(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】光源の遠距離場光度及び色特性を測定する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01J 1/02 20060101AFI20221116BHJP
G01J 1/00 20060101ALI20221116BHJP
G01J 3/50 20060101ALI20221116BHJP
G01M 11/06 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
G01J1/02 V
G01J1/00 E
G01J3/50
G01M11/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561605
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 US2021027594
(87)【国際公開番号】W WO2022046183
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521450609
【氏名又は名称】ピシテッリ,マイケル
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピシテッリ,マイケル
【テーマコード(参考)】
2G020
2G065
【Fターム(参考)】
2G020AA08
2G020DA33
2G020DA63
2G065AA01
2G065AA10
2G065AA13
2G065BA05
2G065BB05
2G065BB13
2G065BB49
2G065BC11
2G065BC35
2G065DA05
(57)【要約】
光源の遠距離場光度及び色特性を測定する装置を提供し、本装置は、試験用のランプを収容するランプ試験位置と、ランプ試験位置に対して、固定された受光位置に位置決めされ、かつその受光位置に対して所定の角度でランプからの光ビームを反射させるために、固定された光送出位置に位置決めされたミラーとを含む。測定スクリーンは、ミラーから所定の角度で反射された放物面集光画像を受光するように、ミラーに対する位置に位置決めされ、光検出器は、測定スクリーンから反射された光画像を取り込むように位置決めされる。光検出器は、測定スクリーン上の反射された光画像をデジタル信号に変換して、そのデジタル信号を出力するように構成される。コンピュータは、反射された光画像に対応し、コンピュータにプログラムされたアルゴリズムに従って光度を測定するために較正されたデジタル信号を、受信及び処理するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源の遠距離場光度及び色特性を測定する装置であって、
a.試験用のランプを収容するランプ試験位置と、
b.前記ランプ試験位置に対して固定された受光位置に位置決めされ、かつ該受光位置に対して所定の角度で前記ランプからの光ビームを反射させるために固定された光送出位置に位置決めされたミラーと、
c.前記ミラーから前記所定の角度で反射された前記放物面集光画像を受光するように、前記ミラーに対する位置に位置決めされた測定スクリーンと、
d.前記測定スクリーンから反射された光画像を取り込むように位置決めされたカメラであって、前記測定スクリーン上の前記反射された光画像をデジタル信号に変換して、該デジタル信号を出力するように構成された、カメラと、
e.前記反射された光画像に対応し、前記コンピュータにプログラムされたアルゴリズムに従って光度を測定するために較正された前記デジタル信号を、受信及び処理するように構成された光検出器と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記光検出器から出力された前記デジタル信号を受信するゴニオメータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ランプ試験位置が、前記ミラーに近接するフレーム上に位置決めされたランプ支持部を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ランプ試験位置が、前記ミラー及び前記測定スクリーンから物理的に分離した位置を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ミラーが、前記ランプからの放物面集光ビームを、前記受光位置に対して所定の角度で前記測定スクリーン上に反射するために、固定された光送出位置に位置決めされた放物反射面を有するミラーを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ランプ試験位置が、前記ミラー上に光を投影するために、前記ミラーに近接する位置に位置決めされた車両を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ミラーが、前記測定スクリーンに対して斜めの角度に位置決めされた、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記光ビームが前記ミラーに送出される前記角度によって画定される水平面に対して、前記ミラーが、66度の角度で位置決めされた、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記測定スクリーンが、前記ミラーに対して垂直方向に位置決めされた、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記測定スクリーンが、前記ミラーに対して斜めの角度に位置決めされた、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記光ビームが前記ミラーに送出される前記角度によって画定される前記水平面に対して、前記ミラー及び前記測定スクリーンがそれぞれ、斜めの角度に位置決めされた、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記装置が、前記ランプに対して移動するように取り付けられた、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
光源の遠距離場光度及び色特性を測定する装置であって、
a.試験用のランプを収容するランプ試験位置と、
b.前記ランプ試験位置に対して固定された受光位置に位置決めされ、かつ該受光位置に対して所定の角度で前記ランプからの光ビームを反射させるために固定された光送出位置に位置決めされた放物反射性面を有するミラーと、
c.前記ミラーから前記所定の角度で反射された前記放物面集光画像を受光する位置に位置決めされた第1の測定スクリーンと、
d.前記第1の測定スクリーンによって受光された前記光画像を受光する位置に位置決めされた第2の測定スクリーンと、
e.前記第2の測定スクリーンから反射された光画像を取り込むように位置決めされたカメラであって、前記第2の測定スクリーン上の前記反射された光画像をデジタル信号に変換して、該デジタル信号を出力するように構成された、カメラと、
