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特表2022-549053防爆弁、バッテリー及び電力消費装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】防爆弁、バッテリー及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/317 20210101AFI20221116BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20221116BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20221116BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20221116BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20221116BHJP
   H01M 50/333 20210101ALI20221116BHJP
   F16K 15/14 20060101ALI20221116BHJP
   F16K 15/08 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
H01M50/317 201
H01M50/209
H01M50/211
H01M50/213
H01M50/202 501S
H01M50/202 501P
H01M50/202 501C
H01M50/333
F16K15/14 C
F16K15/14 D
F16K15/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500103
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(85)【翻訳文提出日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 CN2021092835
(87)【国際公開番号】W WO2022041837
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】202010901521.X
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲徳▼▲財▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 自▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 浪超
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 彬彬
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】季 ▲進▼清
【テーマコード(参考)】
3H058
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
3H058AA02
3H058AA13
3H058BB04
3H058CC01
3H058CD29
3H058EE05
3H058EE12
5H012AA01
5H012AA03
5H012AA07
5H012BB08
5H012DD01
5H040AA37
5H040AS04
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY04
5H040AY06
(57)【要約】
本願の実施例は防爆弁、バッテリー及び電力消費装置を提供し、防爆弁の技術分野に属する。防爆弁は、本体と、通気膜と、ガスバリア構造とを備え、本体には通気通路が開設され、通気膜は通気通路の一端に設けられ、通気通路でのガス流通を維持することに用いられ、ガスバリア構造は通気通路の他端に設けられ、ガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスが取られている場合、ガスバリア構造は通気通路を閉じるように構成され、ガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスが取られていない場合、ガスバリア構造は通気通路を開いて、ガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスを実現するように構成される。該防爆弁は、バッテリーに適用でき、バッテリーの内外に圧力差が生じる場合、バッテリーの内外気圧のバランスを実現することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防爆弁であって、
通気通路が開設される本体と、
前記通気通路の一端に設けられ、前記通気通路でのガス流通を維持するための通気膜と、
ガスバリア構造であって、前記通気通路の他端に設けられ、前記ガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスが取られている場合、前記ガスバリア構造は前記通気通路を閉じるように構成され、前記ガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスが取られていない場合、前記ガスバリア構造は前記通気通路を開いて、前記ガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスを実現するように構成されるガスバリア構造と、
を備える防爆弁。
【請求項2】
前記ガスバリア構造は第1バリア部材及び第2バリア部材を備え、
前記ガスバリア構造の内側気圧が外側気圧よりも大きい場合、前記第1バリア部材は外側に向かって一方向に開くことができるように構成され、
前記ガスバリア構造の外側気圧が内側気圧よりも大きい場合、前記第2バリア部材は内側に向かって一方向に開くことができるように構成され、
前記ガスバリア構造の外側気圧と内側気圧のバランスが取られている場合、前記第1バリア部材と前記第2バリア部材は前記通気通路を共同で閉じるように構成される請求項1に記載の防爆弁。
【請求項3】
前記ガスバリア構造は基体をさらに備え、前記基体には第1貫通孔及び第2貫通孔が開設され、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔はいずれも前記通気通路と連通し、
前記ガスバリア構造の内側気圧が外側気圧よりも大きい場合、前記第1バリア部材は前記第1貫通孔を開くように構成され、
前記ガスバリア構造の外側気圧が内側気圧よりも大きい場合、前記第2バリア部材は前記第2貫通孔を開くように構成され、
前記ガスバリア構造の外側気圧と内側気圧のバランスが取られている場合、前記第1バリア部材は前記第1貫通孔を閉じ、前記第2バリア部材は前記第2貫通孔を閉じる請求項2に記載の防爆弁。
