(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】バッテリ装置およびヒータの診断方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20221116BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221116BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20221116BHJP
H01M 10/6571 20140101ALI20221116BHJP
H01M 10/633 20140101ALI20221116BHJP
G01R 31/52 20200101ALI20221116BHJP
【FI】
G01R31/00
H02J7/00 Y
H01M10/615
H01M10/6571
H01M10/633
G01R31/52
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506641
(86)(22)【出願日】2021-07-02
(85)【翻訳文提出日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 KR2021008398
(87)【国際公開番号】W WO2022039382
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0105145
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン ヒョン
【テーマコード(参考)】
2G014
2G036
5G503
5H031
【Fターム(参考)】
2G014AA03
2G014AB57
2G036BA45
2G036BB07
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA10
5G503DA04
5G503EA09
5G503FA06
5G503GD06
5H031CC09
5H031KK03
(57)【要約】
バッテリ装置のプロセッサは、ヒータを駆動するためにリレーを閉じる前に、リレーに含まれるリレーコイルの第1端子と第2端子の電圧を検知し、第1端子の電圧と第2端子の電圧がリレーの駆動のための高電圧と低電圧および診断のための電圧のいずれの電圧に対応するかに基づいてヒータを診断する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパックと、
前記バッテリパックの正極端子と負極端子との間に連結されているヒータと、
前記ヒータを制御するプロセッサとを含み、
前記ヒータは、
リレースイッチと、前記リレースイッチを駆動するリレーコイルとを含むリレーと、
前記正極端子と前記負極端子との間に前記リレースイッチとともに直列に連結されている発熱抵抗と、
第1電圧を供給する電源と前記リレーコイルの第1端子との間に連結されており、前記第1電圧の伝達を制御する第1ドライバと、
前記リレーコイルの第2端子と前記第1電圧より低い第2電圧を有する端子との間に連結されており、前記第2電圧の伝達を制御する第2ドライバとを含み、
前記リレーコイルの第2端子に診断のための第3電圧が伝達され、
前記プロセッサは、前記第1ドライバと前記第2ドライバを制御し、前記リレーコイルの第1端子の電圧と前記リレーコイルの第2端子の電圧に基づいて前記ヒータを診断する
バッテリ装置。
【請求項2】
前記第3電圧を供給する電源と前記リレーコイルの第2端子との間に連結されているダイオードをさらに含み、
前記第3電圧は、前記第1電圧より低く、前記第2電圧より高い、
請求項1に記載のバッテリ装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第1ドライバと前記第2ドライバをイネーブルして前記ヒータを駆動する前に、前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧を検知し、
前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧に基づいて前記ヒータを診断する、
請求項1または2に記載のバッテリ装置。
【請求項4】
前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第3電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第1ドライバと前記第2ドライバをイネーブルして前記ヒータを駆動する、請求項3に記載のバッテリ装置。
【請求項5】
前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第1電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第2ドライバをイネーブルし、前記第2ドライバをイネーブルした状態で、検知した前記第1端子の電圧に基づいて前記ヒータを診断する、請求項3または4に記載のバッテリ装置。
【請求項6】
前記第2ドライバをイネーブルした状態で、前記第1端子の電圧が前記第2電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第1ドライバと前記第2ドライバをイネーブルして前記ヒータを駆動する、請求項5に記載のバッテリ装置。
【請求項7】
前記第2ドライバをイネーブルした状態で、前記第1端子の電圧が前記第1電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第1ドライバのエラーと診断する、請求項5または6に記載のバッテリ装置。
【請求項8】
