(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-22
(54)【発明の名称】近距離通信方法及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20221115BHJP
H04M 1/72412 20210101ALI20221115BHJP
G06Q 20/34 20120101ALI20221115BHJP
【FI】
G06K7/10 192
H04M1/72412
G06Q20/34 370
G06K7/10 216
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517411
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(85)【翻訳文提出日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 CN2020115904
(87)【国際公開番号】W WO2021052421
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】201910883006.0
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,シウピーン
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ,ジェンドーン
(72)【発明者】
【氏名】イー,ハイタオ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥオン,チーン
(72)【発明者】
【氏名】ファーン,ジャオジュイ
【テーマコード(参考)】
5K127
5L055
【Fターム(参考)】
5K127AA36
5K127BA03
5K127BB22
5K127CB16
5K127CB21
5K127CB41
5K127DA15
5K127GA14
5K127GA29
5K127GD21
5K127HA10
5K127JA23
5L055AA66
(57)【要約】
【要約】
本出願は、近距離通信方法及び電子デバイスを提供する。この方法は、カードリーダデバイスに近づいた場合に、近距離通信NFCフィールド強度感知メッセージ及び指示情報を受領し、指示情報が仮想カードに対応するアプリケーション識別子AIDを示すために使用され、仮想カードが電子デバイスにおいてアクティブ化されていないカードであるか、又は、指示情報がアプリケーションデータパケットであり、アプリケーションデータパケットがAIDに関する情報を含まない、ことを含む。指示情報が仮想カードに対応するAIDを示すために使用される場合には、電子デバイスは、仮想カードを使用してカードリーダデバイスとの間でトランザクションを実行し、仮想カードに関する情報を第1アプリケーションで表示するか、又は、指示情報がアプリケーションデータパケットである場合には、電子デバイスは、第1アプリケーションに関する情報を表示しない、ことを含む。本出願の実施形態は、ユーザが仮想カードを使用する場合にユーザの体験を向上させるのに役立つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離通信方法であって、方法は、電子デバイスに適用され、前記電子デバイスは、第1アプリケーションを含み、前記第1アプリケーションは、複数の仮想カードを含み、複数の前記仮想カードは、第1カードと第2カードとを含み、前記第1カードは、アクティブ化されたカードであり、前記第2カードは、アクティブ化されていないカードである、方法であって、
カードリーダデバイスに近づいた場合に、前記カードリーダデバイスによって伝送された近距離通信NFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを、前記電子デバイスによって受領するステップであり、前記第1指示情報は、前記第2カードに対応するアプリケーション識別子AIDを示すために使用され、又は前記第1指示情報は、アプリケーションデータパケットであり、前記アプリケーションデータパケットは、AIDに関する情報を含まないものである、受領するステップと、
前記第1指示情報が、前記第2カードに対応する前記AIDを示すために使用される場合に、前記第2カードを使用し、前記電子デバイスによって、前記カードリーダデバイスとのトランザクションを実行し、また前記第1アプリケーション内で前記第2カードに関する情報を表示するステップ、又は、前記第1指示情報が前記アプリケーションデータパケットである場合に、前記電子デバイスによって、前記第1アプリケーションに関する情報を表示することをスキップするステップと
を備えている、方法。
【請求項2】
前記電子デバイスは、セキュア要素SEを含み、前記SEは、AIDリストを記憶し、前記AIDリストは、前記第1カードに関する情報と前記第2カードに関する前記情報とを含み、
前記電子デバイスが前記第1アプリケーション内で前記第2カードに関する前記情報を表示する前に、方法は、
前記電子デバイスによって、前記AIDリストでの前記第2カードをアクティブ化し、前記第1カードを非アクティブ化するステップを、さらに備えている、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記カードリーダデバイスによって伝送された第1指示情報を、前記電子デバイスによって受領する前に、方法は、
前記カードリーダデバイスによって伝送された第2指示情報を、前記電子デバイスによって受領するステップであり、前記第2指示情報は、無線周波数回路RFの第1リスニングモードを示すために使用される、受領するステップと、
前記第1リスニングモードに基づいて前記電子デバイスによって、ピアデバイスが前記カードリーダデバイスであることを決定するステップとをさらに備えている、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記第1リスニングモードは、NFC_A_PASSIVEリスニングモードである、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記第2カードは、バスカード又は銀行カードであり、前記第1アプリケーション内で前記第2カードに関する情報を表示することは、
前記電子デバイスによって、前記第2カードの料金控除情報及び/又は残高情報を表示することを含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
電子デバイスであって、
ディスプレイと、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のメモリと、
近距離通信NFCチップと、
アプリケーションプロセッサAPチップとを備え、
前記APチップは、第1アプリケーションを含み、前記第1アプリケーションは、複数の仮想カードを含み、複数の前記仮想カードは、第1カードと第2カードとを含み、前記第1カードは、アクティブ化されたカードであり、前記第2カードは、アクティブ化されていないカードであり、
1つ以上の前記メモリは、1つ以上のコンピュータプログラムを記憶し、1つ以上の前記コンピュータプログラムは、命令を含み、前記命令が1つ以上の前記プロセッサによって実行された場合に、電子デバイスは、以下のステップ、即ち、
カードリーダデバイスに近づいた場合に、前記カードリーダデバイスによって伝送されたNFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを、電子デバイスによって受領するステップであり、前記第1指示情報は、前記第2カードに対応するアプリケーション識別子AIDを示すために使用され、又は前記第1指示情報は、アプリケーションデータパケットであり、前記アプリケーションデータパケットは、AIDに関する情報を含まないものである、受領するステップと、
前記第1指示情報が、前記第2カードに対応する前記AIDを示すために使用される場合に、前記第2カードを使用し、前記カードリーダデバイスとのトランザクションを実行し、また前記第1アプリケーション内で前記第2カードに関する情報を表示するステップ、又は、前記第1指示情報が前記アプリケーションデータパケットである場合に、前記第1アプリケーションに関する情報を表示することをスキップするステップと
を実行することが可能にされる、電子デバイス。
【請求項7】
電子デバイスは、セキュア要素SEをさらに備え、前記SEは、AIDリストを記憶し、前記AIDリストは、前記第1カードに関する情報と前記第2カードに関する前記情報とを含み、前記命令が1つ以上の前記プロセッサによって実行された場合に、電子デバイスは、以下のステップ、即ち、
前記第1アプリケーション内で前記第2カードに関する前記情報を表示する前に、前記AIDリストでの前記第2カードをアクティブ化し、前記第1カードを非アクティブ化するステップを実行することが可能にされる、請求項6記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記命令が1つ以上の前記プロセッサによって実行された場合に、電子デバイスは、以下のステップ、即ち、
前記カードリーダデバイスによって伝送された前記第1指示情報を受領する前に、前記カードリーダデバイスによって伝送された第2指示情報を受領するステップであり、前記第2指示情報は、無線周波数回路RFの第1リスニングモードを示すために使用される、受領するステップと、
前記第1リスニングモードに基づいて、ピアデバイスが前記カードリーダデバイスであることを決定するステップとを実行することが可能にされる、請求項6又は7記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記第1リスニングモードは、NFC_A_PASSIVEリスニングモードである、請求項8記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記第2カードは、バスカード又は銀行カードであり、前記命令が1つ以上の前記プロセッサによって実行された場合に、電子デバイスは、以下のステップ、即ち、
前記第1指示情報を使用して前記第2カードに対応する前記AIDを表示した場合に、前記第2カードを使用して、前記カードリーダデバイスとのトランザクションを実行するステップと、
前記第2カードの料金控除情報及び/又は残高情報を表示するステップとを実行することが可能にされる、請求項6ないし9のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項11】
アプリケーションプロセッサAPチップと近距離通信NFCチップとを備えているチップシステムであって、
前記APチップは、第1アプリケーションを含み、前記第1アプリケーションは、複数の仮想カードを含み、複数の前記仮想カードは、第1カードと第2カードとを含み、前記第1カードは、アクティブ化されたカードであり、前記第2カードは、アクティブ化されていないカードであり、
前記NFCチップは、カードリーダデバイスによって伝送されたNFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを受領するように、構成され、前記第1指示情報は、前記第2カードに対応するアプリケーション識別子AIDを示すために使用され、又は前記第1指示情報は、アプリケーションデータパケットであり、前記アプリケーションデータパケットは、AIDに関する情報を含まないものであり、
前記APチップは、前記NFCチップによって伝送されたNFCフィールド強度メッセージと前記第1指示情報とを受領するように、構成され、
前記第2カードに対応する前記AIDを示すために前記第1指示情報が使用される場合に、前記APチップは、前記第1アプリケーション内で前記第2カードに関する情報を表示するためにディスプレイを制御するように、さらに構成され、
前記第1指示情報が前記アプリケーションデータパケットである場合に、前記APチップは、前記第1アプリケーションに関する情報を表示しないように前記ディスプレイを制御するように、さらに構成されている、チップシステム。
【請求項12】
前記ディスプレイを制御して前記第1アプリケーション内の前記第2カードに関する前記情報を表示する前に、前記APチップは、指示情報を前記NFCチップへ伝送するように、さらに構成され、そして前記第2カードをアクティブ化し、前記第1カードを非アクティブ化するように指示するために、前記指示情報が使用され、
前記NFCチップは、セキュア要素SEに指示情報を伝送するように、さらに構成され、前記SEは、AIDリストを記憶し、前記AIDリストは、前記第1カードに関する情報と前記第2カードに関する前記情報とを含む、請求項11記載のチップシステム。
【請求項13】
前記NFCチップは、前記カードリーダデバイスによって伝送された前記第1指示情報を受領する前に、前記カードリーダデバイスによって伝送された第2指示情報を受領するように、さらに構成され、前記第2指示情報は、無線周波数回路RFの第1リスニングモードを示すために使用され、
前記NFCチップは、前記第2指示情報を前記APチップへ伝送するように、さらに構成され、
前記APチップは、前記第1リスニングモードに基づいて、ピアデバイスが前記カードリーダデバイスであることを決定するように、さらに構成されている、請求項11又は12記載のチップシステム。
【請求項14】
前記第1リスニング方式は、NFC_A_PASSIVEリスニングモードである、請求項13記載のチップシステム。
【請求項15】
前記第2カードは、バスカード又は銀行カードであり、前記APチップは、
前記第2カードの料金控除情報及び/又は残高情報を表示するために前記ディスプレイを制御するように、具体的に構成されている、請求項11ないし14のいずれか1項に記載のチップシステム。
【請求項16】
コンピュータ命令を備えるコンピュータ可読な記憶媒体であって、前記コンピュータ命令が電子デバイスの上で動作した場合に、前記電子デバイスは、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の近距離通信方法を実行することが可能にされる、コンピュータ可読な記憶媒体。
【請求項17】
コンピュータプログラム製品がコンピュータの上で動作した場合に、前記コンピュータは、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の近距離通信方法を実行することが可能にされる、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「NEAR FIELD COMMUNICATION METHOD AND ELECTRONIC DEVICE」と題し、2019年9月18日に中国国家知的所有権庁に出願された中国特許出願第201910883006.0号の優先権を主張し、これは全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、電子デバイスの分野に関し、より具体的には、近距離通信方法及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
近距離通信(near field communication, NFC)は、データを交換するために、電子デバイス間の非接触ポイントツーポイントデータ伝送(10cm以内)を可能にする近距離高周波無線通信技術である。現在、NFCは、カードエミュレーションモード(card emulation mode),ポイントツーポイントモード(P2P mode),リーダ/ライタモード(reader/writer mode)の3つのモードで動作している。カードエミュレーションモードは、実際には、無線周波数識別(radio frequency identification, RFID)技術を使用する集積回路(integrated circuit, IC)カードと同等であり、例えば、公共輸送カード、アクセスカード、従業員カード、銀聯カード、クレジットカード、及び身分証明カードのような大量のICカードを置き換えることができる。このモードでは、これらの仮想カードは、非接触カードリーダの無線周波数(radio frequency, RF)フィールドによって給電され、ホストデバイスに電気がなくても動作することができるという大きな利点がある。
【0004】
電子デバイスメーカーの「ウォレット」をデフォルトの支払いアプリケーションとして使用することが一般的であり、NFCフィールド強度を受信すると(即ち、カードリーダに近づいた場合に)、電子デバイスは、電子デバイスメーカーの「ウォレット」を自動的にポップアップする。しかしながら、ユーザが電子デバイスを使用して、「ウォレット」に対応しないカードリーダ(例えば、ドアハンドルカードリーダ又はトレッドミルカードリーダ)に近づいた場合に、もし「ウォレット」が自動的にポップアップされると、ユーザ体験が比較的よくなくなる。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、ユーザが仮想カードを使用する場合に、電子デバイスのインテリジェンスを向上させ、ユーザの体験を向上させるのを助けるための近距離通信方法及び電子デバイスを提供する。
【0006】
第1の態様によれば、近距離通信方法が提供される。方法は、電子デバイスに適用され、電子デバイスは、第1アプリケーションを含み、第1アプリケーションは、複数の仮想カードを含み、複数の仮想カードは、第1カードと第2カードとを含み、第1カードは、アクティブ化されたカードであり、第2カードは、アクティブ化されていないカードである、方法であって;カードリーダデバイスに近づいた場合に、カードリーダデバイスによって伝送された近距離通信NFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを、電子デバイスによって受領するステップであり、第1指示情報は、第2カードに対応するアプリケーション識別子AIDを示すために使用され、又は第1指示情報は、アプリケーションデータパケットであり、アプリケーションデータパケットは、AIDに関する情報を含まないものである、受領するステップと;第1指示情報が、第2カードに対応するAIDを示すために使用される場合に、第2カードを使用し、電子デバイスによって、カードリーダデバイスとのトランザクションを実行し、また第1アプリケーション内で第2カードに関する情報を表示するステップ、又は、第1指示情報がアプリケーションデータパケットである場合に、電子デバイスによって、第1アプリケーションに関する情報を表示することをスキップするステップとを備えている。
【0007】
本出願のこの実施形態では、電子デバイスがカードリーダデバイスに近づいたときに、電子デバイス内でカードリーダデバイスに対応する仮想カードがアクティブ化されない場合でも、電子デバイスは、仮想カードを使用してカードリーダデバイスとのトランザクションを実行することができ、ユーザは、仮想カードを手動で切り替える必要がない。これは、電子デバイスのインテリジェンスを向上させ、ユーザが行う煩雑な操作を減らし、ユーザが仮想カードを使用するときのユーザの体験を向上させることに、役立つ。
【0008】
あるいは、カードリーダデバイスが、AID報告を実行しないデバイス(例えば、ホストベースのカードエミュレーション(host-based card emulation, HCE)アプリケーションに関連するカードリーダデバイス)である場合に、電子デバイスは、ピアデバイスが第1アプリケーションとは無関係であることを決定してよい。この場合に、電子デバイスは、第1アプリケーションに関する情報を表示しないことが可能であり、第1アプリケーションが自動的に前景にポップアップされた後にユーザの体験が影響を受ける場合を避ける。
【0009】
いくつかの可能な実施において、第1指示情報が第2カードに対応するアプリケーション識別子AIDを示すために使用される場合に、第1指示情報は、アプリケーション選択メッセージの中で搬送され、カードリーダデバイスによって電子デバイスへ伝送される。
【0010】
いくつかの可能な実施では、カードリーダデバイスが、AID報告を実行しないデバイス、例えばトレッドミルである場合に、カードリーダデバイスは、アプリケーションデータパケットを電子デバイスへ伝送してよい。アプリケーションデータパケットは、いかなるAIDに関する情報も含まない。
【0011】