【請求項4】
前記第1バリア部材及び前記第2バリア部材はそれぞれ前記基体の対向する両側に設けられ、前記第1バリア部材は前記第1貫通孔を遮蔽し、且つ前記第2貫通孔を露出することができるように構成され、前記第2バリア部材は前記第2貫通孔を遮蔽し、且つ前記第1貫通孔を露出することができるように構成される請求項3に記載の防爆弁。
【請求項5】
前記第1バリア部材及び前記第2バリア部材はいずれもバルブ構造である請求項4に記載の防爆弁。
【請求項6】
前記第2バリア部材の厚さは前記第1バリア部材の厚さよりも大きい請求項5に記載の防爆弁。
【請求項7】
前記第1バリア部材は接続された第1固定部及び第1開閉部を備え、前記第2バリア部材は接続された第2固定部及び第2開閉部を備え、前記第1固定部及び前記第2固定部はいずれも前記基体に固定され、
前記ガスバリア構造の外側気圧と内側気圧のバランスが取られている場合、前記第1開閉部及び前記第2開閉部はいずれも前記基体に密着され、前記第1開閉部は前記第1貫通孔を遮蔽し、前記第2開閉部は前記第2貫通孔を遮蔽し、
前記ガスバリア構造の内側気圧が外側気圧よりも大きい場合、前記第1開閉部は前記基体から分離されて前記第1貫通孔を開き、
前記ガスバリア構造の外側気圧が内側気圧よりも大きい場合、前記第2開閉部は前記基体から分離されて前記第2貫通孔を開く請求項5に記載の防爆弁。
【請求項8】
前記第1固定部は少なくとも2つの固定点を介して前記基体に固定され、及び/又は、前記第2固定部は少なくとも2つの固定点を介して前記基体に固定される請求項7に記載の防爆弁。
【請求項9】
前記ガスバリア構造は2つのリベットをさらに備え、前記2つのリベットはいずれも前記第1固定部、前記基体、前記第2固定部を貫通して、前記第1バリア部材、前記第2バリア部材及び前記基体の固定を実現することに用いられる請求項8に記載の防爆弁。
【請求項10】
前記第1貫通孔の断面積は前記第2貫通孔の断面積よりも大きい請求項3~7のいずれか1項に記載の防爆弁。
【請求項11】
前記基体は前記通気通路に固定して接続される請求項3~10のいずれか1項に記載の防爆弁。
【請求項12】
前記本体は弁体及び弁コアを備え、前記弁コアは前記弁体に移動可能に取り付けることに用いられ、前記通気通路は前記弁コアに開設され、前記通気膜及び前記ガスバリア構造はいずれも前記弁コアに固定される請求項1~11のいずれか1項に記載の防爆弁。
【請求項13】
前記弁体には案内孔及び排気口が開設され、前記弁コアはピストン及び案内ポストを備え、前記案内ポストは、一端が前記ピストンに接続され、他端が前記案内孔内を移動可能に穿設することに用いられ、前記ピストンは前記弁体に当接することに用いられ、前記排気口を覆い、前記通気通路は前記案内ポスト及び前記ピストンを貫通する請求項12に記載の防爆弁。
【請求項14】
前記本体は弁体及び弁コアを備え、前記弁コアは前記弁体に移動可能に取り付けることに用いられ、前記通気通路は互いに連通する第1部分及び第2部分を備え、前記第1部分は前記弁体に開設され、前記第2部分は前記弁コアに開設され、前記通気膜は前記弁コア又は前記弁体に固定され、前記ガスバリア構造は前記弁コア又は前記弁体に固定される請求項1~11のいずれか1項に記載の防爆弁。
【請求項15】
前記通気通路は対向する外端及び内端を有し、前記通気膜は前記通気通路の外端に設けられ、前記ガスバリア構造は前記通気通路の内端に設けられる請求項1~14のいずれか1項に記載の防爆弁。
【請求項16】
バッテリーであって、筐体と、バッテリーユニットと、請求項1~15のいずれか1項に記載の防爆弁とを備え、前記バッテリーユニットは前記筐体内に設けられ、前記防爆弁は前記筐体に設けられるバッテリー。
【請求項17】
請求項16に記載のバッテリーを備える電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年08月31日に提出された、名称が「防爆弁、バッテリー及び電力消費装置」である中国特許出願CN202010901521.Xの優先権を主張し、当該出願の全内容は援用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は防爆弁の技術分野に関し、特に防爆弁、バッテリー及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0003】
駆動用バッテリーの分野では、バッテリー自体の発熱、冷却及び外部環境温度の変化により、バッテリーの内外に圧力差が生じ、その結果、呼吸効果が発生し、バッテリーのシール性能に悪影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の目的は、バッテリーの内外に圧力差が生じる場合、バッテリーの内外気圧のバランスを実現できる、バッテリーに適用できる防爆弁を提供することである。
【0005】
本願の他の目的は、寿命を延ばすことができるバッテリーを提供することである。
【0006】
本願のさらに他の目的は、寿命の長い電力消費装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、下記技術案により実現される。
【0008】
一態様では、本願の実施例は防爆弁を提供し、
通気通路が開設される本体と、
通気通路の一端に設けられ、通気通路でのガス流通を維持するための通気膜と、
ガスバリア構造であって、通気通路の他端に設けられ、ガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスが取られている場合、ガスバリア構造は通気通路を閉じるように構成され、ガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスが取られていない場合、ガスバリア構造は通気通路を開いて、ガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスを実現するように構成されるガスバリア構造と、を備える。
【0009】
本願の実施例に係る防爆弁によれば、ガスバリア構造が設けられ、ガスバリア構造の両側の気圧のバランスが取られていない場合にのみ、ガスバリア構造は通気通路を開いて通気通路でのガス流通を実現し、バランスが取られている場合、通気通路を開くことがないことで、水蒸気が通気膜を透過して密閉チャンバの内部に連続的に入ることを防止し、密閉チャンバ内に入る水蒸気を効果的に低減させ、これによりチャンバ内の凝縮水の蓄積を低減させることができる。
【0010】
本願の一実施形態では、ガスバリア構造は第1バリア部材及び第2バリア部材を備え、ガスバリア構造の内側気圧が外側気圧よりも大きい場合、第1バリア部材は外側に向かって一方向に開くことができるように構成され、ガスバリア構造の外側気圧が内側気圧よりも大きい場合、第2バリア部材は内側に向かって一方向に開くことができるように構成され、ガスバリア構造の外側気圧と内側気圧のバランスが取られている場合、第1バリア部材と第2バリア部材は通気通路を共同で閉じるように構成される。