前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第2電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第1ドライバをイネーブルし、前記第1ドライバをイネーブルした状態で、検知した前記第2端子の電圧に基づいて前記ヒータを診断する、
請求項3から7のいずれか一項に記載のバッテリ装置。
【請求項9】
前記第1ドライバをイネーブルした状態で、前記第2端子の電圧が前記第1電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第1ドライバと前記第2ドライバをイネーブルして前記ヒータを駆動する、請求項8に記載のバッテリ装置。
【請求項10】
前記第1ドライバをイネーブルした状態で、前記第2端子の電圧が前記第2電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第2ドライバのエラーと診断する、請求項8または9に記載のバッテリ装置。
【請求項11】
バッテリパックと、前記バッテリパックの加熱のためのヒータとを含むバッテリ装置の診断方法であって、
前記ヒータの発熱抵抗に流れる電流を制御するためのリレーを閉じる前に、前記リレーに含まれるリレーコイルの第1端子と第2端子の電圧を検知する段階と、
前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が第1電圧、第2電圧および第3電圧のいずれの電圧に対応するかに基づいて前記ヒータを診断する段階とを含み、
前記第1電圧と前記第2電圧は、前記リレーの駆動のために提供され、
前記第1電圧は、前記第2電圧より高く、前記第3電圧は、前記第1電圧と前記第2電圧との間の電圧である
診断方法。
【請求項12】
前記ヒータを診断する段階は、前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第3電圧に対応する電圧として検知される場合、前記ヒータを正常と診断する段階を含む、請求項11に記載の診断方法。
【請求項13】
前記ヒータを診断する段階は、
前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第1電圧に対応する電圧として検知される場合、前記第2端子に前記第2電圧を伝達する段階と、
前記第2端子に前記第2電圧を伝達した状態で、前記第1端子の電圧が前記第2電圧に対応する電圧として検知される場合、前記ヒータを正常と診断する段階と
を含む、請求項11または12に記載の診断方法。
【請求項14】
前記ヒータを診断する段階は、
前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第1電圧に対応する電圧として検知される場合、前記第2端子に前記第2電圧を伝達する段階と、
前記第2端子に前記第2電圧を伝達した状態で、前記第1端子の電圧が前記第1電圧に対応する電圧として検知される場合、前記ヒータのエラーと診断する段階と
を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の診断方法。
【請求項15】
前記ヒータを診断する段階は、
前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第2電圧に対応する電圧として検知される場合、前記第1端子に前記第1電圧を伝達する段階と、
前記第1端子に前記第1電圧を伝達した状態で、前記第2端子の電圧が前記第1電圧に対応する電圧として検知される場合、前記ヒータを正常と診断する段階と
を含む、請求項11から14のいずれか一項に記載の診断方法。
【請求項16】
前記ヒータを診断する段階は、
前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第2電圧に対応する電圧として検知される場合、前記第1端子に前記第1電圧を伝達する段階と、
前記第1端子に前記第1電圧を伝達した状態で、前記第2端子の電圧が前記第2電圧に対応する電圧として検知される場合、前記ヒータのエラーと診断する段階と
を含む、請求項11から15のいずれか一項に記載の診断方法。
【請求項17】
バッテリパックと、
発熱抵抗と、前記発熱抵抗に流れる電流を制御するリレーとを含むヒータと、
前記リレーを閉じる前に、前記リレーに含まれるリレーコイルの第1端子と第2端子の電圧を検知し、前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が第1電圧、第2電圧および第3電圧のいずれの電圧に対応するかに基づいて前記ヒータを診断するプロセッサとを含み、
前記第1電圧と前記第2電圧は、前記リレーの駆動のために提供され、
前記第1電圧は、前記第2電圧より高く、前記第3電圧は、前記第1電圧と前記第2電圧との間の電圧である
バッテリ装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第3電圧に対応する電圧として検知される場合、前記ヒータを正常と診断する、請求項17に記載のバッテリ装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、
前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第1電圧に対応する電圧として検知される場合、前記第2端子に前記第2電圧を伝達し、
前記第2端子に前記第2電圧を伝達した状態で、検知した前記第1端子の電圧に基づいて前記ヒータを診断する、
請求項17または18に記載のバッテリ装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、
前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第2電圧に対応する電圧として検知される場合、前記第1端子に前記第1電圧を伝達し、
前記第1端子に前記第1電圧を伝達した状態で、検知した前記第2端子の電圧に基づいて前記ヒータを診断する、