f.コンピュータであって、前記反射された光画像に対応し、かつ、前記コンピュータにプログラムされたアルゴリズムに従って光度を測定するために較正された前記デジタル信号を、受信及び処理するように構成された、コンピュータと、
を備える装置。
【請求項14】
前記第1の測定スクリーンが、前記光ビームが前記ミラーに送出される前記角度によって画定される前記水平面に対して、斜めの角度で位置決めされた、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の測定スクリーンが、前記光ビームが前記ミラーに送出される前記角度によって画定される前記水平面に対して垂直方向に位置決めされ、前記第2の測定スクリーンが、前記光ビームが前記ミラーに送出される前記角度によって画定される前記水平面に対して垂直方向で、前記第1の測定スクリーンの前記方向に平行に位置決めされた、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
光源の遠距離場光度及び色特性を測定する方法であって、
a.試験位置において試験されるランプを位置決めするステップと、
b.前記ランプ試験位置に対して固定された受光位置に位置決めされ、かつ固定された光反射位置に位置決めされたミラーに、前記ランプからの集光ビームを投影するステップと、
c.前記ミラーからの前記集光ビームを測定スクリーン上に反射するステップと、
d.前記測定スクリーンから反射された前記光画像を検出するステップと、
e.前記測定スクリーン上の前記光画像をデジタル信号に変換するステップと、
f.前記デジタル信号をコンピュータに出力するステップと、
g.前記反射された光画像に対応し、前記コンピュータにプログラムされたアルゴリズムに従って光度を測定するために較正された前記デジタル信号を処理するステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
a.すべての計算が実行される空間内の較正点に対応する前記ランプの光学中心を用いて、前記ミラーの前に前記ランプを位置決めするステップと、
b.投影された光ビームを生成するために前記ランプに電力を供給するステップと、
c.前記ランプの光出力を安定化するステップと、
d.所定の合格/不合格基準及び前記アルゴリズムの一部として定義された強度データシステム較正に基づいて、光輝度及び光角度を決定するステップと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
a.前記ミラーからの光送出値、前記測定スクリーンからの拡散反射光値、及び前記測定スクリーンからの光画像検出の線形値を決定するステップと、
b.前記ミラーからの前記送出値、前記測定スクリーンからの前記拡散反射光値、及び前記測定スクリーンからの光画像検出の前記線形値を処理して、前記ランプの単一方向の輝度値を決定するステップと、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
複数の角度方向における光度について、ランプをマッピングするステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
a.前記測定スクリーンから反射された前記光画像を検出するために、画素のアレイによって画定された検出器を有するデジタルカメラを提供するステップであって、前記カメラの各画素が、前記画素のアレイ内の各画素に当たる前記光の強度に対応するビット値を有する、提供するステップと、
b.前記画素アレイの各画素を空間内の角度位置に関連付けるステップと、
c.各角度位置における前記ランプの強度をマッピングして、各画素を較正し、画素ごとに画素ビット値あたりの強度を定義するステップと、
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
所定の角度ランプ位置に対応するために、画素ビット値あたりの前記強度を平均するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ランプに対して移動するように前記ミラーを取り付けるステップを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年8月25日に出願された米国仮特許出願第63/069,872号の優先権及び利益を主張するとともに、その全体が本明細書に組み込まれる、「APPARATUS AND METHOD FOR MEASURING FAR-FIELD LUMINOUS INTENSIY AND COLOR CHARACTERISTICS OF LIGHT SOURCES」と題する、2021年2月9日に出願された米国実用特許出願第17/171,458号の優先権を主張する。
【0002】
本出願は、光源の遠距離場光度及び色特性を測定するためのミラー、スクリーン、測光器、分光放射計、及び/又はサイエンティフィックカメラの組み合わせを使用する光測定デバイス及び方法に関する。本装置及び方法は、従来の方法と比較して、物理的測定距離が極めて短いことを特徴とする。更に、本装置及び方法は、今日利用可能な機器では利用できない高解像度、高精度、及び高速の測定速度を有する。
【背景技術】
【0003】
光度の測定(特定の方向におけるカンデラ単位による光源の強度の測定)は、試験される光/ランプが「点光源」として機能することを必要とし、測定距離は、「距離2乗則」に従うために十分な大きさでなければならない。大まかな定義では、「距離2乗則」は、光源から検出器までの測定距離が増加するにつれて、検出器で測定した「ルクス」単位の照度が距離の2乗だけ減少する状態である。基本式は「照度=光度/距離2」である。その式が機能するためには、光源は、小さい電球又はフィラメントなどの「点光源」に近くなければならず、距離は、光源の直径の少なくとも10倍でなければならない。
【0004】
自動車及び航空宇宙の照明では、スタイル、外観及び外見の考慮事項よりも優先される重要な安全上の問題がある。様々な技術的要因に関して、政府の規制及び業界の基準を満たす必要がある。様々なランプの方向、色、及び強度は、照明及び/又はシグナリング/マーキングに関するこれらの規格に準拠しなければならない。例えば、車両用前照灯は、車両前方だけでなく路面にも光を投影することにより、運転者が障害物及び歩行者を視認することができる。駐車灯、尾灯、及びアウトラインランプにより、他の車両は、道路上の他の車両のサイズ、位置、及び大体の進行方向を決定することができる。制動灯及び方向指示器は、車両が方向又は速度を変更する予定であることを他の運転者に知らせる。
【0005】
同様に、航空機のナビゲーションにより、及び耐衝突、ビーコン又はストロボライトと様々に呼ばれるライトにより、パイロットは、空中及び地上で他の航空機の移動の距離及び方向を判断することができる。着陸灯により、パイロットは、前方の滑走路、誘導路及び障害物を見ることができ、同時に、ランプ作業者、航空交通管制官などのために航空機前方を明るくする。空港の地上照明は、滑走路及び誘導路のサイズ、形状、及び位置の標識を与えて、並びに地上走行及び離陸する航空機を地上で安全に操縦するための誘導を与えて、安全に地上走行するようにパイロットを誘導するために使用される。
