(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-22
(54)【発明の名称】センサならびに該センサと固定装置とからなるシステム
(51)【国際特許分類】
G01D 11/30 20060101AFI20221115BHJP
G01P 1/02 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
G01D11/30
G01P1/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518007
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 EP2020074537
(87)【国際公開番号】W WO2021052762
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】102019125405.1
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr-Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80, D-80809 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ハウフ
(72)【発明者】
【氏名】トビアス ローゼ
(72)【発明者】
【氏名】カール-ハインツ シュミート
(72)【発明者】
【氏名】ゲアハート ヴィーダー
(57)【要約】
センサ(2)の軸線(A)周りのセンサの位置合わせに依存して物理量を検出するためのセンサ(2)、ならびに該センサ(2)と、該センサ(2)用の固定装置(3)とからなるシステム(1)が提供される。センサ(2)は、センサ本体(6)の外面に予め定められた第1の形状特徴(7)を有するセンサ本体(6)を有し、第1の形状特徴(7)は、軸線(A)周りのセンサ(2)の予め定められた位置合わせを可能にするように形成されている。これは、例えば、軸線方向に延在し、収容部内の対応する形状特徴と相互作用するリブまたは凹部であり得る。任意選択的に、センサおよび収容部の形状特徴と相互作用するように構成されたクランプスリーブが設けられ得る。このクランプスリーブは、センサの突起が係合する軸線方向のスリットを有し得る。スリットを定めるクランプスリーブの端部区分は、外側に湾曲してもよく、収容部の溝内へ突出することができるため、クランプスリーブもその配向において固定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ(2)の軸線(A)周りのセンサ(2)の位置合わせに依存して物理量を検出するためのセンサ(2)であって、
前記センサ(2)は、センサ本体(6)の外面に予め定められた第1の形状特徴(7)を有するセンサ本体(6)を有し、前記第1の形状特徴(7)は、前記軸線(A)周りの前記センサ(2)の予め定められた位置合わせを可能にするように形成されている、センサ(2)。
【請求項2】
前記物理量は、前記センサ近傍の物体の運動によって引き起こされる磁気パルスであり、前記センサ(2)は、物体の運動の方向を磁気的に検出するアクティブ回転数センサとして構成されている、請求項1記載のセンサ(2)。
【請求項3】
前記第1の形状特徴(7)は、前記センサ本体(6)の外面に凹部を有する、請求項1または2記載のセンサ(2)。
【請求項4】
前記第1の形状特徴(7)は、前記センサ本体(6)の外面に隆起部を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載のセンサ(2)。
【請求項5】
前記センサ本体(6)は、実質的に円形の円筒形状を有し、前記センサ(2)の位置合わせは、実質的に円形の円筒形状の長手軸線周りの予め定められた配向であり、前記隆起部は、センサハウジング(6)の周面における予め定められた箇所に配置されている、請求項4記載のセンサ(2)。
【請求項6】
前記隆起部は、前記センサ本体(6)の隣接する端部から軸線方向に距離(D)を有する、請求項5記載のセンサ(2)。
【請求項7】
前記隆起部は、長手軸線に対して平行に延びるリブを形成する、請求項5または6に記載のセンサ(2)。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項記載のセンサ(2)と、前記センサ(2)用の固定装置(3)とからなるシステム(1)であって、
