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  • 特表-センサネットワーク構成 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-22
(54)【発明の名称】センサネットワーク構成
(51)【国際特許分類】
   G08C 19/00 20060101AFI20221115BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20221115BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
G08C19/00 G
G08C17/00 Z
H04Q9/00 301B
H04Q9/00 311J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516383
(86)(22)【出願日】2019-09-19
(85)【翻訳文提出日】2022-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2019075141
(87)【国際公開番号】W WO2021052585
(87)【国際公開日】2021-03-25
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521387811
【氏名又は名称】フラバ ベー.フェー.
【氏名又は名称原語表記】FRABA B.V.
【住所又は居所原語表記】Jan Campertstraat 11,6416 SG Heerlen Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リーザー,クリスチャン
【テーマコード(参考)】
2F073
5K048
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AB01
2F073AB02
2F073AB14
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CD11
2F073DD07
2F073EE11
2F073EF09
2F073FF01
2F073GG01
5K048BA21
5K048BA34
5K048DA02
5K048DB01
5K048DC01
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA36
(57)【要約】
【課題】アクセスが困難な測定点においてもセンサ装置を容易に装着できるセンサネットワーク構成を提供する。
【解決手段】センサ信号を供給するセンサモジュール(24)と、センサ信号を評価し、センサデータを供給する評価ユニット(28)と、第1無線データインタフェース(32)と、を有するセンサ装置(12)と、第2無線データインタフェース(38)と、第1データ格納部(40)と、センサデータを送信する読出データインタフェース(42、44)と、を有する基地局(14)と、を備えるセンサネットワーク構成(10)において、センサ装置には、センサ装置を動作させるための電気エネルギを生成する少なくとも1つのエネルギ発生器(24、34)が設けられ、基地局の第2無線データインタフェースは、任意の時間にセンサ装置の第1無線データインタフェースからセンサデータを受信するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を検出し、対応するセンサ信号を供給するセンサモジュール(24)と、
前記センサ信号を評価し、対応するセンサデータを供給する評価ユニット(28)と、
前記センサデータを無線送信するための第1無線データインタフェース(32)と、
を有する少なくとも1つのセンサ装置(12)と、
前記第1無線データインタフェース(32)により送信された前記センサデータを受信するための第2無線データインタフェース(38)と、
受信した前記センサデータを格納する第1データ格納部(40)と、
格納された前記センサデータを外部読出装置(46、48)へ送信するための少なくとも1つの読出データインタフェース(42、44)と、
を有する基地局(14)と、
を備えるセンサネットワーク構成(10)において、
前記少なくとも1つのセンサ装置(12)には、前記センサ装置(12)を動作させるための電気エネルギを生成する少なくとも1つのエネルギ発生器(24、34)が設けられ、
前記基地局(14)の前記第2無線データインタフェース(38)は、任意の時間に前記少なくとも1つのセンサ装置(12)の前記第1無線データインタフェース(32)からセンサデータを受信すること、