【0006】
様々な角度方向に試験中のランプを保持して移動させるための手動又は自動位置決めデバイスであり、それらの様々な角度方向における光の光度を測定する「測光器」と呼ばれるデバイスと組み合わせられる「ゴニオフォトメータ」上で、これらのランプのすべてのタイプは、伝統的に試験される。「ゴニオフォトメータ」は、ゴニオメータの変形形態であり、ゴニオメータは、角度を測定するか、又は物体を正確な角度位置に回転させ得る機器である。更に、測色計及び分光放射計をシステムに追加して、試験中のランプの色特性を正確に測定することができる。基本的な信号ランプ及び他の小型ランプに関する距離2乗則を満たすために、従来技術の慣例に従って直径約12インチ(約30.48cm)のデバイスの最小試験距離は、その値の約10倍、すなわち10フィート(304.8cm)である。
【0007】
車両用前照灯又は航空機着陸灯などのビームパターンを生成するランプについて、最小試験距離は、距離2乗則に依存するだけでなく、そのパターンを「組み合わせる」又は「焦点を合わせる」ために、必要に応じて少なくともランプから離して測定が行われることに依存する場合がある。米国では、前照灯を試験するための要件は、最小試験距離が60フィート(18.3m)であることを規定している。世界の残りのほとんど、例えば、国際連合欧州経済委員会(UN-ECE)によって作成された規制では、前照灯の唯一の許容試験距離は82フィート(25m)である。ほとんどのランプ製造業者は、顧客の要求によって指示される頻度で製造するランプを試験する必要があり、これらの試験は、少なくとも試験あたり10~60分のいずれかであり得る。ゴニオフォトメータを正確に利用するために必要な測光検査室は、極めて大きく、幅が10~15フィート(3~4.5m)で、レトロリフレクターをテストする場合は、最小で60フィート(18.3m)、更には最大100フィート(30.5m)の長さになる。
【0008】
したがって、現在利用可能なものよりも小型で、高速に機能し、技術的に進歩した遠距離場測光器(「FFP」)が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本出願で開示する新規のFFPは、完全なゴニオフォトメータシステムと同じ光度及び色特性を測定するが、極めて縮小したサイズの物理的設置面積である。FFPは、1つ又は複数の精密ミラー(放物線状、球形又は平面状)を使用して、拡散スクリーン上に光源の出射光線の焦点を合わせる。次いで、新規に形成された画像は、光度を測定するために較正されたカメラ(CCD、CMOS、又はその他)を使用して取り込まれる。凸面/凹面ミラーは従来のガラスレンズと同じ原理に従うため、空間内の特定の距離にあるかのように、ミラーのサイズ及び形状を製造して、光源のパターンの画像の焦点を合わせるができる。ミラーの曲率/形状は、ミラー「レンズ」の焦点距離を決定する。ミラーから測定スクリーン表面までの距離は、測定中のランプのパターンの「投影距離」を決定する。
【0010】
用途に応じて、この新規のFFPシステムを構成して、様々な目的及び用途でランプを測定することができる。最も単純なFFPシステムは、システムの入力において配置された単一のランプを有し、ミラーに照準を合わせ、そのランプの測定パターンを返す。ランプの角度出力の測定された視野は、ランプのミラーまでの距離、ミラー自体のサイズ、及び測定スクリーンのサイズによって決定される。
【0011】
測定される視野角を増加するために、ゴニオメータ、ゴニオフォトメータからの位置決めデバイス、又は単純なターンテーブルを追加して、試験中のランプを保持して移動させることができる。測定スクリーンの画像は、第1の用途にあるような静止ランプと同じ画像に対応する。しかしながら、回転、垂直傾斜、又はその両方で正確な角度量だけランプを移動させることによって、ランプの様々な位置の複数の画像を取り込み、合わせて「スティッチング」して、ランプの出力パターンの極めて大きな視野を生成することができる。ゴニオフォトメータシステムはこの機能の一種を実行するが、試験距離は極めて長く、ほとんどの測定用途で使用される単一の測光器は、カメラの単一の「画素」のようなものであり、低解像度カメラが1回の露光で取り込み得るものであっても、模倣するためには、数千又は数百万の測定を行う必要がある。
【0012】
製造ライン上の自動車用前照灯及び他のタイプのランプの照準を合わせる第3の用途では、照準を合わせるプロセスは、ランプのパターンの画像を小さな測定スクリーン上に縮小するために、比較的小さなフレネルレンズを使用して、現在行なわれている。次いで、スクリーンはサイエンティフィックカメラで画像化され、その画像を使用して、必要な照準パラメータを決定して、それにより運転者は画像を適切に見ることができる。ランプの照準が適切でないことを、画像が示す場合、演算子を、スクリーン上に示すことができる、又は取り込まれた画像に基づいてランプの照準を合わせる何らかの種類の視覚信号若しくは可聴信号で、演算子を示すことがきる、あるいはコンピュータ操作スクリュードライバが、ランプを自動的に調整することができる。今日使用されている現在のシステムには限界がある。第1に、フレネルレンズはガラスレンズと比較して極めて低い「解像度」であり、前照灯の出力を取り込む十分な大きさのガラスレンズは極めて高額である。更に、古い前照灯は、通常、小さなフィラメントバルブを使用して作られているため、「点光源」と考えられていた。しかし、LED及び他の技術を利用する最新の前照灯は、極めて大きな場合があり、場合によっては幅が最大15インチ(38.1cm)を超えるものである。業界の既存の照準デバイスは小さいので、これらの大型ランプの出力を受け入れることはできず、ランプの全角度の出力を受け入れられない測定の物理的性質のため、大きな誤差がある。
【0013】
本発明の一実施形態に従って、試験用のランプを収容するランプ試験位置を含む、光源の遠距離場光度及び色特性を測定する装置を提供する。放物面ミラーは、ランプ試験位置に対して、固定された受光位置に位置決めされ、かつその受光位置に対して所定の角度で放物面集光ビームを反射させるために、固定された光送出位置に位置決めされる。スクリーンは、放物面ミラーから反射された放物面集光画像を、所定の角度で受光するように位置決めされる。カメラは、スクリーンから、反射された光画像を取り込み、その反射された光画像をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号を出力するように位置決めされる。コンピュータは、反射された光画像に対応し、コンピュータにプログラムされたアルゴリズムに従って光度を測定するために較正された信号を、カメラから、受信するために提供される。
【0014】
本発明の別の態様に従って、光源の遠距離場光度及び色特性を測定する装置を提供し、本装置は、試験用のランプを収容するランプ試験位置と、ランプ試験位置に対して、固定された受光位置に位置決めされ、かつその受光位置に対して所定の角度でランプからの光ビームを反射させるために、固定された光送出位置に位置決めされたミラーとを含む。測定スクリーンは、ミラーから所定の角度で反射された放物面集光画像を受光するように、ミラーに対する位置に位置決めされ、光検出器は、測定スクリーンから反射された光画像を取り込むように位置決めされる。光検出器は、測定スクリーン上の反射された光画像をデジタル信号に変換して、そのデジタル信号を出力するように構成される。コンピュータは、反射された光画像に対応し、コンピュータにプログラムされたアルゴリズムに従って光度を測定するために較正されたデジタル信号を、受信及び処理するように構成される。
