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特表2022-549025電池モジュール、電池パック及び電源として電池を用いた装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-22
(54)【発明の名称】電池モジュール、電池パック及び電源として電池を用いた装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/578 20210101AFI20221115BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20221115BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20221115BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20221115BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20221115BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20221115BHJP
   H01M 50/233 20210101ALI20221115BHJP
【FI】
H01M50/578
H01M50/505
H01M50/503
H01M50/342 101
H01M50/55 101
H01M50/209
H01M50/233
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530274
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(85)【翻訳文提出日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 CN2020083248
(87)【国際公開番号】W WO2021196169
(87)【国際公開日】2021-10-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲興▼地
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ 名迪
(72)【発明者】
【氏名】游 ▲凱▼杰
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】汪 用▲廣▼
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H012AA07
5H012BB02
5H012FF01
5H012GG01
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040DD03
5H040DD13
5H040NN01
5H040NN03
5H043AA04
5H043AA13
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA05
5H043CA12
5H043CA13
5H043CA22
5H043DA05
5H043FA04
5H043FA26
5H043GA12
5H043JA01F
5H043KA42F
(57)【要約】
本発明は電池モジュール、電池パック及び電源として電池を用いた装置を提供する。電池モジュールは、複数の電池ユニットと、バスアセンブリとを含む。前記複数の電池ユニットは水平方向に配列され、各前記電池ユニットは垂直方向に積層された複数の電池を含み、前記複数の電池は前記垂直方向に積層された第1電池と第2電池を含み、前記第1電池及び前記第2電池はいずれも第1電極端子、第2電極端子及び前記第1電極端子と前記第2電極端子との間に位置する防爆板を含む。バスアセンブリは前記複数の電池ユニットを電気的に接続し、前記バスアセンブリは前記第1電池の第1電極端子と前記第2電池の第2電極端子とを接続する第1バスバーを含む。前記垂直方向及び前記水平方向に垂直な第1方向において、前記第1バスバーは前記第1電池の防爆板と少なくとも部分的に重なる第1薄化領域を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュール(1000)であって、
水平方向に配列された複数の電池ユニット(1)であって、垂直方向に積層された複数の電池(11)を含み、前記複数の電池(11)は前記垂直方向に積層された第1電池(11a)と第2電池(11b)を含み、前記第1電池(11a)及び前記第2電池(11b)はいずれも、第1電極端子(111)、第2電極端子(112)、及び前記第1電極端子(111)と前記第2電極端子(112)との間に位置する防爆板(113)を含む電池ユニット(1)と、
前記複数の電池ユニット(1)を電気的に接続するバスアセンブリ(2)であって、前記第1電池(11a)の第1電極端子(111)と前記第2電池(11b)の第2電極端子(112)とを接続する第1バスバー(21)を含むバスアセンブリ(2)とを含み、
前記垂直方向及び前記水平方向に垂直な第1方向において、前記第1バスバー(21)は前記第1電池(11a)の防爆板(113)と少なくとも部分的に重なる第1薄化領域(211)を含み、前記第1薄化領域(211)は、前記第1電池(11a)の防爆板(113)が開かれたときに、前記第1薄化領域(211)が破断し、前記第1電池(11a)と前記第2電池(11b)とを遮断するように構成される、ことを特徴とする電池モジュール(1000)。
【請求項2】
前記第1バスバー(21)は第1貫通孔(212)をさらに有し、前記第1薄化領域(211)は第1部分(211a)と第2部分(211b)を含み、前記第1部分(211a)及び前記第2部分(211b)はそれぞれ前記第1貫通孔(212)の両側に位置し、
前記第1方向において、前記第1部分(211a)は少なくとも前記防爆板(113)と部分的に重なり、前記第2部分(211b)は少なくとも前記防爆板(113)と部分的に重なる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール(1000)。
【請求項3】
前記第1電池(11a)の防爆板(113)は露出領域を有し、前記露出領域は前記第1方向において前記第1バスバー(21)で覆われていない、ことを特徴とする請求項2に記載の電池モジュール(1000)。
