(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】分析機器用の試験カートリッジ
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
G01N35/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021537723
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 SG2020050548
(87)【国際公開番号】W WO2021066744
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520512579
【氏名又は名称】イルミナ・シンガポール・プライベイト・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Illumina Singapore Pte Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】アン,ベン ケオン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シュン ロン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ヘン クアン
(72)【発明者】
【氏名】チュン,チョウ ジン
(72)【発明者】
【氏名】リー,アイ ウィー
(72)【発明者】
【氏名】パンドゥガ,ヤシュワント
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058BB02
2G058GB10
2G058GE08
2G058GE09
(57)【要約】
作動機構を有する分析機器に挿入するための試験カートリッジであって、作動機構の態様を測定するための1つ以上のセンサを有する、試験カートリッジ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線作動機構と、回転作動機構と、ヒータと、ポンプ作動機構と、第2の直線作動機構と、カートリッジ受容部とを有する分析機器に挿入するための試験カートリッジであって、
前記分析機器の前記カートリッジ受容部によって受け入れられるフォームファクタを有する試験カートリッジハウジングと、
第1の検出器及び第1の軸に沿って直線的に並進可能な対応する第1の可動要素をそれぞれが有する、複数の第1の直線並進センサであって、前記複数の第1の直線並進センサのそれぞれの少なくとも第1の部分が、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記直線作動機構が作動されると、前記第1の直線並進センサのそれぞれの対応する第1の可動要素が前記分析機器の前記直線作動機構と係合するように、前記試験カートリッジハウジング内に配置されており、前記複数の第1の直線並進センサのそれぞれの各第1の検出器が、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記直線作動機構が作動されると、前記分析機器の前記直線作動機構によって提供される直線入力に応じて、前記試験カートリッジハウジングに対して前記第1の軸に沿って前記対応する第1の可動要素によって移動された第1の距離を検出するためのものである、複数の第1の直線並進センサと、
第2の検出器及び第2の軸に沿って直線的に並進可能な第2の可動要素を有する第2の直線並進センサであって、前記第2の直線並進センサの少なくとも第2の部分が、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記ポンプ作動機構が作動されると、前記第2の可動要素が前記分析機器の前記ポンプ作動機構と係合するように、前記試験カートリッジハウジング内に配置されており、前記第2の検出器が、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記ポンプ作動機構が作動されると、前記試験カートリッジハウジングに対して前記第2の軸に沿って前記第2の可動要素によって移動された第2の距離を検出するためのものである、第2の直線並進センサと、
第3の検出器及び第3の軸周りに回転可能な回転可能要素を有する角度回転センサであって、前記角度回転センサが、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記回転作動機構が作動されると、前記回転可能要素が前記分析機器の前記回転作動機構と係合するように、前記試験カートリッジハウジング内に配置されており、前記第3の検出器が、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記回転作動機構が作動されると、前記試験カートリッジハウジングに対して前記第3の軸周りに前記回転可能要素によって移動された角度を検出するためのものである、角度回転センサと、
前記試験カートリッジハウジング内のレセプタクル及び前記レセプタクル内に配置された温度検出器を有する温度センサであって、前記温度センサが、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されると、前記レセプタクルが前記分析機器の前記ヒータと係合するように、前記試験カートリッジハウジング内に配置されており、前記温度検出器が、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されると、前記レセプタクル内の温度を検出するためのものである、温度センサと、
複数のロードセルであって、前記複数のロードセルのそれぞれが、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記第2の直線作動機構が作動されると、各ロードセルが前記第2の直線作動機構と係合するように、前記試験カートリッジハウジング内に配置されており、前記複数のロードセルのそれぞれが、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記第2の直線作動機構が作動されると、前記それぞれのロードセルに印加された力を検出するためのものである、複数のロードセルと、
を備える、
試験カートリッジ。
【請求項2】
1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスを有するコントローラを更に備え、
前記コントローラが、前記複数の第1の直線並進センサのそれぞれの各第1の検出器、前記第2の直線並進センサの前記第2の検出器、前記角度回転センサの前記第3の検出器、前記温度センサの前記温度検出器、及び前記複数のロードセルのそれぞれと通信可能に接続されており、
前記コントローラが、各第1の検出器、前記第2の検出器、前記第3の検出器、前記温度センサ、及び前記複数のロードセルのそれぞれによって生成されたデータを受信及び記憶するためのものである、
請求項1に記載の試験カートリッジ。
【請求項3】
前記コントローラが、更新された移動データの前記分析機器への送信を引き起こすためのものであり、
前記更新された移動データが、前記第1の検出器、前記第2の検出器、前記第3の検出器、前記温度センサ、及び前記複数のロードセルのそれぞれのうちの1つ以上によって生成されたデータのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づく、
請求項2に記載の試験カートリッジ。
【請求項4】
前記コントローラが、前記第1の検出器、前記第2の検出器、前記第3の検出器、前記温度センサ、及び前記複数のロードセルのそれぞれによって生成された前記データの前記分析機器への前記送信を引き起こすためのものであり、
前記分析機器が、前記第1の検出器、前記第2の検出器、前記第3の検出器、前記温度センサ、及び前記複数のロードセルのそれぞれによって生成された前記データに少なくとも部分的に基づいて通知を発行するためのものである、
請求項2に記載の試験カートリッジ。
【請求項5】
前記複数の第1の直線並進センサのそれぞれ、前記第2の直線並進センサ、前記角度回転センサ、前記温度センサ、及び前記複数のロードセルによって生成されたデータを外部デバイスに送信するための通信インターフェースを更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【請求項6】
前記外部デバイスが、前記分析機器である、請求項5に記載の試験カートリッジ。
【請求項7】
前記複数の第1の直線並進センサのそれぞれが、前記第1の軸に沿って前記第1の可動要素に対して第1の抵抗力を印加する第1の抵抗要素を更に含み、
前記角度回転センサが、前記回転可能要素に対して第2の抵抗力を印加する第2の抵抗要素を更に含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【請求項8】
前記角度回転センサが、前記回転可能要素に接触して、前記回転可能要素に対して摩擦抵抗力を印加する摩擦要素を更に含み、
前記角度回転センサが、抵抗要素を更に含み、前記抵抗要素は、前記摩擦要素が前記抵抗要素と前記回転可能要素との間に介在するように配置されており、
前記抵抗要素が、前記第3の軸に沿って、かつ前記回転可能要素に向かう方向に前記摩擦要素に力を印加するためのものである、
請求項1~4のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【請求項9】
第2の角度検出器及び第2の回転軸周りに回転可能な第2の回転可能要素を有する第2の角度回転センサを更に備え、前記第2の角度回転センサが、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記ポンプ作動機構が作動されると、前記第2の回転可能要素が前記分析機器の前記回転作動機構と係合するように配置されており、前記第2の角度検出器が、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記ポンプ作動機構が作動されると、前記試験カートリッジハウジングに対して前記第2の回転軸周りに前記第2の回転可能要素によって移動された第2の角度を検出するためのものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【請求項10】
直線作動機構及びカートリッジ受容部を有する分析機器に挿入するための試験カートリッジであって、
前記分析機器の前記カートリッジ受容部によって受け入れられるフォームファクタを有する試験カートリッジハウジングと、
第1の検出器及び第1の軸に沿って直線的に並進可能な対応する第1の可動要素をそれぞれが有する、複数の直線並進センサであって、前記直線並進センサのそれぞれの少なくとも一部分が、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記直線作動機構が作動されると、前記直線並進センサのそれぞれの前記対応する第1の可動要素が前記分析機器の前記直線作動機構と係合するように、前記試験カートリッジの前記試験カートリッジハウジング内に配置されており、各検出器が、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記直線作動機構が作動されると、前記試験カートリッジハウジングに対して前記対応する第1の軸に沿って前記対応する第1の可動要素によって移動された距離を検出するためのものである、複数の直線並進センサと、
を備える、
試験カートリッジ。
【請求項11】
各直線並進センサが、第1の方向に前記第1の軸に沿って前記第1の可動要素に対して抵抗力を印加する抵抗要素を更に含む、請求項10に記載の試験カートリッジ。
【請求項12】
前記抵抗要素が、圧縮ばねである、請求項11に記載の試験カートリッジ。
【請求項13】
各直線並進センサが、前記直線作動機構の係合ピンによって接触される接触部分を更に含む、請求項10に記載の試験カートリッジ。
【請求項14】
各可動要素が、エンコーダストリップを含み、
各検出器が、前記対応する可動要素に含まれる前記エンコーダストリップの移動を検出する光学センサである、
請求項10に記載の試験カートリッジ。
【請求項15】
1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスを有するコントローラを更に備え、
前記コントローラが、前記直線並進センサのそれぞれの各第1の検出器と通信可能に接続されており、
前記コントローラが、前記直線並進センサのそれぞれの各第1の検出器によって生成されたデータを受信及び記憶するためのものである、
請求項10~14のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【請求項16】
前記1つ以上の第1の直線並進センサのそれぞれによって生成されたデータを送信するための通信インターフェースを更に備える、請求項15に記載の試験カートリッジ。
【請求項17】
前記通信インターフェースが、前記1つ以上の第1の直線並進センサのそれぞれによって生成されたデータを前記分析機器に送信するためのものであり、
前記コントローラが、較正データの前記分析機器への前記送信を引き起こすためのものであり、
前記較正データが、前記分析機器の1つ以上の第1の直線並進センサによって生成されたデータに少なくとも部分的に基づく、
請求項16に記載の試験カートリッジ。
【請求項18】
ポンプ作動機構及びカートリッジ受容部を有する分析機器に挿入するための試験カートリッジであって、
前記分析機器の前記カートリッジ受容部によって受け入れられるフォームファクタ、並びに第1の孔、及び前記分析機器の前記ポンプ作動機構の一部分を受け入れるための、前記第1の孔と反対側の第2の孔を有する試験カートリッジハウジングと、
検出器及び第1の軸に沿って直線的に並進可能な可動要素を有する直線並進センサであって、前記可動要素の少なくとも一部分が、前記試験カートリッジの前記試験カートリッジハウジング内に配置されており、前記可動要素が、前記第1の孔と前記第2の孔との間に配置されており、前記可動要素が、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記ポンプ作動機構が作動されると、前記第2の孔を介して挿入された前記ポンプ作動機構の前記一部分と係合するためのものであって、前記ポンプ作動機構の前記一部分によって移動可能であり、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記ポンプ作動機構が作動されると、前記ポンプ作動機構によって移動されている間に、前記可動要素が、前記第1の孔を介して移動可能であり、前記検出器が、前記試験カートリッジハウジングに対して前記第1軸に沿って前記可動要素によって移動された距離を検出するためのものである、直線並進センサと、
を備える、
試験カートリッジ。
【請求項19】
1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスを有するコントローラを更に備え、
前記コントローラが、前記直線並進センサの前記検出器と通信可能に接続されており、
前記コントローラが、前記直線並進センサの前記検出器によって生成されたデータを受信及び記憶するためのものである、
請求項18に記載の試験カートリッジ。
【請求項20】
前記直線並進センサによって生成されたデータを送信するための通信インターフェースを更に備える、請求項18又は19に記載の試験カートリッジ。
【請求項21】
回転作動機構と、ヒータと、カートリッジ受容部とを有する分析機器に挿入するための試験カートリッジであって、
前記分析機器の前記カートリッジ受容部によって受け入れられるフォームファクタ、及び前記分析機器の前記ヒータを受け入れるポートを有する試験カートリッジハウジングと、
第1の検出器及び第1の回転軸周りに回転可能な第1の回転可能要素を有する第1の角度回転センサであって、前記第1の角度回転センサが、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記回転作動機構が作動されると、前記第1の回転可能要素が前記分析機器の前記回転作動機構と係合するように、前記試験カートリッジハウジング内に配置されており、前記第1の検出器が、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記回転作動機構が作動されると、前記試験カートリッジハウジングに対して前記第1の回転軸周りに前記第1の回転可能要素によって移動された第1の角度を検出するためのものである、第1の角度回転センサと、
前記試験カートリッジハウジング内のレセプタクル及び前記レセプタクル内に配置された温度検出器を有する温度センサであって、前記温度センサが、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されると、前記レセプタクルが前記分析機器の前記ヒータと係合するように、前記試験カートリッジハウジング内に配置されており、前記レセプタクルが、前記分析機器の前記ヒータによって加熱されるためのものであり、前記温度検出器が、前記レセプタクル内の温度を検出するためのものである、温度センサと、
を備える、
試験カートリッジ。
【請求項22】