【0011】
上記実施形態では、ガスバリア構造の内外側気圧の異なりによって、第1バリア部材及び第2バリア部材はそれぞれ動作して通気通路の開閉を実現し、これによりガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスを確保する。
【0012】
本願の一実施形態では、ガスバリア構造は基体をさらに備え、基体には第1貫通孔及び第2貫通孔が開設され、第1貫通孔及び第2貫通孔はいずれも通気通路と連通し、ガスバリア構造の内側気圧が外側気圧よりも大きい場合、第1バリア部材は第1貫通孔を開くように構成され、ガスバリア構造の外側気圧が内側気圧よりも大きい場合、第2バリア部材は第2貫通孔を開くように構成され、ガスバリア構造の外側気圧と内側気圧のバランスが取られている場合、第1バリア部材は第1貫通孔を閉じ、第2バリア部材は第2貫通孔を閉じる。
【0013】
上記実施形態では、第1バリア部材と第1貫通孔の嵌合、第2バリア部材と第2貫通孔の嵌合により、ガスバリア構造の内外両側の気圧差に基づき、対応する貫通孔を開閉して、ガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスを実現することができる。
【0014】
本願の一実施形態では、第1バリア部材及び第2バリア部材はそれぞれ基体の対向する両側に設けられ、第1バリア部材は第1貫通孔を遮蔽し、且つ第2貫通孔を露出することができるように構成され、第2バリア部材は第2貫通孔を遮蔽し、且つ第1貫通孔を露出することができるように構成される。
【0015】
上記実施形態では、第1バリア部材及び第2バリア部材はそれぞれ基体の対向する両側に設けられ、第1バリア部材によって第1貫通孔を遮蔽し且つ第2貫通孔を露出することができ、第2バリア部材によって第2貫通孔を遮蔽し且つ第1貫通孔を露出することができ、ガスバリア構造の内側気圧が外側気圧よりも大きい場合、第1バリア部材は第1貫通孔を開き、第2バリア部材は第2貫通孔を遮蔽でき、これによりガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスが取られるまで、ガスをガスバリア構造の内側から外側に向かって流動させ、一方、ガスバリア構造の外側気圧が内側気圧よりも大きい場合、第2バリア部材は第2貫通孔を開き、第1バリア部材は第1貫通孔を遮蔽でき、これによりガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスが取られるまで、ガスをガスバリア構造の外側から内側に向かって流動させる。ガスバリア構造の外側気圧と内側気圧のバランスが取られている場合、第1バリア部材は第1貫通孔を遮蔽し、第2バリア部材は第2貫通孔を遮蔽する。
【0016】
本願の一実施形態では、第1バリア部材及び第2バリア部材はいずれもバルブ構造である。
【0017】
上記実施形態では、バルブ構造の第1バリア部材及び第2バリア部材は、気圧の変化に伴って容易に開くことができ、これによりガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスを実現する。
【0018】
本願の一実施形態では、第2バリア部材の厚さは第1バリア部材の厚さよりも大きい。
【0019】
上記実施形態では、第2バリア部材はガスバリア構造の外側気圧が内側気圧よりも大きい場合に第2貫通孔を開くことに用いられるため、第2バリア部材の厚さが第1バリア部材の厚さよりも大きい場合、第2バリア部材は第1バリア部材よりも開くことが困難になり、すなわち、外側ガスがガスバリア構造の内側に入ることはより困難になり、水蒸気がガスバリア構造の内側に入りやすいことを回避し、ガスバリア構造の内側の凝縮水の蓄積を低減させる。
【0020】
本願の一実施形態では、第1バリア部材は接続された第1固定部及び第1開閉部を備え、第2バリア部材は接続された第2固定部及び第2開閉部を備え、第1固定部及び第2固定部はいずれも基体に固定され、ガスバリア構造の外側気圧と内側気圧のバランスが取られている場合、第1開閉部及び第2開閉部はいずれも基体に密着され、第1開閉部は第1貫通孔を遮蔽し、第2開閉部は第2貫通孔を遮蔽し、ガスバリア構造の内側気圧が外側気圧よりも大きい場合、第1開閉部は基体から分離されて第1貫通孔を開き、ガスバリア構造の外側気圧が内側気圧よりも大きい場合、第2開閉部は基体から分離されて第2貫通孔を開く。
【0021】
上記実施形態では、第1固定部及び第2固定部はいずれも基体に固定され、ガスバリア構造の内外両側の気圧差に基づき、第1開閉部及び第2開閉部は対応して基体に密着され又は分離され、これにより対応する貫通孔の開き又は遮蔽を実現し、さらにガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスを実現する。
【0022】
本願の一実施形態では、第1固定部は少なくとも2つの固定点を介して基体に固定され、及び/又は、第2固定部は少なくとも2つの固定点を介して基体に固定される。
【0023】
上記実施形態では、第1固定部及び第2固定部はそれぞれ少なくとも2つの固定点を介して基体に固定され、第1バリア部材及び第2バリア部材が対応する貫通孔を開くときに基体に対して回転しないことを確保する。
【0024】
本願の一実施形態では、ガスバリア構造は2つのリベットをさらに備え、2つのリベットはいずれも第1固定部、基体、第2固定部を貫通して、第1バリア部材、第2バリア部材及び基体の固定を実現することに用いられる。
【0025】
上記実施形態では、2つのリベットを介して第1固定部、基体及び第2固定部の固定を実現し、これによりガスバリア構造全体がコンパクトになり、取り付けスペースを節約する。
【0026】
本願の一実施形態では、第1貫通孔の断面積は第2貫通孔の断面積よりも大きい。
【0027】
上記実施形態では、第1貫通孔の断面積は第2貫通孔の断面積よりも大きく、これによりガスバリア構造の内側のガスがガスバリア構造の外側に流出することが容易になる。
【0028】
本願の一実施形態では、基体は通気通路に固定して接続される。
【0029】
上記実施形態では、基体は通気通路に固定されることで、ガスバリア構造が内外両側の気圧差に基づいて通気通路に対して移動することを防止し、これによりガスバリア構造の内外両側の気圧のバランスを実現できる。
【0030】
本願の一実施形態では、本体は弁体及び弁コアを備え、弁コアは弁体に移動可能に取り付けることに用いられ、通気通路は弁コアに開設され、通気膜及びガスバリア構造はいずれも弁コアに固定される。
【0031】
上記実施形態では、弁コアは弁体に移動可能に取り付けることに用いられ、通気通路は弁コアに開設され、通気膜及びガスバリア構造はいずれも弁コアに固定され、これにより通気膜及びガスバリア構造の取り付け位置決めを実現する。
【0032】