【請求項4】
前記露出領域は前記第1貫通孔(212)に対向する第1露出部(113a)を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の電池モジュール(1000)。
【請求項5】
前記露出領域は第2露出部(113b)をさらに含み、前記第2露出部(113b)は前記第1露出部(113a)と間隔を空けて設けられる、ことを特徴とする請求項4に記載の電池モジュール(1000)。
【請求項6】
前記第1バスバー(21)は、
前記第1電池(11a)の第1電極端子(111)に接続された第1接続部(213)と、
移行部(215)であって、前記第1薄化領域(211)が前記第1接続部(213)と前記移行部(215)を接続し、前記移行部(215)が緩衝領域(215a)を有する、移行部(215)とをさらに含み、
前記緩衝領域(215a)は、前記第1電池(11a)の第1電極端子(111)と前記第2電池(11b)の第2電極端子(112)の前記水平方向における距離が変化したときに伸縮変形し、及び/又は、前記第1電池(11a)の第1電極端子(111)と前記第2電池(11b)の第2電極端子(112)の前記垂直方向における距離が変化したときに伸縮変形するように構成される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池モジュール(1000)。
【請求項7】
前記第1バスバー(21)は、
前記第2電池(11b)の第2電極端子(112)に接続される第2接続部(214)と、
前記第1方向において、前記第2電池(11b)の防爆板(113)と少なくとも部分的に重なり、かつ前記移行部(215)と前記第2接続部(214)を接続する第2薄化領域(216)とをさらに含み、
前記第2薄化領域(216)は、前記第2電池(11b)の防爆板(113)が開かれたときに破断し、前記第1電池(11a)と前記第2電池(11b)とを遮断するように構成される、ことを特徴とする請求項6に記載の電池モジュール(1000)。
【請求項8】
前記緩衝領域(215a)は前記垂直方向及び前記水平方向に対して傾斜して設けられる、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の電池モジュール(1000)。
【請求項9】
前記垂直方向において、前記緩衝領域(215a)は前記第1電池(11a)の防爆板(113)と前記第2電池(11b)の防爆板(113)との間に位置する、ことを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載の電池モジュール(1000)。
【請求項10】
前記緩衝領域(215a)は複数のドーム構造を含む、ことを特徴とする請求項6~9のいずれか1項に記載の電池モジュール(1000)。
【請求項11】
前記第1電池(11a)の前記第1電極端子(111)及び前記第2電極端子(112)は前記水平方向に配置されており、
前記第2電池(11b)の前記第1電極端子(111)及び前記第2電極端子(112)は前記水平方向に配置されており、
前記第1電池(11a)の第1電極端子(111)及び前記第2電池(11b)の第1電極端子(111)は前記垂直方向において対向して設けられ、前記第1電池(11a)の第2電極端子(112)及び前記第2電池(11b)の第2電極端子(112)は前記垂直方向において対向して設けられる、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の電池モジュール(1000)。
【請求項12】
前記電池モジュール(1000)の前記水平方向の寸法は前記電池モジュール(1000)の前記垂直方向の寸法よりも大きい、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の電池モジュール(1000)。
【請求項13】
各前記電池(11)は、ケース(114)と電極アセンブリ(115)をさらに含み、前記第1電極端子(111)、前記第2電極端子(112)、及び前記防爆板(113)は前記ケース(114)に設けられ、前記電極アセンブリ(115)は前記ケース(114)内に収納され、かつ前記電極アセンブリ(115)は第1極板(115a)、第2極板(115b)、及び前記第1極板(115a)と前記第2極板(115b)を隔てるセパレータ(115c)を含み、前記第1極板(115a)は前記第1電極端子(111)に電気的に接続され、前記第2極板(115b)は前記第2電極端子(112)に電気的に接続され、
前記電極アセンブリ(115)は、扁平状の捲回型構造であり、かつ前記電極アセンブリ(115)の外面は2つの扁平面(115d)を含み、前記2つの扁平面(115d)は前記垂直方向において互いに面しており、又は、前記電極アセンブリ(115)は積層型構造であり、前記第1極板(115a)、前記セパレータ(115c)、及び前記第2極板(115b)が前記垂直方向に積層される、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の電池モジュール(1000)。
【請求項14】
筐体(2000)と、
前記筐体(2000)内に収容された請求項1~13のいずれか1項に記載の電池モジュール(1000)とを含む、ことを特徴とする電池パック。
【請求項15】
電源として電池を用いた装置であって、
請求項1~13のいずれか1項に記載の電池モジュール(1000)を含む、ことを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池分野に関し、特に電池モジュール、電池パック及び電源として電池を用いた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池などの二次電池は、エネルギー密度が高く、環境にやさしいなどの利点を有するので、携帯電話、ノートパソコンなどの電子装置に広く使用されている。近年、環境、ガソリン価格やエネルギー貯蔵の問題に対処するために、リチウムイオン電池の適用はハイブリッド自動車、船やエネルギー貯蔵システムなどまで迅速に広がっている。
【0003】