いくつかの可能な実施では、第1アプリケーションは、電子デバイスの製造者のデフォルトアプリケーション、例えば、華為の携帯電話の「ウォレット」、また別の例ではiPhoneの「Apple Pay」である。
【0012】
いくつかの可能な実施では、電子デバイスは、第2アプリケーションをさらに含み、第2アプリケーションは、第3カードを含み、カードリーダデバイスに近づいた場合に、電子デバイスは、カードリーダデバイスによって伝送される近距離通信NFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを受領し、第1指示情報は、第3カードに対応するアプリケーション識別子AIDを示すために使用され、電子デバイスは、第3カードを使用してカードリーダデバイスとのトランザクションを実行し、第2アプリケーション内の第3カードに関する情報を表示する。
【0013】
いくつかの可能な実施では、第2カードは、IDカード(例えば、身分証明カード)である。例えば、ユーザが身分証明カードに対応する仮想カードを使用してチケットを購入する場合に、電子デバイスは、身分証明カードに関する情報を自動的に表示してよい。
【0014】
第1の態様を参照すると、第1の態様のいくつかの実施では、第2カードは、公共輸送カード又は銀行カードであり;電子デバイスが、第2カードを使用して、カードリーダデバイスとのトランザクションを実行し、第2カードに関する情報を表示することは、電子デバイスが、第2カードを使用して、カードリーダデバイスとのトランザクションを実行し、第2カードの料金控除情報及び/又は残高情報を表示することを含む。
【0015】
本出願のこの実施形態では、カードリーダデバイスがバスゲート、地下鉄ゲート、又は銀行カード販売時点(point of sale, POS)端末である場合に、電子デバイスは、第2カードを使用してカードリーダデバイスとのトランザクションを実行するときに、第2カードの料金控除情報及び/又は残高情報を自動的に表示してよい。
【0016】
第1の態様を参照すると、第1の態様のいくつかの実施では、電子デバイスは、セキュア要素SEを含み、SEは、AIDリストを記憶し、AIDリストは、第1カードに関する情報と第2カードに関する情報とを含み;電子デバイスが第1アプリケーション内で第2カードに関する情報を表示する前に、方法は、電子デバイスによって、AIDリストでの第2カードをアクティブ化し、第1カードを非アクティブ化するステップを、さらに備えている。
【0017】
本出願のこの実施形態では、電子デバイスが、あるタイプのカードリーダデバイスが、アクティブ化された第1カードとは無関係であるが、アクティブ化されていない第2カードとは関係があることを決定する場合に、電子デバイスは、自動的にSE内の第2カードをアクティブ化し、第1カードを非アクティブ化して、カードリーダデバイスとのトランザクションを完了してよい。これは、電子デバイスのインテリジェンスを向上させ、ユーザが行う煩雑な操作を減らし、ユーザが仮想カードを使用するときのユーザの体験を向上させることに、役立つ。
【0018】
第1の態様を参照すると、第1の態様のいくつかの実施では、カードリーダデバイスによって伝送された第1指示情報を、電子デバイスによって受領する前に、方法は、カードリーダデバイスによって伝送された第2指示情報を、電子デバイスによって受領するステップであり、第2指示情報は、無線周波数回路RFの第1リスニングモードを示すために使用される、受領するステップと;第1リスニングモードに基づいて電子デバイスによって、ピアデバイスがカードリーダデバイスであることを決定するステップとをさらに備えている。
【0019】
いくつかの実施では、電子デバイスは、NFCフィールド強度感知メッセージと、第2指示情報と、第1指示情報とを順次受信する。
【0020】
第1の態様を参照すると、第1の態様のいくつかの実施では、第1リスニングモードは、NFC_A_PASSIVEリスニングモードである。
【0021】
第2の態様によれば、近距離通信方法が提供される。この方法を電子デバイスに適用する。電子デバイスは、第1アプリケーションを含み、第1アプリケーションは、複数の仮想カードを含む。複数の仮想カードは、第1カードを含む。第1カードは、電子デバイスでのアクティブ化されたカードである。この方法は、別の電子デバイスに近づいた場合に、電子デバイスは、カードリーダデバイスによって伝送されたNFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを受領することであり、第1指示情報は、第1RFリスニングモードを示すために使用される、受領することと;第1リスニングモードがプリセットのリスニングモードではないことを決定した場合に、電子デバイスは、第1アプリケーションに関する情報を表示することをスキップすることとを備えている。
【0022】
本出願のこの実施形態では、他の電子デバイスによって伝送された第1指示情報に示されたリスニングモードが、プリセットのリスニングモードではないことを、電子デバイスが決定する場合に、電子デバイスは、第1アプリケーションをポップアップしないことが可能であり、第1アプリケーションが自動的に前景にポップアップされた後にユーザの体験が影響を受ける場合を避けるのに役立つ。
【0023】
第2の態様を参照すると、第2の態様のいくつかの実施では、プリセットのリスニングモードは、NFC_A_PASSIVEリスニングモードである。
【0024】
いくつかの実施では、第1リスニングモードは、NFC_F_PASSIVEリスニングモード、NFC_A_ACTIVEリスニングモード、又はNFC_F_ACTIVEリスニングモードの任意の1つである。
【0025】
第3の態様によれば、近距離通信方法が提供される。方法は、電子デバイスに適用され、電子デバイスは、第1アプリケーションを含み、第1アプリケーションは、複数の仮想カードを含み、複数の仮想カードは、第1カードと第2カードとを含み、第1カードは、アクティブ化されたカードであり、第2カードは、アクセスカードであり、アクセスカードは、アクティブ化されていないカードである、方法であって;カードリーダデバイスに近づいた場合に、電子デバイスは、カードリーダデバイスによって伝送された近距離通信NFCフィールド強度感知メッセージを受領し、そして電子デバイスは、NFCフィールド強度感知メッセージを受領した瞬間から始まるプリセットの期間内に他の指示情報を受領しない場合に、電子デバイスは、第1アプリケーション内でアクセスカードに関する情報を表示し;又は、
カードリーダデバイスに近づいた場合に、電子デバイスは、カードリーダデバイスによって伝送された近距離通信NFCフィールド強度感知メッセージと、第1指示情報とを受領し、第1指示情報はアクセスカードを示すために使用され、電子デバイスは、第1アプリケーション内でアクセスカードに関する情報を表示することを備えている。
【0026】
第3の態様を参照すると、第3の態様のいくつかの実施では、電子デバイスは、セキュア要素SEを含み、SEは、AIDリストを記憶し、AIDリストは、第1カードに関する情報と第2カードに関する情報とを含み;電子デバイスが第1アプリケーション内で第2カードに関する情報を表示する前に、方法は、電子デバイスによって、AIDリストでの第2カードをアクティブ化し、第1カードを非アクティブ化するステップを、さらに備えている。
【0027】
第3の態様を参照すると、第3の態様のいくつかの実施では、電子デバイスが、NFCフィールド強度感知メッセージが受信された時点から始まるプリセットの時間内に情報を受信しない場合に、電子デバイスは、カードリーダデバイスがユーザ識別(user identification, UID)アクセスカードであることをさらに決定してよい。
【0028】
第3の態様を参照すると、第3の態様のいくつかの実施では、第1指示情報を受信した後、電子デバイスは、カードリーダデバイスがMifareアクセスカードであることを決定してよい。
【0029】
第3の態様を参照すると、第3の態様のいくつかの実施では、第1アプリケーションは、複数のアクセスカードを含み;そして電子デバイスが、AIDリスト内のアクセスカードをアクティブ化し、第1カードをアクティブ化することは、電子デバイスが、複数のアクセスカードから第1アクセスカードを決定することと;電子デバイスが、AIDリスト内の第1アクセスカードをアクティブ化し、第1カードを非アクティブ化することとを含む。
【0030】
第3の態様を参照すると、第3の態様のいくつかの実施では、電子デバイスが、複数のアクセスカードから第1アクセスカードを選択することは、履歴としてのカードのスワイピング記録、又は電子デバイスの現在の地理的位置に基づいて、電子デバイスが、複数のアクセスカードから第1アクセスカードを決定することを含む。
【0031】
本出願の実施形態では、電子デバイスでのアクセスカードはアクティブ化されないのであり、カードリーダデバイスがアクセスカードのカードリーダデバイスであることを電子デバイスが決定した場合に、電子デバイスはデフォルトカードを自動的に非アクティブ化し、アクセスカードをアクティブ化して、第1アプリケーション内のアクセスカードに関する情報が自動的に表示されてよい。これはさらに、第1アプリケーションのデフォルトカードが自動的に前景にポップアップされた後に、ユーザの体験が影響を受ける場合を避けるのに役立つ。
【0032】
第4の態様によれば、チップシステムが提供される。アプリケーションプロセッサAPチップと近距離通信NFCチップとを備えているチップシステムであって、APチップは、第1アプリケーションを含み、第1アプリケーションは、複数の仮想カードを含み、複数の仮想カードは、第1カードと第2カードとを含み、第1カードは、アクティブ化されたカードであり、第2カードは、アクティブ化されていないカードであり;NFCチップは、カードリーダデバイスによって伝送されたNFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを受領するように、構成され、第1指示情報は、第2カードに対応するアプリケーション識別子AIDを示すために使用され、又は第1指示情報は、アプリケーションデータパケットであり、アプリケーションデータパケットは、AIDに関する情報を含まないものであり;APチップは、NFCチップによって伝送されたNFCフィールド強度メッセージと第1指示情報とを受領するように、構成され;第2カードに対応するAIDを示すために第1指示情報が使用される場合に、APチップは、第1アプリケーション内で第2カードに関する情報を表示するためにディスプレイを制御するように、さらに構成され;第1指示情報がアプリケーションデータパケットである場合に、APチップは、第1アプリケーションに関する情報を表示しないようにディスプレイを制御するように、さらに構成されている。
【0033】
第4の態様を参照すると、第4の態様のいくつかの実施では、第1アプリケーション内で第2カードに関する情報を表示するためにディスプレイを制御する前に、APチップは、指示情報をNFCチップへ送信するように、さらに構成され、ここで、指示情報は、第2カードをアクティブ化し、第1カードを非アクティブ化するために使用され、NFCチップは、指示情報をセキュア要素SEへ伝送するように、さらに構成され、ここで、SEは、AIDリストを記憶し、AIDリストは、第1カードに関する情報と第2カードに関する情報とを含む。
【0034】
第4の態様を参照すると、第4の態様のいくつかの実施では、さらに、NFCチップは、カードリーダデバイスによって伝送された第1指示情報を受領する前に、カードリーダデバイスによって伝送された第2指示情報を受領するように、構成され、第2指示情報は、無線周波数回路RFの第1リスニングモードを示すために使用され;NFCチップは、第2指示情報をAPチップへ伝送するように、さらに構成され;APチップは、第1リスニングモードに基づいて、ピアデバイスがカードリーダデバイスであることを決定するように、さらに構成されている。
【0035】
第4の態様を参照すると、第4の態様のいくつかの実施では、第1リスニングモードは、NFC_A_PASSIVEリスニングモードである。
【0036】
第4の態様を参照すると、第4の態様のいくつかの実施では、第2カードは、公共輸送カード又は銀行カードであり;APチップは、第2カードの料金控除情報及び/又は残高情報を表示するためにディスプレイを制御するように、具体的に構成されている。
【0037】
第5の態様によれば、チップシステムが提供される。チップシステムは、アプリケーションプロセッサAPチップと近距離通信NFCチップとを備えている。APチップは第1アプリケーションを含み、第1アプリケーションは複数の仮想カードを含む。複数の仮想カードは、第1カードを含む。第1カードは、電子デバイスでのアクティブ化されたカードである。NFCチップは、カードリーダデバイスによって伝送されたNFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを受領するように、構成されている。第1指示情報は、第1RFリスニングモードを示すために使用される。第1リスニングモードがプリセットのリスニングモードでないと決定した場合に、電子デバイスは第1アプリケーションに関する情報を表示することをスキップする。
【0038】
第5の態様を参照すると、第5の態様のいくつかの実施では、プリセットのリスニングモードは、NFC_A_PASSIVEリスニングモードである。
【0039】
いくつかの実施では、第1リスニングモードは、NFC_F_PASSIVEリスニングモード、NFC_A_ACTIVEリスニングモード、又はNFC_F_ACTIVEリスニングモードの任意の1つである。
【0040】
第6の態様によれば、チップシステムが提供される。チップシステムは、アプリケーションプロセッサAPチップと近距離通信NFCチップとを備えている。APチップは第1アプリケーションを含み、第1アプリケーションは複数の仮想カードを含む。複数の仮想カードは、第1カードと第2カードとを含む。第1カードは、電子デバイスでのアクティブ化されたカードである。第2カードはアクセスカードで、アクセスカードはアクティブ化されていない。NFCチップは、カードリーダデバイスによって伝送されたNFCフィールド強度感知メッセージを受領するように、構成されている。NFCチップはさらに、NFCフィールド強度メッセージをAPチップへ伝送するように、構成されている。APチップは、NFCフィールド強度メッセージを受領した瞬間から始まるプリセットの時間内に他の指示情報を受領しない場合に、第1アプリケーションでアクセスカードに関する情報を表示するようにディスプレイを制御するように、構成されている。
【0041】
これに代えて、NFCチップは、カードリーダデバイスによって伝送されたNFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを受領するように、構成されている。第1指示情報は、アクセスカードを示すために使用される。NFCチップは、さらに、NFCフィールド強度メッセージと第1指示情報とをAPチップへ伝送するように、構成されている。APチップは、第1アプリケーションでアクセスカードに関する情報を表示するためにディスプレイを制御するように、構成されている。
【0042】
第6の態様を参照すると、第6の態様のいくつかの実施では、APチップは、第1アプリケーション内でアクセスカードに関する情報を表示するためにディスプレイを制御する前に、アクセスカードをアクティブ化し、第1カードを非アクティブ化するように、SEに指示するように、さらに構成されている。
【0043】
第6の態様を参照すると、第6の態様のいくつかの実施では、第1アプリケーションは、複数のアクセスカードを含み、APチップは、複数のアクセスカードから第1アクセスカードを決定し、AIDリスト内の第1アクセスカードをアクティブ化し、第1カードを非アクティブ化するように、SEに指示するように、具体的に構成されている。
【0044】
第6の態様を参照すると、第6の態様のいくつかの実施では、履歴としてのカードのスワイピング記録、又は電子デバイスの現在の地理的位置に基づいて、APチップは、複数のアクセスカードから第1アクセスカードを決定するように、具体的に構成されている。
【0045】
第7の態様によれば、装置が提供される。装置は、電子デバイスに含まれ、装置は、前述の態様における電子デバイスの挙動を実施する機能と、前述の態様の可能な実施とを有する。この機能は、ハードウェアを使用して実現してよく、又は対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実現してよい。ハードウェア又はソフトウェアは、前述の機能に対応する1つ以上のモジュール又はユニットを含む。
【0046】
第8の態様によれば、電子デバイスが提供され、ディスプレイ、NFCチップ、APチップ、1つ以上のプロセッサ、メモリ、及び1つ以上のコンピュータプログラムを含む。APチップは第1アプリケーションを含み、第1アプリケーションは複数の仮想カードを含む。複数の仮想カードは、第1カードと第2カードとを含む。第1カードは、電子デバイスでのアクティブ化されたカードである。1つ以上のコンピュータプログラムがメモリに記憶される。1つ以上のコンピュータプログラムは、命令を含む。電子デバイスによって命令が実行された場合に、電子デバイスは、第1の態様又は第2の態様の任意の可能な実施において、近距離通信方法を実行することが可能にされる。
【0047】
第9の態様によれば、システムが提供される。システムは、カードリーダデバイスと電子デバイスとを含む。カードリーダデバイスは、近距離通信NFCを使用して電子デバイスと通信する。電子デバイスは、第1アプリケーションを含み、第1アプリケーションは、複数の仮想カードを含み、複数の仮想カードは、第1カードと第2カードとを含み、第1カードは、電子デバイスでのアクティブ化されたカードであり、第2カードは、アクティブ化されていないカードである。カードリーダデバイスは、電子デバイスがカードリーダデバイスに近づいたときに、NFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを電子デバイスへ送信するように、構成されている。第1指示情報は、第2カードに対応するAIDを示すために使用され、複数の仮想カードは、第2カードを含む。あるいは、第1指示情報はアプリケーションデータパケットであり、アプリケーションデータパケットはAIDに関する情報を含まない。電子デバイスは、第1指示情報が第2カードに対応するAIDを示す場合に、第2カードを使用してカードリーダデバイスとのトランザクションを実行し、第1アプリケーション内で第2カードに関する情報を表示するように、構成されている。あるいは、第1指示情報がアプリケーションデータパケットである場合に、電子デバイスは、第1アプリケーションに関する情報を表示することをスキップする。
【0048】
第9の態様を参照すると、第9の態様のいくつかの実施では、カードリーダデバイスは、第1指示情報を電子デバイスへ伝送する前に、電子デバイスに第2の指示情報を伝送するように、さらに構成され;第2指示情報は、無線周波数回路RFの第1リスニングモードを示すために使用され;電子デバイスは、第1リスニングモードに基づいて、ピアデバイスがカードリーダデバイスであることを決定するように、さらに構成されている。
【0049】
第9の態様を参照すると、第9の態様のいくつかの実施では、第1リスニングモードは、NFC_A_PASSIVEリスニングモードである。
【0050】
第9の態様を参照すると、第9の態様のいくつかの実施では、第2カードは、公共輸送カード又は銀行カードであり;電子デバイスは、第1指示情報を使用して第2カードに対応するAIDを表示した場合に、第2カードを使用して、カードリーダデバイスとのトランザクションを実行し;第2カードの料金控除情報及び/又は残高情報を表示するように、具体的に構成されている。
【0051】
第10の態様によれば、技術的解決は、コンピュータ命令を備えるコンピュータ可読な記憶媒体を提供する。コンピュータ命令が電子デバイスの上で動作した場合に、電子デバイスは、前述の態様の任意の1つの任意の可能な実施での近距離通信方法を実行することが可能にされる。
【0052】
第11の態様によれば、技術的解決は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品が電子デバイスの上で動作した場合に、電子デバイスは、前述の態様の任意の1つの任意の可能な実施での近距離通信方法を実行することが可能にされる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】本出願の実施形態による電子デバイスの構造の概略図である。