本願の一実施形態では、弁体には案内孔及び排気口が開設され、弁コアはピストン及び案内ポストを備え、案内ポストは、一端がピストンに接続され、他端が案内孔内を移動可能に穿設することに用いられ、ピストンは弁体に当接することに用いられ、排気口を覆い、通気通路は案内ポスト及びピストンを貫通する。
【0033】
上記実施形態では、通気通路は案内ポスト及びピストンを貫通することで、通気膜及びガスバリア構造の取り付けが容易になる。
【0034】
本願の一実施形態では、本体は弁体及び弁コアを備え、弁コアは弁体に移動可能に取り付けることに用いられ、通気通路は互いに連通する第1部分及び第2部分を備え、第1部分は弁体に開設され、第2部分は弁コアに開設され、通気膜は弁コア又は弁体に固定され、ガスバリア構造は弁コア又は弁体に固定される。
【0035】
上記実施形態では、通気膜及びガスバリア構造は異なる取り付け位置を有し、通気膜及びガスバリア構造が通気通路の両端に位置することを実現すればよい。
【0036】
本願の一実施形態では、通気通路は対向する外端及び内端を有し、通気膜は通気通路の外端に設けられ、ガスバリア構造は通気通路の内端に設けられる。
【0037】
上記実施形態では、通気膜は通気通路の外端に設けられ、ガスバリア構造は通気通路の内端に設けられることで、外部のほこりや水を通気通路の外端に遮断することが容易になる。
【0038】
別の態様では、本願の実施例はバッテリーを提供し、筐体と、バッテリーユニットと、上記防爆弁とを備え、バッテリーユニットは筐体内に設けられ、防爆弁は筐体に設けられる。
【0039】
さらに別の態様では、本願の実施例は電力消費装置を提供し、上記バッテリーを備える。
【0040】
本願の付加的観点及び利点は、以下の説明に部分的に示されており、一部は以下の説明から明らかになる、又は本願の実践により理解できるようになる。
【0041】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、本願の実施例で使用される図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者が、創造的な労働を必要とせずに、図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本願に係る車両の一実施例の構造模式図である。
図2】本願に係るバッテリーの一実施例の構造模式図である。
図3】本願に係る防爆弁の一実施例の構造概略図である。
図4】本願に係る防爆弁の別の実施例の構造概略図である。
図5】本願に係る防爆弁のガスバリア構造の一実施例の構造模式図である。
図6】本願に係る防爆弁のガスバリア構造の別の実施例の構造模式図である。
図7】本願に係る防爆弁のガスバリア構造のさらに別の実施例の構造模式図である。
図8】本願に係る防爆弁のガスバリア構造のまたさらに別の実施例の構造模式図である。
図9】本願に係る防爆弁のガスバリア構造のまたさらに別の実施例の分解図である。
図10】本願に係る防爆弁の本体の一実施例の断面図である。
図11】本願に係る防爆弁の本体の別の実施例の断面図である。
図12】本願に係る防爆弁の本体の別の実施例の軸測分解図である。
図13】本願に係る防爆弁の本体のまたさらに別の実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
符号の簡単な説明
100-防爆弁、10-本体、11-通気通路、111-第1部分、112-第2部分、12a、12b-弁体、121-案内孔、122-排気口、13a、13b-弁コア、131-ピストン、132-案内ポスト、14a、14b-ばね、15-弁キャップ、151-貫通孔、30-通気膜、50-ガスバリア構造、501-開閉ギャップ、51a、51b、51c-第1バリア部材、511-第1固定部、512-第1開閉部、52a、52b、52c-第2バリア部材、521-第2固定部、522-第2開閉部、53b、53c-基体、531b、531c-第1貫通孔、532b、532c-第2貫通孔、54a、54b-第1弾性部材、55a、55b-第1制限部材、56a、56b-第2弾性部材、57a、57b-第2制限部材、58-固定点、800-バッテリー、81-筐体、900-車両、91-コントローラ、92-モータ。
【0044】
本願の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例の技術案を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は本願の実施例の一部であり、実施例の全部ではない。通常、ここで図面に説明及び示される本願の実施例のユニットは、様々な構成に応じて配置及び設計され得る。
【0045】
従って、以下、図面で提供されている本願の実施例の詳細な説明は、本願の請求の範囲を限定するものではなく、本願の選択された実施例を示すためのものに過ぎない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的労働を必要とせずに得る全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0046】
なお、類似した符号及び文字は、以下の図面で類似した項目を示すため、1つの図面で特定の項目を定義すると、後続の図面でそれをさらに定義して解釈する必要がない。
【0047】
本願の説明では、「第1」、「第2」などの用語は、区別や説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示するものではないと理解すべきである。さらに説明する必要があるように、特に明確に規定及び限定されない限り、「設置」、「接続」という用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介した間接的接続であってもよく、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0048】
以下の説明に現れる方位詞はいずれも図示される方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。本願の説明では、さらに説明する必要があるように、特に明確に規定及び限定されない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」という用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介した間接的接続であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0049】