請求項17から19のいずれか一項に記載のバッテリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本出願は、2020年8月21日付の大韓民国特許出願第10-2020-0105145に基づく優先権の利益を主張し、当該大韓民国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
下記記載の技術は、バッテリ装置およびヒータの診断方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車またはハイブリッド自動車は主にバッテリを電源として用いてモータを駆動することによって動力を得る車両であって、内燃自動車の公害およびエネルギー問題を解決できる代案という点から研究が活発に行われている。また、充電可能なバッテリは、電気自動車のほかに多様な外部装置で用いられている。
【0004】
電気自動車などの車両でモータを駆動するためにインバータが用いられるが、インバータは、バッテリの直流電源を交流電源(例えば、3相電源)に変換してモータを駆動する。インバータは、複数のスイッチのターンオン/ターンオフを繰り返して直流電源を交流電源に変換する。この時、モータを速やかに駆動するためにスイッチのターンオン/ターンオフ変動が速くて電流消耗も増加すれば、電磁波干渉(electro-magnetic interference、EMI)信号が発生することがある。このようなEMI信号は、バッテリに装着されるヒータ(heater)の駆動のためのヒータのリレーのコンタクタを介して誘起されてヒータのリレーのコイルに交流雑音を印加する。交流雑音はコイルに影響を与えてヒータの誤診断が発生することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある実施例は、ヒータの誤診断を防止できるバッテリ装置およびヒータの診断方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例によれば、バッテリパックと、前記バッテリパックの正極端子と負極端子との間に連結されているヒータと、前記ヒータを制御するプロセッサとを含むバッテリ装置が提供される。前記ヒータは、リレーと、発熱抵抗と、第1ドライバと、第2ドライバとを含むことができる。前記リレーは、リレースイッチと、前記リレースイッチを駆動するリレーコイルとを含み、前記リレースイッチと前記発熱抵抗は、前記正極端子と前記負極端子との間に直列に連結される。前記第1ドライバは、第1電圧を供給する電源と前記リレーコイルの第1端子との間に連結され、前記第1電圧の伝達を制御することができる。前記第2ドライバは、前記リレーコイルの第2端子と前記第1電圧より低い第2電圧を有する端子との間に連結され、前記第2電圧の伝達を制御することができる。前記リレーコイルの第2端子に診断のための第3電圧が伝達され、前記プロセッサは、前記第1ドライバと前記第2ドライバを制御し、前記リレーコイルの第1端子の電圧と前記リレーコイルの第2端子の電圧に基づいて前記ヒータを診断することができる。
【0007】
ある実施例において、前記バッテリ装置は、前記第3電圧を供給する電源と前記リレーコイルの第2端子との間に連結されているダイオードをさらに含むことができる。この時、前記第3電圧は、前記第1電圧より低く、前記第2電圧より高い。
【0008】
ある実施例において、前記プロセッサは、前記第1ドライバと前記第2ドライバをイネーブルして前記ヒータを駆動する前に、前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧を検知し、前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧に基づいて前記ヒータを診断することができる。
【0009】
ある実施例において、前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第3電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第1ドライバと前記第2ドライバをイネーブルして前記ヒータを駆動することができる。
【0010】
ある実施例において、前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第1電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第2ドライバをイネーブルし、前記第2ドライバをイネーブルした状態で、検知した前記第1端子の電圧に基づいて前記ヒータを診断することができる。
【0011】
ある実施例において、前記第2ドライバをイネーブルした状態で、前記第1端子の電圧が前記第2電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第1ドライバと前記第2ドライバをイネーブルして前記ヒータを駆動することができる。
【0012】
ある実施例において、前記第2ドライバをイネーブルした状態で、前記第1端子の電圧が前記第1電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第1ドライバのエラーと診断することができる。
【0013】
ある実施例において、前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が各々前記第2電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第1ドライバをイネーブルし、前記第1ドライバをイネーブルした状態で、検知した前記第2端子の電圧に基づいて前記ヒータを診断することができる。
【0014】
ある実施例において、前記第1ドライバをイネーブルした状態で、前記第2端子の電圧が前記第1電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第1ドライバと前記第2ドライバをイネーブルして前記ヒータを駆動することができる。