第2の検出器及び第2の回転軸周りに回転可能な第2の回転可能要素を有する第2の角度回転センサを更に備え、前記第2の角度回転センサが、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記回転作動機構が作動されると、前記第2の回転可能要素が前記分析機器の前記回転作動機構と係合するように、前記試験カートリッジハウジング内に配置されており、前記第2の検出器が、前記試験カートリッジが前記分析機器に挿入されて前記分析機器の前記回転作動機構が作動されると、前記試験カートリッジハウジングに対して前記第2の回転軸周りに前記第2の回転可能要素によって移動された第2の角度を検出するためのものである、請求項21に記載の試験カートリッジ。
【請求項23】
前記第1の回転軸及び第2の回転軸が、互いに平行である、請求項22に記載の試験カートリッジ。
【請求項24】
前記回転可能要素が、前記分析機器の前記回転作動機構と係合するシャフト及び特徴部を含む、請求項21に記載の試験カートリッジ。
【請求項25】
前記第1の角度回転センサが、前記回転可能要素の中心軸及び前記第1の軸と同一直線上にあるディスク中心軸を有するエンコーダディスクを更に含み、
前記第1の検出器が、エンコーダディスクの移動を検出する光学センサである、
請求項21に記載の試験カートリッジ。
【請求項26】
前記第1の角度回転センサが、前記回転可能要素に対して抵抗力を印加する抵抗要素を更に含む、請求項21に記載の試験カートリッジ。
【請求項27】
前記第1の角度回転センサが、前記回転可能要素に接触して、前記回転可能要素に対して摩擦抵抗力を印加する摩擦要素を更に含む、請求項21~26のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【請求項28】
前記第1の角度回転センサが、抵抗要素を更に含み、前記抵抗要素は、前記摩擦要素が前記抵抗要素と前記第1の回転可能要素との間に介在するように配置されており、
前記抵抗要素が、前記回転軸に沿って前記回転可能要素に向かう方向に前記摩擦要素に力を印加するためのものである、
請求項27に記載の試験カートリッジ。
【請求項29】
前記レセプタクルが、金属で構成されている、請求項21~26のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【請求項30】
前記レセプタクルが、前記ポートを介して挿入された前記ヒータによって接触されるためのものである、請求項21~26のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【請求項31】
前記レセプタクルが、前記レセプタクルの周囲の加熱カラーを更に含み、
前記加熱カラーが、前記ポートを介して挿入された前記ヒータによって接触されるためのものである、
請求項30に記載の試験カートリッジ。
【請求項32】
前記回転可能要素に印加されたトルクを測定するトルクセンサを更に備える、請求項21~26のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【請求項33】
1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスを有するコントローラを更に備え、
前記コントローラが、前記第1の検出器及び前記温度検出器と通信可能に接続されており、
前記コントローラが、前記第1の検出器及び前記温度検出器によって生成されたデータを受信及び記憶するためのものである、
請求項21~26のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【請求項34】
前記第1の角度回転センサ及び前記温度センサによって生成されたデータを送信するための通信インターフェースを更に備える、請求項33に記載の試験カートリッジ。
【請求項35】
前記通信インターフェースが、前記第1の角度回転センサ及び前記温度センサによって生成されたデータを送信するためのものであり、
前記コントローラが、前記第1の角度回転センサ及び前記温度センサによって生成されたデータの前記分析機器への前記送信を引き起こすためのものであり、
前記分析機器が、前記第1の角度回転センサ及び前記温度センサのうちの1つ以上によって生成されたデータに少なくとも部分的に基づいて通知を発行するためのものである、
請求項34に記載の試験カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(参照による組み込み)
PCT出願形態は、本出願の一部として本明細書と同時に出願される。本出願が同時に出願されたPCT出願形態で特定された利益又は優先権を主張する各出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ゲノム配列決定システムなどの様々な分析機器は、分析中に使用される様々な要素が、1つ以上の取り外し可能なカートリッジ、例えば、フローセルカートリッジ、試薬カートリッジ、及び/又は洗浄カートリッジ内に提供される、カートリッジベースの構成を利用することができる。分析機器としては、分析カートリッジと相互作用するように設計された様々なシステムを挙げることができる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載される主題の1つ以上の実装形態の詳細が、添付の図面及び以下の説明に記載されている。他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。以下の非限定的な実装形態は、本開示の一部と見なされ、他の実装形態もまた、本開示の全体及び添付図面から明らかとなるであろう。
【0004】
試験カートリッジは、分析カートリッジの作動システムに関する分析機器の機能を測定及び判定するための1つ以上のセンサを収容してもよい。試験カートリッジは、穿孔機構、ポンプ作動機構、及び/又は弁作動機構で使用することができるような、分析機器の直線作動特徴部の直線移動及び/又はそれによって印加される力を測定するための1つ以上の直線並進センサを含んでもよい。試験カートリッジはまた、又は代替的に、分析機器の回転作動システムによって引き起こされる角度回転及び/又はトルクを測定するための角度回転センサを含んでもよい。場合によっては、試験カートリッジは、代替的に又は追加的に、分析機器によって提供される直線的に印加される力を測定するための小型ロードセル、並びに、場合によっては、分析機器の加熱要素の性能を測定するための温度センサを含んでもよい。
【0005】
これらのセンサは、試験カートリッジ内に配置され、かつ分析カートリッジ内のシステムの様々な機能をシミュレートするように構成されてもよい。これにより、分析機器が分析カートリッジと係合するのと概ね同じ方法で試験カートリッジと係合することを可能にすることができる。例えば、試験カートリッジは、分析カートリッジのスプライン付きシャフトと同じ外部特徴部のうちの少なくとも一部を有し、かつ試験カートリッジ内に配置された外部スプライン付きシャフトを有する角度回転センサを有してもよく、それにより、試験カートリッジが分析機器に挿入され、分析機器内に配置されたときに、これらのスプライン付きシャフトは、実際の分析カートリッジ内のそれらの対応するものがあるのと分析機器に対して同じ位置にある。これらの角度回転センサはまた、分析カートリッジ内の回転弁の動作をシミュレートしてもよく、動作には、そのような弁によって分析機器の回転弁駆動機構に及ぼされる抵抗を含む。同様に、箔穿孔機構を試験するための直線並進センサは、箔穿刺ディスク上と同じ場所に係合ピンの接触点を提供するなど、分析カートリッジと同様の特徴部を有してもよく、穿刺ディスクによる穿刺中に箔シールによって及ぼされる抵抗を含む分析カートリッジの機能をシミュレートしてもよい。いくつかの実装形態では、追加のセンサはまた、分析機器が試験カートリッジの複数の態様と係合することができるように、分析カートリッジの特徴部の配置及び機能をシミュレートしてもよい。
【0006】
いくつかの実装形態では、直線作動機構と、回転作動機構と、ヒータと、ポンプ作動機構と、第2の直線作動機構と、カートリッジ受容部とを有する分析機器に挿入するための試験カートリッジを提供することができる。試験カートリッジは、分析機器のカートリッジ受容部によって受け入れられるフォームファクタを有する試験カートリッジハウジングと、第1の検出器及び第1の軸に沿って直線的に並進可能な対応する第1の可動要素をそれぞれが有する、複数の第1の直線並進センサであって、複数の第1の直線並進センサのそれぞれの少なくとも第1の部分が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の直線作動機構が作動されると、第1の直線並進センサのそれぞれの対応する第1の可動要素が分析機器の直線作動機構と係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、複数の第1の直線並進センサのそれぞれの各第1の検出器が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の直線作動機構が作動されると、分析機器の直線作動機構によって提供される直線入力に応じて、試験カートリッジハウジングに対して第1の軸に沿って対応する第1の可動要素によって移動された第1の距離を検出するためのものである、複数の第1の直線並進センサと、第2の検出器及び第2の軸に沿って直線的に並進可能な第2の可動要素を有する第2の直線並進センサであって、第2の直線並進センサの少なくとも第2の部分が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器のポンプ作動機構が作動されると、第2の可動要素が分析機器のポンプ作動機構と係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、第2の検出器が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器のポンプ作動機構が作動されると、試験カートリッジハウジングに対して第2の軸に沿って第2の可動要素によって移動された第2の距離を検出するためのものである、第2の直線並進センサと、第3の検出器及び第3の軸周りに回転可能な回転可能要素を有する角度回転センサであって、角度回転センサが、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の回転作動機構が作動されると、回転可能要素が分析機器の回転作動機構と係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、第3の検出器が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の回転作動機構が作動されると、試験カートリッジハウジングに対して第3の軸周りに回転可能要素によって移動された角度を検出するためのものである、角度回転センサと、試験カートリッジハウジング内のレセプタクル及びレセプタクル内に配置された温度検出器を有する温度センサであって、温度センサが、試験カートリッジが分析機器に挿入されると、レセプタクルが分析機器のヒータと係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、温度検出器が、試験カートリッジが分析機器に挿入されると、レセプタクル内の温度を検出するためのものである、温度センサと、複数のロードセルであって、複数のロードセルのそれぞれが、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の第2の直線作動機構が作動されると、各ロードセルが第2の直線作動機構と係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、複数のロードセルのそれぞれが、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の第2の直線作動機構が作動されると、それぞれのロードセルに印加された力を検出するためのものである、複数のロードセルと、備えてもよい。
【0007】
いくつかの実装形態では、試験カートリッジは、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスを有するコントローラを更に備えることができ、コントローラは、複数の第1の直線並進センサのそれぞれの各第1の検出器、第2の直線並進センサの第2の検出器、角度回転センサの第3の検出器、温度センサの温度検出器、及び複数のロードセルのそれぞれと通信可能に接続されており、コントローラは、各第1の検出器、第2の検出器、第3の検出器、温度センサ、及び複数のロードセルのそれぞれによって生成されたデータを受信及び記憶するためのものである。
【0008】
前述の実装形態のいずれにおいても、試験カートリッジは、複数の第1の直線並進センサのそれぞれ、第2の直線並進センサ、角度回転センサ、温度センサ、及び複数のロードセルによって生成されたデータを外部デバイスに送信するための通信インターフェースを更に備えてもよい。
【0009】
前述の実装形態のいずれにおいても、外部デバイスは、分析機器であってもよい。
【0010】
前述の実装形態のいずれにおいても、コントローラは、更新された移動データの分析機器への送信を引き起こすためのものであってもよく、更新された移動データは、第1の検出器、第2の検出器、第3の検出器、温度センサ、及び複数のロードセルのそれぞれのうちの1つ以上によって生成されたデータのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0011】
前述の実装形態のいずれにおいても、コントローラは、第1の検出器、第2の検出器、第3の検出器、温度センサ、及び複数のロードセルのそれぞれによって生成されたデータの分析機器への送信を引き起こすためのものであってもよく、分析機器は、第1の検出器、第2の検出器、第3の検出器、温度センサ、及び複数のロードセルのそれぞれによって生成されたデータに少なくとも部分的に基づいて通知を発行するためのものであってもよい。
【0012】
前述の実装形態のいずれにおいても、複数の第1の直線並進センサのそれぞれは、第1の軸に沿って第1の可動要素に対して第1の抵抗力を印加する第1の抵抗要素を更に含んでもよく、角度回転センサは、回転可能要素に対して第2の抵抗力を印加する第2の抵抗要素を更に含んでもよい。
【0013】
前述の実装形態のいずれにおいても、角度回転センサは、回転可能要素に接触して、回転可能要素に対して摩擦抵抗力を印加する摩擦要素を更に含んでもよく、角度回転センサは、抵抗要素を更に含んでもよく、抵抗要素は、摩擦要素が抵抗要素と回転可能要素との間に介在するように配置されており、抵抗要素は、第3の軸に沿って、かつ回転可能要素に向かう方向に摩擦要素に力を印加するためのものであってもよい。
【0014】
前述の実装形態のいずれにおいても、試験カートリッジは、第2の角度検出器及び第2の回転軸周りに回転可能な第2の回転可能要素を有する第2の角度回転センサを更に備えることができ、第2の角度回転センサは、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器のポンプ作動機構が作動されると、第2の回転可能要素が分析機器の回転作動機構と係合するように配置されており、第2の角度検出器は、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器のポンプ作動機構が作動されると、試験カートリッジハウジングに対して第2の回転軸周りに第2の回転可能要素によって移動された第2の角度を検出するためのものである。
【0015】
いくつかの実装形態では、直線作動機構及びカートリッジ受容部を有する分析機器に挿入するための試験カートリッジを提供することができる。試験カートリッジは、分析機器のカートリッジ受容部によって受け入れられるフォームファクタを有する試験カートリッジハウジングと、第1の検出器及び第1の軸に沿って直線的に並進可能な対応する第1の可動要素をそれぞれが有する、複数の直線並進センサと、を備えてもよく、直線並進センサのそれぞれの少なくとも一部分は、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の直線作動機構が作動されると、直線並進センサのそれぞれの対応する第1の可動要素が分析機器の直線作動機構と係合するように、試験カートリッジの試験カートリッジハウジング内に配置されており、各検出器は、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の直線作動機構が作動されると、試験カートリッジハウジングに対して対応する第1の軸に沿って対応する第1の可動要素によって移動された距離を検出するためのものである。
【0016】
前述の実装形態のいずれにおいても、各直線並進センサは、第1の方向に第1の軸に沿って第1の可動要素に対して抵抗力を印加する抵抗要素を更に含んでもよい。
【0017】
前述の実装形態のいずれにおいても、抵抗要素は、圧縮ばねであってもよい。
【0018】
前述の実装形態のいずれにおいても、各直線並進センサは、直線作動機構の係合ピンによって接触される接触部分を更に含んでもよい。
【0019】