図1は、本願の一実施例に係る車両900の概略模式図である。車両900は、燃料車、LPG車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。図1に示すように、車両900の内部にバッテリー800が設けられてもよく、例えば、車両900の底部又は前部又は尾部にバッテリー800が設けられてもよい。バッテリー800は車両900への給電に用いられ、例えば、バッテリー800は車両900の操作電源として機能できる。また、車両900は、コントローラ91と、モータ92とをさらに備えてもよい。コントローラ91はバッテリー800がモータ92に給電するように制御することに用いられ、例えば、車両900の始動、ナビゲーション及び走行時の動作電力需要に用いられる。本願の別の実施例では、バッテリー800は車両900の操作電源として機能できるだけでなく、車両900の駆動電源として機能でき、燃料又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両900に駆動動力を提供する。以下で言及されているバッテリー800は複数のセルを備えるバッテリーパックとして理解することもできる。
【0050】
本願の実施例に係るバッテリー800は、1つ又は複数のセルを備えることにより、より高い電圧及び容量を提供する単一の物理モジュールを指す。例えば、本願に係るバッテリー800は、バッテリーモジュール又はバッテリーパックなどを備えてもよい。セルは、正極極板と、負極極板と、電解液と、セパレータとを備え、バッテリーモジュール及びバッテリーパックを構成する基本的な構造ユニットである。セルは、一般的に包装方式に応じて、円筒形セル、角形セル及びソフトパックセルの3種類に分けられる。
【0051】
複数のセルは、電極端子を介して直列接続及び/又は並列接続されて様々な応用シナリオに適用され得る。電気自動車などのいくつかの大電流応用シナリオでは、バッテリー800の応用には、セル、バッテリーモジュール及びバッテリーパックの3つのレベルが含まれる。バッテリーモジュールは、外部からの衝撃、熱、振動などからセルを保護するために、所定数のセルを電気的に接続して1つの枠組に配置することにより形成される。バッテリーパックは、電気自動車に組み込まれたバッテリーシステムの最終状態である。現在のバッテリーパックの大部分は、1つ又は複数のバッテリーモジュールにバッテリー管理システム、熱管理部材などの様々な制御及び保護システムを組み立てることにより作られる。技術の発展に伴って、バッテリーモジュールというレベルを省略でき、すなわち、バッテリーパックはセルで直接形成される。この改良は、バッテリーシステムの重量エネルギー密度、体積エネルギー密度を向上させるとともに、部品の数を大幅に減らすことができる。本願に係るバッテリーは、バッテリーモジュール又はバッテリーパックを備える。
【0052】
従来技術におけるバッテリーに必要な通気性の問題及び他の潜在的な問題を解決又は少なくとも部分的に解決するために、本願の発明者はバッテリー800を提供し、図2に示すように、該バッテリー800は、筐体81と、バッテリーユニット(未図示)と、防爆弁100とを備え、バッテリーユニットは筐体81内に設けられ、防爆弁100は筐体81に設けられる。筐体81の内部及び/又は外部の気圧が変化すると、防爆弁100が開かれて、筐体81の内部と外部の気圧のバランスを取り、これにより筐体81の内部と外部の気圧のバランスが取られ、筐体81の通気を実現することができる。理解できるように、本願の実施例で説明されるバッテリーは、例えば、携帯電話、ポータブルデバイス、ノートパソコン、電気自転車、電気自動車、船舶、宇宙機、電気玩具及び電動工具などのバッテリーを使用する様々な装置に適用でき、例えば、宇宙機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含み、電気玩具は、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電気船舶玩具及び電気飛行機玩具などの固定又は可動電気玩具を含み、電動工具は、金属切削電動工具、研削電動工具、組立電動工具及び鉄道用電動工具を含み、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバー、電動ハンマー、インパクトドリル、コンクリートバイブレーター及び電動プレーナーが挙げられる。
【0053】
本願の実施例で説明されるバッテリーは、上記説明される電力消費装置に適用できるだけでなく、バッテリーを使用する全ての装置に適用できる。
【0054】
本願の実施例は防爆弁を提供し、該防爆弁は密閉チャンバに設けられ、密閉チャンバの内部と外部の気圧のバランスを取ることに用いられる。本願の実施例では、密閉チャンバについて、バッテリーの筐体を例として説明する。
【0055】
以下、説明の便宜上、密閉チャンバの内部に近い側を「内側」とし、密閉チャンバの内部から離れた側を「外側」として定義し、図面では文字Iは「内側」を表し、文字Oは「外側」を表す。
【0056】
図3及び図4は、防爆弁100の構造概略図である。防爆弁100は、本体10と、通気膜30と、ガスバリア構造50とを備える。本体10には通気通路11が開設され、密閉チャンバの内部と外部は通気通路11を介してガス連通を実現する。通気膜30は通気通路11の一端に設けられ、ガスバリア構造50は通気通路11の他端に設けられる。通気膜30は通気通路11でのガス流通を維持することに用いられ、通気膜30はほこりや水を遮断できるが、水蒸気を遮断できない。
【0057】
説明する必要があるように、上記「通気膜は通気通路の一端に設けられ、ガスバリア構造は通気通路の他端に設けられる」は、通気膜とガスバリア構造が通気通路の延在方向に沿って間隔を置いて設けられることのみを意味し、通気膜とガスバリア構造が通気通路の2つの端面に近い位置に設けられる必要があることに限定されない。理解されるように、通気膜及び/又はガスバリア構造は通気通路の内部に設けられてもよい。
【0058】
本願の実施例では、ガスバリア構造50の内外両側の気圧のバランスが取られている場合、ガスバリア構造50は通気通路11を閉じるように構成され、ガスバリア構造50の内外両側の気圧のバランスが取られていない場合、ガスバリア構造50は通気通路11を開いて、ガスバリア構造50の内外両側の気圧のバランスを実現するように構成される。ガスバリア構造50が設けられ、ガスバリア構造50の両側の気圧のバランスが取られていない場合にのみ、ガスバリア構造50は通気通路11を開き、バランスが取られている場合に通気通路11を閉じることで、水蒸気が通気膜30を透過して密閉チャンバの内部に連続的に入ることを防止し、密閉チャンバ内に入る水蒸気を効果的に低減させ、これにより密閉チャンバ内の凝縮水の蓄積を低減させ、該防爆弁100を用いたバッテリーの筐体内の電気素子の寿命を延ばすことができる。
【0059】
本願のガスバリア構造50は任意の適切な構造を有してもよく、上記ガスバリア機能を実現すればよい。
【0060】