を特徴とするセンサネットワーク構成(10)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサ装置(12)には、前記センサ装置(12)を動作させるための電気エネルギを生成するウィーガンドセンサモジュール(24)が設けられ、前記少なくとも1つのエネルギ発生器は、前記ウィーガンドセンサモジュール(24)によって構成されること、
を特徴とする請求項1に記載のセンサネットワーク構成(10)。
【請求項3】
前記第1無線データインタフェース(32)には、前記センサ装置(12)を動作させるための電気エネルギを生成するエネルギ変換器ユニット(34)が設けられ、前記少なくとも1つのエネルギ発生器は、前記エネルギ変換器ユニット(34)によって構成されること、
を特徴とする先行する請求項のいずれか一項に記載のセンサネットワーク構成(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサ装置(12)には、前記少なくとも1つのエネルギ発生器(24、34)によって生成される電気エネルギを蓄積するエネルギ蓄積部(26)が設けられること、
を特徴とする先行する請求項のいずれか一項に記載のセンサネットワーク構成(10)。
【請求項5】
前記第1無線データインタフェース(32)は、変調後方散乱の原理に従って動作すること、
を特徴とする先行する請求項のいずれか一項に記載のセンサネットワーク構成(10)。
【請求項6】
前記基地局(14)は、前記第1無線データインタフェース(32)による変調対象である予め定められたキャリア無線信号(T)を送出すること、
を特徴とする請求項5に記載のセンサネットワーク構成(10)。
【請求項7】
前記第1無線データインタフェース(32)による変調対象である予め定められたキャリア無線信号(T)を送出する、少なくとも1つの別個の無線送信機(16)が設けられること、
を特徴とする請求項5または6に記載のセンサネットワーク構成(10)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサ装置(12)には、前記センサデータを格納する第2データ格納部(30)が設けられること、
を特徴とする先行する請求項のいずれか一項に記載のセンサネットワーク構成(10)。
【請求項9】
前記基地局(14)には、少なくとも1つの無線読出データインタフェース(44)が設けられること、
を特徴とする先行する請求項のいずれか一項に記載のセンサネットワーク構成(10)。
【請求項10】
前記基地局(14)には、複数の異なる読出データインタフェース(42、44)が設けられること、
を特徴とする先行する請求項のいずれか一項に記載のセンサネットワーク構成(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量を検出し、対応するセンサ信号を供給するセンサモジュールと、センサ信号を評価し、対応するセンサデータを供給する評価ユニットと、センサデータを無線送信するための第1無線データインタフェースと、を有する少なくとも1つのセンサ装置と、第1無線データインタフェースにより送信されたセンサデータを受信するための第2無線データインタフェースと、受信したセンサデータを格納する第1データ格納部と、格納されたセンサデータを外部読出装置へ送信するための少なくとも1つの読出データインタフェースと、を有する基地局と、を備えるセンサネットワーク構成に関する。
【背景技術】
【0002】
上述のセンサネットワーク構成は、例えば、複合産業システムにおいて使用される。この場合、センサネットワーク構成の少なくとも1つのセンサ装置は、例えば、機械シャフトの回転運動や、気体または液体ラインの流量を検出するために使用される。センサネットワーク構成は、一般に、少なくとも1つのセンサ装置を用いて物理量を検出し、記録されたセンサデータを、無線データインタフェースを介して基地局に送信し、基地局において、受信したセンサデータを第1データ格納部に格納するように構成される。基地局の読出データインタフェースは中央アクセスポイントを提供するため、これを介することで、外部読出装置により、少なくとも1つのセンサ装置について、格納されたセンサデータをいつでも読み出すことができる。
【0003】