【
図2】本出願の実施形態によるシステムアーキテクチャーの概略図である。
【
図3】本出願の実施形態に係り、NFCシステムブロードキャストメッセージを受信した後、電子デバイスが自動的にアプリケーションをポップアップするプロセスの概略フローチャートである。
【
図4A】本出願の実施形態による一組のグラフィカルユーザインターフェースGUIを示す。
【
図4B】本出願の実施形態による一組のグラフィカルユーザインターフェースGUIを示す。
【
図4C】本出願の実施形態による一組のグラフィカルユーザインターフェースGUIを示す。
【
図4D】本出願の実施形態による一組のグラフィカルユーザインターフェースGUIを示す。
【
図5】本出願の実施形態による別のシステムアーキテクチャーの概略図である。
【
図6】本出願の実施形態による近距離通信方法の概略フローチャートである。
【
図7A】本出願の実施形態による近距離通信方法の別の概略フローチャートである。
【
図7B】本出願の実施形態による近距離通信方法の別の概略フローチャートである。
【
図8A】本出願の実施形態に係り、カードリーダデバイス決定モジュールの決定プロセスの概略フローチャートである。
【
図8B】本出願の実施形態に係り、カードリーダデバイス決定モジュールの決定プロセスの概略フローチャートである。
【
図9】本出願の実施形態に係り、カードリーダデバイス決定モジュールの決定プロセスの別の概略フローチャートである。
【
図10】本出願の実施形態による別のシステムアーキテクチャーの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下の実施形態で使用される用語は、単に特定の実施形態を記述することを意図したものであるが、この用途を限定することを意図したものではない。本出願の明細書及び添付の請求項で使用されるように、単数形である単語「a」、「an」、「上述のもの」、「これ」及び「このもの」は、文脈において別段の明確な規定がない限り、複数形、例えば「1以上」も含むように意図される。本出願の以下の実施形態では、「少なくとも1」又は「1以上」は、1、2又はそれ以上を意味することをさらに理解するものとする。用語「及び/又は」は、関連する対象間の関連付けを記述するために使用され、3つの関係が存在してよいことを表す。例えば、A及び/又はBは、次の3つの場合、即ち、Aのみが存在する場合と、A及びBの両方が存在する場合と、Bのみが存在する場合とを表すことができ、A及びBは単数又は複数であってよい。文字「/」は通常、関連する対象間の「又は」関係を表す。
【0055】
本明細書に記載される「一実施形態」、「いくつかの実施形態」などへの言及は、本出願の1つ以上の実施形態が、実施形態を参照して記載される特定の特徴、構造、又は特徴を含むことを意味する。従って、本明細書の異なる箇所に現れる「一実施形態で」、「いくつかの実施形態で」、「いくつかの他の実施形態で」、及び「他の実施形態で」のような記述は、特に強調しない限り、必ずしも同じ実施形態を参照することを意味せず、その代わりに、「実施形態の全てではないが1つ以上」を意味する。用語「含む」、「収容する」、「有する」、及びそれらの変形は全て、特に強調しない限り、「含むが、限定されない」を意味する。
【0056】
以下では、電子デバイス、電子デバイスに使用されるユーザインターフェース、及び電子デバイスを使用するために使用される実施形態について説明する。いくつかの実施形態では、電子デバイスは、携帯型電子デバイスであって、携帯型デジタル支援機能及び/又は音楽プレーヤー機能、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、又は無線通信機能を有するウェアラブル電子デバイス(例えば、スマートウォッチ)などの別の機能をさらに含んでよい。携帯型電子デバイスの例示的な実施形態は、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Microsoft(登録商標)、又は他のオペレーティングシステムを備えた携帯型電子デバイスを含むが、これらに限定されない。代替的に、携帯型電子デバイスは、ラップトップ(laptop)などの他の携帯型電子デバイスであってよい。さらに、いくつかの他の実施形態では、前述の電子デバイスは、携帯型電子デバイスではなく、デスクトップコンピュータであってよいことを理解するものとする。
【0057】
例えば、
図1は、電子デバイス100の構造の概略図である。電子デバイス100は、プロセッサ110、外部メモリインターフェース120、内部メモリ121、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus, USB)ポート130、充電管理モジュール140、電力管理モジュール141、バッテリ142、アンテナ1、アンテナ2、移動通信モジュール150、無線通信モジュール160、オーディオモジュール170、スピーカ170A、受話機170B、マイクロホン170C、ヘッドセットジャック170D、センサモジュール180、コンパス190、モータ191、インジケータ192、カメラ193、ディスプレイ194、加入者識別モジュール(subscriber identification module, SIM)カードインターフェース195などを含んでよい。
【0058】
本出願のこの実施形態に示される構造は、電子デバイス100に対する特定の制限を構成しないことが理解可能である。本出願の他のいくつかの実施形態では、電子デバイス100は、図に示されているものよりも多い又は少ない構成要素を含んでよく、いくつかの構成要素を組み合わせてよく、又はいくつかの構成要素を分割してよく、又は異なる構成要素の配置を使用してよい。図に示す構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実施してよい。
【0059】
プロセッサ110は、1つ以上の処理ユニットを含んでよい。例えば、プロセッサ110は、アプリケーションプロセッサ(application processor, AP),モデムプロセッサ,グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit, GPU),画像信号プロセッサ(image signal processor, ISP),コントローラ,ビデオコーデック,デジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP),ベースバンドプロセッサ,ニューラルネットワーク処理ユニット(neural-network processing unit, NPU),及び/又はその他を含んでよい。異なる処理ユニットは、独立した構成要素であってよく、又は1つ以上のプロセッサに統合されてよい。いくつかの実施形態では、電子デバイス101は、代替的に、1つ以上のプロセッサ110を含んでよい。コントローラは、命令読み出しと命令実行との制御を完了するために、命令動作コード及び時間シーケンス信号に基づいて動作制御信号を生成してよい。いくつかの他の実施形態では、命令とデータとを記憶するために、メモリがさらにプロセッサ110内に配置されてよい。例えば、プロセッサ110内のメモリはキャッシュメモリであってよい。メモリは、プロセッサ110によってちょうど使用された又は周期的に使用される命令又はデータを記憶してよい。プロセッサ110が命令又はデータを再度使用する必要がある場合に、プロセッサは、メモリから命令又はデータを直接呼び出してよい。これは、繰り返されるアクセスを回避し、プロセッサ110の待ち時間を短縮する。これにより、電子デバイス101のデータ処理や命令実行の効率が向上される。
【0060】
いくつかの実施形態では、プロセッサ110は、1つ以上のインターフェースを含んでよい。インターフェースは、集積回路(inter-integrated circuit, I2C)インターフェース,集積回路間音響(inter-integrated circuit sound, I2S)インターフェース,パルスコード変調(pulse code modulation, PCM)インターフェース,汎用非同期受信機/送信機(universal asynchronous receiver/transmitter, UART)インターフェース,モバイル産業用プロセッサインターフェース(mobile industry processor interface, MIPI),汎用入出力(general-purpose input/output, GPIO)インターフェース,SIMインターフェース,USBポート、及び/又はその他を含んでよい。USBポート130は、USB標準仕様に準拠するポートであり、具体的には、ミニUSBポート、マイクロUSBポート、USBタイプCポートなどであってよい。USBインターフェース130は、電子デバイス101を充電するために充電器に接続するように構成されてよく、又は電子デバイス101と周辺デバイスとの間でデータを送信するように構成されてよい。これに代えて、USBインターフェース130は、ヘッドセットに接続し、ヘッドセットを使用してオーディオを再生するように構成されてよい。
【0061】
本出願のこの実施形態に例示されたモジュール間のインターフェース接続関係は、単なる説明の例に過ぎず、電子デバイス100の構造に対する制限を構成しないことが理解可能である。本出願のいくつかの他の実施形態では、電子デバイス100は、代替的に、前述の実施形態とは異なるインターフェース接続方式、又は複数のインターフェース接続方式の組み合わせを、使用してよい。
【0062】
充電管理モジュール140は、充電器からの充電入力を受領するように構成されている。充電器は、無線充電器又は有線充電器であってよい。有線充電のいくつかの実施形態では、充電管理モジュール140は、USBポート130を介して有線充電器から充電入力を受領してよい。無線充電が使用されるいくつかの実施形態では、充電管理モジュール140は、電子デバイス100の無線充電コイルを介して無線充電入力を受領してよい。充電管理モジュール140は、バッテリ142が充電された場合に、電力管理モジュール141を使用して、電子デバイスに電力をさらに供給してよい。
【0063】
電力管理モジュール141は、バッテリ142と充電管理モジュール140とをプロセッサ110に接続するように構成されている。電力管理モジュール141は、バッテリ142及び/又は充電管理モジュール140の入力を受領し、プロセッサ110、内部メモリ121、外部メモリ、ディスプレイ194、カメラ193、無線通信モジュール160などに電力を供給する。電力管理モジュール141は、さらに、バッテリ容量、バッテリサイクル数、及びバッテリ健康状態(漏電又はインピーダンス)などのパラメータを監視するように構成してよい。いくつかの他の実施形態では、電力管理モジュール141は、代替的にプロセッサ110内に配置されてよい。いくつかの他の実施形態では、電力管理モジュール141と充電管理モジュール140とは、代替的に、同じデバイス内に配置されてよい。
【0064】
電子デバイス100の無線通信機能は、アンテナ1、アンテナ2、移動通信モジュール150、無線通信モジュール160、モデムプロセッサ、ベースバンドプロセッサなどによって実現してよい。
【0065】
アンテナ1とアンテナ2とは、電磁波信号を送受信するように構成されている。電子デバイス100内の各アンテナは、1つ以上の通信帯域をカバーするように構成してよい。アンテナの利用を向上させるために、異なるアンテナをさらに多重化してよい。例えば、アンテナ1は、無線ローカルエリアネットワーク内のダイバーシティアンテナとして多重化されてよい。いくつかの他の実施形態では、アンテナは、同調スイッチと組み合わせて使用されてよい。
【0066】
電子デバイス100に適用され、2G/3G/4G/5Gなどの無線通信を含む解決策を、移動通信モジュール150は提供してよい。移動通信モジュール150は、少なくとも1つのフィルタ、スイッチ、電力増幅器、低ノイズ増幅器(low noise amplifier, LNA)などを含んでよい。移動通信モジュール150は、アンテナ1を介して電磁波を受信し、受信電磁波に対するフィルタリング又は増幅などの処理を行い、処理された電磁波を復調のためにモデムプロセッサへ送信してよい。さらに、移動通信モジュール150は、モデムプロセッサによって変調された信号を増幅し、放射のためにアンテナ1を使用して、信号を電磁波に変換してよい。いくつかの実施形態では、移動通信モジュール150の少なくともいくつかの機能モジュールは、プロセッサ110に配置されてよい。いくつかの実施形態では、移動通信モジュール150の少なくともいくつかの機能モジュールと、プロセッサ110の少なくともいくつかのモジュールとは、同じデバイス内に配置されてよい。
【0067】
無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area networks, WLAN)(例えば、ワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity, Wi-Fi)ネットワーク),ブルートゥース(Bluetooth,BT),グローバルナビゲーション衛星システム(global navigation satellite system, GNSS),周波数変調(frequency modulation, FM),近距離通信(near field communication, NFC),赤外線(infrared, IR)技術などを含めて、電子デバイス100に適用される無線通信の解決策を、無線通信モジュール160は提供してよい。無線通信モジュール160は、少なくとも1つの通信プロセッサモジュールを統合する1つ以上の構成要素であってよい。無線通信モジュール160は、アンテナ2を介して電磁波を受信し、電磁波信号に対して周波数変調及びフィルタ処理を行い、処理された信号をプロセッサ110へ伝送する。さらに、無線通信モジュール160は、プロセッサ110から伝送されようとする信号を受領し、その信号に対して周波数変調及び増幅を行い、処理された信号を電磁波に変換して、アンテナ2を介して放射してよい。
【0068】
電子デバイス100は、GPU、ディスプレイ194、アプリケーションプロセッサなどを使用してディスプレイ機能を実現する。GPUは画像処理のためのマイクロプロセッサであり、ディスプレイ194とアプリケーションプロセッサとに接続されている。GPUは、数学的及び幾何学的計算を実行し、画像をレンダリングするように構成されている。プロセッサ110は、表示情報を生成又は変更するプログラム命令を実行する1つ以上のGPUを含んでよい。
【0069】
ディスプレイ194は、画像、ビデオなどを表示するように構成されている。ディスプレイ194は、ディスプレイパネルを含む。表示パネルは、液晶ディスプレイ(liquid crystal display, LCD),有機発光ダイオード(organic light-emitting diode, OLED),アクティブマトリックス有機発光ダイオード(active-matrix organic light emitting diode, AMOLED),フレキシブル発光ダイオード(flex light-emitting diode, FLED),ミニ発光ダイオード(mini light-emitting diode, mini LED),micro LED,micro OLED,量子ドット発光ダイオード(quantum dot light emitting diodes, QLED)などであってよい。いくつかの実施形態では、電子デバイス100は、1つ以上のディスプレイ194を含んでよい。
【0070】
本出願のいくつかの実施形態では、表示パネルが、OLED、AMOLED又はFLEDのような材料で作られている場合に、
図1のディスプレイ194は、曲げられてよい。ここで、ディスプレイ194が曲げられてよいということは、ディスプレイが任意の部分で任意の角度に曲げられてよく、その角度で保持されてよいことを意味する。例えば、ディスプレイ194は、中央から左右に折り畳める。あるいは、ディスプレイ194は、中央から上下に折り畳める。
【0071】
電子デバイス100のディスプレイ194は、フレキシブルスクリーンであってよい。現在、フレキシブルスクリーンは、フレキシブルスクリーンの独特な特徴と大きな可能性のため、多くの注目を集めている。従来のスクリーンと比較して、フレキシブルスクリーンは、強い柔軟性と曲げ性の特徴を有し、電子デバイスに対するユーザのさらに多くの要求を満たすために、曲げ可能性の特徴に基づく新しい相互作用モードをユーザに提供することができる。折り畳み式ディスプレイを伴って構成された電子デバイスの場合に、電子デバイス上の折り畳み式ディスプレイは、折り畳み形態の小型スクリーンと、伸張形態の大型スクリーンとの間で、いつでも切り替えてよい。従って、ユーザは、折り畳み式ディスプレイで構成された電子デバイス上で、分割スクリーン機能をより頻繁に使用する。
【0072】
電子デバイス100は、ISP、カメラ193、ビデオコーデック、GPU、ディスプレイ194、アプリケーションプロセッサなどを使用して、撮影機能を実現してよい。
【0073】
ISPは、カメラ193によってフィードバックされたデータを処理するように構成されている。例えば、撮影中にシャッタが押されて、レンズを介してカメラの感光素子に光が入射される。光信号が電気信号に変換され、カメラの感光素子がISPに電気信号を送信して処理し、電気信号を可視画像に変換する。ISPはさらに、画像のノイズ、輝度、及び皮膚の色に関してアルゴリズム最適化を実行してよい。ISPはさらに、撮影シナリオの露出及び色温度などのパラメータを最適化してよい。いくつかの実施形態では、ISPは、カメラ193に配置されてよい。
【0074】
カメラ193は、静止画像又はビデオをキャプチャーするように構成されている。物体の光学画像は、レンズを通して生成され、感光素子上に投影される。感光素子は、電荷結合素子(charge coupled device, CCD)又は相補型金属-酸化物-半導体(complementary metal-oxide-semiconductor, CMOS)フォトトランジスタであってよい。感光素子は、光信号を電気信号に変換した後、電気信号をISPへ送信して、電気信号をデジタル画像信号に変換する。ISPは、処理のためにデジタル画像信号をDSPに出力する。DSPは、デジタル画像信号を、標準フォーマット、例えば、RGB又はYUVの画像信号に変換する。いくつかの実施形態では、電子デバイス100は、1つ以上のカメラ193を含んでよい。
【0075】
デジタル信号プロセッサは、デジタル信号を処理するように構成され、デジタル画像信号に加えて別のデジタル信号を処理してよい。例えば、電子デバイス100が周波数を選択した場合に、デジタル信号プロセッサは、周波数エネルギーに対してフーリエ変換を実行するように構成されている。
【0076】
ビデオコーデックは、デジタルビデオを圧縮又は解凍するように構成されている。電子デバイス100は、1つ以上のビデオコーデックをサポートしてよい。従って、電子デバイス100は、複数の符号化フォーマット、例えば、動画エキスパートグループ(moving picture experts group, MPEG)-1、MPEG-2、MPEG-3、及びMPEG-4でビデオを再生又は記録してよい。
【0077】
NPUは、ニューラルネットワーク(neural-network, NN)計算プロセッサである。NPUは、例えば、人の脳ニューロン間の伝達様式を参照するなどして、生物学的ニューラルネットワーク構造を参照することにより入力情報を迅速に処理するのであり、さらに、自己学習を継続的に行うことができる。NPUを使用して、画像認識、顔認識、音声認識、及びテキスト理解のような電子デバイス100のインテリジェント認知のようなアプリケーションを実現してよい。
【0078】
外部メモリインターフェース120は、電子デバイス100の記憶能力を拡張するために、外部メモリカード、例えばマイクロSDカードに接続するように構成してよい。外部メモリカードは、外部メモリインターフェース120を介してプロセッサ110と通信し、データ記憶機能を実現する。例えば、音楽やビデオなどのファイルは、外部記憶カードに記憶される。
【0079】