【0015】
本発明の別の態様に従って、ミラー/スクリーン/カメラシステムは、用途に適している場合、静止ランプ、車両などに対して移動するように適合される。例えば、車両が生産ライン上にあるとき、道路標識/樹木に向かって上方に投影するための光を測定しなければならない。
【0016】
本発明の別の態様に従って、カメラから出力されたデジタル信号を受信するためのゴニオメータを提供する。
【0017】
本発明の別の態様に従って、ランプ試験位置は、ミラーに近接するフレーム上に位置決めされたランプ支持部を含む。
【0018】
本発明の別の態様に従って、ランプ試験位置は、ミラー及び測定スクリーンから物理的に分離した位置を含む。
【0019】
本発明の別の態様に従って、ミラーは、ランプからの放物面集光ビームを、受光位置に対して所定の角度で測定スクリーンに反射するために、固定された光送出位置に位置決めされた放物反射面を有する。
【0020】
本発明の別の態様に従って、ランプ試験位置は、光をミラーに投影するために、ミラーに近接した位置に位置決めされた車両を含む。
【0021】
本発明の別の態様に従って、ミラーは、測定スクリーンに対して斜めの角度で位置決めされる。
【0022】
本発明の別の態様に従って、ミラーは、光ビームがミラーに送出される角度によって画定される水平面に対して、66度の角度で位置決めされる。
【0023】
本発明の別の態様に従って、測定スクリーンは、ミラーに対して垂直方向に位置決めされる。
【0024】
本発明の別の態様に従って、測定スクリーンは、ミラーに対して斜めの角度で位置決めされる。
【0025】
本発明の別の態様に従って、ミラー及び測定スクリーンはそれぞれ、光ビームがミラーに送出される角度によって画定される水平面に対して、斜めの角度で位置決めされる。
【0026】
本発明の別の態様に従って、光源の遠距離場光度及び色特性を測定する装置を提供し、本装置は、試験用のランプを収容するランプ試験位置と、ランプ試験位置に対して、固定された受光位置に位置決めされ、かつその受光位置に対して所定の角度でランプからの光ビームを反射させるために、固定された光送出位置に位置決めされたミラーとを含む。第1の測定スクリーンは、ミラーから所定の角度で反射された放物面集光画像を受光する位置に位置決めされ、第2の測定スクリーンは、第1の測定スクリーンによって受光された光画像を受光する位置に位置決めされる。カメラは、第2の測定スクリーンから反射された光画像を取り込むように位置決めされ、第2の測定スクリーン上の反射された光画像をデジタル信号に変換して、そのデジタル信号を出力するように構成される。コンピュータは、反射された光画像に対応し、コンピュータにプログラムされたアルゴリズムに従って光度を測定するために較正されたデジタル信号を、受信及び処理するように構成される。
【0027】
本発明の別の態様に従って、第1の測定スクリーンは、光ビームがミラーに送出される角度によって画定される水平面に対して斜めの角度で位置決めされる。
【0028】
本発明の別の態様に従って、第1の測定スクリーンは、光ビームがミラーに送出される角度によって画定される水平面に対して垂直方向に位置決めされ、第2の測定スクリーンは、光ビームがミラーに送出される角度によって画定される水平面に対して垂直方向で、第1の測定スクリーンの方向に平行に位置決めされる。
【0029】
本発明の別の態様に従って、光源の遠距離場光度及び色特性を測定する方法を提供し、本方法は、試験位置において試験されるランプを位置決めするステップと、ランプ試験位置に対して、固定された受光位置に位置決めされ、かつ固定された光反射位置に位置決めされたミラーに、ランプからの光ビームを投影するステップとを含む。ミラーは、集光ビームを出力し、ミラーからの集光ビームを測定スクリーン上に反射することを特徴とする。光画像は、測定スクリーンで検出され、デジタル信号に変換されて、コンピュータに出力される。検出された光画像に対応するデジタル信号は、コンピュータにプログラムされたアルゴリズムに従って光度を測定するために較正される。
【0030】
本発明の別の態様に従って、本方法は、すべての計算が実行される空間内の較正点に対応するランプの光学中心を用いて、機械の前にランプを位置決めするステップと、投影された光ビームを生成するためにランプに電力を供給するステップと、ランプの光出力を安定化するステップと、所定の合格/不合格基準及び強度データに基づいて、並びにアルゴリズムの一部として定義されたシステム較正に基づいて、光輝度及び光角度を決定するステップとを含む。
【0031】
本発明の別の態様に従って、本方法は、ミラーからの光送出値、測定スクリーンからの拡散反射光値、及び測定スクリーンからの光画像検出の線形値を決定するステップと、ランプの単一方向の輝度値を決定するために、ミラーからの光送出値、測定スクリーンからの拡散反射光値、及び測定スクリーンからの光画像検出の線形値を処理するステップとを含む。
【0032】
本発明の別の態様に従って、本方法は、複数の角度方向における光度について、ランプをマッピングするステップを含む。
【0033】
本発明の別の態様に従って、本方法は、測定スクリーンから反射された光画像を検出するために、画素のアレイによって画定された検出器を有するデジタルカメラを提供するステップであって、カメラの各画素は、画素のアレイ内の各画素に当たる光の強度に対応するビット値を有する、提供するステップと、画素アレイの各画素を空間内の角度位置に関連付けるステップと、各角度位置におけるランプの強度をマッピングして、各画素を較正し、画素ごとに画素ビット値あたりの強度を定義するステップとを含む。
【0034】
本発明の別の態様に従って、本方法は、所定の角度ランプ位置に対応するために、画素ビット値あたりの強度を平均するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明は、添付の図面を参照して、本発明の以下の詳細な説明を読むと最もよく理解される。
【
図1】本発明の好ましい実施形態によるFFPのデスクトップ実施形態の斜視図である。
【
図2】空港滑走路灯を試験するように構成された、
図1に示すFFPのデスクトップ実施形態の側面図である。
【
図3】車両用ランプを試験するためのFFPの一実施形態の斜視図である。
【
図4】試験位置にある車両用前照灯を示す、
図3の実施形態の側面図である。
【
図5】車両に設置された車両用前照灯を試験するためのFFPの側面図である。
【
図6】スクリーン上への光の方向転換を支援する2つのミラーシステムを示す、
図1及び
図2の配置の代替配置図である。
【
図7】光を受光するスクリーンがミラーに平行であることを示す
図2の簡略図である。
【
図8】車両用ランプに対して垂直及び水平移動するように回転リフトに取り付けられたFFPを示す概略代替配置図である。
【