前述の実装形態のいずれにおいても、各可動要素は、エンコーダストリップを含んでもよく、各検出器は、対応する可動要素に含まれるエンコーダストリップの移動を検出する光学センサであってもよい。
【0020】
前述の実装形態のいずれにおいても、試験カートリッジは、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスを有するコントローラを更に備えてもよく、コントローラは、1つ以上の直線並進センサのそれぞれの各第1の検出器と通信可能に接続されており、コントローラは、直線並進センサのそれぞれの各第1の検出器によって生成されたデータを受信及び記憶するためのものである。
【0021】
前述の実装形態のいずれにおいても、試験カートリッジは、1つ以上の第1の直線並進センサのそれぞれによって生成されたデータを送信するための通信インターフェースを更に備えてもよい。
【0022】
前述の実装形態のいずれにおいても、通信インターフェースは、1つ以上の第1の直線並進センサのそれぞれによって生成されたデータを分析機器に送信するためのものであってもよく、コントローラは、較正データの分析機器への送信を引き起こすためのものであり、較正データは、分析機器の1つ以上の第1の直線並進センサによって生成されたデータに少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0023】
いくつかの実装形態では、ポンプ作動機構及びカートリッジ受容部を有する分析機器に挿入するための試験カートリッジを提供することができる。試験カートリッジは、分析機器のカートリッジ受容部によって受け入れられるフォームファクタ、並びに第1の孔、及び分析機器のポンプ作動機構の一部分を受け入れるための、第1の孔と反対側の第2の孔を有する試験カートリッジハウジングと、検出器及び第1の軸に沿って直線的に並進可能な可動要素を有する直線並進センサであって、可動要素の少なくとも一部分が、試験カートリッジの試験カートリッジハウジング内に配置されており、可動要素が、第1の孔と第2の孔との間に配置されており、可動要素が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器のポンプ作動機構が作動されると、第2の孔を介して挿入されたポンプ作動機構の一部分と係合するためのものであって、ポンプ作動機構の一部分によって移動可能であり、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器のポンプ作動機構が作動されると、ポンプ作動機構によって移動されている間に、可動要素が、第1の孔を介して移動可能であり、検出器が、試験カートリッジハウジングに対して第1軸に沿って可動要素によって移動された距離を検出するためのものである、直線並進センサと、を備えてもよい。
【0024】
前述の実装形態のいずれにおいても、試験カートリッジは、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスを有するコントローラを更に備えてもよく、コントローラは、直線並進センサの検出器と通信可能に接続されており、コントローラは、直線並進センサの検出器によって生成されたデータを受信及び記憶するためのものである。
【0025】
前述の実装形態のいずれにおいても、試験カートリッジは、直線並進センサによって生成されたデータを送信するための通信インターフェースを更に備えてもよい。
【0026】
いくつかの実装形態では、回転作動機構と、ヒータと、カートリッジ受容部とを有する分析機器に挿入するための試験カートリッジを提供することができる。試験カートリッジは、分析機器のカートリッジ受容部によって受け入れられるフォームファクタ、及び分析機器のヒータを受け入れるポートを有する試験カートリッジハウジングと、第1の検出器及び第1の回転軸周りに回転可能な第1の回転可能要素を有する第1の角度回転センサであって、第1の角度回転センサが、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の回転作動機構が作動されると、第1の回転可能要素が分析機器の回転作動機構と係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、第1の検出器が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の回転作動機構が作動されると、試験カートリッジハウジングに対して第1の回転軸周りに第1の回転可能要素によって移動された第1の角度を検出するためのものである、第1の角度回転センサと、試験カートリッジハウジング内のレセプタクル及びレセプタクル内に配置された温度検出器を有する温度センサであって、温度センサが、試験カートリッジが分析機器に挿入されると、レセプタクルが分析機器のヒータと係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、レセプタクルが、分析機器のヒータによって加熱されるためのものであり、温度検出器が、レセプタクル内の温度を検出するためのものである、温度センサと、を備えてもよい。
【0027】
前述の実装形態のいずれにおいても、試験カートリッジは、第2の検出器及び第2の回転軸周りに回転可能な第2の回転可能要素を有する第2の角度回転センサを更に備えてもよく、第2の角度回転センサは、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の回転作動機構が作動されると、第2の回転可能要素が分析機器の回転作動機構と係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、第2の検出器は、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の回転作動機構が作動されると、試験カートリッジハウジングに対して第2の回転軸周りに第2の回転可能要素によって移動された第2の角度を検出するためのものである。
【0028】
前述の実装形態のいずれにおいても、第1の回転軸及び第2の回転軸は、互いに平行であってもよい。
【0029】
前述の実装形態のいずれにおいても、回転可能要素は、分析機器の回転作動機構と係合するシャフト及び特徴部を含んでもよい。
【0030】
前述の実装形態のいずれにおいても、第1の角度回転センサは、回転可能要素の中心軸及び第1の軸と同一直線上にあるディスク中心軸を有するエンコーダディスクを更に含んでもよく、第1の検出器は、エンコーダディスクの移動を検出する光学センサであってもよい。
【0031】
前述の実装形態のいずれにおいても、第1の角度回転センサは、回転可能要素に対して抵抗力を印加する抵抗要素を更に含んでもよい。
【0032】
前述の実装形態のいずれにおいても、第1の角度回転センサは、回転可能要素に接触して、回転可能要素に対して摩擦抵抗力を印加する摩擦要素を更に含むことができる。
【0033】
前述の実装形態のいずれにおいても、第1の角度回転センサは、抵抗要素を更に含んでもよく、抵抗要素は、摩擦要素が抵抗要素と第1の回転可能要素との間に介在するように配置されており、抵抗要素は、回転軸に沿って回転可能要素に向かう方向に摩擦要素に力を印加するためのものであってもよい。
【0034】
前述の実装形態のいずれにおいても、レセプタクルは、金属で構成されていてもよい。
【0035】
前述の実装形態のいずれにおいても、レセプタクルは、ポートを介して挿入されたヒータによって接触されるためのものであってもよい。
【0036】
前述の実装形態のいずれにおいても、レセプタクルは、レセプタクルの周囲の加熱カラーを更に含んでもよく、加熱カラーは、ポートを介して挿入されたヒータによって接触されるためのものであってもよい。
【0037】
前述の実装形態のいずれにおいても、試験カートリッジは、回転可能要素に印加されたトルクを測定するトルクセンサを更に含んでもよい。
【0038】
前述の実装形態のいずれにおいても、試験カートリッジは、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスを有するコントローラを更に備えてもよく、コントローラは、第1の検出器及び温度検出器と通信可能に接続されており、コントローラは、第1の検出器及び温度検出器によって生成されたデータを受信及び記憶するためのものである。
【0039】
前述の実装形態のいずれにおいても、試験カートリッジは、第1の角度回転センサ及び温度センサによって生成されたデータを送信するための通信インターフェースを更に備えてもよい。
【0040】
前述の実装形態のいずれにおいても、通信インターフェースは、第1の角度回転センサ及び温度センサによって生成されたデータを送信するためのものであってもよく、コントローラは、第1の角度回転センサ及び温度センサによって生成されたデータの分析機器への送信を引き起こすためのものであってもよく、分析機器は、第1の角度回転センサ及び温度センサのうちの1つ以上によって生成されたデータに少なくとも部分的に基づいて通知を発行するためのものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本明細書に開示される様々な実装形態は、添付図面の図において、例として示されるものであって限定として例示されるものではなく、同様の参照番号は、類似の要素を指す。
【0042】
【
図1】分析機器及びその取り外し可能な分析カートリッジの実装形態を示す図である。
【0043】
【
図2A】分析カートリッジの実装形態の斜視図である。
【0044】
【
図2C】上部部分が取り除かれた、
図2Aの分析カートリッジの斜視図である。
【0045】
【
図3】分析カートリッジ及び分析機器の回転弁駆動機構の斜視断面図である。
【0046】
【
図4】ポンプ機構を有する分析カートリッジの実装形態の断面図である。
【0047】
【
図5】分析カートリッジの実装形態の一部分及び分析機器の弁作動システムの断面図である。
【0048】
【
図6】分析カートリッジの実装形態の別の部分及びヒータプローブの断面図である。
【0049】
【
図7】複数のセンサを有する試験カートリッジの実装形態を示す図である。
【0050】
【
図8】
図7の試験カートリッジ内の第1の直線並進センサの断面図である。
【0051】
【
図9】
図7の試験カートリッジ内の第2の直線並進センサの断面図である。
【0052】
【
図10】
図7の試験カートリッジ内の角度回転センサの断面図である。
【0053】
【
図11】
図7の試験カートリッジ内の温度センサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
1つ以上のセンサを収容する試験カートリッジは、分析カートリッジの作動システムに関する分析機器の機能を測定及び判定するために使用することができる。先に述べたように、ゲノム配列決定システムなどの様々な分析機器は、分析中に使用される様々な要素が、1つ以上の取り外し可能なカートリッジ、例えば、フローセルカートリッジ、試薬カートリッジ、及び/又は洗浄カートリッジ内に提供される、カートリッジベースの構成を利用することができる。いくつかの実装形態では、これらの要素の全ては、単一の分析カートリッジに組み合わされてもよい。場合によっては、これらの分析カートリッジは、穿孔可能な箔の層によって封止することができる様々な区画内に消耗要素を収容してもよい。分析カートリッジはまた、例えば、回転及び/又は直線入力の適用によって作動可能であり得る様々な弁又はポンプを含んでもよい。
【0055】
これらの分析機器は、箔を穿孔するための可動突出部、分析カートリッジ上の1つ以上の弁を回転させるための回転部材、消耗要素(例えば、試薬)を分析カートリッジを介してポンピングするためにポンプ機構を作動させるための直線往復部材、並びに分析カートリッジを通る流れを経路指定及び制御するために使用することができるピンチ弁などの弁などの、使用するために分析カートリッジを準備するための特徴部を含むことができる。いくつかの分析機器はまた、分析カートリッジのチャンバ内の試薬及び/又は試料を加熱するための加熱プローブを有してもよい。分析機器を分解することなく、かつメンテナンス時間及び分析機器の休止時間を最小限に抑えながら、分析機器のカートリッジインターフェース機構のうちの1つ以上の機能を試験して、適切な機能を確保し、これらの機構による問題を診断することが有用であり得る。
分析カートリッジ及び分析機器の導入
【0056】
分析カートリッジ、分析機器、並びにそれらのシステム及び機構の一部の実装形態の簡単な説明を以下の節に記載して、以下に後述する試験カートリッジのコンテキストを提供する。
【0057】
図1は、分析機器及びその取り外し可能な分析カートリッジの実装形態を示す。
図1では、分析機器102が提供され、分析機器は、カートリッジ受容部と見なすことができる、以下に記載される分析カートリッジ104又は試験カートリッジ(図示せず)を受け入れるように構成されたレセプタクル、スロット、又は他のインターフェース103を含む。分析機器102は、特定の方法で構築された、又は特定のフォームファクタを有し、例えば、特定の包絡面内の高さ、幅、及び長さを有し、任意選択的に、分析機器102の受け入れ部分内の相補的な特徴部、例えば、レール、ピン、凹部などとインターフェースして、分析カートリッジ104内の様々な機構を作動させるように構成された分析機器102内の様々な機械的システムと適切にインターフェースすることができるように、分析カートリッジ104を分析機器102内で適切に整列させ、分析カートリッジ104を配置するように設計された様々な特徴部、例えば、溝、孔、突出部などを有する、分析カートリッジ104(又は内部に挿入可能若しくは受け入れ可能な任意のカートリッジ)を受け入れるように構成されていてもよい。
【0058】
図1には示されていないが、分析機器102内の1つ以上のガイド又は他のデバイスは、上述したように、分析カートリッジ104が分析機器102に完全に挿入又は設置された後に、分析機器102の機構に対して所定の場所に分析カートリッジ104を配置させることができる。例えば、分析カートリッジ104は、例えば、装填機構又は他のインターフェースの動作によって、垂直に上向きに移動され、1つ以上のカートリッジインターフェース機構と接触させられてもよい。いくつかの他の実装形態では、カートリッジインターフェース機構の一部は、カートリッジインターフェース機構をカートリッジハウジングの態様と接触させるために、分析カートリッジ104が分析機器102に完全に挿入された後に作動機構によって移動されることができる可動インターフェースによって支持されてもよい。
【0059】
図2Aは、分析カートリッジの実装形態の斜視図を示し、
図2Bは、分析カートリッジの部分分解図を示す。
図2Aでは、分析カートリッジ204は、分析機器に挿入されて分析機器によって受け入れられることを可能にするフォームファクタを有する分析カートリッジハウジング206を含む。分析カートリッジ204はまた、分析カートリッジハウジング206の孔216A~216Cを介して分析機器の箔穿孔機構にアクセス可能な3つの箔穿孔機構接触点208A~208Cを有する、分析カートリッジハウジング206内で箔シール(見えない)を穿孔するための穿刺ディスクと、目に見えるスプライン付きシャフト210A及び210Bを有する2つの回転弁と、分析カートリッジハウジング206内のポンプ機構221の往復部材を移動させるためのポンプ作動インターフェース212と、分析機器のヒータプローブ(図示せず)を受け入れる分析カートリッジハウジング206内のポート214と、を含む。
図2Aでは明らかではないが、分析カートリッジ204は、分析カートリッジ内の材料を移動及び収容するために、多数の試薬リザーバ、弁、シール、ポンプ、流路、及び他の特徴部を収容してもよい。
【0060】
分析カートリッジ204の内部構造の実装形態が、
図2Bに見られる。以下でより詳細に説明するように、分析機器102は、箔穿孔機構、1つ以上の回転弁作動機構、ポンプ作動機構、及びピンチ弁作動機構を含む、分析カートリッジのこれらの特徴部(又はそのようなシステム及び/又は異なるシステムの全てより少ないものを有する分析カートリッジとインターフェースする分析機器の特徴部のサブセット)のそれぞれを作動させるためのカートリッジインターフェース機構を含んでもよい。
図2Bでは、分析カートリッジハウジング206は、上部部分206Aが底部部分206Bから取り外された状態で示されている。上部部分206Aは、箔穿孔機構による箔穿孔機構接触点208A、208B、及び208Cへのアクセスを可能にする孔216A~216Cと、スプライン付きシャフト210A及び210Bへのアクセスを可能にする孔216D及び216Eと、ポンプ作動インターフェース212へのアクセスを可能にする孔216Fと、を含み、孔216Fは、ポンプ作動インターフェース212の下部部分にアクセスするために底部部分206Bの開口部又は孔とは独立していてもよく、又はそれと連携してもよい。ヒータプローブを受け入れるための孔214もまた見える。
【0061】
この実装形態における分析カートリッジハウジング206の底部部分206Bは、分析中に分析機器102によって使用することができる試薬又は他の液体をそれぞれ収容することができる複数のリザーバを含む。この実装形態では、説明目的で本明細書では第1の試薬リザーバ218又は第2の試薬リザーバ220と呼ぶことがある、約25個のそのような試薬リザーバが存在する。様々な分析カートリッジの実装形態は、異なる数及び配置の試薬リザーバを特徴として備えてもよいことが理解されるであろう。