このようなセンサネットワーク構成は、例えば、US 2007/0210916 A1またはUS 2007/0281758 A1に開示されている。これらに開示のセンサネットワーク構成、特に、センサ装置のデータインタフェースおよび基地局のデータインタフェースは、センサデータの送信が周期的に、すなわち、所定の送信時間で行われるように構成される。しかし、このような構成においては、一般に、基地局および少なくとも1つのセンサ装置の両方に対して、外部電源を設ける必要がある。外部電源を設けることにより、基地局および少なくとも1つのセンサ装置の両方が、それぞれの送信時間において確実にスイッチが入れられるようになり、さらに、無線データインタフェースが送信時間において使用可能なように確実に準備される。この目的のために、開示されたセンサネットワーク構成では、基地局は外部電源に接続され、センサ装置はバッテリを備えている。結果的に、開示されたセンサ装置では、一定の時間間隔でバッテリ交換が必要となることから、例えば機械やシステムの内部のような、アクセスが困難な測定点に容易に取り付けることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0210916号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0281758号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、アクセスが困難な測定点においても少なくとも1つのセンサ装置を容易に装着すること、また、記録されたセンサデータを容易且つ確実に読み出すこと、を可能にするセンサネットワーク構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的は、請求項1に記載の特徴を備えたセンサネットワーク構成によって達成される。
【0007】
本発明によれば、少なくとも1つのセンサ装置には、センサ装置を動作させるための電気エネルギを生成する少なくとも1つのエネルギ発生器が設けられる。少なくとも1つのエネルギ発生器によって電気エネルギが生成されることで、少なくとも一時的に、センサ装置を動作させるために必要なエネルギ全体が十分に供給されるため、センサ装置は、外部からのエネルギの供給なしに動作することができる。このように、本発明によれば、センサ装置を動作させるために外部のエネルギ供給装置との間にケーブル接続を設けたり、交換が必要となるバッテリを備えたりする必要がなく、センサ装置はエネルギ自給式に構成される。エネルギ発生器は、センサ装置の監視対象となる機械やシステムの、少なくともその動作中に、電気エネルギを発生させる。典型的には、エネルギ発生器は、機械的、磁気的、電磁的エネルギを電気エネルギに変換する。エネルギ発生器は、例えば、監視対象となる機械シャフトの回転運動により交流磁界を発生させ、さらに、発生させた交流磁界によって、電気エネルギをセンサ装置内に発生させるように構成することができる。したがって、本発明では、センサ装置を外部とケーブル接続する必要はなく、また、センサ装置を容易にアクセス可能なように取り付ける必要もない。したがって、本発明のセンサネットワーク構成によれば、アクセスが困難な測定点においても、少なくとも1つのセンサ装置を容易にコスト効率良く取り付けることができる。
【0008】
監視対象となる機械やシステムの動作中に、センサ装置のエネルギ発生器により電気エネルギを発生させると、センサ装置はセンサデータを記録し、第1無線データインタフェースを介して、記録したセンサデータを基地局に送信する。この場合、送信時間は予測できないことから、本発明では、基地局の第2無線データインタフェースを、少なくとも1つのセンサ装置の第1無線データインタフェースからセンサデータを任意の時間に受信できるように構成する。つまり、第2無線データインタフェースは、第1無線データインタフェースからのセンサデータ送信を待っている状態、いわゆる「受信モード」に、実質的に連続して設定される。例えば、受信モード状態の間に、第2無線データインタフェースにより無線信号を連続的に受信し、そこに含まれ得るセンサデータについての無線信号を分析するように構成してもよい。
【0009】
このように構成することで、監視対象となる機械やシステムが停止し、長時間の間センサ装置が一時的に電力供給されない状態になった場合にも、センサ装置から基地局へのセンサデータの送信を確実に行うことができる。センサ装置から基地局に送信されるセンサデータは、基地局の第1データ格納部に格納されるため、読出データインタフェースを介して、外部読出装置によっていつでも、特に、少なくとも1つのセンサ装置が電力供給されていない状態であっても、確実に読み出すことができる。この文脈における読出装置とは、例えば、格納されたセンサデータを読み出すために、必要に応じて基地局に一時的に接続される移動式や携帯式の読出装置を意味する。一方で、読出装置は、持続的なデータ接続を介して基地局に接続されるコンピュータシステムであってもよい。本文脈における「読出」という用語は、読出装置が基地局からセンサデータを読み出すことを意味すると共に、基地局が読出装置へセンサデータを能動的に送信することを意味する。
【0010】
本発明のセンサネットワーク構成によれば、エネルギ自給式のセンサ装置を、単純な方法で、特にアクセスが困難な測定点においても、コスト効果よく取り付けることができると共に、少なくとも1つのセンサ装置によって記録されたセンサデータを、簡単且つ確実に読み出すことができる。