電池は、通常、ケースと、ケースに収納された電極アセンブリと、ケースの外部に露出した電極端子とを含み、電極アセンブリは、正極板と、負極板と、正極板と負極板を隔てるセパレータとを含む。電気自動車及びハイブリッド自動車などの中型や大型の設備には高電力及び大容量が求められ、このため、その内部に装備した複数の電池は通常、バスバーを介して接続されてグループ化された。ただし、過充電や短絡などの原因である電池が熱暴走した場合、回路を適時に遮断しないと、熱暴走した電池に隣接する電池でも熱暴走しやすく、結果として、複数の電池は相次いで熱暴走し、火災や爆発などの安全上のトラブルを招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術に記載の課題に鑑み、本発明の目的は、電池の熱暴走のリスクを低減させ、安全性を向上させることができる電池モジュール、電池パック及び電源として電池を用いた装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成させるために、本発明は、複数の電池ユニットとバスアセンブリとを含む電池モジュールを提供する。前記複数の電池ユニットは水平方向に配列され、各前記電池ユニットは垂直方向に積層された複数の電池を含み、前記複数の電池は前記垂直方向に積層された第1電池と第2電池を含み、前記第1電池及び前記第2電池はいずれも第1電極端子、第2電極端子、及び前記第1電極端子と前記第2電極端子との間に位置する防爆板を含む。バスアセンブリは前記複数の電池ユニットを電気的に接続し、前記バスアセンブリは前記第1電池の第1電極端子と前記第2電池の第2電極端子を接続する第1バスバーを含む。前記垂直方向及び前記水平方向に垂直な第1方向において、前記第1バスバーは前記第1電池の防爆板と少なくとも部分的に重なる第1薄化領域を含む。前記第1薄化領域は、当第1電池の防爆板が開かれたときに破断し、前記第1電池と前記第2電池とを遮断するように構成される。
【0006】
いくつかの実施例に係る電池モジュールでは、前記第1バスバーは第1貫通孔をさらに有し、前記第1薄化領域は第1部分と第2部分を含み、前記第1部分及び前記第2部分はそれぞれ前記第1貫通孔の両側に位置する。前記第1方向において、前記第1部分は少なくとも前記防爆板と部分的に重なり、前記第2部分は少なくとも前記防爆板と部分的に重なる。
【0007】
いくつかの実施例に係る電池モジュールでは、前記第1電池の防爆板は露出領域を有し、前記露出領域は前記第1方向において前記第1バスバーで覆われていない。
【0008】
いくつかの実施例に係る電池モジュールでは、前記露出領域は前記第1貫通孔に対向する第1露出部を含む。
【0009】
いくつかの実施例に係る電池モジュールでは、前記露出領域は第2露出部をさらに含み、前記第2露出部は前記第1露出部と間隔を空けて設けられる。
【0010】
いくつかの実施例に係る電池モジュールでは、前記第1バスバーは第1接続部と移行部とをさらに含み、第1接続部は前記第1電池の第1電極端子に接続され、前記第1薄化領域は前記第1接続部と前記移行部を接続する。前記移行部は緩衝領域を有し、前記緩衝領域は、前記第1電池の第1電極端子と前記第2電池の第2電極端子の前記水平方向における距離が変化したときに伸縮変形し、及び/又は、前記第1電池の第1電極端子と前記第2電池の第2電極端子の前記垂直方向における距離が変化したときに伸縮変形するように構成される。
【0011】
いくつかの実施例に係る電池モジュールでは、前記第1バスバーは第2接続部と第2薄化領域とをさらに含み、第2接続部は前記第2電池の第2電極端子に接続される。前記第1方向において、前記第2薄化領域は前記第2電池の防爆板と少なくとも部分的に重なり、かつ前記第2薄化領域は前記移行部と前記第2接続部を接続する。前記第2薄化領域は、第2電池の防爆板が開かれたときに破断し、前記第1電池と前記第2電池とを遮断するように構成される。
【0012】
いくつかの実施例に係る電池モジュールでは、前記緩衝領域は前記垂直方向及び前記水平方向に対して傾斜して設けられる。
【0013】
いくつかの実施例に係る電池モジュールでは、前記垂直方向において、前記緩衝領域は前記第1電池の防爆板と前記第2電池の防爆板との間に位置する。
【0014】
いくつかの実施例に係る電池モジュールでは、前記緩衝領域は複数のドーム構造を含む。
【0015】
いくつかの実施例に係る電池モジュールでは、前記第1電池の前記第1電極端子及び前記第2電極端子は前記水平方向に配置されている。前記第2電池の前記第1電極端子及び前記第2電極端子は前記水平方向に配置されている。前記第1電池の第1電極端子及び前記第2電池の第1電極端子は前記垂直方向において対向して設けられ、前記第1電池の第2電極端子及び前記第2電池の第2電極端子は前記垂直方向において対向して設けられる。
【0016】
いくつかの実施例に係る電池モジュールでは、前記電池モジュールの前記水平方向の寸法は前記電池モジュールの前記垂直方向の寸法よりも大きい。
【0017】
いくつかの実施例に係る電池モジュールでは、各前記電池は、ケースと電極アセンブリとをさらに含み、前記第1電極端子、前記第2電極端子及び前記防爆板は前記ケースに設けられ、前記電極アセンブリは前記ケース内に収納され、かつ前記電極アセンブリは第1極板、第2極板及び前記第1極板と前記第2極板を隔てるセパレータを含み、前記第1極板は前記第1電極端子に電気的に接続され、前記第2極板は前記第2電極端子に電気的に接続される。
【0018】
いくつかの実施例に係る電池モジュールでは、前記電極アセンブリは、扁平状の捲回型構造であり、かつ前記電極アセンブリの外面は2つの扁平面を含み、前記2つの扁平面は前記垂直方向において互いに面している。別のいくつかの実施例に係る電池モジュールでは、前記電極アセンブリは積層型構造であり、前記第1極板、前記セパレータ及び前記第2極板が前記垂直方向に積層される。
【0019】
本発明はまた、筐体と、前記筐体内に収容された前記した電池モジュールとを含む、電池パックを提供する。
【0020】
本発明はまた、前記した電池モジュールを含む、電源として電池を用いた装置を提供する。