【0062】
分析カートリッジ204は、それぞれが試薬リザーバのうちの1つ以上と流体的に接続されてもよい複数の流路を含むマイクロ流体プレート(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実装形態では、マイクロ流体プレートは、分析カートリッジ204に選択的に結合されてもよく、別個のカートリッジアセンブリの一部であってもよい。試薬がマイクロ流体プレートのチャネルを通って選択的に流されることを可能にするために、回転弁222A及び222Bなどの1つ以上の弁が分析カートリッジ204に含まれてもよい。そのような回転弁222A及び222Bは、例えば、分析機器によって提供される回転入力によって回転させて、異なる試薬リザーバをマイクロ流体プレート内の1つ以上の試薬流路と異なる時間に流体連通させることができる、回転可能部分を有するように構成されていてもよい。これらの回転弁222A及び222Bは、(
図3を参照して以下に説明する)分析機器102の回転駆動シャフト234A及び234Bと係合するために、
図2Aでそれぞれ特定されたスプライン付きシャフト210A及び210B(又は他の好適な回転インターフェース)を含んでもよい。
【0063】
分析カートリッジ204内の試薬リザーバは、この実装形態では、床(マイクロ流体プレートなど)から立ち上がる1つ以上の側壁213によってそれぞれ画定され、第1の試薬リザーバ218の場合、第1の試薬リザーバ218の側壁213の上縁部に接着又は接合することができる箔シール226によって蓋をされる。第2の試薬リザーバ220の場合、取り付けられた追加の箔シール226を有するリザーバキャップ227は、それらの第2の試薬リザーバ220の側壁224の上縁部に接着又は接合されてもよい。箔シール226は、試薬リザーバを封止し、かつ内部に収容する試薬の漏れを防ぐために提供されてもよい。
【0064】
分析カートリッジ204が分析機器に設置されると、分析機器102は、穿刺ディスク228を作動させることができる。穿刺ディスク228は、孔216A~216Cそれぞれを介して分析機器102の箔穿孔機構にアクセス可能な3つの箔穿孔機構接触点208A~208Cを有してもよい。穿刺ディスク228はまた、穿刺ディスク228が分析機器102の箔穿孔機構によって試薬リザーバに向かって作動されるときに、突出部が箔シール226を穿刺し、それによってリザーバ内の圧力が周囲環境圧と等しくなり、それによって試薬がリザーバ内に真空を生成することなく試薬リザーバから引き出されることを可能にするように、特定のリザーバを封止する箔シール226の上にそれぞれ配置された複数の突出部を含んでもよい。試薬リザーバの通気を可能にするために、シールが穿刺されていない、又は十分に穿刺されていない場合、試薬リザーバから試薬を引き出す分析機器102の効率は、圧力効果に起因して低減されることがある。
【0065】
分析機器102の箔穿孔機構は、分析カートリッジ204の3つの箔穿孔機構接触点208A~208Cのうちの1つと接触して、穿刺ディスク228を試薬リザーバに向かって移動させるように、それぞれ配置された、3つの係合ピンを有してもよい。
図2Cは、上部部分206Aが取り除かれた、
図2Aの分析カートリッジの斜視図を示す。この図では、上部部分206Aなしに、穿刺ディスク228が分析カートリッジの下部部分206B上に配置されているのがわかる。分析機器の箔穿孔機構の3つの係合ピン238A、238B、及び238Cが、分析カートリッジ204の3つの箔穿孔機構接触点208A~208Cのうちの1つに対応して見られ、箔穿孔機構は、軸236Cに沿って穿刺ディスク228を移動させるために、箔穿孔機構接触点208A~208Cのそれぞれに直線力を印加することができる。箔シール226を穿刺するために、係合ピン238A、238B、及び238Cは、穿刺ディスク228を箔シール226(この図では見えない)に向かって移動させて、穿刺ディスク228の突出部に箔シール226を穿刺させるために、軸236Cに沿って第2の方向261に(この図では)下向きに移動する。
【0066】
分析機器102の箔穿孔機構が穿刺ディスク228の箔穿孔機構接触点208A~208Cの全てに等しい力及び移動を適用して、箔シール226の全ての面が穿刺され、所定の量まで穿刺されることを確実にすることが有用であり得る。これは、穿刺ディスク228を実質的に同時に接触させ、穿刺ディスク228を保持アセンブリから係合解除し、穿刺ディスク228に圧力を均等に適用して、実質的に同時に複数の場所で箔シール226を穿孔させるために、箔穿孔機構の係合ピン238A、238B、及び238Cが、同じ速度で、及び同じ量だけ、などを含む、実質的に同時に分析カートリッジ204に向かって並進することを含んでもよい。保持アセンブリは、使用前の分析カートリッジの出荷及び/又は取り扱い中など、穿刺ディスク228が意図せずに外れる可能性を低減する、又は別の方法でそれを防止するために、穿刺ディスク228に対して抵抗力を及ぼすことができる。加えて、箔シール226はまた、穿刺段階中に穿刺ディスク228に対して抵抗力を及ぼすことができ、この抵抗に対して均一な圧力を印加することが有用であり得る。箔穿孔機構の係合ピン238A、238B、及び238Cのうちの1つによる不均等な力は、保持アセンブリから外れたときに穿刺ディスク228の位置ずれをもたらし、かつ/又は、箔の一部が穿孔されない、若しくは十分に穿孔されないようにすることがあり、これにより、試薬リザーバのうちの1つ以上へのアクセスを妨げることがある。穿刺ディスク228と接触する3つの係合ピン238A、238B、及び238Cの点は、軸236Cに沿って並進する平面240を形成してもよく、分析機器102の箔穿孔機構の機能は、この平面240が軸236Cに対して垂直に向けられていることによって表されてもよい。平面240が軸236に対して垂直でない場合、係合ピン238A、238B、及び238Cは、穿刺ディスク228に不均等な力及び移動を適用することがあり、これにより、保持アセンブリから外れたときに穿刺ディスク228の位置ずれをもたらす、かつ/又はいくつかのリザーバの上の箔シールが場合により穿刺されないようにすることがある。分析機器の箔穿孔機構の機能を測定及び判定するために、箔穿孔機構の係合ピンのそれぞれによって適用される移動、位置合わせ、及び/又は力を試験することが有用であり得る。
【0067】
また前述したように、分析機器102は、分析カートリッジ上の回転弁を回転させるための回転弁駆動機構を含んでもよい。
図3は、分析カートリッジ及び分析機器の回転弁駆動機構の斜視断面図を示す。ここで、分析カートリッジ204の2つの回転弁222A及び222Bはそれぞれ、それぞれのスプライン付きシャフト210A及び210B、並びに対応する弁座232A及び232Bに接続された、又はそれを含むシャフト230A及び230Bを有する。分析機器102の回転弁駆動機構は、分析カートリッジ204の回転弁222A及び222Bのスプライン付きシャフト210A及び210Bそれぞれに係合することができ、かつこれらのスプライン付きシャフト210A及び210Bを回転軸236A及び236B周りに回転させることができる、2つの回転駆動シャフト234A及び234Bを含む。回転弁駆動機構は、分析カートリッジ204の回転弁222A及び222Bのそれぞれにトルクを印加するためのモータ及び歯車を含んでもよい。そのようなトルクは、回転駆動機構によって独立して印加されてもよい。分析機器の回転弁駆動機構の機能を測定及び判定するために、回転駆動シャフト234A及び234Bのそれぞれによって適用される回転移動及び/又はトルクを試験することが有用であり得る。
【0068】
分析機器102はまた、分析カートリッジの1つ以上の流路内に正圧又は負圧を生成するために、分析カートリッジ内のポンプ機構221を移動させるポンプ作動機構251を含んでもよい。
図4は、ポンプ機構221を有する分析カートリッジの実装形態の断面図を示す。ここで、分析カートリッジ204のポンプ機構221の一部分は、一方の端部246Aにプランジャ244と、第2の端部246Bに封止された接点248と、を有する上下逆のU字形ピストン242を含む。ピストン242の上部には、
図4に部分的に見ることができる
図2Aに示すポンプ作動インターフェース212がある。
図4に示すポンプ作動機構251は、アーム252及びピン250を並進軸256に沿って移動させるアーム移動機構254によって移動可能なアーム252に接続されたピン250を含む。分析機器のピン250は、分析カートリッジ204のピストン242の封止された接点248に接触させられ、ピストン242を
図4で上向きとして示す第1の方向258に沿って移動させる。ピストン242のこの移動は、分析カートリッジ204の流路内の液体を移動させるために、分析カートリッジ204内に真空又は正圧を生成することができる。
【0069】
図4のポンプ作動機構251はまた、
図4で下向きである第2の方向262として示される、第1の方向の反対方向に並進軸256に沿ってピストン242のポンプ作動インターフェース212に力を及ぼすための、ばねとして示される抵抗力要素260を含む。抵抗力要素260によって及ぼされるこの反対方向の力により、アーム移動機構254が下向きに移動するとき、及び/又は係合解除されたときに、分析カートリッジ204内の内容物をポンピング及び移動させるために、ピストン242が並進軸256に沿って振動又は往復運動することが可能になる。ピン250、アーム252、及びアーム移動機構254、並びに抵抗力要素260によって適用される移動及び/又は力を試験することによって、分析機器のポンプ作動機構251の機能を測定及び判定することが有用であり得る。
【0070】
いくつかの分析カートリッジはまた、弁膜がポートの上に配置された様々なピンチ弁を有してもよい。そのようなピンチ弁を作動させるために、分析機器102は、膜に対する直線力を印加する、弁作動システムを有することができ、これが、入口及び出口を含んでもよい1つ以上のポートに対して膜を緊密に封止させる。
図5は、分析カートリッジ204の実装形態の一部分及び分析機器の弁作動システムの断面図を示す。分析カートリッジ204は、膜271と接触して、膜271が次いで流体ライン272A、272B、及び272Cそれぞれに対して接触して選択的に封止するために、分析カートリッジ204内で移動可能である、プッシュロッド266A、266B、及び266Cそれぞれをそれぞれが有する3つのピンチ弁264A、264B、及び264Cを含む。分析機器102の弁作動システムは、膜271と接触して、膜271に流体ライン272A、272B、又は272Cを封止させるために、プッシュロッド266A、266B、及び266Cそれぞれと接触し、かつ軸270A、270B、及び270Cに沿って各プッシュロッド266A、266B、及び266Cそれぞれを膨張させるために、それぞれ移動可能な3つのリニアアクチュエータ部材268A、268B、及び268Cを含む。各ピンチ弁264A、264B、及び264Cは、弁の膜をポートに対して十分に封止するために印加される特定の力のために設計されてもよい。その特定の力が印加されない場合、弁は、適切に封止を行わないことがある。印加された力を含む、弁作動システムの機能を試験するために、弁作動システムのリニアアクチュエータ部材268A、268B、及び268Cのそれぞれの印加された力を測定及び判定することが有用であり得る。
【0071】
いくつかの分析機器は、分析カートリッジに挿入され、試料管ホルダ又はリザーバなどの分析カートリッジのレセプタクルと接触させ、そのレセプタクル内の材料を加熱するための、加熱プローブを有してもよい。
図6は、分析カートリッジの実装形態の別の部分及びヒータプローブの断面図を示す。分析カートリッジ204は、分析カートリッジハウジング206の内側のレセプタクル274と、分析機器102のヒータプローブ278が挿入されるポート276とを含み、これにより、ヒータプローブ278は、レセプタクル274又はレセプタクル274の全て若しくは一部分を取り囲む加熱カラーなどのレセプタクル274に熱的に接続された部分と接触して、レセプタクル274に熱を分配し、レセプタクル274に熱を加えることができる。加熱プローブが分析カートリッジのレセプタクルの内部で生成する温度などの加熱プローブの機能を試験することが有用であり得る。
試験カートリッジの実装形態
【0072】
1つ以上のセンサを収容するいくつかの試験カートリッジは、分析カートリッジの作動システムに関する分析機器102の機能を測定及び判定するために使用することができる。
図1を参照して述べたように、いくつかの分析機器102では、分析カートリッジ104は、分析機器102のインターフェース103に挿入されてもよい。結果として、分析カートリッジ104は、分析機器102によって実行される動作中に分析カートリッジ104に影響を与える汚染、振動、光の侵入などを実質的に低減するためなど、分析機器102の外部から隔離され、かつ/又は別の方法でアクセスできなくてもよい。いくつかの実装形態では、分析機器102の異なる作動システムは、組み立て前に別個に試験することができる。しかしながら、分析機器102に完全に組み立てられたとき、そのような作動システムは、分析機器102の外部からアクセスしにくい、又はアクセスできないことがあり、それにより、各作動システムの動作の判定は、困難であり得る。加えて、いくつかの作動システムは分析機器102の動作中に相互運用することができるため、いくつかの作動システムの許容可能な性能を実質的に同時に、かつ/又は本明細書に記載される試験カートリッジなどの模擬分析カートリッジ104に対して判定することは、品質管理目的及び/又は現場診断目的に有用であり得る。例えば、そのような試験カートリッジは、作動システムのうちの1つ以上が、許容可能な性能基準を下回って動作している、かつ/又は作動システムの他のものに干渉している、若しくは影響を及ぼしていることがある場合を判定することができる。そのような検出は、分析機器102を分解して内部の作動システムにアクセスすることなく、行なうことができる。更に、いくつかの実装形態では、試験カートリッジは、作動システムのうちの1つ以上の性能を示すデータを出力してもよい。場合によっては、出力されたデータは、作動システムのうちの1つ以上の所定の値を更新する、かつ/又は他の方法で性能を修正して、許容可能な性能基準を満たすように分析機器102の動作を再較正する、又は他の方法で修正するために、分析機器102によって利用されることができる。
【0073】
以下でより詳細に説明するように、試験カートリッジは、穿孔機構、ポンプ作動機構、及び/又は弁作動機構で使用することができるような、分析機器の直線作動特徴部の直線移動及び/又はそれによって印加される力を測定するための1つ以上の直線並進センサを含んでもよい。試験カートリッジはまた、分析機器の回転作動システムによって引き起こされる角度回転及び/又はトルクを測定するための1つ以上の角度回転センサを含んでもよい。場合によっては、試験カートリッジは、分析機器によって提供される直線的に印加される力を測定するための1つ以上のロードセル、及び/又は分析機器の加熱要素の性能を測定するための1つ以上の温度センサを含んでもよい。
【0074】
これらのセンサは、試験カートリッジ内に配置され、かつ分析カートリッジの特徴部及び機構の様々な機能をシミュレートするように構成されてもよい。これにより、分析機器が分析カートリッジと概ね同じ方法で試験カートリッジと係合することを可能にすることができる。例えば、試験カートリッジは、分析カートリッジのスプライン付きシャフトと同じ外部特徴部のうちの少なくとも一部を有し、かつ試験カートリッジ内に配置された外部スプライン付きシャフトを有する角度回転センサを有してもよく、それにより、試験カートリッジが分析機器に挿入され、分析機器内に配置されたときに、これらのスプライン付きシャフトは、実際の分析カートリッジ内のそれらの対応するものがあるように、分析カートリッジのスプライン付きシャフトと分析機器に対して同じ位置にある。これらの角度回転センサはまた、分析カートリッジ内の回転弁の動作をシミュレートしてもよく、動作には、そのような弁によって分析機器の回転弁駆動機構に及ぼされる抵抗を含む。同様に、箔穿孔機構を試験するための直線並進センサは、箔穿刺ディスク上と同じ場所に係合ピンの接触点を提供するなど、分析カートリッジと同様の特徴部を有してもよく、穿刺ディスクによる穿刺中に箔シールによって及ぼされる抵抗を含む分析カートリッジの機能をシミュレートしてもよい。いくつかの実装形態では、追加のセンサはまた、分析機器が試験カートリッジの複数の態様と係合することができるように、分析カートリッジの特徴部の配置及び機能をシミュレートしてもよい。いくつかの実装形態では、試験カートリッジは、分析機器の作動特徴部の運用性を測定することを除いて、任意の他の機能を提供しない、例えば、実際の箔穿孔をしない、実際のポンピングをしない、及び実際の弁を有さない。
【0075】
図7は、複数のセンサを有する試験カートリッジの実装形態を示す。この試験カートリッジ780は、試験カートリッジハウジング782と、複数の第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cと、第2の直線並進センサ786と、1つ以上の角度回転センサ788A及び788Bと、試験カートリッジハウジング782のポート790付近の温度センサ(図示せず)とを有する。これらのセンサ及び他のセンサについては、次いで以下で説明する。