前記固定装置(3)は、センサ本体(6)を収容するように構成された収容装置(10)を有する収容本体(9)と、前記収容本体(9)において第1の形状特徴(7)に対して相補的な第2の形状特徴(8)とを有している、システム(1)。
【請求項9】
請求項5から7までのいずれか1項記載のセンサ(2)を有し、前記収容装置(10)は、実質的に円形の断面を有する細長い開口部を有し、前記第2の形状特徴(8)は、前記開口部の長手方向に沿った溝を有する、請求項8記載のシステム(1)。
【請求項10】
前記システム(1)は、前記第1の形状特徴(7)および前記第2の形状特徴(8)に対して相補的な第3の形状特徴(11)を有する固定手段(4)を有している、請求項8または9記載のシステム(1)。
【請求項11】
前記収容装置(10)は、実質的に円形の断面を有する細長い開口部を有し、前記第2の形状特徴(8)は、前記開口部の長手方向に沿った溝を有し、前記固定手段(4)は、前記開口部に収容され、その中で径方向に前記開口部と前記センサ本体(6)との間にクランプされるように構成されたクランプスリーブを有し、前記クランプスリーブは、自身の周面に前記第3の形状特徴(11)を備えている、請求項10記載のシステム(1)。
【請求項12】
前記第3の形状特徴(11)は、前記クランプスリーブの周面における軸線方向のスリットとして形成され、スリット長手方向側面は、2つの離間された端部区分(12,13)を形成する、請求項11記載のシステム(1)
【請求項13】
前記2つの端部区分(12,13)は、径方向外側に湾曲し、前記溝および前記クランプスリーブは、前記2つの端部区分(12,13)が前記溝内へ突出するように形成され、請求項4から7までのいずれか1項記載のセンサ(2)のセンサ本体(6)の隆起部が、径方向外側に前記溝内へ突出する前記2つの端部区分(12,13)の間に配置される、請求項12記載のシステム(1)。
【請求項14】
前記第3の形状特徴(11,11’)は、付加的に、径方向外側に前記開口部の溝内へ突出する隆起部を有する、請求項12記載のシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサならびに該センサと固定装置とからなるシステムに関し、特に、本発明は、センサならびに該センサと固定装置からなるシステムの位置合わせに依存して物理量を検出するためのセンサに関する。
【0002】
これまで、特に車両の回転数検出の分野では、主にパッシブセンサが、例えばABS、ASR、またはESPなどの支援システムの機能を可能にするために使用されてきた。
【0003】
最近では、ますます多くのアクティブセンサが、つまり供給電圧の印加により活動化し、出力信号を生成するセンサが使用されている。したがって、例えば既にセンサ内では、バスシステムを介して伝送され、制御機器内で評価することができるデータプロトコルが生成される。その他に、診断機能を実装する手段も存在している。
【0004】
特に、ホイール回転数検出の分野では、ホイールの運動方向を検出するために、少なくとも2つの測定要素を有するセンサが使用される。それゆえ、これらのセンサの使用の際にはホイール回転数センサを、予め定められた配向で車両に取り付ける必要があり、それによって、センサの測定要素は、磁極ホイールの運動に対して位置合わせされることになる。この位置合わせは、動作中でも変更されてはならない。
【0005】
したがって、本発明の根底にある課題は、上記の問題を解決し、センサならびに該センサと該センサを容易にかつ恒久的に位置合わせすることができる固定装置とからなるシステムを提供することである。
【0006】
この課題は、請求項1に記載のセンサならびに請求項8に記載のシステムによって解決される。好適な発展形態は、従属請求項に含まれている。
【0007】
本発明の一態様によれば、軸線周りのセンサの位置合わせに依存して物理量を検出するためのセンサのセンサ本体は、外面に予め定められた第1の形状特徴を有し、この第1の形状特徴は、軸線周りのセンサの予め定められた位置合わせを可能にするように形成されている。
【0008】
この形状特徴により、基本的に固定装置との形状結合的な接続を形成する手段が与えられ、それによって、センサの予め定められた位置合わせが容易にかつ恒久的に可能になる。
【0009】
センサの好適な発展形態では、物理量は、センサ近傍の物体の運動によって引き起こされる磁気パルスであり、センサは、対象物体の運動の方向を磁気的に検出するアクティブ回転数センサとして構成されている。
【0010】