【0021】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。第1薄化領域が防爆板と少なくとも部分的に重なるため、防爆板が開かれたときに、高温高圧の気体が第1薄化領域に直接衝撃し、第1薄化領域は、低強度なので、気体の衝撃により破断し、これにより、第1電池と第2電池との間の電気的接続が遮断される。このとき、第2電池は充放電を停止しているので、第1電池の熱が第2電池に伝達されていても、第2電池は熱暴走しにくく、このようにして、火災や爆発などの安全上のトラブルのリスクを低減させ、電池モジュールの安全性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】いくつかの実施例に係る電源として電池を用いた装置の概略図である。
図2】いくつかの実施例に係る電池パックの分解図である。
図3】いくつかの実施例に係る電池モジュールの概略図である。
図4】別のいくつかの実施例に係る電池モジュールの概略図である。
図5】いくつかの実施例における電池ユニット及び第1バスバーの概略図である。
図6】いくつかの実施例に係る第1バスバーの概略図である。
図7】いくつかの実施例に係る電池の分解図である。
図8】いくつかの実施例に係る電極アセンブリの断面図である。
図9】別のいくつかの実施例に係る電極アセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。なお、ここで説明される特定の実施例は本願を解釈するために過ぎず、本願を限定するものではない。
【0024】
本願の説明において、明確な規定や限定がない限り、「第1」、「第2」、「第3」という用語は説明することにのみ使用され、相対重要性を指示又は示唆するものとして理解すべきではなく、「複数」という用語は2つ以上(2つを含む)を意味し、別に規定や説明が行われていない限り、「接続」という用語は広義に理解すべきであり、例えば、「接続」は固定接続、取り外し可能な接続、一体接続、電気的な接続、信号接続であってもよいし、「接続」は直接連結、中間部品を介した間接的な連結であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願での上記用語の具体的な意味を理解できる。
【0025】
本願の説明において、図面を通じて、矢印Xが指す方向は長手方向、矢印Yが指す方向は幅方向、矢印Zが指す方向は垂直方向である。水平方向は水平面に平行である方向であり、長手方向Xであってもよく、幅方向Yであってもよい。また、水平方向は、水平面に厳格に平行である方向に加えて、工事において一般的に認められた水平面にほぼ平行である方向を含む。垂直方向は水平面に垂直な方向であり、垂直方向は水平面に厳格に垂直な方向に加えて、工事において一般的に認められた水平面にほぼ垂直な方向を含む。さらに、本願に記載の「上」、「下」、「頂」、「底」などの方位語は全て垂直方向Zに対して理解する。理解や説明を容易にするために、以下、図面のX、Y、Z座標系に従って方向を説明する。
【0026】
本願は電源として電池を用いた装置を提供し、前記装置は、本体と、前記本体に装着された電池モジュールとを含む。前記装置は電気自動車、ハイブリッド電気自動車や船などである。図1を参照すると、いくつかの実施例では、前記装置は電気自動車であり、前記電気自動車は純粋な電気自動車であってもよく、ハイブリッド自動車や航続距離延長型電気自動車であってもよい。前記電気自動車はシャーシ、車体及び電気駆動システムを含み、前記電気駆動システムは駆動モジュールと電源モジュールを含み、前記駆動モジュールはモータ、機械式伝動装置及び車輪などの構造を含み、前記電源モジュールは複数の二次電池を含む。電池モジュールはモータ及び機械式伝動装置によって車輪が回転するように駆動し、前記自動車を移動させる。前記二次電池は鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池又はリチウムイオン電池である。いくつかの好ましい実施例では、前記二次電池はリチウムイオン電池である。
【0027】
図2を参照すると、本願はまた、電池モジュール1000と筐体2000とを含む電池パックを提供し、電池モジュール1000は筐体2000内に収容される。筐体2000は下部筐体と上部蓋体を含み、下部筐体と上部蓋体は密封接続され、両方の間に容置室が形成される。下部筐体及び上部蓋体はアルミ、アルミ合金や他の金属で製造される。電池モジュール1000は筐体2000の容置室に収納される。電池モジュール1000は1つ又は複数であってもよい。電池モジュール1000が複数設けられる場合、電池モジュール1000は長手方向Xに配置されてもよく、幅方向Yに配置されてもよい。電池モジュール1000は複数の二次電池を含み、前記二次電池は鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池又はリチウムイオン電池である。
【0028】
本願はまた、水平方向に配列された複数の電池ユニット1を含む電池モジュールを提供し、各前記電池ユニット1は垂直方向Zに積層された複数の電池11を含む。図3を参照すると、いくつかの実施例では、電池モジュールの複数の電池ユニット1は長手方向Xに配列されている。
【0029】
図7を参照すると、いくつかの実施例では、電池モジュールの各電池11は第1電極端子111、第2電極端子112、防爆板113、ケース114及び電極アセンブリ115を含む。
【0030】
電極アセンブリ115は、電池11の充放電機能を実現するための重要な部品である。図8及び図9を参照すると、電極アセンブリ115は、第1極板115a、第2極板115b、及び前記第1極板115aと前記第2極板115bを隔てるセパレータ115cを含む。第1電極端子111及び第2電極端子112は、それぞれ第1極板115a及び第2極板115bに電気的に接続される。
【0031】
第1極板115aは、第1集電体と、前記第1集電体の表面に塗布された第1活物質層とを含む。第2極板115bは、第2集電体と、前記第2集電体の表面に塗布された第2活物質層とを含む。いくつかの実施例では、第1極板115aは正極板であり、ここで、第1集電体はアルミ箔であり、第1活物質層はマンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム又は三元材料を含む。第2極板115bは負極板であり、ここで、第1集電体は銅箔であり、第2活物質層は黒鉛又はケイ素を含む。
【0032】