図9】車両用ランプに対して垂直円弧運動するようにレールに取り付けられたFFPを示す概略代替配置図である。
【
図10】車両用ランプに対して水平円弧運動するようにレールに取り付けられたFFPを示す概略代替配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
ここで図面を参照すると、本発明の1つの好ましい実施形態による、光源の遠距離場光度及び色特性を測定するFFP装置を、
図1及び
図2における大きな範囲で示した参照番号10で示している。装置10は、フレーム14が取り付けられたベース12を含む。フレーム14は、試験のために位置決めされた空港滑走路灯「L1」が示されている水平試験支持部16を含む。放物面ミラー18は、試験支持部16上で、受光方向に取り付けられる。ランプ「L1」から放物面ミラー18に投影された光は、放物面状に集光され、ミラー18に対して受光角でランプ「L1」の上方に位置決めされた
図2の測定スクリーン20上に反射される。ミラー18の上方に位置決めされたカメラ22は、ミラー18によって測定スクリーン20上に投影された画像を取り込む。カメラ22は、測定スクリーン20から画像をアナログ形式で受光し、そのアナログ画像をアナログ信号に変換し、そのアナログ信号をA/D変換器でデジタル信号に変換し、そのデジタル画像を処理するためにコンピュータ54に送信する(
図4及び
図5を参照)。コンピュータ54は、試験される特定のランプの技術的要件を定義するアルゴリズムでプログラムされる。カメラ22によって受光され、コンピュータ54によって処理された画像は、試験中のランプ「L1」がアルゴリズムの条件を満たすか否かを決定し得る出力値をもたらす。コンピュータ54は、好ましくは、処理のためのランダムアクセスメモリと、デジタル記憶装置と、モニタと、試験結果を、プリンタに、又は更なる処理及び記憶のためのソフトウェアに送信するための出力とを含む。
【0037】
ここで
図3及び
図4を参照すると、本発明の代替の好ましい実施形態による、光源の遠距離場光度及び色特性を測定する装置を、大きな範囲で示す参照番号30で示している。装置30は、フレーム34が取り付けられたベース32を含む。
図4に最もよく示しているように、放物面ミラー36は、フレーム34上で、受光方向に取り付けられている。放物面ミラー36に投影された光は、放物面状に集光され、ミラー36に対して受光角で位置決めされた測定スクリーン38で反射される。ミラー36の上方に位置決めされたカメラ40は、ミラー36によってスクリーン38に投影された画像を取り込み、上述したように、その画像をデジタルデータに処理する。
【0038】
ゴニオメータベース50は、ゴニオメータ52を取り付ける。カメラ40は、画像をゴニオメータ52に送信する。ゴニオメータ52は、試験中の特定のランプの技術的要件を定義するアルゴリズムでプログラムされたコンピュータ54とインタフェースする。カメラ40によって受光された画像は、光画像を表すデジタル信号を出力し、コンピュータ54によって処理され、これは、試験中のランプがアルゴリズムの条件を満たすか否かを決定し得る出力値をもたらす。コンピュータ54は、好ましくは、ランダムアクセス処理メモリと、デジタル記憶装置と、モニタと、試験結果を、プリンタに又は更なる処理及び記憶のためのソフトウェアに送信するための出力とを含む。
【0039】
図4に最もよく示しているように、正確な距離に方向付けられて、固定され、放物面ミラー36に照準を合わせた試験ベース56に、車両用前照灯「L2」を取り付ける。上述したように、車両用前照灯「L2」から発出された光は、処理のために、ゴニオメータ52及びコンピュータ54に送出される。
【0040】
図5は、車両用前照灯「L3」が車両「V」に設置されている代替配置を示す。ランプL3は、放物面ミラー36に対して、固定された位置に車両「V」を位置決めすることによって試験され、試験は上記のように実行される。
【0041】
図6は、更なる代替配置図である。装置60は、フレーム64が取り付けられたベース62を含む。フレーム64は、試験のために位置決めされた空港滑走路ランプ「L1」を示す水平試験支持部66を含む。放物面ミラー18は、試験支持部66上で、受光方向に取り付けられている。ランプ「L1」から放物面ミラー68に投影された光は、放物面状に集光され、測定スクリーン70に反射される。
図6に示すように、第2の平面ミラー74は、放物面ミラー68の上方で、測定スクリーン70に対して受光関係で位置決めされる。測定スクリーン70の上方に位置決めされたカメラ72は、ミラー68によって測定スクリーン70上に投影され、次いで平面ミラー74によって受光された画像を取り込む。平面ミラー74は、ミラー測定スクリーン70上に位置決めして示している、カメラ72のレンズに光を送出する。カメラ72は、平面ミラーからの画像をアナログ形式で受光し、そのアナログ画像をアナログ信号に変換し、そのアナログ信号をA/D変換器でデジタル信号に変換し、そのデジタル画像を処理するためにコンピュータ54に送信する。
図4及び
図5を参照されたい。コンピュータ54は、試験される特定のランプの技術的要件を定義するアルゴリズムでプログラムされる。カメラ72によって受光され、コンピュータ54によって処理された画像は、試験中のランプ「L1」がアルゴリズムの条件を満たすか否かを決定し得る出力値をもたらす。コンピュータ54は、好ましくは、処理のためのランダムアクセスメモリと、デジタル記憶装置と、モニタと、試験結果を、プリンタに、又は更なる処理及び記憶のためのソフトウェアに送信するための出力とを含む。
【0042】
図7は、放物面ミラー36が、ランプL2から投影された光に対して66度の角度で位置決めされる一方で、測定スクリーン38は、垂直に位置決めされ、放物面ミラー36によって66度の角度で投影された光を受光することを示す、
図4の簡略図である。
【0043】
図8、
図9、及び
図10を参照すると、
図3、
図4及び
図5に示す装置30などの静止装置に対してランプ、車両などを移動させることが困難又は高価である状況がある。
図8及び
図9に示すように、装置30は、車両「V」及びランプL3に対して所定の動きで移動できるように取り付けられる。この相対運動を達成する広範囲の機構があるが、例として、
図8の装置30は、回転能力を有するリフトに取り付けられている。
図9及び
図10に示すように、装置が取り付けられるレール80を設け、装置は、コンピュータ54の制御下でランプL3に対して円弧状に移動する。例として、生産ライン上にある車両「V」は、前照灯から単一の方向に光を投影しているが、道路標識、樹木の橋のオーバーヘッドなどに向かって上方に投影される光なども試験する必要があり得る。明らかに、車両「V」を所望の方向に傾けることは簡単ではないため、代わりに装置30を静止車両「V」に対して移動する。
図9では、レール80は、装置30を垂直円弧状に移動させるように方向付けられている。
図10では、装置30は、水平方向のレール90上で静止車両「V」の周りを水平円弧状に移動する。上述したように、これらの動作はコンピュータ54の制御下にある。
【0044】
本発明による装置の更なる詳細は、
図3、
図4及び