一実施例では、図5に示すように、ガスバリア構造50は弾性材料で形成される膜であってもよく、膜の外縁が通気通路11に固定され(図3及び図4に示される)、膜上に開閉ギャップ501が開設され、内外両側の気圧のバランスが取られている場合、開閉ギャップ501を閉じ、膜の両側のガスが流通できず、内外両側の気圧のバランスが取られていない場合、開閉ギャップ501を開いてガスを通過させる。
【0061】
さらに、開閉ギャップ501は膜の中心位置に設けられることで、膜の受ける力を均一にし、膜の寿命を延ばすことができる。
【0062】
開閉ギャップ501の数は1つであってもよく、複数であってもよい。一実施例では、開閉ギャップ501は2つがあり、2つの開閉ギャップ501は十字状に交差し、開閉時のガスの通過量を確保し、ガス流量が大きすぎて膜を破裂させることを回避することができる。
【0063】
一実施例では、図6に示すように、ガスバリア構造50は第1バリア部材51a、第2バリア部材52a、第1弾性部材54a、及び第2弾性部材56aを備え、第1バリア部材51aは、一端が通気通路11に接続され、他端が自由端であり、第1弾性部材54aは第1バリア部材51aを初期位置に維持することに用いられ、第2バリア部材52aは、一端が通気通路11に接続され、他端が自由端であり、第2弾性部材56aは第2バリア部材52aを初期位置に維持することに用いられる。第1バリア部材51a及び第2バリア部材52aがいずれも初期位置に位置する場合、第1バリア部材51aと第2バリア部材52aは通気通路11を共同で閉じるように構成される。ガスバリア構造50の内側気圧が外側気圧よりも大きい場合、第1バリア部材51aは外側に向かって一方向に開くことができるように構成され、これによりガスバリア構造50の内側気圧と外側気圧のバランスが取られるまで、ガスバリア構造50の内側ガスを外側に向かって流動させる。ガスバリア構造50の外側気圧が内側気圧よりも大きい場合、第2バリア部材52aは内側に向かって一方向に開くことができるように構成され、これによりガスバリア構造50の外側気圧と内側気圧のバランスが取られるまで、ガスバリア構造50の外側ガスを内側に向かって流動させる。ガスバリア構造50の外側気圧と内側気圧のバランスが取られている場合、第1バリア部材51a及び第2バリア部材52aはいずれも初期位置に位置し、このとき、第1バリア部材51a及び第2バリア部材52aはガスバリア構造50の内側ガスと外側ガスの交換を阻止し、外側の水蒸気がガスバリア構造50の内側に連続的に入ることを防止する。
【0064】
さらに、第1バリア部材51aが内側に向かって移動することを防止するために、該ガスバリア構造50は第1制限部材55aをさらに備え、第1制限部材55aは第1バリア部材51aの内側に設けられ、第1バリア部材51aが初期位置に位置する場合、第1制限部材55aは第1バリア部材51aが内側に向かって移動することを阻止でき、第1バリア部材51aが外側に向かって一方向に開くことを実現する。第2バリア部材52aが外側に向かって移動することを防止するために、該ガスバリア構造50は第2制限部材57aをさらに備え、第2制限部材57aは第2バリア部材52aの外側に設けられ、第2バリア部材52aが初期位置に位置する場合、第2制限部材57aは第2バリア部材52aが外側に向かって移動することを阻止でき、第2バリア部材52aが内側に向かって一方向に開くことを実現する。
【0065】
一実施例では、図7に示すように、ガスバリア構造50は第1バリア部材51b、第2バリア部材52b及び基体53bを備える。基体53bには第1貫通孔531b及び第2貫通孔532bが開設され、第1貫通孔531b及び第2貫通孔532bはいずれも通気通路11と連通する。第1バリア部材51bは第1貫通孔531b内に設けられ、第2バリア部材52bは第2貫通孔532b内に設けられる。
【0066】
基体53bは通気通路11内に設けられ、基体53bは第1バリア部材51b及び第2バリア部材52bの取り付け基礎として機能する。第1バリア部材51bを第1貫通孔531b内に設け、第2バリア部材52bを第2貫通孔532b内に設けることにより、ガスバリア構造50の構造がコンパクトになり、占有したスペースが小さくなる。
【0067】
ガスバリア構造50の内側気圧が外側気圧よりも大きい場合、第1バリア部材51bは第1貫通孔531bを開くように構成され、このとき、第2バリア部材52bは第2貫通孔532bを閉鎖するように構成され、ガスバリア構造50の内側ガスは第1貫通孔531bを通ってガスバリア構造50の外側に向かって流動し、ガスバリア構造50の外側気圧が内側気圧よりも大きい場合、第2バリア部材52bは第2貫通孔532bを開くように構成され、このとき、第1バリア部材51bは第1貫通孔531bを閉鎖するように構成され、ガスバリア構造50の外側ガスは第2貫通孔532bを通ってガスバリア構造50の内側に向かって流動し、ガスバリア構造50の外側気圧と内側気圧のバランスが取られている場合、第1バリア部材51bは第1貫通孔531bを閉鎖し、第2バリア部材52bは第2貫通孔532bを閉鎖し、このとき、第1バリア部材51b、第2バリア部材52bはいずれも初期位置に位置し、ガスバリア構造50の内側ガスと外側ガスが交換されない。
【0068】
第1バリア部材51bと第1貫通孔531bの嵌合、第2バリア部材52bと第2貫通孔532bの嵌合により、ガスバリア構造50の内外両側の気圧差に基づき、対応する貫通孔を開閉して、ガスバリア構造50の内外両側の気圧のバランスを実現することができる。
【0069】
さらに、第1バリア部材51bを開いた後に復帰して第1貫通孔531bを閉鎖することを可能にし、第2バリア部材52bを開いた後に復帰して第2貫通孔532bを閉鎖することを可能にするために、ガスバリア構造50は第1弾性部材54b、及び第2弾性部材56bをさらに備え、第1バリア部材51bは、一端が第1貫通孔531bの孔壁に接続され、他端が自由端であり、第1弾性部材54bは第1バリア部材51bを初期位置に維持することに用いられ、第2バリア部材52bは、一端が第2貫通孔532bの孔壁に接続され、他端が自由端であり、第2弾性部材56bは第2バリア部材52bを初期位置に維持することに用いられる。
【0070】
さらに、第1バリア部材51b及び第2バリア部材52bが一方向に開くことを実現するために、該ガスバリア構造50は第1制限部材55b及び第2制限部材57bをさらに備える。第1制限部材55bは第1バリア部材51bの内側に設けられ、第1バリア部材51bが初期位置に位置する場合、第1制限部材55bは第1バリア部材51bが内側に向かって移動することを阻止できる。第2制限部材57bは第2バリア部材52bの外側に設けられ、第2バリア部材52bが初期位置に位置する場合、第2制限部材57bは第2バリア部材52bが外側に向かって移動することを阻止できる。
【0071】