内部メモリ121は、1つ以上のコンピュータプログラムを記憶するように構成してよく、1つ以上のコンピュータプログラムは命令を含む。プロセッサ110は、内部メモリ121に記憶された命令を実行してよく、その結果、電子デバイス101は、本出願のいくつかの実施形態で提供される近距離通信方法、様々なアプリケーション、データ処理などを実行する。内部メモリ121は、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とを含んでよい。プログラム記憶領域は、オペレーティングシステムを記憶してよい。さらにプログラム記憶領域は、1つ以上のアプリケーション(例えば、ギャラリー及び連絡先)などを記憶してよい。データ記憶領域は、電子デバイス101の使用中に生成されたデータ(例えば、写真及び連絡先)などを記憶してよい。さらに、内部メモリ121は、高速ランダムアクセスメモリを含んでよく、又は不揮発性メモリ、例えば1つ以上の磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュ記憶デバイス、又はユニバーサルフラッシュストレージ(universal flash storage, UFS)を含んでよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ110は、内部メモリ121に記憶された命令、及び/又はプロセッサ110に配置されたメモリに記憶された命令を実行してよく、その結果、電子デバイス101は、本出願の実施形態で提供される短距離情報送信方法、他のアプリケーション、及びデータ処理を実行する。電子デバイス100は、オーディオモジュール170、スピーカ170A、受話機170B、マイクロホン170C、ヘッドセットジャック170D、アプリケーションプロセッサなどを使用して、オーディオ機能、例えば、音楽再生機能及び記録機能を実現してよい。
【0080】
センサモジュール180は、圧力センサ180A、ジャイロスコープセンサ180B、気圧センサ180C、磁気センサ180D、加速度センサ180E、距離センサ180F、光近接センサ180G、指紋センサ180H、温度センサ180J、タッチセンサ180K、周囲光センサ180L、骨伝導センサ180Mなどを含んでよい。
【0081】
圧力センサ180Aは、圧力信号を感知するように構成され、圧力信号を電気信号に変換することができる。いくつかの実施形態では、圧力センサ180Aは、ディスプレイ194上に配置されてよい。複数のタイプの圧力センサ180A、即ち、抵抗圧力センサ、誘導圧力センサ、及び容量性圧力センサなどが存在する。容量性圧力センサは、導電性材料で作られた少なくとも2つの平行プレートを含んでよい。圧力センサ180Aに力が加えられると、電極間のキャパシタンスが変化する。端末100は、キャパシタンスの変化に基づいて圧力強度を決定する。タッチ操作がディスプレイ194で実行されると、端末100は、圧力センサ180Aを使用してタッチ操作の強度を検出する。また、端末100は、圧力センサ180Aの検出信号に基づいてタッチ位置を計算してよい。いくつかの実施形態では、同じタッチ位置で実行されるタッチ操作であるが、異なるタッチ操作強度を有するタッチ操作は、異なる操作命令に対応してよい。例えば、メッセージアイコンで、タッチ操作の強度が第1圧力閾値未満のタッチ操作を行うと、SMSメッセージを見るための命令が実行される。メッセージアイコンで、タッチ操作の強度が第1圧力閾値以上のタッチ操作を行うと、SMSメッセージを作成するための命令が実行される。
【0082】
ジャイロスコープセンサ180Bは、端末100の移動姿勢を決定するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、3つの軸(即ち、x、y及びz軸)の周りの端末100の角速度は、ジャイロスコープセンサ180Bを使用して決定されてよい。ジャイロスコープセンサ180Bは、撮影中にぶれの防止を行うように構成されてよい。例えば、シャッタが開かれると、ジャイロスコープセンサ180Bは、端末100がジッタする角度を検出し、レンズモジュールが補償する必要がある距離をその角度に基づいて計算し、レンズが、反転動作によって端末100のジッタをキャンセルして、ぶれの防止を実行することを可能にする。さらにジャイロスコープセンサ180Bは、ナビゲーションシナリオと、動き感知ゲームシナリオとに使用してよい。
【0083】
気圧センサ180Cは、気圧を測定するように構成されている。いくつかの実施形態では、端末100は、測位及びナビゲーションを支援するために、気圧センサ180Cによって測定された気圧値を使用して高度を計算する。
【0084】
磁気センサ180Dは、ホール効果センサを含む。端末100は、磁気センサ180Dを使用して、フリップレザーケースの開閉を検出してよい。いくつかの実施形態では、端末100がクラムシェル電話機である場合に、端末100は、磁気センサ180Dを使用して、フリップカバーの開閉を検出してよい。さらに、フリップカバーの開状態又は閉状態を検出したことに基づいて、フリップカバーを開いた時点での自動ロック解除などの機能を設定する。
【0085】
加速度センサ180Eは、端末100の全方向(通常3軸)の加速度値を検出することができる。なお、端末100が静止している場合には、重力の値及び方向を検出してよい。加速度センサ180Eは、さらに、端末の姿勢を識別するように構成されてよく、景観モードとポートレートモードとの間のスクリーン切り替え、また歩数計などの用途に適合される。
【0086】
距離センサ180Fは、距離を測定するように構成されている。端末100は、赤外線又はレーザにより距離を測定してよい。いくつかの実施形態では、端末100は、距離を測定するために距離センサ180Fを使用して、撮影シナリオにおいて高速フォーカスを実現してよい。
【0087】
光学近接センサ180Gは、例えば、発光ダイオード(LED)及び光学検出器、例えば、フォトダイオードを含んでよい。発光ダイオードは赤外線発光ダイオードであってよい。端末100は、発光ダイオードを使用して赤外線を発光する。端末100は、フォトダイオードを使用して、近くの物体からの赤外線反射光を検出する。十分な反射光が検出された場合に、端末100の近くに物体が存在すると決定してよい。不十分な反射光が検出された場合に、端末100は、端末100の近くに物体が存在しないと決定してよい。端末100は、光近接センサ180Gを使用して、ユーザが保持する端末100が通話のために耳の近くにあることを検出して、電力を節約するためにスクリーンを自動的にオフにしてよい。光近接センサ180Gはまた、レザーケースモード又はポケットモードで使用して、スクリーンを自動的にロック解除又はロックしてよい。
【0088】
周囲光センサ180Lは、周囲光の輝度を感知するように構成されている。端末100は、感知された周囲光の輝度に基づいてディスプレイ194の輝度を適応的に調整してよい。さらに周囲光センサ180Lは、撮影中にホワイトバランスを自動的に調整するように構成されてよい。また、周囲光センサ180Lは、光学近接センサ180Gと協働して、端末100が誤った接触を防止するためにポケット内にあるか否かを検出してよい。
【0089】
指紋センサ180Hは、指紋を収集するように構成されている。端末100は、収集された指紋の特徴を使用して、指紋ベースのロック解除、アプリケーションロックアクセス、指紋ベースの写真撮影、指紋ベースの通話応答などを実行してよい。
【0090】
温度センサ180Jは、温度を検出するように構成されている。いくつかの実施形態では、端末100は、温度センサ180Jによって検出された温度を使用して、温度処理ポリシーを実行する。例えば、温度センサ180Jによって報告された温度が閾値を超えると、端末100は、温度センサ180Jの近くに位置するプロセッサの性能を低下させて、熱保護を実施するための電力消費を低減する。いくつかの他の実施形態では、温度が別の閾値より低い場合に、端末100は、低温のために異常に端末100がシャットダウンされるのを防止するために、バッテリ142を加熱する。いくつかの他の実施形態では、温度がさらに別の閾値よりも低い場合に、端末100は、低温によって引き起こされる異常なシャットダウンを回避するために、バッテリ142の出力電圧を上昇させる。
【0091】
タッチセンサ180Kは、「タッチパネル」とも称される。タッチセンサ180Kは、ディスプレイ194上に配置されてよく、タッチセンサ180Kとディスプレイ194とは、タッチスクリーンを形成する。タッチセンサ180Kは、タッチセンサ上又はその近傍で実行されるタッチ動作を検出するように構成されている。タッチセンサは、タッチイベントのタイプを決定するために、検出されたタッチ動作をアプリケーションプロセッサに転送してよい。タッチ操作に関連する視覚出力がディスプレイ194で提供されてよい。いくつかの他の実施形態では、タッチセンサ180Kはさらに、ディスプレイ194の位置とは異なる位置で、端末100の表面上に配置されてよい。
【0092】
骨伝導センサ180Mは、振動信号を取得してよい。いくつかの実施形態では、骨伝導センサ180Mは、人の声帯部の振動骨の振動信号を取得してよい。骨伝導センサ180Mはまた、人の脈拍と接触し、血圧拍動信号を受領することができる。いくつかの実施形態では、骨伝導センサ180Mは、骨伝導ヘッドセットを得るように、代替的にヘッドセットに配置されてよい。音声機能を実現するために、音声部分の振動骨の振動信号であって、骨伝導センサ180Mによって取得される振動信号に基づいて解析することによって、オーディオモジュール170は音声信号を取得してよい。アプリケーションプロセッサは、骨伝導センサ180Mによって取得された血圧拍動信号に基づいて心拍数情報を解析して、心拍数検出機能を実施してよい。
【0093】
ボタン190は、パワーボタン、ボリュームボタンなどを含む。ボタン190は、機械的ボタンであってよく、又はタッチボタンであってよい。端末100は、ボタン入力を受領し、端末100のユーザ設定及び機能制御に関連するボタン信号入力を生成してよい。
【0094】
モータ191は、振動プロンプトを生成してよい。モータ191は、着呼振動プロンプトのために使用されてよく、又はタッチ振動フィードバックのために使用されてよい。例えば、異なるアプリケーション(例えば、写真撮影及びオーディオ再生)に対して実行されるタッチ操作が、異なる振動フィードバック効果に対応してよい。モータ191はまた、ディスプレイ194の異なる領域で実行されたタッチ操作に対する異なる振動フィードバック効果に対応してよい。さらに、異なる応用シナリオ(例えば、時間リマインダ、情報受信、アラーム時計、ゲーム)が、異なる振動フィードバック効果に対応してよい。タッチ振動フィードバック効果はさらにカスタマイズされてよい。
【0095】
インジケータ192は、インジケータランプであってよく、充電状態及び電力変化を示すように構成されてよく、又はメッセージ、不在着信、通知などを示すように構成されてよい。
【0096】
本出願の実施形態を述べる前に、本出願の実施形態におけるいくつかの関連する概念を最初に述べる。
【0097】
近距離通信コントローラインターフェース(NFC controller interface, NCI)は、近距離通信コントローラ(NFC controller, NFCC)とデバイスホスト(device host, DH)との間の通信のための命令とデータとのプロトコル仕様である。
【0098】
アプリケーション識別子(applet identifier, AID)は、セキュア要素(secure element, SE)に記憶されたアプリケーション(applet)、又はオペレーティングシステムの側にあるアプリケーションの識別子である。NFCアプリケーションのシナリオでは、1つのカードタイプが1つのAIDに対応してよい。
【0099】
図2は、本出願の一実施形態によるシステムアーキテクチャーの概略図である。
図2に示すように、システムはピアNFCカードリーダデバイス210と電子デバイス220とを含む。電子デバイス220は、アプリケーションプロセッサ(application processor, AP)221とNFCC222とを含む。AP221は、アプリケーション2211及びオペレーティングシステム(operating system, OS)2212を含む。ピアNFCカードリーダデバイス210は、NFC無線通信標準を使用してNFCC222と通信してよい。NFCC222は、NFC NCIプロトコルを使用してOS2212と通信してよい。OS2212は、システムブロードキャスト又はシステムアプリケーションプログラミングインターフェース(application programming interface, API)を使用してアプリケーション2211と通信してよい。
【0100】
一実施形態によると、電子デバイス220は、SE223をさらに含む。SE223は、NFCアプリケーションプロトコルデータユニット(application protocol data unit, APDU)プロトコルを使用して、NFCC222と情報又はデータを交換してよい。SE223は、電子デバイス220に内蔵されているセキュア要素であって、改ざんされることが許されない秘密データを記憶する、例えば、ユーザカード情報を記憶するように構成されたセキュア要素である。セキュア要素は、電子デバイスのセキュリティレベルを向上させることができる。データバックアッププロセスにおいて、SE223は、セキュリティドメイン(security domain)を作成してよい。セキュリティドメイン内のデータは、バックアッププロセスにおけるデータセキュリティを向上させるために、暗号化され、その後、バックアップのためにアプリケーション層にアップロードされる。
【0101】
ピアNFCカードリーダデバイス210は、電子デバイス220に接近するカードリーダであり、例えば、銀行カード販売時点(point of sale, POS)端末、地下鉄カードリーダゲート、バスPOS端末、車両ドアハンドルカードリーダ、及びトレッドミルカードリーダである。
【0102】
NFCC222は、電子デバイス上のNFCチップコントローラであり、コントローラは、ピアNFCカードリーダデバイス210とのNFC通信を直接実行してよい。
【0103】
OS2212は、電子デバイス上で動作するオペレーティングシステム、例えば、Androidオペレーティングシステムである。
【0104】
アプリケーション2211は、OS2212内で動作するアプリケーション(例えば、「ウォレット」又は「Google Pay」)であり、電子デバイス210のオペレーティングシステムインターフェース上で、ユーザが見られるアプリケーションである。
【0105】
図3は、本出願の一実施形態に係るNFCシステムブロードキャストメッセージを受信した後、電子デバイスが自動的にアプリケーションをポップアップするプロセスの概略フローチャートである。
図3に示すように、このプロセスは、以下のステップを含む。
【0106】
S301。ピアNFCカードリーダデバイス210に近づいた場合に、電子デバイスは、ピアNFCカードリーダデバイス210によって伝送されたNFCフィールド強度感知メッセージを受領する。
【0107】
ピアNFCカードリーダデバイス210は、NFCC222とNFC通信を行う。NFC通信のための最初の通信命令は、NFCフィールド強度感知メッセージ(又は「NFCフィールドオンメッセージ」と称してよい)であり、NFCC222は、NFCフィールド強度メッセージを感知してよい。
【0108】
一実施形態では、ピアNFCカードリーダデバイス210は、さらに、第1指示情報と第2指示情報とをNFCC222へ伝送してよい。第1指示情報は、RFリスニングモードを示すために使用され、第2指示情報は、アプリケーション内のカードの識別情報を示すために使用される。
【0109】
例えば、ピアNFCカードリーダデバイス210は、NFCフィールド強度感知メッセージと、第1指示情報と、第2指示情報とを順次NFCC222へ伝送してよい。NFCC222は、NFCフィールド強度感知メッセージを受領した後、NFCフィールド強度メッセージをAPへ伝送してよい。
【0110】
従来技術では、NFCフィールド強度感知メッセージと、第1指示情報と、第2指示情報とを受領した後、NFCC222は、AP221に対してNFCフィールド強度メッセージのみを報告する。NFCC222は、第1指示情報と第2指示情報との報告をサポートしない。
【0111】
S302。NFCC222は、NFCフィールド強度メッセージをAP221へ伝送する。
【0112】
例えば、NFCフィールド強度感知強度を感知した後、NFCC222は、NCIプロトコルを使用してDH側のOS2212と通信して、NFCフィールド強度イベントをOS2212に通知してよい。
【0113】
OS2212は、NFCC222によって伝送されたNFCフィールド強度メッセージを受領した後、OS2212は、NFCフィールド強度システムブロードキャストメッセージをアプリケーション2211へ伝送する。
【0114】
NFCフィールド強度メッセージ受領後、DH側のOS2212はNFCフィールド強度システムブロードキャストメッセージを伝送する。
【0115】
S303。AP221は、オンにするようにディスプレイを制御するか、又はインターフェースの前景でポップアップするようにアプリケーション2211を制御する。
【0116】
アプリケーション2211がインストールされると、アプリケーション2211は登録され、NFCフィールド強度システムブロードキャストメッセージを聴く。OS2212によって伝送されたNFCフィールド強度システムブロードキャストメッセージを受領した後、AP221は、オンにするようにディスプレイを制御するか、又はディスプレイがオンにされた後にインターフェース前景で動作するためにアプリケーション2211を起動してよい。
【0117】
一実施形態では、電子デバイスは、電子デバイスの製造業者のアプリケーションをデフォルトアプリケーションとして使用することが一般的であり、NFCフィールド強度メッセージを受領すると(即ち、カードリーダに近づいた場合に)、電子デバイスは、自動的にデフォルトアプリケーションをポップアップする。
【0118】
例えば、華為の携帯電話の場合に、「ウォレット」がデフォルトの支払いアプリケーションとして使用されてよく、NFCフィールド強度メッセージを受領すると、電子デバイスは自動的に「ウォレット」をポップアップしてよい。
【0119】
別の例として、iphoneの場合に、「Apple Pay」がデフォルトの支払いアプリケーションとして使用されてよく、NFCフィールド強度メッセージを受信すると、電子デバイスは自動的に「Apple Pay」をポップアップしてよい。
【0120】
本出願のこの実施形態では、アプリケーション2211が「ウォレット」である例を使用して説明する。「ウォレット」は、複数の仮想カード、例えば、公共輸送カード、銀行カード、アクセスカード、及び身分証明カードを含んでよい。各カードは、1つの唯一のAIDに対応してよい。電子デバイスは、SE223で、複数のアプリケーションのカードとAIDとの間の対応を記憶してよい。電子デバイスは、1つのカードをアクティブ化してよい。例えば、表1は、複数のアプリケーションにおけるカードとAIDとの間の対応を示す。
【表1】
【0121】
例えば、複数のアプリケーションにおけるカードとAIDとの間でSEに記憶された対応は、各カードの以前の消費情報と残高情報とをさらに含んでよい。表2を参照する。
【表2】
【0122】
図2では、電子デバイスが1つのSEを含む例を使用して、説明がなされることが理解されるものとする。これに代えて、電子デバイスは、複数のSEを含んでよく、各SEは、アプリケーション内のカードとAIDとの間の対応を記憶する。各SEにおいて、1つのAIDはアクティブ状態にあり、他のAIDは非アクティブ状態にあってよい。電子デバイスが複数のSEを記憶する場合に、NFCCは、ルーティングテーブルを記憶してよい。ピアNFCカードリーダデバイスがAIDに関する情報を伝送した後、NFCCはルーティングテーブルを使用して対応するSEを見つけ、AIDに関する情報を対応するSEへ伝送してよい。AIDが、対応するSEによってアクティブ化されるAIDである場合に、SEは、AIDに対応する情報、例えば、料金控除情報と残高情報とを修正してよい。関連する操作を実行した後、SEは、関連する操作が完了したことを示すために、NFCCに指示を伝送してよい。NFCCは、その指示をピアNFCカードリーダデバイスに転送することができ、ピアNFCカードリーダデバイスは、対応する動作を行ってよい。例えば、ピアNFCカードリーダデバイスは、ゲートを開くか、又はカードのスワイピングが成功したことを示す情報をユーザにプロンプトする。