図5の実施形態を参照して説明しているが、他の図の実施形態及び上記の説明も等しく適用する。測定スクリーン38は、正確な測定のために可能な限りランバート分布に近い拡散面であるべきである。システムの所望の精度に基づいて、材料を選択し得るが、測定が望まれるすべての色が減衰しないように、又は少なくとも等しい量だけ減衰するように、スペクトル反射率が可能な限り均一であることが重要である。カラーカメラ40が測定デバイスとして使用される場合、いくつかの色の変動に対して補正を行い得るが、モノクロカメラ40が使用される場合、測定スクリーン38は、正しい結果を生成するために必要とされるのと同じくらいスペクトル的にニュートラルでなければならない。カメラ40としてのモノクロカメラは、画素に当たる色について、様々な画素値を識別することができず、各画素における光の強度を決定することしかできない。
【0045】
凹面放物面ミラー36がシステムの主要な「レンズ」として機能するため、ミラー36から反射された画像は、放物面形状に従って歪むことになる。測定スクリーン38の形状は類似のものであってもよいが、放物面ミラー36から焦点距離を生成して適切な画像を生成する距離に設定された、測定の正しい視野に対して設定されるように計算されたサイズの反対の(凸)形状であってもよい。放物面ミラー36の正確に焦点距離にある距離に、測定スクリーン38が配置されるとき、画像は無限遠に焦点を合わせることになる。測定スクリーン38を放物面ミラー36に近づけることにより、原画像の他の投影距離を取り込むことができる。所望の試験距離に焦点が合わされ、次いで放物面ミラー36に照準を合わせられた投影画像を使用することによって、測定スクリーン38放物面ミラー36間に必要な距離を、較正することができる。次いで、測定スクリーン38は、投影された画像の焦点が合う位置に移動され、ここで、それは、あたかもその試験距離でゴニオフォトメータで測定されたかのように、光度を取り込むように較正されているシステムに対応する。
【0046】
図から明らかなように、測定スクリーン38は好ましくは平面である。しかし、代替的に、測定スクリーンを、放物面ミラーの放物面形状に合わせて湾曲させてもよい。システム設定及び調整は、平面測定スクリーンを使用することによって大幅に単純化されるが、放物面ミラーからの投影画像はここで歪むことになる。最新のマシンビジョン・コンピュータ・ツールを使用することにより、この歪みをソフトウェアで電子的に除去することができる。測定スクリーン距離を較正するために使用される投影画像のサイズを測定し、次いで測定スクリーン上の1ミリメートルあたりの画素数をソフトウェアで決定することが可能である。次に、これを角度あたりの画素に計算することができ、これにより、システムは画素位置あたりの角度位置に基づいて強度値を直接報告することができる。このシステムを較正するための別の独自の技術は、較正されたレーザを有するゴニオフォトメータを使用して、レーザスポットを一次レンズを通して測定スクリーン上に投影することである。ゴニオフォトメータを正確な角度位置に回転させることにより、ソフトウェアはレーザスポットの画像を取り込み、測定スクリーン上の相対画素位置を決定することができる。多くの角度方向をマッピングすることにより、特定の画素位置を実際の角度位置にソフトウェアで再マッピングして関連付けることにより、極端な歪みを除去することができる。
【0047】
測定スクリーンを使用する他の利点には、製造の容易さ、及びシステムの視野を再位置決め又は変更することなく拡大又は縮小できることが挙げられる。放物面ミラー36に投影されているランプ、例えばL2が放物面ミラーの反射方向の平面に垂直である限り、ランプを、放物面ミラー36に近づける又は遠ざけるように移動させることができる。ランプが放物面ミラー36に近いほど、反射される視野は大きくなる。放物面ミラー36及び測定スクリーン38を、システムの所望の必要な視野を取り込むために十分な大きさにすることができる。
【0048】
ミラー36の放物面の性質により、放物面ミラー36の法線位置に対するランプの位置の垂直又は水平のシフトは、ランプに角度変化がない限り、放物面が同じ焦点位置に光を反射するため、測定に影響を与えない。
【0049】
用途のサイズ制約に依存して、1つの放物面ミラー36及び1つの測定スクリーン38よりも多い数を使用して、システムを作成することができる。1つの放物面ミラー36及び1つの平面測定スクリーン38のみの基本例では、システムの視野は、放物面ミラー36及び測定スクリーン38のサイズによって決定される。追加のミラー及び/又はレンズを追加し、画像を方向転換して、かつ/又はサイズ変更して、用途の制約に対応するように装置の方向及びパッケージを変更することができる。
【0050】
放物面であるミラー36の重要性は、放物線の中心でない放物線の仮想領域を選択することにより、軸外反射放物面ミラー36を作成し得ることである。ランプ、例えばL2が、放物面ミラー36の法線軸上で、放物面ミラー36に直接投影される場合、その投影は、ランプL2に直接戻る方向を除いて、放物面ミラー36の焦点距離に焦点を合わせることになる。4フィート(1.22m)の円形の放物面形状とし、放物面ミラー36の下部セクションのスライスのみを使用することによって、投影された画像は、依然としてミラー36の放物面中心に向かって反射されるが、その位置は、放物面ミラー36に投影された光源の上方になる。これにより、測定スクリーン38をランプL2の上方又は下方に配置すること、又は追加の放物面ミラー36を使用して投影画像を用途に好適な位置に方向転換することができる。測定デバイス、この場合カメラ40の位置決めを、投影された光の経路ではなく、スクリーン38の良好な視認性を得るように調整することができる。
【0051】
いくつかの用途では、そのパラメータがシステムの必要性を満たす限り、標準的な球面凹面ミラー36を使用することが、コスト効率的によい場合がある。主な欠点は、画像を軸外に投影することができないため、光源と比較してミラー36及びスクリーン38の位置決めに制限があることである。
【0052】
装置30では、カメラ40とソフトウェアとは相互依存している。カメラ40は、用途の必要性を満たすために、かなりの品質、解像度、及びダイナミックレンジを有する必要がある。サイエンティフィックカメラ又はマシン・ビジョン・カメラは、これらの要件を満たすために使用される可能性が高い。カメラ40用に選択されるレンズは、欠陥がなく、デジタル的又は電子的に較正され得ない口径食又は他の歪みを引き起こさないように十分に大きな開口部及び視野を有するべきである。カメラ40は、その露光速度を正確に制御することができ、自動利得を有さない、あるいは光度測定の量及び/又は色度測定の量を正確に測定するためにカメラを較正する能力を妨げる他のそのような特徴を有さないことが重要である。いくつかの用途では、放物面ミラーではなく平面ミラーを利用してもよく、平面ミラーによって反射された画像をスクリーン38に処理するために、ソフトウェアを使用する。
【0053】
システムの角度較正は、既知の角度値を有するスクリーン38上に画像又は一連の画像を投影することによって実行される。カメラ40は、これら画像の角度値を記録するために使用され、試験中にデータセットを評価するために角度値を使用する。
【0054】