【0015】
ある実施例において、前記第1ドライバをイネーブルした状態で、前記第2端子の電圧が前記第2電圧に対応する電圧として検知される場合、前記プロセッサは、前記第2ドライバのエラーと診断することができる。
【0016】
他の実施例によれば、バッテリパックと、前記バッテリパックの加熱のためのヒータとを含むバッテリ装置の診断方法が提供される。前記診断方法は、前記ヒータの発熱抵抗に流れる電流を制御するためのリレーを閉じる前に、前記リレーに含まれるリレーコイルの第1端子と第2端子の電圧を検知する段階と、前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が第1電圧、第2電圧および第3電圧のいずれの電圧に対応するかに基づいて前記ヒータを診断する段階とを含むことができる。この場合、前記第1電圧と前記第2電圧は、前記リレーの駆動のために提供され、前記第1電圧は、前記第2電圧より高く、前記第3電圧は、前記第1電圧と前記第2電圧との間の電圧であってもよい。
【0017】
さらに他の実施例によれば、バッテリパックと、ヒータと、プロセッサとを含むバッテリ装置が提供される。前記ヒータは、発熱抵抗と、前記発熱抵抗に流れる電流を制御するリレーとを含むことができる。前記プロセッサは、前記リレーを閉じる前に、前記リレーに含まれるリレーコイルの第1端子と第2端子の電圧を検知し、前記第1端子の電圧と前記第2端子の電圧が第1電圧、第2電圧および第3電圧のいずれの電圧に対応するかに基づいて前記ヒータを診断することができる。この場合、前記第1電圧と前記第2電圧は、前記リレーの駆動のために提供され、前記第1電圧は、前記第2電圧より高く、前記第3電圧は、前記第1電圧と前記第2電圧との間の電圧であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
ある実施例によれば、リレーコイルの電圧の基づいてヒータを診断することができる。他の実施例によれば、リレーコイルの電圧が正常な値として検知されない場合、その原因がドライバのエラーなのかEMI信号なのかを診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施例によるバッテリ装置を示す図である。
【
図2】一実施例によるヒータ診断のためのバッテリ装置を示す図である。
【
図3】一実施例によるバッテリ装置においてリレーコイルの電圧が正常に検知される場合の制御信号を示す図である。
【
図4】多様な実施例によるバッテリ装置においてリレーコイルの電圧が正常に検知されない場合の制御信号を示す図である。
【
図5】多様な実施例によるバッテリ装置においてリレーコイルの電圧が正常に検知されない場合の制御信号を示す図である。
【
図6】一実施例によるバッテリ装置のヒータの診断方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって類似の部分については類似の図面符号を付した。
【0021】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されなければならない。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことが理解されなければならない。
【0022】
以下の説明において、単数で記載された表現は「1つ」または「単一」などの明示的な表現を使わない以上、単数または複数と解釈される。
【0023】
図面を参照して説明したフローチャートにおいて、動作の順序は変更可能であり、様々な動作が併合されたり、ある動作が分割されたりしてもよく、特定の動作は行われなくてもよい。
【0024】
図1は、一実施例によるバッテリ装置を示す図である。
【0025】
図1を参照すれば、バッテリ装置100は、正極連結端子DC(+)と負極連結端子DC(-)を介して外部装置に電気的に連結可能な構造を有する。ある実施例において、バッテリ装置100は、正極連結端子DC(+)と負極連結端子DC(-)を介して外部装置のインバータ10に連結可能である。外部装置が負荷の場合、バッテリ装置100は、負荷に電力を供給する電源として動作して放電される。負荷として動作する外部装置は、例えば、電子装置、移動手段またはエネルギー貯蔵システム(energy storage system、ESS)であってよいし、移動手段は、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車またはスマートモビリティ(smart mobility)などの車両であってもよい。
【0026】
バッテリ装置100は、バッテリパック110と、メイン正極スイッチ121と、メイン負極スイッチ122と、ヒータ(heater)130と、プロセッサ140とを含む。
【0027】
バッテリパック110は、複数のバッテリセル(図示せず)を含み、正極端子PV(+)と負極端子PV(-)とを有する。ある実施例において、バッテリセルは、充電可能な二次電池であってもよい。一実施例において、バッテリパック110で所定個数のバッテリセルが直列連結されてバッテリモジュールを構成して、所望の電力を供給することができる。他の実施例において、バッテリパック110で所定個数のバッテリモジュールが直列または並列連結されて、所望の電力を供給することができる。
【0028】
メイン正極スイッチ121は、バッテリパック110の正極端子PV(+)とバッテリ装置100の正極連結端子DC(+)との間に連結されている。メイン負極スイッチ122は、バッテリパック110の負極端子PV(-)とバッテリ装置100の負極連結端子DC(-)との間に連結されている。スイッチ121、122は、プロセッサ140によって制御されて、バッテリパック110と外部装置との間の電気的連結を制御することができる。一実施例において、スイッチ121、122は、それぞれリレーで形成されるコンタクタ(contactor)であってもよい。他の実施例において、スイッチ121、122は、それぞれトランジスタなどの電気的スイッチであってもよい。ある実施例において、バッテリ装置100は、スイッチ121、122をそれぞれ制御する駆動回路(図示せず)をさらに含むことができる。