【0076】
試験カートリッジハウジング782は、分析カートリッジ104と同じ方法で試験カートリッジ780が分析機器102に挿入されて分析機器102によって受け入れられることを可能にするフォームファクタを有してもよい。これにより、分析機器102の作動システムが分析カートリッジ104と同じ方法で試験カートリッジ780と係合することを可能にし、これにより、試験カートリッジ780が分析機器102の作動システムを測定、判定、及び試験することを可能にする。試験カートリッジ780は、分析カートリッジ104を受け入れるように構成されたスロット、カートリッジ受容部、又は他のインターフェース103に挿入して、分析機器102が分析動作を実行しているときに、試験カートリッジ780が分析カートリッジ104と同じ場所に適切に配置され、向けられ、かつ固定されることを確実にすることができる。例えば、試験カートリッジ780は、例えば、装填機構又は他のインターフェースの動作によって、垂直に上向きに移動され、分析機器102の1つ以上のカートリッジインターフェース機構と接触させられてもよい。いくつかの他の実装形態では、可動インターフェースによって支持されたカートリッジインターフェース機構の一部は、カートリッジインターフェース機構を試験カートリッジ780の態様と接触させるために、試験カートリッジ780が分析機器102に完全に挿入された後に分析機器102の作動機構によって移動されてもよい。試験カートリッジハウジング782のフォームファクタは、いくつかの実装形態では、約242ミリメートルを含むおよそ250ミリメートルの全長と、約142ミリメートルを含むおよそ150ミリメートルの全幅と、約73ミリメートルを含むおよそ75ミリメートルの全高とを有するプリズム容積であってもよい。
【0077】
複数の第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cを使用して、分析機器102の係合ピン(
図7に示されていない)のそれぞれによって移動された距離及び印加された力、並びにこれらの係合ピンの位置合わせを含む、分析機器102の箔穿孔機構の性能の様々な態様を測定及び判定することができる。試験カートリッジ780が分析機器102に挿入され、分析カートリッジ104と同じ位置に分析機器102内に配置されると、分析機器102の箔穿孔機構の係合ピンはそれぞれ、1つの対応する第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cに接触して、それを移動することができる。これらの第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cはそれぞれ、以下に説明するように、係合ピンのうちの1つによって移動された距離及び印加された力、並びに互いに対する係合ピンの全ての位置合わせを検出してもよい。
【0078】
図8は、
図7の試験カートリッジ780内の第1の直線並進センサの断面図を示す。センサ784Aなどの第1の直線並進センサのうちの1つのみが試験カートリッジハウジング782内で
図8に見られるが、第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cのそれぞれは、一般に、全て互いに同一であり、分析機器102の箔穿孔機構の係合ピンの接触点に対応する場所に配置されてもよい。したがって、
図8を参照して1つの直線並進センサ(784A)のみが論じられているが、この議論は、他の第1の直線並進センサ784B及び784Cに等しく適用可能である。第1の直線並進センサ784Aは、第1の軸794に沿って直線的に並進可能である可動要素792を含む。可動要素792は、第2の方向761(これは
図2Cと同じ第2の方向であってもよい)になど第1の軸794に沿って可動要素792を移動させるために、
図8に示す係合ピン238Aなどの対応する係合ピンが接触することができる、接触点793を含む。したがって、
図2Cの3つの係合ピン238A、238B、及び238Cはそれぞれ、試験カートリッジ780の第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cそれぞれと接触し、それを第2の方向761に移動してもよい。いくつかの実装形態では、第1の直線並進センサ784Aが分析カートリッジ104の穿刺ディスク228(図示せず)の移動をシミュレートするために、試験カートリッジ780が分析機器102に挿入され、分析機器102内に配置されたときに、第1の軸794が軸236C(図示せず)と平行になるように、第1の軸794は、試験カートリッジハウジング782内で向けられている。
【0079】
第1の直線並進センサ784Aはまた、試験カートリッジハウジング782に対して第1の軸794に沿って可動要素792によって移動された距離を検出する第1の検出器796を含む。
図8に示すようないくつかの実装形態では、第1の検出器796は、可動要素792上に配置されたエンコーダストリップ798の移動を検出する光学エンコーダリーダなどの光学センサであってもよい。第1の検出器796はまた、増分エンコーダ、レーザー距離センサ、直線可変変位変換器、及び磁気エンコーダなどの別の種類の検出器であってもよい。
【0080】
いくつかの実装形態では、穿刺ディスクを外す及び/又は箔の穿孔の実際の動作を模倣する条件下での箔穿孔機構の機能を検出して測定するために、試験カートリッジ780の第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cが、箔穿孔機構が経験する保持アセンブリ及び/又は箔シールの抵抗力をシミュレートすることが有用であり得る。したがって、各第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cは、第1の軸794に沿ってセンサの可動要素792に対して抵抗力を印加する抵抗要素を含んでもよい。
図8は、圧縮ばねとしてこの抵抗要素7100を示す。抵抗要素7100によって印加される抵抗力は、第2の方向761と反対の第1の方向757(これは
図2Cと同じ第1の方向であってもよい)であってもよい。この第2の方向761は、穿刺ディスク228に分析カートリッジ204上の箔シール226を穿刺させているときに、係合ピン238A、238B、及び238Cが移動する方向であり、第1の方向757は、穿刺ディスク228並びに係合ピン238A、238B、及び238Cの移動に対する箔シール226の抵抗の方向である。いくつかの実装形態では、第1の方向757は、追加的に又は代替的に、使用されていないときに穿刺ディスク228を定位置に保持する保持アセンブリの抵抗力を表してもよい。穿刺ディスク228は、保持アセンブリによって保管位置に保持され、動作中、穿刺ディスク228は、穿刺ディスク228に対して第2の方向761に係合ピン238A、238B、及び238Cによって特定の量の力が加えられると、係合ピン238A、238B、及び238Cによって外され、分析カートリッジ204内に向かって移動可能であり、これにより、第1の方向757によって表されるような保持アセンブリの保持力を克服し、それによって穿刺ディスク228を解放し、それが移動することを可能にする。
【0081】
第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cのこの構成により、箔穿孔及び/又は保持アセンブリからの係合解除などのシミュレートされた動作の間を含む、各個々の係合ピン238A、238B、及び238Cが意図された量移動したか否か、並びに個々の係合ピン238A、238B、及び238Cが互いに位置合わせされているか否かの測定及び判定が可能になる。各第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cによって測定された距離のうちの1つ以上が第1の距離から第1の閾値内にない、かつ/又は互いから第2の閾値内にない場合、これは、係合ピン238A、238B、及び238Cが互いに位置合わせされていない、同じ高さでない、かつ/又は適切に機能していないことを示すことができる。再び
図2Cを参照すると、これはまた、平面240が軸236Cに対して垂直でない、又は垂直の閾値量以内にないことを示すことができる。
【0082】
例えば、1つの第1の直線並進センサ784Aによる第1の測定された距離が第1の距離から第1の閾値内にない場合、これは、その1つの第1の直線並進センサ784Aに接触していた係合ピンが位置合わせされていない、又は適切に機能していないことを示すことができる。同様に、その1つの第1の直線並進センサ784Aによる第1の測定された距離が他の2つの第1の直線並進センサ784B及び784Bの測定された距離から第2の閾値内にない場合、これは、係合ピンが互いに位置合わせされていないことを示すことができる。いくつかの実装形態では、各第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cの移動は、約0.1ミリメートル~9ミリメートル及び約0.01ミリメートル~8.4ミリメートルを含む、約0.01ミリメートル~10ミリメートルであってもよく、第1の閾値を、例えば、その移動値の±10%、±5%、又は±1%以内にすることが有用であり得る。いくつかの実装形態では、係合ピン238A、238B、及び238Cは、それらが移動する距離が、例えば、互いの±10%、互いの±5%、互いの±1%以内である場合に、位置合わせされていると見なされてもよく、これらの値は、第2の閾値を形成してもよい。
【0083】
箔シールは穿刺ディスクに対して抵抗を及ぼし、これは次に分析機器の箔穿孔機構の係合ピンに対して抵抗を及ぼすため、抵抗下での箔穿孔機構の動作を測定することは、箔穿孔機構の動作が印加される抵抗の有無で異なるため有用であり得る。抵抗要素をそれぞれ有する第1の直線並進センサを使用して行われた測定により、分析カートリッジのシミュレートされた箔シール穿孔動作の条件下での分析機器の箔穿孔機構の評価を可能にすることができる。これらの測定は、各個々の係合ピンが意図された量移動したか否か、及び個々の係合ピンが穿孔動作中に互いに位置合わせされているか否かを含んでもよい。したがって、これにより、箔穿孔機構が箔シールに適切かつ均一に圧力を印加しているか否かの判定を可能にすることができる。
【0084】
抵抗要素(7100)をそれぞれ有する第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cを使用することにより、各センサに印加された力の判定も可能にすることができる。フックの法則によれば、ばねを圧縮又は伸長する力は、それが移動された距離に正比例し、これは、F=-kxと表され、Fは、力であり、kは、ばね定数であり、xは、ばねの変位である。したがって、各第1の直線並進センサに対する各係合ピン238A、238B、及び238Cによって印加される力は、第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cのそれぞれにおける可動要素によって移動された変位距離を測定して、それらの距離に各第1の直線並進センサFF84A、784B、及び784Cの抵抗要素7100の既知のばね定数を乗じることによって判定されてもよい。これにより、係合ピン238A、238B、及び238Cによって印加される力、及びそれらが所定の力、例えば、同じ力、又は閾値力を満たす若しくは上回る力を印加しているか否かの判定を可能にすることができる。いくつかの実装形態では、各第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cに印加される力は、少なくとも約30ニュートン(N)、約33N、及び約35Nを含む、少なくともおよそ25Nであってもよく、閾値を、例えば、その値の±10%、±5%、及び±1%以内とすることが有用であり得る。
【0085】
いくつかの実装形態では、試験カートリッジハウジング782は、係合ピン238A、238B、及び238Cが第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cに接触して、試験カートリッジハウジング782内に移動することを可能にする複数の第1の孔と、各第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cの可動要素が係合ピン238A、238B、及び238Cによって移動されている間に、第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cの可動要素が試験カートリッジハウジング782の外側に移動することを可能にする複数の第2の孔と、を有してもよい。
図8では、試験カートリッジハウジング782の1つの第1の孔7102及び1つの第2の孔7104が示されている。第1の孔7102は、図示された係合ピン238Aが可動要素792に接触して、試験カートリッジハウジング782内に移動することを可能にする。第2の孔7104は、可動要素792が第2の孔7104を通って第2の方向762に試験カートリッジハウジング782の外側へと移動することを可能にする。試験カートリッジハウジング782は、第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cのそれぞれについて、これらの第1の孔7102及び第2の孔7104を含む。いくつかの実装形態では、第2の孔7104は、省略されてもよく、可動要素792は、カートリッジハウジング782内で移動するが、カートリッジハウジング782の外側には移動しない。
【0086】
再び
図7を参照すると、試験カートリッジ780はまた、又は代替的に、分析機器のポンプ作動機構251の機能を測定及び判定するために使用することができる第2の直線並進センサ786を含んでもよい。例えば、第2の直線並進センサ786は、
図4に示すようにアーム移動機構254がアーム252及びピン250を並進軸256に沿って移動させる距離を測定することができる。この第2の直線並進センサ786は、上述の第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cと同じ又は類似の機能を有することができる。
【0087】
図9は、
図7の試験カートリッジ780内の第2の直線並進センサの断面図を示す。第2の直線並進センサ786は、第2の軸7108に沿って直線的に並進可能である第2の可動要素7106を含む。第2の可動要素7106は、分析カートリッジ204のポンプ作動インターフェース212と同様に、
図4に示すポンプ作動機構251の抵抗力要素260によって接触されてもよい接触インターフェース7110を含む。いくつかの実装形態では、第2の直線並進センサ786が分析カートリッジ104のピストン242(図示せず)の移動をシミュレートするために、試験カートリッジ780が分析機器102に挿入され分析機器102内に配置されたときに、第2の軸7108が軸256(
図9には示されていないが、
図4に示す)と平行になるように、第2の軸7108は、試験カートリッジハウジング782内で向けられている。第2の直線並進センサ786はまた、試験カートリッジハウジング782に対して第2の軸7108に沿って第2の可動要素7106によって移動された距離を検出する第2の検出器7112を含む。
図9に示すようないくつかの実装形態では、第2の検出器7112は、第2の可動要素7106上に配置された第2のエンコーダストリップ7114の移動を検出する光学エンコーダリーダなどの光学センサであってもよい。検出器7112はまた、増分エンコーダ、レーザー距離センサ、直線可変変位変換器、及び磁気エンコーダなどの別の種類の検出器であってもよい。
【0088】
試験カートリッジ780の第2の直線並進センサ786を使用して、分析機器のポンプ作動機構の機能を測定及び判定することができる。上述の
図4を再び参照すると、分析機器102のアーム移動機構254は、アーム252及びピン250を並進軸256に沿って、かつ第1の方向259に移動させる。試験カートリッジ780が分析機器102内に配置されると、分析機器のピン250は、(
図9に見られるように)第2の可動要素7106の第1の端部7116と接触してもよく、分析機器102のアーム移動機構254は、アーム252及びピン250に第2の可動要素7106を第2の軸7108(
図9に見られる)に沿って(
図9の)第1の方向758に移動させてもよく、これは、
図4の並進軸256及び第1の方向259と同じであってもよい。この移動の間、
図4に示す分析機器102の抵抗力要素260は、第2の軸7108に沿って第2の方向262に第2の可動要素7106の接触インターフェース7110に力を加えてもよく、これは、この場合もやはり
図4の並進軸256及び第1の方向259と同じであってもよい。
【0089】