一実施例では、図8に示すように、ガスバリア構造50は第1バリア部材51c、第2バリア部材52c及び基体53cを備える。基体53cには第1貫通孔531c及び第2貫通孔532cが開設され、第1貫通孔531c及び第2貫通孔532cはいずれも通気通路11と連通する。第1バリア部材51c及び第2バリア部材52cはそれぞれ基体53cの対向する両側に設けられ、第1バリア部材51cは第1貫通孔531cを遮蔽し、且つ第2貫通孔532cを露出することができるように構成され、第2バリア部材52cは第2貫通孔532cを遮蔽し、且つ第1貫通孔531cを露出することができるように構成される。
【0072】
基体53cは通気通路11内に設けられ、基体53cは第1バリア部材51c及び第2バリア部材52cの取り付け基礎として機能する。第1バリア部材51c及び第2バリア部材52cを基体53cの両側に設けることにより、第1バリア部材51c及び第2バリア部材52cの取り付けを実現することが容易になる。
【0073】
ガスバリア構造50の内側気圧が外側気圧よりも大きい場合、第1バリア部材51cは第1貫通孔531cを開き、第2バリア部材52cは第2貫通孔532cを遮蔽でき、これによりガスバリア構造50の内外両側の気圧のバランスが取られるまで、ガスをガスバリア構造50の内側から第1貫通孔531cを通って外側に向かって流動させる。一方、ガスバリア構造50の外側気圧が内側気圧よりも大きい場合、第2バリア部材52cは第2貫通孔532cを開き、第1バリア部材51cは第1貫通孔531cを遮蔽でき、これによりガスバリア構造50の内外両側の気圧のバランスが取られるまで、ガスをガスバリア構造50の外側から第2貫通孔532cを通って内側に向かって流動させる。ガスバリア構造50の外側気圧と内側気圧のバランスが取られている場合、第1バリア部材51cは第1貫通孔531cを遮蔽し、第2バリア部材52cは第2貫通孔532cを遮蔽し、ガスバリア構造50の内側ガスと外側ガスが交換されない。
【0074】
一実施例では、基体53b、53cは、例えば、基体53b、53cと通気通路11との締まり嵌め、溶接、接着又はボルト接続などによって通気通路11に固定されてもよい。基体53b、53cは通気通路11内に浮動して設けられ、すなわち、基体53b、53cは通気通路11内にピストンのように運動することができる。基体53b、53cが通気通路11内に浮動して設けられることで、基体53b、53cの移動を使用して一部の気圧を緩衝し、ガスバリア構造50の寿命を延ばすことができる。
【0075】
一実施例では、図9に示すように、第1バリア部材51c及び第2バリア部材52cはバルブ構造であってもよい。バルブ構造の第1バリア部材51c及び第2バリア部材52cは、気圧の変化に伴って容易に開くことができ、ガスバリア構造50の内外両側の気圧のバランスを実現することが容易になる。ここでのバルブ構造の材料は、ゴム、シリコーンなどの弾性材料であってもよいがこれらに限定されず、内外両側の気圧の変化に応じて変形して、対応する貫通孔を開閉することができる。
【0076】
さらに、第1バリア部材51cは接続された第1固定部511及び第1開閉部512を備え、第2バリア部材52cは接続された第2固定部521及び第2開閉部522を備え、第1固定部511及び第2固定部521はいずれも基体53cに固定される。第1固定部511及び第2固定部521はいずれも基体53cに固定され、第1バリア部材51c及び第2バリア部材52cと基体53cとの接続を実現する。第1開閉部512は基体53cに密着又は分離可能であり、第1貫通孔531cを遮蔽し又は第1貫通孔531cを開くことを実現する。第2開閉部522は基体53cに密着又は分離可能であり、第2貫通孔532cを遮蔽し又は第2貫通孔532cを開くことを実現する。該実施例では、両側の気圧のバランスが取られていない場合、第1バリア部材51c又は第2バリア部材52c自体は弾性変形して貫通孔の開きを実現し、両側の気圧のバランスが取られた後、第1バリア部材51c又は第2バリア部材52c自体は貫通孔を遮蔽するまで自動的に復帰し、これにより弾性復帰部材を別途設ける必要がなく、ガスバリア構造50の構造が簡素化され、組み立てが簡単になり、コストが低くなる。
【0077】
ガスバリア構造50の外側気圧と内側気圧のバランスが取られている場合、第1開閉部512及び第2開閉部522はいずれも基体53cに密着され、第1開閉部512は第1貫通孔531cを遮蔽し、第2開閉部522は第2貫通孔532cを遮蔽し、このとき、ガスバリア構造50の内側ガスと外側ガスが流通しない。ガスバリア構造50の内側気圧が外側気圧よりも大きい場合、第1開閉部512は基体53cから分離されて第1貫通孔531cを開き、このとき、第2開閉部522は第2貫通孔532cを遮蔽し、ガスバリア構造50の内側ガスは第1貫通孔531cを通って外側に向かって流動することができる。ガスバリア構造50の外側気圧が内側気圧よりも大きい場合、第2開閉部522は基体53cから分離されて第2貫通孔532cを開き、このとき、第1開閉部512は第1貫通孔531cを遮蔽し、ガスバリア構造50の外側ガスは第2貫通孔532cを通って内側に向かって流動することができる。
【0078】
さらに、第1固定部511は少なくとも2つの固定点を介して基体53cに固定され、及び/又は、第2固定部521は少なくとも2つの固定点を介して基体53cに固定される。第1固定部511及び第2固定部521はそれぞれ少なくとも2つの固定点を介して基体53cに固定され、第1バリア部材51c及び第2バリア部材52cが対応する貫通孔を開くときに基体53cに対して回転しないことを確保する。
【0079】
選択肢として、第1固定部511は少なくとも2つの固定点を介して基体53cに固定され、第2固定部521も少なくとも2つの固定点を介して基体53cに固定される。
【0080】
好ましくは、図8及び図9に示すように、第1固定部511、第2固定部521はともに2つの固定点58を介して基体53cに固定され、2つの固定点58を介して第1固定部511、基体53c及び第2固定部521の固定を実現し、これによりガスバリア構造50全体がコンパクトになり、取り付けスペースを節約する。一実施例では、固定点58はリベットであってもよく、第1固定部511、第2固定部521と基体53cとの接続強度を確保する。他の実施例では、固定点58はボルト、ねじなどの締め具であってもよい。
【0081】
なお、第1バリア部材51a、51b、51c及び第2バリア部材52a、52b、52cの開き圧力は同じであってもよく、異なってもよい。第1バリア部材51a、51b、51c及び第2バリア部材52a、52b、52cの開き圧力が異なる場合、第2バリア部材52a、52b、52cの開き圧力は第1バリア部材51a、51b、51cの開き圧力よりも大きくてもよく、これにより密閉チャンバ内のガスが外部に流れやすくなり、外部ガスが密閉チャンバ内に容易に入りにくくなる。
【0082】
従って、一実施例では、第2弾性部材56a、56bの弾性係数は第1弾性部材54a、54bの弾性係数よりも大きくてもよく、これにより第2バリア部材52a、52bの開き圧力は第1バリア部材51a、51bの開き圧力よりも大きい。