【0029】
ヒータ130は、バッテリパック110の加熱により温度を制御する。
【0030】
プロセッサ140は、スイッチ121、122およびヒータ130を制御し、例えば、マイクロ制御装置(micro controller unit、MCU)であってもよい。
【0031】
ある実施例において、バッテリ装置100は、多様な監視回路(図示せず)をさらに含むことができる。多様な監視回路は、バッテリパック110の電圧、温度、電流などを監視できる。プロセッサ140は、多様な監視回路で監視した情報に基づいてバッテリパック110の状態を判断できる。ある実施例において、プロセッサ140は、バッテリパック110の温度に基づいてヒータ130の動作を制御することができる。
【0032】
図2は、一実施例によるヒータ診断のためのバッテリ装置を示す図である。
【0033】
図2を参照すれば、バッテリ装置は、バッテリパック210と、メイン正極スイッチ221と、メイン負極スイッチ222と、ヒータと、プロセッサ240とを含む。ヒータは、発熱抵抗231と、リレー232と、ドライバ233、234とを含む。
【0034】
発熱抵抗231は、電流が流れる時に熱を発生させてバッテリパック210を加熱して温度を上げることができる。リレー232は、リレースイッチ232aと、リレースイッチ232aの駆動のためのリレーコイル232bとを含む。リレースイッチ232aと発熱抵抗231は、バッテリパック210の正極端子PV(+)とバッテリパック210の負極端子PV(-)との間に直列に連結されている。リレースイッチ232aがターンオンされる時、バッテリパック210から発熱抵抗231に電流が流れてバッテリパック210が加熱できる。
【0035】
ある実施例において、バッテリパック210の正極端子PV(+)にメイン正極スイッチ221の第1端子が連結され、バッテリパック210の負極端子PV(-)にメイン負極スイッチ222の第1端子が連結される。この場合、リレースイッチ232aと発熱抵抗231は、メイン正極スイッチ221の第2端子とメイン負極スイッチ222の第2端子との間に直列に連結される。一実施例において、
図2に示すように、リレースイッチ232aの第1端子がメイン正極スイッチ221の第2端子に連結され、リレースイッチ232aの第2端子が発熱抵抗231の第1端子に連結され、発熱抵抗231の第2端子がメイン負極スイッチ222の第2端子に連結される。他の実施例において、発熱抵抗231の第1端子がメイン正極スイッチ221の第2端子に連結され、発熱抵抗231の第2端子がリレースイッチ232aの第1端子に連結され、リレースイッチ232aの第2端子がメイン負極スイッチ222の第2端子に連結されてもよい。
【0036】
ドライバ233は、プロセッサ240からのイネーブル信号に応答して、所定の電源からの供給電圧Vhをリレーコイル232bの第1端子に伝達し、ドライバ234は、プロセッサ240からのイネーブル信号に応答して、リレーコイル232bの第2端子を供給電圧Vhより低い電位を有する端子に連結する。これによって、リレーコイル232bを介して電流が流れる。この場合、リレーコイル232bの第1端子を高電圧側端子、リレーコイル232bの第2端子を低電圧側端子といえる。また、ドライバ233を高電圧側ドライバ(high side driver、HSD)、ドライバ234を低電圧側ドライバ(low sided river、LSD)といえる。
【0037】
ある実施例において、供給電圧Vhより低い電位を有する端子は、接地端であってもよいし、供給電圧Vhより低い電位を有する端子を接地端として説明する。ある実施例において、イネーブル信号は、プロセッサ240からの制御信号がイネーブルレベルを有する信号であってもよいし、ドライバ233、234をディセーブルする場合、制御信号はディセーブルレベルを有することができる。
【0038】
ある実施例において、ドライバ233の第1端子は、供給電圧Vhを供給する所定の電源に連結され、ドライバ233の第2端子は、リレーコイル232bの第1端子に連結される。ドライバ234の第1端子は、リレーコイル232bの第2端子に連結され、ドライバ234の第2端子は、接地端に連結される。ある実施例において、所定の電圧を供給する電源Vhは、バッテリパック210とは異なるバッテリであってもよい。ある実施例において、ドライバ233は、プロセッサ240からのイネーブル信号に応答してターンオンされるスイッチを含むことができ、ドライバ234も、プロセッサ240からのイネーブル信号に応答してターンオンされるスイッチを含むことができる。
【0039】
ある実施例において、プロセッサ240は、バッテリパック210の温度が基準温度より低い場合に、リレー232を閉じろというイネーブル信号をヒータのドライバ233、234に伝達できる。プロセッサ240は、バッテリパック210の温度が高くてバッテリパック210の加熱が必要でない場合、リレー232を開けろというディセーブル信号をヒータのドライバ233、234に伝達できる。リレー232の閉鎖はリレーのオン(on)といえ、リレー232の開放はリレーのオフ(off)といえる。
【0040】
ある実施例において、バッテリ装置は、プロセッサ240の電圧検知のために電圧検知回路250、260をさらに含むことができる。
【0041】
電圧検知回路250は、リレーコイル232bとドライバ233との接続点、つまり、リレーコイル232bの第1端子(またはドライバ233の第2端子)の電圧V1を測定する。電圧検知回路260は、リレーコイル232bとドライバ234との接続点、つまり、リレーコイル232bの第2端子(またはドライバ234の第1端子)の電圧V2を測定する。
【0042】
ある実施例において、