【0123】
AIDが、対応するSEによってアクティブ化されたAIDではない場合に、SEが関連する操作を実行しないことが可能であり、SEがNFCCに指示を伝送しないことが可能であり、NFCCがピアNFCカードリーダデバイスに指示を伝送しないことが可能であり、又はピアNFCカードリーダデバイスがゲートを開いたり、カードのスワイピングが成功したことを示す情報をユーザにプロンプトしたりするなどの対応する操作を実行しない。
【0124】
電子デバイスでのSEは、複数のアプリケーションにおけるカードとAIDとの間の対応を記憶してよい。アプリケーションによっては、例えば、ドア制御アプリケーション及びトレッドミルアプリケーションのように、カードを含まないことが可能である。SEに記憶された複数のAIDのうちの1つのみがアクティブ状態であってよい。例えば、表1の「長安カード」はアクティブ状態である。西安でバスを利用する場合に、ユーザは携帯電話のNFC機能を有効にし、携帯電話をバスゲートに近づくために移動させてから、カードをスワイピングしてバスに乗ってよい。ユーザが深せんでの地下鉄を利用し、携帯電話を移動させて地下鉄のゲートに近づいた場合に、携帯電話は自動的に「ウォレット」をポップアップし、デフォルトカード、即ち「長安カード」を表示する。この場合に、ユーザは「深せん輸送カード」に手動で切り替える必要があり、その後、カードをスワイピングして駅にはいってよい。この場合に、携帯電話は自動的に誤ったカードをポップアップし、ユーザは手動で切り替える必要がある。その結果、ユーザは面倒な操作を実行し、その結果、ユーザの体験が比較的不十分になる。
【0125】
なお、「長安カード」から「深せん輸送カード」へユーザが切り替えたことを携帯電話が検知した場合に、「深せん輸送カード」をアクティブ化し、「長安カード」を非アクティブ化するようSEに指示するように、「ウォレット」は、携帯電話内のSEに命令を伝送してよいことに留意するものとする。SEが「深せん輸送カード」をアクティブ化した後、ユーザはカードをスワイピングして駅にはいってよい。
【0126】
ユーザがトレッドミルを使用し、トレッドミルのデータを携帯電話へ送信する必要がある場合に、ユーザは、携帯電話を動かしてトレッドミルカードリーダに近づけてよい。この場合に、携帯電話は自動的に「ウォレット」をポップアップし、デフォルトカード、即ち「長安カード」を表示する。ユーザが手動でトレッドミルアプリケーションに切り替えた後にのみ、携帯電話はトレッドミルとNFC通信を行い、トレッドミルはユーザの運動データを携帯電話の側でのトレッドミルアプリケーションへ伝送してよい。
【0127】
NFC機能が有効にされている他の携帯電話に近づくためにユーザが携帯電話を動かすと、携帯電話は自動的に「ウォレット」をポップアップし、デフォルトカード、即ち「長安カード」を表示してよい。しかし、この場合に、ユーザは、携帯電話が「ウォレット」をポップアップすることを期待しない。さらにユーザは、次の操作を行うために「ウォレット」を閉じる必要がある。
【0128】
以上の場合に、ユーザが深せんでの地下鉄を利用し、ユーザが地下鉄ゲートに近づくために携帯電話を動かすと、携帯電話は自動的にユーザに対して「ウォレット」の中の「長安カード」をポップアップする。ただし、「長安カード」は、ユーザが期待している公共輸送カードではない。あるいは、ユーザがトレッドミルを使用しているときに、ユーザがトレッドミルカードリーダに近づくために携帯電話を動かすと、携帯電話は自動的に「ウォレット」の中の「長安カード」をポップアップして使用する。しかし、この場合に、ユーザは「ウォレット」がポップアップされることを期待しない。これに代えて、NFC機能が有効になっている他の携帯電話に近づくために移動すると、携帯電話は自動的に「ウォレット」の中の「長安カード」をポップアップする。しかし、この場合に、ユーザは「ウォレット」がポップアップされることを期待しない。いずれの場合も、NFC機能を使用した場合に、ユーザ体験に影響を与える。
【0129】
上述の問題の理由は以下の通りである。即ち、カードリーダに近づいた場合に、ピアNFCカードリーダデバイスから伝送されたフィールド強度感知メッセージを電子デバイスが受領するためである。NFCCは、NFCフィールド強度メッセージのみをOSへ伝送する、即ち、NFCCはNFCフィールド強度メッセージのみをOSに報告する。しかしながら、OSはNFCフィールド強度メッセージに基づいてピアNFCカードリーダデバイスのタイプを識別することはできず、NFCフィールド強度メッセージを受領した後、電子デバイスのオペレーティングシステムはNFCフィールド強度システムブロードキャストメッセージを「ウォレット」へ伝送する。その結果、電子デバイスは、「ウォレット」の中の誤ったカードをポップアップしたり、意図せずにカードをポップアップしたりする。
【0130】
本出願のこの実施形態では、電子デバイスがピアカードリーダデバイスとNFC通信を行うプロセスにおいて、NFCコントローラは命令フローをオペレーティングシステムに報告し、オペレーティングシステムは命令フローの特徴に基づいてピアNFCカードリーダデバイスのタイプを決定してよい。あるいは、NFCコントローラがピアカードリーダデバイスから伝送された情報を受領した後、NFCコントローラはピアNFCカードリーダデバイスのタイプを決定し、そのタイプをオペレーティングシステムに報告する。オペレーティングシステムは、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプに基づいて、サービス関連アプリケーションを実行することを決定してよい。このようにして、さらに良好なユーザ体験をユーザにもたらすことができる。
【0131】
図4Aないし
図4Dは、本出願の一実施形態による一組のグラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface, GUI)を示す。
【0132】
図4Aに示すGUIは、「ウォレット」の表示インターフェースである。表示インターフェース上に、「ウォレット」は、輸送カード、銀行カード、キー、身分証明書、会員証などを含む。輸送カードは、ユーザによってアクティブ化される長安カード、上海公共輸送カード、深せん輸送カードなどを含んでよい。
図4Bに示すGUIでは、ユーザは、デフォルトの公共輸送カードとして長安カードを設定してよい。この場合に、SEにおいては、長安カードはアクティブ状態にあり、他のカードは非アクティブ状態にある。
【0133】
図4Bに示すGUIは、カードスワイピングによって行われる支払いのインターフェースである。西安でバスを利用する場合に、携帯電話を動かして西安でのバスゲートに近づけてよい。この場合に、ゲートには「カードのスワイプに成功!」という情報が表示され、携帯電話には長安カードのカードスワイピングインターフェースが表示されてよい。
【0134】
図4Cに示すGUIは、カードスワイピングを介して行われる支払いの別のインターフェースである。深せんでのバスを利用する場合に、ユーザは、深せんでのバスゲートに近づくために携帯電話を動かしてよい。この場合に、ゲートには「カードのスワイプに成功!」という情報が表示され、携帯電話には深せん輸送カードのカードスワイピングインターフェースが表示されてよい。
【0135】
なお、ユーザが深せんでのバスを利用する場合に、携帯電話の「ウォレット」に記載されているデフォルトの公共輸送カードは、この場合に、依然として長安カードであることを理解するものとする。従って、携帯電話が深せんでのバスゲートに近づいた場合に、携帯電話は、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプが深せんでのバスゲートであると決定してよい。この場合に、携帯電話内の「ウォレット」は、ユーザがバスに乗るためにカードをスワイピングすることができるように、「ウォレット」で深せんの公共輸送カードをアクティブ化するようにSEに指示してよい。そのプロセスで、携帯電話の電源を入れ、NFC機能を有効にする必要がある。
【0136】
図4Dに示すGUIは、カードスワイピングを介して行われる支払いの別のインターフェースである。北京でのバスを利用する場合に、ユーザは携帯電話を動かして北京でのバスゲートに近づかせてよい。この場合に、ゲートには「カードの選択に失敗しました。手動で選択してください」という情報が表示される。
【0137】
使用者が北京でバスを利用する前に、北京公共輸送カードは使用者の携帯電話ではアクティブ化されないことを理解するものとする。従って、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプが北京でのバスゲートであると、携帯電話が決定した後は、公共輸送カードを自動的に切り替えることはできない。この場合に、携帯電話から手動でカードを選択するように、ユーザをプロンプトしてよい。ユーザが北京公共輸送カードを手動でアクティブ化した後、ユーザは、バスに乗るためにカードをスワイピングしてよい。
【0138】
本出願のこの実施形態では、電子デバイスは、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプが識別できる。従って、カードを使用する際にユーザが行う煩雑な操作を避けるために、携帯電話は、デバイスのタイプに応じて自動的にカードを切り替え、ピアNFCカードリーダデバイスに対応する現在のカードを自動的にアクティブ化することができる。これは、ユーザの体験を向上させるのに役立つ。
【0139】
本出願のこの実施形態では、「ウォレット」は、複数のタイプのカード、例えば、銀行カード、公共輸送カード、身分証明書及び会員カードを含んでよいことを理解するものとする。以上の説明は、単に公共輸送カードを例として説明したものにすぎない。
【0140】
一実施形態では、「ウォレット」に加えて、携帯電話はさらに、別のアプリケーション、例えば「Google Pay」を含んでよい。「Google Pay」はまた、公共輸送カード、銀行のカードなどを含んでよい。ユーザが利用する公共輸送カードが「Google Pay」である場合に、携帯電話がピアNFCカードリーダデバイスのタイプを決定した後、携帯電話は「Google Pay」での公共輸送カードを自動的にアクティブ化してよい。
【0141】
図5は、本出願の一実施形態による別のシステムアーキテクチャーの概略図である。オペレーティングシステムは、NFCドライバ層(NFC driver),NFCハードウェア抽象化層(NFC hardware abstraction layer, NFC HAL),NFCプロトコルスタック,NFC Javeネイティブインターフェース(NFC Jave native interface, NFC JNI),NFCサービス(NFC service),及びカードリーダデバイス決定モジュールを含む。
図2と比較して、カードリーダデバイス決定モジュールは、
図5のオペレーティングシステムに追加され、モジュールは、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプを決定するためにオペレーティングシステムによって使用されてよい。
【0142】
電子デバイスがピアNFCカードリーダデバイスに近づき、NFCコントローラがNFC無線通信プロトコルに基づいてピアNFCカードリーダデバイスと通信した後、順序付けられたNCI命令フローが生成され、オペレーティングシステムへ伝送される。オペレーティングシステム内のカードリーダデバイス決定モジュールは、命令フローに基づいてピアNFCカードリーダデバイスのタイプを決定してよい。現在の技術的解決策の実施において、NCI命令フローがNFCコントローラによってNFC HALにアップロードされた後、NCI命令フローはNFC Serviceに継続的にアップロードされない。NFC Serviceはアプリケーションと対話するためのユニットであり、NFCフィールド強度メッセージを受信したときに、NFC Serviceはアプリケーションを前景で実行するか否かを決定する。本出願のこの実施形態では、NCI命令フローを受信した後、NFC HALは、NCI命令フローをNFC Serviceにアップロードし続け、NFC Serviceは、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプを決定するために、NCI命令フローをカードリーダデバイス決定モジュールへ伝送する。
【0143】
図6は、本出願の一実施形態による近距離通信方法600の概略フローチャートである。方法600は、
図5に示すシステムに適用可能である。アプリケーションプロセッサは、1つ以上のアプリケーションを含み、1つ以上のアプリケーションは、第1アプリケーションを含む。第1アプリケーションは、第1カードと第2カードとを含む。第1カードは、アクティブ化されたカードである。第2カードは、アクティブ化されていないカードである。
図6に示すように、本方法は、以下のステップを含む。
【0144】
S601。電子デバイスがピアNFCカードリーダデバイスに接近した場合に、ピアNFCカードリーダデバイスは、NFCフィールド強度感知メッセージと、第1指示情報と、第2指示情報とを電子デバイスへ伝送する。ここで第1指示情報は第1RFリスニングモードを示すために使用され、第2指示情報は第2カードのアプリケーション識別子AIDを示すために使用されるか、又は第2指示情報はアプリケーションデータパケットであり、アプリケーションデータパケットはピアNFCカードリーダデバイスと第2アプリケーションとによって生成されたデータを含み、アプリケーションデータパケットはいかなるAIDに関する情報も含まない。
【0145】
一実施形態では、第1RFリスニングモードは、NFC A PASSIVEリスニングモードである。
【0146】
第1指示情報が第1RFリスニングモードを示すために使用される場合に、第1指示情報を電子デバイスへ伝送した後、ピアNFCカードリーダデバイスは、さらに、第2指示情報を電子デバイスへ伝送し続けることを理解するものとする。第2指示情報は、電子デバイスでのアプリケーション(例えば、第1アプリケーション)のアプリケーション識別情報(例えば、AID)を示してよい。あるいは、第2指示情報はアプリケーションデータパケットであってよく、アプリケーションデータパケットは、ピアNFCカードリーダデバイスと第2アプリケーションとによって生成されたデータを含む。
【0147】
例えば、第2カードが深せん公共輸送カードであり、カードリーダデバイスが深せんでのバスゲート又は地下鉄ゲートである場合に、第2指示情報はアプリケーション選択メッセージで搬送され、電子デバイスへ伝送される。アプリケーション選択メッセージは、第2指示情報を搬送する。
【0148】
例えば、カードリーダデバイスがトレッドミルのゲートである場合に、トレッドミルのゲートはアプリケーションデータパケットを電子デバイスへ伝送し、アプリケーションデータパケットはAIDに関する情報を搬送しない。
【0149】
一実施形態では、第1指示情報が第2リスニングモードを示す場合に、電子デバイスは、ピアデバイスがピアNFCカードリーダデバイスではないと決定してよく、NFC機能が有効とされる別の電子デバイスであってよい。
【0150】
例えば、第2リスニングモードは、NFC_F_PASSIVEリスニングモード、NFC_A_ACTIVEリスニングモード、又はNFC_F_ACTIVEリスニングモードの任意の1つであってよい。
【0151】
S602。第2指示情報が第2カードのアプリケーション識別子を示す場合に、電子デバイスは、第2カードを使用してカードリーダデバイスとのトランザクションを実行し、第1アプリケーション内で第2カードに関する情報を自動的に表示する。又は、第2指示情報がアプリケーションデータパケットである場合に、電子デバイスは、いかなるアプリケーションも自動的にポップアップしない。
【0152】
第1アプリケーションは、電子デバイスでのデフォルトアプリケーション(例えば、華為の携帯電話における「ウォレット」)であってよく、又は電子デバイスでのデフォルトアプリケーションでないことが可能であることを理解するものとする。これは、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0153】
例として「ウォレット」を使用する。「ウォレット」はAIDリストを含み、AIDリストは、記録及び記憶のために、NFC serviceネットワーク要素に「ウォレット」で通知される情報である。AIDリストは、新しいカードが「ウォレット」に追加されたり、カードが削除されるたびに更新される。
【0154】
図4Bに示すように、携帯電話が西安でのバスゲートに近づいた場合に、西安でのバスゲートは、携帯電話に第1指示情報と第2指示情報とを伝送してよい。第2指示情報は、長安カードのAIDを示す。従って、携帯電話は、カードリーダに近づいた場合に自動的にトランザクションを完了してよい。
【0155】
図4Cに示されるように、携帯電話が深せんでのバスゲートに近づいた場合に、深せんでのバスゲートは、携帯電話に第1指示情報と第2指示情報とを伝送してよい。第2指示情報は、深せん輸送カードのAIDを示す。従って、カードリーダに近づいた場合に、携帯電話は、まず、深せん輸送カードをアクティブ化するためのカード切り替え操作を自動的に行い、次に、自動的にトランザクションを完了する。
【0156】
以下に、電子デバイスがピアNFCカードリーダデバイスのタイプを決定するプロセスを詳述する。
【0157】
図7A及び
図7Bは、本出願の一実施形態による近距離通信方法700の概略フローチャートである。この方法は、NFCC、オペレーティングシステム、及び電子デバイスでのアプリケーションによって実施してよい。
図7A及び
図7Bに示すように、方法700は、以下のステップを含む。
【0158】
S701。NFCCは、ピアNFCカードリーダデバイスによって伝送されたNFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを受領する。
【0159】
一実施形態では、第1指示情報が第1RFリスニングモードを示す場合に、NFCCはさらに第2指示情報を受領する。
【0160】
本出願のこの実施形態では、NFCCは、NFCフィールド強度感知メッセージと、第1指示情報と、第2指示情報とを順次受信してよい。換言すれば、ピアNFCカードリーダデバイスは、NFCフィールド強度感知メッセージと、第1指示情報と、第2指示情報とを、NFCフィールド強度感知メッセージと、第1指示情報と、第2指示情報とのシーケンスで、NFCCへ伝送してよい。
【0161】
例えば、第1指示情報は、無線周波数インターフェースアクティブ化メッセージにおいて伝送されてよい。
【0162】
例えば、ピアNFCカードリーダデバイスが深せんでのバスゲート又は地下鉄ゲートである場合に、第2指示情報は、アプリケーション選択メッセージの中で搬送され、NFCCへ伝送されてよい。
【0163】
例えば、ピアNFCカードリーダデバイスがトレッドミルのカードリーダデバイスである場合に、第2指示情報は、アプリケーションデータパケットにおいて搬送されてよい。
【0164】
S702。NFCCは、NFCフィールド強度メッセージと第1NCI命令フローとをNFC serviceへ伝送する。
【0165】
一実施形態では、第1NCI命令フローが第1RFリスニングモードを示す場合に、NFC serviceは、さらに、NFCCによって伝送された第2NCI命令フローを受領してよい。第2NCI命令フローに搬送される情報は、第2指示情報と同じであってよい。
【0166】
NFCCは、最初に、NFCフィールド強度メッセージ及び第1NCI命令フロー、又はNFCフィールド強度メッセージ、第1NCI命令フロー及び第2NCI命令フローを、透過的にNFC driverへ伝送してよい。次いで、NFCフィールド強度メッセージ及び第1NCI命令フロー、又はNFCフィールド強度メッセージ、第1NCI命令フロー及び第2NCI命令フローを、NFC driverは、透過的にNFC HALへ送信する。次いで、NFCフィールド強度メッセージ及び第1NCI命令フロー、又はNFCフィールド強度メッセージ、第1NCI命令フロー及び第2NCI命令フローを、NFC HALは、透過的にNFCプロトコルスタックへ送信する。次いで、NFCフィールド強度メッセージ及び第1NCI命令フロー、又はNFCフィールド強度メッセージ、第1NCI命令フロー及び第2NCI命令フローを、NFCプロトコルスタックは、透過的にNFC JNIへ送信する。次いで、NFCフィールド強度メッセージ及び第1NCI命令フロー、又はNFCフィールド強度メッセージ、第1NCI命令フロー及び第2NCI命令フローを、NFC JNIは、透過的にNFC serviceへ送信することが理解されるものとする。