【0083】
一実施例では、第2バリア部材52cの厚さは第1バリア部材51cの厚さよりも大きくてもよく、これにより第2バリア部材52cは第1バリア部材51cよりも変形しにくく、さらに第2バリア部材52cの開き圧力は第1バリア部材51cの開き圧力よりも大きい。
【0084】
選択肢として、第2貫通孔532cの断面積は第1貫通孔531cの断面積よりも小さく、これにより密閉チャンバ内部のガスが外部に容易に排出できる。
【0085】
本願では、通気通路11は対向する内端及び外端を有し、内端は密閉チャンバの内部に近い端を指し、外端は外部に近い端を指す。一実施例では、ガスバリア構造50は通気通路11の内端に近い位置に設けられてもよく、通気膜30は通気通路11の外端に近い位置に設けられてもよく、ほこりなどが通気通路11に入って通気膜30とガスバリア構造50との間に堆積して詰りを形成することを効果的に阻止できる。別の実施例では、ガスバリア構造50は通気通路11の外端に近い位置に設けられてもよく、通気膜30は通気通路11の内端に近い位置に設けられてもよい。
【0086】
一実施例では、図10に示すように、本体10は一体構造であってもよい。この場合、本体10は密閉チャンバに固定されてもよい。
【0087】
図11図12及び図13に示すように、本体10は分割構造であってもよく、本体10は弁体12a及び弁コア13aを備える。弁体12aは密閉チャンバに固定することに用いられ、弁コア13aは弁体12aに移動可能に取り付けることに用いられる。
【0088】
一実施例では、図11に示すように、通気通路11は弁コア13aに開設されてもよく、通気膜30及びガスバリア構造50はいずれも弁コア13aに固定される。
【0089】
図11及び図12に示すように、弁体12aには案内孔121及び排気口122が開設され、案内孔121は弁コア13aの案内を実現することに用いられ、排気口122は密閉チャンバの内部と外部の連通を実現することに用いられる。弁コア13aはピストン131及び案内ポスト132を備え、案内ポスト132は、一端がピストン131に接続され、他端が案内孔121内を移動可能に穿設することに用いられ、ピストン131は弁体12aに当接することに用いられ、排気口122を覆い、通気通路11は案内ポスト132及びピストン131を貫通して、通気膜30とガスバリア構造50の取り付けが容易になる。
【0090】
さらに、該防爆弁100はばね14aをさらに備え、ばね14aは案内ポスト132と弁体12aとの間に弾性的に支持され、ばね14aはピストン131を弁体12aに当接して、ピストン131が排気口122を覆うことに用いられる。密閉チャンバの内部気圧が外部気圧よりもはるかに大きい場合、密閉チャンバの内部気圧はばね14aの弾性力に抗してピストン131を開いて、排気口122を開き、これにより密閉チャンバ内部のガスを排気口122から迅速に排出し、さらに密閉チャンバの内部気圧と外部気圧のバランスが取られ、防爆機能を果たす。
【0091】
好ましくは、通気膜30はピストン131に設けられ、ガスバリア構造50は案内ポスト132のピストン131から離れる端に設けられる。このような設置方式によって、外部のほこりや液体水を通気通路11の外端に遮断でき、外部のほこりや液体水が通気通路11内に入ることができなくなる。他の実施例では、通気膜30とガスバリア構造50の位置は交換可能であり、すなわち、通気膜30は案内ポスト132のピストン131から離れる端に設けられ、ガスバリア構造50はピストン131に設けられる。
【0092】
一実施例では、図13に示すように、通気通路11は互いに連通する第1部分111及び第2部分112を備え、第1部分111は弁体12bに開設され、第2部分112は弁コア13bに開設され、通気膜30は弁コア13bに固定されてもよく、ガスバリア構造50は弁体12bに固定されてもよい。
【0093】
具体的には、図13に示すように、弁体12bは内部中空構造であり、弁体12bの両端が開口され、弁体12bの一端の開口に通気通路11の第1部分111が形成され、弁体12bの他端の開口に弁コア13bが穿設される。弁コア13bは弁体12bの内部に設けられ、弁コア13bは内部中空構造であり、弁コア13bの中空構造は通気通路11の第2部分112を形成する。弁コア13bと弁体12bは同軸に設けられ、弁体12bの第1部分111から離れる開口端に弁キャップ15が設けられ、弁キャップ15には弁体12bの内部と外部を連通する貫通孔151が開設される。弁キャップ15と弁コア13bとの間にばね14bが設けられ、ばね14bは弁コア13bを弁体12bに当接し、弁コア13bと弁体12bの密着部が密閉嵌合される。通気通路11を開く場合、密閉チャンバ内部のガスは第1部分111、第2部分112及び弁キャップ15の貫通孔151を通って外部とガス交換を行うことができる。
【0094】
他の実施例では、通気膜30及びガスバリア構造50はいずれも弁体12bに設けられてもよく、通気膜30及びガスバリア構造50はいずれも弁コア13bに設けられてもよく、又は、通気膜30は弁体12bに設けられてもよく、ガスバリア構造50は弁コア13bに設けられてもよい。
【0095】
選択肢として、通気膜30は弁コア13bに設けられ、ガスバリア構造50は弁体12bに設けられる。
【0096】
説明する必要があるように、上記は防爆弁100がバッテリーに適用されるシナリオのみを列挙したが、本願はこれに限定されず、防爆弁100はさらに密閉チャンバを有する他の装置に適用できる。
【0097】
説明する必要があるように、矛盾がない限り、本願の実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。
【0098】
以上、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するためのものではなく、当業者であれば、本願に対して様々な変更や変化を行うことができる。本願の精神及び原則内で行った任意の修正、等価置換、改良などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0099】
10 本体
11 通気通路
12 弁体
13 弁コア
15 弁キャップ
100 防爆弁
111 第1部分
112 第2部分
121 案内孔
122 排気口
131 ピストン
132 案内ポスト
151 貫通孔
30 通気膜
50 ガスバリア構造
51 第1バリア部材
52 第2バリア部材
53 基体
54 第1弾性部材
55 第1制限部材
56 第2弾性部材
57 第2制限部材
58 固定点
81 筐体
91 コントローラ
92 モータ
501 開閉ギャップ
511 第1固定部
512 第1開閉部
521 第2固定部
522 第2開閉部
531 第1貫通孔
532 第2貫通孔
800 バッテリー
900 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】