図2に示すように、電圧検知回路250は、リレーコイル232bの第1端子と接地端との間に直列に連結されている複数の抵抗251、252を含むことができる。この場合、プロセッサ240は、抵抗251、252の接続点の電圧に基づいてリレーコイル232bの第1端子の電圧を検知することができる。一実施例において、抵抗251、252の接続点の電圧をデジタルに変換してプロセッサ240に伝達するためのアナログデジタル変換器がさらに提供されてもよい。
【0043】
ある実施例において、
図2に示すように、電圧検知回路260は、リレーコイル232bの第2端子と接地端との間に直列に連結されている複数の抵抗261、262を含むことができる。この場合、プロセッサ240は、抵抗261、262の接続点の電圧に基づいてリレーコイル232bの第2端子の電圧を検知することができる。一実施例において、抵抗261、262の接続点の電圧をデジタルに変換してプロセッサ240に伝達するためのアナログデジタル変換器がさらに提供されてもよい。
【0044】
ある実施例において、バッテリ装置は、ヒータの診断のために診断電圧Vsを供給する電源とリレーコイル232bの第2端子と抵抗261との接続点との間に連結されているダイオード271をさらに含むことができる。ある実施例において、診断電圧Vsは、供給電圧Vhより低い電圧であってもよい。供給電圧Vhが診断電圧Vsより高いので、ダイオード271は、リレーコイル232bで診断電圧Vsを供給する電源として形成される電流経路を遮断することができる。ある実施例において、電圧検知回路260は、ダイオード271と接続点との間に連結される抵抗272をさらに含むことができる。この場合、ダイオード271のアノードが電源Vsに連結され、抵抗272は、ダイオード271のカソードと接続点との間に連結される。例えば、供給電源Vhが12Vであり、診断電圧Vsは5Vであってもよい。
【0045】
バッテリ装置に連結されるインバータ20から発生するEMI信号がリレーコイル232bに流入して、ヒータのリレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2が正常な電圧とは異なる値として検知される。あるいは、ドライバ233、234のエラーによってリレーコイル232bにVh電圧または0Vが伝達されて、ヒータのリレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2が正常な電圧とは異なる値として検知される。
【0046】
次に、
図3~
図5を参照して、ヒータの診断方法について説明する。
【0047】
図3は、一実施例によるバッテリ装置においてリレーコイルの電圧が正常に検知される場合の制御信号を示す図であり、
図4および
図5は、多様な実施例によるバッテリ装置においてリレーコイルの電圧が正常に検知されない場合の制御信号を示す図である。
図3、
図4および
図5には、制御信号が高レベルの場合にドライバがイネーブルされ、制御信号が低レベルの場合にドライバがディセーブルされるものとして示されているが、制御信号が高レベルの場合にドライバがディセーブルされ、制御信号が低レベルの場合にドライバがイネーブルされてもよい。
図3、
図4および
図5には、リレーコイルの高電圧側端子に連結されるドライバがHSD、リレーコイルの低電圧側端子に連結されるドライバがLSDとして示されている。
【0048】
図2および
図3を参照すれば、プロセッサ240は、ヒータのリレー232を閉じる前に、リレーコイル232bの両端子の電圧を検知する。つまり、プロセッサ240は、2つのドライバ233、234にそれぞれイネーブル信号を印加する前に、リレーコイル232bの両端子の電圧を検知する。この場合、2つのドライバ233、234にはディセーブル信号が印加された状態である。
【0049】
この場合、2つのドライバ233、234にそれぞれイネーブル信号が印加される前であるので、エラーがなければ、2つのドライバ233、234はディセーブル状態である。2つのドライバ233、234がディセーブル状態の場合、診断電圧Vsがリレーコイル232bに印加されるので、リレーコイル232bの第1端子の電圧V1とリレーコイル232bの第2端子の電圧V2は、診断電圧VsによってほぼVs電圧になる。ある実施例において、プロセッサ240は、Vs電圧が抵抗251、252によって分圧された電圧を検知して、リレーコイル232bの第1端子の電圧V1がVs電圧であることを検知することができる。また、プロセッサ240は、Vs電圧が抵抗272、261、262によって分圧された電圧を検知して、リレーコイル232bの第2端子の電圧V2がVs電圧であることを検知することができる。
【0050】
このように、リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2がすべてVs電圧の場合、ドライバ233、234が正常に動作し、また、EMI信号がリレーコイル232bにも影響を与えない状態であるので、ヒータは正常に動作する状態である。したがって、プロセッサ240は、2つのドライバ233、234にそれぞれイネーブル信号を印加してヒータを駆動する。つまり、ドライバ233、234がイネーブルされて供給電圧Vhによってリレーコイル232bに電流が流れ、これによって、リレースイッチ232aがターンオンされる。
【0051】
これとは異なり、2つのドライバ233、234にそれぞれイネーブル信号が印加される前に、プロセッサ240がリレーコイル232bの第1端子の電圧V1とリレーコイル232bの第2端子の電圧V2をVs電圧ではない他の電圧として検知することができる。この場合、プロセッサ240は、ドライバ233またはドライバ234にイネーブル信号を印加して、リレーコイル232bの第1端子の電圧V1またはリレーコイル232bの第2端子の電圧V2を検知してヒータの状態を診断することができる。
【0052】