【0167】
従来技術では、NFCフィールド強度メッセージ、第1NCI命令フロー又はNFCプロトコルスタック、第1NCI命令フロー、及び第2NCI命令フローがNFC HALに透過的に送信された後、NFC HALはNFCプロトコルスタックのみを透過的にNFCプロトコルスタックへ送信し、対応するNCI命令フローを透過的に送信しない。これにより、NFC serviceは、NFCフィールド強度メッセージに基づいてピアNFCカードリーダデバイスのタイプを決定することができない。従って、NFCフィールド強度メッセージを受信した後、アプリケーションが前景にポップアップすることを指示する。
【0168】
本出願のこの実施形態では、第1NCI命令フローと第2NCI命令フローとは、プライベートインターフェースを使用して報告してよい。又は第1NCI命令フローと第2NCI命令フローとは、既存のNCIプロトコルに追加されてよい。
【0169】
S703。NFC serviceは、NFCフィールド強度メッセージと第1NCI命令フローとをカードリーダデバイス決定モジュールへ伝送する。
【0170】
一実施形態では、第1NCI命令フローが第1RFリスニングモードを示す場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、さらに、NFCCによって伝送された第2NCI命令フローを受領してよい。
【0171】
S704。カードリーダデバイス決定モジュールは、NFCフィールド強度メッセージと第1NCI命令フローとに基づいて、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプを決定し、又は、カードリーダデバイス決定モジュールは、NFCフィールド強度メッセージと第1NCI命令フローと第2NCI命令フローとに基づいて、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプを決定する。
【0172】
S705。カードリーダデバイス決定モジュールが、第2命令フロー内で搬送されるAIDが、電子デバイスでの第1アプリケーション内の第1カードのAIDであると決定する。第1カードがデフォルトカードである場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、第1指示情報を第1アプリケーションへ伝送する。第1指示情報は、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプが第1アプリケーション内の第1カードに関連することを示すために使用される。
【0173】
S706。電子デバイスでの第1アプリケーション内の第1カードが自動的に前景にポップアップされる。
【0174】
一実施形態では、第1アプリケーションはさらに、電子デバイスでのデフォルトアプリケーション(例えば、「ウォレット」)であってよい。電子デバイスでのデフォルトアプリケーション内のアクティブ化されたカードのAIDリストが記憶されてよい。カードリーダデバイス決定モジュールは、決定中に、デフォルトアプリケーションから対応するAIDリストを取得してよい。カードリーダデバイス決定モジュールが受信した第1NCI命令フローが第1RFリスニングモードを示し、第2NCI命令フローに示されたAIDがアプリケーション内のカードに対応し、電子デバイスに記憶されたAIDである場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、アプリケーションがポップアップすること、又はデフォルトアプリケーションが前景にポップアップしないことを指示する。
【0175】
例えば、電子デバイスでのデフォルトアプリケーションは「ウォレット」であり、「ウォレット」でのアクティブ化されたカードは、長安カード、深せん輸送カード、及び上海公共輸送カードを含む。長安カードのAIDはAID1であり、深せん輸送カードのAIDはAID2であり、上海公共輸送カードのAIDはAID3である。
【0176】
第1NCIフローが第1RFリスニングモードを示し、第2NCIフローがAID1を示す場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプが西安でのバス又は地下鉄ゲートであると決定してよく、ピアNFCカードリーダデバイスが「ウォレット」の長安カードに関連することを示してよい。この場合に、第1指示情報はAID1を搬送してよい。
【0177】
一実施形態では、電子デバイスは、さらに、カードの消費情報、残高情報などをインターフェース上に自動的に表示してよい。例えば、
図4Bに示すように、公共輸送カードに関する情報、即ち「1中国元が今回消費され、残高は19中国元」が、携帯電話のインターフェースに表示される。
【0178】
第2NCI命令フローを受け取った後、NFCCは、搬送されたAIDがAID1であると決定してよく、NFCCは、AID1をSEへ伝送してよい(電子デバイスは、1つのSEのみを含んでよく、又は複数のSEが存在する場合に、NFCCは、記憶されたルーティングテーブルを使用して、対応するSEにAIDを伝送する)ことが理解されるものとする。SEに記憶されたAIDリストでは、AID1はアクティブ状態にある。この場合に、SEは、AID1に対応する情報、例えば、長安カードの料金控除情報と残高情報とを修正してよい。対応する動作を実行した後、SEはさらに、NFCCを使用してピアNFCカードリーダデバイスと通信してよい。例えば、料金控除の成功と残高情報とをピアNFCカードリーダデバイスに示すために、NFCCを使用してピアNFCカードリーダデバイスに指示を伝送してよい。ピアNFCカードリーダデバイスが指示を受領した後、ピアNFCカードリーダデバイスは、「カードのスワイプに成功! 1中国元が今回消費され、残高は19中国元」という情報を表示してよい。上記のことは、電子デバイスとピアNFCカードリーダデバイスとの間のトランザクションプロセスであってよい。
【0179】
トランザクションプロセスが実行された後、SEは、トランザクション情報、例えば、料金控除情報と残高情報とをNFC serviceに報告してよい。NFC serviceが対応するトランザクション情報をアプリケーションへ伝送した後、アプリケーションは、ユーザに対してトランザクション情報が表示できる。
【0180】
さらに、異なるカードについては、ピアNFCカードリーダデバイスとSEとの間の通信のために1つ以上の情報が必要とされる可能性があることが理解されるものとする。これは、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0181】
本出願のこの実施形態ではさらに、電子デバイスとピアNFCカードリーダデバイスとの間のトランザクションプロセスと、電子デバイスでのカードを自動的に前景にポップアップするプロセスとの間には、実際のシーケンスは存在しないことが理解されるものとする。
【0182】
S707。第2命令フロー内で搬送されるAIDが、電子デバイスでの第1アプリケーション内のアクティブ化されたカード内の第2カードのAIDであると、カードリーダデバイス決定モジュールが決定し、第2カードがデフォルトカードではない場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、第2指示情報をSEへ伝送して、第2カードをアクティブ化するようにSEに指示する。カードリーダデバイス決定モジュールは、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプが第1アプリケーション内の第1カードに関連することを示すために、第3指示情報を第1アプリケーションへ伝送する。
【0183】
S708。SEは、SEに記憶されたAIDリストでの第2カードをアクティブ化し、第1カードを非アクティブ化する。
【0184】
S709。電子デバイスでの第1アプリケーション内の第2カードが自動的に前景にポップアップされる。
【0185】
一実施形態では、カードリーダデバイス決定モジュールは、最初に、第1アプリケーションから、第1アプリケーションを使用してユーザによってアクティブ化されたカードに対応するAIDリストを取得してよい。AIDリストでは、第1カードに対応するAIDがアクティブ状態にあり、他のカードに対応するAIDが非アクティブ状態にある。カードリーダデバイス決定モジュールは、第2カードのAIDがAIDリスト内にあるか否かを決定してよい。第2カードのAIDがAIDリストにあり、第2カードのAIDが非アクティブ状態の場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、第2指示情報をSEへ伝送する。
【0186】
例えば、第1NCIフローが第1RFリスニングモードを示し、第2NCIフローがAID2を示す場合に、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプが深せんでのバス又は地下鉄ゲートであるとカードリーダデバイス決定モジュールが決定してよい。この場合に、まず、深せん輸送カードをアクティブ化し、長安カードを非アクティブ化するように、カードリーダデバイス決定モジュールはSEに指示してよい。次に、ピアNFCカードリーダデバイスが「ウォレット」の深せん輸送カードに関連することをアプリケーションに指示してよい。この場合に、指示情報はAID2を搬送してよい。
【0187】
例えば、
図4Cに示すように、携帯電話内のデフォルトカードは、長安カードである。ユーザが深せんでのバスを利用し、携帯電話がバスゲートに近づいた場合に、携帯電話は、「ウォレット」において、ゲートのタイプが深せん輸送カードに関連することを識別してよい。携帯電話は、自動的に深せん輸送カードをアクティブ化し、長安カードを非アクティブ化してよい。この場合に、ユーザは、通常、カードのスワイピング操作を行ってよく、ユーザは、公共輸送カードを手動で切り替える必要がなく、それによって、ユーザの体験を向上させる。
【0188】
電子デバイスでのデフォルトアプリケーションが第1アプリケーションであり、第2命令フローで搬送されるAIDが第2アプリケーション内のアクティブ化された第3カードのAIDである場合に、第3カードをアクティブ化し、第1カードを非アクティブ化するように指示するために、カードリーダデバイス決定モジュールはSEに指示情報を伝送し、カードリーダデバイス決定モジュールは、第2アプリケーションに指示情報を伝送し、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプが第2アプリケーション内の第3カードに関連することを示すことが理解されるものとする。電子デバイスでの第2アプリケーションは、自動的に前景にポップアップされることができる。
【0189】
例えば、第1NCIフローが第1RFリスニングモードを示し、第2NCIフローがAID4を示す場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプが「Google Pay」の銀行カードに関連すると決定してよい。この場合に、カードリーダデバイスは、まず、銀行カードをアクティブ化し、長安カードを非アクティブ化するようSEに指示してよく、次に、ピアNFCカードリーダデバイスが「Google Pay」において銀行カードに関連することを「Google Pay」に指示してよい。この場合に、指示情報はAID4を搬送してよい。電子デバイスは、自動的に銀行カードを、前景に「Google Pay」でポップアップ表示することができる。
【0190】
一実施形態では、電子デバイスは、さらに、カードの消費情報、残高情報などをインターフェースに自動的に表示してよい。例えば、
図4Cに示すように、携帯電話のインターフェースには、公共輸送カードに関する情報、即ち「2中国元が今回消費され、残高は25中国元」が表示される。
【0191】
第2NCI命令フローを受け取った後、NFCCは、搬送されたAIDがAID2であると決定してよく、NFCCは、AID2をSEへ伝送してよい(電子デバイスは、1つのSEのみを含んでよく、又は複数のSEが存在する場合に、NFCCは、記憶されたルーティングテーブルを使用してAIDを対応するSEへ伝送する)ことが理解されるものとする。SEに記憶されたAIDリストでは、AID2が非アクティブ状態になっている。この場合に、SEは、AID2に対応する情報の処理を一切行わないことが可能である。
【0192】
AID2が第1アプリケーション内のデフォルトカードでないと決定した場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、深せん輸送カードをアクティブ化するようにSEに指示してよい。深せん輸送カードをアクティブ化した後、SEは、AID2に対応する情報、例えば、深せん輸送カードの料金控除情報と残高情報とを変更してよい。対応する動作を実行した後、SEは、NFCCを使用してピアNFCカードリーダデバイスとさらに通信することができる。例えば、料金控除の成功と残高情報とをピアNFCカードリーダデバイスに示すために、NFCCを使用してピアNFCカードリーダデバイスに指示を伝送してよい。ピアNFCカードリーダデバイスが指示を受領した後、ピアNFCカードリーダデバイスは、「カードのスワイプに成功! 2中国元が今回消費され、残高は25中国元」という情報を表示してよい。
【0193】
本出願のこの実施形態では、カードリーダデバイス決定モジュールが深せん輸送カードをアクティブ化することをSEに指示する場合に、指示情報は、NFC service、NFC JNI、NFCプロトコルスタック、NFC HAL、NFC driver、及びNFCCを使用してSEへ伝送されてよいことをさらに理解するものとする。一実施形態では、電子デバイスは、第2カードを自動的にアクティブ化し、第1カードを非アクティブ化してよい。あるいは、電子デバイスは、ディスプレイを使用して、切り替える必要があるカードを選択するようにユーザにプロンプトすることができる。例えば、カードリーダデバイス決定モジュールは、第2カードがAIDリストでのアクティブ化されたカードではなく、第1アプリケーション内のアクティブ化されたカードに対応するAIDであると決定した場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、第2カードのAIDを第1アプリケーションへ伝送された指示情報に追加してよい。第1アプリケーションは、ユーザに第2カードへの切り替えを実行するか否かについて督促してよい。ユーザが第2カードへの切り替えを行うことを決定した場合に、アプリケーションは、NFC service又はNFCCなどのネットワーク要素を使用して、カード切り替え指示をSEへ伝送する。指示を受領した後、SEは第2カードをアクティブ化し、第1カードを非アクティブ化してよい。
【0194】
S710。第2命令フローで搬送されるAIDが、電子デバイスでのアクティブ化されたカードのいずれか1つのAIDではないと、カードリーダデバイス決定モジュールが決定した場合には、カードリーダデバイス決定モジュールは、第4指示情報をアプリケーションへ伝送し、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプが、電子デバイスでのアプリケーション内のアクティブ化されたカードのいずれの1つとも無関係であることを示す。
【0195】
S711。電子デバイスは、自動カード選択が失敗したことを示す情報をユーザにプロンプトする。
【0196】
例えば、第1NCIフローが第1RFリスニングモードを示し、第2NCIフローがAID6を示す場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプが北京でのバス又は地下鉄ゲートであると決定してよく、ピアNFCカードリーダデバイスが「ウォレット」での北京公共輸送カードに関連することを示してよい。この場合に、指示情報はAID6を搬送してよい。
【0197】
例えば、
図4Dに示すように、携帯電話内のデフォルトカードが長安カードであり、北京公共輸送カードが携帯電話内でアクティブ化されていない場合に、及び、ユーザが北京でのバスを利用する場合に、携帯電話は自動的にリマインダボックスをポップアップして、情報、即ち「カードの選択に失敗しました。手動で選択してください!」についてユーザに督促してよい。
【0198】
この場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、完全なAIDリストを記憶してよいことが理解されるものとする。AIDリストは、電子デバイスでの各アクティブ化されたカードのAIDに関する情報、及び電子デバイス内ではアクティブ化されていないカードの他のAIDに関する情報を含んでよい。この場合に、電子デバイス内でアクティブ化されていないカードのAIDをさらに取得するとき、カードリーダデバイス決定モジュールは、AIDが電子デバイスでのアクティブ化されたカードのいずれかのAIDではないと決定してよく、さらに、AIDが電子デバイスでのアプリケーション内ではアクティブ化されていないカードのAIDであると決定してよい。この場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、プロンプト情報、即ち「カードの選択に失敗しました。手動で選択してください!」をポップアップするように指示し、さらに、ユーザのためにAIDに対応するカードのカードアクティブ化インターフェースへの入口を提供してよい。入口を見た後に、ユーザはまずカードアクティブ化インターフェースにはいって、カードをアクティブ化し、次にトランザクションを実行する。
【0199】
一実施形態では、北京公共輸送カードを購入するための入口が、
図4Dの携帯電話の表示インターフェース上にさらに表示されてよく、これにより、ユーザは、入口を使用して、北京公共輸送カードのカードアクティブ化インターフェースに、簡便にはいることができる。
【0200】
一実施形態では、
図4Dの携帯電話の表示インターフェース上に、「ウォレット」内の複数のアクティブ化されたカードに関する一層の情報があってよく、長安カード、深せん輸送カード、及び上海公共輸送カードを表示してよい。カードリーダデバイス決定モジュールは、(比較的低い確率で)決定する際にエラーを生じる可能性があるので、ユーザ選択のために、アクティブ化されたカードに関する情報が表示されてよい。
【0201】
S712。カードリーダデバイス決定モジュールは、第2命令フローがAIDを搬送しないと決定した場合に、又はカードリーダデバイスがプリセットの時間内に第2命令を受信しない場合には、カードリーダデバイス決定モジュールは、第5指示情報をアプリケーションへ伝送し、自動的にいかなるアプリケーションも前景でポップしないことを指示する。
【0202】
例えば、第1NCIフローが第1RFリスニングモードを示し、第2NCI命令フローがデータパケットである場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプが「ウォレット」とは無関係であることを決定してよく、ピアNFCカードリーダデバイスが「ウォレット」とは無関係であることをアプリケーションに示してよい。
【0203】
第1NCIフローが第1RFリスニングモードを示す場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプが別のNFCデバイスであることを決定してよく、ピアNFCカードリーダデバイスが別のNFCデバイスであることをアプリケーションに示してよい。
【0204】
一実施形態では、NFC serviceは、アクティブ化されたカードのAIDリストを電子デバイスでの全てのアプリケーションに記憶してよく、カードリーダデバイス決定モジュールは、決定中にアプリケーションから対応するAIDリストを取得してよい。
【0205】