【0011】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つのセンサ装置には、センサ装置を動作させるための電気エネルギを生成するウィーガンドセンサモジュールが設けられる。したがって、本発明によるエネルギ発生器は、ウィーガンドモジュールにより構成される。ウィーガンドセンサモジュールは、パルスワイヤとしても知られるいわゆるウィーガンドワイヤと、ウィーガンドワイヤを径方向に取り囲むコイルアセンブリとから構成される。ウィーガンドワイヤの磁化方向は、特定のトリガ磁場強度を超えると、励起磁場の影響により急激に反転する。これにより、コイルアセンブリ内において、所定の電気エネルギを有する短い電圧パルスが生成される。典型的には、ウィーガンドセンサモジュールは単一のパルスワイヤを備えるが、複数のパルスワイヤを備えて、より大きな電気エネルギを発生させてもよい。通常は、励起磁場は、回転可能な機械シャフト等、監視対象となる機械やシステムの可動部分に配置された永久磁石によって生成される。ウィーガンドセンサモジュールで発生するエネルギや電圧パルスの周波数は、励起磁界の交流周波数に正比例することから、例えば、機械シャフトの回転速度といった、機械やシステムの可動部分の運動速度に正比例する。このように、ウィーガンドセンサモジュールを使用することで、センサ装置を動作させるための電気エネルギが生成されると共に、機械やシステムの可動部分の運動を検出することができる。結果として、コスト効率が良く、信頼性のあるセンサネットワーク構成が実現される。
【0012】
有利には、センサ装置の第1無線データインタフェースには、センサ装置を動作させるための電気エネルギを生成するエネルギ変換器ユニットが設けられる。したがって、本発明によるエネルギ発生器は、エネルギ変換器ユニットにより構成される。エネルギ変換器ユニットは、センサ装置を動作させるために、受信した電磁放射のエネルギを電気エネルギに変換する。典型的には、第1無線データインタフェースによって生成される電気エネルギは、第1無線データインタフェース自体を適切に動作させるために少なくとも十分である。よって、第1無線データインタフェースを動作させるために、センサ装置の他の構成要素から第1無線データインタフェースに電気エネルギを提供する必要がない。理想的には、第1無線データインタフェースによって、第1無線データインタフェース自体を動作させるために必要とされるよりも多くの電気エネルギを生成して、センサ装置の他の構成要素を動作させるための電気エネルギ、例えば、評価ユニットを動作させるための電気エネルギとする。このように構成することで、特に信頼性の高いセンサネットワーク構成が実現される。
【0013】
本発明の特に有利な実施形態では、少なくとも1つのセンサ装置には、ウィーガンドセンサモジュールによって生成された電気エネルギや、第1無線データインタフェースによって生成された電気エネルギを蓄積するエネルギ蓄積部が設けられる。エネルギ蓄積部を設けることにより、例えば、励起磁界がなく、したがってエネルギ生成がされない場合であっても、センサ装置を短時間動作させて、基地局へセンサデータを送信することができる。このように構成することで、基地局へセンサデータを送信する前に、センサ装置への電力供給が中断された場合にも、センサデータを基地局へ確実に送信することが可能となる。エネルギ蓄積部は、例えば、低コストのセラミックコンデンサとしてもよい。
【0014】
本発明の好ましい実施形態では、第1無線データインタフェースは、変調後方散乱の原理に従って動作する。つまり、第1無線データインタフェースがそれ自体の無線信号を生成するのではなく、通常は逆位相弱め磁界によって、受信するキャリア無線信号を反射して変調する。このように構成することで、無線信号を能動的に生成する構成よりも、必要とする電気エネルギを著しく低減することができる。第1無線データインタフェースは、例えば、既知のインターフェース標準/仕様である「パッシブWi-Fi」、「LoRa後方散乱」、または「RFID」に基づいて構成してもよい。第1無線データインタフェースにおいてキャリア無線信号を変調することにより、電気エネルギが実際に生成されることがより好ましい。生成された電気エネルギは、典型的には、第1無線データインタフェース自体を動作させるために少なくとも十分であることから、無線データインタフェースを動作させるために外部からエネルギを供給する必要がない。結果として、外部電源を必要としないか、または比較的小さな外部電源を設けるのみで確実なセンサデータの送信を可能とする、エネルギ効率のよい無線データインタフェースが実現される。
【0015】