ある実施例において、プロセッサ240は、ドライバ233にイネーブル信号を印加して、リレーコイル232bの第1端子の電圧V1またはリレーコイル232bの第2端子の電圧V2を検知してヒータの状態を診断することができる。以下、このような実施例について、
図2および
図4を参照して説明する。
【0053】
2つのドライバ233、234にそれぞれイネーブル信号が印加される前に、プロセッサ240がリレーコイル232bの第1端子の電圧V1とリレーコイル232bの第2端子の電圧V2をほぼVh電圧として検知することができる。ある実施例において、プロセッサ240は、Vh電圧が抵抗251、252によって分圧された電圧を検知して、リレーコイル232bの第1端子の電圧V1がVh電圧であることを検知することができる。また、プロセッサ240は、Vh電圧が抵抗261、262によって分圧された電圧を検知して、リレーコイル232bの第2端子の電圧V2がVh電圧であることを検知することができる。
【0054】
この場合、ドライバ233に短絡エラー(short failure)が発生して供給電圧Vhがリレーコイル232bに伝達されて、リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2がほぼVh電圧になる。あるいは、ドライバ233は正常であるが、EMI信号がリレーコイル232bに印加されて、リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2がほぼVh電圧になることもある。
【0055】
図4を参照すれば、プロセッサ240は、ドライバ233の短絡エラーなのかEMI信号による影響なのかを確認するために、ドライバ233には継続してディセーブル信号を印加した状態で、ドライバ234にイネーブル信号を印加することができる。このように制御信号を印加しながら、プロセッサ240は、リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2を検知することができる。
【0056】
ドライバ234のイネーブルによって、リレーコイル232bの第2端子には0Vが印加され、ドライバ233の短絡エラーの場合に、リレーコイル232bの第1端子にはVh電圧が印加される。プロセッサ240は、リレーコイル232bの第1端子の電圧V1をほぼVh電圧、リレーコイル232bの第2端子の電圧V2をほぼ0Vとして検知することができる。したがって、プロセッサ240がリレーコイル232bの第1端子の電圧V1をほぼVh電圧として検知した場合には、ドライバ233の短絡エラーと診断し、ドライバ233の短絡エラーを報知する警告を外部装置、例えば、車両に発送する。
【0057】
一方、ドライバ233の短絡エラーではなくて正常な場合、ドライバ233のディセーブルとドライバ234のイネーブルによって、リレーコイル232bの両端子には0Vが印加される。プロセッサ240は、リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2をほぼ0Vとして検知することができる。したがって、プロセッサ240がリレーコイル232bの第1端子の電圧V1をほぼ0Vとして検知した場合には、EMI信号によってリレーコイル232bの電圧を誤って検知した場合と判断し、ヒータを正常に駆動する。これによって、プロセッサ240は、2つのドライバ233、234にイネーブル信号を印加することができる。
【0058】
ある実施例において、プロセッサ240は、ドライバ234にイネーブル信号を印加して、リレーコイル232bの第1端子の電圧V1またはリレーコイル232bの第2端子の電圧V2を検知してヒータの状態を診断することができる。以下、このような実施例について、
図2および
図5を参照して説明する。
【0059】
2つのドライバ233、234にそれぞれイネーブル信号が印加される前に、プロセッサ240がリレーコイル232bの第1端子の電圧V1とリレーコイル232bの第2端子の電圧V2をほぼ0Vとして検知することができる。ある実施例において、プロセッサ240は、0Vが抵抗251、252によって分圧された電圧を検知して、リレーコイル232bの第1端子の電圧V1が0Vであることを検知することができる。また、プロセッサ240は、0Vが抵抗261、262によって分圧された電圧を検知して、リレーコイル232bの第2端子の電圧V2が0Vであることを検知することができる。
【0060】
この場合、ドライバ234に短絡エラーが発生して0Vがリレーコイル232bに伝達されて、リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2がほぼ0Vになる。あるいは、ドライバ234は正常であるが、EMI信号がリレーコイル232bに印加されて、リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2がほぼ0Vになることもある。
【0061】
図5を参照すれば、プロセッサ240は、ドライバ234の短絡エラーなのかEMI信号による影響なのかを確認するために、ドライバ234には継続してディセーブル信号を印加した状態で、ドライバ233にイネーブル信号を印加することができる。このように制御信号を印加しながら、プロセッサ240は、リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2を検知することができる。
【0062】
ドライバ233のイネーブルによって、リレーコイル232bの第1端子にはVh電圧が印加される。この時、ドライバ234の短絡エラーの場合には、リレーコイル232bの第2端子には0Vが印加される。プロセッサ240は、リレーコイル232bの第1端子の電圧V1をほぼVh電圧、リレーコイル232bの第2端子の電圧V2をほぼ0Vとして検知することができる。したがって、プロセッサ240がリレーコイル232bの第2端子の電圧V2をほぼ0Vとして検知した場合には、ドライバ234の短絡エラーと診断し、ドライバ234の短絡エラーを報知する警告を外部装置、例えば、車両に発送する。