例えば、第1NCIフローが第1RFリスニングモードを示し、第2NCIフローがAID5を示す場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプがICBC相互接続カードに関連することを決定し、ピアNFCカードリーダデバイスがICBC相互接続カードに関連することを示してよい。
【0206】
本出願のこの実施形態では、オペレーティングシステムに追加されたカードリーダデバイス決定モジュールは、ピアカードリーダデバイスのタイプを決定してよい。デバイスのタイプは、「ウォレット」、Google Payアプリケーション、車両キーアプリケーション、又はトレッドミルアプリケーションに関連してよい。あるいは、ピアデバイスは、単なるモバイルデバイスであって、本物のカードリーダなどのものではない。カードリーダデバイスに近づいた場合に、デバイスのタイプに基づいて、電子デバイスは、カードリーダデバイスに関連するアプリケーションをポップアップするか、又はいずれのアプリケーションもポップアップしない。
【0207】
図8A及び
図8Bは、本出願の一実施形態によるカードリーダデバイス決定モジュールの決定プロセスの概略フローチャートである。
図8A及び
図8Bに示すように、このプロセスは、以下のステップを含む。
【0208】
S801。電子デバイスはピアNFCカードリーダデバイスに近づく。
【0209】
S802。カードリーダデバイス決定モジュールは、NCI==61070101である命令フローを受信したか否かを決定する。
【0210】
NCI==61070101である命令フローは、前述のNFCフィールド強度メッセージであってよいことを理解するものとする。
【0211】
NCI==61070101である命令フローを受信しなかった場合に、電子デバイスがNFCカードリーダデバイスに近づいた後、カードリーダデバイス決定モジュールは、NCI=61070101NCIである命令フローを受信するのを待ち続ける。
【0212】
S803。NCI=61070101である命令フローを受信した場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、第1NCI命令フローを待つ。
【0213】
S804。カードリーダデバイス決定モジュールが第1NCI命令フローを受信した後、決定モジュールは第1NCI命令フローのタイプを決定する。
【0214】
S805。第1NCI命令フローの中でNCI==6105xx01020480であると決定された場合に、カードリーダデバイス決定モジュールはS807を実行する。
【0215】
NCI==6105xx01020480は、NFC RFアクティブ化通知メッセージであることが理解されるものとする。ここで、6105は、RFアクティブ化通知メッセージのタイプ定義であり、xxは、以下のバイトの長さを表す。01020480は、特定のRFリスニングモードを表し、本明細書では、NFC_A_PASSIVEリスニングモードであってよい。
【0216】
本出願のこの実施形態では、デフォルトアプリケーションが「ウォレット」である例が使用される。カードリーダデバイス決定モジュールは、リスニングモードがNFC_A_PASSIVEリスニングモードであると決定した場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、ピアNFCカードリーダデバイスが「ウォレット」に関連すると決定してよい。これに対して、カードリーダデバイス決定モジュールが、リスニングモードがNFC_A_PASSIVEリスニングモードでないと決定した場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、ピアNFCカードリーダデバイスが「ウォレット」とは無関係であると決定してよい。
【0217】
第1リスニングモードは、特に限定されないことを理解するものとする。例えば、ピアNFCカードリーダデバイスが電子デバイスの非デフォルトアプリケーションに関連するカードリーダデバイスである場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、リスニングモードがNFC_A_PASSIVEリスニングモードであることを決定した後にS807を実行する必要はなく、又はリスニングモードが他のリスニングモードであることを決定した後にS807を実行してよい。
【0218】
S806。第1NCI命令フローの中で、NCI==6105xx0103058[2|3|5]であると決定した場合は、カードリーダデバイス決定モジュールは、S817を実行する。
【0219】
NCI==6105xx0102048[2|3|5]は、別のNFC RFアクティブ化通知メッセージであることが理解されるものとする。ここで、6105は、RFアクティブ化通知メッセージのタイプ定義であり、xxは、以下のバイトの長さを表し、0102048[2|3|5]は、01020482、01020483又は01020485の任意の1つを表してよく、特定のRFリスニングモードを表す。ここで、01020482はNFC_F_PASSIVEリスニングモードを表してよく、01020483はNFC_A_ACTIVEリスニングモードを表してよく、01020485はNFC_F_ACTIVEリスニングモードを表してよい。
【0220】
S807。NCI==6105xx01020480である第1NCI命令フローを受信した場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、第2NCI命令フローを待つ。
【0221】
S808。カードリーダデバイス決定モジュールが第2NCI命令フローを受信した後、カードリーダ決定モジュールは第2NCI命令フローのタイプを決定する。
【0222】
S809。第2NCI命令フローの中でNCI==6109xxC0[F|0]0yy[AID]であると決定された場合に、カードリーダデバイス決定モジュールはS811を実行する。
【0223】
S810。第2NCI命令フローの中でNCI==00~であると決定された場合に、カードリーダデバイス決定モジュールはS817を実行する。
【0224】
S811。カードリーダデバイス決定モジュールは、デフォルトアプリケーション内で、アクティブ化されたカードのAIDリストを取得する。
【0225】
例えば、電子デバイスでのデフォルトアプリケーションが「ウォレット」の場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、「ウォレット」のアクティブ化されたカードのAIDリストを取得する。
【0226】
S812。S809で取得した第2NCI命令フローのAIDが、デフォルトアプリケーションのアクティブ化されたカードのAIDリストにあるか否かを決定する。
【0227】
S813。S809で取得した第2NCI命令フローのAIDが、デフォルトアプリケーションのアクティブ化されたカードのAIDリストにある場合に、ピアNFCカードリーダデバイスがデフォルトアプリケーションに関連していると決定し、S814を実行する。
【0228】
あるいは、S809で取得された第2NCI命令フローで、AIDがデフォルトアプリケーションのアクティブ化されたカードのAIDリストにない場合に、ピアNFCカードリーダデバイスはデフォルトアプリケーションとは無関係であると決定され、S817が実行される。
【0229】
S814。カードリーダデバイス決定モジュールは、AIDに対応するカードがデフォルトアプリケーション内でデフォルトカードであるか否かを決定する。
【0230】
AIDに対応するカードが、デフォルトアプリケーション内のデフォルトカードであると決定した場合に、カードリーダデバイス決定モジュールはS815を実行する。
【0231】
AIDに対応するカードが、デフォルトアプリケーション内のデフォルトカードでないと決定した場合に、カードリーダデバイス決定モジュールはS816を実行する。
【0232】
S815。デフォルトアプリケーションがポップアップすることを指示する。
【0233】
S816。ADIに対応するカードをアクティブ化し、デフォルトカードを非アクティブ化するように、アプリケーションは、SEに指示し、S815を実行する。
【0234】
本出願のこの実施形態では、AID値は、第2NCI命令フローを解析することによって取得され、その値は、ピアNFCカードリーダデバイスによって選択されたAIDである。現在取得されたAIDは、デフォルトアプリケーション(「ウォレット」など)によって現在アクティブ化されているAIDと比較されてよい。AIDが「ウォレット」によって現在アクティブ化されているAIDではなく、アクティブ化されているカードのうちのカードのAIDである場合に、AID切り替えは直ちに実行される。自動的にAID切り替えを行うため、手動によるカード切り替えは不要であり、カードリーダデバイスに近づいた場合に、カード切り替え及びトランザクションが自動的に完了する。
【0235】
S817。第1命令フローの中で、カードリーダデバイス決定モジュールがNCI==6105xx0103058[2|3|5]と決定した場合に、又は、S809で取得された第2命令フローの中でAIDが、デフォルトアプリケーション内のアクティブ化されたカードのAIDリストの中にない場合には、電子デバイスは、デフォルトアプリケーションをポップアップしない。
【0236】
カードリーダデバイス決定モジュールが、第2命令フローでNCI==00~であると決定した場合に、電子デバイスは、ピアNFCカードリーダデバイスがホストベースのカードエミュレーション(host-based card emulation, HCE)アプリケーションに関連すると決定してよく、デフォルトアプリケーションをポップアップしない。
【0237】
本出願のこの実施形態では、AID値は、6109NCI命令を解析することによって取得される。AIDが、デフォルトアプリケーション内のアクティブ化されたカードのいずれかのAIDではない場合に、又は第2命令フローにAIDに関するいずれの情報も含まれていない場合に、デフォルトアプリケーションは、第2NCI命令フローに搬送されるAIDがデフォルトアプリケーションに関連しているときにのみ、前景でポップアップされる。これは、アプリケーションが意図せずにポップアップされているためにユーザの体験が影響を受ける場合を避けるためである。
【0238】
本出願のこの実施形態におけるカードリーダデバイス決定モジュールの決定プロセスは、
図8A及び
図8Bに記載されている。このプロセスは、輸送カード、銀行カード、会員証、身分証明書などに適用することができる。本出願のこの実施形態におけるカードリーダデバイス決定モジュールの別の決定プロセスを、以下に述べる。このプロセスは、アクセスカードの決定に適用できる。
【0239】
図9は、本出願の一実施形態によるカードリーダデバイス決定モジュールの決定プロセスの別の概略フローチャートである。
図9に示すように、このプロセスは、以下のステップを含む。
【0240】
S901。電子デバイスはピアNFCカードリーダデバイスに近づく。
【0241】
S902。カードリーダデバイス決定モジュールは、NCI==61070101である命令フローを受信したか否かを決定する。
【0242】
NCI==61070101である命令フローは、前述のNFCフィールド強度メッセージであってよいことを理解するものとする。
【0243】
NCI==61070101である命令フローを受信しなかった場合に、電子デバイスがNFCカードリーダデバイスに近づいた後、カードリーダデバイス決定モジュールは、NCI=61070101NCIである命令フローを受信するのを待ち続ける。
【0244】
S903。NCI==61070101である命令フローを受信したと決定する場合に、カードリーダデバイス決定モジュールはタイマを起動し、タイマが切れる前に第1NCI命令フローを受信しなかった場合にS905を実行する。
【0245】
この場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、タイマが切れる前に第1NCI命令フローを受信しない場合には、カードリーダデバイス決定モジュールは、ピアNFCカードリーダデバイスがアクセスカードのカードリーダデバイスであることを決定してよい。次に、カードリーダデバイス決定モジュールは、アクセスカードのカードリーダデバイスがユーザ識別(user identification, UID)アクセスカードであることをさらに決定してよい。
【0246】
S904。NCI==61070101である命令フローが受信されたと決定された後、カードリーダデバイス決定モジュールが第1NCI命令フローを受信し、第1NCI命令フローの中でNCI==6105xxyy00000000000000000000である場合に、カードリーダデバイス決定モジュールはS905を実行する。
【0247】
この場合に、カードリーダデバイス決定モジュールは、NCI==61070101である命令フローを受信した後、NCI==6105xxyy00000000000000000000のNCI命令フローをさらに受信した場合には、カードリーダデバイス決定モジュールは、ピアNFCカードリーダデバイスがアクセスカードのカードリーダデバイスであることを決定してよい。次に、カードリーダモジュールは、アクセスカードのカードリーダデバイスがMifareアクセスカードであることをさらに決定してよい。ここで、6105は、RFアクティブ化通知メッセージのタイプ定義であり、xxは以下のバイトの長さを表し、yyは、RF識別番号(identity document, ID)を表す。
【0248】
S905。カードリーダデバイス決定モジュールは、デフォルトアプリケーション内で、アクティブ化されたカードのAIDリストを取得する。
【0249】
S906。カードリーダデバイス決定モジュールは、AIDリストがアクセスカードに対応するAIDを含むか否かを決定する。
【0250】
S907。AIDリストがアクセスカードに対応するAIDを含むと決定した場合に、カードリーダ決定モジュールは、アクセスカードがデフォルトアプリケーションのデフォルトカードであるか否かを決定する。
【0251】
S908。AIDリストがアクセスカードに対応するAIDを含まないと決定した場合に、カードリーダ決定モジュールは、デフォルトアプリケーションが前景にポップアップしないことを指示する。
【0252】
S909。アクセスカードが、デフォルトアプリケーションでデフォルトカードである場合は、デフォルトアプリケーションがアクセスカードを前景でポップアップすることを指示する。
【0253】
一実施形態では、デフォルトアプリケーションは、アクセスカードを自動的にポップアップし、電子デバイスは、ディスプレイを使用してアクセスカードに関する情報を表示してよい。
【0254】
S910。アクセスカードが、デフォルトアプリケーションでデフォルトカードでない場合は、アクセスカードをアクティブ化し、デフォルトカードを非アクティブ化するように、SEに指示する。
【0255】
例えば、「ウォレット」内のデフォルトカードが長安カードである場合に、対応するアクセスカードをアクティブ化し、長安カードを非アクティブ化するように、カードリーダ決定モジュールはSEに指示してよい。
【0256】
SEがアクセスカードをアクティブ化し、デフォルトカードを非アクティブ化した後、デフォルトアプリケーションは、アクセスカードを前景でポップアップするように指示される。
【0257】
一実施形態では、2つ以上のアクセスカードがデフォルトアプリケーションに記憶される。この場合に、アクセスカードをアクティブ化し、デフォルトカードを非アクティブ化するようSEに指示する際に、カードリーダ決定モジュールは、特定のアクセスカードをアクティブ化することを指示してよい。アクティブ化するアクセスカードを選択するとき、履歴としてのカードのスワイピング記録や、電子デバイスの現在の地理的位置などに基づいて、カードリーダ決定モジュールは、アクティブ化する必要があるアクセスカードを選択してよい。
【0258】
例えば、ユーザが1か月以内に、第1アクセスカードを100回使用し、第2アクセスカードを2回使用する場合に、カードリーダ決定モジュールは、アクティブ化されようとする第1アクセスカードを選択することができる。
【0259】
例えば、アクティブ化する必要があるアクセスカードを選択するとき、カードリーダ決定モジュールは、電子デバイスの現在の地理的位置を決定してよく、例えば、全地球測位システム(global positioning system, GPS)を使用して現在の地理的位置を取得し、次に、地理的位置を使用して、アクティブ化するアクセスカードを決定してよい。
【0260】
アクティブ化する必要があるアクセスカードは、別の方式で選択してよいことを理解するものとする。これは、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0261】
前述の実施形態では、以下のことを述べている。即ち、NFCCは、NCI命令フローをNFC serviceネットワーク要素にアップロードし、NFC serviceネットワーク要素は、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプを決定するために、決定用のカードリーダデバイス決定モジュールへNCI命令フローを伝送する。本出願は、さらに、
図10に示すような別のシステムアーキテクチャーを提供する。NFCCは、NCI命令フローをNFC serviceネットワーク要素にアップロードしないことが可能であるが、NFCCは、決定用のカードリーダデバイス決定モジュールにNCI命令フローを直接伝送する。決定後、NFCC,NFC driver,NFC HAL,NFCプロトコルスタック,NFC JNI,及びNFC serviceを使用して、カードリーダデバイス決定モジュールは、決定結果をアプリケーションへ伝送してよく、アプリケーションが前景にポップアップするように指示、又はアプリケーションが前景にポップアップしないように指示してよい。
【0262】
カードリーダデバイス決定モジュールの決定結果は、NCI命令フローを使用して報告してよい。この場合に、プライベート拡張NCI指示定義を追加することができ、「カードリーダデバイス決定モジュール」の決定結果を報告及び通知するために指示定義を使用する。従って、新たに追加されたプライベートNCI命令フローを報告及び処理するために、既存のネットワーク要素、即ち「NFCコントローラ」、「NFC HAL」、「NFCプロトコルスタック」、「NFC JNI」及び「NFC service」を修正する必要がある。
【0263】
本出願の実施形態では、NCI命令フローベースのカードリーダデバイス決定モジュールがNFCコントローラネットワーク要素に追加される。その後、新たに追加されたNCI命令を使用して、決定結果がNFC serviceネットワーク要素に報告及び通知され、ピアカードリーダデバイスのタイプに基づいて、関連アプリケーションが存在しない場合に、特定のアプリケーションをポップアップするか、又はいかなるアプリケーションもポップアップしないかを決定する。
【0264】
実施形態はさらに、コンピュータ可読な記憶媒体を提供する。コンピュータ記憶媒体はコンピュータ命令を記憶する。コンピュータ命令が電子デバイス上で実行された場合に、電子デバイスは、関連する方法ステップを実行し、前述の実施形態では近距離通信方法を実施することが可能とされる。
【0265】
実施形態で提供される電子デバイス、コンピュータ可読な記憶媒体、又はチップは、上記で提供される対応する方法を実行するように構成されている。従って、達成可能な有益な効果については、上記の対応する方法における有益な効果を参照するものとする。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0266】
実施に関する前述の説明は、便利で簡単な説明のために、前述の機能モジュールの分割が例示のための一例として取られていることを、当業者が理解することを可能にする。実際のアプリケーションでは、上述の機能を異なる機能モジュールに割り当てて、要件に基づいて実施してよい。即ち、装置内部の構造を異なる機能モジュールに分割し、上述の機能の全部又は一部を実施する。
【0267】
本出願で提供されるいくつかの実施形態では、開示された装置及び方法は、他の方式で実施してよいことを理解するものとする。例えば、記載された装置の実施形態は、単なる一例である。例えば、モジュール又はユニットへの分割は、単に論理機能分割であり、実際の実施の間の他の分割であってよい。例えば、複数のユニット又は構成要素は、他の装置に組み合わせられ又は一体化されてよく、又は、いくつかの特徴は、無視されてよく、又は実行されなくてよい。加えて、表示又は説明された相互結合、直接結合、又は通信接続は、いくつかのインターフェースを使用して実現してよい。装置又はユニット間の間接的な結合又は通信接続は、電気的、機械的、又は他の形態で実施してよい。