そのようなアクティブセンサを車両のホイールの回転数検出領域に適用することは、信号伝送の簡素化と、例えば診断機能の実装とを可能にさせる。さらに、アクティブ回転数センサを設けることにより、停止状態から緩慢な運動を完全にもしくはより正確に検出することができる。好適には、運動方向は、センサ内に磁気パルス用の複数の測定要素を設けることによって検出される。つまり、このセンサによれば、例えば対象物体としての磁極ホイールの運動も、運動の方向も検出することができる。
【0011】
センサのさらなる好適な発展形態では、第1の形状特徴は、センサ本体の外面に凹部を有する。
【0012】
センサ本体の凹部は簡単に形成することができ、この凹部に対して相補的な対応部分、詳細には隆起部が固定装置に設けられている場合には、センサの位置合わせを可能にする手段が容易に提供される。
【0013】
センサの他の好適な発展形態では、第1の形状特徴は、センサ本体の外面に隆起部を有する。
【0014】
センサ本体における隆起部を、任意選択的に凹部と組み合わせて容易に形成することもでき、隆起部に対して、および場合によっては凹部に対しても相補的な対応部分が設けられている場合には、センサの位置合わせを可能にする手段も容易に提供される。
【0015】
センサのさらなる好適な発展形態によれば、センサ本体は、実質的に円形の円筒形状を有し、センサの位置合わせは、実質的に円形の円筒形状の長手軸線周りの予め定められた配向であり、隆起部は、センサハウジングの周面における予め定められた箇所に配置されている。
【0016】
センサの原理的には従来の構造形態に対応するこの構造形態によって、センサを、大規模な設計変更なしで従来の取り付け場所に取り付けることが可能になる。
【0017】
センサのさらなる好適な発展形態では、隆起部は、センサ本体の隣接する端部から軸線方向に距離を有する。
【0018】
この特徴により、センサの取り付けが容易になる。なぜなら、センサは、最初からセンサの配向を気にすることなく容易に固定装置の開口部に差込可能であるからである。引き続き、センサは、予め定められた配向を達成し、隆起部との形状結合を可能にさせるために、わずかな回転力で回転可能である。
【0019】
センサの好適な発展形態では、隆起部は、長手軸線に対して平行に延びるリブを形成する。
【0020】
長手軸線に対して平行にリブを設けることは、製造技術的に容易に実施可能であり、センサの配向を確実にかつ恒久的に維持することができる。
【0021】
本発明のさらなる態様によれば、センサと、該センサ用の固定装置とからなるシステムが提供され、ここで、固定装置は、センサ本体を収容するように構成された収容装置を有する収容本体と、収容本体において第1の形状特徴に対して相補的な第2の形状特徴とを有している。
【0022】
このシステムにより、センサと固定装置との間に形状結合的な接続を形成する手段が与えられ、それによって、センサの予め定められた位置合わせが容易にかつ恒久的に可能になる。
【0023】
システムの好適な発展形態では、収容装置は、実質的に円形の断面を有する細長い開口部を有し、第2の形状特徴は、開口部の長手方向に沿った溝を有する。
【0024】
そのような収容装置では、実質的に円形の円筒形状を有するセンサ本体と、センサハウジングの周面における予め定められた箇所に配置された隆起部とを有するセンサを容易にかつ確実に位置合わせすることが可能である。
【0025】
さらに、システムのさらなる好適な発展形態では、付加的に、第1の形状特徴および第2の形状特徴に対して相補的な第3の形状特徴を有する固定手段が設けられている。
【0026】
そのような固定手段を設けることにより、センサは、配向を維持したまま確実に固定することができる。
【0027】
システムのさらなる好適な発展形態では、固定手段は、開口部に収容され、その中で径方向に開口部とセンサ本体との間にクランプされるように構成されたクランプスリーブを有し、ここで、クランプスリーブは、自身の周面に第3の形状特徴を備えている。
【0028】
このクランプスリーブを設けることにより、センサは、開口部への挿入の際に予め定められた配向で同時にかつ確実に固定することができ、それによって、取り付け過程が簡略化されるにもかかわらず、センサを必要に応じてさらに軸線方向にシフトさせることが可能になる。
【0029】
システムのさらなる好適な発展形態では、第3の形状特徴は、クランプスリーブの周面における軸線方向のスリットとして形成され、ここで、スリット長手方向側面は、クランプスリーブの周面における2つの離間された端部区分を形成する。
【0030】
そのようなクランプスリーブは、開口部やセンサの許容誤差に対して不感であり、容易に形成することができる。
【0031】