ケース114は、電極アセンブリ115及び電解液を収納するチャンバーを有する。図7を参照すると、ケース114は、ハウジング114aと、ハウジング114aに接続された上部蓋板114bとを含む。ハウジング114aは六面体形状や他の形状を有する。ハウジング114aは開口を有し、電極アセンブリ115は前記開口を通じてハウジング114aに配置することができる。上部蓋板114bの寸法はハウジング114aの開口の寸法に適合する。上部蓋板114bは溶接によってハウジング114aに接続され、ハウジング114aの開口を覆う。
【0033】
第1電極端子111及び第2電極端子112はケース114に設けられ、ケース114の外側に露出している。いくつかの実施例では、第1電極端子111及び第2電極端子112は前記上部蓋板114bを貫通している。
【0034】
防爆板113は、ケース114に設けられ、かつ第1電極端子111と第2電極端子112との間に位置する。いくつかの実施例では、上部蓋板114bには貫通している排気孔が設けられ、防爆板113は上部蓋板114bに固定され、前記排気孔を覆っている。電極アセンブリ115は過充電や短絡などの原因で大量の気体を生成した場合、ケース114の内圧が増大し、防爆板113を突き破り、気体が前記排気孔からケース114の外部に排出され、これにより、電池11の爆発が回避される。
【0035】
図3を参照すると、電池モジュールはバスアセンブリ2をさらに含み、バスアセンブリ2は電池モジュールの複数の電池ユニット1を電気的に接続する。バスアセンブリ2は複数のバスバーを含み、各バスバーは溶接、リベット留めなどの方式で電極端子に接続される。前記複数のバスバーは電池モジュールの複数の電池11を直列、並列又は直列・並列の方式で接続してグループ化する。
【0036】
図3図5を参照すると、電池モジュールの複数の電池11は垂直方向Zに積層された第1電池11aと第2電池11bを含む。バスアセンブリ2は第1電池11aの第1電極端子111と第2電池11bの第2電極端子112を接続する第1バスバー21を含む。
【0037】
垂直方向及び水平方向に垂直な第1方向において、第1バスバー21は、第1電池11aの防爆板113と少なくとも部分的に重なる第1薄化領域211を含む。いくつかの実施例では、電池モジュールの複数の電池ユニット1は長手方向Xに配列されており、このとき、前記第1方向は図面に示す幅方向Yに平行である。前記第1方向に垂直な平面において、第1電池11aの防爆板113の投影は第1薄化領域211の投影と少なくとも部分的に重なる。第1薄化領域211は、防爆板113が開かれたときに破断し、第1電池11aと第2電池11bとを遮断するように構成される。
【0038】
第1電池11aの電極アセンブリ115は過充電や短絡などの原因により大量の気体を生成した場合、ケース114の内圧が増大し、防爆板113を開く。第1薄化領域211が防爆板113と少なくとも部分的に重なるので、高温高圧の気体が第1薄化領域211に直接衝撃し、第1薄化領域211は、低強度なので、気体の衝撃により破断し、これにより、第1電池11aと第2電池11bとの間の電気的接続が遮断される。このとき、第2電池11bは充放電を停止しているので、第1電池11aの熱が第2電池11bに伝達されていても、第2電池11bは熱暴走しにくく、このようにして、火災や爆発などの安全上のトラブルのリスクを低減させ、電池モジュールの安全性を向上させる。
【0039】
図5を参照すると、いくつかの実施例に係る電池モジュール1000では、第1電池11aの防爆板113は露出領域を有し、前記露出領域は第1方向において第1バスバー21で覆われていない。前記第1方向に垂直な平面において、前記露出領域の投影は第1バスバー21の投影と重ならない。前記露出領域が設けられることによって、防爆板113が開かれたときに第1バスバー21による気体への遮断を低減させ、第1電池11aの内部の気体のスムーズな排出を確保し、第1電池11aの爆発のリスクを低減させる。
【0040】
いくつかの実施例では、図5を参照すると、第1バスバー21はさらに第1貫通孔212を有し、第1薄化領域211は第1部分211aと第2部分211bを含み、第1部分211a及び第2部分211bはそれぞれ第1貫通孔212の両側に位置する。本願では、第1貫通孔212が開けられることによって、第1部分211aの断面積及び第2部分211bの断面積が小さくなり、第1薄化領域211の強度が低下し、防爆板113が開かれたときに第1薄化領域211が破断できることが確保される。
【0041】
第1方向において、第1部分211aは少なくとも防爆板113と部分的に重なり、第2部分211bは少なくとも防爆板113と部分的に重なる。防爆板113が開かれたときに、第1部分211a及び第2部分211bは高温気体の衝撃により破断可能である。
【0042】
いくつかの実施例では、露出領域は第1貫通孔212に対向する第1露出部113aを含む。防爆板113が開かれたときに、気体の一部が第1貫通孔212を介して排出され、これにより、排気速度が速まり、第1電池11aの爆発のリスクが低減する。
【0043】
いくつかの実施例では、前記露出領域は第2露出部113bをさらに含み、第2露出部113bは第1露出部113aと間隔を空けて設けられる。第2露出部113bが設けられることによって、防爆板113の第1バスバー21で覆われた部分の面積が減少し、防爆板113が開かれたときに排気速度が速まり、第1電池11aの爆発のリスクが低減する。
【0044】
いくつかの実施例では、第1バスバー21には第1溝が設けられている。本願では、第1溝が設けられることによって、第1薄化領域211の厚さが小さくなり、第1薄化領域211の強度が低下し、防爆板113が開かれたときに第1薄化領域211が破断できることが確保される。別のいくつかの実施例では、第1バスバー21には2つの第1切り欠きが設けられており、前記2つの第1切り欠きはそれぞれ第1薄化領域211の両側に位置し、本願では、前記第1切り欠きが設けられることによって、第1薄化領域211の厚さが小さくなり、第1薄化領域211の強度が低下し、防爆板113が開かれたときに第1薄化領域211が破断できることが確保される。さらなるいくつかの実施例では、第1バスバー21は複数種類の導電性材料を複合したものであり、第1薄化領域211の強度が第1バスバー21の、第1薄化領域211に接続された部分の強度よりも小さく、これにより、防爆板113が開かれたときに第1薄化領域211が破断できることが確保される。さらに別のいくつかの実施例では、第1バスバー21は複数種類の導電性材料を複合したものであり、第1薄化領域211の融点が、第1バスバー21の、第1薄化領域211に接続された部分の融点よりも小さく、高温気体が第1薄化領域211に衝撃したときに、第1薄化領域211が加熱されて軟化し、これにより、防爆板113が開かれたときに第1薄化領域211が破断できることが確保される。