基地局は、第1無線データインタフェースによる変調対象となる予め定められたキャリア無線信号を、実質的に連続的に送出することが好ましい。また、キャリア無線信号を、第1無線データインタフェースの構成、および、少なくとも1つのセンサ装置と基地局との間の距離や、少なくとも1つのセンサ装置と基地局との間の障害物の存在等の空間条件に適応させることが好ましい。キャリア無線信号を、第1無線データインタフェースにおいて特に効率的にエネルギが生成されるように設計してもよい。このように構成することで、少なくとも1つのセンサ装置と基地局との間のセンサデータの送信を、エネルギ効率よく、確実に行うことができる。
【0016】
有利には、第1無線データインタフェースによる変調対象である予め定められたキャリア無線信号を送出する少なくとも1つの別個の無線送信機が設けられる。別個の無線送信機を設けることで、好ましくない空間条件下であっても、キャリア無線信号を効率的に送信できる。結果として、センサデータの確実な送信が可能となる。
【0017】
本発明の有利な実施形態では、少なくとも1つのセンサ装置には、センサデータを格納するための第2データ格納部が設けられる。第2データ格納部を設けることで、センサデータをセンサ装置に記憶することができる。そのため、例えば、送信プロセスの前または送信プロセス中に、センサ装置の電源が遮断される等によって送信を失敗した場合でも、そのセンサデータを再送信できる。電源の遮断後であってもセンサデータを読み出せるように、データ格納部を、例えば強誘電性の格納部等、不揮発性データ格納部とすることが好ましい。このように構成することで、特に信頼性の高いセンサネットワーク構成が実現される。
【0018】
本発明の好ましい実施形態では、基地局には、少なくとも1つの無線読出データインタフェースが設けられる。無線読出データインタフェースを設けることで、基地局に格納されたセンサデータを読み出すために、基地局へのケーブル接続を設けたり、直接アクセスしたりする必要がなくなる。結果として、汎用的且つ柔軟に使用することのできるセンサネットワーク構成が実現される。
【0019】
好ましくは、基地局には、複数の異なる読出データインタフェースが設けられる。異なる読出装置を介した基地局への読み出しが可能になるため、汎用的且つ柔軟に使用することのできるセンサネットワーク構成が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明によるセンサネットワーク構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図面を参照して、本発明によるセンサネットワーク構成の実施形態を以下に説明する。
【0022】
添付の図は、センサネットワーク構成10を示す。センサネットワーク構成10には、詳細には示されていない産業システムにおいて、3つの異なる測定点にそれぞれ配置される3つのエネルギ自給式のセンサ装置12a、12b、12cと、基地局14と、無線送信機16と、が設けられる。
【0023】
本実施形態では、無線送信機16は、予め定められたキャリア無線信号Tを送出する。
【0024】
第1センサ装置12aは、例えば、機械シャフト18の回転運動を検出する第1ロータリエンコーダであり、第2センサ装置12bは、例えば、流体ライン20内の流体流量を検出する流体流量測定アセンブリであり、第3センサ装置12cは、例えば、回転スライド弁22の回転運動を検出する第2ロータリエンコーダである。
【0025】
以下では、3つのセンサ装置12a、12b、12cの共通の特徴を、インデックスなしの参照符号を用いて、3つのセンサ装置12a、12b、12cすべてについて概して後述する。添付の図は、3つのセンサ装置12a、12b、12cの共通の特徴を、第1センサ装置12aを用いて例示的に示している。
【0026】
各センサ装置12には、センサモジュール24が設けられる。本実施形態では、各センサモジュール24はウィーガンドセンサモジュールとして構成され、これにより、交流励起磁界を検出する。センサモジュール24は、検出された励起磁界の交流周波数に比例するセンサ信号を供給する。また、ウィーガンドモジュールとして構成されたセンサモジュール24は、いわゆるウィーガンド効果に基づき、本実施形態における各センサ装置12を動作させるための電気エネルギを生成する。
【0027】
本実施形態では、各センサ装置12には、センサモジュール24によって生成された電気エネルギが一時的に蓄積されるエネルギ蓄積部26が設けられる。
【0028】
また、各センサ装置12には、典型的にはアナログセンサ信号を評価し、対応するデジタルセンサデータを供給する評価ユニット28が設けられる。本実施形態では、評価ユニット28は、エネルギ蓄積部26に蓄積された電気エネルギのみで給電される。
【0029】
本実施形態では、各センサ装置12には、不揮発性の第2データ格納部30が設けられる。第2データ格納部は、エネルギ蓄積部26に蓄積された電気エネルギのみで給電され、評価ユニット28により供給されるセンサデータが蓄積される。