システムの好適な発展形態では、2つの端部区分は、径方向外側に湾曲し、溝およびクランプスリーブは、2つの端部区分が溝内へ突出するように形成され、センサの隆起部が、径方向外側に溝内へ突出する2つの端部区分の間に配置される。
【0032】
この配置により、取り付けが容易になる。なぜなら、クランプスリーブを、既に事前に第3の形状特徴の適正な配向で取り付けることができるからである。
【0033】
システムの好適な発展形態では、第3の形状特徴は、付加的に、径方向外側に開口部の溝内へ突出する隆起部を有する。
【0034】
クランプスリーブのそのような構成により、その製造が簡素化される。
【0035】
以下では、本発明を実施例に基づき添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】センサ、固定装置、および固定手段を備えた本発明によるシステムの組み込み状況を示す側方断面図である。
【
図2】第1の形状特徴を有するセンサの側面図である。
【
図3】第2の形状特徴を有する固定装置の正面図である。
【
図4】取り付けられたセンサを有する
図3の固定装置の正面図である。
【
図5】第1の実施形態における、取り付けられたセンサと、付加的な固定手段とを有する
図4の表示の断面図である。
【
図6】第2の実施形態における、取り付けられたセンサと、付加的な固定手段とを有する
図4の表示の断面図である
【
図7】代替的な第2および第3の形状特徴を有する固定装置の正面図である。
【0037】
図1は、本発明によるシステム1の組み込み状況の側方断面図を示し、このシステム1は、センサ2、固定装置3、および固定手段4を備える。代替的な実施形態では、固定手段4は設けられていないが、固定装置は、別個の固定機構が不要となるように構成されている。
【0038】
さらに、
図1は、回転の際にセンサ2によって検出される磁気パルスを開始させる磁極ホイール5を示す。
【0039】
図2は、第1の形状特徴7を有するセンサ2の側面図を示す。このセンサは、軸線Aを有し、ここでは、センサ2は、軸線A周りのセンサ2の位置合わせに依存して物理量を検出するためのセンサである。特に、センサ2は、センサ2に関する物質の運動の結果としての物理量の変化を検出し、この場合、運動は、軸線A周りのセンサ2の予め定められた位置合わせにおいてのみ検出可能である。物質は、この実施形態では、自身の歯付き磁極ホイール5であり、センサ2は、検出方向が磁極ホイール5の接線方向に対応するように軸線A周りの自身の位置合わせが選択されている場合にのみ、磁極ホイール5の磁気パルスを検出する。
【0040】
センサ2は、アクティブ回転数センサとして構成されており、つまり、給電電圧の印加によって活動化し、出力信号を生成するセンサとして構成されている。
【0041】
センサ2は、センサ本体6を有する。このセンサ本体6の外面にはリブが設けられており、つまり第1の形状特徴7としての隆起部が設けられている。この隆起部は、センサハウジング6の周面における予め定められた箇所に設けられており、それによって、この第1の形状特徴7は、センサ2の軸線A周りでセンサ2の予め定められた位置合わせを可能にさせる。
【0042】
代替的な実施形態では、隆起部としてリブが設けられるのではなく、例えばテーパー状の隆起部が第1の形状特徴7として設けられる。代替的に、第1の形状特徴7が凹部である、つまり、例えば軸線Aに沿ったビードや接線方向の平坦部などであることも同様に可能である。
【0043】
センサ本体6は、実質的に円形の円筒形状を有している。この実質的に円形の円筒形状を有するとは、完全に円形の円筒形状から外れて第1の形状特徴が存在すること、および/またはその他の機能面、例えばキー面が存在することを意味する。軸線Aは、この実施形態では、センサ本体6の実質的に円形の円筒形状の長手軸線である。リブは、長手軸線に対して平行に配置されている。
【0044】
図2において同様に示されているように、隆起部は、センサ本体6の隣接する端部から軸線方向に距離Dを有する。この距離Dは、この実施形態では8mmであるが、代替的に、この距離より長くても短くてもよい。
【0045】
図3は、第2の形状特徴8を有する固定装置3の正面図を示す。この固定装置3は、センサ本体6を収容するように構成された収容装置10を有する収容本体9を備えている。収容装置10は、この実施形態では、収容本体9の孔部として、詳細には実質的に円形の断面を有する細長い開口部として実施されているが、代替的に、例えば、対応する設計のセンサ2をねじ込むためのねじ山であってもよい。
【0046】