分析機器102のアーム移動機構254が第2の可動要素7106を移動させると、検出器7112は、アーム移動機構254によって移動された総距離、並びにアーム移動機構254によって印加された力を判定するために、第2の可動要素7106によって移動された距離を測定する。力は、分析機器の抵抗力要素260の既知のばね定数及び測定された変位距離を使用して判定されてもよい。測定された距離及び印加された力が所定の量であるか否か、かつ/又はこれらの量から±10%、±5%、±4%、若しくは±1%など、許容される閾値内にあるか否かの判定を行なうこともできる。いくつかのそのような実装形態では、第2の直線並進センサ786の移動は、約0.1mm~30mm、約0.01mm~28mm、及び約0.01mm~27.6mmを含む、約0.01ミリメートル~35mmであってもよく、この距離を、例えば、その値の±10%、±5%、及び±1%以内とすることが有用であり得る。
【0090】
いくつかの実装形態では、上記と同様に、試験カートリッジハウジング782は、第2の可動要素7106の移動を可能にするために、別の第1の孔7113及び別の第2の孔7115を有してもよい。例えば、他の第1の孔7113及び他の第2の孔7115は、互いに反対であってもよく、分析機器のピン250は、第2の可動要素7106を第2の軸7108に沿って第1の方向758に移動させるために、他の第2の孔7115を介して挿入可能であってもよい。第2の可動要素7106が第2軸7108に沿って第1の方向758に移動されると、第2の可動要素7106の第1の端部7116は、他の第2の孔7115を通過してもよく、接触インターフェース7110を含む第2の可動要素7106もまた、他の第1の孔7113を通って移動してもよい。同様に、第2の可動要素7106が第2の方向762に移動すると、第2の可動要素7106は、他の第1の孔7113を通過してもよく、第1の端部7116は、他の第2の孔7115を通過してもよい。
【0091】
図7では見えないが、試験カートリッジ780はまた、又は代替的に、例えば、分析機器の弁作動システムによってなど、分析機器によって提供される1つ以上の直線力印加を測定するために、複数のロードセルを含んでもよい。
図9では、1つのロードセル7111が見えており、試験カートリッジハウジング782の底部を介してアクセス可能である。これらのロードセル7111を使用して、軸270A、270B、及び270Cに沿って弁作動機構の3つのリニアアクチュエータ部材268A、268B、及び268Cそれぞれによって印加された力を測定することができる。いくつかの実装形態では、これらのロードセルは、ひずみゲージを利用してもよい。リニアアクチュエータ部材268A、268B、又は268Cによって接触されると、各ロードセル7111は、偏向して、印加された力の大きさを判定するために使用することができる値を変化させる、又は生成することができる。例えば、ひずみゲージを含むロードセル7111は、リニアアクチュエータ部材268A、268B、又は268Cによって印加された力の下でその抵抗を変化させることができ、この抵抗の変化は、そのロードセル7111にわたる電圧の変化を引き起こすことができ、これを次に使用して印加された力を判定することができる。ロードセルは、約0N~20Nを含む約0N~約30Nを含む様々な力を測定することができ得る。いくつかの他の実装形態では、ロードセル7111は、係合ピン238A、238B、及び238Bのうちの1つなどの分析機器の任意の他の部材の印加された力を検出して測定することができる場合がある。
【0092】
図7の試験カートリッジ780はまた、又は代替的に、
図3に関して上述した回転弁駆動機構などの分析機器102の回転入力機構の機能を測定及び判定するために使用されてもよい1つ以上の角度回転センサ788A及び788Bを含んでもよい。これは、
図3の回転駆動シャフト234A及び234Bのそれぞれによって適用された回転移動及び/又はトルクを試験及び測定することを含んでもよい。上述の第1の直線並進センサと同様に、試験カートリッジ780の角度回転センサ788A及び788Bに分析カートリッジ104の回転弁222A及び222Bの抵抗及び移動をシミュレートさせることが有用であり得る。
【0093】
図10は、
図7の試験カートリッジ780内の角度回転センサの断面図を示す。角度回転センサ788Aであってもよいこのセンサは、二重矢印2122によって示されるように回転軸7120周りに回転可能な回転可能要素7118を含んでもよい。この回転軸7120は、試験カートリッジハウジング782内に配置されており、それにより、試験カートリッジ780が分析機器に挿入され、分析機器内に配置されると、回転軸7120は、上述し、かつ
図3に示す回転軸236A及び236Bと平行であり、かつ、いくつかの実装形態では、それと同一直線上にある。これにより、分析機器の回転駆動シャフト234A及び234Bが試験カートリッジ780の角度回転センサ788Aの回転可能要素7118に係合し、
図3に示す軸236A及び236B周りの回転を含む分析カートリッジの回転弁222A及び222Bを回転させるのと同様に、回転軸7120周りにそれを回転させることを可能にすることができる。角度回転センサ788Aはまた、回転可能要素7118によって移動された角度を検出して測定する検出器7124を含んでもよい。いくつかの実装形態では、検出器7124は、回転可能要素7118上に配置されたエンコーダディスク7126によって移動された角度を検出する光学エンコーダリーダなどの光学センサであってもよい。検出器7124はまた、増分エンコーダ及び磁気エンコーダなどの別の種類の検出器であってもよい。
【0094】
いくつかの実装形態では、角度回転センサ788Aが、分析カートリッジ上の回転弁の抵抗をシミュレートするために、回転可能要素7118の角度回転に対する、調整可能な抵抗を含む抵抗を有することが有用であり得る。この抵抗は、様々な方法で適用されてもよい。
図10では、角度回転センサ788Aは、回転可能要素7118に対して摩擦抵抗を適用するために回転可能要素7118の第1の表面7130に接触する摩擦要素7128を含む。回転可能要素7118が回転軸7120周りに回転すると、第1の表面7130と摩擦要素7128との間の摩擦により、回転可能要素7118に回転抵抗を経験させる。場合によっては、角度回転センサ788Aはまた、回転可能要素に対する摩擦、したがって回転抵抗を増加させるために、回転可能要素7118に対して軸方向力を印加することができるばねとして、
図10に示す抵抗力要素7132を含んでもよい。いくつかのそのような例では、
図10に示すように、角度回転センサ788A及び788Bは、抵抗力要素7132及び摩擦要素7128の両方を含んでもよく、これらは、一緒に作用して、抵抗力要素7132が第1の方向758に回転軸7120に沿って摩擦要素7128に軸方向力を印加して、第1の表面7130で摩擦要素7128と回転可能要素7118との間に追加の摩擦抵抗を引き起こすことによって、回転可能要素7118への回転抵抗を生じさせることができる。場合によっては、抵抗力要素7132によって印加される軸方向力は、調整可能であってもよい。例えば、
図10では、抵抗力要素7132、すなわちばねによって印加される力は、角度回転センサ788Aのセンサハウジング7136内でばねを圧縮又は圧縮解除することによって調整されてもよい。
【0095】
いくつかの実装形態では、回転可能要素7118はまた、
図3の回転駆動シャフト234A及び234Bを含む回転弁駆動機構と係合する特徴部を含んでもよい。これらの特徴部は、回転可能要素7118上のスプライン付きシャフト7134、並びに歯車及びスロット付きキー溝を含んでもよい。
【0096】
分析機器102の回転弁駆動機構が試験カートリッジ780の各角度回転センサ788A及び788Bを回転させると、検出器7124は、回転弁駆動機構の回転駆動シャフト234A及び234Bのそれぞれによって移動された全角度を判定するために、回転可能要素7118によって移動された角度を測定する。いくつかの実装形態では、各回転可能要素7118は、少なくとも250度、275度、300度、320度、340度、及び345度を含む特定の量だけ回転可能であってもよい。測定された角度がその値の±10%、±5%、±1%、±0.5%、及び±0.3%以内などの角度の閾値内にあるか否かの判定を行なうことができる。いくつかの実装形態では、各回転可能要素に及ぼされるトルクもまた、角度回転センサ788A及び788Bによって判定されてもよい。例えば、
図10の実装形態では、トルクは、既知の抵抗及び印加された軸方向力、並びに測定された移動角度を使用して計算されてもよい。いくつかの他の実装形態では、角度回転センサ788A及び788Bは、トルクを測定するトルクセンサを含んでもよい。角度回転センサ788Aの上記の考察は、角度回転センサ788Bに等しく適用可能である。これらのセンサは、互いに同一であってもよく、又は類似の機能を提供し、同様の構造を使用してもよい。788A及び788Bなどの2つ以上の角度回転センサを有するいくつかの実装形態では、これらのセンサのうちの少なくとも2つの回転軸は、互いに平行であってもよい。
【0097】
試験カートリッジ780はまた、又は代替的に、ヒータプローブなどの分析機器の加熱要素によって引き起こされる試験カートリッジ780内の温度を測定するために、試験カートリッジハウジング782のポート790付近の温度センサを含んでもよい。
図6を参照して上述したように、分析機器102は、分析カートリッジ内のレセプタクル及びその内容物を加熱するための加熱要素を有してもよい。したがって、レセプタクル内部に到達した温度を測定して、レセプタクル内の内容物がその温度に加熱されているか否かを判定することが有用であり得る。いくつかの実装形態では、加熱カラー又はバンドなどの中間構成要素の温度を代わりに測定することができる。
図11は、
図7の試験カートリッジ780内の温度センサの断面図を示す。温度センサ7138は、試験レセプタクル7140と、試験レセプタクル7140内部に到達した温度を検出して測定するための、試験レセプタクル7140内に配置された温度検出器7142とを含む。試験カートリッジハウジング782はまた、試験レセプタクル7140を加熱するために、分析機器102の加熱プローブ(図示せず)が挿入されてもよい、ポート790を含む。場合によっては、試験レセプタクル7140は、分析カートリッジの熱伝達及び分析カートリッジ内の熱条件をシミュレートするために、熱可塑性材料、銅、銅合金、アルミニウム若しくはアルミニウム合金、及びステンレス鋼などの金属、又はセラミックなどの他の材料などの分析カートリッジのレセプタクルと同じ材料で作製されてもよい。試験レセプタクル7140はまた、例えば、加熱カラー、内部容積、及び壁厚などの分析カートリッジ内のレセプタクルの同じ特徴部を含んでもよい。温度検出器7142は、レセプタクル内の温度を検出するためのものであり、温度検出器7142は、熱電対、サーミスタ、受動的赤外線センサ、及び抵抗温度検出器(resistance temperature detector、RTD)であってもよい。温度検出器7142は、約0度~100度を含む約0度~約125度の範囲の温度を検出することができ得る。
【0098】
いくつかの他の試験カートリッジ780の実装形態では、試験カートリッジ780は、上記のセンサのうちのいくつかのみを有してもよい。例えば、いくつかの試験カートリッジ780は、複数の第1の直線並進センサのみを含んでもよく、残りのセンサを含まなくてもよい。別の実装形態では、いくつかの試験カートリッジ780は、2つの角度回転センサ及び温度センサを有してもよい。本開示の試験カートリッジ780は、本明細書に記載されるセンサの任意の組み合わせを有することができることが企図される。
【0099】
上記のセンサのそれぞれは、データを生成することができ、いくつかの試験カートリッジ780は、この生成されたデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスを含んでもよい。いくつかの試験カートリッジ780はまた、センサ及び1つ以上のメモリデバイスと通信しており、かつデータを受信して、そのデータを1つ以上のメモリデバイス上に記憶することができる、1つ以上のプロセッサを含んでもよく、1つ以上のプロセッサはまた、又は代替的に、以下に説明するように、1つ以上のメモリデバイス上に記憶されたデータにアクセスして、そのデータを送信させることができる。いくつかの実装形態では、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスは、試験カートリッジ780上のコントローラの一部であってもよい。再び
図7を参照すると、プロセッサ7143及びメモリデバイス7144を有するコントローラ7141は、この試験カートリッジ780がプロセッサ7143及びメモリデバイス7144を有するコントローラ7141を含むことを示すために、試験カートリッジ780上に代表的に示されている。
【0100】
メモリデバイス7144(1つ以上のメモリデバイスであってもよい)と通信している(例えば、協働して動作している)プロセッサ7143は、プログラムコードの命令を実行することができ、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(digital signal processors、DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits、ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(field programmable logic arrays、FPGA)、又は他の同等の集積回路若しくは個別の論理回路などの、1つ以上のプロセッサを含んでもよい。そのようなプロセッサは、本開示に記載される技術のいずれかを実行するように構成されていてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的には、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。メモリデバイス7144は、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(synchronous dynamic random access memory、SDRAM)などのランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(non-volatile random access memory、NVRAM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気又は光学データ記憶媒体などの、メモリ又はデータ記憶媒体を含んでもよい。
【0101】
コントローラ7141はまた、各第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cの第1の検出器796、第2の直線並進センサ786の第2の検出器7112、ロードセル7111、角度回転センサ788A及び788Bのそれぞれの検出器7124、並びに温度センサ7138の温度検出器7142を含む検出器のそれぞれを含むセンサのそれぞれに通信可能に接続されてもよい。これらのセンサのそれぞれは、コントローラ7141に通信され、かつメモリデバイス7144上に記憶されてもよい測定データ(例えば、距離データ、角度データ、ひずみデータ、電圧データ、及び温度データ)などの、上述したようなデータを生成してもよい。
【0102】
いくつかの実装形態では、試験カートリッジ780はまた、外部デバイスに接続してメモリデバイス7144上に記憶されたデータをコンピュータ、スマートデバイス、他のコントローラ、サーバなどのその外部デバイスに送信するために、コントローラ7141に通信可能に接続されたデータアクセスポート785(
図7に示す)を含んでもよい。いくつかの実装形態では、試験カートリッジ780はまた、外部デバイスに無線接続してメモリデバイス7144上に記憶されたデータをその外部デバイスに無線で送信するために、コントローラ7141に通信可能に接続された無線通信インターフェースを含んでもよい。
【0103】
いくつかの実装形態では、試験カートリッジ780はまた、分析機器102又は他のデバイスと通信して試験カートリッジ780のセンサによって生成されたデータを分析機器102(又は他のデバイス)に送信するための通信インターフェース787を含んでもよい。通信インターフェース787は、分析機器と試験カートリッジとの間の無線又は有線接続であってもよい、分析機器の対応する通信インターフェースと通信してもよい。分析機器102は、この生成されたデータを受信及び記憶してもよく、かつ/又はその生成及び受信されたデータに基づいて、その作動機構に対する調整を行なうことができる。試験は、本明細書に記載されるもののいずれか及び全てを含む、分析機器102による試験カートリッジ780のセンサの1つ以上の作動又は係合であってもよい。例えば、分析機器102の箔穿刺機構の試験は、分析機器102の係合ピンが試験カートリッジ780の3つの第1の直線センサに接触してそれらを移動させることを含んでもよく、その間、これらのセンサのそれぞれは、対応する可動要素の移動データを生成してもよい。この移動データは、試験カートリッジ780のメモリデバイス上に記憶されてもよく、かつ/又は分析機器102に送信されてもよい。分析機器102によって受信されると、この生成されたデータに基づいて、係合ピンのうちの1つによる移動距離に対する調整などの、箔穿孔機構に対する調整を行なうことができる。
【0104】