本出願において光度を測定するカメラ40を較正するためには、既知の光源をシステムに投影しなければならない。この基準光源は、好ましくは科学標準であるが、ゴニオフォトメータで以前に測定された、システムが測定するものを代表するランプであってもよい。較正光源は、適切な方向に投影されるべきである。強度較正は、較正された光源をワールドセンター(World Center)の機械開口部の前に位置決めし、較正された電源を使用して光源に電力を供給することによって実行される。次いで、カメラ40は、多数の露光速度で画像を取り込み、それによりシステムが画素値を照度に関連付けることができる。「ワールドセンター」とは、全ての計算が実行される空間内の点を意味する。ユーザがシステムを較正するか又はランプを試験する必要があるとき、ランプは、空間内のこの点にランプの光学中心を位置決めする器具に取り付けられる。この点に光学中心を位置決めすることに加えて、更に固定具は、ランプが水平で、適切な方向に投影されるように、ランプを確実に回転可能に位置決めする。システムが、ミラー36を介して均一な送出を有することが知られており、スクリーン38が均一な拡散反射であり、カメラ40が線形である場合、較正された光源の単一方向の測定値を使用して、システムを較正することができる。高い精度がシステムに要求される場合、較正光源を、多数の角度方向におけるその光度についてマッピングすることができる。次いで、情報をソフトウェアに適用して、同じ較正光源をマッピングすることができる。カメラ40の各画素は、その画素に当たる光の強度に対応するビット値を有することになる。システムは、各画素を空間内の角度位置に関連付けるように較正されているので、各角度位置における較正光源の強度のマップを使用して、画素ビット値あたりの強度について各画素を較正することができる。場合によっては、角度位置に対応するように複数の画素の値を組み合わせるか又は平均化することが有益な場合がある。これは、同じ方法で較正されることになるが、光源の対応する角度位置の強度は、結合し/平均化され、その角度位置の画素ビット値に適用される。
【0055】
図7を参照すると、ミラー36は、放物線の一部のみの形状になるように切断されている。これにより、放物面ミラー36は「軸外」放物面ミラーとして機能することができ、したがって、ランプL3から、反射された光は放物面の仮想光学焦点に戻り、それにより、測定スクリーン38を、試験中のランプL3の光路から移動させることができる。
【0056】
ランプの光学中心が、較正されたワールドセンターに対応するように、データ収集は、機械の開口部の前にランプを正確に位置決めすることによって実現される。ソフトウェアで事前定義された試験が、実行される。事前定義された試験は、ユーザによって作成されたスクリプトであり、それは、ランプに電力を供給して、ランプを安定化/ウォームアップするために必要な待機時間を制御するようにシステムに指示し、かつ任意の計算及び同様の機能を実行するためにサブ試験する。事前定義された試験はまた、光強度を記録し、システム較正に基づいて、角度及び強度データを計算する。結果は、ユーザ供給の基準に基づいて評価され、サブ試験ごとに全体的な合格/不合格採点及び合格/不合格評価と共に表示される。試験結果により、ユーザは、輝度及び角度データを含む、レポート及び/又は業界標準*.IESファイルを生成することができる。即時使用に加えて、データはアーカイブされ、将来使用されてもよい。
【0057】
自動利得を使用せずに露光速度を制御することの重要性は、ほとんどのCCDカメラのダイナミックレンジが、1つの設定された露光速度で様々な光源のパターンを取り込むために十分ではないことである。カメラ40のレンズの絞りを調整することは望ましくなく、これは、較正が困難な機械的方法で光の強度に影響を及ぼす。中性密度(neutral density:ND)フィルタを使用して、明るい光源を減衰させることはできるが、複数の画像を組み合わせて1つの画像を作成しつつ、フィルタ位置を場合によっては複数回変更しなければならないため、システムは極めて遅くなる。新規のカメラによってマイクロ秒まで極めて正確に制御される露光速度を調整することにより、異なる露光速度で複数の露光を取得し、極めて迅速に組み合わせて、高いダイナミックレンジ画像を生成することができる。この技術は、ほとんどのスマートフォンやカメラにおいてHDRモード(ハイダイナミック・レンジ・モード)として今日一般的である。しかしながら、露光速度を正確に制御することによって、較正光源の画素ビットレベルと試験中のランプとを相関することができる。特定の画素又は画素グループの光強度が特定の閾値を下回る場合、露光時間を長くし、したがって多くの光を集めることができる。測定された較正光源の画素ビットレベルを特定の露光速度で相関させ、次いで異なる露光速度の補正係数を生成することによって、補正光度を計算することができる。一例として、較正光源が100カンデラであることが知られていて、画素ビット値が100マイクロ秒の露光速度で32000である場合、測定中の未知のランプは、同じ32000画素ビット値を達成するために、200マイクロ秒の露光速度を必要とし、対応する光出力は50カンデラである。この場合、選択されるカメラ40は、各画素に当たる強度あたりの線形画素ビット値出力を有する品質でなければならない。
【0058】
本発明による、光源の遠距離場光度及び色特性を測定する装置及び方法を、特定の実施形態及び実施例を参照して説明している。本発明の様々な詳細は、本発明の範囲から逸脱することなく変更する場合がある。更に、本発明の好ましい実施形態、及び本発明を実施するための最良の形態の前述の説明は、限定の目的ではなく例示のみを目的として提供され、本発明は特許請求の範囲によって定義される。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源の遠距離場光度及び色特性を測定する装置であって、
a.試験用のランプを収容するランプ試験位置と、
b.前記ランプ試験位置に対して固定された受光位置に位置決めされ、かつ該受光位置に対して所定の角度で前記ランプからの光ビームを反射させるために固定された光送出位置に位置決めされたミラーと、
c.前記ミラーから前記所定の角度で反射された前記放物面集光画像を受光するように、前記ミラーに対する位置に位置決めされた測定スクリーンと、
d.前記測定スクリーンから反射された光画像を取り込むように位置決めされたカメラであって、前記測定スクリーン上の前記反射された光画像をデジタル信号に変換して、該デジタル信号を出力するように構成された、カメラと、