【0030】
また、各センサ装置12には、記録されたセンサデータを基地局14へ送信するための第1無線データインタフェース32が設けられる。本実施形態では、第1無線データインタフェース32は変調後方散乱の原理に従って動作し、入力されたキャリア無線信号Tは、予め定められた変調キャリア無線信号Tmが後方散乱されるように、第1無線データインタフェース32により変調される。本実施形態では、第1無線データインタフェース32は、公知の「LoRa後方散乱」の仕様に従って動作する。本実施形態では、第1無線データインタフェース32は、エネルギ変換器ユニット34を備える。エネルギ変換器ユニット34は、入力されたキャリア無線信号Tのエネルギを、センサ装置を動作させるための電気エネルギに変換する。通常は、第1無線データインタフェース32は、エネルギ変換器ユニット34によって生成される電気エネルギにより少なくとも十分に動作する。理想的には、エネルギ変換器ユニット34により、第1無線データインタフェース32の動作に必要とされるよりも多くの電気エネルギを生成し、余剰の電気エネルギをエネルギ蓄積部26に供給する。
【0031】
本発明によるセンサネットワーク構成10の各センサ装置12は完全にエネルギ自給式であり、すなわち、外部からのエネルギ供給を必要としない。本実施形態では、センサ装置12の動作に必要な全ての電気エネルギは、ウィーガンドセンサモジュール24によって、また、第1無線データインタフェース32のエネルギ変換器ユニット34によって完全に生成される。生成された電気エネルギは、エネルギ蓄積部26に一時的に蓄積することができる。
【0032】
本実施形態では、基地局14には、無線送信機ユニット36が設けられる。無線送信機ユニット36もまた、センサ装置の第1無線データインタフェース32による変調対象となるキャリア無線信号Tを送出する。
【0033】
また、基地局14には、センサ装置12の第1無線データインタフェース32によって送信されるセンサデータを受信するための第2無線データインタフェース38が設けられる。第2無線データインタフェース38は、第1無線データインタフェース32によって後方散乱される変調キャリア無線信号Tmを受信して、本実施形態で用いられる「LoRa後方散乱」の仕様にしたがって評価し、センサ装置12により送信されるセンサデータを判定する。この目的のために、第2無線データインタフェース38は、無線信号を受信し分析するための受信モードに、実質的に連続して設定されている。結果として、センサ装置12の第1無線データインタフェース32によって任意に(予め定義されていない送信時間で)供給される変調キャリア無線信号Tmを、確実に受信し分析することができる。このように、第2無線データインタフェース38は、任意の送信時間にセンサ装置12の第1無線データインタフェース32からセンサデータを受信できるように構成される。
【0034】
また、基地局14には、第2無線データインタフェース38が受信したセンサデータが記憶される、好ましくは不揮発性の第1データ格納部40が設けられる。本実施形態では、第1データ格納部40には、センサデータに加えて、3つのセンサ装置12のうちどのセンサ装置がそれぞれのセンサデータを受信したかが記録されるため、格納されたすべてのセンサデータを、特定のセンサ装置12に明確に割り当てることができる。
【0035】
また、本実施形態では、基地局14には、2つの読出データインタフェース42、44が設けられる。第1読出データインタフェース42は有線であり、第2読出データインタフェース44は無線読出データインタフェースである。
【0036】
本実施形態では、第1読出データインタフェース42を用いてサーバコンピュータシステム46との間にデータ接続を確立するため、サーバコンピュータシステム46は、第1データ格納部40に格納されたセンサデータをいつでも読み出すことができる。
【0037】
本実施形態では、第2無線データインタフェース44を用いてモバイル読出装置48との間に無線データ接続を確立するため、読出デバイス48は、第1データ格納部40に格納されたセンサデータを読み出したり、必要に応じて受信したりすることができる。
【符号の説明】
【0038】
10 センサネットワーク構成
12 センサ装置
14 基地局
16 無線送信機
18 機械シャフト
20 流体ライン
22 回転スライド弁
24 センサモジュール
26 エネルギ蓄積部
28 評価ユニット
30 第2データ格納部
32 第1無線データインタフェース
34 エネルギ変換器ユニット
36 無線送信機ユニット
38 第2無線データインタフェース
40 第1データ格納部
42 第1読出データインタフェース
44 第2読出データインタフェース
46 サーバコンピュータシステム
48 モバイル読出装置
T キャリア無線信号
Tm 変調キャリア無線信号
図1
【国際調査報告】