【0045】
いくつかの実施例では、第1バスバー21は第1接続部213と移行部215とをさらに含み、第1接続部213は第1電池11aの第1電極端子111に接続され、第1薄化領域211は第1接続部213と移行部215を接続する。第1接続部213は第1電池11aの第1電極端子111に溶接される。いくつかの実施例に係る第1接続部213には位置決め孔が設けられ、前記位置決め孔は第1接続部213の溶接時の位置決めに寄与する。
【0046】
電池11の充放電過程において、電極アセンブリ115が膨張して変形し、ケース114を押し付け、ケース114が変形して、電池11の第1電極端子111及び第2電極端子112が移動する。第1電池11aの電極アセンブリ115及び第2電池11bの電極アセンブリ115が膨張したときに、第1電池11aの第1電極端子111と第2電池11bの第2電極端子112との距離が変化し、第1バスバー21が押されたり引っ張られたりし、極端な場合、第1電極端子111と第1接続部213との溶接部位が破断する可能性があり、電流通過能力の低下を招いてしまう。いくつかの実施例では、移行部215は緩衝領域215aを有し、緩衝領域215aは、第1電池11aの第1電極端子111と第2電池11bの第2電極端子112との水平方向における距離が変化したときに伸縮変形し、及び/又は、第1電池11aの第1電極端子111と第2電池11bの第2電極端子112との垂直方向における距離が変化したときに伸縮変形するように構成される。緩衝領域215aは、伸縮変形することで、第1電池11aの第1電極端子111と第2電池11bの第2電極端子112との距離の変化を吸収し、第1電極端子111と第1接続部213との溶接部が受けた力を小さくし、前記溶接部が破断するリスクを低減させ、電流通過能力を確保する。
【0047】
緩衝領域215aの構造は必要に応じて設定されてもよく、緩衝領域215aの変形に必要な力が第1電極端子111と第1接続部213との接続力よりも小さければよい。いくつかの実施例では、図6を参照すると、緩衝領域215aは複数のドーム構造を含み、前記複数のドーム構造は連続した波形構造を構成する。前記複数のドーム構造は、弾性に優れたため、変形することで第1電池11aの第1電極端子111と第2電池11bの第2電極端子112の距離の変化を吸収することができる。前記ドーム構造は移行部215を打ち抜くことにより形成される。
【0048】
別のいくつかの実施例では、緩衝領域215aは間隔を空けて配置された複数の短冊状構造を有し、各短冊状構造は少なくとも部分的に曲がって円弧状になる。円弧状の短冊状構造は、弾性に優れたので、変形することで第1電池11aの第1電極端子111と第2電池11bの第2電極端子112との距離の変化を吸収することができる。さらなるいくつかの実施例では、前記緩衝領域215aは、曲がって波形構造になり、前記波形構造は正弦波形、方形波形、三角波形又は鋸歯波形である。さらに別のいくつかの実施例では、第1バスバー21は複数種類の導電性材料を複合したものであり、前記緩衝領域215aの材料の弾性が、第1バスバー21の他の部分の材料の弾性よりも優れる。
【0049】
いくつかの実施例では、第1バスバー21は第2接続部214と第2薄化領域216とをさらに含み、第2接続部214は第2電池11bの第2電極端子112に接続される。前記第1方向において、第2薄化領域216は第2電池11bの防爆板113と少なくとも部分的に重なり、かつ第2薄化領域216は移行部215と第2接続部214を接続する。第2接続部214は第2電池11bの第2電極端子112に溶接される。
【0050】
前記第2薄化領域216は、第2電池11bの防爆板113が開かれたときに破断し、前記第1電池11aと前記第2電池11bとを遮断するように構成される。
【0051】
第2電池11bの電極アセンブリ115は過充電や短絡などの原因により大量の気体を生成した場合、ケース114の内圧が増大し、防爆板113を開く。第2薄化領域216が防爆板113と少なくとも部分的に重なるので、高温高圧の気体が第2薄化領域216に直接衝撃し、第2薄化領域216は、低強度なので、気体の衝撃により破断し、これにより、第1電池11aと第2電池11bとの間の電気的接続が遮断される。このとき、第1電池11aは充放電を停止しているので、第2電池11bの熱が第1電池11aに伝達されていても、第1電池11aは熱暴走しにくく、このようにして、火災や爆発などの安全上のトラブルのリスクを低減させる。
【0052】
いくつかの実施例では、第1バスバー21には第2貫通孔217がさらに設けられている。本願では、第2貫通孔217が設けられることによって、第2薄化領域216の強度が低下し、防爆板113が開かれたときに第2薄化領域216が破断できることが確保される。
【0053】
いくつかの実施例では、第1バスバー21には第2溝が設けられている。本願では、第2溝が設けられることによって、第2薄化領域216の厚さが小さくなり、第2薄化領域216の強度が低下し、防爆板113が開かれたときに第2薄化領域216が破断できることが確保される。別のいくつかの実施例では、第1バスバー21には2つの第2切り欠きが設けられており、前記2つの第2切り欠きはそれぞれ第2薄化領域216の両側に位置し、本願では、前記第2切り欠きが設けられることによって、第2薄化領域216の厚さが小さくなり、第2薄化領域216の強度が低下し、防爆板113が開かれたときに第2薄化領域216が破断できることが確保される。さらなるいくつかの実施例では、第1バスバー21は複数種類の導電性材料を複合したものであり、第2薄化領域216の強度が、第1バスバー21の、第2薄化領域216に接続された部分の強度よりも小さく、これにより、防爆板113が開かれたときに第2薄化領域216が破断できることが確保される。さらに別のいくつかの実施例では、第1バスバー21は複数種類の導電性材料を複合したものであり、第2薄化領域216の融点が、第1バスバー21の、第2薄化領域216に接続された部分の融点よりも小さく、高温気体が第2薄化領域216に衝撃したときに、第2薄化領域216が加熱されて軟化し、これにより、防爆板113が開かれたときに第2薄化領域216が破断できることが確保される。