いくつかの実装形態では、移動データは、第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cのそれぞれによって生成されたデータを表すことができる。これは、これらのセンサ784A、784B、及び784Cのそれぞれによって生成された生データ、各第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cの各可動要素792によって移動された総距離、並びに各方向(例えば、
図8の第1の方向761及び第2の方向757)に移動された距離を含んでもよい。これはまた、直線作動機構によって印加された力の判定、各第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cの各可動要素792によって移動された距離が1つ以上の所定の閾値に対する合格/不合格の評価などの閾値量内又は外であるかの判定、並びに、各第1の直線並進センサ784A、784B、及び784Cの各可動要素792によって移動された距離が、それらが本明細書で説明するように互いに位置合わせされている(例えば、同一平面上にある)ことを示すか否かの判定を含んでもよい。この移動データは、分析機器に送信され、分析機器を較正するために使用されてもよい。この較正は、箔穿孔機構によって移動された距離及び/又は印加された力を調整することを含むことができる。
【0105】
いくつかの実装形態では、移動データは、第2の直線並進センサ786によって生成されたデータを表してもよい。これは、第2の直線並進センサ786の第2の可動要素7106によって移動された総距離、及び各方向(例えば、
図9の第1の方向762及び第2の方向758)に移動された距離を含んでもよい。これはまた、ポンプ作動機構によって印加された力の判定、及び第2の可動要素7106によって移動された距離が1つ以上の所定の閾値に対する合格/不合格の評価などの閾値量内又は外であるかの判定を含んでもよい。この移動データは、分析機器に送信され、分析機器を較正するために使用されてもよい。この較正は、ポンプ作動機構251(
図4に示す)によって移動された距離及び/又は印加された力を調整することを含んでもよい。
【0106】
いくつかの実装形態では、移動データは、角度回転変換センサ788A及び788Bのそれぞれによって生成されたデータを表してもよい。これは、各角度回転変換センサ788A及び788Bの各回転可能要素7118によって移動された全角度、各方向(例えば、
図10の回転軸7120周りに時計回り及び反時計回り)に移動された距離、並びに弁駆動機構によって印加されたトルクを含んでもよい。これはまた、各角度回転変換センサ788A及び788Bの各回転可能要素7118によって移動された距離が1つ以上の所定の閾値に対する合格/不合格の評価などの閾値量内又は外であるかの判定を含んでもよい。この移動データは、分析機器に送信され、分析機器を較正するために使用されてもよい。この較正は、弁駆動機構によって移動された角度及び/又は印加されたトルクを調整することを含んでもよい。
【0107】
いくつかの実装形態では、移動データは、ロードセル7111のそれぞれによって生成されたデータを表してもよい。これは、弁作動機構の各リニアアクチュエータ部材によって印加された合力を含んでもよい。これはまた、各ロードセル7111によって測定された力が1つ以上の所定の閾値に対する合格/不合格の評価などの閾値量内又は外であるかの判定を含んでもよい。この移動データは、分析機器に送信され、分析機器を較正するために使用されてもよい。この較正は、弁作動機構によって移動された距離及び印加された力を調整することを含むことができる。
【0108】
いくつかの実装形態では、コントローラ7141によって受信及び記憶されたデータは、温度検出器7142の生データ及び測定された温度を含む、温度センサによって生成されたデータを表してもよい。これはまた、測定された温度が1つ以上の所定の閾値に対する合格/不合格の評価などの閾値量内又は外であるかの判定を含んでもよい。このデータは、分析機器に送信され、分析機器を較正するために使用されてもよい。この較正は、ヒータに供給される電力の増減など、ヒータによって加えられた熱を調整することを含んでもよい。
【0109】
また、直線並進センサによって移動された距離が閾値外であるか否か、力が所定の閾値外であるか否か、及び/又は係合ピンが互いに位置合わせされているか否かなどの、生成されたデータが箔穿孔機構の任意の不適切な機能を示すか否かに関する判定が行われてもよい。この判定は、試験カートリッジ上若しくは分析機器のプロセッサ又は他の処理ロジックによって行われてもよい。分析機器に対する調整はまた、この判定に基づいてもよい。この調整後、試験カートリッジと箔穿孔機構との間の別の試験又は係合が実行されてもよい。更なる調整、判定、及び試験を箔穿孔機構について繰り返すことができる。
【0110】
同様に、他の試験カートリッジセンサのいずれかを使用して分析機器の試験及び調整を実行することができる。これは、弁駆動機構が試験カートリッジの角度回転センサと係合して、回転可能要素を回転させること、角度回転センサが回転中にデータを生成すること、試験カートリッジがこの生成されたデータを分析機器に送信すること、このデータに関する判定を行なうこと(例えば、回転可能要素が所定の量回転されたか否か)、及び分析機器がこのデータに少なくとも部分的に基づいて弁駆動機構を調整することを含んでもよい。
【0111】
いくつかのそのような実装形態では、試験カートリッジが分析機器に挿入され、分析機器内に配置されていること、分析機器の機構が試験カートリッジ上のセンサを作動させること、そのセンサが分析機器による作動中にデータを生成すること、及び試験カートリッジがその生成されたデータを分析機器に送信することを含むことができる試験技術が実行されてもよい。分析機器は、その生成されたデータに基づいて、機構を調整することができる。また、いくつかの実装形態では、分析機器は、センサの要素が閾値外であることをセンサデータが示すか否かを判定することができ、分析機器は、次に、その判定に基づいて機構のその調整を行なうことができる。
【0112】
いくつかの実装形態では、試験カートリッジ及び/又は分析機器は、試験カートリッジの1つ以上のセンサによって生成された試験の結果及び/又はデータに関する情報を有する通知を提供することができる通知機構を含んでもよい。「通知」は、アラーム、アラート、メッセージ、聴覚出力、電子通信、電磁通信、及び/又は視覚出力のうちの1つ以上であってもよい。通知は、分析機器の1つ以上の機構が所定の閾値外であるという警告又はエラーを示すことができる。通知はまた、分析機器の1つ以上の機構が所定の閾値内であることを示してもよい。通知は、本明細書に記載される移動データ、判定、及び評価のいずれか及び全てを含む、試験カートリッジの1つ以上のセンサによって生成されたデータに少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0113】
通知は、様々な媒体を介して提供されてもよく、場合によっては、ユーザによって知覚可能となる前に中間デバイスによる更なるアクションを必要としてもよい。例えば、通知機構は、人の注意を引くためにグラフィックを表示する又は照明するためのものであるディスプレイ又はライトを含んでもよい(この場合、通知は、これらの構成要素に照明させる又は人に対してグラフィックを表示させる、ライト又はディスプレイに送信される信号を指してもよく、また、信号に応じて信号を受信する構成要素によって放出若しくは表示される光又はグラフィックを指してもよい)。いくつかの他の実施例又は追加の実施例では、通知機構は、無線インターフェースを含んでもよく、通知は、人に関連付けられた別のデバイス、例えば、分析ユニット、コンピュータ、又はスマートフォンに送信される、電子通信又は電磁通信、例えば、無線信号の形態をとることができる(この場合、通知は、電磁信号であってもよく、また、信号の受信に応じて受信デバイスによって生成された任意のオーディオ、視覚、触知、又は他の出力を指してもよい)。通知機構は、ユーザに1つ以上の通知を生成及び/又は提供するように構成されていてもよく、オーディオ、視覚、電磁、又は他の種類の通知を生成するために使用されてもよい1つ以上の構成要素を含んでもよい。
【0114】
本明細書に記載の試験カートリッジは、多数の利点及び利益を提供する。例えば、それらは、分析機器の診断を実行する改善された容易性を提供する。そのような試験カートリッジをそのような分析機器に挿入することにより、分析機器の多数のサブシステムを順次又は同時に試験することができ、そのようなサブシステムで正常に機能していないものはないか、機能していないものがあれば、どれが、どのように正常に機能していないかを評価する。これにより、分析機器自体の分解をなんら伴わずに、分析機器の分析カートリッジ処理システムによる潜在的な問題を診断することを可能にする。
【0115】
試験カートリッジは、分析機器の初期較正又は品質管理に使用されてもよい。いくつかのそのような実装形態では、試験カートリッジは、分析機器に挿入されてもよく、分析機器の作動機構は、本明細書に記載されるように、試験カートリッジと係合して、分析機器によって作動されたときに分析カートリッジのセンサのうちの1つ以上にデータを生成させることができる。この生成されたデータは、分析機器及び/又は試験カートリッジに記憶されてもよく、分析ユニットの作動機構のそれぞれが所定の閾値内であるか否かを評価するために使用されてもよい。評価は、分析ユニット及び/又は試験カートリッジによって実行されてもよく、評価は、分析ユニットの作動機構のそれぞれが1つ以上の所定の閾値内であるか否かを示す通知(例えば、メッセージ又は光)の形態をとることができる。分析ユニットに調整又は修理などの是正処置を行なって、所定の閾値外である作動機構に対処することができる。
【0116】
この生成されたデータを使用して、分析機器による問題を検出するために、その同じ分析機器の後に取得された生成されたデータとの比較に使用することができる分析機器の作動機構のベースライン測定値を判定することもできる。例えば、試験カートリッジは、製造直後及び現場で使用する前に、分析機器の作動機構のデータを生成することができる。この初期データが生成された後の一定期間又は多数の使用後に、例えば、試験カートリッジは、再び分析機器に挿入されてもよく、分析機器の作動機構は、再び試験カートリッジと係合して、分析機器によって作動されたときに分析カートリッジのセンサのうちの1つ以上にデータを生成させることができる。この後に生成されたデータは、最初に生成されたデータ、又はなんらかの以前に生成されたデータと比較されて、分析ユニットの作動機構が最初に又は以前に測定されたように依然として動作しているか否か、例えば、分析ユニットの作動機構のそれぞれが所定の閾値内で依然として動作しているか否かを判定することができる。いくつかの実装形態では、最初に生成されたデータを使用して、その作動機構が最初に又は以前に生成されたデータと一致するように分析ユニットを再調整することによって、分析ユニットを再較正することができる。これにより、試験カートリッジからの出力されたデータに基づいて、分析機器による問題を検出するために現場診断に、並びに記憶された値の再較正に、試験カートリッジを使用することを可能にすることができる。
【0117】
上記の開示は、以下の実装形態のリストを網羅することを理解されたい。また、このリストは、本開示によって網羅される様々な実装形態の限定的又は網羅的リストではないことも理解されたい。
【0118】
実装形態1:直線作動機構と、回転作動機構と、ヒータと、ポンプ作動機構と、第2の直線作動機構と、カートリッジ受容部とを有する分析機器に挿入するための試験カートリッジであって、分析機器のカートリッジ受容部によって受け入れられるフォームファクタを有する試験カートリッジハウジングと、第1の検出器及び第1の軸に沿って直線的に並進可能な対応する第1の可動要素をそれぞれが有する、複数の第1の直線並進センサであって、複数の第1の直線並進センサのそれぞれの少なくとも第1の部分が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の直線作動機構が作動されると、第1の直線並進センサのそれぞれの対応する第1の可動要素が分析機器の直線作動機構と係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、複数の第1の直線並進センサのそれぞれの各第1の検出器が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の直線作動機構が作動されると、分析機器の直線作動機構によって提供される直線入力に応じて、試験カートリッジハウジングに対して第1の軸に沿って対応する第1の可動要素によって移動された第1の距離を検出するためのものである、複数の第1の直線並進センサと、第2の検出器及び第2の軸に沿って直線的に並進可能な第2の可動要素を有する第2の直線並進センサであって、第2の直線並進センサの少なくとも第2の部分が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器のポンプ作動機構が作動されると、第2の可動要素が分析機器のポンプ作動機構と係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、第2の検出器が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器のポンプ作動機構が作動されると、試験カートリッジハウジングに対して第2の軸に沿って第2の可動要素によって移動された第2の距離を検出するためのものである、第2の直線並進センサと、第3の検出器及び第3の軸周りに回転可能な回転可能要素を有する角度回転センサであって、角度回転センサが、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の回転作動機構が作動されると、回転可能要素が分析機器の回転作動機構と係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、第3の検出器が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の回転作動機構が作動されると、試験カートリッジハウジングに対して第3の軸周りに回転可能要素によって移動された角度を検出するためのものである、角度回転センサと、試験カートリッジハウジング内のレセプタクル及びレセプタクル内に配置された温度検出器を有する温度センサであって、温度センサが、試験カートリッジが分析機器に挿入されると、レセプタクルが分析機器のヒータと係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、温度検出器が、試験カートリッジが分析機器に挿入されると、レセプタクル内の温度を検出するためのものである、温度センサと、複数のロードセルであって、複数のロードセルのそれぞれが、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の第2の直線作動機構が作動されると、各ロードセルが第2の直線作動機構と係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、複数のロードセルのそれぞれが、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の第2の直線作動機構が作動されると、それぞれのロードセルに印加された力を検出するためのものである、複数のロードセルと、を備える、試験カートリッジ。
【0119】
実装形態2:1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスを有するコントローラを更に備え、コントローラが、複数の第1の直線並進センサのそれぞれの各第1の検出器、第2の直線並進センサの第2の検出器、角度回転センサの第3の検出器、温度センサの温度検出器、及び複数のロードセルのそれぞれと通信可能に接続されており、コントローラが、各第1の検出器、第2の検出器、第3の検出器、温度センサ、及び複数のロードセルのそれぞれによって生成されたデータを受信及び記憶するためのものである、実装形態1に記載の試験カートリッジ。
【0120】
実装形態3:コントローラが、更新された移動データの分析機器への送信を引き起こすためのものであり、更新された移動データが、第1の検出器、第2の検出器、第3の検出器、温度センサ、及び複数のロードセルのそれぞれのうちの1つ以上によって生成されたデータのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づく、実装形態1又は2に記載の試験カートリッジ。
【0121】
実装形態4:コントローラが、第1の検出器、第2の検出器、第3の検出器、温度センサ、及び複数のロードセルのそれぞれによって生成されたデータの分析機器への送信を引き起こすためのものであり、分析機器が、第1の検出器、第2の検出器、第3の検出器、温度センサ、及び複数のロードセルのそれぞれによって生成されたデータに少なくとも部分的に基づいて通知を発行するためのものである、実装形態1~3のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0122】