【0268】
別個の部分として記載された単位は、物理的に分離されていてよく、又はされていなくてよく、単位として表示された部分は、1つ以上の物理的単位であってよく、言い換えると、1つの場所に配置されてよく、又は異なる場所に分散されてよい。ユニットの一部又は全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために、実際の要件に基づいて選択されてよい。
【0269】
さらに、本出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてよく、又はユニットの各々は、物理的に単独で存在してよく、又は2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてよい。統合されたユニットは、ハードウェアの形態で実施されてよく、又はソフトウェア機能ユニットの形態で実施されてよい。
【0270】
統合されたユニットがソフトウェア機能ユニットの形態で実施され、独立した製品として販売又は使用される場合に、統合されたユニットは可読な記憶媒体に記憶されてよい。このような理解に基づいて、本質的に、本出願の実施形態の技術的解決策、又は従来技術に寄与する部分、又は技術的解決策の全部又は一部は、ソフトウェア製品の形態で実施してよい。ソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本出願の実施形態に記載される方法のステップの全て又は一部を実行するように、デバイス(シングルチップマイクロコンピュータ、チップなどであってよい)又はプロセッサ(processor)に指示するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、プログラムコードを記憶することができる任意の媒体、例えば、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(read-only memory, ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクなどを含む。
【0271】
前述の内容は、本出願の特定の実施に過ぎないが、本出願の保護範囲を制限することを意図したものではない。本出願に開示された技術的範囲内で、当業者が容易に理解できる変更又は代替は、本出願の保護範囲に含まれる。従って、本出願の保護範囲は、請求項の保護範囲に従うものとする。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離通信方法であって、方法は、電子デバイスに適用され、前記電子デバイスは、第1アプリケーションを含み、前記第1アプリケーションは、複数の仮想カードを含み、複数の前記仮想カードは、第1カードと第2カードとを含み、前記第1カードは、アクティブ化されたカードであり、前記第2カードは、アクティブ化されていないカードである、方法であって、
カードリーダデバイスに近づいた場合に、前記カードリーダデバイスによって伝送された近距離通信NFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを、前記電子デバイスによって受領するステップであり、前記第1指示情報は、前記第2カードに対応するアプリケーション識別子AIDを示すために使用され、又は前記第1指示情報は、アプリケーションデータパケットであり、前記アプリケーションデータパケットは、AIDに関する情報を含まないものである、受領するステップと、
前記第1指示情報が、前記第2カードに対応する前記AIDを示すために使用される場合に、前記第2カードを使用し、前記電子デバイスによって、前記カードリーダデバイスとのトランザクションを実行し、また前記第1アプリケーション内で前記第2カードに関する情報を表示するステップ、又は、前記第1指示情報が前記アプリケーションデータパケットである場合に、前記電子デバイスによって、前記第1アプリケーションに関する情報を表示することをスキップするステップと
を備えている、方法。
【請求項2】
前記電子デバイスは、セキュア要素SEを含み、前記SEは、AIDリストを記憶し、前記AIDリストは、前記第1カードに関する情報と前記第2カードに関する前記情報とを含み、
前記電子デバイスが前記第1アプリケーション内で前記第2カードに関する前記情報を表示する前に、方法は、
前記電子デバイスによって、前記AIDリストでの前記第2カードをアクティブ化し、前記第1カードを非アクティブ化するステップを、さらに備えている、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記カードリーダデバイスによって伝送された第1指示情報を、前記電子デバイスによって受領する前に、方法は、
前記カードリーダデバイスによって伝送された第2指示情報を、前記電子デバイスによって受領するステップであり、前記第2指示情報は、無線周波数回路RFの第1リスニングモードを示すために使用される、受領するステップと、
前記第1リスニングモードに基づいて前記電子デバイスによって、ピアデバイスが前記カードリーダデバイスであることを決定するステップとをさらに備えている、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記第1リスニングモードは、NFC_A_PASSIVEリスニングモードである、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記第2カードは、バスカード又は銀行カードであり、前記第1アプリケーション内で前記第2カードに関する情報を表示することは、
前記電子デバイスによって、前記第2カードの料金控除情報及び/又は残高情報を表示することを含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
電子デバイスであって、
ディスプレイと、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のメモリと、
近距離通信NFCチップと、
アプリケーションプロセッサAPチップとを備え、
前記APチップは、第1アプリケーションを含み、前記第1アプリケーションは、複数の仮想カードを含み、複数の前記仮想カードは、第1カードと第2カードとを含み、前記第1カードは、アクティブ化されたカードであり、前記第2カードは、アクティブ化されていないカードであり、
1つ以上の前記メモリは、1つ以上のコンピュータプログラムを記憶し、1つ以上の前記コンピュータプログラムは、命令を含み、前記命令が1つ以上の前記プロセッサによって実行された場合に、電子デバイスは、以下のステップ、即ち、
カードリーダデバイスに近づいた場合に、前記カードリーダデバイスによって伝送されたNFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを、電子デバイスによって受領するステップであり、前記第1指示情報は、前記第2カードに対応するアプリケーション識別子AIDを示すために使用され、又は前記第1指示情報は、アプリケーションデータパケットであり、前記アプリケーションデータパケットは、AIDに関する情報を含まないものである、受領するステップと、
前記第1指示情報が、前記第2カードに対応する前記AIDを示すために使用される場合に、前記第2カードを使用し、前記カードリーダデバイスとのトランザクションを実行し、また前記第1アプリケーション内で前記第2カードに関する情報を表示するステップ、又は、前記第1指示情報が前記アプリケーションデータパケットである場合に、前記第1アプリケーションに関する情報を表示することをスキップするステップと
を実行することが可能にされる、電子デバイス。
【請求項7】
電子デバイスは、セキュア要素SEをさらに備え、前記SEは、AIDリストを記憶し、前記AIDリストは、前記第1カードに関する情報と前記第2カードに関する前記情報とを含み、前記命令が1つ以上の前記プロセッサによって実行された場合に、電子デバイスは、以下のステップ、即ち、
前記第1アプリケーション内で前記第2カードに関する前記情報を表示する前に、前記AIDリストでの前記第2カードをアクティブ化し、前記第1カードを非アクティブ化するステップを実行することが可能にされる、請求項6記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記命令が1つ以上の前記プロセッサによって実行された場合に、電子デバイスは、以下のステップ、即ち、
前記カードリーダデバイスによって伝送された前記第1指示情報を受領する前に、前記カードリーダデバイスによって伝送された第2指示情報を受領するステップであり、前記第2指示情報は、無線周波数回路RFの第1リスニングモードを示すために使用される、受領するステップと、
前記第1リスニングモードに基づいて、ピアデバイスが前記カードリーダデバイスであることを決定するステップとを実行することが可能にされる、請求項6又は7記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記第1リスニングモードは、NFC_A_PASSIVEリスニングモードである、請求項8記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記第2カードは、バスカード又は銀行カードであり、前記命令が1つ以上の前記プロセッサによって実行された場合に、電子デバイスは、以下のステップ、即ち、
前記第1指示情報を使用して前記第2カードに対応する前記AIDを表示した場合に、前記第2カードを使用して、前記カードリーダデバイスとのトランザクションを実行するステップと、
前記第2カードの料金控除情報及び/又は残高情報を表示するステップとを実行することが可能にされる、請求項6ないし9のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項11】
アプリケーションプロセッサAPチップと近距離通信NFCチップとを備えているチップシステムであって、
前記APチップは、第1アプリケーションを含み、前記第1アプリケーションは、複数の仮想カードを含み、複数の前記仮想カードは、第1カードと第2カードとを含み、前記第1カードは、アクティブ化されたカードであり、前記第2カードは、アクティブ化されていないカードであり、
前記NFCチップは、カードリーダデバイスによって伝送されたNFCフィールド強度感知メッセージと第1指示情報とを受領するように、構成され、前記第1指示情報は、前記第2カードに対応するアプリケーション識別子AIDを示すために使用され、又は前記第1指示情報は、アプリケーションデータパケットであり、前記アプリケーションデータパケットは、AIDに関する情報を含まないものであり、
前記APチップは、前記NFCチップによって伝送されたNFCフィールド強度メッセージと前記第1指示情報とを受領するように、構成され、
前記第2カードに対応する前記AIDを示すために前記第1指示情報が使用される場合に、前記APチップは、前記第1アプリケーション内で前記第2カードに関する情報を表示するためにディスプレイを制御するように、さらに構成され、
前記第1指示情報が前記アプリケーションデータパケットである場合に、前記APチップは、前記第1アプリケーションに関する情報を表示しないように前記ディスプレイを制御するように、さらに構成されている、チップシステム。
【請求項12】
前記ディスプレイを制御して前記第1アプリケーション内の前記第2カードに関する前記情報を表示する前に、前記APチップは、指示情報を前記NFCチップへ伝送するように、さらに構成され、そして前記第2カードをアクティブ化し、前記第1カードを非アクティブ化するように指示するために、前記指示情報が使用され、
前記NFCチップは、セキュア要素SEに指示情報を伝送するように、さらに構成され、前記SEは、AIDリストを記憶し、前記AIDリストは、前記第1カードに関する情報と前記第2カードに関する前記情報とを含む、請求項11記載のチップシステム。
【請求項13】
前記NFCチップは、前記カードリーダデバイスによって伝送された前記第1指示情報を受領する前に、前記カードリーダデバイスによって伝送された第2指示情報を受領するように、さらに構成され、前記第2指示情報は、無線周波数回路RFの第1リスニングモードを示すために使用され、
前記NFCチップは、前記第2指示情報を前記APチップへ伝送するように、さらに構成され、
前記APチップは、前記第1リスニングモードに基づいて、ピアデバイスが前記カードリーダデバイスであることを決定するように、さらに構成されている、請求項11又は12記載のチップシステム。
【請求項14】
前記第1リスニング
モードは、NFC_A_PASSIVEリスニングモードである、請求項13記載のチップシステム。
【請求項15】
前記第2カードは、バスカード又は銀行カードであり、前記APチップは、
前記第2カードの料金控除情報及び/又は残高情報を表示するために前記ディスプレイを制御するように、具体的に構成されている、請求項11ないし14のいずれか1項に記載のチップシステム。
【請求項16】
コンピュータ命令を備えるコンピュータ可読な記憶媒体であって、前記コンピュータ命令が電子デバイスの上で動作した場合に、前記電子デバイスは、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の近距離通信方法を実行することが可能にされる、コンピュータ可読な記憶媒体。
【請求項17】
コンピュータプログラム製品がコンピュータの上で動作した場合に、前記コンピュータは、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の近距離通信方法を実行することが可能にされる、コンピュータプログラム製品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
例えば、
図1は、電子デバイス100の構造の概略図である。電子デバイス100は、プロセッサ110、外部メモリインターフェース120、内部メモリ121、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus, USB)ポート130、充電管理モジュール140、電力管理モジュール141、バッテリ142、アンテナ1、アンテナ2、移動通信モジュール150、無線通信モジュール160、オーディオモジュール170、スピーカ170A、受話機170B、マイクロホン170C、ヘッドセットジャック170D、センサモジュール180、
ボタン190、モータ191、インジケータ192、カメラ193、ディスプレイ194、加入者識別モジュール(subscriber identification module, SIM)カードインターフェース195などを含んでよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0101】
ピアNFCカードリーダデバイス210は、電子デバイス220に接近するカードリーダであり、例えば、銀行カード販売時点(point of sale, POS)端末、地下鉄カードリーダゲート、バスPOS端末、車両ドアハンドルカードリーダ、及びトレッドミルカードリーダなどである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0112】
例えば、NFCフィールド強度感知メッセージを感知した後、NFCC222は、NCIプロトコルを使用してDH側のOS2212と通信して、NFCフィールド強度イベントをOS2212に通知してよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0141
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0141】
図5は、本出願の一実施形態による別のシステムアーキテクチャーの概略図である。オペレーティングシステムは、NFCドライバ層(NFC driver),NFCハードウェア抽象化層(NFC hardware abstraction layer, NFC HAL),NFCプロトコルスタック,NFC
Javaネイティブインターフェース(NFC
Java native interface, NFC JNI),NFCサービス(NFC service),及びカードリーダデバイス決定モジュールを含む。
図2と比較して、カードリーダデバイス決定モジュールは、
図5のオペレーティングシステムに追加され、モジュールは、ピアNFCカードリーダデバイスのタイプを決定するためにオペレーティングシステムによって使用されてよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0145
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0145】
一実施形態では、第1RFリスニングモードは、NFC_A_PASSIVEリスニングモードである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0201
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0201】
S712。カードリーダデバイス決定モジュールは、第2命令フローがAIDを搬送しないと決定した場合に、又はカードリーダデバイスがプリセットの時間内に第2命令を受信しない場合には、カードリーダデバイス決定モジュールは、第5指示情報をアプリケーションへ伝送し、自動的にいかなるアプリケーションも前景でポップアップしないことを指示する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0211
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0211】
NCI==61070101である命令フローを受信しなかった場合に、電子デバイスがNFCカードリーダデバイスに近づいた後、カードリーダデバイス決定モジュールは、NCI=61070101であるNCI命令フローを受信するのを待ち続ける。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0221
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0221】
S808。カードリーダデバイス決定モジュールが第2NCI命令フローを受信した後、カードリーダデバイス決定モジュールは第2NCI命令フローのタイプを決定する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0233
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0233】
S816。AIDに対応するカードをアクティブ化し、デフォルトカードを非アクティブ化するように、アプリケーションは、SEに指示し、S815を実行する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0238
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0238】
本出願のこの実施形態におけるカードリーダデバイス決定モジュールの決定プロセスは、
図8A及び
図8Bに
図示されている。このプロセスは、輸送カード、銀行カード、会員証、身分証明書などに適用することができる。本出願のこの実施形態におけるカードリーダデバイス決定モジュールの別の決定プロセスを、以下に述べる。このプロセスは、アクセスカードの決定に適用できる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0243
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0243】
NCI==61070101である命令フローを受信しなかった場合に、電子デバイスがNFCカードリーダデバイスに近づいた後、カードリーダデバイス決定モジュールは、NCI=61070101であるNCI命令フローを受信するのを待ち続ける。
【国際調査報告】