固定装置3は、さらに収容本体9において、孔部の長手方向に沿った第2の形状特徴8としての溝を有する。この第2の形状特徴8は、第1の形状特徴7に対して相補的であり、このことは、第1の形状特徴7の特性と第2の形状特徴8の特性とが補足し合い、第1の形状特徴7と第2の形状特徴8とが互いに一致することを意味する。
【0047】
図4は、取り付けられたセンサ2と、相補的な形状特徴7,8とを有する固定装置3の正面図を示す。
【0048】
図5は、第1の実施形態における、取り付けられたセンサ2と、付加的な固定手段4とを有する
図4の表示の断面図を示す。この固定手段4は、第3の形状特徴11を有し、この第3の形状特徴11は、第1の形状特徴7および第2の形状特徴8に対して相補的であり、あるいはこの第3の形状特徴は、第1の形状特徴7および第2の形状特徴の形状特性を補足し合うように成形されている。
【0049】
この実施形態では、固定手段4は、クランプスリーブを有する。このクランプスリーブは、開口部、つまり収容装置10に収容され、その中で径方向に開口部とセンサ本体6との間にクランプされるように構成されている。
【0050】
クランプスリーブは、自身の周面に第3の形状特徴11を備えている。この実施形態では、第3の形状特徴11は、クランプスリーブの周面における2つの端部区分12,13の間に軸線方向の間隙を有する。このことは、クランプスリーブにおける自身の周面において軸線方向に貫通スリットが設けられていることを意味する。軸線A周りのセンサ2およびクランプスリーブの位置合わせを実現するために、このスリット、詳細には第3の形状特徴11を通って、センサ本体6のリブが溝内に、詳細には第2の形状特徴8内に突出する。
【0051】
クランプスリーブは、さらに、確実なクランプ力を加えるためのばね要素14を備えている。これらのばね要素14は、長手方向の端部においてクランプスリーブに一体的に形成された、もしくはクランプスリーブに固定された実質的に細長い矩形の舌状片である。代替的に他の形状も、例えば正方形も可能である。一般に、それらは、3辺における舌状片の輪郭の打ち抜き加工によって形成され、次いで、外方に湾曲され、それによって、それらは、事前ストレスをかけられ、外方に突出させられる。したがって、クランプスリーブの材料の弾性特性により、ばね要素14は、収容本体9の開口部内に挿入される場合に、径方向のクランプ力を加える。
【0052】
図6は、第2の実施形態における、取り付けられたセンサ2と、付加的な固定手段4とを有する
図4の表示の断面図を示す。
【0053】
図6の固定手段4が、
図5の固定手段4と異なるのは、端部区分12,13が、軸線方向のクリアランスを形成するために、周面において終端するのではなく、端部区分が、径方向外側に湾曲し、溝内へ突出し、その間に軸線方向のクリアランスが形成される点にある。
【0054】
つまり、このシステム1では、センサ本体6の隆起部は、径方向外側に溝内へ突出する2つの端部区分12,13の間に配置されている。
【0055】
固定手段4の代替的な実施形態では、この固定手段4は、外側に孔部の溝内へ突出する端部区分12,13も、軸線方向で他の位置における径方向内側に湾曲した端部区分も有する。内側に湾曲する端部区分は、溝内に突出しており、この溝は、センサ2の一実施形態において、センサハウジング6内で長手方向に設けられている。
【0056】
図7は、代替的な第2の形状特徴8,8’および代替的な第3の形状特徴11,11’を有する固定装置3の正面図を示す。
【0057】
固定手段4の代替的な第3の形状特徴11,11’は、貫通スリット(
図5)の他に、付加的に隆起部を第3の形状特徴11’として有している。この隆起部は、収容本体9に対する軸線A周りのクランプスリーブの位置合わせを実現するために、クランプスリーブ、詳細には固定手段4から径方向外側にさらなる溝内へ、詳細には第3の形状特徴11’内へ突出する。センサ2は、クランプスリーブに対する軸線A周りで、クランプスリーブのスリット内の、詳細には第3の形状特徴11内のリブによって位置合わせされる。代替的な実施形態では、溝が、センサ本体6のリブ用の孔部に設けられるのではなく、センサ本体6のリブが、クランプスリーブのスリット内に突出するだけである。
【0058】
本明細書、以下の特許請求の範囲、ならびに図面に示されるすべての特徴は、個別においても、相互の任意の組み合わせにおいても、本発明に必須のものとなり得る。
【符号の説明】
【0059】
1 システム
2 センサ
3 固定装置
4 固定手段
5 磁極ホイール
6 センサ本体
7 第1の形状特徴
8 第2の形状特徴
9 収容本体
10 収容装置
11 第3の形状特徴
12 クランプスリーブの周面における端部
13 クランプスリーブの周面における端部
14 ばね要素
A 軸線
【国際調査報告】