、硫黄リン酸ガラス、ゲルマン酸ガラス、バナジン酸ガラス、ホウ酸ガラス、リン酸ガラス、又はチタンドープシリカガラスを含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
実施形態11
上記成形済みガラスを体積加熱する上記ステップの間、上記電磁加熱デバイスは、約1×10W/m~約1×10W/mの電力強度を有する電磁放射を生成する、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0090】
実施形態12
上記成形済みガラスを体積加熱する上記ステップの間、上記電磁加熱デバイスは、約5GHz~約500GHzの周波数を有する電磁放射を生成する、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0091】
実施形態13
上記電磁加熱デバイスはジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0092】
実施形態14
上記成形済みガラスを体積加熱する上記ステップの間、上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスは、約28GHz~約300GHzの周波数を有する電磁放射を生成する、実施形態13に記載の方法。
【0093】
実施形態15
上記電磁加熱デバイスは赤外線加熱デバイスである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0094】
実施形態16
上記成形済みガラスの上記第1の部分の厚さは、上記電磁加熱デバイスから生成される電磁放射の周波数に略等しい、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
実施形態17
上記成形済みガラスは、厚さ変動が約50μm以下の上記ガラスリボンへとドロー加工される、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
実施形態18
上記成形済みガラスは、厚さ変動が約10μm以下の上記ガラスリボンへとドロー加工される、実施形態17に記載の方法。
【0097】
実施形態19
上記成形済みガラスは、厚さ変動が約1μm以下の上記ガラスリボンへとドロー加工される、実施形態18に記載の方法。
【0098】
実施形態20
上記成形済みガラスを体積加熱する上記ステップの間に、伝導ヒータ、対流式ヒータ、赤外線ヒータ、抵抗ヒータ、誘導ヒータ、及び火炎ヒータのうちの少なくとも1つを備える二次加熱デバイスを用いて、上記成形済みガラスを加熱するステップを更に含む、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
実施形態21
溶融ガラスを溶融装置から受け取って成形済みガラスを形成するよう構成された、シート成形デバイスであって、上記成形済みガラスは第1の部分及び第2の部分を有し、上記第1の部分は上記第2の部分より大きな厚さを有する、シート成形デバイス;
ドロー経路に沿って上記シート成形デバイスの下流に配置された、電磁加熱デバイスであって、上記電磁加熱デバイスは、上記成形済みガラスの上記第1の部分が上記成形済みガラスの上記第2の部分より低い平均粘度を有するように上記成形済みガラスを体積加熱するよう構成される、電磁加熱デバイス;並びに
上記成形済みガラスをガラスリボンへと、上記成形済みガラスの上記第1の部分の厚さが上記成形済みガラスの上記第2の部分の厚さにほぼ等しくなるようにドロー加工するよう構成された、複数の縁部ローラ
を備える、ガラス成形システム。
【0100】
実施形態22
上記電磁加熱デバイスと同時に上記成形済みガラスを加熱するよう構成された、1つ以上の二次加熱デバイスを更に備える、実施形態21に記載のシステム。
【0101】
実施形態23
上記1つ以上の二次加熱デバイスは、伝導ヒータ、対流式ヒータ、赤外線ヒータ、抵抗ヒータ、誘導ヒータ、及び火炎ヒータのうちの少なくとも1つを備える、実施形態22に記載のシステム。
【0102】
実施形態24
上記電磁加熱デバイスは、約1×10W/m~約1×10W/mの電力強度を有する電磁放射を生成するよう構成される、実施形態21~23のいずれか1つに記載のシステム。
【0103】
実施形態25
上記電磁加熱デバイスは、約5GHz~約500GHzの周波数を有する電磁放射を生成するよう構成される、実施形態21~24のいずれか1つに記載のシステム。
【0104】
実施形態26
上記電磁加熱デバイスはジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスである、実施形態21~25のいずれか1つに記載のシステム。
【0105】
実施形態27
上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスは、約28GHz~約300GHzの周波数を有する電磁放射を生成するよう構成される、実施形態26に記載のシステム。
【0106】
実施形態28
上記電磁加熱デバイスは赤外線加熱デバイスである、実施形態21~25のいずれか1つに記載のシステム。
【符号の説明】
【0107】
4 出口
4a オリフィス
10 ガラス成形システム
11 ドロー経路
11a 第1の側部
11b 第2の側部
11c 第1の縁部
11d 第2の縁部
12 オリフィス4aの最大寸法
15 溶融装置
20 シート成形デバイス
22 成形済みガラス30bの幅
24 成形済みガラス30bの厚さ
30 ガラス
30a 溶融ガラス
30b 成形済みガラス
30c ガラスリボン
32 ガラスリボン30cの幅
34 ガラスリボン30cの厚さ
35 ガラス本体
35a ガラス本体35の第1の部分
35b ガラス本体35の第2の部分
36a 第1の大面、第1の外面
36b 第2の大面、第2の外面
37 中央領域
38a 第1の縁部表面、第3の外面
38b 第2の縁部表面、第4の外面
40 ウェハ
50 加熱デバイス
52 ビーム出口
54 マイクロ波ビーム
55 二次加熱デバイス
56 制御構造
57 吸収デバイス
58 遮蔽デバイス
60a、60b 縁部ローラ
62a、62b 牽引装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】