【0054】
いくつかの実施例では、緩衝領域215aは垂直方向及び水平方向に対して傾斜して設けられる。第1方向に垂直な平面において、緩衝領域215aの露出した縁部の投影が、垂直方向Z及び長手方向Xに対して傾斜して設けられる。傾斜した緩衝領域215aは変形することで第1電池11aの第1電極端子111と第2電池11bの第2電極端子112との垂直方向Z及び長手方向Xの距離の変化を吸収する。
【0055】
いくつかの実施例では、垂直方向Zにおいて、緩衝領域215aは第1電池11aの防爆板113と第2電池11bの防爆板113との間に位置する。第1薄化領域211及び第2薄化領域216はそれぞれ、緩衝領域215aの垂直方向Zの両側に位置し、第1電池11aの防爆板113及び第2電池11bの防爆板113を覆う。
【0056】
いくつかの実施例では、第1電池11aの第1電極端子111及び第2電極端子112は水平方向に配置されており、第2電池11bの第1電極端子111及び第2電極端子112は水平方向に配置されている。第1電池11aの第1電極端子111及び第2電池11bの第1電極端子111は垂直方向において対向して設けられ、第1電池11aの第2電極端子112及び第2電池11bの第2電極端子112は垂直方向において対向して設けられる。第1電池11a及び第2電池11bの配列方向を同じにすることによって、第1電池11a及び第2電池11bの積層が容易になる。
【0057】
図8に示すように、いくつかの実施例では、電極アセンブリ115は捲回型構造である。具体的には、第1極板115a、第2極板115b及びセパレータ115cはいずれもストリップ状構造であり、第1極板115a、セパレータ115c及び第2極板115bは順次積層されて2回以上捲回されると、電極アセンブリ115が形成され、かつ電極アセンブリ115は扁平状である。図8は電極アセンブリ115の外形輪郭の概略図であり、電極アセンブリ115の外面は2つの扁平面115dと2つの狭い面115eを含み、2つの扁平面115dは垂直方向Zにおいて互いに面しており、2つの狭い面115eは長手方向Xにおいて互いに面している。ここで、扁平面115dは電極アセンブリ115の捲回軸に略平行であり、かつ面積が最も大きい面である。扁平面115dは比較的平坦な面であればよく、絶対的な面であるわけではない。狭い面115eは少なくとも部分的に円弧状とされる。扁平面115dは狭い面115eに対するものであり、かつ扁平面115dの面積が狭い面115eの面積よりも大きい。
【0058】
図9に示すように、別の実施例では、電極アセンブリ115は積層型構造である。具体的には、電極アセンブリ115は複数の第1極板115aと複数の第2極板115bとを含み、前記複数の第1極板115a及び前記複数の第2極板115bは垂直方向Zに交互に積層される。セパレータ115cは第1極板115aと第2極板115bとの間に設けられ、第1極板115aと第2極板115bを隔てる。積層型構造では、第1極板115a及び第2極板115bはいずれもシート状であり、かつ垂直方向Zに略垂直である。
【0059】
電極アセンブリ115の充放電過程において、極板はその厚さ方向に沿って膨らむ。捲回型の電極アセンブリ115では、扁平面115dに垂直な方向の膨張力が最も大きく、積層型の電極アセンブリ115では、第1極板115aと第2極板115bの積層方向の膨張力が最も大きい。このことから、電極アセンブリ115が捲回型構造であるか積層型構造であるかにかかわらず、電極アセンブリ115がハウジング114aに印加する最も大きな膨張力の方向は全て垂直方向Zに向いていることが分かる。つまり、水平方向において、電極アセンブリ115がハウジング114aに印加する膨張力は小さい。本願では、複数の電池ユニット1は長手方向Xに配置されており、このため、全ての電極アセンブリ115による長手方向Xの膨張力が重なっていても、過度の合力が生じることはなく、これにより、電池11が崩れるリスクが低減する。
【0060】
いくつかの実施例では、電池モジュール1000の水平方向の寸法が、電池モジュール1000の垂直方向Zの寸法よりも大きい。図3及び図4を参照すると、電池モジュール1000の長手方向Xの寸法が、電池モジュール1000の垂直方向Zの寸法よりも大きい。本願では、各電池ユニット1の電池11の数が減少することによって、各電池ユニット1による垂直方向Zの膨張力が低減する。各電池ユニット1の電池11の長手方向Xの膨張力が小さいので、電池モジュール1000は長手方向Xで大きな寸法を有することができ、つまり、電池ユニット1の数を多くしてもよい。また、電気自動車のシャーシの高さ寸法により制限されるので、好ましくは、電池モジュール1の垂直方向Zの寸法が小さい。
【0061】
いくつかの実施例では、電池モジュールは2つの端板(図示せず)とケーブル(図示せず)とをさらに含み、2つの端板はそれぞれ複数の電池ユニット1の長手方向Xの両端に設けられ、ケーブルは複数の電池ユニット1及び2つの端板の外周に包まれ、それにより前記複数の電池ユニット1は固定される。端板はアルミ、アルミ合金などの金属材料で製造されてもよく、絶縁材料で製造されてもよい。
【0062】
いくつかの実施例では、図3を参照すると、バスアセンブリ2は第2バスバー22をさらに含み、第2バスバー22は、1つの電池ユニット1の電池11の第1電極端子111と別の電池ユニット1の電池11の第1電極端子111とを接続する。第2バスバー22は、垂直方向Z及び長手方向Xに対して傾斜して設けられる。
【0063】
いくつかの実施例では、第1バスバー21及び第2バスバー22はいずれも複数であり、前記複数の第1バスバー21及び前記複数の第2バスバー22は電池モジュールの全ての電池11を電気的に接続する。
【0064】
いくつかの実施例では、バスアセンブリ2は2つの出力極板23をさらに含み、2つの出力極板23はそれぞれ、電池モジュールのうち、総正出力としての電極端子及び総負出力としての電極端子に接続される。
【符号の説明】
【0065】
1 電池ユニット
11 電池
111 第1電極端子
112 第2電極端子
113 防爆板
113a 第1露出部
113b 第2露出部
114 ケース
114a ハウジング
114b 上部蓋板
115 電極アセンブリ
115a 第1極板
115b 第2極板
115c セパレータ
115d 扁平面
115e 狭い面
11a 第1電池
11b 第2電池