【0063】
一方、ドライバ234の短絡エラーではなくて正常な場合、ドライバ233のイネーブルとドライバ234のディセーブルによって、リレーコイル232bの両端子にはVh電圧が印加される。プロセッサ240は、リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2をほぼVh電圧として検知することができる。したがって、プロセッサ240がリレーコイル232bの第2端子の電圧V2をほぼVh電圧として検知した場合には、EMI信号によってリレーコイル232bの電圧を誤って検知した場合と判断し、ヒータを正常に駆動する。これによって、プロセッサ240は、2つのドライバ233、234にイネーブル信号を印加することができる。
【0064】
以上説明した実施例によれば、リレーコイルの電圧が正常な値として検知されるかを診断することができる。また、リレーコイルの電圧が正常な値として検知されない原因がドライバのエラーなのかEMI信号なのかを診断することができる。これによって、ドライバのエラーの場合、報知を発生することによってドライバの修理または取替を要求することができ、EMI信号によって電圧が誤って測定された場合には、ドライバのエラーではないので、ヒータを正常に作動することができる。
【0065】
図6は、一実施例によるバッテリ装置のヒータの診断方法を示すフローチャートである。
【0066】
図6を参照すれば、バッテリ装置のプロセッサは、ヒータのリレーコイル(例えば、
図2の232b)の両端子にリレーの駆動のための電圧を伝達する前に、リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2を検知する(S610)。ある実施例において、プロセッサは、リレーコイルの両端子にそれぞれ連結された2つのドライバ(例えば、
図2の233、234)にイネーブル信号を印加する前に、リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2を検知することができる(S610)。
【0067】
リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2がそれぞれ診断電圧(例えば、
図2のVs)に対応する電圧として検知される場合(S620)、プロセッサは、ヒータを正常と診断し、ヒータを駆動する(S630)。ある実施例において、プロセッサは、ヒータの駆動のために、2つのドライバ233、234にイネーブル信号を印加することができる(S630)。
【0068】
リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2がそれぞれ診断電圧Vsに対応する電圧ではない他の電圧として検知される場合(S620)、プロセッサは、リレーコイルの一端子にヒータの供給電圧(例えば、
図2のVh)または供給電圧より低い電圧(例えば、
図2の0V)を伝達しながら、リレーコイル232bの電圧を検知することができる。
【0069】
ある実施例において、リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2がそれぞれヒータのVh電圧に対応する電圧として検知される場合(S640)、プロセッサは、リレーコイル232bの低電圧側端子に0V電圧を伝達できる(S651)。ある実施例において、プロセッサは、リレーコイル232bの低電圧側端子に連結されたドライバ234にイネーブル信号を印加することができる(S651)。リレーコイル232bの低電圧側端子に0Vが伝達されている間、プロセッサは、リレーコイル232bの高電圧側端子の電圧V1を検知する。ある実施例において、プロセッサは、リレーコイル232bの低電圧側端子の電圧V2も検知することができる。リレーコイル232bの高電圧側端子の電圧V1が0Vに対応する電圧として検知される場合(S652)、プロセッサは、ヒータが正常であるので、ヒータを駆動することができる(S630)。ある実施例において、プロセッサは、ヒータのドライバ233、234が正常であるので、ドライバ233、234にイネーブル信号を印加することができる(S630)。リレーコイル232bの高電圧側端子の電圧V1がVh電圧に対応する電圧として検知される場合(S652)、プロセッサは、ヒータのエラーと診断することができる(S653)。ある実施例において、プロセッサは、ドライバ233の短絡エラーと診断することができる(S653)。
【0070】
ある実施例において、リレーコイル232bの両端子の電圧V1、V2がそれぞれ0Vに対応する電圧として検知される場合(S640)、プロセッサは、リレーコイル232bの高電圧側端子にVh電圧を伝達できる(S661)。ある実施例において、プロセスは、リレーコイル232bの高電圧側端子に連結されたドライバ233にイネーブル信号を印加することができる(S661)。リレーコイル232bの高電圧側端子にVh電圧が伝達されている間、プロセッサは、リレーコイル232bの低電圧側端子の電圧V2を検知する。ある実施例において、プロセッサは、リレーコイル232bの高電圧側端子の電圧V1も検知することができる。リレーコイル232bの低電圧側端子の電圧V2がVh電圧に対応する電圧として検知される場合(S662)、プロセッサは、ヒータが正常であるので、ヒータを駆動することができる(S630)。ある実施例において、プロセッサは、ヒータのドライバ233、234が正常であるので、ドライバ233、234にイネーブル信号を印加することができる(S630)。リレーコイル232bの低電圧側端子の電圧V2が0Vに対応する電圧として検知される場合(S662)、プロセッサは、ヒータのエラーと診断することができる(S663)。ある実施例において、ドライバ234の短絡エラーと診断することができる(S663)。
【0071】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【国際調査報告】