e.前記反射された光画像に対応し、前記コンピュータにプログラムされたアルゴリズムに従って光度を測定するために較正された前記デジタル信号を、受信及び処理するように構成された光検出器と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記光検出器から出力された前記デジタル信号を受信するゴニオメータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ランプ試験位置が、前記ミラーに近接するフレーム上に位置決めされたランプ支持部を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ランプ試験位置が、前記ミラー及び前記測定スクリーンから物理的に分離した位置を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ミラーが、前記ランプからの放物面集光ビームを、前記受光位置に対して所定の角度で前記測定スクリーン上に反射するために、固定された光送出位置に位置決めされた放物反射面を有するミラーを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ランプ試験位置が、前記ミラー上に光を投影するために、前記ミラーに近接する位置に位置決めされた車両を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ミラーが、前記測定スクリーンに対して斜めの角度に位置決めされた、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記光ビームが前記ミラーに送出される前記角度によって画定される水平面に対して、前記ミラーが、66度の角度で位置決めされた、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記測定スクリーンが、前記ミラーに対して垂直方向に位置決めされた、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記測定スクリーンが、前記ミラーに対して斜めの角度に位置決めされた、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記光ビームが前記ミラーに送出される前記角度によって画定される前記水平面に対して、前記ミラー及び前記測定スクリーンがそれぞれ、斜めの角度に位置決めされた、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記装置が、前記ランプに対して移動するように取り付けられた、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
光源の遠距離場光度及び色特性を測定する装置であって、
a.試験用のランプを収容するランプ試験位置と、
b.前記ランプ試験位置に対して固定された受光位置に位置決めされ、かつ該受光位置に対して所定の角度で前記ランプからの光ビームを反射させるために固定された光送出位置に位置決めされた放物反射性面を有するミラーと、
c.前記ミラーから前記所定の角度で反射された前記放物面集光画像を受光する位置に位置決めされた第1の測定スクリーンと、
d.前記第1の測定スクリーンによって受光された前記光画像を受光する位置に位置決めされた第2の測定スクリーンと、
e.前記第2の測定スクリーンから反射された光画像を取り込むように位置決めされたカメラであって、前記第2の測定スクリーン上の前記反射された光画像をデジタル信号に変換して、該デジタル信号を出力するように構成された、カメラと、
f.コンピュータであって、前記反射された光画像に対応し、かつ、前記コンピュータにプログラムされたアルゴリズムに従って光度を測定するために較正された前記デジタル信号を、受信及び処理するように構成された、コンピュータと、
を備える装置。
【請求項14】
前記第1の測定スクリーンが、前記光ビームが前記ミラーに送出される前記角度によって画定される前記水平面に対して、斜めの角度で位置決めされた、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の測定スクリーンが、前記光ビームが前記ミラーに送出される前記角度によって画定される前記水平面に対して垂直方向に位置決めされ、前記第2の測定スクリーンが、前記光ビームが前記ミラーに送出される前記角度によって画定される前記水平面に対して垂直方向で、前記第1の測定スクリーンの前記方向に平行に位置決めされた、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
光源の遠距離場光度及び色特性を測定する方法であって、
a.試験位置において試験されるランプを位置決めするステップと、
b.前記ランプ試験位置に対して固定された受光位置に位置決めされ、かつ固定された光反射位置に位置決めされたミラーに、前記ランプからの集光ビームを投影するステップと、
c.前記ミラーからの前記集光ビームを測定スクリーン上に反射するステップと、
d.前記測定スクリーンから反射された前記光画像を検出するステップと、
e.前記測定スクリーン上の前記光画像をデジタル信号に変換するステップと、
f.前記デジタル信号をコンピュータに出力するステップと、
g.前記反射された光画像に対応し、前記コンピュータにプログラムされたアルゴリズムに従って光度を測定するために較正された前記デジタル信号を処理するステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
a.すべての計算が実行される空間内の較正点に対応する前記ランプの光学中心を用いて、前記ミラーの前に前記ランプを位置決めするステップと、
b.投影された光ビームを生成するために前記ランプに電力を供給するステップと、
c.前記ランプの光出力を安定化するステップと、
d.所定の合格/不合格基準及び前記アルゴリズムの一部として定義された強度データシステム較正に基づいて、光輝度及び光角度を決定するステップと、
を含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
a.前記ミラーからの光送出値、前記測定スクリーンからの拡散反射光値、及び前記測定スクリーンからの光画像検出の線形値を決定するステップと、
b.前記ミラーからの前記送出値、前記測定スクリーンからの前記拡散反射光値、及び前記測定スクリーンからの光画像検出の前記線形値を処理して、前記ランプの単一方向の輝度値を決定するステップと、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
複数の角度方向における光度について、ランプをマッピングするステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
a.前記測定スクリーンから反射された前記光画像を検出するために、画素のアレイによって画定された検出器を有するデジタルカメラを提供するステップであって、前記カメラの各画素が、前記画素のアレイ内の各画素に当たる前記光の強度に対応するビット値を有する、提供するステップと、
b.前記画素アレイの各画素を空間内の角度位置に関連付けるステップと、
c.各角度位置における前記ランプの強度をマッピングして、各画素を較正し、画素ごとに画素ビット値あたりの強度を定義するステップと、
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
所定の角度ランプ位置に対応するために、画素ビット値あたりの前記強度を平均するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ランプに対して移動するように前記ミラーを取り付けるステップを含む、請求項16に記載の方法。
【国際調査報告】