実装形態5:複数の第1の直線並進センサのそれぞれ、第2の直線並進センサ、角度回転センサ、温度センサ、及び複数のロードセルによって生成されたデータを外部デバイスに送信するための通信インターフェースを更に備える、実装形態1~4のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0123】
実装形態6:外部デバイスが、分析機器である、実装形態1~5のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0124】
実装形態7:複数の第1の直線並進センサのそれぞれが、第1の軸に沿って第1の可動要素に対して第1の抵抗力を印加する第1の抵抗要素を更に含み、角度回転センサが、回転可能要素に対して第2の抵抗力を印加する第2の抵抗要素を更に含む、実装形態1~6のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0125】
実装形態8:角度回転センサが、回転可能要素に接触して、回転可能要素に対して摩擦抵抗力を印加する摩擦要素を更に含み、角度回転センサが、抵抗要素を更に含み、抵抗要素は、摩擦要素が抵抗要素と回転可能要素との間に介在するように配置されており、抵抗要素が、第3の軸に沿って、かつ回転可能要素に向かう方向に摩擦要素に力を印加するためのものである、実装形態1~7のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0126】
実装形態9:第2の角度検出器及び第2の回転軸周りに回転可能な第2の回転可能要素を有する第2の角度回転センサを更に備え、第2の角度回転センサが、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器のポンプ作動機構が作動されると、第2の回転可能要素が分析機器の回転作動機構と係合するように配置されており、第2の角度検出器が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器のポンプ作動機構が作動されると、試験カートリッジハウジングに対して第2の回転軸周りに第2の回転可能要素によって移動された第2の角度を検出するためのものである、実装形態1~8のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0127】
実装形態10:直線作動機構及びカートリッジ受容部を有する分析機器に挿入するための試験カートリッジであって、分析機器のカートリッジ受容部によって受け入れられるフォームファクタを有する試験カートリッジハウジングと、第1の検出器及び第1の軸に沿って直線的に並進可能な対応する第1の可動要素をそれぞれが有する、複数の直線並進センサであって、直線並進センサのそれぞれの少なくとも一部分が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の直線作動機構が作動されると、直線並進センサのそれぞれの対応する第1の可動要素が分析機器の直線作動機構と係合するように、試験カートリッジの試験カートリッジハウジング内に配置されており、各検出器が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の直線作動機構が作動されると、試験カートリッジハウジングに対して対応する第1の軸に沿って対応する第1の可動要素によって移動された距離を検出するためのものである、複数の直線並進センサと、を備える、試験カートリッジ。
【0128】
実装形態11:各直線並進センサが、第1の方向に第1の軸に沿って第1の可動要素に対して抵抗力を印加する抵抗要素を更に含む、実装形態10に記載の試験カートリッジ。
【0129】
実装形態12:抵抗要素が、圧縮ばねである、実装形態10又は11に記載の試験カートリッジ。
【0130】
実装形態13:各直線並進センサが、直線作動機構の係合ピンによって接触される接触部分を更に含む、実装形態10~12のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0131】
実装形態14:各可動要素が、エンコーダストリップを含み、各検出器が、対応する可動要素に含まれるエンコーダストリップの移動を検出する光学センサである、実装形態10~13のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0132】
実装形態15:1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスを有するコントローラを更に備え、コントローラが、直線並進センサのそれぞれの各第1の検出器と通信可能に接続されており、コントローラが、直線並進センサのそれぞれの各第1の検出器によって生成されたデータを受信及び記憶するためのものである、実装形態10~14のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0133】
実装形態16:1つ以上の第1の直線並進センサのそれぞれによって生成されたデータを送信するための通信インターフェースを更に備える、実装形態10~15のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0134】
実装形態17:通信インターフェースが、1つ以上の第1の直線並進センサのそれぞれによって生成されたデータを分析機器に送信するためのものであり、コントローラが、較正データの分析機器への送信を引き起こすためのものであり、較正データが、分析機器の1つ以上の第1の直線並進センサによって生成されたデータに少なくとも部分的に基づく、実装形態10~16のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0135】
実装形態18:ポンプ作動機構及びカートリッジ受容部を有する分析機器に挿入するための試験カートリッジであって、分析機器のカートリッジ受容部によって受け入れられるフォームファクタ、並びに第1の孔、及び分析機器のポンプ作動機構の一部分を受け入れるための、第1の孔と反対側の第2の孔を有する試験カートリッジハウジングと、検出器及び第1の軸に沿って直線的に並進可能な可動要素を有する直線並進センサであって、可動要素の少なくとも一部分が、試験カートリッジの試験カートリッジハウジング内に配置されており、可動要素が、第1の孔と第2の孔との間に配置されており、可動要素が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器のポンプ作動機構が作動されると、第2の孔を介して挿入されたポンプ作動機構の一部分と係合するためのものであって、ポンプ作動機構の一部分によって移動可能であり、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器のポンプ作動機構が作動されると、ポンプ作動機構によって移動されている間に、可動要素が、第1の孔を介して移動可能であり、検出器が、試験カートリッジハウジングに対して第1軸に沿って可動要素によって移動された距離を検出するためのものである、直線並進センサと、を備える、試験カートリッジ。
【0136】
実装形態19:1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスを有するコントローラを更に備え、コントローラが、直線並進センサの検出器と通信可能に接続されており、コントローラが、直線並進センサの検出器によって生成されたデータを受信及び記憶するためのものである、実装形態18に記載の試験カートリッジ。
【0137】
実装形態20:直線並進センサによって生成されたデータを送信するための通信インターフェースを更に備える、実装形態18又は19に記載の試験カートリッジ。
【0138】
実装形態21:回転作動機構と、ヒータと、カートリッジ受容部とを有する分析機器に挿入するための試験カートリッジであって、分析機器のカートリッジ受容部によって受け入れられるフォームファクタ、及び分析機器のヒータを受け入れるポートを有する試験カートリッジハウジングと、第1の検出器及び第1の回転軸周りに回転可能な第1の回転可能要素を有する第1の角度回転センサであって、第1の角度回転センサが、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の回転作動機構が作動されると、第1の回転可能要素が分析機器の回転作動機構と係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、第1の検出器が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の回転作動機構が作動されると、試験カートリッジハウジングに対して第1の回転軸周りに第1の回転可能要素によって移動された第1の角度を検出するためのものである、第1の角度回転センサと、試験カートリッジハウジング内のレセプタクル及びレセプタクル内に配置された温度検出器を有する温度センサであって、温度センサが、試験カートリッジが分析機器に挿入されると、レセプタクルが分析機器のヒータと係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、レセプタクルが、分析機器のヒータによって加熱されるためのものであり、温度検出器が、レセプタクル内の温度を検出するためのものである、温度センサと、を備える、試験カートリッジ。
【0139】
実装形態22:第2の検出器及び第2の回転軸周りに回転可能な第2の回転可能要素を有する第2の角度回転センサを更に備え、第2の角度回転センサが、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の回転作動機構が作動されると、第2の回転可能要素が分析機器の回転作動機構と係合するように、試験カートリッジハウジング内に配置されており、第2の検出器が、試験カートリッジが分析機器に挿入されて分析機器の回転作動機構が作動されると、試験カートリッジハウジングに対して第2の回転軸周りに第2の回転可能要素によって移動された第2の角度を検出するためのものである、実装形態21に記載の試験カートリッジ。
【0140】
実装形態23:第1の回転軸及び第2の回転軸が、互いに平行である、実装形態21又は22に記載の試験カートリッジ。
【0141】
実装形態24:回転可能要素が、分析機器の回転作動機構と係合するシャフト及び特徴部を含む、実装形態21~23のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0142】
実装形態25:第1の角度回転センサが、回転可能要素の中心軸及び第1の軸と同一直線上にあるディスク中心軸を有するエンコーダディスクを更に含み、第1の検出器が、エンコーダディスクの移動を検出する光学センサである、実装形態21~24のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0143】
実装形態26:第1の角度回転センサが、回転可能要素に対して抵抗力を印加する抵抗要素を更に含む、実装形態21~25のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0144】
実装形態27:第1の角度回転センサが、回転可能要素に接触して、回転可能要素に対して摩擦抵抗力を印加する摩擦要素を更に含む、実装形態21~26のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0145】
実装形態28:第1の角度回転センサが、抵抗要素を更に含み、抵抗要素は、摩擦要素が抵抗要素と第1の回転可能要素との間に介在するように配置されており、抵抗要素が、回転軸に沿って回転可能要素に向かう方向に摩擦要素に力を印加するためのものである、実装形態21~27のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0146】
実装形態29:レセプタクルが、金属で構成されている、実装形態21~28のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0147】
実装形態30:レセプタクルが、ポートを介して挿入されたヒータによって接触されるためのものである、実装形態21~29のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0148】
実装形態31:レセプタクルが、レセプタクルの周囲の加熱カラーを更に含み、加熱カラーが、ポートを介して挿入されたヒータによって接触されるためのものである、実装形態21~30のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0149】
実装形態32:回転可能要素に印加されたトルクを測定するトルクセンサを更に備える、実装形態21~31のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0150】
実装形態33:1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスを有するコントローラを更に備え、コントローラが、第1の検出器及び温度検出器と通信可能に接続されており、コントローラが、第1の検出器及び温度検出器によって生成されたデータを受信及び記憶するためのものである、実装形態21~32のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0151】
実装形態34:第1の角度回転センサ及び温度センサによって生成されたデータを送信するための通信インターフェースを更に備える、実装形態21~33のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0152】
実装形態35:通信インターフェースが、第1の角度回転センサ及び温度センサによって生成されたデータを送信するためのものであり、コントローラが、第1の角度回転センサ及び温度センサによって生成されたデータの分析機器への送信を引き起こすためのものであり、分析機器が、第1の角度回転センサ及び温度センサのうちの1つ以上によって生成されたデータに少なくとも部分的に基づいて通知を発行するためのものである、実装形態21~34のいずれか一項に記載の試験カートリッジ。
【0153】
本開示及び請求項において、例えば、(a)、(b)、(c)...などの順序標識の使用は、存在する場合、任意の特定の順序又はシーケンスを伝達しないものとして理解されるべきである(そのような順序又はシーケンスが明示的に示されている範囲を除く)。例えば、(i)、(ii)、及び(iii)とラベル付けされた3つの工程が存在する場合、別途記載のない限り、これらの工程は、任意の順序で(又は、別途禁じられていない場合には、更に同時に)実行されてもよいことを理解されたい。例えば、工程(ii)が工程(i)で生成された要素の取り扱いを伴う場合、工程(ii)は、工程(i)の後のなんらかの時点で生じているものとして見ることができる。同様に、工程(i)が工程(ii)で生成された要素の取り扱いを伴う場合、その逆が理解されるべきである。
【0154】
また、「ためのもの」、例えば、「カートリッジのガス入口は、温度制御システムからガスを受け入れるためのものである」の使用は、「ように構成されている」、例えば、「カートリッジのガス入口は、温度制御システムからガスを受け入れるように構成されている」などの言語で交換可能であり得ることも理解されたい。
【0155】
「約」、「およそ」、「実質的に」、「公称」などの用語は、量又は類似の定量化可能な特性を参照して使用されるとき、別途記載のない限り、指定された値の±10%、±5%、±3%、±1%、±0.5%、±0.1%、±0.05%、又は±0.01%以内の値を含むものと理解されるべきである。
【0156】
「1つ以上の<項目>の各<項目>に対して」、「1つ以上の<項目>の各<項目>」などの語句は、本明細書で使用される場合、単一項目グループ及び複数項目グループの両方を含む、すなわち、「各...に対して(for...each)」という語句は、プログラミング言語で使用される意味で使用されて、項目のどの集団が参照されてもその各項目を指すものと理解されるべきであることを理解されたい。例えば、参照される項目の集団が単一項目である場合、「各」は、その単一の項目のみを指し(「各」の辞書定義が「2つ以上の事項のうちのどれも」を指すようにその用語をしばしば定義しているという事実にもかかわらず)、そういった項目が少なくとも2つなければならないことを意味するものではない。
【0157】
前述の概念の全ての組み合わせ(そのような概念が相互に矛盾しないという条件で)は、本明細書に開示される主題の一部であると意図されていることを理解されたい。具体的には、本開示の終わりに現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される主題の一部であると意図されている。参照により組み込まれた任意の開示においても出現し得る、本明細書で明示的に使用される用語は、本明細書に開示される特定の概念と最も一致する意味を与えられるべきであることも理解されたい。
【0158】
本明細書における概念は、図に関して説明されてきたが、本開示の趣旨から逸脱することなく、多くの修正及び変更が当業者によってなされてもよいことが理解されるであろう。
【国際調査報告】