2 バスアセンブリ
21 第1バスバー
211 第1薄化領域
211a 第1部分
211b 第2部分
212 第1貫通孔
213 第1接続部
214 第2接続部
215 移行部
215a 緩衝領域
216 第2薄化領域
217 第2貫通孔
22 第2バスバー
23 出力極板
1000 電池モジュール
2000 筐体
X 長手方向
Y 幅方向
Z 垂直方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュールであって、
水平方向に配列された複数の電池ユニットであって、垂直方向に積層された複数の電池を含み、前記複数の電池は前記垂直方向に積層された第1電池と第2電池を含み、前記第1電池及び前記第2電池はいずれも、第1電極端子、第2電極端子、及び前記第1電極端子と前記第2電極端子との間に位置する防爆板を含む電池ユニットと、
前記複数の電池ユニットを電気的に接続するバスアセンブリであって、前記第1電池の第1電極端子と前記第2電池の第2電極端子とを接続する第1バスバーを含むバスアセンブリとを含み、
前記垂直方向及び前記水平方向に垂直な第1方向において、前記第1バスバーは前記第1電池の防爆板と少なくとも部分的に重なる第1薄化領域を含み、前記第1薄化領域は、前記第1電池の防爆板が開かれたときに、前記第1薄化領域が破断し、前記第1電池と前記第2電池とを遮断するように構成される、ことを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
前記第1バスバーは第1貫通孔をさらに有し、前記第1薄化領域は第1部分と第2部分を含み、前記第1部分及び前記第2部分はそれぞれ前記第1貫通孔の両側に位置し、
前記第1方向において、前記第1部分は少なくとも前記防爆板と部分的に重なり、前記第2部分は少なくとも前記防爆板と部分的に重なる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記第1電池の防爆板は露出領域を有し、前記露出領域は前記第1方向において前記第1バスバーで覆われていない、ことを特徴とする請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記露出領域は前記第1貫通孔に対向する第1露出部を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記露出領域は第2露出部をさらに含み、前記第2露出部は前記第1露出部と間隔を空けて設けられる、ことを特徴とする請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記第1バスバーは、
前記第1電池の第1電極端子に接続された第1接続部と、
移行部であって、前記第1薄化領域が前記第1接続部と前記移行部を接続し、前記移行部が緩衝領域を有する、移行部とをさらに含み、
前記緩衝領域は、前記第1電池の第1電極端子と前記第2電池の第2電極端子の前記水平方向における距離が変化したときに伸縮変形し、及び/又は、前記第1電池の第1電極端子と前記第2電池の第2電極端子の前記垂直方向における距離が変化したときに伸縮変形するように構成される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記第1バスバーは、
前記第2電池の第2電極端子に接続される第2接続部と、
前記第1方向において、前記第2電池の防爆板と少なくとも部分的に重なり、かつ前記移行部と前記第2接続部を接続する第2薄化領域とをさらに含み、
前記第2薄化領域は、前記第2電池の防爆板が開かれたときに破断し、前記第1電池と前記第2電池とを遮断するように構成される、ことを特徴とする請求項6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記緩衝領域は前記垂直方向及び前記水平方向に対して傾斜して設けられる、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記垂直方向において、前記緩衝領域は前記第1電池の防爆板と前記第2電池の防爆板との間に位置する、ことを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記緩衝領域は複数のドーム構造を含む、ことを特徴とする請求項6~9のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記第1電池の前記第1電極端子及び前記第2電極端子は前記水平方向に配置されており、
前記第2電池の前記第1電極端子及び前記第2電極端子は前記水平方向に配置されており、
前記第1電池の第1電極端子及び前記第2電池の第1電極端子は前記垂直方向において対向して設けられ、前記第1電池の第2電極端子及び前記第2電池の第2電極端子は前記垂直方向において対向して設けられる、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記電池モジュールの前記水平方向の寸法は前記電池モジュールの前記垂直方向の寸法よりも大きい、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【請求項13】
各前記電池は、ケースと電極アセンブリをさらに含み、前記第1電極端子、前記第2電極端子、及び前記防爆板は前記ケースに設けられ、前記電極アセンブリは前記ケース内に収納され、かつ前記電極アセンブリは第1極板、第2極板、及び前記第1極板と前記第2極板を隔てるセパレータを含み、前記第1極板は前記第1電極端子に電気的に接続され、前記第2極板は前記第2電極端子に電気的に接続され、
前記電極アセンブリは、扁平状の捲回型構造であり、かつ前記電極アセンブリの外面は2つの扁平面を含み、前記2つの扁平面は前記垂直方向において互いに面しており、又は、前記電極アセンブリは積層型構造であり、前記第1極板、前記セパレータ、及び前記第2極板が前記垂直方向に積層される、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【請求項14】
筐体と、
前記筐体内に収容された請求項1~13のいずれか1項に記載の電池モジュールとを含む、ことを特徴とする電池パック。
【請求項15】
電源として電池を用いた装置であって、
請求項1~13のいずれか1項に記載の電池モジュールを含む、ことを特徴とする装置。
【国際調査報告】